衆議院

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第8号 令和8年5月13日(水曜日)

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令和八年五月十三日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 大串 正樹君

   理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君

   理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君

   理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君

   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君

      伊藤  聡君    稲葉 大輔君

      上野 宏史君    衛藤 博昭君

      岡本 康宏君    尾花 瑛仁君

      加藤 貴弘君    金澤 結衣君

      草間  剛君    栗原  渉君

      斉藤 りえ君    繁本  護君

      世古万美子君    高階恵美子君

      田中 昌史君    田野瀬太道君

      田畑 裕明君    田宮 寿人君

      田村 憲久君    橋本  岳君

      藤沢 忠盛君    藤田  誠君

      藤田 洋司君    丸尾なつ子君

      森原紀代子君    吉村  悠君

      沼崎 満子君    原田 直樹君

      山本 香苗君    早稲田ゆき君

      阿部 圭史君    梅村  聡君

      岡野 純子君    日野紗里亜君

      豊田真由子君    土橋 章宏君

      古川あおい君    辰巳孝太郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   内閣府副大臣       津島  淳君

   厚生労働副大臣      長坂 康正君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   厚生労働大臣政務官    神谷 政幸君

   防衛大臣政務官      吉田 真次君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    井上  計君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁在留管理支援部長)       礒部 哲郎君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    實生 泰介君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 盛谷幸一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊澤 知法君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局長)         大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           鹿沼  均君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  黒田 秀郎君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房衛生監) 日下 英司君

   厚生労働委員会専門員   森  恭子君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十三日

 辞任         補欠選任

  加藤 貴弘君     稲葉 大輔君

  金澤 結衣君     森原紀代子君

  草間  剛君     田中 昌史君

  藤田  誠君     世古万美子君

  丸田康一郎君     伊藤  聡君

  山本 香苗君     原田 直樹君

  古川あおい君     土橋 章宏君

同日

 辞任         補欠選任

  伊藤  聡君     丸田康一郎君

  稲葉 大輔君     加藤 貴弘君

  世古万美子君     藤沢 忠盛君

  田中 昌史君     草間  剛君

  森原紀代子君     金澤 結衣君

  原田 直樹君     山本 香苗君

  土橋 章宏君     古川あおい君

同日

 辞任         補欠選任

  藤沢 忠盛君     藤田  誠君

    ―――――――――――――

五月十三日

 社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)

四月二十八日

 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第二七〇号)

 パーキンソン病の原因究明と根治治療法の確立等に関する請願(森山裕君紹介)(第二七一号)

 同(東国幹君紹介)(第二八七号)

 同(小林史明君紹介)(第三二一号)

 同(長友慎治君紹介)(第三四〇号)

 同(土井亨君紹介)(第三四九号)

 同(高橋祐介君紹介)(第三六一号)

 同(梅村聡君紹介)(第三七六号)

 同(金子恵美君紹介)(第三七七号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第三七八号)

 同(田中健君紹介)(第三七九号)

 同(田畑裕明君紹介)(第三八〇号)

 同(玉木雄一郎君紹介)(第三八一号)

 同(角田秀穂君紹介)(第三八二号)

 同(寺田稔君紹介)(第三八三号)

 同(橋本岳君紹介)(第三八四号)

 同(御法川信英君紹介)(第三八五号)

 同(赤羽一嘉君紹介)(第三九〇号)

 同(北神圭朗君紹介)(第三九一号)

 同(許斐亮太郎君紹介)(第三九二号)

 同(西村智奈美君紹介)(第三九七号)

 同(宮下一郎君紹介)(第三九八号)

 同(大岡敏孝君紹介)(第四〇〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四〇一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第四〇二号)

 同(田村智子君紹介)(第四〇三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四〇四号)

 同(岡野純子君紹介)(第四一〇号)

 国民を腎疾患から守る総合対策の早期確立に関する請願(石井拓君紹介)(第二七二号)

 同(小渕優子君紹介)(第二七三号)

 同(後藤茂之君紹介)(第二七四号)

 同(重徳和彦君紹介)(第二七五号)

 同(玉木雄一郎君紹介)(第二七六号)

 同(西山尚利君紹介)(第二七七号)

 同(古川元久君紹介)(第二七八号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第二七九号)

 同(岸田文雄君紹介)(第二八九号)

 同(白坂亜紀君紹介)(第二九〇号)

 同(世耕弘成君紹介)(第二九一号)

 同(橘慶一郎君紹介)(第二九二号)

 同(長谷川淳二君紹介)(第二九三号)

 同(牧島かれん君紹介)(第二九四号)

 同(森山裕君紹介)(第二九五号)

 同(井原巧君紹介)(第二九七号)

 同(鬼木誠君紹介)(第二九八号)

 同(水野よしひこ君紹介)(第二九九号)

 同(渡辺創君紹介)(第三〇〇号)

 同(石田真敏君紹介)(第三〇五号)

 同(井出庸生君紹介)(第三〇六号)

 同(岩屋毅君紹介)(第三〇七号)

 同(高見康裕君紹介)(第三〇八号)

 同(平井卓也君紹介)(第三〇九号)

 同(宮下一郎君紹介)(第三一〇号)

 同(橋本岳君紹介)(第三一四号)

 同(平林晃君紹介)(第三一五号)

 同(上杉謙太郎君紹介)(第三二二号)

 同(坂本竜太郎君紹介)(第三二三号)

 同(馬場伸幸君紹介)(第三三〇号)

 同(棚橋泰文君紹介)(第三四一号)

 同(村岡敏英君紹介)(第三五〇号)

 同(田村憲久君紹介)(第三五四号)

 同(中谷元君紹介)(第四〇五号)

 夜勤規制と大幅増員で安全・安心の医療・介護の実現を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八四号)

 同(村岡敏英君紹介)(第三四八号)

 最低賃金全国一律制度の法改正を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八五号)

 福祉職員の賃金水準を速やかに全産業平均に引き上げ、職員を増やすことに関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八六号)

 同(村岡敏英君紹介)(第三九九号)

 介護保険制度の抜本改善、大幅な処遇改善を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第二八八号)

 同(田村智子君紹介)(第三二九号)

 ロキソニンやアレグラなどの薬の追加負担をやめるよう求めることに関する請願(田村智子君紹介)(第三一一号)

 同(田村智子君紹介)(第三三一号)

 地域住民の医療を受ける権利を保障するために医療機関の維持存続への支援を求めることに関する請願(菊田真紀子君紹介)(第三四三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三四四号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第三四五号)

 同(田村智子君紹介)(第三四六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三四七号)

 同(高階恵美子君紹介)(第三五三号)

 同(許斐亮太郎君紹介)(第三六〇号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四〇九号)

 安全・安心の医療・介護・福祉を実現し、国民の命と健康を守ることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第三七五号)

 国保加入者に傷病手当、出産手当を給付する制度の確立に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第四一七号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第四一八号)

 同(田村智子君紹介)(第四一九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四二〇号)

 国立病院の機能強化に関する請願(田嶋要君紹介)(第四二五号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第四二六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

大串委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として消費者庁審議官井上計君、こども家庭庁長官官房審議官源河真規子君、出入国在留管理庁在留管理支援部長礒部哲郎君、外務省領事局長實生泰介君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君、厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官盛谷幸一郎君、大臣官房審議官伊澤知法君、医政局長森光敬子君、健康・生活衛生局長大坪寛子君、医薬局長宮本直樹君、社会・援護局長鹿沼均君、社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君、老健局長黒田秀郎君、保険局長間隆一郎君、防衛省大臣官房衛生監日下英司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤田洋司君。

藤田(洋)委員 ありがとうございます。京都二区の新人の藤田洋司でございます。

 新人でもありますので、厚生労働委員会のこの質疑に立たせていただいたことをまずもって感謝申し上げます。ありがとうございます。

 私は、薬剤師として、長年、地域医療の最前線で働いてまいりました。薬局という現場で患者さん一人一人と向き合いながら、医薬品を通じて命と生活を支える仕事をしてまいりました。先般のコロナ禍においては、感染リスクと隣り合わせの中で業務に従事してまいりました。文字どおり緊張感のある日々でありました。

 新興感染症は災害でもあり、医薬品の供給体制はその災害対応の根幹であると考えています。しかしながら、現在、コロナが落ち着いた後もなお医薬品の供給不足は続いており、現場では、災害時のように、必要な薬が届かない状況が長期化しています。

 こういった問題について順次お伺いしてまいります。

 まず、現在の医薬品供給不足についてお伺いします。

 後発医薬品を中心に多くの医薬品で出荷調整や供給停止が続いており、現場では代替薬の確保や患者対応に追われています。これは、必要量が確保できないことや患者が希望する薬剤を渡せないことなど、患者にとっての不利益につながっています。

 私は、供給不足の背景には、毎年の薬価改定による収益構造の変化もあると考えています。製薬企業からは、収益の減少により、創薬だけではなく、既存医薬品の安定供給や製造体制の維持にも影響が出ているとの声も聞いています。

 政府として、現在の医薬品供給不足の原因をどのように分析し、どのように対応されたのか、教えてください。

上野国務大臣 現下の医薬品の供給不安ですが、まず、後発医薬品産業の少量多品目生産といった非効率的な製造体制が背景にあると考えています。また、後発医薬品企業による薬機法違反を契機とした供給量の低下、感染症の流行などの様々な要因により生じてきたと考えております。

 こうした医薬品の供給不安に対しては、これまでも、製薬企業による増産体制整備に対する補助や、最低薬価の引上げ、不採算品再算定の実施といった薬価の下支えなど、企業への支援を行ってまいりましたが、こうしたことによりまして、例えば、限定出荷、供給停止の割合につきましては、令和六年三月は一九%でしたけれども、令和八年三月では一〇%に減少するなど、状況は改善してきたと考えております。

 この流れをより着実なものとすべく、令和七年の薬機法改正によりまして、後発医薬品製造基盤整備基金、これを造成をいたしましたが、これによる製薬企業間の品目統合などの取組を支援をしたり、様々な支援策によりまして、医薬品の供給不安の解消に向け、更に取組を進めていきたいと考えています。

藤田(洋)委員 最後までそういった政策が充実したものになるよう、今後、政府の取組がどのように効果を出したか、その効果の検証もしっかり行うようお願いします。

 次に、医薬品などの流通についてお伺いします。

 現場では、薬価の低下による卸の利益減少、さらに、エネルギー価格の高騰による物流コスト増により、配送便の減便、発注から納入までのタイムラグがあります。以前は、お昼に発注したものが夕方には届いておりましたが、現在では、お昼に発注しても翌日の午後にしか納入されないような場合もあります。また、医療用麻薬の発注においても、当日納入されていたものが、現在では翌々日の納入になり、医薬品自体の配送が土日祝日にはほぼ配送されていない状況があります。

 医薬品卸への過度な負担は避けるべきですが、こうした状況では、治療が必要な患者さんへの負担が多く、場合によっては生命の危機に関わることもあります。そんな医薬品卸などの医薬品流通に関わる方々への支援も必要だと思いますが、政府のお考えを教えてください。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 医薬品卸は、全国の医療機関や薬局に必要な医薬品を迅速、確実に供給する役割を担う重要なインフラと認識をしております。仕入れ原価や流通コストの上昇により、その経営環境が更に厳しくなっているというふうに承知しております。

 そのような環境においても、医薬品を安定的に供給するということが強く求められておりまして、その確保に取り組んでいる医薬品卸に対しまして、医薬品の安定供給の適正化、強靱化に向けた取組、地域における流通基盤の強靱化により医療機関や薬局を含めた地域全体のコスト削減に向けた取組、災害時における業務継続に向けた取組、これらの経費を補助事業により支援することとしておりまして、現在、公募を実施しているという状況でございます。

 なお、流通上における諸課題については、引き続き、医薬品メーカー、医薬品卸、医療機関や薬局といった流通関係者との間で連携しながら、流通関係者が遵守すべきガイドライン、この周知及び遵守の徹底や、望ましい在り方の検討に不断に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

藤田(洋)委員 ありがとうございます。

 医薬品卸だけではなく、様々な職種に対しての支援、今後も続けていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 また、中東情勢などを基に、この厚生労働委員会でも透析の資材についての議論は進んでいますが、透析だけではなく、一般の医薬品に関わる、例えば、軟こうつぼや、一包化などをする分包紙などの製造や供給、流通について、また、辛うじて流通しているものについて単価が著しく上昇していることについて、政府はどのようにお考えか、お聞かせください。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 医療物資等の安定供給につきましては、医療において万が一の事態は絶対に許されないという強い問題意識の下、情報収集、対策検討体制の強化を図っておりまして、情報収集により得られた個別の流通の目詰まり等について、経済産業省と連携し、順次解消を行っているところでございます。

 こうした取組を通じまして、引き続き、きめ細やかな情報把握と、あらゆる可能性を排除しない対応策の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、薬局で必要となる消耗品等を含め、物価上昇の影響につきましては、医療・介護等支援パッケージを措置し、必要な支援を実施しているほか、令和八年調剤報酬改定においては、今後の物価上昇に対応するため、調剤物価対応料を新設したところであり、引き続き必要な対応を行ってまいりたいと考えています。

藤田(洋)委員 ありがとうございます。

 こういった情勢が続く限り、継続した支援をお願いしたいと思っております。

 また、医療機関や薬局においても、毎年の薬価改定のたびに在庫の資産価値が減少し、経営に直接的な影響が生じることや、MFN、最恵国待遇による課題もあります。高額医薬品についても、処方日数と包装単位の不一致により、不動在庫や廃棄が発生しています。公定価格である薬価が現場の努力とは別のところで経営を圧迫する構造について、世界規模での医薬品の価格が創薬や製薬に及ぼす影響についても、また資産価値が減少する施設について財政支援や租税措置を行う必要性についても、引き続き検討をよろしくお願いいたします。

 続きまして、セルフメディケーションについてお伺いします。

 現在、セルフメディケーションの推進は、医療費の適正化や国民の健康意識の向上という観点からも重要な政策の柱となっています。実際に、一般用医薬品の活用は多くの国民にとって身近なものになっております。

 一方で、現場に目を向けますと、医薬品の適正使用の確保や、いわゆるオーバードーズの問題など、安全面に関する課題も顕在化しております。

 こうした中で、薬剤師に加え、一般用医薬品の販売を担う登録販売者の役割は非常に重要であり、実際にその貢献は大きいと感じています。

 ただ、現場からは、人員体制の不足や教育研修体制、相談対応に対する支援が十分ではないとの声も聞かれています。セルフメディケーションを安全に推進していくためには、こうした現場を支える薬剤師や登録販売者などへの、人材への支援が不可欠であると考えますが、どのような考えか、教えてください。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 薬剤師は、処方箋に基づく調剤だけではなく、地域住民に向けたOTC医薬品の販売や健康相談などの健康サポートの面でも役割を担うことが今後ますます期待されていると考えています。

 薬剤師がこれらの重要性を認識するための取組を進めていくとともに、昨年成立しました改正薬機法では、地域住民から健康の維持増進に関する相談を幅広く受け付け、薬剤師がセルフケア、セルフメディケーションに関する助言や地域の関係機関に適切につなぐという対応を担っていくために、健康増進支援薬局の認定制度を創設したところでございます。

 また、登録販売者につきましても、店舗販売業者等は従事する登録販売業者に研修を毎年度受講させなければならないということにしており、厚生労働省としても、登録販売者の継続的な研修に対して補助を実施し、支援をしているところでございます。

 OTC薬局の販売に関する薬剤師や登録販売者の関与は重要であると考えており、資格者によるOTC薬局への適正使用の働きかけがより一層進むよう、引き続き必要な対応を実施してまいりたいと考えています。

藤田(洋)委員 ありがとうございます。

 医療・介護分野における業務効率化についてお伺いします。

 いわゆるDXの推進は、今や避けて通れない課題です。一方、現場におきましては様々な対応が求められ、その都度、多額の設備投資や運用コストが発生しています。設備投資に対しては、医療機関への一定の支援は盛り込まれているものの、薬局、訪問看護ステーション、介護事業所への支援は十分とは言えないという声を現場から多くいただいております。

 このような現状を踏まえ、業務効率化、こういうDX導入の補助について、医療機関と同様の支援を、薬局、訪問看護、介護事業所を含めた横断的な具体的な支援策について、それぞれ端的にお考えをお聞かせください。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 薬局における業務の効率化や高度化に資するDXの導入は、重要な課題であると認識しております。これに対して、例えば、電子処方箋の導入費用に係る補助を行ってきたほか、中小企業庁において、中小企業におけるITツールの導入を支援するデジタル化、IT導入補助金など、薬局が活用できる様々な支援があると承知しております。

 また、薬局DXについては、医療機関、薬局間でファクス等でやり取りをされている服薬情報提供書等の電子化に向けた調査研究を行っており、これらの取組を踏まえまして、引き続き薬局における業務の効率化に資する支援策を検討してまいりたいと考えています。

黒田政府参考人 介護分野の取組についてお答え申し上げます。

 介護分野、訪問看護ステーションを含めて、介護事業所に対する支援につきましては、地域医療介護総合確保基金それから令和七年度補正予算なども活用いたしまして、都道府県を通じた介護テクノロジー導入費用の補助等を実施しております。

 あわせて、介護事業所からの生産性向上に関する相談を受け付けるワンストップ相談窓口の都道府県の設置、紙でやり取りをされておりますケアプランについてオンラインで送受信をすることを可能とするケアプランデータ連携システムの普及に向けた取組などが進められております。

 こうした取組を通じまして、介護現場における生産性の向上についても推進してまいります。

藤田(洋)委員 ありがとうございます。

 継続的な支援を全ての事業所に対してよろしくお願いいたします。

 時間の関係で最後の質問は飛ばさせていただきたいと思います。申し訳ございません。

 最後に、医薬品の供給体制確保は、平時の医療のみならず、災害時や新興感染症などの有事においても国民の命を守る基盤であります。医療現場が持続可能でなければ、国民皆保険という世界に誇る医療制度は成り立ちません。

 薬価の中間年改定の中、メーカー、卸、医療機関、薬局、全ての立場の方が厳しい状況にあります。最近では薬局を減らすかのような動きもありますが、門前薬局、面薬局、僻地の薬局、小規模から大規模の全ての薬局に得意分野もあり、全ての薬局で国民を守っています。

 また、地方の医療系の学部を持った大学なども、医療人の、都市部の、僻地での偏在にならないような役目も果たしていると教育現場からは聞いております。

 創薬、製薬、流通、臨床、それにつながる教育の現場、また、介護職の方々の処遇改善、離職防止、人材確保など、全ての関係者の仕事や業務が持続可能なものになるよう、是非、現場の実態を踏まえ、実効性ある対策を講じていくことをお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

大串委員長 次に、田野瀬太道君。

田野瀬委員 自民党の田野瀬でございます。

 今日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 たくさん、厚生労働行政は幅広いんですけれども、今日は、時間も限られておりますので、リハビリテーション、これに関してのワンイシューで十五分を使わせていただけたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。

 まずは、前提、背景を申し上げたいと思います。

 我が国におきまして、理学療法士、作業療法士を始めとするリハビリ専門職は、長年にわたりまして、国民の健康寿命の延伸、生活の質、いわゆるクオリティー・オブ・ライフの向上に多大なる貢献を果たしてきたわけでございます。病気やけがの治療後、再び立って、歩いて、働いて、地域で暮らす、その当たり前の生活を支えてきたのがリハビリ専門職であると言えると思います。

 彼らの職業は、医療分野にあっては、昭和四十年に理学療法士及び作業療法士法として施行され、以降、多年にわたりまして我が国の医学的リハビリテーションを支えてきたわけでございます。また、その後に、医療分野に限らず、介護の分野におきましても、平成十二年の介護保険制度の開始とも相まって、高齢者の自立の支援や社会参加の促進としてリハビリテーションを推進してきたわけでございます。

 我が国は超高齢化社会を迎えておりますが、単に寿命を延ばすということだけではなくて、いかに自立した時間を長く保つかが国民的課題となってきておるわけでございます。いみじくも、高市内閣におきましては、攻めの予防医療というものを推進としてうたっておりますけれども、リハビリテーションにつきましても、そもそもの疾病の予防だけじゃなくて、疾病の重症化の予防としても様々な効果を持って推進されることが今後期待されるわけでございます。

 また、海外とちょっと比較いたしますと、海外におきましては、リハビリ専門職、いわゆるセラピストの皆さんは、はっきり言いまして、ドクター、お医者さんと同格の、社会的地位もあったり、処遇も約束されておったりとか、その海外との乖離も国内問題であろうかと思っております。

 こうしたリハビリテーションを取り巻く環境の変化の中で、制度やその運用、国内運用ですね、これに目を向けますと、実態と乖離した課題が依然として残っておりますので、このことにつきまして質問をさせていただきます。

 具体の質問の一個目です。まずは、理学療法士、作業療法士が担う業務に関してでございます。

 理学療法士及び作業療法士法の昭和四十年の制定以降、もう半世紀以上ですね、六十年にわたって時間が過ぎておるんですけれども、この間、国内におけますリハビリ関係職種の役割は大きく、見事に大きく変化をいたしておるわけでございます。しかしながら、業務範囲や医療分野におけるセラピストの皆さんの位置づけというのは、時代の変化に十分対応しているとは言えない、そんな現状ではないかと思っております。

 厚労省に確認させていただきましたところ、ちょっとこれはびっくりしたんですけれども、理学療法士及び作業療法士法に関しまして、主体的な改正は六十年前から一度も行われていないということでございます。六十年前と一緒の状態で、全く現実と乖離した法律が今存在しているということです。

 例えば、一例を挙げさせていただきます。作業療法でございます。本来、個人の目的や価値観に合わせた動作の改善を図り、人々の健康と幸福を促進することが目的とされておるわけでございますが、業務は多岐にわたっています。食事や入浴といった動作の向上を目指す方、地域活動への参画を目指す方など、目的は対象者によって大きく異なっているのが実態です。

 しかしながら、現行法の法律には、作業療法の定義といたしまして、手芸、工作その他の作業を行わすこととなっておるので、手芸とか工作以上の、もっといろいろな専門的な作業を行っていただいているのが実態、ここは六十年前と全然乖離しているということです。

 そこで、政府に伺わせていただきます。

 理学療法士、作業療法士の役割や業務内容について法改正しませんか、六十年ぶりですけれども。制度的にも、リハビリ関係職種を時代に即したものとすべきと考えております。いかがでございましょうか。

 あわせて、現場におきまして、理学療法士や作業療法士に似通ったような紛らわしい名称で無資格者がリハビリテーションを実施している事例というのも昨今散見されているわけでございまして、法律改正していただけるならば、是非、名称独占だけじゃなくて業務の独占、そして罰則、この辺りもしっかりと明記した上で整理すべきだと考えております。

 是非、この法改正につきましてのお考えをよろしくお願いします。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、リハビリテーション、これは、疾患の診断、治療の後に、急性期、回復期、維持期、生活期まで一貫した流れで行われるということが重要でございまして、リハビリ専門職が果たしておる役割というのは年代において変わってきておりますし、更に重要性が増しておるというふうに考えておるところでございます。

 また、現在、医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会、これは五月の七日から開催をしておりまして、議論を開始したところでございます。引き続き、関係者の皆様の意見も踏まえながら、必要な検討を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

 御指摘ありました、リハビリテーション専門職の名称に関してでございます。

 各資格の根拠法におきまして、資格を持たない者が紛らわしい名称を用いてはならないということとされておりまして、違反した者に対する罰則、これも設けられておるというところでございます。

 一方、関係の団体から、紛らわしい名称を使用している事例があるという、そういうお声も伺っておることから、今後、その実態把握も含めて、必要な対応を検討していきたいというふうに考えておるところでございます。

田野瀬委員 ありがとうございます。

 続きまして、リハビリテーション政策を統括する専門部署の設置についてお伺いいたします。

 現在、リハビリテーションの活動範囲は、先ほど来申し上げておりますけれども、多岐にわたっております。医療、介護、障害福祉、教育分野等々、その活用分野は極めて広いものとなっておるわけでございます。

 一方で、それぞれの縦割り行政による弊害において、リハビリテーション政策全体として向いている方向が一つにはなりにくいという、そんな側面もあるんじゃないのかな、こう考えております。

 つきましては、国家戦略としてのリハビリテーションを展開するためにも、政策を推進するための統括専門部署を厚生労働省内に早急に設置していただきたいと考えておりますが、それにつきましてのお考えをお聞かせ願いたいと思っております。あわせて、実は、先日開かれました、自民党のリハビリテーション議員連盟があるんですけれども、同様の質問をさせていただきましたら、厚生労働省からは、チームをつくりますというような回答があったわけでございますが、チームじゃなくて、やはり、係でもなくて、担当課、リハビリ課、これが私は是非必要だと思っておりますので、その辺りも含めて御回答をお願いしたいと思います。

上野国務大臣 リハビリテーション専門職の皆さんの活躍の場というのは、医療、介護の現場にとどまらず、予防、健康増進、そうした分野にも拡大をしておりまして、分野横断的な対応が重要だと考えております。

 私が就任して、チームをつくるということでやってまいりましたが、更に一歩進めて、今般、議員連盟からの要望もございますし、またこの委員会でもいろいろな御意見をいただきましたので、室を設置をしたいと思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。

 リハビリテーション統括調整室を設置をいたしまして、体制を強化をして、総合的な対策に取り組んでまいります。

田野瀬委員 非常に前向きな御答弁をありがとうございました。

 時間がないので、どんどん進めます。

 続きまして、リハビリ専門職全体の処遇改善について問わせていただきます。

 高度な専門性と責任を担うリハビリ専門職でございますけれども、実は、賃金水準は必ずしも十分とは言えません。全産業平均との差は歴然としたものがあるわけでございます。リハビリ団体の皆さんから聞きますと、少なくとも三十年以上は賃金がアップしていないというようなこともおっしゃっておられます。

 このままでは、他産業への人材流出、せっかく国家資格を取ったんですけれども、稼げませんのでどんどん辞めていくというのが実態でございます。これは、我が国のリハビリテーションの水準を保つことが厳しい、そんな状態になっておるということでございます。

 処遇改善は単なる労働問題ではなくて、国民が必要なリハビリを安定的に受けられるかどうかということに直結する問題であるかと思いますので、是非、処遇改善に向けての厚労省の見解をお聞かせいただけたらと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員御指摘のリハビリ専門職も含めまして、医療、介護、障害福祉の現場で働く方々の人材確保や処遇改善は喫緊の課題である、このように認識しております。

 まず、医療分野では、御案内のとおり、令和七年度補正予算で、賃上げに対する支援として、経営状況も踏まえつつ、医療機関がリハビリ専門職を含む従事者の賃金を三%分、半年間引き上げる、この措置を講じました。それに引き続きまして、本年六月に実施されます令和八年度診療報酬改定においては、リハビリ専門職を含む幅広い職種の方の賃上げに向けて、令和八年度、令和九年度、それぞれ三・二%のベースアップを実現するための措置を講じることとしているところでございます。

 また、介護、障害分野におきましては、先ほど申し上げましたような七年度補正予算による緊急的な対応に加えまして、他職種と遜色ない処遇改善に向けて、令和九年度の定例改定を待たずに令和八年度の改定を実施するほか、令和九年度の定例改定、来年度のことでございますけれども、介護、障害福祉分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保を図る必要があるという認識の下に、介護、障害福祉サービス事業者の経営状況等を把握した上で、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施していくこととしております。

 こうした措置を通して、今後とも、リハビリ専門職始め、医療、介護、障害福祉の現場で働く方々の着実な賃上げにつなげていきたい、このように考えております。

田野瀬委員 これも前向きな御答弁、ありがとうございました。是非、室をつくっていただいて、今まで多岐にわたって処遇改善というのはやっていただいているのは分かっていますが、実は現場に届いていませんので、室をつくっていただいたら、どこかで目詰まりが起きていますから、それを是非チェックしていただいて、確実に、局長もおっしゃっていただきました、処遇改善につながるように対応をよろしくお願いしたいと思います。

 続いての質問でございます。今日は法務省にもお出ましいただいております。外国人在留資格、医療についてお聞きしたいと思います。

 もう言うまでもないですが、在留資格とは、外国人が日本で行うことができる活動等を類型化したものでございます。法務省が外国人に対する上陸の審査、許可の際に付与する資格であるんですけれども、その在留資格の医療の中には、理学療法士や作業療法士などの業務に従事する活動は記載はされております。これは記載されているんですけれども、もう一つ重要なリハビリ専門職、セラピストの一つであります言語聴覚士がなぜか入っていないということになっております。

 そこで、法務省にお伺いします。

 是非、在留資格、医療に言語聴覚士も加えていただきたいのですけれども、御回答よろしくお願いします。

礒部政府参考人 お答えいたします。

 在留資格、医療につきましては、専門的、技術的分野の在留資格であり、我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案し、法務省令において受入れ対象となる資格を具体的に定めているところでございます。

 法務省令を改正し、在留資格、医療の受入れ対象に言語聴覚士を追加するためには、追加の必要性や具体的要件等について、医療分野を所掌する厚生労働省の意見を十分に踏まえることが必要と考えております。

 現在、既に厚生労働省と協議を開始しているところでございまして、引き続き、厚生労働省と連携して、検討を進めてまいりたいと考えております。

田野瀬委員 ありがとうございました。引き続き厚生労働省と検討を進めてまいると。室をつくっていただくということでございますので、今までと違う、一歩進んだ協議を進めていただけたら大変ありがたいと思っております。

 用意しておりました質問は以上でございますので、まとめに入らせていただこうと思いますが。

 リハビリの皆さんが本来業務を生き生きと全国で展開していただければいただくほど、国民の疾病の予防につながりますし、疾病を持っていらっしゃる方の重症化の予防につながりますし、若しくは、外科手術が行われた方のその後の回復の、早期回復にもつながる、いわゆる医療費削減、介護費削減も、いいことずくめなわけでございまして、総理が提唱します攻めの予防医療、これも、リハビリの皆さんが元気になるかならないかに懸かっているんじゃないのかな、私はこう言っても過言じゃないかと思っております。是非、室をつくっていただいた上で、どんどんとこれを、政策を進めていただけたらと思っております。

 最後に、今までの質疑応答を踏まえて、大臣から一言いただけたらと思います。

上野国務大臣 非常に貴重な御提言をいただいております。

 まず、攻めの予防医療に関しましては、高市内閣の重点政策でもございますが、リハビリテーション専門職の皆さんが果たす役割というのは非常に大きいと思いますので、どういった政策が推進できるか、しっかり検討していきたいと考えています。

 また、先ほど局長から答弁がありましたけれども、医療関係職種の養成、確保、これについてもしっかり取り組んでいきたいと思います。

 昭和四十年にこの法律ができたということで、ちょうど私が生まれた年でございまして、その間、いろいろな状況が変化をしていると思いますし、また、今後、予防医療への貢献ということも期待をされるわけでありますので、これからのリハビリテーション専門職の皆さんの位置づけといいますか役割といいますか、そうしたものも踏まえた上で、制度的な見直しというのが考えられるかどうか、これもしっかり検討していきたいと考えています。

田野瀬委員 来年のこの委員会で法改正の議論ができることを期待して、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、沼崎満子君。

沼崎委員 中道改革連合の沼崎満子です。

 本日、また質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 初めに、イラン情勢における状況について、影響についての御質問から入ります。

 長期化してきておりまして、中東の情勢をめぐる影響の懸念というのはますます厳しい状況になってきております。イラン情勢に伴う影響調査アンケートというのを中道、立憲、公明三党で行っておりまして、一万二千件以上の声が寄せられております。その声の中から今日は質問をしていきたいと思います。

 医療現場からは、現在、プラスチック不足による現場の影響はまだ抑えられているけれども、今後、長引くと影響が出てくる、そういった先行きに強い不安を寄せるような声が寄せられておりました。これは四月に行っているアンケートですので、そこからまた時間がたっておりますので、またより状況が深刻になっていると想像できます。

 初めにですが、厚生労働省として、イラン情勢に伴う医療機関への影響はどのように今実態把握を行っているのか。EMIS等を使っているというふうに承知しておりますが、そこの点の確認と、また、現在の把握している状況についてお伺いをしたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、厚生労働省では、医療機関や企業からの情報提供窓口の設置、それから製造販売業者等への積極的なヒアリングに加えまして、四月十日より、EMISを用いた、約一・三万の病院等からオンラインで随時報告可能なシステムの運用を開始するなど、様々なルートで情報収集を行っておるところでございます。

 その結果、五月八日時点で八千二百四十四事業者、これはメーカー、卸、医療機関、全部含めておりますが、から御相談をいただいているという状況でございます。

 いただいた情報につきまして、厚生労働省内の専門チームでリスク分析を行うなど精査をいたしまして、安定供給に影響があると判断されたもののうち、これまで、例えば、低体重出生児の栄養補給に必要な小児用カテーテルの滅菌に必要なA重油や、その他の医療機器の滅菌に必要な酸化エチレンガス、また人工透析用の血液浄化器、ダイアライザーの製造に用いる有機溶剤など、合計三十件につきまして、供給不安の解消につなげることができたところでございます。

 日々いただいている相談内容について、順次精査しているところでございまして、引き続き、安定供給に影響がある事例があれば、速やかに経済産業省等と共有し、対応を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

沼崎委員 ちょっと追加になってしまいますが、対応が必要な件数というのは、どの程度、数の推移というのがございますか。ちょっとそこの点も、どんどん上がっているのかどうかという、状況を確認したいと思いますので、教えていただきたいと思います。

森光政府参考人 相談件数につきましては、先ほど八千二百四十四事業者ということで御報告させていただきましたけれども、そのうち、重複等がございますので、対応、例えば、安定供給に影響があると判断された項目というのは、同じ五月八日時点では、品目数でいいますと七十三の品目となっております。この七十三の品目につきましても、相談の受付開始、それからヒアリングの開始から比べますと徐々に増えてきておるというところでございます。

沼崎委員 ありがとうございます。

 増えてきているという状況だと思いますので、引き続きの調査と、また、対応が必要なところに関しては対応を是非お願いしたいと思います。

 今、医療機関、医薬メーカー等の状況をお聞きしましたけれども、今回のアンケートの調査の中で、介護の現場の方から、使う量の多いビニール手袋、これも手に入らなくなるのではないか、あるいはポリ袋やおむつなどにも影響があるのではないかということで、一括発注をする予定だというような、そういった声も入っておりました。

 医療以外の介護、障害福祉、保育等の分野における供給状況についてはどのように把握をしておられるのか、御答弁をお願いいたします。

黒田政府参考人 お答え申し上げます。

 高齢者施設等における手袋などの物資の確保状況につきましては、現在、関係団体を通じまして随時状況把握を行っております。こうした状況把握の中で、今後の推移についての不安の声というものは様々お聞きをしております。一方で、現時点で、介護サービスの提供に支障が生じるような事例があるというような話は聞いてはおりません。

 他方で、先ほど医政局長からお話がありましたように、今後の状況については大変注意深く見守っていく必要があるだろうというふうに考えております。

 引き続き、関係団体と連携をしまして状況を注視してまいりますし、介護サービスの提供に支障が生じるような状況が把握された場合には、関係省庁と連携をして必要な対応を速やかに行ってまいる、このように予定しております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 今グローブのお話が出てまいりましたけれども、グローブに関しては、かなり早期のうちから、ちょっと手に入りにくい、発注が困難だというような、そういった声が上がっておりました。そこで、政府は先日、国の備蓄五千万枚の放出を決定したというふうに承知しておりますが、この判断は非常に私は重要だったと思いますし、現場の不安の解消にもつながるものだというふうに思っております。

 そこでお伺いしますが、今回のこのグローブの放出を決定するに至った経緯、どういう情報を捉えて、どのように判断をして、五千万枚というこの数、どうしてこれを決めていったのか、その根拠と、また、これから、いつからどういう対象事業者、対象施設に配付を行うのか、この点について御答弁をお願いいたします。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先ほど、相談件数の話でございましたが、事業者からの相談件数八千九百とお答え申し上げたようですが、相談件数総数、五月八日時点で八千二百四十四事業者でございました。

 そして、手袋の関係でございますが、実は、その相談のうちかなり多くを、一番多くを占めるのは医療用手袋でございました。医療用手袋につきましては、主な販売業者において一か月から二か月の備蓄はあるというふうに聞いておりまして、また、メーカーにおいても現在通常どおりの製造を行っているということで、全体として直ちに供給が不足する状況ではないというふうに考えております。

 一方で、流通の混乱を避けるために、通常の発注量を超えるような発注については調整を行っているという例がありましたし、また、一般のネット通販では取引を停止しているといったような例がございまして、結果として、歯科診療所など一部の医療機関において手袋の確保が困難になっている、いわゆる目詰まりの状態にあると判断したものでございます。

 国においては、新型インフル特措法に基づきまして、パンデミックの発生に備え、手袋等の個人防護具、これを備蓄しているところ、今般の状況を踏まえまして、備蓄している医療用手袋の余剰分のうち、確保が困難な医療機関に向けて、一般診療所の使用の約一か月分と想定されるようなまず五千万枚を放出するというものでございます。

 以上でございます。

沼崎委員 ありがとうございます。

 開始時期をお答えいただいていなかったかなと思います。開始時期も教えていただいてよろしいですか。

森光政府参考人 手袋の備蓄品の放出に向けては、まず医療機関からの要請を受け付け、そして放出をするという手順になっておりまして、これにつきまして、今速やかにその準備を整えているという状況でございます。

沼崎委員 すぐに足りない状況ではないということでしたけれども、是非、この五千万枚、決まったということですので、速やかに必要なところには配分をお願いしたいと思います。

 今のお話の中で、度々御答弁の中にも目詰まりという言葉が出てまいりますけれども、総量は足りているんだけれども目詰まりが起きていて供給ができていない、そういうお答えが今ございました。

 これはやはり、とはいっても、現場に届かなければ非常に現場は困ってしまうわけですので、実際、ではこの目詰まり自体を解消するための対策というのはどういったことを今やっていらっしゃるのか、御答弁をお願いしたいと思います。

森光政府参考人 目詰まりの解消についてということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、医療用手袋については全体として供給が不足する状況ではないという状況ですが、一部の、ネット通販を利用されているような歯科診療所等の医療機関では、医療用手袋の購入が行えず、確保が困難になっているというような目詰まりの状況にあると承知をしております。

 厚生労働省といたしましては、こうした目詰まりの解消に向けまして、三月の三十日及び三十一日に、医療機関及び供給業者団体の双方に対して、医療用物資等について、必要量に見合う量の受注、発注、それから適切な対応への協力を依頼することをしております。

 また、あわせて、四月の十三日に、日本歯科商工協会に対しまして、歯科診療の現場に必要な医療用手袋が適切に供給されるよう御協力いただきたい旨の依頼を行ったところでございます。特にこれは、歯科診療所においてなかなか手袋が購入しづらいという御意見がありまして行ったということでございます。

 また、目詰まりにより医療用手袋の確保が困難な医療機関向けに医療用手袋の備蓄を放出するということにしておりまして、五月十八日の週内より要請の受付を開始しまして、その後、五月下旬のできるだけ速やかな時期に、順次各医療機関に配送する予定としております。

 医療機関等の現場の声を丁寧に聞きながら、こうした取組を通じて、引き続き、医療用手袋などの医療用物資の安定供給に向けて必要な対応を実施していきたいと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 現場で一番やはり不安が大きくなってしまうのは、在庫があるのかないのか、やはりそこが分からないというところが一番強いと思います。実際、アンケートのお声の中に、在庫についての情報が入らないので不安だ、あるいは卸に聞いても分からないといったお声もありました。

 今、様々解決したものも、政府で対応していただいて解決した物品もあると思いますし、まだ解決していないものもあると思います。そこをしっかり明確に周知をしていただいて、現場に分かる形で示していただくのがやはりここは一番重要かと思いますが、その点につきましてどのように対応するか、御答弁をお願いいたします。

上野国務大臣 様々、貴重な御提言をいただきまして、ありがとうございました。

 総理からも、医療分野、本当に万が一の事態は絶対に許されない、目詰まりゼロ、これに全力で取り組むように、そういった指示を私も受けております。

 先ほど来局長が申し上げておりますとおり、川上から川下まで、あらゆる手段、様々な手段を通じて情報収集を徹底をしております。その中で、目詰まりがあるというものにつきましては、リスク評価をした上で、経産省と連携をして、しっかりその解消に向けて取り組ませていただいているところであります。

 情報公開につきましても、適宜適切に実施をしていきたいと思います。ただ、目詰まりが解消する前の段階で情報公開をやりますと、なかなか、それが更に供給不安を呼んでしまう可能性もありますので、そのタイミング等については慎重に見ていくことが必要かなというふうに考えております。

 厚労省におきましてポータルサイトを立ち上げまして、安定供給に関する対応状況、これを随時更新をして定期的に掲載をしておりますけれども、流通の目詰まりが解消された品目につきましてもX等を通じて随時発信をしておりますので、そうした努力を通じて、国民の皆さんに安心をしてもらえるように、不安が生じないように取り組んでいきたいと考えています。

沼崎委員 ありがとうございます。

 今回のアンケート結果に基づいた緊急提言というのはもう四月の二十八日に行っておりますので、安定供給、また医療物資に関しては優先供給であるとか、そういったことも含めて要望をいたしました。早期に補正予算も編成をして、今回のイラン情勢に対する十分な対応というのも是非お願いをしたいと思います。

 次の質問ですが、ちょうど私と同じ質問を前の方の先生がしていらっしゃったので、ちょっと重なる部分が大変多いんですけれども、リハビリテーションに関する御質問をさせていただきたいと思います。

 一番目は、本当に、田野瀬先生もおっしゃっていましたが、やはり、リハビリテーション専門職の業務の範囲についてですけれども、今、リハビリテーション専門職というのは、元々は医療現場で様々な疾患の回復や維持を支える、そういう重要な役割を医師の指示の下で医療機関でやってきた、そういったところでありますけれども、一方で、現在のリハビリテーション専門職の専門性というのは、単に医療現場だけではなくて、健康寿命の延伸である介護予防であるとか、あるいはスポーツ分野においても非常に活用をされております。

 ですので、リハビリテーション専門職の方というのは、医療職、医療以外のところでの活躍というのが非常に期待されるところです。

 診断や治療として行う、治療の、医療行為の一環として行われるリハビリテーションに関しては、当然、医師の医学的判断の下で安全に行われる必要性があるとは思いますけれども、その基本前提はありつつも、やはり様々、介護予防であったり、スポーツであったり、健康増進であったり、そういったところでも御活躍をするためにはやはり業務の見直しというのが必要になってくると思いますし、今、リハビリテーション専門職の方というのは、専門校の定員がどんどん割れて、人数が減ってきている状況があるので、業務範囲を見直して活躍の場を広げるということは、当然、リハビリテーション専門職の魅力につながるというふうに私は思っております。

 ですので、この点に関する政府の見解を改めてもう一度お伺いをしたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 現行法、リハビリテーション専門職の業務というのは、身体に障害等のある者等に対して診療の補助として理学療法等を行うこととされておりますが、御指摘のように、現在では、介護予防事業などにおける、入院に至る前からの役割など、地域の中で御活躍、まさに活躍していただいておるというふうに認識をしておるところでございます。

 現在、医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会、これをまず設置をし、開催を五月七日より始めております。議論を開始したところでございまして、引き続き、関係者の皆様の意見も踏まえながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

沼崎委員 是非、そこの中で業務拡大にも検討が入ることを私は望んでおります。

 次に、リハビリテーション専門職の名称の取扱いに関してですけれども、今、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士というのはいずれも国家資格になっておりまして、医療現場でリハビリを行う専門職という位置づけになっています。

 ですけれども、今、様々この活躍の場というのは広がる可能性があるということをお話しいたしました。

 そこでですが、リハビリテーション専門職の方が医療以外の場で様々お仕事を仮にした場合にこの国家資格の名称を掲げて活動ができるのかどうか。これは、受ける側からすると、専門職の方が、専門性の高い行為を行ってもらえるという判断基準にもなると思いますので、国家資格の名称を掲げて活動することができるかどうかの確認をいたしたいと思います。御答弁をお願いいたします。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘のように、今、リハビリテーション専門職の方々というのは介護予防事業等で御活躍をいただいております。ですので、介護予防事業等の提供については、原則として、通常は特別の資格なしに行うことができるという原則でございますが、リハビリテーション職種の方も御活躍いただいているということでございますので、現場での解釈に混乱が生じないように、平成二十五年に、介護予防事業等において、理学療法士等という名称を使用することが可能である、診療の補助に該当しない業務は医師の指示は不要であるという通知を出したところでございます。

 引き続き、リハビリテーション専門職の名称の使用に係る適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

沼崎委員 名称使用は可能だということでしたけれども、これは理学療法士に関することだと思うんです。ちょっとこれは質問に入れていなかったんですが、通告していないんですが、作業療法士と言語聴覚士に関してはここにはまるのかどうかということもちょっと確認で教えていただきたいと思うんですが。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、平成二十五年の通知中については、議員御指摘のように、理学療法士という名称を使用することについては何ら問題ないことということで、平成二十五年に出させていただいております。

 作業療法士、言語聴覚士の方々にも、今、介護予防事業の中で市町村によっては是非活躍をしていただきたいということでお願いしているようなケースもあるかと思います。この通知自身については法律の範囲内のことを明確化したということでございますので、同じような解釈というふうに私ども考えておるところでございます。

沼崎委員 ありがとうございます。

 最後もちょっと重なってしまうんですけれども、やはり今、リハビリという言葉自体がかなり一般的になっておりまして、様々なところで何でも、リハビリ、リハビリテーションということを使われているというふうに思います。医療だけではなくて、民間サービスも含めて、リハビリ、リハビリテーションという言葉が使われています。

 ですけれども、一方で、やはりリハビリテーション専門職が行うリハビリテーションというのが明確になりづらい。医療の現場の中でも、リハビリテーション専門職でない人がやる医療行為に関してもこの言葉が使われるということもありますので、ここがしっかり、専門職の方がやっているものなのか、それとも違うのかということが明確化する必要性があるのではないかと思いますが、ここに関する厚労省の御見解をお尋ねしたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの介護予防事業等のように、基本的には、医療機関の外でそのような指導を行うということについては資格を求めるというものではないというふうに考えておりますけれども、ただ、そのような紛らわしいような名称を用いるといったようなことについては、先ほど御紹介しましたとおり、各資格の根拠法において、資格を持たない者が紛らわしい名称を用いてはならないとしておりまして、また、違反した者に対する罰則、これも設けておるというところでございまして、必要な対応を今後も検討していきたいというふうに考えております。

沼崎委員 時間になったので次で最後にさせていただきたいと思いますが、私、ずっとこのアレルギーに関する御質問をさせていただいてまいりました。

 アレルギー疾患の患者さんから一番御要望が実は多いのは、外食や中食に関するアレルギー表示というのをやはりしっかりしてもらいたいという御要望が多いので、実は、これは前回、消費者特別委員会の方で、私、質問をさせていただいているんですけれども、その際には、令和七年度に患者向けの調査を行うというふうに御答弁をいただいて。その結果と、今後、それを受けてどのような方向性で検討が進むのかについて、端的で結構ですので、御答弁をお願いいたします。

井上政府参考人 お答えいたします。

 委員今御指摘の、昨年度に実施しました、患者にとって有益な情報提供がどのようなものか把握するためのアレルギー患者団体を対象としたアンケート調査、これを先日公表したところでございます。

 調査結果としては、アレルギー患者、患者団体の声として、事業者による食物アレルギー対応の取組が広がった結果、外食、中食を利用できるようになったとの声があった一方で、食物アレルギー対応ができないといった情報だけでも提供してほしいとか、食物アレルギーに関する情報提供の方法、形式が事業者ごとに異なっているなどの意見もございました。

 今後につきましては、昨年度に実施しましたアレルギー患者団体を対象としたアンケート調査等の結果を踏まえまして、事業者における取組状況や実行可能性に係る調査等にて事業者の声も聞きながら、関係省庁とも連携し、どのような対応ができるか考えてまいります。

沼崎委員 繰り返しになりますが、やはりガイドラインや指針を是非示していただきたいと思います。令和八年度、アレルギー疾患対策推進に関する基本的な指針の改正も行われるというふうに聞いておりますので、是非そこに向けてもう一歩進めた対応をお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、原田直樹君。

原田委員 中道改革連合の原田直樹です。

 私は、本年二月の選挙で初当選をいたしました。本日は、厚生労働委員会での初めての質問の機会をいただきました。委員長を始め皆様の御配慮に感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。

 私は、指定難病にもなっているパーキンソン病について、患者団体の皆様や遺伝子治療薬の開発を進める企業と継続して対話をしてまいりました。そうした現場でお伺いをした声を踏まえて、本日は質問をさせていただきたいと思います。

 パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが不足をしまして、震え、動作緩慢、筋肉のこわばり、バランス障害などの運動症状が徐々に進行する神経変性疾患であります。五十歳以上に多く、六十五歳以上では約百人に一人が発症する身近な指定難病でもあります。

 患者、御家族の方々のお話を伺っておりますと、当事者の方々が直面をしている困難な状況は、このパーキンソン病に限らず、指定難病対策全体にも共通する制度上の課題でもあるということが分かってまいりました。必要な医療へのアクセスや医療費助成の在り方に始まり、就労の問題や家族への支援など、まさに生活そのものに関わる問題であります。

 本日は、患者さんや御家族の声を踏まえながら、現状の制度が本当に必要な方に適切に届いているのか、また、現場の実態に寄り添う中で、更なる改善が可能なのではないかという観点で、順次伺ってまいります。また、パーキンソン病のみに閉じるのではなくて、なるべく指定難病全体に共通する課題であるということが分かるように意識をして質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 具体的な質問を事前に、おととい通告をしておったんですけれども、直前で一つ追加をさせていただきました。

 今日の午前中に、中央社会保険医療協議会、中医協の方で、iPS細胞を使ったパーキンソン病向けの住友ファーマの再生医療製品、アムシェプリを保険適用とすることが決定をされ、また、患者一人当たりの薬価、公定価格が五千五百三十万六千七百三十七円にするということが今日の午前中に決定をされたということであります。

 iPS細胞由来の製品の実用化は世界初ということでありまして、この五千五百三十万、一見すると高額な薬価が設定をされたものの、指定難病の医療費助成制度や高額療養費制度などを活用することで、患者の実態の自己負担は抑えられるということであります。また、このアムシェプリにつきましては、現在、条件、期限付承認の状況でありますので、今後、本格承認がされた際には更に薬価が高額になることが見込まれている、そうした内容を把握をしております。

 まずは冒頭、この件につきまして、薬価の五千五百三十万円という価格も踏まえて、大臣の御所感をお伺いしたいと思います。

上野国務大臣 今お話のあったとおり、本日、中医協におきまして、iPS細胞を用いた再生医療等製品のアムシェプリについて、五月二十日付で保険適用することが了承されました。

 薬価は約五千五百万円ということでありますが、中医協において、薬価の算定ルールに基づいて、薬価算定組織における審議を経て決定をされた、適切な薬価であるというふうに認識をしております。

 これまで厚労省におきましても研究開発を支援してまいりましたけれども、このiPS細胞をもとにした日本発の治療製品、これが世界で初めて実用化されたことは大変喜ばしく感じております。日本のみならず、世界中の患者の皆様の救いとなることを期待をしているところであります。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 では、ここからは、事前に通告をさせていただいた内容に沿って進めてまいりたいと思います。

 まず一点目ですが、パーキンソン病患者、家族の実情を踏まえた指定難病対策全体に対する基本認識について、上野厚生労働大臣にお伺いをいたします。

 パーキンソン病の患者さんや御家族からは、病気そのもののつらさに加えて、指定難病医療費助成に係る受給者証の毎年の更新手続ですとか、あるいは地域による医療格差、就労を続けることの困難さ、さらには家族の介護負担など、生活全体にわたる悩みが重なっているという声が上がっております。また、こうした悩みは、パーキンソン病に限らず、指定難病全般に共通する面があると思っております。

 そこで、まずお伺いいたします。

 厚生労働省として、パーキンソン病を含む指定難病患者と御家族が置かれている現状をどのように認識しておられるのか、また、指定難病対策を、医療費助成だけではなく、地域医療の均てん化、就労支援、家族支援、研究開発まで含めて、今後どのような方向で充実をさせていくのか、大臣の基本認識をお伺いいたします。

上野国務大臣 パーキンソン病を含む指定難病につきましては、難病法に基づきまして、難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保、また療養生活の質の維持向上、こうしたことを図ることを目的として、様々な取組を進めているところであります。

 今お示しをいただきましたとおり、医療費助成であったり、あるいは難病の診断、治療方法に関する調査研究の推進であったり、また、患者の方々の療養生活に関する生活支援、相談支援であったり、そうした取組を進めております。

 やはりこれは総合的な対策を着実に進めることが大切だと考えておりますので、そうした観点からも、しっかりその中身が充実したものになるように取り組んでいきたいと考えています。

原田委員 非常に力強い、前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 では、ここから各論に入ってまいりたいと思います。

 続いて、受給者証の更新手続や臨床調査個人票の提出負担の軽減について伺います。

 患者さんが非常に切実に訴えておられたのは、このパーキンソン病は進行性の病気で、現時点では有効な治療法が確立されておらず、よくなるわけでもないのに、毎年毎年、診断書をなぜ取らなければならないかというお声であります。高齢の方や症状の重い方ほどその負担は大きく、病気と向き合いながら、毎年、制度上の手続とも戦わされている、そうした実感があるわけでございます。

 具体的にお伺いをした中で、例えば、地域によっても、病院へのアクセスの差もあるということは後段お伺いしますけれども、二時間かけていろいろと準備をして行って、待ち時間も長くて、五分だけ診てもらって終わり、これは毎年毎年、悪くなるしかないのに、どうしてこんな大変な思いをしてやらなければいけないのか、もう少し、一年ではなくて、二年、三年に頻度を空けるということもできないのか、こんなお声も数多くお伺いをいたしております。

 そこで、お伺いをいたします。

 厚労省としても、臨床調査個人票の提出頻度の見直し、これは進めておられると承知をしておりますが、その点に関連して、この見直しを今後どのような基準で進めていくのでしょうか。また、病状の確認と別で、所得の確認、こちらについては、年一回の確認を維持するにしても、オンラインの申請ですとか、あるいは税の情報の連携、代理提出、郵送対応などを通じて、患者の負担をできるだけ軽くしていくためのどのようなお考えがあるのか、御説明を求めます。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 指定難病制度、先生はお詳しいと思いますが、指定難病の患者様が、まず重症度分類を満たしていること、また、重症度分類を満たしていなかったとしても、申請月以前の十二か月以内で医療費の総額が三万三千三百三十円を超える月が三月以上あること、このいずれかに該当する場合には医療費の助成を行わせていただいております。

 その助成に当たりましては、先生からも御指摘ありましたように、所得区分によるところがありまして、月当たりの自己負担上限額が設定されますものですから、定期的に十二月の医療費並びに所得区分を確認させていただく必要があるといったところで、支給認定期間を今原則一年間とさせていただいております。

 他方、御指摘いただきましたように、その申請手続が御負担であるという声は患者団体の皆様から私どもも伺っておりまして、そのため、今、患者の申請手続の負担軽減を目的とした、マイナポータルを活用した申請手続のオンライン化、この検討を鋭意進めているところでございます。

 また、加えて、更新期間についてのお尋ねもございましたが、今、難病情報データベースで各疾病の情報が取れますので、患者様の重症度分類の推移、全くよくならないのにというお話がありましたが、実際に重症度分類がどのように推移していくのかということを検証を行うこととさせていただいております。

 今後とも、少しでも利便性の向上に資するように、手続の簡素化、効率化に取り組んでまいりたいと思っております。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 更新頻度の見直しについては是非前向きに取組を進めていただきたい、このように思っております。

 続いて、少し今の点とも関連をしますけれども、進行性疾患や症状変動のある疾患における診断書や更新判定の実態反映の在り方についてお伺いをいたします。

 先ほど、二時間かけて行って五分で終わりという話もさせていただきましたが、患者さんからは、長く待って実際の診察は短時間で終わることも多い、また、その限られた時間だけでは、日によって、あるいは時間帯によって変わる症状や生活上の困り事が十分に反映されないのではないかという不安の声も数多く頂戴をいたしました。

 パーキンソン病に関しましても、いいときと、症状が比較的軽いときと重いときの差がかなり激しいという中で、やはり、物理的に病院まで移動をして受診をするためには、しっかりと薬を飲んで体調を整えて、ある意味一番症状が軽い、いい状態のときにお医者さんに診ていただいて、そこで診断をされている、ただ、実際には、毎日毎日過ごす中ではもっと症状が重くて大変なときもあるんだ、そういったお声をお伺いをしております。

 こうした進行性の疾患、症状変動の大きい疾患では、制度上の病院での判定というのが患者さんの日常の実態とずれてしまうというおそれがあると思います。

 そこで、お伺いをいたします。

 現行の診断書様式や更新判定の仕組みで、進行性疾患や症状変動のある疾患の実態を十分に把握できていると考えておられるのでしょうか。また、患者本人の生活状況や日常の困難をより適切に反映をするために、本人報告や生活実態の記載、補足資料の活用など、今申し上げたのはあくまで例でありますけれども、こうした何らかの方法を活用する、検討するお考えがあるのかどうか、見解をお伺いいたします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 パーキンソン病に限らないことでありますけれども、多くの疾患につきましては、症状の進行ですとか変動、これが認められる場合は多いものと考えております。

 こうした症状の特性も踏まえまして、例えばパーキンソン病の重症度分類につきましては、先生も先ほどおっしゃっていた臨床調査個人票というものが各疾患ごとに示されているわけでありますけれども、その中の注意書きで、「治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、直近六か月間で最も悪い状態を記載してください。」という注意書きを書かせていただいております。

 また、診療の現場におきましては、個人様の、患者様のおうちでの状態などを医師にはお伝えをした上で診療を受けられているというふうに考えておりますので、こういった医療現場では、診断に当たり、診察時の状態に限らず、適切に患者様の状態を把握することがなされているのではないかというふうに考えております。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 今の点につきましても、引き続き患者団体の方のお声もお伺いをしながら、実際、そうした不安のお声というのが、どのように、この制度がつくられているけれどもそういう不安が生じているのかというのは、私も引き続き、交流を図って、理解を深めていきたいと思っております。

 続きまして、付随傷病に係る医療費助成の周知徹底と現場運用の標準化についてお伺いをしたいと思います。

 今の受給者証の更新の話がありましたけれども、それは医療費助成を受けるために更新が必要というわけでありますけれども、制度上は助成の対象になり得るのにもかかわらず、患者さん御自身やまた一部の医師に制度が十分に周知されておらず、実際には助成が受けられていない、そうした事例が、実態が存在をしていると伺っております。

 私が直接お話をお伺いをしたある患者さんは、最初にパーキンソン病という診断を受けてから八年間もの間、医療費助成の制度の存在自体を知らされずに、後々、パーキンソン病友の会という患者団体に入会をしてから、八年たって初めてそのことを知らされたというお話もございました。

 制度は整っているにしても、制度があるのにそれが届いていない。知っている人だけが救われて、知らなかった人が取り残される。これでは、せっかく制度があったとしても公平とは言えませんし、また、不十分であると思います。

 パーキンソン病に関して言えば、特に、足がうまく前に出なくて転倒をしてしまう、また、それで骨折をしてしまうなどの付随傷病について、神経内科と整形外科の連携不足であるとか、また地方の医療機関での認知不足によって、適用漏れが起きているのではないかという指摘がございます。

 この問題につきましても、私も三百四十八ある指定難病について広く詳細に存じ上げているわけではございませんが、パーキンソン病以外のほかの指定難病でも同じようなことは起こり得る問題であるのかなというふうに思っております。

 そこで、お伺いいたします。

 付随傷病に係る助成の考え方や対象範囲を患者、家族、医療機関、自治体にどう分かりやすく示していくのか、また、例えばですけれども、判定フロー、チェックリスト、周知、研修など、何かしらの方法で現場での運用の標準化を進めるお考えがあるのか、見解をお伺いいたします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 指定難病の医療費助成の対象医療、これは、難病法並びに施行規則におきまして、指定難病及び当該難病に付随して発生する傷病と定められているところでございます。

 難病に付随した傷病であるか否か、これを標準的にお示しはできないのかというお尋ねでありましたが、医療現場においては、当該傷病の特性やその発生原因等をやはり総合的に分析した上で医学的に判断していく必要があり、個々にその状況というのは異なるであろうというふうに考えておりますため、一律に、こういった傷病にこういう症状であれば付随疾患であるというふうにお示しすることは困難であろうというふうには思います。

 その一方で、そういったばらつきが起こらないようにする意味では、付随して発生する傷病も医療費助成の対象であるということ、これを自治体が発行する受給者証に注意事項のように書かせていただいておりまして、付随疾患も対象になるということは注意事項の中で書かせていただいております。加えまして、難病情報センターのホームページにおいても周知を図っております。

 また、さらに、自治体を越えて、都道府県及び指定都市においては難病の指定医、これを定めることになっておりまして、その指定医の養成というものもやっていただいております。その指定医養成の研修資料についても、次の見直しの機会を経て、そこを明確にしておきたいというふうに考えております。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 続いて、地域医療格差、専門医療アクセス、診療連携体制の強化についてお伺いいたします。

 地方では、神経内科の専門医が足りず、県外受診、また、場合によっては航空機を使って移動して通院しなければならない、そんな事例もあるということをお伺いいたしました。それだけでも移動の負担が患者さんや御家族にとっては大変なことでありますけれども、加えて、適切な専門医療にアクセスできないことで、治療が十分でないまま症状が悪化をしてしまう、そのようなことがあれば、地域によって命や生活の質に差が生じているということにもなり得てしまいます。

 そこで、お伺いをいたします。

 パーキンソン病を含む指定難病について、専門医療機関と地域医療機関の役割分担をどのように整理をし、また病診連携や在宅支援をどう強化をしていくのか、また、専門医の出張外来、遠隔医療、地域連携クリニック、交通支援など、患者負担の実感に即した改善を進めていくお考えがあるのか、見解をお伺いいたします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 難病患者さんがどこに暮らしていらっしゃっても適切な医療を受けられるように、疾病の特性に応じて早期に正しい診断が受けられ、また、身近な医療機関においては継続的に治療を受けられる体制、これが重要であるというふうに考えております。

 厚生労働省としては、都道府県が指定する難病診療連携拠点病院、これは地域全体の難病医療のネットワークの中心となる医療機関のことでございまして、これが四十七自治体に八十八医療機関、既にございます。また、難病診療分野別拠点病院、こちらは特定分野での高度専門的な医療を行う病院として、今現在二十八自治体に八十八施設置かれているというところでありまして、こういった医療機関を中心として、難病医療体制の整備、これを厚生労働省では進めているところであります。

 これらの拠点病院におきましては、さらに、国立高度専門医療研究センター内の難病に関する高度な知見を有する専門医療機関から構成されます難病医療支援ネットワークと連携しながら、難病患者様に対する相談支援や診療連携、入院調整など行っているという形で、重層的に整備をしているところであります。

 今後とも、こうした取組を通じまして、専門医療へのアクセスの確保や診療連携体制の強化を図ってまいりたいと思っております。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 専門医の絶対数が不足している、そうした前提もあるかと思いますけれども、引き続き地域医療の均てん化に向けて尽力をしていただきたいと期待を申し上げたいと思います。

 続きまして、若年性の患者を含む指定難病患者の就労継続支援、合理的配慮、そして偏見の解消について伺います。

 パーキンソン病といいますと、高齢者の病気というイメージを持たれがちであります。実際、高齢者の方の方が患者さんは多くいらっしゃいますけれども、中には若くして発症される方もおられます。

 そうした方々は、治療を続けながら働こうとしても、病名を隠さざるを得ない状況にあったり、あるいは不当な人事や転勤、過度な締切りの強要、周囲の無理解など、病気そのものに加えて偏見とも闘わなければならないという訴えがありました。病気それだけでも大変であることに加えて、職場での誤解や無理解まで背負わされるというのは余りにも過酷な話であるなと、お話を伺いながら私も感じました。

 直接伺った話でも、職場でパーキンソン病になったということを伝えたときに、通勤が現実的に難しいような遠方に、わざとといいますか、人事異動を、転勤をさせられて、いわば退職に追い込まれるような、いじめといいますか、そうしたものもまだ一部では存在する、そうしたお話を伺っております。

 そうした点を踏まえて、お伺いいたします。

 指定難病患者の就労継続支援について、企業向けの合理的配慮のガイドライン、配置転換の考え方、柔軟な勤務や通院配慮のモデルなど、今後どのようにこうしたことを充実させていくのか、また、若年性患者の不利益を防ぎ、偏見や誤解を減らすために職場理解の促進をどのように進めていくのか、政府の見解をお伺いいたします。

盛谷政府参考人 お答えいたします。

 難病患者である労働者の就労環境についてということでございますけれども、まず、障害者雇用促進法におきまして、障害のある労働者に対する合理的配慮の提供義務が事業主には課されておりますけれども、この合理的配慮を受ける対象には、年齢を問わず、難病による心身機能障害によって長期にわたり職業生活に相当の制限が生じている方についても含まれてございます。

 したがいまして、先ほど御指摘いただきました通勤事情といったようなものを含めまして、事業主は、過重な負担でない限り、障害特性に応じた職務の円滑な遂行に向けた配慮等の措置を講じなければならないということになってございます。また、その実施に関しましても、ハローワークによる事業主への必要な指導等の対象となっているところでございます。

 加えまして、御指摘いただきましたとおり、事業主の理解を促すということも大切なことでございまして、民間企業による合理的配慮の取組の事例を収集し、周知を行うといったことに取り組んでいるところでございます。

 さらには、難病患者の就労継続に向けた支援ということで、ハローワークに配置しております難病患者就職サポーターによりますきめ細やかな就労支援でございますとか、難病患者の職場定着に取り組む事業主に対する助成金等の支給、こういったことにも取り組んでいるところでございます。

 引き続き、こうした取組を通じまして難病患者の就労支援の取組を着実に実施いたしますとともに、事業主による合理的配慮の提供や理解の促進に努めてまいりたいと考えております。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 様々な取組について御答弁いただきましたけれども、是非、引き続き力強く推進をしていただきたいと思います。

 続きまして、指定難病患者を支える家族介護者への支援の充実についてもお伺いをしたいと思います。

 患者さん御本人への支援が重要であることはもちろんそうでありますけれども、実際には、通院の付添い、日常生活の補助、将来不安の共有、家計への影響など、そうした多くの負担を引き受けているのは御家族であります。それにもかかわらず、家族や介護者に対する実効的な支援というものがまだまだ十分ではないのではないかというお声もいただきました。

 支える側が疲れ切ってしまえば、これは患者さん御本人の生活も成り立たなくなってしまいます。こうした点を踏まえて、お伺いをいたします。

 指定難病患者を支える家族や介護者に対して、例えば相談支援、レスパイト、情報提供、ピアサポート等を今後どのように充実をさせていくのか、患者本人だけでなく、その暮らしを支えている家族も支えるという視点を難病対策の中でどう位置づけるのか、政府の見解をお伺いいたします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 難病患者の療養生活においては、御本人のみならず、介護等を行っていらっしゃる患者の御家族に対しても支援が必要であるということは十分認識をしております。

 このため、厚生労働省では、療養生活環境整備事業として、都道府県及び指定都市に設置をしております難病相談支援センターにおきまして、難病患者を支える御家族からの相談なども受け付けるほか、必要に応じまして福祉等の関係機関と連携した対応を行うことを事業として行っており、これらに対して補助をしております。

 今後とも、よく患者会の皆様からもお話を聞きながら、こういった取組を通じて支援に努めてまいりたいと思っております。

原田委員 御答弁ありがとうございます。

 少し時間が迫ってまいりましたので、幾つか質問を飛ばさせていただきますけれども、iPS細胞由来の治療薬、アムシェプリについては冒頭触れさせていただきました。

 このアムシェプリに加えて、それ以外にも非常に有効性の高い遺伝子治療薬等の研究開発が進んでいるとお伺いをしておりますので、薬事承認に向けて、是非推進をしていただきたいと思います。

 最後に、指定難病制度の継続的見直し、評価指標、そして患者団体との対話、フォローアップ体制について、上野厚生労働大臣に伺います。

 本日取り上げたのは、パーキンソン病を始めとした、入口とした論点でありますけれども、そこから見えてくるのは、やはり指定難病制度全体が患者さんや御家族の生活実態にどれだけ寄り添えているのかという問題であると思います。

 御答弁をお伺いをして、いろいろな制度が充実をしているということは私も重々理解をできますが、一方でやはり、現場でお声を伺っておりますと、そこの間にまだ谷間があるということを感じております。私自身も、引き続き患者団体の皆様とも交流を図りながら、より理解を深めてまいりたいと思っております。

 最後にお伺いをいたします。

 指定難病制度全体について、患者さんや御家族が置いていかれない、きちんと声を聞いてもらえていると感じられる制度にしていくために、今後どのように見直しを進めていくのか、また、その進捗をどのような指標で評価し、患者団体との対話やフォローアップをどう継続していくのか、大臣の決意をお伺いいたします。

    〔委員長退席、古賀委員長代理着席〕

上野国務大臣 指定難病に関する施策につきましては、これまでも、最新の医学的な知見に基づきまして、対象疾病の追加であったり、あるいは診断基準、重症度分類の見直しなどを行っているほか、難病患者や御家族への相談支援などに取り組んでまいりました。

 難病施策を議論する際には、委員会、厚労省の委員会ですが、難病の患者団体の方にも御参加をいただいておりますので、そうした皆さんの御意見についてもしっかりと承ってまいりたいというふうに考えております。

 今日の議論の中でもありましたとおり、制度があるにもかかわらず、それを御存じなくて受けることができないとか、あるいは申請をするときにより負担を軽減する方法はないかとか、そういった点についてはやはり不断に検討していかなければいけないというふうに考えておりますので、今日の議論も参考にしながら、これからも、難病の患者の皆さんに対する良質かつ適切な医療の確保、あるいは療養生活の質の維持の向上を図るためにしっかり取り組んでまいりたいと考えています。

原田委員 前向きな力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 今日取り上げたパーキンソン病、周りに当事者の方がいらっしゃらない方にとっては少し遠い話に聞こえたかもしれませんけれども、これはいつ誰が発症してもおかしくない病気でございます。そうした意味で、今大臣が御答弁いただいたように、不断の、引き続き、丁寧かつ柔軟な制度の見直しをお願いしたいと思います。

 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。

古賀委員長代理 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。

 本日は、医療機関におけるサイバーセキュリティー対策についてお伺いしたいと思います。

 チームみらい、ほかの委員会でも何度か質問させていただいておりますけれども、今年の四月にアメリカのアンソロピック社という会社が、クロード・ミュトスという新しいAIモデルを発表いたしました。このミュトスはすごい力を持っていて、主要なOSやウェブブラウザーにおける未修正の脆弱性を数秒から数分で幾つも見つけることができる能力を持つとされており、開発のアンソロピック社は、危険性を考慮して一般公開を見送っております。

 これを受けて金融庁は、日銀やメガバンクと官民連携の作業部会を設置いたしました。経産省も、電力やガスといった重要インフラ分野の業界団体と意見交換を行っていると聞いております。

 医療も、サイバーセキュリティーに係る行動計画における、重要インフラとして位置づけられております。医療機関は、患者の生命に直結するシステムを運用しており、サイバー攻撃による影響というものは深刻なものとなり得るものと承知しております。

 ここで、上野大臣にお伺いいたします。

 厚生労働省として、ミュトスの登場を受けて、医療機関のサイバーセキュリティー対策についてどのような対応を行ったでしょうか。また、今後、他省庁との横断的な連携及び医療機関や業界団体との対話を含め、どのような対話をしていく予定か、お聞かせください。

上野国務大臣 クロード・ミュトスを始めとして、AIがサイバー攻撃に悪用されるリスク、これをいかに回避するかという点におきましては、医療機関におきましても、金融機関等と同様に重要な課題だというふうに認識しています。

 厚労省では、これまで、医療機関におけるサイバーセキュリティーの現状について、医療関係団体を含めた関係者との対話や調査を継続的に行ってきましたけれども、この事案、クロード・ミュトスに関しましても、医療関係団体との連携の枠組み、既にありますが、この枠組みも活用しながら、密接に意見交換、これを図っていきたいと考えております。

 その上で、こうした課題への具体的な対応については、多くの省庁に関わる課題でもあります。昨日の閣僚懇談会におきましても、総理の方から、松本サイバー安全保障担当大臣に対し、政府全体での対応を早急に具体化をして実施するよう指示があったところでありますので、厚労省といたしましても、関係省庁と連携をしながら、想定される課題や課題に対応する施策、これをしっかり整理をして適切に対応していきたいと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 先ほども申し上げましたけれども、既に金融庁では作業部会を設置して、経産省は関係団体と対話をしてということを始められております。今、上野大臣からも前向きなお言葉がありましたので、これから是非、関係者ですとか業界団体との対話を通じて、必要な対策というものを取っていただくことをお願いいたします。

 続いて、ちょっと一問後に回させていただいて、三問目と書いておりましたガイドラインについてお伺いしたいと思います。

 医療機関におけるサイバーセキュリティーの対策としては、現行、医療情報システムの安全管理に係るガイドラインというものがあると承知をしております。このガイドライン、二〇二三年五月に第六版が改定されたものであり、現在は次期改定に向けた作業中であると承知しております。

 こちら、今、改定に向けた作業を進めていく中で、この改定作業班における議論の中で、生成AIを用いた新たな攻撃手法に関する論点というのは議題となったのか、そういう指摘はあったのかということについてお伺いいたします。

森光政府参考人 お答えさせていただきます。

 サイバー攻撃の手法というのは、これは日々多様化、それから巧妙化しておるということで、これに適切に対応するため、御指摘の医療情報システムの安全管理に関するガイドラインというのは不断に見直しを行っているところでございます。

 このガイドラインは、現在、改定作業中でございますけれども、医療機関の管理者に義務づけられているサイバーセキュリティー確保のための措置として具体的に遵守すべき事項を示すものでございまして、具体的な対策に関する方針などが定まっていない現時点において、検討事項としては取り上げておりません。

 御指摘いただきましたミュトスを含む生成AIを用いたサイバー攻撃への対応に関してでございますが、引き続き、国家サイバー統括室等とも連携しながら最新の動向や知見を注視するとともに、実態や影響を分析した上で、各医療機関において実行可能な対策を整理し、必要に応じてガイドラインの改定について検討してまいりたいと考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 生成AIなど技術も進化する、サイバー攻撃の方法も日々進化していくという中で、ガイドラインについても不断の見直しを行っていくということを御答弁いただき、ありがとうございました。

 元々、前回の改定というのは、振り返ってみると、三年前、二〇二三年だったわけです。お話にもあったような技術の進化のスピードというのを考えると、数年に一度改定するというのでは、技術の進歩に対して、ガイドラインのアップデート、対応が追いつかないのではないかと考えます。

 ここでお伺いいたしますが、ガイドラインの改定が必要であると判断されてから、実際にそこから改定に向けた検討をスタートして、作業部会を設置してというような作業を行われると思いますけれども、ガイドラインが必要であるというふうに厚労省で判断をされてから、実際に改定版のガイドラインができ上がって、発出されるまでというところにはどの程度の期間を要するのかということをお伺いできればと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 このガイドラインにつきましてでございますけれども、ガイドラインの改定に要する期間ということでございますが、改定の規模、それから内容によってその期間については異なりますけれども、例えば、直近の五・二版から六・〇版への改定の際には、改定作業班の立ち上げから発出まで約十か月を要したという状況でございます。

 本ガイドラインの改定の際には、医療機関への浸透にも一定の時間や負担がかかることもありまして、新たな脅威が発生する都度、短時間で部分的に改定を行うというようなことは想定をしておりませんけれども、今回の事案につきまして、これは関係省庁とも連携しながら、想定される課題や課題に対応する施策、これを整理しながら速やかに適切に対応していきたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 ガイドラインというのは、位置づけとしてもこれはやはり重みがあったりとか、おっしゃるように医療機関にある程度周知期間を持ちたいというところなので、若干ハードルが高いというところは承知をいたしました。

 ただ、とはいえ、クロード・ミュトスのような大きな脅威ですとか大きな変化があった際には、必ずしもガイドラインによらないような形、QアンドAであるとか事務連絡、通知のような形で注意喚起を促すような仕組みも必要なのではないかと思います。例えば、ガイドラインについても部分改定のようなやり方であるとか、また、ガイドラインの改定にとどまらない、医療機関に対する周知や注意喚起といったものも行うべきではないかと思いますけれども、今回のミュトスの事案に対応して、そういったものを行う予定はありますでしょうか。

森光政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、ガイドラインにつきましては、一定の期間を今、五・二版から六・〇版に関しては十か月という時間をかけておりますけれども、その都度都度、脅威の内容、それから課題として挙がったようなものの内容に応じて適切に、一部注意喚起で流したり、また、速やかな改定を行うといったようなことも必要だというふうに考えておるところでございます。

 御指摘のミュトスの件でございますけれども、これにつきましても、発生した事案ですとか、それから分析の結果といったものを分析した上で、各医療機関において実行可能な対策、これを検討するということが非常に重要だと考えておりまして、その際についてはしっかり対応していきたいというふうに考えておるところでございます。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 ちょっと話が戻るんですけれども、改定について、通常ですと、通常ですとというか、前回ベースでいくと十か月近くかかるというのは、結構、周知期間を別に取るにしても、時間がかかるなというふうに認識しているんですけれども、この十か月、厚労省が改定した方がいいんじゃないかというふうに決めてから実際に改定が行われるまで、具体的にはどのようなプロセスがあるかということについて、お答えできる範囲で教えていただけますか。

森光政府参考人 様々なケースがございます。基本的には、サイバーセキュリティーに対する課題として私どもが認識をしたもの、例えば、医療機関に対するサイバー攻撃といったことがあり、それを私どもが情報として受け取り、そしてそれを分析したところ、やはり医療機関全体にしっかりとした対策を求める必要があるということで認識したような場合、これにつきましては、その認識をもって、今のサイバーセキュリティーのガイドラインを見直した上に出すというような段取りを踏んでおる、段取りといいますか、手続というか流れを取っておるというところでございます。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 これは私が想定していた回答とちょっと違ったんですけれども、私が厚生労働省の方に話を聞いたときに出てきたお話というのが、ガイドラインの改定に当たっては調達をする必要がある、ガイドラインに向けた作業部会の運営であったりとか、資料の原案作りであったりとか、そういったところというのは、一部、事業者に委託のようなことをしていると。そういったことなので、やはりその調達のための様式を作って、それを調達して、引き受けてもらってというようなこともあるので、必ずしも厚労省の中で全てが完結しているわけじゃないからちょっと時間がかかっているというような話もございましたので。

 私は、厚生労働省全体として、もっとサイバーセキュリティー対策に対して人だとかお金だとかをつけた方がいいと思っておりますので、そういった体制の強化も含めて、中長期的には検討をいただければと思います。

 次の質問をお伺いいたします。

 このガイドラインの中身に関してですけれども、このガイドラインの中身で様々な技術についても言及されておりますが、こうした技術というのは推奨にとどまっていて、必ずしも必須要件とはなっておりません。こうした場合、結局は、こういった技術を採用するかどうかというところは医療機関の判断に委ねられることになり、対応できる医療機関と対応できない医療機関が生じてしまい、セキュリティー水準に格差が生じるリスクについて厚労省としてどのようにお考えか、お聞かせください。なぜ推奨にとどまり、強制力を持たせることが難しいのかという点と、医療機関によってリスクに差が出てしまう点についてお聞かせください。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 議員が御指摘された、様々進化する新たな技術というところでございますけれども、その導入の必要性というものにつきましては、新たな技術が出てきますので、どんどん私どもとしても不断に検討していく必要があるというふうに考えております。

 私どもの厚生労働省においてまとめております医療情報システムに関する安全管理ガイドライン、この策定においては、医療機関への周知に加え、過去に医療機関において発生したランサムウェア感染の事案などを踏まえつつ、医療機関の管理者が遵守すべき事項として、サイバーセキュリティーの確保のために必要な措置の省令への位置づけですとか、医療法に基づく医療機関への立入検査の要綱へのサイバーセキュリティー確保のための取組状況の位置づけなどの対応を行っておるところでございます。

 一方で、各医療機関では、その有する医療機能等を踏まえた情報システムが構築をされております。その内容というのは医療機関によって様々でございます。令和六年度から実施いたしました医療機関に対する調査においても、医療情報システムの構成や外部接続点の数の違い、その対策状況というのは様々であるということが明らかとなっております。これを受けまして、厚生労働省といたしましては、令和八年度より、多数の外部接続点が存在する医療機関に対して、優先的に適正化支援を開始したところでございます。

 議員が御指摘されました、例えばゼロトラストアーキテクチャーやEDR技術といったような導入についてなんですが、そういうものについては、その医療機関に対して真に適切なものであるかは、その医療機関の規模、機能等に応じて異なるため、個別の技術の義務化については慎重な検討が必要と考えておるところでございます。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、医療機関によって実情が様々違いますので、ガイドラインのような形で一律にというのではなくて、より実態調査などを踏まえつつ、個別に、特にリスクが高いところであるとかに対して対応していくというところについて、引き続き進めていただければと思います。

 次の質問に参ります。

 こうした、お話の中にもありましたけれども、医療機関が実際にランサムウェアの被害に遭うというようなケースも発生しております。そうしてくると、もちろん、医療機関のサイバーセキュリティー対策を強化していくということにはお金がかかる部分もございます。ただ、総合的に考えてみると、システム復旧費用ですとか、診療停止による損失、患者の情報漏えいへの対応費用といったものについて考えると、かえって対策をした方がためになるのではないかと思っております。こうした一件当たりのランサムウェアの被害規模について、厚労省として把握している事例があればお示しください。

 また、セキュリティー投資のコストと被害額を比較すれば、予防的な投資の方が費用対効果が高いのではないかと思います。予防的投資として国がセキュリティー対策を財政的に支援することが、結果的に医療機関の経営、そして国民が安心して医療を受けられる体制の維持につながると考えますが、この点について大臣より厚労省の見解をお聞かせください。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、被害の額の把握ということでございますけれども、厚生労働省として、現在、ランサムウェアによって被害を受けた病院の被害額ということについては把握をしておりません。

上野国務大臣 厚労省では、これまでも、医療機関におけるサイバーセキュリティー対策として、管理者にサイバーセキュリティー確保のための措置を義務づけるとともに、具体的な措置をお示しをして実施をしていただいております。その措置の実施を促すために、医療機関向けの研修の提供であったり、あるいは病院におけるネットワークの安全性の検証等の支援を行ってきております。

 その上で、今年度ですけれども、更なるサイバーセキュリティーの確保のため、医療機関におけるネットワークの外部接続点の適正化や維持管理に要する費用への補助により、財政的な支援も実施をしているところでありますし、さらに、令和八年度診療報酬改定においては、非常時に備えたサイバーセキュリティー対策等の整備に係る評価として、専任の医療情報システム安全管理責任者の配置等を要件とした電子的診療情報連携体制整備加算を新設をしております。

 医療DXを進めていく中で、委員からも再三御指摘のあるように、この分野は非常に大事になってまいります、重要になってまいりますので、それをどういった形で支援をしていくか。今申し上げたのは一例だと思いますので、更にどうした支援が必要かということは十分検討していかなければいけないと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 この問題が非常に重要な問題である、対策が必要であるという点について認識を共有できたと思いますので、引き続き対策の強化をお願いいたします。

 ありがとうございました。

古賀委員長代理 次に、阿部圭史君。

阿部(圭)委員 日本維新の会の阿部圭史でございます。

 本日は、吉田政務官も防衛省からお越しいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、先月、四月十日にこの厚生労働委員会において行わせていただきました政府の慰霊対象ということと戦死自衛官の取扱いについて、改めてまたお伺いをしたいというふうに思っております。

 四月十日の厚生労働委員会における大臣答弁に基づきまして、また改めてお伺いをしたいと思いますが、その際に、全国戦没者追悼式の追悼対象は、日中戦争、いわゆる一九三七年七月七日の盧溝橋事件に始まるシナ事変以降の戦争による死没者が対象になっているということでございます。

 一方で、千鳥ケ淵戦没者墓苑は、シナ事変以前の、一九三一年九月十八日の柳条湖事件から始まる満州事変における御遺骨も納骨されているということで、今月行われます千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式の拝礼対象は、まさにこの墓苑に納められている御遺骨に対して行うとされているとのことでございます。

 それを考えますと、柳条湖事件から盧溝橋事件に至る過程、満州事変からシナ事変まで、この過程で戦死し千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨されていない方々、この英霊に対しては、国として、この拝礼式においても全国戦没者追悼式においても対象となっていない。すなわち、国として、慰霊、追悼、拝礼、顕彰等を行っていないということになるのではないかということで先月の答弁から拝察をいたしましたけれども、厚生労働大臣の見解はいかがでしょうか。

上野国務大臣 まず、千鳥ケ淵戦没者墓苑につきましては、昭和二十八年の閣議決定に基づいて、太平洋戦争による海外戦没者の御遺骨及び当時既に行政機関において仮安置していた御遺骨であって御遺族に引き渡すことができないものについて、これをお納めするための施設として建立されたものであります。日中戦争以前の満州事変等における御遺骨も納められております。

 その上で、千鳥ケ淵の戦没者墓苑拝礼式については、海外で新たに収容した御遺骨のうち、身元が判明せず御遺族に引き渡すことができないものの納骨を行うとともに、墓苑に納められている御遺骨に対して拝礼を行う趣旨の下、実施をしているものであります。

 一方、全国戦没者追悼式の戦没者の範囲については、昭和三十八年五月十四日の閣議決定において、シナ事変以降の戦争による死没者とし、日中戦争以降の戦争による死没者を対象としています。このため、政府として追悼を行っているのは、日中戦争以降の戦争による死没者となります。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 まさに今おっしゃっていただいたとおり、千鳥ケ淵戦没者墓苑で納骨をされている方々に対しては、満州事変以降も含めて、シナ事変を含めて拝礼を行っているということですけれども、納骨されていない方々については拝礼の対象ともなっておらず、かつ、全国戦没者追悼式の対象ともなっていないということで、穴が空いているということだと思います。これは非常によろしくないことだと思っておりまして、これを今後どうするのかということをまた改めて御相談をさせていただきたいというふうに思っております。

 その上でお伺いしたいと思いますが、戦没者慰霊事業というものがあります、慰霊ですね。全国戦没者追悼式というものがあります、追悼であります。千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式、拝礼というものがございます。硫黄島戦没者慰霊追悼顕彰式、ここには慰霊追悼顕彰ということになっておりまして、顕彰という新しい文言が出てきますが、慰霊、追悼、拝礼、顕彰、この文言の使い分けについては、政府としてどのようにお考えになっているんでしょうか。各文言の意味の違いについて、厚生労働大臣から、若しくは参考人からお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの慰霊、追悼、拝礼、顕彰といった文言につきましては、それぞれの意味を定める法令上の定義はございませんが、厚生労働省ではこれらの文言を一般的な意味として用いております。

 その上で、広辞苑によりますると、慰霊については、死者の霊魂を慰めることを意味するものと承知しており、厚生労働省では、旧主要戦域等を訪れる慰霊巡拝や戦没者慰霊碑の建立、管理などの際に慰霊という言葉を用いております。

 追悼につきましては、同じく、死者をしのび、悼み悲しむことを意味するものと承知しておりまして、厚生労働省では、御指摘いただきました全国戦没者追悼式において、さきの大戦において亡くなられた方々を追悼し平和を祈念する際に追悼という言葉を用いております。

 拝礼につきましては、同じく、頭を下げて礼をすること、また、拝むことを意味するものと承知しておりまして、厚生労働省では、千鳥ケ淵戦没者墓苑式におきまして納骨を行う際に行っておりまして、墓苑に納められている御遺骨に対して拝礼を行う際に拝礼という言葉を使っております。

 なお、顕彰につきましては、一般的に、功績などを明らかにし、たたえることを意味するものと承知しておりますけれども、厚生労働省が行っております慰霊、追悼事業においては、顕彰という言葉は用いておりません。

    〔古賀委員長代理退席、委員長着席〕

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 更問いになりますけれども、硫黄島戦没者慰霊追悼顕彰式というものは内閣のホームページにも載っている文言でございますが、これは、じゃ、具体的にどういう主体が使っているんでしょうか。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきました顕彰を使っているものにつきましては、硫黄島協会という民間の団体が主催者として開催しているものでございまして、政府も呼ばれて参列はしております。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 そうしますと、政府の中に顕彰という概念はないということなんでしょうか。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと概念というふうに聞かれてしまいますと答弁がしづらいんですが、先ほど申し上げましたように、厚生労働省が行っている事業の中では、顕彰という形での言葉はございません。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 明確に文言を使い分けているということで、顕彰としては厚生労働省は持っていないということですので、ここは非常に大事なことだと思います。旧軍人の方もそうですし、今後の自衛官についてもそうだと思いますので、やはり名誉と誇りの問題ということもございますので、顕彰するということは非常に大事になってまいりますので、今後もここを問うていきたいというふうに思います。

 次にお伺いいたしますが、先ほど申し上げたとおり、穴が空いているということだと思います。柳条湖事件から盧溝橋事件に至る過程で戦死し千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨されていない英霊を含めて、全体に対して慰霊及び顕彰等を行っているのは、政府が穴が空いているということですので、靖国神社及び全国の護国神社がまさにこの穴をも含めて全体を慰霊、顕彰しているのではないかと思います。

 厚生労働省は、昭和三十一年四月十九日に靖国神社合祀事務協力要綱を発出しておりまして、これに基づきまして、基本理念として、靖国神社の合祀事務の推進に協力をしておられます。

 政府が靖国神社合祀事務協力要綱を発出した目的はどのようなことになっているんでしょうか。大臣、お伺いいたします。

上野国務大臣 厚労省では、旧陸海軍の軍人軍属の身上記録を保有しております。これは、遺族などから調査依頼があった場合には、戦没者に関する情報提供、これを行っているところであります。

 当時、靖国神社から受けた調査依頼に対しても、一般的な情報提供の一環として回答を行っていたものであります。御指摘の要綱は、その事務を遂行するために発出されたものだと承知をしております。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 粛々と事務を遂行していただいているということだと思います。

 次にお伺いいたしますが、四月十日の厚生労働委員会で、大臣は日中戦争という文言を使用されておられます。一方で、全国戦没者追悼式の実施に関する件、これは昭和二十七年の閣議決定でございますが、ここではシナ事変という文言が使用されております。行政上の文言としてはこの閣議決定にあるシナ事変が適切であるとも考えられますが、厚生労働省の見解はいかがでしょうか。法的根拠も含めてお伺いしたいと思います。大臣、お願いいたします。

上野国務大臣 昭和二十七年の閣議決定においてはシナ事変という文言が用いられていますが、現在、行政上の文書においてシナ事変を用いるべきものとされているとは承知はしておりません。

 私が本年四月十日の厚労委員会において日中戦争と申し上げたのは、昭和十二年の七月七日に始まる事変について、現在、一般に用いられている表現として申し上げたものであります。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 行政上の根拠、法的根拠についてはどのような形になっているか。もしお答えできなければ大丈夫ですけれども、いかがですか、参考人。

伊澤政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問いただきました法的という観点で申し上げますと、法的なものはないということでございまして、大臣の方から、一般的、今一番使われている言葉として御答弁申し上げたということでございます。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 同様に、先月の厚生労働委員会で大臣はさきの大戦という文言を使用されていますが、さきの大戦とは、具体的にどの期間において、どの地域で行われた戦争を指すのでしょうか。

上野国務大臣 一般的に、さきの大戦という用語については、その始期、終期又は対象地域を法令上定めたものはないと承知をしております。

 その上で、私が本年四月十日の厚労委員会においてさきの大戦と申し上げたのは、昭和五十七年の全国戦没者追悼式に関する閣議決定において、さきの大戦において亡くなられた方々を追悼し平和を祈念するため、戦没者を追悼し平和を祈念する日を設け、当該日に、八月十五日ですが、全国戦没者追悼式を実施するとされており、この閣議決定と同様の趣旨で用いたものであります。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 この始期、終期共に決まっていないということについては太平洋戦争も同様だと思いまして、それにつきましても先月の委員会で御答弁いただきました。

 太平洋戦争は、千鳥ケ淵戦没者墓苑の建立を定めた閣議決定に用いられておりますけれども、この墓苑は日中戦争以前の満州事変における御遺骨が納骨されているとのことでございますが、それを考えた場合、太平洋戦争とは満州事変以降の戦争のことを指すんでしょうか。

伊澤政府参考人 お答えいたします。

 今委員から御質問がございました千鳥ケ淵の方でございますけれども、こちらは、御指摘いただきました太平洋戦争による海外戦没者の遺骨でありまして御遺族に引き渡すことができない御遺骨だけではなく、当該閣議決定がございまして、墓苑の設立当時に政府において保管していた遺骨で御遺族に引き渡すことができなかったものも納めることになっておりまして、このような経緯がございまして、後段があるものですから、千鳥ケ淵の戦没者墓苑には日中戦争以前の御遺骨も納骨されている、こういうことでございます。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 仮安置中の戦没者の遺骨も含まれるということだと理解をいたしました。ありがとうございます。

 またもう一問お伺いいたしますが、先月の厚生労働委員会でお伺いしましたとおり、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律、これは一九五二年の法律ですが、これによって、GHQによって禁止されていた大東亜戦争及び英霊等の文言は法的に失効をした。要するに、このGHQの命令は既に失効しているので、法的には、大東亜戦争、英霊、そういった文言は全くもって法的に妥当であるということだというふうに私の方で申し上げましたけれども、この大東亜戦争が、日本政府として期間及び地域等を唯一定めた法的正当性のある文言ではないかというふうに思いますけれども、政府の法的整理はいかがでしょうか。

上野国務大臣 大東亜戦争については、昭和十六年十二月に閣議決定をされていますが、昭和二十年十二月には大東亜戦争という用語の使用の停止を命令する旨の連合国総司令部覚書が発されたものと承知をしています。

 この連合国総司令部覚書の内容については、サンフランシスコ講和条約が発効した昭和二十七年四月に失効していると認識をしていますが、他方で、現在、御指摘の大東亜戦争という用語の定義を定める法令はなく、一般に政府として公文書において使用していないと承知しています。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。また法的整理をお伺いしたいと思います。

 最後、一問、吉田政務官にお伺いしたいと思います。戦死自衛官の取扱いについてでございます。

 先月の厚生労働委員会で、以下の五点を確認をいたしました。死亡の判断について定めた法律はないこと、一つ目。二つ目は、死亡の法的定義はないこと。三つ目は、死の三徴にも法的定義はないこと。四つ目は、自衛隊員が死亡の判断を行うことは医師法に違反しないこと。五つ目として、旧陸軍留守業務規程では、戦闘等による死亡者、いわゆるKIA、キルド・イン・アクションや、生死不明者、いわゆるMIAですね、ミッシング・イン・アクションについては、当該軍人の所属部隊の部隊長が軍の人事担当部署に連絡するということを確認をいたしました。

 この五点を踏まえた上で、今後、有事が発生し、とある戦地で自衛官が戦死した場合、当該戦地において、医師又は医官はおろか、看護官等の衛生職種さえ不在であることが想定される、したがって、部隊指揮官が死亡認定を行うなどの対処を法的に担保する必要があるのではないかと私から問うたところ、吉田政務官から、防衛省としては、この御指摘を踏まえながら、今後、早急に関係省庁と連携をして、どのような措置が可能なのかということを対応してまいりたいという御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 その後、一か月が経過しましたが、結論を出すまでの論点が何で、幾つ、どのようなものがあって、いつまでに結論を出すのか、明確にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

大串委員長 吉田防衛大臣政務官、簡潔にお願いします。

吉田大臣政務官 はい。

 論点ということでありますが、さきの委員会でも検討していくというふうに答弁申し上げたところでありますが、現在、関係省庁と連携をしつつ、隊員の死亡及び行方不明に関する現場での確認事項、それから判断手順及び記録の在り方、そして戸籍法等に基づく手続、主にこの三点について検討しているところであります。これらにつきましては、実際の運用において困ることのないように、運用の観点に留意をしながら整理を進めまして、本年秋頃を目途として対応の大枠をまとめるべく取り組んでまいります。

阿部(圭)委員 ありがとうございます。

 秋頃をめどにまとめていただけることで、大変感謝申し上げます。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、岡野純子君。

岡野委員 こんにちは。国民民主党の岡野純子です。

 本日も質疑の機会を賜りまして、どうもありがとうございます。

 この厚生労働委員会というのは、厚生分野と労働分野、およそ生活のほとんどにまつわることが所管でありまして、この一般質疑で取り扱うテーマというのもとても広いと思うんですが、驚いたことに、私も本日パーキンソン病を取り上げさせていただきたいと思っておりまして、しかも三十五分フルフルに、全てその質問を考えております。

 まさかこんなに丸かぶりになるとはと思いましたが、実は、質問も全く同じ論点のものが二つございます。あるんですが、ただ、やはり私も、前者、原田委員も、ここに立つ前には当事者の声を聞いてリサーチをして、課題を抽出をしてここに立っているわけで、それが丸かぶりだということは、つまりは全国のパーキンソン病の患者の皆さんの課題の共通項、お悩みの共通項だということでしょうから、御答弁を受けまして、聞きぶりなどは多少変えよう、工夫はしようとは思いますけれども、質問を飛ばすことはせずに、答弁はしっかりといただきたいなというふうに思います。

 パーキンソン病がどういったものかということは、前者の説明がございましたので多少割愛をいたしますが、これはドーパミンを作る神経細胞が減少することで起こる進行性の神経難病です。原因は、今なお十分には解明をされておりません。患者数ですが、難病の中で最も多く、令和五年の患者数は約二十五万人ということであります。高齢になるほど発症の割合が高い病気ですので、今後の高齢化を考えましたら、決して一部の方だけの問題ではないかと思います。

 先ほど前者からもありましたが、この病気のつらいところは、単に体が動きにくいということだけではなくて、薬が効いているときと効きにくい時間があるということで、同じ一日の中に症状の波が非常に大きくあって、できることできないことが大きく変わるという、それが特徴かと思います。

 今日は、そうしたパーキンソン病の当事者の皆さんが生活を続け、治療を続け、社会の中で尊厳を持って生きていくために国として何ができるのか、そういった観点から伺いたいと思っています。

 まずは、パーキンソン病の治療薬の安定供給について伺ってまいります。

 パーキンソン病の治療に用いられますレボドパ・カルビドパ配合剤、その一つでありますドパコール配合錠は、患者さんの日常生活の機能維持に直結する大変重要な薬です。パーキンソン病の患者さんにとって薬が安定して効いている時間の確保というのは、歩けるか歩けないか、話せるか話せないか、食事ができるかできないか、そういう生活そのものに関わります。単に症状を和らげるというよりも、その人が生活を続けるための土台であります。しかしながら、このドパコール配合錠ですが、薬価改定等により不採算となりまして、製造継続や安定供給に懸念が生じていることについて、患者、関係者からの不安の声があります。

 もちろん、薬価を適正化をして、医療保険財政を持続可能なものにしていくということは非常に重要なことであります。しかし、供給継続に必要な水準を下回ってしまって薬が手に入らないなどということになれば、本末転倒な話であります。

 そこで、伺います。

 厚生労働省として、ドパコール配合錠の製造原価と薬価の関係、現在の供給状況、先発品の販売中止によって一社に需要が集中する可能性など、どのように把握をしているのか。

 また、私どもと同じ会派の長友慎治議員が、予算委員会の場所でこの内容と同じような質問をさせていただきました。その中で、それに対する答弁の後、厚生労働省としてどのような確認や対応を進めてくださっているのか、進捗も併せて伺います。お願いします。

上野国務大臣 御指摘のパーキンソン病治療薬については、この薬を供給されている製造販売業者に対し、ヒアリングを実施をしております。

 今委員からも御指摘がありましたが、製造原価の詳細についても把握をさせていただきました。その上で、現在、供給状況には問題はないということ、また、今後、先発品が販売中止、今年の十二月に販売中止の予定ですが、販売中止になった後も、本剤への需要増にも対応でき、安定供給に影響は生じない見込みであることについて確認をし、情報を把握をしているところであります。

 また、ヒアリングを行わせていただく際に、安定供給が必要な医薬品に対する補助金についても、私どもの方から御説明をさせていただいたところでございますが、いずれにしましても、今後とも、当該企業と必要なコミュニケーションを取っていきたいと考えております。

岡野委員 ありがとうございます。

 ヒアリングをしていただいて、安定供給には影響はないという明確な御答弁をいただけたものと思います。

 一つ安心しましたのは、長友委員への答弁のときに、大臣が代替薬の確保というようなコメントをなさっていたところがちょっと私は気になっておりまして、というのが、今回、当事者の皆さんと話をしていて初めて知ったことなんですけれども、皆さん、薬と自分の体の相性というか、それもとても慎重に扱っていらっしゃって、薬剤の種類もそうですし、あと、一錠を半分にカットしたりとかして、自分に何とかちょうどいいあんばいというものを模索をされているということを知りました。

 じゃ、成分が一緒だったら大丈夫じゃないかというと、そうではなくて、錠剤の溶け方とか吸収のされ方、血中濃度の上がり方、そういう微妙な違いが患者さんの体感に大きく影響を与えるというような、AがないからBとか、大が小を兼ねるとか、そういう話ではないんだということを知りまして、直接、生き死にに関係する話ではないかもしれませんけれども、患者さんの声を代弁すると、薄氷の上を歩くような思いでようやくたどり着いた薬の生活だ、それを失うのが怖いという声もありましたので、代替薬ではなく、今あるものが継続できるという御答弁は本当に安心をいたしました。ありがとうございます。

 では、次の質問に参ります。

 これは先ほどの論点と丸かぶりなんですけれども、改めて聞かせていただきます。指定難病に付随して発生する医療費助成についてであります。

 先ほどもありましたけれども、この医療費助成は、当該指定難病そのものだけではなくて、そこに付随して発生する疾病についても助成対象となり得るというふうにされています。極めて重要だと思います。

 先ほど来もありますけれども、パーキンソン病の場合でしたら、うまく体が動かない、そして、例えば、足がすくんで転倒してしまって骨折をした、そういうことは決して珍しいことではなく、常に患者さんのそばにあるリスクだというところであります。

 ですが、私も聞いたところ、現場で医師が、指定難病に付随する疾病かどうか、それに当たるのかどうかということの判断をためらってしまって、本来使えるはずの制度が十分に活用されていないというような、そういった声を聞きました。

 先ほどの御答弁にもあったとおり、確かに厚生労働省としては、ちゃんと助成対象になり得るんだということを明確に示していらっしゃいますし、おっしゃるとおり受給者証にも書いていらっしゃって、一定の周知をされているということは確認済みであります。

 そこで伺いたいんですけれども、まずはこの、現場の医師が判断をためらって、制度の活用にばらつきが生じている可能性というものを把握をされているのか。また、その場合、この状況、本来であれば使える制度を適切に利用してもらうべきと思いますが、どのような方法が考えられるのか、改めて伺います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、医療の現場において、その症状がどちらに起因して起こっているのかということは、パーキンソンに限らず、多くの現場において日々経験していることだろうというふうに思います。それをためらうという言葉で表現するかどうかはさておきまして、医療の現場におきましては、同じ症状で疾病名は幾つでもリストとして出てまいりますので、その中で慎重に判断をしていくということが日常であろうというふうにまず思います。

 したがいまして、同じ症状が幾つもの疾病に出てくるであろう共通のような疾病、これが一律にこの病気において起こるのだということを標準化してお示しするということは極めて困難であろうというふうに思います。個別の患者様によって、状況や、御年齢ですとか、飲んでいらっしゃるお薬とか、そういったことを踏まえて総合的に医療というのは行われているというふうに思っております。

 その上で、我々といたしましては、付随する傷病も医療費の助成の対象であるということをいろいろなところでお示しをしている。その一つが、自治体が発行する指定難病の受給者証に記載しているということであります。また、難病情報センターのホームページにおいても周知をさせていただいております。

 新しいことといたしましては、難病指定医の養成というものを都道府県、指定都市で行っていただいております。その研修の中で資材にも改めて書き込んで、周知を図ってまいりたいというふうに思っております。

岡野委員 ありがとうございます。

 資材に書き込んでいただけるとのことで、是非とも、現場からこういう声があるということはお伝えをいただきたいと思います。

 典型例を示すのは難しいというのは当然そうだと思うんですけれども、ただ、体が自由に動かなくて転倒リスクというのは割と大くくりにできる症状だと思いますので、ある程度の、転倒リスクがある疾病なんかを考え方を整理して示すとか、できることがもしあるのであれば、是非ともそれは工夫をしていただきたいなというふうに思います。

 あと、これはお医者さんと患者さんのコミュニケーションの問題もきっと多分にあるんだろうと思います。ただ、世話になっている病院の医療の現場で、じゃ、医師と患者の立場が対等かというと、やはりなかなかそうはいかない、患者側からなかなか主張ができないケースというものもあると思いますので、その辺りも想定して是非とも制度を運用していただきたいなというふうに思います。

 では、次に進みます。

 これもちょっと丸かぶりなんですけれども、重症度認定や障害認定の課題について伺いたいと思います。

 何度も申し上げておりますが、パーキンソン病、薬が効いている時間と切れた時間で状態が大きく変わる疾患であります。ここで問題となるのは、先ほども同じような例示がありました。診察の場面には、患者さんがそこに薬を合わせて、診療時間にいい状態を合わせて行かれる。そもそも、そうしないと一人で受診ができないので、考えてみれば当然なんですが、診察室にたどり着くために薬のタイミングを合わせる。私がお聞きした方は、例えばその方は、一日、調子がいいなと思うのは一時間が二回ぐらいだというふうにおっしゃっていました。その一時間を診察の時間に合わせて行くんだというお話を聞いております。

 ということは、つまり、お医者さんの目の前にいる患者さんというのは、その一日の中で最も調子がいい状態であることが少なくなくて、たまたま動けている姿を、そこを重視すれば、もしかすると実態よりも軽く評価をされてしまうのではないか、そういったおそれがあるのかなというふうに思います。

 一方で、先ほども出ました臨床調査個人票、直近六か月間の最も悪い状態を記載する、つまりは患者さんの自己申告をそこに書くということですが、これは症状変動が大きい疾患に対して非常に重要な仕組みだとは思いますが、じゃ、これが本当に現場で機能しているのかというところを確認したいと思います。

 パーキンソン病の指定難病医療費助成、これは、ホーン・ヤール重症度、これに関わったお医者さんの名前を取ったようなんですが、ホーン・ヤール重症度分類の三以上かつ生活機能障害度二以上が基準とされておりますが、症状変動の大きい疾患におきまして、お医者さんによって、診察時点の所見と、そしてもう一つ、患者の日常生活上の申告、このどちらをどの程度重要視するかというところに差が出てくる可能性は当然あり得るわけです。

 先ほど、前者への御答弁をお聞きしていると、適切な判定や診断がなされているのではないかというような表現を使っていらっしゃったと思いますが、なされているのではないかのところの、実際のところがどうなのかというところが問題になっているんだと思います。

 評価にばらつきが当然出る可能性がある内容ですから、それは防がねばならないと思うんですが、厚生労働省といたしまして、パーキンソン病の実態が適切に認定に反映されるようにどのような運用上の工夫を行っているのか、伺います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 これもパーキンソン病に限った話ではないのですけれども、多くの慢性疾患におきましては、症状の進行や変動が認められるケースというものが多いというふうに考えております。

 これも、そもそも論の、医療の現場においてでありますけれども、患者様を診るに当たりましては、まず主訴をよく聞き、起始、経過をお話を伺った上で、現在の症状、身体検査を行い、総合的に判断をしている、これが医療の現場だと思っております。したがいまして、難病の診断に限らず、そういった患者様からのお話、家ではこうであるとか、お付添いの方からのお話、こういったものを総合的に判断して医療は進められているというのがまず基本にあると思っております。

 その上で、難病の臨床調査個人票につきましては、注意書きに書いてありますように、「治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で、直近六か月間で最も悪い状態を記載してください。」というふうに記載をさせていただいております。難病疾病三百四十八ございますが、その中には、六か月を超えてその期間を設けている疾病もございます。

 そういうことで、その病気に応じた変動を踏まえてこういう注意書きを書かせていただいておりますので、診察時点のその瞬間ではなく、長いスパンを取って、よく患者様のお話を踏まえた上で判断をしていただいているというところでございます。

 こういったことを更に周知をしていく中で、適切な状況把握ができるように、厚労省としても努めてまいりたいと思っております。

岡野委員 ありがとうございます。

 御答弁は非常に納得できるもので、方向性としてそうなんだろうと思いますが、私も原田委員も同じ質問をしたということは、現場でそうではない実態が少なからずあるのではないかというところなのだと思います。これは、そういうようなつもりはないとなっても、そうなってしまうケースもありますから、実態を是非とも現場調査をお願いしたいと思います。

 済みません、私、ここ、併せて身体障害者手帳のことも伺うと言っておりました。途中で質問を切ってしまって申し訳ありません。

 同じ視点で身体障害者手帳制度についても伺いたいんですが、こっちは病名で判断する制度ではなくて、上肢、下肢、体幹などの機能障害が日常生活にどれだけ制限をしているか、そういったところを見る制度であります。

 これは、判断におきましては、一時的な最大能力ではなくて、無理なく発揮可能な能力で判断するというふうに聞いています。つまりは、すごく無理すれば一キロ歩ける人でも、次の日は体調を崩すということであれば、それは一キロ歩けるとはみなさない、無理すれば可能は可能とは扱わないという整理だというふうに聞いておりますが、では、パーキンソン病のように症状変動が大きい場合はどのように判断されているのかというところが、同じような論点で気になるところです。

 そもそも、バッファーのあるたてつけの中でどうなのかというところを知りたいんですが、事前に厚労省の皆さんに、パーキンソン病の方の身障者手帳の取得状況を把握されているのか聞きましたところ、取得時に疾病名は書くんだけれども、実務をしている自治体から厚労省に疾病ごとのデータというのは上がってきていないので、つまりは、パーキンソン病の人が何%持っているとか、そういうことは把握をされていないというところでした。

 だからこそ伺いたいんですが、こうした症状変動の大きい特性がある難病の身体障害者認定は適切に行われているのでしょうか。認定における課題はどのように把握されているのか、伺います。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の身体障害者手帳でございますけれども、先生から御指摘がありましたように、この手帳というのは、原因となる疾病とか事故とか、そういったもののいかんにかかわらず、肢体不自由など、身体障害者福祉法に掲げる身体上の障害がある方につきまして、日常生活が著しい制限を受ける一定以上の障害が存在して、かつ、その障害が永続、続いていることというものを評価をして交付をするということになっております。

 そうしたたてつけの関係もありまして、確かに、申請の書類であるとか医師の意見書などに、原因の疾患として、パーキンソン病を始めとする原因が記載してあることもあるんですが、そういった原因となる疾患別の手帳の取得状況といったところを統計的に把握をするというところまでは行っていません。原因を問わず、一定の程度の身体障害状態にある方に対して交付をするというたてつけでそうなっております。

 一方で、じゃ、手帳の認定に際してでございますけれども、これはパーキンソン病の方を含めまして、例えば、御指摘のように、まさに服薬とそのときの状態の見極めとの関係とか、そういったところでやはり留意が必要なケースもあるというふうに承知をしておりまして、疑義照会などの中では、パーキンソン病のような方を含めて、服薬によって状態が変化するような方の場合には、原則として、服薬によってコントロールされている状態をもって評価を、判定をしてもらいたいんだけれども、一日の大半でコントロールができないという状態が続いている場合には認定の対象になるといったことをお示しするなど、こういった疑義解釈などにおいてお示しを一定程度しております。

 一方で、ちょっと話が手帳ではなくなるんですが、障害福祉サービスの方の認定、ホームヘルプであったりとか通所のサービスであったりとか、こっちの方でも、障害手帳ではありませんけれども、障害支援区分の認定というのを障害者総合支援法に基づいて行っております。この障害者総合支援法による福祉サービスの対象の方には、難病患者の方が位置づけられておりまして、パーキンソン病の方も対象疾患となっております。

 そちらの方の審査マニュアルの方では、こういった難病患者の方は症状が変化するなどの特徴もあるので、市町村審査会ではそうした特徴も十分理解した上で、最も支援が必要な状態を想定して審査判定を行っていただきたいといった留意点をお示ししております。

 このように、手帳は手帳、そして福祉サービスは福祉のサービスの方でというそれぞれの局面局面で、認定の仕方、疑義照会であるとかマニュアルとかをお示ししておりますが、こうしたことに取り組むことを通じまして、引き続き適切な運用が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。

岡野委員 ありがとうございます。

 確かに、福祉サービスにしっかりと掲げるということも重要なんですけれども、その前の段階の手帳の取得の部分ですけれども、想定とか、やはりちょっと、ある程度の幅があるような、当然、個々のケースがありますから、幅はあってしかるべきなんだと思いますけれども、だからこそ、当事者の皆さんは、パーキンソン病と身障者認定というのは相性が悪いという表現をされたんですよね。やはりなかなかその実態を、うまく伝わらなかったときというのがなかなか認定してもらえないというような、そうした声がありました。

 適切な運用が行われていないんじゃないかというような声が上がっている以上、できましたら、先ほど想定の中でというふうな話がありましたけれども、現場でどのような認定が行われているかということを是非とも一度実態を調査をしていただきたいなということ、こちらも併せてお願いをしたいと思います。

 済みません、では、次に進めさせていただきます。

 続きまして、患者数の要件について伺ってまいりたいんですが、指定難病の制度には、患者数が人口に対して〇・一%以下との要件があります。そのため、患者さんの中には、患者数が増えれば、将来、支援対象から外れてしまうのではないかという不安の声がございます。といいますのも、先ほども申し上げましたが、高齢者ほど罹患率が上がるということで、特に六十五歳以上で罹患率が上がるという特徴がありますので、高齢化の進展によって患者数が増えるというのが当事者会の見立てであります。

 当然、指定難病制度には、制度としての考え方があって、要件があることも理解はいたしますけれども、自分たちの病気が制度上どのように位置づけられていくのか、そして将来も支援が続くのかという患者さんの不安に対しまして、厚生労働省としてどのように応えられるのか、伺いたいと思います。

 前段でも申し上げましたが、ドーパミンに由来する疾患でありまして、不安感を強く感じることが病気そのものの悪化につながる、そういった可能性の話もお聞きをいたしました。まさか、患者数が増えたからといって、あなた方、あしたから難病じゃありませんよといって支援を打ち切るなんということをされるはずがないとは思いますけれども、やはり実際に患者さんから制度の持続可能性に対しての不安の声が上がっておりますので、運用していく上で、どのように丁寧な対応をなさっていくのか。

 是非とも、当事者の皆さん、この質疑もきっと御覧になっていると思いますので、当事者の方が安心感を持っていただけるような答弁をいただきたいと思います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 難病法による医療費助成、これは先生御案内のとおり、要件がございまして、症例が比較的少ない難病について医療費助成を行うことで、難病患者の症例を効率的に集積をして治療研究を推進する、こういう目的の下で行われております。それに付随しまして、難病の患者様の療養生活の質の維持向上等を図るために、効率的な治療方法が確立されるまでの間、長期の療養に係る医療費を支援しているものでございます。

 指定難病の要件は幾つかございますが、この目的を踏まえまして設定をされておりまして、その一つであります希少性、ここにつきましては、難病法施行規則の中で、人口のおおむね〇・一%と明記をさせていただいております。それを踏まえまして、指定難病検討委員会において議論をした上で、その数字を医療受給者証の所持者数に置き換えて、当面の間はおおむね人口の〇・一五%ということで、十八万人程度としているところであります。

 既存の指定難病が指定難病の要件に該当するかどうかにつきましては、こうした法律の制度の趣旨を踏まえまして、指定難病に関する研究の進捗状況などを確認した上で、指定難病検討委員会において総合的に判断することとしております。

 これまでにも、この要件に該当するかどうかという意味で、新規に疾病が追加されるなどしておりまして、そういった意味でも、要件該当性というものはこの委員会において判断をさせていただいているところであります。

 現在、ただいま指定難病の対象外となる疾患というものが想定されている状況ではございませんが、先生御指摘のように、仮にそうしたような状況が発生する場合には、より丁寧な対応、より丁寧な説明というものが必要になるであろうというふうに考えております。

岡野委員 より丁寧な対応というところを深掘りをしていただきたかったところではありますけれども、仕組みについてはよく把握ができました。

 では、時間もありますので、先に進みます。

 安全に運動できる環境へのアクセス支援について伺いたいと思います。要は、駐車場代の話をしようと思っておりまして、決してこれは小さい話と思っていただきたくなくて。

 パーキンソン病進行の抑制とか生活機能の維持の観点から、薬物療法と併せまして、運動療法も非常に重要視をされております。患者さんにとって、つまり体を動かすことというのは、気分転換ではなくて、大切な治療的意味を持つということであります。

 しかしながら、思うように体を動かすことができなくて、転倒リスクがあって、例えば、車の多い道路とか狭い歩道で運動することに危険を伴う方もいらっしゃいます。つまりは、運動してくださいと勧めるのであれば、同時に、安全に歩ける広い公園ですとか体育施設などにアクセスできる環境についても考える必要があるのではないかと思っております。

 身障者手帳があれば、いろいろな自治体で、駐車場の利用とか公共施設の利用の駐車場代が無料だとか減免だというような、そうした優遇措置が設けられている場合がありますけれども、先ほど質問しましたように、パーキンソン病は身障者手帳を持っていない方も少なくはありません。そのため、実際には支援からこぼれて、運動に適した安全な環境に気軽に行けないという状況があります。

 これは決してパーキンソン病に限った話ではなく、重症筋無力症も脊髄小脳変性症も多発性硬化症も、医学的には運動療法やリハビリテーションが重要とされる一方で、体を自由に動かしにくいために安全な運動環境が必要だという難病、ほかにもあります。

 令和六年から、指定難病患者が障害福祉サービスや就労支援などを円滑に利用するための証明として、登録者証制度というものの運用が始まっています。医療費助成の認定基準を満たさない、つまりは軽症の疾病を抱える人も対象となる制度でありまして、うまく活用されれば、生活を支える一つの基盤になるものだと期待をしているところでありますが、先ほどおっしゃったとおり、指定難病は三百四十八ございまして、その全てが運動機能に影響するわけではありませんので、したがって、受給者証とか登録者証を持っている人全員に身障者手帳と同じような扱いを一律に広げればいいという、そういう単純な話でもないんだろうなと、そこは理解をしています。

 そこで伺いますが、パーキンソン病を始め、医学的にも運動療法が重要とされる指定難病において、かつ、体を自由に動かしにくい症状がある患者さんに対しまして、厚生労働省として、例えば国交省や自治体と連携をして、公園や体育施設、駐車場等の利用支援や減免、あるいは自治体の好事例の横展開など、安全に運動できる環境へのアクセスを支える仕組みを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、体が不自由な方であったり高齢者の方であったり、そういった方々に対する生活上の支援ですとか、公園でのリハビリをするですとか、そういったことは難病に限った話ではございませんので、もう少し広い御質問かなというふうには思いましたが、私の方では、難病の中に限ってどういったことが行われているかということをお答え申し上げます。

 先生から御指摘いただきましたように、令和六年四月一日に施行いたしました登録者証、この発行は、法改正を、難病法及び児童福祉法の改正によりまして、福祉、就労等の各種支援を円滑に利用できるようにするために、自治体等が患者の申請に基づき指定難病に罹患していることなどを確認し、登録者証を発行する事業、これが創設されたところであります。

 これにつきましては、指定難病に罹患しているものの、医療費助成の対象とならない軽症者の方の情報、こういったことも難病の研究に活用することができますので、国としてもこういった発行を都道府県に促しているところであります。

 一方で、先生が御指摘いただきましたような登録者証の利活用、これにつきましては、例えば、自治体の中で、法律に定める療養生活環境整備事業というのがございます。これは都道府県に行っていただいているわけでありますが、この一環として、例えば、登録者証が活用可能な、自治体が実施している市営公共施設の無料入場など、こういったことに活用している自治体の利活用好事例、こういったものを周知をしておりましたりですとか、また、登録者証が利用可能な障害福祉、就労支援サービスの一覧について都道府県等に情報提供するなど、国としてはそういった好事例の展開を行っているところでございます。

 都道府県に対しましては、今後も登録者証の発行事業の実施を促すとともに、各自治体において、地域の実情に合わせて利活用を図っていただきたいと考えております。

岡野委員 ありがとうございます。

 冒頭、今御答弁のときに、もっと広い視点の質問なのかなと思いますがというふうにおっしゃいましたけれども、当然、運動すべき人というのはたくさんいらっしゃるんですけれども、やはり、それがより切実な人にまずは届くべきなのかなというふうに考えますので、身障者の方、あるいは、自分の生活圏内ではなかなか運動ができるような、みんながみんな、そんなに安全な場所に住んでいるわけではないということを考えると、極めてこれは切実な問題だなというふうに感じましたので、是非とも、今後とも力強く進めていただきたいなというふうに思います。

 では、最後の質問ですが、最後にパーキンソン病の身体症状への偏見や誤解について伺ってまいりたいと思います。

 薬の長期服用に影響をしまして、自分の意思とは無関係に口や舌や手足、体幹が勝手に動いてしまう不随意運動、ジスキネジアが生じることがパーキンソン病においてはあります。ちなみに、このような不随意運動の問題というのは、これはパーキンソン病だけではなくて、他の神経疾患や脳性麻痺などでも起こり得るものということは皆さん御承知のことと思いますが、また、それに加えまして、薬の効き方によって、動ける時間とそうでないときが大きく変わるオンオフ現象というものもパーキンソン病の治療の特徴であります。

 これらいずれも、本人の意思とか態度は全く関係がなく、病気や治療によって表れるものでありますが、ただ、外見上、非常に分かりやすく表れるものですから、周囲から誤解されやすいという現実があります。例えば、不審な動きをしていると避けられたりとか、昼からお酒を飲んでいるんじゃないかと誤解をされたりとか、落ち着きがないと見られて職場で低く評価をされてしまう、電車の中で本人の意思と関係なく体が動いて、無意識に触れてしまってトラブルに発展したという話もお聞きしました。

 本日の中医協で、アムシェプリが保険適用になる、大変明るい兆しの話がございましたが、現状においては、完治の見込みがなく進行していく、その病気を抱えることというのは本当につらいことだと思います。さらに、そこに加わって、社会の無理解や偏見による二次的な苦しさが重なっている。これは、本人にとってこんなにつらいことはないだろうと私は思います。病気と闘っているだけでも大変ですのに、外に出れば誤解をされるかもしれない、責められるかもしれない、そうなりますと、社会参加そのものが阻まれるのかなというふうにも思います。

 そこで伺いますが、厚生労働省として、パーキンソン病の身体症状、特にジスキネジアやオンオフ現象という社会で誤解や偏見が生じやすい特徴について、啓発強化をどのように考えていらっしゃるか、考えや手段について伺います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 難病の患者様が社会で誤解や偏見を受けることなく、地域で尊厳を持って生きていかれるような社会、これは大変重要だと思っております。また、難病に対する正しい知識の普及啓発を図り、難病に関する国民の理解が深まるよう取組を進めることは、国としても重要な役割だと思っています。

 現在、厚生労働省で行っていることを申し上げますと、難病情報センターにおいては一般利用者向けに分かりやすい言葉で病気の解説を行うとともに、また、難病患者サポート事業というものを行っておりまして、難病患者様の状況を多くの方に知ってもらう機会とするために、日本難病・疾病団体協議会が開催する一般国民向けのシンポジウム、これに補助を行っております。また、厚労科研におきましても、難病の研究班において患者会とも協力をして、難病患者の就労や療養に関するパンフレット、こんなものを作成させていただいております。

 また、加えまして、国を離れて申し上げますと、パーキンソン病に係る症状や治療方法などについては、パーキンソン病に関連する学会、例えば日本神経学会ですとか神経治療学会、また日本定位・機能神経外科学会、こういった学会のホームページにおいて、一般の方向けに、患者以外の方への情報発信、こういったものが行われております。

 先生御指摘のパーキンソン病に特化した啓発につきましては、厚生労働省だけではなく、学会の力もかりながら、連携してどのような対応が可能か、検討してまいりたいと思います。

岡野委員 ありがとうございます。

 今、いろいろとるる御説明いただいた中には、割とマニアックなものというか、一般の人に決してリーチしづらいものもあるのかなというふうに思いました。やはり周知啓発というのは知ってもらって何ぼだと思いますし、社会の側が知って我々が学ぶことで防げるトラブル、減らせる苦しさはあると思います。

 是非、具体的に、皆さんが病気を抱えていても外に出られる、誤解を恐れずに社会で暮らせる、そういう環境をつくるのも厚生労働行政のすごく大切なお仕事だと思いますので、症状に即した、どういうふうな誤解がされるのか、どういうふうに苦しんでいらっしゃるのかというところを知ってもらえるような啓発の強化ということをお願いを申し上げまして、今日の質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

大串委員長 次に、豊田真由子君。

豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、クルーズ船のハンタウイルスにつきましてお伺いをいたします。

 今回は、現時点におきまして、我が国に直ちに大きな影響を与える状況にはないという御認識だと思いますし、私もそう思います。日本国内にはアンデスウイルスを媒介する齧歯類は存在いたしません。また、アンデスウイルスを原因としたハンタウイルス肺症候群の患者の発生も確認されておりません。

 そうした状況におきましては、私は、正しく恐れるということはとても大切で、あらゆる事態を想定して、政府やまた民間でも準備はしておくものの、国民を過度な不安に陥れることなく、適時適切に対処をする、冷静な対処というのが求められていると思います。これはメディアの方にも同様だと思います。

 私は、WHO担当の日本国の外交官として、二〇〇九年の新型インフルエンザパンデミックに対応した経験がございます。人類の歴史は感染症との闘いの歴史でもございますので、それは絶え間なく繰り返し来るのだという前提の下で、ある意味覚悟を決めて、そして冷静に対処するということが必要だというふうに思います。(発言する者あり)ありがとうございます。

 今回、邦人保護について外務省にお伺いをしたいと思っております。

 今回、このクルーズ船に乗船していた邦人の方が一名いらっしゃいまして、現地時間の五月十日に、英国政府手配のチャーター機の余席提供を受けまして英国に到着をされて、健康状態に問題はないということでございますが、今後は、英国において、現地保健当局による最大四十五日間の健康観察などを受ける予定であるというふうに伺っております。

 今回、実は、先月の四月の二十日に英国との間で署名をいたしました自国民保護に関する協力覚書というものが大変有効に機能したというふうに理解をいたしております。

 これは現在四か国としか結んでおりませんで、韓国、オーストラリア、カナダ、英国でございますが、今回のケースも鑑みまして、こうした覚書の署名国を増やしていただいて、感染症を始めとする様々な事態におけます邦人保護に万全を期していただきたいというふうに思います。今回の下船した邦人に対する保護には引き続き取り組むとともに、今後、様々な事態が想定されますので、日本国として総力を挙げて邦人保護に取り組むということで、お伺いをいたしたいと思います。

實生政府参考人 お答え申し上げます。

 ハンタウイルスへの感染が発生したクルーズ号のホンディウス号でありますけれども、委員の方からも言及がございましたように、これを下船された邦人については、この方の健康状態には問題はないということでありますけれども、WHOの推奨等に基づいて、英国において現地保健当局による最大四十五日間の健康観察等を受ける予定であります。

 邦人保護及び感染拡大防止の観点から、外務省及び在外公館職員がこの邦人の方と緊密に連絡を行って、内閣感染症危機管理統括庁、そして厚生労働省、英国政府等と連携し、邦人の方への支援を実施してきておりまして、引き続き適切に対応していきます。

 今回、英国側による協力は、まさに委員の方から御指摘ございましたように、日英間で本年四月に署名された海外における自国民保護に関する協力覚書を踏まえたものでありまして、この覚書署名後初の協力案件ということになりました。

 これまで、同様の覚書を韓国、豪州、カナダと署名しておりますけれども、今後も、更なる署名国の増加を目指して積極的に検討していく考えでございます。

 海外邦人の安全の確保は、外務省にとって最も重要な責務の一つであり、引き続き、邦人保護に万全を期すべく努めてまいる所存でございます。

豊田委員 繰り返しになりますが、新興感染症というのは繰り返しやってくるもので、これは致し方ないということでありますので、前向きな諦めと覚悟を持って、私たち一人一人が取り組んでいくということが大切ではないかと思います。ありがとうございます。

 次に、児童虐待についてお伺いをしたいと思います。

 津島副大臣、いつもありがとうございます。

 今回、京都府の南丹市におきまして、十一歳の小学生の男の子が母親の再婚相手に殺害されるという痛ましい事件が発生をいたしました。もちろん、本件には、これから警察の捜査が行われておりますので、これについてコメントをするということではございませんが、やはり子供を守れるのは周囲の大人、それは決して身内だけではなくて、学校、地域、行政機関、様々な場面で大人が子供を守っていくということがいかに大切であるかということを痛感する次第であります。

 ちょっとデータ的なことを申し上げますと、昨年九月に公表された政府の報告書によりますと、令和五年度の死亡事例、虐待による子供の死亡事例六十五人のうち、主たる加害者が誰かということを見ますと、実の母親、実母が三九・六%、実母及び実父が一四・六%、そして実母と実母の交際相手というのが四・二%ございます。子供さんが実際誰と暮らしているかということの割合の比較でいえば、実母及び実母の交際相手が四・二%というのは、これは決して少ない数字ではないというふうに私は思います。あと、児童相談所におけます虐待の相談対応件数も、令和六年度で約二十二万三千件ございます。

 私、学生時代に児童養護施設でボランティアをしていたことがございまして、そこには虐待を受けたお子さんもたくさんいらっしゃいました。なので、本当に思うんですけれども、子供にとっては、家庭か学校、保育園だったり幼稚園だったり、その居場所が全てでございますので、家庭が地獄であるということは、本当に生活そのもの、人生そのものが地獄であるという状況にございます。なので、そこからいかに見つけて助けてあげるかということを周りの大人が本当に真剣にならないといけない。

 以前に比べますと、虐待を許さない、すぐ通報をする、子供を守るという認識が社会において広く共有されてきたことというふうには思いますけれども、やはりこの瞬間も、どこかで、声を上げられずに、声を上げることすら知らない、声の上げ方も分からない、たくさんの子供が苦しんでいるということを思わないわけにはいられません。

 今回のこの十一歳の小学生の男の子も、新しいお父さんとうまくいっていないということを周囲に漏らしていたということでございますが、まさかそれがこんな事件になってしまうとは周囲の人たちも思わなかったんだと思いますし、何かしてあげられることはなかったのかというふうに、きっと皆さん非常に悔やんでいらっしゃるのではないかというふうに思います。

 そうした中で、じゃ、何がどのようにできるかということを考えれば、児童虐待の問題をめぐりましては、いろいろな場面での体制整備や、人的な資源の不足であったり、連携とか介入の方法とか、これまでもたくさん議論がございました。しかし、一つ一つ法律も含めて前進をしてきたと思いますが、やはり、まずは見つけるということが主眼になってまいります。

 そのときに、子供が家庭でつらいことがあるとか暴力を受けているといったことをもし話してくれたとしたら、あるいはそういう兆候が子供のけがだったり状態から見られたとしたら、保育園、幼稚園、学校の方というのが適切かつ迅速にきちんと対応をする。

 そしてまた、これはジェンダーの差はちょっと勘案しまして、お母さんが、もし自分の交際相手が自分のお子さんにつらく当たっている、暴力を振るっているというようなことがありましたら、それを身近にすぐに相談できる、助けを求める場所があるのかといった、それは親族であったり公的機関であったりだと思いますけれども、そういったことが非常に重要になってくるんだというふうに思います。

 こうしたことを踏まえまして、子供や、また親からのSOSとか危険なサインをしっかりとキャッチし、虐待が発生する前の予防、伴走支援、そして早期の危機介入が極めて重要であると考えます。今後、今現在も含めて、国としてどのように取り組んでいかれるのか。これは、こども家庭庁さんと文科省さん、双方の御見解を伺いたいと思います。

津島副大臣 豊田真由子委員にお答え申し上げます。

 まず、京都府南丹市において十一歳の男児が亡くなられたことは、痛恨の極みであります。亡くなられた男子児童の御冥福を心からお祈り申し上げます。

 この事案について、捜査中でございますので答弁は差し控えたいと思いますが、一般論として、こども家庭庁の見解を申し上げてまいります。

 当庁とすれば、以下に申し上げます点について総合的に取り組んでいくことが重要と考えております。

 まず第一に、子供や虐待等に気づいた実親等がその抱える悩みや困難な状況を早期に相談できる環境をつくること、第二に、学校を始めとした子供に関わる様々な関係機関が、子供の変化やリスクサインに気づき、連携して必要な支援につなぐことで、児童虐待を予防するとともに、発生が疑われる場合、介入が必要と判断される場合には、特に迅速かつ的確に必要な対応を行い、親子の支援を継続的に行うこと、これが重要だと考えております。

 そのため、当庁においては、家庭に関して悩み、様々な困難を抱える子供や親が安心して相談できるよう、児童相談所虐待防止相談ダイヤル「いちはやく」、一八九や、親子のための相談LINEへの相談を呼びかける広報ポスターの全国での掲示を行う、あるいは、文部科学省さんの御協力の下、学校を通じ、子供たちへの虐待の認識を深めるリーフレットの配付等の広報に取り組んでおります。

 また、妊産婦や子育て家庭とつながり、その悩みや困難に寄り添い、必要な支援を提供するための地域の中核機関として、こども家庭センターの設置及び機能強化を進め、今年度中の全市町村での設置を目指し、運営費補助を含め様々な支援を行っております。

 さらに、介入が必要と判断される場合に迅速かつ的確に対応するためには、児童相談所の体制強化が不可欠でございます。このため、令和四年十二月に、新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定しました。その下で、毎年度、計画的な増員を図り、児童相談所職員の人材定着や資質向上、業務効率化に向けた自治体への支援等にも取り組んでおります。

 児童虐待を防ぎ、子供の命を守るためには、こども家庭センターや児童相談所だけでなく、様々な関係機関や地域資源による多分野連携によりまして、子供や家庭の状況をしっかりと把握し、総合的な支援をすることが必要です。

 引き続き、関係機関や関係省庁と十分な連携を図りつつ、社会全体で子供たちを、子供の命を守るために取り組んでまいります。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 児童虐待防止法におきまして、学校の教職員は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならないとされておりまして、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを福祉事務所又は児童相談所に通告しなければならないとされておりますので、学校関係者は、虐待の発見、対応に当たり重要な役割を果たしていると認識しております。

 文部科学省におきましては、こうした虐待の対応に当たっての学校教職員の役割、あるいは、虐待リスクのチェックリスト、衣服が汚れている、衛生状態がよくないとか、食事が余り家でできていないから執着するとか、こういったチェックリスト等について示した手引を作成するとともに、具体的な虐待対応のケースを取り上げて、必要な対応のポイント等を解説した教師用の研修教材、こういったものを作成の上、全国の教育委員会に周知しております。また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置による教育相談体制の充実にも取り組んでおります。

 今後とも、こども家庭庁を始めとする関係省庁と連絡しながら、引き続きこれらの取組を進めてまいります。

豊田委員 まさに、津島副大臣がおっしゃった、社会全体で子供を守るということが本当に必要であり、大切であると思います。今現在虐待を受けている子供を救う、そして、虐待を受けた傷というのは、もうこれは生涯消えないです。私は、大人になってもそういう方の御相談を本当にたくさん受けておりまして、子供も大人も本当につらくなってしまうので、そういうことが、虐待が連鎖をしていくという話もございますので、何とかみんなで一生懸命頑張らなきゃいけないというふうに思います。ありがとうございます。

 次に、病院の老朽化の問題に行きたいと思います。

 これにつきましては、昨今、非常に報道も多くなされておりまして、認識が広まっているわけですが、実際、冷静に考えますと、この病院の老朽化問題に対して、抜本的な解決策というのが、今、少なくとも私が聞いた限り、調べた限りでは、施設整備の補助みたいな形では対応策がないという状況だというふうに認識をしております。

 と申しますのは、例えば、令和七年度の補正予算で、地域医療介護総合確保基金や整備費補助金の対象となった施設整備につきまして、補助単価を足下の建設単価に合わせてかさ上げをするという措置が行われております。ただ、この基金と申しますのは、地域医療構想の推進に必要な施設整備というのが建前でございますし、整備費補助金は、僻地や災害医療など、政策医療が対象になっております。

 今回、人件費とか物価高騰に対応するということで、診療報酬改定、また昨年の補正におきましても非常に手当てをしたというふうに言われておりますが、これはあくまでもこれまでの不足分に対してペイしたということでございますので、今回の中東情勢などもあり、これが非常に、建て替えや改修費用を確保できるようになるというところまで、あるいは、金融機関が病院の経営が上向いてきたから融資をしようというところになるまで、きちんと目的が達成できるかというと、ちょっと私は心配が大きいというふうに思っております。

 日本の多くの病院は、高度経済成長から、五〇年あるいは七〇年代にかけまして建設ラッシュがございました。ということは、これは厚労省の病床機能報告によりましても、築四十年以上の病棟を持つ病院というのは約千五百六十八か所、そしてまた、五十年以上は五百四十七か所という結果でございまして、報道とか、私も見に行ったことがありますけれども、本当にぼろぼろで、雨漏りがしますとか、あるいは、やはり設備とかいろいろな手術の機械なども新しくできませんと。

 やはり、命を守るというときに、ハード面とソフト面、両方大事だと思いますので、この機械があれば助かった命が助からないかもしれないというところで、どこにお住まいか、あるいはどこの病院にかかるかによって大事な国民の命が左右されるようなことがあっては本当にいけないというふうに思っています。

 これにつきまして、私、例えばですけれども、これは財務省さんとの調整が必要だとは思いますけれども、建て替え、改修のための新たな補助金を、もちろん本当に必要な範囲で創設をするとか、人口減少もございますので何でもかんでも今までどおりというわけにはもちろんいきませんけれども、その機能や規模を見直しつつも、地域に必要な病院というのを建て替えができなければその地域医療は崩壊をいたしますので、これは非常に私は危機的状況だと思っておりまして、これにつきまして、どうにもならなくなっている病院にどうしろということなのか、具体的な見通しも含めて御見解を伺いたいと思いますし、何か今後の新たな方策のようなものがありましたら、是非お聞かせいただきたいというふうに思います。

上野国務大臣 建設単価の高騰を含む物価高騰、また経済状況の変化によりまして、医療機関の施設整備が困難なケースもあるというふうに承知をしておりまして、こうした中、七年度補正予算におきまして、委員からも御紹介のありました、補助単価を上回る建築資材の高騰分、これは補助をするということとしております。これにつきましては速やかに支援を届けていきたいというふうに考えております。

 委員からお話のありましたとおり、現在、老朽化したといいますか、施設整備に関しましては、地域医療構想に関わるもの、そのほかには救急医療施設あるいは周産期医療施設など、限定的な形になっております。これを一般的に広げるというのは、現段階においては少々、多額の予算が必要になりますので、難しい面もあろうかと思いますが、現状におきましては、WAMにおいて長期、固定、低利の融資を行っておりますので、まずはこうした方策を十分活用していただけるように促していきたいと考えています。

豊田委員 もちろん、病院側も、再編ですとか合併ですとか、必要な地域できちんと確保できるような努力をなさるべきだとは思いますが、皆さん本当に大変な状況で、どうやって市民の、国民の命と健康を守るかということに日々汗をかいていらっしゃいますので、もちろんいろいろなことに限りがあるのは分かるんですけれども、診療科がなくなっていくとか、病院がなくなっていくということがどれだけ国民にとってのマイナスかということを、改めて私たち皆が考えなければいけないかというふうに思います。

 次に、訪問看護の不正請求問題についてお伺いをしたいと思います。

 これもかなり報道が多くなされたので皆様御案内と思いますけれども、末期がんですとか難病患者、パーキンソン病など向けの有料老人ホームなどにおいて、不正あるいは過剰な診療報酬請求をしている。これが本当に、一つで何百億とか何十億とかいうところの問題になっております。

 これは非常に、ある意味、巧妙というか、私は、制度の穴をついたなというふうに思うんですけれども、例えば、制度の上限いっぱいまで必要のない方に提供する。これは医師の指示書が必要なので、医師もどうかなと私は思うんですけれども。例えば、回数であったり、看護師さんの人数ですとか時間帯なんかについて、必要ないのにマックスまで取れるようにするとか、あるいは、三十分訪問となっているところを数分で終わらせちゃうとか、看護師さんが複数でやっていると見せているんだけれども実は一人だとか、もっとひどいものになると、全くやっていないサービスをがんがんやりましたというふうに請求をする。

 これは大変残念なことに、基本的には書類上のチェックでございますので、やっていないことをやった、あるいは二分しかやっていないけれども三十分と書いても、チェックが働かない。そうすると、結果的には、内部告発がない限り分からないという状況でございます。

 問題を複雑にしていますのは、やはり御自身が、それがきちんとサービスが提供されているかどうか、あるいは、設定されているサービスがどれで、今がどれかということが緻密にお分かりにならない場合も多うございますし、また、非常に私も現場を見ていて思うんですけれども、こうした重篤な疾病や支援が必要な方の場合、御家族から見ると、ホームで見てくれているなら助かるよというようなことであったり、あるいは、公費負担医療制度の対象なので、御家族とか御自身の負担は割と低めで、サービスが手厚くてよかったみたいな、なかなかいろいろ複雑な状況にございまして。

 だから、その方自身が何かひどい目に遭っているというわけでもないので、どういうふうに介入するかみたいな話があるんですが、ただ、一番ここでポイントなのは、公的な医療、あるいは介護の保険制度でございますので、これは国民の大事な保険料や税といった公的財源によって賄われている、それが不正、過剰に使われているということのマイナスを私どもは考えなければならないということでございます。内部告発で分かってきたケースが幾つかございますが、ということは、まだまだこれは氷山の一角だろうというふうに思います。

 こうしたことにつきまして、もちろん、サービスを必要とする方に効率的で質の高いサービスが続く……

大串委員長 そろそろおまとめください。

豊田委員 済みません。ありがとうございます。

 ということと、国民の財源を守るということで、これは制度的な担保をしないといけないと思います。これがやれないようにしなきゃいけないと思っていまして、この点について御見解を伺いたいと思います。

大串委員長 上野厚労大臣、答弁を簡潔にお願いします。

上野国務大臣 はい。

 御指摘の点、非常に重要な観点だと考えておりまして、令和八年度の診療報酬改定におきましても、例えば訪問看護の時間、これを一回当たりではなくて一日当たりで、包括方式の仕組みを新設するなど行いました。

 今後とも、こうした見直しを着実にやって、適正化を図れるように努力していきたいと考えています。

豊田委員 私ども、性善説に立っておりますが、そうでない考え方も必要だと毎回申し上げております。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 来月から、通院・在宅精神療法の診療報酬が、精神保健指定医でなければ四割も減算されることが今年二月に明らかになり、関係者に衝撃を与えております。まず、その診療報酬の改定内容を紹介していただけますか。

間政府参考人 お答えいたします。

 通院・在宅精神療法は、精神科を担当する医師が行う専門的な治療についての評価でございます。令和八年度診療報酬改定におきましては、大きく二点、改定をする予定をしております。

 一つは、児童思春期の精神疾患患者の受入れ体制を更に確保する観点から、受入れ体制の整った医療機関への評価である児童思春期支援指導加算の点数を引き上げるとともに、その対象を、前回改定では対象とした月平均八人以上の初診を行う医療機関に加えまして、月平均四人以上の初診を行う医療機関に拡大をするという点が一点。

 もう一点は、今委員御指摘がありましたけれども、通院・在宅精神療法を精神保健指定医以外の医師が行った場合については、その医師が精神医療に長期に従事し、現在も精神医療に関する専門的な業務を行っている、そういう医師が実施する場合など、一定の除外対象を設けた上で、原則として所定点数の百分の六十に相当する点数を算定することとしてございます。

辰巳委員 つまり、今おっしゃっていただいた要件を満たさない非指定医は、これまでと同じ診療をしながら、点数は、従来の五百五十点から四割減の三百三十点にされてしまうということなんですね。

 医師からは、余りにもドラスチックな改定だ、診療所の経営が厳しくなるなどの戸惑いの声が相次いでおります。私も実際に医師の話を聞きましたけれども、収入が激減する見込みで、経営が苦しくなって人員カットに踏み切らざるを得ないという声もありました。

 神奈川県精神神経科診療所協会の実施をした緊急のアンケートでも、実際の診療能力と評価が一致していない、外来精神療法の本質と乖離した改定、不合理、いわゆるチェーンクリニック対策にはならない、閉院を考える診療所が多数ある、患者の受診機会が減る、患者の不利益が大きい改定などの厳しい声が続出をしております。

 確認しますけれども、そもそも今回この要件を厳しくするその理由は何なんでしょうか。

間政府参考人 お答えいたします。

 通院・在宅精神療法は、精神科を標榜する保険医療機関において精神科を担当する医師が、精神疾患の患者に、一定の治療計画の下に、危機介入、対人関係の改善、社会適応能力の向上を図るための指示、助言などの働きかけを継続的に行う治療方法でございます。

 こうした治療を実施するためには、精神医療に関する一定の知識、技術が必要であることから、精神医療の質を適切に評価することを主な趣旨としまして、精神保健指定医による治療、あるいは、精神保健指定医でない場合も、専門的な精神医療を担う医療機関に勤務する医師や精神医療に関わって一定の業務を行っている医師を中心とした治療を評価するよう見直すこととしております。

辰巳委員 今、質という話もありましたけれども、今報酬改定で甚大な影響を受けると考えられているのが児童精神科領域及び小児科なんですね。

 精神保健指定医というのは、今少しありましたけれども、患者の意思によらない強制的な入院や隔離、身体拘束といった行動制限を判定して実施するための法的な権限を持つことができるものなんですけれども、そもそも、発達障害児などを診る児童精神科医には、その必要性の有無の観点や人権上の観点から、あえて指定医を取得されていない方もたくさんおられるんですね。同様に、小児科で発達障害児を診ている方も、指定医を取得している人というのはほとんどいないとされています。

 これら現場で活躍をされている医師に対する診療報酬が四割もカットされる。つまり、この分野からの撤退ということが、大臣、これは現実味を帯びてくる話になると思うんですよ。大臣、この度の診療報酬の改定で小児科からの撤退が進むということになれば、発達障害を診る先生が減ってしまうのではないか。これは、この間、国が進める発達障害児の初診待機解消、待機時間が非常に長い、これにも逆行することになると思うんですよ。

 大臣、こういう診療報酬の改定の見直しは、私は見直すべきだと思うんですけれども、いかがですか。

上野国務大臣 小児の発達障害や児童精神領域においては、今御指摘がありました初診までの待機等の問題があることを認識しておりまして、これに対し、一定の診療の質を確保しつつ診療体制の充実を図っていくことは重要であると考えております。

 こうした考えの下、令和八年度診療報酬改定では、児童思春期の精神疾患患者の受入れ体制の整った医療機関への診療報酬の評価の充実も図ることとしております。

 先ほどお話のありました通院・在宅精神療法は、精神疾患の患者に精神科を担当する医師が専門的な治療を行う場合の評価でありますが、一方で、小児科の医師が発達障害等の診療を行うに当たっては、別に小児特定疾患カウンセリング料として評価を行っており、小児科の医師にはこうした点数を活用いただくこともできると考えております。

辰巳委員 大臣、今紹介いただいた小児特定疾患カウンセリング料というのはあるんですけれども、これは、御存じだと思うんですけれども、最長四年なんですよ、四年が上限なんです。発達障害児を診ている小児科の先生などは、四年で終わるとは限りませんよね。非常に長い期間、発達障害児を診るということになりますから、実際これが使えるかどうか。しかも、これは初回という話ですから、もう既に診ている発達障害児にこれが適用されるかどうかというのはいまだに不透明なんですよね。

 これはやはり、二〇一七年の総務省の行政評価局による発達障害者支援に対する行政評価、監視の結果に基づく勧告には、発達障害が疑われる児童の初診待ちが長期化していることから、専門的医療機関の確保のための一層の取組をするということとされておりまして、二〇一九年からは、発達障害診断待機解消事業として、国も都道府県の取組というのを後押ししているわけですね。

 大阪府では、発達障害を診断できる医師の研修を実施をして、登録医療機関へつなぐかかりつけ医の育成を行ったり、拠点医療機関と登録医療機関との連携、ネットワークに努めて、待機時間の解消というものに努めているわけですよ。

 大阪府では、登録医療機関における待機時間の平均は八・八週間、最長で十二か月、一年待たなきゃいけないという状況ですね。この登録医療機関は八十四あるんですけれども、小児科を掲げている機関は三十五にも上るわけなんです。

 今改定は、この登録医療機関やかかりつけ医に打撃を与えて、ネットワークそのものをずたずたにしてしまって、発達障害児を診てくれるところがないということを引き起こしてしまいかねないと私は思っております。

 大臣、六月から、来月からの診療報酬改定ですから、これはやるんだという話かもしれませんけれども、やはり、もちろん成人もそうですけれども、とりわけ発達障害児が診療を受けられない、こういうことがないような対応を、六月以降、検討していただきたい。いかがですか。

間政府参考人 お答えいたします。

 質の高い精神医療あるいは小児の発達障害の診断を行っていくということは非常に重要なことだというふうに思っています。その意味で、委員も先ほど改めて言及いただきましたけれども、小児科の先生は特に、小児特定疾患カウンセリング料というのを御活用いただけるということでございます。

 その上で、今後、今回の改定の影響については、いろいろ関係者の方からも実情をお伺いするとともに、精神医療の質の向上と診療体制の確保の両面からも、今後も引き続き検討し、必要に応じて適切に対応したい、このように考えております。

辰巳委員 最後にしますけれども、やはり、今、質の確保という話がありましたけれども、出ている声は、今回の減算の根拠にする指定医という要件そのものがおかしいということなんですよね。だから、この分野の需要というのは年々高まっています、急激に四〇%も減算するのは、やはりこの問題の解決からも矛盾すると思いますし、質の確保という点からも矛盾すると思いますし、子供や親を路頭に迷わすことになりますので、改めて、方針の撤回、見直し、そして今後の検討を強く求めたいと思います。

 以上です。

     ――――◇―――――

大串委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、社会福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。上野厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 社会福祉法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

上野国務大臣 ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 我が国の社会が急速な少子高齢化や人口減少に直面するとともに、単身世帯の増加も見込まれる中、高齢者等が抱える福祉ニーズは多様化、複雑化しています。こうした状況及び人口構造の地域差、世帯構成の変化を踏まえ、地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充、福祉人材の安定的な確保及び定着の支援、福祉サービスの提供基盤の強化等を図るため、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、担い手不足が深刻化する小規模市町村における包括的な支援体制の整備を推進するため、分野横断的な相談支援等をより柔軟に実施可能とするとともに、地域との協働体制を整備する新たな事業及びその財政措置等の規定を新設します。

 また、中山間、人口減少地域において介護等のサービス基盤を維持、確保するため、地域の実情に応じた配置基準や包括的な評価の仕組みが導入可能となる新たな特例サービスの類型等を新設します。

 第二に、頼れる身寄りがいない高齢者等に対して、日常生活の支援、入院等の手続の支援、死後事務の支援を、一定割合以上の利用者に無料又は低額の料金で提供する事業を第二種社会福祉事業に位置づけるとともに、相談支援体制等を整備します。

 また、高齢者及び障害者による成年後見制度や権利擁護事業の適切な利用の支援の中核的な役割を担う機関として、地域権利擁護相談支援センターを法定化します。

 第三に、有料老人ホームのサービスの質と運営の透明性を確保するため、中重度等の要介護者を入居させる有料老人ホームの都道府県等への登録制度を導入します。

 また、その入居者に係る新たな相談支援の類型を新設し、利用者負担を求めます。

 第四に、福祉人材の確保及び定着や介護分野等における生産性の向上等の取組の促進を図るため、その取組を協議する都道府県協議会の設置や、介護支援専門員に係る研修受講を要件とした更新の仕組みの廃止、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務づけに係る経過措置の見直しを行います。

 第五に、地域で適切な福祉サービスの提供体制の維持、確保を図るため、社会福祉連携推進法人が実施可能な業務を追加するほか、災害時に福祉に関する業務に従事する者の研修、登録の仕組みを新設します。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和九年四月一日としています。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

大串委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る二十日水曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十三分散会


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