第9号 令和8年5月15日(金曜日)
令和八年五月十五日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 大串 正樹君
理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君
理事 鬼木 誠君 理事 勝目 康君
理事 古賀 篤君 理事 浜地 雅一君
理事 伊東 信久君 理事 浅野 哲君
岩崎 比菜君 上野 宏史君
衛藤 博昭君 岡本 康宏君
尾花 瑛仁君 鹿嶋 祐介君
門 寛子君 加藤 貴弘君
金澤 結衣君 草間 剛君
栗原 渉君 こうらい啓一郎君
斉藤 りえ君 繁本 護君
高階恵美子君 田野瀬太道君
田畑 裕明君 田宮 寿人君
田村 憲久君 辻 由布子君
橋本 岳君 藤沢 忠盛君
藤田 誠君 藤田 洋司君
松下 英樹君 松本 泉君
丸尾なつ子君 丸田康一郎君
山本 深君 山本 裕三君
吉村 悠君 沼崎 満子君
山本 香苗君 早稲田ゆき君
梅村 聡君 村上 智信君
岡野 純子君 日野紗里亜君
豊田真由子君 なかやめぐ君
古川あおい君 辰巳孝太郎君
…………………………………
厚生労働大臣 上野賢一郎君
内閣府副大臣 津島 淳君
厚生労働副大臣 長坂 康正君
経済産業副大臣 山田 賢司君
厚生労働大臣政務官 栗原 渉君
厚生労働大臣政務官 神谷 政幸君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 水田 功君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 竹林 俊憲君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 森光 敬子君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局長) 村山 誠君
政府参考人
(厚生労働省雇用環境・均等局長) 田中佐智子君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局長) 鹿沼 均君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 野村 知司君
政府参考人
(厚生労働省老健局長) 黒田 秀郎君
政府参考人
(厚生労働省人材開発統括官) 宮本 悦子君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 浅井 俊隆君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
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委員の異動
五月十五日
辞任 補欠選任
衛藤 博昭君 岩崎 比菜君
金澤 結衣君 松下 英樹君
草間 剛君 藤沢 忠盛君
田宮 寿人君 山本 裕三君
橋本 岳君 鹿嶋 祐介君
藤田 誠君 辻 由布子君
丸尾なつ子君 山本 深君
吉村 悠君 こうらい啓一郎君
阿部 圭史君 村上 智信君
豊田真由子君 なかやめぐ君
同日
辞任 補欠選任
岩崎 比菜君 衛藤 博昭君
鹿嶋 祐介君 橋本 岳君
こうらい啓一郎君 吉村 悠君
辻 由布子君 藤田 誠君
藤沢 忠盛君 草間 剛君
松下 英樹君 金澤 結衣君
山本 深君 松本 泉君
山本 裕三君 田宮 寿人君
村上 智信君 阿部 圭史君
なかやめぐ君 豊田真由子君
同日
辞任 補欠選任
松本 泉君 門 寛子君
同日
辞任 補欠選任
門 寛子君 丸尾なつ子君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)
――――◇―――――
○大串委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、社会福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人としてこども家庭庁長官官房審議官水田功君、法務省大臣官房審議官竹林俊憲君、厚生労働省医政局長森光敬子君、職業安定局長村山誠君、雇用環境・均等局長田中佐智子君、社会・援護局長鹿沼均君、社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君、老健局長黒田秀郎君、人材開発統括官宮本悦子君、経済産業省大臣官房審議官浅井俊隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○大串委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。豊田真由子君。
○豊田委員 本日、トップバッターでございますが、自民党ではなく、参政党の豊田真由子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。恐れ入ります。いや、参政党で頑張ります。
まず、これまで、健保法の改正で、医療の厳しい現状をどう変えていくかという議論を先般までやっておりました。今般から、介護、そして障害を始めとする福祉をめぐる厳しい状況にどう対応していくかということで社会福祉法等の審議に入るわけでございますが、やはり、私もこの九年間、現場におりましたけれども、医療、介護、福祉をめぐる状況というのは本当に喫緊の課題が山積をしている状況でございます。
私は、九七年に厚生省に入りましたときに、最初は老健局の配属でございまして、ちょうど二〇〇〇年からスタートいたします介護保険法の施行準備ということで、入ってすぐ、介護保険法の法案審議のあの渦の中に巻き込まれた記憶がございまして。ただ、あの頃は、これからの高齢社会をみんなで、公的保険で、社会で支えるんだという、ある意味、希望と期待に満ちた状況であったように思います。
あれから三十年近くがたちまして、制度も改正を重ねて複雑になりまして、またいろいろ、現場、そして高齢者をめぐる、そして御家庭、御家族の状況も含めて、ちょっとこの辺りで大きな変革をしなきゃいけないのではないかなというふうな状況だと思っております。
様々課題はございますけれども、やはり地域ごとに多様な、高齢者人口の動向、ニーズも違います。加えて、御承知のとおりの、介護、福祉人材の確保が非常に難しい状況の中で、各地域においてサービスをどのように、質を、そしてまた量を維持、継続、改善していくかということが非常に困難な状況に陥っておりまして、今回の法案の改正も、こうした様々な状況をどう打開していくかという努力の一つだというふうに私は理解をしております。
まず、配置基準の緩和の考え方をちょっとお伺いしたいと思っております。
今回、中山間、人口減少地域におきまして、人手が著しく足りないということで、事業の継続を図るために職員の配置基準を緩和するしかないという考え方は一定程度理解はできるものでございますが、そもそもを申しますと、職員の配置基準というのは、まさにサービスの最低限の質を担保するためにこれが必要であるということで、その要件としてこれまで設けられてきたものでございます。
そういたしますと、では、中山間、人口減少地域におきましては、人手不足を理由として緩和するということは必要なんですけれども、一方で、質を守らなくてよいのかという、ちょっと頭にクエスチョンが浮かぶというか、ジレンマがあるというふうに思います。
ですので、今回、特例介護サービスを新たに設けまして、職員の配置基準を緩和するということの考え方、そして、この中で、どうやって利用者の方にとって最も大切なサービスの質というものを担保していくのか、確保していくのかということについてお伺いをしたいと思います。
○上野国務大臣 今回の新たな特例介護サービスの仕組みは、高齢者人口が減少して人口密度も低い中で、効率的なサービス提供の継続が難しいなど、サービス提供体制の維持、確保に課題を抱える中山間、人口減少地域において、必要なサービスが継続をでき、また、サービスへのアクセスが確保できるようにするために設けるものであります。
まず、委員御指摘の点でございますが、この制度の導入に当たりましては、サービスの質の確保に配慮することが重要であると認識をしております。このため、サービス、事業所間での連携やICT機器の活用等を前提としつつ、管理者や専門職の常勤、専従要件、また夜勤要件の緩和などを行うことが考えられるところでありますが、詳細な配置基準の要件については、現場の皆さんの意見、これを丁寧に伺いながら、今後、関係の審議会で検討していきたいと考えています。
サービスの質の確保も極めて重要でありますが、これにつきましては、例えば、保険者である自治体が事業所と連携をして、随時、サービス提供状況の確認を行う、あるいはケアマネジャーを始めとする地域の関係者と事業所との連携体制を確保する、そうした方策を講ずることが必要だと考えております。
こうした取組を進める中で、特例介護サービスの実施後の影響についても適切に把握をしていきたいと考えています。
○豊田委員 どの地域におきましても、特に現場でケアを行う方の質が確保され続けるということはお願いをいたしたいと思いますし、引き続き、諦めないで、どの地域においても、やはり潜在的な、介護に携わりたいという方もいらっしゃると思いますので、それを発掘するという努力も重ねてお願いをいたしたいというところでございます。
次に、有料老人ホームの囲い込みの問題についてお伺いをいたします。
私、おとといの一般質疑におきまして、訪問看護の不正請求についてお伺いをいたしました。それと通ずるものがあるんですけれども、有料老人ホームにおいて、特に住宅型におきましては、併設の同系列の事業所の利用を半ば強制的に求める、また、過剰な介護サービスを加えて提供するという、囲い込みという問題がございます。
介護つきのホームの場合は、制度上、一体的に介護サービスが提供されるということになっておりますが、一方で、住宅型ホームというのは、自宅と同様に、本来は介護サービスというのはあくまでも入居者の方が自ら選んだ外部の事業者から提供されるということが前提であるにもかかわらず、実際は、入居する前に、それまで利用していらっしゃったケアマネジメント事業所や介護サービス事業所との契約を終了させて、新たに入居するホームに併設あるいは隣接した同系列の事業所との契約を半ば強制的に求めるという実態がございます。
もちろん、事業所の利用が全て悪いというわけではございません。もちろん、自由意思に基づいて入居者の方が選んで、そしてきちんとそれぞれの入所者の方に適した必要なサービスが提供されるということでありますれば、全く問題はないわけでございますが、それがなかなか、事業所によっては違うというところが問題だというふうに考えております。
そして、結果として、必要以上に過剰なサービスが提供されるということもございます。実態は、住宅型ホームの実に約八割の事業所の方がホームに併設、隣接する介護サービス事業所を経営しておられるという実態がございまして。ですので、住宅型ホームの場合でも、事実上は同じ事業者の方が入居者に介護サービスを提供しているという実態がございます。
また、上限いっぱいまで介護サービスの提供が行われているということも多く見られるところでございます。これは、訪問介護サービスにつきましては、集合住宅型の住まいにサービスを提供している事業所の問題と、一方で、地域に、面で、それぞれの御自宅に移動しながらサービス提供をしている事業所、この両方を一律に評価をしているというところに問題があるのではないかと考えております。この報酬のテーブルを分けまして、例えばですが、集合住宅型の住まいに訪問する場合には包括払いにするといったことにすれば、上限まで介護サービスを利用するというような、そこに誘導されるといった問題は起こりにくいというふうに考えております。
こうした報酬上の対応を含めまして、囲い込みの問題の抜本的かつ実効的な制度的対応、もちろん、事業者の方がきちんと経営を続けていくということと入居者の方にとっての最も最適なサービス、そして、公的保険でございますので財政的な問題からも、全体にとってうまくいくような方策を取っていただきたいと思うんですが、具体的にどのように対処されるおつもりか、お伺いをしたいと思います。
○上野国務大臣 住宅型有料老人ホームの一部におきましては、利用者のニーズを超えて過剰なサービスを提供する、いわゆる囲い込みの問題が指摘をされております。
こうした点を踏まえまして、昨年末の審議会の意見書におきまして、中重度の要介護者など、特に保護の必要性の高い方を入居対象とするホームを対象に登録制といった事前規制を導入すること、特定の介護サービス事業者等の利用を入居要件とすることを禁止するとともに、ケアマネジャーの独立性を担保する体制を確保することの必要性が提起をされました。
これを踏まえまして、本法案におきましては、一定の要件に該当する有料老人ホームに係る登録制を導入をいたします。また、相談支援や介護サービスを提供する事業者との独立性確保の措置も導入をしていきたいと考えています。入居者に対してケアプラン作成と地域生活相談を包括的に提供する新たな相談支援類型、これも導入をしてまいります。そうした所要の改正を盛り込んでいるところであります。
住宅型有料老人ホームにおいて、入居者の介護サービスの選択が保障され、自立支援に資する高齢者の住まいとして健全に発展するよう、介護つきホームとの制度的均衡にも配慮しながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
また、介護報酬の対応についても御指摘がありました。
現行、住宅型の有料老人ホームの入居者に係る訪問介護等については、個別訪問型の提供とは異なり、一回当たりの移動コストなどが低いことに着目をして単価の引下げを行っておりますが、委員御指摘のような過剰な介護サービスの提供により、高い収益を上げているような事業者があるとの指摘も承知をしておりますので、制度面の対応と併せまして、経営状況を詳細に把握した上で適切な単価設定を行っていきたいと考えています。
○豊田委員 やはり、一生懸命頑張っている事業者の方とちょっとそうでもないかなという方との見分けは難しいところもあるんですが、ただ一方で、訪問介護について、先般の報酬改定で非常に厳しい引下げも行われましたので、それによって本当に頑張っている事業者さんが苦しい目に遭っているという状況もございますので、そこの見極めをきちんとしていただいて、つけるべきところにはつける、無駄なところは省くということをめり張りをつけてやっていただきたいというふうに思います。
次に、ケアプランの一部有料化についてお伺いをいたします。
介護サービス利用の入口となりますケアプランの作成でございますが、これは私もおりました介護保険の創設時に新設されたサービスでございますが、介護サービスの利用が円滑に進むようにということで、原則は、一割負担の他のサービスとは違いまして、ケアプランの作成につきましては利用者負担はゼロにするという経緯がございました。このため、住宅型ホームの入居者の方に対するケアプランの作成も、現在は、自宅の場合と同様に利用者負担はゼロになっております。
ただ一方で、住宅型ホームは、これは自宅というよりも介護つきホームの方に近いんじゃないかという御指摘もございまして、介護つきホームでは一割負担がケアプランにも求められておりますので、ここで制度上の不均衡があるという現状がございます。
今回、登録制の対象となった住宅型ホームの入居者についてのケアプラン作成に利用者負担を求めるという改正は、この不均衡を是正するためのものだというふうに理解はしております。
この新たに創設される登録施設介護支援事業は、ケアプランの作成だけではなくて、利用者に対しての地域資源の利用も含めた地域生活相談という業務も携わるということで、有料老人ホームに入居される方が、中だけではなくて、地域資源全体とつながるきっかけにもなると考えております。
ただ一方で、介護の世界では、ケアプランの作成がセルフ、自分でプランを作成するということも可能であるという状況にございまして、今回、利用者負担一割が新たに導入されるということでございますと、それを受けて、セルフプランを推し進める、それが適切なものであればもちろん問題はないんですけれども、利用者負担を課すことによって、本当に利用者に必要な自立の視点からの介護サービスのコーディネートや地域資源と結びつくということを阻害する要因になってはいけないというふうに考えております。
このような不適切なケアプランを防止しつつ、きちんと今回の新しい制度が利用者の方にとっても受け入れられていくような形をどのように考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○上野国務大臣 今御指摘のセルフケアプランの濫用の防止に関してでございますが、登録施設介護支援を行う事業所によるケアプラン作成が必要な方に行われるように、新たに法定する登録ホームの運営基準において、適切な相談支援、適切な介護サービスの利用、入居者が希望する介護サービスの利用を妨げない旨を含めた重要事項説明の実施、これを確保する責務を規定をすることとしております。
こうした取組を通じまして、本人の自立支援にそぐわない不適切なセルフケアプランの濫用を防止することを検討していきたいと考えています。
○豊田委員 ケアマネの方、結構しんどい状況に置かれていまして、私も現場で仕事をしていて、シャドーワークが非常に多うございますし、ケアプランを作ってもそれが報酬で評価をされないというようなこともあって、また、いろいろな処遇改善におきましてもケアマネは対象外というようなことも長く続いて、これは今回改善をされたんですけれども、一生懸命頑張っていらっしゃるんですけれども、何か中間にぽとっと、はざまに落ちてしまっているような業務であるというところが、非常にケアマネの方はふびんだなというふうに思っておりましたので、それが改善されていくことは望ましいと思います。
ただ、負担が増えるということで、利用者の方、御家族の方にどのように御理解を求めるかということも非常に大切だと思っております。
ケアマネの関係で、済みません、一問飛ばしまして、ケアマネさんの方の更新制の廃止に伴う研修についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
これまで、ケアマネジャーの方につきましては、更新期限が到来いたしますと、例えば、忙しくて決まった研修を受けることができない、そうすると、結果としてケアマネの免許を失うという恐ろしい事態になるわけでございまして、そうすると、事業所にとりましても、欠員が出て、指定事業所として継続できなくなるといった影響がございました。
加えて、この更新期限をきっかけに、これからもケアマネを結構大変なんだけれども続けるのかといったことを考えさせるようなこととなりまして、結果としてケアマネの方の離職につながるという面も一部ございました。
このため、今回の制度の見直しで、この更新制度が廃止されるということは賛同はできますものの、他方で、研修を継続するということになっております。これはいろいろちょっと複雑な問題がございまして、もし、研修を受けることによる物理的、時間的、経済的な負担がそのままだということになっては、今回の更新の変更の改正ではもったいないということだと思います。
ただ、もちろんケアマネさんは、例えば今後、独居の高齢者が増加するといった様々な問題がありまして、これまでよりも一層複雑なケース対応が求められるということになりますので、利用者の方にとって質の高いサービスを提供し続けていただくためにも、研修、たゆまぬスキルアップというのは重要だと思います。
こういった中で、今回、更新制の廃止に加えて、ケアマネの方の研修の負担軽減、そしてまた質の担保というところをどのようにバランスを取られていくのか、お伺いをしたいと思います。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
ケアマネジャーの研修は、委員御指摘のとおり、定期的な研修の機会を通じて専門知識の向上を図るために大変重要でございます。
一方で、更新研修につきましては、資格の更新と研修がひもづいておりまして、時間的、経済的負担が大きいという声をたくさんいただいております。このため、今回、定期的な研修は求めつつ、研修の受講を要件とした資格の更新制を廃止をするという内容を今回の法案に盛り込んだところでございます。
委員御指摘の、具体的な負担の関係でございます。
まず、研修の時間的な負担につきましては、五年間など一定の期間内での分割受講をすることによりまして、一回当たりの研修時間の縮減を図ります。
あわせて、特定の期日、期間で受講をこれまでは求めてまいりましたが、オンライン、オンデマンドによる受講を基本とすることによりまして、時間にとらわれることなく柔軟に受講することが可能になっていく、こういった見直しが予定をされております。
あわせて、研修時間そのものにつきましても、現在、例えば初回の更新研修は八十八時間で、二回目以降の更新研修は三十二時間となっておりますが、今回の見直しに伴いまして、例えば、実務面の知識や技術のアップデート、実践面の留意点の取得を目的とする講義形式の時間数、こちらについては時間数の見直しを行いたいと思います。
あわせて、初回の更新研修など、特に時間数が多くて負担が多い研修課程の見直しなどを中心に、全体の時間数を可能な限り縮減する方向で関係者と調整をしてまいりたいと存じます。
あわせまして、経済的な負担についてもございます。今後、全国統一的な実施が望ましい研修につきましては、国レベルで講義部分等の研修資材を一元的に作成をした上で、先ほど申しましたオンライン、オンデマンドの受講を可能とするということを考えております。
こうしたことによりまして、先ほど申しました研修時間の見直しと併せて、都道府県がそれぞれ実施する現行の仕組みに比べて費用面でも一定の軽減を図ってまいりたい、このように考えております。
○豊田委員 申し上げるまでもなく、医療、介護、福祉の分野における人手不足というのは、これは本当に大変でございますので、今働いていらっしゃる方が継続できなくなるようなことを、何としてもそれは避けなければいけないと思います。
そうしないと、新たに採用するとなりますと、有資格者の採用は本当に大変でございますし、資格がない方であっても、お一人来ていただくと、先般も申し上げましたけれども、紹介業者の方に数十万とか百万とかのお金を払うという本当にいびつな構造になってきておりまして、これを変えていくためにも、もちろん質を担保しながらも、今働いている方がそれをどうやって継続できるかというところを、これを本当にしっかりしていただかないといけないというふうに思います。
次に、障害福祉分野における生産性向上についてお伺いをしたいと思います。
今、人手不足のお話をいたしましたけれども、今回の法案では、人材確保や生産性向上などに関する協議会を設置するということが定められております。本当に、生産年齢人口そのものが減少していく中で、必要なサービスを安心して提供するために人材確保をどのようにするかということは、多面的に、また地道に考えていかなければならないと思います。
その一つが、いわゆるDXで、見守りのIT機器などによるテクノロジーの活用によって職員の方の業務負担の軽減を図り、直接的な御利用者、入所者の方のケアに充てられる時間を増やしていくということは、職員の方のよりよい働き方を実現するという意味におきましても、利用者、入所者の方の質の高いサービスを効率的に提供するという意味でも、非常に重要であると考えております。
このテクノロジーの活用という点について、私が現場を見ておりますと、また様々な御意見を伺う中で、医療・介護分野では一定程度進捗が見られるというふうに思いますが、障害福祉の分野におきましては、これは一歩だけではなく、二歩、三歩遅れているように感じております。
そこで、質の高いケアを効率的に提供できるように、また、働く方が、サービスを御利用される障害のある方、御家族がきちんと安心してケアを受けられるように、これをより一層進めていただきたいと考えますけれども、障害福祉分野におきますテクノロジー、DX化、そして効率的な業務の運営ということについて、現状と今後の方針についてお考えを伺いたいと思います。
○上野国務大臣 現在、障害福祉分野でテクノロジー活用による業務量の縮減、これを行っていただいている事業所は四割程度にとどまっています。更なるテクノロジーの導入、活用など、ケアの充実のための事業所の生産性向上の取組、これを進めることが必要だと認識をしています。
令和七年の六月に、障害福祉分野におきましても省力化投資促進プランを作成をいたしました。これに基づいて、令和七年度の補正予算において、介護ロボットやICTのテクノロジー導入に対する支援、都道府県における人材確保や生産性向上の取組に関するワンストップ窓口の設置の促進などの取組を進めています。
今回の法案では、障害福祉分野においても、生産性向上などの取組促進を図るための協議会の設置を都道府県の義務としておりますが、また、生産性向上等を通じた質の高い障害福祉サービス等の確保及び経営基盤の確立を図るための取組の推進を国また都道府県の責務とすることなどを法案の中にも盛り込んでいるところであります。
こうしたケアの充実のための事業所の生産性向上の取組を通じて、職員の業務負荷の軽減やケアに向けられる時間の拡大、これを図りまして、障害者御本人やその御家族に寄り添った、質の高いサービス提供ができるように取組を進めていきたいと考えています。
○豊田委員 ありがとうございます。
私も、障害がある方と御家族と本当にずっと一緒に活動をしてまいりまして、学生時代には放課後デイでボランティアをずっとやっておりまして、厚労省でも障害福祉課にいたことがございます。議員になりましてからは、前職時代も含めて、本当に地域で活動される方とずっと一緒にやってきてすごく思いますのは、やはり医療とか介護に比べると、なかなか日が当たらないというところがあると思います。
その原因は様々あると思いますが、対象となる人口の違いであったり、世間の耳目が違ったりということもあるかとは思いますが、大変な状況というのは本当に申し上げるまでもなくという状況でありますので、もっと、リソースもそうですが、関心とか、政治においても行政においても、障害のある方と御家族がどれだけ頑張っているかということを真摯に見ていただきたいというふうに思います。
私が一緒にやってきた方々というのは、多分、お子さんのためにお母さん、お父さんが集まって、まず最初はNPOをつくって、そしてそれを社会福祉法人にして、グループホームをつくったりという活動を御自身たちでやっていらっしゃって、本当に頭が下がる思いでございました。行政とか政治に、あれをやってくれ、これをやってくれというふうにおっしゃらず、自分たちで、自分たちの子供を守るために、そして、自分たちが亡き後、どうやってこの子たちが安心して暮らしていけるかということのために頑張るんだというようなお話でございました。
ただ、そこに甘えてはいけないと思っておりまして。もちろん、御自身で頑張っていただくこともとてもとても大事なのでございますが、そこはやはり、医療と介護と同じように、障害福祉の分野にももっともっと日を当てていただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
残りがあと二分弱なので、介護福祉士の経過措置の廃止について、端的にお伺いをいたしたいと思います。
今回、長く続いていた経過措置が廃止されることによりまして、卒業後六年目の方につきましては、これは何と、国家試験に受からないと介護福祉士の資格を、経過措置でもらったものがなくなるということになります。
そうしますと、手当とか、いただいている分が下がってしまうということと、また、事業所の方にとりましても、そのことが、加算が今取っているものが取れなくなるというような形で、非常にダメージが大きいという状況でございます。
試験に受かってくれというのはもちろん分かるんですけれども、実際、ただ、その反動として、手当が減ったり、事業所が加算が取れなくなるというようなことについて、マイナス面が生じることをどのようにお考え、もちろん、質の担保というのは専門性の向上が必須なのはもちろん分かっておりまして、ただ、それと同時に、今回の措置で生じる弊害について少なくともきちんと周知をして、対応する時間を確保していただくようなことが必要だと思いますが、どのように御対応されるのか、お伺いをしたいと思います。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
今先生おっしゃったように、そういったような事業者からの資格手当の支給ですとか、また介護報酬の加算、こういった点で、加算額が下がるとか資格手当が支給されない、こういったケースがあると思っておりますし、こうした点については確かに、いろいろなところを通じて丁寧に周知していかなきゃいけないというふうには思っております。
一方で、今回の見直しでございますが、この前の国会の議論、また福祉部会の中でも、資格の質の担保、専門性の向上の観点から終了すべきという意見と、一方で、養成施設の入学者や介護人材の確保、こういった点から延長すべきという御意見がある中で、いろいろ考えた上で作った案でございます。御理解を賜ればと思っております。
また、我々としては、委員御指摘のようなことが生じないように、国家試験に速やかに合格していただく、このことが大事だと思っておりますので、養成施設の教育の質の向上に関する取組の支援、特に、合格率の低い留学生が在校時に合格できなかった場合でもいろいろな支援を行っていくこと、さらには、合格者の高い養成施設の取組、こういったもろもろについての横展開、こういったことを丁寧に行うことで国家試験合格による介護福祉士の資格の取得の支援を行っていきたい、このように思っております。
○豊田委員 現場で一生懸命働く方、事業者の方がつらくないように、いろいろと御配慮いただきたいと思います。
ありがとうございます。終わります。
○大串委員長 次に、古川あおい君。
○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。
本日は、社会福祉法等の一部を改正する法律案について、質問をいたします。
先ほどの豊田先生の質問とちょっとかぶるところがあるんですけれども、今回の介護保険法改正で、介護支援専門員、ケアマネの更新制が廃止される件について、まずお伺いいたします。
現在の制度ですと、五年に一度訪れるケアマネの更新研修は、現場で働かれる方々にとって大きな負担となっているということが指摘されており、今回の改正によりその負担軽減が図られるということ自体は望ましいことだと考えております。しかし、今回の制度改正で、本当に現場の負担、ケアマネの方の負担が軽減されるのかという点については、疑問の声も上がっております。
そこで、まず基本的なことについてお伺いいたします。
現行のケアマネの更新制については、更新に当たっての負担、具体的には、更新費用の負担ですとか時間の負担、また、更新研修の場所まで行かなければいけないという移動の時間であるとか交通費であるとか、そういった様々な負担がございますが、これらはそれぞれどの程度なのでしょうか。現場からは、数万円する受講料が自己負担の場合もあるというような声も上がっております。
今回の改正によって更新制が廃止された場合、その後に設けられる新しい研修制度においては、現行の更新研修と比較して、ケアマネジャー、ケアマネの実質的な負担というのはどの程度減少するのでしょうか。具体的な数値についてお答えいただければと思います。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
委員お尋ねの、まず、現行のケアマネジャーの研修に関する負担についてですけれども、初回の更新研修につきましては、研修時間は八十八時間で、受講料の平均は約五万九千円、二回目以降の更新研修につきましては、研修時間は三十二時間で、受講料の平均は約二万五千円となっております。あわせて、対面で研修を実施している場合には、研修会場への移動に係る一定の負担が生じている、こういう状況でございます。
それで、今回の研修体系の見直しによりまして、それぞれの対応についてというお尋ねでございます。
まず、時間的な負担、それから移動の負担につきましてですが、現在は、更新のたびに、その時期に集中して、座学中心で、集合研修中心で行っておりますが、これについて、一定の期間内の分割受講が可能になるということ、それによって一回当たりの研修時間は縮減をされます。
あわせて、今までは、更新のタイミングでということになりますので、特定の期日、期間での受講を、先ほど申し上げた時間数について、かなりの期間を要するわけですけれども、これをお願いをしておりましたが、オンラインやオンデマンドによる受講を基本とするという方針を今回考えております。これが達成をされますと、時間や場所にとらわれることなく柔軟に受講が可能になる、あるいは、移動に係る負担が軽減される可能性がある、こういうことでございます。
あわせて、研修時間につきましても、今回の見直しに伴いまして、いわゆる講義形式、講義は重要でございますけれども、他方で、知識の修得ですとか技術のアップデートといったことが主眼になりますので、こうした部分の時間数を見直すということは考えられると思います。あわせて、初回更新研修など、特に時間数が多くて負担が大きい研修課程の見直しも考えております。こうしたことにつきまして、全体の時間数の可能な限りの縮減につきまして、関係者の御意見を伺いながら検討していきたいと思います。
経済的な負担につきましては、先ほど申し上げた時間数の縮減自身が経済的な負担の縮減につながっていく効果があるだろうと思っております。あわせて、現在、各県単位で研修の教材を作っていただいておりますが、この部分の作業を国の方でお引き受けをするということを考えておりまして、こうしたことも併せて、経済面の負担の軽減についても一つ一つ積み重ねて実現してまいりたい、このように考えております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
新しい制度におきましては、詳細についてはこれから関係者の意見も聞きながら決めていくということでしたので、是非、今現場で苦しんでいる方の声を聞いていただくとともに、今おっしゃっていただいたような負担を軽減していくという趣旨が着実に実行されるよう、引き続き設計をお願いいたしたいと思います。
特に、集合研修が行われる都市部に移動しなくてはいけない中山間地域や離島などの地域で働かれるケアマネの方が、研修受講に際して大きな負担を負うことのないよう、引き続き、オンラインで受けられる体制や移動にかかる交通費等の支援なども含めて検討いただければと思います。
続いて、更新制廃止後の研修が引き続き義務であるという点についてお伺いいたします。
今回の改正案では、都道府県知事は、研修受講命令を受けた介護支援専門員が当該命令に従わない場合には、一年以内の期間を定めて、ケアマネとしての業務を行うことを禁止することができると定められております。つまり、研修を受講しなかった場合には、業務に従事する資格を失うということです。
先ほどのお話の中で、今までは更新できなくなって資格を失うという話でしたけれども、資格を失って働けなくなるということでしたけれども、今回、更新制になって、資格は失わないよということかもしれないですけれども、結局、業務を禁止できるということであれば、これまでの資格更新と実質的に変わらないのではないかという疑問の声も出ております。
今回の更新制導入というのが今までの制度と、その点、どのように変わるのか、お聞かせください。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
現行のケアマネジャーの資格の更新制は、先ほど委員御指摘くださいましたように、更新と研修の受講がひもづいておりまして、更新期限までに研修を受講しない場合、直ちに資格を失って業務ができなくなる仕組みになっております。
今回の見直しは、更新制を廃止いたしますので、一旦離職した場合でも資格自身を失うことはありませんので、復職が容易になるという仕組みとしてまずは想定されているということは冒頭申し上げておきます。
その上で、これまでとの違いということなんですけれども、今回の法改正では、これまでの取扱いと異なりまして、事業者に対して、研修受講機会確保のために必要な措置を講ずるよう義務を課すということを内容に盛り込んでおります。これによりまして、研修未受講者に対して、事業者から研修時間の確保や受講の指導等が行われる、まずは事業者からそうしたことが行われるということを想定をしております。
その上で、正当な理由なく研修を受講していないケアマネジャー本人に対して、そういうケースがあればということですけれども、その場合には、先ほど御紹介いただいた研修受講命令等々が行われて、最終的には登録の消除にもなり得る、一応、そんなツーステップになっていくということです。
これまでの更新制は、いわば個人に全体を寄せたような設計になっておりますが、事業者の位置づけ、それから個人というツーステップに今回切り替えていくということによって、仕事を離れている間は研修の受講は求めない、従事している間は求めますが、事業者の方にまずお願いをし、それから本人へとツーステップにやっていくということが今回の実質的な変更点であるというふうに承知しております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
これまではケアマネ個人の方に受講をしなくてはいけないと対応を求めていた部分について、事業所に対して対応を求めていくという点については評価をしたいと思います。
続いての質問に参ります。
今回、更新制を廃止することで、本当にケアマネの方が研修を受ける際の負担が軽減されるのであれば、更新が負担となって就労継続を諦めていた方や、資格が失われてしまうことによって復職の機会を逃していた方にとってよいことだと考えます。一方で、今回、研修を簡素化するということが、ケアマネジメントの質に悪影響を与えるということはあってはならないと考えます。
こうした様々な観点から、今回、更新制を廃止することにより、ケアマネの方の就業継続、復職状況や、ケアマネジメントの質など、介護の現場に実際どのような影響や変化があったのかということについて、しっかりモニタリングを行い、その結果に基づいた政策のフィードバックというのを行う必要があると考えます。
これについて、厚生労働省としては、今回の更新制の廃止後にどのようなモニタリングを予定しているのでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、今回の制度改正は、更新制の廃止によりまして、ケアマネジャーの皆さんの就業継続あるいは復職の支援、こういったことを行いつつ、質の確保についても配慮するという二つの目的を同時に達成するということを目指しております。
今回の研修の見直し、先ほど、前のお尋ねで申し上げましたようなものも、質の確保を図りながら現場の御負担を下げていくということを目指すものでございます。
今回の制度改正の影響につきまして、例えば、就業がどれぐらい継続が図られたか、復職の状況、質の確保といった委員お尋ねの点につきましては、大変重要な点でございますので、もし今回の法案を形にしていただけましたならば、関係団体、都道府県等の協力を得ながら、研修の実施状況等も含めて実態把握をした上で、関係者にフィードバックをし、その次の見直しにつなげていく、そういうPDCAを回していくということを想定しております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
これからも注視をしていくというところですので、是非お願いいたします。
特に、今回、改正の趣旨、負担を軽減したいとか、個人ではなくて事業者に研修受講について促してもらうとかというようなことを、国としてはこういう方針でやっていますというのがあったとしても、結局、実施の段階になっていくと、研修も具体的な内容は都道府県主体でつくっていく部分もまだございますので、そういった点について、伝言ゲームをしていく中で当初の意図が薄まってしまうということも考えられますので、しっかりとそうしたことがないよう、効果が出ているのかという点についてモニタリングを続けていただければと思います。
次の質問に移ります。
続いて、介護施設等の生産性向上についてお伺いいたします。
今回の改正案においては、介護施設等の生産性向上、経営改善の支援を国及び都道府県の責務と位置づけております。その中においてですが、介護施設の現場において生産性向上を阻害している大きな負担の一つに、行政機関等に対する各種届出書類の作成の事務負担というものがございます。
私の方で、ある介護施設を運営している方にヒアリングを行ったところ、例として出てきたのが、介護職員の処遇改善加算という加算がございますけれども、この加算を算定する際に出さなくてはいけない計画書や実績報告書の提出が施設にとって大きな作業、事務負担になっているという声をお伺いいたしました。
まず、基本的な事項についてお伺いしますけれども、この介護職員等処遇改善加算というのは、介護人材の確保、定着を目的に、事業者が一定の要件を満たすことで介護報酬に加算がつき、その収入を職員の処遇改善、賃上げに使ってくださいという仕組みですけれども、介護施設等のうち、この加算を取得している施設というのはどのぐらいの割合になるでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
介護報酬の介護処遇改善加算についてのお尋ねです。
今手元にありますのは、現在の対象範囲にされている事業所を分母に出した数字でございます。現行の対象サービスとなる事業所、施設を分母にした場合、約九五%が四段階ある加算区分のいずれかを算定をしているという状況でございます。
○古川(あ)委員 具体的な数字のお答え、ありがとうございます。
これは九五%の事業所が加算を取得しているというところで、そうなってくると、加算というよりかは、その手続はもう全体に溶け込ませてもいいんじゃないかなと私は個人的には思ったりもするところですけれども、とにかく、九割以上の事業者がこの処遇改善加算を提出しているというところで、提出に係る書類の手続、事務負担というところも、日本全国にある介護事業所のうち九五%がその負担を行っているということだと思います。
この加算を取得するためには、毎年、専用の様式で計画書や実績報告書を作成しなくてはいけないわけですけれども、こちらは現場の事務負担というのが非常に大きいと聞いております。
こうした書類を求める背景としては、やはりちゃんと加算のお金が賃上げに使われているよということを国として担保したいという意図もあるということは理解はいたしますけれども、こうした賃上げの実効性は担保しながらも、現在、書類の提出というものを求めている事項については、国の方、行政機関の方で保有している情報によって自動的に要件を満たすかどうかを確認するとか、なるべく、事業者側に負担を求めるのではなくて、行政側の方で対応できないかということを検討するなど、請求に係る事務負担を抜本的に軽減していくことというのは非常に重要だと考えております。
この点、将来的には計画書や実績報告書みたいなものを提出しなくてもよい仕組みが実現されることが望ましいですけれども、これまでどおり、一定の期間であったりとか一定の内容によっては提出というのが必要になるにしても、少しの工夫で事業者の負担というのは減らすことができると思います。
例えば、現行の介護職員等処遇改善加算の計画書や実績報告書というのは、エクセルで、この様式で出してくださいというものが定められております。この種の様式というのはいろいろありますけれども、毎年、書類の様式が少しずつ変わったりとか、自治体によって少しずつ様式が異なっているんだということで、事業者にとっては、かゆいところに手が届かないというか、そういったちっちゃな負担が積み重なっている状況でございます。
この処遇改善加算の計画書と実績報告書の様式というものを、本日、配付資料としてお配りしております。こちら、左側が計画書、右側が実績報告書となっていて、事業者の方はこれを記入して提出をしなくてはいけない。この記入が求められている事項なんですけれども、基本的なこと、基本情報ということで、事業所の名前であったりとか住所であったりとかみたいなことを書かなくてはいけないんですけれども、これが絶妙に様式が異なっている。
これは、そもそもこれ自体が神エクセルと言われるようなセル結合式のやつですけれども、例えば郵便番号を、計画書の方では一二三―四五六七みたいな形で記入ですけれども、報告書の方では一升一桁ずつ入れるみたいな、そういうような様式になっております。
こういう様式が異なっていることによって、実際に記入している事業者としては、一個目、一個書き終わって、じゃ、基本的なことだからコピー・アンド・ペーストで、コピペでこっちも埋めようかなとするとできない。こういう、一つ一つ見てみれば、いや、まあまあまあ、そんなのいいじゃないと思うようなことかもしれないですけれども、先ほどおっしゃっていただいたように、日本全国のうち九五%の事業所がこの作業をやっている。
介護施設で働いていて、本来であれば利用者の方のケアをしたい、直接触れ合う業務をしたいという方がほとんどだと思います。その中で、このエクセルを埋めていて、コピペもできないとなって、こうした事務負担の軽減、これは非常に重要だと思います。
この現在使われている様式についてはもう既に出てしまっているものではありますけれども、例えば、来年度以降は、こうした計画書、実績報告書においては、そういう新しい様式を作成する際に、事務負担がなるべく減るように、可能な限り同じような様式を使い回せるような、前年と翌年で余り変わらないとか、二つの書類を求める際は、そこでなるべく基本的な事項については同じ形式でカバーするとか、そういったことを行い、記入の手間を省けるようにするべきではないでしょうか。
また、複数の自治体にわたって事業所を運営している事業者もありますから、都道府県ごとにもなるべく様式に違いが出ないよう、国としても配慮をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
重要な御指摘、ありがとうございます。
様式の点につきましては、今年の年末、年明けにかけて、令和九年度介護報酬改定のタイミングがございますので、そうした報酬の改定に基づいて、その様式を様々作るときに、事業所の方々の御負担が下がるようにしていきたいと思います。
それから、その様式以外の御指摘もいただいております。自治体によるばらつき、それから要件が複雑、いろいろな御意見をいただいていまして、私どもも、関係団体と御相談をして、どこの要件を緩和すれば取っていただけるのかというような御相談をしながら、各年度ごとに取組をしております。各年度ごとに変わることのよしあしがあるので、改善だというふうにお考えいただけたらと思います。
それで、まず、都道府県のばらつきにつきましては、今回の申請様式につきましては、通知の中で、国がお示しをした様式について原則として変更を加えないでくださいという文言を盛り込んでおります。
加算の取得の要件につきましても、一定期間については誓約で可能だとか、関係の書類の簡素化みたいなものを関係団体と御相談しながらやっておりますが、それをお願いしたとて、独自のルールが入ってしまうとなかなかその効果が薄まってしまうというところもあろうかと思いますので、要件の簡素化、それから、都道府県によるばらつきをなるべく抑えていく、それから、お示しする様式自身の、現場の皆さんにその様式を使っていただく際の事務負担の軽減、この三点をセットにして、次の報酬改定に向けて具体的な検討を進めてまいります。大事な御指摘、ありがとうございます。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
様式の負担の軽減ですとか都道府県のばらつきについて前向きに対応いただけるということで、ありがとうございます。
ちょっともう一度、念のため確認なんですけれども、じゃ、今回私が取り上げたこの計画書、実績報告書で、住所だったりとかそういう本当に基本的なところ、これがコピー・アンド・ペーストできないという問題については改善いただけるということでよろしいでしょうか。
○黒田政府参考人 令和九年度の介護報酬改定が予定をされておりますので、そのタイミングに合わせて改善を検討してまいります。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
最後の質問に移りたいと思います。
最後に、生産性向上のためのICT等のテクノロジー導入についてお伺いいたします。
介護施設の生産性向上のためには、ICT等のテクノロジーを導入して生産性を向上させることが不可欠だと考えます。それに対しては、補助金による支援なども考えられます。
現在、厚生労働省が行っている介護テクノロジー導入支援事業は、介護事業者がICT機器を導入する際の経費を補助して、生産性向上による働きやすい職場環境の実現というものを推進するものでありますけれども、こちらは基本的に導入経費の補助であり、経常経費は対象にならないのではないかと理解をしております。
ここで確認したいのですけれども、月額課金型のタブレット端末を新規にリースした場合や、SaaS型のケア記録アプリなど、アプリのサブスクリプション契約を新規に導入した場合、その経費というのはどこまで導入支援の補助の対象となるのでしょうか。こうした対象範囲について、補助事業の要綱やQアンドAで明確化すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
生産性の取組、現場の皆様にも様々進めていただいておりまして、令和七年度の補正予算等々につきましても多くの御応募をいただいているところだと承知しています。
それで、お尋ねの、ICT機器、特に、SaaS型、それからリースの端末についての取扱いでございます。
令和七年度の補正予算による介護テクノロジーの導入に要する費用の補助につきましては、介護記録ソフト等の導入に伴うタブレット端末等のリース費用が補助対象になる旨、実施要綱にまず明記をさせていただいております。
また、補助事業が単年度事業でございますので、導入後に毎年度発生する経常経費そのものに対して毎年度補助していくというのはなかなか難しい面がございますが、一方で、御指摘のSaaS型の介護記録ソフトなどのサブスクリプション費用も含めまして、ライセンスが複数年にわたって発生をする介護ソフトにつきましては、初年度に複数年度分の費用をまとめて支払った場合についてはその費用全体が補助対象になるということも事務連絡により周知をしているところでございます。
こうした取扱いにつきましては、現場の方々に広く知っていただくことが重要だと思っておりますので、分かりやすい形でお示ししていきたいと考えております。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
時間になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、梅村聡君。
○梅村委員 日本維新の会の梅村聡です。
今日は、改正案の質疑の前に、一昨日、当委員会でも、豊田真由子委員の方から、病院の老朽化、建て替え、改修問題、これが取り上げられましたので、今日は大臣に質問させていただければと思っております。
これは、発端は、五月九日の読売新聞朝刊に、病院の老朽化に伴う建て替え、改修困難が日本全国に広がっているという報道がございました。
具体的には、鉄筋コンクリート造りが法定耐用年数が三十九年ということで、四十年というのを一つの区切りとして、これは病床機能報告から引っ張ってきたんだと思いますが、築四十年以上の病棟を持つ病院が千五百六十八、これが全国の二三%、そして築五十年以上の病棟を持つ病院が五百四十七で全国の八%ということで、これが実際に建て替えができるのかどうかということが大きな論点だと言われております。
今度は、私、国土交通省の建築着工統計、これを引っ張り出してくると、新規着工建築物、病院と診療所ですね、二〇一三年度は二千六百九十三あったのが、二〇二五年度は千三百四十四と、半分以下になっております。それから、病院、診療所の建築単価を見ますと、二〇一一年度は二十一・五万円、平米単価ですけれども、そして二〇二五年度は五十一・六万円と、単価も二・四倍になっている。ですから、着工は減る、単価は増える。
病院の建て替えの入札事例なんかを見ると、もう平米単価百万円超え、これもどんどん出てきているということでありまして、日本全体で本当にこれから建て替えが進んでいけるのかどうか。今の病院の利益率、これは医療経済実態調査なんかを見ても、ほぼ建て替え、改修が絶望的な状態ではないのかな、まず、私はそういうふうに感じておるんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○上野国務大臣 まず、委員御指摘のとおり、病院の建物の老朽化、耐用年数を超えて老朽化が進展をしている、これも深刻な状況だと考えておりますし、その上で、建築単価の上昇が、今御指摘のあったとおり、上昇が続いております。病院や診療所の建て替え、改修が非常に進みにくい状況にあるのではないかと考えております。実際に、建築単価の上昇によって工事費が予算を大幅に超過をして、建て替えや改修を断念をする、そういったケースが出てきているというふうに承知をしています。
医療機関、現在も引き続き、物価高あるいは賃金上昇に直面をしておりますし、建築単価の上昇にも直面をしておりますので、委員御指摘のとおり、医療機関の建て替え、改修を取り巻く環境は非常に厳しいと私も認識をしています。
地域医療をこれから安定的に提供し続けていただくためにも、地域の医療提供体制の構築の観点から、必要と認められる病院の建て替えについては必要な資金が確保されるということが大事でありますので、その点を我々もしっかり受け止めなければいけないなと考えているところであります。
○梅村委員 じゃ、その資金を具体的にどうやって、特に民間病院ですよね。公立病院は起債をして何とか資金を確保してできるということは、これは可能性としてはありますけれども、民間病院の場合は多くがWAMです。いわゆる福祉医療機構からの借入れ。それから、民間金融機関からの借入れ。
だけれども、これは、借入れができるかどうかと問われたら、やはり、福祉医療機構なんかのいろいろお話を聞いていると、総事業費の一〇%ぐらいは自己資金を用意してくださいと。だから、まず、一〇%ぐらいを自分で用意できることが第一関門。それをたとえクリアしたとしても、きちんと返済計画が、しかもそれはきちんと理屈に沿ったものが立てられているかどうか、この計画書を用意できるかが第二関門ですから、まず第一関門が突破できないから第二関門には進めないというところは、ほぼ建て替えが難しいんじゃないかな、私はそういうふうに感じています。
一昨日の、豊田委員の御指摘の中にも、確かに大臣の方から紹介がありました、予算はありますよと。地域医療介護総合確保基金、これは消費税を原資としたものですけれども、ありますよ、それから施設整備費補助金、これもありますよということが御紹介はされたと思うんですが、実際に、桁からいえば、やはりこのものは、要するに、救命救急センターの整備であるとかあるいは僻地医療、政策医療に特化したものに対してはこういうものが用意されているよと。だけれども、一般的にはこれが使えるかというと、民間病院はほとんどどこも、この予算は使えないと思います。
私たち維新の会としても、去年、三党合意の中で、病床を十一万床削減できるような、これは基準病床数以上のことに関してですけれども、そういう政策合意をしましたけれども、これはゴールでは決してないわけですね。これからやはり、人口が減ってくる中で、地域の病院が、再編、集約化、統合、そういったことを地域医療構想の中で進めていく、その最初のスタートをまず始めようじゃないかということでこの十一万床という話は始まっております。
ですから、地域医療構想の中で、きっちりそういった話合いができて集約化や統合ということをやっていくのであれば、逆に言えば、それに対して、地域に不可欠な医療機関に対しては、やはりある程度国として予算措置をしていかないと、地域医療構想で話だけはしてください、でも先立つものは用意しませんよ、そういうことでは、私は、地域医療が崩壊するし、地域が死んでしまうんじゃないか、こういう問題意識を持っております。
ですから、今日大臣に是非提案をしたいのは、今申し上げた地域で不可欠な病院、どこで線引きをするかということは非常に難しいかと思いますが、そういったものに対しては、国として新たな予算措置、基金でもいいと思います、こういったものを財政当局と、きちんと提案をし、また交渉していく、その必要性があると思いますが、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○上野国務大臣 まさに委員と問題意識を共有化しているというふうに考えております。
これまでからも、病院等の施設整備を支援するためには、今御紹介のあった一定の予算措置は講じておりますし、また、WAMによる長期、固定、低利の優遇融資も行ってきたところでございますが、様々課題があるのも確かでございます。
まずは、WAMの優遇融資、この状況はまず我々としてもしっかり分析して整理しないといけないと考えておりますが、その上で、今委員からもいろいろな御提案がありましたけれども、やはりこれから、地域医療構想を着実に実施をしていくことも必要ですし、あるいは、国土の強靱化という観点からも、病院の在り方についてそれを検討することは必要だと考えておりますので、我々としてもどういった対応ができるかというのは十分検討していきたいと考えております。
これから、まさに骨太の方針、また来年度の概算要求等が始まるわけでありますから、委員からもそうした声をどんどん出していただくということがあり得るかと思いますので、是非お願いをしたいと思っています。
○梅村委員 私も頑張りますので、大臣も是非頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは次に、法案審査の方に入らせていただきたいと思います。
今回、法案改正の中では、いわゆる老人ホームを中心とする囲い込み対策の強化、そして、住宅型有料老人ホームと介護付有料老人ホームとの間の制度上の均衡確保を目指して、これまでは登録制の対象ではなかった住宅型有料老人ホームも、中重度の要介護者、具体的には要介護三以上の者を入居対象とする住宅型有料老人ホームが都道府県等への登録制の対象となるということがこの改正案の中ではうたわれております。
まず、今日質問させていただきたいのは、この要介護三以上という基準はどういった立法事実から導き出された基準なのか。
それから、この資料を見ると、中等度の要介護状態となった等の場合に住み替えを求める場合を除き、現存する有料老人ホームの大半が要件に該当することを想定と書いてありますけれども、ほとんどそうだと思います。要介護三になったら、どこかよその老人ホームを紹介しますから、うちからは出ていってください、そういうところは該当しないということだと思うんですけれども、恐らくそういうところはほとんどないと思います。
そうしますと、ほぼ全ての住宅型有料は登録制の対象になるはずですから、この要介護三以上という条件はつけなくても私はいいんじゃないかなと思うんですが、その辺りの御説明をお願いしたいと思います。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
先生お尋ねの登録制の対象となるホームの要件についてでございます。
今回の見直しに際しましては、入居者の要件に着目をいたしまして、現在は届出で開設可能な有料老人ホームのうち、入居者保護の必要性の高い類型に着目をして新たな規制を導入するというアプローチで考えております。
具体的には、要介護状態として要介護三以上になりますと、夜間帯を含めてほぼ終日の介護が必要となるというデータが国民生活基礎調査等でございます。あわせて、機能的に近接をする介護つきホームを始めとして、居住系サービス、介護保険の中ではございますけれども、こういったものというのは、軽度者の段階から利用されて、中重度になっても住み続けられるタイプとして制度上つくられている、こういう話がございます。
こうした取扱いを踏まえまして、中重度の要介護者などが入居の対象となる、つまりこれは、入居時の要件じゃなくて、入居者の対象となるホームについて今回の登録制の対象にするということで案を作っているということでございます。
詳細な要件につきましては、今後政令で規定していくことになるのですけれども、登録対象となるホームの入居対象者の範囲につきましては、社会保障審議会介護保険部会での議論に先立って開催をしました有識者の検討会におきましては、安全性の確保、人権の尊重の対応が必要となる中重度の要介護者、あるいは医療ケアを必要とする要介護者、認知症といった観点も提示されたところでございます。
入居者の保護に資する基準となるように、関係者の意見を聞きながら検討を進めてまいります。
○梅村委員 済みません、その前に。大臣への質問は終わりましたので、もしよろしければ御退室していただいて結構ですので。よろしくお願いいたします。
○大串委員長 大臣、退室して結構です。
○梅村委員 御答弁ありがとうございます。
私の問題意識は、これを登録制にするというのは、一定のきちっと自治体が把握するということが大事でして、もしそこに登録しなくていいよという穴があったときに、それを、言葉は悪いですけれども、悪用されることがないのかどうか、そこのところが私の懸念としてありましたので、今御紹介いただいたように、これから検討を進めていくということでありますから、実質きちんと安全性が担保できるような、そういった登録制をつくっていただきたい、このことを付言を申し上げておきたいと思っております。
そして、今回の改正案の中では、いわゆる囲い込みに関して、介護サービスを提供する事業者との独立性確保の措置を新たに導入することとしております。具体的には、特定の事業者の利用をホーム入居の要件とすることの禁止等が想定されていると思います。
簡単に言えば、うちの住宅型有料に入ろうと思えば、この訪問看護、この訪問介護を使っていただいたら、うちに入居していただいて結構ですよ、必ずサインしてくださいよと。これが条件になってしまうと、いわゆる過剰介護サービスの提供ということにつながるのではないかということで、今回、この中身が入れられたんだと思いますけれども。
これは難しいなと思いますのは、住宅型有料がとても親切で、よい事業者とおつき合いがあった、ここの訪問看護や訪問介護はすばらしいですよ、だから是非ここで使ってくださいといって、結果的に特定の事業者を使う方ばかりになってしまうという善意型と、善意型と言うのがいいかどうか分かりませんが、それから、ここを使わないともう出ていってもらいますという、これは悪意なのかどうか分かりませんが、いわゆる囲い込みに近いものは、これをチェックしようと思ったときに、同じ状況なわけですね。ほぼ特定の事業者を使っている入居者ばかりになっているということは、ほぼ同じ、外形上は同じ状態になっているわけですけれども、この線引きというのは具体的にどうやって引くのか。
私は、できれば、入居のときに複数の介護事業者を、選択肢を示して、そこから選んでいただくということを確保するということをやはり条件に入れておくべきではないかなと考えておりますが、この辺りはいかがでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
現行、国の指導指針におきまして、ホーム事業者に対しましては、近隣に設置されている介護サービス事業所について情報提供を行うということを求めているところでございます。
ただ、こうした取扱いも踏まえまして、審議会、それからそれに先立つ検討会において議論を重ねましたが、入居者の主体的な介護サービスの選択を確保するということが重要だということ、それから、現行の住宅型有料老人ホームの運用の中には、その主体的なサービス選択について一定の制約がかかっているケースがあるということから、先ほど議員が紹介してくださったように、特定の事業所の利用を契約条件にすること、ケアマネジャー等の変更を強要することを禁止する措置を設けるべきという話がございました。
これらを踏まえますと、委員が御指摘のとおり、介護サービス事業所について、選択肢として複数の事業所が提示されることが望ましいということが言えるかと存じます。
本法案におきましては、全ての有料老人ホームについて、契約前において、入居者が希望する介護サービスの利用を妨げない旨を含めた重要事項説明の実施、入居契約書の事前交付を義務として法定をいたします。
また、入居契約時にケアマネジャー等の変更を強要すること、特定の介護サービス事業所の利用を入居条件とすることの禁止につきまして、登録ホームにつきましては老人福祉法に基づく登録基準において、届出ホームにつきましては老人福祉法に基づく入居者の利益のために遵守すべき事項として定めるということを想定をしております。
もし今回の法案を形にしていただけましたならば具体的な運用の検討に進んでまいりますが、その際には、委員御指摘のように、入居者やその家族等に対して介護サービスあるいはケアマネジャー等につきまして複数の事業所の情報が提示されるということをどのように確保していくのか、これを明確化をしてまいりたいと存じます。
○梅村委員 ですから、これから運用していくに当たっても、この法案が成立することが非常に大きな力になるというふうに認識をしましたので、それは是非進めていただければなというふうに思っております。
ちょっと最後の質問になりますけれども、今は、入居の条件に特定の介護事業サービスを使うかどうかというお話でしたけれども、これは条件じゃなくてでも、やたら月額家賃が安い住宅型有料老人ホームがあるわけですよ。最近は余り見ないですけれども、一昔前は月額一万円で三食ついている、一万円は少なくても、三万円とか五万円とか、これぐらいのお金で入れますよと。何でかなと思って行くと、実はそこの老人ホームはホールディングスになっていて、同じグループの介護事業者を使えばこの値段で入れますよ、そうじゃなかったら別料金ですよみたいな、そういったことも実は私は目にしたことがあります。
ですから、情況証拠としては、極端に安い月額家賃が設定されているところは、やはり囲い込み、若しくは囲い込みに近いことが行われているのではないかと疑うきっかけには私はなると思いますので、例えば介護サービス情報公表システム、こういったもので、地域ごとに家賃の目安を示したり、極端に安い場合は、やはり自治体が聞き取りをしたり、なぜそんなに安い値段になっているんですかというようなことをチェックしていく、注意を促す、このことも私は非常に有用な方法ではないかなと考えますが、厚労省の見解をお伺いしたいと思います。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
有料老人ホームの家賃につきましては、ホームの立地、規模、設備等に応じて多様なものがございますので、一律な形でお示しするということはなかなか難しい面がございますが、一方で、委員が御指摘くださったように、家賃が極端に低い場合など、不適切な運営が疑われる場合があろうかと存じます。そういった場合につきましては、現行、関係通知の中で、都道府県等において必要な指導監督の徹底を行うように現在も要請をしております。
今後のお話になりますけれども、有料老人ホームに係る情報公表の制度、委員御指摘くださいましたが、の中では、現行の老人福祉法において、ホーム事業者に対しましては家賃を含めた情報を都道府県知事に対して報告をするよう義務づけておりまして、都道府県において公表する取扱いになっております。
こうした情報公表の在り方につきましては、昨年の有識者検討会の中でも、入居希望者やその家族等が必要とする情報を探しやすくなるよう充実を図るべきといった意見がございました。具体的な公表方法それから内容につきまして、関係者の意見を伺いながら、充実に向けて検討してまいります。
○梅村委員 この法案が、今日は一部の指摘にとどまりましたけれども、現行の課題を解決するのには非常に力になる法案ではないかなということを私は感じておりますので、そのことを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、加藤貴弘君。
○加藤(貴)委員 自由民主党・無所属の会の北海道一区の加藤貴弘です。
本日、質問の機会をいただいた先輩議員、そして同僚議員の皆さんに感謝を申し上げます。そして同時に、国政の場に押し上げていただきました地元の皆様に心から感謝を申し上げ、その思いを国政の場に届け、その役割、職責を全うしてまいりたいと思いますので、引き続き御指導をどうぞよろしくお願いを申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきますが、社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
この改正案は、少子高齢化が急速に進む中で、地域の福祉、介護の基盤をどう守るかという重要な答えを示そうとするものであります。
先ほどから各先生が質問しておりますけれども、この法案には大きく三つの柱があるというふうに思っております。一つ目は、高齢、障害、生活困窮といった縦割りを超えた、地域の包括的な支援体制の拡充。そして二つ目は、身寄りのない高齢者への日常生活支援、死後事務支援まで一気通貫でカバーをする新たな制度の創設。そして三つ目が、今日私が取り上げたい、福祉人材の確保と経営基盤の強化であります。
医療介護福祉保育職等の人材の円滑な確保を考える議員連盟で田村会長を中心として議論をされておりますけれども、私も、これは地元の声ということで、是非質問させていただきたいと思っております。
本改正案では、都道府県に対し、ハローワーク、福祉人材センター、介護労働安定センター、関係団体、教育機関、事業所が一堂に会する人材確保協議会の法定設置が盛り込まれており、これまでばらばらに動いてきた人材確保の取組を地域単位で束ねる仕組みが整えられております。国、都道府県の責務として、人材の確保、資質向上と経営基盤の確立を一体に図ることが介護保険法にも明文化をされております。私はこの方向性に大きな期待をしているところであります。
しかし、地元の現場の介護事業者の皆さんから様々お話を聞くのでありますけれども、人材を採用したくても、なかなか働いている人が来てくれない、こういった状況を、どの産業も同じかも分かりませんけれども、自力で募集してもなかなか難しい。それで仕方がなく有料の職業紹介に依頼をして、手数料が重くのしかかって経営を圧迫しているという実態があるというふうに思います。法律で幾ら人材確保の枠組みを整えても、現場の事業者が手数料で体力をそがれている、そういった状況が続けば、制度が絵に描いた餅になりかねない、そういった観点から質問します。
今回の改正案で、人材の確保、育成と経営基盤の強化を国、都道府県の責務として明確化し、人材確保協議会の法定設置という新たな枠組みが設けられております。しかし、同時に、介護事業者の倒産が二年連続で過去最多を更新し、現場では物価高騰での物価スライドができていないこと、様々な要因があると思うんですけれども、その一つは、今ほど言った手数料、そういったことも一つだというふうに思います。
この改正によって、介護人材の確保という課題に対し、国としてどのような変化をもたらすことを考えているのか、認識をお伺いいたします。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
介護人材の確保につきましては、全国的な喫緊の課題であり、そして、あわせて、非常に重要な課題だというふうに我々も思っております。
これまで、国において累次にわたる処遇改善を始めとした総合的な対策、また、都道府県においても地域医療介護総合確保基金の活用等により取組を進めてきたところであり、今回の法案では、こうした介護人材の確保等に関する国、都道府県の責務を法律で明確化した上で、取組を更に推進していきたいというふうに考えております。
加えて、今回の法案では、やはり、地域において、介護の人材を取り巻く状況も様々でございます。そういったことも踏まえ、都道府県を中心に福祉人材確保のための協議会を法定化することとしており、都道府県単位での情報共有にとどまらず、人材確保、定着、職場環境の改善、生産性向上、経営支援、さらには介護のイメージ改善、理解促進、こういった各地域が抱える個別課題に応じたプロジェクトチームを創設し、現場の民間事業者も含めた地域の関係者が実践的な取組を検討、実行していくことを想定しております。
例えばで申し上げれば、自力での人材確保等が困難となっている小規模な法人、こういった方々が協議会に参加し、公的機関等の支援を受けながら協働して取組を行う、こうしたことで問題の解決にも資することができるというふうに考えております。
ただ、我々としても、こういった協議会等をつくったからすぐ解決するというふうには思っておりません。やはり、その中でどういったことが行われるか、こういったことが大切だと思っておりまして、国としても、協議会の運営に関するモデル事業を実施することとしており、その成果物の周知、こういったものを行うことで地域における実践的な取組を後押ししていきたい、このように考えております。
○加藤(貴)委員 ありがとうございます。
様々な課題があると思いますので、一つ解決すれば解決するわけではありませんので、是非それも迅速に対応していただければというふうに思います。
本改正案では、経営基盤の強化を国の責務と位置づけております。
私の地元の介護事業者の皆さんの元へお話にお伺いすると、やはり必ず言われるのが、私たち、これだけ物価高騰しているけれども、値上げすることができない。介護報酬は、御承知のとおりでありますけれども、医療報酬や、あるいは保育なんかもそうだというふうに思いますが、公定価格でありますので、値上げをすることができない。ただ一方で、有料職業紹介の会社は自由価格でありますので、そういう意味ではこのバランスが本当に崩れているんだというふうに思います。
全国老人福祉施設協議会の調査によりますと、常勤介護福祉士一人当たりの平均紹介手数料が約八十九万円と、大体、年収の二割から、高いところであれば四割ぐらいというふうに伺っておりますけれども、そういった手数料を払っていると。医療、介護の分野の全体でいくと、千百三十九億円が紹介手数料として支払われているようであります。
この原資の多くは税や保険料ということでありますけれども、この構造についてどのような考えなのか、お伺いをいたします。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
医療・介護人材の確保は切実な課題であること、さらには、求人者が職業紹介の手数料に負担を感じていること、こうしたことは私どもとしても十分認識しているところでございます。
このため、紹介手数料をめぐる課題に対しましては、就職お祝い金や転職勧奨の禁止、適正事業者認定制度の活用促進、職業紹介事業の見える化を進めるための手数料実績の公開の義務化、こういったことの取組を進めることで、求人者である介護施設等が手数料等の実績やパフォーマンスを見て納得して職業紹介事業者を選択できるような環境整備を進めているところでございます。
また、医療とか介護ですと結構基準があって、そういったことの基準を満たすために、高い手数料を払ってでも何とか人を確保しなきゃいけない、こういったような御意見がございます。
こうした中で、介護報酬上は、人員基準欠如が発生した場合に、その翌々月から三割の減算となるところでございますが、本年六月以降の算定分については、介護施設等がハローワークの活用などにより職員確保の取組を行っているにもかかわらず、やむを得ない事情によって人員欠如が発生した場合については、特例的に減算の適用猶予期間を延長する、このような措置も講じているところでございます。
厚生労働省としては、今回の法案に盛り込んだ福祉人材確保のための協議会におきまして、ハローワーク、また福祉人材センターといった無料職業紹介事業を行う公的機関を含む地域の関係者が協働して実践的な取組を検討、実行することに加え、こうした取組を併せて進めることで、必要な人材確保ができるような環境の整備を進めていきたいというふうに考えております。
○加藤(貴)委員 ありがとうございます。
今回の改正案には、人材定着の促進も盛り込まれております、今お話しいただいたとおり。現場の事業者から、高い手数料を払って採用した職員が六か月後に離職するというお話も伺っておりまして、紹介した会社がその職員さんに連絡をして転職を促す、そういった事案も伺っております。もしそういった背景があるとすれば、この定着支援という仕組みを整えてもなかなか解決に至らないんじゃないかなというふうに思うんです。
現在、短期離職時の返金、適正認定を要件に位置づけておりますけれども、認定事業者は六十三社、内訳でいうと、医療分野が四十六社、介護分野三十社、保育分野二十社と。これは少ないなというふうに私は感じているんですけれども。また、これを活用した常用就職件数は、介護分野では五五・六%にとどまっているということであります。
今後、この認定事業者を増やすことや、あるいは活用した就職件数を増やすためにどのように取り組むのか、考えをお伺いをいたします。
○村山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の適正紹介事業者認定制度の活用に向けまして、本年一月から、労働局の幹部職員が介護を始めとする医療、福祉分野の関係団体の都道府県組織、計五百四十団体を直接訪問いたしまして、ハローワークの利用勧奨とともに、民間職業紹介事業者の利用に当たっては適正認定を受けた事業者を御利用いただくよう、直接促したところでございます。
また、本年度から、紹介就職させた労働者の早期離職防止の取組を行っていることにつきまして、先ほど御指摘の認定基準に追加をいたしますとともに、先ほど社会局長から答弁ございました、報酬減算の適用猶予期間の延長の際の要件に適正認定事業者の利用が選択肢の一つとして位置づけられていることについて周知に努めるなど、適正認定事業者の更なる増加や活用促進を図っているところでございます。
また、委員から前段御指摘のございました、労働者に不適切な転職を繰り返させているような職業紹介事業者につきましては、職業安定法の下位法令におきまして、求職者に対する金銭等の提供でございますとか紹介就職後二年間の転職勧奨を禁止した上で、令和七年一月からは、これらを職業紹介事業の許可条件に追加をいたしまして、違反が反復継続する場合には事業許可の取消しを行うこととするなど、厳正に対応しているところでございます。
以上でございます。
○加藤(貴)委員 ありがとうございます。
本改正案では、経営基盤の強化を国の責務と位置づけております。介護報酬という公定価格で経営せざるを得ない事業者が自由価格の紹介手数料を支払っている構造でありますが、こういったことが介護事業者の経営悪化につながっているというふうに考えますし、そのことによって、設備投資や施設の改修、職員の手当などにも影響が出ていると思っております。日本医師会、四病院団体の協議会で、今年の三月に、大臣へ手数料の上限規制の導入の要望もしているというふうに思います。
公定価格分野における紹介手数料への上限規制についてどのような考えか、お伺いいたします。
○村山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の紹介手数料の上限規制の導入につきましては、丁寧なマッチングを行っている民間の職業紹介事業者もある中で、人材確保に切実なニーズをお抱えになっている介護施設や病院等にとっての人材確保のための選択肢を減らすことにもなりますので、かえって人材確保に支障を生じさせるおそれがあるものというふうに考えてございます。
この点につきまして、御紹介のありました医療関係団体の皆様からの要望書におきましても、確かに紹介手数料の上限規制の導入を一丁目一番地にお掲げいただいた上で、同時に、上限を高く設定した場合は高い水準に収れん、固定化するリスクがある一方、過度に低く設定した場合は現場の体制維持が困難となるおそれがあることへの配慮も必要だというふうに御提言をいただいておりまして、同時に、各職業紹介事業者の手数料や紹介後の離職動向の更なる見える化、またハローワークにおける人材確保対策の強化もお求めいただいているところでございます。
こうした状況なども踏まえまして、求人者である介護施設等が実績やサービスの質がよい職業紹介事業者を選択できるよう、紹介事業者に対しまして、厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトにおきまして、職種ごとの手数料実績や離職者数等の推移を公開すること、これを義務づけますとともに、本年四月からは、五百四十四全てのハローワークの最重点事項としてアウトリーチによる医療、福祉分野における求人充足支援を抜本的に強化しているところでございます。
御指摘のとおり、紹介手数料負担の転嫁が困難な公定価格の下で、社会にとって不可欠な介護サービス提供を担う事業者の皆様が必要な人材をしっかり確保できるよう、ハローワークにおけるマッチング機能の強化に全力で取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○加藤(貴)委員 ありがとうございます。
本改正案で、人材確保協議会には、公共職業安定所、いわゆるハローワークが構成メンバーとして明記をされております。しかし、現状では、ハローワーク、福祉人材センターに相談した介護事業所のうち、採用に効果があったと感じているのは約四割にとどまっており、六割が効果を実感できていないということであります。
協議会を機能させるためにも、ハローワークの介護専門相談員の配置拡充やマッチング機能の強化といった、先ほどもお話しいただきましたけれども、実質的な底上げが不可欠でありますが、具体的にどのような強化策を講じるお考えなのか、お伺いいたします。
○村山政府参考人 お答え申し上げます。
厳しい御指摘、胸に置いて、しっかり対応していかなくてはいけないというふうに考えております。
ハローワークにおきましては、介護など社会インフラを支える分野の人材確保の専門窓口でございます人材確保コーナーを百二十四か所設置をいたしまして、常勤職員とともに、介護施設におけるマネジメント経験等のある専門スタッフを配置し、求人確保でございますとか、求職者への担当者制による個別相談等を通じて、管内の介護施設等の求人充足に取り組んできたところでございます。
さらに、本年四月から、繰り返しになりますが、全国五百四十四の全ハローワークの最重点事項として医療、福祉分野の求人充足を掲げまして、所長を始めとする幹部職員が管内の主要な施設、病院等を訪問し、求人充足支援に向けた求人条件の見直しでございますとか求人票の作成方法のアドバイス等をきめ細かく行いながら、新たな求人をお預かりし開拓していくということとともに、特に、配置基準を満たすため迅速な充足が必要な急募の求人につきましては、資格を有する求職者へ優先的に情報提供するなどの対応に努め、同時に、福祉人材センターと連携しての就職面接会や職場見学会等に取り組んでいるところでございます。
こうした取組の推進に当たりましては、優良な職業紹介事業者が、個々の求職者の希望やニーズを踏まえて、勤務時間、シフト、各種手当等の詳細な労働条件を求人者と丁寧に調整して人材の確保につなげていることでございますとか、あるいはSNSでの発信など、効果的な情報発信を成果に結びつけていることなど、民間事業者の積極的な取組も参考にしながら取組を進めているところでございます。
ハローワーク利用者の満足度の一層の向上に向けまして、職員の資質向上に向けた研修やインターネットサービスの一層の改善にも努め、今般の法案の趣旨も踏まえつつ、しっかり取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○加藤(貴)委員 ありがとうございます。
今ほど、五百四十四か所の拠点があるということであります。これが全て機能すれば、有料の職業紹介を使わなくても、それぞれの事業者さん、大変喜んで、そういった経営の悪化につながらないことだというふうに思っておりますので、こういった、ハローワークの強化という意味で、是非、民間の事業者とも連携していただければというふうに思います。
最後の質問になりますけれども、この改正案が新たなスタートというふうに思いますし、手数料の規制や、あるいはハローワークの強化、そういった意味での介護報酬の在り方など、これらを一体的に進めることで、介護事業者を守り、利用者へのサービスも持続可能なものになると考えます。この法改正を起点に、人材確保に関する政策をどのように進めていくのか、副大臣にお伺いをいたします。
○長坂副大臣 加藤議員の御指摘のとおり、都道府県において福祉人材確保のための協議会を設置するだけではなく、適正な職業紹介事業者の見える化、ハローワークの機能強化など、複数の取組を組み合わせていくことで、介護人材の確保は前進していくものと考えております。
今回の法案に盛り込みました福祉人材確保のための協議会は、都道府県を中心に地域の関係者が介護人材確保に関する実践的な取組を検討、実行するための仕組みであり、この構成員として、ハローワークや福祉人材センターなどの地域の公的職業紹介機関も想定されております。
各地域におきまして、協議会における議論の中で、有料、無料、それぞれの職業紹介に関する地域の現状、課題を共有、分析をし、公的職業紹介機関の機能強化も含めた課題解決に取り組み、介護人材の確保を進めていただきたいと考えております。
国といたしましても、介護分野の職員の処遇改善や、ICT等のテクノロジーを活用した生産性向上の推進による現場の負担軽減、職場環境の改善に加え、実績やサービスの質がよい民間職業紹介事業者を選択できる環境の整備やハローワークの機能強化などを通じまして、介護人材の確保に全力で努めてまいりたいと考えております。
○加藤(貴)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、田畑裕明君。
○田畑委員 ありがとうございます。自民党の田畑裕明でございます。
社会福祉法案の審議、よろしくお願いしたいと思います。
前段、それぞれ各議員さんからお話があったことについては、重複は避けて質問したいというふうに思いますし、そもそもこの法案については、二〇四〇年を見据えて、地域包括ケアの深化に対応するために、制度面ですとか目詰まりしていること、また、これまでもいろいろ議論で宿題があったようなことについて相当整理をされて、ボリュームも非常に大きいですが、新たな展開をしっかり担保するための大事な法案だというふうに思います。
また、老健局、社援局含めて、省内の中での縦割りもしっかり除去していただいて、地域に根差したこの法案の中身がきちっと下りていくように、我々見守ってもいきたいと思いますし、当然、与党の中での審査では足らず、この国会の中でいろいろな議員さんからの指摘をいただきながら、中身を充実をしていただきたいということをまず前段で申し上げたいと思います。
それでは、通告の順番ではないですけれども、ケアマネさんのところからちょっとお話をしたいと思います。幾つかの先生方からもお話がございました。
ケアマネ事業所、全国で三万七、八千か所あるというふうに認識をしておりますし、居宅介護支援のケアマネの手当てをいただいている方々、三百万人以上の方々がそのような関係で今もケアを受けていたりですとか、家族の方々がサポートいただいているわけであります。
今回、この改正に至っても、私自身も、ケアマネ協会ですとか、地元のケアマネさんや主任ケアマネの皆さんからもいろいろお話も賜ってまいりました。まず、処遇改善においても、去年の補正について、ようやくケアマネさんが処遇改善にも含まれたということについては喜ばしいことだというふうに思いますし、更なる、介護全体に関わる、障害福祉もそうでありますが、専門職の方々の処遇改善というのは、引き続き、我々訴えてもいきたいというふうに思っております。
また、更新、研修の在り方等々、先ほどからお話もありましたが、相当議論の上で、宿題的なことも整理されて、今回提出されているというふうに理解をしています。
ちょっと制度の確認であります。今回、更新制等々、研修についてはいろいろ変化があるということ、先ほどからもありました。今回から、県別よりもオール・ジャパンで統一の教材を作って研修についても対応していくというふうに理解をしているわけでありますが、その質ですかね、ちょっと改めて確認をしたいと思います。
統一の教材をしっかりやっていくということは、当然、それをしっかりやっていただきたいというふうに思いますが、質の担保についてどのような方策を検討しているのか。これまで地域ごとにばらつきがあったから統一をするということでありますが、それによって、どこに物差しというか線引きをしながら質の担保をしていくのかというのを改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
ケアマネジャーの法定研修につきましては、委員御指摘くださいましたように、全国統一的な実施が望ましい研修内容について、国レベルで一元的に教材を作成をすることとしておりまして、これによりまして、研修の質のばらつき、それから費用の差の解消を図っていきたい、そういうことで考えております。
それで、具体的な内容でございます。私ども、先ほども少し御紹介申し上げましたけれども、今回、研修自身の御負担を、時間的御負担を下げながら質を確保していくという話になりますので、どうしても必要な事項というものをはっきりさせた上で位置づけていくということかと存じます。
特に、今回御用意をする研修内容につきましては、直近の制度改正、それから介護報酬改定の内容など、業務を行っていただく上でどうしても必要となる最新の知識を学べるような質の高い研修資材というものを作っていきたいというふうに考えておりまして、それを講義の動画、教材として御用意をした上で、オンラインで提供するということを念頭に作っていきたいというふうに考えております。
時間数の制約もかけながら質の高いということになりますので、関係団体や有識者の御意見も賜りながら丁寧な検討を進めて形にしていって、今回もし法案を形にしていただけたならば、その際の研修の中身として活用、生かしてまいりたいと存じます。
○田畑委員 ありがとうございます。
もう一問質問していましたが、先ほども答弁があったと思いますので、ちょっと意見だけにしたいと思います。
更新制を廃止をすることと研修のひもづけというのは分離をするということでございました。また、答弁では、研修時間等の見直しですとか、研修をちゃんと受講するような指導もちゃんと行うことも組み入れて、漏れがないようにやっていくという答弁がございました。それはきちっとやっていただきたいと思います。
一旦離職したような潜在ケアマネの方々がまた復職をするといったようなところにもしっかり光を当てていただきたいというふうに思いますし、これまでの今回の議論の中で、業務の在り方の整理であったりですとか、そもそも、法定研修の見直しやまた資格取得要件の見直し等もいろいろ議論をしてきたところであって、一定の結論が出されて、今からいわゆる法律に整えて落とし込んでいくということであります。
繰り返しになりますが、やはりケアマネさんの存在は非常に大きく、そしてまた大切であり、これからも頼られる存在だというふうに思いますが、それを担保する質の向上について、政府としてもきちっとこれからもコミットしていただきたいというふうに思います。答弁は結構でありますから、ケアマネさんのことについてはよろしくお願いしたいと思います。
続いて、有料老人ホームについても、いろいろ、るるお話がございました。私からも、ちょっと確認も含めて、制度についてお伺いをしたいというふうに思っています。
今回、いわゆる登録制度の話、また相談支援の類型をつくるという話等があります。その中で、入居希望者の選択に資する環境整備として、いわゆる優良事業者認定制度を創設をするということが盛り込まれています。そして、これは、公益財団法人の有料老人ホーム協会がそれを担うということも法的に規定をされているところでありますが、改めて、優良事業者認定制度とはどんな制度なのか、また、この後、法律が制定をされたとしたときに、制度導入までのタイムスケジュールについて、改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○長坂副大臣 お答え申し上げます。
有料老人ホームの入居者紹介事業につきましては、要介護度や医療の必要度に応じた高額な紹介手数料の設定など、不適切な事例があったことを踏まえまして、昨年、有識者検討会において、入居者紹介事業の透明性の確保に向けた議論を行っていただきました。
これも踏まえまして、昨年末の審議会の意見書において、既存の届出公表制度を前提に、公益社団法人等による優良な紹介事業者の認定制度の創設が適当とされたところでございます。
本改正案では、老人福祉法に規定する社団法人である有料老人ホーム協会の業務規定に入居者紹介事業の適正な利用の確保等を追加することとしており、入居希望者やその家族、地域の専門職等の選択に資する環境を整備するため、同法人による優良事業者認定制度を創設する方向で検討を進めております。
制度の構築に当たりましては、適切に事業を運営している紹介事業者を入居者やその家族等が確実に確認、選択できる、透明性が高い仕組みとなるよう、有料老人ホーム事業者、入居者紹介事業者、有識者等公益代表の三者で構成する場において丁寧に検討を進めていくこととしており、まずは今年度、令和八年度におきまして、制度創設に向けた調査研究事業を実施する予定であります。
○田畑委員 副大臣、ありがとうございます。
これまでの法的な位置づけも含めて、ごめんなさい、これは公益財団法人じゃなくて公益社団法人なんですよね。公益社団の有料老人ホーム協会ということであるというふうに認識をします。これを規定する、法改正するいろいろな背景というのはこれまでもお話があったとおりなので、理解しているところであります。
ちょっと頭の体操ですが、運営事業者の団体が認定をしっかり行うということであって、そこに紹介事業者の方々が、当然、健全な紹介事業者だということを認定を受けるということですね。運営事業者が紹介事業者を、しっかりガバナンスを利かせるということなんだろうというふうに思いますが、そのときには、当然、利用者、利用者の家族の方の目線で、その方々が一番のしっかりとした利益、不利益を被らない形を整えるというのはもちろん当たり前だというふうに理解をしています。
そこで、もう一回確認でありますが、紹介事業者はそうなんですけれども、国民の方、利用する方や家族の方々が公平性ですとか中立性をその認定制度の下にきちっと担保されるのかということについての改めての確認と、場合によっては、運営事業者側がガバナンスを利かせるのであるので、料金、手数料の問題だったりとか、価格がいたずらにダンピングされたりするとかということはあってはならないことだし、ないものだというふうに思いますが、今ほど、有識者も含めた第三者も入れた協議の場をつくって検討していくということなんだというふうに思いますから、運営側、また紹介事業者側もそこには、協議の場に当然のるものではないかなというふうに私は推察をするところでありますが、その辺の御見解について、副大臣から改めて御答弁をお願いします。
○長坂副大臣 繰り返しになりますが、今般創設する優良事業者認定制度の具体的な制度設計につきましては、有料老人ホーム事業者、入居者紹介事業者、有識者等公益代表の三者で構成する場において、利用者である入居希望者やその家族の視点に立った方々の参画を得ながら、今後検討を進めていくことといたしております。
その上で、新たな制度の下で、入居者紹介事業者が中立的な立場から入居希望者に対して、正確な情報に基づき、入居希望者のニーズや希望に応じたホームを紹介すること、成約時にホーム側から紹介手数料を受領する旨やその手数料の算定方法といった事項に関し説明することを通じ、事業運営の透明性が確保されることが重要だと考えております。
この際、入居者紹介事業者がホーム事業者に請求する手数料については、有識者検討会における議論を踏まえ、例えば、月当たりの家賃、管理費等の居住費用をベースに算定することが考えられます。
また、ホーム側に対しては、本改正案において、入居者への契約内容や重要事項に係る説明の義務づけ、そして都道府県等への重要事項の定期的な報告等、運営の透明性を確保する仕組みを導入することとしており、入居者紹介事業者の利用の有無や紹介手数料の算定方法等についても、説明や報告を求める事項として、厚生労働省の省令で定めることを想定をしております。
こうした仕組みを通じまして、利用者である入居希望者の視点に立った方々の御意見を丁寧に聞きながら、利用者の適切な選択を支える方策を検討してまいりたいと考えております。
○田畑委員 副大臣、きちっと答弁、誠にありがとうございました。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
法改正の一番にも位置づけされております、地域の実情に応じた包括的な支援体制の部分でございます。
ちょっとまず確認でありますが、重層的な支援体制整備事業、これは、小規模自治体では利用が非常に少ないということは過去からも指摘をされておりました。なぜ低いんでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
重層的支援体制整備事業、いわゆる重層事業と呼んでおりますが、この実施率、令和七年度におきましては、一万人未満の自治体で九・二%、一万人から三万人で一七・九%、三十万から四十万で七六・七%、四十万人以上五十万人未満で九四・七%ということで、委員御指摘のとおり、小規模自治体の実施率が低いという状況になっております。
この重層事業に関する自治体のアンケート調査におきまして、事業を実施しない理由、多い順から申し上げますと、事業を実施する人員体制が不足しているためというのが約七割、重層事業を構成する全ての事業の実施がなかなか困難であるというのが約四割という結果をいただいております。
また、自治体へのヒアリングも行いまして、その結果におきましても、専門職の確保が深刻で、募集をかけてもなかなか来ない、また、人口規模の小さい市町村では、今後、各分野でそれぞれ窓口を維持できず、一本化しなければならなくなる、こういった御意見もいただいたところでございます。
このため、今般の小規模市町村向け事業におきましては、相談支援、地域づくり事業について、分野横断的な一つの配置基準に基づき柔軟な実施を可能とし、あわせて、地域と福祉支援体制の協働を推進する一事業のみを実施するものであり、小規模市町村の人材不足の実情も踏まえた柔軟な内容としているということでございます。
○田畑委員 ありがとうございます。
もう一回、副大臣にお聞きをしたいと思います。
今課題をるる述べられて、それを克服するために、小規模市町村のための包括的な支援体制を相談、また地域づくりでやっていきますよということなんですよね。それはもちろんきちっとワークさせなきゃいけないと思いますが、これは実施を主に当然市区町村にやっていただくということでありますので、とにかく小規模自治体の方々が着手しやすい、そこにも住民が、多くの方がお住まいでありますから、ここをどうやってきちっとやっていくのかというのが何よりも関心事であります。
今、一定のゴールは二〇四〇年を見越しているというふうには承知をしているところでありますが、今は二〇二六年であり、二〇四〇年をずっと目指してやっていくよということなんだけれども、やはりもう少し、途中途中で検証をしっかり行うであったりですとか、きちっと振り返るような体制もやっていかないと、間延び感があるし、苦しいことがあるのではないかと思います。
また、ちょっと二問抱き合わせて申し上げますが、これは都道府県がしっかりサポートするよということが規定されておりますし、もう一つ、近隣の大きな市がサポートしますよ、伴走しますよということも一応規定されるということになります。
ちょっと私の肌身感覚だと、都道府県はどうしても、小規模自治体をサポートしますよねというのは根づいていると思いますが、小規模自治体の隣接のそれなりの規模の市区町村が、そうだよね、隣のちっちゃな自治体のためにいろいろお手伝いしてあげなきゃ、あげなきゃというか、表現はちょっと難しいですけれども、やらなきゃいけないのというのは、相当いろいろなインセンティブとかがないと、いや、何で隣の町のこと、村のことをやらなきゃいけないのというのが、私の肌身感覚だとすごく普通に感じますし、政治家である副大臣もそう感じられるんじゃないかと思います。
ここではあえて、近隣の隣接市等もサポートという形にはなっていますが、そこも含めて、どうやってきちっとワークしていくんだということについて、副大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○長坂副大臣 田畑議員の御指摘のとおり、地域の人口動態、地域資源、体制整備の状況などが様々である中で、地域の実情に応じた体制整備を進めることが重要と認識をしております。
市町村がその実情に応じて体制整備の手法を選択できるよう、今回の法案におきまして、地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充を一つの柱に掲げ、既存の重層的支援体制整備事業に加えて、人口減少が進む小規模市町村向けの事業の創設などを盛り込んでいるところであります。
こうした手法を活用し、市町村の実情に応じた体制構築を進めていくために、市町村が自らの地域の体制整備の状況を確認し自己点検ができるツールの開発や、地域の実情に応じた個別具体的な伴走支援を推進するため、都道府県による伴走支援のノウハウの整理などを実施いたしまして、伴走的な支援を行うことで、全ての市町村での包括的な支援体制の整備を目指して進めていきたいと考えております。
なお、本法案におきましては、施行後五年を目途として検討規定が設けられているところであり、今回の措置の効果などの施行状況を踏まえながら、関係者の意見も伺った上でしっかり検証していく必要があると考えております。
さらに、今般の小規模市町村向けの事業でございます。一、相談支援事業、二、地域づくり事業、三、地域と福祉支援体制の協働を推進する事業の三つを実施することとしております。
このうち、相談支援事業は、分野横断的な配置基準に基づき実施することとした上で、小規模市町村の担い手不足の実情を踏まえ、専門的相談対応については、都道府県や近隣市等と連携し後方支援を行うことといたしております。
こうした都道府県や近隣市等との連携体制を構築するために、本法案におきまして、小規模市町村が当該事業を実施する場合に、都道府県は小規模市町村の求めに協力することとしているほか、今年度予算におきまして、都道府県における市町村の後方支援事業として、市町村の体制整備への伴走支援や小規模市町村への専門職の派遣を行う都道府県に対し、より手厚く支援を行うこととしております。
また、今年度実施をいたしますモデル事業の中では、事業実施市町村が近隣市、専門職団体等への協力を要請する際には、都道府県、国も関わりながら連携体制の構築を図ることといたしております。
いずれにいたしましても、本事業の施行に向けて、このモデル事業の実施状況なども踏まえまして、御指摘の連携体制等についてもしっかり検証し、実効性あるものとなるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
○田畑委員 時間が来ましたので、これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○大串委員長 午前十一時四十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十時五十分休憩
――――◇―――――
午前十一時四十九分開議
○大串委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。山本香苗君。
○山本(香)委員 中道の山本香苗でございます。
まず、大臣にお伺いいたします。
平成二十九年の社会福祉法改正で全ての市町村に対し包括的な支援体制整備が努力義務化されまして、令和二年社会福祉法改正で重層的支援体制整備事業が創設をされました。この重層事業創設に当たりましては、誰一人置き去りにされない社会を実現したい、それも一部の地域じゃなくて、全ての、全国でしっかりと実現したいという思いで、この間、支援者の方々やまた地方自治体の皆さん、地方議員の皆さん、多くの皆さんとこの問題に取り組んでまいりました。
そうした中、今年度から、この重層事業の中の中核を担っております多機関協働事業の負担割合が、国の負担が二分の一から三分の一へと引き下げられました。これに対しまして、現場からは、せっかく地域に根づき始めたのに、はしごを外された思いだというお声をたくさんいただきました。
多機関協働事業というのは、ほぼ人件費なんです。そして、これはやればやるほど潜在的な課題が見えてきて、案件はむしろ増えていくんです。一定年数が経過したから支援需要が減るという性質のものではありません。立ち上げ支援が終わったから国の負担を下げるという発想自体が、包括的支援の本質を十分踏まえていないと言わざるを得ません。
重層事業は、これからも包括的支援の一つとして極めて重要です。重層事業において、これ以上国の負担を引き下げる考えはない、二度とはしごを外すことはない、大臣、明言していただけますか。
○上野国務大臣 重層的支援体制整備事業については、実施市町村数が急激に増加をするとともに、これまで自治体間で支援機関の対応力強化、連携強化などの事業目的に沿った取組の実施状況にばらつきが見られましたことから、今年度、今後の実施市町村の増加も見越して、制度の持続可能性を高めるとともに、事業のより効果的、効率的な実施を促すための見直しを行ったものであります。
今回の見直しによりまして、事業実施の効率化とともに、今年度新たに百十四の自治体が事業実施を予定であることや、今後の実施自治体数や事業費の見込みを踏まえた上で実施したものであり、これにより、事業の持続可能性の確保にもつながったと考えています。
この事業は、地域の資源を生かしつつ、多様で複雑化する福祉ニーズへの対応、分野を超えた様々な関係者との協働を促進する事業でありますので、地域共生社会の実現に向けて、全ての市町村において包括的支援体制を構築をしていく上で、小規模市町村における柔軟な体制整備と並んで重要な事業と考えております。
引き続き、各自治体において包括的支援体制が構築され、その基盤の上に創意工夫のある実践が進められるように、自治体や現場の御意見もよくお聞きをしながら必要な予算の確保に努めていきたいと考えておりますし、自治体への支援にしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
○山本(香)委員 これ以上下げないということでよろしいですか。
○上野国務大臣 予算の充実に向けてしっかり取り組んでいきたいと考えておりますが、政府内での様々な調整もございます。委員からも是非お力添えをお願いしたいと考えています。
○山本(香)委員 本当に、ここで二度とはしごを外さないでいただきたいんです。現場は本当にやる気をなくしています。厚労省に対する不安と不満が、今まで信頼関係ができていたのに。本当にこの点についてはよく考えていただきたいと思います。
多機関協働の運用につきましては、自治体によってかなりばらつきがあることもよく存じ上げています。多機関協働に対して丸投げするようなケースがあることもよく分かっていますが、ただ、だからといって、既存の制度などを最大限活用してもなお対応できないものに限定していく方向というのは本末転倒だと思います。地域には複合的な課題を抱えた人がいっぱいいるんです。そういう中で、既存制度を使い倒した後にこれだという話になったら、手遅れになります。たらい回しに遭います。支援する方も、大変な状況になってから対応するのは本当に大変で、逆にコストがかかります。
多機関協働の本来の趣旨というのは、制度の壁を乗り越えるために出たんです。対象を絞るための制度じゃないんです。是非、多機関協働の運用指針を見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
重層的支援体制整備事業、いわゆる重層事業でございますが、多機関協働事業などを追加で実施することで、各分野の制度、機関の対応力強化、さらには既存制度、機関間の連携強化を促進し、包括的な支援体制整備を図ることを目指す事業というふうに考えておりまして、我々としても大変大切な事業だというふうに思っているところでございます。
一方で、今委員の方からもお話ございましたが、現場の支援者などからは、これまで多機関協働事業者にケースが任せっきりにされてしまう実態、このような指摘もありますし、また、生活困窮支援などの既存制度の機能を生かすことが重要であり、重層事業など包括的支援体制を整備する取組はそれを補完する役割であったのではないか、こういった御意見もいただいているところであります。
このため、各分野の制度、機関で対応可能な対象者まで幅広く多機関協働事業などの対象にすることで、各分野の制度、機関の機能の縮小を招くことを避けるという観点から、事業の運用について、既存制度との一定の役割分担を行うためのルールを設けているものでございます。
しかしながら、重層事業については、地方自治体が多様で複雑化するニーズに柔軟に対応できる支援体制を構築する、こういったことで創設したものでありますし、こうした重層事業のよさをなくしてはいけない、この思いもあるところでございます。
委員御指摘のとおり、地方自治体が支援の現場で使いやすい運用としていく観点も大切だと思っており、今後とも、既存制度との適切な役割分担を図りつつも、現場で使いやすい運用の確保にもつながるよう、事業の運用の在り方について地方自治体の意見もよくお聞きしながら、引き続き検討し、必要な対応を行っていきたい、このように考えております。
○山本(香)委員 是非、見直しをしていただきたいと思います。
改正案におきましては、重層事業の質を向上するために、事業計画に必須事項として目標、評価等に関する事項を追加し、計画を定期的に見直すこととされておりますが、重層事業というのは、単なる相談件数だとか会議数だけでは測れない、伴走支援や関係づくり、孤立防止といった見えにくい成果が極めて重要です。数値中心の評価となれば、本来支援が必要な困難ケースほど後回しにされかねません。
また、自治体ごとには人員体制とか地域資源にも差があります。そういう中で、評価業務そのものが現場の負担になる懸念もありますので、是非そういったところにも配慮していただきたいと思います。数値だけではない質的な成果を誰がどのように評価に反映していくのか、また、現場負担を増やさず、自治体支援につながる評価制度をどのように構築していくのか、お伺いします。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
この法案におきましては、重層事業の質の向上を図るため、事業の実施計画における記載事項として、目標や評価に関する事項を規定しているところでございます。これは、この事業に限らず、我々の厚労省の様々なことでも同じでございますが、いろいろな数値の目標を立てながら、また、それを評価していくことは重要であるとともに、一方で、それをどう評価するかというのは、なかなか難しいというのは常々、我々も悩んでいるところでございます。
この評価につきまして、昨年度、調査研究事業におきまして、質的な面も含め、どのような活動体制整備が望ましい効果を発現するかを整理したロジックモデル、こういったものを作成したところでございまして、来年度においては、複数の自治体において実証を行った上で、自治体の負担にも考慮しながら、使いやすいツール等の開発を行うことを検討したいというふうに考えております。このロジックモデルについては、自治体自らが包括的な支援体制の整備を進めるに当たっての自己点検のツールとしての活用、こういったことを想定しているものでございます。
こうした取組により、自治体内における関係者間の議論を活性化し、自らの体制又は事業内容の見直しなどを促すことで、自治体の創意工夫を生かしながら、重層事業を実施する場合を含め、より質の高い包括的な支援体制の整備につなげてまいりたい、このように思っております。
○山本(香)委員 決して上から目線になるような評価だけはやめていただきたいと思っております。
目標、評価も大事なんですけれども、もっと必要なのは支援です。重層事業を実施するに当たって、市町村が司令塔となっているわけなんですが、現場では、人材、専門性の不足によって十分機能していない、実際に動かし切れていないという声が上がっておりますし、また地方自治体からは、情報や財源だけ与えられても使いこなすのが難しくて、市町村の課題に寄り添って伴走支援をしてもらいたいという声が上がっております。
そこで、是非参考にしていただきたいのが、自殺対策基本法に基づく中間支援の仕組みです。国の指定を受けたいのち支える自殺対策推進センターでは、多職種チームが自治体への伴走支援、人材育成、データ分析を行いまして、地域の取組の底上げを行っておられます。こうした取組によりまして、実際、全国の自治体で地域自殺対策計画の策定が進んだとか、また、困ったときにすぐ支えてもらってありがたい、欲しい情報をいつも的確に、また具体的に提供してもらえるのでありがたいといった声が自治体から数多く寄せられていると伺っております。
市町村は、制度が分からないので困っているわけじゃなくて、具体的にどうしていいか分からない。そこに寄り添ってもらう支援が必要なのであって、先ほどの質問の中でも、別に都道府県の役割を否定するわけではないんですが、都道府県に聞いても分からないんですね。
そこをしっかりとサポートするような仕組みを是非つくっていただきたいということで、この自殺対策の例をちょっと参考にしつつ、まずは国において調査研究をやっていただいて、そして国の責任で新たな中間支援の仕組みというものを是非御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
今御指摘をいただきましたとおり、全ての市町村において包括的な支援体制を進めていく上で、それぞれの市町村の支援体制の機能や連携の実情を踏まえた取組を後押しするような伴走支援の機能、こういったものが重要だというふうに思っております。どういったようなやり方がいいのか、よくよく考えていかなきゃいけないと思っております。
この点、審議会の報告書におきましても、例えば都道府県の市町村への支援、これにつきまして、研修会、勉強会の開催や基本的な情報提供などの現状の支援内容に加えて、包括的支援体制の整備に向けて伴走支援を行う機能を強化していくことが必要ではないか、こういったような指摘もいただいています。
これを踏まえ、今年度予算におきましては都道府県による後方支援事業を拡充しておりますし、さらには、今年度、国、都道府県が共同で複数の自治体に対して効果的な伴走支援を行うため、伴走支援計画の策定、アドバイザー会議などを実施した上で市町村への伴走支援を行い、伴走支援のノウハウの整理、全国、都道府県、市町村を対象とした成果報告会等を行うこととしております。
国、都道府県が実施するこうした伴走の事業の実施状況も見つつ、市町村の御意見もよくお伺いしながら、効果的かつ実効性のある市町村への伴走支援の在り方を検討し、伴走支援を行う上での課題や必要な専門性、さらには担うべき役割のほか、これに対して助言を行う主体なども含めて研究をしていきたいと思っております。
自殺の団体も私どもの所管でございますので、よくよく参考にさせていただきたいと思います。
○山本(香)委員 すごくよくできた取組でございますので、是非それを範にしていただきたいと思います。
小規模の市町村では、限られた人員で高齢、障害、子供、生活困窮などの多様な相談に対応せざるを得ない実態があって、こうした現状を踏まえて、今回、配置基準を柔軟化する新たな事業を創設されることとなっていると思うんですが、ただ、配置基準の柔軟化だけじゃ駄目なんですよね。一人の人材が多機能化しなくちゃいけなくなってくる。これをどうやっていくかということが次の大きな課題なんですが、福祉部会でも話が出ていたと思います。
資格制度だとか養成課程、これの見直しに今後どう取り組んでいかれますか。
○鹿沼政府参考人 今御指摘いただいた点、非常に大切な点だと思っておりますし、あと、いろいろな状況状況によってやはり考えていかなきゃいけないのかなと思っております。
例えば、今回の小規模の自治体の場合では、そもそも人材の確保が非常に難しいときに、いろいろなことができる人を確保してくれというと、これまた何もなかなかできないという点もある。一方で、やはり専門相談というよりは、基本的な相談ができ、それで複数のことがいろいろできるという意味では、例えば研修というものをどう考えていくのか、そういったこともあろうかと思います。
また、二〇四〇年に向け生産年齢人口が減少していく中で、地域の担い手の確保、また多様なニーズに対応する観点から、特定の分野にとどまらない幅広い専門性や視点を有する人材の確保、育成という観点も大事でございますし、これまでも、複数資格の取得に係る方策としては、例えば社会福祉士、保育士の養成課程を修了した方に対しては、介護福祉士養成課程の教育内容の一部の短縮も認めるなどの取組を進めてきたところでございます。
あと、先生からも今お話がありましたとおり、福祉部会の報告書におきましても、介護の実務経験者が介護福祉士国家試験の受験資格を得るための研修について、他の国家資格の養成課程を修了している場合等に関連科目を免除する、こういったような提言もなされております。
審議会の議論も踏まえながら、具体的な仕組み、複数資格の取得の取組の仕組みについて、よく考えていきたいというふうに思っております。
○山本(香)委員 先ほど田畑議員の御質問の中にもありましたけれども、これは二〇四〇年までにやらなきゃいけない。結構大変なので、是非急ぎやっていただきたいと思っております。
生活困窮者自立支援制度というのは、分野や制度を超えて柔軟につながる強みを持って、これまで見えてこなかった様々な課題や困難をキャッチして、それをきちっと拾い上げていく制度で、私は、もう誰も置き去りにされない社会の実現をするための大事な大事な基盤であると認識をしております。だからこそ、昨年の六月に、生活困窮者自立支援制度を中心とした既存制度の活用も包括的支援の一つとして位置づけて推進することを提言させていただきました。
その際に、併せて、生活困窮者自立支援法の第三条の生活困窮者の定義の見直しも要望いたしました。現行、何度も国会におきまして、これは結構柔軟な、広く使えるんですよとか、解釈で言っているんです。言っているんですが、やはり自治体の職員の方は真面目なので、言葉にとらわれるんですね。例えば、一番最初に「現に経済的に困窮し」、この問題でも経済的なところに引っ張られるわけです。その後の「最低限度の生活を維持することができなくなるおそれ」、こうなってきたら、ぎりぎりの段階まで手が出せないというふうに読むわけです。
何回もこの間やってきたんですけれども、やはりここはきちっと法律を見直していただくことによって、包括的支援、生活困窮を中心とした包括的支援整備というのを進めていく上では待ったなしの課題でございますので、是非この点、速やかに見直しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
生活困窮者に対する自立相談支援の在り方といたしましては、相談者を断らず、幅広くその困り事を受け止めることが必要であり、生活困窮者自立支援制度の創設時から、断らない相談支援、こういったものを理念にして支援を行っているところでございます。
社会保障審議会福祉部会におきましても、支援の現場において、生活困窮者自立支援制度の相談支援の対象が限定的に捉えられている場合があるということや、頼れる身寄りがいない高齢者等を含め、支援が必要な生活困窮者が幅広く支援対象に含まれることを明確化するなど、生活困窮者自立支援制度における対応を強化することの必要性、こういった点について指摘された。これは、まさに今先生からいただいたことと同じ認識だと思っています。
これを踏まえ、本法案では、まず一つとしては、自立相談支援事業において、生活困窮者の家族その他の関係者の状況も考慮して支援を行うことを明記し、生活困窮者支援において、より幅広く包括的な相談対応を行う趣旨を明確化をしているところでございます。
一方で、まさに法律上の定義の見直しにつきまして、先生からの御指摘を我々も重々認識しているところでございますが、現在の定義が定着してきている中で、支援対象が変更されることによる現場などへの影響、また、定義の拡大に伴って、各事業の利用者の範囲のこととか自治体の事務への影響など、制度そのものの在り方を含め、ちょっと整理をしっかりしないとなかなか難しい点もございまして、関係者の御意見も伺いながら丁寧に検討を進める必要があるということで、今回は見直しには至っておりません。
制度のはざまを超える包括的な支援を理念とする生活困窮者自立支援制度は、包括的な支援の軸であるというふうに考えておりまして、この趣旨をこれからもしっかりと周知していくとともに、制度の在り方について、引き続き課題を整理し、検討を行っていきたい、このように思っています。
○山本(香)委員 今回は、でありますね。次回は、生活困窮者自立支援法の本体の見直しにおきましては、是非よろしくお願いしたいと思っております。
昨年の六月の提言のとき、同じときに、子供、若者支援を包括的支援の中でしっかり強化をすべきだということを提言させていただきました。といいますのも、若者の抱えている様々な深刻な課題というのは、外からなかなか見えません。かつ、支援にもつながりにくい。支援の制度があっても、支援につながりにくい。こういうことがあるので、まさしく分野横断的な支援が必要なのではないかと。包括的な支援の中で入っているといえども、なかなか見えてこなかった課題であって、検討会でも検討していただきましたけれども、今回の規定の中からは漏れております。
是非、大臣、この点につきまして、子供、若者支援、子供、若者をしっかりこの包括的支援の中に制度的に位置づけることを御検討いただけないでしょうか。
○上野国務大臣 まず、社会福祉法においては、子供、若者も含め、属性を問わず、地域生活課題を抱える地域住民に対する包括的な支援体制を整備することを市町村の努力義務として、これまでその推進を図ってまいりました。
また、生活困窮者自立支援制度においては、属性を問わない支援を掲げております。若者を含めた生活困窮者に対して必要な支援を行ってきているところであります。
一方で、社会保障審議会等の議論におきましては、子供期から若者に至る過程で必要な支援が継続をしていないこと、あるいは関係機関の連携による早期発見、早期支援の取組が十分にできていないことなど、若者への支援の必要性が包括的な支援体制の整備の中で十分に意識されていなかった面がある旨の指摘がされております。また、生活困窮者自立支援制度の各種事業が、必ずしも若者がアクセスしやすいものとなっていないとの指摘もございます。
こうした指摘等も踏まえまして、今年度、困窮などの課題を抱える子供、若者への包括的な支援の在り方等について調査研究を行ってまいります。その結果を踏まえて、包括的な支援体制の整備に関する指針において、子供、若者への支援の観点についても位置づけることを検討していきたいと考えています。
その上で、こども家庭庁を含む関係省庁とも連携をしながら、包括的な支援体制の整備を推進していきます。
○山本(香)委員 今日は、津島副大臣にもお越しいただきまして、ありがとうございます。
子供、若者分野では、本当に、不登校だとかいじめだとか、また虐待、孤独、孤立とか、テーマごとの調査は行われているわけでありますけれども、しかし、現場では、先ほど申し上げたとおり、重なり合っているケースが少なくなくて、ただ、現在の分野ごとの調査では、そういったものはなかなか見えてこないという状況であります。子供、若者の生活実態の全体像が十分見えない、その結果、支援からも抜け落ちやすくなってしまっているというのが私の肌の実感です。
そういう中で、是非とも、子供、若者の困難を横断的に、また包括的に把握するような全国的な実態調査を実施していただけないでしょうか。先ほど上野大臣の方から包括的支援の中でいろいろな調査をするとおっしゃっているんですが、こども家庭庁になってからはこういう全国的な調査というのはやっていないんです。是非お願いしたいと思います。
○津島副大臣 山本香苗委員の御質問にお答え申し上げます。
子供、若者の置かれた状況を適時適切に把握することは重要であると考えてございます。
こども家庭庁においては、令和七年度にこども・若者総合調査を実施し、その中で、不登校、いじめ、虐待の経験や孤独感、生活満足度や自己肯定感を始めとしたウェルビーイングに関する項目等を調査したところでございます。
また、令和八年には、若者の状況や課題を詳細に把握するため、若者の十万人総合調査を実施することを予定してございます。具体的には、十五歳から三十九歳までの若者十万人を対象としたウェブアンケート調査を柱としつつ、この意識調査に加えて、若者支援団体等と連携した現場レベルの情報収集や、既存の調査研究の整理、分析を組み合わせて調査を行い、テーマにとらわれず、若者の実態や支援ニーズを捉えたいと考えてございます。
子供、若者の全体像をより的確かつ丁寧に把握できるように、引き続き努めてまいります。
以上です。
○山本(香)委員 簡単な調査ではない、しっかりとした調査をちょっといろいろ考えていただいて、是非御検討いただきたいと思います。
次に、社会福祉法上の支援会議について伺います。
改正案第百六条三の二では、重層事業を実施していない市町村でも社会福祉法上の支援会議を設置することができるとされ、支援会議を開催できる条件として、他の法令に基づく会議において地域生活課題を抱える地域住民に対する支援の内容の検討が十分になされていない場合においてと規定されています。
他の法律に基づく会議において検討が十分になされていない場合というのは、どういう場合なんでしょうか。誰がどう判断するんでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
社会福祉法に基づく支援会議につきましては、これまで、重層事業を実施している自治体のみが設置できる仕組みとしておりましたが、関係者間の連携、協働体制を地域の実情に応じて構築できるよう、この法案におきましては、全ての市町村において設置を可能とする内容を盛り込んでいるところでございます。
そして、御質問の点、社会福祉法に基づく支援会議における検討は、生活困窮者自立支援制度などの他の制度に基づく会議等において支援内容の検討が十分になされていない場合に行われるものと規定をしております。
具体的にどのような場合がこれに該当するかについては今後詳細に検討していくことになりますが、例えば、他制度に基づく会議体が設置されていない場合ですとか、又は取り扱う事案の特徴等から他制度の会議等において十分な検討ができるというふうに市町村において判断できない場合などを想定しており、それぞれの市町村において、地域の実情を踏まえて御判断いただくものだというふうに考えております。
○山本(香)委員 であれば、どの法律の会議で対応するのか、はっきりしない場合もオーケーでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
例えば、所管が分からないような事案につきましても、他制度に基づく会議等における検討の開始が困難でございます。支援内容の検討が十分になされていないということに該当すると考えられるので、社会福祉法上の支援会議の対象とすることは可能だというふうに思っておりまして、こういった点についてはしっかり周知していきたいと思います。
○山本(香)委員 ありがとうございます。
この点がとても心配していたんですが、はっきりしない場合、これが開催できるとなれば、今回創設していただく地域福祉推進協力団体の仕組みが大きく生きてくるんです。
これはどういうことかと私が説明している場合じゃないんですが、地域福祉推進協力団体というのは、例えば銀行で、毎日毎日、紛失届を持ってくる方とかがいるんですね。車の止め方がおかしい、これは認知症とちゃうかなと思っていても、銀行はどこに言っていいか分からないし、自治体に言っていいのかどうかも分からないといったときに、地域福祉推進協力団体という形で市町村が銀行などを委嘱すれば、安心して情報提供できるという形の仕組みが今回の法改正の中に入っているわけです。
この情報というのは、結局、来たら、大概どこか分からないんですよ。今回の支援会議がこの上がってきた情報の受皿になっていただいたら、この仕組みが物すごく生きるわけでありまして、実は、大臣の御地元の滋賀県の野洲市ではこういう取組はもう既にやられているわけで、是非こういう形で自治体に売り込みをしていただきたいと思います。
その上で、結局最後は、制度を動かすのは人であります。大臣にお伺いしたいと思います。
この包括的支援というのは、物すごく機能が多くなってきて高度化していっているのにもかかわらず、賃金は安いわ、非正規雇用だわという状況で、本当に現場はかつかつで大変なんです。自治体の自治事務だといえども、自治体任せにしたら、いつまでたっても給料は上がりません。包括的支援が高度化している現状を踏まえて、それに見合った処遇改善を是非とも実現していただきたいんですが、最後ぐらいはきちっと力強い御答弁をいただきたいと思います。
○上野国務大臣 多様で複雑化をしたケースが増加をしておりますが、そうした中にあって、当事者に寄り添った支援、これを行う方々の役割というのは大変大きなものだと考えております。支援員の皆様に対する処遇改善は極めて重要な課題です。
例えば、包括的支援の軸として期待をされる生活困窮者自立支援制度においては、令和六年度には、社会福祉士等の有資格者を支援者として配置した場合などに基準額を高くする仕組みを導入いたしました。
令和七年度の調査研究事業においても、支援員の処遇を始め、事業の適正な評価のための検証、検討を実施をし、また、本年一月には、物価上昇を踏まえた処遇改善の対応について、事業の実施主体となる自治体への働きかけ、また、処遇改善により基準額を超過した場合にも、個別の協議により必要性を確認しつつ対応する、そうしたことを実施をしてまいりました。
厚労省といたしましても、処遇改善に積極的に取り組む自治体への支援を行っているところではございますが、人が人を支える仕組みであるこの生活困窮者自立支援制度を始めとする包括的な支援、これに従事をし、まさに最前線で御尽力をいただいている支援員の皆様が安心して職務に全うできる、そうした環境を整備するのは大変重要でございますので、そうした観点で、我々もしっかり自治体と連携をしながら取り組んでいきたいと考えています。
○山本(香)委員 済みません、最後と言いながら、大臣、もう一問ありました。頼れる身寄りがいない問題についてでございます。
本当に単身高齢者が増加して、家族関係の希薄化が進む中で、頼れる身寄りのない方を地域で救う仕組みは本当に待ったなしで、私は何としても実現しなくちゃいけないと思っております。
現在も、医療や介護の現場、入院対応だとか、親族への連絡調整だとか、死後事務対応とか、本当に、本来任務じゃない、いわゆるシャドーワークでもう現場は限界です。だからこそ、今回の改正案で頼れる身寄りのない方を支援する新たな事業を創設することは大きな意義があると思っているんですが、これがほんまにちゃんと機能するのか、現場で使えるものになるのか、ここが一番大事なんです。
というのも、今回の新たな事業というのは、現在社協が実施する日常生活自立支援事業に、新たに、入院また入所等手続支援とか、死後事務支援とか、そういう新たな事業をオンするわけですね、上乗せして。また、対象者も、判断能力があるけれども身寄りがない人とか、今回の成年後見制度の見直しをして終了した人が入ってくるわけですね。利用者は増えるわ、また支援は増えるわ、こういうことをやってもらうのであれば、それに見合った人員体制と財政支援は必要不可欠だと思うんです。
ただ、御承知のとおり、現行の日常生活自立支援事業というのは、今、現行の体制でも手いっぱい。待機が大阪なんかは二百とか軽く超えます。全国規模で見たら、三千近くと伺いました。そして、専門員確保がめちゃくちゃ難しい。かつ、市町村社協の持ち出しはある。こんな状況の中で本当に機能するのか、また結局現場任せになるんじゃないかという強い懸念の声が寄せられておりまして、今日も、この質問をするんだと言ったら、本当に実効性がある仕組みになるのか聞いてくれという声がたくさん寄せられております。
大臣、いい答弁を是非お願いいたします。
○上野国務大臣 今般の法律の改正によりまして、第二種社会福祉事業として福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業を位置づけるところでございますが、この法律をお認めいただいて実施をする際には、社会福祉協議会だけではなくて、社会福祉法人など、多様な主体の参画にも期待をしているところであります。
本事業は、無料又は低額で利用する対象者への援助に必要な費用を含めて、利用料収入で運営いただくことを原則としております。ただ一方で、全国どの地域でもこの事業による援助を受けることができるように、各都道府県の社会福祉協議会に本事業を実施することを義務づけております。
同様に法律上実施義務のある現在の福祉サービス利用援助事業における取扱いも参考にしながら、利用料収入による運営は原則ではございますが、今後、予算編成過程の中で必要な対応を検討していきたいと考えておりまして、この制度自体が、今委員からも御指摘のありましたように、実効性のあるものになるように、我々としてもしっかり努力していきたいと考えています。
○山本(香)委員 めちゃくちゃ努力してもらわなくちゃいけないなと。現行の日常生活自立支援事業も抜本的な強化が必要ですし、この新たな事業をやるためにも、今の仕組みを参考にしちゃ駄目です。もっと大幅に、これはお金を入れたら動く仕組みでもあるんですよ。予算がないから動かないところがいっぱいあるんです。是非ここは、私たちも頑張りますけれども、やっていただきたいと思います。
ちょっともう一つ。この事業は今回二種事業としてやるわけですけれども、市町村の関与がありません。しかしながら、この事業だけで身寄りのない方を支援するのは無理です。ですので、市町村の包括的支援の中でちゃんと位置づけてやっていただくことが必須です。是非その点について、制度的にきちっと担保していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鹿沼政府参考人 お答えいたします。
頼れる身寄りがいない高齢者等を支えるためには、今回創設する福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業だけでなく、様々な主体の参加により、地域全体で包括的に支援する体制を整備することが必要でありますし、包括的な支援体制の整備を行う市町村がその責務の一環として地域の実情に応じて体制整備を行っていくこと、これが重要だというふうに考えております。
このため、包括的な支援体制整備のための大臣指針ですとか、地域福祉計画のガイドライン、こういった中におきまして、頼れる身寄りのない高齢者等の支援に関する事項を明記し、市町村が取り組むべき事項として位置づけるということとしております。
御指摘の、市町村の具体的な役割については、地域包括支援センターや生活困窮者自立相談支援機関における相談体制を整備することや、福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業者のほか、社会福祉法人、互助組織、そういった様々な地域の資源との連携体制を構築していくことなどが想定されると考えておりますが、今後、施行に向けての必要な対応について議論を深め、具体化していきたい、このように考えております。
○山本(香)委員 質問をはしょりながら行かせていただきますが、死後事務についてちょっとお伺いします。
利用契約していた方が亡くなった場合に、契約している事業者に自動的にお亡くなりになったという情報が届けられるわけではございません。事業者に連絡できる体制の構築が必要でありまして、御本人の事前同意に基づき、死亡情報が確実に事業者に連絡できる仕組みも同時につくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○鹿沼政府参考人 今回、第二種社会事業に位置づけられる福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業につきましては、これまで家族、親族等が担ってきたと考えられる日常生活上の支援であって、頼れる身寄りがいないことで必要となる福祉サービスの利用援助や金銭管理、入院、入所手続、葬儀や納骨等の死後事務を支援内容としております。
死後事務につきましては、その対応方針を契約者本人や関係者間で生前に取り決めておくことも想定されるため、利用契約者の死亡の事実を円滑に事業者に共有することは、利用者の意向に沿った事務の履行を担保する上で重要であるというふうに認識しております。
例えばで申し上げますと、岡崎市の例でございますが、利用者からの登録に基づき、利用者が亡くなった際には、市が契約先の事業者に対し、死亡時の連絡を図る仕組みが整備されているものと承知しております。
こうした先行事例の把握も含め、福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業の支援の在り方について調査研究を実施することとしております。利用者の死亡情報が契約事業者に円滑に共有されるよう、その対応について検討していきたいと思っております。
○山本(香)委員 今日は法務省の方に来ていただきました。
介護施設や死後事務を行う事業者が死亡届を提出する場合、現行制度では、届出人となる職員個人の住所や本籍など、個人情報の記載が必要とされております。他方で、医療機関による届出では、医療機関の住所、代表者名による届出が認められております。
是非、介護施設や今回の新たな事業についても、医療機関と同様に、法人や事業所としての届出が可能となるよう見直しをしていただけないでしょうか。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
病院の管理者につきまして、先例により委員御指摘のような取扱いとしておりますのは、病院の管理者の氏名等は都道府県知事に届け出なければならないこと等を踏まえますと、病院の管理者が死亡の届出をする場合には、戸籍の表示を記載しなくても届出人を特定することができるためでございます。
介護サービスを提供する事業者ですとか、新たに第二種社会福祉事業に位置づけられる死後事務支援事業を行う事業者につきまして、病院の管理者と同様に取り扱うことができるかどうかにつきましては、病院の管理者との異同等を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○山本(香)委員 時間が参りましたので、また引き続き議論させていただきます。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、早稲田ゆき君。
○早稲田委員 中道の早稲田ゆきでございます。
それでは、順次質問をさせていただきます。
まず、社会福祉法改正、この法案の質疑に入る前に、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインにつきまして質問いたします。
これにつきましては、二〇一七年から、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインが運用されています。
しかし、二〇二二年の十月、国連の障害者権利委員会からこのガイドラインに問題があると勧告を受けまして、本人の最善の利益を判断するという言葉の下で、本人の意思や希望が尊重されない意思決定がされてしまっているのではないかという勧告であります。
この勧告を受けて、厚労省の障害保健福祉部では、昨年からガイドラインの見直しを進めてきたと承知しております。そして、四月中旬に公表されました検討委員会のガイドライン改正案は、最善の利益の文言を削除し、国連権利条約の条文にある、本人の意思と選好に基づく最善の解釈と書き換えるものでございます。
しかし、この障害者権利条約が禁止をしている代行意思決定が何なのかということははっきり書かれておらず、実際の意思決定の現場で支援がどう変わっていくのか、現場においては何をしてよくて何をしてはいけないのか、例示も大変少なく、分かりにくいということであります。そもそも、意思決定が困難な障害当事者が検討委員会に入っておらず、ヒアリングのみということになっております。
今国会では成年後見制度の民法改正の審議が並行して審議をされていることもありますので、引き続き、当事者や現場にとって分かりやすいガイドラインになりますよう、拙速に決定をせず、意思決定困難な障害当事者の参画を得つつ、見直しの検討を続けるべきと考えますが、大臣に伺います。
○上野国務大臣 障害のある方の意思を尊重して、希望する暮らしを実現していくためには、関係する支援者が一体となって、その方御本人の意思決定を支援をしていくことが重要です。
平成二十九年三月に、今お話のございましたガイドラインを策定をいたしました。その後、今御指摘があったとおり、令和四年の十月には、国連の障害者権利委員会からの総括所見において、本ガイドラインの言葉の使用に対する懸念が示されました。令和七年三月に、第二期成年後見制度利用促進基本計画の中間検証報告書において、総括所見や障害者基本法の趣旨を踏まえた見直しを検討する必要があるとの指摘を受けました。
そうしたことから、昨年度、本ガイドラインの見直しに関する調査研究を行ったところであります。この調査研究においては、有識者等で構成される検討委員会を開催をいたしまして、事業者団体だけではなく、当事者団体や当事者からも丁寧にヒアリングを行った上で、ガイドラインの見直し案を整理をしたところであります。
この見直し案を踏まえ、今後、当事者団体も委員として参画をいただいております社会保障審議会障害者部会の場でも御議論をいただくなど、このガイドラインの見直しに向けて引き続き丁寧に取り組んでいきたいと考えています。
○早稲田委員 今御答弁いただきましたとおり、参画をしていただくということで、確認をさせていただきました。
本人の自己決定ということは大変重要なことでありますけれども、なかなかそのようになっていない。家族それから親御さんでありますとか、そうした皆様が何となく意思決定を促すような場面も非常にあるのではないかと言われておりまして、御本人が納得しない場合も数多くあろうかと思います。
サービスの選択でありますとか、それから、グループホームなのか、自宅からグループホームに行くのかとか、いろいろ居住の選択の場面もありますので、是非こうしたことを、ガイドラインを、当事者の方の参画を得て、ヒアリングだけではなく、やっていただきたいということを要望させていただきます。
その上で、次の質問、法改正について伺ってまいります。
まず、中山間、人口減少地域における介護サービスの在り方についてであります。
これは、中山間、人口減少地域における介護サービス提供体制、これが大変、人口減少地域においては介護サービスを維持していくということが困難になっている地域も多いということで、今回は、対象地域の拡大、それからまた配置基準、この弾力化が検討されております。この地域の実情に応じた支援を強化する方向性はもちろん重要でありますし、評価をすべきものだと思います。
しかしながら、一言で言いましても、真ん中に都市部、市街化があって、周りが山間部というようなところは、日本全国どこにでもあるわけで、その中でどうやって実際この線引きをしていくのか、これが曖昧でありますと、非常に自治体の運用にも現場にも混乱を生じかねません。
対象地域の指定に当たっては、市町村単位ではなく、より実態に即した地域区分をどのような客観的基準で明確化していくのかということが一番の基本の問題だと思いますが、その点についてのお考え方を伺います。
○上野国務大臣 この特定地域につきましては、特別地域加算や離島等相当サービスの対象地域、これを基本としつつ、高齢者人口の減少や人口密度などに着目した一定の基準を示すこととしております。
この基準を踏まえて、都道府県が市町村の意向を確認をして、市町村の全域又は市町村の一部の地域、これを対象地域として決定することとしております。
○早稲田委員 いつ頃この基準をお示しになる予定か、お分かりになる範囲でお答えください。参考人に。
○黒田政府参考人 お答えいたします。
もし今回の法案をお認めいただけたならばという仮定の下になりますけれども、先ほど先生もお話しくださったこの基準作りの検討に入ります。この基準につきましては、法案の成立後、厚生労働省の関係審議会において検討することを予定をしております。
この仕組みについては、令和九年度のスタートに向けた検討を進めていくということを今念頭に置いておりまして、法案が成立しましたら直ちに検討に入るという形で考えておりますが、委員御指摘のとおり、このお話については地域の実情を踏まえたものとしていくということが非常に重要でございます。
この審議会には、地方団体の関係者、それから介護サービスの提供をしている方々、それから労使の方々にもお入りいただいていますので、そうした方々の参画もいただきながら、客観的で、それで実際的な基準となるように、丁寧に検討していくということを予定をしております。
○早稲田委員 今御答弁いただきましたが、実効性のある、そして、現場それから市町村の意見をよく聞いていただいて、せっかく人口減少地域における介護サービスの維持ということでありますから、それが維持できないようなものであってはならないわけで、この基準が大変重要だと思っておりますので、なるべく早く、そしてまた多くの方の意見を聞いていただきたいということを申し上げておきます。
さらに、配置基準の弾力化の中で、とりわけ夜勤要件の緩和について、これは現場からも不安の声が上がっております。
今、確かに介護のテクノロジーは進んでまいりまして、見守りセンサーとか、それから介護記録分析などがありますけれども、介護職員の方の労働の代替にはなりません。もちろんそれは誰もが分かっていることですけれども、その中で、特に夜というのは、転倒の対応や、それから緊急対応などがあって、非常に人によるケアが不可欠であります。
それよりも、現場では今、夜勤がぎりぎりだ、こういう状況で、大変なぎりぎりの状況であるという声が絶えない中で要件緩和を進めますと、介護の職場の皆さんの負担の悪化、さらには介護の安全性というものにも懸念が広がるのではないかと考えるところです。
この夜勤の要件緩和による安全性の影響をどのように検証をされているのか。介護人材不足への対応は、単なる要件緩和ではなく、処遇改善とそれから人材確保策、これをセットで進めるべきではないかと考えますが、伺います。
○上野国務大臣 配置基準の緩和につきましては、サービス事業所間での連携やICT機器の活用などを前提としつつ、利用者へのケアの質に影響がない範囲で行うことが必要だと考えています。
そうした観点から、管理者や専門職の常勤、専従要件、また夜勤要件の緩和等についても検討を進めていきたいと思いますが、詳細の配置基準の要件については、やはり現場の皆さんの御意見、これを丁寧に伺いながら、今後、関係審議会で検討していきたいと考えております。
また、処遇改善も非常に重要であるのは論をまたないところでありまして、御案内のとおり、令和八年度の介護報酬改定を実施をして、定期昇給込みで最大月一・九万円の賃上げが実現をする措置を実施することといたしましたが、令和九年度の定例改定におきましても、介護分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保、こうした観点が大変重要でありますので、その認識の下で、介護サービス事業者の経営状況や介護分野の賃上げの状況なども把握した上で、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施をしていきたいと考えております。
○早稲田委員 今述べていただきましたが、本当に、人材確保には処遇改善が欠かせません。
この問題は厚生労働委員会全体でやっているわけですけれども、まだまだ、一・九万円というお話がございましたが、大体、全産業平均と比べても八万円ぐらいと言われておりますので、そこのところも踏まえてしっかりと、この夜勤というのは特に大変でありますし、そこのところを加味していただくような、そういう制度設計にしていただきたいと思います。
それから、次ですけれども、包括報酬の導入というのがここに書かれております。
包括報酬は、利用が少なければ当然ながら事業者側にメリットがあり、そしてまた、多ければ利用者側にメリットがあるという、利益相反になる可能性も含んでいるわけです。
当然ながら、今までのように一回ずつの算定ですと、急にキャンセルが出ればゼロ円になりますし、そんな中で経営がもうもたないというお声もたくさん聞いておりますが、こうした地域において、包括か出来高かという議論だけではなく、移動時間や人材確保、コストも含めて、地域において事業が可能となるような報酬体系になっているかどうかということをしっかりと見ていただきたいと思います。
その中で、中山間地域の介護提供体制の維持に向けて、調整交付金の機能強化、それから新たな財政支援制度の創設、地域医療介護総合確保基金などの基金の拡充なども含めて、財政からの支援強化、これを考えるべきではないかと思いますが、大臣、お願いします。
○上野国務大臣 重要な御指摘だと思います。
保険者間の高齢化等の差を調整する調整交付金について、新たに高齢化の影響をより精緻に反映する見直しを行って、より高齢化の進んだ自治体に支援を重点化する必要があると考えています。
また、地域医療介護総合確保基金によりまして、訪問介護事業所のサテライトの設置や、サービス需要の変化に柔軟に対応するため介護施設等を集約、再編する場合の改築、改修等に対する支援、これも引き続き行っていく必要があろうかと考えております。
こうした取組によりまして、中山間、人口減少地域における介護サービスの確保に取り組むとともに、この取組の効果、これを確認した上で、更なる取組の必要性等につきましても、現場の皆様の御意見をお伺いをしながら、必要に応じて検討を進めていきたいと考えています。
○早稲田委員 包括報酬の改正で本当に報酬が増えるのか、本当にそうなのかというような懸念の声も届いておりますので、しっかりとそこは現場の声を聞いていただいて、どうしたら皆さんがしっかりと働きやすい、現場で介護事業を維持していただくかということを主眼に、そしてまた、もちろん利用者の方の負担増大にならないように、大変難しい問題ではありますけれども、そこのところも考えていただきたいと思います。
それでは、ちょっと順番を変えまして、先ほども山本委員の方から御質問がありました内容ですが、頼れる身寄りの方がない高齢者の方、単身世帯の方、こうした方々の、判断能力も不十分な方を対象とする第二種社会福祉事業、これが新設をされまして、死後事務支援というものがここに入ってまいります。
これにつきましては、民間の方で、高齢者等終身サポート事業と言われる、民間企業であったりNPO等であったり、死後事務支援サービスがありますけれども、高額な請求が社会問題化したこともありまして、国は、関係府省庁、大変たくさんですけれども、連名でガイドラインを二〇二四年に発出をし、それでもやはりトラブルが絶えないという状況がありますので、業界団体が設立されて、そしてまた自主的な認定制度も整備すると動いているわけなんです。
そうした事業が先行してありました中で、御自身が判断ができない、それからまた、もしもの場合にどうしたらいいのかという御不安を抱えていらっしゃる方は大変多いので、ニーズは高い事業だと思います。
これを、今回は、こうした形で第二種社会福祉事業に位置づけて、社会福祉法人や社協の皆様にもお願いするということでありますが、これについて、第二種社会福祉事業に位置づけられる死後事務支援の担い手、これは誰を想定しているのか、それからまた、社会福祉協議会以外に、民間の終身サポート事業者も含まれるのか、その場合、国や自治体から公的な財政支援がそうした方たちにも見込まれるのか、支払われるのかという三点、伺います。
○上野国務大臣 今回新たに設けます第二種社会福祉事業に関してでございますが、これにつきましては、利用料収入による運営を原則としつつ、資力が十分でない方については無料又は低額で利用できる事業としているところであります。
第二種社会福祉事業でありますので、この事業の経営の主体については制限は設けておりません。社会福祉協議会だけではなくて、幅広い主体にも御参画いただくことを期待をしております。
ただ、社会福祉協議会以外の民間の事業主体に対しまして、公費による何らかの支援を行うということは考えておりません。
○早稲田委員 公費におけるのは社協だけということであります。確認をいたしました。
その中で、とにかく、これまでも、NPOや民間の方もぎりぎりのところで現場の中でやりくりをされて、こうした事業を、支援をしていらしたと思います。
その中で、第二種社会福祉事業に位置づけられる死後事務支援には、相続関連の支援も含まれるのか。それから、民間の終身サポート事業、これは資料を配付させていただきましたが、見ていただけば分かるように、本当に広範な範囲のサービスをカバーしているわけですけれども、これら全てが第二種社会福祉事業に位置づけられるのか。全てではない場合、例えばですけれども、相続とかそういう、非常に、死後事務支援がシャドーワークとして、社協など、断れないところに降りかかってくるのではないかという御懸念もあろうかと思います。
利用料が原則ですよとおっしゃいますけれども、その中でも、そんなに、民間の今問題になっているようなところのような利用料は取れないわけですから、その中で、シャドーワークで社協が全てを賄わなければならないなどというようなことがあると、引受手が大変少なくなるのではないかと考えますが、その点について、大臣のお考え。
○上野国務大臣 この当該の事業につきましては、頼れる身寄りがいない高齢者等や判断能力が不十分な方について、御指摘の死後事務支援も含めた生活上の不安に対応してサービスを提供するものです。
その事業範囲の考え方ですが、今後、調査研究事業等を活用して検討を深めて、ガイドライン等で示す予定でございますけれども、今お示しのあったシャドーワーク等の御懸念、そうしたものも十分踏まえて検討を進めていきたいと考えております。
なお、社会保障審議会福祉部会では、事業内容のうち、死後事務の支援の例として、葬儀、納骨、家財処分の契約手続の支援、契約履行の確認などをお示しをしているところであります。
今後、ガイドラインを策定するに当たりましては、民間事業である高齢者等の終身サポート事業、あるいは、昨年度まで実施をしてまいりましたモデル事業の状況など、現場の実践なども踏まえながら議論をすることが大事だと考えておりますので、そうした観点から議論を深めて、その内容についても関係者間で丁寧に周知をしてまいりたいと考えています。
○早稲田委員 本当にそのとおりだと思いますので、何から何まで全てはもちろんできないわけで、その中でどのように切り分けていくのか。日常生活の支援か、また、今度は、入所、入院の手続、又はこの死後事務ということの、まあその二つを選んでもいいわけですけれども、どちらかということの選択もあるようでありますので、そこのところは、どういうふうにやればそうした担い手の皆様がやりやすいのかということ。
それから、もう一つ加えれば、人員体制が、とにかく人材不足であるということもございますし、見合った予算措置ということを、是非そこのところもしっかりとやっていただかないと、とてもとても、今だって手弁当の部分があるような、そうした状況でありますので、皆さんの御不安を払拭するためにも、そこのところをしっかりともう一度お答えを、予算措置、それから人員体制の確保ということについても、大臣から伺いたいと思います。
○上野国務大臣 まず、ガイドライン等でしっかり対象の範囲等につきましてはお示しをしていきたいと思いますし、また、社協等への支援につきましても、様々な御意見を頂戴をする中で、しっかり検討していきたいと考えています。
○早稲田委員 是非、予算の措置ということもお願いしたいと思います。
新事業では民間参入が下されるわけですけれども、いわゆる採算が合わないケース、それから対応が極めて困難なケース、そうしたものが公共性の高い社協に集まることにならないか、その中で現場がパンクをしないかという懸念の声も大変ございます。
それなので、モデルケースもやっていらしたと思いますので、是非その現場の声を聞いていただいて、社協やNPOなど、誤解や不安を払拭していただくような準備、施行準備をしていただくように、私の方からも、現場の声に耳を傾けてくださいということを再度お願いしたいと思います。
それでは、次の質問に行きます。
有料老人ホームに係る見直しについてであります。
今回は、有料老人ホームにおける新たな相談支援類型についてですけれども、新たな相談支援類型を創設して、利用者に原則一割負担、これを求める方向が示されております。しかし、住宅型ホームにおいてもこれまでも生活相談を行われていたわけで、ケアマネさんは、家族調整や医療連携など、実質的に相談支援機能を担ってきたわけなんですね。それにもかかわらず新たな利用者負担を導入するということは、実態として、ケアプランの有料化の入口になりかねないという不安も上がっております。
今回、政府は、介護つきホームとの均衡確保、これを理由としておりますけれども、今後、在宅との均衡を理由として、在宅介護全体への利用者負担を拡大していくことにつながるのではないか、極めて強い警戒感があります。将来にわたって、居宅介護支援、いわゆるケアプラン作成は利用者の負担を導入しないということでよろしいか、明言をしていただきたいと思います。
○上野国務大臣 今回の措置につきましては、利用者負担について、ケアプラン作成を含めて定率負担で対応している介護付有料老人ホーム等の仕組みとの均衡の観点から、原則一割の利用者負担を求めることとしております。
御指摘の、自宅などの一般的な在宅で介護サービスの提供を受ける方に対して利用者負担を求めることを予定しているわけではございません。
○早稲田委員 今後もそういうことにつながらないですねということをちょっともう一度伺いたいです、在宅介護。
○上野国務大臣 そうしたことは全く予定をしているところではございません。
○早稲田委員 是非そのようなことがないようにしていただきたいと思います。
その中で、こうした相談の新たな類型ですけれども、利用者負担が導入されますと、必要な介護利用の抑制による重度化、あるいは、お金を払っているのだからというような利用者の方の意識、その中で、過剰な要求など、ケアマネジャーの中立性、公平性を損なうおそれも心配をされております、指摘をされております。そうした現場の懸念をどのように受け止めていらっしゃるか。
それから、利用者負担導入により、介護サービスの利用抑制や重度化リスクが高まる懸念をどう検証し、考えていらっしゃるのか。請求や債権管理など、新たな事務負担でケアマネ業務が更に逼迫しないかということについてお答えいただきたいと思います。
○上野国務大臣 今回の措置につきましては、いわゆる囲い込み等の課題がありまして、適正化が必要だ、そうした観点から取り組むものでありますが、今回の法改正における登録制、あるいは有料老人ホームの入居者を対象とする新たな相談支援の類型、こうしたものの導入を通じまして、ケアマネの方が、入居者本人の希望や置かれている状況、生活課題等を適切に把握をして、利用者の自立支援や重度化防止に資する利用者本位のケアプランの作成が可能になると考えております。入居者が、自らの希望と必要性を踏まえ、介護サービスを選択ができるようになることが期待されるところであります。
その上で、法案が成立した場合には、新たな相談支援類型の導入後の利用者の影響については、状況を丁寧に把握をしていきたいというふうに考えております。
○早稲田委員 是非、この利用料負担でどうなるのかということの検証もしっかりとやっていただいて、利用者の方が本人の選択でできるということが大前提でありますので、そこのところも担保していただきたいと思います。
それでは、介護福祉士養成施設卒業者に係る経過措置の見直しについて伺います。
この介護福祉士養成施設の入学者のうち、留学生が占める割合が近年大変増加をしております。二〇二五年には、入学者の半数以上が留学生となっております。そしてまた、一方、二〇二五年の養成施設新卒者の介護福祉士国家試験合格率を見ますと、日本人が九割を超える一方で、外国人留学生は四割弱にとどまっております。
もちろん、言葉の問題、それからまた非常に試験合格に難しさを抱えていらっしゃる外国人留学生の方も、経過措置を活用して、働きながらということも多いと考えられております。経過措置の見直しによって、介護サービスの提供体制そのものの維持に影響が生じるということがあってはならないと思います。
そして、介護福祉士の国家資格につきましては、二〇二六年の一月から、国家試験から複数の科目を一つのパートとして合否判定をするパート合格、これの仕組みも導入されるなど、これはやはり、働きながら試験をされる方、それからまた外国人の方も、大変こうしたことで環境整備が整ってきているなとは思うわけなんですけれども、一方で、専門性とか、それからまた質の担保のためにも、試験合格ということをやはり資格取得必須要件とすることは、目指すべき方向であると考えます。
しかしながら、現下の人材不足を解消するためにも、パート合格の仕組み、これの効果の検証、それから、留学生だけにとどまらず、外国人の方の合格率の向上に向けた更なる支援、環境整備ということが必要ではないかと考えますが、大臣のお考えを伺います。
○上野国務大臣 介護人材の確保は喫緊の課題だと考えておりまして、その対策の一つとして、質の高い外国人介護人材の受入れが重要です。
こうした中、御指摘のとおり、外国人留学生が介護福祉士国家試験に合格をして資格を取得できるように、支援が必要だと考えております。お示しをいただきましたように、留学生の方の合格率は四割弱にとどまっているところであります。
そうした中で、留学生の合格率が高い養成施設も中にはございますので、好事例の分析、収集、展開、あるいは、日本語能力が高いほど国家試験の合格率も高い、そうした傾向がございます、そうしたことを踏まえますと、やはり日本語教育の更なる充実、こうしたことにもしっかり取り組んでいくことが必要かと考えております。
また、留学生指導に係るガイドラインの作成等によりまして、養成施設の教育の質自体の向上、あるいは、国家試験のための多言語による学習教材や国家試験対策講座の活用、そうしたこともより一層進めることで、国家試験合格による介護福祉士資格の取得というのを支援をしてまいりたいと考えております。
また、昨年度の国家試験から、御指摘をいただきましたパート合格の仕組みが導入をされております。今年度、令和九年の一月の実施分ですが、今年度の試験から実際にパートごとの受験が行われることになりますので、その結果についても十分分析をした上で、適切に対応をしていきたいと考えています。
○早稲田委員 パート合格というのは、私も、知り合いの外国人の方が、パート合格をしたんだけれども十一点足りなかったということで、また来年頑張りますと言っておられました。大変その職場でも信頼が厚く、もう正社員として施設で三年働いているわけなんですけれども、それでもなかなか、医療の分野で言葉の壁があったというふうに御本人は言っておられました。
そうしたことも含めて、支援を引き続きお願いしたいと思いますが、資格取得方法の一元化というのは、介護福祉士の資質確保及び向上のために必要として、平成十九年の社会福祉士及び介護福祉士改正で定められた方向であるにもかかわらず、これまでに四度の延期を繰り返してきている経緯があるわけです。
介護福祉士の国家資格を国民に真に信頼していただけるものにするためにも、この資格取得方法の一元化はできる限り早期に実現すべきであり、そのために、環境整備というのを厚労省が、引き続きというか、更に進めていただきますよう、私は力を入れていただきたいと最後に要望させていただきます。
それでは、ちょっと時間が余りましたけれども、これで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、日野紗里亜君。
○日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。
今日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速。先日、私、地こデジ特別委員会で、家事支援サービスの国家資格化について質疑をさせていただきました。その際、御答弁で、まだ、対象とする層や税制措置の具体像、ニーズなど、これらいずれも検討中、これから調査していくというお話がございました。
この問題は、子育て、介護、障害福祉、生活支援と、社会保障全体の在り方にも大きく関わり、特に、介護保険制度との関係性や対人支援分野全体の人材確保にも大きく影響する可能性があります。そうした意味で、今回の社会福祉法改正とも深く関わる論点であると考え、本日は、所管の厚労省、厚労大臣に質疑させていただきたいと思います。
まず、お伺いします。
これほど政策の根幹部分が未確定の状態で、なぜ政府として家事支援サービスの国家資格化を打ち出されたのでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 育児や介護等による離職を防止をし、多様な人材の労働参加を進める環境を整備できるように、家事等の負担軽減を図ることが重要だと考えております。
また、家事支援サービスについては、心理的な抵抗感や価格の高さにより、利用が限定的であると承知をしております。このため、家事支援サービスの品質の向上、信頼性確保、経済的支援策について検討するとしたものであります。
家事支援サービスの品質向上、信頼性確保のためには、家事支援サービスの国家資格化として技能検定を創設をし、二〇二七年秋頃に第一回の試験を実施できるように進めてまいりたいと考えております。
その上で、家事支援サービスを利用しやすくするため、質の高いサービスの利用についての経済的な支援策が適切なものとなるように今後検討していきたいと考えています。
○日野委員 お答えいただきまして、ありがとうございます。
先日、神谷大臣政務官より、育児や家事等による離職を防止し、多様な人材の労働参加を進める環境を整備できるよう、家事等の負担軽減を図ることが重要であるという御答弁をいただきました。
そこで、確認させてください。
この多様な人材の労働参加の多様な人材というのは、育児などの負担によって就労継続が難しくなっているサービスの利用者側を指しているのか、それとも、今後、家事支援サービスの担い手となる人材、サービス提供側を指しているのか。大臣、お答えください。
○上野国務大臣 先般の神谷政務官の国会答弁でございますが、ここで言う多様な人材とは、家事支援サービスの利用者を指すものであります。
家事支援サービスを安心して利用できることを通じまして、家事等の負担軽減を図り、育児や介護等による離職を防止をし、多様な人材が労働参加しやすい環境を整備することが重要だと考えています。
○日野委員 家事支援サービス、昔は家政婦さんと呼んでいたと思いますが、大臣、御利用されたことはありますでしょうか。私は使ったことがありません。
家事支援サービスというのは、従来、富裕層の方、経済的にゆとりがある方が使える自費サービスでありました。高いお金をお支払いして利用するにもかかわらず、国家資格者でないことに対する不安の声がどれだけあったのかということを私は余り聞いたことがないんですよね。
そこで、お伺いさせていただきたいと思います。
この政策というのは、外国人人材を主要な担い手として想定し、日本の生活文化や日本人が求める家事サービスの質を一定程度担保するために国家資格化を行うという趣旨のものでしょうか。お答えください。
○山田副大臣 お答え申し上げます。
現在検討中の国家資格は、家事支援サービスの品質及び信頼性の向上を目的としており、外国人労働者を主たる担い手とすることを目的としたものではございません。
なお、外国人による家事労働支援サービスは、例外的に特区においてのみ認められているものであり、今般の国家資格化により活動地域が広がるものでもございません。
○日野委員 ますます疑問が深まりますね。
外国人の方に向けたものということであれば、制度として理解はできるものであります。私ももちろん、外国人労働者の方の日本市場の参加というのを反対する立場ではございません。ただ、外国人人材に関しまして、やはり今、もう既に、介護とか福祉とか、ほかのエッセンシャルワークと呼ばれる現場で外国人人材の人材確保競争というのが加速化しています。大臣も御存じだと思います。
ですので、そういったところもあるわけなんですけれども、価格の面というのはもちろん最大の論点になるかと思いますが、税制措置の具体的な内容、これは示されておりませんので、ここについては本日深く立ち入りません。
先ほど厚労大臣もおっしゃっていましたように、政府の調査では、家事支援サービスを利用しない理由として最も多いのは、所得に対して価格が高いこと、次いで、他人に家に入られることへの抵抗感があるとされています。
私、他人が家に入ることの抵抗感、これについては、サービスの品質の問題ではないというふうに思っているんですよね。日本人特有の生活の感覚だったりとか、プライバシー意識だったりする、心理的要因が大きいのではないでしょうか。国家資格者であれば家に入られる抵抗感がなくなって、利用が促進されて、子育てなどをしている方々の負担が軽減されて離職防止につながるとは、これは拙速な判断だというふうに私は思っております。これは国民感覚とも大きく乖離していると思うんですよね。(発言する者あり)
○大串委員長 不規則発言は控えてください。
○日野委員 私ももちろん、家事支援サービス自体を否定するものではないんです。でも、大臣、子育て、介護、それから仕事を両立する多くの家庭で求めているのは、百点満点、プロ級の家事ではないんです。私も三つ子を含む四人の子育てをしていますが、子供が小さいときだって、今だって、求めている、欲しいのは、完璧に磨き上げられた部屋でも、豪華な食事でもないんです。最低限、家庭が回ればいい。そのためには、安価で、そして気軽に使えること、必要なときにすぐに来てくれること、これが大切なわけであります。
そういった意味では、現在におきましても、国の制度に基づいて、各自治体で、子育てでは産前・産後サポート事業、子育て世帯訪問支援事業、介護においては訪問介護の生活援助、障害福祉においては居宅介護を始めとして、既に家事支援を含む行政サービスが行われているわけなんです。
でも、これら制度化されている事業においては、人手不足の昨今で、登録したけれども支援者とマッチングができなかったり、介護認定を受けているんだけれども、これも人手不足で介護サービスを受けられなかったりする方が多くいらっしゃいます。だからこそ、かねてより、この職種の処遇改善をずっと訴え続けているわけなんです。
また、訪問型の支援以外でも、保育、介護、障害福祉など、同じ対人支援分野の中では深刻な人手不足が続いています。
保育園や学童、待機ゼロを掲げている多くの自治体に実は数字のからくりがあって、実際にはまだまだ多くの家庭が第一希望の保育園には入れなくて、自宅から遠い園になる、兄弟が別々の園になる、それで通勤との兼ね合いで仕事の継続を断念される、そういった方々もいらっしゃいます。
だからこそ、大切な予算、これは人的資源も、まず、今申し上げた既存制度の人手不足の解消に優先的に使っていただきたい、そういうふうに思っています。
もし、これから全てが本当に検討中ということであれば、逆に言えば、育児や介護による離職防止といった当初の目的に対する十分な効果が確認できない場合、国家資格化する国民のニーズが十分に得られない場合、あと、既存制度との重複が大きいことだったりとか、あとは介護福祉分野からの人材の流出のリスクが高かったり、こうしたことが明らかになった場合、国家資格化そのものを見直していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 厚労省としては、こうした家事支援サービスの普及を通じまして、家事等の負担軽減を図って、育児や介護等による離職を防止をし、多様な人材が労働参加しやすい環境を整備することが重要だと考えておりまして、そのためには、信頼性の確保であったり品質の向上であったり、そういった観点から国家資格の導入というものを進めることが必要かと考えております。
○日野委員 私、もし、閣僚、官僚の皆様、与党の皆様が、育児や介護をする方々の離職防止のために家事支援サービスの国家資格化を国策として推進することが国民から今本当に求められているとお考えなのであれば、相当な危機感を覚えます。育児や介護、仕事の両立に日々悩んで、自問自答を重ねて、家を出るタイミングでいつもいつも後ろ髪を引かれる、そういった私たちの感覚とは大きくかけ離れているからです。
本件、SNSを中心に批判の声が殺到しているのは、これは大臣、御存じでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 殺到しているかどうかということは正直存じ上げないところではございますが、SNS上でいろいろな御意見があろうかとは思います。
○日野委員 済みません、これは譲ることができないんですね。
私、今二期目なんですけれども、一回目の選挙、二回目の選挙も、やはり今の国会にはまだまだ、子育て当事者、介護の渦中にいる者、そういった者が国会にはいない、だからこそ、せっかくつくってくださった制度が的外しになる、形骸化される。あってよかった、本当にこのおかげで助かったと目の前の一人に思っていただけるような、そういった制度をつくっていくことが求められていくかと思います。
前回の選挙は自民党さんが圧勝されました。そんな中で、私の対抗馬の方も本当にすばらしい方でした。でも、子育て、介護、福祉、社会保障一点を訴えて、私、選挙区から送り届けていただいています。だからこそ、責任があるんです。これは本当に譲れないんです。
大臣、ニーズがない、しっかりとニーズ調査していただいて、それは構いません、思ったら撤回いただけますでしょうか。もう一度お答えください。
国家資格化について、本当にこれは、今お伝えしましたけれども、国民の皆様の声を代弁しています。その責任があるので、もう一度お伺いします。国家資格化見直し、御検討いただけますでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 家事支援サービスの品質向上や信頼性確保のために、家事支援サービスの国家資格化として技能検定を創設をし、二〇二七年秋頃に第一回の試験を実施できるように現在進めているところでございます。
そうした過程の中で、もちろん様々な御意見もあろうかと思いますが、我々としてはそうした方針で臨んでいきたいと考えています。
○日野委員 では、このまま制度は進んでいくものであるが、当初の目的であるそういった育児、介護の離職、それがちゃんと目的が達成できなかった場合には、そのときにはしっかりと見直していただけるということでよろしいでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 一般論になりますが、いろいろな制度を導入した際には、その効果がどうであったかというのは、当然、政府としてしっかり検証していくことは必要だと考えています。
○日野委員 では、また、私、大変重要な点で、前回の質疑で、将来的に介護保険制度等による公的給付を縮小し、自費サービスに置き換えていくことを目的としたものではないかという懸念について確認しました。しかし、その際、政府からは、その懸念を明確に否定する答弁はなかったんですね。
これは一番問題だと思っています。社会保険料はどんどん上がっていきます。労働者はもちろん、中小企業、小規模事業者の皆様は本当に困られています。それでも、将来介護サービスが必要になったときには安心して誰もが介護サービスを使えるものだと思って高い保険料を負担しているわけですから、これは明確にしていただきたいと思うんですね。
改めて確認します。
今回の家事支援サービスの国家資格化は、介護保険制度等による生活支援給付の縮小や自費サービスへの置き換えを前提としたものではないと明確にしていただけますでしょうか。お答えください。
○上野国務大臣 今回の国家資格化に当たりまして、介護保険制度の保険給付を縮小させることは考えておりません。
○日野委員 ありがとうございます。
本件、まだまだ追及させていただきたいんですけれども、時間の都合で次に移りたいと思います。
今回の社会福祉法等の改正では、一定の住宅型有料老人ホームについて、届出制から登録制へと見直すこととされています。私は、悪質な事業者による囲い込みや過剰サービスを防ぎ、入居者保護を強化する方向性自体は必要なものだというふうに考えています。一方で、単身高齢者の増加や孤立の深刻化に加え、現役世代の多くが共働きとなっている中で、家族だけで高齢者の生活を支えることは現実的に難しくなっています。
こうした中、今や住宅型有料老人ホームは、高齢者の生活の場として、また現役世代を支える基盤としても、重要な社会資源、インフラとなり得ています。悪質な事業者を規制することは当然必要ですが、その結果として、人手不足の中においても真面目に運営している事業者の負担が過度に増え、利用者の行き場が失われることはあってはなりません。
そこで、お伺いします。
今回、届出制から登録制へ移行する対象となる住宅型有料老人ホームについて、先ほども質疑にあったかと思います。介護度三以上の方がいた施設がそういうふうな対象になるということなんですけれども、これは、介護度三以上の方が一人でもいた、そういったホームが対象となるのか。この部分、お答えいただけますでしょうか。お願いします。
○上野国務大臣 この登録制の対象となるホームでございますが、要介護状態として、夜間帯を含めほぼ終日の介護が必要となるのは要介護三以上であること、また、機能的に近接をしております介護つきホームを始めとして、軽度者の段階から利用され、中重度になっても住み続けられる居住系サービスとの均衡、そうしたことを踏まえまして、特に入居者保護の必要性が高い類型として、中重度の要介護者などを入居対象とするホームというのをその対象範囲として想定をしているところであります。詳細の要件につきましては、今後政令で規定をしていくことになります。
登録対象となるホームの入居対象者の範囲については、有識者検討会において、安全性の確保や人権尊重の対応が必要となる中重度の要介護者や、医療ケアを要する要介護者、認知症の方などといった観点が示されたことを踏まえまして、入居者保護に資する基準となるように、関係者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えています。
○日野委員 御答弁ありがとうございます。
ちょっと時間の都合もあるので、端的にお答えいただければと思います。
続きまして、事業者の方々におかれましては、登録制の移行に伴って現場の運営にどのような影響が生じるのか、これを一番気にされているかと思います。特に、人員基準、設備基準への対応、事務負担の増加、実質的な負荷がどのような点になるのかというところだと思うんですけれども、特に人員配置につきまして、現状の住宅型ホームはホームごとに最低限一名の配置が定められています。今後、登録制へ移行するに当たり、こうした現行の運用をどのように見直していくのか。現時点で想定している具体的な内容、これはもう端的にお答えいただけたらと思います。お願いします。
○黒田政府参考人 お答えいたします。
現行、有料老人ホームにおける職員体制につきましては、委員御案内のとおり、都道府県等に向けたいわゆる標準指導指針の中で、入居者の数及び提供するサービス内容に応じまして、管理者や生活相談員、栄養士、調理員、要介護者等を直接処遇する職員、看護職員、機能訓練指導員を配置すること、入居者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数の職員を配置することを求めております。
有識者検討会におきまして、中重度以上になっても住み続けられるとしている有料老人ホームについては、介護、医療ニーズや夜間における火災、災害等緊急時の対応も想定した職員の配置基準について法令上の基準を定める必要があるとされたところでございます。
こうしたことも踏まえまして、新たな制度の登録基準における人員基準としては、住宅型有料老人ホームの七割弱が夜間に一名以上の職員の配置を行っていること、介護つきホームの指定基準を参考といたしまして、現行の指導指針を遵守しているホームにとって過度な負担とならない水準とするものと想定しておりまして、有識者検討会における議論も踏まえまして、もし法案をお認めいただけましたならば、丁寧に検討を進めてまいります。
○日野委員 登録制における大きな懸念点についてお伺いさせてください。
現行制度においても、有料老人ホームについては、過去十年の中で、多いときには全体の約一割が未届けである時期があったと承知しております。つまり、現行の届出制の下ですら、一定の届出逃れが存在していたわけであります。
そのような中で、今回、基準や規制を強化し、過度な負担にはならないと今お答えいただきましたけれども、今よりは強化されるわけです。登録制にする場合、登録逃れが増えるおそれはないのでしょうか。
未届け運営や虚偽報告に対する現状の罰則についても併せてお伺いさせてください。
現行法では、未届けで有料老人ホームを運営した場合の罰則は三十万円以下の罰金というふうになっておりますが、運営の実態を踏まえれば、三十万円以下の罰金で十分な抑止力となるのでしょうか。また、無届け状態のまま長期間運営されていた事例も存在する中で、これまで、実際にこの罰則は何件適用されたのでしょうか。
私、一番問題だと思っていますのが、行政の把握すら及ばないこういった場所では、やはりそういうところほど、同法人とか関連法人によるほかのサービスの不正請求とか、虐待とか、劣悪な生活環境があっても発見が遅れやすい点にあるかというふうに思っています。
そこで、お伺いします。
今回の登録制の移行によって登録逃れが増加するリスクについて、政府はどのように認識していますでしょうか。こちらは大臣がお答えください。また、現行の三十万円以下の罰金が科せられた事業者は過去十年間に何件あったのか、登録後の罰則は今後どうなるのか、政府の御見解をお伺いします。
○上野国務大臣 まず一点目でございますけれども、現行の届出制の下、国の指導指針を遵守し、運営している既存のホームが新制度の下で円滑に登録ホームへと移行できるように、十分な経過措置期間を設けることとしております。また、市町村に対しましては、未登録の疑いのある施設を発見をした場合には、遅滞なく都道府県に通知する努力義務を設けることとしております。
自治体ともよく連携の上、登録要件に該当する有料老人ホームの把握及び円滑な移行が進むように取り組んでいきたいと考えています。
○黒田政府参考人 二点目のお尋ねについてお答えいたします。
未届けの有料老人ホームへの量刑につきましては、委員が先ほど御紹介くださいましたように罰金のみとしておりましたが、今回の法改正によりまして、未登録のホームにつきましては拘禁刑までを含めるということで罰則の強化を予定をしております。
なお、未届けの有料老人ホームにつきましては、平成二十九年度以降、確認できる限り、罰則が適用されたケースはございません。
○日野委員 罰則はあるけれども、それが適用されたケースは一切なかったと。ただ、実際には、やはり無届けの事業者は大変多かったです。
大臣、今、経過措置を設けるとおっしゃいましたが、無届けというのは狙って無届けにしていますので、どれだけ期間があっても無届けは変わらないかと思います。また、あと、自治体がしっかり監視するといっても、今回、登録されるホームの数が増えますので、自治体の業務負担も増えたときに、より実効性のある制度が必要だということを重ねて申し上げたいと思います。
もう一つ、登録制のハードルが上がることによる懸念についてお伺いします。
このハードルが上がることによって、多くの事業者が介護度一、二といった軽度者向けのホームになってしまう、若しくは、介護度一、二では収支の構造から事業継続自体が困難となり、断念せざるを得なくなってしまった場合、結果として、介護度や医療依存度の高い高齢者の行き場がなくなり、本当にサービスを必要としている人に必要な介護サービスが提供できなくなるといった想定がされます。
介護の現場におきましては、住み慣れた環境の中で、その方の生活歴や特性を理解している職員が継続的に関わること自体がケアの質を支えています。介護度の低い段階から入居し、加齢とともに徐々に介護度が上がっていく中で、同じホーム、同じ職員が対応し続けることにより、重度化にも対応できるというのが現場の実態であります。
そこで、お伺いします。
今回の見直しによって、これまで重度化にも対応できていた住宅型ホームが、その機能を持ちながらも、実質的に重度者を受け入れられなくなるおそれがありますが、その点について、政府の御見解をお伺いします。
あわせて、もう一件追加でお伺いさせてください。
特別養護老人ホームや介護つきホームなど、人手不足によって、重度者を受け入れる施設は地域によって不足している実態がある中で、その方々の行き場を確実に確保することは政府としての責任だというふうに思っております。要介護三以上となった方の受皿について、地域ごとにどの程度確保できておりますでしょうか。あと、今後不足が生じる場合にどのように対応していくのかも併せてお答えください。
○上野国務大臣 まず、新たな制度の登録基準については、介護つきホームの指定基準を参考としつつ、現行の指導指針を遵守をしていただいているホームにとって過度な負担とならない水準としていきたいと考えております。有識者における議論も踏まえて検討していきます。
また、十分な経過措置期間を設けることは先ほど申し上げましたとおりでございますが、そうした取組等を通じまして、登録制の円滑な導入を図り、御指摘のような懸念が生じないように丁寧に対応していきたいと考えております。
また、受皿のお話がございました。これにつきましても、繰り返しになって恐縮ではございますが、新たな制度の登録基準につきましては、現行の指導指針を遵守していただいているホームにとって過度な負担とならない水準のものとすることを想定をしております。また、経過措置を設けるのも、先ほど申し上げましたとおりでございます。
そうしたことで、現在適正に事業を行っているホームの事業者につきましては、引き続き中重度等の要介護者を受け入れて事業を実施することができるものと考えておりますし、それが期待をされるものだと考えております。
今回の制度改正の目的であります入居者の保護、いわゆる囲い込み対策の実施に向けて、標準指導指針を遵守するホームの負担にも配慮をしながら、関係団体の参画も得て、丁寧に検討していきたいと考えております。
○日野委員 登録の基準を過度にしないということでお答えいただきましたけれども、やはり、私、囲い込みが悪いものだとは思っていないんですけれども、悪い囲い込みがあるからこそ今回の法改正があるわけであって。
例えばなんですけれども、登録の基準を上げなかったとして、次の質疑に入るわけなんですけれども、そもそも今回の制度の見直しは、介護つきホームの包括報酬とは異なって、介護保険サービス併設型の住宅型ホームにおいて、出来高制で収益を得る訪問介護等のサービスが積み上がることによる過剰サービスの問題を是正することが目的であると承知しております。
一方で、このような制度設計の下で事業者が生き残りを懸けるには、比較的対応負担の軽い要介護一、二の入居者に対応を絞って、出来高で提供できるサービスを最大限積み上げることで収益を確保する、つまり、一人の利用者の介護給付費上限を目いっぱい使った過剰サービスが誘発される可能性もあるのではないかと考えます。
本来抑制しようとしている過剰サービスが形を変えて温存あるいは助長されるおそれがないのかという点について、大臣、どんな御認識をされていますでしょうか。お答えください。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど大臣から申し上げましたように、登録対象となるホームにつきましては、登録制、それから新たな相談支援類型という形で担保していきたいというふうに考えております。
それから、登録の対象にならない、いわゆる届出の状態にとどまるホームにつきましても、今回の老人福祉法の中で法改正をしまして、遵守すべき事項等について法的な位置づけをもって定めることとしております。
この中に、入居の要件としてひもづけない、それから、必要な介護サービスにアクセスできるといった条項を定めるということを予定をしておりまして、登録ホームの取扱いのうち必要と認められるものにつきましては、届出にとどまるホームにつきましても、担保するための法的な根拠を置いて対応していくということとしております。これによって、囲い込みの構造の典型例とされている、入居の要件として併設あるいは自社のサービスをひもづけて利用を実際上義務づけていくというようなことを抑制することは、対応が可能だというふうに考えております。
○日野委員 今回の改正では、要介護一、二の方を中心とした従来の届出制の住宅型ホームに入居される方については、在宅の方と同様にケアプランの自己負担が生じない一方で、登録制のホームに入居された場合には自己負担が発生する仕組みとなっています。
同じ住宅型ホームでありながら、制度の違いによって利用者負担に差が生じることについては、利用者の立場から見て不公平感が生じるかと思います。これは先ほどの質疑にもあったかと思います。さらに、ケアマネ側においても、入居しているホームによって自己負担の有無が異なることで、説明や請求などの事務負担が増加することも想定されます。
ここからすごく重要な点なんですけれども、住宅型ホームが登録制になるに当たって、人員基準の強化等によって事業者側のコストが増加した場合、その人件費というのは、介護保険の枠外であることから、利用料として入居者に転嫁されることも想定されます。要介護三以上ともなれば、元々の介護保険サービスに係る自己負担も増加していく中で、こうした負担が重なることで必要なサービスの利用控えや入居継続そのものが困難になるケースももちろん懸念されるわけですが、ここでお伺いさせていただきたいと思います。
今回の法改正によって、結構、利用者の負担は上がると思うんですね。このことに対して政府としてどのように認識されているのか、大臣、お答えください。
○上野国務大臣 利用料の話ですね。
今回の見直しによりまして、入居契約の条件として併設事業所等の利用を求めるいわゆる囲い込みが適正化をされ、利用者本位の適切なケアプランになることが期待をされております。
他方で、重度の方や経済的に厳しい状況にある方が必要な介護サービスを受けることが困難とならないように、高額介護サービス費の仕組みにより配慮を行う方針でございまして、利用者負担の導入に伴う影響についても丁寧に把握をしていくことが必要だと考えております。
○日野委員 次の質疑に入りたいと思っております。
今回の見直しでは、新たな相談支援の類型が創設されることが示され、登録制の住宅型ホームにおいては、住宅と連携した新たなケアマネジメント体制が導入される方向と承知しております。
これは、在宅サービスを受けていた利用者が住宅型ホームに入居したことで、住宅側の都合でケアマネ事業所やケアプランを変更させられてしまう、いわゆる囲い込みを防止するという大きな目的が含まれているかと思います。そのため、今回の新類型では、ケアマネジャーに加え生活相談員の配置や住宅側との連携体制など、一定の指定要件が求められるとされています。
ただ、ここで私、大きな疑問があるんです。自法人で住宅を持たない、いわゆる独立型の居宅介護支援事業所にとって、他法人の入居者のためにこうした体制整備を行った上で新類型の指定を取得する経営的なメリット、これはどこにあるのでしょうか。制度改正によって、利用していたケアマネ事業所が新類型の指定を取得しない、あるいは取得できなかった場合、利用者は、住み慣れた場所を離れるか、あるいは望まない形でケアマネジャーの変更を迫られることになります。
すなわち、本改正の目的は囲い込みの防止であるにもかかわらず、現実には、外部事業所の参入が進まなければ、住宅側としては、入居者の受皿を確保するために自前で居宅介護支援事業所を構え、新類型を取得する方向へ進まざるを得なくなるということが考えられます。その結果、自前のケアマネを持つ住宅だけが生き残るという構造になり、むしろ囲い込みを制度的に強化する結果にはなりかねないのでしょうか。
政府として、こうしたケアマネ難民の発生や実質的な囲い込み加速のリスクについてどのように認識されているのか、大臣、お答えください。大臣、お願いします。
○黒田政府参考人 法案の内容のことですので、私からまずお答えをさせていただきます。
今回の登録施設介護、ケアマネ支援類型の創設につきましては、いわゆる囲い込みの課題がある住宅型有料老人ホームについて、ケアマネジャーの皆さんがホームと独立性を確保しながら対等な立場でケアプランを作成する、そういうことを目的として制度的に位置づけるものでございます。これによりまして、入居者の情報をホーム事業者の協力を得て把握することができるようにしておりますので、ホームの併設状況にかかわらず、対等な立場で事業運営が可能だと考えております。
お尋ねの、制度導入に伴いましての負担の関係でございます。
小規模なケアマネ事業所もございますので、可能な限りその負担を軽減することが必要だと考えております。事業所の指定手続につきましては、既に居宅介護支援の指定を受けている事業所の場合には、当面の間、登録施設介護支援の事業所とみなすこと、それから、新たな相談支援を行う事業所の人員配置基準につきましては、今委員御指摘くださった、地域生活相談を行う人員について介護支援専門員の兼務を認めるなど、現行の居宅介護支援事業所が対応できるような柔軟な取扱いを検討してまいりたいと考えております。
引き続き、関係者の意見も丁寧に伺いながら、制度の意義、利用者のメリットなどを丁寧に御説明をするとともに、関係団体が参画をする場において、もし法案をお認めいただけましたならば、丁寧に検討を進めて、現場への不安が生じないように対応してまいりたいと考えております。
○日野委員 ちょっと時間の都合上、質疑を飛ばさせていただきます。
今回の登録制の移行に当たり、住宅型ホームが指導監督の対象となりますが、昨今の不正請求や運営基準違反、人員基準違反、虐待などにより一定数発生している行政処分は、これは氷山の一角であります。
そもそもこうした行政処分が発生する理由について、どのように分析されているのか、お答えください。これは大臣、お答えください。
○上野国務大臣 行政処分の発生の理由でございますが、全国の自治体において、令和六年度における介護保険法第七十七条等に基づく行政処分は、百五十八事業所に対して行われております。このうち、五十九の事業所が指定取消しになったと承知をしております。過去三年の傾向ですが、処分事業所数はやや増加をしております。ただ、重大な事案に係る指定取消しの件数には大きな変動は見られないところであります。
令和六年度における行政処分の理由ですが、不正請求が五一・九%、法令違反が二七・八%、虐待などの人格尊重義務違反が二五・九%となっております。過去三年の傾向を見ますと、一貫して不正請求の割合が五割程度となっているところであります。
○日野委員 済みません、私が理由というふうにお伺いしたからあれなんですけれども、そういった不正請求だったり虐待がなぜ起こるのか、そこについて、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○黒田政府参考人 お答えいたします。
虐待と不正請求は事案が違いますので、それぞれ、今手元にあるものでお答えをさせていただきますと、まず、不正請求につきましては、報酬の要件に関する情報が十分行き届いていない、それが一つの原因だろうと思いますし、それが故意なのか過失なのかという話によって、悪質度については差があるということかと思います。
それから、虐待につきましては、これは先生、まさに御専門でいらっしゃるので、先生の方がお詳しいと思いますけれども、やはり、特に認知症ですとか、そういった入居者の状態に関する知識なりがその施設の中で十分周知されていない、共有されていないというような話が一つ要因だというふうに言われておりますけれども、そういった要因のほか、現場の中で、現場の職務に関する負担が非常に大きい、なかなか余裕がないというような話もその要因として指摘されていることかと思います。
ただ、いずれにしましても、法令で義務づけられている話ですので、そういったことが共有されていないということは確かなことでございますので、いずれも、現場の理解を得て、一つ一つ改善に向けた取組を進めていくことが必要かと存じます。
○日野委員 本当に、先ほど件数もおっしゃっていただきましたけれども、氷山の一角でございます。
今回、登録制になることによって自治体の目が行き渡るようになるというふうにおっしゃっていましたけれども、やはり、現場の実態を見ますと、自治体においては既に訪問介護事業所等による指導監督業務で手いっぱいであるという声も多く聞かれるわけなんです。
そこで、こういった住宅型ホームが施設という登録制の対象になって、チェック対象は確実に増える一方で人的体制が追いつかなければ、結果として指導監督が形骸化され、かえって不正や虐待を見逃すリスクが高まるのではないかというふうに懸念しております。
これは自治体の業務負担も大きく増加することが想定されますが、登録制の移行によって自治体の業務量がどの程度増加すると見込んでいるのか。これは増加し過ぎても、もちろん自治体が手いっぱいで大変ですし、もし増加しないということになっても、そうすると登録制にすることの理由がよく分からなくなってしまいますので。御回答をお願いいたします。
○黒田政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の自治体の業務負担、大事なポイントだと存じます。登録制の移行、これは新しい制度でございますので、その部分に関する指導監督業務が生じる、法令に基づく業務として生じることは確かです。
他方で、現行の制度の下でも、自治体による指導監督と定期的な立入検査は行われております。また、現在、定期的に現場から上がってくる情報というものがかなり限られておりますが、登録制の導入に伴って、現場から定期的に上がってくる情報は毎年度決まった情報が上がってくるようになりますので、言ってみれば、必要な指導監督の権限を行使をする際の前提となる情報は、求めていかなくても集まるようになるという面もございます。
こうしたお話、それから、何度か申し上げておりますけれども、今回の登録基準自体が現行の指導指針を遵守しているホームにとって過度な負担とならないような水準を想定をしているということも、この業務量と関わりが深いものと存じますので、そういう意味では、現在の業務負担の水準、それから新しく登録制の下でお願いをすることになる水準、これを足し合わせたときに、自治体の業務がきちんと回るという水準だということを確保することが重要だと思っております。
自治体ともよく御相談をしながら、それから、実務に関するマニュアル等の提示についても、もし法案をお認めいただけましたならば提供するなど、業務負担にも配慮をしながら、的確な指導が行われるような準備を進めてまいります。
○日野委員 実効性ある運営指導が求められることに加えて、実効性ある内部統制についても、私、御提案をさせていただきたいと思います。
不正や虐待の発覚の多くは、現場で働く職員や、サービスの利用者や御家族による内部通報であります。倫理観を持った職員が勇気を持って声を上げて初めて明らかになるケースが多いというのが実態であります。
一方で、近年は介護、福祉分野に異業種からの参入も増えておりまして、経営者のみならず、現場で従事する職員においても、介護や福祉の根幹にある理念や価値観が十分に共有されないまま運営されているケースも散見されます。その結果として、不適切なケアや虐待に気づけない、あるいは問題意識すら持っていない、そのままサービスに従事してしまっているという状況も現実に生じているわけなんですね。こうしたケースは発見が遅れます。結果として、より深刻な事態につながることもあります。極めて重要な問題であります。
現在、虐待防止研修の実施は義務化されていますが、その内容については各事業所に委ねられており、質の担保という点では十分ではありません。
そこで、提案いたします。
各自治体において研修センターのような機能を整備し、外部の専門家が関与する形で、虐待防止や倫理、権利擁護に関する標準化された研修を提供していく必要があるのではないでしょうか。事業所任せではなく、一定の質を担保した外部研修の仕組みを整えることが不正や虐待を未然に防ぐ実効的な対策につながると考えますが、この点についてはいかがでしょうか。お答えください。大臣、お答えください。
○上野国務大臣 有料老人ホームを始めとする高齢者向け住まいは、要介護度が高い高齢者向けの介護サービスの提供の場となっております。入居者の尊厳や安全性の観点からも、適切なサービス提供が確保されることが必要だと考えています。
有料老人ホームについては、施設数及び利用者数が近年大幅に伸びております。こうしたこともありまして、高齢者虐待が発生したと判断された件数も大幅に増加をしています。
こうした状況を踏まえますと、やはり委員御指摘のような研修の充実というのは不可欠だと考えております。審議会の意見書も踏まえ、今般の改正においては、有料老人ホームの登録基準において、虐待防止措置の実施について位置づけることを想定をしております。具体的には、特別養護老人ホーム等と同様に、従事者に対する研修の実施を求めることが考えられておりまして、その中身につきましても充実したものになるように、我々としてもしっかり取り組んでいきたいと考えています。
○日野委員 時間の都合上、質疑を飛ばします。
今回の法改正で、ケアマネジャーに係る研修受講を要件とした更新の仕組みを廃止する方針となっています。
まず、政府が考える質の高いケアマネジャーとはどのような人材なのか、大臣、お答えください。
○上野国務大臣 更新制の仕組みは、平成十七年の改正介護保険法において、定期的な研修の機会を通じて専門知識の向上を図るために設けられたものでありまして、利用者本位となるケアマネジメントの実現に一定の効果があったものと認識をしております。
一方で、更新期限までに研修を受講しない場合には直ちに資格を失う、そうしたことになっておりますので、更新切れを機に退職する方もいるとの声も聞いております。
このため、ケアマネの方の人材確保、定着を図り、負担を軽減する観点から、本法案において、研修受講を要件とした資格の更新制は廃止することを盛り込んだところであります。
御指摘の質の高いケアマネジャーについてでございますが、関係者間で様々な考え方がある中で、一概に見解を申し上げることは難しいわけでありますが、例えば、利用者の立場に立って公正中立に業務を執行していること、地域の現状を把握をし、地域ケア会議等で課題の共有を行うなど、地域づくりに積極的に関与していること、医療や障害分野との連携など、介護以外の分野との連携を積極的に行っていること、そういった点が目安となるのではないかと考えております。
○日野委員 実は今回、ケアマネさんの声では、もう研修の義務化自体をやめてほしい、更新の要件は外されたとしても、研修を義務づけることすらやめてほしいという声も上がっています。
それの根幹にあるのは、やはり質の高いケアマネというものがどういうものかというものが示されていないからだと思います。対人支援分野の研修自体、私はすごく大事だと思っているんですね。ただ、質の高さが明示されていないからこそ、じゃ、どういう研修を行ったらいいかということをみんなが考えて悩まれている中で、その研修自体の質が低いことによって、これだったら受けても仕方ないという思いもあるかと思います。
そこで、ちょっと提案させていただくんですけれども、今回、研修自体は続くということで、今後そういった、今言っていただいたような質の高いケアマネを養成していくための指針とかガイドラインといったものは示されていくと思います。現場の実態を含めて一点提案なのですが、現在、地域共生社会の実現に向け、複雑化、多様化するニーズに対応するためには、介護給付にとどまらず、障害福祉サービスや地域支援事業なども含めた横断的な支援の組立てが不可欠であります。
本来、ケアマネジャーは、地域に存在する様々な社会資源を把握し、本人及び家族の意向と尊厳を最大限に反映しながらサービスをコーディネートする役割を担うべき存在であります。しかしながら、現状では、障害福祉制度に関する知識が全くなかったり、介護給付以外の地域資源を全く把握していないといったケースも見られ、その機能が十分に発揮されているとは言い難い状況にあります。
この度、新たな相談支援類型に地域生活相談が新設され、適切な介護サービスの提供と併せて、本人の意思に即した地域活動等への参画も含め、トータルに支援することが方針として示されたことも踏まえますと、介護給付以外の地域資源の把握と活用を反映するケアマネジメントの在り方について、今後の研修内容に明確に位置づけていただくことが求められると思いますが、是非ガイドラインに盛り込んでいただけますでしょうか。お願いいたします。
○大串委員長 上野厚労大臣、簡潔にお願いします。
○上野国務大臣 はい。
研修の充実はもちろん必要なことでございまして、今回の改正と併せまして、例えば講義につきましては、直近の制度改正や報酬改定の内容など、最新の知識を学べるよう、国レベルで一元的な研修資材を作成をする、あるいは、演習についても、より実践的な内容となるように、近年顕在化している事例を扱うよう見直しを求めるなど、必要な対応を行いたいと考えておりますし、また、委員から今御指摘もありました、そうしたことも十分我々としては念頭に置いて、これから検討を進めていきたいと考えています。
○日野委員 御答弁ありがとうございました。終わります。
○大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
まず、法案の中身を議論する前提として、この間、介護保険、高齢者福祉をめぐって問題になってきた、保険料を納めているにもかかわらずサービスを受けられない問題を取り上げたいと思います。
この顕著な例が訪問介護なんですね。在宅高齢者の生活を支える上で欠かせない事業ですけれども、前回の改定で基本報酬が大幅に引き下げられまして、大きな影響を受けました。
今日、資料一ページ目につけていますけれども、訪問介護事業所が市町村でゼロか所あるいは一か所となった自治体の推移ですね、最新の状況をグラフにして日本地図に落としました。大臣、地図を見ていただいて、なぜこんなことが起きているのかということを答弁いただけますでしょうか。
○上野国務大臣 まず、中山間、人口減少地域においては、人口減少が進む中、訪問介護の担い手、利用者の確保、双方に課題があると考えています。
足下の訪問介護事業所の廃止状況につきまして、厚労省において、自治体の協力を得て昨年六月時点の状況を整理をいたしましたが、廃止後も統合先の事業所等で訪問介護サービスの提供が継続される経営戦略上の事業所統廃合等による廃止、これは増加をしています。一方、人員不足や職員の高齢化、利用者不足等を理由とする廃止事業所数は、前年度同月比でおおむね同水準となっているところであります。
こうした自治体においても、訪問介護やそれに相当するサービスの利用が継続していることを確認をしておりますが、事業者が確認できなくなった市町村について個別に状況を確認をするなど、引き続き丁寧な把握に努めてまいりたいと考えております。
○辰巳委員 やはり人手不足、担い手不足なんですよね。継続されているとおっしゃるんですけれども、それは隣の市町村から入ってきているということなんですよ。
介護保険というのは、保険料を負担をして、要介護認定を受ければ指定介護事業所からサービスを受けられる、これが制度の前提であり、原則です。この前提や原則から逸脱した地域が増えている状況が止まらないわけですね。
二ページ目の資料をつけましたけれども、事業所がゼロ又は一の自治体数のグラフが示すとおり、訪問介護では二〇二四年の改定で基本報酬を引き下げたことがやはりきっかけになっているわけですね。
今改定では、これまでの離島等、基準該当サービスとは別に、中山間地、人口減少地域においては管理者や福祉職員の配置基準を指定事業所より緩和して対応する、こういうことになっているわけなんですが、大臣、今回の改正、改定で人は来るんでしょうか。私は逆に来なくなるんちゃうかなと思うんですけれども、いかがですか。
○黒田政府参考人 お答えいたします。
今回の新たな特例介護サービスの仕組みは、高齢者人口が減少して人口密度も低い中で、都市部のような効率的なサービス提供の継続が難しいなど、サービス提供体制の維持、確保に課題を抱える中山間、人口減少地域におきまして、必要なサービスが継続できて、サービスへのアクセスが確保されるということを目指して導入されるものでございます。
制度の導入に当たりましては、サービスの質の確保に十分配慮することが必要で、また現場の負担感にも配慮が必要でございます。このため、昨年末に取りまとめました社会保障審議会介護保険部会の意見書の中では、サービス、事業所間での連携、ICT機器の活用等を前提としつつ、管理者や専門職の常勤、専従要件、夜勤要件の緩和等を行うことが考えられるとされたところでございます。
もし法案をお認めいただけましたならば詳細な検討に入るわけですけれども、その場合には、関係当事者が参画した審議会において、現場の意見も丁寧に伺いながら、先ほど申し上げた二つの観点を両立する方策として何が適当なのかという在り方について、議論をいただく予定でございます。
○辰巳委員 私が、人員配置の基準などを緩和した際に逆に人が来なくなるんじゃないかという意味は、まさに今答弁されていましたけれども、質の確保というんですね。だけれども、あくまで質の確保の配慮なんですよ。あるいは、夜間とか様々な負担感を和らげる、配慮するという話ですね。あくまで配慮なんですよね。緩和をしたところで、結局、一人一人に対する負担は増えていってしまうということなんですね。
医療の現場を見ていただいたら、医療現場で本当に負担が増える中で、結局、余りにも忙し過ぎて、処遇はそれにそぐわないということで、どんどん離れていってしまうということが起こっているじゃないですか。結局、同じようなことをこの介護でもまた繰り返すのかということだと思うんです。介護職から結局、逆に人が遠ざかる、その先、安定して事業が継続できる姿がまさに見えない、これは悪循環に陥ってしまうんじゃないかということなんですよね。
二〇二三年までは、全産業の賃金の平均格差、これは縮小傾向にあったというのが三枚目の資料につけております。二〇二四年には、前年の月額六・九万円の格差が八・三万円に拡大をしたわけですね。二〇二五年は格差八万二千円、つまり千円しか縮小はしなかった。政府も補正で一定の手当てを行ったり、中間改定を行ったんですけれども、二〇二六年の民間の春闘の状況を見ると、抜本的な全産業との格差の縮小となることは、これはやはり期待できないと思うんですね。
最後の資料につけましたけれども、去年の十二月、財政審の建議ですよ。建議を見てびっくりしました。こうあるんです。「現役世代の保険料負担の増加を抑制するために、抜本的な制度改革を実施する必要がある。」として、こうあるんです、「目指すべき賃上げ率・額については、現状、介護分野の事業所は小規模であることを踏まえて、介護職員の賃金の比較対象として、同様の規模の企業の従業員の賃金を参照することも検討する必要がある。」と。
つまり、全産業の平均より賃金の低い小規模事業者を目標にするべきではないかという提案がされているんですよね。この建議の前の十一月の財政審に出された資料には、介護分野の職員の処遇改善が喫緊の課題といって入っていたんですけれども、これ、もう入っていないんですよ。
大臣、やはり処遇改善なんですよ、人手不足の解消のためには。これが最も確実な処方箋です。今の財政審の建議にあるような、賃金の引上げ目標を引き下げるということはないということを答弁いただけますか、大臣、賃金。
○上野国務大臣 まさに処遇改善が非常に重要な課題というのは、私どももそう考えているところでありまして、介護分野の職員の処遇改善につきましては、累次の取組を講じてまいりました結果、改善をしている傾向でありますが、他産業とはまだ差がありまして、人材不足が厳しい状況にあると認識をしております。介護人材の確保に向けまして、介護分野の職員の他職種と遜色のない処遇改善、これを実現をしていくことが必要だと考えております。
令和八年度の報酬改定におきましては、定期昇給込みで最大月一・九万円の賃上げが実現する措置を実施することといたしました。大体、今、春闘で五%程度であります、平均で三十八万円ということでありますから、これも一・九万円になります。いみじくもそれと遜色のない賃上げが実現できる水準だと考えております。
また、令和九年度の定例改定におきましても、介護分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保、これを図る必要があるという認識の下で、介護サービス事業者の経営状況や介護分野の賃上げの状況などを把握した上で、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施していきたいと考えています。
○辰巳委員 大臣、ちょっともう一回確認させてもらいたいんですけれども、他職種と遜色ないという意味は、これは今までどおりの全産業との比較ということでよろしいですね。何か、小規模事業者との比較じゃないですよね。
○上野国務大臣 私どもとして、中小企業、小規模事業者と比較してということは、これまでからも申し上げたことはないかと考えています。
○辰巳委員 じゃ、これからもそういうことは、小規模だけ抽出でやるということはないということですよね。
○上野国務大臣 財政審がどう言っているかというのは、済みません、それについて私が答える必要はないと思いますけれども、我々としては、先ほど来申し上げましたとおり、小規模事業者と比較してというような形では申し上げたことはないかと考えております。
○辰巳委員 これからもやりそうということではないということは確認できたかなと思います。
さて、人口減少地域下で新設される特定地域サービス、ホームヘルパーが常勤換算で二・五人以上などの配置基準、これが緩和をされる。特定地域サービスの対象は、人口の減少その他の厚生労働省令で定める基準に該当する地域で都道府県が定めるものとされております。この人口の減少とは、六十五歳以上の人口減少をいうものとされております。
確認しますけれども、介護保険部会での意見では、六十五歳以上人口は市町村の六五%、つまり約七割で二〇二五年度までにピークを迎えるとされていますね。もう既に六五%が、六十五歳以上の人口は減っているんだと。つまり、自治体全体の指標で判断して、市町村の約七割が既に特定地域として指定され得るということなんでしょうか。
○黒田政府参考人 お答え申し上げます。
委員お尋ねの特定地域、この法改正がお認めいただけましたならばということになりますけれども、こうした地域の考え方につきましては、審議会でも議論がございましたが、特別地域加算や離島等相当サービスの対象地域、現在定められておりますが、これを基本としつつ、高齢者人口の減少や人口密度などに着目した一定の基準を設定をするということを念頭に置いて、これまで議論を行っております。
それで、この仕組みの創設を議論された背景は、介護サービス需要の減少、それから移動の長距離化などによって、全国一律の指定サービスでは対応が難しい地域、つまり、事業継続とそれから利用者のアクセスの確保、これが難しい地域があるということが念頭に置かれて議論が進められてきたということがございます。
としますと、この高齢者人口につきましては、先ほど申し上げましたように、制度創設の趣旨が介護サービス利用の需要に着目をするという観点です。だとすると、この部分について、介護サービスが顕在化をするのは六十五というよりも七十五あるいは八十五という、幾つかの年齢層によってグラデーションがございますので、現時点で特定の年齢を念頭に置いたものではございません。
もし法案をお認めいただきましたならば、この制度の趣旨、つまり、介護サービスの利用の需要に着目をする観点だということを念頭に置きながら、具体的な基準につきましては、本法案の成立後、関係者が参画をする審議会において議論を重ねて具体化をしてまいりたいと存じます。
○辰巳委員 今、需要に着目という話がありましたけれども、つまり、需要が減る地域なんかは特定地域サービスの対象になり得るという話だと思うんですよね。
こうなりますと、冒頭の話と一緒なんですよ。需要が減って、そこでは人員配置を緩和していく、何とかそのサービスを続けるようにするという話だと思うんですけれども、それは、いっときはそれでしのげるかもしれないんです。だけれども、人員配置の緩和をするということは、一人一人の介護職に対する負担が重くなるわけですから、結局、介護人材が集まらないということになってしまうということなんですよね。だから、やはり、もちろん六十五歳だけではという話かもしれませんけれども、非常に方向性としては違うんじゃないかというふうに思います。
同時に、もう一つ確認したいのは、実は規制改革会議の中でこういう提言もされているんですよ。大都市部及び一般市等においても既に介護サービス提供が困難となるエリアを有する地域があることから、その範囲を過度に限定しないことや、具体的な対象地域の特定においては、人口減少率等の客観的要件のみならず、市町村の意向が反映されるプロセスとすることということなんですね。
これは、つまり、市町村ごとに特定地域を分けていくということにとどまらず、市町村の中でも区域を区切って特例サービスを提供することができるようにということを検討されているということでしょうか。
○黒田政府参考人 お答えいたします。
議論の前提として、審議会でこの点については議論しておりますが、現在の特定地域については、先ほど申しましたように、現行の特別地域加算、離島等相当サービスの対象地域を基本とするというふうに申し上げておりますが、現行の対象地域自身が市町村域の全部又は一部として設定をされているということがまずございますので、現状としてもそういう扱いになっているという話がある。あとは、それをベースにして市町村単位の要件を定めるということが次のステップとしてあって、その要件をベースにしながら、市町村で、それをその市町村に当てはめたときにプラスアルファの措置を講ずる必要があるかどうかを検討していただいて、都道府県で決定する、一応こういうプロセスをたどるということでございます。
なお、制度の趣旨は、先ほど申し上げたとおり、介護サービスの需要の動向ということがこの制度が議論された前提でございますので、そういったことを踏まえて検討されるもの、そして、その年齢層というのは、先ほど申し上げたような、年齢層に応じて需要についてはグラデーションがあるので、そうした要件については様々関係者の議論を経て決定されていく、こういうことでございます。
○辰巳委員 もうちょっと簡潔に言っていただきたかったんですけれども。
最後にしますけれども、やはり今の答弁は、市町村の中でも区域を分けられる、段階を踏んでそれもできるという答弁だったと思うんですね。
介護人材、やはり処遇なんですよ。この間、介護報酬だって引き下げて、事業所がなくなった、あるいは一つしかないところが増えているわけですから、安易に人員配置を緩和してしまうと悪循環に陥ってしまう、介護人材が結局集まらない、こういうことになって、ますます中山間地や都市部でも、事業者が減少し始めている地域でも、介護難民の問題というのは深刻にならざるを得ないというふうに思います。次の質問でもう少し具体的に追及していきたいと思います。
以上です。
○大串委員長 次回は、来る二十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時三分散会

