衆議院

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第16号 令和8年6月19日(金曜日)

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令和八年六月十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大串 正樹君

   理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君

   理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君

   理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君

   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君

      石坂  太君    上野 宏史君

      衛藤 博昭君    岡本 康宏君

      尾花 瑛仁君    加藤 貴弘君

      金澤 結衣君    草間  剛君

      栗原  渉君    今  洋佑君

      斉藤 りえ君    繁本  護君

      高階恵美子君    田野瀬太道君

      田畑 裕明君    田宮 寿人君

      田村 憲久君   中川こういち君

      橋本  岳君    藤田  誠君

      藤田 洋司君    丸尾なつ子君

      丸田康一郎君    吉村  悠君

      沼崎 満子君    山本 香苗君

      早稲田ゆき君    阿部 圭史君

      梅村  聡君    岡野 純子君

      佐々木真琴君    日野紗里亜君

      豊田真由子君    古川あおい君

      辰巳孝太郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   内閣府副大臣       津島  淳君

   文部科学副大臣      中村 裕之君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小野寺健一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    尾原 知明君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          竹林 悟史君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       神山  弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局長)         大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬局長)  宮本 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           鹿沼  均君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  黒田 秀郎君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江澤 正名君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局次長)           三宅 正寿君

   政府参考人

   (国土交通省航空局安全部長)           石井 靖男君

   厚生労働委員会専門員   森  恭子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十九日

 辞任         補欠選任

  金澤 結衣君     中川こういち君

  田宮 寿人君     今  洋佑君

  丸田康一郎君     石坂  太君

  日野紗里亜君     佐々木真琴君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     丸田康一郎君

  今  洋佑君     田宮 寿人君

  中川こういち君    金澤 結衣君

  佐々木真琴君     日野紗里亜君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

大串委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る六月十七日、厚生労働関係の基本施策に関する実情調査のため、委員十四名が参加し、国立研究開発法人国立成育医療研究センターの視察を行いましたので、参加委員を代表して、私から調査の概要を御報告申し上げます。

 まず、笠原病院長より国立成育医療研究センターの概要について、大野ハウスマネジャーより子供の治療に付き添う家族のための滞在施設ドナルド・マクドナルド・ハウスせたがやの概要について、小宮女性の健康総合センター長より女性の健康総合センターの概要について、それぞれ説明を聴取した後、新生児集中治療室、小児集中治療室及び医療型短期入所施設もみじの家を視察いたしました。

 次いで、病院の資金調達をめぐる課題、医療従事者確保の現状、メディカルソーシャルワーカーの活用状況、患者が診療を受ける場合の主な経過等について質疑応答を行いました。

 以上が視察の概要であります。

 最後に、今回の視察に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げ、視察の報告とさせていただきます。

    ―――――――――――――

大串委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官小野寺健一君、消費者庁審議官尾原知明君、こども家庭庁長官官房審議官竹林悟史君、長官官房審議官源河真規子君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君、大臣官房文部科学戦略官神山弘君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君、医政局長森光敬子君、健康・生活衛生局長大坪寛子君、医薬局長宮本直樹君、社会・援護局長鹿沼均君、社会・援護局障害保健福祉部長野村知司君、老健局長黒田秀郎君、保険局長間隆一郎君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江澤正名君、国土交通省総合政策局次長三宅正寿君、航空局安全部長石井靖男君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。沼崎満子君。

沼崎委員 おはようございます。中道改革連合の沼崎満子です。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は、現場の意見を是非お届けしたいというふうに思っております。

 最初にですが、これまで私、取り上げさせていただいておりますけれども、ドクターヘリの整備士不足対策について御質問をいたします。

 航空整備士の不足を背景に、ドクターヘリの運休が大変問題となり、今国会でも、ほかの先生方からも問題意識が取り上げられているところでもあります。

 整備士不足に関しましては、ドクターヘリに限らず、航空業界全体の構造的な問題となっております。整備士の高齢化や希望者の低下など、今後更に整備士不足は深刻化するということが見込まれております。一刻を争う救急現場を支えるドクターヘリの運航を安定的に維持するために、整備士の確保というのは急務となっています。

 そして、今日は対策に関して一歩踏み込んで御質問させていただきたいと思いますが、今、対策の一つとして、航空自衛隊において、退職する自衛官を民間の整備士として活用する取組が検討されているというふうに承知をしております。

 そこで、お伺いします。

 退職自衛官の活用について、厚生労働省、国土交通省、防衛省など関係省庁が連携して今後どのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いいたします。

石井政府参考人 お答えいたします。

 ドクターヘリの安定的な運航を確保するため、航空整備士の確保は航空業界全体として取り組むべき重要な課題であると認識しております。

 このため、国土交通省では、昨年三月に有識者会議において具体的な対策を取りまとめ、現在、実現に向けて取り組んでいるところです。

 委員御指摘の点についても、この一環として、本年一月から防衛省において退官予定者を対象にした民間資格取得に係る取組が開始され、令和七年度末時点で既に二十名が民間整備士資格の学科試験に合格しております。

 今後、こうした方々が民間航空分野へ進む際に、国土交通省では、自衛隊での経験を考慮し、実技試験に必要な訓練時間を短縮することで、民間の整備士資格を円滑に取得できるよう対応していく予定です。

 国土交通省としましては、引き続き、関係省庁等と連携を密に、航空機の安全かつ持続可能な運航体制の確保に向けた取組を着実に進めてまいります。

沼崎委員 ありがとうございます。

 一点確認なんですけれども、今、航空自衛隊においてこれが実施をされているというふうに認識をしております。整備士は陸上自衛隊、海上自衛隊にも当然在籍をしておりますので、現時点では航空自衛隊での運用となっていると思いますけれども、今後の整備士不足の進行を踏まえて、もし現状で非常に活用がうまくいったという場合には、是非、陸海の自衛隊にも対象を拡大して、より広い対象に実施を行っていただきたいと思いますが、この点に関する御見解を御答弁お願いいたします。

石井政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の点につきましては、現在、防衛省で検討が行われていると認識しております。

 国土交通省としましては、防衛省とも連携しまして、引き続き、整備士の円滑な、持続可能な運航体制の確保に向けた取組を着実に進めてまいります。

沼崎委員 ありがとうございます。

 是非、もう既に二十名、民間資格を取っているということでもございますし、退職後のキャリアが明確になることは当然自衛官の魅力向上にもつながると思いますので、対象に関しても陸海に広げていただけるように要望をいたします。お願いいたします。

 次は、大臣に是非お伺いしたいんですけれども、来年度に向けてのドクターヘリ関連予算に関してお伺いをいたします。

 令和八年度の当初予算では、ドクターヘリ関連事業、百億計上されておりまして、そして昨年末に、この整備士不足の問題に対しまして、補正予算が二十二億計上されております。

 高市総理の方からは予算の予見可能性ということから当初予算でというような発言がございますので、当初予算が百億の壁になっているのではないかというような、そういった意見も聞かれております。これまで補正で積み増しをしてきておりますので、来年度でしっかりやはり当初予算を確保していくということが非常に重要になってくると思います。

 そして、加えてなんですが、ドクターヘリ、これは私も以前から指摘をさせていただいておりますが、導入から二十年以上たっておりまして、機体の更新時期が到来しています。機体が今非常に価格が上がってきているということと、今、新しい機体は、先日、私、視察をしてきたんですけれども、非常に安全性も上がっていて、安全性確保という意味でも、機体の更新というのはこれから順次行っていく必要性があると思います。

 整備士の確保に加えて、機体の更新、あるいはエネルギー費の価格高騰、人件費の高騰、こういった点からも令和九年度に向けた財政支援の一層の拡充が必要と思いますが、大臣の御見解をお願いいたします。

上野国務大臣 言うまでもなく、ドクターヘリにつきましては、国民の命に直結をする、そうしたものでございますので、その安定的かつ持続的な運航体制の確保ということはとりわけ重要だと考えています。

 厚労省におきましては、今委員の方から御指摘のありましたとおり、当初予算に加えまして、昨年度の補正予算におきましては、一部地域での運休、そうした事態を受けまして、機体の調達、整備、あるいは整備士確保のための訓練経費など、運航継続に必要な経費に対して支援を行っているところであります。

 やはり、地方自治体の皆さんの声というのを十分踏まえて対応していきたいと考えておりますが、財政面も含めまして、どういった対応が必要かということは十分検討させていただいて、概算要求に向けて検討を深めていきたいと考えています。

沼崎委員 是非よろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきます。

 次は、小児がんや希少疾患、特にこういった領域における新たな治療の確立、医薬品開発に関してお伺いをいたします。

 こういった領域は患者数が少なく、治験の実施が非常に難しいということで、新薬の開発が進みにくいという構造的な、やはりここも問題がございます。

 先日、これは小児がんを治療している先生からお伺いをしたんですけれども、非常にやはり小児がん領域のドラッグラグ、ドラッグロスが顕著になってきているということで、本当に、とにかく自分は目の前の子供の命を助けたいんだ、そういう非常に切実な思いを聞いてまいりました。

 そういった中で、今、医師が主導で特定臨床研究が行われていますけれども、治験が難しいという状況の中で、特定臨床研究で得られたデータを医薬品の承認申請に活用できないかというふうな御期待をいただきました。

 そこで、まずお伺いをいたしますが、特定臨床研究で得られたデータは、治験データに代わる承認申請のデータとして利用ができるのか、その制度上の位置づけについて御答弁をお願いいたします。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 医薬品の承認申請に添付する臨床試験成績に関する資料については、治験として、いわゆるGCP省令に従って行うことが原則とされておりますが、治験と同程度の信頼性が確保された臨床研究の結果を薬事申請に利活用できる仕組みを設けておりまして、令和五年三月三十一日にその留意点や考え方をお示ししております。

 具体的には、提出された資料の信頼性については承認申請後に適合性調査により確認されること、特定臨床研究の研究責任医師は臨床研究の適切な実施を担保するとともに、申請者である企業と研究責任医師との間で協力体制を構築していることが望ましいこと、特定臨床研究の研究責任医師は申請者によるデータの利用について適切な患者同意を得ていること等を示しております。

 以上のような条件を満たしているものであれば、小児がんや希少疾病等の領域の医薬品の承認申請においても、特定臨床研究で得られた試験成績を医薬品の承認申請に利用することは可能でございます。

沼崎委員 ありがとうございます。

 令和五年に、条件を満たせば特定臨床研究のデータは使うことができるという御答弁だったというふうに理解をしておりますけれども、では、実際に特定臨床研究のデータが承認申請に活用された実績はどの程度あるか、御答弁をお願いいたします。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでの医薬品の承認申請において、承認の主たる根拠資料として特定臨床研究の成績が提出され、薬事承認した事例は一件でございます。

沼崎委員 実際、活用はできるんですけれども、現状ではまだ一件しか実績がないということで、非常に限定的になっているというふうに思います。制度上はこの道が開かれているにもかかわらず、活用が進んでいないという課題があると思っております。

 この令和五年の通知を、私がお伺いした先生も御存じなかったようですので、実際使えるんだということを、研究をされる方にもやはり是非その周知を図っていただきたいと思いますし、そのための条件というのが先ほど御提示があったと思いますので、この条件という部分に関しても提示をいただきたい、広くここの周知を図っていただきたいと思っております。

 そしてもう一つ、小児、希少疾患領域の開発を進めるために、特にこのドラッグラグ、ドラッグロスの問題というのは、これからMFNの問題もございますので、非常に深刻だと思っております。国として、こういった小児、希少疾患の医薬品開発の促進に現状でどのような取組を行っているのか、御答弁をお願いいたします。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘のとおり、小児がんや希少疾病に関する医薬品は、患者数が少ないことなどから開発が進みにくいとされておりまして、厚生労働省では、小児用医薬品が開発されやすくなるための規制上の取組といたしまして、小児用医薬品の開発に係るPMDAへの相談手数料を補助する事業を実施すること、令和七年薬機法改正においては、製薬企業に対して小児用医薬品の開発計画策定の努力義務を課したこと、あとは、再審査期間の上限を二年間延長する改正などを実施しております。

 加えて、希少疾病用医薬品につきましては、研究費助成や、PMDAへの相談手数料を低額に設定するというようなことをしておりますけれども、令和六年には希少疾病用医薬品の指定の運用を見直しまして、対象を明確化するとともに、指定の早期化を図って、この制度が企業にとって利用しやすくなるようにしたところでございます。

 引き続き、ニーズが満たされていない小児がんに対する医薬品や希少疾病医薬品の開発を支援できるよう、こうした取組を適切に進めてまいりたいと考えております。

沼崎委員 是非、推進の方をお願いしたいと思います。

 小児、希少疾患に対する開発のところの最後の質問になりますけれども、新しい新規医薬品を開発するのは非常にコストがかかる、そこも大きな問題になるんですけれども、ドラッグラグ、ドラッグロスの解消のもう一つの一手として、既存薬から新たな効果を見出してその適応を拡大する、そういったことで、一つ、ドラッグラグ、ドラッグロスを解消する一手となるのではないかというような御意見をいただきました。

 先ほど、特定臨床研究のデータを治験で使えるようにするには、企業と研究する医師の連携というのが一つの条件だったというふうな御答弁がございましたけれども、一方で、企業の側からすると、既存薬の適応を広げてもなかなか利益にはつながりにくい、加えて、適応が追加されて患者さんが増えると、むしろ薬価は下がる方向に動くというのが一般的ですので、そうすると、なかなか、既存薬の適応を広げて新しい効果を見出していくというところは進みにくいという問題があります。

 そういった意味では、企業によって開発が、既存薬の新たな効能というところを見つけていくというところを推進するためには、是非、効能が追加された場合には薬価の上できちんと評価をする、そういった仕組みが必要ではないかというふうに思います。

 既存の医薬品に対するイノベーション評価といったところも是非御活用いただきたいと思いますけれども、小児、希少疾患領域において、あるいはほかの疾患でもそうですけれども、新たに有効性が認められた場合の評価ということに関して、後押しをするような制度が必要と考えますが、御見解をお願いいたします。

間政府参考人 お答えいたします。

 薬価制度においては、創薬イノベーションを推進する観点から、特許期間中の薬価を原則として維持することに加えまして、既存薬も含めまして、製品の特性に応じた有用性を評価し、加算の充実などを図ってきたところでございます。

 その上で、今議員から御指摘いただきました小児がんや希少疾病領域に対して既存薬の適応拡大が行われた場合には、薬価改定時に薬価を引き上げる仕組みを従前より設けていることに加えまして、令和六年度薬価制度改革においては、薬価維持の対象になる要件として、小児の適応を有していることを追加するなどの見直しを実施してきております。

 その上で、実際に、今回の令和八年度薬価改定時には、小児に係る適応が追加された医薬品、五成分、十品目、そして希少疾病に係る適応が追加された医薬品、三成分、四品目につきまして、薬価の引上げを行ったところでございます。

 引き続き、小児がんや希少疾病の領域に対する適応がある医薬品について、適切に評価できるよう取り組んでまいります。

沼崎委員 もうそういった実績もあるということをお伺いしましたので、是非そこの推進をして、企業側にも働きかけの方を是非お願いしたいと思います。

 次にですが、人工肛門や人工膀胱を造設された方々の使うストーマ装具に関してお伺いいたします。

 ストーマの装具は、毎日使って、定期的に交換をしなければならないですし、生活に不可欠な用具です。

 ストーマは、かつては補装具として国が基準額を決めていたんですけれども、平成十八年に日常生活用具給付等事業へ移行をしておりまして、基準額の設定が市町村の裁量となっております。

 その結果なんですけれども、今、ストーマ装具の価格は年々上がっているにもかかわらず、平成十八年の基準額のまま、ずっと八割以上の自治体で見直しが行われていないという調査があるというふうにお伺いをしております。そういった中で、ストーマの当事者の方たちの負担が増え続けているという状況でございます。

 まず、財源についてお伺いいたしますが、この事業は、統合補助金として国が市町村の二分の一以内を補助する仕組みとなっていて、二分の一を目指すということが基本方針になっております。しかし、実際には、自治体の所要額が増える中で、補助が二分の一に届いていないという現状がございます。

 国の補助を可能な限り二分の一に近づけるということが、自治体が基準額を引き上げるということの鍵になると思いますので、補助の確保についてのお考えを、御答弁をお願いいたします。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のストーマ装具などを含めまして日常生活用具の給付事業でございますけれども、これを含めた地域生活支援事業、様々なメニューがございまして、それを地域の実情であるとか利用者の状況などに応じて各自治体が柔軟な形態で事業展開をするというような事業でありまして、裁量的経費、補助金という仕組みでやっております。

 御指摘のように、この事業でございますけれども、障害者総合支援法の中では国が費用の二分の一以内を補助できるというふうにしておりまして、裁量的経費であるということ、さらには全体的に厳しい財政状況にあるということで、国庫補助額は二分の一に今は達していない状況でございます。

 そうした中で、多くの自治体からは国庫補助の充実に関する要望、御提言などもいただいているところでありますが、令和八年度予算では、七年度予算に比べて三億円増の五百五億円を確保しているところでございます。

 御指摘のストーマ装具を含む日常生活用具の給付事業でございますけれども、私どもの方で行った市町村における見直し状況などの調査においては、種目であるとか基準額について必要に応じて見直しを行っていると回答した自治体も半数以上、このような予算状況の中ではありますけれども、半数以上は何がしかの見直しを行っているというようなことも回答としていただいているところでございます。

 いずれにいたしましても、この地域生活支援事業、日常生活用具以外にも様々な活動の場であるとか提供といった様々な事業を盛り込まれて、地域で障害者を支えるために必要な事業でございますので、引き続き、執行状況であるとかニーズなども踏まえながら、予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

沼崎委員 見直しを市町村はしているということなんですけれども、様々なメニューがある中の一つにストーマはなっているので、なかなかそこまで手が届いていない状況なんだろうなというふうに想像をしております。

 そこで、基準額が見直されていない、そういった項目に関しては、より踏み込んで見直しをする、そういった働きかけをしていただきたいなというふうに私は思っております。かつて、自治体向けの会議資料に、長く見直しをしていない部分に関しては特に努められたいという踏み込んだ表現があったというふうにお伺いしているんですけれども、そこが今、現状ではなくなっているということもございますので、価格の見直しであるとか、現場の検証、当事者のニーズ等を改めて把握をして、様々なメニューの中でも見直しがされていないところに関しては、より明確に、基準額の再検討というところをお願いしたいと思います。

 この特に努められたいという表現に関しても、是非復活をというふうな御要望もございましたので、その点に関する御見解もお願いいたします。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の特に努めていただきたいという記載でございますけれども、こちらは、平成三十年度に行いました調査の方で、平成十八年度以降、一部の市町村では種目であるとか基準額、対象者について見直しを実施していないという事実が確認をされたことを踏まえて、令和元年度と令和二年度の主管課長会議資料の中で、こうした長年見直しをしていないということに該当する市町村については、特に見直しに努めていただきたいということを特出しでお示しをしていたところでございます。

 その後、令和二年度に改めてまた調査を行いまして、市町村においてどのように定期的に見直しが行われているのかとか、その検討の頻度はどうなっているのかとか、そういったまた事実をというか、状況を確認をいたしました。

 その結果を踏まえて、令和三年度以降の課長会議資料では、その調査結果なども参照しながら、基準額であるとか種目であるとかということについて、定期的な見直しに努められたいというような旨の、若干一般性の上がったような表現にしているところでございます。

 一方で、御指摘のように、長期間にわたり種目や基準額の見直しが行われていないという状況にあるとの声が引き続き寄せられておりますので、令和七年度には改めて見直し状況などについて調査研究を行いまして、本年四月にその結果を自治体に周知をしたところでございます。

 こうした経過をたどっておりますが、令和八年度の課長会議での資料でどういったことをお示ししていくかなどにつきましては、この御指摘も踏まえまして、今後検討してまいりたいと思います。

沼崎委員 是非お願いいたします。

 最後、視察のことも含めて、子供ホスピスについてお伺いをいたします。

 国立成育医療センター内にあるもみじの家を見学させていただきました。また、私、横浜の子供ホスピス、「うみとそらのおうち」というところも視察をしております。重い病とともに生きる子供と家族が穏やかに過ごす、そういう場というのが非常に重要です。

 日本の小児医療は、非常に救命率の高さとかアクセスのよさ、そういったところも世界最高レベルにあるんですけれども、小児の緩和ケアという部分では、まだやはり不十分な点が多いというふうに指摘をされています。

 そういった中で、緩和ケアを必要とする重い病を抱えている子供と家族を支える場というのは非常に必要だというふうに思いますが、この点についてどのように考えているのか。

 また、モデル事業も今実施しているというふうにお伺いをしておりますので、その取組についての現状をお答えいただきたいと思います。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 緩和ケアが必要な子供を含め、重い病気を持つ子供の遊びや育ちを支援する子供ホスピスの取組は、子供にとっては体験や成長、発達の機会を得ることができ、家族にとっては地域とつながり得る居場所となるものであることから、重い病気を抱える子供のウェルビーイングを向上させていくためにも、全国的な普及が必要なものと考えています。

 こども家庭庁におきましては、各地域の子供ホスピスを支援するため、都道府県等が医療、教育、福祉等の関係機関等を構成員とする協議会を設置した上で、こうした子供たちの遊びや学びの支援、子供同士の交流等を促す子供ホスピスの取組へ支援を行う場合に、その運営などに係る費用につきまして財政支援を行うモデル事業を実施しているところです。

 例えば、令和六年度補正予算で実施したモデル事業におきましては、北海道、福井県、愛知県、名古屋市、そして先生お話ありました横浜市において活用されています。横浜市では、重い病気を持つ子供やその家族への支援に拠点を設けて取り組む民間団体への支援が行われたものと承知をしています。

 こども家庭庁では、モデル事業により収集した好事例や課題等を踏まえつつ、引き続き、子供ホスピスの全国展開に向けまして必要な取組を進めてまいります。

沼崎委員 ちょっと時間も迫ってまいりました。最後の質問にさせていただきます。

 緩和ケア、重い病を抱えている子供たちの家族、実態、ニーズに関して今調査研究が進んでいるというふうに承知をしておりますが、調査研究がただ調査研究で終わっては意味がなくて、その結果をもって、どういうこれから支援につなげていくのか、それが非常に重要だと思います。

 そして、視察で私がお伺いする中で、やはり、ああいった重い病を抱えている子供たちがいる場、施設というのが非常に重要だと思いました。そういった意味でも、調査研究の結果を踏まえて、どのように今後具体的に進めていくのか、その点に関するお考えを最後にいただきたいと思います。お願いいたします。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 子供ホスピスの実態やニーズの把握につきましては、これまでも様々な調査研究を行ってまいりました。

 現在、今年度から二年間にわたりまして、子供ホスピスを利用することが想定される重い病気を抱える子供につきまして、より詳細に実態を把握するため、医療データベースを用いて子供たちの疾患や重症度、医療内容等の状況を把握するとともに、インタビュー等により、こうした子供たちが直面する心理的、社会的課題を整理することとしております。

 こうした調査研究などによる成果につきましては、これを十分生かしながら、地域の取組を支援するモデル事業を実施しているところでございます。

 今後とも、調査研究などを通じて把握した子供ホスピスの実態やニーズのほか、モデル事業により抽出した課題なども踏まえながら、子供ホスピスの全国普及に向けた具体的な方策を検討してまいります。

沼崎委員 ありがとうございます。

 例えば、小児がんの拠点病院なんかにはもう既に、家族等が利用できる長期の滞在施設等、設備を設ける、そういう位置づけというのもございますし、そこに対しての支援というのも行われているというふうに思うんですけれども、特にやはり小児がん拠点病院なんかは、子供ホスピスの支援が必要な子供たちが非常に多くいます。ですので、病院内の施設だけではなくて、その周辺にしっかり御家族が滞在できる施設、そういったところに対する支援というのも是非拡充をしていただきたいと思いますので、そういったことに関しても、この調査研究の結果も踏まえて、是非更にもう一歩進めた取組というのをお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、浜地雅一君。

浜地委員 浜地雅一でございます。

 三十五分間いただいておりますので、様々な課題について質問していきたいと思います。

 まずは、先ほども出ておりましたが、アメリカのMFN政策に対する対応についてお聞きをしたいと思っております。

 言うまでもなく、このMFN、薬価につきまして最恵国価格待遇をしろという制度であります。具体的に言うと、先進国の中で安く売られている価格に米国での薬の販売価格を合わせろという政策であります。

 昨年の十一月の当委員会でも、私、この点を御質問させていただきました。また、今国会の予算委員会でも質問をしたところでございます。橋本岳先生も、健康保険法のときの総理質疑のときにこの問題を取り上げられたというふうに記憶をしております。

 当初、トランプ大統領がこのMFN制度を発表したときは、さあ、日本に対してはどのぐらいの影響があるんだろうか、まずは十七社に対して、ここは日本企業は入っておりませんが、トランプ大統領は書簡を送って、この制度に対してどういう意思表示をするかということを確認をいたしました。このとき日本企業が入っておりませんでしたので、果たしてこれは日本がターゲットになっているのかどうか分からないような状態だったわけであります。

 今日、私、資料を持ってまいりましたとおり、既にこの制度がスタートをしたということであります。資料一の左側の、メディケード、低所得者向けの公的保険に対してジェネラスという政策を打ち出して、開始時期と書いてありますが、既に二〇二六年一月の一日からスタートをしているということであります。ここにはベンチマークの参考国として八か国ございますが、日本もターゲットになっているということであります。

 実際、このMFN政策の本当の狙いというのは、安くアメリカ国民に医薬品を提供することもあるかもしれませんが、防衛費と同じような考え方をアメリカは持っているというふうに私は思っております。

 アメリカで多くの資本を投下して、大量の資本を投下して開発しているこういった革新的な医薬品に対して、ほかの先進国はそれを安く売っているということは、アメリカの投資に対してただ乗りをしていると。ですので、逆に、日本の製品とかをアメリカで安く売るというペナルティーを与える代わりに、そうではなくて、例えば日本市場とか、ほかのアメリカよりも安く売っているところを引き上げろ、そういう政策です。

 防衛費も、GDPの何%を求める。アメリカだけが世界の防衛を担っているのはおかしい、ですので、日本に対してもGDPの何%支出をしなさいということで、本当の狙いは、アメリカ国内で安く売るというよりも、アメリカの製品を安く売っている国に対して薬価を引き上げろというのが実はアメリカの狙いであろうと。二つの狙いがあるんだろうというふうに思っております。

 結果として、例えばイギリスは、個別に交渉いたしまして、こういったことを決めました。今、革新的医薬品に対しては、イギリスはGDP比で〇・三%の支出をしておりますが、アメリカとの合意によって、これを〇・六%まで医薬品に対する支出を引き上げるということを約束をしました。後ほど費用対効果のところで御紹介もしますが、費用対効果評価についての閾値、一年余命が延びるについてどれぐらいの費用がかかっているか、この金額も引き上げて、二五%引き上げるという政策をいたしました。

 まさに、イギリス国内においてアメリカの製品を高く売らせるという政策にトランプ大統領は成功したわけでございます。

 そこで、まずファクトとして聞きたいんですが、アメリカがMFN制度を発表した二〇二五年の五月以降、我が国において、薬事承認をされながら六十日若しくは九十日以内に保険の薬価収載が申請されなかった製品は幾つございますか。そして、その要因、理由についてどのように分析をされているか、厚労省の見解をいただきたいと思います。

森政府参考人 薬価収載に要した日数でございますが、二〇二五年五月以降、いわゆる保険収載になじまない医薬品、ワクチンみたいなものがございますので、そういうものを除いて、薬事承認後六十日以内に収載されず、九十日以内に収載された品目は十五製品、九十日以内に収載されなかった品目は九製品であったと。(浜地委員「九製品」と呼ぶ)はい。ございます。

 その原因については本当に様々でございますが、ちょっと企業情報になるため個別の品目について詳細をお答えするのは差し控えますが、期限までに十分な安定供給体制を整備することができなかったという理由が主に挙げられる。これらのほか、上市のタイミングを計っているケースもあるのではないかというふうに分析しているところでございます。

浜地委員 今、私は四品目というふうに聞いていたんですが、九十日を超えても保険収載を申請をしなかった。企業は普通、薬事承認が下りますと、保険収載をしていただきたくて、日本のルールでは六十日がまず原則、若しくは九十日以内には保険収載をする、これが皆保険を持っている我が国の特徴なんですが、わざわざ日本で薬事承認が下りているのに保険収載を求めない企業が出てきているということであります。

 私は四品目と聞いていましたが、今、九十日を超える品目が九というふうに聞いて、まさに私は、MFNの影響、なぜかというと、日本で安い薬価がついてしまうと、それを参照されてアメリカで売る価格に影響するんじゃないかということが影響しているんじゃないかと思っています。

 今、安定供給ができないというのが主な理由というふうに分析をされましたが、ここはメッセージ性が大事でありまして。当然、厚労省としてはそういう分析をされるんですが、やはりMFNの影響があるということを正面から言われた方が、世界各国が、この日本の製薬マーケットがどういう反応をしていくのか、政府がどういう反応をしていくかということでありますので、私はそういった御答弁も期待したわけでございますが、様々事情があるというふうに私も理解しております。

 ただ、外国メーカーは、正直、この薬価収載を見送った原因としてMFNの影響があるとはっきり言っている経営者もおりますので、そういったところを是非注視をしていただきたいと思います。

 ちなみに、ジェネラスという、資料一にある、既に始まっている制度、デンマークが対象国でありますが、既に一部企業ではデンマークから新薬の撤退をしております。ですので、日本でも薬事承認が下りているのに保険収載をいわゆるしない薬が増えていくということは、新たなドラッグロス、ドラッグラグにつながるということをまず指摘をしておきたいと思っています。

 いよいよ、このジェネラスという制度は任意参加です。企業に対して、参加するか参加しないかを任意で選べるということであります。この八か国のうち二番目に、一人当たりGDPで調整をしますが、二番目に安い薬価でアメリカで販売をするということなんです。

 さあ、次に参りますのが、このグローブというところとガードというところが、今年の十月の一日、ガードについては来年の一月一日から、これが要は施行されるのではないかというふうにございます。ここには当然日本も入っているわけでございますが、これは、メディケア、いわゆる六十五歳以上の高齢者に対する公的保険について、この十九か国の価格等を参照しながら安い薬価でアメリカで販売をしろということが実は強制参加となる、まさに目の前までMFNの具体化が行われているということであります。

 そこで、大臣にお聞きをしたいんですが、このアメリカのメディケアにおいて、私が資料を持ってまいりましたこのグローブであるとかガードという政策が発動した場合、強制参加であり、日本もそのターゲットに入っております。我が国の製薬市場に、これが仮に発動された場合、どのような影響があるとお考えなのか、また、どういう対策を取っていくのか、御答弁をいただきたいと思います。

上野国務大臣 今委員から資料で御提示をいただきましたとおり、グローブモデルは今年の十月、また、ガードモデルは来年の一月に開始されると承知をしています。

 米国のMFN価格政策ですが、これは日本を含む特定の国の薬価を参照して米国内の薬価を決定する仕組みでございますけれども、この政策が表明されてから、やはり、米国で医薬品を販売する製薬企業各社のグローバルでの上市戦略、これが不透明になっているのではないかと考えております。

 また、仮に製薬会社が我が国への新薬導入に慎重になった場合には、我が国での治験が実施をされない、そういうリスクがありますし、それが結果的にはロスにつながるということも指摘をされているところでございます。

 私どもとしては、こうした状況を踏まえ、このMFN価格政策に関して、個別具体的な内容を含め、その影響や必要な対応につきまして、日々、業界の関係者と丁寧に意見交換を重ねているところであります。やはり相当の危機感を持ってこの問題に対応しなければいけないと考えておりますので、今後とも情報収集にしっかり努めていくとともに、業界関係者の声に耳を傾けながら必要な対応を検討していきたい。世界市場にどういうメッセージを出すかということも先ほど御指摘がありましたが、そうしたことも十分意識をしながら対応していくことが必要だと考えています。

浜地委員 大臣から、この件については、これまでは、しっかり分析をしてこれから検討していくということでしたが、かなりこのMFN対応については具体的な答弁が出てきたと思います。特に、相当の危機感を持っていらっしゃるということもございました。また、関係企業の声も聞いていくということであります。

 先ほど私が申し上げましたとおり、MFNの本来の狙い、これは、アメリカで安く薬を売らせるということも一つなんですが、これを奇貨として、やはり、例えば日本での薬価を引き上げるということもアメリカは狙っているのではないかと思います。そこで、相対的に先進国の中では低いと言われている日本の薬価がターゲットになってくるわけでございます。

 当然、私も、日本は皆保険を持っておりますので、一億二千六百万人がすべからく、新薬も含めてアクセスできる環境というのは世界に誇るものであります。ですので、一概に日本の薬価が相対的に低いことについて、ほかの国は民間保険を使っていくわけでございますから、そこはやはり特殊性があるんだろうと。ですので、一定程度、薬価が低いことというのは許容されるわけでありますけれども、それでもやはり、内外の製薬メーカーからは、日本の薬価が低いという指摘があるわけでございます。

 その一つが、やはり薬価の原価計算方式に一つ課題があるのではないかと。まずは、スタートの薬価を上げる点において、原価計算方式を少し見直す点があるんじゃないかというふうに思っております。

 普通は類似薬価を参照で決めますけれども、そういった類似の薬がない場合は、原価を積み上げて新薬の価格を決めていくということであります。一見これはリーズナブル、妥当のように見えますが、実はこの制度は日本にしかございません。先進国では、原価の積み上げ方式という薬価の算定はないということであります。

 それはそれでいいんですが、一つ問題があるのが、資料二を持ってまいりました。

 原価計算方式は、例にありますとおり、様々な製造原価や販管費又は研究費、そして営業利益、約一四%ぐらいなんですが、流通費を乗せたり消費税をつけて、本体価格の算定薬価を決めてまいります。

 しかし、下のポツにあるとおり、既存治療に比べて高い有用性等が認められる場合には、補正加算、有用性加算を含めた補正加算が、本体価格、要は原価から更に引き上げられるということであります。その補正率は、下に書いてありますとおり、ゼロから一二〇%でございますので、約二〇%を補正加算して薬価がスタートするということであります。

 しかし、ここには条件がございまして、右で表しているとおり、原価を開示した割合に応じてこの二〇%の割合のどの部分をつけるかを決定してまいります。原価の開示度が八〇%以上の場合は、加算係数が一・〇ですから、二〇%そのままつくということであります。しかし、開示度が五〇%から八〇%の場合は、〇・六、一二%であります。そして、開示度が五〇%未満の場合は、補正加算、二〇%がゼロになるというのが我が国の薬価制度であります。令和四年までは五〇%未満も〇・二の補正加算をつけておりましたが、令和四年度以降、これをゼロにしたということであります。

 当然、原価を見せろ、開示をしろというのは当たり前のように聞こえるんですが、実は、今の製薬の現場ですと、なかなか原価が要は開示できない合理的な理由があるんですね。

 現在は、バイオベンチャー等からMアンドAでシーズを買ってきて、例えば、製薬メーカーがそこから第三相試験等を行って、これを薬事承認をいたします。バイオベンチャーから買う金額が例えば百億だったとしますと、本当に百億かかったかどうかの領収書を添付しないと、実は開示率はゼロになります。ただ単に、百億で買ってきたので百億計上してくださいというのは無理です。

 そうなると、売ったバイオベンチャーに対して、本当はあなたは研究開発費や原価は幾らかかっているんですかということを聞かなきゃいけませんが、当然ここには付加価値がついておりますし、そんなの、バイオベンチャーが開示をしたら、そんな高い金額で俺に売ったのかということで、ビジネス上、もう大臣はお分かりと思いますが、営業上、戦略上、バイオベンチャーは、原価を見せるんだったらなかなか売却をしないというような現状も指摘をされているわけであります。

 ですので、開示率が五〇%未満の場合、原価を開示ができない、そういった困難な場合について、どのように今後対応していくのか、厚労省の御答弁をいただきたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 今委員から御指摘のありました原価計算方式そのものですけれども、新規モダリティーの製品など、類似薬がない場合には原価を積み上げて新しい薬価を算定するものでありますので、私どもとしては、企業にその内訳を開示していただくことは、公的保険の薬価の価格の妥当性を説明するために重要だと考えております。

 そこで、先ほど委員から御紹介ございましたように、薬価の透明性を向上させる観点から、平成三十年度の薬価制度改革において、製品原価そのものは企業からの申請額のとおりとしつつ、原価の内訳の開示度に応じて加算部分の価格を調整することとしております。

 その後、必ずしも原価の内訳の開示が進まなかったことから、令和四年度の薬価制度改革において、開示度が五〇%未満の場合の加算係数を〇・二からゼロに引き下げたというのは御指摘のとおりでございます。

 例えば他社から購入した場合などについては、自社で開発した場合と比べまして、やはり契約上の制約などもあって、実務的に困難を伴うということはもちろん承知をしておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、製品原価そのものは企業からの申請額のとおりにしていて、そして研究開発費や営業利益も積み上げているということでございますので、最大二割の加算の部分の取扱いについては、保険償還価格としての薬価の透明性確保、向上のためには必要な取組ではないかと私どもは考えております。

浜地委員 今の局長の御答弁、それはそれで理屈としてはごもっともなんですが、私がなぜこれを問題視しているかというと、やはりMFN対応が絡んでくるということであります。

 内外、特に外資の方は、やはり原価計算方式についての不満というか、そういったことが非常に強いわけでありまして、いよいよ、MFN等がないのであれば、それはそれで今後ゆっくり検討していけばいいと思うんですが、まさに薬価を引き上げていけというような圧力が今後かかってしまいますので、こういう質問をしているわけであります。

 先ほど局長の答弁から、本体価格の方は、企業がしっかり申請した金額を積み上げていくということだったんですが、しかし、海外での研究開発費については、なかなか積み上げができないし、開示もできない。ですから、これは本体価格にも関わることでありますし、加えて補正加算のところの開示率にも係るところであります。

 いや、そんなの、海外で開発した費用は計上できなくて当たり前じゃないかというふうに思われるかもしれませんが、御案内のとおり、今は、国際共同治験を含め、海外でのマーケットを想定して、日本の製薬メーカーであっても海外で治験をし、いわんや外国の企業におきましては、海外で治験したものを日本に上市するときに、日本人の治験を少ない件数でやっている。ですので、海外で投資した分が回収できていないんじゃないかという懸念があるわけでございます。

 したがいまして、海外における研究開発費の原価への計上についてはどのような考え方で開示を求めているのか、御答弁をいただきたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 原価計算方式における研究開発費としては、日本国内での製造販売承認の取得に必要な研究開発の費用、具体的には、承認申請に係る基礎研究費、臨床研究費、PMS費等について計上を認めてございます。

 その上で、委員御指摘のように、グローバルに開発を行っているところでございますので、海外の研究拠点などでの基礎研究等がかかっているじゃないかという御指摘は当然あろうかと思います。

 実は、海外研究拠点における基礎研究や設備投資の費用については、国内の承認申請に必要な費用を特定し、世界における日本の使用割合で按分するなど、費用の内訳を開示し、提出していただくことができれば計上可能というふうにしているところでございます。

 ただ、実際には、これまでのところ、日本国内向けと海外向けの内訳が開示されずに、日本国内の製造販売承認の取得に必要な研究開発の費用というのが国内分だけじゃなくて海外分について把握ができていないがために計上されていないというのが現状でございます。

浜地委員 今、私は、例えば、バイオベンチャー等からシーズを買った場合の問題点や、又は海外における研究開発費をしっかり、どの程度日本に寄与したかということが、問題を、承知しました。先ほどの局長の答弁でも、やはりバイオベンチャー等から買った場合の開示が難しいこと、営業上の、取引上の問題で、また、海外における研究開発費も、按分はするけれども、現実問題は内訳がなかなか示されず、補正加算もされない例が多いという御答弁だったと思います。

 ならば、原価計算方式については、私は、MFN対策の一つとしても、最低でも開示率が五〇%以下の場合の補正加算率を令和四年以前の〇・二に戻して、一つのメッセージとして、やはり世界に対して日本の市場に対するメッセージ性を私は出すべきではないか、今ゼロになっております開示率五〇%以下のところを〇・二に戻すということが必要ではないかと思いますが、御答弁を頂戴したいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回の問題意識はMFNのことにあるということでございますし、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、この点については、危機感を持って、情報収集、そして業界関係者と丁寧に意見交換しながら必要な対応について検討したいというふうに思っています。

 その上でですけれども、今御指摘の加算の扱い自体については、令和八年度薬価制度改革に関する中医協の議論においても、委員御指摘のような、開示が困難で補正加算が薬価に反映されないという意見があった一方で、やはり原価の開示は重要だという意見もございまして、この骨子の中では、業界団体における開示度向上に向けた努力を継続することを基本とし、今後、原価計算方式における開示度、補正加算の適用の状況を踏まえた上で、次期薬価制度改革において引き続き検討するとされたところでございますので、これを踏まえまして、引き続き中医協において検討してまいりたいと思います。

浜地委員 次のテーマに行きたいと思うんですが、費用対効果評価制度についてお聞きをしたいと思っています。

 これについても様々指摘をされるところでありまして、これは御案内のとおり、日本は薬事承認から六十日以内に基本的には保険収載をいたしますので、保険収載がなされてから費用対効果評価について検証し、薬価の引下げが今現在多く行われているんですが、そういう形になっています。

 諸外国では、大体十二か月後ぐらいに承認されてから保険収載されますので、保険収載される前に費用対効果を行ってやりますので、価格が決まった後に費用対効果評価で何か大きく下がるというようなことがない。そこがやはり、外国の企業からいうと非常に特異な制度と。ただ、日本は六十日内に保険収載しますので、そのメリットも当然あるわけです。そこを分かった上で私は質問いたしますけれども。

 しかし、今日も資料を持ってまいりました、費用対効果評価については資料三で書いてありますけれども、骨太の方針でも、この費用対効果評価については、しっかり透明性を高めろ、公正性を高めろと。現在は補正加算のところのみ費用対効果をやっておりますが、仮に本体部分に対して費用対効果評価で薬価を評価する場合には、やはり透明性を条件というふうになっております。

 そこで、イギリスの同じような制度と日本の費用対効果制度の比較を資料三で持ってまいりました。やはり、左側にあるとおり、プロセスの透明性を図れというふうに言われています。二番のところで、評価プロセスにおける論点の共有ということで、イギリスでは、何が論点になっているかを一般に広く公開をし、それに対してパブリックコメントも求めるような制度でございますが、右側の日本におきましては、これは専門組織で検討いたしますけれども、論点が非常に簡素であって、何が論点として具体的に議論されているのか分からないという、プロセスの不透明性を指摘されているわけでございます。

 そしてもう一つは、意思決定の妥当性ということで、例えばここの五番ですね。企業が費用対効果評価の裁定について不服申立てをいたします。イギリスでは、評価をした機関以外の独立した委員会において、第三者が不服申立ての審査をしますが、右側、日本においては、評価案を裁定した専門組織が、評価したその専門組織がもう一度不服申立てを受けて再審査するという制度で、ここについても意思決定の妥当性がないんじゃないかというふうに言われています。

 また、検証、是正の仕組みとして、やはり広く、費用対効果、何が評価をされ、どういったところが論点になっているのか。議事録も含めて、評価中に様々なものが出てくる場合もあるわけでございますけれども、日本の場合は、評価確定まで様々なこれまでの経緯が公表されない、公表されたとしてもその範囲は限定的だという指摘が行われております。

 もう一度局長にお聞きしますが、専門組織における評価プロセスにおける問題となった論点の共有とか、又は、専門組織以外の第三者による不服申立て制度など、日本市場の不透明性の改善、又は公正性、検証、是正の仕組みを求めます内外製薬メーカーの納得感が得られる制度に見直すことがメッセージとしても大事だと思いますが、御答弁をいただきたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 最初にちょっと現状を御説明したいと思いますけれども、費用対効果評価制度の運用について、委員御指摘の透明性に関するものとしては、まず、品目の選定基準や選定の手続、費用対効果評価の分析評価の手順等を公表しているほか、専門組織における議事録につきましては、中医協総会での評価終了後にはなりますが、約二か月を目途に公開しておりまして、議事録公開の対象になった品目については、現時点において全て公開となってございます。

 また、御指摘の公正性については、本制度は、まず製造販売業者が効果を分析し、公的分析班がその科学的妥当性の検証を行い、その結果を踏まえ、費用対効果評価専門組織において中立的かつ専門的な検討が行われ、策定された総合評価案が中医協総会で承認される、そういうプロセスになっています。

 それに加えまして、専門組織の総合評価案を含む各段階、各段階と申し上げますのは、まず、例えば対象集団とか比較対照技術をどうするのか、そういう分析の枠組み、あるいは企業分析と公的分析のレビューを踏まえた再分析の必要性、あるいは総合的評価、その各段階で、不服がありますときには製造販売業者は不服意見を申し述べることができるというふうになっているほか、必要に応じて、費用対効果評価専門組織に出席し、意見を述べることができる仕組みとなっております。

 その上でですけれども、中医協の令和八年度費用対効果評価制度改革の骨子におきましても、「本部会において一定の検証を実施した。その過程において指摘された、関係業界からの意見等を踏まえ、半年程度の技術的な議論を行う。今後は、令和八年九月に中医協での検証報告の議論を行い、それを踏まえ、制度の透明性等を確保する観点から、引き続き分析プロセスの見直しを実施していくこととする。」としておりまして、これに基づいて、まさに現在検証等を進めているところでございまして、これには、研究班などにも、企業の皆様方あるいは医療経済の専門家など、多くの方に御参画いただいております。

 これについて、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

浜地委員 ちょっとゆっくりやっていたら時間がなくなってしまいましたので、ちょっと急ぎます。

 その前に、DTC検査について経産省に、いつも呼んで時間切れになりますので、先に聞きたいと思います。

 DTC検査、ダイレクト・トゥー・コンシューマー、いわゆる、今よくある、唾で遺伝子情報を取ってゲノムも解析をして、あなたは例えばこういったがんになるリスクが統計的にどの位置にありますというところを検査するものがございます。尿を取ってがんのリスクを、統計的にどの位置にあるかということ。これは当然、医者が行う判断でありますので、断定的な診断等はできないことは承知をしております。

 しかし、経産省は、予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業をお持ちであります。やはり、健康リテラシーを上げていく、自分自身でどういう傾向にあるのかということを把握することは、国民の健康につながることだと思っています。

 ただ、問題なのは、DTCで当てはめるデータの精度、どの論文を引っ張ってきているのかとか、当該自分の遺伝子の情報が本当にその傾向にあるのかという、こちらの当てはめるデータの方の精度を高めないと、これはやはり間違ったメッセージを与えることになろうというふうに思っています。

 そこで、この整備事業の中に、DTC検査のデータ精度向上など、健康リテラシーの促進に特化した研究開発のための事業を加えるべきと思いますが、経産省の御見解を頂戴いたします。

江澤政府参考人 お答え申し上げます。

 DTC検査サービスのデータ精度の向上をさせて普及をさせることにより利用者の健康リテラシーの向上を図ることは極めて重要だと考えています。

 このため、経済産業省としては、御指摘の予防・健康づくり社会実装に向けた研究開発基盤整備事業において、DTC検査サービスを含むヘルスケアサービス全般について、日本医療研究開発機構、AMEDでございますが、と連携しまして、科学的エビデンスの構築、医学会指針の策定、エビデンスを有するサービスの実用化の推進といった取組を進めているところでございます。

 こうした取組を通じて、エビデンスを有する検査サービスの普及と信頼確保を図るとともに、健康リテラシーの向上に向けた更なる研究開発も含め、支援の在り方を検討してまいりたいと考えております。

浜地委員 ありがとうございます。

 ちょっと、後発品の安定供給を、最後、質問したいと思います。

 これも昨年、私も質問いたしました。企業評価をして、それで薬価について少しインセンティブを与えて、後発企業をしっかり収れんしようということであります。点数をつけていくんですね、ABC評価。ただ、私が指摘したのは、A、B、Cとついてしまうと、これは企業自体の何か体力を示すものになるので、企業評価ということの名称はまず改めるべきではないかという指摘をさせていただきました。

 そして、資料四の一に持ってきていますとおり、原薬の購入先を複数設定している方が企業の評価が高くなるということであります。確かにこれは、安定供給のためには、原薬が途絶えてはジェネリックは作れませんので、複数設定することは一見いいように私は感じますけれども、複数設定しても、ふだんは取引をしていない企業の名前を載せるだけ。実際にもし原薬が要は供給ができなくなったときに、ふだん取引していないところが本当に必要な量をくれるのか、供給してくれるのかというものがございます。

 そして、一番の問題は、原薬も、実は作るのに原材料があります、出発物質と言われるもの、中間体と言われるもの。本来であれば、こういった途絶のリスクを回避するんだったら、出発物質や中間体という、原薬を作るための、そこを複数設定しているかということが実は本当は大事なんですが、それが抜けているという指摘であります。

 ですので、今は、内製化、原薬を自分で作っている企業もあるし、子会社化して実は原薬を作っている企業もあります。ここは当然、複数設定していないんですね、自分のところで作っていますから。そういったところも、複数設定ということだけにせず、原薬を内製化している企業や子会社化している企業に対しても私は評価をつけるべきだと思っております。

 この名称についてと、そして、先ほど言いました複数設定先について、どのようにお考えを改めたいと思っているか、最後、御答弁いただきます。

大串委員長 森審議官、簡潔にお願いいたします。

森政府参考人 はい。

 名称については以前も御指摘いただきました。それで、企業の指標そのものではなくて、安定供給に資する指標だということが分かるような名称について検討させていただいております。もう少しお時間を頂戴できればというふうに思っております。

 それから、内製化した場合の評価の在り方についても、今、評価指標の在り方そのものは研究班で研究しておりますので、委員御指摘のとおり、内製化した場合も、より安定供給に資しているという評価ができるのであれば、そこも含めて評価できるような検討を進めていきたいというふうに考えております。

浜地委員 是非、その点、お願いをしたいというふうに思っています。

 あと、安定化のための基金、これも、新設の設備投資だけでなく、既存の工場の取得に対しても有効に使えるようにという声が業界からございますので、是非そこも検討していただきたい、それを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ちょっと長くなっちゃって済みません。ありがとうございました。

大串委員長 次に、佐々木真琴君。

佐々木(真)委員 国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 私からは、大きく二点、質問させていただきたいと思います。

 まず一点目、妊孕性温存について質問をいたします。これは、私よりも厚労分野にお詳しい皆様が多いと思いますので、御存じの方は多いと思いますが、妊娠する機能を残すための治療のことを妊孕性温存というふうに呼びます。

 私自身は、二十六歳のときに、悪性リンパ腫、血液のがん、ステージ4を経験しまして、この妊孕性温存、国につくっていただいた小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業という事業を使わせていただいて、治療させていただきました。この事業なんですけれども、制度をつくっていただいて、二〇二一年から始まりました。五年たってきたところではございますが、まだまだ問題というか課題が山積みの部分がありますので、そこについて、私の経験も含めて、質問させていただきたいというふうに思います。

 この制度、たどり着くことができなかった人がもしかしたらいるんじゃないかというような課題意識を持っております。私は何とか治療することができましたけれども、やはりそれは属人的な患者の努力によって、病院とのやり取り、指定医療機関とのやり取り、様々経て、何とか治療できるような状況ですので、まずはそこの、制度はあるが本当に機能しているのかといったところ、一点目、お伺いをしたいと思います。

 私は岩手から参っておりまして、医療格差みたいな部分も非常に感じるところなんですけれども、岩手では難しいと、当初、治療をやりたいと言ったときに、岩手ではできないと思いますというふうに言われました。でも、その中で、何とか調整をして、いろいろなところに、調べて、県にも電話をして、国にも電話をして。その中で、国に電話をかけたら、県に言ってくださいと言われ、県に言ったら、県でも分からないので医療機関にかけてくださいと言われ、二日間で、抗がん剤治療をしながら三十五軒、病院に電話をしました。それで何とか治療することができたんです。

 本当に、妊孕性温存はがん治療の合間でする治療なので、スピード感が大変求められますし、がんの主治医の許可がないとできない治療なんですけれども、がんの主治医は余りよく分かっていなくて、産婦人科との連携もなかなかできていないといったところで、情報提供の体制の現状について厚生労働省としてはどのように認識をしているのか。患者が迷うことなく医療へしっかりとアクセスできる仕組みが構築されているのかについて、一点目、お伺いします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 将来お子さんを産み育てることを望んでいらっしゃる、小児、AYA世代のがん患者の方々が安心して治療に取り組めますよう、将来子供を授かる可能性を温存するための妊孕性の温存療法、これが適切に迅速に受けられることは極めて重要なことだと思っております。

 そのため、国は、先ほど先生から御紹介をいただきました、令和三年度より、患者への情報提供の実施などの要件を満たす医療機関を指定医療機関として、妊孕性温存療法を受けた場合、その費用の一部を助成する、小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業、これを始めたところでございます。

 現在、当該事業に係る指定医療機関につきましてホームページでも公表させていただいておりまして、岩手県におかれましては二軒、医療機関がございます。これは、クリックしていただきますと病院名が出るようにしておりまして、先生御指摘のように、迅速にアクセスできること、これが重要でありますので、情報提供の工夫をしてまいりたいと思っております。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。是非ともお願いをしたいところです。

 そこに加えて、地方での医療格差について伺います。

 私の場合は卵巣凍結の方をしていて、卵子凍結であるとか受精卵凍結、精子凍結とありまして、私の場合は卵巣の組織自体を取って凍結するという、まだまだ症例数としては一番低いところを体験させていただいているんですけれども、岩手県は症例一件で、その一件が私なんです。

 この治療が地方だとなかなかできなくて、私の場合は、東京の指定医療機関と連携をして、でも、東京に抗がん剤治療で免疫が落ちている中で新幹線に乗って行くというところがすごくリスクが高いので、摘出するところは入院している地方の病院でやって、その組織を新幹線に乗せて東京に運んで、東京の指定医療機関で凍結してもらうという態勢を取っています。

 こうなったときに、地方で、岩手の指定医療機関では、卵巣凍結は私のときはできなかったんですよね。それに対しても、東京と連携したらできます、東北と連携したらできますといったところの、地方だからこそできない、居住地によってできないということがないように、がん支援拠点病院であるとか指定医療機関になっているところとのネットワーク整備みたいなところについても進めていただきたいと思うんですけれども、どのように地方の医療格差の解消に努めていくのか、お伺いします。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの繰り返しですが、令和三年度から、都道府県に対して、対象者が適切に妊孕性の温存療法を受けることができる体制構築、これを実施をしております。

 ホームページに公表しておりますと申し上げましたように、令和八年一月現在で、今全ての都道府県で、計百八十六施設の医療機関において医療が提供されているところであります。ただ、先生御指摘のように、卵巣組織の凍結ができるかといいますと、そこは確かに地域格差があるということで認識をしております。

 加えまして、国が指定するがん診療連携拠点病院、これが妊孕性とは別にまたございます。これが今四百六十八施設でありまして、この要件の一つとして、院内又は地域の生殖医療に関する診療科とともに、妊孕性温存療法に関する情報提供、また意思決定の支援を行うこと、これを必須の条件としております。

 同事業におきまして構築することとしております、がん診療を行う医療機関、それから妊孕性温存療法を行う医療機関、そして都道府県、この三者が連携して対象者が円滑に治療を受けられるように医療連携ですとか情報連携ですとかこういったことを行うがん・生殖医療連携ネットワークとともに、各地域において連携を図っていただくことは極めて重要だと思っておりまして、我々としてもこの体制づくりを進めているところであります。

 また、同事業に関連して関係学会で実施をしていただいているアンケートなどを通じて、その状況把握を行っているところであります。

 地域格差がないようにするということは、先生御指摘のとおり極めて重要なことでありまして、令和七年度末には、例えば他県でこういう好事例がありますといったことも御案内をして、事例集を作って、お知らせをしたところであります。

 この妊孕性温存療法に係る連携体制の整備をより一層進めるため、引き続き、年次報告の中で状況確認を行いながら、関連機関同士の連携というものを進めてまいりたいと思っております。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 次の質問、一点飛ばさせていただいて、四点目で通告しているものに行きたいと思います。

 この妊孕性温存治療は、温存する部分と、温存したものを戻してという温存後生殖補助医療というものと二つあるんですけれども、この温存後の生殖補助医療の部分、だから、がん治療の前に温存したものを、がん治療して寛解した後、根治した後に、戻して、妊娠するための活動をしていくといったところについては、ほとんど不妊治療と同じような手順を踏むわけなんですよね。

 そうなったときに、温存後の部分についてだけでも、不妊治療と同じで、今、不妊治療は保険適用になっておりますので、そこと同じ形で、含めてやっていくことはできないのかといったところをお聞きしたいと思います。

 私、岩手県宮古市で市議会議員をしておったんですけれども、宮古市については、今、通常ある保険適用の不妊治療と、そこでは賄えない、自費になってしまう部分と同じく、不妊治療、生殖補助医療の中で妊孕性温存の部分についても見れますといったところで、単費で百万助成ということをしております。

 そういったところは全国各地にも様々ありますけれども、せっかく不妊治療と同じ手順を踏んでやっている医療行為ですので、そこについてはしっかりと、今後に向けて、保険適用でできないのか、温存後についての保険適用ができないかといったところ、すべきではないかといったところをお伺いしたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 一般に、保険適用に関しては、個別の治療法を保険適用するに当たっては、治療と疾病の関係が明らかであるか、又は治療の有効性、安全性が確立しているかなど、総合的に勘案して判断されるものでございます。

 今、妊孕性温存療法に加えて、温存後の話を特におっしゃられたわけですけれども、確かに通常の不妊治療の場合と似ているようなところはあるわけですけれども、これについて、治療の有効性、安全性が確立しているとまでは言えないのが現状と考えています。

 ただ、やはり将来的に子供を希望するがん患者さんがいらっしゃることを踏まえまして、エビデンスの集積を進めつつ、卵子や精子の凍結保存にかかる費用の一部を助成する事業として、委員御案内のとおり、小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業を行っているところでございますので、この事業を通じて有効性や安全性などの科学的根拠を収集しているところでございます。

 今後、有効性、安全性に係る科学的根拠の収集状況を踏まえ、また学会などの意見もよくお伺いして、検討していきたいというふうに思います。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 今、エビデンスを集積しているところだというところですので、そこの集積を是非、期間を区切りながらしっかりと進めていただいて、戦略にのっとって進めていただければというふうに思います。

 では、この妊孕性温存についても大臣に一問、質問させていただきたいと思うんですけれども。

 私が経験したときも、がんが治ればいいよねと言われているような感覚を何か受けてしまうところがありました。やはり、治療して、今医療はすごく進歩してきているので、命が守られるということと人生を守っていくというところ、この二点を私たちはしっかりと考えていかないといけないというふうに思いますので、命を守ること、そしてその後の人生を守ることについて切り離さずに、一緒に考えていっていただきたいと思います。

 この妊孕性温存が、必要な人が誰でもしっかりと受けられるような当たり前の医療になっていくように、大臣の決意を伺いたいと思います。

上野国務大臣 先ほど来、委員の方からいろいろな御提言もいただいております。妊孕性温存療法は、将来子供を産み育てることを望む小児、AYA世代のがん患者の皆さんが、希望を持ってがん治療に取り組んでいただけるように、将来子供を授かる可能性を温存をする重要な取組だと考えています。

 国としては、先ほど来局長が答弁をしておりますとおり、研究促進事業を実施をしておりますが、これによりまして、費用の一部の助成であったり、あるいは有効性、安全性の知見の収集、これを図っているところでありますので、こうした知見の収集などは非常に大事だと考えておりますので、しっかり進めていきたいと考えております。

 まずは、この事業を着実に実施をさせていただくことで、この療法を必要とされるがん患者について、経済的な負担、この軽減を図りながら、地域によらずに妊孕性温存療法を受けられるように取り組むことが必要だと考えておりますので、そうした観点から厚労省としてもしっかり取り組んでいきたいと考えています。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 是非とも一致団結して進めていきたいというふうに思います。ありがとうございました。

 では、時間がなくなってまいりましたので、次のテーマに入りたいと思います。次は、小児慢性特定疾病を抱える子供たち、特に一型糖尿病の患者さんたちの声から成る質問をさせていただきたいと思います。

 小児から成人へ切れ間なくつなげていくといったところがやはりまだまだ不足しているんじゃないかといったところです。二十歳の壁というふうにも言われますけれども、岩手で一型糖尿病の高校生に出会いました。彼はたくさんのことを私に教えてくれたんですけれども、二十歳になったら今のままの治療を続けられないかもしれない。今インスリンポンプをつけて治療しているんですけれども、インスリンポンプを使うというふうになると自己負担額が多くなってしまうので、今はインスリンポンプだけれども、自己注射に戻そうかなといったような検討を、彼自身も、そしてお母さんも、今共に検討されているといった状況でした。

 やはり、昨日すごくいいニュースが、治験のニュースもありましたけれども、まだまだ現状では治る病気ではなくて、一生つき合っていく病気でありますので、医療負担が大きく二十歳を超えてかかってくるといった部分、その中で、これまで続けていた治療ができない、それを選べなくなってしまう状況についてしっかりと見ていく必要があるかなというふうに思っております。

 調査の中では、二十歳までと比べて二から三倍以上の増額になるというふうにも指摘されておりますし、小児発生の患者さんが、成人以降の生涯医療費では自己負担額の総額が二千万円を超えるという指摘もあります。こういった状況の中で、病気そのものではなく制度の切れ間が、その人の人生、将来の選択を狭めてしまっているものになってしまっているのではないかといったところです。

 厚生労働省としては、小児慢性特定疾病を持つ一型糖尿病の患者さんたちが、成人の移行期について、医療費用の負担の増加を防ぎながら、それによるインスリンポンプの使用中止、治療変更を余儀なくされている実態などについて調査、認識をしているのか、お伺いしたいと思います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 御案内のとおり、小児慢性特定疾病というものは児童福祉法に基づいておりまして、小児慢性特定疾病児童等の健全育成の観点から、原則十八歳未満を対象とさせていただいております。他方、指定難病の制度、これはまた、難病法に基づき、難病の治療研究を推進するという目的で医療費の助成を行っている。二つの制度がそれぞれ目的を異にして行われているというところであります。

 先生御指摘の一型糖尿病でありますが、指定難病にはなっておりませんので、十八歳の壁というところで御指摘をいただいているのだろうというふうに思っております。

 一型糖尿病に限ったことではございませんが、小児慢性特定疾病の方々が成人期へ移行した後の医療費の助成、医療費の負担につきましては、小児慢性特定疾病制度のみならず、例えば、医療費の自己負担につきましては医療保険の高額療養費制度による軽減があったりですとか、所得保障の観点では、一定の保険料納付要件等を満たし障害等があった場合には障害年金が支給されるなど、様々なセーフティーネットで対応をさせていただいているものと考えております。

 さらに、一型糖尿病を含む小児慢性特定疾病患者の成人期移行に係る御支援の在り方といたしましては、社会生活の支障ですとか、成人診療科への移行に係る課題などにつきまして、都道府県で小児慢性特定疾病児童等自立支援事業、これを実施させていただきまして、成人期を見据えて、職場体験やハローワークとの連携による就労相談など、様々、患者団体の皆様方と話をする中で、必要な御支援をさせていただいているところでございます。

 その実態状況につきましては、一型糖尿病の医療費負担の増加に伴う治療変更ということが本当にあるのかどうか、これは今後、学界の有識者の先生方からも話を伺ってまいりたいと思っております。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。是非ともそちら、学界等とも連携をして調査を進めていただければと思います。

 やはり、元々インスリンポンプを使って精密に血糖値を測っていたけれども、インスリンポンプから自己注射に戻すことによって、精密な検査というか体の状態を把握することができないので、仕事を正社員ではなくてパートに切り替えたであるとか、フルタイムで働くことは厳しくなったという声も事実上がっておりますので、その辺りを含めてお調べいただければというふうに思います。

 次に、移行期医療支援体制について伺いたいと思います。

 国は、各都道府県に移行期医療支援センターの整備というものを進めております。でも、実際は、今十軒強といったところで、まだまだ全国的に地域差も大きい状況です。

 この現在の移行期医療支援センターの設置状況についてはどのように評価をしているのか、また、今後、希望する自治体からの声であるとか、設置の方向性、見通しについて伺いたいと思います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 小児期から成人期への移行期に当たる小児慢性特定疾病児童等について、小児期の診療科から成人期の診療科への円滑な移行、こういったことを御支援するために、都道府県ごとに、小児期の診療科と成人期の診療科間の連絡調整等の御支援、また、患者様からの御相談や疾病への理解を深める取組などを行うため、移行期医療支援センターの整備を進めているところでございます。

 御指摘のありましたように、本センターの整備状況でありますが、令和八年二月時点で十三都道府県で十四医療機関に設置がされております。全ての都道府県で整備されていない状況だというふうに私どもも認識をしております。

 このため、令和六年度の自治体に対する未設置理由の調査、こういったことをやらせていただきまして、どういったことがハードルになっているのか、障壁になっているのかということを調査をさせていただいております。その際、専門的な知識の不足があるですとか、人員の問題ですとか、様々なお声をいただきまして、移行期支援センター設置のための事例集、これを今年の三月に公表させていただきました。

 こういったことを参考にしていただいて、未設置の都道府県においては、センターの立ち上げ支援をこちらといたしてもさせていただきたいと思っておりますし、進むように努力してまいりたいと思っております。

 また、小児慢性特定疾病に罹患している児童の皆様が安心して成人期を迎えられるように、小児期の診療科から成人期への円滑な移行、こういったことに関して移行期医療支援センターが行っておりますし、また、就職相談ですとかに関しましては自立支援事業の方で行わせていただいております。それぞれ役割を持って仕事をさせていただいております。

 医療、就労、福祉などの関係者がシームレスに連携して、生活全体を御支援できるように努めてまいりたいと思っております。

佐々木(真)委員 ありがとうございました。

 移行期医療支援というふうに今なっていますけれども、移行期ではなくて、移行で、その病気になったときからしっかりと長い目で支援していくということが必要なんじゃないかと思います。診療科の特定というところだけじゃないところも、今御答弁いただいたように、しっかりと見ていきたいなというふうに思います。ありがとうございました。

 大臣にも質問しようと思ったんですけれども、時間になりましたので、以上で終わります。

 しっかりと患者の皆さんが未来を自分で選べるような体制をみんなでつくっていきたいというふうに思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、岡野純子君。

岡野委員 おはようございます。国民民主党、岡野純子でございます。

 本日も質問の機会を賜りまして、どうもありがとうございます。

 頂戴をいたしました二十八分間ではとても語り尽くせるものではございませんが、本日は、政府の自殺対策について伺ってまいりたいと考えております。

 質問するに当たりまして、私、自殺対策白書ですとか自殺総合対策大綱とか、厚労省だけではなくて文科省やこ家庁や、様々なこれまでの取組というものを、取れるだけの情報を拝読をしたつもりでございます。読んで思ったのは、政府はちゃんと課題感というものはそれぞれに持っていらっしゃって、それに対して個別の施策というのはもう相当程度積み上がっているんだということは確認ができました。

 それだからこそと言っていいのか分かりませんが、自殺してしまった方の数というのは、ピークのときに比べると今四五%減という数字が出ておりますし、WHOでもモデルケースとして位置づけられているというのも、そうしたことの証左であろうというふうには感じています。

 そんな中においても、まだここが足りないんじゃないかというところもございましたし、技術の進展によって、もっとこういうことができるんじゃないですかという提案もできるかなというふうに考えておりますので、今日は、少しでもゼロに近づけていくために、何ができるのかということを皆さんに伺ってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 まずは、大臣に伺ってまいりたいと思っておりますが、最初の一歩としての相談窓口の設置、あるいはその窓口の存在の周知というものは相当程度行っていらっしゃるというふうに認識をしております。ただ、そこに頼ってきた人を十分に支え切れていないんじゃないか、そういった現状があるわけです。追い詰められて頼ってきた人、例えば、相談窓口に勇気を持って電話をかけた人、でも、つながらなかったということになってしまうと、逆に、やはり誰にも届かないんじゃないかというような絶望感に変わってしまう可能性というのもあるのかなと思います。

 まずは、現状の相談の接続率というものがどうなっているのか。決して十分ではないと考えますので、それを向上させるためにどういった手段を取っているのか。そこに加えまして、電話の着電件数だけではなくて、その相談がどれだけ支援に接続をされたのか、あるいは、その支援がどれだけ継続につながったかということが最も肝要だと思いますが、その点、頼ってきてくれた人を確実に救っていくんだ、そういった思いをまずは伺いたいと思います。

上野国務大臣 今委員からまさにお話のあったとおり、相談、頼っていただいた方をしっかり受け止めて必要な支援につなげていくということは非常に大切でありますので、そういった観点から、例えば相談の接続率、正直、課題があろうかというふうに思っております。

 接続率につきましては、例えば同じ方から再度架電がある、そういった場合などもございますけれども、今私どもで把握している分におきましては、電話では平均して二割から三割、SNS相談では平均して四割から五割程度の相談機関が多い状況だと認識をしております。

 このため、厚労省では、より接続をしやすい環境整備を進めるために、交付金による財政的支援を通じて、公的な相談窓口のほか、多様な主体による相談窓口の推進を図っております。また、相談窓口そのものの拡充や相談時間の延長などといった取組への支援、また、相談内容や履歴から緊急に対応すべき相談を抽出する、そうしたシステムの整備への支援なども行っているところであります。

 また、相談窓口につながった方の多様な悩みや不安に応じて必要な支援につなげるために、民間団体が全国規模で電話、SNS相談などを行い、自治体や地域の支援団体と連携して、具体的支援へのつなぎ、ハイリスク者への緊急対応、居場所づくりを行う、そうした事業の実施も進めているところであります。

 また、地域における連携が円滑にできるように、相談シートなどによる関係機関での情報共有や連携した支援の促進などにも取り組んでいるところでございますが、まだまだ十分でない取組もあろうかと思っておりますので、しっかり現場のニーズを把握をしながら、自治体や民間団体などの様々な関係者と密に連携をして、やはり実効性を上げるということが大事でありますので、そうした観点から相談支援にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

岡野委員 大臣、どうもありがとうございます。

 やはり頼ってきてくれた人はしっかりとつかんでいただきたいという思いから、まずは最初にこれを伺いましたが、おっしゃるとおり、何度もかけている方もいらっしゃるでしょうし、電話をかけて途中で切った方もカウントされているでしょうから、この数字が全てではないと思いますし、あと、痛しかゆしな面もあるのかなと思うのが、丁寧に相談に乗れば乗るほど長電話になってしまうというところもありますから、それだけしっかり向き合っていただいているという側面もまたあるのかなというふうにも感じるところです。

 だからこその、パフォーマンスを上げるために、更問いなんですけれども、ここからは政府参考人に伺ってまいりますが、例えば電話がつながらなかった方に、その悩みの原因が家庭の場合もあるでしょうから、家電だったらそうはいかないと思うんですけれども、携帯電話の場合だったら、そちらに例えばショートメッセージを送るだとか、夜間窓口を即時に案内するとか、相談ページを開いた人が離脱をしたら別の接続方法、相談手段を示すとか、そういった技術的な工夫によって、こちらから、相談の不接続というんでしょうか、それを防ぐアウトリーチ支援というのができないかどうか、伺います。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 御自身の深刻な悩みを相談窓口に相談するということは、やはり簡単にできることではないと思っていますし、勇気を持って相談したいと思った方が相談につながる、このためにどのようなことができるか、我々としてしっかり取り組んでいかなきゃいけないと思っています。

 御質問の点につきまして、相談窓口の状況でいろいろ異なる点もございますので一概にはお答えは難しいんですが、例えば、相談のページを開いただけとか、そもそも電話が着信でつながっていないとか、そういったものの場合は相手の連絡先の履歴が残らない可能性が高いので、ちょっとこれは技術的に詰めてみなきゃいけないと思いますが、なかなか、こちらからのアプローチというのは難しいというところがございます。

 一方で、一部の相談支援機関におきましては、電話の着信は一応あったんだけれども、つながったんだけれども、相談中でお話ができなかったというケースもございますが、その場合に、音声メッセージを流して、相談者が希望すれば他の相談窓口のショートメッセージに案内できるような、こういった仕組みをやっているところというのも聞いております。

 また、そもそも相談窓口にアプローチしやすくしていかなきゃいけないわけですが、自治体や民間団体の相談窓口を分かりやすくまとめたホームページの周知ですとか、また、相談支援機関の中には、相談窓口だけではなくて、気持ちを整理するためのウェブ空間を用意したりとか、気持ちを吐き出す掲示板を提供したりする、そういった様々な工夫もされているやに聞いております。

 いずれにしても、こういった実態をよくお伺いしながら、やはり好事例の横展開、そういったものも図っていかなきゃいけないと思いますので、悩みや不安を抱える方が一人で抱え込まずに、相談窓口につながるような支援をしっかりとしていきたいと思っています。

岡野委員 ありがとうございます。

 私も今回質問をするに当たって、いろいろなホームページを見て、ああ、今こんなにいろいろなアプローチの仕方をなさっているんだなという工夫は感じました。

 ただ、今、着電はあったけれども、つながらなかった人はそこまでで、情報を取れないというところだったので、先ほどの御答弁で二割から三割ということだったので、つながらなかった七割から八割に何かできませんかという質問ではあったんですが、そこも何か今後工夫が、技術が今後どうなるか分かりませんので、頭の隅に入れてもらえたらなというふうに感じます。

 今、御答弁でも、やはりなかなか簡単にできることではない、相談というのはそう簡単にできることではないというふうにおっしゃっていましたが、支援の扉をたたけた人だけではなくて、そこまでではなかった人、大綱の中にも、若者については、自発的には相談や支援につながりにくい傾向がある、その一方で、SNS上で自殺をほのめかしたり、手段を検索したりする傾向があるというふうに整理をされているところです。

 私、これは非常に重要だと思っておりまして、かつては見えなかった人たち、SNSが存在するまでは、悩んでいることが見えなかった人たちなわけです。これは、これに限らず福祉行政全般に言えることだと思うんですけれども、やはり一番救うべきは、そうやって声を上げることもできない人たちなわけです。そのサポートをしなきゃいけないけれども、気力もなく声も上げられない人というのが、行政は、死にたい気持ち、希死念慮というふうに表現されていますけれども、そういう方々というのが、さっきおっしゃったように、なかなか相談するのは簡単なことではないと思っていて。

 今回調べていて知ったのが、自殺直前に抱えていらっしゃる課題感、危機要因という言葉でしたけれども、一つの人というのは余りいなくて、基本的に、複合的に平均して四つの課題を抱えている方がいらっしゃる。それを、自分の中で、相談窓口を検索して、複数ある課題感を自分の中で整理して、電話をプッシュして、自分でまとめて言語化するというのはすごく難しいことだと思うので、これを、そういったできなかった層がSNSに吐き出してくれるというのは、その存在が見えるようになったということは、支援できる余地が生まれたというふうにも見ることができますから、ここに対して今、検索連動広告とか、プッシュ型の情報発信というのを強化する方針ということは確認ができております。これまで待つ側だった支援が、一歩進んだ施策なのかなというふうに思っているんです。

 ただ、表示させるだけで終わってしまうと、その後その人たちがちゃんと支援につながったのかどうかということが、なかなか効果検証ができないのかなと思うんですが、この点に関してどういったお考えか、伺います。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 今先生がおっしゃったように、検索運動広告ですとかプッシュ型の情報発信、こういったことについては私どもも非常に力を入れているところでございます。

 また、個人のいろいろな検索の情報から実際に相談につながったところの把握というのにつきましては、正直申し上げて、ネット上だけでクリックしているだけでできるのかどうか、これは、技術的な問題、なかなか難しい点があろうかと思います。この辺はちょっとよく詰めてみなきゃいけないと思っています。

 また、実際に相談に来られた方に、どういうふうな経緯をたどって来られたのかといったことをお聞きするという手法はあろうかと思いますが、また一方で、相談する側の人たちから見ても、そのこと自体も含めてやはり知られたくない情報というのもあるかということで、逆に相談のハードルが上がってしまうという懸念もありますので、この辺のところもよく考えてみなければいけないと思っています。

 一方で、相談に来られた方に、いわゆる匿名でアンケートのような形で取るというやり方、これはそれほど、やはり匿名ということもございますので、ハードルが高くない点もあります。そういった方法は考えられ得るのではないかと思っておりますので、相談支援につながる効果的な周知の方法などの検証については、よりよい方法を検討し、講じてまいりたいと思っております。

 また、先ほどの検索運動広告等につきましても、例えば、検索用語の見直し、相談窓口にアクセスしやすい表現といったようなことを、一人でも多くの方が必要な支援につながるように、よりよいものとなるように検討を進めていきたいと思っております。

岡野委員 ありがとうございます。

 よりよいものにという言葉で締めていただいたんですが、更問いになるんですけれども、プッシュ型で情報発信をされるというのは非常に効果的でいいことだと思うんですけれども、だからこそ、若者の希死念慮の兆候というのをしっかりとつかまえなければならないと思うわけなんです。

 今の若者、自分たちで言葉をつくる、つくっていくところがあるので、必ずしも、自殺したいとか死にたいとか、そんなストレートに書き込むわけではないです。皆さんも御覧になったことはあると思いますが、死ぬという言葉を分解して片仮名のタとヒに分けて書いてみたりとか、家出した子が泊まる場所を無償で提供する大人を神と表現して神待ちという言葉を使ってみたり、手首を切ることはリスカというのは知っていましたが、今回調べていて、腕を切るアムカ、足を切るレグカ、いろいろな言葉がどんどんつくられていることを知りました。

 そうしたスラングというものはどんどん変化をするわけでありまして、検索をしていく、こちらからアプローチをする検索をするときの言葉も変われば、SNSのプラットフォームもどんどん新しいものが出て、はやりというのも変わってくるわけで、プラットフォームの多種類化というものもあると思います。そうした吐露する表現の違いとか、書き込む場所の違いとかというものの変化はどうやって政府として追随をされているのか、伺います。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 先ほど、私、検索連動広告と言わなきゃいけないところをちょっと間違ってしまいましたので、申し訳ございません。

 自殺対策に関する広報事業において、検索連動広告を実施しているところでございますし、毎月の検索状況、クリック率等を把握しているところでございます。その結果を踏まえて、随時、検索用語というものも見直し、追加や変更も実施しております。

 また、見直しの検討におきましては、必要に応じて、若者などの相談にも対応している相談支援事業者等にも御意見を伺っているということでございますので、今先生がおっしゃられたような様々な隠語といいますか、そういったことも含めて、こういった、実際に現場でやっていらっしゃる方等々も含めて、御意見を伺いながらやっているところでございます。

 いずれにしましても、御指摘も踏まえながら、検索動向を注視し、一人でも多くの方がしっかりと相談支援につながれるように、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。

岡野委員 ありがとうございます。

 では、続きまして、SNS上の自殺誘引情報、一緒に死にませんかとか、自殺したい人を募集しますとか、手伝いますとか、そういったものがインターネット上にあるわけですが、私、これは非常に悪質だと思っていて。必ずしも、気持ちが揺れている人というのは、死ぬことを完全に決めている人ではなくて、助けてほしいとか、止めてほしい、誰かに分かってほしいという状態でネットに言葉を出したら、それを利用して、本来支援につながり得たSOSというもの、それを利用して死の方向へ固定化してしまう、そういった悪質性があるのかなというふうに感じています。

 大綱の中にも、その多くが追い込まれた末の死と位置づけています。自殺は、決して自由な選択とか冷静な選択ではなくて、もろもろの事情が重なって心理的に追い込まれて、他の選択肢が見えなくなった状況だというふうに政府も整理をしていらっしゃるわけです。

 警察とかインターネット・ホットラインセンター、サイバーパトロールセンターがそういった自殺誘引情報を把握をして、削除依頼が行われているということを承知をしております。昨年、判断されて、削除依頼された件数が、五千三百二十一件あるということで、大半は削除されているわけなんですが、私は、その文言を削除するのは当然ですけれども、それがSNSなのであれば、投稿した人のアカウントの停止までやっているのだと思っていたんですけれども、昨日の問取り、質問レクの段階では、そこまではやっていないとのお話でした。

 つまり、投稿を幾ら消したとて、次の瞬間にはまた新たな投稿ができる状態にしてしまうというのは、これはイタチごっこになってしまいますから、何か手を打つべきだと考えています。例えば、プラットフォームに対して、こういった悪質なものはアカウント停止などの運用指針を示していくとか、そういったことをするべきではないかなと思っています。

 かつて、二〇〇〇年の初頭の頃というのは、いわゆるネット心中というような言葉で随分報じられたわけですけれども、現在は、SNSにひもづいたダイレクトメールで、裏でやり取りができてしまいますから、接触経路が非常に多様化して見えづらくなっているということもありますから、見えた芽というものは確実に摘んでいくということが極めて大切だと考えます。ですので、アカウント停止などの運用指針をプラットフォーム側に要望していくべきではないかということが一つ。

 そして、もう一つは、そこに反応をした人、削除された投稿に反応して、そこに引き寄せられるほど追い込まれている人をフォローアップする仕組みというものがないのかということも併せて伺います。

小野寺政府参考人 お答えいたします。

 インターネット上の自殺誘引等情報について、インターネット・ホットラインセンターは、サイト管理者等に対し、有識者の協議会において御議論いただいたガイドラインに基づき、利用者との間の契約や利用に関する取決めなどに基づく対応を依頼しておるところでございます。サイト管理者等におきましては、この対応依頼を踏まえ、利用規約等に基づき、書き込みの削除のほか、アカウントの停止などの対応がなされているものと承知しております。

 引き続き、自殺防止のため、サイト管理者等とも連携し、インターネット上の自殺誘引等情報への対策に取り組んでまいります。

鹿沼政府参考人 先生の質問の後半の方でございますけれども、そういった自殺の誘引、勧誘に関する情報や投稿に何らかの反応をされた人ということでございますが、こういった方々はやはり自殺企図のリスクを有していたり、支援を必要としている可能性が高いというふうに思っていますので、いかにこの方を相談窓口につなぐのか、また支援をしっかりとしていくのかということが大切だと思っております。

 アプローチとして、一つのやり方としては、基本的に、こういった情報に到達する前にいろいろな自殺に関連する検索を行っている可能性が高いというふうに思っておりますので、これは先ほどの答弁ともつながりますが、検索連動型広告等の取組の工夫、こういったことがあろうかと思っています。

 一方で、先生の御質問に対する直接のお答えとしましては、個別に直接アプローチする方法、ここについては、申し訳ございません、現時点で私どもとして十分な知見を持ち合わせていないところもございますが、おっしゃられているように非常に大切な話だと思いますので、私どもも先生の今の御指摘をしっかりと受け止めて、SNS相談事業者などを通じて、どういった方法が取り得るのか、効果的な仕組みがあるのか、研究していきたいというふうに思っております。

岡野委員 ありがとうございます。

 今の御答弁に対してですけれども、やはりこの間、通して思うのは、見えたものは、せっかく見える状況にあったのであれば、そこを確実に支援につなげていただきたいというところを軸としてお聞きをしておりまして。やはりこれは、育児でも介護でもそうですけれども、しんどい人というのは自分からなかなかアプローチできないので、こういったところは本当にプッシュ型というのがどれだけ大切かということを感じておりましたので、このような質問をいたしました。

 先ほどの件、一部そういったアカウント停止という対応もなされているということで、レクのときにお聞きできなかった点まで聞けましたので、そこの点はよかったです。ありがとうございます。

 では次に、ここが最も足りていないのかなと感じたところですが、自殺未遂者の支援について伺ってまいりたいと思います。

 自殺未遂まで起こされた方というのは、もう一度自殺を図る可能性、再企図リスクが高いとされております。現状ですが、搬送された先において、入院中に限っては、必要に応じて精神科医に診てもらえる体制というのはかなり高い水準にあると承知をしておりますが、その後はどうでしょうか。自殺した人からすれば、全てを捨てるつもりだったわけですから、退院をして、ぽつんと一人になったときに、やはり支えが必要ではないかなというふうに感じるわけです。

 白書などにも、地域や医療など、組織の連携による支援の重要性というものが繰り返し書かれておりますが、この点、決して十分では、網羅的とは言えないのかなという状況かと思います。

 当然、様々なケースがありますから、その人に応じた対応というのも必要なんですが、政府の考える退院後の伴走支援について伺います。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 まさに自殺未遂者の方々について、やはりどのような支援をするか、これは非常に大切な話だと思っております。

 厚生労働省におきましては、地域の拠点となる医療機関、保健、医療、福祉、消防、警察、こういった関係機関のネットワークを構築して、自殺未遂者に対し、退院後に他の医療機関等につなぐとともに、地域で継続的なケアができる体制の整備等を行うモデル事業を行うなど、そういった退院後の支援の強化に向けて取り組んでいるところでございます。

 ただ、まだモデル事業でございますので、数もそんなに十分ではない、また、内容面でもまだ試行錯誤の点もございますので、こういったところについていかにしっかり今後体制を整えていくのか、こういったことが課題だと思っておりますので、しっかり対応していきたいと思っております。

岡野委員 質問レクのときでも、まだここはこれからだ、ここはまだ余地があるというようなニュアンスを受け取りましたので、是非ともお願いをしたいと思います。

 では、ここからは、子供の自殺について伺ってまいりたいと思います。

 冒頭申し上げたとおり、自殺者数全体は減少傾向にありまして、令和七年は、前年度比でも千百三十二人減って、一万九千百八十八人でありました。一方で、報道等で皆様御承知のとおり、小中高生の自殺をしてしまった子というのは、統計を取った昭和五十五年以降、過去最多、五百三十八人ということであります。

 私は、子供二人おりまして、下の子がまだ小学生ですので、いまだにまだ毎晩一緒に手をつないで寝ているんですけれども、やはり、女の子なので非常にすべすべで柔らかい手を握って思うのは、全国のどこかで、同じように柔らかい手で、パソコンに向かって自分の死に方を検索している子供がいるかと思うと、本当に胸が痛みますし、いたたまれない気持ちに人の子の親として思うわけであります。

 子供たちの自殺の数を月別に見ますと、やはり九月が多い。そうなると、学校に課題が、学校、先生、友人、学業に課題があるのかなと推察はできるわけです。次は一月ですから、受験のストレスかなという推察はできるわけです。ですが、数字だけで見たら秋も高水準ですし、そもそも、先ほどから申し上げているように、決して単純な理由ではなくて、複合的な理由だということを考えますと、学校問題だって、家庭問題だって、体調の問題だって昔からあるわけで、子供の数が減っている今、なぜという思いが当然にあります。

 厚労省のウェブマガジンを見ておりましたら、随分古い記事、七年前の記事なんですが、かつて自殺総合対策推進センター長だった本橋豊さんという方の書かれた言葉の中で、中高年の自殺というのは、失業や借金など、社会的、経済的影響が原因である場合が多く、失業者対策など、減らすための対策が打てる、だけれども、一方で、若者、子供の自殺は、半数以上が原因が不明であり、原因を見つけて対策を立てることが非常に難しいというふうに書かれていました。

 物の本を読んだり世論を聞いていると、将来に希望が持てない社会のせいだとか、かつては家庭と学校、社会が二個しかなかったのに、そこに、SNS、インターネットを通じて、スマホの向こうにまた別の世界を知ることになったからだとか、それが影響しているんだとか、いろいろな分析があるわけですけれども、少しでもヒントを探して、原因と思われるものを集積をして分析をしていかなければならないと思うんですが、この点、政府の考えをまずは伺います。

源河政府参考人 お答えいたします。

 令和七年の小中高生の自殺者数が過去最多となっていること、こども家庭庁としても大変重く受け止めております。

 令和五年に策定したこどもの自殺対策緊急強化プランに基づき、子供の自殺の多角的な要因分析に関する調査研究に取り組んでおります。

 令和六年度までの調査研究では、先生が御指摘いただきましたように、自殺で亡くなった子供の背景には様々な要因が相互に関わっていることが改めて確認されました。

 令和七年度は、これまでの調査研究の知見を踏まえて、子供が亡くなった後の調査では把握し切れない子供本人にとっての自殺の危険因子や保護因子を明らかにするために、インターネット相談事業や匿名オンライン掲示板のデータ分析を行いました。

 この結果、子供の自殺の危機は、家庭や学校における複数の悩みを背景に、精神的不調や自己への否定的認知が進み、これらが極限に達すると希死念慮が生じ、自殺未遂や自己破壊的行動へ至るというように、段階的に進むことが示唆されました。また、家族との円滑なコミュニケーションや学校での信頼関係、趣味などの活動参加など、保護因子をより多く持つことが自殺のリスクを低減させることも示されました。

 引き続き、要因分析に関する調査研究を通じ、子供、若者の自殺の実態把握に取り組み、得られた知見を施策にしっかりと生かしてまいります。

岡野委員 ありがとうございました。

 またちょっと時間の配分が悪くて、質問を残して終わることとなってしまいました。本来でしたら、一人一台端末を使っての今やっていらっしゃる取組のこととか、あと、学校で行われる詳細調査の実施率が一桁台であることを改善するべきではないかという点、相談を受けた残された友人へのケア、そういったところをお伺いするつもりでありましたけれども、またこれは次に回させてもらいたいと思っています。申し訳ありませんでした。

 これからも、なるべく多くの声を聞いて、少しでもゼロに近づけられるように共にやっていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 御答弁、どうもありがとうございました。

大串委員長 次に、梅村聡君。

梅村委員 日本維新の会の梅村聡です。

 今日も質疑をさせていただきますが、今日最初に取り上げるのが、がん対策基本法、これが、成立が二〇〇六年の六月ですので、実は今月でちょうど二十年ということになります。恐らく疾患別の基本法としては初めての法律ではないかなと。これは議員立法でされたんですけれども、実はこれは、私がこの政治の世界に出てくることと若干関連がありまして。

 私は元々参議院議員で最初当選をしたんですが、そのきっかけになったのが、大阪で私の前の選挙区を持っておられたのが山本孝史参議院議員でいらっしゃいました。この議員立法は超党派で当時提出をされて、五月の二十二日だったと思いますが、山本孝史参議院議員が本会議場で、御自身が、自分自身が末期のがん患者であるということを告白をされまして、そして、でも、そういう当事者となったわけだから、是非これは超党派で何としても成立をさせてほしい、そのことについて、当時の小泉総理、どう思われますか、こういう質問を実はされております。

 実は、この質問の何か月か前に、私は、山本孝史議員ががん患者になられて、進行も結構されているので、次の年の参議院選挙には出馬が難しい、その後の議席を、出馬をしないか、こういう提案を受けました。それで、自分自身も当時政治の経験もなかったですから、どうしようかと思っていたら、山本さんの事務所から連絡をいただきまして、実は今週、山本議員が参議院の本会議場でこういう演説をするから、迷っているんだったら、是非この演説を聞いて、政治は何をするかということを考えてほしい、そういう御連絡をいただきました。十分間の質問、今もユーチューブで、山本孝史さん、参議院、演説と入れれば出てくるんですけれども、あの演説につながったわけなんです。

 その演説を、私は、リアルタイムじゃなくて、DVDか何かで見させていただきまして、多分、頭もかつらを、治療中ですから、かぶっておられたんじゃないかなと思うんですけれども。その演説を聞いて、そこで私が、じゃ頑張りますと言えばよかったんですけれども、僕はちょっと圧倒されて、実は出馬を断りに行ったんですよ。申し訳ないけれども、こんな大きな仕事というのはなかなか受けるのは難しいなと私は思いましたということをお話ししに行って。

 議員会館でお話をしたと思うんですけれども、山本さんというのは背の高い方でして、椅子に座られて、いろいろなことを感じられたと思うけれども、これも一つの仕事としては非常に重要な仕事だと思いますからという話をまたしていただいて、その中で、私自身も迷いながら、この政治の世界にやってきた。それが、がん対策基本法の前段の国会質疑ですよね。

 あれから二十年がたったんだなということで、今日はちょうど六月ですので、そのことも思い出して、今日はこの質問をさせていただきたい、こういう趣旨です。若干私の個人的な体験の話もありましたけれども、それぐらいの非常に大きな法案だったと思います。

 この法案が果たした役割、この後に様々な疾患別の基本法というものが続いてきたわけなんですが、大臣、改めて、このがん対策基本法の一つ果たした役割について、御所見をお伺いしたいと思います。

上野国務大臣 平成十八年、がん対策基本法が成立いたしました。それ以降、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、四期にわたりましてがん対策推進基本計画を策定をし、施策を推進をしてまいりました。

 現行の計画では、がん予防、それからがん医療、そしてがんとの共生、これを三本の柱として取組を進めているところでございまして、今、国民の皆さんの二人に一人ががんに罹患をされる、そういったことが言われている時代にありますので、まさに、がん対策基本法、そしてそれに基づく計画を着実に推進をすること、この重要性というのはますます高まっているのではないかなというふうに感じているところであります。

 この二十年間の間に、医療関係者、あるいは自治体、また国民の皆様の御協力をいただきながら関連施策を推進をしてまいりましたけれども、その結果、がんの年齢調整死亡率、この減少などにつながってきたと考えておりますので、まさにがん対策基本法の成立によってそれ以降の施策の展開が図られ、一定の成果を上げることができたのではないかなと感じております。もちろん、課題もあろうかと考えています。

 ちょうど昨日になりますが、がん対策推進協議会を開催をいたしまして、第四期の基本計画の中間的な評価、この報告書の取りまとめに向けた議論を行ったところでございます。今後、この議論の結果も踏まえながら、より効果的ながん対策、これを着実に推進できるように取り組んでいきたいと考えています。

梅村委員 いろいろ果たした役割は大きいということで、私も今、国会がん患者と家族の会という、これも超党派の議員連盟をさせていただいておりまして、今事務局長もしておりますので、もし御興味があられる方は是非御加入をいただければと思います。

 今御説明いただいた中で、ちょっと具体的な質問に入っていきたいと思いますけれども、がん対策基本法では、当初は五年ごとに、現在は六年ごとに、がん対策推進基本計画、これを立てるということになっております。一期目、二期目、一期目は二〇〇七年から二〇一一年、二期目は二〇一二年から二〇一六年と、最初の十年間では、ここでは、全体目標として、七十五歳未満のがん死亡率を二〇%減らす、こういう目標が実は入っていました。ところが、三期目以降は、この死亡率の削減目標というのが消えたと承知をしておるんです。

 三つ、一気にお聞きしますので、ちょっとお答えいただきたいと思いますが、まず、なぜ、そもそも七十五歳未満のがん死亡率削減を目標に選んだのか。これは多分、当時の記録を見なければ分からないと思いますが、これを選んだ理由は何なのか。

 そして二つ目は、結局、数値としては、この七十五歳未満のがん死亡率を二〇%減らすということは達成できなかったということでありますので、この達成できなかった理由は何なのかということです。

 そして三つ目は、その達成できなかった理由に対して、私も定性的な評価というのはいろいろ聞いておるんですけれども、事後評価でも結構なので、定量的な評価は行われたのかどうか。

 この三つについてお伺いをしたいと思います。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 まず第一に、掲げた目標、これの掲げた理由であります。

 第一期のがん対策推進基本計画では、まず、全体目標として、がんによる死亡者の減少、それから、全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上、この二つを掲げておりました。平成十九年からの十年間で七十五歳未満年齢調整死亡率二〇%減少、これを定めた理由でありますが、高齢化の影響を除去した上で、壮年期の方々の死亡の減少、これを評価する軸というものを目標として立てたという記録がございます。

 これが未達であった定量的な評価でありますけれども、当該目標の達成状況の定量的な評価につきましては、平成二十七年五月のがん対策推進協議会において、第一期の計画策定時の想定と比較して、何が想定どおりにいかなかったのかということを議論をしております。その際、喫煙率とがん検診の受診率、この目標値が達成できていなかったことなどを指摘されております。

 具体的に申し上げますと、当初、喫煙率が約五割減少するということを見越して、年齢調整死亡率が一・六%減少すると想定していたところ、実際には、喫煙率が約三割減と推定され、年齢調整死亡率の低下が〇・二%にとどまったということがございます。

 また、がん検診の受診率でありますが、全がん種での受診率、これが五〇%となることにより、年齢調整死亡率四%減少を想定していたところ、平成二十五年当時でありますけれども、実際には、約三〇から四〇%にとどまったことから、年齢調整死亡率の低下が当初予定していた四%ではなく二・五%にとどまった。

 こういったことにより、十年間での二〇%減少の達成は困難であるというふうに当時評価がされたものであると承知をしております。

 引き続き、がん検診受診率の向上ですとか喫煙率の低下などは施策を進めているところでありまして、当初の予定から二年遅れて、十二年後、令和元年に、七十五歳未満年齢調整死亡率の二〇%減少、この目標は達成をされており、また、現在も更に下がり、令和六年度には二六・九%の減少というところまで到達しているところであります。

 今後ですが、先ほど大臣からお話がありましたように、第四期の中間評価が、昨日、がん対策推進協議会で取りまとめに向けた議論を行わせていただきましたけれども、この第四期の中では、初めてロジックモデルの概念を使って、アウトプット、アウトカムをよく客観的に整理した上で評価を試みているところでございます。

 引き続き、こうした結果を踏まえて効果的な対策を進めてまいりたいと思っております。

梅村委員 ありがとうございます。

 要するにこれは、七十五歳未満というまず母集団がすごく大きいということと、それから、多分、成果が出るのに物すごく時間がかかる指標を選び過ぎたんじゃないかなと私は思っています。短期間であれば、短期間というか短い期間であれば、例えば五年生存率であるとか、そういうものの方が実は数字が出やすくて、こういう母集団の大きな、時間がかかるものについては、もう少し実はタイムスパンを取って、諦めずにというか、ずっとやり続けたらよかったんじゃないかなと私は感じましたので、ちょっとそれだけ参考にしていただいて。また、定量的な事後評価も是非国民の皆さんに分かるようにやはり発表していただいて、行動変容につながるような取組を是非やっていただければなというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 それでは、ちょっと話題が変わりまして、最近はやりの、はやりのというか、マンジャロ等のいわゆる肥満治療、添付文書にはないんですけれども、本来は二型糖尿病の治療薬であるものを肥満に対して使われる、これに対するテーマを取り上げたいと思います。

 六月十六日、今週ですけれども、閣議後の記者会見でも上野大臣の方から、このマンジャロに関しましては、臨床試験ではダイエットなどの効果は証明されておらず、本来の目的以外で使用した場合、思わぬ健康被害が生じる可能性がありますという、この旨の記者会見をされていると思います。

 この中には、国民への周知徹底であるとか、あるいは医療機関や薬局への注意喚起であるとか、様々な内容が入っておるんですが、今日は、その中でも、マンジャロ等の治療薬の適正使用を徹底するために、改めて医療機関等に通知を発出します、医薬品の添付文書に基づく適正使用、その後云々と書いてあるんですけれども、添付文書に基づく適正使用ということに関しては、これはどのような通知内容になっているのか、ちょっと教えていただければと思います。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の六月十六日付で発出いたしました通知における、添付文書に基づく適正使用の内容といたしましては、マンジャロ等の二型糖尿病治療薬について、添付文書の承認された用量、用法の記載に基づき、効能、効果に関する注意の欄に書かれている内容に十分留意していただくようお願いする旨を記載しております。

梅村委員 ですから、今、効果、効能は二型糖尿病なんだけれども、そこに注意をしてやってくださいと。すごく趣旨というか、それはよく分かるんですけれども、逆に、その添付文書を見たら、肥満に関しては何も書いていないわけです。何も書いていないことに留意をして使ってくれと言われても、これはとんちみたいな話で、ないものにどうやって留意するのかという問題が実は私はあるんじゃないかと思います。

 添付文書にないことによって、今こういう治療に当たっておられるドクターの方、全てとは言いません、全てとは言いませんが、どういう言い方になっているかというと、いや、これは医師の裁量権なんだ、医師の裁量権でこの薬を処方するんだ、こう言われるんですけれども、そうしますと、添付文書になく、何も指示がない、空欄のところの薬を使うということは、これは定義としては医師の裁量権の中に含まれている、そういう認識かどうかについて、お伺いしたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 医療行為は、患者の治療を目的として、高度な専門性に基づき医師の裁量の範囲内で実施されることが基本でございます。その中で実施される医薬品の適応外での使用につきましても、御指摘のとおり、その裁量の範囲に含まれると認識しております。

梅村委員 含まれるんだと。だから、逆に言えば、医師の裁量権なんだと言ったら何ぼでも出せる。何ぼでも出せると言ったら変ですけれども、出して問題はないんだということなんですが、ここで、私は通知の出し方を気をつけなければいけないと思うんですね。

 ちょっと堅苦しい話になりますけれども、平成八年一月二十三日の最高裁判決、ここでは一体何が判決で出ているかというと、要は、添付文書に従わなかった使い方をした場合、医師はどこまで責任を問われるのか、そういう判決が出ています。具体的には、これは、ある薬を使って、血圧を二分ごとに測定しなさいという添付文書だったらしいです。ところが、医療的な一般的な常識で五分ごとに血圧を測っていた。じゃ、これは添付文書どおりじゃないじゃないかということで、これに対する医療事故、過失認定をどうするかということが最高裁で争われた内容です。

 ここには何が書かれてあるかというと、医師が医薬品を使用するに当たって右文章に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、当該過失が推定されるものというべきである、こういう判決なんですね。つまり、添付文書に書いてあることであっても、違うことをしたときには、過失が起こったときは責任を問われますよと。

 そうすると、医師の裁量権どころの騒ぎではなくて、実は、添付文書にないことをやった場合に何かあったら過失を問われるということは、添付文書に書いてあるよりも覚悟して医師はやらないと大変なことになるよ、こういう内容の通知を出してあげることが医療者に正しく理解させることじゃないかと私は考えるんですけれども、大臣、そういう内容の通知にしないですかという提案ですが、いかがでしょうか。

上野国務大臣 御指摘の趣旨については十分理解をしております。

 ただ、この最高裁判決でございますが、いずれにしても、個別の事案に関わることでございますので、最終的な過失の有無についてはやはり個別の事例に応じて判断されるべきものではないかなというふうに感じております。

 ただ、先ほど局長からも答弁がありましたとおり、医療行為というのは、患者の治療を目的として、高度な専門性に基づき医師の裁量の範囲内で医師の責任の下で実施をされることが基本であります。その上で、適応外の医薬品を用いる場合には、一般的には、その安全性と有効性のバランスなどに一層の十分な注意を払う必要があると考えています。

 マンジャロ等については、適応外で使用された場合には思わぬ健康被害につながる可能性も否定できないので、適正使用の確保は重要な課題であると認識をしており、そのため、先日、委員御指摘のような通知を発出をしたところでございます。

 厚労省としては、マンジャロ等の適応外使用による思わぬ健康被害を防止する、このことも大事だと考えておりますので、引き続き必要な対応に取り組んでいきたいと考えています。

梅村委員 行政文書ですので、言葉をどうするかというのはお任せしますが、要は、そのことが分かる趣旨、合理的な理由は何なのか、そして、それに対する責任は添付文書があるよりも重いですよと、そのことが分かるような、そしてそれが実効的にちゃんとワークするような行政文書を是非プロの皆さんに考えていただいて、そして国民の健康を守っていただきたいということを申し上げまして、私の質問といたします。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、岡本康宏君。

岡本(康)委員 自由民主党、愛知五区の岡本康宏です。

 二回目の質問の機会をいただきました、与野党の理事、委員長、関係の皆様に、心より感謝申し上げます。

 初めに、地域医療構想と医療計画についてお尋ねしたいと思います。

 現在の地域医療構想は、中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの質、量の変化を見据え、医療機関の機能分化、連携を進め、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制の確保を目的として策定されております。また、医療計画は、現在、第八次医療計画として、厚生労働大臣の定める基本方針に即して、地域の実情に応じた医療提供体制を確保するために策定する計画として都道府県により策定されています。

 私は、歯科医師として病院で勤務し、これまで地域医療に携わってまいりましたが、各都道府県の地域医療構想や医療計画を見ると、現在の地域医療構想や医療計画では歯科の関わりが余り大きくないように感じています。

 そういった中で、私の地元愛知県では、歯科についてもしっかり取り組んでいただいていて、愛知県地域医療構想において、構想を実現するための今後の主な方策として、周術期の口腔機能管理などの歯科の内容が記載をされております。また、愛知県地域保健医療計画においても医療提供体制整備の項目の中に歯科保健医療対策が位置づけられており、歯科の果たす役割が県の計画等でしっかり明記をされています。

 このように、地域における歯科の関わりを充実させることは、国民や患者目線で大変重要であり、愛知県だけでなく全ての都道府県で取り組むべきだと考えますが、地域医療構想等に歯科の役割を位置づけていく重要性について、どのような所感を持たれているのか、仁木厚生労働副大臣に御見解をお伺いしたいと思います。

仁木副大臣 岡本康宏委員にお答えします。

 新たな地域医療構想では、二〇四〇年を見据え、入院のみならず、外来、在宅等も対象にし、地域の医療提供体制の課題解決を図るものとしています。

 例えば、在宅医療におきまして、歯科は、訪問歯科診療の提供など、地域の口腔健康管理等で重要な役割を担っていただくものと認識しておりますし、先ほど御指摘ありました、例えば病院における周術期におけるオーラルケアというのも非常に大切なものだというふうに認識しております。

 さらに、医療と介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上の高齢者が増加する二〇四〇年を見据えて、必要に応じて入院して日常生活に戻る高齢者が増える中で、継続して口腔の管理を受けられるよう必要な歯科医療を提供する体制を構築することは重要であると認識しております。

岡本(康)委員 これまでの地域医療構想は、床の機能分化、連携が中心でしたが、二〇四〇年頃に向けた新たな地域医療構想では、増加する高齢者救急や在宅医療への対応、人口減少する地域でも安心して医療にアクセスできる体制の確保、必要病床数や医療機関機能に着目した連携、再編、集約化、医歯薬連携推進、医療と介護の連携による認知症患者も含めた早期退院に向けた取組等を進めていくことが重要であるとされています。副大臣の御答弁にもありましたように、外来、在宅、介護との連携や、在宅医療や地域包括ケアシステム等の連携が重視されております。

 日本は、世界に例を見ないスピードで高齢化が進んでおり、二〇四〇年には八十五歳以上の人口は急増し、誤嚥性肺炎、低栄養、フレイルへの対策、つまり、医療と介護の両方のニーズへの切れ目のない対応が地域医療の大きな課題となります。その予防には、医科、歯科、薬局、介護が一体となった医歯薬連携、多職種連携が不可欠ですが、新たな地域医療構想における歯科医療の関わりは十分とは言えません。また、高齢患者の増加に伴い、周術期口腔機能管理や摂食、嚥下障害患者への支援の需要は増していますが、歯科がない病院も少なくありません。

 委員の先生方のお手元に配付してございます資料一を御覧ください。

 令和五年の医療施設調査によりますと、全国の病院数は八千百二十二施設でありますが、このうち歯科系の診療科を標榜している病院は千八百二十三施設にとどまっております。つまり、六千二百九十九施設、全体の約七七・六%、すなわち約八割の病院には歯科系の診療科が設置されていないという状況にあります。

 さらに、健康寿命の延伸と医療費の適正化を実現するためには、病気になってから治療する医療だけでなく、疾病の発症や重症化を防ぐことに重点を移していくことが重要です。その中で、口腔の健康は全身の健康と密接に関係していることが多くのエビデンスによって示されております。

 例えば、糖尿病と歯周病との関係については、日本歯周病学会と日本糖尿病学会が合同で示す診療ガイドラインにも位置づけられており、糖尿病が歯周病を悪化させることや、逆に歯周病治療が糖尿病の血糖コントロールの改善につながることが広く知られるようになりました。

 さらに、周術期口腔機能管理については、手術前後に適切な口腔管理を行うことで、術後肺炎や創部感染などの術後合併症が減少し、入院期間の短縮や予後の改善につながることが多く報告されております。私自身、歯科医師として、医科歯科連携による周術期口腔機能管理を数多く実施してまいりましたが、その効果を臨床の現場で実感をいたしたところであります。

 また、今後ますます重要になる課題としまして、薬剤関連顎骨壊死、いわゆるMRONJがあります。以下、MRONJと申します。委員の皆様の配付資料で、資料二、資料三、資料四を御覧ください。

 高齢化に伴いまして、骨粗鬆症患者やがん患者は今後更に増加することが予想されます。これらの患者さんにはビスホスホネート系製剤やデノスマブ製剤を始めとする骨代謝修飾薬が広く使用されています。さらに、ロモソズマブや血管新生阻害薬などでもMRONJの発症が報告されております。これらの薬剤は、骨折予防や骨転移治療に大きな効果を発揮する一方で、歯周病や歯周病に起因した抜歯などを契機として、顎骨壊死を発症することがあります。

 私も、臨床の現場で、薬剤によって本来の治療効果は得られているにもかかわらず、口腔管理が十分でなかったために顎骨壊死を発症し、骨露出や難治性感染症を発症し、食事や会話など、日常に深刻な支障を来す、QOLの低下を来した患者さんなど、数多く診療してまいりました。

 日本口腔外科学会の疾患調査によりますと、日本におけるMRONJの発症件数は、二〇二四年には一万千百二十五人に達し、二〇一六年の四千九百九十人と比較して約二・二倍に増加しています。さらに、発症患者の約七割は女性であり、高齢女性を中心に深刻な課題となっております。骨粗鬆症治療薬の普及や高齢化の進展に伴い、今後更に患者数は増加することが懸念されています。

 しかし、この疾患は、薬剤の投与前から歯科を受診し適切な口腔管理を行うこと、そして医師、歯科医師、薬剤師が情報を共有しながら継続的に管理することで、多くが予防できる可能性があります。そのためには、医科、歯科、薬局が連携する医歯薬連携の体制を地域の全体で構築していくことが不可欠であります。今後策定されます新たな地域医療構想においても、歯科医療を地域包括ケアの重要な構成要素として位置づけ、予防から治療まで切れ目なく連携できる体制整備が求められていると考えております。

 そこで、お尋ねいたします。

 高齢者の誤嚥性肺炎予防や低栄養防止には、口腔健康管理が不可欠であります。厚生労働省として、新たな地域医療構想において医歯薬連携をどのように取り組んでいくお考えでしょうか。また、医科歯科連携や医歯薬連携を更に推進し、周術期口腔機能管理やMRONJ予防を始めとする口腔健康管理を地域医療の中で一層普及させるため、歯科医療提供体制の構築について今後どのように取り組んでいくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、入院患者に対する誤嚥性肺炎や薬剤関連顎骨壊死の予防のため、口腔の管理は重要であると認識をしております。また、今後、八十五歳以上の高齢患者が増加する中で、医歯薬連携により高齢者の口腔管理を行うということは一層重要になると認識をしております。

 新たな地域医療構想では、二〇四〇年を見据え、入院のみならず、外来、在宅等も対象にして、地域の医療提供体制全体の課題解決を図っていくこととしております。

 そのため、歯科についても、口腔健康管理等で重要な役割を担っていただくものと認識しておりまして、新たな地域医療構想においても、医歯薬連携の推進を位置づけているところでございます。

 また、厚生労働省では、歯科医療提供体制の構築に関する議論も行っているところでございまして、令和六年五月の中間取りまとめでは、歯科医療機関同士の連携に加えて、医科医療機関や薬局、介護サービス施設、事業所等との連携が重要であることや、入院患者等に対する口腔の管理のため、歯科標榜のない病院と歯科医療機関等との医科歯科連携が求められていること等が示されたところでございます。

 引き続き、二〇四〇年を見据え、都道府県において、地域の実情に合わせた医科歯科連携や医歯薬連携が進むよう、関係者の御意見を伺いながら、必要な医療を適切に提供する体制の構築に向けた議論を進めてまいりたいと考えておるところです。

岡本(康)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非、医歯薬連携と情報共有体制の整備は、MRONJ予防のみならず、安全で質の高い地域包括医療を実施するために重要なインフラになりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 次に、医歯薬連携や歯科医療提供体制などを支える診療報酬上の取組についてお尋ねします。

 今まで述べましたような医歯薬連携の取組を進めるためには、医療機関同士の情報共有や紹介体制がスムーズにできる連携体制の構築が必要ですが、診療報酬上の評価など、なお十分とは言えない課題も残されています。

 医科歯科連携については、先ほど御質問させていただいた地域医療構想などによる地域の体制づくりだけでなく、医療機関が安定した経営に基づき、必要な人材を確保し適切な取組ができるよう、診療報酬の観点からも対応を行っていくことが重要と考えております。

 診療報酬に関しては、平成二十四年度の診療報酬改定において、周術期における口腔機能管理に関する評価が導入されて以降、診療報酬改定のたびに医科歯科連携を進める対応が行われてきたと思いますが、今月から施行された令和八年度診療報酬改定では、医科歯科連携を更に進めるためにどのような改定を行ったのか、具体的な改定内容について、政府参考人にお尋ねしたいと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のように、近年、口腔と全身の健康の関係性について様々な知見あるいはエビデンスが報告されていることなどを踏まえまして、診療報酬においても医科歯科連携を推進していくことが重要だというふうに認識しております。

 これまでも、診療報酬改定において、入院患者の周術期や回復期の口腔機能管理を評価することを通じて医科歯科連携を推進してきたところでございますが、それに加えまして、今般の令和八年度診療報酬改定におきましては、一つは、歯科標榜のない病院の入院患者に対して歯科訪問診療を行い口腔管理を実施した場合の加算を新設をしてございます。

 また、先ほど委員から、糖尿病と歯周病との関係についても御指摘がございました。そういった状況にあるものですから、医科医療機関から紹介された糖尿病患者に対して歯周病治療を実施し情報共有を行った場合の加算を拡充するなどの対応を行ったところでございます。

 医科歯科連携の推進につきましては、診療報酬改定後の運用状況を踏まえつつ、関係者の御意見を伺いながら、引き続き必要な対応を取っていきたいというふうに思っております。

岡本(康)委員 御答弁、誠にありがとうございます。

 次に、医療DXについてですけれども、MRONJ予防には、処方薬の情報や休薬の必要性、口腔内の感染の状況などを医科、歯科、薬局で共有することが重要であります。

 まず、薬剤情報について、電子処方箋を用いて医歯薬連携を推進する仕組みを構築すべきと考えますが、電子処方箋の利活用状況についてお伺いしたいと思います。

宮本政府参考人 お答えいたします。

 電子処方箋につきましては、リアルタイムで薬剤情報の共有や薬剤情報を活用した重複投薬や併用禁忌のチェックが可能となる仕組みでございまして、現在、九割以上の薬局に導入されている一方、医療機関は約二割、歯科診療所に限れば約一割に導入されております。

 現在、薬局による電子処方箋管理サービスの調剤情報の登録は全処方箋の約八五%に達し、直近の薬剤情報の活用による医療安全が確保されつつありますが、電子処方箋の意義を発揮し、更なる医療安全を確保するためにも、薬局における調剤結果の登録の更なる充実及び医療機関への導入を推進してまいりたいと考えております。

岡本(康)委員 高齢化の進展に伴い、患者さんは、多剤服用、ポリファーマシーの高齢の疾患の患者さんが増えてまいります。抗凝固薬ですとか抗血小板薬、あるいは骨吸収抑制薬、糖尿病治療薬、免疫抑制薬など、服薬状況を把握する重要性のニーズが高まっておりますので、この体制の整備の推進をお願いしたいと思っております。

 医療DXの取組は、医科で先行して進められておりますが、これまでに述べさせていただいたように、国民の健康のためには医歯薬連携を始めとする多職種連携が重要なことから、歯科においても医療DXを推進するべきと考えます。

 一方で、歯科医療機関については、小規模な診療所が多く、院長が、診療だけでなく、事務的なことも含めて全ての業務を行っていることが多いため、電子カルテの導入を含む医療DXに関する政府の検討状況の理解が、その対応まで手が回らず、DXを進めるハードルが高いという現場の声が散見されます。また、各医療機関のシステム改修が必要となるため、費用負担が発生し、経済的な負担も大きいという意見もお聞きしております。

 このような現場の声を取り残さないよう、政府として適切な支援を講じた上で、医療DXを推進するべきと考えます。その上で、歯科医療機関においても、電子カルテ情報共有サービスを含む全国医療情報プラットフォームを活用し、医療機関間や薬局との連携を推進すべきと考えます。政府の見解をお伺いします。

森光政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、政府といたしましては、二〇二三年に策定いたしました医療DXの推進に関する工程表に基づいて、オンライン資格確認等システムにより、レセプトの診療情報、薬剤情報及び電子処方箋管理サービスによる直近の薬剤情報などの共有や利活用を始めているところでございます。これらに加えて、電子カルテにおける診療情報提供書、傷病名や検査値などの情報を共有する電子カルテ情報共有サービスの準備も進めております。

 歯科においては、令和八年五月二十九日に開催されました、健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループにおきまして、歯科診療に関する情報連携について議論するとともに、歯科の医療DX工程表案、これをお示ししたところでございます。

 今後、歯科の医療DXについての工程表に沿いまして計画的に進めていくとともに、引き続き、歯科特有の状況も含めて、歯科医療における情報連携によって医療の質の向上を図るべく、現場に求められる医療DXの検討を行い、施策を推進してまいりたいと考えておるところでございます。

岡本(康)委員 是非、歯科診療所へのシステムの整備の推進に向けた取組を進めていただきたいと思います。患者さんの薬剤情報を、医師、歯科医師、薬剤師がリアルタイムに共有し、安全で質の高い医療を提供できるよう、MRONJの予防やポリファーマシーの改善対策を含みます医歯薬連携の強化に大きく貢献いたしますので、こういった取組を加速するよう要望したいと思います。

 最後になりますが、高市総理が進める攻めの予防医療や、これまで述べてきました地域医療構想などを実効性あるものにするためには、厚生労働省における医系技官の役割は非常に重要だと考えております。さらに、近年、医歯薬連携や口腔健康管理の重要性は高まっており、この分野の政策を進めるためには、厚生労働省における歯科専門職の体制強化は不可欠であります。

 しかしながら、現状において、歯科医師の資格を持つ医系技官の配置はまだ十分とは言えない状態であるというふうに考えております。

 歯科医師の医系技官の確保、拡充や、認知度の向上と併せて、口腔健康管理を推進する上で重要な役割を担う歯科衛生士の技官の配置につきましても、今後、体制強化に取り組んでいただくことを強く要望し、質問を終わらさせていただきます。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、尾花瑛仁君。

尾花委員 自由民主党、埼玉六区選出、尾花瑛仁でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、関係各位におかれましては、誠に心から感謝を申し上げます。どうもありがとうございます。

 本日は、少子化対策としての不妊治療支援について伺ってまいりたいと思います。

 初めに、津島内閣府副大臣、おいでいただきまして、希望出生率と希望がかなう社会づくりについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 政府は、希望する人が子供を持てる社会、そして希望出生率一・八の実現を掲げてきました。希望出生率は、平成二十六年のまち・ひと・しごと創生ビジョン以降、一・八が用いられてきましたが、近年の出生動向調査等で計算をし直すと、一・六程度に低下しているとの指摘がございます。

 今年の九月にはその最新値が公表される予定でありますが、希望を満たすことだけを目標とするなら、一・八から一・六のように低下した際、では、下がった希望を満たせば十分なのかという疑問が生じます。

 希望出生率は、若者や女性が結婚、妊娠、出産、子育てなどを前向きに考えることのできる社会かで変動し得るものだと私は思います。こども未来戦略の、個人の希望がかなう社会の実現による少子化トレンドの反転に向けては、各種不安を取り除いていき、より希望そのものを押し上げる姿勢の必要が出てきていると考えますが、津島副大臣の御所見をお伺いいたします。

津島副大臣 尾花瑛仁委員の問題意識にまず深い共感を覚えるものでございます。

 少子化の主な要因としては、未婚化、晩婚化による婚姻数の減少と夫婦の子供の数の減少が挙げられております。その背景としては、若い世代の所得、雇用の問題、出会いの少なさ、子育てに係る経済的負担や精神的負担、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な要因が複雑に絡み合って、いわば壁のようになっております。

 そのいわば壁、人々が結婚、出産、子育てを希望することを諦めている可能性となっているものを、結婚、子育ての希望を阻む要因として一つ一つしっかり対応し、子供を産み育てたいという希望を持ち、その希望が実現するよう取り組む必要があると考えております。

 このため、政府としては、加速化プランの着実な実施を進めるほか、地域少子化対策重点推進交付金によるライフデザインや結婚支援の取組への支援など、総合的に環境整備を行っております。

 引き続き、関係省庁と連携しつつ、若い世代が結婚、出産、子育てを希望し、その希望が実現できるよう、環境整備に取り組んでまいります。

尾花委員 ありがとうございます。

 阻害している要因を取り除いていくことで希望を持てる社会をつくっていくという認識での政策推進ということで、是非ともいろいろお支えをしながら、御期待申し上げたいと思っております。

 その観点から、不妊治療について伺ってまいりたいと思います。

 私自身、結婚後に男性不妊が分かりまして、保険適用の前に治療を経験した当事者であります。

 令和四年度の保険適用は、その後、治療を受けられた方々のお声や、また、日本産科婦人科学会のデータを見ると、四十歳未満の体外受精、顕微授精などの治療周期数や件数、出生につながった実績が増加しており、改めて多くの方を救う政治決断だったと捉えております。

 一方で、不妊治療の保険適用は、他の医療分野のように長年の診療報酬改定の積み上げで制度化されたものではなく、政治の決断で一気に進んだからこそ、適用後に見えた課題については丁寧に改善していく意識が重要だと考えております。

 実際に、令和六年度改定の際はAMH検査や、クロミッド、黄体ホルモン剤など、有効な治療が一部使いにくいまま残されていた課題にも一定の改善を図っていただきました。

 こうして、費用負担の軽減が治療へのアクセスを広げた成果がある中で、治療における時間との闘いという不妊治療特有の性質というものを踏まえると、この先は、いかに出生につながる治療の質自体を向上させられるか、その後押しが重要になるというふうに思います。これが私の課題意識でございます。

 国際生殖補助医療監視委員会の国際比較によりますと、日本は採卵当たりの出産率が低く示されております。そして、不妊治療や生殖補助医療は、大学病院に症例や技術が集約されるがん医療等と異なり、急な採卵、当日のホルモン値判断、ラボ運用の特性などから、専門クリニックを含む現場の方に情報と技術が蓄積されている特徴があります。強い政策判断を伴った保険適用からの流れも踏まえまして、制度改革をする際にもこういった現場の知見を最大限活用できるように工夫する意識というのが必要ではないかと思っております。

 そこで、まず先進医療について伺います。

 保険適用当初に先進医療とされた技術については、令和八年度改定までで四年間が経過し、令和十年度改定に向けて、保険の導入、継続、終了の判断、これを進めていくべき段階にあると思います。既に海外では有効性が低く評価されている技術等も一部残っておりまして、技術進展が速い分野、かつ少子化対策については一年一年が勝負だからこそ、より速度感を持って、有効性、安全性が確認できたものについては保険収載へ、そして確認できないものについては見直しへと進めていくべきと考えますが、厚生労働省の見解をお伺いいたします。

間政府参考人 お答えいたします。

 令和四年の不妊治療の保険導入の時点では、エビデンスが不十分とされた不妊治療の技術のうち、将来的な保険適用の可能性があると評価されたものは、先進医療として保険診療との併用ができることになっておりまして、現在、十二技術が認められてございます。

 先進医療の各技術については、一般論として、先進医療会議において各医療機関からの定期的な実績報告を基に、有効性、安全性等の観点から、継続の可否及び保険適用について検討しております。委員おっしゃるように、適用すべきものは適用するべきで、そうでないもの、見切りがつけば、それは削除するということでございます。

 例えば、令和八年度診療報酬改定に向けた議論では、先進医療会議において、不妊治療技術について保険導入する上での科学的根拠の観点から検討されまして、結果として、先進医療から取下げ又は削除される技術はなく、全て継続とはなりましたけれども、一部の技術では、継続に当たりまして、次回診療報酬改定に向けた議論までに、各技術に応じた課題事項、例えば、適応範囲を明確化すべきだとか、そういったことについて実施医療機関に求めることとなりました。

 引き続き、有効性、安全性の確認などをしっかり進めまして、先進医療の適切な運用に努めてまいりたい、このように思っております。

尾花委員 是非とも進めていただきたいと思います。

 先進医療と申しますと、一般的に、一般の患者さんからすると、何か進んでいる医療だという印象を持ちがちだと思いますので、その辺りもしっかりと精査していただきながら、患者にも分かりやすい形での御説明をお願いしたいと思っております。

 不妊治療については、卵巣刺激、採卵、培養、移植の方針と技術で、その結果は大きく変わります。私自身も、治療の途中で転院を経験しまして、その変化を感じまして、また、その後、知人の相談に対して転院を勧めた結果として、妊娠、出産に至ったケースというのを複数見てまいりました。これはもちろん個人的経験でしかなくて、統計ではございませんけれども、治療方針や施設体制による差というものはより精緻に検証すべきであるというふうに考えております。

 そのためには、採卵後、受精、胚培養、凍結、融解、ラボ管理などを担っている胚培養士とラボの位置づけ、これをどう評価するかという課題が浮上するかと思います。

 胚培養士が担う生殖補助医療の成否に直結する専門技術について、現在の診療報酬では、専門技術として評価される仕組みではなく、卵や胚の個数、管理にひもづく評価となっている面があると承知をしております。

 一般的な医療技術評価の考え方に沿えば、管理料的な評価ではなく、技術的な評価に位置づけをし直すことというのが保険適用時からの大きな宿題ではないかというふうに考えております。何よりも、妊娠、出生につながる率を高めるという観点におきまして、胚培養士の技術、ラボ管理の評価を整理し直す検討というのも始めるべきではないかと考えますが、厚労省の見解をお伺いいたします。

間政府参考人 お答えいたします。

 まず、医療技術全般について、ストラクチャーで評価するのかとか、あるいはアウトカムで評価するのかとか、そういう議論がずっとございまして、いずれにしても、その辺りもエビデンスに基づいて議論していくことが必要だと思っております。

 今委員から御指摘のありました令和四年四月に保険適用された不妊治療につきましては、先ほどのような先進の話ではなくて、中に入ったものについて、従来の特定治療支援事業を設けた際の考え方や当時の医学的知見を踏まえつつ、中医協で議論が行われまして、不妊治療に係る医療技術等として、一般不妊治療管理料を始めとする各種管理料、検査や胚移植術等が定められたところでございます。

 その後の見直しとしては、改定後の状況を踏まえて、令和六年度診療報酬改定におきまして、一般不妊治療管理料の施設基準や、胚凍結保存管理料、体外受精・顕微授精管理料の算定要件を見直すなど、対応してきているところでございます。

 今後もやはり、よりよい技術を評価したいという気持ちは私ども持っているわけですけれども、不妊治療に関する診療報酬の在り方につきましては、関係学会からの意見や科学的根拠を踏まえまして、中医協でしっかり議論してまいりたいと思っております。

尾花委員 ありがとうございます。

 先ほども述べましたように、かなり技術的にも日進月歩でありますし、本当に時間が限られる治療であるという点も御判断の材料としていただきまして、適切な対応というのをお願いしたいと思います。

 特にその中で、全国的な地域的な偏在ではないですけれども、院ごとの差というところを埋めるものとして、やはり胚の培養士における技術の評価というものが非常に重要なのかなと思っております。

 ただ、こういったお話、先ほど来御答弁でもありますように、しっかりとしたエビデンスに基づかなければ当然それは進められないというところもありますので、そのためにも、現場の実感や経験というもの、これをデータで検証して制度改善につなげていく必要があると思っています。

 現在の制度では、保険適用の回数制限に関してなんですが、胚移植の回数でカウントをされています。これは、現場の医師等から複数聞きましたところ、実際の不妊治療は、適切な卵巣刺激をするやり方から始まりまして、採卵、受精、培養、凍結、融解、胚移植までというものが一連の治療であり、その間に患者さんとしては、採卵がうまくいかない、受精しても育たない、凍結や融解の過程で移植に至らないなど、移植にたどり着く前の各段階で結果に左右をされながら治療を受けるわけであります。しかも、本人にどれほど意欲があっても治療は月単位でしか進みませんので、患者にとっては時間と保険適用の回数の重みというものが大きくかかります。

 治療現場でやはり聞かれる意見として、胚移植回数だけで制度を捉えるということにならないように、採卵で得られた新鮮胚や凍結胚の移植までを一つの流れとして見て、一クール当たりの累積妊娠率、累積出生率を把握し、質の向上につなげ、限られた保険適用回数をより有効に使える制度設計が必要ではないかといった御意見がございます。

 実際に、助成金の時代までは、採卵から移植を一連の治療とする考え方というのがもっと主流であったということでありまして、また、英国のNICEのガイドラインでありましたり、国際生殖補助医療監視委員会等の資料でも、一クールを基準とすることだったり、開始周期、採卵、胚移植など、分母を明確にして成績が整理をされております。

 一方で、我が国には、日本産科婦人科学会のART登録データがありまして、各医療機関が治療周期ごとの情報を登録していることにより、症例数、採卵数、移植数、治療内容、成績など、制度改善に活用できる可能性のあるデータ自体は蓄積をされております。問題は、既にあるこれらデータが、政策判断や診療報酬改定に使える形まではまだ十分に分析されていないことだと思います。

 そこで、現場の知見を制度改正につなげていくために、このART登録データやこども家庭庁が収集しているデータ等を、本年の四月に立ち上がりましたこども家庭科学研究の研究班で分析をされ、一クール当たりの成果や、肺培養士の技術と治療実績との関係など、エビデンスについてしっかりと整理をしていくべきではないかと考えますが、こども家庭庁の見解をお伺いさせていただきます。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 エビデンスに基づく適切な不妊治療を進めていくためには、各医療機関における不妊治療に関するデータ等について、有効性や安全性の観点から分析し、適切に診療報酬改定等の議論につなげていくことが重要であると考えております。

 こども家庭庁におきましては、不妊症・不育症に関する広報・啓発促進事業におきまして、毎年度、各医療機関に対し、施設情報、胚培養士を含む配置人員、治療実績や治療方針の情報登録を依頼しています。この情報登録への協力は診療報酬算定のための施設基準の要件となっており、こども家庭庁では、登録いただいた情報を妊娠、不妊のポータルサイト「いっしょ」におきまして、医療機関ごとに公開しております。

 また、こども家庭庁では、適切な不妊治療の運用につきまして、日本産科婦人科学会が保有する様々なデータなどを活用し、分析を行うため、令和八年度こども家庭科学研究におきまして、先生御指摘いただいたように、既存データベース等を用いたより適切な不妊治療の検討に資する研究を採択したところです。

 今後、この研究班におきまして、関係学会とも連携しながら、学会のART登録データに加えまして、こども家庭庁で収集した各医療機関のデータなどを活用し、有効性や安全性等の観点から分析を進め、負担が少なく合理的な不妊治療体制のためのエビデンスを創出する計画とされています。

 こども家庭庁といたしましては、この研究班と適切に連携しつつ、研究の進捗を注視してまいります。

尾花委員 ありがとうございます。大変心強いお言葉だったかと思います。

 国内にはしっかりとデータが蓄積されておりますから、先ほども述べましたように、ちょっと特殊な分野というか、一番最初がかなり保険適用についても政策的判断だったと思っておりますので。その際に、スタート時点でありました胚培養士の話ですとか、その辺りも立ち返っていただきながら、私もちょっと地方議員をやっていましたけれども、よく、全然別の分野ですが、道路行政なんかでも、造った後、先をどうするかの話じゃなくて、今まで整備したところをその後ケアするというのが本当は重要なんだみたいな話を昔から先輩から言われておりまして、そういった観点でもこれは、終わったので別の分野に応用するという議論ももちろん大事なんですが、やはり今までのところをしっかりと見直していただくこと、特にこの分野については重要かと思っております。

 特にやはり、先ほども申し上げましたように、現場の知見の生かし方というところがかなり工夫が必要になりますと思いますので、そこは是非、厚労省さんだけじゃなくて、こども家庭庁さんとともに、何よりも患者さんたちのことも考えていただきながらということで、御尽力をいただければと思っております。

 また、こ家庁さんにおかれましては、プレコンの話等もこれから出てくると思いますので、先ほど来述べておりますように、情報の一般化がいまいち弱いところでありましたり、そもそも個々人の妊孕性にかなり差があるということが、やはり大人でも余りよく分かっていないというのが実態だと思っております。この辺りをしっかりと、企業さんと、それから学校だったりというところで適切にやっていただきたいと思いますので、これは御要望ということで、是非とも、御期待しておりますので、よろしくお願いをいたします。

 それでは、最後の質問になります。仁木厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。

 今までいろいろと述べてまいりましたが、今回、施政方針演説におきまして、高市総理は、総合的な人口政策という項目におきまして、少子化、人口減少を我が国の活力をむしばんでいく静かな有事と位置づけられ、少子化傾向を反転させるための対策強化を強く宣言をされました。この中身につきましては、これから秋、それ以降についても、かなり党内も含めて議論を進めていくのかなというふうに思っているわけですが、この不妊治療という分野については、希望する人の望みをかなえられるか、そして少子化対策という国家的課題に直結する、政策的に極めて重要な医療分野だというふうに感じております。

 令和四年の保険適用、治療へのアクセスを広げた大きな政治的決断でありまして、六年度の際にも今までのところもしっかりと振り返りもしていただきました。そして、治療の有効な時間に限りがある不妊治療だからこそ、次は費用負担軽減から治療の質を高めるところを政治でどう支えられるかというところが課題だと思っております。

 そういった点で、ここまでの議論もお聞きをいただきましたと思いますので、こ家庁さんとも連携をされ、令和十年度の改定に向けて、こういった各種エビデンスを医療技術評価や診療報酬改定の中で受け止め、不妊治療を希望出生の実現を支える制度として更に進化させる、そんな方向に向けての、是非、仁木副大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

仁木副大臣 お答えします。

 子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添う、そしてまた希望する方が安心して不妊治療を受けられるよう、診療報酬における不妊治療の評価の在り方について、これからも、委員の御指摘ありましたように、関係省庁と連携し、そして関連学会の学術的見解も踏まえながら、今まで議論のありましたエビデンス、いわゆる科学的根拠に基づいて中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協において議論を進めてまいり、よりよい形の不妊治療における保険診療が展開できるような形に進めていきたいと考えております。

尾花委員 ありがとうございました。

 力強い施策の推進を心から御要望申し上げまして、私の質問を終わります。

大串委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十一時五十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十四分開議

大串委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。豊田真由子君。

豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。本日、どうぞよろしくお願いいたします。

 先般、厚労委の理事会メンバーの方を中心に、国立の成育医療研究センターに御視察に伺いました。ICU、またNICUの中で必死で病と向き合う赤ちゃんやお子さんの姿、そして、何とか助けたいと精力的に支えるたくさんの医療従事者の方々のお話、またお姿を間近で見ました。本当に大変お忙しい中、本当に丁寧に御対応いただきましたので、そのお気持ちを少しでも酌んで、たくさん課題がございます、その解決に皆様とともに向き合っていきたいと思っております。

 まず、高度医療、特に高度の小児医療の現場におけるお金の話をちょっとさせていただきたいというふうに思います。

 配置基準なんですけれども、全国の小児専門病院で、現行の看護師の配置は二対一でございまして、NICUでは三対一、重篤な疾患を抱えるお子さんが多い場合は二対一というふうになっていますが、私どもが拝見したときも、二対一、三対一どころではなくて、一対一、一対二、一対三ぐらいでやっていらっしゃいました。

 重篤で、特に、全国各地からお子さんが集まって、手厚くケアをしないと助からない、予後も非常にケアが必要だというお子さんばかりでありましたので、やはり実態にそぐっていないのではないかと。

 それに対してどういうふうに穴埋めしているんですかというふうに伺いましたら、当然、診療報酬による収入では足りませんので、これが自治体立の病院では一般会計からの繰入れがございますが、今回の成育もそうなんですけれども、そうでない病院というのは基本的には独立採算制となっておりまして、昨今の物価高騰と相まって経営に苦しまれるとともに、医療従事者の方の給与水準も高くできないから、近隣の病院より実は成育はドクターの給料が安いんだなんていうお話もございまして、そんなことがあるんかいというような状況でございました。それがまた、結果的には人材育成を阻むことにもつながっているのではないかと思われます。

 成育では、ファンドレージングの専門部署を設けられて、寄附や企業協賛などによって成果を上げていると伺っており、寄附をしてくださる方々、その努力も非常に評価されるべきだとは思うんですが、ただ、国はそうした善意を前提にシステムを組んではいけないんだというふうに私は思います。

 また、そこで扱われている医療機器にしましても、VADと呼ばれる補助人工心臓ですとか、ダビンチのようなロボットアームを使った手術支援ロボットなど、これは数億円もいたすものでありますので、高額だけれども小児の命を救うためには必須なものでありますから、こうしたことに対しての診療報酬による評価が果たして十分なのかということもございます。

 やはり、小児の重篤な疾患というのは、成人に比べますと絶対的な数は非常に少のうございますし、子供の数も少なくなっていっているような状況の中で、スケールメリットで補うことは難しい状況であります。

 そうした中で、診療報酬でも多少手厚く配置はしていると思うんですけれども、やはり実態にまだまだ合っていないという中で、これをどういうふうに、実態に即して、現場の方がやりやすく、またお子さんたちがより一層の未来につながっていくのか、御見解を伺いたいというふうに思います。

上野国務大臣 国立成育医療研究センター、私も視察をさせていただきまして、本当に高度かつ専門的な小児医療、まさに日本のトップとして大変力を注いでいただいておりまして、そういうことも大変勉強になりました。

 まず、診療報酬においては、小児専門病院等が担う高度かつ専門的な小児医療については、一般成人の医療と比較をして、より手厚い人員配置、また専門的な医療提供体制を要することを踏まえ、重点的な評価を行ってきております。

 例えば、令和六年度の診療報酬改定においては、高度な医療を要する重症の新生児に対しまして通常のNICUよりも多くの看護師を配置することを評価をする、新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料を創設をいたしました。また、令和八年度の診療報酬改定においては、物件費の更なる高騰に対応する観点から、PICUやNICUなどの小児の高度急性期医療に係る点数の引上げを行いました。また、高度な小児医療を担う医療機関が算定をする小児入院医療管理料の点数の引上げも行ったところであります。

 こうした診療報酬の改定の効果について、十分検証を行っていきたいと考えております。また、関係の皆さんからも含めて、引き続きいろいろな御意見を賜って、引き続き、中医協において、高度かつ専門的な小児医療に対する適切な評価が実施されるように検討していきたいと考えています。

豊田委員 それでは足りないという現場の実態とお声があるかと思いますので、数はそんなに多くないということは、そこを引き上げてもそれほど財政に、どれぐらいの影響があるかということも検討していただいて、ちょっと前に進めていただきたいなとお願いでございます。

 高度な医療人材の育成についてお伺いをいたします。

 NICUで拝見した赤ちゃんの中に、生まれたときから頸部に大きな腫瘤がある、もう腫瘤はそのときは取り除かれていたんですが、非常にこれは成育でも大変難しい事例だったけれども、何とか対処できたというお話でございまして、私は、これを救えるのはなぜなんですかということを聞きましたら、まず、一義的には、テクニカルな話としては、出産直後に気管に挿管ができるという技術があるかどうか、もっと広く見ると、かなり早い段階から、外科、内科、麻酔科、放射線科、皮膚科などなど、あらゆる科が連携してきちんとアセスメントを行って、この子を救うには何が必要かということを、お母さんのおなかの中にいるときからずっとアセスメントをして、それに基づいて迅速、適切に対応できたんだというお話でございました。

 こう考えますと、高度医療というと高価な医薬品ですとか医療機器に目を奪われがちなんですが、やはり根幹のところは、高度な技術、見識、経験を持った人であるというふうに思うんですね。

 その場合、成育では、多くの診療科で、地方から、短期間も含めたレジデントとかフェローの方を受け入れて、教育して地域医療に戻すということをやっていらっしゃるんですけれども、また、海外でもこうした技術を教えていらっしゃるというふうに伺っております。

 救える命を救えるはずだった命にしないためにも、成育に診てもらえた子はラッキーだけれどもというだけではやはり駄目だと思っていて、全国で、どこにいても医療の格差が生じないということのためにも、こういった場所を活用して医療人材を育成して、各地で御活躍いただくということが実効的かつ現実的だろうというふうに思います。ハードをつくるのは非常に難しいと思いますが、ソフトをきちんと高度化して、育てていくということをもうちょっと効率的、実効的にやっていただきたいということ。

 そして、業務効率化の観点で申しますれば、皆さんよく御承知のとおりですが、DXとかAIとか、あと、遠隔医療も非常に有用だというふうにおっしゃっておられました。こうしたことが、勤務環境の改善ですとか業務の効率化、そして地域格差の是正に資すると思いますので、これをどうやって進めていかれるのか、お考えを伺いたいと思います。

上野国務大臣 まさに、高度医療を担う人材の育成、非常に大事だと考えております。

 国立成育医療研究センターも含め、小児中核病院については、高度な小児専門入院医療や小児救命救急医療を担うとともに、教育交流などを通じた多職種の人材育成機能、これを果たしていただくことも求めているところであります。

 またさらに、将来を見据え、都道府県を越えた広域連携を検討していくことも必要でありますので、具体的には、厚労省のワーキンググループの議論の取りまとめにおいて、小児医療の中でも、医療資源を特に要する医療や、患者数、専門医数が少なく都道府県単位での整備が難しい医療については、広域搬送や医療機関間の遠隔相談支援も含めて、更なる広域連携を検討することとしておりますので、今後、早期に取り組んでいきたいと考えております。

 また、医療全体にも関わりますが、業務の効率化、勤務環境改善、DXを使ってそうしたことを進めていくことも大事でありますので、AIや遠隔医療の活用も含めまして、小児医療に携わっていただいている医療従事者の皆さんの負担軽減、あるいは小児医療へのアクセスの確保にも資するものだと考えておりますので、先般の健康保険法改正によって創設をされました新たな事業も活用して、しっかり応援ができるように取り組んでいきたいと考えております。

豊田委員 成育のような高度な小児専門病院というのは全国で十三ないしは十四しかないと言われておりまして、大人に比べると数は非常に少のうございまして、大学病院からも結構紹介でいらっしゃるというような状況であると思いますので、やはりそれをそこだけに任せておくのではなくて、そこに行かれない子供たちもたくさんいると思いますので、是非サポートをしていただきたいというふうに思います。

 御家族のサポートという点でお伺いしたいんですが、成育には、もみじの家とマクドナルド・ハウスという、御家族のレスパイト、また、おみとりも含めた子供のホスピス、そして治療に付き添う家族のための滞在施設というのがございます。

 やはり、お子さんが苦しんでいらっしゃる、それだけでも本当に御家族は大変つらい状況であります。そして、入院に付き添う場合には、通常は、病室で簡易ベッドに寝て、食事も自分は取れなくて、病院のコンビニで買うというようなことで、御兄弟はなかなか一緒に過ごせないという状況にありまして、そういう、ただでさえ大変な状況にある御家族に一層の負荷がかかるという状況の中で、できるだけ心身の負担を減らして、お子さんに寄り添うことができる環境というのは、それは決してぜいたくでは私はないと思っています。

 お子さんの治療とその小さいお子さんを支える家族をセットで、ホーム・アウェー・ホーム、我が家のようにくつろげる第二の家という言い方をされていますが、あとは、バイオ・サイコ・ソーシャルという言い方をされていました。身体的、精神的、社会的なウェルビーイングを目指す、この考え方というのはすごく大事なことだと思いまして、これをやはり全国にきちんと広げていくということが必要だと思いますけれども、これについてお伺いをしたいと思います。

源河政府参考人 お答えいたします。

 在宅等で医療的ケアを受けているお子さんとその御家族をしっかり支えていくことは重要であるというふうに考えております。

 こども家庭庁では、医療的ケア児や重症心身障害児を一時的に預かる環境整備を促進し、御家族の負担軽減や一時的なレスパイトの確保など、家族支援の充実に取り組むとともに、医療機関に対し、入院中の子供に付き添う家族が休息できるスペースの設置など、環境改善に係る修繕費等の助成を実施しているところです。

 委員に御指摘いただきましたもみじの家のような医療型短期入所施設については、新規に開設する事業所に向けて、重症心身障害児等の受入れのための知識などに関する講習等を実施した場合に補助を行うとともに、令和六年度報酬改定においては、医療的ケア児者の受入れに係る加算の拡充や基本報酬の引上げを行っております。

 また、委員からお話のありましたドナルド・マクドナルド・ハウスは、子供の療養に寄り添う御家族を支援する極めて意義深い社会貢献活動であると認識しており、令和五年度に実施した調査研究の好事例として取り上げ、医療機関へ周知を図ったところでございます。

 今後とも、厚生労働省や関係団体とも連携し、医療的ケア児とその御家族に対する支援の一層の充実に取り組んでまいります。

豊田委員 レスパイトの施設と子供ホスピスには公的な関与があるんだと思いますが、治療に付き添う家族のための滞在施設は、これは一〇〇%、寄附と募金とボランティアで成り立っているという状況だと伺っておりまして、なかなかそこまでは手が回らないということかもしれませんが、本当に何が大切かということの、一つ、光の場所だと私は思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、ちょっと済みません、一問飛ばしまして、今日は、中村副大臣、お越しいただいておりますので、学校、教育現場における、今病院の話をしましたが、そこで医療従事者の方が非常におっしゃっていたのが、やはり子供のメンタルヘルスの問題が非常に深刻であるということでございました。子供が一日の大半を過ごすのはやはり学校でございますので、ここでもうちょっと何かできないかという観点からお伺いをしたいと思います。

 よく御承知のとおりと思いますが、二〇二五年、日本の小中高生の自殺者数は五百三十二人で、統計を取って以来最多でございました。これはコロナ禍で急増いたしまして、特に女性、女の子の中高生で増加傾向が目立ちまして、一九年と二五年を比べますと、中学生で二倍、高校生で二・二倍の方が自殺をされています。

 また、私も、高校、大学、役所に入ってすぐを思い起こしても、本当にかなりの数の友人、同期が命を自ら絶ちました。今でも、仲がよかった子のところにはお墓参りに行きますけれども、彼ら、彼女たちの思いがどういうものであったのか、そしてその志を継いでいかなきゃいけないねというふうにいつもみんなで話すんですけれども、こんなに若い命が苦悩の中で失われたということを私たちはもっと重く受け止めなければいけないと思いますし、できることが大人にはもっとあるんじゃないかというふうに思うんですね。

 不登校も急増しておりますので、小中生につきましては三十五万四千人で過去最多であります。高校生は六万八千人。私もたくさん御相談を受けるんですけれども、基本的には家族でみんな抱え込んで、にっちもさっちもいかなくなっている方が本当に多いと思います。カウンセリングの機会を設けている学校は多いですし、もちろん、先生方、養護教諭の方、職員の方、本当にカウンセラーの方もいろいろと御尽力をされているんだと思います。

 ただ、身体的なものでもメンタルであっても、やはり状況を変えていくには専門的な医療につながるということが必要だと思うんですけれども、やはり御家族は、どこに行って何をしたらいいんだか、そもそも、メンタルに対してすごく消極的な御本人だったり御家族も多い状況の中で、親は自分の子供のケースしか分かりませんが、学校というのは、それまで同じようにつらい状況に陥ってしまった子供さんと御家庭を多く御存じのはずなんですね。

 そうした途方に暮れている家族に対して、一定の知見、経験、あるいはどこの医療機関でどういうことをやっているかみたいなことも、きっと情報もお持ちのはずなので、本来そこを、受診勧奨まではするんですけれども、つなぐというところまではいかないので、そこを御家庭任せにせず、医療につなげてあげて、その後のフォローもするなど、学校も過負荷なのは分かるんですけれども、伴走する姿勢を強化することが子供を守るためには必要ではないかというふうに思います。

 児童精神科というのは、非常に数も少のうございまして、予約が取れても数か月待ちというのが常態化しております。ここも、医療の面でどうにかしていただかないとと思いますが、まず学校の協力について副大臣にお伺いします。

中村副大臣 お答え申し上げます。

 豊田委員御指摘のとおり、子供の自殺が増えて、過去最高の状況でありますし、不登校ですとか引きこもりですとか、そういった課題も大変多くなっているところです。まして、自殺を友人がされたとなると、本当に悲しい、あってはならない出来事だというふうな思いは共有をするところです。

 児童生徒の心身の健康課題は、メンタルヘルスの不調なども含めて複雑化、多様化しておりまして、担任や養護教諭による対応はもちろんのこと、一人一台端末を活用した心の健康観察を推進するなど、各教職員の連携の下に、日常的に子供の小さな変化を見逃さないように対応することが重要だと考えております。

 また、不調を抱えている児童生徒に対しては、必要に応じて、学校医やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを交えた組織的な対応や、地域の医療機関との連携を図ることで、児童生徒の適切な受診につなげていくことが重要と考えております。

 文部科学省としても、日本学校保健会と連携をしまして、地域の関係機関との連携体制づくりなどを盛り込んだ教職員のための子供の健康相談及び保健指導の手引を作成をしておりまして、その周知、活用を徹底してまいります。

 また、特に小児精神科の医療機関との連携の促進にも努めてまいりたいというふうに思っています。

豊田委員 やはり、学校とか職場もそうなんですが、そこで自分のメンタルのことを心を開いて安心して話せるかというと、またちょっと難しい面もあると思うんですね、ケース・バイ・ケースだとは思うんですけれども。先生方も一生懸命やっていらっしゃるんですが、やはり医療につなぐ結節点に学校がなるといいなというふうに私は思っている次第であります。よろしくお願いいたします。

 次に、マンジャロについて私もお伺いをしたいと思っております。

 皆様御承知のとおりでありますが、マンジャロを二型糖尿病以外で使用した場合、やはり安全性、有効性というのは確認されておりませんし、副作用としましては、低血糖ですとか急性膵炎、また消化器症状などが起こり得るということがございます。特に、摂食障害傾向のある方にとっては、食欲が落ちる薬、体重が減る薬というのは症状を深刻化させるリスクも多くございます。

 これはやはり、今、野放しに実際上なっておりまして、SNSとかネット上にはたくさんその情報があふれますし、また、マンジャロを個人間で、無許可で販売した疑いで書類送検されたということも報道がございました。

 にもかかわらず、対面でもオンライン診療でも、十分な診察ですとか、BMIとか基礎疾患の確認なども不十分なままで痩せ薬のように処方されているとすれば、私はこれは極めて重大だと思っておりまして、これは、法律に違反するかしないかの話で片づけては恐らく駄目で、医療におけるモラルの問題でありまして、自由診療だから何をやっても許されるということではないというふうに私は思います。

 このGLP1系薬剤を処方する場合に、患者の痩せたいというお訴えだけを受けて薬を出すのではなくて、少なくとも、BMI、あるいは糖尿病や肥満症などの本来の適応の確認、あるいは摂食障害、うつなどの精神疾患の既往のスクリーニングですとか、あるいは、低体重者への処方は抑制するべきじゃないかとか、あと、やはり重大なのは、副作用の内容と救済制度の対象外だということの説明などをきちんと行っていただくことが必要だと思うんですけれども、こうした、医療広告の適正化でありますとか、医師の適切な処方に対しての実効的なお取組について、お伺いをしたいと思います。

上野国務大臣 先日、マンジャロ等の治療薬の適正使用を徹底するために通知を発出をいたしました。

 医療機関等に対して通知をしたところでありますが、この中では、添付文書の承認された用法、用量の記載に基づいて、効能又は効果に関する注意の欄に書かれている内容に十分留意をすること、副作用に対して直ちに適切な処置ができる体制の整備、虚偽又は誇大広告の禁止など医療広告に関する注意事項などを改めて通知を発出をしたところであります。

 医療行為そのものは、患者の治療を目的として、高度な専門性に基づいて、医師の裁量の範囲内でその責任の下で実施されることが基本でありますが、適応外の医薬品を用いる場合には、一般的には、その安全性と有効性のバランスなどに一層の十分な注意を払う必要があろうかと考えております。

 厚労省としては、マンジャロ等の適応外使用、これによって思わぬ健康被害が生じることも想定をされますので、思わぬ健康被害を防止をするために、引き続き必要な対応に取り組んでいきたいと考えております。

豊田委員 通知は存じておるんですけれども、それで本当に今のこの大きなトレンドが変わるかなというのがちょっと疑問でございます。やはり、医師、直美の問題などもいろいろございますけれども、自由診療の中での高度なモラルを堅持していただくということをどうバランスを取っていただきたいかということをまた御一緒に考えていきたいというふうに思います。

 この問題の根本にあるのは、特に女性を中心に、痩せていることが美しい、全く太っていなくてももっと痩せなければならないという、社会的にある意味意図的につくられた価値観の問題であるというふうに思います。痩せ過ぎというのは、先ほど申し上げたような摂食障害、あるいは、低栄養、月経異常、骨密度低下、妊娠、出産への影響、また自殺リスクにもつながっております。

 摂食障害につきましては、国内患者数が約二十二万人、これは医療機関にかかっている方だけですので、潜在的にはもっといらっしゃると思います。女性が九割を超えておりまして、特に若い女性に多いということでございますが、その死亡率は約五%ありまして、精神疾患の中でも特に高い中に入りまして、神経性痩せ症の自殺による死亡率は一般人口の三十一倍、神経性過食症では七・五倍という高い数値でございます。

 治療が非常に難しいんですけれども、やはり早期介入が非常に大事でございまして、こういったことをいろいろ考えますと、これもやはり専門的な治療ができる病院、医療機関が少ないという、またさっきと同じ問題があるんですけれども、いろいろなことをやらなきゃいけない中で社会の価値観をどうやって変えていくか、そしてまた、どう専門的な医療につなげるか。

 いろいろな各所が協力をしていただきまして、また、効果的な治療を実現できる体制を整備していくこと、口で言うのは簡単なんですけれども、なかなか難しいと思いますが、どういうふうなことをやっていただけるのか、ちょっと端的にお答えいただければと思います。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 痩せの問題でございますけれども、二十代、三十代の女性における痩せの比率は一六・六%ということで、将来の健康への影響も懸念されますから、一つ重要な課題であると認識しております。

 そういう意味では、痩せということに関する意識という意味では、健康日本21において、適正体重を維持している方の増加というのを目標に掲げて、各種普及啓発でございますとか、スマート・ライフ・プロジェクト、こうしたものを通じて、痩せや適正体重に関する意識を高めていく、こういったことに取り組んでいるところでございます。

 一方で、御指摘の摂食障害でございますけれども、これも精神疾患ではありますけれども、やはり身体合併症を発症することも多い、重症化した場合には生命の危険を伴うということで、そういう意味では、精神面と身体面、双方に対応した医療体制の構築が必要だと考えておりまして、各都道府県において支援拠点病院の整備を進めたり、国立精神・神経医療センターに摂食障害全国支援センターを設置して、医療従事者向けの研修などなどを実施しているところでございます。

 このように、摂食障害を専門的な医療機関になるべく早期につなげるということで、地域の中で、医師や看護師、管理栄養士などの専門性を生かしながら、保健所あるいは学校といった関係機関が連携した支援体制の構築、これも進めているところでございます。

 このように専門的知見の集約と地域連携体制の構築を図ることで、摂食障害の方々に対する体制づくりを進めてまいりたいと考えております。

豊田委員 ここでまた学校に登場していただきたいと思うんですが、私も高校生の娘がおりまして、現在も学校の授業の中で、生活習慣の大切さといった観点から、痩せ過ぎ、太り過ぎはいけませんよといった内容は教えているんですけれども、そういうことではないと思うんですね。

 もうちょっと踏み込んで、痩せていることは美しいというのは正しくないんだよということを、若く伸びやかなあなたたちはそれだけで、ありのままで美しいんだよ、ちゃんとたくさん食べて、体を動かして、伸び伸び過ごしていいんだよというふうに、自己肯定感を高めてあげてほしいと思っていまして。やはり、親も頑張りますけれども、学校は一日の大半を過ごす場所でございますので。

 やはり彼女たちというのは、お友達とか、学校の先生とかからすごく大きな影響を受けます。そうした中で、本当に疲弊していると言われる今の子供たちがその人生を前を向いて歩んでいけるように、学校ができることはたくさんあると思いますので、こうしたことについてちょっとお考えを伺いたいと思います。

中村副大臣 お答え申し上げます。

 健康を保持増進するためには毎日の適切な食事が重要である、そういったことを学校において指導することは重要であります。また、発育、発達は人によって違うということもあって、そういうことを肯定的に受け止めて、自己肯定感を高めていくような教育というのが重要だというふうに考えていて、それを進めているところです。

 児童生徒の心身の健康問題の早期発見、早期対応については、健康観察が大きな役割を果たします。例えば、給食等の時間において、学級担任等が児童生徒の食事中の会話や食欲、食事摂取量を観察するなど、日頃から児童生徒の健康観察を行って、仮に異変等に気づいたときには、速やかに対応することが重要だというふうに考えております。

 また、摂食障害は、本人に病気という意識がないために、治療に抵抗することが多く、時には死に至るという御指摘のような状況もありますので、摂食障害の疑いがある場合には、速やかに地域の関係機関との連携を取って、文部科学省として、学校の取組を強力に推進していきたいと思います。

豊田委員 ありがとうございます。

 子供たちを守れるのは私たち大人だと思いますので、社会全体で、行政、政治、一緒に頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

大串委員長 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。

 本日は、まず、国民健康保険の納付金算定システムの誤りについてお伺いしたいと思います。

 資料をお手元にお配りしておりますが、こちらは今年の四月に公表された資料でございますが、国保中央会、国民健康保険中央会が開発するシステムについてでございます。

 こちらのシステムの誤りについてなんですけれども、二〇二三年に健康保険法が改正された際に、本来であれば施行のタイミングでシステム改修を行わなければいけなかったけれども、そこが手当てされておらず、結果として計算に誤りが生じてしまったという事例だと承知をしております。

 この件を踏まえまして、こうした国保中央会のシステム発注のガバナンスについてお伺いいたします。

 国保中央会が開発するシステム、こちらで例に挙げているのは国民健康保険のシステムでございますが、国民健康保険だけではなく、実際は介護保険や障害福祉など、国民生活に関わる重要なシステムを多数開発、運用しております。そのため、個別のシステムの不具合だけではなく、制度改正が行われた際に、その改正内容が適切にシステムに反映されているかというところも保障する必要がございます。

 今回のミスも踏まえまして、こうした制度改正があった際に、誰がシステムの要件に落とし込んで、適切にシステムへの影響というのを棚卸しして、改修を発注し、それを検証するのかという発注管理全体の仕組みについて考えることが重要だと考えております。

 そこで、まず厚生労働省に、国保中央会が開発、運用する各種システムに関する契約の発注プロセスについてお伺いしたいと思います。

 この件に関しましては、厚生労働省の方での制度改正に伴う発注でございますけれども、こうした国保中央会がシステムを開発、発注するという際に、厚生労働省ですとかデジタル庁といった省庁というのは、こうしたシステムの発注プロセスにどのように関与しているのでしょうか。

 また、こうした発注プロセスについて、契約の進め方について、このように進めていくべきだという、又は関係省庁がこのように関与していくべきだということについて、法令上又は制度上の根拠があるのかということ。

 そして、今回の事例に関してですけれども、このような国民健康保険に関する制度改正が行われた際に、国保中央会が、その改正内容を認知して、関係システムへの影響を棚卸しして、改修を発注してというような、そうした手続というのは正式に何かに定められているのか。もしそういった手続があるのであれば、標準的にはどのようなプロセスなのかというところについて、具体的にお答えいただければと思います。

間政府参考人 まずもって、今回、国民健康保険において、都道府県が管内市町村から徴収する納付金を算定するためのシステムについて改修が適切に行われていなかったこと、このことを四月十日に公表したところでございますが、この件で、都道府県を始めとする関係者の皆様に御心配、御負担をおかけしたことを担当局長としておわび申し上げます。国保の運営に支障を来さぬよう、国としても万全の対応を期してまいりたいと思います。

 その上で、今の委員の御質問でございますけれども、全国の自治体が国民健康保険関係の業務において使用しているシステムの多くは、個々の保険者が開発することによっての非効率さを避けるために、国保中央会が開発し、提供しているものでございます。

 国保に関する制度改正が行われる際、国保中央会が開発するシステムの改修に当たっては、基本的な流れを申し上げますと、まず、厚生労働省及び国保中央会で必要な改修内容の検討を行います。今回の話は、ここのところで組織的な共有ができていなかったという大変恥ずかしい事案だと責任を感じております。

 その後、この基本的な方向が決まりますと、国保中央会が運営し、都道府県や国民健康保険団体連合会、ベンダー等で構成されるシステム検討会などで協議を行いまして、仕様が決定されます。それを基に国保中央会が発注を行うというものと承知しております。

 その上で、他省庁等の、デジタル庁等の関与でございますが、法令に基づく関与ということではございませんけれども、大きく制度が変わり、新たにそういうシステムを構築する場合などは、厚生労働省やデジタル庁といった官庁が調達委員会の構成員として参画する。

 このほか、厚生労働省としては制度所管でございます、国保中央会も国民健康保険法に規定されている法人でございますので、そういった立場から、当該改正がシステムに適切に反映されるよう、国保中央会やベンダーに随時、情報提供や打合せを行うなどにより確認を行っている、こういうのが基本的な流れでございます。

古川(あ)委員 詳細なお答え、ありがとうございます。

 こうしたプロセスを今後改善していくに当たって、まずは現状の正確な理解というものが必要ですので、確認させていただきました。

 こちら、冒頭におわびもございましたけれども、こうした誤りがないようにしていくことというのは非常に重要なことだと私も思っております。なんですけれども、お配りしている資料の中の一番下の方に、今後の対応についてというような形で、このようなことがないように再発防止策的なものが記載されているんです。内容としては、厚労省と国保中央会でちゃんと確認する体制を構築しますし、日頃の情報共有も徹底いたしますというところなんですけれども、その心がけはもちろん重要だなと思うんですけれども、やはり、気をつけますというところだけだと、なかなか、皆さん日々お忙しい中で、こういった問題の再発防止というのは難しいのかなと。なるべく制度の側、システムの方でキャッチする仕組みというものでアプローチしていくのがいいのではないかと考えております。

 そういった考えに基づいての次の質問なんですけれども、今回のミスというのは、元々は、もちろん、法令改正があるときにシステムの対応も必要だねということは、議論にも上がったというふうに承知をしております。ただ、この法律が通った後に、実際にシステムの改修が必要になるのが二年後だった、そういうちょっと時間が空いてしまったことによって、二年後に結果的に対応が忘れ去られてしまったということだと思っております。

 そうした際に、法律というのは改正の際に、施行日がすぐのものもあれば、来年度からとか再来年度からといったように複数の施行日のものをまとめて一本の法律として改正することもあるかと思います。そういった法律の改正を受けてのシステムの改修ということであれば、施行日ごとに別のシステムというか別の発注として分けるのではなくて、そもそも一つの法律改正に伴って一つの大きな管理表みたいなものを作って管理していく方が漏れがなくなるのではないかと思いますが、こうした一体的に管理する仕組みについて厚労省のお考えをお聞かせください。

間政府参考人 お答えいたします。

 国民健康保険に関する制度改正が行われる際には、国保中央会においては、それに対応するためのシステム改修を基本的には制度改正案件ごとに発注を行っております。施行日が同一年度の場合にはまとめてベンダーに発注をしているというところでございます。

 一方で、施行日が、今回のケースもそうだったわけですが、年度をまたぐような場合には、予算の会計年度独立の原則の観点から、単年度で契約を行うことを原則として、その都度ベンダーへ発注を行ってきているというふうに承知をしております。

 しかしながら、こうした誤りはあってはならないことだと、今回のような誤りはあってはならないというふうに考えておりまして、今般の事案を踏まえまして、漏れなく改修を行うための方策について中央会とも協議を進めているところでございます。

 気をつけますというふうに、委員から御指摘いただいたんですけれども、具体的には、やはり人が替わってもちゃんと引き継がれるようにすることが必要ですし、それはいわば担当者任せにしないということも非常に大事だと思っています。そのために、今回、制度改正を行う際に、その施行時期が先であっても、改正時点で見えている改正の必要な項目については中央会との間で組織的に案件を把握、管理する仕組みとしまして、このときには、私と例えば中央会の理事長でありますとか、要するにエスカレーションしてちゃんと各レベルの人が認識するような、そういう仕組みを導入したいというふうに思っております。

 また、いつどのようなシステム改修を行うかについて、保険者である都道府県や市町村にもお示しするといったことが必要であると考えておりまして、議員の御指摘も踏まえつつ、こうした取組を具体化して着実に実施したい、このように考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 情報を持つ人を増やすということも一つの対応策だとは思いますので、そうした方向性も進めていただければと思います。

 続きまして、このような国保中央会が発注するシステムの関係経費についてお伺いいたします。

 先ほども申し上げましたけれども、国保中央会が運用しているシステムというのは様々ございまして、もちろん、その開発に当たって多くのお金がかかっているわけです。国保中央会からの発注に関するお金の出元としてはいろいろありますけれども、公的なシステムである以上、費用や契約の透明性というものは十分に確保することが重要だと考えております。

 そこでお伺いいたしますが、こうした国保中央会が発注するシステム関係経費というものは年間で幾らとなるのでしょうか。そのうち、国保総合システムですとか、今回問題となった国保事務処理標準システムの開発だったり、保守管理、改修については年度ごとに幾らの予算がかかっているのか。また、元々のお金の出元として、厚生労働省からの補助金で出ている部分と国保中央会が払っている部分とあると思いますので、そうした負担の部分も含めてお答えください。

間政府参考人 お答えいたします。

 国保中央会が所有する現行のシステムの保守、改修経費は、国保中央会の令和八年度予算におきまして総額約七百六十億円であり、そのうち厚生労働省からの補助金は約四百七十五億円で、それ以外の二百八十四億円は国保連合会からの負担金などで賄っているというふうに承知しております。

 そのうち、今委員から御指摘のありました国保総合システムの保守、改修経費については、国保中央会の令和八年度予算において総額二百三十六億円でございます。うち厚生労働省からの補助金は約九十四億円、それ以外の百四十二億円は国保連合会からの負担金等によって賄っております。

 また、先ほど御指摘いただきました、今回誤りのあった納付金等算定標準システムを含む国保事務処理標準システムでございますけれども、この保守、改修経費は、国保中央会の令和八年度予算において約六十七億円でございまして、うち厚生労働省からの補助金は五十八億円、それ以外の約八億円は国保連合会からの負担金等により賄っていると伺っております。

 残余の費用につきましては、先ほど委員も御指摘ありましたけれども、後期高齢者医療や介護保険、あるいは障害福祉のシステムの関係の費用が計上されているところでございます。

古川(あ)委員 具体的な数字のお答え、ありがとうございます。

 かなり、やはり七百億以上かかっているというところで、複雑なシステムですし、お金がかかる部分もあると思いますが、こうしたシステムが、もちろん内容が正確であることと同時に、やはり多額のお金が投じられているものでございますので、それが本当に効率的な発注となっているのかといった点について、外部から検証が可能な形であることだったりとか、契約の透明性だったりとか、正しさを担保する仕組みというものが重要だと思いますので、この点については今後も注視していきたいと思います。

 続いて、NDBの問題についてお伺いしたいと思います。NDB、匿名医療保険等関連情報データベースの研究目的のデータ提供期間に要する時間についてお伺いをいたします。

 NDBは、日本国民の医療費請求や特定健診等の情報をほぼ網羅した大規模なデータベースであり、日本の医療研究であったりとか、創薬、医療の質の向上などにとって極めて重要なデータ基盤だと承知をしております。

 このNDBデータの活用については、厚労省としてもいろいろ取決めをされていると承知しておりまして、例えば、汎用性の高い基礎的な集計表についてはオープンデータとして公開するなど、研究者がすぐに利用できるデータセットも用意されていると承知をしております。

 一方で、専門的で詳細な研究を行う際には、研究者が条件を指定して個票データの提供を受ける特別抽出という仕組みが必要となります。こちらについて、お配りしている資料の裏側のところでございますけれども、この特別抽出を行うに当たっては、こんなデータが欲しいですということを申請してから、実際にデータが提供されるまでにおよそ一年ほどの時間を要していると承知をしております。

 でも、こうした医療データの活用方法というのは、それこそ生成AIのような技術の進歩もありまして、様々広がってくると思います。そうして、医療データを分析して何かをやろうというふうになったときに、データの提供までに、一番最後の抽出のところだけでも三百三十日かかりますということであると、なかなかスピード感を持った研究だったりとかタイムリーな研究というものが難しくなってくるのではないかと考えておりまして、ここでかかっている期間、時間というものを短縮していくことが重要なのではないかというふうに考えております。

 ここで厚労省にお伺いをいたしますが、現在、この資料、元々は厚労省の資料ですけれども、こちらでお示しされている様々な工程の中で、どこがボトルネックになっているのかというところ、どのような課題があって、どのような対策を講じているのかという点についてお伺いできればと思います。

間政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員御指摘のNDBの特別抽出による第三者提供につきましては、当該データを用いた研究が適正な保健医療サービスに資する調査であるか、つまり、目的がかなっているか、又は抽出するデータが必要な範囲に限定され、個人が特定されない単位となっているかなどを丁寧に審査する必要があることから、一定の時間を要しているものでございます。

 ただ、できるだけ早くというのは、そうしたいという気持ちはあるわけですけれども、委員御指摘のように、現在、平均で一年以上の時間を要しているところですが、これは大きく言って三つ要因があるというふうに考えています。

 一つは、研究目的や個人情報の保護の観点を踏まえまして抽出条件について研究者の方と調整をするわけですけれども、その応答、こういうのはどうですかというふうに問いかけたときに、研究者の方で御検討いただいている時間が結構あるということでございまして、その抽出条件の確定までに時間を要するというのが一点でございます。

 それから二点目は、申請件数の増加に伴いまして、データ抽出を行うまでに相当の待機期間が発生している、つまり、待ちが発生しているという点が二つ目。

 それから三つ目に、三百億件以上のデータから、申請ごとに異なる条件に基づいて、対象となるデータを抽出する作業というものがございます。こういったことに相当の人員と時間を要するわけですけれども、サーバー数あるいは技術者の人数などが不足していること等が挙げられるところでございます。

 NDBデータの円滑な利活用促進のために、特別抽出に係るデータ提供までの期間短縮についてどのような手法を用いることが有効か、体制整備も必要でしょうし、また、AIの活用も含めまして検討を始めているところでございます。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 お話の中で、件数が増加していることによる待ち時間もあるというところでしたけれども、せっかく使いたい、研究したいという方たちがいっぱいいるのであれば、政府の側としても、やはりニーズがあるのでというところで、人であったりとかお金であったりとかというものを増強することによって、研究者の方たちがデータを使いたいと思ったときに、もちろん手続はしっかりと、安全性とか個人情報の問題とか、そういったものをしっかりチェックしながらも、人がボトルネックになっているとか、設備だったりとかがボトルネックになっているというところに関しては、しっかりと手当てをしていくことが中長期的には日本の医療政策に資するものになると思いますので、こちら、是非よろしくお願いいたします。

 続いて、利活用対象データの範囲拡大とデータ品質の確保についてお伺いいたします。これは、電子カルテの情報共有サービスや医療データの利活用の話でございます。

 現在、電子カルテ情報共有サービスでは、いわゆる三文書六情報と言われるものが対象になっていると承知をしております。こちらは重要な第一歩でございますが、医療の実態を把握するに当たっては、三文書六情報だけではない情報についても検討していくことが重要かと思います。

 例えば、放射線治療をどの部位にどの線量で実施したのか、院内でどのような処置が行われたのかというようなことについて、検査値や画像など、そういったものが治療成績や生活の質とどのように関係するのか、こうした情報がなければ、医療の質の検証ですとか患者本人への便益の還元については限界があるかと思います。

 電子カルテの情報共有サービスは、まずは医療機関間で必要な情報を確実に共有することが出発点です。しかし、この基盤は、将来的には患者本人への情報還元や本人同意に基づく医療データの利活用にもつながるものです。

 こちらで厚労省にお伺いしたいのですが、電子カルテ情報共有サービスや医療データ利活用の対象について、現在の三文書六情報にとどまらず、将来的に対象を拡大する方針はあるのでしょうか。拡大する場合は、放射線治療情報ですとか院内処置の情報、検査画像情報など様々ございますが、どのデータをどのような順番で検討対象としていくのかといった工程表のようなものはあるのでしょうか。

森政府参考人 電子カルテ情報共有サービスで共有すべき情報の範囲についてでございます。

 こちら、そもそも電子カルテ情報共有サービス、現在、モデル事業等を行っておりまして、今年度の冬頃に全国的な運用を開始すべく準備を進めているところでございます。

 傷病名とか検査値等のこれまでもう既に共有することが決まっている情報等については、有識者による検討、それから医療現場におけるニーズ調査というのを行っておりまして、例えば救急とかで必ず必要になってくるもの、それから外来の現場とかでニーズが高いものといったものを吸い上げて、今回、三文書六情報というのを決めさせていただいているところでございます。

 今後、サービス運用開始後も、順次共有する情報を拡大する方針は、当然、方針でございます。その際には、情報を共有する必要性、それから共有するためのルールの標準化、情報共有に当たっての医療機関等の運用負担などを考慮しながら、どの情報を共有するかというのを検討していきたいというふうに考えております。

 いろいろな情報がある中で、どれが優先順位が高いかというのを今の時点ですぐ申し上げるのはなかなか難しいわけですけれども、例えば、医療と介護の連携に必要な訪問看護の指示書とか、そういったものも一つの例示として挙がっておりまして、こうしたものを一つ一つ俎上に上げながら、関係者の意見も聞きながら、拡大の方向性で議論していきたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 元々の三文書六情報もニーズ調査などを踏まえて決定されたということですので、今後の拡大についても、現場の方の意見を聞きながら検討を進めていただければと思います。

 次に、データの品質についてお伺いいたします。

 仮にデータを拡大していくとなった場合に、単に項目を増やせばよいというわけではございません。同じ事象についても、施設をまたいで別の記載のされ方をする例があると聞いております。例えば、アレルギーの情報についても、魚と書くのかサバと書くのかとか、ピーナツと書くのか落花生と書くのかというところ、それが、書き方が病院によって違うとかとなってしまうと、データとして一元化しようとしたときに違うものとして扱われてしまうなどの問題がございます。このように、コードや単位、入力ルール、そういったものがそろっていなければ、正確にデータを把握することは困難です。

 そこでお伺いいたしますが、厚生労働省として、今後、対象データを拡大していくに当たって、このようなデータの品質といったものをどのように担保しようと考えているのでしょうか。実際には、医療機関独自のコードを標準コードにマッピングする作業や、単位や入力ルールの統一、施設間のばらつきの管理が必要になってくると思いますが、こういった点についてどのような検討を行っているのか、教えてください。

森政府参考人 委員御指摘のとおり、本当に、情報共有していくためには、共通化しなければならないものというのは非常に多いというふうに考えているところでございます。異なる施設間で情報共有するために、情報ごとに、使用するコードをきちんと定めなきゃならない。それから、医療機関で使用しているコードと情報共有に用いるコードが異なっている場合には、マッピングをやっていかなきゃいけない。それから、情報入力ルールを標準化することなどが必要だというふうに考えております。

 電子カルテの情報共有サービスにおける情報共有に当たっては、令和二年以降、情報の入力、閲覧のルールの設定、コードの指定、それからマッピングルールや単位の取扱いなどについて、公開のワーキンググループにおいて検討を進めてきたところでございます。

 先ほど、サバ、魚というお話がありましたが、本当に、アレルギー情報で小麦と書くのか、小麦粉と書くのか、グルテンと書くのか、これはばらばらになっていますので、そういうことも含めて丁寧にマッピングしていかなきゃいけないというふうに考えておりまして、引き続き、共有する情報を拡大する際においても、こうした課題も含めて関係者の意見をよく聞きながら検討を進めていきたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 厚生労働省の方でもしっかり認識されている課題ということで、引き続き対応をお願いいたします。

 最後になりますが、まとめてお伺いしようと思います。医療データ標準化を担う人材と医療機関へのインセンティブについてお伺いいたします。

 今お話にあったように、医療データの標準化に関しては様々な努力が必要でございます。一つには人材が必要です。医療データの標準化には、医療の現場を理解して、そういった電子カルテやシステムを理解して、コードの体系というものを理解してといった人材が必要です。こうした人材というのはなかなか多くいるものではないと思いますが、厚生労働省として、こうした医療データ標準化を進めるための人材の育成や確保について、どのような政策を講じられているのでしょうか。

 時間がないのでまとめてお伺いいたしますが、また、実際に標準化を進めていくに当たっては、現場の医療機関には一定負担がかかるものでございます。こうした現場で、そういった人材を確保しなくてはいけないとか、作業時間を確保しなくてはいけないといった現場の負担に対して、適切なインセンティブ設計がなければ、医療機関としてはやる意味がないということでなかなか進まなくなってしまい、社会のためにもなるような標準化が止まってしまうというようなことになりかねませんが、厚生労働省としては、こうした医療機関や個人、実務者が報われるようなインセンティブ設計についてはどのようなお考えでしょうか。

森政府参考人 まず、人材の関係ですけれども、本当に、データを標準化したり、医療機関の情報化を進めていくために必要な人材というのがかなり多く必要で、今この医療の現場にそれだけの人材がいるかというと、なかなか難しいという状況にあるというふうに認識しております。

 人材を確保することも必要なんですけれども、まずその入口部分として、電子カルテと部門システムの間におけるインターフェースの標準化に向けてきちんと整理していくとか、標準インターフェースの構築とか管理体制の整備によって、医療機関のコードのマッピング作業やマスターの調整にかかる負担というのをちゃんと軽減していくことがその入口にあるというふうに考えております。

 その上で、いろいろな人材が必要なんですけれども、地域単位で、高度な医療機関において必要な人材とか、それから、周りの医療機関をサポートするような人材も含めて総合的に養成していくことが必要なんじゃないか、これはサイバーセキュリティーも含めてなんですけれども、そうした観点で考えているところです。

 あわせて、こうした医療機関が必要なものを整備していくに当たっては、当然、必要な支援というのがあると考えておりまして、今年の診療報酬改定でも、情報担当の責任者を置くことについて必要な加算等を入れたところでございますが、これだけではなくて、今年の夏に電子カルテを導入していくための普及計画というのを策定することにしておりまして、その中で、どういった支援が必要かということも併せて医療機関側に示していきながら、必要な体制というのを構築していきたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。是非進めてください。

 以上で質問を終わります。

大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 今日は、ずっとやりたかった社会問題にもなっている香害問題について聞いていきたいと思います。

 この十五年から二十年で、香りを取り巻く状況は一変したと私は思っております。どこに行っても合成洗剤や柔軟剤由来と思われる甘い香りが漂っております。御存じ、化学物質過敏症は、柔軟剤、洗濯洗剤、芳香剤などの香りに含まれる化学物質に繰り返し暴露することで発症をいたします。そして、それ以降、少量の化学物質の暴露であっても、頭痛や目まい、呼吸困難等の健康被害に及んでまいります。職場や学校に行けなくなり、公共交通機関も利用できなくなる人もおります。

 私も何人かにお話を聞きました。この方は、突然症状が出るわけなんですけれども、マンションにお住まいで、隣の方が洗濯物をベランダに干すと、そこから漂うにおいがきっかけで発症をされた。その隣のおうちは、家電量販店で洗濯機を買う際に、サービスで合成洗剤を二年分もらったと。そうなんですよ、本当に。それを使い始めて漂い始めた。お隣の人は化学物質過敏症になってしまっておりますので、お隣のところまで行って、お願いですから二年分の洗剤を私に購入させてください、買いますからということで、香りの元を絶ったわけですね。そこまでせなあかんわけですよ。

 二〇二四年に、大臣は、前の厚労大臣ですけれども、厚生労働省としても、こうした香害に関わる因果関係の研究調査というのは極めて重要であると認識をして、それを一貫して行ってきておりますと。そして、二〇一七年以来、厚生科学研究費による研究テーマを紹介をして、実際にどこまでこの健康被害というものが生じているのか、それをしっかり解明していくことがまず第一だと考えていると述べておられます。

 三年ごとのプロジェクトなんですけれども、一旦このプロジェクトというのは終了しているんですが、大臣、まず、この研究でどのようなことが分かったのか、紹介していただけますか。

上野国務大臣 まず、化学物質過敏症について、令和四年度の厚生労働科学研究において、化学物質過敏症を訴える患者のうち、約七〇%の方が柔軟剤等の香料が症状出現の契機の一つであったといった報告がございます。

 また同時に、この研究の総括報告書においては、化学物質過敏症と中枢神経感作症候群の因果関係を明らかにしていく必要があるとされておりますので、引き続き、厚生労働科学研究等を通じまして、病態の解明に向けた研究を行っていくこととしております。

辰巳委員 驚きですよね。この研究では、約七割の方が発症の契機は柔軟剤等の香料だった、ここが出ているわけなんですね。

 大臣、もう一回ちょっと改めて確認したいんですけれども、今年から新しい研究というのもスタートするというふうに聞いております。これは、この香りに含まれる化学物質と化学物質過敏症との因果関係を解明していく研究ということでよろしいですね。

大坪政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省では、引き続き研究事業を行うこととしておりまして、化学物質過敏症に係る研究を継続して行っております。

 病態の解明に向けた更なる研究が必要なわけでありますけれども、因果関係、七割ぐらいの方がそれの影響があったのではないかということまでは分かっておりますが、病態ですとか発生の機序、こういったものが明らかになっておりませんので、診断基準ですとか治療法が確立していないという状況にございます。

 引き続き、今年度の難治性疾患の研究事業においても手続を進めてまいりたいと思っております。

辰巳委員 今、大事な答弁が続いているんですけれども。

 因果関係は分かっていないというものの、それは、因果関係が分かっていないので、診断であるとかあるいは治療法というのがまだ確定はしていませんね、それは研究で調べていってもらったらいいんですよ。それはやってもらったらいいんです。ただ、今、七割の方が柔軟剤等の香りで発症しているというところまで分かった。もちろん、この研究費というのは一千万円ぐらいの研究だというふうに聞いていますから、例えばサンプルがまだまだ十分じゃないということもあるかもしれません。だったら、もう一度、機序、診断方法、それは調べてください、やってください、これは重要なんです。

 だけれども、やはり、一般の人なら問題にならない少量の暴露でも、特定の人には頭痛や嘔吐などのひどい症状が出るんだ。メカニズム、これは調べていただいたらいいんです。ただ、この香害の発症因子をやはり突き止めていかなければならないと同時に、発症する人を止めるといいますか、起こさない、そういう症状を起こす人をなくしていくというためには、私は、もう一歩進んだ厚労省の研究、つまり疫学調査ですよ、疫学調査をやっていただきたいというふうに思うんです。

 大臣、是非、サンプルはどれぐらいか分かりません、疫学調査していただいて、因果関係を含めた解明を是非前進させるようにお願いしたい。大臣、お願いします。

上野国務大臣 いろいろな議論があろうかと思いますが、先ほど局長が答弁したとおり、まだ病態、機序が明らかになっておりませんので、今般実施をする予定の、今年度、難治性疾患の研究実施、これに向けた今手続を進めておりますので、そうした中で、因果関係の解明も含めた研究を推進をしていきたいと考えています。

辰巳委員 機序が分からなくても、原因物質がこれだということはほぼ分かっているわけですから、そういう原因物質から遠ざけるという対策をやはりやらなきゃならないんですよ。そうじゃないと、化学物質過敏症の方がどんどん出てくると思いますよ、出てきますよ。

 今、香りを長もちさせるマイクロカプセルという技術があるんですね。しかし、苦しい人にとってはこれは苦しみが長く続くだけです。熱や摩擦によって時間差でカプセルがはじけて、香りの化学物質がわあっと外に出ていく。だから、これはすぐにカプセルははじけませんから、例えば椅子などに付着をして他人の服にくっつく。移香というんですね。移動する香り、逃げられないわけですよ。

 兵庫県内にあるクリーニング店にお話を聞きました。複数の顧客から預かった洗濯物を一つの洗濯機で洗うと、柔軟剤のにおいが別の顧客の衣服につく。そういう苦情が多数寄せられたので、もう柔軟剤の香りのする衣服は断らざるを得なくなったとおっしゃっているんですね。

 例えば、ワイシャツとかコート、我々、クリーニングとかに持っていきますけれども、家では下着を洗うわけです。だけれども、その下着に柔軟剤の香りがつくと、ワイシャツに移るわけですよ。ワイシャツからコートなどにも移っていくわけですね。寝具、羽毛布団、これににおいがくっつくんですよ。

 そういうものはこの店では洗えなくなって、お断りするということになっちゃったので、この店では、従来の売上げが、本来の半分近くに減ってしまったということで嘆いておられるんです。洗濯のプロでも取れないんですよ、この香りが。

 クリーニング店を所管するのは厚労省なんですね。大臣が、クリーニング業界の振興指針というのを定めているんですよ。クリーニング店、なかなか大変な業界だということで、頑張りましょうということで、振興指針を定めてくれているんです。クリーニング店にとれば、営業妨害されている立場なんですね。

 大臣、この場合の原因と結果、因果関係、これははっきりしているじゃないですか。においなんですよ、原因はにおいなんです。これはもう因果関係がはっきりしている話ですから、大臣、クリーニング店の影響に、この香料といいますか香りがいかほどの影響や損害を与えているのか、実態をつかむべきやと思いますけれども、いかがでしょうか。

大坪政府参考人 ありがとうございます。

 クリーニング事業者の中で、先生おっしゃるように、甘いにおい、こういったにおい移りの観点から、御家庭での洗濯物において香りつき柔軟剤等を使用したことによる香りがついた衣類、それをお断りしているケースがあるということは、私どもも、ホームページ上でそういうクリーニング事業者がいることは承知をしております。

 ただ、一方で、業界団体全体から、顧客が使用する柔軟剤等の香りによる営業への影響について御意見を頂戴したことは、我々としてはございませんので、引き続き、業界団体等からも、様々な場で業界団体とお話しする機会がございますので、お話を伺ってまいりたいと思います。

辰巳委員 お話を、今ホームページで見たと言うのに業界から聞いていないというのはおかしな話で、聞いてくださいね。クリーニング店、厚労大臣なんですから、やってくださいよ、聞いてください。こんなことは本当に二十年前になかったですよ。やはり異常やと思うんですね。

 私、いろいろ柔軟剤に詳しくなりました、おかげで。それで、見たらびっくりしますよ。百日間続く香りを売りにする商品があるんですよ。これは開発されて、今売っています。あきれるしかないですね。

 どの企業もSDGsといって掲げてくれているんですけれども、誰一人取り残さないといいますけれども、苦しむ人は増え続けているし、取り残され続けていると思うんですね。メーカーの中には、環境大臣賞といって受賞している企業もあります。

 これは、食品の例えばアレルギーであれば、具合が悪くなれば食べなきゃいいんですよ。自らの選択で結果を回避できる。だけれども、この香害は、自分の意思ではどうにもなりません。電車、学校、職場、病院、歯科、スーパー、道路、公衆トイレ、そして隣の家、およそ生きている限り、自分の力ではどうしようもないんですよね。

 今、百日続く香りと言いましたけれども、別のメーカーでは、百日分の蓄積においを根本から剥がし取るという商品も出ているんですよ。百日つけるのか百日取るの、どっちやねんと。むちゃくちゃでしょう。やり過ぎ。

 やはりこれは学校です。学校の香害被害についてもたださなきゃなりません。

 驚きの調査結果が出ました。日本臨床環境医学会の環境過敏症分科会と室内環境学会の同分科会が、各地の地方議員らを通じて教育委員会に依頼をして、九都道県、二十一自治体の学校、園に、去年の五月から、グーグルフォームで一万人以上の子供に対する調査を実施をいたしました。子供の香害及び環境過敏症状に関する実態調査、これは中間報告ですけれども、出ました。

 この調査結果によりますと、香害による体調不良の有無について、小学校低学年は六・八%、小学校高学年で一一・二%、中学生で一二・九%と、これは徐々に増えていくんですね。症状としては、腹痛、胃のむかむか、吐き気、下痢、頭痛、関節痛、鼻水などなんですけれども、体調不良になった子供のうち、およそ四人に一人が香りが原因で登園、学校を嫌がることがあると答えています。つまり、これは全体の二%ですので、五十人に一人が香りが原因で学校に行きたくないなと思っている、そういうことなんですね。これはかなりのケースで、しかも教室内で起こっているということなんです。

 今日は文科省にも来ていただいているんですけれども、児童生徒の学習環境がもうはっきり侵害されていると思います。子供たちに行きたくないと思わせる学校空間を放置しておいていいはずがありません。この調査結果をどのように受け止めているか、まず受け止めを聞かせてください。

中村副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘の実態調査につきましては、両学会の有志の研究者が、協力を得られた学校に対して実施をされたと伺っておりますけれども、具体的な質問項目や調査方法などを含めて、文部科学省では詳細を把握しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきます。

 一方で、香料等に起因して健康不良を訴える児童生徒が存在することは承知をしておりまして、このため、文部科学省としては、関係省庁と協力をして、香りへの配慮に関する啓発ポスターを作成し、事務連絡で学校の方に周知をしております。

 また、都道府県、指定都市教育委員会の担当者が集まる会議の場において、学校における個別の対応例を紹介するなど、各学校において適切な取組が行われるよう引き続き呼びかけてまいります。

辰巳委員 ここに来て塩答弁は、ちょっと看過できないと思うんですよ。受け止めないと駄目だ。

 それと、この一万人の調査というのは、何か外部の民間だと言いますけれども、この調査された団体の一つは、厚生労働省の研究班の一つでもあるんですよ。だから、突き放すのはちょっとひどい話なんですね。これは、文科省がやらないから、その民間団体なんかが苦労してもやっているわけですね。

 私は、そこまで文科省が言うのであれば、文科省として調査に乗り出すべきだと思います。これは一万人、苦労してやられたわけですけれども、文科省が先頭に立ってやったら、学校現場でもっと大きな疫学調査を含めてできると思います。いかがですか。文科省として調査もしていただきたい。どうですか。

中村副大臣 いわゆる香害を含む化学物質過敏症につきましては、現在、厚生労働省において研究が行われている段階と承知をしております。

 文部科学省としては、現段階で実態調査を実施する予定はございませんけれども、厚生労働省の研究により原因等が明らかになった場合には、学校における実態把握の必要性も含め、今後検討したいと考えております。

辰巳委員 いや、もう是非、厚労省任せじゃなくて、文科省が先頭に立ってやっていただきたいと思います。

 アメリカのCDC、二〇〇九年、施設内における香りつき製品の使用を禁止し、約一万五千人の職員に、香りつき洗剤や柔軟剤などで洗濯した衣類を身に着けて職場に来ることを自粛するよう要請いたしました。

 日本でも、労働安全衛生法上は、仕事をしやすい環境を整える義務があります。照明の明るさとか温度については基準がありますけれども、においに関する指標はありません。職場でも香害に苦しむ人は、厚労省にだっていると思います。仕事が続けられなくなるというのは死活問題だと思います。

 大臣、隗より始めよだと思うんですよ。やはり、配慮せなあかんと言うのであれば、厚労省の中で、フレグランスフリーといいますか、いきなり年がら年中じゃなくてもいいですよ、この期間は、一週間、二週間、あるいは一月は、そういう期間を設けるということを検討していただけませんか。どうですか。

上野国務大臣 まず、当該病態など、明らかになっていない、また、柔軟剤等の香りが健康に与える影響も科学的に明らかにされていないので、なかなか現段階で委員御指摘のような対応を取ることは少々難しいかなというふうに考えています。

 一方で、香りでお困りの方々への配慮、これを呼びかけることは重要ですので、消費者庁や厚労省、また国土交通省など、関係省庁で啓発ポスターを作っていまして、御案内かと思いますが、これを自治体に配ったり、厚労省でも大変目立つ場所に貼っておりますので、まずはそういったことから始めさせていただきたいなと考えています。

辰巳委員 もう時間なのであれですけれども、やっていただきたいと思いますよ。

 ポスターという話、今日は消費者庁と国交省にも来ていただいたんですけれども、ちょっと質問はできませんが、消費者庁、ポスターをちゃんと印刷してやってくださいよ。何かPDFで送っただけじゃ、出てくるのはA4のチラシしかないんですよ。大きいポスターでやはり下ろすということをやっていただきたい。

 見たことありますか、皆さん、そのポスター。ほとんど見ないでしょう。ツチノコばりに見ないと言われているポスターなんですよ。行き届くようにちゃんとやっていただきたいというふうに思いますし、国交省も、公共交通機関ですから、香害被害で苦しむことがないように対応していただきたいと思います。

 引き続きやっていきたいと思います。

 以上です。

大串委員長 次回は、来る二十四日水曜日午後二時三十分理事会、午後二時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十五分散会


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