衆議院

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第18号 令和8年6月26日(金曜日)

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令和八年六月二十六日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大串 正樹君

   理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君

   理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君

   理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君

   理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君

      上野 宏史君    衛藤 博昭君

      岡本 康宏君    尾花 瑛仁君

      加藤 貴弘君    金澤 結衣君

      草間  剛君    栗原  渉君

      斉藤 りえ君    繁本  護君

      高階恵美子君    田野瀬太道君

      田畑 裕明君    田宮 寿人君

      田村 憲久君    辻  秀樹君

      新田 章文君    橋本  岳君

      藤田  誠君    藤田 洋司君

      丸尾なつ子君    丸田康一郎君

      吉村  悠君    渡辺 勝幸君

      沼崎 満子君    山本 香苗君

      早稲田ゆき君    梅村  聡君

      喜多 義典君    岡野 純子君

      日野紗里亜君    牧野 俊一君

      古川あおい君    辰巳孝太郎君

    …………………………………

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   厚生労働副大臣      仁木 博文君

   厚生労働大臣政務官    栗原  渉君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          竹林 悟史君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長)   鷲見  学君

   厚生労働委員会専門員   森  恭子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二十六日

 辞任         補欠選任

  田野瀬太道君     辻  秀樹君

  田宮 寿人君     渡辺 勝幸君

  阿部 圭史君     喜多 義典君

  豊田真由子君     牧野 俊一君

同日

 辞任         補欠選任

  辻  秀樹君     田野瀬太道君

  渡辺 勝幸君     新田 章文君

  喜多 義典君     阿部 圭史君

  牧野 俊一君     豊田真由子君

同日

 辞任         補欠選任

  新田 章文君     田宮 寿人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出第六三号)


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     ――――◇―――――

大串委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、予防接種法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人としてこども家庭庁長官官房審議官竹林悟史君、厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長鷲見学君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤田洋司君。

藤田(洋)委員 ありがとうございます。京都二区の新人の藤田洋司です。

 新人でもありますのに二回目の質疑に立たせていただいたこと、理事の先生方や皆様に感謝申し上げます。また、国会に押し上げてくださった地元京都の方々、京都の先生方にも本当に感謝申し上げます。

 まず、法案の趣旨と、抗体製剤を予防接種とすることになった経緯についてお伺いします。

 今回の法改正は、医薬品技術の進歩を踏まえ、ワクチンと同程度に疾病予防効果が認められる抗体製剤について、予防接種の対象とすることを可能とするものであります。

 京都で薬剤師として働いているときから、子供がRSウイルスで入院することになり、その御家庭が御不安な中で生活されていたこと、私も子育て世代として、私自身も苦しく感じておりました。しかしながら、現場では、保護者の皆様から、本当に安全なのか、ワクチンとは何が違うのかといった不安の声も聞かれています。

 現在、抗体製剤の予防接種が想定されておりますが、抗体製剤の予防接種が必要とされた経緯などについて教えてください。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 小児のRSウイルス感染症を予防する抗体製剤につきましては、昨年十月の審議会におきまして、有効性、安全性等について一定の評価が得られた上で、必要に応じて費用対効果等について引き続き検討することとされたとともに、昨年十一月の審議会において、定期接種化に当たっては法的な課題を整理する必要があるとされたところでございます。

 これを受け、本年一月より複数回にわたり審議会において議論を重ねてきたところ、四月三十日に提言が取りまとまったことを踏まえ、今国会に本法案を提出させていただいたところでございます。

藤田(洋)委員 RSウイルスで苦しむ御家庭が少しでも少なくなるよう取組が進められるように、よろしくお願いいたします。

 次に、RSウイルス抗体製剤の国民への情報提供についてお伺いします。

 感染症対策においては、制度を整えるだけではなく、国民の理解と信頼を得ることが極めて重要です。攻めの予防医療の観点からも、接種率の向上は課題でもあります。ただ、京都で薬剤師として働いていたときも、ワクチンに対しての不安から相談される患者さんは多くおられました。妊婦や乳幼児への接種については保護者の負担も大きく、誤った情報が広がれば接種率の低下につながりかねません。

 今回対象となる抗体製剤について、政府はどのようなエビデンスに基づき有効性及び安全性を確認しているのか。RSウイルス感染症及び抗体製剤の有効性、安全性について、国民に対し、どのような情報提供を行い、理解促進を図っていくお考えでしょうか。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたが、小児のRSウイルス感染症を予防する抗体製剤につきましては、昨年十月の審議会において、有効性、安全性等について議論が行われ、一定の評価が得られたところでございます。

 有効性、安全性につきまして、この抗体製剤が定期接種化された場合には、適切に国民が正しく理解した上で接種の判断ができるよう、例えば、リーフレットの作成、そして厚労省のホームページ上でのQアンドAの掲載など、国民に対する予防接種に関する啓発や知識の普及を図るため、丁寧な周知広報を行ってまいります。

藤田(洋)委員 抗体製剤は高い効果が期待される一方で、高額な薬価の医薬品でもあります。定期接種化を検討する際には、重症化予防効果、入院抑制効果、医療費削減効果などを総合的に評価する必要があります。私は、高市政権の目指す攻めの予防医療は大変意義深いものだと感じています。定期接種後も、効果や副反応、有害事象について継続的な評価をお願いします。

 次に、世界へのワクチンの普及についてお伺いします。

 再度になりますが、攻めの予防医療については、日本のみならず、世界に向けても大変意義深いものだと感じています。今後、国産、日本製のワクチンを世界に向けて発信できることは、世界の中での日本の存在感を発揮するだけではなく、医療安全保障の面についても重要なことだと考えておりますが、創薬や製薬についての国産ワクチンの開発などについて、政府としての見解をお伺いします。

上野国務大臣 現在、国産のワクチンの支援につきましては、コロナ禍を契機に創設をされましたワクチン生産体制等緊急整備事業を通じた支援を実施をしております。具体的には、新型コロナワクチンなどを可能な限り迅速に国内製造できるように生産体制を整備をいたしまして、薬事承認された計三社の新型コロナワクチンが定期接種で用いられているところであります。

 委員御指摘のように、国内でワクチンを生産確保できる体制を維持することは、我が国の健康医療安全保障の側面からも重要でありますし、また、世界に向けて様々な面で貢献をしていくという点でも重要だと考えております。

 本年三月に閣議決定をされましたMCM戦略において、持続可能な生産体制を構築できるよう、必要な法制度の在り方を検討するとされておりますし、また、現在検討中の日本成長戦略会議においても、官民投資ロードマップ等において、健康危機管理上必要な感染症対応医薬品等生産体制を構築、維持するとされておりますので、今後、これらを踏まえながら必要な支援の在り方について検討していきたいと考えておりますし、当然、世界を視野に入れて取り組むことが必要だと考えています。

藤田(洋)委員 そういったものに対して創薬や製薬を後押しするような、また、医師、歯科医師、薬剤師、流通や薬業界全体が困らないような薬価制度についても、見直しについてよろしくお願いいたします。

 最後に、自治体への負担への配慮についてお伺いします。

 定期接種化が実現した場合、接種を担う自治体への影響も生じます。私の地元である京都でも、この定期接種化においての財政負担は大きな課題でもあると感じております。

 それぞれの地方自治体への財政負担についてどのように考えておられるのか、また、定期接種化において必要な財政支援を行う必要があるのか、そういう御予定があるのかなどについて教えていただきたいと思っています。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 RSウイルス感染症に対する抗体製剤について、現在、医療保険で用いられる場合の薬価は約四十六万円でございますが、対象は、早産児等の重症化リスクの高い乳幼児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制に限られており、それを前提としたものでございます。

 定期接種化に関しましては、審議会における費用対効果に関する評価において、製造販売業者からのヒアリングも踏まえ、価格を四万五千円として議論が行われているところでございます。

 その上で、定期接種の実施に要する費用は、予防接種法上、市区町村が費用を支弁することとされており、国としては、全ての市区町村が定期接種を適切に実施できるよう、地方交付税による財政措置を行っているところでございます。

 抗体製剤を定期接種化する場合においても、引き続き、予防接種基本計画に基づき、費用対効果にも配慮しながら、望ましい効果を得ることができるよう、透明性の確保や適正化に向けて努めてまいりたいと考えております。

藤田(洋)委員 私も、京都の薬局で働いていた経験上、RSウイルスで苦しんでおられるお子さんやその御家庭をすごく拝見しておりまして、薬剤師としても心苦しい、そういう経験がたくさんあります。そういった中で、今回の抗体製剤のワクチンが皆様にとって有益なものになるように心から願っておりますし、また、それが迅速にしっかりと進められるような行動を政府として取っていただくことを願って、私の質疑とさせていただきます。

 本当にありがとうございました。

大串委員長 次に、沼崎満子君。

沼崎委員 おはようございます。中道改革連合の沼崎満子です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 まず初めにですけれども、昨年の十一月の厚生労働委員会で、RSウイルス感染症に対する抗体製剤の定期接種化に対する質問をいたしました。大臣から、RSウイルス感染症に対する抗体製剤の定期接種化に関する議論を始められるように、できるだけ速やかに対応するとの力強い御回答をいただきまして、今回の予防接種法の法案の審査にたどり着いたというふうに思っております。迅速かつ丁寧な整理をしていただいたことに、まず冒頭、感謝を申し上げたいと思います。

 では、質問の方に移らせていただきます。

 まず初めにですけれども、今回の法案では、単クローン抗体を有効成分として含有し、かつ、ワクチンと同程度にその効果が長期間にわたる医薬品を予防接種法の対象として追加というふうになっております。

 このRSウイルス感染症に対する抗体製剤を含めるような、そういう制度設計になっているんだというふうに理解をしておりますけれども、これからも同様のそういった抗体製剤、抗体製剤に限らずですけれども、新しい医薬品というのは出てくる可能性があると思っています。

 まず初めにですが、従来制度でどのような課題があったという認識で今回の法案改正にたどり着いたのか、また、この改正の意義についてお伺いをしたいと思います。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 本年四月より定期接種の対象疾病にRSウイルス感染症が加わりましたが、海外の先進国では妊婦が接種する母子免疫ワクチンと新生児が接種する抗体製剤の選択が可能な国が多い一方で、我が国では、国内で既に薬事承認を得ている抗体製剤も存在するものの、定期接種においては現行は母子免疫ワクチンのみ選択可能であり、早期に複数の選択肢を用意することが求められていると認識しております。

 一方で、予防接種法においては、予防接種とは「ワクチンを、人体に注射し、又は接種すること」とされているところ、ワクチンと抗体製剤は学術的にも別のものとして扱われており、現行法の予防接種では抗体製剤を用いることは難しいと考えております。

 このため、今回の改正では、現在薬事承認されているRSウイルス感染症に対する抗体製剤の特徴として、単クローン抗体を有効成分として含有するものである点を踏まえ、改正条文案において単クローン抗体という用語を用いて抗体製剤を規定することにより、抗体製剤を予防接種に用いることができる医薬品に位置づけることとしているところでございます。

沼崎委員 ありがとうございます。

 抗体製剤が予防接種のワクチンに含まれるかどうかというのがこの大きな論点だったというふうに思っております。その上で、今回、単クローン抗体製剤というところに限定をされているというふうに理解をしております。

 今後、感染症予防を目的として、ワクチンと同程度に長期間効果が持続する医薬品がこの単クローン抗体製剤以外にも開発をされた場合には、予防接種法の対象として柔軟に検討していく考えがあるかどうか、この点について御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、RSウイルス感染症については、感染の予防を適応として抗体製剤が二剤、薬事承認されておりますが、ほかの定期接種の対象疾病について、ワクチンと同様に使用できるものとして開発が進められている医薬品は現時点で把握していない状況です。

 その上で、今後、感染症の予防に有効な抗体製剤が薬事承認された場合は、ワクチンと同様に、必要に応じて審議会において議論を行い、了承が得られた場合には定期接種化するものと承知しております。

 また、先生から今御質問いただいた、現時点で想定されていない、抗体製剤以外の医薬品も予防接種法上に位置づけることについては、対象とする医薬品と現行の予防接種制度との整合性を十分に議論する必要があるというふうに考えております。

 そういった経過がある中で、今回は、既に感染症の予防に有効なものとして薬事承認を受けている抗体製剤については、可能な限り早期に定期接種化の議論の俎上にのせる必要があるということから、審議会において、対象を抗体製剤に限定して提言が取りまとめられたところでございます。

 このため、今回の改正では抗体製剤以外の医薬品を含めることは適当ではないと考えておりますが、先生が御質問の、想定されていないものについては今後の議論になるだろうというふうに考えております。

沼崎委員 現時点でほかに対象となるようなものは開発されていないということでありますけれども、今後、当然そういったものも出てくるかと思いますので、是非柔軟な対応をお願いしたいと思います。

 次の質問に移りますけれども、今回、この法改正が成立した場合には、RSウイルス抗体製剤についても予防接種法に基づく定期接種化の対象として今後検討することが、今回の法改正が通れば可能になるということで、まだ定期接種が決まっているということではありません。

 昨年の質問の中でも、もう既に母子免疫ワクチンが四月から定期接種化されておりますので、なるべくギャップがない形でこの抗体製剤に関しても定期接種を開始していただきたいというふうに思っております。

 その上で、令和九年四月から開始をもしする場合には、速やかに検討を開始して早期に結論を得るべきというふうに、そういったスピード感を持って対応していく必要性があると思いますが、今後の検討スケジュールについて御答弁をお願いいたします。

上野国務大臣 抗体製剤を予防接種法の予防接種に用いることが可能とされた後に、審議会において具体的に今後のスケジュールなども含めて検討することとしておりますので、現時点で接種開始の時期について明確にお答えするのはなかなか難しいと考えております。

 ただ、学会等を含め、現場の方々からも抗体製剤を早期に定期接種化することについて御要望をいただいておりますので、本法案をお認めいただいた場合には、速やかに審議会で議論を開始をし、準備を進めていく必要があろうかと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 前回の御答弁でも速やかにということで、今回のこの法改正につながっておると理解しておりますので、是非速やかな検討をお願いいたします。

 仮にこの定期接種化がされた場合なんですけれども、先ほど御質問にもありましたけれども、接種する対象が、ワクチンの場合は、母子免疫ワクチンは妊婦さん、お母さんの方に打って、今回の抗体製剤はお子さんの方に接種をするということで、対象も違いますし、新たに変わるということで、接種をされる方からすると、またその保護者からすると、非常に混乱が生じやすいような、ちょっとタイミングがずれたということで混乱が生じやすいということを私は懸念をしております。現場で混乱を生じさせることなく、妊婦さん御本人であるとか、お子さんの保護者の方がお子さんに打つ場合、適切に選択ができるように、母子免疫ワクチンと抗体製剤、それぞれの有効性、安全性及び特徴等について、それを、自治体もそうですし、医療機関、また保護者等に対して適切な情報提供を行うべきというふうに考えております。

 特に、母子健康手帳のときに予防接種の呼びかけをしている方の場合は、場合によっては、抗体製剤の予防接種、定期接種になっていますという情報が届かない可能性というのも、当然、切り替わりのタイミングでは出てくるかと思っております。そういった懸念もございますので、丁寧な周知をお願いしたいと思いますが、こちらに対する御見解をお伺いいたします。

上野国務大臣 本法案を踏まえますと二つの選択肢ができるということになろうかと思いますので、お子さんの保護者の方に妊娠中に御検討いただくということになろうかと考えています。

 本年四月からの母子免疫ワクチンの定期接種については、妊婦の方へ適切に情報提供がなされるように、まず自治体において衛生主管部局と母子保健主管部局が連携して接種勧奨を行う方法や、また里帰り出産などもありますので、その場合には居住地の自治体外での接種の取扱いなどについてもお示しをしているところであります。

 今後、抗体製剤が定期接種化される場合においても、今申し上げましたワクチンにおける運用を踏まえ、妊婦の方に対し適切な情報提供が行われるように、周知方法は十分しっかり検討していきたいと考えております。

 また、委員から御指摘がありましたように、切り替わりのタイミングがありますので、定期接種開始前に母子健康手帳を交付された方への周知ということにも十分留意をしていきたいと考えています。

沼崎委員 ありがとうございます。是非お願いいたします。

 RSウイルスワクチンの定期接種から少し話題を変えさせていただきます。

 私、以前から、これも委員会の中で御質問させていただいておりますが、予防接種の政策を進めていく上では、ワクチンの有効性、安全性の確認というのを継続的にやっていくということももちろん必要なんですけれども、どの程度国民が接種しているのか、その上でどれぐらいの予防効果があったのかということを把握していくということが非常に大事だと思っております。

 一方で、現在、定期接種されたワクチンに関しては接種状況というのは把握ができるんですけれども、任意接種のワクチンについては、定期接種と比べると、接種状況の把握が十分でないというふうに理解しております。

 まず、任意接種ワクチンの接種状況をどのように把握されているのかということをお聞きしたいのと、収集したデータはどのように予防接種政策に活用をしていくのか、御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、今委員からの御指摘のデジタル化の状況でございます。

 新型コロナウイルス感染症への対応について、紙をベースとした予防接種事務が自治体や接種対象者にとって負担となること、予防接種の有効性、安全性に関する調査を迅速に行うための情報基盤がないことが浮き彫りとなったことを踏まえまして、予防接種に関する記録を住民、自治体及び医療機関において電磁的に共有できる仕組みを構築し、本年六月一日から運用を開始したところでございます。

 また、予防接種の実施状況や副反応疑いに係る情報等を格納する予防接種データベースの運用も六月から開始しており、当該データベースの活用によって、これまでの有効性、安全性評価に加えて、医師等による報告を待たずに評価、分析を実施することが将来的に可能になるというふうに考えております。

 なお、予防接種データベースにつきましては、予防接種法に基づく定期接種の実施状況のほか、自治体が費用助成を行っている任意接種の実施状況についても、自治体から国に提供された情報についてはデータベースに格納することとしております。

 引き続き、現場の運用に即したシステムを構築し、地域において円滑に予防接種を行えるよう努めるとともに、予防接種データベースを用いた有効性、安全性分析の結果を国民の皆様に還元することができるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。

 また、先生が、任意接種のときに費用助成を行っているものは今申し上げたとおりでございますが、行っていない任意接種についてはどうするのかという点については、システム上での接種記録の取扱いなどの課題をまずは整理した上で、引き続き必要な検討を進めていくことが必要であろうというふうに考えております。

沼崎委員 今、電子化でデータベースがこの六月から始まっているということで、ここに関しては非常に前進を期待をしています。その場合は、今、助成を行っている任意接種のワクチンに関してはこのデータベース上に載ってくるということでしたけれども、それ以外のところというのがまだ抜けている状況でもありますので、是非そこも御検討をいただきたいと思います。

 その際には、自治体や医療機関に対して、データベースに載せるときに、任意接種、以外のところに関しても積極的に登録をするような、そういった働きかけを、一人でも多くの接種状況というのを把握していただくためにですね。ただ、このデータベースに登録してくださいとなると、当然、自治体としては、助成をしているものは登録してくると思いますけれども、それ以外の部分というのは意識しないと思いますので、是非そういったところに関しても登録、活用を。せっかく六月からデータベースが開始になっていますので、ここに一件でも多くの情報が登録されるように、積極活用についても周知や働きかけが必要だと思いますが、そちらに関する御見解も併せてお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 先生に先ほどお答えさせていただきましたとおり、自治体が費用助成を行っていない任意接種につきましては、システム上での接種記録の取扱いなどの課題をまずは整理した上で、引き続き必要な検討を進めてまいりたいと考えておりますが、今先生がおっしゃったような実務上のポイントなども含めて、どういった対応が必要なのか、そうしたことについて検討してまいりたいというふうに考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。お願いいたします。

 次、ちょっとまた話題が少し変わりますけれども、今、麻疹が国内で発生をしている状況ですので、麻疹に関しての御質問をさせていただきます。

 今、麻疹患者さん、少し落ち着いてきたという情報はありますけれども、依然まだ流行をしている状況でもあると思います。現在の麻疹の発生状況に関する把握に関してまず御答弁をいただきたいということと、今、国内で麻疹患者さんが発生している状況の要因についてどのように分析をされているのか、御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、現在の麻疹の発生状況でございますが、本年第五週以降、麻疹、いわゆるはしかの報告数は増加傾向にございまして、六月十七日時点の累計報告数は五百二十九例と、過去十年間で最も報告数の多かった二〇一九年同時期の六百二十九例に次いで多い水準となっているところでございます。最近の状況といたしましては、五月以降、毎週数例から十数例程度で推移しており、週に六十例から七十例程度報告があった四月頃と比較すると落ち着きつつあると考えられる状況ではあります。

 一方で、麻疹は感染力が非常に強く、先進国でも千人に一人が死亡すると言われる注意が必要な感染症でございまして、引き続き、感染状況を注視して、関係機関と緊密に連携して、感染拡大防止に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 また、海外の話も含めて、麻疹の発生要因をどのように考えているのかという御質問でございました。

 近年、諸外国において、麻疹含有ワクチンの接種率が全体的に低下傾向であります。こうした中、二〇二三年以降、世界的に麻疹の流行が報告されているというふうに認識しております。こうした背景から、麻疹の排除認定国であったスペイン、イギリス、カナダなどの先進国においても認定が取り消されているという状況であるということも承知しております。

 また、現在、一時期と比較して麻疹の国内の報告数は落ち着きつつあるものの、日本においても、国内における定期接種率の低下や近隣諸外国を推定感染地域とする輸入症例の報告、国内二次感染や集団発生の報告もございまして、引き続きの注視が必要と考えております。

 厚生労働省としては、国立健康危機管理研究機構や自治体等の国内の関係機関、WHOを始めとする国際機関等と連携を強化し、国内外の発生動向の把握や情報共有に努めるとともに、ワクチン接種等の推奨及び麻疹に関する正確な情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 今御紹介があったように、世界的にも麻疹の、要するに、ワクチンの接種率が低下することによって、それが直接原因がどうかというのはもちろん判断が難しいんですけれども、確実にやはり流行状況が世界で起きている、もちろん日本国内でもそれが起きているということですので、やはり接種率をしっかり上げた状況で予防していくということが非常に大事だというふうに思っております。

 その上で、今後の日本国内での麻疹のワクチンの接種率向上であったり、今、追加接種等も検討をしている方も当然出てきていると思いますので、こういった方に対する接種率向上あるいは呼びかけ、どのように行っているのか、御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 先生から御指摘がありますように、麻疹の感染拡大の背景として、海外での流行に伴う輸入症例の発生や、麻疹が空気感染で感染力が極めて強く、症状の出現前から感染性を有することに加え、国内外において、コロナ禍以降、ワクチンの接種率が低下傾向にあることが考えられております。

 そのため、自治体、医師会等に向けて、予防接種の積極的な推進について事務連絡で依頼するとともに、麻疹の発生状況や対策について、自治体やメディア向けに複数回説明会を行うなど、情報発信に努めているところでございます。

 このような取組を通じて、麻疹排除状態を、今、日本は麻疹排除状態でございますが、麻疹排除状態を維持するために、定期接種対象者やその保護者に対して適切な情報提供を行ってまいります。

沼崎委員 ありがとうございます。

 ワクチンに関するやはり正しい知識というのもしっかり普及をしていただいて、この接種向上には寄与をしていただきたいというふうに重ねて申し上げます。

 麻疹のワクチンの供給体制について次にお伺いしますけれども、昨年はMRワクチンは限定出荷が行われたというふうに、小児科の先生の方から、私、なかなか手に入らないという現場の声を昨年お聞きしました。

 定期接種に加えて、今後は追加接種を、二回接種していない方とかは希望される方も当然増える可能性がございますので、現在のMRワクチンの供給状況、しっかり定期接種に必要なワクチン量を、追加接種される方が増えたとしてもワクチンの供給量が十分確保されているのか、その点に関する確認ですね。あとは、供給量が不足しているといった報告を受けているかどうかについて御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が御指摘のとおり、MRワクチンにつきましては、令和六年十一月から一部の製造販売業者が出荷を停止していたところでございます。一方で、今月より実は出荷を再開したということでございまして、そういう形で報告を受けている状況でございます。

 また、製造販売業者に対して前倒し出荷等を依頼しておりまして、今年度の医療機関への納入量は、例年と同等以上となる見込みでございます。

 引き続き、先生が御指摘のとおり、希望される方が接種を受けられるよう、ワクチンの安定供給に努めてまいりたいと考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 供給不足は解消されているというふうに理解しましたので、安心して、是非、追加接種等に関してのアピールもお願いいたします。

 次、またワクチンに関連することですけれども、おたふく風邪に関してお聞きをしたいと思います。

 おたふく風邪に関してもワクチンがございまして、おたふく風邪も難聴や髄膜炎など重篤な合併症を生じるということから、予防接種基本計画において、定期接種の対象とすることを目指した公衆衛生上必要性の高いワクチンということで、政府の中で開発優先度が高いワクチンというのを決めているんですけれども、その中におたふく風邪のワクチンというのも含まれていると認識をしています。

 現在、二〇一三年から、実は、おたふく風邪のワクチンの定期接種化というのは議論をされているところなんですけれども、まだ現状では定期接種化されていないと思います。

 現在、おたふく風邪ワクチンの定期接種化に向けた検討はどこまで進んでいるのか、また、なかなか議論が進んでこなかったというか、今、定期接種になっていない、そういった課題に関して御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 おたふく風邪のワクチンでございますが、どういった課題があったのかというところをまず申し上げたいと思いますが、平成元年四月より麻疹の定期接種対象者のうち希望者に対してMMRワクチンの使用を開始しましたが、ワクチン接種後の無菌性髄膜炎の発生が注目されまして、その状況を踏まえた審議会における議論の結果、平成五年四月に接種を見合わせていた、こういう状況でございます。

 そうした中で、本年五月に、先ほど先生からも御指摘がございました、予防接種基本計画において選定した開発優先度の高いワクチンとしてこのおたふく風邪のワクチンを位置づけてきたところでございますが、このワクチン自体が、新たなMMRワクチン、元々のMRワクチンに加えて、おたふくを加えたMMRワクチンが薬事承認されたことを踏まえまして、今月十九日の審議会におきまして、おたふく風邪ワクチンの定期接種化に係る議論が再開されたところでございます。

 今後、おたふく風邪ワクチンの有効性や安全性、そして費用対効果等の科学的知見について、審議会において引き続き御議論いただく予定でございまして、定期接種化に向けて検討を進めてまいります。

沼崎委員 ありがとうございます。

 今、おたふく風邪のワクチンは、MMRワクチン、混合のワクチンなのか、あるいは単独ワクチンなのか、どちらを定期接種化するのか、そういったことも審議会の中で論点になったというふうに理解をいたしました。

 では、定期接種化に向けては、単独ワクチンと混合ワクチン、おたふく風邪単独ワクチンとMMRワクチンをどのように位置づけして今後検討をされていくのか、御答弁をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生が御質問がございましたMMRワクチンと単味のいわゆるワクチン、こうしたものを運用をどういうふうにしていくのか、それを定期接種化するかどうか、この辺りにつきまして、まさに今申し上げた審議会の中で議論していただく予定としておりまして、そうしたことも含めて定期接種化に向けた検討を進めてまいります。

沼崎委員 ありがとうございます。

 どちらかということではなく、両方検討を進めていくのかなと思いました。

 最後の質問になりますけれども、おたふく風邪ワクチンもやはり現状では任意接種になっておりまして、当然、保護者の方の負担も任意接種の場合は違いますし、先ほどお話しした接種率がどのぐらいかというのもやはり正確な把握というのができない、そういったワクチンの状況になっているかと思います。

 今、両方、審議会でこれから検討ということなんですけれども、やはり任意接種が分からないと、本来であれば、定期接種を検討する段階でワクチンの任意接種も含めた接種状況が分かっていれば、その前のデータというのも定期接種に関してデータとして使っていくことができるんですけれども、そこも現状ではやはりできないので、是非、データに関しては、全ての定期接種の情報が、データの、データベースの中に登録されるように進めていただきたいということを重ねて申し上げます。

 また、現状では任意接種ですから、当然、都道府県等で、自治体によって接種の費用負担等も変わっていますので、長らくおたふく風邪ワクチンの定期接種化というのは検討されているかと思いますので、是非ここは前に進めていきたいと思います。

 重ねて、今後の検討スケジュール等について、今、審議会で話が進んでいるところだとは思いますけれども、分かる範囲で、御答弁いただける範囲でお願いをしたいと思います。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生に答弁させていただきましたとおり、おたふく風邪ワクチンにつきましては、現在、定期接種化に向けた議論を審議会において行っているところでございます。今後のスケジュールについて具体的にお答えすることは困難でございますが、必要な議論を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。

沼崎委員 ありがとうございます。

 開発優先度の高いワクチン、ほかにもございますので、まさに攻めの予防医療という意味ではワクチンは有効な手段になるというふうに考えておりますので、是非、そのほかの開発優先度の高いワクチンも含め、またデータベースの積極的な活用も含めて、前に進めていただきたいと思います。

 少し時間前になりましたが、質問を以上で終わります。ありがとうございました。

大串委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。

 本法案、RSウイルス感染症に関する抗体製剤ということですけれども、この四月から、もう既に母子免疫ワクチンについては定期接種化されていることは承知しております。この母子免疫ワクチンを打たれていないお母さんから生まれた新生児に対して抗体製剤を使うということで、いわゆる選択肢が増えるということも本当に有力な手段だと思います。

 ただ、私が思うに、大事なことは、これが運用されてから、制度を導入されてからのことも大事だと思いまして、やはり国民の皆さんがワクチンを、予防接種を受けるかどうかというのは、導入した後も継続的に科学的な検証を行うということが非常に大事だと思います。

 先ほど沼崎議員の質問の中にもありましたけれども、今月から運用が開始されている予防接種データベースというのが、本当に有効性の評価に大きく資するものではないかなと思います。接種状況や感染状況を横断的に把握できるということです。

 我々がやはり感染症において教訓としたいのは、COVID―19、いわゆる新型コロナウイルス感染症です。そのときの知見も生かしてデータベースの議論もされてきたと思うんですけれども、データベースを積極的に活用して、抗体製剤の実際の有効性や継続的な分析と評価を行って、予防接種の施策や現場の運営に適切に還元していくべきと私も考えておりますけれども、改めて政府の見解をお伺いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案が成立した暁には、審議会においてRSウイルス感染症に対する抗体製剤の定期接種化に係る議論が可能となり、審議会で了承された場合には、政省令の必要な改正を行うことにより、RSウイルス感染症の定期接種について抗体製剤を用いることができるようになります。

 先生が御指摘のとおり、抗体製剤を含め、予防接種の有効性等の情報について、国民に対して分かりやすく周知を行うことは重要であるというふうに考えております。これまでも、定期接種化されたワクチンについては、先ほどのコロナのお話もございますが、必要に応じて研究班等で有効性評価等の分析を行い、周知を行ってきたところでございます。

 また、御指摘の予防接種データベースにつきましては、本年六月から運用を開始しており、当該データベースの活用によって、これまでの有効性評価等に加えて、研究班等の報告等を待たずに評価、分析を実施することが将来的に可能となると考えております。

 今後、感染症に関する情報収集、分析、リスク評価の体制を有する国立健康危機管理研究機構、JIHS等の関係者と連携して、データベースを用いた有効性、安全性分析を進めるとともに、新たな科学的知見が得られた場合には、医療機関や国民の皆様に丁寧に情報提供を行ってまいります。

伊東(信)委員 ありがとうございます。本当に、データベースを有効に使うということなんです。

 このRSウイルスもそうですし、新型コロナウイルス感染症もそうなんですけれども、まずは有効な治療法というのがないんですね、治療薬というのが。これもまた沼崎委員も御質問していただいたんですけれども、麻疹ウイルス、はしかウイルスですけれども、これも治療法が確立されていません。

 せっかくですから、この資料を見ていただきたいんですけれども、前回、ゲノムのところで、ノーベル医学・生理賞を取られたペーボ博士の、個人のゲノムの状態で、コロナウイルス感染症でも重症化するという話をしたんです。それを紹介してくれた瀬戸先生と僕が、はしかウイルスのその後の、感染した後に何年かたってからいわゆる重篤な合併症を起こすという亜急性硬化性全脳炎の実験をちょっと、研究をしていたので、これは私の論文なんですけれども、恥ずかしながら。(発言する者あり)済みません、きちっと査読のある論文でございます、引用もされておりまして。

 これは、患者さんから分離したはしかウイルスなんですね。一度はしかウイルスに乳幼児のときにかかられて、十代になってから発症しているんですよ。その治療というか、治療法はないんですけれども、治療のために、ウイルスを分離することができたんですけれども、それを実験動物に今度感染させたらどういうことが起こったかというと、AとBの写真というのは実験動物の脳の写真ですね。分かりにくいかもしれないですけれども、分かっていただきたいことは、虫食い状態になっているということですね。つまり、スポンジ状になっているということなんです。つまり、それだけ神経細胞が虫食いされているということなんです。これは非常に恐ろしいことです。

 まず、なぜ、麻疹ウイルスが、一旦かかって、その後も罹患後症状が続くのかということですね。つまり、だんだんだんだんむしばまれてきて、最後はこうなってしまったということです。これが同じように人間にも起こっているということなんですね。そのためにも予防接種が大事だということをまずは強調させていただきたいと思うんですけれども、それでもやはり、この後、症状が出てくる人もいてる。そういった方々も救済が必要なのではないかということです。

 だから、これは麻疹ウイルスもそうです。新型コロナウイルスに感染された方もそうです。治療法がないんだから、それは今の人類の科学とウイルスとの戦いなんですけれども、それでも我々は、私においては臨床医で研究者で政治家ですけれども、やはり政治家がなすべきことは、その後のことも大事だということです。ただ、今回、RSウイルスのやはり法案ですので、ここは本当に、新たなる選択肢が出たというのはすばらしいことだ、そのように捉えております。

 ただ、麻疹ウイルスの話をしましたので、麻疹ウイルスも、日本においては、これはもうかなり排除状態。というか排除状態なんですけれども、それでも海外から来られる。ワクチンを受けられているか、受けられていない方の地域差もあるということですよね。打っていない世代の方もいてるから、その後のことも大事なんですけれども、本当に、厚生労働省としては、今後の、ここは麻疹ウイルスの話をしましょう、麻疹ウイルスの今後の対策についてどのようにお考えか、お伺いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 麻疹、いわゆるはしかの報告数は、本年六月十七日時点の累計で五百二十九例と、過去十年間で最も多かった二〇一九年同時期の六百二十九例に次いで多い水準でありますが、五月以降は毎週数例から十数例程度で推移しており、週に六十例から七十例程度報告があった四月頃と比較すると落ち着きつつあると考えられる状況でございます。

 一方で、麻疹は感染力が非常に強く、先進国でも千人に一人が死亡すると言われる注意が必要な感染症であり、厚生労働省では、引き続きワクチン接種の積極的な勧奨を行うことが重要であると考えております。

 具体的には、平時からの取組として、麻しんに関する特定感染症予防指針において接種率目標を定め、各自治体における定期接種の接種率を把握し公表するとともに、今般の流行においては、自治体や医師会等に向けて、事務連絡や説明会等を通じ、予防接種の積極的な推進について繰り返し周知しているところでございます。加えて、海外渡航者向けの注意喚起、自治体における積極的疫学調査の推進、医療従事者向けリーフレットの作成、こうした取組を通じて麻疹の感染拡大防止に努めてまいります。

伊東(信)委員 やはり、治療法のないウイルス感染症に対して、いかに本当に予防接種が大事かということなんですね。

 ですので、大臣、これもまた本当に、沼崎議員ともかぶっているんですけれども、早く、早くこのRSウイルスの抗体製剤、進めていただきたいわけですけれども、現時点の見通し、いつからということを改めてお聞きします。

上野国務大臣 今後、審議会において、具体的なスケジュール等も含めて議論されることと承知をしておりますので、現時点でなかなか、明確にいつからということをお答えすることは少々難しいと考えておりますが、学会の皆さんを含め、様々な現場の方からも、早期の定期接種化をすることについての御要望をいただいておりますので、本法案をお認めいただいた場合には、速やかに審議会で議論を開始をして、円滑な定期接種を開始できるように準備を進めていきたいと考えています。

伊東(信)委員 大臣、ありがとうございます。

 ただ、フロアから漏れ聞こえてもきますけれども、やはりここは党派を超えてお願いしたいわけですよね。本当に私も、ウイルスに携わってきた者として、個人的には少なくとも来年春ぐらいには、私の個人的な意見を申しますけれども、開始していただきたいんですが、もう少し、もう少し、もう少し踏み込んで御答弁をお願いいたします。

大串委員長 質疑時間が過ぎておりますので、終了してください。(伊東(信)委員「目指してでいいので」と呼ぶ)

 では、上野厚生労働大臣、簡潔にお願いします。

上野国務大臣 本法案をお認めいただいた場合には、委員御指摘のとおり、最速では来年度から、来年度当初からということも想定できるというふうに思っておりますので、そうしたことを念頭に、準備を進めていきたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 コロナ、RS、麻疹感染症、本当に治療法がないので、よろしくお願いいたします。

大串委員長 次に、日野紗里亜君。

日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。

 質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、予防接種法の一部を改正する法律案に対する質疑をさせていただきたいと思います。

 今回の予防接種法改正の大きな目的は、一歳までに約五〇%、二歳までにほぼ一〇〇%の乳幼児が感染すると言われているRSウイルス感染症を防ぐため、現在の予防接種法で対象となっていない抗体製剤についても予防接種の範囲に含め、定期接種化を可能とするものと認識しております。育児者の一人として大変ありがたく感じておりますし、まずは子育て世帯を代弁して感謝申し上げます。

 私は、保護者が正しい知識を持ち、安全性や万が一の健康被害救済制度について理解し、安心して接種を選択できる環境を整えることが、接種率の向上につながり、結果として、より多くの子供たちをRSウイルス感染症から守ることにつながると考えております。本日は、これから出産を迎える御家庭や子育て中の御家庭が正しい知識を得て安心して選択できるよう、育児者目線の疑問を一つ一つ確認させていただきたいと思います。是非、ママやパパにも分かりやすくお答えいただければと思います。

 RSウイルス感染症は、少し風邪を引いたかなという程度で済むお子さんもいれば、気管支炎や肺炎を発症し、入院が必要となるお子さんもいます。特に、生後間もない赤ちゃんや基礎疾患のあるお子さんにとっては重症化が心配される感染症です。

 子供の風邪は、どれだけ気をつけていてもかかるものです。我が家も、園からの連絡で何度も仕事を抜け出し、迎えに行ったものです。時には、三つ子が順々に気管支炎になり、三つ子の二人が入院、一人は入院まではいかないけれども自宅療養が必要、上の子は元気満々で外に遊びに出たい。もう大人の手が幾つあっても足りない状況で、本当に大変でした。

 そんな中、今回の法改正では、主に二つ、保護者にとってメリットがあるというふうに理解しております。

 一つ目が、これまで予防接種法の対象ではなかった抗体製剤を予防接種法に位置づけることで、RSウイルス感染症予防のための定期接種化を可能とし、原則として保護者負担なく接種できるようにすること、もう一つは、万が一健康被害が生じた際には予防接種と同様に健康被害救済制度の対象となるようにすること、この認識でよろしいでしょうか。お答えください。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 本改正により、今後、審議会で議論され、了承された場合には、RSウイルス感染症に対して抗体製剤を定期接種として用いることができるようになります。

 その場合、全ての自治体において、母子免疫ワクチンに加えて抗体製剤が新たな選択肢に位置づけられることになるとともに、国としては、RSウイルス感染症は予防接種法上のA類疾病であることから、全ての市町村が定期接種をできるよう、接種に必要な費用のうち九割相当について地方交付税措置を行うこととなります。その上で、各自治体は自己負担額を定めることとなりますが、A類疾病に関しては、現時点でおおむね自己負担なく実施されているところでございます。これが一点目でございます。

 もう一点目の方が、先生が御指摘のとおり、予防接種健康被害救済制度でございますが、抗体製剤が定期接種化された場合には、ほかの定期接種のワクチンと同様、制度の対象となるものでございます。

日野委員 ありがとうございます。

 本年四月から、同じくRSウイルス感染症の予防を目的として、妊娠中のお母さんが接種する母子免疫ワクチンの定期接種も始まっています。今回の法改正で道が開かれるのは、生まれた赤ちゃん本人に投与する抗体製剤でございます。

 いずれも赤ちゃんのRSウイルス感染症予防を目的としたものですが、育児者の立場からすると、妊娠中にお母さんが接種するのと生まれた後に赤ちゃんが接種するのと何が違うのか、どちらの方が効果があるのか、結局、自分たちはどちらを選択すればいいのかという率直な疑問ではないかと思います。

 そこで、お伺いします。

 母子免疫ワクチンと抗体製剤について、それぞれどのような違いがあり、どのような効果が期待されるのでしょうか。安全性も併せて、保護者に分かりやすく御説明をお願いします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 RSウイルス感染症の母子免疫ワクチンとは、妊婦に接種することにより、母体内で作られた抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、生まれた乳児が出生時から疾病の予防効果を得ることができるものであるというものに対しまして、RSウイルス感染症の抗体製剤の方は、乳幼児に直接抗体を投与することにより、接種を受けた乳幼児が予防効果を得ることができるものであります。

 これらの母子免疫ワクチン、抗体製剤のいずれも、入院に至る乳幼児のRSウイルス感染症を半年間で、半年間と申しますのは、ワクチンの方は生後半年間、抗体製剤の方は接種後半年間、こうした期間において、約六割から八割程度、抑制をする効果が認められているという状況でございます。

 また、母子免疫ワクチンと抗体製剤は接種対象者が異なることから、それぞれの安全性について単純に比較することはできませんが、いずれの製剤についても審議会において副作用報告等を評価しており、これまでその安全性に重大な懸念は認められておりません。

日野委員 お答えいただきまして、ありがとうございます。

 追加で二つお伺いさせてください。

 まず、今いろいろ御説明いただきましたが、政府としてはどちらを基本的な予防手段として考えているのかという点と、既に定期接種が始まったばかりの母子免疫ワクチンと、法案可決後に定期接種が予定されている抗体製剤、双方とも保護者が安心して選択できるよう、接種実績や有効性、安全性について今後どのように検証し、その結果をどのように公表していくか、お考えをお聞かせください。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 RSウイルス感染症につきましては、接種機会を広く確保する観点から、複数の予防の選択肢があることが望ましいため、妊娠中の母体にのみ接種可能な母子免疫ワクチンだけでなく、乳児本人に接種できる抗体製剤を予防接種に用いる医薬品として位置づける必要があると考えております。

 その上で、個別具体の製剤に係る対象者については、それぞれの製剤における有効性、安全性等を踏まえ、本改正後の審議会における定期接種化に向けた検討の中で御議論いただくものと承知しております。

 また、定期接種化されたワクチンについて、これまでも接種者数については厚生労働省ホームページにおいてお示しするとともに、有効性及び安全性については、様々な科学的知見を収集した上で、必要に応じ審議会において検討を行い、公表してきたところでございます。

 抗体製剤が定期接種化された場合においても、その有効性においては、RSウイルス感染症の発生動向等を踏まえつつ、必要に応じて検討するとともに、安全性については、副反応疑い報告のほか、様々な科学的知見に基づき、定期的に審議会で御議論いただくものと承知しております。

 引き続き、科学的知見の収集に努め、専門家に評価いただき、抗体製剤の有効性、安全性に関して正しく理解した上で接種の判断ができるよう、必要に応じてリーフレットの作成などを行うなどしながら、一般の方や医療従事者に向けて適切に情報提供を行ってまいりたいと考えております。

 ですので、どちらが基本ということよりも、私ども、しっかりと有効性、安全性というものをお示しして、それで御判断いただけるような形にしたいというふうに考えております。

日野委員 ありがとうございます。

 ちょっと質問が前後いたします。

 保護者が気になる点として、接種する時期と併用についてお伺いさせていただきたいと思います。

 抗体製剤はほかの定期接種ワクチンとの同時接種は可能であるのか、また、生後何か月頃の投与を想定しているのか。時期に関しては、近年、RSウイルス感染症の感染時期が変わってきているという傾向もありますが、政府としての御見解をお願いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 RSウイルス感染症に対する抗体製剤と他の定期接種のワクチンとの同時投与、母子免疫ワクチンを接種した者に対する抗体製剤の投与、こうしたものについて、それぞれ、薬事承認上の制限はございません。

 抗体製剤の投与時期につきましては、薬事承認上、RSウイルス感染流行期に接種することとされているところ、流行期の特定方法やその他のワクチンとの併用、また先生が御指摘の同時接種といった具体的な接種の運用、これらにつきましては、今後の審議会における定期接種化の検討の中で御議論いただきたいというふうに考えております。

日野委員 では、追加でお伺いさせてください。

 母子免疫ワクチンを接種した場合でも、子供に対して抗体製剤を投与することは可能なのでしょうか。また、母子免疫ワクチンを接種することで、お母さん自身がRSウイルス感染症にかかりにくくなる効果も期待できるのでしょうか。こちらも分かりやすく御説明をお願いします。

鷲見政府参考人 母子免疫ワクチン及び抗体製剤につきましては、外来受診あるいは入院に至る乳幼児のRSウイルス感染症を半年間でそれぞれ約六割から八割程度抑制する効果が、薬事承認申請時に根拠資料として提出された臨床試験において認められております。

 母子免疫ワクチンというのは、あくまで乳児を対象として有効性が評価をされて薬事承認を得ているものでございますが、妊婦本人のRSウイルス感染症による外来受診に対する予防効果自体は約八二%とする一部の報告もあるというふうに承知しているところでございます。

 先ほど申し上げたところでございますが、同時接種ということについては、先ほどの抗体製剤と他の定期接種のワクチンとの同時投与、それから母子免疫ワクチンを接種した者に対しても抗体製剤を投与できるかどうか、これについては薬事承認上の制限はないということでございます。

日野委員 ありがとうございます。

 ほかの先生からも御質問あったかと思いますが、改めてお伺いさせていただきたいと思います。

 保護者にとって、法案成立後、実際に定期接種として開始されるのはいつ頃かという点がやはり一番気になると思います。現在、出産を控えている御家庭や乳児を育てている御家庭にとっては、うちの子は対象になるのか、これは大きなポイントであると思います。もしよろしければ、大臣、前向きな御回答をいただけると幸いです。

上野国務大臣 先ほど来申し上げておりますとおり、今後、審議会で具体的な議論をすることとしておりますので、現時点においてはなかなか難しいというお話をさせていただきましたが、先ほど来申し上げておりますとおり、現場の方々からも早期に定期接種化をすることについて御要望をいただいておりますので、先ほど申し上げましたとおり、最速では来年度当初から定期接種化するということも念頭に、準備を進める必要があろうかと考えています。

日野委員 御回答いただきまして、ありがとうございました。

 続きまして、これもほかの先生からも御指摘あったと思いますが、感染症予防効果を持つ抗体製剤はほかにも存在するかと思います。政府としては、今後、新たな抗体製剤についても予防接種法上の対象として検討していくお考えなのでしょうか、それとも、今回の改正はRSウイルス感染症、こちらに限った対応なのか、そちらのお考えをお伺いさせていただきたいと思います。お願いします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、感染症の予防に有効なものとして薬事承認されているもので予防接種の目的に合致するような抗体製剤は、RSウイルス感染症に対するもののみに限られており、他の感染症の流行を予防するものとして具体的な開発のめどが立っている抗体製剤は、現時点では存在しないというふうに承知しております。

 その上で、今般の改正については、RSウイルス感染症に対する抗体製剤を念頭に置いているものの、今後、RSウイルス感染症以外の感染症の予防に有効な抗体製剤が薬事承認された場合には、必要に応じて審議会において議論を行い、了承が得られた場合には定期接種化するものと承知しております。

日野委員 御回答いただきまして、ありがとうございます。

 続きまして、現在、乳幼児が受ける代表的な任意接種の一つがおたふく風邪ワクチンだと思います。保護者からしますと、定期接種化がされているほかのワクチンは負担なく接種できる一方で、おたふく風邪ワクチンは自己負担が生じるわけで、打つ必要性が高くないと判断し、積極的な接種をしない家庭もあるかと思います。

 お伺いさせてください。

 こちらは、定期接種化に向けた検討は進められているのでしょうか。

 あともう一つ、済みません、こちら、通告にはないんですけれども、もしお答えいただけたら。既に定期接種化がされているほかのワクチンと比べ、打つ必要性が低いものなのか、やはり打った方がいいのか、こちらについてもお伺いできましたら幸いです。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 おたふく風邪ワクチンにつきましては、本年五月に、海外で用いられているおたふく風邪ワクチン株を含有する新たなMMRワクチンが薬事承認されたことを踏まえ、今月十九日の審議会において、JIHS、国立健康危機管理研究機構から提出されたファクトシートに基づき、現在任意接種で用いられている単味おたふく風邪ワクチンも含め、定期接種化に係る議論が再開されたところでございます。

 今後、おたふく風邪ワクチンの有効性や安全性、費用対効果等の科学的知見について審議会において引き続き御議論いただく予定であり、定期接種化に向けた検討を進めてまいりたいと思います。

 また、別途御質問をいただきました、これは打つ必要がないものなのかという御質問がございました。

 これにつきましては、私ども、基本計画の中で開発優先度の高いワクチンとして位置づけているということでございまして、必要性が高いワクチンだというふうに認識しているものですから、開発優先度の高いワクチンとしているところでございます。

 こうしたものが今回薬事承認されたということでございますので、これを踏まえまして定期接種に係る議論を再開したという状況でございます。

日野委員 御回答いただきまして、ありがとうございます。

 続きまして、予防接種健康被害救済制度の目的について改めてお伺いさせていただきたいと思います。

 この制度はどのような趣旨で設けられているものなのでしょうか。また、申請されたものの認定に至らなかった方に対してはその結果や判断理由についてどのような説明がなされているのか、お伺いさせてください。お願いします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 予防接種健康被害救済制度は、予防接種法に基づく予防接種が社会防衛上行われる重要な予防的措置であり、極めてまれではあるが、不可避的に健康被害が起こり得るという特性があるにもかかわらず、あえて実施しなければならないということに鑑み、健康被害を受けた方に対して特別の配慮をするために設けられた制度でございます。

 このため、厳密な医学的因果関係までは必要とせず、個々の事例ごとに医学的、科学的知見に基づき予防接種と健康被害との因果関係について審査を行っているところ、因果関係の認定に至らなかった場合は、審査会の議論を踏まえてその判断結果及び理由を丁寧に通知しているところでございます。

日野委員 もう一つお伺いさせてください。

 予防接種後に何らかの健康上の問題が生じた場合において、診断基準や有効な治療法が十分に確立されていない症状も実際に存在するかと思います。そのような症状について、今後、診断、治療に関する研究や診療体制の充実を国としてどのように進めていくとお考えでしょうか。上野大臣、お願いいたします。

上野国務大臣 まず、例えばですが、新型コロナワクチンあるいはHPVのワクチンの接種後の症状については、その当該症状の診療が可能な専門的な医療機関、これを設置をするとしております。また、厚労省の研究事業においては、専門的な医療機関を受診した患者の方の患者情報や症状、診断名、治療法等について調査を行って、審議会に報告をし、議論をいただいているところであります。

 今後とも、専門家の意見を伺いながら、必要に応じて、接種後の症状に関する調査研究、これについてはしっかり検討を進めていきたいと考えています。

日野委員 ありがとうございます。

 続きまして、自治体負担についてお伺いさせていただきたいと思います。

 定期接種については、一般的に、地方負担分は交付税措置が講じられております。今回も同様の整理になるのだとすると、不交付団体は普通交付税の交付を受けていないため、交付税措置の対象とはなりません。

 まず、お伺いさせてください。

 今回のRSウイルス感染症対策についても、自治体負担分につきましては、財源は交付税措置とされ、不交付団体には新たな財政負担が生じるとの認識でよろしいでしょうか。こちら、お願いします。

上野国務大臣 まず、金額的な話からお話をしたいんですが、昨年十月の審議会において、製造販売業者からのヒアリングを踏まえ、ベイフォータスの価格を四万五千円、接種にかかる費用を三千二百円として費用対効果を計算しておりまして、そうしたことを前提に、各自治体で費用が発生するということになろうかと思います。

 その場合の普通交付税の措置でありますが、予防接種法上、定期接種に要する費用は市町村が支弁することとされておりますが、A類疾病、この場合、RSウイルス感染症などのA類疾病を例に申し上げますと、その費用の九割相当については、これは交付団体か不交付団体かの区別はなく、普通交付税の基準財政需要額に算入をされているところであります。

 その上で、普通交付税の不交付団体につきましては、基準財政需要額が基準財政収入額を下回っているので普通交付税が交付されないということになりますが、今申し上げましたように、そもそもの基準財政需要額に算入をされていることによりまして、当該費用につきましては必要な財源としては確保されている、そういう整理になります。

 厚労省としては、今後とも、関係省庁と連携をして、必要な地方財政措置についてはしっかり財源確保に努めていきたいと思いますし、ワクチン価格に関する調査など、実際、接種費用、これから定期接種が始まるということになれば、具体的な費用の算定等についても、それぞれにいろいろな数字が出てこようかと思いますので、そうしたものをしっかり地方財政措置などに反映できるような取組についても取り組んでいきたいと考えています。

日野委員 ちょっとお伺いさせていただこうと思ったのを一度にお答えいただきました。

 そうですね、本当に、現状のこういう制度であることは分かっておりますが、不交付団体の皆様から、やはり子育て支援に関するもの、これはワクチンに限らずですが、交付税措置がされるもの、大変多くなっております。少子化の今、子供に対して手厚い自治体ほど、ちょっと財政的に厳しくなっていく、こういったことは避けていきたいと思いますので、政府からの応援もお願いさせていただきたいと思います。

 続きまして、予防接種における移動支援についてお伺いさせていただきたいと思います。

 予防接種は、生後二か月から開始されるなど、乳児期の非常に早い段階から定期的に行われる重要な公衆衛生施策ですが、この接種を受けるための医療機関への移動そのものが困難となっている家庭もあります。

 特に双子や三つ子などの多胎児家庭では、同時に複数の低出生体重児を医療機関に連れていく必要があり、保護者一人での受診が難しいという実態がございます。そのため、実際に私が所属していた多胎家庭支援団体においても、保護者から同行支援の必要性を求める声が多く寄せられたことから、市の委託事業として、まず乳幼児健診への同行支援を実施し、その後、予防接種にも更に対象が拡大されました。

 私、必ず同行支援利用後のアンケートを取っていたのですが、利用満足度一〇〇%、さらに、また利用したいと回答された方も一〇〇%という結果でした。多胎育児経験者が同行することで、保護者の負担軽減や接種機会の確保にもつながる、当事者のニーズを捉えた非常によき支援で、今も仲間が志一つで、今奮闘している子育て世代のために頑張ってくれています。

 そこで、お伺いします。

 現在、国として、乳幼児の予防接種に際し、移動が困難な家庭に対する移動支援や同行支援について、制度として位置づけられたサービス、あるいは自治体に推奨している仕組みはあるのでしょうか。まずはこちらについてお答えください。

竹林政府参考人 お答え申し上げます。

 こども家庭庁では、令和二年度から、二歳程度までの多胎児を育てる方を対象に、サポーターを派遣し、予防接種のための移動も含め、外出時の補助を行う多胎妊産婦等サポーター等事業を実施しております。

 その上で、多胎妊産婦の数が少人数であることなどにより、この事業を実施していない自治体もあると考えられることから、令和五年度からは、事業の実施主体として市町村だけでなく都道府県も追加し、都道府県による広域的な事業の実施を可能としております。

 こうした中で、この事業の実施自治体数は着実に増加をしており、スタートの令和二年度は二十八自治体だったところ、令和六年度は百二十四自治体となっております。

 今後も、より多くの自治体がこの事業に取り組んでいただけるよう、既に取り組んでいただいている都道府県や市町村の事例の周知に加え、自治体への積極的な働きかけに努めてまいります。

日野委員 ありがとうございます。

 その事業、本当に導入していただいて、一多胎育児当事者として、そして多胎家庭支援団体を運営していた者として、感謝申し上げます。

 事業の実施率自体がまだ低いということもありますし、その事業を担ってくださっているところにおきましても、本当に多胎家庭は移動が大変なんですけれども、こうした移動支援として行っているケースが全てではないかと思います。やはり、二人、三人の命を守って移動する、そういった家庭に対する支援を国の方でも是非考えていただきたく、また、そういった支援ができた際には、自治体の方にもしっかりと通知していただきたいというふうに思っております。

 大臣にお伺いさせていただきます。

 多胎育児家庭など、移動そのものが大きな負担となっているケースについて、予防接種の接種機会を確実に確保する観点から、今後どのようにそういった支援を充実させていくお考えか。済みません、これはこども家庭庁さんに関することかもしれないんですけれども、今回は予防接種ということで、厚生労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。お願いします。

上野国務大臣 厚労省といたしましては、これは当然、多胎児家庭も含めまして、接種を希望する方が接種を受けやすい環境を整備する、これが大切だと考えています。

 今し方こども家庭庁の方から多胎妊産婦等支援について事業の説明などあったかと思いますが、移動支援を含めた様々な支援をされているものだと伺っております。

 厚労省といたしましても、こども家庭庁さんがやっていらっしゃるようなこうした取組についてもしっかり周知をしていきたいと考えております。

 多胎児家庭を含め、接種を希望される方が接種を受けられるような環境整備、そうしたことも通じて、しっかり取り組んでいきたいと考えております。

日野委員 より一層充実した支援をお願い申し上げまして、少し早いですが、日野紗里亜の質疑は以上とさせていただきます。

 ありがとうございます。

大串委員長 次に、牧野俊一君。

牧野委員 参政党の牧野俊一でございます。

 本日、初めて厚労委員会の方で質問させていただきます。お時間をいただきまして、ありがとうございます。

 今回、抗体製剤は、ワクチンとは異なりまして、体内で抗体生産を誘導するものではなくて、抗体そのものを投与するということになります。

 本改正は、薬機法上の医薬品分類として既にある抗体製剤を全てワクチンと定義するわけではなくて、あくまで予防接種法上の制度運用において、予防効果を持つ抗体製剤を使用可能にするものというふうに理解しております。

 今回の改正において、既存抗体製剤が広く一般にワクチンとして承認申請されるわけではなく、その点については直ちに問題があるというふうには考えておりませんが、以下、懸念点について質問をさせていただきます。

 まず、費用対効果に関してですけれども、RSウイルス感染症は、特に乳児、生後早期の子供において重症化するリスクがあり、入院の予防とか、親の費用損失、そして医療逼迫の回避であるとか、家族の負担を軽減するといった観点から、このニルセビマブ、以下ベイフォータスと呼ばせていただきますが、このベイフォータスの有効性には一定の意義があると考えております。

 したがって、選択肢として抗体製剤を位置づけること自体を直ちに否定するものではないんですけれども、日本の現行の薬価のまま定期接種化した場合は、かなり行財政、自治体財政に過大な負担を生じるおそれがあると思います。

 現在のベイフォータスの薬価は五十ミリグラム製剤で四十六万円、百ミリグラム製剤で九十一万円となっていまして、この薬価でこのまま計算しますと、年間出生数約七十万人、接種率を九割程度と仮定した場合に、薬剤費だけで年間三千から五千億円というふうになってしまいます。

 先ほどまでの答弁の中で、最終的に四・五万円程度というところを目指すというお話がありましたが、これは現状の試算で四・五万円を目指すということですけれども、実際に制度運用を開始してみて本当に、やはり一定数が出て初めてこの四・五万円というものが実現していくと思いますので、想定どおりに接種数が伸びなかった場合には、その四・五万円に対して不足する分を国費で補うという形になるのか、具体的にその辺のデザインがどうなっているのかについてお聞かせ願えますでしょうか。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、RSウイルス感染症の予防効果が認められている抗体製剤として審議会で議論されたベイフォータスにつきましては、医療保険の対象は、早産児等の重症化リスクの高い乳幼児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制に限られており、御指摘の薬価も、先生がおっしゃるように非常に高価なものとなっておりますが、それは、今申し上げたような形で対象者が非常に少ないというものを前提としたものになっているからでございます。

 その上で、仮に全ての乳幼児に対して抗体製剤を定期接種化する場合の具体的な価格は、企業と自治体の協議において決定されるためお示しすることは困難であるものの、昨年十月の審議会においては、製造販売業者からのヒアリングも踏まえて、ベイフォータスの価格を四万五千円とした費用対効果に基づく議論が行われ、制度上の論点に係る議論の経過を踏まえながら、必要に応じて費用対効果等について引き続き検討することとされているところでございます。

 いずれにいたしましても、抗体製剤の定期接種化に当たっては、予防接種基本計画に基づき、費用対効果にも配慮しながら、望ましい効果を得ることができるよう、透明性の確保や適正化に向けて努めてまいりたいというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうしますと、ちょっと一応確認ですけれども、もし想定どおりに数が出ないといった場合には、最終的な調達価格が四・五万円を大分上振れてくるということもあり得るという認識でよろしいでしょうか。

鷲見政府参考人 先ほど申し上げましたが、最終的なこの具体的な価格というのは、企業と自治体等の協議において決定されるためお示しをするというか予断をすることは難しいと考えておりますが、この審議会に出す際に、製造販売業者からのヒアリングを踏まえた上で、この価格を四万五千円として費用対効果を行うということになっております。

 こうしたことも踏まえまして、私ども、今後も製造販売業者からの適切なヒアリングを行いながら、この費用対効果というものをしっかりと進められるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうすると、実際の費用対効果がどうなるかということについては、これがどれぐらいの接種者の対象範囲に対して推奨していくかということも絡んでくると思うんですけれども、RSウイルス感染症は、乳児の入院原因として非常に重要ですし、私自身も臨床の場面で何度か立ち会ったこともございます。

 一方、RSウイルス感染症に伴う死亡報告自体は、全年齢で年間三十人程度となっていまして、中でも特に、低出生体重児や基礎疾患を有する児において死亡リスクが高いとされています。また、統計的には、元々は四から八月においてはRS感染症報告数が明らかに少なかったわけですが、近年少しその動向にも一部変化はあるようではございますけれども、一定の季節性があるということで、主として目的とする便益を死亡予防とか重症化予防に置くのか、あるいは入院予防を含む社会的便益を置くのかによって、この接種の対象範囲と費用対効果ということは大きく変わってくると思うんです。

 この接種の対象について、全新生児、乳児を対象とするのか、あるいは、早産児、基礎疾患があるなど高いリスクを持つお子さんを優先していく考えなのか、あるいは、出生月とか流行期において接種の時期を少し調整していくのか、この辺についての考え方をお示しいただけますでしょうか。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、高リスク児を対象としたRSウイルス感染症の発症抑制を目的とした抗体製剤の投与は、既に保険診療として行われているところでございます。

 そして、今回、健常児も対象としたRSウイルス感染症の予防に関しましては、審議会において議論され、特に小児においては、肺炎等に至り、死亡のリスクもある疾病であることも踏まえて、本年四月から定期接種の対象疾病に加えて、母子免疫ワクチンを用いた妊婦への定期接種が開始されたところでございます。

 その上で、海外の先進国では、妊婦が接種する母子免疫ワクチンと新生児が接種する抗体製剤の選択が可能な国が多い一方で、我が国では、国内で既に薬事承認を得ている抗体製剤も存在するものの、定期接種においては、現行は母子免疫ワクチンのみ選択可能であり、早期に複数の選択肢を用意することが求められていることから、今般、本改正法案を提出させていただいたところでございます。

 先生が御指摘の、個別具体の抗体製剤の定期接種化やその運用につきまして、具体的には、何か月、あとは先生がおっしゃった流行期、又はその併用、こうしたようなものに関しましては、本改正法案が成立し、抗体製剤を予防接種法の予防接種に用いることが可能となった後に、審議会において議論をいただく必要があるため、現時点で対象者の範囲、接種のタイミングについて言及することは困難でございますが、審議会において了承された場合には、定期接種が円滑に実施されるよう、厚生労働省としては適切に準備を進めてまいりたいというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 具体的なところはこれから審議会で詰めるということでございますね。

 ということで、ちょっと一問飛ばさせていただきまして、引き続きまして、安全性の部分について伺っていきたいと思います。

 海外では、ベイフォータスの使用実績が蓄積されつつありまして、現時点で重大な安全性上の懸念が強く示されているわけではないと認識しておりますが、日本では、今お話しくださったように、あくまでハイリスク児を中心とした限定的な使用となっていて、もしこれが全新生児、乳児に近い規模で一斉に投与されると、ほかのいろいろなワクチンの接種率を鑑みると、接種率が仮に七、八〇%まで上がったというふうに想定すると、年間数十万人単位で接種がされるということになります。

 そうしますと、治験や限定的な使用ではなかなか検出できていなかった、極めてまれではあるけれども重篤な有害事象というものが導入後に初めて明らかになる可能性はやはり否定できないと考えていまして、特に、今回のベイフォータスの承認前の第二、第三相国際共同試験においては、本剤投与後に抗ニルセビマブ抗体が陽性となった被験者の比率が、約二千五百例中六・二%というふうに報告されております。恐らくこれは、抗体が血中で半減期を長く、長いこと血中にとどまれるように、抗体のYの字の下のところのFcリージョンというところに、三つのアミノ酸が人工的に変異が加えられているという、これが関係しているかもしれないとは思いますが、これが現時点において、抗薬剤抗体、ADA、ベイフォータスに対するADAが薬物動態とか有効性、安全性に重大な影響を与えるものではないとされていますけれども、この投与後に生じたADAが、人体組織や細胞の一部と交差性を持って、予期せぬ有害事象につながる可能性についても完全に否定することはできないと考えます。

 実際に、ほかの感染症においても、ある感染症に対して、溶連菌なんかと戦うために作った抗体が、後々たまたま、人によってはそれが腎臓に沈着してかなり重篤な腎障害を起こすといった、そういったケースも中にはありますので、そうした可能性をやはり否定できない。

 したがって、副反応の疑い報告を待つというだけではなくて、接種記録として、医療受診、そして入院、救急搬送、そして死亡情報まで連結した、能動的な安全監視体制というものが必要だというふうに考えます。

 そこで、大臣にお伺いしますが、こういうときこそ、マイナ保険証によって、いろいろなこれから、ワクチンに関するデジタルデータベースも今年から作るということではございますけれども、この情報のひもづけによって、確実な事後検証と迅速な情報公開、そして副反応に対する治療介入、さらに、実際に現場にいますと、患者さんが来て何か症状を訴えて、それがあくまでこのワクチンに由来するものなのかどうかというのはその場では、原因がワクチンかもしれないというふうに頭がなかなかいかない、それを分かるために、簡単に電子カルテ上で、ここをクリックすると過去の、直近の接種歴とかがぱっと一覧で分かるとか、そういった方法といったものを考えていただきたいというふうに思いますが、大臣のお考え、いかがでしょうか。

上野国務大臣 まず、予防接種の安全性につきましては、医師等から報告される副反応疑い報告のほか、様々な科学的知見を収集した上で、審議会において評価をしているところです。

 その上で、本年六月から、予防接種の実施状況や副反応疑い報告に係る情報などを格納する予防接種データベースの運用を開始をいたしました。この予防接種データベースは、ほかの公的なデータベースとの連結が可能となります。例えば、予防接種記録とレセプト情報を連結することによって、これまでの副反応疑い報告に加え、医師等による報告を待たずに安全性に関する分析を行うことが将来的には可能となると考えています。

 今後、こうした予防接種データベースを用いた有効性、安全性分析を進めるとともに、新たな科学的知見が得られた場合には、速やかに医療機関や国民の皆さんに情報提供を行ってまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 そうした、せっかくデータベースを作るわけですから、実際に臨床の場面で、患者さんを目の前にしたその環境で、使いやすい、分かりやすい、そうしたシステムにしていっていただきたいというふうに要望させていただきます。

 続きまして、ワクチンに、予防接種に伴う健康被害救済制度の在り方について御質問します。

 予防接種行政においては、やはり国民からの信頼というものが何よりも重要だというふうに思います。過去のHIVや肝炎の薬害、あるいは、コロナワクチンとかHPVワクチンに伴う副反応問題や、あるいは、いろいろな過去にも公害とかそういったこともありましたけれども、こうした被害を訴える声が出たときに、因果関係が証明されるまで調査や救済を先送りしてはならないというふうに思います。

 因果関係がまだ未確定であるということと、関係がないということがしばしば混同されるような状況にあって、患者さんたちが訴えを起こしても、国の方は一生懸命守りに入って、それは因果関係は確定できないんだということをもって、なかなか実際の被害の救済といったところに、後手後手に回ってしまうといったことが過去にも何度もございました。

 この副反応を訴えている患者さんたちに対して、中にはいろいろな、コロナとかHPVの場合はブレーンフォグといって、なかなか集中力が続かないとか、いろいろな運動麻痺が出るとか、そういったこともあって、様々な症状が、時によってまたその症状の強さも、出方も変わるといったことをもって、これが心因性である、ヒステリーであるというふうなカテゴリー分けをされて、そして、具体的な科学的検証の前から排除されて、精神科とかあるいはそういう、向精神薬治療とかいった方向に持っていかれようとしてしまうといった状況もあると思います。

 ですので、安易にこれを心因性のカテゴリーに入れて排除せずに、副反応疑いの症状の早期の発見、そして治療介入、リハビリとか心理社会的支援につなげるといったことが本当は重要なはずなんですけれども、実際にこの副反応を診療、研究しようとする医師とか研究者が表立ってそういうことを言おうとすると、反ワクチンみたいなレッテル貼りをされて、研究とか診療が萎縮するような、そういった状況もあるというふうに聞いています。

 実際に、HPVワクチンに関して言いますと、最近の研究では、MRIの拡散テンソル画像というものを使って、網様体脊髄路という、運動に重要に関わる神経回路が明らかに傷害されているということもデータで分かっていますし、そういった方々に対して免疫学的治療、免疫吸着療法等をやると、明らかにその症状は改善して歩行が改善するといった、そういう症例も実際に見られます。

 これがワクチンの副反応じゃないというふうに主張する方の中には、交通事故の外傷後でも同等の高次脳機能障害が起きるからこれはワクチンの副反応じゃないというふうにおっしゃる方もいますけれども、実際にその治療が効くということは、明らかに慢性的な自己免疫性脳炎の側面があるということが科学的にある程度分かりつつあるんですね。

 にもかかわらず、そうした研究をする方々がそういうことを表立って言ったりしようとすると、大学の側から圧力がかかって潰されるとか、そういったことが実際にあるという声を現場の研究者の方から聞いております。こうした状況というのは非常に科学的に不健全であると思いますし、予防接種行政に対する根本的な信頼を損なうものです。

 政府は、抗体製剤を予防接種法上の制度に位置づけるに当たって、健康被害が疑われた場合の調査、情報公開、救済というものをどのように行っていくのか、ほかのワクチンの副反応対策も含めて、副反応を研究する研究者をしっかりと国家の責任で守って、患者さんを診ている臨床医や患者代表も含めた透明性のある検証体制といったものを整えていただきたいと思いますが、ここに対する大臣のお考えをお願いできますでしょうか。

上野国務大臣 透明性という考えは非常に大事だと考えております。

 まず、予防接種の安全性につきましては、先ほど申しましたとおり、審議会において副反応疑い報告を評価をし、国内外の様々な科学的知見を収集し、評価をしているところです。

 こうした審議会での議論が透明性のある運用となるように、公衆衛生等に関する知識や経験などを有する学識経験者により構成をしており、利益相反の管理を適切に行っているところです。また、評価の根拠となった情報についても、審議会資料としてホームページで公開するなどの対応を行っております。

 また、厚労省が支援をする研究の採択評価に当たりましては、外部の専門家から構成をされる評価委員会において、公平性、透明性のある評価が行われているものと承知をしています。

 健康被害の救済につきましては、予防接種健康被害救済制度、これについては、予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合に、御本人や遺族からの申請に基づいて、学識経験者で構成される審査会において予防接種と健康被害との因果関係を個別に審査した上で、幅広く救済をしているところです。

 本法案においては、抗体製剤を法に基づく予防接種の対象とし、副反応疑い報告や健康被害救済制度の対象とすることとしておりますので、既に定期接種の対象となっている他のワクチン等とも同様に、安全性の評価、救済制度の適切な運営に努めていきたいと考えています。

牧野委員 ありがとうございます。

 一応、確かに、制度上は公正公平に副反応の研究をするということになっているとは思いますが、実際には、この間、HPVワクチンの患者会の集会にも参加してきましたけれども、彼女たちは、やはり、非常につらい自分の体の状況を、協力医療機関というところに行っても精神疾患扱いされてしまうとか、あるいは、もう自分のことを実験台にしてくれてもいいから、とにかく一日でも早く安全にしっかりワクチンが使えるように、そういう国にしてほしいんだ、そして、とにかく、お金が欲しいどうこうよりも、この症状を治してほしい、そのことを非常に強く訴えていらっしゃいました。そのことがとても印象的でした。

 国の責任として、この副反応に対する研究とか救済の在り方、ここをしっかりと、本当の意味で公正公平に、そして、それを研究する研究者や治療科の方々が萎縮することがないように、そうした在り方で進めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。

 本日は、予防接種法の一部を改正する法律案の法案審議ということで、主に運用の面について質問させていただければと思います。

 本法律案で定期接種化が想定されているRSウイルス感染症に対する抗体製剤、こちらは、これまでの従来のワクチン、生後二か月から接種を開始するような従来のワクチンとは異なり、出産直後に接種することも想定されるものだと承知をしております。

 一方で、子供が生まれたときに出生届を役所に出しますが、それは生後十四日以内に出すものとされておりますので、出生直後にこの抗体製剤を打った場合、まだ子供の住民登録やマイナンバーがない段階で接種がされるということがございます。

 この定期接種や臨時接種の記録というものは非常に重要でございますが、これは今年から、自治体から厚労大臣への情報提供義務の対象となったと承知をしております。

 そこで、厚生労働省にお伺いをいたしますが、出生届の提出前に抗体製剤の接種が行われた場合、この抗体製剤の接種記録は誰がどのように保存し、出生届提出後にはどのようにその子供の記録にひもづけるのでしょうか、後にマイナポータルなどでその子本人の接種歴としてちゃんと確認できるようになると考えてよろしいでしょうか。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案が成立し、抗体製剤を予防接種法の予防接種に用いることが可能とされた場合には、審議会において、接種時期も含めて、個別具体の製剤の定期接種化について議論することとしております。

 その上で、仮に、先生が御指摘のとおり、出生届提出前に接種を行う場合の接種記録の保存手法については、例えば、出生した子の母の接種記録として一時的に保存し、子の出生届が出た後に自動的に当該接種記録を子に引き継ぐ等の方法、いわゆる母子連携機能と呼んでいるところでございますが、こうした機能を用いながら子の接種記録を保存することも考えられるというところでございまして、個別の製剤に関するシステム上の接種記録の保存手法等の具体的な機能については、審議会での議論を踏まえて、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 具体的なやり方の詳細については、これから検討されるというところですので、ワクチンの違いというものを考慮しながら検討を進めていただければと思います。

 関連して、母子免疫ワクチンとの関係についてもお伺いいたします。

 現在、RSウイルスへの対策としては、母親に母子免疫ワクチンを接種するということと、子供に抗体製剤を打つというところの二パターンが考えられると思います。なので、ステータスとしては、母親、接種している、していない、子供、接種している、していないという四つの組合せが考えられるわけです。

 そこに関連してお伺いしますが、この情報管理、接種歴の管理について、まず第一に、母親の接種歴を子供の情報として参照できる母子連携の機能、先ほど今後検討ということでしたけれども、こちらについてはシステム上で確認できるように実装する方針でよろしいでしょうか。また、二つ目、細かい話なんですけれども、それは予防接種に関するシステムの側で実装されるのか、それとも、こども家庭庁が所管する母子健康手帳のシステムを用いるのかという点。そして、第三に、いつまでに、どの主体の責任において実装する予定なのかという点について、現時点での見通しをお伺いいたします。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 母子免疫ワクチンにつきましては、既に私ども定期接種化しているところでございますが、この記録につきましては、自治体の事務負担を鑑みまして、可能な範囲で出生した子の接種記録としてひもづけることで差し支えない旨を自治体に周知しているところでございます。

 また、母の接種記録を子の接種記録に自動的にひもづける、先ほど申し上げました、いわゆる母子連携機能につきましては、母と子の関係をシステム上どのように特定するのかなどの検討すべき課題があるというふうに考えておりまして、現時点において、機能の詳細と実装時期についてお答えすること自体は困難でございますが、可能な限り速やかに実装できるよう、引き続き、関係省庁とも連携しながら、必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 現在、記録の管理について、自治体で可能な範囲でお願いしているというところですけれども、予防接種がちゃんとなされているかどうかというところは、今後の公衆衛生の政策立案の際にも非常に重要な情報となってきますので、もちろん自治体の負担というのも非常に重要ではあるのですが、なるべくシステムをアップデートすることによって、自治体に追加の負担をかけずに対応していけるような形というものを、今後の検討において進めておいていただければと思います。

 次の質問に行きます。

 その母子連携システムは、今後システムとして対応することも検討するというふうに承知をしておりますけれども、それまでの間、母親の記録というものを子供の記録に写す作業というのは、自治体の義務ではなくてお願いベースということで、先ほどそのようにおっしゃられていたように思います。

 義務ではなくて、今のところは、厚労省からお願いして任意の運用をしているという理解でよろしいでしょうかという点と、任意であれば、必ずしも、母親がワクチンを打ったけれども、自治体の方でちょっと作業が間に合っていなくて、子供の方に記録が残っていないということもあると思います。そのときに、子供の記録を見たときに、その母親についての記載がないけれども、これは母親がワクチンを打っていないのか、それとも、自治体がまだ転記ができていないから打っているか打っていないか分からないという状況なのかというところは、ちゃんと区別ができるようになっているのかという点。

 また、ワクチンや抗体製剤を接種した、母親が接種した、子供が接種した自治体と異なる自治体に子の住民票が作成される場合、里帰り出産みたいなことをした場合について、どちらの自治体が接種記録を管理して、子供の記録への連携を行う責任があるのかという点についても、お伺いできればと思います。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御認識のとおり、先ほど答弁させていただきましたが、妊婦が接種した母子免疫ワクチンの記録につきましては、自治体の事務負担に鑑み、可能な範囲で出生した子の接種記録としてひもづけることで差し支えない旨を周知しているところでございます。

 具体的には、例えば、赤ちゃん訪問等の際に母子手帳等で母に接種歴があることを確認したら子に登録をする、こうしたようなことも活用しながら周知しているところでございます。

 一方で、先生が様々御指摘いただいておりますけれども、そうした御指摘自体、私どもも認識しておりまして、そうした懸念が最小化するように、データベースの運用や機能面も含めて、必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、抗体製剤の接種記録について、抗体製剤の接種を行った自治体と住民登録を行った自治体が異なる場合においても適切に記録管理がされるよう、その主体も含めて、今後、必要な検討を進めて、自治体に周知してまいりたいというふうに考えております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 ということは、今後は様々な場合分けも含めて対応していくということと理解いたしましたが、現段階では区別はできないという理解でよろしいでしょうか。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 一つ一つひもを解いて見るということであれば確認できないということではないんですが、現実の運用上、全て悉皆的に確認をするというようなことは難しいという状況であるというふうに認識しております。

古川(あ)委員 ありがとうございます。その点については引き続き進めていただきたいと思います。

 次の質問に移りたいと思いますけれども、この法律案が成立した場合に、皆様からも話がありましたけれども、定期接種の対象に是非ともRSウイルスに対する抗体製剤を加えていただきたいという話がございました。これがいつから実際に定期接種化されるのかという点について、今までの御答弁の中で、早ければ来年度の早期にもという話がございました。この点についてお伺いしていきたいと思います。

 早ければ来年度の早期からということでございますけれども、今話にありましたように、今はワクチンだったりとか、今後は抗体製剤だったりとかというものは、接種がされているのかされていないのかというものについて様々なシステムで管理をしていくということになっております。

 これが来年度の早期からということになれば、実際に自治体の方では様々な、予算の確保であったりとかということに加えて、システム上で抗体製剤の接種歴というものを管理できるのかというところについても、システム上の対応というものも必要になってくるかと思います。

 この点についてお伺いさせていただきたいのですが、この早ければ来年度早期にも定期接種化される抗体製剤について、ワクチンや抗体製剤の記録管理に関する各種システムの改修の対応というのはいつまでに実施される予定なのでしょうか。また、それが実際の定期接種化に間に合うのかどうかという点と、仮に間に合わないのであれば、それはなぜなのかという点、そして、厚労省としては、その点についてどのように認識しているかということをお伺いできればと思います。

上野国務大臣 今般の抗体製剤のシステム実装の時期ですけれども、もちろん迅速な対応は重要だというふうに考えております。

 ただ、先ほど来、委員の方から御指摘があるように、出生届の提出前の新生児に接種をするような場合もありますので、先ほど来、部長の方が答弁をしておりますとおり、既存の定期接種とは異なる、そうした運用が想定をされております。したがいまして、システムの実装には一定程度、その準備をするための期間は要するのではないかと考えているところでございます。

 抗体製剤の定期接種化と完全に同時でのデジタル化というのはなかなか難しいのではないかと考えておりますが、いずれにいたしましても、今後、審議会において、抗体製剤の定期接種化に係る議論が可能となりますので、審議会において了承された場合に備えまして、できるだけ速やかにデジタル化ができるように、今からというか、法案が成立をした場合には準備をしっかり進めていきたいと考えています。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 システム上にいろいろ難しい課題があるという点については、これまでお話しいただいたところにおいて承知をいたしました。

 もちろん、これはすごく重要なことですので、早期に定期接種化するのが望ましいと思っておりますが、その際に、自治体であったりに記録の負担をかけないような形で、そもそもシステムの側で対応するということは非常に重要だと思っております。

 普通、制度を変えるときには、こういう制度改正がありますよということを事前に自治体に情報提供したりですとか、もちろん、当然、定期接種化するに当たっては、自治体の方でも予算を確保する必要がありますので、そういった点について前々から準備を進めていくということがあると思いますが、なかなか、システムの話というのが、予算の話とかと並んで、私としてはかなり重要な話だと思っているんですけれども、そこがちょっと、中身を固めてからシステムの話はおいおいみたいなふうになっているかなと思っておりますので。

 ただ、エラーのない運用とか、記録をしっかりと取っていくという観点からは、システムも早期に、なるべく可能な限り制度改正と同タイミングでシステムが動き出せるということが非常に重要だと思っておりますので、その点について、是非、政府の方としては、予算であったりとか人員であったりとかをしっかりつけて対応していくということをお願い申し上げて、私の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 まず、RSウイルス感染症に対する抗体製剤の費用、価格について確認をいたします。

 増分費用対効果ですが、一小売当たり六百四十三万円と、一般的な基準である五百万円から六百万円を超える結果となっております。審議会の資料では、抗体製剤の価格は四万五千円、接種費用三千二百円とされ、合計五万円近くになることが想定をされております。費用対効果の面からは少し高いように思われます。ちなみに、母子免疫ワクチンは二万三千九百四十八円ですね。

 この定期接種化に当たり、可能な限り少ない費用で望ましい効果を得る必要があります。手技料を含めて一小売当たり五百万円以下となるように、私はメーカーなどと交渉することなどが必要ではないかと思いますけれども、厚労省、いかがでしょうか。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 抗体製剤が定期接種化される場合の具体的な価格は、企業と自治体等の協議において決定されるためお示しすることは困難であるものの、昨年十月の審議会においては、製造販売業者からのヒアリングも踏まえ、ベイフォータスの価格を四万五千円とした費用対効果に基づく議論が行われ、制度上の論点に係る議論の経過を踏まえながら、必要に応じて費用対効果等について引き続き検討するとされたところでございます。

 いずれにいたしましても、抗体製剤の定期接種化に当たっては、予防接種基本計画に基づき、費用対効果にも配慮しながら、審議会での議論を踏まえた価格を前提に、望ましい効果を得ることができるよう、透明性の確保や価格の適正化に向けて努めてまいりたいと考えております。

辰巳委員 是非メーカーに交渉していただきたいと思いますね。

 さて、六月十二日に質問をいたしました母子家庭の生活保護利用者、自動車保有についての続きをちょっとやりたいと思います。

 自動車保有率が高い都道府県ほど、母子家庭の生活保護率が低いという相関データがあります。これは、自動車がより必要とされている地域では、原則、自動車を手放さなければならない生活保護行政の下で、申請をためらったりすることが要因となっているのではないかということであります。

 この私の主張に対して、厚労省は、この種の数字は慎重に扱うべきだという言葉とともに、何点かの事例をもって反論のようなものをされたと思います。私は、これは是非議論をしたいと思うんですね。乗ってきていただきましたので、ありがたいと思うんですよ。

 例えば、厚労省は、都市部では、一人親の方が仕事を見つけるために来られるというケースが多くなってきて、被保護率が高まると言いました。つまり、母子家庭の生活保護率が地方で低いのは、こういう事例が少ない、外から入ってくる事例が少ないということであって、自動車の普及率の問題ではないんですよということをおっしゃりたいんだと思います。

 そこで、大臣にお伺いするんですが、都市部で母子家庭の生活保護率が高いのは他府県から流入してくる要素が大きいのだという根拠、それと、そのことが、私が示したデータの正当性をどの程度薄める、あるいは覆すものと考えているのかをお答えいただけますでしょうか。

上野国務大臣 先般の局長の答弁ですけれども、これは、一般論といいますか、定性的に都市部の方が被保護率が高まるのではないかという推論を述べたものだというふうに承知をしておりますので、委員からお示しをいただいた車の関係について、それを何らかの形で否定をしたものだというふうには私は捉えておりません。

辰巳委員 こちらとしてはデータを示しているんですけれども、あくまで一般論で、推論で反論する、こういうことだったと思います。ちょっと考えられない話ですね。

 また、厚労省はこうもおっしゃいました。地方は持家率が高いので生活保護率が低いのではないか、こういう趣旨の主張なんですね。

 大臣、その根拠と、そのことが私の示したデータの正当性をどの程度覆すと考えているのかをお示しいただけますか。

上野国務大臣 これも、持家率が地方においては高いということを申し述べたものだと私としては承知をしておりまして、それと母子世帯の保護率について特段の関係性があるということを述べたものではないと承知をしております。

辰巳委員 母子家庭の車のお話と、都道府県の車の保有率と、それが高い低い、母子家庭が都道府県によっては、つまり保有率が高い都道府県では生活保護の利用率が低くなるという議論の中で、あくまで一般的に示したまでだというのは、局長は、慎重に議論が必要だ、こう言いながら、私のデータに対して反論をしてきたわけですよ。しかし、今大臣の答弁にあったとおり、まともな根拠を示さずに、あたかもこちらが示したデータに反論したかのような答弁ぶりは、私は余りにも不誠実ではないかと思います。

 ちなみに、公表されている都道府県別の持家率と自動車普及率を重回帰分析をした結果、自動車普及率の方が持家率よりも生活保護利用率の低下を説明するのに圧倒的優位となっていることも分かりました。つまり、何の反論にもなっていないということなんですね。

 六月十二日に私が示した都道府県別の自動車保有台数と母子家庭の生活保護利用率は、強い相関が見られました。その決定係数は〇・七四だったんですね。これは、母子世帯の保護利用率の分布を自動車保有の状況で七四%が説明できるということなんです。非常に強い相関性なんですね。

 これに対して厚労省は、答弁でこう言ったんです。母子世帯の保護率と、世帯当たりではなくて車の保有率というデータの相関を見ましたが、基本的にそのような高い相関はない。私のとは別のデータの存在に言及をして、私のデータへの反論を試みたわけですね。

 厚労省の車の保有率データは二〇一四年のものですから、少々古いので、それが私はあることは分かっていたんですけれども、あえて使っておりませんでした。しかし、厚労省がそこまで言うのであれば、そのデータを用いて議論をしたいと思います。

 統計学上は、決定係数はゼロから一の間の値を取ります。一に近いほどそのモデルの説明力が高いと言われております。決定係数の目安として、物理や化学の分野では〇・八や〇・九が当然なんですけれども、これら今議論している社会科学の分野では、〇・三や〇・四でも十分に高いと言われております。

 さて、大臣、私への反論のために厚労省が示した二〇一四年の自動車普及率と二〇一五年の一人親家庭の生活保護利用率の相関関係において、その回帰曲線の決定係数は幾つでありましょうか。そして、その数値を大臣はいかように解釈しているのか、お答えください。

上野国務大臣 まず、その決定係数につきましては、厚労省として分析をした数字によりますと〇・五二八だというふうにお伺いをしております。

 どう評価をしているかなんですが、これは一般的に、今回委員から非常に貴重な御指摘をいただいていると思いますが、例えば、地方部においては、ざっくり地方と都市と分けた場合には、地方の方が車の保有台数が多い、あるいは一世帯当たりの保有台数が多いということを示しているのと、同時に、これは推論になりますが、地方の方が保護世帯が現れる、出現率といいますか、それが低いのではないかということを示しているのではないかというふうに考えます。

 ただ、そうした決定係数というのがあるので相関があるのではないかという御指摘かと思いますが、ここで注意しなければいけないのは、相関係数が高いからといって、そこに因果関係があるかというのはまた別の話でありまして、よく統計の例で出ますけれども、一年間のアイスクリームの売上高と水難事故の件数、これは相関係数が高いと言われておりますが、アイスクリームと水難事故に因果関係があるとは言えないというふうに思います。

 ですから、そういったことを考えますと、これをどういうふうに評価をするかということは、統計的な側面も含めて、まさに慎重に検討する必要があるということを前回局長も申し述べたのではないかと考えています。

辰巳委員 大臣、貴重な意見という話をしていただいたんですけれども、アイスクリームと水難関係、それはそうでしょうねと誰だって思いますよ。

 だったら、様々な変数を使って、私が示したデータに反論していただきたいと思いますよ。反論していただきたい。統計学上は、様々な変数を入れて、どの変数が信用に値するのかという重回帰分析だってできるわけですよ。やっていただきたいと思います。

 ちなみに、私の方で、同じ時期の全体の保護率と二〇一四年の自動車普及率との相関を出しましたけれども、これは決定係数が〇・一五しかないんですね。つまり、非常に相関は低いと出ております。私のデータへの反論のつもりで出してきたデータだと思いますけれども、この母子家庭の変数の方が非常に十分に強い相関性があることが示されたというものであります。

 大臣、そうおっしゃるんですけれども、このデータを、じゃ、実態と突き合わせてどうなのかという作業を厚労省はやらなければならないんですよ。アイスクリーム、海難事故、違うよね、それは分かりますよ。じゃ、私のデータがどうなのかと。

 前回詳細に示したのが、NPO法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会の千九百六十七人のアンケートですね。福祉事務所に行ったにもかかわらず生活保護の申請を諦めたという人の中で、一番多かった理由が、生活保護を利用すると車の保有ができないと説明されたということなんですよね。まさに現場の声や実態が、この強い相関を示すデータと符合しているわけですよ。だったら、そこがどうなのかということを厚労省自身が更に調査を進めなければならないと私は思うんですね。

 大臣、もう一回。厚労省というところは、データを重視する省庁ですよね。だったら、今私が紹介した声と示されたデータを、やはり真剣に受け止めて、何が要因になっているのか、これは厚労省としてもう一回、私のデータを基にしてちょっと調べていただきたいですよ。どうですか。

大串委員長 上野厚生労働大臣、簡潔にお願いします。

上野国務大臣 車の関係は我々もしっかり受け止めたいと思いますが、先ほど申し上げましたのは、相関係数が高いからといって因果関係を説明し切れないということを申し上げたところであります。

 その上で、委員は更に推論を進められまして、そこに水際作戦が発生しているのではないかということをおっしゃっているんですが、それが発生しているかどうかということを実証するためには、当該地方において、当該県において想定される出現率といいますか発現率、それよりも低いということを証明をしないと、なかなかそこまでは言えないのではないかと感じております。

 いずれにいたしましても、データをお示しをいただきましたので、我々としてももう少し勉強はさせていただきたいと思います。

辰巳委員 私は今日は水際作戦とは言っておりません。言っていないんですよ、今日はね。今日は言っていないんです。せやけど、車を持っていたら、これは駄目だという思いがあるので、そもそも申請に至らない、そういうケースがあるんじゃないか。

 大臣から、受け止めてという答弁もありましたので、是非これは、調査するなりして進めていただきたい。原則、車の保有を認めるという方向に、地方では特に必要ですから、やっていただきたいと思います。

 以上です。

大串委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

大串委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。牧野俊一君。

牧野委員 参政党を代表して、予防接種法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論をいたします。

 大前提として、私たちは、RSウイルスで重症化しやすい乳幼児を守る医療上の選択肢そのものを否定するつもりはありません。低出生体重や基礎疾患のある場合など、重症化リスクの高い乳幼児に対して抗体製剤を適切に使用することは、医療政策として大きな意義があります。

 しかし、本改正案は、ワクチンではない高額な抗体製剤を予防接種法上の制度に組み込む道を開くものです。抗体製剤は、獲得免疫として抗体を作らせるワクチンではなく、抗体そのものを体内に投与する医薬品です。作用機序が異なる以上、安全管理を含めた運用上の枠組みが従来のワクチンと同じでよいのか、慎重な検証が必要です。

 第一の問題は、費用負担です。

 現状、ベイフォータスの薬価は、五十ミリグラムで四十六万円、百ミリグラムで九十一万円となっており、仮に接種対象を全新生児、乳児に広げれば、薬剤費だけで巨額の財政負担となります。広く定期接種化すれば調達コストが大幅に下がるという試算もあるようですが、接種希望者数によっては、想定どおりに価格が下がらない可能性も十分あると考えます。

 最終的に、国、自治体、保護者の負担割合がどうなるのか。実務面での自治体負担も含め、これらが明確でないまま制度だけを先行させることには慎重であるべきです。

 第二に、安全性評価です。

 ニルセビマブはヒトモノクローナル抗体であり、一般論として、他の生物由来のヒト化抗体と比べれば、抗薬物抗体、いわゆるADAの出現リスクは低いと考えられますが、第二、第三相国際共同試験では、本剤投与後に抗ニルセビマブ抗体が陽性となった被験者の比率は、二千五百例中六・二%と報告されています。現時点でADAは本薬剤の薬物動態、有効性、安全性に重大な影響を与えないとされていますが、投与後に生じたADAが、人体組織の一部や細胞の一部と交差性を持ち、予期せぬ有害事象につながる可能性も否定し切れません。

 健康な乳児を含めて広く定期接種化するのであれば、国内での使用経験に基づくADAの出現頻度、交差反応性、長期の免疫学的影響を、より十分な症例データを蓄積してから判断すべきです。

 第三に、新たなモダリティーを予防接種薬剤に指定する以前に、コロナワクチンやHPVワクチン副反応によって揺らいでいる予防接種行政への信頼を回復することが先決だということです。

 予防接種の副反応を扱う上では、因果関係未定と関係なしを決して混同してはなりません。副反応を訴える患者を安易に心因性として排除せず、早期発見、治療、リハビリ、学習、就労、心理社会的支援につなげる体制が必要です。

 さらに、副反応を診療、研究する医師や研究者を反ワクチンとレッテル貼りして萎縮させるような社会的構造は、科学的に極めて不健全です。病態仮説を頭から否定せず、免疫学的指標、各種画像データ、治療反応性などを含めた研究を国家の責任で守り、支援する。その土台があって初めて、新しいモダリティーを予防接種薬剤として応用する議論が可能になると考えますが、現状では甚だ不十分と言わざるを得ません。

 以上の理由から、本改正には反対することを申し述べ、討論といたします。

 ありがとうございました。

大串委員長 以上で討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

大串委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、予防接種法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大串委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

大串委員長 この際、本案に対し、鬼木誠君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及びチームみらいの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。沼崎満子君。

沼崎委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。

    予防接種法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 本法の施行後、速やかにRSウイルス感染症に対する抗体製剤の定期接種化に向けた議論を行うとともに、抗体製剤がこれまで予防接種に用いてきたワクチンとは異なる技術を用いた医薬品であることを踏まえ、接種の判断が適切になされるよう、抗体製剤の有効性及び安全性、作用機序その他の接種の判断に必要な情報を、国民に対しても分かりやすく迅速かつ的確に公表すること。

 二 諸外国における予防接種施策を調査し、海外の状況や最新の科学的知見等に基づき、対象疾病や接種対象者の範囲について適切に検討を行うこと。また、接種対象者の範囲については、その判断根拠を国民に分かりやすく説明すること。

 三 既に自治体において進められている予防接種記録のデジタル化を積極的に支援するとともに、予防接種データベースの情報を活用し、抗体製剤を含む予防接種の有効性及び安全性を継続的かつ安定的に評価できるような仕組みを構築すること。

 四 予防接種法に基づく予防措置として抗体製剤が新たに位置付けられることを踏まえ、予防接種健康被害救済制度の対象となること及びその内容について、国民に対する分かりやすい情報提供を行うとともに、万が一健康被害が生じた場合に適切な救済が受けられる体制の確保及び制度に対する信頼の向上に努め、国民が安心して予防措置を選択できる環境整備を図ること。

 五 予防接種法に基づく新たな予防措置の導入に当たっては、地方公共団体の財政負担に配慮するとともに、地方交付税措置の対象とならない不交付団体についても、住民の接種機会に格差が生じることのないよう必要な措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

大串委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、上野厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上野厚生労働大臣。

上野国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいります。

    ―――――――――――――

大串委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

大串委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時六分散会


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