衆議院

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第3号 平成30年12月5日(水曜日)

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平成三十年十二月五日(水曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 赤羽 一嘉君

   理事 穴見 陽一君 理事 梶山 弘志君

   理事 小林 鷹之君 理事 國場幸之助君

   理事 西村 明宏君 理事 落合 貴之君

   理事 斉木 武志君 理事 富田 茂之君

      安藤 高夫君    石川 昭政君

      石崎  徹君    岩田 和親君

      尾身 朝子君    大見  正君

      岡下 昌平君    神山 佐市君

      木村 哲也君    佐々木 紀君

      田畑  毅君    冨樫 博之君

      野中  厚君    百武 公親君

      藤丸  敏君    穂坂  泰君

      星野 剛士君    細田 健一君

      三原 朝彦君    宮川 典子君

      宮澤 博行君    務台 俊介君

      八木 哲也君    簗  和生君

      菅  直人君    松平 浩一君

      宮川  伸君    山崎  誠君

      浅野  哲君    泉  健太君

      山岡 達丸君    太田 昌孝君

      田嶋  要君    笠井  亮君

      谷畑  孝君    笠  浩史君

    …………………………………

   経済産業大臣       世耕 弘成君

   経済産業副大臣      関  芳弘君

   国土交通副大臣      大塚 高司君

   経済産業大臣政務官    石川 昭政君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 稲岡 伸哉君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 小野平八郎君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           小野  稔君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  織田  央君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    福島  洋君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    藤木 俊光君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           成田 達治君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            松山 泰浩君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        南   亮君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁長官官房中小企業政策統括調整官)   吉野 恭司君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            木村  聡君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            奈須野 太君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           小林  靖君

   政府参考人

   (環境省大臣官房政策立案総括審議官)       和田 篤也君

   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月五日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     木村 哲也君

  岩田 和親君     藤丸  敏君

  神田  裕君     百武 公親君

  山際大志郎君     宮川 典子君

  泉  健太君     山岡 達丸君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 哲也君     石川 昭政君

  百武 公親君     神田  裕君

  藤丸  敏君     岩田 和親君

  宮川 典子君     安藤 高夫君

  山岡 達丸君     泉  健太君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     務台 俊介君

同日

 辞任         補欠選任

  務台 俊介君     山際大志郎君

    ―――――――――――――

十一月三十日

 原発再稼働をやめ、エネルギー基本計画を見直し、再生可能エネルギーの比率を大幅に増加させることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七五号)

 同(笠井亮君紹介)(第一七六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七七号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一八〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一八一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一八二号)

 同(藤野保史君紹介)(第一八三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一八四号)

 同(宮本徹君紹介)(第一八五号)

 同(本村伸子君紹介)(第一八六号)

十二月四日

 原発からの撤退を決断しエネルギー政策の転換を求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第三六一号)

 小規模事業者に対する社会保険料負担軽減支援策等に関する請願(本村伸子君紹介)(第三六二号)

 即時原発ゼロを求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第三八九号)

 脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第三九〇号)

 原発再稼働をやめ、エネルギー基本計画を見直し、再生可能エネルギーの比率を大幅に増加させることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第四五〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 経済産業の基本施策に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件


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     ――――◇―――――

赤羽委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官稲岡伸哉さん、財務省大臣官房審議官小野平八郎さん、農林水産省大臣官房審議官小野稔さん、林野庁森林整備部長織田央さん、経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官福島洋さん、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光さん、経済産業省大臣官房審議官成田達治さん、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長松山泰浩さん、資源エネルギー庁資源・燃料部長南亮さん、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史さん、中小企業庁長官官房中小企業政策統括調整官吉野恭司さん、中小企業庁事業環境部長木村聡さん、中小企業庁経営支援部長奈須野太さん、国土交通省大臣官房審議官小林靖さん及び環境省大臣官房政策立案総括審議官和田篤也さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

赤羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山岡達丸さん。

山岡委員 御質疑の時間をいただきまして、委員長を始め委員の皆様に心から感謝を申し上げます。また、世耕大臣におかれましては、日々の御業務、大変私も敬意を持ってさまざま、いろいろな場面を見させていただいているところであります。

 きょうは、九月六日にありました北海道胆振東部地震、私は苫小牧の住民でもありまして、いわゆる被災の、大変大きなニュースになった厚真町、震源地とも言われる厚真町、安平町、むかわ町のまさに隣のエリアに、隣の町に居住しておりまして、苫小牧の中でも東寄りで、大変被災地に近いという場所に住んでおりましたので、この被災の、いわゆる三時八分と言われますけれども、正確に言うと三時七分五十九秒でありますが、私自身も当時被災を大きく経験して、そしてその中でさまざまな生活を過ごした。そうした視点を持って、きょうはちょっとライフラインとか、あるいはさまざまな影響、被災者の、被災地の立場として、どうしても経済産業省そして大臣に少し詰めて伺わなければならないという思いを持って、伺わせていただきます。

 九月六日の被災におきましては、少なくとも四十一人の方がお亡くなりになった。本当に未曽有の、前代未聞といいますか、想定していない震災の中でお亡くなりになった方にはこの場をおかりしても心から御冥福をお祈りいたしますとともに、各省庁、本当に委員の先生方も含めて、あるいは経済産業省の世耕大臣を先頭に、いろいろな施策を行っていただいたものと承知しているところであります。

 しかしながら、今回、やはりこの震災の中でさまざま経験したことを通じて、どうしても、経済産業省の対応についてどうだったのかということも含めて伺わなければならない点もございました。

 最初に政府参考人に、きょう経産省に来ていただいています、まず伺います。

 今回の胆振東部地震の経済産業省の対応、さまざまあると思います、現在も取組が続いておられると思います。とりわけ、震災の初動、この対応については適切に行ったのかどうか、政府としてその評価を今どのように考えておられるか、その点についてお伺いしたいと思います。

福島政府参考人 お答え申し上げます。

 災害時において経済産業省が果たすべき主な役割は、ライフラインの復旧、物資及び燃料の円滑な供給、被災中小企業への支援及びこれらの対応の迅速な情報収集、発信であると思っております。北海道胆振東部地震におきましても、こうした役割を果たすべく対応を行ってきております。

 具体的には、事業者との連携を通じた、停電復旧、スーパーやコンビニへの商品供給、避難所などへの物資支援、燃料の供給などの対応とそれらの対応状況をSNSを活用し発信、大規模停電を受け、事業者と連携して病院などの重要施設への電源車の派遣及び燃料の供給を行うとともに、計画停電回避のため二割の節電を要請、個々の中小企業・小規模事業者の方々の被害の状況に応じて、工作機械などの設備導入、店舗改装や広告宣伝などの取組や商店街による集客イベントなどに対する支援などを実施いたしました。

山岡委員 私はその評価を伺ったわけでありますけれども、今、役割をお話しいただきました。

 この中で、お話にもありましたけれども、物資の提供等も含めてさまざま、あるいは復旧の話もありましたけれども、いわゆる情報発信、情報収集、明示的にSNSというお話もいただきました。きょうはこのSNSの対応のあり方について、少し具体的に伺いたいと思います。

 委員の皆様にはお手元に資料も配付させていただきました。これは、一ページ目にありますのは、今なおツイッターの上で情報としては載り続けていますけれども、当時、経済産業省がツイッターで発信した中身であります。

 当時は全道停電、北海道じゅうが停電でありますので、私も被災者ではありましたけれども、いろいろな電話がかかってくるんですけれども、本州の方の方がテレビなどをよく見て情報をよく知っている。私たちは本当に情報過疎という中で、スマートフォンでそうした情報というのは非常に盛んにやりとりされて、私たちはそれが頼りという状況でありました。

 その中でさまざまな、例えば、自衛隊によると今度、あしたにも地震が起こるらしいとか、そんなデマも流れたりとかいろいろしたわけでありますけれども、経済産業省、九月八日時点での、ツイッター上の時間ですね、これには、コンビニは道内約二千九百店舗で営業再開予定、今晩中には道内ほぼ全ての弁当などの製造拠点が再開して、ふだんどおりの供給ができるようになる見込みですというお話の発信をいただいています。

 ところが、我々の実感とは大きく違ったわけであります。事実、このツイッターの後にも、一般の方が、そんな状況じゃないよみたいなことは書き込んでいるわけであります。その資料の下の写真は、当時、苫小牧市内で九月十一日に、山岡事務所撮影となっていますけれども、私自身が撮影したものでありますけれども、ごらんのとおり全く品物がない。

 次のページ、二枚目にありますこれは、幾つも新聞はあるわけでありますけれども、そのうちの一つを紹介するわけでありますが、九月十一日現在の北海道新聞においても同様の記事は出ています。ほかにも幾つか出ているわけであります。

 我々の実感としては、まさにこのツイッターで発信された、もう大丈夫ですという状況と全然違うというのが事実関係としてあるということを、まずお示ししたいと思います。

 あわせて伺いますけれども、その次のページですが、今度はガソリンの話についても書いておられます。

 九月七日の時点で、一応クレジットは石油連盟とありますけれども、経済産業省の発信として、ガソリンや軽油の供給力に不足はない、安心くださいと。安心くださいなのに給油は控えてくださいみたいな、これはどういうことだなんて突っ込みが、この後、一般の方からツイッターでもリツイートされていたりするわけでありますけれども。あるいは、九月八日の段階でも、御心配は要りませんということを書いている。

 ところが、これは最後のページは地元紙であります。黄色い線で引きましたけれども、九日は臨時休業、十日はガソリンスタンドは未定というような報道が九日時点でも流れていたり、やはり経済産業省が発信している話と地元の状況が非常に違う。そして、そういう書き込みも一般の方から書かれているわけであります。

 この話はLINEとかで拡散されているんです。なぜかといいますと、私自身も、経済産業省さんがこういう発信をしているというふうに知ったのは、ほかの方が拡散してきたLINEが来て、それで知ったわけです。ああ、なるほど、もうこれで、経済産業省が言っているんだからもとに戻るんだということで、私もいろいろな人に実は拡散しました。あわせて、コンビニの経営者の方とかそういう方にもお伝えしました。

 ところが、非常にお叱りを私もいただきました。全然そんな状況じゃないよ、全然見通しないよ、どういうことと。

 これ、もう一回聞きますけれども、これは事実関係と違うということになりませんか。いかがですか、政府。

福島政府参考人 お答えいたします。

 北海道胆振東部地震の発災後、経済産業省では、公式ツイッターを活用して、情報不足で不安な状態にあると想定される被災地の住民に対して、電源復旧、燃料供給や、コンビニなどの物資供給の状況に関する情報をいち早くお届けするよう取り組みました。特に、災害時の情報不足による買占めを防ぐためにも、事業者が最大限供給に取り組んでいる情報を政府から発信することは重要であると考えております。

 一部のガソリンやコンビニ店舗においては、渋滞や被災地需要の増大などにより品不足などが生じていたと承知しておりますが、実際の供給能力などの実績などを伝えたツイッターの情報自体が誤っていたという認識はございません。

 例えば、九月七日に、コンビニ各社とも通常を大幅に超える物資の納入量を達成する見込みという旨の情報発信をいたしましたが、実際に、コンビニ各社は発送頻度を通常の約二倍にまで増加させ、各店舗に商品を納入を行いました。他方で、商品の供給量の増加以上に被災後の需要が高まったなどのため品薄が継続した一部店舗が存在したということは、承知しております。

 また、委員御指摘のように、道内の石油在庫についてでございますけれども、ガソリンや軽油の供給力に不足はありませんとの旨を情報発信をいたしましたが、実際にこの時点では、道内の製油所や油槽所といった出荷拠点に、ガソリンで十一日分、軽油で七日分の在庫が存在しておりました。他方で、停電や渋滞などの影響で配送が遅延し、給油制限や営業停止を行う店舗が一部あったということも、承知しております。

 また、苫東厚真発電所の復旧につきましても、被災地での関心が高い中、北海道電力はその時々に把握している情報をもとに見通しを示し、これを受け取って政府としても積極的な情報発信を行ってきたものであり、特段間違いや問題があったとは考えてございません。

山岡委員 今、非常に、被災地からすれば本当に怒りを持って今のお話を伺うわけでありますけれども。

 まず、一部店舗というお話は、これは全く、我々の感覚からすれば、非常にこの言い方はいかがなものかと思いますよ。全道レベルの新聞で品薄続くという報道が出ているという話を、私は資料で示しているわけですよね。

 在庫はあったから情報は間違っていない、SNSは誰のために発信しているんですか。受け取るのは一般市民。一般国民のために素早い情報を出す。我々の情報は、業界から聞いている話は間違っていないんだから、何の問題もないじゃないかと。

 私たちは、まさにこの情報しかない中で本当に一喜一憂していました。大臣の御発言の中で、冒頭の初日に、きょうじゅうにめどで電源が復旧する指示をしたという話が、今度は、きょうじゅうに復旧めどという報道が躍ったり、いろいろな、これは大層じゃなくそういう見出しが躍ったので、地元にはそういう報道が出たんです。そしてうわさが流れた。それは、いろいろな報道の誤解もあるでしょう。でも、このツイッターについては、明らかにこれは事実と違う状況であったということは間違いないことだと私たちは実感を持っています。

 そして、本当の意味で地元にちゃんと安心情報として伝わらなかったら、買占めを防ぐため、買占めを防ぐためだったら間違った情報を送っていいのかという話なんです。そして、たった数日のことであっても、あの数日は本当に地域にとって非常に大きな数日でありました。

 大臣、いかがですか。大臣は実際指示をされる立場、直接かかわる立場じゃないかもしれませんけれども、そして、ツイッターというのは、いち早い情報というのは確かに試みは非常にすばらしいことでありますけれども、だからといって、これはやはり、非常にその対応に不手際はあった、対応に問題があったと思いませんか。いかがでしょうか。

世耕国務大臣 今、山岡委員がおっしゃっていることは、まさに被災者のお立場での本当に気持ちをあらわしておられるんだろうというふうに思います。

 何しろ、日本で経験したことのないブラックアウトが起きて、そして、かなり、直接地震の被害がないところにもいろいろな影響が出て、ある意味心理的なパニックになっていたという状況もあるんだろうというふうに思います。

 私は、数時間で停電を回復するなんということはこれは絶対言っていないわけでありまして、数時間で、どういうふうに回復をさせていって、どれぐらいかかるのかというめどを報告しろということを北海道電力に言わせていただいて、その旨、記者会見、ツイート等でやらせていただきました。

 また、今御指摘のように、現場でコンビニに行っても物がない、ガソリンスタンドへ行っても営業していないところもあるし、営業しているところは、長蛇の行列で、給油の量も制限をされているという現状があって、もうこれは本当に道民の皆さんには大変な御迷惑をおかけしたと思っています。

 私や経産省がやったツイートの真意というのは、石油は、ガソリンはちゃんと道内に在庫はしっかりありますよ、さらに、それを補給するルートもしっかりできていますよ、コンビニについても、一時期はパンとか水しか供給できなかったけれども、もうお弁当の工場も再開をして、これがしっかり届きますから、今慌てて買わなくても大丈夫ですよと。

 コンビニもガソリンスタンドも、在庫に限界があります。特にコンビニは、今社会インフラになっていますけれども、逆に倉庫とかがついていないという問題があって、常に配送が回転していないとだめなんですね。そこで、ふだんよりも一人一人の人がちょっとでも多い量を買ってしまうと、もう本当に店頭から消えてしまうんですね。だから、それは大量に十分な供給がされていますから落ちついてくださいという趣旨で我々はツイートをさせていただいた。

 だから、我々のツイート自体は、中身は間違っていない。ただ一方で、山岡議員が実際に目撃をされた、店頭に品物がないじゃないか、これも事実だというふうに思います。

 だけれども、そんなに時間はかからずに供給は復旧し、皆さんの心理も落ちついて、だんだん棚に、棚に物が行っていないと、次、来たときにがっと買うという心理になって、それが繰り返されてなかなか店頭に十分、常にあるという状況にならなかったんですけれども、それもやがて復旧をしていったというふうに考えています。

 我々はそういう思いで、落ちついていただきたいという思いでツイートをさせていただいたということは、御理解をいただきたいと思います。

山岡委員 大臣の真意は今伺いましたけれども、しかし、私たちにとってこの数日は、そんなに時間はかからずといっても、大変大きな時間でありました。

 これは、震災について、この問題について、情報の発信のあり方についてやはりきちんと検証して、これは見直すべきところは見直す、大臣のお考え、そういうお考えはありますか。一言伺います。

世耕国務大臣 私は、物資の供給については、今回のツイートはそんなに間違っていなかったと思っています。

 あと、特に電力に関しては、やはり北海道電力自体の情報発信が非常に遅かったというふうに思っています。

 これは、この間も電力会社の社長を全部集めて、ふだんからSNSにちゃんと習熟をして、そして、こういう災害が起こったときにはしっかりと迅速な情報発信をできるようにしておいてほしいと。ここは、必ず改善をしなければいけない大きなポイントだというふうに考えております。

 物資については、これは豪雨災害のときとかでもそうなんですけれども、なかなかうまくはいきません。どうしても、これはコンビニの能力の問題なんです。コンビニの機能そのものの本質の問題でして、災害に備えて在庫を大量に抱えるということができないものですから、どうしても品薄な状態が続きます。その品薄な状態を見ると、また今度、心理に拍車をかけて余計、本当はペットボトル一本でいいんだけれども、もうちょっと、五、六本買っておこうという心理になって、ばっと店頭から物が消えるということになるんです。

 ここは落ちついてください、供給はしっかりやっています、あるいは、この間の北海道のときもやりましたけれども、例えば、今コンビニは指定公共機関になっていますから、優先車両の指定をして今配送を急がせていますとか、そういう情報提供をするのは、私は逆に、心理を落ちつかせるという意味で有効ではないかなというふうに思っていますが、まだ改善すべき点はあろうかと思いますが、これは山岡議員は今回御自身で体験をされたわけですから、また御意見もいただきながら、改善すべき点があるのであれば改善はしていきたいというふうに思います。

山岡委員 誰のためのSNSなのかということの視点を持って、これはぜひ、改善について、これからまたいろいろな機会で私も申し上げていきたいと思います。

 時間がちょっと限られているので、いろいろ伺いたかったんですが、最後に政府に伺います。

 今回の震災、北海道の室蘭という町は、港も製油所も一つの被害もありませんでした。非常に震災に強い地域だということが結果的にはわかったわけです。

 JXTGという会社が事業を縮小して、大臣からは、非常に、地域経済への影響を最小化すべきだという大変温かい御意見も、お話もいただいておるところでありました。

 このJXTG室蘭との話は、今進んでおるということも伝え聞いておるところでありますけれども、さまざまな支援もしていただきたいと思いますし、経過もきちんと見守っていただきたいと思うんですけれども、政府として、JXTGの話をどういうふうに今受けとめて、どう考えておられるのか、伺います。

南政府参考人 お答えいたします。

 昨年九月、JXTGエネルギーが室蘭製造所を油槽所へ転換するとの発表を行って以降、同社と室蘭市との間では、跡地を用いた新規事業について複数回にわたり意見交換が行われていると承知しております。

 その中で、室蘭市が提案した新たな発電事業や水素の実証事業などについても議論され、それらの事業性も含めた実現可能性について検討が進められていると聞いているところでございます。

 本件につきましては、経済産業省としても、室蘭市長を始めとする地元の方々と意見交換を実施するなど、北海道のエネルギー供給を長年にわたり支えていただいた室蘭市や地域住民に対し、できる限りサポートしていくことが重要と考えております。

 そのため、室蘭市とJXTGエネルギーにおける検討状況を踏まえながら、室蘭市の今後の取組をしっかりとサポートしていきたいというふうに考えております。

山岡委員 話も大分、少し踏み込んだ話にもなっているようでありますので、ぜひ支援すべきところは支援していただきたいという思いをお伝えさせていただきまして、時間が来ましたので、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

赤羽委員長 次に、浅野哲さん。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、経済産業に関する諸施策に対する質問ということでやらせていただきますけれども、時間も限られておりますので、早速質問に入りたいと思います。

 きょうは皆様のお手元に資料をお配りをさせていただきましたので、そちらをごらんいただきながら質疑を進めさせていただきたいと思います。

 先般、世耕経済産業大臣の方から所信演説がございましたけれども、その中でも今回もまた触れられていたテーマの一つが、ソサエティー五・〇でありました。

 言うまでもなく、この経済産業委員会は、このソサエティー五・〇をしっかりと国内で浸透させて、着実に日本の経済、産業を成長軌道に乗せていくというのが一つの大きな使命であろうかと認識しておりますけれども、まずは、このソサエティー五・〇に関連して、ことしの通常国会で成立をいたしました生産性向上特別措置法について質問させていただきたいと思います。

 皆さんのお手元の資料の一を、一ページ目をごらんいただきたいと思いますが、こちらは生産性向上特別措置法の中に含まれている、概略資料になります。

 図の左から、規制のサンドボックスについての説明、あるいは、データの共有、連携のためのIoT投資に対する減税のもの、また、一番右には、中小企業の生産性向上のための設備投資の促進ということで、三つの大きな取組が含まれているわけでありますけれども、このそれぞれの取組の対象とされている法人について確認をしたところ、左側の二つにつきましては、非営利団体を含んでいるということであります。例えば医療法人ですとか、そういった非営利団体もこの制度を活用できるということであります。

 その一方で、中小企業の生産性向上のための設備投資促進、具体的には、固定資産税の課税標準を三年間ゼロから二分の一に軽減することのできるような中身になっておりますけれども、こちらの制度については、実は非営利団体は対象となっておらず、営利を目的とした中小企業のみが対象になっているということであります。

 そこで、一問目の質問なんですが、昨今、日本の国内の情勢としては、特に、地方におけるお医者さん不足あるいは介護士、看護師の不足といった医療環境の水準低下が課題になっていますけれども、これに向けて医療業界もさまざまな努力を重ねています。その中に、人手を補うための設備投資というものも当然ながら行われているんですけれども、今回、こういう固定資産税の軽減措置というのの対象になっていないということで、これが一つの大きな営利団体との違いになっています。

 そこで、質問ですけれども、なぜ非営利団体が含まれていないのか、その背景についてお伺いしたいのと、今の日本が抱える課題を考えれば、医療法人のような非営利団体もこの措置の対象に含めるべきではないかというふうに考えますが、政府の見解をお伺いいたします。

吉野政府参考人 お答えいたします。

 生産性向上特別措置法につきましては、労働生産性を三年間という短期間のうちに向上させるという法目的を達成する観点から、規制のサンドボックス、データ共有、連携促進、中小企業の生産性向上のための設備投資促進を措置するものでございます。

 このうち、御指摘の中小企業の設備投資支援につきましては、限られた政策資源、この場合には、各自治体に固定資産税の減免を賜る部分でございますけれども、これを有効に活用する観点から、生産性向上特別措置法第三十六条におきまして、支援対象となる中小企業者を、営利を目的として事業を反復継続して行う会社又は個人としております。

 御指摘の医療法人それから非営利法人に関しましては、政策資源の有効活用の観点から、生産性向上特別措置法の制定時に支援対象に含めなかったところでございまして、支援対象の追加につきましては慎重に検討する必要があると考えてございます。

 以上でございます。

浅野委員 今の答弁を伺うと、極めて限られた資源の中でこの措置を行うということで、すぐの適用が難しいような印象を受けましたけれども、医療法人といいますと厚生労働省の所管にもなりますので、省庁をまたいだ協議、連携が必要になるかと思いますけれども、やはり、技術の力で日本が抱える課題を解決するという、そのために我々経済産業委員会そして経済産業省の皆さんも働いていらっしゃる、そういう側面もあると思いますので、ぜひ今後前向きに検討していただきたいと思います。

 それでは、次の質問に移ります。

 次は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する質問をさせていただきます。

 現在、国内では、将来的に放射性廃棄物を処分するための立地ですとか、あるいはその処分のための技術開発というのが行われているわけであります。その拠点となっておりますのが、日本原子力研究開発機構が持っている北海道の幌延町、そして岐阜県の瑞浪、また茨城県東海村にあるこういった地中処分のための技術開発をする研究拠点があるわけでありますけれども、一部の施設については使用期限というのがそろそろ迫ってきている状況にあります。

 期限までに埋め戻して自治体に返却をするというような協定が地元と結ばれているという状況でありますけれども、ただ、今、国内の状況を見れば、処分する地域ですとか処分方法についても未確定な部分が多く、実際に処分する段階になったときに、例えば、処分する地域の地理的特性に合わせた処分の最終調整のようなものも必要になってくるのではないかと思いますが、この研究開発分野を今後どのようにしていくおつもりなのか、政府の中長期的な視点での方針を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、御指摘のような研究機関などを活用いたしまして、技術開発を行ってまいりました。これによりまして、地上から地下環境を推定する技術ですとか地下施設の施工技術など、地層処分を行う上で必要となります技術基盤は着実に確立してきているものと考えてございます。他方、地層処分の技術的信頼性に対する国民の理解獲得のためにも、技術の信頼性、安全性の一層の向上のための対応は不可欠だと認識してございます。

 かかる認識に立ちまして、当省といたしましては、JAEAや処分実施主体でありますNUMOなどの研究機関と連携をいたしまして、五カ年の研究開発全体計画を策定したところでございまして、この中で、例えば、処分場を閉鎖した後に坑道が水みちになることを防止するための技術開発ですとか、地下の断層の分布を把握するための技術開発などを実施するという方針にしているところでございます。

 今後とも、本計画に基づきまして、国民の皆様から信頼と安心を獲得、確保するべく、更にしっかりと取組を進めてまいりたいと考えてございます。

浅野委員 五カ年計画をつくり着実にやっていくということなんですが、今、目の前にある問題としては、その研究開発の拠点となる施設自体に使用期限が設けられているということでありますので、特に、地中の深いところでどういった現象が起きているのかですとか、具体的な処分、設置の方法、こういったところも細かな技術開発が必要だというふうに聞いております。

 地上で検討できることはぜひ検討を継続していただければいいと思うんですけれども、地中でないと、現場でないとできない、実証できない、検証できない、そういう事柄も必ずあると思いますので、五カ年計画をつくって着実にやる、そのために今後の施設というのがどうあるべきかというところも含めて、ぜひ御検討を継続していただきたいと思います。

 これは、非常に日本にとっても重要な課題です。使用済みの燃料をいつまでもサイトの中に置いておく、市民の皆様、国民の皆様のすぐそばに置いておくわけにはいきませんので、しっかり責任のある政策の策定と実行をお願いしたいと思います。

 では、三問目に移らせていただきたいと思いますが、三問目は、つい先日、一部の新聞社で、フランスで計画が進行中であった高速炉開発について、ちょっと方針の変更があったというような報道がなされましたので、その事実確認をさせていただきたいと思います。

 資料の二ページ目、資料二というところをごらんください。

 こちらは、十一月の二十九日の日経新聞の朝刊の記事を抜粋したものであります。フランス、次世代原子炉凍結へという見出しでありますが、赤線の部分を読ませていただきますと、フランス政府は一九年で研究を中断、二〇年以降は予算をつけない意向という、この次世代炉は高速炉実証炉、ASTRIDであるということであります。

 日本の国内においては、先般「もんじゅ」が廃炉を決定いたしまして、今後の高速炉については、ASTRID計画との連携といったものもかなり重要視をされてまいりました。

 きょうは、この高速炉開発の是非というよりは、もしこれが事実であれば非常に大きな方針の転換が必要になるのではないかということで、まずはこの事実確認をさせていただきたいと思います。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 フランスは、高速炉開発についてさまざまな検討をしている状況にあるとは承知しておりますけれども、報道にありますような、今後の高速炉開発を凍結するといったような方針がフランス側から伝えられた事実はございません。

 フランスとの高速炉をめぐる協力のあり方につきましては、現在、我が国は議論を継続しておりまして、何ら決定される状況にないというのが事実関係でございます。

浅野委員 事実ではないということでありますけれども、これは、ほかの新聞でもかなり具体的な表現まで踏み込んで報道がされておりまして、決まったことは何もないということかもしれませんが、その可能性がゼロであるとは今言えない状況だと私は考えておりまして、この件についてはぜひ、事実が発生した際には、円滑な情報展開をお願いしたいと思います。

 もう一つ、資料三の方をごらんいただきたいんですが、資料三はまた別の原子力関係の内容になりますけれども、経済産業省が原子力ベンチャーを育成する、次世代炉の開発を支援するというような中身でありました。この次世代炉というのは、記事の内容を読んでいきますと、高速炉ではなく、小型モジュール炉、SMRであるということであります。

 この記事の赤線部分を見ていただくと、この原子力ベンチャーを育成、支援していくためには、例えばJAEAの持つ施設や人材を提供することも検討しているですとか、あるいは、エネルギー基本計画、第五次のエネルギー基本計画で、SMRなど新型炉の開発を進める方針を示しているということも書いてございます。

 今、原子力行政、原子力政策においては、国内で非常にさまざまな意見が交錯をしている状況でありまして、まずは、その収束といいますか、しっかり目の前の問題に着実に対応していくことが今政府に求められているのではないかというふうにも思っておりますが、そういう中でこういう報道がされたわけで、その分野の方々は、大変大きな衝撃を受けていらっしゃる方もおります。

 そこで、こちらについてもまずは事実確認をさせてください。経産省として、こういう小型炉開発、原子力ベンチャーを支援するといったような方針はあるんでしょうか。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的に、エネルギー基本計画で定められた方向性の中で、安全性、信頼性、効率性の一層の向上に向けまして、原子力関連技術のイノベーションを促進するという方針がエネルギー基本計画で示されているわけでございます。

 そういった方針に沿って今後取り組んでいくということで臨ませていただいているところでございまして、小型モジュール炉を含む革新的な原子炉開発を進める欧米の取組を踏まえて、民間の創意工夫や知恵を生かしながらこういった検討を進めていく、これも、エネルギー基本計画の方針に沿ってこういった対応を進めさせていただきたいというふうに考えてございます。

 あと、報道にありました事実関係でございますけれども、十一月十四日にIFNEC及びNICEフューチャーイニシアチブ合同で国際会議が開催されまして、その中で、エネルギー基本計画の方針に沿った趣旨でございますけれども、あらゆる選択肢の可能性を追求する一環として、原子力についてもイノベーションの推進に取り組むという趣旨の発言を出席した経済産業省の職員がしたというものと承知してございます。その例として、他国で開発が進む小型原子炉についても言及したもの、このように承知してございます。

浅野委員 今の答弁の中で、経産省としても決して後ろ向きではないというような趣旨の中身があったと思いますけれども、今、国内では、皆様御存じだと思いますけれども、原子炉、原子力発電所の安全性ですとか、もしものときのリスク対策に対して、国民の方々の不安というのが決しておさまっているわけではないですね。しっかりそういったところにコミットをしていくことが最優先なんだと私は思っています。

 将来のエネルギー安全保障の観点からも、さまざまな選択肢というのは検討していく責任があるということはわかりながらも、こういうもの以上に、目の前の課題にしっかり経産省としては取り組んでいただきたいというふうに思いますが、これについて大臣の御所見をいただければと思います。

世耕国務大臣 今おっしゃるように、目の前の課題、今ある原子力発電所については、これは規制委員会にしっかりと新規制基準に基づいて審査をいただいて、それで、その審査をパスしたものをしっかり再稼働させていく、もちろん地元の御理解もいただきながらということになるんだろうというふうに思います。

 ただ一方で、二〇五〇年に八〇%温室効果ガスを削減ということになると、これはやはり何らかのイノベーションが必要なわけであります。ですから、我々は、水素とか蓄電池といったイノベーションにも取り組んでまいりますけれども、原子力分野でのイノベーションにもしっかり目を向けて、今から目を向けておくということも重要ではないかというふうに考えております。

 ただ、当然、目の前の課題についてもしっかりとこれは電力事業者に取り組んでもらう必要がある、我々もしっかりと取り組んでいく必要があると考えています。

浅野委員 では、時間も迫ってきておりますので、最後の質問に移らせていただきます。

 最後の質問は、来年に迫る元号改定に関してであります。

 資料の四、最終ページをごらんいただきたいと思いますが、これは、本年の経済産業委員会、五月三十日の経済産業委員会で私が質問させていただいた内容でありますが、赤字の部分をごらんいただければと思います。

 新元号の公表時期というのは改元の一カ月前と想定をしているというのが、当時の参考人の答弁内容でありました。そして、しっかりと、各府省庁の情報システムにおいては、改元日に間に合わせることを基本としますが、間に合わないことが想定される場合には、システム間でやりとりする和暦情報を新元号へ切りかえる時期等の調整、あるいは新旧元号のどちらでもやりとりできるようにする調整を行うと。さらに、できる限り緊密に連絡をとり合いながら万全を期するということでありました。

 ここの質疑から半年がたっておりますので、今日までのこの問題に対する進捗状況を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 新元号への移行に伴う情報システムの改修作業につきましては、御指摘ございましたように、政府におきましては、五月十七日に、新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議を開催いたしております。そこでは、今委員からも御指摘ありましたように、政府全体の方針として、情報システム改修等を円滑に進めるための作業上の便宜として、新元号の公表時期を改元の一カ月前と想定し、準備を進めることといたしております。

 こうした方針を受けまして、経済産業省といたしましては、ちょうど、前回委員から御指摘いただいた以降、所管業界の約七百五十の団体それぞれに対しまして、情報提供を行うとともに適切な対応を要請してきているところであります。

 また、こうした中、各団体に要請を始めてからちょうど約半年が経過しているわけですけれども、直近におきましても、情報システムのベンダー企業を中心に、改元に向けた対応状況につきましてヒアリング等を行っております。

 こうしたヒアリング等を通じて産業界における取組状況の把握に努めた上で、必要に応じて周知の強化など対応策を講じることによって、改元に向けて万全を期してまいりたいと考えております。

浅野委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。

赤羽委員長 次に、斉木武志さん。

斉木委員 斉木武志です。

 世耕経産大臣、よろしくお願いいたします。

 この十二月、もうそろそろ半ばも見えてまいりましたが、今まさに税の季節を政府・与党内は迎えていらっしゃるというふうに思います。新聞紙上でも、自動車関連税制に関して、消費税と並んで、ここのところをどういうふうに変えていくんだろうかというような報道が大分出てまいりましたので、本日は、その自動車関連税制についてどういうふうに変えていくのか、あるべき、あらまほしき姿は何なのかということを、世耕経産大臣、そして総務省、財務省とちょっと議論をさせていただければというふうに考えております。

 まず、皆様のお手元の配付資料をごらんいただきたいんですけれども、この白黒で一枚で刷ってあるものです。これは、自動車総連がことしの七月に作成した、自動車関係税制の負担、国際比較と都道府県格差に関する資料になっております。

 そこで一番目につくのが、資料七、この紙の下半分の部分なんですけれども、この自動車関連税制、地方が非常に負担、しわ寄せを受けているのではないかというふうに見えます。

 これは、一世帯当たり何万円、自動車関連税制、自動車重量税とか自動車税とかを一世帯当たりどれぐらい負担をしているかを比較したものなんですが、四十七位は東京。東京は一世帯当たり〇・四台ぐらいしか自動車を保有しておりませんので、当然低くなります。一位が、私の地元であります福井県でございます。二十二万九千円。二位が富山県、二十二万三千円。地方は、東京に比べるとおよそ四倍、一世帯当たり税負担を受けているということになります。

 これは、地方というのは車がなければ生活できませんので、実際、福井県の世帯保有台数というのは一世帯当たり一・七三台、ほぼ二台ぐらいは一世帯当たりで持っているという計算になります。

 ですので、非常に、車を持たざるを得ない地方に、自動車重量税とか自動車税、毎年、そして二年ごとの車検ごとに随分たくさん税金を取られるなという声が強いと思うんですけれども、こういった日本の自動車税制、まず現状、ちょっと地方に余りにしわ寄せ、寄せ過ぎじゃないかという声に対して、どういうふうにお思いになるか。それぞれ、まず世耕経産大臣からお願いいたします。

世耕国務大臣 本当に福井県と東京の格差というのがこんなに大きいというのを改めて実感をしています。

 自動車の保有に当たっては、自動車ユーザー等からは、まず車体課税が非常に複雑だということ、そして負担水準が高いという声があるわけであります。

 また、議員のお地元である福井県、私の地元の和歌山、福井と和歌山で何でこれだけ差があるのかなというのは、何か福井の方がいい車を買われるのかなという気もするわけで、公共交通機関がないという意味では同じ状況なわけですけれども、福井県始め、公共交通機関の整備が不十分で、自動車が生活に欠かせない日常の足となっている地方の皆さんにとっては、車体課税の負担というのは都市部に比べて格段に重くなっているということは事実だというふうに考えております。

斉木委員 きょうは、まさに自動車税を担当する、地方を所管する総務省、そして財務省、自動車重量税を担当する官庁も来ていただいておりますので、それぞれ、総務、財務の順で御所見を伺えますか。地方にしわ寄せが行っていないかどうか。

稲岡政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車につきましては、特に公共交通機関が不十分な地域などで、まさに生活の足として使われている実態があることは承知いたしております。

 その一方で、自動車に関連する道路や橋梁の整備、維持管理、救急、交通安全対策などの財政需要は大きく、特に道路等の老朽化対策、これが今後多額の財源が必要になると見込まれております。

 このように、自動車に関連するさまざまな行政サービスを提供しております地方団体にとりまして、車体課税というのは非常に貴重な財源であり、ぜひとも御理解をいただきたい、こう考えている次第でございます。

小野(平)政府参考人 お答え申し上げます。

 車体課税につきましては、自動車が道路損壊等の社会的費用を発生させているというようなこと等を考慮して創設されたという経緯もございます。こうしたこともございまして、そもそも、特に車体課税については、その大宗が自動車税など地方の財源になっておりまして、地方に還元されているということ。国税でありますところの自動車重量税につきましても、税収の四割強を地方に譲与するなど、地方の財源として活用されているということがまずございます。

 さらに、国といたしましては、別途、地方における直轄国道あるいは補助国道の整備、あるいは交付金といった形で地方の道路インフラの整備を後押ししているということも御理解いただければと思います。

 なお、来年度の税制改正に向けて、自動車の保有に係る税負担の軽減などの要望が出されておりまして、現在、与党の税制調査会におきまして審議が行われている最中でございます。その検討の結果も踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

斉木委員 特に総務省さんの答弁で、まさにインフラ、道路を維持するため、橋梁を補修するためお金が必要なので、受益者負担で地方に負担をお願いしたい、御理解いただきたいという御答弁でしたけれども、私は、これは税金を取る側の論理がどうも先行しているな、ユーザー目線というのをもうちょっと日本の自動車税制は意識すべきじゃないかと思っております。

 それが、この表にもう一度戻っていただきたいんですね。一位が福井県、二十二万九千円、二位が富山県、二十二万三千円、三位が山形県、二十二万円ですけれども、この一位、二位、三位というのは、実は、税格差だけではありません。この一位、二位、三位というのは、女性有業率の一位、二位、三位と同じなんですね。福井、富山、石川、そして山形というこの四県は、常に、女性の有業率、要するに働く女性、結婚しても働く女性、共働き世帯というのが日本で一番多い四県なんですよ。いつもこのトップを争っているワン、ツー、スリーが、この福井、富山、山形、そして石川県なんですね。北陸と山形県。これは総務省の統計にも厚生労働省の統計にもあらわれております。

 要するに、働く女性、地方で女性が共働きをしようと思ったら車は必需品なんですよ。電車がないわけです。就職面接に行っても、免許を持っていること、そして、軽自動車でもいいから、女性が働きに行くための旦那さんとは別の車を所有していること、これはマストなんですよ。

 なので、安倍内閣は地方創生を掲げていらっしゃる、私も地方創生特別委員ですけれども、地方を振興するんだ、そして女性の働ける社会をつくるんだということをまさに安倍さんが、総理が掲げていらっしゃるのに、女性有業率が一番高い福井、富山、山形、この三県に、要するに女性が働くときに一番払わされている税は自動車税制なんですよ。

 だから、女性の有業率を促進するんだったら、真っ先にこの自動車税制を引き下げることが女性の就業支援と地方振興になりませんか。世耕経産大臣、御所見をお願いします。

世耕国務大臣 自動車税の負担の上位と女性の労働参加率の上位が一致しているというのは、きょう私は初めて伺った話でありまして、これはいわゆる統計学上相関関係が認められるかどうかはちょっとわからないわけでありますが、当然地方は公共交通機関がない分、家族の人数分、車を持っている、これは和歌山でもそうであります。一台しかないという家庭の方が逆に少ないというふうに思っておりますので、やはりその分、地方の負担が重くなっているというのは、これは事実だというふうに思っていますし、地域の活性化という観点からも、車をなるべくたくさん持ちやすい環境を整えておくというのは重要な視点ではないかというふうに思っております。

斉木委員 せっかくですので、総務省の御見解もお願いします。

稲岡政府参考人 この点につきましては、地方部ほど、地方団体が提供いたしております道路等の社会インフラに関するサービスが自動車ユーザーの皆様方の税負担を大きく上回っている、こういった現状もございますので、御負担についてぜひとも御理解いただきたい、こういう考えでございます。

斉木委員 非常にかたい答弁だなと思いますけれども、角を矯めて牛を殺すという格言、皆さん御存じだと思います。要するに、枝葉末節にこだわって本体を損なってしまうということですけれども、税は結局どこから取っても税なわけですよ。だから、まず自動車税で取れるところから取れというこの考え方、私は角を矯める議論だと思いますよ。

 じゃ、女性が働きに出ます、女性が仕事を持つことによって国の税収は上がるじゃないですか。所得税を払っていただける、そして住民税を地方に払っていただける。消費税も、消費性向が上がって、しかも車を持ってスーパーにも買いに行きやすくなる。地方から上がる税収、地公団体ですね、都道府県や市町村が得る税収は住民税が上がればふえるんじゃないですか。そういった視点は持てないんでしょうか。これは世耕経産大臣と総務省にお聞きしたいと思います。

世耕国務大臣 いずれにしても、地方にとっては非常に重要な足でありますから、それを買いやすい環境というのは、やはり政策をつくっていく上で視野に入れておく必要はあるだろうというふうに思っております。

稲岡政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車税は、財産税的性格それから道路損傷負担金的性格をあわせ持つ、こういった税でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、自動車に関連するさまざまな行政サービスを提供している地方団体にとってもこれまた大変貴重な財源であるということで、ぜひとも御理解をいただきたい、このように考えております。

斉木委員 ぜひとも御理解をいただきたいを連呼されておりますけれども、やはり時代に合わせて、今EVも出てくるわけですよ。自動車というものの、CASEと言われますけれども、所有から共有、シェアリングにも変わっていく。これに合わせて税制も変えていかなければいけません。やはり、女性が車を運転する率、これだけ女性有業者が使っているという、税制負担にも出てきているわけですから、ぜひそれに合わせた議論というのをしていくべきだなと申し上げさせていただきます。

 そして、もう一つ、これもちょっと私懸念しているんですけれども、今、日経新聞を始めとしたこの自動車関連税制の報道の中で、走行距離課税というプランが出てきております。

 これは十一月二十八日付の日経の朝刊ですけれども、政府・与党はEVやカーシェアの普及を踏まえ、二〇二〇年度以降に自動車関連税制の税体系を抜本的に見直す、走行距離に応じて課税する仕組みをつくるというふうに報道されております。恐らく、来週の十二日ぐらいと私も伺っておりますが、自民、公明両党の税制調査会が税制改正大綱をまとめられると思います。その中に、政府・与党はこの税制改正大綱を受けて新たな税制の検討を始める、環境性能を目安に走行距離や車の重量に対応して課税する税体系にする案が有力だというふうに報道されております。

 私は、この走行距離課税というのは非常に懸念を持っておりまして、東京で車を使う方というのは大体週末です。月金で激しく仕事をして、土日に箱根に行ったりとか、大体年間五千キロぐらい、非常に短い距離を走られます。福井県や富山県はどうかというと、毎日毎日、通勤で四、五十キロ、そして百キロぐらい走る方もいます。月曜日から日曜日まで週七日間フルに車を使っているんですね。私も、都市部から地方部に持っていった車というのは、私の車も年二万キロ走っております。

 ですので、やはり東京と地方の距離差というのは、使用距離、走行距離課税にすると、大体四倍ぐらい、福井県は東京よりも重くなってしまう、富山県も重くなってしまうんですね。

 だから、このまま走行距離課税に移行するということは、まさに地方に更に重課をしていく。例えば、東京は〇・四台、福井県は一・七三台なわけですよ。これが、今でも四倍差があるのに、更に、走行距離課税に変えちゃったら、地方は四倍走るわけですから、十六倍ですよ、税の負担は。

 これはフランスみたいになってしまうと思いますよ。燃料課税、きのうフランスは六カ月延期することを発表しました。激しいデモが起きて、マクロンさん、やはり政権を安定させなきゃいけないということで、きのう延期を発表した。

 自動車に関連する、燃料に関連する税制というのは、地方にとっては命綱ですから、走行距離課税にしたら十六倍も開くなんてなったら、地方の反乱が絶対起きますよ。

 こういった走行距離課税体系なんということは、今、政府・与党内で検討されているというふうに盛んに報道されていますけれども、経産大臣そして総務省、どう受けとめていらっしゃいますか。どう検討されているのか。

世耕国務大臣 走行距離に応じた課税について、これは私も報道で承知をしているわけでありますけれども、ただ、それを実現するに当たっては、走行距離とか課金額を正確に計測するためのインフラをどう整備するかとか、あるいは、個人の移動情報が全部国に、税当局に出てくるということになるわけですから、プライバシーの保護をどうするかとか、さまざまな問題があります。

 また、具体的に、では走行距離で課税するとした場合に、制度の設計によってこの負担のあり方は変わるわけですから、ちょっと一概に評価は難しいですけれども、単純に本当に走行距離に基づいて課税をするとなった場合は、今御指摘のとおり、地方の負担が東京のような都市部よりも格段に重くなる可能性があるということは十分留意しておく必要があるというふうに思います。

稲岡政府参考人 お答え申し上げます。

 走行距離課税について、一部の新聞等で報道がなされたことは承知しておりますが、総務省におきまして、走行距離課税について具体的に検討しているものではございません。

 なお、一般論で申し上げれば、今後、走行距離課税について検討がなされる場合については、委員御指摘のような課題も含めて、さまざまな課題について検討が必要となるものと考えております。

斉木委員 私、徴税の仕組みも、走行距離課税というのは難しいと思います。

 今財務省が所管されている自動車重量税、これは、二年に一回の車検のときに重量税を納めている。ただ、走行距離課税というのは……(発言する者あり)与党からのものですか、御声援いただいてありがとうございます。走行距離課税というのは、二年に一回、車検のときに取るとなったら、どうやって集めるんですか。

 メーターで多分計算するしかないと思うんですけれども、それこそメーターの巻き戻し、改ざんを誘発してしまったり、若しくは、多走行車、二万キロ、三万キロ走る人ほど、要するに過走行車ほど車検逃れをしよう、車検証を偽造してでもいいから、ともかく、いっぱい走った車は車検を受けたくないわけですから。そのときいっぱい取られてしまう。そういった不整備車が道路上を走ることを誘発することになりませんか。そのあたり、経産省さんの御所見を伺えれば。

世耕国務大臣 ともかく、これはまだ報道レベルの話でありますから。ただ、今おっしゃるような問題点、どうやって走行距離をしっかり正確に把握をするのかという問題点は課題としてあるんだろうというふうに思っております。

斉木委員 もう時間が来てしまって、産業論に行けなかったのは残念ですけれども、今、与党の一部からも御声援いただきましたけれども、野党としても税はやはり与党任せにはせず、先ほどの女性有業率と税負担の関係というのは非常に明らかですので、地域活性化のために、女性の就業支援のためにどういった税がいいのかというのはぜひこれからも御提言させていただきますので、ぜひ真摯な議論をお願い申し上げまして、御質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、田嶋要さん。

田嶋委員 無所属の会、田嶋要でございます。

 きょうは世耕大臣に聞く質問数が余りなくなってしまいまして。しかし、緩まずに緊張感を持ってちょっと聞いていてほしいんですよ、これ。

 で、毎日いろいろな新しいニュースが飛び交っていまして、産業革新投資機構、記事が結構でかいので、慌てて大臣が給料を返して、何が起きているのかなと逆に興味津々で、ちょっと調べなきゃいけないなと思っておるんですけれども。

 きょうは、ちょっと急ぎ案件が二件ありまして、きょうしかチャンスがないので、質問させていただきたいと思います。

 国土交通省、お越しですが、きょうも私はエネルギーに関してですが、再生可能エネルギー、主軸と位置づけて、これから本当に頑張っていかなきゃいけないんですけれども、きょうは、まず建築、住宅に関する省エネの問題を取り上げたいと思います。

 なぜならば、きのうかおとといに何か大事な会議があって、方向性が固まりつつある。世耕大臣もこれは人ごとではございませんので、中小企業庁を始め工務店さん、リフォーム産業、大変関係がありますので、非常にまずい状況にあるという危機感をぜひ共有をしていただきたいと私は思っております。

 まず国交省にお尋ねしますけれども、平成二十六年の四月に閣議決定が行われました。断熱の義務化でございます。これはどういう内容だったか、そして、それを受けて、今日までの義務化の現状ということをお尋ねします。

小林政府参考人 お答えいたします。

 省エネ基準への適合義務化については、エネルギー基本計画などにおいて規制の必要性や程度、バランスなどを十分に勘案しながら……(田嶋委員「もうちょっと声を大きくお願いします」と呼ぶ)はい。規制の必要性や程度、バランスなどを十分に勘案しながら、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化することとされています。これを踏まえ、二〇一七年四月から、建築物省エネ法により、住宅以外の大規模な建築物の新築などに際して省エネ基準への適合を義務化したところです。

 この省エネ基準への適合義務化の対象拡大を含む住宅・建築物の省エネルギー対策のさらなる強化については、本年九月より、社会資本整備審議会建築分科会、建築環境部会において審議をいただいております。今後、報告案についてパブリックコメントを実施することとしており、パブリックコメントで出された御意見に関する検討などを行った後、来年一月中に取りまとめを予定しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、取りまとめられた社会資本整備審議会の答申の内容を踏まえまして、具体的な検討を進めていくこととしております。

 以上でございます。

田嶋委員 まだ決着していないということで、これからパブコメでございますので、私としては年内ラストチャンスと思ってきょうお尋ねします。

 改めて申し上げますけれども、この建築分野、住宅分野の断熱のなさ、省エネのなさは日本の中で特筆すべき分野なんです。

 前回、私、平成二十七年六月三日に国土交通委員会に出張して質問もさせていただきました。当時は太田大臣でございますが、きのうびっくりしたんだけれども、太田大臣のもとでやっていた人、ほとんど人事異動しちゃっているんですよね。だから、これも役所の世界の問題だと思いますよ。誰もそのときの議会の議論の熱が共有できていない。だから、また新しい顔ぶれで今いろいろやっているんだけれども、結局、何かこうお役所仕事で終わっちゃっているのかなという感じがするんですね。

 そのときも私申し上げさせていただいたけれども、再エネ以上に省エネが大事なんですよ、日本は資源を海外から輸入しているんだから。極力輸入しない国になっていかなきゃいけない、それが日本の国益だし、日本を強くする源でしょう。なのに、特に、四部門か何かある中で、建築、住宅の分野は全然だめなんですよ、これ。経産省じゃないから少し世耕大臣はほっとしているかもしれないけれども、これは本当にひどい状況。世界の中でこういうことの義務化ができていない先進国なんて余りないんですよ。それを一番わかっているのは国交省でしょう。

 で、私が非常に危機感を感じるのは、その部会か何かでやって、今度は来年の一月まで。これは与党の先生もぜひ危機感を共有させていただきたいと思うんですね、またここを外したらもうどんどんおくれますから。今、私の表現では三周おくれなんですよ。ここを外したら五周おくれ。もう話にならない。今そういう状況にあるんですね。

 資料をお配りしておりますので、ごらんください。1の資料、これは国交省が出してきた資料で、これはたしかその部会か何かで配っているんですか。

 きのう私、議連をやらせていただいたので、議連でもプロの方が来て同じことを言っていました。これは議会で議事録を残していただきたいんですけれども、この小規模住宅がポイントなんですよ。ここが、建築物とは言わない、住宅ですから、つまり一軒一軒の家ですね。一軒一軒の家、新築。そこの、百二十平米は結構でかいですけれども、要するに、開口部、一番下のちっちゃな字で恐縮ですが、開口部、アルミサッシ、単板ガラスと書いてある。

 つまり、このペーパーのスタートは何と比較しているかというと、単板ガラス、つまりペアガラスじゃない、ペアガラスじゃないガラスの家と比較しているというスタートラインですよね。皆さん、それで、回収期間が三十五年だということになっているんですが。

 次の資料をごらんいただきたいと思います。大臣もぜひ一緒に見てください。

 この2の資料の一番下なんですけれども、じゃ、世の中で、私も直観的にそう感じますよ、もう今ペアガラスって標準化されていませんか。新しくこれから家を建てるときに、今さらシングルガラスで建てる人って余り聞かないような気がするんですけれども、実際、数字はそれを言っているんですね。

 一番下の戸数比率を見てください。平成二十九年、直近データで、九七・三%はこの一番太い線ですけれども、何て書いていますかね。複層。複層という意味はペアガラスという意味です。つまり、もうペアガラスで建てることが世の中の当たり前になっているんですよ。それがこの二枚目の資料ですね。

 ところが、この間開かれた部会では、そうじゃない前提に立って物を比較している。そもそもそこがおかしいじゃないですか。何でそんなことをやっているんですか。

小林政府参考人 お答えをいたします。

 ただいま御指摘をいただいた試算につきましては、これまで、国土交通省に設置をしております住宅・建築物のエネルギー消費性能の実態等に関する研究会において、一定のモデルのもとで試算をしたものでございます。この試算におきまして、省エネ基準に不適合な住宅の仕様につきまして、現行の省エネ基準の前の基準である平成四年に定められた基準の設定時に、外気への熱の損失量に関する性能値を設定した際にモデルとして想定した仕様をそのまま使用したものでございます。

 この試算につきまして、省エネ基準に不適合な住宅の仕様として、より実態に即したものを想定して行うことが必要ではないかという御指摘だと思いますので、この点につきましては、今月から来月にかけて実施する予定の建築環境部会の報告案のパブリックコメントにおいて提出いただいた意見とあわせて、部会において議論をさせていただきたいと思っております。

田嶋委員 今おっしゃっているのは、要するに、現実に即した、実態に即したモデルでやっていないということをおっしゃっているんですか。だから、ちょっと改善します、きのうの、私が主催した議連を踏まえて、ちょっとまずかったから改善します、そういうことを言っているんですか。

小林政府参考人 ペアガラスのシェアが多いことは事実でございますが、シングルガラスのシェアも七%あるということでございまして、幾つかの複数のモデルを比較をして検討したいということでございます。

田嶋委員 まあ、そういうことを言い出したら何でもそうなんですけれども。

 次の三ページの資料をごらんください。これはきのうの議連で配っていない資料です。その後、専門家の方とお話もさせていただいて、きょうの委員会で使うために、一番わかりやすいエッセンスをもう一回整理してくれと要請しまして、きのうの夜つくっていただきました。

 上が、国土交通省が世間に、世の中に、そして専門家のきのうの、おとといの会議に提示した表なんですよ。そのエッセンスですね。下が、先ほど言ったペアガラスを前提にしてどうなのということをやった表でございます。

 ちょっとこれは一見するとわかりにくいので私が解説しますけれども、まず見ていただきたいのは、空調の燃費のところですが、二万五千円だったはずが一万四千円になっている。それはペアガラスになればもう断熱性が上がるんだから、当然年間のコストは下がるというのは、そういうことですね。コストというのは電気代とかのコストですね。

 しかし、片方で、ペアガラスをやっているのが今の標準なんだから、そこから追加でどれだけを断熱に金をかけるか。初期投資ですよ、新築の家を建てるときに。皆さんの想定は八十七万円でしょう、追加コスト、その右側ですけれども。しかし実際には、そんなことはもうほとんどありませんと言っているのが世の中のプロの声なんですよ。きのうもそう言っていましたよね。そうじゃなくて、二十九万円しかかからないよ、だってもう家じゅうの窓はペアガラスになっているんだから。

 そうすると、大事なことは、皆さんがつくったモデルだと三十四年、五年の回収率で、要するに可処分所得が減るという結論なんですよ。つまり、投資するインセンティブはないということなんです。そうでしょう。だけれども、大きく違うんですよ、これは真逆の結論なんだから。

 ローンを組んで、普通、家を建てるじゃないですか。つまり、毎月の出費よりも、節約があるから四千二百三十円、わずかかどうかはわかりませんけれども節約がある、つまり、小さな家を建てる方にとっても、断熱をしっかりやった方がライフロングで見たときに浮くんですよ、お金が。今の標準からいって、余分な追加コストにならないという結論なんですよ。

 皆さんの結論は、まだまだ余分な追加コストになるからなかなか義務化ができないという結論でしょう。たった一個のモデルじゃありませんよ。これは結論を真逆に持っていく意図的な動きだと私は思いますよ。何でそういうことをやるんですか、国交省は。おかしいでしょう。

 今でさえ三周おくれなんですよ、この国は。変えなきゃいけないでしょう、それは。その熱を、当時の役人はみんな異動しちゃっているんだから、だから頼みますよ。こんなことをやっていたら本当に恥ずかしいよ、世界で。こういう、結論を真逆に持っていくような仮定をなぜ使っているのか、教えてください。

小林政府参考人 先ほど申し上げましたように、平成四年の省エネ基準の設定で使ったモデルをそのまま今回用いたわけでございますが、それで、ただいま御指摘もいただきましたので、実態に即したモデルもあわせて、次回の建築環境部会で審議をしていただきたいと思っております。

田嶋委員 要は、実態に即していないモデルを使っていましたということですね。だから、これからは実態に即したモデルを使います、今そういう答弁をいただいたと思います。これからがらっと変わるはずですよ、これから一月、二月にかけて、十二月、一月。結論を逆にしてください。

 こういううそみたいな、ごまかしのような、なぜ国民を欺くようなこういうベースで議論を誘導しようとするんですか。本当に腹立たしい。

 経産省にもお尋ねしますけれども、今のようにおわかりいただけたかなと思うんですが、大臣、おわかりいただけましたか。割とシンプルな話ですよ。

 要するに、初期投資と全体でのどうかということの比較ですね。だから、大規模の非住宅だけの今の適合義務化でしょう。それを小規模の住宅まで持っていっても、一般の人たちに負担がないということなんですよ。だって、今の平均がもう相当高いところまで来ているから、追加で断熱を強化しても、それによる電気代の節約の方が大きいということです。

 しかも、お金が一対一の関係にないんですよ。断熱でやれば、そこは地域のリフォーム工務店さんにお金が落ちるんです。全部地域で循環するんですよ。だけれども、断熱をけちって毎月の電気代をふやせば、どこにお金が行くんですか。どこにお金が行くんですか。よく言う話で、海外に行くんでしょう、化石資源とかの輸入で。全く違う構造になるということをもう私たちは知っているじゃないですか。

 だから、地域循環型のためにも、ドイツもこれに力を入れてやってきているわけですよ。そのドイツやシンガポールから比べたら、はるかに我々はおくれてしまっている。もう一回おくれるようなことは絶対許しませんよ。

 あの国土交通大臣に私も念を押して、あのときも、本当にまずい、三年前はもう仕方がなかったから、ぎりぎりの質問で。だけれども、これから三年間、二〇二〇年までの間、絶対にそれをおくらせないように、業界の説得、地域への説明会、そして工務店さんたちのスキルアップも含めて、国土交通省が必死になってやらなきゃだめなんですよ。こういうところをずるずるずるずる、また今回も見送り、また見送り、そんなことをやっていたら世界に対して恥ですよ。ぜひお願いします。

 経産省、ぜひこの点、これは国交省だけじゃもうだめですよ、国交省だけじゃだめ。中小工務店を担っているのは中小企業庁ですから。

 ぜひこれ、すごいビジネスチャンスになるんです。「未来の年表」、二〇三三年、三軒に一軒が空き家と言っていますよ。新築をつくる時代は終わってきているんですよ。まことに残念かもしれないけれども、新築着工件数なんかで日本の未来をはかっていたって仕方がない。今持っている資産をよりよくして、みんなで大事に使っていくという時代になってきているじゃないですか。リフォーム産業は伸びますよ。ドイツなんかははるかにでかいんだ、日本より。そういうことをやってほしいんです。

 経産省から一言。一言、一緒にやるんだから、覚悟のコメントをお願いします。

松山政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、エネルギーミックスをまず実現していく上でも、徹底した省エネの推進は極めて重要でございます。

 その中で、エネルギー消費の三分の一を住宅・建築物分野が占めてございますので、その中でも住宅の断熱性能の向上は必須の取組だというふうに考えてございます。

 新築住宅の基準適合義務については、今、国交省において、実態と実効性ということを踏まえながら御検討いただいていると存じますけれども、一般論で申し上げれば、断熱性能にすぐれた高付加価値な建材の普及、これが進むことになりますれば、省エネ住宅、リフォーム関連産業、こういったものの活性化が促され、地域産業を含めまして、市場拡大の牽引力ともなるというふうにも考えてございます。

 経産省といたしましては、国交省と連携しまして、次世代の省エネ建材等の導入支援を行っております。同時に、省エネ法のトップランナー制度を通じまして、建材の断熱性能に高い目標を設定し、さらなる高性能化と導入促進を図っているところでございます。

 今後も引き続きまして、エネルギーミックスの確実な実現を図る、目指していくとともに、規制、支援両面で関連産業の拡大も図ってまいりたいと考えてございます。

田嶋委員 遠慮があるかもしれないけれども、建築とか住宅の話になると。ぜひお願いします。これは、中小企業、地域の地場産業にとってこれから大きなビジネスチャンスですから。それを日本はみすみす逃しているんですよ、そういうことでずるずるずるずる先送りするから。お願いしますよ、ぜひ。国交省だけに任せていたら動かないから。ぜひ、これから一月、二月が正念場ですから、お願いします。

 前回、三年前に、太田大臣と同時に北川副大臣にも質問して、北川さんからもこういうような御答弁があります。規制による費用の負担と効果のバランスをとることが大事だということですね。

 だから、今も証明したように、世の中のわかっている人の説明であれば、国交省じゃないですよ、世の中のわかっている人の数字であれば、費用とメリットのバランスはとれているんですよ。負担なしでやれるということです、実質上、ローンを組めば。そういうことを強調いたしますので、ぜひ結論を逆にしてください。お願いします。

 次に、もう一つのこれは喫緊のテーマですが、メガソーラーですね、メガソーラー。

 私は再生エネルギー一〇〇%の社会を目指していますけれども、悪いものは悪い。悪いものは悪い。だから、とんでもない話が全国で広がっているのは、もう与党の先生も野党の先生も聞いていらっしゃると思いますね。これ、早く手を打ちましょう。

 で、打つ方法をいろいろ考えたんですが、法律改正を考えると何年もかかっちゃう心配があるので、今、わかっている自治体は動いていますよね。わかっている自治体は動いている。だけれども、やはり国が少し動いた方が私はいいと思うんですよ。

 そこで、まずお尋ねしますけれども、環境省がメガソーラーへの環境アセスの適用に関してやっていますね。どういう状況かということを簡単に言ってください。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 太陽光発電につきましては、再生可能エネルギーとして、温暖化対策の観点からその普及拡大を図っているところでございます。

 近年、森林伐採を伴う大規模な太陽光発電事業が増加しておりまして、土砂流出、景観、希少動植物への影響といった懸念から、全国的に課題となる事案が発生している、このように承知してございます。

 これを受けまして、環境省といたしましては、本年八月に有識者による検討会を立ち上げまして、太陽光発電事業を環境影響評価法の対象事業とすることについて検討を開始したところでございます。

 検討会におきましては、大規模な太陽光発電事業は環境影響評価法の対象事業にすべきという御意見を既にいただいているところでございまして、今年度中に報告書を取りまとめまして、環境省としては、検討会の報告書を踏まえ、必要となる措置を速やかに実施してまいりたいと考えているところでございます。

田嶋委員 いい動きだと思います、遅いけれどもね。しかし、アセスはとめるためのものではないと承知しておりますので、なかなかまずいケースがとまらないと私は思うんですよ。もっとストレートにとめる方法を考えなきゃいけないと思います。

 そこで、私の結論を申しますと、世耕大臣も聞いてください。これは、もうメガソーラーの時代は、もうかなりできてきて、そして、私は、いろいろな形のソーラー発電があるんだから、自然を破壊しながら自然エネルギーなんというのはナンセンスですよ。もうそういうことはやめるべき。私の意見は、一本でも木を切るものはやらせない、そういう気持ちですよ。ただ、それは極端だから、もう少し現実的な提案をいたします。それは資料の4です。

 林野庁にきょうお越しをいただいています。

 過去に林野庁長官がこういう紙を出しているんですね、こういう通達というんですか、運用細則を。開発、いわゆる森林法に基づく林地の開発をするときに、こういう基準で許可するよという運用細則について出しています。

 そこの一番下に書いてある、運用基準第二の一関係事項ですけれども、要は、ゴルフ場やスキー場が広がってきたときに、環境破壊だ、心配だといったときに、土砂をどれだけ動かすかということで上限規制を設けているんですよ。切土量、一ヘクタール当たり一千立米とか、それから、盛土、ゴルフ場の十八ホール当たりおおむね二百万立米とか、そういうのがあるんですね。これが資料の4であります。

 しかし、残念ながら、これだけ地域で問題になってきているのに、メガソーラーという表現はどこにもないんですね。メガソーラーという言葉がありません。

 それからもう一つは、次の資料の5です。今は土砂の移動量による規制でありますが、5の資料の一番下、表四というところ、私が丸をつけていますけれども、これは何かというと、森林面積をどのぐらい残すかということなんですよ。それはそうですよね。ゴルフ場、スキー場、いっぱい木を切る、切るけれども緑も残す、そのバランスですね。そこのところを書いている。

 重要なのが次の資料です。資料6と7にその表四というのがありまして、もう事細かに書いているんですよ。当然これは法律事項ではありませんから、林野庁から各都道府県知事に向かって発出される。こういうのがあると地域は安心して動けるんですよ。

 私が申し上げている意識の高い自治体は率先して動いたけれども、逆に、例えば静岡県の伊東市、今度行きますけれども、何か間に合っていない可能性もあって、非常に今揺れているわけですよ、訴訟になっているような話も聞きますけれども。だから、意識の高いところが頑張ったって、条例化が追いつかないリスクがある。

 だから、ぜひ、これもスピード感を持って林野庁から発出をしていただきたいというふうに要請したいと思うんです。今の配っている資料の6と7で見ていただきたいんですが、これは、スキー場は六割以上の森を残せ、ゴルフ場は五割以上の森を残せと。ここにメガソーラーはというふうに項目を入れるんですよ。それだけのことですよ。

 そういう追加的な規制を行う必要があると私は思っております。そして、各都道府県知事に通知を出すことを要請したいと思いますが、林野庁、いかがですか。

織田政府参考人 お答えいたします。

 森林法に基づく林地開発許可制度につきましては、保安林以外の民有林において一ヘクタールを超える開発行為を行う場合は都道府県知事の許可を受けなければならないというものでございまして、森林の公益的機能を確保する観点から、土砂の流出、崩壊その他災害を発生させるおそれがないことなど一定の要件を満たす場合には、知事は許可をしなければならないというものでございます。

 先生御指摘のとおり、本制度の許可要件に係る具体的な運用基準につきましては、平成初頭のゴルフ場の開発を始めとしたリゾート開発ブームによる大規模な森林の開発行為の進展を踏まえまして、平成二年に、ゴルフ場やスキー場の造成に係る土工量の基準を設ける等の改正を行ったところでございます。ただ、その際は、全国の開発実態等を十分に踏まえつつ、学識者等からの意見を聴取した上で定めたところでございます。

 御指摘の太陽光発電事業に関する数値基準につきましては、開発の態様によっては周辺環境に大きな影響を及ぼしかねないものもあり得るということから、都道府県を通じて、太陽光発電施設の設置を目的とした森林の開発行為に係る詳細について、実態把握を行った上で所要の検討に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

田嶋委員 遅いんだよね。

 メガソーラーに関してのニュースですと、兵庫県は、今の件に関して、条例を改正したらしいですね。緑地率を引き上げた。要するに、場合によっては、この七ページ目に書いてある工場や事業所みたいな扱いになっているらしいですよ、二五%、これを条例で引き上げて、メガソーラーをつくるには六割以上を残さなきゃいけない。もう国を待っていられないから、やったんですよ。

 いろいろ有識者とか専門家とか、そんなこともう今やっているでしょう、十分。これだけ全国で騒いでいるんだよ。だから、当然今までに十分検討して、私としては年内に、年内に発出してほしい。どんなに遅くても来年一月、二月、三月に発出してください。そうしないと、全国でまたどうしようもないメガソーラーで破壊されていく自然がたくさん出てきますよ。

 そんなことは許されない。もっと気合いと覚悟を持ってやってくださいよ。もう十分調べているでしょう、現状も。わかっているじゃないですか。我々議員に声が届く前に皆さんのところにいっぱい来ているでしょう。それをぜひお願いしたいと思います。

 それから、もう一つ言わせていただくと、人口減少の時代ですよ、今はもう。ゴルフ場だって潰れて、その後メガソーラーになったりしていますよね。だから、もう余りこういった基準を、人口ボーナス時代の、右肩上がりの時代の基準のままにして置いておくというのも僕は変だと思うよ。もうちょっと厳しくしてくださいよ、全体として。新しいものなんか、そんなにこれからできないんだから。

 言葉として、逆開発という言葉もあるでしょう。今まで開発したものを緑に戻していくという言葉まで今はあるんだから。だから、ぜひ林野庁にはスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。

 そして、環境省、農水省、ちょっと三つ聞けないんですけれども、申しわけない。ぜひ環境省には、ゾーニングという概念がヨーロッパで広がってきていますね。そして、日本の中でも自治体は、ゾーニングという考え方を取り入れている自治体もあるんですよ。ゾーニングのいいところは、もめるよりうんと手前で、どこの土地をどう使うかということを決めちゃう、先に。賢いやり方ですね。その方が住民コンセンサスもつくりやすい。

 もういろいろ検討していただいていると思いますけれども、ぜひ環境省にはその方向で考えていただいて。これから風力発電に力が入るわけでしょう。風力発電だって、いろいろトラブルが起きますよ。ぜひゾーニングも真剣にやっていただきたいと思います。

 私は、大臣、世耕さんも聞いていてください、先ほど言ったように、もうメガソーラーというようなことは、いろいろな問題も多いから、環境破壊を伴うものはだめ。そして、できれば私はソーラーシェアをお勧めしたいと思っているんです。もう先生方もよく聞いていらっしゃると思うけれども、ソーラーシェアには社会的使命があるよ。耕作放棄地をよみがえらせる。下で一次産業をやれるんですよ。

 お配りしている資料の8をごらんください。

 つい今週、千葉県で行われました農林水産就業説明会、私は、こういうところでもソーラーシェアの話が出ていないのはまことに残念だと思いまして、パンフレットを届けさせていただきました。千葉県も農業県です。

 次のページ、最後のページ。これは非常にわかりやすいチャートなので、これは利用できると思います。ソーラーシェアリングを始めるための手順。

 こういったことを、全ての一次産業に関心のある若い人たちにお伝えしていくこと。年収は大丈夫かな、不安定だな、家族を養えるかな、そう思っている人たちに、大丈夫、エネルギーも地産地消だよ、そうやってやってほしいんですよ。

 農水省、お願いします。どういうふうに考えていますか。

小野(稔)政府参考人 お答え申し上げます。

 ソーラーシェアリングでございますけれども、先ほど言われたように、作物の収入と、それから売電による収入、両方が期待できる手法であるというふうに考えております。

 農水省といたしましては、促進策をことしの五月に公表いたしまして、一時転用許可につきましてはその期間を延長するですとか、あるいは農政局に相談窓口をつくるとか、そういった促進策に取り組んでいるところでございます。

田嶋委員 何か全然力強さがないですね。やる気があるかどうかわかりません。

 ぜひこれを柱に置いてやってくださいよ。一次産業、厳しいんでしょう。耕作放棄地、どんどんふえているんでしょう。若い人たちがやる気になりますよ、これを知れば。情報がまだ行き渡っていないから。だから、私、千葉県でも資料を配らせていただいたけれども。これはセットでやればいいんですよ、農とエネルギーをセットで。ぜひこれは力を入れてやってください。齋藤大臣のときにも、三年から十年に規制を緩和したでしょう。だからファイナンスがつきやすいんですよ、今は。全然違いますから、環境が。

 最後に一問。

 大臣、お待たせしました。もう一個、ちょっとこれは前振りになりますけれども、将来に向かって心配な大量廃棄の話ですね、大量廃棄。

 これは、やはり悪いやつが出てきますよ、山がぐわっと崩れて、ほったらかしで逃げるという。それをどうやってとめるのか。投資させるときに五%はそのために金をちゃんと積み立てさせるとかそういうやり方も聞いていますけれども、どのように考えているか、どんな検討が現在行われているか、最後に、世耕大臣からお願いします。

赤羽委員長 申合せの時間が経過しております。簡潔に御答弁、よろしくお願いいたします。

世耕国務大臣 今御指摘のとおりに、FIT価格の中にはこの廃棄費用は入っているんですが、必ずしもちゃんと積み立てられていない可能性が高いわけでありますので、まず、今当面できることとして、計画策定時に処分費用ですとか積立額を記載するということを求めています。

 一方で、太陽光発電事業者に、廃棄時に必要な費用を確実に積み立てさせておくことを担保することが必要でありまして、そのためどういう施策をとるべきかということを今検討を進めています。十一月の審議会では、資金を確実に確保するため、原則として外部積立てを求めるというようなことも今検討中であります。あるいは、源泉徴収的に積立てを行うというところも、今方向性をまとめて、できるだけ早く結論を得たいと思っています。

田嶋委員 いい事業者もたくさんいますけれども、こういうのはやはり性悪説に立って、逃げて消えちゃう人が必ず出てくるから、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、谷畑孝さん。

谷畑委員 日本維新の会の谷畑でございます。

 私、非常に印象に残っておりますのは、大学三年、二十二歳ぐらいでしたか、千里山で万国博覧会というのが開会されて、私も友達を誘って見学に行きました。まず広大な敷地、いろいろなパビリオン、そして人がたくさん並んでいる。これは待っておれぬなということで、一番人が並んでいないところを探して見学をしたと思います。

 その万博が二〇二五年にもう一度大阪にやってくるということで、私ども、本当に心より、やったとうれしく思っています。私も頑張って万博をしっかりと見学をしたい、こう思っています。それから、相当時間もたっていることですから、いろいろな技術も多く発展しておるんだな、そう思っております。

 そこで、少し振り返って、この万博の誘致の経過について振り返ってみますと、二〇一四年九月に大阪府の松井知事が万博誘致を表明をしたわけであります。二〇一六年十一月に大阪府が経産大臣に基本構想を手渡してから、議連、有識者、政府、経済界などいろいろな分野で連絡会議や誘致委員会がつくられ、招致の熱がじわじわと広がっていきました。二〇一七年四月の閣議了解を得て、博覧会事務局に立候補届をし、その後、誘致活動が本格化したわけです。

 最初のうちは誰もが半信半疑、私らも、ほんまかいなと半信半疑だったと思います。しかし、こうして七年の後の二〇二五年には大阪万博が実現するということになったわけですから、これほどうれしいことはありません。

 そこで、大臣にお伺いいたします。

 報道によれば、世耕大臣も得票の見込みははっきり言ってほとんど持てなかったとの心情であったとお聞きしています。開催国決定に至るまでの経緯についてどのようにお考えでしょうか。

 聞くところによりますと、札幌市も二〇三〇年冬季オリンピック・パラリンピック招致の意向を示しておると伺っております。今回の成功事例を札幌冬季オリパラ招致に生かすこともあるでしょう。ノウハウなどないとは思いますが、今回の大阪万博招致活動を振り返って、まず大臣の所感をお聞きいたします。

世耕国務大臣 一九七〇年の大阪万博は、私は小学校二年生でありました。関西の子供でしたから、私も何回も、七回行ったんですけれども、アメリカ館の月の石を何時間も並んで見たり、非常に思い出深いものであります。

 今回の万博、投票は無記名で、電子ボタンを押しての投票ということでありましたから、なかなか票読みができないということでありました。だから、最後の最後まで自信が持てなかったというのが、はっきり言って私の正直な心情でありました。

 ノウハウというか、もうこれは我々の選挙と一緒で、投票箱のふたが閉まるまで徹底的に訴えかけるということで、ですから、私も最後パリに乗り込みまして、知事、市長、あるいは関西経済界、外務省と分担をして、班に分かれて、最後は、各国の大使館の参事官とかが投票ボタンを押す人ですから、そういうところを訪問してお願いをしたりとか、あるいは、最後の夜は、ロシア、アゼルバイジャンは何かレセプションを開いていたようですが、我々は個別に食事会を開いて、最後の最後、ここはどうかなというところに働きかけをしたり。

 最後は、当日、投票所には我々は当然入れないわけですが、その手前のロビーにキティちゃんと一緒に待機をして、キティちゃんがいるとみんな寄ってきてくれますから、よろしくということを、もう最後、フランス語しかしゃべれない人はフランス語の通訳で、あとは私のブロークンな英語で徹底的にお願いをして、熱意を見せたということに尽きるんじゃないか。

 あと、長い戦いだったわけですけれども、議連、経済界、また外務省の在外公館、みんな一致団結して、本当に真剣に勝とうという気持ちで必死にお願いをした、そのことに尽きるのではないかというふうに思っております。

谷畑委員 世耕大臣、よう頑張っていただきました。もうしょっちゅうテレビに映った大臣の顔を見てまいりました。私は松井知事と同じ八尾で、選挙区が一緒ですので、松井知事もにこにこの顔でございました。

 どうかまた政府も一丸となって、この万博が成功するよう、そして世界の人々が大阪にやってくる、非常に楽しみにしておりますので、どうぞよろしく御指導をお願いを申し上げたいと思います。

 さて、そこで、最終プレゼンテーションにおいて世耕大臣は、大阪・関西は誰一人として置き去りにはいたしませんと訴え、その裏書として、皆様方の参加をアシストすべく総額二億千八百万ドルの支援を提供いたします、こうおっしゃいました。

 そこで、お伺いします。

 この参加国に対する総額二億一千八百万ドルの支援を表明したことについて、金で票を買ったとか、経済カードを切ったからだとか、あらぬ見方をする人もあるかもしれません。この際、二億一千八百万ドルの裏書の趣旨について、大臣から説明をいただきたいと思います。

世耕国務大臣 二億一千八百万ドル、すなわち二百四十億円ですね、途上国の参加のために支援をするということを表明した、これを一部であたかも票をお金で買ったと言われているのは、極めて私は間違った認識だと思っています。

 この博覧会国際事務局にとって、BIEにとっては、途上国にいかに万博に参加をしてもらうかというのはずっと課題だったわけであります。もう既に一九九四年の第百十五回総会決議において、開発途上国の万博への参加の重要性ということがうたわれています。

 そのことに沿って、今回、いわゆるビッド・ドシエ、参加申請書を出すときには、その中に途上国支援プログラムを入れておかなければいけないということになっているわけであります。

 また、特に大阪・関西万博の構想が評価されたところというのは、これは、アゼルバイジャンもロシアも、どちらかというと、お国自慢的な、各国が国威発揚みたいな形でパビリオンを建てるというイメージの万博構想であった。それに対して大阪・関西は、みんな来てくれ、みんなで、それぞれ抱えている環境とか医療とか、そういった問題をみんなで持ち寄って、そして、各国が、技術とか解決策を持っている国が、またそれに対してこういう解決策を提示していくというような、参加型の万博だということが私は一番評価されたというふうに思っています。

 そういう中で、我々は、途上国支援というのを明確にしっかりと訴えかけさせていただきました。

 でも、これは、ロシアもアゼルバイジャンも、途上国支援はしっかりと計画書の中には入っているわけであります。ロシアも二百十八億円ぐらいの途上国支援をしていますから、何か日本が突出してお金をばらまいたなんということはないわけであります。逆に、途上国がしっかり参加しやすいという我々の構想がしっかり評価をされて、当選につながったというふうに考えております。

谷畑委員 これは質問要旨にはないんですけれども、大臣、この万博を成功させるために、日本国として、そういう組織というのか実行委員会というのか、もちろん経済界、労働界、あらゆる層がこれに関心を持ってもらわないかぬし、また、テレビとかいろいろなものを広報を通じてしなきゃならぬし、同時に、その間、何をテーマに、大体、おぼろげながらテーマは出つつあるんだけれども、やはりしっかりとしたテーマというのか、そういうことが非常に大事やと思うんだけれども、これは質問要旨に書いていませんけれども、もしもよければ、大臣の所感というのか、ありましたらお願いします。

世耕国務大臣 テーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで打ち出しているわけですが、これからそれを具体化をしていくことになろうかと思います。七年といってもあっという間にたちますので、できるだけ早く準備を進めていきたいと思います。

 また、主体となる法人を立ち上げるとか、予算の問題とか法律の問題とか、いろいろな問題をこれからクリアしていかなければいけませんので、一つ一つ着実に取り組んでいきたいというふうに考えております。

谷畑委員 先ほど答えてもらったわけでありますけれども、やはり万博というのは世界の人が集まってきます。そして、日本という国を、どういう国であって、どういうものかということがアピールができます。だから、これはぜひ成功させなきゃならないと思います。成功させるためには、やはり国民の意識というのか、そういうものが非常に大事だ、こう思っております。

 もう一度大臣に、今後とも、この国民のあらゆる層に、この万博というものはこうだという、テーマを含めて、まだ今のところ何かぼんやりしているような感じがしますので、この万博は何のためにやり、そして世界に何をアピールをして、そして我々日本国民にとってみても何がプラスになるのかということだけ、最後にちょっとお聞きします。

世耕国務大臣 やはりSDGs、持続可能な開発計画、これの達成が二〇三〇年になっていますから、そこで二〇二五年に大阪で万博を開くということは、このSDGs達成に向けて世界がどう動いていくか、そのことが基本的なテーマになってくる。広報にしっかりと努めてまいりたいと思います。

谷畑委員 ありがとうございました。

 しっかりとして、いい万博を、国民を挙げて、国を挙げて成功させていく、我々もその責任があろうかと思います。

 もう万博の話はこれで終わりにして、次に、少しエネルギーの問題について質問をいたします。

 ことしは、非常に自然災害が相次いで起こりました。一連の災害によって亡くなられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 政府におかれては、こうした災害に対応するために編成された平成三十年度補正予算の迅速な執行など、被災地域の復旧復興に向けた施策を総動員していただきたいと思います。

 一連の災害では、私の地元である大阪でも大きな被害が発生しました。特に九月には、台風二十一号により、最大風速四十メートルでも耐えられる設計と言われていた電柱が強風によって一千本以上も倒壊し、関西電力管内だけでも、一時最大で約百七十万戸が停電いたしました。関西電力を始めとした関係各社は最大一万二千名もの体制で復旧に向けた懸命な努力を重ねたにもかかわらず、多数の電柱被害や、倒木等で立入り困難となる地域が多く発生したこともありまして、全面復旧に二週間を要したとされています。

 また、さきの六月に発生した大阪府北部地震でも、関西電力管内の停電が発生し、こちらは短時間で解消したものの、最大十七万戸が停電したところであります。

 災害対応と停電について言えば、例えば地方自治体が避難勧告を出そうにも、テレビで届けられない。お年寄りに限らず、多くの住民はテレビ画像から外部の情報、切迫感を知ることができるのに、それができない。さらに携帯電話、その基地局が停電すれば緊急速報メールも届かなくなるでしょう。

 私は、今回、一連の災害発生と停電等を経験し、安心して電気を使えることの大切さを改めて痛感したところであります。

 そこで、お伺いいたします。

 台風二十一号等による大規模停電等に係る政府の対応について、どう検証し、その結果明らかになった課題、今後、政府はどう取り組んでいくのか。もう時間が終わりということで、簡単にお願いいたします。

関副大臣 検証と総括、大変大切なことだと思っております。

 経済産業省では、台風二十一号を含めましたことしの一連の災害によります停電につきまして、有識者を交えました審議会におきまして検証を行いました。そして、十一月二十七日にその検証結果並びに今後の対策を取りまとめたところでございます。

 今回、関西電力管内では平成最大級の停電をもたらした台風二十一号でございますが、一つには、広範囲にわたって配電設備に著しい被害が生じた、二つには、倒木によりまして立入り困難な地域が多数発生したことによりまして、停電からの復旧に長時間を要したことにつきまして、情報発信のおくれや不足が国民の皆様に不安を与えた結果を招くことになったことは、非常に反省するべきであると思います。

 こうした課題を踏まえまして、停電復旧と情報発信のさらなる迅速化に向けまして、今委員からもございましたとおり、システム開発等によりまして現場情報をリアルタイムに吸い上げる仕組みの構築、二つには、ツイッター等を活用しました停電状況や復旧見通しに関するきめ細やかな情報発信、三つには、被災電力会社からの要請を待つことなく、また他の電力会社から電源車等を自主的に派遣するといった電力会社間の連携強化、こういうことにつきまして電力会社が直ちに着手することといたしております。

 一方、経済産業省といたしましても、この電力会社の取組をフォローアップするだけでなくて、みずからホームページやSNSを活用した積極的な情報発信をしましたり、また、停電復旧に必要な道路の早期開通に向けまして関係省庁との連携に取り組んでいこう、そのことを実行に移してまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

谷畑委員 ありがとうございました。

赤羽委員長 次に、笠浩史さん。

笠委員 大臣、お疲れさまです。きょうの最後、質問させていただきます。未来日本、笠でございます。

 私ももう議員で十六年目なんですけれども、経済産業委員会というのは私質問したことがなくて、初めての質問なんですけれども、本当にあらゆる、きょうもエネルギー政策から何からさまざまあるわけですけれども、特に、私ども地元で活動していて、今本当に深刻な、中小零細企業の皆さん方が大変厳しい状況の中に置かれているという中で、これから日本が成長していくためには、やはり中小企業を元気にしていかなきゃならない。

 残念ながら、黒字であるにもかかわらず、半数近い会社が廃業する。廃業した会社の半数近くが黒字である。決して赤字で、厳しい中で倒産していくということじゃないところが私は深刻だと思っておりますし、そういう意味での事業承継。

 あるいは、開業率というものを、どんどん今若い人たち、ベンチャー、本当にいろいろな分野で活躍をしています。そういったところの、やはり日本の開業率を上げていくという支援。

 そして、人口減少の時代ですから、やはり生産性というものを、いろいろな科学技術イノベーション、こういったものも大いに活用しながら育成をしていく、そして生産性を上げていく、そのことがやはり日本の経済を支えていく大きな鍵を握るのではないかというふうに思っておりますけれども、大臣の中小企業に対する施策についての思いをまず伺いたいと思います。

世耕国務大臣 中小企業の施策、語り出すと幾らでも話せるんですが、今議員から御指摘のあった問題を中心にお話をしたいと思います。

 まず、一つは、経営者の高齢化の問題であります。やはり後継ぎがいなくて、これで黒字なのに廃業する、地域から必要とされているビジネスなのに廃業するというケースが出ておりますので、これを集中的に円滑な事業承継の促進を行うために、今後十年間、集中実施期間として、今年度は法人の事業承継税制の抜本的強化を実現をしました。来年度は残された課題であります個人事業主の事業承継について新たな税制を創設すべく、今取り組んでいるところであります。

 それと、もう一つは、やはり人手不足、働く人がいなくて廃業に追い込まれるというケースもあるわけであります。こういったことに対応するためには、やはり生産性を向上させるということが重要だと思っております。ものづくり補助金によって革新的な試作品、サービス開発などに必要な設備投資への支援ですとか、持続化補助金による販路拡大の支援ですとか、IT導入補助金によるIT化の支援などを通じて、生産性の向上もしっかりやっていきたいと思います。

 あと、やはり下請取引の適正化というのも非常に重要だと思っていまして、史上空前の利益を上げている大企業の利益をしっかりと中小企業にも回すためには、下請取引をしっかりフェアな、適正化をしていくことが重要だと考えております。

笠委員 平成二十一年度の税制改正でこの事業承継税制が創設をされて、ちょうど十年。私も、今年度の税制改正において、適用対象となる後継者の数を複数人、三人に拡大したり、あるいは雇用確保要件の弾力化等々、かなり思い切った税制改正がなされたというふうに評価しております。

 ただ、今大臣の中にもありましたけれども、残念ながら、まだ、要は中小企業の過半を占める個人事業者、自営業者はこれが活用できない、ここがやはり大きな課題だと思いますので、個人事業者の生前贈与も含めた事業承継を促進するために、今まさに税制改正の大詰めの議論かと思いますけれども、思い切った税制措置を講じていただきたいというふうに思いますけれども、現状どのようになっているのかも含めてお答えいただきたいと思います。

世耕国務大臣 まず、今回、抜本拡充に成功した法人の事業承継税制、これは、足元の申請件数が昨年に比べて十倍と、爆発的に増加をしています。これは明らかに政策として効果があったというふうに思っています。

 一方で、個人版事業承継税制の創設はいまだ手つかずのままということであります。個人事業者の相続時の負担軽減を図る税制措置としては小規模宅地特例というのがあるんですが、これは相続時のみ、土地のみという制約があるため、個人事業者の事業承継を直接支援する新たな税制を創設することが必要であります。

 このため、集中的な個人事業者の事業承継を促すべく、法人同様、十年間の時限措置として、土地だけではなくて、建物、機械などの承継に係る贈与税、相続税の一〇〇%納税猶予制度という新たな税制の創設を今要望しているところでございます。

笠委員 ぜひそれは、少なくとも今要望していることについては、本当に財務省としっかり交渉して、かち取っていただきたいと思います。

 それと、もう一点、やはりMアンドAですよね。後継者が見つからない中で、マッチングをいかに、どうするか。

 外国企業も、日本のものづくり、技術力というのは高く評価しているので、優良な企業をかなり買収したり、あるいはMアンドAによって外国資本が入ってきています。

 もちろん私、外国が悪いとは言わないけれども、やはり日本の技術力、ものづくり、あるいはサプライチェーン、さまざまな影響がありますので、このMアンドAを、どうしても大企業のMアンドAというと、金融機関なんかも熱心に、これは仕事になりますから、大きなビジネスですから。しかし、やはり地域における、特に地方におけるMアンドAをしっかりと、受皿というか、そのマッチングの仕組みというものを充実をさせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

世耕国務大臣 このマッチングも非常に重要だというふうに思っております。

 我々も、今後、データベースをしっかり整備をして、どういった企業がある意味事業承継あるいはMアンドAを求めているのかというようなことをわかりやすくするような取組もしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。

笠委員 MアンドAについてのいろいろなスキームも、今、経産省も、中小企業庁の方でもかなり熱心にやられていることは私もよくわかっています。ただ、なかなかそういったことを現場の方々が知らない。

 例えば、どこに行けばそういった情報がとれるのかということを、更に広報等々をぜひ徹底をしていただきたいと思いますし、平成三十年度の税制改正においても、この事業承継の制度についても、やはり地元の方でまだ知らない方がいるんですよ。だから、税理士さんとか、いろいろなお手伝いいただく専門家の方々がおられますので、そういったところとも協力をしながら、広報あるいは周知徹底というものを更にしていただきたいというふうに思います。

 もう一問だけ。

 要件を緩和するということは、先ほど申し上げたように非常にいいんですけれども、昨年の十一月の会計検査院の会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告の中で、「租税特別措置(相続税関係)の適用状況等について」ということで、「事業承継税制の政策目的に照らして、必ずしも必要最小限のものとなっていないと考えられる状況が見受けられた。」と。

 これだけ思い切って税を軽減したり、あるいは猶予するわけですから、そこが抜け道になって、一つでも、数が少なくても、不適切な、あるいはさまざまな税逃れ的なことが起こることがないように、厳格な運用ということをぜひこれはやっていただきたいと思うし、相続税の軽減措置の透明性を向上させて、その適用に当たっては、きちっとやはり国民の皆さんに対する説明責任を経産省としても果たしていかなければならないというふうに思っておりますけれども、そういった点についての今取組について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

世耕国務大臣 今御指摘の小規模宅地特例に関する会計検査院の指摘は、この特例の適用を受けたもののうち、相続税の申告期限後一年以内に譲渡された土地のうち賃貸用のものが約七割を占めている、特に賃貸用については、事業継続への配慮というこの特例の政策目的に沿ったものにはなっていないという指摘をいただきました。

 現在、先ほどのような個人事業主への特例の創設を要望させていただいているところですけれども、当然この制度では、しっかりとした事業継続要件を課すことによって、租税回避行為を排除する必要があると思っています。

 また、御指摘のように、政策の効果をしっかりと検証することは非常に重要でありまして、事業承継を促進するための政策としては、事業承継税制以外にも、事業承継ネットワークをつくるというようなこと、あるいは事業承継引継ぎ支援センターでマッチングを行うということ、そして事業承継補助金などの施策も推進しているところでありますが、こういった施策と、そして税制の効果がどういうふうに出ているかということもしっかりと検証を公開して、取り組んでまいりたいというふうに思います。

笠委員 時間が来ましたので、終わりたいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

赤羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四分散会


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