衆議院

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第5号 令和2年4月10日(金曜日)

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令和二年四月十日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 富田 茂之君

   理事 大岡 敏孝君 理事 神山 佐市君

   理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 淳司君

   理事 武藤 容治君 理事 田嶋  要君

   理事 山岡 達丸君 理事 鰐淵 洋子君

      畦元 将吾君    穴見 陽一君

      安藤 高夫君    石川 昭政君

      石崎  徹君    岡下 昌平君

      神田  裕君    高村 正大君

      國場幸之助君    武部  新君

      辻  清人君    出畑  実君

      冨樫 博之君    野中  厚君

      福田 達夫君    穂坂  泰君

      星野 剛士君    細田 健一君

      三原 朝彦君    山際大志郎君

      吉川  赳君    和田 義明君

      浅野  哲君    落合 貴之君

      柿沢 未途君    斉木 武志君

      宮川  伸君    山崎  誠君

      中野 洋昌君    笠井  亮君

      串田 誠一君

    …………………………………

   経済産業大臣       梶山 弘志君

   経済産業副大臣      松本 洋平君

   経済産業大臣政務官    中野 洋昌君

   衆議院議事部長      今岡 武史君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 杉本 和行君

   政府参考人

   (内閣官房小型無人機等対策推進室審議官)     岩崎 俊一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 森  源二君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 赤澤 公省君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     竹村 晃一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電波部長)         田原 康生君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 竹内  努君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           矢野 和彦君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房長) 糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    藤木 俊光君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           春日原大樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           上田 洋二君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          西山 圭太君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江崎 禎英君

   政府参考人

   (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 高橋 泰三君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 平井 裕秀君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            松山 泰浩君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            渡邉 政嘉君

   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     出畑  実君

  足立 康史君     串田 誠一君

同日

 辞任         補欠選任

  出畑  実君     國場幸之助君

  串田 誠一君     足立 康史君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案(内閣提出第二二号)

 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案(内閣提出第二三号)

 経済産業の基本施策に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引に関する件


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     ――――◇―――――

富田委員長 これより会議を開きます。

 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官森源二君、経済産業省大臣官房長糟谷敏秀君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長佐藤悦緒君、資源エネルギー庁長官高橋泰三君、資源エネルギー庁次長平井裕秀君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君及び中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岡下昌平君。

岡下委員 おはようございます。自民党の岡下昌平でございます。

 きょうは、先週の経済産業委員会で議題となりました、まず関西電力の金品受領問題に関連して質問させていただきたいと存じます。

 このマスクは、曇りにくい、地元の堺の手拭いで秘書が手づくりでつくっていただいたマスクを着用させていただきます。済みませんが、よろしくお願いいたします。

 まず、関西電力の金品受領問題、これは報道されたときに、まず、小判という言葉が出てきて、一体どこのいつの時代のことだろうと、それに憤りを感じた国民は非常に多かったのではないかと思います。

 今回の件、非常に残念に思っております。電気料金を支払っていただいている消費者の皆様だけでなくて、やはり現場の一生懸命働いていらっしゃる社員の皆様方にも非常に残念な思いをさせたのではないかと思います。

 おととし、台風二十一号で私の地元の大阪においても非常に大きな被害が出ました。そのときに、停電で大変な事態に陥り、私の地元に約七百頭の牛を飼育しているところがございますが、そこは電気がとまってしまうと搾乳機が使えない。そこで牛乳頭腫症になってしまう、何とかしてくれ。現場で陣頭指揮をとっていただいた社員の方々が問題意識を共有していただいて、昼夜を分かたずこの台風被害からの復旧に従事していただきました。

 そういった社員の方々が一生懸命現場で頑張っていらっしゃるにもかかわらず、今回新たな報道で発覚しましたけれども、退職した役員の方十八人に二億六千万円補填していたということが発覚いたしました。今回このような事態に陥り、関西電力の経営幹部の責任、これは非常に重たいものだと指摘せざるを得ない。

 関電におきましては、二〇一四年、担当者から取引先に対しまして予算価格などを提供していた行為について、公正取引委員会から、独占禁止法第三条が禁じる不当な取引制限を誘発又は助長したとして、今後同様の行為が再び行われることのないよう適切な措置を講ずることなどの申入れを受け、その後、原子力事業本部におきましてもこの問題について再発防止策が作成されていたにもかかわらず、情報提供が継続されておりました。

 また、今回、社内報告に比べて第三者委員会の方が、人数、金額とも膨らんでおります。そして、社内の調査委員会では発注プロセスやあるいは発注価格について適正であったとしておりましたけれども、第三者委員会からの報告では、不正が認められました。

 こういったことが続くと、幾ら改善計画を提出した、つくったとしても、守るのかということが、基本的にそれを守っていくのかということが心配になります。

 関西電力の森本新社長が先週の委員会において、「私自身が不退転の決意で、情熱と信念を持ってその実行に取り組んでまいる所存です。」、こう決意を述べられておりましたので、六月末までに報告される具体的な実施状況をしっかりと見ていきたいと思います。

 そこで、やはり今回、経済産業省の監督責任、こういったものが問われると思います。今回、経済産業省から関西電力に業務改善命令を発出する際の手続、これについて不適切な対応があり、法令手続の遵守、公文書管理ができていないばかりか、最もやってはいけない文書改ざんまでしてしまったということは、経産省の信頼を失墜させる結果となりました。

 たしか三月十四日の土曜日に第三者委員会の報告書が出て、そして十六日の月曜日の朝七時台に業務改善命令が発出された。余りの速さにびっくりしたのは私だけではない、そう感じたのは私だけではないと思いますが、どうも経産省が早く進めたいという焦りみたいなものを感じた次第であります。今回のことを受けまして、国民の中には、金品問題も知っていたのではないか、そういった疑念を経産省に抱かざるを得ない、疑いをかけられてもいたし方ないと思います。

 そこでお尋ねをいたしますが、まず、経産省から福井県高浜町へ出向している職員は何人いるのか、そして高浜原発などに勤務していた職員は何人いるのか、お答えください。

糟谷政府参考人 高浜町に対して出向している職員は、現在一名おります。これは、平成二十年より近畿経済産業局から出向しておりまして、これまでに四名が出向しております。

 また、高浜原子力発電所につきましては、原子力安全・保安院の原子力保安検査官事務所が、原子力規制庁が発足した平成二十四年までございました。五名程度の職員が勤務をしておりました。

岡下委員 それでは、今回の案件で経産省内でどのような調査をされたのか、お答えください。

糟谷政府参考人 昨年十月以降、高浜町への出向者を含めまして、職務上、電源立地地域と直接の接点を持つ可能性のある職員及び過去十年の間にそのような職にあった者、合わせて二百二名を対象にいたしまして、高浜町の森山元助役との接点の有無や、接点があった場合には金品の受領の有無について確認作業を実施してまいりました。

 確認の結果、高浜町への出向者四名を含めた回答者全員から、元助役との接点はないとの回答を得ております。

岡下委員 それでは、次に、先週の委員会でも議論になりましたけれども、この業界全体にかかわる問題でありますけれども、今回の問題で、ほかの原子力発電所でも同じような事例があるのではないかと疑念を抱く人も少なくないと思います。

 第三者委員会の報告の中でも、原子力施設の建設、運用には、地元と今回トラブルになったことが起点となったという報告がなされています。但木委員長も記者会見で、地域政策、地元の問題において原子力の場合というのはつきまとう、透明性を持って地域共生政策をやっていかなければ今後の原子力はない、時代が変わっていって、地域の人たちが理解をして受け入れて、そしてその地域も繁栄する、その透明感のある立地政策をやっていかないと今後の原子力はない、他社に関しては調査しておりませんのでそんなものはないとは言えないけれども、立地政策は透明感を持ってやっていくべきであると懸念を打ち出されておられました。

 また、福井県の高浜町のこの森山元助役さんが深くかかわっていた塩浜工業から玄海町長の方に、一八年の七月の当選直後、現在は返却されているようでありますけれども、現金百万円を受け取っていたという報道もあります。これは、原子力発電所がある場所において共通に発生する問題ではないかと心配せざるを得ません。

 先週の委員会におきまして、経産省が他の電力会社も調査したとおっしゃっておられましたけれども、野党からも、証拠がないじゃないか、文書でちゃんと調査したのかという指摘もなされていました。

 具体的に、経産省から電気事業連合会にどのように依頼され、電気事業連合会から各社にどのような指示をし、そしてどのような経緯で回答が返ってきたのか、そこの経緯を少し御説明いただきたいと思います。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の関西電力の事案が発覚いたしましたのは、昨年九月の二十七日の金曜日でございました。

 それを受けまして、週明け直後の月曜日、九月三十日になりますが、大臣からの指示として、事務方幹部から電気事業連合会の幹部を通じて、関西電力以外の電力各社及び原子力関連会社十二社に対しまして、コンプライアンスの遵守を徹底するよう、口頭で指示をしたところでございます。

 また、昨年十月四日には、再度改めまして、事務方幹部からこの十二社の社長に対して、直接、社内のコンプライアンスの状況を不断に確認しその結果に基づいて国民への説明責任をしっかりと果たすよう、口頭で指示をしたところでございます。

 その後、十月七日の月曜までに、この十二社から、今回問題となっております金品等の受領があるという事実は確認されなかったという報告を得ているところでございます。これは、各社のコンプライアンスの担当者から資源エネルギー庁の担当者に対して、事務的に報告をいただいたということでございます。

 さらに、電気事業、原子力事業に対する国民の信頼が損なわれるという状況の中で、他電力でも類似の事案がないかどうか国民の関心が高いということ、さらには、三月十四日に関西電力から第三者委員会報告書を含めました報告徴収命令に対する回答を得たということで、本件事案の具体的内容が明らかになったということを踏まえまして、関西電力以外の電力各社に対しましては、四月六日に電気事業法に基づきまして、関西電力の事案、すなわち役職員による金品の受領ですとか不適切な工事発注、契約、役員報酬に対する補填といったようなことに類似する事案の有無、そして、コンプライアンスを徹底するための取組内容、今後の計画といったことについて報告を求める報告徴収命令を発出したところでございます。

 電気事業者たるものは、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう常に適正な事業運営に努めるべきことは当然のことであります。各社には、引き続き、適切かつ公正な事業運営に取り組むよう指導監督をしてまいりたいと思っているところでございます。

岡下委員 今の御答弁で、口頭で伝えたということがひっかかるんですけれども。口頭というのは、お会いして顔と顔を合わせて指示をしたのか、あるいは、それは電話であるのか、そういったこともどちらかを含んでいるわけであって、そういった指示を出す際には、口頭ではなくて、やはり文書できっちりと依頼をすべきである、そういった通達を出すべきであるということを指摘せざるを得ないと思います。

 また、昨年九月の関電問題の以降、各社は、おのおのどのようなコンプライアンス施策を講じてきて、そして、この第三者委員会の報告書が出た後、そのやってきたコンプライアンスをどう改善されようとしているのか、その点をお聞かせください。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 関西電力の事案が発覚した後のその他電力会社の取組につきましては、昨年十月八日に電気事業連合会が新たな検討の場というのを設けまして、他業界、電力事業界以外の業界も含めましたベストプラクティスということも踏まえながら、電力業界のコンプライアンス徹底に向けた不断の取組の検討に着手しているものと承知しております。

 こうした検討の中で、例えば、全社でコンプライアンスに関する行動規範を見直し、贈答品などを社会通念上常識の範囲に限定するとともに、コンプライアンスの徹底を社内に通知しているといったようなことに加えまして、ここは各社まちまちではございますけれども、一部の会社におきましては、本人の意思に反して贈答品を受けざるを得なかったものについて組織として対応する仕組み、すなわち、会社に報告し会社が返却する仕組みを導入した例ですとか、中元、歳暮等の辞退を取引先に通知するといったような例も出てきているところでございます。

 さらに、先ほどもお答え申し上げましたとおり、関西電力以外の電力各社に対しましては、四月六日に、電気事業法に基づきまして、コンプライアンスを徹底するための取組内容、今後の計画について報告を求める報告徴収命令を発出したところであります。もちろん、命令でございますので、文書でということになるわけでございますが。

 こうしたことを踏まえまして、電気事業者たるもの、先ほども申し上げました、電気料金を支払う利用者の皆さんから不信を持たれることのないよう、常に適正な事業運営に努めるというところを心にしながら、そうした行動をとっていただきたいということで、指導監督をしてまいる所存でございます。

岡下委員 ぜひ、今は文書で発出したということでありますけれども、きっちりと今後の対応を監督していただきたいと思います。

 そこで、やはりこの関西電力の問題で今後気になってくるのは、エネルギー政策についてであります。特にエネルギーミックスの問題については、果たして大丈夫かと心配せざるを得ません。

 自然災害や環境問題など電力をめぐる動きは大きく変化しております。今回、電力システム改革の第三弾といたしまして、四月一日より、送配電部門の中立性を一層確保する観点から、法的分離による発送電分離が行われております。これに伴い、一般送配電事業者あるいは送電事業者が小売電気事業や発電事業を行うことが禁止されております。関西電力も、送配電部門を関西電力送配電株式会社が担うこととなっております。

 国内の原発の状況を見ますと、廃炉が決まったものを除いた三十三基のうち再稼働が現在九基。エネルギーミックスでは原発比率を二〇%から二二%にする、こう記されております。となりますと、約三十基の再稼働が必要となってくるのではないか。

 再稼働に、原子力規制委員会の安全審査に合格するというのは当たり前の話でありますけれども、やはり、今後必要になってくるのは、地元の同意というものが大事になってきます。今回の問題で原発に対する見方が大変厳しくなっていて、地元の同意というものを得るのは一段と厳しさを増していると考えます。

 三月五日の未来投資会議では、新たに議論の場を設け、エネルギー戦略の大きな方向性について、気候変動、安定供給、コストのバランスを踏まえつつ大きな視点で骨太の戦略を検討することが決まっているとのことでありますけれども、今回のこの問題が今後のエネルギー政策にどのように影響するとお考えなのか、そしてどのように対応されていこうとしているのか、その点をぜひお聞かせいただきたいと思います。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 電気事業者といたしましては、国民全般から不信を持たれることのないように、常に襟を正すべきということは再三お答え申し上げているところでございます。まずそれが、まずもっての、第一番目の基本だと思っております。

 その上で、御質問の中にありましたエネルギーミックスの実施、さらにはその中で、原子力のお話についての御質問がございました。

 原子力について申し上げますと、資源に乏しい日本にとりましては、安全確保、そうしたことを大前提とした上で、地球温暖化問題への対応ですとか電力の安定供給といったような、日本が置かれた状況を考えれば、責任あるエネルギー政策を実行するためには欠かすことのできないものだというふうに考えております。引き続き、エネルギーミックスの実現に向けて、地元の理解を得ながら、安全最優先の再稼働ということを進めていくというところを考えているところでございます。

 もちろん、原子力を含めたエネルギー政策につきましては、最初に、冒頭申し上げましたとおり、国民の信頼の上に成り立つものというところについて改めて胸にしっかりと入れて、引き続き、経済産業省といたしましても緊張感を持って政策を実行してまいりたいと思います。

岡下委員 ぜひ、その原発に関して、今回の関西電力の問題を真摯に受けとめていただいて、しっかりと、経産省には監督責任があるということを自覚されて、今後厳正に対応していただくことを強く要望させていただきたいと思います。

 また、そんな中、経産省の職員の方がコロナウイルスに感染されたというような報道もなされました。大変な状況の中で業務に従事していただいているのはよく理解しておりますけれども、その点、ぜひ今後もこの関電の問題に関しましては厳正に対応していただきますように強く要望させていただき、次の質問に入らせていただきたいと存じます。

 次に、先ほど申し上げましたけれども、コロナウイルス対策について質問をさせていただきたいと思います。

 まず冒頭、コロナウイルスに感染されてお亡くなりになられた方々に心より哀悼の誠をささげたいと思いますし、そして、現在も入院を余儀なくされていらっしゃる方にお見舞いを申し上げ、そして、今、最前線でコロナウイルスと闘い頑張っていただいている医療従事者の皆様方に、心から国民の一人として感謝を申し上げたいと思います。

 まず、四月七日、この緊急事態宣言がなされまして、経済あるいは国民に大きな不安が広がっております。特に、国民の日々の生活、暮らしには大変な不安、影響が出ております。

 私の地元大阪におきましても、昨日、コロナウイルスに感染された方が九十二名確認されたという報道がございました。地元の大阪において、中小企業の経営者の皆様方は、仕事がキャンセルされて従業員の給与が払えない、雇用調整助成金を申請したけれども、サービス業なので曜日によって労働時間にばらつきがあり、そして残業等々も実は給与の中に入って、その結果、実際の給与と助成金との間に大きな隔たりが出てきてしまう、無利子融資をしてくれても返せる当てがない、一体自分は発表されたいろいろな緊急経済対策の中でどの支援策に当てはまるのかよくわからない、そういったお声をたくさんいただきました。

 そして、各申請窓口においても混雑していて三時間待ち、こういったこともざらになって、逆に、その申請に行って、行った先で感染しないか大変不安であるという声もいただきました。

 まずは、今回、この経済対策において、第一弾、第二弾ときましたけれども、第三弾について発表がなされました。まずはこの情報をわかりやすく国民に周知していただくようにお願いしたいと思いますが、既に経産省のホームページにおきましては、補正予算の成立が前提となりますとただし書きがなされた上で、七日に発表されました緊急経済対策が掲載されておりました。詳細や条件はこれからになると思いますけれども、一つ、わかりやすい支援策集、パンフレット、こういったものを早急に作成をしていただきたいと思います。

 これはあくまでも提案なんですけれども、簡単な説明と窓口の連絡先を書いているだけでは、電話がつながらない、そしてネットにアクセスしてホームページを見てもどこをクリックしたらいいのかわからない、こういったお声もたくさんいただきました。ちなみに、私の事務所においても、今回問題となりました雇用調整助成金の申請を実際にやってみました。しかし、これもやってみたら、もう複雑過ぎて本当にわかりにくい状況であります。今後、複雑な書類の提出とか、こういったことを大胆に簡素化していく必要があると思いますけれども、その点、大臣、どのようにお考えになられるか、お聞かせいただきたいと思います。

梶山国務大臣 今岡下委員おっしゃるように、どんなにいい政策でも皆さんに使ってもらわなければ意味がないと思っております。

 第一弾、第二弾の緊急対応策、対応しているところでありますけれども、これらについても日々さまざまな相談が寄せられる、またわかりにくいという苦情も起きているところでありますが、そういった都度改善をしていくということで、職員にも話をしているところであります。

 皆さんがわかりやすい、それぞれの事情に応じた必要な支援策の情報を得られるようにすることが何より重要であり、委員御指摘のとおり、事業者目線で支援策を周知してまいりたいと思っております。

 具体的には、経済産業省としましては、雇用調整助成金等の、これは厚生労働省なんですけれども、他省庁の施策も含めて事業者の方が御活用できる施策を一覧できるパンフレットを作成して、ホームページに掲載するだけではなくて、商工会、商工会議所、そして業界団体、経済界、あらゆる手だてを通じて今周知を図っているところでありまして、団体だけではなくて、ツイッターやメルマガ、そういったものも活用しているところであります。

 さらにまた、手続の簡素化というものも必要と思いますし、それらをわかりやすくということで、士業、例えば社会保険労務士であるとか、そういった方々の活用ということも行政側で考える必要があるのかなということも検討をしていかなければならないと思っております。

 それらも通じて、とにかく早く皆さんの手元に必要な資金が行くようにということで努力をしてまいりたいと思っておりますので、お気づきの点があれば、ぜひまた声を寄せていただきたいと思っております。

岡下委員 ぜひスピード感を持って御対応いただきたいと思いますし、記載の仕方というのは動画で配信すると非常にわかりやすいものですから、一度ぜひ役所の方々も自分で申請書を書いてもらって、どうすれば簡素化できるかということをぜひ検討いただきたいと思います。一度やっていただいたらよくわかると思います。

 次に、三十万円の生活支援臨時給付金についてお尋ねをいたしたいと思います。

 今回、三十万円の給付におきましては、世帯主の月間収入、これは本年の二月から六月の月が対象になっていて、これは間違っていたら指摘してください、まず条件の一つ目は、新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準となる低所得者世帯、そして二つ目が、同じく大幅に減少し、半減以上とされておりますけれども、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準の二倍以下となる世帯を対象に、一世帯当たり三十万円の給付がなされるとのことですけれども、これ、よくわかりません。中身がよくわかりません。

 ぜひ、これはわかりやすく、フローチャートをつくったり、ふるさと納税の際の「ふるなび」みたいなものもぜひ活用、あれは非常にわかりやすいものですから。私はどうなるのか、そういった方々が大変多いんですね。例えば、年金生活者の方が国民年金だけで生活できないものですからパートに出ている場合、その方も支給対象になるのか、そこら辺がよく見えません。

 この点について、今どのような状況になっているのかお答えいただきたい。

森政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘のとおり、生活支援臨時給付金を、感染症拡大を防ぐことに配慮しつつ、休業等により収入が減少し生活に困っている世帯に迅速にお届けするために、できるだけ申請のための手続を簡便なものとするとともに、給付対象世帯の範囲あるいは申請に必要な書類等をできるだけわかりやすく周知をするということが重要であるというふうに考えておるところでございます。

 まず、昨日、給付対象世帯の判断に当たって必要となります住民税非課税水準について、当該水準であるとみなす具体的な月間収入の基準額を総務大臣通知において地方公共団体にお示ししたところでございますが、今後とも、給付主体となる市町村の意見も十分に伺いながら、具体の実施方法について早急に検討を進めてまいり、また、わかりやすく周知をしてまいりたいと存じます。

岡下委員 ぜひ、わかりやすくお願いいたします。

 次に、売上げが半減するなどして事業の継続が難しい場合に、中小・小規模事業者の方々に二百万円、フリーランスを含む個人事業主の方には百万円をそれぞれ上限に給付する持続化給付金について、受給するための要件、これをお聞かせいただきたいと思います。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 持続化給付金は、新型コロナウイルスの感染拡大により特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え再起の糧となる、事業全般に広く使える給付金を支給するものでございます。

 具体的には、売上げが前年同月比で五〇%減少し、極めて厳しい状況にある中堅・中小企業等の法人に二百万円、個人事業者等に百万円を上限として現金を給付することとしてございます。

 その他の要件や申請方法など、詳細は現在検討中でございますけれども、支援を必要とする事業者の方々に迅速かつ確実に給付が行き渡るよう、制度設計に取り組んでまいります。

岡下委員 ぜひ、五〇%のその線引きですね、これが例えば四十数%の方もいらっしゃるし、ちょっとそこら辺をやはり勘案して条件を緩和していただくように、一度また御検討いただきたいと思います。

 先ほども申し上げたとおり、今回の対策で、所得の減少を条件に一世帯当たり三十万円支給する、そして、中小・小規模の方には二百万、あるいは個人事業主の方百万。今回、労働者の方は雇用調整助成金とこの給付金を合わせてセットで受け取ることができるのか、あるいは、経営者の方は三十万円と二百万円をセットで受け取れることになるのか、これはどのような考えでいらっしゃるのか、お聞かせください。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の持続化給付金は、新型コロナウイルスの感染拡大により特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え再起の糧となるよう、事業全般に広く使える給付金を支給するものでございます。

 本給付金につきまして、具体的な要件や申請方法等は現在検討中でございますけれども、他の制度を利用していることをもって給付対象から排除することは想定してございません。

 いずれにいたしましても、支給を必要とする方々に対して迅速かつ確実に給付が行き渡るよう、利用方法等を含めた支援策の情報について、わかりやすく丁寧に周知してまいります。

岡下委員 いい御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 今回のこの緊急事態宣言が出されまして、一日でも早く、困っていらっしゃる方の手元に現金給付措置がなされて、外出しなくても安心して生活できる環境を整えるために、経産省、きょうは総務省からもお越しいただいておりますけれども、大変今御多忙で、昼夜を分かたず、寝る間を惜しんで作業に従事していただいていると思いますけれども、そのことに関しては心より敬意を表したいと思いますが、ぜひ、これは国難でございます、もう本当に一大事でありますので、そのことをよく自覚されて、しっかりと御対応いただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 最後に、もう時間がそろそろ来ますので、質問を要望にかえさせていただき、最後に提案をさせていただきたいと思います。

 まず一つ目は、テレワークですね。今、テレワークを民間にお願いしております。このテレワークを活用するためのIT補助金、これは六月に公募がなされるということでパンフレットに書いてありましたけれども、この補助金は採択以降の案件が対象になっておりますけれども、これから中小企業の中で、じゃ、ITを導入しようか、その補助金があるんだったらという方もいらっしゃると思います。そういったコロナウイルスの対策に関連する補助金の公募というものを前倒しでやっていただけたらということを、ぜひ要望させていただきたいと思います。

 そして、最後に一つ提案でございます。

 スーパーが混んでいて、お買物が大変だというお声をお寄せいただいております。全てのスーパーがそうかどうかは定かではありませんけれども、せめて、大変混雑し合うスーパーに関しましては、ちょっと対策を考えた方がいいのではないか。

 アメリカに住んでおります私の親戚のおばから連絡がありまして、実は、アメリカでは、混み合う時間帯にシルバーアワーというものをつくりまして、開店から約一時間若しくは一時間半、御高齢の方や、あるいは障害者の方のみに入店していただいてお買物をゆっくりしていただく、そして、レジに並ぶことなくスムーズに買物をしていただく、そういうシルバーアワー制度というものを導入されているそうでございます。

 ぜひこういった制度を御検討いただけないかということを大臣の方にも御提案させていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

 以上です。

梶山国務大臣 今のシルバーアワーの提案については、いい提案だと思いますので、検討させていただきたいと思います。

岡下委員 これで質問を終えます。ありがとうございました。

富田委員長 次に、山岡達丸君。

山岡委員 御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。山岡達丸でございます。

 今、目下、新型コロナウイルス、そして緊急事態宣言下という大変極めて重要な時期であります。地域も感染拡大の不安とともに疲弊するこの経済環境の中で、どのような施策を打っていくのかということも、またさまざまな機会で質疑をさせていただきたいと思っておりますが。

 きょうは、今こそ政府の信頼が問われる、その時期にありまして、経済産業省において、関西電力、これも大きな問題なんですけれども、その関西電力に発出した業務改善命令の手続をめぐって、公文書問題、こういうことが起こったという残念な事案がありました。

 これは政府と国会の信頼関係のこともございますので、きょうは私はこの場でまた事実関係を中心に問いたださせていただいて、また、私なりの問題意識で不自然だと思うところについても経済産業省に聞いていきたいと思っております。大臣には、最後、経過を聞いていただいた上、また質問させていただきます。

 きょうは、資源エネルギー庁の高橋泰三長官を始め関係者の皆様に出席を要請させていただいております。

 長官に、まず伺います。

 今回の公文書の不適切な取扱いという件について、まず、長官としてどのような御所感をお持ちか、そのことをお伺いしたいと思います。

高橋政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の件でございますけれども、そもそも、法律上必要な手続を失念してしまったこと、それからまた、手続に不備があるにもかかわらず事実と異なる決裁をしたように装ったこと、取り繕ったこと、これは行政意思決定プロセスのあり方として非常に問題である、また、公文書管理の重要性に鑑み大変不適切であったと考えております。

 本件につきましては、大臣からも申し上げさせていただいているとおり、あってはならない重大な問題であるというふうに受けとめており、私自身、庁内職員に対する指導監督に適切さを欠くところがあったという点で、監督責任を痛感しているところでございます。

 経済産業行政に対する信頼を損なったことについて、深くおわびを申し上げたいと思っております。これを機に、改めて職員に、私も含めまして、意識徹底を求めてまいりたいと考えてございます。

山岡委員 今、長官から、非常に大きな問題であり大変不適切であった、指導監督責任を感じておるということをおっしゃったわけでありますけれども。

 では、率直に伺いますが、高橋長官はこの件をいつお知りになったんでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 本件につきましては、三月二十七日の金曜日の夜、報告を受けまして、事案を把握いたしました。

山岡委員 この関西電力をめぐる業務改善命令の発出というのは極めて大きな政治的関心事でもあり、さまざま指摘もされておりますが、三月十四日に第三者委員会の報告があった後に、十五日には発出するという、極めて多忙なスケジュールの中でやっているということであります。

 今、長官の話では二十七日の夜に知ったということでありますけれども、皆様のお手元にお配りさせていただいているのは、いわゆる経済産業省が配ったニュースリリース、そしてまた、経済産業省が既に公開している決裁の手続に関する資料の抜粋でございます。

 資料の一、二は後ほど見たいと思いますが、このニュースリリースの中でこれまでの経過がさまざま書かれているところでありますけれども、資料三の中身について長官に改めてまた質問をさせていただきたいと思いますが、今、お知りになったのは二十七日だとおっしゃられました。この資料三、四、五は、まさに、一回業務改善命令の決裁をした後の次の日、再決裁をしているものであります。この上に線を引っ張っておりますけれども、前日のこの決裁は、一度、「廃案及び再決裁について」ということが件名で書かれている。そして備考欄には、電取委の意見聴取の回答到達前に決裁されたためと、その理由も明確に書いている。資料四の方になりますけれども、ここにも、この電取委からの回答が届き次第この二〇二〇〇三一五第一号を廃案とし、そして最後には、業務改善命令を通知してよろしいかということまで次の日の決裁で問うているんですね。そして資料五、これは誰への決裁をしたかということでありますけれども、この中には高橋長官のお名前もある。

 極めて政治的関心も高いこの案件に対して、ここまで丁寧に起案の中身で、そしてこの後に業務改善命令を発してよろしいかということまで書かれている。このことについて、何も不思議に思わず決裁をされたんでしょうか、この時点で知り得なかったということがあり得るんでしょうか。長官、お答えください。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 私の長官としての決裁が必要となる個々の案件につきましては、事前に決裁内容を了解、了承した案件につきましては、実際の押印等の決裁事務は秘書が行っていることが、そういう運用も行っております。

 今回の業務改善命令の発出に際しましては、十五日時点で、業務改善命令の内容に了承し、それに従って私は決裁したところでございますが、十六日に、委員御指摘の、行われた決裁のやり直しにつきましては、業務改善命令の内容に変更がなかったということではございますけれども、決裁をやり直すこと自体私は承知をしておりません。当然のことながら、実際と異なる日付で起案決裁を行う旨の説明もないまま進められたものであり、まことに不適切な行為であったというふうに考えてございます。

 庁内職員に対する指導監督をする立場にある者として大変遺憾でありまして、まことに申しわけなく思っております。

山岡委員 内容が変わらなかったと言いますけれども、この伺い文にはっきりと内容が違うことが書かれているんですよね。

 にもかかわらず、秘書の方が勝手に押印をされた、勝手に決裁をされたと。決裁というのは、決定の決に裁定の裁と書くわけでありますけれども、仮に長官のかわりの秘書が書いたとしても、長官の決裁には変わりないわけでありますね。このことに何も報告がなかったということが極めて不自然ではないかという問題意識を持っているところであります。

 では、きょうは村瀬部長にもお越しいただいておりますので、村瀬部長にもお伺いさせていただきたいと思いますけれども。

 ニュースリリースの中に、担当者から部長には相談があって了承したという記載が、書いてあるところでありますけれども。繰り返しになりますけれども、極めて政治的にも大きな注目がされている、世間的にも大きな注目がされて、そして、何よりも起こった事案が大変大きな事案である。そのことについての決裁をめぐる、部長もここに決裁をされているんですね、そして伺いの中できちんとその理由も書いて、廃案してもう一回出し直したいということも書いてある文章の、この相談を受けながら、ニュースリリース上では、更に上司には報告しなかったということが書かれているわけでありますけれども。極めて不自然だと思うんですが、部長は、担当者の方とどんな話をされたんでしょうか。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 十六日の午後、自分の部下である担当者より、あらかじめ行う必要のあった電力・ガス取引監視等委員会への意見聴取を忘れていたこと、このため、同日三月十六日になりますけれども、意見聴取を実施するつもりであるといった報告を受けました。その際、十五日付で意見を求める旨の決裁を行い、十六日付で改めて業務改善命令の決裁を行うことについても、報告を受けていたところでございます。

 しかしながら、プレスリリースにありますとおり、私の方から是正の指示をすることがなかったということで、今回処分をいただいてございます。

山岡委員 そのことをなぜ長官には伝えなかったんですか。ニュースリリース上の記載でありますけれども。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 通常、決裁は担当者の方から決裁ルートをたどって決裁を得ていくというプロセスの中で手続が進められているものというふうに思ってしまっておりました。申しわけありませんでした。

山岡委員 担当者が長官に上げなかったから、私は上げる必要がなかったと。担当者が何のために相談に行っているかといえば、自分の判断が妥当かどうかを上司に諮って、そして、組織としてそのことを遂行していいかを確認しに行くために行っているわけですよね。御答弁が極めて不自然だと思うんですよね。

 資料六と七をごらんいただければと思いますが、これは、三月二十九日に改めて全てをやり直したときの決裁の中身で、いただいた資料でいえば四十ページにあるところでありますけれども。これは、三月二十九日付の弁明の機会の文書となっているんですけれども、右上の数字を見ると、二〇二〇〇三一八となっているんですよ。あれ、どういうことかなと思いまして、次の起案の中身を見ましたら、線を引っ張りましたけれども、資料七。三月二十九日としながら、受け付け日は三月十八日になっているんですね。

 長官に伺いますけれども、二十七日に知ったとある。これは三月十八日も、こういう受け付け日があって、これは組織的に事前にわかっていたんじゃないですか。お伺いします。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の資料七の三月十八日の弁明の機会の付与のこの日付ですけれども、これは、確認しましたところ、弁明の機会の付与は関西電力の報告徴収に対する回答を受けて行われるものということでございますので、その回答の日付をもってすることが通例となっているということでございます。

 この報告徴収命令に対する関西電力からの回答については、三月十四日に第三者委員会の調査報告書を含めた資料を受け取った後に、この調査報告書の一部に誤記があったので、十八日の水曜日に誤記を訂正したものを再度受理をしております。この再度受理した旨は経産省のホームページでも掲載をさせていただいているところでございます。

 こうしたことで、三月二十九日に関西電力に行った弁明の機会の付与に係る起案につきましては、訂正された調査報告書を受けた日付、すなわち三月十八日を記載することが適当であるから御指摘のような起案文書になっているというふうに報告を受けております。

山岡委員 受け付け日が三月十八日で、文書番号自体は〇三一八ということは、〇三一八に打たないとこの文書番号は出てこないじゃないですか。システム上の通し番号として、文書番号として〇三一八となっている。起案日は二十九日になっていますけれども、文書番号も〇三一八となっているということは、十八日の時点でこのことを受け付けているということにならないんですか。もう一回答弁してください。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 関西電力からの報告徴収命令に対する回答、修正後の、誤記を訂正したものの受け付けが十八日に受理をしておりまして、その日付で文書番号をとるということだったということでございます。

山岡委員 これらの質問を総合して、私が自分なりに問題意識を持っているのは、資料一になりますけれども、やはりニュースリリースが私は極めて不自然だということを感じたからであります。

 資料一は前段ですけれどもその経過を、資料二の方には線を引っ張らせていただいておりますけれども。この5番、前のページからですけれども、5、6のところでありますけれども、この書き方は、担当者がこの件について決裁する方針を考案したと。担当者は、6では、上司である、今話がありましたけれども、方針を相談したと。まるで担当者が方針を考案することが当たり前のように書いているんですけれども、しかし、決裁の方針というのは管理職が行って指示をするものであって、何か担当者の指示に管理職が従わなければいけないような、この記載そのものに極めて大きな疑問を感じました。

 きょうは、さまざま、そうした処分を担当しておられます糟谷官房長、いらっしゃっておられますので伺いますけれども、この担当者の処分の理由、これは、今ここに、プレスリリースにありますけれども、決裁の方針を考案したことも処分の理由に含まれているんですか。お伺いします。

糟谷政府参考人 この職員は、訓告処分を受けているわけでございますけれども、不適切な決裁手続の方針を考案し幹部への報告を行っていた、これが処分の理由でございます。

山岡委員 考案したことも今回の処分に入っているんだという御答弁でありました。

 これは、委員の皆様も、いろいろな企業で働かれたり、組織で働かれたりとかしたこともあろうと思います。さまざまな組織で、管理職の方がいて、自分が一般の職員で働いておられた方もいらっしゃろうかと思います。管理職との話の中で一般職員が、さまざまな今後のありよう、あり方、いろいろな可能性を管理職に提案することはあっても、最終的に決定するのは管理職であって、例えば一般の職員の方が、会社の規則上、非常にまずいことを提案したとしたら、いや、それはだめだと言うのが管理職であって、そのことを考案するとか発言するとか、そのことをもって処罰しているという考え方そのものが、これは、今後の経済産業省の若手職員の皆様、一般職員の皆様、こうした人たちが発言をするだけで処分されるということになれば、この組織の中でさまざまな業務の遂行に重大な支障を来すと思うのですが、官房長、いかがお考えでしょうか。

糟谷政府参考人 国家公務員法に基づきまして、国家公務員は信用失墜行為を行うことを禁止をされております。また、法令に従う義務もございます。こうした義務は、管理職、非管理職に関係なく、国家公務員に課せられる義務でございます。

 したがって、たとえ非管理職であっても、その責任を明確にし、今後再びこのような事態を引き起こすことがないよう内規に基づく処分を行ったものでございます。

 なお、不適切な決裁手続の方針を了解するとともに、実行を指示し、みずから決裁もした管理職級職員一名の責任は最も重いと考え、国家公務員法上の戒告処分としたところでございます。

山岡委員 その最も重いとされる管理職の方が一番現場の職員と近い方なんですよ。現場の職員もそのことを発言したことが裁かれ、そして、最もそこに近いところの管理職の方が一番重い。国家公務員の規則があるからと言いますけれども、組織ですよ。組織で起こったことを現場のせいにしているんじゃないか。そういうことになっていないか、私は強い疑念を持つところです。

 電力・ガス取引監視等委員会の佐藤事務局長にもお越しいただいております。

 お話を伺いますが、お配りさせていただいた資料の最後、八であります。先日、斉木委員も質問をされましたが、この文書は、右上は三月十六日となっておりますけれども、本文の中身は、三月十五日付二〇二〇〇三一五、この文書のことについて回答しますと書いているわけであります。十六日になって、これは法律違反ですよということを指摘したのが、この電力・ガス取引監視等委員会の方が指摘したということでありますけれども、しかし、その後のお伺いについては、これは前の日のものだと知っていながら意見を聞く行為をした、その理由は何でしょうか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、資源エネルギー庁の内部において、どのようなプロセスで意見聴取の文書が作成されたかは、委員会としても私としても承知はしておりませんでした。

 それで、確かに御指摘のように、十五日付の意見聴取の文書が私ども委員会の方に送付をしてきました。しかしながら、一般的な話でございますが、意見聴取の日付に特段の関心を払って確認することがないというのが一般の私どもの少なくとも慣行でございまして、今回も、日付がさかのぼられているとは全く考えなかったことから、これまでと同様に注意を払っておらず、実態と異なる日付になっていることを認識できなかったというのが実態でございます。

山岡委員 いや、局長、今お話ありましたけれども、最初に、法律違反していますよという指摘を上げたのは電力・ガス取引監視等委員会の職員のメンバーの方ですよ。何にも関心が行かなかった、その経過はあずかり知らなかった、そんな話が通りますか。

 そして、この紙、この下、同項の規定に基づく業務改善命令についてと書いてあるわけですよ。この同項というのは何ですか。法律ですよ。法律に基づく業務改善命令についての意見を聞いているんですよ。法律違反だと自分で指摘しているじゃないですか。自分たちで。にもかかわらず、法律に基づいて業務改善命令の意見を求めてきている。

 日付もそうですけれども、要請内容だって、自分たちでしてきたことをそのまま遂行しているというのは、これは、原局につき合ってこの委員会も動いたと言わざるを得ないんじゃないですか。いかがですか。

佐藤政府参考人 答弁申し上げます。

 繰り返しになって恐縮でございますが、よもや日付がさかのぼられているとは考えなかったことから、日付には注意を払わなかったということでございます。

 以上でございます。

山岡委員 私が聞いているのは日付のことじゃありません。この中身が法律に基づいて聞いていることです。法律に基づいて聞いていることを、法律が違いますよと指摘しているあなた方が何で意見を聞いたんですか。もう一回お答えください。

佐藤政府参考人 手続に関してはエネルギー庁のお話というふうに考えまして、私どもは、電力取引の適正性に関してどのようなふうに考えるかというので意見をお伺いさせていただいたというものでございます。

山岡委員 今回の皆様の御答弁、経済産業省の組織の中の、一般の方も含めて、管理職も含めて、皆さん聞いておられると思いますよ。

 公文書の問題がさまざま今問題になっておりますけれども、行政の皆様というのは文書が命なんじゃないんですか。文書でこう書かれていることを、あずかり知らなかった、そこに関心を持たなかった。法律に基づいてやってくれとやっている文書を、自分たちでその違反を指摘しながらそのまま遂行する。プレスリリースには、現場だけでやって、特に一般職の人が自分で企画、計画して方針を立てて、そして、一番近い管理職とだけこのことを協議して、上層部には伝えていなかったんだという書きぶり。

 開示された資料一つ見るだけでも、長官がなぜ知り得なかったのか。知り得るところは十分にあった。そして、今の委員会の答弁ですよ。文書一つ見ても、自分たちで指摘しているということを公開しながら、その後の業務を遂行していることに対しては、あずかり知らなかったとか関知していなかったとか、そんな話が、全くこの今回説明されている処分のストーリーが、私には全てが不可解でなりません。

 資源エネルギー庁の電ガ部というのは、二百人にもなるような、一つの大きな局にも匹敵するような、そんな部署だそうであります。長官はこの電ガ部の、二〇〇七年には電ガ部の原子力政策課長をされ、二〇一三年には電ガ部長ですよ。局長も、二〇〇九年には電ガ部の電力基盤整備課長をされ、二〇一二年には電ガ部の政策課長ですよ。部長は今現職ですし、今回、いわゆる一番悪いとされる現場、この人たちももちろん電ガ部の皆さんでありますよ。

 これは私の私見ですけれども、まるで、電ガ部という大きな村の中で組織的に起こったことを、現場の人が最も悪くて上はあずかり知らなかったと、そのことを必死に強調しているニュースリリースが出て、特に、さっきも申し上げましたけれども、一般職の人がいろいろなことを上司に発言する、そのことをもって処分したんだという説明が、私は、いかに組織にとって今後に禍根を残すか、このことは強く指摘したいと思うんですよ。

 大臣にお伺いします。

 大臣は、そもそも、御答弁にもありましたけれども、二十八日の夕方に知ったというお話がありました。二十六日に情報開示請求があり、先ほど長官は二十七の夜に知ったとありましたけれども、大臣が知ったのは二十八の夕方でありますよ。何でこれほどの重要な案件を大臣に真っすぐ伝えなかったのか、この点も私は不思議で仕方がありません。大臣、もちろん組織を信用されておられると思いますし、大事な部下の皆さんだと思いますけれども、しかし、私は、現場の人が最も責任があるかのように書かれているこのことについて、全く納得ができません。

 御見解と、そして、私から、この件について再調査するべきだ、この思いをお伝えさせていただいて、大臣に御答弁を求めたいと思います。

梶山国務大臣 私に報告があったのは二十八日土曜日の夕刻、コロナ関係の会議のある直前ということでありました。このことをもっても、幹部への報告がおくれているということ。そして、事実関係をしっかりと調べた上で、責任はやはりしっかり私も始めとして管理職、そして上に立つ者が持つということでありますけれども、その中身については、しっかりとどういう事実関係であったかということを調べよという指示を出して、また、その決裁文書の正当性そして有効性というものも確認をするようにということで、後の手続につながったものと思っております。

 決裁手続の事務運用もやはりしっかりと見直さなければならないと思っておりますし、公文書のガイドラインをつくって、そしてさまざまなポストもつくったけれども、なかなかこれが機能していないということであれば、それをしっかり機能させる仕組みづくりということももう一段深掘りして考えていかなければならないという思いであります。しっかりとそういったことをこれからの再発防止のために変えてまいりたいと思っております。

山岡委員 大臣、もう一度お伺いします。

 私は、今後の運用のことについて大臣に問うたのではありません。今この委員会の中でも明らかにさせていただきましたが、ニュースリリースが明らかに現場に過剰に責任があったかのように書かれているのではないか、そして大臣に話が行く時間の遅さ、このことを含めて、今お話がありましたけれども、そもそもの中身がきちんと適正なものなのかどうか、このことを再調査していただけませんかということをお願いをさせていただきました。

 大臣、もう一度御答弁をお願いします。

梶山国務大臣 事実関係については調査をしたところでありまして、当然、省全体の責任でありますし、今後の再発防止に取り組んでいくということになると思います。

 一人のせいにしているわけではありません。組織的に運用がもう甘くなっていたということも私は認識しております。その運用をしっかりとさせるためにどうしたらいいのかということを今後厳重に考えてまいりたいと思っております。

山岡委員 一番上層部は、言うなれば、監督責任があったと最初に答弁がありましたけれども、そのことに対する処分のみなんですよ。監督責任じゃありませんよ、決裁権者がさまざまかかわっているんですよ、当事者ですよ。

 さらには、このニュースリリース。責任をとるのは大臣御自身だというお話がありましたが、もちろん、発出しているのは大臣名で発出しておりますけれども、今回の専決という、省内が決裁を行って大臣名で発出するという出来事について、極めてこの中身についても大きな不信感があり、そして、もちろん、これから、コロナウイルスを始め、経済産業省はそうした経済対策の中心になっていかなければいけない。

 その中にあって、私は、きちんと正すべきは正す、こうであってほしいと思いますので、大臣に、これは繰り返しになりますけれども、再調査をしていただきたい、このことを強く要請させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

富田委員長 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。

 私も引き続き、関西電力に対する業務改善命令の一連の事務手続において経済産業省の中で不適切な取扱いがあったという点について質問をさせていただきたいと思います。

 山岡委員からは、今、事実確認の質問がございました。私からも、その補足の確認と、あとは、これまでの経産省内における文書管理体制、そして研修体制について質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず初めに、事実確認の補足確認をさせていただきたいんですが、先ほど山岡委員が準備された資料の四のところに、決裁文書の写しがございました。三月十六日に、誤りに気づいて、その後業務改善命令の再発出のための文書決裁が行われた際の文書で、その中に、最後の一文なんですが、「業務改善命令を通知してよろしいか伺います。」という文言がございます。

 ただ、私が確認したところ、この決裁文書、この文書が決裁された後、三月二十六日の不適切処理が発覚するまでの間、業務改善命令が再発出されたという事実が確認できませんでした。

 まず伺いたいのは、この誤りに気づいてから再作成をされた、再決裁をされた後に、三月二十六日までの不正発覚までの間で、業務改善命令が再発出されたのかどうか、この事実を確認したい。

 また、加えて、もし再発出していなかった場合に、これは決裁文書に書かれている内容と異なる手続がとられたというふうに受けとめられるわけですけれども、この点についても御認識を伺いたいと思います。お願いします。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、御指摘の、三月十六日に業務改善命令の再決裁を行った後、三月二十六日までの間に業務改善命令の再発出を行ったかというところにつきましては、再発出は行っていません。その点につきましては御指摘のとおりでございまして、今回の事案に関しましては、廃案及び再決裁に係る起案の決裁を終えた後に、既に関西電力に手交している業務改善命令文を回収し、改めて再決裁の起案に基づく業務改善命令文を手交することが適切な行政手続であったと考えるわけでございます。

 経済産業省といたしましては、今回の一連の不適切な行政手続を真摯に反省した上で、今後、適切な行政手続を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

浅野委員 今御答弁にもありましたけれども、今回、まず日付、事実とは異なる日付で決裁が行われたということ、それに加えて、決裁した文書、再決裁された文書に書かれている事務手続すら行われていなかったこと、やはりこういった一連の事実を見ますと、現在の経産省内の文書管理体制、事務手続、事務的プロセスを正当に行うこの管理体制というのが、かなり現状、問題がある状態ではないかというふうに我々は危惧しております。

 続いて、もう二、三点伺いますが、質問の順番をちょっと変更させていただきまして、本日の配付資料にございます二ページ目、資料の二というところをごらんいただきたいんですが、そこの6と書かれているところ、今回の再決裁を考案した担当者の上司に当たる管理職級職員そして指定職級職員という二名の職員が掲載されているわけですけれども、この職員の中に文書管理者あるいは文書管理担当者というのは含まれていますでしょうか。

平井政府参考人 御指摘のプレスリリースの一の六にあります管理職級職員は、文書管理者でございます。

浅野委員 文書管理者だということですけれども、では、この同じプレスリリースの一の4に書かれている部分について、電取の事務局と資源エネルギー庁の間で確認を行った際、業務改善命令を再発出することというのはこのとき議論されたんでしょうか。されたかされないかにかかわらず、この確認作業に関する記録した文書は存在するのか。そして、その記録した文書というのは文書管理者によって確認されていたのか。この点について伺わせていただきたいと思います。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 電取委事務局と資源エネルギー庁の間では、電取委に意見聴取することを確認したところでございまして、業務改善命令の再発出については議論をしておりません。このため、これを記録した文書も存在しないという状況でございます。

浅野委員 今の答弁は少し不十分だと思います。

 私が伺ったのは、議論したかどうかにかかわらず、この確認作業を記録してある文書が存在するのかということです。議論していないのであればそのテーマについての文書が残っていないのは当然なんですけれども、議論していなくても、その確認作業自体を記録した文書というのは残っていますでしょうか。

平井政府参考人 再度お答え申し上げます。

 確認作業をしていないというためにそうした文書が残っているところはないわけでございまして、逆に、確認したところを踏まえたものは決裁の文書としてそこの記述がされているわけですけれども、ただ、その文書の決裁の日付については、誤った日付が記載されているという事実でございます。

浅野委員 ちょっと質問と回答がかみ合っておりませんが、もう一度だけ伺います。

 私が伺いたいのは、電取委事務局とエネ庁の職員がやりとりをされた際の記録が残っているか。そのやりとりを踏まえて決裁文書が作成されて、その文書が残っているのは我々も目にしていますからわかりますけれども、この決裁文書をつくるに当たって、その事前作業として、電取事務局とエネ庁の職員の方が確認作業をしたときの記録が残っているかどうかを聞いています。

平井政府参考人 済みません。再三にわたる答弁になりまして、失礼いたしました。

 この電取委事務局と資源エネルギー庁の間の確認作業は、口頭で行っております。この口頭の確認作業についての文書というのは残っておりません。

浅野委員 本日の配付資料の七をごらんいただきたいんですけれども、真ん中あたりに赤線が引いてございますが、文書作成に係る記述になります。

 これは、「経済産業省内部の打合せや経済産業省外部の者との折衝等を含め、」、略しますが、「事務及び事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等の記録については、文書を作成するものとする。」と記載がございます。そして、その下の部分、第十三条のところになりますが、この文書というのは「文書管理者が確認するものとする。」とはっきりと明記がされております。

 今、いわゆるこの決裁文書を作成するに当たって電取委事務局とエネ庁の職員の方が打合せをしたことというのは、これは要するに事務作業の方向性に影響を及ぼす行為だと思いますけれども、いかがでしょうか。

平井政府参考人 お答え申し上げます。

 今の口頭の会話につきまして、要すれば、役所の中で会話されている全ての手続というか会話は、こうした打合せ等の今後の行政の方針にかかわるものということになるわけでございますけれども、なかんずく、本件に関しましては、そうしたものを最終的にどういうふうに処理するのかというところを決裁文書の中で表現しているわけでございまして、そこの事前にわたるところの手続を全て記録しているわけではないというのが現状でございます。

 これが、その第十二条の二に当たるかどうかというところの判断については、全て我々のところで全部決裁していいのかどうかというところの疑念の余地が残るのかもしれませんけれども、全ての会話を記録できるわけではない、物理的にはできない以上は、その重要性を一つ一つの現場のところで判断するよりほかないというのが現状でございます。

浅野委員 見解は伺いましたけれども、やはり、今回は、まず初めに、本来あるべき事務プロセスの一部が欠損した状態であるということに気づいて、それをどう対処するかというための打合せだったはずです。その結果として今回のような決裁文書上での不適切な処理になってしまったわけですけれども、やはり、こういったことを防ぐために文書を作成するという規則が定められているわけですから、現場の判断というのは必ずしも否定しませんけれども、少なくとも、今回のような、非定常な、日常にはない、本来あるべきでないプロセスによってスタートした手続については、文書を作成すべきだと私は思います。

 続いての質問に移りますけれども、今回の不適切な手続によって、数名の職員の方が処分をされました。ただ、この処分内容というのが軽過ぎるのではないかという指摘を我々はしております。

 本日の配付資料の、資料の四をごらんください。こちらには、平成三十年に改正された人事院による懲戒処分の指針の一部抜粋をしてございます。赤線の部分、これが新たに改正によって追加された部分ですけれども、公文書の不適正な取扱いをした場合、免職又は停職とするですとか、停職、減給又は戒告とするという処分が記載されております。

 今回は戒告なんですけれども、余りにも軽いのではないか、免職又は停職とするというふうに書いてあるにもかかわらず、決裁をしたということは、虚偽の公文書を作成したということではないでしょうか。だとすれば、照らし合わせれば、免職又は停職ということになるんですけれども、今回、戒告ということで、どう整合性をとっていらっしゃるのか、その部分について見解を伺います。

糟谷政府参考人 人事院によれば、指針で言う虚偽の公文書の作成とは、刑法百五十六条に規定をする虚偽の文書の作成をいうというふうにされております。

 今回の事例は、事実と異なる日に決裁をしたと取り繕った手続面に問題があるわけでございますが、意見聴取を全く行わずに文書上ででっち上げを行うといった行為、また、意見聴取の内容を書きかえたり不適切にゆがめる行為、こうした行為は行われていないわけでございます。こうした点やほかの事例を総合的に見た際に、刑法犯が成立する蓋然性は低いと考えたため、免職や停職といった処分は行っていないところでございます。

 人事院の懲戒処分の指針は標準的な例を示したものでありまして、具体的な処分、量定の決定に当たっては、非違行為の態様、故意又は過失の度合い、日ごろの勤務態度、行為後の対応などを総合的に勘案することとされております。

 今回の事案も、ほかの同様の事例と比較をした上で処分を決定しておりまして、軽い処分とは考えていないところでございます。

浅野委員 今官房長が御答弁いただいた内容の考え方が整理された省の内規あるいは文書というのは存在しますでしょうか。

糟谷政府参考人 人事院の指針に従って、先ほど申し上げたような考え方に従って処分を行っているところでございます。

浅野委員 であるならば、人事院の指針に従ってとはいいますけれども、余りにもここに書かれていることと実際の処分内容とがかけ離れている。しかも、今の説明を聞けばもっともらしく聞こえますけれども、それを担保する基準というのがないわけですね。あくまでも総合的判断、あくまでも現場の、定量的ではなく定性的、感覚的判断に基づいて行われているというふうに思われます。したがって、そこは明確にしていくべきだと思います。

 平成三十年の七月二十日に行政文書の管理の在り方等に関する閣僚会議決定というのがございました。この中で、「公文書に関するコンプライアンス意識改革を促す取組の推進」という項目がございまして、内閣官房が主導して、各府省が人事評価実施規程等を改正、文書管理の状況を人事評価に反映させるという項目がございます。

 私が事前に事務方に聞いたところ、経済産業省の内規としては、一般職の職員の非違行為に対する規定というのはあるようなんですね。しかしながら、管理職に対する規定というのは存在しないという回答を、けさ大臣官房から回答をもらいました。ただ、それですと、やはりこの閣僚会議決定の内容に照らすと、本来は管理職に対する処分規定も設けるべきだというふうに思いますので、ここについては、ちょっと通告できておりませんが、大臣の御所見と、私はぜひ管理職についても規定を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 今回の不祥事を受けまして、いろいろなことをまた検討していかなければならないと思っております。

 今委員からお話ありましたように、公文書に関しては、そのコンプライアンス意識改革を促す取組の推進ということで、研修の充実であるとか人事制度面の取組、これは人事評価の部分ですね、あとは体制面ということで、ポストをつくったり組織をつくったりということでありますけれども、なかなか現状、経産省においてはそれが機能していないというのが現実だと私も感じております。

 しっかりこれを補完する何かしら制度をつくらなければならない、また、対応を行っていかなければならないという思いを現在持っております。

浅野委員 時間も残り少なくなってきましたので、ここからは文書管理体制について質問をさせていただきたいと思います。

 当初通告していた質問をちょっと何点か飛ばさせていただきまして、質問通告書の二の3の部分について質問をしますが、先ほど少し質問にも含めましたが、文書管理者と文書管理担当者というのが省の中にはおります。文書管理者は課長、室長クラスが充てられて、現在エネ庁の中には二十二名います。そして、この文書管理者の事務を補佐する目的で文書管理担当者というのを置くことになっているんですが、総括補佐クラスの職員をあてがっていて、これも二十二名いるということなんです。

 ただ、今回のような、管理職ではない一般職員の方々が、やはり、最初ミスに気づいて、日付の変更を行い決裁をし直そうというような発想に至ったということを踏まえれば、比較的若い職員の方々や管理職ではない方々に対するコンプライアンス意識の徹底というものの必要性があるように感じます。

 私からの提案なんですが、この文書管理担当者、今は総括補佐クラスの方だけがなっていますけれども、これは人数が一名でなければいけない理由はありませんので、文書管理者に対して複数名の文書管理担当者を指名して、現場の文書管理能力、文書管理体制を強化すべきと考えますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

糟谷政府参考人 今御質問いただきましたように、文書管理の実施責任者、これは課長とか室長という文書管理者でございますが、その文書管理者が文書管理担当者を指名をしております。大体、これは総括補佐一名を充てておるわけでございます。

 ただ、それに加えて、書誌情報ですとかシステム管理などを補助するための文書管理補助者も各課室で指名をされているところでございます。

浅野委員 今の答弁ですと、ほかの方も指名しているということなんですが、要は、今の担当者よりももっと多くの人に担当者意識を持っていただいて、当事者意識を持っていただいて、省全体として意識を高めていく体制にするべきだということなんですが、大臣、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 現状の体制でしっかりできていないというのは現実でありますから、委員のおっしゃったことも含めて、どういう対応をするかということを検討してまいりたいと思っております。

浅野委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 では、続いて、今回のプレスリリースにも掲載されておりますが、今回のような事案を再発させないための今後の対策についての質問をさせていただきます。

 これも時間の関係で質問を省略させていただきますけれども、現状、行政文書の適正管理のために必要な研修、どのような規模で、どのような時期に、そしてどのくらいの職員が受講されているのか、まず事実関係を確認させてください。

糟谷政府参考人 新規採用職員向けですとか新任管理職向けといったさまざまな階層に応じた研修、また文書管理を行う担当者向けの研修など、さまざまに行っておりますが、特に平成三十年度以降におきましては、毎年、非常勤職員を含む全職員を対象に、公文書管理に関するEラーニング研修を実施をしております。

 平成三十年度は九千八百九名、令和元年度は一万百八十四名が受講しておりまして、受講率はそれぞれ九九・八%、九九・五%となっております。

浅野委員 Eラーニングについてはほぼ全職員が毎年受講しているということですけれども、そういった中で今回のようなケースが起こった。やはり、これをそのまま、このとおり続けていけばいいかといったら、そこはやはり再検討をしていく必要性があるんじゃないかと思います。

 私もいろいろ調べさせていただきまして、先ほど触れた平成三十年の閣僚会議決定の内容では、文書管理者や幹部職員を対象とする対面研修を行うということと、あとは新規採用時の研修、そして全職員を対象としたEラーニング研修、こういったことが今行われているわけですが、やはり、人数を考えれば難しいというのはわかるんですけれども、こういう状況が起こった以上は、一度、全職員に対しても、対面研修なり、Eラーニング研修ではない、直接当事者意識を生むような研修を行った方がよいのではないかと思います。

 例えば、私が以前働いていた企業などでは、こういうコンプライアンス問題や何らかの業務上の不適切な事象が起こった場合には、Eラーニングももちろんやりますけれども、必ず各職場で、例えば上司によって訓示があったり、あるいは何らかの対面研修があったり、こういうことを徹底しています。

 ですから、省庁においても同様の、今回の事例を踏まえた、より一歩踏み込んだ周知徹底の取組というのをやるべきだと思いますけれども、大臣の御見解を伺います。

梶山国務大臣 今回の件を受けまして、次官名で文書を発出をしております。さらにまた、委員がおっしゃいましたように、こういうときにこそ、対面での研修であるとか、やはり身近にそういう例があるときにやるべきだと思いますので、これも検討させていただきたいと思います。

浅野委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 時間もなくなってまいりましたので、最後に一問だけ伺いたいと思います。

 大臣に最後は伺いたいと思いますが、今回の一連の不適切な取組、やはり、大臣もおっしゃっているように、現場における意識の低下、管理の甘さ、体制の不備、こういったものが表面化してきた例だと思います。

 こういうのが一つ起こる背景には、何十もの同様な例があるというふうに言われています。ハインリッヒの法則というらしいんですけれども、今回の事例というのはあくまでも氷山の一角である、今は見えていないその他多くの潜在的な問題に対しても、しっかりと今後、省として取り組んでいかなければいけないと思いますけれども、今後の再発防止を徹底して、二度とこういうことは起こさないということに対する大臣の最後の決意、答弁をいただきたいと思いますが。

梶山国務大臣 事前にいろいろな兆候があるというのは、やはり現場において、ヒヤリ・ハット運動とか、そういうことも含めて、必ずあるとは思っております。

 そして、今回も、結果としては不適切な事務手続ということになりましたけれども、そのほかには、決裁の過程での運用が非常に曖昧であったということも含めて、途中で気づくことができなかったということもありますので、しっかりとこの辺を、運用も含めて、管理職も含めて、上に立つ者も含めて、しっかりとした決裁の手続での運用というものも図ってまいりたいと思っております。

浅野委員 終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次に、斉木武志君。

斉木委員 立国社の斉木武志でございます。

 私も、引き続き、集中審議ということで、今回のミス隠しの事案について、また電取のあるべき姿について御議論をさせていただければというふうに思っております。

 まず冒頭、大臣にお伺いいたします。

 触れられておりますが、平成三十年九月七日に、人事院事務総長の名前で、懲戒処分の指針についての一部改正の通知が出されました。これは、公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀損した職員は、免職又は停職とする、イ、決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする、大変厳しい、厳格化というのを出した、霞が関としてのまさに規律といいますか指針だと思いますけれども、この人事院事務総長名の厳格化、公文書改ざんに関しては厳罰をもって臨みますという指針を出したときの内閣府特命担当大臣、公文書管理担当大臣はどなたでしょうか。

梶山国務大臣 私が公文書管理の特命担当大臣でございました。

斉木委員 大変厳しい改正だと私は受けとめましたが、なぜこのような厳格化を主導されたんでしょうか。

梶山国務大臣 当時、公文書のあり方というものが議論をされておりまして、計十二回にわたって外部の有識者を中心とする公文書管理委員会というものが開かれました。そして、その中の六回がガイドラインの作成ということで、各省庁のガイドラインも全て、一枚一枚見た上で対応していったということでありまして、その中で、多くの方がやはり罰則も必要だということでこういう形になったと記憶しております。

斉木委員 当時は、森友問題、そして防衛省の日報隠し問題が国会でも大変議論になっておりました。そういった意味、公務員が後から文書を書きかえたり隠したり、こういうことをしないように、こういう厳格化をされたと主導しておりますが、そのような目的があったんでしょうか。

梶山国務大臣 やはり罰則が必要だということで、なったと思っております。

斉木委員 そのように、国民に向けて、これはいわゆる看板です、公務員には今後二度と改ざんはさせませんよ、したら厳罰に処しますよと言った大臣、主導された大臣が、私は、今回の、戒告ですか、一番軽い国家公務員の法律にのっとった処分、四段階のうちで一番軽いと思っておりますけれども、これ、なぜ免職又は停職ではないんでしょうか。

梶山国務大臣 人事院によれば、指針で言う虚偽の公文書作成とは刑法第百五十六条に規定する虚偽の文書の作成をいうとされております。このため、刑法犯が成立する蓋然性が高いと判断されるケースでは、指針の標準量刑に従って、免職又は停職を軸に検討すべきものと理解をしております。

 今回の事例は、事実と異なる日に決裁をしたと取り繕った手続面に問題はありますが、意見聴取を全く行わず、文書上ででっち上げを行うといった行為や、意見聴取の内容を書きかえたり不適切にゆがめるといった行為は行われておりません。こうした点や他の事例を総合的に見た際に、刑法犯が成立する蓋然性は低いと考えたため、免職や停職といった処分は行っていないということであります。

 また、人事院の懲戒処分の指針は標準的な例を示したものであり、非違行為の態様、故意又は過失の度合い、日ごろの勤務態度、行為後の対応など、総合的に勘案することとされております。

 今回の事案も他の同様の事例と比較した上で処分を決定しており、懲戒という中での戒告は一つの種類でありますけれども、軽い処分とは考えておりません。

斉木委員 看板と事実が違うなというのが国民の率直な感想だと思います。

 森友問題、そして防衛省の日報隠し問題、大変、どうとでも霞が関の役人さんは事実をねじ曲げられるんじゃないか、隠せるんじゃないか、そういうことをやめましょうということを、公開性、そして透明性を高められたのは大臣御自身ですよね。なぜ、経産省の大臣になったら総合的勘案を乱発されるんでしょうか。

梶山国務大臣 この事案が発覚したときに、私は、全体像をしっかりと調査をするようにということを申しました。そして、手続に瑕疵がないかどうか、もし瑕疵があるのであれば修正も含めてどうするのかも対応しろということも申しました。

 隠せるものでもありませんし、正直に申し述べた上でどういう対応をするかということでありますし、この懲戒につきましても、先ほど申しましたように、刑法犯が適用されるかどうかという蓋然性をもって判断をしたということであります。

斉木委員 刑法百五十六条に二度言及されましたので、そこのところ、ちょっと条文をひもといてみたいなと思います。

 虚偽公文書作成等は刑法でどう規定されているか。第百五十六条、読み上げます。「公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。」というのが、百五十六条、虚偽公文書作成罪の規定ですね。

 ここで言う文書の虚偽作成とはどういうものか。これは、この文書の作成権限を有する者が、今回は公務員、まさに経産省の職員で、作成権限を有しておるし、印章も有しております。作成権限を有する者が内容虚偽の文書を作成することを虚偽作成というと。これは、日付を十六日とすべきところを十五日として意見聴取を発出しましたという、まさに虚偽ですよね。これは虚偽ではないということですか。日付が違うのは虚偽ではないんでしょうか。

糟谷政府参考人 お答え申し上げます。

 刑法第百五十六条で言う虚偽の公文書の作成に当たるか否か、これは司法機関が技術的、専門的な知見をもとに事実関係の当てはめを行った上で最終的に判断されるものであるというふうに考えております。

 ただ、今回の事案は事実と異なる日に決裁をしたと取り繕った、私どもはそういうふうに考えておるわけでありますが、そういう手続面に問題はあるわけでありますが、意見聴取を全く行わないで文書上ででっち上げを行うとか、意見聴取の内容を書きかえたり不適切にゆがめるとか、こうした行為は行われておりません。

 こうした点やほかの事例を総合的に見た際に、刑法犯が成立する蓋然は低いと考えているものでございます。

斉木委員 まず、官房長、指名するまで答弁ちょっとやめていただけますか。大臣に今お聞きしたんです。

 大臣、答弁してください。日付が異なる文書を作成することは虚偽の公文書、では、それは虚偽とは言わないんでしょうか。

梶山国務大臣 電取委に意見を求める際の文書の日付が異なっていることは認識をしております。

 虚偽か否かは、刑法上の議論を類推させるものであり、司法機関が技術的、専門的な知見をもとに事実関係の当てはめを行った上で判断すべきものと考えております。

斉木委員 これは非常に、国民としても、やはり、組織の中に入ってしまうと、どうしても組織を守るということが、立場が変わると言うことが百八十度変わるという典型ではないですか。大臣。

梶山国務大臣 私は変わっていないと思っておりますし、公文書の扱いに関しましては、私は今も厳格に行っているものだと思っております。

斉木委員 では、人事院のこの懲戒処分の指針について、大臣がリードされた指針をもうちょっとひもといてみたいと思いますが、公文書の不適正な取扱いというのはどういうものか、ア、イ、ウという三条が例示をされております。

 これは、「公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。」。イは、「決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。」。ウは、「公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。」というふうになっております。

 これは、今回のこの決裁文書、日付変更があったものは、「決裁文書を改ざんした」、これがイです、若しくは、「ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、」ですので、このアの「虚偽の公文書を作成し、」若しくはイの「決裁文書を改ざんし」というどちらかに必ず該当してくると思うんですが、この人事院の指針のアにもイにも該当しないということですか。

梶山国務大臣 まず、人事院の議論を私はリードはしておりません。これは、人事院は独自の判断で、その周辺の議論を踏まえた上でそういう指針を決めているということであります。

 そして、委員のお話でありますが、先ほどから申しますように、刑法面での蓋然性、刑法犯が成立する蓋然性が低いと考えているということでありまして、これは、求める際の文書の日付が異なっていること、不適切な手続であったということは認識をしているということであります。

斉木委員 国民も、これは聞いて、やはり立場というのは決定的なんだなと。

 公文書管理担当大臣であれば、こういう看板ですね、安倍政権として厳格化しましたよ、変えたら停職だからな、免職だからなというプレッシャーを公務員にかける非常に厳しい規定だと。私はすばらしい規定だと思います。評価を申し上げます。

 ただし、なぜか、各省の担当大臣になってしまうと、その職員は、免職、停職という四段階の一番、二番に重い処分ではなくて、一番下の戒告という、四段階目で一番甘い処分。そして、残余の、部長級職員であろうと、また、一般職級職員であろうと長官であろうと、全て厳重注意という処分になってしまう。キャリアシートにも汚点が残らない。こういう運営は、それは、確かに組織を守るという観点から見れば、優秀な大臣かもしれません。

 ただし、電気事業法一条、お忘れになっていませんか。今回の、電力に関する不正の業務改善命令ですね、大臣、なぜ出すのか。これは、目的規定、憲法の前文に当たる第一項は、もってこれは電力の使用者の利益を保護するとあるんですよ。保護すべきは電力の使用者、国民の利益であって、経産省職員のキャリアシートではないと思うんですが、どのような思いでこういう決定をされたんですか。容認されたんですか。

梶山国務大臣 懲戒を与えるということは、結構公務員にとっては重いことであります。

 これは、刑法犯が成立するか否かということで、刑法犯がもし成立する蓋然性が高いと考えれば免職や停職ということになると思いますし、そのほかの懲戒というものも、減給も含めたこともあろうかと思います。

斉木委員 この審議の様子は、経産省の職員も今、庁内の共聴で見ているわけですよ。私は、そういう甘い発言をリーダーである大臣がされてしまうと、これはまた第二、第三の偽造、変造、改ざんが起こるのではないか、そういう疑念を禁じ得ません。

 なぜか。それは、故事があります。中国の三国時代ですね、泣いて馬謖を切るという故事がございました。有能な部下であった馬謖を諸葛孔明が命じて斬首に処したという大変厳しい処分です。これはやはり、軍律を犯して大敗を喫したら、これは許されないことだということを一命をもって示した非常に大変厳しい統率のあり方だと思います。

 大臣は、こうやって、キャリアシートにも汚点がつかないようにするよ、長官を含めて、今後昇進できるように、キャリアシートに汚点の残らない厳重注意にしてあげるよ。確かにそれは、省のリーダー、経産大臣としては、経産省の職員は歓迎するでしょう。でも、国民は何でかなと思うわけですよ。国民の代表として内閣府の大臣をやっていらっしゃったときには、いやいや、これは、馬謖のようなことをしたら、変造というか、一文字でも変えたら免職か停職だよと言っておきながら、なぜか、経産省に、要するに身内になってしまうと、身内には大甘になる。

 やはりこれでは、国民の、電力使用者の利益、電力使用者、大阪のおかんが怒るわけですよ。何で、関電さんの不正も見抜けなかった経産省、電取も不正を見抜けなかった、しかも、それに関する業務改善命令まで改ざんしたくせに、今度は、停職、免職もされずに厳重注意、戒告。これじゃ納得しないと思うんですが、国民の声にはどうお答えになるつもりですか。

梶山国務大臣 まず、何度も申し上げますように、人事院の指針については大臣はかかわりありません。これは人事院独自の考え方で指針をつくっているということであります。

 ただ、私は、公文書管理担当大臣として、公文書の管理のガイドラインの作成にかかわりました。そういうことも含めて、公文書には厳しい目を向けているつもりであります。

 ただ、今委員がおっしゃったように、全て免職か停職かということではなくて、刑法犯の蓋然性があるかどうかということでそれは判断をされるということであり、この処分についてはしっかりとしたつもりでおります。

斉木委員 これを関西電力の利用者の方々が聞いたら、非常に、やはりなという感想を持たざるを得ないのではないかと私は危惧していることを所管大臣には申し上げたいと思います。

 もう一つ今回の問題で明らかになったのは、電力・ガス取引監視等委員会が、私は、期待する機能を果たしていないという点でございます。

 それは、一つは日付。命令前に本当は意見の聴取会、委員会を開かなきゃいけなかったのに、命令書を手渡しちゃった。森本新社長に手渡しちゃった後で、聞いていませんよと言いながら事後の開催に応じてしまった点。本来だったら、だめですよと言う監視委員会でしょう、それが監視委員会の機能だと私は思います。

 これは同じ構図だと思うんですね。身内になると非常に大甘になる。内閣府特命担当大臣の公文書担当大臣として、経産省とは無関係のお立場でいらっしゃった大臣は、そのときには、改ざんしたら停職か免職だぞと非常に厳しい処分をリードした。でも、経産大臣になっちゃうと大甘。

 そして、電取も、私、前回の議論で、アメリカやフランス、イタリアの、外出しされた三条委員会として、アメリカの場合には三条よりもっと厳しいですよ、要するに、国民の、電気事業法の、まさに電力使用者の利益の保護に立脚した外出し委員会だと、ワークしているんですね、機能している。関電不正のようなものは、事前にそういったアメリカのFERCのような規制当局は見抜いているわけですよ、垂れ込み、内部通告によって。全く今回は、内部通告も電取に来なかったし、どうなっちゃっているんだ、日本の電力規制行政というのは。

 やはり、これは内部にあるから。そもそも、今回の命令を見ても、後でどうとでもなると。資源エネルギー庁長官がそこに座っていらっしゃいますけれども、村瀬部長も座っていらっしゃいますが、電取、電力・ガスの担当部局を挙げて、後から口裏合わせを依頼すれば何とでもなると思っていて、それに乗ってしまう電取という監視委員会。

 これは大餅つき大会になっていて、国民の不在の、身分を守るネゴシエーションが見えないところで行われている。これは正していかなければいけないのではないかという視点を持たざるを得ないんですね。

 では、お聞きします。

 まず大臣、今申し上げたような視点に立って、けさ、いや、きのうの新聞でしたね、たしか。八田電取委員長の、愕然としたですね、朝日新聞のきのうの朝刊だと思いますけれども、今回のミス隠しについて、三月二十九日に電取の事務局からそのような説明を受けた、事実と違う日付を書くなんて想像もしなかった、信じられず愕然とした、あってはならないことだと。記者が、再発はどうすれば防げますかと。法令遵守の重要性は増しており電力市場ではそれが生命線になる、今後は特に経産省の電力関係の部局で弁護士を登用するなど法令遵守の体制を強化する必要があるということを、電取の委員長がおっしゃっております。

 私は、現在の体制、電取をこのまま経産省の中にぶら下げておくのでは、日付に関しても口裏合わせをしてしまうし、そもそも関電の不正すら見抜けなかった、これは事実です。内部通報も来なかった、これも事実です。外出しをしなければいけない。三条委員会という、今は八条ですね、三条委員会や消費者庁の下にぶら下げる独立型の監視規制当局に格上げし、体制を増強する必要があると思うんですが、大臣はどのようにお考えですか。

梶山国務大臣 まず、今回の問題は、資源エネルギー庁が不適切な手続を行ったということで、資源エネルギー庁の中の問題が大変大きなことであると思っております。

 三条委員会、八条委員会という話がありますけれども、これは前に、電取委を設置するときにもその議論があったと聞いております。

 その議論につきましてですけれども、電力・ガス取引監視等委員会を三条委員会として、エネルギー政策の枠組みから離れて市場監視や料金規制を行う仕組みとすることは、安定供給と保安を確保し再生可能エネルギーの普及などを進めるという観点から適当ではないという考えから、二〇一五年に国会の議決を経て現在の制度とされたものと承知しております。

 仮に同委員会を三条委員会とした場合に、エネルギー政策の枠組みから離れて業務を行う場合、例えば効率性のみが考慮されたり、再生可能エネルギーの拡大に必要な送電線の増強投資などが託送料金の審査においてコストカットの対象になるといった事態も生じかねない、そういった懸念も含めて八条委員会になっているという経緯を承知しております。

    〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕

斉木委員 当経済産業委員会でも、この電取の設置が、第百八十九回国会、平成二十七年四月二十八日に参考人を呼んで質疑が行われております。そのときの議論のことをおっしゃっているんだというふうに思いますけれども、当時、参考人として、都留文科大学高橋洋社会学科教授は述べております。

  今回、三条機関ではなくて八条機関になったということが一つの帰結なわけです。これについてはさまざまな議論がございます。独立性という観点だけから見ると、確かに三条機関の方が高いということで、私も

電力システム改革専門委員会ですね、

 委員会の場でそのような発言をしたこともございます。

  他方で、日本には日本のいろいろな事情もございまして、なかなか八条機関、三条機関をつくりにくいというような中で、今回、八条機関、八条機関の中でもかなり独立性が高いものをこれから法律でつくられるということだと思っております。

というのが参考人の御意見です。

 要するに、大臣もおっしゃったとおり、当時は、やはり原子力安全・保安院のように、欠陥を見抜けないような規制当局じゃいかぬだろうということで、監視委員会は、アメリカ、フランス、イタリアのように外出しをする、三条委員会、公取や会計検査院のような強い権限を持った、独立性の高い部局に外出しをすべきだという意見もあったと思うんですが、私は今回の事案で明らかになってしまったと思うんですよ。

 まさに、例えばFERCの例、アメリカの規制当局の例を挙げたいと思います。アメリカの規制当局、私、前回の委員会で申し上げましたけれども、バークレイズという非常に巨大なメガバンク、国際的な金融機関がございます。それが、アメリカのカリフォルニア州の電力市場取引を不正にゆがめたということが、課徴金の命令、また、バークレイズが従わなかったので、連邦地裁に提訴までして認めさせたという例がございます。それを御紹介いたしました。

 そのときに、何でそもそもこのバークレイズが不正操作をしているのかということをFERC、アメリカの規制委員会が、連邦エネルギー委員会が感知したのかといいますと、内部通告だったんですよ。これは、複数の市場参加者、個人から、このFERCにはエンフォースメントホットラインという、これは要するに監察室ですよ、エンフォースメントホットラインに市場操作やその他苦情に関する受付窓口を設置している。要するに、そういういわゆる内部通報、垂れ込み、これをしてくるホットラインというのが設けられております。

 一方で、では、我が国はどうかといいますと、電取さんのパンフレットを見ますと、これが電取さんのパンフレット、裏に確かに電話番号は書いてあるけれども、御丁寧にこれ、経産省の中にあるということまで書いてあるわけですよ。やはり経産省の中にあるんじゃ、例えば経産省の資源エネルギー庁の方、高浜町にも出向されていますね、高浜町に出向した職員が、森山栄治さんからもう満遍なく麻薬のようにお金が還流しているよと感知したとします。では、経産省の職員が身内の電取に指摘できますか。そうしたら、昇進ラインから外されるじゃないですか。

 だからこそ、こういう監察室みたいな、アメリカのFERCのように、外出しをした、まさに内部告発、垂れ込みを受け付けるホットラインが必要なんですよ。やはりそのためにも、こんな、経産省別館に監視委員会がありますみたいなところに誰も電話してこないじゃないですか。

 そもそも、では、電取に聞きましょう、今回、関電問題に関して何らかの内部告発を受けましたか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 特段にございませんでした。

    〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕

斉木委員 これが実態ですよ。国民の利益を保護するといいながら、一切、アメリカの場合にはじゃんじゃんこうやって市場参加者とかから内部通報が来るのに、関電疑惑に関しては来ない。では、誰が今回、問題が明らかになったかというと、マスコミじゃないですか。

 一説によりますと、これはわかりません、金沢国税局の職員じゃないかとか言われておりますけれども、いろいろな怪文書が出回りましたね。関電の経営陣に宛てて送った書類を公表しなければ、人事を、役員を一掃しなければ、公表するぞと。結局、関電側が応じなかったのを見て、何度も怪文書が送られて、関電さんは社内調査をした。でも、社内調査は報告がなかったんですよね。

 大臣、よろしいですか、事実確認。関電が行った社内調査は、経産省は一切報告はなかったということでよろしいですか。

梶山国務大臣 その当時はございません。

斉木委員 要するに、経産省も全く感知できていなかったわけです。電取にも一切告発は来ないし、経産省も感知しなかった。これは、やはり電取という組織が経産省別館にあるからですよ。経産省と渡り廊下でつながっている本館と別館で、どうしてこれ、内部告発がこんなところに来るんですか。来ないということが関電不正で明らかになってしまったと思いませんか。

梶山国務大臣 関電の件は、国税の調査から始まって、そして関電から報告せざるを得なくなったということで来たんだと思っております。

 ただ、通報に関しまして、電取に来ないというお話がありますけれども、二〇一五年からここまで、去年の九月ぐらいまでの範囲ですけれども、約四千三百件ほどの通報、相談がございます。

斉木委員 その四千三百件の中でも、この関電の五十年にわたる姿勢というのは、私は、額にしても、そして旧一般電気事業者の癒着構造に関しても、これは最大級のものだと思いますが、そういう今回の不正の重大性、一条の電力使用者の利益の保護に対する阻害性、違反性、これは私は最大のものだと思っているんですが、そういう認識ではないということですか。四千三百件並みだということですか。

梶山国務大臣 いえいえ、関電の通報が果たしてこの通報窓口があれば来たかどうかということ、別なところに置いてあれば来たかどうかということも問題はあると思いますけれども、関電側が閉ざしていたということもありますし、これは国税によって明るみに出たという思いであります。

斉木委員 それが問題なんですよ、大臣。国税によって明らかになるという体制自体が私は問題だと申し上げているんです。

 いいですか、FERC、今米国の例を挙げましたけれども、米国には国税が行ったようないわゆる準司法機能、捜査をしたり訴追までする、違法行為の訴追まで機能としてFERCは持っているんですよ。ですから、今回の垂れ込み、いわゆる内部通告を受けて、FERCはバークレイズに関する調査を実施をして、今回は四億三千五百万ドルの民事制裁金、これは四百五十億から五百億の巨額の民事制裁金の支払い及び三千四百九十万ドルの不正利益返還を命令している。これにバークレイズが異議申立てして、嫌だと言ったら、連邦地裁に提訴して司法の判断をかち取ったわけですよ。徹底的にやるんですよ。

 今回の経産省の場合には、これは、要するに規制委員会、日本で言う電取さんが、徹底的にそこまで電取さんが主語になってやったわけです。だから、関電が主語になって調査しちゃいけないんですよ。

 そういった意味でも、これは、不正を調査すべきは、こういった電事法一条の電力使用者の利益の保護にのっとった組織がやるべきなんじゃないですか。少なくとも、但木さんのように、旧経営陣から報酬を受け取った第三者委員会なるものを関電に、いわゆる調査対象者ですよ、関電が指名した委員長がやるべきではない。アメリカや諸外国の場合には規制当局が捜査しているんです。この違い、日本の規制の緩さ、どうお考えですか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 電取委員会といたしましては、電気事業法に基づいて与えられた権能の中で職務を遂行するということに尽きると思います。

 具体的に申し上げます。電取委員会は、御案内のように、電力の適正な取引の確保のため、電力取引の監視やルール整備を行う組織であります。このため、今回の関西電力の金品授受といったコンプライアンスに関する調査に関しましては、本来の業務ではないと考えております。ということでございますので、内外にあるということとは今回は違う問題であるのではないかというふうに思います。

 以上です。

斉木委員 まさにそのとおりだと思いますよ。電取さんの調査対象者に、国民の利益を保護するという視点がないんですよ。

 この前も申し上げました。レクのときもお聞きして、BツーBの、要するに、関電であれば、大阪ガスが新電力として参入する、大阪ガスはタフな競争相手だから託送料金を高くしてやれ、ほかの新電力は安くていいよ、それで関電が勝てるようにする、こういったBツーBの競争阻害を排除するというのが私は電取のメーンの役目であるというふうにお聞きをしております。

 そこに、どこに大阪のおかんの視点があるんですか。業者間の不正な託送料金をオンしたり、それをやりますよ、でも、では、私の、関電さんに不正な料金を請求されないように守ってくれる人はどこにいるの、この国に。いるんですか、この国に。どうぞ。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣から総件で四千数百件これまでに相談があったというふうに答弁させていただきましたが、その中の大部分は消費者の方からの御相談でございます。

 また、あと、その事業者の方からも、九電力の、例えば送配電部門から、何となく不自然な料金請求を受けたとかそういった相談も来ておりますので、BツーB、BツーC、どちらにも対応しているというふうに承知をしております。

斉木委員 ただ、残念ながら、今回の件に関しては、一切通報も寄せられていないし、捜査もしていない。感知をしていないということは調査もしていないということでよろしいですね。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の関西電力の金品授受といったコンプライアンスに関する調査に関しましては、電取委の本来業務ではないと考えておりますので、しておりません。

斉木委員 そこなんですよ。

 本来業務ではないというふうに事務局長自身が言っちゃう。では、誰がその関西地域の、大阪のおかんの利益を守ってくれるんですか。いないということを、今、事務局長おっしゃいましたよ、それは本来業務ではないと。

 だから、本来業務として行える組織につくり変えましょう、電取を。それは、やはり三条委員会にして、外出しをする。だって、電取で言っているじゃないですか、委員会の経営理念と中期方針を持ってきましたけれども、これは、全ての需要家に、低廉、安定、多様なエネルギーを、全ての事業者に、公平、多様な事業機会を、これをうたっていらっしゃいますね。これは、一文目は、全ての需要家、ユーザー、国民に、安くて安定した多様なエネルギーを供給しましょう。それで、全ての事業者に公平、多様な事業機会、これは要するに、BツーBのことを言っています。

 だから、事務局長、本来業務ではないと今おっしゃったじゃないですか。大臣、やはりこれなんですよ。本来業務として消費者利益を保護する機関がないし、しかも内部告発、来なかったじゃないですか。だって、仮に、国税の職員が今回内部告発をしようとしたと思います。したとすると、じゃ、経産省は、官邸と一緒になって、資源エネルギー、エネ基を追求している、原子力を推進してやっている官庁だというのはみんな知っています。そこに原子力事業者の不正を垂れ込んだって、握り潰されるんじゃないか、若しくは、職位を剥奪されるんじゃないか、人事でいじめられるんじゃないか、国税庁の職員だって思うと思いますよ。だから、共同通信に言ったんじゃないですか。

 少なくとも、こういう垂れ込み、内部告発というのは重要でしょう、感知するということで。だから、内部告発をしっかりと呼び込む、業界にいる人や職員の中から内部告発しやすいような体制をつくるために、三条委員会、外出しすべきじゃないんですか。

梶山国務大臣 三条委員会にすべきか八条委員会にすべきかというのは、先ほど委員からありましたように、この設置のときにかなりの議論があったと承知しております。

 その上で、またそういう議員からの提起も受けて、みんなで考えていくことであると思っております。

斉木委員 時間が参りましたので、あと、与党側にも申し上げたいのは、八田委員長をきょうは参考人として招致を要請しておりました。こうやって新聞でも発言されております。これを聞かないというのはさすがに。今の八条委員会のトップですので、事務局長に聞いても官僚としての答弁です、委員長に聞いたら規制のトップとしての発言が返ってきます、彼にも、じゃ、委員会というのはどういうものなのか。今経産大臣もおっしゃいました、これからみんなで議論するためにも、ぜひ八田さんを、参考人招致を与党側には認めていただくことをお願い申し上げまして、委員長に御提案申し上げて、本日の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

富田委員長 後刻、理事会で協議をさせていただきます。

 次に、田嶋要君。

田嶋委員 田嶋要です。

 きょうは、午前中、経産省の不祥事問題についての集中審議と私たちは呼んでおりますけれども、こういう時間ができました。改めて、こういう場を持ててよかったと思っておりますので、富田委員長、そして与野党の理事の皆様に御礼を申し上げたいというふうに思います。

 これは、与党だ野党だという話ではなくて、やはり、残念なことでありますが、あるいは、大臣のお言葉であれば、情けない、恥ずかしいことでありますけれども、こうしたことをしっかりとやることによって、不断の改善というか、そういうことも私は必要になるんだろうというふうに考えております。

 ただ、もともとこれは関電の問題をやっていたらこういう問題が出てきたわけでありまして、関電と無関係ではないわけであります。斉木さんは、泣いて馬謖を切るという、格調高い、教養を見せましたけれども、私は、頭にふっと浮かんだのは、同じ穴のムジナじゃないかと。あるいは目くそ鼻くそを笑うですよ、言葉は若干あれですけれどもね。要は、これから関電しっかりやろうというときに、あなたたちも同じじゃないの、こう言われると本当につらいんじゃないかなと思うんですよ。そういう意味で、しっかりとこの場で情報公開をして、国民の納得のいくやはり結論に持っていかなきゃいけない、私はそのように考えております。

 そして、大臣、もう既に御答弁されておりますけれども、この人事院の指針に照らし合わせたときに、やはり国民からするとちょっと納得いきにくいと思いますよ、これは複数御指摘されておりますけれども。そして、大臣は、刑法犯の適用の蓋然性が低い、そういうふうにおっしゃっているということですね。

 そこで、たしか理事会にも経産省から資料が配られましたですよね。過去三年間に警察の方に連絡をしている案件がいろいろあるという話でございました。ジャンルは、例えば補助金にかかわる話とかいろいろあるという話でありましたが、こうした行政手続に関する問題、決裁文書にかかわる問題は過去三年間ではこれだけですということで。これは警察にわざわざ言っているんですから、経産省の方から。だから、それは、先ほどの刑法犯の蓋然性が低いという話と何か、どういうふうに調和して理解したらいいのかなというふうに思うんですね。

 大臣は、そこはどうですか。

糟谷政府参考人 経済産業省では、刑法犯との関係での指摘を受ける可能性が高い事案について、幅広く警察に報告をしております。

 刑法犯になる蓋然性が高いかどうかとはまた別の問題であって、刑法犯の蓋然性があるものよりも幅広く報告をしているところでございます。

田嶋委員 だから、今、糟谷さんがおっしゃったとおり、蓋然性が高いか低いかとは別の問題ですよね。ただ、可能性があるときに警察の方に言っている。そんな何千件じゃなかったですよ。示された資料だと五、六件だったと思うんですよ。補助金案件は数は多かったような気がしますけれども、決裁文書にかかわるやつはこれだけですよ、少なくとも、過去三年で。そういうことじゃありませんか。

糟谷政府参考人 確かに、決裁文書について過去三年程度の間に警察に報告をいたしましたのはこの件のみでございます。

田嶋委員 大臣、そういうことなんですよ。これは、さっき聞いていて、蓋然性が低いと断言されるけれども、私たち理事の方にはこうやって、自発的に経産省から警察の方にちゃんと連絡しているんですよ、おそれがあるから。可能性がある、そういうことで。

 したがって、この段階で刑法犯の蓋然性が低いというふうに方向性を決めちゃっていいんですか、大臣。

梶山国務大臣 過去の例も含めて蓋然性が低いという判断をしたということでありまして、ほかのものは、金銭に絡むもの、また領収書の偽造であるとかそういったものも含めてあったと思いますけれども、それらと比較をした上での判断であります。

田嶋委員 これは、大臣御自身が前の職責でかかわられたということも聞いておりますが、過去の例はそういう意味では余り参考にならないような感じもしますね。だって、過去では、よくないということで、この文書の管理に関してのいろいろな制度が強化をされてきているわけであります。そういう意味では、国民の見る目はいよいよ厳しくなっているというふうに私は思うんですね。そういう中で大臣も一定の役割を果たされた。

 そして、この人事院の指針ということでも明確に、これも先ほど出ましたけれども、これはどう見たって、国民から見たら、「決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。」、これしかないんですよ、基本は。だから、この例外を、この一般的な文書、確かにこうじゃない適用があり得るかもしれないけれども、それはよっぽどの、国民に対するきちんとした、なぜ、こうやって標準的に書いてあるのに標準じゃない適用をするのかということに関して、国民にしっかり納得のいく説明はやはり大臣から必要ですよ。

 したがって、警察にちゃんと連絡しているような話なんだし、先ほどおっしゃったように、何かいきなり、刑法犯の蓋然性が低い、そんなふうに断定することは私はできないと思いますけれども、大臣、もう一度お願いします。

梶山国務大臣 警察には報告という形で毎回させていただいている。その件数に関しては先ほど申し上げたとおりですけれども、多いか少ないかというのはあるかもしれません。

 でも、やはりこの件で実質被害を受けた方々ということも含めると、刑法犯として成立する蓋然性は低いという判断で今回の措置をしたということであります。

田嶋委員 平行線でありますが、三年でたった一回ですからね。もうちょっと、過去十年、情報を後でまたいただきたいと思いますけれども、三年間でたった一回の事案ですよ、これ。だから、全部出しているといったって、まれに見るこういうケースなんですよ。

 それを何か、最初から蓋然性は低いというふうに判断する、そして標準的に示されている懲罰ではない形にするというのは、やはり国民の目から見ると違和感があると私は言わざるを得ないと思います。引き続きこれは議論していかなきゃいけない。

 こういうことを直接、不幸なことに経産省で問題が起きたから、逆に言えば、関電みたいになかなかここに来ていただくことも苦労するのとはちょっと違いますからね。毎回大臣が御答弁いただけるわけだし、指定した人がどんどん来てくれるわけだから、ぜひどんどんやりたいと思います。

 あと、先ほど、斉木さんからも八田さんのことがございました。今回は政府参考人ということで要望が出ていたということで、政府参考人ということでは過去ないんですって、事例が。ただ、参考人ということでは、八条委員会委員長、大勢これまで来ているんです。

 これは大臣のことではありませんけれども、富田委員長、ぜひ、理事会の方でこれを御検討いただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

田嶋委員 やはり、こうした委員会の委員長も国会という場に来ていただいていろいろ説明していただくことが、大事な組織として立ち上がったわけでありますから、やるべきだと私も考えております。

 あと、大臣、私は、今回のことで、やはり一つは、懲罰のこともありますが、再発防止を考えるいろいろな仕事がこれから出てくると思いますよ。これはうまく利用してください、この今回の一件を。

 添付資料をつけておりますけれども、1と2、これは先ほども同じ資料ですが、黒塗りのある文書ですけれども、この決裁文書で、私は理事会でもお尋ねしたんですね。

 1の方は、要するに意見を電取に求めずに最初に出しちゃった決裁文書ですね。ところが、2の方は、要するに改ざんですよ、我々の言うところの。まあ、そういうことを、何事もなかったかのようにしてもう一回出しているのがこの2ですが、この2のところの判こを見てください。判が押してあるわけですよ。前の方は違いますね、決裁日というところの三月十五日。次の方は判こが押してある。線からはみ出したような押し方になっていますけれどもね。こういうので、ちょっと私は聞いたんですよ、理事会で。これは何かたまたまですかと。

 ここは、事務方どうですか、これは。なぜこういうふうになっているんですか。

糟谷政府参考人 最初の決裁書は電子決裁が行われたものであります。二つ目の決裁書は紙で決裁が行われた。そういう違いでございます。

田嶋委員 それで、これもなかなか資料が出てこないんですけれども、なぜ今どき、電子決裁が導入された後も紙決裁を行わなきゃいけなかったのか。そのことと今回の不正手続との関係というのはあるのかないのかということをお尋ねしているんですが、その点はいかがですか。

糟谷政府参考人 政府の電子決裁移行加速化方針においては電子決裁を進めていくというふうにされているわけですが、電子決裁とすることでかえって業務が複雑、非効率となるものや災害時などの緊急案件などを除いて、電子決裁化を進めることとされておりまして、全面的に紙決裁を廃止することはなかなか難しいということでございます。

 ただ、他方、今回はこれが不適切な手続に利用されたというものでありまして、非常に不適切であったと考えております。

田嶋委員 何だか前半はよくわからない説明でしたけれども。時間が来ましたけれども、要は、いろいろなところに未然に防止する手だてが考えられるんじゃないかということを申し上げたいんですね。

 私は、今まだ役所から資料をもらっていないんですけれども、どういうカテゴリーのケース、今おっしゃった、何か災害のこともおっしゃいました、どういう場合に、電子決裁が原則の今の時代にわざわざ判こを押さなきゃいけないのかということの数と類型を出してくださいと、これまで。電子決裁が導入された、だけれども、何か手で判こを押しているケースがどういう場合にあるんですかという資料要求をしているけれども出てこないんですけれども。ただ、ここも一つのきっかけになるんじゃないかと思うんですよ。

 私は、やった人やいろいろな関係者、組織ぐるみだと私も思いますよ、処罰も甘いと思う。しかし、もう一つ同時に、魔が差してやっちゃうようなことが二度と起きないようにするためには、例えば仕組みで、一日前の日付を入れようとしたらもうコンピューターが受け付けないとか、そういう仕組みをつくるべきなんですよ。電子決裁しかできないような状況にしておけば、こんなふうに慌てて判こで自分で押すようなことがあったら何か怪しいぞとアラートが立つようにするべきですよ。そういうことも含めて、今回をきっかけに見直しをしていただきたいというふうに思うんです。そのことを最後に御答弁いただきたいと思います。

梶山国務大臣 電子決裁は進めていかなければならないと思っておりますし、今回のような事案を起こさないための仕組みづくりというのは、例えば法律のチェックをするような人間を外部からエネ庁に入れておくとか、そういうことも含めて必要なのではないかなと思っております。

田嶋委員 法律のチェックを外部からといったって、法律をつくっている人たちが役所の人なんだから、それは同じコンプライアンスを持ってもらわなきゃ困るんですけれども。

 私は、お昼以降も、ちょっと先ほどの電取委についても最近似た問題意識も持っておりますので、引き続きこの問題を取り上げさせていただきます。

 ありがとうございました。以上です。

富田委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 まず新型コロナ対策ですが、感染拡大を受けて安倍首相が、四月七日夕方、特措法に基づいて七都府県を対象に緊急事態宣言を行いました。あわせて発表された緊急経済対策では、中小企業、小規模事業者やフリーランスを含む個人事業主に対する新たな給付金制度を創設するとしております。

 我が党は繰り返し直接支援を求めてまいりましたが、梶山大臣、今回創設される持続化給付金には政府の要請による自粛やイベント中止などに伴う損失への補償という考え方が盛り込まれているんでしょうか。

梶山国務大臣 委員御指摘の、自粛要請に伴う損失の補償については、一時休業や営業時間の短縮など事業者の対応はさまざまであり、また、事業規模の大小や業種によっても損失の考え方、経営の影響も多様であるために、一律に損失を補填することについては、公平性の観点から慎重な議論が必要であると考えております。

 幾つか私どももヒアリングをして、さまざまな業種からお話を聞いております。総理のもとでそのヒアリングをしてきたわけでありますけれども、今回の感染拡大を踏まえた事業者の方々の損失は非常に多様であった、そして広がりがあるものだということであります。

 例えばイベント業者も、事前にお金がかかる、準備にお金がかかるということで、ゼロではなくてマイナスだというようなこともございました。そして、その対応につきましても、今後の終息後のことを中心におっしゃる方、また、今すぐお金が必要だという方、さまざまな人がおいでになるということも事実であります。

 ヒアリングで伺った事業者の皆様の声をよく踏まえて、支援を更に手厚くするために、今回の緊急経済対策では、史上初めて事業者向けの給付金制度を創設して、売上げが前年同月比でマイナス五〇%減少し極めて厳しい状況にある中堅、中小企業等の法人に二百万円、個人事業者等に百万円を上限として現金を給付することとしております。

 補正予算が成立をしてからということになりますけれども、今、その給付の方法も含めて、いかに迅速にそういった給付ができるかということも含めて検討を急いでいるところであります。

笠井委員 対応もさまざまで、考え方も多様だと言われましたけれども。

 安倍総理も、人と人との接触機会を最低七、八割減らすというふうに呼びかけておられるわけですね。

 全国知事会は、一昨日、八日に、そのためのイベント中止や事業休止要請に応じた営業損失補償を国に求めると、緊急提言を行っております。

 感染拡大防止の実効性を確保するためにも、自粛要請と一体の補償ということで、対策の基本に据えるべきだと思うんですが、この点はいかがですか、感染拡大防止と。

梶山国務大臣 笠井先生を始めとして御党の皆様、そして、あと、知事会からの要望というのも十分に承知をしております。

 そういった中で、とにかく目の前にお金が必要な方にまずは配るということ、給付をするということ、このための最大限の努力をしてまいりたいと思っております。そういう事情も十分承知をしているということであります。

笠井委員 日本国憲法の二十九条三項は、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」としております。

 緊急事態宣言のもとで、感染拡大防止という公共のために起きた損失を国が補償することは、私は憲法上の要請だと思います。最初にこのことを強く求めておきたいと思います。

 そこで、経産省による虚偽公文書作成問題であります。

 去る三月十六日、経産省は、関西電力に対して、電気事業法に基づく業務改善命令を出しましたけれども、大臣、電力会社に対する業務改善命令はこれが史上初めてか、そして、この命令というのは極めて重いものだという認識が当然おありだと思うんですが、いかがですか。

梶山国務大臣 委員おっしゃるように、確認しましたところ、これまでに電気事業者に対して業務改善命令を発出した記録は確認できませんでした。ということは、現時点ではなかったということであります。

 文書保存期間を過ぎた時代も含まれるため、確たることは申し上げられませんが、三月十六日に関西電力に対して発出した業務改善命令は、電気事業者に対して発出した史上初めての業務改善命令だと考えております。

笠井委員 そういう命令を出したことについては、重いということの認識はおありですね、命令自身。

梶山国務大臣 そのとおりであります。

笠井委員 三月十六日に発令した業務改善命令前に行うべき電力・ガス取引監視等委員会への意見聴取手続を怠った上に、その事実を隠蔽するために、あたかも命令前の十五日に意見聴取を求めたかの偽りの公文書を作成をして、決裁を出し直した問題が発覚したわけであります。

 刑法の虚偽公文書作成罪に問われかねないと、先ほども議論がありました。経産省の根本姿勢が問われる重大問題だと思います。

 経産省が三月三十一日付で公表した「不適切な手続への対応について」に係るこの決裁文書というのはあるんですか。

梶山国務大臣 経産省が三月三十一日にプレスリリースした文書のことを御指摘だと思いますけれども、「関西電力株式会社に対する業務改善命令に係る不適切な手続への対応について」という文書、その内容や発出については、事前に事務方に私自身は説明を受け、私のところで了解しているものでありまして、プレスリリース文書に関しましては、事実に関すること、そして、別のところで意思決定がされていることということでのプレスリリースですから、私の口頭の了解ということで、これを発出しているところであります。

笠井委員 プレスリリースについて口頭了解と、これだけの問題で、決裁文書もないとは私驚くべきだと思います、組織として。

 我が党の問合せに、決裁文書が存在しないため大変恐縮ながらお送りいたしかねるというふうに経産省からあった上に、今大臣言われましたけれども、公表に当たり、経産省にプレスリリース案を説明して大臣の了解を得ているという話なんですけれども、それだけでありまして、その程度の扱いかと、この極めて重いと大臣もおっしゃった問題に関して、こういう手続をやって、出すということについてはこれだけなのかということになってくると思うんです。

 それで、この業務改善命令をめぐる資料提出は、我が党の藤野保史議員みずからが先週四月三日の当委員会で明らかにしましたが、命令が発出された三月十六日の当日から、関連の文書を出してくださいと求めてきたものであります。ところが、経産省は、その後も、三月十八、十九、二十三、二十五日と四度にわたって、まだですかと督促したにもかかわらず、エネ庁の担当者は、最後、二十五日には、そんなものを求めてどうなるのかとまで言ってきました。国会からの資料要求を拒否し続けてきたわけであります。

 梶山大臣は、国会からの資料要求は、その質問を藤野議員がやるときまで、今まで存じ上げなかったと答弁を前回されたわけですが、その後、国会からの資料要求に対する省内の対応がどうだったのかと、大臣、確認されましたか。

梶山国務大臣 四月三日の委員会において、藤野議員からそういう御質問がありましたので、私が、今委員がおっしゃったような応答をさせていただきました。その終了後に、藤野委員の御指摘を踏まえて省内の対応状況を事務方に確認をいたしました。

 その結果、確かに、三月十六日月曜日に関西電力に出した業務改善命令と関連資料、そして当該業務改善命令発出に係る文書の写しについて資料請求があり、これを受けて、三月十九日木曜日と二十五日水曜日に藤野委員に対して業務改善命令の実際の施行文書の写しを提出したと聞いております。

 なお、業務改善命令に係る一連の決裁文書については、藤野委員から御指摘のあった当日の四月三日金曜日の午後に国会に提出をさせていただいたところであります。

笠井委員 ですから、その業務改善命令の起案と決裁に係る文書を求めても一切出してこなかったわけですね。それで、追及されてようやく、四月三日の理事会に資料が出てきたということだと思うんですね。これが紛れもない事実であります。

 梶山大臣は、四月三日の経済産業委員会で、情報公開請求がなかったらこの問題が外に出なかった可能性があった、こういうふうに認めていらっしゃいます。情報公開請求には逃げられないけれども、国会からの資料要求ならうまく逃げ切れる。大臣、これが経済産業省としての考えなのか。そういうことなんですか、これは。

梶山国務大臣 私は、出すべきものは出すものだと思っておりますし、真実をしっかりと白日のもとに出していく、そして今後の再発防止を図っていくということが重要な仕事だと思っております。

笠井委員 国会からの資料要求にも不誠実きわまる対応をする経済産業省、この根本姿勢が問われていると思います。法案審議の前提にかかわる問題だと申し上げたい。

 大臣は、四月七日の定例会見で、事実と異なる日に決裁をしたと取り繕った手続面に問題などとおっしゃいましたが、私はこれは全く違うと思うんです。事後に電取委に意見聴取をしたから瑕疵はないということには決してならない。

 電気事業法で、業務改善命令を行おうとするときには事後ではなくあらかじめ電取委の意見を聞かなければならないという規定があるわけで、これに違反をして、さらに、違反した事実を隠すために、事実と異なる日に決裁したことにする偽りの公文書をつくり上げたという偽造をした。まさに、経産省のやったことは二重の意味で法違反じゃないんですか、大臣。

梶山国務大臣 私どもも、不適切な手続があったということで、ずっと再発防止のために検討をしているところであります。

笠井委員 これは法違反だという認識はありますか。

梶山国務大臣 あらかじめ意見聴取をするということが書かれておりまして、そのやりとりは先ほど来の電取とのやりとりのとおりであります。

笠井委員 梶山大臣、先ほど言われましたけれども、公文書管理担当大臣だったときに、公文書を適切に作成し適切に行政文書の保存等の管理を行うことが役割だと答弁されていたわけで、経産省は全くできていないという話になっていると思うんですよ。

 今回、経産省は、関電への業務改善命令で、処分の理由の一つとして、ガバナンスの脆弱性ということを指摘をしております。本件問題を認識しながら放置し続けてきた責任感及び決断力の深刻な欠如、社内調査の結果を対外的に公表せず、必要な報告を行わなかった、本件問題を幹部が把握していたにもかかわらず問題を是正できなかった閉鎖性、ガバナンス不足。これは業務改善命令の中で経産省自身が言っていることであります。

 大臣、大体、先ほど質疑がありました山岡委員が質問して明らかになりましたけれども、大臣に事態の報告があったのは三月二十八日のコロナ会議の直前の十七時以降ということですけれども、高橋エネ庁長官は、二十七日、前日の金曜日の夜知ったというわけですけれども、一日ラグがあるわけですね。エネ庁長官が知ってから大臣が知るまで一日ある。エネ庁長官が知ってから一日も大臣に報告を怠っていたというのは、これはけしからぬと思いませんか、大臣。

梶山国務大臣 幹部に報告が上がらなかった、特に私のところにもおくれて上がったということは、大変遺憾なことだと思っております。

笠井委員 大臣、そうなりますと、関電に業務改善命令で指摘したこと、ガバナンスの問題という同じ性質の問題が、エネ庁、経産省自身にもある、こういう認識はございませんか。

梶山国務大臣 今の時点で何を言われても言いわけはできないと思っております。

笠井委員 やはり、このガバナンスという問題について欠如ということを指摘したということでいいますと、電力事業者にもない、そして経産省にもそれが欠如している、こうしたもとで原発を動かす資格なしということを言わなきゃいけないと思うんです。ガバナンスができなくて大変なことですよ、原発というものを動かしたり、結局、その事業者を監督するということになると。こういう問題だと言わなきゃいけないと思います。

 なぜこんなことが起こったのか。経産省からの昨年九月二十七日の報告徴収命令に対して、関電から、三月十四日の土曜日に、第三者委員会の調査報告書が提出されたわけです。エネ庁は、即日、関電に対して業務改善命令を行う予定だとして、大臣名の「弁明の機会の付与について」という通知を出している、関電に対して。この通知には、調査報告書の内容を検証したところ不適切な対応等が認められたとありますが、その検証したところという検証を、では、経産省、エネ庁としてどういう体制、メンバーで行ったというふうに大臣は報告を受けているんでしょうか。

梶山国務大臣 エネ庁担当者、幹部、そして次官も含めて検討を行った。私自身も、提出日に報告書をもらいまして、それを丹念に読ませていただきました。

笠井委員 大臣は四月三日の答弁で、二日間かけて精査したというふうに述べておられますが、関電から報告書を受け取ったのは三月十四日の何時ですか。そして、関電へ弁明付与の通知を出したのは何時でしょうか。

梶山国務大臣 十四日の十三時四十五分に関西電力から報告徴収命令の回答をもらいました。そして、十五日に、関西電力から経済産業省に対して弁明しない旨の回答があって、三月十六日八時に、経済産業省から関西電力に対して業務改善命令を発出をいたしました。

笠井委員 済みません、関電に対して弁明付与の通知を出したのは何時かというのをちょっと、そっちの方。

梶山国務大臣 十四日の二十時三十分であります。

笠井委員 そうしますと、報告書の受取は十三時四十五分で十四日、弁明付与の通知は二十時三十分ということでありますので、結局、決裁の手続がその間ありますから、それを含めても、わずか六時間四十五分ということになります。二日間かけて精査とおっしゃいましたが、実際には、検証したということでは、その期間になって、検証したところ、ということで通知を出していると。

 報告書を受け取ったその日のうちに、内容を検証したからと関電に弁明通知を出して、そして翌十五日日曜日に、関電から弁明を行わないという回答を受けてすぐに業務改善命令を起案、決裁して、十六日の朝、月曜日の朝の八時前に高橋エネ庁長官が関電の森本社長に業務改善命令書を手渡したと。これは本当にあっという間にやっているわけですよ。

 よくよく精査したとかと言われますけれども、最初からもうざっと一連の手続をあっという間にやっている。何でこんなに急ぐ必要があったんですか。

梶山国務大臣 関西電力にしっかりとしたコンプライアンス、ガバナンスを実施していただきたいという思いでありますけれども、今までの議論の中で、またマスコミ報道も含めて、事の概要については承知をしておりました。そして、大体のものをつくっておりましたけれども、報告書を受けてからつけ加えたことも何点かございます。

笠井委員 いや、報道とかいろいろなことでわかっていましたじゃなくて、報告書が出てからそのものをちゃんと吟味するのが当たり前ですよね。だって、それを出せと言ったわけですから。

 三月十八日の当委員会で、私が報告書の評価について認識を尋ねました。それに対して大臣は、しっかりとした報告書に仕上がっているというふうに答弁されましたけれども、報告書を受け取った同日中に、業務改善命令を行うのが相当と認められると判断しておいて、報告書の中身を吟味した、これは本当に胸張って言えるんですか。

 事前にいろいろな報道があったとか、いろいろなことがわかっていたとあっても、報告書が出てからこれだけの期間でわっとやっちゃって、本当に、十分にやったんですということで胸張って言えるのかと。これだけ重大な問題です。

梶山国務大臣 報告書で明らかになったこともございますし、それらについてどう業務改善命令に反映させるかということを幹部間で議論し、私に報告がございました。

笠井委員 この業務改善命令には、処分の理由として、役職員が森山元助役から長年にわたり多額の金品を受領していた事実が認められた、それから元助役の要求に応じる形で不適切な発注を行っていたというようなことで、先ほど指摘したガバナンスの脆弱性ということを含めて三点を挙げておりますけれども、私は、この報告書に対して業務改善命令で処分の理由として挙げている点というのは、検証したというよりも、第三者委員会の報告書の要約が書いてあるだけじゃないかと思うんですけれども、そうじゃないですか。

梶山国務大臣 表現も引用させていただいておりますけれども、私どもでの問題意識もしっかりとございます。

笠井委員 昨年九月に関西電力の原発マネー還流疑惑が明らかになった後、まずは第三者委員会の報告書を待ってということで繰り返し言われてきました。報告書が出たら、あっという間に業務改善命令を出して、業務改善命令の回答を見てというふうに今度は答弁される。どんな報告書が出ようと、業務改善命令を出してもう究明はおしまい、ふたということで、そういう形で結局なっていたんじゃないかと思わざるを得ないと思うんですね。

 報告書では、役員十八人に対して、報酬カット分の補填二億六千万円に加えて、森山元助役から受け取っていた金品に対する追徴課税の納税分をこっそりと補填していたことが明らかになりました。私も、この間、委員会でこれをただしましたけれども、余りに驚くべき事実です。

 これらの原資というのは、電気代です。業務改善命令では役員報酬補填の究明について関電に求めているんでしょうか、今回。

梶山国務大臣 御指摘の事案につきましては、第三者委員会の調査報告書では、透明性、公正性を欠く形で当該補填ができてしまう状況にあったことは不適切と指摘されており、私としましても、公益事業者として信頼を失墜させる大きな問題であると考えております。常識的に考えても、これは大変異常な問題であると考えております。

 関西電力に対して発しました業務改善命令では、役職員の責任の所在の明確化を求めたところであります。業務改善命令では、当該補填の返還そのものは項目として明示しておりませんが、役員報酬の事後的補填は看過できない重大な問題であり、三月末までに提出することを求めていた業務改善計画において、約二・六億円の補填の全額を返還することを明確に示すように強く求めたところであります。

 この結果、三月三十日に関西電力から提出された業務改善計画では全額返還を求める方針が盛り込まれておりまして、実施されることをしっかりと見届けてまいりたいと思っております。

笠井委員 私が質問しました役員報酬補填の究明ということを求めているかということについては、その究明は求めていないということですね。そういうことになってくる。

 関電の歴代トップが電気料金を私物化していたんですから、返還は当然ですけれども、実態解明まで踏み込まなければ再発防止にならない。ところが、電気料金原価の適正さをきちんと見るべき経産省が、この問題にも目をつぶったままではないかと言わざるを得ないと思います。

 しかも、今回、業務改善命令を出す前に行うべき電取委への意見聴取を怠っていたと。それを隠すために、三月十六日の発出後に議案決裁した電取委宛ての意見聴取依頼を前日に行ったかのように虚偽文書を作成していたわけでありまして、電取委の八田委員長も、先ほど紹介がありましたが、愕然とした、あってはならないことだと強く言われているわけであります。

 そこで、業務改善命令を出す前に、あらかじめ電取委の意見を求めるのが、電事法、電気事業法の規定であります。ところが、佐藤事務局長は、四月三日の当委員会で、電取委の仕事は市場監視と適正な取引の確保であり、関電にコンプライアンスの是正を求める今回の業務改善命令は監視委員会の所掌に直接かかわるのではないというふうに答弁して、きょうもまたそれを言われました。

 一体、命令の内容によっては意見聴取はあらかじめではなくて事後になっても構わないなどと、電事法のどこに書いてあるんですか。

佐藤政府参考人 委員御指摘のとおり、電力事業法第六十六条の十一では、あらかじめ聞くということになっておりまして、事後ということにはなっておりません。

笠井委員 大臣、どんな内容であっても、しかも、あらかじめ電取委に意見聴取をするという電事法の手続を怠っていたエネ庁に対しておかしいと言うべき電取委が、この事務局長が、いやいや、うちは直接関係ないんだ、事後であっても意見を述べたからいいでしょうみたいなことになっていたら、とんでもない話だと思うんですけれども、大臣も同じ見解なんですか、そうじゃないと、どうなんですか。大臣に伺います。

梶山国務大臣 本来、あらかじめ聞くべきことでありまして、手続はしっかりと守らなければいけないと思っております。

笠井委員 この電取委というのは、大臣もよく御案内のように、電気の小売全面自由化のもとで、従来にない権限を有する最も強い八条委員会として新設をされた。大臣直属の、直属ですよね、独立性と高度の専門性を保つ組織としていたのではないか。この電取委が条文を認識していないとか、あるいは、所掌に直接かかわらないからそのことは問題ないなんということでは、とんでもないと思うんですが、この、本当に、電取委の本来の任務、そして何でつくったかということのかかわりで、今回の事態、やはり、大臣直属ですから、しっかりとした見解を改めて述べていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 法律の中であらかじめ意見聴取を行うこととされておりますので、しっかりとやはり法律どおりにやらなければならないということと、電取もしっかりその認識を持って業務に臨んでいただきたいと思っております。

笠井委員 電取委の事務局から、今回の意見聴取に関する電取委委員とのやりとりのメールというのが、求めたところ、提出をされました。こうやって出されまして、いろいろやりとりが書かれているんですが、今回は、意見聴取ということでは書面審査ということで、会合、集まるんじゃなくて、書面で審査ということでやられたというので、やりとりをしております。

 その中で、三月十六日の月曜日、午前十一時過ぎ、電取委事務局から委員に対して、本日中に緊急で、十六日月曜日ですよ、午前十一時過ぎ、つまり、これは、この時間でいうと、既に業務改善命令が午前八時に関西電力社長に対して出された後です、電取委事務局から委員に対して、本日中に緊急で意見聴取について書面開催を実施したいという、メールで連絡が行われております。

 このメールに対して、委員の一人からこういう問合せが来ております。業務改善命令は既に出されたと思いますが、既に出した業務改善命令に関してこれで必要十分な内容だったと思いますかという趣旨の意見聴取でしょうかと。だから、この委員の方は、えっ、聞かれていないのにもう出ちゃっているんでしょう、でも、結局、今、問合せをしていて書面審査をやるということは、もうあの既に出した業務改善命令に対してこれで必要十分な内容だったと思いますかという、後からそういう確認をもらったんだという趣旨の意見聴取でしょうかというふうに言っているんですね。

 大臣、これはおかしいと思いませんか、これ自体。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、電気事業法では、経産大臣が業務改善命令を発するにはあらかじめ電取委の意見を聞くこととされているのは事実でございます。

 今回の事案においては、意見聴取が行われていないことを電取委の職員が気づいたことから、その旨を資源エネルギー庁に指摘をしているところであります。

 それで、手続に瑕疵ある命令について、適切な手続を経て命令を出し直すかどうかは、手続の責任を資源エネルギー庁が判断すべき事項であると考えたというところでございます。

笠井委員 大臣、どうですか。

梶山国務大臣 この委員の言い分は正しいということでありますけれども、資源エネルギー庁での手続が全てであると思っておりますので、そこは不適切なものがあったということで、しっかりと正してまいりたいと思っております。

笠井委員 そのメールの問合せに対して、電取の事務局が、今度は墨塗りしていなくて名前が書いてあるんですが、圓尾委員様と書いてありますから、圓尾委員に対して、既に業務改善命令は発出されているのですが、資源エネ庁も当方も業務改善命令に際して委員会の意見を聞くことになっている条文を認識しておらず、きょうになって気づいた、こういう事情で手続が前後してしまっております、このように言いわけをしております。さらに、業務改善命令の内容は電力の取引に直接関係するものではありませんので、監視委員会として特に問題となる部分はないと考えておりますと、事務局が、委員に対して、問合せに対してそう言っているんです。これは事実ですね。

佐藤政府参考人 事実でございます。

笠井委員 そんなことまで事務局が仕切ってやっていて、もうこれは問題ないからいいんですよと言って、問合せが来てもそう言っているんですね。

 実際には、三月十六日の夜八時過ぎに緊急の委員会ということで書面開催をされたということであります。この電取委の委員会、五人のメンバーがいらっしゃる。八田委員長を始めとして五人ということでありますが。

 このときに、また、先ほど問合せをされた圓尾委員から、業務改善命令を受け取ることになる現経営陣がどの時点でどれだけの事実を知り、それを受けてどう行動したのか報告書ではわかりません、つまり、業務改善を委ねるに足るものなのか、それとも業務改善の対象となるべきものなのか判断がつきかねると思いました、業務改善命令と同時にこの点について報告を求めてはいかがと思った次第ですと。

 つまり、問合せをしていて、もう出しちゃった後なんだけれどもということは、何で後から聞いているのというやりとりをした後で、この方はそうなったという上で、でも、受け取ることになるその現経営陣がどれだけの事実を知ってそれを受けてどう行動したのか報告書じゃわからないよ、つまり、業務改善を委ねるに足るものなのか、それとも業務改善の対象となるべきものなのか判断がつきかねる、だから、出しちゃった業務改善命令はそれがそれなんだけれどもとおっしゃっているのかもしれませんが、この点についての報告を求めてはいかがでしょうかというふうに書面審査で意見を述べられております。

 この意見についてはどう扱われたんですか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 圓尾委員には、改善計画の実施の中でフォローしていく旨を、説明を口頭でさせていただいたというふうに承知をしております。

笠井委員 書面審査ですけれども、議事録があるはずです、要旨。やりとりがあって、それは残さなければいけないですよね。その人に対してそう回答したということは、どういうふうに、口頭でやったと言いますけれども、形で残っているんですか。聞かれたらどうやってそれを証明するんですか。

佐藤政府参考人 文書では残っておりません。

笠井委員 大臣、こんなやり方で扱われているんですよ。

 書面審査というのは大事だと言っている。業務改善命令を出すに当たって、意見聴取は電事法で定められた手続ですよね。だから、場合によっては書面審査もあるかもしれないけれども、やりとりはちゃんと残らなきゃいけない。委員から問合せが来て、これもやった方がいいんじゃないかと言っているのに、それは必要ないという話を口頭で言いましたという話ですよね。

 この電取委の、三月、ニュースリリースということで、命令することに異存ない旨回答したことをお知らせしますということで、概要が書かれております。この本リリースは、電ガ、要するに電力・ガス取引監視等委員会の議事要旨を兼ねますと書いてあるんですよ。要するに、この命令することに異存ない旨という結論だけが議事要旨として残っている。

 今のやりとり、一切形になっていないんですよ。こういう意見が来ましたということもないし、それに対して口頭でこう答えたということも残っていないということでありまして、こんな大事な指摘がどこにも形に残っていないというのは、これは大変なことだと思うんですが、大臣はいかがですか。大臣。

梶山国務大臣 最初の委員からのお話で、業務改善命令の内容はという文書ですけれども、これに関しては、その中身についてだと思っておりました。ですから、資源エネルギー庁の手続が、まず取り下げればよかった、業務改善命令も出し直しをすればよかったものだと、資源エネルギー庁側の問題だと私は受けとめておりました。

 その後の手続の中で委員からこういう要望が来たということであれば、今、私も聞いたわけでありますけれども、後づけでもいいから文書として残すべきということで、決裁書をつくって、こういう経緯があったとてんまつを書くべきであると思っております。

笠井委員 大臣、本当にびっくりされたようですけれども、こういうことが実態なんですね。

 だから、こんな大事な意見が、僕は大事な意見だと思うんですよ、五人のうちの委員の一人の御意見ですからね。問合せをやりとりした上でそうおっしゃっている。報告書に対しても意見があると言われているわけですが。そして、この業務改善に委ねるに足るかどうかということも求めて疑問を提示されているわけですから。

 やはり、こういう点でいうと、こういう意見がなかったことに世の中ではされているわけです。関西電力の原発マネー還流疑惑の徹底究明どころか、業務改善命令を出すことで、結局は、それで計画が出たらもうこの問題は決着がついたということにするという、それこそ電取委を含めて経産省ぐるみの疑惑隠しじゃないかと言われても仕方がないと思うんですけれども、大臣、この点どうですか、最後に。

梶山国務大臣 何も今の時点では言いわけができないと思っております。

笠井委員 やはり、国会として徹底的にただす必要があると思います。

 委員長に求めたいと思いますが、第三者委員会の但木委員長の参考人招致を始めとして、やはり、引き続き、当委員会でのこの問題での集中審議を求めたい。理事会で協議いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

笠井委員 終わります。

富田委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十一時五十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十三分開議

富田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 内閣提出、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案及び特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案の両案を議題といたします。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 来る十四日火曜日午前九時三十分、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案審査のため、及び、同日午後三時、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案審査のため、それぞれ参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房小型無人機等対策推進室審議官岩崎俊一君、総務省大臣官房審議官赤澤公省君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長竹村晃一君、総務省総合通信基盤局電波部長田原康生君、法務省大臣官房審議官竹内努君、法務省大臣官房審議官保坂和人君、文部科学省大臣官房審議官矢野和彦君、経済産業省大臣官房長糟谷敏秀君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官藤木俊光君、経済産業省大臣官房審議官中原裕彦君、経済産業省大臣官房審議官春日原大樹君、経済産業省大臣官房審議官上田洋二君、経済産業省商務情報政策局長西山圭太君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江崎禎英君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長佐藤悦緒君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長松山泰浩君及び中小企業庁経営支援部長渡邉政嘉君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

富田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小林鷹之君。

小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之です。

 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。

 また、緊急事態宣言が出された中で、梶山大臣始め政府関係者の皆様方におかれましては、この新型コロナウイルス対策に昼夜を問わず御尽力をいただいていることに心から感謝を申し上げます。

 その上で、質問に移らせていただきます。

 まずは、特定デジタルプラットフォーマーの規制についてなんですけれども、私はこの法案に対しては全面的に賛成の立場です。

 ただ、その上で、一点だけ私自身の問題意識を申し上げますと、今回の法案の対象となっているGAFAを始めとする巨大プラットフォーマー、まさに彼らがバーチャルデータの世界を支配しているわけでございますが、前回の委員会質疑でも申し上げたんですが、私、日本企業がこのバーチャルデータの世界でGAFAと太刀打ちするというのはかなり難しいんじゃないかと思うんです。ただ、一方で、リアルデータの世界では十分に日本は世界と戦えるというふうに思っていまして、そうすると、今回の法案を成立させて、更にその先を考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんです。

 例えば、ヨーロッパで今何が起こっているかというと、今回の法案と類似の規則が昨年に既に制定されて、その上で更に先を行っています。それは、企業が持っている産業データ、これはモビリティーであり、製造業であり、あるいは金融、健康、医療、九つぐらいの分野にわたるんですけれども、それぞれの分野でのプラットフォームをもう構築し始めています。ことしの二月に欧州委員会がデジタル戦略というものを発表していて、それを読むと、年内には大きな法的な枠組みをつくっていく予定となっています。

 その中で、私は、日本も、自動運転ですとか健康、医療あるいは農業、もう豊富なリアルデータがありますし、まさにG20大阪トラックでこのDFFTを提唱していったその立場としては、日本こそがこうしたルール整備を主導しなきゃいけないと思っていまして、その豊富なリアルデータを使ってイノベーションを起こしていく、そのためのリアルデータのプラットフォームの構築と、そのリアルデータの利活用を推進していくルール整備というものを急がなければいけないと考えていますが、その点について梶山大臣の見解をお聞かせください。

梶山国務大臣 小林委員御指摘のとおり、製造現場などのリアルデータの活用が日本の勝負すべき領域と考えております。

 そうした認識のもとに、政府としては、内閣府を中心に、さまざまな分野のデータ利活用の推進を現在行っているところであります。

 こうした中で、経済産業省としましても、これまでのものづくり、自動走行などの分野において、事業者間でリアルデータを共有するプラットフォームを試行的に構築しようとする取組の支援を現在行っております。

 また、ルール整備も重要と考えておりまして、事業者間でやりとりされる価値あるデータを保護するための不正競争防止法の改正や、プラットフォームを利用したデータ共有を行う契約のひな形などを含んだAI・データ契約ガイドラインの策定を行ってきているところであります。

 さらに、今後、5Gの普及等により、工場や医療現場など大量のリアルデータの活用がますます進んでいく中で、異なる事業者間や社会全体でのデータの連携、共有を促すことが重要になってくるわけであります。

 こうした中で、法律上のルールのみならず、事業者間のデータ連携、共有に必要な共通の技術仕様でありますアーキテクチャーの策定を行うことが重要となるために、昨年、臨時国会において情報処理促進法を改正し、そのための体制を整備することとしております。

 こうした取組を通じて、モビリティーサービスやスマート保安などの分野において、さまざまな事業者が必要に応じてプラットフォームを整備しつつ、データを活用した新たな製品、サービスまたビジネスというものを開発していくことを支援してまいりたいと考えております。

小林(鷹)委員 私たち自民党の中におきましても、今、知的財産戦略調査会で、まさに山際委員などとともに、昨年からこのプラットフォームの構築、ルール整備について検討を重ねておりまして、引き続き、政府・与党連携しながらそこを進めていければというふうに思います。

 次に、5Gについて伺ってまいりたいと思います。

 今回の法案は、まさにセキュリティーを確保しつつ、情報通信基盤であるこの5Gシステムの整備を促進していくということで、極めて重要な法案だと思っています。その中で、5Gの特徴の一つである超高速大容量、これを実現していくためには、高い周波数帯を活用していく方向だと認識をしていますけれども、ただ、高周波数帯の電波というのは短距離しか飛びませんし、また、木とか壁で遮られてしまうという弱点があるということで、相当密に整備をしていかなければならないんだと思います。

 その中で、通信インフラというものを、地域間格差をなくしていく、あるいは全国隅々まで行き渡らせていこうとすると、今、全国キャリア四社がありますけれども、その四社がばらばらに基地局を整備していくというのではなくて、みんなで共同することはできないのかということを考えるんです。

 これまで、この通信分野だけではなくて、日本企業の国際競争力が落ちてきているその一つの原因は、恐らく小さな国内マーケットをみんなで奪い合う、そういうところにも大きな要因があったと思いますので、今月の一日に、ソフトバンクとKDDIが5G・JAPANを立ち上げて、まさに共同で基地局を整備して利用していくという動きが出ていますけれども、それを更に超えて、四社体制で、オール・ジャパンの体制でこういうことを進めていくということが、地域の分担も含めて進めていくことが私は国益にかなうと思うんですけれども、政府としての見解をお聞かせいただきたいと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 エリア整備を早期かつ効率的に進めていく上で、委員御指摘のとおり、インフラシェアリングによる基地局整備を進めていくということは大変重要であると考えておりまして、総務省でも、インフラシェアリングの活用、インフラ整備の推進という観点から、一昨年の十二月にガイドラインを策定して、関係法令の適用関係について明確化を図ってきたところでございます。

 先ほど御紹介ありましたけれども、こういった取組を踏まえまして、既に、携帯電話事業者などによって、共同で基地局などの整備を行う動き、先ほどの株式会社5G・JAPANというのもその一環と認識していますけれども、そういう動きがどんどん出てきているという状況であるということは承知しております。

 私どもとして、そうした動きを更に加速すべく、本年度から5G基地局の共用というものを進めるための研究開発というものに取り組むこととしているということと、あと、条件不利地域における5G基地局の整備に係る費用の一部を支援する事業において、複数社で共同整備する場合には単独で整備する場合よりも高い補助率を適用するなどとして、このインフラのシェアというものを促進していくということでございます。

 引き続き、この5Gインフラの全国的な早期展開を推進するため、携帯電話事業者の連携などをしっかりと促しながら後押しできるように、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。

 民間企業の経営にもかかわる話なので、そんなに簡単な話ではないと思うんですけれども、ぜひ、今おっしゃったこの取組というのを、国が音頭をとって進めていただきたいと思います。

 今後、5Gの導入がどんどん進んでいくと、自動運転あるいは遠隔医療、こうしたさまざまな事業が生まれてくると思います。そうすると、先ほど申し上げた超高速大容量に加えて、超低遅延の実現というものがなされなければならないということで、そうすると、クラウドとのやりとりにかかる時間が、今、数百ミリ秒というふうに言われているんですけれども、この時間をどうやって克服していくかというのが大きな課題だと思うんです。

 その中で、それを克服しようとすると、そのやりとりに数ミリ秒しかかからないと言われているエッジコンピューティングの整備が私は必要だと思っていて、それに対して政府としてどう考えるのか、また、政府として整備が必要だと思うのであれば、エッジコンピューティングに対する研究開発の支援についてどう考えているのか、教えていただきたいと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 エッジコンピューティングは、今委員からも御指摘ありましたように、クラウドなど遠くにある設備ではなくて、携帯電話の基地局など利用者に近いところの設備でデータの処理を行うということで、非常に遅延の少ないサービスの提供ですとか通信トラフィックの最適化というものを実現する技術でございます。

 御指摘のとおり、5Gの特徴である低遅延というものを生かしたサービス、例えば自動運転ですとか機械の遠隔操縦などの実現に必要なものであり、今後は需要がどんどん高まって、重要性も増していくというように私どもも思っております。

 総務省といたしましては、平成二十九年度から昨年度まで、国のプロジェクトとして5Gの総合実証というものを実施してまいりましたが、その中で、エッジコンピューティング技術を活用して、トラックの隊列走行ですとか建設機械の遠隔操作など、この低遅延というものが求められるアプリケーションを想定した開発実証というものを行ってきています。その有効性についても確認してきたところでございます。

 引き続き、開発実証など、こうした取組を通じて、エッジコンピューティングのユースケースの創出や普及に取り組んでまいりたいと考えております。

小林(鷹)委員 5Gについて議論するときに、とかくやはり基地局というものにフォーカスが当たりがちなんですけれども、そうではなくて、今お答えいただいたエッジコンピューティングの話ですとか光ファイバー、あるいはデータセンター、海底ケーブル、こうした全体のシステムをバランスよく進めていく必要がもちろんあるんだと思います。

 その中で、伺いたいんですけれども、今申し上げた光ファイバーの整備につきまして、現在の進捗状況を教えていただきたいのと、これから5G、その先の6Gとなっていくと、データの通信量が莫大なものになるというふうに思いますので、今の光ファイバー網で私はそれに耐え得るものではないと思うんですけれども、その容量不足を見据えた形で今対応を考えておられるのか、その点について政府の見解をお伺いしたいと思います。

竹村政府参考人 お答え申し上げます。

 光ファイバーにつきましては、いまだ整備されていない地域の世帯数、これは二〇一八年度末現在で約六十六万世帯、整備率が九八・八%となってございます。

 総務省が昨年六月に策定いたしましたICTインフラ地域展開マスタープランにおいては、電気通信事業者に対する補助事業の活用などにより、二〇二三年度末までに未整備世帯数を約十八万世帯まで減少すべく取り組むこととしております。

 次に、ネットワークの通信容量の問題に関しましては、二〇三〇年の通信量は二〇一六年に比べて三十倍以上になるというふうに推計されており、将来的な通信需要の増大に対応した光ファイバーの大容量化が必要になってございます。

 このため、アクセス網において現在の十倍以上の大容量伝送を可能とする新たな変調方式や光ファイバー一本当たりの伝送容量を飛躍的に増大させる多重化技術などの開発を進めているところでございます。

 さらに、5Gの次の世代であるビヨンド5G、いわゆる6Gの二〇三〇年ごろの導入を見据えまして、本年一月から総務省においてビヨンド5G推進戦略懇談会を開催しており、信号の処理を電気信号ではなく光信号のままで行うオール光ネットワーク技術ですとか、AI技術を用いて効率的にネットワークの制御を行うネットワークの自律制御技術などの実現に向けた戦略の策定を進めているところでございます。

 こうした取組を通じて、将来の通信需要に対応できる情報通信ネットワークの構築を進めてまいりたいというふうに考えております。

小林(鷹)委員 ありがとうございます。

 最近行われた通信速度のランキングに関する調査では、OECD加盟国の中で日本は二十三番です。かなり遅い。そういう中で、ぜひ、光ファイバーも今後最も重要なインフラの一つになると思いますので、民間企業に全てを任せるというのではなくて、やはり政府として、国としてしっかりと関与していただきたいと思います。

 光ファイバーについてもう一点だけ申し上げると、これは非常に、どこに物理的に敷かれているかというのは極めて重要な話なんですけれども、聞くところでは、各事業者しかその光ファイバーがどこに本当に引かれているかというのを理解していない、政府としてはそこを全体として把握をしていないということですので、これは、国家のリスクマネジメントの観点から、しっかりとそこは総務省にもグリップをきかせていただきたいというふうに思います。

 もう一つ、先ほど申し上げました海底ケーブルについて伺いたいと思います。

 これも、ネット社会でこれから最も重要になるインフラの一つだというふうに思っていまして、今、海底ケーブルについては、日本とアメリカとフランスで世界全体のシェアの九割を占めていますが、一方で、中国が最近、海底ケーブルの敷設を非常に積極的に行っています。また、昨年の夏にロシアの潜水艦が火災事故を起こしたんですけれども、これは他国の海底ケーブルの諜報活動をしていた、そういう報道もあります。

 いずれにしても、これからデータドリブンの駆動型社会が来る中で、島国である日本にとって、この海底ケーブルというのは生命線そのものだと思っていまして、この強靱化を図る必要があると思います。

 そこで、伺いますけれども、アメリカを含めた諸外国との間での海底ケーブルの増設をどのように考えておられるのか、また、増設するとした場合の諸外国との連携のあり方について、この政府の方針についてお伺いしたいと思います。

竹村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、インターネットの重要性が飛躍的に高まる中、海洋に四方を囲まれた我が国にとって、海底ケーブルは社会活動、経済活動を維持する上で欠かすことができない重要なインフラであり、その安全の確保は極めて重要と考えてございます。

 諸外国との連携を含めて、具体的な対応内容については、事柄の性質上、ちょっと詳細は控えさせていただきますけれども、例えば陸揚げ局の警備ですとか警察などとの連携の強化、海底ケーブルの冗長性の確保、障害発生時の連絡体制ですとか、いわゆる事業者間の連携体制の確立などについて、総務省として、必要な安全対策を引き続き講じていきたいというふうに考えてございます。

 それから、光ファイバーの増設でございますけれども、第三国間を含む海底ケーブルを含めて、我が国企業による安心、安全な国際海底ケーブルの整備が必要になってございます。

 それにつきましては、官民ファンドであります海外通信・放送・郵便事業支援機構の活用などによって、我が国企業の取組を引き続き支援していきたいというふうに考えております。

小林(鷹)委員 まさにこれは経済安保そのものだと思いますので、ぜひNSSの経済班などと連携しながら、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 次の話題に移りたいと思います。ローカル5Gのセキュリティーでございます。

 ローカル5Gについては、工場のように限られた空間での利用もあるでしょうし、ただ、将来的には、スマートシティーのように町全体に5Gシステムを活用する、そういうことも想定されます。また、早晩、全国5Gのネットワークにローカル5Gが接続する、そういうことも将来的にはあり得るんだろうと思います。ただ、そうなると、ローカル5Gのセキュリティーの確保というのは更に一層重要になると思いますし、審査は私は厳格であるべきだと思うんです。

 そこで、まず確認させていただきたいのは、全てのローカル5Gの事業者に対しまして無線局の免許手続が行われますけれども、その際のセキュリティー審査というのは具体的にどのように行われているんでしょうか。つまり、審査の内容、基準、体制、あるいは調達先のベンダーの確認、認可後のフォローアップの頻度、そうしたことが具体的にどうなっているのか、教えていただきたいと思います。

 それと加えて、ローカル5Gの事業者の中には、今回のこの法案で規定されている税制上の優遇措置を利用する事業者と、いやいや、そんなものは要らないよと利用しない事業者、この二種類が出てくると思うんですけれども、セキュリティーの審査に関して両者の間で何か違いがあるのか、教えていただければと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十二月から免許申請の受け付けを開始いたしましたローカル5Gにつきましては、ローカル5G導入に関するガイドライン、こちらも昨年十二月に公表しておりますけれども、こちらにおいて、サプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティー対策を講じることを求め、その旨をローカル5Gの免許に当たっての条件として付すこととしているところでございます。

 その申請があったときの審査でございますけれども、無線局免許手続規則に従って、ローカル5Gの設備の概要などを記した資料の提出を受け、その内容を確認しているところでございます。

 少し具体的に申し上げますと、まず、無線局免許手続規則で、サプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティー対策が行われているか、その有無を申請書に記載していただいております。

 そういったものの審査に当たって、電波法関係審査基準というものがございますけれども、こちらで、その構成図、製造者等の電気施設設備の概要資料、及びサプライチェーンリスク対応を含む十分なサイバーセキュリティー対策をどうとっているかということについてチェックをさせていただいているということでございます。

 また、免許の後のフォローでございますけれども、通常、無線局の免許を出した場合、二年に一遍その利用状況を調査するということになっておりますけれども、ローカル5Gにつきましては、半年ごとにフォローアップを行うということとしているところでございます。

 こういったローカル5Gに関するチェックの取組でございますけれども、基本的には全国キャリアの5Gと同様に、条件としても、サプライチェーンリスク対策を含む十分なサイバーセキュリティー対策を講じることと同様な要件を、条件を付しておりますので、同じようなチェックを行っていくというものでございます。

 このようないろいろ取組を通じまして、引き続き、ローカル5Gを含めて十分なサイバーセキュリティー対策が講じられるように努めてまいりたいと考えています。

小林(鷹)委員 今の御答弁がちょっと、何か曖昧というか、余りよくわからなかったんですけれども、ちょっと言葉をかえてもう一回伺いたいと思います。

 今回の法案で、税制上の優遇措置を利用しないローカル5Gの事業者と全国5Gの大手キャリア事業者の比較において、セキュリティーの審査というものは、今、同様な要件というふうにおっしゃいましたけれども、内容と運用において、両方において同じぐらい厳しいと理解してよいのか、確認させていただきたいと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の税制を使うか使わないかでその審査は変わるのかという御質問と理解させていただきましたけれども、今回、電波法の無線局の免許の審査に当たっては、その税法を適用して税制優遇を受けるかといったようなものの、適用、適用しないというものにかかわらず、同じ審査で行うことといたしております。

小林(鷹)委員 伺いたいのはそのことではなくて、電波法上の審査ではなくて、セキュリティーに関する全体の審査の中で、全国5Gの大手キャリアに対するセキュリティーの審査と、今回この税制上の優遇措置を使わない、利用しないローカル5Gの事業者との間で、セキュリティーの審査の内容と運用において同じぐらい厳しいのか、イエスなのかノーなのかということでお答えいただきたいと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的な考え方は同じですが、全国5Gの場合は、当然大きなネットワークでございます。ネットワークも複雑でございます。それに対するセキュリティー対策のチェック、体制のチェックというのはそれなりにしっかりやっております。

 一方で、こういった税制も適用しないような小さなローカル5G、小さなネットワークだと思います、その場合は、ネットワーク、機器もシンプルでございます。その場合においては、先ほど御答弁させていただきました、具体的な、どういった機械を使って、どういった体制でやっているのかということを、その規模で、小さい規模でしっかりと、これだけちゃんとしていればしっかりできますねという形でチェックはさせていただいております。

 基本的な考え方は一緒ですけれども、チェックする内容については、当然全国キャリアの方はさまざまな観点からチェックさせていただいております。

小林(鷹)委員 今の答弁はよくわかりました。

 ということは、結局、全国5Gの大手キャリアに対するセキュリティーの審査と小さなローカル5Gの審査というのは、やはり厳しさが違うということなんですよね。

 今後、ローカル5Gというのはどんどん、多分事業者が出てくると思いますので、総務省とか政府だけでチェックと、目が本当に行き届くのかということになるとなかなか難しいところがあると思いますし、先ほど申し上げたとおり、いつかそうした小さなローカル5Gが全国ネットワークにつながる場面が出てくると思いますので、次の質問は、例えば、そうした全国5Gと接続するローカル5Gについては、その接続のタイミングで全国5G基準のセキュリティー要件をその接続するローカル5Gにも課すべきではないか、電波法の改正も含めて制度の見直しを検討すべきだと思いますが、政府の考えを教えてください。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 接続でございますけれども、事業者、ローカル5Gが全国キャリアのネットワークに接続する場合でございますけれども、その接続に当たっては、全国事業者の方で、仮にローカル5Gのネットワークが総務省令に定める技術基準に適合しないという場合は、接続を拒否することが可能でございます。

小林(鷹)委員 いずれにしても、ローカル5Gを進めること自体、私、すごくいいことだと思うんですけれども、そこに本当に小さな穴があいたら元も子もなくなってしまいますので、いま一度政府の間でこの点について整理をしていただくことを要望させていただきます。

 次に、ちょっと、もう時間が来ていますので、きょうは松本副大臣にせっかくいらしていただいていますので、質疑の順番を変えさせていただいて、6Gについて伺う予定だったんですが、その先に、私は副大臣に我が国の半導体産業について伺いたいと思うんです。

 私は、半導体の技術こそが、6Gへの挑戦はもとより、量子あるいは人工知能、いわゆるエマージングテクノロジーの技術を向上させていくために不可欠だというふうに思っているんですが、一方で、世界における日本の半導体のシェアというのは、一九八八年には五〇%以上日本があったのに、二〇一七年の時点ではもう一〇%を切っているという状況になっています。

 そうした中で、日本の半導体産業を再生するためには一体何が必要なのか、いろいろ考えるんです。例えば、クアルコムみたいに、ファブレス型の企業を、収益率が高いですから、そういう企業の路線でいくのか。あるいは、買収されてしまった半導体企業を買い戻すのか。あるいは、アメリカを始めとする価値観を共有できる国の企業と連携をしていくのか。あるいは、海外企業の工場を日本国内に誘致をして日本の技術力を上げていくのか。また、そのときに、まだ今残って頑張っていらっしゃる熟練の日本人の技術者の方の力をおかりするのか。いろいろな方法があると思うんですけれども、政府としての見解をお伺いしたいと思います。

松本副大臣 かつて、今委員から御指摘がございましたように、世界市場で頂点に立ったこともある日本の半導体産業でありますけれども、産業構造の大きな変化についていくことができず、分業が進まずに過度な自前主義に陥ってしまったことなどから、かつての強さを失ったものと考えております。

 一方で、世界の情報化が急速に進展をする中で、あらゆるデジタル機器においてデータの管理、処理等を行う半導体は、新たな付加価値を生む原動力であり、その重要性はますます高まっていると認識をしております。

 こうした中で、競争力を確保していくためには、過去の反省を生かし、個々の企業が市場のニーズを的確に捉え、みずからの強みを生かせるように事業を構築していくことが鍵となると考えております。近年、用途に応じましてさまざまな種類が半導体にはあるわけでありますけれども、自社が強みを持つ製品に特化をすることによって、世界的に競争力を有する日本の半導体企業も出てきているところであります。

 AIまた情報通信技術が急速に進展しつつあるなど社会が大きく変化をしていくことをチャンスと捉えまして、我が国半導体産業の競争力強化に向けて、研究開発支援を行うなど、政府としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

小林(鷹)委員 まさに半導体技術は安全保障に直結する問題ですので、この四月の一日にNSSの経済班が立ち上がりましたけれども、まさに経済産業省がしっかりと連携する形で、日本の半導体産業の再生に向けて汗をかいていただくことを期待をいたします。

 最後に、少し時間がありますので、最後の質問に入ります。

 ビヨンド5G、6Gについての質問なんですけれども、これまで総務省に対して、日本企業が5Gの分野で挽回する可能性があるのかということを何度もお聞かせいただいたんですが、そのときの答えというのは、やはり5Gの世界ではもう大分難しい、だから6Gを頑張るんだということなんですけれども、私の中では、5Gで勝てないのに6Gで本当に勝てるのか、いまいちイメージが湧かないんですね。

 その中で、まずは、5Gで日本が勝てていない原因の分析というのはされているのかということと、あわせて、私はこの火曜日に質問通告したんですけれども、その翌日の水曜日に、総務省がビヨンド5G推進戦略の骨子というものを公表していて、その戦略の要点というのを簡潔に教えていただければと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 5Gの次、ビヨンド5Gと呼んでいますけれども、いわゆる6Gに向けた戦略というものを検討しているところでございます。

 現状分析の方でございますけれども、御指摘のとおり、特許ですとか標準ですとか基地局のシェアというものについて、海外企業に大きく後塵を拝しているというのは事実でございます。これについては、市場がグローバル化していった中で、日本企業がこうしたグローバル市場に向けた投資ですとかビジネス展開が十分できなかったということでございます。

 これの要因としては、今開催している懇談会でも指摘されておりますけれども、特許あるいは国際標準化を取得するには、やはり資金と人材、これをそれなりにしっかりと投資していかなければいけないというようなことが御指摘されているところでございます。

 こういったものを踏まえまして、このビヨンド5Gの推進戦略懇談会というのが、戦略の一部でございますけれども、こちらについては、まず研究開発においては、やはり先端的な要素技術、やはりゲームチェンジをするには今まで使っていない新しい技術を入れなきゃいけない、こういった要素技術に集中的に期限を限って投資する、それなりの規模でということが一つ。

 あるいは、さらに、その上で戦略的にオープン化、デファクト化を進めて、海外のパートナーと最初から組んでグローバルのマーケットを念頭に置いて取り組むというのが二点。

 さらに、その次の世代に行くには、まず5Gを使い倒さなきゃいけない。そういった、5Gを使い倒すために、5Gを面的に展開して利活用を進めるということの展開をしなきゃいけない。こういったものの三本柱でこの戦略を取りまとめているところでございます。

小林(鷹)委員 質問を終わりますけれども、この6Gの実用化については、中国は二〇三〇年を目標にしていて、日本も同じ年を目標にしていると聞きました。

 6Gが5Gと全く違うのであればみんなゼロからのスタートでいいんですけれども、5Gの延長線上に6Gがあるとすると既に大きく出おくれているので、国としてはもう相当覚悟を決めて取り組まないとなかなか勝つことは難しい、そのために政府には知恵を振り絞っていただきたいと思いますし、立法府の一員として後押しさせていただきたいと思います。

 終わります。

富田委員長 次に、鰐淵洋子君。

鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。

 まず、冒頭、新型コロナウイルス感染症対策につきまして大臣に質問させていただきたいと思います。

 緊急事態宣言が発出をされました。これは言うまでもなく、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑え、国民の皆様の命と健康を守るためであります。これまで、総理やそれぞれの知事からも、緊急事態宣言が発出された場合、私たちの生活がどのようになるのか、そういった御説明はありましたけれども、いよいよ現実となりまして、指定された地域の皆様は、どのような生活になるんだろうかと、まだ不安を抱えていらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。

 東京におきましては、本日午後、休業の要請協力が、対象が出ると聞いておりますし、また、愛知県は県独自の緊急事態宣言を出したということで伺っております。

 地域によってさまざまな対応はございますけれども、いずれにしましても、これからの一カ月間、国民の皆様の安心の生活を維持していく上で、特に経済産業省におかれましては、食品や日用品等の流通、販売、また、電気、ガス等の安定したインフラサービスの提供等、こういったことにしっかりと取り組んでいかなければいけないと思っております。この課題につきましてはどういうふうに取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。

 あわせまして、先日政府が発表いたしました緊急経済対策につきましてもお伺いしたいと思います。

 これも午前中少し議論がございました。多くの事業者、国民の皆様が、感染症拡大の終息が全く見えない中で、経営の危機をどのように耐え忍ぶのか、乗り越えるのか、本当に厳しく苦しい状況が続いております。

 雇用の維持と事業の継続に取り組むに当たりまして、手元に資金があるかどうか、これが極めて重要であるかと思いますけれども、今回の緊急経済対策で、中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主の皆様の支援、どのように取り組んでいくのか、力強い御答弁をあわせてお願いしたいと思います。

梶山国務大臣 委員御指摘のように、緊急事態宣言が発出されたわけであります。まずは国内の感染拡大の防止が最優先、国民の皆様や企業の皆様には不便をおかけしますが、不要不急の外出の自粛、テレワークの徹底等の最大限の協力をお願いをしたいと思っております。

 経済産業省としましては、国民生活を支える物資やエネルギーの安定供給の確保に全力で取り組んでまいります。このため、七日の総理からの宣言の直後、生活必需品の製造、流通、小売など、サプライチェーンにかかわる企業に対して、在庫の拡充や輸送手段の確保、そして、ライフラインと言われる電力、ガスなどのエネルギー関連企業に対して、一部に罹患者が出たとしても業務を継続できる体制の整備などを要請をいたしました。これは、事前に打合せをした上で、そういう体制にすぐ切りかえていただくということであります。

 とりわけ、生活に密着しているスーパーなどで品切れが多発すると、国民の不安があおられる傾向にあります。これらの状況については注意深く把握するとともに、必要があれば、事業者と連携して、物流の増強や広報対策などの対応を迅速にとってまいりたいと思っております。

 食料品に関しましては農水省が一義的に担当しておりますけれども、製造の現場、そして物流の現場、そして最終の消費者に渡る現場ということですと私どもの所管でもありますので、しっかりと専属班をつくって、今、これも休日返上で、経済産業省の中でこのことに対して専任で対応しているところであります。

 また、外出などの自粛要請の期間中、売上げがなくなるなど、多くの中小企業が苦境に陥ることは強く認識をしております。やはり、需要が蒸発をしてしまうということで、いずれ戻ってくるんじゃなくて、その月の売上げがなくなるということは資金繰りもそれだけ厳しくなるということであります。

 事業の継続と雇用の維持は、日本経済にとって、現状を乗り切り、再び確かな成長軌道へと回復させていくための最重要課題であります。できることは全部やるという覚悟で取り組んでまいりたいと思いますし、企業が存続するということは、必ずやはりそこに雇用が維持できるということにつながりますから、しっかり資金繰り対策をしてまいりたいと思っております。

 七日に決定しました緊急経済対策におきましては、資金繰り対策を徹底するために、政府系金融機関で実施している実質無利子無担保かつ最大五年間元本据置きの融資を民間金融機関にも拡大をいたします。これは初めてのことであります。

 そして、極めて厳しい状況にある中小企業等に二百万円、個人事業者に百万円を上限に現金給付を行う制度を創設いたしました。これは、配ってやっと始めて役に立つわけですから、スピーディーに、しっかりと手続をした上で給付できるようにということで、今、その方法についても具体的な検討を重ねているところであります。

 今後も、事態の推移を注視するとともに、必要な対策についてはちゅうちょなくスピード感を持って徹底的に講じていくということで、企業を守ることが日本の雇用につながる、また経済にもつながるという思いで、全力で対応してまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 最初の方の、国民の皆様の安心の生活の維持ということで、取組をお伺いいたしました。

 こういった中でも本当にそういった現場で頑張ってくださっている方がいるということを、私たちもしっかり感謝の思いでやっていかなければいけないということも実感いたしましたし、また、大臣におっしゃっていただきましたが、さまざまな流れの中で随時対応していただくということも大変に重要かと思いますので、引き続きの対応をお願いしたいと思っております。

 また、緊急経済対策につきましては、制度設計も、しっかりと詳細を詰めていくところと早急にやっていただくところとさまざまございますけれども、いずれにしてもスピーディーにということで、さまざまな手段を使っていただいて、周知広報もしていただきたいと思っております。

 その中で、答弁は結構なんですけれども、中小企業庁のツイッターで、きのうこのようなツイートがございました。持続化給付金の申請にGビズIDの取得が必要との情報が流れていますがGビズID取得は給付条件ではありません、GビズIDに必要な書類取得のための外出は不要です、そのほか詳細は決定次第公表いたします、こういったツイートがございました。

 改めて、この場をおかりして紹介もさせていただきたいと思うんですが、今回の給付金についてはGビズIDの取得は必要ない、給付の条件ではないということで、あえてこの場もおかりして申し述べたいと思います。

 どうしてこういうことが起こったのかといいますと、やはり、少しでも早く自分が対象なのか、また少しでも早く給付をいただきたいという思いで多分準備をされている方もいらっしゃるのではないかと思いました。

 そういったことから、詳細な制度設計、我が党からも、対象はどうなるのか、そういったことを含めて具体的に提案もさせていただいておりますが、一日も早く決定をしていただいて、もちろん成立した後の対応にはなりますけれども、しっかりと詳細を詰めていただいて、また今回、今までと違う業種というかそういった方も対象になることもありますので、しっかりとそういった周知も含めて対応をお願いをしたいということで、答弁は結構でございますが、要望させていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、法案について質問に入らせていただきたいと思いますが、きょうは、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。

 いよいよ本年、5G元年ということで、春から5Gサービスが日本でいよいよスタートしております。IoTやロボット、AI等の先端技術を取り入れ、少子高齢化や地方の過疎化などの課題の解決を目指すソサエティー五・〇を目指すために、これから本格化する5G情報通信インフラの早期かつ集中的な整備が不可欠でございます。

 昨年、シーテックを視察をさせていただきましたが、自動運転や遠隔医療等、5Gの実施を見せていただきましたが、それが実現するタイミングになってきた、私たちの生活がより便利に、もっと快適に、そして豊かになっていくという感慨深いものがございます。

 諸外国に負けないように、また、我が国らしく取り組むべき、政府が総力を挙げて支援を行って、5Gインフラ整備を後押しすべきと考えております。

 現在、新型コロナウイルス感染症拡大によりまして、私たちの暮らし方、働き方等を見直ししていくことが求められておりますし、また、景気減速に対応するため思い切った経済対策を進めていく、このような大きな課題が山積をしている中ではございますが、ソサエティー五・〇の実現に向けて、今回の法案によりどのように政策誘導を行っていくのか、お伺いしたいと思います。

中野大臣政務官 鰐淵委員の質問にお答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、5Gは、携帯電話だけではなく、スマート工場や建機の遠隔操作、また自動走行、あるいは遠隔医療などさまざまな用途での活用が期待をされる、まさにソサエティー五・〇の基幹となるインフラでございます。

 また、その活用により、人手不足や高齢化など、今地域が直面をしている社会課題の解決に大きく寄与をするということが考えられておりまして、まさに地方創生の切り札でもございます。

 このように、5Gがもたらす変革は、経済のみにとどまらず、地域の活性化、あるいは、安全保障を始め社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、国家戦略としてしっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。

 具体的には、5Gシステム導入を後押しをいたします本法案に加えまして、法案の認定に基づいて大胆に税制の支援を行っていくこと、そして、情報通信システムの研究開発を支援する予算などによりましてインフラ整備と研究開発への民間投資を強力に促し、全国津々浦々で5Gが活用できる環境の整備、また高度化というものを早期に進めてまいります。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 国家戦略ということで、しっかり政府を挙げて取り組んでいただくということでよろしくお願い申し上げたいと思います。

 また、今回の法案につきましては、JEITAなど関係者の皆様からも、この景気減速に対応するためにもぜひとも早期成立をしていただきたい、そういった期待の声もいただいております。しっかりとこの委員会で審議させていただき、成立した暁には、総務省また経産省を含めて、しっかりと力を合わせてその期待に応えていただけるように取り組んでいただきたいということでお願い申し上げたいと思います。

 今答弁の中にもありましたけれども、この法案、5Gですけれども、一つの切り札として地方創生があるということで、答弁もいただきました。遠隔医療とか、また農業の効率化、人手不足や高齢化といった、地方が特に今抱えております課題につきまして解決につながるものと大変に期待が大きいものでございます。特に、やはりこれは、都市部だけではなくて、地方においてこそこの5Gインフラを加速すべきと考えております。

 まず、この5Gインフラの地方整備、加速するためにどのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 5Gは地域の発展に不可欠な基幹インフラであるということ、私どもそのように認識しています。そのため、全国への速やかな展開が非常に重要だと認識しております。

 このため、昨年四月に、5Gに係る周波数の割当て、電波の割当ての際に、各携帯電話事業者に対しまして、二年以内に全都道府県でのサービスを開始することを義務づけるとともに、都市、地方を問わず、早期かつ広範に全国展開するよう条件を付しているところでございます。

 また、総務省では、昨年六月に、5G基地局ですとか光ファイバーなどのインフラ整備を促進するという観点で、ICTインフラ地域展開マスタープランというものを策定して公表しております。この具体化に向けて、昨年度の補正予算と今年度の当初予算で、携帯電話事業者などが条件不利地域で5G基地局ですとかこれらを支える光ファイバーなどを整備する場合の経費の一部を補助する予算、あるいは、5Gの利活用の促進に一体的に取り組むための経費というものを盛り込んでいるところでございます。

 私ども総務省といたしまして、こうした取組などを通じまして、条件不利地域を含めて、5GのICTインフラの全国的な整備を早急に進めてまいりたいと考えています。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 地方創生という観点からもう一つお伺いしたいと思いますが、地域の企業や自治体等のさまざまな主体がスポット的に柔軟に構築できる5Gシステム、ローカル5Gの拡大も大変に重要だと思っております。

 この拡大につきましては、これを推進するためには活用事例を積み上げていくことが重要と考えておりますが、今後、実証事業なども含めまして、政策的にどのような支援を行っていくのか、経済産業省と総務省にそれぞれお伺いしたいと思います。

西山政府参考人 お答えを申し上げます。

 今の御質問の中にございましたとおり、いわゆるローカル5Gを活用、展開していくためには、まずユースケースを確立するというのが極めて重要でございます。ということで、この法案の中でも、この法案の目的の中に、まさにこうした5Gインフラがさまざまな事業の創出や革新につながるのだということをうたっているところでもございます。

 今おっしゃられたような活用事例の積み上げ、創出ということでございますけれども、まずは、さまざまなユースケースを生み出していくために、さまざまな事業体、企業も自治体も含みますけれども、実証に取り組んでいただくことが大事でございますけれども、例えばということで、産業分野について申し上げれば、一部、委員がシーテックでごらんになったものと重なるものもあろうかと思いますけれども、例えば、いわゆるスマート工場において、製造機器を無線で制御することによってラインの組みかえを柔軟にできるようにするとか、あるいは、鉄鋼や化学のいわゆるプラントを持っているようなメーカーにおいては、その保安の確保も含めて、カメラやセンサーを使ったリアルタイム監視にこうしたものを使うとか、さらには、建設現場において、建設機械を遠隔で制御するといったような活用事例の創出が期待をされております。また、その多くは、まさにさまざまな地域、地方で具体的に展開、活用されることも期待されるわけでございます。

 そうしたことから、今回の法案におきましては、例えば税制措置として、こうしたローカル5Gを活用した具体的なユースケースが創出される場合には、さまざまな設備に対する投資について、税額控除や特別償却の税制であったり、さらには金融面での支援を行うこととしているところでございます。

 以上でございます。

赤澤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど経産省さんの方からもお答えいただきましたように、ローカル5Gはさまざまな分野の課題解決に大きく寄与するということでございます。

 総務省では、令和二年度から、ローカル5G等を活用してさまざまな地域課題を解決する有効なユースケース、こういうものを創出するための開発実証事業を実際に行う、そういう経費を計上しているところでございます。この事業を通じまして、ローカル5Gの活用事例を積み上げていって、本事業の成果を普及して、ローカル5G等の活用をしっかりと推進してまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 今大変な状況ではありますけれども、今後の地方創生という観点も含めて、この5G、しっかり進むように、総務省、経産省、こちらの方もぜひ、引き続き、力強い地方への支援もお願い申し上げたいと思います。

 新型コロナウイルス感染症の拡大に関連して、ICTの活用ということでちょっと質問させていただきたいと思いますけれども、今回の感染症の拡大をきっかけに、企業のテレワークの取組のおくれ、また教育現場におきますICT活用の取組のおくれ、こういったことが浮き彫りになっております。

 特に、学校の一斉休校によりまして子供の学びが大きな課題になっておりますけれども、先生からさまざま課題が出たとしても、それだけではやはり子供たちの学びの質、量ともに差が出てきてしまうかと思います。

 ICTを活用しまして、場所を選ばずに、どこにいても教育を受けることができる環境整備に早急に取り組む必要があると思っております。また、ICTの活用は、子供たち一人一人の能力や適性に応じた学びを実現できるということも期待できるかと思いますので、遠隔ということもそうなんですが、一人一人の子供たちの能力、適性に応じた教育の実現、こういった観点でもぜひとも早急な実現が必要ではないかと思っております。

 ぜひとも、政府としまして、前倒しをして、最優先課題として取り組んでいただきたいと思いますが、文部科学省と経産省にそれぞれの御見解とお取組をお伺いしたいと思います。

 その際に、文科省の方にはちょっと要望させていただきたいと思うんですが、自宅にアクセス可能なパソコンやタブレット等があるかは考慮していただきまして、必要な人に対して優先的に行き渡るように配慮していただきたいということと、また、WiFi環境が整っていない家庭に対する支援等も必要だと思っております。この点も含めて文科省の方にお伺いをしたいと思います。

江崎政府参考人 まず、経済産業省の方からお答えをさせていただきます。

 議員御指摘のとおり、今般の新型コロナウイルス感染症のような事態によりまして学校の一斉休校が行われる場合であっても児童生徒の学びをとめないためには、ICTの活用は有意義であると思っております。

 民間の教育産業を担当します経済産業省におきましては、今回の学校休業の要請があった翌日、二月二十八日には、「学びを止めない未来の教室」特設サイトを開設をいたしました。ここでは、約六十のエドテック事業者がおおむね一カ月から二カ月の間無料で提供するエドテック体験サービスを紹介しております。このサイトでございますけれども、開設から五週間で、約六十五万人の方から延べ二百十万回のアクセスがございました。

 このように、休校期間中に多くの児童生徒がエドテックを活用した学びを体験していると考えられますことから、今般閣議決定していただきました令和二年度補正予算案に、学校のICT化を加速するための事業予算として三十億円を計上したところでございます。

 具体的には、授業の中でエドテックを活用する導入実証を全国展開するとともに、学校と教育産業や大学等の協力によりまして、教育科目を横断するSTEAM、いわゆる文系、理系を問わず、そうした一つの課題にあらゆる科目を総合的に取り込むといった、そういう教育に対する新しいオンライン学習コンテンツの開発等を後押ししようとしているところでございます。

 現在、文部科学省が、GIGAスクール構想に基づきまして、生徒一人一台端末や高速通信網等のハード整備を進めておられるところでございますけれども、これと歩調を合わせまして、経済産業省としましては、エドテックを活用した学習コンテンツとソフトの充実を進めてまいりたいと考えております。

矢野政府参考人 お答え申し上げます。

 学校の臨時休業期間に際して、児童生徒が学習を進める際にICTを活用することは非常に有意義でございまして、既にICT環境整備が進んでいる自治体においては積極的に御活用いただければと考えておりますが、文部科学省におきましては、我が国のおくれた学校ICT環境を抜本的に改善すべく、令和元年度補正予算におきまして、GIGAスクール構想の実現といたしまして、学校における高速大容量の通信ネットワークと児童生徒一人一台端末の一体的な整備を開始したところでございます。

 加えて、このたびの緊急経済対策におきまして、GIGAスクール構想の加速による学びの保障といたしまして、今までは令和五年度までとしてきたわけですが、その児童生徒一人一台端末の整備スケジュールの加速、また、在宅オンライン学習に必要な通信環境の整備といたしましてルーターの配付等を行うことといたしておりますが、先ほど鰐淵委員から御指摘のありましたとおり、WiFi環境にある方が大体八〇%強ぐらいでございまして、しかも、通信料の問題はまだ残るということでございまして、この問題については現在検討中とさせていただきたいと考えております。

 そのほか、学校現場へのICT技術者の配置の支援などの施策を盛り込んでございまして、それらの施策に取り組むために必要な経費として、令和二年度補正予算案に総額二千二百九十二億円を計上しているところでございます。

 学校ICT環境につきましては、これまで、令和の時代のスタンダードとしてその実現を進めてまいりましたが、このたびの補正予算案により、ICTを活用することで、家庭学習を含め、全ての子供の学びを保障できる環境を経済産業省等とも連携し、早急に実現してまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 今、答弁の中で通信費のことも触れていただきました。この件についてはさまざま課題もあるということで承知しておりますので、この件も含めて、子供たち一人一人が学んでいける環境を整備するということで、引き続き、議論というか検討もさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 また、このことに関連して総務省と経産省にお伺いしたいと思いますけれども、国内通信大手によりますと、三月下旬の通信量、日中でございますが、二月比で最大四割ふえたということでございました。新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして外出自粛が続いておりますけれども、それによってテレワークが広がり、企業の利用と動画配信サービスがふえているということが考えられます。

 今後も、自宅で過ごす消費者も更にふえますし、それに加えまして、今も質問させていただきましたが、遠隔授業の本格利用などが始まる、また、5Gが推進されることによりまして、更にデータ通信量の増大が見込まれるのではないかと思っております。これによって通信ネットワークの停滞が懸念されるかと思いますが、こちらの対応は大丈夫なのか、それぞれのお取組をお伺いをしたいと思います。

竹村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先ほど新型コロナウイルス感染症の影響拡大に対応しました教育分野の取組として経済産業省と文部科学省から御説明がございましたけれども、総務省でも、四月三日に、事業者四団体経由で、関係事業者に対しまして、通学できない学生に対して、遠隔教育による学習機会の確保の観点から、携帯電話の通信容量制限などについて柔軟な措置を講じるよう要請を行ったところでございます。要請を受けまして、昨日時点において、計十八の事業者が携帯電話のデータ容量追加分を無償化するなどの措置を講じているところでございます。

 次に、御質問のあったデータ通信の増大への対応といたしましては、大容量通信を支える光ファイバーの整備とさらなる高度化が重要だと考えております。

 昨年六月に策定いたしましたICTインフラ地域展開マスタープランにおいては、電気通信事業者に対する補助事業の活用などにより、光ファイバーの未整備世帯数を現在の六十六万世帯から二〇二三年度末までに十八万世帯まで減少すべく取り組むこととしております。

 また、光ファイバーネットワークの大容量化に関しましては、アクセス網において現在の十倍以上の大容量伝送を可能とする新しい変調方式ですとか、光ファイバー一本当たりの伝送容量を飛躍的に増大させる多重化技術などの開発を進めているところでございます。

 こうした取組を通じて、急速に増大する通信需要にも対応できるネットワークの構築を促進してまいりたいと考えております。

西山政府参考人 経済産業省からもお答え申し上げます。

 データ通信の急増に対する対応については、今総務省から全般的なお答えがあったとおりでございますけれども、この問題にはさまざまな要因、さまざまな対応があろうかと思いますが、私どもで今考えておりますものを御説明をさせていただきますと、今、データ通信量が増大し、逼迫する可能性がある一つの要因としては、各種アプリケーションが主として東京や大阪にあるデータセンターを利用した、いわゆる大規模なクラウド型、クラウドの上に構築をされているために、いわば、簡潔に申し上げれば二極集中というんでしょうか、そこに通信が集中し、容量が逼迫するということが一つの原因ではないかというふうに考えております。

 このため、経済産業省では、今般の令和二年度の補正予算案におきまして、地域に分散したクラウドを一体的に運用し、地域内の通信についてはその地域の中で処理することができるように、通信やデータ処理が中央に集中することを回避するような技術開発、これは仮想化技術でございますので、いわばきょう御審議をいただいております5Gの技術とも重なるところがあるわけでございますけれども、そうした技術開発を支援することを予定しております。

 以上でございます。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 それぞれしっかりと取り組んでいただいているということで、これからもこういった課題は引き続きあるかと思いますので、引き続きの対応をお願い申し上げたいと思います。

 ちょっと時間もなくなってまいりました。最後、ドローンのことだけ質問をさせていただいて終わりたいと思いますけれども、先日、新聞報道を見まして、中国でドローンを使って医薬品を輸送するサービスが始まった、こういった報道を見ました。

 こういったことが実現されれば、例えば山間部、地方、特に高齢者にとって利便性が向上すると思っております。そのほか、特に人手不足が深刻化するインフラの点検とか、そういったこともドローンを活用することによって、より効果的な保守、メンテが可能になるかと思いますが、このように、ドローンの活用はさまざま期待されるところがあるかと思いますが、特に高齢化が進む中で、地方が抱える課題についてしっかりと対応できる、社会問題解決に貢献できるものと期待をしておりますので、今後、このドローンの普及を促進するためにどのように取組を進めていくのか、質問をさせていただきたいと思います。

春日原政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンにつきましては、測量、監視、それから災害現場における状況調査、老朽化したインフラの点検、それから、委員御指摘のとおり、過疎地における物資輸送など、今後の産業用途のニーズが拡大していくというふうに見込まれております。

 このようなドローンの普及を促進していくために、利用環境の整備というものが非常に重要だと思っております。政府といたしましては、二〇二二年度までに、レベル4、すなわちドローンが第三者の上空を、操縦者の見えない、目視外で自律的に飛行可能な社会を実現することを目標として掲げておりまして、そのために取り組むべき課題をロードマップとしてまとめてございます。経済産業省といたしましては、産業振興の立場から、政府内の制度設計の議論に貢献をさせていただいております。

 また、予算も含め研究開発事業にも取り組んでおります。令和二年度の予算では、ドローンの運航管理システムや衝突回避技術の開発を行ってまいります。また、令和元年度の補正予算でも、安全で信頼性の高い機体開発などに取り組んでまいります。これらの取組に加えまして、本法案によりましてドローンの利活用の拡大に向けて取り組んでまいりたいと思っています。

 以上でございます。

鰐淵委員 以上で終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次に、田嶋要君。

田嶋委員 午前に続きまして質問いたしますけれども。

 ここから見ていますと、大臣席から筆頭席、そして発言者までの人口密度が大分高い印象でございますので、こっちはこういう感じでございますが、お互い気をつけていきたいと思いますので、御無理なさらぬように。

 それで、きょう午後は閣法で、コロナも閣法もやらなきゃいけないんですが、ちょっと午前中からの続きで電取委のあり方について、佐藤さんもきょういらっしゃっていますね、お尋ねします。

 資料の四をごらんください。

 これは大分昔の資料でございますけれども、自由化の中で、この電取委についてということで、こういう資料を配って経産委が当時議論していたわけでございますけれども。当時ガスという言葉もない時代ですね、「電力市場監視委員会(仮称)」と。そこに下線を引いて、「従来にない権限を有する最も強い八条委員会」と。まあ何だかよくわかりませんけれども、そういう書き方がしてある。すぐ下にも、「「規制の虜」とならないようにする」という言葉もありますね。

 この「規制の虜」というのは、あの黒川、国会事故調査委員会が、あの三・一一の原発事故がなぜ起こったのかということで、規制のとりこ、むしろ規制される側の方が力を持ってしまっていた、まあ電力業界ですね、そして、経産省の下に保安院がぶら下がっていた、そういう逆転現象、これを規制のとりこのような言い方をされておったわけでありますけれども。その反省から、環境省のもとにぶら下がるような形に変わった、それが今の原子力規制委員会であるというふうに承知をいたしておりますが、こういうような配付資料があるわけでございます。

 私は、やはり何が正解かはわかりません、大臣。だけれども、これを今回いいチャンスとして、朝も申しましたけれども、いろいろなことを見直すきっかけにしたい。特に、過去の議事録、五年前の議事録もちょっと見つけて発言させていただきますが、これは、多田政府参考人が、二〇一五年六月四日、参議院で佐々木さやか委員の質問に対する答弁ですが、このような新しい監視等委員会でございますので電力を始め一連のシステム改革の成功の鍵を握る組織ですと。システム改革の鍵を握る組織というふうに強調されているわけであります。

 私は、今回のこの経産省の不祥事をきっかけとして、まさにこの鍵を握る組織も含めて、我々が取り組んできた電力自由化がどの程度期待に応えているか、うまくできてきているか、まあこの四月からいよいよスタートしたわけでございますね、そうしたことも含めて、そろそろレビューの時期に入ってきているのかなと。ドイツなども、六年目からレビューを始めたというようなことも読んだことがありますけれども。

 そうした意味では、この、今、八条委員会ということでありますが、こうした資料四のような記述を考えると、三条委員会のようなことももう一度虚心坦懐に、これまでを振り返って考えるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

梶山国務大臣 電力の自由化については、やはり、スピード感を持って進んでいるものもあるし、思ったように進まないものもある、そういう意識を持っておりますけれども、それは、その監視するところがしっかりと対応できるように全ての選択肢を排除せずに考えていかなければならないと思っております。

田嶋委員 ありがとうございます。

 ぜひ、私は、そろそろいいころだと思います。今まで、一つ仕組みをつくって、ここまでやってこられました、四月にスタートして。しかし、今回のようなこういう問題、問題の原因が全部この電取委にあるとは申しませんけれども、これを機に、今のたてつけがベストかどうか、何か課題がないかということをいろいろな角度から検証するきっかけにしたいと思います。

 資料を一つ戻っていただいて、資料の三をごらんください。

 三条委員会の可能性も検討しますが、では、八条委員会として、少し並べて比較をしてみました。当時も証券取引等監視委員会を参考にしたと書いてあります。それから、FITの料金価格の算定をする調達価格等算定委員会というのも非常に経産省の中に身近でございます。

 並べてみますと、いろいろ、違いが少しずつあるわけでございますが、私は特に、委員の任命権者ということで、国会同意人事かどうか、特に委員長ですね。国会同意人事でない委員長はこの三つの中では電取委の八田さんということでありまして、これも、過去の議事録を見てみますと、何で同意人事にしないんだということは書かれておるわけでございますけれども、これは山際大志郎副大臣が当時答弁されていますが、はっきりしません、理由は。はっきりしません、読んでも読んでも。要は決めの問題なんじゃないかなと。あ、いらしたんですか。ああ、どうもどうも。

 はっきりしないんですよ。だから、先ほど言った、一番強い八条委員会にするなんて書いているわけでありますし、これはやはり私は国会同意人事にする価値はあるのではないかなと。当時、同僚の落合さんも五年前にその指摘をされておりますし、東委員という方も御指摘されております。しかし、今、走ってみてこういう状況になっているということでありますから、改めて、経産省の中にあるという現状もわかりますけれども、同意人事にする価値が、検討してみる価値があると思いませんか。

梶山国務大臣 なぜ今同意人事になっていないかという話もありましたけれども、委員会は、経済産業大臣が決定するエネルギー政策の枠組みの中で市場の監視を担うことから、エネルギー政策を所管する経産大臣が責任を持って任命することが適切と考えているというのが一つ。二つ目が、委員全員が非常勤の場合、委員は国会同意人事としないことが一般的であるというのが、これは現状ということでありますけれども、先ほど申しましたように、検証はやはりしていく必要があると思っております。

田嶋委員 今の二点は調達価格等算定委員会には当てはまらないという意味ですか。

 今理由として挙げられました二点ですね。一点目、エネルギー、経産大臣のもとでというその点と、二点目、全員が非常勤の場合にはというのは当たらないということですか、この調達価格算定等委員会の場合は。

梶山国務大臣 この電取委の場合にそういう議論をしてきたということであります。

田嶋委員 だから、なぜ国会同意人事にできないかという理由を今二つおっしゃいましたけれども、じゃ、国会同意人事になっているこの調達算定委員会は、同じように非常勤だし、同じように経産省のエネルギー政策についてやっている委員会でしょうということを私は申し上げたいんですよ。いかがですか。佐藤さん、わかりますか。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 確かに、全員非常勤の場合に、今御指摘いただきました再生可能エネルギーの調達委員会にはなっております。

 むしろ、当時の議論でありましたのは、先ほど大臣が答弁されなかった、ほかの論点といたしましては、委員に求められる識見を任命要件として具体的に法律上規定をされておりますので、経済産業大臣による任命行為の中立性は制度上確保されているといった理由から、先ほどもお答えさせていただきましたが、二〇一五年の国会の議決を経て、現在の制度とされたものと承知をしております。

田嶋委員 委員長、この国会はエネルギー政策にかかわる電気事業法等も政府から提出をされておるわけでございますので。

 先ほど節目ということを申しました。自由化のこれまでの取組、第一弾、第二弾、第三弾、そしてここまで来ているわけですね。新聞によれば、結局は既存の電力会社が強過ぎて新規参入がもう諦めてやめちゃったという記事も、この間、でかく載っていましたね。だから、本当に自由化はうまくいっているのかなと、すごく疑問があります。そうした意味では、先ほどの、自由化のかなめと言われているこの組織も含めて、もう一度虚心坦懐に考える必要があると私は思っております。

 そういう意味では、国会同意人事、三条委員会の可能性、それから八条委員会でも国会同意人事をちゃんとできるようにする、それも私はありだというふうに思っております。大臣、いかがですか。もう一度。

梶山国務大臣 先ほど申しましたように、全ての可能性を排除せずに検証はしていかなくちゃならないと思っていますし。

 あと、もう一点、電力の自由化に関して言えば、四月一日から法的分離という形になりましたけれども、前にもこの委員会で申し述べましたけれども、所有権分離なんかも私は除外せずに、そういったものは将来の検討課題として残しておくべきだと思っております。

田嶋委員 いや、うれしい答弁、ありがとうございます。

 私が言いたかったのもその点でありまして、自由化も、日本はいろいろな圧力の中で法的分離になっていますが、私は、私の意見ですけれども、そこが諸悪の根源とは言いませんが、やはりいろいろなことが中途半端になっている一つの理由だと思っているんですね。だから、大臣、ありがとうございます。その点は、私も、きょうをスタートにでもいいですけれども、この電取委も含めてですが、自由化はどの程度成功していると評価できるのか。それから、ヨーロッパなどでは多くの国が所有権分離をしているわけですね。そうしたことをもう一度、第二弾として、自由化第二弾として、時間がかかっても考えなきゃいけない。

 それは、私は、背景は、きょうのテーマにも重なりますが、いろいろなことがおくれまくっている、先ほどの与党の御質問と同じですよ、もうそんな、5G、今から6G、もう負けまくっているじゃないか、そういう感覚があるんです。だから、このエネルギーの政策も、自然エネルギー、もうどこを見たっておくれまくっている、そういう状況の中で、やはり考え直さなきゃいけないという気持ちは持っております。

 もう一点だけ、この電取委に関してお尋ねしますが、私は、午前中のあの議論を含めて、やはり、経済産業省の中にあるんですけれども、エネ庁も含めて、この電取委も緊張感がちょっと足りないんじゃないかな、そんな感じがするんですね。

 そして、当時の、どういうたてつけの組織にするかということを考えたときに、経産省の人間がどのぐらいいるのか、あるいは外からの人材がどのぐらい入るのか、こんな議論があるわけでございますが、佐藤部長にお尋ねしますけれども、全体の職員の規模感と、それから経産省のプロパー、それから外から何人ぐらい入っているか、そういうことを数字としておっしゃっていただけますか。

 その中で、管理者はどうかという、その内訳もお願いします。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 電取委の職員でございますが、本省ということで多少増減がございますが、六十五名程度であります。

 そのうち、電取委職員の、いわゆるプロパーの職員は四十名程度、電取委職員のうち外部職員は二十五名程度でありまして、法律、金融、会計などのバックグラウンドを持つ外部職員に来てもらっているということになっております。

 それで、管理者的なものは外部職員では採用しておりませんが、これは蛇足ではございますが、委員長以下委員の方、全ての方は外部の専門家ということになっております。

 以上です。

田嶋委員 本省のプロパーってどういう意味ですか。これは、経産省の職員です、そういう意味ですか。

佐藤政府参考人 経産省の職員ということであります。

田嶋委員 では、これも大臣、二〇一五年の六月四日の参議院の議事録を読ませていただきます。

 これも先ほどの佐々木さやか委員の質問に対する答弁ですが、上田政府参考人ですね、当時どういう肩書きだったかわかりませんけれども、こういう御答弁ですね。「また、事務局の職員につきましても、これは弁護士、公認会計士等々の外部人材を積極的に採用をしていきたいと考えております。」。それはやっていただいているということですね。「役所、資源エネルギー庁等の職員の場合は電力に関する行政経験もございますので、その知見を生かすということはむしろ有用であるかなと思っておりまして、ある程度事務局に配置するということは想定をしておるところでございます。」と。

 これを読んだら、誰も六五%経産省から来ているとは読まないですね、これは。ある程度ですよ、ある程度。だけれども、今の数字を見ると、六十五人中四十五人は経産省なんですよ。佐藤さん、そういうことですよね。そういうことです。

 だから、大臣、これはやはり、当時の議論で言っていたイメージと、実際に起こっている今の組織の事務方の状況を見ても、しかも、先ほどの、弁護士とか公認会計士とか、外からの方は管理職はいないということなんですね。

 私は、今回の、午前中にやりました経産省の不祥事の問題、それは、当事者の片っ方には電取委があって、電取委がどの程度責めを負うべきか、そこはまだいろいろな議論があると思うけれども、しかしながら、何となく、やはり同じ仲間意識で仕事をしているから抜けちゃうんじゃないのかなと。法律で規定されていることを、気づいてくれたのが電取委というのはせめてもの救いですけれども、しかし、やはりきょうの委員のいろいろな議論を聞いていて、甘さがあるんじゃないかなと思うんですよ。

 そういう意味では、組織のたてつけが実際には身内で固まってしまっているという状況も含めて、これも、先ほどの三条、八条、八条の中の国会同意人事、もう一個、この組織の事務方のつくり方ということをもう一度考え直すべきだと思いますが、いかがですか。

梶山国務大臣 午前中の議論は、資源エネルギー庁の責任においてやはりしっかりとこういう状況を直していかなければならないということでありますが、今電取委のお話にありました、それで過去の議論も含めていろいろなことがある。

 私自身も、先ほど若干答弁で答えましたけれども、例えば、業務改善命令であれば、前は十電力プラスアルファ程度だったんですけれども、今は六百社以上の対応をしなくちゃならないという中で、やはり外部の常識、外部の方たちの法律的に、また会計上のバックグラウンドを持つ方等を入れていく必要もあると思っておりますし、現状、入っておりますけれども、エネ庁の方にもやはりそういう人材が必要ではあるのではないかなと今思っております。

田嶋委員 ぜひやらせていただきたいと思います。非常にいい機会だと思います。

 かつて調達等価格算定委員会の関係で話したときに、彼らが価格を決めると、その価格に関して役所側はやはり尊重義務というのがあるということなんですね。つまり、そういう専門の方が決めていただいたことに対する尊重義務が。

 この電取委の場合は、八田さんがいろいろなことを経産大臣に対して具申をする。同じように尊重義務をお持ちで動かれているんですか、大臣は。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもといたしまして、経済産業大臣に相当な建議をいたしまして、それに関しましては、ほとんど全て私どもの建議どおりに経済産業大臣にお渡しして、実行されていると承知しております。

田嶋委員 何となくどういうお立場でお仕事されているのかわかっていらっしゃるような、いないような感じがしますけれども。

 やはり大臣、これはそういう感覚ですよ。やはり大臣も、八田委員長から御専門の立場から出されたことをきちんと尊重する、価格算定委員会と同じようにやはり見ていただかなきゃいけないし、そういう意味では、何がしかのやはり独立性、そうした象徴的な仕組みをもう少し入れる必要が私はあると思います。

 事務局もほとんど、六割以上が経産省の人のまま。たしか職場も、一度本館に移したのをまた別館に戻したんでしょう。今エネ庁と同じところにいるという話を聞いていますけれども、違いますか、それは。何か一回はエネ庁から離すんだといって本館に移して、また後で戻したと聞きましたけれども、違いましたっけ。

佐藤政府参考人 設立当時は本館にございましたが、現在は別館ですが、違うフロアにございます。

田嶋委員 そういう情報も入ってきたので、私も今思い出したので言ったけれども。結局、設立したときだけは何か形上は分けていますと。今はどんどんどんどん近づいていっちゃっているんですよ。私からしたらエネ庁と一体ですよ。エネ庁と一体で、重要なプロセスも抜けちゃっているという、ああいうことにつながると私は思います。

 そういう意味では、決めつけはよくありませんけれども、ぜひこういったことも含めていい機会なのでお願いをしたいということを申し上げたいというふうに思います。

 それでは、コロナについて御質問をいたします。

 私は、閣法も大事ですが、補正予算以外のいろいろな法律よりも、特にこの経産委員会はコロナをどうしても聞かなきゃいけないと思いますし、きょうの日経新聞一面トップ、中小企業、時間との闘いですよ。

 これは本当にもう、きょうも私、朝メールが来て、周りでいよいよ潰れ始めましたと地元から連絡が来ました。多分先生方のところも一緒だと思います。

 きょう、ニュースによりますと、世界の中で、ギャラップ・インターナショナルというところがアンケートをとっているんですって、いろいろな国の。その国の政府の評価をその国に聞いているんですって、国民に。それはニュースをごらんになりましたか。その国の政府がうまく対処しているかという評価で、していない、余りしていないという評価が日本は六二%です。それが世界で第何位かというと、二十八カ国中二十八位だという評価なんですよ。つまり、評価が悪いということです。非常に悪いということです。

 国民が、スピード感、ネット上ではいろいろなことも言われておりますけれども、本当に命を守れるのか、企業倒産、失業、守れるのかということに関して、今大変な注目が集まっている。きのうの西村大臣と東京都知事とのああしたことも含めて、スピード感を持って的確な支援をぜひお願いしたいというふうに思うんですね。

 そこで、最初にお尋ねしますけれども、補正予算の関係で、給付金の二兆三千億円という数字が突然出てきているわけでありますが、これは、どういう算定根拠でこういう数字になっておるのか。つまり、何者ぐらいに対してこういった金額、百万とか二百万とかというのが今想定されているのかというところを教えていただけますか。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 事業者が、事業継続に必要な資金につきましては、政府系金融機関、民間金融機関による実質的無利子かつ元本返済が最大五年間不要の融資、公共料金、社会保険料……(田嶋委員「それは聞いていないですよ。給付金」と呼ぶ)はい。こういったさまざまな一定の手当てをしている中でございますけれども、こういったことを総合的に勘案して、百万、二百万円の給付額を設定したものでございます。

 それで、想定している対象者の数でございますけれども、およそ千五百万者程度ということで算定をしてございます。(田嶋委員「千五百万者。そんなにないけれども、日本は」と呼ぶ)百五十です。失礼いたしました。

田嶋委員 ちょっとびっくりしましたけれども。三百五十八万者ですよ、今の数字、大体。三百五十万者ですよ、大体ね。

 だから、個人事業主も入れてそういう数字の中の話ですから。私も計算したんですけれども、百万のケースと二百万のケースの上限だから、半分で例えば百五十万だと、掛ける百五十万者で大体二兆三千億なんですね。だから、百五十万者とおっしゃったので、大体私の想像と合いますけれども。

 私は、ちまたでよく言われているとおり、全然だめだと思いますね、これじゃ。これがさっきの政府の評価につながるんじゃないかと思いますよ。だから、何かネットで、真偽のほどはわかりませんが、ドイツだと申請して二日後に百五十万が振り込まれたとか、そんなニュースも流れているんですけれども、本当に大丈夫かなという気がします。

 他方で、ゴー・トゥー・キャンペーンなんといって、これは与党の先生方の間ではどういう議論になっているのかわかりませんけれども、ちょっとタイミング的にピンぼけだなと思うんですよね。これは国交省かもしれませんが。大臣、何かこれはコメントありますか。

 ゴー・トゥー・キャンペーンなんということを言い出すぐらいだったら、もっと中小企業に。それぞれの業種、業界ごとに違いますよ、ダメージ。きょうの資料でもつけていますけれども、学校給食の関係の三団体、陳情の資料を資料の五につけさせていただきましたけれども、そんなの、百万、二百万の話じゃないですよ、これは。しかも、事実上の強制ですから。だから、どんどんどんどん潰れちゃいますよ、これは。

 だから、最終的には中小企業庁を所管されている大臣のところに来る話だと思うんですよね、目立っているのは違う大臣ですけれども。だから、大臣、これは本当に、こんなことをやっていていいのかなというふうに思うんです。

 いろいろな業界から声が出ていると思いますけれども、私は、そんなゴー・トゥー何とかキャンペーンなんと言い出す前に、キャンペーンをやっていたって、もうその旅館は潰れていますよ。キャンペーンで行こうと思ったら、みんな潰れちゃっている。だから、ちょっと救ってほしいんですよね。

 いよいよ迫ってきていますよ、これは。国民がだんだん怒り出すと私は思うんですけれども、大臣、いかがですか。

梶山国務大臣 終息後の対策についても明らかにしてくれというヒアリングの中での話があって、そういったことを明らかにしたまでで、まだ実施は、当然、終息後ということになると思います。

 まず目の前のことが大切だということは委員がおっしゃるとおりでして、私自身もずっと、中小企業対策、持続化補助金を、いかに条件なしで、又は給付のような形にできまいかということも財政当局とのやりとりもしてまいったところでありますが、あとは、政策そのものよりも、いかにスピーディーに早く手元にお金を届けられるかということだと思いますので、補正予算成立後にすぐにできるような手だて、しかも、多くの人が集まらずに、感染の危険がないような形でやらせていただく手だてを今検討しているところであります。

田嶋委員 経済対策、読めば読むほど不安がどんどんふえるような発表ですけれども。

 スピード感ももちろんですけれども、大臣、政府の方は対策本部に来られて我々に御説明いただいているんですよ。しかし、大臣の言葉で聞かせていただきたいんですけれども、なぜ、減収補填とかそういう形で、それぞれの業種、業界ごとにダメージを算定して支援するということができないんでしょうかね。上限二百万とか上限百万じゃスズメの涙だ、そういう声がたくさん出ているんです。

 だから、もうちょっと、それぞれの方々が、違う分野にいらっしゃる方々が救われるような支援策をもっと考えていかないと、百何兆円といったって、いろいろな衣がいっぱいついているという話が言われていますよね。だから、やはりもっとここは踏み込んだ支援が必要だと思いますよ。そこは大臣、どういうふうにお考えですか。

梶山国務大臣 損失補填というお話が出ましたけれども、それぞれの産業、業種、地域、また企業の規模によってその損失というのはさまざまであります。一律に算定することはなかなか難しいということと、当面、例えば固定費、家賃であるとか光熱費であるとかそういったものを数カ月分賄うに足るものを給付という形でできまいかという発想のもとに、この給付金をつくらせていただきました。

 これっきりでということよりは、まだ、足りなくなればそれはその次しっかりと考えていくということになろうかと思いますが、損失補填の場合は、なかなかやはり、個別の交渉になって時間がかかってしまう、そういうことも含めて、また公平性という点も含めて、なかなか現時点では難しいと思っております。

田嶋委員 では、逆に、今のような仕組みだと公平かというと、同じように公平性は問題がいっぱいあるんですよ。線を引いちゃうから。ぎりぎりのところでもらえない人と、ぎりぎりのところでもらえちゃう人と、いろいろ出てくるんですね。だから、やはり、何をやってもそんな完璧な公平というものはなかなか難しいと思うけれども、しかし、絶対額として、もう全然足りないということですよ、現状は。そこをもう少し考えていただきたい。

 それから、やはり、さまざまなクエスチョンが出てくる。例えば、個人事業主を二つやっている人もいる。法人と個人両方やっている人もいる。ことしスタートアップの人は去年の数字がない、どうするんだ。たくさん声が出ています。そういう疑問がもう次から次へと湧いてくるような、今、発表の状況なんですね。

 だから、ぜひ、もう時間との闘いですから。これは西村大臣だけの問題じゃもちろんありませんので、大臣、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 もう閣法に入る時間がだんだん減っていきますけれども、もう一問だけコロナについてお尋ねしますけれども、大臣、富士写真フイルムの株価が上がっているのは知っていますか。理由。

梶山国務大臣 治療薬のアビガンを関係会社でつくっているということだと思います。

田嶋委員 私は、先ほどの政府に対する評価も世界じゅうで比較されている、これは非常に、こんなことはなかなかないことですけれども、不幸にしてこういうウイルスが世界じゅうに広がって、いろいろなことのできばえが総体的に全部出ちゃっているわけですね。政府の対応力、決断力、それから支援の金額、スピード。

 そういったことの中で、もう一つ気になるのは、やはり日本の企業も試されていると思うんですよ。たまたま富士写真フイルムは、アビガンがそういうことで世界三十カ国から問合せがあるという話を聞いていますけれども、何だか日本の企業の存在感が弱い感じがします。

 ニュースでは、例えばダイムラー、あるいは台湾なんかは大臣自身が目立ったりもしていますけれども、ハード、ソフト、スピード感よく、この世界の危機に対して力を出してくれるような企業が名乗りを上げてくれている。日本はちょっと遅いかなと私は心配していますが、ぜひ大臣、そこで、もしアピールが足りないんでしたら、こういうことをやっているということを簡潔に御報告ください。

梶山国務大臣 このウイルス騒ぎの発生当初から、企業には、それぞれの対応と同時に、社会貢献というような形で何かしら、今足りないもの、また困っていることを支援することはできないかという問合せをしております。そして、これらは、各企業に対してもそうですし、業界に対してもそうです。先週はまた経団連、同友会にもそういうお話をしましたし、また更に細かくやっていきたいと思っておりますけれども、マスクの製造もそうですし、アルコール消毒液の増産についても支援をいただいているところがある。また、トヨタ自動車などによるフェースシールドの3Dプリンターなどによる製造といったこともありますし、また、人工呼吸器については、今いろいろな役割を考えているところでありまして、こういったものもしっかり買い取って備蓄をしていこうということで対応しているところであります。

田嶋委員 ぜひ、ある意味、日本の強さのアピールのチャンスでもありますね、日本の企業も含めて。こうした危機に対応できる力を、経団連中心でも結構ですけれども、頑張っていただきたいと思います。

 たまたま、私、「日本最悪のシナリオ 九つの死角」、こういう本を、いろいろな日本のこうした事態に関しての本を以前読んでいたんですけれども、パンデミックというセクションの、日本の課題の第一にこう書いています。「日本の医療機関は、医師、ベッド、人工呼吸器、ワクチンなどすべてにおいて不足し、平時から医療崩壊の危機にある。こうした現状を踏まえた上で、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づいた具体策の検討がなされているだろうか?」、こうやってこういう本にも書いてあるわけですね。

 やはりこういうのをふだんから問題意識を持って、例えば、人工呼吸器あるいはECMO、全然足りない。医療崩壊、もう本当に今週か来週かと言われていますね。こういう状況を回避できるようなふだんからの取組をぜひお願いしたいというふうに切にお願いします。

 それでは、大臣、閣法に入らせていただきますけれども、しかし、今回も無関係ではないなと私は思います。先ほども与党さんからも質問が出ておりましたが、何のための法律かというと、おくれにおくれてしまった、相当焦って、ちょっとバナナのたたき売りみたいな支援策を入れているんじゃないかなという感じが私はするんですね、5Gに関して。

 もう去年からほかの国は始めて、日本だけが始められなかった。まあ、何となく格好悪いですよ。やはり出おくれ感はすごく強い。そんなときになって、今ごろ、金融支援だけじゃなくて税制支援も含めて5Gをやると。一体何をやろうとしているのかなと。

 特に私が気になるのは、通信キャリア、みんな大企業ですよ、そういうところに、私の理解では、政府・与党の議論でかつてない大きな税額控除を入れたという話ですね。最初のパーセンテージよりも相当ふやした、一五%ですか。そういうことをやる意味合いがどの程度、もちろんやれるんだったらどんどんやればいいけれども、財源が限られている中で、どうなのかなという、若干そういう疑問がありますが、大臣、どうですか。

梶山国務大臣 基地局の整備がおくれているということもありますけれども、そういったものをしっかり整備をしていくということは国民共通のインフラであると思いますし、これからの例えば産業間の融合みたいな形の共通インフラにもなると思っております。

 ですから、今しっかり5Gの基盤を整備することと、先ほどもお話がありましたけれども、6G、ビヨンド5Gといったときには、やはり5Gがしっかりできてこそ次の局面があるということで、しっかり応援をしてまいりたいと思っております。

田嶋委員 だから、経産省のいろいろなそういう施策は、リソースが無限にあれば、やるなとなかなか反対しづらい中身が多いんですけれども、リソース制約の中で本当にそこですかという感じが私はします。

 だって、それだけクリティカルなんだったら、通信業者にとってはやらないわけにいかないでしょう、ライバルと競争しているんだから。だから、一日でも早くやるのは、ほっておいたってやりますよ。そんなの、政府が尻をたたかなくたって、やるものはやりますよ。そうじゃなかったら、負けちゃうじゃないですか。

 だから、私は、大体、租特なんというのは圧倒的に大企業にメリットが行ってしまっている。それを更に加速するんじゃないのかなと。だったら、もっと中小・小規模企業に対して、それか私は、持論ですけれども、もっと上流工程に支援をするべきだと思いますよ。それは、大学教育、特許の部分も含めて、日本は全部おくれてしまっている。そういう状況に対して、もっと政府は上流部分という部分にも支援をすべきだというふうに考えますよ、それから中小・小規模に。

 大臣、何かその方向性と真逆のことじゃないですか、これは。

梶山国務大臣 政府も租特等で支援はしていきますけれども、キャリア企業についてもやはり大きな投資が出てくるわけですね、これから。しかも、先行投資になるわけであります。そういったものをバックアップしながら、早くインフラの整備をしていきたいというのがまず第一にあるということと、今委員おっしゃるように、上流部分というのは非常に大切であります。

 特許の取得が、やはり日本の企業、基盤の技術の中で、中国、韓国企業、そして欧米の企業に比べると大変弱いということですから、そういったものを育てていくことも必要ですし、スタートアップ、またベンチャー等についても、この関係ではしっかりと支援をしていかなければならないと思っております。

田嶋委員 資料の七もごらんください。

 大事だといえばみんな大事なんですけれども、私は、大臣の今の御主張、御説明を受けて、ぜひ5Gと同じようにやはりやってほしいものが幾つかあるんですね。それは、一つは風力発電ですよ、これからの。洋上風力。日本はもうここが最後の勝負どころですね。それから、蓄電池。それと、ここには書いていないですけれども、送電網の強化だってもっと税制支援してやらないとまずいですよ、先ほどの自由化の話とつながりますけれども。

 だから、せっかく与党税調でも、一五%の税額控除、初めて大きく導入されたと聞いています。だったら、それをいい先例として、風力発電も蓄電池も、それから送電網の建設支援、インフラで金がかかりますよ、これも同じように。ここも、今後これぐらいの力が入った応援をしていただかないと、日本は本当にどこでも勝てなくなりますよ。いかがですか、大臣。

梶山国務大臣 委員御指摘の洋上風力、大型の発電施設と、あと蓄電池というのも、これからの電力にとっては、需要の多いときにしっかりと蓄電したものを流していくということも含めて大変重要な技術であると思っております。

 洋上風力や蓄電池の導入促進というのは、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて極めて重要であると思っております。導入の手法は、ただ、導入のボトルネックを見きわめて、それに対応したものにする必要があると思っております。洋上風力発電の導入に当たってのボトルネックは、投資回収の予見性の確保、そして海域の長期占有ルールが今存在していない、そして先行利用者との調整の枠組みが存在していないといった点にあると認識をしておりまして、これらの課題を克服するために、固定価格買取り制度による投資回収の予見確保等に加えて、一昨年に再エネ海洋利用法を制定し、海域の長期占有権の創設、また、先行利用者との調整の枠組みを設けたところであります。

 そのボトルネックをしっかりと見きわめた上で対応していくというのが一つ大きな課題であると思っておりますし、5Gに関しては、今やれることはしっかりとやっておかなければならない分野であると思っております。

田嶋委員 もう時間ですけれども、やはり全てに通底している課題は、何でこんなにいつも出おくれるのかなというのが日本の現状ですね。キャッシュレスについても何度も取り上げました。私は、ドローンについても三回委員会で聞いております。今回のこの5Gもそうです。それで風力発電ですね。世界じゅうで相当席巻している状況の中で、ようやく日本は新法もつくって、しかし日本の周りは全部海なんだから、国家目標を定めて大きな風呂敷を敷いて、やはり洋上風力を国策としてやっていただきたいというふうに思うわけであります。

 最後に、ドローンだけ、もう一問だけ聞かせていただきたいと思うんですが、我が国のドローンも、私は、平成二十八年、二〇一六年に、強い危機感を持って質問をさせていただきました。当時、私の選挙区の幕張メッセでドローン展がありましたけれども、日本のメーカーの存在は極めて当時から低かった。強い危機感を受けて、国会、委員会で質問をさせていただきました。

 そうしたら、ある方からお手紙が来たわけでありますけれども。小さな起業家がしのぎを削っている世界の中で、従来の企業の考え方では新しいものは生まれないという共通認識だと。翻って日本は、何か新しい産業を興そうとすると、大学の大御所の先生、大手企業のマネジメント層など、最新の世界動向を理解していると思えないような、昔ながらのそういうメンバーでずっとやっている、それでは勝てるわけがないというようなことをおっしゃる方からお手紙をいただきました。

 もう少し、政府に対しても、戦略的で実質的な活動を経産省でも行ってほしい、四、五年前にも私はそういう問題意識で質問をさせていただいたけれども、今回、法律の中でドローンも入っていますね。今さら何をするんですか。全然もう姿形も存在しないような状況だと私は感じるんですけれども、そうじゃないんですか。何をこの法律で目指すんですか。

梶山国務大臣 ドローンの民需市場は、これまで主にホビー用途の小型機体が中心でありましたけれども、現時点では、ここは中国メーカーが高いシェアを占めているというのが現実であります。

 他方、日本のメーカーは、ベンチャーを中心に、主に産業用途の中大型機のドローンをユーザーの用途に合わせて製造、販売しているところが出てきております。

 このような産業用途のドローンの市場は、まだ今後インフラ点検や物資輸送などのニーズにより拡大が見込まれているということでありまして、海外勢の実力は大変なものがあると思いますけれども、産業用ドローンには機体の安全性や信頼性、用途に応じたきめ細やかなカスタマイズやアフターサービスなどが重視されるため、日本メーカーにも一定の強みがあると思っております。そういったものを支援をしてまいりたいと考えております。

田嶋委員 さっき5Gの次の6Gの話も出ましたけれども、戦略性を持って、きちんと安心させてほしいんです。わかっていると。市場の状況はこうだから、今からこういう手を打つんだということがね。何かいつも焦って、もう追い込められてから、仕方がないから税制、税額控除もこんなに奮発しているみたいな感じに見えるんですね。そうじゃなくて、やはり、世界に勝っていく、勝っていくために今からこういう打ち手だと。私は、だから、5Gはもうだめだから6Gで頑張るというのも一つの戦略だと思いますよ。しかし、そこはちゃんとわかりやすく説明をしていただきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。以上です。

富田委員長 次に、宮川伸君。

宮川委員 立国社の宮川伸でございます。よろしくお願いいたします。

 まず、新型コロナウイルス感染症の問題を少し聞かせていただきたいと思います。

 私の選挙区も、先生方の選挙区もそうだと思いますが、感染が広がっていて、たくさんの要望等が、困っていますという声が届いてきています。

 緊急事態宣言も出されましたが、本当に真剣になって、私、政府、与野党一丸となって、一刻も早く感染拡大をとめて、そして、一人一人の国民の命を守っていかなければいけないと本当に強く思っているところであります。

 そういった中で、この委員会でも何度かマスクの問題が取り上げられましたが、最初少しマスクの話を聞かせてください。

 医療機関はなかなか声が聞きにくいんですが、少なくとも福祉関係の施設等、マスクがいつなくなるかわからないという声がいまだに聞こえてくるんですが、いろいろ配っているよという声は聞こえているんですが、その流通がどうなっているのか、もう一回改めて教えていただけますでしょうか。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 マスクに関しましては、二月時点ではおおむね週一億枚、月に直しますと約四億枚という供給体制であったわけでございますが、その後、メーカーに対する設備投資支援などを含めた増産支援、また、輸入の拡大といったようなことに取り組みました結果、三月には約六億枚の供給、今月には更に一億枚を積み増して、七億枚の供給というところを目指して取組を進めてございます。

 今御指摘ございました医療機関向けにつきましては、国内メーカーの増産あるいは輸入拡大で約一千五百万枚を国として確保して、自治体などを通じて配付を行ったところでありまして、また、引き続きこういったオペレーションを続けてまいりたいと思っております。

 それから、介護施設等につきましても、約二千万枚を国で一括購入して、介護施設等に緊急配付をするといったオペレーションを行っているところでございます。

 引き続きまして、マスクが必要なところに届くよう、国として全力を尽くしてまいりたいと考えております。

宮川委員 ありがとうございます。

 マスクとともに、アルコールや手袋というものも聞こえてきています。アルコールに関してちょっと、議論が余り聞こえてきていないので、今、アルコールは、同じように、どういう状況になっているのか教えていただけますでしょうか。

上田政府参考人 お答え申し上げます。

 アルコール消毒液につきましては、各社が増産に取り組んでおり、三月は、平時の二・二倍の二百十八万リットル、これを生産をしております。しかしながら、需要の急激な高まりにより、医療機関やドラッグストア等において不足しているという認識をしております。

 この問題を解決するために、これまで、令和元年度予備費により、アルコール消毒液の生産設備の導入補助事業、これを四件採択をし、事業者の増産を支援するとともに、やはり丁寧な手洗いによる感染予防や、机でありますとか手すりなどの消毒には塩素系の漂白剤、これが有効であるといったような啓蒙などの取組を行ってまいりました。

 さらに、新たな緊急経済対策においても、生産設備の導入補助によって引き続き増産を支援することとしており、昨日、補助金の公募を開始したところでございます。

 こうした取組により、今後も、厚生労働省と連携をして、医療機関等でのアルコール消毒液の不足の解消、これに取り組んでまいります。

宮川委員 大臣、私、選挙区でいろいろな声が聞こえるんですけれども、いつなくなるかもうわからないと。それで、マスクも届いたところがあるそうです。だけれども、いつ来るかわからなくて、突然ぽこっと来て、五十枚ありましたとか。結局、いつ来るかわからないから、だから、やはり多目に買っておかないと、あるいは、手に入るんだったら少しでも手に入れなきゃというふうに必死になっているわけですよね、皆さん。あるいは、周りの地域の人と結びついて、例えばアルコールなら近くの工場で持っているところから少しもらってきているとか、そういうように助け合って今やっているわけです。

 こういう緊急事態なのに、もう一カ月前から同じ答弁しか聞こえてこないんですよ。全く安心できないと思うんですが、大臣、どう思われますか。

梶山国務大臣 製造でこれだけ確保したというのを、目の前に来るか来ないかというのが、やはり、消費者の皆さん、国民の皆さんの関心事であると思っております。

 ただ、例えば海外の製造現場も含めて、製造から流通、そして小売の現場まで、一回在庫がほぼ空になりました。そういった中で、優先的に進めなければならない場所も含めて今マスクの製造をしているということで、七億枚製造しているということは、ある程度、従来の需要であれば行き渡るところなんですけれども、この状況の中ではなかなかまだ見通しがつかないというのが現実だと思っております。ですから、手づくりのマスクの方法も含めていろいろ、とりあえず応急、その場をしのぐためのものもネット等で流しているわけでありますが。

 企業等で応援をしていただくところ、先ほど来出ていますけれども、シャープがやっているといいますけれども、これは、クリーンルームを使って、親会社の台湾の会社がマスクを製造しているということもあって、その二つの条件があってすぐにできたということもあります。あとは、薬のメーカー、製薬メーカーなどが、従来のラインを増設をする、更に十三件ほど設備補助金を使って対応しているところでありますけれども、また更にそういう製造を手伝ってもらえるところをしっかり探していかなければならないと思っております。

宮川委員 厚生労働省も経産省の方も、出向している方もかなりいて、皆さん本当に一生懸命やってくださっていると思います。そういう中で、やはり事態が事態なので、いろいろな人が知恵を出して、それで何とか乗り切れないか、取り組んでいく必要があると思っています。

 そういう中で、じゃ、経産省としてどういうことができるのかということですけれども、私もいろいろ考えたんですね。それで、きょうの一つの審議は、例えば5Gだったりデジタルだったり、そういう話題で、ソサエティー五・〇を目指してやっていこうという、そういう分野が経産省の強いところだというふうに思っているわけです。

 例えば宅急便。今、大臣も、宅急便、インターネットで頼んだりすると思いますが、じゃ、自分の荷物がどこにあるのか、いつ発送されたのか、どの中継地点にいるのか、どこでとまっているのかというのは、普通、ネットで見ればわかるわけですよ。それを普通にやっているのに、何でマスクやアルコールはできないのか。これぐらいもできないのに、5Gの社会だなんということを言えるのか。だから、本当に経産省が真剣になって5Gの社会をつくっていくのだったら、こんなマスクやアルコールの流通ぐらい、それは、余り示すと、わあっとお客が来ちゃうこともあるかもしれないです、そういうところはコントロールしながら、ささっとインターネットでこういうものを出すというのが、それが経産省がやれることなんじゃないかと私は思うんです。

 例えば、ニュースがありました。これは韓国の例なんですけれども、台湾も出ているみたいですけれども、マスクマップというのがもうつくられているわけです。まあ、台湾は特殊なケースだということもちょっと聞いたんですが、記事に何と書いてあるか。三月十日に、中小ベンチャー企業部の朴映宣長官が、これはだから中小企業の長官なわけですよ、新型コロナウイルスのマスクマップ開発促進のためのスタートアップ懇談会を開催し、七社のスタートアップ企業も参加をしましたと。

 だから、経産省のようなところが中心になって、マスクがいつ来るのか、みんな困っているから、スタートアップベンチャーでこういうソフトを開発できる人は集まってくれ、それでしっかりやろうよということをやっているわけじゃないですか。

 厚労省の人も一生懸命やっていると思うんです。だから、マスクは、ある意味、厚労省で配ったりするのは、製造のところだけ経産省だとか、今そういう段階じゃないから、もう経産省のリソースを全部割いて、それで国民が安心できるように、特に医療だとか介護だとか、本当に、いつ来るか、もう今あとちょっとしかないという声がたくさん大臣のところにも来ていると思うんです。なぜ、このぐらいのことができないのに、デジタルトランスフォーマーだとか5G社会だなんという議論をここでやっているのかというのが、私はどうしても言いたいと思ってきょう来ております。

 ちょっと今、この段階でコメントをいただけますか。

梶山国務大臣 末端の小売店でのPOSで把握しているのは、四月の頭に、大体毎日一千枚ずつ小売店から出ているということなんですが、POSの把握率が約七割ということで、大体一千四百万枚ぐらい毎日供給はされているんですけれども、大手の流通業者、大手のドラッグストアというところに集中をしていると思いますけれども、まだまだ行き渡るための在庫、総量が足りないという状況であります。そして、あと……(発言する者あり)まあ、それはしっかりとまたやっていきますけれども、全体の絶対量がまだ足りないということが、まず第一点。

 そして、厚労省との連携、文科省との連携、総務省との連携。というのは、文科省は学校にマスクを送るということもありますし、総務省はそれぞれの自治体でどうしても必要なところ、病院等、介護施設等に送るためのものということで連携をしながら、これは省の壁は取り払った上でしっかりと今やらせてもらっておりますし、厚労省にも二十名ほど経産省から出ておりますし、経産省でも、ほかの生活必需物資、必需品をしっかり対応するためのチームもできているところでありますが、とにかく全力で対応したいと思いますけれども、今の時点ではそういう状況であります。

宮川委員 今までと違う状況ですので、やはり政治家が、大臣が、これをやるんだと強く言わないとなかなか動かないと思うので、ぜひリーダーシップを発揮していただければと思います。

 ちょっと恐縮なんですが、もう一つだけコロナの例を、経産省ももっと頑張ってほしいというのをちょっと言いたいんですけれども。これは少し厚労省寄りかもしれませんが、国際空港の検疫の問題を少しお話ししたいと思います。

 海外から帰ってきた人が、そこが感染源になっている例がやはり幾つか出ているわけであります。これが、私の選挙区、近くに成田空港があるんですけれども、成田空港の検疫がちゃんとできているのか、そういう住民の方々の声が届いてきているんですね。私も、週末を通して、本当に大丈夫かと思って一生懸命動いているんですが、やはり野党議員では限界があって、わからないところがいっぱいあるんです。

 それがどういうことかということですけれども、幾つか報道が出ているんです。

 例えば、これは三月二十一日になりますが、スペインのマドリッドから帰ってきた家族がいたんですね。それで、検疫でPCR検査を受けたんだけれども、その結果を聞く前に沖縄まで、成田空港から羽田まで行って、それから那覇空港まで帰っちゃった。帰った後に感染していたことがわかったというのが報道に出ています。

 そして、きょう、今お配りをしていますが、一枚目、これは三月二十七日でありますが、この辺から特措法だとか緊急事態宣言とかという話が出てきているときですけれども、アメリカからの入国九十二人、待機要請せずに検疫通過という見出しがあると思いますが、九十二人がそのまま入っていたというニュースも出ているわけであります。

 このほか、三月二十六日の記事では、ヨーロッパから帰ってきた留学生のコメントが載っています。日本の空港の検疫は簡易で、感染者がすり抜けているのではないか、こんなに簡単に入国できるのかとあっけにとられたということが記事に書いてあります。

 そして、これは四月二日でありますが、この記事には、検疫をやっているわけですね、PCRの検査を受けるわけですが、この専用ブースに誘導するのは感染が広がっている対象国からの直行便のみ、スペインとかからの直行便のみ。対象国を出国して、乗りかえをして第三国から入国した場合などはきちんとできていないかもしれないというような記事が出ているわけであります。

 こういうのが連日報道されているんですね。

 それで、今、お配りしたお手元の資料の二枚目なんですが、これは、TBSニュースで動画で配信されていたものなんです。

 上の写真を見ていただくと、検疫と書いてありますが、この検疫のところをばあっと人が入っている、これは本当は動画なんです、ばあっと入っていっている。そして、その下のところに白い文字で書いてありますが、これはスペインから帰国した男性の言葉なんです。検疫官が、対象国の人いませんかと声かけをしている感じですと。ですから、一つ一つパスポートを見たり、どこから来たんですかというのを聞いて、そしてレベル3の対象国からの人を全部PCR検査をしているんじゃないんじゃないかということをこれは言っているわけです。

 三枚目、上、自己申告だけとこの人は言っています。そして、この人はモスクワ経由で入ってきているんですね、スペインからモスクワ経由で入ってきているパターンなんです。自分はスペインからだからPCR検査をするということで行ったんですね。そうしたら、この下ですけれども、聞いたら、この便では一番ですと言われたと。

 次のページになりますが、本当に誰もいないのかと疑問に思ったと。自分の乗っている飛行機の中にはヨーロッパからの人たちがたくさん乗っていた、モスクワ経由で日本人でということがあるわけです。個人的に非常に緩いと感じたと。こういう動画が流れているんですね。

 こういうことが連日あったわけですが、これは本当に、私の選挙区を、もしそのまま検査しないで出てきた人がいると通っているんです。ですから、いろいろな声があって、一生懸命、これはどうなっているのかというのをやったわけですが、大臣、今の話だけ聞いて、不安に思いませんでしょうか。

梶山国務大臣 こういう動画が流れているということですから現実なんでしょうし、私どもから厚生労働大臣、国土交通大臣にもしっかり伝えて、対策をもう一度、これが現実であれば変えるべきところは変えるということだと思いますし、対応しているとは思いますけれども、もう一度確認をさせていただきます。

宮川委員 私、これは野党合同ヒアリングの中でも聞いたんです。厚労省の方がいらっしゃいました。やはり、厚労省の方々、本当に大変で、もう疲弊されているのが見てわかるんですね。なんだけれども、その中で、回答としては、問題ありません、きちっとできていますという一言の回答だけだったんですよ。厚労省からそういうふうな、文書で出したものに対する回答があったから、ですから、私は、それはそうなんだろうと思うんです。

 思うんだけれども、住民はそういうふうに、すぐにそれだけでは安心をしないから、じゃ、何ができるかといえば、ちゃんとやっているのであれば、一言だけそういうふうに言うだけじゃなくて、ちゃんとやっているところを、これは映像で出ているんだから、映像で撮って、政府から映像で流せばいいじゃないですか。ちゃんとできているんですよ、こういう報道はあるけれども、だけれども、政府はちゃんとやっているんですよと。

 これもさっきも申しました、私は、5Gのデジタルの世界でこのレベルのことをちゃっとやれなければ、今さら5Gだとかといっても、全然何もできていないという気がします。

 それで、空港を、検査がネガティブだったりして出た場合でも、指定場所での二週間の待機と公共交通機関の利用自粛が要請されているんですね。だけれども、空港から出ても泊まるホテルがないということが言われているんです。例えば、そういうものに関しても、どこのホテルが今あいているかとか一瞬で見えるようなアプリを開発して、すぐに出して、それで、戻ってきた人が、ここならいいよ、ちょっと行けばここならいいよというのがすぐアレンジできるような、そういうのがデジタル社会なんじゃないかと私は思います。

 ちょっとコロナに関係するのはここでやめますが、大臣、経済産業省だからやれるコロナ対策があると思うんです、ぜひリーダーシップをとってやっていただきたいんですが、もう一度、意気込みというか、お願いいたします。

梶山国務大臣 しっかりと正確な情報を流すことが不安の解消にもつながるし、これからの対策にもつながると思っております。今委員御指摘のことをしっかりと対応してまいりたいと思います。

宮川委員 それで、5Gの話を聞いていきたいというふうに私は思っているんですが、ちょっと時間の関係もあるので。

 まず、5Gの中で、先ほども話にあったように、税制優遇があるということです。それで、私は、本当に必要であれば税制優遇すればいいと思います。それで、その分、社会が発展をして税収が入れば、それは減税した分、税制優遇した分戻ってくるわけだから、それはそれでいいと思うんです。

 だけれども、やはり、昨年の十月に消費税を上げていて、そして、その消費税の影響、今のコロナの影響も考えれば、国民感情からすれば、消費税を上げたばかりなのに何で大企業の税制優遇をやるんですかというのが通常は思うと思うんですね。ですから、そこのところを丁寧に説明をする必要があると思うんです。国民がそれでもやはりこれは必要だと思えるような説明が必要だと私は思います。

 そういった中で、まず一つ、通信会社に関しては、携帯電話の通話料が高いんじゃないかという話がありました。もし通話料でぼろもうけをしているんだとしたら、ぼろもうけしている会社に何で税制優遇、国民には消費税を上げて、税制優遇をするんですかということになるんじゃないかと思います。

 それで、一年くらい前に菅官房長官が、携帯電話の料金は四割引き下げる余地があるということを大々的におっしゃっていましたが、あれから一年ぐらいたっていますが、今、四割というのは削減できたんでしょうか、御説明ください。

竹村政府参考人 スマートフォンの料金につきましては、さまざまなプランですとかオプションがありますので一概に比較することは困難でございますが、例えば最大手の携帯電話事業者のデータ容量三十ギガバイト以上の大容量プランにつきまして、昨年四月時点と現在の料金を比較しますと、二割強、金額にすると二千円程度安くなっております。

 また、昨年十月に施行された改正電気通信事業法におきまして、通信料金と端末代金の完全分離や行き過ぎた囲い込みの是正という措置を講じたところ、法律の施行後、主要携帯電話事業者におきまして、期間拘束のない料金プランについて二割前後、金額にして千三百円から二千七百円程度の引下げが行われたところでございます。

 さらに、端末価格につきましては、携帯電話事業者において三万円から五万円程度の中価格帯の端末の取扱いがふえるなど、多様化が進んでいるものというふうに承知をしております。

宮川委員 いろいろなサービスがあるので比べるのが難しいというのはそのとおりだというように思います。

 今、資料をお配りして、五枚目に、ちょっとこれは古くて去年の十一月二十一日で、世論調査が行われています。携帯電話の料金で、変わりましたかという中で、棒グラフみたいなのがありますが、変わらないと高くなったというので六九%。七〇%の人がそういうふうに感じているわけなので、ちょっともう少しわかりやすく説明してほしいんですが、大手三社を考えた場合に、三社とも二割ぐらい下がっているんでしょうか。もう一度お答えください。

竹村政府参考人 大手三社のうち、最大手の事業者、それから二番目の事業者につきましては、料金は下がっております。三番目の事業者につきましては、この大容量プランについて比較すると料金は変わっていないという状況でございます。

宮川委員 二番目のは何%ぐらい下がっているんですか。

竹村政府参考人 二番目の事業者につきましては、期間拘束のないプランにつきまして、まず、一万円ぐらいから施行後に九千円程度に引下げが行われまして、さらに、令和二年の二月に千五百円の値下げが実施されましたので、三割程度下がっているということでございます。

宮川委員 もう一つ、先ほどもちょっと説明がありましたが、今までは、私が記事を見ている限りでは、携帯電話の機械、端末そのものがやはり高かったから、それを安くする分通信料が上がっていたというように聞いているんですが、先ほどちょっと、端末が五万円云々という話もありましたが、少なくとも、私、何人か友達と話をしているんですが、いや、四割も安くなったという、二割、三割とおっしゃっていましたが、安くなったという感覚を持っている人というのは私は余り聞いたことがないんです。

 端末代も含めて考えた場合に、本当にこのぐらい安い感じになっているんでしょうか。もう一度御説明いただけますか。

竹村政府参考人 端末についての御質問がございました。

 法律の、改正法の施行前は、端末と通信サービスのセット販売によって、端末を安く値引きをして通信料金で回収するということが行われておりましたので、端末の実売価格は安いけれども通信料金が高いということでございました。

 改正法によりまして、端末の購入補助に上限というのを設けましたので、消費者から見ると端末の定価というのが非常に見やすくなって、そこで、端末の定価の値下げをするという動きが出てきているというふうに承知をしております。

宮川委員 日本の産業をどうするのか、5Gを含めて、今、日本がおくれてしまったという質問も先ほどからあったと思うんです。これをどうするのかという議論をしているんですね。

 私が知っている限りでは、この端末と料金分離をすることによって、その端末費用がまともに乗っかってくるようになったから、だから中国製品の五万円、四万円の端末が大量に入ってきて、日本企業の端末が非常に厳しくなるんじゃないかということを聞いていますが、実情はどうですか。もうちょっと、ちゃんと説明していただけますか。

竹村政府参考人 お答え申し上げます。

 確かに、議員御指摘のとおり、中国製の安い端末というのはかなり入ってきております。

 ただ、先ほど申し上げましたとおり、通信料金と端末料金の分離が徹底されることで、利用者が通信料金と端末代金をそれぞれ単独で比較することができるようになって、それぞれの競争の進展を通じて通信料金と端末代金が、ほかの外国の事業者も含めて競争が進展をして低廉化をしていくということを期待しているところでございます。

宮川委員 ちょっといろいろなプランが違っていて、すきっと、わかりにくかった部分があると思うんですが、ちょっと時間の関係もあってやめますが。

 5G端末が今入ってきて、これから5Gだということで、値段がどうなるのかということがあります。

 だけれども、もう一度、私の感覚でいうと、あのとき菅官房長官が、四割安くなるよと、四割安くできるよと言っていましたが、私はそうなっていないんじゃないかと。皆さんどう思われるか、私の肌感覚では、そんなに安くなっていないんじゃないかなという気がしています。

 それで、私、もう一つ大臣に申したいのは、菅官房長官が、電気通信事業法の改正も五月に行われたわけですけれども、菅官房長官があれでテレビにいろいろ出ていたときというのは、四月とかにも出ていたんですね。ちょうど四月のころというのは、統一地方選挙だったんです。その後、七月から参議院選挙があったんです。

 私は、あの菅官房長官のお話を聞いて、携帯電話料金、四割引き下げる余地があるよと、あれを聞いて、ああ、さすがだな、若者向けの政策としてこういう政策をぱっと打てるのは、なかなか私は思いつかなかったなとそのとき思ったんですよ。ある意味、野党ですから、焦ったわけです。選挙が終わって、一年たって、本当に皆さん、これは四割、あのときの発言って、選挙前の発言って、こういうの、正しかったんでしょうか。大臣、どう思われますか。

梶山国務大臣 官房長官のコメントですから、私が事情を知らずに意見を差し挟むことはできませんけれども、やはりそれなりに調べた上で、端末と分離すれば四割ぐらい下げる余地があるということでの発言であったと思います。

宮川委員 もう一度この5Gの税制優遇のところに戻りますが、国民の消費税が上がっている状況なわけです。もう一度、これを、税制優遇をやるという案なわけですから、今の携帯電話の会社さん、大手さんはもっと値引き、四割値引きできるというように大臣は考えていらっしゃるか、やはりそこまでは下げられないから税制優遇するのもやむを得ないと思われているか、どういうふうにこの状況を思われていますでしょうか。

梶山国務大臣 私が四割下げられるという確信を持っているわけではなくて、その発言について意見を求められたので、そうではないかという話をさせていただきました。

 5Gシステムは、今後の経済社会や国民生活にとって極めて重要な共通の生活のインフラでもあると思っております。ですから、基地局を整備するということは共通のインフラの整備ということにつながりますし、また、キャリアの各社にとりましても、先行投資をしながらまずは基地局の整備ということになりますので、それをいち早く整備をするために支援をしていくという考え方でございます。

宮川委員 ここの、料金に関しても、しっかり国民が納得するように説明、ウオッチをしていっていただければと思います。

 ちょっと時間の関係があるので、次に移りますが、もう少し、この費用の問題であります。税制優遇をする上で、国民にしっかり説明をしていく必要があると思います。今回の税制優遇で予想される減税規模というのは幾らぐらいなんでしょうか。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の減税規模ということでございますけれども、減収額という意味では百三十億円程度というふうに見込んでおります。その前提となります設備投資については一千億円程度というふうに見込んでいるところでございます。

 以上でございます。

宮川委員 それでは、今回、四社が今は免許を持っている、電波の割当てがありますが、この四社の七年前の内部留保金、そして現在の内部留保金の合計は幾らでしょうか。

竹村政府参考人 お答えを申し上げます。

 四社のいわゆる内部留保額である利益剰余金の総額は、決算資料によれば、二〇一二年十二月現在で約六・八兆円、二〇一九年十二月末時点で約九・八兆円であるというふうに承知をしております。

宮川委員 安倍政権が始まって七年間で約三兆円の内部留保がふえているという今のお話だと思うんですが、三兆円の内部留保がふえている中で百三十億円のこの税制優遇、これで本当にこの事業が前に進むようなドライビングになるでしょうか。この政策的な効果、どのように捉えているのか、御説明ください。

西山政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の減税措置につきましては、5Gというインフラが非常に裾野の広い効果を持っている、つまり、当然ですけれども、そのサービスを提供する事業者のみならず、5Gを利用するさまざまな産業に裨益をするという考え方でこの措置を講じております。

 それで、今のお尋ねの直接的な効果ということでございますけれども、今、減収額百三十億円というふうに見込んでおりますけれども、二つポイントがございます。

 一つは、今回、特に、いわゆる全国5G、今御質問のキャリアという点について申し上げれば、その中でも基地局の整備の前倒しをするということに絞っているということ。さらに、特に、その中でも一定の技術的な要件を満たす、つまり、高度で信頼のできるサプライヤーが提供することが求められるような設備に絞って適用するということがございます。

 また、今回の減税措置は、それに加えまして、いわゆるローカル5Gというものも対象にしておりますので、こうしたものとあわせて、5G及びそのユースケースについての効果が期待されているというふうに考えております。

 以上でございます。

宮川委員 ちょっと私は、今の説明だとすとんとは落ちないんですけれども、私は頭から反対なわけじゃないんです、こういう技術、5Gとかすごくやっていかなきゃいけないと思っていて。

 もう一度、ちょっと大臣、国民の皆さんに対して、消費税を十月に上げたけれども、今言ったみたいに、内部留保は三兆円ふえているかもしれない、菅官房長官は四割安くなるよと言ったけれども私は肌感覚で安くなっていないと思うんです、そういうふうに思っている国民は多いんじゃないかと思うんですが、改めて、税制優遇は必要なんだという説明を国民にしていただけませんか。

梶山国務大臣 まず、内部留保というのは、将来の投資も含めて、内部にキャッシュを置くということだと思っておりますけれども。この5Gの基地局の整備に関しましては、国民共有のインフラとなり得るものということで、個人であっても、また企業であっても、これらを活用しながらまた好循環を生むものだと思っております。

 まずは、その基地局を整備していくことということで、十キロ四方メッシュでしっかり数年間で整備をしていくことになりますので、そういったものに支援をするために、こういった税制を使わせていただくということであります。

宮川委員 ちょっと私、準備していたのが大分終わらなかったんです。もっといろいろ技術的なことをお聞きしたかったんですが。

 ただ、私が大事だと思っているのは、経産省がやらなきゃいけないと思っていることは、基地局をいかに早く建てるかということよりも、5Gを使って何をやるのか、そのアプリケーションの方をどうするのかというのは、基地局の方は総務省さんが頑張ればやれるわけですよ、その電波を使って何をやるのかということこそ経産省が知恵を出してやっていかなきゃいけないことだと思うんです。

 ちょっとまた別の機会にこのアプリケーションの話はしたいと思いますが、時間が終わってしまったので、最後、大臣、この5Gを使っていくということで、これからの社会に向けて、もう一度、意気込みを聞かせていただけますか。

梶山国務大臣 委員が言うように、アプリケーションは非常に重要であると思っております。

 今回のコロナの感染症においても、やはり遠隔教育、遠隔医療ということのインフラがまず整備をされていないということもありまして、一部でしか使われていないということもございます。そういったものが当たり前に使えるような時代にしていくということがこの5Gの整備につながるものだと思っております。

宮川委員 私の質問を終わりにします。ありがとうございました。

富田委員長 次に、落合貴之君。

落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。

 本日は二法案の審議でございますが、今、時期が時期ですので、まず冒頭は、新型コロナウイルス感染症に関する経済対策、特に、経産省が重い責任を負っております事業者の支援について、梶山経済産業大臣に質問させていただければと思います。

 まず、きのうの午後の発表だったので、通告していないので所感を伺えればと思うんですけれども、日銀のさくらレポート、地域経済報告が出されました。全部の地域で景気が悪化していると。これは、調べたリーマン・ショック以来十一年三カ月ぶりということで、少なくとも、今、リーマン級以上の景気の後退局面が来てしまっているわけですが、大臣、それについて所見をお伺いできればと思います。

梶山国務大臣 地域経済報告、日銀によるものを承知しておりますけれども、今、人の往来を制限し、それに伴って物の往来も制限をされていくという中で、どの業種もどの地域もやはり経済が縮小していると思っております。そして、将来、先行きに対する不安ということも含めてこういった結果が出ているのではないかと思っておりますが、日本経済は大変厳しい状況になると思っております。

 場合によると長期化する可能性もあるということは誰もが考えていることでありますが、そういった際にどういう対応をしていくかということも含めてこれらを考えていかなければならないと思っておりますけれども、当面、やはり雇用の維持と事業の継続ということを中心に考えていく。まずは、事業がしっかり維持できることが雇用につながるということでありますので、このことを重点的に経済産業省としては対応してまいりたいと考えております。

落合委員 先週の金曜日も、IMFの専務理事がこうおっしゃっていました。世界の景気は二〇〇八年のリーマン・ショックのときよりはるかに悪い状況だ、そして、IMFの歴史を振り返ってもこういう状況は今までもなかった、一番最悪の事態だということをおっしゃっているわけでございます。

 何とか我が国の三百数十万者ある事業者にこの危機を乗り切ってもらって、危機後にしっかり経済活動を担ってもらうという状況をつくっていく。かなり、政策を打つ立場としても重要な局面に来ているものと思います。

 それで、質問をさせていただければと思うんですけれども、この前の一般質疑でも申し上げさせていただきましたが、補助金とか給付金というのは、それが経済対策の四番バッター、中心ではあるんですけれども、どうしても今の日本の仕組みだと、給付までも、補助金が出るまでも遅くなってしまう、一カ月、二カ月かかってしまうということなので、まず、事業者に対しては、やはり融資をしっかりと整備するというのが我が国においてはかなり重要なことだと思います。

 これは政府系金融機関も動いているわけですが、物すごい数、融資ですが保証も実行している。しかし、大臣も御存じだと思いますが、それさえも断られてしまっている人たちがたくさんいるというのが、今、状況なわけでございます。

 ちょうど、きょうの日経新聞の一面に数字が出ていたんですが、公庫と保証協会で、直近で二十一万件も申込みが来ているんですけれども、申込みした人のうちの六割ぐらいしか承諾されていないということで、これは、今、かなり保証ですとか融資が受けられるバーは下げているんですけれども、それでも断られている。この状況を鑑みて、もっと対象を広げたり、基準、要件を下げていく、これは検討するべきだと思いますが、いかがですか。

梶山国務大臣 今委員がおっしゃったように、政府系金融機関でも窓口を強化しながら、そして、できる限りの相談を受け、また申込みも受けようと思っております。

 今、申込件数が二十三万二千件台ということで、そのうち承諾件数が十三万四千件ということで、これ全部、残りが断られているわけではなくて、継続で今審議中ということでありますが、余り時間がかかるのはよろしくないということで、書類を省けるものは省く、従来のお客さんであればほぼ書類抜きでも考えてほしいという言い方をしておりますし、また、そういったことを、書類を省いたり要件の緩和ということでやっております。

 さらにまた、やはり公庫と商工中金の窓口だけではどうしても数が限られてしまうということで、窓口を借りるという言い方が適切かどうかわかりませんけれども、制度融資を民間の金融機関でもできまいかということをずっとやりとりをしていたんですけれども、今回の対策に入れてもらいました。そういうことも含めて、従来通っている民間金融機関でも、無利子無担保そして据置き最大五年というものが使えるようにしてきたところでもあります。

落合委員 これは、申込み二十三万件のうち十三万件が承諾されたということですけれども、まだ申込みさえもたどり着いていない人たちが結構たくさんいる。

 先ほど大臣も、民間の金融機関も窓口になって初めてやっていくんだということですが、これは実際に、三月の年度末にわっと申込みが殺到して、申込みというか申出ですね、相談したいと、それが、私の聞いた範囲では、三月末に申し出た人が、面談が始まるのが大体ゴールデンウイーク前後ぐらいになる。なので、この二十三万件には恐らく、申込みはまだしていないわけですから、入っていないと思います。

 大臣が今おっしゃった、民間の金融機関の窓口を使えるようにするというのは大変重要だと思います。これは一昨日、総理も、地銀、信用金庫、信用組合に協力をしてもらうということをはっきりおっしゃっていました。詳しく調べてみますと、都道府県の支援メニューの申込みを金融機関でもできるようにします、役所に行かなくてもいいようにします、それから、公庫ですとか国の公的金融機関で扱っているものも、地方の金融機関で前さばき、受け付けも恐らくできるようにしますということなんですけれども。

 これは一つあれなのは、国の危機対応の指定金融機関にはメガバンクも入っていますので、まだメガバンクが動くという余地もありますので、そこも含めて、大臣から、ぜひフル稼働でやるべきだということも言っていただければと思うんですが、いかがですか。

梶山国務大臣 メガバンクには、今、例えば公庫の手続の作業、書類の整理の作業などもお手伝いをいただいている状況であります。そして、それらがスムーズに公庫の作業のレールに乗るような形で対応をしてきているということであります。

 また、今メガバンクのお話もありましたけれども、全ての可能性、どうやっていくかということも含めて、作業のぐあいも含めてなんですけれども、これは出し惜しみしているわけではなくて、どれが今一番、どういう形でやれば効率よく、今の申込み又は希望がかなえられるかということで考えながらやっておりますので、しっかりとまた念頭に入れて取り組んでまいりたいと思っております。

落合委員 これはふだんのメーンバンクにお願いすれば、決算書を三年分持ってきてとか言わなくても、もう出しているわけですから、かなり速やかに実行ができる、そして各金融機関にとってはリスクをとる必要がないという状況ですので、ぜひ有効な手段だということをお伝えさせていただきます。

 それから、政府系金融機関のいろいろな実行件数の内訳を見てみますと、公庫ですとか保証協会、かなりの数を実行しているわけですけれども、商工中金の実行件数を見てみますと結構少ないような感じがするんですが、大臣、状況は把握されていますでしょうか。

梶山国務大臣 先般、商工中金の会社にも伺いましたし、窓口の状況も見てまいりました。

 商工中金、危機対応業務ということで、三月十九日からということで対応してもらっておりますけれども、今回の相談窓口を開設した一月二十九日以降、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に対して、プロパー融資で七千八百八十四件の申込みを受けているのが現状であります。三月十九日に先ほど申しましたように受け付けを開始した危機対応融資に関しましては、七百九件の申込みを受け付けているところでありますが、日本政策金融公庫の件数と比較して商工中金の件数が少ないことについては、周知が不十分であることが要因として考えられると思いますので、あらゆる機会を通じて、あらゆる手段を通じて周知をしていくということを考えておりますし、業界団体また全国組織も含めて、地方組織も含めて、あらゆるチャンネルを通じて周知をして御利用いただきたいと思っているところであります。

 商工中金による危機対応融資が利用可能であることを積極的に周知をすることによって、中小企業による活用を促していくことだと思っております。

 引き続き、商工中金、危機対応業務で前回不祥事があってということですから、今回、商工中金には、これが試金石だぞ、改革の試金石だということを私自身からも申しておりますので、しっかり対応させたいと思っております。

落合委員 商工中金は確か百店舗以上支店を持っていたと思いますが、危機対応融資が七百九件しかやっていないというのはかなり少ない状況ですので、これは所管の大臣からぜひ背中を押していただければと思います。

 いろいろな方から話を聞きますと、もう公庫は、困っている企業は既に借りていることが多いですので、もうこの危機対応融資をやっても限界がある、どうすればいいかという相談が多いということも聞いています。

 これは、民間もそんなにはリスクがとれませんので、商工中金の活躍の余地というのはかなりありますので、ぜひここは経産省としても大きく打ち出していくべきだと思いますので、また改めてこれは確認をさせていただければと思います。

 それでは、次に事業者への給付についてなんですが、個人事業主それからフリーランスの方々は特に目をしていかなければならないと思います。

 全体の個人の収入も、今回の対策で、世帯の月収が減ってしまったところに関しては三十万円給付しますと。それから事業主に対しても、個人事業主は最大百万、中小企業には最大二百万ということなんですけれども。

 これはもう既にいろいろな方が質問していますし、いろいろ言われているように、かなり相当数、数を絞ろうというような形で、まず、これがたとえもらえたとしても金額が少な過ぎる。例えば、個人事業主で飲食店をやっている人が最大で百万円もらって、家賃を払って、どうすればいいんだというような問題も出てくると思います。

 例えば、イギリスでは自営業者の所得の八割を支援します、それから粗利の補償をしている国もあります。諸外国は、今までにないことをばんばんばんばんやって、事業者のコスト部分ぐらいは国が払いますということをやっているわけで、今の日本の支援メニューでは事業者のコスト部分も賄えない、そういうメニューしか出していないんですが、事業者への支援は全く足りていない、だからもっとやるべきだ。大臣、いかがですか。

梶山国務大臣 委員おっしゃるように、海外各国においてはさまざまな対策が講じられているわけでありますが、それまでの社会政策も含めて、どういう対策がされるかということを総合的に考えていかなければならないと思っております。

 ドイツでは、中小零細企業、個人事業主に対して最大一・五万ユーロ、百七十八万円を支給をするということ、イギリスでは、議員おっしゃったように、小売、観光、娯楽にわたって、一定の業種の中小企業に対しては最大二・五万ポンド、三百三十七万円を給付する、所得が五万ポンド以下の個人事業主に対しては過去三年間の平均月額の八〇%まで三カ月にわたってということになりますし、フランスでは、小売、飲食、観光等の中小零細企業のうち休業又は三月の売上げが前年比五〇%以上減少した企業に月額千五百ユーロ、約十八万円を給付するというような対応が出ているということであります。

 各国の対応というものをしっかり見ていく必要はありますけれども、まずは給付にこぎつけたということで、その後、これで終わりということではありません。やはり対策をしっかり打っていかなければならないと思っておりますし、百万、二百万の企業への給付、また個人への給付、さらには民間金融機関を通じての制度融資ということ、今までにないこともやっておりますけれども、更に必要であれば、必要な措置を講じてまいりたいと思っております。

落合委員 大臣も御存じなように、日本の企業は小さければ小さいほど利益率が低い、要は生産性が低い。逆に考えると、家賃とか人件費とかコストを払う比率が高いわけでございます。売上げに対するコストが高いのに百万円だけの支給で終わりというのは、恐らく、多くの企業が、個人事業主は廃業をしてしまう可能性が高いと思います。特に飲食店は、自粛してくださいと言っていますので、自前のビルで飲食店をやっている人はほぼいませんので、家賃がどんどんどんどん発生しているという中で売上げに急ブレーキがかかっている。

 やはり、イギリスのように、今までの三年分の所得の平均の八割ぐらいは払うというぐらいのことをやらなければ、大変な連鎖倒産を含む問題を引き起こすというふうに思います。所得の八割を払うような、必要なのは、休業を要請される業界ですよね、収入がゼロになってしまいますので。

 休業補償について取り上げさせていただければと思うんですけれども。

 緊急事態宣言が総理によって発せられました。きょう、東京都知事が一時ぐらいから多分記者会見をして、どこの業種に休業してもらうかというのも発表をしていると思います。

 なぜ緊急事態宣言をして休業してもらうのかといえば、総理がみずからおっしゃっていましたが、今医療機関が大変なことになってしまっている、患者数を抑えなければ医療崩壊が起きてしまうおそれがある、なので、特定の業種には休業してもらって、接触者を八割減らしてもらって、感染の拡大を防がなければなりません。このために緊急事態宣言が総理によって出されたわけでございます。

 これは、政府からお願いして、各都道府県知事が具体的に特定の業界に休業してもらうわけですから、休業してもらうのに補償しない、業種を限定するのにその業種に特別にお金を払わない、これでは、その業界の人たちを見殺しにしているのに近いと私は思います。

 政府が、また都道府県が、休業を具体的に業界にするのであれば、その業界の事業者には全員に補償する。都道府県によって財政の事情が違うので、もう国がやる。これは、やらなければ大変なことになると思います。大臣、いかがですか。

梶山国務大臣 これまでも、いろいろな御意見を伺う場も含めて、いろいろな要望もございました。

 自粛要請によって生じる個別の損失の態様は千差万別であり、これらに対して公平かつ納税者の納得感ある形で一律に補償することは簡単ではないと思っております。

 ただ、苦しいことは十分に承知をしております。例えば飲食店についても、そこに納める人たちも含めて、いろいろな方たちが連なっているということでもありますし、需要が蒸発してしまうというか、まるきり目の前の需要がなくなってしまうということですから、収入の手だてがなくなるということでもあると思っております。

 今、七日に取りまとめました対策において、当面、個人事業者に百万を上限、そして中堅・中小企業者に二百万ということは、当面の固定費の支払いということの足しにしていただくという意味も含んでいるわけでありますけれども、この状況が長期化、また長く続くことも含めて、しっかりと検討していかなければならない事項であると私自身も認識しております。

落合委員 例えば私の地元の急行がとまらない駅のお菓子屋さんでも、一カ月百万ぐらい家賃がかかるわけです。これは、特に首都圏の各駅の商店街の借りている人たち、これは、一回の百万の支給では全く意味がないというふうに思います。

 大臣、千差万別で線引きが難しいとおっしゃいましたけれども、それは緊急事態宣言が出される前の話であって、宣言が出されて、特定の業種に休業をお願いしたのであれば、線引きはもうしているわけですから、そこにはお金をごっそり入れる。休業の要請をして、従ったら収入がゼロになるんですから、そこの会社の売上げの八割ぐらいは補填するというようなことは絶対にやっていかなきゃならないと思います。バーとかライブハウスとかスポーツジムとか、そういうところはもう具体的に各都道府県が発信しますので、線引きはもうできていますので、あとは財務省にお金を出してもらう。ぜひ説得をしていただければと思います。

 もし財務省がお金を出さなかったらどういうことになるかということを、やはり大臣からしっかり言うべきだと思いますので、ぜひお願いします。

 その次は雇用についてなんですけれども、非正規雇用の方々が残念ながら続々と、特に三月末に解雇がされました。あと、びっくりしたのが、おとといぐらいにタクシー会社が大量に解雇をして、失業保険をもらった方が有利だからというようなことが経営者から説明がされていました。

 ただ、今の話というのは、雇用調整助成金を使っていれば、そっちの方が本当は得なはずなのに、何でこれだけ大量に解雇されているのかなと。せっかくいい雇用調整助成金というものがあるのに、周知がされていなかったり面倒くさかったり、何か問題があるんじゃないかというふうに思います。

 この制度の設計をしているのは経産省ではなくて厚労省で、厚労省もきょう記者会見を開いていまして、書類の記入事項を五割削減しますとか発表しているんですけれども。どっちにしても、これだけいいものがあって、雇用が維持できる仕組みがあるのに使われていない、周知がされていない、理解がされていない。これについて、大臣、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 総体的に私も報告を受けるわけですが、個別の話も結構受けるんですね。これは別に、この人をどうしてくれということじゃなくて、こういう状況なんだということを聞くことがあります。そういった中で、雇用調整助成金の話もありますし、お子さんが休んだことで会社を休むことによって一日当たり八千三百三十円というものもあります。ただ、会社がやってくれない、会社に指示してくれみたいな話も聞くときがございます。

 これは、都度、その業界であるとかその会社に、こういう非常事態ですから、指示をするように言っていますけれども、やはりそういった面を考えると、非常に周知不足か、それとも会社側の面倒があるのかということが推測されるわけでありますけれども、まずは周知、しっかりどんな手を通じてもやること。

 そして、例えば、国交省、ほかの役所の所管に関する業界であれば、その役所にも全部情報を共有して、今、コロナの対策会議のときには大臣間で話し合ったりもしておりますので、まず、我々も、全体として周知をしっかりと図っていかなければならないという認識を強く持っております。

落合委員 あと、先ほど田嶋理事からも言及がありましたが、ゴー・トゥー・キャンペーンも経産省の説明の中にも入っていました。

 これだけ雇用の問題とか事業継続が危ぶまれていて、しかも、飲食店とか観光には行かないでくださいと政府が言っているにもかかわらず、飲食店や旅行を補助するものをやりますというのを発表していまして、これは非常に矛盾していることだと思います。これは、大臣も知らないうちに、いつの間にかそういうことになっていたのかもしれませんが、そんなことを言っているような状況ではない、国民はそんなことを政府に言ってもらいたくないと思っているはずですので、ぜひそれも理解をいただければと思います。

 あと、生き残っている事業者の資金繰りについてなんですが、納税の猶予、社会保険料の猶予、これも同時に発表されました。非常に重要だと思います。特に、社会保険料も固定資産税も消費税も、もうかっていようが、もうかってなかろうが、払わなきゃいけないというお金ですので、これを猶予してもらうということは、事業者にとっては大変重要だと思います。

 しかし、これは、猶予が有効なのは私は一回きりだと思います。例えば、次の年度が来たら、もう一回猶予を申請したら、企業にとっては、決算書上、負債がどんどんどんどん積み上がっていく、そうしたら、余計お金も借りられなくなる、苦しくなっていくわけで、猶予というのは今回の対策だけで、その次に対策を出すときは、消費税の納税免除、猶予じゃなくて免除、若しくは消費税減税、こういったことも打っていかなければならないと思います。

 固定資産税についてももう総務省が免税の基準とかも発表しましたけれども、ほかの税についても猶予だけじゃない措置をしていかなければならない、これは早目にアナウンスしていかなければならない問題だと思います。

 それから、七百五十五億円ですか、今回の補正予算でキャッシュレス・ポイント還元が入っているんですね。キャッシュレス決済をすれば、小売業が今細々と生き残っているのに、支払い、資金繰りが余計厳しくなるわけですよね。

 これは早目に打ち切った方がいいんじゃないですかね。大臣、いかがですか。

梶山国務大臣 これは、消費税導入後の需要の平準化対策、そして中小店舗の支援、さらにはまたキャッシュレスの端末機の導入ということで始まって、六月末までということになっておりますので、これは延長することはありません。六月末までにやめるということになると思いますし、六月末までの予算ということで組ませていただいております。

落合委員 これは私は、六月末までよりか早く打ち切るべきだと思います。これは、六月末まで続けると七百五十五億も足りないので追加で計上するんだと思いますけれども、今、マスク二枚配るのも四百六十億で、それだったら給付してくれと言っている中で、わざわざ小売店舗、小さい小売店舗を苦しめるキャッシュレスのポイント還元を大々的に政府を挙げてキャンペーンをする必要はないと私は思いますので、このことも申し上げさせていただきたいと思います。

 これは、全体的に経済対策が平時の延長線上にあるわけですけれども、IMFでさえ経験したことのないことが今起こっているわけですから、やはり、各セクションからの積み上げ型ではなくて、思い切った決断、政治家の決断が必要だと思いますので、ぜひ、経産大臣として行動を、決断をお願いできればと思います。

 これは、心配なのは、去年もおととしも集中豪雨ですとか洪水が起こっているんです。この状況で洪水まで来たらどうするんですかと。秋に終息していない状況で冬に入っていって、インフルエンザがまたはやる時期になったらどうするんですかと。これはやはり、速やかに終息をさせなければ本当に大変なことになってしまうわけですから、我々の責任は大きいと思います。

 この件については、これで質問を終わります。

 5Gの法案について質問させていただきます。

 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案ということで、これは今、新型コロナウイルス感染症も広まっていて、在宅勤務もふえている、あと、学校も休校しているということで、通信量は伸びていまして、三月は四割ぐらいデータ通信量がふえたそうでございます。今回、5Gをどんどん広めていくということですが、第一世代と比べると、第五世代で十万倍も情報の通信速度が進化するということでございます。

 それで質問なんですが、この法案で、5Gなどに関する開発計画や導入の計画を国が認定をして、それが通れば特例の融資ですとか税の優遇、金利の優遇などが受けられるということで、優遇を受けるわけですから、公平性とか公正性の問題があると思うんですが、これは、こういう優遇をつくる目的というのは、日本の今5Gの対応がおくれている企業の育成のためにこの優遇を、日本企業の育成のために使うのか、若しくは外国企業も平等に基準がクリアすれば優遇をするのか、政府の方針というのはどっちなんでしょうか。

梶山国務大臣 特定高度情報技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律案において、システムの開発供給及び導入の支援を行うに当たっては、国が安全性、信頼性、供給安定性などの基準を盛り込んだ指針を策定した上で、その指針に基づいて事業者から申請される計画を適切に審査をし、認定をしていくことになります。

 こうした基準を満たす計画であれば外国企業も認定を受けることが可能でありまして、内外無差別など、国際ルールに整合的に運用してまいりたいと考えております。

 他方、近年、各国主要キャリアを中心に、情報通信システムを単独のベンダーに任せるのではなく、複数のベンダーに対してオープンにする取組が本格化をしております。世界的に強みを持ち得る分野を中心に、日本企業が入り込めるチャンスも広がっているということであります。

 こうした状況を踏まえて、法律案に基づく指針は、オープン性の観点も盛り込んで、オープンイノベーションの観点も盛り込んで策定をしてまいりたいと思います。

 これにより、国内外の企業がそれぞれの強みを持ち寄る、国際連携を促進する中で日本企業の育成を進め、法律案の基本理念に定めているとおり、ひいては我が国の産業の国際競争力を図ってまいりたいと思っております。

落合委員 日本企業のレベルを上げながら、しかし、この優遇は内外無差別であるというようなことで御答弁をいただいたと思います。

 これは、いろいろ私も、今回、いろいろな現場の方ですとか専門家からもヒアリングもしましたけれども、デジタルトランスフォーマーの法案のときもそうでしたけれども、認定とか基準をつくるのは最先端のものに対してつくるので、経産省がそういう人材を確保できるのかなと。そもそも経産省が、これはよくて、これはだめと、そんなにレベルの高い判定ができるのかなという問題もあると思います。こういう指摘が多かったことをここで述べさせていただきます。

 それでは、もう一つの法案に移らせていただきます。

 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性に関する法律案ということで、世界的に、例えばアメリカですと、非正規雇用が多いので、不況になると、どおっと失業者が出るという形ですけれども、驚いたことに、この御時世でも、アメリカではアマゾンは大量採用をしているということでございます。世界の企業の昨年の時価総額ランキングを見ても、上位がほぼデジタルプラットフォーム企業が占めているということで、このコロナの騒動が終わった後は更に上位を占めるのではないかなというふうに思われます。

 ここで質問なんですけれども、公取委員長に先に質問させていただければと思います。

 今回の法案、杉本公正取引委員会委員長にお越しいただきましたが、どのように評価していますでしょうか。

    〔委員長退席、武藤委員長代理着席〕

杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。

 デジタルプラットフォーマーというものは、消費者それから中小企業者に対して、イノベーションによりまして多大な利便を与えているものだと評価しております。

 ただ、こうしたデジタルプラットフォーマーは、ネットワーク効果により大変なマーケットパワーを有することになる傾向がございます。したがいまして、特定デジタルプラットフォーマーは、ネットワーク効果によりマーケットパワーを有する者ということから、こうした者がマーケットパワーを背景に不公正な取引方法により競争環境を阻害することがあれば、独占禁止法上、問題があると考えております。

 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案の目的は、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上を図ることでございまして、本法案では、そのような目的を達成するために、情報開示に関する規定などが設けられているものと承知しております。

 これらの規定は、独占禁止法違反行為の未然防止に資するなど、競争環境の整備の点からも大変意義があるものと考えているところでございます。

落合委員 意義があるということでございましたが、先日の朝日新聞に杉本委員長が取り上げられていました。これは杉本委員長の言葉が引用されていまして、「このままでは国内企業が巨大IT企業の下請けになってしまう」、私はこの言葉には共感をしております。

 私も、国会で何回もデジタルプラットフォーマーの問題を取り上げてまいりました。この十年を見ても、商店街がやられてしまっただけではなくて、大手のデパートももうからなくなってしまった。それから、スーパー、みんなやられてしまった。運送業の人たちは、ネット通販がふえたので仕事がふえて、もうちょっと手数料を上げてくれとお願いしたら、じゃ、自前でやるからいいよということで、今、多くのデジタルプラットフォーマーは運送業も自前でやっています。なので、運送業の仕事も奪われてしまいました。

 それから、数年前までは、日本の競争力ある産業の一つはゲーム産業でした。しかし、今はゲーム機器を買わなくなって、スマホとかタブレットでダウンロードする。そうなると手数料をがっぽり取られて、次の開発費用を捻出できないぐらい利益が減ってしまっているのが今の状況でございます。これは、どんどんどんどん日本の企業が淘汰されてしまっているという深刻な問題があります。

 私は、このデジタルプラットフォーマーにまつわる問題は三つあると思いまして、一つは、デジタルプラットフォーマーの企業、株主、従業員、傘下の事業者、ほかの関係者、利益をどうやって配分するか。今はちょっと会社がとり過ぎていると私は思います。それから二番目として、情報の利用のルールですね。これは特に日本はまだ決めていないところが多いですが、今、情報は財産になりますので、その財産である情報をどうやって配分するのか、どういうルールで利用するのかという問題があると思います。三つ目は課税でございます。残念ながら、消費地で税金が納められていないという問題があります。

 この法案を見てみますと、いろいろ、新法ですので、これは見てみると三年後の見直し規定がありますが、これは絶対見直さなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、運用状況を見て。もうこれは新しい分野なので、それについてプロセスをしっかり準備しているということでよろしいですね。

    〔武藤委員長代理退席、委員長着席〕

梶山国務大臣 この分野は日進月歩ということで、すごいスピードで変化もあるわけでありますから、三年ごとに法律を、法律の施行後三年で、比較的短い期限を定めて検証することとしておりまして、その方法についてもしっかりと準備をしているところであります。

落合委員 これは重要なのは、例えば通報窓口とかがしっかり機能するのか。文句がいっぱい出ているけれども、実際にはそれが改善につながっていなかったり、あと、不利益取扱いを受けるというような事例が出るかどうか、これが一つのポイントだと思いますので、これはまた施行後にも取り上げさせていただければと思います。

 最後、杉本公取委員長に伺えればと思うんですが、これは、世界のデジタルプラットフォーマーの代表格はGAFAですけれども、これは、今、日本の子供たちにも使われているユーチューブも、実は二〇〇六年にグーグルに買収されているんですよね。あと、大学生とか高校生が使っているインスタグラムも、二〇一二年にフェイスブックに買収されています。

 これは、要は、デジタルプラットフォーマーはどんどんどんどん株主価値が上がっていくので、敵対的買収がしやすい。なので、その分野でベンチャーが起こりにくい、イノベーションが起こりにくい、こういう問題が、既に先行しているアメリカでは言われ始めました。

 これは、日本でも同じようなことが起こってくると思いますので、しっかり監視するということでよろしいのかというのが一点と、残念ながら、委員長が任期を迎えるということで、ここまで頑張ってやってきた中で次にバトンタッチしなきゃいけないので、何をバトンタッチをしたいかということ、二点伺えればと思います。

杉本政府特別補佐人 まず、御質問の第一点でございますが、公正取引委員会としては、デジタルプラットフォーマーがスタートアップ企業を買収することにより、将来の競争の芽が摘まれ、イノベーションが阻害されることにならないようにする必要があると考えております。

 このため、デジタルプラットフォーマーが国内の競争に影響があり得るスタートアップ企業等を買収するような企業結合につきましては、国内の売上高が小さいために届出基準を満たさない場合でありましても適切に対応する必要があると考えております。

 こうした観点から、公正取引委員会では、昨年十二月に企業結合審査の手続に関する対応方針を改定いたしまして、買収に対する対価の総額が大きく、かつ、被買収会社の事業拠点が国内に所在するなど、当該企業結合が国内の需要者に影響を与えると見込まれる場合には企業結合審査を行う旨を明確化したところでございます。

 公正取引委員会としては、改定した対応方針に基づきまして、迅速かつ的確な企業結合審査に努めてまいりたいと考えております。

 第二点の質問でございましたが、私は、七年前に公正取引委員会の委員長に就任いたしましてから、新時代の競争政策ということを標榜してまいりました。デジタル化の進展のもとで経済環境が大きく変化する今日、競争政策は大きな役割を担っていると考えております。経済の成熟化段階にある我が国におきましては、経済成長を続けていくためにはイノベーションの促進が不可欠でございまして、そのためには公正で自由な競争環境が確保されることが極めて重要であると考えております。

 こうした観点から、公正取引委員会はデジタル化の進展といった経済環境の変化に合わせて公正かつ自由な競争環境の整備を図っていくという重要な役割を担っていると考えておりまして、次期委員長にも公正取引委員会がこうしたミッションを果たしていく上でのリーダーシップを期待したいと考えているところでございます。

落合委員 時間が来ましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

富田委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 安倍政権は、内閣官房のデジタル市場競争会議において、デジタル市場のルール整備として、大きく分けて五つの分野を掲げております。すなわち、一つは企業結合審査、二つ目に取引の透明化、三つ目に消費者に対する優越的地位の濫用への対応、四つ目に個人情報保護法の見直し、そして五つ目にデジタル広告市場の競争評価であります。

 そこで、まず梶山大臣に伺いますが、今回のデジタルプラットフォーム法案、これはそういう構想の一部ということでよろしいわけですか。

梶山国務大臣 デジタル市場をめぐる問題につきましては、国際的にも議論も進んでいるところでありますが、競争政策や個人情報保護など多岐にわたる課題があることから、内閣官房のデジタル市場競争会議において総合的な検討を進めてきたところであります。

 デジタル市場のルール整備については、昨年十月のデジタル市場競争会議において、データの価値評価も含めた独占禁止法のルールの整備、デジタルプラットフォーマー取引透明化法の検討、個人情報保護法の見直しなどを含む五分野について政府として検討を進めることが決定をされました。

 委員御指摘のとおり、本法案はデジタルプラットフォーマー取引透明化法の検討の方針に沿ったものであり、ことし一月にデジタル市場競争会議で取りまとめられた案を踏まえて、今回、法案提出に至ったものであります。

笠井委員 三月六日の当委員会で西山商務情報政策局長は、今回の法案について、EUのオンライン仲介サービスのビジネス利用者のための公平性及び透明性向上に関する規則案を参考にしたと答弁をされております。その上で、EUは、オンライン仲介サービス、オンライン検索エンジンに該当する対象事業者を、規模を問わず全てに義務を課しているのに対して、日本の今回の法案は、一般的な規定を置いた上で別途政令で具体的な分野を特定デジタルプラットフォームとして定めるという点がEUと異なっていると答弁をされたわけですが、どうしてEUのように広く対象にしないのか、その点はいかがでしょうか。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員から御指摘のとおり、本法案の検討に当たりましては、EUが昨年策定をいたしまして、ことしの七月から施行予定であるというふうに聞いておりますけれども、オンライン仲介サービスの公正性、透明性の促進に関する規則というのを参考にしております。

 その際、これも委員から御指摘のとおり、デジタルプラットフォームというのは新しい概念であるわけでございますけれども、このEUの規則においては、オンラインモールなどのオンライン仲介サービスとオンライン検索エンジンに適用を限定した上で、規模を問わずに、その二つの類型について義務を課すこととしております。

 本法律案では、まず、デジタルプラットフォームの定義について広く一般的な規定を置くことを通じて、取引実態などの調査を通じて、真に必要なものを適時適切に指定ができるようにということで、EUとは違う考え方をとっておるということと、それから、特に、デジタルプラットフォーマーの取引の透明性、公正性が求められる背景にありますのは、やはり、デジタルプラットフォーマーの規模が非常に大きい、あるいはその集中度が非常に高いために、デジタルプラットフォーマーとの取引を行っている側から見れば、非常にいわゆるスイッチングコストが高い、ほかの人に切りかえることが難しいといったような事情があるということがこの問題の焦点の一つだろうということから、委員御指摘のとおり、まず、規定は広くとった上で、実態に合わせて指定はするのですけれども、一定規模以上の事業者を規制の対象とすることとしております。

 以上でございます。

笠井委員 確認いたしますけれども、EUの方は該当する対象事業者を規模を問わず全てに義務を課している、そういうことで間違いないわけですね。

西山政府参考人 まだ施行前ですから確実なことは申し上げられませんけれども、規則を見る限りにおいては、規模についての定めはないという理解をしております。

笠井委員 オンラインの仲介サービス、オンラインの検索エンジンに該当する対象事業者を規模を問わず全てに義務を課す、それが今、EUの場合だということでありますが、私は、そうでないと実効ある規制にならないんじゃないかと思うんですけれども、その点はどうなんでしょうか。

西山政府参考人 先ほどの御答弁とやや重なりますけれども、いわゆるデジタルプラットフォーマーについてなぜ取引の公正性や透明性が特に求められるかと申しますと、やはり、デジタルプラットフォーマーとしての規模が非常に大きく、なおかつその利用の集中度が高いために、取引の相手から見ると、少し雑な言い方をお許しいただければ、競争がある程度制限をされている。

 つまり、あるAさんという方と取引している場合に、BさんもCさんもいて、ほかの人に切りかえることが難しい、いわゆるスイッチングコストが高いということが、さまざまな取引の相手方から見ると懸念を得る一つの大きな理由になっているというふうに考えておりますので、そうしたことを考えますと、スイッチングコストが高いということは、要するに、規模が非常に大きくて集中をしている人に対して取引の透明性、公正性を求めることが必要であるし、それが広い意味でイノベーションと規制、規律のバランスという意味でも適切だというふうに判断をしているというところでございます。

 以上です。

笠井委員 日本の今回の法案は、国の関与と規制を必要最小限のものにするというものでありますけれども、そのために指定も必要な最小限度に限定するというふうなものだと思うんですが、では、必要最小限度のどのような分野とどのような規模を指定するということになるんでしょうか。

西山政府参考人 お答えを申し上げます。

 この法案の検討に当たりましては、EUの規則、今御質問いただいております規則を参考にすることと並行して、さまざまな実態調査を私ども経済産業省あるいは公正取引委員会で実施をいたしました。そうした各種実態調査を行いました結果、現時点において特に取引の透明性や公正性を高めることが求められる、あるいはそれを高める必要のある懸念がある分野として、オンラインモールとアプリストアということが指定の候補として挙がってまいりましたので、当面は、こうしたオンラインモール、アプリストアのうち大規模なもの、これは規模あるいは先ほど申しましたような集中度を勘案して決定をいたしますけれども、そうしたものを当面の対象とする予定としております。

 以上でございます。

笠井委員 世界では、急成長を遂げてきたグーグルやアマゾンなどGAFAと呼ばれる巨大IT企業をめぐって、個人情報の収集や税逃れとか、あるいは労働者の使い捨てなどが大問題となって、各国は規制や課税の強化に乗り出しているわけであります。

 EUでは、人間の尊厳という観点から、プライバシー権とか個人情報の自己コントロール権を保障する一般データの保護規則、GDPRと言われますけれども、これが制定をされた。

 梶山大臣に伺いますが、日本でも、GAFAを始めとして日本国内の巨大IT企業を含めて、国の関与のもとでやはり踏み込んだ規制にしていくべきではないかと思うのですが、その点はどのようにお考えでしょうか。

梶山国務大臣 デジタルプラットフォーム事業者は、イノベーションの担い手でもあり、中小企業等に国内外の新規顧客の開拓機会を提供するなど、さまざまなメリットももたらしているのも事実であります。

 他方、ネットワーク効果が著しく働くといった特徴により、独占、寡占が生じやすく、中小企業が一部のデジタルプラットフォームを利用せざるを得ない状況が生じやすいとの側面もあります。

 二〇一九年に公正取引委員会が国内外の企業が運営するオンラインモールとアプリストアについて実施した取引実態調査によれば、両分野で約五割から六割の取引先事業者が一部のデジタルプラットフォームに売上げを依存しており、そのような状況下で、事前に説明なく規約が一方的に変更される、問合せや意見に対応する体制、手続が不十分であるといった問題が多数発生していることが明らかとなっているところであります。

 これを受けて、政府としては、デジタル市場競争本部を中心に分析した結果、デジタルプラットフォームの公正かつ自由な競争を実現するためには、優越的地位を濫用した規約の一方的な変更など独占禁止法に違反するおそれのある取引行為の問題と、規約変更や取引拒絶の理由などに関し不透明さがあるといった取引の透明性や公正性の問題の二つの課題に分け取り組むことが必要と判断をいたしました。

 このうち、後者の取引の透明性、公正性の問題については、個別の公正競争を阻害する取引行為を事後的に是正する独占禁止法では対応し切れないことから、今回の法案により、取引の透明性、公正性を向上させるために必要な一定の取引ルールを定めるものとしたものであります。

 サイバー空間であっても、中小企業者とそして大手の企業とのやりとりに関しては、やはりしっかりと五分の契約を結ばなくてはならない、サイバー空間だから特別だということではなくて、本来の契約のあり方というものをしっかりと考えていかなければならないと考えております。

笠井委員 自主性に任せるというのは全体として貫かれていると思うので、日本ではやはり、世界の流れとは逆に、個人情報の商業利用を促進して、違反を抑止するための課徴金すら盛り込まないような個人情報保護法改正を行おうとしているわけでありまして、そうなるとプライバシー権を更に侵害しかねない。デジタルプラットフォームに対して自主性任せではだめだということは強く指摘をしておきたいと思います。

 同時に、今回の法案には穴があると言わなければなりません。デジタルプラットフォームをめぐっては、単発で業務を請け負ういわゆるギグワーカーが、直接雇用ではないために権利ゼロの働き方を強いられている問題が明らかになって、メディアでも頻繁に取り上げられております。

 大臣、このような単発の業務請負を仲介するデジタルプラットフォームというのは、この法案の対象になるんでしょうか。

梶山国務大臣 御指摘のギグワーカーについては明確な定義はないものの、一般的には、インターネットを通じて短期、単発の仕事を請け負う形で働く個人のことを指すものと承知をしております。

 本法案は、デジタルプラットフォームの中でも特に取引の透明性、公正性を向上させる必要性が高いものを政令で定め、具体的な規律の対象とすることとしております。

 当面は、公正取引委員会等による調査で取引実態上の課題が明らかとなっている大規模なオンラインモールやアプリストアを対象とする予定であり、仕事と個人のマッチングを行うデジタルプラットフォームを対象とすることは予定をしておりません。

笠井委員 予定していない、入っていないということであります。

 昨年十一月十三日の当委員会で、配達代行のウーバーイーツ配達員の実態から、雇用によらない働き方であるために労災保険が適用されない問題の是正を求めました。梶山大臣は、フリーランスは多種多様でなかなか分類はできないのが現実だ、できるだけ待遇そして給与等はしっかりと保障できるような形が望ましいというふうに答弁されていたんだと思うんですよね。

 それなのに、大臣、なぜ今回の法案ではそうした業務請負のギグワーカーを対象から外すのか。その点はいかがですか。

梶山国務大臣 新型コロナ感染症の対応の中で、フリーランスについてそういう発言を私もしておりました。

 本法案は、デジタルプラットフォームの中でも特に取引の透明性、公正性を向上させる必要性が高いものを政令で定めて具体的な規律の対象とすることとしており、当面は公正取引委員会等による調査で取引実態上の課題が明らかとなった大規模なオンラインモールやアプリストアを対象とする予定でいるということであります。

笠井委員 今、大臣の発言はコロナなどを踏まえてということだった。私が先ほど紹介したのは昨年十一月の答弁でありますので、それ以前のことなんですけれども。

 二月の四日の予算委員会でも私は、ウーバーイーツの配達員の声を紹介して、権利ゼロの働き方の是正を求めました。安倍総理は、そういう形が広がっていくことはいいとは思っていないと明言されたんですけれども、結局、この問題というのは一歩も進んでいないではないかと言わざるを得ないと思います。

 そこで、今大臣言われたコロナの話になるわけですが、とりわけ新型コロナ感染症拡大で今甚大な影響を受けているのが、このギグワーカーを始めとしたフリーランスの方々である。

 そこで伺いたいんですけれども、四月七日に閣議決定した緊急経済対策にある最大百万円の給付、これはフリーランスということになりますと持続化給付金ですが、これは事業収入が前年同月比五〇%以上減少した個人事業主、フリーランスが対象だ、こういうふうに私は理解しているんですけれども、中小企業庁に伺います、単発で仕事を請け負うギグワーカーというのは、この給付金の対象になるんでしょうか。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 持続化給付金の対象につきましては、ギグワーカーか否かにとらわれることなく、中堅、中小、小規模法人及びフリーランスを含む個人事業者について、できるだけ幅広い業種を対象とする考えでございます。

 制度の詳細につきましては検討中でございますが、できるだけ早期に具体的な対象についてお示しさせていただきたいと考えてございます。

笠井委員 この制度については、事業収入が前年同月比五〇%以上減少した個人事業主、フリーランスが対象というふうに書いてあるわけですけれども、結局、単発で仕事を請け負うのに、収入が前年同月比半減ということをどうやって証明すりゃいいんですかね、こういうギグワーカーの人たちは。

渡邉政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、制度の詳細については検討中でございますけれども、そういったさまざまな事情にできるだけお応えできるような対応を今後検討してまいりたいと考えてございます。

笠井委員 制度の詳細は検討中、できるだけ応えられるようにということですが、ウーバーイーツの配達員の場合は、毎週の支払いの前にアプリを通じて通知をされます。これは証明というふうにみなされる、そういう方向で検討するということになりますか。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 そういったことも含めまして、今後、検討の対象とさせていただきたいと考えてございます。

笠井委員 では、もう一つ伺いますが、昨年はまだ配達員じゃなかったという方もいらっしゃるわけです。そういう場合に、一年前と比較できない場合もあるんですね。そういう場合はどうするか。これについてはどうですか。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 そういった個別の事情につきましてもできるだけ配慮しながら、今後、制度を検討してまいりたいと考えてございます。

笠井委員 今、検討中であり、個別の事情に配慮できるようにというふうな答弁がありました。

 大臣、このギグワーカーの場合、この今ある制度で今考えているようなことをいうと、よく考えて適用できるようにしていかないとなかなか難しいかなということになりかねないんですね。

 だから、ギグワーカーの場合に、コロナ対策の持続化給付金を受け取れるようにする方向で検討する、こういうことでよろしいですか。

梶山国務大臣 今、政府参考人から話がありましたように、柔軟に対応するということで考えておりまして、手続上必要な書類というのはあくまでも原則ということであって、そういう状況にない場合は、やはりそういったことも考えなければならないと思っております。

笠井委員 ぜひちゃんとこれが適用されるように、対象になるように、具体的に検討して決めていただきたいと思います。

 融資貸付けというのもあるというような話も出るんですが、これも借金です。今後の見通しもなく借りられないという方も多い。一世帯三十万円ということで、生活支援の臨時給付金も、月収七万円の人が四万円になっても住民税の非課税以上で月収が半減していないから対象外と。それから、月収二十万の人が七万円になっても住民税非課税水準の二倍を切らないから対象外ということで、極めて狭いという問題もある。ここはよくいろいろ考えていかないと、今のコロナの対応ということでは、きちっとしたことにならないということは申し上げておきたいと思います。

 先ほども落合委員からもありましたが、イギリスの場合に、フリーランスを含めて月二千五百ポンド、約三十三万円を上限に所得の八割を補償して、そして政府が調査して該当する人に通知する制度、措置をとっていると。フランスでも、休業する労働者の賃金を一〇〇%補償して、小規模事業者やフリーランスにも第一弾として千五百ユーロと、約十八万円を支出している。

 大臣、この点は先ほどもやりとりありましたけれども、日本でもギグワーカーを含めたやはり所得補償ということで、きちっとやれるようにする、こういうことをやるべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

梶山国務大臣 今回の新型コロナウイルスの感染症拡大という状況において、さまざまなことがわかってまいりました。

 この件についても同様だと思いますし、しっかりと対応できるような努力というか、これから検討していく中で、原則だけではない対応の仕方というものも柔軟に考えてまいりたいと思います。

笠井委員 今、やはり自粛と一体の補償という声があちこちで巻き起こっております。

 政府が自粛、休業要請をするんだから、損失分を補償するのは当然と。ところが、政府の対策にはこの視点がなくて、見ていても、再起の糧というのでそれを提供するというが、何かちょっと発想が、何か、恵んでやれみたいになっちゃっているとすれば、これは多くの人が対象外になってしまうということがあるので、そこのところはしっかりと見る必要があると思います。

 子供の学校休業に対するフリーランスの一日四千百円の支援金についても、これは厚労省に確認したところ、学校休業以前に業務請負契約を結んでいて、発注者から日時や場所の指定を受けていることが条件ということで、これをやると、今来議論してきたギグワーカーというのは対象にならないということになります。

 では、本人がコロナ感染で休業せざるを得なくなる場合というのはどうか。ここはちょっと大臣にもこの所感を伺いたいんですがね。

 ウーバーイーツの場合でいうと、日本法人が三月二十七日に、配達員が感染して働くことができなくなったりした場合に一定の収入を補償するというふうに発表しました。

 これは、最長で十四日間、コロナ感染ですから、あるいは濃厚接触ということで自宅待機になったときには、十四日間最長で経済支援をするというものなんですけれども。ところが、その一方で、アメリカでは、このウーバーが、これを請求したドライバーや配達員のアカウントを停止する、あるいは請求を無視して問題になっているということが起こっているんですね。

 だから、大臣に、政府が雇用によらない働き方を推奨している中でこういう働き方が広がっているという状況で、こんな実態が、ひどい実態が起こっている、これは御存じだったでしょうか。

梶山国務大臣 今の件につきましては、委員からの御指摘でわかりました。

笠井委員 それだけではないんですね。

 三月十日に、政府の新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の第二弾では、自治体が条例で傷病手当をつくれば経費の全額を国が負担することを決めたわけですけれども、対象は被用者だけです。被用者分だけということになります。

 自治体がフリーランスや自営業者を傷病手当の対象にするということを、条例をつくることはできるんですけれども、しかし、かかった経費というのは全て自治体持ちということで、国保に関連して言うと、国は負担しないということで厚労省は言っているということになっています。

 これは大臣、閣僚の一人として、また、この実際には対象になる方々はやはり小規模あるいは中小企業やフリーランスがいらっしゃるので、被用者と同じようにやはり国が経費の全額を負担するように厚労大臣にぜひ働きかけるべきじゃないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。

梶山国務大臣 所管外ですのでこのコメントは差し控えさせていただきますが、一般論として、まずは傷病手当金については、国民健康保険において市町村が条例で定めて行う任意給付とされているために、対象者や支給要件、財源などについての検討を行った上で、市町村の判断により被用者以外の方も対象とすることは可能であると理解をしております。

 その上で、また委員からの御指摘もありましたので、コロナの会議のときに厚労大臣には私からまた意見として申し上げておきます。

笠井委員 中小企業団体の全国商工団体連合会、全商連も、新型コロナウイルス感染症に罹患した全ての国保加入者に傷病手当を支給すること、必要な費用の全額を国が財政支援をということで、強く求めて要望を出しております。国としてもしっかり行うべきだ、今大臣が、コロナ対策会議で厚労大臣にもそのことをしっかりおっしゃると言ったので、ぜひそのことを言って、政府として踏み切っていただきたいと思います。

 このウーバーイーツについて言いますと、コロナ感染症の影響で、三月三十日からパートナーセンターというのを閉鎖をいたしました。配達途中のトラブルなどで緊急の連絡の窓口となるサポートセンターも電話がつながらないということで、配達員の方々が訴えております。

 業務の発注をして配達員を働かせながら、連絡手段というのはメールのみしか受け付けない、こんなことになっちゃっているんですね。要するに、連絡をとったりとか、あるいは、実際にパートナーセンターというのはそこがセンターになっているわけですけれども、そことの連絡がとれないでいるということになっている。

 大臣、配達員だけがほったらかしにされるようなひどいやり方になっているということだと思うんですけれども、やはりこういう点で経産省として、ウーバーイーツに直接、これは問題だよということで指導すべきじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

梶山国務大臣 個別の事例についてはコメントを差し控えるという状況をまずは御理解いただきたいと思いますが、その上で申し上げれば、それらのフリーランスなどの雇用によらない働き方の保護のあり方については、多様で柔軟な働き方を後押しする観点から、健全な発展に向けて取り組んでいくべき課題と認識をしております。

 引き続き、内閣官房のもとで関係省庁とも連携し、検討を進めてまいりたいと思っております。将来的な課題として、競争政策でやっていくのか労働政策でやっていくのかという課題があると思いますけれども、今現実に起こっている課題についてはできるだけ救済できるような方向で検討してまいりたいと思っています。

笠井委員 やはり現実に起こっている課題をしっかりと解決するということと、それは同時に、この制度ということについても、あるいはこういう働き方ですね、今大臣おっしゃったけれども、政府が雇用によらない働き方全体を進めている中でこういう事態が起こっているということについて、そこはしっかり見ながら、やはりそもそもフリーランスについて言いますと、労災保険とか最低賃金とか団体交渉の権利が保障されていないということで、そのウーバーイーツで見ますと、平時でも労働組合との団体交渉を拒否しているというのが会社側になっています。

 コロナ感染拡大のもとで、傷病手当もそれから休業補償も協議体制もないということ、今いろいろな問題で取り上げさせていただきましたけれども、明らかになってきた。こういうときこそプラットフォームの責任をしっかり果たさせるということがいよいよ重要になっていると思うんですけれども、大臣、そのことはいかがでしょうか。

梶山国務大臣 先ほど来申し上げているとおりに、今現在問題が起きているアプリストアであるとかそういったものに対して今回は規制を行うということでありますけれども、将来の課題として、やはりこういったことも内閣官房のもとで関係省庁とも連携をし検討を進めているところでありまして、繰り返しになりますけれども、労働政策でしっかりと対応してやるのか、競争政策の上でやっていくのかということも含めて対応してまいりたいと思っております。

笠井委員 最後になりますけれども、この法案とのかかわりになりますが、デジタルプラットフォーム法案というのは、冒頭も議論しましたけれども、オンラインモールとアプリストアだけが対象のようになっていますけれども、オンラインで労働を仲介するサービスと、ギグワーカーなどフリーランスの働き方の是正にもつなげるべきではないか、この法案についてそういうふうに考えるんですけれども、法案審議との関係で改めて大臣の所感を伺いたいと思います。

梶山国務大臣 課題としてはそういう課題が残っていると思っております。

笠井委員 四月三日の本会議で西村大臣は、私の質問に対して、二〇二〇年夏の最終報告に向けて検討するということで、フリーランスの問題については同じ答弁を繰り返すだけだったんですけれども、結局、二月の予算委員会で伺っても、そういうことで、夏までに検討する、今調べているんですと。この四月三日に伺っても、また、夏までなんですということですが、私はそんな悠長なことを言っていられないと。

 しかも、こうした働かせ方をやっている中で、コロナのこうした感染拡大でいろいろな問題も噴出しているということですから、やはり本当にその点では真剣にこの問題に向き合って当面の問題を解決する、大臣がおっしゃったように大事だと思うんです。

 同時に、やはりこういうあり方そのものについても、働き方についても、あるいはプラットフォームについても、よくその問題も考えてやっていく必要がある。

 この法案については引き続き質問をさせていただきますが、きょうはこれで終わります。

富田委員長 次に、串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一です。

 きょうは二つの法案についてお聞きをしたいと思いますが。

 まず最初に、サイバーセキュリティーという言葉が出てくるんですけれども、一般的にサイバーセキュリティーというイメージというと、個人情報が漏えいするとか改ざんされるとか、そんなようなイメージなんですが、どうやら法律案、いろいろレクを受けても、そういうような概念と少し違うような説明を受けているんですが、ここの法案におけるサイバーセキュリティーというのはどういう内容でしょうか。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 サイバーセキュリティーという言葉をこの法案で使わせていただいておりますけれども、もともとサイバーセキュリティーという言葉は、法律の中で申しますと、サイバーセキュリティ基本法の中に定義がございます。その定義を基本的には引用しております。

 その定義はかなり技術的に書かれているものでありますけれども、大まかに御説明を申し上げれば、今委員が御指摘の、個人情報を含めた情報の窃取のようなものもあれば、システムそのものにある種侵入をしてその機能を停止させるようなことも含まれている概念でございます。

 以上でございます。

串田委員 これまでの委員のいろいろな質問の中にも、アプリケーションの情報収集というのもありました。

 昨今ではコロナウイルスの都市封鎖ということで、各国がグーグルの位置情報を利用して、自宅に何時間いるのかということが全てデータに出ていて、日本もそういう形で自宅に何時間いたのかということが全部データで出ているというのが発表されております。

 そういう意味で、自宅にいるということ、位置情報というのは、移動するのはわかるんですが、自宅にいるということまでもわかるということは、自宅というのを登録、グーグルマップだと登録をしているんですが、恐らく登録しなくても、毎日夜滞在する時間が長いところを自宅として推認することができるのだろうというふうに思います。

 そういう意味からすると、自衛隊の宿舎に長くいる者は自衛隊員として、データとして収集され、日ごろの行動パターンをデータ集積をされているということがあるのかなと。これが、アプリとしても、同盟国ばかりではなくて、いろいろな国のアプリが位置情報を同位させているということからすると、アプリが自衛隊員、あるいは赤坂宿舎や青山宿舎のような国会議員も全部自宅として認識されているとするならば、国会議員の行動も全部把握されているんだろう、地元に帰っているところを位置情報で収集すれば、恐らくiPhoneとかあるいはスマホがどの議員によって利用されているのかというのもいろいろなアプリによって全部特定されているんだろうというようなことを考えると、アプリが民間企業だからといってこれを監視しないというのは、そういう意味では、防衛という点からも大変危険な部分もあるのかなと。他の委員からも、アプリへの規制というのをもう少し国としては考えなければならないんだろうという指摘がありました。

 私も、そういう意味で、事前に、これは所管はどこでするのかという質問をしましたのですが、民間企業だということで所管が曖昧なんですね。そういう意味では、こういう5Gなどの非常に大量な情報収集というのがなお一層、位置情報どころではなくてたくさんの個人情報が各国のアプリによって収集されていくということに関しては、日本ももう少し本腰を入れて規制をしていかなければならないんだろうというふうに感想としては思ったわけでございます。

 次に、特定デジタルプラットフォーム提供者というのがあって、これに対する透明性や公正性というのもあるんですが、これは我が国だけの事業者を対象にしていたのであれば余り意味がないのかなと。先ほどのアプリの話もそうなんですが、いろいろな事業者がある中で、我が国だけの事業者であると効果が発揮できないのではないかというふうにも思うんですが、その点はいかがでしょうか。

西山政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、いわゆるデジタルプラットフォームには国境を越えて事業を展開しているようなものも多うございますので、この法案のもとでデジタルプラットフォーム提供者という場合においては、当然のことながら、いわゆる国内の事業者のみならず国外の事業者も同一の規制の適用対象としていくことが重要でございます。先ほどの質疑にもございましたけれども、そういう意味においても、先例になりますEUの規則についても参考として立案をしているところでございます。

 その上で、本法案は、他方において日本市場における取引の保護を目的としているものでございますので、日本市場向けにデジタルプラットフォームを提供している事業者であれば、その所在地が国内であるか国外かを問わず、内外無差別で適用されるということでございます。それを実効あらしめるために、例えば国外のデジタルプラットフォーム事業者への法執行につきましても、公示送達と言われる手続を使うことによりまして、確実に命令を行うことができるように手続を設けるなど、法律上明記、手当てをしているところでございます。

 以上でございます。

串田委員 公示送達という話がありましたが、よく、裁判所の壁のところにガラスの掲示板みたいなのがあって、そこに紙がべたべたべたべたと何枚も重なっているというようなのが公示送達というふうにイメージとしてあるんですが、果たしてそれで実効性があるのかどうかというのは、大変私としては疑問に思うところでございますけれども。

 次に、五年以内に5Gの高度特定基地局を五〇%以上つくるということでございます。

 5Gに関しては我が国は大変おくれているというような指摘もあって、それはいろいろ事情があるんだというような説明もあるんですが、大変おくれている中で、五年以内に五〇%以上の基地局を5Gとしてつくっていくということに関して、果たしてそれでいいんだろうかと。

 もちろんつくる必要はあるんですけれども、既に、ビヨンド5Gと言われている光回線を中心とした6Gも二〇三〇年にはでき上がる。十年後にでき上がるというのは、進歩によってはもっと早く、五年以内にもう6Gができ上がる可能性もあるわけでございますので、五年以内に五〇%以上の5Gの基地局をつくるということで、陳腐化していかないだろうかという心配があるんですが、その点はいかがでしょうか。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 5Gのサービス、三月末から始まったところでございますけれども、5Gにつきましては、まだ最初の規格の基地局を整備し始めた段階です。6G、今議論を始めたところでございますが、6Gは、二〇三〇年代での活用というのを念頭にしておりますので、技術的には二〇二〇年代半ばにはつくっていかなければいけないとは思っているんですけれども、基地局の整備という意味では二〇三〇年代になろうかと思います。

 その上ででございます。5Gにつきましてはそういったことでございますので、今現在、基地局の整備を進めているところでございますが、五年以内に五〇%以上ということで、私ども、基盤整備率というものを定めておりますけれども、それは、あくまで最初に免許を与えたときの最低限のラインで整備を求めたものでございます。

 各社から出された計画ですと、この同じ基盤整備率という概念を使いますと、五年後には九八%の基地局を整備すると言っておりますし、最近、ドコモですとかKDDIですとか、サービスを始めるに当たってアナウンスしたところでは、更にそれを大幅に前倒して整備していくということでございますので、私どもも、サービス開始自身は他国に対して一部おくれているところもございますけれども、今後、そういう事業者の取組を積極的に促しながら、こういった税制ですとか条件不利地域での支援というものをしっかり行いながら、こういった整備を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

串田委員 基地局のいろいろな選択というのが大変だということはわかるんですけれども、4Gに関して、5Gにするときに、これはアンテナが違うということでございます。周波数が短くなることによって、かつてVHFというのがあって、それがUHFにかわったときに八木アンテナも短くなったわけで、周波数が変わればアンテナの形状も変わるんだろうというのはわかるわけでございますので、そういう5Gが今つくられている中では、将来6Gにかわるということはもう目に見えているわけですので、汎用性のあるような基地局というものを用意していって、6Gができたときには、むしろ世界をリードするような形で、速やかに基地局が整備できるというようなことを期待したいと思うんですが、汎用的な基地の整備というものについては取り組まれているんでしょうか。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 基地局の汎用性を高めるということでございますが、委員御指摘のとおり、確かに、周波数が違うとアンテナは別のものを使わなければいけない、こういったところはハードでやむを得ないところでございます。

 一方で、基地局のいろいろな設備、高度化に伴いまして、今まではそれぞれの、例えば4Gなら4G用にハードでつくり込んだ設備を使っていたところが、徐々に一般的な、例えばサーバーの上にソフトウエアでつくり込むというようなソフト化、仮想化の動きが広がってきてございます。

 こういう流れが進んでまいりますと、一般的な機械の上にソフトでどんどんバージョンをアップしていけるというような取組が進みつつございますので、そういった仮想化の取組と、更に言えば、さまざまな機器の組合せが容易にできるように、オープン化の取組も進みつつありますので、そういった仮想化、オープン化という取組を、政府としてもしっかりと、総務省と経済産業省の方で支援していきたいと考えております。

串田委員 ぜひ、既存のインフラを更に使えるような形で活用していただきたいものなんですが。

 次に、高度情報通信技術活用システムの中で、ドローンというのが出てまいりました。今回の新型コロナウイルスに関するいろいろな医療品を離島へ送るとか、そういったようなことも活用を考えられるわけですが、ドローンの今後の活用ということについてはどのような取組がなされているでしょうか。

春日原政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、海外での例でございますけれども、今回の新型コロナウイルスの対応ということで、医療物資の搬送、市街地などの消毒、それから市民に対する警戒周知など、さまざまな形でドローンを利活用する事例が出始めているというふうに承知をしております。

 それから、感染症対策という点を別にいたしましても、人が近づくことができない作業現場、例えば、高いところにある送電線、それからプラント、それから下水管の中での点検、検査、それから、災害が発生した場合の被災状況調査、周辺住民への情報周知、さらに、人手不足が深刻となっている過疎地や離島などへの物資輸送、先ほど御指摘ございましたが、こういった多様な活用方法に注目が集まっているというふうに思っております。

 こうしたドローンの利活用拡大は、新しい産業の芽として重要であることに加えまして、我々が直面する社会課題の解決につながるものだというふうに承知をしております。政策的意義も深く、政府としても、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。

串田委員 ドローンは非常に期待できるものなんですが、一般的には、空を飛ぶものですから、場合によっては落ちてくるのではないだろうかというようなことが考えられるわけで、この場合の民事的な責任、あるいは刑事的な、人をけがさせてしまったというような場合というようなこともあると思うんですが、このドローンに関しての民事、刑事に関する責任というものは、政府としては、どのような取組というか検討を今行われているでしょうか。

岩崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今後、ドローンの利用の規模や形態が拡大することが想定されます中、事故などにより被害者がこうむった損害の補償は重要な課題でございます。

 政府におきましては、関係省庁、学識者、メーカー、関係団体から成ります協議会を設置いたしまして、ドローンの利活用の拡大に係る諸課題を議論、検討しておりまして、被害者救済対策もその一つとなっております。

 本年三月に協議会で取りまとめました基本方針におきましては、被害者救済対策として、民間保険の商品化を充実すること、また、ドローンを飛行させる者の保険加入を促進することなどを推進することとされたところでございます。

 政府としては、この方針に基づきまして、万が一ドローンによる事故が起こった場合でも、被害者への補償が適切に行われるよう取り組んでまいります。

 また、ドローンによります事故が発生した場合の刑事責任につきましては、発生した個別の事案に応じて、捜査当局におきまして適切な判断がなされるものと考えております。

串田委員 次に、5Gに関する活用という意味で一つお聞きをしようと思うんですが。

 今、入管法などによって外国人がたくさん入ってきている、事件が起きる場合もあるし、民事的な問題もあります。あるいは、障害者によって非常に会話が不自由な方もいらっしゃるという意味では、通訳あるいは手話通訳というものが裁判の過程で活用できるということが考えられるわけでございます。特に手話通訳の場合は、画像で非常に迅速に行うことができるという意味では、5Gの活用というのが大変利用できるわけでございます。

 現在、障害者が民事裁判を起こしたいと言っても、手話通訳の用意ができない、非常に困難という意味で司法への手続をちゅうちょするということも言われているわけでございまして、このようないわゆる普通の通訳あるいは手話通訳、こういったような画像を瞬時に通信し合うというようなことで、裁判所にわざわざ行かなくても、ある一定のところに手話通訳や通訳の人が集まって、そして全国の裁判所で必要なときだけ画像でそれを利用するというようなことが十分活用できるのではないかと思うんですが、現在において、刑事訴訟法とか民事訴訟法上、このような法廷に通訳人が在席しなくてもこれを行うことが法律上は可能なのかどうかをお聞きしたいと思います。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 民事訴訟法でございますが、民事訴訟法には、委員御指摘のような、法廷に通訳人が在席しなければならないという規定は存在をしておりません。

 なお、通訳人が法廷に在廷せず、いわゆるウエブ会議の方法を利用して法廷以外の場所から通訳をするということについては、民事訴訟法上、許容されているものと考えられます。

保坂政府参考人 続いて刑事訴訟法の関係でございますが、通訳人が法廷に在廷しなければならないという規定はございませんで、個別の事件におきまして、裁判体の判断によって通訳人が法廷に在廷しないで、いわゆるビデオリンク方式という方式を用いて通訳が実施されたという例もあると承知しておりまして、私どもとしては、それが問題だというふうには考えておりません。

串田委員 さらに、今の通訳の件なんですが、現在、デジタル通訳ということで、日本語で話をすると英語で返ってくるとか中国語で返ってくるとか、非常に多くの、百カ国語以上の言語の通訳という機械が今でき上がっているわけでございます。

 そういう意味では、法廷通訳人というものを調達するというのはかなり費用も実はかかるわけでございまして、今非常に精度の高くなった、特にオフラインではなくてオンラインにおける通訳の場合、大変精度の高い通訳ができるということなんですが、これは現在の訴訟法上利用することが可能なのかどうか確認したいと思います。

竹内政府参考人 民事訴訟法に関しましてでございますが、民事訴訟法では、委員御指摘のような形の通訳ということは今のところ予定されていないものだと思います。

 技術的な通訳の正確性ですとか、あるいは、通訳をした場合、現在は通訳人に宣誓をしていただいた上で正確性を担保するということで手続を進めておりますが、そこの、正確性のあたりの検証が必要なのではないかと考えます。

保坂政府参考人 刑事訴訟においても同様でございまして、あと、条文でいいますと通訳人という文言が使われておりますので、そういった、AIがそれに入るかどうかという点も将来の課題になるのかなというふうに考えております。

串田委員 通訳に関しては国家資格等でその能力というものを担保されているわけでございますので、今後、そういうデジタル的な通訳の機械が何らかの形で能力を検査することができるようになって、能力を担保することができるようになれば、そういったようなことの活用というものも今後は、必要とするというか考えてもいいのかなと。今の法律上はそれができないということは確認をさせていただきました。

 次に、先ほどの5Gの中で、オンライン教育というものも今コロナ対策で言われております。5Gに関する教育関係に関しては、どのような今取組が行われているでしょうか。

江崎政府参考人 5Gの前提となりますオンライン教育の状況についてお答えをさせていただきます。

 民間の教育産業を所管いたします経済産業省でございますけれども、学校における将来的な一人一台端末環境を前提といたしまして、二〇一八年度から、エドテックを活用した新たな学びの姿を実証する「未来の教室」実証事業を全国各地の学校現場で進めてきたところでございます。

 その成果をもとに、今回、学校休業の要請がありました翌日には、「学びを止めない未来の教室」特設サイトを開設いたしまして、約六十のエドテック事業者が提供します無料のエドテック体験サービスを紹介をいたしております。開設から五週間で、約六十五万人の方々から延べ二百十万回のアクセスがあったところでございます。

 このように、休校期間中に多くの児童生徒がエドテックを活用した学びを体験していると考えられますことから、今般閣議決定されました令和二年度補正予算案に、学校ICT化によります学びのデジタルトランスフォーメーション、これを加速するための事業予算として三十億円を計上したものでございます。

 これによりまして、エドテックを活用した学校内での授業の全国展開、さらには一つの社会課題について複数の科目、これを融合してその解決策を探るSTEAMと呼ばれる教育に用いる新しいオンライン学習コンテンツの開発などを後押しすることとしております。

 現在、文部科学省がGIGAスクール構想に基づきまして生徒一人一台端末や高速通信網のハード整備を進めていることと歩調を合わせまして、経済産業省としては、エドテックを活用した学習コンテンツとソフト、これの充実を進め、学びのデジタルトランスフォーメーションを関係省庁一体に、スピード感を持って進めてまいりたいと考えております。

串田委員 今、非常に活用されているというお話を聞きました。今、コロナ対策によって一斉休校ということで、子供の虐待が非常にふえているという残念なことも報道されております。

 児童相談所による一時保護所では義務教育が受けられない。じゃ、タブレットとかパソコンは渡してあげているのかというと、それを文科省に聞くと、それは文科省の所管ではないということで、義務教育も受けられない状況で今一時保護に子供がいるわけですね。こういう子供こそ、まさにオンラインによって教育を受けさせてあげたいと思いますので、ぜひとも政府としてお考えをいただきたいと思います。

 最後に、これは前のほかの委員会でも質問させていただいて、本会議、入れかえ制でやっても、定足数、憲法五十六条に反しないんじゃないかという提案をさせていただいて、早速、そういったような形の実現ということが今行われつつあるようですが、この憲法五十六条の「出席」というものの中で、例えば、5Gを使った双方向性のやり方によって、本会議場に集まらなくても本会議の出席になるのかどうか。これについて、衆議院の議事部長に来ていただきましたので、お答えをいただきたいと思います。

今岡参事 お答えいたします。

 従来、議会は、全国民の代表である先生方が一堂に会し議論を行い意思決定を行うもので、憲法第五十六条の「出席」につきましては、現実に議場にいることと理解されてきておりまして、議長が先生方の出席を現認し、定足数の確認や議決の認定をすることができることが必要でございます。

 一方、社会情勢の変化やICT技術の進展等により、一般社会において会議出席のあり方が変化してきているのも事実でございます。

 ネットを介した会議出席等を現実の国会審議への出席とみなすことは、憲法解釈にかかわる問題であるため、慎重な検討が要されるものと承知しております。

 少なくとも、出席とみなすためには、現実の出席と同視し得る環境の整備等が必要になろうかと思います。また、通信システムの安定性、安全性の確保、費用等々の課題について検討していく必要がございます。

 いずれにいたしましても、今後、議院運営委員会を始めとする各党各会派において御議論いただき、慎重に御検討いただくべき事項であると承知しております。

 以上です。

串田委員 時間となりました。

 憲法五十六条も、このような緊急事態によって、いろいろな解釈というものも検討していかなければならないと思います。

 終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次回は、来る十四日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十三分散会


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