衆議院

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第9号 令和5年4月7日(金曜日)

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令和五年四月七日(金曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

   委員長 竹内  譲君

   理事 井原  巧君 理事 岩田 和親君

   理事 関  芳弘君 理事 細田 健一君

   理事 落合 貴之君 理事 山崎  誠君

   理事 小野 泰輔君 理事 中野 洋昌君

      石井  拓君    石川 昭政君

      稲田 朋美君    今枝宗一郎君

      上川 陽子君    小森 卓郎君

      國場幸之助君    佐々木 紀君

      鈴木 淳司君    辻  清人君

      土田  慎君    冨樫 博之君

      中川 郁子君    福田 達夫君

      堀井  学君    牧島かれん君

      松本 洋平君    宗清 皇一君

      山際大志郎君    山下 貴司君

      阿部 知子君    大島  敦君

      菅  直人君    神津たけし君

      篠原  孝君    田嶋  要君

      馬場 雄基君    山岡 達丸君

      足立 康史君    遠藤 良太君

      前川 清成君    中川 宏昌君

      鈴木 義弘君    笠井  亮君

    …………………………………

   国務大臣

   (GX実行推進担当)   西村 康稔君

   内閣府副大臣       星野 剛士君

   環境副大臣        小林 茂樹君

   防衛副大臣        井野 俊郎君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            山中 伸介君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  齋藤 秀生君

   政府参考人

   (内閣官房GX実行推進室次長)

   (資源エネルギー庁長官) 保坂  伸君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            覺道 崇文君

   政府参考人

   (警察庁警備局警備運用部長)           迫田 裕治君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  湯本 啓市君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長)   片岡宏一郎君

   政府参考人

   (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 新川 達也君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            井上 博雄君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君

   政府参考人

   (海上保安庁警備救難部長)            渡邉 保範君

   政府参考人

   (環境省大臣官房政策立案総括審議官)       角倉 一郎君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   金子 修一君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制部長)          大島 俊之君

   経済産業委員会専門員   藤田 和光君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月七日

 辞任         補欠選任

  長坂 康正君     中川 郁子君

  松本 洋平君     辻  清人君

  篠原  孝君     阿部 知子君

  馬場 雄基君     神津たけし君

同日

 辞任         補欠選任

  辻  清人君     松本 洋平君

  中川 郁子君     長坂 康正君

  阿部 知子君     篠原  孝君

  神津たけし君     馬場 雄基君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)


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     ――――◇―――――

竹内委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官齋藤秀生君、内閣官房GX実行推進室次長兼資源エネルギー庁長官保坂伸君、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官覺道崇文君、警察庁警備局警備運用部長迫田裕治君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官湯本啓市君、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長片岡宏一郎君、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長新川達也君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長井上博雄君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、海上保安庁警備救難部長渡邉保範君、環境省大臣官房政策立案総括審議官角倉一郎君、原子力規制庁次長金子修一君及び原子力規制庁原子力規制部長大島俊之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

竹内委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山崎誠君。

山崎(誠)委員 おはようございます。立憲民主党、山崎誠でございます。

 またGXの大事な法案が回ってまいりました。十分な時間を取って、じっくりと質疑をさせていただきたいと思います。

 脱炭素社会の実現に向けた電力供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案、今日は、特に原子力基本法の改正部分についての御質問をしたいと思います。

 まず、この法案でありますが、束ね法になっておりまして、様々な法案が一括で審議になっております。その中で、この原子力基本法を見まして驚きました。大改革でございます。

 まずは、どういう経緯でこの基本法の改正に至ったのか、確認をしたいと思います。

 GX推進に当たって、なぜこの原子力基本法をここまで改正することが必要になったのか。

 原子力基本法というのは、原子力利用に関する憲法のような存在でありまして、少なくとも、利用の都合によって書き換えられるべきものではありません。実施法たる電事法や炉規制法の改正に合わせて原子力基本法を改正するというのは本末転倒ではないでしょうか。

 原子力基本法を改正しなければGXの推進ができないとする理由をお聞かせください。GX担当大臣ですかね。

西村(康)国務大臣 今回、もう御案内のとおり、かねてからの課題でありました、利用と規制、これを法制上しっかりと整理をするということが大きな課題でありました。

 原子力委員会が令和二年に出された、利用については自分たちがコメントする立場にないという趣旨の見解を出されておりまして、それを条文上しっかりと整理をしようということも大きな一つであります。そうした中で、まさに原子力というものも、どう位置づけ、考えていくのか。

 御案内のとおり、原子力基本法には、原子力の開発及び利用を推進することによって将来のエネルギー資源を確保するということが書いてあるわけですが、あわせて、今回の改正で、一条に、学術の進歩、産業の振興ということと同時に、地球温暖化の防止を図るということも改めて明記をしたところでありますし、私ども、福島第一原発の事故の教訓、これをいっときたりとも忘れないということで、基本方針の中で、今回、安全神話に陥る、できなかったことを反省しということも、法制上初めて、このような、安全神話という言葉も憲政史上初めて法令用語として使うことにしたわけであります。その上で、利用に当たっての様々な課題、国の責務、そして基本的施策について整理をさせていただいたということであります。

 全体として、地球温暖化のためのカーボンニュートラルを目指していく、グリーントランスフォーメーションを進めるということと、エネルギー需給、エネルギーの安定供給、両立をしていく、そのことを原子力政策の中でしっかりと位置づけて明記をしたということでございます。

山崎(誠)委員 原子力政策というのは、電力の安定供給という利用サイドの要請に基づいて行うものでは私はないと思います。規制もあれば、原子力というのは、大変人類にとっても大きな影響を与えるものでありますから、原子力基本法というのは別格で、これは議員立法で先達の皆さんが議論を重ねて作ったものだという認識であります。極めて重要なものを、簡単に、安定供給という利用サイドの要請で曲げるのはおかしい。

 それから、GXの理由というのは当然あります。でも、GXは、別に原子力基本法をいじらなくたって、十分に原子力の活用をしようと思えばできる話でありまして、何もここにGXを書き込まないといけない理由はない。もっと言えば、再生可能エネルギーなどがどんどん伸びてくれば、原発に依存しなくたって、GXの目標は達成できるのであります。そのときも原発を使い続けるための布石をここで打っているんじゃないですか。大変問題だと思います、今の発言。

 次、原子力基本法を所管する内閣府とエネ庁の間でどんな協議がなされているか、省庁間の協議の様子を資料要求をしておりますが、一切出てきておりません。原子力委員会の議事録を見ろと。二回の議事録を見るだけで、内閣府、この法案の所管大臣、どういう御意見を持ったのか、どんな議論をされたのか、全く分からないままでは審議ができません。これだけの大改革でありますから、当然、綿密な協議があったはずです。何回くらい、誰が、いつ、どこで、どんな議論をしたんですか。

 これはどちらでもいいですよ。GX担当大臣、答えてください。

西村(康)国務大臣 原子力基本法の改正は、原子力利用に関する基本的考え方を踏まえたものというふうに承知をしております。昨年十二月二十三日からパブリックコメントを実施した上で、本年二月二十日に原子力委員会での議論を踏まえ決定され、二十八日に閣議決定したものであります。

 そして、この改定の検討に当たっては、一昨年の十一月以来、原子力委員会が様々な有識者からのヒアリングを行う中で、事務局である内閣府からの連絡を受けて、資源エネルギー庁からも、原子力委員会に対して様々な議論の状況を公開の場で二回説明を行っております。九月十三日の原子力委員会、そして十二月十三日の原子力委員会、この中で様々なやり取りをしておりまして、この基本的考え方の改定案について、各省協議のプロセスについて資源エネルギー庁として記載内容について意見を申し上げているということであります。

 法案については、私ども、今回、先ほど申し上げたように、法制上の利用と分離をしっかり整理をするという中で、事務的にも様々なやり取りを行っております。提供させていただいている、公開させていただいている資料の中にも、その状況についての資料はお示しをしているところでございます。

山崎(誠)委員 法案についての大改正のやり取りが全く書いていないんですよ。今の御説明も、基本的な考え方については、それは議論したかもしれませんよ。法案にあれだけ国の責務や事業者の責務や基本的施策と書いておきながら、その議論は誰がやって、どこでやったんですか。高市大臣に出てきて説明していただかなきゃ本当に駄目ですよ、これは。

 これは、もう一回資料要求いたします。

 内閣府とエネ庁の間でこの原子力基本法についての議論、条文や、あるいはその背景についての議論など、いろいろあると思います。何回、誰がどういう議論をしたのか、その記録と、議事録、メモ、経緯が分かる資料を大至急提出してください。

 次回の委員会で引き続きその資料に基づいて質問いたしますので、資料が提出されなければ質問には立てませんので、お願いをいたします。

 委員長、取り計らいをお願いします。

竹内委員長 後刻、理事会で協議します。

山崎(誠)委員 原子力基本法の改正に関して、修正案の概要はどこでまとめられましたか。草案の作成はどこの部署で行っていますか。

西村(康)国務大臣 今回、このエネルギー政策、特に電源に関わるもの、原子力に関わるもの、それぞれの所管省庁がございますので、それぞれの所管の省庁で検討が進められたものでありますが、互いに密接に連携しておりますので、自分のところの改正を行うに当たってほかにも影響を与えますから、それについての、それぞれの省庁が、頭の体操というか、いろいろな法技術的なことの検討を行う中でいろいろなアイデアがあったものと思いますけれども、そうした中で、いろいろなやり取りを、もちろん省庁の中で、それぞれの省庁の中でやりながら、関係省庁ともやり取りをしながら、最終的に成案を得てきたものというふうに理解しております。

山崎(誠)委員 それだけのやり取りがあったと大臣は認めているのに、その記録が一切出てこないで、どうやって審議するんですか。是非、資料の提出をいただかないと、今の御説明は全くそのとおりだと思います。綿密に相互の連携を取らなかったら、こんな法案なんかできませんよ。是非そこを、今の答弁、大事です。

 それでは、原子力基本法の所管大臣が、これは高市早苗大臣でありますけれども、高市大臣がどんな指示を出されたんでしょうか、内閣府。副大臣に来ていただいています。

星野副大臣 基本的な事務方の考え方を含めて、しっかりと今後も取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 以上です。

山崎(誠)委員 ちょっと、今のは完全に答弁になっていません。駄目、参考人、駄目駄目、認めていません、呼んでいません。認めていません。

覺道政府参考人 申し訳ございません。事務方の方から御答弁させていただきます。

 先ほど西村大臣からもお話ございましたように、本年二月に原子力委員会におきまして、原子力利用に関する基本的考え方を……(山崎(誠)委員「違う、法改正について聞いているんだよ」と呼ぶ)

竹内委員長 まず答弁させてください。

 答弁して。

覺道政府参考人 はい。

 原子力委員会で決定をしてございます。

 そうした中で、原子力に関するこうした基本的方針については法令で明記することが望ましいということが、その基本的考え方の中に盛り込まれてございます。そうしたことと、また、一連のGXをめぐる政府の議論等も踏まえまして、内閣府としてこの原子力基本法の改正を判断したということでございまして、当然、高市大臣にも御了解いただいているものでございます。

山崎(誠)委員 高市大臣は、官僚任せにしないで自分で法案なりなんなりチェックをすると言っているんだよ。その高市大臣がこの大改正についてどんな指示を内閣府に出したんですか、それを聞いているんです。そこについて語ってください、そこについて。

覺道政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますけれども、基本的考え方の中で、法令で明記することが望ましいというふうに書かれたことも踏まえまして、原子力基本法の改正を、高市大臣からも御了解を得て、提出をさせていただいているものでございます。

山崎(誠)委員 違うって。高市大臣からどんな指示が出たか聞いているんですよ。

 次へ行きましょう。

 じゃ、大幅に改正された国の責務の意義について、高市大臣はどんな見解をお持ちですか。

 副大臣、答えてください。高市さんの代わりに来ているんだから、副大臣が答えてください。

星野副大臣 基本的に、今委員御指摘のとおり、今後のエネルギー政策の進展に向けて、しっかりと今後も考え方を整理をしてまいりたいというふうに考えております。

山崎(誠)委員 副大臣、国の責務の意義について、何を書かれているか理解されていますか。どんなことを追加されましたか、国の責務で。どんな責務があるんですか。

 大臣、副大臣に聞いているんだ。副大臣の認識を聞いているんだ。

竹内委員長 内閣府覺道審議官。

山崎(誠)委員 要らない。大臣以外の、要らないです。じゃ、要らないです。いいです。座ってください。副大臣の……

竹内委員長 西村国務大臣。

西村(康)国務大臣 改正の案を見ていただいたら分かりますけれども、安定供給の確保、脱炭素化、脱炭素社会の実現、エネルギー供給の自律性の向上に資するための措置を講ずるべきこと、また、原子力災害の防止に万全の措置を講じつつ、国民の信頼を確保し、理解を得るための立地地域の課題解決等の取組を推進すべきことなどを記載をしているところでございます。

山崎(誠)委員 では、次、追加された原子力利用に関する基本施策について、高市大臣はどんな見解をお持ちだったんですか。

 特に、第二条の三の第三項には、国が事業環境を整備するための施策とあります。どんな施策を、高市大臣は想定されていますか。副大臣、答えてください。

覺道政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来申し上げておりますように、今回の原子力基本法の改正につきましては、原子力委員会での基本的考え方の改定も踏まえて行われるものでございまして、基本的考え方の中には、いろいろな、エネルギーの利用に当たっての、もちろん放射線利用とかその他のものも含まれてございますけれども、エネルギー利用に当たっての原子力利用についても様々な提言が盛り込まれております。

 そうした中で、原子力基本法の中に必要な条項を盛り込むようにということで法案を策定させていただいたものでございまして、今御指摘のあった第二条の三の第三号につきましても、原子力事業に関する事業環境整備につきましては、その基本的考え方の中で、国は、原子力発電事業者が安全対策に十分取り組むとともに、安定的に発電事業を実施できるようバックエンドも含めた事業環境の整備を行うことが必要であるというふうに基本的考え方にも記載をされてございまして、そうしたものも踏まえて、基本法の中に基本的施策として盛り込ませていただいているものでございます。

山崎(誠)委員 全然質問に答えてくれていない。

 どんな施策を想定しているのかと聞いたんですよ。所管の大臣が、どんな施策を想定しているか。お金を出すのか、人を出すのか、何をやるか。それを聞いているのに何も答えてくれない。

竹内委員長 覺道審議官。

山崎(誠)委員 いいです。質問しません。

 委員長、今の質疑では、この大事な原子力基本法の改正について、内閣府が、所管する大臣が、どんなお考えでこの改正をしたのか、全く分かりません。高市大臣に直接お聞きしたい点がたくさんあります。今聞いたものを、全部もう一回確認をしなければなりません。

 これは法案の質疑で、所管の大臣が説明されないのはやはり問題です。これは束ね法として出されて、本来であれば切り離して、じっくり時間をかけるべき内容であります。

 高市大臣の委員会への出席を求めたいと思います。委員長にお取り計らいをお願いをいたします。

竹内委員長 後刻、理事会で協議します。

山崎(誠)委員 西村大臣、高市大臣と、この原子力基本法の改正について、何回お会いになって、どんな協議をされたか、具体的に教えてください。

西村(康)国務大臣 高市大臣とは毎週のように閣議あるいはいろいろな会議でお会いをしますので、その場で私の方から大まかな改正の方向などについて、そのことはお伝えをしております。

 事務的にしっかりと調整をした結果、今回の法案が出ておりますので、事務レベルできちんと整理がなされたものというふうに思います。

山崎(誠)委員 大臣間ではその程度の立ち話しかやっていないということですか。

 西村大臣と高市大臣のこの原子力基本法に対しての協議の議事録などはありますか。

西村(康)国務大臣 関連の閣僚会議などを行っておりますので、その場でのそれぞれの発言などについてはしっかりと議事録が残され、公開されているものと思います。それを見ていただければ、いろいろな経緯はお分かりになると思います。

山崎(誠)委員 それを確認しますが、是非、西村大臣と高市大臣の協議の記録、本委員会への提出を求めます。

 委員長、取り計らいをお願いいたします。

竹内委員長 後刻、理事会で協議します。

山崎(誠)委員 私は、これは、いろいろな資料要求もさせていただいていますけれども、なかなか出てこないんですよ。御説明を十分にいただけないんですよ。

 これは、原発回帰を国を挙げて進めよう、法整備を一気にやってしまおう、それが今回の束ね法案じゃないですか。経産省主導で全てやっているんですよ、結局、経産省主導で。それが協議録を出さない理由じゃないですか。利用と規制、そして原子力基本法、これは、全部経産省がいじっているじゃないですか。

 時間ですから、続きは次回の質問にいたしますけれども、経緯をちゃんと明かして、説明をしてください。納得する資料をいただいてから質問に立たせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 終わります。

竹内委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 立憲民主党の阿部知子です。

 本日も経産委員会、お時間をありがとうございます。

 先ほどの山崎委員の御質疑もそうですが、原子力基本法の改正すら、その法案の改正過程、どんな論議があったのか、政務間でのやり取りが全く提示をされておらない、いつも事務方の御答弁しかないというのは、大変、国会としてはやはり悲しむべきことだと思います。

 法律ですから、しっかりと、どんな考えでどこをどう変えていくのかを詰めていくという作業が私たち立法府には課せられているのに、その法改正の過程が明示されないわけで、先ほど委員長は、山崎委員からの御提案を受けて、検討しますとおっしゃいましたが、事態は私は極めて深刻だと思います。

 国会は立法府です。その立法に関わる過程が見えないということは国民から全くのブラックボックスになりますので、私からも重ねて委員長に賢明なお取り計らいをお願い申し上げます。

竹内委員長 はい。

阿部(知)委員 私の質問、同じように、実は原子炉等規制法からこの度四十年の期限の規制を取り払って、電力事業法、電事法に移すという過程、これも全く、どのように政治の側、政務の側で話し合われたかが見えません。

 そこで、その点について御質問をいたします。

 まず、原子力規制委員長の山中さんに伺います。

 お手元、一枚目には、原子力規制委員会設置法の概要というもの、これは、二〇一二年になりますが、原子力規制委員会設置法について、内閣官房のホームページから取ったものでございます。ここには、概要として1と2がありますが、関係組織の一元化及び機能強化ということで、三条委員会として原子力規制委員会を置くこと、2、原子力の安全のための規制や制度の見直しとして原子炉等規制法の改正という、大きな二つが上がっております。

 山中委員長にあっては、この2の1、ここに原子力安全のための規制として運転期間の制限が置かれたということを御理解でしょうか。

山中政府特別補佐人 委員に御指摘いただきましたホームページについては、通告があった時点で、私自身、知りました。

阿部(知)委員 ホームページをいつ知ったかじゃなくて、安全規制のために制限が置かれたと明示されていることを御存じですかと伺っています。

山中政府特別補佐人 運転期間の定めにつきましては、原子力規制委員会の見解、既に令和二年七月二十九日にまとめさせていただいております。原子力利用の在り方に関する政策判断であり、原子力規制委員会が意見を述べる事柄ではないというふうに考えております。

 その後、昨年八月のGX実行会議における総理の指示を受けて、経済産業省の審議会で利用政策の観点から運転期間の在り方についての審議が開始されました。

阿部(知)委員 委員長、お願いがあります。

 私は、山中委員長にその先を問うているのではありません。この二〇一二年の記載について、運転期間の制限は安全のための規制として置かれているということを、これは法律の立法過程ですから御存じですか、今規制委員長を預かっているんですから御存じですかということを聞いているんです。その後どうなったかを今聞いておりません。

 御存じですか。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 原子力規制委員会の役割は、科学的、技術的な観点から安全面での基準を定めまして、個々の施設がその基準に適合しているか否かを審査をし、検査を通じた監視等を行うことに尽きると考えております。

 一方で、現行の運転期間延長認可制度につきましては、運転開始後六十年を迎えた原子炉については、たとえ安全面から基準に適合していることを確認しても、運転することができなくなります。それはもはや規制委員会の安全規制の観点ではなく、利用政策の観点であり、原子力規制委員会が判断するものではございません。

阿部(知)委員 ちょっと、ごまかさないでください。誠実じゃありませんよ。本当に誠実じゃない、委員長。だって、運転制限として置かれていることを知っているかと聞いているんですよ。そしたら、イエスかノーしかないでしょう。知っているんですよね、運転制限として置かれていると。どうですか。イエス・オア・ノーで。ここに書いてあるんですから。これは、政府の公式なものですから。否定なさるんですか。どうでしょう。

山中政府特別補佐人 少なくとも、運転延長の認可制度の考え方として記載されたものであると考えております。これが全部、原子力規制に、安全規制に当たるものであるとは考えておりません。

阿部(知)委員 その認識が大きな誤りのスタートなんですね。何のために安全規制として四十年を設けたか。

 そして、このホームページ、御覧になったと言うから、書いてあるんですよ、改正後の規定については、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講じられると。

 何も、金科玉条で言っているのではないのです。ただ、一旦は安全規制だとお認めにならないと、その後が全部ずれてしまいます。

 そして、もう一つ、この法案の提案者、当時の民主党の近藤先生ですが、その提案の中に、「四十年の運転制限の規定を含め、施行の状況を勘案して速やかに検討を加え、安全規制全体に関して見直す」ということまでついておるわけです。ここの主語は、「原子力規制委員会の委員長及び委員の知見に照らして」です。

 ですから、今委員長がおっしゃったような考えならば、それをそれとして、正面から問われればいいんです。委員長にも委員にもそれだけの権能があるんです。ただ、しかし、スタートは安全規制で四十年であったということをお認めにならないと、本当に論理がすれ違って、無駄に時間を過ごします。

 さて、山中委員長にあっては、ここの、必要と認められるときという認識があったればこそ、後ほど、さきにるる述べられたようなことをおっしゃいましたが、この改定の必要があると思われているんですね。どうでしょう。

山中政府特別補佐人 少なくとも、運転延長認可制度について検討を開始して、この制度設計をして、制度の運用を開始した当初から、運転期間についてはどのようなものであるべきなのかということについては、原子力規制委員会が十分検討を行ってきた課題でございます。

阿部(知)委員 どうして人の質問をはぐらかすんですか。必要と思ってですかと聞いているんです。四十年の運転制限は公に決められたんですよ、みんなで合意したんですよ。それを変える必要があるとお思いなんですねということで、思うなら思うと答えられたらいいじゃないですか。

山中政府特別補佐人 運転期間についての考え方については、この五年間、十分検討を行ってまいりました。その結論として、令和二年の七月二十九日に、運転期間については安全規制ではないという結論を得たわけでございます。

阿部(知)委員 それが委員長の考える必要性ならば、次のページをめくっていただきますと、原子力規制委員会としてはどういう手法で改正を求めていくかということを少し討議させていただきます。

 これは、今年、令和五年の三月の、政府のホームページ、原子力規制委員会のホームページですが、ここには、法改正をするためには閣議が必要ですから、「閣議案件を請議できるのは、総理と各大臣に限られるため、主任の大臣である環境大臣から、規制委員会の案件について請議を行う」とあります。役所はルールで動いていますから、規制委員会は環境省の外局です、そして予算や閣議については大臣を介して行うことになっております。

 当然ながら、規制委員会には法案の提案権はありません。しかし、今、山中委員長がおっしゃったように、令和二年の見解に基づいて変える必要があるんだと思うのならば、いや、もうこれは安全なんだと正面からおっしゃって、環境大臣が請議にかけて変えていかれたらどうですか。どうしてそうされないんですか、山中委員長。

山中政府特別補佐人 少なくとも、運転期間については、もうこれまで何度も御説明をさせていただいておりますように、安全規制の問題ではないということでございます。少なくとも、今回、エネルギー政策についての御提案が運転期間についてなされたわけですから、これは私どもが関係することではない、主として関係することではないということでございます。

阿部(知)委員 申し訳ないけれども、委員長、ちゃんと山中さんに答えてもらってください。私は論理立てて質問をしています。もし、原子力委員会が検討した結果、この運転四十年というのが必ずしも安全規制上必要ないとおっしゃるならば、しかるべく法改正を主管の環境大臣にお願いしてやるべきだと私はお尋ねしているんです。

 そう思わない理由は何ですか。それは、今、私が申し上げたのは、書かれたルールです。それをいろいろなところに遠回しにして、特に経産省が前に出てやる、そのことが国民にいかに疑義を招いているか、よく規制委員会としては私は理解すべきだと思います。

 今、規制委員会は本当に国民から信を失っていると思います。私は、山中さんは賢いからこうやってごまかされると、申し訳ないが、思います。聞いたことには答えず、周囲のことばかりをお答えであります。これは質疑とは言いません。

 限られた時間でやっているのですから、委員長は、答弁が的確でなければきちんと指示をしていただきますようお願いを申し上げます。

 その上で、環境大臣、今日はここは副大臣がお越しでありますが、なぜ今のようなルートを取られませんでしたか。お願いいたします。法の改正は、請議、環境大臣が閣議に持っていくということで、山中委員長は運転規制はもう要らないんじゃないかとおっしゃっているわけです。その上で、どうですか。

小林副大臣 お答えいたします。

 今回のGX電源法の共同請議について、環境大臣としてどういうタイミングで話を聞いて決定をしたのかについてお答えしようと思うんですが……(阿部(知)委員「でも、それを求めていません」と呼ぶ)そうですか。

竹内委員長 まずしっかりお答えください。(阿部(知)委員「質問権ですから大事にしてください」と呼ぶ)まず答弁してください。

小林副大臣 お答えいたします。

 原子力規制委員会において原子炉等規制法改正案に係る検討が進められていることについては、昨年十月五日に、運転期間の在り方に関する資源エネルギー庁の検討状況を踏まえて同委員会が検討を開始して以来、検討の進捗に応じ、西村明宏環境大臣に状況の報告がなされているものと承知をいたしております。

 原子炉等規制法の一部改正案については、二月十三日の原子力規制委員会で了承された後、西村環境大臣に対し了承された旨と共同閣議請議とする旨が報告をされ、二月二十四日に請議に係る決裁を行ったものと認識をいたしております。

 以上です。

阿部(知)委員 大事なところが抜けているんですね。

 今、副大臣の御答弁で、昨年十月の五日、資源エネ庁からなんですよ。資源エネ庁って経産省ですよね。私は、もし法の定めどおりであれば、原子力規制委員長が環境大臣に言って請議をされたらいいと思うんです。それで国民もどんなにか納得、安心するでしょうか。ところが、急に資源エネ庁が出てまいります。

 そして、昨日資源エネ庁からいただいた資料が二枚目の下であります。ああ、そうかと思いました。これは、この間、資源エネ庁と原子力規制庁が七回にわたる面会を行っていたときの経済産業省側のメモ。やっと出てきたんです、やっと、何か月も求めて。そこの二番目に、規制委員会が主請議、提案者とならない法構成が必要と書いてあるんですね。こんなことを経産省側からなぜ指示するんですか。提案するんですか。

 西村大臣、申し訳ないけれども、これを大臣は知っていたんですか。七月二十八日に手渡ししたメモの中にある言葉です。規制委員会が主請議、提案者とならない法構成が必要と七月二十八日の段階で既に資源エネ庁が資料の中に書いておられるわけです。大臣、知っていましたか。お願いします。

西村(康)国務大臣 私自身は、このメモの存在は二週間ほど前に初めて見たものであります。当時、担当者が様々な法改正に向けての頭の体操、準備をする中で、いろいろなアイデア、考えを個人的に整理をしていたというふうに承知をしております。

阿部(知)委員 個人的な整理で、頭の体操で法律が変えられたら困るんです。そして、環境省の、環境大臣の請議としないということまで何で官僚が決めるんですか。行政と立法府の関係はどうなりますか、こんなことをして。

 そして、西村大臣、続いて伺います。

 この七回のメモ、次のページに置かせていただきましたけれども、このメモ、先ほど経産側のメモは二週間前に知ったとおっしゃいましたが、七月二十八日以降、資源エネ庁が原子力規制庁と、束ね法案という文字を用いて、七月二十八日の冒頭に出てまいりますから、こういうお考えを大臣はいつ共有されたんでしょうか。

西村(康)国務大臣 この法案の検討は、もう長年の課題である利用と規制、これは先ほど規制委員長からありましたけれども、令和二年に規制委員会としての考え方を整理をされた後、これは、条文上しっかり、法制上整理をしなきゃいけないという課題を持ちつつ、そうした中でロシアのウクライナ侵略などがあって、GXとエネルギーの安定供給をどう進めていくかという議論が加速されたわけであります。

 その中で様々な検討が行われたわけでありますけれども、私自身は、束ね法案としてこういう形で提出をするということ、これについては、年末、私は海外出張に出たものですから、年始に法案提出の状況について報告を受けたということであります。

阿部(知)委員 西村大臣の誠実な御答弁ですけれども、内容は聞いてあきれます。

 それまでずっと、七月から年末年始にかけてこうした検討が省庁の間で、資源エネ庁と規制庁の間でしっかりと行われて、それを知ったのが年明けであると。私は、逆さだと思うんですね。大臣が、もしそういうことを必要とあれば資源エネ庁にも指示をされる、いつ、そういう指示がないか、ないのにもかかわらずこれだけのことが先走って行われる。

 今の本当に肥大した行政、特に官僚の、頭の体操と言えば聞こえはいいですよ、しかし、それを政務を離れて行い出したら本当に暴走になります。その一番いい例が今回の原子炉等規制法から勝手に電事法に持っていって、おまけに束ねでやりましょうと。なぜ頭の体操でここまで言えるんですか。そんなのは立法権の侵害ですよ。私は、こんなことが引き続くことは恐ろしいと思います。

 引き続いて、次のページを見ていただきますと、これは、規制庁側が八月の二十九日に環境省に対して提示された資料であります。それまで規制庁側と資源エネ庁側と何回かやり取りをして、その後に環境省にこうなりましたというのを示したのがこの八月二十九日の資料であります。

 ここにはるる書かれておりますが、まず、来年の常会に提出予定のエネ関係の束ね法案、ここには経産主請議と書いてありますが、後に内閣の主請議になっていますが、そして、運転制限を電気事業法に移管とまで書かれています。炉規法についての規定も書かれています。

 ここまで、私は、いかに頭の体操という言葉は最近はやっていますけれども、これは秘密裏の暴走というべきですよ。

 大臣は、かかる資料まで環境省に提示されていたということを当然御存じないですよね、どうでしょう。

西村(康)国務大臣 まず、先ほど来、規制委員長からもありますように、私も答弁していますとおり、令和二年の段階で、規制委員会として運転期間、利用に関わることは自分たちが口を出す話ではないという趣旨の見解をまとめられているわけであります。

 私どもとしては、今、炉規法にその規定があるものですから、これは担当じゃない、自分たちの所掌する範囲じゃないと言われている以上、法制上の整理をしなきゃいけないということはもう長年の、この二、三年にわたっての課題であったわけであります。

 その上で、今のエネルギー危機のような状況に対してどう対応するかということで、今回の法改正、これは、私どもの電事法に利用する側としてこの規定を置くべきだということで、このことについて、大きな方向性については当然私も理解をし、その方向で事務方には指示をしてきたところであります。

 そして、そのことが炉規法にも影響を与えますし、そして、原子力全体の利用についての基本的な考え方を定めている基本法にも影響を与える、そうした中で、それぞれの省庁が自分のところでどういう改正が必要なのかを考えてきた中で、お互いに密接に関連しますから、連絡をしながら、このような自分のところは改正を考えているけれども、当然それが反射的にこういう影響がありますよということはお互いに確認しながら、法改正、法の漏れがあってはいけませんので、法技術的なチェックも含めて事務方が進めてきた。大きな方向性については、私は理解をし、むしろ推進する立場で事務方に指示を出してきたということであります。

阿部(知)委員 実はこの問題、せんだって里見政務官にも伺いました。そうしましたところ、法律の検討は令和四年の七月までやっていないという御答弁でした。先ほど、高市さんと会ったり、いろいろな会議があったりはあるでしょう。私たちが伺いたいのは、どういう法改正をするかがどこで話されていたかなんです。里見政務官の御答弁も誠実だったと思います。どこで法律的な検討がされましたかと。されていないという御答弁でした。

 私は、改めて西村大臣に伺いたいです。

 先ほど、高市大臣とも閣議でお会いになる、しかし、それは法律上のお互いの検討ではありません。そのために、どこでどのような会議体を設けて、政務の皆さんは、法に関わるわけですから、このお話をされたのですか。であれば、そのメモをお出しくださいというのが先ほどの山崎委員の御質問です。私も一緒です。

 こうやって原子炉等規制法から電気事業法に移す法律改正ですから、そのための政務側としてのお話合いはいつ、どこであり、メモはどうなっているか。これが法律のいわば成立過程を見える化するということであります。どうでしょう。

西村(康)国務大臣 私ども、昨日から今日にかけて資料をお届けをしておりますし、今お示しのあった、これは規制委員会の、規制庁の方の資料だと思いますし、それぞれの段階で様々な検討が行われてきたわけであります、各省庁ごとに。そして、GX実行会議があり、関係の閣僚会議があり、私どもとして政務の場で議論を重ねて最終の方向性を出してきたということで、二月に、二月だったと思うんですが、閣議決定をさせていただいたということでありますので、この記録については議事録があり、公開をされているものであります。

 その上で、様々な場で大きな方向性について確認をしながら、高市大臣や西村環境大臣とも確認をしながら進めてきております。当然、法技術的な作業については事務方同士で漏れがないようにしっかりとチェックをして進んできているということでありまして、そのことについてはこのような資料で提供させていただいているところでございます。

阿部(知)委員 事務方と、そしていろいろな会議体と、それは分かっているんです。でも、その真ん中がないんです。法律を改正するときの立法背景、立法趣旨、このように変えていこう、その話合いをどこでされたかを伺っています。関係閣僚会議とかでそこまで具体的ではないと、私は分かりませんけれども、思います。そのメモをお出しいただきたい。それが法案の私は成立過程なんだと思うんです。いかがですか。

西村(康)国務大臣 まず、事務的なやり取りについては、日常的なやり取り、これは先ほどの頭の体操という話も含めて、これはメモであったり何かでありますから、そうした記録は公文書管理法に基づいては残してはいません。

 他方、資料については、いろいろな資料を提供し合ったり、あるいはそれぞれの審議会で議論があったり、それぞれの委員会で議論があったりしますので、これについては記録が残されております。

 そして、政務の場でも議論を行って、意思決定をする閣僚会議であるとか、あるいはGX実行会議であるとか、こういったものについては議事録を公開しているところであります。閣僚同士の口頭でのそうしたやり取りについては、大きな方向性について常に確認しながら進めておりますが、何か記録を残していなければならないという、公文書管理法上の何かそういう規定があるわけではございませんので、私どもとして、残すべきものはしっかりと残しているということでございます。

阿部(知)委員 大変驚きます。アバウトに、それでいいと言われているような気がします。

 そして、事務方のメモについては、確かに昨日持ってきていただきました。そして、そこに、これは環境省請議ではないと、何で経産省が言うのよと思いますけれども、書かれているわけですよ。事務方が先行して、政務は何を話しているか分からなくて、アバウトな閣議があってでは、本当にこれは一連ブラックボックスです。もう変えていただきたいです。これだけ重要な法案がどういうふうに政治側で話されているのか、見えてまいりません。

 委員長にお願いがありますが、大臣、閣議の中とか関係閣僚会議でお話しになったと。じゃ、法改正に関わる部分を明示していただきたいと思います。今、西村大臣がおっしゃったんですから、その部分というものがあるでしょう。委員会として検討して、それを明示していただきたい。よろしくお願いいたします。

竹内委員長 後刻、理事会で協議します。

阿部(知)委員 その上で、山中委員長にもう一度お伺いいたしますが、実は、昨日私がいただいた経産省のメモは、ずっと出せ出せと言っていてやっといただいた。でも、山中委員長は、一月二十五日に、この原子力規制庁と資源エネ庁との接触等々、すなわち、前は、事業者との接触をきちんとメモに残し、記録を残し、公開すべきだという公開の原則を拡大いたしまして、規制される側の省庁、ノーリターンルールのかかる省庁との会合もきちんと公開すべきだというふうに、一月二十五日、発表なさいました。当然ですし、いいと思います。

 当初の法律制定時、二十四年には、事業者との癒着ということが問題になりましたからそこしか書いていないけれども、考えれば、ノーリターンルールをやっているんだから、そことの接触もきちんと公開しようと、いい方向だと思うのですが、さて、その公開のルールにのっとりますと、既に、メモ、駅で渡されたというものも、規制委員会として、規制庁として開示すべきであったと思います。一月二十五日にそういうルールを変えられました。その時点で、今まで経産省は出されませんでしたけれども、でも、もらった側もそれを提示すべきというのが法改正でありました。なぜ出されませんでしたか。

山中政府特別補佐人 原子力規制委員会の透明性確保のルールにおきましては、被規制者から法令又は通達に関する提出された規制の関連の文書を公開することとしております。

 一方で、今回のケースでは、そもそも相手側は行政機関でございます。また、法令、通達に基づき提出された文書でもございませんので、ルールが適用されることはないと考えております。

阿部(知)委員 では、一月二十五日に法改正した後はどうなるんですか。今も公開すべきじゃないんですか。もらったものは、委員長、お手元に置いてありますけれども、受領後原則一週間以内に可能な限りホームページに掲載せよとありますね。でも、まだ掲載されていません。いかがですか。

山中政府特別補佐人 決定いたしました透明性確保のルールでは、ノーリターンルールが適用される組織との面談資料については一週間以内にホームページに掲載し、公表することとなっております。本件は、面談に該当しないものと考えております。

 その上で、委員御指摘のようなルールは現在ございませんし、被規制者に対する御指摘のルールルは、法令又は通達に基づき提出された資料に限って対象とするものでございます。行政組織とのやり取りにおける資料については、同じ性質の資料としてルールを当てはめることは無理であるというふうに考えております。

阿部(知)委員 そういうことをしているから、癒着も見えないと言われちゃうんですよ。

 委員長、これは自分で読んでください。被規制者から、この場合はノーリターンルールの相当者から提出された規制関連の文書なんですよ。何も、面談記録って書いていないじゃないですか。どうしてそうやって勝手に変えるんですか。公開性、透明性がこれほど必要なことはない。この度の二つの省庁でのやり取り、全くブラックボックスである。いまだに公開する意思がない。もうあきれるばかりです。そういうことで、どうやって信頼が獲得されますか。

 そして、あえて言えば、なぜそうなっていくかということについて、私は、この度、実は、規制庁の独立性について、あるいは規制委員会との相互の関係について、非常に懸念をするものであります。規制庁は規制委員会の事務担当でありますが、これが先行、独立して、そこでやり取りした書類も公開せず事が進むのであれば、ますますブラックボックスになります。

 人事について一つお尋ねをいたしますが、規制庁が公開されたメモの中にございますが、九月の一日、規制庁内では、職員三名を原子力規制企画課に併任発令をしたというふうになっております。これは役職上の決まりでは長官決裁だとは思いますが、職務の内容は、この度の法律改正に際して、先ほどお示ししたような、例えば経産請議にするとか、もろもろ法律に関わることの補強であります。果たして、この決裁は、当時、更田さんですけれども、委員長まで上がっていたのか。上がっていないとすると、これだけのことを準備しながら委員長が知らないということになりますが、どうでしょう。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 更田前委員長が併任発令について御存じであったかどうか、私は当時委員でございましたので、知る立場にはございません。

 なお、これは課長補佐以下の人事異動でございますので、原子力規制庁長官までの専決決裁となっております。

阿部(知)委員 私は、繰り返し、この委員会に、これを決裁された長官の御出席を求めておりますが、許可されません。更田委員長ももうお辞めになりました。出てくることがかないません。山中委員長は聞いていないと。

 原則は、私が申しましたように、長官決裁、片山長官の決裁なんです。ただ、この一連の事態の中で起きた人事異動を果たして当時の委員長が御存じだったかどうかは、私が先ほど来お尋ねしている、規制庁と規制委員会の相互のある意味の緊張感とか、だって、ほとんど情報を知らされず、規制委員会が浮かされたような状態になっていては困るわけです。何がそこで進行しているかを知っていただかないとなりません。

 委員長、お願いがあります。

 これを、更田さんを私は呼ぶことはできません、片山さんも出てきてくれません、委員会として明らかにしていただきたい。人事は極めて重要です。どんな人事を誰がやって、それを、本来は規制委員会の事務局である規制庁なんです。全くそれがやぶの中でありますので、委員会としてここを明らかにしていただくことをお願いします。

竹内委員長 後刻、理事会で協議します。

阿部(知)委員 私がなぜそこまで言うかというと、資料の六を見ていただきたいです。

 ここには、現在の規制庁の、各々、まだできて十年そこそこの組織ですから、元々の省庁からの出向が多いわけです。そして、いわゆる人事で、人事院の定める指定職のポストは、七つあると思いますが、ここの赤枠のポスト、いずれも今や経産省であります。

 そして、下のグラフを見ていただきますと、年々、これは旧出身を入れましたから、通産省の出身者が多くなる。もちろん、ノーリターンルールがあるのは承知をしております。しかしながら、これだけ偏ってまいりますと、適材適所という言葉では済まされない実態が既に進行していると思います。

 今後、山中委員長、原子力規制委員会と規制庁の各々のある意味の適切な関係ということについてはどうお考えですか。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 委員御指摘のように、経済産業省出身者の割合が比較的高くなっている、その理由といたしましては、原子力規制委員会発足当初に経済産業省から原子力規制庁に異動した職員が多くて、その後、いわゆるノーリターンルールの下で継続的に原子力規制の職務を担っている状況が表れているものと考えております。

 職員の出自によらず、引き続き、原子力規制委員会及び規制庁が組織の理念に従いまして厳格に規制判断を行っていくことに変わりはございません。現在も、職員にそうした理念が継続されて共有されていると考えておりますし、今後も、それを強く求めていきたいと考えております。

阿部(知)委員 表向きはそうでしょう。とはいいながら、既に規制庁と資源エネ庁で勝手に話が進んで、それが後から報告されるんです。

 更田さんが、九月二十一日、退任に際した記者会見でおっしゃっているのは、非常に大事なのは規制委と事務局の原子力規制庁との緊張関係だ、規制委が規制庁抜きでは判断できない、あるいは規制庁の説明がそのまま通るのは危険だと。この緊張関係と言われるところに私は重要な指摘があると思うんです。

 他の推進側との独立性ということはよく言われます。しかし、規制庁は規制委員会の事務局です。にもかかわらず、資源エネ庁に呼ばれて、法案の作成の検討まで一緒に行い、後から報告、これでは、適切な関係、規制委員会は後から知るわけであります。逆さだと思います。是非、この点、山中さんは肝に銘じて今後お取り組みをいただきたい。

 そして、最後の質問を行わせていただきますが、実は、今般、原子炉等規制法の四十年の運転制限を外し、電気事業法に移すということで、ここにも幾つも懸念がございます。私は幾つか伺いたいですが、果たして、六十年超えの運転の安全性はどう担保されているのか。

 お示しした資料の八枚目、石渡委員が、すなわち、長期施設管理計画について、審査内容を決めずに、しっかり規制するといっても具体性がないと。

 私は、今、この長期施設管理計画の具体的なことについて、まだ、明示されたものを、しっかりしたものをいただいておりませんので、内容は次回とさせていただきますが、非常に重要な部分がまだできていない。

 あわせて、電気事業法でこれから運転を認めていく電気事業者を、果たして、経済産業省として、しっかりと、適任であるか、適格性について、私は、情報を把握しているかどうかの点でお伺いをしたいと思います。

 前回のこの委員会で取り上げた、いわゆる一般電力事業者間のカルテル問題、これはお示しいたしました最後のページに出ておりますが、公取が三月三十一日に発表なさいましたものをここに引かせていただきました。

 時間がないので恐縮ですが、電取は、果たしてこうした事態は御存じであったのか。電取は経産省内のものでございます。一方で、公取からカルテルが指摘されるような事態が進行していたことを知っていらしたか。そして、もし御存じないとすれば、経産省の事業者に対する管理監督として大きな問題がありますが、電取、いかがでしょう。

新川政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の旧一般電気事業者のカルテル問題については、電力・ガス取引監視等委員会としては、報道を受けて初めて認識したものであり、公正取引委員会から指摘を受ける前に情報を得ていたものではございません。

 旧一般電気事業者間の供給エリアを越えた競争については、当委員会としても、強い関心を持ち、定期的に状況をモニタリングしておりますが、個別のカルテルそのものについては、電気事業法ではなく独占禁止法で対処することがまずは適切な問題と認識をしております。

 一般論として申し上げれば、専門的な知見や強力な調査権限を有し、あらゆる業種におけるカルテル等への規制を専門的に担当している公正取引委員会が対処することは重要であると考えております。

 当委員会としては、公正取引委員会の処分が決定したことを受け、電気事業法に基づく報告徴収を実施しているところでございます。今後、各事業者からの報告結果等を踏まえ、電気の適正な取引の確保の観点から、電気事業法における対応についてもしっかりと検討してまいりたいと考えております。

阿部(知)委員 もちろん、公取と電取の役割は違うし、公取の調査権限は大きいと思います。しかし、全く知らないと言われると、果たして大丈夫かなと思います。この間、顧客情報の閲覧、これは電取の方で明らかにされましたが、事業者のやはりコンプライアンスというのは非常に重要な、電力を運転するための技術じゃなくて、そもそもの問題だと思います。

 西村大臣、今後、電気事業法でやられると言いますが、こうした事業者の様々な適格性について、より厳しく経産省として臨むというお考えでよろしいですか。お願いします。

西村(康)国務大臣 御指摘のように、まさに、発電事業に関する法令遵守がなされていなかったということでありますので、今般のカルテル等の不正事案と、それから電取がやっている情報漏えいの話と、共にこれは電力会社の中立性、信頼性に関わるものでありますので、極めて遺憾というふうに考えております。

 そうした中で、電取委からも勧告が出ておりますので、これをしっかりと受け止めて厳正に対応していきたいというふうに思っておりますし、また、カルテルについては公取からの処分が出ましたので、それらを踏まえまして、指名停止などの対応を行ったところであります。

 いずれにしても、電取委の監視機能の強化、このことをしっかり行っていきたいと思いますし、電気事業者に対しての法令遵守体制、この強化、これについてもしっかりと指導し、監督を行っていきたいというふうに考えております。

阿部(知)委員 まだまだ質疑したい点がありますので、またよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

竹内委員長 次に、神津たけし君。

神津委員 立憲民主党、長野三区の神津たけしです。

 私は、この脱炭素の法案、グリーントランスフォーメーションの法案と聞いて、非常に実は期待を持って、もしかしたらば経産省がようやく再生可能エネルギーに本腰を入れて動き出すのかというふうに思って、期待しておりました。

 私は、実は、この法案を読ませていただいて、新旧の表というものがこの内閣官房が出している関係資料の中にあるんですけれども、その内容を見ていて分かったのが、再生可能エネルギーについて取り扱われているところ、全部で新旧のところは百十六ページあるんですけれども、たったの二十二ページが再生可能エネルギーに関係するところなんですね。しかも内容が薄いというところで、本当にこの法案で再生可能エネルギーがこれから活性化されていくのかというところに疑問を持っております。

 大臣に、これは質問通告を行っていないんですが、イエスかノーの質問なので答えていただきたいんですが、この法案の内容で再エネによる発電が大幅に増加するのか、お答えください。

西村(康)国務大臣 再エネについては、菅元総理もおられますけれども、私も当時、自民党の責任者としてFIT法というものを制定をし、そして、その後、大幅に太陽光を始め導入が進んだわけであります。

 その中で、地域との共生などが課題になってくる中で、一定の規律について、今回、その規律を強化するということで、再エネ法の改正などを出させていただいております。

 あわせて、送配電網の整備を進めていくための対応も書かせていただいておりますので、私は、再エネは大幅に進む、更に進めていきたいというふうに思っております。

 再エネも原子力も進めるという中で、エネルギーの安定供給と脱炭素化、そして経済成長を同時に実現していきたいというふうに考えております。

神津委員 今、再エネは大幅に進んでいくというふうにおっしゃられたんですが、送電線網を強化していくというふうにおっしゃられましたけれども、再エネについては、地産地消の再エネが私はメインだと思っています。そういう意味では、この送電線網というものは、実はもう少し大きな、メガワット、ギガワット単位での送電線網というところの位置づけとしては、再生可能エネルギーは実は余り進まないと思っています。

 この法案の内容を見ていて、先ほど申し上げた百十六ページ中、九十四ページが原発関連のところなんですね。これはやはり、私が思うところでは、グリーントランスフォーメーション、脱炭素という名前を使った、結局これは、原発をもう一度推進していこう、原発の運転期間を更に延ばしていこうという法案だというふうに位置づけられていると思っております。

 質問一に移らせていただきます。

 原発の運転期間延長に係る法律なんですが、これは今、既に先輩方から質問がありましたが、規制する側の炉規法から推進する側の電源法に移す理由はどのようになっているのでしょうか。それから、これによって、大切なのは、安全が本当に強化されていくのか、そこが重要だと思っているので、聞かせてください。

西村(康)国務大臣 この法案では、令和二年七月に原子力規制委員会が見解をまとめられました。運転期間の在り方は安全規制ではなく利用政策であるという、そうした考え方が令和二年に示されたわけでありまして、その当時から法制上の整理というのは課題になっていたわけであります。

 今回、原子炉等規制法にある運転期間の規定を、利用と規制の観点から改めて峻別をして、電気事業法と原子炉等規制法に、二つに再整理をしたというものであります。今回、利用政策の観点から、電気事業法に運転期間に関する規定を設けることとしたということであります。

 その上で、これは原子力規制委員長にお聞きいただいた方がいいですけれども、今回、原子炉等規制法においては、運転期間の規定を削除した上で、運転開始から三十年を超えて運転しようとする際には、十年以内ごとに設備の劣化に関する技術的評価を行うなどの制度を創設するということにしております。こうした改正については、規制委員長も既に規制の厳格化というふうに説明されているものと聞いております。

 これまでも説明してきておりますが、仮に四十年を超えて延長の申請があったとしても、あるいは、他律的な要因で止まっていた間も、申請があったとしても、規制委員会が安全審査でそれは無理だ、もう劣化が進んでいるからこれ以上は無理だと言われれば、それは認められないわけでありますので、安全性が最優先、そして、原子力規制委員会が厳格な安全審査を行って、その認可を得られなければ運転は一切認められないという、そういう法体系になっているということを是非御理解いただきたいと思います。

神津委員 山中委員長からもお願いします。

山中政府特別補佐人 大臣からもお答えいただきましたけれども、今般、国会に提出いたしました原子炉等規制法の改正案では、運転開始後三十年を超えて原子炉を運転しようとする場合、その後、十年を超えない期間ごとに設備の劣化に関する技術評価を行うなど、より高い頻度で厳正に審査を行ってまいります。

 さらに、認可対象である長期施設管理計画に施設の劣化状況やあるいは劣化予測に関する詳細な記載を求めることで、より厳格な審査を行うことになると考えております。

 その結果、運転期間がどうあれ、基準への適合性を確認できない原子力発電所の運転は認めないという、より厳格な規制となっております。

神津委員 運転期間を延長するところについての科学的根拠というものがあるのかどうか、まずは経産大臣からお願いします。

西村(康)国務大臣 令和二年七月の原子力規制委員会の見解で取りまとめられているとおり、四十年という期間が、各国でも、四十年、二十年延長とかというのはルールとしてはあるんですけれども、ただ、その期間の定めがない国、これは、イギリスやフランスもそうですし、それから、アメリカも、八十年の認可を認められた基が、原子炉がもうございます。

 それぞれの国、それぞれの考え方があると思いますけれども、規制委員会のこの見解によると、ある意味、四十年というのは、技術的評価を行う一つのタイミング、一定期間を経た評価を行うタイミングということ、一つのタイミングということでありまして、立法当時の議論を見ましても、当時、まさに立法者が提案の中で説明されて、答弁の中で説明されているように、四十年という数字の設定が非常に政治的なものであって科学的根拠に基づかない、こういう答弁もございます。

 一つの節目、タイミングとして捉えているものというふうに認識をしております。

 その上で、他律的な要因、基準が変わったことによって止まっている期間については、運転期間の申請を認めるということに、今回、政策的な判断としてしたわけでありまして、いずれにしても、規制委員会の安全審査で認可を受けることが大前提でありますので、その上でこのような制度にしているということでございます。

神津委員 大臣、丁寧な答弁はありがたいんですが、私、三十分しかないので、少し短めでお願いします。

 今の科学的根拠のところなんですが、四十年まではあるというふうにこれまで発言されていると思うんですが、五十年、六十年、それ以上を運転していくことに対して、科学的根拠はあるのでしょうか。山中委員長にお伺いします。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 運転延長認可制度におきましては、運転開始後六十年を迎えた発電用原子炉については、原子力規制委員会がたとえ基準に適合していることを確認したとしても、現行法上、その発電用原子炉の運転は認められません。

 すなわち、この仕組みは、発電用原子炉をどの程度の期間にわたって運転することを認めるかというものでございまして、まさに原子力の利用の在り方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会で判断するべきものではないというふうに考えております。

神津委員 済みません、もう一回お願いしたいんですが、利用者側が、じゃ、運転期限の延長を撤廃しよう、そうしたらば、それはもう規制委側としては認めていくということなんでしょうか。そこに科学的根拠はあるんでしょうか。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 個々の原子力発電所の寿命につきましては、一義的に、科学的、技術的に定められるものではございません。

 したがいまして、個々の発電所について、高経年化した炉の安全規制というのは、それぞれの炉で実施すべきものであるというふうに考えております。

 高経年化した発電用原子炉に関する現行の規制制度で実施されている劣化評価等の技術内容は、既に審査の実績がございます。運転開始後六十年を超えない範囲につきましては、現行と同様の規制で、科学的、技術的な観点から十分確認を行うことができると考えております。

 加えて、六十年目以降における高経年化技術評価についても、これまで実施してまいりました高経年化した発電用原子炉の審査や検査の実績を土台とすることで可能であると考えております。審査手法を大きく変える必要はないと考えております。

 具体的には、これまでの高経年化評価で得られた物理的、科学的なデータ、予測式に加えまして、今後実施される五十年の時点における評価の実績や劣化評価に関わる技術的な知見の蓄積を踏まえまして、科学的、技術的な基準への適合性の確認を行うことができると考えております。

 その結果、基準への適合性が確認できない発電用原子炉の運転を認めることはございません。

 規制委員会としては、運転期間はどうあれ、高経年化した発電用原子炉に対する安全規制を厳格に行うことができる規制制度案を提案しておりまして、今国会で御審議をしていただき、詳細に関する必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

神津委員 今の御答弁ですと、私、心配なのが、実は、昨日国会で、高速道路を二一一五年まで有料化する法案というものが通過しました。これは、これまで二〇六五年になったらば無料化するというふうに言っていたんですが、これが五十年間延長されて、昨日入学式だった子が多いと思うんですけれども、その子たちが百歳になったときにようやく無料化されていくというような法案です。これと同じようなことが私はこれから原子炉で起こっていくのでないかと。

 でも、これは私、それが起きてしまうと、事故が起きるのを待つような状況になってしまうんじゃないかと。これまでの福島第一原発のあの大きな事故の反省というものが生かされていないのではないかというふうに思っております。

 そして、今回、この法案の改正について、ちょっとやはり疑問点を私持っているのが、これは原子力規制委員会にお伺いしたいんですが、原発を停止していく期間を、運転の期間に加えていく際の議論なんですが、これは十分にちゃんと規制委の中で取れたんでしょうか。政府からおおよその目安とか、あるいは、今回の国会に出すのでこの時期までに議論を終わらせてほしいということで言われていたのではないでしょうか。その点、お願いします。

山中政府特別補佐人 お答えいたします。

 少なくとも、高経年化した原子炉の安全規制に関する制度設計については、十分長い時間をかけて原子力規制委員会で議論が行われたものと考えております。五か月余りの時間をかけて、九回にわたって審議をしてまいりました。

神津委員 これまで原子力規制委員会の合意というものは、みんなの、全員の合意というところが取られたと思うんですが、今回についてはこれを多数決で強行したというところがあると思います。それから、委員によっては、今回、反対された方もいらっしゃいますけれども、そのほかの方でも、せかされたとか、それから、違和感を覚えるというふうにコメントされていらっしゃる方がいらっしゃるんですけれども、これは本当に何も言われていなかったのか。何で今回多数決を強行されたのか、伺えますでしょうか。

山中政府特別補佐人 原子力規制委員会の意思決定は合議制でございます。これまでも多数決で様々な意思決定をしてまいりました。

 今回、残念ではございますけれども、四対一で、合議制をもって決定をさせていただきました。

神津委員 余り変わらないと思うので、この辺はまたほかの委員が追及されるかと思いますので、その方に任せたいと思いますが、今回、延長することに当たっては、一千万点と言われているような原子炉をしっかりと点検できていくのか、ここがやはり大きな問題だと思うんですよね。そういうところでは、またこういう観点からも是非見ていただきたいと思います。

 次の質問に、四番目の質問に移らせていただきます。

 原発事故時の避難計画なんですが、これは、全く被曝することなく避難できる内容になっていなければ不十分と考えているのか、それとも、避難計画は被曝をできるだけ低くするものであって、原発の近くに住んでいる以上、避難時に被曝することは仕方ないと考えていらっしゃるのか、大臣の御答弁をお願いします。

西村(康)国務大臣 避難計画は、原子力規制委員会が定めた原子力災害対策指針に基づき策定されます。

 同指針におきましては、プラントの状況や空間放射線量率などの状況に応じて、屋内退避、あるいは避難、安定ヨウ素剤の予防服用などの防護措置を適切に講ずることで、ゼロ被曝ではなく、住民等の被曝線量を合理的に達成できる限り低くすると同時に、被曝を直接の要因としない健康等への影響も抑えることが必要という考え方が示されているものと承知をしております。こうした考え方は、国際的な考え方を踏まえたものでありまして、原子力規制委員会の専門的な観点によるものと認識をしております。

 こうした考え方を含む指針に基づいて策定された避難計画について、具体的で合理的な内容であるということを関係省庁で確認、了承することとしております。

 指針に基づいた避難計画が策定された場合において、地元の理解を得て再稼働を進めていく、そういう方針であります。

 国際的ないろいろな議論の場で、チェルノブイリとか、それから福島の事故を受けて、無理して入院している方をどこかに運ぶことによって低体温や脱水症状になったり、あるいは持病が悪化するということもありますし、無理して避難させることで感染症が生じるようなこともあるというようなことが指摘をされております。

 極力被曝を減らしていく、合理的に達成できる限り低くするということで、同時に、他への、被曝を直接の要因としない健康等への影響も抑えることが必要という考え方の下で取り組んでおります。

神津委員 今の御答弁だと、国民の被曝というものは、一たび事故が起きれば致し方ないというふうに考えていらっしゃると私は捉えました。(発言する者あり)そうじゃない。そうですか。

 じゃ、今の私の質問、もう一回聞きますね。

 今回のこの避難計画なんですが、全く被曝することなく避難できる内容になっていなければ不十分と考えているのか、それとも、避難計画は被曝をできるだけ低くするためのものであって、原発近くに住んでいる以上、避難時に被曝することは仕方ないと考えているのか、もう一回お願いします。

西村(康)国務大臣 このことについては、もう国際的に様々な議論がなされておりまして、国際的な考え方が一定の方向で定着をしてきております。それがまさに、今申し上げたように、住民等の被曝線量を合理的に達成できる限り低くする、もちろん、低い方、ゼロに近い方がいいわけですので、それを達成すると同時に、被曝を直接の要因としない健康等への影響も抑えること、つまり、無理して避難させることによって持病を持った方がそれが悪化をするとか、無理して避難することによって感染症が起こるということでありますので、屋内退避とか、避難とか、安定ヨウ素剤の予防服用など、こうしたことを適切に講じていくということでございます。

神津委員 今のやはり答弁を聞いていると、被曝するのは致し方ないというふうに受け取りましたけれども、違いますかね。(発言する者あり)言いがかり。いやいや。済みません、今ちょっと反応してしまいましたけれども。

竹内委員長 不規則発言はやめてください。

神津委員 全く被曝することなく避難すること、これがちゃんと念頭に置かれているのか、それは非常に私は重要だというふうに思っております。

 福島第一原発のことを振り返っても、この事故のときに、国民のために命を懸けて決死隊を組んで皆さんのために冷却水をやっていらっしゃった方々、それから、十二年たっても、デブリも一切進んでいない、ALPS処理水も一切進んでいない、原発付近の町村にはもう人が戻れないような状況がある、ふるさとに戻れない人たちがいるんですよね。そういう状況でも原発を稼働していくのか。

 原発を稼働したらば、一たび事故が起きれば、避難というものが必要だ。その避難をするときに被曝をするかしないか、それは私は重要だと思っています。

 被曝してもいいんですよね。原発を稼働する限り、何がしかの事故が起きたときには、周辺の皆さんが被曝される可能性があるというところで、そうした大きな決断だと思うんですよ。被曝してもいいんでしょうか。

西村(康)国務大臣 まず、被災地の皆さん、福島の皆さんには、本当に厳しい思いをされておられますが、今回、復興再生拠点で避難指示を解除して、浪江町や富岡町で何人かの方が戻られております。全く戻れないということではなく、私ども、着実に、全ての人を、戻りたい方が戻れるように対策を進めているところであります。

 ALPS処理水についても、IAEAのしっかりとしたレビューを受けながら、この春から夏頃を見込んで、着実にその準備、安全性を大前提としながら進めておりますので、全く進んでいないという言い方は当たらないということでございます。

 その上で、繰り返しになりますけれども、ゼロ被曝ではなくて、これは、合理的に達成できる限り低くする。それはまあ、ゼロに近い方がいいわけでありますので、それを目指してやっていくわけですが、同時に、持病のある方とか、無理して避難することで更に別の健康への影響があるということもありますので、これは、国際的な考え方に従って原子力規制委員会が指針を定めておりまして、その指針に基づいて避難計画をしっかり作るということでありまして、このことを、私ども、支援をしながら取り組んでいるところでございます。

神津委員 国際的な考え方、いろいろあると思うんですけれども、私はこれは日本には通じないと思っています。自然災害がやはり非常に多い国だというところでは、ほかの諸外国に比べると、なかなか同じ状況には当てはめられないというふうに思っております。

 聞いても進まないと思いますので、次に、原発に向かってくる全てのミサイル、それからドローン、これは迎撃することが可能なんでしょうか。

井野副大臣 これまで様々御指摘ありましたけれども、個別の、どのようなミサイルだとか、どういう場合には迎撃できるかとかいうことについては、個別については我が方の能力が推察されるおそれがあるためお答えすることは困難ではありますけれども、一般論として申し上げるとすれば、現在の多様化、複雑化、高度化する経空脅威の中において、対処がより複雑困難化しているということも事実でございます。

 防衛省としては、ミサイルの迎撃能力の更なる向上に努め、迎撃体制の確保に万全を期すとともに、統合防空ミサイル防衛能力の下、ミサイル防衛システムと反撃能力を組み合わせて、ミサイル攻撃そのものを抑止していくというふうに考えております。

神津委員 今、ドローンについてはなかったんですが、ミサイル攻撃であれば、少し、何分間かあるかもしれない。そして、PAC3とか少し、ちゃんと準備を整えられるかもしれないんですが、ドローンに対する攻撃というものは、原発、準備できているんでしょうか。自衛隊は常駐していますか、近くに。

井野副大臣 自衛隊の配備等についてでありますけれども、やはり、有事や災害を含む多様な事態に対処する必要性や、我が国の抑止力の強化など、様々な観点を総合的に勘案した上で決めているところでございます。

 先ほど、原発近くにと御質問されていましたが、どの原発なのか、ちょっと具体的に……(神津委員「全部」と呼ぶ)

竹内委員長 まずしっかり答えてください。

井野副大臣 はい。

 総合的に勘案した上で配備をしているところであります。

 その上で、多様な経空脅威に対しては、固定レーダーサイトによる探知、戦闘機による確認、監視、空対空ミサイル、地対空ミサイルなどによる迎撃などの対処をしているところであります。

 加えて、ドローン攻撃に対しても、万全な対応を期すために、ジャミング器材の、ドローン対処器材の取得や指向性エネルギー技術の研究といった各種取組を進めているところでございます。

神津委員 ドローンによる攻撃なんですが、これは、国内から飛んできた場合、自衛隊の判断ですぐに出動することができるのか、それとも、総理からの命令がないと治安出動できないのか、伺わせてください。

井野副大臣 まず、どの時点でいわゆる武力攻撃に至ったのかどうなのかということが、一概にお答えするということが困難ではありますけれども、武力攻撃に至らない侵害への対処については、領土、領空の治安の維持は、基本的には、一義的に警察機関が対応の責任を有しているというふうに認識しております。

 そして、警察機関では対処できないという場合に、自衛隊が、海上警備行動や治安出動の命令を受けて、警察機関と連携しつつ対処するということになります。

 このような対処に際しては、警察機関と自衛隊との連携が重要であるという認識の下、平成二十七年に、海上警備行動や治安出動などの発令手続の迅速化のための閣議決定を行ったところでございます。

 いずれにしても、警察と連携して自衛隊が切れ目なく対応していくことを前提に、訓練だったり情報共有をしているところでございます。

神津委員 これは、飛んできたドローンがあったらばすぐに対応しなければならないと思うんですよね。警察の方に伺ったらば、軍用と思われるような、軍事攻撃的なドローンについては自分たちでは対応できないと警察の方から伺っております。

 これは、そうすると、警察から所掌が自衛隊に移ると思うんですね。でも、先ほど、自衛隊は迅速に対応できるとおっしゃられたかと思うんですけれども、どのぐらいの時間が必要なんですか、総理の命令が相変わらず必要なことになっているのか、伺わせてください。

迫田政府参考人 お答えいたします。

 まず、警察におきましては、全国の原子力関連施設の警戒警備に当たっておりまして、自動小銃、サブマシンガン、耐爆・耐弾仕様の車両などを備えた原発特別警備部隊を常駐させて、二十四時間三百六十五日体制で警戒警備を実施しているという状況がございます。

 その上で、仮に原子力発電所周辺の上空でドローンが発見された場合に、警察では、事業者と協力して操縦者を早期に発見し、必要な措置を取ることとしております。また、急を要する場合には、必要に応じてドローン対処資機材を活用して、ドローンによる危害を排除することとしているというのが大前提でございます。

神津委員 海上保安庁からもお願いします。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 ドローンにつきましては、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律におきまして、原子力発電所などの上空を飛行することは禁止をされております。

 海上保安庁では、このような違法なドローンを認知した場合には、その操縦者に対して退去等の命令を行うとともに、これに従わないなどの場合には、ドローン対策資機材を活用して、電波妨害等の強制的な措置により、ドローンによる危害を排除することとなります。

 一方、ミサイル等の飛来を含め、海上保安庁の能力を超えると認められる場合には、自衛隊によって対処されるものと承知をしております。

 いずれにしましても、海上保安庁としましては、引き続き、関係省庁と連携を図りつつ、あらゆる事態への対応に万全を期してまいります。

神津委員 海上保安庁にもう一回伺いますが、水中のドローンは対応されていますか。

渡邉政府参考人 お答えいたします。

 海上保安庁の巡視船艇、航空機においては、海面下で潜没航行している無人潜水機、いわゆる水中ドローンの探知は容易ではないというふうに考えております。

 無人潜水機への対処につきましては、海上保安庁の任務を遂行する上で新たに必要となる装備、対応について、関係機関と連携し、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

神津委員 私の時間が来てしまったので、ここで終わらせていただきたいと思いますが、このドローンに対する対応を迅速に、シームレスに行っていかないと、やはり、攻撃を受けてしまったときに一発で原発は稼働できなくなってしまう、それから周辺に被害が広がってしまうというところで、もう一度しっかりとその辺りを検討していただければと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

竹内委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 我が党は野党第二党でして、言うまでもありませんが、したがって、常に立憲民主党さんの後にマイクが回ってくるものですから、ついつい気になるところが幾つか出てくるんですね。

 今回、私は、このGX電源法案については、大変な大作であって、大臣もるるこれまでもおっしゃっているように、大変力が入っている、労力もかけてこられたと思うんですが、山崎委員が、原子力基本法改正が入っていることを取り上げて、本末転倒だと。(発言する者あり)いや、私はむしろ遅いぐらいだと思うんですよ。だって、何年たっているんですか、原発事故から。原発事故から十年たちました。ようやく……(発言する者あり)ちょっと、委員長。

竹内委員長 お静かにしてください。

足立委員 ようやく、まさに安全神話という言葉も入れて大改正がなされるということですから、私は、本末転倒どころか、むしろ遅いぐらいだと。今回、原子力基本法も含めて提案をされたことについては、心から敬意を表したい、こう思います。

 それから、中身の議論をせずに何か手続論ばかりやって、大臣、これは通告していませんけれども、大臣は経済産業大臣だけじゃないですよね、GX担当大臣ですから。

 さっき、何か高市大臣がどうと、また高市大臣の話で盛り上げようとしているのかもしれませんが、これは大臣、要は総合調整しているわけですよね。だから、原子力基本法の高市大臣の所管だって、環境省だって、GX担当大臣として総合調整をされている。経済産業省、経済産業省とみんなは言うんだけれども、主な方々は結構併任がかかっているから、まさに内閣官房の職員としてみんな動いているという理解でいいですよね。

西村(康)国務大臣 まさにGX担当大臣ということで任命を受けましたので、全体を調整していく立場にあります。したがって、この法案についても、私のその立場で答弁もさせていただいておりますし、また経産大臣の立場もありますので、経産大臣として所掌のことについては答弁する、そういうことで、しっかりとこの法案の説明をし、進めていきたいというふうに考えております。

足立委員 何か彼らは、彼女たちは、自分たちこそ真剣に事態を考えているんだと勝手に思っているけれども、原子力について最も真剣に考えているのはもちろん経産省だし、私も責任を感じているわけです、元経産省の職員として。

 西村大臣よく御存じのように、私は原発事故を機に政治に転じたわけです。だから、この十年、原発のことばかり考えてきました。そうした中で、さっき申し上げたように、遅いぐらいだということで質問申し上げていますので、何か思いつきでいろいろ質問していると国民に受け取られかねないような質問は本当に苦言を呈しておきたい、こう思います。

 さて、その原子力基本法に責務というところが出てきます。基本方針かな、基本理念かな、ここに国や事業者の責務が明記されたことは、大変私はすばらしいと思います。

 橋下徹代表の時代、私たちが二〇一二年に初当選をさせていただいて、私もまだ一年生の頃に、当時の橋下代表とかとかんかん議論をして、原発の在り方について、それで、私が提出者となって原発再稼働責任法案というのを出しました。

 この中身は今日はいいんですが、そこに、それを作ったときの私たちの思いは責任なんです、原発をこれから再稼働させていくに当たっては責任を明確にすべきなんだと。そのときに私たちが議員立法で出した法律に書いてあるのは、国の責任、これは今回書いていただいています。それから、電力会社、事業者の責任、これも書いていただいた。

 もう一つ、私たちが特に強調したのは、地方の責任とか地域の責任とか国民の責任、責務みたいな、ちょっと言葉の表現はいろいろなことがあっていいと思うんですが、要するに、例えばこの間の処理水ですよ。この間の処理水、原発立地地域だけがかぶっているわけです。だからこそ、昨日大阪市長を退任され、あしたにも党の役職も、政治家から引退される松井一郎大阪市長や橋下大阪市長などが、瓦れきを受け入れ、それから処理水についても大阪湾にと、あえて政治家として申し上げた。技術的に可能かどうかというのは議論があったわけですけれども。でも、私たちの思いは、福島だけにその責任を負わせてはならない、全国の、特に電力大消費地がそれは責任を負うべきだろうということで、政党として、政治家として、みんな発言をしてきたわけです。

 そうした意味で、今回、国の責務と事業者の責務が入っているんだけれども、今申し上げたような趣旨がちゃんと位置づけられていくことが、例えば最終処分場もそうです、人ごとじゃないんだから。私たち電力を使っている国民、そして、その国民の代表である私たちがそこに責務を負っているんだと私は思いますが、大臣、いかがですか。

西村(康)国務大臣 御指摘のように、今回、原子力基本法改正の中で、安全神話という、憲政史上初めて法制用語として使わせていただいて、福島のことを忘れずに、いっときたりとも忘れずに取り組むんだということも書かせていただいておりますし、御指摘のように、国の責務として、原子力の利用に当たって、安全性を確保することを前提として、そして、原子力施設が立地する地域の住民を始めとする国民の原子力発電に対する信頼を確保し、その理解を得るために必要な取組、これを推進するという趣旨で明記をさせていただいております。

 そして、御指摘のように、高レベル放射性廃棄物の最終処分とかALPS処理水の取扱いを始めとして、原子力に係る課題については、原子力立地地域のみならず、電力の大消費地にお住まいの方々も含めて、広く国民の皆さんに御認識いただき、御理解、そしてお考えいただくべきものというふうに認識をしております。

 御指摘のとおりでありまして、こうした認識の下、原子力政策については、電力消費地も含めた国民的な理解を深めるために、国が前面に立って取組を進めていきたいというふうに考えております。

足立委員 是非この点は、大事な点、今日は、私たち日本維新の会が、あるいは私個人もそうですが、最もこの十年間強調してきたテーマですので、冒頭、大臣にお伺いをしました。

 引き続きこの点は事務的にも議論していきたい、こう思います。

 大臣、適宜、大丈夫ですから。

 次に、先般から、先ほど苦言を申し上げた立憲民主党等が、運転期間の延長の話を取り上げています。これは大事だと思います。これは大事だと思います。

 ただ、余りあおっても仕方ないので、事務方から、この運転期間、恐らく、諸外国の例を見れば、運転期間の枠組み自体を、要は年数ですね、これを撤廃することも検討したんじゃないかなと、記録に一部ありますが、思いますが、最終的にはその数字を残された上で大改正をされたということですので、この辺、これからまた来週、再来週にももしかしたら審議が続くこの入口において、事務方として、こういうことで考えているんだという模範的な御答弁を最初にいただければと思います。

松山政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の運転期間の在り方をめぐる措置の導入の案をお示ししているわけでございます。

 これは、GX基本方針を踏まえまして、既設の原子力発電所の活用を考えるに当たりまして、令和二年七月の原子力規制委員会の見解も踏まえて、現行の原子炉等規制法における運転期間に係る規定につき、利用と規制の観点から改めて峻別を行い、電気事業法と原子炉等規制法の二つに再整理をしたものでございます。

 その中では、安全規制というのは炉規法の方であるわけでございますが、その上で、利用政策の観点から、措置については、経済産業省の審議会の中で有識者の議論をかなり重ねて行ってまいりました。その中では、複数の政策案というものを比較検討してまいったところでございます。

 具体的には、審議会におきまして、各委員からの意見を踏まえて三つの案をお示しする形に、最後、収れんされてまいりました。

 一つの案は、今委員からも御指摘ございましたが、アメリカやフランス、イギリスの制度などと同様に、運転期間については特段の制限を設けない、期限を設けないとする案、これも一つ、案として示されました。また、現行の制度自体を変更せずに、そのままこの期間については維持するという案も示されました。そして、今回、最終的な成案になるわけでございますが、現行の枠組みを維持した上で、運転期間のカウントから震災後の停止期間を除外する案、この三つの案を議論したところでございます。

 その際には、多くの委員から、将来の安定供給の選択肢を確保する観点からは、厳格な安全規制を前提とするならば、諸外国の例と同様に、委員御指摘ありましたような、運転期間に制限を設けないこととすべき案を取るべきではないかという意見も示されたところでございます。

 一方で、立地地域の方々などからは、高経年化した炉の運転期間に制限を設けないことにするということについての不安の声が寄せられたところでございますし、また、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえて、制限を設けた現行規定の趣旨を考慮すべきだという意見もございました。

 こうした様々な意見があったわけでございますが、総合的に勘案いたしまして、運転期間の在り方については、実質的な運転期間の六十年という上限は維持しつつ、運転期間のカウントから一定の事業者として予測できなかった他律的な要素の停止期間について除外を認めることとするという案をまとめて、今回、法案とし、国会の方に提出したところでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 こういう、今日いただいた御答弁、また議事録でもちゃんと復習をしながら、きっちり、何かあおったりするんじゃなくて、ちゃんと、大転換ではありますから、ただ、経緯があるし、元はといえば民主党政権のときの法律ですから、落ち着いて、将来、これからの原子力政策のフレームとして今回の新しい枠組みがどうなのかということを我が党でもしっかり議論をしていきたいと思います。

 その運転期間については、附則、実は、先般のGX推進法については、私たちは、修正案を提案して、のんでいただいて、賛成しました。どこを修正したかというと、実は附則なんですね。附則というのはむちゃくちゃ大事です。というのは、今回の法案が、議院内閣制ですから、成立する、成立したその次の段取りが書いてあるわけですね。だから、附則を私たちは大変重視をしております。時間がもうないね。

 規制庁に一言ちょっといただきたいんですが、検討条項、附則の十八条に、二項には「附則第一条第四号に掲げる規定」云々ということで、これは電気事業法について、三項に同じく「附則第一条第四号に掲げる規定」云々ということで、炉等規制法について書いてあります。

 この炉規法についての検討規定の内容、趣旨を御紹介ください。

大島政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、国会に提出させていただきましたGX脱炭素電源法の附則第十八条第三項におきまして、改正後の原子炉等規制法について、施行後五年以内に、施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨規定させていただいているところでございます。

 この規定につきましては、平成二十一年三月三十一日に閣議決定をされました規制改革推進のための三か年計画におきまして、法律により新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、当該法律に一定期間経過後当該規制の見直しを行う旨の条項を盛り込むものとされております。このため、今般の改正により新設された高経年化に関する規制に対しても検討規定を定めたものでございます。

 また、この検討の時期につきましては、施行後五年以内に、新しい制度の下で、長期施設管理計画の認可対象となる発電用原子炉が複数存在し、これらの審査を行うことにより新制度下での審査、検査等の経験が得られることなどを踏まえまして、施行後五年以内に検討するということで規定をさせていただいたところでございます。

足立委員 終わりますが、二項では新電気事業法の規定について検討を加えると書いてあって、三項には新原子炉等規制法の施行の状況について検討を加えると書いてあります。この辺の表現も含めて、これは丁寧に我が党として精査をし、審査をこれから、今週、来週、再来週、やっていきたいと思いますので、また御指導をお願いします。

 ありがとうございました。

竹内委員長 次に、前川清成君。

前川委員 日本維新の会の前川清成です。どうぞよろしくお願いいたします。

 今回の法案では、再生エネルギー利用促進のための方策が盛り込まれております。その一方で、原子力発電活用のための改正もございます。

 ついては、この法案の前提として、そもそも、原子力発電、我が国はいつか原子力発電所から卒業することを想定しているのか、あるいは、将来にわたっても原子力発電を続けるのか。将来にわたっても原子力発電を続けるとしたならば、一体いつ頃まで続けるつもりなのか。この点、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

西村(康)国務大臣 足下の厳しいエネルギー需給の状況、それから、徹底した省エネをやりつつ、再エネ導入を最優先としながら、全国規模でこれを系統整備なども行いながら進めていくとするわけでありますが、その上で、安定供給を考えれば、原子力を含めたあらゆるエネルギーを活用していくということが重要であるというふうに認識をしております。

 二〇二一年に閣議決定しました第六次エネルギー基本計画の中で、原子力については、再エネを最大限導入する中で、可能な限り依存度を低減するという方針を示すと同時に、二〇五〇年カーボンニュートラル実現のために、必要な規模を持続的に活用していくということを明記しているところであります。

 その上で、三〇年には原子力比率を二〇から二二%ということでありますので、その先については、技術開発の動向とか国際的なエネルギー情勢を見ながら検討していくということでありますので、今の段階で何か申し上げることは控えたい、しっかりと検討していきたいというふうに考えております。

前川委員 私は、原子力発電所、今すぐ全部止めることができるとか、あるいは止めなければならないというふうには考えておりません。

 去年の夏、電気代が高騰したときに、当時、我が党の代表であった松井一郎さんも、原子力発電所の再稼働というのをおっしゃっていました。しかし、私は、いや、私たちは、原子力発電所、これをいつまでもいつまでも続けていいとも思っていないんです。

 安倍内閣、安倍総理が、平成二十六年の三月十日ですけれども、原発の新増設については想定していない、こんなふうに発言をされています。菅内閣も、令和三年の三月四日の参議院予算委員会ですけれども、原発について新増設やリプレースは想定していない、これが政府の基本的な考え方で、変わりはない、こういうふうにおっしゃっています。

 新しい原子力発電所を建設しないわけですから、いつか原子力発電所の寿命が来て、原子力発電所から、原子力発電から卒業するのだろうと私も思っておりました。

 ところが、岸田総理、今年の一月二十七日の参議院本会議でもそうですけれども、廃棄物の最終処分も、運転期間の延長も、さらには次世代革新炉への建て替えも、国が前面に立って取組を進める、国が全力を挙げて取り組む、こういうふうにおっしゃっているんです。

 新しい原発を造ったら、あるいは造り続けていったら、これは原子力発電所から卒業する、フェードアウトするということにはならないだろうと思います。なぜ岸田内閣でこのような方針が変わったのか、大臣にお答えをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、中野(洋)委員長代理着席〕

西村(康)国務大臣 まさに、脱炭素化、カーボンニュートラルに向けた取組が世界的に加速をしているということ、その中で、ロシアのウクライナ侵略が起こり、エネルギーの安定供給ということがいわば世界的に認識され、エネルギー危機ともいうべき状況が起こったという中で、その両立を図っていくためにあらゆる選択肢を追求していくということが、私ども、国民生活や経済活動に責任を持つ立場として、そのような方針を決めたところであります。

 そうした認識の下、GX基本方針では、安全性の確保を大前提に、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉について、廃炉を決定した原発の敷地内で建て替えを具体化するという方針を示したところであります。

 これは、今、二十四基廃炉ということになっておりますけれども、当然、福島ではそんなことは考えておりませんし、それ以外のところでも、敷地内でできるのか、あるいは地元の、地域の理解が得られるのかというところがありますので、そう多くが、幾つも幾つもできるということを想定しているわけではありません。地元の理解を得られたところについて、そのような敷地内での次世代革新炉への建て替えを具体化をするということであります。

 そうした方針で臨んでおりますので、何か全てが建て替わって、新しいものがどんどん建てられていくということではございませんので、あらゆる選択肢を追求する方針の下で、エネルギーの安定供給と脱炭素化、しっかりと進めていきたいというふうに考えております。

    〔中野(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

前川委員 大臣、私も、全ての原発を新しく建て替えるんですね、そんなことは申し上げていないんです。

 恐らく、次世代革新炉とおっしゃっても、ただ、二、三なのか四、五なのか、その程度だろうと思っていますが、私が申し上げたいのは、原子力発電所以外でも脱炭素化は進めることができるだろうと。

 大臣のおっしゃるように、電力の安定供給、これは極めて大切だということは私もよく分かっています。再生エネルギー、例えば太陽光があります。今日のような雨の日に、曇った日に、それはなかなか電気が来ないよね、だから安定した供給はできないだろう、こう思いますが、再生エネルギーは太陽光だけじゃなくて、例えば風力もあります。地熱発電もあります。水力もあります。そして蓄電池、あるいはグリーン水素、あるいはアンモニア、様々な組合せによって、天候にも左右されずに、安定的な電力供給ができて、かつ脱炭素化が進んでいくのではないのかな、こういうふうに考えておるんです。そうなれば、もう少し、あるいはもっともっと原子力への依存度というのを下げていくことができるのではないのかな、こう思っています。

 その上で、第六次エネルギー基本計画、二〇三〇年で日本が必要な電力は九千三百四十億キロワットアワー、こんなふうに計算されています。その上で、昨年四月二十日のこの委員会で、東京大学の谷口先生が、日本の電力需要を一年当たり一兆キロワットアワーとした上で、その七倍のポテンシャルが日本にはあります、こういうふうにおっしゃっています。

 今年三月三十日の衆議院本会議、この後質問に立たれます笠井委員がこの数字を引用して質問されたところ、岸田総理は、国土面積などから機械的に算出した数字なんだ、その七倍だというのは。様々な制約や経済性を考慮する必要があるんだ。こういうふうに答弁されています。

 そうであれば、様々な制約や経済性を考慮した上で、我が国の再生エネルギーのポテンシャル、どれくらいあるのか、お答えをいただきたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 再生エネルギーにつきましては、先生御指摘のとおり、地域と共生しながら最大限導入していくことが政府の基本方針でございます。

 御指摘ございましたが、太陽光発電あるいは洋上風力発電など、関係省庁と連携してしっかりと取り組んでいくという方針でございますが、その上で、再エネの導入に向けましては、物理的な適地の制約条件以外にも、周辺の地域や住民の皆様の理解を前提に、太陽光や風力の出力変動に対応するための調整力、あるいは系統整備など、様々な課題を乗り越える必要があると考えてございます。

 御質問のありました再エネのポテンシャルでございますけれども、一定の仮定に基づく試算でございまして、環境省の調査、あるいは様々な機関の試算結果があると理解しております。今後、脱炭素に向けて欧州、米国、日本などで大規模な投資拡大が進む中、再エネ分野につきましては、なかなか、新たな技術開発も進んでいきますので、現時点で潜在能力を一義的、適正に見積もることは難しいというふうに考えてございます。

前川委員 御答弁は簡単にお願いしたいと思います。

 岸田総理が、本会議で、笠井議員が七兆キロワットアワーある、こうお尋ねになったのに対して、明確にそれは違いますよとおっしゃった以上は、経産省としては、計算、数字を持っているのではないか、だからと思って私は数字だけを聞いたのに、数字をお答えいただけなかったのは答弁として大変残念に思います。

 その上で、環境省、これはもう、はいかいいえだけでいいです。もう長々今のような答弁は要りません。数字だけで結構ですけれども、環境省としては、再生エネルギーのポテンシャルは二兆六千百八十六億キロワットアワー、こういうふうに計算しておられて、そのうち洋上風力は一兆五千五百八十四億キロワットアワー、こういうふうに計算しておられると思うんですが、この数字で間違いないのかだけお答えください。

角倉政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきましたとおり、環境省において、二〇一九年度に調査した我が国の再生可能エネルギー導入ポテンシャルにおきましては、一定の幅を持って、それで一定の条件の下でということでお示しをしておりますけれども、再生可能エネルギーの導入ポテンシャルにつきましては、一兆九百五十四億キロワットアワーから二兆六千百八十六億キロワットアワー、そのうち、洋上風力のポテンシャルにつきましては、六千百六十八億キロワットアワーから一兆五千五百八十四億キロワットアワーと推計しております。

 ただ、この試算につきましては様々な課題が存在するため、実際の事業実施や政策立案に当たっては、様々な点、課題につきまして更に考慮する必要があると考えております。

前川委員 大臣、このように、再生エネルギーのポテンシャルに余裕があるのだったら、その再生エネルギーを使ってグリーン水素を作って、グリーン水素で火力発電所を動かすとか、あるいは、再生エネルギーを使ってアンモニアを作って、グリーンアンモニアで火力発電所を動かすとか、こういうことで、脱炭素化と安定供給、両立できるのではないのかな、こう考えるんですが、いかがですか。

西村(康)国務大臣 御指摘のとおりでありまして、最大限再エネは進めていくということであります。

 今、環境省からあったポテンシャルでも、中身を見ますと、やはり洋上風力が一番その中で、半分ぐらいの、半分以上のウェートを占めております。私ども、もう既に四海域、事業者を選定して、百七十万キロワットですから原発二基分ぐらい、そして今、更に四海域、百八十万キロワットですから原発二基分ぐらい、二〇四〇年には、最大四十五ギガワットですから四十五基分、原発がこれだけ動かす程度の能力を風力で持つということを目指して、今取り組んでおります。

 ただ、一定の時間もかかります。それから、今お話があったように、こういう曇天のとき、風が吹かないときの調整電源も必要ですし、送配電網、蓄電池、これも進めていきたいと思いますし、水素、アンモニアも進めるという中で、全体として責任を持つために、再エネも最大限進めながら、原発についても再稼働を進め、さらに、次世代のものについては、地域の理解が得られたものを敷地内で、それは幾つかになるかと思いますけれども、進めることを考えているわけでございます。

前川委員 次に、発電コストに関して、大臣のお考えをお聞きしたいと思っています。

 私は、原子力発電所というのは、現時点においてはもう結局割高になっているんじゃないのか、再生エネルギーの方が安くつくんじゃないのか、原子力発電所については、その廃棄物の処理費用、あるいは、もしも事故が起こった際の経費なども含めたら、経済的な合理性が成り立たないのではないのかな、こんな疑問を持っております。

 資源エネルギー庁の計算でも、一キロワットアワー当たり、原子力発電は十一・七円、これに対して、事業用太陽光は八・二円、住宅太陽光は八・七円、陸上風力は九・八円、中水力は十・九円で、原子力発電の方が高くついている。その上で、資源エネルギー庁は、洋上風力を一キロワットアワー当たり二十五・九円というふうに計算しているんですが、この数字が正しいのかということを伺いたいと思います。

 というのも、例えば国会図書館の資料、今年の三月七日付で配布されたイシューブリーフでは、イギリスでは一キロワットアワー当たりの売電価格が約六円、オランダでは落札価格が約八円というふうに書かれておりました。そして、私たちの国でも、秋田県の由利本荘市沖の洋上風力で、三菱商事は十一・九九円で落札をしています。

 資源エネルギー庁は二十五・九円と言っているけれども、その半値以下で実際に事業が動き出しているわけです。ですから、風力発電ももっと、この前、GX移行債の法案も成立しましたので、洋上風力にもっともっとお金をかけたらもっともっと安くなるんじゃないのかな、こういうふうに思うんですが、この点、いかがでしょうか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の洋上風力の発電コスト試算でございますけれども、二〇二一年に総合資源エネルギー調査会の有識者ワーキンググループで行われたものでございます。

 洋上風力、大体開発までに五から八年程度のリードタイムがあることを踏まえまして、二〇三〇年、御指摘、二十五・九円キロワットアワーでございますけれども、それに先立つデータを海外等から入手して専門家に検討していただいたものでございまして、モデルプラントを建設する場合には今のような値段になるという結果になっております。

 他方で、委員御指摘のとおり、第一ラウンドで洋上風力についてはもうちょっと価格が下がってきておりまして、我々としても期待しております。

前川委員 ところが、時間が少なくなってきたので駆け足で言いますけれども、十一・九九円で三菱商事が落札したんですが、これは、三海域、百七十万キロワットの出力を前提で落札をしたんですが、この三菱商事の事例の後で入札のルールが変更されてしまいまして、上限が百万キロワットになってしまいました。

 こうなると、規模のメリットが得られないので、かえって電気代、発電コストが高くなってしまうということもあると思います。何でこんなふうにルールを変更してしまったのか、お伺いしたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の秋田県を含む第一ラウンドの公募評価でございますけれども、事業者が国へ提出する公募占用計画について、海域ごとに第三者委員会を設置して、事業性を有するかを判断し、評価を行っております。このため、事業者としても、事業計画の策定に当たりまして、複数海域の同時落札を前提とした事業計画を策定することは難しいものと考えております。

 また、委員御指摘の落札制限につきましてですが、我が国の洋上風力市場が黎明期にあるということから、多数の発電事業者に参入機会を与え、国内に競争力あるサプライチェーンを構築していくために設けたものでございます。

 具体的には、各国の同様の落札制限の事例等も踏まえて審議会でやっておりますけれども、同一の発電事業者が落札できる発電設備容量の合計を一ギガワットまでとすることとし、また、落札制限の実施は黎明期に限定し、原則二〇二四年度以降は実施しないこととしております。

 この制限は、公募に参加する発電事業者を対象にしたものでありまして、風車メーカー等の調達先を制限するものではございません。このため、規模のメリットを必要以上に制約し、コストを増大させるとは考えておりません。

前川委員 質問通告の際に、政府参考人の答弁は認めますけれども、長々と答えないでくださいね、質問時間が限られているんですから、こういうふうに申し上げました。今のような答弁をされるのであれば、次回からは全て大臣にお答えいただくことにいたします。

 その上で、大臣、私、一番この原子力発電所で気になっていることをお尋ねしたいと思います。使用済核燃料のことです。

 使用済核燃料については、直接処分して地層処分するか、あるいは再処理して地層処分するかだと思いますが、直接処分する場合、天然ウラン並みの有害度に下がるのに十万年を要すると言われています。

 十万年間地下三百メートルに埋めて、この十万年間、一体誰がどのように管理するのでしょうか。この十万年間の管理費、どれぐらいのお金がかかるんでしょうか。十万年と言われたら、私たち人類が登場したのか登場していないのか、それぐらいの大昔です。こんなことが一体可能なのかというふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。

西村(康)国務大臣 御指摘のように、直接処分した場合には高レベル放射性廃棄物の有害度低下まで十万年、再処理をした場合は約八千年、高速炉サイクルで再処理した場合は約三百年ということでありますので、私ども、この高レベル放射性廃棄物の減容化、それから有害度の低減、これも高速炉サイクルであれば七分の一まで体積が減りますので、低減、そして資源の有効利用などの観点から、この核燃料サイクルを推進するというのが基本方針であります。

 その上で、御指摘の直接処分した場合、これは各国で幾つか、私もフィンランドのオンカロを見にいったことがありますが、御指摘のように地下深く埋めるわけですけれども、これは一定の試算も出ておりますけれども、研究開発の費用などを含んでおりませんので一概にその費用というのが比較はできないんですけれども、フィンランドの例で言えば、五千五百トンのウラン換算で、それで処分して約五千億円、これは研究開発などは含んでいないということでありまして、そのぐらいの費用が公表されております。

 いずれにしても、政府としては、先ほど申し上げたような考えから、使用済燃料を直接処分することは想定しておらず、核燃料サイクルの実現に向けて、関係自治体、国際社会の理解を得ながら、引き続き着実に進めていきたいと考えております。

前川委員 仮に三百年としても、これはまだ徳川家康がおるような時代です。八千年と言われても、日本列島に人間が住み始めたのかどうかというぐらいの時代です。これは物すごい時間。ましてや、十万年、これはもう銭金だけの問題じゃなくて、本当に、大臣が、三月三十日の本会議で、将来世代に先送りしないんだというふうに発言をされました、十万年先の人類に先送りするなんということは、私は絶対に許されないと思っています。

 ただ、今、大変失礼ながら、楽観的に再処理の話をされましたが、六ケ所村にある再処理工場の建設が始まったのは一九九三年です。三十年前です。これまでに二十六回、運転開始期間が延期されています。再処理工場というのは本当にできるのか。あるいは、二十六回も運転開始を延期したというのは、それなりに難しい技術が必要なんだろう、そうであれば、この四十年と想定されている運転期間で放射能漏れ等の事故は起こらないのか。これは、私に限らず、みんな心配していると思います。再処理工場についてはどうなるのでしょうか。

西村(康)国務大臣 六ケ所再処理工場でありますけれども、私も昨年視察に行ってまいりまして、様々な状況を見てまいりましたけれども、二〇二〇年の七月に事業変更許可を、そして、昨年末には第一回の設計及び工事計画の認可を取得をして、昨年内に主要な安全対策工事もおおむね完了するということでありまして、大詰めの段階にあると思います。

 日本原燃は、二〇二四年度上期のできるだけ早期の竣工ということを目指して取り組んでおりますが、安全審査等の対応を着実に進めるよう、その取組を確認しながら、私の立場で指導もしながら、円滑な竣工の実現を目指していきたいというふうに考えております。

前川委員 大臣はそうおっしゃるんですけれども、MRJでさえ二十六回も延期していないですよね。二十六回延期していて本当に大丈夫かなと私は思います。

 その上で、この再処理工場の建設費、当初は七千六百億円の予定でした。それが三兆一千億円に膨らんでいます。運転期間の運営費、運転終了後の廃止費用を含めて十四兆四千億円です。

 原発というのは、私は、このことを考えても、あるいは、十万年間その使用済燃料を保管しなければならない、地中深くに埋めておかないといけない、その間誰かが張りついておかないといけない、こういうことを考えると、経済的な合理性がないのではないのかなと思うんですが、いかがですか。

西村(康)国務大臣 おっしゃるとおり、一定の費用がかさんでいることは事実でありますけれども、私ども、先ほども申し上げたとおり、有害度を下げていく、そして、有害度が下がる期間が非常に短くなってくるわけでありますので、私どもとしては、これを進めていくという方針で臨んでいるところでございます。

前川委員 大臣が、将来世代に先送りしないというふうにおっしゃいました。

 例えばですけれども、私たちの国の借金、一千二百兆円あります。一千二百兆円の借金を将来世代に先送りしようとしていますが、例えば、百万円の借金を将来世代に先送りする場合と、一千二百兆円を先送りする場合と、全然罪は違うと思うんです。原発をこれからずっとずっと続けていったならば、十万年間管理しなければならない放射性廃棄物が更に更に増えていく。

 大臣繰り返しおっしゃるように、半世紀間、原子力発電を続けてきました。現に、核廃棄物があります。これをどうしなければならないのというのはよく分かりますけれども、もっと減らす、その努力も要ると思います。その上で、再処理した上で高速炉で燃やしたならば三百年で済むんだ、こういうふうにおっしゃいましたけれども、高速炉が完成するのか。

 もう繰り返しませんが、「もんじゅ」についても廃炉になっています。世界の国々で、高速炉について実用化されている例というのは、私は、ロシア以外にはないというふうに聞いています。本当に高速炉というのができるのか。再処理して高速炉で燃やして三百年で済むんだというのは、余りにも楽観的な前提ではないのか、このことを大臣にお伺いしたいと思います。

西村(康)国務大臣 高速炉につきましては、国際的にも非常に関心が高まっておりまして、アメリカでもテラパワーという会社が二〇三〇年頃の建設ということ、あるいはフランス、カナダ、こういった国々でも取組が進められております。

 日本では、御指摘があったように、「もんじゅ」の経験がございます。確かに、失敗、これは廃止となったわけですけれども、そのときの運転を通じて、燃料や安全評価やナトリウムの取扱いなど、今後の実証炉開発に必要な知見を獲得はできております。さらに、常陽というものがございます。二〇二四年度の再稼働に向けて取組が進められているということでありまして、日本は一定の技術がございますので、各国からもこのことに対しての関心は非常に高いものがございます。

 立地地域の方々の御理解をいただくことが大前提ではありますが、研究開発を進めていく中での目標としては、二〇四〇年代半ば頃の運転開始が見込まれているところでございます。

前川委員 私なんかは、本当に、再処理して高速炉で燃やしてしまうというのが楽観的過ぎるような気がしてなりません。

 大臣、今日ここで、できるというふうにおっしゃいましたけれども、本当にできるのか。これだけ金をつぎ込んだんだから、これだけ時間をつぎ込んだんだから、あるいはこれだけ国会で言ったんだから、あるいはこれだけ経産省がわいわい言うんだから、いつまでもいつまでもというのではなくて、どこかで、もしもできないのであれば、見切りというのも考えていかなければならないのではないかと私は思っています。

 もう少し議論したい点もあったんですが、残念ながら時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

竹内委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 前回、三月二十九日の集中的一般質疑で、私は、昨年七月二十八日以降、年末までに十三回にわたる規制庁とのやり取りのエネ庁側の記録の提出を求めました。

 当委員会の理事会協議を経て、昨日、夕方になってやっと経産省が持ってきたものを見て、私は驚きました。既に規制庁が公表していると私が質問の中で指摘した昨年十月七日以降の、五日以前じゃなくて、七日以降の情報交換の要旨であります。

 その内容というのは、経産省が持ってきたときに、エネ庁も確認しているということで言っていたんですが、大臣、結局、私が求めたものに対して、エネ庁側の記録というのは何一つ提出されていないんです。何でですか。

西村(康)国務大臣 事務的には、様々な連絡を取り、そして、それぞれの省庁で法律改正を考えていく中で、お互いに関連し合いますので、そのことについて、自分のところで改正をした場合どういう影響がほかの法令にあるのか、そうした意見交換、頭の体操などは行われてきたものと思います。そのことが、ここにある資料、御提出をさせていただいたもので、当時の、私から見ても非常に生煮えなアイデアも含めて、また不用意な表現も含めて、これは、担当管理職のメモのようなものも含めて、一アイデア、こうしたものも含めてやり取りをしていることは、この資料からお分かりいただけると思います。

 それは途中段階でのものでありまして、事務的な様々なやり取りということで、これは、公文書管理法、そしてガイドラインに基づいて、そのことについての一つ一つの記録は残していないということでございます。

笠井委員 やり取り、面談に関わる、その中身が分かる記録はないわけですよ。

 それで、今、お互いに関連し合う省庁間、相手との関係と言われましたが、相手の側の規制庁側は、少なくとも、十月七日以降でいえば、記録を、概要ですけれども、公表しているということでありまして、本当にそれも通用しない話だと思います、経産省の話は。

 そもそも、今回の面談は、エネ庁側から申し入れて、七月二十八日以降で十三回にわたって年末まで重ねてきたものでありますが、じゃ、伺いますが、そのエネ庁内の記録、つまり、規制庁に申し入れて面談をするということに当たって、規制庁に申し入れること、そして、申し入れて何をやり取りするか、テーマや中身の対応方針、さらには、やり取りして持ち帰った結果の報告、次の面談への、じゃ、どうやって対応して、相手に何を言って、どうしようか、その一連のエネ庁内の、中ですよ、中の記録というのは当然ありますね。何もないというのはあり得ない。

西村(康)国務大臣 繰り返しになる部分はありますけれども、当時の担当管理職が、様々な制度的な措置を講じる中で、それが相手の法律にどういう影響を与えるかというようなことを、個人的なイメージ、メモとして残したものがこの中には多く含まれております。

 特に七月の段階のものなどは、七月、八月の頃、この頃はまだそうしたレベルでの議論ですので、生煮えのもの、そして、必ずしも上司と相談をして正式な経産省の意見として申し上げたものではなく、そうした議論の途上のものであるということでありますので、一つ一つのものを正確にそれを記録を残すということでなくて、資料としては残して、どういう経緯でどういった議論が進んでいったのかというのは分かるわけでありますけれども、その時々のやり取りについては、これは、公文書管理法、ガイドラインに基づいて、一つ一つの記録は残していないということでございます。

笠井委員 これはやり取りですから、それで、ましてや、ノーリターンルールの相手との関わりで、相手に何を言って、相手が何を言ったか、それを持ち帰って、じゃ、次はどうしようかということで、ただ意見交換を何かフランクに何もなくてやったんじゃなくて、法改正をするということに当たって相手に面談を申し入れてやってきたやり取りですよね。それもない、何も記録は残っていない、経産省の中に。

 僕は、驚くべきことだと思うんですよ。省内の報告、意思決定に至る記録もないと。経産省は、記録もなく、記憶だけで行政を行っているのか、担当者が。その担当者が次に移っちゃう、そして記憶が薄れてなくなった、曖昧になった、こうなったら、本当に行政がどうなっていくかというふうになると思います。

 まして、原発政策を大転換する重大な今回の束ね法案がどういう議論を基に作られたかを求めているのに、それも出さずに、でき上がった法案だけを見て、我々国会、委員会は、議員は審議しろ、これで理解しろと大臣はおっしゃるんですか。

西村(康)国務大臣 途中過程、これも、七月、八月の初期の頃、それ以前から、繰り返しになりますけれども、利用と規制を再整理しなきゃいけない、法制上整理しなきゃいけないという課題は残っておりましたが、夏のGX実行会議の前後を含めて、その頃からいろいろな頭の体操をし、法改正に向けて準備を始めてきた初期の頃、それから、去年の秋、後半、議論が煮詰まってきて、そして、今年に入って、閣議決定を二月二十八日にこの法案もしたわけですけれども、当然、その推移については、残された資料からどういった考えであったかというのは読み取っていただけると思いますので、資料を昨日提出をさせていただいたところであります。

 いずれにしても、やり取りは、いろいろな段階で、特に初期の頃は、頭の体操ともいうべき、担当者が一つの考えとして、アイデアとして提示したもの、まさに生煮えのものも含めて、ありますので、それはその資料を見ていただけたら理解していただけると思いますし、そういう意味で、一つ一つのやり取りについて、これはガイドラインにのっとって、事案が軽微である場合ということに該当するということで、残していないということでございます。

笠井委員 規制庁だって、一つ一つのやり取り、概要ですよ、あれだって概要だから、丸めてあるかどうか分からないけれども、要するに、何を話したか、どういうことを言ったかということが書いてあるわけですよ。生煮えとおっしゃるけれども、プロセスが大事なので。

 私は驚きました。出しました資料を見て読み取ってくれと。これはちょっとあり得ないですよ。大臣は有能でいらっしゃるから、資料を読み取ったら、どんなプロセスで、どんな議論で、生煮えだったけれども、こういうふうに至って、ああ、なるほど、こうなってこうなったんだなと整理されるかもしれないけれども。限られた時間ですよ、この委員会だって。今日の委員会だって僅か四十分しか私はないんだから。こんなことで、法案を提出しておいて、読み取れ、資料を見て、プロセスはとにかくその中から議員が読み取ってくれと。これはちょっとあり得ないと思います。

 配付資料を御覧いただきたいと思います。

 極めて重大なのは、今回、エネ庁が提出した資料の中にこれがございます。「七月二十八日から十月五日の前までの間における原子力発電所の運転期間に係る原子力規制庁と資源エネルギー庁とのやりとりにおいて使用した資源エネルギー庁作成の資料」ということで、七月二十八日、八月十九日、九月十五日、その後の話ということで、資料が提出をされました。その一部を、今、配付資料で皆さんにお配りしております。その二ページ目には、電気事業法の改正イメージという文書がございます。

 私に資料を届けに来たエネ庁の担当者の方は説明をされました。その説明によれば、八月十九日の第二回目の面談で、原発の運転期間延長の規定を推進側に移すために、そのエネ庁担当者自身が、次の三ページ目の原子炉等規制法の改正イメージ、これとともに、自ら執筆をして、書いて、作成をして、規制庁に提示したものであります、こう言われております。

 大臣、おかしいんじゃないかと。頭の体操とさっきから何度も言われていますが、原子炉等規制法は原子力規制委員会の所掌であります。なぜ、その法改正のイメージを所掌外の経産省のエネ庁の担当者が作成をして、頭の体操ですと、しかし、頭の体操をしたものを、わざわざそれを自ら申し入れて面談した規制庁の側に渡したのか。何でですか。

西村(康)国務大臣 私ども、御要望のあった資料につきましては、先ほど申し上げたとおり、生煮えであったり、一個人のイメージとして書かれたような案も含めて提出をさせていただいておりますので、私どもとして、残されているもの、公文書管理法に基づいて残されている資料は出させていただいておりますので、これは御理解いただきたいというふうに思います。

 その上で、令和二年の原子力規制委員会の見解で、自分たちが運転期間のことについて何か述べる立場にないという大きな方針が示されましたので、それを受けて、法制上の整理をしなきゃいけないということは長年の課題でありました。

 そうした中で、運転期間の定めについては電気事業法で規定をする、そうすると、当然、原子力規制法の方に影響を与えるわけでありますので、そのことの整理として、まさに一つのアイデア、考え方としてこのようなことをお示しをしておりますけれども、何か安全基準そのことについて申し上げているわけではございませんので、これはお互いに自分の法律を改正すれば相手の法律に影響を与えるという中で様々なやり取りを行っている、その一つだということでございます。

笠井委員 違うんですよ。エネ庁の担当者が頭の体操をするなら、どうぞやってください。自分たちがこうしたいというんだったら、電気事業法はこう変える、それに対応して、炉規法の方も対応するんだからこう変えたらいいよねという頭の体操をして個人的な整理をするのは勝手です、やれば。

 だけれども、問題は、私が申し上げたみたいに、それを結局、渡したんですよ、相手側に。私だったらそんなことはしません。頭の体操をする、しかし自分たちの所掌ではない、だからそれに対応しては我々はこういうふうに思うけれども、面談というのは私は問題だと思いますよ、だけれども、そちら側の所掌の原子炉等規制法についてはそちらでどうしたらいいか考えてください、せめてそう言いますよ。

 だけれども、それを、相手側が本来やらなきゃいけないような所掌について、推進の側のエネ庁が案まで作って、作るのは体操だからいいというんじゃなくて、相手に渡して提示して、そしてやり取りしているわけですよ。こんな越権行為をやっていいんですか。

西村(康)国務大臣 今回、炉規法改正それから電気事業法改正、それぞれ影響を受けるわけでありますので、お互いに作業を進める中で、今後の作業のいわば参考情報として、こういった影響がある、こういったところを考える必要があるといういわば論点としてお示しをしているわけでありまして、結果としては、最終的な成案は今の提出をさせていただいている案になっているわけですが、これは規制庁にも聞いていただければと思いますけれども、これによって安全基準とか何かについて影響を受けたものではないという答弁がなされているものというふうに承知をしております。

笠井委員 違うんですよ。法案が、成案ができた話じゃなくて。

 大臣に伺いますけれども、本来、エネ庁は炉規法の改正について何か意見を述べてやっていいんですか。相手に示していいんですか。今やったことについては是とするんですか。問題ないと思っているんですか。

西村(康)国務大臣 法改正について、私ども、責任を持って今回作業を進めてまいりました。電気事業法の改正のみならず、規制委員会が見解を示した令和二年のその見解をしっかりと法制上整理をするということで、当然、炉規法の改正にもなるわけですので、それぞれの条文は密接に関連しております。そうした中で、炉規法にあるものを電気事業法に移すわけですから、当然影響を与えるわけでありますので、私は事務的な作業としては当然の作業だというふうに認識をしております。

笠井委員 驚きましたね、これは。

 経産省が炉規法の中身を変えたということで、頭の体操じゃ……(発言する者あり)変えるという案ですよ、イメージですよ。違う違う、変えるというイメージですよ、だって。変えるならこうするということを、頭の体操でやるんじゃなくて、相手側の規制の側に示して、我々はこう思うけれどもどうだってやったんでしょう。

 それで、どういうやり取りを実際やったかだって、こういうふうに考えるけれどもこうしてくださいねというふうに言ったかもしれない。だけれども、記録は残していないと言っているんだよ。だから何も証明できないじゃないですか、大臣。結果として見てくれなんて言って、資料を見てくれ、成案を見てくれ、これを見れば分かると。そんなことで行政が成り立ちますか。

西村(康)国務大臣 法律改正に責任を持って私ども取り組んでおりますので、漏れがあってはなりませんし、当然、作業の中で、お互いに影響を与えるわけですから、これは事務的な法改正の作業としては当然あるべき作業だというふうに認識をしております。

 しかし、何か安全基準について経産省から申入れをしたりとかいうことは一切ありません。そして、現に規制委員会、規制庁においても、この成案のとおり、原子力規制委員会の、世界で最も厳しいと言われる安全基準、更にそれを厳格化するという委員長の答弁もあります、そうしたもので、私ども、安全性を最大限優先しながら、大前提としながら、今回、改正案を出させていただいているということを是非御理解いただきたいと思います。

笠井委員 まさに安全規制に関わる問題ですよ、運転期間なんて。

 じゃ、伺いますけれども、原子炉等規制法については、所管はどこで、改正する責任というのはどこにあるんですか、法改正は。

西村(康)国務大臣 規制委員会の所管であります。

 事務作業は規制庁で行われているものと思いますが、私は全体を束ねるGX担当大臣として、今回の法案全体の束ね法案を提出させていただいております。

笠井委員 事務作業は規制庁がやると言われたけれども、事務作業は、実際は、エネ庁がやって、案を作って、イメージを作って、それを示して、どうでしょうかとやっているんじゃないですか。

 規制庁に伺います。

 八月十九日の面談で、このエネ庁が作成した原子炉等規制法の改正イメージを提示されて、それは原子力規制委員会の所掌だと、なぜその場ではねつけなかったんですか。

金子政府参考人 御指摘の原子炉等規制法改正のイメージ、御指摘のように、八月十九日に情報を共有されておりますけれども、その直後、以前に私どもが御説明させていただいたイメージ、こういうものがありますということで、中でも情報共有がありまして、これは規制委員会の担当するものなのでその旨をしっかり伝えなきゃいけないということで、三日後の八月二十二日に、私どもの政策の話であるのでそういうことは経産省側で検討する必要はない旨をお伝えをしたところでございます。

笠井委員 ほら、見なさい。規制庁は、そこで受け取って、それはうちの話だからそっちでやるんじゃないよと言ったんでしょう。そうですよ、そういう答弁ですよ。

 だけれども、大臣、違うんですよ。我々がやることだからエネ庁がやることじゃありませんと後で、その場では断らなかったけれども、はねつけて、何で僕はその場で言わなかったのかと思うけれども、後になったら気がついて、それはそっちじゃないよ、イメージを作るのはそっちじゃないよ、だからそっちでやるなよと言って……(発言する者あり)

竹内委員長 お静かにしてください。

笠井委員 うるさいですよ、ちょっと。質問の妨害はやめてください。

 そっちじゃないですよとわざわざ言われているんですよ、大臣。

 金子次長、出身官庁はどちらですか。

金子政府参考人 私は、一九九〇年に通産省に入省いたしまして、経済産業省の出身でございます。

笠井委員 なるほど。

 西村大臣に伺います。

 昨年十二月二十二日に、GX実現に向けた基本方針を決めたGX実行会議終了後の記者会見がありました。そこで記者からこう問われておられます。原発の運転延長について、十月に規制委員会が公式に見直し、検討する前に規制庁と経産省が情報交換したことを規制委員会も認めている、利用と規制の分離の観点から問題があるのでは、こう記者から問われて、大臣はこれに対して、原子力安全規制の内容については、独立した原子力規制委員会において検討がなされるものであり、その内容について経産省から意見を言っていることは一切ない、現時点で調査の必要はないと考えている、こう明言をされました。

 ところが、大臣、一切ないどころか、原子力規制委員会所掌の、そして、今答えがありました、答弁があったけれども、それはこっちだからそっちでやってもらっては困りますよといったような、原子力規制委員会の所掌に手を突っ込んで、原子炉等規制法の改正イメージまで作成して、規制庁側に提示しているじゃないですか。一切ないどころか、やっているじゃない、手を突っ込んで。

西村(康)国務大臣 繰り返しになる部分もありますけれども、お互いの所管法令に影響を与えますので、その中で、私ども経産省、資源エネルギー庁として様々な議論をする中で、影響を与える、頭の体操、いろいろな議論を行っている、その相互の参考として、私が見ても、極めて生煮えな、本当に一担当管理職の個人のイメージのようなものではありますが、それをお示しをしたということで、その後、今答弁がありましたように、規制法の検討については規制委員会でやるということですので、お互いにその点は共有したわけです。こういった影響があるということを共有していますので、その上でそれぞれの作業を進め、最終成案になるということであります。

 何か具体的に規制について意見具申をするような、意見の申入れをするような、そういう内容ではございませんので、私は、経産省として、何か安全基準、安全規制について意見を申し入れたというふうなことは一切ないということで確信しております。

笠井委員 違うんですよ。生煮えでも、相手にそれを示したんだから、改正イメージを、それは意見を言っているんですよ、示しているんだから。

 大臣は、その十二月二十二日の会見では、原子力安全規制の内容については独立した原子力規制委員会において検討がなされるものであり、その内容について経産省から意見を言っていることは一切ないと言われたんですよ。だけれども、そのことについては、生煮えでも、相手に示して渡したんですよ。示したんですよ。だから、現時点で調査の必要がないんじゃなくて、もう一回、大臣は、そのことについてはどうなのかということで、大臣の責任でちゃんと経過も含めて調査すべきじゃないんですか。

西村(康)国務大臣 この間、様々な御指摘、資料についての、提出についての御意見もいただき、そして、私も、このメモを書いて提出した管理職にも話を聞き、まさに生煮えで、不用意な表現もありますので、そのことについては指導したところであります。

 経緯については、今申し上げたとおり、条文の、いろいろ改正を行う中で、参考情報として共有すべきものということで提供したものでありますので、何か意見を申し入れたとか、そういうことではないということで認識をしております。

笠井委員 だって、そんなノーリターンのところでわざわざ会って、そのときに、運転期間について法改正が必要だということで、そういうことが議論になって、そのときに相手に示して渡したわけですから。だから、調査の必要はないと言っている大臣の言葉は違うんだから、現時点ではと言っていた去年の暮れとは。これは参考情報で渡したものですから意見ではありませんなんて、そんなのは通用しないですよ。だって、やり取りしてお互いに言っていて、その結果として、規制庁の側からは、それは我々の所掌だから余計なことを言ってくれるなと言ったんですよ。それぐらい受け止められたんですよ。

 だから、まず最低限、調査したらいいじゃないですか、もう一回、この問題について。調査の必要はないと言ったこの件について、ちゃんと大臣の責任で調べてください。

西村(康)国務大臣 まさに経緯については今明らかになったところでありまして、私ども、条文の影響があるということで、参考情報としてお渡しをして、そして、それは規制庁としてしっかり考えるからということで、その後、そうしたやり取りはないわけでありますから、まさに、初期の段階で、法改正を準備するその段階で、様々な議論を行っている中の情報共有であったというふうに認識をしておりますので、何か安全規制について申入れを行った、そういったことはないということであります。

笠井委員 相手はそういうふうに受け止めたから、そっちでは余計なことを言うなと言ったんですよ、規制委員会は、規制庁の方は。そんな言い訳は通用しません。

 様々な議論を行った結果と言われるけれども、様々な議論の記録が出ないんですよ。やり取りについてエネ庁に持ち帰ってしかるべく報告を上司にしているはずです。次の面談の対応を相談しているはずです。その際の面談に出席したエネ庁の担当者の備忘録とかメモ書きがないんですか。必ずあるでしょう。ちゃんとあるかどうか調べて、提出させてください。そうしないと、様々な議論というのは何をやったか分からないですよ。

西村(康)国務大臣 資料についてはこうして提出をさせていただいておりますので、私ども、メモ書きとかそうしたものは残していない、これは公文書管理法に基づいての措置でありますので、是非御理解をいただきたいと思います。

笠井委員 資料は出してある、読み取ってくれ、あとはそれで法案審議をやってくれ、そんなことは通用しないです。ないはずがない。ノーリターンルールの原発推進側と規制側がやり取りすること自体が、大体、相当神経を使う場面のはずです。だから記録を残したくないんじゃないかということも言われている。それを担当者が、メモもなくて、全て記憶だけで上司に報告をして、対応を相談して、その結果、GX実行会議でも方針を決めて法改正に至ると。およそ信じられないですよ、この日本で。

 備忘録、メモ書きでも記録であります。大臣、なぜ出せないのか。

 公文書管理法を言われました。それに関わる二〇一八年四月の質問主意書に対する政府答弁書があります。

 行政機関の職員が職務上作成し、組織的に用いるものも行政文書じゃないんですか。

西村(康)国務大臣 公文書管理法に基づいて私ども管理をしておりますけれども、行政文書というのは、行政機関の職員が職務上作成、取得した文書であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして保有しているものということでありますので、いわゆる個人的なメモとか備忘録のようなものは行政文書ではないということであります。

 日常的な事務連絡、これはもう毎日のように頻繁に行っておりますので、そうしたものについて議事録を、作成を行っていない、これは公文書管理法に基づいて行っているところでございます。

笠井委員 備忘録は行政文書ではないなんて書いてないですよ。今、前段言われたことに対して、政府答弁書で、その後、ただしということで、どのような文書が組織的に用いるものとして行政文書に該当するかについては、文書の作成又は取得の状況、当該文書の利用の状況、その保存又は廃棄の状況などを総合的に考慮して実質的に判断する必要がある、なので、一概にお答えすることは困難と。

 一概には言えないけれども、そういうことを実質的に判断したら、個人的な備忘録だって、これは行政文書だというのが政府答弁書の立場じゃないんですか。

西村(康)国務大臣 法律、そしてガイドラインが出されておりますけれども、ここで留意事項として書かれていることを申し上げれば、文書を作成しなくとも職務上支障が生じず、かつ当該事案が歴史的価値を有さない場合は必要はないということで、例えば、所掌事務に関する単なる照会、問合せに関する応答、あるいは、行政機関内部における日常的業務の連絡、打合せなどがその例示として挙げられているところであります。

 私ども、そうしたものとして、個人的なメモ、備忘録も含めてメモは行政文書ではないということで、記録は残していないということでございます。

笠井委員 じゃ、読み上げていただきたい、大臣。

 二〇一八年四月の、これは逢坂議員の質問主意書に対する菅内閣総理大臣の答弁書。私が今指摘したような、どのような文書が組織的に用いる行政文書に該当するかについてはという、その部分を読んでください。

竹内委員長 今の質問の趣旨、分かりますか。

 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

竹内委員長 速記を起こしてください。

 西村国務大臣。

西村(康)国務大臣 済みません、行政文書の管理に関するガイドラインは手元にございますので、必要な箇所は読み上げますけれども、主意書については、済みません、主意書の答弁については、通告をいただいていなかったと聞いておりますので、今手元にはございません。

笠井委員 ちゃんとこの件について質問をすると言っているわけですから。それで、今必要なのは、ちゃんとそれを、だって、速記を止めると言ったんですから、その間に手に入れてください。

西村(康)国務大臣 済みません、御指摘の質問主意書についての通告があったとは認識をしておりませんでしたので、今手元にはございません。

笠井委員 じゃ、私が読み上げたことはそのとおりで、読み上げたいんだったら、そのとおりだというふうには認めますか。

西村(康)国務大臣 済みません、手元にはありませんので、確認のしようがございません。

笠井委員 行政文書とは何かということについては、さんざんこの委員会でも国会でも問題になってきました。そして、大臣自身が、行政文書がいかに大事かということは、この前、前回も答弁されたわけですよ。その基本について、ガイドラインにどうあるじゃなくて、内閣として閣議決定したことについてはっきり言えないということ自体が私はおかしいと思いますよ。これだけ問題になっているわけですからね。今日この問題を聞くと言っていたときには、当然そういうことになってきますよ。だって、先ほど、メモ書きがある、ないとか、それは何か個人的な何とかだとか、さんざん言われるわけだから。それで結局、必要なものを出さないわけですよ。

 大臣、結局、エネ庁と規制庁のやり取りについて、同じ公文書管理法に基づいて、規制庁側には、冒頭申し上げたみたいに、エネ庁が昨日私のところに持ってきたような記録があって、公表しているわけです。ところが、エネ庁側、経産省は、どのように総合的に考慮して実質的に判断した結果、行政文書ではないので、記録ではなく、公表できないということになるのか。

 同じことについて、少なくとも十月七日以降については、規制庁の方は概要だけれども出しているわけですよ。でも、一切とにかく何も出さないというのが経産省側で、そもそも、とにかく、やり取りについては、同じ公文書問題でも公開の仕方が全然違うんですけれども、何でそんなことになるんでしょうね。

西村(康)国務大臣 まず、先ほどの点ですけれども、行政文書がどうかという点については、組織内で共有がされるかどうかというのが大きな論点、要件の一つだと思います。

 本件については、資料としては提出をさせていただいておりますけれども、まさに個人の、まだ生煮えの段階で、イメージとして意見交換を行っているということで、組織全体で何か意見を申し入れたとか、そういうことではございませんので、これは、ガイドラインに従ってそのような判断をしているということでございます。

 一方、規制庁は規制庁で、様々な考え方に基づいて、ガイドラインに基づいて判断をされていろいろな記録を残されているものと思いますので、私どもの考えはそういうことでありますので、規制庁は規制庁にお聞きをいただければというふうに思います。

笠井委員 同じ政府に対して、公文書の管理の在り方が違っているなんというのは、だって、ガイドラインの前に、前提として、行政文書についての在り方についてはちゃんと方針を持っていて、公文書管理法で持っていて、しかも質問主意書に答弁書も出しているという状況の中で、そんな、解釈が違って、片っ方は出すけれども片っ方は出さないというのは、出さない方にいかにもやましいところがあるから出せないということになるのか、こう思われちゃいますよ。

 私がさっきから何度も引用していますけれども、どのような文書が組織的に用いるものかということについては、これはだから、個々にちゃんと見ないといけない、一概に答えられないというのが答弁書なんですよ。大臣自身は、見ていないから今は言えないと何度も言われているけれども。

 そうすると、じゃ、組織的に用いるものということで、そのメモ書きなり備忘録が使われたのかどうかということについて言うと、相手とのやり取りも、その記録もそうだけれども、さっき私が聞いたみたいな、エネ庁の中で、持ち帰って、とにかく上司に報告して次はどうしようかということについて、備忘録として書いたものはあるかということについても、あると言わないんだけれども、結局、その中身がないと組織的に用いたのかどうかというのが分からないわけですよ。そうでしょう、用いていないと大臣は言われるけれども。でしょう。(発言する者あり)いや、そういうことですよ。用いたって用いていないということでしょう。

 用いていないから出さないと言われるんだけれども、用いたかどうかは、どういう形でそのメモ書きが使われたかということについても、とにかくそのメモをめぐっていろいろあるわけだけれども、ちゃんとそこのところも分からないといけないわけですよ。出すべきじゃないですか。

西村(康)国務大臣 法改正の作業については、その係長、スタッフからその担当管理職まで、様々な議論をする中で、いろいろイメージをしながら考えていく、その途中途中の資料はこのような形でお示しをして、提出をさせていただいているところであります。

 そして、やり取りは、これは組織全体で何か共有をしてやるということではなく、それぞれの個人のベースでいろいろな議論をする中で個人的なメモとか備忘録として残しているものはあるとしても、それは行政文書には当たらないということで整理をさせていただいております。

 もちろん、私どもとして提出を、案として省内で議論を何か一定の形でしたような場合には、当然記録は残っているものと思いますけれども、私どもの必要なものは残し、必要な情報開示をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。

笠井委員 私がその省内の備忘録にこだわっているのは、備忘録というのは、その担当者がこうやって報告したのに対して、上司なりが、それに対して、こう言ったよね、次はこうしようねと言ったら、組織的な議論をやっているわけですから。そういうことになるでしょう。そして、そういうことも分からないわけですよ、今だと、全然。何もないんだから。記憶だけなんだから。記憶でとにかくやっていますと担当者の方も言われましたよ。だけれども、記憶でやっていて、記憶が薄れたり、その方がいなくなる、いなくなるというのは、退任されたり、ほかに替わられたら、何も省として、個人で仕事をしているんじゃないですからね、行政機関でしょう。

 大臣は、前回の委員会でも、行政文書というのは、まさに民主主義の根幹を成す、いろいろな議論の過程も含めて、いろいろな議論の過程も含めてですよ、いろいろな会議の記録とかを残していくということは、ルールが決められている、この内閣においても、そのルールに従って公開、公表していると言われました。

 今、過程の話は別として結論を見てくれと言われるけれども、大臣御自身は、行政文書は、まさに民主主義の根幹を成す、いろいろな議論の過程も含めて、いろいろな会議の記録とかを残していくということは、ルールが決められている、この内閣においても、そのルールに従って公開、公表しているところと答弁されたわけですよね。

 まさに、政府が原発回帰に大転換するというGX基本方針を策定をして、本法案を提出するに至る経過に関わる根本問題じゃないですか。資料を読み取ってくれとか、それで法案審議に臨んでくれとか、私はとてもできませんよ、そんなの、能力がないから、大臣みたいに。

 それは、過程も含めてと大臣が言ったのは大事な点ですよ。それをして分かるようなことをちゃんと明らかにするのが民主主義の根幹なんでしょう。大臣自身が、総合的に考慮して、実質的に判断して、これは答弁書にあるわけですけれども、やり取りに関する備忘録を含む記録をちゃんと提出するように、私は、大臣として、これはちゃんと経産省内に指示すべきだと思うんですけれども、指示もしませんか。あるいは、さっきの問題も、調査もしませんか。

西村(康)国務大臣 昨日からお示しをしております規制庁とのやり取りなどの資料、それから、私ども、これも繰り返し、一昨年から、秋、末から、審議会において度重なる審議を、これはもう全て公開で行っておりますし、議事録も資料もきちんと公表させていただいております。この経緯については、全てこれまで公表してきているところであります。

 その審議会での議論を踏まえながら、GX実行会議やあるいは必要な閣僚会議なども開いて、節目節目で意思決定を行って進めてきておりますが、当然、審議会の議論を踏まえて法改正の準備をする、それについては、担当者がいろいろなアイデア、考えを整理しながら行っていく、その資料も、このような形で、生煮えのものではあっても、提出をさせていただいているところであります。

 本当に、個人のメモとかそうしたものについては行政文書に当たらないということで私どもこれまでも管理を進めてきておりますので、必要な資料、議事録についてはしっかりと公表してきているということでございます。

笠井委員 組織的に用いるものについては、個人的なメモであっても、これは行政文書なんですよ。一概に言えないというのは、そのときにそれぞれ中身を判断しなきゃいけないというんですよ。

 だって、個人的なメモは違いますと言ったら、これは違いますよ、公文書管理法の考え方と。そこは本当にちゃんとしなきゃいけないと思います。

 しかも、この法案については資料を見て読み取れとか、先ほど山崎委員も言われましたけれども、パブコメの結果だって、二月から求めているのに、まだ一割しか出ていないんでしょう。それで、とにかく、この法案を出したから、束ねてやっているので、私が担当大臣で全部責任を持っていますというようなことで通してしまうなんて、絶対許せないですよ、こんなことは。

 法案審議の大前提です。

 委員長に改めて求めたいと思いますが、昨年七月二十八日以降の十三回にわたる年末までの規制庁とのやり取りのエネ庁側の記録。記録です。そして、必要なメモ書き。それから、備忘録でも結構ですが、それも。備忘録。その提出を求めたいと思いますので、理事会で協議をお願いします。

竹内委員長 後刻、理事会で協議します。

笠井委員 終わります。

    ―――――――――――――

竹内委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査のため、来る十四日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十五分散会


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