衆議院

メインへスキップ



第11号 令和6年4月23日(火曜日)

会議録本文へ
令和六年四月二十三日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 岡本 三成君

   理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 隼人君

   理事 松本 洋平君 理事 山下 貴司君

   理事 荒井  優君 理事 山岡 達丸君

   理事 守島  正君 理事 中野 洋昌君

      井原  巧君    石井  拓君

      上杉謙太郎君    大岡 敏孝君

      神田 憲次君    国光あやの君

      鈴木 淳司君    関  芳弘君

      冨樫 博之君    中川 貴元君

      中西 健治君    中山 展宏君

      福田 達夫君    細田 健一君

      堀井  学君    宮内 秀樹君

      宗清 皇一君    山際大志郎君

      吉田 真次君    和田 義明君

      若林 健太君    大島  敦君

      落合 貴之君    小山 展弘君

      山崎  誠君    市村浩一郎君

      小野 泰輔君    山本 剛正君

      吉田 宣弘君    笠井  亮君

      鈴木 義弘君

    …………………………………

   経済産業大臣政務官    石井  拓君

   経済産業大臣政務官    吉田 宣弘君

   参考人

   (学習院大学経済学部経済学科教授)        滝澤 美帆君

   参考人

   (マイクロ波化学株式会社代表取締役社長CEO)  吉野  巌君

   参考人

   (東京大学副学長・大学院経済学研究科教授)    大橋  弘君

   参考人

   (中小企業家同友会全国協議会幹事長)       中山 英敬君

   経済産業委員会専門員   藤田 和光君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  山際大志郎君     中西 健治君

同日

 辞任         補欠選任

  中西 健治君     上杉謙太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  上杉謙太郎君     中山 展宏君

同日

 辞任         補欠選任

  中山 展宏君     山際大志郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

岡本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、本案審査のため、参考人として、学習院大学経済学部経済学科教授滝澤美帆さん、マイクロ波化学株式会社代表取締役社長CEO吉野巌さん、東京大学副学長・大学院経済学研究科教授大橋弘さん、中小企業家同友会全国協議会幹事長中山英敬さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の皆様に一言御挨拶、御礼を申し上げます。

 本日は、御多用なところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。それぞれの立場で忌憚なき御意見を頂戴したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。

 それでは、まず滝澤参考人にお願いいたします。

滝澤参考人 学習院大学の滝澤美帆と申します。

 本日は、このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。

 本日は、新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案に関する意見を申し上げたいと思います。

 一ページおめくりください。

 私の専門はマクロ経済学という分野でして、一国全体の経済のありようを見ていく、そして、どのようにしたら経済がよくなるのか、ごく簡単に申し上げると、そのようなことを研究しております。

 実際に行っておりますのは、企業のデータを用いた実証分析、データ分析、生産性分析などを行っておりますため、マクロ経済学的な立場から、マクロ経済的な見方から、今日、申し上げられればと思っております。

 一ページおめくりください。三ページ目になります。

 この三ページ目というのは、過去三十年にわたる経済全体のGDPの伸び率というのを、いわゆる経済成長率を、資本の投入の寄与、労働の投入の寄与、生産性の伸びの三つに分解する、いわゆる成長会計の結果をお示ししています。これは、経済を供給サイドから分析するというもので、よく使われる指標です。このスライドは、少し長めにお時間を頂戴して説明をさせていただければと思います。

 まず、この図から分かることというのは、一九九五年から、過去約三十年のありようをお示ししておりますけれども、まず第一に、低成長であったということが分かります。この期間、よいときでも、年率一%少ししか経済の成長を実現できなかったということです。リーマン・ショックがあったときは平均してマイナス成長、足下、二〇一五年からの五年間もマイナス成長を記録しているということです。

 もう一つ注目すべき点というのは、この図でいいますとグレーの部分でお示ししている資本投入の寄与というのが著しく低くなっているということです。

 労働投入の寄与というのが低くなるというのは、人口が減っていたり、労働時間が減っていたり短くなっていたりする中では、ある程度予想されたことなんですけれども、この資本投入の寄与というのがかなり低くなっているというのが特徴です。

 この原因なんですけれども、やはり国内投資、国内の設備投資が伸び悩んだことが原因であると思います。国内の投資は、二〇〇八年をピークに資本ストックというのは減少しています。資本ストックが減少するということは、国内の投資が停滞していたということです。

 その背景には、いろいろなことがあるかと思いますけれども、一つは、日本企業のバランスシートを改善しよう、バブル崩壊後、改善しようということで、投資を設備投資に行うのではなくて債務の返済に充ててきたとか、二〇〇八年のリーマン・ショック後というのは、内部留保を潤沢にしておきたいという、そうしたマインドが強くなったとか、人口減少で国内の市場が縮小する中で海外への投資が積極的に行われてきたとか、いろいろな理由がここには挙げられるのではないかなと思います。

 しかし、足下、かなり設備投資がよい兆しが見られています。今後、投資のよい兆しが本格化するかどうかというのは、恐らく中小企業の動向次第であるというふうに思います。設備投資によって収益率を高めて再投資ができれば、好循環というのがめぐるようになるかなというふうに考えております。そうした意味でも、やはり中小企業の活動動向というのは、私自身は非常に注視すべきものであるというふうに考えております。

 一ページおめくりください。

 今申し上げたことを繰り返しておりますけれども、やはり、過去三十年間の日本経済の特徴ということで指摘できますのは、投資が停滞していたということ。それから、九〇年代後半から予測されていたことですけれども、人口が減少し、人手不足感が強いということ。経済活動、特に付加価値を維持拡大させるには、やはり設備投資をして資本を増やしたり、生産性を向上させたり、こうした手段しかないように考えられます。

 一ページおめくりください。

 今回の産業競争力強化法等の一部を改正する法律案ですが、概要を一番、二番ということでお示ししております。

 一番、やはり、国内投資の拡大というキーワードがあるかと思います。これに関しましては、戦略分野への投資・生産に対する大規模・長期の税制措置及び研究開発拠点としての立地競争力を強化する税制措置を講じるということで、戦略分野国内生産促進税制やイノベーション拠点税制、イノベーションボックス税制というのが検討されているというふうに思っております。

 二番目のキーワードもやはり国内投資というもので、国内投資につながるイノベーション及び新陳代謝の促進に向けて、我が国経済の牽引役である中堅企業、スタートアップへの集中支援等の措置を講じるということで、中堅・中小グループ化税制などが検討されています。

 こちらでアンダーラインを引かせていただいた部分、やはり国内投資というところだと思います。私自身、非常に重要なものであるというふうに考えております。

 過去三十年の停滞、この停滞は、恐らく、一つの要因としては、設備投資が停滞していたということが挙げられると思います。その結果、設備の年齢、設備自体も高齢化して、資本の年齢、いわゆるビンテージも上昇しています。その結果、新しい技術を体化した、新しい技術が含まれた設備を使用できませんので、その結果、古いマシンで生産活動をするということで、なかなか生産性が上がらない。同時に、人への投資も余り行えてきませんでしたので、なかなか相乗効果で生産性を上げることができていない、そういう状況であると思います。

 また、国内投資の停滞ということは、生産活動の海外移転というのを積極的にこの期間は行っていました。海外へ生産拠点が移転しますので、その結果、交易条件が悪化しました。交易条件が悪化しますと、生産性、何とか上げているにもかかわらず、それに比例してなかなか賃金が上がらないというのが日本の特徴であったかと思います。そうした意味でも、やはり投資が重要になってくるというところです。

 GX、DX関連の投資が非常に注目を集めておりますけれども、これらの投資だけではなくて、私自身は、やはり市場を獲得できるような、そうしたものに対する投資が重要である、それから、長期で投資が行える環境の整備というのが重要であると思いますし、そうしたときに政府が大規模で長期的な支援を表明するというのは意義があることではないかなというふうに思います。

 一ページおめくりください。

 今回の産業競争力強化法等の一部の改正ですけれども、その中でも、やはり中堅ということが注目されていると思います。中堅企業の支援も重要であるというふうに考えております。

 御承知のとおり、日本における中小企業は、二〇二一年六月時点で三百三十六万者、うち小規模事業者は二百八十五・三万者ということで、企業数でいえば、それぞれ九九・七%、八四・五%も占めるものです。こちらにつきましては、やはり、そうした圧倒的に数でいうと多い中小企業が、いかに活躍、元気になってもらえるかというところが重要であるというふうに私自身も考えます。

 ただ、先行研究では、いろいろとこれまで行ってきた中小企業政策が、かえって企業の成長を阻害しているとの指摘がなされています。法定中小企業の要件を満たすために例えば資本金のレベルを維持する、その結果、企業の成長を遅らせる傾向があるといったような研究成果を示している分析もあります。中小企業にとどまってベネフィットを享受しようとするインセンティブはあるように思います。

 ただ一方で、企業規模が大きくなることで実現できることというのも増えるというのは事実であろうと思います。売上げ、設備投資、賃金が伸びている、企業規模が大きくなると、そうしたいいことが起きている。中堅企業に企業が成長することで、国内経済、国内投資によい影響がもたらされる可能性もあります。

 それから、中堅企業は、海外拠点及び国内拠点、双方で売上げ、設備投資を着実に拡大しているということです。そして、今注目されている人への投資、人材教育投資も積極的に行っていて、国内の投資、ひいては経済に貢献しているということです。それから、そうした企業を支援していくということも非常に重要であるというふうに考えます。

 九ページ目なんですけれども、こちらは、日本の競争度合いといいますか、市場の独占度合いに関する研究成果を御紹介しております。経済産業研究所の理事長になられました深尾京司先生らの研究なんですが、経済センサス活動調査を用いた市場集中度の計測結果ということで、二〇一一年から二〇一五年にかけて、市場集中度をいろいろな指標で測られていますけれども、それが下がっている。裏を返せば、競争度合いが上がっているということであろうというふうに思います。

 最後のページを御覧ください。

 こちらの結果を見ますと、日本の市場における集中度というのは下落しているということです。これは競争度合いが強くなっていることと関連していると思われますけれども、競争というのはイノベーションや成長にとって重要なことは言うまでもないのですが、やはり過度の競争というものによって、かえって効率化、高付加価値化が図れない、イノベーションの芽が摘まれてしまっている分野もあろうかというふうに思います。

 ですから、そうした分野においては、企業間で協力する、あるいは連携する、グループ化する、MアンドAなどを通じて規模を拡大するとか、そういったようなことが重要になってくるのではないかなというふうに思います。

 今回の産業競争力強化法等の改正によって、そうした活動が促進されて、中小企業が成長して、国内投資の拡大、さらにはイノベーションの実現、結果として生産性の向上が図られるということを期待したいというふうに思います。

 私からは以上となります。ありがとうございました。(拍手)

岡本委員長 ありがとうございました。

 次に、吉野参考人にお願いいたします。

吉野参考人 おはようございます。マイクロ波化学の吉野です。今日はよろしくお願いします。

 お手元のパワーポイントの資料を使いながらお話ししたいと思います。

 当社は二〇〇七年にできた大学発のベンチャー企業なんですが、ここまで十数年事業をしておりまして、その間に感じたことを今日は皆さんにお話ししたいなというふうに思っています。

 まず、マイクロ波とはというところと、それから我々が事業をやっていく上で三つ壁があったんですが、その三つの壁が何だったのかということ、それからファイナンスとIPO、この三つ、お話ししたいと思っております。

 まず、マイクロ波とは何かという前に、この絵なんですけれども、これは一九〇〇年の、当時のパリ万博のときに出展された化学工場の絵なんですね。その次のページを見ていただきますと、これは最近の日本の、多分、四国の化学プラントです。この二つを見比べていただくと、実は百年以上たっているんですけれども、余り変わっていないことが分かります。

 絵も、ちょっとこのすごく小さいところを見ると、実は馬車が走っていまして、人が移動する手段というのは一九〇〇年当時は馬車だったものが、内燃機関、フォードさんがT型フォードを売り出して、一九〇八年ですね、それから最近は電気自動車ということで、二つの非連続のイノベーションが起きているんですが、化学産業というのは、この百年以上ほとんど変わっていない。重厚長大とか言われていますけれども、エネルギーをたくさん使って、土地をたくさん使い、CO2をたくさん出している、そういう産業であります。

 私たちはそれを、皆さん、どの家庭にもある電子レンジに使われているマイクロ波を使って変えていこう、そういう会社です。

 では、そもそもマイクロ波というのは何なのかというところなんですけれども、電波です。ですから、レーダーですとか、あるいは最近ですと5Gの基地局だとか、あるいは電子レンジとかに使われています。これを私たちは物づくりのエネルギーの伝達手段として使っていこうというふうに考えています。

 皆さん、中学のときの理科の授業を思い出していただくと、科学の実験をするときに、下にバーナーみたいなものを置いて科学実験をしたと思うんですけれども、実は、今の化学プラントは、それと余り変わっていないです。

 外部から間接的に全体にエネルギーを伝えている、この左側の赤いやつですね、これが今の化学産業です。これに対して、電磁波、マイクロ波を使ってエネルギーを伝達すると、これは全く真逆、直接内部からターゲットしたところにエネルギーを伝えることができる、こういう方法になります。

 では、どんないいことがあるのかというところなんですが、三つございます。一つは、これを使ったプロセス革新ということで、省エネ、高効率、コンパクトなプロセスを提供する。それから二つ目は、全く違った方法でエネルギーを伝えるので、これまでだとなかなか作れない素材を作ろうというのが二つ目。それで三つ目が、最近非常に我々お客様から引き合いいただいているんですが、脱炭素、カーボンニュートラルです。

 このカーボンニュートラルのところをもう少し詳しくお話ししますと、そもそも、このマイクロ波は何でいいのという前に、実は電気が安くてきれいになってきています。なかなか日本はまだそこまでいっていないんですが、グローバルに見ていくと、電力というのは、太陽光とか風力というのがどんどんどんどん広まってきている。かつ、これは安くなってきているので、電気を使ってカーボンニュートラルを実現しようというのが世界の潮流になっているかと思うんです。電気自動車がその例で、物づくりの世界においても、このマイクロ波を使って、電気を使って脱炭素をやっていこうというところであります。

 では、どれくらいいいことがあるのかというのが十一ページ目なんですけれども、そもそも、ターゲットしたところにエネルギーを伝えることができるので、全体を加熱せずに部分にエネルギーを伝えることで、エネルギー消費を半分ぐらい減らせるというのがございます。もう一つは、これをリニューアブルな電気と組み合わせることで、場合によっては九割ぐらいCO2を削減することができる、そういう技術であります。

 電気というのは、皆さん、家庭を考えていただくと、IHのヒーターが家にあったり、電気ポットがあったりとかあって、それこそ、電化についてもいろいろな手段があるんですが、そもそも、IHも電気のヒーターも、間接的にエネルギーを伝えるという部分では従来の方法と全く同じで、直接エネルギーを物質に伝えることができるのは実はマイクロ波だけなので、電化というのが実はすごく、電化という中でもマイクロ波というのが実はいいんじゃないかというふうに我々は思っています。

 ここまでお話しすると、そんないい技術が何で世の中に広まっていないんだというのはよく御質問を受けるんですが、それは、実は我々三つの壁があると思っていました。実際ありました。

 一つ目は大型化の壁ですね。実は、一九八〇年代ぐらいから、マイクロ波というのは化学産業によって結構使われていました。電子レンジを使って実験すると簡単にできるので、マイクロ波というのは非常に面白い技術だよねと。それで、論文もたくさん出ていたんですけれども、実は波なので制御するのが非常に難しくて、なかなか、ラボでは、研究所では面白いんだけれども、大きくするのは難しい。人によってはオカルトケミストリーとかいって、ばかにされたような時代が非常に長く続いていたんです。

 今日は技術の話を余りしませんが、私はそこに二〇〇七年の創業時からチャレンジをして、どこにどういうふうにマイクロ波を当てるかというマイクロ波のデザイン、反応系デザイン、それから、シミュレーションにスーパーコンピューターを使ったシミュレーション技術を使って、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら、二〇〇七年の創業で、二〇一四年に大型化に成功することができました。

 では、大型化に成功したら、この技術を使ってもらえるのかと思って、いろいろなメーカーさんに行って、我々ちっちゃな会社ですから、大型化に成功したので使ってくれというお話をすると、大体どのメーカーさんも、いや吉野君、非常に面白い、我々はイノベーションをするんだ、イノベーションというのが我々の会社の目標なんだという話をされます。大体こういう話をするときは経営層に行くんですけれども、その後、吉野君、このプラントはどこにあるんだねという御質問を大体受けて、御社が第一号ですと言うと、大体そこで止まってしまうということが何度もあって、このまま行くと会社が潰れてしまうなということで、実績ってやっぱり要るんだということで、実績の壁を越えていこうと。

 これはちょうど二〇一三、四年ぐらいなんですけれども、全員に反対されたんですが、そのとき、私自身は実は研究者でもエンジニアでもなくて、元々商社にいたんですけれども、それとパートナーの研究者で、誰も工場を造ったことがなかったんですが、工場をとにかく造ろうということで、大阪の住之江というところに、世界初の大規模なマイクロ波の工場を建てることに成功しました。

 これで大型化に成功し、実績ができて、事業ができるかというところまで行ったんですけれども、三つ目の壁ということで、事業化の壁に直面しました。

 元々、実は二〇〇七年に会社を立ち上げたときには、ちょうどその頃原油が高騰して、今と似たような状況で、原油がなくなるんじゃないかと。それで、バイオエネルギーが結構ブームになっているときで、今度は食品の値段が上がって、豆腐が食べられなくなるんじゃないかというような時代でした。

 そういうときに、我々自身は、では、バイオ燃料をこのマイクロ波を使って作ろうということで、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」じゃないですけれども、ごみになる油から、廃油からバイオディーゼルを作ろう、小型の装置で作ろうということで、まずは、実は、この地産地消で、工場に聞きに行くと、どの工場の皆さんも困っていて、いや、軽油の値段が上がって困るんだよという話をいただいていたので、工場に我々の装置を入れて地産地消でやったらビジネスとして成り立つんじゃないかということで二〇〇七年に立ち上げたんですが、やはり、いろいろお話をしていくと、皆さん、よく分からないものを自分の工場に置きたくないということが分かって、では集中生産をしよう、どこか一か所に油を集めて作ったらいいんじゃないかというところで始めたんですけれども、釈迦に説法ですが、やはりエネルギー政策は国策でもありますし、食べ物を輸入している日本が、その食べ物のごみでも使ってエネルギーというのはなかなか割に合わないなということで、なかなかバイオエネルギーの市場が立ち上がらず、どうしようかと考えているときに、今度は、あるお客さんから化学品を作りたいんだというお話をいただいて、ちょうどそのお話に飛び乗って、化成品の製造販売というのを我々始めました。

 これはこれで結構大変で、やはりメーカーの経験がない我々が物を作るのはなかなか大変で、これをずっと続けるのかと思って、今度は合弁ということで、ちょっとパートナーと一緒にやろうということで、パートナーと一緒にやったんですが、これもなかなかうまくいかず、なかなか物づくりは大変だなということで、最終的に、このときに得た技術をプラットフォームにして、GAFAとかはITの世界で、物づくりのプラットフォームってつくれないのか、技術のプラットフォームをつくれないのかということで、これを、お客さんがこういうことをしたいんだと言ってきたら、研究からエンジニアリングの工場を造るところまで我々自身が全て提供するというプラットフォーム型の事業に変えようということを、ちょうど二〇一七、八年ぐらいに転換して、ここまで来ました。

 現在は六十以上のプロジェクトが大手の企業さんを中心に動いていまして、主なものを申し上げますと、例えばケミカルリサイクルですね。油、プラスチック、どんどん捨てるんじゃなくて、再利用していこうよということで、プラスチックを原料に戻してもう一回使っていこうということでケミカルリサイクルですとか、あるいは、最近経済安保で非常に話題になっていますが、クリティカルミネラルということで、鉱物、例えばリチウムとかニッケルというものを鉱石から取り出すときにマイクロ波を使うということで鉱山プロセス、あるいは、カーボンニュートラルということで、水素ですとか炭素繊維ですとか、いろんな分野においてこの技術を使ってもらおうということで、プロジェクトをしております。

 そして、三つ目に、じゃ、ここに来る過程で我々はそのお金をどうしてきたのかというところをお話ししたいと思っております。

 もうこれも釈迦に説法ですけれども、よく言われている、死の谷という言葉がよくありますけれども、研究段階はいろいろな、別に日本に限らず、アメリカでもヨーロッパでも国がお金を出してくれるんだけれども、どんどん実用化が近づいてくると、それは民間の仕事でしょうということになって、なかなかお金が出にくくなって、お金が必要なフェーズにこの死の谷に直面して、なかなか会社を立ち上げることができないというのがあるわけです。

 では、我々の場合どうだったのかというのは、その次のページにあるわけですけれども、我々も、ちょうど二〇一四年三月から二〇一五年三月期ぐらいが一つの死の谷だったと思っています。これは、上の棒グラフが集めた資金です。下が、お恥ずかしながら、当期の純利益と書いていますけれども、純損ですね。毎年損を出していました。

 これは非常にパラドックスで、物づくりも含め、特に物づくりがそうだと思うんですけれども、開発がうまくいけばいくほど実はお金が必要になってきて、赤字がどんどん増えていく。そういう中で資金を集めていかなきゃいけないということで、我々自身も、これを見ていますと、ベンチャーキャピタルのお金、それから国からいただいた助成金、あるいは借入れを組み合わせながら何とかこれを乗り越えて、大型化の壁、それから事業化、それから実績の壁を越えてきたというような状況になります。

 そういう中で、二〇〇七年に会社を立ち上げて、いろいろ試行錯誤をしながら、二〇二二年の六月に、当社としてはもう十数年、創業以来十数年なんですけれども、IPOをすることができました。

 現在はカーボンニュートラルに向けた事業を中心に、化学産業というのは非常にちょっと地味な産業ですけれども、いろいろなところにエネルギーだとか素材を提供しているので、我々自身もそれを裏からサポートしていくということで、化学産業そのものを電化、あるいはエネルギーを供給する、あるいは素材を供給するというような形で事業を伸ばしていこうというふうに思っております。

 ちょっと弊社の十数年をお話しさせていただきましたけれども、これをいろいろ振り返ってみたときに、いろいろなことがあったんですけれども、どういうことがあったかなということを考えると、一つは、やはり物づくりなので、技術を証明する、技術を使ってもらう、世の中に出してもらうために、なかなか中途半端なことはできないといいますか、ITの世界だとよく、ミニマム・バイアブル・プロダクト、MVPとか言って、不完全な状態でソフトウェアを出して、それを市場でうまく仮説検証しながら完成させていこうということをしますけれども、物づくりの世界においては、それこそ我々は化学産業で、不完全なものを出すと人が死んでしまいますので、やはり完全なものを作って出さなきゃいけないというところは一つ大きな違いかなと。

 その完全なものを出すときに、例えば我々が最初に出した、住之江に造った工場、あれは多分十億円ぐらいしたんですけれども、十億円のうち、多分マイクロ波に係るところは一億円ぐらいなんですね。あとは、タンクだとか、出荷設備だとか、後処理の設備だとか、全然関係ないところにお金を使わなきゃいけない。このお金は、やはりベンチャーキャピタルというのは非常にハードルレートの高い、リターンを求めるお金ですから、物づくりの世界でそういう工場を造るときに、やはりベンチャーキャピタルのお金だけではなかなか難しかったなと。これはITとの大きな違いかなと思っています。我々自身はそこで、いわゆる助成金ですとか借入れ等、いろいろなことをやりながら何とか工場を造っていったというところが一点。

 それから二点目が、今日のお話にもありましたが、我々、事業モデルも四回、五回変えている、それで大型化もいろいろ、七年かかってようやくできたということで、一回一回の仮説検証にすごい時間がかかるんです。なので、なかなかお金と時間がやはりかかる。これは本当に、ITみたいにぱっと出して一か月とか二か月で検証するというんじゃなくて、工場を造って、出荷して、ああ、駄目だったかということでもう一度やり直すというようなことをやると、一回の仮説検証に三年、四年かかってしまう。これもやはり大きな違いというか課題かなというふうに感じております。

 そういうことで、今日の私のプレゼンテーションを終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

岡本委員長 ありがとうございました。

 次に、大橋参考人にお願いいたします。

大橋参考人 おはようございます。御紹介にあずかりました東京大学の大橋と申します。

 本法律案との関わりですが、経済産業省に設置された新機軸部会の委員を務めさせていただいております。

 本日は、このような貴重な場をいただきましたので、我が国における経済産業政策の評価とその在り方を中心に、本改正案に関わる論点について意見を述べさせていただきたいと思います。

 専門は経済学でございまして、大学でも、もうかれこれ二〇〇〇年頃から、国内外の学部生らと接しております。このところは、デフレの下、物価も給与も上がらないものだというふうに思った学生を相手にしてきました。ところが、最近、ちょっとずつ変化の兆しも見え始めたのかなという感触を持っています。安定よりは新しいことを始めてみたいという学生も出てきておりますし、また、スタートアップに関心を寄せる学生の声も、徐々にですけれども聞こえ始めているのかなという状況です。

 学生と接する中で、若い人が社会の様々な場面で挑戦をして、人間的にも経済的にも安心して成長できる環境を我が国にも意識してつくる必要があると強く感じます。こうした環境整備には、我が国の企業が、海外のみならず国内にもしっかり投資をして、イノベーションを促す取組を、企業規模や地域を問わず広がりを持って行うことが求められると思います。こうした国内投資を通じて、我が国の若者を含む所得の向上を定着させていくということが重要だというふうに思います。

 もっとも、国内での投資環境をつくるために、必ずしも産業政策が必要だというわけではないと思います。振り返れば、二〇〇九年の世界経済危機までは、産業政策は不要だと言われてきました。規制を緩和して市場の競争に任せることが最大の経済政策であるというふうに言われてきたわけであります。

 今、足下では、日本を取り巻く情勢が大きく変化し、欧米各国を始め、海外諸国でも産業政策が広く行われつつあります。我が国を取り巻く環境、情勢の変化として、主に三点挙げられると思います。

 一つは、地球環境に対する配慮であります。

 脱炭素やカーボンニュートラルがその一つですし、また、リサイクルなどを強化することで資源循環を推進するということも含まれます。こうした取組は、企業が単体で行うには限界があり、政府の役割が強く求められます。

 例えば、脱炭素化された製鉄を取り上げてみると、グリーンスチールは、見た目にも性能でも高炉で作ったスチールと区別がつきません。そこで、製造過程で発生した炭素量を追跡、トラッキングをして、グリーンスチールかどうかを認証する仕組みが必要となります。ところが、グリーンスチールは、製造費が高いので価格競争力がありません。グリーンスチールを認証したとしても、需要家が安いスチールを購買しては、地球温暖化に寄与することはありません。そこで、地球環境のGXに対して企業が取り組むためには、産業政策によって、グリーンスチールの国際認証化、需要家に対する認証されたグリーンスチールの購入推奨などが不可欠になるということになります。

 DXにも同様の側面があります。

 人口減少において、公的セクターを含め、様々な業種で担い手が不足しています。これまで我が国は、OECD内でも労働生産性が低いと言われ続けてきました。労働生産性の低さには、適正な価格づけができていないことも理由にあり、現在、適切な価格転嫁の取組も政策として進んでいるものと思います。世界でも遅れがちと言われるDX化をしっかり進めることで、コスト削減だけでなく、業務の高度化も含め、人材を補う必要があります。

 なお、こうした取組は、人材不足が深刻化する地域の中小企業では特に急務と思われます。しかし、DXやGXの取組を、中小企業の各社が個別にベンダーを相手に交渉して取組を行うことは、なかなかに困難だと思われます。ある程度のまとまりで中小企業を連携させて、その取組をサポートするような方向性が求められるものと思います。

 三つ目は、経済安全保障です。

 WTOの下で自由な貿易が標榜され、世界がフラット化すると言われてきた時代において、企業は利潤動機に基づいた効率的なサプライチェーンをつくってきたわけです。ところが、その結果、国家の安全保障の観点から問題となり得る地域にサプライチェーンが集積して、我が国における安定供給を揺るがすような事態が明らかになってきました。

 規制緩和の時代には、公益とか国益とかという概念が問われることは乏しく、またその意識も薄れつつあったわけですが、公正公平な競争基盤をつくる上で、消費者や企業の私的な利益と国民への安定供給の確保という公益的な側面とを接合させる必要が今まさに求められているということだと思います。

 今日の産業政策は、従来言われてきた産業政策とはやや色彩が異なるものと思います。それは、GXにしてもDXにしても、はたまた経済安全保障にしても、将来向かうべき方向性や技術の可能性について、不確実性がとても高く、つまり、分からないことが多いということではないかと思います。

 将来に向けての選択肢がいろいろとある中で、技術的な可能性を一つ一つ検証しながら、国、地域、企業に適した選択肢を探し当てていく必要があります。他方で、企業のそれぞれが個社ごとにそうした選択肢を検討することは余りにもハードルが高く、また効率的とも思えません。何らかの形で企業間の協調が促されるべきと思われます。

 例えばですが、石油コンビナートをGX化する場合に、コンビナートにいる企業が共同して設備の統廃合をしながらカーボンニュートラルに向けた設備投資をしなければ、コンビナートのGX化はなし得ません。

 こうした共同行為に対して、公正取引委員会は、独禁法上問題がない旨を今年になって公表するに至りました。今後、企業が、競争だけでなく協調しながら、産業政策とともにGXやDXなどの取組を進めていく事例がどんどん出てくるものと思います。

 こうした新しい産業政策には、従来の政策とは異なる視点が求められます。従来の政策は、大胆に単純化して言ってしまうとすれば、単年度主義、透明性、公平性、この三つが求められてきたと思います。予算は会計年度内に使って翌年度に持ち越さない単年度主義、政策の結果を次の立案に活用せず、政策評価が公開されれば当面よしとする透明性の確保、そして、企業をできるだけ選別することなく、広く薄く均等に予算を配賦するという公平性といった点が一般的に政策に求められてきたということだと思います。

 これからの産業政策で求められるのは、この単年度主義、透明性、公平性からの脱却ということだと思います。経済社会の情勢が不確実な中において、複数年にわたる支援を少数の企業や業種に投じる必要も出てきているからです。GXなど政策ミッションが社会経済の変化とともに変わる以上、国内投資の方向性や目標も、社会経済のニーズに応じて機動的に微修正を施せる必要があります。政策立案の段階で、ある程度の不確実性を事前に予見してプログラム化するなどの仕組みも必要だと思われます。

 政策の成果が長期にわたる官民協調の末に生まれるとするならば、民と同様に、官側も人材をしっかり張って政策を執行する必要があります。人事異動が頻繁に起こったりすれば、民間の取組に緩みが生じ、政策投資の効果が無になりかねないからです。研究開発とも通じるところがあるこうした産業政策の取組に対して、KPIをどう設定していくのか、何を評価軸にするのか、これからしっかり議論していく必要があります。

 最後に、本改正案について数点申し上げます。

 第一は、戦略的な分野における国内生産促進税制についてです。

 我が国では、これまで、国内生産を活性化すべく予見性の高い施策を導入したものの、結局、国内生産につながらず、逆に海外からの輸入を引き起こした製品分野があります。エネルギー分野を例に挙げれば、再エネ賦課金による太陽光や風力の設備がそれに相当します。

 FIT法の理念では、再エネの普及と産業政策の両輪が回ることが意図されていましたが、太陽光のパネルや風力のナセル、ブレードといったキー部品の産業育成はうまくいかず、再エネの普及に伴い賦課金が海外に流出する事態になったのだと思います。再エネ普及はしましたが、産業育成はうまくいかなかったということではないかと思います。

 ここから学べることは、単に市場を拡大して予見性を高めるだけでは、国内企業の投資にはつながらないということであります。民間企業の判断で退出してしまうということが、それまで国民のお金で育ててきた技術をみすみす捨てることになるということです。

 他方で、国内生産を競争にさらさず、いたずらに保護するということも、これもまた問題です。そうした環境では、企業は努力をせず、生産性も高まらず、高い国民負担を生み出してしまうということになるからです。企業に計画を提出させて、それを単に補助するといった委託に近い形態での政策執行では、大規模、長期にわたる産業政策はうまく機能しません。計画段階から官民が情報をしっかり共有し、言葉は悪いですが、死なばもろともという緊張感を持って、KPIを達成するために智恵を絞り合う姿が産業政策の立案に求められるのだと思います。ここに、官民との新たな協調の在り方を創造する必要があるということだと思います。

 こうした新たな協調による産業政策の下で、国際的な技術競争の観点から必要とされる技術分野を戦略的に選定し、一時の採算性にとらわれることなく支援をしていく腹のくくり方が産業政策に求められているということかと思います。

 第二は、中堅企業についてです。

 これまでの下請政策は、中小企業と大企業を対立する構図に置きながら、中小企業を保護することを理念として掲げてきたように見えます。中堅企業という新たな概念は、中小企業と大企業とを対立させず、企業が中小から大企業へと規模を拡大して成長する道筋を見せたという点で、画期的なものだと思っています。

 中核となる中堅企業を各地域で育てながら、中堅企業を核として、地域の産業再編を先導することが重要です。中堅企業がGXやDXの取組を進めていくことは、地域において人材を前向きに引き止め、育成することにもつながると期待できます。

 なお、GXやDXなどの取組において、大企業に目が行きがちですが、中堅・中小企業の取組を促すことが極めて重要と考えます。

 例えば、温室効果ガス排出の中堅・中小企業の占める割合は確実に二割を超えているものと思います。そして、中小企業に対する取組で重要なのは、ボイラーなどで化石燃料を直接燃焼して生産する事業者や農家に対して、いかにGXの取組を進めるかということだと思います。

 欧州で参考となる取組として、ヒートポンプの熱源として利用される大気熱を再エネ量としてカウントして、一次エネルギー自給率にも反映させるという点が挙げられると思います。これには三つの効果があります。

 まず第一に、中堅・中小企業によるヒートポンプによる設備転換を再エネ投資として宣伝ができるということにより、中小企業のGX化に弾みがつくということです。二つ目は、我が国のエネルギー自給率が、二〇二〇年度断面で四・五ポイント上昇するということもメリットとして挙げられます。三点目に、そもそもヒートポンプは我が国の国産技術であり、国内生産投資に資するということもあります。

 我が国では、ヒートポンプは省エネにカウントされているために、大気熱をうまく政策として使えていませんが、中堅・中小企業のGX前進のために考えていくべき論点の一つなのかなというふうに思います。

 また、GXの観点では、資源循環も重要な論点だと思います。特に、回収、リサイクルについては、自治体レベルでシステムが構築されており、リサイクルの効率化と量的安定供給に課題があります。

 廃棄物は自治体ごとの管理ですので、リサイクル企業が自治体を超えて規模拡大することが難しいことが、我が国にサーキュラーエコノミーが根づいていない大きな理由の一つに見えます。この点は地方分権とも関わる点ではありますが、地域循環の生産性を上げるための取組として、これもまた課題として検討していくべき点なのかなと思っております。

 以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

岡本委員長 ありがとうございました。

 次に、中山参考人にお願いいたします。

中山参考人 皆さん、こんにちは。中小企業家同友会全国協議会で幹事長を務めております中山と申します。

 今回は、こういう機会をいただきまして本当にありがとうございます。

 まず、簡単に自己紹介をさせていただきますが、お手元に資料をお配りしております。会の紹介と、それから、私どもが二月上旬に行いました賃上げ、ベースアップの実態調査を参考資料としてつけております。また、お時間等あるときに目を通していただければと思っております。

 会の特徴を簡単に御案内させていただきますと、私ども中小企業家同友会は、全国四十七の都道府県に存在しております。会員数は、資料では一月一日現在の会員数を書いておりますが、この四月一日時点では四万七千四百九十九名の会員でございます。コロナの影響を大きく受けました。二〇二〇年四月、緊急事態宣言後、大幅に会勢を減らしましたけれども、翌年の十月以降、V字回復に入りまして、今月一日時点ではコロナ前の過去最高の会勢を更新する勢いで、今また復調しております。

 経営者が、お互い経営者同士学び合う会として、毎月、各地において例会を開催しておりますが、年間で延べ約六千回ほど開催をしております。

 同友会の目的が三つありまして、一つ目が、よい会社をつくろう。これは強靱な経営体質をつくることを目指しています。二つ目が、よい経営者になろう。これは経営者に要求される総合的な能力を身につけることを目指しています。また、三つ目に、よい経営環境をつくろう。このような中小企業の努力が報われるような経営環境の改善にも努めていこうということであります。

 特徴を一言で言いますと、私たちは、人を生かす経営と同友会では呼んでいますけれども、人間尊重の経営、社員をパートナーと考え、社員と経営者の強い信頼関係を、厳しい環境は経営者と社員が向き合って協力してこそ乗り越えることができるというような、強靱な企業づくりを目指し、具体的には経営指針と呼んでいますけれども、経営理念、そしてビジョン、方針、計画をしっかりと策定して経営することを基本としています。私も福岡の方で二社経営しております。コールセンターの専門会社と、また、それを生かした健康食品の自社開発と全国に向けての通信販売ですね。

 それでは、意見を述べさせていただきますが、中小企業家ですので、中小企業の立場や地域の活性化という視点で意見を述べさせていただきます。

 まず、全体的な印象から申しますと、今回の改正も、とてもいいことだというふうに感じております。二〇一四年の小規模企業振興基本法制定に続いて、今回、中堅企業を位置づけることによって、小規模、中小企業そして中堅企業、大企業というふうに、それぞれの規模と役割に応じたきめ細かな振興政策が打たれることが期待できます。特に、成長志向の中小企業、スタートアップ企業についても大変重要で必要なことと思っています。

 戦略的な国内投資とか、イノベーション、また、新陳代謝という表現などが印象に残りました。ただ、この新陳代謝という表現は、捉え方もいろいろあります。私ども同友会内でも議論があるところではあります。

 それでは、これより、具体的な意見は七点、整理させていただきました。

 まず一点目、高水準の賃上げ、国内投資についてであります。

 背景の中で、三十年ぶりの高水準の賃上げ、国内投資という潮目の変化というような表現もありますが、高水準の賃上げには中小企業が課題とも言われています。

 厚生労働省の令和五年賃金構造基本統計調査によりますと、昨年、二〇二三年度、男女の計の月額賃金は三十一万八千三百円で、前年比二・一%増と、二十九年ぶりの水準です。しかしながら、規模別では、大企業が全年齢で〇・七%減少となっています。その理由は、大企業は、二十九歳以下の若い層は引き上げ、三十五歳から五十四歳までの層を引き下げているということからです。その一方で、中小企業で二・八%増、小企業で三・三%増となっています。中小企業と小企業では全年齢で引き上げています。

 私ども同友会のアンケートでも、二〇二四年に賃上げしないと回答している企業は二・九%ですので、残りの九七%は賃上げを実施、また予定しているわけです。

 全体的な賃上げ、国内投資には、大企業が労働分配率を上げ、全年齢で賃上げをすることが、今回のこの厚生労働省のデータを見ると課題と思われます。その点では、中堅だけではなく、実際、賃上げを実施している中小企業の支援は一層必要というふうに思います。

 新たな事業の創出及び産業への投資を促進するための産業競争力強化には、中小企業の施策を、同法だけでなく、政策として重視していただきたいというふうに思います。

 二つ目ですが、新陳代謝についてです。

 新陳代謝は中小企業再編論をイメージされることもあるかと思っています。生産性の低い中小企業は再編すべきだという印象や意見もありますが、私どもでは、二〇一〇年に閣議決定されました中小企業憲章、その前文にもあります「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。」の精神の下で、中小企業を社会的にも重要な存在として中小企業政策を進めていただきたいと思います。

 私ども同友会では、この新陳代謝ということを、逆に、一社も潰さないと声をかけ合い、経営指針の成文化と実践を進め、厳しい企業にも、共に学んで、よい会社、よい経営者、よい経営環境を目指そう、一緒に頑張ろうということを呼びかけています。それぞれ個々の自助努力を促し、企業内でも成長を伴う企業変革に挑戦して、そういう意味で、企業内での新陳代謝を促すことも重要だというふうに考えています。そういった意味でも、この法案については、進めることはとても重要だというふうに考えています。

 続いて、三点目がMアンドAについてです。

 中小企業家としてのいわゆる嫌悪感とか抵抗感とかいうものは、昔は相当強かったんですけれども、最近は随分と和らいできています。私の周りを見ても、もうそういう違和感も感じることもなくなってきており、MアンドAについては、同友会の会員企業でも、企業の経営難の打開、後継者問題への対応、規模の拡大などで増えてきています。する側、される側を含めてですけれども。

 同友会では、人を生かす経営と言っていますが、社員をパートナーとして、生きがいや働きがいのある経営を実践している企業が、事業を引き継ぎ、全体として業界や地域を牽引することが重要であると考えています。

 四点目が、スタートアップ企業関連措置、企業横断的措置についてです。

 同法の今回の改正案は、もう既に成長が見込まれているスタートアップ企業への制度設計という印象があります。

 スタートアップ企業や創業間もない企業は、今後の地域経済の活性化にとっても重要と考えています。スタートアップ企業がその可能性を順調に成長させるには、経営者としての学びの場、知恵や経験を交流する場がとても重要、必要ですね。

 私ども中小企業家同友会では、創業間もない方も多数入会しており、創業から経営指針を成文化し、実践することで、事業を成長させている企業が多数あります。スタートアップ企業には制度的な支援もありますけれども、こういった経営者の学びの場を政府としても後押しして、積極的に活用していただきたいというふうに思います。

 五点目、成長を伴う事業再編についてですが、賃金水準が高く国内投資に積極的な中堅企業者とありますが、成長を伴う事業再編というその条件、定義は、しっかり判定していくことが重要というふうに思います。

 産業競争力強化法が二〇一三年に制定された際、中小企業支援の上で地域重視の考え方が示され、地方創生の取組にも反映されました。戦略的分野への重点支援を行いつつ、既存分野、事業活動を持続させることで地域を支えている企業群にもしっかり配慮することを期待しています。

 六点目、中堅企業の成長促進の中の地域課題の解決についてですが、私ども同友会でも、中小企業の社会的意義を発揮して、地域に存続し発展するためにも、地域の課題を自社の課題として経営指針に位置づけて取り組む、そういう、企業づくりと地域づくりを一体とした取組の活動を展開しています。

 具体的には、中小企業振興基本条例を制定し、その条例を生かした活動。条例と申し上げますのは、中小企業憲章の考え方を地域で実現するための条例です。地域に根差した、中小企業ならではの具体的な先進事例も各地で見られてきています。

 最後になりますけれども、戦略的国内投資分野に対する地域中小企業者の声として、最近耳にしていることですが、次世代半導体製造工場の進出に伴い、熊本へのTSMCなどですけれども、ビジネスチャンスと地域経済活性化を期待する一方で、労働力確保が大変困難になっており、急激な賃金上昇と併せて、自助努力だけでは対応できないという切実な声も上がってきています。副作用を緩和する支援も必要ではないかというふうに思っております。

 私からの意見は以上です。ありがとうございました。(拍手)

岡本委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

岡本委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。神田憲次さん。

神田(憲)委員 おはようございます。自由民主党の神田憲次でございます。

 本日は、参考人四名の皆様方、当委員会へ足をお運びいただきまして、ありがとうございます。

 貴重な時間ですので、早速質疑に入らせていただきたいと存じます。

 先ほど、滝澤参考人の方から、国際競争力の変化というお話がありました。一時は世界でトップを走る時代もありました。さらには、そこから落ちていく時代、そして二〇一九年以降は三十台中位にというようなことで、そこに今回、この法案であるところの産業競争力強化法の改正という法案ということになるわけです。

 この背景ですが、まず、三十年ぶりの賃上げがあるかと思います。国内投資という、大きな変化に直面した我が国の、日本経済を成長軌道に乗せていく、戦略的な国際投資の拡大と、それにつながるイノベーションや新陳代謝の促進に向けた経済の構造改革を目的として、税制の措置と中堅企業、スタートアップへの集中支援措置を行うものが今回の改正の要諦かと思います。

 その上で、よく日本企業の生産性の向上ということが言われるわけですが、今盛んに叫ばれているのが、DXの推進ということが言われるわけですが、このDXの推進をしようにも、理系人材、デジタルに精通した人材が、大手企業を含めて全く育っていないという現状があります。

 一方で、生産性とはかけ離れたところの産業には観光業、つまり、旅館なんていうのは、日本のオリンピックで言われましたように、おもてなしというところの分野もある。日本人特有のこのおもてなしの分野、これは非常に非効率という部分もありますが、現状のZ世代のアンケートを見ますと、働きたくないとか、残業したくないとか、入っていきなり仕事の質を要求するとか。

 確かに、設備投資をしたり、それからデジタル機器の導入によって効率を求めることということは、これから企業の大小を問わず要求されると思いますけれども、その前提として、参考人は、人的資本経営ということをおっしゃられております。

 この人的資本経営ですけれども、これからは決算書等でこの評価をできるような形のものにしようというようなことが公認会計士協会でも言われておる。この点についてはどういうお考えをお持ちか、お聞かせ願えたらと存じます。

滝澤参考人 御質問ありがとうございます。

 今御指摘いただきました人的資本経営、非常に重要なものであると思っております。私自身、無形資産の研究というのを十数年続けておりまして、その中でも、人への投資、人的資本投資というのは生産性に寄与するものであるということで、最近、特に注目して研究を続けております。

 やはり、人的資本というのは、ここ数十年、日本が投資できてこなかった部分でありますので、そこをどう増やしていくのかというのが重要になります。

 そこで、今御指摘いただいたような公開、市場に公開していく、どういった人的資本、教育投資ですとか、どのくらい賃金を支払っているのかとか、そういったことを公開していくということで人的資本投資を促進していくということを進めていくというのが、私自身、非常に大事な点であるというふうに思っております。

 ありがとうございます。

神田(憲)委員 ありがとうございます。

 次に、今回の法案では、常時使用する従業員の数、二千人というところで、非常にシンプルな区分けをつくることによって分かりやすくしておりますが、この二千人以下の会社及び個人を中堅企業者と定義して、そのうち、成長発展を図るための事業活動を行っているものとして省令で定める要件に該当するものを特定中堅企業者と新たに定義すると。その上で、中堅・中小グループ化税制等で優遇措置を図る、受けることができるというような仕組みになっています。

 その優遇措置ですが、租特による課税の特例であるとか、要は、具体的には、株式取得時、取得価格の最大一〇〇%を損失の準備金として積み立てて、一旦損金算入を行った上で、取崩しを最長十年間というような仕組みであるとか、ツーステップローンであるとか、さらに、INPITの助言を受けられる、それから、ストックオプションプール等の仕組みをつくっていくわけですが、ここで吉野参考人にお伺いしたい点は、やはり、この税制に対するお考えや評価をどのように考えられますかという点でございます。

吉野参考人 ありがとうございます。

 私の会社の歴史の御案内にもあったんですけれども、やはり中小企業、あるいは我々のようなスタートアップが、物づくりの世界でいろいろ製品を作っていくとか事業をしていくに当たっては、やはり、単にエクイティーだけではなくて、いろいろな形のローンというのが、非常に会社にとってはオプションとなり得て、事業を拡張、成長していくに当たって非常に有力な手段になるというふうに考えております。

神田(憲)委員 吉野参考人は実際にスタートアップを実現なさっているわけで、いざ企業をスタートアップさせるときに、いろいろ、プロフィールをお読みすると、既存の、つまりスタートアップする前のお仕事の関係がその起業に結びつくわけでしょうけれども、やはり冒険を冒すわけで、それから、スタートアップの五年後生存率とかということを考えると、なかなか、リスクをヘッジできるかというところが自分の心の中で揺れると思うんですね。

 まず、スタートアップしてやろうと一歩踏み出す動機、それから、さらには、我が国は、諸外国と比較した場合に、創業に無関心な層の割合が高いなんて言われますが、その階段を大きく、橋をと言うべきかな、渡られた要因は何ですか。

吉野参考人 スタートアップを始めた動機という御質問と、それから、それに関連したところで、橋を渡るといいますか、安定したところから冒険に行ったところの橋を渡るというところの、どういうきっかけみたいなのがあったのかという御質問だと思っております。

 まず、動機は、もう二十年ぐらい前になりますのでちょっとあれなんですが、やはり、とにかく新しいことをやってみるんだ、やってみないと物事、結果は分からないんだという中で一歩を踏み出したというところは、非常に大きな、私自身にとっては動機になっているんじゃないかなというふうに思っています。

 そういう中で、じゃ、いろいろ諸外国と比べてスタートアップに無関心な層が結構多いんじゃないかというお話でもありましたけれども、では、その橋をどう渡るかというところ自身は、私自身は非常に気をつけているのは、やはり実際問題、自分自身がこの二十年近くスタートアップをやってきて、大変なこともいろいろあるんですが、やはり楽しいことの方がむしろ多いかなと思っていまして、やはりその楽しさをできるだけ周りに伝えていって、そういう中で、自分もやってみたいなという人たちをできるだけ増やしていくことかなというふうに思っております。

神田(憲)委員 楽しいと思える人というのは、なかなか現実には少ないと思うんですね。逆に言うと、乗り越えられない人の方が多いんじゃないかというふうに感じるんです。先ほども、吉野さんのこのレジュメの中で、三つの壁という話、それから、あと、死の谷と資金調達、特に業種が製造業ですから、そういった意味では、お金の需要というのは、その他の業種に比べたらかなりタイミング的に莫大なお金がということになると思います。

 そこで、これはちょっと逆の聞き方になるんですが、危機に直面して、失敗したなとか、それから、乗り越えてこられているから今ここで笑顔を持って話ができるわけですけれども、そういう苦しかった側面の一端をちょっとお話しいただければと存じます。

吉野参考人 苦しかったことというか、大変だったことはたくさんありまして、失敗は毎年のようにやっております。

 実際問題、製造業に我々自身、我々のような素人といいますか、が臨む中で、やはりいろいろな失敗はしてきており、お話しさせていただいた住之江の工場も、実は二〇一四年に立ち上げたんですけれども、うまくいかずに、うまくはいったんですが、やはりこのまま工場を続けて、製造業をやっていてもちょっと大変なんじゃないかなと。そんなにもうからないし、やはり我々の成長戦略と違うんじゃないかなということで、実はプラントを止めて壊していますとか、あるいは、その後の合弁事業のモデルも、実は、これは二〇一七年に工場を立ち上げたんですが、紆余曲折あって、先日、この事業を止めることを決定しまして、大きな損失をこの三月期に出しています。

 ただ、そういう失敗がある中で、失敗そのものは決して否定するべきものではなくて、やはり失敗というのは逆に学びの機会でもあると思っているので、そこからそれを学んで次に生かしていくことというのは、私には重要なんじゃないかなとは思っておりますので、御質問の失敗というのは、ほぼ毎年のように小さいものから大きいものまでやって、そこで学びがあって前に進んでいるという感じであります。

神田(憲)委員 ありがとうございます。

 どうしても、こういうオフィシャルな委員会等ですと、成功例はいっぱい出てくるんです。ですが、人間ですから、失敗することで次への成長、学びということにつながるなんて言います。日々失敗していらっしゃるという、その経験がやはりスタートアップには重要で、そこを乗り越えるその源泉であるとか、それから、更に成長していくためのその糧になったこととか、そういった経験談というのが、やはりスタートアップを目指そうとしている人を勇気づけるというようなところにあるのかと思っています。やはり、日本経済の今後の、未来の産業構造をつくっていく上で、この状況というのがこれからどんどん大きくなっていくことが望まれることかと思います。

 質疑の時間が終了いたしましたので、四名の参考人の方には、今日の御参加、御足労を感謝申し上げて、質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

岡本委員長 次に、中野洋昌さん。

中野(洋)委員 公明党の中野洋昌でございます。

 今日は、四人の参考人の皆様から、それぞれのお立場から大変に貴重な御意見を伺うことができたと思っております。改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。

 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただければと思います。それぞれのお立場からの御意見がありましたので、できるだけお一人お一人伺えればと思っておるんですけれども、まず滝澤参考人にお伺いをいたします。

 今回の産業競争力強化法等の一部を改正をする法案の一番基本的な目的というか問題意識というのが、やはり日本がずっと低成長であった、三十年低成長であって、それは、成長の要因というのは、生産性とかいろいろあるかと思うんですが、まさに先生がおっしゃられた、国内投資が非常に低迷をして、企業が海外に投資していたりとか、それが一つの大きな要因であったというのを、やはり国内投資をしっかりと、今ちょうど非常に上向いてきているという状況ですので、これを後押しをしないといけないというのが一番私は基本的な問題意識なんだろうと思っております。

 ただ、他方で、確かに投資の促進の政策というのは今までも、私、結構いろいろやってきたのかなというふうな思いもありまして、いろいろな、中小企業であれば例えばものづくり補助みたいな、直接生産性を上げる機器を導入をしてもらおうみたいなこともやってきましたし、確かに大企業とかは、大橋先生も少しお話がありましたけれども、やはり市場に任せればいいんだみたいなところが少しあったのかなというふうなことも感じてもおります。

 先生にお伺いしたいのは、投資が低迷していた中で、政府も投資の促進をしようということでいろいろな政策をやろうとしてきたわけでありますけれども、今までのそういう政府の投資の促進の政策の在り方というのがどうだったのか。今回ある程度大きく方針も変えてというか、政府がコミットしてしっかりと決めた、それに向けて投資をかなり直接的に支援をするという在り方に、しかも短期的ではなくてかなり長期的に、今回はそれもコミットするというやり方に変えていくという方向であるわけでありますけれども、こうした方向性を変えていくことについての先生の御評価と御意見を改めて賜れればと思います。

滝澤参考人 御質問ありがとうございます。

 なかなか投資が増えてこなかったというのは大変残念なことであったと思います。

 政府ももちろん、御指摘のとおり、いろいろな政策を、特に中小企業等に支援というのをしてきたのであるかなと思います。その中の一部は非常に功を奏して、規模を拡大したり輸出を始めたりする中小企業もあったのかなと思う一方で、なかなか広く、どうしても、九九・七%が中小企業ですから、そこに広く浅くというような形でやってきたものが、うまくいかなかった部分もあるのかな、うまくいった部分もあるし、うまくいかなかった部分もあるのかなというふうに考えております。

 今回、直接的支援ですとか長期支援というのは非常に重要なことでありまして、言い換えれば、政府の目利き力ですとか、勝ち筋をどのように見極めるかというところがまさに問われているようなところであると思います。

 ただ、長期に支援を表明するということは、企業にとっても長期的に投資をできるということで、そこの部分を強調してやっていく必要があるのかなというふうに考えております。

 ありがとうございます。

中野(洋)委員 ありがとうございます。

 続きまして、吉野参考人にもお伺いできればと思います。

 スタートアップの支援というのも一つ政府の大きなテーマで、私もいろいろな方にお伺いをして、確かにすごい技術、これはすごい技術だなというのは非常に皆さん感じておられて、これを何とか、では世に出せないかということで、やはり大企業とかに話を持っていくと、これは第一号ですかと聞かれて、前例がないとかだと、いや、それは無理ですというお声があるというのが、まさに参考人のおっしゃったとおりで、本当にそこを、だからどう乗り越えるのかということなのかなというふうなことを改めて感じております。

 確かに、スタートアップ政策、じゃ、何をするかというふうな、いろいろな、経産省ともやり取りしてきましたけれども、やはり、人づくりから、起業の段階のファイナンスの資金調達をどうするか、出口をどうするか。ファイナンスもいろいろな、起業時から、プレシードからいろいろな段階でとか、そういう意味では間違いなく充実はしてきてはいて、スタートアップをやって成功してきた事例というのも間違いなく増えてきているとは思うんですけれども、やはりもう一歩ブレークスルーしたいというか、もっとそういうのが増えてくれば、成功事例も増えてくればいいなという思いであります。

 参考人のおっしゃっていた物づくりのスタートアップというのが少し、そういう意味では、ITとかよりは設備投資もやはり大変だったり、いろいろな課題があるのかなと、さっきお伺いをしていてちょっと感じたところではあるんですけれども、今ちょっと、いろいろな後押しをしようとしている政府の取組の中で、物づくりのスタートアップを成功させるためには、やはりこういう支援が足りないんじゃないかとか、こういう角度での政策がもっと必要なのではないかとか、そういうところでもし更に御意見がありましたら、是非お伺いできればと思います。

 ありがとうございます。

吉野参考人 物づくりのスタートアップについて、こういう支援があったらいいんじゃないかという御質問でしたが、やはりどうしてもお金と時間がかかってしまって、一回目でうまくいくことはほとんどなくて、我々も四回も五回もチャレンジをしてようやくうまくいった、十年以上かけてうまくいったという中で、やはり長期にわたった何らかのコミットメントができるような仕組み、それはベンチャーキャピタルもそうかもしれませんし、あるいは政府の支援もそうかもしれないんですが、そういうものがあると、やはり事業、物づくりについては伸びていくのではないかなというふうに思っています。

 逆に、そういう素地も日本には私はあるんじゃないかなと思っていまして、よく冗談で言うんですけれども、私どもの会社がもしアメリカで起業していたら、多分三回ぐらい潰されているんじゃないかと思うんです。

 やはり短期的なところでの視点にどうしても、これはいい悪いではなくて違いだと思うんですけれども、走り過ぎてしまうところもあって、そういう中で、やはりこの長期にわたった支援、その資金的な部分ですとか、あるいは、特に製品を世の中に出していく中で、先ほど先生もおっしゃられた、第一号の壁をどうやって超えていくかというところで、どうしても多分自分たちでやり切らなきゃいけないというところもあって、では、それを単にエクイティーだけではなくて、デットを含めて、物づくりにおいてはやはりそういう多様な長期の仕組みというのが必要なんじゃないかなと思うし、ますます強化されるんじゃないかなというふうに思っています。

中野(洋)委員 ありがとうございます。

 大橋参考人にもお伺いができればと思うんですけれども、大橋参考人がおっしゃられた、まさに、非常に難しいテーマのところもおっしゃられたと思っていまして、例えばエネルギーの政策で、脱炭素はFITで進めたけれども、産業政策としてはうまくいかなかったというふうなお話もいただいて、私もそれは非常に大事な視点だなというふうに、本当に改めて思っています。

 確かに、今回も、では太陽光はペロブスカイトで、これは何とか日本発でこれを産業化をするんだということであったりとか、風力についても、浮体式のところでしっかり産業化を見据えてということであるとか、そういう意味では、しっかり産業化と脱炭素を両立させるんだというふうなことは、今経産省の方もしっかり意識はしてやっているのかなというふうには思う一方で、確かにこれは非常に不確実性も高いようなプロジェクトでもありまして、まさに先生のおっしゃるような、KPIをどうするかとか、GXの分野はかなり、今回の法案もそうなんですけれども、前やった水素の法案とかもそうなんですけれども、政府の支援もかなり長期的になるというところなので、滝澤先生も先ほど、政府の目利き力が問われるというふうなお話もあったかと思いますけれども、確かに、今までの進め方で普通にやっていくと、何か長期でばっとプロジェクトは華々しくは決めたものの、それが本当にうまくいくのかいかないのか、修正をするとか、途中でそういうのができるのかですとか、実際の進め方が今までの支援策以上にやはり難しくなるのではないかなというふうな問題意識もございます。

 今回、法律で、そういう割と長期的なコミットというふうな支援のやり方もやるわけですけれども、こうした産業政策を本当に成功させていくための仕組みの在り方というか、今回これはこれでやるわけでありますけれども、どういう形で臨んでいけばいいのかというのが、ちょっとなかなか難しいテーマではあるかと思うんですけれども、是非御意見をいただければと思っております。

大橋参考人 御質問ありがとうございます。

 一つ、政策立案と、実は評価というのが本当は対になっているはずなんですが、評価から立案に持っていくという、この道が弱いんだと思っています。政策で一旦予算を取っちゃうと、あとは終わりというふうな感じのことが非常に多くて、あとは、年度を締めて、そのときに政策評価書を書いて、ホームページに載せて、以上というのが昔のやり方だったと思いますね。

 ただ、これだけ長期の話になってくると、では、今やって、十年後結果を見ますというふうな話にはなかなかいかないのではないか。過去十年でも相当世の中が変わってきた中において、十年のコミットを計画的にやるというのは相当難しいんだと思います。

 そういう意味でいうと、まさに評価というものをしっかり考えていく必要がある。それで、評価を立案に持っていきながら、このサイクルをいかに短くできるのかという、デジタルの世界だと相当短くできるわけですが、これは物づくりの世界ですので、ある程度の裕度は必要だとはいえ、やはり十年ではなくて、もっと短いタームでの評価。評価をしながら、では、方向性が正しかったのか正しくないのか、そこをしっかり精査して立案に反映させるようなことをやっていく、このループをつくっていくことというのが、すごく基本的には重要なのかなというふうに思っています。

 以上です。

中野(洋)委員 ありがとうございました。

 では、最後に、中山参考人にもお伺いをできればと思っております。

 中小企業の立場で、いろんなお取組や、賃上げのアンケートも出していただきました。

 ちょっと法案から離れるかもしれないんですが、やはり中小企業、今回賃上げができるのかどうかというのがすごく大事だと思っていまして、政府もいろんな、公取が指針を出したりですとか、価格転嫁をとにかくやるんだよというふうなことを今までにない形でやっているとは思うんですけれども、私もなかなか、現場の企業さんだと、とはいえ中小企業の賃上げが一番きついんだというふうなことも伺っております。

 アンケートでは、かなりの賃上げの実施検討中というふうなことでもあるかと思うんですけれども、今年の価格転嫁の状況ですとか、どういうことでもっと力を入れていけばいいかであるとか、もし御意見がございましたら、お伺いできればと思います。

中山参考人 御質問ありがとうございます。

 まず、価格転嫁につきましては、今まで経験のない物価高騰の中で、年に数回、価格転嫁のための交渉というのも非常に厳しい。相手先によっては可能なところもありますけれども、相手先も厳しいというような状況下においては、価格転嫁どころではないというような厳しさも見えてきました。

 賃上げにつきましては、人がいないとなかなか事業は成り立ちませんので、原資ができてからの賃上げが経営の理想だとは思いますけれども、先行して賃上げせざるを得ないというようなところで、多くの中小企業が取り組んだり、また検討しているというところで、いかに企業変革を起こし、生産性を向上させていくかというのが、やはり一番大きな課題だというふうに思っています。

 以上です。

中野(洋)委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

岡本委員長 次に、小山展弘さん。

小山委員 立憲民主党の小山展弘です。

 早速お尋ねしたいと思うんですけれども、今回の法改正について、多分お四方の今日の参考人の皆様方、皆さん賛成というようなお立場なのかなというふうに私は受け取ったんですけれども、あえて、今回、この法案の問題点とか、あるいはここをもっと改善すればいいんじゃないかというようなことが、御提案などがございましたら、それぞれお尋ねさせていただきたいと思います。

滝澤参考人 ありがとうございます。

 特段ここが問題であるというような意識は持っておりませんで、私自身、特にここを重点的にということで申し上げますと、やはり、投資を拡大するためのいろいろな税制ですとか、あるいは中堅・中小企業グループ化税制ですとか、いろいろな税制に今回取り組んでいくというようなことでしたので、それをいかに周知していくかとか、それがきちんと作用するかというところが重要なポイントであろうと思いますし、大橋先生おっしゃったように、こういった取組をした後、やはりそれがどういった効果をもたらしたのかということで評価をして、その結果、やはりこれはこうした方がいいんじゃないかというようなところも出てくると思うんですね。そうしましたら、そこは柔軟に変更していくというような必要があるのではないかなと考えております。

 以上です。

吉野参考人 今回の法案の問題点というわけではないんですが、やはり、物づくりをやるに当たっては、工場を造ったりする中で、デットの活用というのが非常に重要になってくるんじゃないかなというふうに思っています。

 そういう中で、例えば、オバマ政権のときにあったグリーンニューディールみたいに、大きな工場を建てるときに何らかの形でデットに政府保証がつくような形のものがもしあれば、大きな勝負をスタートアップができる環境というのができてくるんじゃないかなというふうに思っております。

 ありがとうございます。

大橋参考人 ありがとうございます。

 問題点かどうか分からないですが、分野によっては、様々な制度が重層的に存在しているものがあると思います。GXを取ってみても、GX公債を出すだとか、あるいは研究開発の部分、いろいろなものがあって、それを整合的なパッケージの形にそれぞれの分野をしっかり束ねていかないと、ちぐはぐになってはいけないのかなというところだけは懸念として持っておりますので、しっかりやっていただければと思っています。

 ありがとうございます。

中山参考人 今回の改正につきまして、問題といいますか懸念しているところを申し上げますと、やはり、成長を伴う事業再編あるいは新陳代謝というようなところで、成長が見えているところへの支援というようなところで、成長がおぼつかない、あるいはできなかったところが切り捨てられてしまうようなイメージも感じておりますが、特に、地域に根差す中小企業の場合、地域も過疎化が進んでいますけれども、大企業もいなくなる、中堅も去っていく中で、生活者を守るために必死で、利益率は悪いけれども、この人たちを支えていくために、やめるわけにはいかないんだというような企業もあるわけで、そういった社会性の部分というのも評価していただきたいということ。

 あと、産業の仕組み、構造の中で、下請、孫請という流れていく中で、手間のかかる仕事、面倒くさい仕事、本当にどこにもできないような仕事を、やはり下に行けば行くほど背負わなくてはならないような状況下で努力して、成長企業を支えているところも多々ありますので、そういったところもしっかり配慮いただきたいというふうに感じております。

 以上です。

小山委員 次に、滝澤参考人と、また中山参考人にお尋ねしたいと思います。

 滝澤参考人の資料の中で、中小企業さんの設備投資もなかなか進んでこなかったというようなことがございました。また、先ほど中山参考人のお話にも、賃上げの部分でなかなか進んでいかない、これは報道でも出ております。

 でも、私は、この設備投資が進まないのも賃上げが進まないのも、今、中山参考人からお話のあった、まさに価格転嫁が進んでいっていないことが大きな原因ではないだろうかと。価格転嫁なくして賃上げはなし、また、価格転嫁なくして設備投資はなしと言うべきじゃないかと思っておりますが、では、一方で、岸田政権もコストカット経済とかデフレマインドというようなことを言っておりますけれども、これはまさに投資が進んでこなかったということなんですが、それも元をたどれば、投資の原資になるような価格転嫁というものができなかったからじゃないか。

 あるいは、また別な言い方をすれば、前回の委員会でも、私、ちょっと申し上げたんですが、私自身が訪問活動をしていたとき、言われたことがあって、乾いたタオルを絞ったことがあるか、ない、まして乾いたタオルを絞って一滴でも水が出てきたことがあるか、ない。必死になって頑張っている、今、中山参考人からおっしゃられたような、まさに社会性、その社長さんは、自分は年金暮らしだ、だけれども、雇用を支えるということで、会社は潰せないといって頑張っていて、そういう企業さんに、乾いたタオルを絞るように、一滴の水を出すように、もっとコスト削減しろ、こういう親事業者からの過剰なコスト削減要求というものが、まさに賃上げも設備投資も、この障害になって、適正価格というものと真逆のイメージだったんじゃないだろうかと思うんです。

 では、この価格転嫁を進めていくのは、もちろんこれも親事業者さんの方にも事情もあるわけですし、私は、経産省の職員が、人口減少なんて経済成長とかに関係ない、デフレマインド関係ないと、我が党の、私どもの党の勉強会というか、会でそういうお話をされていたんですが、まあ、多分その方も正確な表現じゃなかったと思うんですが、人口減少が関係ないんじゃなくて、人口減少も、滝澤参考人の資料にあるとおり、これは大きなハンデなんですね。だけれども、人口減少だから成長していかないというわけではなくて、そのハンデを超える成長を、生産性の向上を目指していかなければいけないという、そう解釈すべきだと思うんです。

 そういった背景がある中で、どうしたらこの価格転嫁というのを進めていけるか。もし、いいアイデアがございましたら、あるいはいい御意見がございましたら、教えていただければと思います。

滝澤参考人 御指摘ありがとうございます。

 不当な価格転嫁できないような環境というのは取り締まられるべきだと思いますし、私自身、中小企業政策審議会の委員等しておりますけれども、下請取引適正化ですとか、下請Gメン、知財Gメンとか、そういったものもありますので、そういったところが機能するということが重要であると思います。ですから、そうした不当な取引に関しては厳罰に、注意をするということが必要であると思います。

 それから、一方で、中小企業側の方にも、より一層力をつけていただく、生産性を上げる、これまでもされてきたと思いますが、更に努力をしていただくということが必要だと思いますし、中小企業の設備投資が進めば、ある種、効率化も図られ、それから分子の付加価値が上がっていくことで余力が生まれる、更によい循環が生まれる、そういったところも出てくるのかなというふうに思いますので、双方、大企業側も中小企業側も努力して歩み寄るということが必要なのではないかなと思います。

 以上です。

中山参考人 今回振り返りをして、まず一言確認したかったことは、トリクルダウンは全く起こらなかったということでございます。

 価格転嫁に関しては、もう価格転嫁の限度を超えているぐらいの価格差、状況になっているということで、取引の適正化等などで、取締りに関しても政府の方も強化していただいておりますので、そこの動きの部分には感謝したいというふうに思っております。

 中小企業の立場としては、もうコロナ前には、全て世の中の動きがここまで激変したわけですので、価格転嫁という考え方よりも、抜本的な価格の見直し、自助努力において、新しい時代に向けての企業変革を起こし、価格形成を、しっかり利益が出せるところに持っていく努力がまずは重要だというふうに考えております。

 以上です。

小山委員 本当は、いろいろな引き合いが強くなって、それで自然と価格が上がっていくというのが本来だとは思いますけれども、やはり人口減少というものから、マーケットが縮小していくんじゃないかということで、どうしても国内投資が、投資の弱含みになるところもやはり人口減少で、全て駄目だというわけじゃないんですけれども、やはりそれが背景にはあると思うんです。

 そんな中で、先ほど、実は私は中山参考人の新陳代謝のお話にも非常に共感をいたしまして、私自身もメインバンクの担当者として経営改善計画を幾つか作ったこともあります。そういった中で、新陳代謝だとか撤退しろみたいなことを言う方も、簡単に言う方もいるんですけれども、でも、実は私が計画を立てたところは、皆さん、今、要注意先が正常先になったり、中には、会社分割とか合併を繰り返して、国内、業界五位のメーカーになった会社もあります。

 ですから、やはり、痛みに耐えろじゃなくて、痛みを共有するような、本当に共有することはできないですけれども、姿勢を持って、いかにこの経営改善、共に歩んでいくかということが大事だと思うんですけれども、私も、そういう融資ができたのは協同組合金融機関にいたからではないかと思っております。

 その中で、大橋参考人と中山参考人に伺いたいんですが、先ほど大橋参考人のお話の中で、企業同士が連携をしていくというようなお話がございましたが、こういったり、あるいは、中小企業同友会さんの活動の中で、様々な企業間の励まし合いとか共同行動というのは、例えば中小企業協同組合とか、こういった組織の活用というのは、来年は国際協同組合年でもありますし、考えられるんじゃないかと思いますけれども、それについての御認識をお尋ねしたいと思います。

大橋参考人 価格転嫁に関して、難しい点の幾つかの点の一つとして、やはり交渉力の問題というのがあるのと、あと、日本の中でのやはり商慣習的なものもあるのかなと。必ず相みつと比較して、かなりごりごりやっていくわけですので、ちょっと、そこ、そういう点の違いはあるだろうと。

 そういうものについて、一つの考え方、連携というのは何かというと、ある意味、一者ごとよりは複数者でまとまった方が交渉力は出るわけです。そういう考え方、これは競争法との、どういうふうにすり合わせて考えていくのかというのはしっかり検討しなきゃいけませんが、交渉力の格差があるのであれば、劣位の側について、交渉力を高めるための工夫というのをどうしたらいいのかということの一つの考え方として申し上げたということであります。

 もう一つは、やはり官民が協調するというのは、先ほどおっしゃっていただいたように、共に歩むというのはすごく重要で、補助金を出して、あとは結果を出してくれというふうな感じの、私は委託と呼んだんですが、そうした委託の形ではなくて、一緒に共同でつくり上げるというマインドが重要だというのは私も共感するところです。

 ありがとうございます。

中山参考人 まず、当会では、協同組合に関しての考え方は、会内において議論等は行っておりませんので、会としての方向性をここで申し上げるわけにはいきませんが、連携という言葉は大きなキーワードとして掲げて取り組んでおります。

 具体的には、地域活動、中小企業振興基本条例を生かす活動の中で地域の課題を整理し、その課題解決に向けて取り組むことこそ、地域に根差した中小企業の存続と発展につながるんだというところから、その課題解決を複数の目で、同じ理念に向かって組めるところを組むことで、その可能性を広げていこうというような活動ですね、そういった活動でございます。

 以上です。

小山委員 時間が迫っているので、一問だけ最後、吉野参考人に、資金を調達する側からして、融資とか、あるいは投資、直接金融とありますけれども、ベンチャー企業として、それぞれの特徴、短所、もしございましたら、お伺いしたいと思います。

吉野参考人 やはり我々は、投資についてはベンチャーキャピタルから、それから、融資は、比較的最近までは公的な機関が多くて、その後は民間のもあるんですけれども、やはり投資の方が、間違いなく我々の事業とか技術のリスクを見て投資していただけるので、やはりベンチャーキャピタルを含めた、そういう投資の活発化というのは、我々のようなベンチャー企業にとっては非常にありがたいですし、一方で、融資について言うと、先ほど申し上げましたように、工場を立ち上げるようなときには、やはり非常に力になるんじゃないかなというふうに思っています。

小山委員 以上で終わります。ありがとうございました。

岡本委員長 次に、山本剛正さん。

山本(剛)委員 日本維新の会の山本剛正と申します。

 今日は、本当にそれぞれのお立場から貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

 非常に個人的にも興味本位で聞きたいこともたくさんあるんですけれども、法案審議の一環でございますので、法案に沿ってちょっと御質問させていただきたいというふうに思います。

 今日は、設備投資であったり、いろいろお金にまつわる話も結構出てきたんですが、今の今まで、多分、銀行という単語は、実は一度も出てきていないように思います。それだけ、もしかしたら吉野参考人なんかは、銀行と聞くだけでこのやろうみたいな感じの気持ちもある部分もあるのかなと、全然ここは答えなくて結構でございます。

 それだけやはり今の日本の経済の中において、成長という分野の中では、銀行の存在感というのは非常にもしかしたら低下しているのかなという思いもいたしますし、先日、実は私、経済産業委員会の、一番最初に国会が始まるときに、所信表明が、大臣の所信があるんですけれども、その中で、成長戦略の部分でちょっと質問をさせていただきまして、実は二〇〇〇年以降、成長戦略というのは大体どれぐらい日本で出ているのと、コストカット型経済と言っているものですから、聞いてみたら、ほぼ、二〇〇四年ぐらいに一番最初に閣議決定して、そこから毎年のように出ていて、十六とか十八とか成長戦略というのはありましたみたいな話で、結局、それは一個も何も実は成功していないからこそ失われた三十年なわけですよね。だから、成長というのは非常に難しい。

 でも、今、踊り場から、これから今、光が差しているというところで、どういう投資をしていけばこれが本当に成長していくのか。やはり、絵に描いた餅ではなくて、実体を伴った成長をきちっとしていかなければいけないのが我が国の今、日本の立場であるのかな、そういった思いを込めて、私は今日、参考人の皆様方に御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、滝澤先生と大橋先生にお尋ねをしたいというふうに思いますが、中堅企業というくくりが、従業員が常時二千人という、ざくっという部分なんですけれども、ここにいろいろな企業体が入ってくると思います。そういうふうにくくりますよという話をすると、大体、中小企業、それで成長していきましょうという話をすると、中小企業さんが中堅企業になっていくという、ちょっと上に上がっていく話もあるんですが、実はこのくくりをやると、大企業から中堅企業に降りてくるという、言い方は変なんですが、大企業から中堅企業にくくりが変わるというところも出てくるわけでございます。

 こういった、このくくりで本当にいいのかといいますか、この定義でいいのかどうかというのをどのように考えているかをまずお尋ねしたいと思います。

滝澤参考人 私自身、二千人という数字を拝見したときに、どのような根拠があるのかということは、やはり同じように気になりました。そこで、お伺いしたところ、生産性の飛躍的な伸びがあるような規模であるというので、私自身、納得したところであります。

 もちろん、産業ですとか、御指摘のとおりいろいろある中で、どういう区分が適切なのかというのは、今後やってみて、やはり評価してのところがあるのかなというふうには思います。ただ、当座二千人という規模は適切であるような、私自身は判断をしております。

 以上です。

大橋参考人 ありがとうございます。

 まず、中堅企業という、いわゆる大企業の中での二千人での区切りの規模に関する研究とか分析というのが、そんなに蓄積がないと思われます。そこで、この部分について、二千人のスレッシュホールドが正しいかどうかも含めて、そういうふうな研究というのはしっかり今後やっていくことが必要だと思います。

 今、当座二千人という数字に関して思うところは、大企業というと大都市だ、中小企業というのは地域だという見方になってしまうと思うんですけれども、実は、中堅といって取り出すと、それなりに三大都市圏以外にも存在しているので、そういう意味では、そうしたところが核になって地域創生をしっかり引っ張っていくというふうな絵姿は描きやすくなったのかなというふうな思いはいたします。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 私も、様々なくくりがある中で、その企業体がどういった、例えば、人事評価制度とか、全ての中小・小規模の事業者の皆さん方が、自分のところでそれができているところがあるわけでもないわけでございまして、見本になる、手本になるところというのは数多くあればあるほど私はいいのかなと。

 それは賃金も一緒だと思っていまして、やはりそういった企業が賃金をリードしていくことによって、中小・小規模の皆さん方も賃上げをやはりやっていこうと。

 そのためには、やはり価格転嫁、先ほど来から価格転嫁の話がありましたけれども、経済全体がやはり上がっていくことがまず重要でありますので、そこのやはりリードオフマンといいますか、やはりその先頭に立って、特に地方では先頭に立っていっていただけるのが、私は、中堅企業という部分の価値観を持っていたいなというふうに思っていますので、非常に参考になりました。ありがとうございました。

 次に、投資に対する在り方、公的支援の在り方について、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

 これは吉野参考人にお尋ねをしたいと思いますが、やはり製造業とサービス業とかでは、もう全く違う。企業の中のなりわいというか、例えば、銀行がお金を貸すといったときも、担保がないと貸しませんよみたいな話があって、サービス業の人たちは、担保と言われても、何のこっちゃ、いや、そんなのあるわけがない、家賃も賃貸で、要するに、会社も賃貸で借りていてというので、担保なんというのはないのに、でも、成長していく可能性は幾らでもあるというサービス業は幾らでもあるんですが、残念ながら、そういうところの資金調達というのは非常に厳しいというのが今までの現実でございました。

 そういった中で、政府支援の在り方というのは本当に考えていかなければいけないんですけれども、例えば、長期的支援が非常に助かるという側面がある一方で、やはり保護的な部分になりかねないというのは、私は、その側面は否めないというふうに思うんですが、その点、どのようにお考えになっているか、教えていただきたいと思います。

吉野参考人 長期的な支援が、いわゆる阻害するようなことにもなることはあるんじゃないかという御質問だと思うんですが、先ほど、チェックしてPDCAを回していくようなお話がありましたけれども、やはり、単に長期的に支援をしておしまいだけだと、おっしゃるとおり、そこにどうしても、甘えてしまうようなことというのはあり得るのではないかなというふうには思います。

 一方で、やはり物づくりについては、どうしても短期の視点だとなかなか立ち上がってこないところもございますので、長期のところで何らかの御支援みたいなものがあると、やはり会社として安心して、例えば、工場をどこかに建てるとか、そういうことができてくるのではないかなというふうに思いますので、言うのは簡単なんですけれども、なかなか難しい部分もあるんだと思うんですが、そこのバランスをどう取っていくのかなというふうには思っております。

山本(剛)委員 重ねてお尋ねをいたします。

 戦略分野国内生産促進税制もその中の一つに入るんですが、これは十年のくくりなので、事業認定時から十年ということなんですが、これは租特でやるわけでありますけれども、十年という期間が、そもそも長期なのか、中期なのか、それとも短期だという捉え方になるのかというのは人それぞれだというふうに思います。ただ、これは事業認定時からなんですよね。やはり、それがそもそもどうなのかというところもありますし、この十年というリードタイムはどのように考えられますか。

吉野参考人 私自身、物づくりにおいて十年というのは結構ちょうどいいんじゃないかなと思っていまして、やはり、三年とかだとなかなか結果が出ませんし、二十年とかいうと、何かもう自分はやっていないんじゃないかみたいになりますし、十年ぐらいで、ある程度めどをつけていくというのは、自分自身の今の事業を見ても、ちょうどいいんじゃないかなというふうに思っています。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 本当に期間というものは非常に難しいし、これは出口戦略も非常に私は難しくなると思っていて、やはりもうちょっと延ばしてよという話も当然出てくるようなこともあるのかな、ここはやはり柔軟に対応していく必要もあるのかなと私は思っています。

 先ほど中山参考人から、トリクルダウンはなかったという話がございました。私もそのように思っています。これは中山参考人に、せっかくそのお話をしていただいているのでお尋ねをしたいんですが、この税制が、一応、対象の企業がいわゆるメーカーさんみたいなところに限られているわけですが、そこには数々のサプライチェーンがあるわけですよね。やはり、そこにもこの税制のメリットが波及しないと、私は意味がないというふうに思っていますが、その点、どのようにお考えか、お尋ねをしたいと思います。

中山参考人 私も、そのようにサプライチェーン全体で評価すべきだというふうに思っております。

 以上です。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 これは本当に我々も真剣に考えなければいけないんですけれども、支援をします、支援をしますという大号令の中で、やはり、支援が一点に集中をしてしまうと、残念ながら、先ほどおっしゃられたように、トリクルダウンというものはやはり見込めない。サプライチェーン全体でその波及効果があることによって、経済全体のいわゆる底上げ、ボトムアップが私は実現するというふうに思っている。我々も注視しなければいけないし、是非、業界団体の皆様方からも、そういった目線でこの法案を今後もチェックをしていただきたいなというふうに思います。

 重ねて、また中山参考人にお伺いをするんですが、スタートアップの件で、実は、昔、創業補助金というものがございました。この創業補助金の、実は、もう五年ぐらいで終わっているんですけれども、政府に評価を聞いても、実は評価していないんですよ。

 先ほど大橋先生から、評価をした後に立案が弱いというお話があったんですが、私も全く同感で、評価していないから、このスタートアップというのは私は本当に難しいと思っているのに、結構みんな簡単に言うんですね。やはり、ここの創業補助金の評価、もしされているのであれば、ちょっと教えていただきたいなというふうに思います。

中山参考人 私どもの同友会の会内活動において補助金の評価をしたかということに関しては、記憶にはないですね。

 いろいろな補助金に関してアンケート等を取ったときにやはり一番出てくる声は、手続が煩雑ということと、いただける時期が遅過ぎるという、特に中小企業の立場からすると、資金力がやはり弱いところにおいては、簡素化し、早くというのは、よく聞こえてくる声であります。

 以上です。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 これは二〇一二年の補正から二〇一八年の当初予算まで創業補助金があって、この創業補助金で創業された方がもしかしたら同友会の会員になられているかもしれない、これは僕には分からないんですけれども、是非、そこは今後見ていただければなというふうに思います。

 最後に、このスタートアップの五か年計画について、これは滝澤先生と大橋先生に伺いたいというふうに思います。

 やはり、ゼロから一の支援と、一から五の支援というのは、私は全然違うものでなければならないというふうに思っています。このスタートアップの五か年計画は、ユニコーン企業、評価額十億ドル以上で設立十年以内の非上場のベンチャー企業を百社創出するということで、投資額、実は十兆円ぐらい向こう五年で見込んでいるんですけれども、なかなか今まだ進んでいないという状況があって、ここをやはり大きく前に進めるために必要なもの、何かアイデアがあれば教えていただきたいというふうに思います。

滝澤参考人 御質問ありがとうございます。

 私自身、何かいいアイデアを持ち合わせているわけではないんですけれども、やはり、国内スタートアップ企業の投資は海外と比較して大きく劣後しているということは御指摘のとおりであります。

 学問的な表現から離れますけれども、やはり、失敗しても大丈夫だというような環境をつくっていくということは非常に大事ではあるというふうに思っています。

 以上です。

大橋参考人 ありがとうございます。

 人間、やはり経験というのはすごく重要だと思います。経験した人が、この人みたいになりたいというふうなロールモデルがやはり必要で、そのためのメンターの層をある程度設けないと、一人で荒野に飛び込んでいって頑張れと言われてもなかなか難しい。仲間をつくっていくような、そうした人の手当て、お金も重要だと思いますが、人の手当てというのが私は相当重要なことなんだろうと思っています。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 もう時間が来ましたので締めますが、実は、そのユニコーンは今、五か年計画の中で七社出ているそうでございます。百社から見て七社が少ないというのは、私はもう絶対やったらいかぬと思っていて、やはり、七社出ているんだったら、その七社の成功例をどんどんアピールすることが重要かなと思っていますので、是非、これは官民一体となってやはりやっていく事業でございますから、またいろいろお力をおかしいただくことを切にお願いを申し上げまして、私の質問に代えさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

岡本委員長 次に、笠井亮さん。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 今日は、四人の参考人の皆さん、お忙しいところ、貴重な御意見をありがとうございました。

 まず、大橋参考人に伺います。

 参考人は、滝澤参考人とともに、今回の産業競争力強化法改定案の前提となっている産構審、産業構造審議会のメンバーをなさっていらっしゃって、二〇二三年六月二十七日の経済産業政策新機軸部会第二次中間整理ということで、委員として関わってこられたと思います。

 その拝見した冒頭の問題意識というところで、失われた三十年を振り返りということで、「企業は既存事業のコストカットと海外投資に注力し、国内投資は三十年間、大きく停滞、新事業創出に向けての国内での大胆な投資は行われなかった。」このように書かれております。

 そうした一連の弊害がそこで指摘されているんですけれども、その時期、政策手段だった産活法、産業活力再生特別措置法や産競法によるものが、やはりそういう弊害を生む中にあったというふうな認識をお持ちでしょうか。その点、いかがですか。

大橋参考人 ありがとうございます。

 若干細かいことを申し上げると、私が委員をやったのは、多分、この中間整理の後でありまして、そういう意味で、この中間整理に何ら責任を持っているものではございません。

 コストカットの話、さきにも御議論あったと思いますけれども、ここまでのところが、いろいろ政策的な手段は取ってきたんですけれども、やはり、協調よりは競争政策的な側面というのが相当程度前に出ていた部分があったのかなと。私、競争政策も重要だと思うんですけれども、競争と協調というもののバランスが今求められていると思っていまして、ある意味、そこの部分でどうやってお互いのミシン目を見つけていくのかという、今それを政策的に考えているところだと思います。

 そういう意味でいうと、ちょうど前回から今回へというのは、ある種の一つのトランジションに大きくあって、これまでの反省の上に立って、今後、官民の協調というものの産業政策というものをどうつくっていくのかという、ある種の局面に至るステップとしての過去の反省というふうな文書だったのではないかというふうに推測をしています。

笠井委員 ありがとうございました。

 委員をなさったのはその後だということなので、感想というのか、コメントをいただきました。これまでの反省の上に立ってということで、協調より競争が前面に立っていたのではないかというふうなお話でした。

 同じ問いを、私、齋藤経済産業大臣にも、この間、委員会でもやりまして、産活法、産競法が要因とは思っていないとおっしゃりつつも、両法による規制緩和の問題ということは認められました。

 産活法と産競法の下で支援された大企業は、リストラや人減らしを行って、そして競争もし合うということで、結局、日本経済はよくならなかったというのが現実だと思います。そうした弊害ということも様々あって、それをどうやって取り除いていくかというのは、大いに検証し、議論が必要ではないかと思いました。

 そこで、滝澤参考人に伺います。

 この間、産活法、産競法によって政策を進めてくる中で、大企業の方は、史上空前の利益を上げて内部留保を積み増してまいりました。

 四月十九日の当委員会での質疑で、財務省は、直近、二〇二二年度の利益剰余金は、何と五百五十五兆円にも上るという答弁でありました。名目GDPに匹敵する水準であって、うち、半分以上の二百八十兆円が、資本金十億円以上の大企業であります。

 これらの五百五十五兆円のうち、これら大企業は法人税減税の恩恵を被ってきたわけですが、昨年十二月の与党税制改正大綱も、「近年の累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ない。」こう認めております。

 やはり、大企業を減税で応援しながら、また、そういう中で大企業の収益が伸びれば、先ほどトリクルダウンの議論がありましたけれども、そのことによって、労働者や中小や下請、サプライヤーに波及がありと言われてきたわけですが、そうはなっていないというふうに思うんですけれども、その点はどんな認識をお持ちでしょうか。

滝澤参考人 御指摘ありがとうございます。

 そういった部分もあるのかなというふうにも思います。個人の方の所得格差のデータ等を見ますと、当初所得では格差拡大をしているんですけれども、再分配所得では格差は拡大していないということは、ある種、税金等で調整されている部分もあるのかなというふうに思いますので、いろんな角度からそうした指標は見るべきというふうに私自身は考えています。

 以上です。

笠井委員 ありがとうございます。

 吉野参考人に伺います。

 スタートアップであれば、人材の獲得に経営者が率先して取り組むということが非常に重要だと思います。

 先ほど来、お話も熱を込めておっしゃっておられましたけれども、物づくりの基盤を地域で大切にして、正規、非正規を含めた教育訓練の機会をつくって、中小企業を集積していくということが、企業と社会全体にとっても大事な課題ではないかと思うんですが、実際にそういうスタートアップでずっと携わってこられて、その辺はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

吉野参考人 中小企業を含めた、そういう地域の基盤みたいな御質問だと思うんですけれども、我々は、実は、そこら辺の中小企業の基盤に非常に恩恵を受けていまして、と申しますのも、当社は大阪にあるんですが、大阪大学の中の拠点と、それから住之江という、ちょっと南の方の、そこに実証工場を持っています。

 住之江の方は、実は堺も近くて、大手の化学メーカーさんがたくさんいらして、大分クローズし出しているんですけれども、それを支えていた中小企業がたくさんいらっしゃるんですね。

 我々自身は、実は会社としては、ナレッジというか、マイクロ波をどう活用していくかというところが我々の強みなんですけれども、実際に我々自身が作るものは、実はそういうところに作ってもらっています。そういう中小企業の皆さんは非常に技術力が高くて、かつ、コスト的にも非常に競争力のある会社さんが多くて、我々のような知と、そういう競争力のある物づくりの基盤というのが、大阪でうまく結びついて、ここまで来ているんじゃないかなというふうに思っています。

笠井委員 ありがとうございました。

 中山参考人に伺います。

 本法案に関連してなんですけれども、この法案の中では、新たに戦略分野国内生産促進税制というのを導入するとしておりまして、今後の我が国産業の基盤となることが見込まれて、かつ、国際競争に対応して事業者が市場を獲得することが特に求められるものを省令で産業競争力基盤強化商品と定めて、その生産、販売計画を主務大臣が認定した場合に、生産、販売量に応じて税額控除が受けられると。

 例えば、今回支援対象のマイコン半導体を見ますと、二・八から四・五ナノメートル相当だったら一枚一万三千円という具合に、生産と販売量に応じて支援をする、税額控除ができると。このように、特定の商品を作れば作るほど生産、販売量に応じて優遇税制で補助するという、私、非常にこれは異例の手厚い支援を法律でやろうとしていると思うんです。

 伺いたいのは、中小企業がそのような生産、販売量に応じて税額控除を受けられるというような仕組みというのはあるんでしょうか。ちょっとこれは率直に、現状として伺いたいんですが、どうでしょうか。

中山参考人 私自身、会活動を統率していく立場にありますが、今のところ、そういった事例になるような事項というのは確認していません。

笠井委員 ありがとうございます。

 他方で、今日、中山参考人に資料でいただきました、二〇二四年度国の政策に対する中小企業家の重点要望・提言というのがあります。相当、裏表二面にわたるもので、多岐にわたると思うので、とても拝見していて大事な項目ばかりだというふうに思って、大いにやはり、これは実現ということで、国会でも受け止めてやる必要があると思っているんですけれども。

 先ほど来、価格転嫁の話が特に話題になって議論になりましたが、それよりもたくさん、これは大事というのがあると思うんですが、それ以外に一つ、例えば、この点は特にということで、要望の中でも特出しできるようなことがあれば、余り、かえって特出しは難しいかもしれないんですが、何かここで強調されたい点がおありになったら、御紹介いただけないでしょうか。

中山参考人 今回、重点要望として十一項目にまとめてありますので、これが全部というのが本音でございますが、どれか一つといえば、各家庭、生活が実質収入が増えずに苦しんでいる中で、働けば働くほど収入が増える制度に、この百三十万円の壁というんですか、その壁はやはり取っ払うべきだというふうに思っています。

 やはり実際、会員さんの声等でも、パートの時給を思い切って上げた、上げたけれども、年末が近づいて就労調整に入って、逆に人手不足で大変な状況になったというような声は多くから聞こえてきますので、もう一度、一言で言えば、働けば働くほど収入に反映されるように変えてほしいというところが一番でしょうか。

 以上です。

笠井委員 ありがとうございました。

 この同友会の紹介の中にも、女性や障害者も力を発揮できる企業づくりということを書かれていて、百三十万円の壁というのは国会でもかなり議論になっていますけれども、やはりパートの方とかそういう中に女性の方はたくさんいらっしゃるわけで、まさにそういう点では、あえて特出しいただいたというのをしっかり受け止めたいと思います。

 もう一問、中山参考人に伺いたいんですが、コロナ禍に続いて物価、資材、エネルギー価格の高騰ということで、中小企業の皆さん、本当に必死で食いしばってこられたと思うので、中山参考人も先ほど一社も潰さないということでおっしゃって、前にも広浜会長にここにお越しいただいたときに、参考人質疑でも、会長もそのことを強調されていたので、非常に印象に残っているんですけれども。

 九九年の中小企業基本法改定による中堅、ベンチャー企業を重視していくことで転換ということで、それ自身は、中堅、ベンチャーというのは大事なところだと思うんですが、逆に、そういう点では、その中で中小企業百五十万社が淘汰されてきたという現実があると思います。

 産競法の改定には、成長志向の特定の中堅企業やスタートアップへの支援に集中するということで、法的に位置づける制度が盛り込まれているわけですが、そういう中で、懸念というのは、非常に、先ほどもちょっと懸念とおっしゃったと思うんですが、今でも貧困な中小企業対策とか予算を、逆に一層抑制されるんじゃないか、あるいは、中小・小規模事業者の新陳代謝ということで、退場をもたらされてしまうんじゃないかという懸念というのは、どの辺で特にお感じなのか。

 それから一方で、全国各地では、自治体が中小企業基本条例を制定をして、地域全体で中小企業を育てようという取組が広がっているというお話もありました。そうした動きとして、国もやはり中小企業振興につなげるべきだと思うんですが、その点で、この点は大事だなという点、特に国におっしゃりたいことがあれば、その二点なんですが、新陳代謝ということで、退場がもたらされる懸念がないかということと、それから、むしろ、この間の全国の取組を通じての、国に是非反映してもらいたいという点があれば、伺いたいと思います。

中山参考人 新陳代謝への懸念ですけれども、御承知のとおり、コロナの影響で大変な苦しい立場になりましたけれども、これが長引いて、セーフティーネット等をいち早く活用しながらも、返済猶予も受けて、しかし、回復にはこんなにも時間がかかるのかというような、なかなか回復の軌道が見えない状況もある中で、物価高騰、それから賃上げ、人手不足、そういう問題等々が次から次にのしかかってきておりまして、返済開始どころか新たな資金需要も出てきている中で、まだまだ結果として見えないところが、やはり今回の潮目が変わったと。今までは、コロナの影響下で支援してきたけれども、今からは、もう結果の見えないところは去ってくださいみたいなところも感じられる懸念ですね。

 我が社も、健康食品の自社開発、全国に向けての通信販売、このコロナの間で六商品、新商品を開発しました。一つの商品を開発するのに一年、二年、立ち上げるのに専門部隊、組織を整えてまた二年かかってきたという事実を見て、やはり、この先を打開していくには、中小企業というのは、本当に努力の積み重ねの中で期間が相当かかるんだということもつけ加えて申し上げさせていただきました。

 それから、中小企業は、地域あっての中小企業、あるいは、地域に根差す中小企業で、やはり地域経済を支えているわけですけれども、長引く不況等で地域の衰退も目立っています。

 したがって、この条例の活用というのは、やはり、地域の課題を、その地域に根差す中小企業が、自分たちの事業を営む場である地域を、当事者として活性化していこうというような考え方でありますので、そういった活動も、政府としても積極的に支援をいただければというふうに思っています。

 以上です。

笠井委員 時間が来たので終わります。ありがとうございました。

岡本委員長 次に、鈴木義弘さん。

鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。

 本日は、四人の参考人の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。

 これは私の経済観なものですから、間違っていたらお叱りをいただきたいなというふうに思います。

 日本がやはりこれだけ経済がなかなか上向かない一つの要因は、私は為替だと思っています。プラザ合意のときに円高政策を主要六か国で取ることによって、二百四十円、二百四十五円ぐらいだったですか、四十年近く前からどんどんどんどん円高になって、そのうちに日本の製造業が外に出ていかざるを得ない時代が長く続いて、今日もそうだと思うんですけれども、結局、振り返ってみたら、主要な産業と言われているところが海外にシフトをしてしまった。

 今回の法律の、産業競争力強化法の中で見ていくと、中国と競争せざるを得ないのに、中国のものも日本にどんどん入ってきて、中国の依存度が、今、日本の中の製造業ではすごく高いし、一般消費者もメイド・イン・チャイナのものをいっぱい求められているんですね。

 その中で、結局、じゃ、日本のメーカーが外に出ていって、まあ中国でいいと思うんですけれども、そこで製造、販売したもので利益をどのぐらい得て、それが日本にどのぐらいリターンしてきたのか、その数字を示してくれと言うと、分からないと言われたんですね。経済って複雑なものですから。ですから、やはり、日本企業が外に出ていって、そこで得られた利益をリターンで日本の国内に戻さないと、次の世代が育つ原資が生まれてこないと私は思うんですね。

 そういう意味では、今回の産業競争力法の改正というのは一つの意味があるんだと思うんですけれども、この中で、私は、そもそもの日本人の、日本の商習慣を変えない限りは、なかなか成長に、びゃっと一時的にお金をつけたとか減税したとかというだけでは乗っていかないんじゃないかというふうに思うんです。

 一つは、これもなかなか難しいんですけれども、お客様は神様だというのが高度成長期のときからずっと言われてきた。だから、お客様から言われたことは何でもしてあげなくちゃいけない、何でもやらなくちゃいけないというのがいろいろな現場で起きているんだと思うんですね。

 東京オリンピックのときに、おもてなしという言葉がすごくはやりました。確かに、日本社会の中でお客様は神様だとかおもてなしというのはいい文化だったんですけれども、それ以上にプライスの安いものが日本国内にどんどん入ってくることによって価格が引き下げられて、それに対応するように、賃金も上げられないでこの三十年、四十年、私は来たんじゃないかなと思うんです。

 そこで、過剰なサービスを求める又は提供する、これが、企業側からしているのか、事業者側からするのか、お客様のニーズからそれをやったのか、ここは相互方向で来たんだと思うんですけれども、私は、この過剰なサービスというんですか、それを少し、ちゃんとそれはオプションですよと言って賃金をいただくような形を取らないと、持続の賃上げというのに結びつかない、私は、それをやることによって経済成長が、後追いかもしれませんけれども、くっついてくるんじゃないかというふうに考えるんですが、四人の参考人の方の御所見をいただければと思います。

滝澤参考人 御質問ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、実は、お客様は神様という部分はあるかなというふうに思っていまして、生産性はアウトプットとインプットの比率なんですけれども、サービスを非常に手厚くしていくと分母がどうしても大きくなっていくものですから、その分、国際比較すると生産性が下がっているという部分はあると思います。

 日本のサービスの品質調査というのが行われておりまして、日本のサービスを海外で受けられるならばどのぐらい上乗せをして支払ってもいいかというような調査をしましたところ、対個人サービス業ほとんど全てにおきまして、二割程度上乗せして支払ってもよいというような結果になっておりましたので、確かに日本のサービスの品質は非常に高いんだと思います。その分、価格に反映できていないという部分はあると思います。

 ただ、一方で、今、インバウンド等ありまして、海外の方が多くいらしてくださって、日本のサービスを評価して、ある意味、高く支払ってくださっている部分というのもあると思いますので、企業の方も差別化をして、サービスの質をいろいろな形で提供するようにして、それに適切なそれぞれの価格をつけていく、そういう戦略が必要になってくるのかなというふうに思っています。

 以上です。

吉野参考人 過剰なサービスに対する御質問と思います。まさしくおっしゃるとおりだと思っていまして、化学業界においても、過剰なサービスというかカスタマイゼーションというのがやり過ぎなんだと言われていて、それが収益の低下につながると言われています。

 当社においても、実は、この何年か、会社を成長させるために、やはり技術を標準化していこうということを言っておりますので、本当に非常に重要なポイントなんじゃないかなというふうに思っております。

大橋参考人 ありがとうございます。

 お客様は神様とか三方よしという言葉もあるんだと思いますが、こうしたものが成り立つのは、お互いが、謙譲の精神というか、相手のことを思いやって初めて成り立つ考え方だったんだ、私、悪い考え方ではないと思っていて、昔の商習慣でこれはうまく回っていたんだと思うんですが、ただ、これをもらって当然とか、そういうふうな考え方、あるいは、インバウンドの人がやってきて、ちょっとこういうふうな考え方はそもそも持っていないという人がどんどんどんどん増えてくる中において、なかなかそういうふうな考え方がうまくマッチしなくなってくるということなのかなと思っています。

 他方で、これが難しいのは、サービスに対価をつける、私はそれをやるべきだとも思うんですが、そうすると、対価をつけない人たちが潜ってくる、つまり、みんながみんな、いっせいのせでつけない限りは、なかなか自分から先に対価をつけるということをしたがらないのかなと。これはいわゆる建設業のダンピングと同じような話になるんだと思います。

 こうしたものに対して価格のフロアを設けたりするとまた変な議論になっちゃうかもしれなくて、建設業だと多分、社会保険の未加入という形でそれを対応しようとした部分があるんだと思いますが、何かそうした形で、直接的に介入するんじゃなくて、間接的にそういうふうな方向へ促すような、ちょっと取組の工夫というのは考える必要があるのかなというふうにお話を伺って思いました。

 ありがとうございます。

中山参考人 私も一中小企業者でありまして、コールセンターなどは個人相手の接客応対サービスでございます。そうした場合のサービスの考え方は、相手のニーズをしっかりと捉えることこそが大事で、その捉え方を間違えて、こういったことを望んでいるだろうと、勝手に一方的な過剰なサービスはクレームにも当然なります。

 したがって、個々求めているものは全く違いますので、価格優先なのか、おもてなしで価格は問わないのか、そういったケースもたくさんあるわけですので、やはり聞く力、捉える力がサービスの基本だというふうに思っております。

 それから、価格に関しては、中小企業であっても価格決定権をしっかり持てる企業づくりを目指しているところであります。

 以上です。

鈴木(義)委員 ありがとうございます。

 世の中、プライス、クオリティー、サービスで、この三つのファクターを、二つなり三つなりでお客様は商品を選んだりサービスを求めたりするというのは聞いているんですけれども、やはり、今御説明いただいたように、よかれと思って。

 例えば、家族で旅館に泊まったことがあるんですね。私はどっちかというと古い感覚の人間なものですから、仲居さんに、ちょっとうちのに言って、二千円か三千円だったと思うんですけれども、紙に包んで。そうしたら、仲居さんが要らない、要らないと言うんです。いやいや、まあいいからといって。後で、泊まってお金を、宿代を、選挙区じゃないから大丈夫です、昔の話ですからね。そうしたら、料金を払うときに、ちゃんと、サービス料一〇%、入っていたんだね。それでも、気持ちなんですよね。

 それが日本人のいいところだったんだと思うんですけれども、それを残しつつ、これ以上はといったときにはプラスアルファもらえるような仕組みをやはり社会全体でつくっていかないと、今、参考人の四人の方から開陳いただいたことをベースに、ちょっとつくり替えていくというのが必要な時代に入ってきたのかなというふうに思います。

 それと、次に、大橋参考人の先生にお尋ねしたいんですけれども、いただいたペーパーの中で、産業政策を真に実効化させるための工夫の必要性のうち、外部有識者による委員会形成の、穏当になりがちで、ここで求められるとんがった産業政策の評価にどこまでふさわしいか要検討と述べられているんですね。

 まさしくおっしゃっておられるとおりで、とんがった政策とか技術というのは、今日は参考人の吉野参考人も同じだと思うんですね、マイクロ波を使って、とんがった、どこもやっていないからうちがやってみようというのでスタートされたんだと思うんですけれども、その技術やノウハウを適切に評価されてきたのかということですね。

 過去にいろんな審議会をつくったり、NEDOだとか産総研だとかいろいろなところを介して補助金を出していったんですけれども、そこに必ず審査員の方がいらっしゃいます。その中で、この技術が将来性はあるんだといったときに、そのメンバーの人たちがいつも変わらなければ同じ評価しかできないだろうという考え方なんだと思うんです。そこのところを、逆に評価する側を検証しないと、新しいイノベーション、これがいい技術になる、これは将来性が伸びるんだということにつながらないんじゃないか。

 これはよく経産大臣にも質問するときに使うんですけれども、目利き力というのを、何をもって目利き力というのかということですね。そうすると、審議会の委員の主要メンバーの方も、やはりそこのところを逆に問いかけた形でチームをつくって、評価してもらうような仕組みをつくらないと次のイノベーションにつながらないんじゃないかというふうに思うんですけれども、先生のお立場で、副学長という立場も承知しておりますので、今私が御説明申し上げたようなことが評価されてきたのかということ、それとあと、目利きが育ってきたのかというふうに、現場からフィードバックしたときに感じることをお知らせいただきたいと思います。

大橋参考人 ありがとうございます。

 現在、NEDOとか産総研ですか、ちょっと私、研究所の実態は詳しく存じてはいませんが、基本的にファンディングのエージェンシーではないかなと思っています。

 他方で、多分、遡ると工業技術院とかがあったはずで、あの頃の時代と今と比較してみると、当時は、ファンディングもするんですが、プロジェクトマネジャーもいたんだと思います。つまり、各担当者がどのプロジェクトをやるかということを責任を持って見ていくというふうな体制が取られていたのかなと。

 今いないのは、恐らくプロジェクトマネジャーたる人で、これを立案、計画を立てたときから最後まで見切るというふうな感じのグループの人、そこが欠けているんじゃないかなというのが、私、一つ問題があるのかなと感じている点です。

 ちなみに、大学の方も言及していただいたので大学側のことを申しますと、産学共創といって企業さんと大学とで一緒にプロジェクトを組むということをやっているわけですが、これでもやはり必要なのは、お互いをつなぐマネジャーなんですよね。このマネジャーというのが、職種がないから人材が存在していない可能性があるなと思っています。これは学識だけでは難しくて、他方で、産業の人だけで大学のことを分かっていない人も難しいんです。

 そういう意味でいうと、そういうふうなポストをしっかりつくって人を育てていくことをしないと、ポストがないところに人は育たないので、やはりそういうふうなところはちょっと考えていくところはあるのかなというふうな感じはしています。

 以上です。

鈴木(義)委員 もう時間が参りましたが、あともう一つだけお尋ねしたかったんです。成功体験に浸り過ぎているんじゃないかなと思うんですね。失敗から学ぶということをやはり極力日本は排除してきたんじゃないか、いいことばかりをずっと続けてきたと思うんですけれども、最後に、滝澤参考人から感想をお述べいただいて、終わりにしたいと思います。

滝澤参考人 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりで、やはり成功の部分だけどうしても光を当てたいというのは気持ちとしてあるのかなというふうに思いますし、先ほども申し上げましたが、やはり心理的安全性を高めていくことというのが、恐らく企業の生産性にも寄与していくと思いますので、今日のキーワードではないですけれども、失敗から学ぶということも重要だというふうに考えています。

 以上です。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。

 終わります。

岡本委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。

 この際、参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。

 本日は、大変貴重な御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございました。今後の法案審議に生かしてまいります。誠にありがとうございました。(拍手)

 次回は、明二十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十五分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.