第18号 令和6年5月29日(水曜日)
令和六年五月二十九日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 岡本 三成君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 隼人君
理事 松本 洋平君 理事 山下 貴司君
理事 荒井 優君 理事 山岡 達丸君
理事 守島 正君 理事 中野 洋昌君
井原 巧君 石井 拓君
大岡 敏孝君 加藤 竜祥君
神田 憲次君 国光あやの君
島尻安伊子君 鈴木 淳司君
関 芳弘君 高木 啓君
冨樫 博之君 中川 貴元君
福田 達夫君 細田 健一君
堀井 学君 宮内 秀樹君
宗清 皇一君 簗 和生君
柳本 顕君 山本 左近君
吉田 真次君 和田 義明君
若林 健太君 大島 敦君
落合 貴之君 小山 展弘君
重徳 和彦君 田嶋 要君
山崎 誠君 湯原 俊二君
市村浩一郎君 小野 泰輔君
奥下 剛光君 山本 剛正君
吉田 宣弘君 笠井 亮君
鈴木 義弘君
…………………………………
経済産業大臣 齋藤 健君
経済産業大臣政務官 石井 拓君
経済産業大臣政務官 吉田 宣弘君
政府参考人
(内閣府総合海洋政策推進事務局次長) 木原 晋一君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局官房審議官) 向井 康二君
政府参考人
(消費者庁審議官) 植田 広信君
政府参考人
(経済産業省大臣官房総括審議官) 南 亮君
政府参考人
(経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官) 辻本 圭助君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 殿木 文明君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 井上 博雄君
政府参考人
(中小企業庁事業環境部長) 山本 和徳君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 舟本 浩君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 堀上 勝君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
委員の異動
五月二十九日
辞任 補欠選任
福田 達夫君 島尻安伊子君
細田 健一君 簗 和生君
山際大志郎君 高木 啓君
小山 展弘君 湯原 俊二君
山本 剛正君 奥下 剛光君
同日
辞任 補欠選任
島尻安伊子君 福田 達夫君
高木 啓君 山本 左近君
簗 和生君 細田 健一君
湯原 俊二君 小山 展弘君
奥下 剛光君 山本 剛正君
同日
辞任 補欠選任
山本 左近君 柳本 顕君
同日
辞任 補欠選任
柳本 顕君 山際大志郎君
―――――――――――――
五月二十七日
岸田政権の新原発推進政策の撤回に関する請願(宮本徹君紹介)(第一六五四号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
――――◇―――――
○岡本委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府総合海洋政策推進事務局次長木原晋一さん、公正取引委員会事務総局官房審議官向井康二さん、消費者庁審議官植田広信さん、経済産業省大臣官房総括審議官南亮さん、経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官辻本圭助さん、経済産業省大臣官房審議官殿木文明さん、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長井上博雄さん、中小企業庁事業環境部長山本和徳さん、国土交通省大臣官房審議官舟本浩さん及び環境省大臣官房審議官堀上勝さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○岡本委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉田真次さん。
○吉田(真)委員 おはようございます。自由民主党の吉田真次でございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
それでは、早速、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたします。
社会状況やあるいは市場の変化、これによって、私たちが使う生活用製品を取り巻く環境、これも著しく多様化をしておりまして、現行法令では対応が困難となってきていた課題があるものと承知をしております。
そこで、まずは、この度の法改正の理由や経緯、これについて御説明をお願いをいたします。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法改正の理由でございます。
まず、近年、インターネット取引の拡大に伴いまして、国内外の事業者がオンラインモールなどを通じて国内消費者に製品を販売する機会が増大しており、製品の安全性確保にも課題が生じていると認識しております。
こうした中、国内における製品の安全性に責任を有する主体が存在しないといった課題や、玩具などの子供製品につきまして、海外からの製品を含め、子供による安全な使用が適切に確保できていないという課題がございます。
実際に、オンラインモールなどを通じて販売された製品の中には、表示義務違反、技術基準不適合のものも多く存在しております。また、玩具などにつきましても、子供が誤飲する危険がある製品、これは部品が取れやすいものでございますけれども、諸外国で販売禁止になった製品が国内で流通している実態がございます。
こうした課題や実態に対処するため、今般の法改正の意義、まず一点目、製品安全四法上、海外から直接製品を販売する事業者を製品の安全性確保に法的責任を有する者と明確化するとともに、二番目でございますけれども、新たに子供用特定製品という類型を設け、国が定める技術基準、使用年齢基準への適合を求めることとしております。
これらの措置を講じることで、消費者が製品をより安全に使用できる環境を整備してまいります。
○吉田(真)委員 今御答弁にありましたように、海外では禁止をされていても、それが国内では流通しているものもあるということでありまして、消費者の安全を確保するという観点からは大変重要なことなんだろうというふうに思います。
また、お話にあったように、ECの市場、これにおいても、二〇一三年には約六兆円で、EC化率というものが三・八%程度であったものが、二〇二二年においては約十四兆円、九%を超えているというような状況であります。
私は、本を買うときは必ず書店で書籍を買うようにしておりまして、家電製品も、なるべく量販店ではなくて、もちろん地元の、小さなと言ったら語弊がありますけれども、電器屋さん、地域に根差した電器屋さんで購入をするようにしているところではあるんですけれども、ただ、そうはいっても、何か急に必要になったものとか、あるいはちょっと運ぶのが大変なもの、そうしたものはECの市場、オンラインモールを通じて購入をするということも多いわけでありまして、そうした方も増えておられるんだろうということを認識をしております。
そして、次に、製品に表示をするPSCマーク、これについてお尋ねをしたいというふうに思います。
この製品は安全基準に適合していますよということで、事業者にその表示義務があるということであります。ただし、PSCのC、これがコンシューマーを示しているように、商品を選択するのはあくまでも消費者でありまして、その消費者もこのPSCマークというのをやはり正しく理解をする必要があるのであろうと私は認識をしております。
ただ、消費者において認知度が低いというふうに思っています。この質問をするに当たって私も周囲の人に聞いてみたところ、やはりほとんどの方が存じ上げなかったということでありまして、あとは、丸とひし形の違い、こういったものも分かっている方が少ないのではないかなというふうに思いますけれども。
このPSCマークの認知度を上げるため、これについてどのような対策を取っていくか、その点についての御答弁をお願いをいたします。
○辻本政府参考人 お答えを申し上げます。
現在、PSマークにつきましては、消費生活用製品安全法上の特定製品のみならず、多くの電気製品、ガス機器が対象となってございます。法律上、販売事業者による確認義務はあるものの、消費者の皆様もこれを御認識いただき、自らPSマークを確認することでより安全性が高まることが期待される、これは委員の御指摘どおりでございます。
経済産業省におきましては、これまでも、PSマークの持つ意味や製安四法の目的、位置づけについて、製品事故の情報や注意喚起などと併せ、広報を行ってきたところでございます。
具体的には、弊省のホームページ、SNS、政府広報、新聞といった情報発信に加えまして、NITE、製品評価技術基盤機構というところがございますけれども、そこや、また消費者庁等の関係機関と連携した情報発信を行ってございます。
また、毎年十一月でありますけれども、製品安全総合点検月間と位置づけまして、期間中は、自治体、事業者における啓発ポスターの掲示、御指摘いただきました電器店、電機団体との啓発イベント、一部の自治体との、高齢者による製品事故の予防をテーマにしたセミナーの開催など、様々な機会を通じて理解増進に努めてきたところでございます。
引き続き、製品安全法令の目的や意義につきまして、PSマークの持つ意味とともに、関係事業者、幅広い世代の消費者に対して、様々な手段を活用して丁寧に説明してまいりたいと思います。
○吉田(真)委員 ありがとうございます。引き続きの取組、更なる強化も含めてお願いをしたいというふうに思います。
それから、この度の改正内容、先ほどインターネット取引という言葉がございましたけれども、やはり、この拡大に対応するために、特に海外の事業者の販売形態、これにおいて規制がなされていくということでありますけれども、その海外の事業者の販売形態における規制の具体的な内容、これについての御答弁をお願いをいたします。
○殿木政府参考人 海外事業者に対する規制内容についてのお尋ねでございますけれども、今般の法改正によりまして、海外事業者を製品の安全性について法的に責任を有する者として明確化し、国への届出や技術基準への適合を求めることとしたところでございます。
また、海外事業者には届出に際しまして国内管理人の選任を求めることとしており、仮に国内管理人を選任していない場合、製品にPSマークを付すことができず、販売することができない仕組みとしたところでございます。
仮に海外事業者が法令等違反行為を行った場合には、罰則を含めて所要の措置の対象としたところでございます。
具体的には、例えば技術基準に適合していない場合には、法に基づく改善命令の対象となります。命令に従わない場合には、PSマークを表示できないという表示の禁止の対象となるということでありますとか、命令に違反した場合には罰則もかかることになります。
こうした措置を講ずることで、海外から安全でない製品が消費者の皆様のお手元に届くことのないよう実効性を確保してまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉田(真)委員 様々な規制が罰則も含めて検討されているということでございますけれども、このネットモールでの対応についてお尋ねをしたいと思いますけれども、今回、対応の方向性でも、やはり、違反品があった場合の対応、これについては事業者へ出品削除の要請をするということであります。
ただ、この違反品というのは基準に適合していないというものでありまして、これは、消費者の安全を守るためには、スピード感を持って、そうした製品というのは、出品の削除を要請ではなくて、やはりもうこれは駄目だということで、削除命令をすべきではないかなというふうに考えているところでありますけれども、これが削除の要請であって命令ではない、この理由についての御答弁をお願いをいたします。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、今回御審議いただいている製品安全四法におきましては、製品の安全性に一義的に責任を有するのは、市場に製品を供給することを通じて、製品の技術的知見を有する製造事業者と輸入事業者となっているところでございます。
これに対しまして、取引デジタルプラットフォーム提供者はあくまで販売の場を提供するものでありまして、法的に性格が異なることから、命令の対象者である製造事業者あるいは輸入事業者と同等の責任を有しているとは言い難いというふうに考えているところでございます。
このため、今回の取引デジタルプラットフォーム提供者には要請を行えるものとしたところでございますが、要請でありましても、国内外を問わず、取引デジタルプラットフォーム提供者にとって、要請により危険な製品を排除することは、安全な取引の場としての自身に対する信頼性を高めることにつながるということでございますとか、要請に応じて出品を削除した場合、取引デジタルプラットフォーム提供者は製造事業者等に生じた損害の責任を負わないとする規定を設けていますことから、積極的にこれに応ずることが期待されているということ、それから、要請をしたときには、その旨を公表できることとしているということでございます。
これらを通じまして、要請の実効性を確保するとともに、消費者に対しても、危険な製品が販売され、出品削除要請の対象となっている旨を周知することが可能となるところでございます。
このような取引デジタルプラットフォームの事業者の性格や取引の現状あるいは取組の現状、さらには、法改正における様々な措置内容を総合的に考慮した上で、同事業者に違法情報等を国が提供することにより、その商品を削除することを要請し、そのことを公表することで、実効性を確保することとしたものでございます。
○吉田(真)委員 やはり、要請に応じたらそれを公表するということである程度担保をするというお話でございましたので、ここはしっかりとそれが確保できるようには努めていただきたいなというふうに考えているところであります。
今お話があったように、ネットモールの増加によって、今までは、製造者がいて、それを輸入をする事業者がいて、それから販売者から消費者の元へというビジネスの形態であったと思いますけれども、現在はもう、海外事業者から直接消費者へという形態が増えてきている中であります。
そうした中で、本法案は、海外事業者への規制も対象となっている、先ほどお話があったとおりであるのでございますけれども、そうなった場合、やはり海外事業者に対する周知というものが必要になってくるんだろうというふうに考えていますけれども、それに対する取組というのはどのようなことを考えておられるんでしょうか。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、今般の制度改正によりまして、新たに、海外事業者を製品の安全性に法的責任を有する者として明確化し、国への届出や技術基準への適合等を求めることを明確にしたところでございます。
このため、制度改正の内容について、海外事業者へ周知していくということは極めて重要であるというふうに考えているところでございます。
周知の方法といたしましては、取引デジタルプラットフォーム提供者を通じた海外事業者への周知、説明会の実施でありますとか、在外公館あるいはジェトロ、また製品安全四法や製品安全規制への適合性検査を行う内外の検査機関を通じた情報提供等、制度内容についての周知活動を積極的に行ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉田(真)委員 周知は本当に重要でございますので、これは取組を強化をしていただきたいというふうに考えておりますが、次に、個人間の取引、これについてお尋ねをしたいと思います。
EC市場の拡大というのは、オークションサイトとかあるいはフリマアプリとか、そういったものがどんどん発達をしてきたというのも大きな要因なんだろうというふうに考えているところでございます。また、近年は、書籍とかあるいは動画サイトで、そうした影響もあって、個人の副業を推奨するようなコンテンツも増えているというところであります。具体的に言ったら、個人が行うせどりとか、そうしたことで副業を行うことによって収入を上げていこうというような方も多くいらっしゃるというふうに思うんですけれども。
この度の規制は事業者が対象となるわけでありまして、そうした個人は対象にはならないということでありますけれども、一人が出品をするものが一品とか二品とか少数であったとしても、国内で増加をする個人間取引、これの状況に鑑みると、その人数が増えることで、より多くの製品が、個人間取引を通じてですけれども、市場に流通をするということになってくるんだろうというふうに思いますが、こうしたPSCマークの対象製品の個人間取引、これについてはどのように対応されていくんでしょうか。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、個人間取引におきましても、取り扱われる製品の安全確保を図ることも重要な課題だというふうに、まさに委員御指摘のとおり、考えているところでございます。
製品安全四法は、製品の製造、輸入や販売を事業として行う者に対して責務を負わせる法体系になっておるところでございます。このため、個人間の取引であっても、出品者が反復継続して製品を販売している場合など、事業として製品の製造、輸入や販売を行っている場合はもちろん規制対象となるところでございます。
他方、事業としては販売していない売主への規制につきましては、売主も買主も言ってみれば消費者的な立場であるということも踏まえまして、消費者行政全体の課題として、他の消費者保護法令や関係省庁での議論も踏まえた慎重な検討が必要だというふうに考えているところでございます。
なお、消費生活用製品安全法におきましては、個人間取引で入手された製品でありましても、死亡、火災等の重大製品事故が発生したことを知った製造事業者や輸入事業者に事故情報の報告等の義務を課しているところでございます。
重大製品事故を受けて、製品の状態を踏まえた原因分析を行うことで、再発防止策や消費者への注意喚起の情報発信等の取組を講じてまいりたいというふうに思っているところでございます。
また、プラットフォームを提供する事業者の中には個人間取引を仲介する事業者も存在しますが、こうした事業者の一部には、製品安全に関する自主的な取組であります製品安全誓約への参加もされている方もいらっしゃるところでございます。
さらに、こうした事業者の中には、リコールや安全ではない製品について、メーカーと連携して、当該製品の出品者、購入者に対して直接連絡する取組も進めているというふうに承知をしているところでございます。
こうした取組も併せまして、個人間取引における製品につきましても安全の確保を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○吉田(真)委員 ありがとうございました。
個人間取引が増加をしている中で、今ほど御答弁あったように、やはり、買う方も売る方も、ある意味、本当に消費者のような立ち位置であるということは確かにそのとおりなんだろうというふうに思いますけれども、やはり、でも、これが増加をしてくるというとあらゆる問題も生じてくると思いますので、そこについてはしっかり注視をしながら、対策をその都度講じていただきたいというふうに思っております。
次に、国内管理人、これについてお伺いをしたいと思いますけれども、まず、この国内管理人というのはどのような者を想定をしているのか、あるいはまたこの国内管理人の果たすべき役割、そうしたものについての御答弁をお願いをいたします。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますけれども、海外の事業者に対する規律の実効性を高めるために、海外事業者が届出を行うに際しまして、日本国内において特定製品の安全の確保に責務を有する者として国内管理人の選任を求めるということにしているところでございます。
国内管理人に対しましては、特定製品に何らかの問題が発生した場合に、海外事業者のいわば代理人あるいは補助者的な役割として、迅速な対応、また効果的な対応を取ることが期待されておるところでございまして、その的確な対応を確保するために設けられた要件への適合を求めるとともに、所要の義務を課すこととしているところでございます。
具体的には、国内管理人に対しましては、その適格性要件として、主務大臣が行う処分等の通知について、届出を行った海外事業者に代わって受領する権限を有すること等を求めるとともに、製品の安全性を示す重要な証拠である検査記録等の写しについての保存義務を課しまして、さらに、その記録につきまして、国が迅速に確認できますよう、報告徴収や立入検査の対象にもすることとしているところでございます。
このような適格性要件を求めるとともに、法的義務を課すこととなる国内管理人となる者につきましては、特定の業種に限定することは予定しておりませんけれども、現行の輸入事業者や物流事業者、あるいは海外から直接販売する事業者の国内代表者、さらにはオンラインモール事業者等が考えられるというふうに考えているところでございます。
○吉田(真)委員 今ほどお話があったように、代理人、補助者とかそうした機能も果たすということで、この国内管理人というのはやはりしっかりとした責務を果たすことのできる存在でなければならないということであります。
海外事業者が、例えば日本に支社とか子会社があったとしたら、国内管理人の選任というのはある程度容易なんだろうなというふうに想像するところでありますけれども、そうした存在やノウハウがないような海外事業者、この海外事業者に対しての対応、これはどのようにお考えなんでしょうか。
○殿木政府参考人 日本に支社や子会社を持たない海外事業者であっても、適切な国内管理人を選任することができますよう、オンラインモール事業者と協力して、海外からの出品者に対する周知、説明会の実施や、先ほど申し上げましたような在外公館やジェトロ、また製品安全四法や製品安全規制への適合性検査を行う内外の検査機関を通じた海外事業者への情報提供など、制度の内容について周知を行うこと、これを考えているところでございます。
○吉田(真)委員 ありがとうございます。
それでは、ちょっと、時間も余りありませんので、次に、玩具などの子供用製品についてお伺いをしたいというふうに思います。
子供用の玩具等は、安全確保のため、やはり通常のものよりも配慮が必要なんだろうと思います。現在も、対象年齢が例えば何歳以上とか、そうした表示があるわけでありまして、それに加えて、説明書きで、こうしたことは駄目ですよとか注意もされているところでありますけれども、この度の法改正に関連する子供用製品の課題と、それからこれまでの取組、そして今後どのようにしていくのか、これを併せてお答えをお願いをいたします。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
インターネット取引の拡大に伴いまして、国内外の事業者がオンラインモールなどを通じて国内の消費者に製品を販売する機会が増大している、こういう状況でございます。こうした製品の中には、子供が誤飲する危険がある製品など、諸外国で販売禁止となった製品も確認されております。
これは、昨年の五月に我々は実際に規制対象にしたんですけれども、マグネットセットとか水で膨らむボール、これはいずれも小さいボールで、子供がのむと、誤飲して窒息するような事故がございます。実際、子供の開腹手術が必要になるような事故も起きたところでございます。
こういったものにつきまして、昨年五月に特定製品への指定により対応したところでございますけれども、こういった事故原因を踏まえますと、子供用製品につきましては、広く事前規制の対象としまして、使用上の注意に係る表示を行うことを義務づけることにより、その安全性を確保することが必要であるというふうに考えております。
このため、今般、子供用特定製品という新たなカテゴリーを設け、技術基準の適合のみならず、使用者の側で製品が予定している子供の年齢水準に応じた使用方法の遵守を確保することとすること、こういうことを検討しているところでございます。
○吉田(真)委員 私も二人の娘を育てる親であるんですけれども、子供用の玩具というのは本当にいろいろなものがあって、次々に新しいものもどんどん出てきているわけでございます。現在流通しているだけでも、やはり数万から十数万以上のものがあるのではないかなというふうに思うんですけれども、対象となると、これをどのように、どういう方法で指定をしていくのかということがちょっと気になるところではあるんですけれども、その点についてのお考えをお願いをいたします。
○辻本政府参考人 お答えを申し上げます。
規制対象となる子供用特定製品の対象範囲につきましては、これは今年の二月に産業構造審議会の製品安全小委員会というところで中間取りまとめをしていただいたんですが、先ほど申し上げました誤飲などの事故の態様なども含む避けるべきリスク、これを踏まえまして、低年齢層が使用対象となる玩具をまずは対象にすることを検討すべきとの御意見を頂戴しているところでございます。
これは実際には政令で製品の指定を行うことになりますけれども、消費経済審議会というところの諮問を経る必要もございます。したがいまして、現時点で具体的な製品についてはまだ決まっておりませんけれども、経済産業省としましては、先ほど申し上げました御意見、こういったものを踏まえながら、製品の構造、材質、使用状況のほか、国内の流通実態、国内外での製品事故の発生状況などを踏まえまして、今後検討をしていくというように考えてございます。
○吉田(真)委員 あと、子供用の玩具には、安全面について注意深く作られたおもちゃであることを示すために、一般社団法人の日本玩具協会というのが、第三者機関による基準適合検査に合格したものにSTマーク、セーフティートイというものですけれども、これをつけるということになっております。
先ほどの消費者の話ですけれども、STマークが何かあったら安全で、PSマークがあれば基準に適合していて、両方あれば更に安全というようなことになるんだろうかなというふうに単純に思うんですけれども、そのSTマークとの関係、これをどのようにお考えになっているんでしょうか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
玩具につきましては、民間の安全基準を満たした製品に付与される、御指摘のように任意のマークでございますけれども、STマークと、今般の改正に基づく技術基準を満たした子供用特定製品につけなければならないPSマーク、この二種類のマークを付した製品が販売されることになります。
このSTマークにつきましては、民間の自主的な任意の制度でございますけれども、まず第一に対象製品を柔軟に指定できること、また二年の更新制があること、国際規格に整合した形で安全性に関する基準が設定されることなど、今後とも重要な役割を果たしていくものと認識しておりますし、そのように強く期待をしてございます。
このように、STマークまたPSマークのそれぞれの持つ意味、関係性につきましては、STマーク制度を運用する玩具協会さんがございますけれども、こことも協力しながら、消費者に正しく御理解いただけるよう、様々なメディア、イベントを通じまして、積極的な情報発信に努めてまいりたいと考えてございます。
○吉田(真)委員 ありがとうございます。
もう時間がちょっと、済みません、来てしまったので、中古品について聞きたかったんだけれども。
最後に、この様々な規制によって消費者が製品を安全に使用できる環境を整えるということが一番大事なんだろうというふうに思うんですけれども、最終的には、何か事故が起こらないことと万が一起こった場合の対応、これをしっかり取っていかなければいけないということでありまして、消費者へのアプローチが大変大事なんだ、こういうふうに思いますので、消費者へのアプローチということについては、経産省のやっている取組、それから消費者庁のやっている取組、これについて現在やっていらっしゃると思うので、更なる取組の強化をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○岡本委員長 次に、中野洋昌さん。
○中野(洋)委員 公明党の中野洋昌でございます。
消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案ということで、早速、通告に従いまして質問をさせていただきます。
インターネット取引の拡大というのが大きな背景ということであります。やはり、海外からの商品が直接消費者に届くということになったということが非常に大きいのかなというふうに思います。
私自身も、ちょっと具体的に挙げちゃって申し訳ないんですが、アマゾンとかで電化製品とかいろいろなものを買おうとすると、いろいろな、日本のメーカーじゃないものがいっぱい出てきて、これは本社はどこだろうと思って見たら、何か中国の、海外のところが本社、連絡先となっていて、これは非常に、大丈夫かな、何かあったときにこれはどうなるんだろうと心配になるようなことが、私自身もいろいろ、買物をしようとしてそういうことがありましたので、そういう意味では、やはりこれは多くの方が感じられていることなんだろうというふうに思います。
これはもちろん、電化製品とかそういう商品も、そういう海外のメーカーが直接出店をされるというケースも多いんですけれども、子供用の玩具というのもやはりそうだなというふうに私自身も、これも、私も子供が今二人おりますので、子供に何か買ってあげようというときに、こういうところで検索をするといろいろな商品が出てくるんですけれども、これもどこの商品かなと思ってやはり本社を見たら、それも中国の企業だというふうなことも非常にあります。身近に海外の商品が直接届く、そういうふうな状況になっているということでありますから、やはり日本の安全基準にしっかり適合をして、安心できる買物ができるようにするということは、私は非常に大事なことだというふうに思っております。
今回、特にそうしたインターネット取引の拡大への対応という全体的な話と、あと、子供用の玩具については、業界的な自主規制というのは今までもあったというふうに承知はしておりますが、今回新たにしっかりとそういう技術基準というものを適合させるというふうな方針は、私は非常に大事だと思っておりますし、しっかり是非やっていただきたいというふうに思っておりますが。
まず、全体の議論の前提として、この法案が提出されるに至った、特にインターネット販売をめぐるいろいろな事故等の現状について、改めて政府としてどう把握をされているのかということを、まずはお伺いをしたいと思います。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、インターネットの取引、またオンラインモール、こういった便利なものを消費者が使えることになって、私どももそうでございますけれども、結果として製品の安全性の確保にも課題が生じているという状況でございます。
具体的には、製品安全四法、消費生活用製品安全法、ガス事業法、電気用品安全法、液化石ガス法とございますけれども、この中で、これまでは、製造・輸入事業者、これらの方々に、製品の安全性の確保に法的責任を有する主体としまして、PSマークをつけていく、技術基準への適合、こういうのを求めてまいりました。ただ、一方で、海外の事業者がオンラインモールなどを通じて国内消費者に直接製品を販売する場合には、そこの責任主体が存在しないということがございます。
また、玩具などの子供用製品につきましては、海外からの製品を含めまして、子供の安全を適切に確保できていないという課題に直面しているところでございます。
具体例を申し上げますと、例えばリチウムイオン電池など、これはオンラインモールなどを通じて多く販売されてございますけれども、表示義務違反、技術基準不適合のものが多く存在しております。時々、電車でも火を噴いているというニュースが出ているところでございます。特にこのような海外の事業者が販売する製品につきまして、事故が発生しても事故報告などがなされない、こういう状況もございます。
玩具につきましても、子供が誤飲する危険がある製品、これが国内において流通していること、今後、諸外国で販売禁止になった製品による事故が増加するおそれがあるというふうに考えてございます。
こうした課題に対応し、消費者が安全に製品を使用できる環境を整備するために、今般、この製品安全四法を改正し、必要な措置を講ずるということを考えておるところでございます。
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
先ほども様々議論がありましたが、この法改正によって、海外のいろいろな事業者がある、国内法令を遵守させるということだと思います。どうやってそれを実効性ある形でやっていくのかということもちょっと質問をさせていただきたいんですけれども、先ほど来ありました、国内の管理人を設定をして守らせるという仕組みがありました。これについて改めて御説明をいただきたいのと、私自身は、オンラインモール事業者に対してもしっかりと意識を持たせた方がいいんじゃないかというふうに思っております。
と申しますのも、非常に、オンラインモール事業者に海外から出店する会社というのは物すごくいっぱいあると思うんですね。何か問題がある会社が出てきたら、恐らく、この法律でしっかり対応して、それは売れなくしたり、あるいはオンラインモールから削除したりということをやっていくんだとは思うんですけれども、恐らくこれも、かなりイタチごっこというか、一社もし悪いやつがいて、それを一社潰しても、また同じようないろいろな企業が海外から出てきてということはある程度想定はされますので、しっかりオンラインモール事業者もそういうものを置かせないという意識も、やはり私個人としては必要なのではないかなというふうには感じております。
こうしたオンラインモール事業者に対する取組をどう求めるのかということも含めて、こういう国内法令を遵守させる実効性の担保、この仕組みについて、改めて御説明をお願いできればと思います。
○辻本政府参考人 お答えを申し上げます。
今般の法改正によりまして、海外事業者を製品の安全性に法的責任を有する者として明確化し、国への届出、技術基準への適合を求めることとしております。問題は、それをどうやって遵守させるかという点でございます。
海外の事業者が届出を行う際には、国内においてPSマーク対象製品の安全性の確保に責任を有する者として、国内管理人の選任を求めるとともに、国内管理人には、製品の安全性を示す証拠である検査記録などの写しの保存義務を課すこととしております。
海外事業者にどういうふうに遵守を求めるかということで、幾つか、今回の法案においても、我々も制度を組み合わせています。
まず第一に、海外事業者が届出に際して国内管理人を選任していない場合、選任していない場合には、海外事業者は特定製品にPSマークを付すことができない、こういうふうな仕組みにしております。PSマークを付すことができなければ、製品を販売することはできない。したがいまして、海外事業者は事業をできない。事業をするためには法令を遵守せざるを得ないこと、こういうふうな仕組みをまず講じてございます。
また、委員御指摘のとおり、オンラインモール事業者の役割も大変重要でございます。
まず一点目としましては、届出情報の公表制度を今回構築しております。オンラインモール事業者におきましても、海外事業者が適法な届出を行ったか否かを確認し、その出品を拒否又は削除できる、そういうふうなことを期待しているのがこの公表制度の効果でございます。
また、国がオンラインモール事業者に対しまして適法な届出を行っていない海外事業者が販売する製品の出品削除を要請する、その要請した旨を公表することとしております。
また、三番目でございますけれども、法令等違反行為者につきましても、これも公表制度を設けております。事業者の氏名の公表が可能となりますので、消費者が、違反行為を行った海外の事業者、これを認知することができ、この取り扱う製品の購入を控える若しくは購入しなくなるといった効果も期待しているところでございます。
こういった措置を通じまして、海外事業者に対する規制の実効性を確保し、安全な製品が流通するような市場、これを形成してまいりたいと考えてございます。
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
子供用の製品についてもちょっと一問御質問させていただきます。
特に、今回、中古品の販売には特例があるということで、非常に流通が多いので、私はこれは一定理解をしておりますけれども、その特例を設けた結果、消費者にとって安全確保がちょっとよく分からないという状況になってはいけないというふうにも思っております。消費者の方にとっても分かりやすく、中古品販売をする中でしっかり安全確保をしていくという仕組みをどう考えておられるのかということについてもお伺いしたいと思います。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
中古品市場で流通します子供用製品につきましては、子供が使用するという環境と相まって、包装がないという状況が考えられます。必要な表示を確認できないおそれがあること、また、流通する製品の状態は消費者や使用者である子供の使用状況に依存するため、一律ではない、多様な状態が想定されているところでございます。
今回、本法案におきまして制度をつくろうと思っています子供用特定製品につきましては、今後、中古市場でも流通する場合を踏まえまして、中古品市場の特性も踏まえつつ、子供用特定製品の使用に際して、まず子供の安全を確保するため、大臣の承認を受けたときに中古品の販売を可能とする、こういう措置を講じようというふうに考えております。
特例の詳細につきましては今後検討していくことになりますけれども、現時点で検討をしております具体的条件としましては、中古品の販売事業者に対しまして、消費者への一定の注意喚起を図ること、消費者自身にも中古品の取扱いに意識を持ってもらうように注意喚起を図るということでございます。また、販売事業者自身が破損や劣化による危険な製品を販売しないよう、目視による点検、この点検を徹底させるための研修を実施することなどを想定してございます。
このように、中古品市場の特性を踏まえまして、本制度の目的である子供の安全を確保するために必要な条件を設けることで、中古品市場に流通する子供用製品の安全性を確保してまいりたい、こういうふうに考えてございます。
○中野(洋)委員 最後に、取引データプラットフォームの関係で、やはり流通の関係も含めてちょっと御質問させていただければと思います。
特に、こうした、最近、貨物量も物すごく増えているということで、運送事業者の働き方改革ということも、二〇二四年問題というのがありまして、様々な課題が指摘されているというのが現状だと思います。特に、この国会で、流通業務総合効率化法、貨物自動車運送事業法の改正というのが成立をいたしました。ですから、着荷主も発荷主もやはり物流効率化の取組をやらないといけないということになるんだ、そういう制度だと思っております。
やはり、運送事業者の方に話を聞くと、これはひとえに荷主の取組だと。要は、運送事業者側として何かできるというよりは、やはり荷主がこういう物流効率化をしっかりやるということをやってもらえなければ、これは絶対できないというのが運送事業者側の思いであろうと思います。
ですから、これを所管する、これは私は経産省の問題ではないかというふうに思っておりまして、しっかり、荷主に対する指導も含めて、物流効率化をさせるということを是非強力な指導力を発揮していただきたいと思います。これについて、大臣、答弁をお願いいたします。
○齋藤(健)国務大臣 物流の負荷軽減や効率化をするに当たりましては、荷主企業の理解、協力が不可欠であります。
そのため、荷主に物流効率化の取組を促すべく、今通常国会にて成立した流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律におきまして、発荷主と着荷主の双方に対しまして、荷待ち、荷役時間の短縮に向けた取組を行う努力義務を課した上で、必要な場合には指導助言を行うこととされています。
さらに、一定規模以上の荷主に対しましては、これらに関する具体的な取組の中長期計画を作成することや、その実施状況を報告することを義務づけるとともに、取組が不十分な場合には勧告、命令等を行う、そういう仕組みになっています。
経済産業省としては、荷主業界に対しまして、この法律に基づく取組を実施いただくようしっかりと周知をするとともに、同法律の着実な執行を通じまして、荷主企業に実効性のある取組を求め、我が国の重要な社会インフラである物流を維持するため、万全を期してまいりたいと考えています。
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
済みません、最後、公取にも来ていただいておりましたが、ちょっと時間になりましたので、以上で終了させていただきます。
ありがとうございました。
○岡本委員長 次に、山岡達丸さん。
○山岡委員 山岡達丸です。
質疑の時間をいただきました。よろしくお願いいたします。
消費生活用製品安全法の改正法案ということで、インターネット販売が、大変私たちも買うのが便利になりましたけれども、その内容に大きなトラブルがあったりすることを受けて、国内の管理人を置くとか、あるいは、子供たちのおもちゃ、これもインターネット販売によく通じていることではありますけれども、これも、今まで事後の規制はしたけれども、事前の規制をしっかりやっていこうという法案の中身であります。
私も五歳の子がおりますけれども、誕生日のプレゼントは何がいいと言ったら、動くひよこの縫いぐるみがいいと言われますと、そこまで細かいオーダーがありますと、これは本当に、探しに行こうと思っても、昔だったら多分、一軒一軒お店に電話して、そういうのはありますかとやったのかもしれませんけれども、インターネットで検索するとやはり出てくる。ぜんまい仕掛けの、ちゃんとかたかた動くひよこの縫いぐるみがありまして、私もめでたくプレゼントができたんですけれども。
ただ、やはりその製品も国外製なんです、国は言いませんけれども。連絡先とかを見ましても、ここは、トラブルがあって連絡しても本当に対応してくれるのかなということは思いながらも、子供からのプレッシャーもありますので、これはやはり買わざるを得ないということで、買うわけでありますけれども、やはり、このぜんまい部分のねじがすぐ取れてしまう。
五歳の子はさすがに間違えてのむというリスクは低いとは思うんですけれども、下の子もいますので、ああ、やはり、こういうのは本当にのみ込むと危ないなということを思いながら、もしかしたら、今回の法律がまた制定されて進んでいけば、そうしたこともいろいろ規制の対象になっていくのかもしれません。やはり、便利な時代で、選択肢がたくさんあるということは大変ありがたいことではあるんですけれども、そうした中で、どうしても私たちもこうした仕事もさせていただいているので、そういう、子供のプレゼントぐらいは頑張ろうというふうに思いますと、手が出てしまうわけであります。
ただ、笑えない話もたくさんあるわけでありまして、皆様のお手元にも経済産業省の資料をお配りしておりますけれども。
今回の法律の立法事実の、法律を作る根拠、必要性の根拠となった事案として、マグネットセット、磁力の、石のたくさんの固まりが、子供がのみ込むと、同時にのみ込むのも危険なんですけれども、時間差でのみ込むと、腸の中でくっついてしまったり胃と腸の中でくっついてしまったりとかして、取り出すのも非常に大変な手術になってしまうとか、あるいは、水で膨らむボールをのみ込むと、体の中の水分で大きく膨らんでしまうということで、大変な事態にもなっているということで、これらは今はもう販売禁止、昨年の六月に販売禁止にしたということでありますけれども、これらも事前に技術基準をちゃんと作って販売ができないようにするということで今回規制するわけであります。
ただ、経産省の説明によれば、玩具が安全規制の対象になっているのは、EUとかイギリスとか、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとか、アメリカ、カナダも、本当にあまたの国がインターネット販売の中で様々事前規制というのを導入しているということの御説明もいただきました。
そのことを聞くと、子供の成長は本当にすぐに、いろいろな方に聞くと、一瞬で大きくなってしまうということも聞きますが、小さい頃、本当にリスクが一番大きいときにやはりそういうものが手に届くという、各国がそういう規制をしている中で、やはり日本ももっと早くできたんじゃないかということを思うわけでありますが、大臣に御見解を伺いたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 私も子供がおりまして、子供の要求には抗し難いものがあるんですけれども、やはり安全性は更にそれを上回る重要性があるんだろうというふうに思っています。
従来、国内の玩具につきましては、製品の技術上の基準に加えて、対象年齢等の表示も求める民間団体によります任意の制度によりまして、一定の安全性は確保されてきたのではないかと考えていますが、ただ、近年、インターネット取引の拡大によりまして海外から直接危険な製品が流入する状況になっておりまして、こうした海外事業者の中には、国内の民間団体による任意の取組を遵守しない事業者も現に存在をしております。
対象年齢や使用方法についての表示がなされない玩具が結果として流入をして、実際に事故が複数起こっているということでありますので、経済産業省としては、事故があった複数の玩具について、昨年五月にはもう現行の消費生活用製品安全法の特定製品に指定をして、技術基準への適合を求めてきたところであります。
一方で、事故原因等を分析すると、使用上の注意等の表示を義務づけることによりその安全性を確保する必要性も明らかになった。このため、審議会で議論していただきまして、その結果等も踏まえまして、子供が使用する製品について、子供用特定製品という新たなカテゴリーを設け、必要な情報を表示する義務を課す制度改正を行うこととしたものでありまして、こういう段階を追ってやってきたということである点について御理解をいただきたいなと思います。
○山岡委員 大臣から、段階を追ってということでありました。この法案が成立すれば、今度は政府の判断で様々対象になるというふうに思っておりますので、是非、いろいろな事例を調査して、この後の質問もしますけれども、対応していただきたいと思っております。
皆様のお手元に、もう一つ、資料二として新聞記事もお配りさせていただいております。
これは今年の三月二十三日の朝日新聞と読売新聞という記事でございます。ベッドガード、赤ちゃんが寝るマットレスからの転落防止の柵ですね、これは後でつけたりとかするわけでありますけれども、マットレスとベッドガードの間に挟まって生後九か月の男の子が亡くなってしまったということを受けて、御両親がメーカーを相手取って民事裁判を起こしたわけでありますけれども、その判決について、事故から六年半かけて、東京地裁がメーカーの過失を認めて損害賠償という判決を出した。
まだ、両方とも控訴ということになっていますので、決着がついているわけじゃないんですけれども、ただ、生まれて九か月のお子様がこのベッドガード、ベッド柵ですね、に絡んで亡くなったということは事実でもありますし、親御さんのそうしたお気持ちを思うと、本当に言葉がない、悲しい、悲惨な出来事なんだということを思うわけであります。
消費者庁さんに今日来ていただいていますけれども、このベッドガードの事故はこの裁判の話だけじゃないというふうに聞いておりますが、これまで何件承知しているか、お話しいただけますでしょうか。
○植田政府参考人 お答えいたします。
消費者庁及び独立行政法人国民生活センターが運用しております事故情報データバンクには、ベッドガードに関する子供の事故といたしまして、消費者安全法の重大事故、消費生活用製品安全法の重大製品事故が合わせまして計五件登録されているところでございます。(山岡委員「そのうちの死亡件数はいかがですか」と呼ぶ)
はい、お答えいたします。
内訳でございますけれども、死亡が四件、重傷が一件ということでございまして、五事例はいずれも乳児、ゼロ歳児によるものと報告されております。
○山岡委員 ありがとうございます。
今回、この判決はすごく大きく報道されているわけでありますけれども、ただ、今お話ありました、ゼロ歳児が四件亡くなっている案件があって、一件も重傷ということで、このベッドガードも、子供用の身の回りにあるものとしては大変大きな事態となっています。
ちょっと、済みません、経産省に確認のために伺いたいんですけれども、今回の法案の立法の根拠になったこのマグネットセットとか水で膨らむボール、これは何件、今把握されていて、死亡事故の数はどれぐらいあるのか、このことも御答弁いただけますでしょうか。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、開腹手術による摘出が必要となった事故というものにつきましては、マグネットセット、磁石性娯楽用品でございますけれども、については、平成二十九年から令和四年までに十一件、水で膨らむボール、吸水性合成樹脂製玩具につきましては、令和三年に四件の事故があったというふうに承知をしているところでございます。(山岡委員「死亡事故は」と呼ぶ)死亡事故は承知をしておりません。
○山岡委員 ありがとうございます。
今お話は承知している限り、把握している限りなので、これが全てだとは言いませんが、しかし、今回の法案の根拠となったマグネットセットとか水で膨らむボールというのは、十一件、四件というお話がありましたけれども、死亡にまでつながらなくても、開腹、おなかを開く手術が必要になったということで事前規制の対象にするということであります。
おもちゃというのが本当に今ピックアップされていますけれども、おもちゃのみならず、子供の身の回りの、特に乳児、小さい子の身の回りのものはたくさんの関連物があるんですけれども、大臣にベッドガードのことについてまず聞きたいと思います。
まさに命までなくなっている件がもう四件、そしてさらに重傷事故もある。このことを今回の法案の立法事実に照らし合わせれば、当然これは技術基準を設けて事前規制の対象にしていくべきだということを思いますが、大臣、御見解をいただきたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 まず、私も子供を子供用ベッドで育ててきた経験がありますので、こういったベッドガードの事故はもう大変痛ましいものでありまして、その再発を防止するということは極めて重要な視点だと私は思っています。
今般御審議いただいている法案では、このような認識の下で、子供用製品の安全な使用を確保すべく、新たに子供用特定製品、こういうカテゴリーを設けるということであります。
この子供用特定製品への指定に当たりましては、今後、消費経済審議会の場で学識経験者や有識者の皆様に御審議をいただいた上で決定をしていく、こういうプロセスになるわけでありますが、御指摘のベッドガードにつきましては、痛ましい事故が起きているという実態を踏まえまして、この事故事例についてしっかりと分析をして、子供用特定製品への指定も含めた必要な対策を考えていきたいと思います。
また、本件ベッドガードの事故の状況を踏まえますと、製品の指定にとどまらず、製品の安全性やその使い方、また、発生してしまった事故の事例等について広く発信をして、消費者に注意喚起を図っていくことも極めて重要であろうと思っていますので、消費者庁などの関係機関とも連携しながら、子供の安全確保に努めるべく、私自身も必要に応じて記者会見等の場を通じて情報発信することも考えていきたいと考えています。
○山岡委員 ありがとうございます。
大臣から、これから有識者の中で審議するというお話であっても、指定含めてこれは検討していくんだというお話をいただきました。大変踏み込んで御発言いただいたと思っておりますし、まさに広報、周知もしっかりやっていくというお話もいただきました。本当に、亡くなってしまっているケースが相次いでいると言ってもいいと思うんです。是非、これは御検討いただきたいと思います。
大臣に続けて、関連して伺うんですけれども、この子供用の特定商品、身の回りのものでいうと、乳児用のベッドについては対象となっているということなんですけれども、今回のベッドガードについては今御答弁いただきましたけれども、もっと言えば、ベビーカーとかだっこひもとか、今の社会において、乳児がいる家庭には恐らくなくてはならないだろうというものも対象になっていないということも経産省の方から確認しているところであります。
今回、玩具の、おもちゃの事故が例示として挙げられていますけれども、もちろん玩具だけではないわけでありまして、今回、子供用の特定商品ということを設けるわけでありますけれども、政令で定めていくということになりましたら、これは子供に関わる、そして、成長してしまえばリスクは減ると思うんですけれども、数年の一番リスクの高いときにわざわざ手の届くような場所にそういう様々なものが、あるいは危険なものがあるということは私は必要はないと思うんですけれども、是非できるだけ幅広く対象にしていくべきだということを思うわけでありますが、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 玩具につきましては、子供用特定製品として規制の対象とすることを検討しているんですが、特に低年齢層において誤飲や窒息等の事故が多く発生しているという現実もあります。
こうしたことを踏まえて、本年二月に取りまとめられた産業構造審議会製品安全小委員会の中間取りまとめにおきましては、「事故の様態等も含む避けるべきリスク等を踏まえ、低年齢層が対象の玩具をまずは対象にすることから検討をしてはどうか。」との提言をいただいています。
子供用特定製品の対象につきましては、本提言を踏まえ、今後検討を進めていくことが段取りとしてあるわけでありますが、今後の検討の際には、消費生活用製品安全法における重大製品事故のみならず、消費者庁やその関係機関、また医療機関等が有する情報も踏まえて、しっかり検討を進めていきたいと思います。
○山岡委員 今大臣から、そうした玩具のみならず、様々な機関と連携して広く検討していくというお話もいただきましたけれども、本当に、子供も成長していくに当たって、少し危険性の高いものを扱っても、本人のいろいろな探求心とかいろいろな知的好奇心に基づいていろいろ触ってもいいと思うんですけれども、まだまだ違いが分からない乳児そして幼児の段階では、やはり何でもかんでも手に届いていいということは、私はそうは思わないわけであります。
これは経産省の方に確認しますけれども、今回販売禁止にしているおもちゃも、今先ほどの事例のものがあるわけでありますけれども、これらは既に流通しているわけであります。流通しているものをどうしていくかという問題は残っているんだと思います。兄弟がいる御家庭もあると思いますし、ほかの子の家に遊びに行ってそういう商品に、もう既に流通したものに触るケースもあると思いますし、おじい様やおばあ様がいて、余り知見がそこまで詳しくない方がそうしたものを触るというケースもあると思います。
今回、消費生活用製品安全法の大きな改正のきっかけになった、二〇〇六年のパロマ社の湯沸器で二十一人の方が亡くなった事故の話も事例として挙げたいんですけれども、当時、その事故を受けて今回の報告制度なども設けられたわけでありますけれども、パロマ社は、行政処分に基づいて商品の回収まで行って、テレビCMその他の媒体で今もそうした呼びかけもしているわけであります。
実態、これから先のものはリスクとして規制していけば下げることができると思うんですけれども、既に流通したもの、私はこれを回収する努力もしていくべきだということも思いますし、少なくとも、広くこの危険性が知られることがなければ、今まで流通してしまったものに対しての対応がやはりならないというふうに思うわけでありますが、どうお考えか、御答弁いただけますでしょうか。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、一般的に、規制の対象となる前に製造又は輸入されたものにつきましては、販売当時は規制がなかったものでございまして、現時点において、これらの製品について、規制前まで遡って事業者に対して家庭内にある製品の回収を一律に求めるということは過大な負担となる場合があるというふうに考えているところでございます。
その一方で、先ほどから委員の御指摘がございますとおり、消費者のお手元にあるそのような製品については、安全上の基準を満たしていないことから、消費者の皆様に可能な限り使用を控えていただくこと、これは極めて重要だというふうに考えているところでございます。
これらの製品につきましては、これまでも、事故の発生状況や危険性について周知するために、注意喚起のポスターを作成して保育所や学校等に送付するとともに、ホームページなども活用するなどの取組を進めてまいりました。
今後とも、これらの製品の危険性についてしっかりと発信をし、消費者に注意喚起を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○山岡委員 今お話ありましたけれども、幼稚園とか保育園とか、教育関係者の、あるいは保育の関係者の皆様であったり、御両親とか、そうした方々はもちろん一番意識高く子供の命を守っていこうと思うわけでありますけれども、おもちゃは広がりがありますので、まさに子供同士の遊びもあり、おじい様、おばあ様もいたりとか、兄弟関係、様々な中でいかにその認識を広げていくかということ。もう既に流通してしまっているということでありますし、最初の質問にも申し上げましたけれども、諸外国がもっと早い段階で規制をしてきた中で、日本がやはりちょっと、もちろん段階を踏んでやってきたというお話かもしれませんが、もっと早くできたんじゃないかということがある中で、できる限りの取組と努力をしていただきたいということは強く申し上げさせていただきたいと思います。
次に、子供用のおもちゃのみならず、今回、インターネット販売の、海外の事業者が販売してくるに当たって、国内での管理人をきちんと置く、国内の連絡先を置くということを本法律でも規定するわけでありますけれども、この件について大臣にお伺いしたいと思います。
やはり、私は、国内の管理人というのがどの程度の役割を果たしてくれるかというのは本当に重要だと思っていまして、今回、この法律の中に、海外の違反行為者、事業者の氏名の公表みたいなことも含めて書いているわけでありますけれども、私がやはり海外の事業者から物を買う感覚でいうと、その方が名前を変えたりあるいは人を替えたりとかしてまた新たに販売した場合、どこまでそれはこっちが追っかけられるのかなと。
無限にこの広い、海外の事業者の人たちの、しかも現地に行って見ることもできない状況の中で、名を変え立場を変えということが、やはりインターネット販売だと、様々そういう状況があるんだろうなと思うわけであります。そういう意味で、罰則として違反行為者の氏名を公表するということに私はどこまで実効性があるのかなと。
そのときに、やはり、しっかり、国内にいる今回新たに制定する管理者がきちんと海外の事業者とコミュニケーションができているのかどうかもきちんと確認できるのかということが非常に重要かなと。
つまり、我々が本来海外の事業者にクレームを入れるべき話を国内の管理者に言っても、国内の管理者から海外の事業者に言ってみたらそこで連絡が取れなくなるみたいな、事実上同じじゃないかみたいなことになってしまっては、今回の国内管理者の制定ということの実効性が問われると思うんですけれども、ここの部分、こうしたことも含めて、このインターネットの、国内の管理者の対応あるいは全体の実効性、どのように担保していくか、大臣に御答弁いただければと思います。
○齋藤(健)国務大臣 大事な点を御指摘いただいたと思っています。
まず、今般の法改正で、法令違反等を行った海外事業者の氏名等を公表できることとしているわけですが、これによりまして、消費者への注意喚起ですとか、あるいは消費者が違反事業者の製品の購入を控えることで、違反をしてはいけないという抑止力が働くという効果がまずあるのではないかと。
その上で、御指摘の国内管理人につきましては、製品安全四法上、製品の安全性に一義的に責任を有する者ではありませんが、海外事業者が販売する製品の安全確保や海外事業者が取るべき取組内容の確認ができる仕組みとしています。具体的には、国内管理人に対しまして、製品の安全性を確認した検査記録等の写しの保存義務や、それから報告徴収や立入検査への対応をする義務、こういった法律上の義務を課すこととしているわけであります。
このように、冒頭申し上げた抑止力に加えて、海外事業者と国内管理人それぞれに対し、その役割に応じた義務を課すことによりまして、海外事業者の法律上の義務履行の実効性を高め、製品の安全を確保してまいりたいと考えています。
○山岡委員 ありがとうございます。
今お話がありましたけれども、法律を作っていく以上、それをきちんと運用して適正な対応をしていただきたいですし、必要があれば、また改正なり、様々な議論をさせていただきたいと思いますので。
質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○岡本委員長 次に、山崎誠さん。
○山崎(誠)委員 立憲民主党の山崎誠でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
法案の質疑に入る前に、このお時間をおかりしまして、昨日衆議院で通過いたしましたEEZで洋上風力発電を実施するための法律、極めて大事な法案でございまして、全会一致ですから、もう全会派で応援をする洋上風力ということでございまして、大臣にも是非幾つか、私、内閣委員会でも質問したんですけれども、その際、大臣には御質問できなかったので、幾つかお聞きをしたいと思います。
まず、この洋上風力を大量に導入するために、明確な目標設定がどうしても必要だよということであります。
今、沿岸海域、再エネ海域利用法によって入札が行われていて、第二ラウンドまで終わった。事業者のお話を聞きますと、一応入札はうまく成立をしたわけで、事業はスタートしたんですけれども、インフレの影響もあってコストがアップをする、それから、サプライチェーンでやはり非常に厳しい状態。風車、ケーブル、船、土台の基礎、そういったもの全てが手に入らないということで、納期を守るためには非常に苦労しているということでございます。
こういう状況を考えていくと、円安などもありますから、日本としては更にやはり、国のしっかりとした後押しだとか、入札時のフレキシブルな価格の設定、そういったことを是非やっていただきたいと思うんです。
それとともに、今回、EEZの事業が可能になったということでありますから、ここでは是非、単に、今お話を聞いていると、日本は世界第六位の海洋大国で、ポテンシャルが大きいんだというだけではなくて、海の中でどのぐらい洋上風力のための海域が確保できているのか、そして、その中でどのぐらいの発電をやるんだという、国のコミットメントというか強い意思が、やはり大きな投資を動かすためにはどうしても必要なんだろうと思います。
そういう意味で、具体的なやはり目標設定、国のコミットメントというのが必要だということで、ここは大臣の御決意、是非大きな目標を、二〇四〇年に三十から四十五ギガワットですか、あるんですけれども、これも幅があって、どこまで本気でやるのかというのがやはり今問われていると思います。是非、大臣、ここは決意を教えていただければと思います。
○齋藤(健)国務大臣 洋上風力関連産業の投資を促すためにも、政府が洋上風力に関する目標を掲げることは、委員御指摘のとおり、極めて重要であると考えています。
こうした考えの下、二〇二〇年に開催をいたしました官民協議会では、洋上風力産業ビジョンを取りまとめて、その中で、二〇三〇年までに十ギガワット、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットの案件を形成する目標を掲げています。
その上で、現在、総合資源エネルギー調査会や関係の審議会におきまして、エネルギー基本計画の改定に向けた議論を開始したところであります。
洋上風力発電につきましては、御指摘のように、現在まだ国会で御審議をいただいている再エネ海域利用法改正法案に基づく洋上風力のEEZにおける制度的な環境整備等も踏まえて、新たな目標を示していくことになります。
その際には、世界的に導入の加速が見込まれ、水深の深い海域が多い日本のEEZにおいても導入が期待される浮体式洋上風力に特化した目標についても検討し、公表していきたいと考えています。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。是非期待しております。
募集区域の設定がやはり極めて大事です。これは急いでいただきたいんですけれども、かといって、この後もお話をいたしますけれども、やはり環境をどういうふうに守る、あるいは漁業をどう守るという、非常にある意味、複雑な方程式を解いていかなければいけないとは思いますが、是非今の御決意を具現化していただきたいと思います。
次に、海洋空間計画の策定ということでございまして、これも内閣委員会でも御質問したんですが、これは比較的後ろ向きの御答弁でございます。
ユネスコが海洋空間計画の策定を推奨している、世界でこれを今進めているわけであります。その理由として、海洋資源の持続可能な利用、風力発電だとか海底に眠る資源などを利用するという、これは一つ大事。それから、海洋環境の保護というのも極めて大事。それとともに、沿岸地域の開発、海洋における国際的な協力だとか、海洋に関する知識の共有だとか、そういったことも海洋空間計画の策定の意義に挙げられています。
是非、私は、日本は海洋国家だ、その意味で、その責任をきちっとこの機に果たすという意味でも、この海洋空間計画の策定に着手をしていただきたいと思うのでありますけれども、改めてお尋ねします。
○木原政府参考人 お答え申し上げます。
欧州諸国を始めとする諸外国の中には、海洋空間計画の手法を用いて利用目的ごとに特定の海域を設定している国もあると承知しております。他方、我が国の海洋は非常に広大で、かつ、従来より漁業、海運など様々な用途で盛んに利用されております。このため、既存の利用者と新たに海域を利用することを希望する者との間でどのように調整を図ることが適切かについては、我が国の実情を踏まえた検討が必要であると考えております。
このため、今国会に提出している再エネ海域利用法の改正法案においては、募集区域の指定に際して関係行政機関の長とあらかじめ協議をする、それから漁業者等の利害関係者を構成員とする法定協議会を設置して協議を行うという仕組みを入れることで、関係者間の利害調整を図ることとしております。
今回、このような法律案によって、排他的経済水域において洋上風力発電を実施するための区域を指定する仕組みを創設することは、洋上風力発電の推進のための大きな一歩だと考えております。
また、海洋の産業利用の推進のために、風況、水深など様々な情報を一覧できる仕組みを整えることが重要でございまして、政府においては海しるという海洋状況表示システムを整備、運用しているところでございます。さらに、委員御指摘のユネスコの政府海洋学委員会、IOCにおいて海洋空間計画の手法に関するガイドを発行しているところでございます。
いずれにしましても、政府としては、今後も、諸外国の事例も参考にしながら、洋上風力発電とその他の海洋利用との適切な調整を図り、海洋の産業利用を推進してまいりたいと考えております。
○山崎(誠)委員 日本の海は広いというのは分かるんですけれども、だって、海洋、一番大きいのはアメリカでありまして、米国は当然ですけれどもこの空間計画を持っていますから、日本が海域が広いからやらなくていいという理由にはならないです。
それから、先ほども言いましたけれども、ユネスコの目標の中に資源の活用あるいは環境の保全というのはあるんですけれども、それ以外に、国際的な協力だとか知見の共有だとか、そうしたことについても、やはりこれは大事なんですよ。ですから、私は、今の御説明だと、今の日本の取組というのはまだ偏っていると思います。更にやはり上位の空間計画というものを是非立てていただきたいと要望させていただきます。
次、これも大事な点なんですが、法定協議会をつくっていきます。ここに事業者も入って漁業者との調整などをするわけであります。この中で、国の積極的な関与がやはり大事だということで、これは副大臣からもそのようなお話がありました。是非これも私は齋藤大臣にもその見解をいただきたいのでありますけれども、それに合わせて、やはり経産省内のエネ庁の風力政策室の職員の充実、これがどうしても必要です。
答弁で十三名というお話がありました。やはりこれは比較的反響がありました。これだけの事業をやろうとしていて、協議会だってたくさん立ち上がり、そのフォローをする、それから、サプライチェーンの構築だとか海外の市場への進出みたいなことも含めて、この洋上風力の事業というものを進めていくに当たっては、最低でも百名規模の……(齋藤(健)国務大臣「すごいですね」と呼ぶ)はい。百名規模のやはり体制を私は経産省の中につくってもらいたい。
例えば、私、聞くだけですが、原子力の関係は何人いるか。相当な数の方がいると思いますよ、歴史もありますからね。ただ、やはりそういうのに負けない体制をちゃんとつくっていかなきゃいけない。それが私は経産省の本気を表す一番大きな、あるいは一番大事なポイントだと思うんです。大臣、いかがでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 本改正法案が可決し施行されれば、洋上風力の実施海域というものが領海からEEZへと拡大することになりますので、このため、領海における案件形成に加えて、EEZにおける風況、海底地盤等の調査ですとか、法定協議会への対応ですとか、それから事業者による発電設備の設置に係る許可等の業務が追加をされていくことになりますので、経産省の果たすべき役割も拡大をしていくことになります。
こうした役割をしっかりと果たし、洋上風力に係る案件形成目標等を、これから策定することになるわけですけれども、達成していくためには、委員御指摘のとおり、実施体制の更なる強化が必要であると考えています。
このため、関係省庁や、風況、海底地盤等の調査を行うJOGMECとの連携強化のみならず、経産省における実施体制の強化に向けて、外部の専門家人材活用等も視野に入れて、百名かどうかはともかくとして、推進体制の増強、これを図っていきたいと考えています。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
是非増強をお願いしたいんですけれども、今の御説明の中でも、事務を遂行するという視点での人員強化は今の御答弁の中にあったと思うんですけれども、私は戦略だと思うので。戦略的なやはり展開をどうやってやっていくのか、サプライチェーンあるいは国内産業としてどうこれを爆発させていくのかというのは、私は、相当な力を入れて、経産省の役割だと思います、JOGMECではないと思うので、その辺りは是非心して当たっていただきたいなと強く要望させていただきます。
この問題で、最後に環境アセスについても、ちょっと前回お聞きできなかったので、お聞きをしたいと思います。
EEZの環境アセスメントは、事前に文献調査などを環境省が行います。配慮書とか方法書手続の適用除外など、新しい仕組みになっていくわけでありますけれども、環境省としてどうやってこれを具体的に進めていく予定かお聞きをしたいと思います。
もう一点、併せて、これは多く要望をいただいているんですけれども、環境影響評価図書の常時公開だとか、これもすごく大事だと思います、稼働後の適正なモニタリングの実施、情報公開などを求める声が届いていると思います。この点、是非御対応いただきたいんですが、御答弁いただけますか。
○堀上政府参考人 順にお答えをいたします。
まず、EEZにおける環境大臣の調査でありますけれども、洋上風力発電事業による環境影響評価は立地場所によるものが大きいということで、環境に配慮した場所の適切な選定が重要ということで、環境大臣が調査をするという規定が設けられてございます。
EEZの調査は、先ほど御指摘にあったとおり、募集区域の指定の際に、環境省が海鳥の生息状況等について文献情報等を広く分析、整理をして、開発を避けるべき区域の有無を取りまとめるということにしております。
ただ、EEZについては、いろいろデータが足りないということがありますので、ここは事前に環境省が航空機による海鳥の生息状況調査を実施して、データをあらかじめ整備していく方針でございます。
次に、図書の公開ということでございますが、環境影響評価図書につきましては、従前から、事業者の協力を得て、運用上、縦覧期間終了後の継続公開を進めておりますけれども、これに一層の協力を求めていくということに加えまして、図書の継続公開の制度化につきまして、法的な課題も整理をして踏まえて、検討していきたいと考えてございます。
さらに、モニタリングについても、従前から事業者に適切な事後調査の実施を求めてきておりますけれども、今後は、事業者の予見可能性を確保しながら、適切なモニタリングの基本的考え方に関してガイドラインを作成して、国と事業者の適切な役割分担の下で実施していくことにしておりますが、モニタリングのデータについては、国が一元的に管理をして分析、評価した上で公開することが重要でありますので、ここについては具体的な管理などの方法について今後検討していくことにしております。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
環境アセスはやはり極めて大事で、言うまでもありません。そしてまた、やはりEEZ、分からないことも多いと思うんですよね。そして、風力発電の影響の度合いなども分からない中でやはり事業を進めていくわけですから、事後のモニタリングとか、これは極めて大事だと思っております。是非、いろいろな事業が始まる前に、やはりいい体制をつくっていただいて、一体となって進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
洋上風力については以上で、法案の方に入らせていただきます。お時間ありがとうございました。
私からは、この法案に関しまして、国内管理者の選任について、今までも御質問があったところでありますけれども、私も、ここは非常に、この実効性、有効性をどう確保していくのかなということで、一つひっかかるところでございました。特に、製品についていろいろな問題があるようなものを販売しようとしている事業者というのは、元々そういう安全意識みたいなものが希薄な方が多くて、そういう人たちが国内管理者というのをちゃんと設置できるのかなというのはやはり疑問が残るんですね。名前だけになってしまったり名前貸しのようなことがはびこってくると、せっかくの制度が形骸化してしまうのではないかなというふうに思います。
そういうことで、先ほども御答弁の中で、どういう方がこの国内管理者になるかと。一定、輸入に関わっているような事業者とか名前の通った方々であれば、私はそういうリスクというのは減るのかなとは思うんですけれども、場合によっては、でも、どなたでもいいわけですよね。一定、連絡がついて、要件が満たされれば。それはどうなんでしょうかね。その幅みたいなものはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
海外の事業者が届出を行うに際しまして、国内においてPSマーク対象製品の安全性の確保などの必要な措置を取る者として、委員御指摘の国内管理人の選任を求めることとしております。この国内管理人には主務省令で定める要件に適合することを求める予定としております。
この要件の詳細につきましては、今後検討していくこととなりますけれども、現時点では、国内に住所を有すること、日本語でももちろん意思疎通ができるといったことを想定をしていまして、国内管理人としての適切な業務遂行ができる者のみが選任されるような基準を、今後詳細を深めてまいりたいと考えてございます。
また、その国内管理人自身に対しまして求める義務としましては、検査記録などの写しの保存義務、報告徴収、立入検査の対象とするといったことをする予定としております。こうした取組に加えまして、国内管理人に対しましても、我々、しっかりと報告徴収を経まして、海外事業者の取組状況も把握をしていくというふうに考えております。
また、国内管理人につきましては、やはりしっかりとした人がならないとこの制度は生きてこない、これはおっしゃるとおりであります。したがいまして、国内管理人にはどういう人がなっているのかというのを、制度を動かしながら我々がしっかり把握し、また、国内管理人についての公表制度を設けております、こういったものの情報を公表していくことによりまして、しっかりとした制度になるよう心がけていきたいというふうに考えてございます。
○山崎(誠)委員 これは、私、御提案なんですけれども、例えば、行政書士さんみたいな公的な資格を持っている方、行政書士の皆さんなんかは、今入管の手続なんかも多くの皆さんが担当されていますよね。そうすると、海外とのいろいろなやり取り、交渉もできるということだと思います。例えば、こういう公的な資格を持っている方々にやはりお声かけして、そういう方々にも参加してもらうようなことというのは大事だと思うんですが、是非、行政書士会などにも御相談いただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、これからつくる制度でありますので、どういう方が国内管理人になられるか、これは非常に重要でございます。我々も、制度ができた暁には、いろいろな方々に対して説明会を開いていきたいと思っています。
御指摘の行政書士会の方につきましても、どういった説明方法があり得るのか、こういった業務にそもそも興味をお持ちいただけるかを含めまして、しっかりとやり取りをさせていただいて、今後、具体的な対応について検討を進めてまいりたいと考えております。
○山崎(誠)委員 私は、地域に根差して、やはり消費者とも近いところにある行政書士の皆さんなんかも候補にはなるんだろうというふうに思っておりますので、是非お声を聞いていただけたらなと思います。
次に、これも既に山岡委員などからもお話があったところではございますけれども、私もやはり、既に出回っている製品、子供用製品などに対しての対応というのは極めて大事だというふうに思っております。今回の法改正で事前規制が入るのは、私は、今後の販売を縛る意味では大事でありますけれども、現在販売されている危険な製品への対応というのも、是非この際充実をさせていただきたいというふうに思っております。
特に、括弧一番の方で質問しようとしておりましたけれども、法令適合状況などを見ると、皆さん一生懸命調査をされて危ないものは見つけているんですけれども、この法令適合状況調査などで見つかるものというのはやはり氷山の一角なんじゃないでしょうか。だから、そういったものを見つけていただくとともに、今ある危険について、やはり多く国民の皆さんに知らせていくことが必要だと思うんですけれども、その辺りをもう一回お聞かせいただけますか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
消費者のお手元にあるような危険な製品、これにつきましては、安全上の基準を満たしていない、こういう実態があれば、消費者の皆様に可能な限り使用を控えていただくこと、これが重要でございます。これらにつきましては、まずは消費者の方自らがどういう製品が危険なのかというのを知っていただくためにも、注意喚起のためのポスターを作成して、これを保育所とか学校にも送付をするとともに、ホームページなどを活用しながら、情報発信、これまでも、これからも進めてまいりたいというふうに考えております。
また、万が一の場合でありますけれども、この消安法は非常に強力な制度を持っておりまして、まず、特定製品につきましてもリコール制度がございますし、消費生活用製品一般、森羅万象の消費生活用製品一般につきましても、三十九条というものでリコール、回収命令をかけることができるという措置を持っております。
そういうふうな万が一の場合につきましては、法に基づく回収命令もしっかりかけていくことによって、消費者、また御家庭の中での製品の安全性を担保していく、こういう運用にしっかり努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○山崎(誠)委員 これも一つお聞きをしたいなと思ったんですけれども、今、インターネットの取引も問題になっていますから、ネット上の取引。例えばネット広告みたいなものというのは、この危険性の喚起について、今実施されているのかどうか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
我々自身の施策の中で、ネット広告を使って製品の安全性について訴えるということは、実はこれはしておりません。
ただ、一つ、我々、NITE、製品安全評価基盤機構でございますけれども、これは夕方の六時ぐらいのニュースで、いつも何か、火を噴いて燃えるバッテリーとか、芝刈り機の危険とか、そういうのをやっておりますが、非常にニュースバリューがあるふうな広報を持っております。そういったところでしっかりと消費者に向けて製品の安全性について訴えていくことを心がけてまいりたいと思っています。
○山崎(誠)委員 私はやはり、ネットを使って物を買おうとしたときに、そのサイトにそういうものが出てくれば最大の注意喚起になると思います。ネット広告の活用は具体的に検討いただければなと思っていますので、是非お願いしたいと思います。場合によっては、そういうネットのモールにはそういったものを一定義務づける、義務づけるというか、段階を追ってかもしれませんけれども、そのぐらいのことをやっていってもいいのではないかなというふうにも思います。是非御検討ください。今は、やはりテレビよりも、場合によってはネットのそういう影響の方が大きい、そういう部分もあると思います。是非御検討いただきたいと思います。
それから、私からも中古品の安全確保策についてお尋ねをしたいと思います。
特に私が注目したいのは、特定の会社の名前を出して申し訳ないんですけれども、例えばメルカリのように、個人の中古品の売買。これは今回のこの法の対象外だということで聞いてはいるんですけれども、私は、これも、今後こういうビジネスは広がってくるし、当然、このメルカリさんは一定の手数料を取って大きく展開をしているわけですから、販売事業者に準ずるやはり地位にあると思うんですよ。だから、こうした業態に対しても、今後、何らか対応していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法律につきましては、いわゆるCトゥーC取引については対象としていないところでございますけれども、俗に言う隠れBという、消費者のふりをして実際事業を行っている方々、これは対象でございます。
実際、メルカリ、お名前が出ましたので、我々が承知している範囲で申し上げますと、今回の法案の策定に当たっては、そういった事業者の方々とも意見交換を重ねております。実は、かなり意識をしておられまして、メルカリ自身の制度、対応というのもしておられると。どういったものが危ない製品であるかというのを、メルカリ自身が出品についてネットパトロールとかを自らしておられる例もございます。
こういった取組とも連携をさせていただいて、しっかりとした、消費者向けの、安全な製品が届くような、そういう市場をつくってまいりたいと思っています。
○山崎(誠)委員 こうしたサービスというのは、やはり日進月歩というか、非常に展開が速いので、是非そうした対応、広げていく視野を持ってこの事業の運用をしていただきたいというふうに思います。
もう時間も参りましたので、最後ですけれども、消費者一人一人がどれだけこういう製品の危険性に対して知見や認識を持っているか、これがやはり最後は一番大切かと思います。
私は、是非、この法改正を機に国民への広報に積極的に取り組んでいただきたい、その先頭を、やはり経産大臣、お務めをいただきたいと思います。国民へのこの危険性の周知に関するお考え、御決意などあれば、お聞きをして終わりたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 まず、今般の法改正によりまして、法令や命令に違反した事業者の氏名等や取引デジタルプラットフォーム事業者に対して出品削除要請をした旨について経済産業省が公表することができる措置、これを創設させていただくことになります。
これらの措置は、消費者への注意喚起の観点から行うものであります。まず、本措置を通じて、消費者自身が法令等違反行為を行った事業者の製品や出品削除要請の対象となった製品の購入を控えること、さらには、削除要請に応じないなどの対応を行う取引デジタルプラットフォームからの購入を控えるといった効果が期待されるわけであります。
御指摘のとおり、こういうことを国民が知らなければ意味がないということになりますので、周知をしていくことが極めて重要であります。
このため、公表に際しましては、経済産業省のホームページやSNS、政府広報等での情報発信に加えまして、広報効果の高いNITEや消費者庁等の関係機関と連携した取組を行うことで、多くの消費者に対象製品の危険性等について認識してもらうよう取り組んでいきたいと思っていますが、また、私自身も、記者会見の機会などを通じまして、必要に応じて積極的に発信をしていきたいと考えています。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
時間が来ましたので終わります。是非ネット広告を検討してください。お願いします。
終わります。
○岡本委員長 次に、小山展弘さん。
○小山委員 静岡県の中東遠地域出身の衆議院議員の小山展弘です。
それでは、早速質問をさせていただきたいと思います。
二〇二〇年に議員立法で全会一致で可決をされました労働者協同組合法、これにつきましては、協同組合振興研究議員連盟という議連がありまして、当時の河村建夫先生が会長をお務めいただいて、今は森山裕先生が会長を務めていただいております。私、実はそこの事務局長をさせていただいておりますが、ここの議連も中心になって、この法律の可決に努めたわけでございますけれども、一昨年、法施行ということになりました。
まだ新しく、この法律にのっとった法人も、今、幾つか、六十、七十近く誕生しておりますけれども、経営者の継承が難しい中小企業さんの事業承継とか、事業譲渡の形でやっていくわけですけれども、こういったことも可能な法律の内容になっております。
中小企業の事業承継が、今、経営者の方々が、自分の、特にオーナー社長さんの場合にはなかなか難しいというような昨今の話も聞かれますけれども、もちろん、これだけが選択肢じゃなくて、幾つも選択肢はあろうかと思いますが、こういった労働者協同組合による事業承継についての大臣の認識や評価、できれば今後の期待なども含めてお伺いしたいと思います。
〔委員長退席、中野(洋)委員長代理着席〕
○齋藤(健)国務大臣 労働者協同組合は、令和二年度に成立した労働者協同組合法に基づいて設立される法人でありまして、地域課題に対応し、労働者が協同して事業を展開するものとして、様々な分野での活用が期待されているというふうに私は思っています。
事業承継について申し上げれば、例えば、地域課題の解決に取り組む組合員が、労働者協同組合を受皿として、後継者不在の中小企業の事業の一部又は全部を引き継ぐことが事業承継の選択肢の一つとなり得るというふうに私は考えています。現時点では労働者協同組合による事業承継の実例はまだ多くはないと聞いていますが、今後の発展に私は期待をしたいと思っています。
中小企業の事業承継は、引き続き喫緊の課題であります。経済産業省としても、株式会社形式ではありますが、親族内承継、従業員による承継、第三者によるMアンドAなどの促進に向けて、様々な支援策を講じてきています。地域の皆様と協力しながら、労働者協同組合形式による事業承継も含めまして、地域経済を支える中小企業の多様な事業承継を推進すべく、厚生労働省とも連携しながら取り組んでいきたいと思います。
○小山委員 従業員、社員による持ち株というところとちょっと似ているところが、共通点が結構あろうかと思いますけれども、自ら出資をして、経営判断については全員で話し合って決めていく、そして自ら働いていく。こういった、時と場合によっては非効率な意思決定の在り方かもしれませんが、その分、全員が参加をするということで、参加意識やモチベーションといったものは高まる可能性もあるのではないかなと。これはケース・バイ・ケースだとは思いますけれども、こういったことも、中小企業さんの事業承継の一つの選択肢として是非御活用いただければと思います。
もう一つ、今日はちょっとこの法案の審議に入る前にお尋ねしたいことがあります。いわゆるライドシェアについて、更なる規制緩和、いわゆるライドシェア新法なるものが規制改革推進会議で議論されていると伺っております。
タクシードライバーさんは、二〇二三年度中に三千四百人、昨年だけで三千四百人増加をいたしました。また、本年三月には、いわゆる日本型ライドシェア、自家用車活用事業制度もスタートいたしました。
一方で、いわゆる自治体ライドシェアと言われている自家用車有償運送制度も、本年、通達による時間帯等の制度変更もありまして、これらの運転手の増加、日本型ライドシェア、自治体ライドシェアの制度変更、より拡充といったようなことで、タクシー不足といったものは解決できるのではないか、こういう見込みを持つ方もいらっしゃいます。
少なくとも現状においては、今、新制度、三月にスタートしたばかりの日本型ライドシェアの制度もありますので、こういった新制度の実施状況の様子を見つつ、まずはデータの検証を行っていくべき段階ではないか、そのように考えておりますし、また、新法ということで、新しいことをやると必ず副作用やマイナスの面というものも出てくる可能性もある、次の質問でちょっとお尋ねしたいと思っているんですが、私はそのように認識しているんですけれども、政府の、国交省の認識をお尋ねしたいと思います。
○舟本政府参考人 お答え申し上げます。
地域交通の担い手や移動の足の不足の解消のために、これまで、タクシー事業の規制緩和や運賃改定の迅速化、また、今先生御指摘いただきました、日本型ライドシェアとも呼ばれる、タクシー会社の管理の下で自家用車を活用する自家用車活用事業の創設、また、公共ライドシェアとか自治体ライドシェアとも呼ばれております自家用有償旅客運送制度の大幅な制度改善などの施策を行ってまいりました。
この結果、タクシードライバー数は、二〇二三年三月が最も少なかったんですけれども、直近の二〇二四年四月末には三千四百名が増加をいたしました。
また、日本版ライドシェアにつきましては、四月八日に東京、京都で運行が開始され、現在、五地域で導入済みであるほか、三十四地域で導入に向けた動きが進んでございます。
さらには、先ほどの自治体ライドシェア、また公共ライドシェアと呼ばれているものにつきましては、改善された新たな仕組みに基づき、本年二月に石川県加賀市や小松市などで既に導入をされておりますし、そのほかにも、現在、全国五十地域で導入に向けた準備が進んでございます。
このように、全国各地でタクシー事業者や地方自治体によります移動の足不足の解消に向けた積極的な取組が進んでおる状況でございます。
国土交通省といたしましては、先ほど申しましたような施策の実施効果を十分に検証した上で、総合的な交通政策の観点から、移動の足の不足という課題がどのように改善されているかというのをデータによりしっかり検証しなければ次の段階に進むことは難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
○小山委員 IT事業者が仲介を行うのみの、いわゆる日本型ではないライドシェアというものについても、規制改革推進会議の一部の委員からそういった提案があると伺っております。もしもこういったものが認められるというようなことになりますと、安全や安心に大きな投資を行ってきた、また現在も行っている法人タクシー事業の皆様方との競争条件が違い過ぎて、法人タクシー事業の継続が不可能になるのではないかという意見もございます。
また、最低賃金や労働災害のない業務委託型の業務形態は、実質的に運転手の収入の低下、実質的な賃下げにもつながりかねないとも考えられますし、また、そういったものがもし主流になってきますと、じゃ、もしも事故が起こったときどうするのか、そういうときの保険はどうなるのか、こういったような安全の面の様々な問題の発生といったものも考えられますけれども、現時点において、政府は、こういったいわゆるIT事業者が仲介を行うのみの形式のライドシェアについてどのような認識を持っていますでしょうか。
○舟本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどもお答え申し上げましたように、国土交通省といたしましては、タクシー事業に係る規制緩和でございますとか、自家用車活用事業の実施効果、また、自家用有償旅客運送制度の改革、こういった施策の効果を十分に検証した上で、総合的な交通政策の観点から、移動の足の不足という課題がどのように改善するかをデータによりしっかり検証しなければ次の段階に進むことはできないと考えておるところでございます。
その上で、将来的な議論の可能性として申し上げれば、交通政策審議会の自動車部会の中間取りまとめにおきまして、将来的な議論を行う際の留意すべき点として、以下の四点が挙げられてございます。
一点目が、旅客運送サービスとしての前提条件でございます車やドライバーの安全性、事故が起こった際の責任、適切な労働条件、こういったものがございます。二点目といたしまして、個別輸送の充実によります利用者利便性の向上と、渋滞、環境悪化、ドライバー不足などの外部不経済の発生とのバランスを考えること。三点目が、公平な競争条件の確保。四点目が、諸外国のライドシェアで浮き彫りになった課題。こういった点が留意事項として挙げられているところでございます。
委員御指摘の公平な競争条件、また、適切な労働条件の確保というものにつきましては、先ほどの留意すべき点に含まれておるものでございまして、国土交通省としても、慎重な議論が必要であると考えておるところでございます。
○小山委員 是非慎重な議論をお願いしたいと思っております。確かに、特に中山間地域、過疎地域などで、今、生活の足がないといったような課題もありまして、私自身の地元におきましてもそういう地域もありました。今回、選挙区が変わることで、一番深刻な地域は残念ながら私の選挙区からちょっと別の選挙区に変更ということになってしまうんですが、今でもそこの地域に対する思いもございます。
そういった課題も解決するというようなことは大事なことなんですけれども、でも、それは、IT事業者型の、安全、安心といったものにどうだろうかという懸念があるようなライドシェアということが唯一の解決策ではないと思っております。
典型的な、コロナといったものがあって、運転手さんの不足があるというような、この危機を利用した規制緩和、そしてまた、そこで一部の事業者の方々が非常に大きな利益を得るようなケースにもつながっていくとすれば、典型的なケースではないかなというふうにも感じます。
また、業務委託契約というのは非常に脱法的手法でありまして、議員とか政治関係者の事務所においても、こういうようなことを利用して、本来労働契約を結ばなきゃいけないようなところで業務委託契約にしてということで、裁判になった事例や、裁判で負けている事例も実際にございます。これは悪質な労働法規制逃れの手口ともなりかねないということで、非常にこの点についても慎重な議論をお願いしたいと思っております。
いろいろな角度から御意見をいただくということは大事なことだと思うんですけれども、規制改革推進会議の議論というのは、ともすると、今まで行政が積み上げてきた政策の継続性を重んずることなく議論する傾向があるように感じております。今までの行政の様々な議論を積み重ねてきたというのは、一見分かりにくかったり、その中には矛盾のようなものに感じるものもあるかもしれないけれども、それがまさに様々な現場の状況に配慮した、バランスの取れた政策であるということが私は多いように感じております。
そういったところに、国民の皆様方に対して、一見もっともらしい、分かりやすい、だけれども、単純かつ、時として乱暴な議論が行われることがあるかと思いますので、是非、国交省は現場の声に耳を傾ける、国会議員の皆様方も、乱暴な議論にならないように、乱暴な議論の結論にならないように、超党派で私はチェックしていくべきではないかなと感じております。
法案の質問をさせていただきたいと思います。
今回の法案は、インターネットモール等で海外から直接販売される製品の安全確保や、あるいは、今までも議論がございましたが、玩具等の子供用製品の事故の防止のための措置を講ずることが目的でございます。
この法律の対象者の多くは海外事業者でありますけれども、海外事業者の方々に対して、日本国内の規制が変わったことについて、どのように政府としては周知する方針か、お尋ねします。
その前に、国交省の方々、もうこれ以上国交省さんに対する質問はありませんので、御退席いただいて構いません。
それでは、お尋ねします。よろしくお願いします。
○殿木政府参考人 お尋ねの点でございますが、まず、そもそも、御指摘のとおり、今回の法案は、委員の御指摘のとおりの趣旨で提出させていただいているところでございます。
そして、海外事業者に対する周知というもの、極めて重要だというふうに考えているところでございます。
この点につきましては、先ほどからも御説明申し上げているところでございますけれども、オンラインモール事業者やその関係団体などと協力しながら海外からの出品者に対する周知や説明会の実施を行いますとともに、在外公館やジェトロ、あるいは製品安全四法や製品安全規制への適合性検査を行う内外の検査機関を通じた海外事業者への情報提供など、制度の内容について積極的な周知活動を行ってまいりたいと考えているところでございます。
〔中野(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
○小山委員 本改正案において、特定輸入事業者である届出事業者は、国内管理人を選任し、届け出なければならないとされております。
国内管理人は主務省令で定める基準に適合しなければならないということになっていますけれども、国内管理人に求める基準とは、どのような基準を想定していますでしょうか。また、どのような者を国内管理人として想定しておりますでしょうか。
○殿木政府参考人 お尋ねの主務省令で定める国内管理人に求める要件の詳細、こちらは、これからしっかり検討していくということになるところでございますが、現時点では、日本国内に住所を有されること、あるいは日本語での意思疎通が可能であることなどを求めることを想定しているところでございます。
また、国内管理人には、製品の安全性を示す証拠である検査記録等の写しの保存義務がかかり、報告徴収や立入検査の対象ともなるところでございます。
また、国内管理人となり得る者につきましては、特定の業種を限定することは現時点では予定をしていないところではございますが、現行法上の輸入事業者でありますとか、あるいは海外事業者の日本支社や子会社、あるいは物流事業者、オンラインモール事業者等を考えているところでございます。
○小山委員 海外事業者の中で、今回できる法案に基づいた事前規制に関する義務は履行したものの、その後、事業の撤退とか出品の取りやめとか、連絡が取れなくなってしまう、国内ではなく、また海外で、全世界なだけに、こういったことも想定されるわけで、国内でももちろん想定されるんですが、連絡が取れなくなってしまうということも想定されようかと思います。
そういったときに、リコールなどの事後規制に対応できなくなるんじゃないか、こういった懸念もあるんですけれども、そういう場合については、どのような対策を政府は講じていますでしょうか。
○殿木政府参考人 お尋ねの件でございますが、今般の改正によって、海外事業者は、御指摘のとおり、事前規制の対象となる特定製品に限らず、消費生活用製品全般について、消費者の生命又は身体について重大な危害が発生するおそれがあるような場合においては、製品の回収等を内容とする危害防止命令、いわゆるリコール等の事後規制の対象となるところでございます。
そのため、仮に海外事業者が特定製品に関する事業から撤退し、又はオンラインモールでの出品を取りやめたような場合であっても、当該特定製品で死亡や火災の発生などの重大製品事故が生じたような場合には、可能な限りその報告を求めていくなど、適切な対応を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
また、加えまして、海外事業者と連絡が取れなくなるなど、事故の報告や事故を踏まえた製品の回収等に対応しない場合はもちろんあり得るものと承知をしておりますが、その場合におきましても、今般措置する法令等違反事業者の公表措置による事業者名や製品名の公表、取引デジタルプラットフォーム事業者に対する当該事業者の製品の出品削除の要請及びその旨の公表といった措置を講ずることや、必要に応じて当該製品に係る情報発信、注意喚起を行うことで、消費者のお手元に危険な製品が販売されることのないようしっかり対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
○小山委員 オークションサイトとかフリマサイトとか、先ほどもメルカリの話がちょっとあったので、かぶるところがあるかもしれませんけれども、個人間の取引というものも存在しておりまして、製品安全に問題のある商品が個人間で取引される可能性について、どのように製品の安全を確保していくべきと政府は考えていますでしょうか。
○殿木政府参考人 委員御指摘のとおり、製品について、安全性に問題のある商品が個人間で取引される可能性もありますところ、このような個人間取引であっても、製品の安全確保を図ることは重要な課題だというふうに認識しているところでございます。
この点に関しまして、オークションサイトやフリマサイトなどにおいて出品者が反復継続して製品を販売する場合など、事業として取引を行っている場合には規制対象になるところでございますが、他方で、事業としては販売していない純粋な個人間の取引については規制対象外となります。
これは、売主も買主も消費者的な立場であることを踏まえて、消費者行政全体の課題として、他の消費者保護法令と関係省庁の議論も踏まえた慎重な検討が必要であるというふうに考えているところでございます。
なお、消費生活用製品安全法におきましては、個人間で入手された製品であっても、製造事業者、輸入事業者が、死亡、火災などが発生する重大製品事故の発生を把握した場合には、事後的に事故報告等の義務を義務づけているところでございます。
重大製品事故の報告があった場合には、製品の状態を踏まえた原因分析を行うことで再発防止策を検討し、消費者に注意喚起をするといった取組を講じてまいりたい、このように考えているところでございます。
○小山委員 先ほどの山岡先生の出された資料のあの新聞記事の件も、まあ、ネットオークションということで、これが事業者さんから直接か個人間の取引かというのはちょっと分からないところですけれども、確かに、流通した後でも問題が発生した場合には報告を求めるということで、こういった問題のある商品が流通しないように、そういった規制も是非きめ細かく行っていっていただきたいと思います。
また、本改正案によって創設される子供用特定製品に関する技術基準や使用年齢基準と、既に存在しております国際規格ISO008124―1や、EUの基準のEN71―1などとの整合性というのはどのように図っていく方針でしょうか。
○殿木政府参考人 製品安全の分野におきましても、国際規格と整合性の取れた制度を導入することの重要性というものは認識をしてございます。可能な限り国際的に整合した基準を導入していきたいというふうに考えているところでございます。
その一方で、ただいま御指摘いただいた規格というものは、必ずしも日本国内の子供の生活様式等に合った規格や基準になっていない部分もあるところでございます。
例えば、玩具の強度を測定する落下試験におきましては、試験において自然落下させる高さや床の硬さなどが決まっているところでございますが、これらは、御案内のとおり、国ごとの生活スタイルによっても変わり得るところでございます。
そのため、先ほどおっしゃっていただいたような規格も参考として国際規格との整合性を意識しながら、自国の事情や状況等を踏まえて、国内の子供の皆様の安全性が確保できるような基準を検討してまいりたいと考えているところでございます。
○小山委員 是非、日本の国情も踏まえた上で規制の方を考えていっていただきたいと思います。
子供用特定製品の中古品についてちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、子供の生命又は身体に対する危害の発生を防ぐ必要な措置を講ずるものとする、そのような法案内容になっておりますが、どのような措置を想定しておりますでしょうか。
○殿木政府参考人 具体的な措置でございますけれども、詳細は今後検討していくことになりますが、現時点で検討中の具体的な条件といたしましては、子供用特定製品の販売事業者に対しまして、消費者の皆様への一定の注意喚起を図ることや、販売事業者自身による破損や劣化による危険な製品を販売しないよう目視するというような点検でございますとか、点検を徹底させるための研修を実施することなどを想定しているところでございます。
中古品市場の特性を踏まえて、本制度の目的である子供の安全を確保するために必要な条件を設けることで、中古品市場に流通する子供用の製品の安全性を確保してまいりたいと考えているところでございます。
○小山委員 今、中古品の方を伺いましたけれども、今度は、制度導入前に製造されたりあるいは輸入された、規制導入前の子供用の新品の方の商品、これについては期限を設けず販売可能とすることが適切とされておりますけれども、これらの製品の安全性の確保についてはどのようにお考えでしょうか。
○殿木政府参考人 ただいま御指摘のありました規制措置の対象外となる製品についても、安全性の確保というものは重要だというふうに考えているところでございます。このため、経済産業省に寄せられる情報だけではなく、消費者庁あるいは国民生活センター、消防庁といったところから事故情報も収集、活用しながら、製品の安全に関する情報を消費者の皆様に周知してまいりたい、このように考えているところでございます。
また、万が一、消費者の生命又は身体に重大な危害が発生するような場合には、消費者の皆様に対する注意喚起をして周知することはもちろんのこと、行政指導によって事業者に対して自主的なリコールを促すことのほか、先ほどから申し上げておりますけれども、死亡、火災が発生するなどの重大製品事故が発生した場合におきましては、消費生活用製品安全法に基づきまして、リコール等を内容とする危害防止命令を発出することも検討しているところでございます。
このようなことを通じまして、法施行前に製造、輸入された製品の安全性の確保をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小山委員 次は大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、製品の安全性についての調査はNITEが行っておりますけれども、今後、今まで国内だけだったものが、今度は海外事業者も規制の対象になって問合せなどもあることも考えますと、業務量が非常に多くなることも想定されようと思います。
また、経産省も、今回、立入検査等も行うようなことも出てくるかもしれないということで、法執行体制の強化といったものが非常に大事になってくるかと思います。また、場合によっては人員確保、人員増強といったことも考えられますけれども、大臣のこういった法執行体制の強化についての認識をお尋ねしたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 製品の安全性の確保等を担う独立行政法人製品評価技術基盤機構、NITEの製品安全センターでは、主に、死亡事故や火災等の重大製品事故の原因等に関する調査ですとか調査結果を踏まえた注意喚起等の情報発信、あるいは消費生活用製品等の製造又は輸入の事業を行う者の事務所や工場等への立入検査等の業務を実施しているところでありますが、本改正法案が成立した際には、これまで事故の報告義務が課されていなかった海外事業者が直接販売する製品による重大製品事故の調査、分析等の対応、あるいは、新たに規制対象となる子供用特定製品の製造・輸入事業者や国内管理人などへの立入検査等への対応、こういった業務量の増加が見込まれます。
また、法改正に伴う執行業務といたしましては、新たに規制対象となる事業者からの問合せですとか届出等に、経済産業省本省及び地方経済産業局の担当部署が対応していくこととなります。
こうした業務が効果的に行われ、本法改正の目的である国内の消費者の生命身体に対する危害の発生の防止を実現するための適切な法執行ができるよう、必要な体制強化について検討を行ってまいりたいと思います。
○小山委員 今も、シーリングとかがあったりして、予算を削る方向であるとか、あるいは、前回の質疑の際にも公正取引委員会の関係でも申し上げたんですけれども、必要なところにやはり必要な人員の配置というものは大事だと思いますし、人員増強になっても私は必要なことはやっていくべきだと思いますので、是非、とにかく行政改革とか人員を減らす、予算を減らすことばかりが言われる傾向がありますけれども、そうではなくて、必要なことはやはり予算もつけて人員も増強していただきたいと思います。
次に、届出事項の公表制度及び法令違反行為者の氏名等の公表制度が創設されることになりまして、これらの公表制度の存在によって法令違反品の流通減少や製品事故の未然防止を図ることが期待されておりますけれども、じゃ、こういった制度があるよといったことを国民の皆様全体にどのような方法で周知することをお考えでしょうか。
○岡本委員長 経済産業省殿木大臣官房審議官、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔な答弁でお願いいたします。
○殿木政府参考人 はい。
御指摘の点につきましては、消費者の皆様にとって分かりやすく目に触れやすい形で公表するということが重要だというふうに考えているところでございます。
具体的には、我々もしっかりやってまいりますけれども、NITEや消費者庁を始めとした関係機関の協力や各種媒体を活用していくこと、あるいは、オンラインモール事業者や関係団体のほか各事業者と協力して、多様な主体から様々な媒体を用いて発信していくということを考えているところでございます。
これらによりまして、公表制度が消費者の安全確保に大いに効果を発揮できるように尽力してまいりたい、このように考えているところでございます。
○小山委員 時間が来ましたので、以上で終わります。
○岡本委員長 次に、小野泰輔さん。
○小野委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の小野泰輔でございます。
今日は、おもちゃの法案、消費生活用製品安全法等改正案の質問ですが、ここ最近、経産委員会でもライドシェアの質問が多くなされていて、昨今、報道でも、斉藤国交大臣が、ライドシェアの検討というのも、新法というのはやはり慎重に考えた方がいいんじゃないか、議論もなかなか、これはやっちゃうと混乱もあるんじゃないかということをおっしゃっております。
御懸念の方も多いのは事実だと思うんですが、我々は、今、一生懸命これは経産省も努力していただいていますが、大阪万博を控えているということで、そこで、二千八百二十万人ものお客さんが来られるということもあって、公共交通も含めて、どうやってちゃんとお客様をお迎えできるようにするのかということも、万博を成功裏に進めるためには大事なことだと思っています。
よく、タクシーの運転手さんたち、タクシーの運営会社さんが、経営がやはり駄目になるんじゃないかと。かつての規制緩和によって大きなダメージを被ったというようなことがあって、やはり当然失敗もあったと思うんですね。ただ、我々が言いたいライドシェアというのはそうじゃなくて、全ての関係者が三方よしで収まるようなことをテクノロジーを使ってやっていこうということに挑戦すべきではないかと思っておりまして、そういう意味で、既存のタクシー会社の枠組みでそれが実現するのであればそれはそれでいいんでしょうし、そうでなければ新しい試みについてチャレンジしていくということが必要なんじゃないかというふうに思っています。
私も、昨日は、夕方、恵比寿駅前で街頭演説していたんですが、恵比寿駅の西口もタクシープールに全然いなくて、嵐がびゅうびゅう吹いている中で私も演説していましたが、タクシーは長蛇の列だった。
今、ライドシェア勉強会、荒井委員にも事務局長ということで一緒にやらせていただいております。今日も河野デジタル大臣に私も小泉会長とともに提言書を手交いたしましたけれども、需要の増減というものを、デジタルの技術を使って、特に、先ほどの小山委員からの立法事実の把握が大事だというのはまさにそのとおりだと思うんですけれども、今の技術とか枠組みだとなかなか需要が把握できないということがたくさんあって、例えば、昨日のように天気が物すごく悪くなる日は需要が高くなるということがあるわけですが、それを天気予報などと連動して需要予測をするというようなこと、あるいは、万博とか大型のイベント、特に、私も熊本の八代で経験したのは、大型クルーズ船が来たときにはお手上げ状態なんですね。
そういうときに、ちゃんとライドシェアが適切にそのデジタルの予想とか需要予測に従って出動できるような仕組みをつくっておくのは、我々は、これからインバウンドをたくさん迎えて、そこで機会損失を生まないようにするということでも大事なことだろうと思います。
これは通告していないので、齋藤大臣には、もしコメントが可能であれば、万博の需要増ということに対してどのように経産省としても頑張っていきたいか、意気込みだけで結構ですから、お聞きしたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 大阪・関西万博の開催に当たりましては、一つの課題として、公共交通を含めた輸送の問題が確かにあると思っています。
今、関係自治体あるいは万博協会を含めて、輸送の在り方については検討が行われているというふうに聞いておりますし、私も時々検討状況の報告を受けたりしていますが、万博の開催に当たりましては極めて重要な課題の一つだと思っていますので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
○小野委員 突然の質問にもかかわらず、ありがとうございます。
是非これは各省庁で知恵を出し合って、そして、私は、既存の枠組みにとらわれずに、テクノロジーをちゃんと使いながらサービスを提供する、そして働いている方々も給料が確保できると。
先ほど小山委員からも御懸念があった業務委託については、所得が減ってしまうとかいろいろな問題があるだろう、そこはそういう御懸念もあるだろうと思います。でも、ダイナミックプライシングを取り入れていくことによって所得が上がっていくということだって可能かもしれませんし、そこは、何がよくて何が駄目なのかというのは今決められないこともあると思います。
そもそも、今のタクシー会社さんの経営で本当に、ドライバーの方々はこれからも、今後安定して確保できるような給与水準なのかということも含めて考えなければいけない問題だと思いますので、是非、これは経産省の所管ではありませんが、万博を一つの切り口として、そういった施策のよりよい実現に向けて、齋藤大臣にも御尽力いただければと思います。
それでは、法案の中身について御質問させていただきますが、もう質問の後半にも来ていますから、かなり質問が重複をしておりますので、できるだけそれを避けながら進めていきたいなというふうに思っております。
一つ飛ばしまして、二番目の質問なんですが、今回の法案で、消費生活用製品安全法の方では、子供用の特定製品の類型を創設をして事前規制をかけていく、技術基準を設け、同時に使用年齢基準も作っていって、そして、それを満たした場合には表示の義務づけというようなことも行っていくわけですけれども、一方で、民間の方で独自に取り組んできた、日本玩具協会が定めている自主的な規制、STマークというものがあります。
これもかなり業界の方が頑張られてきたというふうに私は思っているんですけれども、これの普及率が六、七割ということになっていまして、なぜこのような普及割合にとどまっているのかというのを、御存じでしたら答弁いただきたいと思います。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
STマークの普及率につきましては、本制度を運用しております日本玩具協会さんによれば、六割から七割程度、これは店頭で並べられている製品の割合だということでございます。
その理由としては、様々な原因が想定されますけれども、まず一点目として、海外から流入する玩具においてSTマークを取得する企業が少ないこと、二番目としまして、従来の玩具メーカーではない、協会に未加盟の雑貨店の方々、こういった方々のプライベートブランドの玩具の製造が行われている、こういうところが考えられるところでございます。
今回の法改正につきましては、まさにこうした状況に対応するために、民間の任意の取組ではカバーし切れない玩具などの子供用製品の安全性を確保するため、新たな規制、義務をかけていく、こういうものでございます。
○小野委員 子供の安全を確保するために、やはりもっと強い事前規制をかけていく、これは諸外国でも行われているから今回の法律が改正されるようになったというようなことだと思うんですけれども、これは後でもちょっとお話をしたいと思いますが、民間で自主的に頑張ってきたことをやはり生かすべきだというふうに思いますので、今回の新しい基準作りにおいても、民間の皆さんともしっかりコミュニケーションをしながら進めていただきたいなということも思っています。
先ほど小山委員からも同じような質問があったんですけれども、既に海外で、三十六か月未満向けの玩具、これは国際的にISOが8124―1というものを定めていたりします。こういった国際基準が設けられているので、今回、やはりできるだけそれに準拠するやり方を取るべきじゃないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
一般論としまして、技術基準の策定におきましては、国際標準との整合性を留意することは非常に重要でございます。我が国も、WTO加盟国として、TBT協定、これで定められているようなルールごと、これをしっかり守っていきたいと思っています。
一方で、TBT協定の附属書におきまして、各国での基準上、必要最小限での技術的差異を設けることもできるというふうになっております。具体例で、我々の例で申し上げますと、例えば日本では、電気の場合ですと五十ヘルツ、六十ヘルツというのがある。こういったものはほかの国にはないものですから、当然、それ用の技術基準の違いというのはございます。例えば、こういうふうな形での自国内での適用につきましても検討しまして、差異を設けながら我々も国際標準との整合性を図っていくというものでございます。
○小野委員 今回の法律の改正の目的というのも、グローバルなマーケットが広がっていて、海外の製品の製造者、販売者が日本で売った場合に基準を満たしていないということがあるから、そこに網をかけるという意味だと思いますから、そういう意味だと、海外の製造者がちゃんと自分たちが分かりやすい基準ということになっていることが大事だと思うんですね。
そういう意味では、先ほど小山委員からも整合性という話がありましたけれども、日本のこれから作っていく安全基準、技術基準あるいは使用年齢基準というようなものが、ISOとか、あるいは欧州の側での基準とどうリンクをしていて、そして日本独自のものはどこなのかということがちゃんと分かりやすく海外の事業者にも伝わるようにしていくということが必要なんじゃないかと思いますので、その点、留意をいただきたいというふうに思います。
あと、この独立行政法人の製品評価技術基盤機構、NITEというところが、そういった技術基準に適合しているかどうかという判断をしていくということで、先ほど体制の強化という話がありましたけれども、これも、私、国会議員になってから、特に経産委員会になってからいろいろ感じることは、法律がどんどんどんどん作られれば、そのたびに、いろいろな独立行政法人とかそれから政府系の法人がどんどん増えていく、政府のやることがどんどん増えていくというようなことがすごく気になっているんですね。
例えば、GX推進機構も去年はできましたけれども、これも十年間で二十兆円を使うということでもありますし、そういう意味で、やはり民間にできることはどんどん民間にも任せていこうというようなことも同時に考えていかないと、行政コストはどんどん増すばかりということになります。
是非、NITEの強化というのも、これももちろんしなければ回っていかないということもあるのかもしれませんが、先ほど申し上げたように、日本玩具協会というのもあって、民間としても今まで安全基準を守るために自主的に一生懸命頑張ってきたわけです。ですから、こういったところの力もどんどん入れていって、できる限り行政のボリュームが膨らまないようにするという努力も視野に入れてやっていただきたい。この点、通告はしていないので、お願いといいますか、要望にとどめますけれども、その点も御留意いただきたいと思います。
次に、これは先ほどももう御質問があったんですけれども、ただ、私も非常に気になっているところでして、国内管理人、これを特定輸入事業者に対して置くように求めて、そして必要な措置を取らせるということにするわけなんですけれども、これが一体誰になるのかというのが非常に私も分からないところがあります。
海外で、今、倉庫業者に任せて、海外から直接売るようなことをやっている人たちが、その製品の安全性に関する必要な措置が、どういうことが必要なのかということも判断できるような人間じゃないといけないと思うんですが、この法律で国内管理人の要件というのは別に定められているわけではありません。省令とかで定めるんだと思いますが、この国内管理人というのはどういう人を想定しているんでしょうか。大臣、お答えをお願いします。
○齋藤(健)国務大臣 御指摘の国内管理人につきましては、製品安全四法上、製品の安全性に一義的に責任を有する者ではないんですけれども、海外事業者が販売する製品の安全確保や海外事業者が取るべき取組内容の確認ができる仕組みとしているところでありまして、具体的には、国内管理人に対しまして、製品の安全性を確認した検査記録等の写しの保存義務ですとか、報告徴収や立入検査への対応義務、こういった義務を法律上課すこととしておりまして、これらの義務に違反した場合には罰則の対象となります。
このような法的義務を課すこととなる国内管理人につきましては、その義務を履行できるよう、海外事業者との連絡体制を確立する契約の締結等の要件、こういったものを課す予定であります。こうした要件を満たす者を海外事業者が指定していくことになります。
その上で、どういった者が国内管理人になることを想定しているかにつきましては、例えば、海外事業者の日本支社ですとか子会社のほか、輸入事業者ですとか物流事業者等が考えられますし、場合によってはモール事業者についても国内管理人になり得ると思いますけれども、いずれにしても、厳格に法的義務の履行を求めていくということになります。
○小野委員 ありがとうございます。
この制度設計が一番大事だと思っておりまして、先ほど大臣から御答弁があったような要件を満たす人というのが誰なのかというと、そう簡単ではないと思うんです。物流事業者は、基本的に物流をやっているだけなので、製品の安全性に関して、例えば問合せが外国の製造者とできるかというと、なかなか難しいところもあると思います。それをできるというところもあるのかもしれませんが、私はこれは、じゃ、具体的に誰になるのかなというふうに考えたときに、やはりモールの事業者が一番、商品を扱っているということでもありますし、出品している人たちとも頻繁に連絡が取れるはずですので、そういう意味では、そこが現実的なのかなというふうには思っています。
ここの制度設計がこの法案の肝だなというふうに思っていますので、是非、法の目的が達成されるような設計をしっかりしていただきたいなと思っております。
残りの時間、大体重複している質問が多いんですけれども、これも少し小山委員とかぶるんですけれども、六番目の質問なんですけれども、改正法施行前の話です。
今回の法案で、法施行前に製造、輸入された製品については、期限を設けずに販売を可能とすることが一応できるというふうになるわけなんですけれども、そうすると、私は、法施行前に駆け込み輸入とか販売をする人が出てくるんじゃないかというふうに思うんですね。この点について何か対策というのはしていくつもりがあるのか、お伺いしたいと思います。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、法施行前にどういうふうな形で駆け込みの販売があるか、我々も大きな論点だと考えております。また、その駆け込みとはちょっと違うのかもしれませんけれども、実際、中古品、アンティーク製品といったものも流通している。こういったものについてもどう対応するかというのが重要な視点だと思っています。
委員御指摘いただきましたとおりではございますけれども、導入前に製造、輸入された製品につきましては規制措置の対象外とする方向で検討しておりますが、一方で、その場合でありましても、民間のSTマーク、SGマークなどの表示が法施行前に製造、輸入された製品に付されていることも想定されております。こういった民間での自主的な取組について、これとも連携し、発信をすることで、消費者の安全な製品の選択に資する取組を講じていくこととしたいと思っております。
また、加えて、もし万が一、死亡事故等、重大な事故が起きた場合には、消費生活用製品安全法に基づきましてリコールを求める危害防止命令といったものがございます。こういったものも組み合わせながら、法施行前に製造、輸入された製品の安全性につきましてはしっかりと確保してまいりたいというふうに考えております。
○小野委員 どれだけ駆け込みで日本の方にばんばんばんばん送り込もうというふうになるのかは私も分からないんですけれども、ただ、レクのときにも申し上げたのは、そういう可能性もあるので、モールの運営事業者の方々と、この法律の施行に際して、それより前のコミュニケーションで、やはりそういう動きがあるようなことはちょっと注意をしてくれと。それ以降はなかなか売れなくなりますよ、在庫を抱えるおそれもありますよということも言った上で、なるべくそういったことが起こらないようなことを、モール事業者として本当にどこまでできるのかというのもありますけれども、やはりその注意喚起というものはしていただきたいというふうに思います。それぐらいしか多分できないと思うんですね。
おっしゃったとおり、あとは、法施行前に入っちゃったものについては事後規制というか事後的な対応しかできないと思いますが、ただ、そういったことが何かなし崩し的に起こるというような可能性も是非視野に入れて、これから施行に向かって進んでいただきたいなというふうに思っております。
時間があともう少しなので、あと一問だけお伺いしたいと思います。
これも重複している話ではありますけれども、最近、皆さんも携帯を見ていると、しょっちゅう入る広告があると思うんです。ティームーという通販サイトがあって、これがめちゃくちゃ安いんです。結構いろいろなものを買えます。ただ、これは海外の取引DPFということで、モール自体が海外の事業者なんですよね。そうすると、じゃ、その海外の事業者は、これは一応本社はアメリカなんですが、元の会社は何か中国らしくて、そういう場合にモールが対応してくれるのかという問題があると思うんですが、こういう海外のモールで日本に進出してきているところに今回の法律をしっかり守ってもらうようにするためにどういうことをやればいいのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
おっしゃるとおり、今回法律が施行される際には、モール事業者との連携が極めて重要であると思っております。
我々、この措置を検討する段階からモール事業者とやり取りをしておりまして、先ほど御指摘いただいた事業者につきましても我々もやり取りを開始しつつある、こういう状況であります。
いずれにせよ、今回の法律の措置をしっかりと理解していただいて、海外の事業者の方、またモールの事業者の方、国内管理人も含めてになってきますけれども、しっかりとこの法律改正の内容に基づいた措置を実行してもらう、この施行に万全を期すようにしたいというふうに考えております。
○小野委員 終わりますけれども、前回審議をしたスマホの法案もそうですし、今回もそうですが、グローバルに我々の生活がつながっていて、そこに対してどうやって適切に我が国の法律を守ってもらうのかというのは非常に難しい課題ではあるんですけれども、ただ、このティームーに関しても、もう既にアクセスはしているというふうにこの間レクでも伺いましたので、是非、チャットGPTを使いながら、瞬時に翻訳してくれますから、どんどん海外の事業者にもしっかりと我々の法律の内容を説明して、そして子供たちを守っていくということを実現していただきたいというふうに思います。
ありがとうございました。終わります。
○岡本委員長 次に、市村浩一郎さん。
○市村委員 日本維新の会、市村でございます。よろしくお願いします。
まず、大臣の方から、また改めまして、この法律の背景、必要性についてお話しいただければと思います。
○齋藤(健)国務大臣 近年のインターネット取引の拡大に伴いまして、国内外の事業者がオンラインモール等を通じて国内消費者に製品を販売する機会が増大をし、製品の安全確保にも課題が生じています。
実際に、オンラインモール等を通じて販売された製品の中には、技術基準等に不適合なものも多く存在しています。玩具等についても、諸外国で販売禁止となった製品が国内で流通しているといった実態もあります。
これらの課題に対処するため、本法改正によりまして、海外から直接製品を販売する事業者を製品の安全確保に法的責任を有する者として明確化をし、新たに子供用特定製品という類型を設け、技術基準や使用年齢基準への適合を求める、そういった内容の法案でございます。
○市村委員 ありがとうございます。
それで、大分議論も進んでいますが、やはり私も、いろいろさっき前の皆さんも議論されていたように、特に海外の事業者若しくは海外のモールといった方たちにどうやって私たちの国内法に従っていただくというのか、応じていただくというのか、御理解いただくというのか、そこが大変重要だと思っております。
そこで、NITEさん、いわゆる独立行政法人製品評価技術基盤機構さんが、いろいろ調査をしたり、万が一の事故があった場合はそういう事故の検証をするということになっていると思うんですが、先ほども申し上げましたように、海外の事業者との関係というのが大変重要になってくるとなりますと、そういう体制がこのNITEの中にちゃんと構築されていなければならない。日本語だけで通じないわけですね。これは英語だけでも通じない。ひょっとしたら、いろいろな多様な言語でやらなくちゃいけない。
先ほど小野議員からありましたように、今やチャットGPTもあって、翻訳も簡単にできるだろうというところもあるんですが、そういう体制というものがしっかりとNITEさんに構築されているのかどうかにつきましてお話をいただければと思います。
○殿木政府参考人 独立行政法人製品評価技術基盤機構、NITEでございますけれども、そこの製品安全センターというものがございまして、そこにおいては、主に、死亡事故や火災等の重大製品事故の原因等に関する調査や調査結果を踏まえた注意喚起等の情報発信、それから消費生活用製品等の製造又は輸入の事業を行う者の事業所や工場等への立入検査等の業務を実施しているところでございます。
この法案が成立をさせていただきました暁には、これまで事故の報告義務が課されていなかった海外事業者が直接販売する製品による重大製品事故の調査、分析等への対応でございますとか、新たに対象となる子供用特定製品の製造事業者、輸入事業者や国内管理人などへの立入検査等の対応等の業務量の増加が見込まれておるところでございます。
御指摘のとおり、法改正後は海外事業者とのやり取りの機会も増えることとなると思います。NITEは元々技術基準というもの、技術基準というものは国際的な動きも見ながらやっておりますので、国際的な動きについては非常に敏感になっているところはございますけれども、一層国際人材の育成をするということも含めて、適切な業務執行体制の構築を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
○市村委員 これまで海外とのおつき合いというのは、ある意味でいえば、しっかりとしたところではないかなと思うんですね、先ほどからも国際基準の話もありますが。しかし、これからは、いわゆる海外における新興企業さん、新興のモールさんとかとつき合っていくということになるだろうし、そもそも、そういう安全基準等について余り認識をしていないような事業者さんとの関連、おつき合いというか、お話もするということになってきますと、それなりの、そういうことに対する知見を有した方が、単に語学ができるとか、機械を使って、翻訳を使ってうまくやれるとかいうところじゃなくて、そこはやはり、各国の制度にも精通し、かつ、そうした人間関係もしっかり構築しながら、やはり駄目なものは駄目なんですよということを言っていかなくちゃいけなくなると思いますが、そういったことをNITEさんがしっかりとやっていけるかどうかということについては、いかがでしょうか。
○殿木政府参考人 ただいまのお尋ねの点でございますけれども、先ほども御説明申し上げ、また委員からも御指摘がございましたとおり、NITEというものは、技術基準を扱う中で国際的な動向というのは見ておりますし、必要に応じて国際的な会議に出席するということもやっているところでございます。そのようなところで人間関係も構築しながら、語学だけではなくて、しっかりと国際動向を見極めながらやっていけるというところ、そのようなものを通じまして、海外事業者とのやり取りというものについてもできるようになっていく、そのような方向を目指したいというふうに考えているところでございます。
○市村委員 ありがとうございます。
これも、先ほどの委員からもありましたように、独法さんがどんどん増えていくというのも私もいかがなものかというのも思っているところはある人間でありますし、日本玩具協会等々のお力もかりながら、やはり民間の力をここにも生かしていくという。やはり、民間が結構国際的な、それこそ協力関係とか人間関係というのを築いている部分もありますから、是非とも、後ほどそういう話、民間事業者との連携、後から質問するはずでしたが、ちょっと今ここで関連して、やはりこの法律が実効性を持つためには、消費者庁はもちろんなんですけれども、自治体とか、日本玩具協会さんを含めた関連する民間の事業者、協会の方々とかとの、民間事業者との連携というのが大変必要だと私は思っておるんですが、関連して、ちょっと順番が入れ替わりますが、お答えいただければと思います。
○殿木政府参考人 お尋ねの点でございますけれども、製品安全を確保するために、消費者庁を始めとした関係機関、そして御指摘の民間事業者の皆様と連携をしていくということは、大変重要な御指摘だというふうに考えているところでございます。
経済産業省におきましては、製品安全四法を所管しているところでございますけれども、平成十八年に消費生活用製品安全法で創設した重大製品事故の報告制度について、平成二十一年九月の消費者庁設置に伴い、この法律を改正して、重大製品事故に関する情報の報告及び公表等の措置が消費者庁に移管されたところでございますけれども、その点について見ましても、消費者庁などの関係省庁との連携は極めて重要だというふうに考えているところでございます。
あと、先ほど御指摘のございましたNITE等の連携というものも重要でございまして、製品事故の発生状況や注意喚起に関する情報発信を行ってございますし、それから、民間事業者ということについて申し上げれば、オンラインモール事業者や小売事業者等とも連携するということ、あるいは自治体とも連携をして、事故情報や製品安全に関する周知、注意喚起、定期的な製品の確認や点検を行っていくよう呼びかけを行っているところでございます。
消費生活用製品の安全を確保していく上では、委員御指摘のとおり、国による規制だけではなくて、事業者や消費者の皆様が日頃からのそれぞれの役割を果たしながら、また意識的に行動いただくことが非常に重要だというふうに考えているところでございます。御指摘いただきました幅広い関係者の皆様の御理解、御協力を得ながら、引き続き製品安全政策に尽力してまいりたい、このように考えているところでございます。
○市村委員 ありがとうございます。
ちょっと質問通告ということはしていないんですが、ただ、お話をする段階でいろいろお話しした中で、ここでも出ていましたが、今回はいわゆるCトゥーCは対象外ということなんですね。
でも、ある意味でいえば、今、ちゃんとしたプラットフォーマーの皆さん、モールの皆さんならば、特に国内事業者は、ふだんから消費生活用品の安全性についてはいろいろな議論が、今消費者庁の話も出ましたが、当然進んでいますので、国内のプラットフォーマーは当然それはちゃんとやっていると思いますし、海外も、海外のその国その国の法律があって、そこでそういう議論は、国際基準もあるわけですから、やっていると思うんです。多分そこはしっかりとしていくと信じていますが、やはり、これからそういう何かちょっと危険性があるかもしれないような製品を誰がどこでどう売るかということになってくると、これはCトゥーCが一番危険ではないかな、こう思っております。
私は質問通告していませんが、先ほどから御答弁をされているようですので、いま一度、CトゥーC、これを除外しているけれども、やはり今後どうしていくかということが大変重要なことだと思いますが、ちょっと改めてお聞かせいただければと思います。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、CトゥーC、非常に重要であります。
一方で、率直に我々の悩みを申し上げますと、これは隠れBとかそういうあだ名で呼ばれているんですけれども、CのふりをしてBでビジネスをやっている方々がいらっしゃる。そういった方々はしっかりと法律の適用を受けるべきであるというふうに考えております。
一方で、本当に純粋にCとCの関係のところにつきましては、これは消費者庁さんもそうなんですけれども、どういうような対応をすべきか、注意喚起含めて広報、PRの部分が非常に重要だと思っております。
こういったものを組み合わせながら、経産省のみならず消費者庁を含めて、また、消防庁とかお医者さんとかそういった方々の情報も重要であります。それを組み合わせながらしっかり対応を進めていきたいというふうに考えております。
○市村委員 先ほどお尋ねした、いわゆる民間事業者といいますか、いろいろな、多様な方たちのやはり監視が必要だということになってくると思います。
そこで、今回そういうことで、要は、問題が起こった場合等々公表をする、公表制度の創設ということがあるんですけれども、これはどのような方法で公表するのかについて教えていただければと思います。
○殿木政府参考人 公表の方法でございますけれども、委員御指摘のとおり、今回の法律改正におきまして、届出事業者の届出事項の公表制度や法令等違反行為者の氏名等の公表を措置したところでございます。
これらの措置の実効性を高めるためには、届出事項につきましては、分かりやすく、目に触れやすい形で公表するというふうにしたいと考えているところでございます。法令等違反行為者の氏名等につきましては、必要と判断したときにはちゅうちょなく速やかに公表を行うということにしておりますが、NITEや消費者庁を始めとした関係機関の協力や各種媒体を活用して発信していくということを考えているところでございます。
○市村委員 それで、今回、いろいろな事業者の方にいろいろ御理解いただきながら御協力をいただくということになってくるんだと思いますが、例えば、大きな企業とか体制がしっかりしているところは、そういう法務部門とかいろいろありますから、追加でいろいろまた仕事が増えるということになると思いますが、対応がやれるんだと思いますが、中小企業等々、零細企業、これは個人事業主もいわゆる国内管理人になれるということになっていますと、おっしゃることはよく分かる、やるべきだ、やりたいという気持ちもある、でも、実質上、体制がない、そういう能力もないという状況の中で、やりたくてもやれないというところも出てくるんだろうと思うんですね。
では、そういう場合に、志はあるんだけれどもやれないというところに対してどういう支援をしていくのかというのも大切な視点かなと思うんですが、そういうことについていかがお考えでしょうか。
○殿木政府参考人 今回の法改正につきましては、いろいろな負担が生じるわけでございますけれども、中小企業者の皆様でありましても、規制対象となる特定製品の製造や輸入を行う以上は、安全性の観点からの対応は必要であるというふうに考えているところでございます。他方、事業者にとって過重な負担にならないようにするということも重要だ、これは委員の御指摘のとおりだというふうに思います。
今後、具体的な届出事項や手続、遵守事項等の詳細につきましては検討していくことになるわけでございますけれども、製品の安全性や法執行の実効性を確保した上で、負担軽減の余地があるかについても検討をいたしますとともに、法律の施行に向けまして、対象となる事業者の皆様に周知を行った上で、各地域ブロックごとに経済産業省の経済産業局がございます、これらの機関などにおいてもお話を伺ったりする、御相談に乗るなどの御対応もさせていただきながら、丁寧に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○市村委員 それでは次に、マークの周知なんですが、PSマークもその周知率が、PSマークで一〇%とかSGマークで五〇%というような報道もあるということで、マークを見てほしい、マークを見て、マークがついているものは安全性が高いというところで考えてほしいということで作られているんでしょうけれども、なかなかこの認知度が低いということでありますが、また、これからそういうことも含めて今回はしっかりと見てほしいということを求めていくわけでありますが、ではこのマークをどうやって周知していくのかということについて、御見解をいただければと思います。
○殿木政府参考人 マークについての認知度が低いという御指摘でございますけれども、御案内のとおり、現在、PSマークにつきましては、消費生活用製品安全法上の特定製品のみならず、多くの電気製品やガス機器が対象になっているところでございまして、消費者の皆様もこれを御認識いただき、自らPSマークを確認するということで、より安全性が高まるものだというふうに考えているところでございます。
経済産業省におきましては、これまでも、PSマークの持つ意味や製品安全四法の目的、位置づけなどについて、製品事故情報や注意喚起と併せて、広報を行ってきておるところでございます。具体的には、当省のホームページ、SNSでありますとか政府広報、新聞、インターネット、ラジオ等の情報発信に加えまして、関係機関等と連携した情報発信を行っているところでございます。
また、毎年十一月を製品安全総点検月間と位置づけまして、期間中は、自治体、事業者等における啓発ポスターの掲示でありますとか、電器店団体と連携した啓発イベントなどもやる、あるいはセミナーの開催も行うなど、様々な消費者の理解の増進に努めたところでございます。
今回の法改正を機に、これはますます力を入れていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
例えば、新設される子供用特定製品に関する周知につきましても、SGマークを運営する製品安全協会等とも連携し、引き続き、製品安全法令の目的や意義につきまして、PSマークとSGマークの関係も含めて連携することになると思いますし、STマークについては日本玩具協会と一緒に連携を取りながらやっていくというところで、様々な手段を通じて、今回の法律を機に一層周知徹底を図っていく、広報してまいりたい、このように考えているところでございます。
○市村委員 ありがとうございます。制度があっても、皆さん分からなかったら、知らなかったら全然意味がないので、またよろしくお願いします。
残りの時間、大臣、私は、この法律、もちろん、これに別に反対することでもないし賛成なんですけれども、でもしかし、そもそも、例えば子供の玩具のことで、のみ込んで、それが残念ながら原因で手術を必要としたり、ひょっとしたら死に至るということがあることがあって、そういうことがあるからこうした法改正も進んでいるんだとは思うんですけれども。
元々、法というのは何なのかというところで、じゃ、法で書いてないならば、それは何かそういうふうにやっていいのかということではないわけですよね。そもそも、法以前の問題として、常識があったり良識があったり、道徳、倫理観があって、その最大公約数的なものが私は法律だと思っていますので、法に書いてないから、それは別に不注意でもいいんだ、やってもいいんだという話ではないはずなんですね。
特に、子供がのみ込んで、それが原因で何か危害があった場合ですけれども、そもそも常識として、例えば三歳ぐらいまでの、さっき三十六か月という話も国際基準でありましたが、三歳までの子供の手の届く範囲に口に入りそうなものを置いておくということが、私は、あってはならないことですよね。必ず親若しくは大人がそこにいて、絶対手の届く範囲には口に入るものを置かないという常識があって初めて、安全性は守られるわけであって。
では、ここで、今回法律改正をして、輸入業者とか製造者にこんなものというふうに話をしたとしても、その製造業者もまさかそんなことを想定していないわけでありますし、玩具協会さんも含めて、考えて対象年齢はこうですよということで一応書いてはいるんでしょうけれども、でも、やはり根本的に、親なり大人が、手の届く範囲に口に入れるものを置かないという常識がないと、どんな法律を作ってもこれは防げないというふうに思うんですね。
これはこの法律だけじゃなくて、昨今、何か法律がたくさん作られていくのは時代の流れなのかもしれませんが、幾ら法の網を細かくしても絶対漏れがありますし、しっかりとした常識がないと、つまり、法に書いてないんだからやっていいんだとか、いや、法に書いてないのが、なぜ私がこれで怒られるんだ、こういう話になって、いや、違いますよと。常識として当然それはやっちゃいけないのであって、しかし、特にその中でもこれは気をつけましょうねということを法律で規定しているんじゃないかと思うんですが。
そういう常識が何かないところで法律がどんどんできてくるのは大変怖いなというふうに思っているんですが、大臣はどういう御見解を持たれますでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 本法律案が成立したとしても、法律だけで子供の安全が確保できるわけではないと私も思います。事業者が製品の安全確保のための取組を遂行することはもとよりですが、やはり、子供用の製品を選び、使う側であります子供の保護者の方々も子供の安全確保についてより意識的に取り組んでいただくなど、社会全体で取り組むことも併せて必要なのではないかなと思います。
今般の改正案は、玩具等の子供用の製品について、海外からの製品も含めまして、子供による安全な使用が適切に確保できていないといった課題に対応するものでありますが、とりわけ、子供の事故防止に当たっては、保護者の皆様の存在、役割は重要であります。
ただ一方で、親にとっても思いも寄らないようなことということがやはり起こり得る、どんなに注意をしてもですね。ですから、やはり、そういう意味では、今般の改正案におきましても、子供用特定製品の安全な使用というものが確保されるように、使用年齢基準を設定し、それに応じて定まる使用上の注意事項等を表示する義務を課しておりまして、保護者の方々にはこれらの表示を確認し、必要な行動を取っていただけるような措置を設けたところでありますが、実行されなければという問題の多分御指摘なんだろうと思います。
今般の改正案による措置をしっかりと講じていくことで、子供の安全を社会全体として確保できるような環境を整備するとともに、保護者の方々にも製品の持つ危険性や使い方といったことをより一層意識していただくことにつながりますように、そういった意味での啓発活動及び情報周知も積極的に行っていきたいと考えています。
○市村委員 もう終わりますが、ならぬものはならぬということだと思います。
またありがとうございました。感謝申し上げます。
○岡本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時四十七分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○岡本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。笠井亮さん。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
消費生活用製品安全法等の四法一括改正案について質問いたします。
現行法が想定していなかった海外からの直接販売に対して、海外事業者やインターネット販売について規制を設ける、これは当然必要な措置であります。本法案の場合、事業の届出に当たって国内管理人を選出することになっており、いわゆるPSマークを表示する製品に限られる。
元国民生活センター理事長で、内閣府消費者委員会委員長や経済産業省消費経済審議会会長を務められた松本恒雄一橋大学名誉教授は、全製品を対象とするEUの規制とは違い、PSマーク対象製品に限られた緩い規制だと指摘をされております。
そこで、齋藤大臣に伺いますが、特定製品以外の消費生活用製品を海外から直接販売する場合、今回の法案によって当該の海外事業者はどう扱われるんでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 まず、特定製品以外の消費生活用製品を海外から直接販売する事業者でありましても、今回の改正法案によりまして、国内の製造事業者や輸入事業者と同等の義務が課されることになります。
具体的には、当該海外事業者に対しましては、重大製品事故が生じたことを知った際はその旨を国に報告する義務、国が当該製品の回収等を命じた際にこれに対応する義務、あるいは報告徴収や立入検査に対応する義務が課されることとなります。
○笠井委員 特定製品以外の製品は、国内管理人の選任を求めないけれども、今言われたような義務が生じるということですが、大臣、経産省として、その海外事業者とは直接やり取りをするということになりますか。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
地理の壁、言葉の壁もございますけれども、直接に相対することも当然あり得るというふうに考えております。
○笠井委員 法律上は、報告徴収、立入検査や製品事故情報報告、公開制度などの義務が課されるということでありますが、そうはいっても、海外の事業者ですから、日本の法律がどこまで理解されるか、それからまた、海外とのやり取りに時間がかかって、その間に製品事故が拡大しないかという懸念はあると思うんです。
そこで、齋藤大臣、EUのように全製品を対象とすることを今後検討するべきではないかと思うんですが、それはいかがでしょう。
○齋藤(健)国務大臣 まず、委員御指摘のEUの一般製品安全規則は、医薬品や食品等を除く全ての製品を対象としておりまして、昨年六月に施行されて、本年十二月に本格運用が開始される予定と聞いています。日本とEUの制度では規制体系等が異なるため一概に比べられませんが、今後、詳細な運用状況等について注視をしてまいりたいと思います。
その上で、日本の製品安全四法におきましても、重大製品事故が生じた場合は、特定製品等に限らず、全ての消費生活用製品等を対象に当該製品の回収等を命じ、一般消費者の生命身体に対する危害の発生、拡大を防止することとしています。この観点からは、消費生活用製品全般に対して所要の措置が可能な制度体系であると言えるんだろうと思います。
繰り返しになりますが、EUの方の一般製品安全規制について、詳細な運用状況等の情報収集を行ってまいります。こうした諸外国の動向や国内における事故情報も踏まえながら、消費者庁といった関係機関とも連携しつつ、引き続き消費者の安全確保に向けて不断の見直しを行ってまいりたいと思います。
○笠井委員 不断の見直しというお話がありました。事故が起きた際に対応が必要なのはどの製品でも同じことだと思います。対象の根本的な見直しということを重ねて求めておきたいと思います。
次に、アマゾンや楽天市場のような取引デジタルプラットフォーム、DPF事業者に対する規定を本法案で設けること自体は、安全規制を一歩前に進めるというものであり、評価できます。
そこで、齋藤大臣。ただ、本法案で、取引DPF事業者には、特定製品等について、主務大臣から危害防止命令、消安法の第三十二条等を受けた製造・輸入・販売事業者が取る措置に協力する努力義務、改正案でいうと三十二条の二等になりますが、それから、製造・輸入事業者が特定できないなどの場合に、主務大臣から危害防止要請、改正案の第三十二条の三等になりますが、いわゆる出品削除要請ができるにとどめている。これはなぜでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 まず、製品の安全性に一義的に法的責任を有するのは、市場に製品を供給し、製品に関する技術的な知見を有する製造事業者、輸入事業者であります。
取引デジタルプラットフォーム提供者は、買手に直接製品を販売する主体ではありません。あくまで販売の場を提供しているにすぎないということでありますので、販売事業者等と同等の義務や命令の対象とすることは適当ではないのではないかと考えています。この点、産業構造審議会製品安全小委員会中間取りまとめにおきましても、製造・輸入事業者等に対する措置を補完する観点から、取引デジタルプラットフォーム提供者に対し、危険な製品の出品削除の要請等を措置する、こういう点が盛り込まれているわけであります。
今般の措置は、これまで捉え切れていなかった流通形態を捉えて、製品安全規制において初めて、取引デジタルプラットフォーム提供者を法律上に明確に位置づけたものでありまして、まずは、本制度の厳格な執行、運用に取り組んでいきたいと思っています。
今後も、法の執行、運用について工夫を凝らすとともに、インターネット取引環境の変化ですとか、それから関係省庁における取引デジタルプラットフォームをめぐる制度的検討も踏まえながら、実効性のある取組となるよう、適時適切に見直しを図っていきたいと考えています。
○笠井委員 初めて位置づけたということ自体は非常に極めて重要と思うんですけれども、DPF事業者が場を提供するといっても、提供することに伴う、それ自体、責任があるということになります。大臣が、その見直し、実効性ある規制について検討をしていくということをおっしゃったんですが、まさに、今後、更に実効性ある規制について検討を求めていきたいと思います。
そこで、子供の製品事故の防止についてであります。
本法案で子供用特定製品という枠組みを新たに定義すること自体は、子供の製品事故の防止に目を向けるという意味で、一定の意義があるということだと思います。
あらゆる手だてを講じて、子供の製品事故は根絶しなければならないというふうに思うんですけれども、その基本的な認識、大臣、いかがお持ちでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 玩具による乳幼児が被害者となる痛ましい事故は、これまで、残念ながら、死亡事故も含め複数発生してきております。このような子供が被害者となってしまう製品事故を根絶しなくてはならないという方向性、私は、委員と同じ問題意識を共有をしているところであります。
今般、法改正で新たに設けた措置等、これをしっかり運用することによりまして、子供の製品事故の根絶の実現につなげていきたいと考えています。
○笠井委員 根絶ということで共有できたと思います。
では、子供の定義について確認したいんですが、本法案では、対象となる子供の年齢について具体的記述はありません。
本年二月七日の産構審保安・消費生活用製品安全分科会製品安全小委員会の中間取りまとめでは、「低年齢層が対象の玩具をまずは対象」というふうにして、第十二回の会合の資料では、「まずは「六歳未満」向けの玩具」というふうにあります。
大臣、なぜ六歳で線を引くのか、その理由については何でしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 二〇二三年十一月に開催をしました第十二回産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会製品安全小委員会の資料におきまして、新たな措置の対象となる子供用の製品について、「まずは「六歳未満」向けの玩具について対象としてはどうか。」こういう記載があるのは御指摘のとおりです。
これは、産業構造審議会の前に実施をいたしました消費生活用製品の安全確保に向けた検討会の報告書におきまして、六歳未満の小児がなめたり口に入れたりすることが想定されている食品衛生上の指定おもちゃの考え方を受けて、議論の一つの方向性として示したもの、そういう性格のものであります。
なお、規制対象とする玩具の範囲につきましては、その後の製品安全小委員会でも引き続き議論を行いまして、本年二月の中間取りまとめにおいて、「低年齢層が対象の玩具をまずは対象にすることから検討をしてはどうか。」という提言になっております。
具体的な規制対象につきましては、消費生活用製品安全法に基づいて消費経済審議会に諮問することとされておりまして、今後、同審議会で議論の上、政令で定めていくことになります。
○笠井委員 国際的にはどうかといいますと、ISO、EUの玩具指令、米国の消費者製品安全改善法等、十四歳未満としている国や規格も多いわけです。
大臣、本法案に基づく使用年齢基準、まあ省令ということになるんでしょうけれども、これもやはりよく検討した上で諸外国並みにする、それは必要じゃないかと思うんですが、それはいかがでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 まず、我が国の十四歳以下での不慮の事故死を分析をしますと、窒息、交通事故、不慮の溺水が死因の上位となっています。このうち、玩具等の製品に起因することが想定される窒息については、低年齢で多く発生をしています。
今般の法改正では、こうした重大製品事故を引き起こすリスクがある製品を規制対象といたしますが、その検討に当たりましては、こうした事故の実態等を踏まえることが必要だと考えております。具体的には、事故の実態の観点では、特に誤嚥事故の発生が低年齢層に集中していること、また、国際基準との整合性の観点では、ISOなどの玩具の基準が三十六か月未満に特に厳しい基準となっていることなどを踏まえて検討を行いました。
産業構造審議会製品安全小委員会の中間取りまとめでも、こうした考えの下で、重大製品事故を引き起こすリスク等を踏まえ、「低年齢層が対象の玩具をまずは対象にすることから検討をしてはどうか。」との提言をいただいたところです。
いずれにいたしましても、具体的な規制対象につきましては、こうした考え方を基本として、今後、消費経済審議会において議論の上、政令において定めていきたいと考えています。
○笠井委員 今お話があったんですが、日本玩具協会の自主基準があります。玩具安全基準書でも、十四歳未満というふうにしているわけですよね。事故の発生状況等を踏まえてということで、やはりそういう意味では、事故が起こることを前提としてはいけないと思うんです。文字どおり、諸外国の規制の状況をきちんと踏まえながら、事故を未然に防ぐために、国の規格として十四歳未満とするように、私は、そういうことはやはりきちっとしていく必要があると思うので、やはり、さらに今後そういうことも含めて検討していくということでよろしいですね、大臣。
○齋藤(健)国務大臣 子供の安全を確保するために必要な規制です。事故の様態や諸外国の規制の内容を踏まえて決めるべきだと考えておりますので、より高い年齢向けの玩具も今後検討の対象とはなり得るんだろうと思っています。
さらに、子供に限らず、一般消費者向けの製品全般につきましても、生命身体に対し特に危害が発生するおそれがあれば、特定製品として指定することも当然検討をしていきたいと考えています。
○笠井委員 この点でも、あらゆる手だてを尽くして、特に子供の事故を防ぐべきだというふうに思います。
そこで、子供用製品の場合は、事業者ではない個人が売主となる個人間取引が他の製品分野よりも多いと言われると、先ほど来質疑があります。こうしたケースでは、元の包装が外されていたり、取扱説明書、取説が添付されていないなど、必要な注意事項が確認できないことも十分あり得る。
そこで大臣に伺いますが、何より事故を未然に防ぐ観点から、保護者等の消費者に対する子供用製品の安全性や誤使用に関する注意喚起が十分に必要じゃないか、同時に、情報誌発行者、オークションサイトやフリーマーケットの主催者などによる投稿者や出展者に向けた安全に関する注意喚起が行われるように、この点でも政府としてきちっと努めるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 御指摘のとおり、個人間取引においても、子供用の製品による事故を防ぐということは重要でありまして、その注意喚起、これは大事なことだと思います。
御指摘の個人間取引でありましても、例えば、オークションサイト等において出品者が反復継続して製品を販売するなど、事業として取引を行っている場合は、販売事業者として製品安全四法において、まずは販売規制の対象としたいと思います。
また、個人間取引でありましても、消費者の生命又は身体に重大な危害が発生するような製品が取引されている場合には、その製品の製造・輸入事業者に対して自主回収を促すほか、必要に応じまして、製品の回収等を内容とする危害防止命令を発出することとしています。このような場合には、消費者に対して、経済産業省のホームページのほか、NITEや消費者庁等の関係機関と連携して必要な注意喚起を行っているところであります。
消費者の安全を確保するために必要な場合には、こうした制度上の対応のみならず、幅広く消費者に対して適切に注意喚起をしていくことで、子供用の製品による事故を防いでまいりたいと思っています。
○笠井委員 きちっとした対応をしていただきたいと思います。
子供の製品事故は、玩具等の子供向け製品だけで発生しているわけではありません。これまでも、シュレッダー、ライター、ドラム式洗濯機などで、子供の痛ましい事故をきっかけに規制が追加をされてまいりました。
二〇〇六年、一般家庭でシュレッダーの文書投入口に幼児が誤って手を入れて指を切断した痛ましい事故が相次いで起こりました。このほかにも、一九八三年から二〇〇六年までに同様の事故が全国で四十九件発生したことが明らかになって、事故発生と拡大防止のために技術基準が改正をされました。ライターやドラム式洗濯乾燥機をめぐっても、火災事故や窒息死事故を契機に、特定製品としての指定や技術基準の改正がこれまでも行われてきたわけであります。
そこで、大臣、子供向け製品以外の消費生活用製品等においても、その製品の使用場面に応じて、子供の使用を十分に想定をして、特定製品としての指定や技術基準への反映を図っていくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 大事な御指摘だと思います。
御指摘のとおり、子供用製品以外の消費生活用製品でありましても、子供が被害者となった重大製品事故はこれまでも発生しておりまして、子供を製品事故から守るために必要な措置は講じてまいりました。
具体的には、例えば、消費生活用製品安全法において指定される特定製品のうち、御指摘のライターにつきましては、子供が主に使う製品ではありませんが、子供が火をつけて遊び、火災につながる事故が発生をいたしましたので、子供が容易に点火できない構造とする技術基準を設けました。これは平成二十二年のことです。
携帯用レーザー応用装置、これはポイントで使うものですが、子供が目に照射をして視覚障害を負う事故が発生いたしましたので、レーザー光の強さに係る技術基準を設けました。これは平成十三年です。
今後も、子供が主に使う製品以外でありましても、子供の使用による事故が多数発生するなどの状況がある場合には、事故の様態、製品の流通実態、使用状況等をよく分析いたしまして、子供の安全を確保するために必要な規制、これを検討していきたいと考えています。
○笠井委員 必要な規制を是非検討して具体化をしていく、これから大事な仕事になると思います。
そこで、本法案の概要資料、ポンチ絵で欄外に小さい字で書かれている届出事項の合理化に係る措置について確認をしたいと思います。
経産省に伺います。
本法案では、これまで一律に求めていた製造工場等の名称と所在地の届出を、設計を行う者であることその他の主務省令で定める要件に該当しない者、これは、消安法改正案の第六条の四号などに限定をする。つまり、届出事業者が設計をしていれば工場等の情報は届け出なくてよいということとされています。
そこで確認いたしますが、元々なぜ工場等の届出をこれまで求めていたのか、その点について端的にお答えください。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
現行法では、特定製品の製造事業者又は輸入事業者に対しまして、特定製品の区分に従いまして、工場又は事業場の名称、所在地について届出事項の一項目としております。
これは、従前、製品を製造する事業者は自社の工場において生産することが通常であり、まず工場に出向けば容易かつ迅速に仕様、設計も含めて安全性を確認することができた、こういうことでございます。
また、輸入事業者につきましては、ある製品について事故が多発した場合に、当該製品の製造事業者を迅速に把握することが可能であったためでございます。
○笠井委員 齋藤大臣、元々このような意図のあった規定に今回例外を設けるわけですが、立入検査や事故発生品の輸入事業者の把握の運用面で、これはくれぐれも影響が出ないようにすべきではないかと思うんですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○齋藤(健)国務大臣 御指摘の工場の名称等の届出を不要とする規定につきましては、これは規制の実効性をより高めるために講じる措置でありまして、立入検査等の運用面で支障が出てくるというふうには考えていません。
本措置の背景といたしましては、近年、ブランド企業が製品の仕様や設計を決定をいたしまして、製品はほかの工場に委託するという、いわゆる委託製造が進んできておりまして、また、製品サイクルの短期化に伴うモデルチェンジや委託先企業、工場の変更が頻繁に行われるケースが見られるようになってまいりました。
このような現状におきましては、製品に問題があった場合、一部の工場のみを検査しても問題が把握しづらいという面があります。むしろ、ブランド企業側に問い合わせることによりまして、どこの工場だとかというのも分かりますので、原因究明、再発防止に向けて必要な情報を入手して、問題がある可能性のある工場を迅速に特定し、必要な検査や再発防止策を講ずることが可能であります。
こういう理由から、特定製品の設計等を行うブランド企業のような者については、当該ブランド企業の氏名や住所のみとして、工場等の届出を不要としたものであります。
なお、必ずしも全てのケースで工場情報を不要とするものではなくて、企業側が設計等を行っていない場合は、引き続き工場情報を求めていくことになります。
○笠井委員 運用面で、例外を設けてやるわけですから、そういう点では、やはり事は安全に関わることなので、いろいろ例えたって、むしろできるんだとおっしゃったけれども、くれぐれも弱まることがないように、やはりきちっとした対応をしていくことを強く求めたいと思います。
最後に、本法案の周知徹底について大臣に確認をしておきたいと思います。
本法案で、海外事業者には国内管理人の選任などの届出を求めたり製品事故情報の報告を求めるなど、新たな規制が行われます。国内の消費者が製品を安全に使用できる環境を整備する観点から、海外事業者が国内管理人を適切に選任した上で届出手続を円滑に行うことができるように、本法案の内容をどう周知徹底するのか。
また、海外事業者が特定製品以外の消費生活用製品においても報告徴収、立入検査や、それから製品事故情報報告、公表制度の対象となることについて、どう周知徹底していくのか。さらに、玩具等を販売する古物商に対して、子供の危害の発生を防止する観点から、本法案の内容をどう周知徹底していくのか。
これはいずれも、この法律ができたときには、具体的に大事なことになっていくと思うんですね、知らないとそれはまたいろいろな問題になってきますから。その周知徹底について、大臣の基本認識、どういうふうにやっていくかということについて伺いたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 御指摘のように、新たな制度的対応を講じても、その周知徹底がなされなければ、その法的効果は極めて限定的なものになるんだろうと思っています。
特に、海外事業者を製品の安全性に法的責任を有する者として明確化したこと、また子供用特定製品の中古品についても一定の条件を付した上で販売を可能とする措置を講ずることにしたわけでありますが、この点、まず海外事業者への周知につきましては、オンラインモール事業者と協力をし、海外からの出品者に対する周知、説明会を行っていただくことですとか、在外公館やジェトロ、また製品安全四法や製品安全規制の適合性検査を行う内外の登録検査機関がございますので、こういった機関を通じて海外事業者への情報提供を行うなど、制度内容についての積極的な周知活動を行うことを検討していきたいと思っています。
また、古物商に対しましても、実は、本件を検討してまいりました産業構造審議会製品安全小委員会に中古品業界の関係者にも参画をいただきながら、議論を進めてまいりました。引き続き、こういった団体やその関係者を通じた周知、関係する古物商に対する説明会の実施など、この点についても積極的な周知活動を行うことをしっかり検討していきたいと考えています。
○笠井委員 本法案を第一歩として、今後、製品事故をなくしていくために更に必要な規制を具体化するように強く求めて、質問を終わります。
○岡本委員長 次に、鈴木義弘さん。
○鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。
質問が少しかぶってくるかなと思うんですが、お許しをいただきたいと思います。
先ほども少し議題になったんですが、多くの諸外国では玩具について事前規制の対象として規制を行っている、玩具については国際規格のISOが定められており、厳しい要求をするなど詳細に規定されている、しかし、我が国日本では、玩具の安全性に関わる法規制に関し、有害な物質が使用されていないなど化学的安定性が規制されているだけで、今回、物理的安定性に関わる規制をかけるんですけれども、なぜ今まで、事故が起きないと物理的安定性を、規制をかけるようなことをしてこなかったのか。
後追い行政というふうにどうしても言われてしまうんですけれども、そこの考え方をまず一つお尋ねしたいと思います。
○殿木政府参考人 ただいまの御質問でございますけれども、玩具について、委員がおっしゃるところの物理的な安定性に係る規制が存在してこなかったとの御指摘につきましては、これについては、委員御高承のとおりでございますけれども、実は我が国においても、従来から、現行の消費生活用製品安全法において、構造、材質、使用状況等から見て一般の消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品につきましては、現行法で、特定製品といたしまして、その製造事業者又は輸入事業者に対しまして、市場流通前に届出や技術基準への適合を求める販売規制を行ってきたところでございます。具体的には、子供用製品の例といたしましては乳幼児ベッド、これは昭和五十年から指定されているところでございます。
しかしながら、こちらの方も委員御案内のとおりでございますけれども、近年のインターネット取引の拡大に伴って、海外製の玩具も日本国内に直接流入することになってきているところでございまして、玩具等の子供用製品につきまして、必要とされる技術基準が満たされないというような課題でございますとか、日本語による使用上の注意表示などがないなどして誤使用を招く商品が増加しているといった課題が顕在化してきているところでございます。
例えば、先ほどから申し上げている、マグネットセットでございますとか水で膨らむボールといった製品における、近年、子供の開腹手術が必要となるような事故が複数起こっているわけでございますけれども、我々としては、これらの事故を受けまして、両製品について特定製品の指定をしたところでございますが、事故原因を踏まえますと、使用上の注意等の表示を義務づけることにより玩具等の子供用製品の安全性を確保する必要性が明らかになってきたところでございます。
このため、従来からの、委員のおっしゃっております化学的安定性ということのみならず、子供が使用する製品につきまして、技術基準への適合に加えて、対象年齢や正しい使用方法に係る表示を求めるといった、子供用特定製品という新たなカテゴリーを設けることとしたところでございます。
本法案の施行によりまして、委員御指摘の玩具に関する物理的安定性に相当するようなものも含めて、国内の子供の安全をしっかりと確保してまいりたい、このように考えているところでございます。
○鈴木(義)委員 そうしますと、次に、日本では、質問にも出ていたように、STマークという自主規制をするものとかSGマークというのがあるんですけれども、業界の自主的な規制だから、法的位置づけが、何で取ってこなかったのかなと不思議でしようがないんです。要するに、そのマークを使うか使わないかは任意だということですよね。だから、なぜそれをずっと、まあ放置という言い方が合っているかどうか分かりませんが。
去年の暮れに、孫に何を欲しいのと言ったら、ディズニーの何かドレスがあるんですってね。それで、買いに行く時間がないからアマゾンで買うんですけれども、一回パッケージを開けてみたら、STだとかSGとか、何かシールを貼ってなかったような気がするんですね。まあ、食べるわけじゃないからいいんですけれども。
結局、海外で作って、日本にどんどん入れてきて、輸入事業者がいれば、そこが責任を持つというのは分かるんですけれども、要するに、日本に入ってきたときは一つの基準をクリアしていないと入れちゃ駄目だよというのを、やはり法律できちっと位置づけするしか方法がないんじゃないかと思うんですね。だから、そこのところをなぜ自主規制という形で業界にお願いしてきたのか、そこのところの意味合いを、短めで結構ですから。
○殿木政府参考人 委員の問題意識にお答えするということでございますと、従来から我が国の製品は、顧客の厳しいニーズへの対応を得意とする、いわゆる物づくりを大切にするような気風にも支えられて、世界一とも言われる品質を誇ってきたわけでございます。
これに加えまして、玩具について申し上げれば、中小のメーカーも含めまして、我が国の玩具メーカーの安全への取組というものも相まって、法律に基づく規制ではなく、民間団体による任意の制度である、ただいま御指摘ありましたようなSTマークとかSGマークによっても一定程度の安全性を確保してきたものというふうに認識をしているところでございます。
ところが、近年、昔ながらの玩具に加えまして新たなジャンルの玩具も出てきたというところで、製品は多種多様化しているところでございます。また、インターネットの取引の拡大によって、海外の玩具も消費者の手元に直接渡るような状況になった。こうした環境の変化によって、玩具等の子供用製品について、民間団体による任意の取組においては、必要とされる技術上の基準や表示が守られないような製品が市場に出回るという課題が顕在化してきた、これが今回の法律の立法事実というか、改正の背景だというふうに思っているところでございます。
○鈴木(義)委員 それであれば、日本は工業製品についてはJIS規格というのがありますから、JIS規格の中にきちっと位置づけちゃえばどうってことないんじゃないかと思うんですけれども、どうなんですかね。海外メーカーさんは、日本の事業所さんが海外で作らせて、それを輸入して販売したり付録品でつけたりしているんだと思うんですけれども。だから、結局、JISならJIS。
これは農林水産委員会のときに、JAS法の改正というのが当時、八年か九年ぐらい前にありまして、JASもいっぱいあるんです。JASと書いて、有機JASだとか何とかJASだとか。もう世の中にマークが氾濫し過ぎ。だから、消費者に啓蒙、啓発するんだ、新しくこういう規制でこういうマークができたんですと言っても、注意を引くのはそのときだけ。だから、何百、何千。それで、ヨーロッパはヨーロッパで違う規格のマークがあるから。コンピューター一つ取ってみたってそうですね。パッケージのところにいっぱいマークがついているんです。何のマークだかよく分からない。今、世の中でそれが流通してしまっているということがあるんですね。
だから、新しいマークを作るよりは、一つの法体系の中にマークをきちっと位置づけ、JISならJISで、その分野の中の、玩具なら玩具、何なら何で、こういう基準に基づいてやってくださいねというふうに規制していくしか、これはカバーできないんじゃないかと思うんですけれども、もう一度御答弁いただければと思います。
○殿木政府参考人 JISの話がございましたけれども、御案内のとおりでございますけれども、日本産業規格のJISは任意規格というところでございまして、今回の消費生活用製品安全法を含めます製品安全四法というものは強制的ないろいろな措置を講じている、ここを違うというふうに思っているところではございます。
あとは、民間の規格においても、先ほどから御説明申し上げておりますとおり、玩具協会のSTマークというのは、更新制度があったりとか、あるいは国際規格に整合するということで、以前から非常に積極的に取り組んでいるというものもございますので、強制規格というものを、今回、我々、消費生活用品安全法という形で、より厳格化するというところでやってきたところでございますけれども、そういうマークと、民間の方々がやられているマークと、ある意味、補うところは補い合いながら、強制規格として律するところは律しながらやっていくということになるかというふうに思っているところでございます。
○鈴木(義)委員 何かよく分からない答弁なんですけれども。
あとは、子供の事故が起きてこの法律の改正になってくるんですけれども、でも、昔、障害者の施設のトイレに置いてあった漂白剤、トイレで使う洗浄剤を飲んでしまって、そのまま亡くなってしまった事故があったんですね。だから、使い方を間違えば、有益なものが害的なものになってしまう。だから、子供から目を離しているときに事故が起きてしまったというと、やはりそういうものを子供の近くに置いておくことが一義的にはまずいんじゃないかと個人的には思うんですね。私たちも、小さい頃、おもちゃって余り買ってくれないから、自分たちでおもちゃを作って遊んだ口なんですけれども、安全性も何も考えないよね、遊びたいだけだから。それで事故が多発するようだったら規制をかけましょうという話になっていくんだと思うんですけれども。
それで、この法律が施行した後に、事業者や製品の不適格として公表はするんですけれども、罰則まで求めていないんだと思うんですけれども、今まで、例えば消費生活用製品安全法の四法で、過去、罰則が規定されたことがあったら、幾つか事例を挙げてお示しいただきたいと思うんですが。
○殿木政府参考人 お尋ねの点でございますけれども、罰則の適用事例については、必ずしも詳細な事例を網羅的に把握しているわけではございませんが、これまでには、インターネットオークションを利用いたしまして、消費生活用製品安全法において義務づけられる必要な表示がないレーザーポインターを不正に販売したとして、国内の会社員が逮捕されたという事案など、複数の事案があるというふうに承知をしているところでございます。
○鈴木(義)委員 じゃ、今回の法律が制定されれば罰則をきちっと適用していくということなんですかね。
○殿木政府参考人 本法案の施行後におきましても、元々そうだったのでございますが、特定製品につきまして、所要の届出を行わずに、又はPSマークを付さずに販売されている、あるいは技術基準を遵守していない等の違法行為について罰則の適用対象となることは申し上げるまでもないわけでございますけれども、この法案で規制対象として明確化されました海外事業者が特定製品を一般消費者に直接販売する場合につきましても、これらの違法行為を行った場合には罰則の対象となるというふうに考えているところでございます。
○鈴木(義)委員 そうすると、前任の方も御質問された国内管理人というのはすごくウェートが高くなると思うんです。
例えばの話、これからいろいろ情報を集めて、政令で指定していくということをやっていかれるんだと思うんですけれども、一つの会社で複数の会社の代理人になる可能性も出てくるだろうし、でも、国内管理人に損害賠償を請求できるような法律の体系にはなっていないと聞くんですね。そうすると、アマゾンでも楽天でもモノタロウでも何でも、海外のものを個人的に輸入して入れたときに、国内管理人を今度法律で置きなさいとなるんですが、プラットフォーマーには義務づけをしたとしても、そこまで罰則だ何だということができないのであれば、国内管理人はあくまでも、事故が起きたときに報告をする義務、ちゃんとやりなさいよというふうに経産省から国内管理人を通して製造会社に言うんですけれども、実際事故が起きて損害賠償をやり取りするという話になったときに、私たち消費者は誰に訴えればいいんですか。じゃ、仮に、製造元である海外の事業所を訴えたいといっても、訴えられるものなのか。
製造物責任法、PL法という平成七年ぐらいにできた法律で、確かにその位置づけはきちっとなりました。なったんですけれども、結局、その製造物責任法でも、罰則云々じゃなくて、損害賠償の任があるんですという法律なんですね。あとは、だから、もし事故が起きたりけがをしたりしたときに、相対して損害賠償をやってくれという法律。
その中で、身体とか生命だとか財産に大きな、重大な事故が起きたときには国内管理人から経産省に報告が行くんですけれども、じゃ、この国内管理人はどこから情報を得るのか。プラットフォーマーから来る場合もあるでしょう。私たち消費者からじゃないと苦情は入ってこないということです、分かりやすく言えば。
それで、経産省に行って、経産省から指導して、海外にいる事業者に対してここがおかしいですよとか言ったとしても、それだけの権限を国内管理人が持っているのかどうか。そこが今回の法律の一番の問題のところだと私は思うんですね。だから、国内できちっとした法律の位置づけをしない限り、それは解消できないと思うんです。
損害賠償を訴えるといったときに、メーカーに訴えてくれといっても、どこの誰だかよく分からないで、ここの人に問合せして、じゃ、ここの人ですよと。それに対して、損害賠償を訴えて、はい、分かりましたとお金を払うかといったら、そんなに優しくはないと思うんですよね。そこが、だから、今回の法律の一番の。
消費者庁の方でもいろいろな苦情だとか相談事があって、その中で初めて、重大な事件だと称されるものは経産省の所管をしているところに情報は上げるけれども、それ以外は上がらないということ。そうすると、いつになっても、軽微な事故というんですか、死亡事故だとか障害者になってしまったような事故が起きた場合には重大な事故としてやるんですけれども、そうじゃないやつは情報すら上がってこない。すると、いつまでたってもこの案件は事故がなくならないと私は思うんですけれども、そこに対してどう今後対応していくのか、お尋ねしたいと思います。
○吉田大臣政務官 お答え申し上げます。
まず、今般の法改正のレベルでお答えを申し上げたいと思います。
海外事業者には、消費生活用製品全般に対し、死亡、火災などについての重大製品事故の報告義務がまず課されることになっております。また、消費者の生命又は身体について重大な危害が発生するおそれがあるような場合などにおいては、製品の回収などを内容とする危害防止命令の対象になります。
これらの措置は、仮に海外事業者が事業廃止などの届出を行ったような状況であったとしても、当該海外事業者が対象製品の製造、輸入を行っていれば対象となってまいります。
他方、議員今様々御指摘ございましたけれども、例えば、海外事業者の所在が分からなくなった、連絡がつかない、そういったときに、事故の報告や事故を踏まえた製品の回収などへの対応がなされないような場合もあり得るのかなというふうに思っております。そのような場合に対しても、今回の法改正に基づき、法令等の違反者の公表措置による事業者名や製品名の公表、それから、取引デジタルプラットフォーム事業者に対する当該事業者の製品の出品削除の要請と、当該要請を行った旨の公表といった措置を行うことが可能となる法律でございます。
これらの措置を通じ、御指摘のような場合についても、消費者に危険な製品が販売されないように、まずしっかり取り組んでまいらなければならないというふうに存じ上げます。
その上で、損害賠償についてでございますけれども、これは本法律というよりも、製品事故に起因する損害賠償請求、被害者と事業者の間で対処されるものと承知をしておりまして、海外事業者に対して製品事故に対する損害賠償が認められるか否かについては、個別に判断をしていかなければならないのではないかと考えております。
○鈴木(義)委員 しつこくなってしまうんですけれども、結局、事故が起きた後の損害賠償、消費者庁からいろいろな資料をもらうんですけれども、本当に様々ですよね。損害賠償を訴えて裁判にかけて、賠償が履行されるときもあれば、これは認めないというのもあるし、その時々で、みんなケース・バイ・ケース。だから後を絶たない。そうじゃない考えで国内法をきちっと整備しないと、やはり次から次に同じ事案が起きてくる可能性が高いということなんです。
重大事故というふうにくくれば、それ以外はいいのかという話になる。それがやはり、軽微な事故がどんどんどんどん増えていくだけの話で、海外事業者が名前を変えちゃって違う会社で同じ品物を売っていた場合に取り締まれますかという話です。だから、国内に流通するものは全て規制をかけるぐらいのことをやらないとカバーできないと思うんですけれども、もう時間が来たので、大臣、最後に、いかがでしょう。
○齋藤(健)国務大臣 様々な製品もサービスも新しく生まれてくるというのが常だろうと思っています。その都度、その製品の安全性に問題があるようなことであれば、新しい規制についても検討を不断にしていくということになるんだろうと思っています。
○鈴木(義)委員 終わります。
ありがとうございました。
○岡本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○岡本委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○岡本委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○岡本委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、山下貴司さん外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会・教育無償化を実現する会、公明党、日本共産党及び国民民主党・無所属クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。荒井優さん。
○荒井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
一 海外事業者を消費生活用製品安全法等において届出を行う対象として明確化するに当たっては、国内の消費者が製品を安全に使用できる環境を整備する観点から、海外事業者が国内管理人を適切に選任した上で届出手続を円滑に行うことができるよう、本法の内容の周知徹底を行うとともに、届出に係る支援の充実に努めること。
二 海外事業者が、特定製品以外の消費生活用製品においても、報告徴収、立入検査や製品事故情報報告・公表制度の対象となることの周知徹底に努めること。
三 インターネット取引が拡大する中における取引デジタルプラットフォームの果たす役割の重要性を踏まえ、国内の消費者の安全確保の観点から、取引デジタルプラットフォーム提供者が努力義務として講ずるべきとされている措置等の実施状況及び主務大臣による取引デジタルプラットフォーム提供者に対する製品の出品削除等の要請への対応状況について実態把握に努めるとともに、取引デジタルプラットフォーム提供者及び関係機関と緊密な連携を図ること。
四 子供用特定製品の指定並びに子供用特定製品に係る技術基準及び使用年齢基準については、子供用の製品による事故を未然に防ぐ観点から、国内外における子供が被害にあう事故の実態及び諸外国における規制の動向等を踏まえ策定し、及び機動的に見直すとともに、消費者への周知徹底を図るなど、子供用の製品の安全確保に向けて万全を期すこと。また、子供用特定製品の対象については、育児、保育に関わる幅広い製品を対象としていくことを検討すること。
五 子どもの製品事故は、子供用特定製品以外の消費生活用製品等でも発生していることに鑑み、それらの製品においても、その製品の使用場面に応じて子どもの使用を十分に想定して、特定製品としての指定や技術基準への反映を図ること。
六 古物である子供用特定製品を販売し、又は販売の目的で陳列する事業者に対して、子どもへの危害の発生を防止する観点から本法の内容の周知徹底を行うこと。また、本法施行前に製造・輸入された製品についても、例えば、既に流通している技術基準を満たさない製品について、保護者をはじめ、育児、保育に関わる幅広い関係者に対し、製品の処分等の必要性に関する情報を広報していくことなど、安全性の確保を図る措置を講ずること。
七 非事業者である個人が売主となる個人間取引について、特に子供用の製品による事故を未然に防ぐ観点から、保護者等の消費者に対する子供用の製品の安全性や誤使用に関する注意喚起を行うとともに、情報誌発行者、オークションサイトやフリーマーケットの主催者による投稿者や出展者に向けた安全に関する注意喚起が行われるよう努めること。
八 PSマークが消費者に広く認知されているとは言い難い状況に鑑み、製品の安全性が十分に確保され、契約自由の原則の下で消費者が適切に判断できるよう、各制度の周知に努めること。
以上であります。
附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○岡本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○岡本委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、齋藤経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。齋藤経済産業大臣。
○齋藤(健)国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
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○岡本委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○岡本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後一時五十三分散会