第3号 令和8年4月15日(水曜日)
令和八年四月十五日(水曜日)午前九時一分開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
伊藤信太郎君 上原 正裕君
小森 卓郎君 斉木 武志君
鈴木 淳司君 世耕 弘成君
園崎 弘道君 田中 昌史君
永田磨梨奈君 古井 康介君
細田 健一君 細野 豪志君
松下 英樹君 松本 泉君
丸川 珠代君 水野よしひこ君
武藤 容治君 山本 裕三君
米内 紘正君 落合 貴之君
河野 義博君 角田 秀穂君
吉田 宣弘君 阿部 司君
若狹 清史君 丹野みどり君
牧野 俊一君 河合 道雄君
…………………………………
経済産業大臣 赤澤 亮正君
内閣府副大臣 岩田 和親君
経済産業大臣政務官 小森 卓郎君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局官房審議官) 向井 康二君
政府参考人
(公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長) 原 一弘君
政府参考人
(デジタル庁審議官) 井幡 晃三君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 清浦 隆君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 林 俊宏君
政府参考人
(経済産業省大臣官房総括審議官) 佐々木啓介君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 河野 太志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 竹田 憲君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 小見山康二君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官) 佐々木雅人君
政府参考人
(経済産業省イノベーション・環境局長) 菊川 人吾君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官) 江澤 正名君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(中小企業庁長官) 山下 隆一君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 山崎 琢矢君
政府参考人
(原子力規制庁原子力規制部長) 大島 俊之君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
四月十五日
辞任 補欠選任
こうらい啓一郎君 米内 紘正君
山際大志郎君 松本 泉君
山田 美樹君 田中 昌史君
吉田 宣弘君 角田 秀穂君
同日
辞任 補欠選任
田中 昌史君 細田 健一君
松本 泉君 上原 正裕君
米内 紘正君 こうらい啓一郎君
角田 秀穂君 吉田 宣弘君
同日
辞任 補欠選任
上原 正裕君 山際大志郎君
細田 健一君 山田 美樹君
―――――――――――――
四月十四日
経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
経済産業の基本施策に関する件
私的独占の禁止及び公正取引に関する件
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○工藤委員長 これより会議を開きます。
経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房総括審議官佐々木啓介君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。牧野俊一君。
○牧野委員 おはようございます。参政党の牧野俊一でございます。
この度、初めて経産委員会で質問に立たせていただきます。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まず冒頭、アメリカとイランの交渉がパキスタンで決裂しまして、それを受けてアメリカの側が逆封鎖をかけるというふうな状況になって、ちょっとどこまで本気なんだろうとも思っていましたが、どうも結構本気でやっているということで、しょっぱなからちょっと通告になくて申し訳ないんですが、アメリカが、今、イランに向かう船、あるいはイランにホルムズ海峡の通航料を支払った船舶に対して通航を止めているという状況が日本に与える影響に関して、大臣はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
○赤澤国務大臣 御通告はなしなので思うところを申し上げますが、少なくとも、委員も御案内のとおり、これまで茂木大臣からアラグチ外相に、あるいは高市総理から電話首脳会談でペゼシュキアン大統領に対して、とにかくホルムズ海峡の安定運航を含む事態の鎮静化、これが成ることが一番大事であって、それに向けて、できるだけ早期にそれを実現するという外交努力を我が国は続けており、そのことは米国にも、そしてイランにも伝わっているということだと思います。
ホルムズ海峡について言うと、二月二十八日に米国が行動を起こす前は比較的イランと米国の間は核の話ばかりしていたのが、いざ事を起こしてみたら一番の争点はホルムズ海峡だったということで、明らかに米国とイランの考えがちょっと違いますよね。米国は、海洋法条約とかああいうものに基づいて、無料で自由に通航できるはずのものだと。イランは、いざとなったら、自分たちの支配している部分なので、通航料も取るわ、自分たちが管理するということで、ここは本当にゆゆしきことで、ホルムズ海峡が無料で自由に通れないということは世界経済にとっても我が国経済にとっても大ごとですので、事態を注視しているということでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
引き続き、日本としてもしっかりした外交努力を続けていただきたいと思います。
その上で、現状、こうしてホルムズ海峡が正常に機能している状況じゃないといった中で、現在、我が国に対する原油の輸入量が一時的に減少している。これに対して、政府としては燃油価格の激変緩和措置を講じておって、足下ではガソリン一リットル当たり大体五十円規模の補助が元売に対して行われているというふうに承知しております。
経産省は三月二十四日に国家備蓄原油の放出を決定し、四月七日の官邸の会見でも、供給の偏りや目詰まりが生じていることを踏まえて、大手の元売業者に対して、その系列かどうかにかかわらず、前年同月比同量を基本として販売するように要請したというふうに説明していらっしゃいましたが、これはちょっと資料の一枚目、お配りしているカラーのものを御覧ください。こちらは、石油元売から末端のガソリンスタンドにどのようなルートで卸されていくかという、大きく二つに分かれるルートがございますということを御紹介しております。
石油の供給は、元売五社から一般特約店、左側のルートですね、こちらを経由して系列のガソリンスタンドに卸すルートと、それ以外の商社などのバルク特約店を通して非系列側のガソリンスタンドに卸すルートの大きく二系統に分かれています。
本来、こうした補助措置や政府の要請の趣旨からすれば、系列のルート、左側と、バルク特約店ルート、右、いずれであっても燃料が適正に市場に流れて、独立系のガソリンスタンドにも必要な製品が行き渡ることが予定されているはずです。
実際、三月十九日付の資源エネルギー庁、公正取引委員会連名の文書でも、元売及び輸入商社に対して適正価格での販売に取り組むこと、さらに、差別対価や取引条件等の差別的扱いなど独占禁止法違反と疑われるような行為をしないように要請しているところではあります。
しかし、実際には、末端にある非系列系、いわゆる独立系の右側のガソリンスタンドにおいて、イラン情勢に伴う需給の逼迫を理由として、元売系列のガソリンスタンドよりもかなり高い水準で卸がされてしまって、系列店の販売価格に対抗しようとすると逆ざや販売になってしまうというふうな深刻な状況が発生しておりました。
資料の二枚目を御覧ください。
これは、我が党が話を伺いましたある独立系のガソリンスタンドにおいて、元売の基準価格と、自社の仕入価格が水色ですね、それから系列店の小売価格が黄色いラインで、その会社の、自社の小売価格がブルーのラインになります。特に三月の十一日頃、この頃から元売からの供給量がぐっと絞られたというお話がありまして、一気に価格が急騰して、その後、政府からの激変緩和措置が入って、十七、十八日頃から順次価格が下がってはいるんですけれども、元売の基準価格が、このオレンジの線に対して、自社の仕入価格、つまり、先ほどの二股に分かれている絵の右側のルートでバルク特約店ルートの仕入価格、これがRIM価格と言われるものに基本的に連動して契約をされているところが多いという都合上、かなり元売系列との卸値の差がついてしまって、元売系列の販売価格、黄色いラインに対して価格で対抗しようとすると、自社の販売価格が、この赤い矢印で示している部分が逆ざや販売になってしまうというふうな状況が発生したということでした。この一社に限らず、全国にわたりこうしたことがあったという話を伺っております。
この背景としまして、バルク特約店というものは、元々、一般特約店とは異なる価格体系で仕入れを行って、RIM価格連動などの形で独立系のガソリンスタンドに卸していたために、独立系、右側のラインが左側の大手系列と比べて比較的安価に燃油を販売できる、通常の状態ではそういう場面がありました。しかし、イラン戦争による需給逼迫の下で、この右側のバルク特約店ルートの供給量が大きく絞られて、RIM価格が上がってしまった。
こうなった理由は、元々、系列系の左側のルートでは、ブランド料というのを乗せた形で、右の独立系ルートよりもちょっと、リッター当たり二、三円ほど割高に卸していた。それが、ある種、系列のルートにとっては非常時に備えた保険のような形で機能して、こうした異常事態によって供給量がぐっと減ったときにはそちらの系列ルートが優先して卸されるという状況が起きた結果、持ち玉の数がこの右側のルートで減ってしまって、そして価格が急騰したというふうな状況だというふうに伺っております。
実際に、その話を伺ったガソリンスタンドの資料では、三月の上旬の混乱の場面、十一日から十二、三日にかけて、系列外への出荷の停止であるとかスポット見積りの停止、数量の制限などがあったという記録が示されておりました。その結果、独立系ガソリンスタンドの中には、先ほどお示ししたように逆ざや販売といった状況が発生しまして、この状況を放っておくと、こうした独立系のガソリンスタンドさんというのは山間部とかあるいは過疎地域、こうしたところで地域に根差したエッセンシャルサービスとして燃料の供給網をつくってくださっているところがあるので、そうした特に過疎地域や山間部での燃料供給網が崩壊してしまうといったおそれがありました。
政府が、四月七日に、系列の有無にかかわらず、前年同月比同量を基本として販売するように要請したというのは、裏を返せば、その以前の段階で、少なくともこういった供給の偏りとか流通の目詰まりが実際に問題になっていたということだと思っています。
ただし、バルク特約店と独立系ガソリンスタンドの間の契約関係そのものは、民間の事業者同士の関係であって、経産省が直接コントロールできる領域ではないと承知しています。
今後、元売側からバルク特約店に対して一定量の燃料が流される、ここに関してはしっかり政府から指示を出して、出しなさいと言っているはずですけれども、右側のルートの特約店側が、将来の更なる価格上昇を見込んで在庫を出し渋ったり、あるいは高値で卸したりするという可能性も否定できないと思います。
もしそうであるならば、補助制度の下で上流に対して公金が投入されているにもかかわらず、系列の中、左側のルートに補助金の効果が偏在してしまって、独立系のガソリンスタンドが競争上著しく不利な立場に置かれてしまうという可能性もあって、こうなると、さすがに独占禁止法の上で、合理的理由のない差別対価、あるいは差別的扱い、優越的地位の濫用に当たるおそれがあるのではないかというふうに思っております。
そこで、公正取引委員会とエネルギー庁に伺いたいと思います。
まず、公正取引委員会として、今回の激変緩和措置発動後の取引状況について、系列、非系列間で合理的理由のない価格差や供給条件の差が生じていなかったか、ここに関してどのように見ていらっしゃるかというのが一点目。
また、独立系のガソリンスタンドにおいて逆ざやの販売を余儀なくされるような状況が生じているにもかかわらず、系列側には相対的に有利な条件が維持されていたとすれば、これは独占禁止法上問題となり得るんじゃないでしょうかという、ここに対する見解が二点目ですね。
三点目、公正取引委員会として、差別対価、差別的取扱い、優越的地位の濫用に当たるおそれがないのか、実態把握とか調査を今後、これから先行っていく考えがあるのかということについて、見解を伺いたいと思います。
まず、公正取引委員会から、この三点についてお願い申し上げます。
○原政府参考人 お答えいたします。
系列と非系列との間で価格や供給条件に差が生じている、そのような声があることにつきましては当委員会も承知しているところでございますが、一般的には、事業者の方がどの取引先とどのような条件で取引するか、これは原則として自由な経営判断に委ねられているものというふうに承知しております。
そのため、各事業者が、現在の需給状況ですとか将来の需給見通し等を踏まえまして、各々の経営判断で販売先を選定したり、取引価格やその他取引条件、こういったものを設定している場合には、結果として取引価格が上昇する、そのようなことがあったとしても、それ自体を独占禁止法上問題とするということはなかなか難しいというふうに考えております。
独禁法の観点から申し上げれば、例えば、元売ですとか商社が取引価格や取引条件について合理的な理由なく事業者間で差別的な取扱いをし、その結果、商社経由で仕入れている独立系SS運営事業者の競争機能に重大な影響を及ぼしているかどうかといったことですとか、継続的に独立系SS運営事業者に卸している商社等の事業者が、自己の取引上の地位が独立系SS運営事業者に優越していること、こういったことを利用して正常な商慣習に照らして不当な不利益を課しているかどうか、このようなことを個別に判断していく必要があるというふうに考えているところでございます。
公正取引委員会におきましては、三月十九日から開始されましたイラン情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置に合わせまして、委員御指摘のとおり、同日に資源エネルギー庁と連名で、元売や商社の各事業者に対しまして、適正価格での販売に取り組むこと、差別対価や取引条件等の差別取扱いなど独占禁止法違反と疑われるような行為をしないよう法令遵守体制の確認、強化をすること、このようなことを依頼したところでございます。
公正取引委員会といたしましては、これまで、この依頼文書を受け取った事業者からの個別の相談ですとか照会等に対応しておりますけれども、それと併せまして、給油所を運営する事業者の仕入れ状況等に関します情報を収集してきているところでございます。
引き続き、当該措置開始後の状況を注視してまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
では、引き続きエネ庁さんの方に伺いたいんですが、今後、イラン情勢の影響が長引いて、もしも国家備蓄が逼迫するというふうな状況が生まれた場合、いかにして同様の状況を防ぎ、地域のエッセンシャルサービスとしての燃油供給網というものを守っていく考えかということをお伺いしたいと思います。
○佐々木(雅)政府参考人 お答え申し上げます。
中東情勢の先行きでございますけれども、いまだ予断を許さない状況でございますので、今後について予断を持ってお答えすることはできませんが、ただ、現時点におきまして、原油や石油製品につきましては、備蓄の放出及び代替調達先の確保等によって、日本全体として必要となる量を確保するとともに、元売事業者さん、大手卸売事業者さんに対しては、前年同月同量を基本とする販売を要請し、また、一部で発生している流通の目詰まりや供給の偏りに対する対応も続けている、こういった取組を続けていますし、これからも続けていく所存であります。
こうした取組に加えまして、経営力強化に向けた設備導入支援ですとか、経営支援のための利子供給、債務保証といったような金融支援も小売の方々に講じているところでございまして、非系列のガソリンスタンドも含め、地域のエッセンシャルサービスでありますガソリンスタンドのネットワーク維持にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○牧野委員 お答えありがとうございます。
今おっしゃっていただいたように、そういった金融面での支援ということですね、地域のエッセンシャルサービスを担っている事業者の方々を支えていくことというのはとても大事だと思いますが、問題は、だから、金融面の支援というのは、政府が国債を発行するなり、何らかの財政手当てをすれば幾らでも、数字の上の話ですから、やることはできますけれども、現実の物がないという事態に対しては、現実の物、石油の物自体がなくなってしまってはもうどうしようもないというところがありますので。
特に、このイランの情勢を受けて、原油、天然ガスの輸入が滞っているということで、現時点では、国家備蓄の放出もあって、直ちに燃料が逼迫する状況ではないというのは理解しておりますが、いざというときには、可能な限り火力発電に頼らずに電力を確保する施策というのも必要になるというふうに思っております。
現状、全国で稼働している原発が約十五基、そして廃炉を前提とせずに止まっているものが約二十基ほどあると認識していますが、この停止中の原発の維持管理に年間どれぐらいの経費がかかっているのか。また、これらの原発をもし全て再稼働できた場合、年間でどれぐらい火力発電に要している燃料を節約することができるでしょうか。発電用途以外のおよそ何か月分に相当するというふうな形でお答えいただければと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、現在停止中の原子炉でありましても維持管理にかかる費用が発生するというふうに承知をしております。一方、各社からこうした費用が個別に公表されているわけではないということや、それぞれの炉の設備の利用状況などによりまして要する修繕費などの維持管理費用が異なりますことから、政府としてこれを一概にお答えすることが難しいという点は御理解いただければと思います。
また、これら停止中の二十一基の原子炉を全て再稼働し、LNG火力の稼働を代替した場合について機械的に算出すると、約千九百万トンのLNGを節約できるという結果になります。
我が国が輸入するLNGは年間約六千五百万トンでございまして、発電用が年間約三千六百万トンでありますので、発電用以外の年間のLNG消費量は約二千九百万トンと算出されます。
したがいまして、機械的に算出したLNG節約相当量約千九百万トンは、発電用途以外の年間LNG消費量二千九百万トンの約八か月分に相当いたします。
○牧野委員 ありがとうございます。
今、具体的な停止中原発の維持管理に幾らかかるという、詳細はいろいろな計算の方式があるのでなかなか難しいというお話をいただきましたが、およそ聞いているところだと、年間、ざっくりとした概算ですけれども、六百から八百億程度はそうしたところに経費も要しているというふうに承知しております。
加えて、今おっしゃっていただいたように、約千九百万トン、発電用途以外の分に回したとして、八か月分相当ぐらい、もしも原発を再稼働すると、国内で消費するLNGの需要を賄うことができるということですけれども、この原発に関しまして、東日本大震災の福島事故を受けて全国で一斉停止を行って、原子力規制委員会の下で再稼働の可否について現在審査が行われているというところでございますが、福島の事故の本質というのは、津波で浸水し得る場所に非常用の発電設備が置かれていたということが最も根本的な原因で、それによって原子炉の冷却ができなくなって、一、三、四号機の水素爆発につながったということのはずです。
原子炉そのものは地震動を検知して安全に停止をしており、なので、その後に設置された原子力規制委員会の規制の在り方というのはちょっと過剰なんじゃないかというふうな見方もあると思いますが、もし可能な限り速やかに止まっている原発を再稼働しようとすると、どの程度の時間がかかって、そのために越えるべきハードルは何なんでしょうか。資源エネルギー庁と、規制委員会を管轄しておられる環境省からお答えいただければと思います。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。
原子力委員会といたしましては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえまして、IAEAや諸外国の規制基準も確認をしながら、さらに、我が国の自然条件の厳しさ等も勘案して新規制基準を作成をしたというところでございます。
この新規制基準では、例えば地震や津波といった自然ハザードについては、施設が立地する地域で想定されるものに十分耐えられることのほか、それでもなお一〇〇%の安全はないということで、万が一事故が発生しても対処できる設備等を要求しているところでございます。
このような要求に対して、原子力規制委員会としては、新規制基準に基づきまして厳正な審査を進めているところでございます。
一方で、効果的な審査を行う観点から、審査プロセスの改善につきまして、原子力規制委員会としても重要であるというふうに認識をしておりますので、事業者と改善点について意見交換を行いながら様々な取組を行っているところでございます。
審査プロセスの改善の具体的な取組といたしましては、審査チームからの指摘が事業者に正確に理解されていることを確認する場を設けて、必要に応じて文書化を行っている、また、時間を要しております地質等に関する調査、こういうものにつきましては、事業者の調査方針や実施内容をあらかじめ確認をした上で、早い段階から指摘を行う、また、審査項目ごとに事業者の資料準備状況や想定しているスケジュールを確認をするといった取組を進めているところでございます。
このような形で、現在、精力的に審査を進めているというところでございまして、具体的な時間につきましては、事業者等の関係もございますので、なかなかお答えをすることができないという状況ではございます。
以上でございます。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
原子力発電所の安全性につきましては、高い独立性を有する原子力規制委員会が新規制基準の適合審査を行っており、原子力規制の在り方について経済産業省から申し上げることは適切ではないと考えてございます。
また、原子力発電所の再稼働は、原子力規制委員会による審査や安全対策工事の進捗、地域の御理解の状況を踏まえるものでありまして、その見込みにつきましても、予断を持ってお答えすることもまた適切ではないと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
現状の制度の上ではそのような形になってくるかと思いますが、ここで大臣にお伺いしたいんですけれども、エネルギー安全保障というものは、食料安全保障と並んで、まさに国家の生命線であります。いざ、本当に石油の国家備蓄が危ないという状況が発生したときに備えて、仮に今停止中の原発であっても、可能な限り運転再開の手前のところまで準備を進めておいて、最悪のケースを想定して、有事や緊急事態には停止中の原発を速やかに再稼働できる準備をしておくということもしておいた方がいいのではないかと思いますが、これに関して大臣のお考えをお聞かせ願えればと思います。
○赤澤国務大臣 議員の問題意識はよく理解をするところでありますが、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験を風化させてはならない、反省と教訓を肝に銘じて原子力政策を進めていくことがエネルギー政策の原点となっております。事故の反省と教訓を踏まえ、規制と利用を分離するため、原子力規制委員会を設立し、安全対策が強化された新規制基準を策定しております。
原子力の利用に当たっては、安全性の確保と地域の御理解が大前提です。高い独立性を有する原子力規制委員会がこうした新規制基準に適合すると認めた場合のみ、地域の御理解を得ながら再稼働を進めるというのがこれまでの政府の一貫した方針であり、その上で、原子力はエネルギー安全保障の観点からも重要で、最大限活用していくという方針になっています。
ということで、御指摘のような措置は考えておりませんが、経済産業省としては、引き続き、早期再稼働に向けて、安全性の確保を大前提に、事業者間の協力を強化するよう産業界を指導してまいります。また、立地自治体など関係者の御理解と御協力を得られるよう、原子力の必要性などについて丁寧に説明を行ってまいりたいと思います。
○牧野委員 お答えありがとうございます。
やはり、一旦止まってしまった以上、地元の方々が再稼働に対してどう思うかということはとても重要ではありますが、やはり、イランの情勢というのが、まだまだ出口が見通せないという状況で、この先どうなっていくか分からない。足下で足りていても、いずれ、もしかしたら本気で逼迫するときが来るかもしれない。そのときに備えて、もしそうなったらどうするんだという、あくまで最悪の事態を想定して、きちんとエネルギー政策の準備というものを進めていただきたいというふうに考えております。
続きまして、南鳥島沖のレアアース泥の採掘と海洋資源開発について伺いたいと思います。
この南鳥島沖のレアアース泥の採掘につきまして、先日の総理訪米で日米共同開発にするような方針になったというふうな報道が一部ありまして、実用化された際の利益配分について心配するふうな国民の声も上がっていると承知していますが、現時点で交わされたMOC、覚書の中で、この海洋鉱物資源開発における日米間協力というのはどのような位置づけになっていますでしょうか。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
先月の日米首脳会談に合わせて、日米双方に利益のある形で海洋鉱物資源分野での二国間協力を前進させる、こういうことを目指しまして、赤澤経済産業大臣とラトニック商務長官、この間で海洋鉱物資源分野に関する協力覚書が署名をされたというところでございますが、本協力覚書における協力分野として、深海科学及び海底鉱物資源プロジェクト、例えばレアアース泥プロジェクト、また、マンガン団塊プロジェクト等につきまして、情報共有や協力の可能性の検討、それとともに、専門家、研究者、それから産業界との交流を進めていく、このようなことを盛り込んでいるのが、御指摘のあった南鳥島沖のレアアース泥に関する日米共同開発の検討については、覚書には記載されていないということでございます。
○牧野委員 お答えありがとうございます。
なので、今お答えいただいたように、このMOCの中身を実際に見ましても、具体的に、この南鳥島のレアアースに関して、共同で開発をするとか、あるいは利益配分がどうとかということは、現時点では決まっていないと承知しておりますので、ちょっとここは報道の方が先走ったり、国民の誤解が先走っているところがあるのかなと思いますが、昨年締結された八十兆円の対米投資イニシアチブに関しまして、初期投資の回収の後は、事業利益の九割をアメリカが受け取るということになっているはずです。
そこで、ちょっと大臣に伺いたいんですけれども、今はまだ、交流をどういうふうにやっていくかとか、アメリカが何に関心を持っているか、これから詰めていくという段階ですけれども、今後、日本のEEZの中で海洋鉱物資源開発をもし日米共同で行うとなった場合に、将来的に日本に主たる利益が残せるような方向で話を是非進めてほしいと考えていますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 まず、委員御指摘の五千五百億ドルの日米投資イニシアチブについて言うと、アメリカ側が、初期投資回収後と書いているのはそのとおりなんですが、事業利益の九割というのは、彼らが、例えば米国で工場を造るときに、連邦政府の土地を出します、だから、土地代がただとか、あるいは、エネルギー、水を供給いたします、あるいは、規制は全て迅速にやります、場合によって、プロジェクトで日本人が米国に来る場合は商務省がビザを出しますとか、ありとあらゆる現物出資みたいなことをやることが前提になっているので、これはおのずと、おっしゃっているような、南鳥島でプロジェクトをやる場合、そこに連邦政府の土地はありませんので、がらっと組み替えて、考え方は変えていかないといけないと思います。
ということで、私自身がラトニック商務長官と日米首脳会談に合わせて協力覚書に署名をいたしましたが、海洋鉱物資源開発は将来的な重要鉱物の安定供給確保に向けた大きな可能性を有している一方で、いまだ採掘技術の確立などを目的とする研究開発段階にあるものが非常に多いということであります。
そのため、御指摘のあった共同開発や、その際の利益配分などを議論する段階にちょっとまだないかなという気はいたしますが、いずれにしても、重要な御指摘でありますので、日米双方の利益となる形でプロジェクトが進展していくように、米国と議論を行ってまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
この分野に関しては、今後間違いなく一定の進展はあるものと思いますので、しっかりと協議を進めていただければと思います。
あわせまして、今、尖閣沖にあると言われている油田とガス田がある。この調査結果が出てから、中国の方がいきなり、あそこは元々中国のものだというふうに言い始めて、尖閣の周りにどんどん船を出してきたりとかということが起きているわけですけれども、こちらの、尖閣沖にあると言われている油田、ガス田、これの開発に関してはまだ今のところ技術的にめども立っていないと承知していますけれども、こちらこそ、日米共同開発にすることによって、中国からの不当な領土的介入を逆に抑止する効果もあるのではないかというふうに考えます。
これについては外務省も絡む難しい案件にはなると思いますが、大臣の立場として今どのようにここを見ていらっしゃるか、お答えいただければと思います。
○赤澤国務大臣 尖閣諸島は、ちょっと改めて我が国の立場を申し上げておくと、我が国固有の領土であることは国際法上も歴史的にも疑いのないところであり、現に我が国がこれを有効に支配しているということであります。
その上で、東シナ海の資源開発について申し上げれば、排他的経済水域及び大陸棚の境界がいまだ画定していない状況において、中国側が同海域において一方的な開発行為を引き続き進めていることは極めて遺憾ということであります。
今後の対応等については、中国側の対応を見極めながら、政府全体として戦略的観点から検討していきたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
ちょっとまだ、外務省も絡む案件ですし、境界が明確に画定していないという中で、本来でいえば、画定していないのであれば向こう側も手を出さないというのが筋だとは思いますが、出してしまうようなそういう状況ではありますので、そこはしっかりと日本の立場というものを国際社会で伝えていただければと思います。
あわせまして、政府は、GX投資及び国産エネルギー、これだけ石油の供給が逼迫するという中で、いかに国産のエネルギーを確保するか、とても重要なことだとは思いますが、その観点から、現在、浮体式洋上風力発電というのを進めようとされていると思いますが、これを行う場合に、海底地形の調査の情報が外資系企業を通じて流出してしまいますと、我が国は海洋国家ですから、その国防の要である潜水艦の運用に支障を来す可能性があり、安全保障上のリスクになると考えます。
海底地形の情報管理については、国家の責任で調査をまず行って、事業を行う国内法人に必要な情報の提供をするということになっていると認識していますが、この国内法人に対する主要な投資家に対して、更に外国勢力が後ろ側で関係していたりとか、あるいは、その人たちが更に外資に買収されるとか、これからまさに財務金融委員会で審議される外為法の改正とも絡む話になると思うんですけれども、どのようにしてこのリスク管理を行っていく考えなのか、御説明いただければと思います。
○赤澤国務大臣 一般論として申し上げれば、海底地形といった海洋データは、委員御指摘のとおり、潜水艦による海上作戦の基盤となるものです。我が国防衛の観点から、極めて重要なものであると認識をしております。
こうした観点も踏まえ、経済産業省及び国土交通省は、洋上風力発電の導入に向けて国が有する地盤調査といった情報を事業者に提供する際に、当該事業者が適切な事業者であるか審査するとともに、情報の目的外利用及び第三者への提供の禁止について誓約を求めております。
また、外国投資家による、洋上風力発電を含む発電事業を営む日本企業の株式取得や役員選任への同意といった一定の投資行為にあっては、外為法による事前届出が義務づけられており、我が国の安全の確保や公の秩序の維持といった観点から厳格な審査を実施することとなります。
引き続き、海洋データといった我が国の安全確保の観点で極めて重要な情報の取扱いに留意しつつ、洋上風力の導入に取り組んでまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうした情報管理を徹底していただいた上で、現在、メガソーラーとかあるいは風力発電は、FIT、固定価格買取り制を前提として開発されてきた歴史がありまして、それが再エネ賦課金という形で家計を圧迫しているということ。加えて、自然環境のため、CO2削減のためと言いながら、実際には山林をたくさん切って土砂崩れのリスクが上がったりとか、あるいは、一部には熊がたくさん町に下りてくる一つの原因になったというふうな側面もあるのではないかというふうに言われているなど、自然破壊を伴うといった矛盾も抱えております。
政府が掲げる目標では、二〇三〇年までに洋上風力で十ギガワット、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットを目指すと。そうしますと、二〇二四年末で五十三基、洋上風力の風車が現時点でありますけれども、先日、参院の方で櫻井議員が指摘したとおり、これが二千から三千基に増えるというふうな計算になってしまいます。
電力というのは、発電量と需要のバランス、この需給バランスがきちんと取れていないと周波数や電圧が安定せず、安心して産業用途に使える状況になりませんし、この需給バランスの急激な崩れによって北海道でいわゆるブラックアウト、全道に及ぶ大停電が生じたというふうな事例もございます。
特に風力というのは、風がいつ、どれぐらい吹くかというのは非常に安定しないものですから、この風力のような安定しない電源を三十から四十ギガワット、これほどまでに拡大するのであれば、反対側で火力や蓄電池などで迅速な需給バランスの調整が必要になってくると思いますが、この辺の技術的なめどというのは立っているんでしょうか。
○赤澤国務大臣 再生可能エネルギーを主力電源化していくためには、太陽光や風力の出力変動を補い、電力の需給バランスを一致させる調整力の役割を担う火力発電、揚水発電、蓄電池の重要性が増してくると認識をしております。
第七次エネルギー基本計画においても、再生可能エネルギーの導入拡大に合わせて、こうした調整力の確保を進めていく方針をお示ししているところです。
政府としては、容量市場や長期脱炭素電源オークションといった仕組みや、蓄電池導入補助金を通じて、事業者がこれらの維持整備に必要な投資を行える環境を整備し、必要な調整力が確保されるよう全力で取り組んでまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
これから蓄電池の技術というのも更に上がっていくとは思いますけれども、しっかりとそこを、風力に限らず、これから出てくるペロブスカイト太陽電池も含めて、電力の需給バランスの安定というのがきちっとできるように対策を取っていただければと思います。
この大規模洋上風力というのはコスト面に関してどういうふうなのかということを伺いたいんですけれども、これは、現状、今までのメガソーラーとか風力というものを、FIT、固定価格の買取りを前提としてスタートして、結果として再エネ賦課金という形で家計とか企業に負担を強いるというふうな状況になってしまっているわけですが、この大規模な洋上風力というのはスケールメリットによって再エネ賦課金を取らずとも独立採算が取れる見込みがあるのか。
そこに関して、もしFITで価格保証をしなければ採算が合わないようであれば、せっかく、今、メガソーラー開発に対して一定、規制強化をしようという流れが始まって、これによって再エネの賦課金が減少していくという見通しも示されている反対側で、今後も更に、もしこれからどんどん増やしていく洋上風力とかがまた再エネ賦課金を上げていくというふうな結果になってしまえば、更にまた家計や事業者の料金負担が重くなって、結果として、現在、日本がどんどん円安が進行して、世界的に見ても日本の人材も土地も非常に安いという状況になった結果、いわゆる世界から見て安い国となってしまっている状況ですから。
ただ、これは逆に言うと、国外にどんどん昔出ていってしまった生産拠点というのを日本国内に呼び戻すための一つのチャンスにもなるというふうに考えています。
ただし、出ていった生産拠点に帰ってきてもらうためには、安価で安定した電力がきちんとありますよという状況じゃないと、戻ってきた企業も安心して企業活動ができないという状況になりますので、安定という面は、先ほどの、バックアップのいろいろな、蓄電池とか揚水発電とかということと絡んできますけれども、安価であるということに関して、ここは、そういった賦課金がまた重くのしかかって、産業競争力をそぐ結果になってしまうのではないかと懸念していますが、大臣の御認識は現時点でいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 産業空洞化のかつて言われた流れから国内回帰の流れになっているというようなところをうまく捉えていかなきゃという問題意識は共有をいたしますし、あと、家計や事業者の料金負担について言えば、非常に重要な御指摘だと理解をいたします。
洋上風力は、海に囲まれた我が国において導入ポテンシャルが高い国産エネルギーであり、私どもは、再エネの主力電源化に向けた重要な柱だと思っています。
他方、現状では、我が国の洋上風力は黎明期にあり、洋上風力事業を着実に実現しつつ、低コスト化に向けた技術開発、あるいは企業への設備投資支援を通じた国内サプライチェーンの構築といった取組を進め、コスト低減を図っていこう、そういう方針でやろうとしているところであります。
洋上風力を含めた再エネについて、こうした技術の進展状況を踏まえ、国民負担の抑制を図りつつ導入拡大を進めるという観点から、支援の在り方について今後とも不断の検討を続けてまいりたいというふうに思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
そのコスト面に関しても、まだこれから、いろいろな研究開発とか規模の拡大によるコストダウン、それから、そこに対する支援を入れるという話もありましたし、先ほど、揚水発電であるとか蓄電池の技術によって電力の品質の安定を図るというお話もございましたが、この辺りの、いかにして安定して、かつ安価に電力を供給するかという技術的なめどが十分に立っていないまま、三十ギガワットとか四十ギガワットという目標を掲げるということは、ちょっと無責任なんじゃないかなというふうに思いますが、この目標の立て方について、大臣、どのように思っていらっしゃいますか。
○赤澤国務大臣 必ずしも御通告のなかった質問だと思いますが、私自身は、委員と問題意識をまず共有すると思うのは、エネルギーの確保はもう国家の生命線であるということだと思います。
そういう意味で、いろいろな諸条件ですね、我が国の国土とかいろいろなことも全部含めた上で、どういうエネルギーミックスがいいかということを、国内で真摯な議論、有識者の意見もかりながら行った結果、まとめられているものが第七次エネルギー基本計画ということで、それに基づいて二〇四〇年のエネルギーミックスを、これは再生可能エネルギーが三割から四割だったですかね、二割が原発で、五割が火力だったかと思いますけれども、そういった形でつくっていくという議論に今のところなっております。
それを実現していく上で必要な再生可能エネルギーを組み立てていくという考え方の下で、今委員が御指摘になった、ちょっと無責任かとおっしゃった数字が出てきているわけで、それなりの実現可能性があると、専門家の意見も聞きながら、英知を結集して議論した結果ではありますが、御指摘の点も念頭に置きながら、しっかり実現可能性というものを出していきたいというふうに思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
今後、ほかにもフュージョンとか次世代地熱とかも出てくると思いますので、その辺も含めて一緒に検討を進めていただければと思います。
ちょっと話が変わりまして、いわゆる取適法のお話に入りたいと思います。
この取引適正化法は、サプライチェーンの上流に位置する会社が下請企業に対して、様々な要因によるコスト増加を適正に価格転嫁できるように保護して、いわゆる下請いじめのような事態が起きることを防ぐ意図があるはずですけれども、これに関して、価格転嫁という観点から、消費税の相当額というものを売価に転嫁するということもこの法律の守備範囲かどうか、お答え願えればと思います。
○向井政府参考人 お答えいたします。
取適法の対象となる取引におきまして、委託事業者が製造委託等をした場合に、中小受託事業者の給付に対して支払うべき代金であるもの、これが製造委託代金ということで取適法上定義されておりますが、この中には、消費税、地方消費税も含まれるところでございます。その意味で、消費税も地方消費税も、適切に価格転嫁されるべき取適法の製造委託等代金の一部でございます。
○牧野委員 つまり、認識としては、消費税というものも売価の一部であるという認識で合っていますでしょうか。その認識が合っているかどうかだけ、お願いします。
○向井政府参考人 そのとおりでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
この消費税というものに関しまして、消費税は消費者が負担する間接税というふうなイメージが流れていますが、公正取引委員会が認めてくださったとおり、あくまで売価の一部として設定されているものでございまして、実質的には事業者の粗利益にかかる第二の法人税として、特に体力の弱い中小企業の経営を圧迫した上で、さらに賃上げを妨害するような側面があるというふうに我々参政党としては認識しております。
なので、私たちとしては、消費税というものを食品だけではなくて全ての品目できちんと下げることによって、いわゆる物価高対策という側面だけではなくて、中小企業支援そして賃上げ促進のためにこそ、それが最もいいんじゃないかと思っていますが、昨年、トランプ大統領が世界的に追加関税をかけることを宣言されて、赤澤大臣が何度も対米関税交渉に赴いていらっしゃいましたけれども、アメリカから見れば、この日本の消費税というものは、輸入物品に対して八%又は一〇%の税金を乗せて売っているわけですから、関税をかけられているのと同等の効果がある。
したがって、仮に全品目で消費税を減税ないし廃止することができれば、一定、対米関税交渉において関税交渉のカードにする余地もあるんじゃないかなというふうに考えていますが、実際にアメリカ側と何度も接触された赤澤大臣の現場の感覚として、消費減税というものが対米関税交渉のカードになり得ると思うかどうか、ここを、現場で得られた感触をお答えいただければと思います。
○赤澤国務大臣 御質問にお答えする前に、先ほど、第七次エネ基の数字でちょっと私が言い間違えたところがあるので。正しくは、原発二割に対して、再エネは四割から五割、火力が三割から四割です。再エネと火力を私ちょっと逆に申し上げたようでありまして、そこをちょっと間違えると大ごとですので、済みません。再エネで四割から五割を実現していく中で、委員が御指摘のあの目標が出てきているということです。
消費税ですが、昨年四月、当時の石破総理から御指示を受けて私が関税協議を担当することとなり、国益を懸けたぎりぎりのやり取りといいますか、やった結果、昨年七月、米国と合意に至りました。
ただ、その過程で消費税の話が出たことは実はありませんで、私自身、委員の御指摘は理解をいたしますが、我が国の消費税は国産品と輸入品に対して一律に課されるので、消費税を課していること自体が、それをやめたら急に輸入品の競争力が増すというような関係にはないということで、消費減税が対米貿易黒字の削減につながるものではありませんし、その辺は米側も理解しているんじゃないかと思います。そういうこともあって、米側閣僚から消費税について言及があったことは一度もありません。
我が国としては、昨年の日米間の関税に関する合意を着実に実施していく考えであり、また、米国に対しても、合意を着実に実施するよう引き続き求めて、いずれにしても、我が国が不利益を被ることのないようにしていきたいと思います。
○牧野委員 お答えありがとうございます。
国内の競争力等を含めて、輸出業者に対して還付金という形で補助が入っているというふうなアメリカ側の見方もあると思いますので、引き続きこの点は交渉をしっかり進めていっていただきたいと思います。
以上で、時間になりましたので、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄です。
本日が経済産業委員会での初めての質疑となります。このような機会をいただき、誠にありがとうございます。皆様におかれましても、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速入らせていただきます。
少子高齢化や労働人口の減少という構造的な課題を抱える日本では、しっかりと技術に投資をしていくことが必要条件となります。特に、技術革新がすさまじいスピードで進むことで生じる環境変化にいち早く対応していくこと、そして、日本の勝ち筋がある分野で、官民連携の下で大胆に投資していくことを一層進めなくてはならないと考えております。
本日は、その課題意識の下、フィジカルAIの社会実装、二〇四〇年就業構造推計について、そしてコンテンツ産業への投資の三点をテーマにお伺いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、フィジカルAIの社会実装についてお伺いをいたします。
大臣所信では、あらゆる産業分野におけるAIトランスフォーメーション、AXの重要性を述べられました。そして、日本の強みを生かして構築されるフィジカルAIがAXを進める上での鍵であるという見解があり、私たちもその認識を共有しております。
一方で、この分野は米中がリードしていることもあり、まだ勝ち目はあるものの、厳しい領域であるという危機感も同時に持っております。官民連携の下、大胆な投資が必要な領域でもございます。この厳しい競争をしっかりと戦うために何が必要なのかという観点から質問いたします。
まず、規制緩和の進め方についてです。
フィジカルAIを工場、物流、医療等の現場に展開するには、安全規制、労働規制など、複数省庁にまたがる規制の見直しが不可欠です。令和七年度の補正予算では、フィジカルAIの安全性ルール整備等が計上されているほか、取組が進められている認識を有しております。
ここで、お伺いをさせていただきます。
これから規制改革の検討をどのように進めていく見通しか、お聞かせください。よろしくお願いいたします。
○赤澤国務大臣 現在、成長戦略のAI・半導体分野において、フィジカルAI、特にAIロボットを主要な対象製品に選定をし、AIロボティクス産業を我が国の中核産業へ飛躍させることをまとめた官民投資ロードマップの策定を進めております。
官民投資ロードマップでは、AIロボットの開発や社会実装を加速するための諸課題の整理と、講ずるべき政策の方向性を明確化するため、AIロボティクス戦略を策定、公表したところでございます。
当該戦略においては、製造業、物流業、建設業といったような、委員御指摘の業界を所管する関係省庁と連携して、取り組むべき制度課題についても整理をしているところでございます。
具体的には、自律的に動くAIロボットと人との協働、接触を前提とする安全確保に関する規制でありますとか安全基準の整理の必要性といった内容を取り上げております。
こうした制度的課題とその取り組むべき方針を官民投資ロードマップにも反映させた上で、関係省庁とも連携をし、制度の見直しや運用改善を含めた対応を着実に進めてまいりたいと思います。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
この分野では、やはり機動的にどういった課題があるかを民間事業者の声も踏まえながらアップデートしていくことが重要かと考えておりますので、引き続きの対応をお願いしたいと思います。
続いて、データの活用について御質問をさせていただきます。
これまで、インターネット上の大量のテキストデータを学習し、あらゆる場面で活用されつつある生成AIについても、昨今では学習データの枯渇という問題が直面しつつある状況でございます。そして、その打ち手として約六割を占めるとされる企業データをどのように活用していくかということがポイントとされています。
実際、政府戦略の中では、製造業等の豊富な現場データが日本の強みと位置づける一方、ワーキンググループでは、AIレディー化されたデータの整備であるとか、業界横断のデータ連携が重要と指摘されています。実際、製造、物流の現場データは、企業間もさることながら、企業内にも点在しており、連携にはハードルがあると捉えています。
海外では、どのようにリアルデータを取得していくかということを課題意識とし、例えば、ロボット訓練用のデータ取得、あるいはその整理を目的とするサービスが出現しており、この分野の対応は急務と考えております。
ここで、お伺いをいたします。
企業がデータを出していくインセンティブ設計や、標準化を促す制度的枠組みの具体策をどのように考えているか、お伺いさせてください。特に、AIレディー化データの整備、データのインプットも含めてどのように進めていくか、お聞かせください。よろしくお願いいたします。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
フィジカルAI、これを日本の強みとしていくため、そして、日本が強みを持つ製造業等の現場データをAIに学習させてできるだけ早くAIを実装するためにも、製造現場などのそういった、日本が豊富に収得しているデータ、これを意味づけ、関係づけなどを行いながら、AIが理解しやすいデータとして整備していく、これが必要であります。
委員御指摘のとおり、これまで各企業はデータに関する連携については慎重であったわけですけれども、フィジカルAIの可能性が少しずつ理解されてきているなと思います。姿勢に変化の兆しも見られてきているところでありまして、今こそ、データを持つ企業にもメリットがある形でデータの取得、利活用を進めるユースケースづくりが重要になっているなというふうに考えています。
そういった観点から、経済産業省といたしましては、AI開発の支援プログラムにおいて、現場データの整備手法の確立や標準化、これを進めるとともに、今後、そういった手法を活用してデータセットを構築する、さらに、それをフィジカルAI開発を推進することに活用する、こういったような形で具体的なユースケースづくりに着手しています。
加えて、御指摘ありましたAIロボットにおいて世界的に先端的な競争が始まる中で、当該分野で勝ち残っていくためには、他国に先駆けていち早くAIを現場に実装し、ロボットの稼働データの収集、精製を行っていくことも重要であります。現在、一般社団法人AIロボット協会において、大規模なロボット動作データセットの構築を新たに進めています。
こうした取組を通じまして、フィジカルAIに必要なデータの取得、利活用、これを進めてまいりたいというふうに考えています。
○河合委員 御回答いただき、ありがとうございました。
引き続き、このデータセットをどうつくっていくかであるとか、そういったところのエコシステムをつくっていくことの重要性が非常に高いと思いますので、引き続きのお取組をお願いいたします。
続いては、国内の社会実装について御質問いたします。
マイクロソフトの調査では、日本の生成AI利用率は一九・一%で世界五十三位とされました。政府資料でも、この結果を受けつつ、AIの利活用において諸外国に比して劣後にあるという指摘もございました。フィジカルAIの本格展開を実現するためには、その前段として挙げられた製造業、物流、医療又は介護、建設といったいわゆる現場産業の中でIT化、DX化が先んじて進んでいく必要があると考えます。
特に、従前のロボット戦略においては、二〇一五年に定められたロボット新戦略や二〇一九年に定められたロボットによる社会変革推進計画等の下でロボットを導入する事業環境の整備に取り組まれてきたと認識しておりますが、ロボットの本格的な社会実装は期待されるほどは進まなかったという総括もございます。
さきに挙げた現場産業、いわば技術の実装先、需要先となる企業でのAXを進めるためには、まず現場でのDXなどの素地を整えることが急務となります。
ここで、お伺いいたします。
今回、フィジカルAIの実装先となる産業を強化するためにどのような取組を計画されているでしょうか。また、具体的な分野、領域での検討が進んでいれば御教示ください。お願いいたします。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、フィジカルAIの本格展開のためにも、そして、これは我が国の勝ち筋にも関係すると思うんですが、ビッグデータ掛けるAIの時代に、超高齢社会の災害大国だ、高齢者と災害のビッグデータはどこの国よりあるぞということがあります。あとは、世界にただ一つしかない、廃炉という、過酷環境の極致の現場もあります。あと、人手不足の製造現場といった、そういう意味では、ピンチをチャンスに変えて、課題先進国である我が国が社会課題を克服していくためにも、AIロボットの導入は極めて重要であると思っています。
フィジカルAIを活用したAIロボットの開発を加速化し、社会実装を着実に進めるため、市場規模、導入ニーズ、技術的な導入可能性を踏まえ、先行して導入を進めるべき分野を特定し、導入のボトルネックを解消した上で、重点的に導入支援することが重要だと思います。
先ほどの答弁で御紹介したAIロボティクス戦略では、AIロボットの導入を進める上で対応すべき市場課題、技術課題、制度課題について整理をしており、関係省庁と連携し、必要な支援策などの取組について引き続き検討を行うこととしています。
半ば繰り返しになりますが、課題先進国である我が国は、超高齢社会、災害対応、福島第一原発の廃炉、人手不足の製造現場といった様々な課題に取り組むべきでありまして、特に防災については私のライフワークなので、瓦れきの中から迅速かつ安全に生存者を見つけて助け出すロボットの開発とか、ああいったものも視野に入れながら、AIをしっかり活用していきたい。
災害大国とも言える我が国では、災害現場において蓄積されるデータ、災害対応ロボット等の技術基盤を生かして構築されるフィジカルAIは、他国には手にすることができない我が国の勝ち筋となり得るものであり、関係省庁とも連携して、フィジカルAIの具現化に向けた推進に努めてまいりたい。
一言で言えば、早くデータ基盤をつくって実装して、更にデータが集まって進化していく、こういうことを実現していきたいと思います。
○河合委員 ありがとうございます。
大臣より、課題先進国である日本という特徴も生かしながら、固有の、あるいはユニークな情報源も活用しながらしっかりと社会実装を進めていきたいというお話、しっかりと受け止めさせていただきました。やはりこういった領域は、特に課題先進国ということで、少子高齢化等の問題は世界各地でもいずれ直面する可能性が高いと考えられますので、後続する産業を育てる観点でも、しっかりと取組を期待したいところでございます。
そして、社会実装を進めていくためには、人材確保も重要なテーマだと考えています。実際に、ワーキンググループ等の中でも、半導体を設計できる人材であるとか今後のロボティクスを考えていきますと、VLAモデルの開発に従事できる人材の不足というところは非常に大きな課題だと指摘できるかと存じます。
ここで、お伺いさせていただきます。
世界的な人材競争の中で、国内の人材育成の展望をどのようにお持ちでしょうか。また、海外トップクラスのAI、半導体エンジニアを日本に呼び込むための具体的な施策をどのように整備していくお考えか、是非お聞かせください。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、半導体やAIに関連する人材が不足する見通しとなっております。このため、まず半導体に関しましては、各地域でコンソーシアムを既に設立し、地域の実情に応じた人材育成に取り組んでいるところです。
また、半導体の特に高度設計人材、こちらにつきましては、最先端半導体の研究開発、人材育成を行う技術研究組合最先端半導体技術センター、LSTCと言っていますけれども、こちらで取り組んでいます。
AIについては、突出した若手の人材を発掘、育成する事業、未踏と言っていますけれども、こういったものやAIモデル開発の取組支援などを通じた形でAI開発を進められる人材の育成を進めています。
文科省の方では、海外の優秀な若手研究者を国内大学に呼び込む取組も進めておりまして、例えばAI分野では、名古屋大学が一流ジャーナルにも掲載実績のある若手研究者を昨年招聘したという実績もございます。
さらに、外国人のエンジニアの方の受入れ促進につきまして、国家戦略特別区域における外国人エンジニア就労促進事業を活用しまして、自治体による雇用先企業の経営状況の確認などを要件とすることによりまして、適正な受入れを確保しつつ、在留資格、技術・人文知識・国際業務に係る在留資格認定証明書交付申請の迅速化及び審査期間の明確化、こちらを図っています。
今後も、こうした政策を通じまして、人材育成、確保、しっかり取組を進めてまいります。
○河合委員 御回答いただき、ありがとうございました。
まさに、この産業領域の立ち上がりというところにおいては、いかに迅速に人材を確保できるかというところが要諦かと思いますので、引き続きの取組を期待します。特に、海外にルーツのある友人とかに聞くと、やはり日本の住環境等を含めると非常に魅力的な環境である可能性はすごく高いと考えますので、こういった特区の仕組みなども活用しながらの人材確保が進んでいくことを期待しております。
続きまして、上記の問題意識に関連しながら、先日公表された二〇四〇年に向けた就業構造推計を基に、人材政策についてお伺いいたします。
本推計においては、二〇四〇年に十分な国内投資や産業構造の転換が実現する場合、人口減少により就労者数は減少するものの、AI、ロボット等の利活用やリスキリング等により労働需要が効率化されることで、大きな労働不足は生じないとされました。一方で、職種、学歴、地域間での需供のミスマッチが生じるリスクがあり、事務職や文系人材が余剰、AI、ロボット等利活用人材を含む専門職や現場人材、理系人材が不足するという可能性が示されました。
この推計は、今後の産業人材をめぐる戦略に大きな示唆を与えるものと捉えております。この推計を踏まえつつ、今後の人材政策についてお伺いいたします。
まず、生成AIの技術職への影響、いわゆるAI失業についてお伺いをいたします。
今回の推計は、職種コードを用いた需供ミスマッチの分析であり、その下でAI、ロボット等利活用人材が三百三十九万人不足するという結論が示されています。しかし、米国労働統計局のデータによれば、米国においては二〇二三年から二五年にかけてプログラマー、エンジニアの雇用が二七・五%減少したというデータもあります。これはいわゆるAI失業とも言われますが、こういった、生成AIが技術職の初中級業務を代替しつつあるという現状を今回の推計はどのように評価しているか、お聞かせください。お願いいたします。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。
本年三月に公表いたしました二〇四〇年の就業構造推計におきまして、生成AIなどの普及によって、プログラミングなどの業務が部分的に代替されると評価しているところでございます。
その一方で、同推計におきましては、様々な産業におきまして、AIやロボットに関する一定の知見を有しながら、現場での実装を担う人材が大幅に不足するということも示唆してございます。
これら示唆も踏まえながら、関係省庁とも連携しながら、AIの進展などを含む将来の産業構造の変化に合わせた産業人材育成を実施してまいります。
○河合委員 御回答ありがとうございました。
今回の推計においても一定の織り込みをされているということを理解いたしました。このスピード感、影響については、実際、推計の中でも生成AIにおける影響差分について幅が示されているように、非常に大きなものになる可能性があると認識しておりますので、引き続き注視していきたいと考えております。
続いて、本推計で不足が予想されている現場人材に関連しまして、いわゆるアドバンストエッセンシャルサービスについてお伺いをいたします。
今回の推計の中では、現場人材について、生産工程従事者、建設、採掘従事者、サービス職業従事者等の職種を想定されています。
これらの従事者に関連するテーマに、アドバンストエッセンシャルサービスという概念がございます。こちらは、骨太の方針でも示されておりますとおり、介護、物流、建設など不可欠な現場サービスにデジタル、AI技術を組み合わせて高度化した領域をアドバンストエッセンシャルサービスとして、将来の産業構造の鍵として位置づけられたものとなります。
私、実は以前の仕事で児童福祉の現場にITサービスを導入するという営業に従事をしておりました。日本全国いろいろな事業所をお伺いさせていただいたんですけれども、こういう技術を導入していく、テクノロジーを導入していくに当たりまして、支援のためならということで前向きにお取り組みになる方もたくさんいらっしゃる一方で、やはり、今ある業務を変えてまで導入する必要があるかというところに関して、なかなか必要性をお感じになることが難しい方もいたのも事実でございました。単に予算を確保していくだとか設備、物だけを入れるのではなくて、こういった従事者の方々に必要性を感じられるコミュニケーションも含めてつくっていくことが極めて重要であると肌感覚として感じております。
このテーマについて御質問をさせていただきます。
ここの不足が予想されている現場人材の一部はアドバンストエッセンシャルサービスに従事することになりますが、この育成というよりも、現職ないしは他職種で働いている方をリスキリングしていくための施策としてどのような取組を進めていくか、お聞かせください。
また、省力化投資促進プランの中では十二業種の生産性向上目標が掲げられており、その一つである介護、福祉分野も入っておりますけれども、この領域においては、公定価格の制約から、省力化で得られた効率化がそのまま売上げにつながりづらいという構造があると思いますので、なかなか自動的に賃金に反映されづらいという構造があると認識しております。この分野における省力化からの賃上げ、この連鎖をどのような施策で実現していくお考えか、お聞かせください。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省としましては、令和四年度補正予算より実施してございますリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を通じまして、在職者に対して、キャリア相談からリスキリング、転職までを一体的に支援しているところでございます。
また、職種の転換などの労働移動に向けたリスキリングの効果を高めるために、令和七年度補正予算におきまして、戦略分野などで求められるスキルの可視化にも取り組んでいるところでございます。
こうした取組を通じまして、在職者のリスキリング、労働移動を促進してまいりたいと考えてございます。
○林政府参考人 お答えします。
介護、障害福祉分野についての厚生労働省の取組をお答え申し上げます。
今後、介護などの需要が更に高まる一方で生産年齢人口が減っていく中、やはり介護、障害者分野における生産性の向上、これは大変重要な課題でございまして、御指摘のとおり、省力化投資プラン等に基づいて推進してまいります。
テクノロジーの活用をすることによってバックオフィス業務等が効率化される、こういったことによって職員が直接的なケアに当てる時間が増加するということが期待されますが、同時に、こうした省力化の取組は賃上げにもつながり得るものというふうに認識をしております。
こうした取組を推進するために、具体的には、介護分野では、令和六年度の報酬改定において、介護テクノロジーの導入や継続的な活用など、生産性向上に取り組む施設を評価する新たな加算制度を設けております。
また、介護、障害福祉分野で働く職員につきまして、他職種と遜色のない処遇改善に向けまして、令和九年度の定時の報酬改定を待たずに、令和八年度の報酬改定を実施することといたしております。この令和八年度の報酬改定では、将来にわたる持続的な賃上げが生産性向上等の取組の効果も含めて実現していく必要があるという認識の下、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象とした更なる上乗せ措置を設けたところであります。
今後、令和九年度の報酬改定に向けまして検討を進めていく中で、介護、障害福祉サービス事業者の経営状況等も把握した上で、物価や賃金の上昇等を適切に反映するための対応を実施していきます。
こうした取組や好事例の横展開を通じまして、介護、障害者福祉分野における省力化による賃上げを実現してまいります。
○河合委員 御回答を両名ありがとうございました。
問題意識を共有できていることと施策が進んでいることをしっかりと受け止めております。その上ででございますけれども、やはり、人口動態の変化であるとか、この分野における物価上昇局面において賃上げのスピードがどのように進むべきかということ、そして他業界と比べてもまだまだDXの進展も進んでいないという状況を踏まえた、一層の取組を期待したいと考えております。
続いて、過去の人材施策からの示唆についてお伺いいたします。
二〇一五年時点のIT人材不足予測を踏まえまして、二〇三〇年までに四十万から八十万人規模の人材不足が生じるという試算が出たことを踏まえて、二〇一八年にリスキル講座が実施されたと認識しております。また、デジタル田園都市国家構想総合戦略に基づき、二〇二二年度から二六年度末に向けてデジタル人材を二百三十万人育成する目標に沿って、マナビDXの公開やデジタルスキル標準の策定が進められていると認識しております。これらの産業人材育成は、デジタル人材輩出を目指したものとして、目先は違いますけれども、通底する問題意識があると捉えております。
ここで、お伺いさせていただきます。
これらの政策でどのような成果が上がり、現下の政策にどのような示唆を与えているのでしょうか。また、今後の人材育成施策においてKPIの設定や公表の予定があるか、お聞かせください。
○井幡政府参考人 お答えいたします。
現在、政府全体のデジタル人材育成につきましては、二〇二三年に改定されましたデジタル田園都市国家構想総合戦略、こちらに基づきまして、二〇二六年度までに二百三十万人のデジタル人材を育成する、こちらを目指しまして関係省庁が取組を推進しております。
例えば、経済産業省におきましては、委員から御紹介がございましたけれども、デジタル人材のスキル、能力の指針となりますデジタルスキル標準の策定でございますとか、情報処理技術者試験の運営、あるいは民間の学習コンテンツを一元的に提示するポータルサイトの整備、こういった施策を推進しているものと承知しております。
こうした関係省庁の取組を通じまして、二〇二四年度までの三年間で累計約百五十八万人のデジタル人材の育成を行うなど、政府全体の取組は着実に進んできているというところでございます。
引き続き、こうした現行の目標の達成に向けて取り組むとともに、各施策の実施状況を踏まえた課題の整理でございますとか、今後必要とされる人材の役割、スキルの調査研究などを行った上で、次の政府目標の検討に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○河合委員 御回答いただき、ありがとうございました。
本分野は比較的過去の施策の成果を次の取組に生かしやすいのではないかと考えられますので、一層の連携を期待しております。
続いて、地方部の中小企業への支援についてお伺いいたします。
所信演説の中で大臣は、地方を中堅・中小企業のAXの始まりの場所としていくと述べられました。一方で、今回の本推計の中では、地方部では現場人材も含めて大きく不足している見通しが示されました。人材不足の手当てもですけれども、やはり大幅な生産性の改善も期待されております。
ここで、大臣にお伺いをいたします。
大臣所信で述べられた地方の中堅・中小企業のAXに向けてどのようにお取り組みされるのか、是非お聞かせください。
○赤澤国務大臣 AIトランスフォーメーション、いわゆるAXの進展は、地域に根差し、現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業にとって、人手不足を乗り越え、大企業を一気に追い抜くリープフロッグのチャンスとなり得る。もっと分かりやすく言うと、余裕がないからとは限りませんけれども、ホワイトカラーを余り抱えていない分、大企業と違って、AIを導入したときの効果が物すごくでかいということだと思います。大企業ではホワイトカラーを代替するんですけれども、そもそもその気がないところに、中小企業の中にすぽんとAIが入れば、一気に生産性で大企業を追い抜くリープフロッグのチャンスがあるということだと思います。
そのため、経済産業省では、AXによる中堅・中小企業の生産性向上のための投資支援を行うとともに、今月より、全国四十七都道府県にあるよろず支援拠点に生産性向上支援センターを設置し、複数回・現場訪問型の徹底した伴走支援を実施しております。
また、中小企業のAXには、中小企業の抜本的な意識改革から取り組むことが重要であり、今後、AIの導入意欲のある中小企業とAIサービス提供者、支援者といったネットワークを地域ごとに構築してまいります。
これらの取組を通じて、地方の中堅・中小企業のAXを推進し、地方をAIトランスフォーメーションの始まりの場所にしていきたいと思っております。
○河合委員 大臣、御回答ありがとうございます。
大臣がおっしゃっていただいたように、従来と同じような業務であっても少ない人数で進めることができるようになることによる生産性向上ですとか利益性の向上というところが賃金向上にもつながる側面もございますし、一層の展開を期待しております。
最後に、このテーマでどのように不確実性と政策を折り合いをつけていくかという点についてお伺いいたします。
本推計の中でも、現時点でも不確実性があるが、生成AI、ロボット等の進展が加速すると仮定した場合、これらの人材の需要が更に増加する可能性があると指摘があります。
実際、先ほど紹介した二〇一五年時点での推計では二〇三〇年までに四十から八十万人の不足とされていましたが、二〇二六年の今では、二〇四〇年まで、時間軸は少し違いますけれども、元々四十、八十万人というところだったところが、三百三十九万人の不足というところで、この幅が拡大しております。このような状況を考えると、現行の二〇四〇年に向けた推計も同様に、また前提が変わってきたり、一種の陳腐化するリスクがあると考えております。
ここでお伺いです。
技術革新のスピードがどんどん加速している現在、それに労働の変化が激しくなっている現在において、今後の調査、推計の在り方や政策反映についてどうお考えでしょうか。例えば実施頻度や対象とする時間軸の長さなど、どうあるべきかについてお考えをお伺いさせてください。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の就業構造推計につきましては、経済産業政策新機軸部会でお示ししました、二〇四〇年に向けた経済、産業構造のシナリオ定量化を前提に、足下の生成AIの普及も加味して推計したものでございます。
本推計を踏まえまして、AIなどの進展を含む将来の産業構造の変化に合わせた産業人材育成につきまして、文部科学省や厚生労働省とも連携して取組を進めているところでございます。
現時点では、前提となる産業構造のシナリオや就業構造推計を見直すかは未定ではございますが、今後、生成AIなどの更なる普及による影響等も踏まえまして、将来的な見直しの必要性についても検討してまいりたいと考えてございます。
○河合委員 御回答いただき、ありがとうございました。
拙速な改定が必要とは考えませんけれども、状況状況に応じて定期的に見直しが入っていくことが必要と考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
では、最後に、コンテンツ産業についてお伺いをさせていただきます。
今回、日本の勝ち筋の一つとしてコンテンツ産業に注目し、先日、ものがたり大国五か年計画では、二〇三〇年までに日本発コンテンツの海外売上高二十兆円という意欲的な目標が掲げられたと認識しております。そして、実際、IP三六〇の補助金として多様なメニューが整備されたことを評価しております。
今回特に注目されているのは、補助上限十五億円の大規模作品の制作支援と認識しております。今回の目安といたしまして、ゲームでいえば二十億円以上、アニメ六億円、実写八億円以上となり、日本のコンテンツ産業の中では特に既に大規模な予算作品として当たっている作品群も支援のメニューに入ったと認識しています。
ここで、大臣にお伺いいたします。
これらの大規模作品の支援においては、どのような課題意識の下でどのような結果を期待しているのか、是非お聞かせください。
○赤澤国務大臣 我が国のコンテンツ産業は、これまで主に国内市場向けに作品を制作してまいりましたが、今後の更なる成長のためには、世界市場で収益を上げるビジネス構造への転換が不可欠と思います。
制作現場に関しては、国内市場向けとしては大規模な作品であっても、世界市場向け作品の制作規模として見ると中規模といったところであります。
国際競争が激化している中で、アニメや実写に加えて、ゲームも含めて世界的な大ヒットに向けて制作規模を大きくし、作品の高品質化に取り組む必要があります。
しかし、制作の大規模化や海外展開は高い不確実性を伴うことや、成果報酬率の低さなどを背景に、民間事業者のみでは十分な投資が困難となっています。
このため、新市場への進出や成果に応じた収益還元など、ビジネス構造の転換と一体として政府による大規模作品への制作支援を行うことで、挑戦的な投資を促進し、世界市場を獲得できる水準の作品制作、海外売上げの拡大、新たな作品への再投資という成長の好循環を実現していきたいと考えています。
○河合委員 大臣、御回答ありがとうございます。
非常に外貨をしっかりと売り上げるという観点で、大規模作品を世界に打って出るための取組と認識いたしました。
一方で、こういった作品を制作していくクリエーターをしっかりと育てていくエコシステムをつくるためには、中規模、小規模の作品群への支援もとても重要と考えられます。こういった中規模、小規模の作品群に対してどのような支援を想定されているか、取組をお聞かせください。特に小規模作品においては、これは実写の場合ですけれども、海外映画祭への出展を通して知名度ですとか実績、ネットワークを積み上げることが非常に監督、プロデューサーのキャリア形成において重要です。こういった、小規模から中規模につないでいく、ステージをつなぐための支援も含めて、是非お伺いできればと思います。
○江澤政府参考人 お答え申し上げます。
コンテンツ産業の国際競争力を強化するためには、中規模の作品から大規模の作品まで、裾野の広い創作活動が活発となり、クリエーターが段階的に成長できる環境整備が重要だと考えています。
このため、制作規模に応じた課題に対応した支援メニューを提供することで、中小規模から大規模に作り手の成長を促していくことが必要だと考えています。
具体的には、小規模作品については伴走支援と個人クリエーターを含むスタートアップの育成、中規模作品については脚本作成といったプリプロダクションを支援することで、新たなIPの創出を促していきたいと考えています。さらに、中小規模作品に共通しまして、国際映画祭の出展なども、御指摘のものも促進しています。
本年度は、カンヌ国際映画祭において日本がカントリー・オブ・オナーに選定されていまして、ジェトロを通じた会場確保や日本企業の出展を重点的に促進していきます。
これらの支援を通じて、中小規模の作品を手がける事業者がステップアップ、これを後押ししていきたいと考えております。
○河合委員 御回答いただき、ありがとうございました。
こういった作品群の支援や海外交流も含めた人材育成の支援も引き続き進めていただくことで、日本のコンテンツ産業を支える人材育成が進むことを期待しております。
以上で時間となりました。
コンテンツ産業も含めまして、そして冒頭に御質問したフィジカルAIも含めまして、日本の勝ち筋となり得る産業にしっかりと投資していくこと、我が党としても取り組みたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
お時間いただき、どうもありがとうございました。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。
昨年の十一月だったと思いますが、赤澤大臣の所信に対して質問をしたなというふうに、また所信の質問かというふうに思うんですけれども。
地元を回ると、今回の経産委員会でも何人もの委員さんから質問があった石油関係の、物が足りないと。自動車の板金をやっているところに先週伺ったら、やはり、ラッカーがないとか、あとは硬化剤といって塗料を固める、そういったものも入ってこない。中には、エンジンオイルを交換したいんだけれども、それも品薄、こういう話です。
私の記憶が間違っていなければ、四年ぐらい前だったと思うんですけれども、アドブルーって聞いたことありますか。(赤澤国務大臣「トラックですね」と呼ぶ)トラックのNOx、PMを軽減するために、アドブルーという、これは中国から入ってくるんですけれども、あのときも大騒ぎして、ないないないと始まって、じゃ、水でも入れておけばと言えば、まあ、水を入れただけでも走れるのは走れるんですね。ただ、環境基準をクリアできているかどうかは別に。
ですから、そういうものが、ふだんの、平時という言い方が合っているかは分かりませんけれども、何か起きると、入ってこないと品薄になって、みんな抱きかかえる。去年の米と同じだと思うんですよね、今年は石油の関係という形で。
あとは、先般も、何とかしてくれというふうに言ってきたのは、塗装業の方ですね。塗料が入ってこない。今申し上げたようにシンナー、ラッカーも入ってこない。今は水溶性の塗料が多くなってきてはいるんですけれども、やはり、作業性だとか速乾性というんですかね、早く乾くのだったら、水溶性を使うよりは、有機溶剤を使って溶かしてやった方が作業性は早いという形であります。
建設業の方からは、今度は逆に、幾つかの職種がありますから、職種の中で材料が入ってこない、今言ったように、塗装の仕事、例えばクロス屋さんで内側の仕上げをする、クロスを張るのでも、やはり溶剤を使ったり何なりしますから。それが入ってこないと、全部現場を止める話になっていくわけですね。
だから、ガソリンだとか灯油とか軽油だけの話じゃなくて、石油に関連する仕事に従事している人は、本当にもう来週から仕事に入れないかもしれない。こういった委員会で質問すれば、いや、全国的にはもう足りているんだから、目詰まりはしているけれども、じゃ、目詰まりをどう解消するのかというところまで、答弁はないんですね。
だから、情報はどんどん集めます、業界団体を介して、大臣の名前で、目詰まりを起こさないようにどんどん物を出してくださいというふうな話になるんですけれども、そこのところをどう考えるかというのが一つ。
それともう一つ。私たち日本は、元々エネルギーも資源もない国だと言って、加工貿易で御飯を食べてきた国だったんでしょう。それで、第一次とか第二次のオイルショックの危機を経験して、昭和四十年代、五十年代にあったと思うんです。それ以降も、石油の中東依存度がどんどん高まって、八割というときもあれば九割もという話になるんですけれども。
結局、ロシアとウクライナの戦争とか、今回のイラン、イラク、米国の戦争という形になって、物が入ってこない、価格が高騰する。こうなると、じゃ、どうしましょうかという話になるんですけれども、じゃ、この間、五十年間、何も考えないで中東依存で八割、九割を、原油を調達して、安かったんだからいいでしょうということで入れてきたことをどう考えるかということですね。
赤澤大臣の時代だけで何とかなるということではないと思うんですけれども、じゃ、日本として約五十年間、なぜそれに対応するような施策というんですかね、方針を打ち出してこなかったのか、まずそれをお尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 御通告と併せてもう一つ、今の目詰まりの話についても一言おっしゃったと思うので、その点からまず始めさせていただくと、繰り返し発信させていただいているように、我が国の全体としては必要な原油、石油製品は賄えている。備蓄をそれに応じてそうなるように、ちゃんと全体が足りるように備蓄を放出しますので、そこはそういうことなんですが、目詰まりについての声が大変多く上がっていることは、よく承知をしています。
その上で、具体的に問題を教えていただくと、実際、サプライチェーンを、本当に何層にもあるものを全部きちっと洗って、実際に、各省の職員が企業にまで足を運んだり、ヒアリングしたり、いろいろなことをやりながら、必ず目詰まりのある場所を突き止めて対応するようにしていますので、これはなかなか遅いとかいろいろな御批判はあると思うんですが、きちっといい方向に向かうように全力を挙げて取り組んでおりますし、必ず結果を出していきたいというふうに思っています。
その上で、今度は二番目の、五十年間何をしていたんだというお話でありますが、我が国は、一九八〇年代以降、発電分野で、LNG、原子力、再生可能エネルギーといった中東に依存しないエネルギーへの転換を推進をしてまいりました。自動車燃費の大幅な向上を始めとする省エネルギーの取組も強力に推進してきた結果、実は、原油の総輸入量は、ピーク時の一九七三年度と比較して、二〇二四年度は半減しています。だから、絶対量で見ると半分ぐらいしか原油に依存しない国にはなっているんですが、その上で、原油は今度は調達先の問題があります。
多角化でありますが、中東依存度は一九八七年度には六七・九%まで減少いたしましたが、原油生産国であるアジアの原油需要が増えてしまった。原油を取得するライバルが増えたこともありますし、あるいは、ロシアやイランから調達しようとすると、制裁発動で困難になった。中東以外の調達先の選択肢が限定された結果、現在に至るまで、中東依存度は高い水準で推移してしまっています。
また、日本国内の石油精製所の多くは、中東産原油が持つ性状に合わせた精製能力を持っているので、中東地域からの原油調達が高い水準で推移してきた原因だとも認識をしています。
原油の調達先の多角化は不可欠でありますので、民間事業者とも連携して、積極的な資源外交や、資源国における開発支援を始め、原油調達の多角化を進めるために必要な措置を、今後ともあらゆる選択肢を排除せずに検討してまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 今、エンジンも改良されたり、先ほど申し上げたように、アドブルーを使ったりしてNOx、PMを下げていくんですけれども、元々中東から買っている原油はサルバージュ、硫黄分がすごく多くて、それを、昔の基準でいくと、五〇〇ppmを国の基準として軽油を出していたんですね。それを使ってトラックを動かしたりするんですけれども、トラック自体は、今度は運輸省なり経産省から技術基準みたいなのがあって、それを使っていて、いつの間にかユーザーが、おまえが悪いんだという話になって大騒ぎしたんですけれども、何ということはない、今は五〇〇ppmの硫黄分を五〇ppmまで下げている。北海油田自身はそもそもサルバージュが少ない、硫黄分が少ないので、五〇ppmを基準にしている。だから、産油国によってやはり中の内容が全然違うんですよね。
だから、あとは、去年お聞きしたら、備蓄はトータルで二百四十日分、民間が六十日、政府が持っているのは百八十日。今回の、放出するといったら百五十四日。じゃ、民間を先に出して、その後政府から出していく。こういう話ですよね。
ナフサについては、国内で調達する、輸入するのを四〇%ぐらいずつ、残りはその他の方法ですから。国内で精製するのも四〇%。このナフサに関わるものが、今、石油製品と言われているものがやはり品薄になっている。海外から調達するものが入ってこなければ、もう四〇%しか国内で精製できていないわけだから。じゃ、それを五〇、六〇、七〇に上げていけば、海外から来ないものも日本で精製できるということですね。
だから、そういう仕組みを、危機管理というふうに言うんだったら、そこも、ただ目詰まりしているからやめてくれという話じゃなくて、その仕組みもやはりつくっていかないと。じゃ、二百五十日分の備蓄で足りるのかといったら、今回を契機にして三百にするとか、三百六十日、一年分は確保するとか。じゃ、民間の備蓄を、六十日じゃなくて八十日持ってください、百日持ってください、そういう仕組みをやはり考えていかないと、じゃ、この五十年間のものは何だったのと。
じゃ、例えば、コロナが収束しました。私の地元で、中国からコロナの不織布のマスク、使い捨てのやつです、幾らで入ってくるのとそこの社長に聞いたら、うちは二円五十銭で入ってきて、一円マージンを乗せて、三円五十銭でうちから外に出す。良心的な商売をされているんです。でも、あのときどうだったか。ないないないない始まったら、マスク一枚百円以上しているんですよ。喉元過ぎれば何とかで、もう誰もマスクの話はしない。じゃ、国内の依存度が上がったのかというと、誰もそれ自体をテーマにしない。
じゃ、また同じような感染症が起きて、マスク、マスク、マスクといったら、やはり海外に依存していたから入ってきません。いざ作りましょうといったら、誰も作る業者がいない。やはりそれはちょっと、危機管理だとか経済安全保障とかというのはちょっと違うんじゃないかなと私は思うんですね。
だから、今回を一つの教訓にするんだったら、ただ目詰まりを解消するだけじゃなくて、仕組みをもう一回根底から見直して、少し長期かかると思うんですけれども、そういう考えで体制の見直しをするお考えがあるか、お尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 委員の問題意識はよく理解をいたしますし、私どももそういう思いでやってきたつもりなんですが、その時々、必ずしも、油の調達とかは民間も絡むので、やはり価格といった点で中東が安いとなればちょっとそっちに流れてしまったり、それから、精製所がやはり中東の油の性状に合っているとかいろいろなことがあります。
ただ、どれもやはりこういう事態になってみると、委員の御指摘の意味だと思いますけれども、ちょっと言い訳にしか聞こえないので、ちゃんと危機管理をしろという意味で、一つ、時代の流れとして産業政策が大事な時代になったと思うんです、改めて。
企業は好きに活動していただくだけじゃなくて、こういう事態を考えて、多少高くても同志国から調達することを用意をしておけとか、そういうことも含めて、少しでも委員の御指摘を踏まえた対応になるように、今の脆弱なものから少しでも強靱なサプライチェーン、油ということだけじゃなくて、いろいろな製品についても、あるいはいろいろなサービスについても強靱性を追求をしていくようにしてまいりたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 十年ぐらい余り話題にならなかったんですけれども、ヘリウムガスという鉱物があります。鉱物というのか、ガスがあるんですけれども、当時、経産省からお話を聞いたら、八割アメリカから輸入しているんですね。それは、アメリカは国家戦略物資という位置づけで、それがなければ半導体だとか医療機器だとかが動かせないんです。これが高騰したんですね。でも、今ヘリウムガスを言う人はいない。
当時の経産省の担当の人が、アメリカの依存を下げるためにカタールでガスを採掘する、西アフリカとあとポーランドで商業ベースのヘリウムは採掘できるんだと。じゃ、アメリカがシェールガス、シェールオイルをどんどん取れるようになったんですけれども、そこの中にはヘリウムは入っていないんだそうです。原油の、元の、上の層のところにヘリウム、これは人間が作り出せないんですね。これも取りっこになるわけです。
でも、余り価格が上がり過ぎちゃうと、今度は使っているヘリウムを何らかの形で回収して、もう一回使い直そうという発想になってくるんです。そこはコストとの見合い。でも、物がなければ、もう仕事もできない、商売もできないというんだったら、コストが高くても一時的にはそれでしのぐという考え方でやらないと、なければ何もできない。そういう状況では、やはり危機管理、次の質問に入っていくときに、強い経済というふうに大臣はおっしゃるんですけれども、それはちょっと待ってください。
もう一つ、これも記事が出ていて、ちょうど小泉改革のときに、アルコールを三%添加したものを沖縄の方で実証実験をやりましょうといって、一年か二年やったんです。そのときの自動車メーカーさんが何を言ったかといったら、ガソリンにアルコールを入れると、水との親和性があるから、さびちゃうから三%が限界だとやっている。
私は、十八年前にブラジルに行く機会があったんですけれども、スタンドでトイレ休憩したんですね。そのときは県会議員だったので十五人ぐらいで視察に行ったんですけれども。そうしたら、ガソリンスタンドで、アルコール一〇〇%、アルコールとガソリンがミックスの五〇、五〇、あとはガソリン一〇〇%。車の中は、運転席の脇に切替えスイッチがあって、アルコールだけだったら一〇〇の方にすればいいし、フィフティー・フィフティーだったら真ん中、ガソリンだったらガソリンの方に切り替えるだけで、日本のメーカーの車とかヨーロッパの小型車の車が普通に走っているんです、ガソリンエンジンで。
何で、アルコール一〇〇%だったら水との親和性があるから、エンジンを傷めちゃうから駄目というのが、三%が限界と言いながら、今アメリカなんかでガソリンにバイオエタノールを混ぜたバイオ燃料で、Eの10とかEの20、一〇%添加する、二〇%添加するということなんですよね。これが既に商業ベースで流通しているというふうに聞くし、日本の自動車メーカーはもう既に車両対応しているというふうに聞くんですね。小泉内閣のときから比べれば、もう二十年以上たっていますから。
政府は、二〇二八年度を目途に沖縄にEの10を先行導入し、三〇年頃には全国展開を目指す方針と聞いています。もうやっているんですよね。
重要分野に力を入れるのも結構なんです、十七分野。その中に、資源、エネルギーの安全保障みたいな文章が一文入っていたんですけれども、もっと、今回のことも契機なんですが、エネルギーをどうやって国内で生み出していくかというところにやはり研究開発と先行投資をしていくべきだと思うんですね。
CNGが一時期はやったときもありました。LPGでトラックを動かした時代が昭和三十年から四十年代にあったんです。でも、今はほとんどLPGで走っているのはタクシー、あと一部の車ぐらいだというふうに私は思っているんですけれども、例えば究極の合成燃料やバイオ燃料の開発をやはりエネルギー政策の一環として経産省が強く打ち出していく、研究も含めてですね、増産体制もする、そういうことが私は経産省に今求められていると思うし、究極は、空気中にある二酸化炭素、これももう二十年か三十年ぐらい前に一つのブームがあったんですけれども、超臨界CO2という言い方をします。圧力をかけて液化させるんです、二酸化炭素を。それをいろいろなものに使えないかというのを大学を始めメーカーさんで研究したんですけれども、今それをやっている話はほとんど聞かないです。
だから、研究開発ってそういうことだと思うんですね。お金を出すからメーカーとか大学でやってくれと、出しているうちはいいんだけれども、出さなくなるとやらなくなっちゃう、それの繰り返しなんです。だから、必要だなと思ったら、エネルギーが大事だということであれば、経産省が責任を持って、二十年かかるか、三十年。
だって、高市総理、言っているじゃないですか、フュージョン、大事だ、核融合、大事だって。何年かかっているんですか、開発を始めて。四十年かかっているんですよ。三十年先には商業化できます、言ったら、あと三十年たったら商業化、もう十年たっているからあと二十年で商業化できる。じゃ、二十年たって、あとまた三十年ですといったら、都合九十年かかる。それだったら、CO2と水を使うなりで合成燃料を作るとか、だって、エネルギーがなくて困るというのはもう日本の置かれている現状ですから、そういったところにもやはり力を入れるべきだと思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 バイオ燃料や合成燃料といった持続可能燃料の活用は、脱炭素化のみならず、我が国の中東依存度の低減の観点からも極めて重要で、委員の御指摘、誠にごもっともだと思います。
バイオ燃料については、二〇三〇年度までに最大濃度一〇%、二〇四〇年度から最大濃度二〇%のバイオエタノール混合ガソリンの導入を目指すことを打ち出しており、二〇二八年度を目途に沖縄で先行導入を行うこととしております。
また、合成燃料については、二〇三〇年代前半までの商用化を目指し、国として技術開発支援や需要喚起といった取組を進めております。
今般の事態をまさに踏まえながら、こうした取組を通じて、引き続きエネルギー源の多角化を進めてまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 実験室のベースの中でいろいろ開発することはできるんだと思うんですけれども、それをある程度の経済ベースに広げていくのには規模が必要になってくるんですね。そのときにはやはり民間企業にどんどん入ってもらって、ある程度価格もないと採算が取れませんから、だから、よくリサイクルの世界でも、リサイクルしろ、リサイクルしろと国が旗を振ってやるんですけれども、バージンのものが世の中で回っているのにリサイクル品の方が高くなっちゃったら、お客様はこっちしか買わないということです。
だから、エネルギーも同じだと思います。高騰したから大変なのは分かるんですけれども、じゃ、それは、どういう手だてをしてその今の状況をしのいでいくかというのは必要なんですけれども、高くなるから技術開発が起きる可能性もあるし、それによって新しい材料が生まれる、新しい技術が生まれるということも現実。今までそれでずっと、日本は資源がないからということで知恵を出してきたんだと思うんですね。不断の努力が必要だと思っています。
それで、先ほど言いかけた、成長投資による強い経済の実現にというふうに大臣は所信で述べられているんですけれども、強い経済というのは、私たちはどういうことをイメージすればいいのか。今の日本は弱いのか、中くらいなのか、強いのか。そこのところが、弱いみたいなイメージなのか、じゃ、何をもって強いのか。そこのところのイメージをお聞かせいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 高市総理がおっしゃる危機管理投資、そして成長投資、加えて強い経済ということでありますが、問題意識の根底にあるのは、国内投資が圧倒的に足りていないというのが総理の問題意識であります。なので、官民の投資により、日本経済の供給力を強化したいということで、日本企業の稼ぐ力を高め、物価高を上回る賃上げにつなげることによって強い経済が実現をしていくという考え方だと思います。
加えて、私自身、防災をライフワークとする政治家でもあり、危機管理型でありますので、大規模災害、さらには、今日、委員と御議論させていただいている中東情勢など、国家レベルの危機が発生した場合においても、被害を最小化し、迅速に対応あるいは復旧できる強靱性のようなものも強い経済といったものの中には当然含まれているというふうに考えています。
○鈴木(義)委員 防災がライフワークだとよく大臣はおっしゃるんですけれども、例えば、十センチのコンクリートで道路を造りました、崖のところに十センチのコンクリートを造りました、地震が起きて崩れました、じゃ、復旧するのに、十センチで原状回復を、元々十センチだったから十センチでいいでしょうといって、財務省はそれしか予算を認めないんです。ということは、同じ地震が起きれば崩れるんです。だって、十センチで崩れるわけだから。
じゃ、それを十五センチにした方がいいのか、二十センチにした方がいいのか。その分予算がかかりますよ。でも、結局、見積りをして、積算していって、この金額でお願いできませんかというと、黙って一〇〇%は認めない、原状復帰でいいんだという考え方。
その考え方は変えないと、強靱化とかと言ったり防災に強い国土をつくるんだと言っても、それはやはりナンセンスだと思う。それが技術だと思うんですね。
そういう考え方で、予算を割いてでも、十五センチ、二十センチのコンクリートの厚みにして道路を造っていくぐらいな考え方をしないと、強靱化には私はならないと思うんです。そこのところをもう一回だけ、ちょっと。
○赤澤国務大臣 私もライフワークが防災で、国土強靱化等、かなり心血注いできておりますので、委員と問題意識を共有をいたします。
そういった中で、確かに、財務省がそういう原状復旧しか認めないという考え方を長らくかなり固いものとして持っていたのは事実なんですが、委員の御指摘などもあり、例えば農業分野でも同じところが、毎回水がつくと同じような被害が生じる、毎回同じ復旧工事をやっているというようなことは、やはりだんだん蓄積されてきているので、分野を限らず、今、ビルド・バック・ベターというか、次に災害、同じものが来たときのことを考えて今より強いものにしようという発想は、私の理解するところでは、じわじわと予算の中に取り込まれて、そういう考え方で今予算がつくようになってきていると思うので、そういう意味ではいい方向に動いてきていると思います。
そういう意味で、間違いなく、災害が一回生じたら、災害に限りません、今回の中東情勢もそうですけれども、同じような事態がまた生じたときに、前よりはうまく対応できるということを、当然、到達点といいますか、念頭に置いて予算づけもしておくべきだと思いますし、そういうものも含めて強い経済、強い国をつくっていきたいということを考えたいと思います。
○鈴木(義)委員 要するに、イニシャルコストとランニングコストの見方もあるんだと思うんですね。だから、それを何年使うのかという前提、例えば、去年、私の地元で、陥没事故でドライバーの人が亡くなったんですけれども、今でも被害に遭っている、悪臭だと言っておられる方で、一年以上も商売ができないところもあるんですね。
よく国交省の人に、じゃ、下水道管を敷設するのに何年もつと思って敷設したんですかと、この間もレクがあったものですから、それを尋ね返したんですけれども、五十年。
だから、じゃ、この建物が何年もつと思ってこの分館を造ったのかということです。八十年なのか、七十年なのか、百年なのか。そうすると、百年もつとしてこれを建てたんだったら、十年で何のメンテナンス、二十年で何のメンテナンス、五十年で何のメンテナンスをしなくちゃいけないのかというのは予測がつくわけじゃないですか。また、それをやるかやらないか、予算があるかないか。それと同じようなことが、やはりところどころで、日本全国、起きているような気がするんですね。
だから、今の、強靱化をするとか強い経済をつくっていくといったときに、やはり今までの仕組みとか今までの価値観とかを変えていかないと強い経済にはなっていかない。人口減少に入っていながら、AIだとかロボットで代替すれば強い経済ができるのかといったときに、やはりラーメン屋さんに行ったときはおいしいラーメンを食べたいですよね。飲食店というのはそういうことですよ。やはりおいしくなければお客さんは来てくれない。
いろいろな業種、業態でも、求められるものというのが第一番に何が来るかということで強い経済というのが私は生まれてくるような気がするんですけれども、時間がないので、もう一点、次に行きます。
じゃ、もう一点、これは所管外だというふうに思われるかもしれませんけれども、アベノミクスを始めとする二〇〇〇年代以降の経済産業政策はうまくいったと考えるのか、帰結と評価について、まず大臣にお尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 これについては政府の公式見解があったかどうかでありますが、特に経済財政担当ではありませんので、おっしゃるように所管外だと思うんですけれども、私の理解は、アベノミクスには一定の成果があったと思っています。
産業空洞化を極端に招くような円高ということが例えばあった、あるいは株価も低迷していた、そういったものから脱して、今では、そういう意味で、国内回帰というような状況も生まれてきていますし、そしてまた株価も上がっている、企業収益も史上空前というようなことが起きていますので、一定の成果はあったと評価できると思います。
その上で申し上げれば、過去の経済産業政策を振り返ると、アベノミクスに限らず、政治、行政は経済に余り口を出すべきではない、基本的に市場に任せるべきだという新自由主義的な考え方が主流だったと思うんですね。
そんな中、長引くデフレの中で、企業による成長投資が抑制され、雇用を維持する代わりにコストカット型で賃金も低く抑え、消費も低迷というようなことが続いてきた。政府としても、民間主導という考えの下、民間企業の活動の制約を取り除く市場環境整備政策中心でやってきた。成長投資の促進や賃上げに向けた取組が、結果として不十分になっているということだと思います。
今や、こういう中東情勢もありますし、トランプ関税もあるわけですが、世界的に産業政策の時代となって、こういうことがあるんだったら、多少価格が高くても、同志国からいろいろなものを調達するようにしておかなきゃとか、そういうことは国がかなり音頭を取って、企業にも理解をいただかないと進まない話だと思うので、やはり産業政策が重大な時代になっていると思います。
そんな中、高市内閣における成長戦略の肝である危機管理投資、成長投資を進め、企業の成長投資を強力に引き出していくとともに、中堅・中小企業の稼ぐ力の強化と物価上昇に負けない賃上げを実現するという好循環の実現に取り組んでまいりたいと思っております。
○鈴木(義)委員 思い返すと、今、TPP11をCPTPPという言い方に変えていますよね、アメリカが離脱して。関税をなくせば、経済が活性化して物が行き交いするんだから、成長につながっていくだろうというふうにやって、アメリカが離脱した後、十一か国で協定を結んだんですけれども。
例えば、日本からASEANの国に輸出をしていました。ASEANの国から日本に輸入するものが、十年前かもうちょっと前は圧倒的に日本の方が多かったんです。今どうしているといったら、ASEANから日本に入ってくる輸入と日本から出ていく輸出でいくと、もう逆転しちゃっているんです。日本から買ってもらうものが、向こうから来るものの方が多くなっちゃっている。
自国の産業を守るんだというふうになったときに、じゃ、今まで、新自由主義の考え方で、フラットな経済状況をつくっていけばみんなラッキーでしたよねという考え方で世界的に動いてきたのに、アメリカを始め、関税をかけても自国の産業を守るんだと。まあ、赤澤大臣も一生懸命交渉されたと思うんですけれども、何ということはない、じゃ、自分の国に工場を造るから八十兆円も投資しろとか、今回も行かれて、十兆円だとか十一兆円、工場を建てて、雇用を増やしてくれ、関税があるから。
じゃ、日本も同じように、今までは関税を撤廃する方向でやった方が経済が活性化するという考え方で、ここのところで、アメリカの考え方。じゃ、日本も同じように、自国の産業を守ろうとして関税をもう一回復活させるような考え方はあるのかないのか。そういう時代の転換点にも来ているのかなというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 大変重要な問題提起だと思います。
その上で、考えていることは、まず、トランプ大統領とお話ししていて思うことですけれども、新自由主義ですね、一番、世界中で原材料を安いところで買って、人件費の安いところで組み立てて、世界一の市場、アメリカで売りまくるということを、経済界では自由にやって、それをよしとしてきた。それをやると、摩擦がなくなるので、世界的に金利も下がるし、みんなハッピーになって戦争なんか起きないはずだみたいな、ユーフォリア的な感覚が新自由主義の主流のときにあったように思います。
ただ、それが結局、じゃ、どうなったかというと、少なくとも、経済的威圧とか、そういうことをやる特定国が今出てきて、それを本当にこのまま自由にやらせておいていいのかという感覚がすごく強く出てきていますね。
そういう中でありますので、一つは、私は、特定国にレアアースから何から依存している今の状態はいいのかと問われれば、それはよろしくないから、先ほどお話のあった五千五百億ドル、日本が協力をするので、アメリカも現物出資を持ち寄って、特定の国の、ある意味、あれを許さない、我々として経済安全保障をしっかり固めよう、特別なパートナーとしてやっていこうという流れは大事にしなきゃいけないと思っています。
覇権国がやはり、関税も含めて、経済秩序を変えようとしているので、我が国としてはそれに呼応すると。特に、世界最大の国であり同盟国でもありますので、それは重要なんですけれども、一方で、自由貿易と法の支配というのは、まさに、我が国がそれで発展をしてきた、よって立つ根拠みたいなところなので、CPTPPみたいなものも当然今後やっていきたいということなので。
今の委員の御指摘は、直ちにまた我が国が関税を課したりするのかという話ですが、米国がやろうとしていることについては、理解をした上でしっかりおつき合いするんですけれども、一方で、我々、これまでやってきた法の支配とそれから自由貿易といった価値を非常に大事にして、FOIPとかああいうものも続けながら、ちょっと、ハイブリッドと言うと御理解いただけるかですけれども、そういう通商政策を目指していきたいというのが現時点の考え方でございます。
○鈴木(義)委員 過去の経産委員会でも質問したときに使ったんですけれども、オーストラリアで、当時、十年ぐらい前だったと思います、五百ccのペットボトルのコカ・コーラが、コンビニで四百五十円で売っている。日本では百三十円か百四十円ぐらいの時代。物価が三倍なんです。
じゃ、日本よりも豊かさを享受できているのかといったときに、賃金も高いけれども、物価も高い。じゃ、日本は、今どんどんどんどんインフレで物価が上がっていっちゃうんですけれども、賃金が追いついている企業さんなり業種もあるけれども、そうじゃない人はどんどん苦しくなってくる。ここのギャップをどうやって埋めるかという、いろいろな意見が出ているんだと思うんですね。
だから、最終的には、自国の民が何をやって食べていけばいいのかというところに、私は、国会議員である私もそのうちの一人ですけれども、それが一番だと思うんですね。どうやって御飯を食べていけばいいのか。それはやはり、ほかの国を助けるとか助けないとかという以前に、自国の民をどうやって路頭に迷わすことなく御飯を食べていくかというのが一番私は大事なことだと思うんですね。行儀よくやらなくちゃいけないところはやればいいんですけれども、自由貿易を阻害する、否定するものじゃないんです。でも、関税は、ゼロにすれば自由貿易でいいんですかという話。
あと、為替が出てきますよ。バブルのときには二百四十円だった一ドルが、一番高いときで七十五円まで行きました。じゃ、これは何を言っているのか。ほかから入ってくるのは三分の一の価格です。日本から輸出して出そうとすると三倍の値段になってしまう。これが為替の世界でもありますよね。
だから、それに対抗するために、関税をかけるかけないも含めて、やはり自分たちで自分たちの自国の産業を守ろうとすれば、アイテムの一つとして放棄する必要は私はないと思うんです。だって、為替は介入しちゃいけないとかいいとかってよく言うじゃないですか。じゃ、関税は全部ゼロにしたら、何で戦っていくんですか、これから。コストがどんどんどんどん上がっていく中で、外国のお客様に、日本のものはいいよねというふうに言われたら、やはりそれで買ってもらう。売ってくれと言えば高く物を買ってくれる、買ってくれと言えば十分の一になっちゃうかもしれない。商売ってそういうものだと私は思っているんですね。
いいものをつくってお客様に買ってもらうということが大事だと思いますので、最後にそこのところ、もう一回、御答弁いただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 先ほどの私の答弁はちょっと誤解を招くあれだったかもしれませんが、当然、我が国は、一定のいろいろな分野がありますけれども、関税を課して自国産業を保護しているところは当然あります。
そことの関係でいえば、WTOの体制になって、基本的に、自由貿易、関税撤廃の方が望ましいという考え方の下に、一度約束した関税のレベルは勝手に上げないよみたいなことは、ほぼ国際約束になっているようなところもあり、そしてまた、二国間でそれを下げることはやるけれども、一度下げたらもう上げないよみたいなところがあって。
なので、委員の御指摘のことはよく分かるところで、当然、守らなきゃならない国内産業があり、それを守るための関税というのが現にあり、それをいたずらに何か撤廃して、自由貿易を追求して、国内の産業に迷惑をかけようとは思ってはいないのですが、そういった国際ルールがありますので、なかなか、関税を武器にして、今の水準を上げて、また今以上に例えば守ろうみたいなことについては、かなり国際約束とか、あるいは自由貿易と法の支配といった我々がよって立つ根拠に照らすと難しい側面があるということを申し上げたものでありまして、委員と問題意識は同じで、しっかり自国産業は守りながら外国との貿易もうまく発展をさせて、結果においては、国民が豊かに暮らせる強い国を目指していくということを考えている次第でございます。
○鈴木(義)委員 もう時間がないので一点だけ。私は、過去にもAIについては何回も質問に立たせてもらったんですけれども、この中で一番気をつけなくちゃいけないなと思うのは、幾つかのテーマがあるんですけれども、AIの自律的な判断の是非を人間がどう判断するかということなんです。
AIをどんどん入れていってツールの一つとして使っていくのはいいんですけれども、AIが自律的に判断を下したことに関して人間がそれを許容するのか拒絶するのか、それをある程度の分野の中でやはりルール化した方がいいだろうという考え方、はしょって言えばですね。いろいろな課題はあるんですけれども、答えを出されたときに、その答えを人間が許容できるかどうか。
だから、それをやはり、少し専門家も含めて討議をして、少し規律というんですかね、ルールを作っていった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣のお考えを。
○赤澤国務大臣 これも大変重要な論点だと思います。
私は我が党のことしかちょっと分からないところがあるので、例えば自民党であれば、デジタル社会推進本部というところがあり、そこに世界中からAI関係の有識者などを呼び、規制についても議論をし、どういう方向がいいかを議論していると思います。
そんな中、やはり先生とも共通認識を持てるんじゃないかと思うのは、少なくとも、AI、今、ビッグデータ掛けるAIで、AIが自分で考えるというよりは、やはりビッグデータを使ってということなので、そのデータに偏りがないものにする、しかも、我が国が誇る日本の、日本語の文化とか、そういうものが全部きちっと反映されたものにする、そういうことはしっかりやっていきたいという考え方が主流だと思いますし、その上で、最終的な判断は、AIに任せず、我々人間がやるというところも確保していかなきゃいけないというのは大きな流れになっていると思います。
それについても、私が決めることではないので、各党において熱心な議論が交わされると思いますし、それをもって国会でいろいろ御議論をいただいて、今後とも御指導を賜りたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりでございます。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
まずは、我が国の中東情勢を受けた石油供給体制についてやはり伺っていきたいと思っております。
本当に石油供給体制が大丈夫なのかというところをもう一度伺いたいんですけれども、例えば、ナフサは四か月大丈夫とか、ガソリンは年明けまで見通しがついたといったお声もありまして、非常に安心するところではありますが、当然、パニックになってもいけませんし、あおってもいけないとは思っておりますが、どういう想定をして、どういう試算をして、ここからこういう量があって、だから大丈夫なんだ、足りているんだという、その積み上げた試算というのを教えていただければと思います。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、原油や石油製品については、代替調達や備蓄石油の放出によりまして、日本全体として必要な量、これは確保できているところでございます。
その中で、ナフサについてまずお答えをしたいと思いますけれども、これは、川中製品の在庫の活用ですとか国内での精製、これと合わせまして、少なくとも化学品全体の国内需要四か月分を確保できておりまして、日本全体として必要となる量を確保しているということ、さらに、中東以外からのナフサ輸入量の増加ということによりまして、川中製品の在庫、これを使用していく期間を半年以上に延ばすことが可能となっているわけですけれども、こうしたナフサに関する需給の見通しにつきましては、石油化学メーカーを始めとする関係企業のヒアリングなど、関係するデータを総合いたしまして、また、これを分析したり勘案したりすることにより算出をして、以上のようなことを申し上げている次第でございます。
○和久田政府参考人 お答えを申し上げます。
原油についてお答え申し上げます。
需給の見通しでございますけれども、まず、需要面につきましては、これは資源エネルギー庁による統計がございます。それから、最新の石油製品の需要見通しに基づきまして需要を算出をしてございます。供給面につきましては、これは、民間企業が米国や中東から代替調達する予定の量を考慮いたしまして、その上でその他を備蓄放出で補うと仮定をして供給可能な期間を試算をしてございます。それを踏まえまして、年を越えて石油の供給を確保できるめどがついたということでございます。
○丹野委員 今、大臣も手を挙げていただきましたので、もし大臣もありましたらお願いします。
○赤澤国務大臣 いろいろ役所に聞くと難しいことを言うんですけれども、割とシンプルに言えば、例えば、昨年どれだけの量をナフサであれば国内で使ったかとか、それから、原油であれば、石油製品も含めて、原油に換算してどれぐらいの量を使ったかというものが統計上あるわけですよね。それに対して、どうやって調達しているかというと、大体、輸入をしてくる、あるいは国内にため込んでいるというか備蓄をしているということがあります。
結局、毎年輸入できる量と必要な量を比べて、足りていればそれで終わるんですけれども、今回、輸入がホルムズ海峡経由のものがなくなってしまったということがあるので、そこを備蓄でどれだけ補えるかといったようなことを我々が持っているそれぞれの数字を使って計算をしているということでありまして、それをやると、いろいろな見方がありますけれども、八か月分と申し上げていた備蓄量、これはナフサとかを除いて燃料としてなので、ナフサも含めると実際は六か月分ぐらいになると思いますが、備蓄だけで賄える量はあったけれども、幸いなことに、ホルムズ海峡を通らなくても、ほかのところを通ったり、ほかの国から調達できる、あるいは、代替調達といいますけれども、かなり順調にできたので、その代替調達分を勘案すると、初回、備蓄について言うと、民間十五日、国三十日で合わせて四十五日分の備蓄を放出をして対応していたものでありますが、代替調達、これがかなり順調に進んだので、今回はそれをぐっと抑えて、二十日分放出をすることで当面必要な量は賄えるということになった。そういう代替調達が順調に進んでいるので、放出を二十日分ぐらいずつやっていくということでいくと、最終的には年は越せるという見通しが立ちましたということが現在申し上げていることであります。
ちょっと上手な説明になっているかどうかでありますが、以上です。
○丹野委員 とても分かりやすい説明を、大臣、ありがとうございました。
少し安心しました。そういう需給バランスをしっかり当然ながら計算した上で、大丈夫という見通しなわけですけれども。
先日、愛知県豊田、みよしなんですけれども、地元のイチゴ農家さんのところにお邪魔したんですね。そのイチゴ農園の方が、若い御夫妻で一生懸命頑張っていらっしゃるんです。イチゴも、摘み取る作業のときに中腰になって、傷つけないように一つ一つもぎ取るとか、すごく広大な量を御夫妻二人でやっているとか、もう本当に頑張っていらっしゃるというお姿、お話を伺いました。
そのときに御主人がおっしゃったのが、イチゴの商品をスーパーに並べるときに、薄くフィルムがかかっていますよね。あのフィルムが、今のところ足りてはいるんだけれども、やはり価格が上がると。業者から四割上がると言われたというんですね。非常にやはり、四割かというところで、厳しく思ったそうです。
同じように、医療業界にお勤めの方も、足りているんだけれども、次回からはかなり高くなるよとか、しっかり使うようにと。しっかり使うようにといっても、医療用品は衛生用品ですので、どうしても使い捨てということになりますけれども。
なので、皆さん、それぞれ本当に現場で頑張っていらっしゃって、少しでも利益を上げようということでやっていらっしゃるんですけれども、やはり、こういうコストが上がっていくと、足りてはいても、その頑張りが吹き飛んでしまうということがあります。なので、こういう経済面においての影響をどのように対応されるのか、教えてください。
○赤澤国務大臣 私も二十年間欠かさず農林族でありますので、農家のお話をされると本当に身につまされるところがあって、大事なお話だと思います。
足下の原油価格高騰を踏まえて、まず、一番皆さんが使われるだろうと思うところ、国民生活と経済活動を守るために、三月の十九日から緊急的な激変緩和措置を開始をし、ガソリンの全国平均小売価格は、補助開始前の三月十六日に百九十・八円に急騰し、ほっておけば二百円を超えていくだろうというときに、全国平均三週連続で値下がりとなり、百七十円程度の水準を維持しているところです。
そういった努力は当然続けるわけでありますが、なお、それに加えて、今おっしゃったようなイチゴの透明なフィルムですね、おいしく見せるために大事だと思いますが、影響を受ける中小企業、小規模事業者の皆様への支援として、全国約千か所の特別相談窓口を設置するとともに、日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付けにおける金利の引下げですとか、あるいは官民金融機関に対するきめ細かな資金繰り支援の徹底への配慮の要請とか、あと、約千八百の業界団体及び各省庁、地方自治体に対する適切な価格転嫁への配慮要請を行っています。なかなか、フィルムが四割高くなって、そのままイチゴの価格に転嫁というのは難しいんでしょうけれども、それでも少しでも価格転嫁できるように、配慮要請をしているということであります。
引き続き、中東情勢が日本経済に及ぼす影響についても注視しながら、国民の皆様の命、そして暮らしを守るために、全力で対応してまいりたいと思います。
○丹野委員 ありがとうございます。
最後に、当然これはトランプ大統領自体も分からないのかなと思うんですけれども、これが想定を超えて長期化した場合に、年内とか年明けとか、大丈夫という今お話がありましたけれども、それを超えて長期化してしまった場合に、第二段階ですとか第三段階、そういったものをどのように想定されているのか、教えてください。
○赤澤国務大臣 中東情勢について、先行きを見通すことは極めて困難だと思います。トランプ大統領の発信を見ていても、イランの対応を見ていても、一瞬、合意ができて停戦協議に入ったのでちょっと明るくなったんですが、合意できなかったというようなことで、なお交渉は続いているという情報もありますが、どうなるか分からないといったのが率直なところです。
そういうことでありますので、先ほどから申し上げているとおり、我が国においては必要な原油の量は現在確保できている、目詰まりの解消は全力でやってまいります。また、価格高騰についてもできる対応をしてまいるというのは申し上げたとおりでありますが、さらに、年を越せる、一月末とかそれぐらいまで、原油の量、必要な量を国内でしっかり確保して、備蓄の放出も含めて提供していける、供給できるということは見通しが立っておりますけれども、更にそれを少しでも延ばすために、代替調達を更に努力を重ねるということを民間の皆様と力を合わせてやっているところでありますし、少しでも長く見通しが立つように、しっかり対応してまいりたいというふうに思います。
○丹野委員 ありがとうございます。
目先の供給体制について伺ってまいりましたけれども、そもそもなんですけれども、皆さん御指摘のとおり、日本のエネルギー供給体制の自給率を上げることがやはり重要と思っております。
エネルギー自給率を高める取組という質問になりますと、いつもその答えとして、例えば、再エネを導入していくのを拡大していくとか、安全を確保した原子力を最大限活用していくといったお答えになっていくわけですけれども、これは、それぞれを倍にしてもまだ足りないという状況もありますし、それぞれ課題もやはり存在しています。
例えば再エネは、この後質問にもなりますけれども、送電線といいますか、系統整備の問題も当然ございます。
原子力については、これも地元でいろいろなお話を伺うんですけれども、原子力の安全というところでいうと、イデオロギーを含めてどこまでが安全なのかとか、いろいろ意見が分かれるところがあって、なかなか平行線のままであるんですけれども、どんな立場の人も共通する認識というのは、トイレの問題というか、原子力のごみの問題においてはやはり皆さん共通の課題を持っていらっしゃって、そこも非常に問題であると。
火力については、とても電力を安定供給するために縁の下の力持ちになって物すごく頑張ってくれているんだけれども、脱炭素という文脈でいくと非常に悪者になっているというところがあって。
それぞれのプレーヤーがやはり一長一短ある、課題もあるという状況の中で、こういう難しい課題をいかに解決していきながら将来的に脱炭素電源の最大活用化というのを取り組んでいくのか、教えてください。
○赤澤国務大臣 政府としては、第七次エネルギー基本計画において、エネルギー安定供給や二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素電源を最大限活用していく方針を示しているところでございます。
委員がいろいろおっしゃったので、その種類によってお話ししようと思いますが、再生可能エネルギーについては、地域との共生と国民負担の抑制を図りながら導入拡大を進めるとともに、地域間連系線の整備や地内基幹系統等の増強を着実に進めてまいりたいと思います。
また、原子力については、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると判断した原子力発電所の再稼働の加速ということで、安全が大前提であるということであります。それと地域の理解が必要。次世代革新炉の早期実装に加えて、核燃料サイクルや最終処分といったバックエンドの課題にも全力で取り組んでまいります。
また、火力については、脱炭素への移行手段として比較的CO2排出量の少ないLNG火力の確保を進めていくとともに、水素、アンモニアやCCUS等を活用した脱炭素化を推進してまいります。また、水素、アンモニアの調達は、水素社会推進法に基づく支援や長期脱炭素電源オークションにより、事業者の投資回収を可能とすることで後押しをしてまいります。
引き続き、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合のいわゆるSプラススリーEのバランスを取りながら、責任あるエネルギー政策を進めてまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
本当に難しい課題を解決しながらというところになりますけれども、今日は、再エネの急増によって、物理的に送れないとか、安定して流せないという制約が生じていると思っておりまして、再エネ導入拡大にまつわる課題は多々あるんですけれども、電池の問題とか、今日はその中で、送ること、送電線について伺っていきたいと思っております。とかく発電のことが注目されがちではあるんですけれども、私は、系統整備というか、きちんと送れることがとても本丸かなと思っておりまして、質問を続けてまいります。
まず、作っても送れないという、この状況をどうするのかというところで、先ほど大臣の御回答も少しありましたけれども、どの地域で、どれだけの再エネが接続したくても接続できない状況にあるのか、出力制限はどれだけ発生しているのか、また、導入拡大に伴う系統制約への対応策をどうお考えなのか、教えてください。
○小林政府参考人 お答えいたします。
再エネの主力電源化に向けて、御指摘の系統制約を克服する取組は極めて重要でございます。
そのため、送電網の増強をせずとも、今ある送電網でより多くの再エネを接続できるように、空き容量を超えて再エネが発電した場合に出力を一部制御する、そういうことを条件として、いわゆるノンファーム型という接続を新たに導入したところでございます。
こうした取組をしている中でございますけれども、御質問の再エネの出力制御でございますけれども、出力制御のうち、送電網の空き容量の不足が原因で行われたものは、過去、二〇二四年度に中部エリアで三日、二〇二五年度には同じく中部エリアで十二日、北海道エリアで二十五日ということでございまして、これらを合計しますとこれまでに四十日発生したことになります。
その上で、再エネの出力制御を減らすべく、緊急時に備えて空けてあります送電網を平常時からできるだけ活用するということで、この容量を拡大する仕組み等も導入をしているところでございます。こうした取組を通じて、再エネの更なる導入を後押ししてまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
今あるものを最大限活用してというお話でした。
ちょっと関連した質問なんですけれども、北海道とか東北とか九州といった場所は再エネをたくさん作ることができると思っているんですけれども、そういう地域と大量消費する地域が違うということが、やはり、地域間の連系線が弱いことも構造的に問題があるかなと思うんですね。どの連系線を優先して増強すべきと判断をしているか、その判断基準はどういうところにあるのか、優先順位を教えてください。
○小林政府参考人 お答えします。
再エネの導入拡大に向けて、委員御指摘の地域間を結ぶ送電網の増強は重要でございまして、第七次エネルギー基本計画では、地域間送電線を、今後十年程度で一千万キロワット以上の規模の整備を目指すというふうにしているところでございます。
現在は、二〇二三年三月に策定をいたしましたマスタープランに沿って地域間送電線の整備を進めております。一つには、再エネの適地から大消費地に再エネをどの程度の規模で送電可能かといった観点、さらには整備費用の経済性の観点、こうした観点から優先順位を決定しているところでございます。
こうした考え方に基づいて、現在、九州と本州をつなぐ関門連系線の整備を進めるとともに、北海道と本州をつなぐ北海道―本州間海底直流送電の整備に向けた検討も進めております。
引き続き、地域間送電線の整備を着実に進めていきたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
そういう地域間の優先順位をつけた整備というのは本当に重要と思っておりますが、そうはいっても、やはり送電線を整備していくのに十年以上かかると言われております。そういうタイムスパンの中で、二〇三〇年とか二〇四〇年とか、いろいろ目標がありますけれども、果たしてそこに本当に間に合うのでしょうか。どの区間をいつまでにどういう容量まで増やすのかとか、その予見可能性を高めていただければ投資もしやすいのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。
○小林政府参考人 お答えいたします。
再エネの導入拡大に向けてということでございますが、二〇一〇年代から北海道―東北間、東北―東京間、東京―中部間、中部―関西間の地域間送電線の整備を進めてまいりました。二〇三〇年までには計九百九十五万キロワットの整備が完了する予定でございます。
また、先ほども申し上げましたが、第七次エネルギー基本計画では、地域間送電線を、今後十年程度で一千万キロワット以上の規模の整備を目指すこととしておりまして、この取組をしっかり進めていきたいというふうに考えております。
その上で、御指摘もいただいたとおり、送電網の整備には、工事力の確保や機材調達等のために、どうしても時間がかかってしまう面がございます。そのため、二〇三〇年度そして二〇四〇年度のエネルギーミックス実現を見据えた再エネの更なる導入拡大に向けては、既存の送電網を最大限活用することも重要と考えてございます。
こうした観点から、先ほども言及しましたノンファーム型の接続の導入といった取組に加えまして、御指摘いただいた再エネ事業者の予見可能性を高めることを目的に、一般送配電事業者において、送電線がどの程度空いているかを示す空き容量マップというものの公表、それから、接続を予定する電源の情報を新たに取りまとめて公開するといったような取組を進めているところでございます。
こうした取組を通じて、エネルギーミックスの実現に向けた再エネの導入拡大を後押ししてまいりたいと考えております。
○丹野委員 様々な取組を教えていただいて、ありがとうございます。
いろいろな目標がありますけれども、再エネを増やすんだ、それを言っておきながら、系統が追いつかないままですと、発電できても流せないという状況がやはり続いていくと思うんです。なので、やはり脱炭素が実現していくためには発電政策と系統政策を一体で進めることが非常に重要と私は思っております。
なので、最後に質問します。
政府として、系統整備を国家のインフラ戦略なんだと位置づけて、スピード感を持って取り組むことを強く求めたいんですけれども、大臣、お願いします。
○赤澤国務大臣 委員と問題意識を共有をいたします。
委員御指摘のとおり、再エネの導入拡大、そしてデータセンターによる電力需要増大への対応、電力の安定供給の確保に向けて、送電網を整備していく重要性は政府としても十分に認識をしております。
第七次エネルギー基本計画の中で送電網を計画的に整備していく方針をお示しした上で、今国会に提出している電気事業法の改正案では、資金調達を円滑化するため、財政投融資を活用した大規模な地域内、地域間の送電網への貸付制度を盛り込んでいるところでございます。
こうした取組を通じて、送電網整備が着実に進むよう、経済産業省として全力で対応してまいりたいと思います。
○丹野委員 ありがとうございました。
続いてのテーマに行きたいと思います。次は、産業競争力の強化について伺いたいと思います。
これは大臣の所信の中にもありましたけれども、よく言われている、技術で勝ってビジネスで負ける、そういうことが本当にないようにという所信でございました。
昨年の経済産業委員会で半導体の法案を審議する機会をいただきましたけれども、その際もたくさん例題が挙がりまして、それこそ、日の丸半導体ですとか、白物家電、液晶パネル、液晶テレビ、それから太陽パネル、とにかく枚挙にいとまがない、昔はよかったんだけれども今はみたいな、そういうことが非常に多くて、大臣の所信にもなりました。
日本が事業化で負けてしまったその敗因を政府としてはどう認識されているのか、教えてください。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘あったとおり、技術が優れていたにもかかわらず、事業化の段階で十分な成果が上げられなかったということ、よく言われてございますけれども、この背景につきましては、個社の状況に応じて様々な要因が考えられるということでございますので、一概にその要因を申し上げるということは非常に困難であることは御理解いただければ大変ありがたく思います。
その上ででございますけれども、例えば、一般的には、まず、顧客それから市場の変化を起点とした製品ですとかサービスの設計、それから価格戦略など、いわゆるマーケット起点でのビジネス展開のスピードが十分でなかったのではないかということですとか、大規模な投資競争が必要な分野での投資の規模とかスピードが十分ではなかったとか、また、企業の経営資源の配分ですとか事業のポートフォリオの見直し、これが十分に行われないまま、環境変化に応じた事業の選択と集中に遅れたのではないかといった点、さらには、研究開発の成果を迅速に産官学で連携して実装する、これをビジネスとして拡大していくためのいわゆるエコシステムの形成が十分ではなかったといったことなど、要因が指摘されているものと理解しております。
○丹野委員 この後控えている、審議をする法案も、投資をしやすくするとか資金援助をするといった、産業競争力をつけるためにお金が大事なんだというお話、法案がございます。もちろん、今のお話の中にも投資の資金の額とか規模というお話もありまして、当然お金も大事なんですけれども、私は、産業競争力において世界と戦うときに、根本的な問題はお金だけではないような気がしております。
先ほど敗因を伺いまして、非常に一言で言うのは難しいというお話がありましたけれども、あえて言うとすると、本当に必要なのが、お金だけじゃなくて、戦略であったりとか、人材とか、スピード感とか、ルール形成とか、そういうところなんじゃないかなと思っているんですね。
戦略に関しては、高市総理が十七の分野を示されまして、この分野がこれからすごいから頑張っていきますという、そういう決意はすごくよく分かりますし、この分野がこれからすごいんだろうなというのは一般人でも分かるんですけれども、問題は、そういった分野にどういった戦略があって、資金面以外でどういう戦略、絵を描いていて進めていくんだということを、これは経産省さんではないので質問はしませんけれども、まずはこの戦略というのが重要かなと思っております。
その上で、次に人材なんですけれども、世界で戦える人材の確保と教育が重要と思っております。この産業人材の育成、教育をどのように考えているのか、教えてください。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
例えばAIですとかデジタルそれからGXなどの進展によって加速的に産業構造が転換をしてございまして、それに応じて成長のエンジンとなる産業も大きく変化をしていく中でございますので、産業の人材需要を柔軟にしっかりと踏まえた上で高度な人材の育成ですとか確保をしていくということ、これは非常に重要な政策課題というふうに認識してございます。
経済産業省といたしましても、文部科学省などの関係省庁と連携いたしまして、将来的な人材不足が懸念をされる理数系を中心とした成長分野、これに向けて、産業界と連携した学部の再編などの推進、それから機能の強化などを進めているところでございます。
また、専門教育でございますけれども、例えば半導体ですとか蓄電池などの分野におきましては、産学官の人材育成のコンソーシアムなどを設立してございます。この中で、実践的なカリキュラムですとか教材の開発、それから産業界からの実践的な講師の派遣など、こういったものを通じまして、大学それから高専などでの専門人材の育成を進めておるところでございます。
引き続き、関係省庁とも連携いたしまして、将来の産業構造の変化に合わせた高度な産業人材の育成に向けた取組を実施していきたいと考えているところでございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
教育の面は今伺った内容なんですけれども、流出していく原因の一つにやはり処遇面があるかと思うんですね。日本企業の報酬水準というのがアメリカとか欧州とか中国と比べてどうしても低い水準にある、見劣りするというところがあって、研究者や技術者の待遇改善というのも不可欠かなと思うんですね。
企業の成長にとても重要な人材に対して投資ができるようにどういった取組をするのか、教えてください。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
人材といっても、いろいろな人材の皆さんがいらっしゃいまして、様々特徴がございますので、いろいろな取組は総合的に進めていくところではございますけれども、経営上必要な人材、戦略的な人材ということで申しますと、今後本格的な労働供給制約が到来する中で企業の成長を実現するためには、経営戦略上必要となる人材を確保それから育成する戦略的な人的資本の投資の拡大、これが重要と認識してございます。
このため、人的資本に関する情報を開示するというガイダンスとなります人的資本可視化指針というものを今年の三月に改定いたしました。この中で、経営戦略と連動した人材の戦略、それから人的資本投資の実践とその開示を促しているところでございまして、この指針の中では、まさに御指摘ありました賃金なども含めました、重要なスキルを持つ人材確保、育成に向けた投資といった項目、それからジョブとかスキルに基づく処遇制度の導入などの重要性について指摘しているところでございまして、こういった取組を進めながら、企業の人に対する投資を促していくということを進めてまいります。
また、経済産業省におきましては、業種横断で企業が参画する人的資本経営コンソーシアムを通じて企業における人的資本経営を推進しておりまして、この指針の改定と併せまして、戦略的な人的資本投資の拡大を促進してまいりたいと考えているところでございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
人材について伺った後は、スピードに関して伺いたいと思います。
まずは、政策決定におけるスピードなんですけれども、技術革新のスピードがもう本当に世界的に加速する中で、日本の政策決定のスピードがやはり遅いというのをどう認識されているのか、特に医療とかAI、ロボティクス分野で遅いと言われておりますけれども、意思決定のどこに問題があって、それをどう克服した方がいいと捉えているのか、教えてください。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただいたとおり、経済産業政策の立案に当たりましては、常に最新の技術動向ですとか世界の情勢それから社会課題などに目を配りつつ、時宜にかなった迅速な意思決定や実行を進めていくことが大事だというふうに理解をしております。
スピードの問題と直接の関係はないのかもしれませんけれども、一九九〇年代以降の産業政策におきましては、世界的に広がっていた民間主導という考えの下、民間の制約を取り除く市場環境整備策を中心に政策を進めておりまして、場合によっては、政府が抑制的な政策姿勢を取っていたと受け取られる部分があったことも否めないというふうに考えてございます。
他方で、ここに来まして、世界全体、世界が、政府が主導する産業政策の競争の時代に変化をしておりまして、必要な場合は、日本としても政府が一歩前に出て積極的な産業政策を展開する、経済産業政策の新機軸をここ数年展開してございます。これによりまして、将来の我が国の飯の種を生み出すべく、思い切った政策を機動的に展開できるよう努力をしているところでございます。
具体的な政策の枠組みといたしましては、例えば、GXですとかAI、半導体に対する複数年度の財源フレームなど、戦略領域の投資について、技術革新などの動向も踏まえた柔軟かつ大規模な支援などを講じる仕組みを、これはスピードも相当意識して整えてまいりました。
今後も、激動する世界情勢や急速な技術革新といったスピード感に臨機応変に対応した政策の立案、執行を行えるよう、不断の努力を重ねてまいりたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
政策決定のスピードが遅いというのは、例えば、決めるまでが遅いとか、省庁が横断的にわたっているので、どうしてもやはりいろいろな多段階での調整が必要とか、決めたんだけれども決めた後が遅いとか、法律とか省令とかガイドラインとかは準備するんだけれども、やはりその時間がとてもかかってしまうとか。なので、もう原則オーケーにして後で調整しますみたいな、そういうスピード感も分野によっては必要かなと思っております。
AIとか自動運転といった分野は技術が本当に月単位で変わっていくものだと思っておりますけれども、やはり、自戒を込めて言いますけれども、日本は年単位ということがあって、そこのギャップが、スピードが追いついていないかなと思っているんですね。なので、原則許可にして後で例外を禁止するみたいな、そういうスピード感、力を生かしていくようなスピードを生かしていく、それが投資判断の遅さも改善していくのかなと思っております。
たくさん質問を用意しておりましたけれども、ちょっと時間が参りましたので、また産業競争力については、法案が、審議が控えておりますので、そういった面も含めてお話を伺っていきたいと思っております。
今日はどうもありがとうございました。
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○工藤委員長 次に、内閣提出、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。赤澤経済産業大臣。
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経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○赤澤国務大臣 経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
強い経済を実現する成長戦略を強力に推進するため、二〇三〇年度に百三十五兆円、二〇四〇年度に二百兆円という官民で掲げる国内の民間投資額の目標も見据え、国内の供給能力の更なる強化が必要です。各国の投資囲い込み競争の激化や、米国関税措置などの国際経済事情の急激な変化を始め、資源価格の変動等による物価の継続的な上昇、人口減少や少子高齢化など、我が国は様々な経済社会情勢の変化に直面しています。こうした中にあっても、企業の継続的な賃上げの源泉となる稼ぐ力の確保にもつなげていくため、民間企業の国内での高付加価値な成長投資を促し、我が国の産業競争力の一層の強化を力強く後押ししていく必要があります。
こうした状況を踏まえ、国内投資の促進による事業の高付加価値化と、海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化を一体的に推し進めるとともに、国内の事業活動の基盤となる産業用地の整備や担い手の確保に資する生活基盤の維持を図るため、本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、産業競争力強化法の一部改正です。
第一に、事業の高付加価値化のための設備投資を促進する施策を講じます。同法に規定する生産性向上設備等のうち、事業の将来における高い生産性の確保に特に資するものとして経済産業大臣が確認したものを特定生産性向上設備等と定義し、原則全業種を対象に、当該設備等への投資に対して、即時償却又は税額控除七%等を措置する大胆な投資促進税制を講じます。
さらに、設備投資に向けた資金調達を円滑化するため、予見し難い国際経済事情の急激な変化に対応して行う事業変更についての計画と、事業費の上昇による事業環境の変化に対応して行う事業変更についての計画を新設し、主務大臣の認定を受けた計画に従って行う設備投資について、株式会社日本政策金融公庫のツーステップローンなどの措置を講じます。
第二に、産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持のための措置を講じます。人口減少や少子高齢化に伴う生活の維持に必要な物品又は役務の需要の減少等に対応して事業者が行う事業変更についての計画を新設し、行政庁の認定を受けた計画に従って行う事業について、独立行政法人中小企業基盤整備機構による債務保証などの措置を講じます。また、当該計画の策定、実施に関し情報提供等を行う機関を認定する制度を新設します。
次に、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の一部改正です。
まず、既存の用地の条件の改善を図るため、地域経済牽引事業の用に供される工場等に対する生活環境の保持を前提とした緑地面積率等の規制の特例緩和や、データセンターに対する工業用水の供給の義務づけなどを措置します。加えて、都道府県知事等の承認を受けた計画に従って行う地域経済牽引事業の用に供するための土地の整備事業について、官民連携で用地を整備する際の地権者の土地譲渡に係る税率の軽減などの措置を講じます。
次に、貿易保険法の一部改正です。
日米政府の戦略的投資イニシアチブを着実に履行するため、株式会社日本貿易保険の業務について、本邦企業の供給網の強靱化の対応のために特に必要な日本国以外の国の政府との間の取決めとして経済産業大臣が定める取決めに係る貿易保険又は再保険の引受けに係るものを特定引受業務とし、当該業務に係る所要の手続を定めます。また、その経理について特別勘定を設けて整理するものとし、特別勘定の健全性の確保等のために国債の交付等に係る措置を講じます。
以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。
○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十八分散会

