第6号 令和8年4月24日(金曜日)
令和八年四月二十四日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
石坂 太君 伊藤信太郎君
伊藤 達也君 こうらい啓一郎君
小森 卓郎君 斉木 武志君
鈴木 淳司君 世耕 弘成君
園崎 弘道君 永田磨梨奈君
古井 康介君 細野 豪志君
松下 英樹君 丸川 珠代君
水野よしひこ君 武藤 容治君
山際大志郎君 山田 美樹君
山本 裕三君 落合 貴之君
河野 義博君 吉田 宣弘君
阿部 司君 若狹 清史君
丹野みどり君 牧野 俊一君
河合 道雄君
…………………………………
経済産業大臣政務官 小森 卓郎君
参考人
(東京大学副学長・経済学研究科教授) 大橋 弘君
参考人
(一般社団法人日本経済団体連合会副会長・産業競争力強化委員長) 澤田 純君
参考人
(一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所上席研究員)
(北海道大学公共政策大学院客員教授) 峯村 健司君
参考人
(神戸大学経済経営研究所教授) 濱口 伸明君
参考人
(日本商工会議所産業政策第一部長) 宮澤 伸君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
伊藤 達也君 石坂 太君
同日
辞任 補欠選任
石坂 太君 伊藤 達也君
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本日の会議に付した案件
経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
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○工藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学副学長・経済学研究科教授大橋弘君、一般社団法人日本経済団体連合会副会長・産業競争力強化委員長澤田純君、一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所上席研究員、北海道大学公共政策大学院客員教授峯村健司君、神戸大学経済経営研究所教授濱口伸明君、日本商工会議所産業政策第一部長宮澤伸君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を述べていただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず大橋参考人にお願いいたします。
○大橋参考人 おはようございます。御紹介いただきました大橋弘と申します。経済学を専門としておりまして、本法案の関わりですが、産業構造審議会の新機軸部会に所属をしております。
本日、貴重な機会をいただきましたので、本法案に関連して、我が国の産業政策が直面する課題とその対応について述べさせていただきたいと思います。
我が国の産業政策が国際的に注目された最初のきっかけは、一九六二年九月に発刊された英国エコノミスト誌の記事だと思われます。日本を考えるという特集記事において、戦後の廃墟から、我が国が脅威的な資本投資を行うことで高い実質経済成長を成し遂げた点に触れています。戦後僅か十年余りで世界一の生産シェアをかち取った造船業が、その一例になります。エコノミスト誌は、経済成長の要因として、温和で勤勉な国民性に触れた上で、鉄道や内航船による貨物運送などの産業インフラ、そうした産業経済を束ねる政策の存在について触れています。この政策は、八〇年代に入って、通商産業省が行う産業政策として高く評価をされました。
もっとも、一九九〇年代に、我が国は産業政策の看板を下ろすことになります。規制を緩和して市場競争に任せることが最大の経済政策だと信じられたためであります。今の海外の若い経済学の研究者の間では、産業政策といえば、日本を思い浮かべるというよりは中国や韓国を思い浮かべる人が圧倒的に多いと思います。
世界的に、産業政策は二〇〇九年の世界経済危機をきっかけに復権いたしましたが、我が国では産業政策不要論がその後も続き、ようやくこの四年余りの間に、新機軸という名称の下に産業政策が前向きに語られるようになったというのが実情だと思います。
この四年の間、我が国では、市場競争と産業振興のバランスを保ちながら、デフレ経済からの脱却に向けて、賃金と物価の好循環を軌道に乗せるために、戦後の産業政策とは異なる発想の下で産業政策を推進してきました。
従来の産業政策は、大胆に単純化すれば、単年度主義、透明性、公平性の三つを求められてきたと言えます。予算は会計年度内に使って翌年度に持ち越さない単年度主義、政策の結果を次の立案に活用するよりは評価結果を公開すれば当面よしとする透明性の確保、そして、企業をできるだけ選別することなく広く薄く均等に予算を配賦する公平性といった点が政策として求められていたのかなと思います。
産業政策として追うべき背中が見えていた当時と違い、今はどの国も不安定な国際情勢と急激な技術革新に翻弄されています。投資拡大が求められる中、向かうべき将来の方向性や技術の可能性について、大きな不確実性が漂っています。そうした状況の下で、企業や地域が個々の責任の下に投資判断を行うには高いハードルがあります。
そこで、今の産業政策は、従来の政策が持つ単年度主義、透明性、公平性から一歩踏み出すことになったと思います。経済社会の情勢が不確実な中において、複数年にわたる支援を、場合によっては少数の企業や業種に投じる必要も出てきたということだと思います。
地政学的な情勢変化がある以上、国内の投資の方向性や目標も、国際情勢に応じて機動的な微修正を施す必要があります。政策立案の段階である程度の不確実性が事前に予見されるのであれば、それをプログラム化するような仕組みも有用です。それが新機軸として我が国が編み出した産業政策であり、私が理解する限り、英国を始め他国も大いに参考にしているものと思っています。
さて、我が国がこの四年余りでようやく産業政策が定着しつつある中、その実効性を高めるための措置が今回の法改正だと思っています。地政学的なリスクの高まりで、国内へ生産拠点を回帰する動きがあります。また、我が国の政治的安定性に引かれて対内投資に関心を示す動きもあります。さらに、米国との戦略投資イニシアティブは、我が国経済への波及効果のみならず、不可欠性を確保する上でも、リスクではなく、国内投資拡大の後押しをする機会にもつながります。こうした国内投資の拡大の機会を地域の活性化の機会にもすることで、地域が苦しむ労働力不足や人口減に対する課題の同時解決を目指す視点が重要だと思います。
国内投資拡大の機会の前で、工場立地のニーズは二〇〇八年のリーマン・ショック以来低迷して久しく、工場用地の確保にノウハウを持つ人材育成も含めた新たなてこ入れが必要になっています。二〇〇八年と比べて、工場用地は水以外にも電力などが必要となり、また、データセンター立地といった新たな需要に対しても、工場用地に求められるスペックは上がってきていると言えます。
本来、こうした工場用地の造成、提供は、基礎自治体や都道府県が役割を担うものと考えられます。しかし、進出を検討する企業にとって、自治体ごとに異なる手続や仕様となるよりは、共通した一定の標準化や規格化が望ましい部分もあり、産業基盤の整備を自治体とともに国が立案、調整する仕組みが望まれます。こうした取組は、新たな地方分権の在り方としても事例の一つになるのではないかと期待されます。
なお、工場用地と同様な論点に、エッセンシャルサービスの維持があります。地域の人が生活する上で必要なサービスには、交通、ガソリンスタンド、物流などなど様々ありますけれども、こうしたサービスはどれ一つ欠いても生活の不便を引き起こすものですし、また、工場立地において人の誘致を図る上でも必要なサービスと言えます。
こうしたエッセンシャルサービスをしっかり民間事業として提供できる地域はよいですが、事業承継も困難になる中で、歯抜けのようにサービスが撤退していく状況があれば、地域住民だけでなく、産業誘致の観点からも看過すべきではないと思います。
今回、エッセンシャルサービスとして主務大臣が認定、支援する制度は、産業政策の地域版と言えるもので、工場立地に並んで、これまでにない取組と言えます。自治体においても、商工、労働、交通、医療、介護など、様々な課が横串で考えていく必要があり、今回の法改正における地域産業政策は、国と地方との責任分界点の在り方、行政内における所掌、分掌の在り方に対して、より実態に合った取組を促すための一石を投じるものと思います。
最後に、本法案において将来的に検討すべきと思う論点を二点述べて、終わりとさせていただきます。
一点目は、政策評価に関してです。
経済安全保障にひもづく産業政策や地域産業政策は、どれも過去の知見が十分でなく、文献調査を踏まえても、特定の事例の効果を予測し切れるものではありません。その点で、あらゆる政策がそうであるように、未知の事象に対応する実験的な要素があります。
とはいえ、実験から学べることも多くあるはずであり、評価のための評価というよりは、次の立案に生かすための評価として、政策実施の振り返りはしっかり定量的なエビデンスを取って行っていただきたいと思っています。
この点は、行政府だけに任せてよしとされるべきものではありません。国会においても、エビデンスに基づく政策立案、すなわちEBPMの取組を、ほかの行政分野も含めて包括的に監視、フォローいただくようなことも、今後に向けて大変有益に感じております。
二点目は、産業政策と競争政策との関係の整理です。
経済安全保障における自律性と不可欠性における産業政策の必要性は、他国の不当な行為を競争政策で取り締まることができないという事情から生じています。つまり、国際的に適用可能で、かつ強制力を持つ競争政策があれば、他国による不当な供給拒絶などに対応できる部分も出てきますが、そうしたスキームがそもそもないので、各国は自国の産業政策で対応している状況にあります。つまり、産業政策は競争政策の補完的なツールと考えるべきものになっています。
この点は、地域産業政策についても言えます。地域において異なる業種や競争事業者同士が協働、協調することは、競争を排除するものではなく、持続性を確保するためのものです。つまり、競争政策にて地域が直面する課題に対応し切れない部分を、地域産業政策が補っているものと思います。
この点において、産業政策と競争政策は、今や一体のものとして考える領域が確実に拡大していると言えます。二〇二〇年にバスと地方銀行を対象に独占禁止法の適用除外を認める特例法をお作りいただきました。この特例法は、運送や銀行という事業法がある分野に限定して時限的に特例を設けたものですが、この適用除外の考え方が、今や地域のあらゆる業種に生じつつあるということだと思います。
こうした業種にそれぞれ特例法を考えるということもできるかもしれませんが、他方で、平成十年の中央省庁等改革基本法において競争政策は経済産業省の所管としないこととされており、こうした制度の仕切りが時代に追いついていないことが根本にあるものと思います。産業政策と競争政策を異なる府省の管轄と切り分ける結果、エッセンシャルサービスの維持に支障の出ることがないよう、所掌の在り方も是非機会を見つけて御検討いただければと思っています。
以上となります。本日はありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。
次に、澤田参考人にお願いいたします。
○澤田参考人 皆さん、おはようございます。
経団連の副会長、科学技術立国戦略特別委員長と、長いですが、産業競争力強化委員長、そしてアメリカ委員長を務めさせていただいております澤田でございます。
工藤委員長を始め、経済産業委員会の先生方におかれましては、日頃より経済界の考え方に御理解を賜りまして、誠にありがとうございます。本日もこのような意見陳述の機会を頂戴し、厚く御礼申し上げます。
今、我々は、将来世代に明るい未来を残せるか否か、この分岐点に立っているのではないかと考えております。経済界といたしましても、企業自らがマインドを変えまして、設備投資、研究開発投資、人材への投資、これを拡大していくことがかつてないほど重要な状況になっていると理解しております。
経団連は、現在、投資牽引型経済、この実現、ひいてはこれは日本の経済競争力の強化ということでございますが、これに向けまして、七つの基本課題を設定して注力を続けております。一つは、科学技術立国の実現、二つは、税、財政、社会保障の一体改革の推進、三つは、地域経済社会の活性化、四つは、労働改革、第五に、自由で開かれた国際経済秩序の維持強化、第六に、安価で安定的なグリーンエネルギー供給の維持とGXの推進、そして、七つ目に、持続的な成長に向けたコーポレートガバナンス。
経団連はこの辺りを注力しているのでございますが、投資牽引型経済、この実現を通じまして、特に現在、高市内閣が責任ある積極財政あるいは新技術立国、競争力強化、この明確な姿勢を出していただいておりまして、これは経済界としても全面的に賛同いたしております。
とりわけ今回の産業競争力強化法、貿易設置法等の改正は極めて時宜を得ており、これらの法案が果たす役割は極めて重要である、このように認識をいたしております。本日は、経団連としての期待も込めまして、発言を続けさせていただきます。
まず、緊密な官民連携の下、国内投資を促進していくことに当たりましては、民間企業の自発的な投資を支援いただくとともに、本法改正の趣旨にあるとおり、政府が投資の予見可能性、これを高めていただきまして、実効性の高い投資環境の整備に取り組んでいただく、これが非常に我々が期待しているところでございます。
成長投資や危機管理投資を軸に、我が国の潜在成長率の向上を目指した新たな投資枠、さらに、当初予算でこれらを措置しようと、現在、高市内閣はされています。これは、単年度主義からの脱却、予見可能性の向上、双方に資すると経団連としては認識をしております。
具体的には、日本成長戦略の実行、これに当たりまして、予算の確保、大胆な税制措置をお願いしたいと考えています。今回の法改正によりまして、大胆な投資の促進税制が創設されること、これは画期的であると考えております。中小事業者も含めまして、全ての業種、企業規模を対象とした措置、国内投資の拡大にこれらが寄与するものと高く評価しております。
米国においては即時償却措置、ドイツにおける法人税率の引下げ、各国が投資の促進政策を推進する中、今回の税制は我が国の立地競争力、この維持にも資すると認識をいたしております。
企業といたしまして、設備投資の実施に当たりましては、本税制を積極的に活用していく所存です。実施に際しまして、設備計画の確認、これを受けることとなります。従前は大臣認定手続ということでございますので、比べまして、かなり簡素な仕組み、業務上、実務上、使い勝手がいいというふうに想定をしております。
また、現在、工事が相当長期化しております。人手不足の問題等々でございますが、これは、令和十年、二〇二八年度まで計画申請期間が認められておりまして、計画の確認を受けた日から五年間、設備の取得に、事業の用に供する設備を対象にしている。かなり幅が広く設定をいただいておりますので、企業としては予見可能性が非常に高まる、そういう構造であるということも特筆すべきと考えております。
一方、厳しい国際情勢に目を転じますと、経済安全保障上重要な分野におきまして、同盟国や同志国と連携する必要性が高まっています。とりわけ唯一の同盟国である米国とは、既に投資を通じて我が国と密接に結びついており、今後ともサプライチェーンの強靱化に両国の官民が連携して取り組むことが重要です。
今般の日米戦略的投資イニシアチブ、これにおきまして、NEXIによる保険の引受けなど、これを通じまして、我が国企業のサプライチェーンの強靱化に資する、この貿易保険法の改正、これも時宜を得たものであると考えておりまして、大いに賛同をいたしています。
改正貿易保険法による公的支援の下、バンカブルなプロジェクトの組成、実施を通じて、我が国企業にとって様々なビジネスチャンスが創出されることを歓迎いたしております。
他方、民間金融機関はドル調達を行わねばなりません。つまり、為替変動、円安へのリスクという点が実は内在しておりまして、是非とも、例えばでございますが、米国の銀行も参画できるような、そのような仕組みづくりが重要な鍵を握るのではないかと考えております。
投資に当たりましては、安定的かつ予見可能な投資環境が不可欠です。経団連といたしましても、これまで、訪米ミッション、三十州ほどに伺っておりますが、連邦政府や州政府との間で米国におけるビジネス環境整備の重要性を訴えてまいっております。
特に、州政府が実質的には規制あるいは対応していくことから、知事との対応を重視しておりまして、アメリカ委員長といたしましても、米国に経団連ミッションで伺う際は、議員の先生方のみならず、特に全米知事会への出席等を行っております。
今後、日米双方の利益となる投資案件の実現及びその環境整備に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
折しも一月、私が委員長の経団連産業競争力強化委員会で、我が国の勝ち筋となり得る分野の一つ、ロボットですね。これはAIロボットではないです。私どもはロボットAIプラスという言い方をしています。つまり、本体は製造業のロボットであるという考え方です。これに関する提言を出させていただきました。
これは、時間軸に応じた優先順位づけを含む、社会実装推進の重要性を訴えております。加えて、製造業の現場に長年蓄積されてきました、暗黙知、現場知、現場の知恵ですね、これが日本の競争力の源泉であるという考え方をいたしておりまして、今後は、その資産化への取組が不可欠である、このように考えております。
また、来月、五月には、科学技術立国の実現に向けた提言を取りまとめたいと動いており、公表する予定でございまして、今後、従来の人間中心、この一方的な認識から、人間とAIが相互に作用し合い、その関係自体が絶えず組み替えられていくというような、新たな技術観、人間観への転換、これが求められてくると考えています。暗黙知、現場知と言われるノウハウ全てをデータ化し、AIに組み込んでいくのではなく、人間にそのノウハウを残しておくことが、AIと人間が相互に作用する社会並びに日本の競争力強化につながるのではないかと考えております。
以上、るる申し上げましたが、工藤委員長を始め、経済産業委員会委員の先生方におかれましては、こうした経団連の考え方や取組に御理解をいただき、今後とも御指導賜れましたら幸いに存じます。
御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。
次に、峯村参考人にお願いいたします。
○峯村参考人 皆さん、おはようございます。峯村です。よろしくお願いいたします。
私は、十年以上にわたり、ジャーナリストとしてワシントン、北京で最先端で取材をしてまいりました。そして、今はシンクタンクの方で米中関係を研究しております。こうした知見を基に、本日は、米中関係の現状、そして日本が取るべき戦略とは何かという辺りの私見を述べさせていただきたいと思っております。
まず、米中関係の簡単なおさらいで、今この一枚目の資料をちょっと見ていただければと思います。これは、特に対立を軸に、フォーカスに、ちょっとおさらいをしているものです。
どうしても、対中強硬のアメリカの政策というとトランプ政権、トランプ大統領というイメージがあるんですが、実は、これは元の起源をたどると、オバマ政権が二〇一一年に打ち出したアジア・リバランス政策にあるのではないかというふうに見ております。
この政策自体は、中国の台頭を念頭に、中東にそれまで偏重していたアメリカの戦略をアジア太平洋地域に移すというもので、安全保障と経済の両面からアジアへの関与を強めたものになります。その延長線上で、先端技術の流出を防ぐための規制が整備されてきました。
続いて、二〇一七年に発足したトランプ第一次政権では、関税を武器にした貿易戦争が始まり、中国の通信機器メーカーであるファーウェイへの制裁に象徴されるように、対立は技術覇権の争いへと発展してまいりました。そして、二〇二一年に始まったバイデン政権は、これを更に体系化して先端半導体の対中輸出規制を導入しました。そして、現在のトランプ第二次政権では、二〇二五年一月にアメリカ企業による中国での投資そのものを規制する制度を導入して、半導体、量子技術、AIの三分野でアメリカから中国への金の流れを止めるというところまで来た。
つまり、この四つの政権をまたいで対中規制というのを強化してきた。アメリカの総意であるというところが重要なポイントになります。
一方、こうしたアメリカの動きに呼応するように、中国も次々と対抗手段を打ち出してきました。
まず、二〇一四年に経済、技術、資源を全て国家の安全であるという形で統合した総合的国家安全観というものを提唱して以降、反スパイ法を始め、サイバーセキュリティー法、国家情報法などを制定し、外国人や外国企業の活動の制限を強めてきました。そして、二〇二四年末にはガリウム、ゲルマニウムなどの対米輸出を事実上禁じて、昨年五月にはレアアース全体の輸出管理の強化に乗り出しました。まさに、中国はサプライチェーンの支配力を武器としてアメリカに突きつけたというふうに言ってもいいと思います。
こうした米中デカップリングは十年以上にわたって続く構造的な流れであり、もはやこれは後戻りする可能性は極めて低いのであろうというふうに私は見ており、この認識が本日の議論の出発点でございます。
ところが、最近、この米中関係に変化が表れています。転機となったのが、昨年十月に韓国で開かれた米中首脳会談でございます。こちらで、中国側は、レアアースの規制を一年間猶予する、さらにはアメリカ産の大豆を中心とした農作物の購入を約束しました。
そしてさらに、トランプ大統領は、来月の中旬に中国を訪れ、習近平国家主席と会談する方向で調整をしています。今のところ、両国の関係者から聞いたところですが、予定どおりこの首脳会談は行われる方向で調整している。さらには、中国側から、アメリカの更なる農作物、さらにエネルギーなどの大量購入のほか、目下深刻化しているイラン問題などでの協力という形で、いわゆる合意をできないかというところで模索をしているというふうに聞いています。
じゃ、一方で、中国側は何を得たいのかとすると、まさに民族の悲願と中国が掲げている台湾統一に向けて、今後、今年最大で三回、米中首脳会談が予定されています。その中で少しずつアメリカ側から譲歩を引き出そうとしているのではないかというのが小生の見方でございます。
一方、こうした米中緩和の流れと反比例するかのごとく、中国は日本側への圧力を強めてまいります。
今年一月、中国政府は、日本に対する軍民両用品、いわゆるデュアルユースの輸出規制を発表しました。日本の軍事関連ユーザーや日本の軍事力向上に寄与する全ての用途への輸出を禁止するという内容です。さらに、二月には日本企業二十社を輸出規制リストに載せて、デュアルユースの輸出を全面禁止に乗り出しました。
中国側は、日本の再軍備化阻止というところを理由に挙げていますが、実態は経済を使った対日圧力にほかなりません。第三国経由の取引にも罰則が及ぶため、日本企業がサプライチェーンのどこかで中国産の材料に依存していれば、直接取引がなくても影響を受けかねない。私は、これはまさに対日経済戦争とも呼べるような強い措置であり、今後これは長期化するだろうというふうに見ています。
こうした中国による経済圧力が強まる中、私は改めてこの日米同盟、日米関係の重要性が増しているというふうに考えております。私のメンターの一人であるハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が生前、私によく言っていました。アジアにおける脅威が増す中、日米同盟をそのまま放置していれば更なる空洞化をしていくだろうということを常に警鐘を鳴らしていたことを思い出しています。まして、米中接近によって日米関係が流動化しつつある中、更なる同盟強化は不可欠であるというふうに考えております。その最良のツールとなるのが、まさに今日のテーマである、日米両国が昨年九月に締結した投資イニシアチブではないかというふうに私は考えております。
この投資イニシアチブについて、もう皆さん御存じの内容かと思いますが、二枚目の資料、こちらを御覧いただければと思います。
日本、これは他国との大きな違いで申し上げると、対米関税を引き下げたわけではなくて、戦略的投資イニシアチブという形で変えているというところがポイントになります。これは、EUや韓国のコミットには民間企業の対米投資が含まれているのに対し、日本の場合は政府系金融機関である国際協力銀行、JBIC、日本貿易保険、NEXIが前面に出た金融支援となっている点が特徴になっております。これによって、産業の空洞化のリスクを回避しつつ、日米の協議委員会が選定をした、日本企業にとって利益となるプロジェクトを進めることができるというスキームになります。
日本は、今年の二月、他国に先駆けて第一号案件を発表しております。この中には、例えば人工ダイヤモンドのプロジェクトが含まれています。この人工ダイヤモンドなんですが、これは半導体のウェハーの切り出しには必須のものですが、日本企業はほぼ全量を中国に依存しております。なので、アメリカでの生産に日本企業が関与することによって、中国による経済の武器化に対する具体的な備えになる一例だというふうに考えております。
そして、第二号案件として発表された中には、小型モジュール原子炉、SMRが含まれております。世界でも有数の技術を持ちながら、日本国内で建設するに当たっては、日本の自然条件に適した設計、開発や、福島第一原発事故以降の規制基準の明確化などの課題があります。だからこそ、制度が整っておる、そして市場もあるアメリカでの先行投資をすることで実績を積み、技術と人材を守る。アメリカでの建設の実績を積み上げることによって、これを新たな産業につなげることができる可能性があるというふうに私は見ております。
日米同盟はこれまで、日本がアメリカに防衛をしてもらっている、アメリカから見ると防衛をしている、いわゆる片務性というのが問題になっている。中でも、アメリカの政権内でも不満があるというところが長く続いてきました。だからこそ、日本が自分で立てる力、そして相手からも必要とされる力を同時に手にする、そういう意味では、この戦略的投資イニシアチブは切り札になるのではないかというふうに私は考えております。
まさにその成否を分けるのが、戦略的投資イニシアチブを着実に実行できるような体制をいかに設計できるかどうかというところに懸かっていると言っても過言ではありません。そういう意味では、委員の皆様方を始め、国会議員の皆様のリーダーシップが問われているのではないかというふうに思っております。
以上をもちまして、簡単ではありますが、私の意見陳述とさせていただきます。
御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。
次に、濱口参考人にお願いいたします。
○濱口参考人 神戸大学の濱口伸明と申します。本日はよろしくお願いいたします。
事前提出資料はございません。
私の専門は、空間経済学という分野です。個人や企業がそれぞれの利益を最大にするように場所を選択していくときに、国全体の経済活動の空間配置がどのように構成されていくのか、また、その結果が非効率性を示しているのであれば、それを改善するためにどのように政策が実施されるべきかというようなことを研究しております。また、私は、産業構造審議会地域経済産業分科会の分科会長、その下の工場立地法検討小委員会及び地域生活維持政策小委員会の委員長も務めております。こういった場を通じまして実務的にも地域産業政策の形成に関わってきたという立場から、本改正案に関わる論点について意見を述べさせていただきます。
本改正案の中で私が関係するのは、産業用地とエッセンシャルサービスの二つです。二つの事柄を産業競争力強化の観点から取り上げるのには、共通の背景があります。
余り報じられていませんが、法人企業統計調査によれば、金融業を除く国内投資は年間約六十兆円と、現在、バブル期以降最高の水準にあります。経団連におかれましては二〇四〇年に二百兆円となる設備投資見通しを表明しており、更に投資の伸長が続くことが期待されます。
その背景にあるのは、低成長期に先延ばしにされてきた老朽化した設備の更新が進んでいること、DXやGXといった新しい技術への対応が進んでいること、経済安全保障への政策的支援効果の直接間接の波及、円安基調の定着に伴う製造業の国内回帰、さらに、米国関税政策に対応して今後計画される対米投資をサプライチェーンで支援するための国内生産拡充の必要性などです。
このように設備投資の機運が高まっていますが、生産拠点となることが期待される地方には労働力と産業用地の両方が不足する懸念があり、対応が求められています。
労働力不足の原因は多面的ですが、若年人口が大都市に流出していることに注目する必要があると私は考えています。その原因は大きく二つあって、一つ目は、質の高い雇用の不足にあることは言うまでもありません。もう一つは、生活の質の低下であり、いわゆるエッセンシャルサービスの供給不足がその一因と考えられます。
例えば、地域公共交通、典型的には鉄道地方路線やバスですが、これらが次々に廃止されていると伝えられています。地域公共交通は朝夕の高校生の通学の足です。これがなくなってしまうと通学が困難になります。子供によりよい教育を受けさせたい若い親が子の高校進学を機に都市に出てしまうと、若年層の人口流出は親子二世代で起こります。
若者世代において、地元志向が強い人は少なくありません。エッセンシャルサービスの供給が維持されて生活の質が保たれれば、若年層が意に沿わない移住をする必要がなく、よい仕事を得て住みたい場所に住み続ける選択肢を提供することができます。
これまでエッセンシャルサービスの供給維持は移動可能性が低い高齢者の生活改善という視点で語られることが多く、その視点はもちろん引き続き重要です。加えて、日本全体で設備投資が上向きに転じたことを潮目の変化と捉えて、移動可能性が高い若者の選択肢を増やして労働力不足のボトルネックを緩和するという産業政策としての視点を加えてエッセンシャルサービスの供給維持を支援することに、本改正案の意義があるのではないかと思います。
なお、人口が少ない地域でエッセンシャルサービスの供給を維持するには、より少ない人員で商品、役務を提供するという省力化の視点が不可欠です。審議会では、事業を多角化、広域化する等の組織革新、DXを取り入れた技術革新、働く人が多様な役割を担う多能職化等の方向性が各地域において検討されてまいりました。加えて、地域の実情を踏まえて様々な工夫を凝らした取組がボトムアップで提案されることを期待して、一定の基準を満たす取組を認証する制度を新たに取り入れることを検討してまいりました。認証された事業者には、補助金や融資保証等の公的な支援、金融機関からの新たな資金調達、ほかの事業体とのアライアンスなどに取り組みやすくなる効果があると期待されます。
なお、地元に残る若者がよい職を得て働き続けるためには、技能を習得し発展させる機会が必要です。そのためには、地域の中で人材交流の機会があることや、対面、オンラインの両方を通じて地域の外の人との知識交流が行われることが重要だと考えます。
エッセンシャルサービスの供給維持等で地方からの若年層人口の流出に歯止めをかけることも重要ですが、若者のモチベーションを高めるような人材育成を併せて行うことをお願いしたいと思います。
次に、地方において不足が懸念される産業用地について申し上げます。
経済産業省が自治体を調査したところ、五年以内に八割の自治体で産業用地が不足するとのことでした。
地方が今後の設備投資の受皿になるためには、この状況を打開するために、できることを全てやる必要があります。
そのうちの一つは産業団地を新規に造成することですが、翻って、一九九〇年代以降、工場の海外移転が続く中で、新規の産業団地の造成はほとんど行われてきていません。地域経済産業分科会の報告書は、この三十年ほどの期間の空白によって、自治体では産業用地提供を担う人材とノウハウが失われてきたと指摘しています。
したがって、この間に海外で産業団地の経営の実績を積んできた民間企業の参加が必要ではないかと思われますが、土地の売却益への課税に、売却先が自治体と民間企業の場合で課税に差があるため、民間の参入が進まないことが指摘されています。民間企業が不利な扱いを受けないような制度設計が必要だと考えます。
仮に新規に産業用地を造成することが難しい場合でも、やれることはあります。
工場立地法で、敷地面積が九千平方メートル、これは百メートルの正方形よりもやや狭く、サッカーコートの約一・三倍に当たりますけれども、この面積以上の工場に対して、敷地面積の二〇%以上を緑地にする緑地面積率規制が課されています。
本改正案は、この規制を自治体が指定する条件に合致する工場において緩和することを規定しており、そうすることによって、既存の工場の建屋を広げて生産設備を拡張することができたり、新規に建造する工場に必要な敷地面積を少なくして投資コストを抑制したりすることができます。
ただし、この政策を進めるに当たって、工場立地法の原則、すなわち、工場立地が環境の保全を図りながら行われなければならないという理念に立ち返り、規制の緩和が周辺住民の居住の快適さを損ねることがないように十分な配慮が必要なことは言うまでもありません。
こうした観点から、国が一律の基準で規制緩和を推し進めるのではなく、住民に対して直接説明責任を負う自治体が、国が設定する一定の枠組みの下で、規制緩和が可能な区域と規制を緩和する工場を指定し、緩和の程度を決定する裁量を持つことが適切だと考えます。
立地政策に関して、本改正案の関連で二つの点を追加させていただきます。
第一に、既に社会のインフラに位置づけられているデータセンターについては、リスク分散の観点から様々な地域への立地が検討されていると聞いております。データセンターの排熱問題に効率的な水冷方式が検討されているところ、工場ではないデータセンターへの工業用水の供給が渇水時に劣後する可能性があります。このため、データセンターにも工業用水の供給を義務づけるよう制度を改めることによって、現在未利用地のある工業団地にデータセンターの立地を促すことは、産業基盤を整備する上で重要です。
第二に、企業立地獲得競争になりますと、財政力の弱い自治体は産業用地の供給や企業誘致政策としての固定資産税の減免を実施することができず、自治体間の格差が更に拡大する懸念があります。産業用地整備のための制度融資や企業誘致で生じる財源損失を補填するなどの国が実施する制度において、財政力の弱い自治体への国の支援をより手厚くする配慮は必要だと思います。このような施策は、格差是正という意味合いもありますが、より広い範囲で産業用地の供給を増やすという観点からも意味があると考えます。
本日述べた人材と産業用地について必要な政策が講じられない場合に、今後計画される設備投資が海外に流出する懸念があること、若年層が本来望まない形で都市に流出せざるを得ない状況が続けば、東京一極集中や少子化の是正が更に困難になることを最後につけ加えさせていただきます。
本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。
次に、宮澤参考人にお願いいたします。
○宮澤参考人 ただいま御紹介いただきました日本商工会議所の宮澤でございます。
平素より、経済産業委員会の皆様におかれましては、中小企業に多大なる御支援を賜っておりますことを、この場をかりて御礼を申し上げたいと思います。また、このような御説明の機会をいただいたことも併せて御礼申し上げたいと思います。
私ども商工会議所は、御案内の方もいらっしゃるかと思いますが、全国五百十六か所に設置されておりまして、地域の小さな企業からまさに地域経済を牽引する中堅・中小企業の皆さんも多く御加盟いただいておりまして、本日はその立場から、本改正法案、大いに期待するという立場で御説明をしたいと思っております。
私は、先ほどの濱口先生と同様に、事業活動の基盤となる産業用地の整備、そして担い手の確保に資する生活基盤の維持についてということでございます。地域、中小企業の視点から御意見を申し上げたいと思います。
お手元に、私どもで実施した調査を基に御説明をさせていただきたいと思いますので、その資料を御用意させていただいておりますので、こちらを御覧いただきながら御説明をさせていただければと思います。
おめくりいただきまして、資料一ページ目を御覧ください。
こちらの資料は、二〇二四年の十一月ですけれども、地域経済を牽引する中堅・中小企業における投資動向調査というものを実施しておりまして、それを踏まえて作成したものでございます。
一ページ目は、地域経済を牽引する中堅・中小企業の投資意欲と課題ということでございますが、本調査結果を見ますと、左側の円グラフでございます、今後五年間、中小・中堅企業の半数近くが工場等の新設あるいは拡張する計画を有されているということでございます。その投資額も、五億円以上が四七・五%を占めているという状況でございます。
こうした投資意欲の背景にあるのは、従来のような老朽化のリプレース投資にとどまらず、新たな需要増への対応、さらには、医療、ヘルスケア、バイオ、AI、半導体など、政府が掲げる戦略分野のような新しい分野への進出、事業拡大を目指す企業も多く含まれているということでございます。
また、この拠点投資に際しまして、立地する地域の選定について中小・中堅企業が重視するポイントも併せて聞いておりまして、その上位は、本社、自社拠点との近接性、交通アクセス、従業員の居住、生活環境が上位を占めているということでございます。これは、先生の皆様御案内のとおり、人材不足に悩む中堅・中小企業は大企業のような大規模な人材獲得というものはなかなか難しい状況でございますので、今在籍している従業員の皆様が通える範囲で拠点設置が前提ということでございます。さらに、従業員の採用あるいは定着を促す観点から、立地する地域に従業員そしてその家族の皆様が快適に生活できる住環境を求めているということがうかがえます。
また、中小企業は、事業拡大に際しては、現在稼働している製造ライン、これを止めることは難しいという実態もございますので、新たな製造ラインを増設するというケースが非常に多くなっております。そのラインを設置する拠点の拡張をしたいということでございますけれども、資料右側の棒グラフにあるように、各地の商工会議所からは、工場立地に必要な産業用地不足を訴える声が多く寄せられているという実態でございます。
本調査で示された中堅・中小企業の投資動向を踏まえますと、我が国の喫緊の課題である国内投資の促進という観点からは、やはり、産業用地の確保を始め投資基盤の整備、さらに、人材定着、確保に不可欠な地域のエッセンシャルサービスの持続可能性を高める取組、これを両輪で進めることが極めて重要であると考えております。
続いて、資料二ページ目を御覧ください。
先ほど御説明をさせていただきましたアンケート調査に合わせて、個別の企業にもヒアリングをさせていただいております。このページは、その投資事例ということでございます。
左側の二つの事例は、新たな事業分野への進出、事業拡大に際して拠点投資を行った事例でございます。
例えば、左上の山形市のメッキの表面処理を得意とする製造業の事例ですけれども、元請だった大手半導体工場の撤退を契機に、下請型から研究開発型企業への転換を図るため、およそ二十五億円ほどの先行投資を行った、今後も新規工場の建設の予定をされているということでございます。
現在、次世代自動車の電動化あるいは低燃費化に向けた商品の表面処理、メッキ技術を基盤とした医療、ヘルスケアなど、成長分野の研究開発にも積極的に取り組まれていて、継続な投資を通じて更なる成長をしたいという意欲を示されております。
また、左下、仙台市、お茶、お菓子の製造を行っている企業の投資事例でございます。
この会社では、観光需要をターゲットにして、工場と集客施設を併設した拠点を設立されたということでございます。その効果は、地元の農産品、特産品の直売所、あるいは、地元食材を楽しめるフードコートですとか、自社製品の工場見学、公園、広場等を有する集客施設を目的に、大変地元の方からの来客あるいは観光客でにぎわっているということでございますが、この企業の発展のみならず、こうした人流を生み出すことで、近隣地域でも飲食店の開業が相次ぐなど、地域のにぎわい創出にも大いに貢献されているということでございます。
また、右側の二つの事例、こちらは、拠点投資に合わせて、従業員が働きやすい労働環境の整備に取り組んだ事例でございます。
先ほど濱口先生からもございましたとおり、地方から大都市への若者、女性の流出というのが非常に大きな課題になっておりますけれども、やはり、地元人材を中心に採用している中堅・中小企業において、いかにこの企業で働きたいと思ってもらえるかが極めて重要という中で、賃上げはもちろんではございますが、事業拡大に向けた投資を促すことで、働きがいのある職場づくりにも取り組むという相乗効果も生まれておりまして、こうした効果も期待をされているということでございます。
ここで御紹介した事例を踏まえますと、国内投資を促進するためには、企業が考える投資スピードに合わせて、投資の受皿となる産業用地の整備、あるいは事業インフラをタイムリーに整備をできるかが問われていると思います。
我が国は、いわゆる失われた三十年と言われるように、長く国内投資が低迷しておりましたが、これまで自治体に蓄積されてきた用地整備に関するノウハウが失われているというふうに伺っております。
そこで、産業用地のノウハウを有する中小機構が自治体を伴走支援し、そのノウハウを自治体に承継していく、こうした取組が、地方への投資呼び込み、中小・中堅企業への投資拡大を促すという観点からも重要であると考えております。
続いて、三ページを御覧ください。
実際に中小企業の工場拡張に際して用地確保に御苦労をされた事例というのを併せて紹介をさせていただきたいと思います。
この企業は、もちろん事業拡大に意欲的ではあったんですが、先ほど紹介したように、まずは隣接の土地を購入しようというふうに考えていましたが、なかなか交渉等がうまくいかず、やむなく道路を挟んだ向かいの土地を確保して工場を設置をされたということでございますが、やはり、道路を挟むとなると、資材搬入のためのフォークリフトの公道走行許可ですとか、あるいは、大型トラックが入っていくための、土地の形が余りよくなくて、搬入スペースが十分に取れないといった、生産性の観点からも様々な課題に直面されていると伺っております。
また、この工場が立地する地域、写真にもあるように、周りに緑がある市街化調整区域に立地されております。実は、ただ、緑はあるんですけれども、工場立地法に基づく緑地規制も併せて受けておりまして、従業員向けに食堂や社員寮あるいは休憩室などの福利厚生施設を増設したいと考えていても、限られた敷地の中で新たな施設の増設が難しいという状況でございますので、やはり、中小企業の機動的な設備投資を後押しする観点からも、今ある敷地を最大限に活用できるような緑地規制の緩和、これは是非進めていただければというふうに考えております。
続いて、四ページを御覧ください。
地方都市におけるエッセンシャルサービスの維持に関する声、事例を御紹介をさせていただきます。
人口減少が進む地方都市では、地域住民の生活に欠かせないスーパー、ガソリンスタンドの撤退が相次いでおります。また、バス、タクシーといった地域交通の弱体化も歯止めがかからないと、非常に深刻な状況の声が各地の商工会議所からも寄せられている状況でございます。
冒頭御紹介しましたアンケート調査においても、中小企業の人材確保、定着は、個社の取組だけでは限界がございます。従業員の良好な生活環境整備が重要であるという声をいただいております。
各地では、地域企業の出資により設立された町づくり会社が地域住民のコミュニティー形成に資するような拠点を運営し、地域商業の再生などに取り組む事例が実はこれまでにも見られておりますが、こうしたエッセンシャルサービスを運営するだけではなかなか収益上厳しいということで、例えば、ほかの高い収益を上げるような事業を運営しつつ、内部補助によって何とかエッセンシャルサービスを維持しているというところが実態でございます。
人口減少が我が国は加速するというのが厳しい実態でございますが、多くの地域で、こういう人口減少が加速する地域では、民間だけでこうしたエッセンシャルサービスを担うというのは非常にリスクがあり、限界がございます。今般、国がエッセンシャルサービスの維持に係る認定制度を創設されるということでございますが、自治体、住民を巻き込み、地域ぐるみで取り組むという観点、機運醸成の観点から非常に心強いというふうに感じているところでございます。
資料で御紹介をしているように、各地商工会議所でもエッセンシャルサービスの持続性を高めるための取組が始まっております。商工会議所では、日頃から自治体、金融機関等と連携しながら経営支援を行っておりますので、こうした支援機関が担う生活基盤維持に向けた役割は今後もますます重要になってくると考えております。政府の各種施策との連動、活用などを通じて、是非こういう地域の取組を後押しをお願いしたいと思います。
以上で私の説明を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。
以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
―――――――――――――
○工藤委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。永田磨梨奈君。
○永田委員 おはようございます。自由民主党の永田磨梨奈でございます。
本日が初質問となります。参考人質疑の機会をいただきましたこと、工藤委員長を始め理事、そして全ての皆様方に感謝を申し上げたいというふうに思います。
また、本日は、我が国の産業政策、情報通信、地域経済、そして中小企業の最前線を知り尽くした五名の参考人の皆様、大変にお忙しい中、我が国の未来を左右する極めて重要な知見を賜りましたこと、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。そして、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お時間に限りがございますので、早速質問に入らせていただきます。
現在、我が国の経済は、米国のOBBB法を始めとする諸外国の強力な産業政策や激化する国際的な立地競争、そして深刻な人口減少という、まさに歴史の転換点に立たされていると考えております。
こうした中、本法案が掲げる国内投資の促進と、それを支える産業用地の整備、そして生活基盤の維持は、我が国が再び成長の軌道に乗るための、まさに待ったなしの、かつ不可欠な両輪であります。しかし、大規模な投資や供給網の強靱化という大号令が単なる机上の空論に終わってはならないというふうに考えております。
私は、地元の横浜市栄区、鎌倉、逗子、葉山を始めとする全国の現場で汗をかかれている全ての皆様方の稼ぐ力をいかに引き出し、地域社会という土台をいかに守り抜くか、その実効性こそが本法案の真価を決めると確信をしておるところでございます。
本日は、本法案が掲げる大胆な税制や支援策がグローバルな立地競争に勝ち抜く武器となり、同時に、地域経済の隅々にまで血を通わせるものとなるか、参考人の皆様の専門的な知見から、現場の熱量に資する運用の在り方について伺ってまいりたいと思います。
それでは、まず初めに、経団連の澤田参考人にお話をお伺いさせていただければと思います。
経団連そして政府共に、二〇三〇年度に官民合わせて百三十五兆円、二〇四〇年度には二百兆円という民間企業の国内投資目標を掲げられていると承知をしておりますが、この達成に向けたまず意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
また、この国内投資の拡大に向けて、本法案で措置がされているのが大胆な投資促進税制だと考えております。この措置の背景には、米国のOBBB法など、各国の投資競争の激化、これに対抗していこうという思いがあるというふうに承知をしておるところですが、我が国を代表するようなグローバル企業のリーダーの方々にとって、やはりこうした各国の立地競争の争いを意識されるものなのかという点、加えて、この大胆な投資促進税制に対してどのような期待をお持ちになっているか、併せてお伺いをさせていただければと思います。
○澤田参考人 永田先生、御質問ありがとうございます。
今日初めてということで、私もこちらは初めてなので、緊張しております。
今の御質問の中で、まず、大胆な投資、これへの意気込みということですが、かなり需要は世界的に大きくなっております。データセンターにとどまりませんが、データセンターを一つ造るに当たって、多方面な、いろいろな産業が関係します。そういう関係で、非常に、いろいろな紛争もございますが、需要への期待感は高い。
一方で、今回の税制は、非常に、これは必要十分条件でいうと必要条件の一つだと思っております。ただ、日本にサプライチェーンを戻すためには、例えば、電力の問題、あるいは全体の投資を呼び込むための環境の問題、様々な課題がまだあるということも事実として考えておりますので、是非、引き続き、この法律を端緒といたしまして、いろいろな政策で日本国内に産業基盤を、特に需要をつくるというような形をお願いしたい、こういうふうに産業界としては考えております。
以上でございます。
○永田委員 ありがとうございます。
意気込みのところをもう一度お聞かせいただきたいなというふうに思います。どのようにして二〇四〇年度までに二百兆円という民間の企業の国内投資目標を達成されていくのかというところの意気込み。
そして、今、やはり、また日本が世界から選ばれる国になるための様々な課題がございますといった御答弁をいただいたところでございますので、その辺りについても、しっかりと官民共に課題意識を共有していきたいと思いますので、少し具体的に教えていただけますでしょうか。
○澤田参考人 ありがとうございます。
まず、百三十五兆なり次の二百兆なり、これは実は簡単ではないわけでございまして、少子化の中で、一般的な投資への需要は減っていく構造になります。
ただ、これを逆に考えますと、先ほどロボットAIプラスという言葉を出しましたが、かなりロボットを進められる環境が整うということでございまして、それはいろいろな分野です、工場だけではなく、流通にしても、小売にしても、あるいは一次産業にしても、いろいろなロボットを日本の中に。そのために、私はさっき、ロボット、AIと人間の共生という、そのリンクをお話ししたんですが、日本はそこにやはり注力して、その需要を自らつくっていくような基盤技術を開発していく。
ただ、もう一つは、やはり、先ほどちょっと申しましたけれども、国側がどのようにして需要を十年、二十年の長い期間にわたってつくるかというのが大事になります。このポイントは、恐らく、国土計画をどう作るか、地方の活性化をどうするか、いわゆるコンパクトシティーを含めてですが、もう一度、分都も遷都も対象に入れて、地域を活性化するためのそういう計画が必要になるのではないかというふうに考えております。
もう一点の、選ばれる意識というところなのでございますが、グローバリズムが変質をいたしまして、かなり自国ファーストの政策が世界各国で出てきております。その中でも、産業界というのは、どうしても、水のように一番条件のいい方向に流れる構造があります。残念ながら日本はそういう意味でいうと難しい部分があるというのも、先生方御認識のところだと思います。
同じにする必要はないと思っています。日本としてのよさというのを組み合わせた形で、そこを対処していく。外国人の問題につきましても、きっちり規制をしながらきっちり緩めていくというような、AかBかではなくて両方実現するような、そのような政策をお願いしたい。そこが恐らく、他国も動いている自国への呼び込みに日本が伍していける、そういう方策ではないかというふうに感じております。
以上です。
○永田委員 ありがとうございます。
続いて、濱口参考人にお話を伺わせていただければと思います。
今回の法案では、新たな投資の受皿となる産業用地の確保に向け、既存の産業用地の最大限の活用と新たな産業用地の造成をそれぞれ支援する措置が講じられることとなっております。
濱口参考人は、地域経済産業分科会の会長、また、工場立地法検討小委員会の委員長のお立場にあり、これらの措置に関して大変に専門的な知見をお持ちであるというふうに考えておりますので、今回、既存の産業用地の最大限の活用と新たな産業用地の造成を両輪で行うということについての評価をお聞かせいただけますでしょうか。
また、新たな産業用地の造成については、私は、その方向性については大賛成ではあるんですが、造ったはいいが使われないということがあってはならないというふうに考えております。これを防ぐためにどういった留意が必要か、お考えをお聞かせください。
○濱口参考人 御質問ありがとうございます。
まず、今般の改正において、新規造成と既存用地の活用を両輪で進めていくことについての評価についての御質問でございますが、まず考えやすいのはやはり新規造成ということに思いが行くわけですけれども、それだけではなく、既存用地の有効活用のための緑地面積率規制の緩和を地域未来投資促進法の枠組みで行えることにして、両輪で進めることになったということは、意欲ある自治体の要望に応えようというものであり、評価できるものだと思います。
しかし、私は、先ほどの意見陳述の中で申しましたように、できることは全てやるという、これからのもっと積極的な姿勢は依然として必要で、今回の緑地面積率規制の緩和はまだ第一歩だというふうに捉えております。今後も、新規造成と既存用地の活用の両輪で、できることは全てやるつもりで取組を拡充させていただきたいと考えております。
また、土地がせっかく新規造成されても使われなくなっては困るということでありますが、これについては、自治体が、用地整備だけでなく、産業インフラの状況について都市計画全体を再検証していただいて、企業にニーズの高い、使われる土地を造り出していく、そういう取組が必要なのではないか、また、そのために、そのようなインフラ整備に関しても国の支援が必要かと考えます。
以上です。
○永田委員 ありがとうございます。
まだまだこれが第一歩であるといったところの御答弁をいただいたところでございます。特に、やはり、造って終わりにしないための留意点ですとか、また、既存用地の拡大、拡張に対しても柔軟な支援が求められているんだなというふうに改めて感じたところでございます。
現場の実情を反映した重要な視点をいただきましたので、投資の受皿としても、今後、用地確保が単なる面積の拡大に終わることなく、企業の機動的な投資判断に資するものとなるよう、制度の運用面についてもしっかりと考えていきたいなというふうに思っているところでございます。
続いて、エッセンシャルサービスについてなんですが、こちらは濱口参考人と宮澤参考人にお伺いをできればというふうに思います。
エッセンシャルサービスは、これまで、日本の稼ぐ力を支える成長産業を後押しする政策を講じてきたのが経産省だというふうに私は考えているところなんですけれども、今回、こうした分野の施策を講じるということについての御所感を聞かせていただければなというふうに思います。
また、宮澤参考人につきましては、地域の現場の声、様々今日も資料を御用意をいただきましたが、もう少し生の声というものをお聞かせをいただけますでしょうか。お願いいたします。
○濱口参考人 まず、経済産業省が今回エッセンシャルサービスに取り組むことになったこの意義をどう評価するかという御質問についてお答えいたします。
経済産業省はこれまでやはり製造業に重きを置いた政策を取ってきたということは、皆様御承知のとおりかと思います。確かに、製造業は外貨を稼ぎますし、良質な雇用を生み出すことができますので、製造業を支援するということは、その社会的貢献の大きさからも評価できることではあったと思います。
しかし、現在、日本は人口減少社会に移行しており、製造業を支える社会全体の仕組みをよくしていかないと、日本経済の国際競争力を保つのは難しいと思います。その観点から、今回、エッセンシャルサービス供給維持支援を新たに打ち出していただいたことは大変意義深いことだというふうに評価しております。
以上でございます。
○宮澤参考人 御質問ありがとうございます。
先ほど濱口先生も申し上げられておりましたが、まさにエッセンシャルサービスへの期待ということでございます。
商工会議所は商業再生にかねてから取り組んできましたが、残念ながら、やはり、需要が不足している中で、なかなかうまくいっていなかったというのが実態でございます。
今般、産業用地の確保というまさに産業立地の基盤と、併せてエッセンシャルサービスの維持の確保を一体的に行うということでございますので、まさに、地域に需要を持ち込んでいただいて、その需要を地域で消費していただく、それが地域の生活基盤の整備につながり、そして従業員の生活の維持、安定、そして快適な生活を送るということで、まさに地域経済循環の実現に資する制度だということで、大変ありがたいというふうに思っているところでございます。
また、声ということでございますが、こちらの資料でも幾つか御紹介をさせていただいているところですが、この資料以外で申し上げるということでございますれば、例えば、先般訪問した企業さんは、やはり新規採用に御苦労をされておりまして、残念ながら、郊外にある工場でございまして、交通アクセスがよくないという中で、車社会前提であるんだけれども、やはり、駐車場の確保ですとか、交通アクセス、バスをどうやって通していくのかとか、様々な課題に直面されているということでございます。
エッセンシャルサービスということで、そうした交通ですとか、あるいは工場周りのインフラ整備も含めて、非常に、この制度によって地方自治体と企業が連携して行うということで、ありがたい制度だなということで思っております。
以上でございます。
○永田委員 お時間が来ましたので、終了させていただきます。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 中道改革連合の吉田宣弘でございます。
本日は、五人の参考人の皆様、本当に、この経産委員会にお運びいただきまして、貴重な御意見を賜りましたことに心から感謝を申し上げたく存じます。
産業競争力強化法という法案に縛られておりますので、実は、五人の参考人の皆様の御意見を聞いたときに、本当に、経済安全保障であったりとか、それも対米関係の下のお話であったりとか、また、濱口参考人には東京一極集中の是正との関連も出てきまして、私、そういったふうなことに非常に関心も高く仕事をしておりますものですから、十五分という非常に貴重な時間でありますけれども、これも無駄口かもしれませんが、できるだけ有益な御意見を賜れるように努めてまいりたいと思います。
まず、大橋参考人にお伺いしたいと思います。
大橋参考人は、経済産業省の新機軸部会の委員としても、様々、日本のこれからの産業構造と政府の政策の在り方について大変に有益なアドバイスを御提供していただいていること、心から感謝を申し上げたく存じます。
私も経済産業政務官時代に先生と一緒に仕事もさせていただいたことがございまして、本当に、様々な御指導を賜ったことに、感謝の念に堪えない今を迎えているところでございます。
そこで、本改正案は、企業の個別支援という側面ではないんだろうというふうに思っています。日本のやはり未来が懸かっているなと思っております。そういった観点からは、投資とイノベーション、また再編などを同時に動かす制度基盤としての新機軸の一つの表れ、そういったことが考えられているんだろうというふうに思っております。
かなり中長期的なことでもあろうかというふうに思いますが、改めて、総論として、大橋参考人から本改正案に対する評価をまずお聞きしたいと思います。
○大橋参考人 御質問ありがとうございます。
今回の改正案は、私の理解は、これまで新機軸という名の下に産業政策が執行されてきているものは、根っことしてはやり続ける形でありながら、国際情勢の変化に対応して、上乗せで今回の改正案をやっていくというふうな仕切りなのかなというふうに思っています。
そういう意味では、二年前ぐらいだと思いますけれども、産競法の改正が行われて、その中では、GXとかあるいはデジタル化に向けての投資をしっかりやっていくんだ、これは大規模で、計画的で、なおかつ長期にわたって、しっかり腰を据えてやっていくんだという形の施策の取組というのは引き続き続いていくという中での対応ということなので、御質問いただいたとおり、これまでのGXを含めた取組というのはしっかりやっていくという認識でおりますし、その中でイノベーションなり再編というものもしっかり進めていかなきゃいかぬというのは、思いを同じにしているところでございます。
ありがとうございます。
○吉田(宣)委員 思いを同じくしていると言っていただくことがどれほどうれしいか、本当にありがとうございます。
次に、澤田参考人にちょっとお聞かせいただければと思います。
日米政府の戦略的投資イニシアチブなんですけれども、少しスキームを見させていただいて、まず協議委員会というのが日米両国で行われ、そしてラトニックさん、米商務長官の議長の下、投資委員会、これは恐らく相互連携が図られるんだと思います。その上で、このプロジェクトを今度はトランプ大統領に上げて、そして選定をされてプロジェクト化され、そしていわゆる資金が支出されるというふうなことでございます。
このスキームそのものというよりも、私は、今回の戦略的イニシアチブのプロジェクトというのは絶対に失敗させられないというふうに思っているんですね。といいますのも、やはり、NEXIというふうなところから資金が行きますけれども、これは失敗すれば全部国民負担に跳ね返ってしまいますので、これは絶対に失敗させられない。
そういった意味から、先ほど澤田参考人からは、円安リスクへの対応というふうなことで御教示もいただきましたし、また、州で規制をしているから、全国、州知事会というところにもコミットしているというふうな、これは非常に重要な観点だと思います。
でも、過去の投資の失敗例を私は少し、もう具体的に余り申し上げませんけれども、聞くと、やはり地域住民とのいわゆるコミュニケーション、これが非常に重要だというふうに思うんですね。その地域地域によって、様々な風俗、文化、いろいろなものが恐らくアメリカの中でもあるんだろうと思うんです。そういったところに関するケア、これが非常に重要だと私は思っておりまして、失敗させられないということからすると、本当にきめ細やかにやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思っております。
経済産業省も当然コミットしていくわけですけれども、どうしても現場、そして住民との対話ということになると、やはり民間事業者の皆様の御苦労の下に成り立つところもありますので、そういった観点からも、このスキームの中でもっとケアしなければいけないこと、私は一つは地域住民の対話というふうなことを申し上げましたが、何かお気づきの点がありますれば、是非御意見を賜れればと思います。
○澤田参考人 吉田先生、ありがとうございます。
どこが留意するべきかという答えから申し上げますと、この協議委員会の中、あるいはその以前ということになります。
いわゆるどんな案件が出てくるかというのをここで集めて議論するわけなので、この時点でスクリーニングをうまくしないと、その後ずっと行って、トランプさんが、いや、これをやるんだみたいになってしまうと、そのリスクを実行者なりバンカーが負う、投資をする人が負う、こういう悪循環になりますので、入口の協議委員会でどれぐらい、ただ、おっしゃったとおりです、地元との連携、あるいはアメリカ側でそれを推進している方がどれぐらい地元と連携して我々とも連携できるか、そういう外部条件をここで詰める、それがこのプロジェクトスキームの肝だというふうに理解をしています。
以上です。
○吉田(宣)委員 本当に貴重な御意見だと思います。
まず、間口の部分ということですね。そして、実際プロジェクトを進めようとしても、やはり地域住民との対話、これが不可欠になる。やはりこれを先取りして進めるということが私は非常に重要だなと思っております。
小型モジュールであったり、データセンター用の火力発電所であったりという、日本でやろうとしたら、恐らく、そういった地域住民との対話が必ず不可欠になるというふうにやはり思って、それはアメリカでもことわりは一緒だろうというふうに思って御質問をさせていただきました。
次に、今度は宮澤参考人に御質問をさせていただきたいと思います。
今回の中小企業の設備投資に対しては、これまでも種々の税制がありました。中小企業投資促進税制や中小企業経営強化税制、また地域未来投資促進税制、様々な税がこれまでもあったわけですけれども、一概に中小企業といっても様々な業種、業態、御事情が千差万別あるわけでございます。そして、その支援ニーズというのも違うのかなというふうに思うわけですが、今改正案というのは、投資促進減税のイメージですけれども、投資利益率一五%、投資規模三十五億円、中小企業も五億円ということで、中小企業も射程には入っているけれども、私のイメージでちょっと恐縮なんですが、どちらかというと中堅企業よりも大きい規模の企業をターゲットにしているのかなというふうなイメージを持っています。
そこで、中小企業が実際に本改正案の投資促進税制を利用するに当たって、今申し上げた投資利益率や投資規模以外にハードルになるようなことというのは、何かお感じになるところがありますれば是非御所見をお聞かせいただければと思います。
○宮澤参考人 御質問ありがとうございます。
今回の大胆な投資促進税制ということでよろしかったでしょうか。(吉田(宣)委員「はい」と呼ぶ)はい、かしこまりました。
まさに御指摘のとおり、今般の税制、例えばROI一五%以上ということであれば、高付加価値なもの、取組を促す仕組みだということが政策の狙いだというふうに伺っているところでございます。まさに、中小企業においては付加価値をいかに高めていくかということが経営課題でもございますし、またその中で、人手不足もございますので、省力化あるいは自動化といった取組も並行して進めなければいけないということでございますので、税制の目指すところ、ハードルというよりかは、まさにこれは中小企業においての目指すべき方向性なのかなというふうに承知しておりまして、まさにこういったものが使えるような制度、これは税制だけではございませんけれども、まさに様々な局面から御支援をいただければ、税制のみならず様々な制度で御支援いただければありがたいかなということで承知しております。
よろしくお願いいたします。
○吉田(宣)委員 もう五分になってしまいました。
今、非常に貴重な御意見を賜ったところでございますけれども、様々な政策を総動員するということが私は大切だろうと思います。
その上で、本法案とはちょっと関係はしませんけれども、今回の投資促進税制でやはり恩恵を被る企業さんというのは必ずあるわけです。その恩恵をいただいた企業さんは、恐らくサプライチェーンの一部です。したがって、そのサプライチェーン全体でやはり利益を享受していこうというふうなことは非常に重要であって、これは本法案と関係ありませんが、やはり価格転嫁、それから様々ないわゆる協力体制といいますか、そういったものが今非常に不可欠なんだろうと思うので、恐らく、この法改正だけに閉じずに、そういったものを産業政策、中小企業政策、全部総動員していかなければいけないんだろうと。その中に、一つまた、中小企業政策からいうと、このような今法改正の投資促進税制みたいなものもあるのかなというふうに私は位置づけているところでございます。
それで、次に、これも宮澤参考人、また繰り返しお願いします。日本の産業競争力を強化して、企業の事業活動を持続的に発展させることに、本改正案の目的はあると承知をしております。本改正案では、産業の担い手確保に資する生活基盤の維持、また実効性を高めるための施策が盛り込まれておりまして、少し具体的に申し上げれば、生活維持と役務等供給事業の効率化の計画認定制度の創設であったりとか、また支援機関の認定制度の創設であったりというふうなものが盛り込まれているわけでございますが、さらに、この政策の目的、それを達成するに当たって、深めていったり、今申し上げたような深める、更に深めたり、ほかに何か追加すべきものが仮にあるとすれば、ちょっとまた御所見をいただければというふうに思います。
○宮澤参考人 ありがとうございます。
まさに、元々このエッセンシャルサービスは、極めて厳しい状況にある中で、本法案で措置された支援措置をいただくということで、まさに機運醸成も含めて、具体的な金融支援ですとかが講じられていることは本当にありがたいことであるなということで、感謝を申し上げたいということでございます。
このエッセンシャルサービス、私どもも維持に当たって、各地域の取組、ヒアリングをさせていただいて、こちらにも幾つか事例を御紹介させていただいておりますが、やはりいかに固定費を下げて損益分岐点を下げていくかというところが事業継続に向けた支援の要なのかなというふうに感じております。
その意味で、金融支援もそうですし、地方創生ですとか地域未来戦略等々、まさに地方自治体と一緒に様々な支援策を今後講じられていくということでございますので、本法案に基づく支援策のみならず、様々な支援策を組み合わせて、そうした固定費をいかに下げていくかという観点から力強い御支援をいただけるとありがたいのかなということでございます。
私からは以上でございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。固定費を下げる取組というのも、しっかり進めなければいけないなと今感じたところでございます。
もう時間も多分なくなっておりますので、最後にまた大橋参考人にちょっとお聞きしたいんですけれども、参考人は先ほどの御意見を賜った中で、いわゆる今後検討すべきと思われる課題ということの中で、政策立案評価サイクルを政策全般において監視、フォローする必要性、EBPM、エビデンスに基づく政策立案の取組を政策横断的に国会が監視し、そしてフォローアップすることも有用ではないかと非常に貴重な御意見を賜ったところでございます。
ただ、国会が監視するというふうなことというのも、恐らく国会議員の一人一人がめちゃくちゃ意識して、関心を持って、その都度質問をしたりとか、政府と対話したりとかいうふうなことで実現するというふうなこともあるのかもしれませんが、これだと行き当たりばったりになってしまうんですね。
なので、何かそういったところで、国会の、こちらで考えることなのかもしれませんが、ちょっと何かいいアイデアがありますれば、御指摘いただければと思います。
○大橋参考人 ありがとうございます。
私も、余りこうした場に来させていただくことも頻繁にあるわけではないので、なかなか、この場の温度感とか、ちょっと分かっていないところもあって、そういった中でちょっと行き過ぎた御意見を申し上げちゃったかなというふうな気も若干してまいったところではございますけれども。
こうした場で政策を立案していただく、そうしたものがどう執行されて、どういう結果を生み出したのかというところまで関心を持っていただければ、次の立案、こうした議論の場で生かせると私は願っていまして、そういう意味でいうと、つくったものの最後も結果までしっかり見ていただけるといいのかなという、その思いだけで申し上げたところでございまして、済みません、いろいろ事務局の方にも考えていただいたらいいかと思いますが。
失礼いたします。ありがとうございます。
○吉田(宣)委員 参考人の皆様、本当にありがとうございました。
質問を終わります。
○工藤委員長 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会の阿部司と申します。
参考人の皆様、本日は大変貴重なお話をありがとうございます。何点か御質問をさせていただきたいと思います。
まず、本改正案は、大胆な投資促進税制ですとか、事業適応計画の新類型、工場立地法の規制特例を含む産業用地整備ですとか、あとは日米戦略的投資イニシアチブの対応と、政府の関与は多岐にわたっております。国際的にも、米国の再工業化政策ですとか、EUのドラギ・レポートに象徴されるように、産業政策の復権が進んでおります。一方で、政府にどれだけ目利きの能力があるのか、過剰な介入が逆に競争力をそいでしまうのではないかといった懸念も繰り返し指摘をされております。
本改正が示すこれらの措置について、政府の関与と市場の規律のバランスという観点から、最も評価できる点と最も懸念すべき点、こちらについて、それぞれのお立場から、参考人の皆様から順番に御意見を頂戴したいと思います。
○大橋参考人 ありがとうございます。
大変鋭い御質問かなと思っていまして、ちょっと心の準備が必ずしもできていませんでしたが、思うところを申し上げますと、まず、私の冒頭の陳述の中で、実験的取組とちょっと申し上げさせていただいて、これは確実に成功するかどうかというのは、関与される方々の意識であるとか、あるいは、そうした実験的なものをどう見極めて次のサイクルへ回すかという、この評価と立案のスピードをどう回していくのかというところにも懸かってくるのかなと。
一回決めたからこれはやり抜くんだというと、なかなか先方の御事情も変わる可能性があるので、そういう意味でいうと、ある種のアジャイル的な、機動的な運営の仕方というのは大変重要だと思います。私は、そこがやはり肝になると思っていまして、ある程度現場の人たちに任せる、任せながらもしっかり評価はしていくというところの、プレーヤーとガバナンスの体制をしっかり組んでいくという、私、スキームはしっかり行政当局にも見ていただきたいなという思いでおります。
以上です。ありがとうございます。
○澤田参考人 御質問ありがとうございます。
端的に評価できる点と懸念点ということで。
評価できる点は、今までの投資促進あるいはそういう研究開発税制に比べまして範囲が広いということです。非常に手続も簡単になっているということで、目利きのお話がありましたけれども、このポイントは、企業自らが提案していくという自発的な行動にありますので、そういう意味でいうと、非常に範囲が広くて使いやすくて投資が進むだろうというのが評価のポイントです。
逆に、懸念点という意味でいうと、全額償却促進か七%税額控除という構造なわけですが、キャッシュが要る時期が後になっちゃうんですよね。PLをヒットするという部分もありますので、企業によっては使いにくいなと感じる方も、そういう懸念がある可能性もあります。あるいは、税金というよりも、直接補助が欲しいなというふうに思われる方もございますので、これはバリエーションがいろいろあると思うんです。懸念点は、そういうバリエーションが出る、まだあるというところでございます。
○峯村参考人 ありがとうございます。
まず、ちょっと大きな国際的な流れでお話をさせていただくと、自由ないわゆる貿易に基づいた民間主導というのがこれまでの基調だったわけですが、やはり、中国を始めとするいわゆる国家資本主義的な流れというのがある。そこには、ほかの国も引きずられる形でやはり政府の介入がどうしても増えている傾向にある、是非ではなくて。
この流れというのはまずあるという前提で、私の専門のところでいうと、この投資イニシアチブについてプラスとマイナスのところで申し上げると、プラスの部分でいうと、やはりこれは他国、EUとか韓国と違って、完全に民間だけにやらせるというわけではなくて、うまく政府系金融機関をかませるというところで、政府と民間のバランスが非常にいいというところで、いわゆる産業の空洞化とかを防ぐという意味では、ここは私はプラスだというふうに受け止めております。
ネガティブというかリスクのところで申し上げると、先ほど来議論になっているようなやはり協議委員会ですね、ここがどのような投資案件を選ぶのかというところ。ここは、日本側も、各省庁の局長クラスの皆さんも入っていらっしゃいますというところでいうと、ここの目利きがまさに問われるところでございます。
なので、この辺りというのは、やはり役所側だけ、政府系だけに任せるわけではなくて、民間側とうまく連携する形の目利きの力というところで、そのリスクというのを排除していくということが極めて重要であるというふうに思っております。
以上です。
○濱口参考人 お答えいたします。
私は、用地とそれからエッセンシャルサービスに絞ってお答えをさせていただきます。
まず、今回、特に用地及びエッセンシャルサービスにつきましては、非常に今既に供給が不足しているもの、あるいはこれから供給の不足が確実に予測されるものという分野に行われる政策でございます。
こういった分野に対して施策を講じることは、まさに先ほど大橋参考人からお話がありましたように、産業政策として競争を補完するものというふうに考えますし、澤田参考人からお話があったように、今後の予見可能性を高めるものということにまさに合致するものと思われますので、この点を私は評価しております。
次に、懸念される点でございますが、研究者の間でやはり非常に論争がありますのは、投資誘致政策という点でございます。これは結局、どこかに立地するはずの企業を自治体の間で取り合っているにすぎないゼロサムゲームであるから、どこであっても結局立地するのであるから、税制を補填してあげることは、それは何か無駄撃ちのような効果しかないんじゃないか、そういう評価もあります。
一方で、私が非常に参考にしておりますバルティックという研究者が二〇一七年に発表した論文では、衰退地域において誘致政策を行うことは雇用の創出と所得の創出に対して効果があるという評価をしております。
今回の減収補填を財政力の弱い自治体に対して手厚くする施策というのはこれに当たるというふうに考えられますので、この懸念が必ずしも当たるかどうかは分かりません。そして、それを、そのような結果にならないような、政策の実施規定において施策を十分に練っていく必要があるというふうに考えております。
以上です。
○宮澤参考人 ありがとうございます。
まさにこれまで参考人の皆様が述べていただいたことに尽きるというふうに思っておりますが、私の方から補足させていただくとすれば、まさに今回の用地の確保とエッセンシャルサービスということが担当でございますが。
従来、先ほど来御説明しているとおり、なかなか地域において進めることができなかった産業立地とエッセンシャルサービスの維持ということが、今回、法案によって一体的に、まさに地域主導で、民間主導でできるというところは評価をさせていただいておりますし、まさに期待をしているというところでございます。
一方で、懸念というところもややあるとすれば、個々の自治体さん、あるいは住民さんの御理解がやはり引き続き重要であるという点は、引き続き懸念はしているところでございます。今回、財政補填という形で自治体さんを応援していただける制度もあるというふうに伺ってございますので、地域で民間のリスクをいかに低減して、地域ぐるみで地域経済を盛り上げる仕組みということは、まさに地域と民間が連携しないとできない仕組みだと思っておりますので、そこへの評価、そして期待、懸念というものが一体になっているということもございます。
答えになっていないかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
○阿部(司)委員 参考人の皆様から大変参考になる御意見を頂戴できたかと思います。ありがとうございます。
あと五分程度になりますけれども、峯村先生にお伺いをしたいと思います。Xのポストをいつも拝見しております。
対米コミットメント、他国も、ヨーロッパを始め、皆さんお約束されているわけなんですけれども、真面目にやっているのは日本、韓国ぐらいなのかなという印象も受けておりまして、これは、安全保障の観点でも、先ほど先生おっしゃられたように、いかに日米同盟を強化していくのか、中国の経済の武器化に対抗していくのかという観点で非常に重要な取組だと思っておりますけれども、一方で、こんな声も聞こえてきております。要は、米国一辺倒、偏り過ぎで大丈夫なのかと。
この点、今、国際情勢も様々流動化しておりますけれども、全体的に世界を俯瞰して見たときに、日本の立ち位置を考えたときに、対米コミットメントだけでなく、我々日本として打っていく手、ここについて少し御意見をお伺いできればと思います。
○峯村参考人 阿部先生、私の拙いXを御覧いただいて恐縮でございますが、今日は全く切り離して真面目に話をさせていただきます。
まず、御質問いただいた点で申し上げると、やはりこの辺り、対米一辺倒であるかというところでいうと、それは御指摘のとおりだと思います。
やはり戦後、アメリカの覇権、特に冷戦期を含めて、冷戦、ソ連の崩壊後もアメリカの一極というところ、そこに日本は同盟という形で寄り添ってきたというところで申し上げると、これまでの一辺倒だけでは済まないというのはそのとおりだというふうに考えております。一方で、EUも韓国も真面目にやられているんですが、そういう意味では結構日本がうまくやって、進んでいるという実態がございます。
そこで申し上げると、やはり、韓国、日本というふうに今阿部先生が御指摘されましたが、このEUと日本、韓国の決定的な違いで申し上げると、EUのいわゆる仮想のライバルとするとロシア、メインがロシアになる。日本、韓国でいうと、やはりロシアも隣国なわけですが、中国、北朝鮮といういわゆる懸念国に取り囲まれているという中でいうと、現況で申し上げると、やはり対米の関係、まさに日米同盟というのが、ここが基軸であるというのは私は変わらないんだろうというふうに考えています。
ただ一方で、先ほどのアメリカの覇権のある意味揺らぎというのも事実であると考えると、これはやはり日本の独自の外交、ほかの国々との連携というのを多層的につなげていくこと、例えばFOIPもそうですし、このような国々との連携というのは極めて重要であるというふうに考えております。
あともう一つ、日本、自国のやはり防衛力強化というのも必須だというふうに考えております。特に、やはり今までアメリカに依存してきたところの大きな部分でいうと、インテリジェンス、情報収集、分析の部分になりますね。この辺りも、やはり日本独自としてもインテリジェンスの強化というところを図っていく、さらには防衛力も、自国で守ることができる体制というものを整備していくことが喫緊の課題であるというふうに考えております。
以上です。
○阿部(司)委員 大変貴重な御意見をありがとうございました。
本日は、先生方に、この法案について、また様々な新しい論点についても御指摘、御提示をいただきまして、一同大変勉強になったと思います。いい政策に仕上げられるようにより一層精進してまいりますので、引き続き御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 おはようございます。国民民主党の鈴木義弘と申します。
本日は、貴重な御意見を頂戴して、感謝を申し上げたいというふうに思っております。
今は、DXが終わったら今度はGX、今度は去年あたりからAXというんですね。フィジカルAIとかというのがどんどん推していこうという話なんですけれども、どれ一つ取っても、経産省に照会をかけても、じゃ、DXがどこまで進んでいるのかという数値的なものもよく分からない。じゃ、GXは、私が今生活をしている中でどれだけのCO2を出しているのか、自分のところの会社でどのぐらいのCO2を出しているのか基本を出してくれと、様々だからなかなか難しいんでしょうけれども、その中で、今度はAXだ、こういう話になっていくわけですね。
DXも進んでいるかどうか分からない、GXもどうかよく分からない、AX。AIをどんどん入れていかざるを得ない時代だというのは分かるんですけれども、本当にそれで、一握りの人はAIを使って商売にはなると思うんですけれども、でも、実際に、例えばAIを入れることによって、経産委員会でも過去に質問したときに、士業に従事している方が仕事がなくなるんじゃないかと。要するに、知的財産で御飯を食べている方々ですね。そういう時代がもう、日進月歩というよりももっと速いスピードでAIが私たちの、社会というんですかね、生活、仕事でもそうですけれども、どんどん入ってきて活用しているんですけれども、それがどんどん進んでいった社会で、じゃ、この国の私たち国民が何をやって食べていけばいいのかというのが一番目の問題なんですけれども、お立場お立場で結構ですから、簡単に、これがというのがあったら教えていただければなと思います。
○大橋参考人 御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、DX、Xというのはトランスフォーメーションですけれども、産業構造を変えていくツールとしてデジタルだと言っている時代があり、GX、Gというのはグリーンですけれども、今AIだというふうなお話がありますが、私、根本にあるのはXなんだと思っています。
つまり、我が国の産業構造、これまでデフレ下においてずっと化石のように固まってしまった産業構造をいかに変えていくのか。変えていくときの根っこにあるのは、私は、一つはやはり製造業というもの。我が国の物づくりというのは、やはり今でもそれなりの力というか技術力がありますから、この技術力をしっかり解き放ってあげるためのツールとして、我々はGといって、今でもGXをやっていますし、AIを使っていかに人がいない中でのノウハウを広げていくのか。
やはり、食いぶちとしては、製造業とあとサービス、それをどう掛け合わせて我が国の強みである製造業をうまく世界に羽ばたかせるのか、私もそこが一番根っこにある我が国の勝ち筋なのかなというふうに思っています。それをどう広げていくのかという技術的な手法として、様々、我々は議論しているところなのかなというふうに思います。
ありがとうございます。
○澤田参考人 鈴木先生、ありがとうございます。
ちょっと自分の意見の中でもお話をしたんですが、その前にまず、今、大橋先生もおっしゃいましたけれども、DX、GX、AX、これはそれぞれ切り替わっているんじゃなくて、重畳しているというふうにやはり捉えざるを得ない。なかなか進まない部分もありますので、これは重畳してやっている。
これからの日本を考えたときに、世界の中でAIはみんな奴隷的に使っています、基本的に。人間中心ということを言ってしまうと、ツールなんですね、AIは。だから、奴隷で使って、ある面、ローマの市民になるんだと言っている人もいます。でも、そうじゃないと思います。
特に日本で考えますと、私の年代ですと鉄腕アトムですが、ドラえもんもそうですけれども、ロボットというのは友達なんですね。そういうことを堂々と文化で示してきているのは日本だけだと思います。そういう意味でいうと、AIとどうつき合って一緒に生きていくか、そういうモデルを世界に示して牽引できるのが日本じゃないかと。そうすると、産業という目で見ますと、ロボットを作るということと、そういうふうな連携をするということ。
AIも、いろいろな点在したAIをつなぎ合う。多分、恐らくスマホの中にも全部AIが入っていきますので、それだけだと人間はもう何もしなくなりますが、それだけでないような世界を併せて残す、そこが日本の逆に付加価値になる。スイスの時計職人のように、手作りだから高い、そういうようなナラティブをつくっていくべきではないかというふうに感じています。
以上です。
○峯村参考人 鈴木先生、御質問ありがとうございます。
AIに振り切っているところの国でいうと、やはり中国が挙げられます。中国政府の場合は、ある意味、産業構造を完全にAIに全振りしていると言ってもいいぐらいですね。どんどん進めている。ところが、その副作用として何が起きているかというと、失業率の増加なんですね。ここに本当に苦しんでいる。中国は独特の体制もありますので、そこの部分はもう、ある意味、蓋をする形でAIの全振りに行っている。なかなかこれは日本では難しい。両立というのがやはり重要である。
じゃ、片や、アメリカで何をやっているかというと、トランプ政権、まさに製造業の復活であると言っている。もちろんAIをやりつつも、製造業の復活であると言っている。
日本というのはその中間的な立場だと思って、中間というか、いいポジションに私はいると思っています。やはり日本の製造業というのは、まだかなり残っている、復活もできる、素地が残っている、エネルギーも技術も残っているんだろうというふうに見ています。
一つ、ちょっと例を挙げると、先日、台湾に行ってきて、台湾の半導体業界の方々に講演する機会をいただきました。終わった後の会食の中で聞かれたのは、今TSMCが熊本に進出した、ところが、行ってみたら、どうなっているんだ、かつての半導体王国のたくみの技を持った技術者がたくさんいると思ったら、もういないじゃないですかというふうに、驚きを持って皆さんはおっしゃっていました。
やはりこの辺り、この半導体も含めて、AIになかなかカバーできない部分というと、まさに、製造業の中でも唯一無二の技術とかというところというのが、非常に私は今後より重要になってくるんだろうというふうに考えています。なので、この辺りをしっかりと国として、政府としても把握をした上で、その辺りを日本の強みとしてバックアップしていくというようなことが必要ではないかというふうに考えております。
○濱口参考人 私は、AIは地方のエッセンシャルサービス供給には一つの福音になる可能性があるというふうに考えています。
例えば一例を挙げますと、地方の小さなスーパー、小売店、ここでどのような品ぞろえをするか、そして売った後の会計管理をどうするか、そういったところをAIに任せるという考え方があります。
例えば、そこの地域の需要を細かく見ていきますと、おしょうゆが、例えばお刺身はこのしょうゆ、目玉焼きだったらこういうしょうゆとかと、しょうゆを使い分けるような、そういう文化があった場合に、非常に、住民の数は少ないんだけれども、スーパーのしょうゆの棚の充実が物すごくたくさんの種類があるようなところがあるというふうに聞いています。
そのような需要の動向をリアルタイムで予測することによって、品ぞろえを充実させていって、必要なサービスを提供していくというようなこと、そして、売った後の会計の管理、もちろん、従業員を雇うような余裕がない場合に、そういった機能を任せることができます。
しかし、エッセンシャルサービスは、最後は対人接触でございます。ここのところはやはり対人スキルが必要で、特に、地方の高齢者に対面して多様なサービスを供給するような事業者の場合には、最後の対人スキルのところを磨く必要がございます。
ですから、そのようにAIを使いながら、やはり対人スキルを持って質の高いエッセンシャルサービスを供給していくこと、これは経済産業省ではアドバンストエッセンシャルサービスという言い方をしているようですけれども、そのネーミングが正しいかどうかは別として、そのような方向に進むことによって、人口減少の地方で質の高いエッセンシャルサービスを供給することが可能になるのではないか、そういう意味で福音というふうに申し上げました。
以上です。
○宮澤参考人 ありがとうございます。
もう皆様に語り尽くされている部分もあると思いますけれども、まさに、先ほど私から紹介させていただいた調査が、我が国の強みである物づくり、あるいはきめ細かなサービスが中堅・中小企業が今どのようになっているのかという問題意識から調査をさせていただいたものでございまして、確かに、人手不足に直面して厳しいものではありますけれども、成長分野に果敢に挑戦する地域の企業という実態を示せたのかなというふうに思っています。
そういう中で、やはり、AIあるいはDXというところ、これもやはり中堅、中小、なかなか浸透しないというふうに言われてはおりますけれども、これらの経営課題にまさに回答を一つ与えてくれる分野でもあるというふうにも認識しております。
先般、スタートアップのフィジカルAIの取組も、私はちょっと個人的に伺ったこともありますけれども、まさに、物づくりの現場で人手不足でありながら、中小のまさに任されている、細かい、なかなか大量生産、大量の物づくりに合わないような個別の取組にも、今フィジカルAIが課題解決に向けて一緒に取り組んでいるという話も伺ってまいりました。
まだまだという声もあるかもしれませんけれども、かなり可能性を秘めている分野だと思っておりますので、私ども商工会議所としても、そうした最新技術、中小企業に普及できるような取組を進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
もう時間がないんですけれども、釈迦に説法な言い方ですと、売上げは単価掛ける数量なんだと、昔も今も、これから先も。
だから、単価を上げていこうとするのか、数量を上げていこうとすると、日本の人口がどんどん減ってきますから、おのずと今回の競争力強化法で製造業を主体にして生産量を増やそうという一つの方向性、データセンターを造るとか。じゃ、一番、データセンターを造って自治体に何かメリットはあるのかということですね。その地域の経済に対してどれだけあるのか。そのときは、それを造った建築、土木の人たち、中にいろいろな機械を入れる、パソコンを入れたり何なり、それはそれで商売になるんでしょうけれども、その後、じゃ、雇用がどんどん増えていくものになるのか。
その関連性がどこまで見出せるのかで、今回の産業競争力強化法の改正をするに当たって、ここだけ見るんじゃなくて、それがどう地域経済に、それが全体的に回ることによって日本の経済の底上げ。じゃ、売る先は日本国内じゃないんですね。海外に行って稼いでこなければ無理だという考え方、私はそう思うんですけれども、その辺を、時間がないので大橋参考人と峯村参考人に御教授いただければなと思うんですが、よろしくお願いします。
○大橋参考人 ありがとうございます。
二点いただいたと思っていまして、一つはデータセンターに関してということだと思います。データセンターは、確かに建設においては地元に落ちるお金がある、ただ、できた後どうなんだというところはあるんだと思います。
こちらの方、データセンターにおける建設において、グリッドにつなぐわけですけれども、このグリッドにつなぐときにどういうふうな対価をデータセンターに求めていくのかというのはしっかり議論した方がいいのかなというふうに思っています。ほっておくと電気を相当使っちゃうので、託送料金が上がっちゃうみたいなことが起きかねないので、そういうことをしっかり防ぎながら、地元にメリットがある形での立地というものをしっかり考えていく必要があると思います。
二点目は、おっしゃっていただいたとおりで、日本国内に供給するための工業立地という観点ではなくて、やはり経済安保のコンテクストでいうと、自律性と我々は言いますけれども、基本的には不可欠性を前提とした下での自律性だと思っています。つまり、海外において我が国の技術をどうやって植え付けて生かしていくのか、その中で自律性をしっかり担保しようというふうな多分目線で議論すべきなのかなというふうに思っていますので、そういう意味でいうと、海外展開と国内供給というのは地続きになっているということではないかと思っています。
ありがとうございます。
○峯村参考人 今、大橋参考人の方からデータセンターについてお話がありましたので、一般的な工場投資の場合で申し上げると、先ほども申し上げたTSMCの件の熊本工場の件は、私は計画の段階からもう何度も足を運んでおりまして、地元の状況を見ております。
そこで申し上げると、ある意味経済はよくなっている、地元景気、例えば最低賃金なんかも、菊陽町の賃金は熊本市内よりも上がっているというところで効果はあるんだろうと。ただ一方で、やはりそこの雇用がどれだけ生まれているのかというと、かなり今頭打ちになっているというところの問題はあります。
なので、この辺り、やはり投資、先ほどのデータセンターもしかりですが、どのように国内の雇用とか経済に落とし込んでいくのかというところは、やはり今後ただ呼び込むだけではなくて、両輪としてその辺りのたてつけをしていくことというのは非常に重要なのではないかというふうに考えております。
以上です。
○鈴木(義)委員 貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。
終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一と申します。
本日は、五名の参考人の方々、大変貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、今回、これからこの日本の産業政策を考えるに当たりまして、今後、いわゆるAX、これによって、これがどう社会の中に入っていくのかというふうなことについて先ほども鈴木委員の方からも質問がございましたが、これと併せて、地方においては特に労働力が足りない、人材不足ということも深刻だというふうに言われていて、そこを補うために外国人の方々、技能実習とかそういった形でどんどん入ってもらって、そういう方々がいないと回らない現場というのが実際にたくさんあるというのは私もいろいろ見て直接知っているところではあるんですけれども、一方で、今後、どんどんAIが発達して、人が直接関わらなくてもできる部分が増えていくとなったときに、今のペースでどんどん外国人材を受け入れていって、その方々が日本国内に住んで、例えば特定二号とかだったら家族も連れてきてというふうにして、どんどん外国の方々が増えていくというふうな状況になったときに、いずれ、AIが発達して、逆に人が要らなくなってしまったみたいになったときに、そういった方々に対する社会保障を日本が見なきゃいけなくなるとかといったことも懸念事項としてございます。
そもそも、先ほど、大橋先生から冒頭の御指摘であったとおり、戦後、日本が僅か十年足らずで造船シェア世界一となれた背景には、日本の人々の温和な性格とか、そういう国民性みたいなものも大事だと言われていましたので、そうしたことが、文化とか国民性というものが崩れていくんじゃないかというふうな懸念もございます。
そこで、大橋参考人と、あとAIにも言及いただきました澤田参考人、それから現場の中小企業のお立場から宮澤参考人の三名にお伺いしたいんですけれども、今後、AIがどんどん発達していく社会において、外国人労働者の受入れ方、どういったふうに社会全体として見ていくべきか、お考えをお聞かせ願えればと思います。
○大橋参考人 御質問ありがとうございます。
外国人労働者の受入れの状況というのは、かなり業種によっても、地域によっても、相当色合いが違うのかなというふうには思っています。そうした中で、御指摘いただいたように、いかにAI、Iの方、自動化の技術を入れていくのかというのは、私はしっかり各産業で真剣に考えていくべきだと思います。
その中で、ちょっと私が懸念していることは、例えば建設業だと、i―Constructionといって、もう五年以上前から随分行政も熱心に取り組んできているわけですが、そのお話を聞くと、コンストラクション、これは、リースにするにしても、利用料の問題があって、そうした利用料がやはり高いわけですよね、あるいは買うにしても高いというものをどう下げていくのか、利用を高めていくのかというのをしっかりやっていかないといけなくて、そうした取組と外国人をどれだけ入れるのかというのは、やはり私はバランスの問題になってくるのかなと。
そういう意味でいうと、私は、しっかりAIを受け入れられるような産業構造の在り方、あるいはプライシングの在り方、そうしたものというのをもう少し真剣に議論し始めた方がいいのかなというふうには感じます。
以上です。ありがとうございます。
○澤田参考人 牧野先生、ありがとうございます。
大橋先生に少し近いんですが、まず、外国人、労働者というよりも外国の方に来ていただいていろいろ一緒に付加価値をつくるとすれば、かなり頭脳ワークの方々、この方々をどう受け入れるかという環境整備の問題、これが別にまずあると思います。大学の教授始め、その方々も含みますが。
それで、特定技能で今、この議論をということで絞っているわけですが、非常に懸念していますのは、ロボットが入らないということです。いわゆる賃金が安い方向で、もう自分の事業が苦しいから、日本に働いてくれる人がいないので外国から、もしその賃金を日本人と同じにしているなら余り問題はないんですが、安い賃金が欲しいからといって入れると、その賃金に対して新しい機械を入れられるかという比較になりますので、これはちょっと入りにくいという議論になります。
そういう意味でいうと、本質的にデフレではなく日本の経済を上げていくためには、やはりCPIも上げる、給料も上げるという良循環をつくる。それから、もし手が足りないなら、賃金を上げるというところを政策セットにしていただかないと、先生が御懸念をおっしゃっていたように、AIが入っちゃったらどうするのというか、入りにくくなるので、物すごくややこしい世界になってしまうというところがあるかと思います。
以上です。
○宮澤参考人 ありがとうございます。
外国人労働者の問題、今回も、ちょっとなかなか、法律と、想定と若干外れる問題でございますので、やや個人的な意見も含まれていることを御了承いただければと思いますけれども、まさに、今回のヒアリングをさせていただいたりとか、様々な現場、中小企業、中堅企業の製造の現場、あるいはサービスの現場を見て、率直に、外国人の皆様と日本人の労働者が一緒に働いて、一緒に頑張っている姿というのを見てまいりました。まさに本当に、今、外国人労働者は我が国の裾野を支える中堅・中小企業において不可欠な労働力であるのかなというのが実態なのかなというふうに思っております。
AIの話もございましたが、なかなかまだ現場にもAIが、どうしても現場労働、フィジカルな仕事が多い分野が中小企業には多いものでございますので、やはり労働力に頼る部分というのはいまだ実態で多いものでございます。
外国人労働者の獲得についても、商工会議所の中では、例えば、地方でせっかく頑張って外国人の方をスカウトしてきても、頑張って育成したらすぐに大都市の方に出てしまう、あるいは大企業の方に行ってしまうといった問題点も指摘されておりますので、外国人、日本人という区分はあるかもしれませんけれども、現場では今一緒に働いている仲間としてやっていらっしゃるという声を聞いておりますので、是非経営課題として捉えていただければなというふうに考えております。
以上でございます。
○牧野委員 ありがとうございました。
やはり、賃金が安いからといってそういう外国人材に頼るというふうな方向に流れてしまうと、企業の側からすると、設備投資をしっかりやって、自動化、AI化、これによって一人当たりの生産性を上げて賃金を上げていくんだという方向になかなかなりづらいということが起きてきてはまずいので、そういったことが起きないようにしっかり政策を考えていきたいというふうに考えております。
続きまして、峯村参考人にお伺いしたいんですけれども、対米投資イニシアチブに関しまして、現在、既に出ているプロジェクトとしては、先ほど御紹介いただいた人工ダイヤであるとかあるいはSMR、それから、これから出てくるもの、ガス田開発とかレアアース共同開発等々言われていますけれども、峯村参考人から見て、今後のいろいろな国際情勢等々を考えたときに、現時点ではまだ日米の中でメニューにははっきり上がっていないし、こうしようとなっていないけれども、これからこういう分野もこの対米投資イニシアチブの中に入れていくといいんじゃないかと思われるところが何かございましたら、お教えいただければと思います。
○峯村参考人 牧野先生、御質問ありがとうございます。
たくさんあるんですが、まず一つでいうと、またちょっと半導体になって恐縮なんですが、今、台湾は、TSMCも含めて、また大規模な半導体を、対米に進出する、投資するという話が進んでいるふうに聞いています。これも、例えばTSMCの場合は、多くの日本企業がこのサプライチェーンに入っているわけですから、これは投資に日本としても関われるわけですね。この辺りの投資に関わっていくというのは私は非常に重要だと思っていますし、日本が特に投資するわけでもなく、第三国の企業の投資に関わることによって、これはある意味利益になる、日本の国益につながるという意味では、私が期待している部分であります。
あともう一つは、やはりエネルギー分野ですね。アラスカ産の原油とかという話も出ていますけれども、やはり、今回の中東の危機、イラン攻撃を受けた中東危機を受けて、我が国の中東への原油の依存が余りにも大き過ぎる、これは経済安全保障の観点からいうと極めて深刻な問題であるということが露呈したわけですね。
その辺りでいうと、例えば、先ほど申し上げた台湾有事などを考えたときに、台湾周辺、我が国の海峡の周り、例えばバシー海峡、台湾海峡を封鎖されるというような事態が起きた場合に、やはり、アメリカの原油なりが入ってくるというのは、安全保障面を考えても、非常にこれは国益に帰するものではないかというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたような半導体それからエネルギー、いろいろな資源の安全保障上のものにこの対米投資イニシアチブというものはしっかりと使えるものだと思いますので、先ほどの日米協議委員会のところで、何をやるのかという目利きのところ、ここをしっかり国として方向性を見守っていきたいというふうに思っております。
続きまして、濱口参考人にお伺いしたいんですけれども、国土政策というか、空間経済学という観点から、これはエッセンシャルサービスともつながることですけれども、地域の交通の在り方ですね。
特に今、北海道とか四国とかではJR単独での路線維持が難しくなってどんどん廃線が増えているというところもございますが、そういった鉄道による貨物輸送、これによって大量の食料、物資をより少ない人手で動かすことができるといったメリットもございますし、地域の高校生とかが、そこに鉄道があるから通えるけれども、なくなっちゃったら通えなくなるみたいなこともございますので、そろそろJR北海道なんかは上下分離を検討してほしいと自治体に言っているけれども、自治体も体力がないから無理だと言っていて、なかなか進まないところがございます。
濱口先生の目から見て、そろそろ、そういった北海道とか四国とか、どう見ても単独で採算が合わないであろうというところは、上下分離にして線路は再国有化するぐらいなことを考えてもいいのかなと思っていますが、どのように見ていらっしゃいますでしょうか。
○濱口参考人 御質問ありがとうございます。
私も、牧野先生がおっしゃることにまさに同じ思いを抱いておりまして、鉄道は非常に重要だと考えております。物を運ぶのもそうですし、地域の人々の、特に、地方はどうしても自動車が中心になっておりますけれども、交通弱者となっている高校生やあるいは高齢者にとって、鉄道の確保というのは非常に重要だと思います。
そのための一つの方策として、上下分離というものは確立された方法で、国際的にも運用されているものでありますから、そのエビデンスに基づいて、これから具体的な方策を是非検討するようになっていけばいいなという思いは私も全く共通のものでございます。
以上です。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかりと交通網の維持、物流網の維持といったところで、せっかく昔の人たちが頑張って敷いた鉄道という財産を活用できるように頑張っていきたいというふうに考えております。
続きまして、もう時間が残り少なくなってまいりましたが、宮澤参考人にお伺いしたいんですけれども、地域の中小企業、特にエッセンシャルサービスの、本当に人口が少ないようなところで頑張っていらっしゃるような方々にとって、国の方からプッシュ型の伴走支援みたいなことをこれから強化していこうというふうに言ってはいるんですけれども、やはりそういったところの小さな声を拾い上げるということが、なかなかきめ細やかに見ていくところが難しいかなというふうに思っていて、地域の中小企業の方々と関わられている観点から、どういった形で現場の声を拾い上げていくということが今後そういったエッセンシャルサービスを担われる方々にとって一番価値が高くなるか、事業継続にとって資するかという観点から御意見を伺えればと思います。
○宮澤参考人 ありがとうございます。
まさにそこが課題だと思っております。今回、支援制度あるいは計画の認定制度も設けていただいておりますし、その実行部隊である自治体さん、あるいは民間企業、担い手というところだけではなかなかこのエッセンシャルサービスの持続可能性というのは難しい問題なのかなというふうに思っております。
例えば、バス事業者の皆さんは、このエッセンシャルサービスの認定をもし受けるとすれば、やはり地域の必要なサービスなんだということで、地域の住民の皆様ですとか暮らされている方々に認知度が上がって、自分たちもうれしいという声もいただいております。
まさにこのサービスが不可欠なものであるということを地域の皆様がしっかり認識していただく、あるいは、地域の未来、産業立地において必要なサービスなんだということを認識していただくことがまず一歩なのかなと思っておりますので、この制度をフル活用していくための様々な支援策を引き続き講じていただければありがたいかなというところでございます。
以上でございます。
○牧野委員 ありがとうございました。
そういった地域の方々の認知、それもとても大事だと思いますし、全国的に地域地域にそういった必要なサービスがこれから残っていくことが大事なんだという国民全体の理解ということも促していけるような方向で考えたいと思います。
本日は、大変貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄と申します。
本日は、大変貴重なお話をありがとうございました。順番に御質問をさせていただきます。
まずは澤田参考人にお伺いをいたします。
今後のいわゆるワット・ビット連携ですとかデータセンターの敷設を考えていきますと、IOWNのような次世代通信基盤の普及が非常に重要になってくると考えております。こういったインフラを民間事業者を中心に敷設していくという局面においた官民連携の在り方について、御意見があればお伺いさせてください。
○澤田参考人 河合先生、ありがとうございます。
ワット・ビット連携、あるいは広域的なそういうインフラ整備を含めて、IOWNで二種類お話ししたいんですけれども、一種類は光ファイバーの方です。これが今実は、データセンター間が非常に遅延がなくなるので使いたいという需要が多く出ております。もう一つは、データセンター内に光電融合デバイスというものを、今年度にもう出し始めますが、いわゆる電力量を下げていく。エキスポで八分の一ぐらいに自分たちのサーバーの電力量を下げていますので、そういうモデルを入れていくという、ダブルの議論があります。
それで、じゃ、そういう投資を官民連携でとなりますと、官にお願いしたいのは、これは自治体を含めてですが、需要創生です。御自分の使われている行政サービスの例えばデータベースをどこに置かれるか、それを置かれるデータセンター、ここに置いてほしいということを民が受けに行く、できればそれを全国をIOWNでつなぐ、こういうような形で官民連携が進みやすいのではないかと感じています。
以上です。
○河合委員 ありがとうございます。
需要創生が重要ということ、確かに受け取らせていただきました。
続きまして、この質問にも若干関連があるんですけれども、先ほど、ロボット、AIというところで、暗黙知と形式知を組み合わせながら、それが日本の競争力の源泉だというお話をいただきました。加えて、日本の製造業で申し上げますと、やはりデータの部分も強みであるかなというふうに認識しております。
一方で、いわゆるフィジカルAIという領域は、特に、本日も言及がありましたけれども、米中中心に、自国で囲い込みながらすごいスピードで投資が進んでいる領域だとも認識しておりまして、この開発スピードや投資スピードにちゃんと対抗していく上で、民間事業者の視点から見たときにどういった官民連携の在り方があるべきと考えるか、こちらも是非お伺いさせてください。
○澤田参考人 ありがとうございます。
非常に重要な御指摘でございまして、フィジカルAI、実は、フィジカルAIという難しい言葉の前に、工場用のロボットが非常に得意な国は日本でございまして、既にかなり自動のロボットというのが導入されているわけです。
一方で、素材産業あるいは製造業におきましても、すり合わせの技術であるとか、かなり実は人間のノウハウというのがそこに込められている部分があります。ですから、現状も全てロボットにはなっておりません。その状態をデータ化をして、より職人技をデータに置き換えて、全てAIでとなると、実は日本の勝ち筋はなくなってしまいます。
そういう意味において、官民連携というポイントは、民の側はどうそのハイブリッドを、AIと職人を生かしていくか、官の側はそういう形の需要をどうつくっていくかという、これもリンクするんですが、そういう連携が一番効果的ではないかと考えております。
以上です。
○河合委員 ありがとうございました。
引き続き、需要創出というところと、参考人は人文知にも造詣が深いと思いますので、そういった知見も含めた日本発の競争力みたいなところをどうつくっていくか、是非引き続き期待したいところだと受け取らせていただきました。
続いて、峯村参考人にお伺いをいたします。私も動画で拝見をしております。
先ほど、日米関係の観点で見たときに、米国側には片務的であるという認識があるのではないかという問題意識があり、その中で、今回の日米投資イニシアチブはその打開の端緒になり得るのではないかという御指摘があったと認識しております。
ここについて、いま一歩、この日米投資イニシアチブ並びに日米関係がより真に意味があるものに一歩進めていくためにどういったことが必要とお考えか、お聞かせください。
○峯村参考人 河合先生、御質問いただき、ありがとうございます。また、動画も見ていただき、今日はまたそれを切り離していただいて、お話をさせていただきます。
片務的だという考えが一番強い方だというふうに私が認識しているのは今のトランプ大統領である、これはもう一九八〇年代からトランプ氏のぶれない主張だというところがまず一つ前提でございます。その中でいうと、やはりこの片務性、なぜ我々がこれだけやってあげている、守ってあげているのに日本は何もしてくれないんだという、これをずっと、第一次トランプ政権のとき、当時のカウンターパートだった安倍晋三元首相もそこを腐心されてきた。いかに片務的じゃない、日本が例えば基地を供与しているんだというような御説明をされていたという話を生前よく伺ったことがございます。
なので、この辺り、なかなかどうしても、やはりトランプ氏はビジネスパーソンであるというバックグラウンドがあるので、基地の供与の話とかをしても余り頭に入りづらいのではないかというところでいうと、トランプ氏にやはり一番すっと入ってくるロジックでいうと投資協定というところ、しかもこの投資プロジェクトである、さらには、トランプ氏が復活させたいアメリカの製造業の復活というところのロジックに当てはまりやすいというふうに私は認識しております。
実際、先日の高市総理大臣の訪米の際も、記者のいる前で、終わった後に、クローズドのトランプ氏と高市さんの向き合った中でも、やはり、最初に投資協定の話をトランプ氏に差し込んだら、トランプ氏にはかなり響いていたというふうに、これはホワイトハウスの関係者からも聞いています。
そういう意味では、やはり、片務性じゃないんだ、まさにこういうときこそ日本からもアメリカを支えているんだという姿勢を出すことがこの同盟の強化につながるのではないかという観点から、私は今回のスキームというのは非常に有益だと考えております。
○河合委員 ありがとうございます。
先方の重視していることともしっかりとアラインしているということが重要だと受け止めました。ありがとうございます。
続いて、大橋参考人にお伺いをさせていただきます。
一点目は、EBPMについてでございます。
今回の御提言の中にも、しっかりとEBPMを進めていくことが大事というお話がありました。一方で、単年度主義から抜けていく、これもまた非常に重要な観点だと認識した上で、ここを両立していくと、なかなか、政策評価をどのように進めていくかというところに関して、考え方を変えていく必要も出てくるかなというふうに受け止めております。
こういった、複数年度などを踏まえながら効果的にEBPMを進めていく上での、例えばどういった取組が有効であるとか、場合によっては他国の事例ですとか、もしございましたらお伺いできればと思います。
○大橋参考人 御質問ありがとうございます。
EBPMというのはエビデンスに基づく政策立案ということでございまして、昔、エピソード・ベースド・ポリシー・メイキングとか、いろいろな略語があるのでございますけれども、エビデンスが重要だということで、このエビデンスというのは別に定量的である必要はなくて、定性的、あるいはアンケート調査を踏まえたものでも私はいいんだと思っています。
単年度主義だと、会計年度が終わったときに定期的に横並びでやっていけばいいというふうな、ある意味ローリングしやすい形だと思うんですが、複数年度だと、どうやっていくのかというのは確かに足の長さが皆さん違うということになるんだと思います。
他方で、KPIをどういうふうな形で組んでいくのか、そしてロードマップの中でのKPIの位置づけをどうしていくのか、そうした中においてEBPMを回すことというのは可能だと思いますし、実際に一部の事業ではしっかり国会に報告するようにというふうなことを、半導体とかはそうだと思いますが、そういうふうな形でEBPM的なことをやり始めている事例というのは私は増えているのかなと思いまして、そうしたことを広げていただければなという思いで申し上げたところでございます。
ありがとうございます。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。
一気に成果を振り返るというよりは、KPI管理をしっかりと導入していくといいますか、取り入れていくことの重要性を承りました。ありがとうございます。
もう一問、大橋参考人にお伺いいたします。
本日、地域のインフラ提供に当たって、国や地域、営利、非営利といった多様なステークホルダーを巻き込んだ新しい形での地域産業政策が必要ではないかという御指摘があったと認識しております。
そういった際に、こういった例えばインフラ、本日でいえば交通の話が度々出てきておりますけれども、例えば自動運転のような技術革新、これが与える影響もやはり大きいと考えられます。例えば自動運転一つ取れば、単純なコンパクトシティーだけではなくて、生活圏を保ちながらそのインフラを残していくことも視野に入ってくる可能性がある、そういった技術革新だと認識しております。
ここでお伺いしたいのは、産業政策の中にこういった技術革新をどうやって射程に取り入れながらつくっていけばいいかということについて、もし何かお考えとかがあればお伺いしたいと思います。
○大橋参考人 ありがとうございます。
事例をもってお話しした方が分かりやすいという意味でいうと、先ほどいただいた交通の事例がいいのかなと思っています。
一つ重要なのは、本日もテーマになっていますが、住民の合意をどう取っていくのか、あるいはステークホルダーの同意をどう取っていくのかというのが私は相当重要だと思っています。
例えば、新しい技術と呼べないかもしれませんが、例えばウーバーが入ってきたというのは過去経験があるところでございますが、やはり、何か新しいものが入ってきたときに、既得権益というか、言葉は悪いかもしれませんが、従前、事業をやっていた人たちに何らかの影響があるケースというのが恐らく見られるんだと思います。そうしたものがあるときに、対立構造というのがその地域地域で見られてしまう中で、どうやって上位の概念で住民のためにメリットがある形なんだということで入れていくのか、そこの合意をどう取っていくのか、そこというのはやはり地域地域でしっかり考えていただく必要があるのかなと。
私、今、交通計画というか網計画の中でもそうした取組というのはしっかり進めていただいていると思いますが、今回、交通だけではなくていろいろなところでそういうことが生じ得るということの中で、住民合意を取っていく実際のやり方というものも、今回これを出発点にして実装化する議論はしていくべきなのかなと思います。
以上です。
○河合委員 ありがとうございました。
多様なステークホルダー、特にお住まいの方との対話はすごく重要というところで御指摘を承りました。ありがとうございます。
では、お時間も間もなくですので、最後の質問とさせていただきます。
濱口参考人と宮澤参考人にお伺いをしたいと思います。地方の中小企業支援の観点での質問でございます。
経産省が今年三月に公表されました就業構造推計、人手不足の問題についてまとめた調査によると、二〇四〇年の時点では、特に地方での現場人材も不足していくというところの結果が出ております。現状でもやはり人材不足というところ、人手不足というところは課題であることを考えると、今日話題になったような省力化を進めていく、これをDXを通しながら、あるいはAXを通しながら進めていくということと、さらに賃上げも進めていくことというところに、二段階制といいますか、まず省力化で人手不足に向き合いながら、その後賃上げも手当てしていくという、この二つの課題に向き合わないといけないのかなというふうに認識をしております。
そう考えたときに、御質問としては二点でございます。まず、地方の中小企業の皆さん、中堅企業の皆さんでのDX、AXを進める上ではどういった要素が必要になるとお二人の御観点で感じていらっしゃるかということをお聞かせください。もう一つ、その上で、省力化などを進めた上で、どうやって生産性を上げながら賃上げにつなげていくことができるのかということについてもお考えをお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○濱口参考人 御質問ありがとうございます。
地方の特にエッセンシャルサービスに関わるような事業者においてDX、AXをいかに進めていくか。非常に零細な規模、そして経営者自体が高齢の方が多いという現状もございます。そういったところで最新のデジタルの技術をどう進めていくんだという、これは一つの大きな課題であるということはまさに委員御指摘のとおりだと思います。
非常にここで重要になりますのは、そういった分野に非常に精通しているより大規模な事業者と連携を組んでいくことというところになろうかと思います。先ほど申しましたような商店の仕入れや会計管理のようなことも、個別の商店で解決しようということではなくて、そういうことが得意なサービスを提供できるところとアライアンスを組んで一つのグループとして実現していく、そういう構想があり得るのかなと。
また、今回、エッセンシャルサービスのいろいろな認証に関する提案を今後受け付けていく中で、そのような新しい提案が出てくるのではないかというふうに期待しております。
以上です。
○宮澤参考人 御質問ありがとうございます。
省力化と賃上げ、人手不足で悩む中堅・中小企業は、まさに人手不足がゆえに防衛的賃上げということで、他の企業との競争下に置かれていかに人手を確保するか、そのための賃上げということで今進んでいる実態がございます。
その中でも、やはり様々な手法で人手不足、人材不足を克服するための一つの手段として、今御指摘のようなDXというところで、まさに商工会議所としても、経営支援の現場で、セミナーですとか専門家派遣という形で、DXを省力化あるいは自動化ということで進めさせていただいているというのが現状でございます。
賃上げとの関係においては、一方で、先ほど言った防衛的賃上げというところが非常に重要なキーワードでございまして、なかなか付加価値を得られないというところで、一つは賃上げの原資となる付加価値をどう稼いでいくのかというところが今まさに中小企業政策において重要だというふうに考えております。
今般の法案によって、まさに高付加価値な取組を中堅、中小に促すという政策趣旨もあるかと思っておりますので、まさにその中で、賃上げ原資を稼ぎ、人手不足、AX、DXを進めていくということも視野に入れながら本政策を進めていっていただければいいのかなということを期待しています。
ありがとうございます。
○河合委員 両参考人、御答弁ありがとうございました。
以上で時間となりましたので、私の質問を終了いたします。どうもありがとうございました。
○工藤委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。
この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、貴重な御意見を述べていただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
次回は、来る五月十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時三十一分散会

