第9号 令和8年5月27日(水曜日)
令和八年五月二十七日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
伊藤 聡君 伊藤信太郎君
伊藤 達也君 長田紘一郎君
こうらい啓一郎君 小森 卓郎君
斉木 武志君 鈴木 淳司君
世耕 弘成君 園崎 弘道君
俵田 祐児君 永田磨梨奈君
古井 康介君 細野 豪志君
松下 英樹君 丸川 珠代君
水野よしひこ君 武藤 容治君
山際大志郎君 山田 美樹君
山本 裕三君 落合 貴之君
河野 義博君 吉田 宣弘君
阿部 司君 若狹 清史君
丹野みどり君 牧野 俊一君
河合 道雄君
…………………………………
経済産業大臣 赤澤 亮正君
文部科学副大臣 小林 茂樹君
厚生労働副大臣 仁木 博文君
経済産業副大臣 井野 俊郎君
経済産業大臣政務官 小森 卓郎君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 柴山 佳徳君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 福井 俊英君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 三木 忠一君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官) 俵 幸嗣君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
(経済産業省商務情報政策局半導体戦略統括調整官) 西川 和見君
政府参考人
(経済産業省大臣官房商務・サービス審議官) 井上 博雄君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 河野 太志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 西脇 修君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 今村 亘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省イノベーション・環境局長) 菊川 人吾君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 木原 晋一君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
政府参考人
(特許庁総務部長) 吉澤 隆君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 豊嶋 太朗君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
五月二十七日
辞任 補欠選任
細野 豪志君 長田紘一郎君
山際大志郎君 伊藤 聡君
同日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 俵田 祐児君
長田紘一郎君 細野 豪志君
同日
辞任 補欠選任
俵田 祐児君 山際大志郎君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
産業技術力強化法の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
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○工藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、産業技術力強化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の審査に資するため、去る二十五日に、十五名の委員が参加し、つくば市内の国立研究開発法人産業技術総合研究所の視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。
現地では、同研究所の概要について説明を聴取した後、先端半導体のパイロットライン構築の中心となるスーパークリーンルーム、GPUスパコンと超伝導量子コンピュータ、複数ドローンによる編隊飛行とデジタルツインを用いた遠隔監視システム等の視察を行いました。
また、最新の産業技術の動向や研究成果の社会実装等について質疑応答を行いました。
以上が、今回の視察の概要であります。
なお、最後に、視察に当たりまして御協力をいただきました関係者の皆様に深く感謝の意を表しまして、御報告といたします。
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○工藤委員長 この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官兼商務情報政策局半導体戦略統括調整官西川和見君外十七名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○工藤委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。河野義博君。
○河野(義)委員 中道改革連合の河野義博です。
通告しておりませんが、政府は電気、ガスへの支援を決めました。報道のとおりでありますが、適宜適切な措置だと私は思いますし、必要な支援策だと思います。一方で、これまで、昨年夏までで既に四兆六千億円講じた策でありまして、国民の声としては、また今年もやってくれるのねというのが大宗であると私は感じています。
やはり、今こそ構造転換が求められるタイミングでありまして、是非とも大臣のリーダーシップを発揮していただきたいと私は心から願っておりますが、今、時間がかかるからこそ再生可能エネルギーへの投資、また、安全性の確認できた次世代の革新的な技術への投資ということをやっていくべきだと思いますが、大臣の御所見を短くお聞かせいただけませんでしょうか。
○赤澤国務大臣 おはようございます。
御質問にお答えをいたします。
おっしゃることは全く私もそのとおりだと思いまして、決して、今回の補助金についても、何かしら、例えば電気、ガスの消費量を増やすとか、そっちの方向に働くようなものと思ってやっているわけではございませんで、大きな流れとしては、中長期的に省エネの方向でしっかり構造転換を図っていくということを目指していくことに変わりはありません。
そんな中でありますけれども、ガソリンについてもそうでありますし、電気、ガスもそうですけれども、生活にとってどうしても必要なエネルギーということでありますので、むしろ価格弾力性が低いといいますか、どんなに価格が上がろうがやはり一定量を使わざるを得ないような、本当に生活に欠かせないもの、経済に欠かせないものについては、大変な痛みを生じることもあり、政治としては手を差し伸べるという意味で、額的には、委員が御指摘のように、本当に大きな額が積み上がってきてはおりますけれども、しっかり短期的な対策は講じていきたいという思いで講じさせていただいているところでございます。
○河野(義)委員 省エネへの構造転換というお言葉でありましたが、再エネへの構造転換はいかがですか。
○赤澤国務大臣 言葉が足りなかったかと思います。省エネルギー、そして再エネを含む新エネルギー、その両方ともしっかり努めてまいりたいというふうに思います。
○河野(義)委員 ありがとうございます。
早速、法案の中身に入っていきたいと思っております。
法案は、大企業や投資家による研究開発投資を一層促進するため、従来以上に大胆な税制優遇措置を講ずるものと理解をしています。
説明の中でも、今回、戦略技術領域型であれば法人税額控除を四割受けられる、また、大学拠点型であれば五割の税額控除が受けられるということで、これは非常にインパクトがある取組だと私は一瞬思ったんですが、説明資料をよく読んでみますと、これは控除の上限が法人税額の一〇%しかないということで、控除し切れない部分は三年間繰越しといったものの、ラッピングとしては正しいと思うんですね、いつもの経済産業省どおり、大きな風呂敷を広げていただくんですけれども、中を見てみると、ちょっと、やや控えめだなという印象を持ちました。しかしながら、大きな一歩だと思いますので、この取組というのは評価をしたいというふうに思います。
政府はこれまでも、予算措置、税制措置、そしてまた人的資本も多くを割いて研究開発支援をやってきました。また、ベンチャー支援も、その重要性というのは叫ばれて久しく、ベンチャーが本当にもう老舗になっているような、この令和の八年でございます。政府は政府なりに取り組んできたということは承知をしておりますけれども、今回改めて法改正を行う必要性、どのように認識しておられるでしょうか。
また、我が国を取り巻く国際環境の中で、経済安全保障上の観点も踏まえて、本制度の政策的な意義、そして、我が国がどのような産業技術立国像を描いておられるのか、大臣の御認識を伺いたいと思います。
また、あわせて、これは大臣に細かいことを聞くのは恐縮ですけれども、税制優遇措置の概要に関しても、なかなかちょっとこれは分かりづらい。従来型と併せるとどうなるんだということも分かりやすく説明しておく必要があると思いますので、大臣の答弁を求めます。
○赤澤国務大臣 我が国の経済について言うと、よく言われるのが、技術で勝ってビジネスでなかなか勝てないというか負けるというようなことも言われるので、そういうことも必ず乗り越えていきたいと思っています。
基礎科学の成果が一気に社会実装されて新たな付加価値を生むビジネスにつながっていくという、科学とビジネスの近接化といった言い方があると思いますが、そういう新たな時代に入っております。諸外国においても戦略技術分野に重点投資を行う動きが広がるなど、国際競争が激化をしているところです。
こうした中、本法案は、重点技術の指定による投資の重点化、研究開発税制による企業投資の後押しなどにより、研究開発から社会実装までを一気通貫でつなぐ仕組みを整備するというのがポイントでございます。
御指摘の研究開発税制については、戦略技術領域型を創設をし、本法案の認定を受けた企業に最大五〇%の税額控除ということの控除率でありますので、これまでにない大胆な措置であると認識をしておりますし、足下の物価上昇等の状況も踏まえ、一般型に試験研究費の増減に応じためり張りづけの強化なども行っております。
日本成長戦略会議における新技術立国の担当大臣としては、強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力という認識の下で、冒頭申し上げました、困難を克服し、技術で勝ち、ビジネスでも勝ち切る経済への転換を実現してまいりたいと考えてございます。
○河野(義)委員 ありがとうございます。
長年取り組んでこられた、これまでの象徴的な成果についてお示しいただけたらと思います。
基礎研究から製品開発に向けて、研究、開発といいますが、そこには大きないわゆるイノベーションの滝があって、ここには魔の川があると言われています。また、開発して事業化するためにも、ここのイノベーションの谷があって、ここには死の谷があると言われています。また、事業化できても、市場をつくって産業化するためにはダーウィンの海があると言われている。このイノベーションの滝、魔の川、死の谷、ダーウィンの海、これを乗り越えるべく官民挙げてやりますということは、もう私が議員になった十三年前から少なくとも経済産業省は言ってきたわけで、膨大な予算措置を講じて、様々な税制優遇措置を設け、そして人的投資をしてきたわけでありますが、この中で、政府が応援してきた中身で、実際に国際競争力強化や新産業創出につながった象徴的な事例があればお示しいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 代表的な成功事例の一つとして、炭素繊維を挙げさせていただきたいと思います。炭素繊維は、市場規模五千億円を超えて、二〇四〇年には一兆円規模となることが見込まれています。軽量で高強度という特徴を有する素材であり、産業技術総合研究所の前身の一つである大阪工業技術試験所において、基礎となる技術が開発をされました。
その後、技術指導やライセンスがなされ、民間企業において更なる軽量化や高強度化、量産化が行われるとともに、NEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構による研究開発支援を通じて、航空機や自動車への社会実装が進みました。こうした取組の結果、我が国は炭素繊維分野において高い競争力を有するに至ったと承知をしております。
炭素繊維に代表されるよう、基礎研究、製品開発、量産化、市場獲得まで一気通貫で支援を行い、日本の新産業創出や国際競争力の強化を図ってまいりたいと思います。
○河野(義)委員 素材産業や製造装置といったものはまだまだ日本に強みがあって、世界のサプライチェーンのチョークポイントをいまだに握っていると思います。そういうすばらしい成果がこれまで上がってきたということをお示しいただけたと思います。
次に、重点産業技術の選定基準について政府に伺います。
本法案では、AI、半導体、量子、バイオ、蓄電池、脱炭素等が重点分野として想定されています。これらの重点産業技術について、政府はどのような基準、考え方に基づいて選定を行うのでしょうか。また、技術革新のスピードというのは想定を上回る速度で進化していく。そういう中で国際環境も激化していく。そういう中で、今後どのような体制、プロセスで重点分野の見直しを図っていかれますでしょうか。
○菊川政府参考人 本法案における重点産業技術は、先日決定されましたけれども、第七期科学技術・イノベーション基本計画の国家戦略技術領域、これを念頭に置いて指定していきたいと考えてございます。
この計画におきます国家戦略技術領域といいますのは、科学技術が国家の安全保障、そして経済成長、産業競争力と不可分の関係にある中で、経済成長そして社会課題の解決等の将来性、そして技術の革新性や有望性、我が国の科学技術の優位性若しくは潜在性の観点から選定されたものと考えてございます。
重点産業技術は、この国家戦略技術領域を念頭に置きまして、この御提案申し上げます法律の第二十条に基づき指定することとしてございます。まずは、この法案の措置も活用しつつ、これらの重点的な研究開発支援にしっかり取り組みたいと考えてございます。
他方、先ほど委員から御指摘ありましたとおり、非常にスピードの速い科学技術の進展につきましては、やはり非常に急激な変化に対して適切な対応をすることが必要だと考えてございます。法案成立後、科学技術イノベーションをめぐる国内外の動向につきまして、随時適切なレビューと政策の効果を検証する体制を構築いたしまして、必要に応じて重点産業技術の追加等を検討していきたいと考えてございます。
○河野(義)委員 次に、スタートアップや中小企業の参画についてどうお考えなのか、伺っておきたいと思います。
本法案に基づく認定制度においては、実態として、大企業中心のコンソーシアムになるのではないかという懸念があるわけであります。大規模な投資をして税額控除五〇%を取る、そこにメリットを感じる規模感というのは想像に難くないわけであります。一方で、AI、量子、バイオなどの分野では、革新的技術の多くがスタートアップや中小企業から生まれているという事実もあります。
ディープテックスタートアップや中小企業が実際に参画しやすい制度設計となっているのでしょうか。資金、人材、知財、実証機会へのアクセスも含めて答弁を求めます。
○菊川政府参考人 ありがとうございます。
スタートアップ、そしてまた中小企業、こういったところについても今回の税制の対応の対象になるというふうに考えてございまして、また、先ほど繰越しのお話もございましたけれども、これにつきましては、中小企業は、重点の産業技術分野のみならず、ほかの分野についても対応するということで考えてございますので、スタートアップ、中小企業、そういったところも対象に、しっかりと応援していきたいと思ってございます。
○河野(義)委員 局長の控えめな答弁、ありがとうございました。
大学と研究機関との連携も伺っておきたいと思います。
本法案では、大学、研究機関との共同研究体制の強化が重視されています。一方、我が国では、長年にわたって、大学知財の死蔵や共同研究契約の長期化、研究成果の社会実装が不足している、こういった課題が指摘されてきました。今回の法改正を通じ、こうした構造的な課題についてどこまで改善を図っていくお考えか、具体的に伺いたいと思います。
また、地方大学や地方企業にも優れた技術シーズが数多く存在している中で、本制度を東京一極集中に終わらせることなく、地方発のイノベーションの創出、地方産業の高度化にもつなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○菊川政府参考人 御指摘ありました構造的な課題、これは非常に大事だと思います。我が国の産学連携の構造的な課題の背景の一つとしましては、企業と大学の共同研究が、研究者個人と企業の一部とのみの連携で行われてきたのではないか、そういうのが多かったのではないかというような問題意識、経緯があると考えてございます。
本法案では、AI、量子等の重点産業技術に係る研究開発を行う大学等の機関を認定することで、組織対組織、全体として共同研究体制の構築を図っていただきたいということで考えてございます。加えて、研究開発税制において、大学等と企業の共同研究に高い税額控除率を措置してございまして、企業の産学連携も後押しをしていきたいと思ってございます。
そうした研究開発機関の拠点の認定に当たりましては、事業者と重点産業技術に関する共同研究を行うのにふさわしい能力や体制を有しているかを確認していきたいと考えていますが、今ほど委員から御指摘ありました、地方、地域、そういったところがしっかりと対応できるのかというところにつきましては、地方の大学でありましても、個別の重点産業技術について十分必要な体制等々を有している場合には認定をしていきたい、していくことになるというふうに考えてございます。
委員の御指摘も踏まえて、しっかりと産学連携の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 続いて、政府調達による支援に関しても伺いたいと思っています。
特にアメリカでは、政府調達や国防需要、長期大型契約が技術革新を牽引してまいりました。我が国では、研究開発支援は存在するものの、初期の市場形成や需要創出が弱いのではないかという指摘があります。やっていないと言うつもりはありませんで、やってきた事実も承知しておりますが、弱いのではないかというふうに指摘をされています。
ちょっとこれは、私、質問しておきながら、もやもや感があるんですけれども、アメリカ型を志向して、アメリカ型をまねすることが果たして本当に正しいのかなというふうに思っていまして、これは次の質問にも結びつけたいと思いますが、一方で、革新的な技術は、最初の顧客が存在しなければ社会実装が進まないという現実があります。政府調達を戦略的に活用し、国内市場形成や技術育成につなげていくべきと考えますが、政府の答弁を求めます。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、防衛等々もございますが、始めとする政府の調達によって初期の需要をつくる、そしてまた、そのシグナルを出して、AI、量子、宇宙といいましたディープテックスタートアップへの投資を促すことというのは重要だと考えてございます。
まさに委員御指摘のあったような政府調達の加速に関しましては、日本成長戦略会議、ここでの議論でも非常にテーマになってございます。また、赤澤大臣の下で検討が進められ、まとめられている新技術立国、ここにおいても、初期需要の創出ということが大きな課題ということでテーマとなってございます。また、高市総理の指示も受けまして、いわゆる初期需要をつくっていく観点から、SBIRという制度でございますが、初期需要、調達する側の意思を示しながら研究開発を支援していくSBIR制度、これを抜本強化をいたしまして、本格調達につながる試験導入の枠組みを創設したいと考えておりまして、内閣府や関係省庁と調整を進めているところでございます。
また、政府調達に参入するには、例えば、後払いではなくて概算払いにするとか、前払いにできるだけするとか、スタートアップ随契でありますとか、こういった積極的な活用を盛り込んだ、政府調達に関する全省庁統一の契約の運用指針を今策定すべく準備をしておりまして、関係省庁と調整を進めているところでございます。
委員の御指摘のありましたような政府調達に関する初期需要の創出、こうしたことを通じましてスタートアップエコシステムを形成していきたいと考えてございます。
○河野(義)委員 ありがとうございます。
大臣とここで、日本版のスタートアップエコシステムをどのように確立していくかということを是非論議させていただきたいと思います。
ちょうど今週の日曜日、二十四日の日経新聞に、九州大学発の宇宙スタートアップとして二〇二三年に東証グロース上場されましたQPSホールディングスの記事が書いてございました。時価総額は、今朝見ますと、二千三百億円でした。ここで、創業者の八坂先生がこういうふうにおっしゃっています。大学発の起業は独善に陥るべきではないということをおっしゃっていまして、資金集めや経営ができる人材が参加したことで会社が発展したのである、また、地方にいるデメリットとして、特に中央官庁との連携が取りづらい、自ら足を運んで積極的にネットワークを築く必要がある。
こういったことを解消するためのこの今回の法案でありますので、大きな流れとしては、私は至極賛成をします。
こうやって、これは旧産業革新機構も関わっている案件でありまして、国の好事例として取り上げてもいい案件だと私は思っておるのですが、先生はこうもおっしゃっています。国の研究費を狙って一生懸命だった、だけれども、外部ともっと共同研究などをしてもよかった、アメリカの大学では外から稼ぐ研究が当たり前だと知り驚いたこともあったというふうに解説されておられます。
これはいい取組で成功した事例だと思うんですが、私、本当にこれでいいのかなとも思うわけです。やはり、知の拠点たる大学が、知の探求を行うべき大学が、今、マネーゲームの拠点になってはいけないなと私は思っておるわけであります。大学とのベンチャーをやりたい資金の出し手というのは世の中に今やごまんといる中で、どういうふうに日本型のエコシステムをつくり上げていくかというのは非常に大事な面だと思います。
こういった例もあります。現在進行形ですのでオブラートに包んで申し上げますと、ある大学の研究者の方と投資家と、若手の投資家ですが、一緒に会社をつくりました。創業時、先生が八百万円、その方が一千二百万円を出して、自分たちで会社をつくって、こつこつ成長させていきました。いわゆる魔の川を乗り越えて開発に至った。そして、やはり死の谷に直面して、資金調達の困難さに直面するわけです。多くのスタートアップ企業は、やはり企業経営者は資金繰りを大きな課題として、技術者なのに資金繰りに追われているという状況もあったと聞いていますが、この谷も乗り越えていよいよ事業化というときに、先生側は、株式を簿価で手放して、一方のパートナーに明け渡してしまうわけです。
研究者は、株式の価値の計算、多分御存じないんだと思います。今まで一緒に温めてきた、八百万出した自分の株を八百万で売るわけです。あと何年か持っていれば恐らく何十倍、何百倍になったであろうその株式を手放し、受け取った方は、これまでは、そのラボからも学生を採用し、技術はそろえてきましたので、もう先生は必要なかったから、さようならということだったんだろうと私は思います。
残念ながら、その会社はユニコーン予備軍として経済産業省の好事例に載っていたりするわけでありまして、ちゃんと中身を見て推進していかないと、こういうことが起きていく。
なぜこういう税制をつくるかといえば、技術シーズを開発している人たちにベネフィットが向くように、彼らの努力が報われるように、こういう仕組みをつくって、税制措置をつくって、予算措置を講じて、人も出して、砂漠に水をまくようなことを政府がやっていろいろ育てたんだけれども、結局ファイナンシャルなプレーヤーだけがもうかるという世界になっては私はいかぬと思うのであります。
魔の川、死の谷、ダーウィンの海、これを乗り越えるには、やはりファイナンシャルなプレーヤーが必要です。これを大企業に担わせるというのは私は大賛成でありますが、ファイナンシャルなプレーヤー、外資が駄目だと言うつもりもありませんが、多くのケースで日本は今までこういう死の谷を乗り越えるときに外資の手をかりてきたというのも事実だと思います。日本型のスタートアップエコシステムを私はつくっていかなきゃいけない。日本の研究者が日本のアセットを使って成長していく、日本のアセットで成長したなら世の中に還元していく。この八坂先生は、自分の持分、死後全て九州大学に遺贈されるそうです。成功事例だと思います。こういった日本版の取組を是非進めていくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○赤澤国務大臣 最近、私の口癖だという指摘はあったんですが、問題意識を完全に共有をさせていただきたいというふうに思います。
今の委員のお話を聞いていて、ちょっと答弁資料にはないんですけれども、日本には元々、三方よしというような、何かしら他者のことを考えて、売手よし、買手よし、世間よしみたいなのがあるんですが、新三方のよしということかなと今本当に即興で思ったのは、研究者もよしで、企業もよしで、政府もよしな形にきちっとつくっていけたらいいなということは強く思った次第です。
問題意識として御指摘いただいた、大学が何かしら営利の世界に巻き込まれて、例えば基礎研究がおろそかにならないかという御心配とか、あるいは、何か経営者が丸もうけをして、その企業と関わった研究者とかそういう人は、使い捨てという言い方はされなかったですけれども、そういうようなことのないような仕組みをうまく気をつけてつくっていきたい。
気持ちとしては既に、例えばバイ・ドール制度とかああいったものの中にも、政府が一緒に組んでやったときに受託した人間がちゃんとその知財を手に入れられるとか、いろいろなことも工夫してきていますけれども、本当に考え抜いて、私、実は今日御質問を聞くまで日本型と委員がおっしゃっていることの意味を必ずしもよく分かっていなかったんですけれども、今、問題意識を完全に共有いたしましたので、そういう意味では考え抜いていきたいと思います。
エコシステムという意味でいえば、我々がやはり問題意識として非常に多く持っているのは、先ほどからいろいろ、死の谷とか大体御説明いただいているとおり、経産省としては、これまで政府調達による初期需要の創出も十分ではなかったし、あと、資金という意味でも、アーリーやミドル、レーターなどのステージに応じて、市場で勝ち切るために、しっかりリードインベスターみたいな人をつかまえて、切れ目のない資金供給をやっていくとか、そういう踏み込んだ施策をしっかり検討して、先ほどおっしゃったいろいろな困難を全部きちっと乗り越えて、成長が繰り返されるようなエコシステムを何とかつくっていきたい。そのためには、やはり関わっている人たち全てにとっていいことがなければならないと思います。
経営者が丸もうけというようなことにならないようにという意味では、高市総理も税率を変えなくてもしっかり税収が上がっていくような仕組みをつくるということでありますので、もちろん、政府としても、企業をしっかり応援した分、その分、税収になって返ってきて、その税収でまた国民の皆様のためにいろいろなことができるという体制も視野にしっかり入れてつくっていきたいと思います。
個人の反省としては、やはり今のスタートアップの日本のシステムは、ちょっと悪く言うとあれなんですけれども、小さく産んで小さく育てて、早く小さく売るという形になっているように見えて、今おっしゃったユニコーンはおろか、一兆円を超えるような時価総額のデカコーンみたいなものが何か本当に出てくることを志向しているように見えない部分があるので、それも私の問題意識でありますので、考え抜いてまいりたいというふうに思います。
○河野(義)委員 ありがとうございます。是非とも大臣のリーダーシップに期待をしたいと思います。
関連をいたしまして、鉄鋼業界のグリーントランスフォーメーションについて伺います。
政府はこれまで、GX移行債による設備投資支援や、税制改正で導入された戦略分野の国内生産促進税制などを通じて、鉄鋼業界の脱炭素化を支援してきました。しかしながら、市場の形成がまだまだ遅れております。二〇二六年度からは、公共工事においてグリーン鉄の試行導入というのが開始されます。二〇三〇年度以降の本格活用を目指す方針を示しているわけでありますが、この取組を着実に進めるとともに、地方公共団体の調達にも波及させるべきと私は考えますが、政府の取組はいかがでしょうか。また、鉄鋼需要の約四割を支えているのが自動車分野であります。自動車分野での活用拡大に向けてもお取組をお聞かせいただけたらと思います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の鉄鋼業、これは、優れた基礎素材を提供することで、様々な産業の競争力を下支えしている我が国産業の屋台骨でございます。他方で、産業部門の中でもCO2排出量の多い産業でありますので、需要家からも低炭素な鋼材を求める声が高まるなど、鉄鋼に求める市場のニーズが世界的に変化してきております。
こうした中で、低炭素かつ高品質なグリーン鉄の供給体制を確立することは、鉄鋼業の将来に向けた競争力の源泉となり得ることから、設備投資への支援などに加えまして、国直轄の公共事業における活用を着実に進めるとともに、そこで得られた知見を発信して地方公共団体における活用を促進する、さらには、グリーン鉄のプレミアムを見える化する評価手法を確立するといった市場形成に官民連携で取り組んでおります。
こうした取組を通じて、グリーン鉄の市場形成を行い、鉄鋼業のGXを推進し、日本の鉄鋼産業の競争力を強化してまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 最後に、LPガスの取引適正化についても伺いたいと思います。
令和七年四月に施行されたいわゆる液石法改正省令では、過大な利益供与の禁止、LPガス料金情報の適切な提供、三部料金制の撤廃など、取引の適正化、料金の透明化を図るための規制が導入されました。これを受け、業界においては、自主取組宣言やLPガス販売指針の徹底が求められているところであります。一方で、都道府県レベルでは、不動産関連業者や建設事業者によってこの趣旨が十分に理解が浸透していないのではないかという指摘もあるわけであります。
現状認識と今後の周知徹底、実効性確保に向けた対応方針を伺います。
○豊嶋政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省といたしましては、LPガスの商慣行是正に向けて、LPガス事業者の取引先となります不動産関係者や建設業者に対して、制度改正の内容をしっかりと周知し、御理解いただくことが重要であると考えております。
このため、制度改正が施行される前から、不動産関係者や建設業者に対しまして、違反行為に該当する利益供与には応じないこと、求めないことなど、改正内容を踏まえた適切な対応について要請する通知を発出するとともに、説明会などのあらゆる機会を通じまして、商慣行の是正に向けた協力を要請してまいりました。
また、経済産業省の通報フォームに寄せられた情報に基づきまして、経済産業省と連携して、その対象者に対する個別のヒアリングや制度改正の趣旨の説明などを行ってきたところでございます。この通報フォームに寄せられた不動産、建設関係の通報の一月当たりの平均の件数を見ますと、制度改正前である令和六年六月までは一月当たり約二十四件、制度改正後の令和六年度の数は約十二件、令和七年度は約五件というふうになってございます。
引き続き、制度改正の趣旨を踏まえまして、こうした対応が徹底されるよう、不動産関係者や建設業者に対して強く働きかけるとともに、経済産業省を始め関係省庁とも連携し、商慣行の是正に向けた取組を継続してまいりたいというふうに考えております。
○河野(義)委員 問合せ件数が減っているから適正化が進んでいるというのは、ちょっと説明としては弱いんじゃないかなと思います。
私も、福岡都市圏に住んでいて、どこにでもガスが張り巡らされているんですけれども、プロパンガスのマンションに引っ越しましたら、大分ガス代が高いんですね。ですので、しっかり目配りをしていただいて、経済産業省だけじゃなくて、国交省と連携をしながら取引適正化というのは進めていただきたいなというふうに思っております。
時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、丸川珠代君。
○丸川委員 自由民主党の丸川珠代でございます。
衆議院に来て、経済産業委員会で初めて質問させていただきます。今日は、大臣が参議院の方にいらっしゃっているということで、副大臣に御対応いただくのかなと思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず、ちょっと、法案審議に入る前に、石油そしてナフサ関連製品の目詰まりの問題についてお伺いしたいと思います。
週末、地元を歩いておりますと、やはり、塗料がない、エンジンオイルが入らない、ポリ容器が届かないなど、供給の不足や遅延を訴える声というのをほぼ例外なく耳にいたします。
経済産業省は、五月二十一日の中東情勢に関する関係閣僚会議で、主な石油関連製品の供給状況を示してくださいました。シンナー、塗料、印刷インキ、塩ビ管、潤滑油、いずれも出荷量、生産量共に前年同月を上回っているというデータでございまして、前年並み以上に製品が出荷されているのであれば、入手できないのは恐らく流通の過程のどこかで詰まっているんだろうということが国民にも共有されますので、こういうデータの公開というのはとても意義があると思います。是非、引き続き、国民の皆様の理解に資する情報発信、根気強く繰り返していただきまして、不信、不安の払拭に努めていただきたいと御要望申し上げます。
他方、価格形成に関する情報というのはまだまだ十分ではないなと感じております。この四月というのは年度初めで、例えば運送業で使う梱包材であったり、スーパーで使う食品トレー、ラップフィルム、こうしたものの取引価格の見直しのタイミングになっておりますが、この四月の値上げというのは昨年までのインフレの中での値上げのペースと明らかに値上げ幅が違う、値上げ幅で比較すると倍、あるいは物によっては数倍という形で、価格で比較すると三〇%から七〇%弱の値上げというような話も聞きました。
お手元の資料をちょっと御覧いただきたいのですが、これはナフサの輸入価格の推移を示したものです。足下、二〇二六年に入ってからの値上がりというのは、確かに値上がりをしておりますけれども、これまでの価格の推移から見ると、まだまだ高値圏に入っているということではないという状況がございます。
この数字は、ちなみに、財務省の貿易統計の揮発油の価格を輸入量で割ってキロリットル当たりの価格に直してもらったものを各月ごとにグラフにしたものですが、まだまだ高値というには幅があるという状況の中で、四月から昨年に比べても大きく値上がりするということについては疑念あるいは不信を持つ方というのも決して少なくありません。
この四月の価格改定が、仮に今まで経済産業省が推進をしてきた中小企業の価格転嫁が進んだ結果であるのであれば、これはこれで国民の皆様、事業者の皆様にもよく理解を得なければいけません。価格をむしろ維持するという方向で、最終的に、今度、価格転嫁は消費者の皆さんが受け止めますので、消費者の皆様にも御理解をいただきながら、経済的に厳しい皆様、そうした最終消費者への支援が必要かどうかということも検討しなければいけないと思います。
あるいは、今までの目詰まりの解消にもかかわらず、なかなかまだ目詰まっているところがあり、また、過剰な発注が混乱を引き起こしているというようなことを関係閣僚会議でもお話がございましたけれども、ナフサという原料から最終製品に至るまでのところどころの、生産能力も含めた目詰まりというようなものがあって、一時的に需要に追いついていないという状況が価格を引き上げているのであれば、最終的には価格も量も落ち着く可能性があるなという見通しを持つことができます。
いずれにしても、価格についての理解というのは、こういう国民の混乱を避けて、また、事業者さんが見通しを持って事業をしていく上で非常に重要でありますので、是非、価格形成に関して一定の理解が得られるような情報の発信をしていただきたいと思います。
そして、経済産業省では、自ら推進してきた価格転嫁の取組や、あるいは足下のナフサの輸入価格が、例えばですが、梱包材や食品トレーの価格にどのような影響をもたらしているとお考えでしょうか。
○小森大臣政務官 丸川議員からナフサの輸入価格の推移についても御紹介をいただきまして、本当にありがとうございます。
おっしゃるとおり、三月あたりからナフサの価格というのが輸入時点で上がっているわけですけれども、ただ、他方、過去二年ぐらい前と比べると、そこまで上がっているわけではないというような状況であります。
先ほど、閣僚会議での資料ですとか、あるいはやり取りについても御紹介をいただきました。これまでの閣僚会議などでも御説明もしてきたところでもあるんですけれども、これから先の入荷の状況というのが分からない、五月以降例えば未定であるといったような状況を聞いて、その結果、更に川下への供給を絞ってしまったとかというようなことが起きたりして、コミュニケーションがうまくいっていない結果、下流において物がなくなったりだとか、あるいは価格が上がってしまったということがあちらこちらで起きているということだと思います。
加えまして、今、丸川委員の方からも御説明もいただいたんですけれども、価格転嫁について、私どもも、そしてまた公取委員会も含めてですけれども、一生懸命取り組んでまいりました。今回のナフサに関するものにつきましても、関係各省と協力して、千八百ぐらいの団体だったと思いますけれども、業界団体に対して、しっかり価格転嫁をやっていくようにということでお願いをしているところでございます。
途中の段階にいる企業などが、この価格の高騰の、原材料の価格が上がったことの負担というのを、不当にしわ寄せを受けることがないように、しっかり価格転嫁もこれからもやってまいりたいというふうに思っております。
○丸川委員 済みません。まとめて質問すると言ったのに、質問を分けちゃってごめんなさい。
もう一個聞こうと思っていたことがありまして、ここから先、ナフサの輸入価格というものの動き、アメリカ以外の輸入先というのは輸入量が増えていますけれども、一方で、価格は世界の競争ですので上がっていくことも見込まれますので、価格形成のプロセス、すごく複雑なこのナフサの関連製品については、是非国民への情報提供をお願いしたいと思います。
加えて、価格転嫁が最終的な出口のところに寄せてきた中で、例えば食品スーパーなどではプラスチック製品を使うことをなるべくやめていこうという動きをしています。元々、プラスチック製品をやめていこうというのは、環境省、経産省、一緒になってやっていただいてきたことだと思いますし、最終的に消費者が受け止める価格を低減させるためにプラスチック製品の使用を減らしていくというのは、むしろ企業努力として多とすべきだと思うのでありますので、是非政府においてもそうした工夫や努力をしっかりこれまでの流れの中で応援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小森大臣政務官 ありがとうございます。
例えば、食品を売る小売業などでプラスチックを使わない形で消費者に対して物を売っていただいたりですとか、様々なところで企業努力を行っていただいているところでございます。
そしてまた、これまでの取組についても今言及をいただきましたけれども、令和三年に制定されましたプラスチック資源循環促進法というのがございますけれども、これに基づきまして、製品の軽量化などによって使用量を減らす製品設計に取り組む事業者を認定して、この認定製品の公表といったようなことを行っているところでございまして、こうした取組についても、消費者認知の拡大も図りながら、私どもとしてもこれまでよりも更に一層推進してまいりたいと考えております。
○丸川委員 是非、ピンチをチャンスに変える発想で取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、産業技術力強化法の改正についてお伺いをいたします。
先ほど委員長からもお話がございましたけれども、我々委員会で、研究開発機関の一つ、この改正法が認定するであろう機関の一つとして目されております産業技術総合研究所を視察をいたしました。重点産業技術に指定される量子関連技術また半導体関連技術について、日本のみならず、世界トップクラスのすばらしい研究開発環境を整えて、企業とのオープンな連携だけではなくて、企業、とりわけ業界トップ企業とのクローズドな非常に深い連携も行っておられ、社会実装を見据えた技術支援に取り組む姿勢、大変心強く拝見をいたしました。
この産業技術力強化法というのは、平成十二年に初めて制定をされました。この制定の背景は、失われた十年への危機感でありました。バブル崩壊によって大きな事業再構築を迫られた産業に対して、産学連携の研究開発で次世代の産業競争力を生み出そうとして制定されたものではありますけれども、結果、時代背景として新自由主義的な政策が主流であったこと、国民の中にも民と官が寄り添うことに対しての反発が非常に大きい時代背景もあり、また、日米半導体協議等もあって、なかなか国が大胆にそれを後押しするという力を生み出せないままに失われた十年が三十年になっていったというような経過があるかと思います。
今回の改正案は、次世代の産業基盤となる革新的な技術を支援すべき技術として指定した上で、計画認定、拠点認定、税制優遇、規制緩和、これを一体的に措置する産業政策法として新たに規定し直すものだと思います。この役割をしっかり果たしていくためには、失われた十年の、あるいは三十年の反省をいかにこの中で生かしていくかということが極めて重要だと思っております。
今回の改正がどう内部留保から投資へという企業のマインドセットを転換させる仕掛けになっているのか、お話をいただければと思います。
○小森大臣政務官 失われた十年、あるいは失われた三十年ということで御質問がございました。
振り返ってみますと、この間、企業が短期的な収益の確保でありますとか、コストカットを優先しているような行動がございましたし、それに対して、政府も新たな価値創出に向けた政策的な支援というのが十分ではなかったといったような結果、研究開発投資など国内投資が諸外国に大きく後れを取ってきたものであるというふうな認識に立っております。
令和六年度の企業の研究開発投資額は、過去二十年間で最高の約十九・七兆円になっておりますけれども、依然として、企業の売上高に占める研究開発投資は欧米と比べてなお低い水準にとどまっているところでございます。
先ほど大臣からもお話がありましたけれども、基礎科学の成果が一気に社会実装され、新たな付加価値を生むビジネスにつながる、科学とビジネスの近接化という新たな時代に入っておりまして、諸外国においても戦略技術分野に重点投資を行う動きが広がっている中でありますので、我が国としても政策的な対応を取らなければならないということでございまして、本法案では、重点産業技術を指定し、研究開発税制につきまして、国家として戦略的に重要な技術領域への研究開発を促す観点から、既存の措置とは別枠で高い税額控除率を設ける戦略技術領域型、そして、そのうち認定研究拠点との共同研究等を促進する大学拠点等強化類型というのを創設しようとしているものでございます。
関係省庁とも連携しながら、国が前面に立って、研究開発から社会実装までを一気通貫で後押ししてまいりたいということでできている法律案でございます。
○丸川委員 ありがとうございます。
産総研にもお邪魔して、つくづく、勝つまでやり切る覚悟が我々に問われているなと思いますので、共にしっかりやっていきたいと思います。
その上で、この法律ですね、重点開発計画の認定を受けた場合、重点産業技術試験研究費の額の四〇%を法人税額から控除することができますが、どの分野にも限らず海外委託している試験研究費については、その控除割合を三年かけて五〇%まで半減させることになっているところ、バイオヘルス関連技術の臨床試験については、一般型のみですけれども一〇〇%控除が維持されます。大変賢明な選択だと私は思っております。
創薬開発のための臨床研究というのは、実にドラッグラグが縮小している中で、なお海外に委託をしなければ国際共同治験ができないというような状況になっております。特に、今ちょっと資料を配っておりますけれども、非臨床の創薬研究、上流に関する部分ですね、ここは、日本のCROが弱くて、かつ、スピード、コストでも大きく中国に後れを取っておりまして、四割が海外に委託されているんです。しかしながら、今、臨床試験は一〇〇%と言いましたが、残念ながら、この非臨床CROのところは五〇%に半減される部分に該当するんですね。
ただ、ベンチャー企業にとって、中国やアメリカにあるような非臨床CROに必要な五つのプロセス、スクリーニング、薬効の確認、薬剤の動態、それから化合物のデザイン、そして安全性の試験、よく動物実験のところが今頑張っていますと言いますけれども、あれは安全性の試験が得意ですけれども、実は、この五つのプロセスが全部できるところは日本に一つしかありません。しかも、非常に規模が小さいです。ですので、もし、五〇%に半減させて、日本でやれというのであれば、日本の受皿もしっかり育てておかなければいけません。
今、政府は、CDMOはしっかり応援していただいています。ですけれども、上流のCROというのは、まさに、標的が決まる、化合物をデザインするという、AIを非常に活用できる分野でありまして、既に薬効とか薬剤の動態についてはAIを使っているんですが、今まで生まれてこなかった化合物を実際に当てはめたときどうなるのかというインシリコの部分は、まだAIは開発途上ですということで、是非サポートしていただきたいと思います。
というのと、もう一つ、全てがインシリコでできるわけではなくて、ハイスループットスクリーニングといって、こういうものをあてがったらどうかしらという、多数の化合物の候補を、実際のたんぱく質なりに機械で、ウェルがあって、ぴっ、ぴっとこう、済みません、擬態語で表現しまして、ぽちょぽちょと落として反応を見るというような、そういう大きい機械があるんですけれども、機械でできる部分と人手がかかる部分がありまして。
中国の巨大なCROがなぜ強いかといえば、それは、人手を短期に集中的に雇うことができる、非常に人手がかかる部分を安く早く仕上げることができるということで、残念ながら、日本の非臨床CROはこういう人員体制が取れておりませんで、是非、CDMO同様にCROにおいても、高専卒業の皆さんを非臨床CRO人材として雇うというようなことに対しての後押しをしていただきたいということもお願いをしたいと思います。
ベンチャー企業にとって、この五つのプロセスを個別に契約をするというのは、非常に手間がかかる、コストがかかることですので、是非国内非臨床CROを育てていただきたいと思いますが、経産省、厚労省から、それぞれ御答弁をいただければと思います。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国内の非臨床のCROの育成、これは、創薬エコシステムを強化するというだけじゃなくて、経済安全保障の観点からも非常に重要だと考えております。
経産省では、創薬ベンチャー実用化開発に対する支援ということで三千五百億円の基金を使って支援を行っていますが、この中では、非臨床のCROへの委託費も支援対象にはなってはおります。
ただ、今先生がおっしゃったような、国内の非臨床CROの方々とも、今、成長戦略を作っていく過程で意見交換を行っております。
様々な課題を御指摘いただいておりまして、こうした議論を踏まえたり、あるいは、委員の今の御指摘も踏まえて、国内の非臨床CROへの支援強化の在り方をしっかり検討していきたいと考えております。
○仁木副大臣 お答えします。
委員御指摘のとおり、国民の元に革新的新薬を迅速に届け、我が国の経済成長を促進するという観点だけでなく、経済安全保障の確保という観点でも、国内CROを育成することは重要だと考えており、これまでも、スタートアップ等の支援の一環として、CROへの委託費を補助対象とする等の支援を行ってきたところでございます。
私も今参画しております創薬・先端医療ワーキンググループにおいては、国内CROやCDMOの育成は、開発を遅延なく進めるためにも、海外依存による遅延や供給リスクを低減するためにも重要であり、国が日本発スタートアップを支援する際には、国内CROやCDMOの成長機会にも資する制度設計を行うべきといった御意見もございました。
現在は、この点を含め、官民投資ロードマップの取りまとめに向けて、更に調整を進めているところでありますが、厚生労働省といたしましても、国内のCROを育成する観点から、どのような取組が必要か、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○丸川委員 是非お願いします。ありがとうございます。
○工藤委員長 これにて終了いたします。
次に、こうらい啓一郎君。
○こうらい委員 自由民主党、大阪八区のこうらい啓一郎でございます。
質問をさせていただく機会をいただきましたことを感謝を申し上げます。
早速でございますけれども、産業技術力強化法改正案について質問をさせていただきます。
今、世界は、かつてない規模で技術をめぐる競争の時代となっております。AI、量子、半導体等、これらの先端技術は、もはや単なる産業政策にとどまらず、国の経済力を左右し、安全保障を左右し、さらには国の未来そのものを左右する時代となっております。
そして、今、世界では、未来を懸けて技術に投資をしております。優秀な研究者を集め、巨額の資金を投入し、競い合っております。その中で日本が、埋没するのか、それとも再び世界の先頭に立つのか、まさに今その分岐点に立っているのだと思います。
そのような環境の中で、私は強い危機感を持っております。アメリカでは、若手の研究者に対しても数億円といった規模で研究資金が投入されておるというふうに聞きます。一方で、日本では、何度も申請を重ねてようやく数十万円、データを見ていても、大学と民間企業の共同研究費の約八割が三百万円以下となっております。もちろん、金額だけで全てが決まるわけではございませんが、世界で勝負をする環境として、余りにも差が大きいのではないかと思います。
私は、日本の研究者がこの国で世界に挑戦できる、そういう環境をつくることも政治の役目だと考えております。各国が国家戦略として巨額投資を行い、人材獲得競争も激しくなっている。あらゆる面で先端技術をめぐる国際競争は急速に激化しております。我が国としても、何が何でも世界市場で勝ち抜くという決意が極めて重要になっていると考えます。
そこで、お尋ねします。
政府は、現在の先端技術をめぐる国際競争環境をどのように認識しているのか、また、本法案を我が国の成長戦略、国力強化政策としてどのように位置づけているのかを伺います。
○小森大臣政務官 こうらい委員から、非常に現在の競争環境についての強い危機意識について述べていただいております。
新しい時代に二つ入っているのかなというふうに考えております。
一つは、科学の成果が一気に社会実装されまして、新たな付加価値を生むビジネスに密接な形でつながっていく、科学とビジネスの近接化と言える新しい時代に入ってきていると思っております。
そして、もう一つは、委員の方からも今おっしゃっていただきましたけれども、諸外国においても戦略技術分野に重点投資を行う動きが広がっております。政府が主導する産業政策競争の時代に入ったというふうに認識をしております。
こうした中で、本法案の位置づけでありますけれども、とりわけ重点技術を指定することによって投資を重点化していくといったことが大きな眼目の一つであります。そのほかに、研究開発税制による企業の投資の後押し、規制のサンドボックスによる社会実装支援を一体的に講じることで、研究開発から社会実装までを一気通貫でつなぐ仕組みを整備しようとしております。
強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力であるという認識の下、日本成長戦略会議における新技術立国の実現に向けまして、技術で勝つとともに、ビジネスでも勝ち切る経済への転換を実現してまいりたいと思っております。そのためには、本法案で講じます措置の活用をしっかりと促してまいりたいと思っております。また、成長戦略にも具体的な施策を盛り込んでまいりたいと思っています。
○こうらい委員 御答弁から、国際競争が激化していることについて私と共通の危機感を持っていただいておると認識をして、質問を進めさせていただきます。
先ほど申し上げたとおり、先端技術は国の未来そのものを左右すると考えております。したがって、限られた予算、人材であっても、国際的な競争に何としてでも勝ち抜いていかなければなりません。
本改正案では、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信などが重点産業技術として想定されていると聞き及んでおりますけれども、AI、量子といっても様々な技術がございます。そうしますと、どの技術分野に重点的に投資を行うのか、選択と集中が大変重要になると考えます。そして、その判断は、日本の将来を左右する極めて重要な政策判断です。
私は、世界市場の獲得可能性、経済安全保障上の重要性などを考慮要素に判断するべきだと考えます。さらに、どの技術が将来日本の競争力を左右するのかを見極める目利き力そのものが極めて重要になると考えます。
そこで、政府は、重点産業技術をどの程度具体的に指定するつもりなのか、また、どのような基準や視点を重視しているのか、さらに、どのように目利きをするのかについて伺います。
○菊川政府参考人 今御質問いただきました本法案におけます重点産業技術、これは、第七期の科学技術・イノベーション基本計画におきまして決められました国家戦略技術領域を念頭に置いて指定していきたいと考えてございます。今年の三月二十七日に閣議決定をされてございます。先ほど委員からも御指摘ありましたとおり、具体的には、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信、そしてバイオ・ヘルスケア、フュージョンエネルギー、宇宙、こういったところを想定してございます。
この国家戦略技術領域は、科学技術が国家の安全保障、経済成長、産業競争力と不可分の関係にある中で、経済成長や社会課題解決の将来性、技術の革新性、有望性、そして我が国の科学技術の優位性、潜在性の観点から選定されてきていると承知をしてございます。
具体的には、科学技術・イノベーション会議に設置されましたワーキンググループにおきまして、専門家、有識者から四回にわたりヒアリングを行いまして、主要国の政策動向、シンクタンクの、これは内外のシンクタンクの分析結果なども踏まえまして、将来性などの観点を総合的に検討し、選定されたものと承知をしておりまして、そうした観点から検討していきたいと思っております。
また、具体的にどの辺りまでということでしたが、第七期のところでは、例えばで申し上げますが、半導体・通信関連技術ということであれば、基本計画におきましては、先端半導体製造関連技術、そして光電融合技術、こういったものが挙げられているというところでございます。
○こうらい委員 判断基準に関しては承知しました。
また、研究開発の成果がこれまで以上に早く産業競争力に直結する時代になっており、我が国も重要な技術について研究開発から社会実装までを戦略的に後押ししていくことが不可欠とありましたが、まさにそのとおりだと考えます。
その一方で、政府支援の在り方については、支援がなくとも企業が元々投資していたであろう分野に支援をしても、政策効果は限定的になりかねません。重要なのは、企業だけでは十分投資がされないような分野を政府として後押しすることではないかと考えます。
そう考えますと、本法案の支援措置は、単に企業が元々投資していた投資を補助するものであってはなりません。リスクが高く、民間だけでは投資が不足しやすく、かつ我が国として戦略的に重要な分野に企業が投資することを促進するための措置だと理解をしております。
この法案による支援がなくとも、それが元々なされた投資なのか、それとも支援があるからこそなされた投資なのか、その分析はしづらいとは思いますけれども、この法案による支援の効果をどのように検証されるのか、御教示ください。
○菊川政府参考人 今いただきました委員からの御指摘は極めて重要だと思っております。まさに、その政策があるからこそ追加的に研究開発が増えていく、こういった点をしっかりと後押しする、こういうことが大事だというふうに認識をいたしました。
政策の実効性を高めていく観点から、この法案、今御提示をしている法案に基づく各種の措置が研究開発投資の拡大にどの程度寄与しているか、こういうことについては適切な検証をしていくことが重要であると考えてございます。
特に、本法案に関連する研究開発税制、戦略技術領域型の執行におきましては、計画を認定する、こういう制度を前提としておりまして、この認定スキームの中で把握をしていきます戦略技術領域型の対象の研究開発投資額等のこういった実績をよく見ながら、また活用しながら、本税制が企業の研究開発投資の増加等にどの程度寄与しているのか、しっかりと把握、検証していきたいと考えてございます。
○こうらい委員 効果の検証については、答弁を了とします。
そして、ただいま、リスクが高く、民間だけでは投資が不足しやすい戦略的に重要な研究開発を従来より高い水準の支援措置で後押しするということについても、理解を申し上げました。
その上で、技術開発をめぐる競争が国家間で激化し、各国が産業政策として研究開発への関与を強める中では、企業が研究開発投資を行う環境が国際的に見て遜色ない水準にあるかどうかも投資判断に影響する重要な点であると考えます。
我が国では研究開発投資の多くを民間企業が担ってきましたが、企業の研究開発投資が海外に流れていく動きも見られる中で、少なくとも諸外国に劣後しない水準の税制上の支援を講じる必要があるのではないでしょうか。
本法案に関連する措置として、研究開発税制について、新たに、戦略技術領域型については控除率が四〇%、そのうち、大学拠点等強化類型については五〇%という高い控除率が措置されたと承知しており、その点は高く評価しております。
しかし、先ほどもお話がございましたけれども、税額控除率が高い一方で、控除税額の上限が法人税額の一〇%とされているほか、繰越税額控除制度についても三年間のみとなっており、十分なインセンティブになっていないような気もいたします。
そこで、お伺いします。
他国の税制上の支援がどうなっているのか、そして、それらと比較して我が国の支援措置が十分なインセンティブとなっているのか、お伺いいたします。
○菊川政府参考人 御指摘ありがとうございます。
研究開発税制でございますが、G7、これは全ての国が用意をしてございます。また、OECD加盟国は三十八か国ございますが、そのうち三十四か国は研究開発税制が措置されているというふうに承知をしてございます。今まさに委員から御指摘ありました、国際的に遜色のないイノベーションの立地競争環境を確保することが重要だというふうに考えてございます。
そうした観点から、この戦略技術領域型の検討に当たりましては、諸外国の取組を参考に検討いたしました。例えばではございますが、韓国も類似の税制を有してございます。韓国では、大企業に最大四〇%の控除率を適用してございます。
我が国においても、こうした国際的な立地競争、これを踏まえたものを設定しなければならないという観点から、令和八年度の税制改正におきましては、研究開発税制に今申し上げました戦略技術領域型、大学拠点型強化類型を創設をいたしまして、四〇%、そして大学等とやる場合には五〇%という高い控除率を措置させていただきました。また、既存の一般型とは別に、法人税に対して今委員からも御指摘ありました一〇%の控除上限を設定いたしまして、三年間、これは初めてでございますが、繰越税額控除を措置することといたしました。
ただ、今委員御指摘のとおり、立地競争が非常に国際的に激化しておりますので、こうした点も踏まえながら、今後とも、適用状況をしっかりと検証しながら、政策効果を高める観点からも不断に見直しを検討していきたいと思います。
○こうらい委員 済みません、他国の状況につきましてもう少しちょっといただきたかったんですけれども、事前に伺った話だと、やや劣後しているのではないかというふうに私も思いまして、この点、これからも不断の見直しということを要望させていただきたいと思います。
少し話題を変えさせていただきます。
科学とビジネスの近接化の時代の中、イノベーションには、知の源泉である大学と産学界が連携して研究開発や人材育成を進めることが不可欠です。
しかし、一方では、大学の競争力についてでございますが、韓国、オーストラリア、マレーシア、台湾などが伸びているのに対して、我が国の大学は伸び悩んでおります。また、研究論文に関しましても、質的指標であります他の論文からの引用ということもG7で最下位となっております。
長年、我が国は、研究と産業の間に死の谷があると指摘されてまいりました。今回はそれを乗り越えようとする取組の一つだと思いますが、研究まで落ち込んでしまうと、新たな施策が必要となってまいります。そして、そのような状況は絶対に避けなければなりません。
経済産業政策的な視点から、科学力と大学の競争力の低迷についての認識と、対策を講じているのかについてお伺いいたします。
○菊川政府参考人 先ほどの答弁では少し不足があったかのように思いますので、少しだけ補足をさせていただきますと、先ほど申し上げた韓国の類似の例では、繰越制度は、我々が把握しているところでは十年ということになっております。また、法人税額の控除上限は、これはもちろんほかの政策減税と合算した場合には控除上限があるのですが、この研究開発税制というところについて見れば上限がないというようなことで今のところ我々が把握しているところでございますので、委員の御指摘を踏まえて、また不断の見直しをしていきたいというふうにございます。
今ほど御質問いただきました科学力のところにつきましては、我が国におきましては、国の科学研究力を見る質的な観点でございますが、トップ一〇%補正論文数というのがございます。そういう指数がございますが、この国際順位が低下をしておりまして、相対的な研究力の低下が指摘されてございます。
この要因といたしましては、若手研究者の研究環境が不十分、そしてまた国際化を含めた研究人材の流動性の不足、こういった複数の課題があるという指摘があると認識をしてございます。
こうした点を踏まえまして、経済産業政策的な視点からは、高度で多様な研究力と教育力を持って、世界の多様な人材、企業を誘引するイノベーションの源となり得る大学、これが我が国に存在することが極めて重要だと思っておりまして、昨年、文科省と一緒に共同で研究会を立ち上げまして、そうした大学群を生み出すための施策の検討をしてございます。
関係省庁とも連携いたしまして、大学の経営の改革そして産学連携の促進を一体的に進めてまいりたいと考えてございます。
○こうらい委員 問題意識を持っていただいていることを確認させていただきましたので、次の質問にさせていただきます。
我が国の科学力や研究力を向上させていくために必要なのは、一件当たり共同研究費の八割が三百万円以下となっている、この点が課題ではないかと思います。
この点について改善するべく、所見をお伺いいたします。
○菊川政府参考人 御指摘のとおり、一件当たりの共同研究、三百万未満というのが非常に多いということについてはそのとおりで、そうした課題が存在していると認識してございます。
他方、これは文科省の調査等々であったと思いますが、近年、共同研究費が一千万円以上になってきているという、それが増加傾向にあるということでございまして、その大型化は着実に進んでおります。
今回の法案で御提案しております、その中身の研究開発税制におきまして、重点産業技術に係る認定大学等と共同研究等を行った企業の試験研究費に対しては高い税額控除率を措置したいと考えてございますので、大学等に対する企業の思い切った研究開発を促していきたいというふうに考えてございます。
○こうらい委員 時間が来ますので、最後に申し上げます。
これからの時代は、よい研究をするだけでは十分ではありません。研究成果を社会実装し、世界市場で勝ち抜き、日本の成長と安全保障につなげていく、そこまでやり切って本当の意味で技術立国だと言えるのだと思います。
そして何より、日本の若い研究者やスタートアップに挑戦する若者たちがこの国でも世界に挑戦できる、その未来をつくっていかなければなりません。私は、日本にはまだ底力があると思っております。世界を変える技術も人材も情熱も日本にはある。だからこそ、今必要なのは、挑戦する人を支える、政治の方向性なのだと思います。失敗を恐れず挑戦できる国へ、若者が未来に希望を持てる国へ、そして世界で再び存在感を示せる技術立国日本へ、本法案がそのための契機となることを御期待申し上げまして、私の質問を終わります。
御清聴、誠にありがとうございました。
○工藤委員長 次に、東徹君。
○東(徹)委員 日本維新の会の東徹でございます。
今日は、産業技術力強化法ということで、先ほどから質問を聞いておりましたけれども、やはり皆さん認識は一緒だなというふうに思います。今の日本の経済の状況が非常に厳しい、そういう認識の下にこういった戦略が出てきたんだろうというふうに私も認識をいたしております。
今、日本の国際競争力ランキングも三十五位だというふうに言われておりますし、そしてまた実質賃金もマイナスが連続四年だということであったりとか、潜在成長率が〇・五から〇・六ということで、十年前から比べると半分。非常に厳しい状況がやはり続いてきているという中で、何とかもう一度強い日本の経済を復活させていこう、そういう思いで、我々もそうですし、経済産業省の皆さんもそういう思いでいていただいているんだなというふうに思います。
私も、今回の産業技術強化法の質疑に当たって、大学の先生にヒアリングをしたり、またスタートアップの企業にもヒアリングをしたり、そういったことをしてきて、ちょっと事例を挙げてまず質問させていただきたいというふうに思います。
まず、筑波大学発で、装着型の医療ロボットHALというのを開発しているサイバーダイン社というのがあるんですけれども、そのロボットは、脳が体を動かすために発する微弱な生体信号を読み取って動くんですね。脳神経系の機能回復に有効な世界初の装着型サイボーグとも言われておって、ウクライナの医療施設で、負傷した市民の機能回復にも使われているということです。実際には私もまだ見てはいないんですが、機能回復訓練をやれるようなロボットであったり、そしてまた、介護従事者がつけることによってより楽に介護ができるようになったりとかいうことで、実際にそういった機能回復訓練によって介護度が改善されていくとか、そういったロボットです。
こういったものが、実はマレーシアでは、国立のリハビリテーションセンターで大量のHALの病院を立ち上げたということで、国を挙げて患者さんの機能回復に日本のロボットが使われているということなんですけれども、日本の国内での普及は、なかなか、やはり規制もあって停滞しているという状況です。
こういった規制の在り方、こういったところも変えていかないと、なかなかこういったすばらしい技術が日本の中でやはり普及していかないのではないのかというふうに思うんですが、この点についていかがでしょうか。
○菊川政府参考人 まさに、新しい技術が、規制など様々な理由によって、日本国内で使われるのではなくて先に海外で展開してしまう、こういった点については我々も問題意識を有してございます。
他方、技術が非常に高度化、複雑化しておりますので、いわゆる既存の規制だとか行政手続が、それに対してスピードに追いつかないといいますか、迅速に対応できていないということもあり、委員御指摘のあったような、国内で開発された技術が海外である部分は先行して実用化されている事例も存在しているというのは、委員御指摘のもの以外にも私も認識をしておりますし、御指摘のあったものについては私も視察をしたことがございます。
御指摘のあった点は、個社の取組でありますので、ちょっと個別に具体的に言及することは差し控えますが、新しい技術に関しましては、政府による安全性、有効性の審査、制度的な要件が重層的に存在していることから、御指摘のようなことがあるというふうに承知をしております。
他方、新事業の活動、これの創造につながる規制改革を推進するために、産業競争力強化法に基づきます規制のサンドボックス制度等の規制・制度改革も運用してきているところでございます。
本法案によって措置する規制のサンドボックス制度の特例は、経済産業省が有する技術情報を適切に共有することで、規制当局における理解を深めて、迅速な判断、的確化につなげることを目的としておるものでございまして、こうした制度の運用をしっかりと努めてまいりたいと考えてございます。
○東(徹)委員 是非、サンドボックス制度、そういったものを活用して、やはり早く国内で実証、実現できるようにしていただきたいなと思います。
そして、日本の産業技術力を高めていく上で、スタートアップの支援も非常に大事だというふうに思っております。
すごく情熱のある、そしてまた優秀な経営者の方が出てきているんだなというのを、本当に私も肌で感じました。例えばですけれども、無人の水上ドローンの船を開発しているスタートアップの企業、そんなのをお話を聞いたりとかさせていただきました。
そういった方から聞くと、開発を進めていくに当たって、やはり資金面、こういったものが非常に重要なんですね。五年後にできて六年後にお金がもらえるというのでは、それはなかなかできないよなというふうに思うわけですね。やはり政府調達というのが非常に大事だということもよく聞きます。
これからの日本の成長を考えると、やはりそういった資金面におきまして、例えばラピダスの支援のような、ステージゲート審査というか、そういったもののセットであるとか、そしてまた政府による融資への保証とか、そういったものによって政府調達の拡充、こういったものが必要だというふうに思いますし、そして、やはりスピードが大事だと言うんですね。ほかの国でも開発していっているので、やはり早く作り上げていかないといけないという。
そういったところ、完成までのスピード感、こういった対応もやはり必要だということで、こういったことについて、経産省としてどのように対応していくのか、お聞きしたいと思います。
○菊川政府参考人 スタートアップを支援していくに当たりましては、今委員から御指摘あった点、全て大事だと考えてございます。
政府調達のところの加速につきましては、日本成長戦略会議におけまして議論も多々行われてございます。そしてまた、高市総理の指示も受けまして、いわゆるSBIR制度、これを抜本強化いたしまして、本格調達につなげる試験導入を進めていく。これは、スピード感を持って政府調達を早めるという観点から、試験導入という形で、でき上がるのではなくて試験導入からやっていこうという、こういう枠組みを創設したいと考えてございます。そのために、今内閣府や関係省庁と調整を進めているところでございます。
また、資金繰りのところについても委員から御指摘ありましたけれども、政府調達に参入する場合に、スタートアップに最後に払うのではなくて、概算払いでありますとか都度払いのような形、そしてスタートアップとの随契の積極的な活用、こういったものをやれないかということで、全省庁、これは各省庁ばらばらにやっていると意味がございませんので、全省庁統一の契約の運用指針を策定すべく、今、成長戦略の中にありますスタートアップ分科会の中でもその素案を御提示をして、関係省庁と調整を進めているところでございます。
こうした取組を踏まえまして、また、スピード感を持って初期需要を創出していく、こういった形でスタートアップのエコシステムを強化していきたいと考えてございます。
○東(徹)委員 試験導入をしていくとか、そしてまた契約、全省庁統一の契約に変えていく、非常に大事だと思いますので、しっかり取り組んでいただけたらと思います。
少しこれまでの政策もちょっと振り返っていきたいなというふうに思っていまして。
二〇二一年三月に閣議決定された第六期科学技術・イノベーション基本計画、これは、二〇二一年から二〇二五年の五年間で、官民合わせて百二十兆円の研究開発投資を行っていくという方針ということが定められました。この投資の内訳は、まず三十兆円が政府の研究開発投資で、これを呼び水として、残りの九十兆円を民間の研究開発投資で実現していこうということなんですけれども、これは実現できたのかどうか、お聞きしたいと思います。
○恒藤政府参考人 お答えいたします。
第六期の科学技術・イノベーション基本計画におきましては、官民合わせた研究開発投資の目標について、二〇二一年度から二五年度までの五年間で百二十兆円、すなわち、一年当たりにいたしますと二十四兆円という目標を設定しておりました。
最終年度でございます二五年度の実績がまだ公表されておりませんので、現時点で五年間の目標を達成できたかどうかを評価することは困難でございますが、初年度から四年度までの実績は四年連続で増加をしておりまして、二一年度は十九・七兆、二二年度は二十・七兆、二三年度は二十二兆、二四年度は過去最高の二十三・八兆円となっておりまして、年平均では、先ほど申し上げた目標の二十四兆円というのに対しまして、最初の四年間の年平均は二十一・六兆円となってございます。
本年三月に閣議決定をいたしました第七期の基本計画におきましては、研究開発税制などの科学技術イノベーション政策を強化するということによりまして、二〇二六年度から三〇年度までの官民合わせた研究開発投資の目標を百八十兆円と意欲的なものとしたところでございまして、官民が連携して、この目標達成に向けてしっかりと取り組んでまいります。
○東(徹)委員 是非目標を達成していただきたいと思います。
これまでも、大学と企業の連携を進めるというオープンイノベーション型の研究開発税制、先ほどからも話がありましたけれども、三〇%という、これも一般よりも高い控除率が設けられた制度がありましたけれども、これまでも、企業と大学の共同研究、一件当たりの共同研究費が三百万円未満の、規模が小さいものが七八・一%と大半を占めている。共同研究費がゼロ円のものも二二・七%ということで、これは国の競争力が低迷するのも仕方がないな、大学の研究力低迷の一因にもなるというふうに思います。
認定された重点産業技術、今回の法案ですけれども、研究開発税制のめり張りの利いた強化として、戦略技術領域型、大学拠点等強化類型の二つが新たに設けられたわけです。大学拠点強化類型では試験研究費の五〇%が法人税額から控除されるということですけれども、これによって大学と企業の共同研究がこれまでよりも進み競争力が強化されていくのか、それがどこまでされていくのか。そして、その効果を確認して評価すること、これが非常に大事だと思うんですが、この点についてお聞きしたいと思います。
○菊川政府参考人 今委員から御指摘ありましたとおり、思い切った高い税額控除率を措置していきたいと考えてございますので、当然、民間事業者による大学への思い切った研究開発投資が促進されることを我々は期待しておりますし、また、それを後押しをしていきたいというふうに考えています。
また、こういった額の大きい研究開発費が大学に行きますと、いわゆる間接経費といいますか、そういった部分もその中に入ってきますので、そうしますと大学の基盤のところの強化にもつながっていくというふうに考えてございますので、民間事業者の研究開発が、大学としっかりと進めていくような形を後押しをしていきたいと考えています。
また、御指摘の効果でございますが、ここにつきましては、産学連携の実績情報をしっかりと見まして、適切に検証していきたいと考えてございます。
○東(徹)委員 大学にもお金が入っていくということで、しっかりとこういう研究が進んでいくということを期待いたしております。
続いて、私は大事だと思っていますけれども、技術情報の保護についてお伺いをさせていただきます。
今回の法案では、事業者、大学、国研、研究開発機関が重点産業技術に関して認定を受けることで税制上のメリットを受けられるわけですけれども、認定を受けられる事業者に外資系企業も含まれるだけでなく、研究開発機関から研究の成果である重要な技術が他国へ漏れてしまう可能性もあるというふうに思います。技術の流出ですね。
実際に、経産省の所管する国立研究開発法人、産業技術総合研究所ですけれども、中国籍の元主任研究員による研究データの漏えい事件がありました。産総研では事件前から漏えい防止措置を講じておったというのにもかかわらず、漏えいを防ぐことができなかったわけです。
皆さんのお手元の資料、配付させていただきました「旗振れど「産業スパイ天国」日本 事なかれ主義で情報漏洩対策緩く」というふうな記事なんですが、これは昨年の八月二十九日の記事ですけれども、産業技術総合研究所の研究データ漏えい事件が発覚して、東京地裁は中国籍の元主任研究員に懲役二年六か月、罰金二百万円を言い渡したんですけれども、求刑どおりの判決だったんですが、四年の執行猶予がついたということなんですね。ということで、何もなしと一緒じゃないかというようなことが言われております。
経済安全保障の観点からも、大幅な減税を基に進めた研究の成果として得られた技術情報が他国へ漏れないように対策を講じていくということは非常に大事だというふうに思いますが、この点についてどのように対応されるのか、お聞きしたいと思います。
○菊川政府参考人 御指摘ありがとうございます。
技術流出、これはしっかりと対応していかなきゃいけないと考えてございます。また、産総研も、その後しっかりと技術流出に対しましては対策を強化しておりまして、引き続き万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。
まず、この法案につきまして、重点研究開発計画の認定におきましては、本法の二十一条に基づいて定める指針によりまして、事業者に対しまして、技術管理措置が適切に講じられているかどうか、適切に講じることを求めていくということにしてございます。
具体的には、その研究開発計画におけるコア技術へのアクセス制限でありますとか秘密保持契約の締結、また、退職者が情報流出しないように、その防止措置、こういったものを、実効性のある管理体制の整備等を求めていくことを想定してございます。
また、重点産業技術共同研究開発機関、大学等が想定されるわけですが、そこの認定におきましては、第二十九条の第二項におきまして、申請書に、研究及び開発に関して知り得た情報の管理責任者、これを記載しなければならないということで、明確にその点を法律上明記をさせていただいたところでございます。
具体的には、外為法における安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスでありますとか、関係省庁の研究セキュリティー、インテグリティーの取組等を参考としつつ、安全保障上の懸念のある機微技術の国外への提供について管理する体制を研究開発機関にもしっかりと求めることとしてございます。
こうした措置と併せまして、認定後も必要に応じて管理状況の報告や確認を行うということで、経済安全保障の観点からも実効性のある技術流出対策を講じていきたいと考えてございます。
○東(徹)委員 非常に大事だというふうに思っておりまして、しっかりそういった漏えいのないように対策を講じていっていただきたいと思いますが、新聞記事でもあるんですけれども、営業秘密の主な漏えいルートというのがあるんですけれども、中途退職者による漏えいというのが一番多いんですね。
これは私もよく聞くんですが、大学の先生方も中国の方に引き抜かれたとか、そしてまた、先端産業をやっている企業の方からも、社員の引き抜きがあったとかいうことをよく聞いたりします。
我が国の重要な産業技術を守っていくためには、研究開発機関とか民間の事業者で働く研究者、技術者がどれぐらい中国系企業とかに引き抜かれているのか、中国に引き抜かれているのか、まずは実態を把握すべきではないかというふうに思いますが、経産省としてどのように考えるのか、お聞きしたいと思います。
○西脇政府参考人 お答え申し上げます。
企業において優れた技術を有する研究者、技術者の引き抜きによる技術流出、これを防止していくことについては、先生御指摘のとおり、我が国が技術的優位性を確保していく上で非常に重要な課題であるというふうに考えております。
このため、経済産業省では、今委員からの御質問にございましたように、企業へのヒアリングなどを通じて、こうした人を通じた技術流出の実態把握に努めているところでございます。その上で、それを踏まえた対策を進めているところでございます。
具体的には、令和六年度より、経産省を含む政府が支援する一部の研究開発事業に関しては、それに関わる技術者に対し相応の待遇を確保するなど、従業員の退職などによる技術流出を防止する措置を講じているかの確認を行っております。
また、経済産業省としましては、企業などが重要技術を適切に管理するための技術流出対策ガイダンスを策定しております。平時より、優秀な技術者を特定して待遇を向上することや、工程を細分化して全体工程を知る従業員を限定すること、従業員に対し、就業規則などにおいて退職時も含めた秘密保持義務を明確にすること、さらに、退職予定者に対し、重要技術情報へのアクセス制限を実施することや、必要に応じて競業避止義務、秘密保持義務の誓約書を締結すること、こういったことをお願いしております。さらには、退職後には、いわゆる退職者の会、こういったところを通じて退職者の方々の動向を把握するといったようなこともお願いしているところでございまして、現在、企業などに対し、その普及に努めているところでございます。
引き続き、関係省庁とも連携して、委員御指摘のとおり、我が国の優れた技術が適切に守られるよう、技術流出対策の強化に取り組んでまいりたいと思います。
○東(徹)委員 時間ですのでもう終わりますが、本当に日本は、生きるか死ぬか、もう崖っ縁だというふうに思っておりますので、この産業技術力強化法、また前回の産業競争力強化法、経済安全保障法と併せて、しっかりと日本の経済を成長させていくために努力をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
○工藤委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十時三十六分休憩
――――◇―――――
午前十一時九分開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。落合貴之君。
○落合委員 中道改革連合の落合貴之でございます。
本日は、産業技術力強化法案の改正案の審議ですが、まず冒頭、経済産業分野において重要な件について大臣に伺いたいというふうに思います。
イラン情勢に伴い、いろいろと世界的に経済に影響が及んでいます。我々は、三月の本予算の審議の際に、イラン情勢に伴う物価高が顕在をもうそのときもしつつありましたので、予算の組替え案として、ガソリン補助と電気代、ガス代補助等を入れた組替え案を出しました。残念ながら、そのときは与党の反対で否決をされてしまいました。
四月に、この委員会でも紹介しましたが、中道、立憲、公明の三党で、一万二千件以上、全国でアンケートを取りまして、物価高の高騰の影響、それからナフサ由来の製品の不足がやはり現場では起こっていますということを、ここでも数字で御紹介をさせていただきました。
それを基に、先週、三党で、経済対策、こういったものを打つべきではないかということを作成しまして、一昨日、中道からは私が代表しまして、立憲、公明の政調会長とともに、佐藤官房副長官に案をお届けをさせていただいております。その内容が、このお配りしている資料の内容でございます。
今週は、高市総理からもようやく緊急経済対策の具体的な話がありました。経済対策として経産省は具体的に何をどう検討しているか、それから、我々の案も一般的な案ですので同じようなものでありますが、どのように我々の案を考えるか、大臣にお聞かせをいただければというふうに思います。
○赤澤国務大臣 御提案の緊急経済対策の内容については、承知をしているところでございます。三党で実施された調査などに基づく大変大事な御提案であるというふうに受け止めております。
様々な声に耳を傾けながら、必要な対策を進めてまいりたいというふうに思っております。
○落合委員 今、赤澤大臣の下で作られている案というのは、どのような内容で行っているんでしょうか。
○赤澤国務大臣 まだ提出前ということなので、確定的なものとしては、これは申し上げづらいところがありますが、これは予備費で、電気、ガスということで約五千億使うという決定は既にしておりますし、また、今後、希望的に見れば、中東情勢も早めの解決をして、ホルムズ海峡がまた封鎖が解かれるということを期待はしておりますけれども、その情勢にも応えなければならないというようなことで、内容、確定はしておりませんが、そういったような内容を含むものになるというふうに理解をしております。
○落合委員 具体的には、補正予算も来週出て、予算委員会も開かれるというふうに思います。我々は、場合によっては対案も今検討をしておりますので、いい議論ができるようにというふうに思います。
今回、改めていろいろな声を追加で聞きますと、重要だなという問題は、やはりナフサ由来の製品、原油由来の製品が不足をしてしまっていると。日本全体では不足はしていないというような説明もこれまでもございましたが、やはり、大手はどうだか分からないですけれども、一人親方の方々ですとか現場で働いている方々のところには届いていないというのは、確実に事実だというふうに思います。
昨日の朝も私、地元で街頭演説をしていましたら、軽トラックが近づいてきて、本当に建築資材が入ってこないんだ、今月数日しか仕事ができていないんだよ、何とかしてくれというような話も、わざわざ軽トラックで寄ってきて言いに来るぐらいの話もありました。
我々の案には、雇用調整助成金の拡充ですとか政府系金融機関の資金繰り支援の拡充というのを入れていますが、これは仕事ができない人たちのためにこういうものを入れているわけです。資材が届けば、物が届けば仕事はできるわけですので、わざわざこういう支援をしなくていい。
したがって、やはり、ナフサ由来の製品が、しっかり物が届くようにするということは根本的に最も重要な経済対策であるというふうに思います。ここは重要だと思いますので、更に対策を、現状では届いていないわけなので、現状の対策を強化するべきだというような状況だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 重要な御指摘だと思います。
原油や石油製品については、代替調達、備蓄石油の放出により、日本全体として必要な量を確保できているということを申し上げ、年を越えて石油の供給を確保できる、そしてナフサについても同様ということを申し上げていますが、まさに委員御指摘のとおり、供給の偏りや流通の目詰まりが生じているというのは、私どもにも本当に多くの声が届いており、事実だと思っています。
ただ、その上で、本当に我々の非常に今悩み抜いているところについて一言申し上げると、例えば三月については、確認をしますと、その国内出荷量、実際に、だから、出回っている量が、シンナーだと前年同月比一一六%、塗料だと一一一%、印刷インキ一〇四%、コーキング材は九九%となっていますが、今本当に目詰まりが生じて声が多く上がっている戸建て用だと一〇五%とやはり増えています。それから塩ビ管も一一六%、農業用フィルムについては九八%ですが、潤滑油に至っては一四二%と。間違いなく、やはり、注文が増えたりいろいろなことの対応をして、作る側も実は前年より増やしているんです。
ただ、一方で、委員御案内のとおり、私が実際地元の一人親方と話したら、ふだんの接着剤を十倍注文したとか、いろいろなことが起きていますので、そういう不安をやはりなくすためには、全体量は足りているということを周知を続けるとともに、やはり多めに注文されると駄目です、前年同月比でお願いしますとか、あるいは、川上も不安にならずに、その上の川上に我々が当たって情報を共有することで、しっかり、量を今月出しても来月以降も大丈夫なんだと思っていただけるように、しっかりやっていかないといけないと思います。
やはり、この一部での供給の偏りや流通の目詰まりがまさに現場における不足感の主たる要因になっていると思いますので、関係省庁に設置した情報提供窓口を通じてサプライチェーンの情報を集約し、製品や流通の特性を踏まえながら、過剰発注を含め、供給の偏りや流通の目詰まり、今後とも一つ一つ確実に解消していきたいと思いますし、本当に委員の元に届いているお声も大事でございますし、私どもも受けておりますので、取組をちょっとスピードアップしていきたいし、まだちょっとこの場で話せませんが、私自身もちょっと更に更にやらなきゃいけないこと、幾つか思うところがありますので、しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
○落合委員 去年のお米もそうですし、コロナが始まった頃のトイレットペーパーですとか消毒液もそうでしたが、頻繁にこういうことが残念ながら起こる、そういう時代になってしまったわけですので、こういった施策をどんどん考えていくことは重要なことであるというふうに思います。また、補正予算の審議等でも我が党からも話があると思いますので、よろしくお願いいたします。
では、産業技術力強化法案について質疑をさせていただきます。
産業技術の強化というのは大変重要であるというふうに思います。例えば、我々が今当たり前のように使っているスマホ、スマホがないともう生活できないですけれども、二〇一〇年の日本のスマホ普及率は四%だそうです。要は、十数年でなかったものが完全に当たり前になって、今はお年寄りのスマホ保有率もかなり高い、ほとんどみんな持っているというような状況です。
この十数年で、やはり人の生活も経済の流れも大きく変わってきました。スマホ一つが元でですね。恐らく、これからはAIが、社会も仕事の仕方も一人一人の生活も大きく変えていくんじゃないかなというふうに思います。
産業革命以来かもしれませんが、産業の技術が生活も経済も大きく変える時代に、今、この変化の時代に来ているということでございます。こういった観点からも、経済政策を考える上で、技術力を強化する施策を打っていくということは大変重要なことであるというふうに思います。
しかし、いろいろな統計を見てみますと、例えば売上高に対する研究開発費の割合、これは、日本もほんの僅かだけ、この十年とかで伸びているんですけれども、米国の伸びを見ると、伸び率がもう全然違うんですよね。結局、米国の半分まで行かなくても、半分ぐらいの地点に今近づいちゃっているというような状況で、どんどん引き離されてしまっています。これが日本の産業競争力の低下を生んでしまっている原因の大きな一つであると思います。
技術の開発のために投資を促進してくださいということは、研究開発のために投資を促進してくださいということは、経産省の大きな役割の一つであるというふうに思うのですが、これまで、ちょっとだけしか伸びていない、ほとんど伸びていないということに対する反省点というのは、経産省として、大臣が見て、ありますでしょうか。
○赤澤国務大臣 人口減少に伴う将来悲観やデフレマインドの広がりを背景に、企業が短期的な収益確保、コストカットを優先するようになったことで、研究開発投資などの国内投資が諸外国に大きく後れを取ったと認識をしています。
また、政府も、市場に任せるべき、端的に言うと、政治、行政は余り経済に口を出すなといった新自由主義的な考え方の下で、新たな価値創出に向けた政策的な取組が不十分だった結果、投資が伸び悩んできたものと認識をします。
そういう意味で、委員御指摘の点にしっかり応える産業政策をもう一回やらなきゃいけない時代が再来をしていると思います。
なお、令和六年度の企業の研究開発投資額は、過去二十年間では最高の約十九・七兆円となっておりますが、御指摘のとおり、企業の売上高に占める研究開発投資は、欧米と比べてなお低い水準にございます。
○落合委員 ある一定の時期は、民間に任せればうまくいくというような考えを基に政策を行ってきたわけですが、これだけ国際競争力も激しくなり、しかも、国家がばんばんばんばん応援して技術力を高めている国もあるという中では、やはり、民間だけではできないことは国がサポートして、しかも、方向性もしっかり示していかなきゃいけないというような時代になってしまったんだというふうに思います。
それを踏まえて、今回、この産業技術力強化法の改正を行うというふうに思いますが、その反省というのは、この今回の法改正にどう生かされているのか、お聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 我が国が将来にわたって成長力を確保し、国際社会の中で不可欠な存在であり続けるためには、競争力の源泉となる重要な技術について、国内にしっかりと技術基盤を確保し、研究開発から社会実装までを一気通貫で戦略的に後押ししていくことが不可欠であると思います。
本法案は、こうした問題意識の下、我が国として重点的に取り組むべき産業技術を明確にし、研究開発投資の重点化、大学や研究機関との連携強化、社会実装に向けた環境整備を一体として講じるものでございます。
令和八年度税制改正においては、研究開発税制に戦略技術領域型を創設をし、本法案の認定を受けた企業に最大五〇%の税額控除率を措置するとともに、足下の物価上昇等の状況も踏まえ、一般型に試験研究費の増減に応じためり張りづけの強化などを行うこととしています。
さらに、スタートアップへの資金供給に関しては、アーリーやミドル、レーターなどのステージに応じて、市場で勝ち切るために必要な、切れ目のない資金供給を行うためのエコシステムを形成してまいりたいと思います。
こうした前例のない措置により、企業の研究開発投資を強力に促進してまいりたいと思います。
○落合委員 この法案の中身ですとか説明資料を拝見しますと、民間にできないところをサポートしていくんだ、あと、民間だけに任せているとうまく回っていかないものを回りやすくしていくんだというところは多々あるというふうに思います。
一つ確認ですが、経済産業省は、少し前に経済産業政策の新機軸ということで、大規模、長期、計画的というのを打ち出しています。この法改正の中にも、それがしっかりと色として入っているということでよろしいでしょうか。
○赤澤国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
産業政策の成否が国力を左右する時代が再来する中、積極的な国内投資を促すためには、政府が一歩前に出て、今委員が引用していただいた新機軸の大規模、長期、計画的な産業政策を展開し、企業の投資の予見可能性を高めることが重要でございます。
この点、例えば、本法案では、計画認定を受けた事業者が活用できる研究開発税制の戦略技術領域型を創設することとしています。
これは、第七期科学技術・イノベーション基本計画で国家戦略技術領域に位置づけられた技術を念頭に、最大で過去最高の五〇%という高い控除率を最長で五年間措置する仕組みでございまして、まさに大規模、長期、計画的の考え方に合致している政策であるというふうに考えております。
○落合委員 大枠の考え方は、私も正しいというふうに思います。細部のところでいろいろと問題が生じないように、細かいところまで見ていくことが必要な点は多々あると思います。
一つ、政府参考人に確認なんですが、これは一昔前というか、ちょっと前の、市場原理をより働かせることで産業を興していくという考え方の場合と、これからのように、政府がより関わる、財政支出も関わるという場合とでは、政策における重視しなきゃいけないポイントが変わってくると思います。
その一つが、外国企業とか外資系企業も優遇するのかどうかについてです。やはり、国内の産業基盤を強化していくというところに、よりフォーカスが当たっていくわけですので、ここは細かく施策を打っていく必要があると思うんですが、この優遇策は外国企業や外資系企業も対象なのかどうか、お聞かせいただければと思います。
○菊川政府参考人 事前に、少し答弁が長くなってもあれなので丁寧にという御指摘をいただいておりますので、少し長くなりますが、恐縮でございます。
法人税法では、御質問の点につきましては、国内に本店又は主たる事務所を有する法人である内国法人、これと、内国法人以外である外国法人等が規定されてございます。内国法人には法人税を納める義務が課されているということですが、それとともに、外国法人におきましても、国内源泉所得を有する場合など一定の条件を満たす場合には、法人税を納める義務が課されていると認識をしてございます。
一方、もう一つ御指摘がありました外資系企業でございますが、外資系企業につきましては、具体的な定義というものは、なかなか、法人税法上、規定されてございませんが、例えば、外国法人から出資を受けている法人であったとしても、当該法人が国内に本店又は主たる事務所を有する法人に該当する場合には、内国法人として課税されるというふうに承知をしてございます。
研究開発税制でございますが、日本で法人税を納めていて、研究開発、試験研究費を支出している法人であれば適用対象となるということから、先ほど申し上げました、外国法人や外国法人から出資を受けている内国法人であっても、国内の試験研究費でいろいろ支出をしている、法人税を払っているということでもございますので、税制の適用を受けることができると承知をしております。
これらの法人を税制の適用対象とすることは、各国においてイノベーション拠点の獲得に向けた政策的な競争が激化する中、研究開発に取り組む企業を日本に呼び込んでくるという、日本を研究開発の拠点にするというメリットもあると考えてございます。
○落合委員 しっかり法人税を納めてくれるかどうか、これは、海外でもグローバルな課税の仕方というのはかなり問題になっていますので、しっかり税を取っていける体制をつくっていく、税を納めれば優遇をもらえますよというような細かい規定を作ることは重要であるというふうに思います。
それから、そういった企業に集まってもらうことで高度人材が日本に集まってくるというメリットもあるというふうに思います。最近の経済安保の情報の問題とかも留意をしながら、細かく国益に資する日本の産業力強化につながるような施策を是非打っていただければというふうに思います。
この今回の法改正で一番重要なのは、重要な技術領域を国が指定をして、そこはピンポイントに支援をしますということですので、何を選ぶかというのがかなり重要であるというふうに思います。この重点分野というのはどのように決めるようにしたのか、大臣からお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 本年三月に閣議決定をされました第七期科学技術・イノベーション基本計画において、重要技術領域として、将来の我が国の自律性、不可欠性の確保、将来性のある成長産業の創出を進めるため、将来性や我が国の優位性などの観点から選出した国家戦略技術領域、そして、もう一つありまして、将来の我が国の科学技術を牽引するような潜在力を有する新興・基盤技術領域の二つが位置づけられました。
本法案における重点産業技術は、そのうち、限られた政策資源を最大限活用して戦略的に研究開発支援を行うため、国家戦略技術領域の六領域を念頭に置いて指定をしていくこととしております。
○落合委員 私も、この新興・基盤技術領域ですとか国家戦略技術領域について拝見しました。大臣の今の答弁でいう将来性とそれから優位性、これは重要なポイントだと思いますが、絞るからには、将来性があっても、もうほぼこれは勝てないだろうというところに重点的に投資するよりも、将来性も考えながら、優位性の方が私は重視するべきだと思います。
後でその具体例も挙げますけれども、優位性を重視する中で、プラス必要性というものも重要だと思うんですが、これは例えば、この新興・基盤技術領域に多々入っているんですが、日本はだんだんと国民生活に必要不可欠な分野、産業の競争力がなくなってきてしまっている。それが、例えばデジタルの分野、今、ラピダスに投資したりとかやっていますけれども、デジタル自給率が下がってきていることは、エネルギーや食料の自給率が低いことと同じぐらい、だんだん問題になってくると思います。
結局、世界的に見たり歴史的に見ると、国民生活に必要不可欠な分野を自給できない国は、通貨の価値が下がっていって、どんどん苦しくなっていっちゃうんですよね。現に、ドルに対する円の価値を見てみると、十数年前と比べたら、残念ながら円の価値は半分ぐらい。昔はちょっと円高過ぎたわけですけれども、十年ちょっとで価値が半分というのは、少し価値が下がり過ぎだというふうに思います。
こういったことから、日本でどの産業が必要なのかという観点からも、こういった重点投資を行っていく分野を選んでいく必要があると思います。これは、フレキシブルに追加もあり得ると、この指定ですね、あり得るということで、大臣、よろしいんでしょうか。
○赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だというふうに思います。委員が今おっしゃったことの中にほぼ含まれていますが、言葉としては使われなかったのは、例えば、デジタル赤字がどんどん増えていっているということも、今おっしゃった話の流れだろうと思います。円相場について、為替は私はちょっと何も言えないんですけれども、一つのことで決まるというものだけではないと思いますが、本当に大変重要な問題意識を共有させていただいたというふうに思っています。
本案における重点産業技術は、限られた政策資源を最大限活用して戦略的に研究開発支援を行うため、第七期科学技術・イノベーション基本計画における国家戦略技術領域の六領域を念頭に置いて指定していくというのは申し上げたとおりですけれども、国内外の動向の急激な変化に応じて適切に対応できるよう、科学技術イノベーションをめぐる国内外の動向について、適切なレビューを実施しつつ、なおかつ、今委員がおっしゃったような、将来性といいますか、その分野が国民生活にとってどうしても不可欠で基盤になるようなところだと、出遅れたとしてもこれは諦めるわけにいかないような面もありますので、そういう面も含めて、政策の効果の検証、必要に応じた重点産業技術の追加を検討してまいりたいというふうに思います。
御指摘の、将来の我が国の科学技術を牽引するような潜在力を有する新興・基盤技術領域ということだと思いますが、第七期の科学技術・イノベーション基本計画においても、それぞれの技術に対して適切な予算措置等における重点的な資源配分を図るとともに、各領域に関わりの深い国研の取組を強化していくこととされており、まずは、こうした方針の下で、関係省庁で連携して支援してまいりたいというふうに思います。
○落合委員 将来性も優位性も必要性もあって、特に優位性があるのに今回の支援分野に入っていないものも多々あります。
その一つの例が次世代太陽光電池、ペロブスカイトだというふうに思います。これは、非常に薄い太陽光電池で、建物の壁や屋根の曲面などでも設置できるので、すごく世界でこれから需要があるということで注目されています。これは日本発の技術で、完全に日本が先頭を走っていました。しかし、この分野の特許出願件数が中国がいきなり数年で増えて、日本を抜きました。商用化でも先行しました。
この十年、エネルギーの分野で最も発電量も投資量も増えているのが再エネの分野であり、そして、その再エネの分野の主力である太陽光の次世代パネルのエースを日本が先行してきたのに、抜かされつつあるというか、ちょっと抜かされていると思いますけれども、こういった分野に、追加の技術の開発の支援も含めて、優位性もあった、必要性も絶対ある、将来性というか、目前にマーケットが広がっている、こういう分野を確実に取っていくという政策がまず必要なんだと思いますが、大臣、いかがですか。
○赤澤国務大臣 これも委員と問題意識を本当に共有をいたしまして、中国に、ほかの分野でも、我が国が先行していても後から出てきて、結果、商品がコモディティー化するというか、安く作る競争みたいなものになって、市場が荒れるという言い方がいいか分かりませんが、本当に気をつけなければならないと思います。
ペロブスカイト太陽電池については、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制を構築すべく支援をしておりまして、五年で三千億円規模の大規模投資が既に開始をされています。
昨年九月には、量産技術の確立に向け、グリーンイノベーション基金において、二〇三〇年までに大規模な量産構想を有する三つの事業者への支援を決定し、研究開発を加速させているところでございます。
また、需要の創出については、二〇四〇年に約二十ギガワットという導入目標に向け、昨年度より環境省と連携して、導入補助も開始をしております。
引き続き、海外展開を視野に入れながら、世界に引けを取らない規模とスピードで、量産技術の確立、生産体制整備、需要の創出について三位一体で取り組んでまいりたいというふうに思います。
○落合委員 資源が限られていますので、こういう確実に勝てる分野の星を落とさないように注視をしていただければと思います。
今回入っている中では、私も、科学技術の専門家ではないですが、例えば量子、これはかなり先行していたというふうに思います。同じようなことにならないように、世界各国は国家プロジェクトでやっていますので、これは真剣に国がやっていかなければならない問題だと思います。
ちょっとだけ時間があるので、政府参考人に。
ペロブスカイトの関連企業の集まる団体を設立するようですが、経産省も関わっていると思いますが、その意義をお聞かせください。
○木原政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会、JPSCのことだと承知しておりますが、今年の五月十五日にペロブスカイトの国内メーカー五社が立ち上げた一般社団法人であると承知しております。
この協議会は、本格的な活動が開始したところでありまして、その評価というのはこれからでございますが、今後、ペロブスカイト太陽電池の普及に向けて、個別の民間企業の枠を超えて、製品規格の標準化、それから品質性能や製品安全のガイドライン作成、さらに製造から廃棄までのサプライチェーン構築などが活動内容というふうに承知しておりまして、民間団体として、我が国のペロブスカイトの普及に向けて貢献していくことを期待しております。
○落合委員 新しい分野はルールを作ったり国際戦略が重要ですので、こういった分野こそやはり官の役割というのは大きいというふうに思います。是非、力を入れていっていただければと思います。
では、今日は終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 中道の吉田でございます。
本日も、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。赤澤大臣、どうかよろしくお願いいたします。それから、今日は、小林副大臣、わざわざお運びいただきまして、ありがとうございます。感謝申し上げます。また、経産省の皆様もよろしくお願いいたします。
質疑に入らせていただきます。
この産業技術力強化法案でございますが、赤澤大臣はこの法案が閣議決定をされた後の記者会見で、研究開発の成果が急速に社会実装される科学とビジネスの近接化の時代に入り、イノベーション政策の国際競争が激化していることを踏まえ、我が国としても、戦略的に重要な技術を特定し、その研究開発を重点的に支援することが必要ですとお述べになられました。
そこで、まず、研究開発の成果が急速に社会実装されるこの科学とビジネスの近接化という現象について、具体的に赤澤大臣から御説明いただければと思います。
○赤澤国務大臣 委員御指摘の科学とビジネスの近接化とは、基礎科学の成果が一気に社会実装され、新たな付加価値を生むビジネスにつながる状況を指しております。
例えば、AIや量子といった分野では、基礎的な科学分野に大型の投資が相次ぎ、そして一気に社会実装していくといった動きが加速する中で新たな競争力が生まれてきている。すなわち、強い科学力を有することが産業競争力に直結をするという状況、そういった時代になっていると認識をしております。
本法案は、戦略的に、重要な技術分野について、研究開発から社会実装まで一気通貫で支援することを企図しておりまして、まさに科学とビジネスの近接化に対応したものであるというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 大臣、ありがとうございます。私も全く大臣の今の答弁の認識のとおりでございまして、非常に国際競争の激化というふうなものにも通じているわけでございますけれども、この状況を踏まえた法案であるということは、私は非常に重要な意義があるなというふうに思っております。
そして、この法案ですけれども、今年の三月二十七日に科学技術・イノベーション基本計画、私、いつもこの法案を見るときには必ずこの基本計画と併せて見させていただいているわけでございますが、今後、この基本計画に沿いながら少し質問を進めさせていただきます。
今大臣からお話があったことはこの第七次科学技術・イノベーション基本計画でも明確に認識をされており、科学技術イノベーションをめぐる情勢、基礎研究から社会実装までの加速度的短縮と、科学とビジネスの近接化ということで、近年、研究開発システムは、基礎研究から社会実装に至るまでの時間軸が大幅に短縮されているとともに、大学、研究機関と産業界の距離が急速に縮小しているとされております。そして、従来の基礎研究、応用研究、実証、事業化という段階的なプロセスから、基礎研究の段階から事業化、社会実装を見据えた研究開発が同時並行的に進行するという構造が主流となりつつあるとあります。
小職が、国際標準化について、研究開発の段階から社会実装を見据えて取り組んでほしいと日頃から口酸っぱく言っておるわけでございますけれども、このような背景があるからです。
そして、本日は文科省から、小林副大臣、本当にありがとうございます、お越しいただきました。今申し上げた第七次科学技術・イノベーション基本計画に記載がある、従来の、基礎研究から応用研究から実証から事業化という段階的プロセス、かなり腰を据えたプロセスだったんだろうと思いますが、から、基礎研究の段階から事業化、社会実装を見据えた研究開発が同時並行的に進行する、この構造が主流となりつつある現状において、アカデミアにおける研究開発の課題をどのように今認識しておられるのか、また、どのように対応していこうとされておられるのかについて御所見をいただければと思います。
○小林副大臣 お答えいたします。
文部科学省においては、昨年、第七期科学技術・イノベーション基本計画を見据え、「科学の再興」に関する有識者会議を設置をし、科学とビジネスの近接化などの情勢の変化を踏まえた研究力の強化の対応策について、集中的に御議論をいただいております。
例えば、研究現場の課題として、大学等の研究者からは、産学連携の在り方について、研究者個人に委ねるのではなくて、大学としてガバナンスを構築をして組織で取り組むことが重要である、こういう御指摘をいただいております。
こういった課題を踏まえて、第七期科学技術・イノベーション基本計画においては、基礎研究から社会実装までを担う大学、研究機関で組織対組織の連携への発展を図り、産業界等と協働することで、優秀な研究者の研究時間を確保するとともに、民間等と協業することにインセンティブが働くようにして、産学双方にプラスになる連携体制の構築を進めることとしております。
引き続き、第七期基本計画を踏まえて、我が国の研究力の強化に取り組んでまいります。
以上です。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
今、小林副大臣から御答弁いただきました。その内容も、今回の産業技術力強化法、この中に私は盛り込まれているというふうに思っておりますので、また、文科省におかれましても、しっかり取組の方をお願いしたく思います。
次に、高市総理は就任直後の本会議において、当時公明党であった斉藤代表の科学技術の発展についての質問に対し、強い経済の基盤となるのは、優れた科学技術力であり、イノベーションを起こすことのできる人材です、昨日、それはもう去年の話ですけれども、設置した日本成長戦略本部において、新技術立国・競争力強化について、経産大臣、赤澤大臣ですね、を指名をし、戦略策定を指示しました、公教育の強化や大学改革を進めるとともに、科学技術、人材育成に資する戦略的支援を行い、新技術立国を目指します、また、AI・半導体等の各戦略分野について、研究開発、事業化、事業拡大、販路開拓、海外展開といった事業フェーズを念頭に、多角的な観点から総合支援策の立案も指示しております、来年の夏には、すなわち今年の夏ですけれども、これらを踏まえた成長戦略を取りまとめ、我が国の強い経済の基礎となり得る科学技術力の強化のため、戦略的に政策を講じてまいりますと答弁をされました。
ここで言われた成長戦略は、間もなくでしょうけれども、夏に取りまとめられるというふうに推察しておりますけれども、この成長戦略の取りまとめ前に、今の時点で法案が審議されている産業技術力強化法案は、この高市総理の答弁においてどのように位置づけられているのかについて、赤澤大臣から答弁いただきたく存じます。
○赤澤国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、科学とビジネスの近接化とも言える新たな時代に入っております。諸外国においても戦略技術分野に重点投資を行う動きが広がるなど、国際競争が激化しているという状況です。
こうした中で、本法案は、重点技術の指定による投資の重点化、研究開発税制による企業投資の後押し、規制のサンドボックスによる社会実装支援を一体的に講じることで、研究開発から社会実装までを一気通貫でつなぐ仕組みを整備するものであります。
日本成長戦略会議における新技術立国の担当大臣としては、強い経済の基盤となるのは優れた科学技術力という認識の下で、技術で勝ち、ビジネスでも勝ち切る経済への転換を実現していきたいと思っています。そのために、今後、成長戦略に具体的施策を盛り込むとともに、本法案で講じた措置の活用をしっかりと促してまいりたいと思っております。
○吉田(宣)委員 高市政権誕生以来、これはもう本当に綿密に続いているというふうなことを認識をしたところでございますけれども、しっかり私も、この法案に関する知見を深めていく過程の中で、日本の将来像というのは見ていきたいなというふうなことを感じました。
次に、本法案の二十条の重要産業技術の指定について質問をいたします。
本条は、産業技術について、その研究開発の成果が多様な事業活動において利用される見込み並びにその革新性を勘案し、日本の産業技術力の強化のためその研究開発を重点的に推進することが必要と認められるときは、政令で、その技術を重点産業技術として指定するとされております。したがって、本法案が成立した後は、政府内で、どんな技術を重点産業技術として指定するか、検討が行われることになろうかというふうに存じます。
この点、第七次科学技術・イノベーション基本計画では、新興・基盤技術領域での対象領域について、次世代船舶技術など十七の技術が位置づけられております。
そこで、質問になりますが、これは政府参考人の方にお願いしたいんですけれども、十七の技術全てが今法案の二十条の重要産業技術として指定される可能性があるという理解でいいのか、それとも、本法案の射程の範囲で何か限定されるものなのでしょうか、教えていただければと思います。
○菊川政府参考人 今御指摘ありました点につきましては、第七期科学技術・イノベーション基本計画におきまして、重要技術領域として二つ位置づけられておりますが、将来の我が国の自律性、不可欠性の確保、将来性のある成長産業の創出を進めるための国家戦略技術領域、そして二つ目が、将来の我が国の科学技術を牽引するような潜在力を有する新興・基盤技術領域、この二つでございます、これら二つの重要技術領域は、日本成長戦略本部で示された十七の戦略分野を十分加味したものとなってございます。
本法案で支援する研究開発の対象といたしましては、このうち、政策資源が有限であるということに鑑みまして、集中投資を行うということとされている国家戦略技術領域を念頭に置いて指定をしていきたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 政策側の資源というふうなものが、もちろん無限ではないということでございますので、その上で、国家戦略技術領域というふうな六分野、科学技術・イノベーション基本計画に記載されておりますけれども、そういったものが対象になってくるというふうなお話だったかというふうに理解をいたしました。
加えて、この第七次科学技術・イノベーション基本計画では、今申し上げた六つの分野の支援措置について、第七期基本計画の下、新興・基盤技術領域に対する支援措置のみならず、これは後ほど質問しますが、人材育成の強化、それから研究開発投資のインセンティブ重点化、大学等の研究拠点との連携強化、そして、またこれも後で質問しますが、スタートアップ等支援、オープン・アンド・クローズ戦略策定支援、国際連携の強化などに関する支援措置を一気通貫で実施をしていくというふうになっております。こうした一気通貫支援については、全政府的に取組を進めることが重要でありとございます。私は非常に重要な方向性であると承知しております。
では、ここで、この一気通貫の支援について、本改正案はどのような役割を果たすのか、政府参考人の方から答弁いただければと思います。
○菊川政府参考人 今委員の方から御指摘ございましたとおり、第七期科学技術・イノベーション基本計画においては、今委員の方からるる御指摘がありました点を全政府的に一気通貫で進めるということにしてございます。
本法案は、その中でも特に、民間企業による研究開発投資を促す、そして大学等の研究拠点との連携を強化をしていただいて社会実装につなげていく、こういった制度的な基盤を整備するものでございます。
具体的に申し上げますと、重点産業技術を指定した上で、重点研究開発計画、また重点産業技術共同研究開発機関の認定、それを踏まえた研究開発税制、そして、NEDOによる助言、サンドボックス制度の円滑化等を通じまして、企業、大学、研究機関の取組を後押しをしていきたいと考えてございます。
全政府的に取り組むことの重要性、御指摘がございました。これは、第七期の科学技術・イノベーション基本計画の下で、内閣府、文科省、そして外務省を始め関係省庁と連携をして、戦略的に、政府全体として一気通貫で支援をしていきたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 次に、第七次科学技術・イノベーション基本計画では、トップクラスのエンジニア等も含めたイノベーションを支える高度人材を確保するため、産学官連携による若手研究者を始めとした人材教育の強化、企業における博士人材の活用促進等を推進する、先端科学技術分野における国際頭脳循環の推進を含めた産業界、アカデミア双方での優秀な人材層の抜本的な充実強化や研究開発力の飛躍的向上を推進すると、人材育成の強化について示されております。
人材育成でございまして、非常に重要でありますし、そもそも裾野が物すごく広い話でございますから、ここでの質問は、あえて法案とは離れまして、この人材育成の強化について、政府の見解をお聞きしたいと思います。
○菊川政府参考人 御指摘の人材育成は極めて重要な点だと思います。
経済産業省では、文科省と一緒に連携をいたしまして、これはまた大学と産業界も一緒に入って、博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブックを作成をいたしまして、企業における博士人材の採用拡大、博士であれば、そうした能力や経験に応じた処遇を行う等々につきまして、ガイドブックでも指摘をしております。そして、大学における教育内容の改善に向けた取組、働きかけを行っている、そういったところでございます。
また、産業界で活躍できる高度人材を育成するために、大学における学位の授与を行うプログラムを産学が連携をして設置、運営することができるという、これは契約学科という取組でございますが、これを新たに支援することとしてございます。これは、先ほど委員から御指摘ありましたとおり、法案ではございませんけれども、予算事業の中で新たに支援することとしてございます。
こうした第七期の計画に基づきまして、若手研究者の育成、博士人材の産業界での活用促進、そして国際頭脳循環、これも非常に重要な点でございます、法律外の施策も含めまして、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいということでございます。
○吉田(宣)委員 よろしくお願いいたします。
次に、同じくこの第七次科学技術・イノベーション基本計画では、スタートアップ等支援で、SBIR制度等による研究開発支援、MアンドAを含むスタートアップの成長経路、出口戦略の多様化の推進、国や地方公共団体によるスタートアップからの調達拡大等により、スタートアップが大きく成長できる環境を整備していくとともに、大企業等も含め、産学官で連携し、社会実装を加速させていくとされているわけでございますが、今法案ではこのスタートアップも対象になっているのかについて、念のため確認をしたいと思います。
○菊川政府参考人 この法案の第二十二条第一項に基づきます重点研究開発計画の認定、これに当たりましては、資本金でありますとか企業の規模、こういったものによって制限は設けておりませんで、スタートアップも含めまして、重点産業技術に係る研究開発を行おうとする事業者であれば申請できるということでございますので、対象になるということでございます。
ただ、この認定制度におきましても、事業者に過度な負担になっていかないように、スタートアップはなかなか人手が足りないとかということがございます、過度な負担をかける制度にならないように詳細を検討していきたいと思いますし、また、スタートアップ等々、事業者への周知、広報、説明を丁寧に行うことで、スタートアップの現場が迷わずに活用できる制度としていきたいというふうに考えてございます。
○吉田(宣)委員 スタートアップへの支援策、是非お願いいたしたく存じます。
かつては、ベンチャー企業というふうな企業、私も、政治の世界に入ってもう三十年近くなりますけれども、多くの方と知り合って、応援したいなというふうなものもあったんですけれども、残念ながら、やはり、お金がなくて続いていかないというのは、恐らく、この三十年間、物すごくたくさんのベンチャー企業というのが、生まれては消え、生まれては消えというふうなことになってきたんだと思うんですね。ただ、優れた科学技術力を生み出す能力というのは今のスタートアップも含めて必ずお持ちなので、是非そういった支援を、この法案を使ってやっていただければというふうに思います。
次に、第七次科学技術・イノベーション基本計画では、オープン・アンド・クローズ戦略支援ということで、分野を特定し、市場情報に知的情報を組み合わせた分析や標準化の動向把握、標準動向等を踏まえた知財の国内外での権利取得の推進、政府のリードによる戦略的標準化活動の推進、標準化戦略策定から規格開発、活用まで一貫して進める体制の構築、国内外規制対応、認証基盤の充実等を通じた国内認証機関の強化等を進める、重要技術領域に関する円滑な知財の創出、保護と標準策定を支援するとございます。
標準化の重要性を踏まえた充実した記載をこの基本計画としていただいたことには、私は非常に感謝を申し上げたく存じます。もうしつこいぐらい標準化をやっておりますので、是非私の思いも酌んでいただければと思うわけでございますが。
そして、この冒頭、赤澤大臣の本法案閣議決定後の記者会見の内容を取り上げさせていただきましたが、研究開発の成果が急速に社会実装される科学とビジネスの近接化の時代においては、研究開発の時点から、その研究開発成果の社会実装を意識した標準化戦略が必要であると考えております。
そこで、赤澤大臣に御質問申し上げますが、この法案とはちょっと離れて御答弁いただきたいんですけれども、研究開発段階における標準化戦略の意義について、赤澤大臣から御答弁いただければと思います。
○赤澤国務大臣 研究開発段階からの標準化の取組の重要性については、本当に、幾ら強調しても強調し過ぎることはないと思います。
委員御指摘のとおり、研究開発成果を速やかに社会実装し、市場獲得、拡大につなげていくためには、研究開発段階から標準化の取組を進めることが決定的に重要だと思います。
このため、経済産業省では、グリーンイノベーション基金において、参画する企業に対し、標準化戦略の策定や体制整備を求めており、その結果、令和七年度に実施状況をフォローアップした企業の約七割が標準化戦略を策定するといった成果が上がっております。
さらに、今後は、本法案における認定計画に基づき研究開発を実施する事業者や認定を受けた研究開発機関に対して、標準化戦略の検討に資するよう、重点産業技術に関する国内外の知財や標準の動向について情報提供を行うことも検討しております。
このような取組を通じて研究開発段階からの標準化戦略の策定を推進し、技術で勝ってビジネスでも勝つ、勝ち切るという新技術立国の実現につなげてまいりたいと思います。
○吉田(宣)委員 大臣、ありがとうございます。まさに、イノベ基金を使うための一つの要件として、標準化戦略をちょっとやってねというふうな仕込みをしたのは、私はすごくすばらしいことだというふうに思っていまして、これからも是非、まだまだこの標準化というふうなことについては、まだ社会的な、経営者の皆様の理解もまだまだなんだろうというふうに思っておりますので、力強く進めていただきたいなというふうなことをお願いしたく存じます。
この法案では、研究開発機関、これは国立研究開発法人等、大学、大学共同利用機関が支援の対象になっています。そこで、赤澤大臣から今御答弁いただきましたけれども、アカデミアでの研究開発現場における標準化戦略の重要性について、この法案とは離れてで結構でございますので、小林副大臣から御所見をいただければと思います。
○小林副大臣 第七期科学技術・イノベーション基本計画においては、研究開発段階から国際標準戦略を一体的に推進をする取組の重要性が示されております。
文部科学省としては、科学とビジネスの近接化が進む中で、地球規模の課題や社会課題の解決を図るとともに、市場の創出を実現をしていくためには、科学技術イノベーション政策の観点においても、アカデミアの知見を広く集めながら標準化の取組を進めていくことが重要と考えております。
これまでも研究開発成果の社会実装を促進する観点から標準化の取組を推進しているところでございますが、引き続き、関係府省庁連携の上で推進をしてまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 是非よろしくお願いします。
熊本大学の小川学長が、ちょっとお話をしたときに、いわゆる実装研究というふうなものにも力を入れていきたいというふうなことをお述べになられたことがあって、非常にうれしく感じたところでございますので、文科省におかれましては、各アカデミア、大学の研究段階において、そういった実装研究というふうなものも是非力強く進めていただくことをお願いしたいと思っております。
それで、この第七次科学技術・イノベーション基本計画では、新興・基礎技術領域の対象領域における十四番目に光電融合技術といった半導体・通信技術を挙げておりまして、次いで、国家戦略技術領域の対象領域の三番目に同じ技術を挙げておられます。私は大変に注目をしているんですね。
そこで、まず、日本の置かれている通信、デジタルに関する現状、これをお聞きするんですけれども、すなわちそれは、先ほども赤澤大臣がちょっと答弁の中で触れられておりました、デジタル赤字でございます。この日本のデジタル赤字の状況について、二〇二〇年から分かっている直近までの状況と、それから、このような状況に陥っている現状認識について政府参考人から御答弁いただければと思います。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
財務省、日本銀行が公表している国際収支統計におけるコンピュータサービス、著作権等使用料、専門・経営コンサルティングサービス、この三項目の合計がいわゆるデジタル赤字と言っておるものでございますけれども、この三項目が、関連収支が赤字になっていることをデジタル赤字と申しますが、これが、二〇二〇年に約三・七兆円に対して、二〇二五年には約六・六兆円となってございます。足下で拡大傾向にございます。
主な原因は、近年、クラウドなどのデジタルサービスが社会活動の基盤の役割を増す中で、これに対応できる日本のベンダー企業さんが限られていた、外国企業のクラウドへの依存が高まってきたことなどにあるというふうに理解しております。
この背景として、我が国においては、ユーザー企業さんは、デジタル投資を業務効率化のためのコストとみなし、新たな付加価値を生み出すようなデジタル投資を積極的に行ってこなかった、また、ベンダー企業さんは、他社が参入することが困難な個別システムの構築を中長期にわたって受託するビジネスモデルが定着してしまって、クラウドを含む新たな分野の開発への積極的な投資が残念ながら遅れてきたということに課題があったというふうに認識してございます。
以上でございます。
○吉田(宣)委員 ベンダーさんが、顧客重視、お客様のニーズに応えるというふうな思いで恐らく走ってきて、結局それが、残念ながら、標準化の方向に向かってこなかったということが一つの原因なんだろうと私は思います。繰り返しですけれども、この標準化は非常に重要ですので、よろしくお願いしたいと思います。
そこで、デジタル赤字、これは日本の利益が残念ながら国外に流れていっているというふうなことだと思いますから、これを解消するためには、今度は逆に、国外からより多くの利益を国内に持ってくるということが私は重要だと思っているんですね。そして、その一つの大きな強力な武器が、私は、今申し上げた光電融合技術といった半導体・通信技術だというふうに思っております。
そこで、日本において技術開発が進んでいる、これは日本発でございますから、進んでいる通信分野における光電融合技術の特徴とメリット、そして、世界的な社会実装が私は強く望めるというふうに確信をしておりますが、その可能性について総務省から、今日お越しいただいていますので、答弁いただきたく存じます。
○柴山政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の光電融合技術につきましては、これまでネットワークやコンピューターの中で電気信号で行われていた情報のやり取りを光信号でのやり取りに置き換える技術でございまして、従来の技術に比べまして、大容量、低遅延、低消費電力という特徴を持ち、ゲームチェンジャーとなることが期待されてございます。
特に通信分野におきましては、光電融合技術を活用し、情報のやり取りを光信号で行うオール光ネットワークが期待されてございまして、今後のAI社会においてデジタルインフラの中核になるものと期待されてございます。
このオール光ネットワークは、NTTが推進するIOWN構想を例に例えますと、電力効率が百倍、伝送容量が百二十五倍となることを目標に掲げてございまして、社会課題の解決に大きな可能性を秘めているものと認識してございます。
生成AIの急増等を背景に、光電融合技術は、国内外のデータセンターを中心に世界的な普及が期待されてございます。総務省といたしましても、経済産業省と連携いたしまして、引き続き研究開発や海外市場の獲得に向けた戦略と投資を推進してまいりたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 是非力強く進めていただきたいんですね。
大臣にもこの点、お聞きをしたく存じますけれども、この法案が成立したら、この法律を最大限活用して、総務省とも最大限連携をし、国際競争を勝ち抜き、何としても、日本の光電融合技術といった、半導体、そして通信技術で世界をリードしていただきたいなというふうに強く望むところでございます。赤澤大臣の決意をお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 委員御指摘の光電融合は、データを伝送する際に、従来の銅線を用いた電気配線を光配線に置き換えることで、データセンターにおけるエネルギー消費を大幅に削減をするという技術であります。AI時代の電力消費を抑制するという意味でのキーテクノロジーでもあるということになります。
こうした革新技術の開発、実装を進め、成長需要を取り込むことは、我が国の産業競争力強化に不可欠でございます。このため、経済産業省としても、これまでNTTなどによる研究開発を支援してきたところでございます。
光電融合に関する技術については、これまでの予算支援に加え、総務省とも緊密に連携しながら、本法案を最大限活用し、我が国が国際競争をリードできるよう、政府としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
これから、世界の将来を考えたときに、AIデータセンターというふうなものを動かすために恐らく大量の電力を私は必要とするんだろうというふうに思うんですね。
どなたに聞いたかちょっと忘れたんですけれども、未来のAIデータセンターの活用のために必要な電力というのは、何か地球を溶かすというぐらいの物すごい量の電力が必要だというふうにお聞きをしました。とすれば、そういった物すごい量の電力というものをこの光電融合で、先ほど総務省から答弁いただいた百分の一というふうな電力量で賄えるとなれば、私は世界中でこれを使うしかないと思うんです。
私は、言い過ぎかもしれませんけれども、この技術で世界中に社会実装できたら、これだけでも何か日本人は飯を食っていけるんじゃないかというぐらいの強いインパクトのある、期待がある技術でございますので、是非そういったところについては、私は最大限応援していきますので、どうかお力を尽くしていただければというふうに思います。
最後に、時間が残り二分ぐらいになってまいりますが、大臣にはちょっと答弁しづらいお話かもしれませんけれども、恐らく、科学技術の国際競争、これは物すごくハードで、必ずしも日本の技術が最高の技術であるとは言えない分野がまた出てくるだろうと思うんですね。でも、そうであっても、社会実装を私は諦めてはいけないと思うんです。
マーケットでは、必ずしも最高技術ばかり求めているわけじゃないと私は思うんです。最高の技術であっても、それを使うためにはめちゃくちゃお金がかかるということになったら、恐らく市場はなかなか手を出せないということだってあるんだというふうに思うんですね。すなわち、最高の技術、品質であっても、価格が見合わなければ使ってもらえないことだってあり得るんだろうと。
そこで、たとえ技術や品質が他国のより少しばかり劣ったとしても、価格が市場とマッチすれば、私は、そちらが多く使われることだってあるだろうというふうに思うんですね。
かつて、相当古い話なんですけれども、家庭用コンピューターというものを最初に社会に送り出したのは日本の企業だったというふうに私は記憶をしています。もう四十年以上前の、私が高校生の頃です。私も、両親が買ってくれて、全く使いこなせなかったんですけれども、それでも十数万しました。私が高校生の時代の十数万ですから、物すごい高い値段だったんです。でも、この家庭用コンピューターは全く恐らく世界で使われなかったんじゃないかなというふうに思っております。非常に残念なことでございますが。
そこで、本法案が成立し、執行されてまいりましたら、現実的に世界中の人たちがその技術を利用している状況をイメージしながら研究開発に臨んでいただき、その上で、たとえ中品質、中価格、いわゆる中ぐらいの技術、どこか別の国がもっとすごい技術を持っていたとしても、その日本の技術が市場を取って、世界にその技術を社会実装していただきたいというふうに私は思うんです。
だから、そういった意味では、技術でも勝ってビジネスでも勝つ、これは確かに大切なことでございますが、多少負けても、それでも市場を取るというぐらい貪欲にやっていただきたいんですけれども、赤澤大臣、御所見をいただければと思います。
○赤澤国務大臣 私が結構言いづらいかもしれないとおっしゃったんですけれども、決してそんなことはなくて。
委員の御質問にぴったり合っている話か分かりませんが、私は、前職、運輸官僚だったときに、世界に新幹線を売り込む、北京、上海にも本当に通った時期がございます。やはり、そのときに、世界中に新幹線を売り込もうと思ったときに、委員が今まさにおっしゃっていたことで、三分ヘッドで三百キロ走らせる、その技術いいでしょうと。世界一だと思います。だけれども、いや、そこまでいいのは要らないんだよと言われちゃうんですよ、やはり。
ということがあって、やはり、我が国以外の、どことは言いません、技術で劣っていると今言わんばかりですので指名はしませんけれども、日本の新幹線技術以外に高速鉄道技術があって、そっちの方が安くしてくれるならそっちを入れるよという話にはもうさんざんさらされてきましたので。
やはり、貪欲に商売しようと思ったら、委員がまさにおっしゃるように、技術で勝ってビジネスでも勝ち切るということは当然やるべきだし、ありとあらゆる技術で世界トップを目指して、応援をするし、私どももいろいろ張っていくということは大事でありますけれども、一方で、やはり技術で、先ほど、ちょっと負けてと謙遜ぎみに言われましたけれども、かなり負けていても、いやいや、我々が必要としているスペックに照らせば、より安い方がいい、どんなにいい技術でも、別に我々はそこまで求めていないから、そんなに高い金は払えないと言われちゃうとやはり終わってしまうので、そういう意味では、まさに技術で勝ってビジネスで勝ち切るとともに、技術で勝てていなかったとしても、ビジネスで勝機を見出す心構えで臨んでまいりたいというふうに思います。
○吉田(宣)委員 ありがとうございました。
時間が参りましたので、終わらせていただきます。
○工藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時十九分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりでございます。今日もよろしくお願いします。
午前中のいろいろな委員から御質問がたくさんございましたので、重複する御答弁もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
まずは、今日も地元のお声から御紹介させていただきます。
ずっと御紹介しているシンナーの件なんですけれども、シンナーは、あったりなかったりしてきました。ところが、今度はさび止めがありません。さび止めがないということで、結局、これがないと最終的に商品を出すことができないので、すごく困っています。大手は何とかよくても、細かいところにはやはり行き渡っていません。誰が止めているのかも分かりません。来年まで大丈夫と言われても、来週さえ分からない、そんな状況です。年配の方が経営している工場は、これを機にやめようかという話もあります。若い方はもちろんとても困っています。原因の多くはトランプ大統領とよく分かっておりますけれども、本当に本当に対策をお願いしますということでございます。
中東情勢を受けた、こうした流通に対する最新状況、それから最新の取組について、よろしくお願いします。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
ナフサを含む石油関連製品につきましては、日本全体として必要となる量を確保できておりまして、年を越えて石油の供給を確保するめどがついているところでございます。
加えまして、国民の皆様から不足の声が上がっているシンナー、塗料、印刷インキ、塩ビ管等の川下製品の国内出荷量につきましては、前年実績並み若しくは前年実績以上の供給を維持できていることを関係閣僚会議でも御報告させていただいたところでございます。
一方、足下では、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じているものと認識をしてございます。これに対しましては、まず原料である溶剤メーカーに溶剤の安定供給を要請した上で、サプライチェーン間での供給見通しの共有を促しまして、需要側にも業界団体を通じて通常量の購入を維持するよう要請する等によって、目詰まりを順次解消してきているところでございます。
また、シンナーを始めとする建設資材に加えまして、潤滑油の供給の偏り、目詰まりの解消対策をもう一段強化するということで、地方経済産業局と地方整備局、運輸局、農政局が連携をしまして、各地の事業者への供給実態を把握し、プッシュ型での目詰まり箇所の特定とその解消を図ってまいりたいと考えてございます。
引き続き、サプライチェーン上にある企業に対する中東情勢の影響を最小化できるよう、努力してまいりたいと考えてございます。
○丹野委員 毎週毎週御紹介、お尋ねしておりまして本当に感じるのは、やはり現場の感覚と、肌感ととても乖離があるという状況なんですね。大臣がおっしゃったように、ちょっと多めに買っちゃおうとか、そういう方もだんだん増えていくと、去年の米と同じような状況がやはり起きていると思うんですけれども、産業によって、サプライチェーンによって特性もありますし、本当にこれは死活問題ですので、本当に早急に力強い御支援をよろしくお願いします。
では、法案の方に移らせていただきます。
まずは、今回六分野を選んでおりますけれども、委員から御質問、重複するところもありますけれども、まず、この六分野を選んだという客観的な基準は何なのか、教えてください。
○菊川政府参考人 今御指摘ございました六分野でございますが、本法案における重点産業技術は、第七期科学技術・イノベーション基本計画の国家戦略技術領域、これを念頭に置いて指定していきたいと考えてございます。
第七期科学技術・イノベーション基本計画の国家戦略技術領域というのは、将来の我が国の自律性、不可欠性の確保、将来性のある成長産業の創出を進めるために、経済成長や社会課題解決等の将来性、技術の革新性や有望性、そして我が国の科学技術の優位性や潜在性、こういった観点から選定されたと認識してございます。
具体的には、総合科学技術・イノベーション会議に設置されたワーキンググループにおきまして、四回にわたり内外の様々な知見も得ながら有識者ヒアリングを行った上で、主要国の政策動向やシンクタンクの分析結果なども踏まえまして、先ほど申し上げました将来性などの観点を総合的に検討し、選定されたものと承知をしてございます。
○丹野委員 先ほど、午前中、落合委員からの御質問にもありましたけれども、やはり優位性というものをもっともっと力強くした方がいいんじゃないかということがありました。
本当に、そういう優位性もそうですけれども、やはり、イノベーションのスピードが目覚ましくて、どんどんどんどん新しい技術が生まれていると思います。そういう状況において、一旦指定した後の進捗というのをどういうふうに管理して、見直しとか追加、そういう仕組みはあるんでしょうか。その基準も教えてください。
○菊川政府参考人 先ほど申し上げました重点産業技術は、二〇二六年度から五年間の計画であります第七期の科学技術・イノベーション基本計画について位置づけられた国家戦略技術領域を念頭に置いて、この法律二十条に基づき指定することとしてございます。まずは、この法案の措置を活用しつつ、これらの技術への重点的な研究開発にしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。
他方、委員から御指摘ありましたとおり、国内外で様々な急激な変化が生じることがあるかと思います。それに応じまして適切な対応をすることができるように、科学技術イノベーションをめぐる国内外の動向について適切なレビューを実施しつつ、政策の効果検証、必要に応じて重点産業技術の追加、これも検討してまいりたいと考えています。
○丹野委員 ありがとうございます。
やはり、選びっ放しではなくて、随時見直しをしていって、追加もしていくということをお願いしたいと思います。
今回、その中に半導体というのが含まれております。半導体と一口に言ってもいろいろなものがありますし、部素材も含めて日本は強さもございます。先日視察をさせていただきました産総研、先日視察させてもらいましたところも、先端の半導体の研究をしているということをすごく教えてくださいました。なので、ああ、ここを始めとしてすごく力が入っているんだなというのを実感できたんですけれども、改めて、半導体全体に対する産業を国はどのように支援をしているのか、教えてください。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、半導体は、情報を処理するロジック半導体、情報を記憶するメモリー半導体、また人間の目に相当するイメージセンサー、様々な種類がございます。また、御指摘のとおり、半導体の製造に必要な装置でございます部素材、研究開発、こういったことも重要でございます。
経産省では、こうした半導体サプライチェーンの強靱化、産業競争力強化に向けて、半導体・デジタル産業戦略というものを策定をし、スピード感を持って法律改正や財政支援を講じてきております。
具体的には、ラピダスやTSMC、こういったロジック半導体、マイクロンやキオクシアといったようなメモリー半導体、ソニーのイメージセンサーなどの取組に対する支援を行ってきております。加えて、キヤノンの露光装置、イビデンや新光電気のパッケージ基板など、半導体製造装置や部素材についても支援を行うという、サプライチェーン全般にわたって我が国の強みを伸ばす取組も進めてきてございます。
引き続き、こうした取組を進めるとともに、本制度も活用しつつ、各種半導体に加え、その設計、製造に必要な装置、部素材を含め、半導体産業全体の研究開発を後押ししてまいりたいということでございます。
以上でございます。
○丹野委員 前回も大臣に伺ったんですけれども、やはり、今回の枠組みを見ても、それから今の御答弁を聞いてもなお、半導体を国内でやっていくんだというその意気込みをすごく感じるんですね。
その一方で、前回も伺いましたけれども、日米の戦略的投資イニシアチブに半導体が仮に選ばれた場合、前回、大臣が、選ばれても、日本の企業が納めたりするので裨益になるんだというようなお話がありました。なんですが、とはいえ、短期的に見るとそういう、納入してもうかるということも短期的にあると思うんですけれども、やはり大局的に見ると、あっちもこっちもみたいな感じになってしまって、国産で一極集中した方がよほどいいんじゃないかと思うんですが、その懸念について、大臣、お答えをお願いします。
○赤澤国務大臣 前回お話ししなかった点も含めてちょっとお話をさせていただくと、日米関税合意、昨年の七月二十二日にディールということになったんですが、その中であったのは、五兆円超課されるはずの関税を米国が二兆円超削減をするということがありました。二五%の分野別関税、相互関税が一五に基本的にはなったということがあって、それと同時に、結構大事だったのは、私自身がネゴシエーターとして考えていたのは、やはり日本の五倍の経済規模があるEUに負けない通商条件を取るということです。
その中で、うまく取れたと思うのは、半導体や医薬品について、日本は最恵国待遇だということは、これは大統領もラトニック商務長官も認めている。それがなければ何が起きるかというと、半導体とか医薬品は基本的に一〇〇%関税を課すと。
だから、一五%というようなことに今最恵国待遇でなっていますけれども、日本はそれを取っているから二つの選択肢があって、一五%の関税を払って米国に輸出するか、米国内で作るか。しかしながら、それを取れていない、一〇〇%関税を半導体に課される国は、もう米国で作るしかないんだと。これはまさに大統領がおっしゃっていることであって。
全体として、日米投資イニシアチブも含めたあの合意が成り立っていることで、ラピダスは一五%の関税を払えば米国に輸出を続けることができるし、それ以外のいろいろな、半導体製造装置もそうです、一五%の関税を払えば米国に輸出できるという状況が確保できているのは、あの日米関税合意が成り立っているからであり、その重要な部分である日米投資イニシアチブというものがあるということについては、是非御理解いただきたいと思います。
その上で、それだけではなくて、これは実際、半導体の製造装置とか、そういうものをきちっと、世界最大の経済大国で覇権国であり、半導体についてもAIについても世界をリードしている米国にいろいろな製品を出して、その市場でもまれるということについてはやはり大変大きな意義があって、我が国の産業が世界をリードしていくような状態に持っていこうと思えば、それは避けられないプロセスであるとも思います。
加えて、ちょっと用意してくれた答弁に関係するところですが、二〇二六年には世界の半導体市場規模は約百五十兆円に達すると予想をされています。特に、先端、次世代半導体については、おっしゃったようなGPUとか、供給を大きく上回る需要が存在するため、米国への投資が直ちに、日本の半導体製造企業への需要や、日本への投資機会を損なうものではありません。
加えて、やはり、戦略的投資イニシアチブ、世界の覇権国である米国、経済で一番の国と半導体工場を例えば建設することで協力すれば、日本が製造装置や素材を納入し、更なる知見の蓄積や技術革新が進む、結果として我が国の産業基盤の強化にもつながると考えられます。
現時点で具体的な案件が選定されているわけではありませんが、今後、半導体案件が提起された場合には、日本国内の産業の競争力強化につながるのかという、委員御指摘の大変重要なそういう観点も踏まえて、協議委員会でしっかりと協議を行ってまいりたいというふうに思います。
○丹野委員 大分よく分かりました。
本当に、仮に選ばれて両方になった場合に、必ずフィードバックされて高め合うというか、相乗効果になるような感じにしてほしいなと思っております。
続いて参ります。
今回、この間も申しました、自動車が単独では入っていないというお話で、分割して、最先端のものが入っているということですけれども、自動車のことを言いますと、自動車産業で研究している最先端の技術というのが当然ございまして、全固体電池ですとかe―フュエルというものがございます。
当然、私、個人的に、素人考えで申しますと、全固体電池も、EVのスペックを上げるために小さく軽くということを突き詰めていらっしゃいますけれども、これは全然ベクトルが違うかもしれないんですが、再エネをどんどん導入拡大していくときに、やはり蓄電機能が物すごく大きくないと再エネも安定供給、拡大ができないと思っているんです。この全固体電池の技術が、EVのスペックをかなえるために小さく小さくということじゃない、逆の方向性ではあるんだけれども、蓄電池技術をすごくカバーできるような技術に転用できるんじゃないかと素人ながら思っています。
加えて、e―フュエルなんですけれども、これも、今ある内燃の状況、いろいろな、スタンドとかガソリンとか、そういうものを何も変えなくていいということなので、この技術も進歩していくと、インフラを、コストをかけるということをしなくていい。
なので、この二つの技術というのは、国がもっともっと後押しするとすごい未来が待っているんじゃないか。先ほどお話があった優位性というところもありますけれども、やはり、せっかくいいところまでいっていたのに中国に負けちゃうとか、そういうのが多いんですが、日本独自の最先端の技術をもっともっと推し進めていくということをしてほしいなと思っておりまして、ちょっと今具体例を二つ挙げましたけれども、この技術に対しては、国はどういう認識をしていて、どんな後押しをしているのか、教えてください。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、全固体電池を始めとして新しいテクノロジーで、例えば全固体電池ですと、従来の液体リチウムイオン電池と比較して、大幅な小型化、軽量化が可能になる、また航続距離の延長に貢献する、より高い安全性を有する、そういった性能面の優位性がございます。
他方で、もう一つ、もちろん自動車に使われるというのはあるわけですけれども、現時点では、電気自動車の航続距離の延長やより高い安全性等の性能面の優位性があるために車載用を念頭に実用化に向けた取組を進めているところでございますが、定置用蓄電池向けについては、現時点では高いエネルギー性能が求められていません。コストも勘案すればなかなか生かし切れないという意見もございます。
他方で、これからまさにテクノロジーがどんどん進んでいって、将来何に使われるかというところが、まさにこれから電池はあらゆるところで使われていくということでございますから、車載用だけではなく、委員御指摘の定置用電池を含めて、様々な用途への展開が可能なものであり、必要なものでございます。そういったところを官民一体でしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
○和久田政府参考人 e―フュエルについてお答え申し上げます。
e―フュエルは、いわゆる合成燃料とも呼ばれておりますけれども、これは、水素と、発電所や工場等から回収した二酸化炭素を活用して製造される、カーボンニュートラル社会の実現への貢献が期待できる燃料でございます。
合成燃料は、委員御指摘のとおり、既存の内燃機関とか、それからタンクローリー、ガソリンスタンドなどの既存の燃料インフラが活用できますし、あと、化石燃料と同等の高いエネルギー密度も有してございます。政府としては、二〇三〇年代前半までの商用化を目標に掲げてございます。
一方で、合成燃料の商用化に向けましては、特に製造コストが課題でございます。経済産業省といたしましては、グリーンイノベーション基金、それからNEDOを通じた製造技術の開発支援、それからクリーン燃料証書を通じまして環境価値の創出といった需要喚起策も進めているところでございます。
こうした取組を通じまして、引き続き、合成燃料の早期の商用化に向けまして、政府として全力を挙げていきたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
そんな形で、本当に技術というのはどこがどうなるか分からないので、そういう種を育てていただいて、あっ、何か芽が出そうというときに、先ほどの六分野に限らず、どんどん追加をしてもらうとか、そういう見直しを含めて、最先端で優位性の技術を加えてほしいなと思っております。
今回の法案なんですけれども、事業者の研究開発計画を認定するわけですけれども、認定するに当たって、資料にその流れというかフローは書いてあるんですけれども、どういう基準でという表記が少ないかなと思っております。
認定するに当たって記入すべき事項というのがあったんですけれども、この事項、読んでいくと、まだまだちょっと大まかかなと思っております。当然この事項の内容も詳しく、細かく詰めていくと思うんですけれども、この辺りはいかがでしょうか。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、本法案では、重点的に支援すべき研究開発の分野、内容につきましては、法第二十二条の第四項に基づく基準がございまして、これを詳細に定めた上で、その基準に適合し、成果が見込まれる研究開発計画に係る認定を受けた事業者に対して各種の支援の措置を講じることとしてございます。
企業にとりまして、予見可能性を確保していく、これは重要な観点でございますので、その企業の予見可能性の確保の観点から、認定基準、また審査期間、こういったところにつきましては、法案が御賛同いただきまして成立した暁には、関係省庁との協議、そして審議会での有識者による議論等を踏まえて速やかにお示しをしていきたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今回なんですが、余力のある大企業だけではなくて、やはりスタートアップですとか中小企業も今回の枠組みに参画してほしいなと思うんですが、実際に参画できるようになるんでしょうか。
参画できるとして、そうだとして、では、中小企業などが入りやすくするためには、新しい制度が実際に使いやすいものである必要があると思います。
よくこの委員会でも申し上げておりますけれども、例えば中小企業の補助金制度をめぐっても、申請書類が多過ぎて、難し過ぎて、諦めちゃってなかなか利用されていないという現状があって、この実態が一向に改善されていないという指摘もあります。認定に必要な書類の作成とか、事業計画の整理をするとか、関係機関と調整をするとか、非常に大きな負担があると思っていて、やはりこれは、中小とかスタートアップの場合は誰がやるんだという状況になるかなと思うんです。結果として、やはりできないとなって利用をためらってしまう、そういう要因になっちゃうかなと思うんですね。この認定要件も、過度に厳しいと、やはりこれもためらってしまうということにつながると思います。
国を挙げて後押しをするのであれば、その制度を生み出すことは本当にすばらしいと思うんですけれども、同時に、現場の皆様が本当に使いやすい、わあ、これなら挑戦してみようかなと後押しできるような制度をつくってほしいと心から思っております。
今回、その認定に当たって、これはなかなか難しいかもしれないんですけれども、例えば技術の将来性とか事業化への熱い思いとか、そういったところも評価のポイントにして、中小企業とかスタートアップの方も参入しやすいようにしてほしいなと思うんですが、見解をお願いします。
○菊川政府参考人 この法案の第二十二条第一項に基づきます重点研究開発計画、この認定に当たりましては、資本金でありますとか企業規模による制限は設けておりません。したがいまして、御指摘のあったスタートアップまた中小企業、これを含めまして申請ができる対象ということでございます。
本法案に基づく認定制度におきましても、事業者に予見可能性があって、過度な負担とならないような制度となるように詳細を検討してまいりたいと思います。
○丹野委員 是非、意欲だけじゃなくて、実際の申請書類とか、そういう事務手続も含めて簡便にしていただいて、参入しやすいようにつくってほしいなと思っております。
続いてですけれども、今度は、研究開発機関を認定するに当たって、いや、この研究はすごいなとか、この人材はすごいとか、この研究設備はすごいという、いわゆる目利きをするような、そういうレベルの方が国側にいるんでしょうか。
○菊川政府参考人 この法案第二十九条第一項に基づきまして、重要産業技術共同研究開発機関、これを認定する際には、研究開発機関が事業者と共同で研究開発を行うのにふさわしい体制を整えているかということを主務大臣が確認することということになります。
実際の認定の方法の詳細につきましては、法案が成立していただきましたその後に、専門的な知識また経験を有した政府の職員の知見、こういうものに加えまして、有識者の専門的な意見も踏まえながら設計をしていきたいと考えています。その機関が人材や設備など必要な体制を確保できているかどうか、こういった観点を研究開発機関を所管する大臣とともに確認をしていきたいと考えてございます。
○丹野委員 よろしくお願いします。
続いてですけれども、我が国の産学連携、これは午前中の質問でもちょっと数字も出ましたけれども、大学等における一件当たりの共同研究費の八割が三百万円未満という数字があります。非常に少ないなと思います。大学の研究開発に企業が絡んでいる割合も、ドイツが一三・一%、韓国が一四・一%に対して、日本は何と三・二%ということで、やはり少ないんですね。この原因は何だと認識をされていますでしょうか。
○菊川政府参考人 今委員御指摘ありましたとおり、我が国における産学連携は、非常に一件当たりの共同研究費が少額であるということについては認識をしております。企業による大学への研究開発資金の拠出も諸外国に比べて低い状況となってございます。先ほど委員から御指摘があったのは、多分、OECDのデータだと思います。
こうした背景には、主に、企業と大学の共同研究が、研究者の個人と企業の一部との連携により行われてきたことが一因ではないかというふうにも考えております。
一方、近年、組織対組織、大学全体の組織と企業全体の組織、こういった形での産学連携も進んできたこともございまして、共同研究費が一千万以上というような、比較的大きな規模の研究が増加傾向にございます。その大型化は着実に進んでおりますけれども、まだ道半ばであろうと考えてございます。
引き続き、本法案を含め政策を総動員いたしまして、大学経営の改革と産学連携の促進を一体的に進めていきたいと考えてございます。
○丹野委員 今回の税制は、あくまで企業に対してメリットがあるかなと思うんですけれども、大学側にはどういったメリットがあるのか、教えてください。
○菊川政府参考人 大学側のメリットということでございます。
大学の拠点等強化類型におきましては、大学などと共同研究等を行った企業の試験研究費に対して高い税額控除率が措置されるということになってございます。このために、企業にとって大学と連携するインセンティブが高まるということです。結果として、大学における共同研究の機会が広がることが期待される。先ほど少し、大規模化してきたということを申し上げました。
あわせて、本法案では、認定した大学等を公表させていただきたいと思っております。そうしますと、企業にとって共同研究の相手先も分かりやすくなりまして、大学等にとっても、これまで接点のなかった大学との新たな連携の創出にもつながっていくことを期待してございます。
このように、今回の税制は、大学等に直接適用されるインセンティブ措置ではないものの、企業との共同研究促進を通じまして、そうしたものが出てきますと大学への間接経費等々も落ちていくことになりますので、大学等の研究開発基盤の強化につながるというふうに期待をしているところでございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今回の本法案が、今お話があったみたいに、大学と企業をマッチングさせて、それまで点や線で存在していた、若しくは個人同士のつながりでつながっていたものを、もっと面でつなげていこう、進めていこうということがよく分かるんですけれども、そもそも、そのパートナーである日本の大学自体の国際競争力がやはり伸び悩んでいると思っておりまして、論文の総数は多いんですけれども、引用されることが非常に少なかったり、そういう中で、大学自体の力が弱い、その弱まっている大学と幾ら企業が組もうとしても、大学を底上げしないとこれはなかなか厳しいんじゃないかと思いますが、今回の法案がどう後押しにつながり、この現状をどう認識しているのか、教えてください。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、近年、我が国においては、トップ一〇%補正論文数の国際順位が低下するなど、相対的な研究力の低下が指摘されているということであります。
この要因については、若手研究者の研究環境が不十分であることや、国際化を含めた研究人材の流動性が不足していることなど、複数の課題があると思いますけれども、こうした課題の背景の一つとして、まさに委員御指摘の、大学が十分な資金を確保できていない状況があるというふうに考えております。
このため、本法案では、共同研究に対する研究開発税制の措置を通じて、大学と企業との新たな連携を創出するとともに、企業から大学への大胆な研究開発投資を後押しをし、大学の国際競争力の向上にもつなげてまいりたいというふうに思っております。
○丹野委員 ありがとうございます。
企業と大学が共に研究をしていく中で、共通言語といいますか、企業側と大学側のそれぞれの理解を深められるというか橋渡しができる、そういう技術や研究をいろいろな形で横断的につなぐことができる、そういった人材がいるんでしょうか。その確保、育成はどうなっているのか、教えてください。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、そうした共通言語という御指摘がございました。
共同研究を進めるに当たって、双方が理解できるような人材、これは非常に重要だと思います。いわゆる博士人材など、技術や研究を深く理解できる高度な研究人材、これが企業、大学双方で活躍していることが重要かなというふうに考えてございます。
経済産業省では、文部科学省と一緒に連携をいたしまして、これは、私も入りましたし、文科省と経産省だけではなくて、大学と産業界も一緒になって入って、博士人材にどうしたら民間企業で活躍していただけるか、こういうガイドブックを作成をいたしました。企業における博士人材を採用拡大していただくための気づきのポイントでありますとか、活躍を促進していただくための処遇をどうしていくか、こういったようなこと、あと、大学において、産業界がどういう人材を欲しているかということが分かるように、大学における教育内容の改善、こういったところに向けた働きかけをこのガイドブックの中でも行ってきているところでございます。
また、これは法案から少し離れますが、産業界で活躍できる高度人材を育成するために、大学におきまして学位の授与を行うプログラムを、産業界と大学側が一緒に連携をして学位授与が行えるプログラムの設置、運営をする取組、これは契約学科と申しておりますが、これを新たに予算措置でございますが支援することとしています。
引き続き、こうした支援を通じまして、博士人材を始めとした高度な研究人材の産学双方での活躍を促進をしていきたいというふうに考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今伺った、直結するような人材育成というのはとてもいいなと思っておりますので、よろしくお願いします。
あと、ちょっと時間の関係で、最後、一問になるかもしれませんが、今回、非常に高い控除率はありますけれども、これによって研究開発投資がどれだけ増えるのかという試算はありますでしょうか。
○菊川政府参考人 なかなか定量的にお示しするということは難しいところではございますが、研究開発税制の戦略技術領域型の控除率につきましては、諸外国の取組も参考に検討いたしまして、例えば韓国の類似の税制では、大企業に最大四〇%の控除率を適用しておりまして、我が国においても、こうした国際的な競争環境を踏まえて、控除率を四〇%として、国際的な研究環境を整えようということでやってございます。その上で、大学とのオープンイノベーション、これについては、外部性が大きいということで、控除率を五〇%という形にしてございます。
我が国の研究開発投資の目標につきましては、第七期科学技術・イノベーション基本計画では、二〇二六年度から二〇三〇年度までの間における官民を合わせた研究開発投資の総額を百八十兆円にしようという目標としてございます。研究開発税制の戦略技術領域型についても、この目標の達成に資するように政府として取り組んでいきたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございました。また続きを金曜日にさせていただきます。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。
本当に、悩ましいというよりも、自分で、じゃ、どうしようかと考えるんですけれども、昔、何年か前に大学の先生と話をしたときに、勝手にトレンドを決めないで、研究開発というのは自由でいいんじゃないかという考え方が片やあるんですね。でも、今回の産業技術強化法の改正に当たって、十七分野を主体にした、どこの業種でも、中小でも結構ですよと今答弁をもらったんですけれども、自由でいいんだというのが片やあって、そうはいいながら、国がトレンドを示していくわけですよね。
じゃ、今まで振り返ってみたときに、国がトレンドを示したものが全てうまくいっているかといったら、意外とそうじゃないような気がするんだよね。
例えば、じゃ、アメリカなんかは何をやっているかといったら、一九四五年にプラスチックのもとの素材を開発しているんです。日本は終戦であたふたしていた時代なんですけれども、その製品が今もずっと使い続けられている、八十年以上も。中国なんかも、例えばいろいろなものが今話題になっているんですけれども。
日本がバブルの頃に、ゲノムの解析だとか、加速器を使って、いろいろな研究所だとかメーカーさんが、お金もあったものですから、予算を割いて何十億もかけて、それで研究開発していたんです。バブルがはじけた途端、みんな、予算がないからと、縮小したらまだいい方で、やめちゃうんですね。
それをやはりかたくなに、例えばゲノム解析なんかも日本が最初に手がけたんですけれども、途中でバブルがはじけて日本はやらなくなったら、アメリカでゲノム解析、日本では六百パターンぐらいしか解析ができなかったところを、六千パターンまでゲノムの解析ができちゃった。結局、日本はこれ以上やってもゲノムの解析にはメリットがないというので、もうそこでやめちゃうんですね。
過去にそういうことが、やはりずっと経済に基づいていろいろ変化してきちゃったんだと思うんですね。景気がいいときは、みんなお金を持っていますから、どんどんやれ、景気が悪くなると、もう駄目、将来の見通しがないから。
やはり、勘違いしちゃいけないなと思うんですけれども、今回、法律の改正がもし成り得たとして、重点していきますよ、税金も増やせるから投資もしやすくなりますよという環境ができたとしても、来年新しいものができるわけじゃないですよね。早くて三年、五年たたないと、今やっているものが後押しをされるということであれば二年後、三年後に花が咲くかもしれないし、これから一生懸命仕込もうという種を育てていって、実がなって食べるまでには五年、十年、二十年かかる話なんですけれども、大臣もその頃は大臣じゃないと思うんですよね。私も議員をやっているかどうかは分からないんですけれども。
例えば、五、六年前、振り返ってもらいたいんです。経済産業省が三兆円市場に育てるんだと、CNFという素材があったんです、セルロースナノファイバー。メーカーもいろいろ研究を始めたんですけれども、今、経産省でCNFという言葉すら聞いたことがない。六、七年前ですよ。もう誰も言う人はいない。もしかしたら当たるかもしれませんよ、CNFが。あと十年後か二十年後か。まだ改良しなくちゃいけないことは聞いています。大学で一部やっていたり、メーカーさんでやったりしているんですけれども。
今回、十七の分野を重点的にやりましょう、オープンにするのはいろいろなところからアイデアを出してくださいという法律なんだと思うんですけれども、結局、例えば中国で、経産委員会でも質問したんですけれども、カーボンブラックといって、電池の端子、そういったものも、最初から中国がたけていたわけじゃなくて、ほかのメーカーがやっていたんですけれども、やはりスケールメリットを出しながらコストを下げていく努力をしていったんですね。いつの間にか、世界で使っているうちのシェアを八割も九割も取っちゃう。じゃ、日本でそれをもう一回やりましょうといっても、もうコストで全然勝てない。
太陽光発電のシリコンウェハーも同じだと思います。最初は日本だって技術を持っていたんだけれども、結局、これはいいことだということで、商売になるんだろうといって、やはりどんどんどんどんスケールメリットを出すことによってコストを下げて、今、日本の太陽光発電の八割は中国からの輸入物。じゃ、今からジャッキを巻いて、太陽光発電のシリコンウェハーを日本で増産していって価格的に勝てるかといったら、同じ性能だったら安い方がいいと、みんなどこでもそういうふうに考えますよね。
だから、そういうことが今後も起こり得るんじゃないかということなんですね。価格だとか、経産省がふわっと行くんですけれども、何年かするとふっと何か消えちゃったようなことを。この後にお尋ねするんですけれども、社会状況だとか技術的な変化があったら、またその分野を指定する、その認定先を変えますというふうに法律でうたっているんですね。もうからないから、先の見通しがないからやめちゃっていいのかといったら、もうそれは取り返しのつかない技術なのかもしれない。
研究開発をやっている人方は、大学の先生でも、メーカーさんでも、この間お世話になった産総研もそうですけれども、当たらないと思ってやっている人はいない、当たると思ってやっているんです。でも、なかなかやはり出口が見えないからみんなじだんだを踏むんだけれども、明るさが、光明が少しでも見えれば、あとはお金をつけてもらって人を寄せてというふうにやれば出口が見えてくるんだけれども、そうならないから研究開発なんですよね。
その辺の考え方というんですかね、これから日本の国内、海外がいいかどうかは別にして、やはり国内に金の卵を産むめんどりを何羽残せるかというところに差しかかっているような気がするんですね。いまだに光は、基本的に余りマスコミにも取り上げられていないんだけれども、結局、ニッチなところで勝負をかけていて、事業規模とすれば何百億円ぐらいの仕事、何十億円の仕事しかないんですけれども、世界ナンバーワンとか世界のシェア六割、七割、八割を取っている企業もあるんです。でも、その基の技術は、もしかしたら、えっ、今更そんなことをやるのという最先端じゃない技術だったとしたときに、実際そこに費用を充てなくて、一つでも多く金の卵を産むめんどりに変わっていってもらえるのかどうか、それをまず所見でお尋ねしたいと思います。
〔委員長退席、土田委員長代理着席〕
○赤澤国務大臣 いつもながら本当にいろいろ目を開かれるお話をいただいて、大変私自身勉強になったところでありますが。
まず、今日、朝の質疑だったですかね、河野委員の御質問にお答えをしたときに、日本でも炭素繊維のような成功したものは実際あるんだと。それは、実は、今、航空機の機体そのものが炭素繊維でできたりしていますから、プラスチックに負けないぐらいの、まだ一兆円市場を目指すというぐらいのものですけれども、そういうものも実際にはあるということなので、千三つかもしれないし、もっと確率は低いかもしれないしということであるけれども、うまくいった例もないわけではないということは、元気を出すためにちょっと申し上げておきたいと思います。
その上で、いろいろやはり考えながらやる必要があって、今日のこれまでの御議論でもあったんですけれども、優位性とかいろいろ見ながら選ぶんだけれども、国民にどうしても必要なものが、やはり今外国に負けていてもやめられないものがあるよねというのも御指摘のとおりだと思いますし、私自身は、ビッグデータ掛けるAIの時代と言われた二十年ぐらい前から、ビッグデータが日本のどこにあると言われれば、超高齢社会の災害大国なので、高齢者の方が多い、そのこと自体が例えば財政が厳しかったりピンチかもしれないし、災害が多い、これはもう大ピンチですけれども、ピンチをチャンスに変えて、ビッグデータが豊富にあるから、そこで災害対応技術とかヘルスケアとか勝ち筋を探そうとか、いろいろなことも思います。
おっしゃるとおり、ニッチもそうでありますし、更に難しいのは、当てようと思ってみんなやっていると委員がおっしゃったんだけれども、私はそこはちょっと違う考えがあって、研究者の方たちというのは、ゾウリムシの研究をやる人はゾウリムシが好きでたまらないですよね。ゾウリムシで当てようなんて思っていないんだけれども離れられない、私はゾウリムシが好きなんだという人が現にいて、研究していたら、何かそれが光を発して何とやらみたいなので大成功してみたりなので。
やはり両面やっていく必要があって、我々、必死になって、これが世の中を支えると思う技術を選び出す努力を血眼になってやりますけれども、一方で、やはり、今日も議論にあったんですけれども、自由に研究できるような雰囲気を何とかつくって、ゾウリムシに没頭するような人が出てきても、いきなり、おまえ、そんなものは将来性がないだろうといってもう応援しないんじゃなくて、広く、理系の方が何かを生むときのあの独特な雰囲気、もう寝食を忘れて没頭してやっているみたいなものもやはり応援をしながら、本当に層を厚く政策を組み立てて、技術自体も選ぶということがありますし、そこのやり方で資金をどうやって入れていくのかみたいなこともきちっと考えなきゃいけませんし、それから、人材の育て方も、本当に総合力で、やはり国の総合力が本当に問われる部分だと思うので、そういう意味で、今日のいろいろな御議論もいただきながら、きちんと念頭に置いて考え抜いていきたいということを感じた次第でございます。
〔土田委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴木(義)委員 先ほどの、前任の丹野議員、その前の委員の方が質問をされて、文科省と経産省で連携を取っていくとかという話なんですけれども、一番危惧するのは、大学の役割があるはずなんですね。産総研みたいな中間の施設があったり、民間の企業なり研究所があって、やはり各々役割があるんじゃないかと私は思うんです。
それで、大学が外部から資金を調達していくのをしやすくさせるんだという今回の法律なんですけれども、それは悪いことじゃないんです、いいことなんですけれども、じゃ、企業側はどうするかといったら、今大臣が御答弁されたゾウリムシの研究で、いつ当たるか分からないところに、分かったよ、あんたがゾウリムシが好きなんだったら、俺は気に入ったからあんたに百万ぽんとやるよと、そこまではいかないんだね。
じゃ、そうすると、文科省が所管しているような大学だとかJSTだとか、経産とはまた違う組織だったり大学がありますよね。それを、民間の資金を集めれば集めるほど、民間の方に向いた研究開発しかしなくなっちゃうんじゃないかということなんですね。じゃ、どうするといったら、そこの分野はちょっと所管が違うので、文科省のことは余りこの場で言うのも失礼かもしれませんけれども、だから国の公金が必要なんですよね。
例えば、三十年も前から四兆円も科学技術の研究費にお金を使っていますと政府は発表するんです。余り伸びていない。でも、何か聞いていると、大学の先生とか、最近余り少ないんですけれども、前聞いていたら、そんなに潤沢に研究予算は下りてきていない。
例えば、百万円を大学に寄附をして共同研究したいんですというと、教授のところの手元に下りてくるのはよくて八十五万円ぐらいですよ。大学でもっと事務手数料みたいなものを取るところもありますよね。そうすると、実際、四兆円を研究開発に使っているんだといっても、何割かは事務手数料みたいな形で消えていっちゃうと、実質研究者のところに行っているお金というのは四兆円もないんじゃないかなというのですが、経産省の方にその話を尋ねても分からない。そういう調査はしたことがないからなんですね。
だから、研究開発予算といったときに、やはり直接研究者のところに行くような数字の出し方を今後はしてもらいたいんですね。その中には、文科が所管のところ、経産の所管、国交、総務だとか、いろいろな所管のところにお金が落ちているはずなんです。ざっくりで四兆円もうちは世界に負けないでお金を使っているんですといいながら、実質研究者のところに行くのにどのぐらい行っているのか、誰に聞いても分からない。これではやはりなかなか後押しをしようとか引き上げてやろうということにつながらないんじゃないかと思うんですけれども、その辺をもう一回関連で大臣にお尋ねしたいと思うんですが。
○赤澤国務大臣 先ほど申し上げた話、ちょっとその流れも踏まえてなんですけれども、やはり総合力ということなので、何が本当に当たるかは確実に事前に予測できない中で、当たるものも必ず出てこなければならないし、一方で、当たりそうにないようなものも、研究開発、基礎研究という意味では、やはりやっておくと国の文化とかそういうものにも深みが出てくるというところはあると思うんですね。
そういう意味で、研究費について言うと、私自身、これは文科省の所管だと思うのでなかなか難しい部分もありますが、確かに委員の問題意識は全くよく共有できるところがあって、実際、研究者の手元に研究できるようなものが届いていないと、総額で四兆円用意をしたものの、それは例えば実際に研究に携わらないところになぜか落ちているということだと意味がないので、その辺は本当に不断に検証していかなければならないというふうに思います。
その意味で、私自身が、事務方は決してゾウリムシのことを考えていたわけではないと思うので、ちょっとお話をさせていただきたいのは、やはり十七分野は経済安全保障の観点から重要で、将来的にも世界でも市場が広がる分野を我々は選び抜いたつもりです。製造業も多く含まれておりまして、これらの分野を支える幅広い製造業をしっかり応援していけば大きな波及効果が生まれるということを確信をしております。
あと、一方で、エッセンシャルサービスの供給が持続されるよう、先般御審議いただいた産業競争力強化法の改正法案でも支援をしてまいります。国民に必要なものは何とか用意をしていくという視点も持っている。
その上で、重点産業技術を特定し、基礎研究から社会実装まで一気通貫支援に取り組んでいくということで、しかも、適切なレビューを行い、政策の効果を検証し、必要に応じて重点産業技術の追加を検討するということで、事前に一〇〇%読み切れず、先ほどのセルロースナノファイバーですか、ああいうふうに、必ずしも将来花開かないものも含まれているけれども、そういうものについても出し入れをしながら、しかも、しっかり今回の法案の政策の効果も検証しながら、少しでも当たるものを当てる精度を上げていく。先ほどの話であれば炭素繊維のようなものがより多く生まれてくるように、我々としては努めてまいりたいと思います。
本当に国の総合力の戦いだと思いますので、政策を総動員して、技術で勝ち、ビジネスでも勝ち切る経済に転換できるように、それをやることで、将来、先生のおっしゃる金の卵を極力多くつくれるようにということを心がけて取り組んでまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 先般、産総研に行ったときの理事長さんが、大手のメーカーさんの社長さんの経験者だったんですね。失礼とは存じたんですが、民間の企業の社長さんと産総研の理事長、組織の在り方は何が違うんですかと尋ねたら、やはりどこの会社でも、どの役所でもそうだと思うんですね、研究所でもそうなんですけれども、どうしても最初にスタートしたいきさつがあるから、そこはなかなかやはり変えられない、ただ、民間は、それじゃ商売にならないから、事業部が幾つかあって、横断的な形でプロジェクトをつくって商品を出していくということを柔軟にやらざるを得ない、でも、意外とやはり、七分野の中で横断的にできているかといったら、今まだそこまではいっていないというような御説明をいただいたんです。
ですから、目利きは昨日、今日の話じゃなくてずっと前から言われているんですけれども、研究開発をやっている人は、世界の中でも誰もやっていない開発を研究開発したいんだそうです。競争がいっぱいあるようなところをやろうとするとどうしても労力と時間とコストがかかるから、やはりニッチなところを狙っていくと、ニッチなところである成果が出ても、それを適正に評価できる、予見可能性が高いとか低いとかと難しい言葉を使うんだけれども、将来性があるかどうかを誰が目利きするのかというところが一番。
もうこれは十年も前から私は経産委員会でもほかの委員会でも質問しているんですけれども、目利きをつくれるような仕組みを誰が考えて今やっているのかということですね。それを経産でやるのか、文科でやるのか、内閣府でやるのかは分かりませんけれども、外郭団体に委託をするのかどうかは分かりませんけれども、結局、いろいろな研究のところにいながらも、ある年齢で、手伝いしますよと言ってくれる人がいた中で、じゃ、その人がマネジメントできるかというと、マネジメントができる方じゃない。研究の中では権威のある方かもしれない。でも、それがイコール商品化にいくかというのはまた全然違う。
それと、どんなにいい発明を今できたとしても、時代遅れになった発明では誰も使ってくれないし、時代を先取りし過ぎても商品として世の中に出ない。やはり、時代背景のタイミングというのがどうしてもある。
それともう一つ、あるおもちゃを作っているメーカーの下請、版権を買って商品を作って納めている会長さん、もう亡くなっているんですけれども、鈴木さん、ブームが来るのはいきなりは来ないんだよ、ブームは、ひたひたひたひた来ながら、少しずつブームが上がっていくんだけれども、長続きしないんだと言うんです、必ず落ちてくるんだと。そうすると、今、前段で説明申し上げたように、CNFがブームが来たんだと思ってぐわっとやろうとしたんですけれども、その後、ふっと下がる。だから、問屋さんから言われたオーダーを全部作ってしまったら必ず売れ残ると言うんですね。だから、一〇〇来たものだったら、できれば六〇、ぎりぎり作ったとしても七〇で、三割は作らないでやって初めて事業がうまくいくという話を聞きました。それは基の技術かどうかは別としてです。でも、商売をやっている人は、みんなそれは自分の経験値の中で、たくさん作ったりたくさん買ったからうまくいくかというんじゃなくて、経験値の中でそれを見出しているはずなんですよね。
ところが、行政の場合は、商売をやったことがない人がいろいろ考えているから、こういうふうになるんだよというのが分からないんだね。いつ下がるかも分からない。その中で事業をやっていこうというんだから、逆に大変だろうなと思うんですね。
そこで、法案の中で幾つかお尋ねしたいんですけれども、事業者は研究開発計画の認定を受けることができるとしているんですけれども、前任の方も質問したように、誰がそれを認定するのか。最終的には経産大臣の判こを押すんでしょうけれども、こうこうこうですよというのを誰がジャッジをするのかというのが一番キーになっていくと思うんです。それが、専門家がいいのか、経営者がいいのか、誰がいいのか。これから詳細は詰めていくというふうに答弁されると思うんですけれども。研究開発機関が認定された拠点を公表しというのもあるんですね。大体想像がつくところになるのかなと思うんです。
これと、産業技術強化法の改正に当たって、私の記憶がうろ覚えなんですけれども、九年前に、やはり理化学研究所と産総研、物質研を指定して、人材と予算を集中する制度の法律の改正がなされたというふうに記憶しているんです。じゃ、今回も同じようなことを主眼に置いた法律の改正なのか、そこにプラス大学が入ってくるのかどうかは分かりませんけれども、そういう考えでいいのか、お尋ねしたいと思います。
○菊川政府参考人 幾つかの御質問がありましたので、ちょっと順序立てて御答弁申し上げたいと思います。
まず、重点研究開発計画の認定は、指針に照らして適切であるかを確認して、経済産業大臣が行うということになってございます。これは今委員の御指摘のとおりでございます。その際に、やはり専門的な知識や経験を有している政府職員でありましたり、我々も様々な方々とふだん意見交換をやっておりますので、そういう形で進めてまいりたいと思います。
また、重点産業技術共同研究開発機関の認定につきましても、指針に照らして適切であるかを確認をいたします。経済産業大臣が、大学の所管である文科大臣、そして研究開発機関の所管大臣と共同で行うという形になっています。
ちなみに、この指針は、審議会での有識者による議論等を踏まえまして経済産業省が案を作成いたしまして、経済産業技術や研究開発機関の関係省庁と協議を行った上で策定したいと思います。
後段の方にありました、特定国立研究開発法人制度のことだと思います、この点につきましては、国立研究開発法人に対して、その法人の研究開発力や運営の強化を図るものであると承知をしておりまして、今回、本法案で認定する重点産業技術共同研究開発機関は、国立研究開発法人に限らず、大学も対象に含めまして、認定機関と事業者の共同研究開発を促進するものというふうに理解をしてございますので、両制度の対象、目的は異なっているのではないかと考えてございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
もう時間があと十分しかないので、ちょっと飛ばさせてもらいたいんです。
私どもの丹野委員も質問したんですけれども、我が国の論文総数はドイツ、英国と同水準であると聞くんですけれども、質的指標である、他の論文からの引用される回数の多い論文数では、G7で最下位、アジアでもプレゼンスも低下傾向にあると聞くんですが、この原因は何と考えているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、文部科学省が公表しています科学技術指標二〇二五において、国別の論文数では、イギリスが六位、ドイツが四位、日本が第五位であるのに対しまして、議員御指摘のとおり、注目度の高い論文数を示すトップ一〇%補正論文数では日本は第十三位であり、これは御指摘のとおりG7の中では最も低い順位ということになってございます。
この原因としましては、多角的な分析が必要というふうに思っておりますが、例えば、国内にとどまる研究者よりも、海外に行く研究者は被引用数の高い論文を発表するという傾向があるという一方、我が国の研究者は国際流動性が不十分であるということも一つの要因ではないかというふうに考えております。
他方で、近年では、中国の自国内引用割合が七割近いことやグローバルサウスからの引用の影響が大きくなっていることなど、被引用構造が変化していることが明らかになっていることもありまして、その引用の多寡にかかわらず、質の高い研究を示す分析、評価の重要性が高まっているのではないかというふうに認識しております。
○鈴木(義)委員 東大のある部門の人が、この引用トップテンの一〇%にどれだけ入っているかという指標が出てくるんですけれども、何ということはないんだよね。日本の学術論文というのはみんな日本語なの。だから、海外の人は、日本語が難しいから読まない。
過去に文科委員会でも質問したんですけれども、例えば、学位を取るよといったときに、論文を二本かないし三本、四本でもいいから、最低条件をつけて、その学位論文の中の一つは英文で出してくれ、そういうベンチマークを、最低限の、最低ラインでいいから、そういう基準を文科省が出してくれと言ったら、やはりなかなかうんと言ってくれない。
大学の自治が大事、言論の自由だとか、建学の精神だとか、特に私立はそういう話になると、そこにいる先生方が日本語で論文を何本も出したって、ほとんど海外の人は読んでくれないんですよ。そこから直していかないのに、何で、技術力が上がるんです、論文数が上がるんです、何ですといったって、指標の取り方自体が最初からもうナンセンスな時代になっちゃっているということです。
そこを是非認識してもらって制度改正をしていかなくちゃ、やはりトップテンに入る論文数がどのぐらいに増えていくか、それは広く、そうじゃなければ引用されない。今例示で挙げてもらった中国は、国内で出した論文の七割が引用されている。みんな使い回ししているだけの話なんです。それでも、カウントが高いよ低いよとみんな大騒ぎするわけ。技術力が落ちました、何がしました。
じゃ、東大の技術力が、キュー何とかという指標があって、どういう指標でランキングがついているんですかと見ていくと、学術論文数はもう一〇〇%認められているんです。何が違うというと、外国人の教師が少ないとか、留学生の数がほかの国と違って、大学と違って数が少ないから、それで低く下げられちゃっているだけ。それで、それがマスコミに出た途端、日本の学力がどんどん落ちてだとか、研究力が落ちてきた、さあ大変だ大変だと。何が大変なのかが分かっていないで何かをしようとしても、解決策は出てこないんじゃないのと私はいつも思うんですね。
だから、ランキングが出たり、何かパーセンテージで表示するようなことというのは、やはりその中身がどうなっているかというのをよく精査して、それで一回かみ砕いてから外に情報発信するようにしないと、本当に学力が落ちているのか、技術力が落ちているのか落ちていないのか、分からなくなっちゃうと思うんです。
その辺を是非今後、今日答弁できるかどうかは分かりませんけれども、お持ち帰りいただいて、松本大臣に進言してくださいよ、鈴木義弘が言っていたと。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
○福井政府参考人 委員、御指摘ありがとうございます。
私も、先ほどの答弁で述べましたが、先生がさっきおっしゃっていたことは、やはり、英語というお話がありましたけれども、国際の、日本から出ていったり向こうから来てもらったり、それを国際頭脳循環というふうにも呼んでいますけれども、そういったことを進めていくということは大変重要かなというところだと思っています。
指標についても問題意識を同じゅうするところがございますので、今後、国際的な研究評価の改革の動向を踏まえつつ、我が省に先ほど申し上げたデータを出している科学技術・学術政策研究所とも連携しながら、どういった指標がいいかというのは検討を進めていきたいというふうに思います。
ただ、科学技術を推進していくためには、第七期基本計画に基づいて、我が国の研究活動の行動変革に向けた研究システムの刷新でありますとか、さらに、基盤的経費、基礎研究への投資の拡充という研究力の抜本的強化も図りながら進めていくとともに、委員さっきおっしゃられましたとおり、どうやって海外に、質の高い研究を示す指標というのはしっかり研究していきたいというふうに思っております。
今日はありがとうございます。
○鈴木(義)委員 しつこいようなんですけれども、論文なんか発表しなくてもいいのかもしれないね。国内だけで。逆の言い方をして矛盾しているんですけれども。発表したからいいかというと、それは科学者とすれば、発表して、それを引用してくれる人が増えれば自分が評価されているというふうに感じるんだけれども、事商売ということになれば、別に特許を出す必要もないんです。誰もまねできないものを作れば、それで商売になれば、特許を出す必要性が逆にないんです。秘匿にしちゃえばいい。そういう考え方もなきにしもあらずなんですね。だから、その辺をバランスを取るしかないと思っているんですけれども。
もう時間がないので、もう一回だけ文科省の担当の方に御質問したいんですけれども、論文の質をどうやって高めていくかというのは、これはもう今だけの話じゃなくて、昔からそれは叫ばれてきたんだと思うんですけれども、どうすれば質が上がりますかね。
○福井政府参考人 ありがとうございます。
それは我々も非常に悩んでいるところではございますが、先ほど申し上げたところと重なるところはあるんですけれども、まず、大学なり国研の研究活動の行動をしっかり変革していく、マネジメントの改革でありますとか、そういう研究システムの刷新と、あとは、研究を進めていくためにも、それに関わる経費というのが重要でございますので、基盤的経費や基礎研究への投資をしっかり進めていきたいというふうに思って、それを、委員は論文を出さなくてもいいかもしれないとおっしゃいましたけれども、そういうところから、いい研究成果の後に質の高い論文が出てくるということではないかと思っておりますので、今日いただいた御指摘も十分踏まえながら努力していきたいというふうに思っております。
ありがとうございます。
○鈴木(義)委員 是非、お帰りになったら、松本大臣にお願いしますよ。(福井政府参考人「はい」と呼ぶ)
大体、論文を発表したときに、特許性があって、実用新案、工業所有権に関わるものが含まれていると思ったら、もうそのときは同時に特許を出しますよ、論文発表する前に。
論文の質をどうやって高めていくかといったら、論文を読む査読の技術というのかな、器量を上げていく。これは、もう全部、結局、査読をする人に何の条件もついていない。誰も議論の俎上に上げることもない。査読をしている人の技量がどのぐらい高いかで、学会なり商業誌にそれを投稿できるかできないかは、査読を読む人の判断で取り上げたり取り上げなかったりしているだけの話です。でも、査読をする人がどれだけの技量があるかというのは誰も基準を示していない。そこが問題だと思いますので、是非大臣によろしく。経産大臣もよろしく。
終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野でございます。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まず冒頭、産業技術力強化法の仕組みを、少し詳細なところを確認させていただきたいと思うんです。
今般、戦略重点技術型と大学拠点強化型の二つの類型がございますが、いずれにおいても、その年における最大控除額は、その当期の法人税の総額の一〇%以内。ですので、それを超える部分の研究開発費、特定の重点技術分野又は大学とかと連携する部分に関しては最大四〇%ないし五〇%の大きな控除が得られるという設計ではあるけれども、その控除額がその年の法人税総額の一〇パーを超えたら翌年に三年間に限って繰越しができます、こういう制度設計になっているわけでございますが、大胆な研究投資をがつっと行うと、その研究投資がでかければでかいほど、その当期の営業利益が赤字で、法人税額がむしろ場合によってはゼロというケースも考えられるかと思います。
大企業に関しては、がっつり研究投資をしても、そもそもの営業利益がでかいので、まだ法人税を払う枠があるというふうになると思うんですが、特に研究開発の初期投資で赤字になりやすいスタートアップであるとか、あるいはディープテック企業、こういったところにとっては、そもそも払う法人税の枠が少ないというか、最初期の頃は営業利益が赤字になることを前提でやっているみたいなケースもあろうかと思いますので。こうした、新規の研究に要する初期費用が大きくて、そして、次年度以降も継続的に研究費を増やしていかないと三年間の繰越しも使えない、こういう制度設計ですから。
ちょっとここで確認したいのが、例えば初年度十億円の研究開発費を投じました、その年は営業利益は赤字だったので法人税額がゼロだから翌年以降に研究開発費の控除額を全部繰り越すことになるんだけれども、次の年は、極端な話、例えば一億円に研究費が減りました、こうなると、次の年もこの繰越分は控除に使えない。更にその翌年に研究費が、最初十億円、一億円、その次の年で二億円に増えましたとなったら、すごく高いところからがつっと減って、ちょっとでも研究費が上向けば、この三年間の繰越しの制度というのは、その年に営業利益が出れば使うことができるのか、ここの制度の詳細についてお伺いします。
○菊川政府参考人 今委員の方から御質問ございましたとおり、繰越制度につきましては、今般、戦略技術領域型において三年間の繰越税額控除制度を創設したところでございます。研究開発投資の拡大のインセンティブにしたいという観点から、前事業年度よりも試験研究費が増加した場合に繰越税額控除制度が適用できるという制度設計になってございます。したがいまして、委員御指摘のとおり、試験研究費が前年度よりも減少したという事業年度では繰越額控除の適用はできないということになります。
ただ、先ほどの例で申し上げれば、例えばその翌事業年度に試験研究費が上がったということであれば、当該事業年度の戦略技術領域型の控除額を一回適用した上で、更に、まだその控除上限額に達していなければ、その余白のところに対して繰越しの税額控除を適用することができるというふうに考えてございます。
なお、今般の改正におきましては、戦略技術領域型とは別に措置をされています中小企業向けの研究開発税制でございますが、これについても三年間の繰越税額控除の制度を措置いたしております。
ディープテックスタートアップの御指摘もありましたので。中小企業要件を満たすディープテックスタートアップであれば、当該事業年度の試験研究費が過去三年間の試験研究費の平均を上回った場合には、試験研究の分野にかかわらず当該制度も活用いただけるということになってございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
中小企業に関しては、前年度との単純な比較ではなくて、過去三年間の平均との比較ということなので、少し使いやすくなるのかなと思いますが、最終的に、随時、実際に制度を動かしてみて、誰がどれぐらい使ったかというのを検証していく中で、この繰越期間三年というのが妥当だったのかどうか、もうちょっと長い方がいいかもしれない、この辺について、実運用しながらしっかりと検証していっていただければいいかなというふうに思います。
続きまして、今回の改正では、重点産業技術についての計画認定を受けて大学などの研究機関と共同研究をするという場合に、より高い税の控除率、研究費の五〇%が控除できるという設定にされているわけです。このことは研究を主導する事業者の側にとって非常に大きなインセンティブになるとは思うんですけれども、共同研究を行う大学などの研究機関側にとっては、もちろん、研究費の一部が企業から入ってくる、ここは非常に大きなものが、額が増えれば増えるほどあるとは思うんですが、一方、それ以外に、逆に、研究者の側にマネジメントする負担が増えたりとか、あるいは、知財の交渉とか契約の事務、間接経費、人件費とか利益相反を管理するとか、こういった研究者側のコストも発生してしまうということが考えられます。
なので、研究機関の側から見て、今よりももっと共同研究を積極的に行いたいと思えるような要素ももっと必要なんじゃないかというふうに思いますが、この制度の運用に向けて、何かそこの部分で考えている対策というのはございますでしょうか。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、大学拠点等強化類型におきましては、AI、量子等の重点産業技術に係る認定を受けた大学等の研究機関と共同研究等を行った企業の試験研究費に高い税額控除が適用されるということにしてございます。
御指摘のとおり、企業は大学等と連携するインセンティブが高まって、結果として大学等における共同研究の機会が広がるということが期待されております。
認定した大学等を公表することにもしてございますので、企業にとって共同研究の相手先が分かりやすくなりまして、大学等にとっても、これまで接点のなかった企業との新たな連携の創出にもつながるということで考えてございます。
大学側から見たところでのメリットということでございますけれども、近年、大学と国内民間企業との共同研究の実績は増加しつつございます。さらに、研究機関は産学連携に対して積極的に進めていただけているというふうに考えておりまして、本法案がそうした産学連携を更に後押しするものになるように取り組んでいきたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
そういった形で、研究者の側にとっても研究費がしっかり入って確保できる、研究環境が充実するといった形で、しっかりと制度が充実して使われるようになっていけばいいかなと思うんですが。
先ほどからも、お話が午前中からも出ていますが、やはり、日本の一件当たりの研究開発費の平均は三百万を下回る小規模なものが大半であって、ここはどうしても、研究者個人間でいろいろ、これができますかという問合せをして、ある意味、事業者からすると、研究の一部を大学にちょっとアウトソーシングするみたいな、そういったたてつけの中でやられてしまうことが多かったので、逆にそうなると、本当に共同研究のマネジメント自体を個人のラボの教授又は周辺の事務スタッフがやらなきゃいけないということで、どうしてもこの事務負担、こういった面で逆に負荷が増えてしまうといったところもあるかと思いますが、ちょっとここに関しては、午前から質問が続いていますので、一問飛ばさせていただきます。
やはり大事なことは、組織対組織という形でより規模をでかくしていく、いわゆる共同の規模をでかくしていく、ここをしっかりと旗を振っていっていただきたいというふうに思っています。
ただ、組織バーサス組織ということになったとしても、やはり、この制度がしっかりと活用されるためには、大学などの研究機関が持っている技術のシーズと、そして企業側のニーズを適切にマッチングさせるということが非常に重要になってくるかと思います。
もちろん、個々の研究者任せでは限界がありますが、大きな組織対組織、中央の方では結構そういうこともできるかもしれませんけれども、特に、地方の大学、小さな大学ではあるけれども非常にここの分野に関しては世界レベルの突出した研究シーズを持っているんだ、そういったケースも間々あるかと思いますが、それでもなかなか、大学の組織自体が小さいから、産学連携を担える人材とか組織がそこに十分にないといったケースもあろうかと思います。
先日視察に行った産総研の方では、産総研のAISTソリューションズという株式会社を一〇〇%子会社でつくられて、これによって、従来、産総研の中でも縦割りでいろいろな分野でやられていた研究分野の中を、このAISTソリューションズが横串を通してみるということによって、実際の市場のニーズとマッチングをさせて事業化を後押ししていくということが上手にでき始めているというふうに伺いました。
まだまだAISTソリューションズさん自体も、そんなにめちゃくちゃ人員がいるわけじゃないから、産総研以外の分野にも手を出せるかというふうにちょっと伺ったら、いきなりすぐにはそれは厳しいという御回答ではあったんですけれども。
やはり、このAISTソリューションズみたいなところを通じて、学術業界とそして実際のビジネスの現場をつなぐノウハウというものがかなりここに、現在もそうですけれども、今後も蓄積されていくと思いますので、そのノウハウを地方大学と実際の市場のニーズのマッチングにつなげるとか、あるいは、場合によっては、AISTソリューションズの一部の力を使ってそういうマッチングに活用するとか、そういったことも今後考えていく必要があるんじゃないかと思いますが、大臣の御所見をお願いいたします。
○赤澤国務大臣 本法案では、企業が重点産業技術の共同研究先を検討する際の一助となるように、認定された大学や研究機関の情報を主務大臣が公表するということをしております。また、ここにかなり思いを込めているということであります。
具体的には、研究開発に従事する研究者や研究体制、それから研究開発に使用する施設や設備の状況など、大学や研究機関が企業との共同研究開発にふさわしい能力や体制を有していることを公表をして、広く周知をする予定です。
これにより、まさに委員がおっしゃったような地方の大学、余り知られていないけれども世界に冠たる技術を持っているようなところが、一度このスキームに乗ってくれば知れ渡るということになると思います。
認定された大学や研究機関がそういったことをきっかけに新たな企業とも接点を持つことで、産学連携が大いに促進されることを目指していきたいというふうに思っています。
○牧野委員 ありがとうございます。
認定制度ということを活用して、本当に、ほっておくとなかなか光が当たらないような、そういう、ちっちゃいけれどもすごい技術を持っているみたいなところにしっかりと業界の目が向いてくれるような、そういう方向に持っていっていただければいいかなというふうに思います。
続きまして、認定に当たって、研究機関又は大学とかがこれだけの設備を持っていますとか、そういったものの中には、いろいろな、なかなか普通だとちっちゃなラボでは所有できないようなものを大学としては持っているとか、研究所として持っているみたいなケースもあると思います。
例えば、私はバイオの領域で研究をやっておりましたけれども、このバイオ分野で最近注目されている技術の一つにシングルセル解析というのがありまして、これは本当に、何万個という細胞一個一個の中のどの細胞の中に何のメッセンジャーRNAが発現しているかというのを網羅的にデータ解析をして、膨大なデータセットの中からそれを解析することによって、いろいろと、塊としての組織の中に何百種類と入っている細胞の素性が全部分かる。これを使っていろいろな解析ができるんですけれども。
もちろん、やっているラボの研究の内容によっては、これを一回やるだけでも数百万という非常に大きな額がかかるので、なかなかこれを一個のラボで所有するということは非常に非現実的だし、本当に、内容によっては、ここから出たデータセットは完全にうちのラボの財産だから絶対に外には出さないというケースももちろんあるんですけれども、一方で、そういった、ハムスターならハムスターとかというもののデータセットというものが得られた場合は、それを、直接そこのラボの研究に使わないけれども、ほかの人も上手に連携して活用できるみたいなことになると、そのデータセット自体が財産になる、こういったケースも出てくるんじゃないかなというふうには思います。
このバイオ分野に限らず、企業との共同研究において、大学側が保有するビッグデータであるとかあるいは解析基盤を活用した後、一緒に研究して活用した場合に、実際にそこからの成果物として出てくる発明そのものであるとか、あるいはそこで作ったデータベース、それを学習したAIのモデルだったり学習済みのパラメーター、こういったものの知的財産権的な部分の帰属というのがどのように整理されるのか。
ここを、例えば民間同士の、企業と大学の民民の契約というところに、自由契約にだけ任せておくと、どうしても、特に小規模な大学とかラボと契約をする場合に、大学の側の交渉力が弱くて、先ほど午前中も、何か、共同研究はしたけれども簿価で株を売っちゃって、それでファイナンシャルプレーヤーだけが得するみたいな、そういうケースの事例もございましたが、こういったふうに、交渉力の弱い大学とか研究者側に不利になるというふうな懸念もあるかと思いますが、そこについてどのように考えていますでしょうか。
○菊川政府参考人 共同研究から生まれた知的財産でありますとか、今委員から御指摘があったようなデータセットのような、いわゆる無形資産のようなもの、こういった成果物ですけれども、この権利の帰属につきまして、一般論ではありますけれども、大学と企業の個別の共同研究契約によって取り決められる、一般論としてはそういうことであろうと承知をしています。
ただ、御指摘がありましたとおり、大学が企業と対等に交渉していくということにするには、やはり大学側の交渉窓口となる産学連携部局がしっかり充実していること、最近非常に強化されつつあると思いますけれども、それでありますとか、知財の取扱規定でありますとか共同研究のひな形などをしっかりと整備をしておく、何をどう交渉しなきゃいけないかということがしっかり分かっているということが大事かなと考えてございます。
そのため、経産省としましては、文科省と一緒に連携をいたしました産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインにおきまして、企業と大学の関係が一方的な立場に陥らないように、対等に交渉するために望ましい取組を記載しておりまして、その中に、いろいろなひな形でありますとかそういったことも、ガイドラインの中でいろいろと、ここを議論の出発点としたらどうかということで提示をしております。
今回の税制改正によりまして、企業との共同研究促進を通じまして、重点産業技術に係る認定を受けた大学等の研究開発基盤が強化をされて、企業が大学と連携する魅力自体が高まる、こういう好循環を形成することで、大学の交渉力を高めることにも寄与すると考えており、それを後押しをしていきたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
やはり、しっかり交渉力を上げるためには、大学の側も、個人の研究者としてやるんじゃなくて、きちんと組織として連携をマネジメントする、この部局をしっかり充実させていく、この後押しが必要だと思いますので、そこのところをしっかりお願いしたいと思います。
続きまして、こうやって重点産業分野で様々な共同研究が今後進んでいくと、どうしても、データの相互利用とか技術の相互利用というところが進めば進むほど、様々な機微技術であるとか営業秘密とか研究データの流出対策というのが一方で必ず重要になってきます。
午前中も産業スパイをどう防止するかというお話もありましたが、そういった、人材が引き抜かれるとそこを通じて技術が流出していくということもありますので、企業と研究機関の相互連携が進むほど、重要産業技術情報にアクセスする人と組織の数が増えていったときに、いかにしてこの技術流出を防止するか。例えば、関係者に対してセキュリティークリアランスをどこまで適用するかとか、この辺りをどう両立させていくお考えか、大臣の所見をお願い申し上げます。
○赤澤国務大臣 本法案では、大学や研究機関の認定に当たり、申請書に研究及び開発に関して知り得た情報の管理責任者を記載しなければならないと定めています。また、企業による重点研究開発計画の認定に当たっては、技術流出防止措置が適切に講じられているかを確認することとしております。
こうした措置により、我が国の重要課題に係る最先端の研究に取り組んでいる大学と企業に対して、適正な情報管理を行う体制を確保させることとしております。
○牧野委員 ありがとうございます。
企業の側にも、技術情報の流出防止措置を行うとか、その辺を義務づけるということも制度上入ってくるということではありますけれども、技術の内容によってはセキュリティークリアランスを適用するとか、ここも含めて、本当に、国防に直結するような、そういう技術になるという場合には、きちっと考えていっていただきたいというふうに要望したいと思います。
続きまして、いわゆるコーポレートガバナンス改革というものが、ずっとここ二、三十年進んできたという中で、新自由主義であるとか、あるいは株主資本主義、会社というのは株主が所有するものなんだという考え方が広まっていって、株主の利益を最大化することこそが会社の使命なんだということで、いわゆる物言う株主みたいなことがずっと圧力をかけていった結果、特に、大きな企業にとって、大企業の中で、企業の側は、研究開発費とか人材投資を抑制して、短期的に利益が出る分野に優先的に資源配分を行うといった傾向が強まってきたというふうに認識しています。
今後、今回のこの改正によって、しっかり研究開発投資を行えば税額が控除されますよということは、やはり、企業が研究開発、人材投資をするということが投資家から適切に評価される一つの土台づくりになろうかと思いますけれども、今回の税制改正のほかにも、今後も継続して、企業の研究開発投資であるとか人材投資、本当に、短期的な、目先の利益じゃない部分に大企業がしっかりと投資をする、大企業に限らずですけれども、様々な企業が投資をするということが投資家から適切に評価される、この土壌を育成していくために、どのような施策が必要だと大臣は考えていらっしゃいますでしょうか。
○赤澤国務大臣 比較的私はコーポレートガバナンスについては肯定的なところがあって、株主資本主義が広まった結果、委員がおっしゃったようなこともあったかもしれないんですけれども、一方で、コーポレートガバナンスをやったことで、会社として、ROEとか、ああいったものを割と意識しながら経営をするといって、資本コストとか、ああいったものについての感覚が強まったという感じも私自身はしておりますし、いろいろな意味で功罪あるということだとは思います。
研究開発投資は、経済成長を加速させ、社会課題解決の推進力となるイノベーションの源泉であります。また、人的投資は、従業員の能力、意欲を高め、企業の競争力を強化する基盤です。
我が国においては、研究開発投資や人的投資などの成長投資が欧米と比べてなお低い水準にあり、本法案では、重点技術を指定するなど、研究開発税制の強化により企業の研究開発投資を後押ししていきたいと考えています。
加えて、人的資本可視化指針を策定し、企業の人的投資が資本市場から適切に評価されるような情報開示を促進しております。また、企業の業績や成長ステージに応じた成長投資と株主還元の適切なバランスを整理した成長投資ガイダンス策定に向けた議論も進めているところであります。
こうした取組を通じて、企業の研究開発投資や人的投資が投資家から適切に評価される環境整備を行ってまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたようなことで、企業が研究開発投資をするということが投資家からもしっかりと認められるという、いわゆる三方よしみたいな言い方もありますけれども、本当に、長期的な目線で見たときに、企業の研究開発投資というものが、最終的に社会全体を発展させるということを通じて投資家の利益にもなるんだという、ここの考え方をきちんと社会全体で共有できるような、そういった方向で政策を進めていっていただきたいというふうに思っております。
続きまして、日本企業の研究費というのはじわじわ増えてはきているんですけれども、中でも、外国に対する研究委託費というものが最近はどんどん、海外に発注する割合というのが増えていて、外部委託支出研究開発費の全体に占める海外の割合というのが昨今だと約四割を超えているというふうな統計になっております。
これを踏まえて、今般の改正で、海外への委託研究費を控除できる割合を段階的に五〇%まで減らしていくということにはなっていますけれども、医薬品の研究開発に係る委託費に関しては、国外委託試験も含めて一〇〇%控除対象というふうになっております。
午前中の質疑の中でも、国内の治験基盤をいかに育てるかというふうな視点の質問もございましたけれども、医薬品の開発において、国際共同治験とか海外の治験は外国で売っていくためにも絶対に必要なことではあるんですが、海外の臨床試験委託費を一〇〇%控除対象にする一方で、国内の臨床試験基盤を強化するというふうなことに対する追加的なインセンティブが弱いと、どうしても、国内のCRO、特に、午前中も出てきた非臨床領域のCROであるとか、医療機関、治験の人材、データ基盤というのがなかなか育っていかないのではないかというふうに危惧しております。
厚労省として、現在、国内治験基盤、特に非臨床段階のCROがなかなか活性化していかない、ここのボトルネックが何だというふうに、現状、分析していらっしゃいますでしょうか。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
研究開発税制の製薬企業への適用に関し、医薬品等の研究開発のうち臨床試験については、人種差等の観点から海外でも行うことが不可欠であり、有効性、安全性等が各国の規制当局において確認されて初めて当該国で承認、上市されるという性質上、医薬品等の販売をグローバルに展開する場合には海外での臨床試験が事実上必須となっていることから、引き続き全額が控除の対象となってございます。
我が国の臨床研究については、主に、例えば、参加患者を集めることや、様々な関係手続等の処理に時間を要するといった速度面や、それに伴います費用面などがあると認識してございます。
政府としては、こうした課題に対応できるよう、臨床研究中核病院が世界標準の治験費用算定を行うことを促すことや、複数の大学等で研究を行う場合の倫理審査の効率化や、AIを用いた治験手続等の迅速化、医療機関における人材開発や医療機関間の連携ネットワークの構築等、我が国における治験、臨床試験を実施する基盤整備を行ってございます。
引き続き、患者の皆様に革新的な医薬品を迅速にお届けできるよう、臨床試験の推進に努めてまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
海外にばかり頼っていると、どうしても技術が流出しやすかったりとか、あるいは、国内で本来だったらできるはずの治験を外注しなきゃいけないということが続いてしまいますので、国外臨床試験委託費が一〇〇%である以上、しっかり国内でもできるための基盤整備、ここをしっかり、厚労省を挙げて、そして、経産省からも後押しをする形で整備をしていっていただきたいというふうに考えます。
続きまして、次の質問は、また博士人材に関してちょっとお聞きしようと思ったんですが、かなり内容が重複しますので、一問飛ばしまして、日本の博士号取得数というのは、二〇二一年で人口百万人当たりで百二十六人と、欧米と比べて大体三分の一ぐらいで、企業の研究者に占める博士号保持者の割合も、日本では四%台、アメリカの大体半分以下という状況にとどまっています。
ここをしっかり後押しするには、やはり、博士号を持っているとか、そういう研究人材で、そういう勉強をしてきましたよという方に対して、しっかり収入面でのインセンティブがあるという状況にならないと、そこにちゃんとポストがあって、収入がありますよという状況をつくっていかないと、どうしても国際的な人材獲得競争で競り負けると思うんですね。
特に、AIとか量子、サイバー防衛とかバイオ、こういった分野の高度人材というのは、国際的な水準で見ると、年収数千万から場合によっては億単位で人材の争奪というのが実際に起こっております。
資料の一枚目を御覧いただきたいんですけれども、この中の右側の円グラフになっているところ、これはAI人材の流入の国別シェアというグラフですけれども、これを見ると圧倒的にアメリカにAI人材が流入していて、その他、イギリス、カナダ、ドイツ等々に行っていますけれども、日本に対するAI人材の流入というのは、アザーズという、十位よりも下の、ぐしゃっと最後まとめられている二三%の中に丸め込まれてしまうぐらい、国際的にはAIの高度人材の獲得競争で、もうあからさまに競り負けている、そういう状況であります。
これは、一つには、日本政府自身が従来型の公務員給与体系というのを前提にしていて、本当に卓越した高度人材を、例えば自衛隊のサイバーとか、そういった分野に確保するときに、国際水準並みの収入体系が保障できないとか、そういったことによって、億単位の収入を得るようなスターサイエンティストと言われる方々が海外に流出する傾向が強まってしまっていたりとか、そういった状況になっていると思います。
なので、今回の税制改正で、企業と研究機関の連携を強めるというのが今回の改正の趣旨ですけれども、それによってきちんと、大型の研究費の獲得ということを通じ、大学の側にいる卓越した研究者にとっても、国際水準に見合った待遇であるとか、あるいは研究確保というものに、今回の税制改正を通じた共同研究というものがいかにつながっていくか、ここも非常に大事だと思いますが、この部分についての大臣の御認識をお伺いできればと思います。
○赤澤国務大臣 重点産業技術を専門とする高度人材を獲得するためには、大学や研究機関が、研究者の待遇や研究環境を整備するために必要な資金を確保することが重要でございます。
本法案では、AIや量子といった重点産業技術に係る認定を受けた大学や研究機関と企業との共同研究に研究開発税制の高い税額控除率を措置することで、企業から大学や研究機関への投資が促されることを期待しております。
文部科学省でやっている取組で、実は私、これを督励したんですけれども、天才君たちがいろいろな理由から今アメリカから出てきているということで、そこを何とか確保しようということで、ちょっと二つ例を挙げますと、海外の優秀な若手研究者を国内大学に呼び込む取組を進めており、実は十兆円ファンドを使いました。
一つは、先ほど、おやっと思ったのは、先生がおっしゃったシングル解析で、カリフォルニア大学のバイオエンジニア学科の学科長であるディ・カルロ先生というんですかがチームごと来てくれるようになったという例が一つあります。カルロ先生は東京大学にチームごと来てくださることになりましたし、それから、AI分野であれば、素粒子解析にAIを使うというものの権威であります、本当に天才という人だと思いますが、名古屋大学が、一流ジャーナルにも多数回掲載実績のある若手研究者を昨年招聘しています。そういう意味では、できることを一生懸命やっているというところであります。
こうした取組が進むことで、研究者の待遇や研究環境の改善、ひいては高度人材の獲得につながることを期待をしております。
○牧野委員 ありがとうございます。
私は逆に、その十兆円ファンドという存在は今初めて伺ったので、そういうのもあるんだなということですけれども、しっかり、本当に国際的に突出した競争力を持つスタープレーヤーというものが、本当に、野球の世界で上がっていくと億の年収が取れるみたいな、それぐらいの乗りで、子供たちにとって夢を持てる職業になるというふうな、そんな状況を目指していっていただきたいというふうに思っております。
次の科学論文の国際プレゼンスの話は、全く先ほどの鈴木先生のお話と重複しますので、一問スキップしますけれども、その中の、なぜ日本の科学研究力における論文の世界のプレゼンスが下がっているかという中で、文科省さんの回答の中で、やはり日本の論文が、日本の研究の質、それを上げていくためには、そこに対する科学研究への投資とか経費を、しっかり予算を国がつけていく、ここが大事だというふうなことを教えていただきました。
実際に、日本の部門別研究費の推移、お配りした資料の三枚目につけてありますこのグラフですけれども、これを見ると、二〇二一年頃から企業部門に関しては徐々に伸びているものの、大学等のアカデミアの部門はずっと四兆円前後のまま、基本的にほぼほぼもうこれは二〇〇〇年代の前半からずっと横ばいである。
今般の改正では、短期的に成果が期待できる分野に対する企業側の研究開発投資を後押しをするということは結構できると思うんですが、より中長期の目線で見ていったときの日本の科学技術力というのを根本的に底上げするには、すぐ産業分野への応用をするということを前提としない基礎研究の分野、さっき出てきたゾウリムシとか、ああいうところも含めて、抜本的に国の科研費というものを拡充していかないと、やはりどうしても、企業に税制のインセンティブを与えて、企業から大学にお金を流してくださいというだけじゃなくて、国の側から大学にしっかりかける予算という、ここを根本的に増やしていかないと、中長期での日本の科学技術力というのはなかなかやはり育ちづらいと思うんですね。
なので、今後、この科研費を中心とした国レベルの研究開発投資をしっかり拡充していくという具体的な予定とか目標値があるのか、ここについて文科省からお伺いできますでしょうか。
○福井政府参考人 お答え申し上げます。
第七期科学技術・イノベーション基本計画では、基礎研究力の強化による我が国の科学の再興等が柱となっております。
委員御指摘のとおり、科研費については、第七期基本計画においても、若手研究者による挑戦的、萌芽的な研究や国際性の高い研究などへの支援を強化するなど、大幅に拡充するという計画にもなっておりまして、令和八年度予算におきましても、十五年ぶりに対前年度百億以上の増額となる、二千四百七十九億円を計上することができたところであります。
第七期基本計画におきまして、期間中の政府研究開発投資総額の目標が計画の中で六十兆円というふうに設定されておることも踏まえまして、文部科学省といたしましても、来年度の概算要求に向けて、引き続き、基礎研究力の抜本的強化にしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
○牧野委員 ありがとうございます。
やはり、第七期の期間中で総額六十兆円目標というふうなことをしっかり掲げてくださっているわけですから、そこからしっかり逆算して、ちゃんと国レベルの科研費を、前年度と比べてプラス百億円というふうに今おっしゃっていただきましたけれども、やはり、総額四兆円分の百億円とか国家予算百二十二兆円分の百億円というと、非常にボリュームとしてはまだまだ小さいんじゃないかなというふうに思いますので、できればこれを一千億とか一兆とかそれぐらいの規模で、今後、国の科学研究予算、大学に直接国から投下できるような予算、ここを拡充していっていただく必要があるんじゃないかなというふうに考えております。
一問ちょっと飛ばしまして、今般の改正は、企業の研究開発投資を後押しするという意味で非常に重要な一歩となるというふうに思うんですけれども、やはり、今お話ししてきたように、税額を控除するというだけでは、最初は赤字覚悟で挑戦するディープテック企業であるとか、研究現場の大学の先生、博士の人材とか、あるいは技術情報の流出対策というところも含めてきちんとやっていかないと、なかなか全体としての技術力が本当に日本にとって優位な状況で底上げされていかないというふうに思います。
先日、大学にいろいろな研究機器を納めるメーカーの方と会って、ちょっとお話をする機会がありました。細胞を育てるインキュベーターという三十七度の冷蔵庫みたいな箱とか、クリーンベンチとか、いろいろなそういうのを納める会社さんで、お話を伺うと、昔は、東大とかいろいろな大学の廊下とかを歩いても、置き切れないぐらいいっぱいそういう研究機器がぶわっとあって、新しいのを納入するときに、廊下に物が置いてあるから、それを一回よけて入れないと納入ができないぐらいいっぱい買ってくれて納入する機会があったということが、これが、いわゆる小泉政権の後の改革で大学が国立大学法人に変わったところからあからさまに売上げが落ちて、業界の皆さんが、研究室に予算がなくなってなかなか買ってくれなくなったというふうに言っていたそうです。
私はちょうどその過渡期ぐらいに大学生になって、昔は結構わちゃっとそういう機器類がいっぱいあったのが、だんだん何か廊下がすごくすっきりしてきて、きっと建物の設計がよくなったから収まるように造ったんだろうと思ったんですけれども、実はそうじゃなかった、単純に買えなくなっただけだったということで。
やはりここを、税制だけで日本の産業競争力を強化しようとすると、どうしても企業任せなふうになりがちになってしまうと思いますので、そこをしっかり、大学、企業、あるいは産総研みたいな国研であるとか、そして地域の高度人材が一体となって産業を育てていくというために、今回の税制改正を入口にして、総合的に、社会実装まで含めた産業技術力を強化するというところの心意気と覚悟を最後に大臣に伺いたいと思います。
○赤澤国務大臣 先ほど申し上げた、シングルセル解析の世界的権威で、東大に来てくださったというのはディーノ・ディ・カルロ博士でした。
我が国の産業技術力を強化していくためには、御指摘のとおり、税制による措置のみならず、予算、政府調達、社会実装支援を含む総合的な戦略として一体的に取り組んでいくことが不可欠であると認識をしております。
これまで我が国においては、優れた技術が生み出されながらも、技術で勝ってビジネスで負けると指摘されており、研究開発の成果を社会実装につなげていくことは極めて重要だと思います。
こうした背景を踏まえて、本法案は、重点技術の指定による投資の重点化、研究開発税制による企業投資の後押し、規制のサンドボックスによる社会実装支援を一体的に講じることで、研究開発から社会実装までを一気通貫でつなぐ仕組みを整備するものであります。
あわせて、国際標準化への取組や官公庁調達、大学、国立研究開発法人の機能強化、技術流出対策を通じて、我が国に強みのある技術の社会実装を総合的に進めてまいります。
こうした取組の総動員ということで、技術で勝ってビジネスでも勝ち切る経済への転換を実現をしてまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
そういった総合的な視点でしっかり後押ししていただきたいということと、プラス、やはり国の予算を、しっかり科研費を増額する、ここは、いわゆる骨太の方針の中からプライマリーバランス目標を撤廃するとか、そういうことも含めて、国の予算の根本的な考え方からまず改めていっていただきたいということを要望しまして、質問を終わりにさせていただきます。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄です。
本日も、産業技術力強化法の一部を改正する法律案につきまして、質疑の機会をいただきましてありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
まず、研究開発税制の設計についての質問をさせていただきます。
研究開発税制は、平成十五年に総額型の控除制度を創設する抜本改正を行って以来、平成二十九年には試験研究費の増減割合に応じて控除率を変化する仕組みへ改組し、令和五年には更に控除上限を変動させる仕組みを導入させるなど、インセンティブ設計の強化を重ねてきたというふうに認識をしております。
この研究開発の投資を活性化させていくという方向性は評価しております。ただ、改めて、この機会に足を止めて確認したいことがございます。
企業の試験研究費は近年堅調に増加しており、令和五年度の研究開発税制の適用額は約九千四百七十九億円と、過去最高水準に達していると認識しております。ただ、物価、賃金が上昇傾向にある現状を踏まえると、インセンティブ設計としての機能は改めてしっかりと検討する必要がある、そう考えております。
また、リーマン・ショック以降、いわゆる企業の内部留保、利益剰余金は増加傾向にある一方で、試験研究費の伸びは相対的には低調にとどまっている、そういった実態もあると認識しております。特に、産官学の連携の強化を趣旨とするオープンイノベーション型についても、しっかりと考えていきたいと思います。
二〇一五年にオープンイノベーション型税制が創設されて以降、二〇一九年に、スタートアップとの連携が不十分という認識から、スタートアップとの共同研究の控除率の見直し、拡大や、二〇二三年度では、高度研究人材、今日も度々触れていますが、博士人材の活用促進の類型など、課題にしっかりと向き合いながら、いろいろな制度、インセンティブを上乗せしてきたというふうに認識しております。
そして、今回は、産官学の連携という観点で見れば、最大では五〇%というかなり大きな控除率を措置するもの、そういう流れの中で認識しております。
こうした背景を踏まえますと、もちろん税制改正も非常に大きな一歩でございますが、やはり、企業が内部留保をいかに研究開発投資へと振り向けていくのかということに対しての実効的な手当てとして何をすべきかということを考えることや、オープンイノベーションをしっかりと進めるには改めて何をすべきか、この問いにしっかりと向き合う必要があると考えております。
この問題意識の下、お伺いいたします。
まず、大臣にお伺いいたします。
これまでの研究開発税制の取組を総括いただきまして、どのような成果と課題があったというふうに御評価されているか、お伺いさせてください。
○赤澤国務大臣 まず、統計データを見ると、企業の研究開発投資は、十年前の平成二十六年度は約十四・七兆円、最新の令和六年度だと約十九・七兆円と、過去二十年間で最高になっています。
それで、成果というお尋ねでありましたが、平成二十七年度に、実は、研究開発投資を増加させるインセンティブを強化する観点から、試験研究費の増減に応じて控除率を増減させるめり張りを行う仕組みを導入する大改正を行った、先ほど委員がおっしゃったとおりです。二十六年度と令和六年度を比べると大きく伸びておりますので、やはり二十七年度、その間に挟まっている大改正というのは大いに意味があったんじゃないか、少なくとも一定の効果があったと私どもは思っております。
そういう意味で、研究開発税制は、昭和四十二年度の創設以来、効果検証を行いながら定期的に見直しをしてきたところであり、先ほどから申し上げているとおり、基本的に、研究開発投資を増加させるインセンティブを強化するという委員に御指摘いただいた観点から、試験研究費の増減に応じて控除率を増減させるめり張りづけを行ったり、研究開発の質を高める観点から、これも委員御指摘のとおりですが、オープンイノベーションへの重点化を図ってきています。
また、特に令和八年度の税制改正では、研究開発税制に戦略技術領域型を創設して、最大五〇%の控除率とか、あるいは一般型についても試験研究費の増減に応じためり張りづけの強化などを行っておりますので、引き続き、適用状況や効果等を検証しつつ、不断の見直しは行ってまいりますが、当然ながら、一定の成果を期待したいし、しっかり利用していただけるように制度を運用していきたいと思います。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
続いて、政府参考人にお伺いいたします。
特に言及させていただきましたオープンイノベーション型について、利用実績と効果をどのように御覧になっているか、見解をお聞かせください。
○菊川政府参考人 まさに、委員御指摘のとおり、オープンイノベーション型は重要でございます。
研究開発税制に関する令和八年度の税制改正におきまして、既存のオープンイノベーション型についても、大学等との共同研究等に関する類型につきまして、手続を、これまでやや手続が難しいところがございました、ここについての合理化を行いまして、今大学の方に周知をしているところでございます。大学の方からも、これで非常に使いやすくなったというふうに聞いております。少し、監査といいますか、チェックをする仕組みを簡素化したり合理化をするということでやってまいりました。
これのほか、AI、量子等の重点産業技術に係る試験研究のうち、認定を受けた大学等との共同研究に関する大学拠点等強化類型、これを創設するとしたところでございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。今、手続の簡便化について御言及がございましたけれども、実際に使われるという観点では非常に重要な観点かと存じますので、引き続き、こちらも利用者の声を聞きながら制度の改善に努めていただければと思います。
続きまして、試験研究費についてお伺いいたします。
今回の税額控除は試験研究費を対象としたものになります。試験研究費自体は、租税特別措置法の関係通達において試験研究の範囲が定義されているものと承知しております。
ただ、何がこの定義に該当するかということについて、そもそもの観点でいえば、国際的にも差異があったりですとか、新たなイノベーションを生むという観点から見ると、どのような費目を該当させるとよいのかということについても、時代に合わせて見直すという、そういった観点もあるのかなというふうに考えております。例えば、AIの活用ですとかソフトウェアを使っていくということが当たり前となった現代においては、求められる費目は変化しており、こうした変化も対応が問われていると考えております。
本質的には、税制の枠内にとどまらず、研究投資そのものや大学側の研究基盤強化につながるような資金が増える環境をどう整えるかが重要であるということも考えておりまして、一体として捉えていくべきテーマだなというふうに考えております。
以上を踏まえて、政府参考人にお伺いいたします。
今回の法改正に伴う控除の対象となる試験研究費について、想定している支出の中身はどのようなものでしょうか、お伺いいたします。
○菊川政府参考人 試験研究費の対象でございますが、製品の製造、そして技術の改良、考案、また発明、こういったものに係る試験研究を行う、こういうことに関して要する、一つ目は原材料費がございます。次は人件費がございます。そして、いわゆる経費。この経費の中には、通信費でありますとか光熱費でありますとか、消耗品、こういったものの費用、こういったものを経費として対象としています。そしてまた、他の者に委託をして試験研究を一部行っていただくような、こういった場合の委託費、こういったことも費用の対象としております。
委員御指摘のとおり、どういった品目が対象になるのか、こういうことをしっかりと理解いただくために、制度の概要でありますとかQアンドAのホームページでの公表、そして、そういったものだけではなく、業界団体でありますとか各地域の企業、そしてまた、税務を扱われます税理士様の、税理士会向けの説明会、こういったところでの周知を行っているところでございます。
今後とも、なるべく分かりやすく実施していくような努力を重ねてまいりたいと思います。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。いろいろな形で周知にも取り組まれているということで、非常に、事前にもお伺いしておりましたけれども、本制度を使うに当たりまして、どういった費目が該当するかということに関して、安心して、活用してから申請ができるということは、施設利用の観点からも重要と捉えますので、引き続き取り組んでいただければと思います。
こちらの研究開発税制についても、ロジックモデルが整理されており、短期、中長期のアウトカムの構造が示されているという資料を拝見しておりました。これからこういった施策が進む中で、是非、長期的に、やはり研究開発の成果というのはどうしても時間がかかってしまいますので、短期のアウトカムについても、振り返る機会ですとか、改めてそれを踏まえてフィードバックループを回していくということも期待をお伝えさせていただきたいと思います。
続きまして、今回の法改正の結果としての、産学連携が進んだ際の、その果実である知財についてお伺いをいたします。
経済産業省の第十三回イノベーション小委員会の資料を拝見いたしました。日本の主要研究機関、こちらの年間の知財のライセンス収入の図、グラフですね、が載っておりまして、日本でいいますと、産総研、こちらが約十・三億円、NIMS、これが約六・一億円、理研が約四・七億円とある中で、比較対象としてドイツのフラウンホーファー研究所が載っておりまして、約二百九十八億円と、日本の主要研究所の数十倍に達している、そういう図をお示しいただいた資料だったというふうに思います。
この差がどういうふうに生まれているかというところを見ていきますと、フラウンホーファー研究所、こちらは、知財をライセンスにして、そこで稼いでいくということにたけているということで、調べてみると、例えば音楽を聞く際のMP3の開発というところが代表例で、フラウンホーファーは、開発した後に特許を取得して、それをいろいろな機器メーカーだとかそういったところが使うことで収入を得てきた、そういうような経緯というふうに承知をしております。
これも二〇一四年の少し前のものになりますけれども、経産省の資料によれば、フラウンホーファー研究所はどういうふうにそういったものを発掘しているかとか活用していくかといいますと、研究のフェーズというものを分けて、基礎研究から応用研究の前半まで、ここは自分たちで手配できるような競争的な資金とかでしっかりと開発をした上で、一定方向性が見えてきた応用研究の後半の方から企業の受託研究をしていくというような形で使い分ける。この目利きですとか判断をするような主体が組織の中にいて、それでしっかりと知財を守りながら、基礎研究の方から出てきたものに関してはライセンスしていくといった、そういった戦略が実現できるような体制になっているというところで、知的財産を幅広い産業分野で利用するための研究機関がしっかりと所有し、ライセンスすることを基本とする姿勢が整っているというような記述がございました。
これはあくまで一例でございますけれども、このような知財の収益化にどういうふうに戦略的に取り組むかというものは、今回の法改正で措置した先として非常に重要な論点だと捉えております。
ここで、政府参考人にお伺いいたします。
改めてではございますが、こういった先端的な欧米の研究機関と我が国の知財収益化の差をどのように認識されて、今後どのように対応されていくのか、御見解をお伺いします。
○吉澤政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の大学の特許権の実施等による収入額、いわゆるライセンス収入は、二〇〇五年から二〇二三年にかけて約九・二倍に増加している一方で、例えば、二〇二二年時点の大学の知的財産のライセンス収入を米国と比較いたしますと、約五十二倍の差があるとの調査結果があるものと承知をしております。
この背景には、我が国の大学が、知的財産を含む産学連携による収入を研究活動への戦略的な再投資につなげる好循環の構築が道半ばであるという点がありまして、研究成果の産業界への移転機能の強化が課題となっているものと認識しております。
このため、政府といたしましては、国際的な研究競争にチャレンジして成長を目指す我が国の大学がグローバル水準での大学経営を可能とする仕組みの構築の検討を進めているところでございます。
特許庁といたしましては、産業界へのライセンス促進を含めた大学の研究開発成果の社会実装を拡大するため、大学の産学連携担当部署に対して知的財産マネジメントの専門家を派遣し、大学発スタートアップの創出を支援するなど、技術移転の促進を更に強化していきたいと考えております。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。しっかりと社会実装して技術移転を進めていくための措置を進められているということで、後段でも少しまた係る質問があるかと思うんですけれども、お答えいただき、ありがとうございました。しっかりと課題を認識して取組をされていることを把握できてよかったと思っております。
関連しまして、共有特許についてもちょっとお伺いをしていきたいと思います。
今回の法改正の審議に当たりまして、私も、民間の研究機関に参加されている方にちょっと話を聞いたときに、印象的な声を伺いました。余り大学と企業の共同研究というところに期待をしていないという声でございまして、話を聞いてみると、やはり大学の方は新しい技術ができたとか研究ができたというところを自分たちの成果としてどんどん出していきたいというモチベーションが働く、一方で、企業側からすれば、それをしっかりと守って、当たり前のことではありますけれども、ビジネスにつなげていくというところで、守りの発想が先に出てしまう、そこはなかなかやはりかみ合わないというところで、進めていくのが難しい、利害がかみ合わないというようなお声でございました。
こういったお声は、ある種、象徴的なものかなというふうに思いまして、やはり、産学連携に内在する、構造的に、少し緊張関係というか、そういったものもあるのかなというふうに思っております。
そこで、共有特許についてお伺いをしたいと思っております。
共同研究の成果となる共有特許は、特許法の第七十三条第三項により、第三者ライセンスに両者の同意が必要とされております。双方の合意形成や手続に時間がかかるなど、産学連携における知財の社会実装にやはり制約がかかるという指摘がございます。その方も、いろいろなところに許可を取っていくということ自体がやはり大変だったというお声をいただきました。これはやはり、今法案が産学連携を促進するほど、この問題も顕在化する可能性があるかなというふうに捉えております。
ここで、政府参考人にお伺いをいたします。
研究の社会実装を進めるために、共有特許の扱いをどのようにお考えでしょうか。特に、今般の法改正でオープンイノベーションを推進するという観点があることを踏まえまして、御見解をお伺いいたします。
○吉澤政府参考人 お答え申し上げます。
産学連携により企業と大学が共同で生み出した研究開発成果につきましては、権利化だけではなく、社会実装を促進することが重要であると認識しております。
共有特許につきましては、御指摘のとおり、特許法七十三条三項の規定に対して委員が御認識のような指摘があるということは承知しております。
一方で、国際的には、例えば欧州諸国は日本と同様の制度となっておりまして、むしろ、正当な理由なく共有特許の利用が進まず社会実装が行われないことが問題であるというふうに認識しております。
そこで、特許庁におきましては、共有相手が共有特許に係る発明を一定期間正当な理由なく実施しない場合には大学が第三者にライセンスを可能とする条項を含むモデル契約書を公表し、普及に取り組んでいるところでございます。
本法案で、認定を受けた大学や研究機関と企業との共同研究において生まれた特許等の研究成果を社会実装につなげるべく、このモデル契約書も活用してオープンイノベーションを推進していきたいというふうに考えております。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。重要性について認識を共有していることをお話しいただきました。また、モデル契約書というところで、契約の形についてガイドを出していくということに取り組まれていることもお聞きさせていただきました。まさに、最後におっしゃっていただきましたけれども、今回の法改正を経ての認定機関においても、そういった取組、特に、リクエストさせていただくとするならば、やはり、期間が切れてというところではないところにおいても、何らか使いやすくする方法について引き続き模索いただいたりですとか、人材の部分、そういったところの手当てのところを是非検討いただければというふうに思います。
今、少し人材について言及いたしましたけれども、研究の知財をビジネスに変換していく社会実装や技術移転の観点からは、専門的な知財人材の活躍が不可欠と認識しております。
恐らく、通底する問題意識といたしまして、内閣官房が発出した知的財産推進計画二〇二五の方では、大学の研究成果の社会実装が十分でない背景といたしまして、大学における事業化を見据えた知財マネジメントの不足というところを課題として明示しているかと把握しております。
こうした状況を受けて、INPITによる知財戦略プロデューサーの大学等への派遣事業ですとか、これは二〇二四年度に開始されていらっしゃるということを認識しております、そして、経済産業省や特許庁がこうした施策を進めていることは承知しておりますが、改めて、知財の事業化を進めていくという観点で、こういった専門人材の育成や確保、これをどういうふうに進めていくかということについて、是非お伺いさせていただければと思います。
○吉澤政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の産業競争力の更なる向上のためには、研究開発成果を適切に保護し、社会実装することが重要でございまして、それを担う知的財産人材の更なる育成が不可欠であるというふうに認識しております。
このため、今委員御指摘をいただきましたけれども、特許庁及び独立行政法人工業所有権情報・研修館、INPIT、インピットと言っておりますが、こちらにおきましては、大学やスタートアップへの知的財産の専門家の派遣やセミナー等を通じまして、その知見やノウハウの移転、共有に取り組んでいるところでございます。
また、経営者や実務者など、幅広い層への研修やウェブサイトを通じた百種類以上の教材の無償提供など、民間の人材育成も支援しております。
これらの取組を通じまして、知的財産戦略を担う人材の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。今お話しいただきました専門人材をどう育成していくかですとか派遣していくかということに加えて、裾野を広げていくお取組もされているということで、この重要性は極めて高いというふうに受け取りました。是非、本文脈とややそれますけれども、今回も何回か質問に出た国際標準化の観点で見ても、やはり知財人材の活用というのは一つ大きなテーマになってくるかなというところで、今後、より戦略的に取り組んでいただくことを期待しております。
続きまして、研究拠点としての大学についての御質問をさせていただきます。
本法案の中で新たに大学拠点等の強化類型が創設されることに伴いまして、研究開発機関が、重点産業技術の研究開発に必要な知識や技能を有する人材、実施体制、設備等が確保されていることを条件に、認定機関となることができるようになります。こういった認定機関が増えていき、共同研究の先が増えていくことは、すなわち、やはり今回の法改正の趣旨である日本の研究力を強化していく上でも極めて重要だと考えております。ですので、しっかりと、共同研究の受皿となる大学、研究機関をどのように強化していくかということについても考えていきたいと思います。
ここまで文部科学省は、本日も何回か言及がございますが、国際卓越研究大学やJ―PEAKSといった取組に取り組んできたと認識しております。国際卓越研究大学は、いわゆる十兆円ファンドを通じて世界トップレベルの研究大学を育成するという制度であり、J―PEAKS、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業は、地域の中核大学や特定分野に強みを持つ大学の研究力強化を支援するものと認識しております。こういった高い研究力を持つ、そしてイノベーションの中核となる大学群を、政策としてもここまで後押しを続けてきている方向性があるというふうに承知しております。
ここで、改めて政府参考人にお伺いをいたします。
本法案の認定制度による研究力中核大学群の育成といったところと既に実施している大学研究や教育の振興策をどのように連動させていくでしょうか。また、大学拠点等強化類型の受皿となるような認定機関となる研究拠点、これをどう育てていくか、お考えをお伺いいたします。
○菊川政府参考人 高度で多様な研究力と教育力を持って、世界の多様な人材や企業を誘引するイノベーションの源となり得る大学、これが我が国に存在することは極めて重要でございます。
経済産業省といたしましては、昨年、文科省と共同で研究会を立ち上げまして、産業競争力、研究力の中核となる大学群、これを生み出すための施策の検討を進めてございます。
そうした大学群、新たに今検討を始めております大学群も含めた大学拠点等の研究力強化に向けまして、本法案の中では、企業との共同研究開発にふさわしい研究力や研究体制を有している大学や研究機関の重点産業技術に関する拠点、これを認定するということになってございます。
この法案を含めまして、先ほど申し上げました大学群、こういったところへの施策の検討、こういったところも総動員いたしまして、文科省を含め、関係省庁とも連携をして、大学の研究力の強化に向けた大学経営の改革、そして産学連携の促進を一体的に進めていきたいと考えてございます。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
世界で競い成長する大学経営のあり方に関する研究会の方、こちらの議論も非常に興味深く拝見しております。産学連携の投資を活性化するためには、受皿となる大学側も、自主財源を増やし、研究成果を次の研究へと再投資できるような研究基盤への投資の環境が重要だと考えております。
先ほど触れました研究会の中間取りまとめでも、大学の財務基盤の強化というところが重要な課題となっていると認識しております。その中でも触れられておりましたけれども、エンダウメント、いわゆる大学の基金の重要性についても、そちらでも言及されておりますし、私も非常に重要なものだと認識しております。
アメリカでは、大学の基金の運用益が財政の一角を支えており、裁量的に活用できる原資となっております。例えば、アメリカでいえば、最大規模とされるのが、アメリカのハーバード大学の基金でいえば、二〇二四年度で約五百三十二億ドル、八兆円に近いような規模に達しているということで、かなり大きな基金を運営しながら、その運用益を大学の経営に充てているという状況だと認識しております。これらがやはり自主財源になっているという観点で見れば、日本でもそういったところを広げていくことを期待したいというふうに考えております。
そういった問題意識の下、お伺いをいたします。
ここまで、この法案で措置されるような産学連携の促進が議論になっていましたけれども、こういった産学連携に加えまして、大学の自主財源の拡大との組合せが必要ではないかというふうに考えております。米国の大学が寄附金や基金運用、知財収益で研究費を自己調達するようなエコシステムを持っていることと比較して、現在の日本の制度的な課題をどのように御認識されているか、お伺いいたします。
○俵政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、近年は、科学とビジネスが近接化をし、社会実装のスピードが増すだけではなく、企業との共同研究を通じた資金、人材、そして新しい知の流動性、これが高まっていることも踏まえ、諸外国の先行事例も参考にして、大学が、それら多様な財源とともに、次の研究力の原資として活用し、研究力強化を図るエコシステムの構築が極めて重要だというふうに考えています。
文部科学省としては、このエコシステムの構築、強靱化を推進するため、スタートアップエコシステムにおける技術シーズの創出や、アントレプレナーシップ教育、起業支援体制の構築に関する支援、これらを推進するとともに、大学における組織対組織の連携に基づく産学官共創拠点の形成や、大学の研究力、経営力強化の支援を行うなど、各大学の産学連携やその推進体制の持続的な支援に取り組んでいるところです。
文部科学省としては、引き続き、関係省庁とも連携をし、我が国のイノベーション創出の中核を担う研究大学群を中心にこうした取組を推進するとともに、研究開発税制の活用や更なる寄附の促進、資産運用の取組の後押しなど、様々な施策を総動員をして、我が国の大学のイノベーションの創出と研究力強化を強力に後押ししてまいりたいというふうに考えています。
○河合委員 ありがとうございます。非常に多岐にわたるテーマを並行しながら、大学の経営力の強化というところに取り組まれていると認識しました。一体となった取組の中で、研究の社会実装につながるような側面でも、是非、大学経営の一層の深化を期待したいと思います。
では、最後に、いわゆる日本版バイ・ドール制度についての御質問をさせていただきます。
今回の改正は、政府資金が供与されて行われている委託研究開発に関する特許権を受託者に帰属させることができる日本版バイ・ドール制度に一部特例を持たせるものでもございます。ここまで触れてきましたように、特許や知財の扱いというところは、研究をビジネスと結びつける上では非常に重要なものでございます。死蔵を防ぐための今般の法改正も、その上で意義深いものと認識しておりますが、こういった共同研究に係る知財活用全般の戦略設計が非常に重要になってきていると思います。
ここで、大臣にお伺いをいたします。
今回の改正に当たりまして、いわゆる日本版バイ・ドール制度につきまして、これまでの適用と今般の改正の意図、期待される成果をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 委託研究開発の成果に係る特許権等が製品化などを通じて実際に活用されるよう、政府全体で日本版バイ・ドール制度を推進しており、令和六年度は、政府全体における委託研究費の約九九・七%に当たる約二兆円の委託研究開発事業に本制度が適用されたところでございます。
本改正では、我が国の産業技術力の強化のため、研究開発を重点的に推進することが必要な重点産業技術について、相当期間活用されていない特許権等を国が受託者から第三者に実施許諾させる規定の特例措置として、手続の円滑化を図ることといたしました。
現行の規定が日本版バイ・ドール制度の適用を受けた特許権等の利用を進めようという意識づけになっているとの声も聞いておりますので、本改正による手続の円滑化により、その意識が更に高まることを期待しております。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。こういった有効活用も含めて、知財戦略も含めて、今回の法改正で目指しているところの推進を期待するところであります。
本日は、御質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
○工藤委員長 次回は、来る二十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十二分散会

