第10号 令和8年5月29日(金曜日)
令和八年五月二十九日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
安藤たかお君 伊藤信太郎君
伊藤 達也君 内山 こう君
加藤 大博君 こうらい啓一郎君
斉木 武志君 鈴木 淳司君
世耕 弘成君 園崎 弘道君
永田磨梨奈君 平沼正二郎君
古井 康介君 細野 豪志君
松下 英樹君 丸川 珠代君
水野よしひこ君 武藤 容治君
山際大志郎君 山田 美樹君
山本 裕三君 落合 貴之君
河野 義博君 吉田 宣弘君
阿部 司君 若狹 清史君
丹野みどり君 牧野 俊一君
河合 道雄君 土橋 章宏君
…………………………………
経済産業大臣 赤澤 亮正君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 原 克彦君
政府参考人
(内閣府宇宙開発戦略推進事務局審議官) 渡邉 淳君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君
政府参考人
(文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官) 藤吉 尚之君
政府参考人
(経済産業省大臣官房長) 片岡宏一郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)
(経済産業省商務情報政策局半導体戦略統括調整官) 西川 和見君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 西脇 修君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 今村 亘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省経済産業政策局地方創生担当政策統括調整官) 宮本 岩男君
政府参考人
(経済産業省イノベーション・環境局長) 菊川 人吾君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(特許庁総務部長) 吉澤 隆君
政府参考人
(中小企業庁次長) 山本 和徳君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
五月二十九日
辞任 補欠選任
小森 卓郎君 平沼正二郎君
山際大志郎君 内山 こう君
河合 道雄君 土橋 章宏君
同日
辞任 補欠選任
内山 こう君 山際大志郎君
平沼正二郎君 加藤 大博君
土橋 章宏君 河合 道雄君
同日
辞任 補欠選任
加藤 大博君 安藤たかお君
同日
辞任 補欠選任
安藤たかお君 小森 卓郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
産業技術力強化法の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
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○工藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、産業技術力強化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房長片岡宏一郎君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。落合貴之君。
○落合委員 おはようございます。中道改革連合の落合貴之でございます。
本日も、前回に引き続き、産業技術力強化法案について質問をさせていただきます。
前回の続きからですが、各国、その国にとって重視している産業は、だんだんと政府が国家戦略として力を入れていくという時代になってきています。その中で今回の法改正案が出てきたわけですが、どの分野を重点分野に選ぶのかがまず重要だということを前回取り上げさせていただきました。
今回の国家戦略技術領域は、長期的に未来を考えると重要な項目ばかりであると思います。しかし、足下で、もっと技術開発に力を入れれば世界のマーケットをごっそり取れる分野もある、その分野に力を入れることが重要であるべきではないかということで、次世代太陽電池のペロブスカイトについて取り上げました。
エネルギー分野で最も投資を集めて、技術革新もこの十年ぐらいでかなり進んでいるのが再エネの分野でございます。このペロブスカイトは、次の世界の主流になることがほぼ確実で、日本発の技術であるのに、お隣の国に急に追いつかれて、抜かされてしまいつつあるというような状況です。
その続きで、自衛隊の基地でペロブスカイト太陽電池の実証、導入をするということでございます。高市政権は政府調達で新産業を起こすことを打ち出していまして、これは重要な手段であるというふうに思います。
この自衛隊基地でのペロブスカイト実証、導入の意義について、経産省の補助金を活用するという話も出ておりますが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○赤澤国務大臣 おはようございます。
御指摘の自衛隊基地でのペロブスカイト太陽電池の実証のように、新たな技術の社会実装を進める上で、まずは政府が率先して需要を牽引することは重要でございます。
経済産業省としては、二〇四〇年に二十ギガワットのペロブスカイト太陽電池の導入目標に向け、政府や自治体の公共施設や、道路、鉄道、空港、港湾といったインフラ空間への導入を積極的に進めることが重要と考えており、関係省庁と連携して取組を進めているところでございます。
このため、量産技術の開発、社会実証や生産体制整備の支援のほかにも、導入補助については、環境省と連携をして、昨年度から既に開始しているというのは委員御指摘のとおりでありますし、有識者、メーカー、百八十を超える自治体、関係省庁など、幅広い関係者を集めた官民協議会による需要の喚起といった取組を進めているところでございます。
引き続き、官民が一体となって、需要の創出に向けた取組についても推進してまいりたいと思います。
○落合委員 自衛隊だけでなく、ほかの公共施設においてもどんどんやっていくということでございます。
元々、再エネの技術自体は、米軍がかなり開発を、米軍がきっかけをつくっているというようなことも、私もいろいろ調べているうちに認識をしました。よく考えてみると、自立的な電源の確保というのは軍隊にとっては重要なことで、その技術が民生用にも広がったというようなことなのであるというふうに思います。
ネットの普及もそうでしたし、歴史を振り返っても、国ががっちり支援をして利用も促進していくことで、新しい産業が起きる、新しい技術が普及する、こういったことは歴史的にも成功例がたくさんあるわけですので、技術の開発の支援も重要ですが、それを普及させていくための支援ということも大変重要であるというふうに思います。
ペロブスカイトを例に挙げましたのは、今、エネルギーの議論をしていく中で、太陽光パネル自体は輸入しているので国産電源じゃないというような意見もあるわけでございます。しかし、震災の数年前までは、世界のパネルの生産の四割ぐらいは日本でやっていたわけでございます。これが、しっかり政府が後押ししてこなかったこともあり、抜かされてしまった。
蓄電池もそうですが、数年前までは世界で一位が日本だった。しかし、もう複数の国に抜かされてしまっています。これは、電気自動車への対応も、再エネの普及にとっても、外国の企業を頼らなければ産業として成り立たなくなってしまっているわけです。
私は十数年前からこの経産委員会で質問に立たせていただいておりますが、震災の後、再エネは時期尚早だといって、そういうメッセージを発していた、しかし、この再エネの分野が、日本がそのときは一位の分野が多かったにもかかわらず、そういったメッセージを発信して、そして、周りの国に抜かされ、今それを追いかけていかなければならない立場になってしまっているということで、やはり、過去、重点産業の指定の仕方を間違えていたという例の一つであると思います。
したがいまして、この重点技術、重点分野の選定というのはやはり柔軟に行っていくべきである、間違いに気づいたり時代の状況が変わった場合は柔軟に追加をしていくべきだということを感じるんですが、大臣、それについてはいかがですか。
○赤澤国務大臣 御指摘はよく分かるところがありまして、委員が念頭に置いておられるのは、最近の技術革新の速さとか、新しいものがすぐ出てくる、今のAIの普及、世の中の変わり方とかを見ていると、しばらく前に決めたことを、もう、一度決めたんだからといって守っていると、多分、時代にも、周りの国との競争にも取り残されていくということだと思います。
そういう意味では、競争はある意味勝たなければならぬ、あるいは少なくとも先頭集団にいなければならぬ、あるいは、今遅れているなら、本当に大事な分野なら何とかキャッチアップしていく、そういうことが本当に重要だと思いますので、そこはやはり、制度という意味でも、臨機応変に見直していくという姿勢というか考え方は非常に大事なものだというふうに思います。
○落合委員 国家戦略でほかの国がどんどんやり始めているわけで、なので、これは国家がどういう戦略を立てるかで民間の仕事も競争力も全く変わってくると思います。この能力を経産省がもっと磨いていくということは重要な観点だと思いますので、是非お願いいたします。
それでは次ですけれども、いろいろな研究者によく言われるのは、政府に支援などを申請するときに、かなり、書類の数もそうですし、窓口がばらばらで本当にこれが大変なんだ、そればかりに時間も労力も使ってしまうんだということは様々な分野で聞くところでございます。
この法案では、例えば補助金等交付財産の処分の制限に係る承認手続の特例ということも第二十六条に書いてありまして、窓口のいわゆるワンストップ化がしっかり定められています。こういったことは重要だと思いますが、政府参考人に伺いますが、今回、どのような改正を行うんでしょうか。
○菊川政府参考人 補助金等で取得いたしました設備を補助金等の交付の目的外の研究開発に活用する場合には、現行制度では、今ほど委員の方からも御指摘ありましたとおり、いわゆる補助金等適正化法に基づく財産処分の承認手続が必要となってございます。
本改正案におきまして設けようとしております特例につきましては、重点研究開発計画の認定手続と補助金等交付財産の処分承認の手続を一体的に進めていこうということで、できるようにするものでございます。これによりまして、今ほど委員から御指摘があったような、事業者の申請に係る時間的そして事務的負担、そういったものを軽減する、そして、研究開発を、その分着手を迅速化していける、そしてまた、既存の設備を有効活用していく、こういったことを期待してございます。
本改正によりまして、現場の挑戦を後押ししていきたいと考えてございます。
○落合委員 今回の法改正だけではなく、経産省に関わるあらゆる分野でこういった施策は必要である、様々な窓口に分かれてしまっているのを、今デジタル化もかなり行政も進んでいますので、ワンストップ化という観点から、あらゆる施策を練っていくときにそれを基準にしていくということは重要だと思いますが、大臣、いかがですか。
○赤澤国務大臣 全く御指摘のとおりだというふうに思います。そういう意味で、先ほども、冒頭申し上げたとおり、今日いろいろいただいている委員の御指摘を踏まえながら、やるべき見直しについてはしっかりやっていきたいというふうに思います。
○落合委員 昔よりはデジタル化が進んでやりやすくなってはきていると思いますので、是非とも、新しい重要な論点として、あらゆる政策の分野にその観点を入れていただければというふうに思います。
では次が、特許の部分ですね、この法改正案の。未利用特許の利用促進についても規定がされています。
知的財産は重要な財産ということで、近年、特許権、知的財産は重要視されているわけでございます。いろいろこれを機に調べたんですが、びっくりしたのは、国内の特許権所有件数のうち、未利用というのはどれぐらいなのかなと思ったら、半分ぐらいが未利用。私が分かった最新の数字では、二〇二三年度で、特許所有件数のうち未利用率が四六%もございます。
こういった知的財産は有効に使った方がいいわけでして、今回の改正は、こういった休眠特許を、第三者、使いたい人に提供できるようにするということが盛り込まれております。これは大変重要な制度改正だと思いますが、この意義等について、大臣、どのようにお考えか、お聞かせください。
○赤澤国務大臣 国の資金に基づく委託研究開発の成果に係る特許権等は、製品化などを通じて実際に活用されることが重要でございます。他方で、まさに委員御指摘のとおり、そうした特許権等には十分活用されていないものが存在することも事実でございます。
このため、本改正では、我が国の産業技術力強化のための、研究開発を重点的に推進することが必要な重点産業技術について、相当期間活用されていない特許等を国が受託者から第三者に実施許諾させる規定の特例措置として、手続の円滑化を図ることといたしました。
なお、受託者にとっては現行の規定でも特許権等の利用を進めようという意識づけになっているとの声も聞いているところであり、本改正による手続の円滑化がその意識を更に高めることを期待したいと思います。
○落合委員 せっかく特許を取っても四六%が未利用ということで、これは眠っている大変な財産であるというふうに思います。
最近は、休眠の資産をいかに有効に利用していくかということで、不動産ですとかも有効活用がどんどん始まっているわけですが、見えない知的財産についても、そういった観点から施策を打っていく必要があるというふうに思います。
その次の点は、民間の金融機能との連携についてでございます。
産業技術の強化は、特に大きな技術進歩をもたらすには、やはり初期の段階は政府の支援というのが重要であるというふうに思います。ちょっと前に議論があったラピダスの支援も、最初は政府が厚く支援をして、だんだん民間を巻き込んでいって軌道に乗せていく、これが基本形であると思います。
民間の資金で軌道に乗せていくための重要なポイントというのが、スタートアップ金融ではないかなというふうに思います。
私は元銀行員なんですが、昔はスタートアップ金融が弱いことが日本の課題でした。何となく、日本は今でもスタートアップ金融が弱いのかなというイメージがあるんですが、これは、いろいろ調べてみますと、意外に最近は、それなりにというか、かなり成果を出しています。過去十年間で、我が国のスタートアップへの投資額は、何と十倍に増加をしていました。それから、スタートアップ創出数も一・五倍、時価総額十億ドル以上のユニコーン数も八社もあるというような状況です。
これは遅れていると言われた分野ですが、なぜ実績が出ているのか、これをどのように分析されているかということと、それから、更にこれはどんどん打っていく必要があると思いますので、更なる施策についてどのようにお考えか、お聞かせください。
○赤澤国務大臣 委員からスタートアップについてもそれなりに成果が上がっているじゃないかと言っていただいたことは、大変うれしいことだというふうに思っています。
官民一体で、スタートアップ育成五か年計画に基づく取組を通じ、我が国のスタートアップ企業数が過去最大の二万五千社にまで増加するなど、一定の成果が出ております。
こうした中、先週二十日には、日本成長戦略会議の下のスタートアップ政策推進分科会で、五か年計画を抜本的に強化するスタートアップ総力創出パッケージが取りまとめられました。
経済産業省においては、政府調達による需要創出のシグナルを出すということで、スタートアップへの投資を促すため、SBIR制度を抜本強化して、政府の本格調達につなげる新たな枠組みを創設すべく、内閣府や関係省庁と調整を進めているところでございます。
これまでの先人の取組、委員にも一定の評価をいただいたところなので、決して私は悪く言う気はないんですが、ただ、総じて日本のVCとかは、割と回収を急ぐというか、結果的にちょっと、思い切った言い方をすると、小さく産んで、小さく育てて、早く小さく売るというスタートアップのVCの政策になっていないかというのが私の問題意識としてはありまして、それは今、経産省の諸君と共有して解決していこうとしています。
政府系機関からの資金供給強化の方策も検討中で、やはりスタートアップが、アーリーだけでなくて、ミドルやレーターなどのステージに応じて、市場で勝ち切るために必要な、切れ目のない資金供給を一気通貫で行われるようなエコシステムを形成していきたいというのが今の私の思いでございます。
○落合委員 それは、大臣の言葉で言うと、私も問題意識を共有するところでございます。
二回前ぐらいにコーポレートガバナンス改革についても取り上げましたが、やはり総じて視点というか視座が短期的になり過ぎてしまっているというところはあると思います。ある意味、すぐに結果を出すことを奨励してきたというような政策の結果であると思いますので、ここはまた反転させて政策を修正させていく、民間の目線ももう少し中長期的なところに持っていくという必要があるというふうに思います。
短期的に利益を出そうとすると、やはり数字をちょっと、こっちからこっちにお金を動かしたりとか、そういうテクニック的なことばかりに労力を尽くすことになりますが、中長期的にスタートアップを成功させて育てていくということは、本当に、実業が発展していく、技術もそれから新しい産業も発展していくということになりますので、それが確実に日本経済を成長させていくということになると思いますので、是非御注力をいただければ、また具体的にいろいろと取り上げさせていただければというふうに思います。
次に、産学連携についてでございます。
昔から産学連携の重要性というのは言われていました。調べてみると、数字は、しっかり伸びていることは伸びています。やはり、経産省もそうですし、文科省ですとかもそういった施策をしてきたことの効果はある程度出ているんじゃないかなとは思いますが、その数字を見てみると、重要なところがまだ全然伸びていないなというところがありまして、国内大学と国内企業の連携、これは普通に考えると一番やりやすいと思うんですが、リアルにこういう接点を持とうと思えば持てるのに、日本の産学連携は、国内大学と国内企業の連携が諸外国と比べるとかなり少ないわけです。
これは、一番簡単なはずなのに一番遅れているというのは、伸び代としてはかなり重要な部分だと思うんですが、どのように分析をしているか、まずは政府参考人に伺えればと思います。
○菊川政府参考人 今委員から御指摘ございましたとおり、OECD等のデータを見ますと、国内企業から高等教育機関への研究開発支出、ここについての割合、これは、国際比較を見ますと、諸外国よりも少ない状況になってございます。
世界では大学と連携したいわゆるオープン型のイノベーションが進んでいるわけですが、我が国では既存の事業会社が中心で、いわゆるクローズ型のイノベーションが主流であったことも要因の一つではなかったかと考えてございます。
また、主に研究者個人と企業の一部との連携により研究開発が行われまして、その結果、小規模な共同研究が多かったということも我が国の産学連携の課題の一つではなかったかと考えてございます。
○落合委員 この部分は、技術力というのは研究機関から生まれるものですので、産業技術力の強化において、我が国の伸び代というのはまさにここだと思うんですが、大臣、今後の推進策をどのようにお考えか、お聞かせください。
○赤澤国務大臣 近年、大学と企業の共同研究は着実に進んでいますが、大学の研究開発費における企業の拠出割合は諸外国と比べると低くて、道半ばだということであります。委員のお言葉をかりると、本当に、そこが伸び代、ある意味、宝の山ということなんだと思います。
そのため、本法案では、AIや量子といった重点技術の研究を行う大学や研究機関を認定した上で、認定機関と共同研究を行う企業の研究開発費に高い税額控除率を措置することで、重点産業技術における企業から大学への大胆な研究開発投資を促進することとしております。
また、同法案の措置に加え、昨年、文部科学省と共同で研究会を立ち上げ、企業からの投資を引きつけ、産業競争力、研究力の中核となる大学群を生み出すための検討も進めております。
引き続き、本法案を含め、政策を総動員し、産学連携を促進をして、企業から大学への研究開発投資額の増加を目指してまいりたいと思います。
○落合委員 これはもしかしたら縦割りの弊害の一つなのかもしれないなというふうに思うんですが、今やり取りをしていて、もしかしたらそんなに今まではなかったかもしれませんが、こういったスタートアップですとか技術力の向上のために働いている経産省の職員と大学の方々との交流、それからそういう行政の方々との交流、縦割りを超えた交流というのはこれからかなり重要なんじゃないかなと思いますが、大臣、これはいかがですか、この縦割りを超えた交流、進めていった方が。
○赤澤国務大臣 政策について言えば、本当に総合的なもので、技術の研究開発もあれば、実用化のところの推進もあれば、人材育成もあれば、あるいは、その分野で必要な部品とかがちゃんと供給できないとか、もうありとあらゆるところに関わる世界であって、それを何とかしていこうと思うと、現に今、例えば、私は時々AIの勉強会というのを朝しているんですけれども、結局、他省の方を呼ばないとなかなか話ができず、文科省と連携しようとか、国土交通省と連携しようとか、どんな分野でも必ずそうなってしまうので、ちょっと口癖と言われましたが、委員と問題意識を完全に共有するところでございまして、しっかりそういう観点を入れて、制度を見直すべきところは見直していきたいというふうに思います。
○落合委員 大変重要なポイントであると思いますので、私も注目をしていきたいというふうに思います。
あと、次に重要だと思うのが、何年か前に、経済安保法をゼロからある意味立ち上げるというようなことを自民党を始め政府がされました。私は、野党側の方の議論のまとめ役の一人として、ある程度、政府や自民党の方々ともやり取りをさせてもらいつつ、経済界ですとか、あと専門家に、経済安保とその技術の流出等についてヒアリングに行ったんですが、改めて思ったのは、結構重要な、しかし根本的な問題で、重要な技術の専門家が外国の企業に引き抜かれてしまう、それがかなり日本の産業力ですとか技術力の進歩を阻害しているという現実的な問題です。
正式の場じゃないところで、幾らぐらいのお給料から幾らぐらいのお給料で引き抜かれているんですかというようなことを聞くと、ちょっと多いどころじゃないんですよね。桁違いの金額で引き抜かれてしまっているわけです。
これは少しの防御策ですとか自助努力ではなかなか企業が防ぎ切れないところもあると思うんですが、何とか引き抜きの問題はある程度防御策を講じないと、延々と同じ問題を繰り返すことになってしまうと思うんですが、大臣、この点はいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 欧州や中国といった諸外国では、高度な研究人材確保のための政策を打ち出しており、研究人材の獲得競争が激化をしております。こうした中、我が国も、重要技術分野で優秀な人材を確保することは国際競争力の観点から重要でありますし、ましてや、今まさに委員御指摘の、そもそも国内でいい人材が育っているのに引き抜かれるというようなことも、これはもう当然問題として認識して対応していかなきゃいけないと思います。
高度人材に国内で活躍いただくためには、その処遇や研究環境を整備する資金確保が必要となります。
本法案では、AIや量子といった重点産業技術の認定を受けた大学や研究機関と企業との共同研究に高い税額控除率を措置する、これにより、企業から大学などへの投資拡大が促されることを期待しております。
一方で、私が割とこれは関わった取組ではあるんですが、文部科学省で、例の十兆円ファンドを使って、海外の優秀な若手研究者を世界水準の処遇で国内大学に呼び込む取組を進めています。
具体的には、昨日、ちょっと話題になりましたが、シングルセル解析というんですかね、あれの権威を、カリフォルニア大学、UCLAから引っ張って、チームごと来るとか、あるいは、AI分野で名古屋大学が一流ジャーナルにも多数回掲載実績のある若手研究者を昨年招聘したりとか、我が国でも、そういう意味では、天才君たちと言うのがいいのか分かりませんけれども、そういう方たちの招聘に努めているところであります。
こうした取組を通じて研究者の処遇や研究環境を改善し、ひいては高度人材の獲得につながることも期待しておりますし、委員がおっしゃったように、せっかく国内で育った高度人材が外国に取られるみたいなことのないようにしていかないといけないというふうに思います。
○落合委員 もう時間が参りましたが、私は二、三年前に、日本のAIの開発の支援が人材の人件費に使えないということが恐らく大きな問題になるということを取り上げました。今どういう補助の状況になっているか、改めて調べますが、やはり人材の獲得というところにもこれからは力を入れていく時代が来ていると思いますので、また取り上げさせていただければと思います。
これで終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸です。
本日も質疑の機会をいただきました。
冒頭、今非常にニュースにも報じられ続けていますナフサのことについて、大臣に見解をお伺いしたいと思います。
ナフサが出回っていない、見解はいろいろありますが、少なくとも現場の思いからすれば、ナフサが出回っていないということが、それぞれの肌感覚でもそうでしょうし、あるいは報道でも報じられているところでございます。ごみ袋であるとか、容器包装であるとか、断熱材であるとか、具体的な製品が不足しているという状況でもございます。
こうした中で、政府側は、総量は足りている、流通の目詰まりだということを話されているわけでありますが、三日ほど前、高市政権のブレーンの一人ともされる方が、ナフサに関して、総量が足りているのだから、今ナフサが手に入らないのは政府の問題ではない、各事業者の調達力が足りないからだ、調達がうまくいかない業者は人のせいにするな、日頃の調達ルートの対応を怠っているとこうしたときに表面化するんだという趣旨の発信をされ、業界で非常に物議を醸しているということで、私も、地元の関係者から、大変怒りの声とともに、そうした声を届けていただきました。
これは大臣に伺いたいんですけれども、今、ナフサが市場に出回らないということで、建設業、塗装業、医療分野始め、各メーカー、ナフサ由来の製品でいろいろな工夫をしていたり、あるいは、実際の影響も出ていますが、ポテトチップスの袋が白黒になるとか、そうした話題になる取組もありますけれども、ただ、この厳しい中で様々な努力をしている現場の事業者がおられる。ナフサが手に入らないのは事業者の日頃の努力が足りないせいだというこの発言に対して、大臣はどのようにお考えになるか、お聞かせいただけますか。
○赤澤国務大臣 そうした意見を述べられる方がいることについては承知をしておりますが、個別の御意見に対して私の立場でコメントすることは差し控えたいと思います。
ただ、その上で、やはりこれは一大事ですので、ホルムズ海峡が事実上閉鎖されるという状況であり、これは国全体で心を一つにして対応していかないといけないぐらいの事態だと私は思っています。
そういう意味で、関係者の皆様の思いというのを私なりに想像すると、やはり、ホルムズ海峡閉鎖というようなときに、自分の仕事に必要なものがこれから入手できなくならないだろうかと思って通常よりも多めの発注を心がけられたり、あるいは、供給する側も、来月なかなか入荷について見通しが立たないようであれば、重要な供給先に供給できなくなると困るから今月から供給を絞ろうとか、いろいろ目詰まりの原因になっていることは分かってきています。あるいは、単にコミュニケーション不足で、入荷したことをお伝えしなかったので、需要の側はいつまでも不安だったとか。
いろいろなことが起きていますが、いずれも、私から見ると、本当に、ごもっともと言うと言い方は変でありますが、今の大変な状況の中でそういうことを考えられるだろうなというのは理解ができる部分が非常にありますので、そういうことについて、我々は、主として、見通しがないことによる不安とか、そういうことについての危機管理という思いでやっておられる行動が全体としては供給の偏りや流通の目詰まりを生んでいると思うので、そういうところの解消のために、我々としては、情報を一生懸命発信をして、まず、手に入らないと言われれば何でだろうということを探りますし、逆に言えば、川上がいろいろ供給を続ければ目詰まりが解消しそうであれば、我々の方で情報をしっかり流すとか、そういうことを努めてやっているところであります。
いずれにしても、全体として量は足りていますので、供給の偏りや流通の目詰まりについてはしっかり対応していきたい、そのことで、一つ一つ解消してきていますが、まだまだスピードが足りないとか、実際に手に入らない、いろいろなお声をいただいていますので、しっかりそれを受け止めて、対応に全力で当たっていきたいというふうに思っています。
○山岡委員 手に入らないことが、事業者の努力が足りないという趣旨のこの発信というのは、私は、今大臣がおっしゃられた様々な心理の中で、やはり、買いだめなければいけない、手に入れなきゃいけない、そうした気持ちをあおることにもつながる、そうした考え方だと思うんですよ。
私は、今回、事業者はそれぞれの立場で最大限の活動をした結果こうなっていると思いますし、手に入らないことが、努力が足りない、こうした発信はあり得ないことだと思っております。
あわせて、その結果として、今、例えば塗装の方に聞けば、塗料は注文から一、二か月は待つと。お客さんに早めに決めてもらって九月とかそれぐらいまで仕事は決まっていても、カラーだけは早めに決めてもらって早めに注文するとか、そうした努力もするわけですが、ただ、発注した時点で支払いは発生する、売上げは全て終わらないと立たない。あるいは、住宅の方は基礎が終わらなくてもう二か月仕事が止まっているとか、人件費も払っているわけでありますけれども、結果として、様々な中で資金繰りに大きく影響が生じ始めている。もう二か月以上、この状況が続いていますから。
その中で、今政府は、セーフティーネット貸付け等の中で、中東情勢もこの中に入れていただいていますが、この制度は金利優遇は〇・四%程度とされています。金利が今上がっている中で、三%ぐらいある中で、〇・四%か〇・五%ぐらいの優遇というインパクトも、金利全体の中でいえば相対的に小さくなっているわけであります。
事業者が本当に今、資金繰りに苦労している中で、ゼロゼロ融資とまでは申し上げませんが、しかし、この昨今の状況で、もっと低金利でこのことに対応できるような措置を考えるべきだと思いますが、大臣のお考えをお願いします。
○赤澤国務大臣 もう委員御案内のことだと思いますけれども、中東情勢の影響を受ける中小企業への支援としては、我々はこれまで、千か所の特別相談窓口の設置とか、セーフティーネット貸付けの金利引下げ、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請、これは千八百の業界団体に対して出しています。
その上で、今御紹介いただいたとおり、今月二十五日に総理から発表したとおり、今後、債務を一般保証とは別枠で保証するセーフティーネット保証五号ですか、中東情勢の影響を受ける業種を追加指定することといたしました。
それでは足らぬじゃないかという御指摘なんですけれども、私自身も、もちろん状況を注視しながら、必要に応じて臨機応変にいろいろな対策を打っていきたいというふうには思っておりますが、ベースとしては、まさに委員がおっしゃったように、ゼロゼロ融資のときは、我々、人流抑制要請で、外出しないでくださいということも申し上げたので、需要が蒸発したということを受けて、極めて特異な状態でゼロゼロ融資だったので、なかなかそれに準ずるものというのは難しいだろうとは思いますが、今後、臨機応変にもちろん考えていかなければならないと思っています。
ただ、現時点においては、私自身はまだ、全体量は足りている、そして、今までよりも多く発注したりしない、川上の側もしっかり今までと同じ量を出すということに努めれば、量が足りている以上は必ずいい方向に向けられるはずのものだと思って、今全力を挙げています。まだまだ打てる手はないわけではないと思うので、今後も努めてまいります。
まさに今委員が御指摘のとおりで、建築分野、建設分野が、これがまさに、例えば建築だと、一人親方が多くて、業界団体を通じても情報がなかなか伝わらないということがあり、一方でまた、家については、接着剤がなくて壁紙が貼れなくても、塩ビのパイプがなくて水道管があれできなくても、何かどこか一か所あれば、納入できず、代金もらえずということになるので、一番厳しい分野がそこだと思っています。
そこで必要な溶剤とかシンナーとかを中心に、何かしら、原油でやったような直販の仕組みを考えるとか、とにかく考え抜いて、もう少し手を打ちますので、現時点においては、金利支援や今用意したものに加えて、問題を解消する努力を最大限やっていきたいということをお伝えしておきたいと思います。
○山岡委員 大臣から、もう少し手を打つんだというお話をいただきました。
今お話がありましたけれども、仕事の総量はあるわけですから、結果的に業務が進んでいけば最終的には収入は立つわけでありますけれども、その間の資金繰りが長引いている。この状況の中で、私は、深掘りした、ゼロゼロ融資とまではいきません、先ほど申し上げたように、全ての人流を止めているわけではありませんが、特定の業界に対しての深掘りの更なる支援は必要だと思いますので、このことは、また折々この委員会でも取り上げさせていただきたいという思いであります。
ただ、大臣の、とにかく現状を解決するという意欲というか、その姿勢については、是非そのことは大いに進めていただきたい、このことも期待をさせていただくところであります。
本日、産業技術力強化法の改正案の審議ということで、この法改正の審議に入らせていただきたいと思います。
法改正では、半導体の通信関連技術やAI・先端ロボット、あるいはフュージョンエネルギー、バイオ・ヘルスケア、量子、宇宙という、いわゆる先端技術六分野については、日本の競争力をもって戦略的に取り組めば、世界にもまだまだこれは席巻できる、日本がトップに立てる分野だろうという、その戦略分野に位置づけて、これは法律に基づいてということになりますが、政府が認定する研究機関、大学も含まれている、そこの認定研究機関と企業が一緒に研究開発をする場合、企業側の研究予算が五〇%の税額控除を受けられるということで、これまでも研究開発税制は様々取組がありましたが、ただ、五〇%控除というのは非常に踏み込んだ減税だというふうになっている、そうした提案であります。
日本は、研究や技術で世界に優れていてもビジネスで勝てないということも言われてきましたが、その研究につきましても、ピーク時に比べれば、世界的に注目されるような論文数は減ってきているということも指摘されている中で、他方で、中国は西洋諸国をキャッチアップし、今やもう世界を席巻するという中で、いま一度日本の研究力を大胆に向上させていくという点において、今回、一連の法改正の方向性は非常に重要だということは思っております。
あわせて、日本の知恵の、知の拠点として、研究機関としての大学を、その役割を確かなものにしていくということも狙いとしてあるということが、また説明もいただいている中で、そのことにも大いに賛同するところであります。
その中で、私は、そうした研究機関、知の拠点を、地方各地にある大学なども巻き込みながら、是非、国内産業の発展と創造につなげていく、結びつけていくということが大切なんだという思いの問題意識の中で、法改正後の制度運用の在り方も非常に大事だというその視点を含めて質疑をさせていただければと思います。
今回の重点産業技術、宇宙分野について取り上げさせていただきたいと思います。
二〇二五年には全世界で打ち上げられた人工衛星の基数は四千五百十七基ということで、これは内閣府さんから資料をいただいております。この十年で二十倍にも増加しているということであります。そのほとんどは米国。イーロン・マスクさんが非常に有名ですが、米国が相当数の人工衛星の打ち上げをやっている。そこに続くのは中国であります。ロケットの打ち上げ数も十年で四倍程度増えていますけれども、米国と中国がほとんどという状況で、日本はこうした打ち上げが極めて低調だったという状況でありました。
しかし、今国会、参議院では既に可決していますが、内閣委員会所管の宇宙活動法の改正で、その改正が進めば、これまで人工衛星を搭載したロケットだけが事故時における政府補償の対象でしたけれども、人工衛星を載せていないものも含めて、多様な形で打ち上げても、それも政府補償の範囲に入れていくという改正が進むことになります。
つまり、国の補償の対象にするために、これまではわざわざコストをかけて人工衛星を載せなきゃいけなかったんですけれども、それを載せなくても、コストのかからないロケットの形でどんどん打ち上げて、仮に失敗しても国の補償の対象になっていくんだという法改正で、試行回数が大きく増えていくだろう、これは技術の蓄積も大いに進むことが期待されるんだろうということを思うわけでありますが、本日は内閣府より宇宙開発戦略推進事務局の渡邉審議官にお越しいただいております。御答弁をいただけますでしょうか、狙いを。
○渡邉政府参考人 お答えいたします。
近年、技術革新の進展やロケット打ち上げビジネスの新規参入事業者の急増等によりまして、宇宙開発が多様しております。
今国会に提出しております宇宙活動法の一部改正法案は、公共の安全を確保しつつ、ロケットの打ち上げに関する多様な需要に対応するために、ロケットの打ち上げそのものに着眼した規制体系へと転換するものでございます。
政府補償制度につきましては、ロケットの落下などに伴いまして損害が発生した場合、被害者への十分な賠償を行うなどの目的から、責任保険契約等によって埋めることができない損害に対しまして政府が補償する仕組みでございます。
今の委員の御指摘のとおりに、今回の改正におきましては、開発段階の試験打ち上げといたしまして、例えばダミーペイロードを搭載して行う打ち上げなど、人工衛星の搭載、また分離を伴わない打ち上げも政府補償制度の対象とすることでございまして、民間事業者による技術開発をまさに後押しして、我が国の打ち上げ能力向上にも寄与するもの、このように考えてございます。
○山岡委員 ありがとうございます。極めて重要な考え方だと思っております。
その中で、今この経済産業委員会で審議しております産業技術強化法の改正によって、宇宙関連技術の研究開発に最大五〇%の税額控除が成るということでありましたら、試行回数も増やし、そして研究開発にもまた税額控除ということで、今後、日本の宇宙関連技術の進展に大いに強い期待をすることができるということも感じるわけであります。
その中で、私は北海道で活動させていただいておりますが、北海道は、宇宙開発事業、宇宙関連技術の進展に何としても大きな役割を果たしていかなければならない地域だと思っています。
北海道は、大樹町という町、堀江貴文さんとの関わりが世間では大変有名でありますが、アジア最大級の民間向けの商業宇宙港ということで、歴史をひもとけば、一九八五年に「宇宙のまちづくり」というのを町は掲げて、以来四十年にわたって航空宇宙産業誘致にも取り組んできたという地域でもありますが、二〇二一年四月には、世界中の民間企業や大学機関等が自由に使える、民間に開かれた商業宇宙港、北海道スペースポートを本格稼働して、今日に至るまでロケット等の打ち上げの実績を積み上げてきたという地域でもあります。
宇宙を軸に町づくりを進めていくという中で、全国の中でも、民間の宇宙事業の地域としてのパイオニアとも言えるような地域なんだろうと思っております。広大な北海道の平野の中に、天気もいい場所なんですけれども、東と南は太平洋が広がっていて、世界的にも非常に恵まれた地理的条件だという中で、更に言えば、町民の理解もこの四十年の取組の中で進んでいるという地域でもあるわけであります。
その大樹町との関係の中で、民間ロケット開発企業と連携をして、ロケットの打ち上げなどに大いに関わっている大学も北海道にはあるわけであります。
私は北海道の室蘭市も政治活動のエリアでありますが、室蘭の室蘭工業大学という大学があるわけでありますけれども、ロケットの心臓部とも言えるエンジンのターボポンプなどを低コスト化するということも、今企業とコラボレーションして研究をしている。
ターボポンプというのは、燃料などの推進剤をエンジン内に、燃焼器へ高速で送り込むということで、低い温度と高い温度を扱うということで非常に高い技術が求められるということでありますが、これが低コスト化をすれば、製造のコストも劇的に下げることができるんじゃないかということも期待されているような研究であります。
ほかにも、一部国の補助金を受けて、新型エンジンの研究開発であったり、あるいは、学部生さんも、サークルをつくって、クラウドファンディングで百五十万円集めて、企業の協力も得ながら自主的にロケットを造って七百メートルまで打ち上げるとか、学部生の皆さんから、非常にそうした分野にいろいろな思いを持っている方がいらっしゃる。
室蘭工業大学は、地方にある、室蘭にあるわけですけれども、単科大学でありまして、全国的な知名度が非常に高いというふうにはなかなか申し上げにくいのでありますけれども、専門性は非常に高い大学だと思っています。実践的な研究機関ということで、独自の試験場も持っていて、今日文科省にもお越しいただいておりますが、室蘭工業大学の宇宙分野への取組というのは、私は大学の取組として非常に大きな期待が寄せられるものだと思いますが、御見解をいただけますか。
○藤吉政府参考人 お答え申し上げます。
室蘭工業大学は工科系の単科大学でございまして、航空宇宙工学コースを設置するなど、宇宙分野の取組に力を入れていると承知しております。例えば、学内の航空宇宙機システム研究センターですとかロケットエンジンの燃焼実験施設などを活用して、ロケットや人工衛星開発等に係る実践的な教育が行われております。加えて、北海道大樹町を拠点とするスペースコタン社と連携するなど、我が国の宇宙開発にも貢献をしております。
教育研究機関におけるこうした取組は、我が国の宇宙分野の発展を支える人材や技術基盤の強化にとって重要でございまして、同大学の取組にも期待をしております。
以上です。
○山岡委員 文科省さんから期待を寄せていただいているわけでありますが、ただ、運営費交付金等、全国の国立大学、同じ悩みを抱えていますが、やはり基本的な運営は厳しいという中で、是非、研究分野に大きな期待を寄せていただく中で、大学の経営もまた、様々な御厚情をいただければということもお伝えをさせていただきたいと思っています。
今お話ありましたけれども、大学内の研究開発の拠点としてのセンターも設けて、自分たちの、一・五ヘクタールに及ぶ、ロケットを打ち上げられるような野外の実験場も持っているという状況でもありまして、音速を超える風を人工的に作り出す国内最大級の装置、あるいは飛行中にかかる高い加速度を再現する設備とか、いろいろなものを装備しているところであります。
まず、経産省に伺いたいんですけれども、今回、こうした大学も、今回の法改正に基づく税額控除の対象となる、いわゆる重点産業技術の開発拠点としての大学、これはその認定をされ得るものだということを考えてよいのか、御答弁いただけますか。
○菊川政府参考人 まず、本法案、こちらで重点産業技術として想定している技術の中に、宇宙という分野は含まれ得るというふうに考えてございます。その上で、本法案では、重点産業技術に関して、企業との共同研究開発にふさわしい研究力、また、その体制などを有する大学、そして研究機関、これを認定していきたいというふうに考えてございます。
委員の方から、先ほど、室蘭工業大学ということについての御言及がございました。また、文科省の方からも、当大学につきましての御評価、御見解がございました。
その上で、具体の認定に係る詳細は今後検討するということになりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、企業との共同研究開発にふさわしい研究力、そしてまた、その体制などが確保されていれば認定の対象となり得るということで考えてございます。
○山岡委員 ここからは大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
大臣は、単科大学ですけれども、地域で特色ある、この室蘭工業大学のような、そうした大学は全国にあると思うんですが、そうした重要性をどうお考えになるかということ、そして、是非、今回の認定制度、私は、研究対象も認定の対象になるので、できれば、そこに取り組む研究機関としての認定は幅広くやってほしいと思います。なぜならば、最終的には、企業とのコラボレーションの中でやる研究の方に、そこを査定して決めるわけでありますので、一部、今、国の制度も、例えば、国際的にも卓越した研究大学というのを、かなり、ごく限られたところを選定していたりもしますが、私はそうしたごく限られたところだけの制度にしてほしくないと思っております。
是非、認定する大学とかの研究機関に上限を設けることなく、地方都市にあるような、重要な研究の蓄積があるような大学、もちろん、質の一定の担保は必要だと思いますけれども、そうした地方にある大学にもチャンスが見込まれるような制度にしていただきたい。大臣に御見解をいただければと思います。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、地方においても特定分野で高い研究力を有する大学は存在します。これらの大学の研究力強化を後押しすることも、我が国の産業技術力の強化につながると思います。
本法案における大学や研究機関の拠点の認定に当たっては、AI、量子といった重点産業技術に関する共同研究を行うのにふさわしい研究力や体制を有しているかを確認をいたします。
地方の大学であっても、こうした研究力や体制を有すると認められる場合には、認定する大学数に上限を設けることなく、その拠点を認定するものと考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。上限を設けることなくというお話もいただきました。是非、この法改正の中で、各地にある特色ある大学、そうしたことを盛り上げていただきたいということもお伝えさせていただきます。
この室蘭工業大学の事例をもってもう少し伺うんですけれども、例えば、宇宙事業、宇宙の研究というのは、もちろん机の上の研究も必要だと思っておりますが、エンジニアリングの力も必要になります。
今回の制度は、大学とかの研究力と、企業側、特に製造業のようなエンジニア力というような、そうした組合せを想定しているように見えるわけでありますが、しかし、理工系の大学でありますと、例えば、スタートアップのような企業が研究を持ち込んで、そのエンジニアリングの力は大学側、理工学部の、工学系の大学が担うということもあるわけであります。
大学が研究を、事業者の方がエンジニアをということにとらわれず、私は、大学がエンジニアリングをしながらスタートアップの研究を生かすという、そうした枠組みが必要だと思いますが、大臣のお考えを伺えますか。
○赤澤国務大臣 きっと委員の問題意識は、大学発のベンチャーも大分増えてきているということも念頭に置いておられると思い、私も本当に問題意識を共有するところでございます。
研究成果の社会実装を進める技術力を持つ大学や研究機関が企業やスタートアップと産学連携を進めることは、我が国の産業競争力や技術力の強化につながると考えております。
その上で、本法案の認定の対象大学が高い研究力を持つことを前提として、そうした大学が持つ社会実装を進める技術力、委員の言っておられるエンジニア力だと思いますが、これをどう評価するかは今後しっかり検討してまいりたいと思います。
○山岡委員 ありがとうございます。大臣に、是非、認定の在り方も、そうしたことの評価もいただきたいということもお伝えさせていただきます。
経産省の菊川局長に伺いますが、今、スタートアップのお話が出ました。スタートアップ、あるいは中小企業もそうですが、基本的に利益が出るまで時間がかかります、研究力はあっても。大手の企業が研究するなら通常の利益も出していますけれども、特化した企業であれば、それは時間がかかるわけでありますけれども、今回の制度は法人税の税額控除ですから、利益が出るまでは恩恵が非常に小さいわけであります。
世界各国の事例を見ても、やはり研究開発におけるスタートアップ企業の役割は非常に大きいですし、中小企業にも参画していただかなければいけない中で、こうした新興勢力が持続的に挑戦できるようなインセンティブをどのように働かせていきたいと考えているのか、御答弁いただけますか。
○菊川政府参考人 令和八年度の税制改正におきまして、研究開発税制の戦略技術領域型及び中小企業向けの研究開発税制におきましては、それぞれ三年間の繰越税額控除制度を創設することとしてございます。これによりまして、今ほど委員の方からも御指摘がありました赤字段階にあるスタートアップ、こういうことでも、適用条件を満たせば活用できる制度設計としてございます。
また、税制のみならず、予算事業、こういったことも通じまして、起業家人材の育成支援、また研究開発支援も行っておりまして、委員るる御指摘ございましたようなスタートアップの創出、成長のために取り組んでまいりたいと思います。
○山岡委員 スタートアップには様々な施策を打っていくというお話もいただきましたが、今回の法改正、税額控除の繰越しもできるわけでありますが、三年ということであります。これは、ある種、日本としては画期的なのかもしれませんが、しかし、韓国では十年できる、米国では二十年できる。法人税に対する上限額も、各国、無制限に行うことができるということであります。フランスでは、繰越しは三年ですけれども、そこで控除し切れない分はキャッシュでそのまま措置するという状況であります。そうしますと、売上げが立たなくてもやはりいろいろ制度としてきちんと恩恵を受けられるような制度にもなっているわけでありますけれども、やはり世界と戦うのであれば国際的にも遜色のない制度にしていくべきだと思っています。
今、いみじくも、ちょっと別途、給付つき税額控除の議論もあります。税額控除できない分は給付するというような中身でありますけれども、研究開発においても、税額控除されない分は自動的にキャッシュで補填する、こうした仕組みで、やはり企業の規模に応じず恩恵を受けられる制度にするべきじゃないかと。
補助金の話もありますが、補助金は、一個一個申請して、何かあれば返すとかがあるわけですけれども、税額控除の最大のメリットは、みんなが取り組めば気軽に恩恵を受けられる。その中に中小とかスタートアップも含めていくためには、この給付つき税額控除的なシステムをこの研究にも入れていくべきだと思いますが、大臣、御答弁いただけますか。
○赤澤国務大臣 国際競争をしている企業ということでありますので、外国の制度もよく念頭に置いて制度設計すべきだという御指摘は、そのとおりだと思います。
研究開発税制を措置している各国においては、繰越税額控除制度のない国、あるいは三年以上の繰越期間がある国、給付つき制度がある国など、国により制度の詳細が異なるものと承知をしております。
我が国では、令和八年度税制改正において研究開発税制に戦略技術領域型を創設し、控除上限や控除率を拡大するとともに、企業の予見可能性を高めるため、三年間の繰越税額控除制度を措置することといたしました。
委員にも先ほど認めていただいたように、少なくとも我が国としてはかなり画期的なことをやったつもりでありますが、こうした措置は、現時点では企業の研究開発投資を増加させる上で十分だと考えておりますけれども、今後とも、適用状況を検証しつつ、委員御指摘の観点も含めて、政策効果を高める観点から、不断の見直しを検討してまいりたいというふうに思います。
○山岡委員 大きな一歩としての制度改正だと思いますので、それを更に大きくしていく検討をしていただきたいというふうに思っております。
重点産業技術のフュージョンエネルギーのことについても伺います。
フュージョンエネルギーは、実装は相当先だと言われています。理論上は太陽と同じ仕組みの中で、いわゆる核融合ですけれども、エネルギー生成を目指すということであれば、核分裂に比べて安全性が高くて、本当に世界のエネルギー問題を解決すると言われるようなものですが、技術のハードルは非常に高いので、二〇五〇年でも可能かどうか、そうしたことも言われているわけでありますが、今回はこの分野も入れているわけであります。
フュージョンについても、レーザー型、ヘリカル型、トカマク型とか、いろいろなアプローチでスタートアップ企業も登場するという中で、今回の措置は研究加速に大きな、私は加速がされるんだろうと思っていますが、他方で、フュージョンエネルギーの研究は、日本も参画する国際プロジェクトのITER計画も進んでいるわけであります。
今回の税制の恩恵は、ITER計画に協力をする日本企業に恩恵があるものなのかどうか、簡単に御答弁いただけますでしょうか。
○菊川政府参考人 まず、今回の研究開発税制の戦略技術領域の対象分野の一つとして、フュージョンエネルギーも想定してございます。スタートアップも活用しやすくなるように、先ほど申し上げた繰越税額控除制度も措置しておりまして、当該分野の研究加速を期待したいというところがまずございます。
一方、委員御指摘のITER計画に協力する日本企業は、機器製作や作業をITER機構又はITER国内機関でありますQSTから受注して取組を進めているというふうに承知をしてございます。
研究開発税制は、自ら試験研究費を支出していない場合は対象になりません。そしてまた、自ら試験研究費を支出している場合は対象となるということでございます。
○山岡委員 ありがとうございます。
ITER機構からの受注、それに応えることだから対象にはならないということでありましたが、ただ、この国際プロジェクトも、このフュージョンエネルギーが将来実現していくのであれば、そこに関わることは、日本企業に技術を蓄積する非常に大きな意義のある取組になっていると思うんです。
私は、昨年八月にこの経済産業委員会の視察でフランス・マルセイユのITER本部に行って、建設中ですけれども、巨大な設備を見せていただいたんですけれども、そこで関係者の皆様とお話をしまして、日本の関係の方も非常に多く入っているわけでありますが、やはり日本企業のコミットメントが非常に低調だということを強く危惧しているという状況でした。
発注をして、これからまだまだたくさんあるんですが、やはり中国企業ばかりが入ってくるということで、ノウハウは、核融合のパーツを現地で組み立てたり据え付けたり完成させるというような重要なミッションについても、日本企業が契約で入っている実績はゼロだという状況であります。
今日、政府にも伺いますけれども、これは、例えば税額控除の対象にするような、類似の制度でもいいですけれども、ITERへの参画を促していくような、もっともっとそうした制度にしていくべきじゃないか。日本企業は、建設、組立てだけじゃなくて、マネジメント部局にももっともっとコミットしなければならないと思いますが、政府としてどのように考えておられるのか、御答弁いただけますか。
○藤吉政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど経産省からも御説明があったとおり、ITER計画に協力する日本企業は、機器製作ですとか作業を、ITER機構又はITERの国内機関、QSTから受注をして取組を進めてございます。
我が国は、ITER計画におきまして、多くの重要な機器の製造を担い、日本の企業が様々な技術を開発、蓄積しておりますけれども、委員御指摘のとおり、現地の建設作業などは、現状、日本企業は入札に参加しておらず、結果として選定はされておりません。
これは、経営リスクの観点から、フランスに多くの社員を送って建設作業に参画する判断が難しいためではないかと認識しておりますが、こういったことも踏まえて、ITER計画の国内機関として指定されている量子科学技術研究開発機構、QSTにおきましては、企業説明会の開催ですとかITER機構の仕様書の日本語訳の公開、さらには、企業によるITER機構への情報収集の支援などの取組を進めているところでございます。
ITERの機器製作、建設を通じて我が国のフュージョンエネルギーに係るノウハウを獲得することは、フュージョンエネルギーの早期の社会実装に向けて重要と考えてございます。
引き続き、関係省庁とも連携をして、ITERのプロジェクトに従事する日本人を増やすための取組や日本企業にノウハウを還元するための取組を検討してまいりたいと思います。
○山岡委員 大臣にお伺いしたいと思います。
今、ゼロだという話もいただきましたが、私も、ヒアリングベースなので、現地で伺った話でありますけれども、中国は、直属の国家機関の中国科学院が入札してくるとか、事実上、国有企業が入札に入ってくる。つまり、リスクは公的機関が取ってくれるような形で企業がどんどん入ってくるという中で技術の積み上げをしていく。
必ず核融合の実装をするときには組立てが必要ですから、そのノウハウ、技術というのはやはり重要なんですけれども、お話にもありましたけれども、わざわざフランスまでなかなか人を運べないのだという中で、ほかの国はそういう工夫をしているという状況であります。日本も拠出金を当然かなり出しているプロジェクトで、その拠出金がそうしたほかの国に流れながら、技術まで持っていかれていってしまうとも言えるわけであります。
これは大臣に、日本企業のコミットメント、経済産業省の立場からも、これはもっともっと進めていく、その視点を持って御答弁をいただけますでしょうか。
○赤澤国務大臣 我が国では、ITER計画を通じて、フュージョン装置に必要な技術や材料分野で強みを持つ企業や人材が育っております。同プロジェクトから更に知見を得て、その果実を国内に還元するため、多くの日本人や日本企業がプロジェクトに関わることが重要だと思っています。
このような状況を踏まえ、フュージョンエネルギー・イノベーション戦略では、ITER機構の日本人職員の増加や日本企業の機器調達拡大の方針が示されていると認識をしておりまして、経済産業省としては、令和七年度補正予算を活用したフュージョン分野のスタートアップの研究開発支援を通じて、ITER計画に貢献し得る日本企業や人材の研究開発力を強化してまいりたいというふうに考えています。
○山岡委員 またこの件は取り上げますが、非常に危機意識を持って、かなり将来的な技術であっても、世界の、この問題を解決する大きな技術に、今回重点分野にも入れていただいているわけですから、私は、これはITERの方にもきちんとしたコミットメントをもっと強めていただきたい、このことを申し上げます。
今回の法改正、非常に踏み込んで、期待もするわけですが、経産省の産業政策、過去を振り返りますと、輝かしくもないものもあるわけであります。
今、皆様に資料もお配りしていますが、この資料の新聞、二〇二五年十二月二十八日の日経新聞ですが、「NEC、基地局開発を中止」という、そうした記事が出ております。
このNEC基地局開発というのは、二〇二〇年、当時、5G促進法というのが新設されたときに、経済安全保障という考え方を入れて、一つの狙いとして、国内の産業基盤をつくるんだ、3G時代のような日本の企業の通信基地局へのコミットメントを、4Gではもう取られたけれども、5Gになるに当たって、この制度でいろいろ後押しをしながら、経済安全保障ですから、国内にいる企業は比較優位になるわけでありまして、それで促進していくのだということをしたわけですが、結果的には基地局開発を、報道上は中止、縮小が実態なんだと伺っておりますが、となっております。
これは、当時ヒアリングしましたけれども、日本は力を合わせれば必ず、技術は勝っているんだから海外にも負けないということも事業者の方もおっしゃっていたんですけれども、大変聞きにくい話かもしれませんが、これは何でうまくいっていないのか、御答弁をいただけますか。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
5Gへの移行に当たり、国内市場で5G促進法を活用した基地局整備を進め、また、オープンRAN市場での我が国の通信機器ベンダーの世界シェア獲得を目的とした技術開発をポスト5G基金でこれまで御支援申し上げてきています。
他方で、委員御指摘のとおり、足下、我が国の通信機器ベンダーの世界シェアが約二%となっている、基金創設時と比較して微増にとどまっているというのが現状でございます。
様々な要因がございますけれども、要因の一つに、今申し上げたオープンRANの普及が世界的に、これは様々な技術要因、地政学要因がありますけれども、残念ながら後ろ倒しになっているというのがございます。オープンRAN市場が十分に立ち上がっていないことがあるというのが一つの大きな要因かなと考えてございます。技術開発だけではなく、市場形成から官民で協調して進めることが引き続きこれからも必要になっているというふうに理解をしております。
こうした反省を踏まえて、経済産業省としては、諦めることなく、我が国の通信機器ベンダーと海外の通信キャリアのオープンRANの実証支援、こういったものも進めてございます。
ベンダーの競争力強化に向けて、引き続き、研究開発、市場創造の両面で後押ししていきたいと考えてございます。
以上でございます。
○山岡委員 今お話もありましたが、予想していた市場がそうならなかったということが今お話にもございました。引き続きやっていくんだということでもございましたけれども。
そこで、今回法案を主導している菊川局長に伺います。
当時の情報産業課長で、くしくもこの法律を作ったときの課長でもいらっしゃる。西川さんは、その後、この法律を使ってTSMCの支援とかもされたりしたわけでありますけれども、法律を立てたときの菊川課長、今、局長でありますけれども、やはり今、こうした新たな、もっと大胆な仕組みをつくっていく中で、過去の反省を持って、どうやって技術で勝ってビジネスでも勝つ状況をつくっていくか、心意気をお話しいただけますでしょうか。
○菊川政府参考人 ありがとうございます。
やはり、新たな価値創出、こういったところに向けた政策的な取組が、先ほど西川政府参考人の方からもありましたとおり、そこがまだ不十分だったというような反省、これも踏まえまして、本法案、ここでは、重点技術の指定による投資の重点化、そして研究開発税制による企業投資の後押し、これによりまして、研究開発から社会実装まで、また市場創造、こういったところまで一気通貫でつなぐ仕組みを整備していきたいと思ってございます。
加えまして、今、赤澤大臣の下で、新技術立国を実現するという方向で議論を進めてございます。防衛調達を含む官公庁の調達、それによる新たな需要、市場の創出、そして、スタートアップ、こういったところに対するファイナンス、切れ目ない資金供給、そして、御視察いただきましたけれども、産総研のドローン等研究開発法人の技術シーズ、この徹底した社会実装、こういったところを一体的に進めていくということで、しっかりと技術で勝ち、ビジネスでも勝ち切るということで赤澤大臣から御指示、御指導いただいてございますので、そういった経済への転換を実現していきたいということで考えてございます。
○山岡委員 菊川局長、先ほど市場がなかなか育たなかったと。是非市場も一緒に育てていただきたいという思いです。
産総研の視察、ありがとうございます。局長にいろいろお勧めいただいて。量子コンピューターも本当に日本は優位なポジションにあるということも聞きました。
量子コンピューターは、これまで、無限にパターンはあるけれども、答えが一回出ると、それを検証するのが簡単なものに関しては非常に強い力を発揮する。例えば、ゴルフの参加者が百人いたら、その組合せを考えるのは、パターンは無限大に近くありますけれども、誰と誰が仲が悪くて、どこと誰は一緒にしなきゃいけないとか、その中で、量子コンピューターというのは、そういう無限にパターンがある中で、条件を幾つも言われたときにぱっと答えを出してくれる。
チャットGPTとかGeminiとか、そういうことを想像しても、必ずもっともっとそれがよくなっていくということで、そこに日本の企業も関わるということもいいんですが、ただ、サブスクでお金を取られ続けるのはGAFAMなのかということも、これもやはり私は、技術で勝ってビジネスで負けることにつながるんじゃないかということも危惧します。
すばらしい量子コンピューターの技術も、是非日本できちんとマネタイズして、自分たちの研究費に更にまた還元するような仕組みを検討していただきたい、そのこともお伝えさせていただきながら、今回の質疑を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○工藤委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりです。お願いします。
日本は、やはり欧米や韓国に比べるとイノベーションの環境整備が遅れているんじゃないかなと思ってしまうんです。例えば、諸外国では、研究開発税制において控除の上限が高い水準であったりとか、あと、単年では控除し切れない額については適用されていく繰越しが長いとか、現金給付があるとか、政府調達をしているとか、いろいろあって、企業がリスクを取って挑戦しやすい環境整備、これが非常に進んでいると思われます。
片や日本としても、やはりこうした海外企業との競争条件を確保するという観点から、研究開発税制、それから政府調達を始めとしたイノベーションの環境の整備を一層進めることが重要だと思うんですが、見解をお願いします。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、諸外国におきましても、戦略技術分野に重点投資をしていこう、こういう動きが広がるなど、国際競争が非常に激化してございます。
こうした中、この法案で、御審議いただいていますとおり、研究開発税制による企業投資の後押し等によりまして、研究開発から社会実装まで一気通貫でつなぐ仕組みを整備したいと思ってございます。
また、委員から御指摘ありました政府調達、ここにおきましても、スタートアップが政府調達に参入しやすくなりますよう、例えば概算払いでありますとかスタートアップと随意契約できるような積極活用、これを盛り込んだ全省庁統一の契約運用指針の策定を、今関係省庁と調整の上で進めてございます。
あわせて、SBIR制度でございますが、これを抜本的に強化いたしまして、本格調達につなげるための政府統一的な試験導入の枠組みも創設するべく調整をしてございます。
委員御指摘がありましたとおり、国際的に遜色のないイノベーション環境を整えるべく努めてまいりたいと思います。
○丹野委員 ありがとうございます。
昨年の十一月に開かれました税制調査会の専門家会合というのがあったそうです。ここにおいて、研究開発税制の効果について議論をされた。この会合において、財務省は、この税制の試験研究費の伸びというのが、物価や賃金の伸びの程度ぐらいにとどまっていて、研究開発投資を押し上げる効果がなかなか見られないんだという分析結果が出たようです。また、現行制度では海外に研究を委託した場合でも減税の対象になること、これも問題だよねということを言われました。
こうした御意見とか御指摘があったわけですけれども、本税制は、これを受けまして、どこがどうよくなっているのでしょうか。若しくは、どこがまだ足りていないんでしょうか。加えて、この政策の効果を検証する仕組みというのはあるんでしょうか。
○菊川政府参考人 委員の方から御指摘いただきました政府税調、こちらでEBPMに関する専門家会合というところの開催がございました。その中で、主に二点御指摘がございまして、試験研究費の増加というのは物価上昇の影響が反映された程度にとどまっているのではないか、そういう可能性があるのではないか、そして、国内研究開発拠点を強化していく、こういう方向性からも、海外委託につきましては税制の対象から外すべきではないか、こういった御意見があったと承知をしております。
そうした御指摘を踏まえて議論を重ねてきたわけでございますが、その結果、令和八年度の税制改正では、いわゆる控除率が変わるわけですけれども、それを物価動向を踏まえた見直しを行うこととしたほか、海外委託費におきましては、海外治験を除きまして段階的に五〇%まで制限することといたしました。
本改正によりまして、現時点では研究開発投資を増加させる方向で十分な措置を御提示できているのではないかと考えてございますが、委員御指摘ありましたとおり、適用状況を検証しまして、また議論を深めながら、更に政策効果を高める、そうした観点から不断に見直しを検討していきたいと考えてございます。
○丹野委員 是非ブラッシュアップしてほしいなと思っております。
続いてでございます。新しい技術を、じゃ、社会実装しようというときに、例えばAIを活用した医療診断サービスをやりたい、そういうのをやりたいんだけれどもという場合に、ふだんですと厚生労働省さんが、いや、ちょっと難しいなといってなかなか回答するんですが、その際に、今回は経産省さんが口添えをしてあげる、いや、実はね、今回のこの研究はこうでこうでこうでという、少し説明をしてくれることによってお墨つきを与えるみたいな、そういう理解をしているんですけれども、そういった場合に、経産省が説明を加えることによって、所管側は、だったらいいですよという感じに本当になるんでしょうか。
これはスピーディーさがすごく問われている場面だと思うんですけれども、こういうときに、いわゆる日本の縦割りの何か遅いなというところが露呈してしまわないのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○菊川政府参考人 技術が非常に高度化をして、複雑化してございます。そうしますと、規制側において技術の内容を把握をしたり、技術がどうかというその評価、ここに非常に時間を要するケースがあるという御指摘がございます。これが実際の社会実装のスピードに影響して、規制等々の見直し等々のスピードにも影響してくるということかと存じます。
今回、法案の中で御提示申し上げます制度におきましては、こうした課題に対応いたしまして、経済産業省が有する技術情報を適切に規制側の省庁とも共有することにおきまして、規制当局における理解を早く深めていただきまして、判断をより迅速に、そしてまた的確につなげることを目的としてございます。
まさに縦割りにならないように、そういった取組をしっかりと進める形でこの制度を運用していきたいと考えてございます。
○丹野委員 是非速やかに、滑らかにお願いしたいと思います。
続いてなんですが、バイ・ドール制度というものについてです。初めて名前を聞きましたけれども。
国からお金をもらって研究開発したんだけれども、特許まで取った、なんだけれども、普通は、そういった特許も生かして商品やサービスをつなげていって、売上げを上げていくというのが当然かと思うんですけれども、これは、特許だけ持っていて自分のところでは何も作らないというケースがあるんですね。
びっくりしたんですけれども、NEDOプロジェクトの追跡調査によりますと、事業の実施予定なしと答えたのがおよそ一二%、ライバル企業に作らせたくないから防衛目的で持っていますみたいな、それもおよそ一三%ということで、多くはもちろんきちんと使っているんですけれども、国の資金を使いながら研究しておいて、特許まで取っておいて、肝腎の商品やサービスを社会に還元していないというケースが少なからずあるんだなというのが本当にびっくりしたんですけれども、今回の改正案によって、こうしたケースをどのくらい活用に促せるんでしょうか。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、そうした研究開発の成果、特許権等は、製品化等を通じまして実際に活用されることが非常に重要でございます。他方で、委員御指摘があったとおり、そうした特許権の中には十分活用されていない、こういうものが存在していることも事実でございます。NEDOの調査についても御言及いただきました。
本改正では、我が国の産業技術力強化のために、研究開発を重点的に推進することが必要な重点産業技術につきましては、相当期間活用されていない特許等を国が受託者から第三者に実施許諾させる、こういう規定の特例措置として、手続の円滑化を図ることといたしました。
現行の規定が、日本版バイ・ドール制度の適用を受けた特許権等の利用を進めようという意識づけになっているという声も聞いておりますので、今回の改正によりまして手続が円滑化されることによりまして、その意識が更に高まることを期待してございます。
○丹野委員 是非お願いします。
続いてでございます。NEDOやJSTからアドバイスや情報提供を受けることができるということが書いてありましたけれども、済みません、そもそもこのNEDOは、これまで日本の研究開発とか産業に対してどういった成果をもたらしてきたんでしょうか。その特筆すべきものがありましたら教えてください。
また、今回の場合、自ら事業者が研究開発をしていますよ、そういった場合に、ああ、ちょっとここは分からないなというのでアドバイスを受けるということなんですけれども、どういったことが自分たちで分からなくてNEDOやJSTさんだったら分かるということがあるのか、そこも教えてください。
○菊川政府参考人 NEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構でございますが、これは、半導体の分野などにおきまして、企業による研究開発、事業化支援を通じまして、これまでに多くの技術の実用化、そして産業化を後押ししてきたところでございます。
また、JST、科学技術振興機構でございますが、これは、大学等の基礎研究の推進や研究体制の強化を通じて、優れた研究成果の創出や人材育成に貢献をしてきているところでございます。
その上で、どういうサポートができるのかということでございますが、重点産業技術の研究開発を進める上で、まず、研究をどのように事業化につなげるのか、そして、研究開発そのものをどう進めていくか、また、そのマネジメントでございます。そして、海外の技術動向、こういった点は必ずしも個々の企業、また研究者のみでは十分に把握できない場合もあると承知をしてございます。
NEDOやJSTが有するこうした分野横断的な知見でありますとか国内外の情報を活用することで、研究開発の質の向上と社会実装の加速につなげていきたいと考えてございます。
○丹野委員 今のところで、NEDOさんが、実際に具体的にどういう事例が、みんなが知っているぐらいの、こういうのをもたらしたんだよみたいな事例はありますでしょうか。
○菊川政府参考人 皆が知っているかと言われますと、なかなかちょっと難しい、技術分野でございますので。
ただ、先ほども半導体の分野ということで一つ申し上げましたけれども、いわゆるエネルギーを非常に使わなくて済む、大幅に低減する実現をするためのパワー半導体の開発を推進をいたしまして、例えば、従来型のものではなくて、エネルギー効率が四〇%、省エネルギー効果を達成するということで、非常にこれは鉄道なんかでよく使われていたんですけれども、それ以外の様々な機器への展開を図っていこうというところでございまして、成果が上がっているものはこういったものがございます。
○丹野委員 ありがとうございました。
続いてです。これは本当に大臣がよくおっしゃっているんですけれども、技術で勝ってビジネスで負ける、これがあってはならないと、本当によくよくおっしゃっていますけれども、実際、今回の本税制もあるんですが、これは、やはり一パーツというか、ワン・オブ・ゼムかなと思うんですね。やはり、これはどういう絵を描いていらっしゃるのか。本法案が、一パーツではあるんだけれども、もっと大きな課題もいっぱいあって、そういう中で解決をしながら、高市総理がおっしゃる新技術立国に向けてどう取り組んでいくのかというのを、全体像みたいなものも教えてください。
○赤澤国務大臣 この委員会でも何回か話になっていますけれども、川があって、谷があって、海があると。何か、魔の川ですか、死の谷、ダーウィンの海、それを全部乗り越えていかないと何かしら誇れるような大成果にはつながらないということでありますので、やはり、これだけまた改めて産業政策の時代が再来している中で、各国がそれで激しい競争ということなので、やはり政府が今まで以上に経済についても関心を持ち、いろいろな企業と連携をしながら、技術を実際に商品化して、その売上げがきちっと立つまで全力で今まで以上に取り組むということに尽きるんだと思います。
本法案は、重点技術の指定による投資重点化、研究開発税制による企業投資の後押しという施策を一体的に講じて、今申し上げたように、研究開発から社会実装を一気通貫でつなぐという仕組みを整備しようとしているものです。
ですので、その一気通貫の中で、いろいろなところで足りていないところがあるんじゃないかということを、結局、全部見直した上でやっていこうということでありまして、重点技術の社会実装の予見可能性が、そうすれば高まってきて、企業の技術開発投資や産学連携、事業化が進むと期待される。政府がそこまで伴走してくれるなら、これ、やってみようかとか、そういうことかなと思います。
このほか、国際標準化の努力も大事です。あるいは、官公庁調達も大事であります。大学、国立研究開発法人の機能強化も進め、私が担当しております新技術立国の実現に向けて、これは委員に言っていただきましたが、技術で勝ってビジネスで負けるんじゃなくて、勝ち切るという経済に転換をしていきたいというふうに思っています。
○丹野委員 ありがとうございます。民任せにせずに、是非最後まで伴走支援をしていただいて、勝ち切るんだというところの決意をありがとうございました。
今、全体像を伺ったので、ちょっとまたしぼまっちゃうんですけれども、私の地元は、どうしても、愛知県豊田市、みよし市ということで、自動車産業の集積地でありますので、ちょっと今回のこの法案が自動車産業にはどういった効果をもたらすのかというのを教えてください。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
産業技術力の向上を通じた競争力強化として例示をさせていただきたいと思いますけれども、本法案に盛り込まれました措置を活用することで、自動車産業においては、例えばAIによる製造工程の無人化や自動運転用のソフトウェアの開発、また量子コンピューティングを用いた電池素材や軽量高強度の車体素材の開発などが進むことが期待をされるところでございます。
このように、電動化、また知能化に資する様々な技術開発が促進をされ、また加速されることで、新しい技術分野でのルール作り、標準作りでも主導権を握ることが可能になり、こうしたことを通じて、ひいては自動車産業の競争力が強化されるものというふうに考えております。
○丹野委員 次回の一般質疑でもちょっと深掘りしたいなと思っているんですけれども、先日、視察をさせてもらったところの、やはりAIとスーパーコンピューターと量子コンピューターをかけ合わせていって、それですごいテクノロジーで社会課題をいろいろ解決していくんだという思いがすごく熱かったんですね。それがやはり自動車産業にもすごいものをもたらすんだよなという想像をしたものですから、是非また次回、この点に絞って質問をしたいなと思っておりますが、今日はちょっと先出しをしてしまいましたが、では、次に参ります。
今回、先端技術投資というのが、やはりどうしても東京圏だけに集中してしまうと、地方との格差というのがどんどん広がってしまうと思っています。むしろ、今後は、地方大学とか、地域の企業とか、自治体とか、産業団地とか、そういったものを巻き込んだ分散型の産業技術戦略というのも、分散型エネルギーも最近よく言われますけれども、地方産業においてもこの分散型というのがキーワードかななんて思っております。
そういった意味におきまして、政府として、地方拠点型の研究開発ですとか実装支援をどういったように進めていくのか、地方経済の活性化にもどうつなげていくのかも併せてお願いします。
○菊川政府参考人 御指摘のとおり、地域経済の活性化の観点からも、地方において、研究開発、イノベーション創出、この支援は非常に重要だというふうに承知をしております。先ほどの議論でも、北海道の議論もあったと承知をしてございます。
経済産業省といたしましては、地方大学におけるオープンイノベーション拠点等を整備する支援でありますとか、御視察いただきました産業技術総合研究所が地方の大学や地方の企業と連携して研究開発を推進する、いわゆるブリッジ・イノベーション・ラボラトリと申しておりますが、これを設置しておりますとか、あと、大学や公設試験場、こういったところと連携をした、中小企業の研究開発そして試作品の開発支援を行う、これも、いわゆるゴーテックという事業でございますが、この実施に取り組んでいるところでございます。
こうした施策を活用いたしまして、地域で生まれる新たな技術の芽を、具体的な投資、そして地域の雇用を生み出すことが重要でございまして、先般御審議もいただきました産業団地の整備促進等の措置によります国内での投資も後押しして、地域の活性化にも取り組んでまいりたいと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
AIとか量子とか半導体といった先端の技術は、やはり国家の競争力そのものだと思っておりまして、その技術が流出するということは、企業単体の問題ではなくて、国家全体の安全保障の問題であると強く思っております。実際、この委員会でも例が挙げられておりますけれども、内部の人から残念ながら流出してしまったりとか、海外資本によって引き抜かれたりとか、いろいろあります。
政府として、せっかくやっているこうした日本の技術基盤ですとか研究成果をどのように守っていくのか、教えてください。
○西脇政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、AIを含む先端技術は日本の競争力の源泉そのものであり、これに対して、外国企業の人材引き抜きや従業員の情報漏えい等の人材を通じた技術流出、こういったことや、技術の流出経路、手法が多様化、高度化しております。
このため、経済産業省としましては、本年四月に技術流出対策ガイダンスを改定し、企業における人材を通じた技術流出への対策を充実させたところでございます。
例えば、重要技術を取り扱う部署への人員配置については、労働法規等の関係に配慮しつつも、従業員の情報管理への意識や外国政府等からの影響を受ける状態にないかなどを確認し、これらを総合的、客観的に評価した上で、適切な人材配置を行うことが重要である、こういったことを示しております。
加えまして、また、こうした技術を取り扱う従業員については、秘密保持義務の重要性について認識していただき、退職時に必要に応じて競業避止義務契約を締結することが必要である、こういったことを企業の方に示させていただいております。
引き続き、これらのガイダンスの周知徹底を私どもとして図りまして、委員御指摘のとおり、我が国の技術基盤や研究成果が守られるよう、技術流出対策を推進してまいりたいと思います。
○丹野委員 そういった、扱う事業者への教育というかガイダンスをより徹底していただきたいなと思っております。
ちょっと時間もありませんので駆け足になりますけれども、ちょっとそもそもの質問になってしまうんですけれども、今回の法案が、技術力強化とあるんですね。税制優遇という観点ですから、研究開発投資の額なのか、特許の数なのか、事業化率なのか、この技術力強化というのは一体何を指すのかというのを教えてください。
○菊川政府参考人 本法案におきまして、第二条で定義をしておりますが、産業技術力につきまして、産業技術に関する研究開発能力に加え、その成果を社会で実装する能力、つまり、企業化する能力ということを指してございます。
この産業技術力の強化を評価するに当たりましては、御指摘のような単一の指標で把握するということではないと考えてございまして、研究開発の投資額でありましたり、産学連携の状況、そして、先ほどございました、日本版のバイ・ドール制度による研究成果の活用状況、こういったものを総合的に勘案しつつ、その進展を把握していくことが重要ではないかと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
当然ながら、単体ではなくて、今挙げていただいたいろいろな角度があって、指標があってということですので、裏を返すと、それだけの指標をしっかり伴走支援をしていただかないと勝ち切れないなと思っておりますので、今回の法案を始めとして、本当に後押しをしていきたいなと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。
今日はありがとうございました。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。
これは私の個人的な持論なんですけれども、科学技術と皆さんは四文字熟語で表現されるんですけれども、英語に直すとサイエンス・アンド・テクノロジーなんですよね。だから、今日も議題になった、技術で勝って商売でうまくいかなかった、それも一緒だと思うんですけれども、じゃ、技術は世の中に生まれてきたんだけれども、そこが全部学術的な裏づけがあるのかといったら、全然分からなくても物はできちゃうことはあるんですよね。意外とそういうものの方が多いんだと思うんです。でも、科学がうまくいけば技術も出るんだ、こういう考え方で、四文字熟語で議論するんですね。昔は丸ポチが入っていたと思うんです、科学・技術という。もう一回それを思い返してもらいたいなというふうに思うんです。四文字でうまくいくわけじゃないんですね。
だから、先般の質問のときにも申し上げたかもしれません、大学の役割、産総研みたいなところの役割、民間企業の研究所なり民間企業がやっている開発に関わる役割があるにもかかわらず、今回の法律の改正でも、大学を指定する、そこと共同でやるということにインセンティブを与えるような税制の改正をするという形を取っているんですけれども、でも、それをやればやるほど、大学として外部資金なり共同研究をやらなくちゃいけないんだとなると、企業側が求めているものじゃないとやれなくなっちゃうんです。それをどんどんどんどん国が後押しをしていくと、実際、大学の本分は何だというと、やはりアカデミックなところを追求していって、それはもうかるかもうからないか分からないんです。
特許もそうです。日本を始め先進国と言われている世界の大体は、昔はアメリカは違っていたんですけれども、結局、先願出願、自分が先に出せばそれで特許化になっちゃっている。だから、それが有益なものかどうかは、何か特許を出すともうかるよというようなイメージがちまたにずっとあふれているんですね。三十年ぐらい前だったと思います。アメリカは、出願者と発明者をイコールにしなければ駄目ですというので、大学のすぐ外に、ベンチャーじゃないけれども、産学連携みたいな仕組みをつくったんですね。でも、今、アメリカだって、日本と同じように、結局、権利者と発明者を分けてもいいですよというやり方になっているんですが。
だから、そこのところをやはり一番私は整理をした方がいいんじゃないかと考えるんですね。アカデミックなところを追求していくのが大学の役割だということであれば、国が当たるか当たらないか分からないところを補填する、サポートする意味で、やはり公費を入れていかざるを得ないと思うんですね。中間帯のところは、国が入れてもいいし。
よく例えて、山登りをするときに何合目に今いるんですかと。量子は今何合目なんですか、ITERは何合目なんですかと聞いても、役所の人たちは分からないと言うんだよね。分からないというところに金をじゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ突っ込んでいって、当たるか当たらないか分からないところにいつまでやるのと、そういう議論になっていっちゃうから、それを民間企業は見越しているから、民間が手を出さないんじゃないかなと思うんですね。だって、もうからない、もうかるかもうからないか分からない。三十年後に必ずもうかるという道筋が見出せるんだったら、それは民間企業はどんどん金を出しますよ、投資家も金を出す。それを呼び水に今回の法律の改正になったんでしょうけれども、そもそもの、元の考え方がやはりちょっとずれてきちゃっているような気がするんですね。だから、そこのところがやはり。
あと、大学だとか研究所もそうですし、メーカーさんの場合はなかなか分からないんですけれども、学会に出ていれば、どの先生、どの研究員が何をやっているのかというのは、大体その学会の中で分かるというふうに言われています。何々大学の何々先生がこの分野をやっています、企業の誰々さんが。だって、学会で発表するから。
だから、その辺が実際どうなっているのかというのをもう一回私は国としてリサーチをした方がいいと思う。所管が、文科省の所管になってしまう部分もあるし、やはり経産省の所管でできることもあるんだと思うんですね。それをもう一回ちょっとリサーチしてもらいたいと思うんです。これは通告していないので、後で答弁の中に入れてもらえればいいんですが。
じゃ、例えば、一つ、今回の法律の改正の中で、技術の進歩その他の情勢の推移により必要が生じたときは指針を変更することというふうにうたってあるんですね。じゃ、変更する要因は何と想定しているのか、研究開発に着手している事業者はそれによってどのような対処、処遇になるのか、お尋ねしたいと思います。
○菊川政府参考人 委員御指摘のとおり、指針変更の要因といたしましては、技術革新が進展するということによって、より実態に即して変更しなければならなくなった場合ということを想定してございます。
ただ、その技術革新の進展がどういうふうになっているのかということをどう把握するのかということでございますが、そこは、ここの委員会でも縦割りをどうするかという御議論がございましたけれども、我々は、NEDO、産総研、そして文科省の例えばJSTでありますとか理研でありますとか、ここをちょっといろいろと横断的に、研究者同士はいろいろな形でネットワークがございますので、我々は技術インテリジェンスというような言い方もしておりますけれども、どういった技術が、今、日本がいい論文が出ているのか、そういったようなことを総合的に調査をする、そういう取組も今実態としては進めているところでございます。
そして、変更をしなければならなくなった、その場合はどういうものがあるかということでございますが、例えばでございますが、海外において特定技術への集中的な投資や支援が講じられた結果、国際的な競争環境が大きく変わってしまう、こういうような場合には目標等を見直すことが想定されるわけでございます。
その上で、委員の後段の方で御質問がございました、それによって研究開発に着手している事業者はどういう対処、処遇になるのか、待遇になるのかということでございますが、対象となる研究開発は、認定時点の技術水準や政策判断に基づき評価されるということで考えてございまして、指針の変更は、将来に向けた研究開発の方向性等を見直すものでございます。
したがいまして、指針を変更された場合でありましても、変更前の指針に基づいて既に着手されている取組、これについては、認定が取り消されましたり、措置の対象から外れたりするものではないというふうに考えてございます。
その上で、指針の変更に当たりましては、事業者の予見可能性や継続性に配慮いたしまして、変更内容について十分な周知期間を確保するとともに、必要に応じて経過的な取扱いを講じることで、事業者の研究開発が円滑に継続できるように努めていきたいと考えてございます。
○鈴木(義)委員 もう随分前の話なんですけれども、例えばメーカーさんが新しい技術というんですかね、を開発したときに、基本特許は出さないんだそうです。元々の、一番の理論の基になっているところの特許は出さない。周りの、周辺にある、どういう使い方ができるか、どういうところで応用できるかというところは特許を出すんですね。
だから、特許の数だけでバロメーターにしようとしても、特許は、さっき言ったみたいに先願出願だから、当たるか当たらないかで、最初に出して、ほかが出していなければ特許になっちゃうんですね。それにインセンティブを与えるようなことをしても、使う人、使わない人。だから、誰もがまねしちゃうようなものだったら特許を出した方が優位性があるわけですね。誰もがまねできないものを作ったときには特許なんか出さないんです。特許を出すということは、作り方と物を出したりするんですけれども、結局、作り方はまず出さないですよね。だって、オープンになっちゃうんだもの、一年半たったら。だから、そういうものは、メーカーさんになればなるほど基本特許は出さないですよ。
結局、特許の数だけ。じゃ、今日はお持ちしていませんけれども、大学の一覧表の中で、大学が幾つ特許を出して、どれだけのロイヤリティーをもらっているか。全体で、七百八十大学近く日本の国公私立がある中で、七十二億円ぐらいしかロイヤリティーをもらえていないんだよ、現実の話として。逆に言えば、ロイヤリティーをもらうような研究開発の成果として特許が出ていないというふうに裏返して見れるわけですね。
だから、後段のところで質問にも入れてありますけれども、なぜ日本の企業さんは国内の大学だとかにお金を落とそうとしないのか。要するに、企業側からすれば、日本の大学で特許を出しましたといっても、ロイヤリティーがそのぐらいしか払えないような特許しか出していない、技術開発しかできていないというのを、やはり、ちょっときれいごとじゃなくてやらないと、もうどうしようもなくなってきちゃっているんだと思うんですね。
だから、その辺がふわふわっとした形で、何となくうまくいくんじゃないかといって、じゃ、大学でロイヤリティーをもらっているところは、もう御案内のとおり、東大とか、京大とか、東北大だとか、早稲田、慶応だとか、名立たる三十ぐらいの大学の一覧表を見ましたけれども、下のクラスになればなるほど、特許の件数も少ないし、ロイヤリティーをもらっている金額も本当に微々たるもの。
そこをどんなに刺激をして分け隔てなくやるんだといっても、大学の中の何とか研究室の何々先生が、一代、二代、三代続くようなところだったら技術も集積されるけれども、一代でその研究室の先生が、大学の教授が退職してしまって、その後を続ける研究者になる准教授だとか教授になる人がいなければ、そこのところに人が集まるか。何ということはない、研究所も、民間の企業も、まあ産総研も同じです、あとは大学も、人。その先生の下で、自分も興味が湧いて研究を一緒にやりたいとか師事を受けたいというふうになってつながっていくものだと私は思うんです。
そこのところは文科省の所管になってしまうのでこれ以上は申し上げませんけれども、やはりそういう視点に立って、産業技術だとか競争力強化というふうな視点に立って法律の改正をしていかないと、何となく、インセンティブを与えるように税制改正するとか、あとは補助金を出すから頑張ってねというだけでは、なかなか、三年後とか五年後、十年後にこの法律の改正で成果があったかというのをどう読み取るのかというのを、質問通告はしていないんですけれども、ざくっとしちゃっているんですけれども、御答弁いただければ。
○菊川政府参考人 非常に重要な御指摘をいただいたと思います。
大学はもちろん文科省の所管であるということの御指摘が委員からもございましたけれども、一方で、我々、企業側の大学に対する取組だけではなくて、大学側の取組も一緒に合わさってやっていかなきゃいけないという観点から、文科省の局長と私の方で、経産省と文科省で一緒に、先ほど、知財の収入が非常に日本は欧米と比べて少ない、これは課題ということで我々は認識してございますので、どうやって大学が経営をしていけるかということの取組もやろうということで、両省一緒に検討会をしているところでございまして、委員の御指摘もしっかりと認識をしながら、そういった検討を進めてまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 あと、法律の中身のところで、既存の研究施設を補助金を国からもらって使っていたけれども、今は余り何かうまくいっていないといって、今回の法律の改正で、主務大臣になる、文科省の補助金をもらったとか、国交省からもらった、農水省からもらいましたというところの大臣の了解を取れれば、それを、計画書を出して、経産大臣の認定をもらえればそのまま使えますよというような法律なんですけれども、補助金が過去にもらえちゃっていて、今度また税金の控除ができるというのは二重取りになってしまうと思うんですけれども。
それと、もう一つ併せてお尋ねするんですけれども、バブルの頃、前にも話したかもしれませんけれども、いろいろな研究所、それとあと民間企業も、加速器というのを、何十億もかけて研究するんだとやったんですよね。でも、結局、バブルがはじけてしまって、民間企業もそんなのは維持できないといってやめていくんですけれども、それを、理化学研究所に、昔、県会議員のときに視察に行ったときに、地下四階か五階に加速器が置いてあったんです。これはどうされたんですかと。担当の研究員の方が、バブルがはじけた後、弄んでいた機械を安い値段で買ってきて、自分で組み立てましたと言うんですね。アメリカのハーバードから日本に帰ってきて、理化学研究所で研究開発するんだという方だったんです。今どうされているかちょっと分かりませんけれども、二十年ぐらい前の話なので。
だから、そういったことをやりやすいように今回の法律改正はなっているんですけれども、眠っているものをもう一回使うというんだったらいいんですけれども、じゃ、新たに造るときに、最初からいろいろな使い方ができるようなものを設置した、認定をもらってやりました、税額控除も受けます、また違う使い方もできますと何でもいっぱいつけて、減価償却ももらったり、法人税を減額してもらったり、固定資産税もまけてもらうとかというふうになったときに、そこまでやらないと駄目なのかな、そういう状況に今陥っているのかと逆に質問したいんです。
○菊川政府参考人 二点御指摘があったと思います。二重取りになっていないのかということと、対象となる設備が非常に過剰なものになっていないのかということでございます。
まず前段の、二重取りかどうかというところにつきましては、今回の御提案している法案の手続に係る特例ですけれども、補助金適正化法の特例でございますけれども、これは、既に実施をされた過去の補助事業において取得をした設備を、新たに行う重点研究開発計画に記載して認定を受けることで、その計画に活用するということを可能にしようというものでございまして、既存の設備等を有効活用しようということで、二重取りになるということには当たらないかなというふうに考えてございます。あくまでも、認定された後、新たに支出される研究開発投資について、その追加的な研究開発投資を促進しようということでございます。
そして、設備がオーバースペックな、過剰なものになっていないのかということでございますが、これは一般的にでございますが、補助金は、価格でありますとか数量、そういったことも含めて妥当であるか確認が行われて、また、確定検査においても、必要な費用だったかどうかということが精査されるというふうに認識をしてございます。
したがいまして、同様に、研究開発税制の特例につきましても、同様に適切と認められる費用を対象とするものでございまして、必要以上の設備投資を助長する仕組みとはなってございません。
ただ、最後に、こういう状況になってしまっているのかというところの委員の御指摘に少し付言いたしますと、やはり、将来の成果につながる意欲的な研究開発投資、踏み切っていこうという意欲的な研究開発投資につきましては、費用の適切性の確認を前提とはいたしますけれども、産業技術力強化の観点から後押ししていくことも重要な点があるのではないかというふうに考えてございます。
○鈴木(義)委員 やると決めたんだったら、成果が出るまでやるしかないんだと思うんですよね。ただ、そこの将来予測というのはなかなか分からないんだと思うんですけれども、それを一つでも二つでも増やしていくようにやっていくしかないんですけれども、政権が替わったからといって重点の置き方を変えちゃったら何の意味もないんだと思うんですよね。だから、それをずっと過去に日本もやってきちゃったんだと思うんですね。
そうすると、メーカー側からすれば、いつ物になるか分からないところをやっているけれども、うちの方でお金を出したって、三十年先なのか五十年先なのか。ITERがいい例じゃないですか。もう四十年前にスタートしたときに、三十年で商業化できますよといってITERがスタートしている。それが十年前です。もう十年近くたっている。あとどのぐらいと十年前に聞いたら、あと三十年で商業化できます。もう十年たっているんです。だから、何合目まで来ているんですかというのが、見通しが立たなければ民間企業からのお金、援助はやはりなかなかもらえない。
TSMCだって、聞けば、台湾政府がずっと後押しを十年以上も続けてやってきて、今花が開いているわけでしょう。じゃ、ラピダスはどうするんだという話になったときに、最後、七兆円ぐらいまでいろいろなところからお金も借りて、出してもらってやるんだというのでいいんですけれども、やはりそこのところを途中でやめちゃったんじゃ意味がないということなんですよね。
海外のベンチャーキャピタル等による日本のスタートアップへの注目が高まっているんですけれども、投資額全体における海外比率で八%程度と、グローバルエコシステムとの連結の強化をどのように考えているのかということですね。
日本の企業は、外に投資をしていたり研究開発をしてしまっている。これは前段の、おとといの質問のときにもお話ししましたけれども、じゃ、どうやって国内の企業がまた国内の大学なり研究にお金を落としてもらうなり、海外から日本の技術っていいよねというふうに落としてもらうのか、そこが一番肝にこれからなっていくと思うんですね。
もう一つ、時間がないので。我が国の大学発のスタートアップのCEOの最終学歴の多くが教職員や学生等の研究者との状況にあると聞くんです。これではなかなか、研究開発をするのにはたけているんでしょうけれども、マネジメントだとか、今回の法律で大臣の認定をもらって、どうやって企業やお金を引っ張ってくるかというのは、研究開発をやっている人にやらせるのはちょっと逆に酷じゃないかなと思うんですね。その辺をどうやって今後この法律が改正になった後にサポートしていくのか、お尋ねしたいと思います。
○菊川政府参考人 今委員の方から二点御指摘がございました。両方とも非常に重要な点だと考えてございます。
海外からの投資でございますが、これは非常に重要だと考えてございます。最近では、我々は、起業家を海外に派遣をして、向こうのエコシステムとマッチングさせていくような取組をやってございまして、直近では、世界最大のベンチャーキャピタルでありますけれども、アンドリーセン・ホロウィッツ、これが高市総理と先日面会いたしまして日本進出を表明したということでございまして、グローバルなエコシステムとの連結が進展しているのではないかと認識してございます。
また、資金調達や事業開発などビジネス側をリードする経営人材、これと先ほどの大学のまさに研究の先生方とのチーム組成が非常に必要だと考えてございます。大学発スタートアップと経営人材のマッチング、こういった取組も進めてございまして、委員の御指摘も踏まえて、今後も必要な対策を講じてまいりたいと考えてございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
じゃ、ちょっと何問か飛ばして、最後の質問のところで、半導体メモリーの不足が二〇二七年度頃まで長期化しそうだという記事を見たんです。大手メモリー企業と取引のある国内のある半導体商社は、昨年からメモリーメーカーがわざと供給を絞り、価格を高く維持しようとしている可能性があるというふうに指摘しているんですね。
今の石油製品と一緒。去年の米と一緒。せっかく国がお金を出して、TSMCだ、ラピダスも、これから作っていくので、いつぐらいに完成して物が出てくるか分かりませんけれども、これをやられたんじゃ、なかなかそれを使う側はやはり容易じゃないと思うんですけれども、最後に大臣のお考えをお聞きして、終わりにしたいと思います。
○赤澤国務大臣 メモリー半導体は、昨年秋頃から価格が上昇しておりますが、関係企業から、フル生産を行っているが、AI需要の急激な拡大に供給が追いつかないことが原因であると我々は聞いています。
経産省としては、AI時代におけるメモリー半導体の重要性を踏まえ、戦略的かつスピード感を持って、マイクロンやキオクシア等による設備投資や技術開発を支援してきております。
引き続き、AI・半導体産業基盤強化フレームも活用しつつ、半導体の安定的な供給体制の整備に向けて取り組んでまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 要するに、大臣、高く買ってもらうところに物が流れるんだよ。だからこっちは品薄になる。そういう状態がこれからも起こり得るというのを是非御認識いただいて、対策を取っていただければと思います。
終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一です。
本日も、質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
産業技術力強化法の二回目ということで、まず冒頭に、法律そのものとちょっと離れますが、いわゆるナフサ関連の資材の供給目詰まりで、いろいろ、末端の工務店さん、注文はあるけれども、物が入ってこないと。この間、鹿児島で塗装業の方にお話を聞くと、やはり下塗り剤とか防さび剤がないと。その一個上に聞いたら、塗料を作るのに、十種類のものを混ぜて作るうちの九種類はあるんだけれども、残りの一種類が来ないから作れないんだと。やはりそういうところがあちこちで起きて、特に、建設業みたいに、この工事ができないと次の工程に進めないみたいなときは、その後の工程も全部止まるということで、なかなか、資金繰りが非常に現場で厳しくなっていって、資金ショートによって倒産リスクが上がってきてしまっているという話を伺っています。
これに伴って何らか、緊急的な融資であるとか債務保証とか、そういった、あるいは減税も含めて、総合的な資金繰りの支援ができないかということを先ほど財金委員会の方で質問をさせていただきまして、そのレクの中で、債務保証の分野については経産省の所管ですというふうに伺いましたので、この債務保証の部分について、経産省としてどのような支援を行っていく考えがあるのか、御説明いただけますでしょうか。
〔委員長退席、土田委員長代理着席〕
○山本政府参考人 お答えをいたします。
中東情勢の影響を受ける中小企業への支援として、これまで、約一千か所の特別相談窓口の設置と、セーフティーネット貸付けの金利引下げといった資金繰り支援と、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請といった支援を実施してきたところであります。
加えまして、ただいま御指摘いただきましたとおり、今月二十五日に総理から発表をさせていただきました中小・小規模事業者に対する資金繰り強化の支援として、今後、債務を一般保証とは別枠で保証をできるセーフティーネット保証五号に、中東情勢の影響を受ける業種の追加指定を行うこととしたところでございます。これによりまして、当面の資金繰りにお困りになった方が、このセーフティーネット保証五号を御利用できる環境を整えるということでございます。
このような形で、引き続き、国民の皆様の生活と経済に与える影響を最小化できるよう全力で取り組んでまいる所存でございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
セーフティーネット五号というのは、債務のうち八割は保証が入って、残り二割は自己責任でということで使えるものというふうに承知しております。
そこも含めて、しっかり財務金融の分野とも連携しながら、現場の供給能力ですね、とにかく、今は、トータルでは足りているし、出荷量ベースで見ると、去年より一〇五%とか、そういった数字が出ているというふうにこの間の答弁でも出ていましたので、いずれそこが正常化していったときに、流通が正常化したのに、今度、現場の企業が倒産していて、作れる人がいません、サービスできる人がいませんとなってしまったら、本当に、今度は逆に、供給能力が足りなくて、そしてインフレになってしまう、コストプッシュでもディマンドプルでもなく、サプライロス型インフレみたいな状況に陥ってしまいますので、何とかそこを起こさないように。
国家にとって、本当に限界があるのは、お金の量じゃなくて、本当に重要なのは、実際に使われる物やサービスの供給能力、ここをいかに守るかというのが国の責任なんだという立場に立って、しっかり支えていっていただきたいというふうに思っております。
続きまして、法案の具体的な中身に入らせていただきます。
本改正案の条文を読みますと、二十四条と二十五条のところなんですけれども、認定重点研究開発計画に従って行われる研究及び開発について、認定事業者の依頼に応じて、二十四条の方では、NEDOは研究及び開発に必要な助言を行うことができる、二十五条の方は、JSTは研究及び開発に必要な情報の提供を行うよう努めなければならないというふうに、ちょっと書き方がNEDOとJSTで異なっているんですけれども、この表現の違いが何を意味しているのか、参考人の方からお答えいただけますでしょうか。
○菊川政府参考人 御指摘の二十四条と二十五条、この条文の違いでございますが、済みません、やや法技術的な説明になりますが、御容赦をいただきたいと思います。
これは、各法人の業務追加の必要性の有無というところに起因することでございます。
NEDOにつきましては、現行のNEDOの設置法の第十五条に本業務を業務範囲とする規定がない、このために、本法案において新たに助言業務を追加したということでございます。これが二十四条の方でございます。
一方、JSTの方につきましては、設置法の第二十三条の業務規定に、新技術の企業化に係る成果の活用促進や、科学技術情報の収集、提供が業務として既に規定しておられまして、本法案においては、この業務を実施することを明文化する努力義務規定を設けているということが、この両条文の違いでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうすると、NEDOに関しては、設置法の中に助言が本来業務として書いてないので、新たな機能の追加、そして、JSTは、元々そういう情報収集とか提供が本来業務の中に書いてあるので、そこを改めて念押しするといったふうな形で、こういう文言の違いとなっているというふうな認識ですけれども。
この表現を単純に読むと、JSTに対しては、NEDOよりもちょっと何か、努めなければならない、どっちかというと義務っぽい書き方をしていて、やや強い表現を使っているのかなというふうに読めるんですが、認定事業者に対する情報提供を求めるという段において、先般改正された外為法の中では、特にリスクの高い投資家から株式の一部を持っているということを通じて影響を受けるような企業に対して規制を強化するというふうなこともありましたけれども、そういった、外為法で規制対象となる、いわゆるみなし投資家、本人が国内の投資家であっても、更にその親に外国投資家がついているみたいな、そういったケースもありますので、リスクの高い投資家から影響を受けている企業が研究開発の認定事業者になっているようなケースにおいて、これらの助言とか情報提供によって重点産業技術が漏えいするリスクはないのかという点について、お伺いしたいと思います。
○菊川政府参考人 この制度におきましては、認定事業者からの依頼に応じまして、研究をどう事業化につなげるか、また、研究開発の進め方やマネジメント、そして海外の技術動向といった、必ずしも個々の企業や研究者のみで十分把握できないものについて、NEDOやJSTが助言や情報提供することを想定してございます。
したがいまして、重点産業技術に関する機微な技術情報そのものを提供することは想定されておりません。
なお、念のために申し上げますと、NEDO、JSTにおきましては、関係法令や所内の規程に基づきまして、業務を通じて取り扱う情報の適切な管理体制を整備しておりますが、重点産業技術に関しましても、機微な情報が漏えいしないように、適切な体制整備を求めてまいりたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうすると、ここで言うところの助言とか情報の提供というのは、あくまで、重点産業、研究開発に関わる技術情報そのものではなくて、それに関わる市場動向であるとか国際的な動きとか、そういった部分なのかなというふうに認識しますので、であれば、もうちょっとこの法律の文言を分かりやすく変えていただきたいなというふうに思いますので、次回改正があるときは、もうちょっとそこを工夫していただければいいのかなというふうに思っております。
続きまして、実は、昨日、京都で行われていました日本量子生命科学会というところに行ってまいりました。そこで、ちょっとその学会のお話をいろいろ、技術者の方々ともお話をさせていただいたんですが、日本量子生命科学会、生命科学を量子技術を使っていかに深めるかといったふうな、そういった視点で行われている分野融合の学会であるんですけれども、現在、主に扱われているテーマは、次世代の超偏極MRIとか、あるいは、細胞の中にそういう量子的な計測ができる物質を入れて、一個の細胞の中の更に細かいその中の温度分布を見るとか、そういう従来できなかった超高解像度なものをセンシングできる、量子センシング技術というものが結構中心に話題になっておりました。
十七の戦略技術領域に対する官民投資ロードマップの中では、量子関連分野の中で、量子コンピューティング、それから更に追加分野として量子通信ネットワーク、そして量子センシング、この三つが現状挙げられているというふうに思いますけれども、この量子センシングの分野ですね。ここは、先ほどの細胞の中の分子局在とその周辺のpHとか温度を見るだけじゃなくて、充電池の状態をリアルタイムに細かく計測することによってEVの航続距離が非常に延びる可能性があるとか、あるいは、日本にそういった技術的な優位性が非常に高い分野だというふうに技術者の方々もおっしゃっていて、それだけじゃなくて、次世代のいろいろな、創薬、臨床検査の分野ですね、ここも結構、実用化も大分射程圏に入ってきているんだと。
加えて、安全保障分野にも直結するということで、例えば、GPSの電波が使えない、潜水艦が海に潜っていてGPS電波が届かないような場所で、海中での潜水艦の自己位置計測に応用できるみたいなことで、ロッキード・マーチンとかも注目しているというお話も伺っているんですけれども、現状は、どっちかというと量子コンピューターというところに結構世間の注目とか投資が向きがちかなとも思いますが、この量子センシングの領域においても、技術で勝って商売で負けるみたいなことにならないように、どういう戦略で育てようとしているのか、その概要を御説明いただきたいというふうに思います。
〔土田委員長代理退席、委員長着席〕
○原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、量子センシングにつきましては、従来よりも大幅に高感度、あるいは高精度での計測を可能とする技術でございまして、医療、あるいは製造の分野、それから安全保障、防災を含む幅広い分野での産業化、あるいは事業化が期待される重要技術であるというふうに認識してございます。
このような認識の下で、委員御指摘のとおり、技術で勝って商売で負けるということがないように、研究開発と並行して民間投資を呼び込み、社会実装を強力に進めていくということが重要だと認識してございます。
このため、日本成長戦略会議の下に設置されております量子ワーキンググループにおきまして、量子センシングを、官民投資ロードマップの検討を進めてございます。この中では、勝ち筋の明確化、それから研究開発から実証、実装までを一気通貫で進めるための具体策を検討しているところでございます。
特に、その中では、需要面につきましては、医療、素材、エネルギー等の分野における実証の加速、政府調達等による初期需要の創出を図るとともに、供給面につきましては、更なる高性能化ですとか低コスト化等に向けた研究開発、それから、量子技術だけではなくて、他の技術と融合したサービスの提供を促進するということが、我が国の量子センシング分野における競争力の確保に必要と考えているところでございます。
内閣府といたしましても、関係省庁と連携しながら、量子センシング技術が、技術で勝ち、ビジネスでも勝ち抜くといったような取組を図ってまいりたいと考えているところでございます。
以上です。
○牧野委員 ありがとうございます。
実際、学会で発表されている先生方のお話を聞きましても、特に、一番実用化が結構近い分野では、リキッドバイオプシー、医療の検査分野を、物すごく早期にがんとか認知症の兆候をつかんで、実際に病気が発症する前にそこに手を打てるような対策を考えていくとか、そういったことも、今後、量子センシングの技術を活用してできるようになる可能性が十分にあると伺っていますので、しっかりとそこを支援していっていただきたいと思います。
あわせまして、創薬といった観点から、量子コンピューターをそこにいかに応用していくかという視点でちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、量子コンピューター、この間、産総研で見させていただきましたが、あの技術自体は、実際の細胞の中で起こる様々な化学反応というのが量子力学の理論に沿って実際に反応が生じている、その反応が、まさに起きている、量子力学に沿って生じる原子レベルの化学反応を、従来型のコンピューターのプログラミング言語に翻訳することなく、量子的文脈のまま同時多発的にシミュレーションすることができるというので、非常に技術的に向いているというふうに理解しております。
現在も、従来型のスパコンの中で、複数の高分子の中で生じる化学反応のシミュレーションみたいなものも発達はしてきていまして、新しい創薬に使われてはいるんですけれども、とはいえ、お配りした資料の二枚目を御覧いただきたいんですが、こちらは野村証券が作った、最近の、創薬百年史と近未来という資料の中の抜粋なんですけれども、左側の図の右上、グレーで囲っているところの従来の創薬標的というところに、様々な、高血圧とか心不全、糖尿病等々書いていますけれども、こういった、昔ながらの薬が十分に使える領域というのは、かなり創薬の開発というのがやり尽くされた、一〇〇%やり尽くされたかといったら、そんなことはないと思いますが、かなり従来型の開発で相当ここの部分に対するニーズというのは満たされつつあって。
逆に、いわゆるアンメット・メディカル・ニーズと言われる、希少疾患であるとか、あるいは難病で治療法がまだ見つかっていない領域であるとか、がんの中でも非常に治療が難しい膵臓がんとか、そして、さっきも話題にしましたアルツハイマー病とか、こういった部分に対する創薬の方にシフトしていって、難易度が比較的に上がっていっていると。それに応じて、右側のグラフにありますとおり、新薬開発における、これはアメリカの例ですけれども、どんどん開発コストは上昇傾向にあるというふうな状況です。
実際に日本の方の統計でも、医薬産業政策研究所というところが出している資料に基づきますと、新薬一剤を上市するのに必要な開発コストが大体千四百億円ほどかかる、一剤当たり。これも、そのモダリティーが小分子なのか、あるいはたんぱく医薬みたいな中分子なのか、あるいは最近出てきている細胞医薬みたいなそういう新しいモダリティーなのかによって、また開発のリードタイムと必要コストはそれぞれ変わってきますけれども。
今度は資料の三枚目になりますが、資料の三枚目にございますとおり、近年、そういった新しいモダリティーを使った細胞医薬、遺伝子治療、こういった部分が徐々に売上高の構成比として増えてきていまして、直近、二四年では約三割に新世代のモダリティーが当たっていると。中でも、特に抗体医薬とか、ペプチド医薬、そういったものが新たに出てきているという状況です。
大体、この研究開発には、およそリードタイムとして十二年から十六年ほどかかる、うち約半分が前臨床研究という段階に該当しまして、それぞれの成功率ですけれども、今度、済みません、戻って資料の一枚目ですが、これはモダリティー別の成功確率というのが出ています。特に抗体医薬というのは、この抗体がこの仕事をしているということが分かれば、その抗体を製剤化すれば使えるということで、比較的ここに関しては成功率が高いんですけれども、特に真ん中の、下の黒い棒グラフが〇・〇八となっているところより右側、セルセラピー、ジーンセラピー、それからジーンモディファイドセルセラピーとか、そして最後、オンコライティックバイラスと書いてあって、こういう新世代の細胞医薬、私が所属していた鹿児島のラボでも、腫瘍溶解性ウイルス、このオンコリティックバイラスというものを作っているラボでございますが、なかなかそういったものに関しては成功率も非常に低くなってしまう。
実際に、うちのラボでも、こういうふうな遺伝子の設計をしてウイルスに組み込んだら、きっとこう動いてくれるだろうと思って設計をしても、ユニットを並べる順番が、Aが先でBが後というのを逆にするだけで全然機能が変わってしまったりとか、とにかく作って試さないと分からない、しかもそれに何年もかかるということで、非常に労力がかかる。
そのプロセスが研究者としては楽しいところでもあるんですけれども、どうしてもコストと労力がかかってしまうということで、ここを量子コンピューターの力を使って、いずれもし、多分子の中で、今のスパコンで動いているシミュレーションじゃなくて、細胞一個丸ごとですね、これをフルに量子コンピューターの中でシミュレーションできるというふうな技術が開発されれば、こういう遺伝子配列でウイルスを作って入れるとこういう動きをするというのがあっという間にシミュレートできる。しかも、超低コストで物すごく早くですね。
これができると、開発リードタイムとコストはめちゃくちゃ削減できるということで、多分、本当に細胞一個丸ごと、何億分子もその中に入っていますけれども、それをシミュレートできるような、そういう次世代の量子細胞シミュレーターみたいなものを最初に開発できた国が次の世代の医療、創薬分野の覇権を握れるというぐらいな、それぐらいの技術だというふうに思っていますし、昨日、学会で先生方に聞いてもまさにそのとおりだという御意見ではありました。
ただ、これを実現するには、産総研の先生に伺うと、大体百万量子ビットぐらい要ると。今目指しているのが一万量子ビットという段階ですから、まだまだ先の段階ではありますが、まずは細胞一個から、単細胞をやる、そういったときにこそ、この間話題に出ていたゾウリムシの研究とかをやられている先生の話もありましたが、ああいうシンプルな単細胞生物を突き詰めている人、基礎研究をやっている人がいるからこそ、今は何の役に立つんだと思うかもしれないけれども、いざ量子スパコンで細胞シミュレーターができたら、単細胞生物を実際に量子の世界で動かして現実と符合するのかという、ここを見ていくときには、逆に、シンプルな細胞の基礎科学をずっと地道にやってくださっている、こういったことがここで符合をして次の世代の飛躍につながっていく、こういったところもございますので、是非、国家プロジェクトとして量子細胞シミュレーターを開発するぐらいな勢いでコミットしていただきたいというふうに思っていますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 私、人間誰でも血の騒ぐ分野があると思っていまして、私自身は防災とか賃上げとかで血が騒ぐんですが、先生は救急科医師というのをちょっと見ていたので、何かやはり本当にここで助けないとというような、目の前で大変なけがをされた人とか、ああいうところで血が騒ぐのかと思ったら、今の研究を語られる姿を見て、しかも、私は途中から何かここは厚生労働委員会だったかとちょっと思うような感じで、本当に圧倒される感じがあって、なかなか本当に得難い経験をさせていただいたと思うんですが。
私も文系ですのでというか、余り文系、理系と言うのもよくないのかもしれませんが、今のお話を聞いていて、量子コンピューターは、従来の技術では解決不可能だった、スパコンでも駄目なものをそういう計算問題に活用できる可能性があり、一方で、何か間違いもするんですよね、なかなかアナログチックなことでやるものですから。我が国の産業競争力や経済安全保障の確保のために非常に重要な技術であるということは理解をしているつもりで、量子コンピューターが実用化されると、先ほどから委員がおっしゃっているようなことだと思いますが、例えば、細胞の複雑な挙動が計算できて、画期的な新薬の発見につながるというようなことを認識をしております。
経済産業省としては、創薬だけでなくて、素材とか、本当に画期的な素材がそれで生み出されるとか、電力、物流、気象、防災といった分野で量子コンピューターを活用したユースケースを創出していくための実証支援を開始したところです。
また、ソフトウェア開発の取組に加え、実用可能な量子コンピューターを実現するハードウェア開発の取組も重要だというふうに思っています。例えば、富士通や、東大発のスタートアップ、OptQCといった国産量子コンピューターを開発する企業に対する研究開発支援も行っています。
まだ何か、量子についていうと、やり方すら確立していない部分で、どこに張るんだみたいな世界も含めて、本当にまだ手探りですけれども、こうした取組を通じて、量子技術の社会実装、世界に先駆けてやりたいと思いますし、そういうふうになった時代にほかの国に取り残されているようなことのないように、取組を加速してまいりたいというふうに思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
もちろん、医療とか生命科学の分野だけじゃなくて、本当に様々な分野に対してポテンシャルがある、そういった技術革新だと思っていますので、国際競争の中で決して置いていかれることがなく、日本がその分野で世界をリードしていけるんだというぐらいな立ち位置を占められるように頑張っていっていただきたいというふうに思っております。
続きまして、ちょっとフュージョンエネルギーのことをお伺いしたいんですが、今回の重点産業技術分野には、現時点で、AI・先端ロボット、それから量子、半導体・通信、バイオ・ヘルスケア、そしてフュージョンエネルギーと、宇宙、この六分野が指定されてございます。
先ほど鈴木委員のお話にも出てきたように、ITER計画、随分当初の計画よりも遅れてはいるところではありますが、日本、欧州、中国、インド、韓国、ロシア、そしてアメリカと、多国籍の中でこの計画が進んでいて、日本人の技術者も多く現地に入っていろいろやっていますし、ITERに関連する調達機器の設計とか製作については、プラズマ対向機器であるとかプラズマを加熱する装置の納入とかで、日本企業も多数関与しているというふうに認識しております。
一方、現地での、実際に建物を建てる建設の工事であるとか、いかにして実験炉を造っていくのかという統合施工の分野においては、まだまだ日本企業のプレゼンスが比較的小さいというふうに伺っています。
今、政府の計画では、二〇三〇年代に核融合は原型炉の建設、運用を目指しているというふうになっていますが、将来の商用炉の建設に直結するEPCであるとかプロジェクトマネジメントという領域で、日本企業がどの程度ITERで実績を、経験を積めているのかということについて、政府として核融合を重点産業技術と位置づける以上は、装置とか部材の納入だけじゃなくて、統合的に、どうやって建物を造るとか、プロジェクト全体をどう進めるかというところも含めて産業基盤を育てていっていただく必要があると思いますが、現状どうなっているのか、内閣府の方から説明をお願いいたします。
○恒藤政府参考人 我が国はフュージョンエネルギーの国際プロジェクトでございますITER計画におきまして多くの重要な機器の製造を担っておりまして、これを通じて、多くの日本企業が様々な技術を開発、蓄積してきているところでございますが、委員御指摘の、現地の建設工事などにつきましては、現状、日本企業は選定されておりません。
これは、そもそも日本企業がその入札に参加していないためでございまして、その理由としては、昨今の人手不足の中で、フランスに多くの社員を送って建設作業をするというのが、日本企業にとってはリスクが大きい割にメリットが小さいということが一つの原因というふうに認識してございます。
フュージョンプラントの建設、組立てについては、我が国企業は実は、現時点で世界最大のトカマク実験装置でございます我が国のJT60SAの設計、施工を通じ、ある程度の経験を積んできているところでございますが、やはり、ITERへの参画を通じて更にノウハウを高めることは重要と考えてございます。
こうしたことから、現在検討中の成長戦略の官民投資ロードマップの中でも、このITER計画への戦略的参画を通じまして人材育成を進めることが重要であり、そのために、ITERへの日本人職員数の増加に向けた支援を強化をするという方針としているところでございます。
今後、ITER計画を担当します文部科学省と連携をし、若手、中堅技術者等のITERへの派遣を増やすための取組を具体化をし、こうした取組を通じて、フュージョンプラントの設計、建設等の経験を有する人材の育成を進めてまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかり現場で総合的な経験が日本企業に蓄積していくような、そういった方向で頑張っていただきたいというふうに思います。
それでは、最後に、前回の質疑で、文科省の答弁で科研費が百億円増えましたというふうなお話もありましたが、百億円というと、大体、その基が四兆円ですから、僅か〇・二五%増で、大体、物価上昇とかで、エネルギーコスト上昇でキャンセルされる程度の微増という程度ですけれども、いわゆる失われた三十年の中で、政府の財政支出をいかに拡大しないかということを前提に各種の産業振興政策とか産業技術振興政策というのを行ってきまして、結果として、国際比較の中では、前回出てきたように、日本の科学技術力が相対的にプレゼンスを失いつつあるという状況ですから、ここは、基礎分野も含めて、大胆な研究開発投資というのを政府主導でやっていただきまして。
特に、重点産業技術分野というのは、官民投資ロードマップに載っている十七の新興・基盤技術領域の中でもえりすぐりの六つだというふうに認識していますから、今後そこに追加される分野も含めて、各分野において、さっき出てきた量子細胞シミュレーターとか、あるいは核融合の世界初の実用化を目指すとか、イーロン・マスクが言っているように宇宙にデータセンターを造るとか、そういう野心的でかつ波及効果が大きい、世界が使う未来の産業インフラ、技術インフラを新たに日本主導で造るんだというぐらいの、そういう分かりやすい国家プロジェクトの策定も含めてやっていただきたいというふうに、ちょっと二問まとまりますが、最後、大臣のお考えをお伺いして、終わりたいと思います。
○赤澤国務大臣 本当に、委員の大変な熱量をいただいて、経済産業行政もしっかりやっていきたいと思います。
産業政策の成否が国力を左右する時代が再来する中、積極的な国内投資を促すためには、政府が一歩前に出て、大規模、長期、計画的な産業政策を展開をし、企業の投資の予見可能性を高めていくということが重要だと思っています。
この法案はまさにそのためのもので、だからこそ、研究開発税制の戦略技術領域型を創設をするということでありますし、また、最大で過去最高の五〇%という高い控除率を最長で五年間措置するということで、研究開発投資をしっかり後押ししていきたいと思っています。
新技術立国担当大臣として、科研費の大幅拡充といった基礎研究分野の支援も含めて、関係省庁と連携して、技術で勝ち、ビジネスでも勝ち切る経済への展開をしていきたいというふうに思っております。
また、国家プロジェクトという御指摘でありましたけれども、本法案は、重点産業技術、量子、フュージョン、宇宙も念頭に置いております。まずは、本法案の研究開発税制に係る措置で企業投資を後押ししてまいりますが、策定中の各分野の官民投資ロードマップの下で国家プロジェクトも進めてまいります。例えば、量子では、先日御視察いただいた産総研G―QuATで世界最高水準のテストベッド環境を提供し、ユースケースを創出してまいります。
政策を総動員して、技術で勝ち、ビジネスでも勝ち切る経済への転換を実現してまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
是非、国民の目から見て、こういうプロジェクトが国を挙げて今後進んでいけば、きっとこの日本の国も、もっとこれから勢いを取り戻していけるんだという、国民が夢と希望を持てるような、そういった政策の示し方をしていっていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
質問を終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十一時三十七分休憩
――――◇―――――
午後零時三十八分開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。土橋章宏君。
○土橋委員 チームみらいの土橋章宏です。
今日は、発言の機会をいただき、ありがとうございます。
早速ですが、本法案の重点産業技術の選定プロセスについて質問させていただきます。
科学とビジネスの近接ということを背景に、産学連携を目指す本改正案では、AI・先端ロボット、量子、半導体等を重点産業技術として指定する制度が創設されます。ただし、この制度が実際に機能するかどうかは、指定のプロセスが適切かどうかにも懸かっています。
そこで、お尋ねします。
本改正案における重点産業技術の選定プロセスは、どのような基準で、何を一番の目的に策定されたのでしょうか。また、今回の指定はどれくらいの期間で決定されたのでしょうか。お答えください。
○赤澤国務大臣 本法案における重点産業技術は、第七期科学技術・イノベーション基本計画の国家戦略技術領域を念頭に置いて指定する予定でございます。
具体的には、国家戦略技術領域は、将来の我が国の自律性、不可欠性の確保、それから、将来性のある成長産業の創出を進めるため、経済成長や社会課題解決等の将来性、技術の革新性や有望性、我が国の科学技術の優位性や潜在性の観点から選定をされたものでございます。
また、国家戦略技術領域は、総合科学技術・イノベーション会議に設置されたワーキンググループにおいて、約五か月間、四回の有識者ヒアリングを行った上で、主要国の政策動向やシンクタンクの分析結果なども踏まえ、先ほど申し上げた将来性などの観点を総合的に検討し、選定され、本年三月に閣議決定されたものであるというふうに承知しています。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
期間をお聞きしたのは、こういう国際競争の場で、何をするにもまず意思決定のスピードが重要だと思ったからです。また、指定技術の点ですけれども、例えばAIに関しては、それを使うデータセンターや巨大な発電施設が必要ですので、エネルギー分野におきましても重点を置くよう、また今後検討していただけたらと思います。
次に、工程表やKPIの不在についてお伺いいたします。
本法案には、指定後の目標数値や達成期限を公表する規定がありません。
そこで、お聞きします。
この法案で企業による投資がどのくらい増えるかという試算はありますでしょうか。また、加えて、AIのように急速に変化する分野では、素早く選定を変えたり、効果のない投資を損切りするといったことも必要だと思います。定期的に重点産業技術の項目を見直す条項はあるのかどうか、お聞かせください。
○赤澤国務大臣 重点産業技術は、AIや量子といった国内外の技術動向が急速に変化する分野でございます。そのため、本法案を通じて企業による投資額がどの程度増加するのか、一概に試算し、目標を設定することは困難であると考えています。
他方、本法案の認定スキームを通じて把握する戦略技術領域型の対象の研究開発投資額等の実績を活用しながら、税制が企業の研究開発投資の増加等にどの程度寄与しているかについて、しっかりと把握、検証していきたいというふうに考えています。
○土橋委員 御答弁ありがとうございました。
後に投資効果についてもしっかり評価していただければと思います。
また、重点項目の見直しですけれども、選択と集中といいましても、正直、当てるのはなかなか困難な面もあると思います。当たらないこともよくあると考えた場合、必要なのはやはり損切りだと思います。
例えば、中国でディープシークというAIが発表されたときに、エヌビディアが大きく株価を下げる瞬間もありました。このように、GPUや半導体が余り必要でなくなるケースもないとは言えません。新しい技術は、把握するのに時間がかかるにしても、損切りはすぐできると思いますので、数か月といったスパンではなく、少なくとも数週間で取りやめる決断をするスピード感が国際競争で勝つためには必要ではないのかと私は考えます。
次に、自動運転についてお聞きいたします。
チームみらいでは、AIによる自動運転技術こそが、日本の産業競争力と社会の課題解決という点で重要な産業と考えています。
カリフォルニアや中国、シンセンでは既にロボタクシーが走り始めており、日本でもグーグルのウェイモが既にテスト走行を始めています。私も、この間、タクシーに乗っているときにそのウェイモがカメラを搭載して走っているのを見まして、ああ、ついに我が国にも来たかと。できれば我が国で自動運転をやってほしかったなという思いもあるんですが、まだ始まったばかりですので、巻き返しも可能だとは思っています。
さらに、日本では、路線バスやタクシーの不足で移動難民の問題があり、物流でのドライバー不足も深刻です。地方からも、自動運転のタクシーやバスを走らせてほしいという声をよく聞いています。
この自動運転技術を日本企業が社会実装できれば、海外でも日本の自動運転技術をビジネスとして売ることが可能だと思います。自動運転の実装には国土の道路状況のデータを取らねばなりませんが、世界は広いので、後追いの技術でも国際競争への参入が可能と思われます。途上国へのインフラのODAとしても活用ができると考えます。大体いつも日本が負けているように思える規格競争やプラットフォーム競争ですが、この自動運転の分野では勝ち筋があり、外貨を獲得できるチャンスだと思います。
この自動運転技術は今回の重点産業技術に含まれているのでしょうか。含まれている場合、どのような支援や認定スキームが想定されているのか、お聞かせください。
○赤澤国務大臣 本法案では、AI・先端ロボット、量子、半導体・通信といった、科学技術・イノベーション計画に基づく国家戦略技術領域を重点産業技術として指定することを想定しており、自動運転技術として指定することは考えておりません。
他方、自動運転技術を構成するAI・先端ロボット、あるいは半導体・通信といった技術に係る計画が認定をされ、研究開発税制の戦略技術領域型が適用される可能性はあることから、本法案は自動運転技術の研究開発にも寄与し得るものと考えています。
なお、戦略技術領域型の対象については、国家戦略技術領域を選定した際の議論を参考に、今後、下位法令でお示しをしたいと思っています。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
AIというのはデータがないとただの箱ですので、まずデータを取得する技術も割と重要なものです。そのようなデータの管理を武器とする研究を重視して進めていただければと思います。例えばバーティカルAIでありますとか、AI自体に関しては巨額な投資と巨額な発電施設が必要ですのでなかなかちょっと追いつくことができないのかもしれませんけれども、データをどう活用するか、そしてデータをどう取っていくか、他国のデータをどう集めていくかという点ではまだまだ参入余地があると思いますので、こういった点も重点的に進めていただければと思います。
次に、重点産業技術の社会実装における制度的障壁についてお聞きします。
二足、四足型ロボットについては、令和五年四月に公表した歩道走行型ロボットの公道実証実験に係る道路使用許可基準や同年七月公表の留意事項において、道路使用許可を受けて公道実証実験が可能であることは明記されていますが、取扱いの基準が明記されておらず、技術的には実証可能な水準に達したロボットであっても、前例がないとか根拠法令が不明確といった理由で実証実験がスムーズに行えないといった声も聞きます。
こういった二足、四足型ロボットの公道実証実験に係る道路使用許可について、現状どのような取扱いをしているのか、また、こうした意見を踏まえて今後どのように対応していくのか、警察庁政府参考人に伺います。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
歩道を走行するロボットにつきましては、これまで用途や大きさ、性能が多様なものが開発されておりまして、警察庁では、令和五年四月に歩道走行型ロボットの公道実証実験に係る道路使用許可基準を策定しておりまして、道路使用許可の申請に対する取扱いの基準を明らかにするなど、歩道走行型ロボットの公道実証実験の実施に必要な環境整備に努めてきたところでございます。
近年新たに開発が進んでおります御指摘の二足歩行や四足歩行のロボットにつきましても、道路使用許可を受けることにより公道実証実験は可能でありまして、これまで許可した事例も複数あると承知しているところでございます。
他方、道路使用許可基準においてこれらの取扱いの基準が明確に示されていないことから、二足歩行、四足歩行ロボットの公道実証実験が速やかに取り組めないなどの御意見もいただいているところでございます。
警察庁では、こうした意見も踏まえまして、現在、道路使用許可基準の見直しに向けた検討を進めているところでございまして、引き続き、歩行型ロボットの公道実証実験を適切かつ円滑に実施できるような環境整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。大変前向きな御意見で、ありがとうございました。
現在、このような状況では、技術的には実証可能な水準に達した先端ロボット等であっても、前例がない、根拠法令が不明確を理由に許可が得られず、データを取得できないためにその安全性を証明できず、その結果、社会実装できないということが制度的に十分起こり得ます。これは、ビジネス化でよく言われる魔の川、死の谷、ダーウィンの海でいいますと、死の谷とダーウィンの海の間に位置する日本の規制の嵐と言ってもいいかもしれません。これは国際競争において大変なハンデです。これが社会実装化のスピードを阻んでいると言えます。
そこで、大臣にお尋ねします。
こうした縦割り行政の構造的問題が社会実装を阻む可能性について、どのように認識されておられますでしょうか。
また、今回の産技法改正における規制サンドボックス制度の認定は、警察庁や国土交通省が所管する道路使用許可、保安基準緩和認定に対してどのような法的効果を持つのか、また、経産省が認定した実証計画が他省庁の判断で社会実装が阻まれた場合の横断的な調整メカニズムについて、具体的にお示しください。
○赤澤国務大臣 経済産業省として、新事業活動の創造につながる規制改革を推進するため、産業競争力強化法に基づく規制のサンドボックス制度といった規制改革制度を運用してきております。
本制度では委員御指摘のように分野横断的な実証が求められる場合もあるため、内閣官房に事業者の提案を広く受け付ける窓口を設置し、関係省庁との連携を行っています。
本法案で措置する規制のサンドボックス制度の特例は、経済産業省が有する技術情報を適切に共有し、規制当局における理解を深め、判断の迅速化、的確化につなげるものであります。
先ほど委員がおっしゃったように、私自身、魔の川ですか、死の谷、ダーウィンの海というのを聞くたびに暗くなるので、さらにその谷と海の間に規制の嵐があると更に暗くなりますので、そういうことのないように、新たな技術が国内で速やかに社会実装されるよう、進歩や課題をしっかり把握しつつ、こうした制度を運用してまいりたいと思います。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
素早い実装化をしてこそ国際競争力を保てると思いますので、是非そういった障壁をクリアする制度を積極的に進めていただければと思います。中国とか韓国とかいろいろな国で、国でリードしてさくさくと進めている国もありますので、日本もそれに遅れないようについていけたらなと思っております。
次に、スタートアップ企業への研究開発支援についてお聞きいたします。
本改正案では、研究開発税額控除の控除率が四〇から五〇%と高い割合に設定されていますが、これは黒字企業にしか実質的には機能しないのではないでしょうか。起業初期で赤字段階にあるスタートアップ企業は、この制度の恩恵を受けられるのでしょうか。
また、こうしたスタートアップ企業へ本制度のほかにどのような支援が用意されているのか、御見解をお聞かせください。SBIRなどの具体策がありましたら、それについてもお教えいただければうれしいです。よろしくお願いします。
○菊川政府参考人 令和八年度の税制改正におきまして、研究開発税制の戦略技術領域型及び中小企業向けの研究開発税制、これらにおきまして、それぞれ三年間の繰越しの税額控除制度を創設することとしてございます。これによりまして、今ほど委員から御指摘のありました赤字段階にあるスタートアップでありましても、適用条件を満たせば活用できる制度設計というふうになってございます。
その他のスタートアップ支援もということでございました。例えば、政府調達によって需要を創出するシグナルを出しまして、スタートアップへの投資を促すため、委員から御指摘のありましたSBIR制度、これを抜本強化いたしまして、政府の本格調達につなげる新たな枠組みを創設すべく、内閣府や関係省庁と今調整を進めているところでございます。
こうした取組を通じまして、スタートアップがアーリー時期からミドル、そしてレーター、こういったステージごとに応じまして、市場で勝ち切るために必要な、切れ目のない資金供給が行われるためのエコシステムを形成してまいりたいと考えてございます。
○土橋委員 具体的な御答弁をありがとうございます。
私もかつて起業したことがありまして、そのとき、やはり黒字化するのが結構、私の場合は五年ぐらいかかったものですから、三年でもいいんですけれども、できればもうちょっとアップして、期間をちょっと長くしていただけたらなという個人的な感想はありますが、スタートアップ企業が息切れしてしまわないよう、制度の充実に努めていただければと思います。
そのSBIRで、いわば国に対してサンドボックス的に自分の技術を試していくといったような制度はすばらしく、スタートアップの皆さんを元気づけると思いますので、これを利用して、なおかつこの産技法についても利用できるといったような形で、どんどん力強くやっていっていただけたらなと思います。
次に、認定申請の手続負担の軽減についても確認させてください。
事務リソースの乏しいスタートアップが円滑に申請できるよう、手続の簡素化や支援の仕組みは整備されているのでしょうか。例えば、AIを働かせて手続を全て任せるなどの対策はありますでしょうか。よろしくお願いします。
○菊川政府参考人 具体的な手続につきましては、今御審議いただいておりますけれども、法案が無事成立させていただきましたとすれば、その後に下位法令の検討を進める中で整理を行いまして、速やかにお示しをしていきたいと考えています。
また、施行までの間に、事業者、スタートアップももちろん含みますけれども、事業者、大学、研究開発機関への周知、広報を丁寧に行うことで、予見可能性があって、そして過度な負担とならないよう、そういった制度としていきたいと考えてございます。
また、本制度の手続は、政府共通システムに基づき運用する予定でございます。したがいまして、今、AIで全ての手続をという御指摘がございましたけれども、政府全体の方針ということでございますので、直ちに全面的な対応は難しいとは考えますけれども、政府全体の方針に従いまして、将来的に、手続の円滑化の観点からも、AIの活用についても検討していきたいと思います。
こうした一つ一つの実務に寄り添った取組を通しまして、中小企業やスタートアップの皆様にとって使い勝手のよいものとなるよう配慮して、制度の活用を促してまいりたいと考えてございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。もし、何かAIなどでちょっと御苦労される点があれば、チームみらいから、必要であれば家庭教師を派遣いたしますので、是非よろしくお願いいたします。
次に、大学、研究機関側の発展形態についてお聞きいたします。
産学連携を進めることにより、大学、研究機関側には企業の投資の増加や研究時間の増加などメリットもあると思いますが、日本の大学や研究機関の力を向上させ、例えば世界の優れた企業が日本に研究拠点を構えたいと思えるような環境を整備するつもりがあるかどうか、御見解をお聞かせください。
○菊川政府参考人 今回御提案申し上げていますこの法案におきましては、AI、量子等の重点産業技術に係る認定を受けた大学そして研究機関と共同研究等を行った企業の試験研究費に対しまして、研究開発税制上の高い税額控除率が措置されるということになってございます。したがいまして、企業からの研究開発費が大学等にもしっかり流れていくということかと思います。
また、企業が重点産業技術の共同研究先を見つけやすくなるということで、認定しました大学や研究機関、これを主務大臣が公表させていただきたい、公表することを想定してございます。
こうした措置によりまして、企業からの大胆な投資が促進されまして、共同研究の大規模化が後押しされていくということで、認定を受けた大学そして研究機関の研究力の向上にもつながっていくと考えてございます。
例えばでございますが、この委員会でも御視察をいただきました産業技術総合研究所のつくばセンター、この中には、TSMCが三次元集積技術の研究開発拠点を設ける、こういったようなことが起こっておりまして、海外企業による国内投資の前向きな動きも見られるところでございます。
本法案の措置も活用して、多くの国際的な研究拠点を形成していきたいと考えてございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございました。
やはり、日本はビジネスがちょっと苦手なのかなと思うところがありまして、そういった場合、世界で売るのに慣れている企業と組むのも一手かなと思っております。同志国の外資企業と一緒に研究して、売っていって、特許で稼ぐというスタイルもあると思いますので、日本の研究機関も、産総研はすばらしいと思いますけれども、MIT並みに、世界の各所から利用できるようなレベルになってもらえたらいいなと思っております。
最後に質問いたします。次に、海外連携の欠如によるガラパゴス化リスクについてお聞きいたします。
本改正案には、海外の研究機関との連携を促進するスキームはありません。実際には、日本企業とMIT、マサチューセッツ工科大学が連携するといったような協力体制は散見されます。日本企業と日本の研究機関で制度を構築した場合、日本だけで通用する技術といいますか、そういったガラパゴス化のリスクもあるのではないでしょうか。やはり海外のビジネスで勝つためには、世界のどこでも通用するという標準化競争で勝たねばなりませんが、この改正案において、海外市場でのビジネスで勝つためにどのような方策を考えておられるのか、大臣に伺います。
○赤澤国務大臣 これまで我が国では、優れた技術が生み出されながらも、技術で勝ってビジネスで負けるということが指摘されております。研究開発成果を社会実装につなげることが極めて重要だと思います。
そのため、第七期科学技術・イノベーション基本計画では、本法案の研究開発投資に係る措置以外にも、人材育成、スタートアップ支援、そして委員御指摘の国際標準化も含めた取組を一気通貫で進めるとされています。
特に、社会実装の観点では、日本企業に有利な国際標準を策定することが重要であります。例えば、量子分野では、昨年五月に国際標準の国際会議を日本に招致し、主査のポジションの獲得につなげるといった戦略的な取組も進めております。
こうした取組を総動員することで、技術で勝ってビジネスでも勝ち切る経済への転換を実現をしてまいりたいというふうに考えております。
○土橋委員 御答弁ありがとうございました。
今大臣がおっしゃったように、やはり日本企業が参入障壁を突破して、ルールを自ら作ったり、今あるルールを積極的に変えていったりすることなど工夫して、標準化競争で勝てるように私も期待しております。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○工藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、産業技術力強化法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○工藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○工藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小林史明君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。山岡達丸君。
○山岡委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。
産業技術力強化法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
一 研究開発税制の戦略技術領域型の適用に係る手続については、事業者の円滑な活用や予見可能性の向上を図る観点から、過度に資料の提出等を求めることのないよう配慮するとともに、迅速かつ簡素なものとすること。あわせて、対象となる試験研究費の範囲や区分については研究及び開発の実態を踏まえて運用し、事業者に過度な負担とならないよう留意すること。その上で、本税制がこれまでに類のない高い控除率を措置するものであることを踏まえ、研究及び開発の進捗状況を適時適切に把握し、事業者が本税制の制度の趣旨に反して利益を得ることがないよう万全を期すとともに、事業者に過度の負担のない形でその適用状況及び成果を継続的に検証し、社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じ見直しを行うこと。
二 重点産業技術については、将来にわたって我が国の産業競争力や経済安全保障の強化が図られるよう、国際的なイノベーションの動向や経済社会情勢の変化を適切に分析し、必要に応じ、機動的かつ柔軟に見直すこと。
三 重点研究開発計画の認定制度については、我が国において重点的に推進すべき研究及び開発が的確に進められるよう、その推進に関する指針を可能な限り早期に策定し周知すること。また、中小企業による制度の活用が十分に図られるよう円滑な運用に努めること。特に先端的な技術領域において重要な役割を担いながら黒字化に至っていないスタートアップ等、税額控除の恩恵が届きにくい事業者についても重点産業技術の研究及び開発が促進されるよう、補助金・融資等の直接支援との組合せを含め、必要な措置を検討すること。
四 重点産業技術共同研究開発機関の認定については、教育・研究等の質において一定の水準を超えることを前提に、認定機関数の上限を定めず、幅広い機関を対象とし、大学等と、共同して研究及び開発を行う事業者の双方に対し、過度な負担とならない制度設計にするとともに、重点産業技術共同研究開発機関の教育・研究等の業務の円滑な実施に支障が生じることのないよう万全を期すこと。同時に、同機関については、今次の措置に加えて、その特性に応じた高度な経営を可能とするべく、制度環境の整備や支援措置の一層の充実を図ること。また、重点産業技術に関連する技術情報については、同機関が認定事業者と共同して又は委託を受けて行う研究及び開発において、適切に管理されるよう万全を期すこと。
五 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構及び国立研究開発法人科学技術振興機構が認定事業者等の依頼に応じて認定重点研究開発計画に従って行われる研究及び開発に必要な助言又は情報提供を行う際には、認定事業者等の株式取得等を通じてリスクの高い外国投資家に技術情報が流出することがないよう、認定事業者等の資本関係等について留意し、適切に行うこと。
六 日本版バイ・ドール制度の運用に当たっては、国際的な研究開発競争が激化していることを踏まえ、国内での活用状況を適切に把握するとともに、委託研究開発の成果として得られた特許権等について、受託者等による活用が最大限促進されるよう必要な取組を進めること。
七 本法に基づく各種措置の実施に当たっては、その成果が実証、事業化を経て社会実装へと円滑につながるよう、実証の段階における関係者の意見にも留意すること。あわせて、国際標準化の推進や知財戦略など、関係する施策を一体的に講ずること。その際、産学連携の促進に伴い共同研究成果の共有特許に係る第三者へのライセンスに共有者全員の同意を要する制約が社会実装を阻害する要因となっていることを踏まえ、共有特許の取扱いに関する指針の整備の検討を関係省庁と連携して進めること。また、知的財産のライセンスや標準化を担う専門的な人材の育成・確保に向けた取組を強化すること。
八 先端的な重要技術を巡っては、各国政府により企業の研究開発投資を呼び込む環境整備が進められるなど国際的な政策競争が激化していることに鑑み、我が国においても、研究開発投資環境について国際的なレベルプレイングフィールドを確保すること。とりわけ、研究開発税制については、諸外国における控除上限の柔軟化や繰越制度の長期化等の動向も踏まえ、我が国におけるこれらの在り方について不断の見直しを行うこと。
九 産業技術力の強化に当たっては、中長期的視点で我が国の科学技術力を向上させることが不可欠であるとの認識の下、事業者への税制優遇のみならず、短期的な産業分野への応用を前提としない基礎研究を含め、国の科学技術関係予算を抜本的に拡充する等の施策も一体的に推進すること。
十 重点産業技術のみならず、我が国が抱える社会課題、産業課題の解決を図ることにつながる分野に関し、国内の大学等の研究開発機関と事業者との共同研究が一層促進されるよう、総合的な施策を検討すること。同時に、各省連携の下、研究開発機関における高度人材の育成及び確保に向けた施策を強化すること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○工藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、赤澤経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。赤澤経済産業大臣。
○赤澤国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
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○工藤委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
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○工藤委員長 次回は、来る六月三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後一時十分散会

