衆議院

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第7号 平成28年12月2日(金曜日)

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平成二十八年十二月二日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 西銘恒三郎君

   理事 今枝宗一郎君 理事 岩田 和親君

   理事 中根 一幸君 理事 西村 明宏君

   理事 宮内 秀樹君 理事 津村 啓介君

   理事 本村賢太郎君 理事 佐藤 英道君

      秋本 真利君    大塚 高司君

      大西 英男君    加藤 鮎子君

      門  博文君    金子 恭之君

      神谷  昇君    木内  均君

      工藤 彰三君    小島 敏文君

      小松  裕君    國場幸之助君

      佐田玄一郎君    鈴木 憲和君

      瀬戸 隆一君    田所 嘉徳君

      津島  淳君    中谷 真一君

      中村 裕之君    長尾  敬君

      根本 幸典君    藤井比早之君

      藤丸  敏君    藤原  崇君

      古川  康君    堀井  学君

      前田 一男君    望月 義夫君

      荒井  聰君    黒岩 宇洋君

      小宮山泰子君    松田 直久君

      松原  仁君    水戸 将史君

      村岡 敏英君    伊佐 進一君

      北側 一雄君    中川 康洋君

      吉田 宣弘君    清水 忠史君

      田村 貴昭君    本村 伸子君

      椎木  保君    野間  健君

    …………………………………

   国土交通大臣       石井 啓一君

   内閣府副大臣       越智 隆雄君

   国土交通副大臣      末松 信介君

   国土交通大臣政務官    藤井比早之君

   国土交通大臣政務官    大野 泰正君

   国土交通大臣政務官    根本 幸典君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      広瀬  直君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 長谷川 豊君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           白間竜一郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           三田 紀之君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         五道 仁実君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            藤井  健君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        山田 邦博君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  石川 雄一君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  奥田 哲也君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 藤井 直樹君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  菊地身智雄君

   政府参考人

   (観光庁長官)      田村明比古君

   政府参考人

   (気象庁長官)      橋田 俊彦君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月二日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     門  博文君

  木内  均君     小松  裕君

  橋本 英教君     瀬戸 隆一君

  古川  康君     長尾  敬君

  望月 義夫君     藤丸  敏君

  横山 博幸君     松田 直久君

  中川 康洋君     吉田 宣弘君

  清水 忠史君     田村 貴昭君

同日

 辞任         補欠選任

  門  博文君     秋本 真利君

  小松  裕君     木内  均君

  瀬戸 隆一君     國場幸之助君

  長尾  敬君     古川  康君

  藤丸  敏君     望月 義夫君

  松田 直久君     横山 博幸君

  吉田 宣弘君     中川 康洋君

  田村 貴昭君     清水 忠史君

同日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     藤原  崇君

同日

 辞任         補欠選任

  藤原  崇君     橋本 英教君

    ―――――――――――――

十二月二日

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案(二階俊博君外三名提出、第百九十回国会衆法第五一号)

は委員会の許可を得て撤回された。

十一月二十四日

 精神障害者の交通運賃に関する請願(牧義夫君紹介)(第一四四一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案(二階俊博君外三名提出、第百九十回国会衆法第五一号)の撤回許可に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件

 無電柱化の推進に関する法律案起草の件

 自転車活用推進法案起草の件

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案起草の件

 運転者への健康起因事故対策に関する件


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     ――――◇―――――

西銘委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房技術審議官五道仁実君、国土政策局長藤井健君、水管理・国土保全局長山田邦博君、道路局長石川雄一君、鉄道局長奥田哲也君、自動車局長藤井直樹君、港湾局長菊地身智雄君、観光庁長官田村明比古君、気象庁長官橋田俊彦君、内閣官房内閣審議官向井治紀君、日本経済再生総合事務局次長広瀬直君、警察庁長官官房審議官長谷川豊君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、大臣官房審議官白間竜一郎君及び経済産業省大臣官房審議官三田紀之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西銘委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津村啓介君。

津村委員 日本の天気予報につきまして、精度向上を図る観点から、気象庁を所管する石井国土交通大臣に質問をいたします。

 天気予報は、観測、解析、予測、応用、予報の五つのステップを経て作成されております。

 精度を大きく左右する要因といたしましては、一次資料である観測データの精度、解析、予測に使うスーパーコンピューターの演算能力、そして最終段階として、予報官による主観的な判断、この三つの要素が大きく挙げられると思います。この流れを示しましたのが、皆様のお手元に配っております資料一でございます。

 おめくりいただきまして、資料二は、スーパーコンピューターがはじき出しました数値予報、これは気象庁でよく使う用語ですけれども、数値予報の適中率と、実際に予報官が主観的な判断も交えて発表した発表予報の適中率の比較でございます。

 一部御紹介いたしますと、降水の有無の適中率は、発表予報の適中率が八五・九%、そのもととなっているスーパーコンピューターの数値予報の適中率は八五・三%。これをどう見るかは皆様の御評価だと思いますけれども、予報官の、鉛筆をなめるといいますか、主観的な判断によって、〇・六%の改善が見られている。

 これをさらにブレークダウンしてみますと、降水あり予報、つまり雨の予報の適中率は、数値予報と発表予報が、小数点第一位まででいえば七九・八%と、同じであります。さらに子細に見ますと、〇・〇七%、発表予報の方がよいということだったと思います。降水なし予報というのは、晴れまたは曇り、雨が降らなかった日の予報ですが、発表予報と数値予報で、八八・八%、八七・八%、一%の違いがございます。

 これは予報官のお仕事の評価にもつながってくるわけでありますけれども、大臣、この数字を見ての御感想をお聞かせください。

石井国務大臣 近年、スーパーコンピューターを用いた数値予報の技術が向上しておりまして、これに伴い、予測精度も向上しております。一方で、現在の数値予報では、局地的な降雨などの発生場所や時間帯を正確に特定して予測することには限界がございます。

 このため、気象庁の天気予報は、より適切な予報内容となるよう、予報官が、数値予報の結果と降雨などの実況との比較、数値予報が十分に表現することのできない地形による影響や予報官の経験による知見などに基づき、必要な修正を行った上で、発表予報として発表してございます。

 天気予報と数値予報の適中率に大きな差はございませんが、気象庁では、今後とも、数値予報の精度向上とともに、日々の予報の検証などを通じ予報官の能力向上を不断に図り、より適切な天気予報を発表できるよう努めてまいりたいと存じます。

津村委員 一枚おめくりいただきますと、資料三でございます。こちらは折れ線グラフとなっていますが、気象用語ですので皆さん少しわかりにくいかもしれませんけれども、上のグラフは雨の予報の適中率のグラフです。下の予報は晴れと曇りです、降水なしです。

 目盛りのところをよくごらんいただきますと、晴れまたは曇り、降水なしの天気予報については、足元八九%まで適中率が上がってきている。ずっと二十年以上前からのグラフですけれども、押しなべて右肩上がりのグラフになっております。

 一方で、上の降水あり、雨の予報につきましては、スーパーコンピューターが、大体五、六年に一度ですか、更新されているにもかかわらず、二十年前とほとんど適中率は変わっていません。見ようによっては伸び悩んでいるという評価になるのではないかと思いますけれども、この雨の天気予報の適中率が一向に向上していないことについて、大臣の所見を伺いたいと思います。

石井国務大臣 気象庁によりますと、日本で一年間に一ミリ以上の雨が降る日数は全国平均で三割強、一方で、雨が降らない日数は七割弱でございます。

 降雨なしの予報より降雨ありの予報の適中率が低くなる主な要因は、適中率は、一般に、現象の出現確率の高い低いによるものと考えられます。出現確率の高い方が適中率が高くなるということで、雨が降らない方が出現確率が高うございますので、それによって、適中率も、雨が降る方に比べて高くなるということが考えられます。

 一方、降雨あり、雨が降る適中率が低くなるのは、現状においては、局地的な降雨の予測技術に限界があることも一因でございまして、降雨予測の技術を一層改善し、適中率を向上させていくことが必要と考えてございます。

 近年のひまわり八号等の観測データの活用や、スーパーコンピューターを用いた予測技術の改善等により、適中率は徐々に向上しているところでございまして、気象庁では、今後も、降雨の有無を的確に予報できるよう、引き続き、観測、予測技術の向上に努めてまいりたいと存じます。

津村委員 国土交通委員の皆さん、資料四は、降水の有無、つまり、雨が降るか降らないかの適中率の、季節ごと、かつ地域ごとの実績であります。北海道と沖縄は予報が難しい、そして夏と冬は予報が難しいということであります。皆さんの御地元も含めてごらんいただければというためにつけました。

 おめくりいただきまして、資料五でございますが、こちらは、二十四時間先までの降水確率予報の精度でございます。

 あすの降水確率は二〇%とか五〇%とか、そういう天気予報をするわけですけれども、これをごらんいただきますと、過去四年間、きれいに同じようなカーブになっています。S字型のカーブを描いています。

 これをわかりやすく言うと、皆さん、天気予報で降水確率一〇%と言った場合には、実際には二%の確率で雨が降ります。降水確率二〇%と報道されたら、実際には六、七%の確率です。三〇%なら一五%、四〇%なら二五から三〇%。六〇%と言われた場合は、本当に六〇%の確率で雨が降ります。八〇%なら、八五%の確率で雨が降ります。つまり、明らかに、実際に報道されているものと実績値はいつもきれいに違っているんですね。

 大臣、こういう傾向があるのであれば、なぜ予報の仕方を変えないんですか。例えば、今、四〇%と報道されている日は、本当は三〇%と報道するべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

石井国務大臣 気象庁によりますと、御指摘の降水確率予報の精度の傾向につきましては、次の三つの原因が考えられるということでございます。

 第一点として、現在の数値予報の技術では、局地的な降雨の発生場所及び時間帯を正確に特定して予測することには限界があることから、降水確率の予測には誤差が含まれるということでございます。

 二点目としては、局地的な降雨が発生しやすい気象状況で、予測技術上、発生場所や時間帯が特定できない場合は、雨への備えがない状況で雨に降られる際の社会的な影響を考慮し、当該地域の広い範囲に降水確率を〇%とするのではなくて、一〇%から四〇%として発表することとしているということでございます。この場合、実際に雨が降る地域は限られていることから、結果として、実際に降水が発生した割合が予報より小さくなる傾向が生じてございます。

 三点目、これは非常に専門的で、わかりやすく説明するのは非常に難しゅうございますが、降水確率予報を四捨五入により一〇%刻みで発表することによる影響があると聞いております。例えば、降水確率予報一〇%の場合を例にとると、降水の出現確率から見れば、一〇%を挟んで、一〇%に引き上げる事例数の方が引き下げる事例数より多くなるということから、降水確率予報の値が小さくなればなるほど、実際に降水があった割合が小さくなる傾向がより強くあらわれると聞いております。

 降水確率予報の値を実際に降水が発生した割合に近づけていくことは重要でございまして、気象庁では、引き続き、ひまわり八号等の観測データのさらなる活用やスーパーコンピューターを用いた予測技術の改善等に取り組んでまいりたいと存じます。

津村委員 今、大変詳しい御答弁をいただきまして、三つの要素についてお話をいただきました。

 多少専門的でしたので、私なりに三つを委員の皆さんに少し解説させていただきますと、一つ目は、スーパーコンピューターの技術的な能力の問題です。二つ目は、雨と言って実際は晴れても余り世間的には怒られませんが、晴れと言っておいて雨になったらクレームが来る、そういう外し方をすると厄介だという大人の事情が二つ目。そして三つ目は、一〇%刻みだから切り上げておいた方がいいだろう、そういうことだと思います。

 これはもう本当に哲学の問題なので、皆さんの御評価ですけれども、これは大臣に政治家として伺わせていただくんですが、世間の皆さんは、純粋に科学的に天気予報、降水確率が報道されていると思っている方の方が多いと思うんですけれども、先ほどの二番目の要素、社会的な影響を考えて少し高目に、どちらかというと降るかもしれないんだったらちょっと可能性があるようなことを言っておこうという大人の事情が混入していることについて、大臣は、天気予報はそういうあり方でいいと思いますか。

石井国務大臣 ベースは科学的な予測ではありますけれども、社会的な影響を考慮することも、それは十分あってよろしいことだと私は思っております。

津村委員 数字は数字として説明しながら、これだけ気象予報士の皆さんも大勢いらっしゃるし、気象庁の皆さんも説明能力を高めていらっしゃるので、プラスアルファの説明ですればいいと思うんですけれども、いかがですか。

石井国務大臣 恐縮ですが、プラスアルファの説明というのがよくわかりませんが、どういうことでございましょうか。プラスアルファの説明というのがよく理解できませんが……。

津村委員 つまり、数字をなめているわけですよね。科学的なデータに人間の判断を混入して数字として発表するというのは、数字の扱いとして不適当ではないかと言っているんです。

石井国務大臣 先ほど御答弁いたしましたが、局地的な降雨が発生しやすい気象状況ではありますが、発生場所や時間帯が特定できない場合、それを、当該範囲の広い範囲に降水確率をゼロとするのではなくて、一〇%から四〇%として発表するということでございます。

 ですから、ベースとしては、局地的な降雨が発生しやすい気象状況だという科学的な知見をもとにして、さらに、雨への備えがない状況で雨に降られる際の社会的な影響を考慮しているということで、私は、適切であると考えております。

津村委員 科学者として誠実な態度でその数字を扱うとすれば、スーパーコンピューターによれば〇%、ないしは四捨五入すると〇%になる結果ではあるけれども、しかし、当該地域のどこかでは誤差の範囲で雨が降るかもしれない、そういうことですよね。それを一〇%から四〇%と言うのは間違っていませんか。

石井国務大臣 価値観の問題かもしれませんが、私は、気象庁は単純な研究機関ではなく行政機関の一部でもございますので、そういった社会的な影響を考慮することも当然あってしかるべきというふうに考えております。

津村委員 一番最初に申し上げたとおり、おっしゃるとおりで、これは価値観の問題です。そういうことでやるというのであれば、それは決めの問題ですから、大臣がそこまでおっしゃるのであれば、それで結構かと思います。

 そこで、提言ですけれども、一〇%刻みであることが予報との乖離を生んでいるということを三点目でおっしゃいました。では、五%刻みにするというお考えはありませんか。

石井国務大臣 これは、受けとめる方がどういうふうに受けとめるかということかと思いますけれども、例えば、五%とか一五%とか二五%と言われても、なかなか、五%刻みに余り細かく出されても、聞く方もちょっと困ってしまうのではないかなという感じがいたします。

津村委員 皆さん、私、S字カーブをお見せしました。これは、ずれているじゃないかという評価もできる一方で、きれいにずれているんですね。つまり、ある意味ではすごく精度が高いんです。ですので、ある種の方程式をここに加えれば、多分、きれいな確率になっていくとも思うんです。

 つまり、私は、ちょっと意地悪な質問もしたかもしれませんけれども、気象庁さんのスーパーコンピューターの能力は極めて高いということを申し上げているんです。だとすれば、例えば、一%刻みと言いたいところですけれども、五%刻みで報道しても、かなりの確率で当たるんだと思うんです。当てようと思えば当てられるんだと思うんです。そういうふうにした方が、一〇%とか三〇%とかというよりも、気象庁はすごいな、正確だなと。実際に当てられるんですから。最初に一〇%刻みを導入されたのはもう何十年も前の話ですから、技術は進歩しているわけで、ひまわり八号、九号ももう既に運用されているわけで、九号もこの間、軌道に乗ったわけですから。

 今後の課題ということかもしれませんけれども、さらに正確な情報を国民の皆さんに提供するということについて、大臣のお考えを伺いたいと思います。

石井国務大臣 世界各国の天気予報がどういう降水確率を出しているのか、私、つまびらかに知りませんけれども、そういったことも参考にしながら、どこまで細かい情報を出すのがいいのか、受けとめる側の反応も考えながら、せっかくの御指摘でございますので、これは少し検討してみたいと思います。

津村委員 資料を幾つかつけさせていただきましたので、皆さんに御参考までに少し御紹介したいと思います。

 資料六ですけれども、これは、三年前に導入された、数十年に一度の大雨が降る、数十年に一度の災害が来るよという特別警報の発令実績であります。

 この三年間で、数十年に一度というのが六本発令されています。正確に言いますと、これは、その地域で数十年に一度ですから、日本全体で数十年に一度ではありませんから、地域の数がたくさんあれば数十年に一度もたくさんあるということで、平均すると一年に二つぐらい出ている、こういうことなんだろうと思いますが、こうしたことも、数十年に一度という最初のアナウンスメントが非常に印象に残っていますので、特別警報が、そんな数十年に一度が毎年あるのか、今、日本はそんなにすごいことになっているのかというような、誤ったというか、やや大げさなインフォメーションになっているのじゃないかなということをお示しした資料でございます。

 時間がございますので、次の資料を少し御紹介します。

 全国の測候所がほとんど廃止されてしまって、今、二つだけになってしまっていると思うんですけれども、自動観測をされた結果、気象業務法、おめくりいただきますとその施行規則を御紹介しているんですけれども、このルールが厳密であることによって、今まで、有人観測をしている場合では観測できたものが、自動観測によって観測できなくなった。例えば雷なんかがそうですね。有人観測をしているところでは大体年間二十五とか十七なんですけれども、自動観測にした結果、雷というのは観測できなくなってしまった。あるいは、資料七の一番下、天気不明というのが十三カ所になってしまった。

 お金も人も限られていますので、測候所をある程度合理化していく、技術開発が進んだ結果、無人化していくということはある程度避けられないんだと思いますけれども、こうした気象業務法の定義の問題で、観測ができない、あるいはこういう定義にはまらないということがあるとすれば、それは非常に残念なことだと思います。

 私も、もう少し勉強しなければ一つ一つの事象についてさらに詳しい問題提起はできないと思っていますが、論点だけ提示させていただきたいというふうに思います。

 最後に、時間となりますので、少し話題をかえまして、シップリサイクル条約について一点問題提起をして、終わりたいというふうに思います。

 日本は、世界有数の海運・造船国でございますが、IMO、国際海事機関の事務局長も輩出した、世界から大変信頼されている国家でございます。そのIMOで二〇〇九年に採択されたシップリサイクル条約につきまして、先日も、安倍総理とインドのモディ首相が、その締結、発効に向けてお互い努力をしていこうと。インドもメジャープレーヤーですし、日本もメジャープレーヤーですので、これは非常に重要な安倍総理のお取り組みだと思います。

 そうした中で、船腹量で世界第一位のパナマが、ことしの九月に条約の締結をして、実際に発効に向けてかなり大きな前進が見られています。

 国交省さんとしても、このシップリサイクル条約の発効に向けて法整備が必要だと思いますけれども、私が伺っている範囲では、来年の通常国会でそうした取り組みをする予定はないということであります。遅くとも再来年の通常国会におきましては条約締結の手続を行っていくべきだと考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

石井国務大臣 シップリサイクル条約は、船舶の解体における労働安全、環境保全を図る国際的枠組みでございます。海運市場から老朽船が円滑に退場し、世界の海事産業の持続的な発展に資する観点からも、極めて重要なものであると考えております。

 この条約が発効するためには、締約国の数、締約国の船腹量に加えまして、締約国における船舶を解体する能力の合計が一定量を超える必要があることから、主要な解体国の締結が不可欠となっております。

 このため、国土交通省といたしましては、早期発効に向けまして、主要解体国であるインドと、条約の締結を促す政策対話を行ってまいりました。十一月十一日に行われました日印首脳会談におきまして、両国首脳が本条約を早期に締結する意図を表明したところでございます。

 国土交通省といたしましては、委員御指摘のタイミングも意識しながら、早期締結に向けまして、関係省庁や関係業界と連携をいたしまして、国内法制化の検討作業を加速させてまいる所存であります。

津村委員 再来年の通常国会というタイミングを意識していただいて、大変ありがとうございます。

 時間が参りましたので、終わります。

西銘委員長 次に、荒井聰君。

荒井委員 民進党の荒井聰でございます。

 きょうは、二十分、短い時間なんですけれども、いただきましたので、質問をしたいと思います。

 まず冒頭、今、津村さんから気象庁のお話がございましたけれども、私は、この十数年、もっとかな、気象庁の業務というのは物すごく大事になってきた、いろいろなふうに頑張っておられるのもわかるんですけれども、国民からの期待というのは大変大きなものになってきているんじゃないかなというふうに思います。

 大臣、これは要望ですけれども、気象庁の人員整備、予算、あるいは、ほかの省庁との、特に文科省との人事交流など、気象庁体制の整備ということを国交省で真剣に検討していただきたいなというふうに思います。

 そこで、今、日本は地震活動期に入ったというふうに、世界じゅうの学者がそういう言い方をしているんですけれども、地震を引き起こす地下のエネルギーというのがどこでどういうふうにたまってきているのかというのは、おおよそ見当がつくような、そういう技術的なものもできたというふうに言われているんですね。

 そこで、これは文科省になるのか内閣府になるのか、今、日本全体でどういうところに地下のエネルギーがたまっているのか、つまり、どういうところで地震の起きる可能性が高まっているのか、そういう話をお答えいただきたいんです。

 それから、熊本のとき、熊本の地震が発生する直前まで、地震の発生する確率みたいなことを発表されていましたよね。それが千分の一とかあるいは一万分の一とかというような確率の表現の仕方がされていたので、それを普通の一般の人が見れば、めったに来ないんだということで、熊本は安全なところだよというような行政の仕方をしていて、それがそうじゃなかったという話になって、その後、表示方法を変えたというふうに聞いておりますけれども、そのあたりも含めて御説明いただけますか。

白間政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、現在の日本国内での地震を引き起こすエネルギーについての御質問でございます。

 地震を引き起こすエネルギーにつきましては、最近、京都大学における、例えば、陸域の地殻変動の観測データを用いて全国の陸域のひずみの蓄積の状況を分析されたり、また、海上保安庁では、南海トラフ付近の海底の地殻変動の観測データを用いまして同海域のひずみの蓄積の状況などを分析した、そういった研究成果が出されているというところでございます。

 一方で、地震を引き起こすエネルギーの蓄積を正確に計測して地震発生の予測にまで活用する、こういった手法については、残念ながらいまだ確立をされていないというところでございまして、先生の御質問に直接お答えをするに至っていないというのが現状かと思っております。

 もう一つの地震発生の確率の御質問でございます。

 これについては、御指摘のように、ことしの四月の熊本地震が発生した際に、先生が御引用なされたような御指摘がございました。

 これまで、地震調査研究推進本部では、主要な活断層帯で発生をします地震の長期的な発生の確率、また規模などを長期評価として公表してきたところでございますけれども、熊本地震で発生をいたしました例えば布田川断層帯の布田川区間、これについては、この長期評価ではほぼゼロから〇・九%で、やや高いという評価であったわけですけれども、これが自治体の担当の方、また一般の国民の方々に正しく危険性を伝えられていないのではないかという御指摘がございました。

 これを受けまして、地震調査研究推進本部では、地震発生確率をできるだけわかりやすく表現するにはどうしたらよいかということを検討いただきまして、八月に、新たな表記方法として、地震の発生確率に応じて、例えばS、Aなどを用いたランク分けということを導入したところでございます。

 引き続き、国民の皆様にわかりやすい地震情報の提供に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

荒井委員 今、どこにどのぐらいのエネルギーがたまっているのかというのは、研究はやっているけれども、それは公表する段階にはない、そういう回答だったんですけれども、既に幾つかの研究機関やあるいは大学で、こういうところにエネルギーがたまっているよというようなことがウエブ上ではもう随分流れていますよね。それが正しいかどうかはよくわかりませんけれども、そういうことも含めて、科学者というのは、正確でないと発表しない、そういう特色がありますけれども、これは行政機関ですから、特に地域住民に対する啓発というか、そういうことを重んずるべきだと思いますので、私は、前広にそういうものを明らかにしていくことが大事だというふうに思います。

 そのほかに、二年前だったでしょうか、御嶽山の火山の爆発によって、火山の予知なりあるいは警告というものを、スマートフォンで風水害の被害警告のようなことができるのではないかということを、かつて私が指摘したことがありました。その際にも、それは将来検討したいという議論がありましたけれども、津波の情報でありますとかそういうものについては、スマートフォンというのは、もう今ほとんどの高校生は持っています。中学生だって持っていますよね。その意味では極めてすぐれたツールだと思うんです。弊害もありますよ。だけれども、そういうものですので、もっとそれを使った方がいいのではないだろうか。

 あわせて、石巻で小学生が津波の犠牲になったことで裁判が行われ、その裁判で石巻市が敗北をいたしました。それを踏まえて、防災教育というのはますます大事になってくると思うんです。

 津波というのは、例えば、三十センチの津波というと、ああ、これは大したことないというふうに思うんですけれども、現実に三十センチの津波に面と向かうと、これは藤沢だったと思いますけれども、研究所があって、そこで津波を引き起こす実験をやっています。それを見たことがありますけれども、五十センチ四方のコンクリートのブロックが吹っ飛んじゃうんですね、三十センチぐらいの津波であっても。

 そういうことをしっかりと子供たちに教えていくという防災教育、それから、特にこれから起きる東南海や関東周辺ではそういう防災教育というのはとても大事になると思うんですね。

 そういうようなものもあわせて、文科省、いかがですか。

瀧本政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国におきましては、全国どの地域におきましても自然災害が発生する可能性があり、その規模は従来の想定を超えることもあり得るため、日々の教育活動を通じ、災害時にみずから危険を予測し、安全な行動ができる判断力などを児童生徒に身につけさせることが重要と考えております。

 また、自然災害が現に発生した際、児童生徒の安全を守るためには、各学校において、それぞれの地域の特性に応じた防災マニュアルをあらかじめ作成するとともに、教職員の訓練や研修に努めるなど、教職員が適切に対応できるようにしておくことが重要と考えております。

 このため、文部科学省では、東日本大震災の教訓も踏まえ、これまで、児童生徒がみずからの命を守り抜くため、主体的に行動する態度等を育成するための新たな防災教育の手法の開発、及び、その成果の全国への普及を図るとともに、防災教育を系統的、体系的に整理しました教職員向けの指導用参考資料や地域の特性に応じた学校防災マニュアルの作成を促すための手引の作成、配布を行いましたほか、防災教育を行う教職員を対象としました研修の促進などを行ってきたところでございます。

 引き続き、文部科学省としては、全国どの学校においても子供たちの安全が守られるよう、来年度以降につきましてもこれらの事業を継続するなど、学校におきます防災対策のさらなる充実に取り組んでまいる所存でございます。

 以上でございます。

荒井委員 この大川小学校の例は大変痛ましい例だったですね。防災教育であるとか、あるいは教職員が津波に対する深い理解をしっかり持っていれば防げたかもしれないですよね。そういう意味では、災害ということに対してもっと多くの国民が関心を持ち、それに対する日ごろの準備ということが大事だと思います。

 政府の強靱さというか、あるいは政府自身の柔軟さとか強さとかというのは、一番端的にあらわれるのは災害のときなんですよね。災害のときにどのぐらい敏速に対応できていたのか、日ごろからの準備ができていたのか、全てトータルでそこのところにあらわれるんだというふうに私は思います。

 江戸時代に徳川綱吉というのがいました。犬公方と言われたんですけれども、あれは何で犬公方になったかというと、彼は、政権をとって十年ぐらいたったときに、全てうまくいっているので、有頂天になっていやしないかと自分に警告を発するために、災害が起きたときは、これは神からの、天からの警告だというふうに受け取って、それを部下にずっと言っていた。そうすると、そのときに、富士山の火山爆発が起きて大きな被害が起きたんですよね。これに対する適切な対応というのは、綱吉の時代ですけれども、余りうまくいかなかったのではないかというふうに言われています。

 ところで、きょうはJR北海道問題について集中的にやるつもりでおりました。ただ、災害の話というのは、私はずっとこの問題は日本で最大のテーマだと思っていますので、冒頭やらせてもらいましたけれども、JR北海道問題について議論をさせていただきたいというふうに思います。

 JRが、北海道の全線の半分ぐらいに相当する十三線を廃線あるいは何とかしてくださいというような話を、JR北海道が先般記者会見をいたしました。その話が北海道でも伝わっていて、大きな話題になっているというか課題になっているんですね。

 そういうことだったので、民進党の中にもJR北海道問題のプロジェクトチームというのをつくって、私が座長をやらせていただいているんですけれども、そのチームで、先般、JR北海道、北海道運輸局、それから北海道庁、三者と意見交換会をいたしました。

 そのときに、北海道運輸局に行ったときに、北海道運輸局はこういう回答をいたしました。今私が議論している問題については本省マターですので、運輸局としては何ともお答えできかねますという話でした。私はそのときに怒りました。北海道の運輸局が、十年か二十年に一回の大きな課題です、それについてそういう回答しかできないというんだったらば、もう運輸局要らないよ、地方運輸局要らないよ、そういう話になるぞ、この問題は北海道の道民と一緒になって運輸局が取り組むべき、そういう問題だということを指摘させてもらったんです。

 皆さんのお手元に、JR北海道を取り巻く状況の変化というペーパー一枚、これは鉄道局がつくってくれたペーパーなんですけれども、これを見ると、道内の人口が減っている。それから、二番目の欄の道内の高規格道路、これは高速道路も含めた高規格道路ですけれども、実に、昭和六十二年度の国鉄の分割・民営化の時点では百六十七キロしかなかったのが、平成二十七年度では六・五倍の一千キロを超えているんですね。それから、道内の自動車保有数も一・八倍。それから、これは札幌圏への人口集中というふうに見たらいいと思うんですけれども、一・八倍。そこまでが北海道を取り巻く状況の変化だというふうに思います。

 こういう状況の変化に合わせて、JR北海道は経営の改革なり経営の変化ということをやってきたのか。やれていなかったんだと思うんですね。

 だから今の状況が出てきているわけで、その結果というか、そういういろいろなものの積み重ねが、民営化のときに、経営基金をつくって赤字を補填するんだ、そういう予想で経営基金をつくったわけですけれども、その経営基金の運用利回りが、昭和六十二年度は七・三%だったんですけれども、平成二十七年度では五・一%。これは、五・一%というのは物すごくよく頑張っていますよ。この低金利の時代で五・一%というのは非常に頑張っていると思うんですけれども、この差額分をJR北海道に負担しろというのは、私は非常に酷だというふうに思います。

 それでは、JR北海道自身が経営の合理化なりなんなりで努力しなかったのかというと、昭和六十二年度のときに一万二千七百人いた職員が、現在では七千人強になっている。努力もしているわけですけれども、どうしてこうなっちゃったのかということであります。

 今回、もう五分しかないというので、二つだけ質問します。

 一つは、私、道庁時代ですから、もう二十五、六年ぐらい前に、銀河線の廃線問題に直接携わりました。あのときに副知事をやられていた、自治省から来た鈴木さんという方が鉄道オタクでして、鉄道がすごく好きだったんですね。この銀河線という名前も大体これは宮沢賢治に由来する名前ですから、廃線にしたくなかったんですけれども、やむなく第三セクターに移管して、基金を積んで運行、そういう手法に頼らざるを得なくなりました。それが、今JR北海道が希求しているというか求めている解決の手段の一つなんですね。

 しかし、結果はどうだったのか。わずか十年しかもちませんでした。積んだ基金は十年でなくなって、運営ができなくなってしまって、結果的には第三セクターも廃線になってしまった。

 今、上下分離だとかいろいろなことを議論しているんでしょうけれども、そういうものを踏まえて、銀河線の廃線問題も含めて、この問題について大臣はいかがお考えなのか、ちょっとお聞かせいただけますか。下から二番目ぐらいの質問です。

根本大臣政務官 輸送人員が減少し、鉄道の特性を発揮しづらい路線であっても、地元における利用促進、自治体における赤字補填、上下分離方式などにより鉄道の存続に取り組んでいる事例は全国各地に見られるところであり、こうした取り組みも地域において公共交通を確保するための一つの方策であると考えております。

荒井委員 大臣、最後の質問をいたします。

 JR北海道の経営がこういう状況になってしまった、JR北海道の経営の失敗というふうに一般的に言われているんですけれども、しかし、片一方で、競合相手になる高速道路をどんどんつくって、そして、バスには補助金をある程度つぎ込んで、それと競争させながら、そして、地方の輸送客の定員数というか人員数はその地域でどんどん少なくなっているわけですよね。つまり、過疎化の影響が出ているんです。北海道の鉄道問題というのは、ある意味では、地域消滅、人口の減少、あるいは地域での振興策の失敗といったことがこの鉄道問題に出てきているんだと思うんです。

 その意味では、地域振興策がうまくいかなかった、あるいは人口動態をうまく的確に上げることができなかったというのは、JRの責任じゃなくて、国やあるいは北海道庁の責任がとても大きいと思うんですね。

 これらを踏まえて、このJR北海道問題、大臣としてどうお考えなのか、お聞かせ願えますか。

石井国務大臣 現在、JR北海道は厳しい経営状況に置かれておりますけれども、これは、委員今御指摘いただいたように、北海道における地域の人口の減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴いまして、路線によりましては鉄道の利用者が大きく減少し、大量の旅客を高速で輸送できるという鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加していることが大きな要因になっているものと考えております。

 こういった中、JR北海道は、地域特性に応じた持続可能な交通体系のあり方について地域と相談を行っていく意向を明らかにしておりまして、今後、単独では維持困難な線区について、地域の交通を確保することを前提に、JR北海道から相談が開始されることになると承知をしてございます。

 国といたしましても、北海道庁と連携をしながら、このJR北海道と地域との協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか、検討してまいりたいと考えております。

荒井委員 今の大臣の答弁、北海道民にとっては大変希望の持てる答弁だったんじゃないかと思うんです。

 銀河線のときの経緯というか経験からいうと、鈴木さんは、月に一回ぐらい銀河線に乗りに行っていまして、その地域がどうなのかというのを自分の肌で感ずるんだと言って鉄道に乗っていました。

 私は、できるのならば、国交省で、政務官でも副大臣でも、担当の政治家の方を決めていただいて、JR北海道の廃線の課題になっているところを丁寧に歩いてみていただきたい、乗ってみていただきたい、その地域の状況はどうなのかということを肌感覚として知っていただきたい、それを希望いたしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

西銘委員長 次に、村岡敏英君。

村岡委員 おはようございます。民進党、秋田県出身の村岡でございます。

 先日の質問で、大臣に、秋田県の直轄道路の中の逆走事件のことをお聞きいたしました。高齢者であるというよりも、私も何回もそのインターチェンジを乗ったことがありますけれども、平面交差で大変わかりにくかった、そういうことの中で、午前四時ごろ、逆走して正面衝突して三人の方が亡くなったという痛ましい事故でありました。

 その後、早速、日本海沿岸東北自動車道大内ジャンクションの事故対策会議をやったと聞いておりますが、どのような対策会議をやったか、言っていただければと思います。

石川政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の十月二十一日の逆走の事故を受けまして、大内ジャンクションの対策につきまして、事故原因の分析や再発防止を図ることを目的に、十一月十日に、有識者、秋田県、国土交通省、高速道路会社により構成される大内ジャンクション事故対策会議を開催いたしました。

 その会議におきましては、事故の概要及びこれまでの対策を確認した上で、追加対策について議論をいたしまして、平面交差部等において誤進入を防止するためのカラー舗装や方向案内看板、ラバーポール等の設置、また、分岐部において目的地へ正確に誘導するための方向予告標識や点滅器の設置などを決定いたしました。

 その後、会議の決定を踏まえまして、関係機関が連携をいたしまして、これまでに、カラー舗装、ラバーポール、分岐部における点滅器等の設置を既に完了したところでございます。

 残っておりますのは方向案内看板と方向予告標識でございますが、これについては現在製作中でございまして、年内を目途に設置を終えまして、事故対策会議において、その後の事故発生状況などをフォローアップした上で、追加対策がさらに必要かどうか、その必要性についても検討してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

村岡委員 その対策をやって、早急に逆走のような形で入っていかないようにしていただきたいんですが、事故が起きたからということで、実は、この大内ジャンクションも一回対策はしているんですね。ですから、直轄道路の全インターチェンジで逆走のような形で間違って反対方向に行くことがないように、全国的にもやっていただきたいと思っております。

 基本的に無料の道路ですから、このインターチェンジが、上下線の中でおりてくる、それから乗るところと、一時停止して高速道路に乗る、おりるというものは、例えば、そこの地元の人ならある程度わかるんですけれども、観光客の方が来たら、高速道路で信号もないのに、一時停止しておりていくとか、一時停止して上っていくとか、これはわからないんですよ。だから、表示だけじゃなくて、そういう案内もしっかりすることによって事故を防いでいただきたいと思いますので、お願いしたいと思います。

 そして次に、この前、そのとき大臣に御質問した件で、これは国交省の方が来られていると思うのでお聞きしたいんですが、高速道路、自動車専用道路の暫定二車線は今全国で何キロありますか。

石川政府参考人 お答えいたします。

 高速道路の暫定二車線の延長ということでございますが、料金を徴収しています高速道路、これにつきましては、現在約九千三百キロメートル開通しておりまして、そのうち、おおむね三割に当たります約二千五百キロメートルが暫定二車線区間として開通をしております。この中には、付加車線が設置されている区間や、現在四車線化事業を行っている区間も含まれております。

 また、無料の高速道路につきましては、現在約二千キロメートルが開通しておりますが、そのうち、おおむね八割に当たります約千六百キロメートルが暫定二車線区間として開通をしております。

村岡委員 この暫定二車線区間の事故というのは非常に危険だということで、つい一昨日もNHKで、ニュースの中で特集みたいな形でやっておりました。

 この中で、警察庁の方で来ていただいていると思いますが、昨年の高速道路の中での追突事故の件数、また正面衝突の件数、これをちょっと教えていただければと思います。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十七年中の高速自動車国道及び自動車専用道路におけますいわゆる非分離区間の人身事故件数についてでございますけれども、こちらは三百四十一件、このうち死亡事故が二十三件となっております。

 これらの事故形態について、委員お尋ねの件、この三百四十一件のうち、追突事故が二百三十二件、このうち死亡事故が四件、また、正面衝突など反対車線にはみ出しての対向車との衝突事故が四十六件、うち死亡事故は十三件となっております。

村岡委員 その原因というのが、NHKのニュースでやっていただけの原因なのかどうかわかりませんが、特に、この暫定二車線、七十キロ制限になっています。でも、実際の平均速度は八十五キロぐらいになっていると言われています。そうしますと、七十キロの制限で、例えば道路幅もとっている、そして中央分離帯もラバーポールにしている、その中で事故が起きた場合には、本当に死亡事故につながる、大きな事故につながる原因が一つあると思います。

 警察庁の方では、特に高速道路の暫定二車線で起きている事故に関しては、どういう原因だと分析していますか。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の人身事故の主な原因についてでございますけれども、先ほど申し上げました件数、三百四十一件のうち、脇見、漫然運転等の前方不注意が百三十件、また、前を見ていたけれども車の動きをよく見ていなかったなどの動静不注視が百十四件などとなっているところでございます。

村岡委員 人為的に誤操作とかハンドルミスとか、そういうのはあると思います。その中で、ただ、暫定二車線の中央分離帯がラバーポールであることによって、対向車線に正面衝突で当たる。

 秋田県で、実は、大臣に質問してから十日後に、ラバーポールを乗り越えて対向車線に入って若い大学生が二人死亡いたしました。本当に痛ましい事故です。本人のミスはあるけれども、それが構造によって大きな事故になっているというのは、やはり安全性からいってこの対策をしっかりしなきゃいけない、こう思っています。

 大臣は、そのとき質問したときに、ラバーポールから、一つの検討として、ワイヤロープというのも検討するということを言っていただきました。皆さんのところに、資料一ということで、ラバーポールとワイヤロープの写真を載せさせていただきました。

 ラバーポールというのは、ポールと縁石は十センチもないでしょうか。これは違反ですけれども、高速道路上でUターンする人までいるんです。Uターンできるんです、このラバーポールですと。そうしますと、このぐらいのものですから、一旦スリップしたりハンドルのミスがあると、対向車線に飛び出してしまう、大きな事故になってしまうというのが現実です。

 そして、私の秋田県、また東北や北海道ですと、今、大体、NEXCOじゃなく国交省が直轄道路でつくっていきますから、暫定二車線のところは、今のところこのラバーポールだと思います。これから冬は、スリップして対向車線にはみ出していくことも十分考えられることであります。

 そこを、大臣が言っていただいたワイヤロープ式防護柵というのは、このような形でワイヤを張って、ぶつかったときにはね返るような形の中で、NHKでもやっておりましたけれども、はみ出さないような研究を土木研究所でやっているということですけれども、これをぜひ進めていただきたい。

 また、ほかの対策があれば、高速道路上で中央分離帯がラバーポールでUターンできるようなところというのは、スピードを出している以上、危険だと感じていますので、今後の対策を大臣から言っていただければと思います。

石井国務大臣 暫定二車線区間につきましては、対面交通の安全性の確保に加えまして、運転者の安心や快適性、走行性を高める観点から、一つは、交通量増加に対応して、渋滞解消のための四車線化を実施しております。また、本年六月より、速度低下に対応した機動的な付加車線の設置も実施してございます。

 さらに、現在、暫定二車線区間の対面交通の安全性を確保するため、ワイヤロープを含めまして、反対車線への飛び出しを防ぐ構造の検討を行っているところでございます。

 特に、ワイヤロープにつきましては、北海道の道央道等で平成二十四年から試行的に設置をしておりますが、設置箇所では、これまで反対車線への飛び出し事故は発生しておりません。

 今後、専門家の御意見もいただきながら、引き続き、四車線化や付加車線の設置及び飛び出し防止策の検討について着実に進めてまいりたいと考えております。

村岡委員 ぜひ大臣、二千キロぐらいある暫定二車線の中で、このワイヤロープなんて一割にも満たない状況であると聞いておりますので、飛び出しは大事故につながるということの認識の中でしっかりと進めていただきたい、こう思っております。

 それとともに、これは質問というよりも、こういう高速道路上の事故で大変危ないのが、高齢者の事故がふえています。

 高齢者の中で、香川県で、八十二歳の男性が高速道路を八十キロにわたって逆走したという例があります。その中で、二件ぶつかりながら、八十キロ。死亡事故が起きなかったのはこれは幸いしたんですけれども、この男性にお聞きすると、高速道路上で八十キロ走りながら、家に帰る道がわからなくなった、こういう事情聴取をしているんですね。そして、高速道路上で警察の方から事情聴取された内容もわからない。

 そして、今、七十五歳以上の免許保有者数は過去十年で倍増して、昨年は約四百七十八万人。そして、二〇一八年には約五百三十二万人までふえる。そして、このうち、免許を更新した百六十三万人が認知機能検査を受けたんですが、これは、今の法律では医師の診断を必ず受けろとはなっていない。ただ危険性があるよと認知されるだけで、いわば、逆走したりそういうのが、この法律は、もちろん高齢者の方は自分の足がなければいけないですけれども、しかし、運転するのに非常に危険な状態がある。

 このことに関して警察庁の方はどのように考えておられますか。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 高齢運転者対策の推進についてでございますけれども、それを目的といたしました改正道路交通法、こちらが平成二十七年六月に成立したところでございます。

 この改正法によりまして、七十五歳以上の運転者について、免許証の更新時のみならず、一定の違反をした場合には臨時の認知機能検査を受けていただき、更新時と臨時の認知機能検査で認知症のおそれのあると判断された方全てに医師の診断等を義務づけることとし、また、臨時の認知機能検査の結果、一定の基準に該当した方について高齢者講習を受けていただく、こういった制度が導入され、制度が大きく変わるということでございます。

 この改正法は来年三月十二日に施行されますことから、これを円滑に施行し、高齢運転者による交通事故を抑止してまいりたいと考えております。

村岡委員 そこをしっかりやっていただいて、まだ施行されていないということで、昨年は百六十三万人の高齢者の方が認知機能検査を受けたんです。そのうち、約五万四千人が認知症のおそれがあると判定されたけれども、その五万四千人のうち、医師の診断を受けた人は千六百五十人しかいない。ですから、大変厳しい状況が施行される前もあるんです。

 ですから、本人が帰る道がわからない、どこを走っているのかわからない、そういうところの対策が本当におくれていたことをしっかりやっていただきたい、こういうふうに思っております。

 これは、国交省ももちろんこの中に協力して、高速道路上なので警察が一義的ですけれども、私は思うんですけれども、恐らく、高速道路は、全てカメラで、通っている通行がわかるようになっているはずです、全ての通行の部分が。これが、八十キロもそのまま走らせておく。それは、途中でもしかしたら追ったのか。二時間半走っていたといいますから。

 その点でいくと、道路局にお聞きしたいんですけれども、全て高速道路上は、カメラで全て監視できるようにほぼなっていますよね。

石川政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと突然の御質問でありまして、今データがございませんので、調べて、改めてお答えしたいと思います。

村岡委員 済みません。それは質問通告していませんが、私は行っているので。全部見えます。見えますので、やはり逆走したりする人たちはふらふらしていたりするんです。それからまた、いろいろな事故が起きたときの情報という中で、全てカメラがついていて、維持管理をやる会社のところのビルというか、そういうところに全部ついていますので、それは国交省が警察とも協力しながらしっかりとやっていただきたい、こういうふうに思っております。

 では、次の質問に移らせていただきます。

 前の国土交通大臣であった太田大臣のときにお聞きしたメンテナンス。

 メンテナンス元年ということで国交省も力を入れて、戦後ずっと成長期の中で、日本は橋やトンネルやいろいろなインフラ整備をしました。しかし、だんだんと耐用年数が来て老朽化しています。これをしっかりと、やはり財産を維持管理、修繕しながら次の世代に残していくということが必要ですけれども、このメンテナンスの取り組みというのは引き続き太田大臣から石井大臣に引き継がれたと思いますが、どのようにお考えですか。

石井国務大臣 今御指摘いただいたように、太田前大臣のときに本格的な老朽化対策あるいは防災・減災対策にかじを切ったと認識をしてございますけれども、その路線は引き続きしっかりと堅持をしているところでございます。

村岡委員 このメンテナンスなんですけれども、本当に数が大変多く、これは予算もかかるということになります。

 資料の二のところを見てください。例えば、橋梁では二十万四千五百三十三を点検いたしました。その中で、今、構造物の機能に支障が生じて、または生じる可能性が著しく高く、緊急に措置を講ずべき状態が一二%。トンネルが四五%。そして、道路附属物等が一五%。非常に大きな数字。十年たつと、これがさらに大きくなってきます。

 この意味で、メンテナンスにかける費用というのは増大してくると思いますけれども、ここ五年だけでどのような予算の経緯をとっていますか。

石川政府参考人 老朽化の点検、対策につきましては、平成二十六年の七月から、全国の橋やトンネルなどについて、国が定める統一的な基準によりまして、五年に一度の頻度で近接目視の点検を行ってきているところでございます。

 それを踏まえまして、その点検、診断結果に基づいて必要な修繕等を行ってきているわけですけれども、予算につきましては、直轄につきましては維持修繕費という枠の中でやってございますけれども、平成二十四年に二千百五十八億、それから伸ばしてきておりまして、平成二十八年度は三千二百二億ということで、五割程度伸びているということでございまして、地方につきましては、防災・安全交付金を中心に、その中で重点配分という形でやらせていただいております。

 以上でございます。

村岡委員 もう時間が参りましたのでやめますけれども、このメンテナンスは、今で三千五百億から八百億、将来、五年後ぐらいに一兆を超えるような、メンテナンスにかかります。メンテナンス、維持管理というのは道路局の中のごく一部分になっていますけれども、これを格上げして、私は、メンテナンスというのは非常に大事で、一兆円も年間かかるようになるとすれば、二兆円の予算のうち半分、全国に、地方にも出すとすれば、しっかりと体制を整えないと、このメンテナンスは、橋が崩れた後に、崩れてしまいましたでは済まない問題なので、しっかりと体制をとっていただきたいことをお願いいたしまして、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

西銘委員長 次に、本村賢太郎君。

本村(賢)委員 民進党の本村でございます。よろしくお願いします。

 まず、無電柱化の推進についてお伺いいたします。

 既に議員立法で無電柱化の推進に関する法律案が出されておりますけれども、ここに指摘されております目的、災害防止、安全、円滑な交通の確保、良好な景観の形成等を図るため、無電柱化の推進に関し、基本理念、国の責務等、推進計画の策定を定めることにより、施策を総合的、計画的、迅速に推進し、公共の福祉の確保、国民生活の向上、国民経済の健全な発展に貢献する、こういった目的が示されておりますが、この点も踏まえて二点質問させていただきます。

 我が日本の道路の無電柱化率は、二〇一三年度末で全国平均一%ということでございまして、これは、日本が共同溝を使ってコストがかかるという難点もありますが、それに対し、欧米などは、直接埋設の関係で、ロンドン、パリ、香港では一〇〇%無電柱化が進んでおります。また、東日本大震災では、電力、通信、それぞれ約二万八千基が倒壊し、道路の妨げとなったという問題もございますし、平成二十六年十一月に行われた意識調査では、約七割の国民の皆さんが無電柱化を進めるべきだという前向きな応援もございます。

 こういった中で、電柱の地中化工事の作業量は夜間帯に多くなってくるのは必然的なことなんですが、安全性のリスクが高まるというような指摘もある中で、労働災害の発生またはそのおそれがある場合に、発注者は特に作業員等の安全確保に必要な措置を講ずるべきだと考えておりますが、大臣の見解をお伺いいたします。

石井国務大臣 電線等の地中化の整備に当たりましては、工事を安全に進めることは大変重要であると考えております。

 主要幹線道路や繁華街など交通量の多い道路上における地中化工事は、昼間の工事では生活環境や経済活動に与える影響が大きいことから、夜間工事となる場合もあり、特に安全確保の充実が重要であると認識をしております。

 国土交通省におきましては、これまでも施工者に対し、土木工事共通仕様書において、土木工事安全施工技術指針などに基づき、例えば、保安灯や標識板を設置して安全に工事を進めることを求めるとともに、事故防止に万全を期すよう注意喚起を行い、安全確保に努めてきているところであります。

 また、国土交通省では、小型のボックスを活用した埋設や直接埋設方式などの低コスト手法の導入を検討しております。従来の電線共同溝よりも小型化されまして、工事による車道への影響が小さく、工事期間の短縮も見込まれることから、工事の安全性も向上するものと考えております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、道路利用者や沿道住民、地中化工事に従事する作業員の安全確保に努めてまいりたいと存じます。

本村(賢)委員 次に、無電柱化推進に当たりまして、地中線工事技術者の確保が必要となってくるわけでありますが、一人前になるために必要な期間は、土木工事、ケーブル敷設工事で三年から五年、ケーブル接続工事や変圧器室構築工事にあっては五年から八年を要すると伺っております。

 無電柱化推進計画とそごが生じないように、人材確保、育成面で必要な措置を講じる必要があると考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

石井国務大臣 無電柱化を推進するためには、地中化の工事に従事する人材の確保や育成は重要であると認識をしております。

 少子高齢化の進展に伴い、建設工事に携わる技能労働者も高齢化や若年入職者の減少という構造的な課題に直面をしております。技能の継承と入職者の確保や育成が求められているところでございます。

 地中化工事の拡大に伴いまして、土木工事、電気工事、電気通信工事などに従事する労働者につきましても、必要な技術、技能の習得が求められております。

 国土交通省といたしましては、人材の確保や育成に当たりまして、第一義的には各事業会社が行うものでありますけれども、関係事業者から意見を聞きつつ、関係省庁、関係業界団体とも連携をしながら、講習会などへの協力や情報提供など、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 次に、ライドシェアについてお伺いします。

 未来投資会議は、総理を議長とする成長戦略の新たな司令塔であり、竹中平蔵氏は議員の一人でありますが、以前にも指摘しましたが、このメンバーには、国交大臣、厚労大臣、農水大臣など、国民の生活の安全、安心を守る立場の大臣が加わっていないことを指摘させていただきました。

 十一月九日の未来投資会議におきまして、竹中氏より、「暫定的な論点整理」という文書が提出されておりまして、ここに、「諸分野における新たな社会に合わない規制の改革等」としてライドシェアが挙げられておりますし、十一月十日における未来投資会議本会議においては、竹中氏より、「当面取り組む改革項目」としてライドシェアが挙げられているわけであります。

 未来投資会議において竹中平蔵議員からライドシェアの検討を求める文書が提出されているようでありますが、どのように取り扱っていくか、お伺いいたします。

広瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 成長戦略につきましては、本年九月に、新たな司令塔でございます未来投資会議を創設いたしまして、構造改革の総ざらい、そしてイノベーションの社会実装のための審議を進めております。また、各施策につきまして、分野ごとに専門的に検討を深めていきます構造改革徹底推進会合を設置して、議論を進めてございます。

 この構造改革徹底推進会合のうち、第四次産業革命をテーマとしたものにつきましては竹中議員に会長を務めていただいておりまして、今委員から御指摘いただきましたように、十一月の構造改革徹底推進会合で竹中会長から示された「暫定的な論点整理」、そして十一月の未来投資会議で竹中議員から示された「当面取り組む改革項目」の中で、新たな社会に合わない規制の改革等の一例としてシェアリングエコノミーが、そしてその一つとしてライドシェアが掲げられているところでございます。

 ライドシェアにつきましては、遊休資産を活用した新たな事業の創出につながるという声があるとともに、他方、事故やトラブルの際の対応が不安などの声があることも承知をしております。

 まずは、関係各省におかれます検討状況について御報告をいただきながら、今後どのように検討を進めていくべきかについて見定めてまいりたい、こう考えております。

本村(賢)委員 竹中氏がシェアリングエコノミー検討会議に、ライドシェアを今後検討していくのか、整理するよう指示を出しているというふうに伺っておりますが、いかがでしょうか。

広瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 竹中議員から、先ほど申しましたように、当面取り組む改革項目としての御提言をいただいておるところでございます。

 これにつきまして、未来投資会議構造改革徹底推進会合で、もともと、さまざまな課題につきまして幅広い観点から審議を行うものでございますので、御質問のライドシェアを含めまして、何らかの方向性とか結論を予断して検討を進めるものではございません。

本村(賢)委員 最後になりますが、新経済連盟が「ライドシェア実現に向けて」という提言書を出しておりまして、この提言書には「ライドシェアの制度設計について検討するための会議体をただちに政府内に設置する。」ことということでありますが、国交大臣の見解をお伺いいたします。

石井国務大臣 国土交通省といたしましては、自動車による旅客の運送において、安全、安心の確保が最重要の課題と認識をしております。

 新経済連盟から、昨年十月に、ライドシェアについての提案が各方面に対しなされました。この提案につきましては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが責任を負う形態を前提としております。

 このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。新経済連盟に対しましても、国土交通省の考え方を伝えたところでございます。

 一方、新経済連盟から、一昨日、十一月三十日に、「ライドシェア実現に向けて」という提案書が新たに国土交通省に提出されたと承知をしております。

 提案書を受け取ったばかりでありまして、その内容の精査は今後行うことといたしますが、特に、プラットホーム側に新たに運行記録の保存や運転者リストの作成などの対応を求めるとしておりますが、それが果たして運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置いたものと言えるのかどうか、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題がないか等の点について十分な検討が必要になるものと考えております。

 国土交通省といたしましては、今後、提案書の内容を精査した上で、適切に対応してまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 これで終わりにします。

 ありがとうございました。

西銘委員長 次に、清水忠史君。

清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。

 本日は、駅ホームの安全対策についてお伺いしたいと思います。

 視覚障害者の駅ホーム転落死亡事故を防止するためにホームドアの設置を急ぐよう、当委員会でも、私も、また同僚の本村伸子議員も繰り返し求めてきたところです。

 本日取り上げたいのは、ホームと車両とのすき間の幅が非常に広くて、そこへずぼっと転落、あるいは、転落に至らなくても、足を踏み外し、ずぼっとはまる、場合によっては負傷するということが起きているということについて伺いたいと思います。

 まず、石井大臣に。

 こうしたすき間転落事故、あるいは、転落には至らないが、足を踏み外してしまうほどホームと列車のすき間が広いことについて、とても危険な状態だという認識はお持ちでしょうか。

石井国務大臣 ホームにおける旅客の安全確保は重要な課題であると認識をしております。

 ホームに沿う線路の曲線半径が小さい駅などにおきましては、ホームと列車との間に一定のすき間が生じる場合がございます。こうした駅におきまして、ホームと列車のすき間から旅客が転落したり、また、転落に至らない場合であっても、足を踏み外し、負傷するような事案が発生していると聞いてございます。

 委員御指摘のようなすき間転落事案を含めまして、ホームにおいて危険な事案が発生しないよう、国土交通省といたしましても、鉄道事業者と協力して安全確保に努めてまいりたいと考えております。

清水委員 非常に危険であり、その安全対策にも取り組む必要があるというふうに答弁がございました。

 それでは、鉄道局の方にお伺いいたします。

 二〇一四年度につきましては三千六百七十三件のホームからの転落があったと伺っておりますが、そのうち、すき間転落、あるいは、転落には至らないが、すき間のあいた列車とホームとの間に足を踏み外してはまってしまったという件数は幾つあるか、把握されているんでしょうか。しているかしていないかだけお聞かせください。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームからの転落件数につきましては、平成二十一年度から毎年度、鉄道事業者に対しまして報告を求め、把握をいたしておるところでございます。

 ただし、その内訳として、ホームと列車のすき間から転落した事案か否かについては、区別をいたしておりません。

 また、ホームと列車のすき間において足を踏み外して列車との間に体が挟まれたような事案の件数については、把握をいたしておらないところでございます。

清水委員 つまり、把握されていないということでありました。

 さらに、この間、鉄道局の方に対して、ホームと車両との間が二十センチ以上幅があいている駅が幾つあるのかと事前に伺いましたが、それも把握していないということでありました。

 先ほど石井大臣も、ホームとドアのすき間が広いことについては、非常に危険だ、安全対策にも取り組む必要があるというふうに答弁があったと思うんですが、本気でその防止に取り組むということでありましたら、転落に関する情報の把握については、すき間転落事案、例えばホームと車両との幅が二十センチ以上あいている駅等については掌握するべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

石井国務大臣 東京メトロ銀座線のホーム転落事故を契機に、ホームからの転落状況の把握の方法について検討いたしました結果、すき間転落事案につきましても、平成二十八年度より把握することとしたところでございます。

 まずは、すき間転落事案の件数及び内容を把握し、今後、その分析を行ってまいりたいと考えております。

清水委員 二十八年度から把握していただけるということですので、ぜひお願いしたいと思います。

 なぜ私がこの問題を重視するのかといいますと、やはり、ホームと車両との幅が広いがために重大な事故につながりかねないということがこの間も起こっているということであります。

 例えば、これはドアと車両との間に転落したものではないんですが、二〇一〇年十二月十七日には、JR西日本の山陽線舞子駅で、車両の中間連結部分とホームとのすき間に女性が転落し、車掌が気づかないまま列車を発車させたため、女性が死亡するという事故が起こっております。

 また、二〇一三年四月十二日には、JR東日本の総武線飯田橋駅で、ホームとドアのすき間に乗客が転落し、列車の運行を一時見合わせるということも起こっております。幸いにしてこのときは人身事故には至っていないんですが、これも、もしも車掌が気づかずに列車を走らせていたら、大変な事故になっていたというふうに思うんですね。

 改めて、ホームと車両とのすき間が広い駅の実態、あるいはすき間転落事案の件数をしっかりと国交省として調査していただきたいと思います。

 それで、資料の一を見ていただけますでしょうか。写真です。これは、私の地元大阪にありますJR西日本の学研都市線、環状線京橋駅から一駅なんですが、鴫野駅のホームの状況です。

 見ていただいたとおり、曲線半径が非常に小さくて、手前に車掌が写っておりますが、この車掌さんから目視できるドアというのは、実は最後部の車両のみなんですね。それより前については、曲線のため、安全確認が全く目視でできないというような状況になっております。

 二枚目の資料を見ていただけますか。これも写真を用意してきました。

 見ていただいたとおり、この女性と、この列車とホームのすき間は非常にあいております。最大で二十・五センチ、はかりました。駅の最小部分でも十三センチ開いているんですね。油断するとすぐに足を踏み外しそうになるぐらいの幅がある。危ないのは、朝のラッシュ時に乗り込んで、結局、乗り切れずにはみ出されるといいますか、またもう一度ホームの方に戻るときに足をずぼっとはめてしまうというようなこともあると伺っております。

 これまでは、国交省として、このすき間転落事案の件数について網羅的には把握していないということでありましたが、この鴫野駅については報告を受けているはずなんですね。その数を答えていただけますようお願いします。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 JR西日本によりますと、鴫野駅におけるすき間転落事案は、平成二十七年度に十件、平成二十八年度におきましては、四月から八月までの間に八件発生しているということでございます。

清水委員 平成二十七年度十件、平成二十八年度は八月末までに八件、合わせて十八件ということですが、私、現場の駅係員の方にお話を伺いますと、二〇一五年度と二〇一六年度八月末までに合わせて二十一件あったということで、少し数は違うんですが、JR西日本も、そうしたすき間転落事案が鴫野駅ホームであったということは認めているということですね。

 国労、国鉄労働組合の方が鴫野駅の前でホームの安全対策について宣伝をしていたら、私も落ちたことがあります、私もはまりましたという方が立て続けに声をかけてこられるということですから、きっと把握されている件数よりも多いのではないかというふうに思います。

 実は、そのうち約四割が小学生ということなんですね、小さなお子さん。中には、保育園児が腰のあたりまでずぼっと列車とホームの間にはまったと。これも、国労の方に、その当該する子供さんをはからせていただいたら、十四センチしか幅がなかったというんですよ、頭部と体。ですから、二十・五センチもあいているところですから、ずぼっと落ちる。このときは、幸いにして保護者の方が手をつないでいたということで、ホーム下までの転落には至らなかったということなんですが、これも一歩間違えば重大な事故になっていたのかもわかりません。

 それで、これだけ危険な駅であるということはJR西日本も自覚をしておりまして、これまで、営業時間中は駅係員を常駐配置し、快速列車の通過、あるいは各駅停車が鴫野駅に到着し発車するまでの間、このすき間転落事案が起こらないよう安全確認をしていた。そういう方がおられました。

 ところが、この十一月二十一日以降、そうした駅係員が配置されている待機室、これはホームの真ん中ほどにあるんですが、この待機室がなくなりました。地元からは、常駐している駅係員がいなくなった、これで安全対策は大丈夫かという声が上がっているんですが、こうした問題を国交省としては把握しているでしょうか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のありました係員の待機室の有無ということについては、私は承知いたしておりません。

清水委員 まさしく、今まで、先ほど写真も見ていただきましたけれども、後部車両一両しか車掌については目視することができないわけなんですね。万が一の事故の対応のときも含めて対応していたのが常駐駅係員なんです。

 この駅係員配置をJR西日本はやめるということなのではないか。このことについて何か御見解はございませんか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 ホームの監視ということで、係員の配置ということについて申し上げますと、鴫野駅におきましては、現在、朝夕のラッシュ時間帯にホームに係員を配置しておりまして、今後もその配置を継続するというふうにJR西日本から聞いているところでございます。

清水委員 朝夕のラッシュ時に配置するというふうにお伺いされているということなんですが、このすき間転落事案は、何もラッシュ時だけに発生しているわけではありません。私も現場へ行きまして現地の駅係員に伺いましたが、いわゆるラッシュ時以外の営業時間中にすき間転落事案は発生しているということなんですね。つまり、駅係員が今までは営業時間中ずっといたわけですから、今回は朝夕のラッシュ時だけということになると、いわゆるそれ以外、駅係員が配置されていないときにすき間転落事案が発生し、それに車掌が気づかずに列車の扉を閉めて運行させるというようなことになれば、これは重大事故にもなるんじゃないでしょうか。このことについては何か所見はございませんか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 鴫野駅における係員の配置の変遷について若干申し上げますと、まず、先生おっしゃいました終日係員が配置されておったという事情につきましては、別線の工事の関係でホーム上に柱が立っておりまして、車掌がいわゆるモニターを使用してホーム全部を見ることができないということで、終日係員を配置しておったというふうに聞いております。

 現在は、朝夕は係員を配置、日中は警備員を配置し、その他の時間帯は車掌がモニターでやはりチェックをしているということでありまして、今後、二十九年三月以降、スペースライトという、扉のところに明かりが点滅いたしまして乗客の方々に注意喚起する装置を整備するということでございますが、その後は、朝夕の係員配置及び車掌による常時モニター監視ということで安全対策をとっていくというふうに聞いているところでございます。

清水委員 つまりは、朝夕のラッシュ時は駅係員を配置するが、それ以外は警備員を配置します、そして、すき間の大きいホームと列車の間には、スペースライトですか、何か明かりをともす、そして注意喚起を呼びかけるというふうに聞いておられるということなんです。

 これはちょっと根本政務官に印象として感想を聞きたいんですけれども、駅係員と警備員の違いなんですよ。警備員というのは、果たしてこれは列車の扉の開閉やあるいは発車の合図というのを出せるというふうに思われますか。もう一つ言うと、スペースライトというふうにおっしゃるんだけれども、この間、問題になっているのは、視覚障害者の方の転落事故ですよね。視覚障害者の方がそうしたライトの発光を確認できるのかという点でいうと、私は非常に疑問に思うんですけれども、今の二点について、根本政務官、議論を聞いていただいてどのような印象をお持ちになられましたか。

根本大臣政務官 今、すき間のことについてるる聞かせていただいていましたけれども、警備員さんと係員さん、呼称は違いがあるんでしょうけれども、やる仕事としては一緒ではないのかな、私はこんなふうに感じました。

 あとはライトの話ですけれども、これは、ホームドアの話で委員の方からも以前質疑を受けたことがありますが、ちょっとそこの部分、私、そのライトというものが、今、具体的にイメージを持っていないものですから、十分な形ができませんが、もし目が不自由な方であれば、一般的に言えば、なかなかそのライトというのはよくわからないのではないのかなというふうに思います。

清水委員 お答えありがとうございました。

 駅係員と警備員がとっさの事故のときに対応する、引っ張り上げるとか、あるいは落ちないようにしてくださいという注意喚起、こういう点についてはできると思うんですが、いざ落ちたときに、列車がまさしく発車しようとしているときに、それを制止する権限、役割を持っているかどうかといえば、必ずしもそうではありませんし、スペースライトの問題につきましては、根本政務官が今お答えいただいたことがどなたも同様に考えられる認識ではないかというふうに思いました。

 それで、このすき間転落事案に対して、ラッシュ時だけではなく、駅係員の配置を引き続き継続するよう、国交省としても、調査の上、ぜひ指導していただきたいと思うんですね。これまで駅係員が常駐配置されていても、JR西日本が言うところの十八件、私が調べたところの二十一件、すき間転落事案が起こっているわけです。配置されていてこれだけ起こっているわけですから、それが常駐配置されないということになると、それこそ多くの不安が高まるというふうに思います。

 実際、地元自治会、町会の方々も、今回、常駐配置をやめるということについては、だめだということで要望書を提出されておりますし、我が党、日本共産党だけではなくて、各党の議員や事務所の方々にこうした自治会の方々が要望を出し、対応していただいた地方議員の方や国会議員事務所の秘書の方々などは非常に深刻に受けとめていただいているということでありますので、これは誰の手柄とかということではなくて、引き続き、この駅を利用される乗客の安心、安全、何よりも、小さなお子さんが転落して事故に巻き込まれるというようなことを未然に防止するという点で、実態調査と常駐配置を強力に指導していただきたいと思うんですが、石井大臣、いかがでしょうか。

石井国務大臣 ホームにおける旅客の安全確保は、全ての旅客にとって大変重要な課題と認識をしております。

 御指摘の鴫野駅につきましては、今後も、朝夕のラッシュ時間帯におけるホーム係員の配置を継続するとJR西日本から聞いておるところでございます。

 一方で、個々の駅におけるホーム係員等の配置につきましては、安全確保を前提に、利用状況や設備の状況に鑑み鉄道事業者みずからが判断するものでありますが、鉄道事業者においては、ふだんより、利用実態等を見ながら、必要に応じてホーム係員等の配置を見直すといった対応が重要であると考えております。

清水委員 鉄道事業者任せにしているからこそ、この間、視覚障害者の方々の転落事案というものも発生しているわけですから、そこはしっかりと強い指導を求めたいと思います。

 最後に、三枚目の資料をごらんいただけるでしょうか。

 先ほども言いましたように、ホーム係員を配置してもすき間転落事案は起こるということでありますので、それを防止するために、あるいは、すき間転落だけではなく、列車とホームとの、ドアの段差を解消するために、車両が駅に到着するとステップがせり出す車両というのが開発されているんですね。これはアーバンライナー・ネクストという列車でありまして、ホームに到着すると車両の下からステップがガチャンと上がりまして、すき間を埋めて、そこをステップにしていただいて無事にホームに渡っていただく。

 こういうことに、取りつけるための助成というのはあるんでしょうか、ホームドアとかにはあると思うんですけれども。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が今資料も出しておられます、ドアが開くと車両からステップがせり出しましてホームと車両とのすき間を小さくすることができる装置をつけて走行している車両として、近鉄のアーバンライナー・ネクストで使用されている車両がございます。

 ただ、こうした車両は、維持管理コストが高く、また、故障も多く発生することから、使用されている車両が普及をいたしておりません。アーバンライナー・ネクストの車両につきましても、平成十四年に製造し、これまで二編成十二両が運行されておりますが、近鉄においては、今後、同型の車両の導入の見込みはないということでございます。

 なお、そのステップを設置するための車両に対する補助制度はございません。

清水委員 これは効果は実証されていると思いますので、助成や補助の制度があれば、また再び開発するということで、前向きにこれを設置するという動機づけにもなるわけです。リニアに三兆円貸すんですから、それだったら、こうした安全対策にもっと補助を出していただきたい、このことを強く求めまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

西銘委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 本日採決も予定されております議員立法の三法案について確認させていただきたいというふうに思います。

 まず、道路運送法、貨物自動車運送事業法の関係でございますけれども、これは、バス、タクシー、トラックの運転者の方々の健康に関する法の改定だということで認識をしております。

 今回の法案というのは、軽井沢バス事故が背景にあり、検討されてきたということですけれども、疾病によって安全な運転ができないおそれがある状態でドライバーの方が運転することを防止するために、事業者が必要な措置を講じなければならないということが書かれてございます。これは、乗客の皆さんの命を預かるわけですから、当然のことだというふうに思います。

 一方で、懸念される声として挙げられておりますのが、疾病をお持ちの方あるいは障害をお持ちの方が排除されることになるのではないかというお声でございます。

 この法案が通ったら解雇されるとか機械的に排除されるとか、そういうことはないというふうに私は認識をしておりますけれども、国交省としても認識をお聞かせいただきたいと思います。

藤井(直)政府参考人 お答えいたします。

 輸送の安全確保は運送事業における最大の使命であり、運転者の心身の健康管理を初めとした健康起因事故の防止対策は、非常に重要な課題であると認識をしております。

 一方で、疾病を抱えた運転者については、医師による継続的な診察等により業務を続けながら快復することもあり、また、運転以外の業務に配転する道もあることから、疾病が発見されたからといって直ちに解雇することは、雇用の安定性や人材確保等の観点から適切でないものと考えております。

 この考え方のもとに、国土交通省としては、スクリーニング検査による疾病の早期発見とその治療に努めてまいります。

本村(伸)委員 この法案が通ったから解雇されたということがゆめゆめないように、法案成立後、ガイドラインなども定められるということを聞いておりますけれども、ぜひ、解雇につながらないように徹底していただきたいというふうに思います。

 今回の法案は軽井沢バス事故が背景にあったわけですけれども、事故を起こした株式会社イーエスピーは、事故の発生後の特別監査で、三十三件の道路運送法関係の法令違反があったということです。健康管理に関する違反もあり、定期健康診断が未実施であった、あるいは新たな雇い入れ運転者に対して健康診断が未実施であったということが国交省の特別監査で明らかになっているというふうに思います。

 命を預かる貸し切りバスのドライバーの健康診断を確実にやらせなければいけないというふうに思います。今回もこの国会で法改正を議論いたしましたけれども、健康の確保、疾病対策を有効に機能させ、安全運行していくということからしても、健康診断を確実にやらせるということが必要で、国交省としてこの強化をどうしていくおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。

藤井(直)政府参考人 お答えいたします。

 運送事業者は、道路運送法令において、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、その他の理由により安全な運転をできないおそれがある乗務員を乗務させてはならないとされており、これを踏まえ、労働安全衛生法に基づく定期健康診断を受診させることとしております。

 国土交通省としましては、運送事業者に対する監査において、健康診断受診の状況を確認し、法令違反が判明した場合には、行政処分を科しているところでございます。

 さらに、国土交通省では、健康診断の受診を徹底するため、事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルを作成いたしまして、健康診断の適切な受診方法をまとめ、各種セミナーなどを通じて当該マニュアルの普及徹底を図っているところでございます。

 加えて、本年八月より、健康診断の未受診について、国土交通省による監査及び厚生労働省による監督において過労運転等の違反事実を確認したときには、当該事案を相互に通報することとし、厚生労働省との連携のもとに受診の強化を図ろうとしているところでございます。

 これらの対策を進めまして、運転者の健康診断の受診の徹底を図り、健康起因等による事故の防止に取り組んでまいります。

本村(伸)委員 ぜひ確実に健康診断していただくということを徹底していただきたいと思います。

 安全運行にかかわってもう一つお伺いをしたいんです。

 三月九日の審議の際に、私、質問をさせていただいて指摘をさせていただいたんですけれども、国交省が、圧倒的多数の中小零細企業のバス会社のドライバーの雇用状態を調べていないということを指摘させていただいて、貸し切りバスのドライバーというのは、雇用契約の期間が二カ月以上ないといけないというふうになっておりますけれども、これですと、二カ月、二カ月、二カ月と転々とするドライバーであれば、そのドライバーの資質ですとか、あるいは健康状態を見抜くというのは困難になるわけでございます。そういうことは、結局、安全運行を確保することが困難になるということにつながっていくというふうに思います。

 安全を確保するという観点から、貸し切りバス会社の労働実態調査、賃金、雇用形態、非正規の割合はどのくらいなのか、あるいは雇用契約期間はどのくらいなのか、派遣の人はどのくらいいるか、社会保険にどのくらいの人が加入しているか、こういう具体的な調査を行うべきだということを質問させていただき、そのときに、自動車局長が、「御指摘を踏まえて、可能なものにつきましては、調査ができるところを検討してまいりたいと考えているところでございます。」と回答をいただきました。

 その後、何を調査することになったのか、あるいは調査したのか、答弁をお願いしたいと思います。

藤井(直)政府参考人 お答えいたします。

 軽井沢のスキーバス事故を受けまして本年六月に取りまとめられました「総合的な対策」において、貸し切りバスの安全性に関連する情報を利用者に的確に提供するため、見える化を推進することというのを基本的な考え方の柱の一つとして掲げたところでございます。

 このため、国土交通省においては、貸し切りバス事業者に対して、安全情報の報告を義務づけることとしております。貸し切りバス事業者から報告を求める内容としましては、その一つとして、運転者の平均給与月額、平均の勤続年数、あるいは雇用形態ごとの人数、そういったものを想定しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、こういった情報を活用しながら、貸し切りバス事業者の労働実態を把握し、安全、安心な運行の確保のために活用してまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 ぜひ、雇用形態については詳細に注視をしていただいて、本当に安全運行を確保できる、そういう雇用形態を確保していただきたいというふうに思っております。

 もう一つお伺いをしますけれども、バス、タクシー、トラックのドライバーの方の安全基準の中で改善基準告示というものがありますけれども、これは、罰則もなく、睡眠時間が十分確保されていないことを容認しているような改善基準告示で、本当に安全運行が担保できるのかという問題を抱えております。今回の法改正は、疾病対策を書き込む法改正ですけれども、疾病を予防するという観点からも、やはりドライバーの方の人間らしい働き方が大事だというふうに思います。

 十一月十八日の道路運送法の質疑の際に清水忠史議員が取り上げましたけれども、この改善基準告示等に係る運用実態調査として、事業者のヒアリング、運転者のアンケートを実施した、その結果を出して検証するべきだと質問をいたしました。その際に、石井大臣は、この実態調査の結果につきましては、本年度内の開催を予定しております次回の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会に報告した上で公表したいというふうに答弁をされましたけれども、これは大分前の調査ですから、結果がもう出ているはずです。すぐに国会に出して、施策にすぐに生かすべきだと思います。

 大臣、すぐに公表していただきたいんですけれども、お願いいたします。

石井国務大臣 改善基準告示等の実態調査につきましては、平成二十六年六月に開催されました関越道高速ツアーバス事故を踏まえた対策に関するフォローアップ会議の第三回において調査内容を決定いたしまして、同年の夏に、地方運輸局の職員により、事業者ヒアリングと運転者アンケート調査を実施したところでございます。

 この調査は、貸し切りバスの事故を踏まえた対策の内容の検討や実効性の向上のために活用することを目的としたものであることから、今後予定される軽井沢スキーバス事故対策検討委員会における再発防止対策の包括的なフォローアップの際に調査結果を資料として提出し、検討委員会における議論を経た上で対外的に公表することが適切であると考えております。

本村(伸)委員 軽井沢スキーバス事故対策検討委員会は次にいつ行われるのかと、なぜ国会に先に出せないのか、理由をお示しいただきたいと思います。

石井国務大臣 次回の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会は、本年度内の開催を予定しているところでございます。

 理由につきましては、先ほど申し上げたとおりでありますが、もともとこの調査が、貸し切りバスの事故を踏まえた対策の内容の検討や実効性の向上のために活用することを目的としたものでございますので、次回の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会における再発防止対策の包括的なフォローアップの際に調査結果を資料として提出いたしまして、検討委員会における議論を経た上で対外的に公表することが適切であると考えているところでございます。

本村(伸)委員 委員長にお願いしたいんですけれども、国交省に、この改善基準告示等に係る運用実態調査の結果をこの委員会に提出していただきたいということで、お諮りをいただきたいと思います。

西銘委員長 理事会で協議したいと思います。

本村(伸)委員 次に、無電柱化の問題についてお伺いをいたします。

 無電柱化については、大抵のケースだというふうに思うんですけれども、地域のまちづくりと一体として行われるケースが多いのではないかと思います。住民の皆さんの合意形成を何よりも優先しなければいけないというふうに思います。

 例えば、無電柱化の実施では、道路の歩道の拡幅工事と一体的に整備をするということがやられるとか、あるいは道路の拡幅と一体的にやられるケースがあるというふうに思います。拡幅をする場合に、やはり民有地など地権者の方の同意を得なければできないというふうに思いますし、周辺の住民の皆さんの合意形成の手続が大切だというふうに思います。

 この無電柱化の事業実施に当たっては、住民の皆さんの理解、そして納得、同意が大切にされなければならない。そして、今回の法改正については、無電柱化法案の中に無電柱化推進計画をつくるということも書かれておりますけれども、この計画をつくるに当たっても、住民の皆さんの声を十分に反映させることが大切だというふうに思います。

 この無電柱化実施に当たっては、あらゆる段階で住民の皆さんの理解、納得、同意、そして住民の皆さんの意見が反映される、このことを徹底していただきたいんですけれども、大臣の答弁をお願いいたします。

石井国務大臣 無電柱化を進めるためには、トランスなどの地上機器の設置場所や各住戸等への引き込み線工事などについて、地域との合意形成や調整が課題でありまして、地域住民の御協力が不可欠であります。

 このため、無電柱化を進めるためには、地域が目標とするまちづくりと一体的に計画を立てて事業を進めることが重要であり、地域ごとに協議会を設置し、地域の要請も踏まえた取り組みを進めていく必要があると考えております。

 例えば、金沢市におきましては、地域住民、行政、関係事業者、学識経験者から成る協議会を設置して合意形成を図り、一部の地上機器を歩道以外の民地や公共の空き地に設置しております。

 国土交通省といたしましては、無電柱化を進めるに当たり、地域住民の意向を踏まえつつ、関係事業者とも調整を図りながら、さらなる無電柱化の推進に努めてまいります。

本村(伸)委員 今御答弁いただきましたように、住民の皆さんの理解、納得、同意、そして意見をしっかりと反映した進め方でやっていただきたいというふうに思います。

 次に、自転車活用推進法の問題で質問をさせていただきます。

 自転車は、化石燃料を使用しないということ、そして温室効果ガスを発生させない、環境に優しい乗り物で、やはり健康にとってもよいということで、活用を推進することはとてもよいことだというふうに私どもも認識をしております。自転車の専用道路ですとか駐輪場の整備ですとか、ハード面を進めていくこと、そしてソフト面でも、自転車の交通安全教育ですとか自転車の管理などを進めて、安心して活用できる環境を進めていくことが大切というふうに私どもも認識をしております。

 そこで、まず内閣府にお伺いをしたいんですけれども、自転車の活用推進法が今度つくられようとしておるんですけれども、そこの基本方針の中に、情報通信技術等の活用による自転車の管理の適正化ということが盛り込まれております。自転車の活用推進に当たって、今後、自転車の管理とマイナンバーがリンクされるということがあってはならないというふうに思いますけれども、その点、確認をしたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーの利用事務は、現在、社会保障、税、災害対策の分野に関する事務に限定されておりまして、現行法上、自転車の管理にマイナンバーを利用することは認められておりません。

 また、仮に将来的に自転車の管理にマイナンバーを利用する場合には法改正が必要となりますが、そのようなことは現時点では想定しておりません。

本村(伸)委員 マイナンバーとリンクさせないということを確認させていただきたいと思います。

 もう一つ、今度は経産省の方にお伺いをいたします。

 同じく基本方針の中に自転車競技施設の整備なども書かれておりますけれども、これが競輪、公営ギャンブルの推進であってはならないというふうに思います。その点、確認をさせていただきたいと思います。

三田政府参考人 お答えいたします。

 自転車活用推進法案により自転車競技のための施設を設置した場合に、当該施設を競輪場として活用するかにつきましては、競輪の施行者である地方公共団体が判断される、このようなものと考えております。

 仮に競技場の設置許可申請がなされた場合には、経済産業省といたしましては、自転車競技法に基づいた厳正な手続を実施することになると考えております。

本村(伸)委員 競輪場など、公営ギャンブルの推進にならないようにということを求めておきたいというふうに思います。

 自転車の活用を進める上でも、今、地域で起こっておりますことは、駅の駐輪場などがどんどん有料化されているということで、収入のない学生さんにも負担増になっている、これを何とかできないかということも思っております。駐輪場の整備に関しましては、社会資本整備交付金など国の予算も使われているわけですから、駐輪場を無料にして自転車の活用を推奨するということもぜひ考えていただきたいということも申し述べ、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

西銘委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 十一月八日に起こった博多駅前の道路陥没事故について質問します。

 今回の事故は、地下鉄七隈線のトンネル工事に伴って起きました。あってはならない事故であります。奇跡的に犠牲者が出なかったものの、大惨事につながっていたかもわかりません。

 石井大臣は、この事故の重大性についていかに受けとめておられるでしょうか。

石井国務大臣 今回の道路陥没は先月八日午前五時十五分ごろに発生をいたしましたが、陥没の五分前には道路を通行規制していたこと、また、陥没が早朝に発生したこともあり、幸い犠牲者が出なかったということでございます。

 一方、今回の道路陥没につきましては、福岡市では地下鉄七隈線の工事においてこれまでにも二回道路陥没を発生させていること、幅約二十七メーター、長さ約三十メーター、深さ約十五メーター、陥没した土砂量が約六千二百立米と極めて規模が大きかったこと、ライフラインの損傷や、周辺の銀行、コンビニエンスストアが営業を見合わせる等の被害が発生しており、市民生活に重大な影響が生じていることから、国土交通省としては、今後、徹底的な原因究明が行われ、再発防止策が講じられていくべき事案であると認識をしております。

田村(貴)委員 大臣から答弁がありましたように、三度目の陥没事故であります。二回目の二〇一四年のときには、九州運輸局から警告書が出されて、行政指導がされていました。にもかかわらず、また事故が起きました。教訓が生かされていないのではないでしょうか。

 国土交通省は、今回の陥没事故に際して、過去の教訓が生かされていると考えておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 七隈線の延伸工事では、平成二十六年十月二十七日に、延伸工事に支障する雨水管を移設する工事におきまして、道路陥没する事象が発生いたしました。

 これを受けまして、九州運輸局から福岡市交通局に対して、原因を究明し、再発防止措置を講じて、二度とこのような事象を発生させることがないよう指導するとともに、こうした措置等についての文書での報告を求めたところでございます。

 この報告によれば、陥没の原因は、雨水管移設のための立て坑を開削工法で掘削する際に、地盤改良した箇所の一部で改良不良が生じ、当該箇所から周辺の土砂が流入したためとされました。また、再発防止策として、地盤調査システムを導入し、地盤改良の状況をより多くの箇所で確認する措置等を行うこととされたところでございます。

 一方、今回の陥没は、岩盤層をNATM工法で掘削する際に発生したものでありまして、平成二十六年の道路陥没における工事とは地層や工法等が異なっているものと考えております。

 いずれにしましても、今後行われる原因究明と再発防止策の検討を踏まえ、今回のような事案についても、再び発生しないよう、しっかり再発防止対策が講じられることが重要であるというふうに考えております。

田村(貴)委員 二〇一四年の運輸局の行政指導、警告に対して、事故原因が究明されなければいけない、それを求めていたにもかかわらず、福岡市の報告書は原因究明に至らなかったんですよ。私も読みましたけれども、結局、何が原因であるか特定されていないんですよね。これは事実であります。

 結局、国は、二回目の事故の警告に際して、確かな原因究明が図られていなかった。これは事実であります。是認をしてきたということであります。ですから、今回の事故に伴っては、確実に原因究明を行う、再発防止策を確立することが何よりも大事であると思います。

 さらに指摘しなければならないのは、今回の事故の二カ月前の八月末に、トンネル工事の施工者であるJV、共同企業体は、トンネルが崩壊するリスクに備えて設計変更を行っていたという事実があります。

 それは、まず、トンネルの天端の位置を一メートル下げる、それから、先受け鋼管を短縮した、それから、先進導坑を設けるというようなものでありますけれども、国土交通省に福岡市からの設計変更の届け出はされているのでしょうか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、鉄道事業者は、鉄道事業法に基づきまして、鉄道施設に係る工事計画を変更する場合、その変更内容に応じ、認可申請または届け出を行う必要がございます。

 今回のトンネル断面の変更に伴う工事計画の変更につきましては、九州運輸局は、福岡市交通局から、鉄道事業法に基づく手続について相談を受けていたところでございまして、その際に、九州運輸局は、当該工事計画の変更については事後届け出の手続に該当する旨を伝達したということであります。

 そのような経緯から、九州運輸局は、今回の道路陥没が発生する前に計画変更については承知しておったところでございますが、今回行われたトンネル断面の変更に伴います工事計画の変更につきましては、福岡市交通局が鉄道事業法に基づきます認定事業者制度により特定認定鉄道事業者に認定されていること、それから、断面の変更が行われるトンネルにつきましては、類似設計による寸法の変更であり、変更後の長さが二百メートル未満であることから、事後届け出の手続に該当いたします。

 実際の設計変更は十月に行われたところでございまして、福岡市交通局は届け出の準備をしていたということでございますが、その過程で今回の事案が発生したため、現時点ではまだ届け出は行われておりません。

田村(貴)委員 結局、話は聞いていたけれども、重要な設計変更の届け出を受けていない、そしてそれを確かめていないということであります。

 資料をお配りしています。二の方の資料なんですけれども、これは、あの博多駅前の大陥没の陥没と、それから地下鉄トンネルの位置関係をあらわした国交省提出の資料であります。かたい岩盤、頁岩ですね、この上部に砂質土、それから砂れきが位置しています。

 トンネルの中に大量の水や土砂が今流れ込んだんですけれども、だとするならば、このトンネル工事の位置関係というのはこれでよかったのか、あるいは、トンネルの周囲の岩盤が非常に安定しているということを前提にして進めるNATM工法という工法でよかったのか、さまざまな疑問が出てまいります。

 つまり、今回JVが行った設計変更というのは、トンネルの上端、この緑色の上端ですね、ここからトンネルの上の地層、いわゆる土かぶりに非常に問題がある、だから下げる、離そうといったところの証左でもあったわけなんです。

 この陥没を起こしたところのトンネルの位置関係あるいは工法については、事故原因究明の重要なポイントになるというふうに私は確信するものでありますけれども、国交省はいかに捉えておられますか。

五道政府参考人 お答えいたします。

 十一月二十九日に福岡市で開催した第三者委員会では、当該事故に関する原因究明及び再発防止に関し、設計や施工の経緯等について、設計変更も含めて、福岡市及び関係者によりヒアリングを行ったところでございます。原因究明に当たっては、その設計変更についても考慮して検討が行われるものと考えております。

田村(貴)委員 もう一度質問しますね。

 ここのトンネルの設計変更したところの位置関係、それから工法については、ちゃんと検証していかなければいけない、設計変更したんだから。ここの部分はかなり重要なポイントだと思いますけれども、国交省はどう捉えていますかと聞いているんですよ。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のトンネル断面の変更については、鉄道事業法に規定された認定事業者制度に基づきまして、事後届け出とされておるところでございます。

 この認定事業者制度は、鉄道事業者の有する技術力に応じた技術関係規制の合理化を図るために平成十二年に創設された制度でございまして、鉄道施設等の設計に関する業務の能力が国土交通省令で定める基準に適合することについて、事業者の事務所ごとに認定を行うものでございます。

 当該認定を受けた鉄道事業者が、例えば、今回のようなトンネル断面の変更に伴う工事計画の変更を行う際に、通算して十年以上の実務の経験を有する者であることなどの要件を満たす設計管理者が当該鉄道施設を設計し、鉄道に関する技術上の基準を定める省令、いわゆる技術基準省令で定める規定に適合することを確認した場合には、その変更が技術基準に適合するものとし、簡略化した手続によることができる、そういう制度になっておるということでございます。

田村(貴)委員 委員長、お聞きになったと思うんです。全然質問に答えられていないですよね。

 これは、第三者委員会、検討委員会の西村委員長はこう言っていますよ、事故現場上部の岩盤付近が原因究明のポイントになると。まさにここはコアとなる部分なんですよ。ここの部分の解明が今から待たれるわけなんですよ。その認識について聞いているんですけれども、これは重要なポイントじゃないんですか。一言で答えてください。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、今回の設計の中身において、土かぶりの厚、そういうものが検討の重要なポイントであるというふうに考えております。

田村(貴)委員 端的にお答えいただきたいと思います。

 事故現場の付近の地盤は、当初、薬剤注入で改良する方針だった。しかし、JVからの提案を受けて、福岡市は、落盤防止用の屋根の鋼板を二倍にしたということも、きょう地元紙で伝えられています。いろいろな変更が行われていたんですよ。それほどやはりデリケートな地層であった、工事をするには非常に細心の注意を払わなければいけない、そういう環境にあったということが読み取れるわけであります。

 結果として、国はこの工事部分の難所を甘く見ていたんじゃないですか。見逃していたんじゃないですか。設計変更もちゃんと受け取らなかったんだから、求めなかったんだから。その辺についてはどうですか。

奥田政府参考人 お答えをいたします。

 御質問が、国が今回の事故が起こることを見逃していたのではないか、こういうこと……(田村(貴)委員「難所」と呼ぶ)難所であるということを見逃していたのではないかということにつきましては、制度上、事後届け出ということではありますが、先ほど申し上げましたような制度のたてつけによりまして、そういったものの基準適合性というものが担保されていたというふうに考えております。

田村(貴)委員 再度確認しますけれども、福岡市から九州運輸局に対して、国交省に対して、設計変更届は出されているのですか、今の時点で。

奥田政府参考人 お答えいたします。

 先ほどもちょっとお答え申し上げたかと思いますが、実際の設計変更が十月に行われたところであります。福岡市交通局は届け出の準備をしておりましたが、その過程で今回の事案が発生し、現時点ではまだ届け出は行われていないということでございます。

田村(貴)委員 やはり、トンネルの天端、この高さを一メートル下げる、工法についても重要な変更があった、そのほかの変更も行われていたにもかかわらず、その事実をちゃんと聞き取って、そして検証していく、この作業が国交省に求められていたのではないかなと私は思うんですけれども、それをスルーしたというのが事実であります。今に至るも出されていない。これは驚きであります。

 鉄道事業の許認可権者は国土交通省ですよね。そして、福岡市交通局が行うこの地下鉄七隈線の工事に対して、国交省はこれまで二十二億円もの補助金を出しています。国の責任は重大ではありませんか。

 この間の経過を見れば、国の行政指導責任が十分果たされていなかったことは明らかであります。第三者委員会、検討委員会に丸投げするのではなくて、監督官庁として国交省はしっかりと対処すべきであるということを主張させていただきたいと思います。

 大臣にお伺いしたいと思います。

 今度立ち上げられた検討委員会なんですけれども、これは、唯一、この事故の検討をしていく、検証していく第三者委員会であります。ほかにこのことを検証する機関やそういう部署はありません。その検討委員会の責任は非常に重いものがあるというふうに思いますけれども、石井大臣はどういうふうに受けとめておられるでしょうか。

石井国務大臣 福岡市からの依頼を受けまして十一月二十九日に設置された第三者委員会には、学識経験者等の知見を生かして今回の事故の徹底的な原因究明と再発防止策を検討いただくこととしておりまして、その責務をしっかりと果たしてもらいたいと考えております。

 国土交通省としても、この第三者委員会に対しまして、全面的に支援をしてまいる考えでございます。

田村(貴)委員 先ほどから述べていますように、福岡市交通局からの設計変更を受けていないと。このデリケートな部分については、今の時点でももっと検証が図られてよかったのに、今まで図られてよかったにもかかわらず、事故が起こってしまったという中で、この検討委員会のメンバー、十二人挙げられています。そのうち、国交省と国交省関連の機関からの委員が五人おられるわけなんですよね。これで第三者的な位置づけとなっていくんでしょうか。

 本当にこの事故が原因究明されて、そして再発防止策が確立されていくのか、ここはしっかりとした検証が必要だと思いますけれども、どうでしょうか、第三者委員会。

五道政府参考人 お答えいたします。

 本来、このような工事中の事故に関する原因究明につきましては、当事者により行われるものというふうに考えております。

 今回設置した第三者委員会は、福岡市長から、事故を起こした側が調査するということは市民の皆様から納得がいただけないし、国の最高の知見をもって徹底的に原因究明をしていただきたいとの要請を受けて、国土交通省所管の土木研究所に設置することとしたものでございます。

 委員につきましては、大学等の学識者や鉄道事業者等のほか、国の研究機関である国土技術政策総合研究所や土木研究所、そして、建設技術や鉄道関係施設の安全を所掌する国土交通省の担当者から選定しているところでございます。

 このように、国の最高の知見をもってという福岡市長からの要請を踏まえておりまして、委員の選定におきましても第三者性は確保されているものというふうに考えてございます。

田村(貴)委員 石井大臣、私は福岡県民であります。この博多駅の博多駅前通りについても、本当によく通るところであります。あの時間帯がもし通勤時間帯にずれていたならば、あるいは水漏れに気がつかずに交通規制線が張られなかったら、あの五時という時間帯でも大惨事になっていたということで、本当にぞっとする事故であります。

 そこで、福岡県民も、全国の国民が知るところになったこの大陥没の事故について、二度と起こしてはならない、そして再発防止策と事故原因の究明をみんなが望んでいるところであります。その国民の期待、福岡県民の期待に、大臣、しっかり応えていただけるでしょうか。

石井国務大臣 福岡市交通局七隈線につきましては、これまでも二回の道路陥没が発生しておりまして、同様の事象を防止するためには、原因究明や再発防止対策の検討を徹底的に行う必要があると考えております。

 本来、このような原因究明等は当事者により行われるものでございますけれども、福岡市から、市自身が原因究明することについて市民の納得を得ることができないのではないかとの懸念があり、第三者による原因究明を国土交通省にお願いしたいとの要請がございました。

 これを受けまして、国土交通省所管の土木研究所におきまして、原因究明や再発防止対策検討のための第三者委員会を設置いたしまして、第一回の委員会が先月二十九日に開催されたところでございます。

 福岡市には、二度とこのような事象が発生することのないよう、第三者委員会で得られた知見や教訓を生かし、万全の再発防止対策を講じていただきたいと考えております。

田村(貴)委員 責任の所在と追及が曖昧にされてはいけないと思います。博多駅前通りの早期復旧のみが誇張されて、そして、ややもすれば美談として解決される向きもあります。しかし、あの大陥没事故は、犠牲者が出なかったからよかった、一週間で復旧したからよくやったで済まされる問題ではありません。大臣も同じ思いかと思いますけれども、だからこそ、緊張感を持って対処していくことが必要だと思います。原因究明と再発防止に国交省が責任を持って取り組んでいくこと、このことを強く求めたいと思います。

 一週間で復旧したからよくやった、犠牲者が出なかったからよかったで済まされないと私は思いますけれども、大臣、大臣の思いを最後に聞いて、質問を終えたいと思います。

石井国務大臣 今回の道路陥没につきましては、陥没後、二十四時間体制で復旧作業が行われまして、一週間後の十五日の五時に道路開放され、避難勧告も解除されたところでございます。そのこと自体は、地元の建設業者さん、あるいはライフラインの管理者さんが懸命に復旧作業に取り組まれたということについては、私は敬意を表したところでございます。

 一方、福岡市におきましては、今回の事案について、先ほど申し上げたように、三回目の陥没事案であること、陥没規模が極めて大きかったこと、ライフラインの損傷等の被害により市民生活に重大な影響が生じたことなどから、重く受けとめていただきたいと思います。

 その上で、第三者検討委員会における原因究明等を踏まえ、緊張感を持って、再発防止対策や、安全かつ確実な工事の実施に努めていただきたいと考えております。

田村(貴)委員 時間が参りました。終わります。ありがとうございました。

西銘委員長 次に、椎木保君。

椎木委員 日本維新の会の椎木保です。

 通告と若干質問の順番を入れかえさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 今回は、気象業務に関して質問いたします。

 近年、集中豪雨や台風等による被害が相次ぐ中、本年においては、八月下旬に、台風九号、十号、十一号が北海道や東北地方を通過し、甚大な被害をもたらしたことから、政府は激甚災害に指定しました。

 ことしの八月から九月にかけて日本に上陸した台風は六個で、昭和二十六年の統計開始以来、平成十六年の十個に次ぐ過去二番目の多さとなっています。北海道において、八月の一週間で三個もの台風が上陸したのは観測史上初ということであり、各地で河川が氾濫し、市街地が冠水、鉄道や道路網も寸断されるとともに、農産物が大打撃を受けました。東北地方、特に岩手県では、死者が二十名に上り、記録的な大雨による道路の崩落や土砂崩れが相次ぎ、道路の百十六カ所が不通となり、岩泉町を中心に最大一千六百名が孤立状態となったほか、河川の堤防や橋が流出したり破損し、農作物や家畜、また、東日本大震災から復興途上の水産業が大打撃を受けました。

 そこで、お尋ねいたします。

 近年のゲリラ豪雨や台風等による大雨被害が各地で相次いでいること、また、ことしは特に北海道や東北地方で甚大な被害となっていることについて、大臣の所感をお伺いいたします。

石井国務大臣 我が国では、近年、集中豪雨や台風等による被害が相次いで発生しております。最近では、平成二十六年八月二十日の広島県の土砂災害、平成二十七年九月の関東・東北豪雨、そして本年は、台風が北海道や東北地方に相次いで上陸いたしました。

 このように、近年、雨の降り方は局地化、集中化、激甚化しておりまして、このような状況を新たなステージと捉えて、国土交通省では、平成二十七年の一月に、新たなステージに対応した防災・減災のあり方を取りまとめたところでございます。

 本年は、これまで年間降雨量が少ないとされてきた北海道や東北地方に相次いで台風が上陸いたしまして、甚大な被害が生じました。このように、集中豪雨や台風等による被害は全国どこでも起こり得るものであり、そのような意識を持って備えを万全にしておく必要性を強く実感したところでございます。

 国土交通省におきまして、このような新たなステージに対応しまして、近年の気象の変化にも的確に対応した防災対応能力の向上が極めて重要と考えており、防災気象情報の発信や気象庁の観測、予測技術の改善に取り組んでまいりたいと存じます。

椎木委員 次の質問に入ります。

 ゲリラ豪雨や台風等による大雨被害について、これまでの想定を超える大きな被害が毎年発生している現状において、新たな観測機器等の研究開発や、堤防の強化等による河川の氾濫防止対策などにより、被害防止に向けたさまざまな取り組みが行われております。また、警報等の発令、伝達についても、自治体や住民等への迅速でわかりやすい伝達方法等の確立に邁進されることと思うのですが、国民の安全を守り、被害を最小限に食いとめる取り組みについて、大臣の御決意をお伺いいたします。

石井国務大臣 近年、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している中、大雨災害が各地で発生している状況を踏まえまして、気象警報等の適時的確な発表や、自治体や住民等への迅速でわかりやすい伝達により、被害を最小限に食いとめることが重要と考えております。

 このため、社会に大きな影響を与える現象については、可能性が高くなくとも、そのおそれを積極的に伝えていくこと、危険度やその切迫度を認識しやすくなるよう、わかりやすく情報を提供していくことという基本的方向性のもと、防災気象情報の改善や気象の観測、予測技術の向上にさらに強力に取り組んでまいります。

 国土交通省といたしましては、こういった気象庁の取り組みとともに、昨年の関東・東北豪雨災害を踏まえまして、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考え方に立ち、社会全体で洪水に備える水防災意識社会再構築ビジョンを示し、これに基づく取り組みを国の管理する河川から進めているところでございます。

 本年の八月には、この取り組みを県の管理する河川にも広げていくことを決めたところでございますが、この夏、北海道、東北地方を襲った一連の台風による被害も受けまして、県管理河川における水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みを加速化することといたしました。

 洪水に備えるハード、ソフト対策をスピード感を持って推進し、地域の安全、安心の確保に努めてまいりたいと存じます。

椎木委員 大臣の極めて明確な御決意、しっかりと答弁をお聞かせいただきました。

 大臣はこの後、参議院本会議ということですので、これで御退席いただいて結構です。ありがとうございました。

西銘委員長 石井大臣は、一時、参議院本会議、どうぞ退席されてください。

椎木委員 次の質問に入ります。

 ことしの台風について、一号の発生は観測史上二番目に遅い七月三日で、その後、八月末までに十一個の台風が次々と発生し、十月までに計二十二個の台風が発生しました。上陸したのが六個で過去二番目の多さ、そして接近が五個となっています。

 このような状況について、温暖化による海水温の上昇等があると思うのですが、気象庁としてどのように分析をしているのか、また、近年の台風発生の傾向とあわせてお伺いいたします。

橋田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま、ことしは台風の接近、上陸が多いというお話がございました。

 この要因といたしましては、ことしの夏、通常より日本に近い近海で台風が起こりやすいという大気の状況、気圧配置であった、これがございます。それから、太平洋高気圧が例年に比べまして東側に位置いたしまして、日本付近にまで張り出してこない、したがいまして、その結果、日本の東海上を台風が通って北上する、こういう通り道になった、こういうことが要因として考えられます。

 また、海面水温のお話がございました。

 気象庁が一九〇〇年以降の観測データを分析いたしますと、この百年当たり一・〇七度の割合で海面水温が上昇しているということがわかっております。このような海面水温の上昇は認められますけれども、台風の発生数そのものにつきましては、特段の変化は認められておりません。

 しかしながら、他方で、気候変動に関する政府間パネル、IPCCでございますが、これが二〇一三年に公表いたしました第五次評価報告書では、海面水温の上昇に伴いまして、強い台風の発生する割合、数が多くなるという予想もなされておりますので、そういったことに留意が必要だ、このように思っています。

椎木委員 次に、近年のゲリラ豪雨や台風等による大雨被害についてお伺いいたします。

 ことしは、さきに述べたとおり、台風九号、十号、十一号により、北海道や東北地方が激甚災害に指定されるほどの被害が発生し、また、九月には、台風十六号により、西日本から東日本にかけて各地で記録的大雨も発生しております。

 昨年は、平成二十七年九月関東・東北豪雨と命名された台風十八号等の大雨による被害が発生し、一昨年は、平成二十六年八月豪雨と命名された台風十一号、十二号の接近や、日本付近への前線停滞により、約一カ月の間、暖かく湿った空気が継続的に流れ込み、各地で記録的な大雨が発生するとともに、広島では、土砂災害により死者七十四名の多大な人的被害が発生しました。

 このような大きな被害をもたらす台風及びゲリラ豪雨についての近年の特徴や、多発する傾向について、気象庁の見解を求めます。

橋田政府参考人 ただいま、台風あるいはゲリラ豪雨につきまして、近年の特徴や多発の傾向に関する見解をお尋ねになられました。

 先ほど大臣が見解で述べられましたように、近年の集中豪雨、台風等による災害が相次いでいる状況、これは、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化しているということを改めて申し上げたいと思います。

 その上で、近年の雨の降り方の特徴といたしましては、平成二十六年八月の広島豪雨、それから平成二十七年九月の関東・東北豪雨において見られましたように、積乱雲が次々と発生して複数の積乱雲が連なる、いわゆる線状降水帯が停滞することによる集中豪雨のメカニズムといったことが明らかとなっております。

 また、多発の傾向につきまして、気象庁が全国で運用しております約千三百カ所のアメダス、この地点におきます過去四十年の観測データを見てみますと、一時間当たり五十ミリ以上の、短時間に強い雨が降る年間の回数がこの四十年で約一・三倍、さらには、一日当たり四百ミリという、災害を起こすような大雨が降る統計上の可能性がこの四十年間で一・九倍と、明瞭な増加が認められた、こういった状況がございます。

椎木委員 それでは、最後の質問に入らせていただきます。

 甚大な被害をもたらすゲリラ豪雨の発生を数分前に予測し情報提供する手法について、昨年の夏から秋にかけて関東と関西で行った実証実験では、立体的な雨雲を三十秒という高速で観測する新型レーダーのフェーズドアレー・レーダーによる観測データを使って予測したところ、開発研究が実用化に近づいているとお聞きしましたが、その見通し等についてお尋ねいたします。

橋田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま、豪雨の発生を事前に予測し、情報を提供する方法といたしまして、新型のフェーズドアレー・レーダーの実用化の見通しについての御質問と思います。

 御紹介がありましたように、フェーズドアレー・レーダーにつきましては、国内の幾つかの大学、研究機関において整備がなされまして、豪雨予測等の実証実験を行いつつありまして、実用化に向けた研究開発が進められているところでございます。

 このフェーズドアレー・レーダーの特徴でございますけれども、レーダーから半径六十キロの範囲の積乱雲を立体的な構造で捉え、約三十秒という非常に高頻度で観測を行う機能を有しております。

 気象庁においても、つくばの気象研究所にフェーズドアレー・レーダーを導入いたしまして、平成二十七年七月から研究開発を開始しております。本年の八月には、台風九号がつくば市付近を通過した際に、台風を取り巻く積乱雲に関する詳細なデータの取得に成功したところでございます。

 このフェーズドアレー・レーダーでございますけれども、豪雨予測等に実用するに当たりましては、取得された大量、膨大なデータを迅速に処理すること、さらに、リアルタイムで積乱雲の発達状況の把握、あるいは豪雨予測を自動的に行うといった技術を開発し、これを進めていく必要があると考えております。

 気象庁といたしましては、今後とも、大学、研究機関とよく連携をいたしまして、データの蓄積及びそれを用いました技術開発を進めることで、フェーズドアレー・レーダーを活用した豪雨の監視、予測の実用化に向けて粘り強く取り組んでまいりたい、このように考えております。

 以上でございます。

椎木委員 しっかりと開発研究、実用化に向けて推進していただきたいと思います。

 最後になりますが、地震や津波、台風、豪雨、洪水、火山の噴火など、多くの自然災害から国民の生命財産を守るためには、気象庁が果たすべき役割は極めて重要であり、国民からの期待も高いと思われます。関係者の皆様の真摯な取り組みをお願いしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

    〔委員長退席、中根(一)委員長代理着席〕

中根(一)委員長代理 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。

 きょう、今、大臣おられませんけれども、国土交通行政の基本的な施策ということで、本日は三点にわたり御質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 最初に、少し細かいところに入りますが、自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れた繰入金の繰り戻し、これについてお伺いをしたいと思います。

 この自動車安全特別会計は、自動車損害賠償保障事業、さらには自動車事故対策事業など三つの事業を包括して経理する特別会計であります。中でも自動車事故対策事業は、自動車ユーザーが負担した自賠責保険の再保険料から生じた累積運用益の積立金をその財源として、自動車事故による重度後遺障害者等の被害者救済対策、さらには事故発生防止対策などを行っております。

 具体的には、独立行政法人自動車事故対策機構、通称NASVAにおいて、自動車事故被害者の療護施設での適切かつ質の高い治療や、看護の実施や、スムーズな在宅介護への移行支援、こういった大変重要な事業が実施されておりまして、この事業には、この特別会計の積立金から毎年約百三十億円を超える予算が活用をされております。

 しかし、この自動車安全特別会計につきましては、平成六年度及び七年度に一兆円を超える額が一般会計に繰り入れをされておりまして、そして、その半分以上である約六千億円がいまだこの自動車安全特別会計に繰り戻しがされておりません。

 また、この自動車安全特別会計の繰り戻しの期限については、これまで四回にわたる財務大臣と国交大臣の覚書でその延長が決められてきたところであり、最近の覚書では、平成二十二年十二月二十二日に、当時の野田財務大臣また馬淵国交大臣の間で、懐かしいですね、平成三十年度までの繰り戻しの延長が合意をされておるところでございます。

 この覚書は、当時の大臣間さらには省庁間の約束でありますので、将来ほごになるといったことはないというふうに思いますが、私は、この自動車安全特別会計が、自動車事故による被害者救済対策、さらには事故発生防止対策に活用されているという状況を見た場合、いまだ一般会計から六千億円を超える額の繰り戻しが行われていないという事実は本来望ましくなく、早期の繰り戻しを行っていただくことが必要であると思いますが、御見解を伺います。

藤井(直)政府参考人 お答えいたします。

 平成六年度及び七年度に自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れられました約一兆一千億円につきまして、利子相当額約一千億円を含め、約六千億円が繰り戻されていない状況にございます。

 この繰り戻しについては、法律などで、予算の定めるところにより繰り入れることとされており、具体的には、財務大臣と国土交通大臣との間の合意に基づき、協議の上決定することとされております。

 国土交通省としましては、被害者保護対策及び事故防止対策を安定的に実施するため、これまでも財務省に対して繰り戻しを要求しているところであり、引き続き財務省と協議をしてまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 この積立金は、いわゆる自賠責の運用益から生み出されているものでありまして、基本的には自動車に関するさまざまな諸施策に使うべき財源であります。特に、自動車事故によって後遺障害が残っていたりとか、あと脳外傷の方々、こういった方々がいかに在宅で生活ができるかとか社会復帰ができるかとか、そういったところに使うべき財源であります。

 確かに、たちまち底をつくという状況ではないわけですが、基本的には、年限を費やしていくと、いつかは底をついてしまう可能性があるわけですね。そこに対して、いわゆる自動車事故によるさまざまな大変な生活をされている方々は、不安を感じている団体等もおられます。

 きょうはあえて財務省にお越しいただいて答弁は求めませんでしたけれども、これが平成三十年度までの覚書になっているということは、いわゆる来年の、平成二十九年の十二月ぐらいに、さてどうするんだという議論が多分財務省と国交省でされると思うんですね。そのときに、単なる省庁間の手続で、また延ばそうよ、そういったことにならないように、確かに国交省から財務省になかなか言いづらいところもあるかもしれませんが、この財源をもとにさまざまな活動をしている、こういった状況があるということを鑑みて、国交省としてはしっかりとしたお取り組みをしていただきたいと思います。

 また機会があれば、今度は、一度財務省の方にもお越しいただいて、予算が終わった後がいいと思いますから、今ちょっと大事な時期ですから今は呼びませんけれども、終わったあたりで財務省の方に来ていただいて、この議論を重ねたいと思っております。

 次に、ポストサミットの着実な推進と、観光インフラ整備プログラムの策定に合わせた観光施策についてお伺いをしたいというふうに思います。

 政府は、本年八月に閣議決定をした経済対策の中で、外国人観光客四千万人に向けて、ハード面さらにはソフト面のインフラ整備を整合的かつ計画的に進めるために、観光インフラ整備プログラムを年内をめどに策定する、このように明記をしていただいております。

 また、本年は三重県の伊勢志摩地域において伊勢志摩サミットが開催された年でもあり、今後はこのポストサミットの推進を見据えた観光施策の推進が重要となってまいります。

 そこで、ここでは、このポストサミットの着実な推進と、観光インフラ整備プログラムの策定に合わせた観光施策について、二点お伺いをいたします。

 まず、本年三月に策定をされました明日の日本を支える観光ビジョンでは、インバウンド及びFIT、これは海外個人旅行者ですが、FIT対応の宿泊施設の不足の早急な解消及び多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供を図るために、旅館等のインバウンド対応を支援する方針が示されております。補助制度もできております。

 私は、この二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人を達成するためには、ポストサミットの着実な推進と、観光インフラ整備プログラムの策定に合わせた旅館、ホテルなどの和洋室化等の施設整備、さらには、外国人が訪れる主要な商業施設や観光スポットにおける無料公衆無線LANや、クレジットカード、さらには電子マネー等が使える店舗の拡大など、利用のための基盤整備及びそのための支援の拡充、これが非常に大事になってくるのではないかと考えますが、観光庁のお考えをお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 お答えいたします。

 本年三月、総理を議長とする明日の日本を支える観光ビジョン構想会議におきまして、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年に四千万人とすること等の新たな目標を盛り込んだ観光ビジョンを策定いたしました。このビジョンの目標達成に向け、八月の未来への投資を実現する経済対策に基づき、ハード面とソフト面のインフラ整備を整合性及び計画性を確保しながら進めるため、年内に観光インフラ整備プログラムを策定してまいります。

 経済対策におきましては、いわゆるハード面の整備に加えまして、ソフト面の取り組みとして、今おっしゃいました旅館のインバウンド対応の推進でございますとか、あるいは、容積率の緩和による宿泊施設の建設の促進、WiFiの利便性向上、訪日外国人のカード決済環境整備等が掲げられておりますけれども、観光庁といたしましては、今後、関係省庁と連携し、観光インフラ整備プログラムの内容をしっかりと検討し、そして実行してまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 三月の明日の日本を支える観光ビジョンから、八月の経済対策、さらには、年内をめどですけれども、観光インフラ整備プログラム、いい流れの中で計画がつくられていくというふうに思うんですね。それにもしっかりと予算がついてくるという流れの中で、私は、今観光庁は非常にチャンスだと思いますので、そういった現場のニーズに合った施策を、しっかりとした支援も拡充しながら行っていただきたいなと。

 特に、地方ですね。今までは外国人旅行客は、いわゆるゴールデンルート、これが多かったわけですけれども、今、統計を見ると、FIT、要するに個人旅行の方がぐんとふえているわけです。そういった方々がどこに行きたいかというと、これはもうゴールデンルートではなくて、やはり地方の日本のよさ、ここに触れたいというところが多いものですから、そういったところにもしっかりとした支援が浸透していくような、そういった方向性をお願いしたいというふうにも思っております。

 加えて、MICEについてちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、先ほどと同じく、この観光ビジョンでは、MICEの誘致さらには開催の支援体制を抜本的に改善して、世界で戦える日本のMICEへと成長させる、この方針が示されました。観光庁でも、ここに向けて、例えば神社とか仏閣等、歴史的に価値の高い建造物で開催する国際会議等への活用促進事業、これがつくられているところでございます。

 私は、このMICEの誘致及び開催については、来年度以降、先ほども申し上げましたが、特に地方への海外誘客の具体的なインセンティブとして、地方でのMICE開催に力点を置くとともに、この活用促進事業については、特に地方のユニークベニューを活用した国際会議やミーティング、こういったところに支援を拡充していく、この考え方が大事だと思いますが、観光庁のお考えをお伺いします。

田村政府参考人 先生御指摘のように、国際会議等の誘致、開催につきましては、地方に大きな経済波及効果をもたらすことが期待されるため、極めて重要だというふうに認識しております。

 このため、観光庁におきましては、いわゆる世界トップレベルの誘致能力・体制、受け入れ環境を持つMICE都市を育成するために、平成二十五年度からこれまでの間、仙台、神戸、北九州等の地方都市を含む主要十二都市に外国人専門家を派遣して、MICE誘致のための戦略づくりの支援などを行っているところでございます。

 また、歴史的建造物や公的空間をレセプション等に活用する、特別な場所という意味のユニークベニュー、これは、インバウンド拡大に大きく貢献するものであり、地方でMICEを開催する際の魅力の一つにもなり得るものと考えております。

 ただ、我が国では、ユニークベニューというのはまだ認知度も低くて、その活用は限定的なものにとどまっておりますので、観光庁におきましては、ベストプラクティス集を作成いたしましたり、ユニークベニューでレセプション等を開催する場合に支援を行って、その利用促進を図っているところでございます。

 今後、地方誘客のインセンティブとなり得ますので、このMICE誘致、ユニークベニューの活用を、関係省庁とも連携して、引き続き推進に努めてまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございます。

 私は三重県ですが、三重県は地方都市の一つでして、伊勢志摩サミットを行わせていただきました。非常にいいところがたくさんありますので、こういったところをぜひ今後も活用していただきたい、そういったことの要望も図りながら、近くに名古屋はありますけれども、まずは伊勢志摩ということでよろしくお願いをしたいと思います。

 最後に、四日市港の物流機能の強化について、残り時間、お伺いをいたします。

 国際拠点港湾でもあります四日市港の背後には、石油化学コンビナートを初め、自動車関連産業など、我が国の基幹産業が集積をしております。日本経済をリードする物づくり産業の中枢圏、こういうふうになっているわけでございます。

 特に、この四日市港の臨海部に立地する我が国有数の石油コンビナート等は、背後圏の物づくり産業を支える高度な基礎部材の供給拠点となっており、サプライチェーンの根幹を支える重要な役割を担っております。

 また、現在、直轄事業として国が整備を進めております臨港道路霞四号幹線につきましては、四日市港と伊勢湾岸自動車道の接続性が強化されることにより、貨物輸送の即時性、さらには定時性の確保、また、物流コストの低減など、物流生産性向上に向け大きな効果が期待されるところでございます。

 しかしながら、この四日市港の霞ケ浦地区は出島でありまして、背後地への連絡道路は、現状、霞大橋一本しかございません。ゆえに、南海トラフ地震の可能性が指摘される中、この地区で働く多くの従業員の安心や安全の確保が必要とされております。また、同地区に立地する臨海部コンビナートから供給される高度な基礎部材は物づくり産業の根幹を支えているために、サプライチェーンの寸断による経済産業活動への深刻な打撃を回避する必要もございます。

 このため、霞ケ浦地区から背後地へのアクセスのリダンダンシー機能を担うこの霞四号幹線の早期完成は、安全、安心の確保やサプライチェーンの維持の面からも大変期待をされているところでございます。

 そこで、国交省に伺いますが、この臨港道路霞四号幹線の整備については、四日市港の物流や物づくりの一大拠点として、また、この地区で働く労働者の安心、安全を確保するためにも、平成二十九年度中の完成に向け確実な整備を進めていくことが肝要と考えますが、いかがでしょうか。国交省の御見解をお伺いします。

菊地政府参考人 お答えいたします。

 国際拠点港湾である四日市港は、中部圏を代表する国際物流拠点として機能しております。特に、自動車部品の輸送など、国際海上コンテナ貨物の拠点として大変重要な港湾であると認識をしております。

 委員今お話のありました臨港道路霞四号幹線でございますが、国際海上コンテナターミナルや耐震強化岸壁を有する霞ケ浦地区と伊勢湾岸自動車道、国道二十三号線を結ぶ道路として、また、港湾と背後地を結ぶアクセス道路の混雑緩和や災害時のリダンダンシーの確保に加えまして、国道二十三号の渋滞緩和にも寄与する大変重要な道路でございます。

 現在までに橋梁の下部工の大半が完了しておりまして、今年度は残りの下部工と上部工を実施しているところでございます。平成二十九年度には、引き続き橋梁の上部工と舗装工を進める予定としております。

 国土交通省といたしましては、平成二十九年度中の完成に向け、着実に整備を進めてまいります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 先ほど局長から、二十九年度中に向け着実にという御答弁をいただいたことでございます。地元は本当にこの一言を聞いて喜んでいるというふうに思いますし、また、やる気が出てくるんじゃないかなというふうにも思っております。

 その御答弁をいただきまして、公明党を代表しての質問を終わります。大変にありがとうございました。

    〔中根(一)委員長代理退席、委員長着席〕

西銘委員長 次に、中村裕之君。

中村(裕)委員 自由民主党の中村裕之でございます。

 質問の機会をいただいたことに心から感謝を申し上げまして、早速質問に入ります。

 この夏、北海道、東北地方を直撃した複数の台風によりまして、二十四名というとうとい人命が失われました。住民生活や地場産業にも甚大な被害が発生したところでありますけれども、国土交通省を挙げて激甚災害にも御尽力いただき、感謝を申し上げるところであります。

 激しさを増す豪雨等の災害から国民の命を守ることは、国の重大な責務であります。そこで伺いますが、国土交通省では、昨年の鬼怒川氾濫を受けまして、堤防の強化等を計画的に推進する方針を示されたところであります。その計画の概要と、あわせて、今年度末の予定進捗率、その投資額をお示しいただきたいと思います。

山田政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省におきましては、昨年九月の関東・東北豪雨による災害を踏まえまして、施設では守り切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備えるため、水防災意識社会再構築ビジョンを策定いたしまして、ハード、ソフト一体となった対策を平成三十二年度を目途に進めることとしたところでございます。

 このうち、ハード対策といたしましては、堤防整備などの洪水氾濫を未然に防ぐ対策を全国約千二百キロメートルで実施することとしておりまして、平成二十八年度補正予算までの投資額は約二千二百三十億円、そして進捗予定は約二割となっております。

 また、決壊までの時間を少しでも引き延ばすために、堤防天端の保護などの危機管理型ハード対策を全国約千八百キロメートルで実施することとしておりまして、平成二十八年度補正予算までの投資額は約三百十億円、そして進捗予定は約五割となっております。

 引き続き計画的に対策を進めまして、地域の安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。

中村(裕)委員 ただいまの答弁では、二割で二千二百三十億円という数字がありました。全部やるまでに一兆円を超す投資額が必要だということが推測をされるわけでありますけれども、国民の命を守る大切な事業でありますので、着実に推進をしていただくようにお願い申し上げます。

 本年の台風は、北海道の常識では信じられない降り方をしたわけであります。しかも、お手元の資料にありますように、北海道の降雨状況も非常にふえているのが明らかでありますし、全国を見ても、豪雨は強まるというふうに予測をされているところであります。

 これまでの流量基準ですとか治水計画等を見直していく必要があるというふうに思いますが、検討状況等についてお伺いいたします。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 北海道では、台風十号など一連の台風の影響によりまして、道東における八月の月間降水量は平年の二倍から四倍となる五百ミリを超える大雨を観測いたしまして、常呂川、十勝川、石狩川などにおきまして、河川の氾濫等により甚大な被害が発生をいたしました。

 堤防の決壊などの被害が生じました十勝川あるいは常呂川では、長期的な整備の方針を定める河川整備基本方針規模の出水となりまして、おおよそ二十年から三十年間に行われる具体的な整備の内容を定めます河川整備計画の目標を大きく超えることとなりました。

 御指摘のように、今後も、地球温暖化に伴う気候変動の影響によりまして、水害、土砂災害の頻発化あるいは激甚化が懸念されております。

 このような状況を踏まえまして、国土交通省は、北海道と共同で、有識者から成ります検討委員会を十月に設置しまして、気象、治水、防災などの観点から今回の大雨災害の検証を行うとともに、今後の治水対策のあり方を検討することといたしました。

 この委員会では、ことしの夏に生じた状況を反映した治水計画についても本年度末を目途に検討することとしておりまして、その結果も踏まえて、必要に応じて、河川整備計画の目標流量を含め、治水計画の見直しを検討してまいりたいと考えております。

中村(裕)委員 整備計画の目標を大きく超えたということから、今、検討を進め、本年度末の取りまとめをしていくということでありますが、あくまでも人命第一でそうした検討を進めていただきたいと思います。

 北海道の台風災害では、道東地域と道央地域を結ぶ国道二百七十四号線が六十六カ所崩落するという被災がありまして、年単位で通行どめになることになりそうであります。北海道横断自動車道が仮につながっていなければ、大幅な迂回を強いられて経済活動等に大きな影響を与えた、はかり知れない影響を与えたと考えられるわけであります。

 東日本大震災の際にも、高速道路が早期に復旧し、命の道路として活躍をしたように、高規格道路は構造上災害に強いことから、地域からは、高規格道路のミッシングリンクを解消し、リダンダンシーの確保を早期に行ってほしいという要望がたくさんございます。国土交通省として、地域の声を重く受けとめて整備を加速すべきと考えますが、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

大野大臣政務官 お答えいたします。

 高規格道路は、地域の活性化や物流の効率化等に役立つとともに、特に、災害により孤立するおそれのある地域や、一つの道路が遮断されるとほかに選択肢のない地域においては、災害対応力を高めるためにも必要なものと認識しております。

 今回の北海道の台風災害におきましては、道東と道央を結ぶ国道二百七十四号が被災し、先ほど御指摘がありましたように、約一年間、長期間の通行どめになる一方で、並行する道東自動車道は早期に復旧し、代替路として物流、人流の確保において重要な役割を果たしております。

 国道二百七十四号は、現在、来年の秋ごろの通行どめの解除を目指して、今、全力で復旧に取り組んでおります。そのために、現在、代替路として御活用いただいている道東自動車道の占冠インターチェンジから十勝清水インターチェンジの区間では無料措置を実施し、御利用いただいているところであります。

 また、全国においては、いまだ高規格道路がつながっていない、いわゆるミッシングリンクとなっている地域が、約八〇%まではなっていますが、二〇%まだあります。しかしながら、北海道においては約四割がまだ未供用となっており、この整備を進めることは大変大切なことだということも認識しております。

 今後とも、事業中区間の整備促進を図るとともに、未事業化区間においても計画的に調査を進めるなど、一日も早いミッシングリンクの解消に向け、関係者の皆様の御協力を得ながら全力で取り組んでまいります。

中村(裕)委員 大野政務官がおっしゃったように、代替道路があるということは地域にとって非常に大切なことでありますので、全力で取り組みをお願いしたいと思います。

 国土交通省は、一昨年、地方自治体が管理する橋梁等について、五年に一度の点検を義務づけたところであります。私は、全国が一斉に点検することによって、老朽化対策の必要事業量が大幅に伸びるのではないかということを危惧しているのでありますが、現在までの点検結果はどのような状況か、お伺いします。あわせて、これまでの予算規模で対処可能なのか、お伺いいたします。

石川政府参考人 お答えいたします。

 議員御案内のとおり、平成二十六年の七月より、全国の橋やトンネルなどについて、国が定める統一的な基準によりまして、五年に一度の頻度で近接目視による点検、診断を行ってきているところでございます。

 橋梁に関して申しますと、全国に約七十三万橋ございまして、地方公共団体が管理する橋梁は、そのうち約六十六万橋でございます。平成二十七年度末までの約二年間で、約三割について点検が完了しております。点検した橋梁のうち、約一二%に当たります約二万二千橋につきまして、緊急または早期に修繕などの措置を行う必要があるということが判明しております。

 国交省で今年九月に行ったアンケートの結果では、点検の結果を踏まえまして老朽化対策を進めていくところですが、財政力、技術力、人員等の面で課題がある市町村も多く存在するというふうに認識をしております。

 老朽化対策に対して適切な支援が行えるよう、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えておりますが、同時に、予防保全、新技術の導入によるコスト縮減や、施設の集約化、撤去等の課題にも取り組んでまいりたいと考えております。

中村(裕)委員 次に、国道の維持について伺います。

 国道の維持については、耐震化や老朽化対策が重視される一方で、路面補修や排雪回数等の日常の維持管理が手薄になっており、地域から充実を求める声があるわけであります。災害や事故を防止する上でも大切と考えますけれども、国土交通省の所見をお伺いいたします。

大野大臣政務官 委員御指摘のとおり、災害や事故を防止する上でも、日常の管理の充実は道路管理者としても大変重要なことだと認識しております。

 道路における日常の管理は、平成二十二年度から、維持管理基準を定め、道路巡視、除雪などを実施していますが、その頻度については、実態に合わせて見直しを行ってきております。

 例えば、除雪においては、以前のような降雪量による一律の基準ではなく、今日では、大規模な通行どめが生じることがないよう、降雪状況を踏まえ柔軟な対応を行っております。

 今後も、道路を常時良好な状態で保てるようにするため、一層努めてまいります。

 また、地域住民の皆様の御協力をいただくために、道路緊急ダイヤル、シャープ九九一〇のより一層の周知を図り、適切かつ効率よく道路の管理を行えるようにも努めてまいります。

中村(裕)委員 ここまで、国土の強靱化という行政需要に対して、予算をしっかり確保し、増額をしながら進めることが必要だということを念頭に質問してまいりました。野党の皆さんからもそういった趣旨のことがあったと思います。

 私は、低金利の今こそ、建設国債を発行しても、事前防災を徹底し、国民の命を守るべきであり、そのことにより、結果的にトータルコストも低く抑えられると思っております。

 国の財政が厳しいことも承知をしておりますけれども、政府の基本方針が経済再生なくして財政健全化なしであり、機動的財政出動を改めて実行することにより、防災・減災を進めるとともに、デフレギャップを解消し、経済再生を確実にしていくべきと考えますけれども、内閣府の考えについてお伺いいたしたいと思います。

越智副大臣 お答えをいたします。

 まず、国土強靱化は、持続的な経済成長のほか、地方創生や、誰もが活躍できる一億総活躍社会、女性が輝く社会の実現に寄与するものだというふうに考えております。

 その上で、十一月二十九日に閣議決定されました平成二十九年度の予算編成の基本方針におきましては、戦後最大の名目GDP六百兆円に向けては、国土強靱化も含め、あらゆる政策を総動員することにより、デフレ脱却を確実なものにすること、そして、平成二十九年度予算編成に向けては、各地の災害からの復興や防災対応の強化についても着実に進めることなどが示されております。

 また、現在実施しております経済対策においても国土強靱化を実現する防災・減災対策を盛り込んでおりまして、引き続き、それを具体化する補正予算を円滑かつ着実に実施してまいりたいというふうに考えておりまして、この点につきましては、熊本、東日本の震災の復旧復興も含めて約二兆円の予算計上がされているところでございます。

 また、政府としましては、二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持しておりまして、経済・財政再生計画の枠組みに基づいて歳出改革を継続していくこととしております。

 同時に、経済再生なくして財政健全化なしとの方針のもと、これまでにも増して、構造改革は無論として、金融政策に成長志向の財政政策をうまく組み合わせて、デフレ脱却、経済再生と財政健全化を両立していきたいというふうに考えているところでございます。

中村(裕)委員 最後の質問に移らせていただきます。

 私は、国土強靱化をしっかりと進めて、安全、安心な国土として子供たちにプレゼントをしていくというか、手渡していく必要があると思うんです。その意味で、インフラ投資、国土強靱化は重要でありますし、先ほど申し上げたように、高規格道路のミッシングリンクを解消してリダンダンシーを確保することも国土強靱化の一環だというふうに思っております。

 大臣、大規模化する災害から国民の命を守る、その責任を有する国土交通省、石井大臣として、国土強靱化に向けた決意をお願いしたいと思います。

石井国務大臣 今委員御指摘のとおり、国土強靱化は非常に重要な事柄だと思っております。国土交通省としてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

中村(裕)委員 ありがとうございます。

 しっかり取り組む意味では、行政需要が膨らんでいますので、予算の確保をしっかりやっていく必要があるということを申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

     ――――◇―――――

西銘委員長 次に、無電柱化の推進に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、西村明宏君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四会派共同提案により、お手元に配付してありますとおり、無電柱化の推進に関する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。宮内秀樹君。

宮内委員 本起草案の趣旨及び内容につきまして、提出者を代表して御説明申し上げます。

 道路上の電線、電柱は、景観を損なうだけではなく、歩行者や車椅子の通行の妨げとなり、地震などの災害時には、電柱が倒れ、緊急車両等の通行に支障を来すなど、種々の危険があります。

 しかし、我が国の無電柱化率は、欧米の主要都市やアジア各国の都市と比べて極めて低い状況にあります。

 本起草案は、このような現状に鑑み、災害の防止、安全、円滑な交通の確保、良好な景観の形成等を図るために、無電柱化の推進に関する施策を総合的、計画的かつ迅速に推進するよう、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、基本理念として、無電柱化の推進は、国民の理解と関心を深めつつ、国、地方公共団体及び関係事業者の適切な役割分担のもと、地域住民が誇りと愛着を持つことのできる地域社会の形成に資するよう行われなければならないと定めることとしております。

 第二に、無電柱化の推進に関する国、地方公共団体、関係事業者及び国民の責務等を定めることとしております。

 第三に、国土交通大臣は、無電柱化推進計画を定めなければならず、また、都道府県は都道府県無電柱化推進計画を、市町村は市町村無電柱化推進計画をそれぞれ定めるよう努めなければならないこととしております。

 第四に、国及び地方公共団体は、無電柱化に関する広報活動及び啓発活動の充実、無電柱化が特に必要と認められる道路の占用の禁止等、必要な施策を講じることとしております。

 第五に、関係事業者は、道路整備事業等実施の際、電柱、電線の新設を抑制するとともに、可能な場合は、既存の電柱、電線を撤去することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

 無電柱化の推進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

西銘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 これより採決いたします。

 無電柱化の推進に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西銘委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

西銘委員長 次に、自転車活用推進法案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、各党間での協議の結果、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 国民の健康増進と地球環境保全及び交通混雑緩和に寄与する自転車は、東日本大震災など災害時においても、避難の足として、あるいは交通困難時の連絡・移動・輸送手段として有効に活用され、その有用性が改めて見直されております。

 本起草案は、このような現状に鑑み、自転車の活用の推進に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び自転車の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、自転車活用推進本部を設置することにより、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、基本理念として、自転車の活用の推進は、公共の利益の増進に資するものであるという基本的認識のもとに、交通体系における自転車による交通の役割を拡大することを旨として、交通の安全の確保を図りつつ、行われなければならないと定めることとしております。

 第二に、自転車の活用の推進に関する国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を定めることとしております。

 第三に、自転車の活用の推進に関して、重点的に検討され、及び実施されるべき施策は、自転車専用道路等の整備、自転車活用による国民の健康の保持増進、自転車と公共交通機関との連携の促進、災害時の自転車の有効活用体制の整備等とすることとしております。

 第四に、政府は、自転車活用推進計画を定めなければならず、また、都道府県は都道府県自転車活用推進計画を、市町村は市町村自転車活用推進計画をそれぞれ定めるよう努めなければならないこととしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 自転車活用推進法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

西銘委員長 これより採決いたします。

 自転車活用推進法案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西銘委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

西銘委員長 この際、お諮りいたします。

 第百九十回国会、二階俊博君外三名提出、道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

西銘委員長 引き続き、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、各党間での協議の結果、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 近年、バス、トラック等事業用自動車の運転者の運転中の疾病に起因する事故の発生件数は増加傾向にあります。

 また、貸し切りバス事業者については、旅行会社との不適切な契約等により、運行の安全が確保されず、本年一月の軽井沢スキーバス事故のように多数の旅客に甚大な被害が生じる事案の発生が危惧されております。

 本起草案は、このような現状を踏まえ、バス、トラック等の自動車運送事業に係る輸送の安全の確保に寄与しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、旅客自動車運送事業者及び貨物自動車運送事業者は、運転者が疾病により安全な運転ができないおそれがある状態でバス、トラック等の事業用自動車を運転することを防止するために必要な医学的知見に基づく措置を講じなければならないことを法律に明記することとしております。

 第二に、不適切な運送契約が締結されること等により貸し切りバスの運行の安全が確保されず、多数の旅客に甚大な被害が生じるおそれがある現状に鑑み、政府は、貸し切りバス事業者の増加の状況、法令遵守の状況、事故の発生状況等を勘案し、貸し切りバスの運行の安全の確保を実効的に行うための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

西銘委員長 これより採決いたします。

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西銘委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西銘委員長 この際、西村明宏君外四名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び日本維新の会の五会派共同提案による運転者への健康起因事故対策に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。津村啓介君。

津村委員 ただいま議題となりました運転者への健康起因事故対策に関する件につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    運転者への健康起因事故対策に関する件(案)

  政府は、運転者の健康に起因する体調急変等による事故を未然に防止するため、道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。

 一 脳ドック、心臓ドックなど、広く健康起因事故対策に必要なスクリーニング検査について、医学的知見を踏まえた調査研究を実施し、疾病運転により安全な運転ができないおそれがある状態の明確化を図った上で、検査の結果に応じて事業者として取るべき対応を含んだガイドラインを作成すること。

 二 右ガイドライン作成後、当該ガイドラインの活用を促進することによって、事業者による自主的なスクリーニング検査の導入拡大に取り組むこと。

 三 これらの対応を行った後、スクリーニング検査の普及状況、事業者負担・事業者支援の見通し、業界を取り巻く社会情勢などを適切に見極めた上で、更に必要となる措置を検討すること。

 四 道路運送事業者が疾病運転の防止のための措置を講ずる際、障害者がタクシー運転者等として広く従事している現状を踏まえ、これらの者の職業選択の幅を狭めることがないよう事業者への指導等に努めること。

 五 本法施行後三年を目途に、疾病運転の防止措置の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。

  右決議する。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

西銘委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西銘委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣石井啓一君。

石井国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存であります。

西銘委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る九日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十分散会


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