第7号 平成30年4月6日(金曜日)
平成三十年四月六日(金曜日)午前九時五十一分開議
出席委員
委員長 西村 明宏君
理事 鬼木 誠君 理事 金子 恭之君
理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君
理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君
理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君
秋本 真利君 池田 道孝君
岩田 和親君 小田原 潔君
大塚 高司君 加藤 鮎子君
加藤 寛治君 門 博文君
金子万寿夫君 神谷 昇君
木村 弥生君 工藤 彰三君
鈴木 憲和君 田中 英之君
谷川 とむ君 中曽根康隆君
中谷 真一君 中村 裕之君
根本 幸典君 鳩山 二郎君
福山 守君 藤井比早之君
三谷 英弘君 宮内 秀樹君
宮路 拓馬君 望月 義夫君
簗 和生君 山田 美樹君
山本 公一君 川内 博史君
武内 則男君 初鹿 明博君
道下 大樹君 山川百合子君
早稲田夕季君 伊藤 俊輔君
大島 敦君 源馬謙太郎君
もとむら賢太郎君 森田 俊和君
北側 一雄君 高木 陽介君
広田 一君 宮本 岳志君
井上 英孝君
…………………………………
国土交通大臣 石井 啓一君
国土交通副大臣 あきもと司君
国土交通大臣政務官 秋本 真利君
国土交通大臣政務官 簗 和生君
政府参考人
(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 服部 高明君
政府参考人
(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 川合 靖洋君
政府参考人
(財務省理財局次長) 富山 一成君
政府参考人
(国土交通省国土政策局長) 野村 正史君
政府参考人
(国土交通省土地・建設産業局長) 田村 計君
政府参考人
(国土交通省都市局長) 栗田 卓也君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 伊藤 明子君
政府参考人
(国土交通省航空局長) 蝦名 邦晴君
政府参考人
(観光庁長官) 田村明比古君
国土交通委員会専門員 山崎 治君
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委員の異動
四月六日
辞任 補欠選任
大西 英男君 金子万寿夫君
加藤 鮎子君 中曽根康隆君
神谷 昇君 木村 弥生君
鈴木 憲和君 福山 守君
高木 毅君 小田原 潔君
三谷 英弘君 宮路 拓馬君
初鹿 明博君 山川百合子君
森山 浩行君 川内 博史君
森田 俊和君 源馬謙太郎君
同日
辞任 補欠選任
小田原 潔君 山田 美樹君
金子万寿夫君 加藤 寛治君
木村 弥生君 神谷 昇君
中曽根康隆君 加藤 鮎子君
福山 守君 鈴木 憲和君
宮路 拓馬君 三谷 英弘君
川内 博史君 武内 則男君
山川百合子君 初鹿 明博君
源馬謙太郎君 森田 俊和君
同日
辞任 補欠選任
加藤 寛治君 池田 道孝君
山田 美樹君 高木 毅君
武内 則男君 森山 浩行君
同日
辞任 補欠選任
池田 道孝君 大西 英男君
―――――――――――――
四月五日
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)
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○西村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省国土政策局長野村正史君、土地・建設産業局長田村計君、都市局長栗田卓也君、住宅局長伊藤明子君、航空局長蝦名邦晴君、観光庁長官田村明比古君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長服部高明君、まち・ひと・しごと創生本部事務局次長川合靖洋君及び財務省理財局次長富山一成君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○西村委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。岩田和親君。
○岩田委員 皆さん、おはようございます。自民党の岩田和親でございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、大変光栄でございます。
早速ですが、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案について質疑をしてまいりたいと思います。
私は、佐賀県の県庁所在地であります佐賀市の中心市街地、そう言われるような地域にずっと暮らしておりまして、町がにぎやかな姿も、また、廃れていく姿も、地元住民として見てまいりました。そして、政治家としての私の原点にも、やはりこの佐賀らしい町のにぎわいを復活をさせていきたい、こういう思いを持って頑張ってきたというところでございます。
今、この佐賀のまちづくりというふうなものは大変頑張っている、私はそのように評価をしております。中心商店街の店舗、もう御多分に漏れず、佐賀も大変寂れてはいましたけれども、この店舗があった場所を更地にしまして、コンテナを活用した交流スペースというふうなものをつくりまして、まさにこの法案で想定をされているようなそういう取組を頑張っているところであります。この取組は国土交通省の資料などでも事例として取り上げられたりして、大変光栄なことだというふうに私も喜んでいたところであります。
また、ことしはいわゆる明治維新百五十年、これを記念して博覧会などが開催をされていますが、関連するイベントがやはり町の活性化のためにも生かされているというふうなことであります。
もちろん、佐賀だけではなくて、全国各地で地方都市がまちづくりに頑張っておられる方々がおられます。今回の法案が、そういった地方創生の再生、まちづくりに生かすことができればと期待をしているところです。
そこでまず、都市のスポンジ化というものについてお聞きをしてまいります。
この法案の重要なキーワードであります都市のスポンジ化、まだ新しい言葉だ、そのように思っております。これはどのようなものを指すのでしょうか。スポンジ化と言われる状況は急にあらわれたものではなく、今日までの経緯や背景といったものがあるんだろうというふうに思います。
そういった点も踏まえて、都市のスポンジ化の定義について説明を求めます。
○栗田政府参考人 背景、経緯を含め、答弁させていただきたいと思います。
人口増大期に拡張してきました市街地においては、人口減少に局面が転じ、開発意欲、土地に対する需要が低減しても、直ちに市街地の縮小が進むものではなくて、相続、転居などを契機として、散発的に小規模な空き地等が発生しております。
国立社会保障・人口問題研究所、この平成二十五年の調査などによりますと、三大都市圏及び政令指定市を除く県庁所在地においては、DID面積が一九七〇年から二〇一〇年までの間に二倍になっております。他方、その間の平均人口は約二割しか増加しておりませんので、その間にもう既に市街地の低密度化が進んできております。
この人口は二〇四〇年には一九七〇年時点まで減少すると予測されておりますので、DID面積がその間二倍になっているということでありますと、二〇四〇年には、単純計算、市街地の密度は半分になっているというようなことが見込まれるということでございます。
かつての都市整備における議論では、例えば、産業構造の転換による臨海部の工場跡地、鉄道会社の操車場跡地、こういったことがしばしば政策対象として議論されてまいりましたが、それらの空き地は、まとまった一団の土地でありましたし、立地からしても他の用途に転換することが容易であったという点において、現在、政策課題として取り上げようとしている空き地とは態様が異なっております。
都市のスポンジ化ということの定義というお尋ねでございます。
このために、今般、都市の内部で空き地、空き家などの低未利用の空間が、小さな単位で時間的、空間的にランダムに相当程度の分量で発生する現象、これを都市のスポンジ化と称し、議論を喚起しようとしているものでございます。
○岩田委員 定義をお示しいただきました。
そのようなスポンジ化というふうなものに対応するために、今回のこの法案、その一つの柱として、土地の集約と民間手法の活用という方針にある、このように考えているところです。
例えば、スポンジ化が進行した都市のある地域において活性化の取組を進めていこうとしましても、そこには小さな土地がたくさんある、低未利用地もある、相続などによって権利関係が複雑であるなどの現状があります。そのことによって、地域全体の利害調整が大変である、相続などの所有権移転によって将来にわたって利用できるか不透明であるといった課題が出てきまして、利活用の大きな壁になるわけであります。
この法案で新たに創設されます低未利用地権利設定等促進計画の制度と立地誘導促進施設協定の制度は、セットになってこういった地域の利活用を進めるものだと聞いております。それぞれの制度がどのような役割を果たしていくのか、まちづくりのストーリーが見えるような形で、具体的にわかりやすく説明をいただきたいと思います。
○栗田政府参考人 低未利用土地権利設定等促進計画は、市場に委ねていても利活用が図られにくい低未利用地について、行政がある程度能動的に関係者に働きかけ、コーディネートを行い、複数の土地や建物に一括して利活用に必要な権利設定等を行うことで、空き地の集約等を図るものでございます。
一方、立地誘導促進施設協定は、地域にあります小さなニーズを掘り起こして、地域コミュニティーなど、身の回りの公共空間、施設を一体的に整備、管理する取組について、継続的な運営が図られるようにするものでございます。
両制度を組み合わせて活用する例としましては、例えば、地方都市の中心エリアに散在する空き地について、まず、権利設定計画制度によりまして散在している低未利用地の集約を図る。その集約された土地の地権者が、周辺の地権者と協働するということを合意する。協定制度を用いてにぎわい広場等の空間整備を行う。こういったことの合意を行う。その広場の管理について、また計画制度によりまして地上権の設定等を行い、協定制度を用いてまちづくり団体がその広場の管理を担っていく。こういったことで、安定的な広場機能の維持、所有者の税負担の軽減を図りながら、持続的な地区のにぎわいの形成につなげる。こういった取組が考えられると思います。
こういった制度の活用方法につきまして、市町村などに対し、制度を活用する視点に立った周知を図っていきたいと考えております。
○岩田委員 ありがとうございます。
ある地域を再生するに当たって、まずは権利設定等の促進計画、こういったもので集約を図っていく。そしてまた、そこに協定というふうなものを結んで、相続などによらず、将来的にわたってこれが持続的に使えるようになる。そういうふうな順番で再生また活用化が進められるんだというふうな形が見えてきたんだと思います。
また、この二つの制度、低未利用土地権利設定等推進計画や立地誘導促進施設協定、この制度は、いわゆる立地適正化計画で都市機能誘導区域、居住誘導区域に定められた区域が対象となっている。これはなぜでしょうか。
○栗田政府参考人 立地適正化計画は、人口減少、高齢化の中にありましても、地域の活力を維持するとともに、福祉、医療などの生活機能が確保された、安心して暮らせるまちづくりを実現するため、各種の都市機能をコンパクトに集約するための制度でございます。
しかしながら、このようなコンパクト化の拠点となるべきエリアにおきましても、先ほど申し上げました都市のスポンジ化が進行しております。
都市のスポンジ化は、生活利便性の低下や治安、景観の悪化を通じて地域の魅力の低下をもたらしまして、居住や都市機能の立地の誘導にとって重大な支障となりますので、このため、まずは立地適正化計画に都市機能誘導区域、居住誘導区域として集約を図るべきと位置づけられたエリアにおいて、そこを優先的に考え、集中的に対応を行うべく、これらの区域を対象としたものでございます。
○岩田委員 ここで集中的に取り組むために、立地適正化計画という地域に一つ限定したということだというふうにお答えいただきました。
今の答弁の中にもありましたけれども、この立地適正化計画というのは、地方都市が人口減少時代に対応して多極ネットワーク型コンパクトシティーというものを目指すために、マスタープランを作成する、そういうことで平成二十六年に制度化されたということで承っております。
この計画策定によってさまざまな特例や支援措置が受けられるということになっておりますが、平成二十九年十二月三十一日現在で、具体的な取組を行っている都市が三百八十四カ所だというふうに承っております。全国の市町村数が約一千七百強、都市計画区域を持つ市区町村数が一千三百五十二という数字を比べてみましても、この三百八十四カ所という数字は、まだまだ制度が活用されていない、そのような感じを受けるわけであります。
この制度の活用の現状について、どのように受けとめられておられるのか。
そして、今回の法案によって定められたさまざまな政策、これを推進していくためには、やはり、その土台となる立地適正化計画というものを全国の市区町村に更に普及させていく必要がある、このように考えます。どのように進めていかれるのか、お伺いします。
○あきもと副大臣 御指摘のように、平成二十六年に立地適正化計画制度が創設されております。これ以来、計画策定に取り組む市町村は年を追って増加をいたしております。昨年の十二月三十一日現在では三百八十四市町村が取組を進め、うち百十六市町村が計画を作成、公表いたしております。
国土交通省といたしましても、立地適正化計画を作成、公表する市町村数の目標を平成三十二年度までに百五十市町村としてきましたが、取組拡大を受け、平成二十九年十二月に、当該目標を三百市町村へと倍増いたしたところであります。
誘導的な手法で都市の集約を図るという新たな考え方の計画に対し、施行から四年が立たないうちに四百近い市町村が取組を進めていることは、想定以上の成果が上がっているものと捉えております。
その上で国土交通省といたしましても、さらなる裾野の拡大が必要であるとも認識しておりまして、中でも特に、今後人口減少が著しい市町村を中心に、立地適正化計画への取組を一層促進する必要があると受けとめております。
このため、コンパクトシティ形成支援チームによる各省一体の取組を進めるとともに、立地適正化計画への取組の必要性が高い市町村に対して国土交通省職員が直接訪問して個別に働きかけを行うなど、立地適正化計画の普及に努めてまいりたいと思っております。
○岩田委員 御答弁ありがとうございます。
順調に進んでいるというような意味合いの御答弁を副大臣からいただいたというふうにただいま受けとめましたけれども、もちろん、地方都市と言われるような、そういうふうな地域を抱える市区町村がその千七百強の中でどのくらいあるのかというふうなものは、ちょっと私も今しっかり把握しているわけではありませんけれども、しかし、やはり大なり小なりそれぞれの地域が、まちづくりというふうなものにこれからどうなっていくんだろうか、もっと活性化しなければいけないというふうな思いというものは、恐らくほとんど全ての地域が持っているんじゃなかろうか、こういうふうに思っておるわけであります。
私が住んでおります佐賀市は県庁所在地で約二十四万人ぐらいですか。そうでなくても、もっと小さい十万人以下の地域でも、やはりそれなりの中心地的なものを抱えていて、そこの活性化というふうなものをやはり課題として考えているんだろうと思います。
今回のこの法案の中にあります低未利用地の権利設定等の推進計画などは、あっ、こういうのであれば自分のところの地域でも使ってみたいなと思っても、そのベースとなります立地適正化計画がないことでこれが活用できないというふうな、そういうことも考えられるんじゃなかろうか、そういうふうに私は思っておるところであります。
この質問に当たって私もいろいろと資料を当たりましたけれども、適正化計画をつくらないというふうな地域の中には、当然ながら、都市計画を持っていたり、若しくは、もともとその地域としてのマスタープラン的なものを持っているがゆえに、何か重複してつくる必要があるんだろうか、そういうふうなお考えをお持ちの自治体もあるようでございます。
この制度の周知徹底をやはり改めてしていただくとともに、こういうふうな具体的な制度もこれからもっとこの法案だけじゃなくてふえていくんでしょうから、しっかりとその立地適正化計画というものが土台にあってさまざまな具体的な政策は進めていかれる、こういうふうな形、方向を示していただきたいな、こういうふうに思っておるところであります。
次に、民間のまちづくりの担い手について質問をしていきたいと思います。
都市再生推進法人という制度があります。これが平成二十九年十二月末で全国に三十六法人しか指定をされていないということです。この制度は平成十九年に創設をされておりまして、約十年たっております。各地域でまちづくりのために活動する団体、組織が数多くある現状において、これだけの実績では、残念ながら少ないと言わざるを得ないわけであります。
この今回の法案で新たな業務の追加も行われる予定でありますが、改めて、都市再生推進法人にどのような役割を期待するのか、また、今後どのようにこの制度の普及を進めていくのか、お聞きします。
○栗田政府参考人 都市再生推進法人につきましては、これまでも、その指定の拡大、活動の一層の活性化に向けまして、指定要件の緩和ですとか、自治体やまちづくり会社等を対象とした会議、セミナーの開催を始めとした取組を進めてまいりました。
これらの取組の結果、先ほど委員御指摘の三十六法人に加えまして、直近、確認いたしますと、ことしに入って新たに五法人が指定されるなど、その裾野は着実に広がってきているところでございます。
これらの都市再生推進法人には、まちづくりに関する豊富な情報、ノウハウを有し、運営体制、人材等が整っている有力なまちづくり団体として、さらに、それが公的な位置づけを付与される、こういうことで、まちづくり活動の推進主体として積極的な役割を果たすことが期待されております。
さらに、お触れいただきましたが、この法案でも新しい業務の追加を提案しているところでございます。
今後とも、都市再生推進法人の指定拡大、活動の活性化に向けまして、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○岩田委員 この推進法人もそうですけれども、やはりまちづくりは、人材育成、特に民間のリーダーが必要であると私は強く思っております。成功事例がある町を見れば、それぞれの地域に、やはり、強い愛着を持ったリーダーの姿があります。
先日、この国土交通委員会の川越市への視察に私も行ってまいりました。一度行ってみたいなと思っている地域でしたので大変いい機会でしたけれども、人口三十五万の市で年間七百万人の観光客が訪れるだけの、歴史的風致を生かしたすてきな町でありました。
ここでもやはり、民間主導のまちづくりが地域を支えてきました。川越市の蔵づくり商家を守っていくための蔵の会や町並み委員会というふうなものが頑張っておられましたし、そしてまた、古い長屋を改装して、リノベーションして頑張っておられるリーダーの方も、この町が好きで、最初からこの建物を活用したいと決めていた、補助金に頼らないということにこだわりを持ってまちづくりに取り組みたい、情熱のこもった頼もしい話を聞かせていただいたわけであります。
こういった民間のリーダー、その登場をただ待つだけではいけないと思います。政治、行政の立場からもまちづくり人材の育成を進めていくことは不可欠ですが、取組をお聞きします。
○栗田政府参考人 民間におけるまちづくりを担う人材、リーダーの育成、大変重要な課題と考えておりまして、先ほど申し上げましたような、民間人材等を対象とした会議、セミナーの開催に加えまして、民間まちづくり団体同士の横連携強化にも努めてまいりました。
また、地域で活躍する民間まちづくりのキーパーソンの具体的な活動記録を紹介するパンフレットを新たに作成して、先進事例の共有、横展開を図っております。
また、人材を育成する民間団体の先進的な取組などに補助しまして、さまざまな形で、全国における人材の育成に取り組んでいるところでございます。
また、これは今後のことでございます。新たに、立地適正化計画に取り組む市町村等を会員としまして、その情報交換、共有を促進するための協議会を設立することとしております。これを契機に、ますますまちづくり人材の育成に向けまして市町村等の機運が高まるということを期待しているところでございます。
○岩田委員 ありがとうございます。
最後に大臣にお伺いをしたいと思います。
この人口減少時代におけるまちづくりというのは、本当に難しい課題なんだろうというふうには思っております。ただ、対しまして国としても、これまでの都市再生特措法の各次の改正を始めとして、今回の法案についても、より具体的で、より踏み込んだ取組をしていただいていることは大変評価をするところであります。
もちろん、更に大きな課題というのも控えております。
例えば、現在の都市計画制度、これはやはり人口減少、経済拡大時代に適応する形でつくられた制度でありますから、これから人口減少する時代においてこの都市計画制度というものが果たしてこのままでいいんだろうか、こういう議論もしていかなければいけないと思いますし、所有者不明土地問題、これも都市再生にとっても大きな影響が出るおそれがあります。
こういった点も踏まえながら、これから更に、各地域が主体性を持って、官民協働で個性あるまちづくりを進めていただくこと、国としてそういった取組を強力に後押ししていただくことを期待いたします。
大臣としてのこれからのまちづくり政策への意気込みをお伺いします。
○石井国務大臣 人口減少や高齢化の中にありましても、地域の活力を維持するとともに、福祉、医療等の生活機能が確保された、高齢者が安心して暮らせる町を実現するためには、各種の機能をコンパクトに集約しネットワークでつなぐ、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりが必要であります。
また、コンパクト・プラス・ネットワークを進めつつも、それぞれの地域の特性や実情を踏まえた将来の都市像に向け、民間の力を最大限引き出し、持続可能なまちづくりを進めていくことが重要であり、平成三十年度予算におきましては、地方再生のモデル都市として三十二都市を選定したところであります。
さらに、こうした取組を進めるためには、地方公共団体が、地域の実情に精通したまちづくり団体や民間事業者などと連携を強化することが極めて重要であります。
このため、本改正法案におきましては、都市再生推進法人の業務の追加や、都市計画協力団体制度を創設しており、予算による支援等とあわせて活用し、地方公共団体と民間団体との連携を一層促進してまいります。
国土交通省は、本改正案において創設いたします新たなツールの活用も促しつつ、地方公共団体が主体性を持って、官民協働で個性あるまちづくりを進める取組を全力でサポートしてまいりたいと考えております。
○岩田委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○西村委員長 次に、赤羽一嘉君。
○赤羽委員 どうも、公明党の赤羽一嘉でございます。
本日は、大変短い時間でありますけれども、議題となりました都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について御質問したいと思います。
まず、この一両日の国会のどたばたで急にこうした委員会が持たれることになりまして、質問通告も相当丁寧さを欠いた質問通告をしておりまして、大変御迷惑をかけております。余り気にせずに、法案は賛成しますので、自由に、ちゃんとよろしく答弁していただきたいと思います。
まず、三月二十八日に、今同僚議員からもお話がございましたけれども、国土交通委員会として川越市を視察をさせていただきました。私も大変感動しまして、伝統的建築物群の保存地区が設定をされていて、蔵づくりの町並み、大変立派なものができておりました。私は、行く前はあれほど壮大なものではないというふうに思っておりましたので、行って、しっかりやっているなと。
今お話にもございましたけれども、地元の商店街の青年会の人とか地元の青年会議所のOBとか、やはり、その地元の人たちが主体性を持って取り組んでいるからこそああしたものができるんだろうし、川越市も相当いわゆる未利用地を市のものとして、ポケットパークとか、本当に行き届いたまちづくりができて、それなりににぎわってもおりましたので大変感動しました。
ああいう事例を見させていただきますと、今回の法改正の趣旨は、遊んでいる土地をなるべく高度化して付加価値をつけていくということは、私は大変いいと思っております。
もう一度、この法改正の趣旨について改めて最初に確認したいんですが、以前に比べて景気が低迷をしている中で、かつてのバブル時代は民間事業者がそれぞれ開発意欲を持ってそれなりの開発をしてきたところが、長年それが低迷をしてきている。その結果、低未利用地が放置をされている形になっていて、国交省がずっとずっと進めてきている、高齢化社会に対応するためのコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりのボトルネックになっている状況を何とかしなければいけない。
そこで、今回、行政の能動的な働きかけで低未利用地を集約する形で何とかいいまちづくりを再開発したいという趣旨だというふうに私は理解をしているんですが、その点について都市局長の御見解をいただきたいと思います。
○栗田政府参考人 私どもの提案の趣旨につきまして、もう今委員の御指摘のとおりでございます。
若干重複をお許しいただきまして答弁させていただきますと、人口減少、高齢化の中にありましても、地域の活力を維持する、生活機能を確保された町を実現していくということで、私ども、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを進めていっているということは御案内のとおりと思います。
それから、短期的な局面では、やはり、景気が悪くなって土地の需要が下がっている、こういった面もあろうかと思いますけれども、より長期の視点から眺めてみますと、人口減少局面にあって、土地建物のニーズの低下によって開発意欲が相対的に、長い期間の比較においても低減している。それから、それが、相続した住宅へのニーズがない、適切な価格で売却できないといった事情から放置されるというようなことで、空き地等がやはり問題視される、地方団体の共通の悩みになっているというようなことかというように思っております。
都市のスポンジ化というのは、生活利便性の低下、治安、景観の悪化を通じて地域の魅力の低下をもたらして、居住都市機能の立地の誘導にとって重大な支障となります。
その対応に当たってということでございますが、これまでの人口増大局面では民間の開発意欲が旺盛ということですので、行政が、民間の開発、その動きを待って規制するという受動的な手法が有効に作用したと思います。
今後、人口減少局面、開発圧力の低減、こういった局面では、行政がある程度能動的に動いて、適切な土地建物の利用を働きかけて関係者の調整に当たる、こういった手法が有効性を増していくのではないかというように考えておりまして、本改正案の提案に至っておるということでございます。
○赤羽委員 それで、地元を歩いておりますと低未利用地がどれほどあるかというのはなかなか実感ができないのでありますけれども、空き家については、相当空き家がふえているということは、私の地元なんかを歩いていると実感をします。
その空き家の中で、なかなか空き家対策が講じられても進まないというのは、その所有者が不明だということが結構大きな原因だというふうに思っております。その所有者を探るために、これは個人情報の絡みがあってなかなかそこが進まない。
恐らくこの低未利用地の場合も、所有者不明土地の割合というのは結構多いのではないか。この辺ちょっと定かではないので教えていただきたいのですが。
ですから、せっかく今回法改正をしても、今回の法改正は所有者の不明の土地に直接措置を講じるものではないというふうに了解をしておりますので、そこを除いた場合の低未利用地の集約というのはどれほど効果があるのか。逆に言うと、所有者不明土地がボトルネックになってしまうのではないかというふうなことも想像するわけですけれども、この点についてはどのように考えられるのか、聞かせてください。
○栗田政府参考人 空き地につきましては、個人所有の宅地等につきまして、平成十五年から平成二十五年の十年間で約四四%増加しております。その面積は九百八十一平方キロで、大阪府の面積の約半分に達しているという現状にございます。多少の地域差あるいは土地の用途によります差はありますけれども、全国的な現象かというように思います。
所有者不明土地についてでございますけれども、空き地に限りましての詳細なデータというものはございません。
ただ、平成二十八年度に実施した地籍調査における実績によりますと、都市内の人口集中地区、ここで不動産登記簿によりまして所有者の所在が確認できない土地が約一四・五%となっております。
ただ、これが真の所有者不明土地ということではございませんで、更に市町村の職員が戸籍、住民票等を含めて調査した結果、それでも所有者の所在が確認できない土地というのは〇・三八%というようになっているところでございます。
今回の法案に盛り込んだ制度の対象エリアは、居住誘導区域内、都市機能誘導区域内ということでございまして、ほかのエリアと比べて土地利用が行われてきているエリアでありますので、先ほど御説明した所有者不明の数値を勘案しましても、今回の制度の運用に支障を生じるほど所有者不明土地がたくさんあってハードルになるということは現時点では余り想定しておりませんが、お認めいただきまして運用させていただく段になりますと、注意深くその点考えていきたいと思います。
○赤羽委員 今の御答弁に関連するんですが、今回の法案をつくるときに、所有者不明土地をどうするかという議論が多分あったと思うんですが、今の答弁ですと、その割合はそんなに多くないだろうから、多分、まず始めてみようということだと思うんですが、やり始めて、所有者不明土地があるがゆえに、せっかくもっといいものができるのにそこがボトルネックになるということというのも出てくると思うんですけれども、そうしたことについて、その辺も含めてやるんだというような議論があったのかどうか、この法案の作成の過程でですね。ちょっと教えていただけますでしょうか。
○栗田政府参考人 正直、検討過程でいろいろそういった議論も内部的にはさせていただきました。
他方、今回のいろいろな制度は、現場、現実でどういうことを講じれば動いていくかということを考えまして、地方都市の幾つかの例を参考にさせていただきました。
そういうところでは、合意ベースで事柄を動かしていくということの有効性が我々そういう知見から見出されましたので、今回の制度組みに当たりましては、まずそういうことを優先して整理をさせていただいたという次第でございます。
○赤羽委員 まずは少しずつ、いきなりぱっと展開するという話じゃないんだと思うので、少しずつやって事例を積み重ねていっていただきたいと思います。
低未利用土地権利設定等促進計画制度で利用権を設定するというふうになっておりますが、これは、所有権の移転というのは大変だからということだと思うんですけれども、利用権を設定すると、ちょっとこれ私詳しくないのでわからないんですけれども、利用権を設定して何年か事業を展開する中で土地の所有者が、事情が違ったからこれを売却したいとかという話が出てくるようなことがあると思うんですけれども、その利用権の設定の契約の仕方とか所有権と利用権の関係はどういうふうに整理をされているのか、教えていただけますか。
○栗田政府参考人 今回、今の御指摘のとおりで、土地の利用権に特に着眼をしまして、所有権がある程度移ることにハードルがあっても、とりあえずの利用を優先して考えたいということで制度を組ませていただいております。
そういう意味で、民法上のこの利用権という概念のときに、民法上の地上権、賃借権、これが代表的な権利でございます。
利用権が設定されるというときに、仮に設定された土地につきまして何がしかの上部構造の利用が起きましたときに、土地所有者が売却をしたい、こう考えられましたときに、それに対抗できるかどうか。これは、設定されている権利の性質あるいは登記のいかんによって決まってまいります。
例えば、地上権、賃借権、いずれも登記ができますけれども、登記がされましたら、売却後の所有者に対しても対抗が可能であるということでございます。
ですから、できれば登記を誘導したいということで、今回、この計画に乗った場合には、登録免許税の軽減措置なども措置しておるということでございます。
ただ、賃借権などにつきましては、登記を行わないという場合も多々あろうかと思います。その場合には、新しい土地の譲受人との関係において上物の利用の構造が不安定になるという可能性は否めないところでございます。
このため、今回の法案では、今の権利の設定の計画のほかに、立地誘導促進施設協定制度を創設しております。この協定は、いわゆる承継効というのを備えておりますので、土地の所有者の一部がかわりましても、安定的に施設の整備、管理が図られるというものでございます。
上部の利用形態によりますけれども、両制度を併用することで、土地の所有権に変動があったとしても、継続的な管理、運営が継続できる可能性を高められるというように考えております。
○赤羽委員 ありがとうございます。
この制度をやっていく上において、多分、当該市町村、地方自治体は相当御苦労されるのではないかなというふうに思うんですけれども、具体的に本制度を地方自治体が活用したいというような具体的な申入れがあるのかどうか。その申入れに基づいてこうした法改正をしているんだと思うんですけれども、その点について教えていただきたいと思います。
○栗田政府参考人 まず、今回の制度の企画立案に当たりましても、現場で動いていることを相当勉強しながら私たち検討したつもりでございます。また、この検討過程におきましても、空き地等の低未利用地の増加は全国的な課題でありますので、自治体からは、地域に入り込んでいくためのきっかけ、ツールが欲しいという声を受けまして、またこの制度の検討を深めてきたというような経過でございます。
ニーズの調査の結果、既に幾つかの自治体からは、町中の緑地再生など、具体的に本制度の活用見込みありという回答をいただいております。
モデル的な事例をつくり上げまして、更に横展開を図ることで、今回、この制度につきましては二〇二三年までの五年間で約三十五件の実績を見込んでおりますけれども、それにとどまらず、より多数の利用に向けて頑張っていきたいと考えております。
○赤羽委員 この法案では都市計画の協力団体の制度の創設ということも盛られているかと思います。
私、阪神・淡路大震災の地元でありまして、当時、いろいろなNPOができたり、まちづくり会社なんかもつくって、初めての試みの中で、規制というか、やはり相当制限がきつくて、でき上がった町が必ずしも地元住民の思いにかなった町だったかどうか。見た目はすごくきれいになったし立派になったんだけれども、にぎわいがどうかとか、そうしたことが出るので、私は、やはり地元の皆さん、冒頭申し上げましたけれども、地元の方たちの主体性というのが大事だし、その主体性の意欲をそがないような制度改正にしていくことが大事だというふうに思っておりますので、そうした趣旨にぜひのっとっていただいて、これがうまく活用できることを強く期待しまして、私からの御質問とさせていただきます。
ありがとうございました。
○西村委員長 次に、早稲田夕季君。
○早稲田委員 立憲民主党の早稲田夕季です。
それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思います。
先ほど来も都市再生特別措置法改正によりますさまざまな質疑がされておりまして、大変かぶる部分もございますので、またいろいろ考えながら質問をさせていただきたいと思います。
まず、御議論のとおり、国の調査、集計では、二〇〇三年から二〇一三年にかけて空き地が四四%増加、空き家が五〇%も増加しているという中で、非常に高度成長期のような開発意欲がそがれて、そして市街地の中央部分においても、都市のスポンジ化、いわゆる土地利用がなかなかなされない、空き地が目立つというような、そういうことが特に地方都市を中心に出てきている現象なのかなというふうに理解をしております。
そのような中で、先般は空き家対策特別措置法というのが制定を以前にされまして、その対策が図られてきたところですけれども、現在の段階でまだなかなかその効果が出ていないのではないかと心配もされているところであります。
そうした中で、今度は都市局という立場で一丁目一番地の政策であろうかと思いますが、空き地、空き家だけのその個々の対策ではなく、これを一連にどのようにコンパクトなまちづくりに生かしていくかということを民間も交えてやっていくという、非常に、これからの人口減少の社会に向けたまちづくりにはそぐう制度ではないかと私も評価をさせていただいているところです。
その中で、御指摘もございましたが、今回の改正の前に、立地適正化計画というのが先般の平成二十六年の改正で制度化をされました。第八十一条に書かれているわけですけれども、その中で、今また改正で、いろいろなさまざまな具体案で事業が進んでいくような改正がされております。
私は、この立地適正化計画を策定をしております、地元の隣町である藤沢市の方にヒアリングをさせていただきました。この藤沢市の方では、非常に有効な計画であるということで、国土交通省の方にも何回も照会をかけて、非常に丁寧な御指導をいただいて、そしていいものができたということで喜んでいらっしゃいます。
それで、現在、昨年末で百十六自治体がこの策定、公表をしているわけですけれども、先ほどは三百幾つの検討があるということですが、ぜひもっと進めていただきたいと思います。四年たって、二十六年からですからたとうとしているわけですから、その周知徹底に努められていることは承知をしておりますけれども、では、どのようにこの都市部においても、今実際に人口減少にまだなっていないところ、藤沢市もそうですし、私の地元の鎌倉市でもそうなわけですけれども、その中でこの計画をつくることがこれからの将来に向けて大変重要なことであるということを改めて国の方からも周知をしていただきたいし、また、どのようなメリットがあるかということも強調をしていただきたいと思います。
私、そこの藤沢市の例をとりますと、都市機能誘導区域、それから、その周りの居住誘導区域に加えて、ここは独自でつくったわけですけれども、防災対策先導区域というのをつくりました。神奈川県で申し上げますと、津波の対策というのはもう最重要課題であります。
そうしたときに、この津波だけではありません、もちろん土砂災害の警戒区域もありますけれども、そういうものをこの防災対策の先導区域とわざわざ指定をして、そして、居住の誘導区域にはならないけれども、ここでやはりしっかりとこのマスタープランに位置づけたというのが、湘南地域の独自性も鑑みたよい計画になったのではないかと思いますし、これからの政策に資するものだと評価をしているんですけれども、そういう事例もございますので、ぜひ、国としてどのように進めていただくか、そして、地方都市だけでなく、まだ人口減少の始まっていないところにもどのように政策を展開していただけるか、お聞かせいただきたいと思います。
○栗田政府参考人 更に計画策定の裾野を広げていかなくてはいけないという問題認識でございまして、その計画作成をいただく市町村数の目標を、平成三十二年度までに百五十にしておりましたところ、平成二十九年十二月、昨年十二月にその目標を三百市町村へと倍にふやさせていただいております。
国土交通省としましても、特に人口の減少が著しい市町村ということにまず先行的な問題意識がございますけれども、今、委員、御地元のお話いただきました。人口減少が見込まれるので、予防的な対策に早く手をつけることが大事である、こういう問題意識を持っていただいている市町村も、大変、この立地適正化計画へお取り組みいただけると意義があるというように思っています。
このため、これまでにも増して、各省庁連携でコンパクトシティ形成支援チームというのをつくっておりますが、その取組を強めますとともに、新たに立地適正化計画への取組の必要性が高い市町村、こういったところは既に人口減少が進んでいるだけでなくて、その予防策を早く打つべきというところも含んでいると思いますが、そういったところに我々の職員が直接訪問しまして個別に働きかけるとか、あるいは、立地適正化計画に取り組む市町村等を会員としたコンパクトなまちづくりの一層効果的な推進に係る情報交換、共有を促進するための協議会の設立、これは近々に予定しております。
こういったことを通じて立地適正化計画を普及させていきたいと思っておりますし、先ほど触れていただきましたような、防災計画とのタイアップ、これも大変重要な視点だと思います。
多面的な検討、普及を進めていきたいと思います。
○早稲田委員 既に市町村でマスタープランというものを持っているから重ねてでどうなのかという話もあるようですけれども、新たに人口減少に向かっていくまちづくりとしては、こういうものはやはりまた視点が一つふえておりますし、幾ら今都市部で人口減少が始まっていなくても、例えば公共施設の再編計画などに合わせまして、これはどこの都市でも当然四十年、五十年たっているこの公共施設を再編していくに当たって、それを核とした、また、福祉の地域包括ケアシステムなどもございますが、こういうもののケアセンターとどのように核としたまちづくりを絡めていくかということが全国各地に共通する課題だと思いますので、そういうことも含めて国の方からも指導をしていただければと思います。
それからもう一つ、そういう空き地、空き家の集約ということが今回更に具体化されるのではないかと思いますけれども、そのときに、行政が前に出るのではなく、民間団体、NPO等がこれを担っていく、その中心として橋渡し役を担っていき、今までもこの法にはありましたけれども、更にそこの都市再生推進法人という役割がブラッシュアップをして、一時的に保有をする、また、利用に積極的にかかわっていくというところも、今回の改正では百十九条に書かれてあります。
この中で、日本版のランドバンクの先進地と言われる鶴岡市、山形県ですけれども、このランドバンク事業でNPO法人のつるおかランド・バンクが主体を担っているということで、石井大臣も視察に訪れられたというふうに伺います。
時間がございませんので一つ質問を飛ばしまして、民間にやっていただくためには、そのモチベーションというものを上げてもらうために、この鶴岡市では、ファンドを三千万円でつくって、そして、一回成約ごとに三十万円の補助金というものを出していると伺いました。
こうした自治体、非常に先進的に取り組んでいて、もう既に七十カ所ぐらいがこういうことで成約をしているというわけですけれども、ぜひ、そういう先進的な、そしてまた積極的な取組をしておられる自治体に対して、国としても交付金等で支援をしていただくように、こういうことをしていただけないかと大臣に伺わせていただきます。
○石井国務大臣 低未利用地を活用をして地域の魅力を向上させたりにぎわいを創出するためには、地域の事情に精通したNPOなど、民間団体と連携することが重要であります。
低未利用土地権利設定等促進計画に関しまして民間団体に期待される役割でありますが、まず、市町村が計画を作成する際に地権者間のコーディネートを支援をするということが期待されます。さらには、権利が集約された土地を活用して、広場の整備、管理、にぎわい創出業務などを行う。こういった局面における役割の発揮が期待をされるところでございます。
国といたしましては、コーディネート経費や広場の整備等に対して財政的に支援するツールを備えております。その周知、積極的な活用を通じまして、低未利用地の有効活用を促進してまいりたいと考えております。
○早稲田委員 そうした自治体に対する支援という意味ではいかがでしょうか。
○栗田政府参考人 今大臣からの答弁にもございましたとおりなんですけれども、民間団体には、コーディネートの機能、あるいは、集約された土地を有効に活用する、その局面での多少実用的な場面での機能、いろいろ期待されます。
既に、我々の予算制度の中で、コーディネート経費についても支援するツールを持っております。それから、広場の管理につきましても、民間まちづくり活動促進・普及啓発事業というんですけれども、そういう予算を我々の予算の中で計上しております。
ただ、今そういう御指摘を改めて受けとめますと、この周知ということについて我々ますます努めていかなくちゃいけないのかなというようにも考えておるところでございますので、せっかくの予算制度、積極的に有効活用していきたいというように考えております。
○早稲田委員 ぜひ積極的に周知もしていただき、また、支援の方も更に拡充をしていただきたいと思います。
次の質問、あと一点いたします。民泊規制条例制定への国の対応でございます。
先般の読売新聞にも掲載をされておりましたけれども、軽井沢で民泊禁止の要求をしているということで、これは長野県の方で規制権限があるわけで、三月に別荘地で民泊を制限する条例をつくったわけですけれども、これだけでは足りないと。一万六千軒ある別荘地を持つ軽井沢町であるわけですけれども、更にもっと全域でやってほしいというような強いコメントを町長の方で出されていらっしゃいます。
これは、やはり町の状況というのはどこも違いますので、幾ら国が二〇二〇年までに訪日外国観光客四千万人という目標を立てても、その量だけふやすことでよろしいのかどうかということは私も再三質疑の中で申し上げているわけです。そういうことも踏まえて、今、この民泊の規制の条例が各地で起こっております。そして、それはやはり、地域の実情にあって、環境の悪化ということに非常に市民の方、住民の方、あるいは商業者の方も懸念を抱いておられるということのあらわれではないかと思っています。
それからまた、私どもの地元の神奈川県の方でも条例を制定いたしましたが、再三、鎌倉市の方からは、住居地域それから平日禁止ということを要望、お願いをしていたわけですけれども、残念ながらその除外にはなりませんで、この神奈川県では箱根町だけが、別荘地を半年間だけ、繁忙期だけ規制をするというようなものになったわけなんです。
そこで、神奈川県のコメントを見ますと、合理的理由が見当たらなかったということになっておりますけれども、やはり基礎自治体というのは、直接市民から苦情を言われる立場です。私も県議会で務めさせていただきましたのでよくわかりますが、やはり都道府県というのは、どこまで行っても中間団体でありますので、なかなか基礎自治体の細かい部分まで理解が及ばないということが多々あります。
その中で附帯意見も、この民泊法の施行、成立に当たりましては、衆議院も参議院もつけております。地域の実情に配慮してということ。それからまた、ガイドラインも定めていただきましたが、全くこういうことですと、それが形骸化している、ただ言っただけということになりますが、そこのところをしっかりと国としてもっと指導していただきたいし、さらに言えば、基礎自治体で、こういうことを規制したいというところには権限を与えていただきたい。
そういうところはたくさんあるわけではないと思いますけれども、やはり、どうしても環境を守ることの方が、その市にとって、町にとっていいと判断したときには、そういうことを与えるようにお考えいただけないでしょうか。長官に伺います。
○田村(明)政府参考人 お答え申し上げます。
住宅宿泊事業法は、一定のルールのもと、健全な民泊の普及を図るものでございまして、法第十八条におきましては、地域の実情に応じ、生活環境の悪化を防止することが必要な際に、合理的に必要と認められる限度で、区域を定めて期間を制限することができると規定されております。
また、省令及びガイドラインにおきまして、地方自治体は、当該条例を定めようとするときは、あらかじめ、当該条例の案について当該自治体の区域内の市町村に広く意見を求めること、条例の検討段階から十分に意思疎通を行い、当該市町村の意向を踏まえて検討が進められることが望ましい旨等を記載しております。
このような国の考え方につきまして、今後とも地方自治体に丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。
○早稲田委員 最後に一言申し上げさせていただきますと、書いてはございますが、それが守られておりません。
その実態をぜひ国としても受けとめていただきまして、基礎自治体の意見をもっと聴取するように、そしてまた、条例もできるようにぜひお願いしたいと思います。
○西村委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 立憲民主党の川内博史と申します。
委員長、各党の理事の先生方にお許しをいただきまして発言の機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。大臣、よろしくお願いを申し上げます。
今回、都市再生特別措置法の改正案ということで、立地誘導促進施設協定というものが盛り込まれるということでございますけれども、最近大変、地域のためにあるいは子供たちのために大きく貢献している子供食堂などの整備にも、この立地誘導促進施設協定というものは役立てることができていくものなのかということについて教えていただきたいと思います。
○栗田政府参考人 今回御提案しております立地誘導促進施設協定ですけれども、地域の幅広いニーズに対応するということで、協定の対象施設をあらかじめ余り限定せずに、それぞれの地域で必要と判断される施設を幅広く対象とすることが可能となっています。
今御指摘ございました子供食堂、いろいろな態様があると思います。地域のコミュニティーセンター、公民館などの公共施設の中に備えられるとか、あるいは、空き店舗、飲食店、介護施設などの交流スペースを活用しながら運営されるといったようなことも実態としてあろうかと思います。
このような子供食堂を必要な施設として地域で判断した場合には、本協定制度を活用しながら整備、管理するということも可能と考えております。
○川内委員 子供食堂のような、地域の住民の皆さんや、あるいは子供たちの利便に資する施設の整備を進めるための立地誘導促進施設協定については、地権者任せではなく、市区町村の支援なども大いに必要ではないかというふうに考えるところでございますけれども、国土交通大臣の御所見はいかがでございますでしょうか。
○石井国務大臣 立地誘導促進施設協定制度は、地域の幅広いニーズに対応しながら、地域コミュニティーで必要と判断した施設を整備、管理していく仕組みであります。
地域コミュニティーがこの協定制度を活用するに当たりましては、活動主体の資金力が弱い、制度のノウハウの蓄積がない等の課題があることも考えられますので、地域住民の自主性を重んじながらも、まちづくりの主体である市町村やまちづくり会社等が積極的に地域の活動を支援をし、かかわることが重要と考えております。
委員御指摘の子供食堂につきましても、地域が必要と判断した場合には、本協定制度の活用によりまして子供食堂を構える施設を整備、管理することが可能でありまして、本協定制度の運用や支援制度の活用について、市町村が相談に応じながら進めていくことが重要と考えております。
国土交通省といたしましても、地元の活動を見守りながら、必要な支援をしてまいりたいと考えております。
○川内委員 ありがとうございます。
大臣、みんなが力を合わせていい町をつくっていこうねということに関しては誰も異論を差し挟まないし、そうだねということになるわけですが、そのみんなで力を合わせることの大前提という意味では、お互いの信頼関係というものが非常に重要になるわけである。これも、皆さん、委員の先生方もそうだねというふうにおっしゃっていただけると思うんです。
今、森友学園問題などで、政治や行政に対する信頼というものが大変に失われつつある。あるいは失われてしまっている。日報問題もそうですけれども、労働局長さんの発言などもそうかもしれないし、これは、その信頼を回復するためには、それらの問題をまず徹底的に、事実がいかなるものであったのかということについてしっかりと解明をされなければならない。
これは、総理以下、閣僚の先生方もそうおっしゃっていらっしゃるわけであります。何でこんなことになったのかということをしっかりと解明するということが大事だよということも論をまたないところであろうというふうに思います。
そこで、この森友学園問題については国土交通省さんも深くかかわっていらっしゃるわけでありまして、本法案の審査の前提として若干聞かせていただきたいことがあるので教えていただきたいと思いますが、まず、航空局長に御答弁をいただきたいと思いますが、昨年二月二十二日に、森友学園問題について、安倍総理大臣の徹底調査の指示を受けた官房長官が、財務省理財局、国交省航空局を呼んで事情を聞いたというふうに御答弁をいただいております。
先日、四月三日の衆議院財務金融委員会で、国交省からは、説明に行ったのは航空局長ではなく、官房長官は国会で航空局長が来たと答弁していたんですけれども、実は航空局長ではなく、航空局次長が説明に行ったというふうに国交省から御答弁をいただきました。
財務省の方は、理財局長それから当時の大臣官房総括審議官、これは現在の太田理財局長でありますけれども、更にもう一名、理財局の総務課長、計三名が財務省からは官房長官の説明へ出席したということでありました。
国交省の方からちょっとつけ加えて教えていただきたいんですけれども、航空局次長に同行した者の官職名を教えていただきたいと思います。そして、わかれば、二月二十二日の何時ごろであったのか。さらには、そのとき持っていった説明資料あるいは面談記録が残っていれば提出を求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
当時の関係者に改めて確認をいたしましたところ、当時の航空局総務課企画官が随行をしていたということがわかりました。
その随行者の記憶している限りでございますけれども、説明日は財務省から御答弁のあった二月二十二日ごろだったと思うけれども、時間までは覚えていないということでございます。また、資料の関係で、航空局の説明には資料を用いていなかったと思う、記録は作成をしていなかったと思うとのことでございました。
○川内委員 我々一議員が役所の皆さんから説明を受けるときも、メモをおとりになられる方がついていらっしゃって、恐らく記録をその後おつくりになられるんであろうというふうに思うし、何かこれについて説明をしてくださいというお願いをすると、必ず説明紙を持っていらっしゃるわけでありまして、官房長官に説明するときに、説明資料はなかったと思う、面談記録もつくっていなかったと思うという御答弁であるわけでございますけれども、にわかには信じがたいなと。恐らく、自衛隊の日報と同じように、どこかにあるのではないか。両方ですね、説明資料も面談記録もどこかにあるのではないかというふうに思いますよということをまず指摘をしておきたいというふうに思います。
さらに続いて、二〇一六年、平成二十八年四月十四日、大阪航空局は近畿財務局に対して、新たな埋設物、新たなごみの処理費用として八億一千九百万円の見積りを提出をされていらっしゃいます。
御説明では、この見積りに使用した公共工事積算基準を使ったのだというふうに御説明をいただいておるわけでございますけれども、この公共工事積算基準というのは、国土交通省などが公共工事を発注するに当たって、見積金額、予定価格を見積りするときに使用する基準であるということでよろしいでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
今回の大阪航空局の見積りは、空港土木請負工事積算基準にのっとって行ったものでございますけれども、この工事積算基準の目的は、空港土木請負工事などの予定価格の基礎となります積算価格を適正に算出することとされております。
○川内委員 それでは、大阪航空局において公共工事を発注するに当たってのその予定価格の決裁権者と決裁金額、予定価格の関係を教えていただきたいというふうに思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
大阪航空局等の地方航空局が工事を発注いたします場合、一千万円以下の場合は総務部経理課長、一千万円を超え、一億円以下の場合は総務部長、一億円を超える場合は地方航空局長が決裁権者となっております。
○川内委員 一億円を超える金額の場合には航空局長が決裁をするよということなわけですけれども、それでは、昨年の五月十八日の参議院の国土交通委員会で当時の航空局長さんは、この本件、森友学園への地下埋設物の処分費用の見積りは、土地の価値を算定するために行うものでありますと御答弁をされていらっしゃいます。土地の価値を算定するために行うものでありますと御答弁をされていらっしゃいます。
八億一千九百万の見積りだったわけですけれども、この八億一千九百万円の見積りの金額の決裁権者はどなただったんでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
大阪航空局の見積りは、本件の土地の売却に付随をいたしまして、近畿財務局から依頼をされ、大阪航空局が対応していたものでございます。
まず、本件の土地の近畿財務局への処分依頼につきましては、大阪航空局長までの決裁により行っております。
一方、近畿財務局への見積りの回答は、処分依頼に付随する省庁間のやりとりでありますことから、担当部署である補償課長までの決裁により行ったものでございます。
○川内委員 八億一千九百万円の処分費用は、補償課長の決裁ということでよろしいんですよね。
航空局長が決裁したのは何ですか。もう一回、ちょっと教えてください。
○蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、本件土地の近畿財務局への処分依頼につきまして、大阪航空局長までの決裁により行っております。
一方で、近畿財務局への見積りの回答は、処分依頼に付随する省庁間のやりとりであるということから、担当部署であります補償課長までの決裁により行ったというところでございます。
○川内委員 本件土地の見積りは、価値を算定するため、要するに値引きの費用を算定するために行うということを国交省は昨年答弁されていらっしゃるわけですけれども、八億円もの金額を見積もるのに、値引くのに、補償課長の決裁である、他の部署はかかわっていないと。
例えば、総務部の中に管財調達課という部署があったりして、地方航空局組織規則によれば、管財調達課は、「国有財産の管理及び処分並びに物品の管理に関すること。」という所掌の事務を持っていらっしゃるようですが、補償課だけで決裁をして、他の部署はこの見積りにはかかわっておらない。八億一千九百万の見積りにはかかわっておらないということでよろしいでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど申し上げましたけれども、本件土地の近畿財務局への処分依頼につきましては、大阪航空局長までの決裁により行っております。
しかしながら、大阪航空局が行った見積りは、処分依頼に付随する省庁間のやりとりの中で行われたものでございまして、あくまで土地の売却価格を決定する材料の一つとして算定をされたものでございます。
具体的には、その後、大阪航空局の見積りが近畿財務局へ回答された後に、不動産鑑定等の所要の手続を経た上で、本件土地の売却の予定価格が決定されたというところでございまして、大阪航空局の見積りは、委員御指摘のような通常の国直轄工事による予定価格とは性質が異なるものと考えております。
その上で御回答申し上げますけれども、今のような付随するものだということで、補償課長の決裁で見積りをやっているということでございます。
○川内委員 航空局長さん、済みません、私が聞いているのは、私の聞き方がまずければおっしゃっていただきたいのでございますけれども、補償課だけで見積りを決裁したのですね、ほかの部署は全くかかわっていないということでよろしいですねということをお聞きしているのでございます。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
近畿財務局への見積りの回答は、処分依頼に付随する省庁間のやりとりであるということで、国有財産の管理や処分の事務そのものではなかったことから、管財調達課長などは含めず、担当部署であります補償課のみの決裁により行ったものでございます。
○川内委員 その補償課の何人でこの見積りの決裁文書をおつくりになられましたか。
○蝦名政府参考人 大阪航空局が行いました見積りにつきましては、大阪航空局という組織で行ったものでございますけれども、起案者の係長ほか四名が起案にかかわっているということでございます。
○川内委員 四人の職員で、課長決裁で八億一千九百万円値引きにつながる見積りを決裁した、決めたということでありますけれども、では、その四人の補償課の中に、地質あるいは地盤あるいはボーリングの専門家はおりましたか。
○蝦名政府参考人 補償課の中では、専門官が技官、具体的には土木職の職員でございます。
その意味では、委員が御指摘のその点は、今回の地下埋設物の撤去処分費用の見積りに当たりまして、そうした職員自身が高度な学術的、専門的な地質や地盤調査の能力、知見を有していることが必要であるということの御趣旨だと思いますけれども、そのような観点から申し上げますと、これらの職員が御指摘のような高度な学術的、専門的といった能力、知見を必ずしも有しているということまでは言えないと思いますけれども、一方で、今回の見積りを行うに当たりまして必要な実務的な能力、知見といったものは有しているものと考えております。
○川内委員 苦しい言いわけだと思いますが、あとの三人は事務官ですからね。大臣、課長さんは事務官なんですよ、補償課長は。
処分費用の処分単価を聞き取った業者、二万二千五百円という処分単価を聞き取った業者の大阪航空局における土木工事の経営審査事項におけるランクは、A、B、Cとかありますけれども、何ランクですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
大阪航空局が発注する工事に係ります競争参加資格におきまして、森友学園の小学校の建設業者は、土木工事についてC等級とされております。
○川内委員 そのC等級の業者に発注できる土木工事の金額の上限というのは幾らですか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
このC等級の場合には、二千万円未満の予定価格の競争に参加できることとされております。
○川内委員 二千万円までの土木工事を発注できる業者から処分単価を聞き取って、八億一千九百万円の見積りを補償課長限りで決裁をし、値引きの基礎の数字になったと。これは国民が聞いたら、ほええと、今後は、補償課長さんが地面の中に何か埋まっていたからこれだけ安くしますよと言えば、補償課長の判こで安くなるという話ですよ、これは。
本来は、一億を超える金額については、大阪航空局長が発注金額については決裁します。公共工事とはちょっと性質が違いますからと航空局長さんはおっしゃったけれども、いずれにしても、航空局が発注工事の場合はお金を出す。値引く場合も出すのと一緒ですから。こんなことが大阪航空局で行われていたと。
今の、これまでの議論を聞いて、石井大臣、それでもこの見積りは適正であったというふうに言い張りますか。今になっては、そういう指摘を受けると、やや問題があったかもしれないねと、これは会計検査院も指摘していることですからね。
○石井国務大臣 まず、決裁ということでありますが、先ほど航空局長も申し上げたとおり、国の直轄工事の場合の基準と地下の埋設物の見積りというのはおのずから性格が異なりますし、そもそも大きな意味で、大阪航空局が近畿財務局に処分を依頼したのは、それは航空局長で決裁を行って依頼をした。その大阪航空局と近畿財務局とのやりとりの中のものである、その大きな決裁に付随するやりとりのものであるということで補償課長が決裁をした。
ただ、補償課長も決裁するに当たっては、大阪航空局長等に報告をしている。決裁の判こは大阪航空局長は押していないけれども、報告した上で補償課長の決裁でやっているというふうに聞いております。
それから、職員が見積りの能力がないんじゃないかというお話もありました。見積りをやるときは、そういう専門的なものは、専門的なコンサルタントとか業者に地質の状況は確認をした上でやるということが普通ですから、だから、見積りをやっている人間が全部専門の地質の知見を有しているというわけではありません、一般的に言って。それは事前にきちんと調査をさせている。
これも、実際に平成二十二年に地下埋設物等調査等は別途行って、そういう当該土地の地下状況についてはこの職員はよくわかっているわけでありますので、特段の問題はなかったと思っております。
それから、この業者がランクがCランクじゃないかと……(川内委員「処分単価を聞き取った業者」と呼ぶ)処分単価を聞き取った業者というのは、これはその当該土地で学校の建物の工事を実施していた業者ですが、その業者を選定したのは私どもじゃなくて森友学園側ですから、何でその業者を選定したのかというのは、これは森友学園にお聞きいただきたいと思いますけれども、その業者が地下埋設物の処分をやるわけですから、その当該業者に処分単価を聞くというのは別に不思議なことではないというふうに思っています。
なおかつ、その単価については、ほかの業者と、調査をした単価と比較をして、安いということを確認した上でサインをしているということであります。
○西村委員長 川内君、申合せの時間が既に経過しておりますので、御協力を願います。
○川内委員 はい、もう終わります。
大臣、長々と答弁していただきましたけれども、よく事務方から説明を受けて答弁しないと、恥ずかしい答弁されていましたからね、今。それだけ申し上げて、終わります。
○西村委員長 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 希望の党の小宮山でございます。
久しぶりに川内委員の質疑を聞かせていただきながら、本当に、いろいろまだまだわからないこと、また、すっきりしない点があるなと思っております。
最近というか、本日も、委員会がスタートがおくれましたのも、防衛省が存在していないとした陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報が研究本部教訓課にあった。また、最近の報道では、大臣が認めていらっしゃるようですが、航空幕僚監部の方にも保管されていたことが判明されたということであります。
複数のところにあったこと、また、これが大臣にも報告もされなければ、今回も国会にも報告がされない。そういう意味においては大変ゆゆしき問題でもありますし、閣僚答弁に係る資料、隠したということが常態化していたのではないかと思うところでもありますし、シビリアンコントロール、文民統制が、実際には実効性が失われてきている、損なわれているのではないかという、私としては、この議会制、また三権分立という中において、大変な危機感を今、日本国、また、この政治というものを感じております。
これに関しましては、与党、野党関係なく、三権分立の中で、私たち国民の代表として選ばれている者がきちんとこの問題には対処をしていくこと、そしてこれを解明をしていくこと、そして再発を二度とさせない。やはり、その点が大変重要かと思っております。
そこで、三月六日に国土交通委員会で、私、官庁の決裁文書の書換えということがあり得るものなのかということを一般論として大臣にお尋ねさせていただきました。大臣の答弁では、「私の乏しい経験ではなかなかお答えをしかねます」というお言葉でございました。
私自身は、乏しい経験ではないということは感じておりますが、国土交通省航空局において財務省より受け取った文書を、三月六日、質問の前日、五日に確認したところ、書換えなどが行われた疑いが判明し、同日中に官房副長官にも伝達、翌日には安倍首相、官房長官にも情報が入っているということが後でわかりました。石井大臣も、五日の時点でこうした事実を知る立場にいらっしゃったものと考えます。
財務省による決裁文書書換え、改ざんが現実のものという懸念が現実になりました。その証拠が国交省内から判明しているということを把握した上で、六日、質疑の答弁であったのか否か。まずはその点だけお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 国土交通省といたしましては、決裁文書の書換えについて報道があった三月二日に、航空局の担当者が理財局の担当者から国会議員に公開されている貸付決議書を入手をし、その入手をした貸付決議書と国交省の貸付決議書に異なる部分があることが判明をいたしました。
その点について私は三月五日の月曜日に報告を受けたわけでありますので、当省に、国土交通省に保存されているものが書換え前のものである可能性があることは認識をしておりました。
ただ、文書の作成者は財務省でございますために、国土交通省では正確な事実関係を確認できる立場にはなく、私どもとしては、財務省の方に、国交省に異なる文書があるということをお伝えをしたということであります。
そういった状況を踏まえた上で答弁をさせていただいたものであります。
○小宮山委員 そうはいいましても、やはり国民が知るべきことであり、昨年のうちにこの情報がきちんと確認されていた。また、文書という存在があったこともそうですけれども、やはり、この点の突き合わせができていたならば、こんなにもこの森友問題というのは、もしかすると、今、全て解決をしていたのではないかと思いますと、非常に、公文書というものの扱い、認識というものが、やはり薄くなっている、粗末に扱われている。ひいては、国会への報告も含めましてやはり非常に認識が甘くなっていること、これは国会軽視にもつながっていることではないかと心配もいたします。
その上で、四月二日に発生したと思われます、大阪航空局と気象庁大阪管区気象台の個人情報が書かれた機密性の高い内部文書を含む破棄書類が路上に散乱した件について、回収し、適切な処分、再発防止を願うところではあります。
ただ、けさもニュースでやっておりましたけれども、いまだに、何日かたっても、この文書が回収されないのが植木から見つかるなどということもあったそうです。
やはり適切に再発防止を図るというのは重要ではありますが、まずもって、個人の情報などが入ったものが細断もされずに捨ててしまったという、文書に対する、とらなきゃいけないものもありますが、きちんと破棄をしなければいけない、そういった認識や、また、職員のそこの感覚の鈍さというよりか、非常に軽く扱っているような今の現状というもの、これが大変懸念をするところであります。
この点、再発防止に対し、大臣、もし何か御意見、また、どのようなことをされたのか、御決意をお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 今委員から御紹介いただいたような事案が発生いたしましたことは大変遺憾であります。改めて、文書の破棄に当たってもきちんと適切に管理するよう、省内において再発防止を指示したところでございます。
具体的には、このような事案の再発を防止するために、機密性のある文書等の廃棄に際しては、細断、溶解等の復元が困難な状態にしなければならない旨を再度職員に対して指導徹底を図るよう、四月四日に省内の全部局に対して指示をいたしたところでございます。
○小宮山委員 何を細断するか、溶解するかというのも、やはりしっかりとしたコンプライアンスを持っていただきたい。
今回は、どうも報道によりますと、飲み会の案内で連絡先が入っていたみたいなのも路上にあったようであります。確かにこれは細断でもいいかなと思いますが、防衛省のように隠すとか、また、特定秘密の資料もそうですけれども、都合の悪いのは溶解、細断されては困ってしまいますので、この点の判断はしっかりととれるように御指導のほどお願いしたいと思います。
大臣にちらっと手でジェスチャーもしていただきましたので、その点は、本日のところは信頼していきたいと思います。
さて、本日の議題の都市再生特別措置法改正案は、低未利用地の有効かつ適切な利用促進を進めるとともに、地域の実情に応じた市街地の整備促進により都市再生を図ることを目的としております。都市のスポンジ化対策、都市の遊休空間の活用による安全性、利便性の向上を目指す法律でもあり、大変、これを有効活用されるということが期待されるところでもあります。
さて、私の地元埼玉県川越市に、三月二十八日には国土交通委員会で視察に訪れていただきました。今、年間七百万人からの観光客を受け入れているところでもあり、しかし、その分、生活空間と住民のこと、また、訪日観光客との関係、また、町並みの保存、さまざまな観点でまだまだ発展の可能性はありますが、大変さまざまな課題を抱えている地域の視察をしていただきました。
また、先ほど赤羽委員からも、いろいろな地域の地元の住民の方、また、青年会議所始めさまざまな現場の方々の努力というものを認めていただいたこと、心から感謝を申し上げます。
さまざまな課題もあります。見えてくるかと思います。まだ川越に来ていただいていない方、ぜひごらんいただければと思います。私も、少しでも何かお役に立てればと思っております。
さて、立地誘導促進施設協定制度が新設されます。土地所有者の全員の合意により立地誘導促進施設協定を締結することができるというのがあります。土地の所有者、筆界などが明確になっていることが、さまざまな事業推進の前提となっています。DID地区、地図混乱地域では、法務省所管の十四条地図作成事業も行われておりますけれども、国土交通省所管の地籍調査をより強力に推進していただくことが、この法案の成否、また、地域のまちづくりの発展のためにはやはり肝心だと考えております。
現状の認識と国土交通省の御見解をお聞かせいただければと思います。
〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
○石井国務大臣 現在、地籍調査は、平成二十二年に閣議決定をされました第六次国土調査事業十カ年計画に基づき進められております。平成二十九年三月末時点の全国の面積ベースでの進捗率は約五二%である一方、都市部の進捗率は約二四%と低くなっております。
この主な原因といたしましては、一つには、土地が細分化されており、対象の筆数が多いこと、二つ目には、権利関係がふくそうしており、境界の確認に時間を要すること、三つ目には、建物等が障害となり、測量にも時間と経費を要することが挙げられます。
こうした中、都市部の地籍調査では、市町村等による住民説明会への登記官の出席や、境界確認を行う現地調査等における登記官の協力等、市町村等と法務局が協力して地籍調査を実施をしているところであります。
国土交通省といたしましては、平成三十二年度から始まります予定の次期の第七次国土調査事業十カ年計画の策定に向けまして、特に都市部におきましては、民間の測量成果が一定の水準を有する場合に、それを国土交通大臣が指定する制度の活用を推進すること、また、地籍調査の途中段階にあっても官民境界情報を公開し、民間等による土地境界の測量等を促すこと、さらに、民間等の測量情報を市町村、測量事業者等に広く共有する仕組みを構築すること等を検討いたしまして、引き続き、法務省、市町村等と連携をし、地籍調査の推進を図ってまいりたいと考えています。
○小宮山委員 ありがとうございます。
空き家、空き地等も活用して、立地誘導促進施設、コモンズを設けることは、それぞれの地域活性化のための一矢として極めて有効な手だてとなり得ると思います。しかし、同一の地域、近い場所に、似たような発想での立地誘導促進施設が複数設置されていることなど、どうしても横並びが、地方自治体、また行政関係、よく行われてしまいますが、結果として、地域の負担の観点からも、また必要性の観点からも、疑問を呈さざるを得ないことがよくあります。
地域の負担が過度とならないよう配慮しつつ、地域活性化につながるよう、継続的に利活用が行われるための二の矢、三の矢となるような施策、対策をいかに打ち出していけるか、どのようなものが考えられるのか。このような視点から、持続可能な都市再生施策につながる、厳しい予算繰りでやりくりしている地方自治体や各地でまちづくりに尽力されている方々には、この問題は大変関心の高いところと考えております。
ぜひ、国土交通省のお考えもお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 立地誘導促進施設協定制度は、地域の幅広いニーズに対応しながら、地域コミュニティーで必要と判断した施設を整備、管理していく仕組みであります。協定に基づき整備された施設につきましては、継続的に管理されることが必要であると考えております。
このため、本協定制度に基づき整備、管理される施設につきまして、都市再生推進法人が管理する道路、広場等の土地における固定資産税の軽減措置を講じる等、地権者の負担の軽減を図っているところであります。
また、地域の過度な負担にならないよう配慮しつつも、地方公共団体の財政制約がある中、活発な民間投資が行われない地方部等では、まちづくり会社や地域コミュニティー等の担い手が果たすべき役割はますます大きくなります。
国土交通省といたしましては、平成三十年度予算で、官民連携の推進や地域資源の活用により、地域づくりに積極的に取り組もうとする都市に対して総合的かつ集中的に支援をする、地方再生モデル都市制度を創設をいたしました。この中で、担い手支援等のソフト施策も充実をさせてまいります。
これにとどまらず、国土交通省といたしましては、今後の都市政策につきまして、土地等の開発段階からインフラや建築物等のストックの有効活用や機能維持を図る管理段階まで拡張するとの視点に立ちまして、引き続き工夫を積み重ねてまいりたいと考えております。
○小宮山委員 立地誘導促進施設協定は、全員の合意により締結することとなります。立地誘導促進施設協定が締結された後、協定区域の隣接地の土地所有者に協定への参加を求めるも、承諾いただけない場合に、全員の合意により市町村長に対しあっせんを行うよう申請することができ、市町村長は、特に必要であると認められるとき、あっせんを行うことができるものとされております。これは、都市再生特別措置法第百九条三に関係するものであります。
一部の土地所有者等で合意が得られない場合に、当該土地建物を除いた土地について立地誘導促進施設協定を締結し、後に参加を求めていくといった手順を踏むことも想定されるのか否か、お伺いいたします。
また、市町村長によるあっせんが行われた上でも、なお協定への参加を承諾しないという所有者の自由意思も認められるべきと考えておりますが、この点も確認させていただきます。
○栗田政府参考人 立地誘導促進施設協定の締結には、一団の土地の地権者等による全員の合意というようなことを要件にしておりますが、その一団の土地というのは、柔軟に解釈すべきものであろうかと思います。
したがいまして、一部の土地所有者の合意が得られない段階で一団性が見受けられる土地であれば、まずそこから先行的に合意を得て協定締結をするという場合があろうかと思います。
その後に、協定締結者は、協定区域に隣接した土地を協定区域隣接地として定めることができ、また、その隣接地の地権者に対して協定への参加を求めることが可能となっておりますし、一定の場合には、隣接の地権者の参加を促す仕組みとして、協定締結者が市町村長に要請し、市町村長からのあっせんを可能とする措置も講じているところでございます。これは御指摘のとおりでございます。
しかし、今般の制度は地域の合意を重視した制度でありますので、市町村長のあっせんが行われる場合でありましても、合意のない強制的な参加を求めるものではございません。
○小宮山委員 所有者が確定していても、空き地等が利用されずに放置されている場合、俗に言う筋の悪い土地という場合もございます。
今回、都市計画協力団体の指定、これは都市計画法の第七十五条の五、六に関係するところでありますが、全員同意による協定締結時の参加者並びに協定の公示後に土地所有者となった者について、反社会的勢力とされる者が含まれてしまう可能性に対してはどのように考えているのか。排除すると考える場合には、その方法はいかにされるのか。
あわせて、今回新設される都市計画協力団体内の構成者に反社会的勢力とされる者が含まれてしまう可能性と、その対処などについてもお聞かせください。
また、談合、贈収賄などに関与した者が協定の参加者や都市計画協力団体の構成者に含まれる場合の対応についてもお伺いいたします。
○栗田政府参考人 立地誘導促進施設協定の認可に当たりましては、当該協定の内容が立地適正化計画に記載された事項に適合するなどの要件に照らして、市町村長が適切に判断をいたします。
また、都市計画協力団体の指定に当たりましても、申請者から提案された活動内容等を踏まえ、市町村長が適切に判断することとなります。
ただ、これらの協定締結当事者あるいは都市計画協力団体の構成者、構成員の一人一人につきまして、先ほど委員から御指摘がありましたような背景などを逐一確認ができるかということは、市町村における運用現場を考えまして、なかなか困難な面があるというようなことも事実であるとは思います。
他方、協定を結ばれる当事者は、やはり地域の方々である場合が多い。あるいは都市計画協力団体は、地域の商工会とか地域の住民団体とか、こういうことを指定するということを念頭に置いておりますので、市町村の立場に立ちますと、ある程度の情報が入っている場合もあるのではないかと、ちょっと推測も含めて実態を想像いたします。
仮に、協定に基づく施設の管理が適切に行われないといった場合には、市町村長は、立地誘導促進施設協定ではその認可を取り消す、都市計画協力団体については、必要な命令をし、指定を取り消すということができるとされておりますので、仮に、今御指摘のような要因によりましてそのような実態が生じた場合には、適切に対処すべきと考えております。
国土交通省におきましては、御指摘のような課題があることを明確にして、適切な運用がなされるように周知を図るとともに、また、運用していく中で有効な手だてがないか検討してまいりたいと考えております。
○小宮山委員 都市再生特別措置法第百八条の二に関係してです。誘導施設を休止又は廃止しようとする者は、その三十日前までに市町村長に届け出なければならないこととされております。
現状でも、全国いずれの都市においても、医療機関や商業施設などの休止、廃止、移転などが取り沙汰された場合には、なぜそこまでの状況になる前にもっと何とかできなかったのか、地方自治体はなぜ放置してきたのかといった指摘が多くあり、地元、現場においては大変だと思います。
休止、廃止、移転など懸念される際には、数カ月どころか、場合によっては数年前からいろいろうわさは現地では起きているものでもあります。しっかりと対応を協議し、次善の策や打開策を考え、町にとってダメージのないようにし、むしろ新たな前進のきっかけにさえできないかと知恵を絞る必要があるんだと思います。
そこで、休止、廃止の届出を三十日前までとした理由はなぜなのか。市町村長は届出をした者に対し必要な助言、勧告をすることができるものとされていますが、施設経営上の問題があるために、休止、廃止や移転を行われると考えられる場合が多いんだと思います。わずか三十日で把握できたとして、どのような助言や勧告を行うことを想定され、この制度をつくったのか、お伺いいたします。
町にとって重要な誘導施設が休止、廃止などされることによって公式に把握するすべがこれまでなかったことから、届け出る制度を新設されたと考えますが、ややもすると、その施設側の都合でのみ、来月、三十日後には閉めますと通告だけすれば、それでおしまいにできる仕組みにも捉えられかねません。法の策定意図とは違う解釈が可能になってしまわないのか懸念されます。国土交通省の見解をお聞かせください。
○栗田政府参考人 本制度は、市町村が、都市機能誘導区域内に存します商業施設、医療施設等の誘導施設の休廃止の動きを事前に把握することで、撤退前に、例えばですが、他の事業者の誘致を始めるなどの取組ができるようにしようとするものでございます。
実態としましても、商業施設が撤退する際に、休廃止の事前情報がなかったために、既存の設備が取り壊されて、これらを活用することができず、新たな誘導施設の誘致に時間と費用を要したなどの課題、実態が生じたという例があるものと承知しております。
三十日前までに届出をいただくことで、休廃止の動きを事前に察知し、その時点で撤退後の設備を利用した誘致を行う、こういったことも可能になると思います。
あるいは、どういう助言、勧告を想定しているのかということでございますが、市町村は、必要に応じて、届出をした者に対しまして当該施設への入居候補者を紹介する、これは助言の例であります。新たな誘導施設の入居先として活用するため、建築物の取壊しの中止を要請すること、これは勧告の例。そういったことが想定されます。
本制度の検討段階におきましては、誘導施設の代表的なものは、例えば病院であると思います。その関連の日本医師会、あるいは、大きな商業施設も誘導施設の代表です。その関連の日本チェーンストア協会、こういった皆様方に御説明をしております。皆様方からは、本制度はまちづくりの観点からも重要な制度である、協力して周知を図っていきたいといったような御意見を頂戴しております。
国土交通省としましては、市町村に、日ごろからこれらの団体等と連携して都市機能の確保に努めるように、また、御指摘のような本末転倒の運用にならないように、周知を図ってまいりたいと考えています。
○小宮山委員 ありがとうございます。
全国に五十三地区あります都市再生緊急整備地域内の区域について、駐車場施設の種類ごとの配置に関する計画を作成することができるということで、第十九条の十三が新たにつくられますが、今回の都市再生駐車施設配置計画の作成に当たって、バリアフリー車両の乗りおり用の車寄せスペースの確保といった視点を取り入れていくよう政令などで定める考えはないのでしょうか。また、都市再生緊急整備地域以外についても、バリアフリー対応推進を、駐車スペースや車寄せスペースについてより明確に対応を求めていく必要があるのではないかと考えます。
この点の御見解をお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 高齢者や障害者等の移動等の利便性や安全性向上のため、駐車スペースのバリアフリー対応は重要と考えております。
本法案の施行に当たりましては、車椅子使用者のための駐車スペースの確保につきまして都市再生駐車施設配置計画に定めるよう、技術的助言や計画作成の手引等により周知を図ってまいります。
また、都市再生緊急整備地域以外の地域も含めまして、これまで、五百平米以上の時間貸し駐車場や二千平米以上のホテルなどの建築物に設けられる駐車場につきましては、バリアフリー法に基づく車椅子使用者のための駐車スペースの確保の義務づけ、国土交通省が作成する標準駐車場条例において車椅子使用者のための駐車スペースの確保を設けることを定め、地方公共団体の附置義務条例における同様の規定の整備促進などの措置を講じてきております。
また、本年度より、地方公共団体が行います高齢者や障害者等が利用しやすいユニバーサルデザイン対応駐車場の整備が、社会資本整備総合交付金等の対象となることを明確化をしております。
引き続き、地方公共団体への周知を徹底することで、駐車スペースのバリアフリー対応をより明確に推進をしてまいりたいと考えております。
○小宮山委員 実はきのう、バリアフリー法に関しましたシンポジウムが院内でございました。
そのときに、駐車スペースのバリアフリー対応がふえるのはどうだという話をしていましたら、そもそも、そのスペースに誰かがもう車をとめてしまったり、コーンが置いてあって、それをどけなければ駐車ができないなどの対応がされると、結果として、バリアフリーのスペースがあっても使えない。それがまた一台ぐらいしかないので、現実には使えないことが多い。車で行ってもとめられないことが多いので、結果として、どんなに大変でも電車などを使って行くようにするのがよくあることで、駐車場がどれもとまれるようになれば自動車なりさまざまな形で行くことが可能だろうが、今は、そういう意味では障害者に対しては選択肢の余地がないという状況にあるという話を伺いました。
この点に関しましては、またバリアフリー法改正において恐らく議論もあるかと思いますが、ぜひ進めていくことを御要望させていただきます。
駐車場法は、成立後、軽自動車を対象に追加し、更に自動二輪についても加える形で対象を拡大してまいりました。都市再生緊急整備地域と限らずに一般になりますけれども、自動二輪車駐車場並びに自転車の駐輪場確保についてもお伺いいたします。
より積極的に指導監督できるようにしていき、多くの方が駐車場を利用し、そして移動ができる、そんな環境を整えるべきだと思っておりますが、この点に関しての御見解を簡潔にお聞かせいただければと思います。
〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
○栗田政府参考人 自動二輪車駐車場は四輪車と比べて保有台数当たりの駐車場台数が少なく、また、駅周辺や中心市街地の歩道等には依然として約八万台の放置自転車が存在している状況でございます。
そのため、これまでも地方公共団体に対して、建築物の新築等の際に自動二輪車駐車場や自転車駐車場の附置を義務づける条例の制定を促す、こういったことをしてまいりました。御地元の川越市では、平成二十四年にこの趣旨の条例を制定済みでございます。
あるいは、自動二輪車駐車場、自転車駐輪場の整備に対する財政的支援などの取組を進めてまいりました。
本法案を成立させていただきましたら、その施行に際しまして、改めて地方公共団体への働きかけを行い、自動二輪車駐車場及び自転車駐輪場の一層の整備促進を図ってまいりたいと考えています。
○小宮山委員 続きまして、低未利用土地権利設定等促進計画の作成に関して御質問いたします。
隣の空き家が、管理不全によって倒壊や火災、また、台風時などの飛散物の発生、害虫や悪臭の発生など、さまざまな心配が今あります。また、子供等の新世帯を近隣に居住させたいときなど、可能であれば当該隣接の土地を取得することは住環境の改善として望ましいと考えます。高度成長期にスプレッド化し、ウサギ小屋と称されるほど細分化した都市の宅地の再生においても有効な手段だと考えております。
例えば、今、戸建てが三十坪、四十坪程度にとどまっているのが、隣地も合わせて六十、八十坪といった敷地になっていくことは、より良好な宅地、土地、地域のあり方とつながっていくのではないかと思っております。
空き家、空き地となっている隣地取引促進について、国土交通省の見解を求めます。
○石井国務大臣 居住者が、隣接する低未利用地を住宅や駐車スペース、家庭菜園などのために利用することは、市場での取引を期待しづらい低未利用地の利用方策として有効であるとともに、ゆとりある居住空間を生み出すことで市街地環境の向上につながり得るものであると考えております。
山形県鶴岡市では、市とNPOが連携をして、空き地等の所有者と隣地居住者とのマッチングを行い、いわゆる隣地取引を連鎖させながら、低未利用地の解消のほか、ゆとりある居住空間の創出など、市街地環境の改善に成果を上げている事例も見られます。
今般の権利設定等促進計画は、このような隣地取得についても対象とすることができるものとなっております。また、まちづくり団体等が、低未利用地の利用促進に向けたマッチング機能を果たすための改正も措置をしております。
まずは、地域において、鶴岡市などの先行的な事例も参考にしながら、今回の新制度を有効に活用いただけるよう周知等に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○小宮山委員 市町村長は、低未利用土地権利設定等促進計画の作成に必要な限度で、その保有する情報を、特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができるものとされております。
市町村長が保有する情報であって、特定の利用の目的以外の目的である低未利用土地権利設定等促進計画の作成等のために利用が想定される情報はどのようなものがあるのか、列挙されたい。
また、あわせて、個人情報保護と本規定との関係について御説明ください。
そして、都市再生特別措置法第八十一条十項での「低未利用土地が相当程度存在する区域」とはどのように判定されるのか、簡潔にお聞かせください。
○栗田政府参考人 委員御指摘の低未利用土地等に関する情報ですけれども、これは、自治体が保有する固定資産課税台帳や地籍調査票の所有者情報を想定しております。
個人情報保護との関係ですけれども、地方自治体が保有する個人情報の取扱いは、各自治体の条例において定められておりますけれども、一般的には、法令等の規定に基づく場合には、特定された利用目的以外の目的のためにその情報を利用することができるというようにされております。
本法案では、立地適正化計画の誘導エリアにおける低未利用地の解消という公益性に鑑みまして、行政機関が保有する土地所有者等に関する情報を、権利設定等促進計画の作成等に必要な限度で、当該行政機関内部において目的外利用することができるというように措置したところでございます。
それから、「低未利用土地が相当程度存在する区域」がどのように判定されるかというようなお尋ねであろうかと思います。これは、低未利用地の規模、分布、当該区域に占める割合などを勘案しまして、立地適正化計画の作成主体である市町村において個別に判断されるものでございます。
一つのイメージだけ申し上げますと、ある中心市街地の全域に低未利用地が広がって、三割近くに達しているような市街地がございます。その場合には、中心市街地の全域にわたって指定する、こういった活用が考えられると思っております。
○小宮山委員 都市再生推進法人の業務の低未利用地一時保有等の追加についてお伺いします。
誘導施設整備区制度の創設に当たって、都市再生推進法人の業務として、土地の取得、管理及び譲渡を行うこと等を追加するものとされております。業務に加えるだけでなく、より積極的にこれらの業務に取り組まれるよう促すためにも、支援策が必要ではないでしょうか。この点、市町村にお任せというだけでは立ち行かない。
公的金融機関からの低利、無利子などによる融資制度を始めとして、さまざまな面からの十分な支援が必要と考えますが、どうお考えになっているか、お聞かせください。
○石井国務大臣 都市再生推進法人に低未利用土地の利用や管理をより積極的に行っていただくためには、委員御指摘のとおり、国や地域の関係者による継続的なサポートが不可欠と考えております。
国土交通省といたしましては、これまでにも、一般財団法人民間都市開発推進機構を通じました出資制度の活用を通じまして、都市再生推進法人である株式会社飯田まちづくりカンパニーが実施をいたします、複数の空き家を地域密集型の商業施設として一括リニューアルする事業等に対する支援を行ってきたところであります。
また、平成二十九年度には、民間都市開発推進機構と地域金融機関が連携をいたしまして、リノベーション等の民間まちづくり事業への出資などを通じて、低未利用土地の活用にも寄与するファンドの立ち上げを支援する事業を創設したところであります。既に沼津、大阪、城崎、谷根千地域の計四地域においてファンドが組成をされております。
こうした事業の有効活用によりまして、都市再生推進法人がより積極的に低未利用土地の利用や管理に取り組めるよう、今後も支援の拡充に努めてまいりたいと考えております。
○小宮山委員 少し先に行きます。
都市計画、都市再生、まちづくりにかかわる法制のあり方全般について、最後になると思いますが、お聞かせください。
都市再生特別措置法は、成立後、頻繁に改正されておりまして、特に近年は、ほぼ毎年のように改正を重ねております。今回の改正も含めて、多くの制度や協定、協力団体といったものが追加されております。
さまざまなメニューが加わることは、それぞれの地域のニーズに照らしてより適したものを取捨選択できるようにというまちづくり、地方自治体の独自性を生かし競い合う上で、いい効果が得られるという期待があるからだと思っております。
しかし、逆に細かくなり過ぎ、数が多過ぎて、それぞれの制度のよさをしっかりと確認するまでの時間や手段に乏しいという実情もあるのではないでしょうか。現実に、改正後数年を経てなお活用例ゼロ件のものも含めて、ほとんど活用が進んでいない制度も散見されます。
例えば、非常用電気等供給施設協定、都市再生整備歩行者経路協定などでもあります。私もこれに対し質問をした記憶はございますが、結局利用されていない協定なんだというのは少々残念なところではありますし、また、地方自治体は、法律によってつくられたさまざまな制度、基本計画の策定、協議会の設置などに振り回されて手いっぱいであるという言葉も聞こえてまいります。
さらに、地方自治体において、まちづくりの都市計画についておおむね五年ごとに見直しが行われており、その際に盛り込まれている事業計画や、各種制度利用の考えなどに基づいて各年度の計画が進められているのが実情であります。都市再生特別措置法のたび重なる改正によってできている新制度を直ちに導入するということは難しいというのも、現実には運用の中であります。
今回、立体道路制度の適用対象の拡大が行われる。立体道路制度は、当初、自動車専用道路、特定高架道路等の新設又は改築時のときのみ限定した制度であったが、その後に対象が都市再生緊急整備地域内の一般道路まで拡大されています。
今回、都市再生緊急整備地域と限らずに、いずれの地域の全ての道路について立体道路制度の対象とすることとなり、駅前開発など、町のさまざまな可能性を引き出すことができると期待はしております。
一般法であれば都市計画は五年で見直しされますが、特別措置法、身軽にできる改正の枠組みを与えるという意味では重要ではありますが、そのタイミングが合わないと計画に反映されないという問題、課題も現実に存在いたします。
この都市再生特別措置法を始めとしたまちづくり関連の各種法制度のあり方について、わかりやすさにつながる、また、活用されるということも必要かと思います。ぜひ、この点に関しまして、制度や協議会の設置など可能となるメニューが細分化してきたけれども、この経過を踏まえて、大臣の今後に対する御決意など、また、見解をお聞かせいただければと思います。
○石井国務大臣 まちづくり関連の諸制度につきましては、これまでも、現場、自治体のニーズに応じて法制化してきたところでありますが、これらのニーズに応えようとする結果として、メニューの数が多くなり、複雑なものとなっている面があることは、委員御指摘のとおりであります。
例えば協定制度におきましても、それぞれの目的を限定した協定制度をこれまで個別に創設してきたことから、一つ一つの制度の活用実績も少なくなっているところであります。
今般の立地誘導促進施設協定では、協定の対象施設をあらかじめ限定せず、それぞれの地域において必要と判断される施設を幅広く対象とすることが可能であること、制度活用のインセンティブとして、協定に基づき整備、管理される公共施設等に対して固定資産税の軽減を措置していることから、これまでの協定制度と比較しても使いやすい制度となっております。
国土交通省におきましては、今後とも、ニーズを踏まえまして、わかりやすく使いやすい制度の整備に努めるとともに、その活用が進むよう周知してまいりたいと考えております。
○小宮山委員 ぜひ、地方自治体、現場があってこそ、この法律も生きるものでもあります。各地域には伝統があり、歴史があり、そしてさまざまな仕事をされ、生活があります。私も、地方議員、県会議員を経験し、国とまた地方での、議会での差異というものを感じておりました。
そして、今回、こうやって法律はできても使われないという事例もあることを考えれば、またどんなものが使えるのか、多数あるメニューの中でどれが使えるのか、どの可能性ができるのか、この点に関しましては、実行する地方自治団体とともに丁寧な対応を国交省にもお願いいたしまして、私の質問といたします。
ありがとうございました。
○西村委員長 次に、広田一君。
○広田委員 無所属の会の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。
このたびの都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案によって、先ほど小宮山委員の方からも御指摘がございましたように、さまざまな新制度が創設をされることになります。改正がなされます。無論、都市のスポンジ化の対策、低未利用土地対策、さらには、空き家、空き地対策が待ったなしの状況であることは論をまちません。
よって、今回の改正によりまして一定の効果が期待することができるということで、無所属の会としてもこの法律案については賛成であります。
一方で、これも先ほど小宮山委員の方からもお話がございましたが、これまで都市再生特別措置法のもとで創設された制度、これがどれほど活用されて成果を上げているのか、こういった点の不断の検証が必要なことも言うまでもありません。
よって、まず、この都市再生特別措置法における制度の活用状況についてお伺いをしたいと思います。
現行の都市再生特別措置法による協定制度には、国土交通省の資料によりますと、土地の所有者などで締結する協定といたしましては六つございます。そして、行政と土地の所有者などが締結する協定として三つ、計九つあるわけでございまして、ですから、これも先ほど御議論があったように、複雑化してわかりにくいということの一つの証左ではないかなというふうに感じます。
このことを踏まえまして、まず、それぞれの協定の締結実績についてお伺いをしたいと思います。
○栗田政府参考人 都市再生特別措置法に定める協定制度のうち、まず都市利便増進協定につきましては、札幌市でオープンカフェや広告板事業を実施し、その収入を施設の維持管理や地域イベントの開催等といった地域のまちづくりに還元するために締結されているなど、全国九件の事例がございます。
また、都市再生歩行者経路協定につきましては、福岡市、はかた駅前通り地下通路におきまして一件締結されております。これは、JR九州など周辺のビル事業者と福岡市が、博多駅近傍の地下道と地上への出入り口部分について、歩行者が支障なく通行できるよう協定を締結して、また、日常の維持管理を行っていただいております。
そのほか、都市再生特別措置法には跡地管理協定ですとかございますけれども、これらについては残念ながら締結実績がございません。
○広田委員 先ほど御答弁がございましたように、都市利便増進協定については九件、そして都市再生歩行者経路協定については一件ということで合計十件でありますが、そのほかの七つの協定については締結実績がゼロということでよろしいんでしょうか。
○栗田政府参考人 その他の七つの協定制度については実績がゼロでございます。
○広田委員 例えば、所有者みずからが跡地などを適正に管理するのが困難な場合、市町村などが所有者などと管理協定を結びます跡地等管理協定、これは平成二十六年に設立をされたものでございます。
これはやはり相当程度ニーズはあるのではないかなというふうに思いますけれども、これはなぜ協定実績がゼロだというふうに認識をされているんでしょうか。
○栗田政府参考人 まず、跡地管理協定につきましては、立地適正化計画の作成がまず前提になるということで、まずその作成が途上であるということ。それから跡地等管理協定、今委員御指摘のとおり、土地の所有者と行政と、これを比較的念頭に置いた制度でありまして、行政においてなかなか、引き受けるに当たって逡巡する場合があるといったようなこともあろうかと思います。
それから、もう一つ我々反省点として考えておりますのは、こういうときに地権者側にインセンティブを講じておりません。先ほどから話題に出ております協定制度につきましては固定資産税の軽減といったインセンティブを講じたりしておりますが、これについてはそういう措置が講じられておりません。
などなどの理由によりまして、これまで協定で実績が上がっていないというように我々分析しているところでございます。
○広田委員 るる、なぜ締結実績がないのかというふうな理由についての御答弁があったわけでございます。
その中の一つとして、先ほど、地権者に対するインセンティブがないという御答弁がございました。これによって固定資産税等の優遇措置がないというふうなことでございますけれども、そうであるとするならば、例えば、今回の改正にあわせてやはりこの協定等についても見直しを図るべきではなかったのか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○栗田政府参考人 御指摘、きっちりと受けとめたいと思います。
先ほど来申し上げておりますように、これまでつくっております制度、使われているものもあれば、使われていないものも多いということでございます。
先ほど申し上げましたような反省も含めて使われるように改善をしていきたいと思いますし、また、機会がございましたら、これまでの制度についてもレビューをして、できる改善、個々に検討してみたいと考えております。
○広田委員 そうしますと、確認なんですが、今は使われていない七つの協定について、今回法改正するに当たって、しっかりとした検証なり見直しというものはなされていないという理解でよろしいんでしょうか。
○栗田政府参考人 一つ一つにつきましての事例でありますとかいうようなことについて、私たちとしてはレビューをしたつもりでございます。
ただ、先ほどから出ております歩行者経路協定ですとか、あるいは非常用電気等供給施設協定とか、制度をつくってから時間がまだたっていないとか目的がシャープに定められておるとか、こういったことでもうしばらく協定の運用実態を見守りたいというようなものもございます。
不断に検討してまいりたいと考えております。
○広田委員 不断の検討、検証をぜひよろしくお願いをいたします。
局長の方から御指摘がございましたように、例えば、平成二十八年に創設をされました低未利用土地利用促進協定などは、これは、協定制度が創設されて間もないこともありまして、確かに一概に、実績がゼロだからけしからぬというふうなことにはならないんだろうというふうに思います。
しかし一方で、今後、締結実績のない、又は余りにも少ない、さらには、先ほど答弁がございましたように、これからはインセンティブを与えていこう、そして、目的がシャープなものについても若干幅広にしていこう、そういったような検証、検討といったものが重ねられてくるというふうには思いますけれども、それでも将来的に締結の見込みのない協定制度につきましては、私は、制度の見直しや廃止といったものも検討すべきではないかなというふうに思いますけれども、この点についての御所見をお伺いします。
○栗田政府参考人 協定制度につきましては、もうしばらく検証、運用努力のお時間を頂戴したいと思いますけれども、更に実態が上がらないなどなどのことがございましたら、あるいは、改善を重ねましてもそういう事態ということでありましたら、不要な制度ということについては廃止すべきものと考えております。
○広田委員 ぜひこういった協定制度、そのときはさまざまな形で必要性等も認定されて制度の創立がされたんだろうというふうに思いますけれども、不断の見直しとスクラップ・アンド・ビルドをしっかりやっていただきますようによろしくお願いを申し上げます。
その上で、このたびの新しい協定制度といたしまして、これも、段々の御議論がございました立地誘導促進施設協定についてお伺いをしたいと思います。
この協定は、交流広場、コミュニティー施設、先ほど川内先輩の方からは子供食堂などのお話があったわけでございますけれども、これら、地域コミュニティーやまちづくり団体などが共同で整備、管理する施設についての地権者による協定ということであります。地域の幅広いニーズを具現化をする、一方で、資金とかノウハウ不足等々の御議論もあったわけでございます。
これらの協定の先行事例といたしまして、国土交通省の資料によりますと、滋賀県彦根市の四番町スクエアとか三つの事例を挙げられておりますけれども、こういった事業というものを想定をして協定というものが締結されるだろう、そういった見込みを持たれているのか。少なくともこの先行事例として挙げられた地域については、この新しい協定制度が締結されるという確証を持たれているのか。この点についてお伺いをしたいと思います。
○栗田政府参考人 私ども、この協定の趣旨ですとか枠組みですとかを御説明する際に、既存の現場の実態をもって御説明することは多々ございまして、今お話がありました滋賀の事例ですとか、ほかにも長野の事例、幾つか活用して御説明申し上げております。
この制度の検討に当たりましていろいろなニーズを把握しておりますので、この制度につきましては、自治体の声も踏まえまして、既に幾つかの自治体から、町中に散在する小規模駐車場を集約してにぎわい空間を創出する、そういったときに活用ができるというようなお話を頂戴しております。
ただ、既に私どもが実例として御説明しているところは、この制度もなしに現実を動かしておられるところでありまして、そこでこの制度を改めて御活用になるといったようなことを中心的に想定しているということではございません。そのほかからいろいろなニーズの声を頂戴しているということでございます。
○広田委員 局長の御答弁、ちょっと言葉がはっきり聞こえなかったので聞き取りにくいところもあったんですが、そうしますと、国土交通省さんが資料として出されているこの三つの事例がありますよね。私はそれぞれ見させていただいたんですが、非常に意義のある取組をされているな、そして、これまで一連の議論の中で、今回の新しい協定制度の意義そして必要性といったものは、ほぼこの委員会の皆様方へも共有されているんだろうと思います。
ただ、冒頭の質問で申し上げたとおり、なかなかこの協定制度というものは、つくったはいいけれども締結実績がゼロの方が圧倒的に多いという状況もある中で、これまでの、ある意味、教訓を踏まえて今回の協定がやはりしっかりと使われるということのためには、この先行事例として挙げられた地域については、これはもう当然のことながら、新しい協定を結ぶという確証を得てこういった事例等として出されているのかということの確認の意味で質問をさせていただいているわけです。
○栗田政府参考人 先行事例につきましては、大変現場の御努力、関係者の御努力によりまして、これらの制度を活用せずとも、これらの制度が目的とする姿を既に実現しておられますので、あるいは実現しておられつつありますので、改めてこれらの制度を御活用になられるかとそういう意向を直接に御確認したということではないという趣旨で先ほど答弁申し上げたところでございます。
ただ、この協定のニーズがあるのかないのかということでしたら、他に幾つか確認しながら、現実で落として制度を組んでおるつもりだということを申し上げたつもりでございます。
○広田委員 そうすると、この協定制度がなくてもしっかりとやっているところがあるということであれば、新しく創設をする意味合いというものが一体どこに根拠があるのかなということになってしまいます。
あわせて、この三つの事例には、済みません、本来でありましたら各委員の皆さんにも資料をお配りして見ていただいた方がわかりやすいと思うんですけれども、ちょっと、きのうの国会の混乱で質問通告の時間が遅くなって大変恐縮であるところでありますけれども、その上で申し上げれば、それぞれの事例についても今回の協定のポイントの一つは、承継効が付与されることであります。
それぞれ三ついい取組をしているんだけれども、これが、所有者が変わることによって事業が継続できないかもしれない。そういった課題があるのでこういう協定等が必要なんですよというふうに私自身は理解をしているわけでありますが、そうではないんでしょうか。
そうでないとすれば、まさしくこの新協定の設立の意義そのものが問われかねないというふうに思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○栗田政府参考人 まず、三つの事例につきましてということですけれども、これは、大変現場のまちづくりの関係者のエネルギーが強い、能力が高いということで、大変先進的なお取組をされているところかと思います。
したがいまして、こういう制度の用意がなくても、御自身たちの工夫、努力によって現実を変えていっておられる、こういう事例であろうかと思います。
それを踏まえまして、よりいい制度を組むことによって、触れていただきました承継効という措置を備え、また、私たちも場合により支援するといったようなことも念頭に置きながら、一部の先進的な自治体において現実化しているこの実態をより一般的に広げていきたいというのが、この制度をつくりました趣旨でございます。
それから、もちろん私たち、その三つのところに、この制度ができましたらこれを今から使われますかということを個別に確認しているということではないのですけれども、もちろん、今回の制度をそういったところでもまたこれからでも使っていただければ大変ありがたいと思いますし、そういうふうに働きかけていきたいと考えております。
○広田委員 せっかく設立される新しい協定制度でございますし、承継効が伴って協定が結ばれますと、その後の安定した地域コミュニティー、まちづくりにも資するものだというふうに思いますので、先進的に取り組んでいるところ、そこは、局長が言われるように、既にしっかりとやっているから大丈夫だということでありますけれども、しかし課題として、将来的に持ち主等が変わったときにそこに問題が生じるリスクというものをなるべく取り除きたいという思いもあるわけでございますので、この点につきましては、ぜひ、魂が入るように鋭意取り組んでいただきますようによろしくお願いを申し上げます。
このほか、立地適正化計画等々についてもお聞きをしたいと思っておりましたが、ちょっと時間がなくなりましたので、最後に空き家対策についてお伺いをしたいと思います。
空き家対策の推進に関する特別措置法についてお伺いをいたします。
これは成立に御尽力をされました西村委員長に聞いた方がいいのかもしれませんけれども、近年、都市、地方を問わず、全国的に人口減少、少子高齢化、過疎化が深刻をいたしております。その象徴が空き家の増加でありまして、郡部、中山間地域を回りますと、蔵があるお屋敷が空き家であることが珍しくありません。また、ひとり暮らしをしているおばあさんが最近施設に入ったというふうに聞くと、潜在的な空き家もふえていることを実感をするところでございます。
こういった中で空き家特措法が制定されたわけでありますけれども、その背景にも、やはり適切な管理が行われていない空き家などが、防災、衛生、景観などの面で地域住民の生活に深刻な影響を及ぼしている旨が挙げられております。
こういった空き家の増加に伴いまして、全国の自治体では条例を制定して取組を進めていたんですけれども、空き家所有者を特定するのに有効な固定資産税の情報を利用できないとか、除却をするための代執行ができないとか、そういった限界が指摘をされまして、この空き家特措法制定の要請が強く出て、これらの状況を踏まえて、平成二十六年十一月にこの空き家特措法が成立したわけであります。
全面施行から来月で三年になるわけでございますが、この空き家特措法に対する評価と課題について石井大臣にお伺いいたします。
○石井国務大臣 空家等対策の推進に関する特別措置法は平成二十七年五月に全面施行されまして、平成二十九年十月現在で四百四十七市区町村において、総合的な空き家対策を進めるための計画である空家等対策計画が策定済みとなってございます。
また、周辺に悪影響を及ぼす空き家につきましては、市区町村長による助言、指導、勧告、命令、代執行が行われておりまして、平成二十九年十月一日時点で、助言、指導八千五百五十五件、勧告四百十七件、命令三十六件、代執行六十件が実施をされております。
さらに、空き家の利活用につきましては、移住者への提供など、地域の実情に応じたさまざまな取組も進められておりまして、各地域において着実に空き家対策が進められていると考えております。
今後の課題といたしましては、空き家の発生予防や空き家の利活用のさらなる促進、また、個々の空き家だけでなく、まちづくりの観点からの取組などが考えられます。
昨年八月には、空き家対策に関しまして情報共有等を図るための組織といたしまして、全国空き家対策推進協議会が設立されております。
国といたしましても、この場を通じまして、地方公共団体と課題やその解決策の共有化を図ってまいりたいと考えております。
○広田委員 大臣の方から空き家特措法の施行状況について御答弁がございました。この御答弁を踏まえまして来週の一般質疑で具体的に質問をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げて、質問を終了いたします。
どうもありがとうございました。
○西村委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
都市再生特別措置法は二〇〇二年に制定されましたが、特別措置法という名前がついておりますように、時限立法であります。
第一条にある、「近年における急速な情報化、国際化、少子高齢化等の社会経済情勢の変化に我が国の都市が十分対応できたものとなっていない」という現状をどうにかしようというものであります。
都市局長に聞きますけれども、その目的は達成しましたか。
○栗田政府参考人 この法案では、法律の目的としまして、都市機能の高度化、都市の居住環境の向上、こういったことを掲げております。
これに関しましては、これまで累計千四十八市町村で、また、その中の二千八百八十地区におきまして、都市再生整備計画に基づく交付金の活用により、地域住民の生活の質の向上と地域経済、社会の活性化を図るための取組が行われてまいりました。
また、優良な民間都市開発事業につきまして百十三計画を認定し、その結果、良好な都市環境の確保が期待される、広場や緑地を始めとする公共施設の整備を伴った事業が行われてまいりました。
また、防災機能の確保につきましても努力してきておりますが、都市再生制度につきましては、その効果が着実に出てきているとは思いますが、既に目的が達成されたとまでは言えず、今後とも、時代のニーズに合わせた取組を進める必要があると考えております。
○宮本(岳)委員 達すれば特別措置は必要なくなるんですから、達していないから今回も改正するわけです。
法律ができて十六年たつんです。今回の改正で何回目の改正になりますか。
○栗田政府参考人 制定以来、九回目の改正になると思います。形式的な改正は除いております。
○宮本(岳)委員 二〇〇四年、五年、七年、九年、一一年、一二年、一四年、一六年、そしてことし一八年と、改正が繰り返されてまいりました。
次々と改正して新制度をつくっても、使われていない制度も多いという答弁もありました。また、なくてもやっているところがあるという答弁もありました。
大臣、これほど頻繁に改正しなければならないのは、よっぽどできの悪い法律だったということではないですか。
○石井国務大臣 できがいいからこそ、次々と改正をして中身をブラッシュアップしているんだと思います。
○宮本(岳)委員 では、本当にそうか、議論してみたいと思うんです。
あなた方は、都市のスポンジ化がコンパクト・プラス・ネットワークの推進に重大な障害になるとして今回の改正案を出してまいりました。
しかし、その制度は、人口減少社会では開発意欲が低減し、望ましい土地利用がされないという強烈な危機意識であります。
国土交通省の都市計画運用指針においては、自治体が立地適正化計画を検討するに当たっては、おおむね二十年後の都市の姿を展望することとあわせて、その先の将来も考慮せよとしております。
これは間違いないですね。
○栗田政府参考人 立地適正化計画の作成については、国としての一定の考え方を運用指針として示しております。
この中で、立地適正化計画の検討に当たっては、「一つの将来像として、おおむね二十年後の都市の姿を展望することが考えられる」としているところです。
○宮本(岳)委員 二十年、さらにはその先の将来を展望して決める、こう自治体に向かって言っているわけですけれども、あなた方自身が、この法律をつくってわずか十六年の間に九回改正してきているわけです。まだそれで都市再生というこの目的を達成することさえできていない。先ほど来聞いていると、使われていない制度も多い、また、なくてもやっていることもある、こういうことであります。
大臣、自分たちもできないような二十年先のことを自治体に決めろというのは、これは無理難題じゃないんですか。
○石井国務大臣 法律の改正は、その都度さまざまなニーズが寄せられて、それに応える形で改正をしてきているわけでございます。
自治体に対しては、やはり都市の姿というのは、ある程度やはり中長期的な将来像を見据えた上でつくっていくというのが私は当然のあり方ではないかというふうに思っています。
○宮本(岳)委員 では聞きましょう。
この二十年先の人口等の将来の見通しということについて、第八版都市計画運用指針では何と書いてありますか。三十七ページの「留意すべき事項」の四行目から七行目まで、局長、読んでいただけますか。
○栗田政府参考人 当該部分、「なお、」のところ以降を読ませていただきますと、「人口等の将来の見通しは、立地適正化計画の内容に大きな影響を及ぼすことから、国立社会保障・人口問題研究所が公表をしている将来推計人口の値を採用すべきであり、仮に市町村が独自の推計を行うとしても国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口の値を参酌すべきである。」当該箇所かと思います。
○宮本(岳)委員 要するに、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口の値を使え、こう言っているわけです。
私は地方創生特別委員会の委員ですから、まさにこの人口減少問題の解決に取り組んでまいりました。
きょうは、まち・ひと・しごと創生本部に来ていただいております。
まち・ひと・しごと創生法第一条の目的には、「我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかける」ということが掲げられております。
この法の目的と取組は、この社人研の日本の将来推計人口が予測する結果を回避するために取り組んでいると私は理解しておりますが、まち・ひと・しごと創生本部、間違いないですか。
○服部政府参考人 お答えさせていただきます。
仮に近年の低い出生率が続いた場合、今後、日本の人口減少は急速に進むことから、将来人口の推計について分析を行い、平成二十六年十二月二十七日に、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンを閣議決定したところでございます。
この長期ビジョンでは、合計特殊出生率が、二〇三〇年に、若い世代の結婚、出産に関する希望がかなった場合に見込まれる一・八程度となり、そして、二〇四〇年に二・〇七程度まで上昇すると、長期的には人口減少や高齢化を相当程度緩和することができる見通しとしております。
こうした見通しも踏まえ、引き続き、平成二十九年十二月二十二日に閣議決定しましたまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、人口問題克服に向けた施策への取組を進めてまいっているところでございます。
○宮本(岳)委員 重ねて聞きますが、では、まち・ひと・しごと創生本部のその取組というものは、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口、これが予測する結果を回避するために行われているんじゃないんですか。
○川合政府参考人 お答え申し上げます。
まち・ひと・しごと創生法第一条におきまして、「我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために」「まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施することを目的とする。」とされておるところでございまして、この法律に基づきます総合戦略におきましても、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」、「地方への新しいひとの流れをつくる」、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」という四つの基本目標を掲げて、達成に向けて取組を推進しているところでございます。
○宮本(岳)委員 いや、まともに答えないですね。この社会保障・人口問題研究所が発表する日本の将来推計人口では、今世紀半ばには人口が一億人を下回ると予測されておりますが、あなた方の取組は一億人を下回るんですか。
○服部政府参考人 お答えさせていただきます。
先ほど、合計特殊出生率につきまして、二〇三〇年に一・八程度、そして二〇四〇年に二・〇七程度まで上昇するということについて申し上げましたが、その場合、二〇六〇年には総人口一億人程度を確保し、二〇九〇年ごろには人口が定常状態になると見込まれる、こういうことを盛り込んでいるものでございます。
○宮本(岳)委員 それを答えればいいんですよ。社人研の予測どおりにならないように頑張っているんじゃないですか。そのままいくんだったら何の努力も必要ないじゃないですか。
大臣、この社人研のこの予測結果どおりになったら、「地方消滅」という増田レポートのような事態になる、えらいことだ、この予測どおりにならないように内閣を挙げて取り組もうとしているときに、国土交通省は、社人研の予測結果の値を使え、幾ら地方創生の取組をやっても社人研の予測どおりになるんだ、こう言っているに等しいわけです。
大臣、国土交通省は、まち・ひと・しごと創生本部は無力である、梶山地方創生担当大臣は無能であると言っているように聞こえるんですが、違いますか。
○栗田政府参考人 地方創生の努力をもろもろ行い、人口の拡大を図っていくということは大変大事なことだと思っておりますけれども、将来の人口推計は、立地適正化計画の内容に大変大きな影響を及ぼしますので、客観的かつ科学的な推計に基づいて行われることが必要と考えております。
これまでの地方のもろもろの計画の作成の実態については、ともすれば楽観的な期待に基づいて、実際には困難な人口増大を前提としているなどの問題も指摘されてまいりました。政策努力によって合計の特殊出生率が上昇する場合には人口減少の影響は長期的には緩和されるということにはなりますけれども、社人研の推計を少なくとも参酌していただくということは、厳しい現実論に立って、そういう視点から地域の将来像を検討いただく、そういうことが重要ではないかというような考え方によっているものでございます。
したがって、地方が独自の推計を行うということを否定しているわけでもありませんで、その場合には、「参酌すべきである」というように運用指針の中に定めておるということでございます。
○宮本(岳)委員 いやいや、参酌とも書いていますが、値を使えと書いているじゃないですか。そうおっしゃるんだったら、そういう決めつけのような表現を改めていただきたい。
事ほどさようにこの地方創生という取組は、私は、そもそもがいいかげんだと言わなければならぬと思っております。しかも、その中に、大規模開発に利用されかねないようなスキームまで潜り込ませているという問題があります。
今、神戸では、都市再生特別措置法の立地適正化計画のスキームを使って、神戸三宮の駅前に巨大なバスターミナルや市役所を集中する神戸三宮「えきまち空間」基本計画や、新たな中・長距離バスターミナルの整備に向けた雲井通五・六丁目再整備基本計画というようなものが動き始めております。
まず事実を確認したいんですが、この法律の立地適正化計画には、こういった大規模開発を盛り込むことも、都市局長、可能ですね。
○栗田政府参考人 立地適正化計画には、その区域等のほか、都市機能誘導区域における誘導施設の整備に関する事業や、それと一体となってその効果を増大させるために必要な事業等について記載するものとされています。
一般論として申し上げれば、御指摘のような駅前の再開発事業が、立地適正化計画に定める誘導施設の整備に関するものである場合や、それと一体となって効果を増大させるために必要なものである場合には、立地適正化計画に記載することができることとなります。
○宮本(岳)委員 結局使えると。ただ、現場で結局行われていることというのは、住民を置き去りにしたままの拙速な大規模開発であります。
配付資料を見ていただきたい。神戸市議会未来都市創造に関する特別委員会の議事録であります。
三宮の再整備は、今の市長になってからトップダウンでやられている。何でこんな絵が出てくるんですかと聞いても、当局も答えられない。一体全体市長は何をここでやろうとしていて、誰の言うことを聞いてやってんねんと、市議から厳しい指摘が出ております。これは議事録、公開されているものであります。
大臣、この御発言をされている議員はどこの党の議員か御存じですか。
○石井国務大臣 先ほど資料を拝見しまして、承知をしておりません。
○宮本(岳)委員 吉田謙治元議長、公明党の市議団長であります。
都市局長に確認しますけれども、この立地適正化計画の作成に当たって、国土交通省は決して大規模開発を推奨しているというわけではありませんね。また、計画はあくまで自治体が任意に作成するものであって、変更することもまた可能ですね。
○栗田政府参考人 立地適正化計画の具体的な記載内容は、その都市の即地的な状況を勘案して、作成主体たる市町村において判断されるものであります。また、市町村の判断により計画内容を変更することは可能であります。
○宮本(岳)委員 最後に大臣にもお伺いしたいんです。
この立地適正化計画というものが決して大規模な開発を上から奨励するものではないということ、拙速に事を進めるのではなく、よく議会や市民の意見を聞き、住民合意で進めるべきものであるということは当然のことだと思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○石井国務大臣 立地適正化計画につきましては、それぞれの自治体でよく地元の皆様の意見を伺って、適切につくっていただきたいというふうに考えております。
○宮本(岳)委員 私どもは、この都市再生法というものはさまざまな問題点を持っていると。ただ、今回の改正について、もちろん評価できる面もあるというふうに考えております。
ただ、全体の枠組みとして、十六年間に九回の改正をしながら、結局使われていない制度も多い、また、なくてもやっていることがある。これでは真の都市再生を導くことにならない。こういう立場でこの法案には反対せざるを得ないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○西村委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上です。
それでは、今回の都市再生特措法案の一部改正について質疑をさせていただきます。
今回の法改正で大きなテーマとされています都市のスポンジ化という言葉でありますけれども、最近になって聞かれるようになった印象というのが非常にありますが、相続された家屋等における未利用のままの放置、廃業後、積極的な利活用が行われない商店など、住宅の供給超過による賃貸物件の空室の増加など、スポンジ化という現象が進んでいるということはもうどの地域でも想像にかたくないというふうに思います。
その一例として、二〇一三年度時点で八百二十万戸だった空き家というのが、現在、一千万戸程度にふえているというふうに見られています。さらに、民間機関の予測では、二〇三三年には二千百五十万戸というのが空き家化すると予想されています。実に、住宅の総戸数の三割に達するというふうにも言われております。また、空き店舗も増加しており、全国の商店街の四割は空き店舗率が一〇%を超えるという見込みと言われています。
国交省がコンパクトシティーを進めてきておりますけれども、都市のスポンジ化というのはコンパクトシティー政策の推進に大きな障害となるということも、我々、容易に想像できるのではないかなと思います。
まず、その都市のスポンジ化の原因は、人口減少、また、高齢化による相続の増加、利用意欲の減退といったものがある。このように、各地域で低未利用土地が多く発生する事態というのは今に始まったことではないというふうに思います。
国土交通省としてもその問題意識は以前からあったのではないかと思いますけれども、大都市圏及び地方都市圏でのスポンジ化の進行をどの程度定量的に把握して、将来どの程度深刻化するのか。国土交通省の見解をお聞かせいただけますでしょうか。
○栗田政府参考人 空き地につきましては、世帯が所有する宅地等で利用されていない土地は、平成二十五年時点において約九百八十一平方キロメートル、過去十年間と比較しまして四四%増となっております。もちろん、大都市、地方都市におきまして多少の差はございますし、用途によって多少の差はございますが、空き地問題は全国を覆っている問題であろうかというように思っております。
個別の事例としては、例えば、ある地方中核都市では、中心市街地における件数ベースでの空き地、空き家等の比率が二七%となる事例も見られるところでございます。
空き地についての定量的な将来予測は示されておりませんが、過去、平成五年から平成十五年まではほぼ横ばいでありながら、平成十五年から平成二十五年までは四四%増と大幅にふえていることから、今後についても、強い問題意識を持って捉える必要があるものと考えております。
○井上(英)委員 今局長が紹介していただいた数字でも、特に近年、やはり顕著に数字にあらわれているということですけれども、また、都市の空き地、空き店舗の増加については、以前よりさまざまな対策が講じられてきているというふうにも認識しています。
二年前にも、この都市再生特措法、改正になっておりまして、空き地、空き店舗を有効に活用するため、市町村まちづくり団体と土地所有者による協定制度というのを創設する制度改正、法改正というのも行ったというふうに記憶をしています。
本制度の活用による官民連携によるにぎわい創出を進めるには、関係者の理解と、そして熱意というのが必要不可欠であると考えますが、どのように進んでいるのか。また、本制度の運用の担い手というのは十分養成されているのか、お伺いいたします。
○栗田政府参考人 今、委員御指摘の協定制度は、平成二十八年の制度改正でつくりました、市町村又は都市再生推進法人等が低未利用土地の所有者等にかわって緑地、広場等の整備及び管理を行うことができる、低未利用土地利用促進協定制度ということと存じます。
その制度の活用に当たりましては、協定締結後、土地の所有者等がかわった場合には、協定の効力が及ばない、いわゆる承継効がこの協定制度にはない。土地の所有者等にとってのインセンティブ措置がない。あるいは、市町村主導型で、民間の発意、利活用ニーズを十分に生かせない。こういった課題がありまして、残念ながら、現在までのところ活用実績はございません。
一方で、各地域の現場においては、地域の自発的な取組によって、居住環境の維持のために必要な広場や通路などを地域のまちづくり団体等が整備、管理する動きも見られるところであります。
例えば長野市において、ぱてぃお大門、これは善光寺の門前町で、地元有志が空き店舗や使用されていない土蔵などを活用して、広場と商業施設群から成る地域の活性化拠点を整備する計画をまとめ、まちづくり会社でありますけれども、株式会社まちづくり長野が整備、管理を行っております。
こういった民間の担い手については、我々も、これまでも育成、確保について諸般の施策を講じてきております。
今般の立地誘導促進施設協定、低未利用土地権利設定等促進計画、これらは、現場の取組をもとに、特に民間の地域づくりの担い手を念頭に、より使いやすく、安定的なものとなるように制度化したものでございます。
また、本協定制度では、これまでの協定制度と異なりまして、税制措置として、協定に基づき整備、管理される公共施設等に対して固定資産税の軽減が図られることになります。
国土交通省としましては、これらの制度について、技術的助言、手引の発出等を通じて地方公共団体に周知してまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 今言われるように、まだまだ数々挙げられる課題というのがあると思うので、ぜひその課題も解決をしていって、極力本制度をしっかりと利用いただけるように、また、柔軟にしていただけたらというふうにも思います。
今回の法改正で創設される予定の低未利用土地権利設定等促進計画制度については、複数の土地や建物を一括して利用権等を設定するという、より複雑さを増した制度ではないかなと思います。計画策定の主体である市町村のコーディネート能力というのが、制度の活用を図る上で決定的に重要になるというふうに考えます。
昨年八月の国土交通省の都市計画基本問題小委員会の中間取りまとめでも、都市のスポンジ化対策についても、具体の事務を行う地方公共団体の姿勢と能力は決定的に重要であるというふうにも指摘をされているということで、今般の法改正に当たり、各地域での担い手の意識や能力の現状というのをどのように把握して、いかに担い手を幅広く養成していこうとお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○栗田政府参考人 本法案によります各制度の運用に当たりましては、委員御指摘のとおり、市町村のほか、地域の実情に精通した住民団体やNPO、不動産業者などの民間のまちづくりの担い手が、官民協働して積極的な役割を果たすことが重要と考えております。
例えば山形県の鶴岡市では、不動産関係団体などから構成されますNPOと市が協力して、空き地等の所有者と利用希望者のマッチングを行い、実績を上げている例が見られます。
これらの担い手の育成、支援については、まちづくり活動を実践的に学ぶことができる研修の実施、あるいは市町村都市再生協議会など、情報交換等を行う場の提供、公園等パブリックスペースの柔軟な利活用を認めるなどの活動の場づくり、まちづくりに活用できる資金調達手段などの情報提供、あるいは、地元金融機関等で造成するファンドを通じた金融支援などが考えられます。
本法案におきましても、都市再生推進法人の業務追加や都市計画協力団体制度など、官民協働を促進する措置を盛り込んでいるところでございます。
制度の運用に向けた市町村へのサポート等も通じて、まちづくりの担い手の育成支援も積極的に講じてまいります。
○井上(英)委員 先ほどの質疑でもありましたけれども、今までに何度となく改正もしてきているんですけれども、しっかりと課題認識を行っていただいて、その制度が幅広くやはりしっかりと活用していただけるようにぜひお願いをしたいと思います。
それでは、非集約エリアのあるべき姿ということでまた大臣にちょっとお聞きをしたいんです。
昨年八月の国土交通省の都市計画基本問題小委員会の中間取りまとめでは、コンパクトシティー政策においては、非集約化エリアにも相当数の居住者がいるにもかかわらず、そのあるべき姿が十分に描けていないこと、このようなエリアに住み続ける人たちに対してどのようなサービスを提供していくのかに対するケアなどの施策が不十分なことが、政策に対する批判の一因になっているという指摘があります。
スポンジ化への対応を含めて、非集約エリアのあるべき姿等を明らかにすることが、このコンパクトシティー政策を充実させて、そして完成させるキーポイントになるというふうに考えます。
現実論として、非集約エリアの居住者にとって住宅は、快適な生活を送るための貴重な財産でありますし、住宅ローンの返済が終わって、また、あるいは返済が見えてきているというようなところで、今さら新たな住宅取得というのを望む方も非常に少ない。気心の知れた住みなれた土地で最後まで暮らしたいというような方も、やはりかなり多いのではないかなというふうに考えます。
このため、町中の住宅を新たに取得して住みかえるというのには抵抗感があるという方も非常に多いというふうに思われますが、コンパクトシティー政策を進める中で非集約エリアのあるべき姿を今後どのように描いていくのか。
また、関連して、エリア・プラス・ネットワークへの集中によるコンパクトシティー政策の推進、これは国交省が大きく推進していると思いますけれども、一方で、今度農水省が進める、中山間地を守るという政策というのもあります。その辺の整合性。
私としては、コンパクトシティーというのをどんどん進めていく必要性がこれから必要なのではないかなというふうに思っていますけれども、石井大臣、どのようにコンパクト・プラス・ネットワークについてお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
○石井国務大臣 人口減少社会におきまして持続可能な地域を維持形成するためには、それぞれの地域内において、生活に必要な各種サービス機能をコンパクトに集約し、居住地域とネットワークでつながることにより、定住環境を確保していくことが必要であります。
コンパクト・プラス・ネットワークの具体化といたしましては、例えば、地方都市であれば、医療、介護、商業等の都市機能を都市の中心部や生活拠点に誘導して集約し、その周辺部や公共交通の沿線に居住を誘導すること等が挙げられます。
また、人口減少が進む集落地域であれば、生活機能や地域活動の拠点を小さな拠点に集約をし、周辺集落との間をバス等でつなぐこと等が挙げられます。
特に、都市部を念頭に置きますと、人口減少局面における持続可能な町という観点から、一定エリアへの居住の集約を図ることは必要であると考えておりまして、立地適正化計画におきましては、居住誘導区域を設定をしまして、強制的ではありませんけれども、緩やかに当該区域への居住の誘導を進めることとしておるところであります。
○井上(英)委員 ぜひ国交省としてコンパクトシティー、ミクロ的にもマクロ的にもいろいろなコンパクトシティーの考え方というのがありますけれども、やはり利便性の高い、今、高齢者の運転なんかでもいろいろな問題が出てきているというのもあります。そういった方々が車でじゃないと生活できないエリアで本当に生活できるのかという問題も出てまいりますので、大きく国交省としてコンパクトシティーを頑張っていただきたいなというふうに思います。
続いて、今回の法改正にも盛り込まれている駐車場の附置義務についてお伺いをいたします。
オフィスビルや商業施設には附置義務駐車場の設置を求められております。しかし、近年、若者を中心に今だんだん車離れもあり、都市部を中心に駐車場は余り始めているというふうにも聞きます。いろいろな数字もあるんですけれども、時間もありますので飛ばさせていただきますけれども、駐車場が、でも、過剰な附置義務によって社会的損失というのが発生していると言っても過言ではないかなというふうに思います。
私が住む地元でも、住宅困窮者のために公営住宅というのが提供されるんですけれども、公営住宅にも、自治体によっては附置義務を課して、駐車場があるんですけれども、住宅困窮者の方々なんて、そんなに車はやはりとまらないので、無駄なスペースになって、結果的には駐車場営業になっているんです。
そういうことで、この都市再生法の改正において、駐車施設の附置義務の適正化というのが図られると言っていますけれども、大都市において、具体的にどの程度のニーズがあってこの制度が進むのか。
また、今駐車場であっても、転用用途として、防災倉庫や荷さばきスペースというのが想定されるというふうに伺っていますけれども、これらは商業施設の収益性向上には直結しませんが、いかに、多用途ではなくても、これらの公益性の高い用途への転用というのを誘導していくのか。
また、新築の際は、そういう防災倉庫とかをやると容積率がアップされるとか、いろいろなメリットがあるんですけれども、既存建築物なら、固定資産税の減免だとか都市計画税の減免とか、そういうインセンティブがやはり必要ではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○栗田政府参考人 都市再生緊急整備地域として指定されている大都市都心部では、公共交通の利用の増加や自動車保有台数の減少等もありまして、一部の区域で駐車場の稼働率が相当低い水準にとどまっている等の問題が発生しておりますので、本制度は、こうした一般駐車場の余剰や荷さばき駐車場の不足等について、地域の特性に合わせたきめ細かな取扱いを必要とする大都市都心部の区域において活用されることを見込んでおるところでございます。
既存ビルの所有者からは、本制度の活用とあわせて既存建築物の駐車場の附置義務が引き下げられることにより不要となった駐車場について、今御指摘もありましたとおり、荷さばき施設、災害時の避難スペースや防災倉庫への転用、こういったことで地域やテナントのニーズに対応するということもありますし、また、機械式の駐車施設を平面式の駐車施設に転用する、こういったことで施設管理コストの削減や利用者ニーズへの対応、こういったメリットがあるというように伺っているところでございます。
○井上(英)委員 固定資産税とか都市計画税なんて言うと市町村から怒られますので余り軽々には言えないんですけれども、何かメリットがある方がいいかなと思います。
時間もちょっとありませんので、この計画制度を創設していって、今の法改正では、都市再生の緊急整備地域内のエリア単位ということなので、ぜひ全国的に可能としていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○栗田政府参考人 今回の措置によりまして駐車場の配置計画をつくりますのは、都市再生法に基づきまして都市再生緊急整備地域に設置が認められております自治体、関係事業者によります協議会を策定したいとしておりますので、今の枠組みの中で直ちにそれを緊急整備地域以外に広げるということは制度の仕組み方として大変難しいところがありますけれども、全国的にもいろいろな実態があろうと認識しておりますので、それらについては、それに即した対応を講じていきたいというふうに考えております。
○井上(英)委員 ぜひお願いしたいと思います。
最後に、立体道路制度の活用についてお聞きをいたします。
従来、一般道路は、特に都市再生緊急整備地域のみ立体道路制度の適用というのを可能にしてきたところでありますけれども、今回の法改正によって、商業、医療、子育て支援施設等の機能集約、高齢化に対応したバリアフリー化を進める地方都市などにおいても立体道路制度というのが適用可能にするというふうに伺っています。
本制度の導入により、地方都市の魅力の向上につながることを期待するわけでありますけれども、地方都市からどのような具体的な制度利用ニーズが寄せられているのか。また、本制度により、商業、医療、子育て支援施設等の機能集約を図るということであれば、適用可能区域はコンパクトシティーの推進に資するべきものと考えますけれども、いかがでしょうか。
○栗田政府参考人 今回の適用拡大に当たりましての地方都市からのニーズとしまして、例えば、地形上、高架駅になっておりまして、その周辺が低い地形になっている、谷状の地形となっているために、駅に隣接する道路上空を利用して建築物を建築することで、高架駅から周辺の高台への水平移動を可能にしたいという、いわゆるバリアフリーに対するニーズ。
あるいは、駅前において広幅員の道路によって周辺市街地と分断されている場合に、道路ネットワークを確保しつつ、一フロア当たりの面積を広くとる必要があるような商業施設とか子育て支援施設、こういったものを誘導したいというニーズ。こういったことを把握しながら検討を進め、今回の適用拡充に至ったということでございます。
また、立体道路制度は、都市機能の増進を図る必要がある場合等に土地の有効利用を可能とするものでありますので、都市機能を集約して効率的なまちづくりを行っていくというコンパクトシティーの趣旨にも沿うものであるとも考えております。
今後とも、こうしたコンパクトシティーの推進に資するという観点を踏まえながら、この制度の活用促進に努めてまいりたいと考えています。
○井上(英)委員 非常に都市再生は大事ですので、今後とも、局長、よろしくお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
○西村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○西村委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 私は、日本共産党を代表して、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
本法案は、都市のスポンジ化対策や遊休空間の活用により、都市と地方の格差拡大や人口減少社会の是正を図ることを掲げています。確かに、住民参加でまちづくりのための創意工夫が行われ、市町村も積極的に関与する取組を後押しする側面もあります。
しかし、大都市圏では、二〇〇二年の都市再生特措法の施行以来、民間事業者による開発が政府のお墨つきを得て、住民参加もなく進められてきました。本法案は、そうした現状についての反省もなく、更に新たな開発手法を提供し、規制緩和と優遇策による再開発事業を促進することになりかねません。
低未利用土地権利設定等促進計画制度や立地誘導促進施設協定制度は、住民参加により地域の実情に即した運用をしない限り、大手不動産ディベロッパーなど民間事業者が進める大規模開発事業に新たな開発メニューを与えるものとなりかねません。
都市計画協力団体制度は、住民団体や商店街組合などが都市計画を提案できる住民参加の手法とされます。しかし、市町村が進める都市計画に協力しない団体には指定の取消しができます。事業者が住民に対し開発への協力を促すことに公的位置づけを与え、反対する団体を排除した開発事業を促進させかねない懸念があります。
都市計画法第一条は、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と規定しています。国際競争力の強化を口実に、都心部への一極集中を加速し、財界のもうけのみに奉仕する再開発はやめるべきです。住民の意思に基づき、住民自身が町のあり方を決定するという住民自治の理念を基本にしたまちづくりを推進すべきことを主張し、討論を終わります。
○西村委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○西村委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○西村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○西村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十四分散会