衆議院

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第19号 平成30年5月30日(水曜日)

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平成三十年五月三十日(水曜日)

    午前十時三十一分開議

 出席委員

   委員長 西村 明宏君

   理事 鬼木  誠君 理事 金子 恭之君

   理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君

   理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君

   理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      大西 英男君    加藤 鮎子君

      門  博文君    菅家 一郎君

      工藤 彰三君    小林 茂樹君

      鈴木 憲和君    田中 英之君

      高木  毅君    谷川 とむ君

      中谷 真一君    中村 裕之君

      根本 幸典君    鳩山 二郎君

      藤井比早之君    三谷 英弘君

      宮内 秀樹君    望月 義夫君

      簗  和生君    山本 公一君

      初鹿 明博君    道下 大樹君

      森山 浩行君    早稲田夕季君

      伊藤 俊輔君    小熊 慎司君

      森田 俊和君    伊佐 進一君

      北側 一雄君    広田  一君

      もとむら賢太郎君    宮本 岳志君

      井上 英孝君

    …………………………………

   国土交通副大臣      牧野たかお君

   国土交通大臣政務官    秋本 真利君

   国土交通大臣政務官    簗  和生君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤井 直樹君

   国土交通委員会専門員   山崎  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月三十日

 辞任         補欠選任

  大塚 高司君     菅家 一郎君

  神谷  昇君     小林 茂樹君

  大島  敦君     小熊 慎司君

  高木 陽介君     伊佐 進一君

同日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     大塚 高司君

  小林 茂樹君     神谷  昇君

  小熊 慎司君     大島  敦君

  伊佐 進一君     高木 陽介君

    ―――――――――――――

五月二十八日

 精神障害者の交通運賃に関する請願(穴見陽一君紹介)(第一二九〇号)

 同(寺田学君紹介)(第一二九五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件

 鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案起草の件

 鉄道の災害復旧に関する件


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省鉄道局長藤井直樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、盛山正仁君外六名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、無所属の会及び日本維新の会の六会派共同提案により、お手元に配付してありますとおり、鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。菅家一郎君。

菅家委員 衆議院議員の菅家一郎でございます。

 ようやくこの日を迎えることができ、感無量でいっぱいです。また、このような機会を与えていただき、関係各位の皆様方に心から御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 それでは、よろしくお願いいたします。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、提出者を代表して御説明を申し上げます。

 我が国においては、近年、さまざまな要因による気象の性格の変化と、それに伴う自然災害の激化、多発化の傾向がうかがえ、鉄道施設に被害がもたらされる災害が発生する可能性の増加が危惧されています。

 一方で、現行法による大規模災害を受けた鉄道事業者への災害復旧費用に対する補助については、対象が赤字の事業者に限定されており、黒字の事業者が運行する赤字路線が被災した場合、鉄道の復旧が進まないことが懸念されております。

 本起草案は、このような現状を踏まえ、赤字事業者に限定せずに、激甚災害その他これに準ずる特に大規模の災害があった場合の補助制度を追加するもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、鉄道の災害復旧事業について、激甚災害その他これに準ずる特に大規模な災害に係るものであること、復旧費用が被害を受けた鉄道路線の年間収入以上であること、被害を受けた鉄道路線が過去三年間赤字であること等を要件として、予算の範囲内で、当該災害復旧事業に要する費用の一部を補助することができることとしております。

 第二に、この補助を受けた場合でも、配当を行う際の国土交通大臣の許可は不要とすることとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。

 以上であります。

    ―――――――――――――

 鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

西村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 本件について発言を求められておりますので、これを許します。宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 私は、昨年十二月二十、二十一日、豪雨災害に見舞われたJR九州の日田彦山線の現場を調査し、JR九州、地方自治体や住民の皆さんからもお話を伺ってまいりました。その上で、今提案されました鉄道軌道整備法改正案について質問したいと思うんです。

 まず国交省に聞きますけれども、この改正法が出されたきっかけとして、豪雨災害で不通になった只見線の復旧問題があると思うんです。只見線を鉄路で復旧させることについてJR東日本は当初どういう考えだったか。そして、長年の沿線住民の声を受けて現在は復旧に向けどういう状態か。簡潔に御説明いただけますか。

藤井政府参考人 お答えをいたします。

 JR只見線につきましては、平成二十三年七月の被災後、当初、JR東日本より、厳しい利用状況に鑑み、バス転換することが望ましいという考えが示されたと承知をしております。一方、地元自治体からは鉄道復旧に向けた強い意思が示され、これを受け、JR東日本より平成二十八年六月に、上下分離方式による鉄道復旧案が提示されたところでございます。

 その後、地元自治体における検討、意思決定を経まして、平成二十九年六月十九日に、福島県とJR東日本の間で上下分離方式による鉄道復旧を行うことの合意がなされ、現在、復旧に向けた取組が進められているところでございます。

 本年六月に本格的な工事に着手し、工期は約三年程度を想定しているところでございます。

宮本(岳)委員 そういうことも踏まえた法案だと思うんですが、法案提案者にお伺いをいたします。

 本法案は、赤字路線であっても、地域公共交通を守るべきとの趣旨から提案されたものですね。

菅家委員 お答えを申し上げます。

 鉄道軌道整備法において災害復旧事業に関する補助の対象となる鉄道は、速やかに災害復旧事業を施行してその運輸を確保しなければ国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある鉄道となっております。このような鉄道は、赤字路線であっても、地域公共交通にとって重要であり、早期復旧を促進する必要があると考えているわけであります。

 これを踏まえまして本法案は、このような地域公共交通として重要な路線の早期復旧を促進するため、従来の赤字の鉄道事業者に加え、黒字の鉄道事業者が行う災害復旧事業に対しても、一定の要件のもとで補助を可能とするものであります。

 今後は、鉄道事業者が赤字であるか黒字であるかを問わず、災害で被害を受けた赤字ローカル線を支援することが可能となりますので、議員御指摘のとおり、地域公共交通の維持につながるもの、このように考えているところであります。

 以上であります。

宮本(岳)委員 本法案は、赤字路線が激甚災害等の大規模災害を受けた場合に、一定の要件を満たせば、黒字の鉄道事業者であっても補助しようというものであります。

 一方で、復旧するかしないかは鉄道事業者の判断ということになっております。新しい補助制度を設けても、その制度を使わず復旧はしないという判断をしてしまっては、法改正の趣旨が生かせなくなってしまうというふうに思うんですけれども、法案提案者、これはどのようにされますか。

赤羽委員 宮本議員が御指摘のように、現行法では、復旧するかどうするか、廃線にするかというのは、鉄道事業者が最終的に判断するというこういう整理になっておりますが、地元自治体や地元住民はもとより、鉄道事業者も、地域の生活の足である、ローカル線といえども、鉄道事業を復旧したいという思いは強くあるわけであります。

 しかしながら、一方で採算がとれない路線もたくさんあるというのは、東日本大震災の折にも、また九州北部ですとか、どうしても地方部というか、人口減少地域の鉄道事業を維持するというのは大変だというのも、これもそういった事実もございますが、その中で何とか地域住民の思いをかなえて鉄道事業を再開させていきたい、その地域住民と鉄道事業者の合意形成を後押しして、地域にとって必要な鉄道が維持されることに寄与することが今後の法案は期待されるもの、そう認識をしております。

宮本(岳)委員 ありがとうございます。

 本法案はそういう趣旨に沿って進めるものという御答弁でありましたけれども、復旧を望む地方自治体や地域住民にとって、鉄道事業者に復旧を迫っていく新たなツール、こういう効果があるかどうか。

 私はそれを期待するわけですけれども、法案提案者にお答えをいただきたいと思います。

盛山委員 宮本委員だけではなく、我々法案を提出する者全員、そういうことを期待してこの法案を提出しているわけでございますので、今回の法改正によりまして鉄道事業者に対する補助制度を追加しようということを我々考えておりますし、また、この補助を受けることで、赤字路線の復旧に当たっての鉄道事業者の負担が軽減されることになる。つまり、前に向けてこれを復旧させるというインセンティブになります。

 こういったことにより、復旧を望む地方公共団体、そして、何よりもその地域の住民の方々からの要望に対しまして、鉄道事業者はこういった御要望に応えやすく、応じやすくなると考えております。

 この法案は、復旧を望む地方公共団体、地域住民にとって、鉄道事業者に復旧を求める上でその後押しとなり得るものである、宮本委員の御発言のとおり、我々も考えているところでございます。

宮本(岳)委員 ありがとうございます。

 この改正案の適用となるのが、私が現地調査したJR九州の日田彦山線であります。

 調査に入った際、JR九州は、復旧のめどや決意を示さないばかりか、九州全体で減便の方針を打ち出し、青柳社長の、継続できる方針の見えない路線に対して投資はできないとのインタビュー記事が出て、自治体や住民からは不安や怒りが表明されておりました。

 四月になってようやく鉄道での復旧を前提にした協議会が開かれましたけれども、費用の問題をクリアできれば着工可能とする自治体側と、復旧後の運行維持策も条件とするJR側とで折り合いがつかなかったと、地元紙大分合同新聞が報道しております。

 地元の願いは一刻も早い復旧であります。災害支援と引きかえに過大な地元負担を強いることがないよう、交付基準等に盛り込むことを求めたいと思います。

 なお、採決の後、鉄道の災害復旧に関する決議案が提案されることになっております。

 私は、災害復旧に当たって鉄道事業者と地域全ての関係者の間での協議が行われる環境を整備することや、支援の拡充、減災・防災事業に万全を尽くすことにもちろん賛成でありますけれども、先ほどただしたように、鉄道事業者が経営を理由に復旧しないという判断をしてしまえば、法改正の趣旨が生かされなくなります。

 決議案の一つ目の、鉄道事業者の民間事業という立場を踏まえ、その経営判断の主体性にも十分配慮という文言について削除をお願いしましたけれども、残念ながら実りませんでした。

 その場合、それを残せばそうした余地を残す危険があり、残念ながら賛成できないということを申し上げて、私の発言を終わりたいと思います。

西村委員長 これにて発言は終了いたしました。

 これより採決いたします。

 鉄道軌道整備法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。(拍手)

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 この際、盛山正仁君外五名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、無所属の会及び日本維新の会の六会派共同提案による鉄道の災害復旧に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。もとむら賢太郎君。

もとむら委員 ただいま議題となりました鉄道の災害復旧に関する件につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    鉄道の災害復旧に関する件(案)

  政府及び地方公共団体は、大規模な災害によって被災した鉄道の復旧を促進するため、鉄道軌道整備法の一部を改正する法律の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。

 一 災害復旧事業に対する補助の適用にあたっては、「利用者の利便性の向上」を図るとともに、鉄道事業の民間企業という立場を踏まえ、その経営判断の主体性にも十分に配慮した運用に努めること。

 二 鉄道事業者が長期的な鉄道路線の維持、あるいは持続可能な交通体系の構築を目的とした、地域との協議に主体的に参画するよう、必要な指導などを行うとともに、総合的な交通体系の観点から、事業者と地域すべての関係者の間で、真摯で建設的な協議が行われるような環境整備に努めること。

 三 経営の厳しい路線に係る災害復旧であることに鑑みて、更なる支援の拡充について様々な観点から検討を行うこと。

 四 自然災害が甚大化、大規模化、多頻度化していることを踏まえ、沿線地域の山林・河川などの減災・防災事業に万全を尽くすこと。

  右決議する。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

西村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西村委員長 起立多数。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、牧野国土交通副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通副大臣牧野たかお君。

牧野副大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

西村委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時四十八分散会


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