衆議院

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第10号 令和元年5月10日(金曜日)

会議録本文へ
令和元年五月十日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 谷  公一君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 岩田 和親君

   理事 金子 恭之君 理事 根本 幸典君

   理事 松本 文明君 理事 矢上 雅義君

   理事 津村 啓介君 理事 中野 洋昌君

      秋本 真利君    大隈 和英君

      鬼木  誠君    門  博文君

      神谷  昇君    木村 弥生君

      工藤 彰三君    小島 敏文君

      古賀  篤君    田中 英之君

      高木  毅君    谷川 とむ君

      土屋 品子君    中谷 真一君

      鳩山 二郎君    福田 達夫君

      藤井比早之君    牧島かれん君

      三谷 英弘君    宮内 秀樹君

      宮崎 政久君    望月 義夫君

      盛山 正仁君    簗  和生君

      荒井  聰君    川内 博史君

      福田 昭夫君    道下 大樹君

      森山 浩行君    小宮山泰子君

      下条 みつ君    日吉 雄太君

      緑川 貴士君    谷田川 元君

      伊藤  渉君    北側 一雄君

      清水 忠史君    足立 康史君

      重徳 和彦君    広田  一君

    …………………………………

   国土交通大臣       石井 啓一君

   国土交通副大臣      大塚 高司君

   国土交通大臣政務官    工藤 彰三君

   国土交通大臣政務官    田中 英之君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 高田 陽介君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   阪田  渉君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 藤井 直樹君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            栗田 卓也君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         野村 正史君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        塚原 浩一君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  池田 豊人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  石田  優君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  蒲生 篤実君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 奥田 哲也君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君

   政府参考人

   (観光庁長官)      田端  浩君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 上田 康治君

   国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十日

 辞任         補欠選任

  加藤 鮎子君     大隈 和英君

  福田 達夫君     牧島かれん君

  荒井  聰君     川内 博史君

  小宮山泰子君     谷田川 元君

  井上 英孝君     足立 康史君

同日

 辞任         補欠選任

  大隈 和英君     木村 弥生君

  牧島かれん君     福田 達夫君

  川内 博史君     荒井  聰君

  谷田川 元君     緑川 貴士君

  足立 康史君     井上 英孝君

同日

 辞任         補欠選任

  木村 弥生君     加藤 鮎子君

  緑川 貴士君     小宮山泰子君

    ―――――――――――――

五月九日

 船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

谷委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長藤井直樹君、総合政策局長栗田卓也君、土地・建設産業局長野村正史君、水管理・国土保全局長塚原浩一君、道路局長池田豊人君、住宅局長石田優君、鉄道局長蒲生篤実君、自動車局長奥田哲也君、航空局長蝦名邦晴君、観光庁長官田端浩君、内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、警察庁長官官房審議官高田陽介君、財務省主計局次長阪田渉君、環境省大臣官房審議官上田康治君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。川内博史君。

川内委員 おはようございます。

 委員長、与野党各理事の先生方のお許しをいただきまして発言をする時間をいただいたことに感謝を申し上げさせていただきたいと思います。

 国土交通行政の基本施策に関する件ということで、本日は、国土交通省における文書管理あるいは情報公開のあり方について、大臣の日程表、あるいは、最近大変大きな話題になっております下関北九州道路という道路がいかなる経緯を経て直轄調査の事業になっていったのかということについて教えていただきたいというふうに思います。

 まず、大臣の日程表の件でございますけれども、これはマスコミで報道されておりますので、委員の先生方もよくよく御案内のところであろうというふうに思いますが、国土交通省においては、大臣の日程表は即日廃棄をするというふうにきのうの野党合同ヒアリングでも御担当の方から教えていただいているわけでございます。

 そもそも、この大臣の日程表、作成をし、御関係の各セクションに配付をされるものというふうに思いますが、その配付の範囲等についてまず教えていただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 配付の範囲という御質問であったかと思います。

 日程表の配付先は、政務の皆様、さらには事務の幹部職員、あるいは官房の課室ということになっております。

川内委員 それは紙の形で配るんですか、電子データで、メールで送付するんですか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 紙で配付をするということになっております。

川内委員 今回、国交省さんは、情報開示請求に対して、請求に係る行政文書は、国土交通省行政文書管理規則第十四条第一項の規定に基づく大臣官房秘書室標準文書保存期間基準による保存期間が一年未満であり、事案終了後廃棄処分としているため不存在というふうに情報開示請求者に回答されていらっしゃるということでございますけれども、これは、国土交通省、配付した先でその日程表がどういうふうに廃棄をされているのか、つくったところは即日廃棄するかもしれないけれども、配った先でどのようになっているかということまで国土交通省内、全省的にきちんと探索した上で、ああ、やはりどこにもないということで不存在という御回答をされたのかということを教えていただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 先ほど委員からも御指摘ありましたけれども、国土交通省におきましては文書管理規則というものがございまして、そちらの十四条六項で、保存期間を一年未満とすることができる行政文書の類型の一つとして、定型的、日常的な業務連絡、日程表というものが記載をされております。これにおけまして、大臣日程表の保存期間というのは一年未満にしているということでございます。

 これに従ってまさに運用するということでございますので、具体的には、当日のスケジュール終了後、廃棄処分をするということで省内で運用しているということでございます。

川内委員 官房長さん、ちょっと確認なんですけれども、文書管理規則で定めているので廃棄しているはずだというふうにお答えになられたのか、それとも、全省的にきちんと探索した上で、どこにもないということを答えたのかということを教えてくださいというふうに私は申し上げているんですけれども。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 廃棄につきましては、今申し上げたことが基本的にルールでございますので、これは、基本的に国土交通省職員はそれに従って廃棄をするということになっているというのがまず原則としてございます。

 その上で、あとは、個別の事案につきまして、これは本当にあるのかという場合に探査をするということは、事案によってはあり得ると思いますけれども、それはその事案それぞれ個別に、出た場合にどうするか、そういう判断の問題だと思います。

川内委員 廃棄するということになっているということではないと思いますよ。廃棄してよいということになっているわけで、文書管理規則上は。

 残っているものについては、大臣日程表については、これは行政文書なんですから、全省的に探索をした上で、あるものについては開示請求に応じなければならない、あるいは国会議員からの資料要求に応じなければならないのではないか、これが正しい運用ではないかというふうに私は思います。規則で決まっているから、規則上、ないのだと。行政文書管理規則と情報公開法上の開示請求とは全く別問題ですからね。

 きょうは、官房長さんは、文書管理規則も担当するが、情報公開の対応も御担当されていらっしゃるので、二つの違う立場がおありになられるというふうに思うんですけれども、開示請求というのは国土交通大臣に対してなされるものであって、国土交通省本省全体で本当に開示請求された対象文書があるのかないのかということを物理的に探索した上で対応する。文書管理規則というのは、それとはまた別の問題ですからね。

 私は、配付された先を含めて、本当に一枚もないのかどうかということを物理的にきちんと探索をされることが開示請求に対する正しい対応であるというふうに考えますが、官房長、いかがですか。

藤井政府参考人 お答えをいたします。

 情報公開請求が今委員御指摘のようにありました場合には、情報公開請求を受けましてから実際にそれに対するお答えをするまでの期間を使いまして、今委員御指摘のように、その公開請求の対象になった文書が本当にあるのかどうかということは確認をいたします。その際に、それがなかったとすれば、それは、先ほど私が申し上げましたけれども、こういった文書管理規則というルールがありまして、それに基づいて運用しておりますので、廃棄をしたということで不存在だ、そういったお答えをしていることがある、そういったことを申し上げております。

川内委員 物理的にもきちんと探索をしているということでよろしいですか。

藤井政府参考人 そのとおりでございます。

川内委員 そうすると、じゃ、大臣の日程表というのは歴史公文書には当たらないと。

 この開示請求をされた方は、二〇一七年度及び二〇一八年度、括弧、二月までということでの開示請求をされていらっしゃるというふうに聞いておりますけれども、このほぼ二年間の間に関して、大臣の日程表は一枚も歴史公文書には当たらないと国交省としては判断をされているということなのかというふうに思いますが、他方で、大臣の日程表等について歴史公文書に全く当たらないのかというと、そうではないのではないか。

 きょうは、内閣府の、文書管理を政府として総括的に御担当されていらっしゃる大臣官房審議官にも来ていただいているので、教えていただきたいというふうに思いますが、大臣の日程表は、どんな日程表であっても歴史公文書には当たらないということなんでしょうか。

田中政府参考人 お答えいたします。

 一年未満の文書の扱いにつきましては、行政文書の管理に関するガイドラインにおきまして定めをしているところでございまして、先ほども御指摘があった関係で申し上げれば、定型的、日常的な業務連絡、日程等については、一年未満にするということが可能なものとしてガイドラインにも規定しているところでございます。

 ただ、このガイドラインの中にも、そういったものに該当するものであっても、重要又は異例な事項に関する情報を含む場合などについては、一年以上に保存期間を設定するというような定めをしているところでございます。

川内委員 ガイドラインの改定を検討した公文書管理委員会において、二〇一七年の十一月八日、あるいは二〇一七年の十二月二十日の会議で、内閣府の公文書管理課からはこのような御説明が公文書管理委員会に対してなされております。

 歴史公文書等に当たるかどうか、歴史公文書等に当たらないにしても跡づけ、検証に必要ではないかという検証を行った上で、それに当たらないものが一年未満に該当するということでありますから、日程表の全てが直ちに一年未満となるわけではありません、例えば大きな災害があった場合の日程でありますとか、重要法案の国会審議に係る日程等、そうした場合については、歴史公文書等あるいは跡づけ、検証が必要な資料として一年以上として保存しないといけない場合もあると考えてございますというふうに、公文書管理委員会に対して御担当のところから、大臣の日程表であっても、官房長、重要な日程表もあると思うよと、これは一般論ですから、あると思うよということを御説明されていらっしゃいます。

 したがって、その日程表が大事な日程表であるか否かというのは、後日、重要である、歴史公文書として大事に保存しなければならないねということになってくる場合も想定をされるわけであって、即日廃棄というのは、私は、やり過ぎなんじゃないかと思いますよ。

 一年未満の期間を指定することができる、じゃ、一年未満にしましょうね、それは国交省の御判断ですから、ああ、そうですかということになりますが、他方で、後日、大変重要だねという事案が発生するということも想定される。

 そういう意味では、私は、即日廃棄するという運用は検討すべきではないかというふうに思いますが、官房長、御見解をいただければというふうに思います。

藤井政府参考人 お答えをいたします。

 今委員からの御指摘をいただいている大臣の日程表でございますけれども、これは、スケジュールを確認するための予定表ということで作成をしているというものでございます。そういう意味で、実際にどのように大臣が動かれたかということは、実際にいろいろなことがありますので、必ずしもそれと整合するものではない。もともとのスケジュールを前日に確認するためにつくっているものということでございますので、そういった面で、それは当日廃棄をしても問題は生じないというふうに考えているということであります。

 その一方で、今委員からも御指摘がありましたし、先ほど内閣府の御説明にもあったかと思いますけれども、私どもとしましても、例えば大規模災害時の対応、これは例えば国土交通省としては非常に重要なことでありますけれども、実際の日程について合理的な跡づけ、検証が必要と認められる、こういった場合には、それぞれの担当部局が必要な記録を行って、これについては一年以上の保存期間を定めて適切に文書管理を行う、こういったことで、そういった検証にもたえ得る体制を整備をしているというものと認識をしているところでございます。

川内委員 合理的な跡づけ、検証がしっかりとできるように運用していただきたいと思います。

 今、ちょっと気になることを官房長はおっしゃったんですけれども、大臣の行動については、日程表というのは予定表だ、それは変わるんだ、実際にどう大臣が動かれたかについてはきちっと確認できるようにしてあるんだということなんですけれども、じゃ、日程表以外に、大臣がその日、何年の何月何日にどのように実際に行動したのかということについては別途資料があるという理解でよろしいですか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 先ほど大規模災害のことを例として申し上げましたけれども、そういった形で、中身として非常に重要な内容、それについて、大臣の御日程であれば大臣がどのように動かれたか、そういったことについては、それぞれの中身に即した形での記録が残っているということは、これは各それぞれの原局で、あるということでございます。

 総括的に、毎日、大臣がどういう行程で一日動いたのかということを、最終的にどうなったかということを保存している、そういった文書はございません。

川内委員 私は、内閣の閣僚、国土交通省で行政権を持つただ一人の人である国土交通大臣が、法律上ですよ、行政権を持っている国土交通大臣が何年の何月何日にどのように行動したのかということが、もう、どのように行動したかだけで歴史的意味を持っているというふうに思いますけれども、そうじゃないものもあるんだ、だから、包括的に何年の何月何日にどう動いたんですかと聞かれてもそれはわからないという御答弁は、にわかに、ああ、そうですか、そんなものですねというふうになかなか言えないという思いを持っているということを申し上げておきたいというふうに思います。

 同じような文脈の中で、下関北九州道路の文書、さまざまな文書についてお尋ねをしますが、昨年の十二月二十日、これは余りにも有名になり過ぎた塚田前副大臣のそんたく発言につながる副大臣と吉田参議院議員らの会合が副大臣室で行われ、それがメモになって配付をされている。先生方のお手元にもそのメモを配付をさせていただいているわけでございますけれども、この平成三十年十二月二十日付の会合メモは行政文書ですか。

池田政府参考人 職務上作成、取得する電子メールが行政文書に該当するか否かにつきましては、紙の文書と同様の扱いの中で判断をしていくことになります。

 御指摘の今回の十二月二十日の副大臣要望について共有された電子メールは、職員が職務上作成し、局内関係者で情報共有されたものであるため、公文書管理法に基づく行政文書に該当するものと考えております。

川内委員 そうすると、このメールで配信をされた段階で行政文書となっているということなんでしょうけれども、これは国土交通省の文書管理規則上、別表のどこに当たる行政文書になるんでしょうか。

池田政府参考人 この平成三十年十二月二十日の要望時の面会メモのメールの保存期間の規定の関係でございますけれども、国土交通省の行政文書管理規則の保存期間の規定がございまして、その第十四条六項の六号において、意思決定の途中段階で作成したもので、長期間保存を要しない文書については、保存期間を一年未満とすることができるとされていることを踏まえ、一年未満の保存期間として扱うことになっているというふうに承知しております。

川内委員 この行政文書が国会に提出をされなければ、十四条の六項で、意思決定の途中段階で作成したもの、当該意思決定に与える影響がないものとして、長期間の保存を要しないと判断される文書として取り扱われるはずであった。

 現在これは国会に提出されているわけですけれども、国会に提出された時点において、この別表第一でいうとどのステータスの文書になるんでしょうか。

池田政府参考人 今委員御指摘のように、本件のメールは国土交通委員会の理事会に提出をされております。この場合は、国土交通省文書管理規則の第十条第一項で定める別表の第一にあります国会審議文書に該当するということを踏まえまして、十年の保存期間として扱うことになっているものというふうに承知しております。

川内委員 この文書の場合は一年未満の取扱いでいいよ、なぜなら意思決定に影響を与えないからだ、意思決定に影響を与えていると私は思うんですが、与えないという判断のもとで一年未満だというふうになっていたものが、国会に提出をされて十年保存に変わったということなんでしょうけれども。

 そうすると、もう一つ、実は、平成二十八年の三月三十一日に、安倍晋三先生も名前を連ねていらっしゃる関門会が、石井国土交通大臣に、下関北九州道路を早くつくってよという御要望をされていらっしゃるわけでございまして、このときの会合、大臣会合、これも私は、文書は作成したんじゃないか、というか、作成しなければならない会合ではなかったのかというふうに思います。

 なぜかならば、国土交通省行政文書管理規則の九条、「職員は、文書管理者の指示に従い、法第四条の規定に基づき、法第一条の目的の達成に資するため、国土交通省における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに国土交通省の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない。」軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならないと書いてあります。

 そうすると、この関門会と石井国土交通大臣の会合の記録というのは、私は、軽微なものとは思えないですよね。

 この前、初鹿議員の質問に対して、石井大臣は、いや、この関門会の会合は自分の意思決定に何ら影響を与えていないんだ、これはもう自信を持って言わせてもらうと語気を強めておっしゃいました。そのとおりだろうと思います。だけれども、それを跡づけ、検証する文書がないというのが問題なんですよ。

 だから、文書はつくられたはずだ、しかし、意思決定には影響を与えないから廃棄をしたんだという説明なら、はあ、そうですかということになるわけですが、この会合では、文書は作成されたんですよね。まず道路局長に教えていただきたいと思います。

池田政府参考人 御指摘の三月三十一日の関門会の要望の面談記録でございますけれども、先般より御指摘が幾つかありましたので調べましたところ、残っていないということでございます。

川内委員 いや、残っているか残っていないかを聞いているのではなくて、残っていないというのは聞いているんですけれども、文書は作成しなければならない会合であったということを、あるいは作成したはずであるというふうに御答弁をされますかということをお尋ねしているのでございます。

池田政府参考人 道路整備に関する要望を、日常的に多数お受けしております。そのような状況の中で、外部からの要望やそういったものにつきましては、通常、話合いで方向性を決める場ではないというふうに思っておりますし、要望内容については要望書の記載で把握することが可能と考えております。

 このため、要望の際のやりとりについては、要望時の議事メモ等の行政文書を作成しなければならないようなものではないというふうに考えております。

川内委員 では、国会議員が、たくさんの方々が大臣のもとを訪れて、要望書を手渡して、会合を開くというのは、軽微な会合なんだ、別に大したことはないというふうに道路局長さんは考えているということなんでしょうか。

 じゃ、なぜ、塚田副大臣の会合はメモがつくられたんですか。

池田政府参考人 道路事業に関しまして日ごろから御要望を受けている内容について、そのときにいろいろな方からいただく内容については、軽微なものというふうには決して思っておりません。非常に重要な、今後、道路行政を決めていく上での重要な情報だというふうに考えております。

 そういった中で、先ほど申しましたように、要望の時点では方向性を決めるような場ではないというふうには思っておりまして、要望の内容についても要望書の中に通常書かれていることでございますので、そういった意味で、必ずしも議事録を残さなければならないものではないというふうに思っております。

 一方、十二月二十日のものについては、そういった一般的な認識はありますけれども、その当日に同席した者が記録をとって、行政文書という扱いに、先ほど申しましたようになりますけれども、メールで共有した、そういう事実でございます。

川内委員 いや、私、文書管理規則上のことをお尋ねしているのでございますけれども、「処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない。」というふうに国土交通省の文書管理規則に書いてございます。処理に係る事案が軽微なものである場合を除きと。

 今、道路局長さんは、軽微な会合ではなかったよ、それは大変重要な会合なんだよ、ただ、意思決定の方針に影響を与えていないよということなんですけれども、関門会と石井国土交通大臣の会合は、文書は作成されていたはずである。

 じゃ、まず、ちょっと一つ一つやりましょう。

 この会合は、文書管理規則上、この会合がいかなる会合であったのかということについて文書を作成しなければならない会合であるということでよろしいかということを、これは官房長、答えてください。文書管理規則。

藤井政府参考人 お答えをいたします。

 国土交通省の行政文書管理規則でございますが、先ほど川内委員が御指摘の九条という規定がございますけれども、その下に、実は今、十条という規定がございます。

 これは九条の文書主義の原則に基づき、ちょっと読み上げを簡略化いたしますが、国土交通省内部の打合せや国土交通省外部の者との折衝等を含め、政策立案や事務及び事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等の記録については文書を作成するものとするという規定がございます。逆に、こういうものについては文書を作成するということが決まっているということでございます。

 これにどう当てはめるかということでありますけれども、この事案についての判断ということでございますが、関門会の御要望については、今申し上げた政策立案や事務、事業の実施の方針等に影響を及ぼす打合せ等には該当しないという判断を道路局の方で行い、その上で面談記録が残っていないということかと認識をしております。このこと自体は、今申し上げたことを踏まえて、文書管理規則には違反をしないものと考えております。

川内委員 それは官房長、全然違うじゃないですか。

 第九条と第十条は全然別個のものですよ。第十条は別表第一に掲げられた業務に関しての文書作成の類型を示したものであって、第九条は、それとはまた別に、軽微なものを除いて文書をきちんとつくってくださいよということを定めている規則であって、別表第一に載っている業務以外は、じゃ、全部文書を作成しなくてよいのだというふうに国土交通省としては考えているということなんですか。

藤井政府参考人 管理規則の解釈ということになろうかと思いますけれども、この管理規則は、ある意味で政府のガイドラインに従ってつくっている、政府全体の話でもございますけれども、第九条には文書主義の原則というのがありまして、そこに、今先生御指摘のような、事業の実績を合理的に跡づけ、検証することができるように、軽微であるものを除き、文書を作成しなければならないという規定があります。

 その次に十条というのがありまして、別表第一の業務というのは、国土交通省のいろいろな業務を列挙してあるわけでありますけれども、そういった業務に係る文書作成というのは、今申し上げた第九条の文書主義の原則に基づいて、政策立案、事務、事業の実施の方針に影響を及ぼす打合せについて文書を作成するということになっておりますので、その当てはめをした上で、私どもは文書を作成する、しないということを決めている、そういった規定ぶりになっているかと認識をしております。

川内委員 だから、文書はまず作成しなければならない。その上で、別表第一に当てはめて、これは残しておくべきだね、あるいは、一年未満の保存期間を設定して、廃棄してもいいですよということを次に判断していくわけで、とりあえずは軽微なもの以外は文書をつくってくださいねというのが、今官房長が御発言になられた、内閣総理大臣が発出している公文書管理に関するガイドラインにきちんと書いてありますよ。読みましょうか。

 「「処理に係る事案が軽微なものである場合」は、法第一条の目的を踏まえ、厳格かつ限定的に解される必要がある。すなわち、事後に確認が必要とされるものではなく、文書を作成しなくとも職務上支障が生じず、かつ当該事案が歴史的価値を有さないような場合であり、例えば、所掌事務に関する単なる照会・問い合わせに対する応答、行政機関内部における日常的業務の連絡・打合せなどが考えられる。当該事案が政策判断や国民の権利義務に影響を及ぼすような場合は含まれない。」というふうに、処理に係る事案が軽微なものである場合というものをきちんとガイドライン上定義していて、これは、文書は作成されなければならない会合であったというのはお認めにならなきゃいけないんです。さらに、その上で、意思決定に影響を与えなかったので廃棄したという御説明でなければならないはずなんですよ。そうじゃないと、副大臣会合でメモがつくられたという説明がつかないですからね。

 じゃ、この関門会と石井大臣との会合において、私的メモは必ずつくられているはずである、それが、関係者の中でまだ保存している人がいるのではないかというふうに私は想定しているんですけれども、それは聞いていただいていると思うんですが、道路局長、いかがだったでしょうか。

池田政府参考人 平成二十八年三月三十一日の関門会の要望時に大臣官房秘書室及び道路局企画課に在籍をしました関係の担当職員に全て確認しましたけれども、要望時のメモは残っておりませんでした。

川内委員 今、要望時のメモは残っていなかったという御答弁で、作成していないという答弁ではないんですね。なぜなら、作成しなければならないからです。

 石井大臣が、意思決定に影響を与えていないんだ、それは俺が断言する、こうおっしゃったわけですから、恐らくそうなんでしょう。しかし、それを跡づけ、検証するための文書がない。これこそ跡づけ、検証のために必要な文書ということになるわけで、それがないということが本件の混迷に影響を与えているというふうに私は言わざるを得ないと思うんですよ。

 文書があればはっきりするわけですから。石井大臣が関門会の人たちに、いや、難しいですわ、ごめんねと言っている、ああ、そうですねということになるわけですよね。それがないわけですからね。本来はつくられていたはずなんです、文書管理規則上。

 さらに、よくわからないのは、国交省の中でつくられている文書で我々国会側に対して明らかにされている国交省の内部の記録というのは、この昨年の十二月二十日の塚田前副大臣会合の、これだけなんですね。補助調査がどういう経緯で行われたのか、そして直轄調査にどう格上げされていったのかという、国交省の内部での検討の記録というのが全くわからないんですよね。跡づけ、検証できないんです。誰が決裁したのかということもわからない。

 そこで、私、あと二分しかないですから、道路局長さんに教えていただきたいんですけれども、平成二十九年の補助調査の決裁というのは、決裁規定上、誰の決裁になるのか。決裁規定の条文を読み上げていただいて、教えていただきたい。

 さらに、平成三十一年、令和元年予算における直轄調査にするということについての決裁、その方針の決裁は、決裁規定上のどこに当たるのか、誰が決裁するということになっているのかというのを、この二つを最後、教えていただきたいと思います。

池田政府参考人 まず、三十一年度の直轄調査を決定した際の文書の関係、決裁の関係でございますけれども、三月二十七日に予算が成立をしまして、三月二十九日に実施計画の承認を財務省からいただきました。それを受けて、私から、道路局長から地方整備局長へ、決定して通知をするという行為を行っておりまして、そのときに決裁をとっております。そのものが直轄調査の意思決定の決裁の文書に当たると思います。

 その決裁については、国交省の決裁規定の第十条の第一項第七号の公告、通知などに該当するものと考えておりまして、この決裁の中であわせて、通知のみならず、意思決定を行ったというふうに考えております。

 二年前の、二十九年度の補助調査の状況につきましては、正確を期すために、ちょっと今、三十一年と同様のお答えはしかねますけれども、同様な形での意思決定及び決裁の関係で進められているものと考えております。

川内委員 時間が来たので、補助調査のことは後で教えていただきたいと思いますが、結局、三月の月末に財務省に実施計画の承認申請をとったのが決裁なんだ、それまでは何らの決裁、一個の判こもないというのは、私はちょっと国民的には理解されないということを最後申し上げて、また引き続き、局長、教えてください。

 大臣、済みません、聞けなくて申しわけないです。

 終わります。

谷委員長 次に、下条みつ君。

下条委員 国民民主党の下条みつでございます。

 先ほど、ちょっと前ですか、九州の方でもまた地震があったりして、災害と地震、これから台風の季節になりますけれども、いろんな意味で、国交省が担う責任と、また、その管理体制の強化が問われているときかなと改めて思っております。

 そんな中で、きょうは限られた時間の中で幾つか御質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず一つは、地震関連であります。

 先日、海なし県である我々長野県については、そのエネルギーのもとである運搬、備蓄について御質問させていただいて、前向きに御検討のお話をいただきました。大変ありがたいお話でございます。

 一方で、鉄道の耐震化についてでありますけれども、これは要するに、備蓄はいい、物を運んでくるのはいいんだけれども、そのもととなる鉄道の耐震がきちっとしていなきゃいけないんじゃないか。御存じのとおりというか釈迦に説法ですけれども、南海トラフの対策として、首都圏そして甲府以東についてはいろんな組立てをなさってきた。これは承知しております。

 そんな中で、海なし県である我々のところについて、また、国内の海なし県の部分について、特に、甲府以西、そして岐阜、愛知について今鉄道の耐震化がどんな状況で進んでおられるか、ちょっと御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

蒲生政府参考人 お答え申し上げます。

 鉄道の耐震化につきましては、喫緊の課題となっている大規模地震に備えるため、首都直下地震、南海トラフ地震で震度六強以上が想定される地域等におきまして、輸送量の多い路線の高架橋、橋梁等、利用者の多い駅、緊急輸送道路と交差又は並走する箇所の耐震補強に優先的に取り組むよう、鉄道事業者を指導しているところでございます。

 首都圏や中京圏から長野県に至る主な鉄道路線でありますJR中央線の耐震補強の状況に関しましては、首都圏から甲府駅間及び中京圏から瑞浪駅間では、高架橋、橋梁、利用者の多い駅、緊急輸送道路との交差又は並走箇所の全ての耐震補強が実施済みとなっております。

 甲府駅から瑞浪駅間におきましては、高架橋につきましては、来年度中には全て対策完了を予定しております。一方で、橋梁につきましては、数も多いこともございまして、一部対策済み又は耐震診断未実施の状況でございます。

 なお、緊急輸送道路との交差又は並走箇所につきましては、全て対策済みとなっているところでございます。

 以上でございます。

下条委員 進めていただいている中で、私は、南海トラフというのは起きる、起きないと言われていますけれども、たまたま十何年も前に災害の委員会の理事をやったときに、その当時は東北等の震災についてはそれほどないんじゃないかと言われておりましたが、そのとき私は原発について指摘をさせていただいて、程度が高くないところでももし仮にそういうことが起きた場合、若しくは津波があった場合どうでしょうか、議事録に残っていますけれども、そういう質問をたまたまさせていただいた。

 結果的には、起き得ない、確率が低い地域でああいうことが起きてしまったということもありますので、南海トラフに限らず、やっていただいたのはすごく感謝しますけれども、甲府以西についても順次進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、これも鉄道です。例の見える化を国交の方でやっていただいていて、どのぐらいおくれてどうだああだというのは非常にやっていただいていると思います。

 それについて、私は、ここでこの間質問があって上京した帰り、つまり地元に戻るときに、たまたま電車に、二両ぐらい後ろに飛び込みがありまして、これがそうなんだと改めて、何百回も往復していますけれども、そんな中でそういうことがあって、これは、亡くなる方に罪はないんですけれども、やはり多くの方がそれによって、都心を含めて、電車の遅延。

 故意でない場合は仕方ないと思います。故意であった場合の線路内に入る場合、それから、いろんな御事由があって身を投げてしまう場合を含めて、これは、経済的損失というのはどういうふうにお考えになっていますか。よろしくお願いします。お答えいただければと思います。

蒲生政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省といたしましては、鉄道の遅延により利用者がこうむる経済的損失を省として試算したことはございませんが、鉄道整備の費用対効果分析におきましては、時間短縮効果を算出する際、利用者の時間当たりの賃金を時間評価値とする算出方法がございます。

 直近の統計データに基づきますと、当該手法による東京都の時間評価値は一分当たり約四十八円ということになっておりますので、利用者の時間価値という意味では一つの目安となると思っておりますし、大規模な遅延が起こった場合には、そういった方々に関しての経済的な損失も発生するというふうに推定できると思っております。

下条委員 局長おっしゃったように、五十円弱、非常に大きな損失があると思います。それは費用対効果でそういう部分ですけれども、例えば、電車で母親の危篤に間に合わなかったりとか、それから、いろんなコントラクト、経済の契約を結ぶのがおくれてしまうとか、物すごいことになると思います。

 一方で、私は何でこの話をするかというと、これほど皆さん頑張ってホームドアをつけたりいろいろやっていながら、後を絶たないんですよ。本当に後を絶たない。逆にどんどんふえている。むしろ、被害というか、それによって電車がおくれてしまう被害が、都心部を含め、それぞれの関係を含め、また、先般も北陸新幹線で人が入ったりして物すごいおくれちゃった。

 私は、たまたまちょっと、昨年なんですけれども、ある方のお見舞い若しくはお線香を上げに行ったときに、その人の知り合いから聞いた話ですけれども、すごい損害賠償が来るというのを初めて知ったと。

 私は何を言いたいかというと、線路内立入り、いたずらはともかくとして、何かの故意的な意味で、また、御自身が非常に弱った状態で線路内に入る、そして身を投げてしまうことについて、私は、要するに、厳罰をするということより、むしろ、これだけのものの民事上の問題、これだけのものの刑事上の問題があるよということを、利用者を含めて国民にもっともっと知らせるべきじゃないかと思っているんですよ。

 要するに、どのぐらいの被害があるとこういうふうになるんだよと、損害賠償、いろいろ今、過去においての資料もいただきましたけれども、そういうこともあるので、一般の人にもっともっと知らせるべきじゃないですか。こういうふうにやってほかに迷惑をかけると、これだけの賠償金があったり、これだけの罰ができますよということを、局長、一般の人というのはほとんど知らないですよ。知らない。

 だから、せっぱ詰まった後のことを考えなくて、いろんな事情があると思います、それは気の毒だと思うけれども、それについてもっともっと、こうなっちゃうよ、大変だ、後を残している家族にこれだけの賠償が行く可能性があるよとか、そういう部分はもっともっと、プロパガンダ、広告を出していっていいんじゃないかなと思っているんですけれども、いかがですか、それは。

蒲生政府参考人 お答え申し上げます。

 線路内にみだりに立ち入ることは、それ自体が大変危険な行為であり、また、立ち入った上で鉄道の運行を妨害するような行為は、輸送の安全を損なうのみならず、列車の大幅な遅延を引き起こし、利用者に多大な不利益をこうむらせることから、それらの防止を図っていく必要があると認識しております。

 委員御指摘の周知等の取組につきましては、鉄道事業者におきまして、駅や車内での啓発ポスターの掲出、車内モニターでの啓発映像の放映、駅での声かけ活動等の取組を実施しているところでございますが、国土交通省といたしましても、鉄道事業者と連携し、これらの取組の強化を図ることにより、鉄道の安全、安定輸送を確保してまいる所存でございますが、なお、その際、今委員の御指摘にありましたようなさまざまな形での責任が発生する、そういったことに関しましても、その取扱いに関しまして、あわせて検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

下条委員 ありがとうございます。

 僕は、罰をもっと厳しくしろと言っているんじゃないんです。知らない人が多い。それと、意図的にそういうことをしなくちゃいけない、それは気の毒だと思うんですよ。でも、それによって、一つ目は、家族がこうむるいろんな負担、そして、その電車を利用して多くの方々がそれぞれの事情があって急いで行かれているところの、損失、さっき四十九円とおっしゃいましたけれども、多くのあれがあるということは、これはもっとどんどん宣伝していいと思っているんです、僕は。

 厳罰にするということは難しいけれども、これだけのことがあるとこうなるよということをもっと宣伝することによって、もととなるそういう方々が身を投げることも減るかもしれないし、また、被害をこうむる方も減るということで、今おっしゃっていた方向でぜひ検討を進めていただきたい、もっとプロパガンダしていただきたいというふうにお願い申し上げておきます。

 次に、私は、飲酒というのは非常に人の気持ちを変えるという意味では怖いなというふうに、私はほとんど酒は飲めないんですけれども。

 そんな中で、私は先般ここの席で飛行機等々についてお話しさせていただきましたけれども、一番ちょっと気をつけなきゃいけない時期が来るのは、これだけやはり個人収入ができてきてお金持ちの人も多くなってきて、いろんな趣味も多くなってくる中で、個人用の飛行機の飲酒の検査の義務化というところです。

 これは何かというと、個人が飛行機を持つ、またヘリを持つ、それによって大空を楽しむ、これはもう御自由で、お金があればやればいいんですね。ところが、それについて、抜き打ち的以外は、飲んじゃいけませんよというだけなんですね。したがって、車と違って検問は空はないわけですから、そうなると、結果的には飛んでいる最中の検査はできないわけですよ。

 だから、きょうは大空に行きたいから、ちょっと一杯やってヘリに乗っていくけれども、下に子供たちが運動会をやっているかもしれない。病院があるかもしれない。スポーツ大会をやっていて、サッカーの、何万人いるかもしれない。それはわからないわけです。

 私は、そういう意味でこの検査体制の構築というのは、個人用のプライベート飛行機とか、それからヘリにも非常に適用すべきときに来ているんじゃないかというふうに思っていますけれども、まずはその辺の見解をお聞きしたいというふうに思います。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 自家用機等の操縦士に対しまして、飲酒に関する基準が遵守されますように、アルコールの危険性、分解速度、操縦への影響などをまとめました基礎教材を活用いたしまして、安全講習会等を通じた安全啓発、周知徹底を行っております。

 また、二年ごとに義務づけております技能審査時には、アルコールに関する知識を審査項目として追加するといった対策を図ることといたしております。

 また、今先生も御指摘がございましたように、これに加えまして、国管理空港を使用する自家用機の操縦士に対しましては、抜き打ちによるアルコール検査を実施するという形で準備を進めているところでございます。

 国土交通省といたしましては、自家用航空機の操縦士に対しても、飲酒に起因する事故を防止するために万全を期してまいりたいと考えております。

下条委員 そういう方向でどんどん進めていただきたいんですが、何で私がこれを言うかというと、例の九・一一というのが起きて、要するに飛行機というものは、また、空を飛んで、もうそれをチェックできない機能になったものについては、ある意味で空の無法地帯ですよ、局長。

 簡単に言えば、私も仲間が、九・一一では五百人ぐらい同じ会社の人間が死にましたけれども、あの姿というのは、結局、飛行機がミサイル以上の効果をあらわしたわけですよね。ジェット機ですけれども、燃料が多いから、そのジェットエンジンの燃料によってワールドトレードがああいう形になったということもありますけれども、小さくしても、それが燃料を満ぱんに載っけて、また、今、ネットではやっていますが、爆弾を載っけてどこかに行くこともあるし、また、飲酒でもっと気持ちが大きくなっちゃって、更に大きな事故を起こすこともあり得る。

 ですから、僕は、飲酒については、飛行機は物すごい厳罰にすべきだと思うんですよ。そうしないと、いつか、ああ、あのときやっておけばよかったなと。

 なぜ私がこういう話をするかというと、これが議事録に残るからです。速記者の方が一生懸命頑張っていただいて残るからです。そうすると、それによって皆さんが、ああ、こういうのをプランとして入れていったらいいんじゃないかというための提案なんですよ。皆さんがやっているのは、頑張っているのはわかっている。

 だから、そういう意味で、もうこの飛行機、また、空を飛ぶ、ヘリにしろ、そういう部分の厳罰化というのは僕は非常に必要じゃないかと思う。

 もう一点、その点、局長のお考えをお聞きしたいと思います。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 航空法第七十条におきましては、操縦が禁止されている、アルコールの影響で正常な運航ができないおそれがある状態の目安であります数値基準というのを定めておりますけれども、これは、航空会社以外の自家用機の操縦士にも適用されることとなっております。

 今般、今国会に提出させていただいております航空法の改正案におきましても、同条に違反した場合の罰則を引き上げることとしておりまして、これによりまして、自家用機も含みます操縦士に対する規律強化を図ってまいりたいと考えております。

下条委員 いい方向に動いていると思います。よろしくお願いします。

 ともかく、私もアメリカに十七年行ったときに、割とみんな飲んでいるんですね。本当に驚くべきほど飲んでいる。というのは、自家用の場合は、営業用じゃないのでチェック機能が甘いんですよ。本当に極端な話、自分ちに飛行機を持っているのもいますから。そんなもの誰もチェックしない。お金持ちは、誰でもいいんだということで、ぽんと飛んでいる。

 日本はそこまでまだいっていないが、ヘリコプターに関しては、局長、あり得ますよ。私、指摘しておきますから。

 だから、これは今進めている厳罰化と、それから、さっきちょっと電車のことで言いましたけれども、プロパガンダしてください、厳罰になるぞと。やはり、それをすることによって、その人が飲むことを控えて、今までは、やっちゃって、周りもお金持ちの社長だから誰も文句を言えないけれども、やはりちょっとやめた方がいいんですかとなってくる。それが法律として必要だということです。ぜひお願いしたいというふうに思います。

 なぜ私がこういう話をしているか。もう一点、ある事情があります。それは、飛行機等々に関して、事業用と、そうじゃない自家用というのがありますよね。この自家用と事業用でなぜ区別されているか。僕は、営業用という、そういう収益が絡むかどうかということだと思うんですが、そんな中で、こんなことが起きました。

 先般、我々長野県の中で防災ヘリが上がって、何人か乗っていて、そのまま、若い消防の方を含めて山に激突して、全員死亡というのがありました。これは、結果的に言えば、ドライブレコーダーがなかったので、人為的なものじゃないかという結論ですよ。例えば何かの機械が故障した、ほんだらはんだらじゃなくて。

 だから、僕は、このドライブレコーダーというのは今、今言ったように、飛び回るものに非常に必要じゃないかと思っていて、今、ドクターヘリは事業用となっているからある程度載っけている。ただ、防災ヘリなんというのは、これは官公庁の機なので、自家用が多い。余計、ドライブレコーダーがないから、飛んでいってぴよっと落ちてぼんといったら、もうそれは人身だ、人為的なミスというふうになる可能性もあるし、要するに、結果的には原因究明に非常に支障を来す。また、極端な話、グレーになってしまうということなんですが、私は、このドライブレコーダーについてはもっともっと義務化すべきだと思うんですよ。

 そこで、御省から聞いたお話ですと、今、簡易型フライトレコーダーと、それから、普通の、通常のがある。

 僕は、二つあると思うんです。要するに、高いものをつけるというのは大変だぞと。今、御省が頑張っておられて、昨年から始めた簡易型のフライトレコーダー、簡易型フライトレコーダーというのは、少し安くなって、数百万らしいです、僕はよくわかりませんが。そのフライトレコーダーをつけさせて、それでちょっと、第三者に委託した後のデータは上がってくるということがあるみたいですけれども、これはあれですか、進め方としては、当面、昨年始めた十社程度のものを試験的にやって、それ以降については、次回についてはしばらく時間を置きながら見ていく、こういうふうに見ておいてよろしいですか、局長。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 航空事故等の調査のために搭載いたします飛行記録装置、いわゆるフライトデータレコーダー、コックピットボイスレコーダー、こういったものにつきましては、国際民間航空機関の国際標準に準拠いたしまして、我が国において搭載義務づけとなる対象の航空機の範囲や当該航空機の性能を決めております。

 自家用機を含めまして多くの小型航空機は、それに基づきますと、搭載義務づけの対象外となっております。

 一方で、今御指摘がございましたような、最近では比較的安価かつ簡易に搭載可能な小型航空機向けの簡易型飛行記録装置が開発、販売されておりまして、小型航空機の安全対策の一環といたしまして活用可能性を検討する視点から、昨年度から、当該機器に関する実証実験を開始をいたしております。

 この実験を通じまして、事故調査や技量訓練、審査への活用可能性、費用対効果など、簡易型飛行記録装置の効果と課題について検証をしているところでございます。

 この機器の活用のあり方につきましては、この実証実験の状況を踏まえまして、小型航空機等の安全委員会において有識者や関係団体等の御意見も伺いながら、今後検討を進めてまいりたいと考えております。

下条委員 今、現状の、私が教えていただいているレベルのお話を答えていただいたと思います。

 局長、この件は、特に、いろいろな意味で防災ヘリなんというのは、国内で七十機ぐらいあるらしいですけれども、数百万ですから、防災ヘリ等についてはなるべく早くつけていただいて、防災ヘリというのはこれからいろいろ飛びますから、ゆっくりやっていらっしゃるのかもしれないし、慎重にやっていらっしゃるのだとは私は思うんですけれども、数百万であれば、どうですか。大臣、そこら辺、どう思いますか。数百万のドライブレコーダーを官公庁の自家用と指定されている防災ヘリにどんどん進めていっていただけないかなという僕は提案なんですよ、これはあくまでも。

 これは、今局長おっしゃったように、去年から民間を含めて十機程度、第三者に委託している。だけれども、防災ヘリですから、これは一年に一遍飛ぶわけじゃないし。相当な数飛ぶと思います。特にいろいろな優秀な、私は人の命はみんな同じだと思っていますけれども、防災ヘリに乗るお医者さんの命、そして消防の命というのは、その人たちはもうその何倍も、五十人、百人を救うための命です。だから私は、非常にこれは事故があっちゃいけないし、そして、あった場合のその原因をきちっと究明することをやることを国交省から指示してもらいたいんですよ。

 これはちょっと、大臣に申し上げておりませんが、大臣の御意見を聞きたいと思います。いかがでございますか。

石井国務大臣 今局長から答弁差し上げたところでありますが、実証実験を現在やっておりますので、その状況を踏まえまして、小型航空機等の安全推進委員会におきまして有識者や関係団体等の意見を聞きながら、この簡易型の機器の活用のあり方について今後検討していきたいと考えております。

下条委員 大臣としてはそこまでかもしれませんが、ぜひリーダーシップをとっていただいて、私の足元でそういう防災ヘリが落ちて、全くレコードがない、運転していた方が責任をとったということでございます。

 ですから、今後防災ヘリによってどれだけ多くの人が救われるかを考えたときに、ぜひスピードアップしてやっていただきたいことをお願いしておきたいというふうに思います。

 次に、ドローンの問題であります。

 ドローンは、アメリカなんかは、無人の飛行機を飛ばして、それで爆撃をしたりデータをとる、これはもう今となっては通常、普通になってきていると思いますけれども、ドローンというのは一般の方でもどんどん手に入ってしまう。

 それで、私はいろいろ調べさせていただいたら、アメリカなんというところでは、ドローンに、その操縦のところに飛行制限区域が設定されていて、ただし、これがどうも、DJIといって、中国製で、八割、九割の何か市場を占めていますけれども、私がテロリストだったら、DJIのドローンを、飛行制限するものが設定されていないドローンを買ってきて、そこに何かいろいろなものをくっつけて飛ばしていって、日本がこうむるかもしれないというのは、オリンピックのスタジアムに落とすのが一番いいですね。

 だから、僕は、ドローンというのは、これから非常に大事なチェック機能を国交省で持たなきゃいけない一つの動体だと思っていますけれども、そんな中で、今お聞きしたところによると、ドローンというのは登録制度みたいになっていて、ユーザーの登録を企業がしている、売る側、メーカーが。それ以外で、ドローンを持っている方の登録状況や、それから、個人情報の確認というのは今やられているんですか。ちょっとお聞きしたい。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンの登録につきましては、一般的な登録制度というのは現在ございませんけれども、一定の空域を飛行する場合あるいは飛行の仕方、飛び方をする場合には、許可、承認をとることが必要になっておりまして、そうした場合には、個人の所有の状況でありますとか、あるいは機体の、機材の性能でありますとか、そういったことについては把握をしているということでございます。

下条委員 局長、今のお答えによると、一定のと言いますけれども、例えば、本当に普通の人が、まだ犯罪歴もなくて、買いましたと。その人は、ひそかにいろいろなものを、人を攻撃できるものをつくって、やる場合もあり得ますよね。一定のというのは、どこまで一定なんですか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンにつきましては、例えば、一定の高度、百五十メートル以上の高高度を飛ぶ場合でありますとか、あるいは空港等の上空を飛ぶ場合でありますとか、それから、都心などのDID地区を飛ぶような場合には許可が必要でございますし、目視外で飛行するような場合については飛行の承認をとるような、そういうルールになってございます。

 そういう形で、その許可をとるような必要があるような空域を飛ばす、あるいは飛び方をする、そういう場合については許可や承認を申請して飛ぶことになりますので、その場合については把握をしているということでございます。

下条委員 ちょっと僕も現場に行っていないのでその辺細かくわからないんですけれども、許可をとって飛びますよと。ただ、問題は、犯罪等々は許可をとらないで飛ばすときですよね。

 私は一つの提案ですけれども、メーカーからドローンを買った人をやはりきちっと登録しておくということ。例えば、たばこみたいに、セブンイレブンでお兄ちゃんに買ってもらって、どこでもいいんですけれども、タッチして本人確認して、そのたばこを、弟の、未成年の十七歳に渡して吸わせちゃうという場合もあるので、そこまでいっちゃうともうどうしようもないんだけれども、ドローンも最低、購入した人はどんな人であるかというのを、だって局長、犯罪する人は飛ばすところを一々言いませんしね。

 あとは、ドローンを電波で抑えるジャミング電波というのがあって、私はよくわかりません、保安上は知りませんが、これは最低、例えば原発の場所であるとか国立競技場であるとかなんとか、官邸の上とか防衛省できっとそういうのは用意されている。私は防衛省にいましたけれども。

 そういう意味では、そういう部分以外の、一般的な方が購入して、区域を別に指定していなくて許可もとっていない、この部分を何とかこれから検証していただきたいと思うんですけれども、検討会を含めて、メーカーとユーザーの登録制度はもっと厳しくしていっていただきたいなというのが僕の提案ですが、お考えはいかがでございますか。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のドローン登録制度につきましては、昨年十二月にまとめられました小型無人機に関する関係省庁連絡会議での報告書のほか、官民で構成いたします協議会で昨年取りまとめられました空の産業革命に向けたロードマップ二〇一八において言及されております。

 登録制度を含む今後の整備の進め方といたしましては、この官民協議会のロードマップに沿いまして、二〇二〇年代の有人地帯での目視外飛行の実現に向けて、議員御指摘の飛行制限区域内で飛行できない技術の活用可否も含めまして、技術開発の進展に合わせて段階的に制度整備等を進めていく必要があると考えております。

 国土交通省といたしましては、ドローンの安全確保を図る観点から、関係省庁ともドローンの登録制度などの規制のあり方について検討していくことにしておりまして、民間関係者とも連携して、制度の基本的方向性の検討を進めてまいりたいと考えております。

下条委員 ありがとうございます。

 ぜひ局長、僕はスピードアップをしていただきたいんです。例えば、来年のきょう、これを話していたんじゃ間に合わないですよ。というのは、あれだけでかいイベントが、来年、オリンピックというのがありますし、一年あれば、その中でもしか何か悪質なことがあれば、しようがないという言い方はあれですけれども、こういうふうに話題にさせていただいて、それを前向きにどんどん進めていくことをもうちょっとスピードアップしなきゃいけないなと。私は、非常に日本人として対応できる武器だと思っています。それを頭に置いていただいて進めていただきたいと最後にお願いしておきます。

 次に、きょう、多種多様にわたって申しわけない、河川環境の問題であります。

 河川については、私どもの地元では、全体を通じてもそうでしょうけれども、去年の七月の豪雨があったり、台風二十四号が去年の秋にあったり、多くの河川が氾濫して、それについて、御省の御努力によって、護岸工事を含めた背後被害の拡大について非常に多く動いていただいたとお聞きしていますが、今、その進捗状況はどんな感じでございましょうか。お聞きしたいと思います。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年の七月豪雨、また、その後の十月の台風などにおきまして、長野県内を流れる信濃川水系の犀川、松本市島内地先あるいは島内下田地先及び安曇野市高家地先等におきまして護岸が被災をしております。

 現在、これらの地先におきましては、再度災害防止のための災害復旧工事を実施をしておりまして、松本市島内地先、下田地先については本年五月末の完成を目標に、また、十月の台風で被災をいたしました安曇野市高家地先につきましては本年度末の完成に向けて、鋭意工事を進めているところでございます。

 また、全体の堤防の整備の状況につきましては、全体として約六割程度の堤防の完成状況というふうになってございます。

下条委員 ありがとうございます。

 日本というのは、特に我々海なし県においては、河川の整備が非常に重要でございます。動脈でありますので、非常に前向きにやっていただいたことを感謝申し上げると同時に、局長、残りの三、四割、ぜひちょっとスピードアップしてお願いしたいというふうに思っております。

 あと、小立野の堤防整備についても、もしあれば、どんな方向感になっているかお聞きしておきたいと思います。

塚原政府参考人 お答え申し上げます。

 長野県内を流れます信濃川水系の犀川の河川改修を中心に実施をしておりまして、平成二十四年度から四年間で安曇野市荻原地先の堤防整備を実施をいたしました。

 また、それに続きまして平成二十八年度からは、この安曇野市の犀川の対岸になりますけれども、生坂村、この生坂村の小立野地先におきまして順次堤防整備を現在進めているところでございまして、今年度中に一連区間の完成を目標に進めてまいります。

 今後も、地域の安全、安心が確保できますよう、犀川の河川整備にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

下条委員 ありがとうございます。本当にうまく進めていただいているし、また、災害がないことを祈りますけれども、どこか災害があることによって更にスピードアップをしていただきたいと思いますし、重ねてお願い申し上げておきたいと思います。

 次に、諏訪湖でことしの前半の二月に、だあっと雨が降っちゃって、があっと水位が上がって、そのときに工事をなさっていた方がいらっしゃって、放流をしたんだけれども、放流装置が作動していなかったということが実際あった。

 ある程度いって、放流装置が動いているのに放流装置の警報が鳴らないというのは、これはある意味で人為的なミスということになりますよね。これは、言いにくいですけれども、我々だけではなくて、各地区でちょっとずつ起き得る話であると思います。

 この警報装置の連動と、それから、業者を含めた、また、それを検査する行政の方を含めた徹底をもうちょっとやった方がいいんじゃないかと思うんですが、御意見いかがでございますか。

塚原政府参考人 御指摘の釜口水門につきましては、ことしの二月でございますけれども、長野県の管理する諏訪湖釜口水門でございますけれども、ゲート巻き上げ機の機側操作盤の更新工事、これを実施中でございましたけれども、その際に、誤作動によりましてゲートが倒れてしまいまして、諏訪湖の湖水が天竜川に流出をいたしまして、この誤作動発生から二十五分後になりまして注意喚起のためのサイレンを鳴らすというような状況になりました。その間にある程度の水位の上昇が見られたということでございます。

 これにつきましては、再発防止策を県の方で関係機関と連携をして策定をいたしまして、この五月にこれを公表しまして、その後、工事を、それまで中断をしておりましたけれども、再開させるという形にしております。

 この中で、再発防止策といたしましてさまざま対策を打っておりますけれども、例えば、事前に関係機関に対して工事内容、工程をしっかりと情報提供する、あるいは、工事に際して、沿川のパトロール、注意喚起を実施をして、突発的な事象が仮に発生した場合には、サイレン、スピーカーによる河川内の利用者に周知ということを再度徹底をする、あるいは、こういった突発的な事象が発生した場合の関係機関との連絡体制の整備、こういったことを徹底をしたところでございます。

下条委員 起きたことによって新しい仕組みをつくったり、それをプロパガンダして徹底することをぜひ続けて、局長、やっていただきたいというふうに思います。

 ちょっと時間が迫ってまいりまして、次に、滋賀の大津で痛ましい事故が起きた。この原因というのは、いろいろちょっと細かく皆さんもおわかりだと思いますけれども、二〇一二年の亀岡で暴走事故があったときに、全国の通学路で一斉点検を行った中で、安全確保策として保育園や幼稚園を除かれ、一部の中学校で対象から除かれていたのが僕は原因の一つであると思っています。

 ですから、今後は、この道路安全確保策については、小学生はもちろんですけれども、中学校、そして保育園、幼稚園の通学路について、送り迎えの部分について安全対策確保を徹底しなくちゃいかぬと思いますが、これをちょっと御意見をいただきたいというふうに思います。

池田政府参考人 今委員御指摘のありました平成二十四年の亀岡市の事故を受けまして、通学路の緊急点検を行いました。これは、警察庁、文科省、国交省の連携のもと、全国の学校関係者の参加も得て実施して、対策について着実に実施されたと思います。

 こういった経験を踏まえまして、園児が日常的に利用する道路に関する安全性の向上につきまして、地方公共団体や保育園や幼稚園の関係者の方の協力を得て、警察と道路管理者が連携して取り組んでいくことが重要だと考えております。

 このため、速やかに、関係省庁とも連携して、具体的な取組方策を検討してまいりたいと考えております。

下条委員 ありがとうございます。いい御意見でございます。ぜひ局長、進めていただきたいと思います。

 あと一分だけ済みません。最後です。

 大臣にお聞きしたいんですが、オリンピックが来ます。オリンピックが来ると、人の流れが膨大になる。膨大になると何が起きるかというと、今まで通常の通勤、通学で使っていたいろいろな設備、駅とか、それから、渡り廊下、架橋とかという部分が膨大な人によって、例えばエレベーターも、六十キロで八人だと五百キロになっていますから、それが十倍、十五倍、二十倍になります。

 そうすると、例えばあの信濃町でも、渡りますよね、あそこがもう今までの何倍になってくる。だから、この部分のチェックを、もしあれでしたら大臣がリーダーシップをとっていただいて、オリンピックで使う施設の周りの交通を支えている、例えばJRさんとか道路とか、その部分のチェックをもう一回、架橋を含めて、横断歩道を含めて、あの花火大会のときも痛ましい事故がありましたね、だから非常に重くなると思うんです。人数の倍、三倍、五倍、十倍になってくる。その辺のチェックの指導をしていただきたい。これは最後にします。申しわけない、よろしくお願いします。

石井国務大臣 東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の輸送対策につきましては、選手や大会関係者を始めといたしまして、観客につきましても、円滑で安全な移動を実現することが重要と考えております。

 道路につきましては、会場へのアクセスルートにおけます歩道や歩道橋などの施設につきまして、老朽化の観点を含めた点検と、その点検結果を踏まえた対策の実施が必要となります。東京都を始めといたします道路管理者と連携をいたしまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 鉄道につきましては、多数の利用者が見込まれます大会会場の周辺駅におきまして、コンコースの拡張等に加えまして、駅等の施設の点検強化、駅員、警備員等の増配置、利用者の誘導など、利用者の安全確保のために必要な対策を講じるよう、引き続き鉄道事業者を指導をしてまいります。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしまして、関係機関と連携をいたしまして、観客の円滑で安全な移動の実現に努めてまいりたいと考えております。

下条委員 いい御意見を、大臣、ありがとうございます。ぜひリーダーシップをとっていただいて頑張っていただきたいと思います。

 以上にさせていただきます。ありがとうございました。

谷委員長 次に、広田一君。

広田委員 社会保障を立て直す国民会議の広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。

 また、聞くところによりますと、石井大臣、参議院の審議との兼ね合いがあるというふうに聞いておりますので、時間が参りましたら退室していただいて結構でございますので、それまでの間、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、住宅の耐震化についてお伺いをいたします。

 住宅の耐震化は、地震対策の一丁目一番地であります。地震によって多数の住宅が倒壊すると、多くの人命が失われます。また、倒壊によって、地震火災の発生、拡大、津波からの逃げおくれ、道路閉塞による消防活動や救急搬送の阻害などによって更に多くの命が失われます。つまり、大切な復興の担い手を失うことになります。

 また、被災された皆さんへの支援ニーズ、これも増大をいたします。避難所の確保、応急仮設住宅の供給、災害公営住宅の整備、瓦れきの撤去など、これまた莫大な公費負担が発生をいたします。財政は圧迫されて、それに伴って復興がおくれてしまいます。

 つまり、住宅の耐震化を進めるということは、るる述べてきたように、地震に伴うさまざまなリスクを同時に低減させる効果があるというふうに期待ができるわけであります。

 こういった中、昨年度、住宅の耐震化対策について、新たな総合支援メニューが導入をされました。この総合支援メニューは、効率的かつ集中的に住宅耐震化を推進するため、これまでは全国一律に地方公共団体を支援をしていたところでありますけれども、そうではなくて、これからは住宅の耐震化に積極的に取り組む地方公共団体に支援対象を絞って支援をしていこう、こういうものでございます。

 また、利用者にとってもわかりやすい制度にしようということで、工事費用などに応じて補助額がこれまで決まっていたわけでございますけれども、これを国と地方公共団体で合わせて実質的に定額の百万円の補助にしよう、こういった制度だというふうに承知をしているところでございます。

 以上のことを踏まえて、まず石井大臣の方に、住宅の耐震化の必要性とあわせて、この定額百万円、総合支援メニューの運用、活用状況と今後の課題についてお伺いをいたします。

石井国務大臣 地震時の国民の生命財産を守るため、住宅の耐震化を促進することは大変重要な課題と考えております。

 このため、国土交通省では、防災・安全交付金を活用し、住宅の耐震化を支援をしてきたところでありますが、更に耐震化を促進するため、平成三十年度から、新たな仕組みといたしまして、今委員から御紹介いただいた、耐震化に積極的に取り組む地方公共団体を対象とする総合支援メニューを導入したところであります。

 総合支援メニューを活用する市区町村は、昨年度は二百十二でございましたが、今年度は四百九十六となる見込みでありまして、住宅の耐震化に積極的に取り組む地方公共団体が着実に増加をしております。特に、委員の御地元の高知県におきましては、三十四全ての市町村で活用していただいているところであります。

 また、総合支援メニューを活用するためには、戸別訪問等による住宅所有者への直接的な働きかけ、耐震改修工事を行う事業者等の技術力向上等の地方公共団体による積極的な取組が必要となりますが、これまでこうした取組を行ったことがない地方公共団体は、本制度の活用に消極的になることが懸念をされます。

 このため、国土交通省では、地方公共団体における耐震化に向けた積極的な取組を支援をし、総合支援メニューの活用を促進するため、住民向けのわかりやすいパンフレットの作成、事業者向けの講習会のためのテキストの作成等を行っているところであります。

 引き続き、地方公共団体との連携のもと、住宅の耐震化が促進されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

広田委員 先ほど答弁があったように、二百十二だったものが四百九十六と、倍以上にふえていくということであります。

 逆に、支援対象を絞ったがゆえに、これによって住宅の耐震化の必要性、問題意識を持つ自治体もふえてきたということでございますので、ぜひとも、更に支援を一段と加速をして、国全体の底上げ、耐震化につながるように、より一層の積極的な取組をしていただきたいというふうに思いますし、この制度は、定額も、百万円というふうな形で非常にわかりやすいですし、それに加えて、市町村の判断でそれにプラスアルファできる仕組みにもなっておりますので、ぜひともこれを充実強化をしていただきたいというふうに思っております。

 このことを踏まえまして、次に、耐震化率の目標と達成状況に関連してお伺いをしたいと思います。

 平成二十八年に改定されました耐震改修促進法に基づく基本方針や住生活基本計画では、住宅の耐震化につきましては、令和二年までに耐震化率を少なくとも九五%にするとしています。

 この目標を達成をするためには、耐震性のない住宅の戸数を、平成二十五年以降の七年間で六百五十万戸、年間ベースで約九十万戸減少させなければなりません。現在は、建てかえや耐震改修による耐震化は年間約三十万戸というふうに言われているわけでありますけれども、この目標を達成するためには、今のペースの三倍に増加をさせなければなりません。

 ですので、お伺いしたいんですけれども、現時点で、この住宅の耐震化率、一体何%になっているというふうに推測できるのか。加えまして、期限である令和二年まで、あと一年しかありません。このことを考えますと、目標達成は不可能ではないかなというふうに思いますけれども、御所見をお伺いをいたします。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、現在の状況でございますが、耐震化率につきましては、基本的には、五年に一回総務省で実施されます住宅・土地統計調査のデータをもとに我々としては施策を進めているところでございます。これにつきましては、五年に一回の調査が昨年の十月に実施をされたところでございまして、その結果が本年度中に公表される見込みとなっております。

 先ほど御指摘ありましたとおり、我々の方としましては、現在の目標の達成に向けまして、先ほど御指摘ありました実質的な定額補助の導入など、いろいろな取組を、拡充を図ってきておりますけれども、それでも現在の目標の達成が容易でない状況にある、それについては十分認識をしているところでございます。

 先ほど申し上げました、新しいデータが本年度中に出てきますことから、それを踏まえまして、引き続き、耐震化の促進に向けて施策の推進に全力を挙げてまいりますが、そのデータをもとに、耐震化の進展状況や施策効果などについて分析、検討をさせていただきたいというふうに考えております。

 また、これと並行しまして、住生活基本計画の全国計画についての新たな議論が開始される見込みでもございます。そういった議論の中におきまして、耐震化に係ります今後の目標や施策のあり方についても議論をさせていただければと思っております。

広田委員 正式なデータについては今年度末出てくるということでございますけれども、ただ、六百五十万戸の耐震改修が必要だというふうな中で、うち、住宅の耐震改修、これは約百三十万戸だというふうに承知をしているわけでございます。

 国交省の方は、毎年毎年予算を計上して、その中でどれだけ、先ほど来大臣とも議論しましたけれども、非常に積極的に住宅の耐震化を進めているわけでありますから、おおよそ毎年毎年の実績の積み上げというものは把握をされているはずでございます。

 そのことを考えたときに、住宅局の中でわかる範囲としては、恐らく、住宅の耐震改修百三十万戸、これが達成できるかどうかだというふうに思いますけれども、この点の見通しはいかがでしょうか。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、今、耐震化の促進に向けて、予算制度、あと税制措置、こういったものの措置によって、我々の方で、どれぐらいできているかというのは、ある程度把握ができる部分がございます。

 ただ一方で、旧耐震のものはかなり古い住宅でございますので、いわゆる自然な建てかえ、若しくはいわゆる建て壊し、こういったものが結構進んできている状況にもございます。

 その辺が今はどれぐらい進んでいるのか、そういった我々の施策によらない部分が実は我々としては全く把握できない数字でございまして、それが五年に一回の全国の調査のもとに把握できることになりますから、それを踏まえて全体の状況をきちっと把握したいと思っているところでございます。

広田委員 そうすると、令和二年までに少なくとも九五%という目標を掲げているんですけれども、それについては達成したかしないかはわからないまま結果として年度末を迎えることになる、こういうふうな理解でよろしいんでしょうか。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げました住生活基本計画の次期改定、通常五年に一回やっておりますので、まさしく令和二年度中に改定をすることになります。当然、それに向けての議論、あと、現行の計画の達成状況の検討、検証を行うことになりますので、二〇二〇年度、令和二年度の間には、その達成がどういう状況にあるか、できているのかできていないのか、できていないとすれば、どの程度まで進んでいて、どういう形が、どこまでできているけれども、どの程度までがだめだったのかとか、そういったことを分析、検証をさせていただくことになると考えております。

広田委員 きょうはこれまでにしますけれども、先ほど言いましたように、住宅の耐震化というのは国民の皆さんの生命財産に係る非常に重たい数値目標だというふうに思っておりますので、ぜひとも不断の検証をしていただいて、適時適切に、現実的で達成可能な目標に見直していただくように強く要望をしたいというふうに思っております。

 それでは次に、道路の老朽化対策と、その財源についてお伺いをいたします。

 高度経済成長期に整備された道路の老朽化が進行しています。戦後復興が進み、自動車の台数などが急増する一方で、我が国の道路整備状況は著しくそのときは不十分でした。

 そのため、昭和二十九年に、揮発油税の収入額を道路整備事業に充てるという、いわゆる道路特定財源制度が創設をされました。これによって道路整備は着実に進んだわけであり、また、平成の時代に入っては、我が高知県のような地方ではまだまだでありますけれども、全国的には道路の整備水準が向上する一方で、国の財政が極めて厳しい、こういう状況になりましたので、平成二十一年度には、道路特定財源は廃止をされ、一般財源化をされたわけであります。

 当時、私は参議院議員でございまして、民主党会派の国土交通委員会の理事を務めさせていただいておりました。先ほど申し上げたとおり、そのときは民主党も、この道路特定財源の廃止、一般財源化には賛成だったわけですけれども、私としては、地方の道路整備はまだまだ不十分だということ、そして都市部も将来的には莫大な老朽化対策が必要だとして、若げの至りだったかもしれませんけれども、道路特定財源の廃止に反対をして、当時、理事を辞任をした記憶がございます。

 ただ、現在では高度経済成長期に整備をされました道路の老朽化が進んでおり、道路の維持管理・更新には、令和二十年度では二兆六千億円から七千億円に達する、こういうふうに見込まれているわけであります。

 また、加えて、道路のICTやAI化の導入が進められようとしておりまして、これまた莫大な財源が必要になるわけでございまして、私でさえ道路特定財源を単純に復活しろとは言いませんけれども、既に高速道路については、平成二十六年度に道路整備特措法を改正して、十五年間、高速道料金の徴収年限を延長して、老朽化対策の財源を確保しているわけでございますので、私は、その他の道路についても、老朽化に伴う維持管理・更新費については、使途や期間を限定した上で安定財源を確保するということが、国民の命、安全を守る観点からも喫緊の課題だというふうに思いますが、この点についての石井大臣の御所見をお伺いします。

石井国務大臣 我が国の道路整備は、着実に進んできたものの、いまだ十分ではないと認識をしております。

 例えば、高速道路は、全体の一五%がミッシングリンクとして残っておりますとともに、開通した区間につきましても約四割は暫定二車線となっておりまして、ミッシングリンクの解消や四車線化はなるべく速やかに解決をしていきたいと考えております。

 それらに加えまして、道路インフラが老朽化をしておりまして、維持管理・更新費の増大が見込まれております。また、災害の多発化に対応いたしまして、防災対策費の増大も見込まれます。

 このような道路整備は、我が国の経済成長や地域の活性化、国民の安全、安心の確保を図るため着実に進めることが不可欠であり、今後とも安定的な財源などの確保が必要と考えております。

広田委員 ぜひとも安定的な財源の確保に向けて不断の検討をしていただくように強く要請をしまして、質問を終了します。

 どうもありがとうございました。

谷委員長 次に、三谷英弘君。

三谷委員 神奈川八区、自民党衆議院議員の三谷英弘でございます。

 本日は、二十分の質問の時間をいただきまして、本当にありがとうございます。まずもって御礼申し上げます。

 時間も限られておりますので、質問に入らせていただきます。

 きょうは、二つの点について伺わせていただきたいというふうに思っております。いずれも自動車。本当に、最近痛ましい事故が多発をしている。きょうも質疑でも取り上げておりましたけれども、大津での事故、本当に心が痛む事故でございまして、お悔やみを申し上げたいというふうに思います。

 昨今の技術の進展というものによりまして、交通事故というものによる死者数は、そうはいっても、全体としては減少傾向にはあるわけでございますけれども、昨年もこの場で取り上げさせていただきましたとおり、任意保険に加入をしていないという者の事故、又は、そもそも法律で義務づけられた自賠責に加入していない、そういった者による事故というのも後を絶たないわけでございます。

 また、全体の死者数は減少したといいましても、高度後遺障害というものに苦しむ方々の数というのは、実は、全くもって減っていない、ほとんど減っていないということでございまして、その後遺症に苦しみつつ生活をしている介護料受給資格者数というのも、実は、全体の死者数が減っているものの、高どまりをしている、そういう現実もございます。

 そもそも、交通インフラというものは社会的な便益に供するものでございまして、被害者、被害をこうむっている方々の被害というのはその便益を享受している利用者によってしっかりと救っていかなければならないというのは、改めて言うまでもないことかなというふうに思っております。

 その観点から、国土交通省の中に準備されているというのがいわゆる自動車安全特別会計でございます。いわゆる自動車のユーザーから徴収した保険料を原資としたものでありまして、ここには一般の税金というものは入っていないという独自の財源でございますけれども、この自動車安全特別会計、特にその中でも自動車事故対策勘定においてどのような事業が行われているかについて、簡潔にお答えください。

    〔委員長退席、伊藤(忠)委員長代理着席〕

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 自動車事故対策勘定では、自動車安全特会の積立金を原資といたしまして、交通事故被害者の救済事業でありますとか事故防止事業を実施をいたしております。

 このうち、交通事故被害者救済事業につきましては、交通事故被害者及び御家族の負担を少しでも軽減するという観点から、これまで、重度の脳障害の方への高度な治療を行う療護施設の設置運営、短期入院、入所の受入れ体制の充実、介護料の支給、交通遺児への生活資金貸付けなどを行ってきたところでありまして、被害者の方々との意見交換などを通じまして、そのニーズを酌み取りながら、事業の充実を図ってきております。

 最近の事例といたしましては、重度の脳障害の方々を受け入れる療護施設の空白地帯への設置を強く求める声があったことから、平成三十年度に、空白地域であります石川県に初めて小規模の委託病床を設置し、令和元年度にも一カ所設置することといたしております。

 また、重度後遺障害者を介護する家族が高齢化等によって介護できなくなった後への不安の声に対しまして、重度後遺障害者が介護者亡き後においても障害者支援施設やグループホームでの支援を受けて生活することができるようにするための環境整備を図る補助制度を平成三十年度に創設、令和元年度に拡充いたしております。

 次に、交通事故防止事業といたしましては、道路運送事業者の安全性を高めるため、運行管理の高度化でありますとか先進安全自動車の普及を図るための補助などを行っているほか、安全な車の普及を図るための自動車アセスメント制度などを実施をしております。

 今後とも、交通事故被害者や御家族のニーズ、交通事故防止に係る要請等を的確に酌み取りながら、事業の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

三谷委員 ありがとうございます。

 今お答えをいただきましたとおり、本当にさまざまな、被害者の救済ですとか自動車事故の防止の事業が行われているわけでございます。しかしながら、もう既に国会でも何度も取り上げられておりますとおり、この自動車安全特別会計、特にこの自動車事故対策勘定というものが、これがもう枯渇をしてしまうかもしれないという危機があるということでございます。

 これはもう、最初、質問の形で聞こうかなというふうに思っていたんですが、時間の関係上、ちょっと短縮するために自分から申し上げさせていただきますけれども、過去に、実は、一般会計の方に一兆一千二百億円が組み入れられているということでございまして、それについて、その後、平成八年以降、およそ七年間にわたって、およそ七千億円ぐらいが繰戻しをされているということでございますけれども、そこからぱたっととまってしまっていたということで、平成三十年になって、二十三億円が新たに、久しぶりに組み戻されたということでございます。

 しかしながら、今なお六千億円を超える金額がまだ一般財源に行ったきり、貸したきりになってしまっているこの金額について、二十三億円戻ってきたということで、この平成三十一年度の予算では新たに三十七億円が返ってくる、一・六倍に組み戻し額がふえましたという話なんですが、これは余りにも少な過ぎる。ことしも取崩し額が百億円ぐらいになってしまっていて、まだ減少しているわけでございます。

 今回の大津の事故、果たして本当に何をしていれば今回の事件が防げたかというのは、それは総合的な観点から検討していかなければいけないわけでございますけれども、しかしながら、日本は、実は、世界に比べて、歩行者の事故、歩行者が命を落とすケースというのは極めて高いという実際のデータがあります。

 さまざまな理由によってそういった結果になってしまっているというふうに思っているんですが、例えば、今回のケースに関して言うと、歩道の角にかたい鉄のポールを何本も立てておくといったような、これはいろんなところでやっているところはもちろんあるわけでございますけれども、そういったことをやっておけば、もしかしたら車が飛び込むということまでは防げたのかもしれないというようなことを考えると、実は、まだまだできることというのが多くあるのではないかと思っています。

 自動車安全特別会計で、特に被害者の救済若しくは自動車事故の防止ということをいろいろ事業としてやっているわけでございますけれども、一旦起きた被害者の救済、まだまだ足りません。しかしながら、それと同時に、自動車事故の防止、特に歩行者をしっかりと守っていくということについては、実は、これは自動車に乗っている方々がもっと今まで以上に真剣に考えていかなければいけないと私は思っておりますし、そのためにも、今回のこの特別会計の予算というのはもっともっと使っていかなければいけないんじゃないかというふうに思っています。

 だとすると、一般会計からしっかりとこの特別会計にこれを組み戻していく、これをしっかりと今まで以上に進めていかなければ、あっという間にこの特別会計はなくなってしまうというふうに思っております。

 そういった観点から、国土交通省、そして財務省の御見解を伺いたいと思います。

大塚副大臣 国土交通省では、先ほどお話ございました自動車安全特別会計の積立金等を財源として、交通事故被害者の救済事業等を実施をしておるところでございます。

 この積立金等につきましては、自動車安全特別会計から一般会計に対しまして、平成六年度及び平成七年度におきまして、一兆一千二百億円が繰り入れられたところでございます。

 が、しかし、いまだ約六千億円が繰り戻されていない状況でありますが、財務省と協議を行った結果、令和元年度予算におきまして三十七・二億円の繰戻しが措置されることとなり、平成三十年度から十四億円を増額した上で、二年連続の繰戻しが行われることとなりました。

 これによりまして、令和元年度の自動車安全特別会計の積立金の取崩し額は平成三十年度よりも縮減する見込みでありますことから、積立金の減少に一定程度の歯どめをかけるものであると考えております。

 一方、積立金の取戻しが毎年発生し、その残存額が減少している状況に変わりはなく、被害者救済事業の継続性や安定性に対する交通事故被害者の皆様方及びその御家族の不安の声にお応えするため、令和二年度以降につきましても、引き続き、繰戻し額の増額と積立金の取崩し額の着実な縮減について、財務省と協力して対応してまいりたいと考えております。

    〔伊藤(忠)委員長代理退席、委員長着席〕

阪田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまも御説明がありましたように、本年度予算における一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しについては、三十七億円を繰り戻すこととしたところでございます。

 この繰戻し額については、一般会計の厳しい財政事情のもとにあっても、事故の被害者やその御家族の不安の声を踏まえ、被害者保護増進事業等が安定的、継続的に将来にわたって実施されるよう、積立金の取崩し額の減少を図ったものでございます。

 財務、国土交通大臣間の合意において、被害者等のニーズに応じて被害者保護増進事業等が安定的、継続的に将来にわたって実施されるよう十分に留意しつつ、一般会計の財政事情、自動車安全特別会計の収支状況等に照らし、財務省及び国土交通省が協議の上、繰戻し額を決定するとされているところでございます。

 今後とも、この大臣間合意に基づいて、保護増進事業に支障が生じないように引き続き努力をしてまいりたいと思います。

三谷委員 辛うじて聞き取れるというぐらいのお答えだったのかなというように思っておりますけれども、本当に、もう喫緊の課題というふうに取り組んでいただきたいなというふうに思っております。特に、私が先ほど申し上げたとおり、歩行者をしっかりと守っていくというのは車を使う全てのユーザーの義務だろうというふうに思っておりますし、そのための大事な財源でもあるわけでございますから、しっかりと戻していただきたいと思います。

 そもそも、この話が出たのは平成六年、七年ということでございまして、当時の羽田内閣というふうに伺っております。どうしても、これは歴史的に見れば、政争の具として取り上げられやすいような、特別会計が非常に悪さしているんじゃないか、それを一般会計に使えばいいんじゃないかみたいな、そういった話の中、いわゆる政権交代があった直後の、その後の話というふうにも伺っております。

 なので、いろいろな経緯があってそういうふうにはなったんだろうというふうに思っておりますが、一旦一般会計に入れてしまったものはなかなか戻すのは難しいとはわかっていますけれども、しかしながら、ぜひともそこをしっかりと進めていっていただきたいということを改めてお願いをさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それからもう一つは、少し毛色は変わるわけですけれども、マイクロモビリティー、特に立ち乗り電動キックボードについての質問をさせていただきます。

 最近、これもやはり事故に関係する話ではありますけれども、高齢者が、特に地方においては免許を手放すことができない理由というのはさまざまあるわけでございますけれども、やはり移動手段が限られているということが大きくあるんじゃないかというふうに思っています。

 その中で、一方で、高齢者はやはり免許を自主返納した方がいいのではないかというような動きがありますし、私も基本的にはそう思っております。しかしながら、じゃ、返納してしまった後にどうやって移動の手段を確保していくのかというのは、同時にしっかりと考えていかなければいけないというふうに思っています。

 そういった観点から、いわゆる免許が要らないけれども乗れるもの的なものを少し自由度を高めたらいいんじゃないかなというふうに思っているわけでございますけれども、そういった観点に限らず、世界では、そのラストワンマイルを解決する手段として、少し前ですとセグウェイというものがありましたし、最近ではいわゆる電動キックボードというものがよく使われているわけでございます。

 こういったものについて、これは現行法においていうとどういうふうな扱いになるのかについて、海外の動向とともに、国交省そして警察庁、ともにお答えいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 道路運送車両法におきましては、電動キックボードは原動機付自転車に区分をされておりまして、公道を走行する場合には省令で定める道路運送車両の保安基準に適合する必要がございます。

 道路運送車両法の保安基準では、原動機付自転車について、方向指示器でありますとか制動灯などの装備を義務づけておりますが、最高速度二十キロメートル毎時未満のものであればこれらの装備が不要となりまして、自転車に準じた最低限の装置を備えることで保安基準に適合することが可能となっております。

 諸外国の法規制の状況につきましては、現在、調査機関を通じて情報収集をしているところでございますけれども、そもそも公道での走行が禁止されていたり、認められている場合でも、走行可能な道路の種類や運転免許の要否等について、国や都市によって規制がさまざまであるというふうに承知をいたしております。

 例えば、走行可能な道路については、自転車専用道に限定されたり、歩道での走行も認められたりと、さまざまな規制が行われております。

 一方で、走行時の事故やトラブルに対する懸念も新聞報道等において示されております。

 車両の安全性を所管いたします国交省といたしましても、電動キックボードに係る諸外国の動向について、引き続き情報収集してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

高田政府参考人 お答え申し上げます。

 立ち乗り電動スクーター、いわゆる電動キックボードは、道路交通法上は原動機付自転車に該当いたします。

 海外の動向についてでございますが、報道によりますと、昨年九月に米国のダラス市及びワシントン市において立ち乗り電動スクーターの運転者の死亡事故が発生していることや、あるいは、カリフォルニア州においては、立ち乗り電動スクーターは最高時速三十五マイル、約五十六キロメートルの交通規制がなされている、さらに、ワシントン市の中心部においては立ち乗り電動スクーターは歩道の通行が禁止されていることなどを報道で承知しております。

 また、昨年十月の報道によれば、フランスでは、キックスケーター及びローラースケートの事故件数が増加したことを受け、立ち乗り電動スクーターについては歩道通行させないこととする道路交通法の改正を行う方針が示されたといったことも承知しております。

 その他、海外の動向について網羅的に把握しているものではございませんが、引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。

三谷委員 ありがとうございます。

 今、特に警察庁の方からいろいろ示されました懸念点、それは当然ながら私も共有はさせていただいているところではございますけれども、しかしながら、例えば、日本でも話題となりましたセグウェイというものがあります。

 セグウェイに関して、どういうふうに話が展開していったかというと、もともとこれを使うには、やはり、いわゆる原付自転車というような形で、免許があって、そしてナンバープレートをつけて、そういった形をしていかなければいけないというような話から、実証実験をつくばで行うというような形にそれは広がり、そして、この前の、少し前ですけれども、法改正がありまして、この実証実験というのを全国広くできるようにしましょうというような形になりました。

 なので、私の地元の横浜でもこのセグウェイのいわゆる実証実験走行というのが行われているわけでございますけれども、正直、もう旬を過ぎているんですよ。つまり、もちろん、みんな最初はセグウェイというものが物珍しいので乗りたい、乗ることが目的だったわけです。なので、今でもその実証実験をやっているところに行けば、五人なり十人ぐらいの方々が列をなして、ヘルメットをかぶって、つうっと走っていくわけです。それで、一周回って、ああ、楽しかったねでおしまい。

 正直、こういうことをいつまでやっているのかという話なんです。これはあくまでも実証実験ですから、実験を行った結果、じゃ、その次につなげていかないと。

 もともと乗り物というのは、例えば乗ることだけが楽しいというものもあるかもしれません。でも、本来的な乗り物というのはどこかに移動するための手段だとすれば、いつからどういうことになれば、その実験の段階を経て、その次、乗り物として、移動手段として使えるようになるのか、そこまで考えていかないと、これはあくまでも不誠実じゃないかなというふうに思っております。

 その辺に関して、警察庁として、この今の実証実験、どの段階で、次のステップに進むのかあるいは進めないのか、その辺の判断をする予定なのか、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

高田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、搭乗型移動支援ロボットは、道路使用許可等を得ることにより実証実験を行うことができる仕組みを構築しており、現在、つくば市や横浜市などで実証実験が行われているところでございます。

 搭乗型移動支援ロボットのこの実証実験につきましては、これまでも、事業者等の御要望を踏まえながら、許可基準の緩和をして対応してきたところでございます。今後、事業者等から更に異なる形態で実証実験を行いたいとの要望があった場合には、警察といたしましては、歩行者を始めとした他の交通主体との調和のとれた安全な利用が可能かどうかに配慮しつつ、柔軟に対応することとしたいというふうに考えてございます。

 一方、歩道というものにつきましては、歩道通行するということにつきましては、子供や高齢者、障害者を含む歩行者が安全に安心して通行することができるよう区画された場所でございますので、原則として車両の通行を認めるべきではない場所であるというふうにも認識しておりまして、いずれにいたしましても、御指摘のような、こうした新たな形態の乗り物に関する歩行者を始めとした他の交通主体との調和のとれた利用のあり方については、個別具体的な検討が必要と考えてございます。

三谷委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。

 まず冒頭は、前回の一般質疑の続きで質問させていただきます。

 前回申し上げたとおり、私どもの現在の経済政策は、賃上げを伴う経済の好循環、これをどう実現をしていくかという中で、国土交通行政にかかわる、トラック運送における適正な取引条件の実現という観点から質問させていただきました。

 四月十二日、本委員会での奥田自動車局長の答弁によりますと、改正標準貨物自動車運送約款、これを一般貨物自動車運送事業者約五万七千者のうち八割が使用している、うち七六%が当該約款に沿って料金を届け出ている。そして、全国トラック協会の大手二十者に対する料金届出に対してのフォローアップ調査についての概要の答弁をいただきました。これは、大臣がお戻りということは、大臣にお聞きしていいんですか。

 その上で、改正約款の実効性確保のため、経産省や農水省の協力を得て、荷主への周知やホワイト物流推進の運動も始めた、こういうような答弁をお伺いをいたしました。

 物流に必要な適正な価格の実現に向けて、お戻りでございますので、早速で恐縮ですが、石井国土交通大臣に御決意をお伺いをしたいと思います。

石井国務大臣 トラック運送業におきまして働き方改革を進める上では、荷主の理解を得て、運賃・料金の適正収受等による取引環境の適正化を進めていくことが重要でありまして、昨年五月に取りまとめられました自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画におきましても、柱の一つとして挙げられているところであります。

 御指摘の標準運送約款の改正につきましては、この実効性を確保するため、荷主の理解を得られるよう、これまでも関係省庁と連携して周知を図ってきたところでありますが、引き続き、全国各地のセミナー等やホワイト物流推進運動を通じまして、荷主に対する働きかけをしっかりと行ってまいります。

 このほかにも、昨年十二月にガイドラインを作成いたしまして、運送に必要なコストに関する荷主、運送事業者双方の共通理解を促進するなどの取組を進めているところであります。

 さらに、昨年末に改正されました貨物自動車運送事業法に基づく標準的な運賃の告示制度等につきまして、ドライバーの労働条件の改善等の改正趣旨に沿って適切に対応してまいります。

 今後も引き続き、法令を遵守しつつ、トラック運送機能の持続的確保が図られるよう、運送に必要なコストが賄われる環境を整えるため、しっかりと取組を進めてまいりたいと考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 この運送事業、人手不足でも大変御苦労をいただいておりますし、適正な価格で取引が行われるという至極真っ当なことを法律も含めて要請をしているわけでございますので、ぜひとも、国土交通大臣を筆頭に、取引価格の適正化に向けて取組を更に進めていただきたいとお願いを申し上げます。

 続きましては、この委員会でも累次取り上げられております自動車事故の撲滅に向けて御質問を申し上げたいと思います。

 一昨日、五月八日の午前、大津市の交差点で、保育園児、引率の保育士合わせて十六名の列に車が突っ込み、滋賀県警によりますと、園児十三人、保育士三人が救急搬送され、男女の園児二名がお亡くなりになり、今なお男児一名が意識不明、十三人が重軽傷というお話をお伺いをしております。

 改めて、お亡くなりになられた二人の園児の御冥福をお祈り申し上げますとともに、けがをされた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 また、四月には池袋でも、乗用車が暴走する、こんな事故もございました。残念ながら、自動車による事故で人命が失われる、このことがまだ防ぎ切れていないというのが実情でございます。

 私は、高齢者の運転ばかりがクローズアップされがちだと思っておりまして、事故全体をどう撲滅していくか、これが重要だと考えております。

 そんな中、五月六日の日経新聞に、国交省が自動運転の装備についての基準を設ける方向で、検討が進められているということが報道をされました。まず、この上記基準の設置に向けての方向性及び想定されているスケジュールについて局長にお伺いいたします。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 自動運転の実現によりまして、現在九割以上が運転者の違反等に起因する交通死亡事故の大幅な削減による安全性の向上のほか、高齢者等の移動支援でありますとか物流分野における生産性向上などが期待をされております。

 このような中、国交省では、早期の実用化が期待される自動運転車に対する設計、製造過程から使用過程にわたる総合的な安全確保策を講じるため、今国会に道路運送車両法の一部を改正する法律案を提出させていただきまして、一昨日、本委員会においても御審議を賜ったところでございます。

 本法案では、自動運転車に搭載される自動運転システムの安全性を確保するため、当該システムを自動運行装置として、国が定める安全、環境面での技術基準である保安基準の対象装置に追加することといたしております。

 自動運行装置の保安基準の具体的な内容は、この法案の成立後、省令等に規定することとなりますが、現時点では、自動運行装置の性能に係る基準については、国土交通大臣が付した走行環境条件内で自車の搭乗者、歩行者や他車に危険を及ぼすおそれがないこと、走行環境条件外で作動しないこと、走行環境条件を外れる場合には運転者に運転引継ぎの警報を発し、引き継がれないときは安全に停止することといった規定を設けることを予定いたしております。

 また、自動運行装置の作動及び停止の日時など作動状態を記録するための装置の義務づけ、それから、不正アクセスを防止するためのサイバーセキュリティーの確保、居眠りをしていないか等運転者の状況を監視するためのドライバーモニタリングシステムの義務づけについて規定することも予定をいたしております。

 自動運行装置の保安基準の策定スケジュールにつきましては、二〇二〇年目途の自動運転車の実用化を見据えまして、改正道路運送車両法の該当規定の施行日を公布の日から一年以内とさせていただいておりますので、これに合わせまして自動運行装置の保安基準を整備することとしているところでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 この自動運転に絡む、自動車評論家の国沢さんという方のホームページ、これは四月二十五日に掲載されておりまして、少し御紹介をさせていただきます。このホームページは、痛ましい池袋の暴走に代表されるというふうに始まっておりまして、この評論家の方はこのようにそのホームページ上に書かれております。

 事故を減らすならもっと簡単な方法がある。自動ブレーキを赤信号や一時停止でも稼働できるようにすればいい。今や自動ブレーキの装着率は、車種にもよるけれども、トヨタやホンダ、SUBARUなど、軒並み九〇%を超えています。ちなみに、SUBARUのアイサイトなどは既に赤信号を認識させている。現状での機能は限られていますが、取扱説明書に赤信号に対しての反応を紹介しています。ホンダや日産なども一時停止の標識を認識させており、標識のアイコンをインパネに表示させているほど。そもそも、信号や一時停止標識の視認は自動運転技術の基本であり、こういった標識を認知してのブレーキ制御は容易だと思いますと。

 確かに、信号等を自動車自体が認識をして、万が一運転のミスがあっても自動車がとまるような、そういうことができれば更に事故を減らしていけると私なりに思ったわけですけれども、そこで、やはり局長にお伺いしますが、自動車の自動ブレーキ等、こうした赤信号で自動ブレーキ等を稼働させるというようなことは技術的には既に可能なのかどうか、現状を教えていただければと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などの先進安全技術を搭載した安全運転サポート車、いわゆるサポカーSについて、官民を挙げて普及啓発を図ることにより、その普及促進に取り組んでおります。

 この結果、衝突被害軽減ブレーキの新車乗用車搭載率につきましては、二〇一七年で七七・八%、二〇二〇年までに九割以上とする政府目標の達成に向けて、着実に普及が進んでいると認識しております。

 このような中、御指摘の赤信号を検知する技術に関しましては、赤信号を検知し、運転席の計器盤に表示し、ドライバーへ知らせる技術は、一部の車両において既に実用化されております。

 しかしながら、赤信号の検知と連動して車両を停止させることは、後続車との追突のおそれなど、安全性に重大な影響を与えるおそれがありますため、誤検知でありますとか誤作動を起こさないことが極めて重要でございます。

 そのため、カメラにより信号や標識を認識して、その情報に基づいてブレーキ等を作動させる場合には、カメラの検知技術に極めて高い精度が必要となってまいります。

 自動車メーカーからは、このようなカメラの検知技術について、現状、都市部では、特に夜間に街灯でありますとか建物の照明等の他の光の影響により正確な検知が難しい場合が考えられる、また、信号の矢印方向を認識する技術が実現できていないといった課題があるというふうに聞いております。

 そのため、赤信号を検知して衝突被害軽減ブレーキを作動させる技術につきましては、実用化のため、さらなる研究開発を進めていく必要があるというふうに認識をいたしております。

 国交省といたしましては、そのような技術的課題も踏まえつつ、引き続き、交通事故の削減に向けまして、衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術の導入促進、普及啓発に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 今答弁にございましたとおり、確かに、赤信号をどこで検知をして、車列もあるわけですから、とまる場所も、それぞれ車のいる場所によって位置も変わりますし、簡単なことではないなと推測をできるわけですけれども、今のように、赤信号を既に検知はできるような技術は開発をされているということですので、ぜひともさらなる研究を進めていただきたいと思います。

 最後になりますけれども、先ほど紹介した五月六日の日経新聞には、こういう記述もございました。国交省は、ドライバーの動きや体の状態を撮影するカメラの搭載や、脈拍などを計測するセンサー、ドライバーを監視して異常時に警告するようなシステムの搭載も想定、人が運転できなくなった場合に備え、車を自動で道路の端に寄せて停止するようなシステムの搭載も想定して、先ほどの基準等の検討が進められている、こんな報道がございました。

 特に、地方部に行きますと、単純に高齢の方の運転を控えてもらうだけというわけにはいかない現実的な事情もありまして、技術的なところでカバーができて、そういうリスクを減らせるのであればそれにこしたことはないな、こう思うわけでございまして、この報道にありましたような、人間の体の動きを監視をしていて、万が一のときは自動車が勝手にとまる、すばらしい技術だなと思って拝見をしたわけですけれども、こうしたものも現状どのようになっているのかを最後お伺いして、私の質問を終わります。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 レベル3の自動運行装置を搭載した自動運転車につきましては、国土交通大臣が付する走行環境条件を外れる場合等システムの作動継続が困難な場合に、運転者が自動運行装置から運転操作を引き継ぐことが必要でございます。

 しかしながら、運転者に運転操作が引き継がれず、走行環境条件外でそのまま自動運行装置が使用されることになれば、もはや安全な運行は期待できず、重大な事故につながるおそれがあり、そのような場合、自動運行装置をそのまま作動させるよりも、減速、停止させる方がより安全であると考えられます。

 このため、国連の自動車基準調和世界フォーラムにおいて国際基準の議論が行われておりまして、運転者の状況を監視するためのドライバーモニタリングシステムや、運転者に運転操作が引き継がれないときには安全に減速、停止する機能が必要であるとの認識のもと、その要件について検討が進められております。

 具体的には、例えば、運転者に運転操作が引き継がれないときに安全に減速、停止する機能について、急減速はせず徐々に減速すること、車線を維持し、安全に実施可能であれば車線変更や路肩に寄せること、ハザードランプを点灯させるなどにより周囲に注意喚起を行うことなどの要件が検討されておりまして、今後、国連での議論を我が国がリードいたしまして国際基準化を図っていくとともに、本基準が成立、発効した際には、我が国においてもこれを速やかに保安基準に取り入れ、型式指定の際に国が当該基準への適合性を確認することとしていきたいというふうに考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 技術の進展が人の命を守る、そういう時代をつくるために我々も努力することをお誓い申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、清水忠史君。

清水委員 日本共産党の清水忠史です。

 本日の一般質疑では、賃貸共同住宅における違法建築問題について質問したいと思います。

 サブリース大手、レオパレス21の違法建築の問題につきましては、本年二月二十一日の衆議院予算委員会におきまして、当時の我が党宮本岳志衆議院議員も質問をしております。

 現在、国土交通省が特定行政庁を通じまして把握しているレオパレスの違法建築物件の棟数及び関係する特定行政庁の数について、最新のデータを教えていただけるでしょうか。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 レオパレス21が施工いたしました共同住宅のうち、本年三月末時点で、特定行政庁から建築基準法違反が認定されたものは二千九百四十九棟、関係いたします特定行政庁の数は二百六となっております。

清水委員 本年一月末時点で、違法建築が千八百九十五棟、特定行政庁は百七十三でしたから、今お答えいただいたんですが、この二カ月の間にもレオパレスの違法建築が拡大している、重大だと思うんです。本日あたりはいわゆる社長の退任報道もなされておりますが、社長がかわって済む問題ではないというふうに思うんですね。

 さて、資料一をごらんいただきたいと思います。これは、国土交通省が作成し、第一回共同住宅の建設時の品質管理のあり方に関する外部有識者委員会に提出した、レオパレス事案への対応と題された資料であります。ここには、賃貸共同住宅の入居者、所有者の安全、安心の確保と記されているわけです。

 レオパレスのオーナーは、巨額の資金を借りて共同住宅を建設したものの、サブリース契約をめぐるトラブルなどに見舞われただけではなく、相次ぐ施工不良や違法建築が発覚する中で大変御苦労されておりますし、また、入居者の方々も、転居を余儀なくされるなど、大変御苦労されているわけです。

 レオパレス物件における所有者、居住者に対しては、国土交通省としてもやはり丁寧な対応が求められているわけで、この違法建築による混乱を収束させるために責任が問われていると思うんですが、これは石井大臣にお伺いしたいと思います。

石井国務大臣 レオパレス21の事案に関しまして、昨年四月及び五月に公表された小屋裏等の界壁の不備に加えまして、本年二月の七日に新たな界壁、外壁及び天井の不備が明らかになりまして、さらに、小屋裏等界壁に関し、既に多数の違反建築物が認定されていることにつきましては、まことに遺憾であります。

 国土交通省といたしましては、まずは、賃貸共同住宅入居者等の安全、安心の確保を図り、その上で、徹底した原因究明をもとに、適切な再発防止策を講じていくことが重要と認識をしております。

 このうち、入居者等への対応につきましては、本年二月に公表された事案に係ります千三百二十四棟に二月八日時点で入居されていた一万四千三百五十四人のうち、四月末時点で四千六百二十三人が退去をし、七百十五人に関し、住みかえ予定日が決定している一方で、九千十六人の方は予定日が未定であるとの報告をレオパレスから受けております。

 安全性を確保するための補修工事は迅速に進めていく必要がある中で、補修工事が必要な住戸の入居者の六割強の方について住みかえの予定が立っていないことは遺憾でありまして、レオパレス21に対し、丁寧かつ迅速に対応するよう、引き続き指導をしてまいります。

 国土交通省といたしましては、特定行政庁と連携いたしまして、早期に不備の解消を図ることにより入居者等の安全、安心の確保を図っていくとともに、国に設置をいたしました外部有識者会議の意見を踏まえつつ、徹底した原因究明のもとに適切な再発防止策を講じてまいりたいと考えております。

清水委員 所有者、居住者の安全対策は当然なんですが、今大臣も答えられましたように、まだ転居が調整中であるという方が九千人以上ですか、これはかなりの数だというふうに言わなければなりません。

 資料の二をごらんいただきたいと思うんです。

 この資料の二は、昨日、レオパレス21が発表いたしました天井部施工不備物件、いわゆる屋根の界壁などが不足しているそういう物件だと思うんですが、これの住みかえ状況についての最新の資料なんです。

 管理戸数七千三戸のうち、二月八日時点で入居していた四千五百十八戸があったわけですが、そのうち、四月末時点で住みかえが完了したのが三千三百七十五戸、また、住みかえ予定日が決定しているのが四百九戸となっているわけですね。しかし、四月末時点で住みかえの日程が調整中とされている戸数が七百三十四戸も残っているわけです。

 やはり、入居者の方々の安全、安心のために力を尽くすというふうに言われるんだったら、先ほど九千人という数字もありましたが、このいわゆる天井部施工不備物件に限っても七百三十四戸残っているわけで、なぜ調整中になっているのか、その中身について把握されているでしょうか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど先生の方から御指摘がありました資料にありましたとおり、四月末時点で、既に住みかえが完了した戸数と住みかえの予定日が決定した戸数を除きました七百三十四戸で、今、日程を調整中となっております。

 この七百三十四戸につきましては、住みかえの案内を行っているけれども具体的な住みかえ先や日程がまだ決まっていないというのが七百十二戸、残っているうちの中のほとんどでございます。あと、入居者と予定が合わずに具体的な説明がまだできていないというのが二十二戸、〇・三%ですが、これがまだ残っているというふうにレオパレスから聞いております。

 レオパレスに対しまして、丁寧かつ迅速に対応するよう、引き続き指導していきたいと思っております。

清水委員 日程が合わないということもあるんでしょうが、いまだに、施工不良物件に現在もお住まいということですから、火災などの災害が起こった場合に命にかかわる問題だと思いますので、迅速な対応をお願いしたいというふうに思います。

 入居者にはとにかく全く落ち度がないわけですよね。まさか、みずからが入居するそういう賃貸物件が施工不良であるというふうには夢にも思っていなかったわけで、まさしく驚天動地だと思います。

 先ほど、検討会に提出されている国土交通省の資料、一ページ目、1なんですけれども、既にレオパレス物件で不備が判明しているシリーズ、これはネイルシリーズとかあるいは六シリーズと呼ばれているものだと思うんですが、それへの対応についてこう書いているんですね。早期の全棟調査完了、そして、夏前の全棟改修完了を指示した、こう書かれているわけであります。

 そこでお伺いしたいというふうに思うんですが、その進捗状況について教えていただけるでしょうか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 この指示をしました段階で既に不備が判明しておりましたシリーズの棟数が一万五千二百八十三棟ございますが、このうち、三月末時点で、一万二千七百三十棟、約八三%において調査済みとなっております。また、このうち、四月二日の時点で、六百七十三棟、全体の約四%において改修済みとなっているという報告を受けております。

 レオパレス21に対しまして、早期に全棟の調査を完了して、この夏前に全棟の改修完了を行うよう、引き続き指導していきたいと考えております。

清水委員 今、完了物件が四%というふうにおっしゃられたと思うんですが、夏前というのはいつのことを言うんでしょうね。私、今のことじゃないかと思うんですが。

 この時点で四%の改修完了ということで、本当にこれは間に合うのでしょうか。

石田政府参考人 改修の、今の数字は四月頭の時点の数字でございます。夏前というのは、我々の感覚でいうと夏を迎えるころという意識でございます。

 当然ながら、改修工事をするに当たりましては、入居者の方、所有者の方と調整がありますので、レオパレス自体の判断だけで勝手にできるものではございませんので、いろいろ調整等が必要になっているのは我々も理解しておりますが、早急に、なるべくそこを解消して工事に移れるよう、引き続き指導していきたいと考えております。

清水委員 では、この資料にあります(1)の2ですね。今局長に答えていただきましたネイルシリーズや六シリーズ以外、その他のシリーズへの対応について伺いたいんです。

 ここでは、不備が判明したシリーズは、夏前に調査を完了し、十月までに全棟改修完了ということで、明確に期限を切って指示をされたということなんですが、この進捗状況についても教えてください。

石田政府参考人 ここで言っておりますその他のシリーズが四十二ございます。それは合計が二万三千八百二棟ございますが、このうち、三月末の時点で七千五百五十五棟、約三分の一において調査済みとなっており、その結果として、大半のシリーズでやはり不備が見つかったという報告を受けております。

 このため、レオパレス21に対しまして、この夏前までに全棟調査を完了するように引き続き指導しております。

 また、これらのシリーズのうち、これは調査に入ったのがまだ最近でございますので、改修済みに至っているものはまだ報告として受けておりません。本年十月までに全棟の改修を完了するように、引き続き指導していきたいと考えております。

清水委員 指導していただくのは当然なんですけれども、今の現状でいいましたら、指示した期日までの達成はほぼ絶望的だと言わざるを得ません。

 今、私もレオパレスの資料を見たんですけれども、恐らく同じ資料を見ていると思うんですが、レオパレス21社自身が、三月末時点で二万二百八十五棟を調査して、一万四千五百九十九棟もの不備があったということを認めているんですね。自社で設計、施工した物件の七割以上に不備がある。これは、ほんま、ほかに過去に例がなかったような事態ではないかというふうに思います。

 国土交通省は、指示を出すだけではなくて、期日までに調査を実行させ、不備を確実に解消させる。やはり、状況もつぶさに把握して、今四%ということもありましたから、これを促進させていくために、厳しい指導を責任を持って行っていただきたいと思います。

 次に、資料三を見ていただけるでしょうか。この資料三は、ことし四月十七日のしんぶん赤旗の記事であります。

 「レオパレス物件 配線むき出し」という見出しがつけられているんですが、これは、札幌市内に建てられたレオパレスのアパートについて、オーナーが一級建築士に調査をしてもらった結果、一階と二階の間に通っている配線がむき出しになっていたということを報道したものであります。

 記事では、赤線を引いておりますように、「建築基準法施行令では電気や電話線などの配線ケーブルは、上下や隣部屋の貫通部を含め、耐火性の被膜で覆ったり、鉄管や硬質塩化ビニールパイプに通したりするなど国が認める材料を使用しなければいけません。それらを天井下、床上、壁から一メートルまで施工する必要があります。」こう書かれているわけなんですが、いわゆる違法の疑いがあったということを指摘しているわけです。まさしく火災時に延焼の危険性が生まれるという事態になっていると思うんですね。

 これまで明らかになったレオパレスの違法事例だけではなく、新たな建築基準法違反などの施工不良が生まれているというふうに思います。国土交通省は、物件のオーナーが抱えるこうした悩みや不安、怒りにどのように対応していただけるんでしょうか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 レオパレス21に対しましては、同社がこれまでに公表しております不適合以外の法定仕様への不適合がないかにつきましても、徹底した調査を行うように既に指示をしているところでございます。また、引き続き、基準法違反の疑いのケースが見つかった場合には、特定行政庁にその旨を報告することとあわせまして、所有者などと調整の上で、可及的速やかに改修等の対応を行うよう求めていきたいと考えております。

清水委員 その可及的速やかというのはすごく大事なんですよ。

 といいますのは、この間、欠陥住宅被害関東連絡協議会の皆さんが、レオパレスのオーナー向けの電話相談を行ったんです。一一〇番をやりました。そうすると、一日で四十一件もの相談が寄せられたということなんですね。

 その相談内容も切実で、出されたものを読み上げますと、レオパレスの物件を中古で購入したが、今回の問題発覚後、レオパレスからの連絡は全くない。それから、レオパレス物件について不動産会社が紹介を停止している、入居のあっせんですね。家賃保証がない一般管理や個人管理の場合は死活問題となる。あるいは、調査により界壁は異常なしと判断されたが、自分で確認したところ、すき間や割れ目が見受けられたということもありますし、また、レオパレスの調査により問題なしと判断されたが信用できない、第三者の建築士に依頼して調査を行いたいなどのさまざまな悩みが寄せられているんです。特定行政庁もなかなか動いてくれない、あるいはレオパレスに連絡をしても返事が来ない、こうしたことが実際起こっているわけなんですね。

 ですから、今局長が言われましたように可及的速やかにというのであれば、特定行政庁と連携をとって、そうした不安を解消していくために責任を持って取り組んでいただきたい、このことも強く求めておきたいと思います。

 さて、国土交通省作成の資料一、最初にまた戻っていただきたいんですが、レオパレスを含む大手事業者に係る物件についても今後調査をする、このように国土交通省が方針を出されているわけです。ほかの大手事業者が同様の違法建築物件を販売していないか、品質などを調査して公表するということは、これは重要なことです。

 ところで伺うんですが、大和ハウス工業が二〇一六年十月に、共同住宅における違法建築問題、このことを明らかにしているんですが、これはどのような事案だったか、説明していただけるでしょうか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 大和ハウス工業が平成二十八年、二〇一六年十月に公表いたしました事案につきましては、同社が施工した百六十棟の賃貸住宅などの小屋裏の界壁を構成します石こうボードの材質や下地材の形状が大臣認定仕様と異なっていたという内容でございます。

清水委員 まさに、レオパレス21の物件と共通するような問題なんですよね。界壁パネルの材質が適合していなかったとか、こういう問題だというふうに思います。

 このときに、国土交通省は大和ハウス工業に対して、早急な是正措置、原因究明及び再発防止策の提出とともに、ほかに建築基準法違反がないのか徹底した調査を指示していたと思うんですが、これは間違いありませんね、イエスかノーかで。

石田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げました平成二十八年十月にこの事案が明らかになった際の対応といたしまして、国土交通省から大和ハウス工業に対し、原因究明及び再発防止策の提出に加えまして、ほかに大臣認定仕様の不適合などの建築基準法違反がないか徹底した調査をするよう指示をしていたところでございます。

清水委員 その調査を指示したときに、ほかに違反があったという報告はありましたか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほどの指示を踏まえました大和ハウスからの報告が、翌平成二十九年四月にございました。そのときに、ほかの違反事案があるという御報告は受けておりません。

清水委員 いや、それは大和ハウスから報告があったんじゃなくて、内部通報によって明らかになった事例のことをおっしゃっておられるんじゃないんですか。ことし四月になって、大和ハウス工業で、耐火性の柱の仕様が不適合であるという新たな違法建築が発覚したんですね。

 これは、さまざまな報道によりますと、二〇一六年、いわゆる平成二十八年十月以降ですよ、に社員から内部通報があったにもかかわらず、本格調査に着手するまで一年半以上かかっているということなんです。ですから、その時点で国土交通省に報告がなかったということなんですね。

 レオパレス問題の違法建築問題では、外部専門家らの検討会を立ち上げて、再発防止策の提言を受けるということをおっしゃっておられるんですが、この大和ハウス工業の例を見ましても、国土交通省自身が主体的に調査に乗り出さないと、隠蔽されてしまうというようなことになりかねないんじゃないかなというふうに思うんです。

 こうした過去の反省を踏まえて、どのようにこの大和ハウスの問題、再発防止、原因究明に取り組んでいかれるか、お答えいただけるでしょうか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど私が申し上げましたのは、二十八年の案件に対しての大和ハウスからの答えの中に、当時我々に対してそういうことがなかったということでございまして、今回新たに判明した際に、その二十八年の年末に内部通報がどうもあったということで、新たに事実が判明してきている状況でございます。

 その上ででございますが、今回の対応に関しましては、二十八年十月の事案に続きまして新たな不適合の事案が明らかになったことについては、まことに遺憾であると考えております。

 今回の事案を踏まえまして、国土交通省におきましては、大和ハウス工業に対して、改修などの迅速な実施に加えて、第三者性を持った形での徹底した原因究明を行うように求めております。前回のときは第三者性は求めておりませんでした。

 さらに、今回は、レオパレス21の問題を踏まえて設置した国の外部有識者委員会において、その大和ハウスが行います原因究明の結果などについても検証していただくということにしております。その上で、同社の案件を含めまして、再発防止策を検討していただくことにしており、国土交通省としては、委員会よりいただいた提言を踏まえて、必要な対策を講じていきたいと考えているところでございます。

清水委員 ぜひ行っていただきたいと思うんですね。

 今の質疑のやりとりの中で、平成二十八年に、ほかに建築基準法違反がないのかという、大和ハウス工業に対して指示をしたところ、なかったということが明らかになったわけで、やはりその時点では隠蔽していた、こう言わざるを得ないということは確認できたというふうに思うんですね。

 資料の四をごらんいただきたいと思うんです。

 これは、レオパレスが設置した外部調査委員会の中間報告を国土交通省がまとめたものです。ここでは、不備の原因分析として、小屋裏等界壁問題の不正、さらには界壁発泡ウレタン問題、外壁仕様問題、天井部問題など、数々の不正が報告されているわけですね。

 これは明らかに建築基準法に違反するものだと私は思いますし、どのような罰則があるのか調べますと、例えば、防火壁の構造に係る規定違反については、最も重い三年以下の懲役、三百万円以下の罰金というふうになっているんです。

 これだけ社会を騒がせて、所有者、入居者に重大な影響を与えた事案ですから、こうした建築基準法第九十八条に基づいて処分をされた事業者があるのかないのか調べました。

 すると、二〇〇五年の構造計算書偽装事件以外には把握していないという、国土交通省からお答えをいただいたんですね。いわゆる姉歯事件ですよ、世間を騒がした。いわゆる耐震基準を満たさないマンションが大量に発覚して、大問題となった事件です。それほどの事件を起こさない限り、罰則が適用されないということなんですよね。

 ですから、軽微な違反だとか、あるいは一度違反が見つかって指摘されようが、すぐに罰則は適用されない、こういうことがいわゆるこうした違法の抑止になっていないんじゃないかということはやはり言わざるを得ないというふうに思っています。

 この間のやりとり、宮本議員との予算委員会等のやりとりでもおっしゃっておられましたけれども、国土交通省は、この姉歯事件以降、全国一律に中間検査制度を義務づけたというふうにおっしゃっておられましたが、これとて今回のレオパレスの事案を見抜くということはできないわけですよ。下地材だとか、あるいは建材の中身まで、非破壊検査ですから、追及することはできないわけで、やはりこの建築確認検査制度そのものを抜本的に見直すということも含めて、もちろん検討会の提言を受けるということは、それはそれでやっていただきたいんですが、本省としても、どうすればこの建築確認検査制度、あるいはその検査機関のあり方も含めて、機能していくのかということを検討するべき時期に来ていると思うんですが、そこはいかがでしょうか。

石田政府参考人 お答えを申し上げます。

 建築確認制度のあり方を含みます再発防止策を検討するに当たりましては、まずは今回の事案についての徹底した原因究明が前提として必要であるというふうに考えております。

 このため、国に設置いたしました外部有識者委員会の委員の意見も踏まえまして調査事項をレオパレス21に提示をしたり、また、先日、三月十八日に同社の弁護士から成る外部調査委員会の調査状況の中間報告を受けましたけれども、これについて検証いただいて、追加の指示を行うなどの今対応をしているところでございます。

 最終的に、五月下旬をめどに最終報告をレオパレス側から行う予定と今聞いております。その点を含めまして、徹底した原因究明をまず進めることが、今現在、同社に対して求めているところでございます。

 国の外部有識者委員会において、今後、レオパレス21などによる原因究明結果の検証、また、中間、完了検査などのあり方を含みます再発防止策の検討を進めまして、夏前をめどに提言の取りまとめをいただけるよう今お願いしているところでございまして、国交省としては、いただく予定の提言も踏まえまして、必要な対策を講じていきたいというふうに考えております。

清水委員 最後に、委員長にお諮りいただきたいんですけれども、やはり、検討会任せにするのではなくて、国会の場で、どうしてこのようなレオパレス問題が放置されてきたのかということを明らかにしていく必要があるというふうに思うんです。

 その上では、集中審議も必要だと考えますし、レオパレスや大和ハウスの関係者を参考人として招致して、この問題を究明していくということをお諮りいただきたいと思います。

谷委員長 ただいまの件につきましては、後日、理事会で協議をいたします。

清水委員 質問を終わります。

谷委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうは、委員であります井上英孝代議士にちょっと時間を譲っていただきまして、国土交通委員会に来させていただきました。上品にやりますので、よろしくお願いします。

 実は、きょう私が取り扱うテーマは土砂です、土砂。

 なぜ私がこのテーマをやるようになったかというと、五年前に私の地元で大規模な土砂崩落がありました。これは山が崩れたんですけれども、普通の山じゃありません。不当に、不当というか、要すれば、残土ビジネスというのがありまして、いろんな建設工事で出た土砂が、自然豊かな山に、特に郊外、郊外というか大都市郊外が多いんですけれども、勝手に積まれるわけです。それが本当に自然の山ぐらい大きな大きな山になって、突然崩落するわけですね。それによって、私の地元では、府道が半年にわたって、流れ込んだ土砂、崩れた土砂で埋まりまして、半年にわたって府道が通行どめになりました。

 大変なお金もかけて、松井大阪府知事が一肌脱いでくださって、府が主導で、行政代執行等を含めて、それを回復をしていったという経緯があります。五年前です。

 この委員会でもそういうものを取り上げさせていただいたんだけれども、最初のころは、国交省も環境省も農水省も、いや、俺は知らぬという状況の中で、石井大臣の前任であられる太田昭宏国土交通大臣が、これは大事な話じゃないかということで注目をくださって、まあ私に言わせればちょっと遅いんですが、何もしないよりはましでありますので、こういう分厚い、建設発生土の取扱いに関わる実務担当者の参考資料というのをまとめていただいた。すばらしい。これは国土交通省が中心になって、みんな嫌がっていたんですよ、環境省なんて、俺は知らぬと。きょう、環境省、来ていますよね。環境省はもうやる気がないんですよ、やる気がない。

 だから、私は太田大臣には心から敬意と感謝を申し上げたいと思いますが、これができたのが二年前、平成二十九年の八月です。大阪府では条例もつくりました。

 事務方で結構です。これをつくって以降、各地で条例もできていますが、五年前に私の地元の事故があった、二年前にこういう冊子がまとめられた、現状、どう評価されていますか。条例等の評価を教えてください。

栗田政府参考人 今委員に御紹介いただきましたけれども、建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料、これは、建設発生土の不適正処理に対応する地方公共団体の現場担当者を対象に、基礎的な情報、留意点等をまとめたものでございます。平成二十九年八月に、関係省庁連絡会議での議論を経まして作成したところでございます。

 この参考資料を、国土交通省の各地方整備局等のほか、全国の都道府県、市町村に周知しております。また、国土交通省のホームページへの掲載、近畿ブロックの地方公共団体を集めた説明会の開催等を通じ、その周知に努めているところでございます。

 この参考資料の活用状況につきまして、本年二月に、サンプル調査ではありますけれども、フォローアップ調査を行いました。そこでは、建設発生土の崩落の危険性を十分に認識できた、あるいは、建設発生土の適正処分の実施が図れたといった回答も寄せていただいておりまして、多くの地方公共団体に役に立てていただいていることを確認されたところでありまして、引き続きその活用に向けて周知啓発に努めていきたいと考えております。

 条例についてでございます。例えば、豊能町におきまして、先ほど委員御紹介がございました平成二十六年二月の崩落事案が発生しまして以降、大阪府の条例を始め、あるいは、豊能町を含む大阪府下の十二市町村において土砂条例が制定されたということを承知しております。

 今後、その他の自治体における条例の制定状況につきましても、適時把握するように努めてまいりたいと考えております。

 また、国土交通省が把握しておりますところでは、参考資料を作成しました以降、翌年度の平成三十年度以降は、建設発生土の崩落事案は全国で一件というように承知しているところでございます。

足立委員 ありがとうございます。繰り返しになりますが、感謝を申し上げたいと思います。

 さて、その後ですが、実は、ことしに入って、ことしというか、私の地元で、大阪府に、私の大学の先輩でもあります、あるいは太田大臣の後輩でもあります大阪府の竹内副知事という方がいらっしゃって、これを一生懸命やって、条例もつくってくださった。大阪府で条例もつくった、まあ松井知事もよくやってくださったんですけれども、竹内副知事がよくやってくださった。その竹内副知事が、やはりこれは条例ではとまらないという判断をしています。

 まず条例の執行状況を見ようということでありますが、これはもうだめだと。だって、条例というのは地方自治法で罰則の上限があるんですよ。罰金百万円ですよ。残土ビジネスというのは、何億、何十億もうかるんですよ。はい、罰金を払います、ありがとうございましたで終わりですよ。

 そして、そういう中で、大阪府が中心になって近畿ブロック知事会を開催をし、近畿ブロック知事会議の国への要望項目、新規の要望項目が三つあります。一つは防災です。台風もありました。地震もありました。二番目に来るのがこの建設発生土の適正処理。ちゃんと国でやってくれ、法律をつくってくれという要望がある。三つ目が政府関係機関の移転促進です。そして、平成三十一年、ことしの三月には、近畿ブロック知事会として提言というのが出ています。これは、もう勘弁してくれ、法律をつくってくれという要望があるんですね。

 加えて、全国の土砂被害、土砂の崩落被害をこうむっている地域の関係者を集めた、第一回残土等にかかる土砂問題対策全国ネットワーク会議を開催しています。これも竹内副知事が中心になってやってくださった。これも本当にありがたいことですけれども、茨城県、埼玉県、神奈川県、三重県、京都府、大阪府、甚大なる被害がある地域が集まって、やはり国にしっかりやってもらおうじゃないかということを言っています。

 先ほど事務方から、いや、まあ俺たちが報告書をつくって以降は大したことないんだと。ちょっと甘いんじゃないですか。

 これはことしの二月の新聞です。東京の残土、三重に投棄。二〇二〇年東京オリパラを控え、開発が続く東京都心のビル建設現場などで生じた大量の建設残土が三重県南部の山林に投棄され、景観悪化や崩落の危険が生じている。過疎地の安い山林が残土ビジネスの標的になっている。

 首都圏を中心に発生した建設残土が、四百キロ近く離れた三重県に船で年間約二十六万トン運ばれた。膨大な残土の行方の一端が判明したというのがそれなんだけれども、投棄先の地元住民は、残土業者に地方の環境を破壊され続けていると訴えている。今回明らかになったケースは氷山の一角にすぎず、ほかにも規制の弱い自治体が残土ビジネスに狙われている可能性は大きい。

 投棄を直接規制する法整備の必要性の有無について、自治体の四一%が必要とした。特に、県境をまたぐ広域的な投棄への対応や、条例より強い抑止力を望む声が多く、全国統一のルールづくりが求められている。そういう状況ですね。

 まず、事務方に、今、大阪の、さっきの全国の方々が集まった会議の話を、これは国交省も参加をしていますから、その御紹介をいただきたいと思いますが、ちょっと時間がないので割愛をします。でも、そうやってやってきたということですね。

 先ほど申し上げた近畿ブロック知事会による、先々月、三月の提言、これは国交省はどう受けとめていますか。事務方でも結構です。

栗田政府参考人 本年三月、近畿ブロック知事会より、建設発生土の適正処理に関する法律の制定等を求める提言、これを大阪府を通じて国土交通省に頂戴したところでございます。

 提言が提出されました際に、大阪府の、これは事務方の方からですけれども、我々の事務方に法整備の必要についてのお話を伺ったところでございます。

 その中で、一方でということではありますが、大阪府においては、土砂条例を制定され、それから、パトロールの強化、ドローンでの監視、こうしたことを行ったことによって、平成三十年度は大きな問題が発生しておらず、条例の効果があらわれているという認識もお示しいただいたというふうに私は報告を受けております。

 他方、大阪府からは、今委員が御指摘になりましたけれども、条例を制定していない他県等に土砂が搬出されるような事例が発生しているなど、広域的な課題も存在するといったような報告も受けているところでございます。

 先ほど、国土交通省が把握しておりますその後の建設発生土の崩落事案は全国で一件ということでございますが、こうした状況も踏まえつつ、国土交通省としましては、先ほどの参考資料の活用を促進するとともに、地方公共団体が抱える土砂問題の実態把握について、ヒアリング調査等も含め、どのように進めていくか検討していきたいと考えております。

足立委員 栗田局長、これは真面目にやった方がいいですよ。まあ座ってください。

 何か安直に考えているかもしれないけれども、これは、崩れて人命にかかわることが起こったら石井大臣の首が飛びますよ。だって、私の地元で府道が半年とまったときも、例えばそこにバスが走っていたら何十人か亡くなっていますよ。たまたま、たまたま亡くなっていないだけです。

 きょうは、なぜこういう危険な山がたくさん、今、日本の美しい田舎に、地方にそういう残土ビジネスがばっこしているかということをちょっと確認をしていきたいわけでありますが、環境省上田審議官、お越しですね。私は、やはり法律の不備だと思っているんです。

 例えば、皆さん、豊洲市場の混乱を覚えていますね。豊洲市場の地下には有害化学物質等があるんです。当たり前です。だって、日本の都市部の湾岸なんか全部そうですよ。豊洲だけじゃありません。築地もそうです。でも、それは土壌汚染対策法というすばらしい法律ができて、しっかりと有効活用できる、国民の健康被害が絶対に起こらないことを措置した上で、しっかりと日本の大都市を有効活用する措置がとられていますね。

 でも、例えば、小池都知事がまたばかなことを言って、もう豊洲市場をやめる、これをつくりかえるんだ、IRにするんだともし仮に言ったとしましょう。そうしたら、もう一回これは大工事をします。もう一回掘ります。残土が発生します。この発生する危険の、要は、土壌汚染対策法上は大丈夫ですよ。でも、それをもう一回工事をして掘り出した残土が全国に流通したときに、それは安全性を確保できる法的担保はありますか。

上田政府参考人 お答えいたします。

 土壌汚染対策法においては、有害物質を使用した特定施設の使用に伴って、その土地についてのさまざまな措置を講ずるという取組をしておりますけれども、それ以外においても、その実地調査等において土壌汚染等が判明した場合には、知事等が必要な措置を講ずるような、そういった道も残されておる、こういうふうに承知しております。

足立委員 委員の皆さん、わかりましたか、今の。自民党の皆さん、公明党の皆さん、共産党には聞かないけれども、わかりますか、今の説明。

 上田審議官、私は、法律はないという理解なんです。事務方ともかんかんがくがくやりました。要すれば、有害物質、要は化学的に危険性のある土砂が全国の山に積まれているのが現状で、それは明らかに廃棄物なんです。その廃棄物が、土砂だからという理由で、安全確保がなされないまま全国に積んである。そこにちょっと積んであるんじゃないんですよ。山ですよ、山。そこの隣に民家もある、そこの隣に道路も走っている。いいんですか、このままで、環境省。

上田政府参考人 お答えいたします。

 土壌の汚染の防止という観点からは、先ほど土壌汚染対策法の枠組みについて御紹介させていただきましたが、先ほど廃棄物ではないかというふうな御指摘もございました。

 廃棄物については廃棄物処理法に基づき処理をしておりますが、廃棄物の適正な処理等により、その法律というのは、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的として、ごみ、汚泥、ふん尿等の汚物又は不要物、こういうものを対象にして施策を進めております。

 この中で、土砂につきましては、専ら土地造成の目的となる土砂に準ずるものということで、汚物とか不要物とは性質が異なるということで、廃棄物処理法の中では対象外というふうにさせていただいております。

足立委員 今のわかりましたか、与党の皆さん。土砂は対象外なんです。でも、土砂も危険なんです。そうだよね。(上田政府参考人「はい」と呼ぶ)皆さん、聞いてくださいよ、これ。

 きょうは石井大臣がいらっしゃるので、石井大臣は私は尊敬していますから、石井大臣に余り恥をかかせたくないから国交省には今みたいな発言はしていませんが、同じことなんです。

 化学的な危険性のある土砂、これは、一義的には環境省に私は議論をしているんだけれども、例えば積み方、どういう傾斜で、どういう安全確保をとれば崩れないかというような規制もないんですよ。

 国交省、規制はありますか。

栗田政府参考人 物理的な観点で、盛土等の積み方ということで申しますと、宅地造成等規制法といった法令あるいは地方公共団体の条例というものが存在いたします。宅地造成等規制法以外にも、砂防法ですとか、多分委員御存じの法律が幾つかございます。

 ただ、それぞれその法目的に沿いまして適用範囲というのが定められておるということも他方の事実というように承知しております。

足立委員 結局、砂防法とか森林法とかさまざまな法律を霞が関は持っていますよ。それぞれで区域指定をして、さまざまな規制があります。でも、それは別の法益を確保するためにつくられた法律なんです。

 国交省と議論すると、私は、それはどの法令もカバーしていない、白地があるといったら、それはあるんです。あるんだけれども、それは大した面積じゃない、国土のうち。

 時間がないのでもうやめますが、そういう議論があるんだけれども、ほかの法益で、だから、大阪府で最初崩落したときに僕らは何をしたかというと、砂防法を使って業者を取り締まれないか、森林法を使って業者を取り締まれないか、さまざまなことをやりましたよ。でも、究極的には、だって、できないですよ、そんな簡単に。それで条例をつくった。でも、条例は地方自治法でとめられているわけですよ、罰金の上限が。

 だから、これから石井大臣に御検討いただきたいのは、もう出口は二つしかありません。法の不備を正すために建設残土の安全確保のための法律を新しくつくるか、地方自治法を改正して地方公共団体が独自につくれるルールの罰則の上限を上げるかですよ。どっちかしかありません。

 石井大臣、どっちがいいですか。

石井国務大臣 建設発生土につきましては、平成二十九年八月に関係府省で作成をいたしました建設発生土の取扱いに関わる実務担当者のための参考資料を活用いたしまして、関係法令や条例に基づく適正な取扱いを地方公共団体に一層促してまいりたいと考えております。

 また、御紹介いただきました、残土等にかかる土砂問題対策全国ネットワーク会議等を活用いたしまして、地方公共団体間の情報交換を促進するとともに、各団体における条例の策定状況を含めまして、まずは、より一層の実態把握に努めてまいりたいと考えております。

 こうした取組を進めつつ、関係府省とも連携をいたしながら、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。

足立委員 きょうはここまでだと思いますが、栗田局長、これは本当に、事故ったら石井大臣の首が飛びますよ。大臣守った方がいいですよ、ちゃんと。だから、しっかりと法律の検討をする。ちょっと、検討するぐらい言って、きょう終わりましょうよ。

栗田政府参考人 今大臣から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、今、近畿ブロック知事会からの御提言も頂戴いたしました。残土等にかかる全国ネットワーク会議、これは二十三の府県ということでございます。そういったメンバーからの詳しいヒアリング調査を行うことも含めて、まずは、土砂問題の実態把握、これをどのように進めていくか、検討を急ぎたいというふうに考えているところでございます。

足立委員 栗田局長に一つお願いがあります。今申し上げた、これをずっとやってきてくださった竹内副知事が、もう辞令出たかな、どうかわからないんだけれども、言っていいのかな、多分大丈夫なんだけれども、後で怒られるかな、万博の事務局に、万博協会に異動します。だから、この仕事を離れるんですね。ぜひその前に、もう離れているかもしれないけれども、栗田局長が竹内副知事とちょっと会って、しっかりと竹内副知事の思い、問題意識を聞いてくれますか。

栗田政府参考人 前職の都市局長時代に竹内副知事は直接の面識も頂戴しております。また機会を得られるように、私なりに努力したいと思います。

足立委員 お願いします。

 もうあと一分しかないので、最後、森友学園です。

 皆さん、ぜひ御認識いただきたいことは、ごみってややこしいんですよ。きょうの議論でも大変ややこしい。更に言うと、また別途やりますけれども、一般廃棄物と産業廃棄物の線引きもすごく難しいんですよ。だから、申し上げたいことは、森友学園なんて、安倍政権は関係ありませんよ、ごみの問題なんです。あるいは不動産鑑定評価の問題なんです。ところが、何かよくわからない野党の皆さんが、また何かやり始めているでしょう、合同ヒアリング。

 どうですか、呼ばれている事務方の人たち。野党の合同ヒアリング。もう質疑時間は終わりましたけれども、一言だけ。野党の合同ヒアリング、意味ありますか、あれ。

谷委員長 蝦名局長、既に時間が経過しておりますので、簡単にお願いします。

蝦名政府参考人 お答え申し上げます。

 森友学園に対する国有地売却に関する野党合同ヒアリングにつきましては、国土交通省としては、これまでも担当者が出席して対応してきておりますけれども、このヒアリングそのものについてコメントを申し上げる立場にはございません。

足立委員 もう終わりますが、とにかく野党には、ちゃんと僕ぐらい勉強して合同ヒアリングに臨むようお願いして、質問を終わります。ありがとうございます。

     ――――◇―――――

谷委員長 次に、内閣提出、船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣石井啓一君。

    ―――――――――――――

 船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

石井国務大臣 ただいま議題となりました船舶油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 船舶から流出等した燃料油による汚染損害及び海難により生じた座礁船舶等の難破物の除去に要した費用に係る損害につきましては、我が国において一定の船舶に対して保障契約の締結を義務づけることにより被害者の保護を図ってまいりました。

 一方で、近年の我が国近海の海難事故において、保障契約が締結されているにもかかわらず、保険者等から保険金が支払われず、被害者への賠償もなされない事案が発生していることから、二千一年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約及び二千七年の難破物の除去に関するナイロビ国際条約の国内法制化により、これらの損害の被害者への賠償が確実に実施されるための措置を講ずる必要があります。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、海難等により生ずるこれらの損害について、船舶所有者等に責任が発生した際に、被害者から保険者等に対して損害賠償額の支払いを直接請求できることとしております。

 第二に、船舶から流出等した燃料油による汚染損害に係る損害賠償請求について、締約国の裁判所が下す判決が、我が国においても効力を有することとしております。

 第三に、これらの損害に対する保障契約の締結を義務づける船舶の範囲を、一定の内航船舶等にも拡大することとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとします。

 なお、来週金曜日、十七日午前中、建設業法等の一部改正の審査のための視察を行う予定でございます。詳細は追って各委員に御案内いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十四分散会


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