衆議院

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第12号 令和2年5月15日(金曜日)

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令和二年五月十五日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 土井  亨君

   理事 小里 泰弘君 理事 金子 恭之君

   理事 工藤 彰三君 理事 根本 幸典君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 小宮山泰子君

   理事 福田 昭夫君 理事 岡本 三成君

      秋本 真利君    池田 道孝君

      今枝宗一郎君    小田原 潔君

      大塚 高司君    大西 英男君

      鬼木  誠君    門  博文君

      神谷  昇君    小林 茂樹君

      高村 正大君    佐々木 紀君

      笹川 博義君    田所 嘉徳君

      田中 英之君    谷川 とむ君

      土屋 品子君    中村 裕之君

      長坂 康正君    鳩山 二郎君

      深澤 陽一君    星野 剛士君

      堀井  学君    三谷 英弘君

      宮内 秀樹君    簗  和生君

      山本  拓君    荒井  聰君

      伊藤 俊輔君    西岡 秀子君

      広田  一君    古川 元久君

      馬淵 澄夫君    道下 大樹君

      矢上 雅義君    谷田川 元君

      伊藤  渉君    北側 一雄君

      高橋千鶴子君    井上 英孝君

    …………………………………

   国土交通大臣       赤羽 一嘉君

   国土交通副大臣      青木 一彦君

   国土交通大臣政務官    門  博文君

   国土交通大臣政務官    佐々木 紀君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 野村 正史君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            山上 範芳君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            蒲生 篤実君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            坂根 工博君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  北村 知久君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        五道 仁実君

   政府参考人

   (国土交通省政策統括官) 深澤 典宏君

   国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十五日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     高村 正大君

  大塚 高司君     笹川 博義君

  大西 英男君     池田 道孝君

  長坂 康正君     今枝宗一郎君

  宮内 秀樹君     星野 剛士君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 道孝君     大西 英男君

  今枝宗一郎君     長坂 康正君

  高村 正大君     秋本 真利君

  笹川 博義君     大塚 高司君

  星野 剛士君     宮内 秀樹君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)


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     ――――◇―――――

土井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長野村正史君、大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官山上範芳君、総合政策局長蒲生篤実君、国土政策局長坂根工博君、都市局長北村知久君、水管理・国土保全局長五道仁実君及び政策統括官深澤典宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。荒井聰君。

荒井委員 おはようございます。荒井聰でございます。

 きょうは、赤羽大臣と少し真剣な議論をしてみたいと思います。

 というのは、このコロナの対応をめぐってさまざまなことが起きたわけですけれども、天下の愚策と言われる布マスクの全戸配布、そして、二月の二十七日に突然総理が言い出しました全国一斉休校です。

 全国一斉休校というのは、今まで、戦時中においても日本はやっていません。あるいは、パンデミックスの歴史上最大のものと言われているスペイン風邪のときでも、一斉休校という措置は行っていません。それが、ほとんど科学的な根拠がないまま一斉休校が行われた。

 北海道では、このことをめぐって、当時非常に尽力をした北海道教育委員会の教育長が突然死をされました。労災ではないかというふうにも言われているんですけれども、彼にとっては相当なプレッシャーがかかったんだろうというふうに私は思います。

 それだけの犠牲を払って、これによってどのぐらいの効果があったのか、いまだに公表されていません。専門家会議の中では、小さな子供たちにはそれほどクラスターなり感染の大きな影響はないということを言われる方もおられます。

 今回、昨日ですか、政府は、非常事態宣言の解除に向けて動きがあったわけなんですけれども、このマスクの話とそれから休校の話についての評価というのは全く行われていない。それだけではなくて、非常事態宣言をするときの入り口の定義、こうこうこうだから、数字的にこうだから非常事態を宣言するのだというその説明すら行っていません。

 私は、官邸の中に、あるいは政府・与党の中に、こういうことについてしっかりと安倍総理に、あるいは官邸に物申す人がいないのか、これでは一番苦難をしょうのは国民じゃないか、そう思っていたやさきに、御党、公明党さんの山口代表がまなじりを決して安倍さんに抗議をし、三十万円交付の政策を十万円に切りかえさせた。このときには、決断の仕方というのが、連立から離脱するかもしれない、大臣自身もそのときには懐に辞表を抱いたのではないかと私は思いますけれども。

 政治家ってそういうものなんだと思うんですよね。この政策はおかしいんじゃないかと思ったら、それこそ、まなじりを決して決断する、自分の職を賭して決断する、そういうものじゃないかと思うんですけれども、今、安倍さんの周りにそういう人はいるんでしょうか。

 そういうことを私はお伺いしたいので、赤羽さんときょう話をしたいというふうに思います。

 第一点は、官邸に本当に司令塔があるんでしょうか。

 危機管理の所管は官房長官のはずです。そして、官房長官の下に官房副長官がいて、危機管理監がいて、そして、こういうときに私は当然出てくるだろうと思っていた和泉さん、役所関係ではそういう人が機能化するんだろうというふうに思いましたけれども、そのラインはほとんど動いていない。西村経済財政担当大臣にこの調整をさせていると言っておりますけれども、日本の国家行政組織法ではそうなっていないんじゃないですか。

 官房長官からさまざまな指示や調整が、調整機能が、国家組織法では与えられているのであって、そういう他省庁に対する指示あるいは調整というのは、まあ、特別なことだということで総理から指示があったのかもしれませんけれども、しかし、他省庁の調整機能というのは官房長官に託しているのであって、総理大臣といえども各大臣と同列のはずなんですよね。ただ人事権を持っている、そういう意味ですけれども。

 その意味では、私は、官邸を挙げて、あるいは政府・与党を挙げて、この国難と言われているものに真っ向からぶつかっているというふうには思えないんですけれども、赤羽大臣、どう思われますか。

赤羽国務大臣 私の大変尊敬する荒井先生の御指摘でありますし、さまざまな御批判につきましても甘受してお受けをするという立場でございます。

 私自身も、安倍総理大臣を対策本部長とする政府の対策本部の一員であり、検疫官等々の指示のもとにさまざまな国土交通所管のところで支援をさせていただいております。

 新型コロナウイルスの発生以来、一月下旬から、武漢市からの在留邦人の帰国を始めとして、そうしたことを国土交通省の所掌の分野として全力で当たってきました。

 その間に、新型コロナウイルスというものの性質というか正体が十分わかり切っていない中で、よかれと思ってやったことが、結果として、陰性であったということを確認をとって御自宅に帰った方の中で、わずかではあったわけでありますが陽性に転じたということについての御批判も、ここの委員会でも受けましたし、そうしたさまざまな、言い分はありますけれども、しかし、やはり結果責任でありますので、そうしたことは全てお受けをし、政府としてしかるべきときに総括をするべきだというふうにかねがね考えておるところでございます。

 司令塔不足、私はだからそうした意味で、自分の与えられたところを全力で当たっているので、全体としてどうだったかということをなかなか、私自身も正直言って見えているわけじゃありませんし、それをまして批評するような立場、余裕もないというのが私の正直な話でございます。

 ただ、官房長官が責任を持っていないというのは、私の知る範囲ではそうしたことは事実ではなくて、例えばこの緊急事態の中で一番心配されている医療のベッドの手配ですとかそうしたこと、そもそもを言うと、ダイヤモンド・プリンセス号が横浜に到着をしたときに、その中で陽性の感染があるのではないかという第一報を受けてから、私も国土交通大臣として官房長官の指示のもとでさまざま動いてきたというような経緯もありますし、その中で、今お名前が出ました和泉補佐官も官房長官のもとで具体的な仕事もしているというのは、私は承知をしているところでございます。

 しかし、いずれにしても、こうした未曽有の中で、いまだに拡大があり、また長期化している、数多くの国民の皆様が大変な状況、苦難を忍んでいただいている、また犠牲も出てしまったということについては、厳粛に受けとめ、政府として総括すべきところで総括はしなければいけない、こう思っているところでございます。

 引き続き、私が今与えられた職務、政府の対策本部の一員として、全力で事に当たらなければいけない、私が述べられるのは以上でございます。

荒井委員 大臣は全員一致ですから、全員一致で政策を決めていくわけですので、私は、自分の所掌はもちろん所掌としてしっかり大事に守っていくということが必要だと思いますけれども、それ以外に、常識から考えてこれはおかしいじゃないかというようなこと、あるいは、組織の動かし方、その組織の動かし方としてここに目詰まりがあるんじゃないかと思ったことは、積極的に閣内で議論を上げていくということをしていくべきだというふうに思います。

 そんな中で、あいつが嫌いだからとか好きだとか、あるいは、誰々が不祥事に近いようなことがあったからとかということで、何かしら動きに制約を加えるようなことというのは、私は、この際ですから、あってはならない。誰かかわりの人がいるのならばそれでも構わないんだけれども、こういうことに関してノウハウを持っている人は徹底的に使っていく、使い倒していくというぐらいのことが私は必要だというふうに思います。そのことを伝えたいと思います。

 ところで、こういう国難のときです。立憲民主党を始めとする野党は、与党に対して協力をすると言いました。実際、協力をしています。これは、九年前の東北大震災のとき、当時の民主党がいろいろな政策を立案したときに、あるいはその協力を求めようとしたときに、必ずしも与党は今の私たちのような立場をとってくれませんでした。かなりの件で相当な対応をとらされたという覚えがあります。私はあのとき、閣内にいましたから。

 そのことを考えれば、今の野党の立場というのは、中には少し親切過ぎるということを言う人もいるぐらいですけれども、私は、相当思い切ったことをやっているというふうに思っています。それは国難だからですよね。与党、野党ないという、そういう立場だからその立場をとっているんですけれども。

 そんなときに、わざわざ与党と野党の対決法案を出してきて、それを分断するようなことというのは、私は誰が考えたのかわかりませんけれども、せっかく結束してみんなでやろうよと言っているときに、そういうものでそれをさお差すという、そういうことというのは、私は本来あってはならないんだと思うんですけれども、大臣、どう思われますか。

赤羽国務大臣 具体的には何をお示しされているんですか。

荒井委員 検察庁法の改正です、具体的には。

赤羽国務大臣 一般論として、もちろん、こうした災害のときには与野党を超えてということで、私自身も、私は東日本大震災のときには残念ながらその前の総選挙で落選をしていましたので、在野の中でできることをということで懸命にやりました。阪神・淡路大震災のときは、野党でありましたが、地元の選出ということもあり、また、そうした意味で、そのときも与野党を超えてということで、具体的な提案をし、現場からの声を続けさせていただきました。

 そうした思いは、私が国土交通大臣として心がけていることは、与党の皆さんだけじゃなくて野党の皆さんからの提案もしっかり受けさせていただきながら、国土交通行政に関しての支援策には、皆さん方の現場からの知恵を、有用なものはできるだけ積極的に受け入れていこうという姿勢を変えていることは全くありません。

 この国会の中の、今の法案の取扱いにつきましては、私の立場で物を申すというのは、それは国会でお決めになることでありますし、それ以上のことは申し上げることはできない。ただ、私が与えられている立場としては、野党の皆さんの意見だからといって否定的なことを言うわけじゃなくて、与野党かかわらず、現場の生の声、建設的な意見については、しっかりと指導をいただきながら、より、被災を受けられた方、また、これからの日本の将来のためになることはしっかりと進めていこうと。そこには、いささかも私は揺るぎなく、信念を持って取り組んでいるつもりでございます。

荒井委員 大臣の立場としては、そこぐらいしか言えないんだろうと思うんですけれども。

 ところで、各国の首脳の中で、ボリス・ジョンソンというイギリスの首相が感染をして死線をさまよったというふうに言われています。

 私は、政治家の覚悟として、この対策に本当に体を張って対応したんだなと。もちろん、イギリスのやり方が、自然免疫、集団免疫を獲得するまでコロナの感染の蔓延というのはやまないだろうという知識をもとに、なるべく早く国民に感染の免疫が、抗体ができるようにという、そういう政策もあるんだそうですけれども、それが結果的には失敗したということをも物語っているんだと思うんですけれども。私は、ジョンソンの体を張ったそういうものというのは、決して褒められたことではないけれども、しかし、よくやったというふうに私自身は思います。

 今、政治家もそれからジャーナリストも、みんな家に閉じこもってしまって、本来やるべきことをやっていないんじゃないか。一体どのぐらいの政治家が、今の医療現場がどれだけ逼迫しているか、あるいは保健所がどういう仕事で忙殺されているのか、なぜPCRの検査が伸びないのかということを、意見交換なりあるいは現場を見た人がいるでしょうか。多分いないと思います。あるいは、新聞記者もそういう報道、このごろやっと少し出てきましたけれども、当初、感染を恐れて外に出ていかないということで、メディアの役割を私は果たしていなかったんじゃないかと思います。

 そんな中で、国交省の自動車局を中心に集団感染が発生したというふうに聞いております。大変残念なことというか、逆に言うと、私は、前面に出て働いたんじゃないだろうかと、彼らは。というのは、今この国交省所管の中で最も大事なのは、物流を扱うところですよね。物流を確保することこそ、国民の生活の安心というものを確保するからです。そこと意見交換をしていく中で、当然、感染のリスクが出てきたというのは、私はやむを得ないんだろうと思います。

 そしてまた、集団免疫というのは、国民の約六割が抗体を持って初めて集団免疫ができると言っていますから、いずれ、私たちも含めて、六割から八割ぐらいの人は感染するということも物語っているわけですね。

 そういう中で、今度の自動車局のそういう人たちに対してどういうふうに考えるのか。あるいは、今後の、国交省、国民の生活と非常に密接なところで仕事をしている皆さん方の健康を守るというのではどういう対策があるのかということをお聞かせ願いたいと思うんですけれども。

赤羽国務大臣 今、本省で起きました、自動車局で感染が発生したのは、先生の御指摘のとおりでございますし、そもそも、私たち国土交通省は、全国に地方整備局、地方運輸局という、極めて限りなく、公共工事また物流、公共交通機関という、この特措法の中でも、緊急事態の中においても、その最低限の使命と責任を果たすようにということが指定されている分野を抱えている、そういう意味では、大変、ある意味ではリスクの高い分野を所掌させていただいている役所だというふうに、そう思っております。

 だからこそ、日ごろの健康維持、チェック、もちろん、業界の皆さんにも励行をお願いしている、うがい、手洗いの励行、そして毎日の検温、また、本省で感染が発覚したとき以来、国交省の玄関にはサーモグラフィーを置いて必ずチェックをしてから入るといったところとか、在宅のテレワークにつきましても、現場を抱えていて七割削減というのは大変厳しいんですけれども、ぎりぎりのところでそれはしっかり徹底する、あと、体調が悪いときには間髪を入れずに休む。こうしたことをするということが、感染から身を守りながら、我々も与えられた重大な責任を果たすということを肝に銘じながらやっているわけでございます。

 そうしたことをしながら、また、感染をした職員について、感染の原因というのは必ずしも全てはっきりしているわけではないんですけれども、とうとい使命と責任を果たす中で感染をされてしまったということは、批判されがちでありますけれども、私はやはりしっかり守らなければいけないと思っておりますし、御家族の心労も大変なものですから、御家族に対するお見舞いもさせていただきながら、しっかりと抱え込んで、全ての職員の健康と安全は私自身の責任の中にあるという思いでしっかりと頑張っていきたい、こう思っておるところでございます。

荒井委員 それを聞いて安心しました。

 ともすると、今、感染者というのは、何かしら、自粛ポリスといったような変な動きがあって、非難の対象になっているというようなことがあります。私は、これは絶対やってはいけないことだというふうに思いますので、この自粛ポリスの話はまた後ほどちょっとやりたいと思いますけれども。

 そんな中で、何日の新聞だったでしょうか、下水道、東京都が感染の実態を下水で調査するという新聞記事、これは日経新聞ですかね、載せておきましたけれども、これは大変すばらしい試みだと思います。世界的にもこういうことに関心を持っているところがあるんだろうというふうに思いますけれども。

 今、日本のコロナ感染症の世界に比べて一番特異的なのは、死亡率が少ないということですね。この死亡率が少ないのは、今の政府のとった政策なり行動が適正だったということではなくて、私たちの先人が行ってきた医療皆保険、どんな人でも保険で医療を受けられるという制度と、もう一つは、公衆衛生のインフラを整えたということで、その代表が下水だと思います。

 私は若いころスリランカのコロンボというところに行きましたけれども、大使館の書記官として行ったんですけれども、そのときに、英国の植民地経営というのを学ぶことができました。彼らは、植民地経営をするのに一番最初にやったことは何かというと、下水道をつくることだったんですね。

 今、アジアのかつて植民地だったところの感染率というのはそんなに高くない。どうしてだろうと。BCGが影響しているのかといったようなこともありますけれども、私は下水道の整備だというふうに思います。そういう意味では、我が国の下水道というのは、公衆衛生上も本当によく機能したんだと。

 そして今回は、この下水を使ってウイルスの感染状況とか広域状況を調べるという新しいイノベーション、これに挑戦しようとしているということで、私はすばらしいことだなというふうに思いますけれども、このところを大臣はどうお考えでしょうか。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど委員から御指摘ございましたけれども、オランダやフランスなどにおきまして、下水道に含まれる新型コロナウイルスの量を調査するための研究などが行われていることにつきましては、研究論文等で承知しているところでございます。

 我が国においても、日本水環境学会がタスクフォースを設置して、下水に含まれる新型コロナウイルスの定量的な分析の手法の確立の研究を行う予定であるというふうに聞いているところでございます。本タスクフォースには、国土交通省の国土技術政策総合研究所から職員が参加をするということにしているところでございます。

 今、各国におきまして、例えば下水のサンプルの濃縮の方法であるとか、また試薬の種類というものにつきまして、さまざまな手法を用いて定量的な分析の試みが進められている中でございまして、今回の学会の取組というものにつきましても、まさにその分析手法を確立する、開始する段階にあるというところだ、こういうふうに考えております。

荒井委員 パンデミックスは、最初から約三年ぐらい、二年から三年ぐらい続く、そして第二波が一番大きな影響が出てくるんだというのが、これがスペイン風邪のときの経験です。日本でも、二〇〇九年の鳥型インフルエンザのときも、やはりその傾向だったのではないかというふうに思います。感染の専門家は、日本も第二の波がこの冬に来るのではないかということを警告しています。

 今、下水の調査は東京都だけですけれども、全国的にこういう手法をぜひ広げていくべきだというふうに思います。

 今回、政府の行った最も大きな問題は、検査数が不足していたということです、あるいは検査を抑制していたということです。検査なくして、つまり相手側を知らなくして、戦いは相手を知らなくして戦争にはなりません。どのぐらい市中感染も含めて感染しているのかということをしっかり把握するということが、一番、基本中の基本だったにもかかわらず、それができていなかったということが、あちこちでクラスターが発生するその原因になったというふうに私は思います。

 きょうは都市再生特別措置法の改正の話ですので、そちらにちょっと移らせていただきます。

 全国的に集中豪雨あるいは台風が発生をして、あちこちで洪水が出てきているわけです。洪水対策について、私はいろいろな考え方を持っていますのでまた別途指摘をしたいと思いますけれども、居住区、居住地域というものを設定して、今現在そこに住んでいる人たちを移していくというのが都市再生特別措置法の考え方だろうというふうに思いますけれども、移していこうという中で、レッドゾーンと言われている災害多発地域、あるいは、災害の危険性の高いところが結構あるということがかねてから指摘されていたわけなんですけれども、この状況というのは事務方はつかんでいますか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の都市再生特別措置法で、立地適正化計画というコンパクトシティーを推進する計画がございます。こちらについては、当然、立地を誘導する、そちらに住んでくださいという計画でございますので安全である必要がございますが、残念ながら、私どもの方で調査をしたところ、建築基準法に基づく災害危険区域、あとは土砂災害特別警戒区域、こういったところを指定している例が全国で現時点では十三カ所あるというふうに私ども承知しているところでございます。

荒井委員 今回の法律の中では、農地とか緑地にかかわることも、本来、換地の手法で集めることができるんですね。後でアメリカの学会のポストコロナにおける都市計画の考え方ということをちょっと御紹介しながら議論したいと思っているんですけれども、そういうことからいくと、緑あるいは水辺、そういうものを都市計画の中に積極的に取り入れていく、そういう時期に来ているんだと思うんだけれども、そこはどうですか。事務当局でいいです。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、水また緑といった空間は、都市を構成する要素として非常に重要な要素だと思います。

 今回のコロナの問題等、都市のあり方を考える中でも、そういった水辺空間とか緑、こういったものを有効的に活用していく、こういった考え方を私ども今後よく考えていかなきゃならないというふうに認識しているところでございます。

荒井委員 皆さんのお手元に資料を配付したと思いますけれども、アメリカのワシントンDCに拠点を置く学際機関が、ポストコロナにおける都市計画のあり方についてということで提言をしています。その中では、緑や水辺空間への総合的なアプローチとか、都市と地方を一体的に考える都市計画といったようなことを提言しております。私はもっともだと思います。残念ながら、今度の都市再開発の中ではこういう観点が少し乏しかったのではないか。

 というよりも、もともと、コンパクトシティーの考え方というのは、経済的合理性とかあるいは利便性とかそういうものに特化をした考え方であり、どちらかというと、私は、新自由主義的な考え方がそこに色濃く入っているのではないかと。しかし、そういう新自由主義的な、経済優先といいますか、そういう考え方というのは、このコロナの蔓延によって大きなしっぺ返しを食らったんじゃないか。グローバルな貿易を促進させていく、あるいはグローバルな金融を促進させていく、あるいは経済合理性を第一に考えていく、そういう考え方に対して、この感染症というのは大きな警鐘を鳴らしたのではないだろうかというふうに私は思うんですけれども、そこは大臣はどうお考えでしょうか。

赤羽国務大臣 今回の新型コロナウイルス感染症、これはある意味で未曽有の感染症の被害に置かれ、これだけ世界じゅうが長期化しているという中では、私も、想像でありますけれども、ポストコロナ、相当これは、時代的に、恐らく後で振り返ると、随分フェーズが変わる大変大きな契機になるのではないか。そうしたことで、私、これは個人的な意見ですけれども、東京一極集中みたいなところが改善されるきっかけになるのではないかというようなことも思うところもございます。

 ただ、先ほど荒井先生御指摘の、コンパクトシティーが新経済主義というか、そういう見方があることは否定しませんが、私どもは、やはり少子高齢化、人口減少化の中で、郊外に膨張してしまったこれまでのまちづくりが、住んでいる人自身にとっても非常に利便性が低下している、病院に行くにも買物に行くにも、高齢者自体が車の免許を持てないと何も生活ができなくなるという現実から見ると、コンパクト・プラス・ネットワークシティーというのは、これは大変言うはやすいんですけれども実現するのは難しいですけれども、やはりそういった方向に行かざるを得ない。これは新経済主義云々ということではなくて、やはり時代の要請だというふうに、私はそう捉えて進んでいるところでございます。

 いずれにしても、しかし、今回、感染症のこうした事態を受けて、時代の状況というか社会のあり方も随分大きな影響を受けるのは間違いないと思いますので、今、アフターコロナとかウイズコロナというようなことも出ていますが、そうしたことをどう踏まえてこれからの国土交通省の政策を展開していくかというのは十分考えていかなければいけない、こう考えております。

荒井委員 ポストコロナあるいはウイズコロナ、コロナが終わっても、恐らく感染症はまた次の新しい感染症が出てくるんだろうと。

 そうすると、町というのは、かつて中世のときには、町というのは外敵から守るために城壁をつくって、そこに一番大事な、エッセンシャルな人たちを城壁の中に住まわせ、農民は外に住まわせ、外敵が押し寄せたらみんな城壁の中に入れる。城壁ということを一つの区切りとして、設備として、都市の重要な機能としてつくったわけですね。

 日本では、中世になりますと、織田信長なんかが中心ですけれども、取引、貿易とまではいかない、商取引ができるような、道路の交差点だとか、そういうところに町をつくっていく、それに便利なようなそういう機能を持たせていくというまちづくりが、江戸時代なんかのつくり方だったというふうに思うんですよね。

 私は、ポストコロナというのは、今度、感染症の蔓延に対する防御ということを念頭に入れたまちづくりということが大事なんじゃないだろうかと。そのためには、地方との結びつき、あるいは流通のちゃんとできるということ。

 私も、地域開発とか地域計画とかというのは経験があるんですけれども、高等学校と病院と鉄道がなくなったらその地域は崩壊します。今、鉄道もそれから病院も高等学校も、北海道では残念ながらなくなろうとしていますけれども、これらをどう再建するのかということはとても大きなことだというふうに思っています。

 そういう点、大臣に御見解があったらお聞かせ願えますか。

赤羽国務大臣 先生の言われる鉄道、病院、学校というのは、やはり人が生きていく上で非常に重要なアイテムだというふうに思っておりますし、その御指摘というのは、なるほどそうなのかなと思って、今聞かせていただきました。

 ただ、北海道だけではなくて、私の兵庫県の中でも、やはり、人口が減少して、そこで医療機関が維持できないという市町村は数多くございます。そうした中でやられているのは、幾つかの市、町が集まって、地域連合みたいな形で役割分担をしてそうしたことが展開されている例というのも、兵庫県の中でも幾つかございます。

 恐らく、そういうふうな方向でいかないと、やはり、人口過疎化が究極になって、福祉の最低限のナショナルスタンダードも維持できないような現象とか、学校が地元になくなるといったことが出てくるというのは、そう遠い将来の話ではなく、身近なこととして考えていかなければいけない、こう思っております。

 加えて、北海道については、JR北海道の、これは具体的な話ですけれども、今、国交省を挙げて全力で死守していかなければいけないと思っておりますので、そのことだけ一言付言させていただきたいと思います。

荒井委員 JR北海道問題については、貨物問題等含めて、一度じっくり大臣と議論したいなというふうに思っています。

 時間が来ましたので最後の質問に移りたいと思いますけれども、「軽症者ホテル頓挫」という新聞記事を、これは毎日新聞の記事ですけれども、これに象徴されるように、医療関係者であるとか、あるいは先々日大臣がおっしゃっていたトラック運転手さんの話だとか、そういうエッセンシャルな仕事についている子供さんたちあるいは住民に対して差別的な言動が行われている。

 私は、今、世界じゅうが二つに分かれているんじゃないかと。一つは、医療従事者を含めてコロナと戦っている人たちにエールを送る国々。イタリアだとかあるいはフランスなんかでは、道路に出ないでバルコニーの上で踊ったり歌ったりしてそういうキャンペーンをする、あるいは、動画を使って、これはというような、芸能人を中心とする支援のキャンペーンが行われている。私は、これは非常に美しいというか、あるいは、医療従事者にとっては非常に激励されるんだと思うんです。もう一つの国は、逆に、差別をする、偏見をする、自分たちのところに寄ってくるなというような偏見がある。

 私は、ある学校法人の理事長をしています、やむなく引き受けたんですけれども。その中で保育園をやっているんですけれども、病院の関係者、看護師さんの子供さんたちを随分預かっているんですけれども、そうじゃない人たちからさまざまな形で、あるいは働いている保育士さんから、感染するかもしれないから云々かんぬんというようなクレームといいますか、あるいは要請を受けます。そんなときに私は、いや、子供たちを守ってやることこそ、結果的には、コロナ対策、コロナからの脱却が早まるんだから頑張ってくれ、我慢してやってくれという話をしているんです。

 私は、今度の日本のこういうような偏見に満ちたこの形を打ち破るのには、政府のトップを含めて極めて著名な方々がエールを送っているのを、単に言葉だけではなくて、スタイルとして、あるいは見えるものとして打ち出していくことが必要だと思うんです。

 大臣に踊ってくれとは言わないですけれども、そういうことが大事なんじゃないかと思うんですけれども、大臣の御決意を聞かせてください。

赤羽国務大臣 今回の感染症の拡大の中で、世界各国、日本だけではなくて世界各国で、分断の問題というのがあり、医療従事者に対して、本来、尊敬するべきところが、医療の世界の中でも差別が起こっているということが世界じゅうの問題としてニュースになって、それに対して、そうじゃないんだという多くの国民というか皆さんが立ち上がって、医療関係者を始めエッセンシャルワーカーに従事していただいている方たちにエールが送られているということは、大変私は評価すべきというか、ありがたい話だと思っております。

 私も、所掌しているところでいうと、物流に関係するトラック事業者ですとか、タクシー、バス、本当に感染のリスクが高い中で全力でやっていただいているとか、あと、復旧工事、ことしの出水期までに何とか河川の工事をといって額に汗を流しながらやっていただいている方たちに対しても、ホームページで私自身の感謝の言葉を掲載したりとかさまざまなことをやっておりますけれども、私以上に、その感謝の思いが伝わるような仕組みというか、その思いを形にできるような取組を、先生からの御指摘もありますので、しっかりと具体化して取り組みたい、こう考えております。

 御指導ありがとうございます。

荒井委員 そういう発信力というのは、政府の要人にまさるものはないわけですから、ぜひそういう発信をしていただけますように。

 そして、きょうはマスコミの方もおられますけれども、もっと医療現場の報道をするべきだというふうに思いますよね。あるいは、この所管ですと流通の現場を報道してもらうということを心がけていただけますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

土井委員長 次に、谷田川元君。

谷田川委員 おはようございます。野党共同会派、立国社の谷田川元です。

 きょうは、都市再生特別措置法等を改正する法案の審議が議題ですけれども、その前に、コロナウイルスに関する質問を幾つかしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 私ども国民民主党に所属する議員が、選挙区内の事業所に往復はがきを送りまして、新型コロナウイルスによる影響についてアンケート調査を行いました。私の場合、成田市を始めとする五市四町、つまり千葉県十区内の企業約四千社に発送したところ、一割を超える会社から返信がありました。そのうち約九割が、コロナウイルスが業績に影響があると回答しております。特に、空港関連産業や観光業者が一番苦しんでいる実態が浮き彫りになりました。売上げが前年同月比九〇%とか一〇〇%減少、そういう会社も十数社ありました。

 特に必要な対策として、雇用調整助成金制度の改善を求める声がかなりありました。申請書類が煩雑で、現金を手にするまで時間がかかり過ぎるというのが代表的な意見ですが、一人当たり一日八千三百三十円という上限規制は、きのう安倍総理が会見で一万五千円まで引き上げるということを言っていただいたので、これはこれで非常に歓迎すべきことでありますけれども、しかし、支給まで時間がかかり過ぎるという、この問題は根本的に解決されておりません。三日前のNHKニュースでも、相談は延べ約二十七万件あるにもかかわらず、支給されたのはわずか約五千件という報道もありました。

 そこで、まず国交省に伺いますけれども、災害時の緊急事態において、復旧を急ぐために行っている査定前着工という制度がありますが、これをわかりやすく簡潔に説明してください。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 災害により被災した公共土木施設の復旧について、地方公共団体が国庫負担金を受けるためには、設計図書等を提出した上で、事業費を決定する災害査定を受けることとなっております。堤防の決壊や道路の通行どめなど、早急に対応が必要なときには、あらかじめ被災状況が確認できる写真等の記録を残した上で、災害査定を待たずに工事に着工する場合があり、これを査定前着工というふうに呼んでございます。

 なお、この査定前着工をした事業についても、国庫負担金を受けるためには災害査定をその後受ける必要がございまして、そのために必要となる書類や手続は、被災当時の状況が確認できる写真等を用意するということが必要なこと以外は、工事着手が災害査定の前であろうが後であろうが同じということでございます。

谷田川委員 まさに通常じゃなくて緊急事態であれば、そういうような対応が必要だということは、皆さん、おわかりいただけると思うんですね。

 実は、こういった査定前着工というのは農林水産省でもあるんです。今から九年前の東日本大震災でも、これは大規模に実施されたんです。

 私、今でも忘れないんですよ。ちょうど、発災したのが三月十一日で、その一週間後なんですが、私の地元に香北土地改良区というかなり大きな土地改良区があるんですが、そこの役員に、ちょっと来てくれといって呼び出されたんですよ。そうしたら、用排水路が寸断されて、その現場を見ましたけれども、もうとても対応できる状態にない。

 幸い、激甚災害に指定されました。ですから、激甚災害に指定されますと、ほとんど国の費用で復旧費用は面倒を見てくれます。ところが、当時、千葉県の担当職員が、査定官が現場を見て査定が終了するまで工事に取りかかれない、もし査定を経ないで工事をやっちゃったらその費用は全部自分持ちだよ、そんなことを言ったんですよ。では、その査定官はいつ来るんだと聞いたら、何と三カ月先だというんですよ。そうすると、もう六月の中旬ですよ。とても田植に間に合わない。

 私、何とかならないかと農水省にかけ合ったんですよ。そうしたら農水省が、査定前着工というのがあるんだ、簡単な書類と証拠写真を提示するだけですぐやれますと。

 当初、香北土地改良区は、このままだと田植は二割もできないんじゃないかと言われていたんですよね。何と、査定前着工のおかげで九割田植ができたんですよ、九割も。

 私、このとき学んだ教訓というのは、災害時のような緊急事態においては、やはり通常の対応では困っている人を救えないということなんですよ。私は、今の厚労省の対応というのは、当時の千葉県職員の対応と非常に重なって見えるんです。

 きのう、安倍総理が会見で、勤め先企業から休業手当を受け取れない人に対して国が直接給付金を支払う制度を創設することを発表されました。多分、これも厚労省が担当されるんじゃないかなと想像されます。また、先ほど申し上げましたけれども、雇用調整助成金も八千三百三十円が一万五千円になったということで、それだったら申請しようという人がふえるかもしれません。そうなると、厚労省の業務負担は大変なものがありますよね。

 そこで、大臣、国交省とか農水省のこの査定前着工の精神、これは、困っている人にできるだけ早く手が差し伸べられる、そういう精神だと思うんですよ。ぜひ、その精神を閣議やあるいはあらゆる場を通じて説いていただいて、何とかこの厚労省の雇用調整助成金も審査前給付をすべきだ、そういうことを言っていただけませんか。いかがでしょうか、大臣。

赤羽国務大臣 災害関連の法制については、これはさまざまな歴史があって、阪神・淡路大震災の当時、まず、激甚災害に指定するかどうかというかなり長い検討期間があって、当時は、災害の被害積算をして、その結果、ある一定の規模以上で認定されたら激甚災害という指定があった。これだと時間がかかるわけで、そうしたことが本当にどうなのかということは随分改善をされました。

 また、罹災証明も、役所の人たちというのはやはり厳密にやらなければいけない。それはなぜかというと、やはり税金を使うから。被災者に対するだけじゃなくて、被災されなかった方たちの税金を使うからという、その平等性というのを非常に重んじるというのが役所のあり方だというのは、それは私は否定はしませんが。

 それで、手間暇かけて時間をかけた結果、救えるものも救えなくなってしまうのではないかという、今そうした趣旨のことを言われたんだと思うんだけれども、それは今、罹災証明についても相当簡便化したり、台風十九号では長野市全体が全壊だというような認定もされたり、そうしたことはいいと思いますし、先ほどの河川のことの査定前着工も、局長から御答弁がありましたが、それは後で、査定前着工したその後に、本当に大丈夫だったのかということを確認がとれるからということで、そうした融通というか、柔軟な対応をしているということだと思います。

 雇用調整助成金については、私は、その制度について云々ということは、これは厚労大臣の所管でありますが、私の所管している分野で今回の被害を受けられている方はたくさんいらっしゃって、なかなか、中小企業が多いものですから、雇用調整助成金の手続というのは大変だという声はたくさん聞いておりまして、これは幾度となく加藤厚労大臣にも直接お伝えをしましたし、加藤厚労大臣も、実際に雇用調整助成金の必要な書類とかに全部目を通されて、確かにこんなことまで要らないなと。

 やはり、平時の場合と災害時の場合というのは、ルールは私は変えて当然だというふうなことを阪神大震災の教訓から思っておりますので、そうしたことで随分簡便化をしているはずでございます。

 ただ、なかなかそうはいっても難しいところもあって、実は、観光庁が、簡単に申請をできるというビデオテープをつくらせていただいて、観光関連業界にそれを見ていただきながら、そうしたことも応援することはできる、こういうことを今繰り返しているところでございます。

 その中で、八千幾らというのを一万五千円程度にするという、これも現場の皆さんからの声もいただいて改善もされるようでありますし、いわゆるみなし失業手当ですか、ちょっと正確な名前はわかりませんけれども、そうしたことも、より困っている方たちに早く手助けができるようなということを厚生労働省として、政府としてやっているわけでありまして、それを云々というわけじゃありませんけれども、私の立場としては、政府が決定した支援策が所管の業界団体の皆さんに幅広く使っていただけるように、現状を訴えることはちゃんとさせていただきますが、決まったことについて周知徹底をして、支援策が漏れなく行き届けられるように省を挙げて取り組んでいきたい、こう思っております。

谷田川委員 ありがとうございます。

 加藤厚労大臣に業者の窮状を訴えた結果が書類の簡素化につながった、そういうふうに受けとめました。ぜひこれからも、救える業者のためにしっかり働きかけていただきたいということをお願いしたいと思います。

 次に移りますけれども、先ほど荒井委員も取り上げましたけれども、残念ながら、国交省の自動車局所属の職員が新型コロナウイルスに感染したと四月二十日に発表されました。五月一日現在で合計十一名の感染が確認されたと聞いておりますが、現状はどうなっているのか。

 五月三日の東京新聞によりますと、経産省や金融庁は、職員が感染した際、報道発表と同じ日に全職員にメールで知らせました。国交省も同じような対応をとるべきだったと思いますが、いかがでしょうか。御答弁願います。

野村政府参考人 お答えをいたします。

 まず、感染者の状況でございますけれども、今委員からお話ございましたとおり、四月二十日月曜日以降四月二十九日までの間に、残念ながら、自動車局で合計十一名の感染者が確認をされたところでございますけれども、その翌日、三十日以降は、現在に至るまで確認をされていないという状況でございます。

 それから、その感染者十一名については、いずれも重篤な状況ではないと聞いております。

 そして、今、職員向けの周知のお話がございました。若干、経緯をお話しして恐縮でございますけれども、その第一号が感染確認された二十日月曜日の夕刻、まず、私ども、同日中にプレス発表を行おうということで、その日のうちにいわゆる記者ブリーフも行って、まず対外的な公表を行いました。

 一方、職員向けの周知でありますけれども、保健所による濃厚接触者の確定、これが実は翌日の夕刻になされました。そこを踏まえまして、発生確認からは翌々日になりますけれども、二十二日の水曜日に、私どもは、メールという形ではなくて、省内内部向けのサイトに職員向けのお知らせを掲示しました。その中では、感染の事実であるとか、あるいは消毒の実施状況とか予定、それから、さらなる感染防止対策の徹底などを周知したというところでございます。

 今後、さらなる感染者の発生は全く期待しているところでございませんけれども、仮に万が一また職員の感染が確認された場合には、やはり感染者のプライバシーというものに配慮はしなくちゃいけない。一方で、やはり今お話ありましたように、職員に対してできるだけ情報を迅速に周知するという観点から、メールという手段、これもいろいろ長所、短所あると思いますけれども、そういったものも含めて、どのような手法によることが適当であるかということを十分検討して努めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 今の答弁で重篤な人がいないと聞いて、ほっといたしました。

 感染して、発表されても、その後どうなったか、結果の発表というのはなかなか報道されないんですね。ですから、感染された方が一日も早く現場復帰されることを心からお祈りしたいと思います。

 ゴー・トゥー・キャンペーンについて一つ伺いたいと思います。

 ちょうど一カ月前、四月十五日に、お隣の広田一議員が、ゴー・トゥー・キャンペーンに一兆三千億円財源を使うのではなく、来月どうなるかわからないと思いながらも雇用を守ろうとして歯を食いしばって頑張っている旅行、ホテル事業者の皆さんを支援するために財源を確保していくというのがやはり優先順位、緊急性が高いのではないかと質問しましたところ、赤羽大臣からは次のような答弁がされました。

 ゴー・トゥー・トラベルの時期がどうなるかというのは大変難しい問題だというふうに認識しておりますが、これはこれで、しっかりとしたV字回復で、政策としては出しておくべきだと思います。一部省略して、抜粋して読みますけれども、こうした状況が長引けば長引くほどいわゆるさまざまな支援策が必要になるというのは委員のおっしゃられているとおりだと思います、そういうことも別に否定せずに、状況を見ながら、さまざまな状況に対応していかなければならないと思います、こうした特殊な感染症の状況下、大災害みたいなときと一緒だと思いますので、さまざまな特別措置的な対策が講じられるというのは否定されるものではないと思っております、こう大臣は、できるだけ広田さんの質問に寄り添いたいという思いがにじみ出る答弁をされました。

 あれから一カ月たちました。残念ながら、緊急事態宣言もまだ全域で解除されていませんし、私は事態はより深刻になったと思います。特別措置的な対策が講じられるべき必要性が増していると私は思いますが、大臣もそのように感じられませんでしょうか。どうでしょうか。

赤羽国務大臣 緊急事態宣言、全国にかけていたものが、昨日、三十九の道府県で解除になりました。しかし、解除になったとはいえ、総理からの御発言にもあるように、私たちの思いもそうでありますが、五月三十一日までは自粛要請をして、気を緩めることなく、我々の思いは、五月三十一日までに本当に収束の方向が見通せるような状況に決着をつけなければいけないということで、今取組を、改めて強化をしながら進めているところでございます。

 私たち、観光関連業、裾野の広い地域産業を支える大変重要な産業の支援策は、これまでも申し上げましたように、一つ目は、最大の支援は早期の収束だ、これが収束をすれば自然に観光の需要というのは復活する。二つ目は、その間、倒れられないように、事業の継続と雇用の確保をするための、資金繰りの支援と雇用の確保についての具体的な支援を行っていこうと。そして三つ目には、これは業界の皆さんからの、これも全てでありますが、全ての要望に応えて、強力な需要喚起策ということでゴー・トゥー・トラベルということを用意させていただいたところでございます。

 国会の中での委員会でも時期が違うんじゃないかというお話もございましたが、そうした質問に対しては、私は、毎回答えさせていただきましたように、このゴー・トゥー・トラベルについては、全国にかかわる大規模な事業であり、またできるだけ、それぞれの地域の宿泊業のみならず、その地域のお土産物屋さんとか飲食業、また交通機関にも裨益をしていただきたい、できるだけ多くの事業者に参加をしていただいてそのメリットを受けていただきたいという、そうしたことを思っている仕組みでございますので、それに対する御説明、そして、全国からの事業者の御参加、そしてまた全国の国民に対する、皆さんへの広報等々で、相当準備の期間がかかるのではないかというふうに思っております。その前に、事務局も立ち上げなければいけないということもございます。

 そうしたことを考えると、補正予算、成立をさせていただきました、これから粛々と準備をしても、この夏、本当にこれからいよいよ観光だといったときに間に合わせるように、今全力で準備を進めなければいけないということ、そういう思いで三つ目の対策をとっておるわけでございます。そうしたことは、観光業の皆さん、関連業界の皆さんの期待も大変大きく、これがあるから頑張れると。

 今、無利子無担保融資についても、当初は大変混雑をしておった状況でありますが、実行もされておりますし、また、このゴー・トゥー・トラベルという具体的な政策があることによって銀行からの、民間の融資も受けやすくなったという声もいただいております。そうしたことのメリットもありながら、事業を開始できれば、すぐ旅行という状況にならなくても、早期に予約そして購入をいただいて、なじみの旅館や観光地の、その地域の関連の産業にメリットが裨益できるようなそうした仕組み、なるべく早期にその効果が現ずるような、そうしたことをやることが今一番大事なことだというふうに思っているところでございます。

谷田川委員 二カ月ほど前に、このゴー・トゥー・キャンペーンに期待する業者を私も知っていました。ところが、つい最近その人と話をしましたら、いや、もう会社が潰れるかどうかの寸前だ、そういう金があるなら何とか潰さないようなもっといい政策はないか、そういうことを言い出した人がいます。ですから、最初の予算編成をしたときと比べて状況は大分悪化している、そういう認識は、大臣、ございませんか。

赤羽国務大臣 それは、長引けば長引くほど状況は厳しくなっておりますが、その中で、第一次補正予算の中に、例えば中小企業の持続化給付金として二百万円の支給もこれから始まりますし、さまざまな手が打たれている。無利子無担保融資も、当初はなかなか実行されなかったと思いますけれども、私の知るところでも相当実行されてきて、資金が回るようになってきたというのも事実だと思いますので。広田さんのこの前の御質問も、現場からの声なので、できるだけ、寄り添うと言うと失礼な言い方ですが、参考にさせていただいております。

 なかなか、余りこういう公式な、議事録に残る場で言うのはどうかと思いますが、逸失利益の補償的な支給金といっても簡単ではない、その実行はですね。財源というより、そのやり方も非常に難しいと思いますし、また、業界の多くの皆さんからはいろいろな要望書をいただいていますが、そこにはそういったことは余り、私はもっと書かれると思いましたが、そういうことではなくて、需要喚起策をしていただいて、国の国費にプラスアルファの民間需要が乗るということの方がやはり本来あるべき姿だと言っていただいている業界の方もたくさんいらっしゃいますので、そうした期待には応えなければいけない。

 その効果がなるべく早く発揮できるように、そして本当に、一部の方がそのメリットを享受するのではなくて、地域にかかわっている多くの方に還元するということをしっかりと実行する、これが私は今一番我々がやるべきことだというふうに思っております。

谷田川委員 これ以上は言いませんけれども、ただ、状況は日に日に悪化しているという認識は多くの議員も共有されていると思います。

 大臣、君子豹変するという言葉というのは、決してこれは悪い言葉じゃないそうなんですね。やはり君子というのは豹変していいんだ、そういう、いい意味で最初使われたらしいんですよ。

 公明党の皆さんは、最初、一世帯三十万円について同意したけれども、評判が悪いということで、やはり一人十万円にしたという経緯もあります。

 ぜひ、これはまずいなと思ったときは、すぐこの一兆三千億、減額補正して、もっと優先的なところに使うということも考えていただきたいということを要望したいと思います。

 それでは、法案の審議の方に参ります。

 まず、少子高齢化、人口減少が進む中で、人口密度が適度に維持された市街地の形成を目指すというコンパクトシティー政策が推進され、六年前に都市再生特別措置法が改正されました。市町村に居住誘導区域や都市機能誘導区域を位置づける立地適正化計画の作成が奨励されましたが、作成した自治体は四月一日現在で二百九十一団体で、全体のまだ二割にも至っていません。この原因は何だとお考えになりますか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 立地適正化計画の作成に当たりましては、居住誘導区域の設定等を地域住民に丁寧に説明して地域の合意形成を図る、これが大変必要なことでございますので、計画の策定には一定の時間がかかる、要するというふうに考えてございます。

 そのような中で、委員御指摘のとおり、平成二十六年に立地適正化計画ができて、現在五年でございますけれども、この中で、それぞれ地域でそういった手続を踏んで策定されている数が、私どもの最新の数字でございますと、令和二年四月一日現在で三百二十六の市町村が計画を策定してございます。私どもとしては、こういった御苦労をされて、しっかりと取り組んでいただいているというふうに考えてございます。

 国土交通省としては、今後も、技術的助言である都市計画運用指針の充実とか、あと、モデル都市の横展開、また直接職員を派遣するコンサルティング等を行っておりますので、こういうことで市町村の計画作成について助言、協力をしてまいりたいと考えてございます。

谷田川委員 時間がないので、大急ぎで申し上げます。

 平成の大合併で対等合併した市町村で立地適正化計画を作成した市町村は、千葉県には一つもないんですよ。対等合併した市町村には、やはりコンパクトシティー本来の目的が十分伝わっていない可能性が高いと思われます。

 こうした自治体に職員を派遣して十分説明するなど、立地適正化計画を作成する自治体の数をふやす努力をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。簡潔に答弁をお願いします。

北村政府参考人 立地適正化計画については、制度上は、合併を行った都市でできないということにはなってございません。実際に、過去、市町村合併を行った都市でも、例えば福井県のあわら市、山口県の周南市等、立地適正化計画が作成されてございます。

 国土交通省といたしましては、地域で立地適正化計画をつくりたい、そういう意向がある市町村につきましては、私どもの方から、参考となる優良事例の紹介ですとか、あとは市町村を直接訪問するコンサルティング等を行っておりますので、そういったことで協力をしてまいりたいと考えてございます。

谷田川委員 時間がないので、二問まとめて質問します。

 一市三町で対等合併した旭市は、地方創生事業の一環で、旭中央病院を核とするまちづくりを進められています。この計画の具体化に当たって、立地適正化計画を作成することにより都市機能を有する施設の立地誘導や支援を行うことが効果的だと思いますが、どうでしょうか。

 あと、もう一問。

 成田市が、現在の事業について五カ年とされており、繰越しになった場合でも六年が最長とされている、このため、ハード整備を伴う再開発事業などについては、長期間を要することで計画期間内に事業を完了することができないおそれがあるので、長期事業についても対象としてほしいという要望がありますが、この旭と成田について御見解をお願いいたします。

北村政府参考人 まず、旭市の件でございますけれども、委員の御指摘のとおり、立地適正化計画をつくって事業をすることは大変効果的だと考えてございます。

 私ども、令和二年度の予算におきまして、この立地適正化計画に基づく施設整備を集中的に支援する都市構造再編集中支援事業というものを創設して、支援の拡充を図ったところでございます。

 今後も、こういった制度の活用等をしっかりと周知して、取組が進むように図りたいところでございます。

 あと、もう一点の五年の方でございますけれども、この都市構造再編集中事業は、集中的に事業をやって効果を進めるということで、事業の早期発現をするために、おおむね三年から五年という期限をつけさせていただいています。

 ただ、一方で、事業によっては、例えば区画整理事業のように五年以上かかるという場合もございますけれども、これは、長い事業は対象にならないということではなくて、例えば、三年の間でここまでやる、それを一期計画として、次にまた、次の延長ではここまでやる、そういったように計画を分けていただければ、その都度私どもとして評価して支援の対象になる、そういうことでございます。

谷田川委員 旭市と成田市に親身なアドバイスをお願いしたいと思います。

 それでは、最後の質問、時間がないので、大臣に。

 今回の法案の審議というのは、ある意味でミクロ政策だと思うんですね。マクロ政策というのは、やはり、今の政権が掲げている地方創生、中でも東京一極集中の是正だと思うんです。これがうまくいかないとミクロ政策もうまくいかないと思うんですね。

 大臣、地方創生のためにも東京一極集中の是正が必要だと思いますが、大臣の決意を述べていただきたいと思います。

赤羽国務大臣 まず、首都の都市力を、国際競争力を持つという点では大変重要な視点だと思いますが、過剰な集中というのは、災害のときのリスクですとか、国民一人一人の生活についてもやはり見直した方がメリットが多いのではないかと。先ほど荒井先生の質問にもお答えさせていただきましたが、今回の新型コロナウイルスの事案というのは、そうしたことの一つの大きな契機となるのではないかと思っております。

 国交省としては、国土政策でさまざまそうしたことを促すような計画もつくってまいりましたが、なかなかうまくいっていない。それは恐らく、大学の問題とか就職の、会社のあり方とか、そうしたことがやはり相当それを前に進められない支障、原因となっていると思いますが、そうしたことも踏まえて、今回、ポストコロナ、ウイズコロナということが論じられる中で、政府部内の中でも首都圏一極集中をどうするべきかということはやはり議論していかなければいけないと思いますし、国交省としてもそうした一つの契機として考えていきたい、こう考えております。

谷田川委員 時間になりましたので、終わります。

 ありがとうございました。

土井委員長 次に、西岡秀子さん。

西岡委員 立国社、国民民主党、西岡秀子でございます。

 きょうはまた質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 まず、法案の質問に入る前に、昨日、感染拡大地域五県を含んだ三十九の都道府県で緊急事態宣言が解除をされたことを受けまして、大臣に質問させていただきます。

 つい先日、大臣に宣言の延長について質問をさせていただいたばかりでございますけれども、この解除を受けて、第二波を警戒しながら経済活動を再開するという大変困難な新しい局面に入ったと認識をいたしております。

 特に、全国、都道府県で大変これから異なった対応が出てくるというふうに考えておりますけれども、需要が引き続きない中で、大変困窮し、厳しい状況にある国土交通省所管の業界の皆さんの事業者の多くは、これから一体どうしたらいいのだろうかと、大変判断に迷っておられるところもあるのではないかと考えます。

 業種別のガイドラインも作成をされておりますけれども、新たな局面に入り、大臣として、今後の取組、そして大打撃を受けて深刻な状況にある所管の業界への支援体制について、お取組について大臣に御見解をお伺いをいたしたいと思います。

赤羽国務大臣 新型コロナウイルス感染症の拡大で緊急事態宣言が発出され、そして国民の多くの皆様に外出の自粛ですとか移動の制限をお願いしてきたわけでございます。そうしたことを続けていく中で、当然、経済活動は停滞する、大変な、お一人お一人の状況、厳しい状況になるということの中でどうするのかということ。

 これは、私たち、先ほども御答弁させていただきましたが、最大のそうした支援、解決策は、早期に収束を迎える、感染のモードではなくて収束のモードにいち早くしなければいけない、そんな思いで、きのう三十九の道府県では解除されましたけれども、引き続き緊張感を緩めることなく、また国民の皆様には引き続き同じ自粛要請はお願いしながら、また、我々がやらせていただきました高速道路の土曜休日祝日三割引の適用除外をし、主要空港のサーモグラフィーの設置等々、そうした体制を緩めることなく、五月三十一日までは本当にしっかりやって、そして、それ以後、徐々にだと思いますけれども、経済活動の回復をしていかなければいけない、こう考えております。

 そうした中で、できることは業界の声を聞いて知恵を絞ってやっていこうということで、例えば宅配の需要がすごくふえている中で、安心したデリバリーをどうするのかという中で、タクシー業界から要請がございまして、道路運送法の特例としてタクシーが飲食料品を有償運送するということを認めるということを決定させていただきました。短期間で実は全国でも千社を超えるところが認定を受けて、そうした業務としてやっていただいておりますが、利用者の方にも大変好評で、先日、九月三十日までこうしたことを進めるといったことを決定させていただいたところでございます。これも一つのウイズコロナ、新しいビジネスモデルなのかなというふうに思いながらのことでございます。

 そうしたこと、皆さん方に国の協力要請に応えていただいている中で、経済が本当に傷んでいるのは事実でございますので、繰り返しになりますけれども、そうした皆さんに寄り添いながら、適切な、また効果のある対策をしっかりと講じていくように、全省員挙げて、我々、最前線の中で、地方整備局、地方運輸局がありますので、風通しのいい組織で現場の声がしっかり届くように、そして、しっかりとした対策が打てるように取り組んでいきたい、こう決意をしたところでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 やはり大変厳しい状況がございますし、大臣も十分認識をされていることだと思いますけれども、国土交通省独自の業界に対する支援というものにぜひ取り組んでいただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。

 それでは、都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問に入らせていただきます。

 まず、今回の改正に当たりまして、これまで、国土のグランドデザイン二〇五〇を策定されまして、人口減少、少子高齢化社会のもとでの都市のあり方について、さまざまな分野における基本となる戦略が示されております。今回の法改正について、この大きなグランドデザインのもとでの大臣の認識と今後の取組への決意についてお聞かせをいただきたいというのが一点。

 先ほどからも議論があっておりますけれども、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりまして、私たちには新しい生活様式やライフスタイルが求められております。これまでの首都圏への一極集中が進展する中で、都市の空間というものが今まで以上に重要な役割を果たすなど、都市機能のあり方や都市と地方のあり方も含めて、今までの概念を大きく変えていく必要が生じていると認識いたしておりますけれども、この点についても、大臣の見解をお尋ねしたいと思います。

赤羽国務大臣 我が国の人口減少化、少子高齢化が進んでいることは変わりございません。その中で、地域の活力をどう維持するのか、また、生活に必要なサービスをどう確保するのか、これは高齢者だけではなくて子育て世帯についても、そうしたことを踏まえながら、コンパクトシティー・プラス・ネットワーク、そうした取組を進めて、住みやすい、安心して暮らせるまちづくりを進めるということは変わらないというふうに思っております。

 それに加えて、近年、気候変動に影響が多いと思いますが、激甚災害が頻発化をして、大変、防災の観点をもう少ししっかりと取り入れたまちづくりを進めなければならないのではないかというのは、多くの国民の皆様からの支持も得られているところだというふうに思っております。

 災害対策という意味では、もちろんハードの、堤防の整備ですとか、この委員会でも指摘されている既存ダムの活用等々をすると同時に、今回の本法案におきましては、いわゆるハザードマップ上で警戒を呼びかけている区域についての開発の抑制、また、これは難しいんですが、既に存在をする住宅、病院等の移転の促進、土地利用の方策を的確に実施していきたい、こう考えて提出をさせていただいたのが一つの柱でございます。

 また同時に、多様な人々が交流する、居心地がよく歩きたくなる空間、こうしたものも、官民一体となって形成する取組を促進することも中に入れさせていただいています。

 さらに、今、西岡委員がお話しいただきましたように、今回の新型コロナウイルスの感染症の拡大、影響というのは、大変、恐らく大きなものにならざるを得ないと思っております。こうした感染症の頻発を受けて、やはりライフスタイルというか、随分変わらざるを得ない。今テレワークを推奨してやっておりますが、恐らく、子育て世帯なんかはテレワークが基本となるような働き方になるのではないか。そうした意味では、テレワークに対応した労働環境の整備ですとか、今お話がありました芝生の空間とか、先ほど荒井先生も同じような話でありましたが緑の空間、こうしたことも、密集したところより、もう少しゆとりのある住まい方とかいうことの方向もやはり検討される、志向されるのではないか。

 私、かねてから、個人の意見なんですけれども、二拠点住宅というか、週末は少し郊外のところに住まいを構えてというようなこと、ヨーロッパではよくありますけれども、こうしたことも、なかなか、我が国ではそうしたことを提唱すると、金持ち優遇政策だみたいなことを言われて、党内でも日の目は当たっておりませんし、大体、そもそも、一軒も家を持っていない私がそういうことを言うこと自体、ちょっとおかしな話なんですが。そうしたことも、やはりあるべき一つの選択肢みたいな話で出てくるのではないか。その結果、先ほど御答弁もさせていただきましたが、首都圏の一極集中みたいな話も、当然、議論の俎上に上ってくるんじゃないか、こう思っております。

 そうした意味で、今回の新型コロナウイルスというのは、大変な災害でありますけれども、災い転じて福となせるように、しっかりとした都市政策というか、まちづくり政策、検討していかなければいけない、こう思っておるところでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 今大臣からもお話がありましたように、テレワークですとかオンライン教育も含めて、大変、東京ですとか地方ですとか、その場所がハンディにならない状況が生まれているということもあると思いますし、事業者の方で地方に移転をされて業務を続けておられる方も既に出てきておりますので、先ほど大臣からお話がありましたような、新しい視点で都市政策というものを改めてまた考えていただきたいというふうに思います。

 また、今大臣からございました、今回、自然災害に対応した安全なまちづくりということでこの法改正がなされておりますけれども、このことについてお尋ねをいたします。

 昨年の九州豪雨では、内水氾濫や冠水、また危険物質が流出をしたということがございました。また、台風十五号では、千葉県内で電柱が倒壊したことによって、長期にわたる停電、断水、また通信の不通など、社会インフラへ多大な影響が発生をいたしました。また、台風十九号では、河川の氾濫や堤防の決壊など、これまでの想定を大きく上回る甚大な被害が発生をいたしまして、とうとい多くの命が失われました。

 近年の自然災害の激甚化、頻発化に伴って、これまで把握をしていなかった多くの災害のリスクが発生をいたしているというふうに思いますけれども、このリスクを今どういう状況で把握をされているかにつきまして、そのお取組もお尋ねをさせていただきたいと思います。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 令和元年東日本台風を始め、昨年、多くの災害が発生いたしましたけれども、洪水浸水想定区域や土砂災害警戒区域等が指定されていない区域で被害が発生するという、災害リスク情報に関する課題が明らかになったところでございます。このため、国土交通省では、有識者による検討会などで原因を分析し、必要な改善策を検討してきたところでございます。

 まず、浸水についてでございますけれども、洪水浸水想定区域が指定されていない、そのような中小河川については、通常、その区域の設定に必要な河川の横断データや水位の基礎的なデータがほとんど計測されておらず、従来の方法ではこの区域を設定することが困難でございました。

 このようなため、国土交通省では、本年一月に検討会を設置いたしましたけれども、航空測量による三次元地形データを活用した簡易な区域の指定方法について検討を進めておりまして、本年六月をめどに取りまとめて、都道府県に対して手引を作成し周知していきたいというふうに思っております。

 また、土砂災害についてでございますけれども、土砂災害警戒区域の指定されていないところでの被災ということでございますが、これも、昨年十二月に設置いたしました小委員会で原因を検証したところ、区域指定に先立って行う概略調査に用いる地形図の精度に限界がございまして、正確にその箇所を把握できない場合があるということが明らかになったところでございます。

 委員会の意見も踏まえまして、従来の地形図よりも詳細に地形の起伏などが判読できる高精度な三次元地形データを概略調査に活用することとしたいというふうに考えてございます。

 国土交通省といたしましては、これらの検討結果を都道府県に十分周知をさせていただきまして、これまで把握されていなかった災害リスク情報を明らかにする区域の拡大に努めてまいりたいと考えております。

西岡委員 ありがとうございます。

 さまざまなお取組を続けておられると思いますけれども、この災害情報を見える化するということも大変重要だと考えております。この災害情報の見える化につきましてのお取組についてお尋ねをいたします。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 お話ございましたように、災害が激甚化、頻発化している中で、災害発生時に住民の皆様が命を守る行動を確実にとっていただくためには、住民の皆様の防災意識が高まるよう、災害リスク情報をわかりやすく周知する、見える化するということが重要であるというふうに考えてございます。

 このため、国土交通省では、ハザードマップにアクセスしやすく、また、わかりやすく情報提供できるように、ハザードマップポータルサイトを提供してございます。

 この中では、全国の自治体が作成したハザードマップを一つの窓口からリンクし閲覧できるようにするとともに、洪水や土砂災害などの災害原因別につくられたリスク情報を同一の地図上に重ね合わせて表示ができるようにしてございまして、ハザードマップがより住民に身近になるように努めているところでございます。

 また、地域のリスク情報を見える化する取組といたしましては、地域の浸水被害が発生した場合に見込まれる浸水深であるとか避難所の情報を町の中にある電柱等に表示をする、まるごとまちごとハザードマップというような取組を推進しているとともに、例えばスマートフォンの中でリスク情報を視覚的にわかりやすく表示する取組についても進めているところでございます。

 引き続き、住民に対しまして、災害リスク情報がわかりやすく、見える化する取組を推進させていただきまして、住民の適切な避難行動につなげていきたいというふうに考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 今御説明がありましたように、一目見てリスクがわかる、やはりそういう表示の仕方というのも大変重要だと思いますので、今後とも引き続きお取組をお願いしたいと思います。

 次に予定しておりました立地適正化計画の質問については、先ほど質問がございましたので次の質問に移らせていただきます。

 居住誘導区域内に災害レッドゾーンや災害イエローゾーンが存在している事例というのがかなり多くございます。特に地方においては多くあるというふうに認識をいたしておりますけれども、今回の改正で、立地適正化計画の記載事項に防災指針というものが追加をされました。このことによって、防災対策、安全確保のお取組というのが進んでいくんだというふうに思いますけれども、このお取組について御説明をお願いいたします。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、この立地適正化計画の中にいわゆるレッドゾーンまたイエローゾーンというものが入っている例が一部ございますけれども、レッドゾーンにつきましては、これは本当に危ないエリアですので立地適正化計画から外してもらうというようなことを行ってまいりたいと思います。

 イエローゾーンにつきましても、なるべく外していただきたいのでございますけれども、ただ、地域の状況で、少し水が出るような地域でも居住を誘導しなきゃならないというような状況がございます。ただ、そうはいっても、そういう水が出る可能性のあるところに居住を誘導するというのは、行政としてそれだけでは非常に無責任でございますので、そういった洪水による災害リスクを考慮した上で、じゃ、そういったところにどうやって安全に住民の方に住んでいただくかということで、単に居住誘導をするだけではなくて、そこでどういうふうに避難地をつくる、避難路をつくる、また、場合によっては宅地をかさ上げする、そういったような対策をしっかりと計画に位置づけなさいというのが今回の改正の趣旨でございます。

 国土交通省といたしましては、こういう防災指針に基づいて都市の防災対策が効果的に進められますように、指針に位置づけられた避難路ですとか避難地ですとか、こういった整備について財政上の支援を行ってまいりたいと考えてございます。

 また、現在、コンパクトシティーを推進するために、省庁横断的に支援をするコンパクトシティ形成支援チームというものがございますが、ここに、今回、防災タスクフォースというものを設置いたしまして、私ども国交省の都市局だけではない、例えば水局さんとか、あと、ほかの省庁の知見も生かして、市町村が防災対策を行う場合の、ワンストップでそれを国の立場から御助言を申し上げる、そういったようなこともして防災指針を実効性あらしめるというような取組を行ってまいりたいと考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 今回、あわせまして、災害ハザードエリアでの開発許可基準が見直されました。その見直し内容と、この新制度がやはり周知徹底されなければ意味がないというふうに考えますけれども、この制度の周知徹底についてどのように取り組まれるかということについてお尋ねをいたします。

北村政府参考人 本法案におきましては、開発許可制度を見直しまして、土砂災害特別警戒区域などいわゆる災害レッドゾーンにおきましては、病院、社会福祉施設、店舗、工場、学校等の開発を原則として禁止するということにしております。

 また、浸水ハザードエリアなどにおきましては、市街化調整区域における開発許可を厳格化するといったような取組、また、立地適正化計画の区域の中で、居住誘導区域以外の災害レッドゾーンにおいて住宅等の開発を行う場合には勧告、公表制度というものを創設ということで、災害ハザードエリアにおける新規開発の抑制を図ってまいりたいと考えてございます。

 委員御指摘のとおり、この法案の内容をいかに国民の方に理解してもらうかが重要でございます。これまでも、法案策定前にも、事前に、この規制の対象になる関係業界、経済界ですとか、あと福祉関係、病院関係、不動産関係の方に丁寧に御説明をし、御理解をいただいているところであります。

 今後とも、制度の円滑な実施が図られるように、例えば、いわゆる文書、技術的助言と言っておりますが、こういった文書を公共団体に発出するとか、あと、説明会の関係等、地方公共団体や関係事業者に対して丁寧に説明を行い、しっかりと理解をいただけるような周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

西岡委員 居住誘導区域外の災害レッドゾーン内での住宅等の開発については、今回、勧告や公表が可能となりました。その概要と、この勧告や公表の対象となる施設がどういうものであるかということを御説明をいただきたいと思います。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の都市再生特別法でございますけれども、立地適正化計画の区域のうち、居住誘導区域以外で、こちらに住んでくださいというところ以外のところで、三戸以上の住宅や社会福祉施設等市町村が条例で定める人が居住できる施設、又は規模が一千平米以上のもの、こういった開発行為を行う場合には、市町村に届出をいたしまして、市町村の方で、これは市の計画に合っていないんだということであれば、必要な勧告ができるという制度が既にございます。

 今回は、改正によりまして、このエリアが、居住誘導区域の外でなおかつ災害レッドゾーン、わざわざ危険なところに建てたいというような開発行為の届出を行った場合には、市町村は勧告をいたしまして、この勧告に従っていただけなかった場合にはその旨公表するということで抑制を図っていくといった制度を創設したいと考えているところでございます。

西岡委員 次に、これは大変重要な取組だと思いますけれども、災害ハザードエリアからの移転促進についてお尋ねをいたします。

 これまでなかなか、移転をするということは、被災をした後に移転をするということがやはり実態であったというふうに思いますけれども、この改正によりまして、市町村による円滑な移転のための移転計画制度というものが新しく創設されることになりました。それに対しまして、国がどういう支援体制を今回しているのかということを、財政措置も含めて御説明をお願いいたします。

北村政府参考人 本法律案におきましては、災害ハザードエリアからの移転のさらなる促進を図るということで、法律の名称はちょっとかたいんですけれども、新たに、居住誘導区域等権利設定等促進計画といったような制度を創設してございます。

 これは、移転の場合、住民の方に移転していただかなければならないんですけれども、なかなか住民の方に問題意識がないということですので、ぜひ市町村に主体的にかんでもらいたいというふうに考えまして、市町村が住民の方とかまた施設の所有者の方の意見を調整した上で、移転に関する計画をつくっていただく、さらに、その住民等のいろいろ手続、例えば登記ですとか、そういったことも一括してやってあげるというようなことを法律上創設したいと考えています。

 この移転計画を作成するに当たりましては、国としまして、市町村に対して職員や専門家の派遣等を行いまして、ノウハウ面の支援を行ってまいりたいと思います。

 さらに、この移転計画でございますけれども、これは既存の制度ではございますが、集団的に移転する場合には防災集団移転という事業制度があわせて活用できます。こちらにつきましては、住宅等の引っ越し費用等の助成を、住民の方が住宅を整備したりまた引っ越しをするというときに、市町村がまずは助成をいたしまして、その市町村が助成した事業につきまして国の方から国庫補助率を四分の三、さらに、地方財政措置、交付税も含めますと、実質的には国が九四%面倒を見るというような制度がございます。こういった制度も活用できるということ、さらには、令和二年からは、この計画をつくるということ、そのこと自体についても補助の対象にするという制度を拡充をしてございます。

 国交省としては、こういった措置を行いまして、災害ハザードエリアからの事前の移転、これは難しいことだと思いますけれども、これが少しでも進むように努力してまいりたいと考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 私は、このことは日ごろから大変問題意識を持っておりますけれども、自然災害によって被災した例えば学校ですとか医療や福祉施設というものがかなりの数に上ります。大変危険な地域といいますか、今、想定外の自然災害が大変起こっておりまして、河川の近くにある学校等が台風とかで大変な被害を受けたということも、視察をさせていただいて目の当たりにしております。

 やはり、子供たちや高齢者や障害者の皆様を始めとして、災害時にまず安全確保が大変重要な方が危険と隣り合わせでおられるということは、どうしても避ける必要があると思っておりますけれども、移転については、さまざまな課題がありますし、日々の暮らしとの兼ね合いというものもあるというふうに思いますけれども、このことに対しての支援体制というのが国交省としてあるのかどうかということをお尋ねをさせていただきたいと思います。

北村政府参考人 お尋ねの学校ですとか病院、福祉施設等、こういったものの移転でございますけれども、こういった施設については、直接的には国交省の所管施設ではございませんけれども、先ほど来御議論いただいておりますコンパクトシティーの政策、市町村の方でこういったエリアにはこういう公益施設を誘致したいという、都市機能誘導施設というような法律上の名称でございますが、そういったものとして位置づけて、このエリアに集めたいというような立地適正化計画をつくっていただいております。

 そういった立地適正化計画にのっとった移転につきましては、こういう学校等につきましても私どもの方で補助制度がございまして、市町村の経営する病院ですとかこういったものには補助率二分の一、民間の場合には補助対象事業費というのは少し限られておりますけれども、それに対して三分の一を支援するというような制度がございます。

 さらに、令和二年度予算におきましては、特に、ハザードエリアから、危ないところからそういう誘導区域に移っていただく場合には、更にその補助をかさ上げするというような制度の拡充も行ってございます。

 さらに、あわせて、計画をまずはつくりたいという、その計画をつくること自体についても二分の一の補助をするという制度も創設しております。

 これらの制度の活用を通じて、移転の促進を図ってまいりたいと考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間がなくなってしまいまして、もう一本の柱である、居心地がよく歩きたくなる町中創出による魅力的なまちづくりについて質問をさせていただきます。

 都市再生整備計画の中に魅力的なまちづくりに取り組む区域を設定するという今回の法改正でございますけれども、市町村都市再生協議会というものがありまして、そこに構成員を新しく追加をするという法改正が今回ございますけれども、本当になるべく多くの、関係する団体の方を始めとして、やはりバリアフリーの観点からも当事者である障害者の皆様や、幅広い住民も含めて、多くの皆様の参画が必要だと考えております。

 また、地域の伝統文化、自然、地域の特色を生かすということも大変必要な取組だと考えておりますので、ちょっと質問時間がもうなくなってしまいましたけれども、ぜひ、地域の魅力をより充実する、今回の法改正を踏まえて、そういうお取組を続けていただきたいと思います。

 最後の質問、時間がなくなりまして、御準備いただきまして大変申しわけございません。

 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

土井委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 馬淵でございます。質疑の機会をいただきました。

 きょうは、都市再生特措法の改正ということであります。

 今回、非常に重要な法案、改正だというふうに私も認識をしております。今回のこの改正、ここに至るまでは、もともと、土砂崩れの対策基本法、あるいはまた、私どもが政権時代にも、緊急調査等のスキームを盛り込んだ改正案の審議などもお願いをし、国会で御承認いただいたといった経緯もございます。その意味で、ハード面ではなくソフト面での対策ということについて、かなり踏み込んでいただいているということで、私はその部分では評価をさせていただいているところであります。

 まず、災害危険エリアの開発抑制ということに関しての質疑をさせていただきます。

 今回は、災害レッドゾーン、さらには浸水ハザードエリア等々での開発の規制やあるいは厳格化、また移転促進などが盛り込まれているわけであります。こうした状況というのは極めて私も必要だというふうに思っております。

 山梨大学の調査によりますと、国や県の浸水想定区域に住む人というのが二〇一五年時点で二十年前に比べて四%増加している、こういう調査結果もございます。つまりは、かつてのインフラ整備ということで、スーパー堤防のような予算や、あるいは建設期間の見通しがなかなか立たないような状況というハードの計画よりも、むしろソフト面に注力すべきだということでの、私自身も同じ考えでおる立場から見ますと、この改正は、非常に重要な改正だというふうに理解をしているところでございます。

 そこで、今回は、開発に軸足を置いたまちづくりから、安全のための開発や居住の制約という政策転換だ、このように理解をしているわけであります。

 今回、この中で重要なところ、お手元に委員長のお許しをいただきまして配付させていただいた資料にありますように、この開発抑制というところでは、災害レッドゾーンに関しましては、赤線を引いておりますが、自己居住用を除くというところで住宅等とありますが、自己居住は除いた上で、業務用施設などの開発は原則禁止ということになっているわけであります。

 自己居住用の住宅が含まれないというのは、私にすれば少し残念な部分であるかなというふうに思いますが、その理由と、また、今後この自己居住用の住宅の建設禁止まで踏み込んで議論する可能性について、これも事務方で結構ですので、お答えいただけますでしょうか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、現行法上、土砂災害特別警戒区域などいわゆるレッドゾーンにつきましては、一定の規模以上の開発、そこに、危険なところに町ができないようにするという観点から、分譲住宅とか賃貸住宅とか貸しオフィス、貸し店舗、こういったような業務用施設の開発について、現在既に原則禁止とさせていただいております。

 今回の改正におきまして、自社のオフィスまた店舗、病院、社会福祉施設、旅館、ホテル等、こういった自己業務用の施設の開発につきましても、昨今の災害の頻発、激甚化を踏まえ、同様の、危険なところに町をつくらせないという観点から、原則禁止の対象に加えたところでございます。

 一方で、みずからの居住する戸建て住宅、単発で家を建てるといったものについては、それが直ちに、危険な災害レッドゾーンにおける市街化、そういうところに町が張りついていくということに直接影響はないということで、改正後も引き続き原則禁止の対象外というふうにさせていただいております。

 今後、自己居住用住宅であっても危険なところに建てさせないような、そういう改正をするかどうかというお尋ねでございます。

 これについては、現時点ですぐ方向性をお答えできる立場にございませんけれども、今回の改正後に、どういった実態があるのか、ある意味では、自己居住用の、自分の住宅でございますので、開発許可を得るほど大きい開発ということ自体がそもそも余りないんじゃないかというようなこともございますけれども、そういった実態等も踏まえ、またしかるべきときに考えたいというふうに考えてございます。

馬淵委員 自己居住用ということでありますから、そこは私権の制限にもつながるということであって、極めて慎重な議論が必要だということもよく承知をしておりますが、やはり、危険地域ということであれば、そこは踏み込んで今後判断をしていかなければならないところだというふうに思います。

 現時点で議論もなされていないということはよく承知をしておりますが、やはり、一歩踏み込んだわけですから、ここからどのような方向性で進めていくかということについては、これは必ず御議論いただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。

 その上で、もう一つ、市街化調整区域の浸水ハザードエリアに限っては開発許可が厳格化されるというのも、もう一点、先ほど申し上げた中でもあります。

 この部分で、厳格化される理由というのはどういう理由なのかということと、また、厳格化とありますが、例外的に許可される例というのはどのようなものがあるのか。また、昨年の台風十九号の災害では住宅や施設が大きな洪水被害を受けた、これが市街化調整区域外のエリアでも受けた、このような報道、指摘がなされております。これらの被害実態もあわせて、端的に局長の方で御答弁いただけますでしょうか。

北村政府参考人 まず、被害の実態というお尋ねでございましたけれども、私どもの方で、市街化調整区域における開発許可を許容している地方公共団体におきまして、昨年の令和元年東日本台風による被害の発生箇所、これを拾い上げたところによりますと、市街化調整区域における被害が約八割を占めているという事実が判明いたしました。

 市街化調整区域は、都市計画においてそもそも市街化を抑制すべき区域ということでございますし、あわせて、先ほど申し上げた数字にもありますように、実態としても、やはりもともと市街化させないエリアでございますので、相対的に浸水しやすい、現実に被害が発生しているということでございますので、こういったエリアについては、今回一歩踏み込んで、開発許可を厳格化するということを考えてございます。

 厳格化と申し上げますのは、これまで市街化調整区域は、原則、法律上は市街化を抑制する区域となっているんですが、幾つか規定がございまして、その中で、市町村が条例を定めますと、この条例のエリア内は市街化区域と同じように開発ができるという制度がございます。今回は、条例を定めたらオーケーよというのをできなくするという改正をさせていただきます。

 そうしますと、一件一件の審査を、それぞれの開発許可主体の第三者機関がございます、審査会がございますので、そちらの審査会の先生方にしっかりと審査をしていただいて、この開発は安全かどうかということを個別審査した上で許可をするということでございますので、許可をされる場合も、例えば、かさ上げをしているから大丈夫だよなとか、そういったことを一件一件判断して行われるというふうに考えてございます。

 市街化区域につきましては、そもそも市街化区域は、先ほど言いましたように、調整区域とは逆で、開発すべきエリアということでございますので、こういったものについて、また、実態としても被害はそれほど起きていないということですので、今回の改正におきましては、こちらのエリアについては、許可の規制ということではなくて、まちづくりの中で、例えば治水対策をするとか避難路の整備をするとか、そういった対策で対応するというふうに考えているところでございます。

馬淵委員 市街化調整区域ということで、抑制すべき点、そこをまずは先行して行う、先行といいますか、そこを中心に行うんだということ、これはよく理解はできますが、先ほど被害の実態ということでお尋ねをさせていただきましたが、いただいた資料によりますと、台風十九号、調整区域内は八二%、市街化区域でも一六%、都市計画区域外でも二%ということで、少ないとはいえ約二割近くは市街化調整区域外における被害が生じているわけですね。こうしたことを考えますと、この市街化調整区域外も含めた危険地域、浸水地域ということについてはやはり一歩踏み出す必要がある。

 これは、なかなか困難なのはよくわかります。市街化区域でありますから住戸が張りついているわけでありまして、非常に困難なことはよく理解をいたしますが、被害が発生してしまえば甚大になるわけですから、ここは、まず先行的に市街化調整区域を行うことは、これは私も賛同いたしますが、この市街化調整区域外もやはり一歩また踏み込む必要があるのではないかというふうに思います。

 そして、加えて、市町村が開発を確認して、開発審査会において諮って議を得た上でということで、今、かさ上げ等さまざまな検討を行うということでお話ございましたが、審査会で諮って議を得た上で例外的な開発許可を行うということ、かさ上げ等々さまざまな防災対策が行われているかということの確認を行うということだと思いますが、この基準については、この特措法の改正のところではまだ一つも触れられておりません。

 これについてはどのような基準になるのか、そして、もしまだ決まっていないということであれば、これはいつまでに決めていくのか、これについて事務方の方でお答えください。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御答弁申し上げましたように、今回、調整区域の開発許可については、第三者から成る開発審査会の議を経る個別審査ということになります。

 この許可の基準につきましては、制度上は、各開発許可権者、地方公共団体、審査主体の方で定めるということになりますが、具体的には、開発地又は周辺の浸水リスクを踏まえ、例えば建築物の地盤面や床面が浸水想定水位と比べてどの程度の高さ以上あるかとか、あとは、周辺の避難施設の有無というようなこと、必要な建築物の安全性、避難上の対策の実施、こういったものを確認していただくということを考えてございます。

 私どもとしては、実際に審査をするのは開発審査会でございますけれども、それについてどういった基準をつくるべきかということについて、国としてもしっかりと技術的な助言をしてまいりたいと思います。

 いつごろかということにつきましては、法律が施行されてから、施行が二年以内ということになってございます、これまた政令で定めることになりますけれども、そういうスケジュールの中で、我々としては、なるべく早くこの基準をつくって公共団体に周知をしていくというようなことを努めてまいりたいと考えてございます。

馬淵委員 なるべく早くということでありまして、施行まで二年の猶予というお話も先に出ましたが、今おっしゃったような技術基準も含めて、審査主体が行うとはいえ、これはやはり国交省が所管をした法律で例外規定というか個別の案件としての開発審査会というものを認めているわけでありますから、その基準については、これは省令で定めるわけですね、ちょっとそれはお答えいただきたいんですが、いずれにしましても、これはできるだけ早く決めていくべきであるというふうに思います。

 確認ですけれども、基準については通達になるんですか、省令で定めますか。

北村政府参考人 基準につきましては、審査は地方公共団体の自治事務になっておりますので、一応、国と地方の関係上は、国の関与としては技術的助言ということで、通達といえば通達ということですが、こういう形でお示しすることになろうかと思います。

 現時点では、法律の範囲内でできるだけ早くということで、私どもかなり、実際、この基準にのっとらないと建物を建てられないということになりますので、ある意味権利保護という観点も考えなきゃいけませんので、安全をどうやったら確保できるかということをしっかりと技術的な検討をした上で、そうは言いつつも、なるべく早くそういったお示しができるように準備をしてまいりたいと考えてございます。

馬淵委員 技術的助言ということで、通達等々で行うということでありますが、これも、とにかくできるだけ早く、また明確にしていただきたいというふうに思います。

 開発審査会、要は、どこでどう決まっているのかが明らかでないようなことがあってはならない、国がしっかりとそこは管理監督をしているということを示していただきたいというふうに思います。

 そして、加えて、今のは、個人用の居住のところというのは、今申し上げたように、これは除くということになっていますが、災害レッドゾーンで建設が原則禁止されるということで、そうなりますと、事業者が持っている土地、これを手放そうと当然なるわけですね。価値は下がっていきます。こうした、事業者、いわゆる不動産業者が持っている土地、これを手放そうということになりますが、その場合に、事業者に対する何らかの対応というのは、何か国交省の方ではお考えでしょうか。いかがでしょうか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 今回は、そういう危険なところについての開発は抑制する、国民の安全を守る観点ということでございますので、一部結果的に事業者の方に御不便をおかけするということもある程度やむを得ないことかなというふうに考えております。

 ただ、委員御指摘のとおり、自分の持っている土地がどうなるんだということもございますので、今回、法律では二年以内の経過措置というふうに言ってございますけれども、こういう経過措置を設けまして、いきなり、じゃ、あしたから開発できないよというようなことがないような時間的な余裕、経過措置を置いているということ。

 あと、この法律をつくる以前にも、いろいろ関係の業界団体の方と意見交換もさせていただきました。私ども、実は、正直言って、こういう規制強化は反対されるんじゃないかというふうに心配していたのでございますけれども、そういう不動産関係の方とかに意見を聞いたところ、やはり、今のこの災害の状況を見れば、ある程度我々が不便になることもやむを得ないかなというような御意見もいただいて、御理解いただいてこの法案を作成させていただいたところでございます。

 今後とも、制度の円滑な実施が図られますように、事業者関係の方々、また公共団体にもしっかりと説明を重ねてまいりたいというふうに考えてございます。

馬淵委員 私は事業者の立場に立って物を言っているわけではありません。こうしたところは開発すべきではありませんし、ちょっと下賤な言い方をすれば、かつてから危険な地域というのは地域の中では割と知られています。しかしながら、人口がふえ、そして宅地の開発が困難になっていく中で、山を切り崩す、あるいは河川近くといったところの土地にまで居住がなされるようになっていく。

 当然ながら、古くからの古老が言う伝承の話なんかでいうと、あの辺まで水がつかっていたとか、あそこは危ないとかいうのは、これはよく伝えられているわけでありますが、実際には、経済行為でありますから、そうもいかない。不動産事業者が宅地として取得し、そしてミニ開発を行うということも当然ながら行われてきたわけです。

 それをさせないでいこうというのは、私は重要な観点だと思うんですが、逆に言うと、二年間ということで猶予を設けると、これは皆さん方の立場でいえば、さまざまな自治体との協議を含めて、あるいは今後の制度の中で、やりとりも必要だ、周知の期間も必要だということで二年というふうに言っていますが、この二年間で、すなわち、そのような土地は早く不動産業者は手放しなさいよ、こういうことを促進させるという意味にとられることもあると思うんですが、これはどうでしょう。

 大臣、私、これは特に通告はしていないんですが、これは政治家としての感覚としてお答えいただければと思うんですが、今申し上げたように、二年の猶予というのは確かに合理的な猶予期間なのかもしれません。でも、そういった場合に、事業者がこの土地を手放すような期間だ、このように事業者に理解をされてよろしいんでしょうか。大臣、いかがでしょう。

赤羽国務大臣 馬淵先生の言われていることもよく理解できますけれども、今、全体的に言うと、人口減少化でありますし、新規住宅の着工も伸びているような状況じゃありませんので、にわかにこうしたことが、住宅用の宅地に転用されるというのは、可能性はゼロとは言いませんけれども、なかなか起こりにくい状況にあるのではないかというふうに思っています。

馬淵委員 私もそうあるべきだというふうには思っておりますが、経済行為でありますので、事業者さんがどのように判断するか、不動産業者さんがどのように判断するかというのはまた別物であります。

 二年間の猶予が欲しいという業界の声があったということは、やはりその間に何とかその土地の処分というのも考えたいというのもあったと思うんです。決してそれを否定はしませんが、ある意味そういった意識が働いているということについてはしっかり国交省としても理解をしておくべきことではないかということは申し上げておきたいというふうに思います。

 そしてもう一つ、この法案の重要な柱でありますが、住居の移転の促進であります。これも大変重要なことでありまして、単に開発を許可しないということだけでなく、移動していただく、移転していただくということであります。

 この住居の移転に関しましては、お配りした資料にも載せておりますが、災害ハザードエリアからの移転の促進ということで、市町村がコーディネートを行い、具体的な計画作成、手続代行等、このように示されておりますが、対象地域の住民が移転を思い立った場合に、移転場所をどのように見つけて、そして新しい移転先への権利関係をどう取得するようになるのか、市町村がコーディネートするとは具体的にどういうことを意味するのかというのを、局長、答弁がちょっと長くなっているので、御丁寧におっしゃっていただいたのはありがたいですが、端的にお願いします。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 どういうふうに見つけるかということでございますけれども、これは本当に市町村の個別の事情がございますので、例えば市町村の方で既に安全なところに開発しているエリアがあったりとか、あとは、例えば非常に空き地とか空き家とかがあるとか。それで、ここにやると。あとは、先ほどから議論していますが、コンパクトシティーの政策でここら辺に住んでほしいということであれば、そういったところを集中的に探すとか。

 個々あろうかと思いますけれども、具体的には、それぞれの市町村の事情で適切なところを探していただくということで、それについて、制度上、何ら制約をかけるということではございませんので、市町村の判断だというふうに考えてございます。

馬淵委員 端的にと申し上げたら、ちょっとふわっとした御答弁をいただいてしまいました。済みませんね。

 私、説明を受けているんですよ。つまり、市町村が、そういった要望を受けたときに、具体的に移転先の土地などを探し、そして不動産所有者と移転希望者の橋渡しをする形で紹介をして実際の条件まで詰める。その上で、その所有権にかかわらず、土地や建物に一括して利用権等を設定する計画を作成して公表することによってその権利が設定される。これはかなり突っ込んだ丁寧な行政行為なんですね。通常ではなかなかあり得ないでしょう。ということで、移転希望者を実際の移転へとつなげていく、これがここに書かれている市町村のコーディネートと呼ばれる行政行為なんですよ。そうですよね。

 ここまでやるわけですね、ここまでやって、確かに、これは移動してくださいというお願いですから、これぐらい丁寧さが必要だということ、私もこれを否定はいたしません。

 その上で、費用の話。先ほど西岡議員が質問された中で御答弁がありましたね。九四%、移転の費用。これは移転の費用ですから、引っ越し並びに宅地の造成、あるいは登記含めてさまざまな費用がかかる。これの実に九四%が国の負担ということでありますが、市町村がコーディネート事業をして、九四%国の負担ということであれば、残りの六%、これは自治体負担ということが当然起こり得るわけですよね。

 そこで確認ですけれども、国の負担は九四%、そこまでしか言えないのはわかりますが、残りの六%に関しては自治体の負担ということでよろしいんでしょうか。局長、端的にお答えください。

北村政府参考人 まず、制度の根幹についてでございますが、今回、法律上、移転計画をつくりまして、市町村に汗をかいてもらうというのをつくりました。負担割合が国が九四%と申しますのは、移転計画の中で既存の防災集団移転事業に合致するような計画をつくった場合です。ですので、ある一定程度の方が一緒に動いていただかないとなりませんが、その場合は九四%でございます。

 残りの六%につきましては、これは市町村の負担ということになります。

馬淵委員 ちょっとはしょりましたが、承知しております。十戸から五戸へと緩和して、いわゆる防集での移転に関しては五戸ですから、まとめやすいという発想でしょうね。私も、五軒ぐらいであれば、かなりこれは利用していただけるんじゃないかと思います。加えて、九四%国費、そして六%は自治体の支援ということでありますから、移転の方々の費用負担はゼロですよ。しかも、コーディネートまで行政が行う。

 皆さん方、都市局の方々が、手厚い支援と繰り返しおっしゃっておられる。まさに私もそう思います。なかなかここまで踏み込んだ制度設計はできないと思っておりましたが、非常に踏み込んだ制度設計だというふうに思います。ぜひこういった制度を使いながら、周知徹底して、危険地域にお住まいの方々に移転していただく、これは極めて重要ですよ。

 つまり、繰り返しになりますけれども、一〇〇%公費負担ですよ。しかも、移転先まで含めて権利設定まで。これは、計画を作成して公表すれば同時に権利設定されるわけですから、ある意味、不動産に疎い方々でも全てお任せでできる。なかなかここまで丁寧な行政サービスはないと私は思います。こういったサービスを実際に具体的に実行させていくことが重要です。絵に描いた餅にしちゃだめだ、ここまで踏み込んだ制度ですから。

 そこでお尋ねをしますが、自治体がコーディネートをする、また、計画を作成し公表することによって権利関係が設定されるという類似の仕組みが実はありました。

 これは、二〇一八年、今から二年前ですけれども、同じく都市再生特措法の改正、ここで低未利用土地権利設定等促進計画というのを当時国交省でもつくられています。そして、これは全く同様に、行政がコーディネートして、そして計画を策定するという仕組みだったんです。

 都市局の皆さんもよく御存じで、その当時の改正もされてきたわけですから、今回のこの手法も、前回の改正の手法を再度上書きしていっているということだと思います。

 そこで、お尋ねします。ここはもう端的で結構ですよ、数字だけで結構ですから。

 では、この二〇一八年六月成立、七月に施行されました低未利用地の土地権利設定促進計画、現時点での適用事例は何件でしょうか。

北村政府参考人 この低未利用地権利設定促進計画につきましては、立地適正化計画に低未利用の……(馬淵委員「件数だけ聞いています」と呼ぶ)指針を定めてやります。指針を定めた件数は現在五十件ございますが、実際に権利設定まで到達した事例は現在のところございません。

馬淵委員 ゼロなんですね。もちろん時間がかかることはわかります。

 私、何を申し上げたいかというと、先ほども申し上げたように、本当にそこまで行政が、ある意味個別の対応ですよ、不動産事業者の仲介役になるような個別の具体的な対応を丁寧に丁寧に行うわけです、費用負担をして。低未利用土地権利設定とはまた今回のは違いますが、これは二年でゼロ件。簡単にいかないのはよくわかります。

 このときは空き家対策ということでした。空き家でスポンジ状態になっている都市をどのように活性化させるかということですから今回とは少し違いますが、それでもニーズとしては私はこちらも十分にあるんじゃないかと思いますが、適用の段階で、まだ五十件ほどだということで、五十件ほどあるというふうにおっしゃいますが、現時点でこれが成立しているのはゼロなんですね。

 なかなかこれは大変なんですよ。私もそう思います。こんなことを言ったら失礼かもしれませんが、いわゆる行政職員の皆さん方がそれだけマンパワーを注げるのか、割くことができるのか。あるいは、さらにはそういった交渉能力を含めて問われるわけですね。だから私は、今回のこの、大変いいアイデアだと思います、でも、これが絵に描いた餅に終わらないようにしていただきたいと思うわけです。

 そこで、別の切り口からお尋ねをいたしますが、では、自治体がコーディネートしていくということであれば、どれぐらいの移転の希望者がいらっしゃるのか、どのようなニーズがあるのか、これについて国交省はアンケートなりあるいはニーズ調査は行っておられますか。局長、これも端的にお願いします。

北村政府参考人 今回の法律を検討するに当たりまして、私どもとしてはこの事業主体となります市町村にアンケート調査を行っておりまして、市町村段階では、こういった計画については、法律ができたらぜひ使ってみたいという回答を幾つかの市町村からいただいているところでございます。

馬淵委員 つまり、これは自治体が行うべきものだと私は思いますが、把握していないんですよ。現時点において、これは膨大でしょうからなかなか大変だと思いますが、現時点でニーズが、あるいはどれぐらいの希望者か、概数もわからないんですね。その上でこの制度をつくって、果たしてうまくいくのか。

 では、もう一点、違う観点からお尋ねします。これも端的に数字だけお答えください。いわゆる防集、防災集団移転促進事業、令和二年度予算、これは幾ら計上していますか。

北村政府参考人 防災集団移転促進事業につきましては、令和二年度の予算額は約四千四百万円を計上しております。

馬淵委員 四千四百万なんですよ。これは、先ほど申し上げたように、宅地造成からあるいは引っ越し、移転含めたもろもろのお金がかかるわけですから、通常考えても十万、二十万のお金じゃないわけです。百万、二百万、あるいは三百万、四百万、軽くそれぐらいかかるでしょう。

 つまり、この四千四百万の予算計上、これは十件あるかないかぐらいですよ。それで、ニーズも把握していない。そして、コーディネートという仕組みそのもの、これも、この二年間、同じ都市再生の特措法で行ってきたけれども、ゼロ。これは本気度が問われるんです。

 繰り返し申し上げます。私、今回の取組はすばらしいと思うし、法案の中身としても踏み込んだことをしていただいていると評価していますが、見合った予算をつけなきゃならない。でも、この見合った予算に関しては、皆さんおっしゃるのは、それが必要となれば予算措置を行う、こういう話になるんでしょう。でも、取っかかりの、とりあえずの要求額が四千四百万だったという話で、今回の移転促進というのが本気なんですかというのが問われるんじゃないですか。

 大臣、私、本当にいい取組だと思っていますし、繰り返し申し上げていますが、ここの部分を見ると、やはり少し本気度が問われてもいたし方ないんじゃないかと思うんです。ぜひここは、予算措置も含めて、あるいはどうやったら促進できるのか、さらには、自治体が調べることだから国交省として主体的にやることではない、これもよく理解しますが、それでいいのか、私はこういった思いを持っておるわけでありますが、赤羽大臣の御見解というのをお聞かせいただけませんか。

赤羽国務大臣 土地の私有権というのは歴史的に大変強いものがあるし、既存で住まれている方を移転させるというのは並大抵の話じゃない。だから、なかなかそういったことは制度化できてこなかった。しかし、近年、本当に激甚災害が頻発化をして、私も随分箇所を見ましたが、本当に浸水想定区域どおりに洪水が起こって、何千世帯も大変な被害を受けられたというようなことが一カ所、二カ所じゃなかったということで、それは、私も強烈に思うだけでなくて、多くの国民の皆さんも、ここは制度化しなければいけないということだと思います。

 ただ、他方で、現状、この防集みたいな、防災集団移転なんというのは、私の感覚でいうと、やはり東日本大震災の津波みたいな、ああいう面的な大きな被害があったればこそ、ああしたものが実現できるのであって、ないとなかなか、そこに住まわれている皆さんのニーズというか、まずそうしたリスクがあるんだということを説明して、それを、じゃ、今まで長年住みついていた愛着ある便利なところを移転させるのかというのは、相当、並大抵な話じゃない。そこにチャレンジをしていく上で、こうした制度をまず設けなければいけないということで、その端緒だと思っております。

 そうした意味で、予算は、私も四千四百万はえらい小さいじゃないかと言ったんだけれども、それは私がレクを受けた仮置きで、そうしたことが出てくれば当然四千四百万じゃ済まないので、補正予算で対応すると。

 それについて私は余りコメントはしていないんだけれども、そうしたことで、とりあえずまず制度をつくって風穴をあけるというか、正しい方向に、馬淵先生も言っていただいているように、私もそうあるべきだと思いますので、そうした方向にまず一歩出せる法改正なんだというふうに御理解をいただければと思います。

馬淵委員 なかなか難しいけれども、十戸の集団を五戸にまで減じて、これは個別で動くと当たらないんですよね。だから、何とか五軒まとめる。五軒ぐらいだったら何とかなるかもしれないという中で、ひょっとすると加速度的に進むかもしれません。

 その意味では、予算措置、これは全然足らないですよね。災害があってから災害の補償だ何だでは遅いということ。災害については大臣が一番防災・減災を訴えられている、私もそう理解をしておりますので、やはりこの小さい予算とか、あるいは、実効ならしめるために、いかに自治体に対してある意味プッシュしていくかということが問われる仕組みなわけですから、絵に描いた餅にならないように重ねてお願い申し上げておきたいというふうに思います。

 時間がもう余りなくなってまいりましたので、残り、通告した質問はちょっと飛ばしまして、農地保全について少し質問をさせていただきます。

 今回も、都市計画、この中で、良好な農地の保全ということについても触れられております。農地の役割が極めて重要だ、コンパクトシティーの実現などについても農地の役割がますます重要となるという観点で今回の新たな地区制度というのが設けられるそうでありますが、実は二〇一八年に、都市計画法の改正で田園住居地域というのを設けております。住宅と農地が混在し、両者が調和して良好な居住環境と営農環境を形成している地域をつくるという中で、その位置づけを定める田園住居地域というのが、二〇一八年、法律が施行されました。

 この田園住居地域の指定件数、これは何件でしょうか。局長、これも数字だけで結構です。

北村政府参考人 田園住居地域でございますが、これも、現在検討中の公共団体は幾つかございますが、現時点で指定に至った自治体はございません。

馬淵委員 大臣、これもゼロなんですね。

 私は都市局の皆さんに言いましたけれども、役所の悪い癖で、同じような制度をいっぱいいっぱいつくるんですよ。それで、結局、似たような制度をいっぱいつくっていって、繰り返し繰り返し、変な言い方ですが、大臣がかわるたびに、政権がかわるたびに、何かやらなきゃいけないなといって、前にもこれはあったというのを、またその上書きをするんですよ。それで、制度ばっかりふえていくんです。だけれども、実数ゼロですよ。

 もちろん、これは都市計画法の用途地域ですから今回とは違う、それは理解をします。新しい地区計画制度を設けることによって農地保全が高まるんだという理由で、いわゆる用途地域はべたっと面で指定しますが、今回はこれを一定程度、かなり限ったところで、災害も含めた、地域の中で、コンパクトシティーの実現のために、必要な地域を新しい地区制度として決定するということだそうでありますが、ここも、繰り返しになりますけれども、同じような制度ばっかりつくって適用されないということが続いては意味がありません。

 私、三月の質疑で、生産緑地から代替である特定生産緑地への切りかえはどれぐらいだとお尋ねしたところ、一%だったんですよ。要は、進まない話になりかねないんです。農地が大事だと言いながらも、このような実態、実績があります。

 これも先ほどの話と同じで、絵に描いた餅にならないように気をつけていただかなければならないわけでありますが、大臣、これについて、もう時間がありませんので最後の質問となりますが、大臣の御見解と、そして、どのようにしていかなければならないかということについての決意をお伝えください。

赤羽国務大臣 馬淵委員におかれましては、生産緑地の件についても、都心の農地保全についても、御熱心に取り組んでいただいていること、大変感謝をしております。

 きょうの審議にもありました、ウイズコロナというかアフターコロナで、コンパクトにまちづくりを行っても、その中に緑の空間、農地を保全するということは重要だという御指摘、複数名の先生からも御指導いただいたところでございます。

 こうした新しい制度が屋上屋にならないように、これはやはり結果が問われるわけであります。一応、局長は、私への説明では、まだ制度ができたばかりだからと、言いわけなのか本当のことなのかよくわかりませんが。こうしたことが私がやめるときに必ず何らかの形に残るように、しっかり御指導を胸にとめておいてフォローしていきたいと思いますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

馬淵委員 ありがとうございました。

 ぜひ、局長の御答弁を私もとやかく言うわけじゃありませんが、一生懸命取り組んでおられると思いますが、前に進められるように、絵に描いた餅にならないように、よろしくお願いいたします。

 質問を終わります。

土井委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうも問いが残るんじゃないかと心配をしておりますので、答弁は簡潔によろしくお願いいたします。

 二〇一四年に、改正都市再生特措法の施行により立地適正化計画制度が創設され、コンパクトシティーを打ち出してきました。現在、三百二十六都市が計画を作成、公表していると承知をしておりますが、改めて、立地適正化計画でコンパクトシティーを進めてきたその目的とこの六年間の取組の評価を伺いたいと思います。

赤羽国務大臣 先ほど御答弁もさせていただきましたが、人口減少、高齢化が進む中で、郊外に拡大していったまちづくりのままではなかなか福祉、医療等の生活機能や公共交通が確保がしにくくなる、その結果、高齢者の皆さん、また子育て世帯の皆さんにとって安心して暮らせる状況でなくなるという、そうした思いの中で、コンパクト・プラス・ネットワークシティーという取組を進めてきたものと承知をしております。

 そうはいっても、既存の、あるものを変えていくというのはなかなか簡単ではないというふうな中で、今御紹介いただきましたが、現在までに三百を超える都市で計画が作成済みであるということは、私は、一つ、この取組が各地方自治体で着実に進められているものだというふうに評価をしているところでございます。

 なかなか、五年間の取組の評価というと、結果としてはこれからなのかなと思いますし、先日、実は、ちょっと長くなりますけれども、簡潔に。富山市の……(高橋(千)委員「次の答弁を聞いてからでいいですか」と呼ぶ)じゃ、やめておきます。毎回富山市の話をするぐらい、なかなか成功事例が少ないということ、簡単じゃないけれども、あるべき方向で進んでいるというふうに申し上げたいと思います。

高橋(千)委員 大変失礼しました。

 富山市の話は、別な方に対する答弁を私もそばで聞いておりましたけれども、コンパクトシティーが始まったころは非常にこの取組は注目をされたんですね。今いろいろな問題が起きてきていますので、これはまた別に議論したいかなと思っております。

 それで、昨年七月の都市計画基本問題小委員会の中間取りまとめには、人口の急増と都市流入の時代から、人口減少の時代に移行する中で、人口密度の維持により、住民生活、都市活動、都市経済等の面で持続可能なまちづくりを実現するということが目的なんだ、そのために時間をかけて都市の体質改善をするというふうなことを書いております。

 ですから、なるほどなと、今大臣もおっしゃったように、減少の時代に一定コンパクトにすることによって密をつくる、今はちょっと密は禁止ですけれども、そういう意味で都市機能を維持するんだというふうな方向なのではないかと思うんですね。

 ただ、この取りまとめの中にも非常にメリットもデメリットもいろいろ書かれておりまして、私自身もコンパクトシティーを頭から否定をするわけではありません。ただ、本当に寄せなきゃいけないんだろうか、それはいろいろな考え方がやはりあるんじゃないか、自然なままを生かしながらということも、これはやはり選択肢としてあるんだろうということで、いろいろ考えるところがあって、少し進めていきたいと思います。

 それで、民間都市再生事業計画の認定申請の期限を更に五年延長するのはなぜでしょうか。当初は、やはりバブルが終わって経済を興さなきゃいけないという理由があったと思いますが、そのころから見て今の必要性は大分違うと思うんですが、いかがなんでしょうか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 民間都市再生事業計画の大臣認定制度、これは、都市再生緊急整備地域において民間の優良な都市開発プロジェクトを認定いたしまして、期限を設けて集中的に支援をすることにより、効果的、迅速に都市再生を進める、こういった趣旨のものでございます。

 このため、この大臣認定制度については、五年ごとに都市再生の進捗状況を検証して、しっかりと、必要があれば延ばすというようなやり方を行っております。

 制度創設は、平成十四年の都市再生特別措置法の制定時に創設されたものでございますけれども、創設以来これまで三度の延長を行い、これにより、民間都市開発プロジェクトについて金融支援等を行った結果、都市再生は着実に進んできているところでございます。

 現時点でございますけれども、現時点に目を向けますと、法律の閣議決定をしたときにはまだ、東京オリンピックがあるということで、その後の建設投資が減るんじゃないかというような話がございました。また、今は、現時点の話でも、コロナの問題とかございまして、民間の建設活動が非常に落ち込んでいるというような状況もございます。

 こういった将来にわたる需要の落ち込み、こういったものを考えると、ここで期限を延ばして、民間の事業者の方に、安心してこういう、今後も支援を得られるんだぞ、優良なプロジェクトであればそういうことで応援があるんだということをアナウンスするということが、非常に経済波及効果という観点から重要かと思います。

 また、特に緊急整備地域は、非常に、東京とかの、グローバルな都市間競争を行っている地域でございますので、こういったエリアで海外からの人材、企業、投資を呼び込む、こういった我が国の国際競争力という観点からも、このタイミングで延長をして、そういうプロジェクトを推進してまいりたいという趣旨で今回延長させていただきたいというものでございます。

高橋(千)委員 結構、前広にといいましょうか、目的がかなりいろいろなことを盛り込んでいるなという形に、必要性が非常に変わってきているのではないか。

 私は、やはり、貸倒れのあるリスクを、金融機関から政府保証を設けて民都機構が貸し出す、そうやって支えてきたやり方を、いつまでも同じでいいのかということ、その理由が、グローバルだから、都市間競争だからということでどんどん広がっていく、このやり方に対しては、やはり違うんじゃないかと待ったをかけたい、このように思います。

 それで、次に、立地適正化計画と防災対策の連携について質問します。

 昨年十二月の時点で、居住誘導区域を含んだ立地適正化計画を公表している二百七十五の自治体のうち、居住誘導区域に土砂災害警戒区域などのレッドゾーンを含む都市が十三都市、これは四・七%、浸水想定区域などのイエローゾーンを含む都市が二百五十四で九二・四%に上ることがわかりました。

 また、昨年の台風十九号では、十四県四十二市町村において居住誘導地域で浸水被害が発生し、福島県須賀川市では二人が亡くなっております。

 今回、こうした教訓を踏まえ、災害リスクを的確に反映した防災まちづくりを目指すことは必要なことだと考えております。

 きょう、何人かの方が使った資料が、資料一、ここはダブっておりますが、これの中にその中身が全部盛り込まれていると思うんですね。

 それで、簡潔にお答えいただきたいと思います。

 まず、原則禁止とする趣旨で、レッドゾーンとイエローゾーンの違い、お願いします。

北村政府参考人 このレッドゾーンにつきましては、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、災害危険区域、この四つの区域のことを災害レッドゾーンというふうに言われておりますけれども、これは、現行のそれぞれの土砂災害防止法等で住宅等の建築とか開発行為の規制が既にかかっているエリアでございます。

 一方で、災害イエローゾーンにつきましては、これは、浸水の想定を広く住民等に知らしめて、雨が降ったときには早く避難してくれといったようなことを周知するために行っているエリアということが、法律上の位置づけはそんなようになっております。

高橋(千)委員 ゾーンの中身を聞いたんじゃないですよ。ゾーンによって、原則禁止の重みとかやり方がどう違いますかということを聞いているんです。

北村政府参考人 失礼いたしました。

 今回、レッドゾーンにつきましては、原則禁止ということで、今申し上げましたように、個々の建築行為が禁止されるような、ある意味危ないエリアでございますので、これについては、そういうところでまちづくりをする開発許可、これについては原則禁止をしましょうということを今回の改正で、今まで分譲住宅についてとか貸し家について対象にしていたものを、かなり広く拡大をしているということです。

 もう一つ、イエローゾーンにつきましては、これはそういう警戒をアナウンスする区域でございますので、これまで御答弁申し上げましたように、調整区域という本来は開発してはいけないエリア、こういったところについて、わざわざイエローゾーン、浸水想定区域等で開発を行うことについては、今までみたいに自由にやるのではなくて、個別審査できっちりと審査をして開発を認めるという改正案を提出させていただいてございます。

高橋(千)委員 だけれども、あくまでも原則であって、全面禁止ではないわけですよね。

 さっき読んだ中間取りまとめの中に、自治体がなぜそうなっちゃうのかというのに、やはり都市計画と災害のハザードの指定のタイムラグがあるのでどうしても前後しちゃったというふうなこととか理由を述べているのに対して、それではちょっと住民への説明責任を果たし得る理由とは考えにくくて、早急に除外すべきというふうに指摘をしているわけですね。そういう点で、もっと強く指導がかかっていくのかなということが聞きたかったわけであります。

 それで、そういう場合でも、安全確保対策をした場合、認めることがあるわけですよね。そのときに、やはり、住民の理解、納得、安全確保対策といったっていろいろあるわけなんですよね。それを、例えば砂防ダムのあり方、場所だってそうだし、そういうことについて、よく理解を求めながら進めていかなきゃいけないと思うんですが、どういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。

北村政府参考人 今回、市街化調整区域についての開発許可の厳格化ということを提案させていただいてございますけれども、これにつきましては、先ほども御答弁いたしましたとおり、開発審査会、開発許可権者に置かれる第三者機関である開発審査会において一件一件審査をする。今までであれば、条例でこのエリアだったら開発はオーケーよということで自由に開発できたものを禁止いたしまして、一件一件チェックをするというような制度にしております。

 この基準については、先ほどの例示にありましたけれども、例えば、盛土をしていただいて雨が降っても大丈夫な構造にするというようなことを個別具体に一つ一つチェックをしていただくということで、適正な建設、開発だけが残るというようなことを制度設計としては想定してございます。

高橋(千)委員 ちょっと時間の関係で進みます。

 それで、さっき防集のことを聞こうと思っていたんですが、五戸以上としたことについて、先ほど馬淵委員が詳しく指摘をされて、端緒だというふうな答弁がございましたので、そこはそのまま引き取りまして、もう一つは、防集によらずとも自主的な移転の誘導、支援を位置づけた、その趣旨について伺います。

北村政府参考人 この移転につきましては、先ほど大臣も御答弁差し上げましたけれども、やはりその必要性、危ないところから移転するという必要性は認識していたとしても、実際には、なれ親しんだ土地や家への愛着ということで、危ないからということで事前に移転をする、これはなかなか難しいということでございまして、単に、防災集団移転事業、この予算の措置が今まであったわけでございますけれども、なかなか進んでいない。

 今回は、この法律案におきまして、少しでも移転が進むようにということで、その軒数を問わず、市町村になるべく現地に入っていただいて、市町村にとってはこんな法律をつくってもらうと仕事がふえると言われるかもしれませんけれども、安全なところから、移転する、住民の方の意識を変えるというためには、やはり現地のわかっている市町村の方に汗をかいてほしいということで、法律上、こういう計画をつくって、いろいろな手続も市町村がかわってあげるということで、少しでも、難しい移転を、事前の移転を進めたいという趣旨で創設したものでございます。

高橋(千)委員 確かに、全く何も起こっていなくて移転なんてするのかという議論は、それは確かにあると思うんです。

 そうじゃなくて、何度も被害に遭ってきて、移転したいと住民自身が望む場合もあるんだ、そこをちゃんと今回担保するということを決めたんだよというふうに私は受け取ったので、やはり住民が望む場合に、防集のスキームに若干足りないかもしれないけれども、そういうところでも支えていくんだということを確認したいんです。

北村政府参考人 住民の方々が移転したい、そういうことであれば、当然、その市町村がバックアップする、そういう趣旨も込められているという制度でございます。

高橋(千)委員 確認しました。

 それで、資料の二枚目なんですけれども、今年度、社会資本整備総合交付金の都市再生整備計画事業を再編し、都市構造再編集中支援事業、黄色いところです、創設しました。官は交付金で、民は補助金でそれぞれ二分の一、それから固定資産税、都市計画税も半額支援という、これまでにない重点化を図ったのはなぜでしょうか。

北村政府参考人 お答え申します。

 まず、この都市構造再編集中支援事業の創設につきましては、これまで、コンパクトなまちづくりということで推進してございました。

 これまでは、従来、社会資本整備総合交付金の一部の中にまじり込んでございますので、市町村の全般にわたって幅広く支援する一メニューという位置づけでございましたけれども、今般、このコンパクトシティーの推進ということをより一層進めるために、立地適正化計画に基づいて、居住誘導区域のエリアに特化して集中的に支援する、こういった制度を創設するということで、コンパクトな都市構造への転換を更に促進するものでございます。

 もう一つ、先生にいただいた資料のまちなかウォーカブル推進事業の方でございますが、こちらは、多様な人々が集い交流する魅力的な空間を創出する、こういった官民の取組を推進していくということを念頭に置いてございますので、今回の法律で、計画をつくって支援をしていくという枠組みにのっとった事業につきましては、交付金、また、民間の取組、やはり官民で一緒にまちづくりをするというのが重要でございますので、民間の取組についても補助金で支援を差し上げる、更にその民間の取組については税でも応援差し上げるといったような制度を創設したものでございます。

高橋(千)委員 今、聞く前に官民官民とおっしゃったので、少し流れを変えて、順番を変えて質問したいと思います。

 資料の四枚目に、特に今回力を入れているのが、「官民の連携により「居心地が良く歩きたくなるまちなか」」をつくるんだと。私、この官民の仕切りがよくわからないなと思うんですけれども、逆に言うと、シームレスな取組なんだという説明だと思うんですね。道路や公園法などさまざまな規制緩和が入っていると思います。シームレス化で、民間も、オープンテラスみたいな写真がありますけれども、一階部分をガラス張りにして誰もが通れる公共空間にする、道路を広場にするなど、公共も加わって、空間づくりに税制と補助金、更に金融支援という形でやっていくと。

 それが、次のページのまちなかウォーカブル推進事業というのもあって、大体一キロの範囲ですけれども、これを指定すれば、歩ける空間整備ということでまた半額の補助をしていく、そういうふうなことがいろいろやられていて、たくさんの事例も資料の中に出てきたと思います。

 それで、まず、素朴な疑問ですが、歩ける空間、にぎわい空間、この方向性は賛同できると思います。ただ、これまでも、例えば中心市街地のシャッター通り化などが問題となって中心市街地活性化法なども取り組まれてきたと思うんですね。今回、居心地がよく歩きたくなる町中を押し出した理由と、これまでと違う、つまり、これまではなかなかうまくいかなかったけれども今回はうまくいくんだよという、そのポイントは何ですか。

北村政府参考人 委員御指摘のとおり、これまでも、中心市街地活性化法に基づきまして、中心市街地の活性化について、中心市街地活性化基本計画に基づく市街地の整備と、一方で、商店街の活性化ということをパッケージで支援をしてまいりまして、これはこれなりに一定の成果は上がっているものと考えています。

 ただ一方で、最近のまちづくりの潮流として、例えば、車についても、地方都市で車の台数とかがもう既に減っているようなところとか、あと、これまでどちらかというと、駅前というと大きな車道があって車中心の社会だったけれども、もうちょっと人を呼び寄せたい、人間中心の空間に戻したいというようなことで、幾つかの先行的な取組を行っている公共団体がございますし、そういった中で、オープンスペースをつくってにぎわい空間をつくるということが事例として挙がってきてございまして、国においてもこういう事業を応援してほしいというような要望も承っているところであります。

 今回は、この法律の中で、今までも都市再生整備計画という計画、既存の交付金の計画でございますけれども、その中の項目として、民間の行う事業も市町村がつくる計画の中に取り込むということで、公共団体が単に街路をきれいにするとか駅前広場をつくるだけじゃなくてあわせて民間が事業をする、そういう官民の取組をパッケージで計画でつくっていただいたら国も応援するというようなこと、こういうこれまでの公主導ではない、民間のアイデアとか民間の活力も活用して地域の活性化につなげるということが今回の改正の非常に大きな目的だということでございます。

高橋(千)委員 ですから、民間のアイデアとかいろいろなところで経験している経験を生かすということを否定するつもりはありません。でも、その地域でこういうのをやりたいなというときに、ちっちゃな広場の事業ですとパサージュとかかつてはやりましたけれども、そういう取組だったらいいんです。でも、今進んでいるのは、全体として大きな開発の中のこうしたウォーカブルであって、民間も今都市再生法人という形で丸ごとそれを一括受入れをするというので、やはり全然目指すものは違っていると思うんですね。

 資料の六枚目にありますけれども、先週、ちょっと予告みたいに言いましたけれども、神戸市三宮の駅前開発とバスタの話をしました。これは上が今の現況を、これはバーチャルの絵ですけれどもやっていて、三宮クロススクエアの東側、十車線ある車道を二段階に分けて二〇三〇年には三車線にして、まさに歩ける空間をつくるというものでございました。大臣の地元で大変失礼しますが、年末にここをずっと歩いてまいりました。

 三宮の駅前開発は、国から特定都市再生緊急整備地域の指定を受け、広域型都市機能誘導区域と指定をされています。資料の最後に、「空間の考え方」、細かい地図をつけると大変なものですからこれがむしろいいかなと思って、「公共施設の整備」という絵がございます。バスタの面積が結構広いんですけれども、JR、二つの地下鉄、阪急電鉄と阪神電車、ポートライナー、六つの駅を一つの空間として捉えるという。ですから、官民合わせて千七百億円以上の事業費と聞いているんですけれども、公共施設を配置することで民間と一体となってというのが非常にやりやすい、お金の面ではですよ、そういうふうな仕組みがこうなっているんだろうなというふうに見えてくるんです。

 質問は、神戸市が昨年六月に発表した都市空間向上計画の素案では、駅から徒歩二十分以上離れた地域、距離にすると八百メートルから千六百メートル、これはちょっと起伏も入れていますので、程度のところを、山麓・郊外居住地域に指定して、いわゆる立地適正化計画における居住誘導区域外とされたわけです。ですから、住むなと言われたわけではないが、やはり区域外となったことで、非常に住民の意見も大きく出て、党派を超えた意見が出て、パブコメが四百十三通、千百七十六件。結果として、一部見直しがあったと聞いています。そのことの理由や経過について、どう認識して、それを今後の取組に生かしていくのか、大臣に伺いたいと思います。

赤羽国務大臣 済みません、この神戸市の、神戸市都市空間向上計画というんですか、ちょっと私、地元の案件ですけれどもそれほど詳しくなくて、あくまで神戸市の事業だというふうに認識していますので、正確なプロセス、何があったかということはつまびらかではないわけでありますが。

 今お示ししていただいた三宮駅周辺というのは、もともと非常にわかりづらい。阪急、阪神、地下鉄、ポートライナー、JRと、全く非常に不便で、その結果、例えば大阪駅周辺とか名古屋駅周辺と比べると、はっきり言って相当段違いに、何というか、発展の度合いが貧弱だというふうに、これは率直に思っておりました。そうしたことを、発展というより、利便性も非常によくなかったということでこうしたことが多分地元で計画をされていたんだろう。

 それに加えて、先ほど、駅前の十車線が三車線と計画を聞いたとき、こんなことをやって大渋滞になるんじゃないかと心配もしましたが、多分、これはやはり、町というのは人間が主役だということで、ウォーカブルを意識したかはわかりませんけれども、神戸市としては相当大胆な、本当にJRの駅の目の前で、そごう百貨の目の前ですから。でも、これは、こうしたまちづくりもこれからあっていいのかなというふうに思いますし、反対されましたけれども、バスタも、本当に非常にわかりにくかったのが、一カ所に集約するということでは、なかなか、こうしたことを、大規模で悪いというふうに言われることが私はちょっとよく理解できないんですけれども、長年の懸案を、相当思い切った計画で、また、そういう人間の視点を当てたことで、私はすばらしいのではないかなと。

 その途中経過はよくわかりませんが、住民の意見が反映されたということでは、これからのまちづくりは、その当事者、住民の皆さんの意見を無視してやるということは、誰のための都市づくりなのかという意味では、そうしたことは非常に大事だというふうに思っております。

 ちょっと、済みません、詳細なことをお答えできませんし、立場も違うので、そうしたことだけお答えさせていただきたいと思います。

高橋(千)委員 住民の意見が反映されて、居住誘導区域ではない地域がちっちゃくなった、つまり居住誘導区域が広がったということなんです、結論から言うと。私はそれは、大臣がおっしゃるように、立場は違うけれども、いいことだと思うんですよ。計画にやはりそうやって住民の声を反映させなきゃと思うんです。

 大臣の地元だと思いますが、東灘、灘、中央、兵庫、長田の地域は、居住区域外のところがなくなりました。西は六〇%だったのが一三・八%、垂水が五〇から一・六%。それだけ、自分たちの土地を、いろいろな経過があって選び取ってきた土地を線引きをされたと。線引きなんですよ、住民にとっては。そのことの思いが一気にパブコメに寄せられ、一回じゃないんですね、何回かこれを経て、神戸市としてもこれを見直しをしたということは、やはり大事なことだと思うんです。

 結局、これは、確かにとてもいい部分もあるかもしれませんよ。バスタだって、集約する分にはいいんですよ。だけれども、その上にホテルもみんなつくって全体として開発をすることで、三宮の駅前には集中するんだけれども、でも周りはどうなんだろうかということはやはり見ていかないと。

 それはやはり、残念ながら時間がなくなったのでもうしゃべるだけにしますけれども、立地適正化計画のQアンドAの中にも、やはり誘導する以上は必要な施設を寄せていくんだ、子育て施設や高齢者のための施設や、医療の施設や介護の施設や教育施設や、スーパーや銀行や、そうやって誘導していくんだということをちゃんと書いているわけですよね。そうすれば、やはり線引きになってしまう。

 だから、住民が納得いかないとなるのは当然で、これからの計画のあり方、神戸の話じゃなくて、どこに対しても、やはり住民がきちっと納得できる形で合意して進めていくとするべきではないか、このことを指摘して終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

土井委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上です。よろしくお願いいたします。

 それでは、都市再生法案についての質疑をさせていただきます。

 まず最初に、重なるところも出てくるかと思いますけれども、御容赦いただいてお答えをいただけたらと思います。

 五年前の平成二十六年に、改正都市再生特別措置法の施行により立地適正化計画制度というのが創設をされまして、コンパクトシティーの取組が本格化してから、昨年の令和元年で五年がたちました。六年目に今入っているということでありますけれども、まずは、これまでのコンパクトシティーの取組について、国はどのように総括をしておられるのかお答えいただけますか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 人口減少や高齢化が進む中、地域の活力の維持、また、福祉施設、医療施設の生活機能、交通機関、こういったものをちゃんと町の中に確保するということで、高齢者とか子育て世帯にとっても安心して暮らせるコンパクトシティーの取組、これは、委員御指摘のとおり、二十六年の都市再生特別措置法を改正し、立地適正化計画制度を創設しました。

 これまでのこの場での議論でもございますが、この立地適正化計画をつくるためには、住民の方の御理解を得て、市町村の方で非常に御苦労をしながらつくってございますけれども、昨年度は新たに七十九都市、現在までで合計で三百二十六都市の計画の策定となっております。こういう議論を踏まえてまちづくりの方向性が進んできているということで、着実にこの取組が進んでいると認識してございます。

 一方で、取組状況を詳細に見ていくと、やはり、人口十万人未満の小さい市町村についてはどうしてもこの取組がおくれているといった点、また、これもこの場で議論がございましたけれども、土砂災害特別警戒区域などのいわゆる災害レッドゾーン、こういったハザードエリアを居住誘導区域に含んでいる都市があるといったもの、こういった課題が見つかってございます。

 このため、まずは、このコンパクトシティーがより一層推進するために、今年度予算で、人口十万人未満の市町村については、計画策定費を定額で、補助率幾らではなくて、ぽんと一定額、例えば一千万とか、そういう形で応援するという制度を創設してございます。

 また、災害レッドゾーンにつきましては居住誘導区域には原則として定めないということを、これはちょっと政令改正になりますけれども、これをきっちりとやる。

 また、やむを得ず災害ハザードエリアに居住誘導区域を定める場合、今回の法律案でございますが、こういったところに居住を誘導する以上は、やはり住民の方に安全に住んでいただくということで、居住誘導区域における避難地、避難路の整備とか警戒体制の充実、こういったものをあわせて行う防災指針というものを立地適正化計画の中に位置づけるというようなことを盛り込んでおります。

 今後とも、国交省としましては、公共団体に対する技術的、財政的支援などを通じて、コンパクトシティーへの取組を推進してまいりたいと考えております。

井上(英)委員 立地適正化計画というのが創設されて、先ほどもありましたけれども、進んでいるということなんですけれども、立地適正化計画というのは、市町村が都市全体の観点から作成する、居住機能や福祉、医療、商業などの都市機能の立地、公共交通の充実に関する包括的なマスタープランだということですよね。令和二年、今年度の四月一日現在では、先ほど答弁があったように、三百二十六都市が立地適正化計画を作成、そして公表しております。

 地方公共団体の取組というのは一定進展しているようですけれども、国はどのように細かく評価しているのかというのをちょっとお聞かせいただきたい。

 特に、居住誘導区域や都市機能誘導区域。居住誘導区域というのは、人口減少の中にあっても一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティーが持続的に確保されるような居住すべき区域、都市機能誘導区域というのは、医療、福祉、商業などの都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域というふうに言われていますけれども、その範囲設定についてどのように評価されているのか、お聞かせいただけますか。

北村政府参考人 市町村が策定いたしました立地適正化計画における区域の設定範囲につきまして、私どもで分析しておりますところでは、居住誘導区域につきましては、都市機能や居住が現に集積しているエリア、それからまた、公共交通の路線等を考慮する、こういったような観点からそれぞれの市町村で工夫して今設定をされておりますが、ただ、人口密度に対して居住誘導区域がちょっと広めじゃないかなというようなところも一部に見られるところでございます。

 一方、都市機能誘導区域につきましては、交通の結節点というアクセスの利便性を考慮して定めるところという考え方が一般的でございまして、一定程度のまとまったエリアへの区域設定がなされているというふうに考えてございます。

 また、目標の設定につきましては、基幹的な目標である人口密度、これについてはしっかりとそれぞれの公共団体で定めていただいているところでございますけれども、それ以外の、もうちょっとほかの目標もないのかというのは、定めていないところが多いというような実態でございます。

 もう一つは、人口密度の目標につきましても、若干、全体の日本社会また個々の市町村の人口が下がっている中で右肩上がりで計画を出していて、非常に意欲的ともとれますけれども、ちょっと大丈夫かなというようなところも一部で見られるというようなところでございます。

井上(英)委員 ぜひ適正に評価もしていただいて、お願いをできたらというふうに思います。コンパクトシティー自体はどんどん進めていっていただけたらなというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 社会資本整備審議会の中に都市計画基本問題小委員会というのがありまして、昨年の七月に、安心、安全なまちづくりについてということで、その小委員会で意見がまとめられましたが、その後、十月に台風十九号が襲来して、各地で大規模な浸水被害というのをもたらしました。やはり安心、安全なまちづくりというのは非常に大事であります。

 居住誘導区域における被害というのが発生したというふうにも聞いています。この被害をまちづくりの観点から国はどのように分析をして、そして、今回の改正において、その小委員会でまとめられたものよりも踏み込んだ措置をすることとした点はあるのか、お聞かせをいただけますでしょうか。

北村政府参考人 委員御指摘のとおり、昨年の七月に都市計画基本問題小委員会で中間取りまとめがまとめられまして、立地適正化計画と防災対策を連携させるというような御提言をいただいております。

 この提言を受けまして、今回の法律案におきましては、立地適正化計画において、居住誘導区域における避難地、避難路の整備、宅地のかさ上げ等をしっかりとやるという防災指針、これを設けるということが一点目と、あとは、災害ハザードエリアからの移転促進のための計画づくり、これは、市町村が計画をつくる、この二点がこの答申を踏まえた措置でございます。

 一方で、さらに、中間取りまとめの後に、御指摘のとおり、令和元年東日本台風等が発生してございまして、ここの被害の実態を踏まえまして、現行の法律では災害レッドゾーンの中の開発が、店舗とか工場等の自己業務用については原則禁止となってございませんので、これを原則禁止とするということ、また、市街化調整区域での新規開発された住宅等の被災、これも、実態を踏まえまして、そういったものの開発許可を厳格化するという改正案を今回盛り込ませていただいているところでございます。

井上(英)委員 小委員会の方針といいますか、意見のみならず、踏み込んでやっていただいているということで、ぜひ今後も安全、安心なまちづくりというのに貢献いただけたらというふうにも思います。

 さらに、安全なまちづくりの関連でお伺いをいたしますけれども、我が国は、これまでもたび重なる自然災害により大きな被害というのを受けてきました。先ほど答弁にもあったように、昨年においては房総半島の台風だとか東日本の台風と相次いでありましたし、おととしには、西日本だとか、私の地元の大阪、関西圏でも局地的な大雨被害とか台風被害というのもありました。やはり、非常に甚大な被害というのをもたらしているのが現在ではないかなというふうに思います。

 このような水害については、やはり発生するエリアというのは何百年も前から大きくは変わっていないんじゃないかなというふうに私は思っています。

 私の地元の大阪には大和川という河川があるんですけれども、その流域である河内平野においても、氾濫の被害というのがたびたびやはり起こってきた歴史があります。古くから水害に悩まされてきました。七〇〇年代には大阪湾への分流工事というのが試みられるなど、その治水の歴史というのは非常に古く、江戸時代には大規模なつけかえ工事も実施されて、そうしたハード対策を積み重ねてきた結果、現在は、ありがたいことに、大きな水害というのは余り起こらなくなりました。

 このような治水対策を始めとするハード対策というのは大変効果的であり、昨今の台風や豪雨の被害の状況も踏まえると、抜本的に実施していく必要があるのではないかというふうに思います。

 そこで、近年の頻発、激甚化する水災害に対応するためにはどのようなハード対策が必要だとお考えか、水管理局長にお伺いしたいと思います。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、昨年の災害というのは大きかったわけでございますけれども、その中でも、八ツ場ダムを始めとするダムや渡良瀬遊水地などの調整池、狩野川放水路といった、過去に整備をした治水施設が浸水被害の防止、軽減に効果を発揮したところでございます。

 今後、更に気候変動により水害が激甚化、頻発化する中で、地域の皆様に安心していただき、事前防災対策をより着実に、計画的に進めていくためには、治水対策の全体像をわかりやすく示していくことが重要であるというふうに考えております。

 こうした考えに基づきまして、令和元年東日本台風で特に甚大な被害が発生した七水系におきましては、緊急治水対策プロジェクトを取りまとめまして、おおむね五年から十年という期間を示した上で、総事業費五千四百億を超える、緊急的に実施すべき具体的な対策の全体像を明らかにしたところでございます。

 今後、七水系以外でも、どこで豪雨が発生してもおかしくないということを考えていきますと、全国の一級河川を対象に、緊急的に実施すべき具体的な治水対策の全体像をお示ししてまいりたいと考えております。

 国土交通省といたしましては、国民の生命、暮らしを守るために、今年度が最終年となる緊急三カ年を着実に進めるとともに、来年度以降につきましても、必要な予算の確保に努めて、事前防災対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

井上(英)委員 局長のおっしゃるとおりだと思いますので、しっかりとそのように進めていっていただけたらと思います。

 ハード対策を抜本的に実施していくということは本当に必要不可欠です。治水事業というのは当然、先ほどもありましたように、一朝一夕ではいきませんし、時間のかかることですし、また一方で、財政の制約というのもある中で、プライオリティー、優先順位をつけてやっていかないといけない。非常に苦労されていると思います。

 でも、治水の予算を見ると、最近、ここ三年ぐらいは緊急的に、こういう水災害の被害が多くて、ちょっと盛り返しているようにも思いますけれども、ピーク時の治水事業の予算に比べると非常に減っています。これは、ここにおられる委員みんなも、治水工事、しっかりやれよというふうに多分思っておられると思うので、ぜひしっかりとした予算を、国交省内でも、財務省に対しても、確保していただいて、頑張っていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 一方で、気候変動による大雨の発生頻度の増加というのが予測されていっています。そういう意味では、まちづくりの観点から防災・減災の対策というのを講じていくということは非常に重要でありますし、本法案は有意義なものであると考えています。

 この法案によってどのように安全なまちづくりを推進していくのか、今度は都市局長にお聞きをしたいと思います。

北村政府参考人 まず、こちらをお答えする前に、先ほど、中小市町村のコンパクトシティー支援というところで、定額補助をつくったというときに、例として、例えば一千万円と申し上げましたけれども、五百五十万円が上限でございますので、一千万円ということはございませんので、そこだけ訂正させていただきたいと思います。大変失礼いたしました。

 それで、今回の法案におきましては、まちづくりの観点からの防災対策ということで、土砂災害特別警戒区域などのいわゆる災害レッドゾーンにおける病院や社会福祉等の自己業務用施設の開発を原則として禁止するということと、災害ハザードエリア等においては市街化調整区域における開発許可を厳格化するという、災害ハザードエリアにおける新規開発をまず抑制するというのが第一点でございます。

 また、既に災害ハザードエリアに立地してしまっている既存の住宅や病院、これについて移転を促進するということで、補助制度について充実をするとともに、法律上も、市町村がコーディネートして計画をつくるという制度を創設したところでございます。

 さらに、コンパクトシティーの取組である立地適正化計画におきまして、居住誘導と災害対策、これを両立するための防災指針を定めるというようなことで、防災まちづくりの推進を一層図っていくといった改正案を提出させていただいているところでございます。

井上(英)委員 本法案の目的の一つでもあります災害リスクの高いエリアでの新規開発の抑制、移転の促進というものについては重要な取組だと思いますし、それを進めていくためには、先ほどの、レッドエリアとかの表現もありましたけれども、住民や開発事業者に対して災害リスクをわかりやすく伝えるということがやはり何よりも重要ではないかなと考えます。

 また、地方公共団体が公表しているハザードマップについても、実際に危ないところに住んでいる人が、見ることを嫌がったり、周知、告知されることを嫌がったりとか、また、リスクを十分に把握できていないということもやはりあるんじゃないかというふうに思うんですね。

 ハザードマップなど、災害リスク情報をわかりやすく丁寧に住民に伝えていくためには、やはり国土交通省がしっかり取り組んでいかないとと思いますけれども、水管理局長、いかがでしょうか。

五道政府参考人 お答え申し上げます。

 災害の発生時の的確な避難のためには、日ごろより住民の皆様が防災意識を高めていただくということが必要でございまして、水害リスクや避難に関する情報を一覧できるハザードマップ、これを周知して十分理解いただくこと、これが重要だというふうに思っております。

 国土交通省では、市区町村が住民に印刷物として配布しているハザードマップでございますけれども、これの説明会であるとか、それから、訓練というようなことに積極的に活用されている事例をしっかり紹介するというような取組を行っているところでございます。

 また、住民自身がハザードマップを見ながら、災害時に時系列に自分がどういう行動をするかというマイ・タイムライン、このような防災意識の喚起、水害リスクの認識を深める取組についても推進をしております。

 また、一人で行うよりも住民の皆さんが顔を合わせて避難行動をするというワークショップというような取組もしているところでございまして、引き続き、住民の皆様に対する取組を進めてまいりまして、的確な避難行動の確保に努めてまいりたいと思います。

井上(英)委員 もう時間もないので、水局長、ぜひよろしくお願いいたします。

 最後に、魅力的なまちづくりというところで都市局長に聞こうかなと思っていたんですけれども、国交省は、町中に人々が集って憩える空間を整備した代表的な事例として、兵庫県の姫路の事例だとか、それから地元大阪の天王寺公園の「てんしば」だとかいったのがあります、たくさん人が来られています、そういうふうなこともぜひ今後も継続して、都市局長、頑張っていただいて。

 そのまちづくりにおいて、本法案も含めて、大臣の決意をお聞かせいただけたらと思います。

赤羽国務大臣 今回の法案の提出は、近年の激甚災害の頻発化によって、国民の皆様の命と暮らしを守るということ、これを本当に法律の中にしっかりと組み込んで、規制にも、働きかけられるようにしようという相当画期的な法律だと思います。

 安全が第一だという、そのためにも防災・減災を主流にする社会をつくらないと、既存の人の移転もなかなか進まないと思いますので、そうしたことをしていく。

 同時に、町中はやはり、空間もつくり、ゆったりとした、スローライフというか、本当に住んでみたくなるという空間をいかにつくれるか。

 姫路のことを言っていただいて感謝したいんですが、大変姫路も生まれ変わったような形で、こんなにさま変わりするかなということで、その結果経済的な効果も生じたということで、やはり都市政策というのは大変重要だなということも体験をしておりますので、全国で一つでも多くそうした空間をつくっていきたい、こう考えております。

井上(英)委員 どうもありがとうございました。

土井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、都市再生特措法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。

 昨年の台風十九号では、十四県四十二市町において、立地適正化計画の居住誘導地域で浸水被害が発生しました。立地適正化計画を作成している自治体のうち、浸水想定区域など災害時の危険区域を居住誘導区域に含めている自治体が九割を超えていることがわかりました。本法案で、まちづくり計画を防災優先にし、浸水想定区域や土砂災害危険区域など災害リスクを的確に反映して、開発許可などの規制強化が盛り込まれたことは当然のことであります。

 しかし、以下の点で問題があり、法案に賛成できません。

 反対する第一の理由は、民間都市再生事業が、大都市部の大規模開発事業を進める民間大企業、大手不動産、ディベロッパーなど特定の大規模事業者を容積率緩和、税制措置などで優先的に優遇するものであるからです。その事業計画の認定申請の延長は認められません。

 二〇〇二年に都市再生特措法を制定した当初、都市再生政策は、バブル崩壊後の低迷する開発事業の打開策として打ち出されました。しかし現在は、都市再開発ラッシュで、大手建設、不動産、開発事業者は史上最高の利益を更新し続けています。その意味において、都市再生政策は役割を終えています。

 ところが、アベノミクスの都市再生政策は、国際戦略特区都市再生プロジェクトや国際競争拠点都市整備事業など、特定の開発事業者等への手厚い支援を一層露骨にしています。

 二〇〇五年から、民間都市再生事業計画の認定は百三十二件に上ります。免税等による優遇は、一三年度から七年間で四百億円を超える額に上っています。また、民都機構の支援対象をスマートビル建設での情報化基盤設備なども加えますが、優遇策の拡大であり反対です。

 第二の理由は、一体型滞在快適性向上事業が、大都市部を中心にまちなかウォーカブル推進事業などと一体で行われる都市構造改変や、他の都市開発事業とともに特定の大手開発事業者を優遇する大規模開発事業を後押しする懸念があるからです。

 歩きたくなる町中は、車中心のまちづくりから歩く人に重点を置いたまちづくりへの転換であり、方向性は賛成です。

 しかし、本法案で推進するまちなかウォーカブル事業は、官民連携と称して、街路、公園、広場など公共空間を利活用した民間事業を集中的、一体的に支援するとし、民間事業者に行政の普通財産を時価よりも低い対価で貸し付け、補助金も公共と同率、税制優遇など、異例の優遇策となっています。さらに、大手開発事業者を含む都市再生推進法人に道路や都市公園の占用、使用の許可にかかわる事務を行わせ、民都機構から融資を受けられるようにもします。

 予算措置においても、社会資本整備総合交付金の都市再生整備計画事業を再編し、個別支援制度として都市構造再編集中支援事業を創設、立地適正化計画を策定している市町村と民間事業者を集中支援しようというものであり、偏り過ぎていると言わなければなりません。

 以上で反対討論を終わります。

土井委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

土井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小里泰弘君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党及び日本維新の会・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。谷田川元君。

谷田川委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 災害危険区域等における開発許可の見直しについては、関係政令等の内容を関係事業者や地方公共団体に対し早期に示した上でその周知徹底を図ること。また、本法の趣旨に鑑み、市街化区域の浸水ハザードエリア等における開発許可についても、その周辺地域を含め溢水等の災害リスクが増大しないよう適切な措置がなされているか等について十分に確認して基準への適合性が判断されるよう、地方公共団体に対し適切な助言等を行うこと。

 二 地方公共団体の厳しい財政状況に鑑み、国において事務経費を含めた財政支援を行うことなどにより、防災集団移転促進事業が事前防災対策として積極的に活用されるよう地方公共団体の取組を後押しすること。また、多数の災害弱者が利用する病院、社会福祉施設等の災害危険区域等からの移転が図られるよう一層の取組を行うこと。

 三 立地適正化計画について、災害危険区域等が居住誘導区域から可能な限り除外されるよう助言等を行うとともに、除外が困難な区域については、防災指針に基づき適切な対策が講じられるよう必要な支援を行うこと。また、防災指針に基づく取組を進める際には、市町村と国や都道府県の河川管理者等とが連携し、必要な治水対策等とまちづくりが一体となったものとなるよう、関係者による総合的な取組を推進すること。

 四 居住環境向上用途誘導地区を定め、病院、店舗等の日常生活に必要な施設の立地の促進を図る際には、既存の用途地域の趣旨を踏まえ、建築規制の緩和が住環境や景観に著しい影響を及ぼすことのないよう留意するとともに、地域住民等の意向に十分配慮した運用がなされるよう、地方公共団体に対し適切な助言等を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

土井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土井委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣赤羽一嘉君。

赤羽国務大臣 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました各事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 皆様、まことにありがとうございました。

    ―――――――――――――

土井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

土井委員長 次回は、来る二十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十一分散会


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