衆議院

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第16号 令和2年5月29日(金曜日)

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令和二年五月二十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 土井  亨君

   理事 小里 泰弘君 理事 金子 恭之君

   理事 工藤 彰三君 理事 根本 幸典君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 小宮山泰子君

   理事 福田 昭夫君 理事 岡本 三成君

      秋本 真利君    小田原 潔君

      大塚 高司君    大西 英男君

      鬼木  誠君    門  博文君

      神谷  昇君    熊田 裕通君

      小林 茂樹君    佐々木 紀君

      田所 嘉徳君    田中 英之君

      谷川 とむ君    土屋 品子君

      中村 裕之君    長坂 康正君

      鳩山 二郎君    深澤 陽一君

      堀井  学君    三谷 英弘君

      宮内 秀樹君    簗  和生君

      山本  拓君    浅野  哲君

      荒井  聰君    伊藤 俊輔君

      西岡 秀子君    広田  一君

      古川 元久君    馬淵 澄夫君

      道下 大樹君    矢上 雅義君

      谷田川 元君    伊藤  渉君

      北側 一雄君    高橋千鶴子君

      井上 英孝君

    …………………………………

   国土交通大臣       赤羽 一嘉君

   国土交通副大臣      青木 一彦君

   国土交通大臣政務官    門  博文君

   国土交通大臣政務官    佐々木 紀君

   政府参考人

   (内閣官房小型無人機等対策推進室審議官)     岩崎 俊一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小平  卓君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 直江 利克君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局審議官)            伊藤  豊君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電波部長)         田原 康生君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官)  寺門 成真君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           春日原大樹君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           島田 勘資君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河本 健一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官)  瓦林 康人君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            山上 範芳君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  眞鍋  純君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  和田 浩一君

   政府参考人

   (国土交通省航空局安全部長)           川上 光男君

   政府参考人

   (気象庁長官)      関田 康雄君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 土本 英樹君

   政府参考人

   (防衛装備庁プロジェクト管理部長)        斉藤 和重君

   国土交通委員会専門員   宮岡 宏信君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十九日

 辞任         補欠選任

  長坂 康正君     熊田 裕通君

  古川 元久君     浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  熊田 裕通君     長坂 康正君

  浅野  哲君     古川 元久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二九号)


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     ――――◇―――――

土井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官瓦林康人君、大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官山上範芳君、住宅局長眞鍋純君、航空局長和田浩一君、航空局安全部長川上光男君、気象庁長官関田康雄君、内閣官房小型無人機等対策推進室審議官岩崎俊一君、内閣府大臣官房審議官小平卓君、警察庁長官官房審議官直江利克君、金融庁総合政策局審議官伊藤豊君、総務省総合通信基盤局電波部長田原康生君、文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官寺門成真君、経済産業省大臣官房審議官春日原大樹君、大臣官房審議官島田勘資君、大臣官房審議官河本健一君、防衛省大臣官房審議官土本英樹君及び防衛装備庁プロジェクト管理部長斉藤和重君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。古川元久君。

古川(元)委員 おはようございます。国民民主党の古川元久です。

 きょうはドローン法案の審議でありますけれども、ちょっとその法案の中に入る前に、幾つかコロナ関連で質問させていただきたいと思います。

 まず、毎回私はここで聞いているんですが、コロナがまだ完全に収束していない段階での災害があったときの避難の仕方とか、現場の対応ですね、もう梅雨の時期にも入っておりますので、本当にいつ豪雨や、あるいは地震も毎日のように起きています、そういう地震などが起きて避難しなきゃいけないという状況になるかわからないという状況でありますが、前回も聞いたときも、頑張りますと言っていたんですけれども、やはり地域、地元でいうと、まだそういう準備が整っていないんですね。

 私は名古屋が地元でありますけれども、名古屋の状況をちょっと市会議員に聞いてみました。そうしたら、市の中でどういうふうにするかという計画とかを今やっているところだと。まだそこから、それぞれの地域、実際に住民の皆さんが避難する地域には全く具体的な指示もあるいは準備もおりていないし、なされていない状況であります。

 こうした状況は、やはりもう本当にいつ災害が起きてもおかしくない状況の中で、どうやって政府として改善していくつもりなんですか。

小平政府参考人 お答えいたします。

 新型コロナウイルス感染症につきましては、まだ感染拡大のおそれが完全になくなったわけではありませんので、先生おっしゃるとおり、引き続き、大規模な災害が発生した場合に備えて、避難所における感染症対策を徹底する必要があると考えてございます。

 前回も先生から御指摘いただいておりますけれども、前回御指摘いただきました事務連絡以降におきましても、各種の留意事項などを取りまとめて自治体に周知を図ってきたところでございますが、おっしゃるとおり、通知の周知や必要な準備の徹底が極めて重要でございます。

 内閣府におきましても、前回も若干幾つかの市町村に聞き取りをしているということをお話を申し上げましたが、少し拡大をしておりまして、四十七都道府県と、近年災害を経験した自治体や報道により取り上げられた自治体六十三市町村、合わせて百十自治体からヒアリングをしてございます。

 その百十の結果でございますけれども、多くの自治体において、従来の避難所に加えホテル、旅館等の新たな施設の活用を予定しているなど進んでいるところもございますけれども、まだ取組が進んでいないところもあるのは事実でございます。

 名古屋市の御指摘も今いただいております。名古屋市にも聞きましたけれども、中で準備をしているという段階であるというのはおっしゃるとおりでございまして、このような自治体に対しまして、個別に取組を進めるようまた引き続き強く促すとともに、引き続き、関係省庁と連携して、適切な助言を行うことを通じて自治体の取組が進むように支援をしてまいりたいと思ってございます。

古川(元)委員 周知しました、やるように言いました、今市役所とか何かでやっていますというのでは、もう本当にいつ災害が起きてもおかしくないんですから、やはり、とにかくお尻をたたいて、いざというときに本当に住民の皆さんがこういう状況の中でも安心して避難できる、そういった状況を早急につくる、そのためにもう一汗、二汗、ぜひかいていただきたいということをお願いしたいと思います。

 その関係で、避難所における感染対策、これは、やはり住民の皆さんからすると不安ですからちゃんとしておかないと、いざ住民の皆さんが避難したときに、避難所の感染症の防止対策がなされていないと、そこでやはり混乱が起きることも考えられるわけであります。そういった意味では、避難所における感染症対策に対して、新たに必要となる資機材とか物資の調達、こういうものに対しては十分な財政支援をしなきゃいけないと思うんですね。

 これは、今、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で措置はされているというふうに言われていますが、どうも、聞くとこれだけではやはり十分じゃないと。ですから、防災活動支援事業として、更にこういう避難所の感染症対策については上乗せのやはり支援を考える必要があると思いますが、いかがでしょうか。

小平政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生がおっしゃいましたとおり、避難所における対応として実施する物資や資材の備蓄に関する費用につきましては、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金の活用が可能である旨、おとといですけれども、二十七日付で自治体に通知をしてございます。

 先ほど申し上げましたけれども、ヒアリング調査の結果によれば、多くの自治体で備蓄が進んでいるけれども、まだそうなっていないところもあるということで、今、百十の自治体の状況を確認したと言いましたけれども、これにつきまして、結果を取りまとめて各自治体にフィードバックをしています。逆に言えば、進んでいるところがあるので、ちょっとその辺をよく見て頑張っていただきたいということを伝えているということでございますけれども、そういうような依頼をしていることと、また、全国の自治体、まだ千幾つかありますけれども、備蓄状況の調査を今進めているところです。

 その調査結果も踏まえまして、備蓄が十分でない自治体に対しましては改めて備蓄を促すということと、地方創生臨時交付金の活用が可能であるということについて周知を行うとともに、事前の対策はそういうことを進めていくとともに、発災後につきましては、被災地のニーズを把握した上でプッシュ型支援などを行ってまいりたいと考えてございます。

古川(元)委員 お金が足りなくて十分な準備ができませんでした、そんなことがあってはなりません。とにかく、しっかりそこの状況を把握して、必要なところには必要な支援を国としてしていただきたいということを強くお願いしたいと思います。

 さて、大体、避難場所というのは、主なところは小中学校で、普通は体育館が避難スペースとして指定されているわけでありますが、しかし、やはり体育館だけだとそこが密になるということが想定されますから、更に避難スペースを確保する必要があって、例えば教室なども避難スペースとして使うということも課題になっている。さらに、また新たに感染症対策でいろいろな物資や何かも準備しておかなきゃいけないとなると、今までいろいろそういう避難所のために置いてあった場所以外にスペースも必要になってくる。

 そう考えますと、小中学校を所管する文科省から、こうした避難スペースの拡張や新たに必要となる備蓄スペースの確保、それぞれ地域で話をしているところもあるんですけれども、話しやすいように、やはり学校側に対して文科省から、しっかり地域と話をしてちゃんと避難スペースを拡充したりとか、あるいは備蓄スペースにここを提供しますと、積極的にむしろ学校からも地域と話をするように、そういう通知を出してはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

寺門政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のとおり、平成三十一年四月時点で全国で九一・二%の公立学校が避難所に指定されており、避難所として重要な役割を果たしていると認識してございます。

 避難所につきましては、内閣府の避難所運営ガイドライン、また今般の新型コロナの関係での避難所における対応につきましても、内閣府から数次にわたって都道府県の防災部局には対応方針ですとか参考資料が渡っていると承知してございますけれども、御指摘を踏まえまして、内閣府より本件に係る最新の情報ですとか知見を伺った上で、よく連携を図りながら、教育委員会に対しても御指摘の点についての周知を図るなど適切に対応してまいりたいと存じております。

古川(元)委員 しっかりやっていただきたいと思います。

 それで、大臣、ちょっとこれは通告していないんですけれども、やはりまだまだ、本当にいつ災害が起きるかわからない状況にあるのに、一番末端の、本当に現場で避難するところの住民の、その地域でのちゃんと対応が進んでいるかというと、まだほとんどできていないんですよね。政府はやりますやりますと言っている、それは言ってはいるんだろうけれども、やはり政治も動かないといけないんじゃないかと思います。大臣は防災担当大臣じゃないかもしれませんが、国交省というのは、何か災害が起きるときはやはり国交省絡みのことがまさに関係しているわけでありますから。

 かつて私が大臣をやっていたときに、三・一一の後の放射性物質の瓦れきとか何かの処分、福島とか何かだけで処分できないというのを、これをいろいろなところに持ってもらうというので、当時、閣僚が手分けしていろいろなところの、それぞれ自分の地元だとかその関係のところの地域の皆さんに、少し手伝ってくれませんかということでお願いをしたということがありました。

 ここの、本当に今それぞれの地域で末端までちゃんと災害のときに備えがなされているかどうか、今どんな状況なのかということは、これは本当に大臣が先頭に立って、閣僚懇でも話をしていただいて、みんなで手分けして、やはりそれぞれの地域、ちゃんと進んでいるかどうか、そういうことを確認をする、そして背中を押していただく、そういうことをやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。

赤羽国務大臣 感染症を予想しながらの避難対策については、例えば、熊本県の益城町でも実際相当進んでいるような事例もあります。やはり、あそこは大変な、熊本地震の一番大きな被害があったということで、結構豪雨地帯でもありますので、そうした意識の高さが反映されているものだと思っております。

 加えて、この一連のオペレーションの中で、体育館にかわるところということで、旅館、ホテルというような話も出ておりますので、そこについては国土交通省が所管として機能していかなければいけないというふうには承知をしておりますので、防災担当大臣と連携をしながら、そうしたことも踏まえて、政府の中で総合的にそれは進めなければいけない問題だし、また、地方自治体の現場は今、まだまだ新型コロナウイルスの対応で手いっぱいの部分もあるかと思いますが、今御指摘のように、出水期、台風到来期については、本当は目の前の大変大きなリスクをはらんでおりますので、そうしたことは私からも内閣府の防災担当大臣に声をかけて、政府として検討が進むようにしっかりと対応していきたいと思っております。

古川(元)委員 大臣がおっしゃるように、現場のそれぞれの自治体も本当にコロナ対策で手いっぱいの状況はわかるんですけれども、だからといって災害は待ってくれるわけじゃないんです。いつ起きてもちゃんと対応できるという、その状況は苦しいことはわかりますが、だからそこをしっかりサポートするのがやはり国の役割じゃないかと思いますから、ぜひ大臣のリーダーシップを期待したいというふうに思います。

 もう一点、公共交通に関するガイドラインについてちょっとお伺いします。

 公共交通機関の各業界団体、それぞれ感染防止に向けたガイドラインを作成して実行していますけれども、新しい生活様式の定着が求められる中で、やはりかなりの国民の皆さんは、感染リスクを恐れて、鉄道とかバス、タクシーなどの公共交通の利用を控える傾向が続くんじゃないか、そういう不安も公共交通にかかわる皆さん方は持っていらっしゃるんですね。

 利用者に安心して公共交通を利用してもらうためには、業界や事業者の取組に任せるだけじゃなくて、国土交通省が専門的見地から公共交通の安全性について利用者の安全を担保する見解やメッセージを発したり、そういう積極的な役割をもうちょっと果たしていいんじゃないか。リスクというのはゼロにすることは不可能ですけれども、このガイドラインが示す対応をすれば一定の混雑状態の中でも感染リスクは非常に低いということをちゃんと国交省が説明するということなどをして、公共交通の利用促進を訴えることが必要じゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 まず、今回の業界団体が作成されたガイドライン、国土交通省所管の中では四十六の関係団体が今現在三十六のガイドラインを作成しておりますが、業界団体がつくったものでありますが、この作成過程においては、今委員が御指摘のように、国土交通省が極めて専門的な立場で作成に情報を提供したり助言をしたり相当かかわっておりますし、加えて、専門家会議の皆さんのいわゆる疫学的な見地からもしっかり全部御助言をいただいてつくられたものでございます。

 ですから、各業界団体でこのガイドラインに沿った対応をしっかりとしてもらうというのが一つ。そして、そういうことを徹底しているというのは、まず業界団体の皆さんからも発信をしていただく、そして、古川さんも御指摘のように、我々も所管官庁としてそうしたことを発信をしていく、風評被害を起こさないということが大事だというのはよくよく承知をしております。

 実は、一昨日も、関東バスという事業者の、現場で相当今回頑張っていただいている運転手の方、また運行管理者の方、そして会社幹部の方と意見交換をさせていただきまして、実際、バスの車両も視察させていただきました。これも、随分報道関係者も報道いただいたので、そうしたことも今委員御指摘のような発信の一つだというふうに思っております。

 現場で公共交通機関を支える、懸命に頑張っている方たちのそうした心意気というか、国民の皆様の命と暮らしを守っていくんだという思いにしっかり応えられるように、また、風評被害が起きないように、利用者も安心して御利用していただけるようにということは、そうした発信と同時にそうした感染防止対策も徹底できるように、油断なくしっかりと万全の体制をとっていきたい、こう決意をしております。

古川(元)委員 こうした状況の中で、多くの国民の皆さん方が求めているものは安心だと思うんですね。幾ら安全だ安全だと言っても、やはり安心できなければそれは本当に安全とは思えないわけでありまして、そういった意味では、やはり国民の皆さん方が安心して公共交通に乗れるように、そして使うように、ぜひそこはいろいろな機会を通じて、国土交通省としても積極的な発信をしていただきたいということをお願いしたいと思います。

 それでは、法案の関係の質問に移りたいと思います。

 今、ドローンは、これは本当に注目もされていますし、むしろコロナ後の世界の中ではますます大きな役割を果たしていくんじゃないか、そういうことも考えられるわけであります。そしてまた、これは新たな、いろいろな物流の仕組みとか生活様式を変えていく、産業構造も変えていく大きな可能性を秘めていて、ぜひそういった面で私は、日本もこのドローン、いろいろとリスクや安全性というものをきちんと確保しながら活用を広めていくということが大変大事じゃないかなというふうに思っております。

 そういった意味では、今回の登録制度を入れるということを始め、ドローンが使いやすい環境を整備していくということは大変好ましいことであって、ぜひやっていっていただきたいと思っていますが、そういう中で、このドローンは、日本の場合には二百グラム以下のものは別に今回でも登録しなくてもいい、二百グラム以上のものが規制対象になっているわけなんですが、アメリカなどの諸外国では二百五十グラムを基準にしているところが多いんですね。

 日本とアメリカなどの諸外国とで基準が異なっているのはどうしてなんでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 無人航空機の登録制度につきましては、アメリカや中国、イギリス、カナダ等におきましては既に導入をされており、オーストラリアやEU各国においても本年あるいは来年に導入することが既に決定をしていると承知をしております。

 登録対象となる無人航空機の範囲につきましては、落下したドローンが人体に衝突した場合に死亡する程度の被害が生じるリスクを考慮して、各国おおむね二百五十グラム以上を対象としていると承知をしております。

 一方、我が国におきましては、地上の人や物等の安全を確保するため、より安全サイドに立ちまして、落下して人に衝突した場合に重傷以上となる衝撃力を考慮して、二百グラム以上の無人航空機を航空法の規制対象としているところでございます。

古川(元)委員 わかりました。

 ただ、今後、世界的に基準を統一するとかそういう可能性もあるような気がするんですが、今後ともこの規制の基準は変わらないのか、あるいは変える可能性があるのか。変えるとすれば、それこそ、日本の基準にほかの国が合わせてもらうように変えるように努力していくのか、あるいは、それとも、日本の基準を上げてですよ、今のお話を聞くと、上げると亡くならないかもしれないけれども重傷は負う、そうしたものが登録対象から外れるということになるわけですから、それだけ安全性のリスクというのは、そこは日本はしっかり厳し目に見ているところが緩くなるということなんですけれども、今後、この基準を変える可能性があるのか、また、そういう場合に、そっちの方向は上げる方向なのか下げる方向なのか、そういうことを考えているのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 近年では、性能が向上した無人航空機も多数出現をしております。そうした中で、二百グラム未満であっても衝突した場合に地上の人や物やまた航行中の航空機等の安全を損なうおそれがあるものが出てきておりますので、今後も更に性能向上によってこのような機体がふえてくることも考えられるところでございます。

 このため、登録制度が施行されるまでの間に国土交通省令を改正をいたしまして、二百グラム未満のものも含めまして、屋外を安定的に飛行できると認められる機体を規制の対象とするよう今後検討したいと考えております。

古川(元)委員 ありがとうございます。

 要は、下げる方向で基準を変える可能性があるということなんですね。わかりました。

 やはり、利用を拡大をしていくためにも、安全、安心を確保するということは非常に大事なことだと思います。それであれば、国際的にもやはり、日本だけじゃなくて世界的にもそういう方向に進むように、ぜひ、国土交通省としても国際的な呼びかけもしていただきたいなというふうに思います。

 次に、今回の登録というのは要は機体の登録ですけれども、これまでもドローンを飛行させるときには国土交通大臣の許可、承認を得てやる場合があって、事前に飛行計画を登録するシステムが運用されているわけなんですけれども、これが使いにくくて登録に手間がかかるという声もあるというふうに聞いています。

 ですから、例えば、民間企業が提供するシステムやスマートフォンのアプリにドローンの機体情報や飛行計画を入力すると自動的に国土交通省のシステムに登録されるようになれば、これはユーザーにとって利便性が向上するだけでなくて、登録率が高まることによって結果的に登録制度がより機能することにつながるんじゃないかなと。

 そのため、国土交通省の登録システムをこうした民間のシステムと連携させられるようにしてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 ユーザーの利便性という観点からは委員御指摘のとおりだと思っております。

 一方で、今般創設をする登録制度の運用に当たりましては、国による厳格な本人確認等が必要となるものでありまして、民間のシステムで管理されている情報を自動的に登録システムに登録することには課題があるというふうに思っております。

 一方で、登録システムの構築に当たりましては、例えば、マイナンバー関連システムでありますとかメーカーとの連携によりまして申請時の所有者情報や機体情報の入力を簡素化するなど、できるだけ手続負担の軽減を図るように取り組んでまいりたいと考えております。

古川(元)委員 今局長がお答えになったのは、それは今度始まる新しい登録制度についてですよね。今も運航計画を登録してくれという、その方について、民間のシステムと連携させるようにするというのはどうなんですか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 既に運用しています目視外飛行等の許可、承認を行う際のオンラインシステムがございます、DIPSと申し上げているんですけれども、これに関しましては、民間のシステムとの連携によりまして申請時の機体情報や飛行計画等の入力を簡素化できる機能を令和二年度中に導入できるように検討を進めているところでございます。

古川(元)委員 やはりユーザーにとってフレンドリーなシステムを、今回の登録制度、今の段階ではまだということでありますけれども、将来的にはやはりスムーズにいろいろな登録ができるような、そういうことをぜひ考えていただきたいと思います。

 もう一点、今回の登録、登録されるということは、一定の安全性というものが保証されるということになるんでしょうか、今回の登録によって。

和田政府参考人 今般創設をする無人航空機の登録制度では、地上の人や物、また航行中の航空機等の安全が著しく損なわれるおそれがある無人航空機につきましては、国土交通大臣が登録を拒否することができることとしております。

 具体的に申し上げますと、例えば、バッテリーやプログラムにふぐあいがあってメーカーが安全上の問題から自主回収、いわゆるリコール、こういうものを行っている機体などのように、飛行に当たってのふぐあいがあることが明らかである機体等を想定をしております。

 加えて、登録後に事故やトラブルが発生をし機体にふぐあいがあることが明らかになった場合につきましては、国が是正命令をした上で、指示に従わない等の場合には登録を取り消すことで安全を担保することとしております。

古川(元)委員 今の答弁ですと、要は、問題があったものは排除する、逆に言えば、問題があってもたまたま飛んでいるものがあるかもしれないわけですよ、事故が起きないと。それは安全と言えるかといったら、そうではないけれども、たまたまという。

 では、消極的に、問題があるものは排除されるというのはわかりますけれども、積極的に、登録することによって、登録された機体は安全ですよ、そういう保証までされるわけではないということですか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 安全の審査に関してはいろいろな御指摘があると思います。政府といたしましては、今後を見据えまして、ドローンの物流等への利活用の拡大に資するように、二〇二二年度を目途に有人地帯における補助者なしでの目視外飛行、いわゆるレベル4の実現を目指しているところでございます。

 こうしたレベル4での飛行に当たりましては、機体の高度な安全性が求められることとなります。このため、本年三月に、官民での議論を経て、機体の安全性認証制度の創設等を含む今後の制度設計の基本方針を策定したところでございます。

 国土交通省といたしましては、この基本方針に基づきまして、専門家の意見も聞きながら、具体的な制度の整備に向けて引き続き検討を進めてまいります。

古川(元)委員 局長、ちょっと確認させてください。

 要は、今の話、レベル4のは認証制度を入れる、認証になるとそれは安全まで保証される、しかし、登録ではそこまでの、安全ですよというその保証をするわけではない、そういうことですね。それでいいですね。

和田政府参考人 お答えいたします。

 現時点での登録拒否については委員御指摘のような考え方でありますので、レベル4の実現に向けては、基本的には、一機一機安全性を確認するという方向を志向してまいりたいと考えております。

古川(元)委員 そうなると、登録制度ができても、登録されたドローンは安全ですよということが保証されないのであれば、やはり広がってくると、まあ、今でも事故があるんじゃないかと思います。

 今も保険はあるというふうに聞いていて、かなり入ってはいるようなんですけれども、でもやはり、保険に入っていなくてドローンを飛ばしている人もいるようであります。

 ですから、万が一の事故に備えてやはり保険の加入を義務づけすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

岩崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今後ドローンの普及が予想される中、事故などにより被害者がこうむった損害の賠償は重要な課題と考えております。

 政府におきましては、関係省庁、学識者、メーカー、関係団体から成る官民協議会を設置し、ドローンの利活用の拡大に係る諸課題を議論しており、被害者救済対策もその一つとなっております。

 この協議会において本年三月に今後の基本方針を取りまとめましたが、被害者救済対策として、まずは、民間保険の商品化の充実、ドローンを飛行させる者の保険加入の促進などを推進することとされております。

 御指摘の保険加入の義務づけにつきましては、ドローンの事故の実態やドローンの飛行形態に応じたリスクを踏まえつつ、引き続き国土交通省とともに検討してまいりたいと考えております。

古川(元)委員 利活用を進めていくためには、万が一のときの事故に備えるそういうセーフティーネットといいますか保険、やはりそういうものが利活用を進めることにつながると思いますから、検討するだけじゃなくて早く結論を出して、ドローンを飛行させる人も安心して使えるような状況をつくっていただきたい、そして、万が一事故が起きたときにも被害者の救済がきちんとされるような、やはりそういうシステムを早急に構築していただきたいと思います。

 これはもう時間が最後になってしまうかもしれないんですが、昨年、ドローンの違法な飛行で摘発された人の半数近くは外国人だというふうに聞いております。今回、登録義務を課すのは、外国人で日本に持ってきてドローンを飛ばす人もその対象になるわけでありますが、これをきちんと外国人に周知しないと、今回の法改正によって、要するに、登録していないけれども日本に持ってきて飛ばすという人、やはり違法な行為がふえるんじゃないか、そう思うわけなんですけれども、こういう外国からドローンを持ってきて日本で飛ばすという外国人に対して、どのように今回の法改正を周知して、また、きちんと登録させるという、その実効性をどう担保していくんでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省といたしましては、これまでも、航空法に基づくドローンのルールについて積極的な周知を外国人に対して図ってきているところでございます。

 今般創設をしようとしています登録制度につきましても、例えば、航空局のホームページに英文で掲載をするとか、日本政府観光局のホームページで告知をするとか、また、各空港や日本国内の観光案内所に英文版のポスターを掲示したりリーフレットを配布したりというようなことを通じまして、旅行者向けの情報発信を図って、周知を徹底してまいりたいと考えております。

 また、訪日外国人旅行者にも登録手続の負担が大きくならないように、オンラインによる登録システムを整備し、これを多言語化対応をして、クレジットカードでの手数料の納付を可能とすること等により、手続を簡便かつ迅速にできるように必要な準備に取り組んでまいります。

古川(元)委員 手続の簡便化も大事なんですけれども、まだ登録料が決まっていないと聞いています。登録料が高いと、外国人の観光客なんかで、ちょっと来る、そのために登録でわざわざ高いお金を払うかというと、そんなのわからないだろうといって、登録しないで飛ばす人がやはり出てくるんじゃないかと思います。

 そういった意味では、やはり、そうした実効性が担保できる措置、そうなるような簡便な措置と、あと登録料の水準というのもしっかり考えていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

土井委員長 次に、谷田川元君。

谷田川委員 野党共同会派、立国社の谷田川元です。どうぞよろしくお願いします。

 きょうはドローン規制法案の審議ですけれども、その前に、ゴー・トゥー・キャンペーンについて一つ質問させていただきたいと思います。

 予算は総額一兆七千億円ぐらいなんですけれども、何とその事務費が三千百億円だということが明らかになりました。大体全体の二割弱であるんですね。特別定額給付金、一人当たり十万円、あの予算は全体で十二兆八千八百億円、事務費が一千四百五十九億円、一・一三%なんですよ。それと比べると、はるかに一八%は高いと思うんですよね。

 大臣、この事実をいつお知りになりましたか。そして、余りにも事務費が高額だと思いませんか。

赤羽国務大臣 お尋ねのゴー・トゥー・キャンペーンの事務につきましては、経済産業省の主管でやっておりますので、詳細につきましては経産省にお尋ねいただきたいと思いますが、そもそも、今、事実をちょっと申し上げたいんですが、予算額が三千百億円かかるというふうにおっしゃられましたが、私どもの理解では、まず事務局を公募する際に、さまざまな提案をしていただく、その際にかかる費用の上限額としてこの約二割の三千億円余りを設定しているものであって、恐らく、実際には、最終的な事務経費というのは相当絞られてくるのではないかというふうに私は承知をしております。

 ちょっと全体的なことではありませんが、ゴー・トゥー・トラベルの国交省の件につきましては、これは、従来型というか、よくある単なる旅行・宿泊代金の割引だけというようなことではなくて、今回は全国に被害が及んでおりますので、全国の観光地における地場の土産物店ですとか飲食店、観光施設、また交通機関、こうしたさまざまな、必ずしも観光関連業界として把握しているところではないところも含めて、多くの事業者で利用できる地域共通クーポンの発行を行うということが一つの目玉でございます。

 これは、言うはやすくて非常に難しくて、偽造されないかとか、また、それを登録して参加してもらわなきゃいけないとか、相当手間暇もかかる。

 私は、かねてより相当この準備に時間が要する、時間と同時にコスト、手間暇も相当かかるのではないかというふうに思っておりますし、全国津々浦々に本事業の効果を裨益させるためには、繰り返しになりますが、できるだけ多くの事業者の皆さんに参加をいただき、そして、このことをできるだけ、多くの活用していただく国民の皆さんに周知、広報を徹底をしなければいけないということでございます。

 そうした意味で、事務局のイメージというのはなかなか出ないと思いますが、他の今例示されたような事務経費というイメージじゃなくて、一兆数千億の大きなプロジェクトを回していかなければいけない事務局を公募するということで、公募による競争的な手続のもとで、本事業が最も的確かつ効果的に実施できる体制と遂行能力を持った者が選ばれなければいけない。それは第三者の有識者で構成される委員会において選定されるというふうに承知をしております。

 そして、提案額の妥当性につきましては、これは大変重要なことでありますので、同様に、第三者の有識者で構成される委員会において、必要となる経費、費目を過不足なく考慮し、適正な積算が行われているかどうかという観点から厳正かつ公正な審査が行われるもの、そういう仕組みになっていると承知をしているところでございます。

谷田川委員 大臣、私、きのう観光庁の方に来てもらって、九州ふっこう割とか北海道ふっこう割、過去の事例を見せてもらったんですよ。何と三割経費がかかっているんですよ。ですから、この検証もぜひしていただきたいと思います。

 きょうはドローン規制法案なので、あと一点だけ。

 私は、この間も申し上げましたけれども、やはり困っている人にすぐお金が届くような施策が必要だと思っているんですよ。ですから、これは一旦凍結して、持続化給付金を倍増するとか、そっちの方が大切だと私は思っています。

 だけれども、強いてこれをやるのであれば、今は県をまたいでの移動は制限されています。だから、県内で完結する、県内だけの国内旅行、県民に対して、その県内の施設を使う、そういうクーポン券を発行する、そういうのを最初にやった方がいいんじゃないかなと思っているんですが、大臣でも経産省でもどちらでも結構です、答弁ください。

赤羽国務大臣 申し上げますが、ゴー・トゥー・トラベルにつきましても、繰り返し答弁してきましたように、一定程度の期間がかかります。その期間をどうするのか。多くの皆様からは、今計上する必要はないという批判もいただきましたが、その準備の期間中を穴埋めする形で、各地域地域で、単独でそうした旅行クーポン券みたいなことを発行していただいている例がございます。

 この財源は、地方創生臨時交付金、それを財源としてやっていただいておりますので、それは恐らく県内とか域内ということが大半であると思いますので、そうしたことが活用できるという事例もありますので、それを進めていただければいいんじゃないかと思っております。

谷田川委員 それでは、法案に関して質問してまいりたいと思います。

 今回、ドローン規制に関する法律案なんですけれども、ドローンというのは、やはりこれは空の産業革命の中核をなすものです。

 私の地元千葉県の千葉市が、先進的な取組を、国家戦略特区を活用してやっております。お手元の資料一をごらんになってください。結構、千葉市は、立地的にドローンの宅配等をやるのに非常に優位性があるんですね。ごらんのように、東京湾臨海部の物流倉庫から、東京湾上空を飛行して、それで幕張新都心の住宅地区に宅配する。

 私、先日、千葉市の担当者から状況を聞いたんですが、やはり航空法第百三十二条により人や家屋が密集している都市上空の飛行が厳しく制限されているので、実証実験が行いにくいとのことでした。

 今となってはもう後の祭りですけれども、この間、緊急事態宣言がありましたので外出が自粛されていましたので、そのときに飛行許可を出してもいいんじゃないかなと思っていたんですが、いずれにしましても、今後、安全性が担保されることを条件に、都市上空の目視外飛行の実験をもっと認めてよいと思うんですが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 現在の航空法におきましては、委員御指摘のとおり、人口集中地区の上空や目視外での飛行などにつきましては国土交通大臣の許可や承認を受けなければならないという運用をしております。

 具体的に申し上げますと、無人航空機の機体の性能でありますとか操縦者の飛行経歴等につきまして個別に審査を行いまして、無人航空機の飛行により、地上の人や物、また航行中の航空機等の安全が損なわれることがないようにということで審査をさせていただいているところでございます。

 一方で、政府といたしましては、二〇二二年度を目途としまして、有人地帯における補助者なしでの目視外飛行、いわゆるレベル4を実現することを目指しております。

 このため、本年三月に、官民での議論を経まして、現在行われている審査の見直しなども含めまして、新たに、機体の安全性認証制度や操縦者の技能証明制度の創設等を内容とする、レベル4の実施に向けた安全確保のための制度設計の基本方針を策定させていただきました。

 国土交通省といたしましては、引き続き、無人航空機の利活用の拡大を後押ししていくため、基本方針に基づき、早急にこれらの制度の整備を図ってまいりたいと考えております。

谷田川委員 何か、私が次に質問することを答えてもらったような感じなんですけれども。

 昨年の六月二十一日に閣議決定された成長戦略実行計画では、有人地帯での目視外飛行の目標時期を二〇二二年度目途とし、それに向けて本年度中に制度設計の基本方針を決定するとされています。

 目標時期が近づいていますけれども、目視外飛行の実現に向けて順調に進んでいるのか、今後の見通しを伺いたいと思います。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のとおり、二〇二二年度を目途として有人地帯における目視外飛行を実現することを目指して現在取り組んでいるところでございます。

 これを議論するための小委員会を設けまして、目標であります二二年度中ということを目指して、きちんと制度設計を図るように、現在準備を進めているところでございます。

谷田川委員 大臣の決意のほどをお聞きしたいと思います。

赤羽国務大臣 決意というより、今、閣議決定されて、今言われましたけれども、法的な整備、またさまざまな段階も順調に進んでおりますので、しっかり目標を、掲げたとおり、完遂するようにしていきたい、こう考えております。

谷田川委員 有人地帯での目視外飛行実現のためには、被害者救済、プライバシーの保護、サイバーセキュリティー、土地所有権と上空利用のあり方についての検討が必要とされていますが、現在の検討状況はどうなっているのか、政府の答弁を求めます。

岩崎政府参考人 お答え申し上げます。

 有人地帯での目視外飛行の実現のために必要となる制度等につきまして、官民の関係者で議論を行っており、本年三月に制度設計の基本方針を作成したところでございます。

 御指摘の、被害者救済、プライバシーの保護といった四つの論点につきましても、制度設計の基本方針に盛り込んでおります。例えば、被害者救済につきましては、民間保険の商品化を充実することや保険加入を促進することなど、それぞれの論点ごとに対応方策を取りまとめたところでございます。

 政府といたしましては、今後、基本方針に基づき、国土交通省を始めとする関係省庁とともに、これらの対応方策を実施してまいりたいと考えております。

谷田川委員 資料二を見ていただきたいんです。これはドローンの愛好者向けのジャーナルが出した記事なんですけれども、これを見ますと、DJIという会社が百九十九グラムのドローンをこうやって開発したんですね。やはり、この売りは、先ほど古川委員も質問されておりましたけれども、今現在、国交省の政令では二百グラム以上を規制する、その規制に従わなくてもいいんだ、規制外だということが売りなんですね。

 先ほどの答弁ですと、これからは性能がよければ引き下げることも検討するというお話でございました。

 やはり、メーカーは必死になって技術開発するわけですよ。ところが、技術開発したと思ったら、何だ、規制されちゃったといったら、やはり消費者も迷惑をこうむりますので、ですから、やはり、日本国はドローンの性能が向上したものについては重量にかかわらず規制していくんだということをしっかりメーカー側に伝えるべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 無人航空機の対象につきましては先ほど御答弁申し上げたとおりでございますけれども、二百グラム未満のものについてどうするかという扱いの検討につきましては、新たに規制の対象となる無人航空機を製造するメーカー等も含めて、官民の皆様としっかりと情報共有をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 そうすると、今までメーカー側とはいろいろなやりとりはしていないんですか。

 例えば、百九十九グラムの、こういうような宣伝をしているわけですよ。それに対してメーカー側に、いや、ちょっとこれは問題がありますねといって事情聴取とかされましたか。

和田政府参考人 具体的に、このドローンが発売されるに当たって、メーカーと情報交換をしてということはないと思いますけれども、今後、この対象を広げることについての検討については、前広にメーカーの皆様とも情報共有を図ってまいりたいと考えております。

谷田川委員 ひとつよろしくお願いします。

 メーカー側も、やはり、日本はアメリカとかと比べても規制が強い中で百九十九グラムだということで、これを売りにしているわけですよ。これは相当な技術開発費が投じられていると推測できます。

 せっかく開発しても、何だ、規制されちゃうんだといったら、消費者も、何でだ、メーカーが言っていたのはうそじゃないかと思いますので、これは消費者もメーカー側もアンハッピーな結果になってしまいますので、ぜひメーカー側とよく連携をとっていただければと思います。

 そこで、先ほど古川委員も指摘されましたけれども、去年、大体百十一件のドローンの違法が摘発されているんですね。そのうち半数近くが外国人なんです。

 周知徹底するというお話ですけれども、私、一番確実なのは、皆さん、飛行機にお乗りになって、それで、着陸する直前にキャビンアテンダントが申告書類を配りますよね、あそこに酒、たばこ持込みとかありますよね、あそこに、ドローンを持っていますか、持っていませんかというのを書かせれば、これは徹底するんじゃないかと思うんですよ。そうすれば、これは必ず水際でとめることができるので、ぜひこの申告書にドローンの所有の有無を記入させるということを検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。

赤羽国務大臣 所管は財務省ですので、財務省が来ていれば財務省に聞いていただきたいんですけれども、税関の申告書は、法令により輸入が禁止、制限されている物品の持込みの有無を確認することを目的として、当該物品の持込みの有無を申告させているということだというふうに承知をしております。

 本法案に盛り込んでいる無人航空機の登録制度におきましては、無人航空機を飛行させる場合には登録されていることが求められることとしておりますが、そのもの自体の輸入を禁止、制限しているわけではないことから、この無人航空機について、申告書の質問事項にはなじまないというか、そういう目的に合わないものだというふうに理解をしております。

谷田川委員 だけれども、大臣、ちょっとこれはよく考えていただきたいんですけれども、法律にぜひ、こういう法律でいいんですね、何人も、日本入国に際して、ドローンというのは法律用語じゃありませんから、無人航空機でもいいか、小型無人飛行機でもいいですか、それを持ち込む場合には申告しなければならない、そういう法律、一文をつくる必要があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンに関する規制に関しては、日本人であろうが外国人であろうが基本的には同じ規制をかけていくということになりますので、外国人に限って特段の規制をかけることはいろいろ難しい面があるというふうに承知をしております。

谷田川委員 だから、私はさっき、最初に日本人と言ったけれども、何人もというのであれば、日本人だって外国人だって同じじゃないですか。日本人が外国でドローンを買って日本に持ち込もうとしたときに、何人もとやれば法律はクリアできるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の登録につきましては、何人も登録をしなければならないというふうに書いてございますので、そちらの方の規定で規制をかけていくという考え方で対応したいと考えております。

谷田川委員 だから、水際対策が必要なので、それを徹底するには、一番いいのは、持ち込むときに申告させればいいじゃないですか。そう思いませんか、いかがですか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 税関の書類につきまして私どもの方でお答えするのは非常に難しい状況を御理解いただければと思います。

 我々といたしましても、外国人の皆様に日本の規制を周知徹底をするということは大変重要な課題だと思っておりますので、どのように効果的に周知を図っていくかにつきまして、これまでの税関当局を含めた関係者の協力等も踏まえつつ、引き続き、関係者と連携して必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 大臣、本当にドローンのこの規制法案の趣旨を徹底させるのであれば、私はやはり外国人が入国に際してしっかりドローンの所有の有無を知らせるということが一番効果的だと思うんですよ。

 大臣、何とか、それは財務省所管なのはわかっていますけれども、財務省にかけ合って、日本の安全を図るために一肌脱いでいただけませんか。

赤羽国務大臣 これは安全規制として規制するものであって、ドローンそのものがいけないわけじゃないから、私は法律の専門家ではありませんし、所管外ではありますけれども、今言われたこと、輸入を禁止するような法制というのはなかなか成り立たないのではないでしょうか。党内で専門家がたくさんいらっしゃると思うので聞かれたらいいかと思いますが、私はそのくらいしか答えられません。

谷田川委員 じゃ、もうこれ以上これについては言いません。

 それでは、道路交通法との兼ね合いでちょっと質問するんですけれども、交通事故が発生したときには警察への義務づけが法的に明確にあるんですけれども、このドローンの事故については、まず事故の定義もよくわからないし、そして、国交省に情報を呼びかけるということだけで、義務はないんですよね。

 私は、やはり報告義務というものをしっかり法律に義務づけるということも検討すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年の航空法改正によりまして、無人航空機の飛行を行う者に対する報告徴収や立入検査制度を創設をいたしまして、これによりまして、事故等が発生した場合を含めまして、必要な場合には、無人航空機の飛行を行う者に対しまして航空法に基づき報告を求めることができるようになりました。

 また、今般の法改正によりまして、無人航空機の登録制度を創設することとしておりますけれども、これによりまして、事故等が発生した際に、登録情報をもとに無人航空機の所有者が特定されることで、より確実に報告徴収を行うことが可能となります。

 このことによりまして、報告義務を課す場合と同じように事故の情報を把握できるものと認識をしております。

谷田川委員 ドローン飛行の一層の安全性を確保するために、特にレベル4の段階になった場合は、やはり操縦免許制度、この創設が必要ではないかという識者の意見が大分あるようなんですが、私もこれはやはり必要だと思うんですが、政府としてどう考えているか、見解をお願いします。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 将来的には物流等への利活用の拡大に資するよう、二〇二二年度を目途に有人地帯における補助者なしでの目視外飛行を実現することを目指しておりまして、本年三月に、官民での議論を経まして、操縦者の技能証明制度の創設などを内容とする、レベル4の安全確保のための制度設計の基本方針、これをつくっております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、関係省庁と連携をして、この基本方針に基づきまして、操縦者の技能証明の制度設計を進めることにより、より一層の無人航空機の飛行の安全を確保しつつ、利活用の拡大を図ってまいります。

谷田川委員 このドローンの登録制度はオンライン申請なんですけれども、最近のコロナウイルス対策で、持続化給付金だとかあるいは特別定額給付金に関して、オンラインでやろうとしたら、結局、想定を超える申請があってパンクしたりだとか、さまざまなトラブルが今発生しています。非常に私は不安を感じるんですよ。

 ですから、オンライン申請について私は反対するものじゃありませんけれども、やはりこれは、今いろいろな不備が指摘されていますので、相当入念な準備が必要だと思いますので、ぜひ万全の体制をしいていただきたいということを思いますが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今般創設を予定している無人航空機の登録制度につきましては、多数の無人航空機の登録手続を円滑かつ確実に行う観点から、オンラインでの申請受け付けを原則としたいと考えております。また、これによりまして、できるだけ簡便で申請者負担の少ない手続を実現できるようにしたいと考えております。

 国土交通省といたしましては、利用者にとってわかりやすく、また安定的な運用が図られるようなシステムとするべく、今年度より予算を確保し、関係省庁とも連携をして、登録システムの構築に努めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 実際、やはりオンラインで本当に大丈夫なのかという指摘があちこちからあるんですよね。特に、自動車のようにどんどんどんどん台数がふえていけば、国交省の場合、自動車局の機関があちこちにありますので、実際実物を見て、それでしっかり登録制が担保されると思うんですけれども。

 これはやはり、将来的に、オンラインのみならず、オンラインが主でいいんだけれども、しっかり現物を確認することも大切だということは忘れないでいただきたいなと思っております。ぜひそのことはお願いしたいと思います。

 それで、保険については先ほど古川委員の質問がありましたので省きまして、最後の資料三を見ていただければと思います。

 これは日経新聞の昨年五月二十二日に掲載された記事なんですけれども、去年の五月なんですけれども、米国土安全保障省は、米国企業に対して、中国製ドローンによる企業データへのリスクについて警告しました。特に、国家安全保障あるいは国家の重大な機能にかかわる業務を行う組織では、スパイ活動のリスクや機密情報が盗まれるリスクが増大するおそれがあると警鐘を鳴らしているんですね。

 そこで質問したいんですが、日本政府が所有するドローンが幾つもあると思うんですけれども、省庁ごとの内訳を示していただけないでしょうか。そして、そのうち中国製のものは幾つあるか。いかがでしょうか。

岩崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンは、各府省庁におきまして、国有林の管理、災害状況調査などさまざまな用途に使用されております。

 御質問されました保有台数につきましては、昨年六月、内閣官房が調査いたしましたところ、回答数の合計は約千台でございました。

 なお、省庁ごとの内訳及び特定国で製造されたドローンの内訳につきましては、用途によりましては一定の秘匿性があり、サイバーセキュリティーの確保の観点から差し控えさせていただければと思います。

谷田川委員 約千台あって、サイバーセキュリティーの問題で控えさせていただきたいと。確かに、どういうドローンを持っているかというのを外国に知られることが問題だ、やはり国家機密だ、そう思えないでもないんですけれども、できるだけ私は情報を開示していただく方向で考えていただきたいなと思っております。

 じゃ、米国土安全保障省の警告をどのように政府として受けとめているか、答弁いただきたいと思います。

岩崎政府参考人 お答え申し上げます。

 サイバーセキュリティーを確保する上で、情報の窃取、破壊、情報システムの停止など、悪意のある機能が組み込まれた機器などを使用しないようにすることは極めて重要であり、各府省庁がドローンを調達するに当たっても、その用途等に応じた適切な対応が求められます。

 このため、内閣官房としても、諸外国の動向の調査、メーカーや学識者との意見交換等を通じ、常に最新の情報と必要な知識を習得し、これらの情報を各府省庁とも共有するなど、適切に対応するよう努めてまいります。

谷田川委員 何か私の質問を理解してくれたのかどうかちょっとわからないんですけれども。やはり、ここまでアメリカ政府が警告しているわけですから、当然、日本政府も、その情報を共有されて、それなりに警戒しながらやられているということは信じたいと思いますが。

 この記事の中にもあったんですけれども、アメリカ陸軍は、二〇一七年、DJI製のドローンの使用を禁止しました。撮影した米国の重要インフラなどの情報をDJIと中国政府が共有している、そういう理由だからなんですね。

 そこで、防衛省に質問しますが、防衛省が所有するドローンで中国製のものはない、そう理解してよろしいですか。

斉藤政府参考人 お答えいたします。

 防衛省・自衛隊といたしましては、さまざまな小型無人機、いわゆるドローンを保有しておりますが、安全保障上のリスクに十分留意しながら、使用目的に応じ、航空距離等の性能を考慮した上で、価格等を踏まえて適切に調達し、運用いたしております。

 その中には中国企業が製造したものも含まれておりますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、使用目的に照らして使用しておりまして、一例といたしましては、操作訓練等に使用しているものでございます。

谷田川委員 今の答弁ですと、中国製のものはあるけれども、安全保障上のことをしっかり考えた上で、問題ない範囲で使っている、そういう理解でよろしいですね。

土井委員長 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。

斉藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおりでございます。

谷田川委員 はい、わかりました。

 じゃ、時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

土井委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 日本維新の会の井上です。

 それでは、ドローン法案についての質疑に入らせていただきますけれども、きょうも経産省から春日原審議官にお越しいただいていますので、また後ほど答弁いただけたらというふうに思います。

 無人航空機等、ドローンは、既に、農薬の散布、それから空撮、測量、インフラの点検などにおいて広く活用されているというふうにお聞きをしています。近年、事故や航空法違反で検挙される事案というのも、一方で増加しています。ドローンの安全確保については、昨年も航空法を改正し、飲酒状態での飛行の禁止だとか報告徴収制度の導入がなされたというところであります。

 一方、ドローンの事故件数や航空法に違反して飛行した事案の件数は、依然として増加しているというふうにお聞きをしています。そしてさらには、昨年は、私の地元の関空周辺でドローンらしき物体、ドローンと確認されているわけではないんですけれども、らしき物体の飛行が目撃をされ、滑走路の閉鎖により多くの航空便が遅延、欠航するという事案も生じるなど、安全が十分に確保されている状況にはないというふうに思いますけれども、まずは、ドローンの安全について、現状と課題について、航空局長、お答えいただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンを始めとする無人航空機につきましては、現行制度では、その飛行に関する基本的なルールといたしまして、人口集中地区の上空や操縦者の目視の範囲外といった飛行につきまして、事前に国土交通大臣の許可や承認を得ることを必要としております。

 しかしながら、近年、無人航空機の利活用が急速に進んでおりますけれども、その一方で、御指摘のような無人航空機に係る事故でありますとか航空法の違反事案が増加をしているところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、事故等の原因究明や安全確保上必要な措置を確実に実施できるようにするため、事故等が発生した際に迅速かつ確実に所有者を特定できる仕組みを構築することが重要であるというふうに考えております。

 このような背景から、今般、無人航空機の登録制度等を内容とする本法案を提出するに至ったところでございます。

井上(英)委員 今お答えいただいたように、我が国においては、あらかじめ所有者情報と機体情報を登録し、その機体に個別の番号を付与させるというような制度がなかったため、令和元年十一月の検討会中間取りまとめで、ドローンの所有者などを把握するための制度の導入が必要ということで、今回の改正によってドローンの登録制度というのを創設しようとしているわけだというふうに認識をしております。

 当然、もっと早くに、ドローンの最初できたのが平成二十七年でしたかね、だから、そのころからやってもよかったのではないかなというふうにも思うんですけれども、体制も含めてなかなかとれていなかったというのもあるとは思うんですけれども、今申し上げた、航空法の平成二十七年改正又は昨年の改正の際に登録制度を導入しなかった理由は何でしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 無人航空機に係る政策につきましては、これまで官民で策定したロードマップに沿って進めてきております。登録制度につきましては、昨年も法改正をしたわけなんですけれども、その時点におきましては、官民のロードマップにおきまして、二〇二〇年代前半から有人地帯での目視外飛行の実現を目指す中で今後検討すべき項目の一つというふうに整理がされておりました。

 しかしながら、委員御指摘のとおり、無人航空機に係る事故でありますとか航空法の違反事案が増加していること、また、関西国際空港周辺で無人航空機らしき物体の目撃情報があった、また、成田国際空港でも同様に離着陸を停止した事案が二回ほど発生をしている、そして、諸外国でも、既に登録制度が導入済みであったアメリカや中国に加えまして、昨年にはカナダやイギリスでも導入をされ、また、EU各国やオーストラリアでも登録制度を今後導入することが決定をされた。

 このような状況変化を踏まえまして、機体の所有者等を網羅的に把握するための制度を早急に導入する必要性が認められたことから、無人航空機を利活用する民間側を含め登録制度の早期創設について議論いたしまして、法案に盛り込むこととしたところでございます。

井上(英)委員 今航空局長がおっしゃっていただいたように、問題意識としては持っておられたということでいいんですかね。ただ、当時、そういう法制定を二〇二〇年に入ってからというふうに考えていたというふうにお聞きをしましたので、今回、そういった検討会も踏まえてするということで、非常にいいことだというふうに思います。

 既に、ドローンの利活用の拡大によって相当数のドローンというのが流通を今現在しております。このようなものも含めて我が国で飛行するドローンは全て登録されるように、さらには、機体に確実に登録記号が表示されるようにならなければ、この登録制度の意味といいますか、意義が達成できないと思いますので、登録制度の対象となる機体の登録や登録記号の表示というのが確実になされるための対策をどのようにお考えなのか、航空局長、お答えいただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 この改正法案、これをお認めいただいたとした場合に、改正法案の施行以前から存在をしている無人航空機も含めまして、施行後に無人航空機を飛行させようとする場合には、原則、登録を受け、かつ登録記号の表示を行うことが義務づけられることになります。

 このため、簡便で申請者負担の少ない手続とするためのオンラインシステムを構築をし、そして、公布後最大二年間という十分な周知期間をとるとともに、義務づけの開始前に事前に登録を受け付ける期間を数カ月設けること、また、利用者の団体やメーカー、販売店にも御協力をいただきまして周知の徹底を図ることを予定しております。

 これらの取組を通じまして、多数の無人航空機について確実に登録及び登録記号の表示をしていただくよう、万全を期してまいります。

井上(英)委員 ドローンなんですけれども、最終的には一個一個が確認できて、その所有者がわかれば、極端に言うと、犯罪等含めて悪いことには余り使われないようになるというのがやはり一番の認識ですので、この登録制度をしっかりと、航空局長、頑張っていただけたらというふうに思います。

 技術革新も含めての話、リモートIDについて経産省にお伺いしたいと思います。

 登録記号が目視で確認できない距離など、捕捉するには限界があるのではないかというふうに考えます。すぐには当然難しいと思いますが、官民ロードマップで、機体情報を識別できるようにするための、飛行中のドローンから機体の識別情報を電波により発信させるということにより遠隔で機体情報を識別する技術、これがリモートIDというんですけれども、このリモートIDの導入へ向けた技術開発を行うというふうにお聞きをしています。

 現在の技術開発及び環境整備の状況、進捗状況はどうなっているか、お聞かせいただけますでしょうか。

春日原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、登録制度に基づいて飛行中のドローンを遠くから識別できるようにするためには、ドローンからその識別情報を発信させる装置でございますリモートIDの実用化は必要だというふうに思っております。

 そのため、経済産業省では、NEDO事業による技術開発を進めております。具体的には、リモートIDの試作品を開発いたしまして、電波の到達距離それから干渉の影響による受信精度などの検証を行うとともに、小型のドローンにも搭載できるようにリモートIDの小型化の方にも取り組んでおるところでございます。

 これらの取組によりまして、リモートIDの技術についてはおおむね実用化のめどが見えてきたというふうに承知をしております。

 登録制度の開始に向けましては、事業者によるリモートIDの実装それから製品化にかかるリードタイムを考慮しなきゃいけないというふうに思っております。NEDOでの検証データ、それから国際的な議論の動向、こういったものを踏まえまして、性能要件を含む制度内容を早急に詰めていく必要があるというふうに思っております。

 経済産業省といたしましては、技術開発を着実に進めまして、国交省始め関係省庁と連携して、制度設計の議論にも貢献してまいりたいというふうに考えております。

井上(英)委員 小型化も含めて徐々に開発が進んでいるということなんですけれども、まだまだ、これは時々刻々と多分進化していくんですよね、ですから、常に多分開発途上じゃないかなというふうには思うんですけれども、でも、飛行中のドローンから機体の識別情報を電波によって流すというような技術があれば、先ほど言っているような登録制度に関して、非常に実効性というか有効な手段だというふうに思うんですね。

 もちろん、技術的な課題だとか、恐らく今度はつくる側のメーカーさんの課題なんかもあるので、まだまだ課題はあると思うんですけれども、航空局長、発信することを義務づけるということはいかがでしょうか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 ただいま経済産業省の方から御答弁ございましたけれども、リモートIDについては現在技術開発途上にあるということでございますけれども、仮にこのリモートIDが実用化された場合には、より迅速かつ確実に当該無人航空機、無人航空機は飛んでいるもの、これを地上の方から、許可、承認を受けたものかどうか、また誰が持っているものかといったことを確認できるようになります。このため、リモートIDを登録記号の識別の方法の一つとして検討してまいりたいと考えております。

 その際、関係省庁や製造メーカーとも連携をして技術開発を進めるとともに、社会への普及状況も踏まえ、できるだけ早期に実施できるように取り組んでまいりたいと考えております。

井上(英)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 次に、今度はドローンの機体の安全性というのをお聞きをしたいと思うんです。

 社会のニーズに応じてドローンの利活用というものが進んでいますし、これから更に進んでいくかとは思います。それによって国民の生活というのが一定豊かになっていく。先般も、物流、配送機能の一つとしてドローンはいいんじゃないかと大臣にもお聞きをしたこともありますけれども、そういう期待のあるものでありますけれども、やはり安全でないといけないというのが前提であります。

 登録制度では、機体の安全性をどのように確保するのか。ドローンの機体の性能向上やこれに伴う利活用の拡大に対応して、車でいう車検のように、機体の安全性を審査するための制度を整備していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法案におきましては、無人航空機の登録制度につきましては、飛行に当たってふぐあいがあることが明らかであるような機体をあらかじめ除外をすること、そして、登録後に事故やトラブルが発生し機体にふぐあいがあることが明らかとなった場合には、まず是正命令というものをかけて、これに従わないときには登録を取り消すというような仕組みで安全を担保してまいりたいと考えております。

 一方、先ほど申し上げましたとおり、安全審査についての課題、これは技術の進歩とともにいろいろな課題が出てまいります。そのために、二〇二二年度を目途に、有人地帯における補助者なしでの目視外飛行、いわゆるレベル4の実現を目指しております。このレベル4での飛行に当たりましては、機体の高度な安全性が求められることになります。

 このため、本年三月に、官民での議論を経て、機体の安全性認証制度の創設等を含む今後の制度設計の基本方針を策定したところでございまして、国土交通省といたしましては、この基本方針に基づきまして、専門家の御意見も聞きながら、具体的な制度の整備に向けて引き続き検討を進めてまいります。

井上(英)委員 ありがとうございます。

 車検のようなやり方をするのがいいのか、またそれはいろいろな議論があると思うんです。いずれにしても、機体の安全性というのをしっかりと担保して、その安全性がしっかりと確保されればさまざまなまた利活用に生かしていっていただけたらと思いますので、安全性の方もくれぐれもよろしくお願いをいたします。

 今度は、飛行禁止の対象施設についてお聞きするんですけれども、空港等の周辺の上空の空域で無人航空機を飛行させるということは航空法で禁止されております。

 また、前回の法改正時に、昨年のラグビー特措法とか、それからオリパラ特措法がまたこの後文科省でも議論されると思いますけれども、対象大会関係空港として指定された空港及び周辺地域も対象施設周辺地域としてその上空における小型無人機などの飛行が禁止されています。

 さらに、改正案では、国交大臣が指定した空港に係る対象施設周辺地域でもその上空における小型無人機等の飛行が禁止されるということになっていますので、空港周辺においては、航空法とドローン法では、それぞれやはり禁止されている空域というのが違うと認識をしております。

 複雑で、ドローンの所有者もわかりにくいのではないかと思いますけれども、その違いも含めて、答弁いただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、航空法から申し上げますと、航空法の目的は、地上の人や物、また航行中の航空機等の航行の安全を確保する観点から、一定以上の大きさのドローンに関する規制を設けたり、また、人口集中地区の上空でありますとか航空機が飛行する可能性があるような空域を飛行禁止としております。

 一方、小型無人機等飛行禁止法は、重要施設に対する危険を未然に防止するという目的で、重要施設の周辺におきまして、小型のものも含めたドローンそれからパラグライダーといった機器の飛行を禁止しているところでございます。また、あわせて、違法な飛行に対して、警察官等が退去等の命令を出したり、命令に従わない場合には飛行の妨害措置をとるといった措置ができるようになっております。

 このように、二つの法律はそれぞれの法目的が異なることから規制の範囲や内容が異なっておりまして、現在のような形で規制をするというようになってございます。

井上(英)委員 ぜひしっかりとした周知徹底をしていただけたらというふうに思います。

 ちょっと時間も限られていますので要望にさせていただきますけれども、今回の法改正を含めて、一定の範囲で違法な飛行に対する命令、措置というのを行うことができる者に、空港管理者及び空港管理者により指定された職員若しくは委任された職員というのが追加される。

 今まではどっちかというとそういった行為というのは、警察官や海上保安官、さらには一定の施設に限っての自衛官といった、特別な職にある方にその権限があったんですけれども、それを一般の民間人にもできるようになるということなので、航空局長、その辺また研修等でしっかりとしたことでやっていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、大臣、時々刻々と変わっていく技術革新のドローンについての、安全性も含めた環境整備の取組についてお答えいただけますでしょうか。

赤羽国務大臣 ドローンの技術革新による汎用性が広がるということは、災害時の復旧工事等々、また予防保全等々、本当に有用だというふうに思っておりますし、物流についてももう実証例が出ておるところでございます。

 ただ、本当に技術革新が速いので、その安全性のチェックの方が追いつかないということはあってはならないことでありますし、先ほど井上委員も指摘されたようなさまざまな新しい知恵も出てきていると思いますので、しっかり安全性の担保の、技術革新も追いついて、ドローンというのがこれからの社会に定着できるように、国交省としてもしっかりとした対応をしていきたい、こう考えております。

井上(英)委員 ちょっと早いですけれども、終わります。ありがとうございました。

土井委員長 次に、大塚高司君。

大塚(高)委員 自由民主党の大塚高司でございます。

 時間の関係で、随時質疑させていただきます。

 ドローンにつきましては、この数年で性能向上が本当に目覚ましく、幅広い分野での利活用が急速に進んでおるところでございます。単に飛行させて楽しんだり、上空から写真や映像を撮るといった目的のみならず、人が近づきにくい場所でのインフラの点検や測量、農薬散布といった産業への活用や、災害現場での現状把握への活用も広まりつつあるわけであります。

 また、現在は、離島や山間部で目視外で荷物を配送する実証実験が始まったところでありますが、インターネット通販の普及による小口配送の増加など、課題を抱える物流分野においても今後の活用が大いに期待をされているところであります。

 さて、このように近年急速に利用が拡大してきたドローンについて、今回の法案において登録制度の創設が盛り込まれているということでございます。

 平成二十七年にドローンの飛行に関する規制が始まって以降、これまで人口密集地の上空での飛行や目視外での飛行などに対して国土交通大臣の許可、認証を得ることを求める制度が運用されてきたわけであります。今回の登録制度は、これまでのように危険のあるエリアや飛行方法に限定するのではなくて、全てのドローンの飛行を対象とする点で一段踏み込んだ規制となるわけでありますが、なぜ今このような規制が必要なのかを確認をしたいと思っております。

 そこで、国土交通省にお尋ねをいたします。

 ドローンの安全対策について、現在どのような課題があり、登録制度を創設することによりましてどのような効果が期待されるのか、お尋ねをいたします。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 近年、無人航空機の利活用が急速に進んでおりますけれども、その一方で、飛行中に突然制御不能となり紛失するなどの無人航空機に係る事故や、人口集中地区の上空を許可や承認を受けずに飛行させるなどの航空法違反事案が増加をしております。

 具体的に申し上げますと、平成二十八年度には五十五件であった無人航空機に係る事故件数が昨年度は八十三件となっております。また、平成二十八年度には三十六件あった無人航空機に係る航空法違反検挙件数が昨年度には百十一件と、それぞれ増加をしております。

 こうした状況を踏まえまして、航空法を改正し、無人航空機の登録制度を創設することといたしました。これによりまして、所有者等が明らかになり、事故の原因究明や安全確保上必要な措置の確実な実施を図ることができるようになります。これによりまして、無人航空機の飛行による危険の防止を図ってまいります。

大塚(高)委員 ありがとうございます。

 御答弁いただいたように、今回の登録制度を創設することによりまして所有者が網羅的に把握できるようになり、事故の場合の原因究明や所有者によります安全対策がより一層強化をされることになるわけであります。これにより、ドローンの飛行がより安全なものとなり、制度としての信頼性が高まれば、社会全体へドローンがより受け入れられやすくなり、利活用の拡大の観点からも意義のあるものと考えられるわけであります。

 ドローンにつきましては、現在でも急速に利活用が拡大をされているわけでありますが、さらに今後も、特に都市部を含めた物流の活用など、社会での活躍の幅が広がりまして、我が国が抱えている人手不足などの社会課題への解決に資するものと期待を寄せているところでございます。

 このような将来を実現するために、国土交通省においても、さらなる安全対策として、有人地帯上空での目視外の飛行に向け、機体の安全性認証の制度や操縦者のライセンス制度の創設を目指して検討しているということもお聞きをしているところでございます。

 一方で、さらなる利活用の拡大を目指すためには、このように国土交通省が行うドローンの飛行の安全に関する規制の整備に加え、目視を代替する運航管理システムなどの技術開発のさらなる推進、電波利用の環境整備などが考えられるわけであります。

 私も、ドローンの飛行しているところを視察に行ったわけでありますが、海に近かったというところもありまして、操縦されている間に、風が強くて、どんどんどんどん沖の方へ沖の方へ流されていく、しまいに、操縦しているところから電波が届かなくなって、ドローンがどこかに行ってしまったという事例があるんですね。それを後で聞きましたら、ちゃんとした空き地に落ちていましたということも確認したわけでありますが。もしそこに人がいたら大変な事故になったということも考えられるわけでありますから、よく関係省庁と連携をとり取り組むことが今後の重要な課題だというふうに私どもは考えておるところでございます。

 また、ドローンの発達段階に応じて必要な政策を逐次遂行するよう、民間との連携もきっちりと行って、利活用の推進に向けて議論を行っていくことが重要というふうに考えておるところでございます。

 そこで、内閣官房にお尋ねをいたします。

 政府全体として、今後、無人航空機の利活用を拡大するためにどのように取り組んでいくか、その取組をお聞きしたいと思います。

岩崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ドローンは、人手不足や少子高齢化といいました我が国が抱えます社会課題の解決に資する有力なツールとなることと期待されており、ドローンのさらなる利活用拡大に向けて、議員御指摘のとおり、関係省庁や民間が連携して取り組むべきであると考えております。

 このため、政府におきましては、内閣官房に小型無人機等対策推進室を設置し、関係省庁間の連携を強化するとともに、学識者、メーカー、関係団体も参画する官民一体となった協議会を設置しております。こうした枠組みを活用して、ドローンの利活用拡大に向けた環境整備策を一丸となって進めているところであります。

 具体的には、昨年の成長戦略におきまして、二〇二二年度を目途に有人地帯での目視外飛行を実現するという目標を設定するとともに、官民協議会におきまして、その実現のために必要となる制度や技術開発等の諸課題について議論を進めております。本日御審議いただいている法案も、そこでの議論を踏まえたものでございます。

 今後も、ドローンのさらなる利活用拡大に向け、官民一丸となって制度整備や技術開発を進めてまいりたいと考えております。

大塚(高)委員 ありがとうございます。

 さて、ドローンは我々の社会をより豊かにすることが期待されておるわけでございますが、使われ方によっては社会的に大きな問題を起こすことも考えられるわけであります。

 端的な例といたしまして、昨年十月から十一月にかけまして、関西国際空港でドローンらしき物体の飛行の目撃情報から滑走路が閉鎖されるという事案が三回連続して発生をいたしました。これにより、航空便が遅延、欠航し、また、その一部は中部国際空港への目的地変更を余儀なくされるというような事案もございました。それによりまして、やはり利用者に大きな影響を生じることとなったわけでありますが、これらはいずれも夜間や早朝に発生した事案でございまして、これらがピークの時間帯でありましたらば、さらなる影響を生じていたということも考えられるわけであります。

 このような事案が今後も続き、空港が長時間閉鎖される事態となれば、航空便を利用する旅客に著しく不便を生じることになり、我が国の経済社会活動に大きなマイナスとなるわけであります。

 さらに、海外ではドローンが航空機に衝突したという事案も聞いておるわけでありまして、空港周辺でドローンが飛行するようなことがあれば、我が国においても同じような事案が発生するかもわからないということもあるわけであります。何よりも、このような事案により旅客の安全が脅かされるようなことはあってはならないというふうに我々も考えております。航空便や空港を利用する方が安心して空港を利用できるよう、しっかりと対応していく必要があるというふうに考えるわけであります。

 そこで、国交省にお尋ねをいたします。

 今回の法案により、ドローンの侵入に対して空港ではどのような措置をとることができるのでしょうか。また、どのような空港を指定するというように考えておられるのでしょうか。例えば、私どものすぐ近くにある大阪国際空港や関西国際空港は対象空港に指定されるのでしょうか。お尋ねをいたします。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の改正によりまして、小型無人機飛行禁止法第七条に基づいて国土交通大臣が指定した空港につきましては、巡視や滑走路の閉鎖等の措置に加えまして、警察官等や空港管理者が、対象空港及びその指定敷地等の上空を違法に飛行する無人航空機について、その操縦者に機器の退去等を命じることや、操縦者が見つからない場合などに電波妨害等による飛行の妨害等の措置をとることができるようになります。

 さらに、このような法律上の措置に加えまして、主要空港に小型無人機の飛行を検知するシステムを導入することを予定しておりまして、これによりまして、飛行を検知した場合には、速やかに空港管理者や警察官等が対応することを考えております。

 この指定対象とする空港につきましては、離発着数や利用者数等に鑑み、関西国際空港、大阪国際空港に加えまして、東京国際空港、成田国際空港等の我が国の航空輸送を支える主要八空港とすることを考えております。

 こうした措置を通じまして、違法な小型無人機の飛行をできる限り防止するとともに、仮にこうした飛行が発生したとしても、その飛行を停止させ、滑走路の閉鎖等の時間を短縮し、航空便の利用者への影響を最大限抑制できるように取り組んでまいります。

大塚(高)委員 ありがとうございます。

 今お答えいただいたように、今回の法案により、ドローンが空港に侵入した場合の空港側の対応力がより一層強化されるということになるわけであります。

 そして、空港は我が国の玄関口でございますから、ドローンの飛行で長時間閉鎖されることのないような、単に飛行を禁止するだけではなく、現場で電波妨害など実効性のある対応をとることができるようになることが極めて重要だというふうに考えております。

 今回指定される空港につきましては、空港管理者も、操縦者に対してドローンを退去させるよう命令することや、侵入したドローンに対し電波妨害などで飛行を妨害するといった対応をとることが可能になるということでございますが、しかしながら、空港管理者のみでは対応が十分というふうには思えません。専門的な知見や対応能力を有している警察においても、空港管理者と連携し、しっかりと対応を図っていただきたいというふうに思っておるところでございます。

 そこで、警察庁にお尋ねをいたします。

 今後、指定された空港において、警察官による対応をどのように図っていくのか、警察庁の今後の取組をお聞かせいただきたいと思います。

直江政府参考人 お答え申し上げます。

 警察では、平素より、空港管理者等と緊密に連携して空港警備を実施しているところでございます。

 このたびの改正法案が成立し、対象空港が指定された場合には、警察官は、対象空港及びその周辺で違法に飛行するドローンに対し、法に基づく安全確保措置を講ずることとなります。

 具体的には、ドローンを発見する検知器や飛行を阻止するジャミング装置、迎撃ドローン、ネット発射装置等を活用するなどして、措置命令や飛行妨害等を行い、ドローンによる危険を排除することとなります。

 対象空港の指定後は、空港管理者との連携を一層強化して、空港の安全確保に万全を期してまいりたいと思っています。

大塚(高)委員 ありがとうございます。

 警察においても、ぜひしっかりと対応をとっていただきたいというふうに思います。

 時間の関係で、一つ飛ばさせていただきたいと思います。

 次に、関西国際空港につきましては、これまでも自然災害への対応としてハード、ソフトの取組が図られてきたところでございますが、今回の法案では、空港に侵入するドローンへの対応だけでなく、自然災害への空港の対応力強化も盛り込まれておるところでございます。

 具体的には、空港設置者が守るべき管理の基準として、自然災害時に空港機能を確保するための措置についてもあらかじめ定めておくことが求められるということになっておるところでございます。

 そこで、国土交通省にお尋ねをいたします。

 この改正により、自然災害時の空港側の対応はどのように改善されることになったんでしょうか。そして、これまでの取組に加え、更にどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成三十年九月の台風二十一号来襲時の反省を踏まえまして、全国の空港設置者に対し、事業継続計画、BCPと言われるものを策定するように要請をいたしたところでございます。

 今回の改正によりまして、空港設置者は、航空法第四十七条に基づく空港の管理の基準として、自然災害時の対応のあり方についてあらかじめ定めておくことが義務づけられることとなります。これを受けて、各空港の設置者は、先ほど申し上げたBCP、事業継続計画の策定を含めまして、これらを空港機能管理規程として定めることが義務づけられることとなります。また、この空港管理規程に反する運用が行われれば、空港設置者に対し罰則も科されるなど、自然災害時の対応が強化をされます。

 そして、監査を通じまして、各空港におけるBCPの内容のさらなる充実を図り、自然災害時における空港の対応能力を向上させ、混乱を最小限にとどめるよう全力で取り組んでまいります。

大塚(高)委員 次に、大規模自然災害を踏まえた対応についてお尋ねをいたします。

 関西国際空港におきましては、昨年はドローンの飛行により滑走路が閉鎖されたわけでございますが、その前にも、一昨年は台風二十一号で、襲来した際に、高潮等により滑走路が浸水し使用できなくなるなど、空港自体が大きな被害を受ける事案が発生をいたしました。

 その際に、連絡橋も通行できなくなり、多数の旅客が足どめをされました。多くの滞留者も発生してしまうことになりました。また、特に訪日外国人旅行者の方を中心に、利用者への情報提供にも課題があったのではないかという声もお聞きをいたしました。ハードの面で浸水対策の強化と、空港利用者の情報提供などのソフト面の対応の改善が課題となったということを認識しておるところでございます。

 そこで、平成三十年の台風二十一号襲来の際の教訓を踏まえ、関西国際空港においては自然災害に備えハード、ソフト両面でどのような措置がとられてきたのか、お尋ねをいたします。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 関西国際空港では、委員御指摘のとおり、平成三十年の台風二十一号の教訓を踏まえまして、ハード、ソフト両面におきまして防災力強化のための措置を講じてまいりました。

 ハード面で申し上げますと、地下設備室への水密扉の設置、また大型排水ポンプ車の導入等、緊急対策を昨年の台風期までに全て完了いたしました。引き続き、防災機能強化に万全を期すために、護岸のかさ上げ等の越波防止対策、電気設備の地上化等の浸水被害防止対策などを実施しているところでございます。

 また、ソフト面では、台風来襲時に多くの滞留者が発生したことを踏まえまして、事業継続計画を抜本的に見直し、滞留者一万二千人を想定した食料や飲料水、寝袋等の災害用備蓄品を備えることを規定し、これらの準備を整えたところでございます。

 さらに、このBCPに、災害発生時におきまして、空港全体の総合対策本部を速やかに設置をし、空港関係者との情報共有を図ることで、旅客等の安全確保や空港機能の早期復旧等に向け連携することとしております。

 関西国際空港では、このようなハード、ソフト両面の対策を着実に実施することによりまして、防災力の強化を図っているところでございます。

大塚(高)委員 ありがとうございます。

 ここまで、今回の法案に対する、登録制度の創設等によるドローンに関する安全対策の強化、ドローンの侵入時や自然災害発生時の対応の強化を図っていくという話をお聞きをいたしました。いずれにしても、非常に重要な政策課題でありまして、しっかりと取組を進めていく必要があるというふうに考えます。

 ここで、最後に、青木副大臣にお尋ねをいたします。

 この法案により、ドローンの安全対策や空港の対応力強化にどのようにこれから取り組んでいくのか、国土交通副大臣に国土交通省の取組の方針をお聞かせいただきたいと思います。

青木副大臣 お答えいたします。

 まず、その前に、実は何年か前、衆議院の解散・総選挙がございまして、私はちょうどそのとき大塚委員とともに国交省で政務官をやっておりまして、大阪国際空港に飛行機で私も飛ばせていただき、応援に参りました。そして、空港をおりまして選挙事務所へ参りましたが、非常に空港から、五分かな、五分ぐらいのところに事務所がありました。非常に空港に隣接したところにお住みだという認識をいたしました。

 大塚委員、今回、このドローンの法案、ある面で地元の皆さんの安心、安全、それを守っていかなきゃいけない、そういう思いから質問されたと思っております。そのことを踏まえ、お答えをいたします。

 ドローンを始めとする無人航空機は、人手不足等の社会課題の解決や新たな付加価値の創造に資する技術として期待をされており、技術改革の進展に伴う安価で高性能な機体の普及を背景に、その利活用が急速に拡大をいたしております。

 一方で、航空法違反事案や墜落等の事故の増加、自然災害や無人航空機の飛行による滑走路の閉鎖事案が発生をいたしております。そのため、委員が御指摘されましたとおり、ドローンについて、セーフティー、セキュリティーの両面で安全対策の強化や空港の対応能力向上に取り組んでいく必要があると認識をいたしております。

 このため、一点目といたしまして、航空法において無人航空機の登録制度を創設する改正を盛り込んでおり、これにより所有者等を網羅的に把握し、事故等の原因究明や安全確保上必要な措置の確実な実施を図りたいと考えております。

 二点目といたしましては、小型無人機飛行禁止法において、空港での小型無人機等の飛行禁止、違反して飛行する者への警察官などや空港管理者の退去命令や飛行妨害等の措置を定める改正を盛り込んでおります。これによりまして、空港への危険の防止のための必要な措置を迅速にとることができるようにと考えております。

 そして、三点目。三点目には、航空法において、空港の設置者に対し、先ほど来申しております事業継続計画、BCPの策定を含め、自然災害時の対応のあり方についてあらかじめ定めておくことを義務づける改正を盛り込んでおり、これにより、空港における自然災害時の対応の強化を図ってまいりたいと考えております。

 これにまた加えまして、これらの措置を講じるに当たりましては……

土井委員長 簡潔にお願いします。

青木副大臣 はい。済みません。

 登録制度について、オンラインシステムの構築、あるいは空港に侵入する無人航空機等に迅速に対処するための検知システムの整備等あわせ実施し、法律に盛り込んだ措置が確実に実施できるように取り組んでまいりたいと思います。

 無人航空機の飛行の安全にかかわる対策の強化と、無人航空機等の侵入や自然災害に的確に対応できる空港の対応能力の向上に全力で取り組んでまいります。

大塚(高)委員 ありがとうございました。

土井委員長 次に、岡本三成君。

岡本(三)委員 公明党、岡本三成です。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日の議題のドローン規制法に入る前に、一問だけ、住宅ローンの返済について質問させてください。

 ことしは、この新型コロナウイルスの影響で企業業績が急激に悪化をしておりまして、その結果、残念ながら、ボーナスが減額をされる又はことしはボーナスがないというような方も多く出ていらっしゃっています。

 私、最近複数御相談を受けたのが、住宅ローンの返済なんですね。住宅ローン、一般的には毎月返済になっておりますけれども、ある一定の金額をボーナス月に割増しで返済をされる方が非常に多いんです。

 例えば、住宅支援機構が出しておりますフラット35で三千万円借り入れて、仮に金利が二%だとすると、毎月の支払いは約八万円です。けれども、この二〇%分をボーナス月に返済をするとなると、一月と七月は二十万円の返済になります。この返済をどうしようかというふうに悩んでいらっしゃる方が物すごく多いんですね。

 現実的には、住宅支援機構も今相談に乗っていただいております。そういう情報公開もされておりますし、民間の金融機関も、契約書の中に、ボーナス月の割増しに関しては、契約変更をして、なしにして、毎月支払いに変えることもできます。

 二つ、ぜひお願いをしたいことがあります。

 一つは、民間の金融機関でも住宅支援機構でも変更するときには手数料がかかるんですけれども、こういう非常事態なので、手数料なしでその変更に向き合っていただきたい、取り組んでいただきたいということが一つ目。

 二つ目には、柔軟に対応しますというふうなことを言っていますけれども、基本的には、その情報通知というのはプッシュしていないんですね。読んでいただいて、わかっている方は来てくださいと。けれども、積極的に情報を共有して、ボーナス月に増額して返済することが変更できるような、そういう選択肢があるということを積極的にそのローンの債務者の方々に通知をしていただくような努力をしていただきたいというふうに思っているんです。

 フラット35を借りていらっしゃる方も多いので、住宅支援機構を所管しております国交省からも御答弁をいただきたいですし、民間金融機関からお借入れのところも多いので、同じ質問を金融庁の方にもお願いしたいと思います。

青木副大臣 お答えいたします。

 コロナによりまして、本当に経済状況は大変だと思います。住宅ローンを抱えていらっしゃる方、皆さん大変だと思っております。

 住宅金融支援機構では、先生がおっしゃいました、機構がローン債権を有しているフラット35の利用者のうち、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により返済が困難となった方に対し、手数料を求めることなく返済方法の変更の対応を行っております。

 具体的には、倒産による解雇や給与の減少等の経済事情や病気等により返済が困難となった方について、最長十五年の返済期間の延長を行うほか、特に、失業や収入が激減した方については、最長三年間、元金の据置きをする等の対応をしているところです。また、先生が御指摘のように、ボーナス返済が負担となった方につきましても、ボーナス返済の取りやめや、毎月分、ボーナス返済分の返済額の内訳の変更等の見直しに対応しているところです。

 なお、機構では、ホームページを通じましてこれらについて広く周知するとともに、コールセンター等の窓口において、返済困難となった方の相談に丁寧に対応をいたしております。

 機構から債権の管理窓口業務を委託している民間金融機関に対しましても、利用者からの相談に柔軟に対応するよう、昨日、ボーナス返済への柔軟な対応等についても改めて要請をいたしました。

 国土交通省といたしましては、機構に対し、機構の取組の一層の周知を図るとともに、利用者の方の居住の安定確保を図るよう指導をしてまいります。

伊藤政府参考人 お答えをいたします。

 金融庁といたしましては、新型コロナウイルスの影響により住宅ローンの支払いが困難となった個人の方を支援するために、金融機関に対しまして、累次にわたって柔軟な対応をお願いをしているところでございます。

 五月に入りましてから各業界団体との意見交換会というのがございまして、そこで、この六月には、ボーナス月なので、いろいろ住宅ローンの御要請がふえるであろうということで、金融機関に対しまして、十分な期間の元本据置きなど、借りている方のニーズに応じた返済猶予などの条件変更の速やかな実施、条件変更時の手数料の無料化、お客様が相談しやすいように、住宅ローンに係る相談ダイヤルや休日を含めた相談窓口の積極的な周知などに努めるように要請しておりまして、今申し上げたような、要請をしていますということを金融庁のホームページに一昨日にアップしたところでございます。

 また、金融機関の取組状況を、特別ヒアリング、それから銀行法などによります報告徴求命令によりまして確認をしておりまして、今のところ、銀行においては、四月末の時点で、お申込みになった方の九八・〇%をお認めをしているということでございます。

 また、金融庁では、各金融機関の取組の好事例をホームページに載せておりまして、先ほど申し上げましたような、元本の据置期間を長くするとか、手数料を無料にするとか、積極的に周知をするとかいう好事例を載せているところでございます。

 また、政府広報をつくっていただきまして、昨日から在京キー局では流れておりますけれども、住宅ローンの返済猶予などの条件変更の御相談を銀行などでは受けますということをテレビCMで流していただきまして、金融庁のホームページに誘導するということをやっているところでございます。

岡本(三)委員 青木副大臣、伊藤審議官、ありがとうございます。

 もう既に取り組んでいただいております政府広報は一番いいプッシュ型だと思いますが、要は、知っている人にはその選択肢があるけれども、知らなかったので物すごく悩んでいらっしゃる方々を少なくしていきたいと思っているんですね。ですから、とにかくプッシュ型で。

 なかなか今銀行の店頭に行かれる方も少ないんですけれども、できれば、フラット35も民間金融機関を通して売り出しているわけですから、銀行に行くと全部張り紙があって、どこでお借りになった住宅ローンであっても、皆さんの状況に合わせて、柔軟に返済状況を手数料なしで変えることができるような対応をとっていますので、お気軽に御相談くださいみたいなことが至るところに張ってあるみたいなことも含めて、今やっていらっしゃるプッシュ型を更に強化していただくよう、よろしくお願いいたします。

 では、ドローン規制法につきまして質問させていただきます。

 ドローン自体は未来を開く前向きな活用をされております側面もありまして、市場規模は十五兆円ぐらいまで広がるような可能性を秘めているというふうに言われております。一方で、海外でテロ事件等も出てきておりまして、違法なドローンを取り締まる、このバランスがすごく大切なんだというふうに思っています。

 今回の法改正、必要なものだというふうに考えますけれども、立法事実みたいなことで、例えば、国交省が把握しているこれまでのドローンの事故の件数の推移、また、その典型的な事故又は犯罪等があればその事例、それを起こしたドローンの所有者は不明だったのかどうか等々、全体的な立法事実を教えてください。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 近年、無人航空機の利活用が急速に進む一方で、飛行中に突如制御不能となり紛失するなどの事故が増加しております。最近では、平成三十年度は七十九件、令和元年度は八十三件が国土交通省に報告をされております。

 また、無人航空機の事故等があったにもかかわらず所有者がわからなかった直近の事例といたしましては、平成二十八年八月に福岡県内で、無人航空機が国土交通大臣の許可を得ずに飛行禁止区域内を飛行した後墜落した事例がございます。

 これにつきましては最終的には所有者が特定されておりますけれども、事故等の原因究明や安全確保上必要な措置を確実に実施できるようにするためには、迅速かつ確実に所有者を特定できる仕組みを構築することが重要であると考えております。

岡本(三)委員 国内でのさまざまな事故又は海外での事件等を考えますと、やはり、先ほど別の委員の方から質問も出ておりましたリモートIDの早期導入は、私は必要だと思います。

 一方で、一つ確認をしておきたいことがあります。別の委員の方の御質問にもありましたけれども、実際に飛行禁止区域にドローンが入ってきたときに、確実にそのドローンを捕捉できるような手段をちゃんと持っていらっしゃるということを確認をしたいんですね。

 つい五年ぐらい前までは、飛んできたら網のようなもので捕獲しますみたいなことをおっしゃっていたことがありました。そのときのベストアンサーだったと思うんです。

 ただ、最近、ジャミングで、電波妨害でほぼ確実に捕獲できるようなものを警察で導入されたような報道も見ましたし、犯罪者の気持ちを抑止する意味からも、そういうドローンが飛んできたときには確実に捕捉できるからやっても無駄ですよみたいなことをぜひ御答弁いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

直江政府参考人 お答えいたします。

 警察におきましては、ドローンを悪用したテロ等の防止のため、ドローンの早期発見と違法なドローンへの迅速な対処に取り組んでいるところでございます。

 具体的には、ドローンの位置を特定する検知器等により違法に飛行するドローンを発見するとともに、ジャミング装置、迎撃ドローン、ネット発射装置等を活用するなどして当該ドローンを阻止、捕獲して危害を排除することとしております。

 引き続き、ドローンの技術の急速な進展を踏まえ、ドローンの悪用防止に資する技術の動向にも関心を持ちつつ、資機材の整備、高度化、態勢の整備、不断の訓練等に取り組み、ドローンへの対処能力のさらなる強化に努めてまいりたいと思っております。

岡本(三)委員 本当にマニアックな人が自分でつくったようなハイテクなものはもしかしたらわかりませんが、一般的に流通しているようなものはほぼ確実に捕獲できるような技術をお持ちだということで理解いたしましたし、そういうことをぜひアピールをいただければと思います。

 最後の質問になりますけれども、私は、ドローンに関しては、それがレジャー目的のものであっても、賠償責任保険への加入義務を課すべきだというふうに思っています。今、多くの方々はもう既に自主的に保険に入っていらっしゃるというふうに伺いましたけれども、要は、保険に入っているような方はルールを守ってちゃんと飛ばしていらっしゃるんですね。ルールを守らずに変なことをしようとしている人に限って保険に入っていないような状況があるというふうに思いますので、保険の義務化についても御検討いただきたいと思っています。

 その上で、どういうふうな立て分けにするかは別にして、例えば産業用の物すごく大きいものとか、グラム数なのかわかりませんけれども、やはり、市民生活に危険を及ぼすような可能性のあるある一定以上のドローンに関しては、国家試験、免許みたいなものがないと操縦できないというような検討も必要なのではないかなというふうに思うんですが、ドローンのライセンス、運転者の免許のあり方について、今どういうふうな議論をしていらっしゃるか教えてください。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 ドローンの技術革新がどんどん進んでおりますけれども、さらに、将来的には物流等への利活用の拡大なども考えられますので、二〇二二年度を目途に、有人地帯における補助者なしでの目視外飛行、いわゆるレベル4を実現することを目指して、官民でさまざまな議論をしているところでございます。

 その中の一つのテーマに、操縦者の技能証明制度の創設、いわゆるライセンスでございますけれども、これをレベル4の安全確保のための制度設計の基本方針の中に盛り込んでおります。

 国土交通省といたしましては、引き続き、無人航空機の利活用の拡大を後押しするとともに、安心、安全な運用の実現を図るため、基本方針に基づき、専門家とも議論を重ねながら、早急に制度整備を図ってまいります。

岡本(三)委員 ありがとうございました。

 あるドローンの事業者の方に伺いましたところ、自治体と組んでさまざまな取組をしていらっしゃいます。その際に、国土交通省のホームページから飛行許可書を申し込まなければいけないんですけれども、最低十日以上前に申し込むようにというふうな指示がなされておりまして、追加でさまざまな試験をするときに本当に使い勝手が悪いというふうな御指摘もありましたので、更に前向きな、ドローンの産業が拡大するようなところにも御配慮をいただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

土井委員長 午前十一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十時五十八分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時三十分開議

土井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。荒井聰君。

荒井委員 荒井です。

 きょうは、また大臣と議論をできるのを楽しみにしておりました。

 冒頭、これは通告はしていないんですけれども、今度の第二次補正予算で十兆円の予備費という、こんな、今まで聞いたこともないし、本来あり得ないことじゃないでしょうかね。予備費というのは国会の議決を経ないで執行するということですから、これはある意味ではナチスの全権委任法と匹敵するような法律ですよ。

 これは、野党の問題ではなくて、僕は与党の問題だと思いますよ。与党はこれでいいんですか。十兆円の予備費を無責任に全部政府に委任してしまうという、そういう制度ですよ。

 私は、このことに関して与党から何の話も出てこないというのは、一体どうなっているんだろうというふうに思います。もちろん、野党としては、こういう仕組みについては重大な抗議をしようと思っていますけれども。

 さて、きょうは、大臣と議論しますので、大事な話から少しします。きょうは航空局との議論ですので、横田空域です。

 この横田空域について、これが日本の航空行政について、あるいはさまざまな点で障害になっているというのはいろいろな人が指摘をしていて、その都度、日本の大きな政治家では石原慎太郎さんが東京都知事のときにこの点について議論したんですけれども、結果的にはままなりませんでしたというふうに理解をしています。

 ところが、きょうは若い人もいますので、ぜひ読んでいただきたいんですけれども、この「僕は沖縄を取り戻したい」という千葉一夫さんのことを書いたノンフィクションです。これは宮川徹志さんというNHKのディレクターが書いた本です。ぜひ読んでもらいたいんですけれども、この千葉一夫さんというのは、沖縄返還交渉のときの北米一課長です。彼がいなければ沖縄返還交渉はできなかったろうというふうに言われているんです。

 私は今から三十年以上前にスリランカというところの大使館の書記官をしていましたけれども、そのときの大使が千葉一夫さんでした。本当は千葉一夫さんというのは外務省の事務次官になるだろうと言われていた人なんですけれども、いろいろな都合で、最後は、本省では中近東アフリカ局長、最後のポストは英国の大使だったんです。

 その千葉一夫さんがアメリカとの交渉を通じてずっと言い続けていたのは、アメリカ人というのは非常に合理的で、そして、交渉相手としては、タフネゴシエーターと言われている、あるいはハードネゴシエーターと言われている人を信頼する、何でもイエス、イエスと言っている人間は信用しない、激しい議論をして初めて国益は守られるのだということを彼らは痛いほど知っているので、そういう相手こそ本当の交渉相手にするんだということをずっと言い続けていました。この沖縄返還交渉のときに、千葉さんはまさしくハードネゴシエーターだったんです。

 アメリカは、沖縄の返還ということを、戦争によらない領土の返還というのは初めてだというふうに言われていましたけれども、そうです。そういうアメリカですから、アメリカと横田空域の返還について、あるいは解除について、ある一部分でもいいですけれども、私は真剣にやれば可能性は出てくるんだと思いますよ。

 横田空域があるために、CO2はたくさん使うわ、あるいは飛行機の羽田に対する乗り入れが制限されている。そこが解除されれば、飛行機の乗り入れももっと便数をふやせる。結果的にはアメリカの航空産業にプラスじゃないか。あるいは、CO2の削減の一部分をアメリカに譲ってもいいじゃないですか、その部分は。

 そのぐらいの交渉をすれば、アメリカという合理的な国は、ある意味では、アメリカ軍とだけ交渉しても、絶対それはアメリカ軍がうんと言わないですよ。でも、アメリカという国は、上院議員や下院議員が物すごく強い力を持っている、そういう国です。そういう国に働きかければ、それは空軍の権益を少し絞っても、今飛行機産業は大変な状況ですから、飛行機が売れるんだったらそっちの方をと考える人は出てきますよ。そういうことをやっていくのが私は政府の役割だと思うんです。

 これは必ずしも国土交通大臣だけの話じゃないと思うんですけれども、ぜひ内閣の一員として、しかも、航空産業、そういうものをつかさどっている大臣として、アメリカとそういう交渉をしてもらいたいと思います。

 日本はこれから、アメリカと中国、難しい二つの国を交渉相手にしていかなければならないと思うんですね。そのときアメリカと本当に、ハードネゴシエーターだ、本気になってぶつかってこられているということを示すそういう人たち、つまり、アメリカにとって本当の交渉相手だと信頼される人を私は政治家としてつくっていくべきだというふうに思います。

 大臣、御見解はどうでしょうか。

赤羽国務大臣 まず、私、アメリカの方とハードネゴシエートしたという経験が特にあるわけではありませんけれども、一般論として、人と人とのつき合いというのは、今荒井先生が言われたように、腹を割って、率直な、けんかをするぐらいの真剣な議論をした結果、本当の友情というか信頼が築かれる、そういうものだというふうに思っております。

 この横田空域については、もう先生の方がよく御承知だと思いますが、これまで、羽田空港の交通量増大への対応、また効率的な飛行空路の設定のために、過去八回にわたって段階的に削減を実施してきたところでございます。

 一義的には外務省と防衛省と米国との交渉でございますし、国交省としては、技術的なサポートというような側面ではありますけれども、私も政府の一員として、これは国益に沿う形でしっかりと、難しいテーマではありますけれども取り組んでいきたい、こう考えております。また御指導よろしくお願いします。

荒井委員 ありがとうございます。

 私は、横田空域の話を、大きく変更していく、あるいは返還をしてもらうというのは、これはアメリカのためにもなるんだということをしっかり説得することだと思います。

 沖縄返還交渉のときの千葉さんの論法は、このまま沖縄をああいう形でアメリカが占有していれば、沖縄の中に反アメリカの機運が盛り上がっていって基地そのものが否定されることになる、それでいいのかという議論を展開するんですね。これがやはりアメリカにとってはこたえたんです。日本の基地はやはり大事ですから、日本全国に反米基地闘争が展開する、ちょうど本州の方はその時期だったんですけれどもね、ということから、沖縄返還交渉というのが一歩一歩進んでいったというふうにこの本には書かれています。

 ぜひ、アメリカとの交渉の際には、そういう点にも考慮して議論を展開していくべきだというふうに思います。

 ところで、きょうの「工事不手際 四号機救う」というこの新聞記事、これは二〇一二年の三月の記事です。東北大震災のときに福島第一原発が電力が途絶して非常なピンチになったんですけれども、そのとき最大のピンチは、実は、稼働を停止していた四号炉だったんです。四号炉の使用済み核燃料がこのプールの中に保管されていたんです。

 ここに写真がありますけれども、右側に貯蔵プールと書いてありますね。この貯蔵プールの中に、何百トンだったかな、巨大な数量の使用済み核燃料が保管をされていました。これは、水で冷やさなければ放射能が出てしまうということで、水で冷やされていました。

 アメリカは、第一原発の事故の後、すぐシミュレーションをやったんですね。特に心配なのは四号炉だ、この四号炉の状態が、電力がなくなれば、空っぽの状態になれば大量の放射能が出てくる、大量の放射能が出てくれば東京も住めなくなるというシミュレーションをいたしました。それで、アメリカは、大使館の職員も含めて、あるいは日本に駐在をしている軍隊の家族も含めて、日本国からの避難を勧告するんです。かなりの人たちがその勧告に従ってアメリカは逃げました。それは、各国みんなそうでした。フランスもそうですし、そのほかもそうだったんです。

 ところが、何かよくわからないけれども、シミュレーションした放射能よりもはるかに少ない放射能しか観測されなかったんです。どうしてだろう、なぜなんだろう、どうも水があるんじゃないかという話になりました。

 そこで、アメリカ政府から大使館を通じて、この四号炉のプールの状況について明らかにしてくれという要請がありました。

 そこで、当時の与党であった私たちは、ヤマハ発動機のヘリコプターを、これが一番使える機器だったですね、無人の飛行機として、無人の観測機としては。それを使おうということで飛ばしました。しかし、放射能の防御はない、それから、その数年前にココム違反で、このヘリコプターは、遠くへ飛ばせないような、そういう仕組みになっていたんです。したがって、操縦者がその近くまで行ってコントローラーを操縦しなきゃならないという制限があって、そこは無理だという話になって、結果的には使えなかったんです。

 日本には、この原発の災害のときに、水があるかどうかという極めて単純なことさえ明らかにできるだけの技術力がなかったということです。

 そこで、アメリカが手を差し伸べてくれました。軍事用の大型のグローバルホークという、かなりでかいもの、これをアメリカが独自に、日本の横田基地かどこかから出てきたんだと思うんですけれども、それが福島原発の第四号機の上空に行って写真を撮影したんです。その結果、水があったということがわかったんです。

 これは物すごい幸運でした。ちょうど四号機は水を満杯にして改修作業をやっていたんです。原子炉の改修というのは水を満杯にしてやるやり方しかないから。その満杯にした水が、原子炉の方にあった水が、ふたがずれて、そのふたを通して使用済み核燃料のあるところに流れ込んだんです。それで助かりました。東北も関東も、これゆえに助かったんですね。これは、ラッキー、何物でもありません。当時、私は神風だと言っていましたけれども、何物でもないことで、日本は、東京は助かったんです。

 しかし、そのときに、日本にこういうことを偵察できる無人機がないということは恥ずかしいことだ、原子炉を動かしておいてそういうものがないというのは恥ずかしいことだ、そんなふうに痛感しました。

 その後、ドローンについて関心を持ちましたので、私はドローンの、超党派の議連だったでしょうか、それにも参加しながら、いろいろ観測をしていましたけれども、その後、ドローンについて随分機運が盛り上がるんですね。そして、五年ぐらい前でしょうか、アメリカを中心にして、将来十兆円ぐらいの市場規模になるだろうという観測が出て、いろいろな大手のIT企業や航空機産業の機器などが大いに参入をしていきます。

 しかし、残念ながら、日本はこの産業分野というのは非常におくれているんじゃないでしょうか。いまだに、まだあの四号炉に届くドローンはつくれていないんじゃないでしょうか。私は非常に残念に思います。

 このドローンの技術というのは、一番肝心な技術というのはカメラなんですよね。NASAの惑星衛星のカメラというのは、ほとんど日本製ですよ、あれは。それから、電池の技術、これも日本は物すごく高いんです。電波のコントロールの技術も私は高いと思うんです。これだけそれぞれの高い技術を持ちながら産業として育成できない。きょうは通産省もいますけれども、私は、通産省は、余計なことをしないで、マスクなんかやらないで、ちゃんとこういう新しい技術を展開していく産業をつくるべきだと思います。

 これから、ポストコロナの時代になって、新しい産業が絶対必要なんです。そのときに、このドローンの産業化というのは物すごい可能性があるはずなんです。

 そういう点について、まずは大臣にお聞きします。

赤羽国務大臣 まず、福島の第一原発事故の発生のときに私は浪人をしていたんですけれども、二〇一二年の十二月二十七日に、経済産業副大臣兼十一代目の現地対策本部長を拝命して、以来一年九カ月間、毎週二日ないし三日、福島の原発地域、特に一Fの中も行っておりました。

 そうした意味で、言わずもがなですけれども、放射能の線量が高くてなかなか近づけない、そうした中で、当時の日本の産学官が大変な力を合わせてさまざまなリモートコントロールできるロボットの開発をして、今やデブリの取り出しなんというのも、当時はほとんど、可能性が極めて厳しいのではないかと個人的には感じておりましたが、そうしたことも着々と前に進んでいるということは、大変頼もしくも感じているところでございます。

 私は、その流れの中で、あの地域が明るい希望があるように新産業を起こしたいということで、福島イノベーション・コースト構想というのも立ち上げて、本来であれば、そこに先進的なロボット、ドローンを開発する拠点をつくりたいと。そうした一環で、ロボットテストフィールドという、アメリカのテキサスA&M大学にあります、ディザスターシティーを模して同じようなものをつくり、この前、実は現地に行ってまいりましたが、大変よくできていて、なかなかドローンの試験運航もできる場所が限られておりますけれども、ぜひ福島のあそこを使っていただきたい、あそこを本当に日本の大拠点にしていきたい、こう考えているところでございます。

 加えて、それだけじゃなくて、災害の視察を、大臣に就任してずっと続けて行ってきたわけでありますが、今はどこに行っても地方整備局の担当が、ドローンを発災直後に飛ばして全部被災地を映した動画を見せてくれて、それを定期的にやっていて、どのように復旧が進捗しているのか、また、目では見られない箇所で、ここが崩落していたとか、そうしたことで、私は、ドローンの効果というか、人力では届かない大変大きな効果を生んでいるということは本当に痛感をしているところでございます。

 放射能に対しては、個人的には軍関係があるアメリカというのはやはり強いのかなとは思いますが、それ以外の部分については日本も積極的に、しっかりとしたものとして、有用なものとしてドローンを活用するというのを国策として取り組んでいきたい。

 そうした意味で、きょう御審議いただいている法案もその第一歩だというふうに考えておりますので、その点、これから長い道のりかと思いますが、世界に負けないように、伍してしっかりと取り組んでいけるように、経済産業省、あと文科省等とだと思いますけれども、連携をとりながらしっかりと進めていきたい、こう考えております。

荒井委員 ありがとうございます。

 せっかくだから、経産省。

 経産省の技術として、今度の場合には、妨害電波を発して必要なところには近づかないようにさせるとか、あるいは、それをコントロールしているドローンがIDが認証できるような、そういう技術開発というのは、私は日本は得意だと思うんですけれども、そういうことをぜひやるべきだと思うんだけれども、それらも含めて、経産省、どうですか。

春日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のございましたリモートID、非常に重要な技術だというふうに思っております。遠隔から機体を確認しなければいけないということで、その実用化に向けて今進めております。

 まず、NEDOによる技術開発が中心でございまして、具体的には、リモートIDの試作品を開発をさせていただきまして、電波の到達距離それから干渉の影響による受信精度などの検証を行っております。それからあと、小型のドローンにもこうしたリモートIDを載せられるようにということで、小型化にも取り組んでおるということで、リモートIDの技術についてはおおむね実用化のめどが見えてきたという状況でございます。

 それからまた、産業といたしましても非常に重要でございまして、今お話のございましたインフラの点検であるとか、それから過疎地における物資輸送などのニーズが今後拡大していく。そういったことで、こういった産業用途のドローンにつきましては、日本のドローンメーカーも非常に強みがあるというふうに考えております。

 安全性、信頼性、それから用途に応じたきめ細かなカスタマイズ、アフターサービスといったところも強みでございまして、こういったところを含めまして、今後市場拡大が見込まれる小型の汎用的な産業用ドローンの基盤技術の開発であるとか、それから、官民協議会で策定されましたロードマップに基づく利活用環境の整備のための運航管理システム、それから衝突回避技術の技術開発などにも取り組んでおるところでございます。

 以上でございます。

荒井委員 航空局長に聞かないと申しわけないから。

 一つは、午前中にも古川さんが質問されていましたけれども、私は強制保険は必要なんだと思いますよ。これから相当な数のドローンが登録せざるを得なくなっていくんだと思います。そうすると、飛行機に対する事故だとか、あるいは人身に対する事故だとか、そういうものも起きかねないですよね。これはちょうど、車の強制保険を入れざるを得なくなったときの状況に似ているのではないか。これは金融庁なのかもしれませんけれども、そういう意味では、強制保険の仕組みを議論していく、そういう時期に来ているというふうに思います。これが第一点。

 それから第二点が、既存の登録制度においても時間がかかる。私の非常に親しくしている森林関係の測量をやっている人が、既存のドローンを使っても登録するのに約四日間ぐらいかかるという話をしていました。それは本当かどうかわかりませんけれども、そのぐらい手続に時間がかかっている。

 今回の十万円の配付にしても、郵送の方が早いというのはどう考えてもばかげていますよね。何のためのマイナンバーだったのか、あるいは住基ネットだったのか。日本は、二〇〇〇年のときだったですか、森政権のときですか、IT基本法という法律をつくって、IT化していくということを宣言したんですけれども、二十年たっても郵送の方が早い。こんなばかげた国はないですよね。

 あれだけお金をかけて大議論をしてマイナンバー制度を導入したんだけれども全国で二〇%しかカバーできていないというようなことは、それぞれの役所がマイナンバーを使ってそこのネックを解消していくという努力をしていないからなんじゃないかと思うんですよね。

 それぞれの役所はそれぞれの役所で、これも必要だ、あれも必要だということで申請させるんでしょうけれども、そのかなりの部分は、私は住基ネットやマイナンバーの中で表示されているんじゃないかと。それを徹底的に使っていくということが各役所でも私は必要なんじゃないかと思うんですけれども、そういう点はどうかな、航空局長。

和田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、保険のお話からでございますけれども、現在、無人航空機に係る保険として、民間でも保険がございます。平成三十年度におきまして、国土交通大臣の許可や承認を取得したケースの八六・四%が保険に加入している状況ということで、既に相当程度保険への加入が普及しているというふうに考えております。

 今後、無人航空機の利活用のニーズの高まりに応じて、有人地帯上空での飛行の拡大や無人航空機の飛行自体の増加、そして機体の大型化、こういったものが進む可能性があり、これらによって第三者の安全に係るリスクの高い飛行が増加する場合に備えて、関係省庁とも連携をして、保険加入義務づけの必要性について検討してまいりたいと考えております。

 それから、二点目のお尋ね、システムの方でございますけれども、今委員御指摘のシステムは、恐らく、国土交通大臣の許可、承認をいただく際のシステムだと思います。こちらの方のシステムについても、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、民間のシステムとの連携ということを考えてまいりたいと思いまして、申請時の機体情報や飛行計画等の入力を簡素化できる機能、これを令和二年度中に導入できるように検討を進めているところであります。

 また、登録システムの構築に当たっても、例えば、マイナンバー関連システムでありますとかメーカーとの連携によりまして申請時の所有者情報や機体情報の入力を簡素化するなど、できるだけ手続負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。

荒井委員 せっかく国がつくったものです。私の家内なんか、あのマイナンバーで何千億とお金をかけたのにあれは使えないのかと言っています。恐らく庶民の感覚としてはそうだと思います。

 したがって、地方自治体も含めて政府のいろいろな手続があると思うんですけれども、それに応用していくということを積極的に、例えばドローンなんかもその分野の一つだと思うんですけれども、ぜひそういうことをやってもらいたいというふうに思います。

 ところで、日本は、部品をつくるのは優秀だけれども、それを組み立てて、そしてそれを利用するソフトの開発でいつでもおくれています。iPhoneなんかは、ほとんどこの製品は日本の部品ですよね。でも、それを組み立てて、上手に使って一番利益を出しているのは、やはりGAFAと言われているアメリカの企業です。どうしてそうなのか。まとめる技術、ソフトの技術、そこに余り関心がないからなんじゃないか、そんなふうに思うんです。

 これから必ず来るであろう大きな災害、それは地震だと思います。東南海地震の方が注目を浴びているというか、幾つか議論されることがマスコミに出てくるんですけれども、私は関東直下型の方が大きいんじゃないかと思うんです。

 関東大震災は百二十年前、東海大震災の半割れの方は、戦争中ですから七十数年前、はるかに関東大震災の方が危険度が高いと思うんですけれども、気象庁、どうですか。

関田政府参考人 お答えいたします。

 首都直下地震として今政府の方で整理しているのは、南関東地域におきますマグニチュード七クラスの地震を今注目しております。

 実際これまでどの程度起きているかを申し上げますと、関東大震災をもたらしました大正の関東地震、これ以降、南関東地域でマグニチュード七クラスの地震の発生は、関東地震の余震を除きますと一回だけでございます。ただし、大正の関東地震以前の二百二十年間、これを見てみますと、八回発生が確認されております。

 こういったことから、南関東地域でマグニチュード七クラスの地震が発生する確率は、これは政府の地震調査委員会の調べによるものでございますが、今後三十年間で七〇%程度と推定されているところでございます。

荒井委員 先ほど大臣もおっしゃっていましたけれども、ドローンを使った災害の調査とか、そういうものにドローンは物すごく使えると思うんですね。

 首都直下型地震が起きたときに何が最も障害になるかというと、電信柱の倒壊だったんです。電信柱が倒壊することによって道路を塞ぐんですね。そうすると、避難路も塞がれてしまいますし、消防自動車も塞がれてしまう。したがって、電柱の地中化というのは災害を未然に防ぐためには極めて有効だというふうに私は思っていますけれども、さっぱり進んでいません。既存の予算ではなかなか難しいんだろうと思うんですけれども、ちょうどこういうコロナ対策で補正予算の審議が行われているときに、私は、この補正予算を使って電柱の地中化というのは積極的にやるべきだと思います。

 そのときに、むやみにどこでも電柱地中化をする必要はないのであって、災害の起きたときに一番危ないところ、道路を確保しなければならないところ、そういうところを積極的に道路局だとか都市局だとかそういうところと議論をしながら見つけ出していって、そこを中心にしっかりやるべきだというふうに思います。

 この災害で、官民挙げて、いずれ必ず来る地震です、ぜひ取り組んでもらいたいと思います。これは大臣にお答えいただけますか。

赤羽国務大臣 今、東日本大震災の復旧復興の過程をちょっと思い出したんですが、当時、東北整備局長で、後の国交省の次官になった徳山さんが、今言われたように、道路の啓開をするということが大事なんだということで、あれはくしの歯作戦でしたか、幹線道路と横のくしの歯を通すんだということで相当集中してやっていただいたことが、私は、東北地方の道路、ひいては物流の早期復興に相当大きな貢献があったんだというふうに思っています。

 そうした意味でも、道を啓開させない電柱の倒壊というのは、これは去年の台風十五号のときにも明らかでありましたし、そうしたことはなかなか費用がかかることでこれまで進んできませんでしたが、まず道路局でも、三カ年計画、今ちょっと手元に資料はありませんが、もう具体的な目標も決めておりますし、最近は経済産業省とも連携をしながら、これは結局、電力事業者がどうコストを織り込むか、それに対して国民の皆さんがその費用負担をどう認識するかということが非常に重要だと思いますので、これはやはり、国民の皆様の命と暮らしを守るという観点でしっかりと、新しい仕組みを国民の皆様の理解を得てつくることによって加速化をさせていかなければいけない。

 これはまだ私個人の考えでありますけれども、そうしたことをベースに経済産業大臣とともに前に進めていこう、こう考えております。

荒井委員 ぜひそうしてください。

 今の仕組みでいけば、私は、電力会社に負担が重過ぎて前に進まないと思いますね。ポストコロナだから、新しい需要をつくる、新しい仕事をつくっていくという観点から補正予算を積極的に活用していくということが私は極めて有効だと思います。

 最後にもう一つ。

 公共事業、社会インフラを扱っているのが国土交通省です。この社会インフラ、相当がたが来ています。いろいろ、道路にしろ、橋梁にしろ、トンネルにしろ、下水道にしろです。これの点検あるいは効果的な再整備というのが緊急を要すると私は思います。

 その際に、一番ドローンが可能性が高い。鉄道の保線にもアメリカなどではドローンを使っているという例があるそうです。次のページにドローンを使ったさまざまな点検の資料をつけておきましたけれども。ぜひ、社会インフラの保持のために、このドローンという新しい技術をつくり、そのソフトを世界に発信するぐらいの、そのぐらいの展開をしていただきたいというふうに思います。

 最後に、その点について大臣にお伺いしたいと思います。

赤羽国務大臣 インフラの老朽化は総点検が必要であります。それを効率的に正しく進めていくということが大事であって、具体的には、こうしたドローンを始めAI化等々の最新技術を活用していくというのは必須だと思っておりますし、今荒井先生言っていただいたように、日本モデルを国際水準にするというぐらいの気構えがないと多分加速しないという御指導だと思いますので、それはしっかり受けとめて対応していきたい、こう考えております。

荒井委員 最後にもう一つだけ。

 コロナの蔓延で日本がどうしてこれだけしのげているのか。私は、前回も言いましたけれども、下水道の整備、あるいは水洗化の影響がとても大きいというふうに思います。

 最近、このコロナ蔓延の感染経路を、お医者さんたちが関心を持ってやり出しました。トイレが非常に高いんだそうです。これはノロウイルスとかそういうのもそうなんですけれども、みんな気管支、肺炎の病気だと思っているけれども、そうじゃないんじゃないかということを言う人さえ出てきました。

 その意味では、トイレの水洗化あるいは下水道というのが、この日本のコロナ対策上、知らないうちに大きな効果を発揮していたというふうに言われています。下水道部局も頑張ってもらいたいと思うんです。

 どうもありがとう。

土井委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 ドローンは、災害地の撮影や測量、農薬散布などさまざまな分野で活用されるようになり、個人でも気軽に購入することが可能になりました。一方、総理官邸や皇居内に侵入といった事件があったり、落下による死傷事故も起こっており、今般、登録制度を創設し、それがなければ利用を認めないというのは、必要な規制だと考えております。

 資料の1が、「ドローンとは」とあります。小型無人機と無人航空機の違いは何かと一瞬悩んだわけですが、航空法で言うところの無人航空機というのは、二百グラム以上であり、航空の用に供することができるものであって、構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作により飛行させることができるものとあります。小型無人機等飛行禁止法においては、二百グラム未満のドローンも入るというふうな仕切りになっております。

 それで、最初の問いは、なぜ下限があって、上限がないのかということです。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 航空法におきましては、地上の人や物の安全を確保するため、また航行中の航空機の安全を確保するために、落下をして人に衝突した場合に重傷以上となる衝撃力を考慮して、二百グラム以上の無人航空機を規制対象としております。

 このような観点から、対象となる無人航空機について上限を設けておりません。

高橋(千)委員 ちょっと今の答弁、よくわからなかったんですよね。

 落下をして重傷になるおそれがあるということで一定の重量を見ていると。しかし、その上がないということが、どういうことなんだろうかと思うんですね。

 QアンドAの中にも、「構造上人が乗ることができるような大きな機体のものも、「無人航空機」に該当しますか。」というのがあって、「有人機を改造したもの等、無人機であっても有人機に近い構造、性能・能力を有している場合、航空法上の「航空機」に該当する可能性があります。」と国交省自身が答えていると思うんですね。

 そういう意味からいって、安全を確保するというんだったら、上限が全くないというのは違うんじゃないかと思いますが、いかがですか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 航空法上、無人航空機は構造上人が乗ることができないものというふうに定義をされているところでございます。一方、構造上人が乗って航空の用に供することができる飛行機等につきましては航空機に該当することになります。

 したがいまして、構造上人が乗ることができるようなもの、これは、当然にその荷重を持ち上げられるということからいえばそれなりの大きさの機体になると思いますけれども、こうしたものは航空機として位置づけられ、航空機に関する規制が適用されるということになります。

高橋(千)委員 その境目が曖昧だから、曖昧で議論もされているから質問しているんです。ちょっと続けますからね、後でその問いをもう一回出します。

 資料の1の下段には、空の産業革命に向けたロードマップによるドローンの飛行レベルを整理した図があります。現在はレベル3で、離島や山間部などの無人地帯において目視外飛行まで到達していると言います。今後、有人地帯、住宅地などの上を飛ぶことが二〇二二年以降には実現していく、つまりレベル4に到達すると描いているわけですよね。

 ことし三月に出された、小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会による小型無人機の有人地帯での目視外飛行実現に向けた制度設計の基本方針、これにはレベル4の実現イメージというのが書いているんですけれども、

  将来的には、レベル4の実現により、二十四時間対応の高速な個宅荷物配送、医薬品や生活必需品等物資の迅速かつユニバーサルな輸送、通学中の子供たちの見守り、ビル・道路・鉄道等の建築や屋内外をまたぐ点検・修繕の高効率化、農業や林業の自動化・デジタル化等が、小型無人機を活用することで実現し、多数の小型無人機が空を飛び交い、新たなサービスが創出される社会の絵姿が想定される。

「空を飛び交い、」とまで書いているわけであります。

 今後、ドローンの活用がふえていくことを考えれば、飛行時間の限度も、今は日中のみという限度しかないんですけれども、それだけでよいのか。空を飛び交いといっても、どんな業態が同じエリアに集中し運航しようとしているのか把握し、調整する必要があると思います。

 技術的な検討について経産省に、調整するシステムについて国交省に伺います。

春日原政府参考人 それでは、技術側面について経済産業省よりお答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、今後、ドローンの活用の拡大に伴いまして、同じ空域を飛行する複数のドローンの運航の管理というのが必要になってまいります。

 そのため、経済産業省では、官民協議会で策定したロードマップに基づきまして、NEDOの事業でございますロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクトの中で、複数のドローンの飛行計画やリアルタイムの飛行位置情報を集約、共有いたしまして、飛行時間や飛行経路等の調整を円滑化していく運航管理システムの開発に取り組んでいるところでございます。

 昨年十月には、福島ロボットテストフィールドを活用いたしまして、複数の事業者が複数のドローンを運航管理するシステムに接続いたしまして同一の区域において飛行させる実証実験を実施をしてございます。二十九の事業者が参加いたしまして、三十七のドローンを同時に飛行させ管理することに成功しておりまして、現時点までのところ開発は順調に進んでいるというふうに考えてございます。

 引き続き、運航管理システムの実用化に向けた技術開発に取り組むとともに、その社会実装の早期実現に向けて、国土交通省を始め関係省庁と連携して制度設計の議論に貢献してまいりたいというふうに考えております。

和田政府参考人 無人航空機の利活用が進みますと、将来的には、御指摘のとおり、同じ空域で複数の無人航空機が飛行するケースが増加すると予想されます。

 このような状況におきましては、無人航空機同士が衝突して落下すること等によりまして地上の人や物件に被害が生じることのないよう、無人航空機を操縦する者同士がお互いの無人航空機の位置情報を共有し、安全な距離を保って無人航空機の飛行を行うことが重要になります。

 今、経済産業省の方から御答弁ございましたけれども、運航管理システムの技術開発が行われていること、我々も承知をしておりますけれども、今後の無人航空機の利活用の状況を踏まえた先進的な運航管理の仕組みを実現することが重要であると考えております。

 現在、政府全体で、民間企業とも連携の上、有人地帯における補助者なしでの目視外飛行、いわゆるレベル4を実現することを目指しておりますけれども、国土交通省としても、無人航空機の安全な飛行を図るため、運航管理に係るシステム等の整備について検討してまいります。

高橋(千)委員 今経産省が紹介してくれた、そして国交省もお話しされた運航管理システム、資料の二枚目につけておきました。ことしの予算で四十億円の中の一部でありますけれども、説明を受けたときはシステムをつくるのは国交省だと聞いたんですけれども、ちゃんと連携をしてやってくださればありがたいかなと思っております。

 また、実証実験をしているロボットテストフィールドについては、先ほど大臣の言及もありましたけれども、資料の四枚目につけておりますので。確かに、参加する企業がふえているということでは貴重な場になっているのではないか、このように思います。

 それで、ことし三月三十一日の官民協議会では、基本方針の中に、無操縦者航空機、資料の一枚目に、さっきの、航空法の世界に入りますよという中にある無操縦者航空機が対象とならないのかという質問があるんですね。あるいは、空飛ぶ車のような大型の無人機も開発されるようになるので対象としないのかという質疑があったんです。だから、今、同じ空域を飛ぶこともありますよと言っているそういう中なので、やはり、上限という問題、境目が難しくなってきた、そういう意味でこの質問をさせていただきました。

 また、同じ議論の中で、事業者に対する規制が必要ではという問いもあるんですね。私はやはり、業としてドローンが使われる場合、事業計画そのものを審査するような仕組みが必要だと思います。これは、ちょっと時間の関係で要望にとどめて、後で時間があれば大臣に答えていただきたい、このように思います。

 それで、法案の中身なんですけれども、小型無人機等飛行禁止法について、資料の3のドローンの検知システム、第十一条で、違反したドローンの飛行が行われていると認める場合には、当該小型無人機の飛行を行っている者に対し、対象施設周辺地域の上空から退去させること、その他の対象施設に対する危険を未然に防止するために必要な措置をとることを命ずることができると。命令前置と言うそうでありますが、まず、いきなりドローンを撃ち落とすわけではなくて、まずやめなさいと命じると。それで警官が走っている絵になっているんですが、えらいアナログだなと思っているわけですけれども。操縦者の手元、コントローラーの電波を検知してドローンの位置を把握、そして迅速な対応というんだけれども、広い空港の外側、あるいは空港内に紛れ込んだ実例もあるそうです。

 いずれにしても、大変広い中で現実的に間に合って注意をする、そういうことが可能なのか。どのように取り組むのか、警察庁に伺います。

直江政府参考人 お答えいたします。

 警察では、小型無人機等飛行禁止法に基づき、指定された対象施設に対するドローンを悪用したテロ等の防止のため、目視による地上監視のほか、ドローンが発する電波を検知しドローンや操縦者の位置を特定する検知器を活用することなどし、違法なドローンの早期発見に努めているところでございます。

 違法なドローンを発見した場合は、検知器による検知情報を活用するなどして周辺を検索し操縦者の発見に努め、ドローンの退去を命ずるなどの措置命令を行うなどしているところでございます。

 その上で、操縦者がその場にいない場合や措置命令を行ういとまがないときには、飛行妨害等を行うことによりドローンの飛行による危害を防止することとしております。

 対象空港の指定後は、空港管理者とも連携し、ほかの対象施設と同様、法の適切な執行を通じ、ドローンによる危害の防止に万全を期してまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 このために特別な体制をふやすということは聞いておりません。実際には、駆けつけるというのは、現実的には難しいんじゃないでしょうか。

直江政府参考人 お答えします。

 実際には、ドローンの発見がありますときには、いろいろな通報がございまして、それに基づいて警察官がその周辺を捜索するということや、先ほどありましたように検知器でデータを得てやるということですので、いずれにしろ、そういった資機材等を今後引き続き充実させていただいて、適切に対応したいと思います。

高橋(千)委員 大丈夫ですとも、できないですとも言いにくいことなんだろうと思っております。

 実際に人もふやさない中で、ただ、私はやはり、操縦している人自身にしっかりと注意をして、ドローンを引き返させる方が一番安全だと思うんですよね。途中でその電波を切ったとしても必ずしも、大概のドローンはゴーホーム機能があって手元に戻ることになっていますけれども、安全だとは言えない。万が一落下させたときの被害ということもありますので、それができる方向に頑張っていただきたいなと思うんです。

 あわせて、同十一条には、対象施設の安全の確保のための措置として、五項に、警察官及び海保がその場にいない場合において、空港管理者、事実上警備会社の職員が措置できることになっています。

 空港保安業務について、航空会社が第一義的に責任を負うんだけれども、実際の業務は警備会社の社員が行っているねという問題、十三日の本委員会で指摘したばかりですけれども、その警備会社は空港消防なども請け負っているわけなんですよ。

 そうすると、そういうところにやらせるんでしょうか。つまり、兼務という形なんですよね。そして、今回、ドローンの破損行為までも警備会社社員に行わせるのか、それを伺います。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 空港につきましては、その区域が非常に広いということでございまして、小型無人機の違法な飛行に対する措置を迅速に実施をするため、警察官だけではなく、空港管理者にも一定の範囲で機器の退去命令や飛行妨害等の措置をとることができる権限を付与することとしています。

 また、現在、実際に空港の警備を担っているのは空港管理者から委託を受けた警備会社の警備員であるため、違法に飛行する小型無人機に対して、迅速な対応を図る観点から、空港管理者の職員だけではなく、警備会社の警備員が必要な措置を実施できるようにしております。

高橋(千)委員 ですから、そこまでやらせるのかということが一つですよ。それと、その警備会社の職員は兼務ですよね。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、警備員になぜやらせるかということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、空港が非常に広い中で迅速な対応をしなければいけないということでございます。そして、実際に空港の常駐警備その他空港の周りを巡回しているのは、実際には警備会社の警備員ということでございますので、こうした警備員が迅速に対応できるようにということでございます。

 それから、航空会社の搭乗の際の保安検査をやっている警備会社と同じ警備会社に委託をするかということでございますけれども、恐らくそれは、各空港によっていろいろな事情があって、違う会社に委託をしている場合もあると思いますし、いろいろなケースがあると考えられますけれども、そういう意味で、必ずしも同じ会社に委託しているわけではないというふうに思います。

高橋(千)委員 そんなことを聞いているんじゃありません。警備会社の職員、それは会社がかわったって関係ないですよ。

 そうじゃなくて、ほかの仕事をやっている人が通報があったら駆けつけるとかそういうことでしょう。そういう意味です、兼務というのは。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 警備会社にはさまざまな業務がございますので、そういう意味で、兼務という意味ではそうなのかもしれませんけれども、現実問題として、空港の警備を担っているのは警備会社の警備員でございますので、迅速な対応を図っていただくためにはこうした警備員の皆様に必要な措置を実施できるようにしておく必要があるというふうに考えております。

高橋(千)委員 大臣に伺います。

 私の今質問した意味がわかると思うんですよね。

 つまり、今まで警備会社にいろいろな任務を委託していました、だけれども、新しい任務を委託するわけなんですよ。だから兼務なんでしょうと聞いたのに対してちゃんと答えない。だって、そういう説明を受けましたもの。逆に、体制がないから主要八空港に絞るのかしらとなるし。効果的対応はできませんよ、このままじゃ。どう考えますか。

赤羽国務大臣 高橋さんの言われたことはよくわかります。片手間にやるなということだと思います。

 ですから、いずれにしても、局長が言っているのは、現場にいるのは多分警備会社の警備員なのでそこがリアクションするのが一番早いというようなことで、ちょっとすれ違っていたと思いますが。肝心なことは、こうしたことにちゃんと対応ができる体制をつくるということであると思いますので、そこはしっかりと、遺漏のないように、体制づくりをするように指示をしたいと思います。

高橋(千)委員 ちょっと思いのほか時間をとってしまいましたので、次に行きたいと思います。

 やはり今言ったこと、片手間じゃいけないと大臣おっしゃったけれども、今の提案はそういう実態なんですよ。そこをちゃんと見ていただきたい、このように思います。

 それで、航空法の第百三十二条二項の一で、航空機の航空の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないものとして国交省令で定める飛行を行う場合は禁止規定を適用しない、この設けた理由と、どんな場合が当てはまりますか。

和田政府参考人 お答えを申し上げます。

 人口集中地区の上空や操縦者の目視外で無人航空機を飛行させる場合等、月平均で四千件程度の許可や承認を行ってきております。

 こうした許可や承認に当たりまして、個別の審査を行うまでもなく安全性を損なわないことが明らかな無人航空機の飛行をあらかじめ類型的に特定できるのであれば、それを適用除外とすることで規制を手続的に合理化することができるものと考えております。

 例えば、地上への落下や人や物との衝突をしないよう係留した上でドローン、無人航空機を飛行させるような場合などには国土交通大臣の許可や承認を不要とすることが考えられますが、今後、詳細な要件について検討の上、法律に基づく国土交通省令を定め、対象を具体化してまいります。

高橋(千)委員 それは、類型的にできるのであれば、申請が簡単にできるというだけでいいんですよ。わざわざ、しなくてよいとまでする必要はないでしょう。実例を聞いたときに、ひもづいている場合ぐらいとしか説明できませんでした。それが実態なわけですよ。これは無理にやる必要はない、このように思います。

 それで、経産省に次に伺いますけれども、ビジネスの実用化というのはいろいろな分野で進んでいるんですが、きょうは一つだけ、例として、石油プラントでのドローンの活用がどこまで来たのか伺います。

河本政府参考人 お答えいたします。

 石油プラントでは老朽化をしている設備が少なくないということもありまして、安全を確保するためにはより広範囲で点検を行うことが必要でありますけれども、ドローンを活用することによりまして、従来人が長時間かけて点検をしておりました設備につきましても効果的、効率的に点検をすることができて、プラントの安全性の向上につながるということになります。

 また、高いところでの点検作業や地震等の災害時における設備の安全確認作業など、危険を伴う作業も避けられないわけでありますけれども、ドローンを活用することによりまして、労働災害の減少が期待できるというメリットもございます。

 このため、経済産業省では、石油プラントでのドローンの活用を促進するため、昨年三月に、厚生労働省、消防庁と連携いたしまして、プラントでドローンを安全に活用するために留意すべき事項を整理したガイドラインを策定するとともに、国内外のドローン活用の先行事例を盛り込んだ活用事例集を作成したところであります。

 こうした流れの中で、実際にドローンを活用してプラントの点検を行う事業者もふえてきております。

 引き続き、プラントの安全性の向上や従業員の安全確保を効果的、効率的に実現していくために、ドローンの活用を後押しする取組を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 資料の五番に、「プラント保安分野におけるドローン活用方法」というのをつけておきました。高所点検、事故予兆の分析、災害時の迅速な点検ということで、貴重な取組をしていると思います。

 今御紹介があった活用事例集やガイドラインも読みました。資料の6は、その中の一例として、リスクアセスメント、どんなふうなチェックをするのかというのをつけておいたんですけれども、やはり、ドローンの導入によって、これまで目視で行ってきた検査が逆によく細部まで見えるようになったとか、変化の記録も正確であるとか、あるいは、高層とか危険な場での作業でもあり従業員の安全対策という点でも貢献する、これはよいことだと思うんです。

 ただ、同時に、人手不足だからとか検査要件を緩和するというので、この際、規制緩和だというふうなことでは困ると思うので、あくまでスクリーニングであって、プラントと労働者の安全対策という点で貢献するということでよろしいかと思いますが、確認をさせてください。

河本政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員から御指摘がありましたように、ドローンと人のすみ分けといいますか、うまくコンビネーションをとって安全性を高めていきたいと考えております。

 以上です。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 そう言った後で言いますが、事例集を見ますと、万が一落下した場合の事故防止、とにかく石油プラントはそもそも大変危険ですので、爆発したりとかそういうこともあるのでなかなか近づけないとか、課題も多く見られたようでありますので、しっかり検証しながら進めていただきたいと要望しておきます。

 次は、電波の関係で総務省に伺います。

 現在、ドローンは、携帯電話の周波数帯二・四ギガヘルツ並びに五・七ギガヘルツ、それぞれ送信出力は一ワットですが、これを利用していると聞いております。

 資料の7、これは情報通信審議会情報通信技術分科会の次世代モバイル通信システム委員会で、携帯電話をドローンに搭載して上空で利用する場合の課題について検討していると言っています。ドローンに携帯を搭載するというのはどんなメリットがあり、どんな課題があるのか、伺います。

田原政府参考人 お答え申し上げます。

 さまざまな分野におけるドローンの活用の期待の高まりに伴いまして、携帯電話はカバーエリアが広いということ、また、高速大容量の通信が可能ということで、ドローンに携帯電話を搭載して上空で利用したいというニーズが高まっているというところでございます。

 携帯電話でございますけれども、携帯電話はそもそも地上で使うという形でシステムができ上がってございます。これを上空に持っていくということになりますと、地上の携帯電話に電波の干渉を与えて地上の方の通信が途切れるというような課題が生じてしまいます。このため、総務省の方では、二〇一六年七月に、地上の携帯電話の通信に影響を及ぼさないようにということで、飛行台数などを監理して使用を認めるということで、実用化試験局制度というものを導入しました。

 これで試験的に使っていただいているんですが、この手続に若干時間がかかるということで、更に利便性、より簡素な手続で使えないのかということでいろいろ御要望をいただいていました。これに応じて、先ほど委員から御指摘のありました情報通信審議会の方におきまして、昨年六月から技術面、運用面の課題の検討を行いまして、本年三月にこちらについて答申を得たというところでございます。年内に、この手続の簡素化を含めまして、実用化に向けた制度整備を行う予定としております。

 なお、あわせて、携帯電話の事業者さんの方に対して、利用者の方がウエブ経由で簡易な手続で申請できるようにというような対策をお願いしておりまして、おおむね一週間程度で申請から利用可能となるような環境の実現に向けて取り組んでいるところでございます。

高橋(千)委員 一瞬、拍子抜けをしたんですけれども。

 そういうこともあろうかと思って資料をちゃんとつけておきましたが、資料の七枚目に、メリットはカバーエリアが広くて高速大容量のデータ伝送が可能だ、言ってみれば、携帯電話が空を飛ぶんだ、それがドローンだみたいなことをおっしゃっている方もいらっしゃいましたが、一方で、やはり、いろいろな電波が飛んでいる中で、携帯電話そのものが、地上の方の携帯電話が聞こえなくなったりとか、さまざまな影響があるおそれがあるということが議論されているかなと思っています。

 今後、ドローンの活用が更に進み、5Gも実用化されていくと思います。さまざまな電波の混信や電波障害も懸念されると思いますが、また、それが人に与える影響というのもどのように見ているか、伺います。

田原政府参考人 お答えを申し上げます。

 5Gを活用したドローンにつきましても、これまでの携帯電話システムと同様に、地上における5Gですとかほかの無線のシステムに影響がないように、技術面、運用面の課題の検討を行った上で実用化することが必要となると考えております。今後、5Gの具体的なニーズを踏まえながら検討してまいりたいと考えております。

 また、電波の人体に与える影響ということでございますけれども、これまで、いろいろ科学的な知見をもとにいたしまして、十分な安全率を考慮した基準値として電波防護指針というものを策定しております。これに基づいて、携帯電話端末の製造あるいは携帯電話基地局の設置に当たっては、この指針をもとにした規制値を遵守するように法令に規定しているところでございます。

 この電波防護指針でございますけれども、電磁波の暴露を制限する国際的なガイドラインを策定している国際組織の基準に準拠しておりまして、私ども総務省としては、この基準値を満たせば十分な安全率をもって安全が確保されているものと考えておりまして、5Gを活用するに当たりましても、まさしくこの規制値をきちっと守っていただくという形になります。

高橋(千)委員 次世代モバイル通信システム委員会の中でも、携帯の会社の皆さんが全部勢ぞろいして議論をしているわけですよね。その中で、今おっしゃったように、5Gが、事業者が決めるんだとおっしゃって。

 ただ、この周波数帯の分配自体も、事業者に直接、携帯事業者にウエブで申し込めばできる、簡単になりますよと言っているけれども、さっきからいろいろ登録がどうのという議論をしている中で、本当にそれでいいのかなということもまた少し考えなければならない。審議会の中で、メンバーのお一人が、これは電波法の根幹に触れる問題だから自分たちだけでは議論できないという話をしていることも大事だと思います。

 あと、電波防護指針のお話がありましたけれども、総務省にはたくさんの意見が届いていると思います。確かに国際ガイドラインの基準を満たしていると言うかもしれないけれども、実際に、例えば、スマートメーターを取っただけで体調がよくなった、つまり、ついていたことでずっと体調が悪かった、あるいは、4Gになった時点で壊した、そういうことがずっと訴えられていて、一定の比較をするということでもう少しデータはとれるわけなんですよね。

 症状を訴える人がいるのはわかっていながら、わかっていると答えている、それはパブコメで答えているんですけれども、しかし、基準を満たしているから大丈夫という姿勢ではなくて、これから広げるというつもりがあるのであれば、その対応をしっかりと、実態調査も含めてやっていく必要があると指摘をして、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

土井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

土井委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

土井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小里泰弘君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム、公明党、日本共産党及び日本維新の会・無所属の会の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。福田昭夫君。

福田(昭)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 無人航空機の登録に当たっては、購入者に対する登録手続の周知について、販売店に対し協力を求めるとともに、訪日外国人等に対する多言語による情報発信を含め、飛行禁止区域等についてわかりやすく丁寧な周知に努めること。

 二 無人航空機の登録制度の運用に当たっては、今後の機体の性能向上や遠隔で機体の識別を可能にする技術開発の進捗を踏まえ、登録制度の対象となる機体の範囲や表示のルール等について、安全が確保されるよう、機動的に見直しを図ること。

 三 小型無人機の空港周辺における違法な飛行に対して対象空港管理者が行う飛行の妨害等の措置については、その職務の執行に関する本法の規定が厳格に遵守されるよう適切な助言等を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

土井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土井委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣赤羽一嘉君。

赤羽国務大臣 無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました各事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、心から感謝を申し上げたいと思います。

 皆様、本当にありがとうございました。

    ―――――――――――――

土井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

土井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十一分散会


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