衆議院

メインへスキップ



第3号 令和4年11月2日(水曜日)

会議録本文へ
令和四年十一月二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 木原  稔君

   理事 加藤 鮎子君 理事 津島  淳君

   理事 中根 一幸君 理事 長坂 康正君

   理事 伴野  豊君 理事 谷田川 元君

   理事 赤木 正幸君 理事 伊藤  渉君

      泉田 裕彦君    小里 泰弘君

      柿沢 未途君    菅家 一郎君

      工藤 彰三君    小林 史明君

      櫻田 義孝君    塩崎 彰久君

      田中 英之君    田中 良生君

      谷川 とむ君    冨樫 博之君

      土井  亨君    中川 郁子君

      中村 裕之君    西田 昭二君

      根本 幸典君    深澤 陽一君

      古川  康君    宮崎 政久君

      武藤 容治君    青山 大人君

      荒井  優君    石川 香織君

      枝野 幸男君    小熊 慎司君

      城井  崇君    小宮山泰子君

      神津たけし君    下条 みつ君

      一谷勇一郎君    小野 泰輔君

      山本 剛正君    北側 一雄君

      中川 康洋君    古川 元久君

      高橋千鶴子君    福島 伸享君

      たがや 亮君

    …………………………………

   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君

   国土交通副大臣      石井 浩郎君

   国土交通大臣政務官    古川  康君

   国土交通大臣政務官    清水 真人君

   国土交通大臣政務官    西田 昭二君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 小澤 典明君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            井上 博雄君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            宮澤 康一君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            瓦林 康人君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  高橋 一郎君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  堀田  治君

   国土交通委員会専門員   鈴木 鉄夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二日

 辞任         補欠選任

  泉田 裕彦君     塩崎 彰久君

  末次 精一君     荒井  優君

同日

 辞任         補欠選任

  塩崎 彰久君     泉田 裕彦君

  荒井  優君     青山 大人君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 大人君     石川 香織君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 香織君     末次 精一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

木原委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官宮澤康一君、総合政策局長瓦林康人君、海事局長高橋一郎君、港湾局長堀田治君、資源エネルギー庁次長小澤典明君及び省エネルギー・新エネルギー部長井上博雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。工藤彰三君。

工藤委員 おはようございます。自由民主党の工藤彰三でございます。

 久しぶりに国土交通委員会に戻ってまいりました。本当にうれしく思います。

 今回、内閣提出の港湾法の一部を改正する法律案を質問する機会を与えていただきました。木原委員長を始め理事また委員の皆さんに感謝申し上げます。

 私は初当選後に、先輩議員そして仲間に誘われ、再生可能エネルギーの一つである水素を今後活用しようという研究会に入会いたしました。その当時、水素エネルギー、水素発電といっても、一体全体それは何だ、そして党内では、骨太方針のときに手を挙げても全く相手にされない、後援会に話をしたところで、何の話ですか、何のために国会議員になったんだぐらいの相手のされ方でありました。それから約十年、まさかこのようにカーボンニュートラルポートの形成に活用される日が来るとは思いませんでした。万感の思いを込めて質問させていただきます。

 質問は全て堀田港湾局長にお尋ねいたしますので、しっかりお願いいたします。

 産業港湾地帯はサプライチェーンの拠点かつ産業が集積する広大な空間であり、運輸、製造業等の活動の場として機能しております。この産業港湾地帯からのCO2排出量は、実に国内排出量の六〇%に及んでおります。この港湾において脱炭素化の取組を推進することで、我が国の産業や港湾及び物流の競争力強化と脱炭素社会、カーボンニュートラルの実現に貢献することは大変重要なことだと考えております。

 効率的なカーボンニュートラル、燃料供給、インフラの実現、コンビナート等の既存のインフラや産業集積の活用、炭素等を使ったマテリアル循環の最適化、周辺需要の効果的な発掘、集積などを視野に入れながら、国際競争力のある産業集積や拠点整備を促しながら、CNP、カーボンニュートラルポートの形成を計画的かつ迅速に進めていくべきだと考えますが、今後の進め方をお尋ねいたします。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、二〇五〇年カーボンニュートラル等の政府の目標の下、関係省庁とも連携しながら、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素などの受入れ環境の整備等を図るカーボンニュートラルポートの形成を推進しております。

 今後、港湾管理者が、多岐にわたる関係者が参加する協議会での検討を踏まえ、短、中、長期と段階的に脱炭素化に取り組む計画を作成し、この計画に基づいて、各関係者がそれぞれの取組を進めることとしております。

 短期的には、低炭素型荷役機械やLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援等に取り組むとともに、中長期的には、運輸、産業分野の脱炭素化技術の開発が加速化していくことを踏まえ、新たな技術の導入や水素等の受入れ環境の整備等に向けて、港湾管理者や民間企業と協力して、スピード感を持って検討を進めていくことが重要です。

 引き続き、我が国の産業や港湾の競争力強化と脱炭素社会の実現に貢献するため、海外との協力を視野に入れつつ、関係省庁とも連携しながら、港湾における脱炭素化の取組を強力に推進してまいります。

工藤委員 堀田局長、ありがとうございました。

 お配りした資料の表、カーボンニュートラルポートの形成のイメージ図を御覧ください。

 今答弁されましたけれども、これだけ広大なものを一つ一つ変えていく、時間がかかる、予算もかかる、そして住民、産業界の理解も得る、これは大変なことでありますけれども、これは待ったなしのことであります。法律に上げてきたということでありますから、まず、本当に国を挙げて取り組んでいただきたい、それを申し伝えます。

 質問に移ります。

 港湾脱炭素化推進計画に定める事項として、「官民の連携による脱炭素化の促進に資する港湾の効果的な利用の推進に関する基本的な方針」とありますが、当然ながら、国の支援が不可欠と考えます。計画期間や協議会開催、そして実行までの期日をどのように想定されているのか、お尋ねいたします。

堀田政府参考人 お答えいたします。

 カーボンニュートラルポートの形成を推進するに当たっては、国土交通省として、脱炭素化を進める計画策定を支援するためのマニュアル整備であったり、あるいは助成制度の創設を行ってきたところでございます。

 また、脱炭素化推進協議会の開催等に際しましては、地方整備局等の職員が本協議会の構成員に加わりまして、今後の脱炭素化に関する取組に関して助言などを行うこととしております。

 さらに、脱炭素化計画の実行、これに関しましては、低炭素型荷役機械、それからLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援に取り組んでおりまして、また、水素を用いた港湾荷役機械を導入するための実証事業等を行うことで、カーボンニュートラルポートの形成を進めていくということにしております。

 今後も、カーボンニュートラルポート形成を実行していくために必要な支援については、しっかりと技術革新や関係者間の調整状況を踏まえながら検討してまいる所存でございます。

 期日につきましては、さっき申し上げたように、短期、中期、長期の計画を作りまして、しっかりとスピード感を持って取り組んでいくということでございまして、しっかりとやらせていただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

工藤委員 答弁ありがとうございました。

 カーボンニュートラル、皆さん知ってのとおり、二〇五〇までにカーボンニュートラル、ゼロ、そして、今局長が短期、中期、長期とおっしゃいましたけれども、まず二〇三〇年までに四六%削減する。今二〇二二年であります。あと八年。計画を作って、そして実証実験し、実行していくまず第一段階、これでもたった八年しかありません。

 今、協議会とありました。我が名古屋港、四日市を含め、大きな伊勢湾の港を抱えながら、各協議会が今進められております。若干、神戸、横浜港と比べるとまだスタートが、遅れたわけじゃないんですけれども、進みがちょっと悪いな、これからがんがんいかなきゃいけないな、そんなふうでありますので、これから指導していただいて、時間軸との闘いです。まさかウクライナのこのような戦争が起きると思っておりませんでした。エネルギー革命を起こしていく。全てが水素、アンモニアばかりではありませんけれども、これに向けて発進したということでありますので、時間との闘い、そして世界との競争力に打ちかつ、そんなことを目指していただきたいと思います。

 質問に移ります。

 カーボンニュートラルポートの形成を進めるに当たり、経済産業省との連携や関係各省庁、地方自治体、産業界との連携が、今申し上げたとおり、大変に重要だと考えております。新たな発電所の建設やプラント建設、研究課題はたくさんあります、山積しておるわけでありますけれども、どのように予算や、計画や、そして実効性を高めるか、その考え方をお尋ねしたいと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 今お尋ねの、まず連携という観点からでございますけれども、港湾・臨海部において水素やアンモニア等の新しいエネルギー源の活用を進めていくためには、安定かつ安価な供給を実現するエネルギーの国際サプライチェーンの構築、それから事業者の取組を促す仕組みが必要でありまして、カーボンニュートラルポートの形成を進めるに当たっては、エネルギー、産業政策を担当する経済産業省などとの連携が不可欠であるというふうに考えております。

 このような認識の下、国交省それから経産省が開催するそういった脱炭素関係の会議への相互の参加に加えまして、港湾・臨海部の脱炭素に関する両省の連絡会議を開催するなどして、情報共有それから政策調整などを行っております。

 国土交通省としては、この脱炭素化の進展いかんが非常に重要だという認識の下、今後の技術的な開発の動向等も踏まえながら、必要な財政支援等についても検討してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

工藤委員 ありがとうございます。

 資料の裏面を御覧ください。これが名古屋港における今のイメージ図であります。

 今局長が答弁されましたカーボンニュートラルポート、いろいろな面であります。名古屋港は、貿易高、日本で二十年以上ナンバーワンの港、そして貿易黒字の、これが大体七兆円から八兆円をたたき出す港であり、産業港としては四十数年ナンバーワンの港であります。自分の港を自慢するわけではありませんが、様々な競争相手と今戦いながら進めているわけであります。

 当然ながら、まだまだ、でも、他国と比べると脆弱であります。港湾においては、しゅんせつを余儀なくされております。ポートアイランドという島があって、しゅんせつしたものを積み上げた、これも三百ヘクタールあって、どのように活用するのか、再生可能に使うのか、レジャーランドに使うのか、物流に使うのか、様々な検討がされておりますけれども、まだ具体策が見えてこない、そんな状態であるわけでありますので、しっかり頑張っていきたい。

 そして、質問に移りますけれども、今異常気象が続いております。急に十数度に下がったり、また今日は気温が二十三度まで上がる、台風が発生する、そして線状降水帯ができる、そんなことが起きる異常事態の中で、名古屋港を始め港湾は当然海辺でありますので、当然ながら、台風、爆弾低気圧による浸水、特にこの名古屋港、東南海地震がいつ発生してもおかしくない地帯に面しております。

 このとおり、見てのとおり、まだ、伊勢湾で地震が発生して津波が到達するまでは七十分から八十分と言われておりますけれども、実際の震度七、震度六強が来るとどういうことになるか、想定はしておりますけれども、実際大変なことになると思います。また、災害指定に最初にされました伊勢湾台風が昭和三十四年の九月に起きた。それ以来ずっと危惧している港であります。津波対策や港湾インフラをやらなければいけない。

 特に、国土強靱化でこれから港を造り替える、造り替えても水につかって使えない、これでは全く役に立ちません。そのことを国交省はどのように踏まえ、どのように計画し、そしてどのように活用するか、考え方をお聞かせください。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御案内のように、我が国の港湾は貿易量の九九・六%を扱う重要な社会インフラでありまして、また、その背後地となる港湾所在市町村は全国で人口約六千万人、製造品出荷額約百五十兆円を擁するということで、いずれも全国の約半数を占めるなど、我が国の国民生活、経済活動にとって重要な地域であるということであります。

 このような中で、近年の気候変動の影響によりまして激甚化、多頻度化する風水害、それから切迫する大規模地震、老朽化した施設の急増等を踏まえますと、港湾の強靱化、これは名古屋港も当然そうなんですけれども、国家運営の基盤として喫緊の課題であるというふうに認識しておるわけでございます。

 このため、ハード面では、地震、津波等の被害から港湾及び背後地を防護する防波堤、防潮堤等の整備、それから老朽化対策に、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策も活用して、スピード感を持って取り組んでまいりたいと思っております。

 以上でございます。

工藤委員 局長、ありがとうございました。

 最後に一言申し上げます。

 全て、名古屋港ばかりじゃありません、港からタンカーやコンテナ船が入ってきて、それをガントリークレーンから降ろして、物流網に変える。そしてトラックで輸送する。そして高速道路を活用し、ステーションなどを造る。これは国土軸がこれから変わる場面であります。これはしっかりとやらなければいけません。

 トラックのドライバーもホワイト物流、そして、今人材が不足している大変な時代に突入しながら、これを改革するという案が出てきたわけでありますから、本当に腹をくくって、これは最後、大臣に要望を申し上げますけれども、斉藤大臣陣頭指揮の下、しっかりと進めていただきたい。

 そして、やはり縦割り行政じゃなくて横軸をしっかりと連携し、経済産業省、エネルギー庁、また環境省、そして愛知県、三重県、名古屋市等、私の地元だけでそれだけありますので、あと経済界等、連携を持って、密にして、時間軸を持って進めていただくことを切にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 伊藤渉でございます。

 港湾法の一部改正法案の審議、早速質問をスタートさせていただきたいと思います。

 まずは、私からもカーボンニュートラルポートの推進ということでお聞きをいたします。

 神戸市が管理する神戸港、ここはアメリカのロサンゼルス、ロングビーチ港と連携に向けた覚書を締結をしております。ロングビーチ港は、温暖化ガス排出削減を目的に、いち早く係留中の船舶への陸上電源供給設備を整備した先進的な取組で知られております。温暖化ガスの排出量を二〇五〇年までに一九九〇年比で八〇%削減する目標を掲げています。

 神戸市は、今御質問された工藤先生が言われている名古屋港もそうですけれども、トラックや荷役機械の温暖化ガス排出削減について、ロングビーチ港の手法を学び、神戸港の脱炭素化に生かしていきたい考えを持っておりまして、官民一体で進む水素の利活用についてもロングビーチ市と情報共有を進めていると聞いております。

 日本は、二〇三〇年には温室効果ガス排出量を二〇一三年比で四六%削減、二〇五〇年に完全なカーボンニュートラルを実現することを目標に定めています。

 四方を海に囲まれている我が国において、港湾は、これは言うまでもございませんけれども、輸出入貨物の九九・六%が経由する国際サプライチェーンの拠点であり、またこれも先ほどありましたとおり、CO2排出量の約六割を占める発電所、鉄鋼、化学工業等の多くが立地する臨海部産業の拠点、エネルギーの一大消費拠点でもございます。

 すなわち、港湾地域は、脱炭素エネルギーである水素や燃料アンモニア等の輸入拠点となるとともに、これらの活用等によるCO2削減の余地も大きいエリアでございます。このため、港湾地域において脱炭素化に向けた先導的な取組を集中的に行うことは、我が国のカーボンニュートラルの実現に効果的、効率的であると私も考えます。

 そこで、まず一問目ですけれども、港湾における脱炭素化の推進のための法改正、これは極めて重要であります。既にカーボンニュートラルポート検討会などが実施をされておりますが、現在の進捗状況及び目指すべき当面の目標はどうなっているか、港湾局長、お伺いします。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃるとおり、港湾及びその周辺地域の脱炭素が我が国の脱炭素の肝であるというふうに考えております。

 そのような認識の下、国土交通省では、二〇五〇年カーボンニュートラルなどの政府目標の下、関係省庁とも連携しながら、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素等の受入れ環境の整備等を図るカーボンニュートラルポートの形成を推進しております。

 今後、港湾管理者が、多岐にわたる関係者が参加する協議会での検討を踏まえ、短期、中期、長期と段階的に脱炭素化に取り組む計画を作成しまして、この計画に基づいて、各関係者がそれぞれの取組を進めることとしております。

 具体的には、現在、三十九の港において先行的に協議会等が設置されまして、港湾における脱炭素化の検討が進められているところでございます。

 当面の目標といたしましては、低炭素荷役機械やLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援に取り組むとともに、水素を用いた港湾荷役機械を導入するための実証事業を行うことでカーボンニュートラルポートの形成を進めてまいります。

 また、今後の技術開発の加速化を踏まえまして、新たな技術の導入や水素等の受入れ環境の整備等に向けて、港湾管理者や民間企業などと協力して、スピード感を持って検討を進めるということにしております。

伊藤(渉)委員 是非とも着実な進捗管理をお願いをしたいと思います。

 カーボンニュートラルと併せて、我が国は当面人口が減少をします。特に労働力人口の減少は著しいと言わざるを得ません。こうした中で、大変多くの人が必要になる港湾、荷役の世界も、いわゆる機械化等々で、少ない人数でも回すことができる環境を整えていくことは極めて重要だと思いますので、併せてお願いをしておきたいと思います。

 そうした様々な観点から、ここからは港湾の国際競争力について幾つか質問させていただきます。

 今申し上げたカーボンニュートラルへの取組、また、今回の法改正でありますパンデミックや自然災害等への対応の強化、港湾管理、利用等の効率化、質の向上、いずれも重要な取組でありまして、一つ一つが国際的な競争力の向上につながっていくことを期待をしております。

 報道によると、海上物流の混乱が長期化する中、シンガポールに設置されたONEを除いて、海運会社は貨物量の少ない日本への寄港に後ろ向きで、国内主要港へのコンテナ船の寄港隻数は二〇二一年に二〇〇〇年以降で最低を記録したという報道がございました。米国の主要港への直行便が減る中、荷主は韓国の釜山など国際ハブ港経由での輸送に切り替えざるを得なくなり、輸送日数の予測が難しくなるといった問題も浮上しております。

 国内で主要な東京、横浜、名古屋、大阪、神戸などの外航コンテナ船の寄港隻数を見ますと、二〇二一年が前年比八%減、コロナ前の一九年比では一二%減少。二〇二二年一月―四月では前年同期比で七%減で、このペースだと通年で三年連続で最低を更新する見込みとの報道等がございます。

 背景には、世界的なコンテナ物流の混乱がございます。一時期、私も愛知出身ですから、名古屋港でコンテナがないと様々なところで耳にいたしましたが、コロナ下の旺盛な巣ごもり消費や労働力不足によって、米国や中国では多いときには百隻を超える渋滞が港で発生をし、運航スケジュールが大幅に遅延をし、海運会社は、本来予定されていた寄港地を飛ばす、いわゆる抜港をせざるを得ない状況だったと。中国や韓国などの世界的な主要港が存在感を維持する一方で、残念ながら、日本は抜港の候補になりやすいのではないかという危惧がございます。

 コンテナ輸送自体は依然として活発で、特にアジア主要十か国・地域から米国向けの輸送量が伸びており、アメリカの調査会社によると、二〇二一年が二千五十二万個とコロナ前の一九年比二五%増と大幅な伸びを記録しており、二二年一―七月期も前年同期比で四%増と増傾向が続いています。

 一方で、日本発は二〇二一年が一九年比一六%減と大きく減少をし、全体の輸送量に占めるシェアは一%台まで低下をしている。一九年には七位だったランキングも僅か二年で九位まで下がり、相対的な地位低下を懸念をしております。

 米国向けコンテナ輸送量で見ると、日本の相対的な順位の低下は明らかと言わざるを得ませんけれども、現状の認識とその要因をどのようにお考えか、これも、港湾局長、お伺いをいたします。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 特に日本発米国向けコンテナ輸送量は、近年、おおむね横ばいであると認識しております。

 委員御指摘のとおり、アジア諸国の中で日本の順位は相対的に低下する傾向にあると認識をしております。これは、成長著しいアジア諸国への生産拠点の移転、我が国からの生産拠点の移転が進んだことであったり、あるいは、今般の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う米国での巣ごもり需要拡大によって、中国やベトナムから米国向けのコンテナ荷動き量が急激に増加したことなどが主な原因であると考えております。

伊藤(渉)委員 今局長おっしゃっていただいたとおり、日本から米国に出ている荷物の量、水準自体は確かに減っていないと私も認識をしております。ただ、非常にアジア各国の今経済的な発展が著しいので、相対的な地位が低下をする。その結果として、いわゆる定期便が減ると、今の為替の状況では生産拠点を国内に戻そうという力が働く中で、定期便をどうやって維持していくかということ、ONEは減らしていないというふうに私も承知をしておりますが、その辺りの問題意識からこうしたことを聞かせていただいております。

 続いて、このコロナ禍の中で船が不足をし、これは非常に難しい問題なんですが、世界との戦いという目で見ると、各地に主要港が点在をし、集貨に手間がかかる日本でのサービス水準の維持が課題になっている。国内で見るとまた違う話になるんですけれども、ここが港湾の難しいところなんですが、日本の海運関係者は直行便はコロナ後も戻ってこないのではないかと心配をしています。

 これまで、生産拠点の、先ほどありましたとおり、海外移転といった産業構造の転換が日本の港湾の地位低下につながってきたけれども、コロナ禍で日本離れという流れになっては非常に問題だという心配の声がございます。

 今申し上げたとおり、直行便が減って、日本の荷主は他国でのトランシップを余儀なくされております。顕著なのは韓国やシンガポールですけれども、集計によりますと、二〇二二年の一―六月期は日本発貨物に占める直行便比率が六一%と前年同期比で一〇%ほど低下をし、約四割が他国経由の輸送を余儀なくされているというふうな報道もございます。

 繰り返して申し上げますが、非常に難しい課題であることは私もよく承知をしておりますが、主要港が点在をし、集貨に手間がかかるという指摘も、国際競争という目で見れば、これは認識せざるを得ない。

 ここは本当に難しいんですが、日本の港湾の在り方、国際競争という面から見て日本の港湾の在り方、これについて国交省の現状認識、また、そこに向けて今後どのようなことを考え、動かしていこうとされているのか、これも港湾局長にお伺いをいたします。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおりでありますが、国際的な港湾競争というのがアジア内でも激化している状況がありまして、この国際基幹航路の維持拡大のためには、我が国の中でも選択と集中の考えに基づいて重点的な対応が必要であるというふうに認識をしているところでございます。

 一方、我が国は細長い国土構造でございますので、都市圏や産業拠点が広く散在しておりますが、その中で、平成二十二年、京浜港そして阪神港の東西二港を国際コンテナ戦略港湾と位置づけまして、国際基幹航路の国際戦略港湾への集約を進めております。

 国際基幹航路の維持拡大を図る上では、釜山港などでトランシップされているコンテナ貨物を国際戦略港湾へ利用転換する必要がございます。このため、国内から貨物を国際戦略港湾に集めることが特に重要でありまして、そのために、日本各地の地方港、ここと国際フィーダー航路の拡充に努めております。

 これらの取組を受けまして、本年一月には日本海側から阪神港を結ぶ航路が新たに開設されております。これは非常に難しい集貨、航路でありますが、これが実現したということでありますし、更に今月から航路が拡大されるというふうになっていて、一定の成果が出ております。

 このような国際基幹航路を維持拡大することについては、更に船会社それから大手荷主への働きかけを、港湾運営会社と協力しつつ、強力に進めているところでございます。

 このような取組を通じまして、国際基幹航路を維持拡大して、我が国に立地している企業のサプライチェーンの安定化等を通じて、我が国産業の国際競争力強化に取り組んでまいりたいと思っております。

伊藤(渉)委員 大変難しいことを聞いていることは百も承知をしておりますし、これからの港湾局の取組を我々もしっかり応援をしていきたいと思っております。

 最後に、これは政務である石井副大臣にお伺いをいたします。

 今お聞きいただいたとおり、やはりどうしても、トランシップが増えると、リードタイムが長期化をし、国内製造業の競争力低下にもつながるリスクがあるというふうにも考えます。また、寄港地が増える分だけ輸送日数が見通しにくくなり、在庫管理の難しさが増すなどの課題もございます。

 例えば、国内の大手精密機器メーカーは、韓国の釜山で積み替えると余計に二、三日かかる、競争相手である韓国や中国企業と物流上の対等な条件も保証されず、報道によると、致命的だという発言をされているようですけれども、これまで、日本の製造業の衰退とともに港湾競争力も低下をしてきた側面が大きかったけれども、新型コロナの新常態によってこれまで以上に日本離れが加速し、製造業の立地条件も低下をするという悪循環に陥るリスクがあるという危機意識を持つ必要があると思っています。

 冒頭申し上げたとおり、四方を海に囲まれた日本における港湾の役割は極めて大きく、日本の国際競争力そのものに大きな影響を与えます。我々政治も含めて、オール・ジャパンで骨太な議論を重ねていく必要性を痛感をしています。日本の港湾の競争力向上に向けた石井副大臣の御決意を聞いて、終わりたいと思います。

石井副大臣 お答えいたします。

 四方を海に囲まれました我が国におきましては、臨海部に産業や都市が集積いたしまして、海外との貿易の九九・六%が港湾を経由している状況でございます。

 激変する世界情勢の下で我が国全体の国際競争力を向上させるためには、企業のサプライチェーンの強靱化に資する港湾整備がより一層求められていると考えております。

 このため、国土交通省といたしましては、我が国への国際基幹航路の寄港を維持拡大し、企業の立地環境を向上させるため、国際コンテナ戦略港湾政策を引き続き推進してまいります。

 あわせて、各地域の港湾におきましても、地場の基幹産業の活性化に資する港湾整備を着実に推進してまいります。

 これらの取組を通じまして、我が国全体として効率的かつ安定的な海上輸送ネットワークを形成することで、港湾の国際競争力の向上を図り、我が国の経済成長に貢献できるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 終わります。

木原委員長 次に、谷田川元君。

谷田川委員 立憲民主党の谷田川元でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先週火曜日に野田元総理の安倍元総理への追悼演説がありました。あの中に、国家を背負った者同士、天下国家を腹蔵なく論じ合う、あるいは、言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような真剣勝負というような表現がありました。

 今日は港湾法の一部を改正する法律案でございますけれども、海洋国家日本として港湾政策がどうあるべきかという議論を、斉藤大臣と真剣勝負ができればいいと思っております。

 今、公明党の伊藤委員から、日経新聞の記事に基づいて、日本、港湾の競争力低下ということを取り上げていただきましたが、私もその新聞記事を今お手元にお配りしますので、私、傍線部分だけ読みますので、是非皆さん目を通していただきたいんです。

  新型コロナウイルス禍で日本の港湾競争力低下に拍車がかかっている。

  国内主要港へのコンテナ船の寄港隻数は二〇二一年に二〇〇〇年以降で最低を記録した。

  コロナ禍で海運会社の「日本離れ」が加速している。

  直行便が減り、日本の荷主は他国でのトランシップ(積み替え)を余儀なくされている。顕著なのが韓国やシンガポールだ。

  財務省はトランシップが増えることで「リードタイムが長期化し、製造業の競争力低下のリスクがある」と指摘する。

  新型コロナの新常態によってこれまで以上に日本離れが加速し、製造業の地位も一段と低下するという悪循環に陥りつつある。

このように、非常に衝撃的な内容の報道なんですね。

 私も、港湾政策について戦後の流れをちょっと調べてみました。GHQの施政下、昭和二十五年に港湾法が成立しています。当時は、GHQの二大方針というのは日本の非軍事化、民主化なんですね。そういう考えの下、港湾政策も反映されていたんです。

 GHQは、日本から海洋戦略を奪うため、港湾管理権を国に与えず、地方公共団体に付与したんですよ。当初、当時の運輸省は反対しましたけれども、議論の末に、国の監督権は得ることができましたけれども、港湾の管理権は、GHQの方針どおり、地方公共団体に付与されました。これにより、国は管理権がないため、政策と予算を集中化できず、地方は管理権はあれども財政難で港湾整備が進められないという問題に直面していると思います。

 大臣もこのような認識をお持ちか、御答弁願います。

斉藤国務大臣 法案審議をお願いするに当たり、まさに国際競争力をつけていく、選ばれる港湾、世界の中で選ばれる港湾になるためには、カーボンニュートラルポート化、これは必要だ、こういう基本的な認識の下で一緒に議論をさせていただきたいと思います。

 今、谷田川委員の御指摘でございますが、まず、国際競争力が低下しているということにつきまして、今我が国の港湾は、釜山港や上海港といったアジア主要港に比較して相対的に貨物量が少ないことなどにより、船舶の大型化が進む国際基幹航路の我が国への寄港数が減少傾向にあると認識しております。

 一方で、コロナ前までは、京浜港、阪神港に寄港する国際基幹航路の輸送力は増加傾向にあったところでございまして、国際コンテナ戦略港湾政策によって一定程度の競争力を確保できていたものと考えております。

 今後も、国際基幹航路の維持拡大に向けて、国際コンテナ戦略港湾政策として、荷物を集める集貨、それから荷物を作る創貨、そして競争力強化の三本柱に加え、激変する国際情勢をにらみながら、状況に応じた施策を強力に推進してまいります。

 港湾法をめぐる歴史、語っていただきましたけれども、そういう中にありましても、我々はある意味で、戦略港湾という戦略の中で競争力をつけていくということで国主導で進めているところでございます。

谷田川委員 大臣の認識を聞いて、すぐ、当時民主党政権に関わった人であれば思いつくのは、前原大臣が二〇〇九年に民主党政権初の国交大臣に就任し、そして、国の成長戦略とは別に国交省自体の成長戦略をつくったんですね、前原さんは。その中に、選択と集中の名の下、港湾の競争力をつけるために、百二十六あった重要港湾を六十減らして六十六まで集中させ、そして、京浜と阪神を国際コンテナ戦略港湾として位置づけました。

 先ほど大臣がおっしゃったように、空港も同じなんですよね、飛行機も。国内空港から仁川に行って、それで仁川から海外に行ってしまう。同じように、港湾も釜山だとか上海に奪われてしまって、それで国際線というか国際航路が非常に日本発がなくなってしまう。そういう危機感の下、選択と集中という強いメッセージを前原大臣は発しました。

 あの前原大臣の港湾に対する戦略について、大臣はどう評価されているか、お考えをお聞きしたいと思います。

斉藤国務大臣 国土交通省では、委員が御指摘された国際コンテナ戦略港湾のほか、国際バルク戦略港湾についても、主要バルク貨物ごとに拠点となる港湾を選定した上で整備を進めております。

 また、国際クルーズ拠点を形成するための港湾や洋上風力発電の導入促進のための基地港湾についても、拠点となる港湾を選定した上で整備を進めております。それぞれの分野でそれぞれの拠点を決めて、集中と選択で進めているということでございます。

 このように、港湾整備に当たっては、既存施設を最大限に有効活用しつつ、物流効率化や民間投資誘発等の投資効果を十分に踏まえた上で、選択と集中の下で取り組んでまいりたいと思っております。

谷田川委員 ちょっと確認しますが、前原大臣が推し進めた選択と集中と、方向性は間違っていない、そういう理解でよろしいですね。

斉藤国務大臣 国土交通省は一貫して選択と集中という考え方で施策を進めております。

谷田川委員 ありがとうございます。はっきりおっしゃっていただきました。(発言する者あり)今、名古屋はどうするんだという話がありましたね。

 ですから、そういういろいろな意見がある中でも、国益をどうするかという中で最善の判断をする、まさに、国を背負って最終判断するのは国交省においては斉藤大臣なんですよ。斉藤大臣がいたからこそ港湾戦略がこうなったという歴史的モニュメントを是非つくっていただきたいと思うんです。

 実は、私、昨日国交省の役人の方に来ていただいたときに、私は国交省独自に戦略を作ったというのは前原大臣しか知らないんだ、ほかの大臣で誰かいい例があったら教えてくれと言ったら、二人の大臣を挙げてくれました。一つは、石井大臣が国際クルーズ船の拠点整備をやってくれました、それから赤羽大臣は洋上風力発電を推し進めてくれましたと。この二つはまさにお二人がいたからできたとはっきりおっしゃっていただきました。

 斉藤大臣はカーボンニュートラルポート、これについてはもう懸命にやっているというふうに伺っておりますが、是非、それをもうちょっと広げて、国際港湾として日本の競争力をつけられたのは斉藤大臣がいたからだというような活躍を期待したいと思います。

 それでは、法案の中身についてちょっと触れていきたいと思うんです。

 法案では、港湾脱炭素化推進計画が作成できるとしておりますけれども、もし本当にこの脱炭素化を強力に推進するのであれば、同計画作成を私は努力義務ぐらい考えてもいいんだと思うんですが、いかがでしょうか。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾における脱炭素化の取組につきましては、各港湾の機能それから利用状況に応じてそれが異なるとともに、関係する多岐にわたる民間事業者それぞれの事情を踏まえて対応することが必要になりますので、ある意味では地方の自主的な取組が必要になってきます。

 先生御指摘の港湾法の基本原則というのは、地方自治を尊重するということになっておりますので、この観点から、港湾管理者が港湾脱炭素化推進計画を作成することができるという規定にしております。

 御指摘のとおり、世界的にサプライチェーンの脱炭素化に取り組む荷主が増える中、陸海の結節点である港湾において、荷役それから船社、物流事業者等の要請に対応して港湾施設の脱炭素化に取り組み、国際競争力を強化していくことが必要でございます。

 国土交通省といたしましては、各港湾において脱炭素化推進計画の作成に取り組んでいただけるよう、港湾管理者と連携しながら、しっかりと取組を推進してまいりたいと思っております。

谷田川委員 一つ申し上げておきたいことがあるんですが、この法案を提出するに当たって、港湾労働者の労働組合の関係者に対して事前に説明がなかったというんですよね。ですから、そういう言い方をされるのであれば、是非もうちょっと丁寧に、できるだけ理解を得るということで、早め早めの発信というのを是非お願いしたいなと思っているんです。

 それで、脱炭素化推進計画が作成できると書いてあっても、作成すれば、ああ、なるほど、こういうメリットがあるんだなというのがないとなかなか広がっていきませんよね。その辺、やはり税制上の優遇措置とか、あるいは補助金とか、しっかり検討すべきだと思うんですが、現状のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 カーボンニュートラルポートの形成を推進するに当たりましては、国土交通省として、脱炭素化を進める計画策定を支援するためのマニュアル整備や、あるいは補助制度の創設を行ってきたところでございます。

 また、引き続き、低炭素型荷役機械やLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援に取り組むとともに、水素を用いた港湾荷役機械を導入するための実証事業を行うことで、カーボンニュートラルポートの形成を進めてまいりたいというふうに考えております。

 今後も、関係者がカーボンニュートラルポート形成に向けた取組を実行していくために必要な予算措置について、技術革新や関係者間の調整状況等を踏まえながら、しっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。

谷田川委員 是非積極的な取組をお願いしたいと思います。

 脱炭素化に向けて、やはり水素などの新エネルギーを活用した技術革新は私は重要な柱だと思うんですね。

 例えば、水素燃料電池の特許出願件数の、世界知的所有権機関、通称WIPOと言うそうですが、そこの調査によりますと、二〇二〇年、中国が七千二百六十一件で最も多く、全体の六九%を占めています。次いで、日本が千百八十六件。

 二〇一四年までは日本がトップだったんですね。それが何か、今中国に抜かされているという感じがあります。何となく日本が出遅れている感じがするんですが、政府の見解はいかがでしょうか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 水素は、発電、輸送、産業など幅広い分野の脱炭素化に資する、カーボンニュートラルの実現に向けた鍵であるというふうに考えております。こうした観点から、委員御指摘のとおり、技術開発のレベル、大変危機感を持ちながら、経済産業省としても取組も進めております。

 御指摘いただきましたが、WIPOの調査によりますと、二〇二〇年における世界の水素燃料電池の特許出願件数、中国が全体の七割弱を占めるという状況になっております。他方で、日本にもまだ強みはございまして、水素の輸送部門につきましては、日本が依然として最大の特許件数を維持しているという状況にございます。

 経済産業省といたしましては、現状二兆円のグリーンイノベーション基金も活用しながら、燃料電池自動車や水素ステーションといった輸送部門に加えまして、昨今、特に欧州で動きも加速しております水電解装置あるいは液化水素運搬船、こういった分野につきましても、国際的な水素サプライチェーンの構築のため、必要な技術開発を加速していきたいというふうに考えてございます。

 日本が水素燃料電池分野の技術をリードして、しかも早期に社会実装につながるように、経済産業省といたしましては、あらゆる政策措置に挑戦していきたいというふうに考えております。

谷田川委員 非常にやる気を感じる答弁、ありがとうございました。

 それでは、今度は船舶について質問したいんですけれども、新しいエネルギー、特に水素を動力源とした船舶の活用は脱炭素化の目標を達成するためにも急がれると思います。

 実用化に向けた取組が現状どうなっているか、御説明をお願いしたいと思います。

西田大臣政務官 質問にお答えをさせていただきます。

 船舶分野の脱炭素化を進めるためには、船舶における水素等のゼロエミッション燃料の活用が大変重要でございます。

 現在、船舶における水素燃料の活用状況は、比較的に小型の船舶向けに水素燃料電池や小型の水素エンジンが開発され、それらを搭載した船舶の実証が進められているところでございます。

 一方で、大型の船舶においてはエンジン等の更なる開発が必要であることから、国土交通省としては、水素等を燃料とするゼロエミッション船について、昨年十月より、グリーンイノベーション基金を活用した技術開発支援を行っているところでございます。

 引き続き、船舶による水素の利用拡大に向け、必要な支援を行ってまいりたいと思います。

 以上でございます。

谷田川委員 それでは、港湾脱炭素化関連で、水素関連予算と官民の連携について伺いたいと思います。

 日本の水素関連政策の課題として、やはりGDPに対する水素関連予算の比率が、韓国やフランス、ドイツが〇・〇三%に対して、日本は三分の一の〇・〇一%なんですね。これはもう他国と比べて非常に少ないということが言えると思うんですね。

 いろいろ識者の方が指摘していますが、省庁の連携がうまく取れていないんじゃないかということを言う方もいらっしゃいます。あるいは、国と自治体が別々に水素プロジェクトを進め、総合的な政策が取れていないんじゃないかという指摘もあります。

 現状の水素関連予算の国土交通省分はどのぐらいか、御答弁いただきたいと思います。

瓦林政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの国土交通省における水素関連予算の金額でございますが、いわゆる脱炭素に資する施策には、電動化の促進、あるいは水素のみならずアンモニアやバイオ燃料の導入支援等が組み合わさって構成されております。このため、水素のみの導入支援に係る部分を切り出すことは困難でございます。

 ただし、その上で、水素のみに限定せずに、アンモニア、バイオ燃料なども含めた次世代エネルギーの利活用に係る予算、国土交通省の予算といたしましては、例えば、カーボンニュートラルポートの形成に関する新技術を活用した高度化実証、あるいは次世代自動車の普及促進、船舶のゼロエミッション化、鉄道における再生可能エネルギーの社会実装、航空分野のグリーン化の推進等ございます。これらにつきまして、令和四年度当初予算では百三十五億円を計上してございます。

谷田川委員 非常にちょっと残念なんですが、実は昨日、レクに経産省の担当者も来てもらいました。経産省はちゃんと水素関連で各課ごとに幾らの予算がありますというのを集計して、私は数字を持っています。当然そうですよ。やはり推進するのであれば、それぞれ内訳を調べて、どうなっているか現状把握しないとできないじゃないですか。何で調べないんですか。調べますね。

瓦林政府参考人 お答え申し上げます。

 繰り返しになりますが、水素と同時にアンモニア、バイオ燃料も一緒に組み合わせて推進するという建前を取っていますから、水素部分だけというのは、実績ベースになってしまいますが、把握はしっかり努めたいと思います。

 また、その上で、予算の確保にもしっかり努めてまいりたいと考えております。

谷田川委員 調べていただけるのでいいんですけれども、やはり私はつくづく思うんだけれども、本当にやろうと思うのならば、司令塔がしっかりしなきゃ駄目だと思うんですよ。

 私がもしこの水素関連の予算でカーボンニュートラルポートを造るんだというのであれば、現状をしっかり分析する、それは絶対必要ですよ。当然、アンモニアだろうが水素だろうが、あるいは再生可能エネルギーだとか、いろいろあるじゃないですか。そうすると、では、どれが足りないな、これはこうやればやれる、そういう分析をして、司令塔の方がしっかり指示する、そういう体制になっていますか。大臣、どう思いますか。

斉藤国務大臣 まさにこれからカーボンニュートラルポート、進めていくわけですが、水素とアンモニアというのが二つの大きな柱です。

 今のところは、先ほど総合政策局長が答弁したような形でございますが、そこはしっかりと、水素はこれだけ、また、アンモニアについてはこれだけ進めていくということを、明確になるように指揮したいと思っております。

谷田川委員 大臣から明快な答弁をいただきましたので、是非お願いしたいと思うんですよ。

 やはり、よく私、最近思うのは、たまたま七月に退官した役人の方から、二人の方から挨拶状をもらったときに、大過なく定年を迎えることができましたと。大過なくというのが二人に共通してあったんですよ。

 やはり、行政というのは誤りをしちゃいかぬ、絶対行政に誤りは許されないんだ、そういう強い意識を持っている方はたくさんいらっしゃると思う。ですから、無事に四十年近く勤め上げて、大過なく過ごせたと率直な気持ちだと思うんだけれども、しかし、これからの時代、やはり、失敗を恐れる余り、何もしないでいることが私は最大の誤りだと思うんです。是非、失敗を恐れず、果敢に挑戦していただきたいと思うんです。そのことを強く要望したいと思います。

 最後に、二〇二〇年の二月に行ったダイヤモンド・プリンセス号の対応に関して、国に港の管理権がないので、それで非常に戸惑ったと。だから、今回新たにパンデミックの場合も入れるんだ、そういう指摘でございました。

 話を聞いて、何となく抽象的には理解したんですが、国交省からいただいた資料にははっきりとこう書いてあるんですよ。いいですか。国が港湾施設の管理権を持っていなかったため、機動的な対応ができない等の支障が生じた、ただこれだけなんですよ。

 具体的に、ちゃんと管理権、こういう場合には、パンデミックのときは管理権が国が持てるんだよという規定がしっかりあればこういうふうにできたというのをちょっと分かりやすく、副大臣が答弁いただけるんですか、では、どうぞよろしくお願いします。

石井副大臣 お答えいたします。

 ダイヤモンド・プリンセス号の検疫を行った際に、国土交通省では、岸壁の利用に関する調整であったり、また、廃棄物や汚水の処理といった業務につきまして、本来は港湾管理者が行う施設管理の一部を事実上代行いたしました。

 このうち、廃棄物や汚水の処理、あるいは患者が船から降りる際の動線の確保、また、プレハブの設置、情報収集などといったものにつきましては、国は法的な権限を持っていなかったために、港湾管理者に確認を取りながら対応する必要がございました。どうしても機動的に対処できない面があったということでございます。

 そのため、今回の法改正によりまして、世界的規模の感染症の流行その他、港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象が発生した場合であっても、国が一元的かつ速やかに港湾管理者を支援することが可能になると考えております。

谷田川委員 ちょっと私は具体例を、これこれこういう具体例があれば一つ二つ言ってほしいと通告してあったんだけれども。

石井副大臣 例えば、防衛省支援の船舶が着岸して港湾の施設を利用する際の調整とか、これは国に法的に力がなかったものですから、これは横浜市ですね、港湾管理者がやる予定だったんですけれども、一々確認を国が、国交省が確認を取りながら進めていったということで、少し時間がかかったということがございました。

 以上です。

谷田川委員 もう少し具体例を言っていただければ皆さん納得すると思うんですよ。単にこんな抽象的な表現だけだと、福島さんもよくおっしゃるけれども、等という言葉を入れると、これがもう怪しいんだと。等というのが、今回も入れていますよね。だから、あつものに懲りてなますを吹くじゃないけれども、等を入れておけば何かのときに臨機応変に対応できるなというのがもうありありと感じられるんですよ。

 ですから、法律を変えるわけですから、やはり具体例、立法事実をしっかり述べていただきたい、そのことを強く要望したいと思います。

 それでは、時間が来ましたので、私の質問をこれで終わります。ありがとうございました。

木原委員長 次に、城井崇君。

城井委員 立憲民主党の城井崇です。今回も質問の機会をいただいて、誠にありがとうございます。

 今回も、斉藤国土交通大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 まず、港湾法改正案への質問に先立ちまして、知床遊覧船事故について大臣に伺います。

 十月二十三日で事故から半年となりました。事故後の対応、対策並びに検証の進捗について確認をしたいと思います。

 特に、被害者の御家族からはどのような要望があり、何を実現できて、何が課題として残っているとの認識でしょうか。

 被害者御家族の有志による十月二十日のオンライン記者会見では、以下のお話があったと報じられています。まず、カズワンの運航会社、知床遊覧船の桂田社長の姿勢に言及があり、家族への個別の謝罪や説明をする場を設けるように求めてきたが実現されていないという発言があったということでした。

 ある御家族からは、家族向けに開かれている国土交通省などによる説明会で何度か問うたが、国に責任がある、申し訳ないという謝罪の言葉は一度も聞いたことがないと述べられ、国への不信感を口にしたということでした。

 通信手段を十分に確認しなかった国やJCIに対し、人命軽視の検査体制だとし、双方の責任を訴えているということであります。

 行方不明者の捜索については感謝をしている、おかげで家族の元に帰ることができた犠牲者もいるというように語り、被害者も家族も人生を根こそぎ奪われた、私たちは今後も捜索を継続してくださいとお願いするしかないと訴えたということでした。

 この御家族の思いを踏まえ、運航会社の責任者に直接、個別の謝罪を促し、国としての責任を踏まえた対応を御家族にすべきだと考えますが、大臣、どのように御対応されますか。

斉藤国務大臣 被害者御家族の御心情は察するに余りあるものであり、事故を発生させた事業者の代表者であった桂田氏は、御家族のお気持ちに最大限配慮した対応を行うことが何よりも重要であると考えております。

 国土交通省では、定例説明会の場や地方運輸局からの定期的な御連絡の際に、桂田氏の謝罪の要望を御家族から何度も伺っておりまして、桂田氏に対して、これを伝達し、改めて御家族の御意向を確認の上、真摯な対応を行うよう要請をしているところでございまして、今後も重ねて強く要請を行ってまいります。

 また、御家族の有志の方が国の責任に言及されたとの報道は承知しております。このような痛ましい事故が二度と起きることがないよう、国土交通省としては、まず、抜き打ち監査の実施や日本小型船舶検査機構の携帯電話の検査方法の改善など、監査、検査方法の見直しを行い、その強化を図りました。

 今後、知床遊覧船事故対策検討委員会における年内の総合的な安全対策の取りまとめに向け、御家族の御意見も踏まえつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

城井委員 御家族の御意見を是非しっかり踏まえていただきたいということはもちろんのことであります。

 十月二十八日の御家族向けの国土交通省の説明会の後に、事故被害者の家族会の方々から、私、お話を伺いました。家族会の方々が少し心配をされて連絡を下さったからであります。

 何の心配だったかと申しますと、今回の質問に当たって、私も国土交通省の担当の方に、これまでの対応状況、今後どうするか、資料で下さいと言って、直近の御報告をいただきました。ただ、その資料を見つつ、家族会の方のお話を聞いたときに、家族会の方からは、もしかして、国会議員に対しての国土交通省からの報告と、家族会に対しての各種行われている説明会での報告内容に少し差があるのではないかということを心配している、こうしたお話もございました。

 実際に、二十八日の説明会の後に伺ったお話でいただいた意見は二つ。一つは、船舶の検査等に当たったJCIは内規の運用の不備を認めているが、なぜJCIからの遺族への謝罪がないのか。二つ目には、被害者の電子機器の取扱いが適正だったか疑問だ。この二点です。

 そこで、以下、大臣に伺います。

 まず、一つ目の意見。事故を起こしたのはあくまで事業者でありJCIではないとの立場をJCIが取っているとの家族会の受け止めに端を発しています。携帯電話の届出を受け付ける内規に不備があって、知床遊覧船の事業を許可したことに問題があると家族会は思っています。実際、JCIも同様に内規の運用の不備を認めているため、事故後、改定をしています。

 国は、チェック不十分だったJCIには事故に関する責任はないとの見解でしょうか。大臣からお聞かせください。

斉藤国務大臣 日本小型船舶検査機構、JCIによる無線設備の検査については、事故の際に実際には通信できなかったと推測されることから、機構の内規で定められていた検査方法は十分ではなかった、このように考えております。

 機構の森理事長からも、御家族に対し、事業者の虚偽と思われる申告を防ぐことができなかったことから、機構が内規で定めた検査方法は十分でなく、重く受け止めています旨の発言があったとの報告を受けております。

 国土交通省としては、知床遊覧船事故対策検討委員会における検討を踏まえ、機構の検査方法の見直しを行い、その強化を図ったところでございます。

 私自身も、機構の船舶検査の現場を訪問し、森理事長に対し、適切に検査を実施するよう指示したところでございまして、今後とも、機構に対する監督をしっかりと行っていきたいと思っております。

城井委員 大臣、事業者に直接の責任があるということは、これまでも、この委員会の場でも何度もやり取りさせていただいていますが、今問いましたのは、では、検査に当たって見逃したJCIにも事故の責任の一端があるのではないかということについてお答えいただきたい。もう一回お願いします。

斉藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、通信方法について虚偽の報告を見逃したということについては重くJCIが受け止めているということでございます。

 責任ということになりまして、事故原因がいまだ明らかになっていない現状において、責任の所在についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 このような痛ましい事故が二度と起こることのないよう、知床遊覧船事故対策検討委員会における検討を踏まえ、機構への国の監督強化を含め、小型旅客船の総合的な安全対策を責任を持って進めてまいります。

城井委員 時もたち、事故原因の究明、なかなかに困難を極めると思いますが、そこに関わるのが二つ目のお話です。

 二つ目の御意見は、被害者の電子機器の取扱いについての家族会の受け止めです。具体的にはこういうことでした。

 カズワンが四月二十三日に沈没をした。海上保安庁が五月十九日、二十日の飽和潜水で持ち帰った荷物の中で、電子機器、例えばスマホなんかそうですね、あるいはカメラなんかもそうでしょう、電子機器だけ、なぜ何も手を施さず放っておいたのか。海水で腐食してぼろぼろになり解析が不能になることは、通常、誰が考えても明白だったのではないか。八月十八日までの約三か月、家族の人たちが何度催促をしても、捜査中のためとの理由で海上保安庁は取り合ってくれず、返却をしなかったとの家族会の訴えです。

 なぜ返さなかったのか。運輸安全委員会で一か月間弱の日数をかけて十一時二十二分までのデータは何とか取り出したけれども、本来は沈没原因の究明のために必要だったそれ以後のデータが取り出せない状態になってしまったんじゃないか。家族会からすれば、海上保安庁に対して、証拠隠滅やデータ隠匿の疑いを持つような状況に残念ながらなってしまっています。

 なぜ海水にさらされた被害者の電子機器を三か月も返却をしなかったのか。復旧できたかもしれないデータ損失の責任をどのように国は考えているか。大臣から、この御家族の疑念に正面からお答えいただきたいと思います。

斉藤国務大臣 海上保安庁では、知床遊覧船の事故発生を受けて、警察機関として必要な捜査を行っております。

 お尋ねの電子機器については、捜査を行う中で入手した多量かつ多種類の他の証拠品とともに、重要な証拠物として適正に保管し、データの復元の可否も含めて関係機関等と協力して精査してきたものと承知しております。

 このため、海上保安庁において、お尋ねの電子機器のデータを損失させた事実はないものと認識しておりますが、引き続き、御家族に対して丁寧な説明を心がけてまいりたいと思います。

城井委員 大臣、適正に保管とおっしゃいましたが、じゃ、どのように保管をされたのか、今御説明いただけますか。

斉藤国務大臣 適正に保管をされていた、証拠物として適正に保管されていた、このように報告を受けております。

城井委員 海水にさらされて三か月の放置、その間に適正に保管をしていたのであれば、このような処置を施していたので、データ損失を限りなく最小限に、可能性をとどめて保管をしていました、そういう説明があるならば別ですが、今の御説明では、適正な保管ということは理解ができません。もう一回お答えいただいていいですか。

斉藤国務大臣 警察機関として、証拠物としてそれを適正に保管をしていた、このように認識をしております。

城井委員 証拠物としての管理と、電子機器が持っている、記憶をしている情報をきちんと取り出せる形で保存ができていたかというのはまた別だというふうに私は考えます。

 委員長、今ほどの電子機器の保管の状況について、詳細な資料の提出を当委員会にお願いしたいと思いますが、御検討いただけるでしょうか。

木原委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。

城井委員 この電子機器に入っている中身は、単に事故原因の究明だけにとどまらず、御家族との大切なきずなの最後の一瞬が写っているかもしれない、残っているかもしれない、そういうものでありますから、先ほどの、証拠として適正な保管ということだけでは御家族の気持ちに応えた形にはならないということを改めてお伝えしたいというふうに思います。この件は、引き続きまた国会でも取り上げさせていただきたいと思います。

 それでは、本日の本題であります港湾法改正案について質問します。

 まず、港湾における脱炭素化の推進についてです。

 港湾の脱炭素化においても、企業や自治体にとっては国による取組の予見性が高まることが重要だと考えています。民間投資をしやすくする環境にしていくことが求められます。この点を念頭に、以下、質問をいたします。

 港湾法の適用を受ける港湾施設に追加される施設を利用する船舶による脱炭素化への貢献見込みについて伺います。

 本法案のKPIとして、港湾における水素、燃料アンモニア等の取扱貨物量、水素換算を、二〇二〇年ほぼゼロから二〇三〇年百万トンと設定をする旨、国土交通省から事前に説明がありました。この算定根拠は、エネルギー基本計画での水素供給量の見込みとのことでした。

 しかし、それでは不十分ではないか。例えば、船舶に対して動力源としての水素等がどのくらい補給をされるのか。こうした港湾での補給量についても、目標や効果がKPIで示されなければ、船舶に水素、燃料アンモニア等の動力源を補給するための施設を追加する効果を検証できません。

 水素、燃料アンモニアの補給施設の追加に関して、目標や効果を国はどのように想定していますか。大臣からお答えください。

斉藤国務大臣 水素、アンモニア等を燃料とするゼロエミッション船のうち、アンモニア燃料船については、二〇二六年から実証運航を開始し、二〇二八年までのできるだけ早い時期に商業運航を実現するため、現在、開発、実証が進められているところでございます。

 このため、今回の改正を通じて、これらの船舶に燃料をしっかりと供給できるよう、水素、燃料アンモニア等の船舶燃料供給施設の整備を促進することを目標としております。それが目標でございます。

 また、効果としては、今回の改正により、これらの施設が事業所税の特例措置の対象となり、燃料供給を行う事業者が新たな投資をしやすい環境を整えることができると考えております。

 さらには、港湾において燃料供給が可能な施設が整備されることは、船社によるゼロエミッション船の導入を促すとともに、港湾の競争力強化にも資するものと考えております。

城井委員 できる限り早い時期、そして新たな投資可能な環境づくりというのが今の大臣からのお答えの趣旨だったかと存じます。

 水素、燃料アンモニアや、あるいはLNGを用いた船舶の新造やエンジン等の改修は、かなり長期間にわたる計画の中で行われているというふうに現場からは聞いています。このことを踏まえますと、その船舶の数に応じた新たな補給施設の設置必要数や見込みが想定できるのではないか。

 追加される施設を利用する船舶数を国としてはどのくらいと想定していますか。船舶で用いる水素や燃料アンモニアがどのくらい脱炭素化に貢献する見込みか、大臣からお答えください。

斉藤国務大臣 船舶に水素、燃料アンモニア等の動力源を補給するための施設の導入につきましては、これらを燃料とする船舶の導入状況を踏まえ、燃料供給を行う事業者が判断するものと考えております。

 現時点で、これらの施設を利用する船舶数を具体的に見込むことは困難ですが、既に複数の船社がアンモニア燃料船の開発に着手しており、将来的に、これら次世代船舶が我が国港湾に寄港することになるものと考えております。

 また、脱炭素化への貢献については、定量的に把握することは現時点で困難ですが、水素、燃料アンモニアが船舶の燃料として利用された場合、これらの船からのCO2排出量はゼロになることから、積極的に施設の導入を進めることが重要と考えております。

城井委員 対応する施設の整備、それから船舶の導入は、鶏と卵の関係にあるのではないかというふうに私も思うところもあります。ただ、できる限り定量的に見込みや目標について絞り込んでいかないと、じゃ、ただ野方図に投資をすればいいのか、予算に限りがあるというのがいつものお話であるはずであります。そこを考えますと、では、例えば次世代の船舶の開発導入見込みについてはどうかという点をやはり聞かなければなりません。

 本日の政務官答弁でもございましたが、政府のグリーンイノベーション基金における次世代船舶の開発に十年間で三百五十億円の予算が計上されています。

 アンモニア燃料船は二〇二六年から実証運航開始、二〇二八年までのできるだけ早期に商業運航を実現との方向です。水素燃料船については、二〇二七年より実証運航開始、二〇三〇年以降に商業運航を実現との計画です。

 これらを踏まえて、本法案の目標や効果、KPIで言及している二〇三〇年段階で、アンモニア燃料船、そして水素燃料船のそれぞれ一体何隻の導入がされるのか、貢献できるんだろうかということを心配しています。大臣から具体的にお答えください。

斉藤国務大臣 これからの研究開発の方向については、今委員が御指摘になったとおりです。

 これからの研究開発の成果次第というところもあって、具体、細かい目標、KPIを示すことはなかなか困難ですが、現時点で、二〇三〇年時点での導入目標について、アンモニア燃料船、水素燃料船の内訳を分けておりませんが、二〇三〇年時点で十隻の就航を目標として開発に取り組んでおります。

城井委員 十隻、長い道のりに聞こえてまいりました。

 もう一点聞きたいと思います。

 十隻とおっしゃいましたが、十隻に本当にたどり着けるんだろうかということを一つお伺いしたいと思います。そもそも、政府自身が次世代船舶の開発に関する目標の困難性を認めておられます。

 令和三年七月十六日、国土交通省海事局作成のグリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画によりますと、「目標の困難性」という項におきまして、

  水素燃料エンジン、燃料タンク及び燃料供給システムは世界でも技術開発段階にあり、特に水素は最高燃焼速度が大きく、燃えやすすぎることに加え、波の影響による負荷変動が大きいなど船舶特有の問題にも対応するため、高度な燃焼制御技術が必要であるなど技術開発には困難が伴う。

  アンモニア燃料エンジン、燃料タンク及び燃料供給システムは世界でも技術開発段階にあり、特にアンモニアは難燃性であることから、パイロット燃料が必要であることに加え、空気との混焼割合の最適化など高度な燃焼制御技術が必要であることから技術開発には困難が伴う。

  メタンスリップ削減技術は陸上でも確立されておらず、船舶分野において世界でもその重要性の認識が始まった段階にあり、波の影響などで負荷変動が大きい船舶において、エンジン効率に悪影響を与えることなく、また、NOx排出量を増加させることなく、十分な効果を得るためには最適なエンジン制御が難しくなる等の高いハードルが存在する。

といった内容です。

 大臣、これらの困難をどのように克服していきますでしょうか。それぞれの技術について、この脱炭素化の推進に資する次世代船舶の早期実用化に向けて、必要となる技術開発の支援をやはり充実をせねばならぬのではないかというふうに考えますが、この三つの困難克服の具体的な道筋、そして技術開発への思い切った支援拡充、大臣からお答えください。

斉藤国務大臣 技術的に本当に核心のところに迫る御質問をいただきました。

 水素やアンモニアを燃料とするゼロエミッション船の実用化には、それぞれの燃料の特性を踏まえた燃焼制御技術の開発等、高度な技術開発が必要になります。

 これで、グリーンイノベーション基金の中から三百五十億円を確保して、その研究開発をやっているところでございますが、まず具体的には、先ほどおっしゃいましたように、水素燃料については、燃えやすい、非常に燃えやす過ぎると今おっしゃいましたけれども、そういう燃焼という特性がございまして、その制御が困難であるとの課題に対して、燃えやすい水素燃料を高圧で噴射することにより、安定した燃焼を実現するエンジン開発等、今、その方向性で行っております。

 次に、アンモニア燃料は、これも先ほど御指摘がありましたが、逆に大変燃えにくいということで、高度な燃料噴射技術を用いて、アンモニア燃料と燃焼補助燃料を層状に混合して噴射するということで燃焼性を高める研究を今進めております。

 それから、いわゆるメタンスリップ、メタンが燃えないでそのまま空気中に行くと、それこそCO2の何十倍も、二十五倍ですか、温室効果ガスを出すということで、このメタンスリップをいかに防ぐかということでございますが、このメタンスリップに対しては、触媒を用いて、メタンスリップしないように燃え残ったLNGを取り除く技術の開発を進めているところでございます。

 三つの手法について、それぞれ三つの困難があるわけですが、ここをしっかり研究開発で乗り越えていきたいと思っております。

城井委員 続きまして、地方港湾での脱炭素化の実現についてお伺いします。

 計画を作り、協議会を設け、そして特例措置をすることは必要なことだと考えます。一方、港湾管理者たる地方自治体や、港湾に立地する企業、船舶に関わる企業、そこで働く港湾、海事労働者からいたしますと、脱炭素化を進めるための設備等への投資をいかに進めていくか、具体的には、どのように設備が実際に導入できるかが最大の関心となります。

 実際に港湾に働く皆さんからは、例えば、港湾でコンテナ貨物を取り扱う低炭素化荷役機械を是非導入したいと思うが、導入費用の確保が困難な企業が多い、こうした意見でございました。

 KPIで、二〇三〇年、七五%の導入割合を実現するというふうにしておりますが、具体的な支援をどのように行うのでしょうか。固定資産税や事業所税への税制特例を措置すると本法改正案ではなっていますが、果たして、導入費用の確保という観点を踏まえて、十分な支援と言えるでしょうか。大臣、ここはもう一歩支援が必要ではありませんか。見解をお願いします。

斉藤国務大臣 港湾の脱炭素化に向けては、今般の港湾法改正により、国際戦略港湾等において港湾運営会社が取得する陸上電力供給設備に係る固定資産税の特例措置が講じられることとなります。

 また、民間事業者等による低炭素型荷役機械の導入に対して補助制度による支援を行ってきたところでございます。

 国土交通省としては、引き続き、これらの措置を講じつつ、今後の技術革新等を踏まえながら、港湾における脱炭素化の実現に必要な支援策についてしっかりと検討していきたいと思います。

城井委員 その点、具体化を来年度予算に向けても是非お願いしたいと思いますが、今ほど申しましたように、港湾管理者たる自治体、特に中小規模の港湾がある自治体や港湾に立地する企業が地方港湾で脱炭素化を進めていくとなりますと、それを促す設備導入に向けた予算支援がやはり欠かせないというふうに思っています。

 港湾に立地、隣接する物づくり産業、企業からも、カーボンニュートラルを目指して動いているが、水素や燃料アンモニアの利用拡大には企業単独で負担できないほどの費用が想定され、国の支援が不可欠だとの政策要望を既にいただいています。カーボンニュートラルポート形成に必要な具体的な脱炭素化の取組はかなり多様です。

 水素等の供給等でも、国内での水素等の荷揚げ用港湾施設、貯蔵タンクやパイプラインといったことが想定されますし、港湾機能の高度化でも、船舶では、船舶への陸上電力供給や燃料供給など、ターミナル内でも、荷役機械の水素、アンモニア燃料化や再エネ由来電力利用の電動化など、そしてリーファーコンテナの省エネ化などもあります。こうした一つ一つの技術を見てまいりますと、かなり多様だということは理解ができます。

 国では、この各主体による取組を促す制度を検討しているというふうに認識をしていますが、必要な取組の多様さを考慮すると、促すだけではやはり十分じゃない。これらを行う港湾管理者たる自治体や港湾立地企業に対する予算支援、具体的にどのように行うか、国土交通大臣からやりますということを明言いただきたいと思いますが、お願いします。

斉藤国務大臣 非常に具体的な項目を挙げて御質問をいただきました。

 最適なカーボンニュートラルポートの形成のためには、港湾管理者を中心に関係者と合意形成を図りながら検討を進めていくことが重要であり、令和四年度に、港湾管理者による計画策定を支援する補助制度を創設したところでございます。

 また、LNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援や、洋上風力発電の導入促進のための基地港湾の整備等を行っているところでございます。

 今後、関係者が計画に基づく取組を実行していくために必要となる支援制度については、技術革新の進展や関係者間の調整状況等を鑑みながら検討してまいります。

 先ほど城井委員がおっしゃっていただいたようないろいろな項目について、これは当然、今後の技術開発の中で出てくると思います。その技術開発の状況を見ながら、どういうところにどういう支援をしていくかということはしっかりこれから決めていきたいと思います。

城井委員 支援の具体化、是非メニューとして我々にもお示しいただきたいということをお願いしたいと思います。

 地方港湾を管理する自治体においては、別の悩みがあります。老朽化した港湾施設やトラック等の通行が著しい周辺道路の改修すら追いつかない現状であり、脱炭素化に向けた自治体独自での新規の設備投資の予算確保はかなり困難を極めることは明白だというふうに考えます。水深確保が必要な航路のしゅんせつなど、航路の安全確保についても同様です。

 こうした港湾施設、周辺道路の老朽化対策、航路の安全確保について、遅滞なく行っていく必要がありますが、これは脱炭素化とともに同時並行で行うということで、大臣から明言をいただけますでしょうか。

斉藤国務大臣 港湾管理者において、限られた人員、予算の中で効率的かつ効果的に港湾施設の老朽化対策や安全確保が可能となるよう、国土交通省として、技術、財政両面から支援を講じているところでございます。

 技術面では、点検、維持管理に係るガイドラインや事例集を整理しております。また、財政面では、集中的、計画的に老朽化対策を実施できるよう、令和四年度から個別補助制度を創設するとともに、安全確保の取組を防災・安全交付金により支援しているところです。個別補助金と防安交付金、この二本立てということでございます。

 国土交通省としては、引き続き、技術、財政両面から港湾管理者をしっかりと支援してまいりたいと思っております。

城井委員 その点、具体的にどのようになっていくか、引き続き注視をいたしたいと思います。

 続いて、港湾脱炭素化推進協議会の構成員についてお伺いします。

 港湾利用者、船会社等の等には、労働者代表は含まれるでしょうか。港湾管理者が必要と認める者で構成するとなりますと、経営者側が入る一方で、労働者代表が外れるケースがあるのではないか。問題によっては、労使で立場が異なるケースを整理する必要があることを想定すべきであります。

 港湾脱炭素化推進計画の実効性確保の観点から、関係事業者の労使双方が港湾脱炭素化推進協議会の構成員として参画できるように国として港湾管理者に配慮を求めるべきと考えますが、大臣、お願いできますか。

斉藤国務大臣 港湾脱炭素化推進協議会の構成員は、港湾管理者を中心に、脱炭素化の取組を行う民間事業者、関係する地方公共団体のほか、当該港湾の利用者、学識経験者その他の当該港湾管理者が必要と認める者、このように規定しております。

 協議会の構成員には港湾労働者の代表を含めることも可能であり、各港湾の事情に応じて港湾管理者が適切に判断いただくもの、このように考えております。

城井委員 港湾管理者が適切な判断ですと、今ほどの、地域によってばらつきが出てくる可能性があるわけですが、もし、そういう状況になることは、大臣としては適切だとお考えですか。

斉藤国務大臣 協議会の構成員につきましては港湾管理者が最終的に判断することとはなりますが、御要望等があれば、必要に応じて港湾管理者にしっかりと伝えていきたい、このように思います。

城井委員 配慮を促しましょうという一言がいただけないかという部分なんですが。もう一回お願いします。

斉藤国務大臣 港湾管理者が最終的な主体性を持って決めていただくことですが、先ほど城井委員おっしゃったように、いろいろな立場の方が入って協議すべきでございますし、その中で、港湾の中で働く方が非常に主要な役割を担っていらっしゃるということは当然でございますので、そのようにしていきたいと思っております。

城井委員 港湾労働者もステークホルダーの一つだということでおっしゃっていただいたと受け止めました。ありがとうございました。

 では、その港湾労働者がそもそも今回の港湾の脱炭素化に対してどのような懸念を持っているというふうに国は認識しているでしょうか。そして、その懸念にどう対応しようとお考えか。大臣からお願いします。

斉藤国務大臣 港湾における脱炭素化の推進について、港湾労働者から特段の反対があるとは聞いておりません。今後の港湾における脱炭素化の取組を推進するに当たっては、引き続き、様々な関係者の御意見などを把握しつつ取組を進めてまいりたいと考えます。

城井委員 港湾労働者の現場から伺ったのは二つ。一つは、脱炭素化について反対するものではないということ。そして、ただ、脱炭素化により減少が見込まれる仕事があると。この委員会でも議論になったことがありますが、石炭の荷役が極端に減ってきます。その代わりの仕事をどうしようかということを、当該企業だけではなかなか解決が難しいというお声をいただいています。こうした部分について、是非大臣にも御配慮いただきたいということをお願いしたいと思います。

 さて、続いて、パンデミック、災害の際の港湾機能の確実な維持についてお聞きをしたいと思います。

 港湾法の基本趣旨は、憲法の地方自治権に裏づけられています。港湾が地域経済や地域住民の共有財産、公共施設とされるゆえんであり、諸外国では、ポートオーソリティー制度といって、当該地域の代表が議会のようなものをつくって運営をしています。日本では、これに代わって、当該自治体が住民代表として管理者というふうになっています。

 今回の港湾法の一部改正は、二〇一一年に続くものとの理解なんですが、自治権を少しずつ薄めて国の管理や運営を強めていく方向になっているんじゃないのという意見が一部あります。本法案においても、憲法の地方自治権に裏づけられた港湾法の基本趣旨、港湾が地域経済や地域住民の共有財産、公共施設との位置づけは守られる、こうした理解でよいか、大臣からお答えください。

斉藤国務大臣 昭和二十五年の港湾法の制定以来、港湾の管理は地方公共団体等である港湾管理者が行うことを原則とし、その運営に当たっては、国民共有の財産としての港湾の公共性、安全性をしっかり確保していくことを基本的な原則としております。

 本法案は、その基本的な原則を変えるものではございません。

城井委員 今の御答弁を踏まえた上で、一つお聞きします。

 本法五十五条の三の三第一項に関しまして、非常災害、世界的規模の感染症の流行その他の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象が発生した場合に、国土交通大臣による港湾施設の管理代行を行うことができるという改正案の内容なんですが、その他の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象とは具体的に何ですか。この点が具体的に明らかにならなければ、恣意的な運用の心配がやはり出てきます。何でもありというわけじゃないというふうに思うんです。

 例えば、安全保障に関わる動きは含まれるか、本日の副大臣答弁でも、防衛省に関わる件が例示をされていました。商船を待機させ、軍事関係の艦船が優先して入港や着艦をさせる、あるいは、ヤードは自衛隊と米軍の貨物の荷さばき先行ということもあり得るんじゃないかという港湾現場からの懸念に、国はどう答えるでしょうか。大臣、具体的に、この現場からの指摘についてはっきりとお答えいただきたいと思うんですが、お願いします。

斉藤国務大臣 非常災害や感染症の流行以外の港湾の機能を著しく損なうおそれのある事象としましては、例えば、船舶事故等の局地的な事象などを想定しております。

 一方、武力攻撃事態等に際し、自衛隊等が港湾施設を優先的に利用する必要がある場合には、特定公共施設利用法における港湾施設の利用調整の仕組みを適用して対応するものと想定しております。

城井委員 今の法律での切り分け、大事な部分だと思いましたので、確認をさせていただきました。

 続いて、もう一点お伺いしたいと思います。

 新型コロナ対策の水際対策が本年十月十一日から緩和されたことを受けまして、国際クルーズ船の寄港再開を要望する声が地方自治体から上がっています。十月二十六日に行われた九州地区の経済と暮らしを支える港づくり意見交換会におきましても、各自治体から国際クルーズ船の受入れ再開に関する要望を多くいただきました。

 関係省庁と協議し、検疫や税関など必要な準備を行った上で、国土交通省として再開のめどを具体的に示すべきです。大臣の見解をお願いします。

斉藤国務大臣 国際クルーズの運航再開については、地方自治体や関係団体からいただいた御要望や先月十一日からの水際措置の緩和を踏まえ、関係省庁との間で、我が国での国際クルーズ再開に向けた協議を進めているところでございます。

 また、現在、外国クルーズ船社の業界団体である日本国際クルーズ協議会において、国際クルーズの運航に関するガイドラインの作成に向けた議論が行われていると承知しております。

 国際クルーズの運航を再開するためには、早期にガイドラインを作成いただく必要があると考えており、国土交通省としては、協議会と緊密に連携し、早期にガイドラインを作成いただくよう努めるとともに、国際クルーズ再開のめどをできるだけ早くお示しできるよう、関係省庁と連携して全力で取り組んでまいりたいと思います。

城井委員 この点、遺漏なきように是非お願いしたいと思います。

 最後に、港湾の管理、利用等の効率化と質の向上について伺います。

 質問を一問飛ばさせていただいて、港湾環境整備計画の作成、認定とそれに伴う取組に関して、例えば、福岡県の北九州港を始めとして取り組んでいる洋上風力発電の拠点化を産業観光の拠点としても活用するといった、コロナ後を見据えた地域観光活性化の取組の後押しにも使うことが可能でしょうか。こうした取組、積極的な支援が必要かと思いますが、大臣の見解をお願いします。

斉藤国務大臣 この制度は、民間活力を活用して緑地等の再整備を行うことを目的としており、対象となる地域に行政財産である緑地等があれば、制度の適用は可能でございます。

 御指摘のとおり、洋上風力発電等の産業観光の取組を始め、港湾を活用して地域の特色を生かした観光活性化の取組を進めることは意義のあるものと考えております。

 本制度が地域の特色を生かした地域活性化の取組に活用されるよう、しっかりと取り組んでまいります。

城井委員 港湾で働く皆様の声を伺いますと、やはり作業現場での安全が一番重要な目標だと言います。誰も亡くならない、誰も傷つかない、誰も傷つけないように、騒音問題も大きく関わる港湾作業現場と観光地のようなにぎわい施設と住居地は一線を引いておかねばならないという思いが港湾現場にあるということ、このことを踏まえて今後の港湾法の執行に当たってほしいということを申し添えまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、一谷勇一郎君。

一谷委員 ありがとうございます。日本維新の会の一谷勇一郎です。

 斉藤大臣への質問は初めてですので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 結構専門的な脱炭素化の話になってまいると思いますので、有識者の方々からいろいろな御質問をいただいてまいりました。意見を聞いてきました。それを踏まえて、港湾の脱炭素化について御質問をさせていただきたいと思います。

 まず、政府参考人の方にお伺いしたいのですが、各港ごとのCO2排出量のデータはあるのかどうか、お答えいただけたらと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省港湾局では、全国の重要港湾以上の百二十五港を対象にいたしまして、港湾ターミナル等からのCO2排出量を試算しておりまして、その合計値は約九百万トンということになっております。

 一方、この試算結果には、物流関係以外の企業等からのCO2排出量は含まれておりません。

 港湾及び臨海部に立地する企業等からのCO2排出量を含めた港湾全体のCO2排出量については、今後、各港湾の港湾管理者が作成する港湾脱炭素化推進計画の中で算出されるものというふうに考えております。

 なお、現在、三十九港において先行的に協議会等が設置されているところでありまして、そのうち、神戸港など一部の港湾においてはCO2排出量の推計値を公表しております。

一谷委員 ありがとうございます。

 私の地元が神戸ですので、そういった数字が出ているということは大変ありがたいなと思います。この数値が基礎になってくると思いますので、しっかりとした数値を出していただけたらと思います。

 続きまして、政府参考人の方にお伺いしたいんですが、現時点での脱炭素化がどれくらい進んでいるのか、また、カーボンニュートラルポートについて、今後の計画をお聞かせいただけたらと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾における脱炭素化の取組のうち、港湾の物流ターミナルにおいてコンテナ貨物を取り扱う荷役機械につきましては、昨年度時点で全体の四三%まで低炭素型荷役機械の導入が進んでいる状況にあります。

 また、LNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入については、既に伊勢湾、三河湾で供用を開始しておりまして、東京湾及び九州、瀬戸内において導入に向けて設備等の整備が進められている状況にございます。

 今後、港湾管理者が、関係者が参加する協議会での検討を踏まえまして、短期、中期、長期と段階的に脱炭素化に取り組む計画を作成いたしまして、この計画に基づいて、各関係者がそれぞれの取組を具体的に進めていくということにしております。

 短期的には、低炭素型荷役機械、それからLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援に取り組むとともに、中長期的には、運輸、産業分野の脱炭素化技術の開発が加速していくことを踏まえまして、新たな技術の導入、それから水素等の受入れ環境の整備等に向けて、港湾管理者や民間企業と協力して、スピード感を持って検討を進めていくことが重要と考えております。

 以上でございます。

一谷委員 ありがとうございます。

 続きましては、大臣に御質問をさせていただきたいと思うんですが、いろいろな計画が立てられていくというところなんですが、港によってはやはり地域差、経済格差がかなりあると思います。私の地元、神戸では、もう既に神戸の空港島に水素のタンクができておりまして、先行していろいろなものに取り組んでおられると思うんですが、この各港ごとの実情をどのように考えられて計画を作っていかれるのかというところをお聞かせいただけたらと思います。

斉藤国務大臣 私も、一谷委員が今おっしゃいました、神戸空港の敷地の、空港の中ではないかと思いますが、島にある水素ステーション、視察をさせていただきました。オーストラリアから液体水素という形で運ばれてきて、あそこに貯蔵されて、あそこから日本全国に配られていくということのモデルになるものだと思いますが、そういう非常に先進的な事例もございます。

 委員御指摘のとおり、港湾によって貨物の量や種類、立地する企業等は様々であり、各港湾における脱炭素化の取組についても、立地する産業の種類や規模、立地する企業の意向等によって大きく異なってくるものと考えております。

 国土交通省としては、港湾管理者が各港湾の規模や状況等を踏まえ脱炭素化に向けた計画を適切に作成できるよう、協議会において積極的に助言を行うなど、きめ細かい支援を行ってまいります。

 また、先行的に取組を進める港湾の知見を他の港湾に横展開することで、各港湾の規模や状況に見合った取組が効果的に進められるよう支援してまいりたいと思っております。

一谷委員 ありがとうございます。

 そうです、神戸空港島です、済みません。島のところにある水素のタンクなんです、神戸にある。

 私もいろいろな小さな港の方々にもお伺いをしたんですが、やはり、もうこの脱炭素化のイメージすらちょっと湧かないというようなこともお聞きしておりますので、やはりかなりの差があるんだなということを肌で感じておりますので、そこも考慮をしていただけたらなというふうに思います。

 続きまして、大臣に御質問させていただきたいんですが、港湾における脱炭素化の取組について、インセンティブがないとなかなかやはり幾ら大きな港でも現実は困難ではないかなと思うんですが、このメリット、インセンティブ、そういったものについて大臣に御意見をお伺いしたいと思います。

斉藤国務大臣 インセンティブ、一言で言うと、選ばれる港湾になるためということではないかと思います。

 世界的にサプライチェーンの脱炭素化に取り組む荷主が増える中、選ばれる港湾となるためにも、港湾施設の脱炭素化等に取り組み、競争力を強化していくことが必要と考えております。

 そのための体制づくりとして、今回の法改正において、多岐にわたる関係者が一丸となって港湾脱炭素化推進計画を作成できる規定を設けております。

 国土交通省としては、今年度創設した計画の策定を支援する制度等により、港湾における脱炭素化を加速化してまいります。また、今後も、技術革新の状況等を踏まえ、取組の実施段階における必要な支援策について検討してまいります。

 もちろん、インセンティブが働くように、税制とか財政的な支援とかいろいろやっていきたいかと思いますが、より根本的には、もう脱炭素化を進めていない港は使ってくれるなという世界の荷主の大きな意識、これに応えていくため、そこが一番大きなやはりインセンティブ、それを全員が共有しなくてはいけないことなんだろうと思います。

一谷委員 ありがとうございます。

 大臣の、脱炭素化をしていなければ確かに選ばれない港というところはあると思うんですが、ここには海外のメーカーも入ってくると思うんですね。その場合、後でまた御質問をちょっとさせていただきたいんですけれども、やはり日本の規制がなかなか厳しいんじゃないかというふうなお声も聞いておりますし、脱炭素化に関しては、やはり港を走っているトラックなんかもディーゼルで非常にCO2を排出しているというところで、これはジェトロのホームページに載っておったんですが、先ほどもお話いろいろあったロサンゼルス港なんかでは、ゼロエミッショントラックの導入というのに非常に予算というかインセンティブがついている。

 また、水素を使ったエンジンというのは、日本のトヨタのミライが水素のエンジンを造っておりますが、このエンジンを二基積めばトラックも動くぐらいの出力が出るというふうにお聞きをしております。こういったところ、やはり港湾で走るトラックについて、このミライの水素のエンジンなんかを、是非、国の後押しもあって、導入をするということに取り組んでいただけたらなというふうに思っています。

 これは質疑の申出をしておらないので、御回答を求めることはないんですが、そういった、一企業を応援するではありませんけれども、やはり水素の技術については、輸送の技術については非常に日本は高いレベルにあるというふうにお聞きしておりますので、こういったところも、少し国の後押しもしていただけたらなというふうなことを、関係されている業界の方からちょっとお聞きをしてまいりました。

 続きまして、政府参考人の方にお伺いをさせていただきたいんですが、今回の制度は、港湾についての温室効果ガスの削減を目指すことも含まれておると思うんですが、世界では、この脱炭素化と一緒にNOxやSOxの対策についても議論を同時にされるというふうにお伺いをしております。

 約六割の二酸化炭素を港湾の中で、関連で出されるということは、やはり多くのディーゼルエンジンも使われて、二酸化炭素とともに有害な物質が排出されていると思います。

 これ、私、港湾で六割と聞いたときは少し実際驚いたんですが、やはりその周りに住まわれている地域住民の方々の健康の問題もありますので、こういったことについてどのように対策を取っていかれるのかということについてお伺いできたらと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、温室効果ガスの削減対策のみならず、NOx、SOxといった、窒素酸化物、硫黄酸化物といった大気汚染物質の排出抑制も極めて重要な課題だと認識をしております。

 港湾においては、低炭素型荷役機械であったり、あるいはLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入支援など、港湾における脱炭素化を進めることとしておりますが、同時に、これらの取組は、温室効果ガス削減対策とともに、NOx、SOx対策にも寄与するものと考えております。

 引き続き、港湾における大気汚染対策にもしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 先ほど大臣がおっしゃられました、やはり脱炭素化で世界に選ばれる港湾にというところで、やはり世界の主流としてはこのNOx、SOxの削減も一緒に語られるということをお伺いをしておりまして、今回のこの改定を見てもなかなかそういった言葉が入っていなかったので御質問をさせていただきました。是非この対応もしていっていただけたらと思います。

 続きまして、新エネルギーの水素やアンモニアを使うということなんですが、私がお聞きしているところでは、この水素というのはなかなかやはり出力が船を動かすにはまだまだ足りないというところと、アンモニアについては非常に毒性が強いということをお聞きしております。

 造船についてお伺いしたいんですが、一九九〇年頃は世界の造船の五割近くを日本が担っていたとお聞きしております。しかし、直近、やはり中国、韓国にかなり押されてしまって、二割いくかどうかという、この造船について、ここは日本が本当にまたトップに返り咲くチャンスでもあるというふうに考えておるんですが、この造船の技術開発についての支援というものはあるのかということを政府参考人の方にお伺いさせていただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答えを申し上げます。

 我が国造船業をめぐる状況について先ほど委員から御指摘がございました。私どもも極めて厳しい危機感を持って海事産業競争力の強化に取り組んでございます。

 まず、我が国は、米国、英国等とともに、国際海運の二〇五〇年カーボンニュートラルを目標とする、これを国際海事機関、IMOに提案しております。

 カーボンニュートラルの実現は、国際的、社会的課題の解決への責任ある貢献でありますとともに、委員御指摘のように、我が国造船業を始めとします海事産業が国際競争力を強化するための逃してはならない絶好の好機であると考えてございます。

 まず、国際海運からの抜本的な温室効果ガス排出削減に重要かつ不可欠である、委員御指摘の水素、アンモニアを燃料とするゼロエミッション船につきましては、十年間で三百五十億円の予算を確保いたしまして、グリーンイノベーション基金を活用した、エンジン、燃料タンク、燃料供給システムに係る技術開発を支援してございます。

 先ほど城井委員からの御質問に対し斉藤大臣がお答え申し上げましたように、それぞれの燃料特性に応じて難しい課題がございます。ただ、それを全力で何としても克服し、打破するという気持ちで、結果を出すべく、我が国造船事業者、舶用事業者等による取組を、技術開発を支援してございます。

 アンモニア燃料船については二〇二六年より、水素燃料船については二〇二七年より、それぞれ世界に先駆けた実証運航を開始することを目指して技術開発を進めてございます。

 このような海事産業関係者の技術開発、そして国際海事機関における環境や安全に関する国際基準の策定をリードして、技術開発と国際ルール作りの両面から我が国海事産業の競争力の確保に強力に取り組んでまいる所存でございます。

一谷委員 ありがとうございます。

 非常に戦略的にはすばらしい戦略だと思うんですが、やはりそこは、戦術、もっともっと細かいところに落とし込んでいただくという、そういったところがなかなか私はイメージがしにくいなというふうに感じておりますので、是非ここは返り咲いていただきたいと思います。海洋国家としてのやはり力をここでもう一度取り戻していけたらというふうに思っておりますので、どうぞ細かな戦術レベルまで落とし込んでいっていただけたらなというふうに思っております。

 続きまして、これがこの質問の中で一番私の中では重要だと考えておる質問なんですが、水素について、日本国内での高圧ガス保安法が厳しいというお話を聞いております。

 港湾においてはどのような規制があり、脱炭素化を進めるに当たりどのように対応していくのかということを政府参考人の方にお伺いいたします。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾法におきましては、臨港地区内において、その土地利用の目的に応じて分区を指定いたしまして、条例によって当該分区内の構築物の用途を規制すること等ができます。

 規制の内容は各港湾において異なりますけれども、一般には、水素等の危険物を取り扱う施設は、コンテナ物流やクルーズなどの機能に利用されている商港区やクルーズ港区等の一部の分区において建設が禁止されているケースが多い状況にございます。

 今後、エネルギー転換に伴いまして、水素等の利用が、いわゆる物づくり産業以外に、運輸、民生分野に拡大されますと、その取扱施設について、現在建設が禁止されているエリアへの立地ニーズが高まることが想定されております。

 このため、今回の法改正におきましては、土地利用の全体の方向性は変えずに、これらの新たなニーズに対応するために、分区の一部の区域において、既存の構築物の用途規制を柔軟に変えることができる制度を創設することとしております。

 これによって、港湾及び周辺地域において水素の利活用を促進するための環境整備を図ってまいりたいというふうに考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 今、やはり区分に柔軟に対応するというところで、規制をちょっと緩和をしてくださったんだと思うんですが、緩和をした状態でも、やはり業界の方々が求める、これは私がお聞きした業界の方々ですが、レベルにはなかなかちょっと達していないのではないかということをお聞きしております。

 今回の規制の目的が、高圧水素ガスタンクを積載した機材が欧米のターミナルと同じレベルの規制の下に荷役を行うことができるということだと思うんですね、緩和の一つの目的がですね。そこがやはりなかなかG7並みの規制の緩和にはなっていないということをお聞きしているんですが、G7並みの規制の緩和に近づいているかどうかというところのもし認識というかお考えがあれば、ちょっと追加でお答えできる範囲があれば、していただけたらありがたいなと思います。

堀田政府参考人 ただいまの御質問に対してのお答えに正確にはなりませんけれども、実際に保安距離とかの考え方等につきましては、国交省の所管にならない部分がございますので、G7並みの規制緩和になっているかどうかということについては正確に把握しておりません。

 一方で、今回の法改正を基にして、しっかりと利用者の利便が図れるような規制緩和措置を取っていくことは重要だと思っておりますので、できるだけそういった課題を我々も把握しながら、前向きに検討を進めていきたいというふうに考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 少し質疑の前もっての準備がちょっと足らなかったかなというふうに思うんですが、やはりここは、先ほど大臣もおっしゃられた、脱炭素することが世界に選ばれるというところもあると思うんですが、やはり柔軟な対応に対しても、まだまだ世界のレベルには達していないんじゃないかというふうにお聞きもしております。ただ、これは緩め過ぎるとやはり安全の問題も出てくると思いますので、このバランスは非常に難しいところだと思うんですが、こういったところをやはり思い切った取組をしていくことが重要になるのではないかなというふうに考えますので、是非是非これは合わせていっていただけたらなというふうに思います。

 では、続きまして、水素、アンモニアの実用化については、これは結構やはり時間がかかるのではないかなというふうに思っております。エネルギーの面で見ても、まだまだパーセンテージも低いです。

 その中で、やはり脱炭素化というのは進めていかなければならないと思いますので、現在既に取り組んでいる脱炭素化についての取組について、政府参考人の方から御意見いただけたらと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、運輸、産業分野の脱炭素化に向けた取組の中には、水素、アンモニアの活用を含め、まだまだ技術開発段階にあるものが多いというふうに承知しております。

 港湾においては、既に実用化されて実装が進められております脱炭素化の取組として、例えば低炭素型荷役機械、この導入やLNG燃料船への燃料供給に必要な設備の導入、こういったものがございまして、関係省庁と連携しながらこれらの取組を支援しているところでございます。

 また、国土交通省では、今年から、水素を動力源とする荷役機械の実証事業、こういったものにも取り組んでおります。

 今後、技術開発が加速化していくことを踏まえまして、新たな技術の導入、それから水素等の受入れ環境の整備等に向けて、スピード感を持って取り組んでいくことが重要だと考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 いろいろな技術が開発されているのを待ちながら脱炭素化をしていくということは非常に重要だと思うんですが、次の質問なんですけれども、よく港に行って停泊中の船を見ていますと、電気をつくるためにエンジンを回しているというところが見受けられます。結構やはり、港に入ってくる、待っている船がずっとエンジンをたきながら電気を自らつくっているというところなんですが、ここは、停泊中の船舶への電力の供給についてはどのようになっているのかということをお聞かせいただけたらと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 停泊中の船舶に陸上から電力を供給することを可能とするいわゆる陸上電力供給設備は、船舶のアイドリングをストップさせることができまして、港湾における脱炭素社会の実現、先ほどのNOx、SOxの低減にも貢献する取組の一つであるというふうに考えております。

 陸上電力の供給設備の導入につきましては、補助制度等による支援を行うとともに、今般の港湾法改正によりまして、国際戦略港湾等において港湾運営会社が取得する陸上電力設備に係る固定資産税の特例措置が講じられることになるということになります。

 このような支援措置によりまして、引き続き、陸上電力供給設備の導入を進めてまいりたいというふうに考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 こういった電気を差すコンセントの基準も、船に対しては世界の基準があるというところなんですが、車を運ぶ船に対してはこれからコンセントの差す規格が決まっていくというふうにお聞きしていて、それが実はもう十月ぐらいにちょっと決まってしまって、日本の規格が世界の規格との競争の中で、私の思い間違いだったら注意していただきたいんですが、規格が負けてしまって、世界の規格に日本のコンセントが合わせていかなければならないという状況になったとお聞きしたんですが、こういったすごい細かいところかも分からないんですが、やはり日本の規格が負けないように政府としても取り組んでいただくことも重要ではないかなというふうに思います。すごい小さな、国全体からしたら、港湾からしたら小さな話かもしれないんですが、そういった声をメーカーの方からもお聞きしていますので、今日はその声をちょっと届けさせていただきました。

 脱炭素に向けて、先ほど、停泊中の船がエンジンを燃やしながら電気というのはあるんですが、やはり、港に入ってくる船をうまく誘導して、なるべく混まずに、また港から次のところへ航海に出ていってもらうという交通整理も非常に重要じゃないかなというふうに思っております。

 港の中がどんどん混んでしまって、なかなか船が入るのができなくて待っているというような状況もお聞きしているんですが、こういった船の入替えをスムーズにする仕事として、ポートラジオ業務というのがあるというふうにお聞きしております。これは民間の会社が担っているということをお聞きしているんですが、現在三十三局あるとお聞きしております。

 これについて、私は、全ての港への適用をして、スムーズな船の流れをつくっていくのは非常に脱炭素には有効ではないかなと思うところが一点と、もう一つは、このポートラジオがあるのがほとんど太平洋側で、日本海側にはほぼゼロという状況はなぜなのかというところの御質問に政府参考人の方からお答えいただけたらと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 一部の港湾におきましては、先生御指摘のとおり、民間会社が港湾管理者から受託をするなどしまして、無線通信によりまして、港湾近辺の船舶の運航情報を収集、整理し、関係機関に提供するとともに、港湾のバース情報それから気象情報等を船舶に伝える役割を担っておりまして、これをポートラジオ業務というふうに申しております。

 これは、いわゆる港則法に基づいて海上保安庁が実施している航行管制業務とは異なるものでございます。

 ポートラジオ業務につきましては、港湾の利用状況それから関係者のニーズも踏まえて、港湾管理者等が導入を独自に判断しております。今後も、それぞれの港湾の実情を踏まえた上で、必要に応じ導入するのが適切なのではないかというふうに考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 民間会社が行うということで、確かに、いろいろな、選択するときにも問題があると思うんですが、私は非常にこれがスムーズな船の出入りになるということをお聞きしていますので、また御検討いただけたらなと思います。

 最後の御質問なんですが、港湾の管理についてです。

 民間企業の資金活用に当たり、民間が希望しない施設等については従来どおり公的資金を使用するという理解でいいのかというところを最後に政府参考人の方にお伺いさせてもらいたいと思います。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 緑地等の貸付けを受けた民間事業者は、港湾管理者が認定した港湾環境整備計画に記載した事業内容に沿って事業を実施するということになります。

 したがいまして、委員御指摘のとおり、民間事業者が港湾環境整備計画に記載していない港湾施設の整備等の事業については、緑地等の管理主体である港湾管理者が実施するものというふうに考えております。

一谷委員 ありがとうございます。

 時間になりましたので、私はこれで質問を終わらせていただきたいと思うんですが、世界基準の港湾に日本がなっていくようにというふうな願いを込めて、質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

木原委員長 次に、古川元久君。

古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。

 まず、今日は港湾法の改正案の審議でありますけれども、それに関係する、関連する質疑をさせていただきたいと思います。

 現在、防衛力強化、そうした議論が政府において行われているわけでありますけれども、安全保障の観点から、港湾やあるいは空港などの公共インフラの整備について、そうした線からの整備を進めていく、そうしたことが今議論されているというふうに承知しております。

 こうした港湾や空港などの公共施設は、有事の際には自衛隊などが利用することが想定されますが、では、自衛隊の艦艇や航空機が使用できる港湾や空港の整備がきちんとなされているかというと、それは不十分であって、今後、安全保障の観点からこうした空港や港湾等の公共インフラ整備を進めていくということは私も必要だというふうに思うんですが、今、検討状況ですけれども、具体的に、いつから、どのような体制で、どのような整備を行おうと考えておられるのか、現在の検討状況を教えていただきたいと思います。

宮澤政府参考人 お答え申し上げます。

 安全保障の観点からの空港、港湾等の公共インフラの整備等については、十月二十日に開催されました、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議の第二回会合におきまして、岸田総理から、防衛体制の強化に資する公共インフラの整備や利活用を大いに進めるべく、その具体的な仕組みについて、関係省庁において早急に検討し、次回の有識者会議において報告するよう指示がございました。

 この公共インフラの整備、利活用に向けた具体的な仕組み等でございますが、これについては、今後の有識者会議での議論も踏まえつつ、内閣官房等の関係省庁と連携しまして、今後検討していくことになるところでございます。

 そのため、まだその内容が固まっていない段階でございまして、現時点で具体的な体制等についてお答えすることは困難でありますことを御理解いただければと存じます。

古川(元)委員 報道では、安全保障の観点から公共インフラ整備を進める省庁横断型の協議会の新設、そういうものが検討されているというふうにありますが、それは事実ですか。

宮澤政府参考人 お答え申し上げます。

 新聞等で今委員御指摘のような報道がなされているということは承知しておりますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、具体的な仕組み等については、今後、関係省庁と連携して検討していくということでございますので、現段階ではその内容が固まっていない、こういう段階でございます。

古川(元)委員 では、それが固まるのは、年内に安全保障関連三文書を改定するというふうに、政府は今議論を加速しているはずなんですが、では、年内にはそこがちゃんと固まって明らかになるというふうに考えていいんですか。

宮澤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、三文書の改定という作業の中でこの作業が進んでいるというふうに存じますので、そういう過程において議論をしながら、仕組み等についてどういうふうにしていくのか、こういう検討がなされるものと承知をしてございます。

古川(元)委員 今の岸田政権は、我が党の代表が検討使と。この前も総理が検討を加速する、何か分かったような分からない。だから、検討はいいんですけれども、やはりちゃんと検討した結果をいつまでにということをはっきりしていただかないと、本当に公共インフラ、それこそ有事というのはいつ起きるか分かりません。起きてから、いや、整備を検討していたんですけれども間に合いませんでしたというのでは、これはもう話にならないわけでありまして、必要な整備は、やはりやるならやるということを決めて、早急にやっていかなきゃいけないことだと思います。

 そういった意味では、今の御答弁を聞くと、年内には明らかになるということだというふうに私は認識をさせていただきましたけれども、結局、年内に出たときに、また引き続き検討するなんという文章にならないように、そこだけはちょっとくぎを刺しておきたいと思います。

 その上で、こういう形で、有事にはそれは自衛隊が港湾とか空港を使うだろうということは、この間の三・一一とかいろいろな災害のときを考えてもあるわけですから、当然想定されるわけですが、そういう視点からの整備というのは、これまではちゃんと行われてきたとは言えなかったと思うんですけれども、今後、そういうことで行われるようになった場合に、今既に決まっている港湾とかあるいは空港などのインフラの整備計画、そうしたことが、安全保障の観点からのこうした新たな整備の方針というのが行われるということになると、今後見直されるとか、そういうことは出てくる可能性はあるんでしょうか。

宮澤政府参考人 お答え申し上げます。

 どういう形で整備計画とかというようなものが出ていくかということにつきましては、先ほど来お答えしておりますとおり、まだこの先どういう形かというのは決まっていないところでございますけれども、委員御指摘のとおり、何か起きたときの自衛隊の利用というようなことというのは、我々としても、そのニーズというものをきちっと確認をさせていただいて、それで対応していく、こういうことになろうかと思います。

古川(元)委員 要は、今の整備計画、見直しがされる可能性が今後あるということですよね、今の答弁ですと。

 そうなりますと、これはやはりそれぞれ今の整備計画でという、期待しているそれぞれの地域もありますので、しっかりそうしたところとの丁寧な説明や協議、やはりそういうのも大事になってくると思います。是非そこは、国交省がこの公共インフラについては責任を持ってやってきたわけですから、そこのところをしっかりやっていただきたいということを申し上げたいと思います。

 次に、先ほど来、今日の委員会で何度か議論に上がっております日本の港湾の国際競争力について、私からもちょっとお伺いしたいと思います。

 今日の質疑で出てきている、二度ほど取り上げられた記事は私も拝見して、元々コロナ前からも港湾の国際競争力が下がってきたのに、またコロナ禍で更にこれが加速しているんじゃないか、そういうやはり危惧を私も他の議員と同じように持たざるを得ないんですが、大臣は御認識はどのような認識を持っていらっしゃるでしょうか。

斉藤国務大臣 コロナ前までの話でございますが、京浜港、阪神港の輸送力は増加をしてきつつあった、それだけ見ればそのとおりです。

 しかしながら、世界的に、中国、韓国を中心として、貨物量そのものが非常に増えた、かつ、それに伴って大型化したということがあって、相対的に競争力、存在感が低下した、このようなことだと私は認識しております。

 このため、我が国産業の国際競争力の強化を図るためにも、国際基幹航路の我が国への寄港を維持拡大し、企業の立地環境を向上させることが一層重要と考えておりまして、今回のこの法案も、選ばれる港湾になるための一つの大きなメルクマールになるもの、このように思っております。

古川(元)委員 大臣、これは危機感を持っていますか、本当に。日本は頑張っているんです、そこは分かるんです。しかし、ほかの質疑を聞いていても、いや、日本は頑張っているんですけれども、ほかのところが伸びているものですから相対的に落ちているんですと。何か、仕方ないんですという、そんな感じにも私は、今日のほかの委員への答弁を聞いていて思ったんですね。

 しかし、本当にそれでいいのか。今落ち込んでいるのはほかが伸びているからで、日本はやることをやっているんです、でも、ほかが伸びているから仕方ないんですという、その認識でいいのか。やはり、それを超えるぐらい頑張らなきゃいけないという危機感を持たなきゃいけないんじゃないんですか。私はその大臣の認識を伺っているんですけれども、いかがですか。

斉藤国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。

 私、ほかが伸びているけれども、日本の航路も荷物量そのものは増えているからいいんだ、だから頑張っているんだということを言うつもりでは全くございませんでした。国際競争力が落ちているということは厳然たる事実でございます。

 そのためにも、集貨、荷物をできるだけ集めて大きな荷物にする、また、新しい荷物を作る創貨、そして、もう一つございましたけれども、国際競争力の強化ということについて、しっかりとこれらの施策を行って、この危機を脱していかなきゃいけない。担当大臣として強い危機感を持っているところでございます。

古川(元)委員 今大臣がおっしゃる危機を脱するために、港湾の整備の在り方、先ほど来から議論のあるように、選択と集中ということで、国際コンテナ戦略港湾を指定したりとかしてやってきたんですけれども、しかし、今の状況という現実があるわけです。

 だから、こういう状況を生んだ原因が港湾の整備の在り方にあるのかどうか、やはりその辺の原因、こういう状況を生んだ、その影響の、あるいは原因に、どれくらいこの港湾の整備の在り方があるのかどうかということをしっかり認識もしなきゃいけないと思うし、そこがこれくらい影響しているというのであれば、では、どうしたらいいのかと。

 今までの延長線上でやっている、確かに、大臣が言われたように、伸びていることは伸びていますよ。しかし、ほかがもっと伸びていて、相対的におっこちている。そういう中で、今までの港湾整備の在り方でいいのかどうか。これを一回、虚心坦懐に、この間やってきた、十年ぐらいやってきたことを一度ここで検証して、本当にこの路線でもっと頑張ればと、やはり日本って特に精神論が、とにかく頑張りますという、やはりそれだけじゃ駄目だと思うんですよね。現実に、本当に、では、今アジアを中心に伸びているような、そこをどう取り戻すのか。やはり、そこは頑張りますというだけでは済まないんじゃないか。

 やはり、港湾整備の在り方自体、一度ここで立ち止まって、もう一度見直して、巻き返すためにはどうしたらいいか、そういうことも、延長線じゃなくて、考えることをしなければいけない時期に来ているんじゃないかと思いますが、いかがですか。

斉藤国務大臣 問題意識は古川委員と一緒でございます。

 だからこそ、先ほど言いました集貨、創貨、そして競争力強化、この三つの三本柱、いろいろ具体的に今施策を行っているところでございますけれども、そういう作戦、一つの戦略を進めていく。常に、これでいいのかということは見直しながら進めていかなくてはいけないと思っております。

古川(元)委員 私、こういう今の状況になっている一因は、やはり、ほかのアジアの国、例えば韓国とか中国とかが、釜山とか上海とか、集中して大規模にどんと造った。やはり先にやられたところも、その影響もあったんだと思うんです。日本は後から後追いしていった。だから、そういった意味では、時代を先読みして、やはり先に先にやらなきゃいけないところが非常にあったんじゃないかなと思うんですね。

 そういった意味では、ちょっとこの法案に関わるところで、最後に伺いますが、まさにカーボンニュートラル、特に水素社会をつくっていこうということで、今政府は、海外で製造された水素の受入れ基地となる港湾をこれから幾つか指定して、その整備を進めていく方針というふうに聞いておりますけれども、今後、どのような条件を満たす港湾を、幾つ、これからどういうスケジュールで決めていくつもりなのか教えていただけますか。

斉藤国務大臣 現在、今、古川委員御指摘のとおり、水素のサプライチェーンの構築に向けた実証実験等を実施している段階でございます。

 そのため、国内各地域における将来的な需要について明らかでないことから、現時点では、水素の受入れ拠点に関して具体的な方針が固まっているものではございません。

 国土交通省としては、引き続き、経済産業省等の関係省庁や民間事業者と連携しつつ、また、技術開発等の動向やカーボンニュートラルポート形成計画の策定状況も踏まえながら、新たなエネルギーの最適なサプライチェーンの構築に向けて検討を進めていきたい、このように思っております。

古川(元)委員 では、そうすると、ちょっと八月とかに報道にあった、こういう、まさに水素受入れ港のいわば選択と集中、集中と選択じゃないですけれども、そういう基地港湾を幾つか指定して、そしてその整備をする、そういう方針は、それは今もあるんですか、そもそも。何か今の話を聞いていると、まだそこまでいっていないみたいな、そんなふうに聞こえますが、いかがですか。

堀田政府参考人 繰り返しになりますけれども、現在、まず、各港湾での需要量が正確に把握できていない状況でございますので、基地港等の整備に関する基本的な方針はまだ定まっておりません。

古川(元)委員 これも、需要ができたらと言っていると、前もこれ、私、ちょっと水素ステーションの話をここでやったことを大臣は覚えているかもしれませんけれども、やはり需要を生むような環境をつくらないと、水素ステーションを造らなかったらやはり需要も出てこないんですよ。やはり、ちゃんと環境が整って初めてそういう需要も出てくるんだと思うんですね。

 私の地元、愛知県では全国に先駆けて、二〇一七年から県内企業などと連携して、あいち低炭素水素サプライチェーンといった取組を始めておりますし、また、翌年一八年からは県内の低炭素水素導入事業者にインセンティブを与える認証制度も始めています。そして、今年から中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議を設ける、こういう様々熱心に水素社会実現に向けた取組を行って、これは、愛知には燃料自動車、先駆けのトヨタ自動車があって、ここもやはり水素のサプライチェーンができないと、できればもっとミライとか需要も出てくるはずなんです。

 ですから、やはりそこをつくっていこうということで、まさにこの地域だけじゃなくて日本の製造業、そして経済を支えるこの地域において、そういうサプライチェーンをつくっていくという取組を県を挙げてやっているわけであって、やはりこういう取組を更に加速させていくためには、今日、あれ、いなくなっちゃったな、地元の自民党の皆さんも言われましたけれども、これは名古屋港、これがやはり水素の受入れ基地となることは必須であって、国もちゃんとそこはやりますよと、支えていきますよという姿勢をできるだけ早く明らかにしていただくことが、それが地元としても、よし、国もちゃんと応援してくれるんだ、だから我々やっていこうという、そうやって加速していく、まさにそれが、先ほど来からの話で、結局、世界に先駆けていく、先手先手を打っていくということにもなると思います。

 そういった意味では、愛知は本当に、水素社会の実現に向けて、これは私はどこの地域もそれぞれ頑張っていると思いますけれども、いろいろ将来的なポテンシャルやそういうところも含めて、非常にやはり需要が大きく、今の試算は、需要はまだそこまでないかもしれませんけれども、そういう環境ができれば一気に大きな需要が生まれてくる、そうした地域だと思いますから、是非そこは、名古屋港というのはそうした受入れ基地としてちゃんと国として指定する、これは当然のことだと思いますけれども、いかがですか、大臣。

斉藤国務大臣 愛知県では、港湾分野において、令和二年度に名古屋港カーボンニュートラルポート検討会を先行的に立ち上げ、関係者の連携の下、取組の具体化を図ってきておられます。

 新たなエネルギーの活用を進めていくためには、安定的かつ低コストな供給を実現するエネルギーの国際サプライチェーンの構築が必要となりますが、現時点において、委員御指摘の水素の受入れ拠点に関して具体的な方針が固まっているものではありません。拠点化するという方向性はそのとおりだと思いますが、現時点ではまだここを拠点にするということを決めるという段階にはない、こういう意味でございます。

 国土交通省としては、名古屋港を始めとする各港におけるカーボンニュートラルポートの形成を推進するとともに、引き続き、最適なサプライチェーンの構築に向けて検討を進めてまいりたいと思います。

古川(元)委員 何事も、こういう時代が大きく変わるときには先手先手でいかないと、後手に回ると今の港湾の国際競争力みたいになってしまいます。是非、水素社会に向けては、港湾の整備も先手でやっていただきたいということを最後にお願いして、私の質疑を終わります。

 どうもありがとうございました。

木原委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 本日は港湾法の一部改正案についてでありますが、国際物流の結節点かつ産業拠点であり、発電所や鉄鋼、化学工場などが集中し、CO2の排出量が約六割を占める港湾地域の脱炭素化は喫緊の課題と考えています。

 既に全国六地域、七港湾の先行例を始め、今現在、各地で三十九の港湾地域だと聞いていますが、カーボンニュートラルポートの検討会が始まっております。そのカーボンニュートラルポートの形成に向けた検討会報告書、昨年十二月では、カーボンニュートラルポートの役割について、水素、燃料アンモニア等の大量、安定、安価な輸入、貯蔵等を可能とする受入れ環境の整備が真っ先に書かれております、先ほど来議論がされていたと思いますが。

 政府全体として、脱炭素電源として水素、アンモニア等を重視していることは承知しておりますけれども、水素などの輸入受入れ環境整備と港湾そのものの脱炭素化がどうリンクするのでしょうか。つまり、輸入だけ受け入れていることで、港湾そのものが脱炭素化が進むわけではないと思いますので、大臣並びに資源エネルギー庁に伺います。

    〔委員長退席、中根委員長代理着席〕

斉藤国務大臣 水素、アンモニアの貯蔵と港湾の脱炭素化がどうリンクするのかという御質問でございます。

 港湾は、サプライチェーンの拠点であり、その周辺地域を含めれば、我が国の二酸化炭素排出量の約六割を占める産業の多くが集積する地域です。港湾は産業の集積地域であるということ、そして、このため、港湾において水素や燃料アンモニア等の受入れ環境を整備することにより、サプライチェーンを構成する船舶に、荷役機械等における水素や燃料アンモニア等の利用だけでなく、産業集積地である港湾・臨海部に立地する企業が連携して広く利用することを促進し、港湾・臨海部における脱炭素化を進めることができる、このように考えております。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けましては、今斉藤大臣からもございましたが、カーボンニュートラルポートの形成と並行いたしまして、隣接する発電所や工場などの施設におきます水素、アンモニアの活用を進めていくこと、これが重要でございます。したがって、このために、安定的かつ低コストな供給を実現する水素、アンモニアの国際サプライチェーンの構築が不可欠でございます。

 このため、経済産業省では、液化水素運搬船や陸上タンクといった輸送、貯蔵設備の整備やその大型化、そして、CO2排出低減に資する水素の利用やアンモニア製造方法などの技術開発、実証等を推進しているところでございます。

 引き続き、国交省と連携し、こうした輸送、貯蔵設備の整備や、関連する技術開発、実証を着実に進めながら、大規模な水素、アンモニアの国際サプライチェーンの構築に向けて取り組んでまいります。

高橋(千)委員 エネ庁にもう一言伺いますけれども、エネルギー基本計画においては、水素等の電源構成、二〇三〇年はまだ一%にとどまるということであります。ですから、何か、輸入をしてきたことでそれがサプライチェーン全体に行き渡るというのも、タイムラグがかなりあるという理解でよろしいですよね。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、二〇三〇年におけるエネルギーミックスの中、この中での電源構成におきましては、水素、アンモニアで一%程度ということを示してございます。

 一%と申しますけれども、相当の水素、アンモニアの量が必要になりますので、そのためには、今から供給量の確保のためのサプライチェーンの構築、それが極めて重要かというように考えてございます。

    〔中根委員長代理退席、委員長着席〕

高橋(千)委員 相当な量、それはもちろんそうなんですよ、圧縮もしなきゃいけないし。だけれども、それが全体として間に合っているというか、要するに、カーボンニュートラルの話をしているわけですから、それとの関係ではタイムラグがあるよねということを指摘したかったわけです。それは大臣に対してもお分かりいただけると思うんですね。

 具体の議論に入りたいと思うんですが、停泊中の船舶のアイドリングストップ、これを可能にする陸上電力供給施設の導入というのが、これはまた全体のCO2排出量の中でかなり大きな、六割くらいですかね、占めるという点では、法改正の重点だと思います。

 それで、固定資産税に対する補助というような形で後押しをするのか。それで、じゃ、この陸上電力供給施設、実証作業とかは進んでいるのは承知しています。それで、何を電源に、いつ頃までに、どのくらいといった見通しがあるでしょうか。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 停泊中の船舶に陸上から電力を供給することを可能とする陸上電力供給設備は、船舶のアイドリングをストップさせることができまして、港湾における脱炭素社会の実現に貢献する取組の一つでございます。

 陸上電力供給設備については、これまでフェリーやタグボート、官公庁船など、小型船に対して導入が進んでいる状況でございまして、今後も導入が進んでいくものと考えております。

 一方、陸電の導入促進に当たりましては、船舶側の対応見通しなど不透明なこともありまして、現時点でいつまでにどれくらいといった見通しをお示しすることはできかねますけれども、港湾の重要度、それから、船舶の陸上電力設備に対する対応状況等を踏まえまして、港湾管理者や利用者と連携をして導入を進めてまいりたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 小型のフェリーなどにはもう実用化が進んでいるけれどもということで、やはりこの点でもちょっと時間がかかるであろうということが分かったと思います。

 そういう意味で、数値目標を港湾全体でどう具体化するかというのが第一歩だと思うんですね。さっきから言っているのは、二〇三〇年の一つの節目にはかなり間に合わないんじゃないのかなと正直思うわけですね。そういう意味で、港湾全体における脱炭素化の数値目標、どのように示していくのか、大臣に伺います。

斉藤国務大臣 大きく二つございます。

 一つは、水素、燃料アンモニア等を安定的に供給するための環境整備を進めることで港湾・臨海部に立地する製造業等の脱炭素化に貢献すること、それから二つ目としては、港湾施設の脱炭素化を通じて荷主や船社から選ばれる競争力のある港湾を形成すること、この二つでございます。

 具体的には、水素等の供給に関しては、港湾における水素、燃料アンモニアの取扱貨物量を二〇三〇年に水素換算で百万トンとする目標を定めております。

 それから、港湾施設の脱炭素化に関しましては、コンテナを取り扱う低炭素化荷役機械の導入割合を二〇三〇年度に七五%とする目標を定めております。

高橋(千)委員 脱炭素化に対する数値目標、つまり政府の四六%減に直接リンクしている目標とは言えないですよね。

斉藤国務大臣 そことは直接リンクをしておりませんけれども、最終的にはそこにリンクさせる必要があろうかと思いますけれども、現時点で、二〇三〇年時点の目標を明確にしているところでございます。

高橋(千)委員 そこをどう示していくかというのが課題だと思うんですね。

 例えば、大臣おっしゃった、水素の百万トンというのは二〇三〇年。それは、トータルで三百万トンですよね。二百万トンは化石燃料からできたグレー水素がそのまま維持されて、プラス百ですから、そういうレベルだということが、まず認識をしなければならないなと思うんですね。

 それで、次に行きますけれども、CNP形成計画策定マニュアルには、対象港湾及び周辺地域におけるCO2排出量を推計するとされています。各港湾におけるCNPにおいては、排出量を示した上で、どのくらい減らしていけるかを示す必要があります。

 そこで資料の1ですが、仙台塩釜港カーボンニュートラルポート協議会の資料であります。もちろん、政府のマニュアルに沿っていますから考え方は一緒でありますが、関係する事業者からのアンケートやヒアリングで、エネルギーの使用量を足し上げて、それにCO2の排出係数を乗じることで算出すると。非エネルギーの温室効果ガスなどもあるとすれば、それもヒアリングで足し上げていくということなんですね。

 二枚目を見ていただいて、その足し上げていく範囲なんですけれども、ターミナル内の出入りする船舶、これは青い矢印、船舶の移動があります。船舶あるいは車両などの移動が分かります。それから、ターミナル外だけれども、工場及び附帯する港湾施設、倉庫、物流施設ということで、その範囲を色分けして地図に落としていると。こう見ると、かなりの広さなんですよね。

 零細な事業者など、エネルギー使用量の情報が得られない企業などからどれだけ協力を得るかが鍵になると思いますが、どのようにやっていくのでしょうか。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾における脱炭素化の推進に当たっての数値目標として、港湾及びその周辺地域におけるCO2排出量が重要な指標の一つであると考えております。

 昨年公表いたしましたCNPの形成計画策定マニュアルにおきましては、このCO2の排出量の算定方法についてお示しをしているところでございまして、これを把握するためには、委員御指摘のとおり、民間事業者の協力が必要不可欠であるというふうに考えております。

 国土交通省としては、民間事業者の協力が得られるように、港湾管理者が設置する協議会に参画いたしまして、民間事業者に対して情報提供を行ったりしてカーボンニュートラルの取組の支援を行って、民間事業者の協力が得やすい環境の整備、これを行っております。

 また、マニュアルでは、ヒアリング調査などからエネルギー使用量が得られなかった企業等に対しまして、生産量であったり、あるいは貨物量等の活動量、これからCO2排出量を推計する方法も紹介しております。

 国土交通省としましては、港湾管理者がCO2排出量を推計いたしまして、脱炭素化推進計画をスムーズに策定できるように、引き続き支援してまいりたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 先ほど来、協議会に参加する企業に対してのインセンティブなどの議論もありました。私、それも必要なことだと思うんですね。

 今、活動量云々というお話がありましたけれども、いずれにしても負担なんだと思うんですよ、そういう、今まで出していなかったデータを出さなければならないということ。だけれども、それができなければ、本当に中途半端なデータになって、計画になってしまうということで、やはりその協力が得られるような努力というのが本当に必要だと思いますので、インセンティブも含めて、しっかりと対応していただきたい、このように思います。

 そうしたことが背景にあるのかなということもあるんですが、第五十条の二に、港湾脱炭素推進計画の作成について、港湾管理者ができる規定にとどまっているのはなぜなんでしょうか。

 やはり、目標とプロセスを明確にしなければ、カーボンニュートラルは現実性がないと思うんですね。せめて努力義務ということにすべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 港湾における脱炭素化の取組は、各港湾の機能や利用状況に応じて異なるとともに、関係する多岐にわたる民間事業者それぞれの事情を踏まえて対応することが重要だと考えております。

 また、港湾法の基本原則である地方自治を尊重する観点を踏まえまして、港湾管理者が脱炭素化推進計画を作成することができるという規定にしております。

 国土交通省としましては、各港湾において脱炭素化推進計画の作成に取り組んでいただけるように、港湾管理者と連携しながら、しっかりと取組を進めてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 やはり、その目標が明確にならないことと併せて、本当にそこをやっていくのかという政府の思いが伝わらないですよね。だから、競争力には勝つんだとなっているけれども、そもそもカーボンニュートラルという、その姿勢自体が諸外国から見ても遅れているわけですから、そこからいったら、遅れたところから出発するんだったら、本気でやるんだというところがないといけないと思うんですが、もう一声、大臣、どうですかね。

斉藤国務大臣 先ほどの御質問は、できるという表現が弱いということでございますが、あくまでも地方自治を尊重する観点、あくまでも、港湾の主体者は港湾管理者、地方自治体であるということから、しかしながら、だからといって、我々国として、このカーボンニュートラルポートに関しての姿勢が弱いということではございません。断固たる決意で進めていきたいと思っております。

高橋(千)委員 失礼しました。

 都合のいいときだけ言わないように、地方自治を言わないようにしていただきたいなと思うんです。しっかりとお願いしたい。

 そこで、カーボンニュートラルポートとは直接関係のない改正も幾つか入っております。

 港湾緑地についてなんですが、Park―PFIの手法を取り入れるということで、資料の3、昨年の財政審の建議で、「地域のにぎわい創出を図りつつ、民間資金を活用したインフラの維持・更新」ということが書かれました。

 今年六月三日のPPP/PFI推進アクションプランで、「河川、港湾等、他のインフラ分野においても」と例示をされました。

 そのイメージが、これは都市公園法のPark―PFIのイメージ図が、次の4の資料ですけれども、特例措置として、管理許可の期限を最長十年から二十年まで延長して、建蔽率は二%から一二%まで引き上げて、絵にあるように、カフェなどの収益を使って公園を整備してもらう、そういう仕組みだったわけですが、今回はParkを参考にというけれども、貸付期間が最大三十年になっている、それはなぜかということと、建蔽率が、じゃ、どうなるのか、お答えください。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 都市公園法に基づく公募設置管理制度、いわゆるPark―PFI制度における事業期間は最大二十年とされておりますが、今回、制度を創設いたします緑地等の行政財産の貸付けにおける貸付期間につきましては、基本的に、国有財産の場合は最大三十年、地方自治法の行政財産の場合は特に期間の制限はないということでございます。

 これは、民間事業者が安定的に事業を行う環境を整備する観点から、基本的に、国有財産法及び地方自治法の行政財産の貸付期間の規定を準用して設定しているものでございます。

 また、都市公園法においては、都市公園内の収益施設の建蔽率や占用物件に係る制限が規定されておりまして、Park―PFI制度において、その特例措置が設けられておりますけれども、港湾法においては、港湾施設内の建蔽率等を制限する規定はなく、必要に応じて港湾管理者が条例により規制しているところでございます。

高橋(千)委員 国有財産と強調しましたが、に準じてでありますので、都道府県などが管理するところも三十年なんですよ。つまり、それだけ、ペイするためには三十年もかかるという、大型のものを検討しているということが念頭にあると思うんです。

 港湾法において緑地とは、港湾の環境の整備のための施設と定義をされています。労働者や一般市民の憩い、スポーツの場であるとともに、防災拠点としても重要な役割を本来持っているんですね。民間資金によって老朽化とか陳腐化した緑地のリニューアルを図ると一般的には説明されていますが。

 ただ、例えば、大阪市港区の築港地区で埋立てを含む緑地整備と民間施設の開発を組み合わせたPFIを検討しております、緑地五・一ヘクタール。採算性が見込めないので今埋立てを中止していると昨年報道されていますが、今年三月に導入可能性検討調査業務委託報告書が出されていて、ホテル、マンションなどが視野に入っているということや、背後地の再開発とセットで採算性を図る、近県からのアクセスも考えているので、夢洲のIRを見通したホテル建設などが可能性として提案をされている。

 ということは、そもそも自治体が港湾計画に盛っているわけですから、だったら、今後の計画の中で、緑地が位置づけられれば、必ずしも老朽化しているとかではなくても、埋立計画と一体でやるということもあり得るということですよね。いかがですか。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 本制度を活用する場合には、民間活力を最大限に生かす観点から、港湾管理者による公募が行われることを想定しておりまして、新たに整備される収益施設については、民間事業者の提案を踏まえて港湾管理者が判断するというふうに考えております。

 本制度におきまして、民間事業者が作成した港湾環境整備計画を港湾管理者が認定する際には、港湾計画との整合性に加えて、当該港湾の環境への向上への寄与であったり、利用等に支障がないかなど、事業者が整備する収益施設等も含めて計画の内容を審査することとしておりまして、港湾の機能に著しく支障を来すおそれがあるものが整備されることは想定してはおりません。

高橋(千)委員 否定しなかったと思います。だって、大阪市がそういう計画を持っているんですから整合性が取れていると判断するに決まっているじゃないですか。そこをきちっと言わなければ駄目なんです。緑地の本来の役割とは全く違うということを指摘をしておきたいと思います。

 最後のやつ、時間がなくて行けませんでしたが、サイバーポートの問題も一言言いたかったんですが、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

木原委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 有志の会の福島伸享でございます。

 たった十分の質疑時間ですので、簡潔な答弁をお願いいたします。

 今回の法改正の柱の一つが、今まで議論にありましたような港湾における脱炭素化でありますが、本改正法案に定める港湾自体の脱炭素化に加えて、運輸部門全体での脱炭素化が大事だと思っております。

 第六次エネルギー基本計画では、エネルギー消費原単位の小さい輸送手段への転換を図るモーダルシフトを推進というようなことも書かれておりまして、そこで大事なのは、鉄道の話ばかりで恐縮なんですけれども、鉄道貨物の役割というのは非常に大事だと思っております。

 鉄道貨物は、トラックと比べてCO2の排出原単位が約三分の一であるとされております。しかし、四月二十日の国土交通委員会で私質問しましたように、地元の常陸那珂港というのがあって、そばにひたちなか海浜鉄道が走っているんですが、港と鉄道の、今、既存の線路の間に線路がないから、どうしてもトラックで運んでしまうということになっておりまして、港から直接鉄道にコンテナを積むというような、諸外国で行われるような、そうした海上コンテナと陸の輸送の一体化が必要であるのではないかなというふうに思っております。

 今年の七月に今後の鉄道物流のあり方に関する検討会というものの中間取りまとめがまとめられて、国際海上コンテナの海陸一貫輸送への対応という項目が挙げられていて、その中でも、貨物駅と港湾との間のドレージ輸送が必要、つまり、鉄道駅と港の間に、トラックで運ばなきゃならないので、それが鉄道貨物の促進の障害になっているというような指摘もされております。

 今は貨物列車が改良されて、四十フィートの国際的な貨物コンテナをそのまま載せられるような貨車も開発されているようでありますので、そうした港湾が運輸部門の脱炭素化に大きな役割を果たすよう、船舶輸送と鉄道貨物との連携をもっともっと進めるべきだと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

斉藤国務大臣 モーダルシフトという面で、船舶輸送と鉄道輸送、しっかりこれをつなげていく、慫慂していくということが非常に重要だと思います。

 国際基幹航路の維持拡大を図る上では、広く貨物を国内各地から京浜港や阪神港に集めることが重要であると考えており、脱炭素やトラックドライバー不足対策の観点からも鉄道の活用促進が大変有効であると考えております。

 そのため、先ほど福島委員おっしゃいました四十フィートの大きなコンテナも鉄道輸送できるように、背丈の高い海上コンテナを鉄道輸送できるよう、開発中の新型低床貨車を活用した実証事業の支援などの取組を検討しております。

 今後も、これらの施策に着実に取り組むとともに、地方の港湾においても、必要に応じて検討を実施し、港湾と鉄道輸送の連携についてしっかりと推進していきたいと思います。

福島委員 ありがとうございます。前向きな答弁ありがとうございます。

 もうこれまで、改正法の第三条の二第三項の基本方針の中にも、例えば国際海上コンテナと鉄道輸送の一貫輸送の促進とか、そういうことを書けばいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

斉藤国務大臣 今回、先ほど、検討、連携についてしっかりと推進していくということを申し上げました。どういう形で具体的にこれを進めていくか、また、検討させていただきたいと思います。

福島委員 慎重な答弁ですけれども、是非基本方針には書いていただければと思います。

 せっかくの法案質疑なので、法案の質問もさせていただきます。

 改正法案第五十五条の二の二第一項で、災害復旧工事等を円滑に行うため、国や港湾管理者が委託した者に港湾工事のための調査又は測量を行うための土地への立入り権限を与えております。これは、どういう目的で改正したのでしょうか。

堀田政府参考人 お答えいたします。

 近年、激甚化、頻発化している風水害や切迫する大規模地震によって港湾が被災した場合、港湾機能の早期復旧に向けて、迅速かつ効果的に被災状況を把握する必要がございます。

 国や港湾管理者の職員数が減少傾向にあることから、更なる民間活用の推進が必要でありまして、連携して災害対応を担う民間事業者が活動しやすい環境を整備することが重要だというふうに考えております。

 このため、港湾工事のための調査又は測量を行うため、やむを得ない場合があるときに、国土交通大臣又は港湾管理者が委任した者を他人の土地に立ち入らせることができるように改正を行うものでございます。

福島委員 もうちょっと背景を説明してほしかったんですけれども。

 法案の説明資料には、これまで所有者の同意が得られずに調査できなかったような事案が発生というふうに書かれております。

 要は、民間の人が行ったら、おまえ、調査させないよと言われちゃうから、それができるようにやるということだと思うんですけれども、いいですよね、それ。うなずいていただければ。という側面もあるんですよね。いいです。

 条文の規定は、国土交通大臣又は港湾管理者は、職員又はその委任した者を他人の土地に立ち入らせることができるということでありまして、ほかの海岸法とか道路法の規定と若干違います。資料に道路法とか河川法、海岸法の規定がございますけれども、これは道路管理者が立ち入ることができるということになり、更にその立入りを妨げてはならないという条文があって、それに懲役や罰金というのがついているんですね。

 法案説明資料の二、所有者の同意が得られず調査ができなかった事案が発生ということですけれども、今回の法改正によって、立ち入りしないでくださいと言われた場合に、土地の所有者はその立入りを拒むことはできるんでしょうか。

堀田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、この法改正、港湾法五十五条の二の二について、土地の立入りを拒み、又は妨害した場合における土地所有者等に対する受忍義務及びそれに対する罰則はございません。

 港湾においては、防波堤や岸壁等の公共性の高い施設と倉庫等のような営利性を帯びた施設が混在しているため、港湾法はこれらの複合体を管理するという点において、河川や道路とは違うという状況にございます。

 したがいまして、このような港湾の特性を踏まえまして、港湾法は、土地の立入りの規定につきまして、その適用対象を抑制的なものとすることから、土地の立入りに係る受忍義務であったり、あるいは罰則を伴う私権の制限についても同様の考え方により規定をしなかったものと考えております。

福島委員 本当にそれでいいんでしょうか、大臣。

 ちょっと私はお聞きしたいんですけれども、結局、立入り権限を民間の人に与えたとしても、土地の所有者が拒んじゃえばできないんですよ。災害や緊急時のときにそれが必要だというのは、例えば災害対策基本法にも、この資料の裏のページですけれども、そういう規定があるんですね、立入検査をさせることができると。それを拒めば、やはり罰則があります。

 私と大臣が一緒に、ジェー・シー・オーの事故の後に作った原子力災害対策措置法でもこの条文を引いているというのは、緊急時対応のときに、どうしても私権の制限が必要になるときがあるんですね。そのための項目であって、罰則もないような立入りの権限というのは、いざというときに効果を持たないわけです。現に、役所の法案説明の資料にも、所有者の同意が得られず調査できなかった事案が発生と書いて、それを法改正の理由の一つにしているにもかかわらず、所有者の同意を得ないことに対して何も対応できない法律というのは、私は欠陥法だと思います。

 今年の通常国会から、私、国土交通委員会に所属させていただいておりますけれども、建築物省エネ法にしても盛土規制法にしても、国交省の法案というのは、そうした罰則の作り方とか規制の仕方が非常に甘いんだと思うんですね。

 だから、この間の知床の事故のように、何か起こったら改めて改正をするということをやって、何でこれはそうしなかったのと言ったら、これは内々の話で、言った人のあれにすることはできないですけれども、昭和二十五年に法律を作ったときの条文のままだからと言っているんですよ。つまり、何も起きないから改正しない、そうした怠慢なある意味法改正なんじゃないかなとも私は思えてしまうんです。

 そこで、斉藤大臣、これ、災害対応のためというんだったら、ほかの道路法とか河川法とか、あるいは災害対策基本法とか下水道法とか、みんな、立入りに関しては義務がかけられ、罰則がかけられる形にしているんですよ。そういうふうに改正すべきであったと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

斉藤国務大臣 今回の港湾法の改正では、他人の土地に立ち入らせることができる者として、国土交通大臣又は港湾管理者の委任を受けた者を追加することとしております。

 今回の改正により、被災状況を把握する際に民間活用を更に推進することが可能となり、国や港湾管理者の職員が減少している中であっても、被災状況を迅速かつ効率的に把握することができるようになるという効果があると考えております。

福島委員 そういう紙を役所に持たされて読んじゃいけないと思います、私は。

 緊急時なんだから、緊急時にやるんだから、そうした法的な強制力を持ったことをやって、それは抑制的には運用した方がいいかもしれないけれども、条文としてちゃんとその権限を用意すべきであると思います。今回の法改正はある意味で欠陥がある法案だと言わざるを得ないということを申し上げさせていただきまして、質問とさせていただきます。

 以上です。

木原委員長 次に、たがや亮君。

たがや委員 れいわ新選組の番犬、たがや亮です。

 港湾法の一部を改正する法律案について質問をいたします。

 今回の港湾法改正の第一の目的として、脱炭素化の推進が挙げられております。私たちれいわ新選組も、脱原発、グリーンニューディールを公約として掲げており、二〇五〇年までのできるだけ早い段階で脱炭素実現を目指しております。

 問題は、脱炭素化の中身です。日本は、二〇一七年、世界に先駆けて水素基本戦略を策定いたしました。それによって水素エネルギーを推進することはいいのですが、水素の精製方法が問題です。

 水素には、資料一にあるように、五種類から形成されており、精製方法も、資料二のように環境負荷度合いが違います。日本が輸入推進しようとしているのはグレー、ブルー水素。アメリカ、イギリスなどではグリーン水素推進です。

 エネルギーを輸入するというだけでも安全保障上重大な問題だと思いますが、なおかつ、グレー、ブルー水素では、脱炭素化に寄与しません。にもかかわらず、我が国日本の水素サプライチェーンの整備はグレー、ブルー水素のためのものになってしまっております。今回の港湾法改正はまさにそうです。

 水素、アンモニアを何から作るかということが脱炭素化に重要になります。脱炭素化のためには、自然エネルギー由来のいわゆるグリーン水素でなければなりません。日本政府は化石燃料由来のグレー、ブルー水素をいまだに優先しているかのようですが、世界の潮流に逆行しないようお願い申し上げます。

 そして、今後、グリーン水素のコストは大幅に低下すると予想されております。自然エネルギーの拡大と低価格化、そして技術革新の成果だということです。これがIEA、国際エネルギー機関を始め多くの研究機関の共通見解です。

 水素、アンモニアの利用を促進するなら、グリーン水素を供給する戦略として、再生可能エネルギーの供給拡大が急務と言えます。

 資料三を御覧ください。何が安いエネルギーか、一目瞭然だと思います。世界では、近年の化石燃料の高騰により、自給できる再生可能エネルギーへの転換がますます加速しております。

 日本は、現在、発電の七四%を化石燃料に依存しておりますが、これは安全保障上大きな問題であり、同時に、エネルギー政策において世界から後れを取ると思います。

 グレー水素やブルー水素の利用につながってしまいかねない脱炭素化に逆行する港湾整備は、無駄なインフラ投資になりかねないと考え、れいわ新選組としては反対ですが、大臣のお考えをお聞かせください。

斉藤国務大臣 水素につきましては、エネルギー基本計画において、カーボンニュートラルに必要不可欠なエネルギーと位置づけられております。

 また、今後、海外からの大量の水素等の輸入が想定されており、港湾においては、サプライチェーンの拠点として、受入れ環境の整備を進めていく必要があると考えております。

 いずれにいたしましても、国土交通省としては、政府のエネルギー政策に沿って、港湾における必要な対応を講じてまいりたいと思っております。

たがや委員 大臣、ありがとうございます。

 そういう答弁にならざるを得ないのは分かっておりますけれども、一番大事なのは、半導体もしかりなんですけれども、日本のエネルギー政策も世界と比べて一周、二周遅れにならないかということとかが心配なので、しっかりやらなきゃなということです。

 グレー、ブルー水素のためにつながりかねない港湾整備ではなく、脱炭素化に資する、太陽光を始めとする再生可能エネルギーの普及と港湾整備が必要となりますが、それを要求して、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。

木原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表して、港湾法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行います。

 深刻化する気候危機の下、発電所、鉄鋼、化学工場などの多くが立地し、CO2排出量の約六割を占める港湾地域の脱炭素化を推進することが重要なことは言うまでもありません。

 しかし、本法案では、港湾の脱炭素化の目標となる数値すら設定されず、港湾管理者に対して、港湾脱炭素化推進計画の作成はできる規定にとどまっています。これでは、政府自ら立てた二〇五〇年カーボンゼロという目標を達成しようという姿勢すら見えません。

 港湾脱炭素化推進計画の土台となるべきCNP形成計画策定マニュアルにおいても、優先されているのは水素、燃料アンモニア等の大量、安定、安価な輸入や貯蔵などを可能とする受入れ環境等の整備です。

 例えば、先行例の一つである小名浜港は、周辺に石炭火力発電が多く、さらに、石炭ガス化複合発電、IGCCと呼ばれる新発電所の建設も進んでいます。水素、アンモニア等の混焼に順次切り替えていく方針とはいえ、新増設も含め、石炭火力発電の延命策にほかなりません。

 エネルギー源が化石燃料由来からCO2フリーに切り替わっていくテンポは余りに遅く、カーボンニュートラルがかけ声のみに終わる危険性すらあります。これが第一の理由です。

 第二の理由は、港湾緑地等に貸付制度を導入することにより、民間開発事業者が港湾緑地を自由に使用することが可能となり、住民等の共有財産である港湾緑地の本来の機能が損なわれることが懸念されるからです。

 一たび事業者に貸し付けてしまえば、最長で三十年間もの期間、民間事業者の収益獲得の手段として利用されるおそれがあります。

 Park―PFI制度と違い、設置許可でなく貸付けであること、建物の建蔽率の制限がないこと、敷地全体の貸付けが可能なことなど、民間事業者にとって開発参入が容易になっています。既に大阪や横浜等で進む港湾の乱開発を促進することになりかねません。

 以上を述べて、反対討論といたします。

木原委員長 次に、たがや亮君。

たがや委員 れいわ新選組を代表し、港湾法の一部を改正する法律案について、反対の討論をさせていただきます。

 今回の港湾法改正の第一の目的として、脱炭素化の推進が挙げられております。しかし、問題は脱炭素化の中身です。

 日本は、二〇一七年、世界に先駆けて水素基本計画を策定いたしました。それによって水素エネルギーを推進すること、それ自体については反対はしませんが、その水素が何から生成されているのかが非常に重要であり、日本が推進しようとしているのは、海外から輸入する化石燃料から生成されるグレー、ブルー水素です。そして、アメリカ、イギリス等が推進しているのはグリーン水素です。

 エネルギーを輸入するというだけでも安全保障上重要な問題だと思いますが、なおかつグレー、ブルー水素では脱炭素化に寄与しません。にもかかわらず、我が国日本の水素サプライチェーンの整備は、グレー、ブルー水素のためのものになってしまっているということです。

 今回の港湾法改正はまさにそうです。水素、アンモニアを何から作るかということが脱炭素化に非常に重要であり、脱炭素化のためには、自然エネルギー由来のいわゆるグリーン水素でなければなりません。日本政府は、化石燃料由来のグレー、ブルー水素をいまだに優先しているかのようですが、世界の潮流に逆行しないようお願いを申し上げます。

 今後、グリーン水素のコストは技術革新などにより大幅に低下すると予想されている、これがIEA、国際エネルギー機関を始め、多くの研究機関の共通見解です。水素、アンモニアの利用を促進するなら、グリーン水素を供給する戦略として、再生可能エネルギーの供給拡大が急務と考えます。

 世界では、近年の化石燃料の高騰により、自給できる再生可能エネルギーへの転換がますます加速しています。日本は、現状、発電の七四%を化石燃料に依存しておりますが、これは安全保障上大きな問題であり、同時に、エネルギー政策において世界から後れを取ります。

 グレー水素やブルー水素の利用につながりかねない脱炭素化に逆行する港湾整備は、無駄なインフラ投資になりかねない、かつ、グレー、ブルー水素のサプライチェーンの整備になりかねない、今回の港湾法の改正には反対をせざるを得ないと申し上げて、反対討論といたします。

木原委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

木原委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、港湾法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

木原委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、津島淳君外四名から、自由民主党、立憲民主党・無所属、日本維新の会、公明党及び国民民主党・無所属クラブの五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。谷田川元君。

谷田川委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。

    港湾法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 港湾における脱炭素化の推進には船社等港湾の利用者による取組も極めて重要であることから、水素やアンモニアを動力源とする船舶の利用見込みやこれらによる脱炭素化の数値目標、効果についても指標として明確化するとともに、これらの船舶の早期実用化に向け必要となる技術開発への支援にも努めること。

 二 港湾における脱炭素化の推進のため、地方港湾に対しても、港湾脱炭素化推進計画の策定を促すとともに、事業者が同計画に基づく港湾脱炭素化促進事業により取得する荷役機械に対する税制上の措置のみならず、同計画に伴って整備する港湾設備への補助等の予算措置について検討すること。あわせて、老朽化した港湾施設の更新、周辺道路の整備、航路の浚渫等、港湾管理に必要な事業に対する支援についても充実を図ること。

 三 港湾脱炭素化推進計画の実効性確保の観点から、関係事業者の労使双方が港湾脱炭素化推進協議会の構成員として参画できるよう、港湾管理者に配慮を求めること。

 四 感染症等のリスク発生時における港湾施設の管理代行が円滑に行われ、その機能が確実に維持されるよう、港湾管理者が要請を行うべき状況を事前に検討し、平常時から連携体制を確立する等十分に備えておくこと。

 五 港湾の緑地等の再整備等における民間事業者の活用に当たっては、都市部から離れた港湾にあっても、魅力ある賑わい空間が創出できるよう、アクセス確保の在り方について検討すること。

 六 港湾の緑地等の再整備における民間事業者の収益の充当に当たっては、同事業者の意見が十分に反映されるものとなるようにするとともに、認定された港湾環境整備計画以外の再整備等に関しては、民間事業者の収益を充当することがないよう、港湾管理者に配慮を求めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

木原委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣斉藤鉄夫君。

斉藤国務大臣 港湾法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心に御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 誠にありがとうございました。

    ―――――――――――――

木原委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

木原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.