第15号 令和5年5月24日(水曜日)
令和五年五月二十四日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 木原 稔君
理事 加藤 鮎子君 理事 津島 淳君
理事 中根 一幸君 理事 長坂 康正君
理事 伴野 豊君 理事 谷田川 元君
理事 赤木 正幸君 理事 伊藤 渉君
泉田 裕彦君 小里 泰弘君
柿沢 未途君 菅家 一郎君
工藤 彰三君 小林 史明君
櫻田 義孝君 塩崎 彰久君
杉田 水脈君 田中 英之君
田中 良生君 冨樫 博之君
土井 亨君 中川 郁子君
中村 裕之君 西田 昭二君
西野 太亮君 根本 幸典君
平沼正二郎君 深澤 陽一君
宮崎 政久君 武藤 容治君
吉田 真次君 枝野 幸男君
小熊 慎司君 城井 崇君
小宮山泰子君 神津たけし君
下条 みつ君 末次 精一君
一谷勇一郎君 前川 清成君
山本 剛正君 北側 一雄君
中川 康洋君 古川 元久君
塩川 鉄也君 高橋千鶴子君
福島 伸享君 たがや 亮君
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国土交通大臣 斉藤 鉄夫君
国土交通副大臣 石井 浩郎君
国土交通大臣政務官 西田 昭二君
政府参考人
(財務省理財局次長) 嶋田 俊之君
政府参考人
(文部科学省大臣官房総括審議官) 井上 諭一君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 井上 博雄君
政府参考人
(国土交通省大臣官房長) 宇野 善昌君
政府参考人
(国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官) 鶴田 浩久君
政府参考人
(国土交通省総合政策局長) 瓦林 康人君
政府参考人
(国土交通省国土政策局長) 木村 実君
政府参考人
(国土交通省不動産・建設経済局長) 長橋 和久君
政府参考人
(国土交通省都市局長) 天河 宏文君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 岡村 次郎君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 丹羽 克彦君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 塩見 英之君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 上原 淳君
政府参考人
(国土交通省自動車局長) 堀内丈太郎君
国土交通委員会専門員 鈴木 鉄夫君
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委員の異動
五月二十四日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 塩崎 彰久君
根本 幸典君 平沼正二郎君
古川 康君 西野 太亮君
高橋千鶴子君 塩川 鉄也君
同日
辞任 補欠選任
塩崎 彰久君 吉田 真次君
西野 太亮君 杉田 水脈君
平沼正二郎君 根本 幸典君
塩川 鉄也君 高橋千鶴子君
同日
辞任 補欠選任
杉田 水脈君 古川 康君
吉田 真次君 谷川 とむ君
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五月二十三日
特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、承認第二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、承認第二号)
国土交通行政の基本施策に関する件
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○木原委員長 これより会議を開きます。
国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長宇野善昌君、大臣官房公共交通・物流政策審議官鶴田浩久君、総合政策局長瓦林康人君、国土政策局長木村実君、不動産・建設経済局長長橋和久君、都市局長天河宏文君、水管理・国土保全局長岡村次郎君、道路局長丹羽克彦君、住宅局長塩見英之君、鉄道局長上原淳君、自動車局長堀内丈太郎君、財務省理財局次長嶋田俊之君、文部科学省大臣官房総括審議官井上諭一君及び資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長井上博雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。冨樫博之君。
○冨樫委員 おはようございます。自由民主党の冨樫博之です。
早速質問に入らせていただきます。
沖縄県、奄美地方も先週梅雨入りし、いよいよ本格的な梅雨入りを迎える季節になってまいりました。
そこで、本日は、短い時間ですが、治水対策について質問をさせていただきます。
昨今の大型台風や線状降水帯の発生により、激甚化、頻発化する大規模豪雨は、全国各地で甚大な被害をもたらし、市民生活に大きな影響を与えています。
一昔前の降り方から変化する大規模豪雨に対応する治水対策について、国の考え方をお尋ねいたします。
○岡村政府参考人 お答えを申し上げます。
近年、雨の降り方が変わり、水害が頻発化、激甚化しており、今後も、気候変動の影響により、更に降雨量が増大する懸念がございます。
このため、本川、支川、上流、下流など、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して行う流域治水に転換を図ることとしております。
具体的には、氾濫をできるだけ防ぐため、堤防などの河川整備を更に加速化することに加えまして、水害リスクを踏まえた土地利用、住まい方の工夫など、まちづくりと一体となった水害対策、避難の円滑化、災害時の活動の迅速化などの取組についても進めているところでございます。
国土交通省といたしましては、引き続き、今後の気候変動も踏まえた、ハード、ソフト一体となった治水対策を推進してまいります。
○冨樫委員 次に、私の地元、秋田県の一級河川雄物川においても、平成二十九年七月、八月と二か月連続して大きな水害が発生し、中流域においては堤防整備や輪中堤整備が進んでおります。河川激甚災害対策特別事業が進められております。
また、中流域においては、令和四年度から、秋田市に河川防災ステーションの整備が進められていますが、防災ステーションは、災害時、緊急復旧活動の拠点となると考えますが、それを整備する意義と今後の展望についてお尋ねいたします。
○岡村政府参考人 お答え申し上げます。
河川防災ステーションは、災害時に緊急復旧活動や水防活動を行う拠点となるほか、平常時には地域の方々の交流や憩いの場として、様々に活用することができる施設でございます。
現在、全国の直轄河川では八十六か所の河川防災ステーションが完成をし、先生御指摘の雄物川の秋田地区河川防災ステーションを始め、二十七か所の整備を実施中でございます。
また、地域活性化に向けて、更なる活用の促進のために、河川防災ステーションのうち、特に多くの方々に利用が期待される施設をMIZBEステーションと位置づけまして、今年の三月よりその取組を開始したところでございます。
国土交通省としましては、この河川防災ステーションの整備を自治体など関係者と連携しながら進めるとともに、引き続き、防災・減災対策、そして地域活性化に努めてまいりたいと考えております。
○冨樫委員 次に、これも平成二十九年、三十年と連続して秋田市南部地域の住宅地が浸水被害を受けたところであり、直轄国道も通行止めになるなど、市民生活に甚大な影響を与えました。
国管理の雄物川、県管理の猿田川、市管理の古川が合流することにより、水位の高い一級河川に中小河川が流入できず、氾濫してしまう状況でした。
地元要望を受けて、国が中心となり、異なる河川管理が一体となって総合的な治水対策に取り組む協議会が発足して、国、県、市の三者が一緒となり、地域での説明を重ねて、治水対策に取り組む体制が機能するようになりました。
この流域治水関連法の改正、これはこのことがモデルケースになったと考えられますが、直轄河川整備と流域治水全体の調整役を担う国の役割についてお伺いいたします。
○岡村政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十九年、三十年と浸水被害が発生しました雄物川水系の支川の古川の流域では、国の秋田河川国道事務所が主導いたしまして、平成三十年八月に、古川流域の総合的な治水対策協議会、これを立ち上げて、流域の浸水被害の軽減に向けて、国、県、市が一体となってその対策をまとめたところでございます。
具体的な対策といたしましては、国の方では、雄物川本川水位の低減を図るための河道掘削を実施してございます。また、秋田県においては、支川猿田川の排水樋管の整備、秋田市では、古川排水機場や古川雨水排水ポンプ場などの整備を実施しているところでございます。
今後とも、地域住民に丁寧に説明を行いながらこれらの事業を実施するとともに、国土交通省が流域の旗振り役となって、流域治水を本格的に推進し、水災害に強い国土づくりに全力で取り組んでまいります。
○冨樫委員 特にこの地域の、今お話をしたとおり、三者協議会、国、県、市のこの協議会が令和元年にスタートしています。そして、毎年二回あるいは三回と協議会を重ねながら、その抜本的な治水対策をずっと今まで、地域住民に丁寧に丁寧に説明しながら、そしてまた、地元の意見を酌み入れてその対策に今当たっているところでありまして、今年は令和五年ですけれども、この度もその流域の総合的な治水対策の協議会を開いて、そしてまた、これも住民に説明をしていく、こういう丁寧なやり方を、今局長の方からお話がありましたけれども、是非それはお願いを申し上げたいというふうに思います。
特にこの地域は、もう昨日今日じゃないんです、長年、水害対策というよりも水害で大変悩んでいる地域なんです。ちょっと多くの雨が降ると、すぐ床下、床上に上がるんです。こういうようなことで、この地域にとっては、この抜本的な治水対策がまさに悲願であるんです。悲願の安全、安心につながっていくんですよね。
是非是非、これから本格的に工事が始まっていきますので、大臣、予算の方も含めてよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
次に、大臣にお聞きいたします。
防災・減災、国土強靱化について伺いますが、先ほども申し上げましたとおり、激甚化、頻発化する災害や社会資本の強靱化は特に力を入れて対策する必要があると考えられます。
現行の五か年加速化対策後も、これまで以上に強化する必要があると考えますが、斉藤国土交通大臣のお考えをお伺いいたします。
○斉藤(鉄)国務大臣 豪雨、地震、また火山等自然災害から国民の命と財産を守る、生活を守るということは政治に課せられた最大の使命だ、このように思っております。
そのために、五か年加速化対策で、ハード、ソフト両面にわたる防災・減災、国土強靱化を進めてまいりました。一定の効果を発揮してきている、このように思いますけれども、まだまだ対策が必要な箇所も多く残っておりまして、取組の強化が必要だと思っております。
五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に取組を進めることが重要であると考えておりまして、現在、政府におきまして、本年夏を目途に、新たな国土強靱化基本計画を策定すべく、検討を進めているところでございます。関係省庁と連携しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○冨樫委員 時間がないので要望だけにさせていただきますが、流域治水を確かなものにするためには、何としても、上流部のダムの役割は重要だと考えています。
現在、秋田県内で進められている鳥海ダムと成瀬ダム、これら、いずれにしても、早期の完成を要望させていただきたい。今順調に工事は進んでいます。引き続き御支援をよろしくお願いをいたしまして、質問に代えさせていただきます。
ありがとうございました。
○木原委員長 次に、伊藤渉君。
○伊藤(渉)委員 伊藤渉です。
続いて質問に入らせていただきたいと思います。
まず初めに、今、冨樫委員からもありました、私からも、防災・減災、国土強靱化五か年加速化計画以後の取組について、これはまず大臣にお伺いしたいと思います。
社会資本の老朽化対策情報のポータルサイト、インフラメンテナンス情報、社会資本の老朽化の現状と将来予測、こういうものがございまして、これによりますと、高度経済成長期以降に整備された道路橋、トンネル、河川、下水道、港湾等について、今後二十年で建設後五十年以上を経過する施設の割合が加速度的に高くなる、これは以前から言われていることでございます。
ここでは、さらに、長寿命化等による効率化の効果を示すために、事後保全、壊れてから直すという考え方を基本とする試算と、予防保全、壊れる前に手を入れて直す、こういう考え方を基本とする平成三十年度推計というものの比較を行っています。これによると、予防保全の考え方を基本とする推計では、先ほどの事後保全と比較して、維持管理、更新費が二十年後で三〇%減少、三十年後では五〇%減少するという試算がございます。
つまり、予防保全、今、必要な予算を確保しつつ、着実に防災・減災、国土強靱化を進めるということは、財政の健全化という視点からも寄与すると私は考えておりますので、大変重要な取組だと思っております。
その上で、国土強靱化五か年加速化対策は今年度で三年目を迎えまして、防災・減災対策は着実に進んでおります。
一方で、地方自治体からは、五年後、もちろん先を見据えて仕事をしますので、五年後、加速化対策後も、継続的な取組のために、中長期的かつ明確な見通しの下、安心してこの取組が推進できる仕組みや制度が必要ではないかという声も以前から上がっております。至る所でこの質問は国会で出ていると思います。
現在、与党のプロジェクトチームを立ち上げまして、議員立法で今国会での国土強靱化基本法改正案の検討を進めており、そのポイントは、やはり具体的な実施計画を策定することによって自治体等の予見可能性を高めることが一つ大きなポイントだと考えております。
先行きの見通しを持って防災・減災、国土強靱化、繰り返して申しますが、財政の健全化にも資する予防保全を中心とした考え方で取組を進めることにつきまして、まず大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○斉藤(鉄)国務大臣 先ほど冨樫委員にもお答え申し上げましたが、これまで防災・減災、国土強靱化を進めてまいりました。一定の効果が出ていると思っておりますが、まだ数多くの箇所が残っております。
それに対してどのような姿勢で臨んでいくか、予防保全と予見可能性という二つのキーワードを今、伊藤委員おっしゃいましたけれども、この二つがポイントだと思います。非常に財政的な制約も多い中で、いかに有効にこのメンテナンス、社会資本を、防災・減災、国土強靱化、整えていくか、予防保全型というのが非常に大きな重要な視点だと思いますし、また、予見可能性という意味でも長期的な見通しを立てるべきだ、このように思っております。
先ほど委員より議員立法による法改正についてのお話もございました。五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に取組を進めることが必要でございます。
現在、政府において、本年夏を目途に、新たな国土強靱化基本計画を策定すべく、検討を進めているところでございまして、関係省庁と連携しつつ、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○伊藤(渉)委員 大臣もまさに技術者でございますので、大変、予防保全も含めて、理解をいただいた答弁をいただきまして、大変ありがとうございます。我々も立法府の立場で、与野党を超えて、この取組は国民の生命財産を守る大変重要な取組ですので、進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、少し通告と順番を入れ替えまして、物流の二〇二四年問題について先にお伺いしたいと思います。
物流と一言で申しましても、そのプレーヤーは多岐にわたります。もちろん、物そのものを運んでいただくトラック事業者を始めとした事業者の皆さん、現場を回りますと、局所的な話かもしれませんけれども、トラックステーションが次々と閉鎖をしていて、長距離トラックの休憩スペースが確保されておらず、仮眠する場所に苦慮しているという声が届いてまいります。
そうした状況下では、やむを得ず道路に止めて休息を取らざるを得ないというようなお声がありますので、ちょっと私もつぶさに調べ切れておりませんので、現状がどうなっているのか、現にそういうことなのか、まず、そういうことだとしたら、対策はどうしていくことなのか、御答弁をお願いをしたいと思います。
また、物流のプレーヤーで、物を保管する倉庫がございます。これは、今政府を挙げて物流の二〇二四年問題に取り組んでいただいていますが、私、この倉庫業の存在は極めて重要だと考えています。
なぜなら、この物流を効率化するためには、発荷主、そして運ぶ人、さらに着荷主、物を受け取る人、ここの情報を共有して、例えばトラックの積載率を向上するなどの生産性の向上をする必要がある。実は、その情報が最も集約される場所の一つが私は倉庫業じゃないかと思うんです。この情報をDXに乗せて是非とも私は進めるべきだと。まだ私も気づいている範囲で、これをどうしていくかというところまで行けておりませんけれども、これからまたしっかりここも勉強、研究していきたいと思います。
この倉庫については、前回、この委員会でも説明させていただきました、生産性向上という意味でひさしに関する規制緩和なども取り組んでいただいております。
さらに、現場ではいろいろな御要望がありますが、今日取り上げさせていただくのは、一つは非常用電源装置の整備、これに対する支援が必要だということ、また、もう一つは、災害時に様々な働きをするのがまたこれは倉庫ですので、自治体による災害時の備蓄品の保管協定の推進、こういうのを進める必要があると思っていて、そのための支援を何かしていく必要があるのではないかと考えておりますけれども、こちらについても、現状の国交省としての認識と今後の取組の方向性について御答弁をお願いいたします。
○堀内政府参考人 お答え申し上げます。
長距離トラックドライバーの運行に当たり、休憩、休息施設が不足をしているということにつきましては、業界団体の方からもお話を伺っております。先生の御指摘のとおりと認識しております。ドライバーの労働環境を改善するためには、早急に対策を講じることが必要と認識しております。
また、二〇二四年四月よりトラックドライバーに対しても時間外労働の上限規制が適用されることに伴い、昨年十二月、改善基準告示が改正されたところでございます。今後も安定した物流を維持する観点から、休憩時間を含むドライバーの適切な運行管理がますます重要となっております。
国土交通省としましては、現場のトラック運送事業者の御意見も踏まえ、本年三月の関係閣僚会議において岸田総理から六月上旬を目途に取りまとめるよう指示のありました政策パッケージの中に、休憩、休息スペースの確保に向けた実効性のある具体策を盛り込めるよう、スピード感を持って対応してまいります。
以上です。
○鶴田政府参考人 倉庫について御指摘ございました。
物流において倉庫は、御指摘のあったような非常に重要な役割を担っていると認識をしております。さらに、その中で、災害が激甚化、頻発化する中で、物流の災害対応機能の強化という意味でも大変重要になっているというふうに考えております。
国土交通省では、昨年の令和四年度補正予算から非常用電源設備の導入支援予算を計上しております。
また、一部の自治体におかれましては、民間倉庫で備蓄物資を保管する協定を締結しておられて、こういったことを促すことは大変重要だと思っております。
本日いただきました御指摘を十分に踏まえまして、よく関係者の御意見を伺って、これらの取組の強化に向けてしっかり取り組んでまいります。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。かつ、我々も現場からの声を引き続き届けていきますので、取組をよろしくお願いします。
もう一問、長橋局長、お越しいただいておりまして、建設産業全体の二〇二四問題についてもお伺いしようと思いましたが、時間が来ましたので、今日はここで終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○木原委員長 次に、城井崇君。
○城井委員 立憲民主党の城井崇です。今回も、斉藤大臣、よろしくお願いしたいと思います。
まず、元国土交通次官らの民間企業人事介入問題、これに関わる航空局長と職員OBである元次官の会食についてお聞きします。
現職職員と職員OBが、報道に先立ちまして口裏合わせをしていたのではないかという疑いがあります。
五月十九日の報道によりますと、この民間企業人事介入問題を報道された二日前である三月二十八日に、国土交通省の航空局長が、問題となっている職員OBである元次官らと会食を行っていたことが明らかになりました。これを受けて国土交通大臣は記者会見を行い、会食の事実について十八日に報告を受けたとした上で、航空行政の責任者に当たる局長の対応に問題がなかったか、国家公務員の再就職などを監視する第三者機関である内閣府再就職等監視委員会に調査を依頼したと五月十九日の国土交通委員会で答弁をしました。
さらに、東京メトロ代表取締役会長をこの度退任することが閣議了解されたこの元次官、三月二十八日の直前であります二十日と二十三日に、民間企業の人事介入について報道機関から取材を受けていたことも明らかになっています。航空局長も元次官も、初報道直後の国土交通省の内部調査では会食のことを報告していませんでした。初報道後の内部調査については、今日、資料で皆様にお配りをしています。
この現職職員たる航空局長と職員OBである元次官の会食、なぜ、大臣、これは再就職等監視委員会に調査を依頼することになったんでしょうか。やはり、国家公務員法の再就職等規制に抵触する疑いがあるからということなんでしょうか。
今回の報道を受けての、航空局長から国土交通大臣に対して具体的にどのような報告があったか。実際に国家公務員法の再就職等規制に違反する可能性があるような内容の報告があったか。今回の会合、全部で何人の会合で、ほかに現役官僚や官僚OBが同席をしていたか、そしてそれはどなたか。
以上、会食の詳細とそれをめぐる対応について、大臣からお答えください。
○斉藤(鉄)国務大臣 三月二十八日火曜日に行われた本田氏も含めた複数人が参加した会合は、本田氏の友人で、セメント等の建設資材の販売等を営む会社経営者の方が、地域の経済状況や地域の航空事情等についての意見交換を目的に懇談したいとの意向を有していると本田氏から連絡がありセットされたものと聞いております。
この会合の参加者は、当該会社の経営者及び会社関係者二名と本田氏、航空局長、航空局航空ネットワーク部長の六名と聞いております。
また、六名での会食の後、本田氏、航空局長、航空ネットワーク部長の三名で二次会が行われたと聞いております。
なお、一連の会食において、空港施設株式会社の役員人事に対する現役職員の関与、現役職員による空港施設株式会社への再就職のあっせん、OBから国土交通省に対する働きかけという点についての会話は行っていないと聞いておりますが、この会食について、私に報告がなかったことから、これまで私が命じた調査の信頼性に関わることを重く受け止め、事実関係の再確認を行う必要があると考えております。
その再確認に当たりましては、第三者性や厳格性を確保すべきと判断し、念のため、極めて異例のことではありますが、再就職等監視委員会事務局に対しても情報提供し、適切に対応いただくことをお願いしたものでございます。
さらに、国土交通省においても、これまでの事実関係の調査等の再点検を行うこととしております。
○城井委員 大臣に報告がなかった、非常に重大な事実を今答弁いただいたと思います。ここは重要です。後ほど伺いたいと思います。
今回のこの会食、二次会、元官僚と現役官僚、三人、天下りあっせんの証拠隠滅や口裏合わせの可能性を指摘せざるを得ません。
四月十二日の国土交通委員会で、大臣からは、報道直後であるにもかかわらず、現職の関与はないという否定でした。
国土交通省による職員OBである次官に対する聞き取りでは、航空局現職職員とのやり取りは一切ないと回答していたにもかかわらず、その後、当該民間企業の第三者委員会報告書によると、現職職員と職員OBによってメールのやり取りが行われ、未公表の人事情報が提供されていたことが指摘され、報告書の公表後に、大臣はこの事実をお認めになったわけであります。これも大臣には報告がなかった案件であります。
今回のこの会食、この現職職員と職員OBが共謀して、常態的に、長期にわたって、個別にも組織的にも天下りあっせんを行っていたことを隠蔽するために、今回、すり合わせ、口裏を合わせるためにやったんじゃないか、この疑いがまだ晴れない状況であります。
事前に国土交通省の職員からもこの件の説明を受けましたが、私的会合だったから、そういう説明をした官僚がおりました。この言い訳は通用しないというふうに考えます。先ほどの内部調査の結果をお示ししたように、私的会合はあったがという説明がせめてあれば別ですが、完全に伏せていた、これでは信頼することができない。なぜ会食のことを伏せたのかということであります。
この航空局長と元次官、今回の会食で、個別にも組織的にも天下りあっせんを行っていたことを隠蔽するために、すり合わせするために行ったんじゃないか、このことをしっかり確認すべきだと思いますが、大臣、この点を明確にお答えいただけますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 今回の会食につきましては、航空局長からは、私的な会合であり、再就職のあっせん等に関する話を一切していないことを踏まえ、報告をしていなかったとの説明を受けております。
しかしながら、先ほど申し上げましたけれども、本件会食が、既に本田氏は取材を受けている中、報道の二日前というタイミングで開催されたものであることから、口裏合わせがなされたとの疑念を招きかねないことを重く受け止めております。事実関係の再確認を行うこととしたものでございます。
その再確認に当たりましては、第三者性や厳格性を確保すべきと判断いたしまして、念のため、極めて異例のことではありますが、再就職等監視委員会事務局に対しても情報提供をし、適切に対応いただくことをお願いいたしました。
さらに、国土交通省においても、これまでの事実関係の調査等の再点検を行うこととしております。
○城井委員 国土交通省の内部調査の点で幾つか確認をと思います。
国家公務員倫理規程に照らしますと、現職職員が利害関係者と会食する場合は、必要な内容、目的を明らかにして、しかるべく決裁を取る必要がある、こういうルールのはずです。この航空局長は、元次官との会食に当たり、内容と目的を明らかにして、決裁を取っていましたか。
○斉藤(鉄)国務大臣 その報告はありませんでした。
この会食につきまして、国家公務員倫理法上の問題がなかったかにつきまして、現在、調査を進めているところでございます。
○城井委員 調査中ということであります。
せめてこの点だけはと思いますが、大臣、まさか東京メトロの会長をしている元次官から、航空局長、おごってもらっていないですよね。ごちそうしてもらっているということはさすがにないですよね。
○斉藤(鉄)国務大臣 会費は払った、このように報告を受けておりますが、そのことも含めまして、全体、どれだけのお金がかかったのかということも含めまして、現在、調査中でございます。
○城井委員 それは先ほどの二次会も同様に割り勘なんでしょうか。きちんと支払ったということなんでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 二次会も含めまして、ちゃんと調査をしたいと思います。
○城井委員 公用車は使っていないということでよろしいですか。
○斉藤(鉄)国務大臣 公用車につきましては、久保田航空局長からは、会食場所まで公用車を利用しました。なお、会食場所から自宅までは利用しておりません。
国土交通本省の公用車は、局長級以上の幹部職員について通勤時の送迎を行っております。幹部職員の公務後の送りにつきましては、自宅に直帰しない場合には、送迎の一環として、次の目的地まで送ることとしておりまして、今回のケースはこれに当たるものだと思っております。
○城井委員 この点は更に調査をして、我々に報告いただきたいというふうに思います。
次に、メールの件を伺います。
未公表の人事情報、我々も線引きというふうに呼んでおりましたが、実際、人事課が作っている線引きとは違うものという説明を一生懸命国土交通省職員が今しています。なので、線引きに似た未公表の人事情報というふうに呼ぶようにします。
これを、特定できない、誰だか分からない送付先百七十三件に、慣習的に長期にわたって複数回メールで送っていたということ、このことについて、五月十二日の国土交通委員会で私の質問に対し、大臣が事実であると認めておられます。
これは、この人事情報はいわゆる人事異動の一覧だけではありませんでした。この線引きに似た未公表の人事情報、各部局の職員の前任、後任が分かりますし、いつ退職しそうかも分かる資料でした。
いずれ公開される人事を事前に漏らしただけだと、国土交通省は事態の矮小化に必死であります。線引き自体は、確かに本来、人事担当者でないと作ることができない。でも、今回のような線引きに似た未公表の人事情報は、これにしても、国交省五万人の職員のうち、目にできるのはごく一部のキャリアだけであります。人海戦術で似たものを内部向けに作っているだけで、国交省はいかにも大したことがないように説明していますが、今回、外部送信をされた線引きに似たこの未公表の人事情報は、個人情報の塊である上に、いずれ公表されるものではないという事実は指摘しなきゃいけません。
そんな天下りあっせん支援資料たる線引きに似た未公表の人事情報が、送付先一千五十八件、そのうち百七十三件が非政府系のアドレスでありました。この送付先に国土交通省や他の省庁の職員OBが含まれておりましたら国家公務員法の再就職等規制に違反する可能性がある、極めて重大な事案であります。
大臣、この百七十三件、結局、具体的にどこに送っていたか。昨日段階で国交省から報告がありましたのは、現役職員が百四十三件、国交省OBが二十五件、送信不能が二件、確認できずが三件、この理解でよろしいか、大臣、お答えください。
○斉藤(鉄)国務大臣 いわゆる線引きが送付された非政府系アドレス百七十三件を確認したところ、判明している内訳は、現役職員百四十三件、国土交通省OB二十五件、送信不能二件、確認できていないもの三件でした。
また、OBとして特定された二十五名の退職時の最終官職は、事務次官級はありませんでした。局長級は六名、部長級以下は十九名でございました。
○城井委員 今の局長級六名、部長級十九名ですが、それぞれ、国交省所管の企業、団体への再就職の有無、確認いただいたでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 済みません、もう一度御質問をお願いします。申し訳ありません。
○城井委員 今お答えいただいた局長級の六名、そして部長級の十九名について、国交省所管の企業、団体への再就職があったか、なかったかについては確認をいただいたでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 これらの者について、既に公務を離れた民間人であり、個人情報保護の観点から、個人の特定が可能となる情報をお示しすることは困難でございます。
○城井委員 調べたか、調べていないかを確認しています。もう一回お願いします。
○斉藤(鉄)国務大臣 分かるものについては調べております。
○城井委員 いつまでに報告をいただけますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 先ほど申し上げましたように、これらの者については、既に公務を離れた民間人でございまして、個人情報保護の観点から、個人の特定が可能となる情報をお示しすることは困難だ、このように考えております。
○城井委員 個人名をおっしゃってくださいと言っているわけではありません。
この局長級六名、そして部長級十九名について、その再就職先がもし国交省所管であるならば、今回のように、官僚OBが、その再就職先に対して、民間企業の人事に介入したという件があったから、ほかにそういうことがないですねというのを確認したくてこの質問をしているわけであります。
そのことを確認できるように、この局長級六名と部長級十九名でお仕事を終えられた方々の国交省所管の企業、団体への再就職の有無について、是非お示しをいただきたいと思います。やっていただけますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 再就職の先は、いわゆる公務員法上のルールがございまして、届出が義務づけられている、その範囲でしか分かりません。(発言する者あり)
○木原委員長 不規則発言は慎んでください。
○城井委員 委員長、今のこの局長級六名、部長級十九名で仕事を終えられた国交省OBの方々の国交省所管の企業、団体への再就職の有無、最終的に所管企業に行っていたかどうかという確認について、是非、国交省からの資料をお願いしたいと思いますが、理事会でお取り計らいをお願いできますか。
○木原委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。
○城井委員 大臣、では、確認できなかった三件、いつまでに当委員会に報告いただけますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 今、この三件につきまして、もう毎日こちら側から送って、返信くださいということで努力をしているところでございまして、判明次第、御報告したいと思います。
○城井委員 あなたはどなたですかというメールを送っている、こういう話であります。
委員長、これも併せて当委員会に御報告をいただくように理事会で御協議をお願いいたします。
○木原委員長 理事会で協議いたします。
○城井委員 この件、前回私が質問したときには、大臣は少々なめていたんじゃないかというふうに感じています。その後、枝野議員から突っ込みを入れられて、国家安全保障上の問題なんだということを言われて、この重大性をかみしめていただいたのではないかというふうに推察をしています。公的機関の情報管理上、そして国家の安全保障上も極めて問題であります。放置してはいけない、しっかり対応いただきたいということをお願いしたいと思います。
さて、この線引きに似た未公表の人事情報の外部送信について、もう一個伺います。
慣習的であったということを大臣から説明がありました。少々衝撃でした。これまでに具体的に国交省から公表されたデータ、送っていたというのは今年四月の一件分だけです。でも、慣習的でしたから、当然、例えば、この一年間で見ると同様の外部送信メール、何回送られていたか。その宛先のうちOBは延べ何人入っていたか。そのうち利害関係企業に再就職していた人物が何人いたか。こうした事実把握は必須であります。大臣から、これまでの線引きに似た未公表の人事情報の外部送信の詳細、お答えください。
○斉藤(鉄)国務大臣 いわゆる線引きの送付についてですが、線引きは、従来から、事務系総合職職員の異動前後における業務の円滑化等を目的として作成されたものであり、事務系総合職職員の異動が行われるタイミングで送付されていたものでございます。
令和四年五月から令和五年四月までの直近一年間においては、小規模な異動も含め、異動がある都度、二十五回送付されておりました。
線引きについては、担当者が管理しているメールアドレスのリストに従って送付されており、その宛先は直近の令和五年四月時点では千五十八件であり、そのうち、現時点で判明しているOBのものは二十五件でございました。
先ほど申し上げた二十五回それぞれの送付先については、令和五年四月時点のものとおおむね同じでございました。
また、線引き送付先であるOBについては、既に公務を離れた民間人であり、個人情報保護の観点から、再就職先等の個人の特定が可能となる情報をお示しすることは困難でございます。
○城井委員 大臣、これも同じです。未公表の人事情報が官僚OBに渡っていた、これが天下りのあっせんに使われていなかったかというのを確認するというのが重要。となりますと、この利害関係企業への再就職の有無の確認はやはり必要なんです。ここはやっていただけますね。
○斉藤(鉄)国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、今回この線引きについて、どういうところに送付されたかということについては我々も今調査をしております。前回の委員会で枝野委員からございました、こういうことで情報が外部に行っているということについてのいろいろな観点からの、安全保障上の観点も含めて大変問題であるという認識も行いまして、これらの削除をすぐに行わせたものでございます。
今、こういう情報がどのような形で送付されていたのか、まだ分からない三件も含めまして、全容の解明に努めたいと思います。
○城井委員 大臣、今回の件、元々の説明ですと、ほかの職員また職員OBを企業等の地位に就かせることを目的として情報を提供したものではなく、これが直ちに再就職等規制違反に当たるものではない、こういう答弁でずっと来られてきました。ただ、この間、状況は変わりました。先ほど申し上げたこの線引きに似た未公表の人事情報、慣習的な送付先に、残念ながら人事介入した官僚OBの再就職先も含まれていたことが明らかになっています。
その意味では、このメールの一件も含めてということになりますが、やはり今回の人事介入問題について、内閣府の再就職等監視委員会に、先ほどの会食と同様に、つまり、元々調べた内部調査と事実とは違ったということでしたから、このことでもって大臣の調査の信頼性を揺るがした。この点も含めて、あっせん規制違反か否か、再就職等監視委員会にこの人事介入問題も諮っていただくべきです。大臣、やりましょう、これは。監視委員会に申し出てください。
○斉藤(鉄)国務大臣 今回のいわゆる線引きには、退職予定者を含む内示対象者の異動情報が記されておりましたが、これは、再就職をあっせんし得るような地位や権限のない若手職員が、内示を受けた者から直接開示された情報を基に、異動前後における業務の円滑化等を目的として作成したものであり、省内職員を中心に、慣習的に広く共有されてきたものであります。
また、線引きは、氏名、現職、異動先等を記載するとともに、前後任の間を線でつなぎ、人事異動の流れを整理したものに限られ、再就職の検討に一般に必要と考えられる生年月日や経歴などの重要な情報は記載されておりません。
また、作成者は、あっせんを目的としたものではなく、上司から指示を受けたものでもないと明言しております。
以上のことから、今回の異動情報の送付は、あっせん規制違反の要件である営利企業等の地位に就かせることを目的とした情報提供ではないため、再就職等規制違反には当たらないと認識しております。
なお、この点については、裁判官経験を有する弁護士からも同様の見解を得ているところでございます。
○城井委員 大臣、内部の情報共有を問題にしているわけではないというのは何度も申し上げているとおりであります。
問題は、現役職員が未公表の人事情報を提供していた先が外部であり、官僚OBであり、その官僚OBが民間企業に人事介入していたわけであります。この点でもって調べてもらいましょうよということを申し上げているわけであります。この点は大したことないんですか。ほっておいていいんですか。内閣府の監視委員会にきちんとこの点も含めて情報提供すべきだと考えますが、この点を放置するんですか、大臣。
○斉藤(鉄)国務大臣 国家公務員法におきましては、任命権者は、現役職員や職員OBに再就職等規制違反行為を行った疑いがあると思料するときは、その旨を再就職等監視委員会に報告するものとされております。いわゆる線引きのOBへの送付は、疑いがあると思料するときには当たらないことから、同委員会に報告すべき状況にはないと考えております。
先日来、今回のこの線引きというのは、まさに、人事課が作ったわけではありません、若手の有志が、ある意味では異動の円滑化、そして、前任が誰なのか、後任が誰なのか、そして、いろいろな、異動もしなきゃいけない、また引っ越しもあるかもしれない、そういうもののいわゆる異動の円滑化を目的に作ったものでございます。
また、今回それを山口氏に送ったということも、いわゆる公表の一日前ということでございまして、明らかに再就職等を目的としたものではないということが明確だと私は思います。
したがいまして、任命権者として、この委員会に報告はしないということでございます。
○城井委員 線引きに似た未公表の人事情報の資料を作った若手職員を責めるわけじゃないんです。その情報が外部の官僚OBに渡っていたことを問題にしているんです。問題をすり替えてもらっては困ります。
外部に送信して、官僚OBに渡って、その人が人事介入していたわけです。ここがどうかということを申し上げているんです。ここについては目をつぶるんですね、大臣。放置するんですね。
○斉藤(鉄)国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、今回、この線引き、例えば、再就職の検討に一般に必要と考えられる生年月日でありますとか、経歴とか入省年月とか、そういう情報は記されていない、ただ前任、後任を線で結んだというものでございます。
この監視委員会に報告するには、ある意味で、これは黒だというふうにかなり確信が持てる、そういう場合、思料するときに報告することになっております。そういうことで、今回、この法律に基づく報告はしないということでございます。
○城井委員 じゃ、大臣、この線引きに似た未公表の人事情報、与野党の国会議員、我々に毎回送ってくださいますか。そういう質の、外部に出せるような情報じゃないでしょう、本来。お仲間だった官僚OBだったらいいんですか。民間人だからということで、人事介入問題の当初、一生懸命お守りになられました。でも、このメールの話は、いや、元々仲間だったのでメールアドレスをそのままにしていましたと言われる、こんな状況ですよ。このダブルスタンダード、おかしいんじゃないですか。これは正すべきです。どう正しますか、大臣。
○斉藤(鉄)国務大臣 まさにそのとおりだと思います。正すべきだと思います。
私は、すぐ、このことにつきましてしっかりと、これからこういうことのないように、一日前とはいえ、未公表の人事情報が外部に漏れること自体、大変大きな問題だと思っております。そういうことについては是正をしっかり指示したところでございます。
○城井委員 しっかりやっていただきたいので、具体的な提起を繰り返し繰り返し申し上げています。
先ほどの内閣府の再就職等監視委員会への情報提供及び調査の申出もそうですし、もう一つは、当初から申し上げているように、客観的な調査をやりましょうということであります。
もう既に、大臣、二回裏切られていますからね。まず一つは、人事情報のメールの件、少なくとも、事実について報告が大臣に上がっていなかったんです。そして、今回の会食、これも大臣に事実が報告されていませんでした。内部調査をしていただいても事実が大臣に報告されないような状況でしたら、これじゃ、大臣、やはり限界がある、これは信用しろというふうにはならない。
この現職職員、職員OBを対象として、天下りあっせん等に関する個別、組織の関与の有無についての客観的調査、大臣、これ、やりましょう。決着つけましょう。お願いします。
○斉藤(鉄)国務大臣 これまで、まず、今回の事案について新聞報道がなされた段階、それから空港施設株式会社の外部検証委員会報告書が公表された段階のそれぞれにおきまして、私が主導いたしまして、事実確認の調査やその点検を行わせておりますが、現時点において再就職等規制違反に当たる事実は確認されていない、このように考えております。
一方で、航空局長と本田氏の面会については、五月十八日に報告を受けるまで私に報告がなかった、このことから、これまで自分の命じた調査の信頼性に関わること、このように重く受け止めました。事実関係の再確認を行う必要があると考えております。
その再確認に当たりましては、第三者性や厳格性を確保すべきと判断し、念のため、極めて異例のことではありますが、再就職等監視委員会事務局に対しても情報提供を行い、適切に対応いただくことをお願いをしたものでございます。
そして、国土交通省においても、これまでの事実関係の調査等の再点検を行うこととしております。
○城井委員 委員長、この現職職員と職員OBを対象にした、天下りあっせん等に関しての個別、組織的関与の有無についての客観的調査の国土交通省による実施を理事会でお諮りいただきたいと思いますが、御協議いただけますでしょうか。
○木原委員長 理事会で協議いたします。
○城井委員 こういう状況であります。
立憲民主党と日本維新の会の共同提案で、今、官僚OB天下りあっせん規制法案を議員立法として準備をしています。やはり新たな法律で規制するほかないというふうに、今日も質疑で痛感しています。
与野党の皆さん、是非力を合わせて成立を図っていきましょう。
終わります。ありがとうございました。
○木原委員長 次に、末次精一君。
○末次委員 立憲民主党、末次精一でございます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
まず、質問の一、これは私の地元であります長崎県の川棚町で進められております石木ダムについてお伺いいたします。
これは県が事業主体ということでありますけれども、国もお金を出し、そしてまた事業認定についても国が出しているわけであります。
これはもう五十年前に計画されて、いまだに完成されない、住民の反対も根強くある中で進んでいるということでありますけれども、現在の進捗状況について、現場の状況について、大臣はどのように聞かれているかというのをまずお伺いしたいと思います。
○斉藤(鉄)国務大臣 石木ダムにつきましては、事業主体の長崎県及び利水者である佐世保市におきまして、過去の洪水や渇水の発生状況、また代替案の比較検討も含めまして、治水、利水両面の事業再評価がそれぞれ行われ、事業の継続が決定されている、このように聞いております。
用地の取得状況につきましては、石木ダムの水没予定地に居住されていた六十七世帯のうち、既に八割の方が移転され、事業用地の権利は全て取得しておりますけれども、残り二割、十三世帯の方が、土地収用法の裁決の明渡し期限が過ぎた以降も収用地内で生活されていると承知しております。
事業主体の長崎県におきまして、石木ダムは治水、利水両面から必要であることから、事業を円滑に進めるため、地元住民の皆様方との関係を構築することが大切であるとの考えの下、説明会や戸別訪問、生活相談も数多く開催しており、御理解と御協力を得られるよう努力していく、このように長崎県から伺っております。
一方、工事の状況につきましては、ダム本体工事として、堤体打設に先駆けた堤体上部からの基礎掘削を令和三年九月に着手し、併せて、つけ替え道路工事なども進められていると聞いております。
国としては、必要に応じてヒアリングなどを行いながら、引き続き、技術面、財政面から必要な支援をしてまいりたいと思っております。
○末次委員 ありがとうございます。
今大臣がダムの必要性についてもおっしゃいましたし、県の方から関係を構築するようなことをやっているということで聞いているとお話をされました。しかし、ちょっと現実、事実をよく御存じじゃないのかなという印象も受けました。
と申し上げますのは、現在、地元では、もう千六百日以上にわたって座込みの抗議をされている方が毎日三十名前後おられるわけであります。そういう中において、今大臣がおっしゃったような事業の必要性という理屈の下に、そういった住民の方がもう千六百日以上も抗議として毎日毎日座込みをされているのを無視して、強引に工事を進めているわけであります。
先ほど、話合いがあっているということを聞いているとおっしゃいましたが、昨年二月、大石新知事になって、二回、住民との話合いはあったと伺っておりますが、今年になって一回もないんですね。昨日も、もうしびれを切らして、地元の方が県庁によく話合いを持ってくれということで行きましたけれども、こちらとしては工事を進めますということで、通告しているとおりだということで、それも話合いにはなっていない、そういう状況であります。
私が今回こうやって質問するのは、ダムの必要性が云々と言っているわけではありません。そういったパフォーマンスで言っているわけではないんです。今のやり方が道理として通るのかということであります。
今申し上げたように、地域の方はそれだけ反対しているんですね。昨日もネットを通じて全国で意見交換とかありましたけれども、その中で、おばあちゃんは今の状況について泣きながら訴えているんですね。
私もこの問題については、十五年ぐらい前に、当時、県会議員になって、地域の方の声を聞くということで地元に行きました。今でもそのときの光景が忘れられません。ある一人のおばあちゃん、その方もおばあちゃんでもありましたけれども、その方は、殺されても出ていかないとおっしゃっていました。
大臣、御存じかどうか分かりませんが、あの地域は一度、戦時中に、そこに軍事工場を造る、兵器工場を造るということで住民が強制立ち退きになったという、そういった過去もあります。代々受け継いだ、住み慣れた土地を、そういった戦争という状況の中ではあったけれども、強制立ち退きを御先祖がされた。それで、やっと土地が戻ってきた。そうしたら、今度はダムかということで、また取り上げようとしている、そういった感情もある。
その中で、こうやって裁判で勝ったから、決まったから強引にやるというやり方が道理として通るのかということを私は言っているわけであります。今のやり方でいいのかどうかですね。
大臣は、一田舎の十三世帯のそういった問題というふうに思っておられるかもしれませんけれども、こういうやり方というのは、今、発信一つで広がっていくし、世論というものも、それを受けて黙っているのかどうか、海外にも広がるわけであります。
私が心配しているのは、こういった国、自治体のやり方がこれから問われるんじゃないかということであります。今の理屈のまま進めたら、私は、とんでもないことになるのではないか。こういった世論が感じているやり方について、大臣はどのように思われるかということであります。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○斉藤(鉄)国務大臣 社会資本を整備する、公共事業を進めていく上で、地域住民の方に御理解をいただき、御協力をいただくというのは大前提だと思います。
その上で、いろいろな事業の進め方が法律で定まっている、その法律にのっとって進めていくということでございますけれども、丁寧に行っていく必要があると思います。
私が聞いているところでは、例えば、これまでに、職員による説明会、面談等二十九回、戸別訪問七十三回、県職員による生活相談二百八十九回、合計三百九十一回、丁寧に、お一人お一人の御意見を聞きながら、御理解を賜る努力をさせていただいている、このように聞いております。
○末次委員 ありがとうございます。
今いろいろ数字を述べられましたけれども、それでも、地域で、先ほど申し上げましたような抗議活動が続いている、強引なやり方が進められているということであります。だから、何度も言いますが、そのやり方に問題があるのではないかということであります。
先ほど大臣も、丁寧に進めていかなければいけないということでおっしゃいましたけれども、この今のやり方が国民、国際社会で通るのか。来週には海外からも視察に来られます。こういうやり方でいいのかどうかということであります。
なので、私は、この県のやり方について、大臣の方から、国から是正を求める、ないしは指導をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 県に対しては、丁寧に進めるように、しっかり指導していきたいと思っております。
○末次委員 是非、大臣が直接現場の状況を見て、声を聞いていただきたいということを要望いたします。
次に、原発の避難経路におけるローカル鉄道に対する国の所見についてお伺いいたします。
これは、ちょっと時間がないので、答弁を求めておりましたけれども、この質問の趣旨も同じであります。
三月に法改正があって、平均千人以下の利用者のところは再構築協議会を設けて、その継続の是非を議論するということでありました。しかし、そこに、まず、収益性と公共性ということで議論するということでありましたけれども、その一方で、全国の原発の中で、三十キロ圏内にあるローカル鉄道というのは約三十路線あるわけです。この三十路線について、収益性、公益性だけで論じていいのかどうかというところであります。
それについて、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○上原政府参考人 法律の運用についてお尋ねだと思いますので、私の方から答弁をさせていただきます。
議員御指摘のとおり、鉄道は、全国ネットワークとして地域間交流など社会経済を支えるとともに、災害時の物資、人員輸送についても重要な役割を担っております。
物資輸送につきましては、昨年、国土交通省において開催した地域モビリティ検討会で、貨物列車が現に走行している線区、災害時や有事において貨物列車が走行する蓋然性が高い線区等については、基幹的な鉄道ネットワークとして安定的に維持される必要があるとされ、当面、先般成立いたしました地域公共交通活性化再生法の改正法に基づく再構築協議会の対象とすべきではないとされたところでございます。
また、人員輸送につきましては、議員御指摘のとおり、既に各自治体におきまして、罹災者の避難輸送を含めまして、地域防災計画が定められていると承知いたしております。先般成立しました改正法に基づく再構築協議会におきましても、こうした災害応急対策の観点を含めて、個別に自治体の意見を聞きながら対応してまいりたいと考えております。
○末次委員 今お話しいただきましたけれども、再構築協議会の詳細についてはこれから制度設計していくというお話でありますが、大臣、先ほどから申し上げましたように、これも、理屈で物事を進めていったときに、地域に住む方の安心や安全というものに対して、それを担保できるのかどうかということであります。
避難道路とかそういうことも考えて整備も進めておられますけれども、例えば、福島のときは、ああいう原発事故が起こって、皆さん車で逃げる、ところが、そこに事故車が出る、渋滞する、救急車、消防車さえも通れなくなる、そもそも避難に時間がかかる、できないというような状況が起こっているわけであります。
そうしたときに、では、大量輸送の手段である鉄道が有効活用、利用できる、避難経路として非常に重要であるということは誰が考えても分かるわけであります。そういったときに、再構築協議会の中で、理屈の中で、千人以下ということを出して一方的に進める、そういうやり方でいいのかどうかということを私は言っているわけです。
先ほどから申し上げましたように、鉄道に、やれ補助金をつけろ、道路と同じように、そういったパフォーマンスで言っているわけではございません。地域の方の命、暮らしの安全、安心をどうやって国として担保していくかということを問うているわけであります。そのことについて大臣の御所見をいただければと思います。
○斉藤(鉄)国務大臣 先般成立させていただきました再構築協議会、鉄道のリデザイン、地域公共交通のリデザイン、その再構築協議会の中におきまして、もちろん、今輸送人員がこれしかいないから廃止の対象になるというような議論をするということではございません。しっかりいろいろな関係者が参加をして、どういうふうに地域の公共交通を守っていくか、当然そのときに避難という観点もあろうかと思います、そういう中で合意を目指していく、そこで議論されるべきことだと思います。
そういう中で、避難という非常に重要な側面について、これは重要だというふうに合意が得られれば、当然そこは残していくということになろうかと思います。
○末次委員 ありがとうございます。是非、その大臣の今の方針を、今後、地域の方で徹底していただきたいと思います。
次に、カーボンニュートラルに向けた国の取組と進捗についてということでありますが、これも、時間がありませんので、国土交通省としても、国土交通白書の中でかなりのページを割いてカーボンニュートラルに向けた取組の方針を出されているわけであります。
ところが、その前提となる再エネ事業者からの電気の供給というのがあってこそ、そういうものが成り立つものであるということは言わずもがなでありますけれども、ところが、その供給の地域の再エネ事業者が今存続の危機にさらされているということを私が地元を回っていて聞きました。
五島市のある一つの非常に大きな太陽光発電をされている方でありますけれども、何と三月、四月にいきなり電気の買取り量が減ったということであります。ちょっと例を挙げますと、四月三日、四四%、四月四日、五一%、ずっと毎日、五〇%、四一%、六八%、四一%、四三%、四七%、いつもの月より抑制されていると。経産省は年間通して五%以内ということでありましたけれども、こういったことが起こっておるわけであります。
今日、経産省は来ておられますけれども、なぜこういうことが起こっているかを簡単に御説明いただきたいと思います。
○井上(博)政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の点は、再エネの出力制御によるというものだと考えておりますが、この出力制御というのは、電気は需要と供給を一体にしないと、うまくいかない形になりますと大規模停電になるということなので、需要と供給の関係をしっかり見ていく必要があります。
今おっしゃっておられるようなタイミングのところは、需要が減っているときに供給力が大きい。これに対する対応としては、政府として方針を決めておりまして、まず、地域内の火力の出力を最大限制限します。それで、蓄電池や揚水発電等にて需要を創出する。その上で、地域間の連系線を通じて、余った電力を他地域に送電する。それでもなお供給が需要を上回る場合に、再エネの出力制御をするということの結果、今のようになっているということだと思います。
○末次委員 大臣、今のも、確かに方針としては間違っていないでしょうけれども、やはり理屈ですよね。
大臣が仮に社長だとして、収入が突然半分になる。設備投資した減価償却もある、金融機関に返していかなければいけない。国の理屈はそうかもしれませんけれども、そういった事業者にとって収入が突然半分になるこの状況を、大臣は御理解いただけるかどうかということであります。
今回の質問の中で一貫して申し上げているのは、理屈で物事を、理屈で国が動かせるかどうかということであります。
大臣は岸田内閣の中の一閣僚であります。その岸田総理は、就任のときに、私には聞く力があるとおっしゃったわけです。その内閣の一員として、大臣も、こういったことが起こっている現場で、今回の石木ダム、そして鉄道、また地域のこういった再エネ事業者、こういった国民のいわゆる悲痛な本当に魂からの苦しみ、叫びが出ている、こういう状況に対して聞く力を持たれるかどうか、せめて、現場に行って視察する、国の方を派遣する、そういったおつもりがあるかどうかということを最後に伺いたいと思います。
○木原委員長 申合せの時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。
○斉藤(鉄)国務大臣 丁寧に現場の声を聞きながら進めていきたい、このように思っております。
○末次委員 是非お願いいたします。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○木原委員長 次に、前川清成君。
○前川委員 日本維新の会の前川清成です。おはようございます。
本題に入る前に、大臣にお願いがございます。
奈良県の知事が替わりました。旧運輸省出身の知事に替わって民間出身、私やあるいは枝野委員同様に、弁護士出身の知事が奈良県で誕生をいたしました。
就任後初めて、今月の十六日、新知事が上京いたしましたところ、斉藤大臣におかれましては、御多忙な時間を割いていただいて御面談をいただいて、そして親切な御助言をいただいたというふうに聞いております。ありがとうございました。
奈良県は、面積のおよそ五分の四が山です。案の定、過疎化が進んでいます。この後質疑をさせていただきますけれども、道路を含むインフラを維持していくことができるのかという問題があります。
あるいは、残りの五分の一、奈良盆地についても、高度経済成長期に開発されたニュータウン、これが高齢化してきました。空き家が目立つようになりました。かつてのニュータウンと駅との間を結ぶ路線バス、これにつきましても、住民の方々がリタイアされて通勤しなくなって、乗降客が減りました。したがって、地域交通機関を維持することができるのか、こんな問題もあります。
奈良県も、国土交通省のテリトリーにおいて様々な課題を抱えています。是非、賢明な斉藤大臣、そして国土交通省の皆さん方にも、新しい奈良県知事に親切に御指導、御鞭撻を賜れればというふうにお願いをさせていただきたいと思います。
この点、いかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 地方公共団体の長の方は、国土交通省が事業を進めるに当たって、全国で、整備局、運輸局、北海道開発局、お世話になっております。地方自治体の長の方にはできるだけお会いして、お願いをしたいと思っております。
○前川委員 ありがとうございます。
その上で、空き家法について少しお話をさせていただこうと思います。
衆議院を通過をいたしました。このこと自体は一歩前進だと私も思っていますが、しかし、今回の改正、言葉は悪いかもしれませんが、モグラたたきではないのかな、こんなふうに感じています。
といいますのも、全国にある住宅の戸数は六千二百四十一万戸です。これに対して、世帯数は五千四百十九万世帯。したがって、引き算をしますと、空き家というのが八百万戸を超えてしまう。ところが、人口が減少していく、これに伴って世帯数も減り続ける。社人研の推計によりますと、二〇四〇年には世帯数は五千七十六万世帯、こういうふうに言われております。それにもかかわらず、更に毎年約百万戸新しい住宅が建設される。これでは空き家が増えていくばかり。ですから、モグラたたきではないのかというふうに申し上げました。
大臣、空き家法の改正は必要な施策ではありましたけれども、これだけでは足りない、私はそう考えておりますが、大臣はいかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 あらゆる施策を総合してやらなければいけないと思っておりますが、具体策については住宅局長から答えさせます。
○塩見政府参考人 一言だけお答え申し上げます。
今後、空き家の対策につきましては、従来、除却を中心に進めてまいりましたものを、活用そして管理も含めまして総合的に進めていく、そして、法令だけでなく、予算、税制その他、総動員して取り組んでいく方針としてございます。
○前川委員 いや、住宅局長、今の私の質問を聞いていただいていたら分かると思うんですけれども、空き家を壊すだけやったらあかんでしょう、新しい家がどんどん建っていくのを、これを抑制しないと駄目でしょう、こういうふうに申し上げているわけです。
この点、以前、末次委員からも質疑があった際に、住宅局長は、古い家、空き家は性能が悪いんだ、例えば耐震性、断熱性が悪いんだ、こういうふうにおっしゃいました。
それならば、住宅性能を向上させる、そして空き家を増やさないために、山を切り開いたニュータウン、そこに建て売り住宅をどんどん建てていくのではなくて、既存の住宅地にある古い住宅、それの建て替え、こっちに誘導していくべきではないのかな、こういうふうに考えております。
要は、高度経済成長期にどんどん山を切り開いてニュータウンを造りましたが、これからは、もう山を切り開く、新しい町開きをするのはできるだけやめておこう。そうじゃなくて、寂れていく、空き家が目立っていく中心市街地に新しい家を建てていく、そういう誘導の政策が必要ではないか、私はそう考えますが、いかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 そういう考え方も一つの大きな重要な考え方だと思います。
しかしながら、生活に必要なサービスを確保するためには、地域の活力を維持し、地域の実情を踏まえ、住宅の適切な立地を図ることが重要でございます。
そうした観点から、市町村が策定する立地適正化計画に位置づけられた居住誘導区域外において、一定規模以上の住宅開発等に対して届出を義務づけ、適切な情報提供や調整を行うこと等により、区域内への誘導等を図ることとしております。このような手法により、持続可能なまちづくりを進めるコンパクト・プラス・ネットワークの取組を推進しております。
○前川委員 要は、今おっしゃったコンパクトシティー、これをつくっていくという方向で是非お願いしたいと思うんですが、この点で、今年の三月二十四日の日経新聞朝刊なんですけれども、大和ハウスという大手ハウスメーカーですが、これからは、注文住宅は余りやりません、なぜならば、もうけが少ないから。建て売り住宅に集中していきます、なぜなら、もうけが大きいから。こういう記事が出ていました。
これは大臣でなくて構いませんが、国交省の政府参考人の方で結構ですけれども、国交省OBで、大和ハウスに天下り、再就職している方はいるんでしょうか。
○塩見政府参考人 お答え申し上げます。
管理職職員の経験がある国家公務員OBが離職後二年間に行った再就職につきましては、国家公務員法に基づき届出が行われるということになってございます。
令和二年度以降の届出を確認しましたところ、議員御指摘の大和ハウスを含む大手ハウスメーカーの役員に再就職した者はいないということでございます。
○前川委員 その上で、民間企業が金もうけのためにいろいろ考える、これをけしからぬと言うことはできないとは思います、もちろん。しかし、どんどんどんどん住宅地が広がっていく、その結果、中心市街地の空き家が増える、そして、維持するべきインフラの範囲が広がっていく、地域交通機関も維持できなくなってしまう。
そうであれば、中心市街地への建て替えというのを誘導するために、様々な政府の政策、例えば住宅ローン減税です、あるいは住宅取得資金贈与の非課税、これらについて、山を切り開いたニュータウンの建て売り住宅には適用しないというふうな改革、工夫、これが必要ではないのかな、こういうふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 住宅ローン減税等、一つの例としてお話しになりました。
住宅ローン減税は、住まいが生活の基盤であることに鑑み、住まい確保を支援する観点から措置されております。
新たに建設される住宅の立地場所につきましては、まちづくりの観点から誘導することは考えられますが、住宅ローン減税は広く一般的に活用されており、本税制の対象を限定することは、制度の趣旨を踏まえると、慎重でなければならないと考えております。
ただ、できるだけ空き家が発生しないよう、既存住宅の流通を活性化することは重要であると考えており、既存住宅を住宅ローン減税の対象としているだけでなく、いわゆる買取り再販住宅についても税制上の優遇措置を講じているところでございます。
国土交通省としては、今後、人口や世帯数の減少を踏まえつつ、住宅ストックが世代を超えて継承される市場環境の整備に取り組んでまいりたいと思います。
○前川委員 国交省は、制度あるいは補助金として、例えばですが、地域型住宅グリーン化事業、これで、令和四年の当初予算で例えば二百億円とか、こどもエコすまい支援事業で一千五百億円とか、ZEH化等支援、これで六十五億円とか、様々な補助金あるいは制度をお持ちです。
これらについても、空き家が増えないというふうな工夫が必要ではないのかなというふうに思っております。その点はいかがでしょうか。
○塩見政府参考人 お答え申し上げます。
今先生御指摘の予算事業については、それぞれ大きな目的がございます。共通しておりますのは、現在、カーボンニュートラルに向けまして様々な施策を総動員する中で、特に住宅分野についてカーボンニュートラルを進めますために、住宅の省エネ性能を高めるために様々な工夫、努力をしてございます。
地域の工務店の方々に、余り供給に慣れていない業者の方も含めて、環境性能の高い住宅を供給していただくために補助金を御用意しているとか、あるいは、子育て世帯の方々が省エネ性能の高い住宅をなかなか取得しづらい環境にあるということを踏まえて補助金を御用意しているというようなことでございます。
そういう環境性能の高い住宅を取得していただく、あるいは、リフォームをしていただいて性能を高めていただく、こういうことを応援するために、広く使っていただく制度として御用意しているものでございます。
こういう制度の趣旨に照らしまして、今後も制度の企画立案、運用を行ってまいりたいというふうに存じます。
○前川委員 環境性能のいい住宅を供給する、そのために、住宅購入者、取得者の方を支援する、その趣旨自体を否定するつもりは全くありません。
ただ、くどくどくどくど申し上げているのは、世帯数は減っていくのに、どんどん山を切り開いて新しい建て売り住宅を造っていったら、空き家はますます増えていくわけです。だから、性能のいい住宅を取得するのを応援するにしても、めり張りが要るでしょう、このことを申し上げています。
もう大臣には趣旨は御理解いただいたと思いますので、ちょっと次の、もう一つの、奈良県は山が多い、この点について質疑をさせていただこうと思います。
三月の一般質疑で、私は、平成二十七年の七月、十津川村における国道百六十八号線で落石事故があって、軽トラックを運転していた女性に直撃をして、女性が外傷性心タンポナーデなどの大けがを負った、このことについて質疑をさせていただきました。
その際、申し上げましたけれども、この平成二十七年の事故前、事故現場付近では落石が続いていて、平成二十六年十二月と平成二十七年三月の点検によって、この事故が起こった場所は要対策箇所に指定されていたものの、ほったらかしにしていたために、案の定、事故が発生して、女性の方があわや亡くなるところだった、このことをお伝えさせていただきました。
その三月の質疑の折に、奈良県南部の山間部の道路で落石の危険のある場所は、国、県、市町村が管理するところを合わせて全部で二千六百か所ありますと。うち八百三十か所について対策は済んだ、しかし、まだ千七百七十か所は手つかずのままだ、こういうふうに道路局長から御答弁がありました。
千七百七十か所が手つかずのままだったんですが、今年四月、またしてもこの十津川村の国道百六十八号線で落石事故が起こってしまいました。
今年四月の事故はどんな事故だったのか、参考人の方で結構ですから、簡潔に御説明いただけたらと思います。
○丹羽政府参考人 お答え申し上げます。
四月九日未明、奈良県管理の国道百六十八号の十津川村の長殿で、道路区域外の斜面が、高さ約百六十メートル、幅五十メートル、奥行き百二十メートルにわたって崩落していることが確認されまして、同日零時四十五分から、奈良県が全面通行止めを行ったと承知をしております。
その後、奈良県において対策工事を進めまして、仮設防護柵の設置を終えたことで、斜面の一定の安全が確認できたということで、四月の二十七日の午前六時から片側交互通行といたしております。
○前川委員 今回の事故でおけがをされた方、お亡くなりになった方はいらっしゃらないのか、念のためお伺いします。
○丹羽政府参考人 お答え申し上げます。
今回、四月九日の事故によりまして、人身事故、物損事故等ございませんでした。
○前川委員 ただ、もしもどなたかが亡くなっていた、あるいは大けがをされたということになれば、これまでから事故が、落石が起こり続けていた、しかも危険だと分かっていた、対策しなければならないのは分かっていたけれども放置した、これはもう事故とは言えないんじゃないのか、事件と言わなきゃならないのじゃないか、そういうふうに私は思います。
平成二十七年の、先ほど御紹介した十津川村の女性が大けがをされた事故、これは、この事故で、被告の奈良県は過失、落ち度、厳密に言いますと、国賠法二条による瑕疵については認めて、争いませんでした。その上で、また今回の四月の事故も起こっています。
とはいえ、大臣、やはり人手にもお金にも限界があります。これは別に奈良県に限ったことではないと思います。日本中そうだと思います。これから先は人口が減っていく、国の借金が千二百兆円を超えた、そうであれば、もう何から何まで今までどおり、橋も道路もトンネルも何もかも維持していくというのは不可能ではないのかと。
先ほどちょっと申し上げましたけれども、人が住むエリア、これも縮めていく、それに伴って維持するインフラ、それは上下水道やあるいは電気も含まれるのかもしれませんけれども、日本の人口が減るに伴って、維持するインフラ、これもめり張りをつけていく必要があるのではないかと私は考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 基本的には同じ考え方でございます。
インフラは、自然災害から国民の命と暮らしを守るとともに、地方を含めた我が国の経済成長を支えるものであり、引き続き、未来への投資として整備していくことが不可欠です。
一方、人口減少に伴う必要性の減少や地域のニーズなどに応じまして、集約や再編も行いながら、インフラストックの最適化を図っていくことが必要である、このように、この点についてはまさに同様の認識です。
こうした観点から、令和三年に閣議決定した第五次社会資本整備重点計画では、インフラの維持管理や更新を行うに当たっては、集約、再編も選択肢の一つであると位置づけております。
国交省としては、今後、地域の実情を踏まえ、優先度やめり張りをつけて、インフラの整備や維持管理、更新をしっかり進めてまいりたいと思います。
○前川委員 インフラの管理についてめり張りをつける、この点については私も大臣とまさに同じ思いでございます。ただ、そのためには、人がたくさん住んでおられるのに無理やり道路をなくすとか、橋をなくしてしまう、こんな、血が流れるようなことはやはりできないと思うんです。
そうであれば、話は戻ってしまいますけれども、人が住むエリア、これを縮めていく、集約していく、このことが、インフラ維持のめり張りをつけるに当たって、大前提として必要なのではないのかなと。
経済が成長していく、人口が増えていく、そういう昭和の時代から、令和、人口が減り続ける、そして経済もなかなか成長しない、そういう時代に応じた政治の形に変えていかなければならないのかというふうに考えております。
このことを最後に大臣にお聞きして、私の質問を終わらせていただこうと思います。
○斉藤(鉄)国務大臣 人口減少、少子高齢化が進む中、地域の活力を維持し、生活に必要なサービスを確保するためには、住宅地の適切な立地を図ることが重要であると考えております。
そうした観点から、立地適正化計画の策定を通じて、人々の居住や医療、福祉、商業などの都市機能を幾つかの拠点に誘導し、それぞれの拠点を公共交通ネットワークで結ぶことにより持続可能なまちづくりを進めるコンパクト・プラス・ネットワークの取組を推進しております。
このコンパクト・プラス・ネットワークというのが今後の一つのまちづくりのキーワードになるのではないかと思っております。
○前川委員 終わります。ありがとうございました。
○木原委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
国交省の天下り問題、民間人事介入問題について質問いたします。
国交省の本田勝元事務次官について、昨年十二月に、同省と関係の深い民間企業、空港施設に対して、同社副社長で国交省OBの山口勝弘氏を社長にするよう求めていたことが明らかになりました。本田元次官は、空港施設の会長や社長に対して、会長、社長を六月で退いてほしい、山口氏を社長にお願いしたいと申し入れるとともに、自身について有力なOBの名代であり、副社長が就任すれば国交省としてサポートするなどと述べていたということです。本田氏は小幡政人氏、安富正文氏の二人の元次官ともやり取りをしておりました。また、一昨年、空港施設取締役だった山口勝弘氏は、役員人事を話し合う会議で、自身の副社長就任を要求し、バックにいる人たちがどう思っているかなど国交省の意向と受け取れる発言をしておりました。
このように、国交省幹部OBが天下り人事に組織的に関与するとともに、これらOBと現役職員の関与が問われる事態となっております。
空港施設の検証結果報告書などによって、現役職員からOBに対して線引きなどの一般に公表されていない人事情報が提供され、航空局幹部とOBとの面会の事実も明らかになりました。さらに、朝日新聞がこの問題を報道する二日前に、本田元事務次官が現役の航空局長や航空ネットワーク部長ら六人と会食していたことが明らかになりました。天下り、人事介入問題について口裏合わせをしていたのではないかとの疑念が生ずるものであります。国交省の現役職員と国交省OBが一体となって組織的に天下り人事を推進していたのではないかという再就職規制違反が問われる問題となっています。
そこで、まず文部科学省にお聞きします。
二〇一七年、再就職等監視委員会は、文科省職員と文科省OBによる再就職規制違反行為を認定しました。文科省職員は、文科省OBに対し、法人からの求人情報や、現職、退職予定者、OBの個人情報等様々な情報を伝え、OBによる再就職あっせんを行わせていたことが判明しました。再就職等監視委員会は、OBを使ったやり方が、法が定める再就職等規制を潜脱する目的を持って、当該枠組みを構築して運用していたと告発をしております。再就職規制を潜脱する目的でOBを使った枠組みを構築したことは極めて重大ではないかと考えますが、文科省にお尋ねいたします。
○井上(諭)政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の事案につきましては、二〇一七年一月に、再就職等監視委員会から、全容解明のための、任命権者、文科大臣による調査を行うことが求められました。これを受け、文部科学省におきまして再就職等問題調査班を設置して調査を行い、同年三月に、文部科学省における再就職等問題に係る調査報告最終まとめを取りまとめております。
この中で、組織的に再就職等規制を潜脱する目的でOBを介した再就職あっせんを行う環境づくりを行ってきたことが認定され、そのような構造の構築等に関与した幹部職員を含む関係職員には重大な責任があったとされており、文部科学省としてもこれを重く受け止めているところでございます。
○塩川委員 深刻なこういったあっせん規制違反の行為が現役職員とOBが一体となって行っていたということが厳しく指摘をされたものであります。文科省によるOBを利用した再就職あっせんの枠組みは、法の規制を潜脱する目的で運用された。現役職員がOBを介して再就職規制違反行為を行うことに対する注意喚起ということであります。
文科省OBに対して文科省職員が、法人からの求人情報や、現職、退職予定者、OBの個人情報等、様々な情報を伝え、OBによる再就職あっせんを行わせておりました。そのことを示す内部の引継ぎメモでは、OBに提供する資料の中に線引きとありますが、これは事実でしょうか。この線引きについて、文科省の調査報告、最終まとめではどのように記載をしておりますか。
○井上(諭)政府参考人 お答え申し上げます。
二〇一七年三月に取りまとめられました最終報告におきましては、引継ぎメモの内容の一つに線引きが記載されており、これは、人事案の検討に用いるもので、ポストと候補者を対応させた資料の通称であると記載されているところでございます。
○塩川委員 文科省の調査報告の中に、今のように、人事案の検討に用いるもので、ポストと候補者を対応させた資料の通称である線引きが含まれていた。これらの資料が課で作成をする課内関係に分類されて位置づけられていることから、人事課内での主体的な資料作成が存在していたと考えられる、その後にこのような記述が続いているわけであります。
大臣にお尋ねします。
この文科省におけるあっせん規制違反というのは、まさに現役職員とOBが一体となって行ったもの、その間に人事情報の提供が行われていた、そういう中の重要な情報として線引きが含まれていたというものであります。今回の国交省の問題と同じではないでしょうか。改めて、今回の文科省の問題を考えたときに、こういった国交省の事態についてどのように受け止めておられますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 国土交通省におけるいわゆる線引きは、現役職員本人に対して既に通知された異動情報を集約して作成された資料でございます。
一方、文部科学省の事案における線引きは、OBの再就職を目的としたOBの人事案の検討資料であると承知しており、その性質は全く異なるものであると考えております。
○塩川委員 それは大臣が言っているだけなんですよ。誰もそれを信用しません。線引きの情報がまさに天下り人事に使われるということで、文科省が行われていたんですから、国交省がそうでないとどうして言えるんですか。
○宇野政府参考人 お答え申し上げます。
文部科学省の報告書によりますと、再就職関係という欄のところで、A代表が調査官と調整を行い、再就職先を決定、その中で線引きを作成するという記述がございます。すなわち、文部科学省の事案におきます線引きというのは、OBをどこからどこに異動させるかということを検討するための資料として線引きが作成されていたものでありまして、私どものいわゆる線引きにつきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、既に内示情報として本人に通知されたものを集約して線で結んだものということで、全く性質の異なるものだと考えております。
○塩川委員 同じように線引きとして天下りに使える資料なんですよ。そういうものが現役からそしてOBに提供されていたわけでしょう。文科省は組織的にやっていたという話ですけれども、国交省がどうかという話について、全容がまだ明らかになっていないじゃないですか。その問題こそ、全容の解明こそ求められているにもかかわらず、ないないと言っているだけで事を済ませようとしているということがそもそも問題であります。
現役職員からOBに人事情報が提供されていた構図は文科省と同じであるわけで、OBと現役職員が一体となった再就職規制違反行為の疑いの全体像について、これは明らかにすべきなんじゃありませんか。全体像について、例えば、再就職等監視委員会に調査を求める、こういうことこそまずは行うべきじゃありませんか。
○斉藤(鉄)国務大臣 いわゆる線引きについて、文科省の線引きと国交省の線引きについては全く異なるものであるということは、先ほど説明申し上げたところでございます。
今回のいわゆる国交省の線引きにつきましては、退職予定者を含む内示対象者の異動情報が記されておりましたが、これは、再就職をあっせんし得るような地位や権限のない若手職員が、異動内容の通知を受けた者から直接に開示された情報を基に、異動前後における業務の円滑化等を目的として作成したものであり、省内職員を中心に、慣習的に広く共有されてきたものでありました。
また、線引きは、氏名、現職、異動先等を記載するとともに、前任、後任の間を線でつなぎ、人事異動の流れを整理したものに限られ、再就職の検討に一般に必要と考えられる生年月日でありますとか経歴などの重要な情報は記載されておりません。
さらに、作成者は、あっせんを目的としたものではなく、上司から指示を受けたものでもないと明言しております。
以上のことから、今回の異動情報の送付は、あっせん規制違反の要件である営利企業等の地位に就かせることを目的とした情報提供ではなく、再就職等規制違反には当たらないと認識しております。
なお、この点につきましては、裁判官経験を有する弁護士からも同様の見解を得ているところでございます。(発言する者あり)
○木原委員長 不規則発言は慎んでください。
委員や傍聴者が発言が聞こえないといけませんので、今日は傍聴者の方がたくさんおられますから、不規則発言は厳に慎んでください。
○塩川委員 大臣の答弁こそしっかりやっていただきたいと思いますけれども。
国交省のこのような対応について、過去どうだったのかということを改めて検証する必要があるんですよ。
二〇一一年のときに私が国交省の天下り問題を取り上げました。当時官房長だったのが本田勝氏なんですよ。私の二回の質問に対して国交省は二回の調査を行いましたけれども、いずれも結論は白でした。そのとおりですね。
○宇野政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十三年二月、三月にかけてなされました、当時の国土交通審議官による行為が、国家公務員法で禁止された再就職のあっせんに該当するのではないかとの点については、国土交通省自ら第三者も含めた調査委員会を設置して、同年の八月と十一月に調査を行いました。
調査委員会の調査結果は、いずれも、国家公務員法違反の再就職あっせん行為があったとは認められないとの結論であったと承知しております。
その後、再就職等監視委員会による調査が行われ、平成二十五年三月、当該国土交通審議官による行為は、国家公務員法第百六条の二第一項の規定に違反する行為に該当すると認定されたところでございます。
○塩川委員 ですから、二〇一一年に私が追及をした二つの案件について国交省は調査報告したんだけれども、二件とも白という結論だったんですよ。その後、二年後に再就職等監視委員会がこの問題を調査をしたら、同じ資料ですよ、同じ内容ですよ、これを調べた結果、黒にしているんですよ。国交省の調査がいかにいいかげんかということが、このこと一つ取っても明らかじゃないですか。そのことへの反省はありませんか。
○斉藤(鉄)国務大臣 平成二十三年の事案につきましては、平成二十五年三月に再就職等監視委員会より再就職等規制違反に当たる旨の認定を受けた際、違反行為を行った元職員に対し、調査結果を伝え、以降、元職員として再就職規制を遵守するように注意を促しました。
あわせて、この同委員会より職員に対し、国家公務員の再就職規制の内容を再認識させること、そして、営利企業等に勤務する国土交通省の元職員に対し、国家公務員の再就職規制の内容の理解を求めることの二点について、所要の措置を講じるべきである旨の意見をいただいたことを踏まえまして、職員及び元職員に対し、再就職規制の具体的内容を周知徹底したところでございます。
○塩川委員 そもそも、この問題について、実際、その国土交通審議官ですね、省名審議官だった宿利正史氏がその当事者であるわけです。
宿利氏については、本人、報道によると、あっせん規制違反に問われた問題について、この宿利氏自身は、心外な判断だ、私の発言は法律が規制しているケースに当たらないと述べていたと。当事者が全く反省がないというのがこの案件だったわけであります。
先ほど大臣は、こういう問題について、監視委員会に全体像、調査を求めるべきじゃないかというのに対して、黒と思われるときに監視委員会に調査を求めると言っていましたけれども、かつての二〇一一年のときに、国交省の調査で白だったものが監視委員会は黒にしたんですよ。であれば、全体像について改めて監視委員会に直ちに調査を求める。黒と思われるような段階では話は通じないわけですから、今の段階でも監視委員会に調査を求める、第三者が調査をする、お手盛りじゃない調査を行う、そのことこそ行うべきじゃありませんか。
○斉藤(鉄)国務大臣 これまで、今回の事案について新聞報道がなされた段階、それから、空港施設株式会社の外部検証委員会報告書が公表された段階のそれぞれにおきまして、私が主導して、事実確認の調査やその点検を行わせておりますが、現時点において、再就職等規制違反に当たる事実は確認されておりません。
一方で、航空局長と本田氏の面会については、五月十八日に報告を受けるまで私に報告がなかったことから、これまで私が命じた調査の信頼性に関わることだ、このように重く受け止めました。事実確認の再確認を行う必要があると考えております。
その再確認に当たりましては、第三者性や厳格性を確保すべきと判断し、念のため、極めて異例のことではありますが、再就職等監視委員会事務局に対しても情報提供をし、適切に対応いただくことをお願いしたところでございます。
○塩川委員 そんな小さい話を頼むんじゃなくて、全体像の解明ということで必要な資料の提供を行うということこそ行うべきだ。
その上で、一番の第三者が誰かといえば、国会なんですよ。国会でこそ徹底究明、徹底審議を行うべきです。必要な資料をきちっと出すと。
大体、二〇一一年の二つの報告書、白という報告書、いまだに現物を国交省は提出していないんですよ。おかしいじゃないですか。これ、ちゃんと出すべきじゃありませんか。
同じように、メールの送付先のリストや現役とOBの関わり、こういうことをしっかりと当委員会に出してもらう、このことを強く求めて、行政監視機能を果たす国会の役割、しっかりと行うことができるように強く求めて、質問を終わります。
○木原委員長 次に、たがや亮君。
○たがや委員 れいわ新選組で唯一、本会議場でプラカードを出していないたがやです。
本日は、以前質問させていただいた高速道路問題、天下り問題について質問をさせていただきたいと思います。
誠実な斉藤大臣だからこそ、是非今、国交省の改善、改革を一緒にしていただきたいという思いで質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
四月五日の当委員会で、高速道路関連グループ会社、NEXCOの癒着、天下り問題は解決したと認識していますかとの私の質問に対し、斉藤大臣は、把握していません、しっかり見てみたいと思いますと答弁していただきました。
あのときは通告せずに伺ったのですが、あれから一か月半あって、今回は通告をさせていただいておりますので、改めてその件に関してお答えをください。
○斉藤(鉄)国務大臣 旧道路公団時代には、公団と資本関係にない、いわゆるファミリー企業が業務を独占的に実施していたことなどに批判がございました。
現在では、こうした状況を抜本的に改め、管理瑕疵や企業信用に直結する業務やサービスエリア業務は、グループ内の連結子会社で実施することとし、連結決算の対象とすることで、効率化、透明化に努めているところでございます。
また、連結子会社で実施しないこととした業務については、市場競争化により競争性のある発注契約を行っているところでございます。これらの取組については、民営化後十年目に実施した業務点検においても、成果の一部としてまとめております。
なお、親会社から子会社への再就職については、民民間のことでありコメントする立場にはありませんが、各高速道路会社において社員が培った知識経験を生かしているものと思われます。
いずれにいたしましても、高速道路会社の経営の効率化、透明化に努めていくことは重要であり、国土交通省としましても、必要に応じて指導をしていきたいと思っております。
○たがや委員 大臣、ありがとうございます。
連結子会社を使ってということで、透明化ということなんですけれども、またそれは後ほど触れますけれども、結局、例えばNEXCOとか何かは財務大臣が一〇〇%株を保有しているというような状況もあって、不健全なところがちょっと見えるんですね、それは後ほど質問しますけれども。
くしくも前回の質問と同時期に、国交省のOBが、国交省所管の会社に天下りのあっせん行為が発覚し、十二日の委員会でも、城井委員が、OBによる組織的な天下りの就職あっせんを禁止すべきだと提起をされました。私もそう思います。また、福島委員も、トラック協会への天下り問題を指摘しましたけれども、高速道路会社も同じ構造の問題がはびこっていると思います。民間の会社への人事介入ですら常態化されていたのですから、前身が公団のNEXCO各社及びグループ会社は、介入というより、むしろ露骨な天下り人事がまかり通っているのではないかと疑っています。
資料一を御覧ください。
高速道路会社六社の役員のうち、いわゆる天下り人事と取られてもおかしくないリストです。何と、六社中五社の代表取締役が旧建設省出身、その他の取締役を含めて十三人が天下り、そのほとんどが旧建設省出身です。
これについて、大臣、どう思われますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 まず、事実関係についてでございますけれども、議員御指摘の十三名のうち、六名は国家公務員の現役出向者でございます。国家公務員OBは七名ということになります。
その上で、高速道路会社においては、その取締役及び監査役について、各高速道路会社の定款に基づき、株主総会の決議により選任し、また取締役会において、選任された取締役の中から、代表取締役を選任することとなっております。
国土交通省では、高速道路株式会社法第九条に基づき、選任された代表取締役及び監査役を認可しております。
なお、国が全株式を保有する高速道路会社の代表取締役と監査役につきましては、平成二十二年に閣議決定された特殊会社の役員人事に関する当面の対応方針についてに基づき、第三者委員会を設け、評価を受けることとされており、適任であるとの評価を得ているところでございます。
いずれにいたしましても、各高速道路会社において、人材の適材適所の観点から候補者を選定しているものと承知しており、国土交通省としましては、高速道路会社の役員人事について適切な手続がなされているものと考えております。
○たがや委員 長い答弁、ありがとうございます。本当に、官僚答弁、長いですね。
資料二を御覧ください。
これを見ると、歴代社長はほとんど旧建設省出身です。これを見ると、一時期、民間登用がされていますけれども、これは民主党政権のとき、いっとき民間が登用された、民主党政権が終わるや否や、見事に旧建設省出身者が返り咲いている。先祖返りしちゃっているということです。
そこで、質問なんですけれども、法的に問題ないとよく国交省の方は言われるんですけれども、民間にしたという割には、民間感覚とはかなりかけ離れている気がしています。そして、さらに、再就職の仕組みを細かく細かく見てみますと、全員が定年の二年前に早期退職をして、一旦、損保会社などの顧問を経由してから、NEXCOの役員になっているんです。
これは、法律で禁止されている現職中の求職活動をしたと見られないように、一旦、民間企業や独立法人、社団法人などの顧問として迂回してから就任をするということが常態化しているようにしか見えない。すなわち、単なる脱法行為とも取られかねないんですが、大臣、そこに関してどう思いますか。
○斉藤(鉄)国務大臣 先ほど答弁いたしました、平成二十二年に閣議決定された特殊会社の役員人事に関する当面の対応方針に基づいて代表取締役と監査役については選任されておりますが、この平成二十二年、閣議決定されたのは民主党政権当時でございます。それに基づいて我々も今評価をしているところでございます。
各高速道路会社において、人材の適材適所の観点から候補者を選定しているものと承知しており、必要な手続を経て、国土交通大臣として認可しております。
なお、高速道路会社の取締役等に国土交通省からの退職公務員が選任される場合にあっても、その退職公務員は、国家公務員法に基づく再就職規制等を遵守した上で再就職することは当然のことと考えております。
○たがや委員 でも、大臣、これは、全ての方が、定年二年前にぴったり早期退職して、民間の顧問をぴったり二年やって、その後NEXCOに再就職しているということが、もうお約束のようになっているわけですよね。こういうところが国民から不信感を持たれるということなので、斉藤大臣のお人柄、私は非常にすばらしいと思っているので、斉藤大臣のこの就任の時期にうみを出し切るという思いでやっていただきたいと私は思うんですね。
ちょっと矛先を変えます。
それでは、人事上の要請は一旦ちょっとおいておいて、経営者目線、民間目線でこの問題を考えていくと、NEXCO各社の役員報酬は、総額でおよそ六億七千万に上ります。平均すると、一人当たりおよそ一千七百万円。しかし、業績を見てみると、高速道路料金を安くする、あるいは借金返済を短縮するどころか、高速道路の利用料金の支払いを二一一五年まで延長することを国会で決めなければならないほどの放漫経営となっていると言えませんか。国民に対するメリットが見えず、この経営陣に支払う報酬として、先ほど述べた金額が適正だとお考えでしょうか。
これは、ちょっと、株主の財務省さんにお伺いしたいと思います。株主総会でどのように発言したかも含めて、お答えをください。
○嶋田政府参考人 お答え申し上げます。
役員の業績についての認識ということについてお尋ねをいただきました。それは、株主の立場からは、取りも直さず、株主総会の議案にどのように対応したかということだと理解しております。
まずもって、特殊会社と申しますのは、政策課題への対応のために特別の法律により設立された株式会社でございます。したがいまして、その議決権行使の考え方につきましては、特殊会社が政策上の目的の達成に必要な役割を担っていることから、主務省としての政策上の判断を踏まえて対応することが基本となっております。
同時に、特殊会社の株式、これは国民の貴重な財産であることから、企業価値や株式価値の向上の観点にも考慮していただく必要があるというふうに思っています。
個別の議案等への対応については、そういう観点を踏まえた上であれば、その会社の経営判断を基本的に尊重するということでございます。
高速道路各社役員の選任等につきましても、こうした考え方にのっとって、私どもとしては賛成の議決権を行使しているということでございます。
○たがや委員 いや、私が聞きたいのは、財務省は、株主総会において、例えば、こういう天下り人事のことに関して細かくチェックをしているかと。株主総会というのはそういうところじゃないですか。それをちゃんとやっているかというのを聞いているんです。一言で、もう一回ちょっとお答えいただけませんか。そういうチェックはしているか。
○嶋田政府参考人 ただいま申し上げましたとおり、株主の議決権行使に当たっては、まず、主務省の政策上の判断との関係が基本になるということでございます。その上で、株主価値を維持しているかということについても、我々は、満たしていただいていると。
他方で、そういうことでございますので、そういうことが尊重されているのであれば、個別の議案等については会社の経営判断を尊重することとしております。
○たがや委員 昨日のレクでも確認しているんですけれども、要するに、財務省、財務大臣が株式を一〇〇%保有しているということで、株主総会でどういったチェックをしているのかということを聞いたときに、いや、これは国交大臣にもう一任しているんですと、一任をしているという回答があったんですね。
ということはどういうことかといったら、ある意味国交省が自分の身内を裁くような、チェックをするという話になるじゃないですか。それはちょっとおかしいなと思うんですね。だから、結局、財務大臣が株を保有せず、国交大臣に全て移譲すればいいんじゃないかと思っちゃうわけ。しかし、そうなると、同じ身内でチェック機能が働くかという問題が出てきて、財務省がしっかりと株主総会などでチェックをして、経営の健全化を図るのが筋になってくるわけですよね。無責任な話なんです、結局。
斉藤大臣、申し訳ありませんが、これは本日大臣に伺う予定じゃなかったんですけれども、財務省の方で国交省に責任をなすりつけたということなので、聞かざるを得ないんですけれども、月に一回、取締役会にて発言をする程度で年収二千万近くの報酬をもらい、僅か数年で千六百万円の退職金までもらうということが適正なのか。ある意味、大臣、財務大臣が要するにチェックしないということなので、一任されているということなので、株主の目線でちょっとお答えいただけないでしょうか。
○斉藤(鉄)国務大臣 質問の御趣旨がちょっとまだ理解し難いんですけれども、我々国土交通省としては、しっかりこの会社の経営について法律に基づいて指導していきたい、このように思っております。
○たがや委員 大臣は、行政のトップとして部下を守る立場なんですけれども、三権分立においては、相互のチェック機能を果たすために立法府が行政に送り込んだ存在でもありますから、立法府の、つまり国民を代表する政治家の斉藤大臣として、民間では考えられない、特権のような、おいしい天下りがいまだに残っていることについて、しっかりとこの辺を正していくという気持ちで、斉藤大臣だからできるという気持ちで私は質問しているので、これがもし大臣が替わっちゃったら、そんなことは興味ないと、誠実じゃない大臣になったらやってもくれないと思うので、是非ちょっとうみを出していただきたいと思うんですね。
公団民営化では、こちらですね、二〇〇二年の意見書、小泉政権のときですよね。これは道路公団、道路関係四公団民営化推進委員会の意見書なんですね。これにおいて、ファミリー企業や天下り、癒着体質の問題の解消が期待されていましたが、これについては逆効果、ブラックボックス化しています。
どういうことかというと、役員報酬などの情報を聞いた際、退職して二年以上たっている人のことは知らぬふりをする、こちらで突き止めて情報を求めても、民間人だから個人情報の観点から公表できないと逃げる、民営化を隠れみのにして堂々とおいしい天下りを継続しているようにしか見えないんです。これは国交省のみならず、全ての省庁で大なり小なり抱えている問題だと思います。持ち帰っていただいて閣議で議論していただくことを、大臣、要望いたします。
そして、大臣、まだまだこれはあるんですけれども、時間が終了しましたと、まだちょっと早いんですけれども、終了しましたと来ちゃっているので、残念ながら、これはもっと行きたいところなんですが……(発言する者あり)いや、まとめます。
私、何が言いたいかというと、今、やはり官僚のなり手さんがいなくなっちゃっていると思うんですね。だから、どんどんどんどん民間の外資系とかに流れてしまっている。それは何なのかと考えたときに、例えば、官僚、一生懸命勉強していい大学に入って官僚になりました、初任給は安い、労働環境はきつい、寝る時間もない、そんなところに誰が来るんですか。それこそ国家の危機だと思っているんです。
だから、わざわざ、癒着構造とか、安い給料の補填のために天下りとかという構造を変えていって、初任給も上げたらいいし、まあ、シロアリと言って昔は官僚のことをいじめたりもしましたけれども、国の礎ですから、官僚さんは。その辺をしっかりと、もう一回構造的な問題を改善して、いい官僚が育つような、そういった土壌にしてほしいので、この天下りはけしからぬと、ここに頼るんじゃなくて、元々の官僚機構を変えていこうということを私は本質的には言いたいんです。
ということで、もう時間が過ぎましたので質問を終わりますけれども、またちょっとこれは改めて深掘りしていきたいと思いますので、是非、大臣のときに一緒に変えたいんです。お願いします。一緒に変えてください。よろしくお願いします。
ありがとうございます。
――――◇―――――
○木原委員長 次に、内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣斉藤鉄夫君。
―――――――――――――
特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件
〔本号末尾に掲載〕
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○斉藤(鉄)国務大臣 ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日以降、北朝鮮籍の全ての船舶に対する本邦の港への入港を禁止しているほか、平成二十八年二月十九日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認された第三国籍船舶、国際連合安全保障理事会の決定等に基づき凍結又はその他の関連する措置の対象とされた船舶であって、その国際海事機関船舶識別番号が明示されるもの及び同年十二月九日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認された日本国籍船舶の本邦の港への入港を禁止しております。
関連する国際連合安全保障理事会決議は、北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法での全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの廃棄を求めていますが、いまだにその実現には至っておりません。また、拉致問題については、現時点においても解決に至っておりません。
政府においては、こうした北朝鮮をめぐる諸般の事情を総合的に勘案し、令和五年四月七日の閣議において、引き続き令和七年四月十三日までの間、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づき、これらの船舶の本邦の港への入港を禁止することを決定いたしました。本件は、これに基づく入港禁止の実施について、同法第五条第一項の規定に基づき国会の承認を求めるものであります。
以上が、本件の提案理由であります。
本件につき、速やかに御承認いただきますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○木原委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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○木原委員長 本件につきましては、質疑、討論共に申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件について採決いたします。
本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○木原委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○木原委員長 次回は、来る三十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時十三分散会