衆議院

メインへスキップ



第6号 令和8年4月22日(水曜日)

会議録本文へ
令和八年四月二十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 冨樫 博之君

   理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君

   理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君

   理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君

   理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君

      五十嵐 清君    伊藤 忠彦君

      井上 貴博君    上田 英俊君

      小里 泰弘君    加藤 竜祥君

      菅家 一郎君    北神 圭朗君

      熊田 裕通君    小池 正昭君

      坂本竜太郎君    白坂 亜紀君

      園崎 弘道君    高鳥 修一君

      高橋 祐介君    土井  亨君

      中山 泰秀君    根本  拓君

      山口  晋君    山本 左近君

      鷲尾英一郎君    渡辺 孝一君

      赤羽 一嘉君    犬飼 明佳君

      佐藤 英道君    奥下 剛光君

      美延 映夫君    西岡 秀子君

      向山 好一君    吉川 里奈君

      山田 瑛理君    畑野 君枝君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 恭之君

   国土交通副大臣      佐々木 紀君

   国土交通大臣政務官    加藤 竜祥君

   国土交通大臣政務官    永井  学君

   国土交通大臣政務官    上田 英俊君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        松家 新治君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  中田 裕人君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  新垣 慶太君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十二日

 辞任         補欠選任

  北神 圭朗君     園崎 弘道君

  古川 元久君     向山 好一君

  須田英太郎君     山田 瑛理君

同日

 辞任         補欠選任

  園崎 弘道君     北神 圭朗君

  向山 好一君     古川 元久君

  山田 瑛理君     須田英太郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

冨樫委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省都市局長中田裕人君外二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。根本拓君。

根本(拓)委員 自由民主党の根本拓です。

 冒頭、イラン情勢に関し質問をさせていただきます。

 イランがホルムズ海峡を実質的に封鎖してから二か月がたち、このペルシャ湾の中には、日本関係船舶、そして日本人乗組員の方がいらっしゃって、この方たちの状況が心配されます。

 大臣、現在のペルシャ湾内の日本関係船舶や、日本人の方を含む乗組員の最新状況について教えていただけるでしょうか。

金子国務大臣 根本先生のお父様には随分お世話になりました。お父様を乗り越えて、頑張っていただきたいと思います。

 事案発生から二か月近くが経過をし、ペルシャ湾に留め置かれている船員の皆様におかれましては、大変な緊張状態の中で御苦労されているものと承知をしております。

 ペルシャ湾内の日本関係船舶は四十二隻であり、その四十二隻の乗組員数は千人以上であると報告を受けております。

 また、本日八時時点の状況として、ペルシャ湾内の日本関係船舶における日本人乗組員は、新たに四人が下船したことに伴い、十六人であると報告を受けております。

 なお、下船した四名の日本人乗組員の健康状態に問題はないとの報告を受けております。

 国土交通省としては、日本関係船舶に対し、各運航会社を通じて毎日安否確認を実施しておりますが、各船員共に無事であるほか、水、食料などの必要物資については、必要に応じて現地において補給がなされるなど、現在までに特段の問題には至っていないとの報告を受けております。

 いずれにせよ、日本関係船舶、とりわけ船員の安全の確保は最重要であり、国土交通省として、情報収集を徹底し、関係者への情報提供を丁寧に行うとともに、外務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携してまいります。

根本(拓)委員 今回、新たに四名の日本人乗組員の方が下船されたということで、関係者の皆様の御尽力に感謝申し上げます。一方で、まだ残っていらっしゃる方もいるということで、引き続き、この日本関係船舶やその乗組員の皆さんの安全確保を最優先に、国土交通省の皆様として、最大限の取組をしていただくようお願い申し上げます。

 さて、今回の都市再生特別措置法等の改正ですけれども、二〇〇二年にこの法律が制定されて以降、都市再生については、民間の力の活用、地域の公共公益施設の整備、そしてコンパクト・プラス・ネットワークといった三つの柱で施策が展開されてきたと理解しております。

 今回の都市再生特別措置法等の改正法案は、例えば、人口減少や少子高齢化が加速度的に進展して若者が大都市へ流出していくという、地方都市におけるまちづくりの工夫を国として後押ししていくための制度改正であると理解しております。このような地方都市において町の持続性を高めるためには、コンパクト・プラス・ネットワーク、この取組を引き続き推進していくことが重要だと考えております。

 一方で、地方都市内部においても、周辺部からより活気のある中心部に人がどんどん流れていってしまう、こういう傾向が見られて、これに対する周辺部の方たちの不安の声というのも聞かれているところです。

 今回の法改正というのはこのような周辺部の方たちの不安の声にどう応えるものかということについて質問させていただきたいんですけれども、都市と地方という軸のみならず、地方都市の中での中心部と周辺部という軸からも、今後の町の目指す姿について教えていただければと思います。

佐々木副大臣 委員御指摘のとおり、人口減少が進む中で、地域全体の活力を維持して生活に必要なサービスを確保していくために、コンパクト・プラス・ネットワークという取組はますます重要になってくると考えております。これまで、居住や医療、福祉、商業などの生活関連機能を町中に誘導してきたところです。

 本法案では、近年、若者の地方離れなどが深刻化する中、地域の稼ぐ力の強化、町中のにぎわいの創出を図るために、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等を町中に誘導して、都市機能の集積を進めることとしております。

 一方で、今ほど御指摘のように、都市周辺部の生活サービスの維持をどう考えていくかということも大変重要な視点だと考えておりまして、町中への交通の確保など、地域の実情を踏まえて、自治体は、現在の住民生活に十分配慮してまちづくりを進める必要がございます。

 このため、目指す姿としては、地域全体の理解と協力の下で、都市の中心部と周辺部のバランスに配慮しながら、町中へ都市機能の集積を段階的に誘導していくことが適切と考えております。

 国土交通省としては、こうした考え方に基づき、自治体に対して適切に助言や支援等を行い、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を推進し、活力と魅力に満ちたまちづくりを目指してまいります。

根本(拓)委員 ありがとうございます。

 コンパクト・アンド・ネットワークのコンパクトとは、全てを町の中心に一気に集めようとするということではなく、段階的に無理なく進め、さらに、町の中心部をきゅっとコンパクトにすることで、逆に周辺部とのネットワーク構築も容易になっていく、そういうことなんだろうということで理解いたしました。全体として、町の利便性を高めていく取組を是非推進していただければと思います。

 続いて、今回の法改正のうち、景観再生制度についてお伺いします。

 例えば、商店街なんかの中に古くて汚れた建物、誰も使っていませんみたいな建物が点在してしまうと、商店街の全体的な魅力がそれによって下がってしまうんだと思います。

 そこで、今回の景観法改正は、景観整備推進法人の指定を受けた民間会社などが、所有者から空き店舗の賃貸を受けて、建物の改修を行って、それをテナントなんかに転貸して利活用をしていく、これを可能とする制度をつくったと理解しております。これは、町全体の魅力を高めるために必要な取組である一方で、これまでも、実は、町の景観再生に向けた取組というのは行われてきたと理解しております。

 それでは、今回の法の改正によって、これまでと比べて何が可能になったんでしょうか。この点についてお伺いいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 商店街や温泉街など、日本各地に地域にとって貴重な建物等が残されております。が、所有者のみでは改修費が負担できない、相続したけれども活用の見込みはないし借り手もいない、こういった事情から、そのまま放置され、良好な景観が損なわれている状況もございます。

 こうした状況に対しまして、本法案の措置により、景観整備推進法人として指定を受けた民間会社などが、建物等の所有者と協定を結び、所有者に代わりまして、ノウハウ等を生かして当該建物等の改修や利活用を行い、景観の再生を図ることができるようになります。

 国交省としましては、このような景観再生事業を連鎖的に広げることで、自治体の公共公益施設の整備等とも相まって、地域の魅力やにぎわいの創出につなげてまいりたいと考えております。

根本(拓)委員 ありがとうございます。

 私の理解では、景観整備推進法人、これとして民間会社を指定する、要は、行政がオーソライズをすることによって、この景観整備推進法人を中心とした空き店舗の利活用が進むようになったということだと思っております。

 これは、町にとって大事な景観というものを良好にし、町全体の魅力を高めていくための制度ですけれども、一方で、民間会社の方にしてみれば、建物を所有者と交渉して借り受けて、それをリノベーションして、転貸人、転借人を見つけるというプロセスというのは、投資を含めて初期的な負担が大きいんじゃないかと思います。

 一方で、その投資を転貸料という形で回収できるかといったら、それは、町の魅力が高まって転貸料が高まってくるまでに時間がかかって、投資の回収にも時間がかかる、そういうことになってしまいかねず、そうだとすると、せっかくつくった制度なのに、しっかり使われるのか微妙であるようにも思っております。

 他方で、このような事業というのは、民間会社の利益につながるというだけではなく、エリア全体の魅力が高まっていくということで、正の外部性を生むんだと思います。そうだとすると、これは国の補助というのが正当化される領域であって、初期投資の部分について補助金だとか税制措置なんかによって国が積極的に支援をして、事業者がこういった事業に参加しやすい環境をつくっていく、これが重要だと思っておりますが、こういった景観整備推進法人として指定される民間会社への支援について、今の御検討状況を教えていただければと思います。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 景観再生に向けました支援につきましては、まず、景観整備推進法人に指定された民間会社等が行う建物等の外観の改修、そういうものに対しまして、社会資本整備交付金を活用しまして、街なみ環境整備事業として、国費による支援が可能でございます。

 また、本法案におきましては、景観整備推進法人と建物所有者が結ぶ協定を自治体の認可対象としてございます。こういった形で、行政の関与の下で所有者の方は安心して民間会社等に建物を貸すことができ、初動期の物件確保の支援につながると考えてございます。

 加えまして、自治体にとりましては、景観整備推進法人が行う事業は自ら認可した協定に基づいて行うということになりますので、地域の景観再生に向けまして、自治体が独自に景観整備推進法人の活動を支援することも期待されます。

 国交省といたしましては、景観再生によりまして地域の魅力やにぎわいの創出が加速しますよう、引き続き、必要な支援策の検討を進めてまいります。

根本(拓)委員 ありがとうございます。

 もう一定の補助措置をしていただいているということで、これを国と自治体でやっていくということだと理解いたしました。

 せっかく民の力を活用して町の魅力を高めていく制度をつくっていただいたので、それを十分に利用してもらえるような措置というものの検討を更に進めていただくようお願い申し上げます。

 さらに、今回の法改正によって、公共公益施設の整備、管理についても、民間事業者との協定制度が新設されて、民間の専門的知見や活力を生かす方向性に進んでいる、これに私としても賛同させていただきます。

 先ほどの景観再生事業も含めまして、今後は民間の力を生かした都市再生というのが更に進められるんだと思いますが、このようなまちづくりにおける国、自治体、民間事業者、こういった三者の役割分担が今後どのような方向に向かっていくかということについて教えていただけるでしょうか。

中田政府参考人 人口減少等が進む中で、活力と魅力ある持続可能なまちづくりを確保していくためには、民間事業者の多様な公共貢献を積極的に評価しましてその活力を引き出し、民間の力を生かした都市再生、これを進めていくことがますます重要となってございます。

 こうしたまちづくりを進めるに当たりましては、まずは、地方公共団体におきまして、民間の都市開発事業等が行われるエリアの将来像等を示し、災害時の避難施設への活用など、民間事業者に期待する公共貢献やそのインセンティブについて整理を行っていく。そして、民間事業者におきましては、地方公共団体の意向を踏まえ、まちづくりに係る協議を行った上で公共貢献の内容等を決めまして、地域の中で、エリアの付加価値向上につながる整備や管理を実施していくといった形で、それぞれ役割分担を担いながら、連携して取り組むということが必要でございます。

 国交省といたしましては、地方公共団体と民間事業者のこのような取組の促進のため、本法案におきまして、景観再生等に係る制度を創設しますとともに、公共公益施設の整備、管理を担保する協定制度を創設しまして、ソフト面を含む民間事業者の多様な公共貢献、これを評価して、容積率の緩和等につながるような措置をできるようにすることとしてございます。

 このように、地方公共団体、民間事業者、国交省、それぞれ役割を担いながら、官民連携のまちづくりを進めてまいりたいと存じます。

根本(拓)委員 ありがとうございます。

 地方自治体の方で町の将来像というのをしっかり示してもらう、その上で、民間事業者に積極的に関与して、公益性も考慮しながらまちづくりを進めていただく、さらに、国としてはそのための必要な制度設計というのをどんどん手当てをしていく、こういう役割分担をしていくんだと理解いたしました。

 国におかれては、是非、前面に立って必要な制度設計を進めていただければと思いますし、不十分なところは是非声を聞き取って、更に検討を加速していただきたいと思っております。

 このような法改正も含めて国が引き続き先頭に立つということで、それについての大臣の意気込みを最後にお伺いできればと思います。

金子国務大臣 根本委員御指摘のとおり、今般の法律案は、若者の地方離れなどを始めとする地方の課題に対応するために、オフィスあるいはインキュベーション施設等の町中への誘導や、地域の歴史、文化に根差した魅力的なまちづくりを推進するための制度等を創設するものでございます。

 これらは、自治体からの声等を踏まえて新たにまちづくりの制度として創設するものであり、自治体への制度の丁寧な周知徹底はもとより、予算、税制、金融等の政策ツールも総動員して、地域の取組を強力に支援してまいります。

 加えて、真に地域の実情に寄り添った実効的な支援となるよう、地方整備局職員が直接自治体を訪問し、客観的なデータ等を用いた技術的サポートを行うなど、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

 地域の稼ぐ力の強化や町の魅力の磨き上げが全国各地で着実に進むよう、国土交通省として全力で取り組んでまいります。

根本(拓)委員 力強いお言葉をどうもありがとうございます。大臣の冒頭の励ましのお言葉も胸に頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

冨樫委員長 次に、福重隆浩君。

福重委員 中道改革連合の福重隆浩でございます。

 まず、質問に入る前に、一言申し上げます。

 四月十八日に発生をいたしました長野県の地震、また、四月二十日に青森県を中心として発生いたしました地震によりまして被災された全ての皆様に心よりのお見舞いを申し上げる次第でございます。

 現在、気象庁においても後発地震への注意喚起がなされております。どうか引き続き身を守る行動を最優先に行っていただくとともに、政府といたしましては万全の支援体制で臨んでいただきますことを心からお願いをするものでございます。

 早速でございますが、質問に入らせていただきます。

 私は、今回の法改正を拝見し、率直に申し上げて、一つの懸念を抱きました。それは、この改正によって、地方と首都圏の格差を更に拡大し、本題に入る前に一言申し上げます、大都市や大手デベロッパーにとっては活用しやすい制度である一方、地方の中小企業者や地方の活性化には必ずしも十分に恩恵が行き届かないのではないかという問題意識を感じておりました。

 私の地元群馬の場合、群馬の高校を卒業し、首都圏の大学に進学する若者はおよそ六千人、そして、大学卒業時に群馬に戻って就職してくれる方は約二千人にとどまり、およそ四千人の方が首都圏で就職をされています。高崎から東京まで新幹線で約五十分という距離にありながらも、若い方の流出が続いております。その主な理由としては、東京の方が賃金が高い、魅力的な企業が多いという点が挙げられています。

 また、群馬県内にも大手の工場や企業も立地しておりますが、大手企業の経営陣の方々にお話を伺いますと、社宅を整備するよりも新幹線通勤の定期代を負担する方が合理的であるとの声や、単身赴任ではなく家族が一緒に首都圏で暮らすことを選択されるケース、さらには、お子さんの教育環境などを考え東京から通うことを選択された方々が多いということでございました。

 そこで、まず確認をさせていただきます。

 令和の都市(まち)リノベーションとして、立地適正化計画を通じた業務施設の立地促進や用途、容積率の規制緩和によって地域に民間投資を呼び込み、町の魅力磨き上げにつなげていくことでございますが、立派なオフィスやインキュベーション施設という箱を整備したとしても、そこに入る企業や人材といった中身が伴わなければ意味がありません。国土交通省の資料にあるとおり、若者が地方を離れる最大の理由は、先ほども指摘しましたが、希望する職種がないことや賃金などの待遇面など。大事なことは、自分のキャリアを輝かせる魅力的な仕事があるかどうかに懸かっていると思います。

 この政策が単なる不動産会社や一時的な建設需要で終わらせないように、地域の所得向上や若者が将来に希望を持てるビジョンにつなげていけるかが問われていると思います。国土交通行政の枠を超え、経産省などの産業政策といかに緊密に連動し実効性のある戦略を描いているのか、御答弁をお願いいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 人口減少等が進む中で、地域の活力を維持し生活に必要なサービスを確保していくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの取組、これがますます重要になっておりまして、これまで、居住や医療、福祉、商業などの生活関連機能を町中に誘導し、一定の成果を上げてきたところです。

 しかしながら、近年、働く場所や町中の魅力不足によりまして若者の地方離れなどが深刻化する中で、地域の稼ぐ力の強化、町中のにぎわいの創出が大きな課題となってございまして、自治体からこうした取組への支援を求める声をいただいてございます。

 例えば、先生御地元の前橋市、これにおきましては、遊休不動産の活用や起業支援などによりまして、町中へのオフィス等の進出が進んで従業員数が五年間で約千人増えるなど、町中へ働く場所を誘導することによる好事例も生まれてきていると承知してございます。

 このような自治体からの声、そして先進的な事例などを踏まえまして、今回の改正案では、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等の施設を町中に誘導する制度を創設し、都市機能の集積を進めることとしてございます。

 また、これらの措置が真に効果を発揮し、地域の持続的な発展へとつなげていくためには、委員御指摘のとおり、自治体によるハード整備のみならず、例えば、地場産業との連携の強化、スタートアップ企業への創業支援、企業誘致など、地域の産業政策などと連携し、ハード、ソフト両面から取組の充実を図ることが重要だと考えてございます。

 国交省といたしましては、自治体のこうした取組を強力に支援することで地域の活性化などにつなげてまいりたいと考えております。

福重委員 今の御答弁にございました、今回の法改正で、官民連携の先駆モデルの事例として前橋のまちづくりを紹介していただいたことに感謝申し上げます。

 前橋は、私が県議時代、十八年間ほぼ毎日、高崎から通った群馬県の県都でございます。昭和四十年代から五十年代には、大きなデパートがあり、映画館などの施設も多く、たくさんの人が訪れる町でありましたが、新幹線の停車駅が高崎になり、高崎が経済、商業の中心となっていきました。また、自動車社会の進展により郊外にショッピングセンターなどができたことにより、中心部のにぎわいが失われていきました。それが、二〇一六年から官民連携の取組が進み、約十年で少しずつ変わってまいりました。

 ちょうど週末に足を運んでまいりました。前橋の馬場川通りアーバンデザインプロジェクトは、二〇二四年に完成した約二百メートルのれんが敷きの空間があり、かつての姿を忘れるほどでございます。フラットで歩きやすい道、心地よい水辺のデッキ、週末はちょうどマルシェが開催されており、買物や散策を楽しむ方々の笑顔で温かな活気に包まれておりました。

 特に心に響いたのは、維持管理を担当されている方のお話でした。ハード面の整備はあくまでも土台、そこで暮らす人々が空間をどう使い、育てていくかという町使いが視点の中心であることが大事です、つくることがゴールではなく、その先の使いこなす町使いがあってこそ町に血が通い、本当の意味でのまちづくりが始まると言っておられました。

 やる気のある人がいること、暮らしている人たちが自分たちの町じゃないかというプライドという気概に関わっていくこと、行政と民間が手を取り合い、いかにして持続可能なにぎわいを生み出していけるか。ハードからソフトへ、そしてその先の運用へ、今後は先進的な取組をしっかりと注視し、それぞれの地域に笑顔と活力があふれるような、引き続き現場の声を届けてまいりたいと思っております。

 レクのときには、国交省の方々は口々に、現場第一を大切に現地に足を運んでいますと胸を張っておられましたので、引き続き、大臣を先頭に現場第一主義で取り組んでいただきたいと思いますので、是非とも要望させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入らせていただきます。

 今述べさせていただいたとおり、町中に働く場所をつくっていくということは重要と考えますが、移動手段、この点も都市計画においては重要な視点であると考えており、公共交通ネットワークの整備と併せて進めていくべきであると考えています。

 具体例を挙げますと、JRの宇都宮駅から芳賀町の工業団地への約十五キロを結んだ栃木県宇都宮市のLRTです。私は、サラリーマン時代、今から三十年以上前になりますが、会社の転勤で宇都宮市に住んでいたことがございます。当時の宇都宮市の状況を知る者として、現在の変貌ぶりには目をみはるものがあります。LRTという移動の足が整備されたことで、それまでにぎわいに欠けていたエリアに活気が生まれ、沿線の町並みは一変し、人口流入も進んでいます。まさに公共交通が起点となったまちづくりの好事例ではないでしょうか。

 今後、駅西口側への延伸も計画されており、更なる発展が期待されていますが、こうした成功事例を全国に広げるためには都市計画と交通計画をばらばらに進めてはならないと思っております。町中と住まい、生活の場をつなぎ、自家用車がなくとも誰もが自分の力で移動できるようなまちづくりを進めるためには、国交省内はもちろんのこと、関係省庁が縦割りを排し、横断的に連携して推進していくことが大事だと思いますけれども、大臣の思いをお聞かせいただければと思います。

金子国務大臣 福重委員にはいつも、御地元群馬の話も含めて、現場に寄り添いながら切実なお声を届けていただきまして、ありがとうございます。現場第一主義ということで、私自身も、毎週のように全国を回っていろいろな現場を見させていただいておりますし、局長を始めとした職員もできるだけ積極的に現場を見なさいということを申し上げているところでございます。そのことはしっかり福重委員の御指導に基づき頑張ってまいりたいと思います。

 委員御指摘のとおり、町中に働く場所を創出するため、オフィスなどの業務施設を集積をし、地域の活性化等につなげていくためには、都市まちづくり政策のみならず、公共交通政策や産業政策など、関係する政策と横断的に連携をして進めていくことが重要であります。

 特に、町中に働く場所を設けても、そこへのアクセス確保は大前提として必要なことから、公共交通政策との連携が極めて重要であり、これまでも、コンパクト・プラス・ネットワークの考え方の下、町中への都市の機能の集積、すなわち都市のコンパクト化と公共交通ネットワークの維持を車の両輪として進めてきたところであります。

 また、他省庁が所管をする政策についても、従来より、十二の関係省庁で構成するコンパクト・プラス・ネットワーク形成支援チームの下で連携をいたしまして、効果的な施策の推進を図っているところでございます。

 国土交通省としては、本法案を通じた地方都市の活性化に向け、様々な政策分野との間の連携強化に一層努力してまいります。

福重委員 大臣、ありがとうございました。

 本当に大臣が現場をよく訪れられて、その地域の課題を拾い、そしてまた国交省がその大臣の思いを受けて、しっかりとそういった現場に寄り添った施策、私は以前、太田国交大臣に言われたことがあったんですけれども、国交省というのは本当に地元の人たちのやる気を応援する、それを引き出していく、それが国交省の使命だというふうにおっしゃっておられましたけれども、歴代大臣がそのように動いていただいているということに対しまして心からの感謝を申し上げる次第でございます。

 次の質問に入ります。

 実際、コンパクト・プラス・ネットワークを進めていく際に、今回は、オフィスや業務施設、集客施設なども誘導することになります。これらの施設は、地域にもよりますが、大規模な施設になることも想定されていますし、公共交通や周辺地域の駐車場などの整備、渋滞を見越して道路の拡幅、ルート整理が必要となります。また、オーバーツーリズムで起きているようなごみや混雑問題など、そこで暮らしている住民の生活環境に悪影響を及ぼすのではないかという懸念も上がってきております。

 地方の市町村職員にとっては、立地適正化計画の作成をする人員や財政等も限られていて、新たな業務への対応が難しい場合もあると思います。現場、職員や地方議員の声を聞いたところ、小さな自治体ですと財政的にも人員的にも限界があるのではないかとの声が寄せられていました。

 このように、対応が難しそうな市町村には何らかの支援措置が講じられていかなければならないと思いますが、いかがでございましょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 立地適正化計画につきましては、平成二十六年の制度創設以来、全国六百五十の市町村において計画策定が進むなど、順調に取組が進んでいる一方で、委員御指摘のとおり、人員や財源、データ等の不足によりまして、特に小規模の市町村における計画策定が課題になっております。

 このため、国土交通省におきましては、小規模市町村に対する計画策定費の支援を強化するとともに、昨年度からは、まちづくりの客観的なデータの提供や分析を自治体に対して行いますまちづくりの健康診断、あるいは地方整備局職員が直接自治体を訪問して意見交換などを行う令和の都市(まち)リノベーション全国推進運動、こういうのを新たに実施しまして、計画策定の支援を行ってございます。

 また、今般の改正案におきましても、都道府県が計画策定等に関与する制度を創設いたしまして、単独で立地適正化に取り組むことが困難な小規模市町村などについては、都道府県のサポートにより計画策定が促進されるように措置しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じ、引き続き自治体の計画策定を積極的に支援してまいります。

福重委員 どうもありがとうございました。

 私は元々地方議員出身でございますので、地元の自治体の職員なんかといろいろと話をしてみると、大体、自治体の規模で人口二十万人ぐらい以上の都市だと、やはりそれなりのインフラがあり、また職員もいる。だけれども、それが五万人ぐらいになってくると、非常にそういったマンパワーが不足して、なかなか、やりたくてもそういった専門性がない。そういった中で、今国交省が進めてくださっているまちづくりの健康診断、こういったものを活用してアドバイスをする、伴走型にする、そういった形の中で、是非地方を応援をしていただきたいなというふうに思いますので、ここのことは切にお願いを申し上げまして、また今後いろいろなことでこのことについて教えていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 本法案では、立地適正化計画において、業務施設などの誘導を位置づけ、都市機能を特定の区域に集積、連携をさせる方針が示されております。

 限られた財源と人口減少という厳しい現実の前には、選択と集中による効率的なまちづくりが必要であるということは私自身も十分に認識をしているつもりでございます。しかし、その一方で、誘導区域外となってしまったエリアに住む方々の不安を見過ごすことはできません。区域内に投資や行政サービスが集中すれば、区域外ではインフラの維持が困難になり、生活の利便性が著しく低下する、いわゆる見捨てられた地域が生じるおそれがあります。そこに住み続ける権利や、長年その土地を守ってきた方々の尊厳が効率性の名の下に置き去りにされることは絶対にあってはなりません。

 集約化が加速される一方で、誘導区域以外に居住し続ける高齢者の皆さんの生活維持あるいは緩やかな撤退を支援するために、セーフティーネットをどう構築するのか。都市全体の持続可能性と個々の住民の居住権、そして地域間の公平性をどのようにバランスをさせるつもりなのか。単なる数字上の集約化ではない、誰一人取り残さないための具体的な方策についてお伺いをいたします。

金子国務大臣 人口減少等が進む中で、地域全体の活力を維持し生活に必要なサービスを確保していくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を進め、都市の持続可能性を高めていくことがますます重要となっておりまして、これまで、居住や医療、福祉、商業などの生活関連機能を町中に誘導してきたところでございます。

 また、本法案では、地域の稼ぐ力の強化や町中のにぎわいの創出を図るため、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等を町中に誘導し、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を更に強化することとしております。

 一方で、委員御指摘のように、居住誘導区域外の住民の方の生活サービスの維持をどう考えていくかは重要な視点でございます。

 町中への都市機能の集積を図りつつも、現在居住誘導区域外にお住まいの方が引き続き生活関連機能を利用することができるよう、町中への交通アクセスを確保するなど、地域の実情を踏まえ、自治体は、住民生活に十分配慮して町中への機能集積を進める必要がございます。

 国土交通省といたしましては、地域全体の理解と協力をいただきながら、丁寧に持続可能な都市の実現に向けた取組が進められるよう、自治体に対して適切に助言や支援等を行い、活力と魅力に満ちたまちづくりを推進してまいります。

福重委員 大臣、ありがとうございました。

 今のお言葉の中で、生活関連機能の維持、これをしっかりやっていくということでございます。やはり、そういったことが失われて高齢者が見捨てられていく、こういったことがあってはなりませんので、しっかりと国交省内、いろいろと自治体とも連携を図りながらこの分野を進めていただければと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 この改正案に盛り込まれた、民間事業者等の公共貢献を生かしたまちづくりの促進として、公共公益施設の整備、管理に関する協定制度の創設は、官民連携による柔軟なまちづくりを加速させるものとして期待しております。

 一方、懸念されるのはその持続可能性です。民間事業者の創意工夫と資金に依拠する部分があるため、景気後退や事業環境の変化によって活動主体である民間事業者の収益が悪化した際、公共公益施設の維持管理や運営が途絶えてしまうリスクはないのでしょうか。

 公園や広場の管理あるいは防災施設といった公共性の高い機能は、例えば、民間事業者が建物を売却した場合でも備蓄倉庫や管理体制が維持されるような出口戦略や、行政が最終的に負うべき補完的責任を明確にしておく必要があると考えます。

 民間に委ねられた範囲と公的責任の境界線をどのように線引きし、活動の永続性を担保するのか、国交省の見解をお伺いいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 公共公益施設の整備、管理に関する協定制度でありますが、公共空間等の日常的な維持管理あるいは災害時の避難施設への活用など、民間事業者の多様な公共貢献を積極的に評価して、その活力を引き出すということを狙いとしてございます。

 同協定におきましては、民間事業者と地方公共団体が協議いたしまして、当該プロジェクトの公共公益施設の管理に関する事項として、施設を管理する主体、あるいは日常的な清掃やイベント等の管理の内容、それから管理に要する費用の負担の方法などについて定めることとしてございます。

 施設の管理や運営の継続が困難となった場合には、地方公共団体が主体的に適切な協議などを行い、必要に応じて協定内容を見直し、変更することによりまして、当該施設の機能の維持を図ることを想定してございます。

 このように、協定制度は地方公共団体が主体的かつ適切に関与できる制度としてございまして、地域の実情に応じた役割分担の下で適切な運用がなされるよう努めてまいりたいと存じます。

福重委員 ありがとうございました。

 次の質問に入ります。

 今回の法改正では、景観整備推進法人や景観行政団体が、地域にある建造物の老朽化等により良好な景観が損なわれているような区域で、建造物の所有者と協定を結べば、改修やリノベーション等をすることができるようになるとされています。この狙いは何なんでしょうか。

 例えば、所有者が協定の締結に了承しなければこの取組は機能しませんので、所有者にとって協定締結がメリットだと感じてもらえる手だてとして、どのようなことを想定しているのでしょうか。

 地方都市のシャッター商店街や老朽化した温泉地等の地域では、本事業を活用することで景観をいかにして稼ぐ力に変えていけるのかという点で、本事業を通じて具体的にどのようなビジネスモデルや経済的な効果を想定しているのか、お伺いをいたします。

佐々木副大臣 ありがとうございます。

 日本各地には、商店街や温泉街など、地域にとって貴重な建物等が残されておりますけれども、所有者のみでは改修費が負担できない、相続したけれども活用の見込みがない上に借り手もいないなどの事情から、そのまま放置され、良好な景観が損なわれている状況がございます。

 このため、本法案では、景観整備推進法人として指定を受けた民間会社等が、建物等の所有者と再生協定を結び、所有者に代わって、ノウハウ等を生かして当該建物等の改修や利活用を行い景観の再生を図る、新たな制度を設けることとしております。

 これにより、所有者にとっては、市町村の認可を受けた再生協定の下で安心して建物を貸し、収入を得られるというメリットがあります。

 加えて、景観の再生は自治体の関与の下で行われるものであり、自治体により独自の支援も期待されるところです。

 例えば、愛知県犬山市の城下町のケースでは、市が出資するまちづくり会社が十五棟以上の空き店舗等を借り上げ、所有者に代わって外観等の改修を行い、出店者を募る事業を行った結果、多くの観光客が訪れるようになりました。

 こうした景観再生の取組を広げることで、自治体の公共公益施設の整備等とも相まって、地域の魅力やにぎわいの創出につなげてまいりたいと考えております。

福重委員 御答弁ありがとうございました。

 今、犬山でございましたか、私も、二年ほど前、犬山に伺いまして、本当に城下町の趣があって、非常に観光客が来ていて、盛り上がっていたなという気がいたします。

 また、日本の多くの地域で、シャッター街だったところが、何かそれがむしろ昭和のレトロのような雰囲気を醸し出していて、ボンネットバスなんかを走らせて、何か本当にノスタルジックを感じるような人たちが全国から集まってきて活性化している。

 実は、私も東京の調布というところの商店街で生まれたんですけれども、本当に飲み屋街になるような、そういうような風景に変わっていったんですけれども、反対に、そこが今、昭和のレトロの雰囲気が残っているというような形の中で、大きな再開発をするよりも、そういうような店舗を生かしたまちづくり、こういったものをしっかりやっていくことによって、町の魅力、再生につなげていきたいというような人が計画を進めてくれているというような形の中で、私も、ちょっと商店街に生まれた者として、こういった政策に期待をしていきたいと思っておりますので、是非今後ともよろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 これまでの歴史まちづくりの計画の作成には、この区域内に国指定の文化財があることが要件となっておりました。今回は、その対象となる文化財の範囲が拡大されることになっております。範囲を拡大する理由は、どのようなことなのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、歴史まちづくり計画は、国宝や国指定の重要文化財などを核とした計画に限定されておりました。

 しかしながら、地域にとりましては、これら以外の建造物であっても、その固有の歴史や文化に根差す大切な建造物がありまして、これを核とした個性豊かなまちづくりを進めることが地域の魅力向上につながります。

 歴史まちづくり計画の対象範囲の拡大につきましては、市町村からも御要望をいただいていたところでございまして、こうした点を踏まえまして、今回の改正案では、地方公共団体の指定文化財などにまで対象範囲を拡大し、歴史まちづくりの裾野を広げることとしてございます。

 また、今回の対象範囲の拡大でありますが、全国的に一定の文化的価値の水準が担保されていること、又は、許可制によりまして十分な保全措置が図られていることを基準にしてございまして、地方公共団体の登録文化財はそのいずれにも該当しないため、対象とはしておりません。

福重委員 ちょっと時間の関係で一つ質問を削らせていただきまして、最後の質問に入ります。

 次の質問に入ります。

 新しく創設された固有魅力維持向上区域制度についてお伺いをいたします。

 まず、この制度を創設する意義は何なのか、お聞かせください。次に、固有魅力制度維持とは、どのような区域、場所や建築物などを対象とすることを想定しているのでしょうか。さらに、この制度の活用に当たって、地域の魅力をどのように発見し、位置づけをしようとしていくのでしょうか。あわせて、歴史まちづくり維持と重なって区域がまたがることは可能なのでしょうか。また、制度の役割分担などどのように考えているのか、御答弁をお願いいたします。

佐々木副大臣 近年、地方都市を中心に人口減少等が進む中で、町の活力やにぎわいが失われつつある状況が生じております。こうした課題に対して、各地域においては、その地域ならではの個性や魅力を改めて見詰め直すとともに、それらを生み出す地域の核となる資産を生かしたまちづくりを進めることが重要となっております。

 このため、本法案においては、地域固有の魅力を生かしたまちづくりに重点的に取り組むエリアを固有魅力維持向上区域として指定する制度を創設し、地域で大切にしてきた核となる建築物の改修や利活用等を推進し、エリア全体の活力と魅力の向上を図ることとしております。

 区域の指定に対しては、市町村が地元と調整し、当該エリアの魅力の具体的内容を都市再生整備計画に位置づける必要があります。魅力の発見や整理に当たっては、地元が主体のワークショップを開催するなど、当該エリアの住民や事業者等の協力の下検討を進めていくことが望ましく、その具体的方法等はガイドライン等で分かりやすく周知してまいりたいと考えております。

 また、地域によっては、人々が大切にしてきた歴史的な文化資産が併存することもあるため、歴史まちづくり計画の区域を重ねて指定し、そうした資産の保全を図ることも可能でございます。

 こうした取組により、地元の方々が主体となった地域の魅力あるまちづくりをしっかりと進めてまいります。

福重委員 期待をしておりますので、是非よろしくお願い申し上げます。

 これで質問を終わります。以上です。

冨樫委員長 次に、犬飼明佳君。

犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。よろしくお願いをいたします。

 まず、私からも冒頭、四月十八日に長野県北部を襲った最大震度五強の地震で被災された皆様方、そして、四月二十日の三陸沖地震で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 現在、北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表をされております。引き続き警戒が必要であるというふうに思います。いざというときの備えを再点検をしていくことが大事であります。政府におかれましても、最優先で、徹底した対策を行っていくことを強く求めます。

 それでは、都市再生特別措置法の一部改正に関連をし、まずは、都市の安全確保についてお伺いをいたします。

 近年、気候変動の影響により、豪雨や台風による水害、さらには土砂災害が全国各地で激甚化そして頻発化しております。これまで想定外とされてきた規模の災害が常態化しつつ、都市の在り方そのものを見直す必要性が高まっております。

 特に、都市部におきましては、人口や資産が集中していることから、一たび災害が発生すれば、被害が甚大となり、住民の生命財産のみならず、経済活動や都市機能全体に深刻な影響を及ぼします。したがって、災害リスクを的確に把握をし、危険なエリアへの居住を抑制しつつ安全な地域への誘導を図るなど、都市の構造そのものを安全性の観点から再設計することが求められております。

 一方で、地方都市に目を向けますと、人口減少や若者の都市部への流出により、医療、福祉、商業、公共交通といった生活サービス機能の維持が難しくなってきております。

 こうした状況の中で、都市機能を一定のエリアに集約し、効率的に維持していくコンパクトシティーの取組も進められております。ただ、その際に安全性をどのように確保するかは極めて重要な視点であります。つまり、都市の安全確保と地域の持続可能性の確保、さらには地域の活性化という複数の政策目的を同時に達成していくことが求められており、そのためには、国と自治体が連携し制度を最大限活用していく必要があると考えます。

 そこで、以下順次お伺いをしてまいります。

 まずは、それぞれの自治体においては、ハザードマップの高度化や防災指針の策定、立地適正化計画の見直しなどを通じて、災害に強いまちづくりを進めることが求められております。そこで、国土交通省として、都市の安全確保を進めるためにどのような取組を行っているのか、お伺いをいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、激甚化、頻発化する自然災害から国民の生活、財産、暮らしを守り、都市の安全確保を進めるためには、災害発生前から、災害リスクを踏まえ、避難体制の強化や災害に強い市街地形成の推進などハード、ソフト両面から総合的に対策を講じておくことが極めて重要でございます。

 避難体制の強化に向けましては、国土交通省では、避難路や避難地となる広場や公園の整備、また、避難地の機能向上に資する備蓄倉庫や非常用発電施設等の防災力向上に係る施設整備、こういったものなどに対しまして支援を行っております。

 また、人口減少などが進む中、災害に強い市街地形成に向けて、コンパクト・プラス・ネットワークの取組も推進しているところでございます。

 例えば、市町村の立地適正化計画におきまして、災害リスクを踏まえた住宅及び生活サービス機能の誘導方針や都市の安全確保を図るための事業などを記載しております防災指針、これを定めることとし、取組の支援を行っているところでございます。

 国交省としましては、こうした取組を他省庁が所管する政策などと連携しながら実施をいたしますことによりまして、自治体における都市の安全確保を進めてまいりたいと存じます。

犬飼委員 今回の都市再生特別措置法の改正においては、この居住誘導区域から災害危険区域を全て除外することとされております。この居住誘導区域は、人口減少下においても、一定の人口密度を維持し、生活サービスや公共交通の持続可能性を確保するための中核的な区域であります。一方で、災害危険区域は居住そのものに慎重であるべきエリアであります。両者の重複、重なっていることを解消するという方向性は、これまでの都市構造や土地利用の実態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 そこで、今回の制度改正の目的について明確に御説明ください。

佐々木副大臣 立地適正化計画における居住誘導区域につきましては、現在、住宅の建築を全面的に禁止している災害危険区域に限って、居住誘導区域から除外をしております。

 その背景としては、災害危険区域でありながら一定の規制の下で住宅建設が許容されている場合もあり、これまでは、法律で一律に居住誘導区域から排除することはせず、自治体の裁量に委ねてきたところでございます。

 しかしながら、近年の災害の頻発化、激甚化を踏まえ、一定の住宅建設が許容されているとしてもあくまで災害による危険の著しい区域である災害危険区域に対して、居住の誘導を積極的に図るべきではないと考えられることから、今般、その全域を除外区域とするものでございます。

 国土交通省としても、引き続き安全で安心して暮らせる都市の形成に取り組んでまいります。

犬飼委員 具体的な自治体への影響について、より踏み込んでお伺いをさせていただきます。

 私の地元名古屋市においては、一九五九年の伊勢湾台風によって、高潮や浸水による甚大な被害を受けた歴史があります。この教訓を踏まえ、名古屋市では、災害危険区域の制度を積極的に活用し、臨海部の広範な区域を対象に指定を行ってきました。区域内のリスクの高い地域を第一種から第四種に分類をして、居住施設を有する建築物を建築する場合二階以上の階に居室を設けなければならないなどの、こうした構造制限等も種別ごとに条例で規定し、運用をしてきました。その結果、住宅地の立地を適切にコントロールをし、人的被害の抑制や防災力の向上に一定の成果を上げてきました。

 しかし、都市の発展とともにこれらの区域においてもインフラ整備や土地利用の高度化が進み、結果として災害危険区域が現在の居住誘導区域に広く含まれている状況が生じております。過去の防災対策としての区域指定と近年のコンパクトシティー政策としての居住誘導の考え方が、制度上重なり合っている状態となっております。

 そして、現在、この区域の関係学区には三十二万人、そして十五万五千世帯が生活をされております。今回の法改正によりこれらを全て見直す必要があるとすれば、住民生活や地域経済、さらには都市計画全体に大きな影響を与えることが懸念をされます。特に、長年にわたり居住が続いてきた地域においては、単純に危険だから除外するという対応では済まされない現実があります。

 こうした名古屋市のようなケースに対し、国としてどのような考え方で対応するのか。例えば、災害危険区域の中においても、よりリスクが高いかどうかの分類がなされております。こうしたことを踏まえて、災害危険区域の見直しを行うことや地域の実情に応じた柔軟な運用など、どのような配慮がなされるのか、具体的にお示しをください。

 また、名古屋市のように災害危険区域と居住誘導区域が広範に重複している自治体は、全国でどの程度存在しているのか、その実態についても併せてお答えください。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、名古屋市におきまして災害危険区域と居住誘導区域が重複していることについては、承知をしてございます。

 名古屋市に対しましては今般の制度改正に係る情報提供を事前に行っておりまして、市の方では、災害リスクを踏まえまして、居住誘導区域や災害危険区域の見直しの検討を進めているというふうに伺ってございます。

 国土交通省といたしましては、今後とも名古屋市からの区域設定の見直しに関する相談などに丁寧に対応をさせていただきますとともに、引き続き名古屋市と十分に連携して今後の対応を進めるようにしてまいりたいと存じます。

 なお、名古屋市のように災害危険区域と居住誘導区域が重複している市町村、これはほかに五の自治体がございますと承知しております。これらの自治体にも事前に情報提供をした上で相談を行っており、引き続き丁寧な対応を進めてまいりたいと存じます。

犬飼委員 今、名古屋市を含めて六の自治体ということでありました。これは名古屋市だけの話ではありません。市、町、自治体の中で、さらに対象となる場所というのはやはり地域であり、そのコミュニティーであると思います。ですので、これは自治体の話以上にそこに住んでいらっしゃる、その限定したコミュニティー、地域の方々の話にもなると思いますので、大変重要な話になってくると思います。

 したがいまして、より踏み込んで細かく話をさせていただきたいと思います。

 私は、かつて愛知県議会議員として名古屋市中川区を選挙区として活動をしてまいりました。まさにそこは、今回議論となっております災害危険区域と居住誘導区域が重複する、重なっている地域であります。特にこの中川区の南部の下之一色町、こうした町があります。ここはかつて漁師町として栄えましたが、六十七年前の伊勢湾台風により壊滅的な被害を受けました。その後、防潮堤の整備により安全性は向上しましたが、漁業権を手放す決断をされた方々もおられました。防災と引換えに長年続いてきた漁師町としての歴史に一つの区切りがつけられ、地域の歴史は大きな節目となりました。そうした地域であります。

 現在は、その地域では高齢化が進む中においても住民の皆様方が町を元気にしたいと立ち上がって、地域食堂などの取組をされております。先週土曜日、私も久しぶりにこの地域食堂に行ってまいりました。世代間交流、おじいちゃん、おばあちゃんから子供たちが一緒になって御飯を食べて、そして交流をされていました。五年前は参加者が三十人ぐらいでありましたが、五年たって、土曜日は二百人以上の地域の方々が来られておりました。こうした地域のつながりが新しい形で再生しつつあります。私はこうした現場を通じて、地域とは、単なる区域ではなく、人と人とのつながりそのものであると実感をしております。多くの地域で、こうしたコミュニティーを守ろうと懸命な努力が続けられております。

 このように、一つの自治体の中にもそれぞれに歴史や背景を持ち、自分たちの地域を守り、次の世代につないでいこうと懸命に努力されている方々が数多くおられます。その中で、今回の法改正により、災害危険区域と居住誘導区域が重複している自治体においては、今後、区域の見直し作業が不可避となるわけであります。そこに暮らす人々の生活、コミュニティーの在り方、居住の選択、さらには資産価値や将来の人生設計にまで、大きな影響を及ぼす可能性もあります。拙速な見直しや一方的な制度運用、また、こうしたことによって住民の不安や不信をあおり、分断を招きかねません。区域の見直しの過程において最も重要なのは、こうした住民の方々の理解と納得を得ながら、丁寧に、そして誠実に進めていくことであると私は考えます。

 そこで、地域の実情や住民の思いに寄り添いながら自治体の住民合意形成をどのように支援していくのか、具体的な方策と基本的な考え方について、大臣にお伺いをいたします。

金子国務大臣 犬飼委員の御指摘、重く受け止めさせていただきたいと思います。

 居住誘導区域等の見直しに当たっては、何よりも、住民の方々に制度の趣旨を正しく御理解いただくとともに、できるだけ御不安が生じないよう対応を進めることが重要だと考えております。

 国土交通省としましては、自治体に対しまして、今回の制度改正は、できる限り災害リスクの低い地域での居住を促進するためであるといった制度の趣旨を分かりやすくお伝えするとともに、一方で、今お住まいの方が過度に不安を感じないよう、例えば、住民の方には、居住誘導区域から外れても移転が求められたり住めなくなるわけではない旨もしっかりと説明していただくなど、丁寧な対応を促してまいります。

 また、居住誘導区域の見直しに当たっては、検討に必要な財政支援を行うとともに、自治体の御意見も踏まえ、丁寧な対応を進めていただけるよう、見直しに必要な期間として、三年間は災害危険区域と居住誘導区域との重複を許容する経過措置を設けることとしております。

 引き続き、居住誘導区域等の見直しを進める自治体と十分に連携をして、対応を進めてまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 住民の方々と直接話をしていくのがやはり自治体になるかというふうに思います。その自治体をやはり国として責任を持って支えていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。

 そうした丁寧な対応をしていただくとともに、その中で、やはり、今回のこうしたことも一つのきっかけとして、転居をしたり、またあるいは、世代交代をする中で住宅の建て替えを検討する住民もおられるのではないかということも思います。しかしながら、移転や建て替えには多額の費用が伴い、個人の負担だけで対応することは容易ではありません。

 そこで、防災・減災の観点からも、住居の転居や建て替えに対する支援が必要であると考えますが、国の対応についてお伺いをいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 災害リスクの高いエリアから安全なエリアへの移転や建て替えに対する支援につきましては、事業主体である地方公共団体が行います住民への補助に対しまして、国が支援をしております。

 具体的には、住居を移転する際におきまして、移転元での住宅の除却、引っ越し及び移転先での新たな住宅建築に係る費用の一部、こういったもののほか、水害リスクの高いエリアにおきまして住宅を建て替える際に、かさ上げなどの浸水対策を行う費用の一部、こういったものなどについて支援を行っているところでございます。

犬飼委員 こうした制度があるということも併せてしっかり周知をしていただきたいというふうに思います。知らなかったということがないように力を入れていただきながら、とにかく丁寧な対応をしていただきますようによろしくお願いをいたします。

 次に、地域の活性化ということについてお伺いをいたします。

 東京一極集中が続く中で、中部圏におきましても若者の流出への危機感が高まっております。私の地元の愛知県におきましては、産業基盤が強く、雇用はあります、ただ、雇用はあるものの、進学や就職を機に十代から二十代、特に女性の方々の東京進出というものが非常に顕著でありまして、毎年一万人規模が転出をしております。人口は、二〇一九年をピークに減少に転じ、十三年連続の転出超過ということとなりました。

 愛知県では、スタートアップ拠点のSTATION Aiや、スポーツや音楽イベントを呼べるIGアリーナを整備するなど、若者の定着に取り組んでいるところであります。

 働く場所をつくるのはもちろんでありますが、やはり、住んで楽しい、わくわくする場所にしなければならないというふうに思います。若い人たちが地元に残りたい、戻りたいと思える魅力ある町を整備することが重要であります。

 そこで、地域の活性化に向けた今回の法改正の狙いとその効果をお伺いをいたします。

金子国務大臣 お答えいたします。

 近年、地方部を中心に人口減少が一層進み、働く場所や町中の魅力の不足による若者の地方離れなどが深刻化しております。

 このような課題に対応し、地域の稼ぐ力の強化や町の魅力の向上を図るため、今般の改正案におきまして、オフィスやインキュベーション施設等の町中への誘導や、地域の歴史、文化等に根差した魅力的なまちづくりを推進するための制度の創設等を行うことといたしました。

 国土交通省としましては、これらの制度につきまして自治体へ丁寧に周知することはもとより、予算、税制、金融等の政策ツールも総動員して、地域の取組を強力に支援してまいります。

 加えて、真に地域の実情に寄り添った実効的な支援となるよう、地方整備局職員が直接自治体を訪問し、客観的なデータ等を用いた技術的サポートを行うなど、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

 こうした取組によりまして、地域に民間投資を呼び込み、全国各地で個性ある都市空間の実現を図り、地域の活性化につなげてまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 やはり、全国それぞれ課題があるかというふうに思います。東京一極集中、そうしたことに対してそれぞれの地域でどういう形で魅力を磨いていくのかということが、それぞれの課題があろうかと思います。

 先ほど申し上げましたとおり、愛知県は、雇用は自動車産業を含めて製造業が盛んということで、非常にそうした働く場というものはあるんですけれども、やはり課題は若者そして女性ということで、いかに残すことができるのかということであります。

 地元の新聞でもこういう報道がございました。今年の四月、春に新しく就職をした女性の話が載っておりました。彼女は岐阜県の方で、大学の進学はやはり岐阜よりも都会に行きたいということで愛知県名古屋市の大学に進学をされたそうです。名古屋市内の大学に通いながら、名古屋市の町ということも非常に楽しく過ごせたということで書いてありました。ただ、大学時代の四年間で名古屋の町もやはり見て、回り切った、楽しみ切ったということで、就職は名古屋ではなくて次はやはり東京に行って、もっと華やかな、そしてもっと魅力のある町、東京に行きたいということで就職先は東京を選んだということで書いてございました。

 私はその新聞記事を読みながら、せっかく愛知に来て、名古屋に来て、そのまま就職も残っていただきたかったなという思いと、一度は東京等に行かれたとしても、やはり地元に戻ってきてもらえるような、そうした魅力ある町を、この際、今回の法改正も含めて、しっかり地元の町をもう一度魅力あるところに磨き上げていかないといけない、そして、若い人たちが残るとともに戻ってきてくれるようなまちづくりをしなきゃいけないということも決意をしたところでございます。

 そうした思いも含めて、質問を続けさせていただきます。

 こうした地方の都市におきましては、単にインフラを整備するだけではなくて、今申し上げましたとおり、文化、さらには交流、働き方など、多様な観点から魅力を高めていく必要があります。

 そこで、今回の法改正によって自治体がどのような施策を講じることが可能となり、若者の地元定着や関係人口の創出にどのようにつなげていくのか、具体的な取組の方向性をお示しください。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、若者の地方離れなどが深刻化する中で地域の活性化を図っていくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を進めますとともに、未来を担う若者が地域の魅力を実感しながら地元で働き、町への愛着や誇りを高めていくことが大変重要かと考えております。

 このため、今般の改正案におきましては、地域の稼ぐ力の強化や町中のにぎわいの創出などを図るための措置を講じております。

 具体的には、まず、オフィス、インキュベーション施設、アリーナ、スタジアム等を町中に誘導することによりまして、働く場とともに魅力的な町中の形成を進めてまいります。

 また、地域で大切にされてきました古民家等を改修しまして、カフェやコワーキングスペースとして活用するなどにより交流を拡大し、地域の歴史、文化等に根差したまちづくりを進めてまいります。

 さらには、まちづくり活動の見える化によりまして、若者等の幅広い世代の参画を促し、共感を得たまちづくりを進めてまいりたいと存じます。

 国土交通省といたしましては、このような取組を通じまして、人々の交流、連携の拡大も図りながら、地域の活力と魅力の向上を進めてまいりたいと存じます。

犬飼委員 いただいた資料の中でのモデル事例として、市の中心部に商業施設や子育て支援施設、コワーキングスペース、交流拠点などを集約をし、さらに公共交通の利便性を高めることで周辺からも人が集まりやすい環境整備を進めてこられたというレポートもございました。こうしたにぎわいの創出や交流人口の拡大、さらには雇用の創出にもつながり得るものであって、地域の活性化という観点からも極めて重要な政策であると思います。

 こうしたコンパクト・プラス・ネットワークの実現に向けて各自治体が策定する立地適正化計画は、居住誘導区域や都市機能誘導区域を定め、都市の将来像を具体的に描く上での中核的な制度であります。

 多くの自治体で取組を進めていく必要があると思いますが、現時点でどの程度の自治体が立地適正化計画を策定、運用しているのか、その進捗状況をお伺いします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 立地適正化計画の作成数は、平成二十六年度の制度創設以来、順調に増加しておりまして、都市計画区域を有する市町村の半数近くであります六百五十の都市で策定されております。令和七年末時点で九百四十七の都市で立地適正化計画に係る具体的な取組を行っておる状況でございます。

 国交省としましては、令和十二年度までに一千都市におきまして立地適正化計画が策定されることを目標としており、引き続きその計画策定を促進してまいりたいと存じます。

犬飼委員 ありがとうございます。

 今後、このコンパクト・プラス・ネットワークを推進するに当たってどのように政策効果を測っていくのか、お伺いをいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 コンパクト・プラス・ネットワークの推進は、町中への都市機能の誘導等を通じまして人口密度を高めていくことが最終的な目標でございます。このため、自治体が各々の立地適正化計画に基づきまして、地域の実情を踏まえた効果的な施策を実施していくことが重要です。

 こうした観点に立ちまして、国土交通省におきましては、各自治体がコンパクト・プラス・ネットワークの自らの政策効果を的確に把握し施策に反映できるよう、居住人口や都市機能の誘導状況など、まちづくりの客観的なデータ等の提供や分析を自治体に対して行いますまちづくりの健康診断、これを昨年度から新たに実施しております。

 施策効果が最大限発揮されるよう、自治体と十分に連携してまいりたいと存じます。

 国土交通省としましては、コンパクト・プラス・ネットワークの推進によりまして居住誘導区域内の人口割合が増加している自治体、これが三分の二以上になることを目指しまして、引き続き自治体の取組を支援してまいります。

犬飼委員 見える化していただいて、PDCAサイクル、よりこの実効性を高めていくことが重要であると思いますので、よろしくお願いをいたします。

 今回の法改正によって、自治体が活用できる施策の幅が確実に広がるものと理解をしております。

 しかしながら、制度があっても現場で十分に活用されなければ意味がありません。拠点整備を行っても民間投資や若者の参画が十分に伴わなければ、にぎわいが一過性にとどまる可能性もあります。特に、人材やノウハウが不足している自治体においては、制度の運用が課題となります。

 そこで、最後の質問をさせていただきます。

 安全、安心を確保しつつ地域の活性化を図るという重要な課題に対し、国として、どのように自治体を後押しし、現場に寄り添った支援を行っていくのか、大臣に具体的な対応と意気込みをお伺いをいたします。

金子国務大臣 委員御指摘のとおり、近年、災害の頻発化、激甚化や人口減少等が進む中で、安全、安心を確保しつつ地域の活性化に取り組むことがますます重要となっております。

 先ほど来御説明しましたとおり、今般の改正案におきましては、より安全な市街地への居住の誘導などの措置を講じているところでもございますし、あるいは民間、自治体についても、政府からしっかりと支援をしているところでございます。

 安全、安心を確保しつつ、地域の稼ぐ力の強化や町の魅力の磨き上げが全国各地で着実に進むよう、国土交通省として、全力で取り組んでまいりたいと存じます。

犬飼委員 ありがとうございます。

 都市の安全、安心を守り、そして地域の魅力を磨いていくために、とにかく自治体、そして住民の方々に寄り添った対応を国としても責任を持ってしていただくことを重ねてお願いをさせていただいて、発言を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、美延映夫君。

美延委員 日本維新の会の美延映夫でございます。

 時間が十五分ですので、早速質問に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、立地適正化計画についてお伺いをいたします。

 改正案では、立地適正化計画に記載できる事項に、オフィスやホテルなどの業務施設そして集客施設の誘導に関する事項を追加する予定です。これまで、居住や生活関連施設の誘導を図ってきたとのことです。都市をコンパクト化して、ネットワークでつないでいくコンパクト・プラス・ネットワークを進めるために、オフィスやホテルといった業務施設や集客施設については、集積につながるため、より早期に改正事項に盛り込んでいってもよかったのではないかなと思っております。

 人口減少が進む中で、いわゆる町中の魅力を高めていくことが重要になってきております。そのためには、様々な業務施設や集客施設が欠かせません。これまで、オフィスやホテルなどの業務施設、集客施設の誘導に関する事項が盛り込まれなかった理由と、今回こうした事項を追加することの趣旨を教えていただけますでしょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、人口減少が進む中で、コンパクト・プラスの取組、ますます重要となってございまして、これまでにつきましては、まずは、居住や医療、福祉、商業などの生活関連機能を町中に誘導している、それで一定の成果を上げてきたというところでございます。

 ただ、しかしながら、近年、働く場所あるいは町中の魅力の不足によりまして若者の地方離れなどが深刻化している中で、地域の稼ぐ力の強化、町中のにぎわいの創出が大きな課題となっておりまして、自治体等からこうした取組への支援を求める声をいただいているところでございます。

 例えば、新潟県の長岡市におきましては、令和五年、町中にイノベーションや創業支援などを行う拠点施設を設置して以降、そこから地元の学生起業家や大学発ベンチャーなどが次々誕生しているなど、町中への業務支援施設を誘導することによる好事例も生まれてきているというふうな形もございます。

 こうした自治体からの要望、それから先進的な事例などを踏まえまして、今般の改正案におきましては、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等の施設を町中に誘導する、そういう制度を創設し、都市機能の集積を進めることとしてございます。

 国土交通省としましては、自治体のこうした取組を強力に支援することによりまして、地域の活力と魅力の向上につなげていきたいと考えております。

美延委員 自治体としっかり協力してやっていただきたいと思います。

 次に、特定都市再生緊急整備地域の指定について伺います。

 都市再生特別措置法が施行され、全国で都市再生に向けた取組が進み、私の地元の大阪市でも、多くの都市開発が実現しました。民間の創意工夫を引き出し、劇場、美術館などの都市を豊かにする文化機能、イノベーションを創出する機能など、都市の多様なニーズを満たす様々なプロジェクトが創出されました。

 特に、昨年、二〇二五年大阪・関西万博の開催期間中は、都市開発に伴って立地が進んだ国際水準の宿泊施設により、国内外から多くの来場者を大阪の都心部に受け入れる受皿ができたと思います。

 こうした事例は、国内で枚挙にいとまがなく、全国各地で都市の成長や発展に資するプロジェクトが生まれる中で、その後押しとなっていた税制支援の特例措置について、令和八年三月末が期限となっていましたが、今回の改正案により、期限が令和十四年三月まで延長されるとのことです。万博後も引き続き国際競争力を向上させ、更なる成長、発展に取り組む大阪において、都市再生の推進に寄与する制度が継続されることは、大変ありがたいことだと思っております。

 都市再生という点では、大阪ではヒガシと呼ばれる大阪城公園周辺のエリアは、既に都市再生緊急整備地域に指定されておりますが、国際競争力強化に資する都市再生を推進するために、大阪府、市を始めとした地域の関係者で、特定都市再生緊急整備地域の指定を目指しております。

 是非、特定都市再生緊急整備地域の指定が必要であると私も考えておりますが、地域指定に向けてはどのような基準をクリアをする必要があるのでしょうか。これに指定された場合どのようなメリットがあるのか、併せて教えていただけますでしょうか。

松家政府参考人 お答えいたします。

 特定都市再生緊急整備地域は、都市再生特別措置法に基づき、都市の再生の拠点となる都市再生緊急整備地域の中でも、緊急かつ重点的に市街地の整備を推進することが都市の国際競争力の強化を図る上で特に有効な地域として国が指定するものでございます。

 具体的には、都市再生緊急整備地域のうち、関係自治体の関与の下、国際競争力強化の拠点とする上で実現性等の点で十分な都市構想や戦略が策定、公表されていること、国際競争力強化に資する具体の都市開発プロジェクトの見込みがあること、また国内外の主要都市との交通利便性であるとか、あるいは都市機能の集積、経済活動の活発さといった観点から、一定の水準を満たすことなどを指定の要件としてございます。

 都市再生緊急整備地域につきましては、容積率の緩和等の都市計画の特例であるとか、あるいは今委員が御指摘いただいたとおり、今回延長もしていただきました税制の措置であるとか、あるいは金融支援などが講じられるところでございますけれども、特定地域に指定される場合には、税制措置が拡大されるほか、国際的なビジネス拠点の形成や都市の防災性向上に資するインフラ整備に対する財政支援などの追加的な措置が講じられることとなります。

 この特定地域の指定に当たっては、関係自治体において、都市開発事業者等の地元関係者との調整を図りつつ、都市の国際競争力強化の観点から具体的なまちづくり方針の議論や民間都市開発事業の具体化に向けた取組を行い、その熟度を高めていただくことが重要であると考えてございます。

美延委員 ありがとうございます。

 私の地元の大阪市北区では、大阪駅北側の貨物ヤード跡地を利用したうめきた再開発が行われています。うめきたグリーンプレイスは、二〇二五年に開業して、大変にぎわっております。

 うめきたは、特定都市再生緊急整備地域に該当し、金融支援や税制上の特例措置を受けてきました。うめきたの再開発は大きく進んできて、あと二年で基盤整備が全て完了をする予定と聞いております。国土交通省の説明資料、これをいただいたんですけれども、この中でも、グラングリーンが載っております、公益的な施設として載っておるんです。

 大阪城公園周辺地域では、森ノ宮周辺において、大阪市立大学と大阪府立大学が合併して新しく大阪公立大学のキャンパスができ、昨年の九月にオープンをしました。そして、今後、一・五期開発として、大阪メトロ、地下鉄の新駅や、それから一万人以上収容するアリーナの整備などが進んでくるということも聞いております。

 また、大阪京橋駅は、JR、京阪、大阪メトロの三社の計四路線が乗り入れ、一日約四十万人以上の乗降客が利用する大阪第四のターミナルであります。駅周辺では、昨年四月に京橋公園とコムズガーデンがリニューアルオープンし、新たなにぎわいや憩いが生まれています。

 周辺では、鉄道による地域分断が長年の課題でしたが、JR片町線・東西線連続立体交差事業が、国による事業評価手続を経て、この四月から再開することとなり、着実な進行が期待される状況であります。また、飲食店が多数集中し、路上での客引き行為などの課題はありますが、地元では対策を一層強化する動きも始まっており、来訪者が安心して滞在できる環境が整ってきております。

 駅周辺では、イオンの跡地、これは元々ダイエーがあったところなんですけれども、現在、未利用地となっていますが、周辺の環境整備と併せて、当該跡地の再開発も早く実現してほしいと思っております。

 また、連続立体交差事業による鉄道の地下化は、工期が三十年近くかかり長期間にわたる整備になると聞いておりますが、京橋駅を始めとする大阪城公園周辺地域は、これから都市再生の重要な拠点となる、大きなポテンシャルがあると考えております。そのため、中長期的な視点で、そのポテンシャルを生かし、基盤整備や都市開発を着実に推進し、都市再生によりこのエリアの認知度を高め、大阪全体の成長、発展に貢献していく必要があります。

 大阪は、御存じのように、キタ、ミナミは昔から発展しており、ニシは、今回の万博、そして開業されるIRもあります。残るはヒガシであります。東京では、山手線沿線で池袋、新宿、渋谷、上野などの様々な都市が集積して首都を形成しております。国際競争力の強化につながる都市開発プロジェクトの実施が見込まれ、指定基準をクリアする状況が整った際には、是非指定をよろしくお願いしたいと思います。

 大阪という都市の国際競争力の強化という点から、大阪ヒガシの開発の意義について、大臣はどうお考えか、御所見をいただけますでしょうか。

金子国務大臣 美延委員には、大阪のそれぞれの地域の特性を生かした構図について御指摘をいただきました。

 大阪ヒガシ地区は、国際的な観光拠点である大阪城公園や水の都大阪の河川に隣接するとともに、関西国際空港や新大阪駅、さらには、京都、神戸、奈良等とのアクセスがよく、高いポテンシャルを有しているエリアであると認識をしております。

 このように、梅田周辺のキタ、難波周辺のミナミ、ベイエリアのニシとともに、地域発展の起爆剤となる可能性を秘めた大阪ヒガシにおいて、官民連携の下で都市再生事業が進められることについては、我が国都市の国際競争力の強化を図り、強い経済に寄与するものとして大いに期待するところでございます。

 なお、大阪ヒガシ地区については、都市の国際競争力の強化を図る上で特に有効な地域である特定都市再生緊急整備地域に指定するかに関しましては、現在、地元自治体等を中心に検討が進められていると承知しております。したがって、美延委員の強力な支援もあり、地元自治体での検討の熟度をより高めていただいて、正式に意向が表明されれば、政府としてしっかりと検討を進めさせていただきたいと思います。

美延委員 大臣、ありがとうございます。

 もう一問、ちょっと時間がもう余りないんですけれども、特定業務施設等の誘導のための支援として具体的にどのような支援の内容があるのか、教えていただけますか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案におきましては、業務施設等を町中へ誘導する制度の創設を行っておりまして、具体的な支援として、まずは、都市計画に特定業務施設等誘導地区を位置づけた場合に、用途、容積率規制の緩和が可能となります。

 また、都市再生緊急整備地域におきましては、一定の要件を満たすイノベーション拠点や国際会議場等の固定資産税等について、税制上の優遇措置が受けられます。

 さらには、業務施設等の整備に対する民間都市開発推進機構によります金融支援並びに一定のインキュベーション施設やコワーキングスペース等の整備に係る財政支援などの支援がございます。

 国交省としましては、こうした町中への業務施設等の誘導が着実に進みますよう、地方整備局とともに、民間事業者や自治体に対して、制度の丁寧な周知や働きかけを行い、制度の活動を力強く支援してまいりたいと存じます。

冨樫委員長 美延君、時間となっています。

美延委員 はい。

 では、最後に、今回の法改正の趣旨について、大臣の御所見をお願いいたします。

金子国務大臣 近年、地方部を中心に人口減少が一層進み、働く場所や町中の魅力の不足による若者の地方離れなどが深刻化しております。

 このような課題に対応し、地域の稼ぐ力の強化や町の魅力の向上を図るため、今般の改正案において、オフィスやインキュベーション施設等の町中への誘導や、地域の歴史、文化に根差した魅力的なまちづくりを推進するための制度等を創設することといたしました。

 国土交通省といたしましては、これらの制度について自治体へ丁寧に周知することはもとより、予算、税制、金融等の政策ツールも総動員して、地域の取組を強力に支援してまいります。

 加えて、真に地域の実情に寄り添った実効的な支援となるよう、地方整備局職員が直接自治体を訪問し、客観的なデータ等を用いた技術的サポートを行うなど、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

 こうした取組により、地域に民間投資を呼び込み、全国各地で個性ある都市空間の実現を図り、地域の活性化につなげてまいります。

美延委員 ありがとうございました。終わります。

冨樫委員長 次に、臼木秀剛君。

臼木委員 国民民主党・無所属クラブの臼木秀剛と申します。

 今日は、都市再生特措法等の改正案につきまして御質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、ちょっと、法案の中身に入る前に、大局的な質問を幾つかさせていただきたいと思います。

 先ほど来もありましたけれども、この間、大都市とそれから地方都市、そして地方においても地方の中核都市とさらにその周辺部、かなり町や人口の居住分布の在り方について大きな課題が出てきていると思っています。

 その中で、今回、九本の法案が改正となっており、いろいろな多岐にわたっての改正事項がある中で、そもそも基礎となる都市計画制度の見直しが入っていません。

 都市計画制度に対しては、都市スプロール問題がなかなか解消できない原因になっているとか、土地利用の硬直性を生み出しているといった厳しい御意見もありますし、昨年二月六日に開かれた国交省の都市計画に関する有識者会議においても、委員の方から、都市計画制度はもう限界に来ている、まちづくりの新しい枠組みをつくるべきではないかといった意見も出されています。

 その中で、今回、この都市計画制度の見直しが入っていないということも含めて、ここについての考え方、まず、参考人でもどなたでも結構ですので、お示しをいただいてよろしいでしょうか。

金子国務大臣 臼木委員にお答え申し上げます。

 令和五年に閣議決定いたしました国土形成計画の中では、国土全体にわたり人口や諸機能の広域的な分散を図り、東京への人口や諸機能の過度な集中を是正することを喫緊の課題としております。

 こうした東京への過度な集中の要因の一つでもある若者の地方離れなどが深刻化する中、地域の稼ぐ力の強化や町の魅力磨き上げの取組を強化することによりまして、若者を始め地域の人々が地元の魅力を実感しながら働き、愛着や誇りを持てるような町を実現していくべきと考えております。

 このため、今般の改正案において、オフィスやインキュベーション施設等の町中への誘導や、地域の歴史、文化に根差した魅力的なまちづくりを推進するための制度等を創設することといたしました。

 また、都市再生の前提となります都市計画制度に関しましては、人口減少下で都市の郊外部の無秩序な土地利用が進まないよう、規制的な手法を用いて開発抑制を行うことが必要といった意見などをいただいております。

 都市計画の規制的手法について、必ずしも自治体において有効に活用されていない面があるのは事実であり、まずは、自治体に活用可能な方策や対応例等につきまして御理解を深めていただくことが重要と考えております。

 このため、地方整備局職員が直接自治体を訪問し、客観的なデータ等を用いた技術的サポートを行うとともに、都市計画の規制的手法を用いた優良事例を御紹介するなど、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

臼木委員 ありがとうございます。

 規制的手法というものをどのように使っていくかということ、これは確かに自治体の皆様からすればちゅうちょする面もあると思いますが、先ほど大臣からもありましたとおり、東京への一極集中、また大都市部への過度な集中というものは減らしていこうというのがこの間の考えではありながら、今回の法改正を見てみれば、メインは都市再生特別措置法ということですから。

 これは、そもそも法の目的としては、特措法ということで、平成十四年、バブル崩壊後、経済低迷、投資不足がある中で、民間事業者に開発ができる、大都市を中心に都市開発を促進して、国際競争力も強化して、そして規制緩和と、整備を行っていこうということが主眼で作られた法律でありますので、この特措法、これは、いろいろな地方都市への拡大であったりコンパクト・プラス・ネットワークといったようなもの、いろいろな概念は加わっているものの、基本的にはやはり都市部を中心に整備をしていく。そして、実績ですね。これは国交省さんからも、この間の実績を見てみれば、基本的には、もう東京のいわゆる大都市、都市部の大規模なビルであったりテナント整備というものが実績に上がってきているわけですから、これは何か若干相反するものを御答弁をいただいているのではないかというふうにも思っております。

 こういった考え方の下で、ただ、先ほど来あるとおり、人口減少、特に若年人口の減少と地域から流出しているという局面にあっては、そもそも特措法自体が目指している大都市、都市の魅力向上をしてしまえば、中心部への機能集積、これが成功してしまうと、その反作用としてやはり周辺自治体や都市部以外の地域においての低密度化、過疎化、都市機能の低下や消滅というのは加速度的に進むことになるというのは必然だと思います。

 こういった点につきまして、先ほど他の委員からも指摘がありましたけれども、段階的にコンパクト・プラス・ネットワークを図っていくんだということですけれども、どんどんどんどん、かえって地域の都市、中核都市も含めてですけれども、魅力が失われることにもつながりかねないと思いますが、こういったそもそも特措法制定当時の目的や懸念点がありましたが、こういったものと今の現状を見た上でどういった課題認識を持っているのか。そして、特措法の考え方に基づいて更に地方にも広げていくとありますけれども、更に地方間の都市の格差を広げるということにもつながるのではないかという懸念もあると思いますが、この点についてのお考えをお示しいただけますでしょうか。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 都市再生特別措置法が制定される平成十四年以前において、我が国の経済社会活動を牽引する活力の源泉となるべき都市は、緑地や広場など公共的空間の不足、民間投資の停滞、国際競争力の低下等の課題を抱えており、これらの課題に対応し、都市の再生を図るために同法が制定されたところでございます。

 その後の改正によりまして、全国を対象に、まちづくりに必要な幅広い施設の整備等による都市再生やコンパクト・プラス・ネットワークの推進など、制度の充実を図ってまいりました。

 こうした中で、先ほども申し上げましたが、近年、地方部を中心にして人口減少が一層進み、働く場所や町中の魅力の不足による若者の地方離れなどが深刻化をしております。

 このため、重なりますが、本法律案では、オフィスやインキュベーション施設等の町中への誘導の促進や、地域の歴史、文化等に根差した魅力的なまちづくりを推進するための制度を創設することとしており、地方都市等における稼ぐ力の強化や町の魅力の磨き上げにしっかりと取り組んでまいります。

 国土交通省としては、地方都市、大都市含め、地域の実情に応じた都市再生を進め、地方の活性化と国際競争力の強化を同時並行でしっかりと進めてまいります。

臼木委員 ありがとうございます。

 大臣から、今、同時並行的にということも御発言をいただきましたが、やはり、限られた予算もありますし、これから将来を考えていく中で同時並行で本当にいいのかというのは、やはり私も懸念も持っています。

 人口減少といいますが、特に若い世代、若年の人口というのは、当然、もう皆さん御存じでありますとおり、出生数も年では七十万人を切るような数になってくる中で、これから集積であったり都市部への流出が続くと、これは本当に地方都市というのは加速度的な規模縮小になっていきます。

 コンパクト・プラス・ネットワークというものを進めると、当然密度は高まりますが規模自体は余り大きくはならないということになるわけですから、人口が増えていればいいですが、人口が増えているか維持であればいいけれども、減っている局面で集約をすると町自体の規模は小さくなるわけです、当たり前ですが。

 そうすると、地方の都市の再生に対して、事業者や行政もそうなんでしょうが、なかなか投資の魅力であったり予算を投入する必要性というものも、更に加速度的にその必要性がないんじゃないかと。行政はやらざるを得ないかもしれませんが、民間としては投資の魅力はどんどんどんどん減ってくるということにもつながりかねないとも思っております。

 その意味でも、先ほど福重委員から御指摘あったとおり、都市と地方の差がますます広がるし、投資の魅力がないところに当然民間は投資はしない、当たり前だと思いますので、そういう意味でも、同時並行的にやっていくのがいいのか、そしてこの法律でベースにやっていくのがいいのかということも含めて、やはりいま一度立ち止まってきちんと考えていく必要があるとは思います。

 こういった事業者、民間の皆さんの投資の可能性であったり、行政の予算がなかなか、投資をしてもきちんと投資に見合う維持ができるのかという行政コストの面、こういった点からについての考え方があれば、こちらも御説明をいただいてよろしいでしょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生から、投資コスト、投資に見合うものがどれぐらいできるのかというような問題意識での御指摘をいただきました。

 地方都市におきましては、人口減少や少子高齢化で需要の拡大が見込みにくい中で、事業費の上昇等が進んでおりまして、都市再生に係る事業の見通しが立てづらくなっていることなどによりまして、結果として、事業者の投資等に影響を与えているものと考えてございます。

 こうした中で、新潟県長岡市や群馬県前橋市などのように、オフィスやインキュベーション施設などを町を活性化させる新たな投資として行うことによりまして、地元の需要などを拡大して地域の活性化につなげていく事例も出てきておりまして、こうしたまちづくりの予見性を高める取組を通して次の投資を誘発することも大事だと考えてございます。

 このような状況を踏まえまして、今般の法改正においては、町中への業務施設等の誘導を進めるとともに、官民連携による町中のリノベーションに対する補助や金融支援を充実させ、併せて地域のエリアマネジメントの見える化を促すことで、地元の需要の拡大やまちづくりの予見性の向上などを図ってまいりたいと存じます。

臼木委員 ありがとうございます。

 これも先ほど来ありますけれども、箱を造っても使う人が、ソフトがなければ意味がないというのは先ほど来指摘もありますし、ともかく、やはり、人が減っている、人がどんどん減っている、増えてはいっていないということは、これは真っ正面から捉えて考えていかなきゃいけないと思いますし、一朝一夕にまちづくりというのはできるものではありませんから、そこはきちんと考えた上で、やはり我々としても、たてつけ、こういった法の整備というものはやっていく必要があるということだけ指摘をさせていただきたいと思います。

 ちょっと時間も限られていますので、法律の中身に入っていきます。まず、都市再生特措法に基づく協定について御質問をさせていただきます。

 今回の法改正で、新たに四つの協定制度がこの特措法では、景観法では一つありますけれども、創設をされる予定であります。

 現在、ただ、都市再生特措法には十一、協定がありまして、都市再生緊急整備地域における協定を含め、合計十一あります。この協定が新たに四つ増えるということで、まちづくりのオプションのメニューとして更に四つ増え、十五個できるということは、これは、いろいろな地域に合わせ、また住民のニーズに合わせたまちづくりができるということにはなるんでしょうが、ただ、既存の協定について見てみますと、実績でいえば、法七十四条に規定されている都市利便増強協定というのが四十三件、これが令和七年十月時点のようですが、それ以外が全てゼロから三件ということで、ほとんど使われていないというのが実態だと事前に説明を受けております。

 今回新たに四つ創設するわけですけれども、メニューを増やしても使われないメニューであったら意味がないと思いますので、なぜ今までのメニューが使われていないのか、さらに、今回新たに創設されるメニューは皆様からニーズがあってそもそもつくられたものなのか、さらには、既存の協定も含めてこの十五のオプションメニュー、皆さんに使っていただくためにどのような取組を国交省としてやっていくのか、御説明をお願いいたします。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 都市再生特別措置法に基づく各種の協定制度は、都市における安全の確保など、まちづくりに係る個別の目的ごとに、制度として、これまで段階的に整備してまいりました。

 先生御指摘のとおり、これらの協定制度には、多いもので四十三件締結されている協定もあれば、一方で、締結実績がない、あるいは数件程度にとどまっているものもあり、その活用が十分であるとは言い難い状況と認識してございます。

 その原因としまして、土地所有者等の全員の合意を要件とするものが多いこと、あるいは、それぞれの制度自体がまだ十分に認知されていないこと、こういったことなどが考えられまして、締結までに時間を要しておるというのが実際でございます。制度創設から五年から十年程度経過した後に初めて活用されるものも複数見られたところでございます。

 現在、新たに協定制度の活用をしている地域もありますが、国交省としては、自治体の活動のサポートを丁寧に行って、活用を広げていきたいと考えてございます。

 あわせまして、協定の使い勝手、利用促進に向けた取組、これからどうしていくのかということについてでございます。

 これら協定につきましては、まず、公共公益施設の整備、管理を担保する協定の締結、新たに導入しますけれども、これは、地方自治体にとりましては、民間の力を生かした施設の整備、管理ができますとともに、民間事業者にとりましては、事業を進めるに当たって容積率の緩和などが認められるというメリットがございます。また、景観再生事業に関します協定の締結につきましては、事業の対象となる建物の所有者が景観整備推進法人から貸付けによる賃料収入を得て、所有する建物の改修、活用を図ってもらえるといった形で、協定締結、それぞれにおいてメリットがあるというふうなことが考えられるところでございます。

 国交省としては、今回創設する協定制度が各地で活用されますよう、自治体への説明会の開催、分かりやすい手引の策定など、地方整備局と一緒になりまして、現行制度の活用も含めて、国土交通省の現場力を最大限生かして働きかけを行ってまいりたいと存じます。

臼木委員 ありがとうございます。

 種々メリットがあるからこそ用意をしているものだと思いますので、きちんと使っていただけるように、これは先ほど来ありますけれども、国交省の現場力ということですので、連携をしながら、また、周知、広報も含めて是非取組を行っていただきたいと思います。

 続けて、今回、都道府県の権限や機能が拡大をするという内容も盛り込まれています。

 まず、特措法の関与については法八十一条で規定をされていますが、これは皆さんも地域を回っておられたりいろいろな自治体の皆さんのお声を聞いていると分かると思いますが、都道府県、それから市町村間の調整というのはなかなか、やはり首長さんの性格、性質等もあるとは思いますが、難しいものはあるとは思っています。

 今回、特措法の関与について、都道府県が調整権限を有するとありますが、例えば、それぞれ市町村が立地適正化計画を出しているんだけれども、他の市町村からすれば、これはちょっと合わない、また、都道府県としてもこれはちょっとというものがあった場合に、こういった立地適正化計画の見直しを求めることなどもできるのか。これはどこまで、法律を読む限り、都道府県の権限ということの御説明、これはポンチ絵の方にも書いてありますが、権限と言えるほどの権限がどこまで都道府県にあるのかというのはちょっと私は分からないので、この点、都道府県の権限というのはどこまで何ができるのかというところについて御説明をいただいてよろしいでしょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 都道府県の立地適正化計画の策定に関します権限、どこまでできるかというふうな話でございますけれども、今般の改正案におきましては、都道府県が立地適正化計画の策定に関与できるような、そういう制度創設を行ってございます。

 具体的に申し上げますと、市町村が定めます立地適正化計画につきまして、都道府県が市町村に対して必要な助言、協力を行うことができ、また、市町村から求めがありました場合には、市町村相互間における必要な調整を行うということとしてございます。

 いずれも都道府県が広域的な観点から市町村の取組を後押しするというものでございまして、今般の法改正後におきましても、見直しの最終判断は市町村においてなされるということになります。

 こうした措置を通じまして、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を推進してまいりたいと存じます。

臼木委員 分かったような分からないようなところなんですけれども、結局のところ、何か権限というよりは関与はできるというぐらいのイメージなのかなという理解で、もし違っていたら、この後お答えをいただければと思いますが。

 また、同じように、景観法についても、七条の二、七条の三というところで都道府県の関与というのが、事務権限というのがここも拡大をされるわけですけれども、ここについても同様に、都道府県というのが何ができてどこまでできるのかというところ、ここも御説明をいただいてよろしいでしょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 複数の市町村にまたがる広域的な景観につきまして、市町村間の方針がそろわないことにより、景観の調和が図られていないという課題もございます。

 こうした課題への措置としまして、本法案におきまして、都道府県による広域基本方針の作成や市町村間で広域的景観保全に向けて調整を行う協議の場を設けることが可能となる制度を創設することとしてございます。

 各市町村においては、景観計画の策定や変更を行う場合、そういう場合には広域基本方針に基づくということになり、また、協議の場で調整が整った事項については、その内容を尊重するということが求められることになります。

冨樫委員長 臼木君、時間となりました。まとめてください。

臼木委員 ありがとうございます。

 ここはなかなか難しいところだとは思いますけれども、まずは、都道府県も関われるということの理解だと思います。

 最初、冒頭の方に質問させていただきましたが、限られた財源で国土、国民生活をどのように守って維持をしていくのかということは、これは国交省の仕事だと思いますが、やはり、優先順位をきちんとつけて、そして将来に可能性のある国土形成に資する法案になっていくように、そしてまた、そういう仕組みづくりを私も取り組んでいきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、西岡秀子君。

西岡(秀)委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。今日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 都市再生特別措置法改正について質問をさせていただきます。

 これまで平成十四年から都市再生の取組がなされてきたわけでございますけれども、これまでのコンパクトシティー政策、この成果と今後目指すべき地方都市づくりについてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 昨年末の数字として、立地適正化計画を具体的に取り組んでいる都市が九百四十七都市、計画を策定、公表している自治体の数は六百五十都市と認識をいたしております。

 居住誘導区域の人口増加の状況や計画策定による成果についてどのように分析、評価をされているのでしょうか。その分析、評価を踏まえて、現在の課題をどのように捉えた上で今回の法改正を行うのでしょうか。このことについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 あわせて、コロナ禍を経まして一定、一時期地域への人の流れというのが生まれたものの、現状では東京一極集中が加速をいたしておりまして、地方においては人口減少に歯止めがかからず、地域間で格差が拡大をいたしております。

 今回の法改正が東京一極集中是正につながるものなのかどうか、今後、特に地方の都市づくり、地域づくりをどのような方向で目指していかれる方針であるのかということについて、まず金子大臣にお尋ねをさせていただきます。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 今御指摘いただきましたが、立地適正化計画につきましては、平成二十六年の制度創設以降、全国六百五十の市町村において計画が策定されるとともに、このうち約三分の二の市町村で居住誘導区域内の人口割合が増加しているなど、一定の成果を上げてきたと評価をしております。

 しかしながら、近年、働く場所や町中の魅力の不足により若者の地方離れなどが深刻化する中、地域の稼ぐ力の強化や町中のにぎわいの創出が大きな課題となっており、自治体等からこうした取組への支援を求める声をいただいているところであります。

 このような自治体からの声や先進的な事例等を踏まえ、今般の法律案では、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等の施設を町中に誘導する制度を創設をし、地方都市の活性化を図ることとしております。

 令和五年の国土形成計画では、東京への人口や諸機能の過度な集中の是正に向けまして、地域経済、産業の活性化や地方における魅力的な地域づくり等を推進するとされており、今般の取組もこうした地域づくりの方向に沿ったものと考えております。

 国土交通省といたしましては、政策ツールを総動員して、魅力的なまちづくりを進める地域の取組を強力に後押ししてまいります。

西岡(秀)委員 御説明ありがとうございます。

 それを踏まえましても、この法改正の内容について具体的に入りたいというふうに思いますけれども、まず計画策定の実効性についてお尋ねをいたします。

 地方にも民間投資によるコンパクトシティー政策を進めることも含めた法改正であるというふうに認識をいたしますけれども、この施策を進めていく上で、その大前提として、市町村が計画を策定していくに当たって市町村の人材が圧倒的に今不足をしている状況がございます。

 特に技術系の専門知識を有する職員が不足をしている、これは大変憂慮すべき事態だというふうに思っておりますけれども、果たして実効性のある計画を策定できるのかどうかという懸念を持っております。そのことに対する認識と、今後それを踏まえてどのような体制で進めていかれるのかということについてお伺いをさせていただきます。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 立地適正化計画につきましては、その計画の策定が順調に進んでいるところでございますけれども、一方で、先生御指摘のとおり、人員、財源やデータ等の不足によりまして、特に小規模の市町村におきます計画策定が課題になってございます。

 このため、国土交通省におきましては、小規模市町村に対する計画策定費の支援を強化しますとともに、昨年度からは、まちづくりの客観的なデータ等の提供や分析を自治体に対して行いますまちづくりの健康診断、あるいは地方整備局職員が直接自治体を訪問して意見交換などを行います令和の都市(まち)リノベーション全国推進運動、こういったことなどを新たに実施しまして、計画策定の支援を行っております。

 また、今般の改正案におきましても、都道府県が計画策定等に関与できる制度を創設しまして、単独で立地適正化に取り組むことが困難な小規模市町村などにおきましても、都道府県のサポートによりまして計画策定が促進されるよう措置しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、このような取組を通じまして、引き続き自治体の計画策定を積極的に支援してまいりたいと存じます。

西岡(秀)委員 今御答弁にもあったとおり、計画を策定していくためには、やはり特に小規模な市町村におきましては、人的、財政的な支援というのが欠かせないというふうに思いますので、今まちづくり健康診断というお話もありましたけれども、国としてしっかり積極的にこのサポート、支援を行っていただくことが大前提ではないかというふうに私は考えますので、お取組をお願いしたいというふうに思います。

 続きまして、持続可能な地域の活力を向上させることについてお尋ねをさせていただきます。

 先ほどから大臣もずっと御答弁をされておりますけれども、地方都市におきましては、人口減少、若者の流出、そして大変活力が失われているという大変深刻な課題がございます。それを踏まえて、本改正案は、民間投資を呼び込み、地域に活力を与えるために、多様な機能施設、業務施設や集客施設等を立地誘導施設に位置づけまして、居住者やオフィス、ホテル、アリーナ等のスポーツ施設などを適正化計画の誘致対象に追加することが盛り込まれております。

 まさに、私の地元長崎市におきましては、認定民間都市再生事業として、スタジアムを核とした長崎スタジアムシティが二〇二四年に開業いたしました。株式会社ジャパネットホールディングスが総事業費一千億円を投じた上で、ステークホルダーの皆様が一体となって取り組んだ、前例のない民設民営の大規模複合施設だというふうに認識をいたしております。町中にスポーツスタジアム、アリーナ、ホテル、商業施設、オフィス街などが併設をされまして、大変今にぎわいが創出をされ、地域の活力向上に大きく貢献をいたしております。

 ただ、長崎の場合は、特に一千億円を企業が投資をするという例を見ない事業でございますし、ちょうど三菱重工が所有をしておりました七・五ヘクタールに及ぶ大きな土地が長崎駅から徒歩十分内にあったということも踏まえて、今大変にぎわいは創出をされている状況がございますけれども、今、各都市におきましても様々な計画、取組がなされているというふうに思います。

 成熟都市の共感都市再生ビジョンの中間取りまとめ、その中で、今後の課題としては、現状の物価高騰による採算性の悪化を背景に、長期的な開発プロジェクトの持続可能性についての議論があり、また先行き不透明な中での柔軟性を持たせる計画の必要性、また都市開発プロジェクトの公共貢献の在り方等がこの法改正の前に議論をされたというふうに認識をいたしております。

 国交省の方からは、それらを踏まえた法改正であるということを御説明いただきましたけれども、これらの課題について本改正によって本当に担保されるのかどうかということについては、私は大変懸念を持っているわけでございますけれども、この事業計画の持続可能性について、金子大臣、どのようにお考えになっているかということについてお伺いをさせていただきます。

金子国務大臣 長崎市は本当にすばらしい取組をされています。九州のみならず全国からも、模範的な、羨ましい、民間の投資をもってまちづくりを進められていることでございます。

 今御指摘いただきましたが、都市開発プロジェクトは長期的に持続可能であることが重要であり、このため、計画段階から、施設整備やその後の管理、利活用を見据えた見通しを官民で共有をし、取り組んでいくことが必要と認識をしております。

 こうした観点も踏まえ、本法案では、地方自治体と民間事業者との間で、公共公益施設の整備や管理の在り方を事前に定める協定制度や、整備後の広場等の活用など官民が連携して行うエリアマネジメント活動を見える化する制度を創設することとしております。

 これらの制度を活用し、プロジェクトの計画段階から検討を的確に進めることで、適切な事業規模等を踏まえた事業計画が作成されるなど、事業マネジメントが的確に推進されること、施設の整備後から速やかに官民連携した施設の利活用などが可能となることから、プロジェクトの持続可能性につながるものと考えております。

 国土交通省といたしましては、地方自治体や民間事業者に対して制度の周知、働きかけを行うとともに、地元地域の官民が一体となってハード、ソフト両面で精力的に取り組む都市開発プロジェクトを重点的に支援をし、持続可能なまちづくりを進めてまいります。

西岡(秀)委員 地方自治体が主体になったプロジェクト、官民連携のプロジェクトなど、様々な形態があるわけでございますけれども、今、持続可能性についてしっかり取り入れた法改正であるということで御答弁がありましたけれども、しっかり、やはりこの持続可能性につきましては、計画段階からこのことは明確にして進む必要があるというふうに思いますし、特に長崎の場合は企業の経営者の方がふるさとに対する大変強い思いをお持ちの中で、やはりプロジェクトにしっかりした理念ですとか思いというものがなければ大変、持続可能性含めて、様々な計画段階からの課題というものもあるというふうに思いますので、しっかり、ここについては国としてできる支援を是非お願いをさせていただきたいと思います。

 続きまして、関連いたしますけれども、先ほど御答弁の中であった長岡市におきましては、大学や高専など教育機関との連携によって、地域の中心となる駅の近くにイノベーション地区を創設をして、その集積を図る取組を進めておられます。

 高市政権も新技術立国を掲げて、基礎研究への投資の拡充含め、研究開発を促進する施策を進めておられます。特に地方都市におけるイノベーションを創設する環境整備、集積地の形成というものは地方創生の核となりますし、特に地方都市は若い方が進学時に首都圏に転出をされるということもありますので、これを踏まえても大変有効な取組ではないかというふうに思っておりますけれども、地域の拠点形成へ向けた支援強化について、今後の方針をお伺いをさせていただきます。

佐々木副大臣 委員御指摘の新潟県長岡市では、令和五年、町中にイノベーションや創業支援等を行う拠点施設を設置して以降、そこから地元の学生起業家や大学発ベンチャー等が続々と誕生するなど、町中へ業務支援施設を誘導することによる好事例も生まれていると承知をしております。

 このような先進的な事例等を踏まえ、今回の改正案では、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等の施設を町中に誘導する制度を創設し、都市機能の集積を進めることとしております。

 こうした業務施設等の集積を強力に進めるため、都市計画における用途、容積率の緩和や、民間都市開発推進機構による金融支援、一定のインキュベーション施設等の整備に対する財政支援など、今年度から多様な支援策を新たに講じております。

 国土交通省としては、地方整備局とともに、民間事業者や自治体に対し、制度の丁寧な周知や働きかけを行いながら、地方都市におけるイノベーションを創出する環境整備を進め、地方の活性化が図られるよう、力強く支援してまいります。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。

 是非、大変有効な取組だというふうに思いますので、しっかり支援をしていただいて、先行事例としてこの取組が是非また地方の都市でも取り組まれるということも大変期待するところでございます。

 続きまして、今回の法改正を踏まえて、今まで以上に業務施設等の立地による効果検証を充実強化させていくことが私は必要になるというふうに思っております。先ほど答弁で述べられましたまちづくり健康診断の活用、それも一つだというふうに思いますけれども、検証方法や検証する項目の改善、これまでの成功事例のノウハウの共有等について、今後どのように取り組まれる方針であるかということをお伺いをさせていただきます。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のまちづくりの健康診断につきましては、国土交通省におきまして、人口密度や生活関連機能の集積度合いなどまちづくりに係る客観的なデータ等の提供や分析結果の共有を自治体に対して行うものとして昨年度より実施してございます。

 今後、町中への業務施設等の誘導などの措置を行う今般の改正などを踏まえまして、新たに公共交通や地域経済に係る指標の充実あるいは分析手法の高度化を図るなど、その改善を進めることとしております。

 また、成功事例のノウハウの共有などにつきましても、地方整備局職員が直接自治体を訪問して意見交換等を行う令和の都市(まち)リノベーション全国推進運動の中で個々の事例を具体的に紹介するなど、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

西岡(秀)委員 それでは、時間が残り少なくなっておりますので、ちょっと順番を変えまして、最後に用意をいたしておりました大臣に対する質問を先にさせていただきたいと思います。

 先ほども議論があったところでございますけれども、例えば地方都市にコンパクトシティーを進めた場合に、やはり周辺地域の過疎化、空洞化、これは極めて私は懸念をするところでございまして、この対策についてお伺いをさせていただきます。

 コンパクトシティーの効果としては、生活サービスの維持、小売商業や訪問介護等のサービス産業の生産性向上、また行政コストの削減と固定資産税の維持、居住地と拠点地区が近くなることによって健康が増進されるというようなことが挙げられております。ただ、コンパクトシティーを推進する一方で、都市の集積化に伴い、周辺地域が過疎化し、疲弊が進み、空洞化、これはもう既にこういう状況が全国各地で起こっているというふうに認識をいたしております。

 その中で、ネットワークがつながる地域公共交通でしっかりつながっていれば、まだそこでしっかり生活ができるわけでございますけれども、今この地域公共交通がドライバー不足で大変疲弊をし、脆弱となって、移動が制限されるような事態も既に起きてきております。

 このコンパクトシティーを進める一方で、しっかりやはりそのことへ向けた対策を一体的に進めていくことが極めて重要だというふうに考えますけれども、金子大臣にそのことに対する認識と対策についてお伺いをさせていただきます。

金子国務大臣 委員御指摘のとおり、町中への都市機能の集積を図りつつも、現在居住誘導区域外にお住まいの方が引き続き生活関連機能を利用することができるよう、町中への交通アクセスを確保するなど、地域の実情を踏まえ、自治体は、住民生活に十分配慮して町中への機能集積を進める必要があります。

 国土交通省といたしましては、地域全体の理解と協力をいただきながら、丁寧に持続可能な都市の実現に向けた取組が進められるよう、自治体に対して適切に助言や支援等を行い、活力と魅力に満ちたまちづくりを推進してまいります。

冨樫委員長 西岡君、時間となりました。まとめてください。

西岡(秀)委員 質問できなかった項目がございますけれども、時間となりましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、吉川里奈君。

吉川委員 参政党の吉川里奈です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 まず、本題に入る前に一言申し上げます。

 中東情勢の影響下におけるエネルギーの安定供給については、まだまだ先行きが見通せない状況が続いております。

 こうした中、特に建設業を始めとする中小零細企業や個人事業主への影響は、現場において刻一刻と深刻化が進んでいると伺っています。政府としては供給は維持されているとの認識が示されており、先週の質疑と同様の御回答になるということを確認させていただきましたので本日はあえて質問はいたしませんが、現場からは、やはり目詰まりは解消されていないといったお声、非常に切実なお声が寄せられております。こうした実態を踏まえて政府の認識と現場の実態との乖離がやはりまだまだございますので、そこを十分に精査いただいて、現場に確実に供給が行き渡る体制の構築に向けてあらゆる手段を講じていただきたい、そのことを強く求めさせていただきます。

 では、もう質問は大丈夫ですので、本題に入ってまいります。

 本日、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案ということなんですが、我が国の都市再生政策というのは、平成十四年以降、バブル崩壊後の経済低迷や民間投資の停滞に対応するため都市再生特別措置法が制定されたことに始まり、以来、時代の要請に応じて制度の見直しというものが重ねられてまいりました。都市の国際競争力の強化、コンパクトシティーの推進、さらには防災性の向上や居心地のいい空間の創出など、その政策の目的というのは段階的に拡張されてきたものと認識をしています。

 そして、今回の法改正は、いわゆる令和の都市リノベーションとして、民間投資の呼び込みや地域固有の魅力を生かしたまちづくり、さらには、防災性の向上、持続可能性の確保等を一体的に進めようとするものであると受け止めておりますが、本法改正を通じて、我が国の都市再生について、もう二十五年目になりますけれども、大臣はどのような形に我が国を導いていこうと思われていらっしゃるのか、このグランドデザインについて、是非、意気込みを伺いたいと思います。

金子国務大臣 冒頭、吉川委員から、燃油高騰、安定的な供給、価格の低下ということで、大変、現場で、公共交通あるいは建設の現場、様々なところに、国土交通行政は幅広いのでそこについて、中東情勢に関する関係閣僚会議を踏まえて、各部局において丁寧に現場の声も伺いながら対応させていただいております。まだまだ目詰まりがあるところもあると思いますけれども、丁寧に、皆さん方が安心して国民生活が暮らしていけるように、しっかり取り組んでいくことをまずはお答えをさせていただきたいと思います。

 そして、若者の地方離れなどが深刻化する中、地域の活性化を図っていくためには、地域の稼ぐ力の強化や町の魅力磨き上げの取組を強化することによりまして、若者を始め地域の人々が地域の魅力を実感しながら働き、愛着や誇りを持てるような町を実現していくべきだと考えております。

 このような地域の実現に向けて、今般の改正案において、オフィスやインキュベーション施設等の町中への誘導や、地域の歴史、文化に根差した魅力的なまちづくりを推進するための制度等を創設することといたしました。

 国土交通省といたしましては、これらの制度について自治体へ丁寧に周知することはもとより、予算、税制、金融等の政策ツールも総動員して、地域の取組を強力に推進、支援してまいります。

 加えて、真に地域の実情に寄り添った実効的な支援となるよう、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

 こうした取組によりまして、地域に民間投資を呼び込み、全国各地で個性ある都市空間の実現を図り、地域の活性化につなげてまいります。

吉川委員 ありがとうございます。

 そういった取組自体の構想はすばらしいというふうには思うんですけれども、制度を整えること自体が目的ではなくて、やはり、実際に地域で活用され、住民の暮らしの質の向上につながってこそ意味を持つものであるかと考えます。

 なので、制度がいかに整っても現場で十分に活用がなされなければ、実効性の担保はできないかと考えます。特に、町のブランディングやマネジメントといった取組については、利用される自治体と十分な連携の下、技術的、人的支援を的確に講じるとともに、地域の実情や需要に即した形で進めていくことが重要かと考えます。

 その結果、その地域に住み続けたい、大都市に出なくとも、生活が成り立ち、安定的に生計を立てることができる、それがあってこそ、家族をつないでいくことができるのかと考えます。

 そういう環境が整わないと、先ほど臼木議員のお話にもありましたが、やはり、人口減少に歯止めは利かないのではないか、持続可能な地域社会の実現にはつながらないのではというふうに考えますので、やはり、政府には、長期的な視点に立って町の未来に責任を持つという強い意思の下、本政策を着実に推進していただくことを強く求めたいというふうに思います。

 二番の質問は飛ばします。三番の質問に参ります。

 コンパクトシティーと地方創生の関係について伺います。

 少子高齢化、人口減少が進む中で、立地適正化計画に基づき、居住や生活サービス機能の誘導を図るコンパクトシティーの取組が進められてまいりました。

 一部地域では、居住誘導区域への人口集積等の効果は示されているものの、我が国全体として人口が減少している現状においては、一つの自治体間の地域内で、ある地域へ人が流入すれば必然的に他の地域が人口が減少するという側面があって、他の委員の先生も御指摘ありましたが、結果として地域間で人口のいわば取り合いが生じているのが実態なのではないかと考えます。

 これが政府の掲げる地方創生の目指す姿と言えるのか。また、誘導区域外に居住する住民に対する行政サービスについて、どの水準まで維持する責任があると考えているのか。具体的な対応策があれば教えてください。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 人口減少などが進む中で、地域全体の活力を維持し生活に必要なサービスを確保していくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を進めることが重要です。

 本法案におきましては、これまでの取組に加えまして、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等を町中に誘導することで、地域の稼ぐ力の強化、町中のにぎわいの創出を図ることとしてございます。

 今回の法改正の方向性でございますけれども、これは、昨年六月に閣議決定されました地方創生二・〇基本構想で密度の経済の発揮を通じた都市の持続性確保が位置づけられておりますとおり、地方創生の理念にも合致するものと認識してございます。

 一方で、先生御指摘のように、居住誘導区域外の住民の方の生活サービスの維持をどう考えていくかも重要な視点でございます。

 町中への都市機能の集積を図りつつも、現在居住誘導区域外にお住まいの方が引き続き医療、福祉等の生活関連機能を利用することができるよう、町中への交通アクセスを確保するなど、地域の実情を踏まえ、自治体は、住民生活に十分配慮して町中への機能集積を進める必要がございます。

 国土交通省といたしましては、地域全体の理解と協力をいただきながら、丁寧に持続可能な都市の実現に向けた取組が進められますよう、自治体に対して適切に助言や指導等を行い、あるいは支援を行いまして、活力と魅力に満ちたまちづくりを推進してまいりたいと存じます。

吉川委員 ありがとうございます。

 やはりインフラがないと移動ができないということがあっては困りますので、引き続きそういった取組をしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 引き続き、誘導区域外の空洞化に対する懸念について伺ってまいります。

 例えば、建設やサービス分野での外国人労働者の増加に伴い、同郷の外国人がまとまって居住する区域というところが、分野にかかわらず全国各地で見られるようになっているかと思います。

 私の住む新宿区におきましても、元々外国人在留者比率は高い地域ではありましたが、近年更に増加しておりまして、人口の約一四%が外国人となっております。

 特定の地域においてコミュニティーの形成というのが既に進んでいるところも拝見しておりまして、多文化共生の観点から地域住民とうまく共存しているという実例もある一方で、ごみ出しのルールや騒音など生活習慣や言語の違いに起因する課題というのも生じているのも実情です。

 こうした中、立地適正化計画に基づく誘導の結果、誘導区域外では徐々に人口が減っていき、空き地や使われなくなる土地というところが増えていくことが見込まれます。

 人口減少に伴ってそういった地域の地価が下がれば比較的安い価格で土地が取得され、例えば、働く場所と住まいが一体となった形で利用されることで、結果、特定のコミュニティーが集中して、地域の生活環境に影響が生じるような状況も想定されます。

 大臣は、こうした変化についてどのような認識を有しておられるのか、お示しください。

金子国務大臣 委員御懸念の、我が国に在留する外国人等の増加に伴って、地域において様々な課題が存在していることは承知をしております。

 こうした中で、我が国の法律やルールを逸脱する行為や制度の不適正利用について、政府として毅然と対応し、外国人政策を秩序あるものとするため、本年一月、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策が政府において取りまとめられております。

 国土交通省としても、関係省庁と連携をしながら、総合的対応策に盛り込まれた施策を着実に実施してまいります。

 また、居住誘導区域外の都市の郊外部において無秩序な土地利用が進むことは、外国人による開発か否かを問わず、コンパクト・プラス・ネットワークの推進の上で抑制すべきことであります。このため、不要な開発が行われないよう、郊外部での一定の開発行為を制限するなど、都市計画の規制的手法を用いて開発抑制を行うことが重要となりました。

 こうした点も踏まえまして、地方整備局職員が直接自治体を訪問し、まちづくりに関する助言等を行うなど、都市計画制度の適切な運用に向けまして、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

吉川委員 ありがとうございます。

 無秩序な開発というのは抑制すべきというお話を私も伺いまして、無秩序とはどこからが無秩序でどこまでは無秩序でないのかといったところは、非常にその判断というのはなかなか線引きが難しいかなというふうに感じました。

 また、誘導区域外の土地を持つ地権者の方の立場に立ちますと、活用していただけるのであればありがたい、買ってくれてありがとうというふうになるというのは現実なのかなというふうに思います。これは、土地だけではなくて空き家だったりとかアパートについても、別にこれは購入にかかわらず借り上げといった形で、寮としての利用であったり、あるいは民泊という利用など様々な活用というものが考えられるかと思います。こうした動きが誘導区域外で進めば、気づいたときには一定のコミュニティーが形成されて、その段階ではもう制限をかけることが極めて難しくなるというようなことが起きるのではないかということを私は懸念をいたします。

 外国人労働者の受入れについては政府として一定の方向性を持って進めている以上、こうした地域間のコミュニティーの形成によったあつれきが生じたり分断につながる事態を未然に防ぐ観点からも、やはり空洞化が進む地域の土地の利用については、誘導政策と一体でどういうふうにやっていくのかということを検討する必要があるかなというふうに思います。

 例えば農地としてそこを活用して、我が国は食料自給率が低いですので、自治体として、その地域で地産地消のお野菜を作っていく取組をやりましょうとか、あるいはもう住めない地域にしてしまうといった一定の土地利用の方向性を、これは自治体任せにしてしまうと、非常にマンパワー的にも技術的にも専門性の知識にしても難しい可能性というのが懸念されて、国として私は一定の指針を示していくべきではないのかなというふうに考えます。

 なので、ちょっとこういったところ、大臣にもし何かお考えがあればお聞きいたしたいですが、いかがでしょうか。

金子国務大臣 先ほどもお話ありましたけれども、無秩序というのは、法律とかルールとかに基づいて、それ以外の、本当に地域住民に迷惑をかけるとか、そういうことなんだろうと思うんですけれども、今おっしゃったことは理解できます。

 ですから、今お話を受けたことも含めまして、これから自治体との協議も進めてまいりますし、地方整備局の職員も派遣をして、また、市町村、小さな市町村では対応できない部分については県の指導を仰ぐとか、そういったことも含めて努力をしていきたいと思います。

吉川委員 ありがとうございます。

 やはり我が国は、土地の購入や不動産の購入等、これは国籍による分別ができない国になっていますので、そういったところもしっかりと含めて、大臣には御検討いただきたいというふうに思います。

 最後に、景観法の改正と大規模太陽光発電事業への対応について伺います。

 太陽光発電は、クリーンエネルギーとして政府が推進する一方で、山林を切り開いたメガソーラーの設置によって、景観の悪化や自然環境への影響が全国各地で問題となっています。実際、高知県四万十川においては景観等を理由とした不許可処分の訴訟が争われたり、大分県の湯布院においても景観利益を理由とした差止め訴訟が提起されるなど、景観をめぐる紛争というのが現実に生じています。さらには、奈良県平群町では住民による大規模な訴訟も提起されており、この問題は個別の事案ではなく全国的な課題であると認識しています。

 今回の法改正では広域景観の観点から都道府県における基本方針や協議会は設置されていますが、こういった実際に大規模な景観破壊を防止するということができるのか、実効性について伺います。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 メガソーラー等の設置に対しましては、景観法に基づき自治体が景観計画等で基準を定めることで形態、意匠等に関して一定の制限を課すことが可能であり、実際に景観法に基づく規制を行っている自治体もございます。

 しかしながら、国土交通省の調査によりますと、必要な規制等が行えていない背景として、運用上、当該規制のために必要な景観計画の内容が不十分であることが判明しましたことから、まずは景観法の運用指針の改定やマニュアルの作成を行い、自治体が速やかに対応できるように措置することとしました。

 また、メガソーラーなど広域的な景観で複数の市町村にまたがる規制が必要なものにつきましては、市町村間の方針がそろわないことが適切な規制につながっていないことから、本法案におきまして都道府県が広域基本方針の作成や市町村間での意見調整を行うことのできる制度を創設することとしてございます。

 これらによりまして実効性ある景観規制が進むものと考えてございます。

吉川委員 ありがとうございます。

 やはり、そういった、自治体の中で、国が推進する政策を景観を守るために自治体が守らなければいけないというところがあって、国が進めているのになぜ自治体が止めるのかという矛盾を、私はすごく疑問に感じる点がございます。

 私ごとで恐縮なんですけれども、私、一期目は九州比例選出でしたので、大臣の御地元である熊本県の皆様にも大変お世話になって様々なお声を伺ってまいりました。特に阿蘇の外輪山の周辺におけるメガソーラー開発については、エコのために進めてきた国の政策によってかえって自然が損なわれて景観が傷ついているのではないかと私自身、非常に心が痛みました。そういった、実際に阿蘇地域ではもう既に熊本県が県の景観配慮ガイドラインを策定され、関係市町村等と連携しながらメガソーラーを抑制すべき区域といった見える化も進められているということも承知をしております。

 また、国立公園区域の見直しも含めて、これからの開発については以前のようには簡単に進まない方向に動いているということは承知していますが、やはり既に設置されている施設については、実効的な対応というのは限界があるのかなというところが現実だというふうに考えます。

 そういった観点から、今後の景観行政の在り方について大臣のお考えを最後にお聞かせください。

金子国務大臣 吉川委員御指摘のとおり、メガソーラー等の再生可能エネルギー施設の整備はエネルギー政策上重要ではありますが、一方で、各地に無秩序に設置され、地域にとって重要な景観資源の価値が損なわれトラブルにつながってしまうのは避けなければなりません。

 国土交通省といたしましては、先ほど政府参考人から答弁しましたとおり、新たに再生可能エネルギー施設に係る景観計画に関するマニュアルを作成いたしまして、トラブルの要因や未然防止策を広く周知するとともに、本法案で新たに創設する市町村間の連携による広域景観の保全の取組を含め各自治体における景観法の有効活用を促し、関係省庁とも連携し、良好な景観の確保に努めてまいります。

吉川委員 ありがとうございます。

 やはり、そういったトラブルの要因がありまして、トラブルが起きてから何か対応するというのではなくて、これはメガソーラーのみならず風力発電においても様々な問題も生じておりますので、我が党としてはこの再生エネルギー開発に対して非常に懸念を抱いている部分が大変ございますので、そういった観点からも引き続き大臣に取り組んでいただきたいというふうに思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、山田瑛理君。

山田(瑛)委員 チームみらいの山田瑛理です。御機会いただいておりまして、ありがとうございます。

 都市再生特別措置法等を一部改正する法律案について質疑をさせていただきます。

 地方の人口減少と若者の地方離れが続く中、民間の力を生かして町の魅力と稼ぐ力を引き出し、令和の都市イノベーションを進めるという観点は必要があると考えております。

 ただ、私が意識するのは、今の整備が次の世代にとって負の遺産にならないかという視点です。人口が減り、財政が厳しくなるこれからの時代に計画と現実がかみ合わない施策は未来に負担を送ることになりますので、その視点から確認をさせていただきます。

 まず一点目、立地適正化計画と公共施設等総合管理計画の連携についてです。

 今回の法改正で、町中での業務施設などの立地促進を図るために、立地適正化計画に特定業務施設などの誘導を位置づけることや都道府県に市町村間の調整権限を付与するとのことです。この立地適正化計画で、どこに住宅を集めてどこに医療や福祉、商業施設を誘導するかを計画的に定め、都市の骨格を描くことは重要です。

 そして、総務省が所管します公共施設等総合管理計画について、自治体が保有する学校、公民館など、公共施設を将来の人口規模に合わせてどう維持して更新して廃止をしていくかを定めた計画、現在これはほぼ全ての自治体が策定済みとのことです。

 この二つの計画は、町の将来像を描くという意味で一体であるべきものです。まちづくりの実効性を高めるためには、両計画を有機的に連動させることが重要であると考えます。

 今回の法改正において、省庁間ではどのような調整が図られ、市町村による取組においてはどのように整合性が取られているのか、また国と市町村との間のやり取りや関係性は具体的にどのようなものになるのか、教えてください。

永井大臣政務官 お答えいたします。

 都市のコンパクト化を効果的に進めていくには、公共交通、医療、福祉、インフラメンテナンスなど、関連する他の政策分野と連携して取組を進めていくことが重要です。

 このため、国土交通省では、十二の関係省庁で構成するコンパクト・プラス・ネットワーク形成支援チームの下で横断的な連携を図り、効果的な施策の推進に努めております。

 委員御指摘の公共施設等総合管理計画との連携についても、都市のコンパクト化の方針と公共施設の更新、統廃合、長寿命化等の方針を相互に整合させながら進めていくことが重要であり、公共施設を再編するに当たっては、立地適正化計画に定める都市機能誘導区域内への集約化が望ましい旨、地方自治体に対して技術的助言を行っているところです。

 また、昨年度からは、地方整備局職員が直接自治体を訪問し、客観的なデータ等を用いた技術的サポートを新たに行うなど、真に地域の実情に寄り添った実効的な支援となるよう、国土交通省の現場力を生かした取組をしっかりと進めてまいります。

 国土交通省といたしましては、引き続き、地方自治体とのコミュニケーションを密に取り、連携してまちづくりの課題解決に取り組んでまいります。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。

 直接出向いて御支援されているということで、体制、ノウハウが限られる小規模自治体が取り残されることがないように、是非支援策を引き続きいただければと思っております。

 次に、エリアマネジメントにおける地域コミュニティーとの関係について、本法案では、エリアマネジメント活動に関する計画制度が創設をされます。民間事業者がまちづくりの担い手、プレーヤーとして正面から位置づけられて、行政と協定を結び、公共空間を活用する仕組みが整備されることは時代の要請に応えるものだと思います。

 一方で、都市計画手続には、傍聴会ですとか計画案の縦覧など、合意形成を担保する制度的な仕組みは既に存在していることは承知をしておりますが、手続を経ていても、聞いていない、知らなかったという住人の声は事後的に上がり、反対運動ですとか訴訟に発展するケースが実際にもあります。

 制度はあっても理解が図られているかどうかはまた別の問題になります。民間、コミュニティーが共に育てる町をつくるためには、手続の履行にとどまらず、既存の町会や自治会、商店街組合といった地域コミュニティーの理解促進、合意形成、そういったトラブル発生時の解決の仕組みの両方が必要であると考えております。その点、どのように整備、担保されるのか教えてください。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、エリアマネジメント活動の一つであります公共公益施設の整備や管理につきましては、地域コミュニティーの理解を得ながら取組を進めていくことが大切であると考えております。

 このため、公共公益施設の整備、管理に関する協定制度の運用の際には、対象施設を利用する地域のニーズを適切に踏まえて、協定を締結することが望ましい、そういう旨を国としてガイドライン等で周知してまいります。

 また、本協定に基づきまして、容積率緩和等に係る都市計画が決定されるに当たりましては、都市計画手続にのっとり、公聴会の開催や計画案の縦覧といった地域の合意プロセスが担保されております。

 加えまして、本協定には、協定違反があった場合の措置などについて定めることとしており、例えば事業者が協定に基づく適切な管理を行っていない場合について、自治体による報告聴取、あるいは是正措置の指示、さらには是正に従わない場合の公表などを行う旨を協定に位置づけることも想定されます。

 先生の御指摘を踏まえまして、地域の実情に応じた適切な運用が図られますよう、自治体と連携してしっかりと取り組んでまいります。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。協定違反のときの対応措置も整備されるということでございまして、それが発動されるときには既に地域コミュニティーの皆様の関係性は損なわれつつあるということですので、ちゃんとやっているということを住人の皆様が確認できる透明性の確保なども是非しっかりとやっていっていただければと思っております。

 次に、防災指針の見直しにおける町への来街者、特に外国人観光客を含む防災対策の強化についてお伺いをいたします。

 本法案では、立地適正化計画に記載する防災指針について、居住者に加え、来街者の安全確保も含めた指針に強化されるとのことです。そこでこの来街者について、近年のインバウンドの急増を踏まえると、町を訪れる外国人観光客への防災対応をこの防災指針の見直しの機会に明確に位置づけるべきと考えております。

 来日外国人数は、二〇二五年、過去最多を更新しました。観光地、繁華街、駅周辺のにぎわいの中には、今や外国人来訪者が常時含まれている自治体も多くあります。居住者であれば事前に地域の防災情報を知る機会がありますが、観光などで初めてその町を訪れた、特に外国人来訪者にはその機会がなかなかありません。また、地域によって来訪者の国籍、言語は異なり、地域特性に応じた対応が求められます。だからこそ、自治体が地域の実情に応じた対応を進められるように、外国人来訪者への安全配慮を位置づけることを促すべきと考えております。

 そこで、お聞きをいたします。

 防災指針の見直しに当たり、外国語対応、多言語情報発信、外国人の避難行動への支援などの在り方、例えば観光先に滞在する来街者への避難情報の周知などについて、どのように具体的、明示的に規定をするのか、教えてください。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、近年、訪日外国人旅行者が増加しておりまして、都市の安全確保においても、訪日外国人旅行者への対応を考慮して対策を講じることが重要と考えてございます。

 現在の防災指針ではありますが、既に町中への誘導対象となっている医療、福祉、商業等の生活関連サービスを利用する居住者を念頭に置いたものとなっております。しかしながら、今般の改正案におきましては、立地適正化計画におきまして、スタジアム、アリーナ等の集客施設を位置づけることができるということになりますので、その場合には、訪日外国人旅行者など来街者への配慮が必要となります。

 このため、防災指針に位置づけられた避難施設を設置する際には、多言語情報板を設置するなど、訪日外国人旅行者を始めとする要配慮者への適切な配慮がなされますよう、国土交通省から自治体に対しまして、技術的助言等を通じて明確に働きかけてまいります。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。是非、この改正を機に具体的な対応指針などを盛り込んでいただきながら、自治体の方に働きかけをお願いいたします。

 次に、所有者不明土地、そして関連して、空き家への対策についてお伺いをしてまいります。

 所有者不明土地について、公示送達制度について、今回の改正によって、氏名が不明な場合にも利用可能であることが法律に明記をされます。制度が使いやすくなる反面で、そういった事前に捜す努力というものはしっかりと担保をしなければいけないと思います。内容と水準を法令上きちんとたてつけておくことが重要だと思っておりますが、見解を伺います。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 土地区画整理法及び都市再開発法におきまして公示送達を行うためには、施行者が過失なく相手方の書類送付先を知ることができないなどの要件を満たす必要がございます。

 このため、まずは書類の送付ができないかどうかを十分に検討し、送付のための十分な努力をする必要がございます。

 これまではどのような手続を行えば十分な努力として認められるかどうかが不明確でございましたけれども、今回の改正案におきましては、法律に基本的な書類の送付方法の規定を設けまして、それでもなお書類送付ができない場合に公示送達ができることとしてございます。

 この書類の送付方法の詳細につきましては政令において定めることとしており、先生御指摘のような懸念が生じないように、同様の規定があります法令の取扱いに倣いまして政令を検討してまいりたいと存じます。

山田(瑛)委員 ありがとうございます。

 最後に、空き家についてお聞きさせてください。

 空き家対策については、空き家法の枠組みにおいて、自治体による空き家対策計画の策定や活用促進区域の設定、危険な空き家への行政代執行まで、一定の対応の枠組みが整備をされております。

 その上でお聞きしたいのが、都市再生と空き家は、町の現場では表裏一体の課題だと考えております。エリア再生が進んでいる地区の周辺に空き家が点在していれば、町の魅力も安全も損なわれます。法律の目的が異なることは理解しつつ、今回の法改正によって、近年も引き続き問題となっている空き家対策、空き家の利活用にもつながるとしたら望ましいと考えておりまして、大臣の見解をお伺いします。

金子国務大臣 山田委員御指摘のとおり、空き家対策や空き家の利活用は、まちづくりにおいて、町の活力や魅力の維持向上、安全確保等の観点から重要な政策課題であると認識をしております。

 今般の改正案では、空き家を含む既存建築物を生かした地域のまちづくりを進めるため、こうした取組を支援する制度を創設することとしております。

 具体的には、地域の方々が愛着を持っている古民家等を改修し、官民が連携してその利活用を図る制度の創設や、景観整備推進法人として指定された民間会社等が空き家、空き店舗などの景観再生を行う制度の創設等の内容を盛り込んでおります。

 国土交通省といたしましては、こうした措置によりまして、空き家を含む地域の既存建築物等の活用を一層進め、町の活力や魅力の向上に全力で取り組んでまいります。

冨樫委員長 山田君、時間となっています。

山田(瑛)委員 ありがとうございました。

 空き家は町の大きな課題です。都市再生を進めながら使われない建物が増え続ける現状は、まちづくりの根本に関わる問題ですので、両政策の深化を期待しております。

 ありがとうございます。

冨樫委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 都市再生特別措置法の改正案について質問します。

 今回の法案で強化される立地適正化計画などの仕組みと住民参加のまちづくりとの関係について特に伺います。

 建設資材の高騰が続き、各地で大型開発の採算が見合わず頓挫する事態が見られる中で、これからもこうした大型再開発を推進していくのかが問われております。

 金子恭之国土交通大臣に伺いますが、住民参加によるまちづくりは極めて大切だと思います。都市再生の名で行われる再開発事業も当然住民参加で進められるべきだと思いますが、いかがですか。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 都市再生のための事業のうち、都市再開発法による市街地再開発事業は、都市に住まう多くの方々の生活に影響を与えるものであり、事業の実施に当たっては丁寧な説明等を行うことが重要であると考えております。

 このため、市街地再開発事業では、法律上、地権者である住民の方々の意見を反映するための一連の厳格な手続が定められております。具体的には、都市計画を定める段階における縦覧や意見提出、事業の実施の段階における地権者からの同意の取得、事業計画や権利変換計画の縦覧や意見提出などの手続が必要とされております。

 国土交通省といたしましては、事業の実施に当たり、できるだけ多くの方々の御理解を得ながら進めていく姿勢が重要だと考えておりまして、地方公共団体とも連携しながら、引き続き、市街地再開発事業が適切に実施されるよう法の運用に取り組んでまいります。

畑野委員 基本理念をつくるわけですから、住民参加を法律に書き込むべきだと私は思います。

 横浜市の関内駅前再開発、私も現場に伺ってまいりました。二〇一八年十月、都市再生特措法に基づいて特定都市再生緊急整備区域に追加され、二〇二四年五月に都市計画決定がされて、今年三月に権利変換計画が認可されました。

 私、その再開発の現場の隣を見ましたら、旧横浜市庁舎がレガシーとして残されていて、さらに、その近くには横浜スタジアムもあるところです。一方、再開発地域では、かつて通ったことのあるおそば屋さんなど、三月末で閉店しましたという張り紙も店舗に貼られているんですね。

 建設が予定される二棟のタワービルは、富裕層向けの賃貸住宅、オフィス、商業施設になるということです。交通広場を造る、道路拡幅も行うということなんですけれども。この高さ制限を三十一メートルから最大百七十メートルまで緩和したのに続いて、容積率も、都市再生特措法によって二八〇%もの容積割増しで、計画容積率は一〇八〇%まで緩和されたんです。

 その二棟のタワービルで、総事業費一千四百億円以上、公費負担は、最初は二百十億円、その後、三百億円、さらに三百三十億円まで増えた。横浜市の負担は百四十一億円、残り百八十九億円は国の負担だということで、巨額の公費負担が当たり前の仕組みでいいのかということは地元市議団からも寄せられております。

 今回の法案で、町中での商業施設等の立地促進として立地適正化計画に位置づけた特定業務施設等の誘導には、用途、容積率の規制緩和の創設や施設整備への金融支援などを行うとしております。

 国土交通省に伺いますが、立地適正化計画によるこの特定業務施設等の誘導に対して、なぜ、国と地方自治体が用途と容積率を緩和し、金融支援や公金を投入してまで支援をするのか。どうでしょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 人口減少などが進む中で、地域全体の活力を維持し生活に必要なサービスを確保していくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの取組がますます重要となっており、これまで、居住や医療、福祉、商業などの生活関連機能を町中に誘導し、一定の成果を上げてきたところでございます。

 しかしながら、近年、働く場所や町中の魅力の不足により若者の地方離れなどが深刻化する中、地域の稼ぐ力の強化、町中のにぎわいの創出が大きな課題となっておりまして、自治体などからこうした取組への支援を求める声をいただいているところでございます。

 このような自治体からの声、あるいは先進的な事例などを踏まえまして、今回の改正案では、立地適正化計画について、新たに、オフィス、インキュベーション施設、集客施設等の施設を特定業務施設等と位置づけ、これらの施設を町中に誘導する制度を創設し、都市機能の集積を進めることとしております。

 このため、国交省としましては、自治体のこうした取組を強力に支援することにより、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を進め、地域の活力と魅力の向上につなげてまいりたいと考えております。

畑野委員 これまで、一部の富裕層が住んで、そしてその一部の方々が暮らしやすくなるまちづくり、もうかるのは民間のディベロッパーや大手ゼネコン。今回の改正というのは、その枠組みを拡大するものです。民間事業者による都市再生事業であれば、法改正までして誘導しなくても、民間事業者が事業費を負担して建てれば足りるというふうに思います。

 次に、法案にある都市再生整備等協定について伺います。都市計画作成の段階で、市町村と事業者が施設整備や管理について、前倒しで協定を結ぶことができるというものです。

 千葉県柏市の柏駅西口北の再開発の現場を見てまいりました。国や市も関わる計画です。必要な情報開示もない、住民参加もないまま進められている状況を見てまいりました。こうした状況に法律がお墨つきを与えることにはなりはしないかと本当に心配しております。

 また、東京都品川区の大崎駅前の再開発の問題では、マンションの再開発といいながら、マンションを壊してオフィスビルを造るというものです。住民の方がマンションから転出することが前提となった事業です。ここは、都市再生緊急整備地域に位置づけられて、都市再生特措法に基づいて、国が支援をしております。住んでいるマンションを追われかねない住民の方から私もお話を伺いました。

 都市計画法にある公聴会は開くも開かないも自治体任せの制度ですから、これでは住民の財産権や居住権は守られません。都市計画作成段階でも品川区と準備組合は頻繁に打合せをして、今度の法案の都市再生整備等協定で危惧されることは、現場ではずっと行われてきたというのが実態です。

 都市再生整備等協定は、都市計画の作成に当たって、自治体も事業者も秘密主義を取っている現状を追認し、都市計画法上の公聴会など住民参加の制度を一層骨抜きにするものではありませんか。いかがですか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 都市再生特別措置法に基づく都市再生整備等協定が締結されたとしても、同協定において定められた容積率緩和等に係る都市計画が決定されるに当たりましては、都市計画法に基づく通常の都市計画決定手続を踏むことが必要となります。したがって、都市計画法に定める公聴会の開催や都市計画の案の縦覧といった地域の合意形成プロセスは、従前どおりに担保されることとなります。

 また、都市再生整備等協定制度の運用に当たりましては、協定締結の際にも同協定の対象とする公共公益施設を利用することとなる居住者、滞在者等の意見を聞くなどの工夫をすることが望ましい旨を周知することとしたいと考えております。

 地域の実情に応じた適切な運用が図られますよう、自治体と連携してしっかりと取り組んでまいります。

畑野委員 このような協定は作るべきではないと思います。都市計画法では、公聴会は自治体が任意に行うにすぎませんので、公聴会開催を義務づける、こうした改正が必要だと言っておきます。

 再開発の例を挙げてきたんですけれども、都市再生特措法を最大限用いて各地の再開発が進められているわけです。大崎駅前の再開発では、実際にマンションの再開発を名のりながらオフィスビルができるという計画で、国がこういう計画を支援してよいのかというのが問われていると思うんです。

 金子大臣に伺いたいんですが、都市再生を名のった再開発事業は、その再開発によって地域からの住民追い出しを容認する事業であってはならないと思うんですが、いかがでしょうか。

金子国務大臣 都市再生のための事業のうち、都市再開発法による市街地再開発事業は、土地の高度利用と都市機能の更新を図り、公共の福祉に寄与することを目的とする事業であり、事業の公共性と私権、個人の権利の保護との調整を図る観点から、地権者の保護のための様々な規定が設けられております。

 地権者である住民の方々の権利については、権利変換手続によって、再開発された後の新たな建築物の権利に等価変換されるなど、市街地再開発事業は、関係権利者の権利を保全しながら進めるものであって、決して住民の方々を追い出す事業ではございません。

 国土交通省としては、事業の実施に当たり、できるだけ多くの方々の御理解を得ながら進めていく姿勢が重要だと考えておりまして、地方公共団体とも連携をしながら、引き続き、市街地再開発事業が適切に実施されるよう法の運用に取り組んでまいります。

畑野委員 ディベロッパーの案を、話を聞いてもいいかな、ここに行くしかないよと思わせる、そうやって、何か世論があるみたいにつくられていくわけです。それじゃ駄目ですよね。

 追い出し行為があった事業は、国は支援をやめるべきです。準備組合から、移転先では今までよりも狭い部屋だ、金額も一千五百万、二千万円上がるということで、こういうことをやってはならないと思います。

 最後に伺います。

 国交省の二〇一四年一月九日の事務連絡では、令和七年度以降の予算において、立地適正化計画を作成、公表しておらず、立地適正化計画の作成に向けた具体的な取組を開始、公表もしていない市区町村が交付対象である要素事業は、原則として重点配分を行わないこととしていますとあります。何でこういうことをやるんですか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 人口減少等が進む中で、地域全体の活力を維持し生活に必要なサービスを確保していくためには、コンパクト・プラス・ネットワークの取組を進めることがますます重要となっており、これを推進するため、立地適正化計画の作成及び立地適正化計画に基づく事業を着実に進めていく必要がございます。

 このため、立地適正化計画に基づく事業に特化した都市構造再編集中支援事業による集中的な支援に加えまして、社会資本整備総合交付金において立地適正化計画を作成した場合に重点配分の対象とするなど、立地適正化計画に取り組む市町村に対して財政面において重点的な支援を行っているところでございます。

畑野委員 そもそも、立地適正化計画は任意ですよね。国交省の交付金は、現状で自治体からの要望どおりに配分されておりません。自治体の財政難を逆手に取った国費による誘導はやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

冨樫委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 これより討論に入ります。

 討論の申出がありますので、これを許します。畑野君枝君。

畑野委員 私は、日本共産党を代表し、都市再生特別措置法改正案に反対の討論を行います。

 反対の理由は、第一に、立地適正化計画に特定業務施設等の誘導を位置づけ、用途や容積率の緩和、金融支援をすることは、住民参加のまちづくりとは相入れないからです。

 立地適正化計画により民間投資を呼び込むことは、人口減少の下でも、大手ディベロッパーなど不動産業者のもうけのため、居住と都市機能を中心部に誘導して再開発を進めるものです。その一方で、大資本がその土地で暮らしてきた住民を立ち退かせ、オフィスビルが入り込み、地価も家賃も高騰して暮らしにくくなることは、この間都市で暮らす住民の多くが経験してきたことです。

 民間事業者が特定業務施設等を造るならば、民間の資金で建設するべきです。国が制度面で規制緩和をし、金融支援をし、交付金、補助金の交付率を上げて多額の公金を投入して推進するべきではありません。

 第二に、新設される都市再生整備等協定は、ディベロッパー等の意向を今以上にストレートに都市計画に反映できる一方、都市計画法上の住民参加手続が骨抜きになるからです。

 この協定は、公共公益施設に関する都市計画を作成する段階で、その施設の整備と管理に関する協定を自治体と民間事業者の間で締結できるというもので、都市計画が決まる前から、その計画の実施を前提に、市町村と民間事業者が事業の大枠を秘密裏に決定することを可能とするものです。

 質疑でも明らかになったように、これまでも都市計画決定に至る段階での情報公開には極めて消極的な自治体がありました。今度の協定制度では、住民に何ら知らせる手続もなく、協定で前倒しして決めて既成事実化できます。これでは、ますます住民にとって都市計画がブラックボックスになります。また、協定の後に都市計画法上の住民参加の手続が始められるのでは、計画そのものの変更や中止は、今以上に困難になりかねません。

 以上、この法案は、住民参加のまちづくりと相入れず、憲法が保障する住民自治の理念にも逆行するものであるため、法案に反対することを述べて、私の討論といたします。

冨樫委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

冨樫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

冨樫委員長 次回は、来る二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.