衆議院

メインへスキップ



第8号 令和8年5月13日(水曜日)

会議録本文へ
令和八年五月十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 冨樫 博之君

   理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君

   理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君

   理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君

   理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君

      五十嵐 清君    石坂  太君

      伊藤 忠彦君    井上 貴博君

      上田 英俊君    小里 泰弘君

      加藤 竜祥君    菅家 一郎君

      北神 圭朗君    熊田 裕通君

      小池 正昭君    斉藤 りえ君

      坂本竜太郎君    白坂 亜紀君

      高鳥 修一君    高橋 祐介君

      辻 由布子君    土井  亨君

      中山 泰秀君    根本  拓君

      山口  晋君    山本 左近君

      鷲尾英一郎君    渡辺 孝一君

      赤羽 一嘉君    犬飼 明佳君

      佐藤 英道君    西園 勝秀君

      奥下 剛光君    美延 映夫君

      西岡 秀子君    古川 元久君

      吉川 里奈君    須田英太郎君

      畑野 君枝君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 恭之君

   国土交通副大臣      酒井 庸行君

   国土交通大臣政務官    加藤 竜祥君

   国土交通大臣政務官    上田 英俊君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文部科学戦略官)       神山  弘君

   政府参考人

   (スポーツ庁スポーツ総括官)           大杉 住子君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房公共交通政策審議官)     池光  崇君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  沓掛 敏夫君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  五十嵐徹人君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局長)          石原  大君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  新垣 慶太君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十三日

 辞任         補欠選任

  熊田 裕通君     石坂  太君

  根本  拓君     斉藤 りえ君

  赤羽 一嘉君     西園 勝秀君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     熊田 裕通君

  斉藤 りえ君     辻 由布子君

  西園 勝秀君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  辻 由布子君     根本  拓君

    ―――――――――――――

四月二十八日

 ハイタクを公共の財産と位置づけ住民の安全に移動する権利を守ることに関する請願(浮島智子君紹介)(第三二四号)

 同(神谷裕君紹介)(第三二五号)

 同(山岡達丸君紹介)(第三四二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

冨樫委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房公共交通政策審議官池光崇君外七名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。白坂亜紀君。

白坂委員 自由民主党の白坂亜紀でございます。

 本日は、このような質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。衆議院での初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 早速質問に入らせていただきます。

 地域の公共交通は、高齢者の通院や子供の通学、仕事の通勤など、私たちの日々の暮らしを支える大切な社会インフラです。ところが、人口減少や少子高齢化はもちろん、最近では、ドライバー不足によって、全国でバス路線の減便や運休、撤退などが相次いでおります。

 こうした状況は、私の地元、大分県竹田市のような中山間、過疎地域に限らず地方の中核市にも及び、人口四十万人規模の大分市においても路線バスの減便が進んでいます。運行ダイヤを間引いたり夜の最終バスを繰り上げたりということが行われており、車を持たない方を始め、明らかに市民生活への影響が目に見えていることから、移動にまつわる問題の深刻さを実感しているところです。

 そこで、まずは、地域公共交通の現状に対する認識と、本法案により期待される効果についてお伺いいたします。

酒井副大臣 おはようございます。お答えを申し上げます。

 地域公共交通は買物、医療、教育などの日常生活に不可欠な移動を担っている中で、人口減少、そして少子高齢化や運転者等の担い手不足によってバス路線等の休廃止が相次ぐなど、必要なサービスの供給が厳しくなっておるところでございます。

 一方で、免許の返納、学校、病院の統廃合、部活動の地域展開等によって移動の社会的ニーズが拡大する方向にあり、こうした供給と需要のギャップ等によって、全国で約二千五百の交通空白が生じています。さらに、これら交通空白に対処するなどの司令塔としての役割が期待される地方公共団体においても、人材、ノウハウが不足している状況にもあります。

 こうした状況を踏まえて、本法案では、地域の輸送資源のフル活用をし、交通空白を解消するための新たな事業の創設、地域における関係者の調整役として地域交通の課題解決に取り組む民間の企業や団体の活動促進、モビリティーデータの利活用等の措置を講ずることとしております。

 本法案による制度面での措置に加えて、予算面での支援を車の両輪として、交通空白解消の取組を推進し、持続可能な地域公共交通を実現してまいります。

白坂委員 ありがとうございました。

 大分県内でも民間の路線バスやタクシーの存続が難しい地域が増えております。市町村の職員の皆さんは、コミュニティーバスやデマンド交通、公共ライドシェアなどを組み合わせながらも何とか対応しているわけですが、年々増加する運行コストの問題や深刻なドライバー不足の課題が大きく、いわゆる交通空白を十分にはカバーできていない状況です。むしろ、民間の路線バスの減便、撤退が今後更に進み、交通空白がどんどん拡大していくのではないかとの不安も覚えるところです。

 そこで、本法案では、地域の輸送資源のフル活用によって、こうした交通空白などを解消する自動車地域旅客運送サービス再構築事業を創設することとされていますが、この事業を創設する趣旨をお伺いいたします。

池光政府参考人 お答えいたします。

 既存のバスやタクシーといいます公共交通によるサービスの維持が難しくなる中で、全国で二千五百に及ぶ交通空白という課題に対応していくためには、運転者や車両などを複数の事業者間で融通をすること、交通事業者のみならず、学校、病院、福祉施設などの施設送迎のための運転者や車両を有する企業、団体など、幅広く地域の関係者からの協力を得ること、地域の実情に応じたサービス形態へ最適化することなどが効果的であると考えられます。

 しかしながら、こうした取組は、関係者の利害調整、協力関係構築、事業の持続可能性の確保が必要でありまして、民間主導のみでは実現されにくいものでございます。

 このため、地方公共団体が主導して、交通事業者や地域の関係者が協力をすることで、バス、タクシー、公共ライドシェアによる、地域の実情に応じた最適な運送を確保する自動車地域旅客運送サービス再構築事業を今般創設することといたしました。

 例えば、岐阜県の白川町におきましては、白川町が主導することによりまして、スクールバスを活用した公共ライドシェアが導入されておりますけれども、こうした形で地域の輸送資源をフル活用しながら地域の足を確保していく取組が全国で広がるよう、後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。

 本制度や予算面での支援も通じまして、輸送資源のフル活用等を推進し、交通空白の解消を図ってまいります。

白坂委員 ありがとうございました。

 大分県内でも、今回の再構築事業に似た事例があります。

 例えば、日田市や由布市、豊後大野市などでは、通学用のスクールバスの空き時間を活用して一般向けのコミュニティーバスを運行する事例があります。ただ、異なる主体が同じ車両を使うので、両者の運行調整などの課題があり、関係機関の連携強化が求められています。

 また、温泉観光地として有名な別府市では、昨年四月から、湯けむりライドシェアGLOBALと名のる公共ライドシェアが運行され、ウーバーやGOといったアプリを活用し、二十四時間三百六十五日、出発地か目的地のいずれかが別府市内であればドア・ツー・ドアでどこでも、インバウンドや観光客等の移動ニーズに対応しており、利用者からは大変好評を博しております。

 今後、更に観光地の広域周遊を促進するため、別府市、由布市、日出町の三市町が連携し、広域的な公共ライドシェアの実証運行にも取り組む意欲を見せています。

 こうした広域で連携したりみんなで協力することをほかの地域でも進めていくべきだと思いますが、費用面が大きなハードルの一つではないかと考えております。

 そこで、地域交通の持続可能性を確保していくためには、こうした複数市町村の連携も含め、地域の実情に適した形へと再構築する取組への財政支援が重要であると考えますが、見解をお伺いいたします。

酒井副大臣 お答えを申し上げます。

 白坂委員御指摘のとおりでございまして、地方公共団体が主導をして、デマンド化など地域の実情に適した形に地域公共交通をリデザインすることによって地域交通の持続性を確保していくことが重要でございます。

 このため、国土交通省では、令和七年度の補正及び令和八年度当初予算におきまして、従来の路線バスやコミュニティーバス等への運行費に対する補助に加え、交通空白の解消に向けた地方公共団体等によるデマンド交通、それから公共ライドシェア等の移動手段確保に係る導入調査や車両、システムの確保、実証運行に対する支援、そして複数分野の地域の輸送資源のフル活用、委員が御指摘ございましたけれども、複数の地方公共団体、交通事業者等の共同化、協業化の取組に対する支援をしてまいります。そして、地域交通DX等によりますシステム標準化などの生産性等の向上に対する支援も行い、そうしたものなどを含めて、約六百億円規模の確保をしておるところでございます。

 特に、交通空白の解消、複数の主体による共同化、協業化を通じたサービス提供などを支援する事業につきましては、多数の応募をいただき、一次公募、先ほどちょっと申し上げましたけれども、交通空白においてのいわゆる導入調査や車両、システムの確保、実証実験、そして地方公共団体や交通事業の共同化、協業化、こうしたことを踏まえて、一次公募で合計三百四十件を採択をいたしました。さらに、この場で初めて公表いたすことになりますけれども、五月の十八日から二次公募を開始する予定でございます。

 本法案による制度面での措置に加えて、予算面での支援を車の両輪として、交通空白解消の取組を推進し、持続可能な地域公共交通を実現してまいります。

白坂委員 ありがとうございました。引き続き、財政支援をよろしくお願いいたします。

 財政面もさることながら、人口規模が小さな自治体では、職員一人が何役も兼ねており、交通だけを担当する職員がなかなか配置できないといった、体制面も悩みを抱えております。地域の交通空白の実態把握や地域内の活用可能な輸送資源の把握、関係者との調整、住民への周知にまでなかなか手が回らない状況にあると思います。

 そこで、本法案の連携促進団体は、こうした地域公共交通の実務をサポートしてくれる存在になり得るのではないかと期待する声もあります。具体的にどのような団体を想定し、どのような効果を期待しておられるのでしょうか。また、地方部で行われている例なども御紹介いただきたいと思います。

池光政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、地域公共交通の司令塔を果たす地方公共団体におきましては、例えば、人口五万人未満の地方公共団体の八四%におきまして地域交通専任担当者が不在であるなど、特に中小規模の市町村で人材、ノウハウの不足が課題となっておりまして、その機能、役割が適切に発揮されていくよう支えていく必要があるものと認識をしております。

 そのためには、地域交通に関する課題解決に積極的に取り組む民間企業や団体の活動を促進し、蓄積された知見やリソースを活用していくことが効果的です。

 例えば、鳥取県鳥取市では、六つの主体によって運行されている公共ライドシェア、これにつきましてある自動車メーカーが運行管理を一元的に実施するとか、あるいは、石川県の奥能登地域におきましては、全国でAIオンデマンド交通を提供している民間企業が、能登町、穴水町、輪島市、珠洲市の四市町において共通の交通の導入について協力を実施しておるというような事例がございます。

 本法案においては、こうした企業、団体の活動の促進を図りまして、地方公共団体の司令塔機能が十分発揮されますよう、こうした団体を連携促進団体という形の位置づけをつくりまして、支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 これによりまして、地域の関係者の連携、協働による移動手段確保の取組がより一層推進されることを期待をしておるところでございます。

白坂委員 ありがとうございました。

 移動手段の不足は、高齢者の健康、子供の教育機会、就労、通院、買物など、生活のあらゆる面に影響し、地域から人が離れる大きな要因にもなります。だからこそ、地域のあらゆる輸送資源を束ねて再構築し、持続可能な仕組みをつくろうとする今回の法案には大きな意義があると考えております。

 そこで、最後に、本法案にかける大臣の決意をお伺いいたします。

金子国務大臣 おはようございます。

 白坂委員は大分県、私の地元熊本は隣県でございます。同じような地域に生まれ育って、いろいろなことが共有できると思っております。

 まさに地域公共交通は地域の繁栄の礎だと考えております。一方で、人口減少、少子高齢化や運転者等の担い手不足によりバス路線等の休廃止が相次ぐなど、必要なサービスの供給が厳しくなっております。

 委員御地元の大分県においても、バス路線の廃止や減便が進んでおり、全国各地の交通空白を解消し、地域の足を確保していくことは喫緊の課題であります。

 私自身、三月に、輸送資源のフル活用の取組を行う神奈川県相模原市を視察をし、政令市でも路線バスが多数廃止される地区があるなど、まさに交通空白は全国的な課題であると再認識をし、取組を一層加速する必要があると改めて思いを強くしたところでございます。

 こうした状況を踏まえ、今まさに危機に瀕している地域において、それぞれの御事情に応じた形で適切な移動手段の確保を図るべく、今般、必要な措置を盛り込んだ本法案を提出した次第でございます。

 また、本法案による制度面での措置に加え、委員からも御紹介がありましたとおり、地域の様々な取組に対する予算面での支援も行っております。

 法改正と予算措置を車の両輪として、交通空白解消の取組を推進し、私自身が先頭に立って、持続可能な地域公共交通を実現していく決意でございます。よろしくお願い申し上げます。

白坂委員 ありがとうございました。

 最後に御要望です。

 先日、武井委員からもありましたが、九州の交通インフラにおいて著しい東西格差があります。大分、宮崎は陸の孤島とやゆされることもあるほどです。

 五十年以上前に基本計画路線となった東九州新幹線は未着工のままです。東九州自動車道も未整備区間があり、二五%しか四車線化されておりません。日豊本線は、特急電車が走るにもかかわらず、大部分が単線のままです。熊本には国内最大の半導体生産拠点がありますので、東九州の縦軸だけでなく、横軸となる中九州横断道路の早期完成を強くお願いいたします。中津日田道路の整備も急がれます。

冨樫委員長 まとめてください。

白坂委員 また、第二国土軸構想の推進において期待される豊予海峡ルートの早期実現も強く要望いたします。

 九州の更なる発展のために、九州への熱い思いのある大臣に御尽力いただけますよう強く強くお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 おはようございます。中道改革連合の佐藤英道です。

 地域交通法改正案の質疑に先立ちまして、磐越道のマイクロバスに関し、まず質問を行います。

 冒頭、お亡くなりになられた生徒さんとその御遺族の方々に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々の一日も早き回復をお祈り申し上げます。

 この度の事故については、去る五月七日、北陸信越運輸局がバス会社側に立入調査、学校側に聞き取り調査を行ったとのことでありますが、報道では、運転手や車両の手配の経緯について、バス会社側と学校側で主張が食い違う状況となっております。そこで、まず、現在、国土交通省が把握している事実をお伺いいたします。

 また、今回の事故は、部活動の遠征中に起きた事故であり、子供の命を預かる学校として決してあってはならないことであります。学校行事や部活動を含めた児童生徒の移動の安全確保に向けて、事故防止や安全確保を徹底することが不可欠であります。

 二度とこうした悲惨な事故が発生しないようにするため、車両の手配の在り方も含め、本事故の原因を十分に分析し、具体的な再発防止策を講じていくことが必要不可欠と考えますが、見解を伺います。

金子国務大臣 佐藤委員にお答え申し上げます。

 五月六日、福島県郡山市の磐越自動車道において、レンタカーのマイクロバスがガードレールに衝突をし、高校生一名がお亡くなりになり、多数の負傷者が生じた事故が発生をいたしました。この事故によって亡くなられた高校生に心から哀悼の意を表するとともに、負傷された方々の一刻も早い回復をお祈りいたします。

 国土交通省におきましては、事故の発生を受け、バス会社等に対するヒアリングや監査、北越高校に対する聞き取り調査を行ってきており、現在、レンタカーや運転手がどのように手配されたのかという点を含め、運行形態や契約関係などの事実関係を精査しているところでございます。

 国土交通省といたしましては、事実関係を踏まえ適切に対処するとともに、将来ある生徒がこのような悲惨な事故でお亡くなりになるということが二度と起こることがないよう、学校教育活動における移動時の安全確保について、文部科学省とともに検討してまいりたいと考えております。

大杉政府参考人 お答え申し上げます。

 まずもって、本件に関し、心より哀悼の意を表しますとともに、負傷された方々の回復をお祈り申し上げます。

 文部科学省では、これまでも、ガイドライン等におきまして、部活動での事案発生時の迅速な対応と再発防止の徹底、学校組織全体で対応に当たること、校外活動等の際の交通事故への対処も含め学校の危機管理マニュアルを作成することや旅行代理店等関係者との事前調整を行うことなどを示し、安全確保について求めてきております。

 本件につきましては、引き続き、国土交通省や新潟県等とも連携しながら、事案の確認を進めつつ、学校外における活動の安全確保に向けた配慮について周知に努めてまいりたいと考えております。

佐藤(英)委員 どうか、金子大臣が先頭に立って、二度とこのような悲惨な事故が起きないように対策をしっかりと取っていただきたいと思います。

 さて、地域交通法の改正案は、平成十九年の法制定から令和五年の改正まで計五回にわたって改正されてきました。これまでの改正は、いわば地域公共交通の公的側面をいかに強化するかという流れであったのではないでしょうか。ただ、五回にわたる改正にもかかわらず、今回再度の大規模な改正が必要となった最大の要因は、現場の担い手不足が想定を上回るスピードで進行しているからであると考えます。

 私は、昨年十一月、地元北海道の千歳市で、路線バスの運転手不足を自動運転バスで補おうとする実証実験を視察しました。また、先週、民間路線バスの廃止に伴い、試行錯誤をしながら地域公共交通体系を構築してきた石狩市のデマンド交通事業を視察してきました。その際にお聞きした点なども踏まえて質問をしてまいりたいと思います。

 まず、JR北海道の黄色八線区の方針に関わる国の考え方と対応について伺います。

 この度の本法案には、鉄道事業再構築事業に関し、民間の鉄道事業者が実施する鉄道施設の改良等に対し、地方公共団体が支援する場合でも地方債の起債ができる特例の追加などが盛り込まれました。

 これに関連して、本年四月十五日、JR北海道は、自社単独では維持することが困難な赤字の八路線、いわゆる黄色線区について、持続的に維持する仕組みの構築に向けて、上下分離方式を含めて地域の関係者と協議を開始したいとの考えを公表いたしました。輸送密度二百人未満の赤色線区等については、今年四月一日の留萌線深川―石狩沼田間の廃止をもって、対象の五線区全てが廃止されたところであります。

 国土交通省は、令和六年三月にJR北海道に対して、黄色線区について今年度末までに線区ごとに事業の抜本的な改善方策を確実に取りまとめるよう命じており、夏頃に中間取りまとめが行われる予定であります。

 北海道の鉄道網は、道内の中核都市を結ぶ幹線ネットワークであり、我が国の骨格としての位置づけや、道民を始め国内外から訪れる多くの人々の移動手段として重要な役割を担っております。札幌を起点とした観光周遊ルートの広がりや国内外からの観光需要を更に喚起し、地方部へと観光客を送り込むためにも、黄色線区を含めて道内鉄道がネットワークとして存続している重要性はますます高まっていると考えます。

 北海道内各地で生産される農畜産物を道内のみならず北海道外にも安定供給できる輸送手段としても重要な役割を担っており、日本の食料安全保障にも大きく貢献しております。

 道内ネットワークの維持は、旅客、物流の両側面からも過度な自動車利用の抑制につながっている一面もあり、カーボンニュートラルを推進する意味でも鉄道がネットワークで維持、確保されることの有用性も期待されます。黄色線区は、JR北海道の在来線の半分近くを占め、約九百三十キロメートルにも及び、協議の結果によっては国民生活にも大きな影響が出る可能性もあります。国の積極的な関与と支援が不可欠だと考えます。

 国全体としてこのネットワークをどう維持していくかという観点でも、国が主体的に関与していく必要があるのではないかと考えますが、見解を伺います。

金子国務大臣 JR北海道の路線の中には、旅客輸送のみならず、貨物輸送においてもネットワークの一部を構成しているものもあり、多様な役割を発揮しているものと承知をしております。

 このうち、御指摘のいわゆる黄線区については、令和六年三月に、国土交通省がJR北海道に対して発出した監督命令において、JR北海道と地域の関係者が一体となって今年度末までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実に取りまとめるよう求めているところでございます。

 改善方策の取りまとめに当たっては、線区ごとの利用特性や各地域の実情を踏まえて、地方自治体を含む地域の関係者が一体となって地域における最適な交通の在り方について議論を深めていくことが重要と考えております。国土交通省といたしましては、引き続き議論の場に参画してまいります。

 また、JR北海道に対しましては、国鉄債務等処理法に基づき、経営安定基金の運用益の安定的な確保、助成金や出資等により継続的支援を行っているところであり、引き続き必要な支援の在り方について検討してまいりたいと考えております。

佐藤(英)委員 どうか、大臣におかれましては、国の積極的な関与と支援が必要だと私自身考えておりますので、是非国が主体的に関与していっていただければと思います。

 次に、地域の輸送資源のフル活用について伺いますが、地域の多様な関係者の連携、協働のための施策の実効性を確保する観点から、令和九年度までを目標年次として施策の推進に係るKPIが設定され、その進捗状況について定期的に検証を行うこととされております。市町村又は事業者による共同化、協業化の目標に係る指標として、交通空白集中期間において百件を目指すとされておりますが、これらの進捗状況について、まず伺います。

酒井副大臣 お答えを申し上げます。

 人口減少や少子高齢化に加えて、運転手等の担い手不足が深刻化する中で、バス路線の減便、廃止が相次いでおります。これまで以上に自治体、事業者間の連携による共同化、協業化や地域の輸送資源のフル活用の推進が有効でございます。

 このため、国といたしましては、こうした取組を加速させる観点から、集中対策期間において百件の認定を目指すとの目標を盛り込んだ「交通空白」解消に向けた取組方針二〇二五を昨年の五月に決定をいたしました。

 既に全国各地において取組の兆しが見られております。例えば、委員御地元の北海道でございますけれども、岩内町、共和町、泊村、神恵内村などで行っておりまして、震災を受けた能登だとか南信州などの地域においても、複数の自治体が共同で移動手段を確保する取組の実施、検討が進められております。

 こうした動きを一層加速させるべく、本法案に盛り込んだ自動車地域旅客運送サービス再構築事業の活用とともに、共同化、協業化の取組に対する通常より手厚い財政支援を行ってまいります。

佐藤(英)委員 そこで伺いたいのでありますけれども、バス路線廃止に伴う六か月前届出の期間延長について伺います。

 道路運送法第十五条の二第一項では、バス路線の廃止に当たり、六か月前までの届出が義務づけられております。

 しかし、路線の維持が困難となった自治体の現場からは、この六か月という期間が余りにも短過ぎるという切実な声を寄せられております。地域にとって公共交通は住民の足そのものであり、一たび廃止方針が示されれば、自治体は、短期間で地域住民との合意形成を図り、代替交通手段、デマンドタクシーや自治体バスなどの検討、さらには予算措置や運行事業者の選定まで行わなければなりません。現状の六か月という枠組みでは、これら一連のプロセスを完遂し、空白期間なく代替交通へ移行することは極めて困難だと考えます。

 事業者の経営状況への配慮は理解しつつも、住民の移動権を守る観点から、この配慮期間六か月を延長し、自治体が十分な準備期間を確保できるよう、法改正を含めた見直しを行うべきと考えますが、見解を伺います。

金子国務大臣 佐藤委員がおっしゃるとおり、やはり配慮期間六か月を延長すべきだということは非常に理解をいたします。

 バスは子供からお年寄りまで地域の大切な足を支える公共交通機関であることから、突然バス路線が休廃止されることによりまして地域の利便性が著しく損なわれることを防ぐ必要があります。このため、利用者への周知や代替の輸送サービスについての関係者間の協議のための期間を確保するため、道路運送法において、バス事業者は、バス路線の休廃止を行う場合、原則六か月前に事前届出しなければならないということになっております。

 その上で、昨年十二月の交通政策審議会地域公共交通部会取りまとめでは、例えば交通事業者が地域公共交通計画に位置づけのあるバス路線の休廃止の届出を行う場合には、六か月よりも前に法定協議会に情報提供するように努める等の旨を地域交通法の基本方針において明確化すべきとされました。

 今後、この内容を基本方針に盛り込みまして、バス路線の休廃止について六か月よりも前に地域の関係者に適切に情報提供が行われ、代替交通が円滑に確保されるよう努め、地域の移動の足の確保を図ってまいりたいと思っております。

佐藤(英)委員 明快な答弁をいただいたと思います。どうか現場の皆様方にしっかりと届くようにお願いをしたいと思います。

 次に、学校や病院などは従来から地域交通法において地域の関係者として位置づけられ、これら関係者との連携、協働が進められてきました。今回の法改正において、このような公共交通事業者以外の地域の関係者で送迎サービスを行っている者を施設利用者運送サービス提供者として新たに定義することとした理由は何なんでしょうか。

 また、創設される自動車地域旅客運送サービス再構築事業において、施設利用者用運送サービス提供者に協力する努力義務を課すこととした理由は何か。努力義務を課すことから、改めて学校や病院などの関係者に地域公共交通の確保に向けた協力を周知する必要があると考えますが、どのように取り組むのか、伺います。

酒井副大臣 お答え申し上げます。

 全国で約二千五百に及ぶ交通空白の解消を図るため、交通分野のみならず、医療、福祉、教育、商業等の関係分野が連携をして地域の輸送資源をフル活用することによって、地域全体として移動手段の確保を図る取組が重要であるということを認識しております。

 そのため、本法案において、学校、病院等の送迎を実施する方々を施設利用者用運送サービス提供者として法律に位置づけ、自動車地域旅客運送サービス再構築事業への協力の努力義務を措置することで、更なる連携の促進を図ることといたしました。

 また、国土交通省におきましては、文科省や厚労省等の関係省庁と連携をいたしまして、取組内容の紹介や課題の共有、ガイドラインや通知の発出、地方支分部局同士の連携協定の締結等による現場レベルでの連携の働きかけを強力に進めてまいります。

 今回の法案の内容についても関係省庁と連携をして周知、働きかけをしていくなど、本省部局から地方の現場に至るまで、各階層において連携が促進されるよう、万全を期してまいる所存でございます。

佐藤(英)委員 しっかり取り組んでいただければと思います。

 次に、スクールバスの運行経費については、現在、地方交付税法に基づいて、普通交付税の教育費、小学校費、中学校費の基準財政需要額において算定基礎となるバスの台数等に応じて措置されております。自治体にとって、この交付税措置は運行を維持するための生命線であります。

 しかし、令和六年十月の通知に基づき、空席に一般住民を乗せる一般混載やスクールバス運行時以外で活用する際、教育目的以外に使用することでこの交付税措置の対象から外れてしまうことはないのでしょうか。スクールバスを、本来の通学路線の維持を前提としつつも、地域公共交通として一般住民の移動等に活用する際の既存の普通交付税、いわゆる教育費としての算定措置との関係性を伺います。

 また、一般住民から運賃を徴収したり交通部局の予算を繰り入れたりして共用をする場合、教育費としての算定額が二重計上を理由に減額されるようなことはないのでしょうか。この点も含めて、政府の見解を明らかに示していただきたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 小学校及び中学校の児童生徒に対し年間を通じて登校及び下校の用に供される定員十人以上のスクールバスの運行に要する経費につきましては、バスの台数に応じて普通交付税措置を講じているところでございます。

 委員から御指摘ございましたスクールバスの運行に当たり、例えば、運行時に一般の住民を混乗させる、ないしは空き時間に児童生徒の通学以外の目的で運行するといった活用をしている場合であっても、児童生徒の登校及び下校に支障がない限り、普通交付税措置の対象となるところでございます。また、この場合に、住民から運賃を徴収している、ないしは交通部局の予算が充てられていることをもって普通交付税措置が減額されるということはございません。

神山政府参考人 文部科学省の取組についてお答えを申し上げます。

 自治体の交通分野と教育分野の関係者が連携、協働いたしまして、児童生徒等の通学の手段の確保を含めて持続可能な地域交通の実現を図ることが重要だというふうに考えてございます。

 文部科学省におきましては、これまでも国土交通省と連名で地域の公共交通機関と一体的にスクールバスを活用する際の留意事項等をまとめた通知を発出しておりまして、交通分野と教育分野等の関係者の連携の下、主体的かつ積極的な対応が行われるよう依頼をしてございます。

 文部科学省としては、今回の法案の改正内容を踏まえつつ、関係者の連携、協働が円滑に進むよう、引き続き国土交通省と連携を進めてまいりたいと考えてございます。

佐藤(英)委員 どうか、不安を抱いている自治体の方々がやはり安心して取組が進めるように徹底していただければと思います。

 次に、小規模自治体に対する支援について伺います。

 中小自治体、特に過疎地域を抱える自治体では、交通政策を立案できる専門職員が圧倒的に不足しているわけであります。五万人未満の自治体の約八割で地域交通専任担当者がゼロという絶望的な状況を打破するためにどのような対策を行っていくのか。例えば、支援を必要としている自治体に対して優先的な財政支援や地方運輸局による強力な伴走支援など、実効性を持たせるための取組が必要ではないでしょうか。

 また、本改正案では、自動車地域旅客運送サービス再構築事業として、バス路線の休廃止等により交通空白が生じている地域などにおいて、地方公共団体が主導して、学校や病院、福祉施設などの地域の関係者の協力を得ながら、その地域の実情に応じた運送サービスを再び又は継続して実施し、交通空白の解消を図る事業を創設することとしております。

 この事業は、市町村による運送主体のあっせんがうまくいくかどうかが大きな鍵となっております。他分野の関係者の法定協議会への参画はおおむね半分以下にとどまるとされる中、市町村が実際にあっせんを行うことは可能なのでしょうか。市町村の人員が限られる状況下において大きな負担にならないかどうかも含めて、お答えをいただきたいと思います。

金子国務大臣 お答えいたします。

 小規模な自治体の人材やノウハウ不足の課題に対して、国といたしまして、地方運輸局等による伴走支援、必要な情報、知見の提供、全国の半数を超える市区町村も参加する官民連携プラットフォームを通じた連携の促進などの取組を進めています。

 加えて、財政支援といたしましても、複数の小規模な自治体が共同で取り組む場合や都道府県のサポートを受けて取組を実施する場合には、手厚い支援を行うことにより、特に小規模の地方公共団体の取組を後押ししております。

 また、自動車地域旅客運送サービス再構築事業における地方公共団体のあっせんにおいては、地方運輸局等による伴走支援も行いつつ、例えば、協議会を活用して協力を要請するほか、自治体内の関係部局間で連携して対応することなどが考えられます。

 地方公共団体においてこうした連携が行いやすくなるよう、国土交通省においても、文部科学省や厚生労働省といった関係省庁と緊密に連携しながら、公立小学校や中学校の適正規模や適正配置、部活動の地域展開、地域医療構想の検討等の各政策分野において、公共交通との相互連携や関係部局、自治体間の連携体制の構築等の重要性を位置づけ、取組を進めているところでございます。

 引き続き、制度、予算等あらゆる政策ツールを総動員し、地方公共団体の主導の下、地域の輸送資源のフル活用による移動手段確保の取組が進むよう、後押ししてまいります。

佐藤(英)委員 ありとあらゆるものを総動員してというお話がありました。どうか、やはり大きな鍵になることでありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、地域公共交通の実装化に向けたフィーダー補助金の拡充について伺います。

 地域の足を維持し、持続可能な事業スキームを構築するためには、単なる路線の維持、補填にとどまらない支援が必要ではないでしょうか。特に、実装初期段階におけるフィーダー補助金の補助単価のかさ上げや、車両購入、システム維持費への柔軟な経費算入など、支援の抜本的な拡充も必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のフィーダー補助金につきましては、地域で必要とされているバス路線の維持を図る観点から国が赤字の一部を補填するものでありまして、利便性の向上に資する取組に応じまして補助額を引き上げる仕組みも設けているところであります。

 他方で、持続可能な公共交通を実現するためには、単なる赤字補填にとどまらず、地域の実情や利用者ニーズを踏まえ、交通体系そのものを再構築していくことが本質的に重要であります。

 例えば、静岡県藤枝市では、民間路線バスをデマンド型乗り合いタクシーに転換をすることによりまして、藤枝市の負担額を六割程度削減できる見込みとなっており、再構築による具体の効果が表れているものと認識をしております。

 こうした既存の交通モードの見直しや新たな交通モードの導入により公共交通の再構築に取り組む際には、こうした取組に対する重点的な支援として、車両購入費、システム導入費などを含めます必要な経費の三分の二等を補助するとともに、令和八年度からは更に地方財政措置も含めて手厚く支援をしているところであります。

 国としても、これらの支援を通じて、地域における新たな移動手段の円滑かつ着実な導入に加え、その後の持続可能な地域公共交通の実現につなげていく取組を強力に後押しをしてまいる所存であります。

佐藤(英)委員 更なる検討をお願いしたいと思います。

 次に、交通人材の確保策への支援について伺います。

 現在、多くの自治体が地域交通事業者の協力を得てデマンド型交通などを実施しておりますが、現場の最大の懸念は深刻な運転手不足であります。いずれの交通事業者も恒常的な人手不足にあえいでおり、今後更に需要が増大すれば、事業の継続自体が困難になる自治体が続出しかねません。

 地域の交通ネットワークを維持するためには、国として交通事業者の人材確保に向けた強力なバックアップが必要であります。例えば、二種免許取得費用の助成拡充や交通事業者に対する採用、研修コストへの直接的な支援、さらには運行管理の効率化を支援するIT導入補助の強化など、事業者が安心して地域貢献に協力できる環境を整えるべきと考えますが、見解を伺います。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 バスは地域の足を支える大切な公共交通機関ですが、近年、委員御指摘のとおり、運転士不足等によりバス路線の維持が困難となっている地域が増加しているものと認識しております。

 バスの運転士不足の対策として、国土交通省としましては、運賃改定手続の迅速化による賃上げの促進、二種免許取得に係る費用や人材確保セミナーの開催経費に対する支援、乗務シフト自動作成システムや車検・定期点検・整備管理システムなど運行管理業務の効率化、省力化の取組に対する支援といった、人材確保に向けた様々な取組を推進しております。

 今後とも、制度、予算等のあらゆる政策ツールを総動員し、運転士不足への対応を含め、持続可能な地域公共交通の実現に向けて必要な施策を講じてまいります。

佐藤(英)委員 この度国土交通省さんからいただいた資料に、青森県八戸市の事例のようにデータを活用した成功例がある一方、多くの自治体ではデータはあるが使いこなせないという課題があります。

 先ほども述べたように、国交省の令和六年度地域交通行政調査においても、五万人未満の自治体の八四%が専任担当者を配置しておらず、七十万人以上の自治体においても、二割が未配置との結果となっています。

 本法案施行に伴い、地方公共団体が中心的な役割を担うことになると思いますが、交通担当専任者がいない中での運用はかなりの負担になることが予想されます。国として、標準的なデータ分析やツールの提供、データサイエンティストの派遣など、技術的なバックアップをどう具体化していくのか、伺います。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 地域交通に関する実態把握や現状分析に当たりまして、モビリティーデータを有効に活用することは極めて重要であると認識をしております。このため、本法案におきましても、地方公共団体が主導して事業実施計画の作成を行う場合に必要となるデータの提供等について、交通事業者などに協力を求めることができることといたしました。

 一方で、委員御指摘のとおり、特に中小規模の市町村では、人材、ノウハウの不足が課題になっているものと認識をしております。このような課題に対しまして、国土交通省におきましては、モビリティーデータの標準仕様を策定するとともに、非専門家でもこれらのデータを容易に活用できるようにするため、地方公共団体の担当者などから、自ら扱える汎用的なデータ分析環境を構築をしており、これらの知見の公開、普及に取り組んでおります。

 加えて、モビリティーデータを活用しつつ、効率的な地域公共交通の企画立案や地域の関係者との合意形成を担うことができる人材、組織の確保に向け、必要な経費の財政支援も行っております。

 国土交通省としては、引き続き、こうした環境整備と人材支援を一体的に推進をすることにより、地方公共団体が自立的にモビリティーデータを活用できる環境整備に万全を期してまいる所存でございます。

佐藤(英)委員 最後になりますけれども、どうかモビリティーデータを活用する地方公共団体への更なる人的支援について積極的に取り組んでいただくようお願いして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、福重隆浩君。

福重委員 中道改革連合の福重隆浩でございます。

 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。

 国土交通省が令和七年二月から三月にかけて行った交通空白のリストアップ調査では、何らかの対応が必要とされる地域の足に関わる交通空白が全国で二千五十七地区、七百十七市町村で生じているとされております。

 まず、リストアップ調査における地域の足に関わる交通空白とはどのような定義で交通空白とみなされているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の日常生活などの移動にお困り事を抱える交通空白につきましては、誰もがアクセスできる移動手段がない又は利用しづらいなど、いわゆる交通空白であるかどうか、具体的に申し上げますと、バス停や駅などからの距離が遠いだけではなくて、近いけれども運行の頻度が少なく使いづらい、また近くて一定の頻度はありますけれども高低差が大きく高齢者の方などが利用しづらいなど、地域の実情や利用者目線を踏まえ、地方公共団体で判断をしていただくこととしております。

 もう一点といたしましては、地方公共団体や地域の方々がそういったお困り事があることに対しまして、何らかの対応が必要であると認識しておるか。

 こういった基準に合致する地区を市区町村から交通空白として御回答をいただいているところでございます。

福重委員 御答弁ありがとうございました。

 ただいまの御答弁をいただきましたけれども、交通空白の定義が少し主観的な指標に、印象を受けました。

 政府は、令和七年度から九年度までの三年間を集中対策期間と位置づけ、交通空白の解消にめどをつけることとしておられます。この解消の目安ですが、どの程度の状況になれば、解消のめどが立ったとされるのでしょうか。

 例えば、新たな交通手段の適用により週に一、二回数人乗りのワゴン車を走らせれば、それだけで交通空白は解消されたとみなされるのでしょうか。もし、例えて挙げれば、解消したとみなすのであれば、それは住民の利便性の向上ではなく、表面上の数字合わせにすぎないのではないかと思います。特に、ノウハウや人的資源が不足する中小規模の市町村において精緻なニーズ調査をすることは困難であり、国から示された目標数値を埋めること自体が目的化してしまう懸念もあるのではないでしょうか。移動手段を、あるかないか、あくまで手段であって、本来の目的は、移動を通じてその地域の方々の、医療や買物、社会参加といった機会を享受し、生活の質、QOLを向上させることにあるべきだというふうに私は思っております。

 そこで、単なる車両の運行開始をもって解消とするのではなく、利用者の満足度や外出の頻度の変化、あるいは健康寿命への寄与といった生活の質の向上を測定する具体的な評価指標が必要と考えますが、政府の御答弁をお願いいたします。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 交通空白の解消にめどをつけるとは、市町村等による新たな交通手段の導入の取組が行われ、実施中である、又は導入に向けた取組が準備中である状態になることを指しております。

 この際、委員御指摘のとおり、単に移動手段を導入するにとどまらず、取組が、一過性でなく持続可能なものとして定着し、住民の外出機会の確保や生活の質の向上につながっていくことが肝要であると認識をいたしております。

 このため、交通空白解消にめどがついている地区であっても、その事情に応じて継続的に地方運輸局による伴走支援を行うことといたしております。

 また、交通空白解消に当たって、公共ライドシェア等の導入を支援する際にも、課題が適切に分析されているか、関係者の連携、協働が図られているか、地域公共交通計画が適切にアップデートされているかなどを評価し、持続可能な形で移動手段の確保が図られるよう促進を促してまいります。

 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じて、導入される移動手段が一過性のものとならないよう、持続可能な地域公共交通の実現につなげてまいります。

福重委員 御答弁ありがとうございました。今は伴走支援ですとか連携、協働というようなことがございました。この後、そういった問題でちょっと掘り下げていきたいなというふうに思っておりますけれども、やはりそこが一つのキーになってくるのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次の質問に入ります。

 地方自治体の人員、専門知識が圧倒的に不足する中、民間知見を導入する方向性自体には私も賛同いたします。事実、人口五万人未満の自治体の約八割において地域交通の専任担当者がゼロという実態がございます。

 本法案では民間企業等に計画の提案権が付与されますが、そのときに大切なのは、その地域住民からの理解と納得を得られることだと考えております。例えば、ある企業が連携促進団体に認定され、自社サービスの導入を前提とした提案を行う場合に、いわゆるベンダーロックインや地域の事情を無視した技術の押しつけになってしまうのではないかという懸念がございます。

 そこで、以下の三点について、政府の見解をお願いいたします。

 第一に、連携促進団体の認定における客観的基準について、単なる実績だけではなく、中立性を担保するための具体的な要件をどう設定するのか。

 第二に、選定プロセスの透明性です。密室での決定を防ぎ、なぜその企業が選ばれたのかを住民に説明できる仕組みが必要であると思います。

 第三に、事後チェックの機能です。特定の利益誘導が疑われる場合や計画が形骸化した場合に、第三者が評価し、認定を迅速に取り消す規定を設けるべきだと考えます。

 一方で、その地域にしっかりと入り込み、単なるコンサルタントではなく、一緒になって計画を策定したり、よい取組を行う連携促進団体であれば、小さな自治体等にとって大変に有益であり、広域的な連携の仕組みが整っていくことで費用対効果も見込まれると思います。まさによい団体の取組事例が様々な地域でも選ばれることで、民間の力が地域の力になっていくのではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 地方公共団体は、地域公共交通の司令塔としての役割が期待されている一方で、特に中小規模の市町村では人材やノウハウの不足が課題となっているものと認識をしております。

 そのため、本法案では、地域交通に関する課題解決に積極的に取り組む企業、団体を連携促進団体として位置づけをした上で、その活動を促進し、蓄積された知見やリソースの活用を図ることとしておりまして、地方公共団体の人材、ノウハウ面での課題の解消に資する制度を盛り込んでおります。

 具体的には、地域旅客運送サービスの企画立案や関係者との連絡調整を実施するもの、地域旅客運送サービスの企画立案や関係者との連携、調整に加えまして、公共ライドシェアの運行管理などの支援など地域旅客運送サービス自体を実施するものといった考え方に該当する企業、団体が連携促進団体として地方公共団体により選定されることが望ましいと考えております。

 その際、委員御指摘のとおり、特定の企業、団体の利益が誘導されたり、選定に当たって中立性が損なわれたりしないようにすることは重要でありまして、地方公共団体が連携促進団体の選定を行う際の公募その他の望ましい手続や連携促進団体の適切な役割など、制度の運用に関する手引などを今後定める予定でございます。

 また、委員御指摘のとおり、優れた取組を実施する連携促進団体につきましては、一つの地方公共団体のみならず、様々な地域に広げていくことが当該団体が持つ知見やリソースの横展開や費用の軽減を図る観点から重要であり、国土交通省としても促進をしてまいりたいと考えております。

 いずれにせよ、全国における交通空白解消のため、民間の有意な知見やリソースを十分に活用するとともに、地方運輸局による伴走支援も含めまして、地方公共団体がその機能、役割を十分に発揮し得る制度となりますよう、万全を期してまいる所存であります。

福重委員 手引を作って丁寧に行っていただくということでございますので、本当に地方には人材が不足しておりますので、そういった部分でしっかりと地方を支えていける、そういった仕組みづくりということにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 地域交通サービスの縮小、撤退は、地域住民が日常生活を送る上で必要な移動の足を確保できないため、いわゆる地域全体の利便性の低下を招き、結果として地域の魅力や活力の低下につながっていくと考えられます。本来であれば、このような状況になる前に必要な対策を講じられ、利便性、持続可能性の高い交通ネットワークが確保される必要がありました。

 これまでも様々な地域の自治体が一生懸命取り組んできたと思います。私は、地域交通が地方創生の基盤であることを強く認識した首長や議会、そして地域住民、事業者との合意形成が大切であり、そこにはやはり強い首長のリーダーシップや積極的な取組が必要と考えております。また、地域公共交通の新しい取組を進める際に一番問題になるのが財源であり、財源不足を理由に取組を諦める自治体も多いと感じております。

 今後を見据えて、各地域における地域の交通課題を早期に把握し、解決に向けて取り組んでいくために、首長の強いリーダーシップでその課題解決により積極的に取り組んでもらえるよう、何らかの強力なインセンティブが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 地方公共団体は、地域公共交通の司令塔としての役割が期待されている一方、特に中小規模の市町村では人材やノウハウの不足が課題となっており、また財政環境も厳しい状況にあるものと認識をいたしております。

 これらの課題に対しましては、地方運輸局等による伴走支援、必要な情報、知見の提供、全市町村の半数以上が参加する官民連携プラットフォームを通じた連携の促進、交通空白解消に向けた取組等に対して、検討段階の定額補助に加え、実証に要する費用を補助率三分の二、かつ地方財政措置も含めて支援、人材を育成する取組への定額での支援など、国としても交通空白に正面から取り組む地方公共団体の取組を総合的に支援しているところでございます。

 さらに、本法案では、地域交通に関する課題解決に積極的に取り組む企業、団体を連携促進団体として位置づけた上で、その活動を促進し、蓄積された知見やリソースの活用を図ることとしており、地方公共団体の人材、ノウハウ面での課題の解決に資する制度も盛り込んでおります。

 引き続き、予算、制度等あらゆる政策ツールを総動員し、交通空白に取り組む地方公共団体の取組を積極的に後押ししてまいります。

福重委員 次の質問に入ります。

 先日、自治体初の自動運転バスを令和二年十一月から導入している茨城県の境町さんの取組について視察をさせていただきました。人口約二万四千人の町で無料で乗ることができる自動運転バス三台を活用しながら、住み続けられる町、稼げるまちづくりに挑戦しているトップランナーの一つでございます。

 境町さんでは、鉄道駅がない町であるがゆえに、逆にそれを生かしたまちづくりへのチャレンジに驚くばかりでございました。東京との直通バスも片道九十分、一日八便運行しており、町の関係者にお聞きしたところ、東京の王子までだとそれほどの渋滞もないため、通勤通学にも利用されているとのこと。導入に当たっての肝は、やはり首長さんのリーダーシップであるということを強く感じました。

 というのも、境町の橋本町長さんは、自動運転バスの記事を読んで一か月後に運営会社の社長さんと会い、町議会で導入に向けた予算の承認を得るまでが二週間、そして十か月後には公道走行というスピードには驚かされました。財源は補助金とふるさと納税で賄っているということですが、自動運転バスの導入の取組自体が広告宣伝効果や企業誘致、町の活性化につながっているとのことで、これからどんなふうに発展していくのか本当に楽しみでございました。また、ハンドルのない自動運転バスを初めて見てきたのですが、コントローラーはゲーム感覚で運転することができ、若い女性のオペレーターさんも乗員をされておられました。

 私は、人口減少だからこそ地域交通や広域連携が非常に重要で、生活の足、暮らしの足を確保し、人流を止めないことで新しく生まれる付加価値があると考えております。何よりも、地域の規模にもよりますが、予算がないからとか赤字だから取り組まないのではなく、逆に人の流れをつくることによって魅力的な観光集客や地域の回遊を図っていける可能性があると改めて実感いたしました。

 その可能性や新しい取組にチャレンジしようとする現場への後押しを引き続き国交省にはお願いしたいと思いますが、法改正と自動運転の普及に向けた大臣の意気込みをお伺いいたします。

金子国務大臣 福重先生は本当に、群馬を中心にして地方の現場をよく回っておられます。本当に敬意を表したいと思います。

 私も、政治家として地域の繁栄なくして国の繁栄なしというのをモットーにこれまでも活動しておりまして、まさに地域公共交通は地域の繁栄の礎だと考えております。

 一方で、人口減少、少子高齢化や運転者等の担い手不足によりましてバス路線等の休廃止が相次ぐなど、必要なサービスの供給が厳しくなっております。私自身、三月に輸送資源のフル活用の取組を行う神奈川県相模原市を視察をしまして、政令市においても路線バスが多数廃止される地区があるなど、まさに交通空白は全国的な課題であると再認識をし、取組を一層加速する必要があると改めて思いを強くしたところでございます。

 こうした状況を踏まえ、今まさに危機に瀕している地域において、それぞれの御事情に応じた形で適切な移動手段の確保を図るべく、今般、必要な措置を盛り込んだ本法案を提出した次第でございます。

 さらに、御指摘をいただいた自動運転につきましても、地域公共交通における深刻な担い手不足といった問題の解決や安全な自動車社会を実現する上で、今後の我が国にとって必要不可欠なものでございます。

 このため、国土交通省において、本年一月、私を本部長とする自動運転社会実現本部を立ち上げたところでございまして、同月に閣議決定されました第三次交通政策基本計画における二〇三〇年度にバス、タクシー、トラックの自動運転サービス車両一万台の目標実現に向けて、全国各地で行われている自動運転の取組を引き続き支援をする、AI技術を活用した高度な自動運転車の開発、普及の後押し、国産自動運転車両の量産化につながる国際基準の策定、自動運転車両の走行を支援するインフラ側の取組など、安全性の確保を大前提に、一日も早い本格的な自動運転社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 交通空白の解消、自動運転社会の実現、いずれも大変重要であり、私自身が先頭に立って取組を推進し、持続可能な地域公共交通を実現していく決意でございます。

福重委員 大臣、力強い御答弁、ありがとうございました。

 まさに大臣は、現場を歩かれ、そしてまた地方選出の国会議員として、そういった地方の実情を熟知されておられます。そういったところで、自動運転の本部を立ち上げて、そして、今、並々ならぬ決意でそれに取り組んでくださっておられようとしている、本当に心強い限りでございます。是非、本当に、地方の皆さんのQOL、生活の質の向上、それを目指して自動運転をしっかりと定着できるように後押しをしていただければというふうに思います。

 もう時間がございませんので、一点だけお話しさせていただきますと、八番目の質問で、公共交通を育てていくには、やはり住民の皆さんの私は行動変容が必要だというふうに思っております。

 私、以前、大先輩でございます太田元国交大臣に教えられた言葉があるんですけれども、自分は生活の中にBMWを取り入れて健康だというふうにおっしゃられたんですね。BMW、Bはバス、Mはメトロ、地下鉄、Wはウォーキング。公共交通を使って歩くことによって自分は健康を維持しているんだと。

 そういった意味では、ともすると、地方の人たちは五十メートル先のコンビニまで車で行こうとするんですけれども、それではやはり公共交通の利便性が高まらない、利用性が高まらない。そういった中にあって、やはり公共交通を育てていくという感覚が私は必要だと思います。そのためにもインセンティブが必要だと思いますが、御見解をお伺いいたします。

加藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、持続可能性の高い交通ネットワークの構築には、ネットワークの整備とともに、公共交通の利用促進を図るための取組が重要であると認識をいたしております。

 このため、国土交通省においては、住民に選んでもらえる使い勝手のよい公共交通を実現する観点から、地域公共交通の利便性向上と併せて、公共交通の利用促進に向けた情報発信なども支援しているところでございます。

 例えば、交通空白の解消に当たり新たなデマンド交通を導入し、地域住民の方々に実際に使ってみていただくための無料乗車体験の実施や、利用促進イベントの開催なども想定しております。

 こうした場合も含めて、交通空白解消のために移動手段の導入に必要となる経費については、令和七年度補正予算、令和八年度当初予算も活用して御支援することといたしております。

 国土交通省としては、より利用しやすい持続可能な公共交通の実現を進めるとともに、更なる公共交通の利用促進を図ってまいります。

福重委員 御答弁ありがとうございました。

 私は、地方の公共交通に関しては、地域住民が積極的に利用をして公共交通を育てていくという意識がやはり必要不可欠ではないかなというふうに常々思っておりました。

 そういった意味で、たまたま昨日地元紙の新聞が、若者流出防止へ県内自治体の様々な公共交通への取組というのが一面のトップに載っておりまして、ある意味では、遠方電車通学の支援を拡大する。これは、例えば、本当に、市や町が、東京にそのまま新幹線で通学する場合の通学費の補助、そういったものを行うだとか、また、我々、東毛と言っているんですけれども、その東武沿線上の方では、東武線を使うことによって通学定期だとかそういったものの補助を行うだとか、そういった取組をすることによって非常に公共交通の利用性が高まっている。こういうようなことを一つ一つやはり具体的にやっていかなければ、声をかけただけではインセンティブ、そういったものが深まっていかないのではないかなと思いますし、またある市においては、デマンドタクシー、AI等を活用して運行を始めたところ、これまでと違って一五%乗車率がアップしたというようなことが昨日の一面の記事に載っておりました。

 そしてまた、私の地元群馬県におきましては、健康増進のためにアプリを作って、そのアプリというのはGウォークというんですね。これはスマホにGウォークをダウンロード、無料でしてもらって、そして歩く歩数によってランキングが出てきたりだとか、それをポイント化して、たまったらそれにインセンティブとしての何らかのプレゼントをやるだとか、あと企業間で競うだとか、そういうようなアプリを作り、そしてそれを公共交通とつなげることによってバス停まで歩いてどれだけ歩数を稼いで、そして移動に公共交通を使ってというような形の中での、そういうような取組を始めている。

 ある意味で本当に、かけ声だけ、計画だけではなく、具体的に本当に国民の皆さんがそういったものを利用したいと思えるようなシステムづくりというのが私は非常に大事になるのではないかなというふうに思いますので、そこのところをしっかりと行っていただければというふうに思います。

 申し訳ございません。時間の関係で一回ちょっとすっ飛ばしたんですけれども、六問目の施設送迎の活用による安全の質の担保についてというところで、もう一回ちょっと戻りたいと思います。

 本法案では、スクールバスや福祉車両といった施設利用者用リソースを一般住民も利用できるようにする、いわゆる地域の足として活用する方針が示されています。人口減少に悩む自治体にとって、これは一見効率的に見えますが、そこに決して看過できない安全性の格差が存在しています。

 先ほども質疑がございましたけれども、今回の磐越自動車道における白ナンバー車両事故に関しましては、まず、犠牲となられました生徒さんに対し心より哀悼の誠をささげるとともに、おけがされた皆様に心からのお見舞いを申し上げます。二度とこのような痛ましい事故が起こることがないよう、事故原因の徹底した調査研究を行っていただきたいと強く要望をさせていただきます。

 その上で、現行制度において、プロのバスの事業者は二種免許の保有はもちろん、運行管理者や整備管理者の選任、さらには厳格な対面点呼が義務づけられています。対して、今回活用が想定される施設送迎車は現状一種免許で足りるケースが多く、運行管理の法的義務も極めて限定的です。同じ公道を走り、同じ国民の命を預かる輸送サービスでありながら、プロとプロではない主体の間で安全管理の法的責任に格差があってはよいはずがありません。地域の関係者に協力の努力を課す以上、事故が起きた際の責任の所在を曖昧にしてはなりません。

 本法案による事業実施に際し、これらの主体の安全管理水準をプロの運送事業者と同等までに引き上げる具体策はあるのでしょうか。安全を地域の善意や努力に丸投げするようなことがあっては真の地域交通再生とは呼べません。国が責任を持って厳格な安全基準と監督責任を明確にすべきだと思いますが、見解をお聞かせください。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 今般創設をいたします自動車地域旅客運送サービス再構築事業は、地方公共団体が主導いたしまして、交通事業者や地域の関係者が車両や運転者などを協力をいたしながら、バス、タクシー又は公共ライドシェアによる地域の実情に応じた最適な運送を確保するものとなっております。

 この際、本事業の創設により、現行の安全面に関する規制を緩和するものではなく、バス、タクシー、公共ライドシェア、それぞれの運送形態に応じ、運転者の要件、運行管理の体制整備など、道路運送法が求める既存の安全規制を引き続き適用することとしております。

 そのため、施設利用者用運送サービス提供者から運転者などの協力をいただいた場合においても、あくまで、運送主体は通常のバスやタクシー、公共ライドシェアと同様の安全基準を確保することとしております。

 また、本事業におきましては、委員御指摘の施設利用者用運送サービス提供者も含め、複数の関係者が関与することとなりますが、事故が発生した際には、運送サービスの利用者との関係におきましては、道路運送法に基づき、運送主体が一義的な責任を負うこととなります。

 本法案の施行に当たっては、本事業を実施する際に必要な安全基準が遵守され、また、事故が発生した際の責任関係の考え方について明確となりますよう手引等で改めて周知するとともに、引き続き、地方運輸局を通じて必要な監督も行い、安全の確保を前提とした上で事業の実施が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。

福重委員 ありがとうございました。

 ちょっと、時間の関係上、最後の質問に移ります。

 再構築事業の場合は運送の種別を問わないとしていますので、乗り合いバス、タクシー、公共ライドシェアが混在する可能性があります。公共ライドシェアの運賃目安は近隣のタクシー運賃の約八割とされていますけれども、スクールバスや福祉車両を公共ライドシェアとして活用する場合、このタクシー運賃の八割という基準は、移動支援を必要とする住民にとっては負担が大き過ぎるのではないかというのが懸念の一つです。

 また、路線の再編に伴い、これまでの定額制から距離制の運賃へ変更することも想定される中で、より安価な協議運賃を司令塔となる自治体が設定する際の財政的な補助はどうなっているのでしょうか。

 あわせて、既存のスクールバスや福祉車両を再構築事業に投入する場合、デジタル式の運行記録やキャッシュレス決済端末、GPSの後づけ費用は誰が負担するのでしょうか。小規模な施設運営者にこの負担を強いることは事業への協力が進まないのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。

冨樫委員長 池光交通政策審議官、時間になっていますので、まとめてください。

池光政府参考人 はい。

 ただいまの御質問のまず一点目でございますけれども、公共ライドシェアの運賃につきましては、あくまで上限の目安としてタクシーの八割としておりますので、この範囲内で地域において柔軟にお決めいただくことは可能となってございます。

 それから、公共ライドシェアの導入に当たりまして、地方公共団体が様々、設備投資において負担が生じるわけでありますけれども、これにつきましては、令和七年度補正予算、八年度当初予算におきまして、先ほど申し上げたような形で様々経費につきまして御支援することは可能となっております。

 以上でございます。

福重委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、奥下剛光君。

奥下委員 日本維新の会の奥下でございます。

 四番手となりますので質問がかぶるところも出てくるかと思いますが、御容赦願い、早速質問に入りたいと思います。

 私の地元、大阪府摂津市なんですが、道路を挟んで反対側がもう大阪市ではありますが、交通空白状態七割、八割という高い率となっております。今回の法案は、過疎地のみならず、地元の摂津市のような都市部に近い地域においてもどのような活用ができるのか、教えていただきたいと思います。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 担い手不足の深刻化等により、東京二十三区等の都市部においてもバスの減便や廃止が見られるなど、交通空白は、必ずしも中山間地域や過疎地に限られない、全国的な課題と認識をいたしております。

 こうした交通空白を解消していくため、本法案では、地域の輸送資源のフル活用や共同化、協業化を促進する新たな事業を創設するとともに、地域交通の課題解決に取り組む民間の企業や団体の活動促進、モビリティーデータの利活用の促進を図るための措置を講じることといたしております。

 とりわけ、新たに創設する自動車地域旅客運送サービス再構築事業は、地域の関係者が協力して、地域の実情に応じた最適な運送を確保する事業となっており、都市部においても、バスの減便や廃止に対応して、コミュニティーバスやデマンド交通を地域で協力して導入する際などに御活用いただけるものとなっております。

 また、モビリティーデータの利活用についても、地域における公共交通の在り方を検討する上で、人の流動が大きい都市部においては特に重要と考えております。

 都市部、地方部の区別なく、地域がそれぞれの課題に対応して必要な地域公共交通を持続可能な形で維持、確保していけるよう、国としても引き続きしっかり取り組んでまいります。

奥下委員 ありがとうございます。

 では、日頃使用していない市の遊休車両、これを保有している場合、そうした自治体の保有する輸送資源もフル活用しながら地域の足を確保できないかと考えておりますが、今回の自動車地域旅客運送サービス再構築事業では、こうした自治体が保有する遊休車両も活用することは考えられるのでしょうか。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 今回新たに創設する自動車地域旅客運送サービス再構築事業は、地方公共団体が主導し、交通事業者や地域の関係者と協力をして、運転者や車両等を融通することなどを通じて、地域の実情に応じた最適な運送を確保する事業であります。

 この事業におきましては、例えば、市町村などが運送主体として公共ライドシェアを実施する場合に使用する車両として、市町村の遊休車両を御活用いただくことも可能となっております。

 このほか、学校や病院などの地域の関係者から、車両やドライバー、運行管理など様々な形態の協力を得ることが考えられ、本事業により、こうした地域の輸送資源をフル活用する取組を促進したいというふうに考えております。

奥下委員 ありがとうございます。周りの市とかでも余らせている遊休車両があるというふうに聞いておりますので、これを有効活用していきたいなというふうに思っております。

 次の質問に移ります。

 今般、新潟県の高校の部活の遠征に当たって痛ましい事故がありました。まずは、御遺族の方にお悔やみ申し上げ、今なお治療されている方々にお見舞い申し上げます。

 今回の法案とは切り離して考えるべきだというふうには考えておりますが、タイミング的にちょっと近かったもので触れさせていただきますが、本法案の自動車地域旅客運送サービス再構築事業では地域の関係者の協力を得て車両や運転手を融通してもらうことが想定されますが、この安全上の問題というのはどういうふうにお考えなんでしょうか。

加藤大臣政務官 お答えいたします。

 まずは、御指摘の事故におきましては、お亡くなりになられた高校生の方に哀悼の意を表するとともに、負傷された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 今般創設する自動車地域旅客運送サービス再構築事業は、地域公共団体が主導して、必要に応じて交通事業者や地域の関係者から車両や運転者等の協力を得ながら、地域の実情に応じた最適な運送を確保するものとなっております。

 この際、本事業は、地域の関係者から運転者や車両の協力を得た場合であっても、認められる輸送形態そのものは、道路運送法に基づく許可、登録を受けた運送主体によるバス、タクシー、公共ライドシェアに限定され、当該主体が一義的な責任を負うこととなります。

 また、本事業の創設に伴い現行の安全面に関する規制を緩和するものではなく、バス、タクシー、公共ライドシェア、それぞれの運送形態に応じ、運転者の要件、運行管理等の既存の安全規制を引き続き適用することといたしております。

 さらに、実際に運送サービスが提供される際には、これまで同様、それぞれの運送形態に応じて地方運輸局による所要の監督を行い、安全の確保を前提とした上で、地域の足の確保を図られるよう取り組んでまいります。

奥下委員 ありがとうございます。

 今回の法案は、交通空白の問題に対処するための一歩であると認識しております。今後更に担い手不足が深刻化していく中、この問題を根本的に解消していくためには、自動運転の普及を進めていくことが有効であると認識しております。

 今後、自動運転の社会実装に向けて、国土交通省としてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

加藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 自動運転は、我が国が抱える交通空白の解消や担い手不足の解決、さらには安全な自動車社会の実現に効果的なものであり、今後の我が国にとって必要不可欠なものであると考えております。

 このため、国土交通省としては、自動運転の普及促進に向けて積極的に取り組んできており、本年一月に閣議決定された第三次交通政策基本計画における二〇三〇年度にバス、タクシー、トラックの自動運転サービス車両一万台の目標実現に向けて、省内に国土交通大臣を本部長とする自動運転社会実現本部を立ち上げたところでございます。

 国土交通省としては、この実現本部の下、全国各地で行われる自動運転の取組を引き続き支援、AI技術を活用した高度な自動運転車の開発、普及の後押し、国産自動運転車両の量産化につなげる国際基準の策定、自動運転車両の走行を支援するインフラ側の取組など、安全性の確保を大前提に、一日も早い本格的な自動運転社会の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

奥下委員 将来自動運転になるんだとは僕も思っておりますが、そうしていく中で、やはり何度も何度も実装実験をして、データを取り、落とし込んでやっていく、そうした中で、事業者が本当に利益を生んでいけるのか、また、それができなければ税金を投入していく必要があるんじゃないかなというふうに考えていますが、その状況を国民がよしとするのか。こういったことも含めて、早期解決に向けて全国的に広がるよう共に努力していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、今回の法案を受けて交通空白の問題にどのように取り組んでいかれるのか、大臣の御決意をお聞かせください。

金子国務大臣 ここまでの議論でもありましたが、東京二十三区や奥下委員の御地元の大阪周辺の都市部においても交通空白は発生しており、これは地方だけの問題ではなく、全国的な課題でございます。

 私自身、三月に輸送資源のフル活用の取組を行う神奈川県相模原市を視察をし、政令市においても路線バスが多数廃止される地区があるなど、まさに交通空白は全国的な課題であると再認識をし、取組を一層加速する必要があると改めて思いを強くしたところでございます。

 この相模原市では、山間部で運転士不足による複数のバス路線の廃止が予定されており、乗り合いタクシーの拡充やスクールバスも活用した公共ライドシェアの導入を図り、まさしく地域の輸送資源をフル活用する取組を実施する予定であり、国としても財政支援してまいることとしております。

 本法案では、こうした地域の取組を促進する新たな制度を創設することとしており、こうした制度と予算措置を車の両輪として、都市部、地方部に限らず、全国における交通空白解消を強力に推進してまいります。

奥下委員 ありがとうございます。

 本当にこれは各自治体頼りのところが大きいと思います。できるところ、できないところ、多くあると思います。

 元々、公共交通は事業者の管轄で、国交省の支局が面倒を見ていたというか、そういったのが現状で、なかなか立ち入れない領域だったと思いますが、今まで一定の財政措置をしてきたのも、何とかこの二十年ぐらい前からですか、こういった問題意識を持ちながらもやってこれたのは、やはり、中山間地の人口が少ないところで起こってきて、そこで数千万の予算で済んだというところで何とかごまかしやってこれたのかなというふうには思っておりますが、今後は億単位で、中核市レベルでも起こり得る問題なのかなというふうに思っております。そうしたときに、バスが着く駅とかに降りる魅力がない、その町の、都市の計画にも大きく関わってくることだと思いますので、共に知恵を出して共に頑張っていきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 今回の事業は、地方自治体が協力のあっせんを行うなど、地方公共団体が中心となった事業となっております。地域に活用し得る輸送資源がある中、中小規模の自治体が今回の事業を実施したいと思っても、そもそも自治体のマンパワーやノウハウの面でハードルは高いというふうに考えますが、その辺りはいかがでしょうか。

池光政府参考人 お答えいたします。

 自治体の人材やノウハウ不足の課題に対しましては、国による支援はもとより、都道府県によるサポートや複数の地方公共団体が共同して取り組むことも有効であると考えております。

 こうした地方公共団体の取組に対しまして、地方運輸局等による伴走支援、必要な情報、知見の提供、全市区町村の半数以上が参加する官民連携プラットフォームを通じた連携の促進、地域の移動手段の維持、確保の取組に対する様々な財政支援などによりまして総合的に支援をしております。

 これらに加えまして、本法案では、地域交通に関する課題解決に取り組む企業、団体を連携促進団体として位置づけまして、蓄積された知見やリソースの活用を図る、こういった制度も盛り込んでおるところでございます。例えば広島県広島市では、市と地元バス会社八社が一般社団法人を立ち上げてサービス向上や輸送資源の共同化を図るなど、都市部においても、様々、こういった課題解決の取組が見られておるところであります。

 引き続き、予算、制度などあらゆる政策ツールを総動員をし、交通空白に取り組む自治体の取組を積極的に後押しをしてまいりたいと考えております。

奥下委員 いろいろな手法を各自治体も努力されているというふうに思います。

 先ほどからも出ているように、ライドシェア、これを入れていくと、民間競争が激しくなり、運営管理とかがやはり安全面で心配されるようなことも出てくると思います。そうした中で、今回、部活中に起きた事故とかを含めて、事故が起こると、本当にそれでいいのかなどなど、いろいろ心配される、日本人の性格というか、そういったところもあると思います。いろいろな課題を共に乗り越えて、交通空白をなくしていくよう私も頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 以上、質問を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、西岡秀子君。

西岡(秀)委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 全国で地域公共交通が大変厳しい状況になっておりまして、交通空白区が拡大する状況でございます。地元長崎におきましても、特に市民の移動の足の中心を担うバス路線は大変厳しい状況が続いておりまして、いち早く、二〇二〇年に独禁法の特例法が施行されたことによりまして、県営バスと民間の長崎バスが特定地域におきまして共同運行、共同経営をスタートいたしておりますけれども、まさに二〇二四年問題も相まってドライバー不足が更に深刻なものとなって、バスの減便や廃止に歯止めがかからない状況がございます。

 そのような中で、全国でも、なかなか交通事業者だけの、その間の努力も含めて、大変、努力では今の状況を変えることができないという中で、これまでも、地域の輸送資源のフル活用というのは全国で進められてきたと認識をいたしております。特に、先進的な地域の取組はあるものの、多様な運用主体による連携ですとか調整が必要であって、これまで十分な成果が上げられなかったというふうに認識をいたしております。

 そのなかなか進まなかった状況の一番の要因は何であるというふうに分析をされておられるのか、また、それを踏まえた本改正によって、交通空白区の解消へ向けて、この法改正によってその進まなかった状況にどのような成果、実効性が期待されるのかということにつきまして、国土交通省にお尋ねをさせていただきます。

酒井副大臣 お答えをさせていただきます。

 交通空白の解消に向けては、交通事業者のみならず、地域の幅広い関係者と一体となって、地域輸送資源のフル活用等の取組を各地で実装していくことが重要でございます。

 まず、実際に輸送資源をフル活用した取組が一部の地域では少しずつ見られておりますけれども、こうした取組は、関係者の利害調整あるいは協力関係の構築、事業の持続可能性の確保が必要でありまして、民間主導のみでは実現されにくいというものだというふうに思っております。

 このため、本法案においては、地方公共団体が主導をして、地域の実情に応じた最適な運送を確保する自動車地域旅客運送サービス再構築事業を創設することとしております。

 具体的には、同事業の実施において、地方公共団体の責任によって運送主体の選定や関係者からの協力のあっせんを行うことを制度として明確化をし、教育、医療、福祉施設等の送迎サービスを提供する者を法律に位置づけて、そして事業に協力する努力義務を措置、大臣認定を受けた計画については、地方公共団体による実施の要請や大臣による実施勧告、命令を措置することによって効率的、効果的な事業の実施を確保しています。

 これによりまして、地方公共団体主導の下で地域の関係者に一定の協力を求めやすい環境が整えられるとともに、事業実施が制度面で担保されることとなり、輸送資源のフル活用等の取組が全国で促進されることを期待しております。

西岡(秀)委員 酒井副大臣、ありがとうございます。

 地方公共団体がしっかりそこで司令塔として役割を果たすということによって、これまでなかなか進まなかった利害調整等が進んでいくという趣旨で、本改正は内容的に大変必要な法律改正だというふうに思っております。

 続いての質問、二番目の質問につきましては、先ほど質問がございましたので、それは飛ばさせていただきまして、三問目の質問に入りたいというふうに思います。

 今の副大臣の御答弁を踏まえまして、多様な運用主体が共同、協業する今回の再構築事業を進めていく上で、大前提は、先ほども議論がありましたけれども、安全性の確保であるというふうに考えております。

 その意味でも、この協業、共同化を進めていく中で、責任の所在の明確化、これが大変不可欠だというふうに思いますし、また、適切な運行管理、労務管理、資金管理等によって、適切なドライバーの労働時間の下で安全で持続的な事業経営が確保される体制の構築が極めて重要だというふうに考えますけれども、今後の方針についてお伺いをいたします。

酒井副大臣 お答えを申し上げます。

 委員から、安全性の確保というのが非常に明確化が不可欠であるというお話をお伺いしました。

 今般創設する自動車地域旅客運送サービス再構築事業は、現行の安全規制を緩和するものではございません。バス、タクシー、公共ライドシェア、それぞれについて、道路運送法で規定される既存の安全規制を引き続き適用することとしております。

 また、事故が発生した際には、運送サービスの利用者との関係では、道路運送法に基づき、運送主体が一義的な責任を負うこととなります。

 さらに、本事業の実施に当たっては、労働関係法令の適用がある場合には、その遵守が求められることが前提となります。

 加えて、地方公共団体が作成する実施計画においては、必要な資金の額等を記載することとしておりまして、大臣認定に際し、記載内容が事業を確実に遂行するために適切であるか確認をすることとしております。

 本法案の施行に当たっては、こうした旨を手引等で改めて周知するとともに、引き続き、地方運輸局を通じて必要な監査も行い、安全で持続的な事業運営が図られるよう、取り組んでまいります。

西岡(秀)委員 今、副大臣から、安全性の確保はしっかり取り組んでいくという御発言がありましたけれども、私からも、さきの高校の事故、到底許されるものではなくて、二度とあのような、やはり悲しい、もう本当に痛ましい事故を起こしてはならない、このことは、本当に今日ここに出席の全ての議員の先生が共通する思いだというふうに思っております。本当に亡くなられた生徒の方のみたまの安らかなることをお祈り申し上げますとともに、御遺族に心からお悔やみを申し上げたいと思います。

 事故を受けまして、昨日の記者会見では、金子大臣からは、部活動等学校教育活動における移動の安全性をどのように確保していくか、文科省としっかりと検討していくという御発言がございました。

 本改正の施設利用運送サービス提供者等には、スクールバス等、学校も入っておりますし、病院、福祉施設等も明記されております。協力の努力義務も課されることとされております。まず、本来の運行上の安全の管理体制の整備を大前提としまして、この共同、協業する新たな枠組みにおいても、安全確保体制、しっかりとそれを前提とした取組を進めていただくことを強く御要請をさせていただきたいと思います。

 続きまして、本改正案の中に、海上運送利便確保事業の創設について書き込まれております。このことについて質問させていただきます。

 この創設は、離島航路を始めとして、予備船舶を保有していない一事業者体制が多数存在することを踏まえた法改正であるというふうに思っておりまして、この事業は大変重要な事業だと考えております。一方で、そのような地域において代替運航を行える、また船舶の貸し渡しなどが可能な事業者を確保することが現実問題として可能であるのかどうか、大変難しい状況があるのではないかという懸念を持っております。このことに今後どのように取り組んでいく方針であるかということについてお伺いをさせていただきます。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 まず、今般創設する海上運送利便確保事業は、航路が所在する市町村のみならず、都道府県も実施主体になることが可能となっております。このため、市町村の区域内ではほかに旅客船事業者がいない場合であっても、都道府県が事業の実施主体となることにより、都道府県域を越えて広範囲の地域から協力事業者を確保できるものというふうに考えております。

 また、本事業では、一般的な定期航路に就航する旅客船のみならず、海上タクシーだとか、あと遊漁船などを活用することも可能としております。異なる態様からも協力事業者を確保することができると考えております。

 国土交通省としましても、地方運輸局等を通じて、地方公共団体によるこのような協力事業者の確保を後押ししてまいりたいと思います。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。

 今、県域を越えて、またいろいろな主体を超えてというお話がございました。その中で、海上タクシーにつきまして御言及がありました。海上タクシーについて、続きまして質問をさせていただきたいと思います。

 離島間ですとか離島と本土の間の緊急搬送、また島民の生活のみならず緊急搬送を担っているという中で、島民の皆さんの健康と命を守る役割を民間の海上タクシー事業者が担っている現実がございます。一方で、知床遊覧船事故を受けまして、二〇二三年、海上運送法の改正によりまして海上旅客運送の安全体制が強化をされ、当然のことでございますけれども、義務化された安全設備の導入のための設備投資や様々な運航経費の増加、加えて現下の燃料油の高騰によりまして、海上タクシーの維持、存続が大変厳しいものとなっております。船体の老朽化、また担い手の高齢化、後継者不足も深刻です。

 昨年、地元長崎県五島市の奈留島の唯一の海上タクシーが惜しまれつつ廃業をしまして、島民の健康、生命に関わる喫緊の課題となっております。

 緊急搬送の担い手としても、島の暮らしを支えるためにも、まさに本改正の海上運輸利便確保事業の重要な協業主体としても、その存続のための財政支援は大変重要だというふうに考えますけれども、金子大臣の御見解をお伺いいたします。

金子国務大臣 西岡委員の海の対岸、私の選挙区、天草がございます。ここには離島があって、私も定期便では時間が合わないときとかは海上タクシーを使わせていただく、あるいは、先ほどおっしゃったように救急搬送のときも海上タクシーを使うとか、そういう意味では、本当に海上タクシーというのは特に離島における地域の細やかな需要に応える地域交通であり、委員御指摘のとおり、海上運送利便確保事業の担い手ともなる重要なものであると認識をしております。

 このため、国土交通省といたしましては、海上タクシーを含む旅客船への安全設備の搭載を促進するため、令和四年度補正予算を用いて購入費の三分の二を支援する事業を事業者に対して実施してきたところでございます。また、昨年五月からは、民間団体において、安全対策に積極的に取り組む事業者に購入費の三分の二を支援する事業を実施しております。

 一方、御指摘の海上運送利便確保事業は、船舶の法定検査による定期航路の一時的な運休、減便の回避を目的としているものであり、これによる海上タクシーの改修、更新に対する財政支援はございませんが、離島における重要な役割を引き続き果たしてもらいたいと考えておりまして、国土交通省としても、関係する部署とも連携をし、どのような対応ができるか検討してまいります。

西岡(秀)委員 大臣から細やかな役割を担っているというお言葉がありましたけれども、大変この海上タクシーの果たす役割は極めて重要だというふうに思いますので、今大臣からいろいろなことをこれから考えていくという御答弁をいただきましたので、引き続きこの海上タクシーの存続に向けまして御尽力いただきますようお願い申し上げたいと思います。

 関連いたしまして、高速船、ジェットフォイルの老朽化に対する更新のことにつきましてお尋ねをさせていただきます。

 全国で離島航路に欠かせない高速船、ジェットフォイルの老朽化が進んで、建造から三十年を超え更新の時期を迎えておりますけれども、待ったなしの状況ではありますけれども、現状では建造費が当初の三倍など大幅に高騰しており、厳しい経営環境にある航路事業者にとっては更新が極めて困難な状況にございます。

 そのような中で、昨年十一月、博多から長崎の壱岐、対馬間のジェットフォイルの新建造の契約が締結をされました。建造費は八十億円を超えるというふうにお伺いをいたしておりまして、国内では八年ぶりの新建造ということになるということでございます。

 今、建造へ向けまして様々な交渉が進んでいると承知をいたしておりますけれども、国内の各地域で就航しているジェットフォイルの更新は、まさに島民の生活には欠かせないものであると同時に、やはり、交流人口をしっかりと増やしていくことを含めて大変重要な役割を果たしておりますし、島に人が住み続けるための命綱でもあります。また、人が島に住み続けられることは、ひいては我が国の安全保障にとっても極めて重要な課題だというふうに思っております。

 ジェットフォイルの更新に当たっては、大変厳しい環境を含めて、また様々今高騰になっておりますので、国の更なる補助率の拡大を含めた支援の強化というものが必要だというふうに思いますけれども、金子大臣の御見解をお伺いをいたしたいというふうに思います。

金子国務大臣 ジェットフォイルは、高速性あるいは乗り心地、就航率に優れて、住民の生活や地域経済の活性化に大変重要な役割を果たしている一方で、現在国内で就航するジェットフォイルの平均船齢は三十年を超えておりまして、後継船建造の必要性が高まっているものと認識をしております。

 国土交通省といたしましては、鉄道建設・運輸施設整備支援機構による建造資金の支援も活用しつつ、ジェットフォイルの円滑な更新に向け、旅客船事業者を始めとする関係者と緊密に連携しながら取り組んでおります。

 このほか、国土交通省では、ジェットフォイルを含む全国の離島航路に対して、燃料消費量を抑制する機器やキャッシュレス決済の導入といったDXやGXの推進による経営改善に資する取組や観光利用の増加に資する取組に支援をしております。

 いずれにいたしましても、国土交通省としては、離島航路を取り巻く状況を踏まえつつ、今後とも離島住民の足の確保、維持にしっかりと取り組んでまいります。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。引き続き、国のジェットフォイル更新に対する支援の強化、改めて大臣にお願いをさせていただきたいと思います。

 続きまして、再構築事業につきましてまた話を戻させていただきますけれども、この再構築事業は、事業として採算が取れなくなり、既存事業者が撤退せざるを得なくなった交通空白区で行う事業でありまして、この事業を進めるに当たっては、財政支援、そして既存事業者との役割分担、また地域住民の理解、協力が不可欠だというふうに考えております。

 どのようにこのことを進めていく方針であるか、また、先ほど安全性の確保ということについて質問させていただきましたけれども、同時に、交通弱者と言われる障害者の方や子供、高齢者に十分配慮した体制を構築すべきだというふうに考えますけれども、このことに対する御見解をお伺いをさせていただきます。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の自動車地域旅客運送サービス再構築事業でございますが、この事業を進めるに当たりましては、御指摘のありました既存の事業者との役割分担や地域住民の理解や協力をいただくことは大変重要であると考えておりまして、法定協議会などでの協議などもいただきながら、適切に事業が進められていくよう、手引などでお示しをしてまいりたいと考えております。

 また、障害者や子供、高齢者等を含めまして様々な方に御利用をいただくこととなりますが、地域の実情に応じて、地方公共団体等のサービス提供者の御判断で必要な配慮をしていただくことも可能だと考えております。

 この際、交通空白解消のための移動手段の導入に必要となる経費につきましては、令和七年度補正予算、令和八年度当初予算を活用して御支援をすることとしております。

 今後とも、制度、予算等あらゆる政策ツールを総動員をして、交通空白の解消に取り組んでまいります。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。

 最後の質問になりますけれども、そもそも交通空白の増加の要因はドライバー不足にございます。根本的にこのドライバー不足を解消していくということは大変重要だというふうに思っております。

 その中で、二種免許の取得を推進していくことは、その一つとして大変重要だと思います。取得年齢の引下げ等の施策も導入されておりますけれども、国として更なる支援強化が必要であると考えますけれども、このことについてお答えをお願いいたします。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 バスは地域の足を支える大切な公共交通機関ということでありますけれども、近年、運転士不足等によりバス路線の維持が困難となっている地域が増加しているものと認識しております。

 国土交通省としましては、このバス、タクシー事業における人材確保支援事業としまして、令和七年度補正予算で約五十六億円を確保し、今委員から御指摘のございました運転士の二種免許取得に係る費用などについて、最大二分の一を支援しております。

 そのほか、運転士不足対策として、キャッシュレス化など業務の効率化、省力化の取組に対する支援ですとか、女性ドライバーにとって働きやすい職場環境の整備に対する支援、こういった様々な人材確保に向けた取組を推進しているところでありまして、今後とも、制度、予算等のあらゆる政策ツールを総動員し、バスの運転士不足への対応を含め、持続可能な地域公共交通の実現に向けて必要な施策を講じてまいります。

西岡(秀)委員 時間となりましたので、これで終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、臼木秀剛君。

臼木委員 国民民主党・無所属クラブの臼木秀剛です。今日もどうぞよろしくお願いいたします。

 ちょっと、一問目から通告をしていないことをお聞きをしたいと思うんですが、今回の法案、地域公共交通の活性化等の法案ということなんですが、今までの質問や御答弁をお聞きをしていて少し気になっているのが、この公共交通というものに対して政府また国交省がどのように考えているのかというのが、ちょっとまだ私としても分かりづらいなと思います。

 というのも、先ほど来大臣からも御答弁があるとおり、交通空白が全国的な課題である、また地方公共交通は地域社会の礎であると御答弁もありました。私も全く同感です。

 こういった地域の経済や住民生活に必要なサービスは公共サービスと呼ばれるわけですけれども、この公共サービスというものは、本来的には費用対効果とかまた収益性とはやはり少し距離がある考え方であり、採算性がなくても住民生活に必要なものは、やはり皆さんから税金をお預かりをして、そしてそれを再分配をして維持をしていくというのが基本的な考え方であることは間違いないと思います。

 ただ、この公共交通ということについて言うと、かつては経済成長や人口増加の効果で、地方でも公共サービスであっても収益を上げられていたとは思いますが、人口減少、偏在や高齢化の進行によって、本来の公共交通が本質的に持っている部分が顕在化してきてしまっているのではないかと思います。

 ただ、この本法案が成立した当初、二〇〇七年だと思いますが、このときに地域公共交通という用語が初めて規定されたものの、実態はやはり、公共とはいいながら、独立採算を建前とした商業輸送が原則となっていますし、その一方で、運賃は自由になかなか、バスはちょっと例外が出ましたが、設定できるわけでもない。さらに、補助金が入っていますけれども、この補助金を得るにも、経営の効率化やコスト削減といったいわゆる経営的な視点が求められて、必要な人件費とか設備投資とか、本来維持していかなきゃいけないものがどんどん削られてきた、さらには収益性が上がってくれば補助金が削られるということで、これはちょっと、悪循環がずっと続いている、この根本的な公共交通というものに対する考え方を明確にしておく必要があるのではないかという疑問が先ほど来の答弁で少し気になりましたので、ここは参考人の方でも結構ですので、是非御答弁をいただいてよろしいでしょうか。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 公共交通と申しましても、委員御指摘のとおり、かつて民間事業者の方がまさに経営として維持あるいは事業をされておったんだと思います。

 大都市部とか需要が多いところでは、まさにまだそういう形でしっかり維持をしていただいているわけですけれども、御指摘ありましたように、やはり、地方部に行きますと、人口減少それから少子高齢化ということで、利用者の方も減る。片や、最近では担い手不足ということで、いわゆる供給も厳しくなってくる。こういうことになりますと、民間事業だけではなかなか厳しい状況があるということであります。

 二〇〇七年に地域公共交通法というのを私ども作りまして、地方公共団体が、いわゆる事業者任せにするのではなくて、むしろ主体になって地域の計画を作っていただく。それも、縦割りじゃなくて、鉄道は鉄道、バスはバス、タクシーじゃなくて、地域全体の交通計画を作るという、マスタープランを作ってくださいということで法律を作ったわけであります。

 ただ、やはり人口減少のスピードはすごく速いものですから、累次の改正を重ねてきておって、その中に、元々計画というのも全然義務はかかっていなかったんですけれども、任意で作るということだったんですが、今は努力義務で、全ての自治体にお作りくださいというのに努めていただくということになっています。

 今回は、バス、タクシー、公共ライドシェアに加えて、地域のいろいろな送迎の手段を持っておられる方にも参加していただいて、輸送資源を全てフル活用して、それで地域の足を確保しましょうということで、いわゆる地域の実態、社会の実態に合わせて適切な制度にしていっているということだと思います。

 だから、地域公共交通というのをどういう形で維持するか。いわゆる民間がやる、あるいは地域が主体になってやる、これは手段でありますけれども、目的は、地域の方々がそれでしっかり生活できる、それで地域が持続可能になるということだと思いますので、それに応じて地域公共交通政策を最善の形にしてきているというのが私どもの考え方でございます。

臼木委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。済みません、ちょっと通告がなかったもので、失礼をいたしました。

 今おっしゃっていただいたように、地域の皆さんの生活であったり便益を確保するというところの観点から、事業者の皆さんと連携をして地域で維持を考えていただくという中で、これも先ほど来質問がありますし、この法律の背景、必要性のところでもありますが、やはり地域においてはノウハウ、マンパワーが不足していると。五万人未満の自治体の八四%が専任担当者ゼロということも、ここは国交省さん自らがこの背景、必要性で御説明をされております。

 ちょっと質問の順番としては変わりますが、今回、新たに自動車地域旅客運送サービス再構築事業ということで、そのような状況の中で、地方公共団体に事業実施計画を作成、また関係者の調整、さらに、こういった協力を行っていただく方々に対してのあっせんを行うということをしていますが、この実効性が本当に担保できるのかというのが、私もやはり、地域の皆さんや事業者の皆さんの声を伺っていても、ちょっとここは大丈夫なのかなというところが懸念としてあります。

 特にバス事業や鉄道事業については、都道府県や市町村に許認可権はないですし、運賃決定もまだまだ柔軟な対応が困難である、さらに、責任、権限がないということもあるので、都道府県や地方自治体では人事異動のサイクルが短いということもありますので、ノウハウが蓄積されにくいということです。

 こういった様々な課題がある中で、どうやってこの地方公共団体が主体的にといいますか、中心になってこういった計画を練っていくのかということについての考え方、また、ポイントとして、やはり広域にわたることも多いので、より都道府県が積極的に関わっていくということも含めて必要になってくるのかと思いますが、ちょっとこの法案の中では都道府県の関与について、この前段ではあるので、今回の制度、新たに再構築事業の中で都道府県が果たす役割についての考え方も御説明をいただいてよろしいでしょうか。

金子国務大臣 御指摘をいただきまして、ありがとうございます。

 市町村の人材やノウハウ不足への課題に対し、本法案では、地域交通に関する課題解決に積極的に取り組む企業、団体を連携促進団体として位置づけた上で、その活動を促進し、蓄積された知見やリソースの活用を図ることとしており、課題の解消に資する制度を盛り込んでいます。

 こうした制度面での措置に加え、市町村の人材やノウハウ不足の課題に対しましては、地方運輸局等による伴走支援、必要な情報、知見の提供、全市区町村の半数以上が参加をしております官民連携プラットフォームを通じた連携の促進、地域の移動手段の維持、確保の取組等に対する財政支援、人材を育成する取組への財政支援などによりまして、地方公共団体の取組を総合的に支援をしております。

 こうした国の支援に加えまして、都道府県のサポートによりまして、複数の地方公共団体が共同して取り組むことが有効であると考えております。こうした場合におきましては、更に手厚い財政支援を行い、都道府県の積極的な関与を促しているところでございます。

 引き続き、予算、制度等あらゆる政策ツールを総動員し、今般創設する自動車地域旅客運送サービス再構築事業が実効性のある制度となるよう、地方公共団体を支援してまいります。

臼木委員 ありがとうございます。

 公共交通は単に維持が目的ではなくて、これから持続可能なまちづくりということですので、住民生活のニーズや、これから、今後の地域をどういうふうにしていくのかという、いわゆるバックキャスティングというんですか、視点としては地域交通経営の視点というのが欠かせないと思います。やはり、一朝一夕にその人材は育つということはないですし、そういった視点を持つ人材の発掘であったり育成ということがこれから必要になってくると思いますので、ここは地方局も含めて活用できる資源は総動員してやっていくべきところだと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。

 また、ちょっと話は変わりますが、今回、再構築事業が新たに創設をされますが、この間、近時の改正で、様々な事業が創設もされています。

 例えば、令和二年の改正で追加された地域旅客運送サービス継続事業、これは、安全、安定的な移動手段の維持や運行ノウハウの活用、また、委託費の確保による地域公共交通の活性化が期待をされて導入された制度です。また、令和五年の改正で導入されたエリア一括協定運行事業、これは、国の手厚い支援措置や補助金を入れることによって、複数路線をまとめた効率的かつ持続可能な運行体制への再編というものが期待されて導入をされています。

 近時の改正なのでまだまだ実績というものがなかなか出てきていないということは承知はしていますが、正直、たくさんメニューを用意しても、先ほどの人材不足も相まって、また、自治体の皆さんの理解や説明、その活用方法なども含めての理解もあるのかもしれませんが、なかなかメニューが使われないということ、これはこれまでの他の法案の質問のところでもさせていただいているんですが、いいメニューを作っても使われなきゃ意味がありませんので、これら導入された事業の実績の現状や課題をどう考えているのか。また、今回創設される再構築事業との差異はどのような点にあって、これの活用に向けての取組はどのように行っていくのか。こういった点についての御説明をよろしくお願いいたします。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の令和二年に創設をいたしました地域旅客運送サービス継続事業につきましては、現在、委員御地元の北海道での五件を含めまして、計十四件の実施計画を認定しております。路線バス等の廃止が見込まれた地域において、地方公共団体の主導により、地域住民の移動手段を確保する取組が進んでおります。

 また、令和五年に創設したエリア一括協定運行事業の実績といたしましては、制度創設後、令和五年十月より、長野県松本市において全国第一号の取組が始まっており、また、本年四月からは、北海道の北見市、美幌町、津別町において全国で二例目となる取組が開始されるなど、一定の成果が出ているものと承知をしております。このほか、同事業の活用に向けた調査を行う予定の市町村も見られるところです。

 こうした創設した事業が、しっかりと全国各地の、必要なサービスの提供を求めている地域で使われていくようにしっかり周知を徹底していきたい、活用を促していきたいというふうに考えております。

 一方で、もう一つのお尋ねの、今回の再構築事業の関係でありますけれども、ただいま申し上げたサービス継続事業とかエリア一括運行事業、こういったものについては、交通事業者が現に存在する地域での取組が前提となってございます。今般、担い手不足等を背景として交通事業者が撤退した、あるいはほとんど撤退するおそれというふうな形の交通空白の解消にはなかなか適用が難しいものと考えております。

 このため、本法案では、バス路線等が休止、廃止又はそのおそれのある地域におきまして、輸送資源をフル活用し交通空白を解消するため、新たな事業として自動車地域旅客運送サービス再構築事業を創設をしたものでございます。

臼木委員 ありがとうございます。

 メニューをたくさん設けるのも必要ですし、それを地域に合った形で利活用いただくという取組も、是非現場に出て、現場で御説明をいただいているということも事前のレクでお伺いをしていますので、活用に向けて取組を行っていただきたいと思います。

 また、今回新たに創設される再構築事業について、今ほどありました、この再構築事業というものは法律の二条十二号の方で規定されていますけれども、バス路線等でその全部若しくは一部が休止、廃止又はそのおそれがあるものであるということですので、既存の交通事業者が撤退ないしそのおそれがあるということを前提とした事業であるということであります。

 そこで、この又はそのおそれがあるものというのが、どのように誰がどの段階を基準に判断をしていくのかということについて、これはやはり、この事業の活用のするかしないか、ここに関わってくると思いますので、この点、どのように今考えておられるのかということを御説明いただいてよろしいでしょうか。

池光政府参考人 お答えいたします。

 自動車地域旅客運送サービス再構築事業の活用が想定される、ただいま御指摘いただきましたバス路線等の全部又は一部が休止、廃止されるおそれがある場合に該当するかどうか、これにつきましては、例えば、運転者不足や車両の老朽化などを理由に地方公共団体に地域の交通事業者が路線維持の相談を行ってきたような場合や、減便等により輸送サービスの使い勝手に支障が相当程度生じているような場合、こういう場合を踏まえて、地方公共団体が御判断いただくことを想定をしております。

 詳細な内容につきましては今後ガイドライン等により示してまいりたいと考えておりますが、交通空白の課題を抱える地方公共団体にしっかり御活用いただけるよう、制度設計や周知に努めてまいります。

臼木委員 ありがとうございます。

 これも実態は様々あるということになるんでしょうから、先ほどおっしゃっていただいたとおり、なるべく地域の住民の皆さんの利便性や予見可能性というものを確保するためにも、なるべく早い段階でもこの事業を活用できるようにきちんとガイドラインに定め、また、それを地方公共団体の皆さんにも周知をいただきたいと思います。

 それから、先ほどちょっと我が党の西岡委員からも質問がありましたが、今回、公共ライドシェア、何か規制緩和というよりは実質的に拡大がされるということになるわけですけれども、利用者の皆様から安全性に対する懸念、特に運転者に普通二種免許を要しないということについて、やはりいまだ、事業者の皆さんからもそうなんですが、ここについての懸念点があります。

 この間、公共交通の経費を抑えるため人件費が縮減されて、いろいろ給与や労働条件が厳しい状況になる、さらには免許の要件も厳しいということで、いろいろ要件が実態に合わせて少し緩んできた面もあるのかなとは思いますが、やはり人命を預かる高い技量を必要とするものについては、きちんとした、こういった職務、職責に十分配慮できる制度をきちんと担保していくということも必要だと思いますが、利用者の安全確保の面について今回導入される制度には問題がないということを改めてちょっと答弁に残したいんですが、御答弁、お願いしてよろしいでしょうか。

加藤大臣政務官 お答え申し上げます。

 公共ライドシェアは、バス事業やタクシー事業によって移動手段を確保することが困難な地域において、住民等の旅客輸送を確保する必要性に鑑み、市町村やNPO法人等が営利を目的とせず自家用車を活用して旅客運送サービスを提供する制度でございます。

 この公共ライドシェアにおいては、地域住民等が協力してドライバーとなる場合も多いことから、運転者の要件を二種免許のみに限定しておりませんが、輸送の安全を確保する上で必要な安全上の措置を講じているところでございます。

 具体的には、運転者に対して国土交通大臣の定める講習の受講、運送主体による自動車運送事業に準じた運行管理や車両整備管理の実施、運送主体による任意保険への加入を義務づけているほか、二年ごとの運送主体の登録更新時に、運転者の事故や法令違反の状況を確認し、悪質な場合には更新を取り消す等の措置を講じているところでございます。

 国土交通省としては、今後も、このような措置を確実に実施し、地域交通の安全の確保に万全を期してまいります。

臼木委員 ありがとうございます。

 最後に一問質問させていただきます。

 今回、地域公共交通の維持を図っていく上でも、車両の老朽化対策というものも必要になってくると思います。特に、私は北海道選出なので、融雪剤が車両に与える影響が非常に大きくて、今は無塩融雪剤というものも導入をされてはいるんですが、これがかなり高いということも聞いています。

 この無塩融雪剤の導入に向けて、研究や導入支援など国交省として是非取り組んでいただきたいと思いますが、この点だけ質問させていただき、質問を終わらせていただきたいと思います。

金子国務大臣 私も九州の人間ですから、融雪剤のことはよく存じなかったんですけれども、もちろん、除雪費用とか技術的な指導はこれまでも全力でやってきたつもりであります。

 一方で、今お話がありましたように、塩化ナトリウムについては金属腐食の課題があるということでありますが、それに代わる無塩の融雪剤の普及ということに対しては、御存じのとおり、非常に大きな価格の差がございます。

 そのこともございますが、国土交通省としましては、塩化ナトリウムの車両への影響の実態も把握しつつ、各地での取組状況も踏まえながら、無塩の融雪剤の効果的、効率的な散布方法や融雪剤の選定の考え方など、しっかりと今後検討してまいります。

臼木委員 ありがとうございました。

冨樫委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

冨樫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。吉川里奈君。

吉川委員 参政党の吉川里奈です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 本法案の質疑に際し、まずは、福島県磐越道で発生した白ナンバーのマイクロバスによる痛ましい事故により未来ある貴い命を失われた生徒の方に深く哀悼の意を表します。あわせて、御遺族の皆様そして負傷された方々を始め、被害に遭われた全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 私は、子を持つ母親として、また国民の皆様から負託を受けた立法府の一員として、このような事態を二度と繰り返してはならない、その強い思いを胸に、国土交通省がこれまで国民に示してこられたルール、今回明らかになった事態との整合性、そして制度全体に横たわる課題について確認をさせていただきたいというふうに思います。

 報道によると、今回の事案では、学校側は貸切りバスを依頼したと説明している一方で、実際には、レンタカーとして手配された白ナンバーのマイクロバスにバス事業者に所属しない第三者が運転者として乗務していたとされています。もちろん、現時点では事実関係の確認中であることは十分承知しておりますが、もしもこれが事実なのであれば、契約上の認識と実際の運行実態が食い違ったままで多数の生徒を乗せた運行が成立していたことになります。これは旅客の安全を守る制度の根幹に関わる極めて重大な問題かと考えます。

 いわゆる白バスというのは、一般に、道路運送法上の許可又は登録を受けず、自家用自動車、いわゆる白ナンバー車両を用いて有償で旅客を運送する行為を指します。道路運送法の第七十八条では、自家用自動車を有償の運送に供することを原則として禁じており、例外として認めているのは、災害のため緊急を要する場合、自家用有償旅客運送として登録を受けて行う場合、又は公共の福祉を確保するためやむを得ない場合に国土交通大臣の許可を受けた場合などに限られます。

 今回の事案では、貸切りバス事業者に運送を依頼していたにもかかわらず、実際にはレンタカー車両と当該事業者に所属していない運転者による運送が行われていた疑いが指摘されており、国土交通省として、実態として、こうした白バス行為が現実に起こり得ることをこれまでどの程度認識していたのか、また、過去に同様の事案の把握、処分等を行った実績があるのか、具体的にお示しください。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 その前に、初めに、今回の事故によって亡くなられた方に心からの哀悼の意を表するとともに、負傷された方々の一刻も早い回復をお祈りいたします。

 白バスについてのお尋ねでございますけれども、今委員から御説明ありましたように、一般論として、いわゆる白バスとは自家用車やレンタカーを用いて他人の需要に応じて有償で運送するサービスを提供する行為であります。

 例えば、レンタカー事業者が白ナンバーのレンタカーと運転手をまとめて手配するような行為は白バス行為として道路運送法違反となりますが、令和元年のレンタカー事業者による白バスの事故をきっかけとして、レンタカー事業者による白バス行為の防止の徹底について、国土交通省として、これまでレンタカー事業者、地方公共団体、利用者への周知を図ってきたところでございます。

 実際に白バス行為が判明した場合は厳正に対処することとしており、令和五年度から七年度までの過去三年間で八件、この中にはレンタカー車両が使われたものも含まれておりますけれども、この八件を処分をした、こういう実績がございます。

 引き続き、警察等の関係機関と連携し、白バス行為が確認されれば厳正に対処してまいります。

吉川委員 ありがとうございます。

 令和五年からは八件あったということなんですが、このいわゆる白タク、また白バスといったもの、これは潜り営業というふうにかつて呼ばれた行為であって、決して新しい問題ではありません。

 昭和三十一年の国会においても、政府は、潜り営業自体が道路運送法違反であり、交通秩序を確保するために取り締まる責任があると答弁されており、昭和三十四年、三十五年等でも、運輸省と警察が連携して取り締まる問題であるというふうに確認をされてきました。つまり、白ナンバー車両による無許可、無登録の有償運送は、戦後の道路運送行政において一貫して問題にされてきたにもかかわらず、今日なお形を変えて現れているというふうに思います。

 今回調査をしていますと、先ほど、令和元年の事故を受けてというふうなお話、答弁がありましたが、「マイクロバス車両をレンタルされる方へ」という通達が国交省から出されています。これは、群馬県で令和元年に、停車中の白ナンバーマイクロバスが転落し、十二名の登山客が重軽傷を負う事故であったと。そういうことで捜査していくと、容疑者が、自身が経営するレンタカー会社の管理する自家用バスを使用して無許可で有料運行をしていた白バス行為だったということが発覚しました。これは違法性を分かってやっていたということであって、安全管理や責任体制が不十分なまま旅客運送が行われた結果、多くの国民の命と安全が脅かされた事案であって、そのような事故を二度と起こさないようにというふうに国交省は全国に通達を出したというふうに私は説明を受けました。

 内容は、「運転手付きマイクロバスの手配は、国土交通大臣の許可を受けたバス会社を利用しましょう。」「レンタカーのマイクロバスに運転手は付いていません。」「違法な「白バス」を利用して事故に遭った場合、保険の適用がないことがあります。」というふうに、大きく三つの柱が明記をされている。

 この通達が行われたということなんですけれども、令和元年のバス事故というのは、運転手と車がセットであったということで、その類型を念頭に周知を行ったと伺いましたが、磐越道マイクロバス事故は、車両と運転手がセットというわけではございませんが、しかし、一般の皆さん、国民の皆さんからしますと、実態としては白ナンバーのバスで死亡事故が起きたということになります。

 こうなりますと、国交省が国民に示してきた通達、周知徹底だけでは現実的にこれらを抑制できていないのではないかと考えますが、大臣の御見解を伺います。

金子国務大臣 改めまして、今回の事故で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の一刻も早い回復をお祈りいたします。

 先ほど政府参考人が答弁したとおり、国土交通省においては、吉川委員からも言及されましたが、令和元年のレンタカー事業者による白バスの事故をきっかけとして必要な周知を行ってまいりましたが、今回このような事故が起きてしまいました。本当に残念でありますし、申し訳なく思っているところでございます。

 今回の事故では、レンタカーを借り受けた際に届け出ていなかった者が実際には運転したことが判明しているなど、マイクロバスに係る適正ルールが十分浸透していなかったのではないかと思います。

 このため、国土交通省としましては、関係省庁と連携して、貸切りバス事業者だけではなく、学校教育関係者などの利用者への周知を改めて徹底するなど、必要な対応を今後も行ってまいりたいと考えております。

吉川委員 やはり、周知徹底を行っていくという御回答になるんですよね。私としてはやはり、こういった法の抜け穴をどう対応していくのかというところで、例えば罰則を強化していくなり、何らかの適切な対応が必要ではないかというふうに考えます。

 平成二十四年の軽井沢のスキーバス事故では、貸切りバスという安全性が本来担保されるべき車両の転落で乗客十五名の方が亡くなり、二十六名の方が重軽傷という重大な事故が起こりました。その後は、国交省は体制をいろいろと調査し、検討された上で、貸切りバス事業許可の更新制度が導入され、罰則の強化、初任運転者の適性診断、実技訓練、ドラレコの設置の義務化、さらには記録改ざん防止や運行のデジタル化というものが行われました。

 これらが行われたからといって全ての事故を防ぐことはできませんが、二度と事故が起きないようにというふうに御答弁を皆様されるんですけれども、そういった対応をするのであれば、少なくともこれぐらいしっかりやっていかないと私はいけないのではないかというふうに考えます。

 現在、事故関係者の意見の食い違いもあって、捜査が進まないと何も言えないことはよく承知しておりますが、白バス行為の氷山の一角でしかないと思いますので、先ほど大臣から、二度とこのような事故が起こることがないようにというふうにも御発言がありましたので、しっかりと文科省とも連携を取っていただいて、これは国交省としてというか政府として、どなたが大臣であってもどの政党が政権を持っていても二度とこんなことが起きないように、目先の対応策ではなくて国民の命と安全を第一に守るためのしかるべき対応を要望いたします。

 次に、白バス行為の判断について伺いたいと思います。

 一般論として、白ナンバーバスを使って有償で運送する白バス行為かどうかの判断というのはどのようになされるのか。謝礼についてどのような場合に有償での運送と判断されることになるのか教えてください。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども申し上げましたとおり、いわゆる白バスとは自家用車やレンタカーを用いて他人の需要に応じ有償で運送するサービスのことをいい、白バス行為かどうかの判断につきましては、運行形態や契約関係などの事実関係を確認した上で総合的に判断されることとなります。

 お尋ねの謝礼が有償での運送と判断されるか否かにつきましては、令和六年三月に策定した道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインにおいて、謝礼があくまで自主的に社会通念上常識的な範囲内で支払われた場合は、有償での運送には該当しない、このようにされておりますけれども、最終的には当事者間の関係性や運行の態様などを総合的に勘案して判断することになります。

吉川委員 その常識的な社会通念上の謝礼ということになりますが、これというのは上限というものはあるんでしょうか。

石原政府参考人 具体的に幾らという、その上限の額、こうしたものは定めておりません。あくまでも、社会通念上常識的な範囲内、こういうことでございます。

吉川委員 その社会通念上常識的なというところは、これは人によって判断が変わってくるのではないかと思います。

 この整理に従うと、事前の取決めさえなければ、形式上、任意の謝礼として処理され、上限なく金銭が授受されても有償運送には当たらないということになるのではないかと考えます。やはりこういったことを行ってしまいますと、実態としては明らかに対価性があるというふうになっても、取決めの有無という形式さえ整えれば、白バス行為は摘発しにくい構造になっているのではないかというふうに思います。こういったことは、現場では限りなくグレーな運行が広がっていくのではないかというふうに考えますので、しっかりと適切な対応をしていただきたいというふうに思います。

 次に、四番を飛ばしまして、運転者登録要件と継続的な安全管理の実効性について伺ってまいります。

 公共ライドシェアでは、運転者登録要件として過去二年間に免許停止処分を受けていないことということが基準とされていますが、事故歴そのものが直ちに排除要件とされているわけではありません。この場合、例えば直前に事故を起こしていても、免許停止処分に至っていなければ制度上は運転者として登録可能という理解でいいのか教えてください。

池光政府参考人 お答えいたします。

 第一種運転免許保有者が公共ライドシェアの運転者となる場合は、運転免許の効力が公共ライドシェアの運転者として選任される日から遡って二年以内において停止された者ではないこと、国土交通大臣が認定する講習を修了していることなどが要件となっているところであります。

 こうした運転者の要件に加えまして、公共ライドシェアに関しては、運行管理、車両整備管理や保険加入義務など、道路運送法に基づき、運行の安全の確保に必要な措置を講じております。

 国土交通省としては、引き続き、公共ライドシェア制度の的確な運用を図り、安全の確保に万全を期してまいります。

吉川委員 済みません、私が今お尋ねしたのは、直前にもしも事故が起きていた場合であっても過去二年間に運転免許証が停止になっていなければ登録は可能なんでしょうかというふうにお尋ねしたんですが、いかがでしょうか。

池光政府参考人 お答えいたします。

 公共ライドシェアの運転者というのは第一種運転免許の方もなれますし、第二種運転免許の方もなれます。この第一種運転免許について申し上げると、先ほども申し上げたとおりでありますが、運転者として公共ライドシェアの運転者に選任される日から遡って二年以内にいわゆる免許が停止されていないことというのが要件になっておりますので、そういうことからすると、先生おっしゃるとおり、いわゆる二年以内に停止されている場合はならないということになろうかと思いますけれども。

吉川委員 だから、事故を起こした方であっても、免停がなければ、第一種運転免許証を所持されている方は公共ライドシェア運転者として登録ができるということになります。

 この公共ライドシェア講習というのは、講義、座学が七十分、実技は一時間しかございません。これをもって国土交通大臣が責任を持って認可するというふうになっているんですけれども、私は、これで果たして本当に安全性は担保できるのか、午前中も皆さん安全性について御質問されていましたが、具体的なところが私はすごく懸念があります。

 ちょっとこれは通告していないんですけれども、お尋ねします。

 第二種免許では、旅客を有償で運送する運転者として、通常の視力だけでなく、奥行きや距離感を測る深視力検査が課されています。これは第二種のみならず、大型第一種等でも適性試験として行われるわけですけれども、公共ライドシェアの登録に当たって、このような適性試験というのは別途行われるのでしょうか。

池光政府参考人 お答えいたします。

 大変申し訳ありませんが、通告を受けておりませんでしたので手元にちょっとその材料を持ち合わせておりませんので、答弁、繰り返しになりますけれども、第二種運転免許保有者においても、一応公共ライドシェアの運転者となれるということでありますが、先ほど私が申し上げた第一種運転免許の方と違って、第二種の方はそういう二年以内という制限はない。二年以内の制限があるのは第一種の方ということであります。

 先生がお尋ねになった点につきましては、済みません、ちょっと通告を受けておりませんので私のところに手元に材料がないので、申し訳ありません。

吉川委員 私が調べた限り、そういった適性試験というふうには課されていないというふうに感じました。

 先ほど申しましたように、貸切りバスはドラレコの設置義務、記録の保存というものがありますが、バス、タクシー、公共ライドシェアについて同様の義務というのは課されているのか、教えていただけますでしょうか。

石原政府参考人 お尋ねの件でありますけれども、御通告を頂戴しておりませんので今責任を持った御答弁ができないことをお許しいただければと思います。

吉川委員 少なくとも、バス、タクシーについては設置義務がございません。ですが、これは九割が設置をしているということは、調べた上ではデータが出てまいりました。公共ライドシェアに関しては、こういった義務というのは私の認識ではないのではないかというふうに感じます。

 本当に安全性の担保ということを考えるのであれば、今回のマイクロバス、白バスの事故、これにもドラレコがなかったんですね、こういったところもしっかり念頭に置いた上で、今後の対策をお願いしたいというふうに思います。

 最後に、地域交通の維持と国の責任について伺います。

 政府は、公共ライドシェアについて、交通空白の解消を理由に推進をされていらっしゃいますが、実際、現場って、じゃ、どうなるんだろうと考えたときに、人口減少、少子高齢化という時代で、高齢者が高齢者の方を支えていくような状況というのも想定されるのかなというふうに感じました。ですので、先ほども事故の有無の確認等は必要ないのかということもお尋ねさせていただきました。地域交通というのは単なる移動手段ではありません、地域住民の暮らしを支える生活インフラそのものだというふうに思います。

 一方で、バス運転者については、そもそも、これまでずっと長い間、全産業平均と比べて賃金水準が全平均よりも約六十六万円低く、そして、労働時間は三百二十四時間長いという構造的な課題というのは長年指摘されてきました。働き方改革も相まって、こういった待遇改善に十分取り組まないまま、働き手不足だからライドシェアへと進めることは、国の責任の所在を地域住民の方へ移してしまうことになりかねないのではないかと考えます。

 先ほどの御答弁を聞いていますと、地方に丸投げするんじゃないのかというような質問に対して、いえいえ、それは運送主体者が事故に対して責任を負うものですという御答弁を何度か聞きましたが、それはすなわち、地域住民の方が、一種の免許証を持って公共ライドシェア登録された方が事故を起こしたらその方の責任ですというふうな意図というふうに私は認識をしました。

 やはり、そういった運転者の確認や責任の所在というところというのは、やはり今回の事故を鑑みましても、地域交通を守る上で誰が責任を担うのかといったところ、しっかり国は責任を持つべきであるというふうに私は考えます。

 国として、他力本願ではなく、自治体任せ、民間任せにするのではなく、我が党としては、国として、積極財政として、地方交通を支え、安全性や本来の意味での持続可能性を確保していくべきだと思いますが、大臣の御見解を伺います。

金子国務大臣 まず、通告がなかったということで、しっかりとした答弁ができなかったことをおわびを申し上げたいと思います。

 全国で約二千五百に及ぶ交通空白を今後三年間の集中対策期間で解決に導くため、国土交通省「交通空白」解消本部を立ち上げまして、本部長たる私が先頭に立って、現在、全国で強力に取組を進めているところでございます。

 具体的には、地方運輸局長等による全国で約四百に及ぶ自治体の首長等への直接訪問を始めとする伴走支援や、必要な情報、知見の提供、全市区町村の半数以上が参加する官民連携プラットフォームを通じた連携の促進、地域の移動手段の維持、確保の取組等に対する十分な財政支援など、国が主導する形で総合的な支援を行っているところでございます。

 また、交通空白の解消の一環として、担い手不足の深刻化を背景としたバス、タクシー等の減便、廃止によって交通空白となった地域の移動手段確保を図るため、今般、自動車地域旅客運送サービス再構築事業の創設などを柱とした地域交通法の改正案を提出した次第でございます。

 これらの取組の結果として、しっかりとバス事業者等も含めまして対応をやってまいります。

 引き続き、国が積極的に地域公共交通政策の責務を担い、安全で持続可能な地域公共交通の実現に万全を期してまいります。

冨樫委員長 時間となりました。

吉川委員 私としては、財政措置として空白地を埋めるという手だては理解するんですが、やはり、国は、都道府県や地方公共団体としっかりタッグを組んで、人員の増加、人材確保を行って、地域に根づく、できれば若い力で、十年後、二十年後、先のことも考えて、公共ライドシェアとしてのドライバーや都市計画の担い手として、主体的に現場を、地域を守るために官が責任を持って、仕事として、地域のボランティアに依拠するのではなくて、安全性を担保した上で対応すべきなのではないかなというふうに考えますので、是非この点も念頭に置いていただければというふうに思います。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、須田英太郎君。

須田委員 チームみらいの須田英太郎です。

 本日は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について、三点お伺いいたします。

 本法案は、人口減少や運転手不足が進む中、既存の輸送資源を総動員して交通空白の解消に取り組む仕組みであり、その方向性を高く評価しております。その上で、これまで現場で自治体や交通事業者の皆様とともに汗をかいてきた身として、本法案がより実効性のあるものとなり、また中長期的に持続可能な地域公共交通の姿につながっていくよう、三点お伺いいたします。

 まず、地域公共交通の活性化と再生に向けた自動運転の推進についてお伺いいたします。

 本法案は、現に動いているバスやタクシー、福祉輸送やスクールバスなど、地域の輸送資源を総動員する仕組みであり、足下の交通空白の解消に資するものと認識をしております。

 一方で、運転手不足は今後更に深刻化することが見込まれます。私も、現場で地元の事業者の皆様とお話しする中で、走らせたくても人がいないんだ、賃金を上げても、土日の稼働があったり拘束時間が長いから若者が応募してこないんだ、そのような声を何度もお聞きしてまいりました。

 地域の移動手段を中長期的に持続可能なものにしていくためには、既存資源の活用と並行して自動運転の社会実装を本格的に進めていくことが不可欠です。実際、世界的に自動運転及びAI技術の開発は加速しており、この流れを踏まえれば、自動運転が地域交通の担い手不足を補う現実的な手段となる蓋然性は高いと考えております。

 自治体が交通空白の解消に取り組むに当たっては、自動運転の実用化とそれに伴うコストの低下をあらかじめ見込んだ計画としていくことが必要です。

 政府は、二〇三〇年度までに自動運転サービス車両一万台の稼働を目標として掲げております。本法案が創設する再構築事業を始めとする施策と自動運転の普及が、別々の動きとして進むのではなく、整合的に進んでいくことが重要です。

 具体的には、例えば、本法案の施行の際に示される基本方針に自動運転との接続を明確に位置づけることや、また、自治体が策定する地域公共交通計画において、将来の自動運転導入を見据えた計画策定を促していくことなどが考えられます。

 そこで、国土交通省にお伺いいたします。

 本法案による交通空白の解消のための施策と二〇三〇年度一万台を目指す自動運転の社会実装をどのように整合的に進めていくお考えでしょうか。基本方針への位置づけや地域公共交通計画における取扱いも含めて政府の見解をお聞かせください。

池光政府参考人 お答えいたします。

 自動運転につきましては、地域特性やコストなども考慮する必要があり、自動運転により全国各地の交通空白が実際に解消されるまでには一定の期間を要するものと考えております。今回の改正法案では、今まさに危機に瀕している各地の交通空白の解消を図るための措置を盛り込んでおります。

 一方で、委員御指摘のとおり、自動運転の推進は大変重要であると考えておりまして、既に先ほど触れられた地域交通法の基本方針におきましても、自動運転につきまして、「地域公共交通への活用を念頭に、持続可能性を意識したビジネスモデルの構築等も目的にしつつ、技術開発や実証実験等を推進するとともに、事業法制や安全規制のあり方も含め、円滑な社会実装のための環境整備を推進すること」としているところであります。

 また、地域公共交通計画の作成の手引におきましても、自動車分野におけるDXの中でも長期にかけて取り組んでいくべき事項といたしまして、自動運転を挙げております。

 さらに、一月に閣議決定された第三次交通政策基本計画におきましても、自動運転サービスが地域の足、観光の足の確保に有効である旨が盛り込まれております。

 いずれにせよ、本法案と併せて、交通空白解消、ひいては持続可能な地域公共交通の実現のために、自動運転についても引き続き推進をしてまいります。

須田委員 大臣、お願いいたします。

金子国務大臣 もう須田委員は実際、自動運転を走らせ、経験をされている中で、私に説得力ある話ができるかどうか分かりませんけれども、自動運転につきましては、国土交通省において、今年一月に、私が本部長になって、是非、自動運転社会実現本部を立ち上げたいということで立ち上げ、同月に閣議決定されました第三次交通政策基本計画における二〇三〇年度にバス、タクシー、トラックの自動運転サービス車両一万台の目標実現に向けて、全国各地で行われている自動運転の取組を引き続き支援をする、AI技術を活用した高度な自動運転車の開発、普及の後押しをする、国産自動運転車両の量産化につながる国際基準の策定をする、自動運転車両の走行を支援するインフラ側の取組など、安全性の確保を大前提に、一日も早く本格的な自動運転社会の実現に向けて今全力で取り組んでいるところでございます。

 交通空白の解消、自動運転社会の実現、いずれも大変重要であり、私自身が先頭に立って取組を推進し、持続可能な地域公共交通を実現していく決意でございます。

須田委員 ありがとうございます。

 大臣からも強い御決意を御共有いただきました。ありがとうございます。

 本法案に基づく集中対策期間、こちらは令和九年度までとされておりますけれども、その先には二〇三〇年度自動運転一万台という目標が控えております。自動運転の社会実装を前提とした設計も促していただきますようお願い申し上げます。

 次に、本法案で新たに設けられるモビリティーデータの提供義務についてお伺いいたします。

 本法案は、地域公共交通計画の策定等に必要なモビリティーデータについて、地方公共団体からの求めに対して交通事業者に応諾の義務を課しております。自治体が地域の交通実態を把握し、エビデンスに基づいて計画を立てていく上で、極めて重要な一歩であると評価しております。

 一方で、本法案では、応諾義務の例外として、正当な理由がある場合というものが認められております。この正当な理由の範囲が曖昧なままでは、制度の実効性が損なわれかねません。

 私自身、現場で事業者の方々とお話しする中で、データの共有をめぐる難しさ、これを大変実感してまいりました。

 例えば、交通系ICカードによる情報の履歴は、地元のバス事業者さんではなくてJR側が保有しているケースが多いです。自治体さんが求めても、求められた事業者の手元にそもそもデータがない、こういうこともございます。また、現場の担当者の方は協力したいと思っていても、社内の合意形成が調わずに提供に至らないケースですとか、個人情報のマスキングにデータの加工が必要だけれども、その作業に充てる人手も時間もないよ、こういった声もお聞きしてまいりました。こういった現場の実情を踏まえれば、正当な理由の範囲が曖昧なままでは、制度の実効性が損なわれかねません。

 そこで、国土交通省にお伺いいたします。

 応諾義務の例外となる正当な理由として、具体的にどのようなケースを想定しておられますでしょうか。また、事業者と自治体の間で正当な理由の該当性をめぐって見解が分かれた際に、どのような調整方法を想定しておられるのでしょうか。御回答お願いいたします。

池光政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘いただきましたように、本法案におきましては、地方公共団体が主導して事業実施計画の作成を行う場合に、その作成に必要なデータ、いわゆる情報提供等の協力を求めることができる旨を規定をしたところであります。その際、交通事業者等は、正当な理由がある場合を除き、その協力要請に応じなければならないという義務を課すこととしております。

 まさに、この正当な理由がある場合でございますけれども、提供を求められたデータが交通事業者等の事業経営や競争上の地位に影響を及ぼし得る機微な情報である、あるいは、データ加工に必要なコスト負担に関し両者で調整がつかない、又は、地方公共団体側の情報取扱いのための安全管理体制が不十分であるなどの場合を想定をしております。

 こうした事項につきましては、交通政策審議会地域公共交通部会や関連の検討会の場において、関係の交通事業者などともこれまで十分な協議、調整を進めてきて、こういった結論に今至っているところであります。

 今後も、法律の施行に向けまして、データ保有者がより安心してデータ提供ができ、円滑な利活用が図られるよう、必要な環境整備を進めていく所存であります。

須田委員 ありがとうございます。

 正当な理由、こちらを主に三点明確に示していただきまして、ありがとうございます。

 続いて、金子大臣にもお伺いいたします。

 この正当な理由の判断基準を明確にしていくこと、これは事業者にとっても自治体にとっても安心して制度を運用する上で不可欠でございます。今御答弁はいただきましたけれども、こちらをガイドラインに策定していくような形で判断基準を明確化していくべきと考えておりますが、こちらは是非実施していただけないでしょうか。

金子国務大臣 交通事業者等から地方公共団体へモビリティーデータの提供を進める上では、本法案に基づく措置とともに、交通事業者等がより安心してデータ提供ができる実務的な環境整備が重要であります。

 しかしながら、モビリティーデータの活用においては、現状、地域公共交通政策に必要なデータの範囲やデータ提供を行う際の情報管理の体制、データ提供の手続などが標準化されていないことから、これまで多様なデータの活用が十分に進んでいる状況とはなっておりません。

 こうした課題に対処するため、交通事業者等も参画した形で、モビリティーデータの活用推進に向けたガイドラインを作成することとしており、委員御指摘の正当な理由の取扱いについてもこのガイドラインに盛り込むこととしております。

 これによりまして、データ保有者が安心してデータ提供できる環境が整い、地方公共団体等がより円滑に必要なデータを取得可能となることで、モビリティーデータの活用による地域の実情に応じた実効性のある地域公共交通計画を策定、推進することが期待されます。

 引き続き、関係者の連携、協働を後押しし、持続可能な地域公共交通の実現にしっかり取り組んでまいります。

須田委員 大臣、ありがとうございます。

 ガイドラインで正当な理由を明確化するというお約束をいただきました。ありがとうございます。

 こちらのデータ提供の義務、自治体のデータ利活用を進める重要な制度でございます。現場の混乱が招かれないように、できるだけ早期にお示しいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 最後に、データ形式の標準化についてお伺いいたします。

 本法案では交通事業者に対するモビリティーデータの提供義務が新たに設けられますけれども、提供されるデータの形式に関する規定は法案上置かれておりません。

 データは形式が標準化されることで、受け取った自治体が円滑に活用できるものになります。形式がばらばらのままでは、自治体側でデータの整理や変換に手間を要します。とりわけ、専門人材の限られた自治体では利活用が進みません。また、地域ごとの比較や広域的な交通計画への活用も困難になります。

 この点、国土交通省さんは、地域交通DX推進プロジェクト、コモンズを進めておられます。バス業務の標準化や交通データの標準化、データ分析ツールの開発というような取組が令和七年度から始まっていると承知しております。

 そこで、お聞きいたします。

 法案のデータ提供義務とコモンズの標準仕様を実効的に結びつけるために、コモンズに準拠するデータ形式の活用を自治体やデータを提供する事業者に対して促していくべきと考えますけれども、御見解をお伺いいたします。

池光政府参考人 お答えいたします。

 ただいまお触れいただきましたコモンズでございますけれども、これはまさに先生おっしゃるとおり、データ仕様の標準化をしまして、それによって更にデータの利活用を進めるという形の取組になっております。

 これは、本法案が目指します輸送資源のフル活用、それから共同化、協業化の推進、モビリティーデータの利活用などをまさにデジタルの力で活用して実現するという形のものかというふうに考えております。

 コモンズの取組の普及、浸透を図るため、コモンズ専用のホームページを私ども立ち上げておりまして、そういったものを活用して積極的な情報発信をするとともに、自治体職員や業界団体向けの勉強会なども開催をしてきたところであります。

 また、令和七年度補正予算を活用した交通空白解消に向けた補助事業におきまして、導入するシステムの仕様をコモンズで開発した標準仕様に準拠することを要件とする、又は標準仕様への準拠を採択に係る審査の加点要素とする、こういった取組を行いまして、策定した標準仕様等の効果的な普及を促進しているところであります。

 今後も、コモンズで策定いたしました標準仕様や標準システムの活用、導入が加速されますよう、あらゆる手段を活用し、この取組の発信、普及に取り組んでまいる所存であります。

須田委員 ありがとうございます。

 集まったデータが日本全国で利活用されるためにも、非常に重要な取組だと考えております。

 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 地域公共交通活性化再生法の一部改正案について伺います。

 今回の法案で創設される自動車地域旅客運送サービス再構築事業は、地域公共交通計画が作成されていることが前提です。計画作成の状況は現在どうなっているでしょうか。今年三月末時点での計画作成数と未作成の地方自治体数、計画が未作成で交通空白が存在する自治体数、計画未作成が残されている理由について伺います。

池光政府参考人 お答え申し上げます。

 地域公共交通計画は、地域にとって望ましい地域旅客運送サービスの姿を明らかにするマスタープランとしての役割を果たすものでありまして、令和二年に計画の策定の努力義務化を図ったところであります。

 地域公共交通計画の策定件数でございますが、本年、令和八年三月末時点で千二百四十四に及びます。全国的に策定がまさに進められているところでありますが、約二割がいまだ計画が未策定となっておりまして、かつ交通空白が存在する市町村の数で申し上げますと、百四十七ございます。

 その要因としては、例えば専任の交通担当者が不在であるなど、人材面やノウハウ面での課題がある、あるいは計画策定に向けた調査などに要する資金面の課題、こういったものがあるものと承知をしております。

畑野委員 計画が未作成で交通空白を抱えている自治体は、自動車地域旅客運送サービス再構築事業を使って交通空白を解消しようとすれば、急いで計画を作成する必要があります。

 私、先日、今年三月に計画を作成した山梨県の市川三郷町に、地元の町議会議員また県議会議員と一緒にお話を伺ってまいりました。本当に努力されていらっしゃいました。地域公共交通活性化再生法が成立して十九年たつわけですけれども、何が契機となって今回作られたのかと伺いましたら、町の担当者の方がおっしゃるには、交通対策係をつくって、二人の専任担当者を配置したことによって、地域の公共交通について考えられるようになったからだということでした。

 資料一でお示しいたしましたけれども、国土交通省の作られたもの、市区町村の地域交通専任担当者数を人口規模別に表したもので、グラフの下に私の方で数値を入れましたが、専任担当者が一人もいない市区町村は、人口七十万人以上で三、五万人以上七十万人未満で百二十四、五万人未満で六百十九、合計七百四十六あります。有効回答数が千百三十三なので、もっとあることも予想されます。もちろん専任担当者がいなくても地域公共交通計画を作成している地方自治体もありますけれども、計画は作ったらそれでおしまいではなくて、その後の実践がしっかりされることが重要です。

 金子恭之国土交通大臣に伺いますが、計画の未作成をなくすとともに、今後、交通空白を解消する上で全ての市区町村に専任担当者を配置することは不可欠ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

金子国務大臣 お答えいたします。

 地方公共団体は、地域公共交通の司令塔としての役割が期待されている一方で、特に中小規模の市町村では人材やノウハウの不足が課題となっているものと認識をしております。

 これらの人材やノウハウ不足の課題に対して、国としても、昨年五月の「交通空白」解消本部以降、地方運輸局長等が全国で約四百に及ぶ自治体の首長等へ直接訪問し、課題の共有や制度の周知、助言等の伴走支援を実施をしておりますし、また、全国の半数を超える市区町村も参加する官民連携プラットフォームの場を活用しまして、課題を抱える自治体と技術やノウハウを有する民間企業とのマッチングを全国で展開するなど、必要な情報を提供しているほか、公共交通を担う人材を育成する取組への財政支援などによりまして、総合的に支援しているところでございます。

 これらに加えて、本法案では、地方公共団体の機能、役割を補完、強化し、課題解決に積極的に取り組む企業、団体を連携促進団体として位置づけた上で、その活動を促進し、蓄積された知見やリソースの活用を図ることとしております。

 国土交通省といたしましては、本法案による制度面と予算面の措置を車の両輪として、地域公共交通を担う市町村を強力にサポートしてまいる所存でございます。

畑野委員 もう一点、地域公共交通計画を作成する上で重要なことを申し上げたいと思います。

 市川三郷町が計画を作成する際に組織された地域公共交通会議ですけれども、二十五人のメンバーのうち五人の方、二〇%の方が利用者、住民代表となっております。五人の方は、市町村合併前の各地区から、また町の中の交通空白のある地区から必ず一人選んでいらっしゃる。町の担当者の方は、利用者、住民が地域の交通について一番よく知っている、会議でも積極的に発言されていたとのことでした。ところが、多くの地方自治体では、住民はなかなか交通会議や協議会に参加させてもらえないという実態も伺っております。

 金子大臣は、地域公共交通計画を作成する上で、利用者、住民が交通会議や協議会のメンバーとして入ることの意義について、どう認識されていますか。

金子国務大臣 畑野委員御指摘のとおり、協議会等において利用者や住民の参画を確保することは極めて重要であると認識をしておりまして、地域交通法第五条第七項においても、計画の策定に当たりましては、住民や利用者等の意見を反映させるための措置を講ずることが求められているところでございます。

 これを踏まえまして、同法に基づく基本方針において、住民のニーズの把握や住民による検討への参画の重要性が示されているほか、手引においても、住民代表の協議会への参画に加え、パブリックコメントや説明会、アンケート、ワークショップ等を通じて、多様な意見を把握し、計画に反映させる手法を記載しているところでございます。

 実際に、例えば、北海道白老町においては、住民の意見を把握するための出張個別相談会を行っているほか、沖縄市では、一般参加者の意見収集イベントを開催し、地域の実情や公共交通の利用者の声を広く把握をし、施策に反映させているものと承知をしております。

 引き続き、こうした全国の好事例につきまして、地方運輸局等とも連携をしながら情報発信を行いまして、各地域において多様な住民や利用者の意見が十分に反映されるよう、取り組んでまいります。

畑野委員 是非、大臣、先頭に発信していただきたいと思います。

 あわせて、市川三郷町に伺いましたら、JR身延線が走っておりまして、本当に大事な鉄道なんです。地元の県立高校の生徒さんなども大変よく利用されていて、鰍沢口から富士方面の列車が夕方、便が少なくて、部活動から帰るときにもっと便が増えたらなという声も寄せられていたということも大臣に御紹介しておきたいと思います。

 次に、交通空白を解消するための個人タクシーの活用について伺いたいと思います。

 個人タクシーを営業するには、二種免許の取得はもちろん、法人タクシーで働いて十年以上無事故、無違反であることに加えて、人口が三十万人以上の都市であることが要件とされています。

 二〇二三年十二月から、人口三十万人未満でも、Uターン、Iターンで地方に戻る個人タクシー事業者に対して、地方運輸局長が判断すれば営業が認められるようになりました。ただ、事業申請時の年齢が七十五歳以上の場合は、法人タクシーによる運行管理を受ける体制の整備が条件となっております。資料の二で示させていただきました。

 この地方部にUターン、Iターンをした個人タクシー事業の経験者の活用について、まずその実績はいかがか、伺います。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員の方からも御紹介ございましたけれども、個人タクシーは、人口三十万人以上の都市部において定年を七十五歳とする制度として認められておりますが、地域の足の確保の観点から、令和五年十二月より、一年以上の個人タクシーの運転経験を有した運転士については、一定の条件の下、七十五歳という定年を特例的に引き上げた上で人口三十万人未満の地域において運行できることとしたところです。

 具体的には、定年を特例的に引き上げることに鑑み、安全確保に万全を期す観点から、七十五歳以上の運転士については、当該地域の法人タクシー事業による運行管理を受ける体制の整備を必要としており、これまで三件の活用事例がございます。

畑野委員 実績は三件ということでした。なかなか活用されていない状況だと思うんです。

 個人タクシー事業者の方からお話を伺いました。定年後は、ふるさとに帰って個人タクシーを営業したいという方は結構いらっしゃいます。問題は、法人タクシーに運行管理を受けるという条件に個人タクシー事業者は抵抗感があるということです。

 全国自動車交通労働組合総連合会、自交総連が交通空白解消の即戦力として個人タクシーの活用を提案しております。資料三でそのことを示させていただきます。そこでは、個人タクシーの優位性ということで四点、経験豊富なプロドライバー、地域に精通した運行、きめ細かなサービス、地域経済にも貢献、そして個人タクシーが安全で信頼できる公共交通であることが強調されております。

 そこで提案ですが、安全を確保するために現在は先ほど言ったような制度の下で法人タクシーの運行管理を受けるようになっているんですが、それを法人タクシーでなく地方自治体、例えば保健所が健康チェックを行うなど、Uターン、Iターンされたい方の地域の実情に応じた柔軟な制度を検討してはいかがかと思いますが、金子大臣、いかがでしょうか。

金子国務大臣 委員御指摘の点につきましては、利用者の安心、安全の確保の観点から、タクシーの運行管理は、業務前後の点呼、事故や異常発生等における運転者への指示、気象条件や道路状況等に応じた運行指示などの輸送の安全の根幹に関わる業務を行っていることからタクシー事業者が行うことが適切であると考えております。

 一方で、タクシー事業者が存在していない交通空白地域における運行管理の在り方については、委員からのアイデアを頂戴いたしましたので、安全、安心の確保を大前提とした上で、個人タクシー業界に対してどのようなニーズがあるのか聞いてまいります。

畑野委員 最後に、本当に大臣、前向きにありがとうございます。

 タクシーの営業所がないというところが本当にあるものですから、是非御検討を進めていただいて、地域の公共交通をよりよくするために取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

冨樫委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

冨樫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、加藤鮎子君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及びチームみらいの五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。福重隆浩君。

福重委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。

    地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 地方公共団体のあっせんによる運転者の人員派遣等について、当該運転者の労働時間等の労務管理が適正に行われるようにすること。

 二 自動車地域旅客運送サービス再構築事業について、人員派遣等に係る適正な賃金等の支払いを含む必要な資金が確保される事業を認定するとともに、事業開始後も適切に事業が行われるよう、事業の実施状況について適時適切に確認し、必要な措置を講じること。

 三 地域公共交通の司令塔役である地方公共団体が、地域の状況や課題に適した地域旅客運送サービスを持続的に確保できるよう、継続的な財政支援を行うこと。

 四 地域旅客運送サービスの実施に当たっては、運行管理、運転者の労務管理及び安全教育並びに車両管理の徹底が図られるとともに、運転者不足が深刻化する中においても、利用者の安全が確保されるよう万全を期すこと。

 五 事故が発生した場合の賠償を万全にするべく、関係者の責任区分を明確にするとともに、早急な対応を取れるよう万全を期すこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

冨樫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

冨樫委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣金子恭之君。

金子国務大臣 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 誠にありがとうございました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

冨樫委員長 次回は、来る十五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十八分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.