衆議院

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第9号 令和8年5月15日(金曜日)

会議録本文へ
令和八年五月十五日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 冨樫 博之君

   理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君

   理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君

   理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君

   理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君

      五十嵐 清君    石坂  太君

      伊藤 忠彦君    井上 貴博君

      岩崎 比菜君    上田 英俊君

      岡本 康宏君    小里 泰弘君

      加藤 竜祥君    菅家 一郎君

      北神 圭朗君    熊田 裕通君

      小池 正昭君  こうらい啓一郎君

      今  洋佑君    坂本竜太郎君

      佐藤 主迪君    白坂 亜紀君

      世古万美子君    高橋 祐介君

      土田  慎君    土井  亨君

      中山 泰秀君    根本  拓君

      藤沢 忠盛君    丸尾なつ子君

      山口  晋君    山本 左近君

      若林 健太君    若山 慎司君

      鷲尾英一郎君    渡辺 孝一君

      赤羽 一嘉君    犬飼 明佳君

      佐藤 英道君    奥下 剛光君

      美延 映夫君    長友 慎治君

      西岡 秀子君    吉川 里奈君

      須田英太郎君    畑野 君枝君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 恭之君

   経済産業副大臣      井野 俊郎君

   国土交通副大臣      佐々木 紀君

   国土交通大臣政務官    加藤 竜祥君

   国土交通大臣政務官    上田 英俊君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局審議官)        小川久仁子君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 中島 朗洋君

   政府参考人

   (厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長)   鷲見  学君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河野 太志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           田中 一成君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           奥家 敏和君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房公共交通政策審議官)     池光  崇君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房上下水道審議官)       石井 宏幸君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         小林賢太郎君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            鶴田 浩久君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  中田 裕人君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  沓掛 敏夫君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  宿本 尚吾君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  五十嵐徹人君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局長)          石原  大君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  宮澤 康一君

   政府参考人

   (観光庁次長)      木村 典央君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 林 美都子君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十五日

 辞任         補欠選任

  五十嵐 清君     石坂  太君

  井上 貴博君     土田  慎君

  熊田 裕通君     若山 慎司君

  白坂 亜紀君     佐藤 主迪君

  高鳥 修一君     若林 健太君

  高橋 祐介君     世古万美子君

  中山 泰秀君     藤沢 忠盛君

  渡辺 孝一君     岡本 康宏君

  古川 元久君     長友 慎治君

同日

 辞任         補欠選任

  石坂  太君     岩崎 比菜君

  岡本 康宏君     渡辺 孝一君

  佐藤 主迪君     白坂 亜紀君

  世古万美子君     高橋 祐介君

  土田  慎君     井上 貴博君

  藤沢 忠盛君     こうらい啓一郎君

  若林 健太君     今  洋佑君

  若山 慎司君     熊田 裕通君

  長友 慎治君     古川 元久君

同日

 辞任         補欠選任

  岩崎 比菜君     五十嵐 清君

  こうらい啓一郎君   丸尾なつ子君

  今  洋佑君     高鳥 修一君

同日

 辞任         補欠選任

  丸尾なつ子君     中山 泰秀君

    ―――――――――――――

五月十四日

 下水道法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 下水道法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

冨樫委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房公共交通政策審議官池光崇君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高木宏壽君。

高木(宏)委員 おはようございます。自由民主党の高木宏壽です。

 国交委で質疑に立たさせていただくのは、当時の太田大臣以来だと思いますけれども、早速質問に入らせていただきます。

 昨日BバイCがニュースになっていたようですけれども、公共事業の評価に費用便益分析、いわゆるBバイCが取り入れられてから二十年以上経過をいたしました。この費用便益分析含めた政策評価は、人口減少下、財政的制約がある中で、公共投資が限られた資源を投入するものである以上、私は必須のものであると思っています。

 国交省も、平成十三年成立の政策評価法を受けて策定している政策評価基本計画の中で、政策評価を、二十一世紀型国土交通行政を目指す改革の重要な手段の一つとして位置づけております。

 この基本計画、それから公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針、さらには国土交通省所管公共事業の新規事業採択時、それから再評価、さらには事後評価の実施要領、そして評価手法マニュアルもございます。そうしたものの中で、事業評価にあっては、原則、このBバイC、費用便益分析を行い、事業の効率性を評価するとしております。そして、再評価の取扱いとして、残事業の投資効率性が基準値未満の場合で事業全体の投資効率性が基準値未満の場合、基本的に中止とされております。

 そこで伺いますが、これまでの政策評価で、技術指針や実施要領等に基づいて、再評価の費用便益分析で、基準値に満たないということだけをもって仕掛かり中の事業が中止になったというものは、現実問題としてないとは思いますけれども、国交省として、この政策評価をどのように運用、活用しているのか、教えてください。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 事業評価における事業の継続、中止の判断につきましては、費用便益分析による評価のみで行うものではございません。

 費用便益分析に加え、社会経済情勢や事業の投資効果の変化、事業の進捗状況、地元調整状況などを総合的に勘案して、評価を実施しております。

高木(宏)委員 ありがとうございました。

 費用便益分析を含め、総合的に政策評価を実施しているということでありますけれども、私は、費用便益比の機械的な計算で、本来行われるべき公共投資が行われないといったゆがみが生じてはいけないと考えています。

 再評価実施要領にも、社会資本が果たすべき役割は広範かつ長期間に及ぶ、費用便益分析の精緻化には本質的な限界性や課題を内包している、便益として計り知れない効果もあると記載されています。まさにそのとおりです。費用便益分析の結果が評価の決め手であるような運用はあってはならないと思っています。費用便益分析そのものが悪いと言っているのではなく、正しく使いこなしていくべきだと思います。

 例えば、BバイCが一を下回るプロジェクトは一切行うべきではないとすると、例えば鉄道駅等のバリアフリー化、これはほとんど不可能であります。身障者や高齢者のいわゆる自立的モビリティー、移動、移動の自由、これは社会政策上の目標でありますから、効率性だけでは判断できません。

 また、道路事業評価も、いわゆる三便益、走行時間距離、走行経費減少、それから交通事故減少、これが中心になっていますけれども、道路を使った救命活動などによる命の価値、大火災が起こったとき道路によって延焼が食い止められるそうした価値、それから路上活動による楽しみの価値など、全てお金に換算できない。

 いかなる事業も、最後は、人が判断し、人が造って、人が使うもので、社会政策上掲げた政策目標にその社会基盤がどのぐらい役立つかによって決められるべきだと私は考えております。

 この費用便益分析の在り方について国交省としてどう考えているのか、お伺いをしたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、公共事業の事業評価におきましては、費用便益分析は効率性を客観的に示す重要な手法である一方、道路、河川、港湾、鉄道等の社会資本が果たす役割は広範に及ぶものであり、その全てを貨幣換算によって捕捉することは困難であると認識しております。

 このため、事業の再評価では、先ほど申し上げましたとおり、費用便益分析のみの評価ではなく、社会経済情勢や事業の投資効果の変化、事業の進捗状況、地元調整状況などを総合的に勘案して、事業の継続、中止の判断を行っております。

 国土交通省としては、こうした考えの下、各事業分野において評価手法マニュアル等を策定し、事業主体が有識者会議での議論等を経て事業の対応方針を決定することとしております。

高木(宏)委員 ありがとうございました。

 これまでの質疑を踏まえて、大臣、四月の二十三日開催の財政制度等審議会財政制度分科会において、北海道新幹線における事業費の増加が取り上げられて、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が昨年十二月に、工事資材価格の上昇などで事業費が最大一・二兆円増えると見通しを公表していることを受けて、当初、一・一だった事業全体のBバイC、費用便益比が単純計算で〇・六程度、そして残事業BバイCについても〇・九程度で、国交省の再評価基準に従えば、技術指針の再評価結果の取扱いの部分ですけれども、それだけが切り取られて、プロジェクトを中止すべき水準という指摘がございました。報道等で大きく取り上げられたこともありまして、数字が独り歩きして、事業が中止になるのかと地元でも不安の声がございます。

 この北海道新幹線の札幌延伸、一九七〇年の全国新幹線鉄道整備法に基づいて整備計画が決定された整備新幹線であります。札幌延伸は、二〇一二年に着工して、今、完成予定は二〇三八年ですから、工期が四半世紀以上に及ぶいわゆる超長期プロジェクトです。この間には、当然のことながら、経済状況も変化しますし、国際情勢の変化等で資源価格の高騰ですとか、マーケット、市場の変動もあります。そんな中で、その都度、再評価でこれは中止というのは非常に違和感がございます。沿線自治体も、大臣も地元等を視察されて当然御存じだと思うんですけれども、この延伸に合わせてまちづくりが進んでいるわけです。私の地元の札幌市も、町の再整備を延伸を見据えて進めてきております。

 そうした超長期プロジェクトを、よもや、これだけ工事が進んで中止ということはあり得ないと思っておりますけれども、こうした指摘に対する大臣の受け止めと、今後の北海道新幹線の延伸事業をどう進めていくのか、大臣にお伺いしたいと思います。

金子国務大臣 おはようございます。

 今、高木委員からいろいろお話がございました。

 四月に開催された財政制度等審議会財政制度分科会におきまして、北海道新幹線新函館北斗―札幌間につきまして、費用便益比、いわゆるBバイCに係る機械的な試算結果が示されたことは承知をしております。

 北海道新幹線新函館北斗―札幌間につきましては、昨年十二月、鉄道・運輸機構より、事業費が最大一・二兆円増加するおそれがあるとの報告がなされたことを受けまして、現在、有識者会議を開催をし、事業費縮減の方策の検討も含めて事業費の精査を行っているところでございます。

 今後、その精査の結果を踏まえ、事業評価の実施主体である鉄道・運輸機構において適切に評価が行われるものと考えております。

 本事業につきましては、高木委員を始め北海道の先生方も強い御要望をいただいておりますし、また、北海道知事とは、北海道にお邪魔したときも、また大臣室にも直接お見えいただきまして、北海道新幹線の整備促進が必要不可欠であるとの認識が累次示されるなど、地元の関係者等の大きな期待があると承知をしております。

 いずれにしましても、国土交通省としては、引き続き、関係者の理解と協力を得て、一丸となって北海道新幹線の整備を着実に進めるよう努めてまいります。

高木(宏)委員 大臣、力強い言葉をありがとうございます。早期の札幌延伸、本当に道民、経済界を含めて大きな期待を持っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 今新幹線の話をしましたけれども、政策評価の基本計画の政策目標に活力が挙げられて、整備新幹線の推進が明記されております。まさにこうした新幹線は地域にとっては活力であります。地域相互の交流の促進、産業の振興あるいは観光、そういった面での経済活性化、それから災害リスクへの対応の面でも非常に重要であります。

 モビリティー、いわゆる移動というのは社会の豊かさや経済成長のために重要な前提であります。少子化、人口減少が進む中で、国民一人一人当たりの生産性を上げていかなければならない。そんな中で、社会資本を充実させて、国内の人、物の動きや流れを円滑化、容易化させていく必要があると思います。

 そこで、最後に、こうした公共投資、社会資本整備の重要性について、大臣の見解を伺いたいと思います。

金子国務大臣 社会資本整備は、社会経済活動を支え、生産性の向上や民間投資の誘発により力強い経済成長を実現するための基盤であるとともに、国民生活や地域社会を支える大変重要な役割を担っており、まさに未来への投資であると思います。

 このため、政府におきましては、中長期的な視点に立ちまして、社会資本整備に取り組むための羅針盤として、社会資本整備重点計画を策定をいたしまして、必要な社会資本整備を推進しております。

 人口減少が急速に進む中で、持続的で力強い経済成長を確実なものとしていくためには、北海道新幹線を始めとする高速鉄道ネットワークの整備など、企業の生産性向上や国内外の交流等を支える強靱かつ効率的な人流、物流インフラの整備が必要であります。

 こうしたインフラ整備を戦略的かつ計画的に推進するため、安定的、持続的な公共投資の確保にしっかり取り組んでまいります。

高木(宏)委員 ありがとうございました。

 公共投資、社会基盤整備というのは経済成長、社会活動を支える基盤だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 おはようございます。中道改革連合の佐藤英道です。

 今、高木委員から御質問がございましたけれども、同じ北海道として、私も北海道の課題からお話をさせていただきたいと思います。

 まず、新千歳空港の鉄道アクセスについて伺いたいと思います。

 先般、北海道の鈴木知事が金子大臣に対し、千歳市で最先端半導体の量産を目指すラピダス社を中心とした産業集積に対応するための重要なインフラ整備として、新千歳空港の鉄道アクセスの輸送力増強や新千歳空港とラピダス社等の周辺地域とのアクセス強化などを要請をされました。

 新千歳空港は、北海道の空の玄関口として、国内外から多くの旅客を迎え入れておりますけれども、空港と札幌圏を結ぶJR千歳線では、新千歳空港駅、そして列車内の混雑が常態化している現状であります。特に冬の大雪の際には、運休やダイヤの大幅な乱れが発生し、大変な混雑となり、先般の大雪の際の輸送障害では、空港に多くの利用者が滞留することになりました。

 新千歳空港からの二次交通の強化は、インバウンドを始めとする交流人口の拡大、観光立国の推進を図る上で欠かすことができない取組であり、大雪のときの輸送障害を最小化するためにも極めて必要なものであります。

 ラピダス社を中心とする産業集積が進んでいくことを想定すれば、空港周辺の交通インフラ、特に空港の鉄道アクセスの強化は極めて重要と考えます。

 新千歳空港の鉄道アクセスの輸送力の増強に関する大臣の所見を伺います。

 また、鈴木知事は、国による事業化に向けた調査の実施を要請されたと承知しておりますが、要請に対する対応についても併せて伺いたいと思います。

金子国務大臣 今日、北海道の先生が続けて質問されるということで、北海道新幹線、そして今度は新千歳空港ということで、地方においてはやはり交通アクセスというのが非常に重要なことだと認識をしております。

 新千歳空港につきましては、インバウンド等の増加に伴い、航空旅客がコロナ前の過去最高水準まで回復する中、鉄道の利用者数はコロナ前を上回る水準で推移しており、ピーク時間帯等における駅や車両の混雑が指摘をされております。

 空港への鉄道アクセスにつきまして、必要な輸送力を確保することは重要な課題と認識をしており、JR北海道においても、快速エアポートの増発や定員数の多い新型車両を増やすなどにより、輸送力の増強に取り組んでいるものと承知をしております。

 加えて、知事からは、新千歳空港の機能強化に関し、空港アクセス鉄道の輸送力増強や利便性向上に資する抜本的改良などに関する要望をいただきました。

 国土交通省としても、輸送力の更なる増強に向けて、令和八年度予算におきまして、新千歳空港の最も効果的なアクセス改善策等の検討を行う調査費を計上させていただきました。

 今後とも、空港アクセスの輸送力増強につきまして、北海道等の地元自治体、JR北海道とも連携して調査検討を進めてまいりますので、先生の御尽力もよろしくお願い申し上げます。

佐藤(英)委員 大変に前向き、また力強い御答弁をいただきました。どうかよろしくお願いをしたいと思います。

 次に、高木委員も御質問されました北海道新幹線の問題、特に、私は、開業の遅れについてお伺いをしたいと思います。

 先月、北海道新幹線が開業十周年を迎えました。二〇一六年三月二十六日に開業した新函館北斗―新青森間は、北海道と本州との間のアクセス性を飛躍的に高め、経済、観光、文化などの交流拡大に寄与してきました。コロナ禍を乗り越え、今ではインバウンドや修学旅行生が北海道旅行を楽しむなど、多くの方が新幹線に乗って北海道と本州を行き来されております。

 一方、二〇三〇年度末の開業を目指し事業が進められている新函館北斗―札幌間については、昨年の三月、国の有識者会議が、おおむね二〇三八年度末頃の完成、開業を見込み、更なるリスクが発現した場合、更に数年単位で遅れる可能性があると発表をされました。開業の遅れは、沿線自治体のまちづくり、企業誘致や地域振興、観光戦略、企業活動など、様々な方面に影響を与えております。

 北海道新幹線の運行を担っているJR北海道では、札幌開業を契機に経営自立を果たすことを目標に掲げてきましたが、開業の遅れにより、この戦略は大きく狂っております。北海道新幹線の新函館北斗―新青森間は毎年百億円を超える赤字、また、札幌開業時に経営分離される並行在来線区間、函館―小樽間でも毎年約九十億円の赤字が生じておりますが、これが想定より八年以上続くことになり、ただでさえ厳しい経営状況にあるJR北海道の経営自立に向けた様々な取組に影響を与えることになります。

 JR北海道に対しては、これまで国から様々な支援策が講じられてきております。ただ、現行の支援の根拠となっている国鉄清算事業団債務等処理法では支援の期限を二〇三〇年度としておりますが、札幌開業までの間は支援を継続すること、その意思を国が示すことは、JR北海道の経営自立に向けた取組をする上でも必須ではないかと考えますが、所見を伺いたいと思います。

金子国務大臣 お答えいたします。

 JR北海道におきましては、国鉄債務等処理法に基づく支援措置の活用を念頭に、北海道新幹線札幌延伸開業も契機として二〇三一年度に経営自立することを目標に掲げた長期経営ビジョンを策定をし、経営改善の取組を進めております。

 国土交通省においては、こうした取組を促進するため、国鉄債務等処理法に基づき、経営安定基金の運用益の安定的な確保、助成金や出資等により継続的支援を行っているところでございます。

 JR北海道の経営自立に向けては、こうした支援も活用しながら、まずは、JR北海道において、現在の中期経営計画に基づき、今年度末までの間に経営改善に向けた取組を一層深度化及び加速化していただくことが何より重要と考えております。

 国土交通省といたしましては、北海道新幹線札幌延伸事業の進捗状況を含めたJR北海道の経営改善の状況等を踏まえ、JR北海道の経営自立に向けた必要な支援の在り方について今後検討してまいりたいと考えております。

佐藤(英)委員 是非、検討されるということでありますので、JR北海道の経営自立に向けた取組をしっかりと後押しをしていただければと思います。

 さらに、事業費の増加についても伺います。

 昨年十二月、整備新幹線の建設主体である鉄道・運輸機構が、想定を上回る工事資材価格等の上昇などにより、最大一・二兆円の事業費の増加のおそれがあることが報告をされ、現在、国においては、有識者会議で精査を進めていると承知しております。工事が長期化することで、沿線のまちづくりや地域経済の活性化など幅広い分野に影響が生ずることは明白であります。

 こうした影響に対する包括的な支援を求める声が地元から多く上がっていることに加え、更なる事業費の増加が確実視され、事業費の一部を負担する北海道や沿線自治体からは、事業費の縮減や貸付料の確保などにより建設財源を確保し、地方負担を可能な限り軽減するよう声が上がっておりますが、どのように対応しようと考えられているのか、見解を伺いたいと思います。

五十嵐政府参考人 お答え申し上げます。

 北海道新幹線新函館北斗―札幌間につきましては、昨年の三月、有識者会議におきまして、完成、開業はおおむね二〇三八年度末頃の見込みだが、開業時期については今後改めて精査が必要などとする報告書が取りまとめられました。

 その際、開業の遅れに伴う影響につきまして、御地元から御懸念の声が上がったことを受けて、当時の中野国土交通大臣より、鉄道局を窓口としてしっかりと具体の要望を聴取するようにという御指示をいただいたところでございます。

 これを受けまして、昨年の四月に札幌で開催されました北海道新幹線札幌延伸推進会議の場を始めといたしまして、様々な機会を捉えまして、可能な限り御地元のお考えを伺ってまいりました。

 その後、北海道庁におきましても、開業の遅れに伴う影響につきまして、沿線自治体へのヒアリングなどを含む調査が行われ、本年一月に調査結果が取りまとめられました。

 調査結果の中では、早期に対応を要する事項と中長期的な見極めが必要な事項とに分けて整理をされております。

 早期に対応を要する事項については、観光、交通分野への影響が挙げられており、しっかりとフォローアップし、どのような対応が可能か、議論を深めてまいりたいと考えております。また、中長期的な見極めが必要な事項につきましても、北海道庁と連携し、引き続き、地元の声をお伺いして、適切なタイミングで議論を深めてまいりたいと考えております。

 また、北海道新幹線新函館北斗―札幌間の事業費につきましては、昨年の十二月に鉄道・運輸機構より、最大一・二兆円増加するおそれがあるとの報告がなされたことを受けまして、現在、有識者会議を開催し、事業費を縮減する方策についての検討も含めまして、事業費の精査を行っているところでございます。

 なお、法令上、整備財源の一つとされている貸付料につきましては、継続的に適正な額を確保できるよう、現在、交通政策審議会の下に設置をいたしました小委員会におきまして、その在り方の議論を進めております。

 北海道や沿線自治体の御意見も踏まえ、まずは事業費を精査し、その縮減を図った上で、必要となる財源をどのように確保するか検討してまいりたいと考えております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、関係者の御理解と御協力を得て、一丸となりまして北海道新幹線の整備を着実に進めるよう努めてまいります。

 以上でございます。

佐藤(英)委員 どうか北海道の、地元の御意見もしっかりと受け止めながら進めていただければと思います。

 次に、自転車利用に関する課題についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 四月から、自転車の交通反則通告制度、いわゆる青切符制度が始まり、一か月がたちました。自転車の交通違反に対する青切符制度の導入については、重大事故の増加や危険な運転を抑えるという観点から、一定の必要性があるものと理解をいたしています。

 一方で、自転車は、通勤通学や高齢者、子育て世帯など、移動手段としても広く使われており、地域社会にとって非常に身近な交通手段であることも事実であります。そのため、制度の運用に当たっては、単に違反を取り締まるだけではなく、利用者の多くを占める学生や高齢者、日常的に自転車を利用する通勤通学者に対しても交通ルールの理解と定着をどのように図っていくのかが重要であると考えます。

 実際に、地域からは、罰則の強化が先行する一方で、交通ルールの周知や交通安全教育が十分ではないのではないかといった声も寄せられております。

 そこで、お伺いします。

 こうした状況を踏まえ、青切符制度の導入に当たり、新たに反則金が科されることになりますが、交通ルールの周知や安全教育とのバランスをどのように考えているのか、まず警察庁の見解を伺います。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、本年四月一日から、十六歳以上の者による自転車の一定の交通違反を対象に、交通反則通告制度、いわゆる青切符が導入されたところでございます。

 この青切符制度は、自転車乗用中の死亡、重傷事故の約四分の三は自転車側にも法令違反が認められることを踏まえ、良好な自転車交通秩序を実現するために導入されたものでございます。

 良好な自転車交通秩序を実現するためには、委員御指摘のとおり、青切符制度の運用のみならず、自転車の交通ルールについて国民の皆様に対して継続的に丁寧に周知を行うことが極めて重要であるというふうに考えております。

 そのため、警察庁におきましては、昨年九月に、自転車の基本的な交通ルールを分かりやすく解説する自転車ルールブックを作成し、また、同年十二月には、自転車の交通ルールなどを取りまとめた特設ポータルサイトを開設するなどしたところでございます。

 さらに、ライフステージに応じた自転車の交通安全教育の充実を図るため、昨年十二月に、自転車の交通安全教育の充実化に向けた官民連携協議会におきまして、学校や保護者などの自転車の交通安全教育に携わる幅広い方が活用することができるように、自転車の交通安全教育ガイドラインを策定したところでございます。

 なお、この青切符制度の導入後に国民の皆様から寄せられた御質問などを踏まえ、先ほど申し上げましたポータルサイトにおきましては、より具体的事例に即した自転車のルールに関するQアンドAの改定を行ったところでございます。

 引き続き、関係機関、団体と連携しながら、自転車ルールブックや自転車の交通安全教育ガイドラインなどを活用した効果的な広報啓発や交通安全教育などを推進してまいりたいというふうに考えております。

佐藤(英)委員 あかま二郎国家公安委員長は昨日十四日の定例記者会見で、自転車の交通違反への青切符導入に関連し、自転車の幼児用座席に同乗できる子供の範囲の拡大を検討する方針を明らかにされました。

 現在は、小学校就学前まで子供の同乗が特例で認められています。青切符導入を契機に、幼児用座席に同乗できる子供の範囲を広げてほしいとの要望があり、こういった見直しの検討に入ったものと理解をしております。是非、安全性の確認を行った上で、子育て世帯の方々の声もよく聞きながら、見直しを検討していただきたいと思います。

 次に、自転車の通行空間の整備について伺います。

 近年、自転車は、身近で重要な移動手段として、その利用が一層広がっておりますけれども、青切符制度が導入されることにより、利用者からは、これまで以上に交通ルールを意識することになったといった前向きな声が聞かれる一方で、自転車はどこを走ればよいのか分かりにくい、車道と歩道の使い分けに不安があるといった戸惑いの声も少なからず寄せられております。

 私の地元北海道においても、矢羽根型の路面標示について、冬季の除雪により削られ、春先には消失してしまうという課題があるため、特に危険性の高い箇所においては、単なる路面標示にとどまらず、物理的に分離された通行区間の整備が一層重要であると考えます。

 現在、政府において、第三次自転車活用推進計画の策定が進められております。この計画は、金子大臣が幹事長の重責を担われた超党派の自転車活用推進議員連盟が尽力して議員立法として策定された自転車活用推進法に基づいて、自転車の活用推進を総合的かつ計画的に推進するために定められたものであります。大変重要な課題である自転車専用の通行区間の確保について、まずはこの計画に位置づけて、政府の意思をしっかりと示すべきだと考えます。

 そこで、青切符制度の導入を受け、交通安全の観点から、自転車の通行区間の整備も重要でありますが、実効性を確保するために、どのように優先順位をつけて整備していくのか、大臣の見解を伺います。

金子国務大臣 佐藤委員とはこれまで、私は超党派の自転車活用推進議員連盟の幹事長でありますが、佐藤委員は副会長ということで、自転車活用推進法を作り、自転車が安全に通行できるように、また楽しめるようにということで、これまで一緒に活動を共にしてきた仲間であります。

 そのことも含めて、自転車の活用を推進するための基盤として安全、安心な自転車通行空間を確保することは大変重要であり、交通安全の観点からは、歩行者、自転車、自動車がそれぞれ安全に通行できるよう、交通状況に応じて適切に分離された通行空間を整備することが重要であると思います。

 整備に当たっては、自転車専用の通行空間の整備、交差点における視認性の改善や表示の工夫などの対策について、例えば自転車事故が多く自転車利用者も多い、自転車の安全対策の必要性が高い地区や路線を選定し、重点的に進めてまいります。

 なお、現在、お話がございました第三次自転車活用推進計画の策定を進めているところでございますが、この新しい計画においても、自転車通行空間の整備推進を目標の一番目に掲げまして、重要施策として取り組む方針としております。

 私自身、以前この衆議院の国土交通委員会の海外派遣でイギリスやオランダを訪問した際、委員の皆さん方と一緒に自転車専用の通行空間を走り、我が国でも同様な環境を目指したいと感じたところであります。また、先週イタリアを訪問した際にも、充実した自転車専用の通行空間を視察し、その思いを新たにしたところであります。

 引き続き、私は今回、法律に基づいて政府の自転車活用推進本部長に就任をしたわけでございますが、超党派の自転車活用推進議員連盟の皆さん方とも連携をしながら、関係機関と連携しながら、安全、安心な自転車利用環境の実現に全力で取り組んでまいります。

佐藤(英)委員 大臣の強いリーダーシップを御期待申し上げたいと思います。

 次に、来年、日本、愛媛県で開催予定のベロシティーへの支援について伺います。

 ベロシティーは、世界各国の政府関係者や自治体、研究者、民間事業者などが一堂に会し、自転車政策や都市づくり、持続可能な交通の在り方について議論を深める、国際的にも極めて重要な会議であります。このベロシティーが日本、愛媛において開催されることは、我が国の自転車施策の取組を世界に発信する絶好の機会であると同時に、国内外に対して、自転車を生かした地域づくりのモデルを示す意義ある機会であると考えております。

 特に愛媛県は、しまなみ海道を始めとするサイクリング環境の整備や観光振興に先駆的、先進的に取り組んできた地域であり、ベロシティー愛媛の開催は、地方再生、観光立国、脱炭素社会の実現といった国の重要政策とも合致するものと考えます。

 来年開催予定のベロシティー愛媛は日本にとって極めて重要な国際会議であると考えますが、その成功に向けて、関係省庁が連携し、全面的に協力、支援を行うべきではないかと考えます。見解を伺います。

沓掛政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のベロシティーは、国内外の関係者、専門家が一堂に集い、自転車に関する様々な施策が議論される国際会議であり、当会議が我が国で初めて来年愛媛県で開催されることは大変有意義なことと認識しております。

 現在、愛媛県と連携しながら、関係団体が主催する自転車関連イベントなどの機会を活用し、ブース出展や講演などを通じた機運醸成や情報発信に取り組んでいるところです。

 また、現在策定中の第三次自転車活用推進計画では、ベロシティーについて、海外の知見を取り入れつつ、我が国の自転車に関する文化、技術、取組などを世界に発信する場として位置づけ、開催を支援することとしております。その上で、本会議を契機として、自転車活用の機運を一層高め、第三次自転車活用推進計画に基づく各種の自転車の施策の推進につなげていきたいと考えております。

 引き続き、ベロシティー愛媛の成功に向け、関係省庁との連携を図りつつ、愛媛県と協力しながら、機運醸成や情報発信を始め必要な支援にしっかりと取り組んでまいります。

佐藤(英)委員 どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、オーバーツーリズムが日本観光に与える影響について伺います。

 まず、現在のインバウンドの需要の急速な回復に伴い、京都、鎌倉、富士山といった主要観光地のみならず、地方都市においても公共交通の混雑や騒音、ごみ問題、私有地への無断立入りといった事態が深刻化しております。

 現在のオーバーツーリズムの状況が、地域住民の生活、そして旅行者の満足度の低下への懸念についてどのように認識しているのか、まず伺います。

金子国務大臣 国内外の旺盛な観光需要を背景に、三大都市圏を始めとした特定の都市、地域や特定の時間帯に観光客が集中をし、過度の混雑やマナー違反等により、地域住民の生活に影響が生じているものと認識をしております。

 また、観光庁が行った令和七年度訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケートにおきましても、旅行中の困り事として観光地や地域の混雑が上位となっておりまして、地域における過度の混雑は旅行者の満足度の低下にも影響を与え得るものと考えております。

 このため、国際観光旅客税も活用いたしまして、各地域が継続的かつ計画的に、過度の混雑やマナー違反への対策をきめ細かく講じられるよう支援するとともに、地方誘客を進めるため、地方の魅力を生かした様々な観光コンテンツの造成や交通ネットワーク等の機能強化を推進してまいります。

 国土交通省としては、こうした対応によりまして、地域住民の方々の不安を取り除き、観光客の戦略的な誘客と住民生活の質の確保の両立を図ってまいりたいと考えております。

佐藤(英)委員 次に、鉄道、バスにおけるタッチ決済導入の加速化について伺います。

 世界標準であるクレジットカードによるタッチ決済は、訪日客が既存のカードでそのまま乗車できるために、混雑緩和に極めて有効であります。しかし、地方の鉄道やバス事業者にとって、読み取り端末の導入コストや手数料負担が大きな障壁となっています。

 政府は現在、地域公共交通のDX化を推進しておりますが、単なるキャッシュレス化にとどまらず、混雑緩和という面での対策として、タッチ決済導入に対するより一層の支援をすべきではないかと考えます。現在の鉄道、バス、それぞれのタッチ決済の導入状況について伺います。

 さらには、地域周遊とダイナミックプライシングへの活用についても併せて伺ってまいりたいと思います。

 オーバーツーリズム対策の本質は、時間と場所の分散であると考えます。タッチ決済の強みは、バックエンドのシステムで柔軟な運賃設定ができる点にあります。例えば、特定の混雑時間帯の運賃を調整する、あるいは特定エリアを周遊した際に自動で上限額を適用するといった仕組みは、紙の周遊券では困難であると考えます。

 現在、多くの自治体がデジタル周遊パスを導入しておりますが、アプリのダウンロードや会員登録がハードルとなり、利用が伸び悩むケースも散見されます。使い慣れたクレジットカードをそのまま一日乗車券化できる仕組みこそ、観光客をスムーズに地方へ誘導する鍵となります。

 一部の民間鉄道会社でも実施している例がありますが、国交省として、普及促進に向けたより一層のバックアップを行うべきではないかと考えますが、併せて見解を伺いたいと思います。

池光政府参考人 お答えいたします。

 私の方から、導入状況についてまずお答え申し上げます。

 全国におけるクレジットカードによるタッチ決済の導入状況につきましては、全体像について正確に把握しているものではありませんが、本サービスを提供している代表的な民間企業によりますと、令和八年三月末時点でクレジットカードによるタッチ決済の導入を公表しているものは二百三十二事業、そのうち鉄道では約二千二百駅、バスでは約七千両で導入されているものと承知をしております。

木村政府参考人 続きまして、観光庁より、キャッシュレス決済の普及促進について御答弁いたします。

 鉄道、バスなどの公共交通機関におけるキャッシュレス決済の促進につきましては、外国人観光客のストレスフリーな旅行環境の整備の観点からも極めて重要であると考えております。

 中でも、クレジットカードによるタッチ決済につきましては、委員御指摘のとおり、外国人観光客が海外において利用しているクレジットカードをそのまま国内でも利用できる点におきまして、非常に有効であるというふうに考えております。

 観光庁といたしましては、現在、クレジットカードによるタッチ決済を含めまして、公共交通事業者がキャッシュレス決済を導入する場合の支援策を講じているところでございまして、今後とも、キャッシュレス決済の更なる普及促進を図ってまいりたいと考えております。

佐藤(英)委員 是非、このキャッシュレス決済の導入を促進して、観光の振興に取り組んでいただければと思います。

 終わります。

冨樫委員長 次に、犬飼明佳君。

犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。よろしくお願いをいたします。

 早速ですが、まず、中東情勢を踏まえた建設業への影響と支援策についてお伺いをいたします。

 中東情勢を踏まえた建設業への影響につきまして、今、二か月以上経過をしたところであります。建設資材の供給網全体に深刻な影響が及んでおります。

 私の地元愛知県の中小企業の経営者からも、高圧ケーブル電線がこの四月末で完全に止まった、次回の新規発注の受付が十月以降になるという通知が来たということです。また、塩ビ管は発注してももう既に五月は納品をされないということや、室内クロスを貼る接着剤が手に入らなくなった、七月からは仕事ができないという声、さらに、多くの事業者さんから、夏以降に様々な資材が大幅に値上げが起こるのではないかという切迫した声をいただいております。

 さらに、今政府の説明がございますけれども、材料となるナフサの備蓄は年明けまで確保してありますという話や、流通の目詰まりが起きているといった今の原因やまた状況説明、こうしたことの報道を目にし、多くの事業者さんから、そうした状況よりも、現場に物がないという、やはりそれが今目の前に起きている現実なのだから、しっかりそれを受け入れてもらって、とにかく対策を急いでほしいという、まさに我慢の限界に達してきている声を数多くいただいているところであります。

 私は、引き続き、金子大臣のXもフォローをさせていただいております。去る四月三十日に、全国建設業協会から、資材価格高騰対策、納期遅延時の柔軟対応、また情報収集強化などを求める緊急要望を受けておられた投稿も拝見をいたしました。

 国交省として、建設業全体の実態把握を機動的かつ広範に行う必要があると考えます。大臣のリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っております。

 そこで、中東情勢を背景とした建設資材価格の高騰や供給不安について、二か月が経過をしましたが、政府はどのように認識をしているのか。また、建設業がサプライチェーンの出口に位置し、物流停滞や供給網の目詰まりの影響を受けやすい実態を踏まえ、業界団体や現場事業者とも連携しながら、資材価格、納期、供給制限等の情報収集、分析体制を今後どのように強化をしていくのか。大臣にお伺いをいたします。

金子国務大臣 犬飼委員御指摘のとおり、建設業におきましては、今般の中東情勢の影響によりまして、建設資材の価格高騰、供給の偏りや流通の目詰まり等が生じまして、その解消に向けた取組が着実に進められているものの、依然として、工事の代金や工期などへの影響について懸念の声が寄せられていると認識をしております。

 先日も、先ほど御紹介いただきましたが、建設業団体の方々から現場の切実な声を私自身が直接お聞きしたところでございますし、Xに載せている以外にも様々な御意見をいただいているところでございます。

 国土交通省では、関係団体へのヒアリング等により、建設資材の需給動向などの把握に努めるとともに、相談窓口を設置して、流通の目詰まり情報の提供や建設工事の施工予定に見合った適切な調達を呼びかけるなど、経済産業省等と連携をして、建設資材の供給の安定化に取り組んでいるところでございます。

 また、特に住宅資材につきましては、五月に住宅分野の情報提供窓口を新たに設置をいたしまして、建築確認申請の窓口など多様なルートを通じまして、工務店や一人親方を含む住宅供給事業者への周知を図るとともに、住宅供給関係団体、国土交通省、経済産業省、林野庁による住宅建材・設備需給情報連絡会議を四月から三回開催をいたしまして、建材、設備の需給情報や見通しを共有するなど、情報の収集、提供、発信についての対応を強化しているところでございます。

 本件につきましては、高市総理からも、中東情勢に関する関係閣僚会議において、赤澤経産大臣と私に対して、目詰まりの解消に向け総力を挙げて取り組むよう、再三御指示をいただいております。

 引き続き、現場の皆様からの声を丁寧にお聞きするとともに、地方整備局と地方経済産業局等が連携をしまして地域の供給状況の情報収集等を行うなど、中東情勢の影響をきめ細かく把握、分析しながら、目詰まりの解消等にしっかり取り組んでまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 目詰まりの解消とともに、具体的な支援策ということも進めていただきたいと思います。

 そういった観点から、中小建設業者の方々に対する価格転嫁、資金繰り支援についてお伺いをさせていただきます。

 今のこの中東情勢を踏まえまして、私ども中道改革連合、そして立憲民主党、公明党の三党で、四月に物価高アンケートを実施をいたしました。個人、法人合わせて一万二千件を超える多くの声をいただきました。法人回答の九割超で経営に影響があると回答をし、とりわけ資金繰りやエネルギーコスト負担への不安が強く示されたところであります。

 こうした実態を取りまとめ、四月二十八日に中道、立憲、公明の三党で、電気・ガス料金支援の再実施、燃料価格対策、資金繰り支援、セーフティーネット保証の拡充など、政府に対し緊急提言をいたしました。

 大手企業は長期契約や大量調達によって一定程度リスクを分散できますけれども、中小事業者は価格交渉力が弱く、急激なコスト上昇を十分転嫁できない状況にあると思います。また、建設業では、契約時は黒字見込みでも、工事途中で資材価格が急騰し、完成時には赤字化する、いわゆる後追い赤字が発生しやすい構造があります。さらに、現在、入札不調の増加や工期延長、受注抑制も現場で広がってきております。

 国交省はスライド条項の活用を進めておりますけれども、現場からは、自治体ごとの運用差があるのではないかや、協議に時間がかかり資金繰りが厳しいとの指摘もあります。より踏み込んだ支援が必要であると考えます。

 そこで、お伺いをいたします。

 資材価格高騰や供給不安の影響を受ける中小建設業者が適正に価格転嫁ができる環境整備について、どのように実効性を高めていくのか。また、スライド条項の迅速運用、民間工事への普及、金融支援や信用保証の拡充など、地域建設業の事業継続を支えるため、今後どのような具体策を講じていくのか、お伺いをいたします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 今般の中東情勢の影響により建設資材の価格高騰が生じた場合には、公共工事か民間工事かを問わず、契約を変更し実勢価格に応じた価格転嫁が適切に行われることが重要でございます。

 このため、公共工事につきましては、本年三月、全ての公共発注者に対し、最新の単価を反映した発注やスライド条項の適切な運用等について文書で要請をしたところでございます。

 また、民間工事につきましても、同じく本年三月、民間工事の発注者団体と建設業関係団体に対し、令和六年の建設業法等の改正で創設をされました、建設業者が資材価格の高騰などのおそれを注文者に事前に通知することにより契約変更の協議を円滑に進める仕組みを活用するなど、円滑な価格転嫁への協力を文書で要請したところでございます。

 さらに、事業継続に懸念を持たれている建設業者等の皆様に対しましては、中小企業庁等において、特別相談窓口が設置され、セーフティーネット貸付け等の金融支援制度も用意をされておりますことから、その周知や活用促進を通じて事業継続を支援しているところでございます。

 引き続き、建設資材の価格の動向を注視し、現場の中小建設業者の皆様の声も丁寧にお伺いをいたしながら、円滑な価格転嫁の実現に努めてまいります。

犬飼委員 中期化、長期化していくことも懸念をしております。こうした緊急対策、拡充も、また引き続き検討していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 次のテーマに移りますが、引き続き、この建設業界に関わる政策について今日はお伺いさせていただきたいと思います。

 まず、建設業の担い手確保と育成について、この建設業の担い手不足そしてインフラ維持への影響についてまずお伺いいたします。

 建設業の就業者数は、一九九七年の六百八十五万人をピークに、二〇二五年には四百七十八万人、約三割減少しております。また、五十五歳以上が約三六%、二十九歳以下は約一二%にとどまり、担い手の高齢化と若手不足が同時に進行し、さらに、二〇二四年の建設業の年間労働時間は全産業平均を上回る一方、年収は四百六十五万円で全産業平均の五百四十五万円を下回っております。つまり、長時間労働と賃金水準、こうしたものも、若者の入職が進まない要因であると私は思います。

 一方で、インフラ老朽化は待ったなしの状況です。例えば建設後五十年以上経過する道路橋は、二〇三〇年に約五四%、二〇四〇年には約七五%に達する見込みです。インフラ更新需要は急増する一方で、それを支える人材は減少している。これは、単なる業界の人手不足ではなく、道路、橋梁、上下水道、河川、災害復旧など、国民生活と地域の安全を支える大切な基盤そのものの危機であります。

 そこで、伺います。

 建設業の担い手不足が今後のインフラ整備、維持、災害対応、地域の安全、安心に与える影響について、政府はどのような危機感を持ち、どのように対応していくのか、大臣の見解をお伺いいたします。

金子国務大臣 建設業は、社会資本の整備や維持管理を担うとともに、災害時には地域の守り手として応急復旧等に対応するなど、我が国の経済社会や地域の暮らし、雇用を支える、なくてはならない産業であります。

 一方、建設技能者数が、先ほど御紹介いただきましたが、平成九年のピーク時から約三割減少し、高齢化についても五十五歳以上が約四割を占めるなど、将来的な担い手確保は極めて重要になってきております。

 建設業は人に支えられ成り立っている産業であり、担い手確保の取組を進め、産業としての持続可能性を高めることは待ったなしの課題であると認識をしております。

 このため、昨年十二月に全面施行いたしました改正建設業法等に基づき、労務費の確保と行き渡りによる処遇の改善、資材高騰分の転嫁の円滑化による労務費へのしわ寄せ防止、工期の適正化による働き方改革やICTを活用した生産性向上など、担い手確保に向けた取組を進めているところでございます。

 建設業を担当する大臣として、私自身が先頭に立って、関係者が一丸となって担い手確保の取組を前に進めていくことによりまして、将来に希望が持てる持続可能な建設業の実現に努めてまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 やはり、そのベースになるのが賃上げ、処遇改善になるということだというふうに思います。

 政府は、二〇二六年三月から適用する公共工事設計労務単価を全国全職種平均で二万五千八百三十四円とし、十四年連続で引上げをされました。二〇一二年度対比におきましても、約九四%上昇しております。この処遇改善に向けた重要な措置で、高く評価をしているところでございます。

 一方で、現場からは、この設計労務単価は上がっても技能者の手取りまで届いていない、資材価格や燃料費の高騰で人件費に回せないといった声も上がっております。背景には、建設業特有の多重下請構造があります。元請から一次、二次へと工事が流れる中で労務費が途中で圧縮され、現場技能者の賃金へ十分届いていない、結果として若者が定着しないという構造課題が残されているのではないでしょうか。

 政府は、改正建設業法において、労務費のしわ寄せ防止や著しく低い見積りの禁止を盛り込みました。重要なのは、制度を現場で機能させることであると思います。

 そこで、伺います。

 公共工事設計労務単価の引上げが実際に技能労働者の賃金へ確実に反映されるよう、価格転嫁の徹底、多重下請構造への対応、労務費の見える化、適正工期の確保などを含めて、政府としてどのように実効性ある処遇改善を進めていくのか、お伺いします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、公共工事設計労務単価については、十四年連続で引き上げ、三月から新単価を適用しているところであり、これを建設技能者の賃上げに反映させ、処遇改善等の取組を前に進めていくことにより、将来の担い手確保を図ることが重要と考えております。

 このため、昨年十二月に全面施行した改正建設業法等に基づき、労務費の確保と行き渡りによる処遇の改善、資材高騰分の転嫁の円滑化による労務費へのしわ寄せ防止、工期の適正化による働き方改革やICTを活用した生産性の向上など、将来の担い手確保に取り組んでいるところでございます。

 具体的には、例えば処遇改善につきましては、建設技能者に支払う賃金の原資である労務費を適正に確保し行き渡らせるための仕組みとして、国が労務費に関する基準を作成し請負契約における適正な労務費の水準を明確化した上で、基準を著しく下回る見積りや契約締結を法律で禁止をし、違反した事業者は処分等の対象とするほか、事業者に対し、労務費等を明示した見積書の作成やその内容を考慮した契約の締結の努力義務を課すなどの措置を講ずることにより、実効性の確保に努めているところでございます。

 公共工事設計労務単価の引上げと、改正建設業法に基づく労務費の確保、行き渡りを車の両輪として、他産業より低い建設技能者の賃金が厳しい労働環境に見合った水準にまでしっかり引き上がっていきますよう、業界団体等と連携し、引き続きしっかり取り組んでまいります。

犬飼委員 私の地元、中部圏また愛知県につきましては、リニア中央新幹線の関連工事や、名古屋駅周辺の再開発、また老朽インフラ更新などが重なり、建設人材の需要は今後もますます高まります。ただ、その一方、自動車産業を始めとする製造業との人材獲得競争というものがあります。建設業が将来を託せる産業として選ばれる環境整備が必要であると思います。

 そこで、建設業を地域を守る公共性の高い職種として位置づけ、若者の入職促進、奨学金返済支援や資格取得支援、技能継承など、中長期的な人材育成戦略を国としてどのように構築をしていくのか、お伺いをいたします。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、建設業は、社会資本の整備や維持管理を担うとともに、災害時には地域の守り手として応急復旧等に対応するなど、我が国の経済社会や地域の暮らし、雇用を支える重要な役割を担っております。

 その将来的な担い手確保を進め、産業としての持続可能性を高めるためには、若者等への建設業の魅力や働きがいの効果的な発信、技能、経験に応じたキャリアパスの見える化等により、若者の入職、定着を促進するなど、人材の確保、育成に戦略的に取り組むことが重要であると認識しております。

 このため、まず、情報発信について、関係団体等と連携したポータルサイトの運営や広報事例集の作成などの取組に加えまして、新たに、建設業の働き方や実際の姿の効果的な発信に関するモデル的取組の実証等、その成果の横展開にも取り組んでまいりたいと考えております。

 また、建設キャリアアップシステムの普及や能力評価の促進、技能、経験に応じたCCUSレベル別年収の公表等によりまして、現場で働く技能者の処遇改善やキャリアパスの見える化に引き続き取り組んでまいります。

 さらに、企業等による貸与奨学金の代理返還制度等につきましても、更なる利用を促進するため、関係省庁と連携して制度の周知に努めるなど、人材の確保、育成に必要な政策について、中長期的な視点を持ちながら、しっかりと戦略的に進めてまいりたいと思います。

犬飼委員 ありがとうございます。

 一つ質問を飛ばさせていただきまして、次のテーマで、次は住む側の支援ということでお伺いをいたします。

 安心、安全な住まいの支援について、まずは住宅価格の高騰について伺います。

 現在、住宅価格の上昇が、国民生活、とりわけ若年世帯、子育て世帯に深刻な影響を及ぼしております。

 名古屋市内でも七千万円を超える高額物件も相次ぎ、また、福岡市や札幌市など地方の中枢都市においても再開発や人口流入、建設資材の高騰などを背景に、住宅価格や土地価格が上昇しております。

 本来、住宅は、国民生活の基盤であります。しかし、現在、努力しても家を持てないという状況が広がりつつあることに強い危機感を募らせております。

 そこで、お伺いをいたします。

 住宅価格の高騰が、若年世帯や子育て世帯の住宅取得、さらには結婚、出産、地域定住に与える影響について政府はどのように認識をしているのか、また、予算面について、住宅価格高騰を踏まえた住宅取得支援をどのように進めていくのか、大臣の見解をお伺いします。

金子国務大臣 お答えいたします。

 住まいは生活の基盤であり、若年世帯や子育て世帯を含め、誰もが希望する住まいを選択できる環境を整えていくことが重要であると認識をしております。

 近年、需要と供給の両面での様々な要因によりまして、都市部を中心に住宅価格が上昇し、希望する住まいが確保できないとの声が上がっていると認識をしており、大変重要な課題と考えております。

 国土交通省といたしましては、令和七年度補正予算や令和八年度予算におきまして、省エネ住宅の新築や省エネ改修等への補助や、残価設定型住宅ローンの供給促進のための住宅融資保険制度の創設、都市部に所在する空き家の流通を促進する事業の創設等の措置を講じております。

 これら予算面での措置に加え、住宅ローン減税などによる住宅取得負担の軽減や全期間固定金利の住宅ローンの提供、既存住宅流通市場の活性化など総合的に取り組むことで、若年世帯や子育て世帯を始め、住宅取得を望む方が安心して住宅を確保できる環境整備に全力を尽くしてまいりたいと思っております。

犬飼委員 ありがとうございます。

 今大臣から触れていただきました住宅ローン減税含めて、金利のことにつきましても非常に多くの方から相談もいただいております。

 金利についても、例えば四千万円を三十五年ローンで借り入れた場合、金利が一%上昇するだけでも総返済額は数百万円規模で増加するという試算もございます。

 現在、フラット35の拡充等の支援策を講じていただいているということも承知をしておりますが、物価高騰と金利上昇に追いつかないのではないかというふうに危惧もしております。

 そこで、今後の金利上昇局面を見据えた住宅ローン減税の更なる拡充、また固定金利型の住宅ローンへの支援、フラット35の活用強化、さらには変動金利を利用している世帯への返済負担軽減策も含め、若年世帯、子育て世帯が安心して住宅を取得、維持できる環境整備をどのように進めていくのか、お伺いをいたします。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど大臣が答弁いたしましたとおり、住まいは生活の基盤であり、若年世帯や子育て世帯を含め、誰もが希望する住まいを選択できる、そういった環境を整えていくことが重要であると認識をしております。

 このため、若年世帯や子育て世帯などに対する住宅取得支援といたしまして、先ほど大臣が答弁された予算面での措置のほか、住宅ローン減税における借入限度額の拡充や、子供の人数に応じたフラット35の金利引下げなどの措置も講じているところでございます。

 また、令和七年度補正予算におきまして、固定金利への借換えに伴う返済負担の軽減を図るといったことを目的に、子育て世帯などを対象としたフラット35借換え融資における金利引下げ制度を新たに創設をいたしました。

 国土交通省といたしましては、若年世帯や子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現に向けまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

犬飼委員 ありがとうございます。

 持家の方とともに、次は、賃貸住宅に居住する方への支援強化についても伺います。

 賃貸住宅についても、家賃の上昇が全国的にも進行をしております。若い世代の生活設計そのものに大きな影響も及ぼしております。

 こうした中、愛知県では、若年世帯、子育て世帯の定住促進を目的とした取組も進んでおります。

 例えば、小牧市では、結婚生活支援補助金として、新婚世帯に対し、住宅取得費やまた賃借料、賃貸料といったもの、また引っ越し費用等も補助しており、夫婦とも二十九歳以下の世帯で最大で六十万円を支援するなど、こうした取組をしております。

 ただ、こうした取組は自治体ごとの財政力に依存しており、支援内容や対象に大きな格差が生じております。

 住まいは、単なる資産形成ということではないと思います。少子化対策の根幹として位置づけるべきであると思います。したがいまして、こうした賃貸に対する支援も広げていただく必要があると思います。

 そこで、伺います。

 自治体の先進事例も踏まえ、国として、若者、新婚世帯、子育て世帯を対象とした恒久的な家賃補助制度や住宅手当制度を創設すべきと考えますが、見解をお伺いをいたします。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 持家か、あるいは賃貸住宅かを問わず、誰もが安心して暮らせる住まいを確保することは大変重要な課題だと認識をしております。

 賃貸住宅につきましては、家賃の消費税が非課税とされているほか、低所得者を対象とした公営住宅の供給や、住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の確保、家賃低廉化などへの支援などに取り組んでいるところでございます。

 また、子育てなどに対応したリフォームや省エネ性能の高い住宅に対する補助を行っておりますが、これは、賃貸住宅も対象に含めて実施をしているところでございます。

 さらに、委員御指摘のとおり、地方公共団体においても様々な取組が行われており、関連して、こども家庭庁において、地方公共団体を通じた、新婚世帯に対する家賃などへの支援が行われているといったことも承知をしてございます。

 今後とも、地方公共団体また関係省庁とも連携をいたしまして、国民一人一人がそれぞれのニーズに応じた住まいを柔軟に選択できる環境の整備にしっかりと取り組んでまいります。

犬飼委員 この賃貸住宅のことと併せて、アフォーダブル住宅と、空き家活用を軸とした住宅政策についてお伺いをいたします。

 今、賃貸、そして若い世帯、新婚世帯、子育て世帯ということで取り上げさせていただいておりますけれども、二〇二五年に行われました若年層調査では、二十五歳から三十九歳の若年層のうち、可処分所得に占める居住費負担率が三割を超える世帯が二六%に上りました。さらに、一人親世帯では、平均月収十七・五万円に対し、住宅関係費は月五万一千円で、居住費負担率は四〇・七%に達しているとの調査もあります。つまり、現在は、住まいを確保するために食費や教育費を削るという状況が広がっております。

 国交省が示した住生活基本計画におきましては、若年、子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現や、住宅確保要配慮者への居住支援体制の整備、さらには、相続空き家などを活用したアフォーダブル住宅の推進が盛り込まれました。量の確保から、安心して住み続けられる居住支援へ転換していくことが求められます。

 こうした中、愛知県内でも先進的な取組が始まっております。認定法人LivEQuality HUBでは、住宅確保が困難なシングルマザー世帯などに対し、都市部で良質かつ低廉な住まいを提供するとともに、就労支援や子育て支援、生活相談まで一体的に実施しております。民間投資や寄附も活用し、住まいから貧困を絶つとの理念の下、生活再建や自立支援までを支える日本版アフォーダブル住宅モデルとして注目をされております。

 また、東京都では、都と民間がそれぞれ百億円を出資し、総額二百億円規模の官民連携ファンドを創設、市場家賃より低廉な子育て世帯向け住宅を、空き家や既存住宅ストックも活用しながら供給する方針を打ち出しております。

 単なる低廉住宅の供給ではなく、空き家活用、民間活力、公的支援、子育て支援、地域定住政策を一体化した日本版アフォーダブル住宅制度を構築すべきと考えます。

 そこで、伺います。

 国の住生活基本計画の方向性も踏まえ、空き家や既存住宅ストックを活用した日本版アフォーダブル住宅制度を全国的に推進すべきと考えますが、政府として今後どのように取り組んでいくのか。また、LivEQuality HUBのような、住宅支援と生活支援を一体的に行う民間NPO主体の居住支援モデルについて、国としてどのように後押しをしていくのか、お伺いをいたします。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 本年三月に閣議決定をいたしました住生活基本計画におきましては、過度な負担なく希望する住生活を実現できる環境整備を目標の一つとしており、この実現に向けては、委員の御指摘のとおり、空き家を含めた既存住宅ストックを有効活用することが一層重要になると考えてございます。

 国土交通省におきましては、令和七年度補正予算や令和八年度予算におきまして、既存住宅の耐震化、省エネ化などの取組や、新たに都市部に所在する空き家の流通を促進する事業を創設するなどの措置を講じているところでございます。

 これらに加えまして、質の高い既存住宅について借入限度額や控除期間を令和八年度税制改正により拡充をいたしました住宅ローン減税などの各種支援制度を活用いたしまして、国民一人一人が過度な経済的負担を感じることなく、希望する住まいを確保できる環境整備に取り組んでまいります。

 また、御指摘の愛知県の法人につきましても、住宅セーフティーネット法に基づく居住支援法人としてその活動を支援しているところでございまして、このような居住支援の取組が広がっていくよう、関係省庁とも連携をして推進をしてまいりたいと考えてございます。

犬飼委員 今日は建設に関わることを取り上げさせていただきました。是非、大臣のリーダーシップを発揮していただいて、難局にある今の建設業を守っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 発言を終わります。

冨樫委員長 次に、奥下剛光君。

奥下委員 日本維新の会の奥下でございます。

 水曜日に続き、本日もよろしくお願いいたします。

 では、早速、限られた時間ではございますので、質問に入らせていただきたいと思います。

 まずは、リニア中央新幹線のことについてお尋ねいたします。

 リニア中央新幹線については、財政投融資による支援を踏まえ、全線開業に係る現行の想定時期の下、環境・水資源の状況等を厳格にモニタリングし、必要な指導及び技術的支援を行うとともに、沿線自治体と連携して、全線開業に向けた環境整備を行うとして、骨太の方針二〇二五に位置づけていただきました。

 現計画では来年から名古屋―大阪間が着工予定の計画とはなっておりますが、しかし、やはりJR東海さんの見通しでは、試算では二〇三五年ぐらいになりそうだというような話も聞いております。

 是非、リニア中央新幹線の早期全線開業に向けて、政府の今後の取組をお聞かせください。

金子国務大臣 お答えいたします。

 現在工事中の品川―名古屋間につきましては、いまだ着工のできていない静岡工区の着工が早期開業に向けた重大な課題と認識をしており、静岡工区モニタリング会議を通じて静岡県とJR東海の対話を促すなど、継続的に支援を行ってまいりました。

 このような取組によりまして、本年三月、静岡県が着工の前提としている対話項目全てで対話が完了するなど、静岡工区の着工は近づきつつあると感じております。

 また、名古屋―大阪間につきましては、JR東海におきまして、概略のルートの絞り込みと駅位置の選定のためのボーリング調査が実施されており、さらに、国土交通省、JR東海も参画して、関係自治体との間で、駅位置の選定、駅周辺のまちづくりに向けた議論を進めております。

 国土交通省といたしましては、引き続き、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、一日も早い全線開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、しっかりと取り組んでまいります。

奥下委員 ありがとうございます。

 是非、三兆円の財政投融資による全線開業時期、最大八年前倒し、二〇三七年、これが確実なものとなるよう、我々大阪府の方としても努力していきたいと思っております。是非、骨太の方針二〇二六にも位置づけていただきますようお願い申し上げます。

 次の質問に入ります。

 五月十日に、地元の摂津市において道路陥没事故が発生しました。これは縦横深さ共に三メートル四方のものだったんですけれども、原因は、下水道管本体ではなく、マンホールと管渠をつなぐ接合部のコンクリートが剥落し、その隙間に砂が流入し、路面下に空洞ができ、陥没したものと考えられております。

 こうした点検を行うためには、レーダー波による非破壊検査が必要とのことなのですが、検査単価が一キロ当たり十万円から二十万円と高額なものとなっておりまして、基礎自治体でこの検査を行うには財政負担が非常に重く、予防措置を講じることが困難となっております。

 陥没点には上水管もありましたが、目視をして破損がないことを確認して、砂の埋め戻しをし、舗装をしたとのことなんですが、ストックマネジメントの観点から、また、国民の生命と財産を守る観点から、国においても非破壊検査に係る国の支援、これをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

石井政府参考人 お答えします。

 摂津市における道路陥没事故の原因については、委員御指摘のとおりと承知をしております。

 このような事故を未然に防ぐためには、下水道管路の点検において、レーダーによる路面下空洞調査などの非破壊検査を適切に組み合わせて実施することが有効と考えております。

 このため、国土交通省では、下水道管路の計画的な点検に伴い必要となる非破壊検査について、防災・安全交付金による財政支援の対象としているところでございます。

奥下委員 ありがとうございます。

 地元の摂津市ではこういった補助が全くないんだというふうに思っていたようでして、そういったふうに見ている自治体も多いと思うんですね。是非、周知というか、また問合せが行くと思いますので、そういったことを含めて御対応していただきますようお願いいたします。

 下水道に関して二つ目をお聞きしますが、下水道の総距離五十万キロのうち、標準耐用年数五十年を超えるものが七%、十年後には二〇%、二十年後には四〇%を超えると言われておりますが、先日、質疑でもありましたけれども、八潮市での事故の教訓も踏まえて、今後どうやって向き合っていくのか、お聞かせください。

上田大臣政務官 下水道は、国民の生活に直結する重要なインフラであり、その老朽化対策は喫緊の課題であると認識をしております。

 このため、八潮市の道路陥没事故の教訓も踏まえて、昨年六月に閣議決定された第一次国土強靱化実施中期計画に下水道施設の戦略的維持管理、更新を位置づけ、この計画に基づき、必要な予算を確保し、事業を推進しているところです。

 また、今年度予算においても、多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路の更新や、災害、事故後に迅速に機能を確保することが容易ではない管路の複線化に対する補助を創設いたしました。

 さらに、下水道の確実な維持管理、更新の施設等を図ることを目的とした下水道法の改正法案を今国会に提出させていただいております。

 国土交通省としては、このような取組を通じて、地方公共団体における下水道の老朽化対策の取組を支援し、強靱で持続可能な下水道の構築に取り組んでまいります。

 以上でございます。

奥下委員 ありがとうございます。

 次に、ちょっと先日からニュースになっておりますハンタウイルスの件についてお尋ねします。

 ネズミなどの齧歯類が感染源と言われておりますが、このニュースを見て地元の飲食店の方々から何人か、コロナウイルスのときを思い出してすごく心配する声が出ております。

 このハンタウイルスの我が国の水際対策、教えてください。

鷲見政府参考人 お答え申し上げます。

 今回クルーズ船で発生しましたハンタウイルス感染症の拡大事案におきましては、ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルスという種類が確認されております。

 当該ウイルスにつきましては、過去に、限定的ではあるものの、感染者との濃厚な暴露による飛沫、直接接触を介したヒト・ヒト感染事例が報告されておりますが、感染者と接触者の適切管理により感染拡大を防止できるとされております。

 また、日本国内にはアンデスウイルスを媒介する齧歯類は存在せず、アンデスウイルスを原因としたハンタウイルス肺症候群の患者の発生はこれまで確認されておりません。

 厚生労働省におきましては、ハンタウイルスを媒介する齧歯類が生息する南米からの入国者のうち体調に異常のある方に対して、齧歯類との接触の有無等を確認し、必要に応じて医療機関への受診を勧奨するよう、検疫所に指示を出しているところでございます。

 今回の事例につきましては、WHOのガイドライン等に基づき関係各国にて適切な感染拡大防止の対応が取られており、WHOからも公衆衛生上のリスクは低いと評価されていることから、現時点におきましては、我が国に対して直ちに大きな影響が及ぶことはないと考えております。

奥下委員 ありがとうございます。

 今のように御答弁いただいて、御相談いただいた方から、お伝えしたら安心するとは思いますが、確かに、専門家は公衆のリスクは低いと強調されているのも承知していますが、WHOなんかも、豪華客船で起こったアルゼンチンであるとかアメリカとかもWHOを脱退しておりますので、連携した調査というのが本当にできているのかというところがありますので。

 そういったことで、今、リスクが低いということで、国交省としてもまだ何も対応策は取っていないということでしたが、空港とか港湾、やはりこの窓口となるところは是非、まあ何もないのが一番いいんですけれども、きちんと対応を、コロナ禍のときのようにあそこまで大げさにしろとは言いませんけれども、ある程度考えていただきたいなということだけお伝えしておきます。

 次の質問に移ります。

 地元大阪のモノレールの延伸事業についてお尋ねします。

 大阪都心部から放射状に延びる既存鉄道を環状方向に結節し、広域的な鉄道ネットワークを形成することを目的に、この大阪モノレールは整備が進められております。また、モノレールの沿線での民間投資誘発など、大きなストック効果をもたらしており、沿線のまちづくりが進展することに加え、結節する既存鉄道の事故などによる運行障害時には、代替ルートとして交通リダンダンシーの確保にも寄与しております。

 大阪モノレール延伸事業は、今、副首都を目指すと大阪は言っておりますが、大阪にとっても必要な都市基盤として生産向上や地方創生、国土強靱化に資する事業だというふうに考えております。

 昨今の資材の価格の高騰や賃金水準の上昇による厳しい財政状況の中ではございますが、大阪府としても、関係自治体も、予算の確保に努めております。こちらも引き続き国の支援を必要としてきます。是非引き続き国の御支援を賜りたく、今後の御方針もお聞かせください。

上田大臣政務官 この質問の答弁の前に、先ほどの答弁に対する訂正をさせていただきたいというふうに思います。

 本来であれば、下水道の確実な維持管理、更新の実施等を図ることを目的としたと答弁しなければならないところ、施設と誤って表現いたしましたので訂正させてください。

 それでは、質問にお答えさせていただきます。

 大阪モノレール延伸事業は、現行路線の南端である門真市駅から東大阪市までの約八・九キロを延伸するものであり、現在、支柱や軌道桁、駅舎、駅前広場等の整備が順次進められております。

 この延伸事業により、新たに既存の四つの鉄道路線と大阪モノレールが接続し、大阪府内の広域的な鉄道ネットワークが強化されるとともに、この事業を通じて沿線地域も活性化すると考えられるため、重要な事業であるというふうに認識をしております。

 国土交通省では、これまでも、大阪府を始めとする沿線自治体等に対する社会資本整備総合交付金等による支援を通じて事業の計画的かつ着実な推進を図ってきたところであり、今後とも、事業の重要性に鑑みて支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

奥下委員 ありがとうございます。引き続きの御支援、よろしくお願いいたします。

 次に、先月の四月でコンセッション導入から十年がたちました。政府は国内の全空港を民営化する方針を挙げておられますが、この十年を検証して、今後もその方針でいくのかお聞かせください。

宮澤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、二〇一六年に関西国際空港及び伊丹空港においてコンセッションが開始をされて十年が経過しました。コンセッションは、民間の資金や能力の活用を可能としながら、効率的、効果的な空港の運営を目指していく手段であり、これまでに、全国二十空港において導入が実現されております。

 政府のPPP/PFI推進アクションプランにおいては、原則として全ての空港への公共施設等運営事業の導入を促進することとしており、現に、松山空港等においてコンセッションの具体化に向けた調査を進めております。

 今後につきましては、本年度中に有識者による空港コンセッションのフォローアップ会議を開催し、各空港の事業実施状況の評価や、昨今の経済社会情勢を踏まえたリスク分担の在り方等の検討を行うこととしております。

 その結果も踏まえ、コンセッションの仕組みを不断に改善するとともに、各空港の置かれた様々な事情にも配慮しながら、コンセッションの更なる推進に向けて積極的に取り組んでまいります。

奥下委員 ありがとうございます。

 大阪は、関空と伊丹は成功しているというのは実感しておりますし、ほかの空港に行っても、民営化されたところはすごく変わったなというふうには実感しております。

 しかし、離島とか、やはりそういったところは、なかなか難しいんじゃないかなというふうに感じております。和歌山の白浜空港なんかがいい事例になるかなと思ったんですが、何か、やはりなかなか難しいかなというのはありますので、是非、そういった空港、また民営化、何か協力できることがあれば、大阪のノウハウ、これを提供していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 では、時間ですので終わりにします。ありがとうございました。

冨樫委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十時三十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

冨樫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。臼木秀剛君。

臼木委員 国民民主党・無所属クラブの臼木秀剛と申します。

 午前中は、北海道の先輩方の質問が続いたので、私も本来であれば、並行在来線の話であったり、鉄道の問題をやりたいと思う部分はありますが、今日は、先日たまたま、北海道の、地域で働くディーラー、パーツ、レンタカーなど、自動車産業で働く皆様と意見交換をさせていただく機会がありました。その際にいただいたお声を是非お届けをさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 北海道ですけれども、先ほど来いろいろな交通インフラの話がありますが、九州の約二・二倍の面積を誇るということですし、また道路総延長も全国一位で、全国の約八%ほどを北海道が占めるということで、やはりこの交通インフラというものは北海道ではなくてはならないものです。その中で、この自動車というのは、やはり細部にわたって私たちが動く中ではどうしても道民の生活には欠かせないものです。

 ただ、地域のディーラーやパーツ、レンタカーの皆様のお声を聞いていると、業界としても、やはりこれは全国的な課題だと思いますけれども、人材不足、それから高齢化、さらには、地域の販売店としては若年層の集客が難しいということであったり、人口減少による市場縮小に加えて、様々なネット等や中古買取り店、全国展開されているようなところと競合しなきゃいけないということもあったり、なかなか地域シェアを獲得していくのが難しいということがあったりと、様々な課題をお聞きをしました。

 また、特に、広域分散型社会が北海道ですので、部品調達や車両輸送の維持、物流コストの負担がやはり現場では非常に大きいということ、さらには、整備士の皆さんからすると、技術がどんどん高度化をしていっているんですけれども、それに加えてさらに積雪寒冷地特有の車両の維持整備に係るような知見も必要だということもあって、なかなか業界としても厳しい状況にあるというお声を伺いました。

 その中で大きかった声が、今の法制度の中にある点検整備と車検、そして自動車関係諸税に対して、やはりもう時代に合った形に変えていく必要があるんじゃないか、ここは働く現場の皆様からも寄せていただいたので、この点を少しお伝えをさせていただきます。

 我が国の車検の制度、正確には自動車検査ということですが、主に道路運送車両法に基づく保安基準への適合を確認する制度で、新規、継続、構造変更等、いろいろな種類があるわけですけれども、公道を走るという上で公衆の安全、また運転手自身も含めて安全確保、さらには様々な害の防止のために実施をされているものと承知をします。

 まず、我が国の車検制度の意義、目的について、御答弁をよろしくお願いをいたします。

金子国務大臣 今日は、午前中から新幹線、そして新千歳空港、アクセス鉄道、そして在来線、今度は自動車ということで、九州もそうでありますけれども、やはり、公共交通というのは非常に重要だし、自動車にしても非常に安全も含めて必要なものだと思っております。

 車検制度についてということでございますが、車検制度は、自動車の安全の確保、環境の保全を図ることを目的として、道路運送車両法に基づき、使用過程にある自動車が保安基準に適合した状態にあるかを、国及び国が指定した指定整備事業者が一定期間ごとに確認する制度であります。

 具体的には、自動車を構成する部品に損傷がないか、ブレーキやハンドルのほか、車線逸脱防止装置などの先進安全装置や排出ガス防止装置の機能が維持されているかなどを確認しております。このほか、リコールの対象車両であるにもかかわらず未改修の場合は、車検時に改修を促すなどの措置も実施しております。

 このように、車検制度は、自動車の安全、安心な利用を支える極めて重要な制度であります。また、その車検制度を専門的な知識と技能をもって支えていただいております自動車整備士の皆さん方は、大変重要な役割を担っておられると認識をしております。

臼木委員 ありがとうございます。

 まさに、大臣がおっしゃるとおり、やはり、ともすると本当に人の命を奪いかねない、これは周囲の人もそうですし、運転手や同乗者のこともそうですけれども、こういった安全確保のためには必要なものではあるということは十分承知はしております。

 ただ、それを前提としながらも、先ほど少しお話もさせていただきましたが、自動車の台数というものはずっと増加ないし基本的には維持の一途をたどっている一方で、現場で働く皆様に少しやはり過度な負担がかかっているという面も否定はできないのであろうということも、話を伺っていると私も感じました。

 現行の車検について、これは継続の車検ですけれども、一九九五年の道路運送車両法の改正まで、十一年を経過するまでは車検証の有効期間が一年とされていましたが、これは当時の法改正によって、継続して二年ごとに車検を受けられるということになりましたので、初回車検が三年、その後はずっと二年というのがこの間ずっと続いてきています。ただ、当時も、自動車の性能や部品の耐久性の向上を理由として、十一年経過後は一年としたものを二年になったということであります。

 今の自動車を見てみれば、皆さんの平均保有年数もずっと延びてきて、ここ最近だと十三年か四年ぐらいになってきていると思いますが、こういった部品等の耐久性の向上に伴い、先ほどお話もさせていただきましたとおり、現場負担を軽減するという観点も考えれば、今、法定点検といって、検査項目としては少ない、整備項目が少ない法定点検という制度もありますので、こういうのもうまく組み合わせながら、継続車検の有効期限二年を延長してはどうか、そういうことはできないのかという御意見もいただきましたので、是非、この考え方について、継続車検の有効期限二年を延ばすことについての、できるかできないか、またどういった課題があるかということを御説明いただいてよろしいでしょうか。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 車検の期間は、運行や時間の経過とともに自動車に生じる不具合の状況などを踏まえて設定しているところでございまして、ただいま委員から御説明を頂戴しましたように、継続車検については二年、自家用乗用車でございますけれども、そのようになっております。

 この乗用車でございますが、乗用車の場合、車検時に整備事業者に持ち込まれた車両の約三〇%に、ブレーキ部品の摩耗、劣化など何らかの不具合が確認をされている、こういう実態もございます。そして、この傾向は近年特に大きな変化はないところでございます。

 したがいまして、自動車の安全確保の観点から、現時点において車検期間を延長することは困難である、このように考えておりますが、不具合の発生状況や技術の進展も踏まえつつ、引き続き、車検、整備の点検項目を含め、今お話ありましたように、整備士の、現場負担の軽減、こういう観点も踏まえて必要な見直しを検討してまいりたい、このように考えております。

臼木委員 ありがとうございます。

 まさに、先ほどおっしゃっていただいた不具合が三〇%、これが車検時に分かる、車検といいますか、その前の整備点検時に分かるということでありますが、今御提案をさせていただいたとおり、検査項目が少ない法定点検というものをうまく組み合わせていって、チェックの度合いを、頻度を平準化をしていく、また、後でもお話をさせていただきますが、車検が高いという、実際は高くないんですが、車検時にいろいろな費用がかかるというこの負担感を下げるという意味でも、もう少しならしていくこともできるんじゃないかということも考えられると思いますので、是非こういった点もまた今後皆様と議論をしていきたいと思っています。

 そして、継続車検については、昨年の四月から、満了日の二か月前から車検を受けても次回の有効期間が短縮されないこととなりました。今までであれば、満了日の一か月前からでなければきちんと有効期間が短縮されないということだったんですが、これが二か月前と。

 これは、制度改正の目的としては、年度末にどうしてもやはり整備工場等が混雑をするということで入れられたということですので、これは私も、懇談の中では実際に解消されたよというお声もあって、よかったというお声もあった一方で、北海道もそうですし、恐らく積雪寒冷地は皆さんそうなのかなと思いますが、夏タイヤと冬タイヤの交換というのは、なかなかまた大臣は九州なので習慣としてはないと思いますが、大体、もうそろそろ雪が降らないだろうとみんなが思うとタイヤ交換をして、その後雪が降ってしまうと、ああ早かったなというのがこの時期の会話の風物詩になるんですが。

 この二か月前から可能としたことで、本来ならもう少し後で車検を迎える人たちも、ちょうどタイヤ交換ができるからということで、繁忙期と閑散期が今までよりもちょっと集中をしているような場所、これは多分どういう場所にあるかということも大きく影響しているんだと思いますが、こういったタイヤ交換時期に過度な業務集中も一部発生しているというお声もいただきました。これはなかなか、季節的なものなので、ここをどうやっていくかというのは難しいとは思うんですが。

 まず、去年、車検が二か月前から受けられるようになったということを踏まえて、国交省としてこの事態をどういうふうに把握をしているのかということについて教えていただいてよろしいでしょうか。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員から御指摘ありましたとおり、車検の受検時期についてですけれども、年度末の三月にどうしても集中してしまう、その結果、自動車整備士の残業や休日出勤が増加している、こういった問題がありましたので、車検業務を平準化できるよう、残存する有効期間を失うことなく受検可能な時期について、従来は有効期間の満了日一か月前から受検というふうになっていたところ、昨年の四月一日より二か月前から受けられるようになった、こういう制度改正を行ったところでございます。

 この施策の影響によりまして、積雪寒冷地において冬用タイヤから夏用タイヤへの交換時期に車検業務が集中しているのではないか、こういう御指摘でございますが、例えば北海道全体で見た場合、ちょっと今回調べてみましたけれども、タイヤ交換が集中する四月の車検台数、制度改正前の令和六年度との比較ですけれども、昨年度四月は約一・三%増加している、このような事実が確認されました。

 ただ一方で、それでは、じゃ六月の車検のものが四月に移ってきたのかということで、六月の台数も調べましたところ、六月の台数は減っておらず、むしろ四月以上の伸び率で増えている、こういうことも分かりまして、このため、制度改正の結果、この四月の車検台数一・三%増加という結果が出たのか、ちょっとこの辺りは、タイヤ交換時期に過度な集中が生じているかどうか、ちょっとまだ何とも言えない、このように捉えております。

臼木委員 ありがとうございます。丁寧にお調べもいただいて、ありがとうございます。

 先ほどもお話をさせていただいたとおり、ちょっと混雑も平準化されたというところもあれば、こういった時期的な集中もあるということもありますので、これはきちんと現場の実態を見ながらやはり制度設計をしていくということが必要です。まだ始まって一年ということですので、これもまた状況も見ながら、よりよい、現場の負担感を減らしていけるような仕組みづくりというものにも取り組んでいく必要があると思っていますので、その点、お伝えをさせていただきます。

 それから、またお伺いをした意見なんですけれども、車検であったり点検をするときには、保安基準で規定をする検査時車両状態の車でないと車検は受けられないということで、その要件の一つに、空車状態の車に運転者一名が乗った状態であることという規定があります。

 荷物棚などが設置されて業務上使う荷物が常態的に積載されるような、いわゆる商用バンというようなものについては、これはきちんと車検や検査を受けるときには荷物を降ろしていただいて、それは、棚が作りつけられていたり設置がされている場合には、その構造に応じて、そのままでいいものもあれば、取り外しをしたり、また別途手続によって構造変更、重量変更をしなきゃいけないとか、いろいろなパターンがあり得るんだと思いますが。

 これは、きちんと点検をしていって安全性を確保するという観点は絶対に必要なわけですけれども、ちょうど私も何か明確にお答えができなかったんですが、日常使用している状態で検査する方が、実際に公道を走っているときの安全性を確保するということであれば、ある程度それも合理性があるんじゃないかという御指摘をいただいて、車検の検査のときの安全性や空車時、まさに車本来の機能をちゃんと確認するという検査の目的が車検なんだと思いますというところしかお答えができなかったんですが、この空車状態の車に運転者一名が乗った状態にしなければいけない、まず、そもそもなぜこのようにしておかなければいけないのか、この点、御説明よろしいでしょうか。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 車検時には、これは検査項目にもよりますけれども、自動車をリフトで持ち上げまして、その下で自動車の整備士の方が作業を実施する、こういう場合がございます。この場合、荷物を積んだまま持ち上げますと、荷物の取付け状態、また荷物の態様などによっては、荷重バランスが変化をして、車両落下につながる可能性があるということで、これは現場の整備士の皆様の安全確保の観点から、荷物がない空車状態での受検、これを求めております。

 それから、車検時に、これは車両の荷室部分の変更の有無、こういうこともちょっと確認をする必要がございますので、整備士が適切な業務を実施できる環境を整える、こういう観点からも空車状態にしていただくということにしてございます。

臼木委員 ありがとうございます。

 御説明をいただいたとおりだと思いますし、実際に私物を積んでいて何か破損があったときにはトラブル等にもなるんでしょうから、こういったトラブル回避にもなるんだと思いますし、きちんとやはり検査規定、保安基準で規定する規定を守って、これはユーザー側も検査に出すということはきちんとやっていかなければいけないんだろうなと思います。

 ただ、棚であったり荷物の設置方法、積載状況によっては、なかなか、ちょっと現場の状況で判断が難しいということもあるんだということもお聞きをしたんですけれども、こういった点を承知されているのか。また、こういった現場で、どうしてもユーザー側から、ちょっとこれだったらいけるんじゃないかとか、ほかのところだったらいけたぞとかいうことがまだまだ習慣的にも残っているというようなお話もありましたので、この点、是非何らか取組、対応も含めてやっていただきたいなと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

石原政府参考人 ただいま委員からお話のございましたように、どういう状態をもって空車状態というのかというようなことも含めまして、検査時の条件というのは、整備工場によって運用に差が生じないように、国土交通省が策定した検査要領等において定めているところでございます。

 ただ、整備工場によって運用に差が生じないように、現場で判断に迷うような、こういうケースがあるのかどうか、本日委員からこのようなお話もいただきましたので、業界団体などを通じてちょっと集めてみようかと。それを踏まえて、必要に応じて、例えば規定をもっと分かりやすく見直すなど、そういった対応を取ってまいりたい、このように考えております。

臼木委員 ありがとうございます。今、車中泊であったり、車を改造といいますか、車にいろいろDIYを施してやられているというようなパターンも増えてきていますので、こういったところの対応も是非よろしくお願いをいたします。

 最後の質問になりますけれども、冒頭にもお話をさせていただいたんですが、このいろいろな車検、本来なら、やはり安全性を確保していくという意味でも、きちんと受けるということは私も当たり前ですが必要だとは思います。一方で、意見交換のときにもあったんですが、やはり車検が高いということの意見がありました。

 ユーザー側からする車検が高いという負担感は、どこから出ているのかといえば、車検のときに、いろいろな検査費用や自賠責の保険料、さらには税金、諸費用含めて、いろいろ一括で来るというのがやはり高いと感じる原因なんだと思います。

 先ほど若年者の車離れということも少しお話があったということでさせていただきましたが、そのときに伺ったのは、自分は車が好きでこの自動車業界に入ったんだけれども、同世代の友達は、乗れればいいやということで、地方に行くとよくあると思うんですが、店頭においてある五万円とか十万円ぐらいの車を買って、潰れるまで乗って、また買い換えるという、何かそういう使い捨てみたいな感じになっているというのがすごい寂しいという、若い働いている方の意見もありました。

 こういったユーザーの車検が高いというような負担感を軽減するためにも、今の自動車に関する税金の仕組みや車検の制度というのは、どうしてもやはり複雑であろうと思います。

 そういう意味で、税収や関連産業への目くばせが必要だと思いますが、こういった自動車関係諸税の簡素化、減税などに向けてもこれから本腰を入れて取り組んでいかなければいけないと思いますが、最後、財務省にも今日お越しいただいておりますので、御答弁いただきたいと思います。

中島政府参考人 お答えいたします。

 自動車重量税を含めました自動車関係諸税の今後の在り方につきましては、令和八年度与党税制改正大綱におきまして、日本の自動車戦略でありますとかインフラ整備の長期展望、それからカーボンニュートラル目標の実現などの観点を踏まえ、国、地方を通じた安定的な財源確保を前提に、公平、中立、簡素な課税の在り方について検討し、見直しを行う、加えて、この見直しに当たっては、自動車関係諸税を負担する自動車ユーザーの皆様の理解にも資するよう、受益者負担それから原因者負担といった課税の考え方や、これまでの沿革等を踏まえつつ、使途の明確化を図るとともに、受益と負担の対応関係を分かりやすく説明していく、このように令和八年度与党税制改正大綱において記載されてございます。

 この与党税制改正大綱に基づきまして今後の与党税制調査会において検討がなされるものと考えており、政府としては、その検討を踏まえ適切に対応してまいります。

臼木委員 ありがとうございました。是非引き続きよろしくお願いいたします。

 質問を終わります。

冨樫委員長 次に、西岡秀子君。

西岡(秀)委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。前回に引き続きまして質問させていただきます。

 早速質問に入らせていただきます。

 能登半島地震から二年半、復旧復興もまだ道半ばでございます。地震によって広範囲の被害が発生いたしましたけれども、能登半島の道路の盛土崩壊というものが多数発生したことによって復旧復興に時間を要する、これが要因になったというふうに認識をいたしております。

 このことから、国土交通省において、現在、全国緊急輸送道路の盛土の点検を実施されております。このことについてお尋ねをさせていただきます。

 今回の点検の対象となった全国の点検対象道路の要件と件数、そして現時点で点検を終えている結果について、御説明をお願いいたします。

沓掛政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、令和六年一月に発生した能登半島地震における盛土の被災を踏まえ、令和六年七月より全国の緊急輸送道路を対象に緊急点検を進めているところです。

 具体的には、全国の高速道路、国道、地方管理道路のうち、第一次から第三次の緊急輸送道路において、盛土高がおおむね十メーター以上で谷や斜面など雨水が集まりやすい地形に造成された盛土を対象に実施しており、全国の対象箇所数は約八千百か所となっております。

 このうち、九州地方における第一次緊急輸送道路の対象箇所数は、合計で七百三十七か所となっております。この七百三十七か所について、令和八年三月末までに点検を完了しており、その結果、対策が必要と確認された箇所数は、合計で八十一か所となっております。

西岡(秀)委員 全国で八千百か所点検されたということですけれども、このうち対策が必要な全国の件数というのも併せて教えていただけないでしょうか。

沓掛政府参考人 お答え申し上げます。

 全国で八千百か所の点検対象のうち、対策が必要となります要対策箇所数は、四百七十四か所になります。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。

 全国でこれから自然災害が起こるリスク、地震を含めて大変高いリスクが予想されておりますし、風水害も多発をするということも含めますと、早急な対策が必要だというふうに思っております。

 当然、判明した危険箇所につきましては早急に取り組んでいただくというふうに思いますけれども、今回の点検によりまして、今後の対策はどのように講じていかれるのか、お尋ねをさせていただきます。

沓掛政府参考人 お答え申し上げます。

 能登半島地震を踏まえた盛土の緊急点検については、令和八年三月末までに第一次緊急輸送道路の点検を完了しております。また、第二次及び第三次緊急輸送道路の点検については、現在、約七割まで進捗しているところであり、令和八年度中の完了を目標に取り組んでいるところです。

 この盛土の対策につきましては、国土強靱化実施中期計画にも位置づけており、第一次緊急輸送道路において、点検の結果、対策が必要と確認された箇所については、今後五年間での概成を目標に、排水施設の設置など必要な対策を順次進めているところです。

 また、第二次及び第三次緊急輸送道路については、地方公共団体管理の道路であることから、点検結果を踏まえ、必要な対策を早期に実施していくよう、地方公共団体に対してしっかりと促してまいります。

西岡(秀)委員 九州においては八十一か所対策が必要な箇所が点検の結果判明したということでございまして、長崎については三か所というふうに認識をしておりますけれども、九州、また全国含めて早急な対策を改めてお願いを申し上げたいと思います。

 今回の全国点検も、能登半島において崩落が起きた部分は国が盛土強度の基準を強化する前の施工であったことを踏まえての点検であるというふうに伺っておりますけれども、不断の基準の見直しとともに、点検の実効性と、先ほどから申し上げております早期の対策が緊急の課題だというふうに思っております。このことについても御見解を伺いたいと思います。

沓掛政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、近年、自然災害が激甚化、頻発化する中で、被災状況などを踏まえて、防災対策を強化していくことが重要であると認識しております。

 例えば橋梁の耐震対策について申し上げますと、阪神・淡路大震災を踏まえまして、大規模地震時に落橋ですとか倒壊といった致命的な損傷を防止するため、橋脚の補強や落橋防止装置の設置を推進してきたところです。その結果、東日本大震災におきましては、東北道に大きな被災はなく、発災翌日には緊急輸送道路として機能したところでございます。さらに、その後の熊本地震を踏まえまして、大規模地震時に迅速な道路啓開を可能とするため、橋として速やかに機能を回復できるよう、橋桁を支える支承の交換や橋梁の更なる耐震補強などを進めているところです。

 また、盛土の対策につきましても、震災を踏まえまして、土の締め固め基準の見直しですとか、盛土の排水対策を明確化するなど基準の見直しを行い、対策を進めているところでございます。

 国土交通省としましては、引き続き、災害の教訓や最新の技術的知見を踏まえ、防災対策の強化にしっかりと取り組んでまいります。

西岡(秀)委員 是非引き続きのお取組をお願い申し上げます。

 続きまして、私からも、新幹線ネットワークの整備推進についてお伺いいたします。

 午前中にも北海道新幹線につきましての質問がございました。私からは、九州新幹線西九州ルートの全線フル規格による早期開通への取組について、大臣に質問させていただきます。

 去る三月二日に予算委員会で、金子大臣に質問をさせていただきました。その中の答弁の中で、大臣が異例の取組とおっしゃられました佐賀県の知事と国交省の水嶋事務次官の協議、今も続いております。佐賀県の財政負担の問題、並行在来線の問題など、またルートについても考え方の相違がありまして、いまだ佐賀県の理解を得ることができない今の状態のために、未整備区間のルートですとか整備方法につきましても検討中であるということを踏まえて、水嶋次官の方から、ルートを特定しないままの環境アセスの実施というものが提案されたと認識をいたしております。

 この今続いております現在の協議の経過につきまして、金子大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 西九州新幹線の新鳥栖―武雄温泉間がフル規格で整備されれば、西九州地方と関西、中国地方が新幹線ネットワークでつながり、沿線周辺も含めた地域一帯において、観光やまちづくり、地方創生など、多くの面での効果が表れると考えております。

 一方、西九州新幹線の整備については様々な課題があり、それらの解決を図る上では、関係者の意見も伺いながら取組を進めていくことが重要であると考えております。

 昨年十月からは、国土交通事務次官と佐賀県知事との間でも定期的に意見交換を行っておりまして、これまでに六回面会をし、フル規格を前提とした意見交換を進めてきております。先月十六日の面会では、水嶋次官から山口知事に対してルートを特定しない形での環境影響評価手続の実施を提案しており、引き続き議論を深めていくこととしております。

 国土交通省としては、今後とも、新幹線整備の必要性、重要性について御地元の皆様に丁寧に説明していくとともに、佐賀県との間でも議論を続けていくなど、西九州新幹線の整備に向けた取組を進めてまいります。

西岡(秀)委員 今大臣からも協議が続いているということで、本当に今、大変精力的な協議を進めていただいていることに心から敬意と感謝を申し上げたいところでございますけれども、ルートを決定しないままのアセスも過去の事例としてあると聞いております。

 先ほど大臣から御言及がありました九州地方と関西が一つのレールでつながることの意味は大変大きいというふうに思っておりまして、もちろん、私の質疑は佐賀の皆様の合意というものが大前提であるわけでございますけれども、終着の武雄温泉―長崎駅間がフル規格で既に開通をしているということも踏まえますと、この未整備区間が長期化するということにつきましては、我が国にとっても大変私は経済的な大きな損失であるというふうに考えておりますし、本来の新幹線の効果が十分に発揮されない状況が続いているというふうに思っております。一歩前進という意味でも、このアセスを合意をしていただくということは大変大きな一歩だというふうに思っておりますので、引き続きのお取組を切にお願い申し上げたいと思います。

 一つつけ加えて申し上げるとすれば、この新幹線が開通しましたらインバウンドの地方への誘客につきましても大きな効果があるというふうに認識しておりまして、特に長崎の立場で申しますと、被爆地広島と一つのルートでつながるという意味では、平和の新幹線という新たな、やはり海外の皆様へ向けても大きな、日本としての大変貴重な一つの物語のあるルートであるという、平和の新幹線という意味で被爆地日本が海外に平和のシンボルとしての大きな効果も私はあるというふうに考えておりますので、このことも是非踏まえたお取組をお願いを申し上げたいと思います。

 私はこれまでの大臣への質疑でも申し上げてきたところでございますけれども、新鳥栖―武雄温泉間の未整備区間につきましては、本来、我が国が導入可能としておりましたフリーゲージトレインの技術開発が困難となり、導入が断念されたという特殊事情がございます。是非、この事情を考慮していただくと同時に、今まさに先ほど御説明のありました協議が行われている中でございますけれども、佐賀県の財政負担も含めた財政支援の在り方、これをしっかり考えていく必要があるというふうに思っております。

 この西九州ルートも含めた五つの整備新幹線ルートのほかにも、十一の基本路線の整備も進めていく中では、この五つの整備事業を早期に完成させることは全国の新幹線ネットワークを考える上で極めて重要なことだというふうに思っております。

 現在の全国新幹線整備法に基づく今のスキームというものでは、現在の社会や経済、その環境も大きく変化している中では、特に現下の建設コストの増加も踏まえますと、法改正も含めた、やはりそういう検討も必要な時期に来ているのではないかというふうに考えますけれども、このことに対する金子大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

金子国務大臣 九州新幹線は今全線開通をしておりますが、一時期、新八代、私の地元から博多方面はつながっていませんで、今長崎と同じように、新八代から新鹿児島が先につながっておりまして、まさに在来線が来て、そこで並行で乗換えをしていたという意味では、全線開通の喜びというのは非常に大きかったわけであります。あわせて、実はフリーゲージの実験は新八代でやっていたということもありまして、身近に実験を見ておりましたので、先ほどお話がありましたけれども、フリーゲージの導入断念ということも、実際我々も実感として湧いているわけであります。

 西九州新幹線を含む整備新幹線の整備財源については、法令上、貸付料などとそれを除いた額の国と地方による負担とすることとされております。一方、佐賀県からは地方負担に関して懸念が示されていることも承知をしております。

 西九州新幹線の整備については、こうした点も含めて様々な課題があり、それらの解決を図る上では、関係者の意見も伺いながら取組を進めていくことが重要であります。まずは、あらゆる機会を通じて関係者間での議論を深めていくべきと考えております。

 国土交通省としては、引き続き、新幹線整備の必要性、重要性について御地元の皆様に丁寧に説明していくとともに、佐賀県との間でも議論を続けていくなど、西九州新幹線の整備に向けた取組を進めてまいります。

西岡(秀)委員 是非、大臣、リーダーシップを持ったお取組をお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 続きまして、ドローンにつきましてお尋ねをさせていただきます。

 ドローンは、様々な分野で既に大変活用されまして、今大変重要な役割を果たしております。

 物流におきましても、ドローンを活用した、地方における効率的な地域物流を構築する新技術実装特区の指定を二〇二四年に長崎県と福島県が受けまして、官民で実証に取り組み、先日初めて飛行許可を取り、運送を実施したというふうに承知をいたしております。今後、中山間地や離島、また災害時の緊急物資輸送など大変活用が大きく期待をされているところでございます。

 ただ、やはり、活用が広がると同時に、一方で更に安全性の確保というのが大変重要な課題になるというふうに思っております。有人地帯目視外飛行、レベル4や夜間飛行など、高い操縦技術が求められます。

 令和四年にドローンの国家資格制度が創設をされました。資格制度の内容と現在の取得状況についてお伺いをいたします。

宮澤政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの無人航空機操縦者技能証明は、ドローン等の無人航空機を安全に飛行させるため、操縦に必要な知識及び能力を有することを国が証明するものです。

 この技能証明には一等と二等がございます。一等の資格を取得した場合、第三者上空における目視外飛行や夜間飛行を行うことが可能となります。二等の資格を取得した場合ですと、第三者上空の飛行はできませんが、第三者上空以外では原則として許可、承認を受けることなく目視外飛行や夜間飛行が可能となります。

 令和四年十二月の制度開始以降、その取得者数は着実に増加をしており、令和八年四月末時点で延べ四万五千人を超える方が技能証明を取得しています。

西岡(秀)委員 今、資格制度がスタートして、資格を取得される方もこれから一層増えていくような形に促進していかなければならないというふうに思っておりますけれども、今後、ドローンの社会実装が加速していく中では、操縦者の技術の向上のために、先ほど御説明のあった国家資格の普及、取得促進とともに、取得後にも更なる操縦技術の向上へ向けた講習の充実も大変重要だと考えております。

 この講習の充実含めた取得者に対する国交省としてのお取組についてお伺いをさせていただきます。

宮澤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、ドローンによる飛行の安全性の向上に向けて、無人航空機操縦者技能証明の普及拡大を図っていく必要があると認識をしております。

 このため、国土交通省としましては、技能証明を取得することで得られるメリットなどを記載したポスターを作成する等、技能証明の取得促進に向けた取組を進めております。

 技能証明の取得後も技能が維持されるよう、技能証明は三年ごとの更新制としており、更新に当たって国の登録を受けた講習機関において講習を修了すること等を求めております。また、この講習の内容についても、最近の事故状況等を踏まえたものとなるよう、随時更新を行っています。

 国土交通省としましては、引き続き、操縦者の技能の向上に向けて、技能証明の普及拡大や、技術の進歩等を踏まえた講習の内容の更新を図ってまいります。

冨樫委員長 申合せの時間が経過しています。

西岡(秀)委員 大変安全性の確保がこれから活用が広がる中で重要だと思いますので、しっかり取得の促進に向けたお取組含めた対策を講じていただきますようお願い申し上げ、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、吉川里奈君。

吉川委員 参政党の吉川里奈です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、昨年の大阪・関西万博の会場などで使用されていた電気自動車、EVバスに関連して質問をさせていただきます。今日は、お忙しい中、経済産業省の方にもお越しいただき感謝申し上げます。

 今回取り上げるのは、EVモーターズ・ジャパン、以下EVMJ社の電気自動車、EVバスについてであります。報道によりますと、大阪・関西万博の会場などで使用されていたEVMJのEVバス百九十台において、大阪メトロは、車両トラブルが相次いだことなどを踏まえ、路線バス等としての活用を断念し、国や大阪府、大阪市への補助金返還見込額を含め、二〇二六年三月の連結決算に六十七億円の特別損失を計上したと昨日報道がありました。

 この問題は、単に一企業の不具合や一事業者の損失の問題にはとどまりません。国や大阪府、市からの補助、すなわち国民の皆様からの税金を用いて導入された車両が公共交通やスクールバスとしても扱われ、さらに万博という国家的事業でも活用されました。その車両が安全性、品質管理、製造実態、そして補助金導入の過程や経済安全保障上の観点からも、政府がどこまで確認していたのかということが問われると考えています。

 まず、国産、日本製という表示の問題から伺っていきたいと思います。

 EVMJは、日本初の国産EVバスとして大きな期待を集めました。報道や業界紙また関係資料においても、国産EVバス、国内企業が開発、製造を行うバスといった表現が見られました。しかし一方で、同社の公式FAQには、商用EV車について、同社が指定した仕様、部品をもとに中国にてOEM製造をしている旨の記載がございます。

 ここで、伺います。

 原産地の表示の定義について、一般論として、国産、日本製、メイド・イン・ジャパンといった原産地の表示の定義をお示しください。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 原産地の話でございますけれども、法律上の概念の一つでございますが、不正競争防止法におきましては、原産地を誤認させるような表示をする行為やその表示をした商品を譲渡する行為など、規制しているところでございます。

 御言及ございました原産地でございますが、ここは不正競争防止法上、これは逐条解説という形になりますけれども、「商品が生産、製造又は加工され商品価値が付与された地のことをいう。」とされてございます。具体的には、その事案に応じまして裁判所において裁判されるものでございます。

吉川委員 単に日本企業が販売しているかどうかではなく、取引者や需要者に誤認を与える表示であったかどうかということをしっかり考えないといけないと思います。景品表示法の観点でも、一般論として、原産国は、その商品の内容について実質的な変更をもたらした国がどこかという考え方が示されていると承知をしています。

 このEVバスのように、自治体、交通事業者、補助金執行主体が加わる商品に関しては、一般消費者だけではなくて、取引者、需要者である交通事業者や行政側もどう受け止めたのかも重要だと考えます。

 次に、補助制度との関係を伺ってまいりますが、国土交通省は、令和七年九月にEVMJ社に対して、万博輸送に使用しているバス以外も含め、車両全般について総点検を至急実施するなどを指示して立入検査を行いました。その後、国交省の説明では、全国三百十七台を総点検した結果、百十三台で不具合が確認されたとしています。これは、およそ三台に一台の割合です。

 また、万博等でEVMJのEVバスを運行していた大阪メトロは、重大な不具合や潜在的な欠陥を確認し、安全性と長期的な安定性を確保できる方法、体制を確立することは困難だとして、百九十台全てについて運行を停止して、今後、路線バスへの転用や自動運転の実証実施を取りやめ、使用しない方針を示したと承知をしています。

 これらの公的支援を受ける補助制度について、海外製の車両かどうか、海外製品の使用割合、主要部品や製造国について、確認項目や制限というものが存在しているのか、お示しください。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 EVMJのEV車でございますが、国土交通省では、令和三年度自動車環境総合改善対策費補助金など、過去におきまして、複数の補助事業において補助を行っておりました。

 これらの補助事業におきましては、今委員から御指摘のありました、補助制度上、海外製車両であるとか、あるいは海外製部品の使用割合、こういうことについて、補助金の審査に当たって確認する、そういうようなことはしてございません。

 一般論として、国内の補助制度において、特定の国で製造されたものに対して差別的な取扱いをしますと、WTO協定に違反するおそれがあるということに留意する必要があると考えておりまして、現在は、このEV車の補助事業につきましては、環境省とそれから経済産業省との連携事業であります商用車等の電動化促進事業において実施してございますけれども、この事業においても、取扱いは同様でございます。

吉川委員 海外製であるとか、国内製であるとか、そういったところで区別をすることはないということであるんですけれども、それならば、なおさら、導入する自治体や交通事業者は、国内企業のEVバスであるとか国産EVバスという表向きの情報を前提に判断をされることがあるのではないかと考えられます。

 そもそも、通常の大型のディーゼルバスよりも高額なEVバスについて、やはり国から補助金が出るのであれば、海外製のバスと国産のバスと言われれば、国産のバスは高額であったとしても補助金も出るし、国産の車両を選びたいという受け止めがあったとしても不思議ではありません。また、万博で使用されるという実績、期待感も重なり、EVMJのバスというものの需要が高まった可能性というのも考えられます。

 こういった国内企業のEVバス、国産EVバスという表向きの理解と実際の製造の実態の間に乖離がなかったのか、導入側にも互認が生じる可能性がなかったのか、これについて検証する必要がないのかというふうに私は考えます。

 次に、具体的な国産表示との関係を伺ってまいります。

 EVMJのプレスリリース等を確認しますと、二〇二二年に大臣の御地元であります熊本県の球磨村で、熊本大学、熊本、EVMJの公式資料で、新型電動スクールバスの実証実験が行われていたり、沖縄県の那覇の小型コミュニティーEVバスの導入がまず行われていたと紹介がありました。その那覇のバスの導入事例インタビューでは、導入の決め手として、設計、開発から販売までを国内企業が担っている安心感というふうに、EVMJのプレスリリースにも記載がされていました。

 ここで資料の一を御覧ください。

 二〇二三年一月のEVMJの伊予鉄EVバス出発式に関するプレスリリースになりますが、こちらに、国内企業が開発、製造を行うEVバスとして、全国初となるEVバスを納車というふうに記載があります。国内大型路線バスの国産EVバスとして初の運行というふうに大きく記載もされているんですね。

 資料二、伊予鉄グループ側の資料、これは国土交通省の自動車局が出された資料、伊予鉄さんがプレゼンされた資料になるんですけれども、こちらにも、国内企業が開発、製造を行うEVバスとして全国初の導入というふうに書いてあるんですね。

 これを踏まえた上で、あと資料三もですね、資料三、国交省のリコール届出資料、こちらには、中国の製造会社名、そして、製作国というところが中国というふうに記載されているんですが、これを踏まえた上で、EVMJ社の車両は国産のバスとして評価できるのか、まずは経産省、そして国交省の御見解を伺います。

井野副大臣 御指摘のEVモーターズ・ジャパンに確認したところ、これまで日本で販売したこのEVモーターズ・ジャパンのEVバス、合計三百三十一台になりますけれども、全て中国にて車両組立てまでなされた車両だと報告を受けております。

金子国務大臣 先ほど来、経産省、国交省の事務方から原産地表示のやり方等々について御説明があったわけでありますが、このEVモーターズ・ジャパン社の車両は、中国において組立てがなされ、日本国内でバスの運行に必要な最終的な仕上げを行って販売されてきたものと承知をしております。

 いずれにしましても、国土交通省としましては、国産であるか否かにかかわらず、車両の安全を確保することが重要であり、そのような観点から、道路運送車両法に基づき保安基準を定め、検査において安全を確保しているところでございます。

吉川委員 恐れ入りますが、昨日国交省から伺った話では、万博で使用したバスは全て中国で製造されて並行輸入されてきたというふうに伺ったんですけれども、今のお話であれば、最終過程は日本で行ったということになるんでしょうか。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 万博で使用されましたEVモーターズ・ジャパンのバスでございますけれども、これは、昨日、事務方の方から委員の方に御説明差し上げましたとおり、中国で組立て、製造がなされ、そして、今大臣の方から御答弁差し上げましたとおり、バスの運行に必要な最終的な仕上げ、例えば、行き先表示器をつけるですとか、車体全体にラッピングをするですとか、そういったバスとして使用するための最終的な仕上げを日本で行った、こういうことでございます。

吉川委員 ありがとうございます。

 そうなりますと、では、先ほどの私の質問に戻るんですけれども、これは国産のバスと評価できるのか否かという質問に対してはどうなりますでしょうか。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 車両が国産かどうか、何をもって国産というのか、これはちょっと国土交通省において判断できるというものでもございませんので、お答えは差し控えさせていただきます。

吉川委員 経産省さん、来ていただいているかと思うんですけれども、こちらはいかがでしょうか。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 経済産業省におきましても、車両が国産かどうか、我々が判断するものではございませんので、お答えは差し控えさせていただきます。

吉川委員 答えていただけないというところでありますが、報道を見る限りでは、国産だと言っていたはずであるが、結局は中国製造であり、中国製のバスであったというふうに私も認識しておりますし、私が昨日事務方から聞いた話であれば、中国製ですというふうにお聞きをしておりました。

 本当に国民にとって非常に分かりにくいところだと思います。日本企業が開発に加わり、日本企業が販売をしている、だから、日本の会社のバスと言える面はあるかもしれませんが、やはり日本で製造された国産バスというふうに表現されていたことについては慎重であるべきではなかったのかというふうに考えます。

 そこで、補助金の審査における安全確認について行ってまいります。

 政府は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現、そして二〇三〇年温室効果ガスを二〇一三年度比で四六%削減する目標を掲げており、EVバスの導入も、脱炭素化、地域交通の維持、先端的な車両、設備の導入を進める政策の一環として、国交省、環境省、経産省が連携する各種補助制度により、国や自治体の補助金、すなわち国民、住民の税金による後押しを受けながら進められてきていると理解をしています。

 これらの補助制度において、審査に当たり、安全性の観点から、例えば実車確認、製造工場の確認、部品の調達、品質管理体制といった、どこまで確認をしているのか、国交省に伺います。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省が過去に行っておりましたEVバスなどに対する補助制度におきましては、補助金の交付申請に当たりまして、自動車検査証の写しの提出を求めておりまして、これで新規検査に合格しているということを確認しております。

 新規検査におきましては、この検査を行う主体である独立行政法人自動車技術総合機構が書面による審査を行った上で、全ての車両について、一台一台、現車による提示を受け、保安基準適合性の審査、これを行っているところでございまして、車両の安全性の確認、保安基準適合性を確認しているところでございます。

吉川委員 補助金に関して、脱炭素であったりとか、地域公共交通の維持であったり、先端的な車両の設備の導入といった政策目的に応じて、補助対象となる事業や車両を評価する仕組みがあり、そして安全性に関しては車検証の写しをもって安全かどうかを判断するということだと思うんですけれども、やはり公共交通車両を導入する以上は、故障時の対応であったりメンテナンス、そういったところに関して、もしものことも目を向けなければならないのではないかと考えます。

 そもそも、現にEVMJ社は民事再生手続に入り、メンテナンスを継続すると説明はしておりますが、長期的にこれは非常に不安が残ります。ここで、不具合が生じたとき、EVMJ車の不具合について国交省がこれまでどのように対応してきたのか、そして今後どのように対応されていく方針なのかについても教えていただけますでしょうか。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 EVモーターズ・ジャパン社のEVバスにつきましては、その使用過程におきまして、複数の不具合情報が国土交通省に寄せられましたことから、昨年九月に同社に対しまして国内全ての車両三百十七台の総点検を指示し、先ほど委員からもお話ございましたが、約三割に当たる百十三台で不具合が確認されたところでございます。

 このため、国土交通省におきましては、同社に対し、十月に立入検査を実施し、不具合を早期に解消させるとともに、その原因究明と抜本的な安全対策を講じるよう強く指導し、さらに、これを受けまして、十一月には同社より、ブレーキホースが車体に接触する不具合に関してリコールの届出がなされ、本年一月に全車両の改修が完了したところです。

 本年二月には同社より、製造委託先の品質管理体制の強化、不具合発生時の速やかな対応を行う体制の構築など、再発防止策が公表されたところであります。

 今委員からお話ありましたように、この四月に同社が民事再生手続の申立てを行ったと承知しておりますが、申立て後においてもバス車両のメンテナンスをサポートする業務は継続しているとの報告を受けております。

 国交省としましては、安全、安心を最優先に、また同社の車両を運行、利用しているバス事業者並びに利用者への影響が最小限となるよう、同社が必要な対策を行っているかどうか注視し、適切に対応してまいります。

吉川委員 適切に対応していきますというところが最終的なお答えになるのかと思いますが、先ほども申しましたが、大阪メトロは全てのバスの使用停止を決めました。しかし、万博のバスのみならず、EVMJ社のバスというのは、先ほど伊予鉄グループさんのお話をしましたが、ここだけではありません。日本全国にまだ走っています。

 そもそも、EVバスというのは現在千台ほど日本を走っているというふうにお聞きしました。そのうち、中国企業のバスは少なくないというお話でありまして、こういった中国製のEVバスについて、国交省としてどのような形で安全性を確保しているのか、教えてください。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 中国製のEVバスの安全確保策という御質問でございますけれども、国土交通省としましては、特定の国に限らず、どの国で製造されたバス車両でありましても、新規登録する際には、道路運送車両法に基づく保安基準に適合する、これを求めているところであります。

 この保安基準の適合性につきまして、先ほども申し上げましたけれども、新規検査を担います独立行政法人自動車技術総合機構が、例えばブレーキやハンドルなどの各装置の基準適合性を試験した際の成績書などの書面審査を行った上で、全ての車両について、一台ずつブレーキテストによりブレーキ性能を確認するなど、この保安基準適合性の審査を行い、その安全性の確認を行っているところでございます。

 国土交通省としましては、引き続き、中国製EVバスも含めまして、我が国の公道で使用されるEVバスの安全性が確保されるよう努めてまいります。

吉川委員 日本は非常にEVの開発が遅れていて、中国はEV分野で世界有数の国で、世界トップのシェアを取っているんですね。そういった国であって、そもそも大阪・関西万博では、当初予定していたBYD社の中国製のバスというのは、安全性、品質性、値段も安かったとおっしゃられる声も伺っています。それでも、EVMJ社に替わり、それなのに今回こういった不具合があって、大阪メトロは全ての使用をやめたのに、残念ながら、国としては、一台一台安全性の確保をしているので、それを取り下げるということはないということを私は認識をいたしました。

冨樫委員長 吉川君、約束の時間が参りました。まとめてください。

吉川委員 はい。

 なので、ちょっと最後の質問はできませんでしたが、やはり、我が国日本の公道を走る車両が安全性がしっかり担保されているのかどうかといったところ、そして国民の皆さんの税金が使われているものでありますから、しっかり国民の皆さんが納得できる形での対応を要望いたしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、須田英太郎君。

須田委員 皆さん、こんにちは。チームみらいの須田英太郎です。

 本日は二点、公園におけるサンシェードの設置の話、あとは自動運転のデータガバナンスの二つについてお伺いいたします。

 まず、順番を変えまして、都市公園におけるサンシェードの設置に関わる法的整理についてお伺いいたします。

 近年、夏の猛暑と春秋の日差しが一層深刻化しております。公園で子供を安心して遊ばせることが難しくなっています。

 各自治体さんにおいて、日差しの対策として、公園にサンシェードを設置をする動きが広がっておりますが、その一方で、この法的整理が不明確で、設置の可否を判断できないよという声もお伺いすることがございます。この点につきまして、法的整理の確認と自治体への周知についてお伺いいたします。

 まず、膜材による容易に撤去できるサンシェードであれば、固定された柱を用いたとしても、建築基準法上の建築物には該当せずに、公園等に設置可能という理解をしておりますが、これでお間違いないか、御答弁願います。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 建築基準法では、建築物の扱いを「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定義をしており、これに該当する場合には建築基準法の適用を受けることになります。

 委員御指摘のような容易に撤去できる屋根を有する建築物につきましては、昭和三十七年に通知を出しておりまして、屋根をビニールなどでふいたものは、それらが取り外し自由である場合には建築基準法上屋根とみなされないから、建築物ではないと解されるという通知を出してございます。

 委員御指摘のサンシェードがこの通知に該当する場合には、建築基準法上の建築物には該当しないということになります。

 なお、建築基準法の運用に係る判断は自治事務として特定行政庁において行われるものでございますので、実際の計画が建築物に該当するかどうかにつきましては、この通知の考え方を基に、個別具体の計画に応じて特定行政庁において判断されるものと考えております。

須田委員 ありがとうございます。

 昭和三十七年の通知があるとのことでございます。

 さらに、固定式の場合についてもお伺いできればと思います。

 容易に撤去できない固定式のサンシェードの場合は、これは建築基準法の建築物に該当しますけれども、都市公園法上の建蔽率の特例を活用したり自治体による条例の制定によって建蔽率が緩和されるという理解をしておりますが、こちらはいかがでしょうか。

中田政府参考人 お答え申し上げます。

 都市公園法におきましては、都市公園が公共のオープンスペースとして活用されるものであることに鑑み、公園内に設置できる建築物に関しまして建蔽率を定めてございます。

 委員お話しのとおり、同法では、休憩施設や屋根付広場などに対しまして、建蔽率を緩和する場合の上限が特例として定められております。地方公共団体は、当該特例を参考に、条例で建蔽率を緩和することができるとされております。

須田委員 ありがとうございます。

 固定式の場合も、そういった特例等の措置によって建蔽率の緩和があり得るということで御答弁いただきました。

 現に、自治体において、遊具に付随した仮設のシェードとして設置されている例も承知をしております。こういったサンシェードの設置に関わる法的整理について、自治体に対して周知をしていくことは非常に重要だと考えております。

 私自身も生まれて三か月の娘をだっこして公園に行くことがよくあるんですけれども、五月でも結構日差しが強くて、子供を連れていくことを危惧するような気持ちになったりすることもございます。

 子供たちが日差しの強い中でも安心して公園で遊べる環境を整えていくこと、これは子育て世帯にとって非常に切実な課題でございます。悩んでいる自治体さんはおられますので、周知をどうぞよろしくお願いいたします。

 次に、自動運転に関するデータガバナンスについてお伺いいたします。

 自動運転車両、こちらは、走行中に、カメラやLiDARなどのセンサーで、道路や建物、国の重要施設も含むインフラの精密な三次元データ、歩行者の顔を含む映像、車両の走行の挙動など、多種多様なデータを日々取得、蓄積しております。

 三月十日の本委員会において、海外有力企業の参入も見据えてサービス実証を加速していくためには、データと安全と監督に関するデータガバナンス、ルール形成が不可欠であると指摘いたしました。

 自動運転に関するデータですけれども、四つの観点で考える必要があると思っています。一つは事故防止と原因究明、そして二つ目は国家安全保障、さらに研究開発の促進、そしてプライバシーの保護、この四点です。

 これらのデータをどう管理するかというのは、人々の安全の確保や、国家の安全保障、産業の競争力、プライバシー、いずれの観点からも、社会実装に先行して整えていかなければならないものだと考えております。

 まず、本日は、国家安全保障の観点からお伺いいたします。

 四月二十四日の本委員会において、内閣官房国家安全保障局から、国の重要な施設等のデータが悪用されるリスク等が否定できないという認識が示されました。

 しかし、外国政府が日本の重要インフラの精密な三次元データを蓄積した場合のリスクというのは、防衛上の観点も含む国家安全保障上の問題でもあると考えております。我が国の重要な施設や道路、地形などに関する精密な三次元データが外国企業、外国政府に蓄積されることは安全保障上リスクがあるというふうに考えております。自動運転車両を含めて、外国政府がそのようなデータの整備を進める可能性は否定できません。

 そこで、防衛省にお伺いいたします。

 外国政府が日本の重要インフラの精密な三次元データを蓄積した場合のリスクについて、防衛上の観点から、どのような認識をお持ちでしょうか。また、今後の対応の方向性についてもお伺いいたします。

林政府参考人 昨今の技術の進展により、地理空間情報は、経済、社会、各分野の諸活動に欠かせない社会インフラになりつつあると承知しております。

 委員お尋ねの、外国政府が日本の重要インフラの精密な三次元データを蓄積した場合のリスクにつきましては、様々な状況が想定されるため、一概に申し上げることは困難ではございますが、一般論として申し上げますと、防衛施設の詳細な配置、これなどが明らかになりますと、有事の際の攻撃リスクなどが高まることは否定できないものと認識しております。

 防衛省といたしましては、今後とも、各省庁と緊密に連携しながら、政府全体の取組に寄与していきたいというふうに考えております。

須田委員 ありがとうございます。

 防衛上の懸念もお示しいただきました。重要な御答弁であると受け止めております。

 次に、研究開発の促進の観点から、経済産業省にお伺いいたします。

 エンド・ツー・エンドの自動運転の開発には、膨大な走行データが必要です。我が国においては、各社が個別にデータを収集している状況にあり、データの整備の在り方が課題となっております。

 もちろん、各社の競争力の源泉となるデータを一律に共有させることは現実的ではないですし、何が競争領域で何が協調領域なのか、事業者ごとに見解が異なり、線引きも簡単ではないと認識をしております。しかしながら、共通で活用できるデータセットや走行データの標準要件などを政府が枠組みを整えて事業者間で安全に共有できる基盤を整備していくこと、これは日本の自動運転産業の競争力維持のために不可欠であると考えております。

 そこで、経済産業省にお伺いいたします。

 このエンド・ツー・エンドの自動運転の開発に必要なデータについて、事業者間で安全に活用、共有できるようなデータエコシステムの作成、構築をどのように進めていくお考えでしょうか、今後の方針も併せてお伺いいたします。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 エンド・ツー・エンドAIによる自動運転は、委員御指摘ありました、複雑な交通シナリオにも対応可能で高精度な三次元地図が不要な新たなアプローチであり、今後の自動運転の社会実装を進める上で有力な手段となる中核技術でありますが、アメリカや中国などの海外企業が先行している状況でございます。

 日本の自動運転開発プレーヤーも投資を加速させておりますが、AI開発に必要な膨大なデータ収集、分析を行うための莫大な投資をやり切れるかが課題であり、また、各社ごとにデータ収集、分析を行っているため、開発スピードも向上しづらい状況にあります。

 こうした状況を踏まえまして、経済産業省では、令和六年度補正予算事業でエンド・ツー・エンドAIの初期開発に利用できるオープンデータセットの構築に取り組み、その成果であるデータセットは公開しており、各社の初期投資の低減につながるものと考えております。

 また、AI開発支援プログラムのいわゆるGENIACにおきましても、エンド・ツー・エンドAIの開発に必要なデータセットの標準要件の整理などを支援しております。

 今後も、エンド・ツー・エンドAIの開発を加速するためのデータエコシステムの構築に向けて、政府としても取組を進めてまいる所存でございます。

須田委員 ありがとうございます。

 共通の学習用データセットの開発及び公開、そして走行データの標準要件の整備、いずれもエンド・ツー・エンドの自動運転の開発をめぐる上で欠かせない取組だと考えております。今年度整備される標準要件を業界全体にどう広げていくのか、御検討いただきつつ、積極的な推進をよろしくお願いいたします。

 最後に、プライバシー保護の観点から、個人情報保護委員会にお聞きいたします。

 自動運転車両のカメラは、走行中に、歩行者の顔を含む映像を常時記録しております。このデータは自動運転AIの安全性向上に不可欠でありますが、同時に、国民のプライバシーに関わるものでもございます。プライバシーをしっかり守りながらも、AI開発事業者が必要なデータを適切に活用できる環境を整えることが重要だと考えております。

 現在、個人情報保護法改正案の審議も行われておりますが、車両が収集するデータに含まれる歩行者の顔等の個人情報をAI開発事業者が収集、管理することについて、プライバシー保護とAI学習への活用をどう両立させていくお考えか、個人情報保護委員会の見解をお聞かせください。

小川政府参考人 お答えをさせていただきます。

 AI開発を行う事業者におきまして、開発するAIの精度を高める観点から、大量のデータを円滑に収集することへのニーズが特に高いものと認識しております。

 この点、AI開発は、大量のデータを用いて基本的に個人との対応関係が排斥された形でデータが加工されるという点におきまして、従来の個人情報保護法が規制する対象として想定していたデータの使い方とは大きく異なるものと認識しております。

 こうした差異も踏まえ、先日国会に提出された個人情報保護法の改正案においては、統計作成やAI開発に用いるための個人情報を含むデータの収集を容易にするための特例を創設することとしております。

 本特例において、AI開発の促進と個人の権利利益の保護を両立する観点から、本特例の適用対象となる統計作成等を、「個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるもの」に限定した上で、個人との対応関係が排斥されたAIモデルの開発にのみ利用されることを担保するための措置として、一定事項の公表、目的外利用及び第三者提供の禁止、違反に対する課徴金の賦課等の規律を合わせて整備することとしております。

 改正案を国会でお認めいただいた場合には、委員御指摘のような自動運転に係るAI開発を行う場合についても、本人の権利利益を適切に保護した上で、適正なデータ利活用が促進されるものと考えております。

須田委員 ありがとうございます。

 現場の事業者が安心してAI開発に取り組める環境の整備のために引き続きの制度設計をどうぞよろしくお願いいたします。

 今お話ししたようなこの四つの論点、事故の防止と原因究明、そして国家安全保障、研究開発の促進、プライバシー保護、こういった四つの論点は独立した論点ではございません。自動運転車両が取得するデータをどう扱っていくのかという問題の異なる四つの側面だと考えています。

 例えば、国家安全保障の観点でデータの取扱いを厳しくすればするほど、グローバルな研究開発との両立には工夫が必要となってくるわけです。これは、論点ごとに省庁が個別に検討を進めれば整合性の取れない方針が並立しかねません。

 何度かこの委員会でも御指摘いたしましたけれども、海外有力企業の参入も見据えて自動運転のサービス実証を加速していくためには、データと安全、監督に関するルールの形成は必要不可欠でございます。政府は二〇三〇年度に自動運転のサービス車両一万台という目標を掲げておりますけれども、政府におかれましては、論点を横断して整合性を確保するような場を設けるとともに、二〇三〇年度から逆算した検討スケジュールを明確にしていただきますようお願い申し上げます。

 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 住民合意のないデータセンター建設の問題について質問いたします。

 近年、建設が急増するデータセンター、その数は全国で数百とも言われています。資料一は千葉県柏市内のデータセンターです。

 住民の方の御案内で、地元県議会議員と一緒に視察をしてまいりました。工場跡地の約十・七ヘクタールもの広大な土地に、四棟のデータセンター建設に向けて既に二棟が建っております。三十六・九メートルもの高さ、巨大で窓がほとんどない建物が住宅地に近接して建っています。写真でいうと、中ほどより少し右側の奥にフェンスで囲まれたところが見えると思いますが、これは低いものが非常用発電機なんです。ずっと右の、植栽のあるその横が住宅地が並んでいるという現場でございます。

 非常用発電機の運転点検は、多いときは月十回も行われておりました。その度に多くの煙突から黒い煙が上がる。そして、八十デシベルに達する騒音や悪臭、日照、振動、電波障害、低周波など、この被害に住民は悩まされてまいりました。新たな公害のようなものです。

 四月二十八日に、国土交通省前の公道に首都圏五つの地域、千葉県印西市、白井市、埼玉県さいたま市、東京都江東区、日野市の住民が参加されて、無秩序な建設への規制を国土交通省に求められておられました。

 金子恭之国土交通大臣に伺います。

 データセンターによって黒煙や騒音などの深刻な被害が周辺住民に生じているということを御認識されていらっしゃいますでしょうか。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 大規模な建物が建つことの影響について、周辺の方々が様々な御懸念や不安を持たれることは理解するところでございます。

 国土交通省において、住民等から苦情や不安の訴えがあったと報道されたデータセンターについて、地方公共団体に対し調査したところ、計画段階のものが七件、稼働段階のものが一件、計八件を把握をしております。

 この稼働段階の一件につきましては、近隣事業者から、非常用発電設備の試運転時に上がる黒煙について苦情があったことを報道で承知をしております。当該施設の地元自治体に確認したところ、現在は、データセンター側と当該近隣事業者との間で個別に協議を行い、試運転の実施日等を調整するなどの措置がされていると聞いております。なお、この試運転についても、年一回の終日実施のほかは、おおむね月に四回、運転時間は約一時間弱程度と聞いております。

 以上です。

畑野委員 大臣、それはどこの例かお分かりになりますか。

金子国務大臣 京都府の精華町でございます。

畑野委員 実は、国土交通省からもそういうことを伺ったので、私も念のために、昨日、精華町の、間近な住民の方に聞いたんです。だから、また大臣もお調べいただいたら更に分かると思うんですけれども。

 それで、重大なんです。いや、そう町はおっしゃったかもしれないんだけれども、食品の容器を作っている工場がすぐ近くにあるんです。クリーンルームを造って、ほこり一つ入らないように衛生管理を徹底しているんだけれども、黒いばい煙が工場に入ってくると。そうすると、容器にばい煙が付着しないかなと心配だと。実は、周りに中小企業の工場群があるんですよね。だから、本当に困っているということなので、これは是非、関係省庁等含めて対応していただきたいということを申し上げておきます。

 次に、それと関連してなんですが、千葉県印西市を含む千葉ニュータウンは、国が半世紀かけて整備した住宅都市です。印西市には三十以上のデータセンターがありますが、今回初めて、千葉ニュータウン中央駅から徒歩三分の一等地に、巨大データセンターの建設が進められております。

 マンションに住んでいる住民の方々含めて皆さんと、そして地元市会議員と一緒に現地を視察をしてまいりました。

 資料二は、住民の方が作った模型を撮った写真です。下がマンションです、先に建ちました。その後に計画されている、これはまだ建っておりません、上物はないんですが、上にあるのがデータセンター、マンションよりも高いものです。その距離、十一メートルしかないという話も伺ってまいりました。高さ五十二・七メートル、延べ床面積三万平方メートルもの構造物には、非常用ガスタービン発電機が設置され、そのための百二十万リットルという、一般的な小学校のプール五個分もの重油貯蔵設備が地下に埋蔵される。

 データセンターから僅か十一メートル離れた隣には、十五階建てのマンションが建っております。そこに行きましたら、西側に富士山がよく見えるんです。みんなこのマンションがいいと選ばれたと。ところが、大型スーパーがあって、駐車場だったそのマンションの隣の土地に、二〇二二年十二月二十日、マンション入居の引渡しがあったその同時期に、その隣の土地に、定期駐車場を閉鎖すると通知する掲示板が立てられて、ああ、じゃ、このままスーパーが広がるのかなとみんな安心していたら、二〇二五年の四月三日に、実際にはデータセンターが建つと住民に知らされたと。二年以上たった後なんですね。もう富士山の眺望は台なしですよ、マンションの西側のところに建つわけですから、富士山の側に。

 眺望を害する建物が建設されることを知りながら、あるいはデータセンターの建設予定があると知りながら、故意に告げずに売れば、これは宅建業法違反になる可能性もあるわけですね。だから、住民の皆さんは本当に、怒っていらっしゃるのも当然だと思うんです。

 このデータセンター用地を管理してきたのはUR都市機構の孫会社で、URのグループ会社です。二〇二五年七月現在、代表取締役はURのOB、二人の常務取締役は共にURからの出向という会社です。この会社が駅前の一等地をデータセンター事業者に売却したばかりか、事業者に出資までしている。目の前にデータセンターを建ててほしくない住民と全く利益が相反しているわけです。

 大臣に伺いますが、このUR都市機構の関係会社は、印西市内の駅前に建設を進める一方で、住民には説明会を一回たりとも開いていないというんです。大臣、これは住民合意、住民参加の理念に反しないでしょうか。大臣はいつも住民との合意というのを熱心に語っておられますが、いかがでしょうか。

金子国務大臣 御指摘の案件につきましては、URの関係会社が、保有地をデータセンターの事業者に譲渡した上で、当該事業者に対して一部出資を行っておりますが、基本的には建設主体である事業者において住民への説明など様々な責任を果たしていくべきものと考えております。

 本件につきましては、データセンターの建設主体である事業者が印西市と協議を行い、事業を進めているものと認識をしております。

 また、データセンターの事業者や施工者においては、本件について、これまでに実は三回、住民向けの説明会を開催したものと聞いております。

 今後、URやその関係会社を通じて、データセンターの事業者に、まちづくりの主体である印西市としっかり協議をしながら対応するよう伝えてまいります。

畑野委員 一回もちゃんと説明していない、説明会をやっていないというのはこの間聞いてきた中身でございます。

 本当に、この孫会社、関係会社は役員の過半数がURか千葉県の関係者ですから、単なる民間会社ではないということも言っておきたいと思います。

 住民の皆さんは、データセンターそのものに反対をしているわけではないとおっしゃっているんです。どこにでも建てるのではなく、適切なゾーニング、区分けをしてほしいとおっしゃっていると伺っております。

 資料三は、先日公表された日本データセンター協会のデータセンター地域共生ガイドラインです。この中では、地域や近隣にお住まいの皆様から理解を得られている施設であることが大前提だとして、地域や近隣にお住まいの皆様から十分な理解が得られていないデータセンターが増加していくことはデータセンター産業全体の成長の阻害要因となりかねないと危惧をはっきり述べております。

 井野俊郎経済産業副大臣がお越しいただきましたので、伺います。

 データセンター建設をどうするかの検討には、住民合意、住民参加によるまちづくりの観点が不可欠です。データセンター地域共生ガイドラインに実効性を持たせるためにも、国はデータセンター問題で指針を作るなど住民合意の施策を進めるべきではないでしょうか。

井野副大臣 データセンターの立地に当たっては、当然ながら、地域との共生を図っていくことは重要である、これは当たり前のことだと思っております。

 そして、先生御指摘のこのガイドラインについては、今月一日にデータセンター協会がガイドラインを策定したというふうに承知をしておりまして、これによってデータセンターの立地に際して地域とのコミュニケーションを通じた共生が進むことを期待をしているところでございます。

 国としては、こういった民間主体の地域共生の取組が進んでいくように、まずは関係省庁等含め後押しをしていくことが重要だと思っております。

畑野委員 是非、関係省庁、進めていただいて、必要な指導、規制をしていただきたいと思うんです。

 最後に金子大臣に重ねて伺います。

 データセンターは建築基準法の用途区分が存在しておりません。事務所とか、印西市のようにその他(データセンター)など、実態に合わない用途のまま建築確認がされております。事実上、立地規制も生じないということで、事業者の意向次第でどこにでも建てられる。この問題は各所で指摘されております。

 データセンターを建築基準法上の用途として明確に位置づけ、適切なゾーニングをするお考えはありますでしょうか。

金子国務大臣 データセンターは、建築確認におきましては、その利用実態などを勘案し、お話があったように、事務所や倉庫と判断されていると承知をしております。このため、大規模なデータセンターは、住居専用地域において建築が制限されております。

 また、地域の実情に応じて用途地域を補完して様々なルールや制限を付す地区計画等を定めることが可能であり、データセンターにつきましては、その地区計画等の中で立地を制限したり、立地に当たっての条件を付したりすることができます。

 このような規制的な手法のほか、地域との共生を図り、住民の不安ができる限り解消されるよう、業界団体や先進的な地方公共団体において策定されたガイドラインを踏まえた取組が行えることも重要であります。

 国土交通省としては、地方公共団体に対してこれらのガイドラインを周知するとともに、地区計画等を活用した取組が促進されるよう、地方公共団体に働きかけてまいります。

畑野委員 大臣、大変大事な御答弁をいただきました。

 地方自治体も、よく分からないと、本当に困っているんです、国がちゃんとやってほしいと。それは周知徹底するというふうにおっしゃいました。更に研究、検討を重ねていただいて、この用途の在り方を含めて、事務所といったら普通は人が集ってやるものだ、むしろ工場に近いんじゃないかなという印象を私も現場を見て思いましたので、是非その検討を進めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

冨樫委員長 次に、内閣提出、下水道法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣金子恭之君。

    ―――――――――――――

 下水道法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金子国務大臣 ただいま議題となりました下水道法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 昨年一月に、埼玉県八潮市において、老朽化した下水道管の破損に起因する大規模な道路陥没事故が発生をし、人的被害とともに地域住民に重大な被害を与えることとなりました。このような事故を二度と起こしてはならないとの強い決意の下、人口減少下において強靱で持続可能な下水道を実現するとともに、道路における下水道管等の占用物件の適切な維持管理の確保を図ることが急務となっております。

 このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、下水道施設の老朽化の状況を確実に把握し、必要な対策を判断することができるよう、下水道の維持修繕の基準に施設の安全性を評価する診断基準を追加するとともに、下水道管理者に対し、維持管理の状況の公表を義務づけることとしております。また、下水道施設の構造について、点検、修繕、改築や災害時の応急措置の実施の容易性を考慮するべきとするとともに、下水道管理者は施設を計画的に改築するよう努めなければならないこととしております。

 第二に、下水道管理者等の道路占用者と道路管理者との連携を強化するため、下水道の点検に関し道路管理者の協力が必要な事項を下水道管理者が事業計画に記載できることとするとともに、道路占用者と道路管理者が道路や占用物件の点検、修繕等を連携して行うための協定制度を創設することとしております。また、下水道管等の道路占用許可申請書の記載事項に占用物件の維持管理に関する事項を追加するとともに、道路の地下に埋設する占用物件について竣工図等の提出を義務づけることとしております。

 第三に、老朽化対策などを着実に実施できるよう、下水道の基盤の強化を図るため、国土交通大臣が基本方針を策定することとし、都道府県は、基本方針に基づき、複数の下水道管理者が一体となった広域連携の推進に関する計画を策定するよう努めなければならないこととしております。また、広域連携による下水道の管理に係る体制の強化のため、本来は市町村が管理する公共下水道を都道府県が管理することができる特例や、管理者間の協議により他の地方公共団体が点検や改築等を代行することができる制度を創設することとしております。加えて、将来の人口減少等を踏まえた下水道区域の見直しのために必要な措置を講ずることとしております。

 そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由です。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

冨樫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十二日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十五分散会


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