衆議院

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第13号 令和8年7月22日(水曜日)

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令和八年七月二十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 冨樫 博之君

   理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君

   理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君

   理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君

   理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君

      阿部 弘樹君    五十嵐 清君

      伊藤 忠彦君    井上 貴博君

      上田 英俊君    岡本 康宏君

      小里 泰弘君    加藤 竜祥君

      菅家 一郎君    熊田 裕通君

      小池 正昭君    坂本竜太郎君

      白坂 亜紀君    高鳥 修一君

      高橋 祐介君    土井  亨君

      中山 泰秀君    根本  拓君

      山口  晋君    山本 左近君

      鷲尾英一郎君    渡辺 孝一君

      犬飼 明佳君    佐藤 英道君

      山岡 達丸君    奥下 剛光君

      美延 映夫君    田中  健君

      西岡 秀子君    森ようすけ君

      吉川 里奈君    須田英太郎君

      畑野 君枝君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 恭之君

   国土交通大臣政務官    加藤 竜祥君

   国土交通大臣政務官    上田 英俊君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 貫名 功二君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            小林 大和君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房公共交通政策審議官)     池光  崇君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            鶴田 浩久君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)           佐々木正士郎君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        林  正道君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  宿本 尚吾君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  五十嵐徹人君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  新垣 慶太君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  安部  賢君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  宮澤 康一君

   政府参考人

   (気象庁長官)      野村 竜一君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十二日

 辞任         補欠選任

  北神 圭朗君     阿部 弘樹君

  熊田 裕通君     岡本 康宏君

  赤羽 一嘉君     山岡 達丸君

  西岡 秀子君     田中  健君

  古川 元久君     森ようすけ君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 弘樹君     北神 圭朗君

  岡本 康宏君     熊田 裕通君

  山岡 達丸君     赤羽 一嘉君

  田中  健君     西岡 秀子君

  森ようすけ君     古川 元久君

    ―――――――――――――

六月十一日

 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願(神谷裕君紹介)(第七九一号)

 同(山岡達丸君紹介)(第八一一号)

 同(西岡秀子君紹介)(第八二五号)

 同(有田芳生君紹介)(第八六七号)

 同(飯泉嘉門君紹介)(第八六八号)

 同(犬飼明佳君紹介)(第八六九号)

 同(落合貴之君紹介)(第八七〇号)

 同(田嶋要君紹介)(第八七一号)

 同(中山展宏君紹介)(第八七二号)

 同(西岡義高君紹介)(第八七三号)

 同(長谷川淳二君紹介)(第八七四号)

 同(深作ヘスス君紹介)(第八七五号)

 同(山本ジョージ君紹介)(第八七六号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第八七七号)

 災害からの復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(神谷裕君紹介)(第七九二号)

 同(西岡秀子君紹介)(第八二六号)

 同(有田芳生君紹介)(第八七八号)

 同(飯泉嘉門君紹介)(第八七九号)

 同(犬飼明佳君紹介)(第八八〇号)

 同(落合貴之君紹介)(第八八一号)

 同(田嶋要君紹介)(第八八二号)

 同(中山展宏君紹介)(第八八三号)

 同(西岡義高君紹介)(第八八四号)

 同(長谷川淳二君紹介)(第八八五号)

 同(山本ジョージ君紹介)(第八八六号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第八八七号)

同月二十三日

 てんかんのある人とその家族の生活を支える交通に関する請願(土井亨君紹介)(第九二六号)

 同(西岡秀子君紹介)(第九八五号)

 同(古川元久君紹介)(第九八六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一〇一八号)

 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願(菊田真紀子君紹介)

 (第九二七号)

 同(重徳和彦君紹介)(第九二八号)

 同(野村美穂君紹介)(第九二九号)

 同(村岡敏英君紹介)(第九三〇号)

 同(笠浩史君紹介)(第九三一号)

 同(田村智子君紹介)(第九八一号)

 同(長友慎治君紹介)(第九八二号)

 同(野間健君紹介)(第一〇一四号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一〇一五号)

 同(金子恵美君紹介)(第一〇三九号)

 同(田中健君紹介)(第一〇五一号)

 災害からの復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(菊田真紀子君紹介)(第九三二号)

 同(重徳和彦君紹介)(第九三三号)

 同(野村美穂君紹介)(第九三四号)

 同(村岡敏英君紹介)(第九三五号)

 同(笠浩史君紹介)(第九三六号)

 同(田村智子君紹介)(第九八三号)

 同(長友慎治君紹介)(第九八四号)

 同(野間健君紹介)(第一〇一六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一〇一七号)

 同(金子恵美君紹介)(第一〇四〇号)

 同(田中健君紹介)(第一〇五二号)

 同(山岡達丸君紹介)(第一〇五三号)

七月三日

 てんかんのある人とその家族の生活を支える交通に関する請願(佐藤英道君紹介)(第一〇八二号)

 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一三〇号)

 同(小川淳也君紹介)(第一一四八号)

 同(渡辺創君紹介)(第一一七六号)

 災害からの復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一一三一号)

 同(小川淳也君紹介)(第一一四九号)

 同(渡辺創君紹介)(第一一七七号)

同月十日

 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願(浅野哲君紹介)(第一二四九号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一二五〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三五三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一三五四号)

 同(田村智子君紹介)(第一三五五号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一三五六号)

 災害からの復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(浅野哲君紹介)(第一二五一号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一二五二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三五七号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一三五八号)

 同(田村智子君紹介)(第一三五九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一三六〇号)

 全ての人が安全に安心して利用できる公共交通機関を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第一三五一号)

 家賃補助制度創設や家賃債務保証業者の法規制等に関する請願(畑野君枝君紹介)(第一三五二号)

同月十三日

 国土交通行政を担う組織・体制の拡充と職員の確保に関する請願(畑野君枝君紹介)(第一四一九号)

 災害からの復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(畑野君枝君紹介)(第一四二〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件

 建築士法の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

冨樫委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房公共交通政策審議官池光崇君外十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

冨樫委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山岡達丸君。

山岡委員 山岡達丸と申します。

 本日は、一般質疑の機会に質疑の機会をいただきましたことに心から感謝申し上げます。委員長、理事、委員の皆様の御理解、そしてまた、金子大臣におかれては、先日は北海道にもお越しいただいて、日高自動車道の開通式やウポポイにも足を運んでいただいて、日頃から皆様に、また北海道にも心を寄せていただいていることに心から感謝を申し上げながら、今日、またそうした様々な課題について質疑をさせていただければと思います。

 初めに、洋上風力のクラスター形成と港湾整備のことについて伺いたいと思いますが、洋上風力の製造をめぐっては、特にプロペラ部分を中心に、国内企業には世界市場を席巻できるほどの技術がまだ残念ながら培われていない、持ち合わせていないという状況がございます。

 そうした中、今日、経済産業省さんにもお越しいただいていますけれども、経済産業省の政策方針の下で、風力発電機メーカーの世界大手のベスタスが、日本国内に、風力の部品組立ての主要拠点をこのほど北九州に置くということを決めるに至ったということであります。国内経済への波及ということで非常に大きな期待も寄せられることができますし、これまでの経産省の取組の成果だということで、これは本当にすばらしいことだと思っております。

 他方、北海道は、今後、洋上風力の建設が国内で最も盛んになることも見込まれています。人材育成面でも、北海道大学で、洋上風力発電に関わる人材育成の全学共通カリキュラムを二〇二九年度から本格実施をする。また、北海道電力では、洋上風力のメンテナンスなどの訓練施設の整備も計画が進められているところであります。北海道の室蘭市もまた歴史的に鉄鋼が盛んで、物づくりの技術が蓄積し、優良な港湾を持つ地域ではあるんですけれども、このほど、このベスタスの誘致にも手を挙げてきましたけれども、残念ながら、室蘭の立場からすれば選ばれなかったということであります。

 しかし、北海道では、面的にも、あるいは部品の組立ての拠点としても、人材育成の拠点としても、これから洋上風力、この大きなパフォーマンスを発揮していける、そのことも強く私たちとしては思いを持っているところであります。

 まず、経産省さんに伺いたいと思います。

 今回ベスタス立地における主要拠点にはなりませんでしたけれども、もちろん、最終組立て場所は実際に建設を行う場所で進めるんだということも伝えられているところでありますが、しかし、この世界的なメーカーが日本国内に立地をするというこうした大きな動きがある中で、北九州のほか、同じく手を挙げていた北海道の室蘭市は、どのような役割があって、また、経済的なコミットメント、この波及効果を期待できるか、まずこのことについて御答弁いただけますでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 洋上風力発電は、四方を海に囲まれた我が国のポテンシャルを生かすことができる重要な国産エネルギーであるとともに、雇用創出といった観点から地域経済への波及効果が大きい電源でございまして、国内において産業基盤を構築することが極めて重要と考えております。

 経済産業省としては、風車や関連部品等を製造する事業者の設備投資や、専門人材を育成するための人材育成拠点の整備といった取組を支援してございます。

 御指摘のベスタス社についても、七月十日に、設備投資を支援するGXサプライチェーン構築支援事業に採択をしたところでございます。

 国内のサプライチェーンの構築はこれからでございまして、今後は、御指摘の北海道を含めて、日本各地の企業にサプライチェーン参画の可能性があるというふうに認識をしてございます。

 経済産業省としては、引き続き、着実な洋上風力発電事業の案件形成や企業の設備投資支援等に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

山岡委員 御答弁いただきました。

 北海道が室蘭市中心にそうした手を挙げましたのは、やはり天然の良港と言われる、水深が深くて連続した岸壁がある、非常によい港湾があるという思いと、そして物づくり産業が蓄積しているというところでございました。ここでは、世界最大級のSEP船が容易に接岸可能な、SEP船とは自己昇降式作業船で、洋上風力の建設には欠かせないものでありますけれども、二隻が母港になっているというところでもあります。

 これは国交省に御答弁いただきたいんですけれども、これから洋上風力の日本国内の推進に当たって港湾の機能が不可欠であって、巨大な機材を扱える広いエリアや超重量に耐えられるような地盤とか、港湾のそうした機能があることがプロジェクトの成否を分けるとも言われていますけれども、国交省にこの認識、御答弁いただけますか。

安部政府参考人 お答え申し上げます。

 洋上風力の導入促進に当たっては、発電設備、いわゆる風車の建設やメンテナンスの拠点となる港湾が不可欠です。

 特に建設に際しては、委員御指摘のとおり、通常の岸壁や荷さばき地と比較して、大規模な風車を扱うため高い耐荷重性の確保が必要となり、これに対応した基地港湾の整備が重要です。

 このため、国土交通省では、洋上風力発電事業の案件形成の状況を踏まえながら、全国で七つの基地港湾を指定し、港湾管理者とともに整備を進めているところです。

 国土交通省としては、海洋再エネ整備法を踏まえ、関係省庁及び港湾管理者と連携し、洋上風力の導入促進に貢献する基地港湾の確保に努めてまいります。

山岡委員 今もお話がありましたけれども、様々な産業はありますけれども、洋上風力の推進というのは港湾機能が不可欠であるというふうに思っております。

 ここで、大臣にお伺いしたいと思います。

 政府は、昨日ですけれども、産業の集積地として、十七の分野、地域未来戦略というような大きな方針でまとめて、閣議決定もしたということでございます。産業集積を図るということであれば、当然インフラ整備も極めて重要なことになるわけでありますが、その十七の分野の中に洋上風力は位置づけられているわけでありますけれども、この洋上風力のインフラ整備ということであると、港湾整備ということになるんだろうと思います。

 今回、別枠の予算要求の枠組みも取り沙汰されているところでありますけれども、この室蘭も、これからまた大いに、そうした先ほどのサプライチェーンの中で役割を果たしていくという強い決意を持っておりますけれども、この洋上風力を中心に取り組む港湾に対して、港湾の予算ということで、これまで以上に充実した予算を確保していただきたい、そのように思うわけでありますが、大臣から御答弁いただけますか。

金子国務大臣 おはようございます。

 山岡委員御指摘のとおり、洋上風力発電は、昨日閣議決定されました日本成長戦略の戦略十七分野のうち、資源・エネルギー安全保障・GXの取組の一つであり、また、地域未来戦略においても、推進する施策として位置づけられております。

 洋上風力発電の導入促進のためには、これに対応した基地港湾の整備等が必要不可欠であり、そのための取組をしっかりと進めていくことが重要だと考えております。

 国土交通省といたしましては、日本成長戦略や地域未来戦略などを踏まえ、関係省庁とも連携しつつ、必要な予算を確保し、港湾整備を着実に推進してまいります。

山岡委員 是非、こうしたまた方向性を打ち出された中で、港湾というのは、どうしても、いろいろインフラ整備の中でなかなか大きく前に出てこなかった歴史もあるんじゃないかと思っていますが、この機会に予算を十分に確保していただくよう取り組んでいただきたいということを私の立場からも申し上げさせていただきたいと思います。

 次に、北海道の課題ということで、JR北海道のことについても取り上げさせていただきたいと思います。

 JR北海道は、八つの黄色の線区ということで、すなわち、JR北海道単独では維持困難だとされる、持続的に維持する仕組みの構築が必要だというふうに言われて、この四月にJR北海道として黄色線区については上下分離方式を求めていくという方針も発表したところでありますけれども、現状において当該の自治体の協議は全く形ができ上がっていないという状況であります。

 今回のJR北海道の動きは、国交省から、黄色線区については令和八年度まで、つまり今年度までに線区ごとの事業の抜本的な改善方針を確実に取りまとめることとして、国から法律に基づく監督命令が出されているということを受けてのことであります。

 JR北海道にしてみれば、何かの抜本的改善方策を打ち出さなければ今後国からの支援も受けられなくなることにつながるのではないかということを考えたときに、何が何でもこの方針を出すという方向になっていくものと見られます。

 大臣に伺いたいんですけれども、だからといって、期限はもう一年もありません。抜本的な方針を出せといっても、各自治体との協議が現時点でも行われていない状況であります。この状況ですと、JR北海道は、国からの報告期限が迫る中で、これは非常に極端なことを言いますと、鉄路の存続を投げ出すような拙速で極端な経営改善策が飛び出してくるような懸念すらあるんじゃないかということを強く思うわけであります。

 そうしたことは避けなければならないと思いますが、大臣から御答弁をいただけますか。

金子国務大臣 鉄道は、定時性が高く、高速での大量輸送が可能であることから、広域的な地域間の移動、連携を支え、観光やビジネス等を含めた地域活性化にも資するものと考えております。

 委員御紹介のとおり、いわゆる黄線区については、令和六年三月に国土交通省がJR北海道に対して発出した監督命令におきまして、今年度末までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実に取りまとめるよう求めているところでございます。

 平成二十八年にJR北海道が単独では維持困難な線区として黄線区に関する考えを公表してから、およそ十年となります。その中で、今年度末の監督命令の期限に向けて、JR北海道としても、改めて黄線区の在り方について地域の関係者と協議をするため、本年四月に同社としての考えを公表したものと承知をしております。

 黄線区は、JR北海道の経営の観点からの課題であるとともに、地域における最適な利便性の高い交通の在り方に関する課題でもあり、地域の関係者間において議論いただくことが大変重要であると思っております。

 国土交通省としては、引き続き議論の場に参画するとともに、議論が円滑に進むよう、JR北海道に対して指導助言をしてまいります。

山岡委員 指導助言をしていただくということであるんですけれども、これは自治体にもそれぞれ言い分はあるんだろうと思っています。

 これまで、国として、JR北海道には、国鉄債務等処理法等の改正法に基づいて財政的な支援をしてきたところでありました。この中には、お金に色はつきませんけれども、JR北海道への支援を通じてこれまで鉄路が維持されてきたというところもあるわけであります。

 もちろん、全国いろいろなJRの事情がありますけれども、少なくとも北海道は歴史的にそうした中で経営が続けられてきたということでいいますと、自治体側にしてみれば、今までJR北海道を通じて国の支援が鉄路の維持につながっていたことが、このまま自治体に負担が転嫁されるんじゃないかというような見方をされるのであれば、これは話合いに応じた時点でもうそれは認められないということになってしまうんだろうと思っています。

 他方で、これまで鉄路の維持も含めた部分もJR北海道に支援してきたことを思えば、そこの鉄路維持分は少なくとも自治体側の支援を通じてまたそうしたこともやっていけるような、そうした国としての考え方、このことも示していただくことが、私は、話合いの場にまた応じていただけるような、そうしたきっかけにもなると思うわけであります。

 是非、こうした国としての自治体へのコミットメントの在り方をお示しいただいて、話合いの場をつくっていただきたいと思いますが、大臣、御答弁いただけますか。

金子国務大臣 本日も、山岡委員から黄線区についての御質問がありました。これまでも与野党の議員から、北海道の関係議員から、この黄線区に対する御心配、またいろいろな御要望もいただいたところでございますし、先週の日曜日、北見に行きまして、オホーツク地域の首長さん方からも御要望をいただいたところでございます。

 JR北海道の路線は、旅客輸送のみならず、食料基地でもあります、貨物輸送においてもネットワークの一部を構成しているものもあり、多様な役割を発揮しているものと承知をしております。

 国土交通省が令和六年三月に発出した監督命令では、JR北海道が徹底した経営努力を行うとともに、地域の関係者が一体となって取組を実施していくことを前提として、国、地方自治体、関係者等が必要な支援、協力を行うこととしております。

 これを踏まえまして、国土交通省では、JR北海道に対しまして、国鉄債務等処理法に基づき、経営安定基金の運用益の安定的な確保、助成金や出資等により継続的な支援を行っているところでございます。

 黄線区は、JR北海道の経営の観点からの課題であるとともに、地域における最適な利便性の高い交通の在り方に関する課題でもあり、地域と丁寧に協議を進めていくことが重要であります。

 いずれにしましても、今後の支援の在り方については、JR北海道の経営改善の状況等も踏まえ、検討してまいりたいと思っております。

山岡委員 多様な役割があるという御発言もいただいて、今後の支援の在り方は内容を見ていくんだというお話でありますけれども、この内容をきちんと固めていくための協議の場をきちんと速やかに進めていくことが大事であって、このことに、何も成り立たないままですと、本当に非常に厳しい状況に進んでいくんじゃないかということを危惧しますので、これは是非関係者の皆様と共有していただいて、是非、円滑に前に進んでいけるような議論が、そうした環境をつくっていただきたい、そのことを重ねて申し上げさせていただきたいと思います。

 あわせて、JRと今度は新千歳空港の関係性のお話に関連する話を伺います。

 新千歳空港は、北海道の主要な空港の、まさに空の玄関口でありますけれども、ここは、民営化をしたという歴史の中でありますけれども、この民営化の中で、昨年十月に駐車料金が五倍に引き上げられるという状況になりました。皆様に資料もお配りしておりますけれども、これまで二十四時間で千二百円だった最大が、オフシーズンで三千五百円で、オンシーズンで四千五百円だと。C駐車場というちょっと離れたところは、五百円だったのが二千五百円、オンシーズンは千円だったのが三千円ということで、最大五倍の値上げであります。

 この新千歳空港の駐車料金は、羽田空港の駐車場よりも高額です。北海道は、御存じのとおり車社会なわけであります。羽田空港のように公共交通機関が充実した場所とは全く環境が違う中で、この新千歳空港の運営会社の北海道エアポートが同時に何を発信したかというと、空港のレストランを利用したら三時間の割引とか、組み合わせれば八時間のと。つまり、空港施設の利用者には割引しますよということを言ったわけでありますけれども、これは、空港内のレストラン利用のために空港が存在しているわけじゃないと思っています。まさに飛行機を利用する人のために設備があるという中で、一番割を受けているのは、周辺にいる、長期で利用する人たちが金銭的な負担を大きく生じている。北海道エアポートの駐車料金の売上げは、この結果、一二三%に上がったそうですが、料金を三倍から五倍にして一二三%ですから、単純計算すれば、本来の空港で飛行機目的の方、遠方に行く方には著しく使われなくなったということであります。

 私、利用者だからよく承知していますけれども、値上げ前は確かに駐車場は混み合っていましたけれども、建物の近い場所とか屋根のある場所など、つまり駐車場の中にもいい場所があるわけですけれども、そこは確かに夜とか朝じゃないと止められなかったですけれども、特別なイベントがない限り止められないということはなかったと私は思っています。逆に言えば、日中に施設内で買物をしてくれる客を増やすために、飛行機を利用する方々が長時間ずっと止められると空港施設の利用者の邪魔になるからということで五倍にも上げたんじゃないかというような見方もできるんじゃないかと思うわけであります。

 この運営会社は二〇二〇年に民営化をされましたが、皆様にもお配りをしております、二〇一三年の空港民営化を認めるときの法改正の附帯決議でありますけれども、その第一項には、コスト削減を行うとか、そのことを通じて、空港利用者へのサービス水準及び安全性が低下することがないよう、着陸料等の大幅な値上げや高額な旅客取扱施設利用料の新設など、利用者の負担が大幅に増大することがないようということを、第一項目めの附帯で、与野党の皆様で決議していただいているという状況であります。

 今起こっている状況は委員会の決議に反しているんじゃないか、この民営化によって、結局、駐車料金が五倍になって利便性が低下しているという悪い事例として世に残すことになるんじゃないか、私はそのように受け止めていますけれども、大臣のお考えを述べていただけますか。

金子国務大臣 民営化された空港の駐車場の料金は、原則として、運営権者の自由な裁量の下で設定されることを基本としておりますが、その混雑状況や代替交通手段の確保状況等を踏まえ、利用者利便に配慮して設定されるべきものと考えております。

 新千歳空港の空港内駐車場については、近年、満車日が年間百日を超えるなど、駐車場の混雑が深刻化し、利用者からはスムーズな利用ができないといった不満の声が寄せられておりました。

 このため、空港運営権者である北海道エアポート株式会社では、こうした状況の解消を図るべく、他空港の料金水準も参考にしつつ、御指摘の料金改定を二〇二五年十月に行ったところでございます。

 その結果、同社によれば、改定後、混雑状況は大幅に改善しており、また、料金改定による収益は、今後、立体駐車場の整備による駐車台数の増加に充てるものと承知をしております。

 以上より、今回、駐車料金を値上げしたことにより直ちに利用者利便を損なったと結論づけることはできないと考えておりますが、いずれにしましても、同社に対しては、引き続き、利用者利便に十分配慮した空港運営がなされるよう、取組状況を確認してまいりたいと思います。

山岡委員 それは、混雑はなくなりますよ。五倍にすれば、それはそうなるわけでありますよ。しかも、利用者に不便だというのは、空港で買物する人たちにとって不便だから、長期に止める人を排除するような料金設定というのは、私は、本来の目的からすればいかがなものかと思います。

 さらに、周辺の住民が頭にくるのは、公共交通機関、つまりJRを利用してくださいということをこの会社は言ったんですが、これは新千歳空港を利用された方なら御存じかもしれませんが、札幌方面をつなぐJRしか直接つながっていないんですよ。ほかの方面からJRというのは、新千歳空港というのはつながっていないというところであります。

 これは、JRと新千歳空港のアクセスをきちんと強化していただけるのなら、この話は整合がつくのでありますけれども、私、先日、経済産業委員会で、千歳というのは、ラピダスという半導体の新しいクラスターをつくるためのいろいろな政策も進んでいますから、その面的な広がりの中で、新千歳空港とJRのアクセスと、南側、苫小牧側とのアクセスが必要だということも申し上げましたが、しかし、この駐車料金との関係で言っても、これは是非、新千歳空港から札幌方面だけじゃなくて、苫小牧スルー化も含めた面的なJRの整備を、これは前向きに、JRの、北海道のために進めていただきたい、そのように思うわけでありますが、大臣、御答弁いただけますか。

金子国務大臣 駐車場料金の収益については、先ほども申し上げましたように、今後立体駐車場の整備により駐車台数の増加にも充てるということもございますので、そのこともお含みおきいただきたいというふうに思います。

 それから、私も新千歳空港は時々利用させていただいているわけでございますが、新千歳空港については、航空旅客がコロナ前の過去最高水準まで回復する中、空港への鉄道アクセスの強化は重要な課題と認識をしております。

 空港への鉄道アクセスについては、国土交通省としても、輸送力の更なる増強に向けて、令和八年度予算において、新千歳空港の最も効果的なアクセス改善策等の検討を行う調査費を計上しているところでございます。調査に際しては様々な観点からの検討が必要となりますが、しっかりとした需要が見込まれることが重要であると考えております。また、JR北海道が置かれている厳しい経営状況についても考慮が必要と考えております。

 いずれにしても、まずは地域を始め関係者の意見を伺いながら検討を進めていくことが重要であると考えております。今後とも、空港アクセスの輸送力増強について、北海道等の地元自治体、JR北海道等とも連携して調査検討を進めてまいります。

山岡委員 もう時間が来ておりますけれども、立体駐車場の整備を更なる増加に充てるという話をいただきましたが、利用者は減っているんですから、五倍になって。では、立体駐車場ができて、利用料金は減るんですかと。そうしたら、それはもちろん、皆さん、使う人も出るでしょうけれども、五倍にして一二三%の利益というのは、誰が計算しても、いや、見た目でも、本当に利用している人は明らかに誰もいなくなったというのはよく分かっている話であります。

 なので、是非、この調査をしっかりやっていただいて、これは、もしJRのアクセスがきちんとできれば、近くの駅の近くに車を止めて、そのままJRに乗って空港へ行くということもできるわけであります。是非、このスルー化も含めて、これは国交省全体で取り組んでいただきたい、このこともお伝えさせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

冨樫委員長 次に、犬飼明佳君。

犬飼委員 中道改革連合の犬飼明佳でございます。今日もよろしくお願いをいたします。

 早速質問に入らせていただきます。

 まず、建築士確保に向けた今後の計画についてお伺いをいたします。

 六月二十三日に、中道改革連合の国土交通委員で、日本建築士会連合会、日本建築士事務所協会連合会、日本建築家協会の建築設計三団体からヒアリングを行いました。

 現在、建築士は、建築物の耐震性や省エネ性能など高度な専門性が求められる一方、高齢化と若手減少が進行する、深刻な状況となっております。今回の建築士法の改正が、在学中受験や実務経験要件の緩和等を図ることによって、建築士となる入口を広げることにつながる大変重要な法案であるというふうに私も思っております。

 今国会で審議時間の確保が危ぶまれる中で、会期内での成立に向けてぎりぎりのところで、まず、今、この国交委員会で審議ができるということに私も安堵をしております。この法案として取りまとめいただいた先生方、そして、国交委員会の委員長を始め理事の先生方、そして職員の皆様、さらには、団体の皆様、関係者の皆様方の御努力に心から敬意を申し上げます。

 引き続き、今国会での成立を目指していきたいという強い思いを込めて、建築三団体の皆様方からいただいた声を基に、建築士確保に向けた今後の取組について、順次質問をさせていただきます。

 まず、今回の法改正、この案の中で、資格取得の入口が広がるということになると思います。これによって受験者が増えることは、合格者、登録者の増加につながることが期待をできます。

 しかし一方で、それだけでは解決できない経済的、そして時間的な壁、障壁というものがあると思います。

 例えば、一級建築士の資格の取得には、受験料のほか、資格学校等の講座費用、教材費等の負担があり、長期間にわたり、仕事と学習を両立しなければなりません。また、企業の規模や財務力によっては、資格学校の受講費や受験料の補助、合格報奨金、資格手当などの支援内容に差があるということであります。支援の充実した大手企業への人材集中が、中小事務所や地域企業の人材確保を更に困難にしている可能性があります。

 さらに、地方自治体に目を向けますと、建築技術職の不足、これによって、適正な予定価格の設定、設計内容の審査、入札不調への対応など、公共発注の品質にも影響を及ぼしている、こうしたことも団体の皆様方から御指摘がございました。資格取得後に建築設計の現場で働き続け、地域を支えるところまでつながらなければ、真の担い手確保にはなりません。

 そこで、今回の制度改正によって、一級、二級、木造建築士及び建築設備士をどの程度増加させることを想定をしているのか、具体的な政策目標を伺います。

 あわせて、資格取得に係る費用負担の軽減や地域偏在の改善など、建築士を確保するための総合的な施策にどのように取り組んでいくのか、大臣にお伺いをいたします。

金子国務大臣 ただいま犬飼委員から、本日の委員会の設置につきまして、委員長を始め与野党の理事の皆さん方、委員の皆さん方に心より感謝を申し上げたいと思います。

 今般、議員立法による建築士法改正が検討されているものと承知をしております。今般の改正案には、建築士試験について、在学中の受験を可能とすること等が盛り込まれていると承知をしております。

 同様に建築士試験の受験機会の拡大を図ることを目的とした平成三十年の建築士法改正では、大学卒業後、事務経験を積む前に受験可能としたことなどにより、その後の受験者数が一割程度増加をいたしました。

 今般の改正案は、前回の改正の取組を一層進めるものと承知をしており、在学中の受験を可能とすることで、社会人として仕事をしながら建築士の試験勉強を行う負担の軽減や、さらには、卒業後の建築業界への入職意欲を高めることにもつながると考えております。

 資格取得に係る費用負担の軽減や地域偏在の改善などの取組については、現在、社会資本整備審議会において、建築士の確保、育成の方針を含む建築分野の中長期ビジョンの策定に向けて御議論いただいております。

 国土交通省としては、犬飼委員御指摘の、どの程度建築士等を増加させることを目指すかを定量的に示すことは困難ですが、今般の改正案と相まって、日本建築学会などの教育分野とも連携をし、将来の建築分野の担い手が確実に確保できるよう取り組んでまいります。

犬飼委員 今回の改正案につきましては、在学中受験を可能とするとともに、二級、木造建築士の実務経験を、現行七年から、受験時二年、登録時四年へ大幅に短縮をします。若者の挑戦を支えて建築人材の裾野を広げるということは非常に大切なことであると思います。特に、工業高校の新たな魅力にもつながる可能性があると思います。文部科学省や教育委員会とも連携をして、是非建築人材を育てていただきたいというふうに思います。

 一方で、建築士には、現場での判断、構造、設備等の調整、発注者への説明など、事務を通じて初めて身につく力があるということも団体の皆様方から教えていただきました。経験という量を減らすことで質が損なわれてはなりません。

 また、一級建築士試験の総合合格率はおおむね一割前後の狭き門であります。資質の確保は当然ですが、必要な能力を持つ人材まで遠ざけるような試験になっていないのか、こうしたことも絶えず検証する必要があると思います。

 そこで、実務経験期間の短縮に伴い、試験内容や実務経験の実質をどのように検証し、建築士の質を担保するのか。あわせて、大学や高校等で指定科目の基準をどのように統一をし、学校間の公平性と教育の質を確保するのか、運用方針を伺います。

 また、中央建築士審査会で進める試験の在り方の見直しについて、現在の検討状況と今後のスケジュールをお示しください。

宿本政府参考人 お答えをいたします。

 現在、高校や大学で建築に関する教育を受けていない方は、二級建築士の免許を受けるために七年の実務経験を求めているところであります。

 今般、この七年の実務経験につきまして、実務経験を四年に短縮する案が示されておりますが、建築設計三会の提案では、高校、大学で建築に関する教育を受けた方に求められる要件と比較をして、建築士として十分な能力を有すると判断をされているものと承知をしております。

 いずれにいたしましても、建築士試験の実施によりまして、これまで同様に建築士の資質、能力は確認することとしているところであります。

 なお、指定科目の基準につきましては、平成三十年の改正時に定めた基準につきましての変更は、原則、現在予定をしていないところではあります。

 また、建築士試験内容の見直しにつきましては、受験者の負担軽減を図りつつ、一方で、必要な資質、能力を確認できるような試験の在り方につながるような議論を中央建築士審査会において進めていただいているところであります。

 建築士試験の見直しについては、今般の改正案による受験資格の見直しのスケジュールなども勘案をいたしまして、また、大学などの教育関係者、試験実務を担う指定試験機関とも緊密に連携をしながら取り組んでまいります。

犬飼委員 今回、三百平方メートル超という面積要件を撤廃をし、全ての設計、工事監理受託契約に書面交付を義務づけることとなりました。契約内容と責任範囲を明確にし、双方を守る大きな一歩になるというふうに思います。一方、小規模案件を多く扱う零細な建築士事務所や個人事業主には事務負担増が懸念されます。

 あわせて、今回の改正では、建築士事務所の開設者には見積書作成、そして契約当事者には見積書内容を考慮する努力義務が課されておりますが、いずれも罰則を伴っておりません。建設業法改正で導入された是正勧告、公表のような強制力のある仕組みとは異なっております。専門性に正当な対価が支払われ、若い人がこの仕事を選び、地域で働き続けられる環境につなげていくことが重要であると考えます。

 そこで、大臣にお伺いをいたします。

 簡便な契約書、見積書のひな形の提供、説明会の開催、地域の建築士会等と連携した相談支援など、中小事務所が円滑に対応できるよう、施行までの周知と支援をどのように進めるのか、あわせて、罰則のない努力義務で委託代金の適正化という目的をどのように実現するのか、お伺いをいたします。

金子国務大臣 犬飼委員御指摘のとおり、契約の適正化については、中小事業者を含め、建築設計業界全体に対して丁寧に周知を行うことが重要であると考えております。

 このため、議員立法による改正が行われた場合には、契約書や見積書のひな形の提供や説明会の開催、地域の建築士会等と連携した相談支援の実施等、業界団体と連携をしまして、中小の建築士事務所においても円滑に対応できるよう、周知や支援を徹底して取り組んでまいります。

 また、委託代金の適正化には発注者の理解が重要であることから、今般の改正案による見積書の交付及びその内容の考慮の努力義務化について国土交通省としても広く発注者に対して働きかけることなどを通じて、適正な報酬が確保される環境の整備に努めてまいります。

犬飼委員 ありがとうございます。

 大臣のおっしゃるとおり、やはり報酬、そして最終的には賃金としていかに反映されるのか、それが、若い人、また各地方で建築士の人たちが広がっていくということにつながるというふうに思います。建築士を増やすだけでなくて、育てて支えて地域に根づかせるところまでが政治の責任であるというふうに思います。国民の命と暮らしを守る建築の質とそして公正な取引環境を車の両輪のようにしっかりと着実に進められるように、政府の丁寧な対応をお願いをいたします。

 次の質問に移らせていただきます。ちょっと順番を入れ替えまして、気象予測の高度化と避難判断支援について先にお伺いをいたします。

 近年、豪雨災害は激甚化、頻発化し、本年も被害が発生をしております。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 気象庁は本年五月から線状降水帯の直前予測の運用を開始し、台風六号では新たな防災気象情報や全国初のレベル5河川氾濫情報が発表されるなど、防災情報は進化をしております。一方、自治体からは、情報が増え過ぎて判断が難しいとの声も聞かれております。

 防災の課題は、情報不足の時代から、情報を命を守る行動へ変える仕組みづくりの時代へ移ったと考えます。線状降水帯予測、キキクル、河川水位、ダム放流などをAI、DXで統合、解析し、避難開始までの時間を示すなど、自治体の避難判断を支援する仕組みの構築が必要ではないでしょうか。

 そこで、台風六号で明らかになった課題を踏まえ、防災気象情報の運用や情報体系を今後どう改善していくのか、また、自治体が迅速かつ適切に避難指示を発令できるよう、AI、DXも活用した意思決定支援をどう進めていくのか、気象庁の御見解をお伺いいたします。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、この五月二十九日から新たな防災気象情報の運用を開始するとともに、AIやDXにも活用しやすいようにキキクルなどのデジタル情報も提供し、自治体の避難情報の判断に役立てていただいているところでございます。

 新たな防災気象情報の運用開始以降、これらの情報に接した方々からは、避難行動との関係が分かりやすくなったとの声をいただいている一方で、現象の変化が激しい場合などには、レベル2注意報からレベル3の警報を経ずにレベル4危険警報が発表され、対応に戸惑ったといった声も聞いております。

 今後は、自治体へのヒアリング等を通じて、国民の皆様の声を丁寧に聞き取り、新情報の検証をしっかりと行いながら、引き続き、あらゆる機会を捉えた周知、広報に取り組んでまいります。

 また、自治体の避難指示発令の判断への支援につきましては、気象台長が市町村長に電話で直接危機感を伝えるホットラインや、気象台の職員を気象庁防災対応支援チーム、JETTとして自治体に派遣するなどの支援を行っております。

 また、気象台とは別に、気象と防災の専門家として、自治体の避難指示発令の判断に対し助言を行う気象防災アドバイザーがより多くの自治体で活用されるよう、その育成及び活用促進の取組も進めているところです。

 気象庁としては、こうした取組とともに、AI技術の活用も含めた気象予測精度の向上を通じて、地域防災の最前線に立つ自治体の支援にしっかりと取り組んでまいります。

犬飼委員 引き続き、台風またゲリラ豪雨の季節が続きますので、しっかり国民の皆様方への周知啓発ということも努めていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 次に、地域公共交通の活性化について伺います。

 先日、岐阜県白川町を視察しました。人口約六千七百人、高校もタクシーもない中山間地域でありますが、私は、そこで、公共交通は人を運ぶだけではなくて、人と人とのつながりや地域の希望を運ぶ社会基盤であるということを改めて実感いたしました。スクールバスや病院送迎、路線バス、オンデマンド交通を一体的に運用する交通資源シェアリングを実現をされております。九十七歳の女性が五十年ぶりに友人と再会し、三人合わせて二百九十歳の女子会が開かれたというお話を伺い、公共交通が暮らしの豊かさそのものを支えているということを実感をいたしました。

 この改革が実現できた要因は、佐伯正貴町長の強いリーダーシップに加え、中部運輸局による継続的な伴走支援でありました。制度設計から関係者との調整、補助制度の活用まで、国が自治体と並走したことが成功につながったということであります。

 一方で、国土交通省の調査では、人口五万人未満の自治体の約八割に地域交通の専任担当者がいません。現場を支える人材とノウハウこそ最大の課題ではないでしょうか。

 そこで、地方運輸局への相談や調整業務の増加が見込まれる中、地方運輸局の体制強化をどのように進めていくのか、また、地域交通マネージャーや自動運転などの専門人材を自治体へ派遣する伴走支援を全国で更に充実すべきと考えますが、今後の方針をお伺いいたします。

金子国務大臣 今委員から、国土交通省の現場で働く地方運輸局に対する激励の言葉をいただきました。大臣としても、国土交通省としても、心より感謝を申し上げたいと思います。

 交通空白解消に向けましては、先月開催をいたしました国土交通省「交通空白」解消本部におきまして、全国約三千に及ぶ交通空白の解消にめどをつけるべく、新たな取組方法二〇二六を決定したところでございます。

 地方運輸局等につきましては、交通空白解消の最前線として、自治体に寄り添い、制度面、予算面での助言や事業者との橋渡し等の伴走支援を行っており、昨年も四百を超える市区町村の首長等を訪問いたしました。

 一方で、委員御指摘のとおり、交通空白解消の取組が本格化する中で、その人員や体制を充実させることは必要不可欠であり、これまでも、地方運輸局や支局の業務に必要な人員を順次確保してきたところでございます。

 また、自治体の人材やノウハウ不足の課題に対しましては、地方運輸局等の更なる体制強化に加え、全市区町村の約六割が参加する官民連携プラットフォームを通じた連携の促進、人材を育成する取組への財政支援、今般成立した改正地域交通法に基づく連携促進団体制度の活用などの総合的な支援を通じまして、引き続き、国土交通省の総力を挙げて、交通空白の解消、持続可能な地域公共交通の実現に全力で取り組んでまいります。

犬飼委員 時間がもう迫っておりますので、最後に、端的に一つだけ大臣にお伺いをさせていただきます。

 この白川町で感銘を受けたのが、地域全体が公共交通に合わせて知恵を出し合う、そうした生活、行動変容をしていくということでありました。この取組を進めていくには、教育、医療、福祉、商業、各省庁が一体となって後押しすることが不可欠でございます。

 そこで、こうした地域活動を公共交通に合わせる取組を全国に広げるために、各省庁と連携した取組をどのように進めていくのか、また、交通政策を地域の活力を支える国家的な基盤として位置づけるべきと考えますが、最後に大臣の御所見をお伺いをいたします。

金子国務大臣 人口減少や担い手不足の中において、持続可能な地域公共交通を確保するためには、バス、タクシーなどにとどまらず、スクールバスや病院送迎等、地域の輸送資源をフル活用し、地域の社会経済を支える機能を最大限発揮させることが不可欠です。

 このため、国土交通省が中心となり、文部科学省や厚生労働省といった関係省庁と緊密に連携しながら、公立小学校や中学校の適正規模や適正配置、部活動の地域展開、地域医療構想の検討等の各政策分野におきまして、公共交通との相互連携や、関係部局、地方公共団体間の連携体制の構築等の重要性を位置づけ、取組を進めているところであります。

 また、本省レベルのみならず、北海道や中国、関東地方において、地方厚生局と地方運輸局が連携協定を締結するなど、地域レベルにおいても分野横断的な連携の取組を進めております。

 国土交通省としては、今後とも、こうした取組を一層深化、加速化させ、関係省庁と一丸となって、交通空白の解消に向けて全力で取り組んでまいります。

犬飼委員 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。

 本日は、質問の機会をいただいて、ありがとうございます。

 本日、初めに、建築士法の改正案についてお伺いをしたいと思います。

 この質疑の後に起草がされるわけですけれども、今回、この建築士法の改正においては、今、建築士の高齢化が進展をしていて、将来の建築士等を確保することが必要になっていることから、その裾野を広げるために、建築士試験の受験機会の拡大など、様々な内容が盛り込まれているところであります。

 この建築士法については、平成三十年、前回の改正時においても、受験要件の緩和というものがなされているところであります。もう皆さん御承知のとおりではございますけれども、元々、実務経験を二年経ないと、その後、試験を受けることができなかったわけですけれども、H三十年の改正のときに、実務経験の前に、大学を卒業した後に試験を受験することができて、実際に免許登録をするのは実務経験二年を経た後というような改正が平成三十年になされたわけですけれども。

 今回起草されようとしている改正案においては、更にそれを前倒しをして、試験の受験を大学在学時から行うことができるような、そんな改正がなされようとされているところであるわけです。こうした方向性については、私自身も、いい改正の方向性だなというふうに認識をしている一方で、前回の改正においてどのような効果があったのか、こうした検証も丁寧に行っていくことが必要だというふうに認識をしております。

 その点で、まず国土交通省にお伺いさせていただきますが、平成三十年の改正においても受験要件というものが緩和されたわけですけれども、それによって具体的にどのような効果があったのか。そして、こうした緩和をすることで、効果はある一方で、一定のデメリットということもあると思います。前回の受験要件の緩和によって人員確保は達成することができたかもしれませんが、それによって何かデメリットが発生しなかったのか。そして、今回、更に要件緩和をすることになりますので、それによって更に課題が発生しないのか。そうした点について、国交省としてどのように捉えているのか、お伺いいたします。

上田大臣政務官 平成三十年の建築士法改正において、建築士試験の受験機会が拡大され、大学卒業後であれば、一定の実務経験を積む前であっても、建築士試験の受験が可能になったなどにより、その後の受験者数は一割程度増加しております。

 また、大学などに在学中であっても建築士試験を受験できるようにする仕組みを導入するなど、受験機会を更に拡大することは、将来的な建築士の確保に資するものであると考えております。

 一方で、日本建築学会からは、在学中も建築士試験を受験できるようにすることにより、大学などでの学業がおろそかにならないよう、教育機関の意見を丁寧に聴取いただきたいとの御要望をいただいております。

 国土交通省としては、こうした御要望も丁寧に伺いつつ、教育機関、建築行政、業界が一体となり、将来的な建築士の確保に向け、検討を行ってまいります。

 以上でございます。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 前回改正によって一割増えたということは非常に望ましいことだと思いますので、今回これから起草される予定の改正案において更に建築士の確保につながるような、そうした方向性に進むとよいなというふうに心から願っているところでございます。

 次に、質問が変わりまして、第三次担い手三法の実効性確保、この点についてお伺いをしたいと思います。

 私は地元が東京の足立区なんですが、足立区においても建築技能者、建築に従事されている方は多くいらっしゃって、そうした方々と様々話をするわけなんですが、やはり建築に従事されている方、高齢化も進んでいるわけで、担い手確保が極めて重要な課題になっております。

 一方で、なかなか賃金が上がらないこと、そして、多重下請構造になっている中で、どうしてもそうした方々のところまで適切な賃金が行き渡らないといった課題を聞いています。特に、今もう夏になって暑くなってきているわけですから、東京はまた暑いので、そうした中で、非常に過酷な環境下で仕事をしている中で、一方で賃金は高くならない。

 そうした状況においては、どうしても、今働いている方もしんどいですし、若者も含めて、この産業に入ってこようという方が増えてこない。そうしたところは解決していかないといけない課題なんだろうというふうに強く認識をしているところであります。

 そうした中で、第三次担い手三法が昨年十二月に施行がされて、適正な労務費が個々の請負契約において適切に支払われるような、そうした制度改正が行われたわけなんです。これは非常にいい枠組み、非常によい制度だというふうに認識している一方で、すばらしい制度でも、実効性がないともったいないわけですから、しっかりとこの制度がうまく回っていくことが欠かせないというふうに考えているところなので、そうした観点で幾つか今日は御質問をしたいと思っております。

 まず、今回、担い手三法が施行がされて、適正な労務費というものが国交省、国から指定がされて、それを著しく下回るような契約は結んではならないというような法律の枠組みになっているところです。

 これに違反をした場合においては、国交大臣から違反発注者に対して勧告をしたり、公表をしたり、そうした罰則の規定が設けられているわけなんですけれども、国交省においてどのように違反事例の把握をしているのかということを調べると、主に二つやっていることがあるというふうに認識をしています。

 まず、下請取引等実態調査というような年に一度の調査を行って、そのアンケート結果に基づいておかしいなというところに対して、建設Gメンという方が実際の現地に行ってそれを調査をすることであったりとか、駆け込みホットラインというのがあって、実際に適正な賃金が払われていないですよということがあった場合はそうした方であったり事業者からホットラインに対して通報することができる、そうしたような違反情報の収集を行っているわけですけれども、こうした違反情報の収集、昨年十二月の施行後において実際にどのような効果が出ているのか、その点について大臣にお伺いいたします。

金子国務大臣 森委員にお答え申し上げます。

 他産業より低い賃金を厳しい労働環境に見合った水準に引き上げ、建設業の担い手を将来にわたって確保するため、昨年十二月に改正建設業法を全面施行し、適正な労務費の確保、行き渡りを図る仕組みを整備いたしました。

 また、制度の実効性を確保するため、先ほどお話がございましたが、全国で説明会を繰り返し開催し制度の周知に努めるとともに、労務費を明示した見積書の様式例を示し事業者に活用を働きかけるほか、建設工事の標準請負契約約款において、受注者が注文者に適正な労務費、賃金の支払いを約束するコミットメント条項を盛り込むなどの取組を行ってまいりました。

 さらに、下請取引等実態調査や駆け込みホットラインの情報を基に、建設Gメンが不適正な取引の疑いがある事案を個別に調査をし、改善指導を行ってまいりましたが、令和七年度の指導実績では、労務費等の内訳明示が不十分であるなど見積りの不備に関する指導の件数が最も多く、適正な労務費の確保に向けた取組に引き続き力を入れていく必要があると認識をしております。

 委員御指摘の改正法の効果の把握については、現在、下請取引等実態調査において、労務費に関する見積りの状況等の把握を進めておりますが、加えて、今年度からは、新たに、適正な労務費の確保だけではなく、個々の技能者への適切な賃金の支払いも含めた実態調査を開始することとしております。

 これら調査の結果も生かしながら、今後とも、改正建設業法に基づく新たな仕組みの実効性確保にしっかりと取り組んでまいります。

森(よ)委員 様々国交省において施策を取り組まれていて、周知も含めてやられていることは本当に敬意を表するところではあるんですが、恐らくまだまだ現場には行き届いていないところもあるんだと思います。

 そして、実際に見積りの不備があったということも調査の中で分かったということなんですけれども、これは、ちょっと今日私も数字を持ってくるのを忘れてしまったんですが、件数を見てみると、本当に数もそこまで多くないんですよね。全国で建設に従事されている方はたくさんいらっしゃいますので、本当に一〇〇%違反事例を取れているかというと、恐らく取れていないんだと思います。もちろんそれは難しいことなんですが、そうしたこともしっかりと調査をして、本当にすべからく取っていくことが実効性を確保していく上では大切なことだと思うんですが、その上で、次の質問に移ります。

 今回、全国で説明会を開催するなど、周知は徹底されていると思うんですが、建設業に従事されている方は、やはり中小零細事業者も多いんだと思います。特に、大企業であればちゃんと認知をしている一方で、一人親方も含めて、ちゃんと隅々まで今回の法改正が周知されているかというと、まだまだなところが現状だと思うんですが、この改正内容についての認知の状況に対する調査を役所として行っているのか、行っているのであれば、実際にどの程度、中小零細業者に担い手三法の改正の認知が広がっているのか、その数字について教えていただければと思います。

楠田政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省では、改正建設業法についての認知状況等を把握するため、全面施行の直前であります昨年十月から十一月にかけて、中小事業者を含む全国約六千者の建設業者を対象に調査を実施をいたしました。

 その結果、労務費に関する基準等については、制度改正が行われたことを知っているとの回答は約七割でございましたが、中小事業者における認知度は相対的に低い傾向が見られ、特に中小事業者に対して丁寧な周知に努めることは引き続き大変重要なポイントであるというふうに認識をしております。

 国土交通省では、これまで、改正建設業法の全面施行に向けて、ポータルサイトの開設や全国での説明会の開催など、制度の周知に積極的に取り組んでまいりましたが、今後は、全国の現場で、中小事業者を始めとする全ての建設事業者に制度の周知、浸透が図られるということをより一層意識をしながら、関係団体とも緊密に連携をして、丁寧な周知に努めてまいりたいと思います。

森(よ)委員 まだまだ進んでいないところはあると思うので、是非積極的な周知をお願いしたいと思います。

 その上で、やはりこれは、実際に話を聞いてみると、賃金がちゃんと支払われていないときに通報ができるかというと、なかなか通報しにくいというような現状があるというふうに認識をしています。

 今、担い手三法の話をしていたんですが、公契約条例で、各自治体が主導になってこうした労務費の最低の価格というのを定めて運用している、条例に基づいてやっている自治体もあるんですが、実際にこの自治体における条例の施行状況を聞いてみると、金額が下回っていても、これを役所に言うと、それが話が行って契約が切られるのが怖いといって、これは下請法の話、取適法の話でも一緒なんですが、なかなか言いにくいという現状もあるというふうに聞いております。なので、そもそも知ってもらうことも大事なんですが、知ってもらった上でちゃんと通報できるような、そうした安心できる環境をつくっていくことも欠かせないと思っています。

 その上で、更にやっていただきたいのは、今の国交省、役所の仕組みとしては、基本的に受け身になっていることが多いんだと思います。まさに駆け込みホットラインだったりとか実態調査で見えてきたところに対してアプローチをかけていく、それは正しい選択肢だと思うんですが、それだけではなくて、国交省側から、建設Gメンというのがいらっしゃいますから、実際にそうした事例が分かっていないところでも、抜き打ち調査でもいいんですが、実際に足を運んでいって、そこで実際にどういった契約がなされているのか、どうした賃金が払われているのか、こうしたことを主体的に取っていくことで実効性が更に確保できると思うんです。

 もちろん、建設Gメンは今百五十人ぐらいしか全国にいないと聞いていますので、人数を増やしていかないといけないのはそのとおりなんですが、人員確保も含めて、そうした受け身の姿勢ではなくて、自分たちから実効性確保に向けて調査をしていく、そうした姿勢に転換すべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

金子国務大臣 改正建設業法に基づく労務費の確保、行き渡りの制度の実効性を確保し、建設技能者の処遇改善と担い手の確保を図るには、制度の施行状況を的確に把握することが重要であります。

 このため、駆け込みホットラインにより、建設工事の取引当事者から個別工事に関する情報を随時受け付けるとともに、約三万事業者を対象に下請取引等実態調査を行うことにより、実態をきめ細かく把握をし、建設Gメンによる効果的な調査、指導につなげています。

 また、これらの取組を更に強化するため、現在、技能者から情報提供された賃金情報が標準値を下回っているか否かを簡易に確認できるシステムの導入を検討しており、今年度中に試行的な運用を開始し、本格運用につなげる予定であります。

 その上で、委員御指摘のとおり、情報提供を待つことなく、国土交通省が自ら主体的に実態を調査し、課題解決に生かしていくことが重要であります。このため、今年度より、民間工事も含めた複数の個別工事を選定し、労務費の詳細な支払い状況を調査するとともに、労務費の行き渡りのボトルネックが生じる要因を具体的に分析する取組も新たに開始することにしております。

 これら様々な施策を総動員いたしまして、改正建設業法に基づく労務費の確保、行き渡りの仕組みを徹底することにより、建設技能者の処遇改善と担い手確保の実現に引き続きしっかり取り組んでまいります。

森(よ)委員 力強い答弁、ありがとうございます。

 建設Gメンは百五十人しかいないので、多分ここもボトルネックになっていると思うので、そこをしっかり拡充していって、まさに大臣もおっしゃった、国交省が率先して主体的に取りに行く、これを是非進めていただきたいと思います。

 最後に一点、お伺いいたします。

 コミットメント条項の話も最初の答弁にありましたが、このコミットメント条項というのはAとBがあるんですね。これは、Aの方を選択する方が望ましいんですが、もちろんいきなりは難しいということでBの条項というのを設けられているわけなんですけれども、特にこれは、民間事業者全体に対して、サプライチェーン全体の、下請契約などを含めてコミットメントをしないといけないAを選択するのはしんどいことなんですが、まず率先垂範で国とか自治体、特に自治体ですけれども、自治体が公共工事を発注する際はAを選択しないといけないとか、強制するのは難しいと思うんですが、ある程度、国からそうした何らかの要請をしていく方がいいというふうに認識をしております。

 これは民間にいきなりお願いするのはしんどいので、まず自治体からAを選択しましょうよと、こうしたことを国交省からしっかり要請することでこの実効性が更に確保されますし、周知も広がっていくと思うので、そこは大臣のリーダーシップに是非期待をしたいと思うんですが、最後にこの点、いかがでしょうか。

金子国務大臣 コミットメント条項の利用につきましては、サプライチェーン全体での労務費の行き渡り確保の観点から、中央建設業審議会の勧告におきまして、自治体発注の工事を含め、委員が条項Aと御指摘されたように、全ての契約当事者間でのコミットメント条項の導入を約束する方式を基本としております。

 コミットメント条項の考え方や導入方法につきましては、自治体との会議などあらゆる機会を活用して周知、浸透に取り組んでいるところであり、請負契約において積極的に活用され、適正な労務費の確保と行き渡りが図られるよう、引き続き取り組んでまいります。

森(よ)委員 建設業界の担い手確保に向けて、大臣の今後のリーダーシップを期待して、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、西岡秀子君。

西岡(秀)委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 本日は、質問の機会をありがとうございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 私からも、この後、起草が予定をされております建築士法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。

 この度の改正は、高齢化が進展している建築士の数を将来にわたり確保するために、在学中の受験を可能とするなどの様々な内容が法案に盛り込まれていると承知をいたしております。

 先ほど森委員の方からも質問させていただきましたけれども、平成三十年の改正に続いての改正ということになりますけれども、昨年四月施行の改正建築基準法によって、いわゆる四号特例が廃止をされました。新二号建築物の確認申請時にも、構造関係規定や省エネ関連の図書の提出が必要となりました。そのことに伴って、建築士には、環境性能などについての更なる専門性やその能力が求められることとなっております。

 私の方からは、今回の改正で更なる受験の要件の緩和などを進める本改正との整合性というものにつきまして、どのように考えておられるのかということを国交省にお尋ねをさせていただきます。

宿本政府参考人 お答えいたします。

 現在検討されております建築士法の改正案は、建築士試験の内容や水準を変更するものではないと承知をしております。

 一方、建築士試験の内容につきましては、現在、中央建築士審査会におきまして、見直しに向けて御議論をいただいているところであり、こうした取組を通じて、引き続き、建築士になる方々の資質、能力を確保してまいります。

 さらに、建築士の方々には、資格取得後の制度改正などにも適切に対応していただく必要がございます。建築士法では、建築士の方々に対して、三年に一回の定期講習を義務づけております。

 国土交通省といたしましては、試験の内容の見直しに加えて、この定期講習の内容の充実などによりまして、資格取得後の建築士としての資質、能力の確保にも努めてまいります。

西岡(秀)委員 資質、能力についてもしっかり対応していくという御答弁がありましたけれども、平成三十年の改正の検証ということについて先ほど森委員から質問させていただきました。一割、受験者が増えたということでございますけれども、私が調べたデータによりますと、やはり、一級建築士の試験については、難易度が高いために、合格者数については増加をしていないというデータがございます。

 受験者数は増えたけれども合格者は変わらないということを含めて、人員の底上げになかなか結びついていない状況もありますけれども、先ほど質問させていただきました、様々な専門性ですとか能力というもの、新しい様々な分野で建築士の皆様が御活躍いただくということを考えますと、若い世代がやはり建築士を目指していただく環境づくり、これを総合的に対応していくということが極めて重要だというふうに思っております。

 資格の価値というものを再度評価するとともに、待遇改善も含めた施策も一体として進めていくことが極めて重要です。建築士の職務は、構造物の安全性に直結する、人命に関わる重要な職務でありまして、資格の価値は極めて高いということ、このことを改めて認識をし、この価値を守りつつ、将来建築士を目指す若者を増やしていくための取組、是非、国交省に強くこのことに取り組んでいただくことをお願いを申し上げたいというふうに思います。

 以上で建築士の改正についての質問を終わらせていただきまして、私、次は、九州新幹線西九州ルートについて質問させていただきたいと思います。

 先週は大きく新幹線に関わることが動いた一週間だったというふうに思っております。十五日には、与党準備会において北陸新幹線の延伸ルートにつきまして、ルートの案が採用されました。十七日には、九州新幹線西九州ルートの未整備区間、新鳥栖―武雄温泉間について、国交省の水嶋事務次官と佐賀県知事の間で合意文書、九州新幹線西九州ルートの在り方に関する二者合意が交わされました。

 これまで佐賀県の御理解がなかなか得られない状況が続いておりましたけれども、水嶋事務次官と佐賀県知事がこれまで十一回に及ぶ会談を重ねていただいて信頼醸成を図っていただいて、来年度から環境アセスメント、このことを実施する合意に至ったということにつきましては、フル規格に向けた、全線開通に向けた第一歩ということで、心より敬意を表し、大きな前進であると私も受け止めさせていただいております。

 一方で、国と佐賀県の合意内容は多岐にわたっております。先ほど申し上げた環境アセスの実施、また、その事前調査の実施、財政負担の問題、在来線の問題、地域振興の問題、また、今後の取扱い等が記載をされております。

 今回の合意については、これまで大臣も異例の取組とされていた事務次官と佐賀県知事との二者合意が実現をしたわけでございますけれども、この合意内容について、大臣の御見解をまずお伺いをさせていただきます。

金子国務大臣 西岡委員にはこの問題は何度も取り上げていただいておりますが、西九州新幹線の新鳥栖―武雄温泉間につきましては、水嶋国土交通事務次官と山口佐賀県知事との間で昨年十月よりフル規格での整備を前提とした意見交換が行われてきましたが、今般、両者間で環境影響評価手続の実施等について合意に至りました。

 次官と知事が個別の政策課題に関する意見交換を重ねることは異例のことでございましたが、今回の合意文書は、水嶋次官と山口知事がそれぞれ国土交通省と佐賀県を代表する立場で真摯に協議を重ねた結果取りまとめたものであり、新たな一歩を踏み出すものであると認識をしております。

 今回の合意を受けまして、国土交通省においては、鉄道・運輸機構とともに、環境影響評価の実施に必要な準備や調整等を着実に進めてまいりたいと考えております。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。

 やはり環境アセスに向けた、予算確保も含めて、大臣にはしっかり取組をお願いを申し上げたいと思います。

 その上で、合意文書の中に、国がフリーゲージトレインの導入を断念した特殊事情により現在の状況に至っていること、これが明記をされました。私もこれまで質問の中で申し上げてきたことでございますけれども、このことが明記された意義は、私自身、極めて大きいというふうに認識をいたしております。合意文書には、このことにより、佐賀県の地方負担に一定の上限を設けるなど特別な配慮を行うとされております。

 今、合意したばかりで日にちも浅い状況の中で、なかなか具体的なところまでの言及は難しいと思いますけれども、特別な配慮についてお伺いをさせていただきます。

五十嵐政府参考人 お答え申し上げます。

 西九州新幹線を含む整備新幹線の整備財源については、法令上、貸付料などと、それを除いた額の国と地方による負担とすることとされております。

 こうした仕組みを前提として、佐賀県からは、かねてより地方負担に関して懸念が示されており、水嶋次官と山口知事との協議においても佐賀県による財政負担の在り方についての議論が深められてきたところです。その結果、今回の合意文書において、財政負担に関する事項が盛り込まれたものと承知をしております。

 国土交通省といたしましては、財政負担の在り方について、関係者間でよく議論してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

西岡(秀)委員 ありがとうございます。

 これから議論をするということだったわけでございますけれども、次の質問、ちょっと順番を入れ替えさせていただきまして、様々な議論がこれからということでございますけれども、今回の国と佐賀県の二者合意におきまして、長崎県が共同して負担をするのが適当であるという、長崎県の負担につきましても言及がございます。

 議論はこれからでありますけれども、私は長崎県との事前の協議はなかったというふうに認識をいたしておりますけれども、国と佐賀県の二者の合意内容であると承知しておりますが、今後、国と長崎県を始めとする関係者とどのように協議を進めていく方針であるかということについてお伺いをさせていただきます。

五十嵐政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、今回の水嶋次官と山口知事による合意文書においては、財政負担に関し、長崎県の負担に関する事項も盛り込まれております。

 今回の合意文書はあくまでも国土交通省と佐賀県の見解を取りまとめたものですが、長崎県においても西九州新幹線の財政負担に関しては問題意識を持っていただいているものと認識しており、まずは佐賀県と長崎県において協議が進められるものと承知をしております。

 国土交通省としては、まずは両県の協議の状況を注視してまいりたい、このように考えております。

 以上でございます。

西岡(秀)委員 そこにはしっかり国もコミットしていただくことが私は極めて重要ではないかというふうに考えております。

 また、財政スキームの具体的な内容というものは、先ほど御答弁があったように明確ではございませんけれども、今回合意で触れられた財政負担の特例的な対応というものは、フリーゲージトレインの断念による特別な事情が考慮された、特別な配慮が示されたものであると認識をいたしております。

 それぞれの地域にはそれぞれの事情がございます。以前から大臣にも質問してまいりましたけれども、整備新幹線の財政スキームの在り方、これにつきましては、現在、人口減少下であることや、経済社会情勢の変化、また物価高騰の要因などが極めて大きな影響を与えている今の状況を含めて、全国新幹線鉄道整備法の改正も視野に抜本的に取り組むことが必要ではないかというふうに考えますけれども、このことについての大臣の御見解をお伺いいたします。

金子国務大臣 これまで鉄道局長からるる御説明を申し上げましたが、西九州新幹線につきましては、フリーゲージトレインの導入を断念せざるを得なくなった結果、現在の状況に至っている経緯があると承知をしております。

 こうした経緯にも配慮し、今回の水嶋次官と山口知事との間の合意文書においては、国土交通省による佐賀県の地方負担への特別の配慮、長崎県と佐賀県による負担の在り方について両県の決定の尊重といった財政負担に関する事項も盛り込まれていると承知をしております。

 西九州新幹線の財政負担の在り方については、こうした合意内容も踏まえ、関係者間での議論を深めてまいりたいと考えております。

西岡(秀)委員 今質問させていただきました内容につきましては、整備新幹線全体のことも含めてお聞きをさせていただいた趣旨でございまして、西九州新幹線については、今回の国と佐賀県の合意がなされたということ、また、フリーゲージトレインの特殊な事情というものがあるわけでございますけれども、今、整備新幹線、いろいろなところで進んでいる中で、やはり財政スキームの問題というものを抜本的に考えていく時期に来ているのではないかというふうに思いますので、そのことについて質問をさせていただきましたが、御答弁はございますでしょうか。

金子国務大臣 御質問についてでございますが、今、西九州新幹線についてのお話があったばかりでございます。全体のことについては、私がここで言及することでなくて、それぞれの部署でこれから議論をされることかと思います。そういうことで御勘弁をいただきたいと思います。

西岡(秀)委員 私の問題意識としては、そこをしっかり抜本的な取組が必要だということについて付言をさせていただきます。

 最後の質問でございます。

 人口減少の時代だからこそ、より一層、全国の高速鉄道ネットワークがしっかりと全国でつながることが極めて重要だと考えております。

 整備新幹線は国の事業であり、今回の合意を第一歩として、今後国が、速達性の確保、自治体の負担、財政負担の在り方等を含め早期に、全線フル規格による西九州ルートの開通へ向けて、より強いリーダーシップを持って取り組んでいただくことが極めて重要だと思いますけれども、金子大臣の御決意をお伺いさせていただきます。

金子国務大臣 私もこれまで言及をしてまいりましたが、西九州新幹線の新鳥栖―武雄温泉間がフル規格で整備されれば、西九州地方と関西、中国地方が新幹線ネットワークでつながり、沿線周辺も含めた地域一帯において観光やまちづくり、地方創生など多くの面での効果が表れると考えております。

 今回の合意を受けまして、国土交通省においては、鉄道・運輸機構とともに、環境影響評価の実施に必要な準備や調整等を着実に進めてまいりたいと考えております。

 国土交通省といたしましては、今後とも、新幹線整備の必要性、重要性について御地元の皆様に丁寧に説明をしていくとともに、佐賀県や長崎県を始めとした関係者と必要な議論を進めていくなど、西九州新幹線の整備に向けた取組を進めてまいります。

西岡(秀)委員 今大臣から御決意をいただきましたけれども、この合意、極めていろいろな困難な中で結んでいただいた合意だというふうに思っておりますので、この合意を新たなスタートとして、全線フル規格による一日も早い開通のために是非取り組んでいただくことを、長崎県民も大きな期待を持っておりますので、強くお願いを申し上げたいと思います。

 半世紀の時を経てやっと開通いたしましたけれども、この未整備区間の長期化が極めて懸念をされておりますので、この区間がつながることは、先ほども申し上げました、ネットワークがつながること、これは人口減少時代に極めて重要なことだというふうに思っておりまして、今まで以上に大きな効果が近隣地域のみならず九州そして全国にも波及するものだと確信をいたします。

 また、広島と長崎が一本の新幹線でつながる平和の新幹線としても大きな意味があるというふうに思いますので、是非、全線フル規格による早期の開通へ向けた大臣の御尽力、リーダーシップをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、吉川里奈君。

吉川委員 参政党の吉川里奈です。

 本日、今国会恐らく最後であろうという質疑の機会をいただき、ありがとうございます。気合を入れて質問をしていきたいと思います。

 我が国ですが、世界有数の災害大国であるかと思います。首都直下型地震や南海トラフの巨大地震など、国家の中枢機能そのものが脅かされるリスクに常に直面をしています。

 その中で、災害時において国民の生命と財産を守り行政や立法を止めないこと、すなわち国家の業務継続体制をいかに確立するかは極めて重要な課題であります。私自身も、防災立国を掲げる高市総理の下、防災庁、防災局の創設を始め政府全体の危機管理体制を強化していく方向性には大いに期待をしております。

 そこで、本日は、今、参議院で本日審査入りというふうになりましたいわゆる副首都構想の関連法案、これ自体について御質問するという個別な制度論ではなく、国家機能をどのように維持していくのかという観点から、現状の政府の取組について御確認をさせていただきたいと思います。

 まず、首都直下地震を始めとする大規模災害時における政府全体のバックアップ機能の体制というものはどのように整備されているのか、教えてください。

貫名政府参考人 お答えいたします。

 首都直下地震等の大規模災害時におきましても首都中枢機能を維持するため、これらの機能の代替を確保することは重要だと考えております。

 このため、首都直下地震が発生した場合に備えまして政府業務継続計画を策定し、例えば官邸が被災して使用できない事態を想定いたしまして、内閣府、防衛省、そして立川広域防災基地の三か所を緊急災害対策本部の一時的な設置場所として位置づけているところでございます。

 さらに、政府の業務継続のためにはあらゆる事態を想定する必要がありますので、首都圏以外におきましても、各府省の地方局が集積する各都市を中心に、既存施設の活用など、代替拠点の確保等に係る検討を行っているところでございます。

 加えまして、昨年十二月に取りまとめられました中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループの報告書におきましても、複合災害といった過酷事象により想定外の事態も起こり得ることですので、そういった状況下にありましても非常時優先業務を遂行させるためには、当該業務を一時的に首都圏外に移転して実施する必要があると提言されているところでございます。

 この提言も踏まえまして、今後検討を深めていく必要があると考えているところでございます。

吉川委員 ありがとうございます。

 政府全体としては、業務継続計画というものを策定をして、行政機能というものを維持するためのバックアップ体制というものは既に整備をされているということであるかと思います。

 こういった政府全体の取組がある中で、国土交通省として、こういった大規模災害時、とりわけ首都直下型地震が発生した場合、首都中枢機能のバックアップ体制についてどのようなお考えで取り組まれているのか、教えてください。

林政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省としましても、首都直下地震など大規模災害時においても首都中枢機能を維持することは重要と考えてございます。

 このため、国土交通省では、首都中枢機能を維持できるよう、インフラの耐震化などを進めるとともに、発災後においては、全国からのTEC―FORCEの派遣や、都心に向けた八方向の道路啓開などの応急活動に向けた準備を進めてございます。

 また、首都直下地震を始めとする大規模災害に備えて、政府の業務継続計画を踏まえまして国土交通省業務継続計画を策定しております。この中で、千代田区九段にある国土地理院関東地方測量部、小平市にある国土交通大学校、そして立川市にある総務省の自治大学校を代替庁舎と位置づけて、国土交通省緊急災害対策本部などを移転し、非常時優先業務を継続して遂行することとしてございます。

 引き続き、国土交通省としましては、首都直下地震などの大規模災害時においても首都中枢機能を維持できるよう、内閣府とも連携し、必要な対策をより一層強力に推進してまいります。

 以上です。

吉川委員 ありがとうございます。

 国土交通省としてもそういった様々な取組を行われているということなんですけれども、国交省として、第三次国土形成計画というところで、巨大地震への備えだったり、安全、安心な国土の形成というものが掲げられており、これは新たな国土のビジョンというものが打ち出されているかと思います。こういった国土形成に向けた重点テーマを設定し、計画の効果的な推進のために、PDCAサイクルを回しながら、常に評価、検証を行っているというふうにお聞きをしました。

 現状、新たな国土ビジョンの実現に向けた取組というものはどのような状況にあって、そしてどのような成果、また課題はどのようなものがあるのか、教えていただけますか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省では、第三次国土形成計画において、国土計画のマネジメントサイクルと評価を行うこととされていることを踏まえ、本年四月より国土審議会推進部会企画・モニタリング専門委員会を開催し、計画に基づく取組の進捗状況等のモニタリングの実施に向けた検討を開始したところでございます。

 委員御質問の成果や課題等については、まさにこの専門委員会で議論しているところであり、今後、専門委員会における議論、検討を踏まえ、モニタリングの結果を取りまとめてまいります。

吉川委員 それでは具体的に何をやっていくのかというところが余り見えないんですけれども、もう少し具体的に何をしていくのか、国交省として力を入れていくものというのはないのか、教えていただけますか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 例えば、第三次国土形成計画を閣議決定いたしました令和五年七月と比べて、東京圏への転入超過傾向が継続している、あるいは地域の担い手不足が深刻化している、あるいはAIが急速に進展しており、それによる国土構造への影響を検討する必要があるなど、専門委員会で議論されているところでございます。

 引き続き、この専門委員会におきまして議論を行う予定であり、それを踏まえまして、モニタリングの結果を取りまとめてまいります。

吉川委員 国土形成計画というのは、新時代に地域をつなぐ国土ということで、巨大災害、気候危機、緊迫化する国際情勢に対応する安全、安心な国土づくり、災害等に屈しないしなやかで強い国土というものが真ん中に書いてあるんですね。なので、是非、巨大災害だったりとか、こういった今回の議論にもなっているような首都直下型地震が起きたときのバックアップ体制などについても、しっかりと、モニタリングで情報収集されているということですけれども、取り組んでいただきたいというふうに考えます。

 こういった国土形成計画において、巨大災害に対応した安心、安全な国土づくりを目指す国の姿として、これを実現するために、国交省として更にどのような取組を進めていかれるのか、大臣の御見解をいただけますでしょうか。

金子国務大臣 吉川委員にお答え申し上げます。

 日本は世界有数の災害大国であり、大規模災害に対する事前防災対策等は、国として対応すべき最優先の課題と認識をしております。

 第三次国土形成計画では、国民の命と暮らしを守る安全、安心な国土づくりに向け、防災・減災、国土強靱化に関する基本的な施策として、諸機能及びネットワークの多重性、代替性確保等による災害に強い国土構造の構築や戦略的メンテナンスによる国土基盤の持続的な機能発揮等を位置づけております。

 国土交通省としては、昨年六月に閣議決定されました第一次国土強靱化実施中期計画に基づき、関係省庁とも連携をしながら、防災インフラの整備、管理やライフラインの強靱化など国土強靱化の取組を推進し、安全、安心な国土づくりに全力で取り組んでまいります。

吉川委員 安心、安全な国づくりのために、国全体として、そして国交省としてもしっかりやっていきますというふうな防災対策があるわけですよね。そういった災害対策というものについても国交省は取り組んでおられる。

 そして、政府全体としても、首都直下型地震を想定した業務継続計画というものを策定して、行政機能のバックアップ体制というものは整備が進んでおります。先ほども冒頭申しましたが、防災庁や防災局というものが創設され、平時から政府全体の危機管理体制というものは抜本的に強化するという方針が示されております。

 私、国土交通省のこれまでの防災対策に対するプロセスを見ておりますと、我が国では平成二年、今から三十六年前、国会決議において、国会等の移転法というものがございまして、首都中枢機能の在り方について長年の御議論がなされ、災害リスクや立地条件など多くの知見が蓄積されているということを認識をいたしました。

 国家機能を守るという課題というのは、何よりも、国家のバックアップ体制、BCPの問題であるというふうに考えておりますが、やはりそういったときには、災害時のバックアップ体制と都市政策であったり地域振興の議論というのは切り分けて考えることが必要なのではないかなというふうに思います。

 当時の議論の内容を見ていますと、やはりそのときも、国会をどこに移動するのか、そしてどのような予算がかかるのか、いろいろなことが、専門家の方々もたくさん審議されていて、御議論なされていたんですが、かなり巨額な予算がかかり、そしてバブル崩壊もあって、全面移転ではなくて、それぞれの機能のバックアップ体制として現在の政府業務継続計画につながっているのかなと。

 また、公共事業の見直しとか、あと行政改革というものもございまして、進んでいた議論が、政治的な逆風が吹いてストップしてしまっているということがあるんだということを承知をいたしました。ですが、その当時は、超党派の議連で、二百名以上の方々、諸先輩方が議連に加盟されて、そういった御議論がされていたということを承知しました。

 やはりこの首都中枢機能のバックアップについて、これらの御議論がなされた歴史だったり、そういった知見の蓄積、是非こういったことを、三十六年前のものを使うということはなかなか難しいと思うんですけれども、これは国交省のホームページにそういうものがあって、国交省としてかつてやっていたというところがあるんですから、是非、金子大臣には、こういった特定の政党だったりとか時の党利党略を進めるための稚拙な議論ではなくて、しっかり国として旗振りをして、再度御議論なさってはいかがかなというふうに感じるんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

金子国務大臣 私も、国会に出てきて二十六年たちます。若い頃は、特に首都移転ということで、いろいろな地域が予定として出まして、見に行ったこともあるんですけれども、やはりいろいろな財政的なものとか、いろいろなことがあって現在に至っているというふうに思います。

 しかしながら、一つ言えることは、やはり危機管理という意味で、これだけ首都直下型の地震が起きるかもしれないとか全国で大規模な災害が激甚化、頻発化している中で、先ほど内閣府の防災担当からもお話をしたように、あるいは国土交通省からもお話をしたとおり、やはり首都中枢機能を維持するためのバックアップ体制とか、それはしっかり確実に進んでいるものだというふうに思います。

 そういう意味では、我々もその問題意識というのは十分持っておりますので、引き続き、もっとバックアップ体制の強化とか、あるいは、いざそういう大規模な地震が起きたときの体制というのはしっかりやっていかなければいけないと思いますし、日々そのことは議論をさせていただいているところでございます。

吉川委員 ありがとうございます。

 是非、その防災対策、バックアップ体制等については、国交省、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。

 また、政府の基本方針二〇二六、これは昨日ですか、発表なされましたが、そこの中に書いてあったことが、首都直下型地震を始めとした大規模災害時において、防災機能を整備するための環境整備を進めるということが書いてあるんですが、その際、新たな財政負担が生じないよう、官民連携の規制緩和によって民間資金、民間活力を最大活用するというふうなことが書かれておりました。

 私としては、政府において、責任ある積極財政というところに関して、しっかり首都のバックアップ体制を整える上でも、国土強靱化の上でも、そして地方創生の上でも、やはり今こそ積極財政という形でもっともっと予算をかけてやっていかないと、これは民間頼りで本当にいいのかというところは非常に懸念を抱いております。

 こういった防災対策、そして国土強靱化等を含めて今議論がなされていくところにあるかと思いますが、国家の在り方に対しての御議論は政局の武器にしてはならない、どんなときであっても、各政党それぞれがしっかりと国民の皆さんの意見を持ち寄って、これから先の日本の未来、国益を守りながら、国民の皆様方がやはり安心、安全に暮らせる国土をつくっていただきたい、そういう御議論がしっかりと国会でなされることを、参議院でこれから行われると思いますが、そこを切に願いまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、須田英太郎君。

須田委員 こんにちは。チームみらいの須田英太郎です。

 済みません、ちょっと喉の調子が冷房をつけたまま寝たせいか悪く、お聞き苦しかったら申し訳ありません。皆さんも夏風邪にはどうぞお気をつけてください。

 本日は、自動運航船、一部を人に代わって船自身が安全を確かめながら走る船についてお伺いいたします。

 香川県の小豆島と岡山を結ぶフェリーでもこの自動運航船、既に走っております。私もその取組に前職で関わっておりました。島では、通院も通学も、あるいは買物、船が生活の足になっています。その船が、便数がどんどん減って航路の休止が続いています。だからこの取組が頼みの綱なんですよというようなお話を島の方々から伺ってまいりました。船員のなり手が減っていく中で、自動運航船の早期の実用化、これが島の暮らしを守るためには不可欠でございます。

 今年の一月には、世界で初めて特定の条件下で人が操船に関与しないレベルでの自動運航で日本のコンテナ船が商用運航を始めております。さらに、七月一日には自動運航に関する初の世界の包括的な国際的な安全ルール、MASSコードというものの適用が始まりました。いずれも、安全ルールを整えて国際的な議論を主導してきた国土交通省の取組の成果であると考えております。敬意を表します。

 日本が世界をリードしているこの自動運航船の技術において、勝負となるのはここからの普及と産業化です。本日は、これについて四つのテーマでお伺いいたします。

 まず、大臣にお聞きします。

 自動運航船というのは、担い手不足や安全への対応に加えて、政府が戦略分野に掲げている造船の需要を生み出す産業戦略としても重要であると考えております。この自動運航船の重要性を政府がどのように認識して、その普及と産業化にどのような決意で取り組まれるのか、大臣のお考えをお聞かせください。

金子国務大臣 須田委員は、自動運転車についてはもう民間の立場で頑張っておられたというのは聞いておったんですが、今回、自動運航船もやっておられたということで、心より敬意を表したいと思います。

 おととい七月二十日は海の日でございました。この記念行事に参加をしたときに、日本財団の尾形会長とまさにこの自動運航船の話題で盛り上がったところでございます。

 自動運航船は、次世代船舶として、ゼロエミッション船とともに日本の造船業再生の勝ち筋になるものとして日本成長戦略の重点十七分野の一つであります造船の官民投資ロードマップに位置づけられており、重要な分野と認識をしております。

 同時に、我が国全体で人手不足が深刻化する中、運航の効率化、省力化への期待が大きく、海事産業の競争力強化の観点からも重要でございます。

 また、国際的なルール形成に関しては、自動運航船の二〇三〇年頃までの本格的な商用運航の実現に向けまして、現在、実証運航を行っている事業、MEGURI二〇四〇から得られる実証運航データを収集、分析をいたしまして、船舶の安全基準の策定や船員の乗船基準の策定を進めております。

 今後、これらを踏まえ、国際海事機関、IMOにおけるルール整備の議論を主導し、自動運航船の本格的な商用運航の実現に向けて引き続きしっかりと取り組んでまいります。

須田委員 大臣、ありがとうございます。IMOでの議論の主導ということも含めて大変前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。

 自動運航船の導入の促進について、大臣に次いでお聞きいたします。

 民間の調査では、船主さんたちの八割が五年から十年以内に自動運航の仕組みを導入したいというふうに答えておられます。一方で、国内輸送を担う船主さんたちの九九%以上が中小企業です。標準的な小型の貨物船では五千万から一億、船の価格の一割から二割に上るような追加投資が必要で、これはなかなか簡単な決断ではございません。同じ次世代の船でも、先ほどお話しいただいたゼロエミッション船には国の認定がついて、設備への補助や低い金利といった後押しの仕組みが整っております。

 そこで、大臣にお伺いいたします。

 令和九年度に、検査や認証といった制度整備にとどまらず、導入の後押しや予算のつけ方を一段予算の中で引き上げていくべきと考えますが、概算要求にどのように反映させていくお考えか、御見解をお聞かせください。

金子国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、国土交通省としては、自動運航船の二〇三〇年頃までの本格的な商用運航の実現に向けて、安全基準や検査方法の策定等のルール作りに取り組んできたところでございます。

 自動運航は、現時点では完全に無人化する段階ではなく、まずは船員の作業負担軽減等の環境改善につながる形での活用を念頭に、段階的に自動運航システムの導入が進んでいる状況でございます。自動運航システムが直ちに広範な普及に至る段階にない中にあって、まずはルール作り等の環境整備を図ることが重要であると考えております。

 自動運航システムの更なる普及策については、技術の成熟や社会実装の進展を踏まえつつ、今後の課題としてしっかり検討してまいります。

須田委員 ありがとうございます。まずは環境整備からということで承知いたしました。

 続いて、船主が設備に投資したお金を回収できる環境づくりについて、政府参考人にお伺いいたします。

 設備にかかったお金を少しずつ運賃や船を貸し出す料金である用船料に乗せて回収する、将来の投資に必要なお金も利益として上乗せしていくというのは、商売の上で当たり前のことですが、これがなかなか難しいという現状が海運業界では起きております。

 その手当てとして、国土交通省は、本年三月に運賃や用船料算出の標準的な考え方を公表いたしました。中小の船主さんが投資に踏み出せるかというのは、これが実際の価格交渉で機能するかどうかに懸かっていると考えています。

 この浸透に向けて現在どのように取り組んでおられるのか、また、自動運航設備のような新しい投資の分も含めて、運賃への反映をどう実効あるものにしていくお考えなのか、お聞かせください。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 安定的な国内海上輸送を確保するためには、内航海運事業に要するコストに加え、船舶の更新や自動運航設備なども含む新規投資を行う上での原資となる利益を運賃、用船料などとして事業者が適切に収受できる、これが重要だと考えています。

 国土交通省では、委員御指摘のとおり、本年三月に標準的な考え方を策定し、公表したところであり、今後は、この考え方を普及、浸透させていくということが課題であると認識しております。

 このため、今後の運賃、用船料等の改定交渉に向けて小規模事業者を含む幅広い内航海運業者に標準的な考え方を活用していただけるよう、業界団体と連携し、全国各地での説明会の開催やQアンドA集の公表、また問合せ窓口の設置などの取組を順次進めてきているところでございます。

 標準的な考え方を活用した適正な運賃、用船料等の収受が内航海運分野における商慣行として根づき、将来にわたって安定輸送の確保が図られるように、その中にはまた自動運航システムの投資の資金も入っていくように、今後ともしっかり取り組んでまいります。

須田委員 ありがとうございます。周知徹底を是非進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 次に、船と港と陸のつなぎ目について、大臣にお伺いいたします。

 小豆島で島の事業者の方々に言われたことがあります。船の自動化というのは本当にありがたいんだ、ただ、船だけ自動化されても島は便利にならないんですよというようなことをおっしゃる方がおられました。港に着いた後のバスの運転手も、荷物を倉庫まで運ぶトラックのドライバーも、同じように足りていないからです。船が港に着いても、その先に進めなければ暮らしは変わっていきません。

 そこで、大臣にお伺いいたします。

 自動運航船と港湾の自動化と自動運転という隣り合う領域が連携した切れ目のない自動化、これが重要だと考えておりますが、この重要性をどのように認識しておられますでしょうか。また、所管が複数の局にまたがりますので、省を横断してどのように取り組み得るのか、是非お考えをお聞かせください。

金子国務大臣 委員御指摘のとおり、自動運航船、港湾の自動化、自動運転といった、交通、物流に係る各分野を連携させたシームレスな自動化を実現することは、担い手不足への対応や生産性向上といった課題に対応する重要な取組と認識をしております。

 国土交通省としては、あらゆる交通分野において徹底した自動化、遠隔化技術の導入を図り、特に物流については、今後の自動運転技術の進展等も踏まえながら、レベル4自動運転トラックと貨物駅、港湾、空港等の輸送モードとの円滑な連携や過疎地域等のラストマイル配送での活用可能性についても検討することとしております。

 引き続き、関係府省庁とも密に連携しながら、各種の交通、物流を連携させたシームレスな自動化に向けた取組を推進してまいります。

須田委員 御答弁ありがとうございます。これはそれぞれ個別に進めるのではなくて、しっかり横で連携しながら進めていくことは非常に重要だと考えております。是非引き続きよろしくお願いいたします。

 最後に、国際展開についてお伺いいたします。

 まず、自動運航船の価値について、これは船体だけではなく、運航データの基盤ですとか、陸から船を見守る陸上支援センターといった情報のインフラとセットで育てていくことが肝要です。

 これを日本の勝ち筋にしていくためには、船の開発と情報インフラの開発、双方一体で産業を育てていくことが重要だと考えておりますが、政府のお考えをお聞かせください。

新垣政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、自動運航船の更なる発展のためには、陸上システムなどの情報インフラと一体で取り組むことが重要であると認識しております。

 海事分野では、船舶運航に関わる関係者間、これはエンジンメーカーなどを含んでおります、この関係者間で船舶の運航データを共有し、各種サービスの提供につなげていくためのプラットフォームが民間主導で立ち上がっております。

 また、日本財団が進めている事業、MEGURI二〇四〇においては、陸上支援システムについても開発、実証が進められています。

 海事局では、自動運航船の安全基準等のルール作りを進めていると申し上げましたけれども、今申し上げたこれらの情報インフラを前提とした内容でこのルール作りも進めております。

 今後も、自動運航技術と情報インフラは不可分だとの考えで、自動運航船の本格的な商用運航実現に向けて取り組んでまいります。

須田委員 ありがとうございます。まさに今おっしゃっていただいたように、情報インフラとセットで開発及び産業促進を進めていくことは非常に重要です。どうぞよろしくお願いいたします。

 これからの数年間というのは、日本の現場の経験を世界のルールに埋め込んでいくまたとない機会でございます。島の暮らしを守る技術が日本の新しい産業にもなっていく。現場の実装と国内の支援と国際ルール作り、この三つをそろえて世界をリードしていく、これを国土交通省に求めて、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

冨樫委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 初めに、この後予定されている建築士法改正案起草に係って、金子恭之国土交通大臣に質問いたします。

 今回の改正は、一級建築士試験で大学在学中の受験を可能にすることなどです。大事なことは、建築士として必要な技能を身につけているかどうかだと思うんです。

 この点で、日本建築学会が国交省宛てに六月十八日付で意見書を出して、資格志望者の多様なキャリアパスに応じる制度改変として、一括同時選抜型から通年分散型への移行を提案しております。

 落とすための試験になっていないかという観点から、日本建築学会の意見書なども受け止めて、今後の制度の見直しを検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。

金子国務大臣 畑野委員にお答え申し上げます。

 日本建築学会から本年六月に、建築士試験を年一回の一斉試験の一括同時選抜型から、年間を通じて複数回受験機会のある通年分散型へ移行させることや、科目別合格制度の導入などを内容とした意見書をいただいております。

 国土交通省としては、将来の建築分野の担い手確保に向けて、社会資本整備審議会における建築分野の中長期的なビジョンの策定や、中央建築士審議会における建築士試験制度の見直しについて検討を開始したところでございます。

 これらの検討におきまして、日本建築学会からいただいた意見書の内容も勘案し、可能な内容について検討を進めてまいりたいと考えております。

畑野委員 大臣がおっしゃったように、若い人が希望を持って建築士を目指すことができるよう、是非検討を進めていただきたいと思います。

 次に、羽田新ルートの騒音測定について伺います。

 国は、川崎市の要請に基づいて殿町小学校に騒音測定器を常設いたしました。ところが、防水工事によって測定器を一時撤去することになりまして、今年の六月から約十か月もの間測定できない、欠測期間が生じると言われております。住民からは、不安とともに、欠測期間が短くならないか、代替措置は取れないのかという声が上がっています。

 とりわけ七月から九月の南風の時期について、資料一として、二〇二五年度のB滑走路西向き離陸運用実績を示しました。七月は二十六日、八月は二十五日、九月は十八日と頻繁に運用しています。十五時から十九時のうち三時間程度の離陸は七月で一日約五十六便、大型機では平均八十三・六デシベルとなっております。

 神奈川県が環境基本法に基づきこの小学校で年四回行っている短期測定との連携ができないか、七月三日に航空局の担当者に地元市議会議員と一緒にお願いをいたしまして、その方向で対応されていると伺っております。その後の進捗、特に欠測期間を短くするために代替の測定は可能な限り長くできるようにしてほしいという声なのですが、いかがでしょうか。

宮澤政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省においては、羽田空港新飛行経路下の騒音状況について、詳細な情報を地域住民の方々に提供するため、騒音測定局を設置し、常時、航空機騒音測定を実施しております。

 今回、その設置箇所の一つである川崎市殿町小学校において外壁塗装改修が行われることとなったことから、その間、騒音測定機器を撤去する必要性が生じました。

 これまで、撤去ではなく移設による対応を含め川崎市と協議を重ねてきましたが、実現が難しく、現在、欠測期間の短縮に向け、外壁塗装改修工事発注者である川崎市、受注者である工事施工業者及び国土交通省の間で、工事工程の見直しに向けた協議を続けております。

 一方、欠測期間中、とりわけ御指摘の七月から九月期における騒音測定を可能な限り補うべく、同小学校において、神奈川県で年四回行う短期の騒音測定に加え、国土交通省においても時期をずらして短期測定を行うことといたしました。その測定結果の地域住民への情報提供についても、国土交通省と神奈川県で相互に協力して取り組んでまいります。

畑野委員 できる限り長く測定してほしいということなんですよね。金子大臣にも是非現地を見ていただきたい、聞いていただきたいということを求めたいと思います。

 そもそもコンビナートも近くにある、本当に、平穏な市民の生活のためにもこの新ルートはやめてほしいということも申し添えておきます。

 最後に、成田空港滑走路の新設、延伸計画の問題について伺います。

 七月十日に成田空港四者協議会で土地収用法に基づく事業認定の申請をすることで合意したとの報道がありまして、驚きました。

 成田空港は、一九六六年、政府が新東京国際空港建設を地元の合意なく閣議決定したことで、建設に反対する地元住民と当時の空港公団、政府との間で長い間争いが続けられてきました。地元住民が最も反発したのは、政府が、土地収用法などを使って、住民の土地を強制的に取り上げたことです。

 その後、政府は、それまでの強権的なやり方を反省し、一九九三年六月に空港公団は成田空港未買収地の収用裁決申請を取り下げました。一九九四年には、第十二回成田空港問題円卓会議で、隅谷調査団の最終見解、「成田空港問題円卓会議の終結にあたって」を結論としました。そこでは、滑走路の用地取得は話合いにより行うこととされました。

 一九九四年十月十四日には、政府も今後、円卓会議の結論を最大限尊重してその実現に努めるとともに、これまでの空港づくりの反省の上に立って誠意を持って話合いを行うことにより、用地の取得や騒音移転の問題の解決に全力を尽くすと閣議報告しています。それを資料二に示しました。

 金子大臣、この事実経過に間違いはないですね。時間がないので、短くお願いします。

金子国務大臣 重要な点でございますが、短く御答弁させていただきます。

 一点目の収用裁決申請の取下げにつきましては、一九九三年六月に、事業主体である当時の新東京国際空港公団が取下げを行っております。

 二点目の円卓会議の隅谷調査団最終見解については、現在のB滑走路について、あくまでも話合いにより解決されなければならないとされております。

 三点目の閣議報告につきましては、おおむね委員御指摘のとおり、今後、円卓会議の結論を最大限尊重し、これまでの空港づくりの反省の上に立って誠意を持って話し合うことにより、用地の取得や騒音移転の問題の解決に全力を尽くし、地域と共生できる成田空港の整備に積極的に取り組んでいくと報告をしております。

畑野委員 金子大臣は、四月二日にコメントを発表しました。資料三です。

 成田空港会社の藤井社長から、C滑走路においては、最終的に用地確保を確実にするために、土地収用制度の活用も必要と考えており、関係者との調整を開始したいとの報告。これを受けて、大臣は、土地収用制度の活用が必要な状況に至っていることは理解するが、地元の御理解を丁寧に得ることと述べています。

 このコメントが七月十日の四者協議会での合意につながるという結果になったのは明らかだと思うんです。C滑走路新設のための用地確保、必要とあれば土地収用法を使うことを容認したと受け止められても仕方がないからです。

 そこで、伺います。

 大臣が言う地元又は七月十四日の会見で触れている地域とは、誰のことでしょうか。今も騒音や落下物に悩まされている住民や離着陸可能な時間帯を開港時の時間帯に戻すべきだと要求している住民は、入っているのでしょうか。

金子国務大臣 四月二日に私が成田空港会社社長に対して指示した、地元の理解を丁寧に得ることについては、更なる機能強化に関する重要な方針決定に関わることであり、成田空港に関する四者協議会の場で御理解を得るよう指示したものでございます。この四者協議会には、委員御指摘の方々も含めた地域住民を代表する県、周辺市町の首長の皆様が構成員になっているところでございます。

 また、七月十四日に会見で申し上げた、地域の声に真摯に向き合う姿勢をこれからも忘れてはならないことについては、成田空港会社が取るべき基本的な姿勢として、引き続き、委員御指摘の方々を含む住民全般の声に真摯に向き合いながら、更なる機能強化を進めるべきとの趣旨で発言したものでございます。

冨樫委員長 畑野君に申し上げます。約束の時間が来ております。

畑野委員 はい、終わります。

 自治体の首長の合意をもって地域住民の理解が得られたとはとても言えないということを申し上げて、質問を終わります。

     ――――◇―――――

冨樫委員長 引き続き、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 建築士法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 建築士法は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的として、議員立法により、昭和二十五年に制定され、時代の要請に応じて改正が行われてきました。

 近年、建築分野における技術革新等により、建築設計、工事監理等に求められる役割や責任は拡大しております。

 しかしながら、建築士等の資格者の高齢化の進展、新規参入者の減少傾向が進んでおります。また、契約書面の相互交付義務がない小規模の建築物では、消費者を巻き込んだトラブルの発生が指摘されております。

 本起草案は、このような状況に鑑み、建築物の設計、工事監理等を担う優れた人材を継続的かつ安定的に確保するとともに、設計等の業務に係る契約の適正化を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、一級建築士の資格要件について、二級建築士が一級建築士免許を受けるために必要となる実務の経験の期間を見直すとともに、大学等に在学する者で一定の要件を満たす場合には一級建築士試験を受けることを可能としております。

 第二に、二級建築士及び木造建築士の資格要件について、免許及び試験を受けるために必要となる実務の経験の期間をそれぞれ短縮するとともに、大学等又は高等学校等に在学する者で一定の要件を満たす場合には二級建築士試験及び木造建築士試験を受けることを可能としております。

 第三に、建築設備士の定義について、国土交通大臣が定める機関に登録されたものであることを追加しております。

 第四に、当事者による契約書の相互交付義務の対象となる契約の範囲について、建築物の面積等を問わず、建築士が設計、工事監理を行う全ての設計受託契約又は工事監理受託契約を対象としております。

 第五に、設計等の業務に係る契約締結について、見積書を作成すること及び同見積書の内容等を踏まえた契約を締結することについて努力義務を課しております。

 以上が、本起草案の趣旨であります。

    ―――――――――――――

 建築士法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

冨樫委員長 これより採決いたします。

 建築士法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

冨樫委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時十分散会


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