衆議院

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第2号 令和2年6月12日(金曜日)

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令和二年六月十二日(金曜日)

    午後二時五十分開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 池田 佳隆君 理事 大串 正樹君

   理事 木原 誠二君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 山田 美樹君 理事 源馬謙太郎君

   理事 西村智奈美君 理事 竹内  譲君

      石崎  徹君    大野敬太郎君

      木村 哲也君    熊田 裕通君

      田畑 裕明君    細田 健一君

      堀井  学君    村井 英樹君

      山口  壯君    松原  仁君

      村上 史好君    吉田 統彦君

      渡辺  周君    浜地 雅一君

      藤野 保史君    井上 英孝君

    …………………………………

   外務大臣         茂木 敏充君

   国務大臣

   (拉致問題担当)     菅  義偉君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 武田 良太君

   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          辻本 頼昭君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十二日

 辞任         補欠選任

  笠井  亮君     藤野 保史君

同日

 辞任         補欠選任

  藤野 保史君     笠井  亮君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 北朝鮮による拉致問題等に関する件


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、一言申し上げます。

 去る五日、横田滋さんがお亡くなりになりました。横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されてから既に四十二年が経過しており、横田滋さんが御存命の間にめぐみさんの御帰国が果たせなかったことは、まことに痛恨のきわみであります。

 ここに、横田滋さんの死を悼み、謹んで黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立をお願いいたします。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

渡辺委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

渡辺委員長 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。

 この際、菅拉致問題担当大臣、茂木外務大臣及び武田国家公安委員会委員長から、それぞれ所信を聴取いたします。菅拉致問題担当大臣。

菅国務大臣 拉致問題担当大臣の菅義偉でございます。

 拉致問題をめぐる現状について御報告を申し上げます。

 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、国の責任において主体的に取り組み、解決を目指すべき課題であります。日本政府は、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、政府の総力を挙げて最大限の努力を続けております。

 しかしながら、北朝鮮に残されている拉致被害者の方の帰国が実現しないまま、長い年月がたち、拉致被害者の方々、そして御家族の皆様も御高齢となられ、肉親との再会がかなわぬまま亡くなられた御家族もいらっしゃいます。本年二月には有本嘉代子さんが、そして先週、横田滋さんがお亡くなりになられました。心よりお悔やみを申し上げ、御冥福をお祈り申し上げる次第です。お二人の御存命中に、御令嬢の恵子さん、めぐみさんを帰国させることができなかったことは、痛恨のきわみであり、まことに申しわけなく思います。もはや一刻の猶予もないとの思いを胸に改めて刻んで、問題解決に向けてあらゆるチャンスを逃さないとの決意で臨んでまいります。

 これまでの米朝首脳会談において、トランプ大統領が拉致問題についての安倍総理の考えを、金正恩委員長に直接伝えたことは大きな成果でした。

 米国との間では、先月行われた日米首脳電話会談など累次の機会において、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の解決に向けて、今後も日米で緊密に連携していくことを確認しております。

 拉致問題の解決のためには、米国を始めとする国際社会の理解と協力を得ることが不可欠であります。我が国としては、引き続き、米国を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、あらゆる外交上の機会を捉えて拉致問題を提起していく考えであります。

 同時に、我が国自身がこの問題に主体的に取り組むことが重要です。安倍総理自身、累次の機会において、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意を改めて述べております。

 その上で、拉致問題の解決には、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが重要であります。政府としては、拉致問題に関する啓発活動にも力を入れて取り組んでおります。

 特に、これまで拉致問題について触れる機会の少なかった若い世代への啓発が重要な課題となっており、教員等を対象にした研修や中学生、高校生を対象とした作文コンクールを実施しております。今年度の作文コンクールでは、新たに英語エッセイ部門を設け、現在、募集中であります。

 さらに、全国各地で映画やアニメなどの上映会、集会、舞台芸術を開催しております。新型コロナウイルス感染症対策に係るイベント開催制限を十分踏まえつつ、引き続き、さまざまな広報啓発活動に取り組んでまいります。

 これらの啓発活動と並行して、拉致被害者や北朝鮮の人々に対して、政府として、北朝鮮向けラジオ放送を実施するとともに、民間団体に業務委託をし、その運営する北朝鮮向けラジオ放送の中で政府メッセージを送信しております。また、米国の北朝鮮向けラジオ放送局との連携についても取り組んでいるところであります。今後とも、拉致被害者への激励や北朝鮮の人々に向けた情報発信の一層の拡充強化を図り、あらゆる事態への対応に万全を期してまいります。

 拉致問題は、安倍内閣の最重要課題であり、安倍総理も私も、安倍内閣で拉致問題を解決するとの決意は今も全く変わりありません。肉親の帰国を強く求める御家族の切実な思い、積年の思いを胸に、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。

 渡辺委員長を始め、理事、委員の皆さんの御理解、御協力を心よりお願いを申し上げます。

渡辺委員長 次に、茂木外務大臣。

茂木国務大臣 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、北朝鮮をめぐる最近の状況について御報告します。

 拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現するべく、政府として全力を尽くしています。

 こうした中、本年二月に有本嘉代子さんが、また先週には横田滋さんが、御令嬢の有本恵子さん、横田めぐみさんの御帰国を待ちながらお亡くなりになられました。嘉代子さん、滋さんの御存命中に、恵子さん、めぐみさんを帰国させることができなかったことは、痛恨のきわみです。

 拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組むことが重要です。これまで、安倍総理は、条件をつけずに、金正恩委員長と直接向き合う決意を述べてきています。

 また、拉致問題は、国際社会共通の問題です。米国との間では、拉致問題の解決に向けて協力していくことをこれまでも累次の機会に確認してきており、米朝首脳会談において、トランプ大統領が安倍総理の考えを直接、金正恩委員長に伝えたことは大きな成果でした。

 中国及び韓国についても、昨年十二月の日中韓サミットにおいて、拉致問題の早期解決に向けて、安倍総理から両首脳の協力を求め、日本の立場に理解を得ました。また、私からも、日中外相会談及び日韓外相会談において、拉致問題の早期解決に向けた支持と協力を求めてきています。さらに、三月のG7外相会合においても、私から、早期解決に向けて、改めて各国の外相の理解と協力を呼びかけ、賛同を得ました。

 北朝鮮によるたび重なる弾道ミサイルの発射は、全く受け入れられません。日米、日米韓の結束のもと、国際社会と連携しつつ、安保理決議の完全な履行を確保し、北朝鮮の完全な非核化を目指します。

 我が国としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を目指す考えであり、この方針に変わりはありません。御家族も御高齢となる中、拉致問題の一日も早い解決に向け、引き続き、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動してまいります。

 今後とも、渡辺委員長を始め、理事、委員各位の御指導、御理解を心からお願い申し上げます。

渡辺委員長 次に、武田国家公安委員会委員長。

武田国務大臣 国家公安委員会委員長の武田良太でございます。

 拉致問題に関する警察の取組について御報告を申し上げます。

 北朝鮮による拉致容疑事案は、我が国の主権を侵害し、国民の生命身体に危険を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐えがたい苦痛を与える許しがたい犯罪であり、治安上極めて重大な問題です。また、拉致被害者やその御家族も高齢となられ、本年二月には有本嘉代子さんが、そして先週、横田滋さんがお亡くなりになられました。もはや一刻の猶予もない状況にあると認識をいたしております。

 現在、警察においては、日本人が被害者である拉致容疑事案及び朝鮮籍の姉弟が日本国内から拉致された事案、計十三件十九人を拉致容疑事案と判断するとともに、拉致の実行犯等として、北朝鮮工作員等、計十一人について、逮捕状の発付を得て国際手配をしているところです。

 また、これらの事案以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識のもと、関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意所要の捜査や調査を進めています。

 今後とも、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、拉致容疑事案等の全容解明に向けて徹底した捜査及び調査を推進します。

 また、我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため、国際社会との緊密な連携のもと、関連する国連安保理決議を完全に履行するとの観点からも、我が国としての対北朝鮮措置を着実に実施しているところです。

 警察では、これまで対北朝鮮措置の実効性を確保するため、これらの措置に係る違法行為の取締りを推進してきたところですが、引き続き、関係機関と緊密な連携を図りつつ、徹底した取締りを推進します。

 拉致問題は、安倍内閣の最重要課題であります。

 今後とも、拉致問題対策本部事務局や外務省等、関係機関と緊密に連携し、政府全体としての取組にしっかり貢献します。

 渡辺委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

渡辺委員長 以上で各大臣の所信表明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時四分散会


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