衆議院

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第3号 平成30年4月3日(火曜日)

会議録本文へ
平成三十年四月三日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 櫻田 義孝君

   理事 穴見 陽一君 理事 伊藤信太郎君

   理事 勝俣 孝明君 理事 永岡 桂子君

   理事 堀内 詔子君 理事 大河原雅子君

   理事 柚木 道義君 理事 濱村  進君

      泉田 裕彦君    岩田 和親君

      鴨下 一郎君    木村 弥生君

      小泉 龍司君    小島 敏文君

      佐藤 明男君    杉田 水脈君

      鈴木 貴子君    鈴木 隼人君

      武村 展英君    中山 展宏君

      原田 憲治君    百武 公親君

      福山  守君    藤井比早之君

      船田  元君    古田 圭一君

      松本 洋平君    宮路 拓馬君

      八木 哲也君    尾辻かな子君

      篠原  豪君    森山 浩行君

      今井 雅人君    大西 健介君

      関 健一郎君    西岡 秀子君

      鰐淵 洋子君    黒岩 宇洋君

      畑野 君枝君    森  夏枝君

    …………………………………

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            福井  照君

   内閣府副大臣       あかま二郎君

   内閣府大臣政務官     山下 雄平君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  三角 育生君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 田中愛智朗君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 生川 浩史君

   政府参考人

   (内閣府規制改革推進室次長)           窪田  修君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 小田部耕治君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            栗田 照久君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     川口 康裕君

   政府参考人

   (消費者庁政策立案総括審議官)          井内 正敏君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    福岡  徹君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    橋本 次郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           澤田 稔一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 堀江 宏之君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 奈良 俊哉君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           小野  稔君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月三日

 辞任         補欠選任

  木村 弥生君     杉田 水脈君

  小島 敏文君     八木 哲也君

  原田 憲治君     福山  守君

  百武 公親君     泉田 裕彦君

  宮路 拓馬君     古田 圭一君

  関 健一郎君     今井 雅人君

同日

 辞任         補欠選任

  泉田 裕彦君     百武 公親君

  杉田 水脈君     木村 弥生君

  福山  守君     原田 憲治君

  古田 圭一君     宮路 拓馬君

  八木 哲也君     小島 敏文君

  今井 雅人君     関 健一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件


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     ――――◇―――――

櫻田委員長 これより会議を開きます。

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官三角育生君、内閣府大臣官房審議官田中愛智朗君、内閣府大臣官房審議官生川浩史君、内閣府規制改革推進室次長窪田修君、警察庁長官官房審議官小田部耕治君、金融庁総務企画局参事官栗田照久君、消費者庁次長川口康裕君、消費者庁政策立案総括審議官井内正敏君、消費者庁審議官福岡徹君、消費者庁審議官橋本次郎君、総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官澤田稔一君、総務省大臣官房審議官堀江宏之君、総務省大臣官房審議官奈良俊哉君及び農林水産省大臣官房審議官小野稔君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

櫻田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。

藤井委員 大臣所信に対する質問を行わせていただきます。

 私からは、食品表示と食品ロスの二点についてお伺いさせていただきます。

 まず、食品表示につきまして、遺伝子組み換え食品の表示制度についてお伺いさせていただきます。

 さまざまな食品で、遺伝子組み換えでないという表示を見かけるようになりました。この遺伝子組み換え食品につきましては、ネットやSNSやさまざまな媒体で、その危険性を指摘する書き込み、投稿を見かけるところでもございます。

 そもそも、食品として安全性が確保されているのか、現行の表示制度はどうなっているのか、諸外国における遺伝子組み換え食品の表示制度はどうなっているのか、お伺いいたします。

橋本政府参考人 お答えいたします。

 遺伝子組み換え食品につきましては、農産物の品種ごとに科学的な評価を行い、安全性が確認されたものについて、当該農産物及びその加工食品の輸入や流通等ができる仕組みとなっております。

 一方で、安全性が確認されたものであっても、遺伝子組み換え食品であるかどうかの情報を知った上で商品を選びたいという消費者ニーズもございます。

 そのため、現行の制度といたしましては、消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保の観点から、まず、義務表示につきましては、科学的に検証できることを前提として、安全性審査を経た八農産物及びこれらを原料とする三十三加工食品群を対象として、遺伝子組み換え農産物を使っている場合には遺伝子組み換え、区別せずに使っている場合には遺伝子組み換え不分別という表示を義務化し、消費者の商品選択に資する情報を提供しているところでございます。

 次に、任意表示については、適切に管理された非遺伝子組み換え農産物及びこれを原材料とする加工食品には、遺伝子組み換えでないものを分別、遺伝子組み換えでないなど、分別生産流通管理が行われた非遺伝子組み換え農産物である旨を任意で表示することができることとなっております。

 諸外国の制度につきましては、EUにつきましては、〇・九%を超える遺伝子組み換え農産物を含む食品に対しまして表示が義務づけられておりまして、アメリカにつきましては、二〇一六年に遺伝子組み換え食品表示法が成立して、現在、具体的なルールを検討中と聞いているところでございます。

藤井委員 遺伝子組み換え食品については、科学的な評価を行い、安全性が確認されたものについて輸入や流通等ができるという答弁でございましたけれども、この遺伝子組み換え表示制度につきましては、昨年四月以降、検討会が設置され、先日、まさにことしの三月二十八日に報告書が公表されました。

 この遺伝子組換え表示制度に関する検討会の経緯と報告書の概要についてお伺いいたします。

橋本政府参考人 お答えいたします。

 遺伝子組み換え表示制度につきましては、制度の導入から約十五年が経過しており、制度を取り巻く状況等が変化した可能性があり、遺伝子組み換え表示制度のあり方について御議論いただくための検討会を開催いたしました。

 この検討会は、昨年四月から本年三月までの十回にわたり開催されまして、委員の皆様には、それぞれのお立場から御議論いただいたところでございます。

 その結果を取りまとめた報告書が、御指摘のとおり、三月二十八日に公表されたところでございます。

 報告書の内容といたしまして、まず、主に、消費者の誤認防止や消費者の選択幅の拡大等の観点から、これまでどおり、遺伝子組み換え農産物の混入を五%以下に抑えているものにつきましては適切に分別生産流通管理を行っている旨を任意表示することができるとした上で、遺伝子組み換えでないという表示は不検出である場合に限るということが適当であるということ。

 それから、遺伝子組み換え不分別表示につきましては、その表示がわかりにくいということのため、まず、消費者庁におきまして、事業者や消費者等から幅広く意見を聴取して、遺伝子組み換え不分別の表現にかわる実態を反映したわかりやすく誤認を招かないような表示を検討して、通知によりお示しすること。

 それから、事業者は、遺伝子組み換え不分別の説明文などを付記することによりまして、自主的な情報提供に努めることが望まれることといったものが盛り込まれているところでございます。

藤井委員 遺伝子組み換え食品については、やはり安全性が確認されたものであっても、消費者にとっては、遺伝子組み換え食品であるかどうかという情報を知った上で商品を選びたいという消費者ニーズがあるものと考えます。

 先ほど、検討会報告書によりまして、現行制度では、遺伝子組み換え農産物の意図せざる混入率が五%以下であれば遺伝子組み換えでない旨の任意表示が可能であった、これは現行制度なんですけれども、これが、不検出、ゼロ%でなければ遺伝子組み換えでないという表示ができないという形で厳格化されるということでございます。

 ただ、この遺伝子組み換え農産物の混入率が五%を超える場合には遺伝子組み換え不分別と、この表現はわかりにくいという先ほどの答弁だったんですけれども、そういったわかりにくさというのをなくしていく必要がある。

 また、混入率が五%以下であれば、不検出、ゼロ%から五%以下の混入率である場合には、現行では遺伝子組み換えでないという表現が可能なんですけれども、これができなくなった場合には、任意表示なので、表示そのものをしなくなるんじゃないか。そしてまた、表示する場合でも、遺伝子組み換え分別五%以下とか、消費者にわかりやすく表示する必要があるのではないかと思います。

 先ほどの答弁では、EUでは、意図せざる混入率は〇・九%ということでございますけれども、トレーサビリティーの導入等を含めまして、こういった制度をやはり参考にしていく。

 また、日本では、義務表示と任意表示が併存しており、こうしたわかりにくさも含めまして、消費者の皆様への周知とわかりやすい表示制度へのさらなる見直しについてお伺いいたします。

橋本政府参考人 お答えいたします。

 今回の検討会の結論の中でも、まさに先生御指摘のこの二点でございますけれども、遺伝子組み換え不分別表示については、その表示がわかりにくいということで、消費者庁において、事業者や消費者等から幅広く意見を聴取して、遺伝子組み換え不分別の表現にかわる実態を反映したわかりやすく誤認を招かないような表示を検討して、通知により示す。それからまた、事業者による遺伝子組み換え不分別の説明文を付記する取組が進むよう、事業者への周知、普及を行うとか。

 それから、五%以下のお話でございますけれども、五%以下に遺伝子組み換え農産物の混入を抑えているが、遺伝子組み換えでないと表示できなくなるものについては、分別生産流通管理が適切に行われている旨の表示を任意で行うことができることとすると検討会の報告書で指摘されておりますので、今後は、消費者庁におきまして、報告書の方針を踏まえて制度設計を検討してまいりたいと思います。

 さらに、今後は、この報告書も踏まえまして、消費者庁におきまして説明会を開催するなど、遺伝子組み換え食品表示制度等に関する普及啓発活動につきまして、引き続き精力的に取り組んでいくこととしているところでございます。

藤井委員 EU並みにしようと思ったら、トレーサビリティー制度を導入しなきゃいけない。そもそも、DNA、たんぱく質が残存しないものをどうするかといった問題もございます。

 先ほどの答弁では、米国では具体的な制度については検討中ということでございまして、やはり諸外国においても、表示制度、いまだ途上のものと言っていいのではないか。三月二十八日の報告書が終わりということではなく、制度設計もこれからということでございますので、更に消費者の皆様にわかりやすい表示制度への見直し、さらなる厳格化、消費者の皆様への正確な情報提供をよろしくお願い申し上げます。

 次に、食品ロスについてお伺いいたします。

 我が国では、年間二千七百七十五万トンの食品廃棄物等が出されており、このうち、食べられるのに捨てられるという食品、いわゆる食品ロスは、年間六百二十一万トンというふうに試算されております。これは、国連WFPによる世界全体の食糧援助量、年間約三百二十万トンの約二倍に匹敵するということでございまして、国民一人一人がお茶わん一杯分の食べ物を毎日毎日捨てている、無駄にしているということになります。

 この食品ロスの削減の必要性と今後の取組方針についてお伺いいたします。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 今先生御指摘のように、我が国で発生している食品ロス、年間六百二十一万トン、これは世界のWFPによる食糧援助量三百二十万トンの約二倍に相当するという御指摘、そのとおりだと思います。したがって、その削減、六百二十一万トンの削減は極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。

 このため、消費者基本法に基づく消費者基本計画におきまして、食品ロス削減の国民運動、国民運動の推進を位置づけておりまして、三つございます。まず、食品ロス発生量の推計、発生要因等の分析、そして、先生お取り組みの食品関連事業者による商慣習の見直しの促進、そして三番目に、家庭でできる取組など消費者向けの周知啓発など、関係省庁のさまざまな取組について、消費者基本計画の工程表において進捗管理を行っている次第でございます。

 今後とも、先生の御指導も得ながら、関係省庁、地方公共団体、消費者団体等と連携しつつ、消費者に対し積極的に働きかけを行い、食品ロスの削減に向けた取組を推進してまいりたいと存じている次第でございます。

藤井委員 大臣からの答弁、ありがとうございます。

 食品ロス、先ほど国民運動というお話がございました。分析をしないといけない、あと、事業者、商慣習の見直し、そしてまた、家庭での取組ということだと思うんですけれども、まさに食品ロスの約半数は事業者から発生しているという形になります。

 事業者からの食品ロスを減らすためには商慣習の見直しが必要だと考えますけれども、この商慣習、納品期限に間に合わなければロス発生、廃棄しなきゃいけない、販売期限に間に合わなければロス発生、そしてまた、いよいよ賞味期限という形でございまして、いわゆる三分の一ルールの見直しの必要性があろうかと思いますけれども、こちらの見直しの今後の取組方針についてお伺いいたします。

小野政府参考人 お答え申し上げます。

 食品ロスの削減を図る上で、過剰在庫や返品の削減など、フードチェーン全体で解決する必要がございます。

 このため、農林水産省では、製造業、卸売業、小売業から成りますワーキングチームを設置したところでございます。これを設置いたしまして、その取組を支援しているというところでございます。ここでは、いわゆる先ほどおっしゃいました三分の一ルール、賞味期限の三分の一を経過している商品を小売業者が引き取らないという商慣行の見直しを推進してきたところでございます。

 昨年の五月でございますけれども、農林水産省と経済産業省が連名で、卸売業者、小売業者の業界団体に宛てまして、「食品ロス削減に向けた加工食品の納品期限の見直しについて」という文書を発出いたしまして、業界の自主的な取組を促してきたところでございます。この結果といたしまして、清涼飲料と賞味期限が百八十日を超える菓子、こういったものにつきまして、大手総合スーパー、コンビニなどでは納品期限の緩和が実現されて、実施されているというところでございます。

 一方で、食品スーパー等の取組が進んでいないということもございます。今後は、一層、取組企業の拡大が図られますとともに、飲料、菓子以外の品目への拡大、こういったものを推進してまいりたいというふうに考えております。

藤井委員 ありがとうございます。

 いわゆる三分の一ルールの見直し、清涼飲料や百八十日を超える菓子というのは、既に今、取組を始めているという話でございました。

 百八十日、六カ月ということであれば、二カ月までにいわば納品期限が来る、そこに間に合わせなければ捨てなきゃいけない、それからまた二カ月で、四カ月後に販売期限、それで間に合わなければ捨てなきゃいけない、こういったところの、やはり無駄なところを見直していただいて、これを緩和するということは必要なんだと思います。

 また、食品スーパー、まだこれからということでございますので、そちらへの取組をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 これは事業者からの食品ロスを減らすための取組ということでございますけれども、食品ロスというのは、やはりその半数が各家庭から発生しているという形になります。これを減少させるためには、宴会での食べ残しを減らすための三〇一〇運動、三十分、十分の三〇一〇運動や、家庭でできる取組など、消費者の皆様向けの周知啓発が必要となってまいります。

 国民運動としてというのを先ほど大臣もおっしゃっておられましたけれども、食品ロスの削減を推進するためには、これは法制化も必要なのではないかと考えるところでございまして、地方自治体等とも連携して、消費者の皆様、事業者の皆様、多様な主体の皆様が一体となって、食品ロスの削減に向けた取組を推進されますよう、よろしくお願い申し上げます。

 時間となりましたので終わります。ありがとうございます。

櫻田委員長 次に、鈴木貴子君。

鈴木(貴)委員 おはようございます。質問の機会をいただきましたことを、まず感謝申し上げます。

 きょうは大臣所信ということであります。その所信の中で、大臣がこの間、若年者への消費者教育の一層の充実を図るなど、消費者の特性に配慮した消費者教育の体系的な推進に取り組んでまいります、このような御発言があったところであります。私もおかげさまで、三期連続最年少の国会議員として、この立場をいただいた者として、きょうはその若年層と消費者トラブル、この観点で、大きく二つ質問をさせていただきたいと思います。

 一つが若年層への啓発活動の現状と今後、そしてもう一つが、今まさに社会問題と私は言ってもいいと思っておりますが、いわゆるチケット、コンサートやスポーツ等のチケットの高額転売について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、啓発活動の現状なんですけれども、この質問の機会をいただきまして、私、さまざま、ちょっと勉強させていただいていたら、国民生活センターのホームページ、そのトップページに行きますと、「注目情報」、そしてそこをクリックしますと、今度は「注目テーマ」というところに飛んでいきます。そうしますと、「二十歳に成り立ての若者のトラブル」という項目が用意をされておりまして、それだけ、未成年者よりも、実は二十になった皆さんのトラブル、消費者トラブルというものが多いというようなことが書いてあったところであります。

 未成年者と比べても、金額、金銭がかかわる契約というものが、やはり二十というタイミングでふえるということが一つの背景にあるんだろうな、このように思うところなんです。

 そこで、ちょっと興味深いのが、「消費者トラブルについて啓発を行うため、大学生等が日常生活の中で使いやすいクリアファイルを作成しました。」このようにあったところであります。そして、そのデザインも、クリアファイルの表面では、若者が読みやすいよう、SNSでの会話形式で、もうけ話やエステ等若者によくあるトラブル事例を紹介しておりますという話でありました。

 事前にちょっとやりとりをしましたら、二〇一七年の四月からこのクリアファイルというものが、今まさに大臣が手にされているクリアファイルなんですけれども。

 この若者に対しての、特に今、インターネット、オンライン上でのもうけ話であるとか、そういったいわゆる何々系サイトといったもののトラブルがふえているという中で、啓発活動の主流というか、やっていますというのがクリアファイルというのが、若干、時代に合っているのかなというのが一若者の意見であります。

 そして、まさに、好評につき増刷もいたしましたという御丁寧なレクもいただいたんですが、実際、費用対効果のほどはと聞きましたら、そういった調査はしていないんですと。しかしながら御好評はいただいておりますという、納得していいんだかどうなんだかという回答もいただいたところなんです。

 ぜひ、ここで大臣に、若者はまさにインターネット等を使ってのトラブルが多いということも踏まえて、クリアファイルの作成もいいんですけれども、この間、いじめ対策でSNSを使った相談窓口を設置したところ、思いのほか子供たちからの相談が多いということもニュースでもありましたが、まさに消費者トラブルも、SNSを活用して若者から直接声を聞く、若しくは解決の手だて、こういったところに連絡したらいいよ、あなたがお住まいの自治体にはこういったサービスがあるよというのを、SNS、オンラインを使って若者とコミュニケーションを図るということがいいのではないかと思うんですけれども、提案をさせていただきたいんですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 手元のメモによりますと、好評と聞いているとありますので、一応そこまで読ませていただきますが、国民生活センターにおいて作成した、今先生御指摘のクリアファイルは、若者が読みやすいよう、SNSでの会話形式で、もうけ話やエステ等若者によくあるトラブル事例を紹介しておりますので、役所としては、若者にも親しみやすく、受け入れられるような工夫を行っていて、今のところ好評というふうに認識をさせていただいているところでございます。

 しかし、先生御指摘のように、若者の消費者被害の防止のためには、SNSなど、時代に合った、その時代その時代に合ったツールを用いて、このツールが大事だと思うんです、それは御指摘のとおりだと思います、注意喚起や消費者ホットライン一八八の普及啓発を図る必要があるというふうに思っております。

 消費者庁におきましては、消費者庁のツイッター、フェイスブック、そして首相官邸LINEなど、さまざまなツールを用いて注意喚起を行っているところでありますけれども、今後も、先生御指摘のように、幅広く、その時代その時代に合った適切なツールを用いた発信を行ってまいりたいというふうに存じている次第でございます。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。前向きな答弁をいただけたと私も信じているところであります。

 実は、SNS、さまざまなツールがあると思うんですけれども、SNSと一くくりにしても、例えばフェイスブックは、どちらかというと、実は四十代、五十代がユーザーが多い。今、若者はインスタグラム、もっと若くいったら、例えばツイッター、さまざまあるそうであります。ぜひ、そういった、まさに時代、そして実情を役所の皆さんも総合的にというか網羅的にくみしていただいて、困ったときに本当に助けになるツールというものをつくっていただきたいなとお願いをさせていただきます。

 次に、チケットの高額転売について質問をさせていただきます。

 このチケットの高額転売なんですけれども、実は、スポーツ若しくはコンサート、さまざま、文化、芸能、いろいろあると思うんですけれども、今このチケットというものが、売出し、販売、もうわずか数分で完売になってしまう。アーティスト等とか人気というのも一つ背景にあるとは思うんですけれども、実は、転売を目的として特別なプログラム等々まで作成をして、瞬時に何百万単位で買占めを行う、いわゆる転売ヤーとも今言われるそうなんですけれども、そういった皆さんがバックしているそうであります。

 そして、その人たちが何をするかというと、例えば、五千円のチケットを定額で買って、今度それをインターネット等々で、例えば一万円で売りますとか、もっとひどいときには十万、二十万円で、アイドルのコンサート等々は最大三十倍ほどの値もつくこともあるそうであります。

 こういった問題がまさに今広がっておりまして、最近では摘発等々もふえまして、とある業者は何とそれで三十億の売上げを上げていたという、まさに私は社会問題と言っていいのではないのかな、このように思っております。

 公共の場で不特定多数に対してのこういった転売に関しては、都道府県単位で迷惑防止条例でダフ屋行為として禁じられているところなんですけれども、今私が説明した転売ヤー、時に数十倍で高値で売ることを目的にまとめ買いをしている転売ヤーに関しては、今のところそういった締まりがないというか、ゆえにこの問題がふえているということなんです。

 大臣に質問させていただきたいと思いますが、このチケットの高額転売の、どのような問題意識をお持ちでしょうか。

福井国務大臣 チケットの高額転売につきまして、何らかの対応は検討されているかどうかという御質問だと存じておりますけれども、まさにおっしゃるように、チケットの高額転売は、文化、スポーツ等の活動の興行のあり方そのものに関する問題だと認識をさせていただいておりますので、幅広い関係者による議論を要する課題であると考えている次第でございます。

 これに関する動きとして、アーティストや関連業界団体等がチケット高額転売をやめるように呼びかけを行っていることも、あわせて承知をさせていただいております。平成二十八年八月には、新聞一面広告、百組以上のアーティストや音楽関係団体等が連名で新聞全面広告を掲載したことも、承知をさせていただいているわけでございます。

 消費者担当大臣としては、関係業界等の動きや国会等での御議論など、十分に注意をしてまいりたいというふうに思っております。

 なお、余分なことですけれども、自民党のライブ・エンタテインメント議員連盟において、興行入場券の高額転売を処罰対象とするということを内容とする議員立法の取りまとめの動きもあるというふうに承知をさせていただいておるところでございます。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 今そういった議員立法の動きもあるということも大臣からも触れていただいたんですけれども、なぜ私がこれを取り上げたかといいますと、冒頭、若年層の問題としてと言ったんですが、実はこの高額転売が、今、スマートフォンだとかを使って、未成年、若者もこの高額転売にくみをしてしまっている。そして、中には、実際に例えば摘発というか、若しくは報道等でもインタビューを受けている若者は、自分も倍のお金を出して買ったんだ、自分も同じことをされているんだから自分もしてもいいじゃないか、こういう考えで若者たちが定額の十倍の値をつけて第三者に売っている、こういった問題に問題意識なくくみしてしまっていることを、我々立法府が何もしなければ、安易に助長してしまっているんじゃないか、こういった私自身は問題意識を持っております。

 そして、もう一つが、チケットを買っても、本当に例えば病気になった、若しくは仕事が入ったということで、実際行けなくなることもあると思うんです。そういった場合に、定額でのやりとり、第三者に定額でやりとりということは、これは一切禁じてはならない権利、自由な権利だと思うんですけれども、こういった社会的な大きな問題化をしている、若しくは若年層が無意識のうちに不正行為にくみしてしまっている、こういった事実がある中で、立法府として、私は、しっかりと関係各位、まさに業界の皆さんとも協力をしながら、先手先手で対策を講じていくことが必要かなと思っております。

 大臣からもありましたが、そういった議員立法等々の動きが具体的に出てきた際には、ぜひ大臣の方からも力強い後押しをいただけるということでよろしいでしょうか。

福井国務大臣 今さまざまな御指摘をいただきました。

 立法行為に関する課題認識として更に深めていきなさいという御注意と受けとめさせていただき、議員立法ですから、議員の政党の活動ですけれども、我々としても側面支援をさせていただきたいというふうに思っております。

鈴木(貴)委員 ありがとうございます。

 この問題意識を共有をさせていただいたということで、私は大変ありがたく思っております。

 そしてまた、今、二〇二〇東京オリパラをまさに控えておりまして、まさに二〇二〇までに法整備等々しっかりと対策を打っていかなくてはいけないと思っております。

 最後に一点。そういった意味でも、まさにこの消費者問題というのは、実は、二十になってからではなくて、知らず知らずのうちに若い世代も巻き込まれている、こういった現状で、学校教育等でもこういった問題について具体的に例えば啓発周知していく場が必要だと思うんですが、その点について、大臣に最後、御決意、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

福井国務大臣 まさに消費者教育、成年年齢引下げに伴った若年者への教育、最も大事ということで私ども取り組んでいるところでございますので、更にそれに輪をかけて、ねじり鉢巻きで頑張っていきたいというふうに思います。

鈴木(貴)委員 よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

櫻田委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 おはようございます。公明党の濱村進でございます。

 大臣所信についての質問をさせていただきますが、まず、きょうはインターネット通販についてメーンでやらせていただこうと思っております。

 資料を皆様方に配付させていただいております。被害状況といいますか相談件数の一覧、そしてまた、どういった事例があるのかということを消費者庁から提示していただきました。これを見ていただくとおわかりのとおり、相談件数は年々ふえてきているという状況があって、いかにインターネット通販が生活にもう根差しているか、生活の一部と言っても過言ではないというふうに思うわけでございますが、この中で、通常のお買物として国民の中に広く浸透しているものであるにもかかわらず相談件数も非常に多い、これを今後減らしていかなければいけないんじゃないか、このように思っております。

 その上で、消費者庁さんとしてもさまざま取組はされているわけでございまして、「消費者被害防止に向けた注意喚起等」として、インターネット通販トラブルについて注意喚起、これは消費者庁のサイトで行っておられたりもしているわけでございます。今現状そうした取組もされているわけでございますけれども、まず大臣に、この今の現状の問題認識についてお伺いしたいと思います。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 先生、お取り組みいただきまして、本当にありがとうございます。

 インターネット通販に関する消費生活相談の件数、今資料を配っていただきましたが、年間十万件程度に上ります。そして、アダルト情報サイト等のデジタルコンテンツを含めますと二十万件以上の高い水準となっているところでございます。相談を寄せられる方々も、最近では、スマートフォンの普及等もありまして、幅広い年齢層に広がっている状況にございます。インターネット通販のトラブルに対応することは極めて重要な、重大な課題だというふうに認識をさせていただいているところでございます。

 そして、先生御指摘のその被害の防止のためには、景品表示法そして特定商取引法などの各種の法規制にあわせまして、事業者による自主的な対応を促すこととあわせて、消費者啓発等により消費者自身の判断力を高めていくなど、相互に補完し合うという各種の取組を進めていくことが重要だというふうに思います。

 今後とも、消費者庁としては、厳正な法執行を行うとともに、消費者トラブルに関する注意喚起等さまざまな手段を講じることによってインターネット通販トラブルの防止に取り組んでまいりたい、かように存じている次第でございます。

濱村委員 これは、引き続き取組は加速化していっていただきたいと思います。

 今、消費者庁のサイトがあるということを申し上げました。私も実はちらちら見ていたんですね。実はちょっと不審に思うところがございまして、成り済ましECサイトによる被害という記載があるところがあるんです。そこで、こちらも確認してくださいみたいなことでリンクが張ってあるんです。リンクが張ってあるんですが、それが残念ながらリンク切れを起こしております。ちょっとそんなの質問の場でいきなり言うなという話はあるんですが、国民生活センターのサイトへ飛ぶようなリンクにお見受けしますので、また確認をしておいていただきたいなというふうに思います。

 いずれにしましても、引き続き取組をしていただきたいというのがおおむねの趣旨ではあるんです。

 その上で、少し具体的な個別の話に移りますが、インターネット通販は大体会員登録とかもするんですね。そうなりますと、大体、会員ID、メールアドレスだったりするようなことも多いわけですけれども、それにセットでパスワードというものも設定いたします。

 そのパスワードについて少し確認をしていきたいと思っているんですが、昨年の十一月に総務省さんが、パスワード設定について総務省の方針を変更されておられるんです。どういうことかというと、インターネットのパスワードを定期的に変更してくださいというふうに総務省さんは呼びかけておられましたが、それを、方針を変更されたということでございます。

 この背景と理由を確認したいと思いますが、いかがでございましょうか。

澤田政府参考人 お答えを申し上げます。

 総務省におきましては、以前は、国民のための情報セキュリティサイトにおきまして、定期的にパスワードを変更するということを推奨しておりましたが、委員御指摘のとおり、昨年十一月から、定期的な変更は不要という周知をしております。

 こうした変更の背景といたしましては、内閣サイバーセキュリティセンターにおいて、パスワードの定期的な変更は必要なしとする旨が情報セキュリティハンドブックで示されたことがございます。

 また、定期的な変更を不要とする理由でございますが、パスワードを定期的に変更することで、むしろパスワードのつくり方がパターン化し、簡単なものになるおそれがあるためでございます。

 いずれにいたしましても、総務省におきましては、引き続き適切なインターネットのサービス等の利用について周知を図ってまいりたいと考えております。

濱村委員 確かに、パスワードを定期的に変更させたら、末尾〇一、〇二、〇三とカウントアップさせていくというようなこともあって、余り意味がないじゃないかというような指摘もございます。

 NISCさんの方で出されている情報セキュリティハンドブック、そちらでは定期的な変更は求めていないというわけでございますが、NISCさんが推奨するパスワードの基準についてはどう考えているのか。それはパスワードを盗まれないように防御するとかそういうさまざまな考え方があろうかと思いますけれども、そうした部分も含めて、じゃ、なぜNISCはそのような基準にしているのか、その点を確認したいと思います。

三角政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、私どものハンドブックの方ではそのような指摘をしているところでございます。

 各種ウエブサービスなどを第三者の不正な利用から守るためには、パスワードの適切な設定が不可欠でございます。

 このパスワードを破る手段としましては、全ての文字列の組合せを試す方法、それからパスワードでよく使われる単語を使って試す方法などが知られています。このため、サイバーセキュリティセンターといたしましては、現時点で、十桁以上の複雑なパスワードを設定し、より長くして安全性を高めることを推奨しております。

 また、近年では、ウエブサービスから流出したID、パスワード、そのリストを入手して試す方法も知られています。このため、サービス間で使い回しのない固有のパスワードを設定することを推奨しているところでございます。

 こうしたことを推奨している背景といたしましては、パスワードを定期的に変更させることの効果は明確にはなっていない一方で、それを要求すると、かえって強度の低い、委員の御指摘のような安易なパスワードを設定されてしまうなどの問題があるからだと考えている次第でございます。

 内閣サイバーセキュリティセンターにおきましては、これらの内容を含めた情報セキュリティハンドブックを作成し、普及啓発を図っているところでございまして、引き続き、国民の安全、安心なインターネット利用に係る普及啓発に取り組んでまいります。

濱村委員 今、三角さんからお話しいただいたんですが、パスワードを破る方法はいろいろありますと。破る方法はいろいろあるんですが、そもそも、四桁の数字とかそういうものですと非常に破られやすいんですね。実はこれも、じゃ、どうやって破るんですかというと、ちょっと古いシステムの構成でしたりしますと、どうしても破られやすいというような状況があります。古いウィンドウズシステムであったりとか、あるいは、ちょっとパスワードとか余り、通信を平文でやりとりしているようなそういうUNIXのシステムだったりすると、大体簡単に破ってしまうというような状況があるわけですが、それはそれで、システムをつくる側の責任だと思うんです。

 システムをつくる側の人たち、システム設計者の方々がちゃんと適切にパスワードを破られないような仕組みをつくる必要があるんだろうと思いますが、パスワードの定期的な変更、これが効果があるようなシステム、古いシステムも今はまだ残っているということも実はあると思うんですね。

 なので、確かに、NISCがおっしゃるように、パスワードの定期的変更だけでは余りパスワードの堅固な体制ということに十分な効果が得られないというのもあるかもしれませんが、一方で、システム構成としてまだまだその定期的な変更が機能すると言っても過言ではないシステムがあるというのも事実だと思うんです。なので、私は両方これは必要なんだなと思っております、今の段階では。過渡期ですので。

 その上で申し上げるならば、四桁の数字なんというのは、一秒ごとに一万回アタックできるようなそういう状況であれば一秒で破られるわけですね。ということを考えると、何の意味もないじゃないか、どれだけ定期的に変更したって一秒で破られるんですよ、一秒ごとに定期的変更できますかというと、できませんよねという話なんですね。

 となりますと、やはり、システムを構築する側がちゃんとシステム設計の段階で破られないような構成にしていく、そしてまた、古いプロトコルを使わないとか、そういうことが重要になってくると思っております。

 一方で、ユーザー側はそういうことは意識しません。国民の皆さんがインターネット通販をするときに、これは古いサイトだなとか、これは比較的新しい技術でつくられたサイトだから大丈夫とか、そんなことは全く見ませんので、これはこれでしっかりと周知をしていく必要があるんだろうなと思っておりますが、ネット通販におけるパスワード設定においても消費者の皆さんに非常に大きな影響があるわけでございますので、こうしたパスワードについての考え方についても周知徹底が必要と考えますが、いかがでございましょうか。

福岡政府参考人 委員御指摘のとおり、適切なパスワードの設定及び管理というのは非常に大事なことかと考えてございます。

 先ほど、総務省それから内閣情報セキュリティセンターの方からパスワードの設定一般について御説明がございましたけれども、これらの点は、消費者がみずからインターネット通販で取引をする際に設定するパスワードについてもひとしく当てはまる問題だと認識してございます。

 安全なパスワードの設定、それからその適切な管理ということは、インターネット通販の利用において非常に重要でございます。消費者庁においても、これまで注意喚起を行ってきたところでございますけれども、引き続き消費者への呼びかけを継続してまいりたい、そういうふうに考えてございます。

濱村委員 ぜひ適切に、そしてまた、これは消費者庁さんではないんですが、サイト構築側の方々にも、古い形のシステム構成でつくるのはもうやめましょうねということもあわせて、これはNISCさんから言っていただくとかが必要なのかなと思いますので、ぜひお取組をお願いしたいと思います。

 その上で、先ほども実は大臣から話があったんですが、景品表示法とか特商法にのっとってインターネット通販をやるというのは、サイト運営側の方々のやらなければいけないことで、実は、それを破ってしまうと、当然法に違反しているわけですね。そういう意味では、インターネット通販によって検挙されるということもあろうかと思います。

 警察庁さんから実は資料を事前にいただいておるんですけれども、インターネットショッピングに関する刑法犯及び特別法犯の検挙件数というのが各年々ございます。二十七年は三百七十七件、二十八年は三百三十件、二十九年は四百四十四件ということで、大体これは罪名は、詐欺、商標法違反、著作権法違反が含まれているというような状況でございますけれども、こうした状況、ネット通販と被害、これは、摘発されるまで、消費者側の相談に対する窓口の消費者庁と検挙する側の警察の連携はどのように実施されているのか、確認したいと思います。

福岡政府参考人 ただいまの委員の御指摘につきまして、二つの点からお答えしたいと思います。

 一つ目の点が、PIO―NETのシステムでございます。全国の消費生活センターではさまざまな種類の消費者トラブルについて消費生活相談を受け付けておりまして、それらの情報につきまして、国民生活センターが管理運営するPIO―NET、全国消費生活情報ネットワークシステムに登録されてございます。このPIO―NETに登録された情報につきましては、消費者庁ももちろんでございますが、警察当局においても閲覧が可能となってございます。このため、一般論でございますが、このPIO―NETに登録された情報が結果的に警察当局の摘発につながることもあるんだろう、そういうふうに認識してございます。

 また、第二点目でございますが、消費者庁といたしましては、定期的に消費者トラブル等の状況又は新たなトラブルの類型等の情報につきまして警察当局と情報交換を行っているところでございます。こういったことから警察当局とも連携を図っているところでございます。

濱村委員 終わります。ありがとうございました。

櫻田委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時四十六分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時四十分開議

櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。森山浩行君。

森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行でございます。

 きょうは、福井大臣の所信に対する質疑ということで進めさせていただきます。

 まずは、地方消費者行政の交付金の減額の問題についてでございます。

 二〇〇四年ごろ、百九十二万件ありました消費者の相談件数、被害件数、これが〇九年度には九十万件を切るまで減ってきた。しかしながら、再び上昇に転じ、ここ数年につきましては九十万件を超えているという状況、いわゆる高どまり。しかも、これは氷山の一角でございまして、誰にも相談しないという方がやはり被害の中にも三六%いらっしゃるということで、この九十万件余りという数字だけで、全ての被害額、被害件数というわけではないんだということでございます。

 消費者庁とされましては、地方消費者行政強化作戦というのが行われております。消費生活センターの設立促進、相談員の研修参加率、消費者教育の推進、消費者安全確保地域協議会、いわゆる見守りネットワークの設置などというような分野で目標が未達成ではないかと認識をしておりますが、実際どのようになっておりますか。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 目標は五つございますけれども、相談体制の空白地域解消、これは達成をしております。

 次に、質の向上ということで、消費生活センターの設立促進の目標、これは目標未達成ということで、例えば人口五万人以上の全市町ということで目標を立てておりますけれども、これは現時点で三十道府県のみが達成しているということでございます。また、消費生活相談員についても目標を立てて実施しております。

 着実に進展はしておりますが、未達のものがほとんどでございます。

 以上でございます。

森山(浩)委員 まだまだ取り組まなければならない、しかも、消費者庁というのは地方に分局があるわけではございませんので、どうしても、自治体の窓口、自治体が主体となってやる部分が多い行政でございます。

 特に、自治体として、消費者相談、広報啓発、また法執行、消費者団体支援など、中心となってやらなければならないものが非常に多いわけですが、ことし、平成三十年度の予算におきましては、地方消費者行政強化交付金というような形で新たなシステムを入れておられます。国として取り組む重要な消費者政策のため、その政策に取り組む地方自治体を支援するということで、これまでの、いわゆる基金で何でも使えるというところから、少し使途が狭まっているのではないか、あるいは補助率二分の一というものが課題ではないかというような部分がございます。

 さらに、去年までの四十億円程度の予算が、足しても二十四億円程度というような状況になっているということで、これは減額というふうに自治体では認識をされておりまして、非常に困っているんだという声が届いております。

 例えば、これは全国消費者団体連絡会、こちらがアンケート調査を都道府県にされております。今回の平成三十年度の交付金を活用して行う予定だった事業のうち、今回の減額により削減、中止となる可能性のある事業があれば具体的にお書きくださいへの回答で、予算削減や事業中止という影響はないというのが五都道府県、そして、事業の縮小、削減や中止が想定されるというのが二十七都道府県、未定、回答不可、調整中というのが十三都道府県という形になっております。

 しかもこれは、そもそもは、年末ぐらいですか、このような形で減額をしますよというのが突然示されたということで、非常に大きな混乱になっているということで、これは福井大臣については就任前の話であるとは思いますけれども、この状況、新しい制度を入れるというときに、前の制度が減っているんだというようなところも含めて、消費者庁として、まずは具体的に把握すべき。

 都道府県、自治体の関係者について、聞き取りをして、状況を把握をするという予定はございますか。

川口政府参考人 先ほど御質問ございましたように、地方消費者行政強化作戦という意味でのいろいろな指標がございます。この達成状況については毎年調査をいたしておりまして、平成三十年四月一日時点の進捗状況について今調査を始めようというところでございます。

 また、予算につきましては各自治体で御努力いただいているところでございますが、私ども、都道府県の課長の皆様を集めた会議、あるいは我々が訪問した会議等、地域で秋にも予定されておりまして、そういうところで実情については把握に努めていくというふうにしているところでございます。

森山(浩)委員 私、堺市議会それから大阪府議会を経験をしておりまして、地元でちょっと聞いてきました。

 堺市の消費生活センターというところから、平成三十年度についてどのような状況ですかということでお聞きをしましたところ、堺市の対応としては、非義務的経費に分類をされる消費者に対する啓発事業にかかわる経費を全額除去し、義務的経費である消費生活相談業務担当の消費生活相談員一名の人件費及び事業者指導担当者二名の人件費のみの申請を余儀なくされた、当初要望比で四六%程度にとどまる上限提示があったということで、この影響により、市民への効果的な啓発活動の手段や場が縮小、削減され、さまざまな情報周知機会が損なわれることが懸念されるとともに、結果的に、日々、巧妙、多様化する悪質な消費者被害の未然防止、拡大防止施策について十分な水準を保てなくなるおそれがあるというような報告を受けております。

 これはやはり、六割程度というような形で大きく予算が減るということは消費者行政にとっても非常に大きな影響があると思うのですが、大臣、補正予算あるいは次年度予算において挽回をすべきじゃないでしょうか。いかがですか。

福井国務大臣 お答えをいたします。

 平成三十年度、地方消費者行政に対する支援といたしましては、概算要求におきまして、先ほど先生おっしゃいました地方消費者行政推進交付金が三十億円、そして地方消費者行政強化交付金が十億円を要求していたところでございます。

 そして、国から地方への交付金による支援が平成二十九年度に一区切りを迎えるということで、先ほど先生も御指摘いただきました、の中で、平成二十九年度補正予算において地方消費者行政推進交付金十二億円を措置したところでございます。

 したがいまして、平成三十年度当初予算において地方消費者行政強化交付金二十四億円を措置して、トータル、十二足す二十四で三十六億円となっておりまして、地方消費者行政に必要な交付金の水準はおおむね確保できたものと考えているところでございます。

 なお、地方公共団体の事務として取り組んでいただけるように、地方交付税措置の拡充もなされているところでございます。

 具体的には、消費者行政経費に係る基準財政需要額が平成二十一年度の九十億円から現在は二百七十億円まで拡充をしておりまして、地方交付税措置の拡充もなされていると承知をしている一方で、先生の御指摘も、引用としてありました、地方公共団体の自主財源は百二十億円と四四%、二百七十分の百二十、四四%にとどまっているところでございます。

 したがいまして、今後の計画的、安定的な地方消費者行政の充実に向けて、地方公共団体において自主財源によって裏づけられた消費者行政予算が確保されるよう、働きかけてまいりたいというふうに思っているところでございます。

森山(浩)委員 今、基準財政需要額の話も出ました。平成二十年度に九十億円、平成二十四年度からは二百七十億円ということなんですが、実際、平成二十九年度の当初予算の自主財源の総額は百一億円にとどまっております。

 国としては、こうやってくれというような形でつけたところで、これが実際現場に回ったときにきちんと使われるか、あるいは都道府県を通して市町村に到達をしたときにきちんとこれが使われているかという部分でいいますと、先ほどの、堺市の事例を挙げましたけれども、もう悲鳴が上がっている状態なんですね。人件費が精いっぱいだというような状況になってしまっているということですから、これは早急に実態を把握をしていただいて、また、ことしは消費者契約法の改正というような形で、更にこれは重要な政策分野であるという形で政府としてもお取組をなさる、大臣としても強くここは挽回をしていただきますようにお願いをいたしたいというふうに思います。

 さて、これは通告をしておりますが、平成二十六年十一月二十日の文書、在京テレビキー局各社、編成局長殿、報道局長殿宛てに、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」というのを萩生田副幹事長とともに自由民主党報道局長名で福井大臣が出されております。

 この文書、この自由民主党報道局長というのはどのような役割を担っておりますでしょうか。

福井国務大臣 ちょっと所掌事務、自民党の規則とかの中でどういうふうに書かれているか、ちょっと記憶にございませんけれども、今御指摘の文書、平成二十六年十一月二十日、自由民主党筆頭副幹事長萩生田光一、報道局長福井照として、「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」という表題で発出をしているというのは事実でございます。

 報道局は、ちょっと私、曖昧ですけれども、幹事長室の一つの組織であるというふうに承知をしております。

森山(浩)委員 報道機関に対して意見交換をするとか、あるいはこの番組はどうだとか、そのようなことをされるんでしょうか。

 この内容につきましては、公平中立それから公正というような形で、編成局長と報道局長、私もテレビ局出身なもので、報道の番組については報道局長がやるけれども、テレビ番組全体、これの編成権を持っているのが編成局長ということですから、テレビ局の全体に対してこのような形で公平中立、公正というようなことをお求めになっているというふうに解しておりますけれども、この公平中立、公正というのはどのような意味でお使いになっておりますか。

福井国務大臣 先生、今から御指摘になろうとしているのは、恐らく、この文書が報道の自由を侵すとか、あるいは自由民主党としての何らかの意図があったのではないかという御指摘を今からされるのではないかと思いますけれども、事実といたしまして、その文書は党から発出をされたものでございますので、確かに半分のクレジットの責任は私にはありますけれども、この文書の内容とか意図とかを今解説する能力、資質がないわけでございますので、この文書についての件はぜひ自由民主党に御確認をいただきたいと思います。

 それだけですと余りにもせつない答弁になりますので、私個人が出したものではなくて、あくまでも党として、組織として出した文書であるということでありますけれども、しかし、私自身の意見として、報道の自由、表現の自由、これは絶対に尊重されなければならないというのは私自身の意見として申し述べさせていただきたいと思います。

森山(浩)委員 何か間をすっ飛ばされたような感じなんですが、公平中立それから公正というような形でこのような文書が来る、確かに自由民主党さんとしての文書でありますので、役所から圧力がかかったよという話では当然ないわけですけれども、政党がテレビ局に対してこのような形で文書を出すということについては、やはり大きな影響があるのかなというところで議論になったところであります。

 ただ、これは、文面を見ていると、だからここでだめなんじゃないかという話には恐らくならないのではないかと思いますけれども、その後、十一月二十六日、これには、「株式会社テレビ朝日「報道ステーション」担当プロデューサー殿」という形で、これは自由民主党報道局長の福井大臣の一人のお名前で出ているんですけれども、「貴社の十一月二十四日付「報道ステーション」放送に次のとおり要請いたします。」ということで、

  貴社の十一月二十四日放送の「報道ステーション」において、アベノミクスの効果が、大企業や富裕層のみに及び、それ以外の国民には及んでいないかのごとく、特定の富裕層のライフスタイルを強調して紹介する内容の報道がなされました。

  サラリーマンや中小企業にもアベノミクスが効果を及ぼしていることは、各種データが示しているところです。例えば、賃上げ率はこの春二・〇七%と過去十五年で最高となっており、中小企業においても、三分の二の企業が賃上げを行っております。また、中小企業の景況感も二十二年ぶりにプラスになっております。

  アベノミクスの効果については種々の意見があるところです。意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにしなければならないとされている放送法四条四号の規定に照らし、特殊な事例をいたずらに強調した二十四日付同番組の編集及びスタジオの解説は十分な意を尽くしているとは言えません。

  貴社におかれましては、公平中立な番組作成に取り組んでいただきますよう、特段の配慮をお願い申し上げます。

というような文面になっております。

 先ほどの部分につきましては、基本的に選挙においては公正中立にお願いしますよというような話でありましたけれども、この二十六日の文面におきましては、特定の番組の特定のコーナーの部分を指摘をし、そして放送法四条四号の規定に照らしということになっております。

 さて、この文面、こちらについては、さすがにちょっと問題はあったかなというような自覚はおありになりますか。

福井国務大臣 今御指摘の文書は、ちょっと先ほどまで存じておらなかったのですけれども、私個人が出したものではなくて、確かにクレジットは私、自由民主党報道局長福井照のみでありますけれども、あくまでも党の報道局あるいは報道局長という立場で発出をした文書であるというふうに承知をさせていただいてございますので、この文書の意図とか解説とかという能力は私にはちょっとただいまございませんので、以上でございます。

森山(浩)委員 そうですね、ちょっと通告をしているので残念なんですが、このような文書を出されて、しかも名前が載っているということですから、政治姿勢という形でお聞きをさせていただいておりますので、こうであったということは御確認をいただいて出てきていただきたかったかなというふうに思います。

 放送法四条四号の規定というような文章がありまして、放送法四条というのは、「放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。」というふうに定めておられます。一号「公安及び善良な風俗を害しないこと。」、二号「政治的に公平であること。」、三号「報道は事実をまげないですること。」、四号「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」ということになっておりまして、これについては、倫理規範なのかあるいは法的義務があるのかというような形で議論のあるところでございます。

 今の文書によりますと、これは守らないかぬのだから、ちゃんと守ってくれよというように聞こえるわけなんですけれども、この四条四号については、大臣は、倫理規範か法的義務があるか、どのようにお考えでしょうか。

奈良政府参考人 お答えいたします。

 放送法第四条につきまして、行政を執行する立場から申し上げますと、法律に規定されますとおり、これは規範性を有するというのが私どもの解釈でございまして、ただ、この違反というのは、非常に、認定する際には十分慎重にやらなければならないということも、あわせて、さまざま、国会を含めた場でお答えさせていただいているところでございます。

森山(浩)委員 そうですね。放送法第一条には、不偏不党そして表現の自由が大事だと、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、そのようなことが書いてある。そして、第三条には、あらゆる干渉の禁止というふうに書いてあります。ですので、政党、しかも政権与党というところからこのような文書が来るというのは放送局にとっても非常に大きな圧力になる。

 これはわかっていてやられたのではないかというふうに思うのですけれども、そのあたりは意識をされて出された文書でしょうか。

福井国務大臣 もう一度最初から申し上げますと、お尋ねのその二つの文書につきましては、私個人が出したものではなくて、あくまでも党の報道局長という立場で、一つは半分、一つは全部のクレジットで出した文書でございます。

 先ほど申し上げましたように、私自身の意見をあえて申し上げれば、報道の自由、表現の自由、特に憲法で保障されているのは表現の自由、これは絶対に最大限尊重されなければならないということは当然のことだと私自身は思っております。

 それ以上は、現在は内閣の一員でございますので、お答えする立場にはございませんけれども、クレジットは報道局だったかと思いますけれども、二十六日よりたしか後だったと思いますけれども、自由民主党としては、報道の自由を尊重するということに何ら変わりはないという文書も出しているのではないかということもあえて付言させていただきます。

森山(浩)委員 というようなことで、放送法絡みで、四条を盾にという言い方がいいのかどうかではありますけれども、福井大臣が放送局、テレビ局とやりとりをされてきたというようなことがございました。

 現在、放送の政治的公平について撤廃をするんだというようなこと、これは規制改革会議の中でこのような議論が行われているというようなことが報道をされております。

 規制改革会議の進捗状況についてお知らせください。

窪田政府参考人 お答えいたします。

 規制改革推進会議では、放送事業の未来図を見据えながら検討を行うため、対象範囲をあらかじめ絞ることなく、例えばコンテンツ産業振興のための施策やネット放送における著作権処理の課題などについて、さまざまな関係者からヒアリングをしております。

 現時点で改革の方向性を定めているものではございませんが、幅広く関係者からヒアリングを実施しておりまして、今後、これらを踏まえて、会議で改革の方針について検討されるものと承知しております。

森山(浩)委員 報道では、放送法四条について検討されていると言われていますけれども、四条についてはどうですか。

窪田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の放送法第四条につきましては、例えば、第十八回の投資等ワーキング・グループにおきまして、憲法や情報法を御専門とされております東京大学の宍戸常寿教授より、放送規律の全体像やその役割等についてヒアリングをするなどしたところでございます。

 いずれにいたしましても、対象範囲を絞らず、幅広くヒアリングを実施しているものと承知しております。

森山(浩)委員 議論は出ているけれども、決まったことではないよというような御答弁だったかもしれません。

 さて、野田聖子総務大臣が、二十二日の衆議院総務委員会で、放送法四条がなくなれば公序良俗を害するような番組や事実に基づかない報道が増加する可能性があると述べておられ、この改正については全然聞いていないというような趣旨で御発言をなされていますけれども、先ほどのテレビ局とのやりとりを見ていても、放送法四条というのは非常に大事だというようなことを思われていたのかなというふうに推察をするわけですが、放送法四条に関する福井大臣のお考え、これは変わっていないんでしょうか。

福井国務大臣 まさに政府の消費者担当大臣としては所管外でございますので、今の直截なる放送法四条四号のことについてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、先ほど申し上げましたように、私自身の意見として、憲法で保障する表現の自由並びにそれに付随する報道の自由、表現の自由は最大限尊重されなければならないということは胸にたたき込んでいるつもりでございます。

 なお、先ほどちょっとうろ覚えで申し上げましたのは、十一月二十七日でございました。クレジットは自由民主党広報本部報道局でありますけれども、我が党が報道の自由を尊重するという点は何ら変わりありませんということで取材への回答文書を出しておりますので、あえてまた付言をさせていただいたところでございます。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 放送法四条というようなところにおいて、どこまでが政府として言っていいのか、あるいはどこまでが党として言ってもいいのか、不当な干渉はいかぬというところの不当とは何か、非常に議論のあるところですし、具体的に一つ一つの事例を見ていかなければならないところで、今回のことについては残念ながら具体的な内容にはお答えをいただけませんでしたけれども、これは我々政治にかかわる者も非常に気をつけてやっていかなきゃいけない部分だと思っております。

 例えば、国境なき記者団の報道の自由度ランキングというのがあります。メディアの自主規制が進んでいる、あるいは政権のメディア敵視がひどい、若しくは特定秘密保護法への疑問があるというようなことの項目によって、四月ですのでそろそろ新しいものが発表されるのではないかと思いますけれども、昨年七十二位ということになっております。

 世界二百カ国弱しかない中での七十二位ということですから、日本の経済力やあるいは法治国家としての枠組みから考えると、ちょっとひどい状態になっているなということで、G7では最下位。これは二〇一〇年には十一位でございましたので、このあたりのところも含めて、きちんと対応していかなきゃいけない問題なのではないかなと思います。

 特に、土足で報道の内容に踏み込む、具体的な報道の内容に踏み込むようなことというのは厳に慎まなければならないと思うわけなんですが、ここは非常に大事な部分でございますので、放送法についても閣議などでも今後お話をされることもあるかと思います、政権としての方向性、言論の自由を守るということを踏み越えないようにということでお願いをしたいというふうに思います。

 大臣につきましては、この間も大河原議員からたくさんの、週刊誌などで報道されているというようなこともありました。逆に言うと、真実でないものが報道されているときには、きちんと訴える、これは違うんだということを言うということが信頼回復につながるのではないかと思いますので、真実にない部分というのがあるのであれば、これについてはきちんと闘うという姿勢も、やはり大臣ですので、持っていただきたいというふうに思いますが、最後、御決意を。

櫻田委員長 答弁は簡潔にお願いします。

福井国務大臣 報道の自由、表現の自由に奉仕する先生のお立場はよくわかりました。

 私どもとしては、全体の奉仕者として職務に専念させていただきたいというふうに思っている次第でございます。

森山(浩)委員 ありがとうございました。

櫻田委員長 次に、尾辻かな子君。

尾辻委員 立憲民主党・市民クラブの尾辻かな子です。

 本日は、質問の機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。

 それでは、順次質問をさせていただきたいと思います。

 まず、この消費者に関する特別委員会というものですけれども、消費者庁の所管するさまざまなことについてお聞かせいただくということになるかと思います。

 簡単で結構なので、消費者庁の使命とは一体何なのか。済みません、これは質問通告しておりませんので、どなたでも結構です。簡潔に、消費者庁の使命について教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者行政のかじ取り役として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現する、これが使命だと理解しております。

尾辻委員 ありがとうございます。

 消費者行政のかじ取り役ということですから、大臣にはそのかじ取り役を担っていただくということだと思います。

 それでは次に、ちょっと一般的な、こういう事件についてはどういうふうに考えるのかということで、一つ事例をお聞きしたいと思います。

 実現の見通しのない事業計画を示して出資金をだまし取る。よくある話であります。よく被害を聞く話でありますけれども、こういう事例はどのような法律違反になるか、教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまの御質問から一般的に、かつ網羅的に申し上げることは困難でございますが、消費者庁の所管の法律の中に消費者契約法というものがございます。これに則して申し上げますと、消費者と事業者の間の契約、すなわち消費者契約が成立したと見られる場合には、不実告知ないし断定的判断の要件、これは条文にございますけれども、これを満たせば、消費者がこれを取り消すことができるという効果を与えているところでございます。

尾辻委員 今、消費者契約法で答えていただきました。あと、出資法違反であったり、刑法第二百四十六条、詐欺罪などが一般的に当たるのかなというふうに思います。

 消費者庁というのは、こういう、出資金をだまし取られた人の相談に乗って、消費者の被害防止の注意喚起を行う、これは消費者庁の仕事でしょうか。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 悪質商法の手口がいろいろございますけれども、そうしたものが多数に及ぶ、被害も深刻だということになりましたら、私ども消費生活センター等でそういう情報を得るわけでございます。そうしたものを集計しまして、必要に応じて、消費者に向けて注意喚起を行うということをしているところでございます。

尾辻委員 ありがとうございます。

 それでは次に、皆様のお手元に資料をお配りをさせていただきました。二〇一三年、毎日新聞の件であります。

 タイトルを申し上げますと、損害賠償訴訟ということで、福井当時副文部科学相の後援団体の元幹部が出資金詐欺で敗訴をする、福井氏は事業支援を求めるというタイトルになっております。

 これは二月二十八日に希望の党の今井議員も予算委員会で質問をされていることでありますけれども、その二月二十八日の予算委員会で、大臣はこのように答えておられます。いずれにしましても、かりそめにも、消費者の立場でないとか、あるいは悪徳業者に加担しているとか、そういう懸念を国民に持たれませんように、消費者担当大臣として職責を全うしてまいりたいとお答えになっていると思います。

 そのお気持ちは今もお変わりないでしょうか。

福井国務大臣 はい、もちろん変わりません。ありがとうございます。

尾辻委員 それでは、この二〇一三年の新聞記事にどういう事件だったのかということが書いてありますので、読んでみたいと思います。

 「福井照副文部科学相の後援団体元幹部の男性が、実現の見通しのない事業計画を示して出資金をだまし取ったとして、出資者二人から損害賠償請求訴訟を起こされ、大阪地裁で八百十万円の賠償を命じられ全面敗訴していたことが分かった。判決などによると、男性は「福井先生がいるから大丈夫だ」などと話して出資を促し、福井氏も事業への出資を募る会合で出席者に協力を求めていた。」ということになっております。

 そして、この舞台がどこかというと、次の行になりますけれども、「判決や出資者らによると、男性は福井氏のパーティー券を販売する新アジア再生連合の幹事長を務めていた。」ということになっております。

 福井大臣、この新アジア再生連合というのはどのような団体でしょうか。

福井国務大臣 ちょっとにわかに思い出せなかったですけれども、この新聞記事の団体の役員が主宰する会ではないかと思います。

尾辻委員 そのようにおっしゃっていますけれども、これは、実はこの裁判の判決を見ると書いております。十一ページに書いておりますけれども、この新アジア再生連合というのは、平成十五年又は平成十六年ごろに福井大臣の政策秘書が立ち上げた政治団体であり、政策秘書が代表を務め、そして、この事件の男性と呼ばれる方、この人を仮にK氏というふうに言っておきたいと思いますけれども、K氏が幹事長を務めていた。そして、本件団体、この新アジア再生連合は福井さんを支援していて、福井さんの政治資金パーティーのパーティー券を販売することがあったというふうになっております。

 政策秘書が立ち上げて代表をして、そして、今回の元幹部と言われるKさんが幹事長を務めていて、福井さんの政治資金パーティーのパーティー券を販売していたということであります。

 そして、大臣、この事件ですけれども、この幹事長を務めておられたKさんですけれども、このようにいろいろな方から出資を募っていたこと、このことは御存じですか。

福井国務大臣 存じておりませんでした。

尾辻委員 では、いつお知りになりましたか。

福井国務大臣 二月二十八日の今井議員からの御質問で、改めて毎日新聞を拝見させていただき、そしてその後、判決文を入手いたしまして読ませていただきましたので、事実関係について了解をさせていただいたところでございます。

尾辻委員 大臣、この私が今聞いているものは二〇一三年の九月二十二日の報道なんですけれども、では、この報道はお知りにならないということでしょうか。

福井国務大臣 確かに、副大臣交代直前で、一目見たと思います。

尾辻委員 実は、この裁判は二〇〇八年四月に起訴されているんですね。それも、福井大臣がKさんと一緒に被告になっておりますけれども、これも御存じないということでしょうか。

福井国務大臣 当時は私は存じませんでした。

尾辻委員 これはちょっとにわかに信じられませんけれども……(発言する者あり)予算委員会との整合性もどうもあるようです。普通、被告になった者が自分は知らないということが実際あり得るのかということは、にわかに信じられません。ただ、大臣はそういうふうにお答えだということであります。

 では、ちょっと時系列に沿って、これはどんな事件だったのかということを確認したいと思います。

 まず最初に、判決によりますと、二〇〇五年、平成十七年に、Kさんがまず口ききを一度、この原告、つまり被害者の方にされております。これは、福井大臣の後援会幹部が社長を務めている敦賀原発の関連工事に作業員を百人派遣することができるよ、その口をきいてあげるから百万円下さいということを言ったという事件でありますけれども、では、大臣、このこともお知りにならないということでしょうか。

福井国務大臣 はい、個別にいろいろ御質問されてもちょっとお答えをしかねますので、ちょっと最初から整理させていただいてよろしいですか。ちょっと五分ぐらいかかりますけれども……(尾辻委員「はい」と呼ぶ)済みません。

 では、お許しいただきましたので、御指摘の裁判の判決文を確認をさせていただきましたので、それに基づいて、もう一度事実関係を整理をさせていただきたいと思います。

 御指摘の裁判につきましては、団体の幹事長をしていたK氏と私が被告とされ、大阪地裁に提訴されたところでございますけれども、平成二十三年三月、大阪地裁で判決があり、K氏への損害賠償請求は認容されましたけれども、私に対する請求は棄却をされております。その後も、私に対する請求については控訴をされずに確定をしております。

 地裁判決では、先ほど先生がおっしゃいました作業員派遣の口ききについて、被告Kが原告Hに作業員派遣の口ききを持ちかけることについて、O秘書や被告福井と意思を通じていたと推認することはできないとし、私が賠償義務を負うことはないと原告らの請求を棄却をしているところでございます。

 次に、多分今から御質問される予定だったかもしれませんけれども、廃棄物輸出事業についても、地裁判決では、被告福井やO秘書が実現可能性に関する被告Kの説明が虚偽であることを知り得たと認めるに足りる証拠も存しない、むしろ、被告Kは、廃棄物輸出事業の実現性に関し、O秘書や被告福井に虚偽の説明をしていたとうかがわれるとし、私が賠償義務を負うことはないと原告らの請求を棄却しているところでございます。

 また、地裁判決では、皆さんの期待に沿えるよう頑張りますので応援お願いいたしますと会合で述べたと認定しておりますけれども、議員であれば、応援してくれている人が集まっているから挨拶に行ってほしいと言われて、顔を出して挨拶するということは日常茶飯事でございます。この会合も、その旨関係者から言われて挨拶に行ったものと考えております。この会合での、皆さんの期待に沿えるよう頑張りますので応援お願いいたしますという挨拶も、日ごろの御支援にお礼を述べて、今後も皆さんの御期待に沿えるように政治活動を頑張りますという趣旨で挨拶をしたと認識をしてございます。

 したがいまして、私が事業への協力を要請した事実はございません。地裁判決も、被告福井も本件会合に同席をして出席者に対し事業への協力を要請したとする原告らの主張は採用してございません。

 なお、原審で敗訴した原告らは、私については控訴をせず、原審の判決は確定しております。

 念のために申し添えれば、控訴審である大阪高裁の判決も、福井の来阪に合わせて開催された本件会合では、被控訴人らを含む本件輸出入事業の関係者が出席し、福井も出席者の期待に沿えるよう努力する所存であるという趣旨の挨拶をしていたと認定はしておりますけれども、原告らの事業への協力を要請したとの主張は採用しておりません。

 ちょっと長くなりましたので、以上で。

尾辻委員 ありがとうございます。

 私も判決文を読ませていただいたので、大臣がおっしゃった部分は読ませていただいております。ですので、ちょっと、では細かく、今いただいたところから質問をしていきたいと思います。

 先ほど、大臣、細かいことはわからないし、作業員の派遣についても知らないというようなことをおっしゃったかと思います、私は関係ないというようなことをおっしゃったかと思いますけれども、実は、この事件が終わった後にタイに訪問されているかと思うんですね。

 これは毎日新聞にも書かれております。毎日新聞の記事によりますと、下から二つ目、「この男性は二〇〇五年四月二十九日〜五月八日、輸出先の視察として福井氏と当時の政策秘書らをタイや台湾に連れて行った。その際、福井氏らの旅費は男性が全額負担した。旅費の原資は、男性が「(福井)先生に現地で動いてもらうためにお金が必要だ」と持ちかけ、出資者らから受け取っていた。出資者が起こした大阪地裁の裁判で、元政策秘書も「視察費用は男性が出した」と証言した。」というふうになっております。

 ということですけれども、これは、タイに旅行に行かれたというのは事実ですか、まずタイと台湾。

福井国務大臣 二月二十八日の今井議員の予算委員会での御質問で、いわばちょっと途中になっちゃったので、まとめて先生にもお答えをさせていただきたいと思います。

 今御指摘の、平成十七年の御指摘の海外視察について調べてみました。平成十七年のゴールデンウイークの時期に台湾やタイを訪れていたことを確認をさせていただきました。

 旅費につきましては、旅行に同行した当時の事務所担当者にお任せしておりましたけれども、十年以上も前のことでございまして、当時の資料は事務所には全く残っておらず、当時の秘書や関係者と現在全く関係を持っていないことから、現時点では、本件についてこれ以上の事実関係の確認は困難でございます。

 ただし、私の関与していないところで団体関係者が負担をしていた可能性も完全に否定し切れるものではないことから、何か新たな事実が判明すれば、今後適切に対応してまいりたいというふうに存じているところでございます。

 また、一部報道で、この裁判の原告の方々が、出資金名下にK氏に詐取された金銭が当該旅費に使われたとの記事がありましたけれども、判決文によりましたら、被害者の方々が金銭を詐取されたのはこの海外視察より一年以上後のことなので、旅行代金はこの方々のお金ではないというふうに考えられております。

 いずれにしましても、仮に何か新たな事実が判明いたしましたら、今後適切に対応させていただきたいと思っております。

尾辻委員 済みません、簡潔に答弁をいただきますようにお願いをいたします。

 先ほど申し上げたとおり、この裁判で証言されているわけですよね、元政策秘書の方が、この出資者が起こした裁判で、男性が出したと。

 ですから、おわかりにならないというのであれば、このKさんですね、お聞きになればいいんじゃないですか。いろいろなところでやっておられますから、お聞きになっていただきたいと思います。これが一点。

 どうですか、お聞きになっていただけますか。

福井国務大臣 旅費につきましては旅行に同行した当時の事務所担当者に任せていたわけでございますけれども、十年以上も前のことであり、当時の資料は事務所には全く残っておらず、当時の秘書や関係者と現在全く関係を持っていないことから、現時点では本件についてこれ以上の事実関係の確認は困難でございます。

尾辻委員 では、ここは証言があるということだけ言っておきます。

 あと、先ほど言ったように、時系列が違うという話があったと思います、旅行代金。この裁判の、この人たちが三百十万円とか四百万円を払ったのは旅行の後だから、旅行のお金じゃないよというお話をさっきコメントでされたかと思いますけれども、これ、実はこの事件だけじゃないんじゃないかという話があります。

 お手元の高知新聞の「中」というところを見ていただいたら、高知新聞の「中」の真ん中のところですね、高知新聞の三月四日、こういうふうに指摘されています。

 「この主婦が誘った人も含め、出資者は他に複数いるという。一時は元幹事長と共同で事業を進めた香川県内の建設関係業者の男性は「私も数千万円を出した。被害総額は億単位になるはずだ」」ということをおっしゃっておりますので、この出資金は、ただ単にこの裁判のものだけではなくて、それよりも前から、特にこれは「下」に書いてありますけれども、二〇〇四年、お支払いしたというようなことが書いてありますので、ここの部分については大臣の説明では整合性がつくとは私は言いがたいと思います。

 ちなみに、タイや台湾には何しに行かれたんですか。

福井国務大臣 今にわかにはちょっと思い出し切れないところです。

尾辻委員 では、何で行ったかというのは高知新聞のところで見ていただきたいと思うんですけれども、「旅費に環流か」というところの真ん中の下のところですけれども、ここに関して、「一緒にタイの大手セメント会社も視察した」、そして「元政策秘書も視察に同行したことを認め、「石炭灰輸出の話という認識は当然あった。代議士が一緒だとタイ側と交渉しやすかった」」というふうになっております。このことは、記憶がないということなので、新聞がこう指摘しているということを言っておきたいと思います。

 次に、先ほどホテルのレストランの件で、自分はただ挨拶をしただけである、それは決して出資金を募るわけではないというふうにおっしゃっておりましたけれども、ここについて詳細を聞きたいと思います。

 まず、ここで出席をされて挨拶をされたということなんですけれども、これも先ほどの毎日新聞のところで見ていただくと、このように書いてあります。一番下です。

 「男性が出資者を集めた大阪市内での〇六年の会合では、輸出方法など役割分担も決められた。福井氏は男性らの説明後、出席者に事業への協力を求める発言をしており、出資者らは「政治家の後ろ盾があり、信用できると思って金を出した」」「別の出資者は「会合で「がんばろうね」と声をかけられた。事業を知らないわけがない」」ということが書いてありますし、この高知新聞の「上」の下段のところでも、「「工事は一年か一年半後」「もうちょっと待って」。そう言って何度も引き延ばす元幹事長に、理事長は疑念を抱いたこともある。だが、〇六年八月に大阪市内で開かれたパーティーで福井氏のこんなあいさつを聞いて安心したという。「期待に応えるよう頑張りますので、応援お願いします」」ということですけれども、これはただの挨拶だった、つまり、出資を求めるものではなかったということでよろしいですね。イエスかノーでお答えください、時間がありませんので。

福井国務大臣 ちょっと先ほど申し上げたところでありますけれども、地裁判決では今先生おっしゃったような言葉を述べたと認定していますけれども、議員であれば、応援してくれている人が集まっているから挨拶に行ってほしいと言われて、顔を出して挨拶するということは日常茶飯事でございます。この会合でも、その旨を関係者から言われて挨拶に行ったものと考えております。(尾辻委員「はい、結構です、同じことを言われていますので」と呼ぶ)では、以上です。

尾辻委員 ありがとうございます。

 それで、この被害に遭った人たちは、福井先生が来ていただいて挨拶をして、安心したということなんですね。では、これはだまされた原告が悪いんですかね。自分はただ政治の挨拶をしただけなのに、このことを進めてくれるということで言った原告が悪いというふうに聞こえてしまいますということを指摘しておきます。

 では、時間がありませんので、最後、これに行きたいと思うんです。

 今回、大臣が判決でおっしゃったとおり、賠償責任というものは大臣は認められないということで裁判は終わっております。共同不法行為者ではないということで賠償義務はないということになりました。

 では、この九百十万円の賠償金は今どういうふうになっているか御存じですか。

福井国務大臣 全く存じておりません。

尾辻委員 これもまたおかしな話でして、これも毎日新聞に、二〇一三年十月八日に差押えの件というのが載っております。何の差押えをされたのかといいますと、この案件で福井大臣の政治団体の資産が差し押さえられた。事業出資者は、解散時未清算の四百万円であるということで、こう書いてあります。

 福井照大臣を支援した政治団体の資産が差押えの対象になっていることがわかった。福井氏の後援団体幹部だった男性が知人らへの損害賠償を裁判所から命じられ、支払いに応じないため、男性が政治団体に貸し付けた四百万円の債権が差し押さえられた。総務省によると、政治団体への差押えは異例だという。

 ということで、これは黄山会という政治団体であります。ちょっと時間がないので私が申し上げますけれども、福井さんの当時の政策秘書が代表を務めております。福井大臣のお父上が会計責任者を務めておられます。

 この黄山会というものが、この賠償金、今、賠償金を一円も払っていないんですよね、このKさん。何でこの政治団体が支払うようにとなったかというと、Kさんがこの黄山会という政治団体に一千三百万円お金を貸した。黄山会は男性に九百万円、Kさんに返したけれども、四百万円を返していない。だから、この四百万円の分を自分たちの賠償金に充ててくれということで差押えをしています。

 それも、この黄山会の住所というのは、新アジア再生連合、Kさんが幹事長を務め、そして福井大臣の当時の政策秘書が代表を務めている新アジア再生連合と実は住所が一緒なんですけれども、このことは御存じですか。

福井国務大臣 詳細は存じておりません。

尾辻委員 すごい。住所が同じであって、そしてこれは裁判の判決でも事実認定されているということを申し添えておきたいと思います。

 では、今回の事件ですけれども、福井大臣の存在がなくて、Kさん単独でこのことはできますか。大臣がいらっしゃらなかった場合に、Kさんの事業はうまくいきますか。

福井国務大臣 仮定についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、このような、とにかく、裁判が起こされたということにつきましては大変不徳のいたすところというふうに、申しわけなく思っている次第でございます。

尾辻委員 私は、存在なしでできたかどうかというのを聞いているわけですけれども。

 私は思いますけれども、これは福井大臣がいらっしゃらなければ、こんなことは起こらなかったのではないかというふうに思いますし、全く関係がないというわけではなくて、ホテルのレストランで挨拶もされているわけです。そして、これは判決の部分で一審も、地裁も書いているわけですね。

 ですので、今の、何もわからないということでは、さすがに消費者を担当する大臣として余りに説明責任が果たされていないと思うんですけれども、これ、調査される気はありますか。

福井国務大臣 ちょっと、長い答弁の中で言及をさせていただきましたけれども、何か新しいことがわかれば、あるいは新しい事態に接したときに適切に対処してまいりたいというふうに思っております。

尾辻委員 新しいことということでいうと、先ほど言ったように、事実のことについて何もお答えになっていないわけです。

 そして、大臣、一番最初におっしゃいましたけれども、これは二月二十八日に知ったというふうに言われているわけです。今までの新聞記事などと全く整合性がとれないことをおっしゃっているんですけれども、それで調査をしないということなんですか。

櫻田委員長 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

福井国務大臣 全くゼロから知り得たということではなくて、先ほどの毎日新聞の記事に関する私の認識について少し修正をさせていただきますと、改めて正確なことを確認したのが二月二十八日以降だということでございます。

 以上でございます。

尾辻委員 ただ、それも、Kさん本人とか……

櫻田委員長 尾辻かな子君、質問時間が終わっておりますので。

尾辻委員 はい。ちょっと不完全な答弁ばかりだったというふうに思います。

 このように、詐欺の事件ですね、損害賠償を起こされるような事件を起こした方が消費者担当大臣であるということ、私はこれは非常に不可解だと思っています。資質に問題があるのではないかということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

櫻田委員長 次に、森夏枝君。

森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。

 昨年十月の総選挙におきまして初当選をさせていただきました。消費者問題に関する特別委員会では初めて質問をさせていただきます。質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 国民の命と平和な暮らしを守り抜く、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会を実現するために、一消費者としての目線から質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは、早速質疑に入らせていただきます。成人年齢の引下げによる若者の意識について伺います。

 成人年齢を引き下げることによって、今後さまざまな消費者トラブルが起こり得ると思います。また、被害者も今現在よりもふえることが予想されるかと思います。

 まず、平成二十八年に消費者庁が作成されたこちらの冊子「社会への扉」についてお聞きをします。

 徳島県の高校におきましては全校配付をされ、活用されているとお聞きをしました。徳島県以外の高校ではどのくらい配付をされておりますでしょうか。また、実際の授業の様子や、高校生、若者からの主な意見等ありましたらお聞かせください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問の中にございましたが、平成二十九年度では、徳島県で県内の全ての高校において活用いただいております。全日制、定時制の両方の公立高校、私立学校、特別支援学校、高等専門学校、全五十六校六千九百人を対象に授業を行っていただきました。

 その他の都道府県でございますけれども、二十六都道府県の六十ほどの高校等においても「社会への扉」を活用した授業を行っていただいております。また、大学等からも、平成二十九年度に十校ほどからの提供の依頼をいただいておりますので、授業をしていただいたと思われます。また、三十年度に入りまして、新年度早々、今月に使用したいという御依頼も六校からいただいているところでございます。

 後半の御質問でございます。徳島県では、三月十三日、授業実践報告会を開催いただきました。授業を実施した四校の先生方にお越しいただきまして、授業報告をいただきました。その中でのお話を幾つか御紹介させていただきますと、先生方は、まず、「社会への扉」を活用した授業を全県的に実施するということで、消費者教育の必要性が高まっているということを実感したということを伺いました。このうち、資料でございますが、カラーでイラストがあり、生徒の関心を引きやすくてよい、教科書とあわせて生徒の理解を深めるために使用する副教材としてもよいという御好評をいただいております。

 また、この授業の効果といたしまして、授業を受けた後で、生徒の一人がインターネット取引上でのトラブルについて泣き寝入りせず教員に相談したところ、教員がその事例を授業で取り上げ、消費生活センターに相談してトラブルを解決したという事例も伺っているところでございます。

 以上でございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 成人年齢の引下げによる消費者トラブルを避けるためにも、教育が必要だと思います。この冊子が配付されているのは、先ほどお伺いしましたが、四千九百七校のうち、高校ではまだまだ百十六校、大学で十校ということで、余りにも少ない数字かと思います。

 消費者庁として、今後どのようにこの冊子を展開されるのか、教えてください。

川口政府参考人 現在、消費者庁におきましては、消費者行政新未来創造オフィスというのを置きまして、新未来創造プロジェクトを推進しているわけでございます。そのうちの一つとして先ほどの授業を行っていただいたわけでございますが、この授業につきまして、授業例の収集あるいはその効果の検証を行いまして、三十年度以降につきましては、この取組を全国に展開をするということとしております。

 具体的には、関係四省庁、消費者庁、文科省、法務省、金融庁の局長で構成する会議を開催いたしまして、これは二月のことでございます、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムというものをまとめたところでございます。

 二〇一八年度、今年度から二〇二〇年度の三年間を集中強化期間といたしまして、実践的な消費者教育を推進し、「社会への扉」を活用した授業、これが全ての都道府県で全高校で行われる、これは三年目、最終年度にはそういうふうにするということで、毎年少しずつふやしていくということを目指している、目標を掲げているところでございます。

 これを踏まえまして、既に三月末には、消費者庁と文科省の関係局長から、各都道府県、各政令指定都市、各指定都市市長等へ通知を出しまして、その他、消費者庁、文科省の担当課長から、それぞれカウンターパートになります都道府県・政令指定都市、あるいは教育委員会を通じて通知を発出したところでございまして、この目標達成に向け、関係省庁連携をして、全力を挙げてまいりたいと思っております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 せっかく作成した冊子ですので、全国の高校生の皆さんに配付をし、勉強してもらい、消費者としての意識を持ってもらうべきだと思います。何か起きたときにこの冊子が手元にあれば、思い出すこともあるかと思います。大変よくできている、本当にわかりやすい冊子だと思いますので、ぜひ有効活用をしていただきたいと思います。

 また、この冊子の十ページに、消費者ホットラインの電話番号、一八八番、「いやや」について書かれているのですが、平成二十七年から開通されているとのことですが、正直、私は初めて目にした番号でした。

 この番号についても、消費者の皆さんには周知をされているのでしょうか、周知をどのような方法でされているのか、教えてください。

川口政府参考人 若者を含めまして消費者の安全、安心を確保するためには、全国どこに住んでいても質の高い相談、救済が受けられるよう、消費者が身近に相談できる窓口の充実を図ることが重要ということで、全国に消費生活センターの設置を進めているところでございますが、御質問のありました消費者ホットラインにつきましては、平成二十七年七月より、全国共通の三桁の電話番号、一八八による案内を開始しております。これにつきましては、土日等についても最終的には国民生活センターにつながるという形で、相談が可能な体制をとっているところでございます。

 若者が消費者トラブルに直面した際には、身近な消費生活センターに相談を行うことが重要でありまして、そのためには、この一八八の普及啓発を行うことは極めて重要ということでございます。

 この認知度を高める、特に若年層に対して高めるということにはいろいろ工夫が必要だと思いまして、試行錯誤の最中でございますが、例えばSNSの活用、あるいは消費者庁で発しておりますツイッター、これはいろいろなテーマに応じまして発しておりますが、その際、一八八を必ず付記するなどいたしております。地方公共団体では、ラッピングバスとか、いろいろ努力もしていただいておりますけれども、あらゆる努力をしながら認知度の向上を図ってまいりたいと思っているところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 あらゆる取組をしていただいているということです。ですが、少し厳しい意見ですが、二〇一六年の五月に政府が閣議決定をした二〇一六年版の消費者白書によると、二〇一五年度に全国の消費生活相談センターに寄せられた九十二万七千件の消費生活に関する相談のうち、二十四万件が六十五歳以上の高齢者に関することだったようです。二十代前半に関しては八・七%、十代においては二・三%とのことです。

 若い世代が、トラブルを抱え、親にも相談できず、友達にも相談できない状況で、この一八八番に電話をかけてくることができるのでしょうか。一八八番にかけてきてくれれば一歩踏み出せると願いたいですが、最悪の結果を招かぬよう、若者を消費者トラブルから守らなくてはなりません。成人年齢引下げ実施までには準備期間がありますので、若者の目線で取り組んでいただきたいと思います。

 消費者教育は、まだまだ学校においても地域においてもばらつきがあります。成人年齢引下げに関しては、まだまだ浸透させていくには時間がかかると思います。授業を受けても数学や英語のように評価や結果が出るわけではないので、効果も不透明です。しかし、これからの若い世代を守るために、被害の防止、救済、また、若い世代が責任を負う重さの意識を変えるために、消費者庁の活動を見守り、協力ができればと思います。消費者被害の防止、救済のための相談体制の強化、制度整備等、しっかりお願いしたいと思います。私も、微力ですが、消費者ホットライン、一八八番を広めていくよう努力をしたいと思います。

 また、若い世代では電話相談は余りしない現実もあるかと思います。先ほどツイッター等での発信もされるとお聞きしましたが、ネット等での相談窓口も更に考えていただければと思います。

 次に、見守りネットワークについて伺います。

 消費者庁が設立されて来年で十年という節目を迎えるかと思います。また、その翌年には東京オリンピック・パラリンピックの開催となります。大臣がお話しされたように、高齢者も若者も、女性も男性も、そして障害の有無にかかわらず、誰一人取り残されることがないような社会になるようにと、見守りネットワークが全国展開されます。

 対象となるのは高齢者、障害者の方々でしょうか。見守りネットワークとはどのようなもので、また、誰がどのような活動を行うのでしょうか。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 この見守りネットワークでございますけれども、消費者庁ができまして、消費者安全法の改正という形でこの仕組みを整備していただいたところでございます。

 消費者安全法の中に、法律の言葉では消費者安全確保地域協議会という名前をつけておりまして、法定のものでございます。この中で、「消費者安全の確保のため、消費生活上特に配慮を要する消費者と適当な接触を保ち、その状況を見守ることその他の必要な取組を行うものとする。」こういう規定が十一条の四にございます。

 こういう規定の中で実際の要件を満たす協議会をつくっていただきますと、さまざまな法的効果が発生をするということでございますが、この消費生活上特に配慮を要する消費者の具体的な主な例といたしましては、高齢者や障害者を想定しているところでございますが、その対象を法令で限定しているものではなく、地域の実情に応じまして、高齢者も若者も、女性も男性も、そして障害の有無にかかわらず、誰一人取り残されることがなく、消費者被害を防止するために地域で見守り活動を行っていただくという枠組みとして御活用いただければというふうに思っているところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 高齢者の介護については予算委員会の分科会でも質問させていただきましたが、現状、いろいろな研修を受けても、地域で活動をしていただける相談員やボランティアの方は高齢者と呼ばれる世代の方々だと思います。日ごろから見守りをしていかないと、異変に気づき、被害を未然に防止することは不可能ですので、必然的にそのようになるかと思います。

 悪質な詐欺事件や個人の取引には解決が困難なものもあると思います。また、機密性の高い情報もこれからどんどんふえてくると思います。そのあたりの秘密保持義務について伺います。

 情報漏えい等、何か問題が起きたときには罰則等はあるのでしょうか、教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 この消費者安全確保地域協議会でございますが、ある意味、個人情報を共有できるという法的効果があるわけでございます。これは個人情報保護法の例外ということで設けてあるわけでございますが、他方、こういう中で、地域の見守り活動を行う際に個人情報を取り扱う場合があるという前提でできておりますので、見守られる側の消費者の安心を得る観点から、協議会の構成員に対しては罰則を伴う守秘義務を課しているところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 認知症の高齢者、高齢消費者は、御本人以外からの相談が寄せられると思いますが、なかなか地域の見守りにも限界があります。いつもお話をさせていただいておりますが、認知症は、御自身が認知症であるとなかなか認めない、そして、その境目のときにトラブルが起きます。

 トラブルを未然に防ぐために、認知症の方には今どのような御対応をされているのか、教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、今御質問の中にございましたが、認知症の方など高齢者の御相談については本人以外からの御相談が多くなっているということでございますけれども、これについては、どの消費生活センターも、原則として本人以外からの御相談もお受けしているということでございます。

 それから、まさに先ほど御答弁申し上げましたが、高齢者あるいは障害者という中で申し上げましたが、認知症の方を含めまして、特に高齢者を中心にした消費者トラブルが悪質化、深刻化しているという問題がございます。

 このため、消費者安全確保地域協議会、これを、認知症の方も含めまして、しっかり組織していくということが必要だと思っております。平成三十年三月末時点で、八十五自治体でできております。うち、五万人以上の市区町で四十七自治体でございます。

 現時点では、五万人以上の市区町全てに県内で設置してくださいということを各県に呼びかけております。これを実現しましたのは徳島県だけでございますけれども、各県でつくっていただいて、その中で実践を積み重ねていただく。

 どういう意味でこの協議会が意味があるのか、役に立つのかということを実感していただくということで、またその声を全国に伝えていく役目を果たしていきたいと思っております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 課題がまだまだあるかと思いますが、とにかく日ごろからの全ての連携が必要だと思います。連携は必要ですが、その貴重な連携のためにケアマネさんやデイケアサービスのスタッフの方々の仕事がこれ以上ふえないようにお願いをしておきたいと思います。

 次に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック関係で質問をさせていただきます。

 外国人観光客四千万人時代を見据え、訪日外国人等のトラブルについて伺います。

 外国人とトラブルになったことがあるという方の中で、三一%の方が直接注意をし、どうすることもできなかった、諦めた、かかわらないようにしたが五〇%強、警察や役所など公的機関に相談したのは一六・五%でした。トラブル内容もさまざまでしょうし、アンケート内容もいろいろなものがあると思いますが、相談件数が少ない、もっと相談する割合がふえてほしいと率直に思いました。

 ここ数年でどのようなトラブルが多く報告され、どのような対応をされているのでしょうか。また、今後の対応についても教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 消費生活のグローバル化が一層進展しておりますので、政府が二〇三〇年に訪日外国人旅行者数六千万人を目指す中で、訪日外国人の消費の安心の確保ということについても重要な課題と認識をしているところでございます。

 一つ、これまで進めている、まだ初歩的な段階でございますが、幾つか御紹介いたしますと、まず、観光庁と連携をいたしまして、訪日外国人等の消費者トラブル事例に関する情報収集を進めてきたところでございます。

 この成果の一つといたしまして、先般、二月一日でございますが、国民生活センターにおきまして、日本政府観光局と連携し、そのホームページにおいて、中国人観光客向けに、日本で消費者トラブルに遭わないための注意喚起というものを出したものでございます。これは、日本語と中国語、併記をしているところでございます。

 トラブル事例といたしまして、購入した商品が不良品だった、免税品で著しく高額な商品を購入させられた、購入した商品をキャンセルしたいがキャンセルを受け付けてもらえないなどをトラブル事例として例示しているところでございます。

 また、今年度予算におきまして、自治体の消費生活センターにおきまして、訪日外国人向けの相談窓口の整備、これを働きかけております。こうしたことに活用できる地方消費者行政強化交付金ということを計上しております。また、国民生活センターによる外国語対応の電話相談窓口の開設のための経費も計上しているところでございます。

 今後とも、こうした取組を進めまして、訪日外国人の消費者トラブルを防止すべく、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 訪日される海外の方にも、トラブルなく、よい、楽しい日本の思い出を胸に帰国していただきたいですし、受け入れる日本側も生活習慣、言語の違いなどを踏まえた上で、トラブルを未然に防ぐ対応、そしてまた、トラブルが起きてしまったときには迅速な解決ができるようにしていただきたいと思っております。

 次に、食品ロスについて伺います。

 消費にかかわる国民の意識調査によると、心の豊かさに関しては、ここ三十年、徐々に豊かさを感じているという結果で、また、物の豊かさに関しては、大量生産、大量消費型の経済を見直そうという国民意識が見受けられる資料を拝見いたしました。

 そこで、規格外野菜についてお聞きしたいと思います。

 海外の朝市やマーケットに行くと、形も見かけも悪いですが、逆に自分の好きな大きさや色の野菜を購入できます。日本のスーパーですと、形も皆そろい、プラスチックケースにきれいにおさまる、見た目もとてもきれいな野菜が並んでいます。規格外野菜で年間に処分、廃棄をされてしまうものも少なくないのではないかと思います。

 農家の方々も、出荷できない野菜をわざわざ収穫作業やこん包作業はしないと思います。農家の方々も、新鮮なものを朝収穫し、新鮮なうちに出荷をされる御努力を限られた時間、限られた人数でやられていると思います。もし出荷先が決まったとしても、安定供給できないことが規格外品を扱う難しさかと思います。無駄をしたくない、ロスはしたくないけれども、規格外野菜を出荷すればするほど農家の方々は赤字になると思います。また、大きな壁もあるかと思います。

 しかし、生産者が精魂込めた野菜など、食べることができる野菜等のロスに対して、今後どのように取り組まれていかれるのでしょうか、大臣の御所見をお伺いできればと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 野菜を含む食品ロスの削減に向けまして、消費者庁では、消費者に対する普及啓発を実施しているところでございます。

 具体的な取組としては、賞味期限、消費期限といった食品の期限表示の理解の促進、それから、料理レシピサイトを利用した、食材を無駄にしないレシピの紹介、そして、消費者庁ウエブサイトにおいて地方公共団体等の取組等の情報の掲載などを行っているところでございます。

 なお、規格外の野菜につきましては、例えば、直売所での販売や加工用に使われているといったことのほか、規格外の地元農産物の学校給食での活用などの取組が進められていると承知しております。

 今後とも、関係省庁、地方公共団体、消費者団体等と連携しつつ、食品ロスの削減に向けた取組を推進してまいりたいと考えているところでございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 規格外野菜についての食品ロス対策についてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 規格外野菜の活用については、また農水委員会でも質問したいと考えておりますが、子供食堂などへの食材の安定供給等についてももっと携わりたく思っております。

 最後に、消費者庁の消費者行政新未来創造オフィスについて伺います。

 消費者行政新未来創造オフィスを徳島に開設をされたかと思います。私の選挙区、京都にも文化庁が二一年度中に全面移転をされますが、東京ではなく徳島に開設をされてまだ一年たっておりませんし、三年後をめどに検証、見直しをされると思いますが、一番どのようなことがよかったのか、現時点で感じられることがあれば、お聞かせください。あわせて、今後どのように見直しをされるのか、お聞かせください。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 京都の文化庁も徳島のこのオフィスも、地方創生実行統合本部事務総長として深くかかわりましたので、私の方から答弁させていただきます。

 消費者庁におきましては、昨年七月二十四日に、徳島県に消費者行政新未来創造オフィスを開設いたしました。徳島県及び周辺地域、関西、中国、四国の協力のもと、これまで東京では十分に実施できていなかった全国展開を見据えたモデルプロジェクト及び調査研究を実施しているところでございます。また、国民生活センターにおきましても、主として関西、中国、四国地域の対象者を想定した研修及び徳島独自の研修等を集中的に実施しているところでございます。

 既に一定の成果が見られている具体的な例を申し上げますと、徳島県内全ての高校におきまして、先ほど先生お示しいただきました「社会への扉」を活用した授業を実施しました。そして、高齢者等の消費者被害防止の取組である見守りネットワークの構築に関しては、徳島県において、全国で初めて、人口五万人以上の全市町村で地域協議会を設置しました。さらには、徳島県及び県内全二十四市町村におきまして公益通報窓口の整備を完了させましたなどなどが挙げられます。

 このようなプロジェクトの成果を全国に展開することは、全国の都道府県及び消費者の利益に大きく資するわけでございます。並びに、高い成果の創出につながるものでございます。

 引き続き、オフィスにおける取組を着実に進めていくことが重要であるというふうに考えている次第でございます。

櫻田委員長 簡潔に。

森(夏)委員 ありがとうございました。

 時間となりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

櫻田委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時六分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時四分開議

櫻田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。今井雅人君。

今井委員 希望の党の今井雅人でございます。

 質問の時間をいただきまして、ありがとうございました。

 きょうは、二月二十八日の衆議院の予算委員会で私が取り上げました福井大臣の過去の問題について御質疑をさせていただきたいというふうに思います。

 私が質問したことに対しまして、三月の八日、衆議院議員福井照事務所から回答をいただいておりますが、この件については当然御承知ですよね。

福井国務大臣 はい、承知をしております。

今井委員 それで、当時の原告の方三名、それから、それ以外に四国で六千万円ぐらいお金を出したという方もいらっしゃいました、九州の方にも、全員、お話を聞いてまいりました。

 それぞれの方、大変そのときのことを鮮明に覚えておられましたけれども、福井大臣も、これは当時被告として訴えられて裁判を闘っておられますから、このときの一連のこの事案に関してのことは、当然、そのときもよく検証されたでしょうし、記憶は鮮明に残っていらっしゃいますよね。

福井国務大臣 薄い記憶しかございません。詳細は承知をしておりません。

今井委員 それで裁判を乗り切ったんですか。弁護士の方といろいろ打合せをして、そのときにいろんな事案の話は当然伺っていますよね。裁判のときは、そのことはよく弁護士とお話をされましたか、内容について。

福井国務大臣 本件訴訟の追行につきましては、訴訟代理人である弁護士が行っており、私としては関与していなかったというのが事実でございます。

今井委員 ちょっと待ってください。弁護士に当然事実関係をいろいろ聞かれたりとかしていますよね。ですから、そのとき弁護士とはいろいろ話をしていないとおかしいと思うんですけれども、いかがですか。自分の弁護士さんですよ。

福井国務大臣 おっしゃいましたように、途中といいましょうか、最初から最後まで随時代理人弁護士と打合せしたかというお問合せでございますけれども、頻繁に打合せしたという記憶はございません。私としては、完全にお任せして、関与していなかったというのが事実でございます。

今井委員 それはちょっとおかしくないですか。裁判をやるに当たって、弁護人が事実関係を被告の福井さんに事情を聞かないなんということがあり得るんですか。当時はどうだったのですかと弁護人は当然聞くでしょう。そういう会話をしていらっしゃらないですか。

福井国務大臣 基本的には弁護人にお任せをしておりました。

今井委員 では、弁護人からこのことについて事実関係を確認されましたか。当時、そのときに、福井被告としての事実関係を弁護人から聞かれましたか。

 ちょっと後ろ、後ろ、要らない。御本人の話ですから、要らない。御本人が覚えていらっしゃるでしょう。だって、そのときに、どういう事実関係を聞いたか、これはどういうことだったんでしょうかと弁護人から当然聞かれますよね。そんなこともなかったんですか、本当に。

福井国務大臣 事実として、詳細は聞いておりません。

今井委員 逆です。弁護人からどういう経緯だったかを聞かれませんでしたかと言っているんです。

福井国務大臣 聞いておりません。

今井委員 いやいや、聞かれていませんかということです。弁護人から、そのときどういう経緯だったんですかといって、事情を福井さんに弁護人は一切聞いていないんですか、本当に。それでどうやって裁判を闘うんですか。あり得ないでしょう、そんなこと。そんなことまでないと言うんですか。もちろん、裁判自体は弁護人が代理でやられたと思いますよ。でも、事実関係を被告のあなたに確認しないまま裁判をやったんですか。

福井国務大臣 詳しく聞かれたことはございません。

    〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕

今井委員 じゃ、詳しくなくても聞かれたことはあるんですね。

福井国務大臣 事実として、記憶はほとんどございませんけれども、詳しく聞かれたことはございません。

今井委員 じゃ、詳しくないところだけ聞かれたということですね。

 私は、なぜこんなことを最初に確認するかというと、覚えていないとかいって答弁を逃げられるのが嫌だからこういうことを言っているんです。実際に私は関係者の話を聞いてきましたけれども、物すごい鮮明に皆さん覚えていらっしゃいますよ。

 ちょっともう一回事案の説明をしますけれども、当時の福井議員の私設秘書だったKさん、この方が新アジア再生連合という連合の幹事長をやっていました。これは任意団体ですけれども、この団体の代表というのは、当時の福井大臣の政策秘書のOさんです。このOさんという方は、福井大臣の政治団体である黄山会、この代表もやっておられます。この黄山会の代表はこのOさんなんですけれども、会計責任者は福井議員のお父様です。そして、もう一方、Sさんという私設秘書がいらっしゃいます。この方は新アジア再生連合の事務局長をやっていらっしゃいます。

 今回の私が取り上げているこの不当な投資、詐欺とは認定されていませんが、民事で判決を受けていますので、不当に事業性もないものにお金を出さされて被害をこうむったと賠償責任が認められたんですが、その関係者はこの三名なんですね。一人は福井さんの政策秘書です。二人は福井さんの私設秘書です。そして、福井さんの政治団体で、お父様が会計責任者をしているところの代表もやっています。非常に深い関係にあられる人たちがやっているわけですね。

 それで、では幾つかお伺いをしていきたいというふうに思いますけれども、ちょっとその前にもう一つ言っておきましょうか。

 それで、この事案は、本当はチャート表をつくってきたが、ちょっと資料が間に合わなかった、皆さんにお渡しできなかったんですけれども、海外にプラスチックとか何かの廃棄物を輸出する、そういう事業があるので、それに投資してほしいということで言われて投資をした皆さん、Hさん、これは医療法人の会長さんですけれども、これが四百十万円。Kさん、これは投資家ですけれども、四百万円。それから、Oさん、これは旅行代理店の方ですけれども、この方も被害をこうむっています。

 実は、この三名の方が訴えられておりますが、そのほかにも被害者はたくさんおられるんですけれども、私もその方たちにお話を伺ってきました。一人の方が合計で六千万円ぐらいお金を出しているというふうにおっしゃっていました。もう一人の方は二千万から三千万という方もいらっしゃいました。

 この人たちは、この裁判をやっても、余りもう僕もかかわりたくないので原告にあえて加わらなかったというふうにおっしゃっています。ですから、関係者は恐らくかなりいらっしゃったんだというふうに思っています。

 では、まず、このことを御存じか。

 これは結果的に福井議員の私設秘書のKさんが賠償責任を認められて、お金を払いなさいと言われました。福井議員は、これから詳しくお話ししますが、賠償責任までは認められなかったということで、これは却下されています。

 この賠償責任を認定された裁判の判決ですが、実はまだ一銭も返されていません。賠償責任で勝訴した人間はまだ一銭も返していただいていないそうです。このことは御存じですか。

福井国務大臣 先日、委員が予算委員会でおっしゃったので、そのときに伺った限りでございます。実態は存じておりません。

今井委員 私もいろいろ確認したりしてくれと言っていますけれども、実際は一銭も返していただいていないんですが、そのことは御存じないですか。御存じないですか。

福井国務大臣 実態は存じておりません。

今井委員 ちょっとそれは余りに私は無責任だと思いますけれども、いまだにどなたも一銭も返していただいていないということで、事案は実は全く終了していないんですということをまずよく御認識をいただきたい、その上でいろいろ質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、どれからいきましょうかね、旅行の話からいきましょうか。平成十七年に、ゴールデンウイークです、福井議員が当時、タイや台湾を視察旅行されておられます。それは事実関係を認めておられるみたいですけれども、これがなかなか手が込んでおりまして、途中まで家族で行きまして、家族と別れて途中で別の女性の方と旅行されているんですけれども、別にそれは、そのことはいいんですが、その旅行はどういう目的で行かれたか、誰のアレンジで行かれたか、覚えていらっしゃいますか。

福井国務大臣 二十八日に委員から御質問がありまして、実は、古い資料をひっくり返して、私自身の、今はもう古いパスポートですけれども、調べさせていただきました。

 平成十七年のゴールデンウイークの時期に台湾やタイを訪れていたことが確認をされましたが、それ以上の記憶はないというのが実情でございます。

今井委員 どなたとどういうふうに行かれたかも御存じないですか、覚えていないですか。

福井国務大臣 旅費については旅行に同行した当時の事務所担当者にお任せしておりましたので、事務所担当者とは同行したと思っております。

今井委員 事務所の方とは一緒に行ったということですね。それはどういう目的で行かれましたか。

福井国務大臣 目的その他、記憶にないところでございます。

今井委員 どなたの手配で行かれましたか、この旅行自体は。

福井国務大臣 したがいまして、誰のアレンジ、誰の手配というのはよくわからないところでございます。

今井委員 よくもまあそこまでしらを切れるなと思いますけれども、その方と一緒に行っているんですよ、途中で合流しているじゃないですか、Kさん、私設秘書の。名前を言った方がいいですか。名前はやめておきますけれども、言いましょうか、神崎さんと一緒に行っていますよね。私、旅行の請求書とか全部持っているんです、そのときの明細を全部持っていますよ。まあ、名前はやめておこう、T・Kさんという女性の方と一緒のも全部持っています。

 これは全部、その私設秘書のSさんとKさん、この人たちがアレンジして、この人たちがお金を払う、そういう手配で行っていますよ。忘れているんですか、そんなことを。

福井国務大臣 今申し上げたのが全てでございます。

今井委員 そうしたら、この資料を全部お渡ししますから、確認してもらえますか。全部お渡ししますよ。旅行の日程表とか全部載っていますから、確認してください。それで、答えを下さい。

福井国務大臣 新たな事態には適切に対処させていただきたいと存じている次第でございます。

今井委員 新たな事態というか、私、では、これをお渡ししますから、思い出してくださいというより、覚えているでしょうけれども、これを渡したらもう認めざるを得ないでしょうから、これをお渡ししますから、ちゃんと確認してください、いいですか。それで、報告してください、いいですか。

福井国務大臣 資料を吟味させていただいた上で、後日、報告させていただきたいと思います。

今井委員 ということで、委員長、では、後日、委員会の方に報告をお願いしたいと思います。

伊藤(信)委員長代理 後刻、理事会で協議します。

今井委員 それで、この費用は、福井事務所からの返事によると、パスポートの記載を調べたら確かに行っています、それ以上のことは困難でありますと来たので、私は今証拠を見せたんです、調べていただきたいと。

 なお、判決文によれば、被害者の方々が金銭を詐取されたのは旅行より一年以上後のことですので、旅行代金はこの方から詐取したお金でないように思われますというふうにおっしゃっていますが、これは実は事実関係は違いまして、旅行したときにしばらくお金を払ってもらえず、滞納していました。それから一年以上たってから分割払いで払ってもらっています。つまり、出資金を集めた後に、この旅行代金というのは、出資金を集めた方から払ってもらっています。それを私は確認しました。ということは、その出資金からこの旅行代金が出されているという可能性は極めて高いと。というか、まさにそうなんですけれども。

 ですから、ここでお答えを事務所からいただいていますが、これは事実ではありませんので、そのことは確認をしていただきたい。

福井国務大臣 お答えさせていただきましたのは、知り得る限りのことにつきまして整理をさせていただいたわけでございますけれども、いずれにしても、仮に何か新たな事実が判明いたしましたら、今後適切に対処してまいりたいというふうに思います。

今井委員 ということは、じゃ、私も後でそれはお示ししますので、そういう事実が出てきたら、出資で募ったお金からこの旅行代金が出ていたことも、否定は今のところできないということでよろしいですね。

福井国務大臣 そうおっしゃいましても、今のところは、はい、そうですというところにはまだ至っていないと思います。

今井委員 いや、それは事実関係を、してもらえばいいですけれども、ですから、そのお金はその出資金から出たんではないというふうに今断言はできないですよねということです。

福井国務大臣 今先生お話しの詳細、事実、経過等おっしゃることにつきまして、私ども承知しておりませんので、何ともお答えのしようがございません。

今井委員 そうですね。断言できないということで、それはそれでいいんです。

 ですから、そのこともちゃんとお伝えしますので。福井さんは、この事案の後、どれぐらいそのことを御存じだったかわかりませんが、私が今言っているのは、実際に福井議員の秘書の人たちが出資金を集めて、それで賠償責任を判決されているのに、お金は一銭も返っていません。しかも、福井議員が行かれた旅行、本来は、これはタイに行っていますから、この事業の視察に行っているんですよ。そのお金もその人たちのところから出ている可能性が非常に高いということ、このことをまず御自身がちゃんと認識していただきたいということなんです。まだこの事案は終わっていないんですね。お金は返ってきていません。

 私は関係者の人とお話ししましたが、もちろんお金は返ってきてほしいけれども、しかし、あのとき、私たちは、福井大臣が後ろについているというふうに言われて、それで安心して投資したんです、ああいう人が大臣をやっている、あるいは議員すらやっていることを私たちは許せないので、何とかしてください、頑張ってくださいというふうに言われて、今、この質疑に立っています。だから、その道徳責任を私はよく考えていただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。

 それで、平成十八年の八月二十一日、ホテルグランヴィア大阪、ここでいろんな人を集めて、Kさんという女性が言われて、みんな集めて、その私設秘書の人たちが集まって、政策秘書のOさんもいらっしゃいました。皆さんに伺ったら、福井議員も一番最初からその会に行って一緒に食事をしていたというふうにみんな言っていますが、それは覚えていますか。

福井国務大臣 まさに、そのような詳細な記憶はございません。

今井委員 でも、裁判で、その場所でそういう発言をしたということが認定されていますよ。その発言をしたこと自体が直接事業を勧誘したかどうかということは、認定事実が裁判所もちょっといろいろ違いますけれども、そこでそういう会に出ていて、福井さんがその会議に出ていて、どうぞ御支援よろしくお願いしますと言うのは、裁判の事実認定として認定されていますよ。それを覚えていないとおっしゃるんですか。

福井国務大臣 二十八日にはお答えできなかったので、ちょっと最初から整理をさせていただきたいと思います。

 ちょっとお許しいただいて……(今井委員「短くやってください」と呼ぶ)三、四分かかりますけれども、ちょっとお許しいただいて……(今井委員「いやいや、簡単でいいです」と呼ぶ)

 御指摘の裁判の判決を確認をさせていただきましたので、それに基づいて答弁させていただきたいと……。

今井委員 私が伺っているのは、十八年の八月二十一日の会合に出ていらっしゃいましたねと聞いているんです。ほかのことは聞いていませんから。そのことだけお願いします。

福井国務大臣 平成十八年八月二十一日のホテルでの発言が被害者らの出資への誘因となったと判示している、私自身の道義的な責任をどのように考えているのかというお問合せでございます。

 短くお答えをさせていただきたいと思いますが……(今井委員「いやいや、違いますよ。それはこの間の質問。今、そんなことは聞いていませんから。いたかどうか。質問が違いますよ。この間の、それは予算委員会での質問です」と呼ぶ)

 ですので、それも含めて、私のホテルでの御挨拶が出資への誘因になったとの指摘でございますけれども、高裁判決は、控訴人が福井の後援団体である本件団体の幹事長を務めていたことが、被控訴人らが本件輸出入業者に出資する誘因となっていたということは明らかであると判示しておりますので……(今井委員「ちょっと委員長、違いますよ」と呼ぶ)

伊藤(信)委員長代理 今井雅人君、もう一度質問をお願いします。

今井委員 ちょっと済みません、今、委員長に指名いただきましたから。

 一つ、私はイエスかノーだけを聞いているんです。その八月二十一日に最初から会議に出ておられましたよねと。いや、出ていないなら出ていないでいいですよ。

伊藤(信)委員長代理 福井大臣、質問にお答えください。

福井国務大臣 今おっしゃるように、会合があってそこに出席したと判決をされておりますけれども、私自身の記憶はほとんどないところで、ほとんどというか、ないところでございます。

今井委員 そんなことも覚えていられないような記憶だったら、ちょっと、大臣、閣僚をやめられたらいかがですか、もう。資質がないと思いますよ、私。

 僕は、別々の方に、皆さん、出席された五人の方に伺ってきました。別々に聞いています。

 最初に私設秘書の人が来られて、その後、議員と政策秘書が入ってきて、その場で食事をしながらこの事業の説明をしております。事業の説明を御飯を食べながら一通りした後に、最後に、議員が、いやあ、私もこれにはとても関心を持っていますので、ぜひ協力しますのでよろしくお願いします、そういうふうに言われたと全員言っています。これで出資をしようという気になったと皆さんおっしゃっています。

 ちょっと、五分しかないんですか。そうしたら、ちょっと急ぎますけれども。

 この判決は、確かに、そういう事実認定をしていながらも、福井議員がどこまでこの事業を知っていたとか、それがちょっと事実認定が困難であるので、グレーだから、福井議員は賠償責任は今回は問いませんというふうに地裁は判決しています。

 ところが、これは判決をして賠償責任が認められたものですから、払えと言われた方がけしからぬと思ってまた控訴してという、逆控訴みたいになっているんですけれども。ですから、福井議員のところは、もう誰も控訴する人がいなかったので、そこで一応確定しています。

 しかし、それにもかかわらず、高裁で、高裁の方がわざわざこんなことを言っているんです、判決で。

 「控訴人」、これは要するに金を払わなきゃいけないと言われた人ですね。「自身が福井の秘書であることを被控訴人に伝えていたが、本件輸出入事業について福井の関与はなく、あくまで控訴人の事業であるから、福井の政治力を利用するような発言をしたという被控訴人らの主張は具体性を欠き、全く立証されていない旨主張する。」ここからです。「しかしながら、地裁の判決での認定事実によれば、福井の来阪に合わせて開催された本件会合では、被控訴人らを含む本件輸出入事業の関係者が出席し、福井も出席者の期待に沿えるよう努力する所存であるという趣旨の挨拶をしていたのであるから、福井がどの程度本件輸出入事業について把握していたかはともかく、控訴人が福井の後援団体である本件団体の幹事長を務めていたことが、被控訴人らが本件輸出入事業へ出資する誘因となっていたことは明らかである。」高裁はこう断じています。

 今回、地裁から上がってきたのは福井議員は対象になっていませんでしたから、そこは裁判では争われていないんですが、この私設秘書のKさんの事案のところで、Kさんは、福井さんがそんな、かかわっていないから、俺は別にそんなことをした覚えがないと言っていますが、高裁の人は、あなたがバックにいたからみんな出資したんだということを、ここで、判決で認めています。高裁がですよ。

 この道徳責任というのはどうお考えですか、御自分で。高裁が、地裁じゃなくて高裁が、そういう判決を、判決文の中にそういう記述を書いています。それに対しての道義的責任はお感じにならないですか。

    〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕

福井国務大臣 今、私の立場からいいますと、その高裁判決は、控訴人が福井の後援団体である本件団体の幹事長を務めていたことが、被控訴人らが本件輸出入業者に出資する誘因となっていたことは明らかであると判示しております。

 事業へ出資する誘因となったのは、イニシャルKでございますけれども、Kが本件団体の幹事長を務めていたことであって、私の発言が誘因となったとはされていないところでございます。

 なお、先生冒頭からおっしゃっていただきましたように、こういう裁判になりましたこと、まことに不徳のいたすところで、反省をしているところでございます。

今井委員 今、答弁、間違っていますよ。裁判所は、それが誘因になったというふうに判決文に書いてあります、高裁は。今の大臣の答弁は間違っていますよ。訂正してください。

福井国務大臣 今、判決文を見まして、今井先生がおっしゃるような断定はされていないところでございます。

今井委員 私、今、判決文を読んだんですよ。私が勝手に断定したんじゃないんです。今、判決文を私は読みました。おかしなことを言わないでくださいよ。

櫻田委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了していただけるようお願いします。

 最後に、福井さん、答弁を簡潔にやって、それで終わりにします。

福井国務大臣 済みません、ちょっと時間がかかって。

 私自身がこの事案にどの程度関与していたかということについては断定をされていないというのが判決文から読み取れるところでございます。

櫻田委員長 時間が来ましたので、これで質疑を。

今井委員 時間が来ましたからまあちょっとこれは終わりますけれども、今のは間違っていますからね。私がそういう印象づけみたいなことを言ったって今おっしゃったでしょう。違いますよ。私は判決文を読んだだけです。判決文に明らかであると書いてあるんですから。

櫻田委員長 今井雅人君、質疑の時間が経過しております。

今井委員 いや、今、だって時間をとられたじゃないですか、しばらく答弁してもらえないで。

 ですから、そのことを、ちゃんとやはり道徳的な責任を感じてください。そのことを私は、これはこのままでは許さないですからね、また次にやらせていただきますけれども。そういう、覚えていないとか、判決文をしっかり捉えないような答弁をされるのであれば、私は本当に大臣の資格はないと思いますよ。

 そのことを申し上げて、質疑を終わりたいと思います。

櫻田委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 希望の党の大西健介でございます。

 江崎大臣が健康上の理由で辞任をされたのが二月二十七日、そして、二十八日の予算委員会で、同僚の今井委員が、出資金詐欺に大臣が関与していたんではないかという話をたしか取り上げました。

 それ以降も、さまざまな週刊誌等で、大臣の女性問題を含めて、さまざまな大臣としての資質に疑念を呈するようなそういう報道があります。きょうは所信質疑ですので、私からも幾つか、消費者担当の大臣としての資質にかかわると思われる問題について取り上げさせていただきたいというふうに思います。

 まず、お手元の資料の一ページ目、これは福井大臣が代表を務める自由民主党高知県衆議院比例区第一支部の平成二十七年分の収支報告書でございます。下の方を見ていただくと、寄附金の返還ということで、平成二十七年十二月十一日、株式会社慶尚からの寄附金八十万円を返還しているということになっておりますけれども、これはなぜ返還されたんでしょうか、端的にお答えください。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 自由民主党高知県第一選挙区支部が、社長が韓国籍である企業、今おっしゃいました会社から複数回にわたって献金を受けたというふうに認識をしております。受け取ったときは社長が韓国籍だと了解をしていなかったわけですけれども、韓国籍だとわかりましたので、当該献金については既に返金済みでございます。

 これにつきましては、当時は社長が韓国籍と知らずに献金を受けましたけれども、韓国籍と判明した以上、返金を行ったものでございます。

 なお、現在は、失礼ながら、国籍を確かめさせていただいて、献金をいただいているという状況でございます。

大西(健)委員 今の御答弁をさらっと聞くと何か問題ないように聞こえるんですけれども、確かに韓国籍の方が代表を務める会社からの献金だったので返還をしたということです。

 皆さん、資料の二ページ目をごらんいただきたいんですけれども、今のは平成二十七年分ですよ、平成二十一年にも、同じ企業なんです、全く同じ企業、慶尚という同じ企業、同じ韓国籍の方が社長を務める会社から献金を受け取っていますよね、大臣。

 これは高知新聞ですかね、資料の二ページ目の二段目の後ろからですけれども、福井氏は、社長は日本人だと思っていた、全額返還したいと。このときも、福井氏が代表の自民党県第一選挙区支部は〇九年の五月、六月、八月の三回、合わせて、県内でパチンコ店などを展開する会社から各二百五十万円ずつ、計七百五十万円受け取ったと。

 このときも同じ言いわけをしているじゃないですか。このときにも韓国籍だと知らなかったと言って返していて今の答弁というのは、それはふざけているんじゃないですか。もうそのときに気づいているのに、また同じことをやっているじゃないですか。どういうことなんですか、これ。

福井国務大臣 確かに今の二枚だけ見るとそうなりますけれども、事実関係をちょっと申し述べさせていただきますと、平成二十一年にこの会社から献金をいただきました。合計、七百五十万と五十万でございますので、返せる範囲内で返していこうということで、わかりましてからの平成二十四年に八十万、平成二十五年に八十万、平成二十六年に八十万、平成二十七年に八十万、平成二十八年に八十万、平成二十九年に百万円、そして、ことし、残りの三百万、お返しをさせていただいたところでございます。

 したがいまして、確かにこの八十万だけ、平成二十六年か七年と、今の新聞記事だけを見ますと、同じ過ちを二回繰り返したように思われたかもしれませんけれども、事実関係としては以上でございます。

大西(健)委員 わかりました。これは分割して返していると。そこまでしなくても、大臣、たくさん、こんな八十万円ずつとか返さなくても、返せるんじゃないかと思いますけれども。

 では、次の資料をごらんいただきたいんですけれども、三ページ目でございますけれども、これは、全国霊感商法対策弁護士連絡会が、当時の安倍晋三内閣官房長官、総理が官房長官のときに宛てた抗議書です。

 この全国霊感商法対策弁護士連絡会というのは、世界基督教統一神霊協会、いわゆる統一協会が組織的に行っている霊感商法による被害者救済と被害の根絶のために結成された団体でありますけれども、ここで、線を引いておきましたけれども、統一協会のダミー団体である天宙平和連合、UPFが、同年五月十三日、同年というのは二〇〇六年ですかね、五月十三日にマリンメッセ福岡で開催した祖国郷土還元日本大会に内閣官房長官の肩書を付した祝電を送った事実についてということで、質問状を送付した上で、この行為自体が、統一協会の活動に賛同し、これを激励している趣旨であると誤解を受けるものであるということで、抗議の文書を送っておられます。

 この同じ年の五月十五日に、高松市で行われた、同じこの祖国郷土還元高松大会、ここに福井大臣は祝電を送られましたでしょうか。これは通告してありますので、答えてください。

福井国務大臣 二〇〇六年五月十五日に開催されたカルト教団、統一協会の祖国郷土還元高松大会において、私が祝電を送っていたかどうかというお問合せでございますけれども、何せ、大分前のことでございますけれども、記録も調べましたけれども、十年以上も前のことであって、記録は残っておりませんでした。

 通常、日ごろの政治活動の中で、後援者らの知人、友人などが出席するイベント、例えば結婚式などなどで、当事者を余り認識していない方とわかっていても、祝電を依頼されればお送りすることは過去にあったかと存じます。

 いずれにしても、この霊感商法と私とは何の関係もございません。

大西(健)委員 調べたけれども記録はないということですけれども、私の手元に、これは高知民報という新聞ですけれども、福井事務所に祝電について確認したところ、いつも選挙で支援してもらっている方から依頼があったので祝電を送ったと事実関係を認めましたということで記事になっております。この記事、今でも普通にネット上からも見ることができますけれども、「福井議員は二〇〇二年、高知市の県民文化ホールで開かれた統一協会の偽装組織・世界平和連合高知県連合結成大会に出席していたこともあり、今回の祝電は両者の抜き差しならぬ関係を示しています。」というのが高知民報の記事であります。

 今大臣おっしゃったように、我々政治家は、さまざまな団体とおつき合いをして、選挙でも応援していただいたりしますから、電報を出すということもあると思いますが、これはちょうど、資料でお配りしたのは、安倍内閣官房長官の祝電に対して霊感商法対策弁護士連絡会が抗議文を送っておられるということでありますけれども、少なくとも消費者担当の大臣が、もし、全国霊感商法対策弁護士会がその活動を問題視しているような団体と今も例えばつき合っているとか、選挙のときに応援してもらっているとすれば、それは私はよくないんじゃないかと思うんです。

 そこで確認しますけれども、現在、福井大臣及び事務所は、この統一協会及びその関係団体とおつき合いやあるいは選挙で応援をいただいているということはありますでしょうか、ありませんでしょうか。

福井国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございます。霊感商法と何らかの関係がありましたら、当然この職の資質を欠くわけでございますけれども、何らかの支援を統一協会系の団体から受けたのかというお尋ねでございますけれども、そのお尋ねの団体から実際に支援を受けたということはございません。

大西(健)委員 少なくとも消費者担当大臣であられる間は、ここはしっかり気をつけておつき合いをしていただきたいというふうに私は思います。

 次の質問に移りたいと思いますけれども、これは午前中、森山委員も取り上げたということで聞いておりますけれども、現在、政府は、放送番組の政治的公平などを定めた放送法四条の撤廃などを含む放送制度改革案を検討しているというふうに聞いておりますが、これに関連して、福井大臣が自民党の報道局長当時にテレビ局等に宛てた文書についてお聞きをしたいと思います。

 皆さんのお手元に、資料四ページ目でありますけれども、これは前々回の選挙、平成二十六年十二月の総選挙の解散の日の前日、二十一日が解散で、二十日の日に出されているんですけれども、自民党から在京テレビ局の各社の編成局長及び報道局長に宛てられたものであります。

 箇条書きが点々々と打ってありますけれども、その前のところに線を引いておきましたけれども、例えば、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にはあったところですなんという記述もあるわけであります。この文書については、当時もメディアに対する政治的な圧力じゃないかということで批判も浴びたわけですけれども、これは萩生田筆頭副幹事長との連名ということになっているんです。

 次のページをごらんいただきたいんですけれども、次のページは、これは各社じゃなくて、株式会社テレビ朝日、特定の放送局、しかも特定の番組、報道ステーション、担当のプロデューサーという個人を狙い撃ちにしてこういう文書を出している。これは平成二十六年の十一月二十六日ですけれども、クレジットは自由民主党報道局長福井照ということになっております。

 貴社の十一月二十四日付の報道ステーションの放送に次のとおり要請いたしますということで、報道ステーションという番組だけじゃなくて、十一月二十四日の放送分の特定の放送内容についてけちをつけているというか注文をつけているということが非常に特徴的な文書だというふうに思いますし、線を引いておきましたけれども、ここでは放送法、まさに今問題になっている放送法四条四号の規定に照らしと、放送法をわざわざ引用して、そして特定の番組内容についてけちをつけている。これは非常に異様な感じがいたしますけれども、その前のページの二十日付のものと比べても、特定の番組の内容について、しかも放送法を明示した上で、四条を明示した上でこの内容に文句をつけているというのは、これはどういう目的で、福井大臣、出されたんでしょうか。

福井国務大臣 お答えします。

 この文書、二十日の自由民主党萩生田光一筆頭副幹事長、報道局長福井照のクレジットの文書、そして、今おっしゃいました二十六日の報道局長福井照の文書、いずれも、私個人がクレジット半分、クレジット全部で出したものではなくて、あくまでも党の報道局長という立場で出した文書でございますので、御了解をいただければと思いますが。

 なお、私自身の個人的な意見として、あるいは政治信条として、憲法に保障される表現の自由、これは絶対に尊重されなければならないというふうに思っておりますし、報道の自由についても尊重されなければならないということは当然のことであるというふうに思っております。

 なお、その次の日、十一月二十七日に、今度は私の名前は書いてありませんけれども、自由民主党広報本部報道局のクレジットで、我が党が報道の自由を尊重するという点は何ら変わりはありませんという文書も出させていただいておりますので、念のため御紹介をさせていただきました。

大西(健)委員 まさに今の答弁であったように、次の日は自由民主党報道局なんです。このクレジットというのは、だから報道局で出すのか報道局長福井照で出すのかは、私は違うと思うんですね。かつ、やはり自由民主党で出しているわけでもないんですよ。自由民主党報道局でもないし、自由民主党報道局長福井照なわけですね。

 私も、今、党の選対委員長をやっています。あるいは、民進党のときは青年局長とかもやらせていただきましたけれども、当然のことながら、私の名前で、局長大西健介の名前で出るのなら、この文書を私は見た上で、これでいいよということでないと出さないですよ。これは別に、そういうものじゃないですか、常識的に。まさにクレジットというのは日付と自分の名前で責任を持って出すわけですから。

 だから、この文書も、福井大臣はちゃんと見た上で、こんなものはだめだよ、こんなものを出したら問題なんじゃないかといってとめないで、これでいいよといって出したということですよね。それで間違いありませんか。

福井国務大臣 実態的に、私自身、二十日も高知におりましたし、二十六日は記憶がないですけれども、いずれにしても、解散になりましてから、比例に回った最初の選挙でございましたので、自分でポスターを剥がして自分で看板を外し、およそ尊厳の逆の数週間を過ごしておりましたので、その企画立案、起案にどの程度携わったのか記憶がないところでございますけれども、しかし、クレジットの責任は負わなければなりませんので、私が個人で出したものではなくて、あくまでも党の報道局長という立場で出した文書であることを御了解いただければというふうに思います。

 なお、私自身の信条として、意見として、報道の自由、表現の自由が尊重されなければならないということは当然のことであるというふうに思っております。

大西(健)委員 まさに、大臣、今の答弁でも言われていましたけれども、報道局長で自分の名前を書いて出しているんですから、後で、いや、見ていなかったと言ったって、決裁文書に判こを押したのと同じですよ、自分の名前で出しているんだから。後で、私は見ていなくてそのままスルーしたんだと言ったって、自分の名前を載せたものを外に出しているわけですから、それは責任をとらなきゃいけないんですよ。

 かつ、翌年三月に、これはさっき言ったように、プロデューサー、特定の番組、しかも番組の内容を明示しているというのが、これは二十日の文書とは決定的に私は違うと思うんですよ。それで、実際にこのプロデューサーはその後、番組を更迭されています。まさにこの要請書の与えた萎縮効果というのは、そんなつもりはなかったと翌日打ち消していますけれども、萎縮効果を実際与えたと思うんですよ、私は。

 そして、高市総務大臣は平成二十八年の二月八日に衆議院予算委員会で、放送法四条を理由として、電波法に基づき電波停止を命じる、停波を命じる可能性はあるというように言及をしたというのが問題になりましたよね。

 ですから、まさにこの文書というのは、四条を持ち出して、四条に言及した上で個別の放送内容にまで踏み込んで要請をかけているということが、私は大問題だというふうに思います。まさに、政権与党の言うことを聞かなければ免許剥奪もあるからな、わかっているよなという文書なんですよ。そういうふうに受け取られても私はいたし方がないというふうに思います。

 その後に、今、自分の信条はそうじゃないということでありますけれども、そう受けとめられても仕方がない文書であった、不適切だったというふうには思いませんでしょうか。

福井国務大臣 今委員おっしゃることはごもっともだと思いますので、組織として発出した文書であるという見解は申し上げつつも、私が報道局長だったという時期でございます、クレジットも半分と全部がございますので、本日いただいた御指摘につきましては、深く受けとめさせていただいて、自由民主党にそのままお伝えをさせていただければというふうに思います。

大西(健)委員 さっきから言っていますけれども、放送法四条に言及した上で個別の放送内容にまで踏み込んでいるというのは、この文書は本当に私は異様なものだと思いますので、ぜひ反省をしていただきたいと思います。

 それでは、ジャパンライフの問題についてお聞きしたいんですけれども、昨年の十二月二十六日に事実上倒産したジャパンライフ、昨年の三月末時点での負債総額が二千四百五億円、昨年七月末でありますけれども、預託者数は六千八百五十五名。これは安愚楽牧場事件に次ぐ巨額の消費者被害になるのは確実であります。

 先日私のところに、福島、宮城、山形など東北地方の被害者の方約二十名が、ぜひ話を聞いてほしいということでお越しになりました。皆さんでバスに乗り合わせて来られていましたけれども、バス代を捻出するのも本当に厳しいという中で、わざわざ東京までお越しになりました、東北地方の皆さんが。約二千筆の署名を添えて、国家賠償を求める請願を出したいとおっしゃっているんですね。

 私は、予算委員会でも繰り返し申してきましたけれども、これは、消費者庁の課長補佐が天下りをしていた、そのことによって行政処分がおくれたんじゃないか。あるいは、一年に四度も業務停止命令をかけているけれども、結局、ジャパンライフに無視されて、そして、ずるずるずるずるこの対応をおくらせたために、その間にも被害が拡大した。これはもう、消費者庁の対応の誤りが、私は、被害を拡大したという責任があるんじゃないか、国の責任があるんじゃないかと。

 これは、国家賠償を訴えたいと被害者の方々は言っていますけれども、そういう声を、改めて、国の責任というのを、大臣、どのようにお感じになりますでしょうか。

福井国務大臣 ちょうど委員が予算委員会で江崎大臣に御質問されている目の前で聞いておりましたので、よくわかります。

 改めてお答えをさせていただきます。

 消費者庁は、同社に対して法と証拠に基づいて厳正かつ適切に対処してきており、これまでの四回の行政処分において、新規の契約の勧誘や締結等を禁止するとともに、同社の業務や財務状況に関する重要な事実を公表することによって、既存顧客の解約、返金請求など、正当な権利行使を促してきたところでございます。

 これらの取組の結果、解約が増加しまして、同社の資金繰りが逼迫した結果、昨年十二月に銀行取引停止処分を受け、その後、債権者たる消費者の申立てを受けて、三月一日に東京地方裁判所が同社の破産手続開始を決定するに至ったと承知をさせていただいているところでございます。

 このように、これまでの消費者庁の取組は、新規契約による消費者被害の拡大を防止するとともに、既存契約者による返金請求を促進し、その結果として同社の事業継続が困難となったものでございまして、消費者庁は消費者被害の拡大防止に向けて最大限の対応を行ったものと考えているところでございます。

大西(健)委員 役所が用意された答弁をお読みになったんですけれども、私は違うと思うんですよね。

 消費者庁は一年間に四回という前例のない厳正な行政処分を行いと言っているけれども、これは予算委員会でも言いましたように、消費者庁が処分をやるたびに、ジャパンライフはホームページに、消費者庁の的外れな処分によって自分たちは迷惑をこうむっているんだといって出しているんですよ。もう、ばかにされているんですよ。

 それで、四回もやって、結局、それをあざ笑うかのように、初めはレンタル商法だ、業務誘引販売だ、こう商法まで変えて、それをすり抜けて、一年間何もとめることができなかった。このジャパンライフの前に消費者庁は全くの無力だったということを私は見せつけたと。まさに、今後国家賠償を提起されたら、ハードルは高いですけれども、私は、消費者庁は正面から受けとめざるを得ないというふうに思いますよ。

 今回、いろいろな課題が私は浮き彫りになったと思っています。まさに今言ったように、業務停止命令をかけたって、相手が従う気がなければ、結局、一年間ずるずるずるずるやっちゃうわけですよ。

 それから、ほかに言うと、今回、被害者は高齢者が多いんです。ですから、いまだに名乗り出る人がいない、資産の大半をジャパンライフに預けてしまって、もう家族とかにも打ち明けられない、相談できない、こういう状態です。

 さらに、事実上の倒産の直前に山口ひろみ社長は突然辞任して、今もどこにいるかよくわかりません。資産隠しも疑われています。山口会長は過去にもマルチ被害を出していて、山口親子を始めとする幹部の徹底した責任追及をしなければ、私は、何年か先、十年、二十年先かもしれないけれども、また同じようなことをやる人が出てくるんじゃないかというふうに思いますよ。

 だから、中でも私が今回ちょっと問題だなと思ったのは、今回はうまくいったんですけれども、実は被害者の連絡会と東京地裁がうまく調整して、債権者申立て破産というのをやりました。これは予納金というのが必要になるんですけれども、裁判所も理解してくれて、予納金を一千万円という比較的低額に抑えて、異例のスピードで債権者破産申立てをしたんです。

 今回も、ジャパンライフは被害者に対して、破産しちゃうと一銭も返ってこないから、弁護士事務所とかに駆け込んじゃだめですよと言って回っていたんですね。だから、被害者が破産申立てするという動機がなかなか起きない。それから、今言ったように、予納金というのが高額になるために、資産を失った被害者は予納金を準備することが困難である。被害者による破産手続の開始申立てというのはハードルが高い。

 そこで私は、提案なんですけれども、消費者庁に破産申立て権を付与する、こういうことをぜひ検討していただけないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 ジャパンライフ社の破産手続開始に当たっては、被害者、弁護団が必要な予納金を集めるのに大変苦労したということでございます。

 お答えをさせていただきますと、消費者基本計画工程表におきましては、加害者の財産の隠匿又は散逸の防止に関する制度の検討につきましては、消費者裁判手続特例法や景品表示法の施行状況を踏まえて行うこととされているところでございます。

 消費者裁判手続特例法においては、特定適格消費者団体は、財産の隠匿又は散逸を行う事業者に対して仮差押えを行うことが想定されております。仮差押えの際に必要となる担保金につきましては、国民生活センターが特定適格消費者団体にかわって立てることができる措置を講じたところでございます。

 御指摘のような制度につきましては、このような消費者裁判手続特例法の施行状況も踏まえて検討してまいりたいというふうに存じております。

大西(健)委員 ぜひこれは検討していただきたいというふうに思います。私が聞いているところでは、消費者庁の中の研究会の中でもこういうことを検討しているというふうに聞いておりますので、ぜひ検討を進めていただきたいなというふうに思います。

 あと、その東北から来られた被害者の皆さんとお話をしているときに、ちょっと耳を疑うような話を聞いたので、きょうはちょっと警察庁にお越しいただいていますのでお聞きをしたいんです。

 二月、ですから、もう十二月に事実上破綻していますからその後ですけれども、二月に宮城県の大河原警察署に八百万と二千万の被害のある二人が被害届を出しに行ったそうです。ところが、警察の担当者から、この案件はまだ調べるなと言われていると告げられ、被害届を受理してもらえなかった。官僚からとめられているのかと尋ねると、ただにこにこ笑っているだけだった。世の中が信用できない、弱い者の味方はいないと不信感を持ったということを言われています。

 これが事実だとしたらゆゆしきことだと思いますけれども、個別のことについてはここではお答えできないのかもしれませんが、被害届を二月に宮城県の警察署で受理してもらえなかった、こういうことがあったかどうかを、ぜひ調査をして確認して報告をしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

小田部政府参考人 個別具体の案件につきましてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますれば、警察におきましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づきまして、適切に対処してまいる所存であります。

大西(健)委員 こういう、この案件はまだ調べるなと言われていたかどうか、個別の話ではありますけれども、本当にそれが事実だったら私は大変なことだと思います。消費者は、消費被害者は警察に駆け込んで被害届を出せば受理してもらえるんだと思ったら門前払いされたというようなことが本当だったら大変なことですので、答えられないのかもしれないけれども、確認してくださいね、ぜひ。確認していただきたいというふうに思います。

 ジャパンライフは、消費者庁の立入検査で、レンタルすべき商品が実際にはほとんどなかった、現物まがいもの商法だったということがわかっています。新規契約者の入金でレンタル料を支払うという自転車操業だったということが濃厚だというふうに思います。その点、最初からだますつもりであって、私はもう特商法とか預託法という話じゃなくて詐欺罪を適用すべきケースではないかというふうに思います。これ、消費者被害九十九億円のてるみくらぶの社長が詐欺罪で逮捕されて、ジャパンライフの山口社長親子が詐欺罪に問われないというのは、私は社会正義に反するというふうに思いますので、ぜひ、この点についてもここで強く言っておきたいと思います。

 時間がありませんので、最後に一つだけ。

 これもあったのかもしれませんけれども、資料の最後に、地方消費者行政推進交付金が大幅削減されて現場から悲鳴の声が上がっているということが出ております。消費者庁は地方支分局がありませんから、地方自治体が現実にその機能の一部を担っている。ところが、それがもう交付金がなくなって、こんなんじゃ全然事業が維持できないとか縮小しなきゃいけないというような声が上がっているんです。

 これについては、しっかり現場の状況というのを把握していただきたいと思いますし、国による恒久的な財政支援を検討すべきだと考えますけれども、最後、簡潔にお願いいたします。

櫻田委員長 持ち時間が過ぎていますので、簡潔にお願いします。

福井国務大臣 予算のことでございます。

 来年度以降の地方消費者行政に対する支援としては、概算要求におきまして、地方消費者行政推進交付金三十億円、地方消費者行政強化交付金十億円を要求してきたところでございますけれども、二十九年度に区切りを迎える中で、平成二十九年度補正予算において、地方消費者行政推進交付金十二億円を措置したところでございます。プラスして、三十年度予算においては、両交付金を一本化して、地方消費者行政強化交付金二十四億円を措置したところでございます。十二足す二十四で三十六億円でございますので、地方消費者行政に必要な交付金の水準はおおむね確保できたものと考えているわけでございます。

 さらに、今後の計画的、安定的な地方消費者行政の充実に向けて、地方公共団体において自主財源に裏づけられた地方消費者行政予算が確保されますよう働きかけてまいりたいと存じているところでございます。

大西(健)委員 終わります。

櫻田委員長 次に、黒岩宇洋君。

黒岩委員 無所属の会の黒岩宇洋でございます。

 きょうは、所信質疑ということで、消費者庁の行政文書管理についてお尋ねしたいと思っております。

 非常にタイミングよく、森友問題等、また防衛省の日報の廃棄したものが出てきたとか、やはり行政文書の管理というものは、大変、役所にとっても命綱であるということが認識されている中、昨年末、行政文書管理のガイドラインが改正されまして、そして、ことし、おととい四月一日から、消費者庁の行政文書管理規則が改正されまして、新たに施行された、こういうタイミングですので、これからの消費者庁における行政文書管理について、何点か確認をしていきたいと思っております。

 それでは、消費者庁に聞きますけれども、まず、消費者庁の行政文書の管理体制、これについてどういった役職があって、それについてはどういうポストの人がついているのか、この点について御説明ください。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁全体の文書管理を総括する総括文書管理者には、次長をもって充てております。行政文書の管理に関する事務を総括しているということでございます。また、次長を補佐する副総括文書管理者には、総務課長を充てているところでございます。また、消費者庁の各課の所掌事務に関する文書管理の実施責任者として、文書の保存、管理簿への記載に責任を持つ文書管理者を指名することとなっておりまして、各課の課長をもって充てております。

 なお、文書管理者の事務を補佐する者として、文書管理者は文書管理担当者を指名することとしているところでございまして、新年度の人事異動等も踏まえて、速やかに指名してまいりたいと考えております。

黒岩委員 今回のガイドライン、規則の改正で一つ変わったところが、先ほど審議官がおっしゃった文書管理担当者。これは、今までガイドラインにおいては、置くことができるのできる規定だったものが、今回の改正で、置くものとするということで義務規定になりました。

 それで、今までの消費者庁の管理規則では、文書管理担当者は置かれておりませんでした。ですから、今回初めて、この改正によって文書管理担当者を置くことになったんですけれども、今、これから指名するというような表現でしたけれども、現時点ではまだ文書管理担当者は指名されていないんですか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 新たな文書規定につきましては、先週決裁を上げたところでございまして、現時点では、今、各課長が文書管理者となっておりまして、その者が指名をすべく作業しているということでございます。

黒岩委員 ガイドラインが変わって規則が変わるなんということは、前もってわかっているわけですよ。

 これはいつまでに担当者を指名するんですか。これは、この後の電子決裁を担当する、すなわち、電子決裁を行えるか行えないかというのは、文書管理担当者になるかならないかということでも関係してきますので。

 今、新たな規則はもう始まっている、しかし、担当者がまだ指名されていない。これは、大臣、異常な状況なんですよ。他の省に聞きましたけれども、きのう付で文書管理担当者は指名されています、終わっています。これはいつまでに指名するんですか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 行政文書の管理につきましては重要な課題と認識しておりますので、今の御指摘も踏まえまして、可及的速やかに整備を図ってまいりたいと思いますので、指名も速やかにと考えております。

黒岩委員 これ以上申しませんけれどもね。きのう担当課の方に、指名が終わっていないという話で、じゃ、いつまでですかと言ったら、きょう、あすまでに、三日までにすると言っていたけれども、まだ指名していないということでしょう。

 消費者庁は、課は九つしかないんですから。各課ごとに課長補佐、これは複数名だとしても、一定程度の数が限られているわけですから。しかも、この四月一日で、課長補佐、新規でついた人がどのくらいいるか知りませんけれども、事前に、この人は文書の係だ、文書の担当者だということはわかっているわけですから、まさに四月二日、このスタート時点で指名していなければおかしい話ですし、可及的速やかと言いますけれども、きょうじゅうには指名してくださいよ。

 今申し上げたとおり、消費者庁というのは組織がまだシンプルだからいいんですけれども、他の省庁になると、課の数だって何十、課長補佐まで入れると百人とかいう単位で文書管理体制を組むわけです。

 これは消費者庁にお聞きしますけれども、じゃ、文書管理担当者を指名した場合、この管理体制の指揮系統というのは、これは表とかでしっかりと一覧表はつくる予定ですか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 指名がされたときには、報告を受けまして、一覧表にして取りまとめまして、消費者庁の中のLANで、みんながわかるようにするように考えております。

黒岩委員 文書管理担当者というのは文書管理者が指名するので、運用上は毎日ころころと担当者をかえることも可能なんですけれども、こういうことが行われますと、実際の管理というものに対して非常に曖昧さというか不的確さが残ってしまうので私は申し上げているので、しっかりと担当者を指名し、それを一覧表につくって、庁内でしっかりと、誰が文書管理者であって、担当者であるのかがわかるように、これは明示をしていただくということで理解いたしました。

 それで、先に進んで、通告だと四番目になっています。

 規則の第十四条で、この文書管理者、各課の課長ですよ、課長は、この規則の別表第一に基づいて、今度は文書管理者が、すなわち、各課ごとで保存期間表を定めるとあるわけですけれども、今回の規則改正に伴って、今申し上げた各課ごとの文書管理者が定めるというこの保存期間表は、作成をしましたでしょうか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 保存期間は各課が定めることになっておりますが、こちらも今鋭意作業中ということでございまして、速やかに作業をしていこうと思います。

黒岩委員 改めて聞きますけれども、省内向けの保存期間表というものが別表でもできていますね。これをもとにして、各課ごとの運用の指針となる保存期間表ということを定めるわけですよ。ですから、規則の別表とは内容の異なるもの、もっと言えば、詳細にわたったものを各課ごとでつくるわけですよね。これがまだつくられていない。これはいつまでにできるんですか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申しましたように、消費者庁行政文書管理規則につきましては、平成三十年三月三十日付で改正を行ったところでありまして、現在、今般の改正を踏まえまして、各文書管理者のもとで保存期間表の改定を進めているところでございまして、これについては可及的に速やかに督促してまいるということでございます。

黒岩委員 では、ちょっと聞き方を変えますけれども、今のお話ですと、三月三十日付で規則が改正されたので、その後、ある程度の時間をかけて、各課ごとの別表、保存期間表をつくるということですけれども、何度も申し上げますけれども、昨年の十二月二十六日にガイドラインの改定がもう行われているわけですよ。そして、庁内でも規則の改正をもう準備しているわけですから、当然並行して、規則の改正とともに保存期間表も変わるわけですから、各課ごとの。これも同時並行で見直していくことはもうわかっているわけですから。ですから、私は、それは言いわけにならないと思いますよ。三月三十日に規則が改正されたからその後ということはないですよ。

 これも他の省庁に聞きましたけれども、実際にはもう既に、規則改正と各課ごとの保存期間表の改正というのは同時に進めていて、さあ四月一日にスタートするというときには、どちらもできているんですよ、ほかの省庁は。だって、それはそうでしょう、大臣。

 いいですか、これから運用が始まる、その運用の指針となる各課ごとの保存期間表、保存期間基準が定められていないということは、審議官、以前のままの保存期間基準で今運用しているということでしょう、文書管理を。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 運用としましては、今の保存期間に基本的にはのっとって運用するとしているというのが現状であります。(黒岩委員「今のとは」と呼ぶ)改正前ということでございます。

黒岩委員 大臣にお聞きしますけれども、大臣、今のを聞いていて、いいですか、四月一日に規則は改正されたんですよ、運用もスタートしている、だけれども、肝心かなめの規則に基づいた各課ごとの保存期間基準がまだ定められていない、前のものを使っている、規則は改正されたけれども改正前の保存期間表で今運用されている、こんなことが許されるんですか。

福井国務大臣 委員御指摘のこと、よくわかります。四月一日の異動もあったかと思いますけれども、私からも督励、指導してまいりたいというふうに思います。

黒岩委員 これは、申しわけないですけれども、他の省庁に聞きましたら、本当に考えられないと言っていましたよ。だって、規則は改正されたのに実際の運用は改正前の規則でされている、何のために規則を改正したんだと。

 私は、やはり行政文書の管理というのは、公正な、しかも普遍的な、各省庁にしっかりとまたがったガイドラインで、そして各省庁に落とし込んだ規則で、そして各課ごとの保存期間表でしっかりと定めて管理していかなかったら、これはなかなか、一年間に行政文書というのは二百六十七万件も新規にできるんですよ。これはファイル数ですからね。ファイルというのは各文書をとじたものですから、一つ一つの文書でいったらその数倍ですよ。

 だから、一日に、営業日で換算しても一万ファイル以上のものができるわけですから、これを管理していくというのは、私の問題意識は、規則が、ガイドラインが詳細なものは、いいことであると思うんですよ。ただ、実際に、詳細な規則に運用が追いつけるかどうかというのが大きな問題意識なんです。

 現実に、今、ここのところ、財務省だとか防衛省でも公文書の管理のずさんさが露呈されているわけですから、それを心機一転改めようというときに、消費者庁では、今申し上げた、各課ごとの保存期間基準が定められていないまま四月一日から運用が始まっているという、これはとても考えられない。

 大臣も役所にお勤めだからわかると思いますけれども、今申し上げたように、規則が変わったにもかかわらず改正前の基準で運用がされている、こんなことは考えられないじゃないですか。

 今こういうスタートを消費者庁は迎えてしまったということは、私は厳に反省していただかなければならないし、今後の的確な文書管理という意味においても、これはもう早急どころじゃありませんよ、きょうじゅうにでもですね。だって、私、きのう総務課の省内の保存基準というものを見せてもらいましたけれども、これはまだ作成中で、項目立てもまだ空白部分もあるという、こんな状況ですよ。これは大臣のリーダーシップで、しかと速やかに基準をつくる、これは当たり前のことなので、これはお願いをしておきます。

 それで、今度は何点か各論の方に行きますけれども、今回の新規の規則において、消費者庁の規則ですと十四条の5、原則一年以上の保存期間を定めた。定めていますね、規則で。この新しく原則一年以上と今度定めを、五条に条文としてあるわけですから、そこで、この保存期間の別表をまた定めなければならないと五条に書いてあります。

 では、原則一年以上という新たな条文に整合性を持たせる保存期間基準というのは、これはまだ出てきていないと言っていますけれども、今後これは、新たに一年以上というこの類型についても定めるということでよろしいですね。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまの保存期間の点でございますけれども、これは、各課、各文書管理者が定める保存期間表の中で、その保存の期間が適切な期間は何年かということで検討することになりますので、一年というものが出てくる可能性があるということだと思います。

黒岩委員 大事なんですよ。今までの消費者庁の保存期間基準というのは、最低でもみんな三年以上ですから、改めて、消費者庁の規則十四条の5に、まあ云々かんぬんは言いませんけれども、原則一年以上というものを定めなさい、定めると書いてあるわけですから、これに整合した保存期間基準が私は規定されるのが当然だと思っていますので、これも含めて、早急に、本当にもう本日中にでもしっかりと定めていただきたいと思っております。

 そうしましたら、では、今回の森友問題で一つ浮き彫りになったのが、この決裁文書、特に財務省でいうと特例承認の貸付文書、このいきさつの欄に、いわゆる政治家の関与というものが詳細に記述されていましたね。詳細に記述されていました。これは、まあこう言ったらなんですけれども、いいことなんですよ、当然。

 そもそも、これは親元となる公文書管理法の第四条に、「当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が」云々かんぬんで、検証することができるよう、「文書を作成しなければならない。」とあるわけですから、今申し上げたとおり、意思決定や合理的な跡づけに影響を及ぼすと思われるいきさつというのは、これは法律上記さなければならない。

 そして、財務省の場合は、その部分を、いきさつで政治家の関与というものをしっかりとこの貸付文書に書いてあった。ただ、問題は、もちろんその部分を全部改ざんして取っ払っちゃったというのは問題ですけれども、それはさておき、経緯を残しておいたということは、これは公文書管理法の趣旨からも、私は適合したことだと思っています。

 それで、消費者庁にお聞きしたいんですけれども、私も、消費者庁の保存期間基準、規則に基づく保存期間基準をくまなく見ましたけれども、特に政治家の関与がありそうな、可能性の高い類型が三つありました。

 一つが、保存期間表11の(2)、許認可等に対して、その許認可に至る過程が記録された文書というものが類型でありますので、これはこの過程がわかるものを記すわけですから、ここに政治家の関与があった場合にはいきさつを書くというものであります。

 そして、もう一つ、同じく保存期間表11の(4)の2、これは補助金に関してです。補助金等の交付のための、この交付に至る過程が記載された文書、この点についてはいきさつを書かなければならない。

 それで三つ目、これは公共事業です。保存期間表19の5、公共事業の事業計画、また実施に関しては、その他の関係者との協議又は調整に関するいきさつを書かなければならないと書いてあります。

 この三点について、この類型三つについて、今まで政治家の関与を記載した、いきさつを書いたという文書があったのかどうか。どれがと言う必要はありませんから、あったのかどうかだけ教えていただけますか。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 取り急ぎ、委員から御質問の点につきまして確認いたしましたところ、消費者庁においては、平成二十九年度において、許認可等や補助金交付を行うための決裁文書その他許認可等に至る過程に関し、政治家との交渉記録を記載した行政文書は保有していないとの回答を得たところでございます。

 ただ、一方、今般の消費者庁行政文書管理規則の改正を踏まえ、政策立案や事務及び事業の実施の方針等に影響を及ぼすものであれば、文書管理者の指示に基づき行政文書を作成することになります。

黒岩委員 二十九年度はなかったということで、別に、なかったことについて価値判断はいたしません。それは、法にのっとって、必要と認められるやりとりがなかったという理解でしょうから。

 ただ、これは改めて念を押しておきますけれども、公文書管理法の趣旨としては、今言った、意思過程や、又は合理的な跡づけに必要ないきさつというものは書かなければいけないというのが原則ですからね。

 財務省は、特例承認、過去五年において九件あったわけですけれども、一件だけ、森友問題についてだけこの政治家とのやりとりが書いてあったということですけれども、本来はやりとりが書かれているのが原則であって、だけれども、軽微なもの、意思決定に対して軽微な影響と思われるものについてはこの限りではないという、これは、ですから、例外が軽微なものですから、原則は書かなきゃいけないということですね。

 消費者庁の場合は、基本的に公共事業とかもないですし、補助金とか許認可の数も限られていますけれども、とはいえ、こういったことに政治関与があるわけですから、あった場合には、しかとこれからも記載していく、これは現場にも徹底させていただきたいと思います。

 時間に限りがあるので、これは質問通告の五番目ですけれども、各行政機関の長、消費者庁なら消費者庁長官は、年度ごとに内閣総理大臣に文書の管理状況について報告しなければならないとあるわけです。

 この内閣総理大臣、具体的には内閣府への文書数、特に文書数ですね、この報告。それが一年一年上がってきて、先ほど申し上げた各府省庁合わせて一年間で二百六十七万件というファイルだということが、これは内閣府が集約するんですけれども、消費者庁の集約する方法、そして消費者庁として取りまとめる期間、時間的なものがどの程度のものであるか、この点についてお聞かせください。

井内政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十八年度におきましては、消費者庁の行政文書ファイル数というのは三千九百九十二ございまして、その取りまとめに当たりましては、文書管理を担当している総務課が、各課から聞いて確認をした上で、報告の件数等は報告いたします。

 あと、内閣府への行政管理の状況についてお答えするのにどのぐらい時間がかかるかということですけれども、トータル、点検等、あと監査等を合わせますと、二カ月程度を要しているというのが現状でございます。

黒岩委員 大臣、問題意識を申し上げておきますと、日々の行政文書に関しては、これはガイドラインに示されておりますけれども、随時ファイル方式という形で、これは消費者庁もそうですけれども、随時、これは、即日とまでは言いませんけれども、一週間とは間をあけずに、二、三日中に、その日に発出された行政文書についてはしっかりとファイルしていく。

 これが貫徹しなければ、要するに、一週間も二週間も山積みしていたら、公文書自体が散逸するおそれもありますし、また曖昧な保管になってしまう。だから、やはり随時ファイル方式ということを徹底する。そして、徹底していれば、毎日のようにきちんと管理していれば、いざ年度末に数を上げるなんということは、いわば本当に一日、二日の仕事なんですよ。

 それが、現実には、年度末が終わって、内閣府からは五月に、消費者庁だったら次長に報告を上げてくれというお願いが来て、二カ月間かけて七月までに報告をしているんですね。

櫻田委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、御協力をお願いします。

黒岩委員 私は、このタイムラグをしっかりと縮めていくことこそが日々の随時ファイル方式が貫徹されることだと思っているんですが、これについて、大臣も、本当に目を配って、しっかりと徹底していただきたい。その点について、一言だけお答えください。

櫻田委員長 答弁は簡潔にお願いします。

福井国務大臣 今委員御指摘の随時ファイルの日々の積み重ね、大事だと思っておりますので、その点、注意してまいりたいと思います。

黒岩委員 それでは、力強い徹底をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

櫻田委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 冒頭、福井照消費者及び食品安全担当大臣にただしておきたいことがございます。

 森友学園に係る国有地売却問題で財務省が公文書を改ざんした問題、これは、国政調査権を冒涜した、議会制民主主義の根幹を揺るがすゆゆしき問題です。福井大臣はこうした御認識をお持ちでしょうか。

福井国務大臣 重大な問題だと思っております。

 お尋ねの件につきましては、現在、麻生財務大臣の指示のもと、捜査当局の協力も得て、財務省において、決裁文書に関する調査を行うなど、対応しているところと承知をしております。

 また、先生今おっしゃったように、国政調査権の行使も含めた国会の議論の適切なあり方については、国会で御判断されるものと承知をしているところでございます。

 なお、もう一度整理をさせていただきたいのは、三月十二日、総理大臣のコメントでございます。

 三月十二日ですけれども、本日、財務省から文書を明らかにいたしました。行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感しております。国民の皆様に深くおわび申し上げたいと思います。国民の皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受けとめ、なぜこんなことが起きたのか、全容を解明するため調査を進めていく。麻生財務大臣には、その責任を果たしてもらいたいと思います。その上で、全てが明らかになった段階で、二度とこうしたことが起きることのないように、信頼の回復に向けて組織を立て直していくために、全力を挙げて取り組んでもらいたいと考えております。

 今先生おっしゃったように、この森友学園問題に関する公文書の書換えあるいは改ざんという御指摘については、大変重大だということをもう一度申し上げたいと思います。

畑野委員 大臣も改ざんというふうにおっしゃいましたが、こういうことが絶対あってはならない。真相解明を含めて、更に求めたいと思います。

 さて、ことしの一月、横浜市の成人式に出席した新成人の皆さんが大変な被害に遭われる事件が起きました。横浜市に本部を置く振り袖の販売、レンタル業者「はれのひ」が、成人式の当日、突如として閉鎖をしてしまった。多くの新成人の方が、希望に胸を膨らます、その成人式に、晴れ着を着ることができなかった。本当につらいですね。あってはならない事件です。

 私、この横浜市の成人式に来賓として出席をさせていただいておりました。

 このときに、地域の消費生活センターや消費者庁としては、どのような対応をとられましたか。

福岡政府参考人 「はれのひ」の問題につきまして、消費者庁及び自治体の消費生活センターの行動についてという御質問でございます。

 消費者庁におきましては、一月十一日以降、SNSなども活用しながら、消費者ホットライン一八八へ電話すること等を通じて呼びかけておりました。また、一月十六日以降、ウエブサイトを開設、更新しまして、注意喚起、情報提供を実施したところでございます。

 また、全国の自治体、消費生活センターでは、約千三百件の消費生活相談への対応を行ったところでございますし、また、特に御指摘がありました横浜市におきましては、被害者の特別法律相談窓口の設置とか、被害に遭われた方と支援を申し出られた事業者の方々等とのマッチングを行うサイトの開設が行われたり、そのようなさまざまな対応をしていただいたというふうに理解してございます。

 今後とも、消費者をめぐるトラブル等に関しましては、消費者庁、国民生活センター、それから消費生活センター等が連携して、適切に対応してまいりたいと考えております。

畑野委員 本当に大事な役割を皆さんは担われているというふうに思うんですね。

 それで、横浜市の消費生活センターに伺いましたら、ふだんから業務が過密ですと。相談を受ける、記録を書く、ほかの記録を読んで分析する、課題を全国で共有すべきものは国民生活センターや消費者庁に連絡してやりとりをする。もう本当にふだんから大変ですと言うんです。この「はれのひ」問題のときには、これらの業務を全部後回しにして、電話に出られる人はみんなで出る、そういう態勢をとらざるを得なかったと。

 市の教育委員会も窓口をつくられたというふうに伺っております。

 それから、これは東京など全国各地で被害が出まして、八王子市消費生活センターの方に伺いましたら、数日間電話は鳴りっ放しで、回線を増設し、相談受け付け時間も広げて対応して、相談員は全員で八人、通常は三人から五人なんだけれども、六、七人が出て、みんなで乗り切ったと。本当に皆さん各地で御苦労されたというふうに思います。

 二〇一五年の三月に閣議決定された消費者基本計画では、消費者行政の現場である地域における体制整備の重要性について、「どこに住んでいても質の高い消費生活相談や被害救済を受けられる体制を全国的に整備し、消費者として豊かな生活を安心して営むことができる地域社会を形成することが必要である。」と述べております。本当に大事だと思うんです。

 地域の体制整備の重要性について、「はれのひ」の問題の御感想も含めて、どのようにお考えか、福井大臣の御所見を伺います。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 二階幹事長の代表質問にも、紹介をさせていただきました。本当にあってはならない、詐欺事件として認定されたのかどうか、ちょっと私、定かじゃありませんけれども、そういう人をだます行為はあってはならないという、その憎しみとともに、先ほど御紹介いただきましたボランティアの方、本当に助け合って、慈しみ合って生き抜いていくこの日本人の生きざまについて、更にきずなの強さを強めていかなければならないというふうに、二階幹事長の方から代表質問でおっしゃっていただいたところでございます。

 地方消費者行政の基本を述べよということでございまして、もう一度、御存じのことばかりでございますけれども紹介をさせていただきますと、地方消費者行政の充実に向けては、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制を全国的に整備するため、地方消費者行政推進交付金等を活用して整備されてきた体制を維持するよう支援を行う、また、新たに創設した地方消費者行政強化交付金を活用して、国が取り組むべき重要消費者政策に取り組む地方公共団体を支援しながら、さらなる地方消費者行政の充実を図ってまいりたい、これが基本でございます。

畑野委員 大臣におっしゃっていただいて、大事なんですけれども、その点で、消費生活センターや相談窓口の設置、消費生活相談員の配置、増員など、こうした消費生活相談体制の整備は大きな課題になっております。

 消費者庁は、二〇一四年から地方消費者行政強化作戦に取り組んでこられました。その進捗状況なんですが、消費生活相談窓口の設置率は一〇〇%と、相談体制の空白地域解消という目標を達成しておりますが、それでは、消費生活センターの設置について、目標に対してどのような到達になっているでしょうか。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 週四日以上窓口があいていること、それから、PIO―NET等の仕組みがしっかり整備されていることなど、要件を満たしたものが消費生活センターと呼べるということでございますが、これは平成二十九年には全国で八百二十九まで増加しているわけでございます。

 私ども、目標といたしましては、人口五万人以上の全市町に設置する、県内全てに設置するということを四十七都道府県にお願いをするということでございます。それから、人口五万人未満の市町村の五〇%以上に消費生活センターを置く、こういう目標を立てていただいているわけでございますけれども、この目標を達成していただいている県の数でございます。人口五万人以上全市町については三十府県、人口五万人未満の市町村五〇%以上については十九道府県にとどまっているということでございまして、残念ながら、消費生活センター設置率が二〇%を下回る県というのも十四あるというのが現状でございます。

畑野委員 到達でいえばまだ途上だということで、引き続き整備が求められているというふうに思います。

 先ほど大臣もおっしゃったように、こうした取組を支援してきたのが地方消費者行政推進交付金でございまして、これは本当に、それぞれが活用できるということです。ところが、この交付金を使って新規事業に取り組むことができるのは、この三月、昨年度までになっております。

 地方六団体、地方公共団体からは、例えば神奈川県は、これまでの取組をより確実に消費者に根づかせるために、交付金を安定的に継続し、消費者行政の充実強化に必要な予算額を確保するとともに、引き続き活用できるよう年限を延長することを求めるなど、交付金の年限延長が多くの地方公共団体から寄せられております。

 ですから、これを昨年度でなぜ打ち切ったのか、今後の体制整備はどうするおつもりなのか、この点について伺います、大臣。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 ちょっと整理をさせていただきますと、まず、消費者の安全、安心を確保するためには、地方消費者行政の充実強化を図ることが何よりも重要、重大でございます。

 これまで地方消費者行政推進交付金、今先生がおっしゃいました推進交付金などを通じて、地方公共団体の取組を支援してきたところでございます。この結果、消費生活センターや消費生活相談員の増加など、着実な成果を上げてきたと認識をさせていただいているところでございます。

 国から地方への交付金による支援が、平成二十九年度に、おっしゃいましたように一つの区切りを迎える中で、地方において自治事務としての消費者行政の事務を定着させて、そして消費者安全法に基づき安定的に取り組んでいく必要があるというのが使命でございます。

 このため、これまで地方消費者行政推進交付金を活用して行ってきた消費生活センターの設置並びに消費生活相談員資格の取得促進などの体制整備につきましては、これまでに立ち上げられた事業が継続されるよう、引き続き交付金による支援を行います。これまで立ち上げられた事業が継続されるよう、引き続き交付金によって支援が行われるわけでございます。

 その上で、自主財源に裏づけられた消費者行政予算を確保していくことが必要と考えております。自主財源の裏づけを図るために、私の方からも、知事等に対しまして自主財源に裏づけられた消費者行政予算の確保を働きかけるとともに、消費生活センターの整備、相談体制の充実、法執行体制の強化によって消費者被害の防止、救済を図り、消費者が豊かな消費生活を営むことができるよう取り組んでまいりたいというのが基本姿勢でございます。

畑野委員 昨年度までに立ち上げた事業、資料の中に載せておりましたけれども、消費生活センターの整備とか、専門的な消費生活相談への対応力強化、弁護士等専門家の活用などなど、メニューがあるんですけれども、去年度まで立ち上げたものは継続、若干三年とか七年とかメニューによって違うんです、あるんですが、去年までに立ち上げられなかったものは、新規はだめよということは、これは、ぜひ引き続き改善を図っていただきたいということを申し上げたいと思います。

 その上で、先ほど申し上げましたように、消費生活相談員の皆さんの役割というのは本当に大きいと思うんですね。

 それで、いろいろな、例えば高齢者の見守り講座とか民生委員の皆さんへの講演とか、そういうことをやっていらっしゃるわけですよ。換気扇が新しくつけかえられたら要注意ですよとか、そういうことを相談員の方はやっていらっしゃる。だから、経験の有無というのがすごく大事な事業だというふうに伺っているわけです。

 それから、まとめて伺いますけれども、始めた事業をこれからずっと進めていく上では、やはり、交付金が今後なくなっていくといろいろな事業ができなくなるんじゃないか、継続できなくなるんじゃないか。例えば、センターの電話番号を入れたティッシュを配布するとかそういう事業も、地味なんだけれども、これを受け取ると相談電話をかけてくる人が意外に多い。だけれども、こういうのも予算が少なくて、もう今ティッシュの在庫が幾らもない、こういう話も聞くんです。

 ですから、私二つまとめて伺いましたが、おくれた自治体の実情をしっかり把握して、体制整備を進めるための財政支援を、申し上げましたように、更に検討するべきじゃないかということと、それから相談員の処遇改善、ただ、質とともに量も足りないということなので、その二つ、まとめてお伺いできますか。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 まず、自治体の実情の把握、まさに現場こそ大事ということでございます。消費者庁において、毎年度、地方消費者行政の現況調査を実施して、全国の自治体における消費生活センター数や消費生活相談員数など、自治体の実情の把握に努めているところでございます。

 全国的に見て、相談体制の整備が着実に進んでいる一方で、おっしゃるように、小規模市町村を中心に、相談体制の実質的な強化の面で課題が残っているということでございます。

 また、十分な自主財源が確保されていないなどの課題もございます。このため、地方消費者行政の充実強化はいまだ道半ばの状況であると認識をさせていただいているところでございます。国から地方への交付金による支援が平成二十九年度に一つの区切りを、先ほど申し上げましたように、迎える中で、これまでに立ち上げられた事業が継続されるよう、自主財源に裏づけられた消費者行政予算の確保を促すとともに、三十年度以降も地方消費者行政強化交付金の推進事業として、引き続き交付金による支援を行うこととさせていただいているところでございます。

 広域連携でございますけれども、今後も、小規模自治体を始めとした消費生活センターの設置などの体制整備につきましては、これまでの取組のほか、広域的に連携する、広域連携の活用も促進しながら、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、安全、安心が確保される地域体制の整備に取り組んでまいりたいというのが消費者庁のスタンスでございます。

 同時に、先生御指摘の消費生活相談員の処遇改善ということでございます。消費者庁が毎年実施をしております地方消費者行政の現況調査によりますと、平成二十九年度における消費生活相談員様の報酬額、一時間当たりの報酬単価の平均は千五百五十二円となっております。年額にすると約二百六十一万円になってございます。

 地方交付税措置における消費者行政に係る基準財政需要額については、総務省において算定されており、報酬額が、平成二十一年度より、約百五十万円から約三百万円へと増額されているものと承知をさせていただいております。この基準財政需要額は、二十一年度百五十万から現在は三百万と増額をされているということでございます。

 消費者庁としては、消費生活相談員の平均報酬額の引上げを地方消費者行政強化交付金の交付の際のインセンティブとしていること、そして、地方交付税を消費者行政へ活用することについて地方公共団体に呼びかけるということなどなどを通じまして、相談員の処遇改善につきまして全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。

畑野委員 ぜひ今後も検討して、地域の要望に応えていただきたいと思います。

 もう一つ、それでは伺いたいと思います。

 消費者庁は、消費者志向経営の推進に取り組んでいると伺っております。どのような理念で取り組まれているんでしょうか、簡潔にお願いします。

福井国務大臣 簡潔に申し上げます。

 消費者志向経営の推進を図るために、事業者団体、消費者団体と連携をいたしまして、消費者志向経営推進組織、プラットホームを設けまして、事業者の消費者志向自主宣言・フォローアップ活動への参加を呼びかけており、本年二月末時点で七十七の事業者に参加をいただいているところでございます。

 これまでに、この活動、すなわち消費者志向自主宣言・フォローアップ活動に参加した事業者の取組の推進組織のウエブページへの掲載や、経営層を対象としたセミナー等により周知を図ってきたところでございます。

 なお、平成三十年度からは、消費者志向経営優良事例表彰というものも開始をさせていただいて、すぐれた取組を表彰させていただくことにより、なお一層の推進を図りたいということでございます。

畑野委員 重要な取組だというふうに思います。資料の三ページ目のところに、そのことを載せさせていただいております。

 それで、その四ページ目のところに、七十七事業者ということで、自主宣言事業者を載せさせていただきました。この中に、明治ホールディングス株式会社があるんですね。

 このグループ傘下の株式会社明治が、内閣府の革新的研究開発プログラム、ImPACTの山川プログラムとの共同研究へ移行するということを二〇一七年一月十八日に記者発表いたしました。記者発表資料によれば、「日本初の試み!高カカオチョコレートの継続摂取による脳の若返り効果の可能性に道筋」とアピールする内容になっておりました。

 この共同研究は、現在どうなっていますか。

生川政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘をいただきましたImPACTの山川プログラムと明治との共同研究等に係る問題につきましては、昨年七月から外部専門家による検証作業を進めてきたところでございまして、本年三月八日に報告書を公表させていただいたところでございます。

 この報告を踏まえ、山川プログラムマネジャーからは、民間企業の個別商品やサービスを対象として共同研究を推進する取組でありますBHQチャレンジというものにつきましては中止をする等のプログラム改善案がImPACT有識者会議に報告をされ、了承されたところでございます。

 このような経緯の中で、今御質問いただきました明治との共同研究につきましては、既に契約が解除されたというふうに聞いているところでございます。

畑野委員 消費者庁は、その消費者志向自主宣言企業一覧について、「宣言は企業が自主的に行われたもので」「推進組織事務局(消費者庁消費者調査課)は企業及び宣言内容についての審査を行っておりません。」とホームページで言っていらっしゃるんですが、一般論として伺います。

 この企業一覧に掲載されている企業が不祥事を起こした場合は、どのように対応されますか。

福井国務大臣 ありがとうございます。

 不祥事を起こした場合の対応でございます。

 消費者志向自主宣言を作成、公表し、消費者志向経営推進組織に通知をしていただいた事業者について、推進組織のウエブページに掲載を行っているところでございます。推進組織における議論に基づき、仮に、自主宣言事業者が消費者関連法令に関して不利益処分等を受けた場合や公序良俗に違反する行為を行った場合等については、推進組織のウエブページへの掲載を取りやめることとしており、この旨公表されているところでございます。

 一方で、多くの事業者は、消費者の利益の増進に関するさまざまな活動に取り組んでいると認識をさせていただいているところでございます。事業者の方々には、引き続き消費者を重視した事業活動に積極的に取り組んでいただきたい、かように存じているところでございます。

畑野委員 株式会社明治は、資料の五枚目にありますけれども、昨年一月の記者会見の三日後に、このような新聞広告まで出しております。内閣府が脳の若返りのお墨つきをつけたと受け取られても仕方がないような、こういうものなんですね。

 これは、きょうホームページからとったんですが、いまだに、共同研究は中止になっているのに、去年の記者会見の資料が堂々と載っているんです。きょうの段階ですよ。誤った情報を消費者に広げることになりかねない。余りにも不見識だ。科学的に立証もされていない研究を自社商品の売上げ促進に利用し続けてよいのかと言われるような問題だと思います。

 これは、せっかく、大臣、消費者志向経営の促進の取組に、よい影響を与えないということじゃないかと思うんです。何らかの対応が必要ではありませんか。

福井国務大臣 まことにそのとおりだと思います。本事業の趣旨に沿った企業活動がなされているかを確認するためのヒアリングは実施させていただいているところでございますけれども、今御指摘の点を踏まえまして、早急に対応させていただきたいと思います。

櫻田委員長 畑野君枝君、持ち時間が過ぎておりますので、御協力をお願いいたします。

畑野委員 はい。

 ぜひ司令塔としての機能を、大臣所信でおっしゃったように、十分発揮していただきたいということを求めて、質問を終わります。

櫻田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五十六分散会


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