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第6号 令和3年4月23日(金曜日)

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令和三年四月二十三日(金曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 永岡 桂子君

   理事 穴見 陽一君 理事 伊藤 達也君

   理事 勝俣 孝明君 理事 武村 展英君

   理事 牧原 秀樹君 理事 尾辻かな子君

   理事 柚木 道義君 理事 古屋 範子君

      畦元 将吾君    安藤  裕君

      伊藤信太郎君    小倉 將信君

      門山 宏哲君    木村 弥生君

      小泉 龍司君    佐藤 明男君

      冨岡  勉君    中山 展宏君

      西田 昭二君    百武 公親君

      船田  元君    青山 大人君

      稲富 修二君    大西 健介君

      堀越 啓仁君    吉田 統彦君

      伊佐 進一君    畑野 君枝君

      串田 誠一君    井上 一徳君

    …………………………………

   議員           尾辻かな子君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            井上 信治君

   衆議院調査局第一特別調査室長           藤田 和光君

    ―――――――――――――

四月二十二日

 消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(川内博史君外十名提出、衆法第一五号)

 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)

 消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(川内博史君外十名提出、衆法第一五号)


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     ――――◇―――――

永岡委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案及び川内博史君外十名提出、消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。井上国務大臣。

    ―――――――――――――

 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

井上国務大臣 ただいま議題となりました消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。

 高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた新たな日常における社会経済情勢の変化等により、消費者を取り巻く環境は大きく変化しています。そのような中で、消費者の脆弱性につけ込む、巧妙な悪質商法による被害が増加しています。

 こうした状況を踏まえて、消費者被害の防止、消費者利益の保護を図ることは我が国経済の健全な発展のためにも重要です。このような認識の下、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るために、関連する法律を改正する次第です。

 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、特定商取引に関する法律について、詐欺的な定期購入商法への対策として、通信販売における契約の申込みに係る書面等への不実の表示や人を誤認させるような表示を禁止するなどの措置を講ずることとしています。また、売買契約に基づかないで送付された商品について、販売業者がその返還を請求することができる期間をなくすこととしています。さらに、消費者の利便性の向上やデジタル技術を活用した消費者利益の保護を図るため、販売業者等が契約締結時等に交付すべき書面の交付に代えて、購入者等の承諾を得て、書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供できることとしています。加えて、申込者等が契約の申込みの撤回等を電磁的記録により行うこともできることとしています。このほか、外国執行当局に対する情報提供制度の創設を行うとともに、新たに禁止する行為について、罰則を定めるなどの措置を講ずることとしています。

 第二に、特定商品等の預託等取引契約に関する法律について、法律の規制の対象となる物品を政令で指定するものから全ての物品とし、法律の題名を預託等取引に関する法律に改めることとしています。また、販売を伴う預託等取引を原則として禁止するとともに、禁止に違反した者に対する罰則を定めることとしています。このほか、特定商取引に関する法律と同様に、書面交付に係る規定の見直しを行うなど所要の規定を整備することとしています。

 第三に、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律について、内閣総理大臣は、特定適格消費者団体が被害回復裁判手続を適切に追行するために必要な限度において、特定適格消費者団体に対し、特定商取引に関する法律及び預託等取引に関する法律に基づく行政処分に関して作成した書類を提供することができることとしています。

 なお、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。

 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

永岡委員長 次に、尾辻かな子君。

    ―――――――――――――

 消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

尾辻議員 ただいま議題となりました消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案、いわゆる消費者の権利実現法案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 消費者庁の使命は、消費者行政のかじ取り役として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現することとされています。このような社会実現に向け、日々進展する社会経済のはざまで起きる消費者問題の解決のため、必要な法整備等について、本委員会でよい議論をしていきたい、そのように考えております。

 しかし、近時、消費者庁が提出してきた法案の中には、本当に消費者のために熟考されて出されたものか、疑念を抱かざるを得ないものも多くあります。情報や交渉力の格差から、消費者と事業者の間の契約である消費者契約については紛争が生ずることが多く、この解決のために成立した消費者契約法に関しては、消費者委員会及び国会から包括的つけ込み型勧誘取消権の創設が求められてきましたが、限定的な取引類型のみを対象とした取消権がつくられただけで、具体的な提案はされていません。

 さらに、今回の政府が提出してきた法案には、明らかに消費者が不利益を被ると消費者団体や専門家が指摘する、契約書面等の電子化を可能とする規定が含まれております。

 また、成年年齢引下げまであと一年を切っているにもかかわらず、国民の理解醸成は追いついておらず、十分な法整備はなされておりません。

 こういった課題を解決し、消費者を守り、消費者の権利を実現する、消費者庁にはそのような本来の役割を果たしていただく必要があります。こうした思いで本法律案を提案した次第でございます。

 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、消費者契約法について、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型に、つけ込み型の包括的な類型として、消費者が合理的な判断をすることが困難な事情を有することを知りながら社会通念に照らして当該消費者契約を締結しない旨の判断を困難にする行為をすることを追加することとしています。

 第二に、特定商取引に関する法律について、詐欺的な定期購入商法への対策として、通信販売における契約の申込みに係る書面等への不実の表示や人を誤認させるような表示を禁止するなどの措置を講ずるものとしています。また、売買契約に基づかないで送付された商品について、販売業者がその返還を請求することができる期間をなくすこととしています。ただし、販売業者等が交付すべき書面の電子化に関する規定については、消費者被害を拡大するおそれがあるため、消費者保護を徹底する観点から、設けないこととしています。

 第三に、特定商品等の預託等取引契約に関する法律について、法規制の対象を全ての物品に拡大し、法律の題名を預託等取引に関する法律に改め、販売を伴う預託等取引を原則として禁止するなどの措置を講ずることとしています。また、預託法についても、預託等取引業者が交付すべき書面の電子化に関する規定は設けないこととしています。

 第四に、二十歳未満の成年者について、特定商取引に関する法律のほか、十三の法律中のクーリングオフに係る規定の熟慮期間を一律に七日間延長する措置を講じています。

 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。

 以上が、この法律案の提案理由及びその概要です。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようにお願い申し上げます。

永岡委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十七日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十九分散会


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