第3号 令和7年4月3日(木曜日)
令和七年四月三日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 浦野 靖人君
理事 勝俣 孝明君 理事 中野 英幸君
理事 松島みどり君 理事 青山 大人君
理事 大西 健介君 理事 尾辻かな子君
理事 伊東 信久君 理事 丹野みどり君
石橋林太郎君 今枝宗一郎君
上野賢一郎君 加藤 鮎子君
小池 正昭君 高木 啓君
武村 展英君 永岡 桂子君
中西 健治君 野田 聖子君
深澤 陽一君 福原 淳嗣君
三反園 訓君 森下 千里君
山本 大地君 若山 慎司君
井坂 信彦君 石川 香織君
大河原まさこ君 大島 敦君
馬場 雄基君 松田 功君
山田 勝彦君 山井 和則君
梅村 聡君 西岡 義高君
角田 秀穂君 沼崎 満子君
たがや 亮君 本村 伸子君
…………………………………
国務大臣
(消費者及び食品安全担当) 伊東 良孝君
内閣府副大臣 鳩山 二郎君
法務副大臣 高村 正大君
文部科学副大臣 野中 厚君
政府参考人
(消費者庁次長) 吉岡 秀弥君
政府参考人
(消費者庁政策立案総括審議官) 藤本 武士君
政府参考人
(消費者庁審議官) 尾原 知明君
政府参考人
(消費者庁審議官) 井上 計君
政府参考人
(消費者庁審議官) 黒木 理恵君
政府参考人
(総務省情報流通行政局郵政行政部長) 牛山 智弘君
政府参考人
(法務省大臣官房司法法制部長) 松井 信憲君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 中原 裕彦君
政府参考人
(文化庁審議官) 小林万里子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 森 真弘君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 堤 洋介君
政府参考人
(環境省環境再生・資源循環局次長) 角倉 一郎君
衆議院調査局第一特別調査室長 松本 邦義君
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委員の異動
四月三日
辞任 補欠選任
上野賢一郎君 森下 千里君
高木 啓君 石橋林太郎君
中西 健治君 深澤 陽一君
三反園 訓君 山本 大地君
おおつき紅葉君 馬場 雄基君
同日
辞任 補欠選任
石橋林太郎君 高木 啓君
深澤 陽一君 中西 健治君
森下 千里君 上野賢一郎君
山本 大地君 三反園 訓君
馬場 雄基君 おおつき紅葉君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件
――――◇―――――
○浦野委員長 これより会議を開きます。
消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、消費者庁次長吉岡秀弥君外十一名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○浦野委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝俣孝明君。
○勝俣委員 自由民主党の勝俣孝明でございます。
本日は、伊東大臣の所信に対する質疑を行わせていただきます。
委員長を始め理事、また委員の先生方に、このような機会をいただきますこと、感謝申し上げたいというふうに思います。
また、伊東大臣におかれましては、消費者を取り巻く環境は本当に今複雑かつ多様化しまして、また変化の激しい状況の中、消費者行政の司令塔として、強力なリーダーシップを発揮していただきたいと期待しているところでございます。
まず、最初の質問でございますけれども、大臣の所信表明におかれましてもまず一番最初に述べられておりました、今国会に提出されました公益通報者保護法の一部を改正する法律案につきまして質問させていただきます。
私自身も五年前の法改正のときも本委員会で理事として審議をさせていただきましたけれども、この五年間で更なる体制整備等、課題も本当に多く出てきております。
是非、本法案の改正の意義や今国会での審議の意気込みを大臣からお聞かせいただければと思います。
○伊東国務大臣 おはようございます。
勝俣委員の御質問にお答えしてまいります。
今回の公益通報者保護法が改正されますと、公益通報に適切に対応するための事業者の体制整備が徹底されること、そしてまた、公益通報者の保護が強化されることになるわけであります。その結果、労働者等が事業者内の不正を安心して通報できるようになり、事業者の自浄機能発揮につながることや、あるいはまた、行政機関の指導監督の実効性が向上することが期待されるところであります。これにより、不正行為が早期に発見、是正されるようになり、国民の生命、身体、財産等の保護が更に図られるようになると考えられております。
非常に重要な法案でありまして、是非とも今国会で成立させていただきたく、委員各位の御理解、御協力をお願いをいたしたいと思います。
○勝俣委員 ありがとうございます。
この公益通報者保護法は、この後また委員会でしっかりと審議をしてまいりたいというふうに考えています。
次に、三月十八日に閣議決定をされました第五期消費者基本計画について質問をさせていただきたいと思います。
私、五年前にも、公益通報者保護法のときにも本委員会で理事をさせていただきましたけれども、実は、二〇一六年の秋の国会から本委員会で理事をさせていただいておりまして、途中、もちろん政務三役等で抜けておりますけれども、九年目となります。
その間、今に至るまで、消費者を取り巻く環境というのは本当に大きく変わってきているなというふうに感じています。また、現実問題として変わってきているわけでありますけれども、特に、情報化社会の進展によって、商取引は本当に複雑化しておりますし、多様化し、そして広域化をしています。デジタル技術は大きく飛躍をしました。
今、これは二〇二三年の調査でありますけれども、モバイル端末の保有率は約八六%、ほとんどの方がスマホだとかそういったものを持っておりますし、六十五歳以上の約六〇%の方がSNSを利用しているということでございます。これによって、海外事業者との取引も増えているわけですね。ですから、消費生活もグローバル化しているということでございます。
さらには、社会構造の変化、これも、消費者自身が、まさに我が国の超高齢化社会の進展によって高齢化も進んでおりますし、これからも進んでいきます。二〇三八年には三人に一人が六十五歳以上になると言われておりますし、二〇四〇年には六十五歳以上の世帯の四三%が単独の世帯になると言われています。
また、高齢化だけではなく、この間、本委員会でももちろんでありますけれども、成人年齢の引下げも行われましたので、本委員会においても対応が本当に議論をされました。
そして、第四期の消費者基本計画においては、本当にその期間の五年間という、その期間の大部分が新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。まさに、いわゆる新しい生活様式によって、消費者を取り巻く環境というのは本当に一変したわけであります。
このように、第四期消費者基本計画におけるこれまでの五年間は、先ほど来から申し上げているとおり、消費者を取り巻く環境が激変する中で、この基本計画に基づき様々な施策が行われてきましたけれども、第四期の取組を振り返り、それを踏まえた上で、今始まっております令和七年度から十一年度の計画期間である第五期において、どのように安心、安全で豊かな消費生活を実現していくのか、お聞かせください。
○鳩山副大臣 御質問ありがとうございます。お答えをいたします。
これまでの第四期消費者基本計画では、新型コロナウイルス感染症を受けた新しい生活様式の実践に対応するための変更も加えつつ、重点的な施策に取り組んできたところであります。
第五期消費者基本計画においては、デジタル化や高齢化等により取引環境が一層の変化を見せる中で、消費者が信頼できる公正な取引環境の確保、気づく、断る、相談する消費者力の実践、誰一人取り残されることのない社会の構築により、安心、安全で豊かな消費生活の実現を目指すこととしております。
本計画の閣議決定に先立ち、石破総理からは、消費者行政の役割は経済社会情勢の変化に伴ってより一層重要性を増すことから、政府一丸となって消費者政策を充実させる取組を進めるよう指示があったところでありまして、今後も、消費者庁が司令塔となってしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○勝俣委員 ありがとうございます。
しっかりと五年間の四期の消費者基本計画を振り返りつつ、今、副大臣に力強く述べていただきましたけれども、第五期の基本計画をしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
次に、食品ロスについてお尋ねをしたいと思います。
大臣の所信表明でも、この基本計画の後、三番目に述べておりましたので、これは大変重要な政策だというふうに私は思っておりますし、私も、環境政務官、それから農水副大臣を経験させていただきまして、食品ロスの問題については長く携わってきましたけれども、この食品ロスの問題というのは本当に多岐にわたっているというふうに思いますし、そのきっかけになったのが、これは数年前になりますけれども、節分の日の後、コンビニで恵方巻きが大量に廃棄されている写真がSNSで拡散されて、社会問題になりました。あの映像を私も見ましたけれども、誰もが、本当にもったいないな、こういう気持ちになったのが、恐らく、この食品ロス問題を考える大きなきっかけになった問題なのかなというふうに私は考えています。
このことから、これをきっかけに、例えば、恵方巻きなんかもそうですけれども、クリスマスケーキなんかもそうです、廃棄処分を減らすべく、予約制というものが浸透しましたし、消費者の行動も非常に大きく変わってきたというふうに認識しています。
令和元年に食品ロス削減推進法が施行されました。食品ロスには、事業系の食品ロスと、それから家庭系の食品ロスがございます。それぞれ、食品ロス削減のために皆さん取り組んできていただいておりますが、私たちも、委員の先生方も御存じかと思いますけれども、例えば三〇一〇運動、これは御存じかと思いますけれども、なかなか私も、心がけているんですけれども、実践するのが非常に難しいんですね。
三〇一〇運動、これは、宴会や会合のときに、乾杯の後、最初の三十分と最後の十分は着席して食事をすることによって食品ロスを減らしていこう、こういう取組でございます。こういったことも皆さんやっていただいているわけであります。
また、近年では、レストランとか食事をするところで、今までは大盛りとか特盛りといったような、量を大きくする取組というのはかつてからあるんですけれども、小盛りといった、量を少なくしていくというサービスを提供していく店も増えたのかなというふうに実感しているところであります。
また、コンビニエンスストアなんかでは前取りとか、いろいろな、事業者の皆さんも、そしてまた家庭でも、そういった食品ロスの取組というのを今までも実践していっていただきました。
こうした食品ロス削減の取組は本当に様々でございます。先ほど来から申しましたとおり、事業者側も消費者側も、国民の皆さんお一人お一人が要は意識をしていくことが大切であり、消費者庁の役割は大変大きいと私は感じています。
これまでの消費者の行動変容を含めてどのような進展があったのか、お答えいただければと思います。
○鳩山副大臣 御質問にお答えをさせていただきます。
食品ロス削減推進法に基づく第一次基本方針において設定した食品ロス削減の半減目標については、直近、二〇二二年度の食品ロス量によれば、事業系は二〇三〇年度目標を八年前倒しで達成し、家庭系は目標まであと二十万トンとなっております。
この進展について、例えば、いわゆる三分の一ルールといった納品期限の緩和や賞味期限延長といった商慣習の見直し、コンビニと連携した手前取りの呼びかけ、先ほど委員御紹介いただきましたが、宴会時の三〇一〇運動の推進等の、食品関連事業者を始めとした関係者及び消費者の不断の取組の結果であると考えております。
また、食品ロス問題を認知して削減に取り組む消費者の割合についても、直近五年間平均で七六・七%と目標の八〇%に近づいており、消費者の行動変容も進展しているものと考えております。
○勝俣委員 ありがとうございます。
目標値を、特に事業系の食品ロスが減ったのは、やはり外食なんかがコロナ禍で減ってきたというのも恐らく原因として大きいのかなというふうに思いますが、これも皆さん様々な工夫をされての御努力の結果だというふうに考えておりますので、本当に浸透してきているなというふうに私自身も実感しているところでございます。引き続き是非頑張っていただきたいんですけれども。
この食品ロス削減に関する基本的な方針について、様々な社会情勢の変化を踏まえて、三月に新たな基本方針が閣議決定をされました。これを踏まえて、今後、更なる食品ロス削減の推進について具体的にどのように進めていくのか、お聞かせいただければと思います。
○鳩山副大臣 御質問にお答えいたします。
今後は、三月二十五日に閣議決定した新たな基本方針に基づき、更なる食品ロス削減の推進に向け、納品期限及び賞味期限等の商慣習の見直し、フードバンク等への食品寄附の促進、食べ残し持ち帰りの促進等の取組について、引き続き関係省庁が緊密に連携して進めてまいりたいと思っております。
○勝俣委員 ありがとうございます。
冒頭申し上げましたけれども、やはりこの食品ロスは、これはもちろん、消費者の意識も高めていくという上で、消費者庁の役割というのは、鳩山副大臣に申し上げていただいたとおり、大変重要だというふうに思いますけれども、まさにこれは、環境省、環境問題にも影響するわけですし、それから農林水産省ももちろん大きく関わってくるわけでございますので、それこそ本当に連携しながら是非進めていっていただきたいなというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
それでは次に、地方の消費者行政の充実について質問させていただきたいと思うんです。
先ほどの消費者基本計画のところでも触れましたけれども、本当に我が国は高齢化が進展し、そしてまた、先ほど申し上げたとおり、インターネットによるSNSの普及、それから商取引の多様化、広域化などによって、全ての消費者が消費トラブルに遭う可能性があるわけであります。
そのようなときに、消費者が身近に相談を受けることができるように、地方の消費者行政が充実しているということが大変重要なことであるというふうに私は考えます。そして、そこに集まった多くの声を消費者行政に生かしていくということは、これは非常に大切なことであるというふうに考えています。
こうした中で、地方消費者行政強化交付金推進事業の活用期限が到来をいたします。今後、どのように地方消費者行政の充実に取り組んでいくのか、お答えをいただければと思います。
○鳩山副大臣 御質問にお答えをいたします。
消費者問題は、全国どこに住んでいても直面する可能性があり、トラブルに遭った際に身近に相談できる窓口が存在、充実することは、地域住民の消費生活の安心、安全のために重要であると我々も認識いたしております。
消費生活センターの立ち上げ等を支援してきた地方消費者行政強化交付金の推進事業は、多くの自治体で令和七年度に活用期限を迎えますが、先般閣議決定した消費者基本計画において、「身近な相談窓口の充実などこれまでの地方公共団体の努力によって築き上げられた行政サービスの水準が低下することのないよう適切な対策を講ずる」としており、今後しっかりと検討を進めてまいります。
○勝俣委員 副大臣、力強いお言葉、ありがとうございます。
時間ですので最後の質問になりますけれども、お米について質問させていただきます。
伊東大臣は大変農政に知見がございますので、昨年から続くお米の問題についてお尋ねしますが、お米がこれだけ価格が上昇しております。消費者にも大きな影響が生じているところでありますが、昨今のお米の価格上昇に対する伊東大臣の御所見をお伺いいたします。
○伊東国務大臣 マスコミでも相当取り上げられて、連日報道をされているところであります。
一般的に、お米を含む商品、サービスの価格は市場によって決定されるもの、こう認識をしているところでありますが、一方で、昨今のお米の価格上昇は、昨年夏の南海トラフ地震臨時情報の発表に端を発した流通の目詰まりの結果生じているものであると認識をしているところであります。このため、農水省では、米の需給及び価格の安定を目的とする食糧法に基づき、流通の目詰まりの原因となっている集荷業者に対して、備蓄米の買戻し条件付の売渡しを実施したものと承知をしているところであります。
消費者庁は、物価の高騰に対処するため、生活関連物資等の価格及び需給の安定を図る国民生活安定緊急措置法等を物資所管省庁と共管をしているところであります。当該法律の適用に当たりまして、対象物資の価格動向等を把握している物資所管省庁が必要と判断した場合には、物資所管省庁と消費者庁が連携して適切に対処してまいりたいと考えております。
○勝俣委員 このお米に関しては、消費者は本当に困っておりますので、大臣におかれましては、各関係省庁と連携して是非頑張っていただきたいなというふうに思います。
時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浦野委員長 次に、今枝宗一郎君。
○今枝委員 自由民主党の今枝宗一郎です。
本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
社会が複雑化をし、新たなビジネスが数多く出てきている中、デジタル化ですとか、また高齢化なども進んでおり、消費者の皆さんを守ることの重要性は一層増していると思います。大臣におかれましては、その点、非常に御尽力をいただいていることに敬意を申し上げたいというふうに思っております。
その中で、第五期消費者基本計画が策定されたことはすばらしいと考えております。その中で、やはり安心できる相談体制の構築、これが非常に重要だと考えておりますので、早速、質問に入らせていただきたいと思っております。
消費者トラブルは、いつ何どき消費者の方が巻き込まれてしまうか分かりません。そのようなときに、地域に身近な相談窓口が存在するということは、消費者の安全、安心につながる大きな大きなファクターだと考えております。
伊東大臣におかれましては、地域の消費生活センターですとか国民生活センターに視察にも行かれているということで、すばらしいことでありますので、本当にそういった現場を大事にされる大臣ということで、非常に敬意を申し上げたいというふうに思っております。
しかし、こうした地域の相談体制の整備に対し財政支援を行ってきた地方消費者行政強化交付金の推進事業については、数多くの自治体において令和七年度に活用期限を迎えるということになっております。自治体や消費者団体などの関係者からは、地方消費者行政の後退の懸念の声が上がっております。自治体のリソースが限られている中、年々複雑多様化している、地域における消費者被害の未然防止、救済を確実に進めていくべく、国としても強力に、かつ安定的に地方を支援していく必要があると考えますけれども、参考人の意見をお聞きいたします。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
消費者問題は全国どこに住んでいても直面する可能性があり、トラブルに遭った際に専門家である消費生活相談員によるアドバイス等を受けられる身近な相談窓口が存在、充実することは、地域住民の消費生活の安心、安全につながるものと認識しております。
消費者庁ではこれまで、地方消費者行政の充実強化を最重要課題の一つと位置づけ、交付金等で支援を行ってまいりました。この間、地方消費者行政強化交付金等の活用により、市町村の消費生活センターが大幅に増加するなど、身近な相談窓口が充実したことは大きな成果であると考えております。
委員御指摘の、消費生活センターの立ち上げ等を支援してきた交付金の推進事業が来年度に多くの自治体で活用期限を迎えることを受けて、地方の現場からは、相談窓口を維持できるか、消費者教育や啓発を続けられるかなどの切実な声をいただいておるところでございます。
加えて、先般の消費者政策会議において、総理より、全国八百五十八か所の消費生活センターの体制の充実等の取組を強化するよう御指示がございました。
消費者庁としては、現場で相談業務や見守り活動等に尽力されている方々の意見を踏まえ、しっかりと対応の検討を進め、どこに住んでいても質の高い相談、救済が受けられ、消費者の安心、安全が確保される体制の整備に取り組んでまいります。
○今枝委員 どうもありがとうございます。
是非しっかりと、予算の確保も今後継続的にお願いをしたいと思います。
そして、今、見守り活動についてお触れをいただきましたけれども、少しそれに関連をしてお話をお聞きしていきたいと思います。
消費者安全確保地域協議会、いわゆる見守りネットワークについてお聞きをいたします。
私の地元でも奥三河地域など、高齢化、また独居化が更に進んでおり、家族のみならず近所の人でも、気軽に相談できる状況にはなかなかございません。地域における消費者被害の未然防止や被害救済のため、一層重要な取組になっていくと思われます。
一方、地域における見守り活動については様々な取組がなされておりまして、地域の拠点である郵便局では見守り訪問サービスが実施をされております。今後、増やしていくべき郵便局の役割として、全国あまねく存在して地域に根差した存在である郵便局がこうした見守り活動を行っていくことは非常に重要であるというふうに考えております。
ただ、郵便局には、本来業務として郵便、貯金、保険がある中で、現場への負担に配慮いただかねばなりません。地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業もありますので、そういった予算も十分に確保し、推進すべきと思いますが、総務省、いかがでしょうか。
○牛山政府参考人 お答えいたします。
全国約二万四千局のネットワークを持つ郵便局は、地域の重要な生活インフラとしての役割を担っておりまして、委員御指摘のとおり、郵便、貯金、保険の三事業のユニバーサルサービスの提供に加えまして、高齢者の見守りサービスなど、地域の実情やニーズに合わせた取組への期待もますます大きくなってきております。
総務省といたしましても、これまで、郵便局の利活用による地域の活性化を後押ししてきたところでございまして、令和七年度におきましても、自治体事務の受託などの行政サービスと、買物支援などの住民生活支援サービスを一体的に提供するコミュニティーハブとして郵便局を活用するための実証事業を行うべく、必要な予算を確保しております。
また、実証事業に加えまして、令和七年度より、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律に基づきまして窓口事務を受託する過疎地の郵便局に対して市町村が行政サービスや住民生活サービスを委託することに伴う初期経費につきまして、特別交付税措置を講じることにもしております。
こうした取組を着実に実施しつつ、委員御指摘のとおり、郵便局社員の過度な負担にならないようにも配慮しつつ、今後とも、御指摘の見守りも含めまして、郵便局が住民に身近な存在として地域を支え、その活性化に貢献する役割を果たせるよう支援してまいりたいと考えております。
○今枝委員 どうもありがとうございます。
郵便局は、地域の守り手であり、我が国の誇る、すばらしい地方の財産とも言えます。特に局長の皆さんは特にその意識が強いと思っておりまして、非常に御尽力をいただいております。それだけに、過度な負担とならないように、様々な支援を今後とも是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
さて、ここからは食品ロス削減に関して質問してまいります。
食品ロス削減に関する基本的な方針が五年ぶりに見直され、三月二十五日に閣議決定されたと承知しております。
食品ロス削減基本方針のうち、食品をロスしないために食品を寄附する取組について伺ってまいります。
食品寄附に関わる課題として、食品寄附のサプライチェーンに関わるフードバンクなどの情報が不足をしていることですとか、また、信頼性や透明性、そして継続性を高めるための仕組みの整備ですとか、フードバンク団体などの底上げの必要性などが指摘をされているところであります。
このような中で、昨年十二月二十五日に、フードバンク団体など各主体が一定の管理責任を果たすことができるようにするために遵守すべき事項ですとか、また留意事項を示した食品寄附のガイドラインが作成されたと承知をしております。
策定されてから三か月経過をしたところでございますけれども、このガイドラインの周知はどこまで進んでいるのでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘の食品寄附ガイドラインにつきましては、昨年五月に官民協議会の場を設けまして、官民一体となって、昨年の十二月に策定をしたところでございます。策定の後は、関係省庁と連携をして、食品寄附関係者及び地方自治団体に向けた通知の発出、各団体での説明会や機関誌での周知等により、ガイドラインの周知啓発に努めているところであり、今後も引き続き継続してまいる考えでございます。
○今枝委員 ありがとうございます。
今後も周知に是非とも取り組んでいただきたいというふうに思っております。
ちなみに、その周知活動というのは、大体どれぐらいの規模感で行われていて、どれぐらいのフードバンクを始めとした諸団体に対して伝わっているというふうに今考えておられるのか、もう少し何か定量的なものというのはないでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
まず、通知の発出につきましては、二月の五日に、各自治体、事業者団体、フードバンク団体、子供食堂、消費者団体などなどに周知をしているところでございます。
また、説明会につきましては、いろいろな食品フェアですとかシンポジウムですとかセミナーとか、各団体の方からも御要請をいただいて、それに対応するということも含めまして、順次進めているところでございます。
機関誌につきましても、こちらの方からも働きかけながら、引き続き周知に努めてまいりたいと考えてございます。
○今枝委員 ありがとうございます。
そういった周知活動を通じて、果たしてどれだけの、今、フードバンクだとか、また子供食堂だとか、そういったところの話がございましたけれども、そういったところの団体がこのいわゆる食品寄附ガイドラインを知っているのか、把握ができているのか、そういったことの実態調査みたいなものも、今後是非考えていただければありがたいなというふうに思っております。
結局、ガイドラインを発出しても、多様な主体がおられますので、その方々がなかなかそれを把握を本当にできているのかということを、やはり政府としてもよくよく理解をして政策を打っていく、そういった必要があると思っておりますので、周知を一定以上やっているからそれでオーケーというような話ではなくて、やはり、どれぐらいまでちゃんと伝わっているかということも、しっかり考えていただけるとありがたいなと思っております。
それでは、このガイドラインの中身についてお聞きをしていきたいと思います。
このガイドラインは、例えば、当たり前ですけれども、転売の禁止といった提供元と提供先における合意事項ですとか、食品の品質、衛生管理といった安全面などの管理、食品表示情報の伝達と管理などの提供時の注意、トレーサビリティー、さらには事故時の対応などについて記載をされているものと承知をしております。
このうち、特に、トレーサビリティー、また保険の加入、そして情報伝達については、特に特に重要だというふうに考えております。ほかのものももちろん重要なんですけれども、この三つの点について、それぞれ、どれぐらいのフードバンクや子供食堂で実際に実施がされているのか、そこのところは把握しておられますでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
フードバンク団体の保険加入状況につきましては、昨年、全国二百七十一団体を対象に消費者庁が調査したところ、回答のあった百三十六団体のうち約五割の団体が、フードバンク活動に伴い発生する損害に対処するための保険に加入をしているという結果でございました。
また、子供食堂につきましては、昨年、全国約一万団体を対象に民間団体が調査したところによれば、回答のあった千三百七団体のうち約九割の団体が、ボランティア活動に伴い発生する損害に対処するための保険等に加入をしているとの結果でございました。
これらを踏まえまして、食品寄附ガイドラインで推奨している保険加入の促進については、特にフードバンク団体を中心に、更なる普及啓発に努める必要があると考えてございます。
また、トレーサビリティー及び情報伝達につきましては、現在のところ実施割合等を把握をしていないところでございますけれども、今後、食品寄附ガイドラインの普及啓発を進めていく過程におきまして、これらの状況を適切に把握しつつ、食品寄附の社会的信頼の向上及び食品寄附の更なる促進を図ってまいりたいと考えてございます。
○今枝委員 ありがとうございます。
子供食堂、非常に最近増えているわけでございますけれども、きちんと保険に九割加入をしていただいているということで、すばらしいわけでありますが、一方、その川上にあるフードバンクが五割程度ということで、やはりそこの底上げというか、それが必要になってくるんだろうなというふうに思っております。
トレーサビリティーと情報伝達もやはり非常に重要でありますから、こういったところの把握についても、是非今後検討をお願い申し上げたいというふうに思っております。
では、続いて、このガイドライン周知の、その先の話をさせていただきたいと思います。
アメリカでは、食品廃棄と食料不足が大きな課題になっておりまして、食品の寄附を促進するために、よきサマリア人の法という免責制度を一九九六年に導入をしております。これは、誠意を持って食品が寄附される限りは、寄附した食品によって意図しない事故が起きても、刑事上及び民事上の責任が問われないという連邦法であります。これによって食品寄附やフードバンクが大きく広がったと考えられております。
現在、我が国では、フードバンクがアメリカに比べて著しく少なく、子供食堂など子供たちに渡る食料品もやはり限定的であります。子供食堂が単に貧困対策のみであれば、子供の貧困を我が国から一切なくしていくということでも、それは一つ方法であるというふうには思うんですけれども、子供食堂は、そういった子供の貧困対策と同時に、地域のきずなの再構築に非常に大きな役割を果たしていると考えております。
私が視察した子供食堂では、高齢者の方と子供たちが一緒に遊んで、子供には成長を、高齢者には生きがいを提供しておりました。しかし、子供食堂はどこも運営が苦しくて、フードバンクが大きく拡充されることで子供食堂がもっともっと広がっていくことが重要であると考えております。
そこで、お聞きをいたします。
アメリカにはこのような免責制度がございますけれども、食品の寄附に伴って生じる民事責任の在り方について、日本ではどのように検討されておられますでしょうか。お答えください。
○井上政府参考人 お答えいたします。
食品の寄附に伴って生じる民事責任の在り方についてでございますが、食品ロス削減推進会議の枠組みを活用しまして、令和五年に法的措置も含め政府全体で検討を進めた結果、現状においては、まずは食品寄附の促進、定着を図るため、食品寄附に対する社会的信頼を高めることが必要であるとされました。そのため、令和六年に食品寄附ガイドラインを策定するとともに、食品寄附促進に係る一連の施策を進めているところでございます。
また、令和七年三月二十五日に変更案が閣議決定されました食品ロス削減の基本方針におきましては、食品寄附ガイドラインの運用後の実態把握、社会福祉や食品アクセス確保の観点からの食品寄附促進の必要性、社会全体のコンセンサスの醸成等を踏まえ、食品寄附に伴って生ずる民事責任の在り方について、最終受益者の被害救済にも配慮した法的措置を講ずることを目指すとしてございます。
こうした点も踏まえまして、まずは、食品寄附ガイドラインの普及啓発を進めていく過程において食品寄附の実態把握に努めながら、食品寄附の社会的信頼の向上及び食品寄附の更なる促進を図ってまいりたいと考えてございます。
○今枝委員 どうもありがとうございます。
食品寄附ガイドラインの普及によって食品寄附に対する社会的な信頼性を高めていくということが非常に重要であるということを、改めて理解をさせていただいているところであります。
それでは、今後、ガイドラインがどの程度普及したら、日本においても民事責任の在り方についてなど検討できるようになるとお考えでしょうか。これは大臣にお聞きをしたいと思います。
○伊東国務大臣 御指摘の点につきましては、先月閣議決定をいたしました食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針に明記をしたとおりでありまして、食品寄附ガイドライン運用後の食品寄附の実態把握、社会福祉や食品アクセスの確保の観点からの食品寄附促進の必要性、さらに社会全体のコンセンサスの醸成等を踏まえる必要がありまして、現状において明確な答えは困難なところであります。
そうした点を踏まえた上で、一定の管理責任を果たせる食品寄附関係者による食品の寄附に伴って生ずる民事責任の在り方につきまして、最終受益者の被害救済にも配慮した法的措置を講ずることを目指してまいりたいと思うところでございます。
○今枝委員 どうもありがとうございます。
先ほど、最終受益者に被害が起きたときの救済、これもまさに同時にやっていかなくちゃいけないことだというふうに思っております。非常に重要性の高い話だというふうに思いますので、先ほどコンセンサスの醸成というようなふわっとしたお話もあったわけでございますけれども、それというのは果たしてどういうような、KPIですとかそういったものに置き換えて考えていけるのか。
そういったことも考えていただいて、是非とも議論を加速化をし、先ほど言ったように、最終受益者をしっかり守りつつもフードバンクなどが一気に広がっていけるような、やはり、フードバンクの皆さんや、その前のメーカーさんからすると、例えば自分の企業のロゴが入った食べ物で何かが起きてしまったときに、その被害というか、自分たちは管理を適切にやっているのにもかかわらず、なかなか、その先の寄附の流れの中で傷んでしまったり、本当に食べられなくなってしまったものが出ていたというのは、自分たちの責任じゃないよというのはありながらも、ある意味、企業としては商品イメージ、企業のブランドの毀損というところにやはりなってしまうものですから、そこをどういうふうに解決していくのかというのは、こういった法律の検討が非常に重要になってくるというふうに思いますので、ここを是非お考えをいただきたいというふうに思っている次第であります。
本当はまだ質問をちょっと用意していたんですけれども、時間が参りましたので、今日はここまでとさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
○浦野委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 山井です。
浦野委員長、伊東大臣、どうかよろしくお願いをいたします。
質問時間は十五分ですので、質問通告に従いまして、短く端的に質問をさせていただきたいと思います。
私は、もちろん信教の自由は大事だと思いますし、私も仏教の高校を出身いたしまして、仏教精神を基に政治の世界にも入ったという部分もありますが、やはり、今回の統一教会のように、幾ら宗教が大事だといっても、それに基づいて不法行為が行われてはならないということだと思います。
伊東大臣も統一教会と関係はあったと報道されておりますけれども、今は関係を持っておられないということですので、質問をさせていただきたいと思いますが、伊東大臣も御体調が完全ではないと思いますので、本当にそういう中で質問をして申し訳ございませんが、どうかよろしくお願いをいたします。
それで、今回、私の配付資料、二十一ページ配付資料がございます。ここにも永岡前大臣がおられますけれども、本当に岸田総理、永岡大臣の英断の下、解散命令請求が出て、先週、東京地裁が解散命令という判断を下して、半年か一年後には高裁で解散命令が確定するのではないか、そういう状況であります。
限られた時間なんですけれども、私も六十八回、国対ヒアリングというものを開催しまして、その中で三十数名の被害者の方にお越しをいただきまして、統一教会対策本部と合わせると百十一回、統一教会のヒアリングを開いて、延べ百人以上の被害者の方々からこの三年間お話を聞いてまいりました。
もちろん、統一教会によって救われている方もおられると思います。ただ、残念ながら、甚大な被害を受けていられる方も多数おられるというのが今回の問題点でございます。
例えば、最初の表紙ですけれども、これは私も存じ上げていますが、橋田達夫さん、この方はやはり奥様が入信をされて、合計約一億円の献金をされたと。
そういうことで、多額の献金をすると、それは家族とあつれきが出ますよね。田んぼを売る、あれを売る、どんどんどんどん献金を、それはもうウン百万、ウン千万、一億となったら、その結果、やはり離婚をされて、家庭が崩壊されて、残念ながら、この記事にもありますように、三十代の長男の息子さんも自ら命を絶ってしまわれたということでございます。私も、高知に行って、この息子さんのお墓参りもさせていただきました、話も聞かせていただきました。例えばこういう被害。
そして、その次のページは、一億円の献金をお母さんが支払うことになって、今裁判になっている中野容子さんのケースもございます。
これは挙げたら切りがないんですけれども、その後が、三ページ、四ページ、五ページ、六ページ、七ページと、数が継続的に大きくて、お金だけの問題じゃなくて、それによって子供が進学を断念するだけじゃなくて、家庭が崩壊する、残念ながら自ら命を絶たれてしまう御家族もいると。これは余りにもということで、今回、解散命令請求を、永岡大臣の下、請求を文科省もされたわけであります。
それと、八ページにもありますように、多くは語りませんけれども、二世の方の被害も甚大でありまして、私も約三十人の二世の方と直接会ってお話を聞きましたけれども、くず米を食べる、栄養失調だと言われる、恋愛は禁止。ある二世の方は、彼氏ができたと言ったら、お母さんから包丁を出されて別れなさいと言われたと。それはちょっときついですよね、さすがに。それで、親に助けを求めるとサタンだと頬をぶたれた。そして、親は献金して、年金保険料も払っていないから無年金。その老後の面倒はもちろん見ないと駄目だ。奨学金を借りて、実はその奨学金も、子供のために借りたことになっているけれども、親は献金をしてしまう、借金だけが子供に残る。もう余り言いませんけれども、こういうケースが多過ぎるんですね。
そういう中で、不当寄附勧誘防止法、これは消費者庁さんが本当に御努力していただいて閣法で出していただいて、私も大変感謝をしております。この六月で全面施行二年になります。
二年後の見直しの検討に際して、ちょっと質問通告をしたとおり質問させていただきますが、全面施行二年となる今年六月頃には、統一教会対策弁護団や統一教会の被害者の方々と消費者庁担当者が会ってヒアリングや意見聴取をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○伊東国務大臣 山井先生のこれまでのお取組に敬意を表する次第でございます。
この不当寄附勧誘防止法の規定につきましては、法附則第五条に基づきまして、法律施行後二年を目途として、それまでの施行状況及び経済社会情勢の変化を勘案しつつ、所要の検討を加えることとなっております。
この規定検討に当たりましては、参議院の附帯決議におきまして、「不当な勧誘行為による被害者、被害対策に携わる弁護士等関係者を含む多様な者の意見を聴取しつつ、検討を進める」旨定められているところであります。
不当寄附勧誘防止法の法案審議、これの前に、岸田総理が、委員御指摘の被害者の方々にお会いしまして意見を聞かれたと伺っております。また、法成立後も、御党の旧統一教会被害対策本部等にて消費者庁職員も被害者の方々のお声を伺う機会をいただいてきた、このように聞いているところであります。
規定検討におきましては、附帯決議の内容等も十分に踏まえ、消費者庁におきまして、法の施行後二年を目途に、不当な勧誘行為による被害者、被害対策に携わる弁護士等関係者からの意見聴取もしっかり行いつつ、適切に対応を進めてまいりたいと考えております。
○山井委員 私たちのヒアリング、合計百十一回やりましたけれども、毎回、消費者庁の担当者の方にお越しいただきまして、約百回、被害者の声を消費者庁の方も聞いていただいて、今回の法律も作っていただきました。そのことには感謝をしております。
そして先週、「統一教会との格闘、二十二年」、鈴木エイトさんの本が出ましたけれども、やはり統一教会の問題点については、この本、一番リアルに書かれておりますので、後ほど大臣にお渡ししますので、もし、できたら読んでいただければと思います。
それで、今回、今おっしゃったように、見直しの際には、是非、弁護団だけではなくて被害者にも担当者は会っていただいて、よりよい見直しにしていただければと思いますが、もう一つ、一昨年末に、被害者救済特例法というのを超党派、議員立法で成立をさせました。これは法務省の担当になるわけですけれども、このときも本当に自民党、公明党、野党を始め超党派で議論をして、私も実務者ですけれども、法律を成立させました。
それで、それについて、弁護団の方々が今、修正の要望をされているんですね。その質問を法務省に対して次に行いたいと思います。
今日の配付資料の二十一ページ、ワンストップ電話相談、法テラス、霊感商法等でお悩みの方のために、今週土曜日、あさってもございます。
つまり、解散命令が確定したら、どっと多くの方々が、清算人が入った上で損害の賠償金を払ってもらえる可能性が高まるわけですから、それは多くの方が相談に来られると思うんです。
ところが、この被害者救済特例法は、議員立法ですけれども、一応、その中では、解散命令が確定するまでは法テラスでの法律相談支援をしますよということになっているんですね。これは、当時として、私たちも議員立法で作りましたけれども、永遠になると相談が遅くなるということで、一つの歯止めをしていたんですけれども、早ければここ半年以内ぐらいにそういう解散命令が出るかもしれない、確定するかもしれないという状況においては、今、弁護団の方々が、配付資料にありますように、その延長をしてもらえないかと、配付資料の二十ページ下ですね。
つまり、解散命令が確定して清算手続に入ってからも被害者が弁護士の援助を受けられるように、議員立法ですけれども、議員立法を超党派で、委員長提案で延長してほしいと。これは割と、反対する人は多分おられないんじゃないかと思うんですけれども。今のところ、法テラスのそういう相談の優遇を受けられるのが解散命令が出るまでだけれども、普通に考えて、解散命令が出たら、ああ、自分も被害を訴えようという人が出るに決まっていますよね。
ところが、そのときには法テラスの支援の優遇が受けられないということなので、これは、各政党、賛成できるんじゃないかと思うんですけれども、このことを、私も、自民党さんを始めとして、超党派、委員長提案でこういうのを今国会で延長できればと思っております。
これは議員立法の話ですけれども、あえて、法テラスの延長ということについて、担当の法務省からも見解を求めたいと思います。よろしくお願いします。
○松井政府参考人 お答え申し上げます。
特定不法行為等被害者特例法による援助実績は、令和七年二月二十八日時点の速報値で、法律相談援助が合計四十二件、代理援助が合計三十七件となってございます。
国会の議員立法に関する活動について申し上げる立場にはございませんけれども、この議員立法として成立した特定不法行為等被害者特例法では、解散命令確定までに援助を申し込んだ方を対象に、法テラスによる資力を問わない法律援助を行うこととされております。これは、当時、国会で法人の財産保全が課題とされた中、解散命令が確定するまでの間に、被害者の方が迅速に保全を含む救済のための民事事件手続の準備及び追行ができるようにするため、特例的に資力を問わない法律援助を行うこととされたものと承知をしております。
これに対し、解散命令の確定後においては、清算人が選任されて清算手続が開始され、法人の財産が保全されるとともに、被害者の方が被害に係る債権の申出をすることにより、清算手続内で被害者の方の救済が図られるものと承知をしているところでございます。
○山井委員 これはこれから超党派で議論することになると思いますけれども、はっきり言って単純延長ですからね。これは委員長提案で、言っちゃ悪いけれども、法務委員会になるわけですけれども、さらっと通せればというふうに思っております。
それで、もう質問時間がほとんどありませんので、最後に伊東大臣にお願いをさせていただきたいと思います。
伊東大臣も、今までから統一教会の選挙の支援も受けてこられた、講演もされてきたということです、統一教会の集会で。それで、おつき合いはあって、もちろん伊東大臣がお接しになってこられた方は、何というんですかね、問題のない方々だとは思うんですけれども、残念ながら、今回、政府の判断により解散命令請求まで出て、余りにも被害者が多いということが、東京地裁でも判断が出ている以上、そして今、伊東大臣が、お忙しいと思いますが、万博担当大臣、地方創生大臣とともにこの消費者の担当大臣をやっていただく中で一つお願いがございまして、もし、できれば是非この被害者の方々に一回直接会っていただいて、やはりどういう被害なのかということを担当大臣として、これは近々解散命令も確定する可能性がありますので、できれば、お忙しいとは思いますけれども、お時間を取っていただいて、被害者の方々に会って、岸田総理も会われたわけですので、会っていただけないかなというのが私の最後の質問のお願いなんですけれども、伊東大臣、いかがでしょうか。
○伊東国務大臣 私も、資料にあるとおり、かつて、講演をしたことがあったり、あるいは行事に一度だけ参加させていただいたことがあったりしたところでありまして、被害者の方々からの直接のお訴えやあるいは実情をお聞きする機会が正直なかったのは事実であります。その後の報道等によってそうした事実があったということを知り、そして今日、それが余りにもひどいということから、解散命令を受けるような形になったかと思います。
被害状況につきましては、これは大小様々、金額の多寡を含めてあろうかと思うところでありまして、正直な話、ちょっと所管が違うものでありますから、被害者の方々の声をお聞きして、我々に何ができるかという話になろうかと思いますので、検討させていただきたいと思う次第であります。
○山井委員 不当寄附勧誘防止法の担当大臣は伊東大臣でありますので、もし可能であれば会っていただきたいと思いました。
ありがとうございました。
○浦野委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 立憲民主党の大西健介です。よろしくお願いします。
政府は先日、第五期の消費者基本計画を閣議決定しましたけれども、その中にはパラダイムシフトという言葉が出てくるんですね。パラダイムシフトというのを辞書で引くと、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的に若しくは劇的に変化すること、こう書かれているんですね。つまり、デジタル化や高齢化等によって社会情勢が大きく変化をする中で、今までの延長で対応していたのでは駄目だということだというふうに思うんです。
私は、この認識や基本的な施策の方向性というのには全面的に賛同します。問題は、言っていることとやっていることがちょっと違うんじゃないのということなんですね。
その最たるものは、この基本計画の第三章にも地方消費者行政予算の拡充の促進と国の支援の充実ということが明確に書かれているんですけれども、その実が伴っていないと思うんです。そこには、地方消費者行政強化交付金の推進事業の活用期限が到来する中、身近な相談窓口の充実などこれまでの地方公共団体の努力によって築き上げられてきた行政サービスの水準が低下することがないように適切な対策を講ずるということも書かれています。
ただ、実際にはどうかというと、現場では全く真逆のことが起きています。相談員を削減せざるを得ない、相談日を減らす、土日相談をやめるなど、交付金が切れれば相談体制が維持できないという深刻な声が全国から寄せられています。
消費者庁は、まず、この交付金推進事業が終了する全ての自治体に対して、相談体制の後退などの影響がないのかについてアンケート調査、悉皆調査をして、その結果を私は本委員会に報告していただきたいと思いますけれども、伊東大臣、いかがですか。
○伊東国務大臣 大西委員の御質問にお答えいたします。
これまでの地方消費者行政強化交付金事業につきましては、確かに期限を迎えるところでありますけれども、その果たしてきた役割というのは、極めて地方にとっても、あるいは日本の国にとっても大きなものがある、このように認識をいたしているところであります。
私も、徳島のセンターで相談員の方々の生の声を聞かせていただいたところでありますけれども、消費者庁ではこれまで、全国の地方公共団体、これは地方公共団体が基本的には責任を持って運営するものでありますから、現場の実情やあるいは御意見を伺い、実態把握に努めてきたところであります。その結果として、相談窓口を維持できるか、消費者教育や啓発を続けられるかなどの切実な声を相談員の皆様を始め関係者からお聞きしているところであります。
また、現時点では、令和七年度末に約四百九十団体、令和八年度末に約二十団体、令和九年度末に百六十団体が活用期限を迎える見込みとなっております。
たくさんの声をこのように私自身も含めて聞いているところでありますけれども、アンケート等についてはまだ取っていないところでありますので、皆様の声をしっかり伺いたいと思います。
○大西(健)委員 いっぱい聞いていると言うんだったら、じゃ、それを具体的に整理して委員会に提出してください。それができないんだったら、もう一回ちゃんとアンケート調査を取ってください。
例えば、日本消費経済新聞なんかは、全部の該当自治体に片っ端から電話して、もし切れたらどうなりますか、相談日を減らしますか、相談員が減りますかと、その影響を聞き取っているんですよ。
だから、じゃ、いっぱい意見は聞いていますと言うんだったら、それを整理して委員会に出すか、あるいは、ちゃんともう一回アンケート調査をするか、これを検討していただきたいと思いますけれども、参考人からで結構ですので、答弁してください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
消費者庁では、昨年八月以降、三十一都道府県、六十を超える自治体の皆様を訪問させていただきまして、現場の実情や御意見を伺わさせていただいております。
また、毎年度、消費者庁では、全国……(大西(健)委員「出してください、整理して」と呼ぶ)そこにつきましては、委員御指摘の悉皆調査は、活用、迎える自治体につきまして、更なる実情把握を進める中で検討してまいりたいというふうに考えております。
○大西(健)委員 委員長、是非理事会で協議していただきたいと思いますけれども、これは、ちゃんと聞いていると言うんだったら、その具体的な声を整理して委員会に提出することを是非理事会で協議していただきたいと思います。
○浦野委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
○大西(健)委員 伊東大臣も、インタビューで、これまでの成果が後戻りすることは決してあってはならない、国の財政支援の在り方についても検討するということを言われていますけれども、これは口だけじゃなくて実際に行動していただきたいと思うんです。
具体的に提案をしたいと思いますけれども、六月の骨太方針の中に、人件費にも活用可能な、現場が使いやすい、臨時的な期限があるものじゃなくて恒久的な財政措置の導入を書き込むように、伊東大臣から是非強くプッシュしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○伊東国務大臣 先般閣議決定をいたしました消費者基本計画、これによりますと、人件費にも活用可能である地方消費者行政強化交付金、この交付金につきましては、推進事業の活用期限の到来に対して、これまで地方公共団体の努力によって築き上げられた行政サービスの水準が低下することのないよう適切な対策を講ずる、また、今後の地方消費者行政を取り巻く大きな課題に対し、地域の実情に応じて適切に対応できるよう、支援の在り方についても見直しを行っていく、これは閣議決定であります。
また、消費者政策会議におきまして、石破総理から、全国八百五十八か所の消費生活センターの体制の充実等の取組を強化するよう指示があったところであります。
これらを踏まえまして、今後の地方消費者行政の維持、充実のため、必要な支援策について、骨太の方針に向けてしっかり検討してまいりたいと思います。
○大西(健)委員 まさに、基本計画に書いてあることは私たちもいいことだと思うんですよ。でも、それを一歩進めて、やはり、骨太の方針に書いて、ちゃんと財源を取っていくということが必要だと思います。
財務省は自治事務だから自主財源でやれと言うんですけれども、地方支分局を持っていない消費者庁は、相談員が聞き取ったその情報をPIO―NETで吸い上げて消費者行政の企画立案に生かしているということでは、これはやはり必要なんですよ。
ですから、大臣、是非、財務省と本気で戦って、財政措置をかち取ってください。我々は応援します。先ほど勝俣委員もそれから今枝委員も同じことを言っているんですから、これは与野党一致しているんですから、この委員会で決議するぐらいのことがあっても私はいいんじゃないかと思います。
次に、消費者基本計画ではデジタル技術の飛躍への対応が強調されていますけれども、ここでも言っていることとやっていることがちょっと違うんじゃないかと思うんですね。
例えば、消費者庁は、デジタル社会における消費取引研究会を昨年六月から開催し、これまで六回やっています。消費者庁長官は、開催の趣旨について、いつまでに何をやる、何のための、法律改正をするための、いわゆる道筋のある研究会ではないという発言をしているんですね。デジタル取引で被害が多発しているのに、法改正を前提にしないというそんな悠長な姿勢で本当にいいんでしょうか。
また、委員には、弁護士だとか消費生活相談員など消費者被害の実態を知っている委員が含まれていないというのも私はおかしいと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
○伊東国務大臣 お答えいたします。
AIを始めといたしましたデジタル技術の急速な発展につきましては、消費者取引環境を大きく変化させておりまして、これまでの後追い規制的な手法による対処策では限界があると考えております。
こうした状況を踏まえ、デジタル社会において消費者が不当な損害を受けることのないよう、また取引が公正なものとなるよう、消費者庁におきまして、デジタル社会における消費取引研究会を開催し、適切に対応を講じていくための考え方の基軸の研究を行っているものであります。
このため、デジタル技術、経済学、法曹関係者、消費者関連団体など、デジタル技術や消費者の意思決定に影響を与える分野の専門家及び実務家にバランスよく御参画いただいているとともに、消費者団体からの御意見もよく聞いて進めるところであります。
以上であります。
○大西(健)委員 さっき言ったように、私は、消費者基本計画は全面的にいいと思うんですよ。ただ、デジタル化、高齢化で社会情勢が大きく変化しているんだから、パラダイムシフトだとまで言っているんだったら、やはり法改正をやらなきゃいけないですよ。
早急に特商法の改正を行うべきだと思いますけれども、平成二十八年改正の附則第六条には五年後の見直しというのが書かれていますけれども、もうそろそろ改正に向けた検討の場を設けるべきだというふうに思います。この検討の場を設けることをお約束していただけませんか。大臣、いかがですか。
○伊東国務大臣 おっしゃられている、特商法、取引法につきましては、直近で令和三年に改正したところでありますから、まだ二年ぐらいしかたっていないところであります。
まずは、令和四年六月に施行された改正特定商取引法に基づき、違反事業者に対しまして厳正に法を執行していく。同時に、事業者に対する法令遵守、消費者に対する注意喚起等の周知啓発活動をより積極的に進め、消費者被害の防止に全力を尽くしていくところであります。
なお、各種規制は常に不断に見直しを行うものであり、今後も引き続き、消費者被害の状況、特定商取引法の施行状況の全体を注視してまいりたいと思います。
○大西(健)委員 三年前の改正は本当に軽微な改正であって、二十八年改正からの五年間でやはりデジタル化、高齢化というのは急速に進展しているので、私は、特商法改正に向けて今からちゃんと検討の場を設けるべきだと思います。
時間が限られているので次に行きたいと思いますけれども、我が党の尾辻委員だとかあるいは有志の会の緒方委員が、成田空港株式会社保有の土地を対象とした投資商品などを例に、不動産特定共同事業法がポンジ・スキームに悪用される可能性について、ほかの委員会で質問しています。
過去の中小事業者の参入規制を緩和する法改正の際には、消費者委員会が、問題のある事業者の参入を防ぐために、登録、更新時はもとより、それ以外の時期についても継続的に運用実態の把握に努めることや、同制度を悪用した投資詐欺等の消費者被害を防止すべく、消費者に対する注意喚起等、適切な対応を行うことという意見を付しています。
また、日弁連も同じように、この法改正のときに、不動産特定事業契約は一般の投資家にとって投資案件としては難易度が相当程度高いとして、参入規制の緩和により悪質業者の参入が強く懸念される、こういう意見書を提出しているんですね。
現状はまさに懸念していたとおりになっているというふうに思います。
消費者庁は、不動産特定共同事業法を悪用した消費者被害の状況というのをどのように認識しているのか、お答えいただきたいと思います。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
全国の消費生活センター等に寄せられた相談のうち、登録された相談内容に不動産特定共同事業の文言がある相談は、二〇一五年度から二〇二四年度までで六十一件あります。主な相談事例としては、不動産特定共同事業の契約をしたが事業者が行政処分を受けたので解約したい、不動産特定共同事業の契約をしたが償還されず不安、不動産特定共同事業への投資を考えているが信用できる事業者が知りたいなどの相談が寄せられております。
不動産特定共同事業には限定されませんが、一般論としては、投資や副業といったもうけ話に関する消費者トラブルが様々発生しているところでございます。そのため、消費者庁及び国民生活センターでは、もうけ話を勧められたらまず疑うこと、不安に思ったら消費生活センター等に相談することなどの注意喚起を実施してきたところでございます。
引き続き、注意喚起等を実施してまいりたいと思っております。
○大西(健)委員 そんな甘い認識で大丈夫なのかなと思いますけれども。こういう手のやつというのは、配当が回っている間は来ないんですよ、相談は。でも、一旦回らなくなるとどっと来ますから。それで、破綻したらもう大変な消費者被害になるので、もっと深刻に受け止めていただきたいと思います。
先日、国土交通省は、一般投資家の参加拡大を踏まえた不動産特定共同事業のあり方についての検討会の設置を発表しました。
本日は国交省にも来ていただいているんですけれども、この検討会の設置というのは、先ほど私が申し上げたような、この不特法を悪用した消費者被害が広がっているということを踏まえたものなのか、また、現状の規制は、消費者委員会が指摘していたように、登録、更新以外の時期にも継続的な運用実態の把握が適切に行われていると考えているのかどうかについて御答弁をいただきたいと思います。
○堤政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の検討会につきましては、令和五年度末時点のデータで、不動産特定共同事業に参加する投資家のうち約三分の二が不動産クラウドファンディング経由となっているなど、従前に比べて不動産特定共同事業に参加する一般投資家が増加している状況を踏まえて設置することとしたものでございます。本検討会においては、一般投資家向けの情報開示の充実等について検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、指導監督についてでございますが、不動産特定共同事業法は、広告時における誇大広告の規制のほか、契約締結時や運用開始後における投資家への情報提供義務などの仕組みを備えており、これらの規制を守っていない場合には指導監督の対象となります。
この指導監督につきましては、それぞれの監督行政庁において適切に進められているものと承知していますが、一方で、不動産特定共同事業の市場規模は令和五年度末で約一・三兆円に及ぶなど、年々拡大してきているところです。これに伴い、商品の内容も様々に及んでおり、その内容いかんによっては、より注意を払いながら監督に当たるべきものもあると承知しております。
制度を所管する国土交通省としては、金融庁とともに、監督上の留意事項を逐次改定し周知を図ってまいりましたが、国が監督権者になる場合はもとより、都道府県が監督を行う場合についても、個別に技術的助言を発出したり、国から能動的に情報提供や助言を行うなどの対応を積極的に行い、不動産特定共同事業の監督が適切に行われるよう努めているところでございます。
○大西(健)委員 今さっきの消費者庁の答弁も今の国土交通省の答弁も、全く、現状の消費者被害が拡大していることについての認識が甘過ぎると思うんですね。
三月十九日の国土交通委員会で、尾辻委員の質問に対して中野国土交通大臣が、「不動産特定共同事業の商品というのは、あくまで投資商品でありますので、自己責任が原則ということになろうかと思います。」と答弁しているんですけれども、もちろん投資は自己責任ですよ。でも、今言ったように、私は、法律の改正時に、消費者委員会も日弁連も、これは悪質業者が入ってくるおそれがありますよと警告していた、そのとおりになっているじゃないですか。
そういう意味では、今、適切に監督しますとか言って、できていないんですよ、監督が。できていないから被害が広がっているんでしょう。法律も不備だから、今回、検討会をつくって改正するんじゃないんですか。それをちゃんと認めないと。自己責任なんか言って大被害が起きたら、どう責任を取るんですか。ちゃんと検討会でやるということは、この今の法律が不備である、それから、やはり今の監督の状況がうまくいっていないということだと思いますので、これはもっと本当に深刻に受け止めてやってください。そうじゃないと、被害が出てからでは遅いです。
そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
○浦野委員長 次に、松田功君。
○松田委員 今日、消費者の皆さんでお誕生日を迎えられた皆さん、おめでとうございます。立憲民主党、松田功です。
質問に入らせていただきます。よろしくお願いします。
今や、年代を問わず、インターネットでSNSの利用は日常的なものとなっております。二〇二三年において、携帯電話やスマートフォンなどモバイル端末の保有率は八六・二%、六十五歳以上の約六〇%がSNSを利用しているとされております。
このような中で、令和六年度版消費者白書によれば、二〇二三年度におけるSNS関係の消費者相談は約八万件で、五年前の四・三倍にも急増をいたしております。その相談件数を年代層別に見ると、五十歳代が約二万件で最も多いほか、二十歳代から六十歳代までの方でいずれも一万件前後となっております。世代を問わず相談が寄せられているという状態であります。デジタル社会において、誰もが消費者トラブルに遭遇する可能性があるということであります。
そこで、昨今の新聞報道や国民生活センターの注意喚起を見ても、SNSをきっかけとして、仮想通貨またFXの詐欺的投資取引や詐欺的な定期購入など、悪質な勧誘や詐欺的トラブルが後を絶ちません。
伊東大臣にお尋ねをします。
スマートフォンなどを利用してネット通販サイトから何か購入されたり、また、定期購入トラブルなど、そんなはずじゃなかったというようなトラブルに巻き込まれた経験はございますでしょうか。また、経験がございましたら、その際のトラブルに対してどのように対応されたか、お聞かせをいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 松田委員の御質問にお答えいたします。
もう毎日、テレビも新聞もこの種の詐欺的なお話が出ているところでありまして、大変憂慮しているところであります。
私自身は、全く、買物をすることもなければ投資することもないものでありますから、これらのトラブルを見聞きしたこともないということでございますので、よろしくお願いします。
○松田委員 大臣、消費のためにちょっとお買物はしていただいた方がいいかと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、そういった認識である中でありますけれども、こういった問題に対する、今、大臣の中で何か具体的な対応など対応方針を考えられているなら少しお聞かせいただければと思います。
○伊東国務大臣 やはり、被害に遭われている方々は、テレビあるいはネットの甘い言葉にだまされているというか、それでついつい電話をしてしまう、また、プロの話術にひっかかってしまう、そういうことなのかなという、そんな推測をしているところでありますけれども。
消費生活相談件数は、消費者センターの中におきましても増加傾向でありまして、この中に、投資や副業などのもうけ話に関する消費者トラブルも増えているところであります。消費者庁及び国民生活センターでは、SNS上で勧誘を受けた場合、まず疑うこと等を繰り返し注意喚起するとともに、少しでも不安に思ったら、不審に思ったら、消費者ホットライン一八八、この黄色いバッジでありますけれども、一八八に御相談いただくことを呼びかけているところであります。
引き続き、消費者に届く注意喚起、やはり、注意喚起が一番、まずは未然防止の観点から大きい、このように認識しているところであります。
○松田委員 今のお話にもありました国民生活センターでは、全国の消費生活センターから寄せられる相談を基に詐欺的手口を紹介したり、また、安易に取引しないように等の注意喚起をホームページなどで再三にわたって発出しているところでありますけれども、相談件数はなかなか減らないんですね。むしろ、相談は四・三倍も増加をしているというのが今の現状であります。
消費者庁そして国民生活センターの重要な役割として、消費者の立場になってトラブルの未然防止策を講じていく、これまでの注意喚起そして周知啓発の在り方でいいのかどうかというようなことを検証されたことはございますでしょうか。お聞かせください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
まず、国民生活センターからの注意喚起でございますけれども、消費者被害の未然防止、拡大防止のため、相談情報等に基づきまして、二〇二三年度は七十件、二〇二四年度は六十八件の注意喚起を行っております。
国民生活センターまた消費者庁におきまして、消費者被害の未然防止、拡大防止のために引き続き行っていくわけでありますけれども、大事なことは、消費者の方にその注意喚起が届くような形。消費者庁も、また国民生活センターも、様々な手法を駆使しながら、特に今はSNSを利用する方が多くなっておりますものですから、その辺りもきちっと見ながら、効果的な注意喚起の方を進めてまいりたいというふうに考えております。
○松田委員 規則正しいお答え、ありがとうございます。
ただ、四・三倍に増えているので、検証になっていない形になっちゃうから、そういった意味で、しっかりと検証していく。そのためには、本当に、現状をすごく把握していただく中で、スピード感を持ってやっていただかなければいけないということはもう御存じかと思います。
次にちょっと進んでいきます。
先般、第五期消費者基本計画が閣議決定をされました。大臣所信にもありましたとおり、同計画に基づき、消費者取引環境の変化を踏まえ、消費者が信頼できる公正な取引環境の確保などに資する施策をしっかりと推進されるとのことでございました。
同計画の中では、SNSなどトラブル被害のデジタル化に伴う取引環境の課題に対する施策として、特定商取引法の効果的な執行が重要であるとされております。また、通信販売の詐欺的な定期購入商法対策を盛り込んだ令和三年特商法改正の規定の周知や有効活用の推進に努めるとともに、効果をしっかりと見定めていくとされております。
ところが、さきにお話ししたとおり、国民生活センターなどでは、SNS関係トラブルに対して再三にわたり注意喚起を発出しているにもかかわらず、相談件数が減らず、高止まりとなっております。詐欺的な定期購入商法など、ネット通信販売の規制強化を背景に、令和五年九月には消費者庁取引対策課にデジタル班を設置をしましたが、定期購入に関わる行政処分は八件のみであります。
こうした中、令和三年特商法改正は令和四年六月施行から二年半経過しましたが、同改正による効果についてどのように評価、分析をされたのでしょうか。その結果として、第五期の消費者基本計画にあるとおり、今後も引き続き、令和三年特商法改正後の規定の周知や効果を見定めていくだけの対応方針にされたということなのでしょうか。これで、SNSなどの消費者被害や悪質な詐欺的な定期購入被害への防止策になるとお考えなのでしょうか。大臣にお尋ねをいたします。
○伊東国務大臣 令和三年度の特商法改正では、インターネット上での詐欺的な定期購入商法対策として、特に我々も極めて重要だと思っているのは、最終確認画面、物を購入しようと思って、パソコン上の画面でありますけれども、この最終画面をしっかりと記憶させる、保持する、保全するということが何よりも最後の証拠を握るという観点から重要であろうと思います。商品購入時の最終確認画面のスクリーンショット保存の呼びかけ等を、まずはチラシ等を含めて作成し、広く周知を図ってまいりたい、このように思うところであります。
また、先ほどから交付金のお話も出ておりますけれども、これまで携わっていただいた多くの相談員の皆様方、経験が半年、一年ではなかなか気がつかない、見えないところが、長い人でこれを四年、五年やりますと、様々な対応ができるようになろうかと思います。こうした消費者の側に立った行政というのが必要であろう、このように思う次第であります。
現場での声を更にしっかりお伺いしながら対応してまいりたいと思う次第であります。
○松田委員 今もお話をしていただきましたけれども、地方のことについて少しだけお話を聞かせていただきたいと思います。
消費者庁は、全国に地方支部局を持っておりません。ですので、消費者庁取引対策課に設置されたデジタル班は九人で構成をされていますが、このマンパワーで、取引環境のデジタル化がすごく進展する中、全国で発生をする悪質事業者に対して厳正な執行などができるとは思えないですね。ここに、地方公共団体による地方消費者行政の役割が極めて重要かつ不可欠だと考えているところであります。
SNS関係の相談は約八万件と言いましたが、これは、全国の消費生活センター、相談窓口の相談員が消費者トラブルの相談を受け付け、被害解決に導く助言、事業者とのあっせんを行うとともに、PIO―NETへ情報入力をして、その情報によって、消費者庁など国は消費者問題の実情が把握ができるということにつながっているわけであります。まさに、先ほどからもお話もありますが、消費生活センターや相談窓口は私たちの消費者の暮らしの安全、安心に欠かせない存在であるわけであります。
そこで、相談業務を行う消費生活センターの相談員は、相談を通じて消費者被害を防いでいる重要な役割を担っている中、先ほどからもお話ありましたが、消費者相談体制を支援をしてきた消費者行政強化交付金が令和七年度で打切りという問題に直面しております。
そういった状況の中で、第五期の消費者基本計画では、地方消費者行政強化交付金については、デジタル化の今後の地方消費者行政を取り巻く大きな課題に、地域の実情に適切に対応できるように、支援の在り方について見直しを行っていくと明確に明示をされております。
先ほどからもお話ありました、声を伺う、声を伺うということもありますけれども、地域、地方は、財政力が厳しいところは本当に難しい中で運営をしていくということもありますので、是非、具体的にどのような財政支援策を講じていくか、改めて伊東大臣にお伺いをさせていただきます。
○伊東国務大臣 先ほどからお話し申し上げましたように、これは閣議決定をいたしました消費者基本計画の中でも、地方公共団体の努力によって磨き上げられてきた行政サービスでありまして、この水準が低下することのないよう適切な対策を講ずる、こう言っておりますし、この事業に反対するあるいは異議を唱えるような人はまだ聞いておりませんので……(発言する者あり)財務省は、役所の話は別といたしまして、みんながこの必要性を認めているところでありますので、その声をしっかり受けて頑張りたいと思います。
○松田委員 それでは、次に進みたいと思います。
第五期消費者基本計画は、消費者基本法の第九条に基づき、令和七年度から五年間における消費者施策を計画的に推進できるように策定をされました。消費者行政の基盤から成る大綱であります。この消費者基本計画は、五年ごとに社会情勢や消費者問題を踏まえて見直しが行われます。
その中で、今回閣議決定された消費者基本計画は、SNSトラブル被害対策に対して、警察などの関係機関の連携とか、特商法などの効果的な執行、法規定の周知などを示されておりますが、現に起きている待ったなしの課題に対して実効性のある法制度の整備の方針もない上に、消費者庁がいかに迅速かつ効果的に関係機関との連携を図るのか、法執行体制の強化をどのように実現をするのか、その対応の在り方が示されていないように思います。何より、消費者庁は、消費者行政の司令塔、エンジン役として、新しい課題、横断的な課題に対応するために何をするのか、そしてどのように施策を進めていくのか、関係機関といかに的確に連携を図るように先導していくのかが一向に見えないのであります。
第四次基本計画では、消費者庁は各府省庁の縦割りを超えた分野横断的な法令の整備を推進してきたことや、消費者庁が消費者行政の司令塔として各府省庁と連携して施策を推進しているとした上で、「第四章 政策推進のための行政基盤の整備」としてわざわざ章を立てて消費者庁の司令塔機能の重要性を明確に示されましたが、これに比べると、今回、第五期消費者基本計画は、創設時の消費者庁の存在意義が大きく弱く感じられます。
デジタル化の進展による社会変化にスピード感を持って対応していかなければならないところ、SNS関係のトラブル被害という現に発生している被害に対して、消費者庁が司令塔となって関係機関に示していかなければならないと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○伊東国務大臣 先生、冒頭からお話しのとおり、近年のデジタル技術の進展は想像以上のものがあるわけでございます。デジタル技術の進展に伴いまして、SNS等をきっかけとする消費者トラブルが一層複雑化、巧妙化しているのも事実でございます。
こうした変化のスピードに立ち遅れることなく消費者被害を未然に防止するためには、特殊詐欺やあるいはSNS投資詐欺等への対策、これにしっかり取り組む関係省庁と連携し、国民への広報啓発を始めとする対策を迅速に行うことが重要であります。
先般、消費生活におけるデジタル技術の浸透なども踏まえまして、政府全体の消費者行政の取組を示す消費者基本計画を、消費者政策会議を開催の上、閣議決定したところであります。
今後も、消費者庁が消費者行政の司令塔として関係府省庁と調整機能を果たすとともに、消費者にとって身近な頼りになる存在として機能するよう努めてまいります。
○松田委員 ありがとうございます。
最後に、時間がなくなりましたので、万博の前売り券が視覚障害者の方が購入できないという事案があります。トラブルだけでなく、視覚障害者も消費者の一人でありますので、そういう方がせっかくの万博が購入できない、画面とかということがありますので、是非そのことも、大臣、よく考えて進めていただければと思います。
ありがとうございました。
○浦野委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○浦野委員長 速記を起こしてください。
次に、梅村聡君。
○梅村委員 日本維新の会の梅村聡です。
今日は伊東大臣に対する所信の質疑ということで、どうぞよろしくお願いいたします。
実は、先週、夜、NHKの番組を見ていますと、自由診療の闇ということで、美容医療のことが取り上げられておりました。もちろんすばらしい技術が医療として使われている反面、やはり、一定の被害を受けておられる方、こういう方も出てこられているのも事実でありますので、今日はそのことを取り上げたいと思います。
国民生活センターのホームページに掲載されています資料によりますと、レーザー脱毛、それから豊胸、脂肪吸引、こういった医師が行ういわゆる美容医療において、販売方法や広告に問題があるもの、あるいは皮膚障害や熱傷などの危害を受けたという相談が寄せられております。
PIO―NETに登録された相談件数で見ましても、二〇二一年が二千七百八十四件、二〇二二年が三千七百九十八件、二〇二三年が六千二百六十四件と、二〇二三年は前年度比六五%増えている、こういう状況になっておりますけれども、まず、消費者庁として、この急激な相談件数の増加はどのように分析をされているのか、お答えをお願いいたします。
○伊東国務大臣 梅村議員の御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、全国の消費生活センター等に寄せられました相談のうち、美容医療に関する相談件数は近年増加しているものと認識しております。
相談件数増加の原因につきまして、確定的なことを申し上げることはなかなか難しいわけでありますけれども、美容医療に対する需要の高まり、また市場拡大によるものであることや、近年、美容医療サービスの倒産等が相次いでおり、サービスも受けられず返金も受けられないという事例が生じていることなどが相談件数の増加の一因と考えているところであります。
○梅村委員 ですので、まず市場そのものが大きくなってきているということ、これが一つ大きな課題としてあるのと、そしてもう一つは、名称がクリニックとなっていますから、これは日本の国民からすれば、クリニックだったらしっかりしているだろうと思っていたのが実はそうじゃなかったという、いろいろな要因がこの中に含まれていると思います。
今日、例えば、全身脱毛十万円という広告でクリニックに行ったら、実はあなたの場合は七十万円ですよと言われて契約を迫られるという、いわゆる広告、契約方法の問題、これがまず一つあります。そしてもう一つは、目とか鼻とか口を整形手術をしても後遺症が残って元に戻らないという、いわゆる医療技術上の問題、大きく分けて二つあると思います。
まず、前者の方からお聞きしていきますけれども、前者は、クリニックに広告を見て行った、ところが、あなたの場合はこの広告に載っている施術ではよくなりません、こっちの高い方のコースじゃなければ直りません、こういうことをクリニックの個室で、一回家へ帰って考えますと言っても、いや、今日帰ったらもうこの値段とこの施術はできないんだよというふうに、個室の中で長時間にわたって強引な勧誘を受けること、こういうことが実は報告をされています。
これは、消費者契約法第四条三項二号、退去妨害にまずこういったことは当たる可能性があるのか、お聞きしたいと思います。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
消費者契約法は、消費者の利益を守るため、消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消し等を規定しております。消費者契約法第四条第三項第二号は、いわゆる退去妨害についての取消権を定めております。
例えば、美容医療クリニックにおいて御質問のような勧誘を受け、消費者が退去する意思を示したにもかかわらず退去させず、消費者が困惑して申込みに至った契約については、当該行為が本条で定める要件に該当すれば、消費者の意思に基づき取り消すことができる可能性があります。ただし、消費者契約法は民事ルールであるため、最終的には個別の事案に応じて裁判所で判断されることになります。
○梅村委員 ですから、退去妨害になる可能性はある、ですけれども、民事だからそれぞれの当事者同士で裁判なりなんなりしてくださいということでありますけれども。
実は、このNHK特集の番組の中でも出てきたんですけれども、クリニックにはいわゆるカウンセラーという方がおられるんですね。つまり、最初、診察室に入ると、一般的な医療機関ですと、ドクターがおられたり看護師がおられたり、そして、今日はどうされましたか、今日はこういうことで診察に来ましたとなるのが普通なんですが、いわゆる美容医療クリニックでは、カウンセラーと言われる、看護師さんがやっている場合もあるかもしれませんし、多くは無資格者、医療の免許を持っておられない方がそこに座っておられる。その方が、いわゆる治療の内容、それから副反応、リスクの説明、さらには治療方法の選択、こういったことをカウンセラーの方が行って、そして、あなたはこの契約をしませんかと。ちょっとしたらお医者さんが入ってきて、何か話合いが終わりましたかみたいな形で入ってこられる。
まず、これは厚労省にお聞きをしたいんですけれども、こういった今申し上げたようなことをカウンセラーが行っていること、これは診療行為に当たるんじゃないかなと私は感じます。もし自分のクリニックでそういうことをやっていたら、これは危ないんじゃないかと。こういったことは実は診療に当たるのかどうか、あるいは医師法違反に該当する可能性があるのかどうか、これを教えていただきたいと思います。
○森政府参考人 委員御指摘の、いわゆる無資格者のカウンセラーに関してでございます。
無資格者であるにもかかわらず実質的に治療内容の決定を行っているような場合については、こういう問題について、厚労省が昨年六月より開催いたしました美容医療の適切な実施に関する検討会においても幾つか指摘されたところでございます。
この点につきまして、医師法十七条では、医師でなければ、医業をしてはならないという規定がございます。医師法において診断行為は医師が行うことというふうにされておりますので、仮にこうしたことを無資格者が行った場合は医師法十七条違反になるものと考えております。
○梅村委員 ですから、現実的には医師法違反のおそれがあることがちまたでは行われているということになると思います。
このNHKの番組の中でも、広告を見て、鼻の形を直したい、切らずに直せると書いてあったのでそこのクリニックに行った、そうすると、カウンセラーの方から、あなたの鼻は切らずには直せません、切開をしないと直せませんと。これは占いだったらいいんですけれどもね。現実に切らないと直りませんと言われて、だから切る治療を契約しなさいと。
これは、カウンセリングと称していますけれども、現実には診察、そして診察を含んだ診療という行為に私は当たるのではないかと考えておりますので、この辺りは整備をしないと、消費者センターにどんどん相談が来ても、いや、整備がされていないんだからどんどんそういう不法行為が行われているよということを、これは厚労省の中でもしっかり考え方をまとめていただきたいなというふうに思います。
無資格者の方が仮に医師法違反に当たらなかったとしても、これは何が問題かといいますと、医師や看護師が診察をした場合は、必ず、これは自由診療であったとしても、診療録というのを書かなければなりません。これはいわゆるカルテというものですけれども、診療すれば、医師は遅滞なくその内容をカルテに記載しなければならない、こう法律には定められておるんですが、カウンセラーの方が何を言ったのか、診断したらよくないんですけれども何を診断したのか、何を決断したのか、これは、いわゆる診療録は医師以外は書きませんから、全く証拠が何も残っていないんですね。
だから、先ほどの退去妨害の話も、多分これは裁判所に持っていっても、何の証拠もないままで、クリニック側は、いや、そんな強制はしていませんよと言ったら、これはもう水かけ論になるんです。
ですから、もちろん医師でなければやってはいけないんですけれども、いわゆる診療以外のカウンセリングに関しても、これは、できれば、そのやり取りを録音のようなもので記録に残す、そして一定期間それを医療機関で保持をしておかなければいけない、こういった規制を私はつくるべきではないかなと考えておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
○森政府参考人 いわゆる診療録以外の事項について記録を残すべきかどうかという議論でございます。
先ほど申し上げました検討会の報告書、昨年十一月に出させていただきましたけれども、そこにおいても、美容医療の契約締結において、いわゆるカウンセラーが介在し、患者からの要望の聴取や治療メニューの紹介、推奨が行われていることが指摘されまして、具体的な対応策の一つとして、関係学会によるガイドラインの策定というのが挙げられております。
これを踏まえまして、厚労省では、関係学会や関係団体と協力しつつ、ガイドラインの策定に向けた検討を進めているところでございます。この中で、具体的に、カウンセラーを含めて、契約書面に記載すべき内容や、それから説明する内容といった契約締結時における最低限遵守すべきルールについても議論していきたいというふうに考えているところでございます。
○梅村委員 今、書面を義務化するのかどうかの議論があるということですけれども、これだけ電子機器、DXが進んできていますから、紙に言ったか言わないか分からないことを書いていることから、スマホが一個あれば録音はすぐできる、そういう社会になっていますから、書面と電子データが同じ役割をする、そういうふうに是非検討会でも考えていただきたいなというふうに思います。
それで、そういった医師法違反の疑いのある事例があるということなんですが、具体例に入っていきたいと思います。
二〇二三年四月に、大阪市内の美容クリニックで顔の脂肪吸引手術を受けた男性患者さんがおられた。この方は、大阪市内で治療を受けたんですけれども、その後、御実家がある九州に帰られた。ところが、脂肪吸引の後の出血が止まらなくて、首の方に血液が浸潤して、そして気道を圧迫して亡くなってしまった。こういう事案が現実的には報道されました。
この治療に当たった男性医師も業務上過失致死の疑いで書類送検をされましたが、その後不起訴になったということではありますけれども、この男性医師は、言い分が、取調べにおいて、要するに、患者さんから今顔がこうなっていますよという写メが、写真がクリニック側に送られてきたんだけれども、現実的にはもう九州に帰っていますから、やれることといったら病院に行ってくださいと言うしかできないと。
ですから、私は、美容医療クリニックの合併症が起こったときの対応、これもやはり、保健所は開設許可を出すわけですから、きちんとやらなければいけないんじゃないかと思っています。
具体的には、まず一つは、クリニックを開業するときに、もし合併症が起こったら、どこの病院とちゃんと連携をしているのか、これはきちんと提携先を決めることを義務づけるべきだと私は思いますし、それから、治療が終わった後も、この人はこういう治療を受けましたと分かる証明書を患者さんに渡して、そして、夜中に急変が起こっても、救急病院に行ってそれを見せれば、救急のドクターは、ああ、こういう治療をしたから今副反応が起きているんだということが分かるような、そういう紹介状の発行の義務づけ、この二つは最低限やるべきだと思いますが、厚労省の見解をお伺いします。
○森政府参考人 合併症等が発生した場合の対応についてでございます。
こちらについても、合併症等が発生した場合にきちんと対応してもらえないといった苦情等が寄せられているという話、私どもも承知しております。
そうした中で、今回の医療法の改正の中で、何かしら起こった場合の相談窓口というのを必ず年一回保健所に報告していただくというルールを定めさせていただきました。併せて、必要なものについては住民に公表して、ちゃんと相談窓口を設置しているかどうかも見ながら、住民に選択していただけるような仕組みにしていきたいというふうに考えております。
あわせて、委員御指摘のように、合併症が起こった場合のいろいろな対応についても、今回、先ほど申し上げたガイドラインの中でどこまで書けるのかも含めて今検討させていただいているところでございますので、併せてその対応を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○梅村委員 これから医療法の法案の中でもこれは議論が出ますので、後ほどまたそれも厚労委員会でやりたいと思いますけれども、こういうことが課題としてあるんだということを指摘しておきたいと思います。
それから、もう一つは治療費の問題です。
美容医療を行って合併症が起こった、じゃ、そのときの合併症の治療の医療費はどうなるのか。これは、ルールとしては、保険証を持っていって、昼間、Aクリニックで治療、自由診療を受けて、その合併症で今日B病院にやってきたんだけれども、保険診療してくださいということができるのかどうか。私は、普通に考えたら、それは同じ疾患で自由診療と保険診療ですから混合診療になると思いますし、そもそも第三者行為による傷病に対して保険を使うということが本当にできるのかどうか。これは何が正しいのか、ちょっと説明をいただきたいと思います。
○森政府参考人 美容の後の合併症への対応の保険診療の適用についてでございます。
医療保険制度におきましては、一連の治療として保険適用外の治療と保険適用の治療を組み合わせて行った場合、安全性、有効性等が確認されていない医療が行われるおそれがあること等から、原則としてこれを混合診療として禁止しているところでございます。
個々の診療行為が保険給付の対象となるかについては個別具体的に判断させていただくことが必要になると考えておりますが、美容医療、やった美容の行為とそれからその合併症に対する治療が一連一体のものとして評価されれば、保険外診療に起因する有害事象に対する診療行為として保険給付というのは認められないものというふうに考えているところでございます。
○梅村委員 ですから、美容医療クリニックには、それをちゃんと患者さんに言っておく必要があるわけですね。ホームページにも書いておかなあかんわけです。自由診療ですから、合併症、副作用の治療も自由診療でやるんですよ、保険は使えないんですよということ、これをちゃんと説明義務があると思いますし、ホームページなんかでもきちんとこれを書いておかないと、国民は誰も分からないわけです。何か安いなと思って行って、合併症が出たら、その治療も全部自由診療で全額自費ですよということになりますから、是非このことも国民に知らせるべきじゃないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
そして、最後に、最近、直美と言われる、私も初めて聞いた言葉で、最初、ナオミと読んで何のことかと言われたんですけれども。直美、いわゆる初期研修が終わったドクターがそのまま……(発言する者あり)そうなんです、直接の直なんです、直接美容医療業界に行かれる。もちろん、これは美容医療業界が悪いわけではなくて、きちんと研修をして確かな技術を持って医療行為をやっていただく、これは非常にいいことだと私は思いますけれども、一部、技術が未熟なドクターの方が施術をして、これが重篤な合併症につながっている、こういう問題があるんです。
今、専門医制度というのがあります。十九の基本的な領域で専門医制度というものがつくられておりますけれども、私は、先ほど大臣がおっしゃられたような美容医療が需要としてここまで広まっているのであれば、やはりこの専門医制度の中に、美容医療、こういったものを位置づけて、そして、きちんとした研修を受けたドクターだけが美容医療専門医という資格を名のることができて掲示をすることができる、こういう制度にもはや変えていくべきだ、もうそういう時期になってきているんじゃないかと思います。そして、その専門医制度をつくればカリキュラムが決まります。こういう技術がなければ専門医になれませんと。
もうそういうことを決めるべき時期に来ているんじゃないかと思いますが、これも見解をお伺いしたいと思います。
○森政府参考人 美容医療を専門医として位置づけるかどうかについてでございますが、現在、日本専門医機構による専門医制度におきましては、専門医の質の一層の向上を目的として、専門家による自律性を、プロフェッショナルオートノミーを基礎として設計されております。
美容医療については、傷病の治療だけではなく患者の要望に基づき提供されるため、医療ニーズが多様である、またそれに応える手法も幅広い選択肢があるという特徴があることから、こうしたものを国が主導して一つの専門領域としてまとめていくかどうかについては慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
一方で、その専門性、専門医としてかどうかではなくて、安全性という観点からは、ガイドライン等を使って、美容医療で携わっていただける医師について、必要な安全性が確保できるような措置若しくは研修といったものを位置づけていくとか、そういったことは検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○梅村委員 十年前だったら今の御答弁でも私はいいと思うんですけれども、やはりこれだけ広がってきている、そして、何よりも国民をやはり守っていかないといけないという観点からいえば、逆にオートノミーが本当に働いているのかなと私は思いますので、こういったことを、今日は幾つか論点を挙げましたけれども、厚労省にお伺いをいたしました。
最後、大臣、今、消費者センターにすごくたくさんの数の相談が増えてきている。その背景には、需要が増えたことに加えて、今申し上げたような、業界の中でまだまだ周知をされていないこと、整備をされていないこと、このことが、全部が悪いわけじゃありません、一部そういうところがあるがためにこういった状況になっているということを、今日、少し質疑の中で知られたかと思いますが、最後に、どういう取組をしていくべきなのか、大臣の所感をお伺いしたいと思います。
○伊東国務大臣 御専門の先生に私から言うのもおかしい話でございますけれども、業界の実態等につきまして理解できたもの、こう思います。
消費者被害が生じていることにつきましては、これは重大な問題だというふうに認識をしているところであります。患者さんから見ると、なかなか医師を選ぶことができない、テレビ、雑誌等の評判だけで選択せざるを得ないような状況にあろうかと思います。
消費者庁としても、被害が生じていることについては重大な問題だと認識しているところでありまして、これまでも、美容医療に関連した注意喚起を行ってきたところでありますが、引き続き、厚生労働省とも連携をしながら、注意喚起等の必要な対応を行ってまいりたいと考えているところであります。
また、トラブルになりましたときは、先ほどもお話し申し上げましたが、一人で悩まずに、消費者ホットライン一八八にお電話いただき、最寄りの消費生活センター等に御相談をいただきたいと思う次第であります。
○梅村委員 全てが悪い美容医療クリニックではありませんので、しっかりやっているところがありながら、一部そういうところがあることにどう対応していくかが必要だと思いますので、引き続きお取組をよろしくお願いいたします。
終わります。ありがとうございました。
○浦野委員長 次に、本村伸子君。
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
今日は、ほかの委員会でも質問がありまして、質問時間など御配慮をいただきまして、皆様、本当にありがとうございます。
消費生活相談員の問題について、まず質問させていただきたいと思います。
消費生活相談員の方々は、仕事は恒常的にあり、そして、全国の相談事例の調査や研究、法改正などを学び続けなければ対応ができない。消費者教育の準備もありますし、研修の参加も求められます。こういうかなりの蓄積がある方々であるにもかかわらず、ほとんどが会計年度任用職員ということで、不安定な採用となっております。
任期の定めのない常勤職員にすることを求める質問を以前も、二〇二二年十一月十五日、この委員会で質問させていただきました。そのときには、河野太郎大臣が、雇い止めというのが解消されつつありまして、任期の回数の更新制限というものが今なくなるように消費者庁としても努力をしているところでございます、委員おっしゃるように、相談員の方々が正規で採用されるのが我々望ましいと思っておりますので、そうしたメッセージは折に触れてしっかり出していきたいと思いますという御答弁をいただきました。
先ほども、一八八、「いやや」の相談窓口にというふうに大臣おっしゃられましたけれども、専門性のある「いやや」、一八八の相談窓口になるためにも、消費生活相談員の方々が専門性を培うという上でも、消費生活相談員の方々が安心して研さんを積むことができる、使い捨てではない、任期の定めのない常勤採用ということにするべきだというふうに思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 本村議員の御質問にお答えしてまいります。
消費生活相談員につきましては、消費者関連法令あるいは制度の専門家であることはもとより、消費者から相談を丁寧に聞き取り、消費者に寄り添って助言、あっせん等を行うなど、消費者行政の専門職であります。こうした能力や経験等は一朝一夕に身につくものではなく、中長期的な視点に立って任用、育成等を行っていくことが重要と考えております。
消費生活相談員の任用につきましては、地方公務員法等に基づき、各地方自治体で検討、実行されているものでありますが、消費者庁といたしましては、こうした相談員の方々の能力や経験等に見合った処遇となることが重要であると考えております。
そのため、これまで様々な機会を通じて地方公共団体に働きかけをするなど行ってきたところであり、引き続き、任用面も含めて、適切な処遇となるよう働きかけてまいりたいと考えております。
○本村委員 それで、深刻なのは、この消費生活相談員の方々が雇い止めが増えているということです。二〇一八年度、二〇二四年度、雇い止めを比較をしてみますと、二〇一八年度、一三・三%雇い止め、二〇二四年度は三四・七%雇い止めということで、急増しております。
消費者の皆様にとっても、たくさんの知識やノウハウがある相談員の方々が雇い止めされてしまうというのは本当に社会的な損失だというふうに思います。このような雇い止め増加を食い止めるための対策が緊急に必要だというふうに思いますけれども、大臣、お答えをいただければと思います。
○伊東国務大臣 私も、相談員の皆さんと何度もお話をさせていただいたり、地域地域の実態をお伺いしているところでございまして、この雇い止めの増加につきましては、本村委員と全く同様の認識を私もしているところであります。経験、そしてまた能力、実績等々を踏まえて今後も仕事を継続していただきたいというふうに思っております。
○本村委員 是非そのための対策をお願いしたいというふうに思います。
今、この消費生活相談員の方々の人件費に充てることができる十分の十の交付金を存続してほしいという要望があふれております。日本中の消費者の皆様のためにも、十分の十の交付金の存続、財政措置の拡充が必要だというふうに考えますけれども、是非、大臣、お答えをいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 消費者庁ではこれまで、地方消費者行政の充実強化を最重要課題の一つと位置づけてきておりまして、交付金等で支援をしっかり行ってきたところであります。この間、地方消費者行政強化交付金等の活用によりまして、市町村の消費生活センターが大幅に増加するなど、身近な相談窓口が充実してきたことは大きな成果と考えております。
本交付金につきましては、先般閣議決定をいたしました消費者基本計画におきまして、「身近な相談窓口の充実などこれまでの地方公共団体の努力によって築き上げられた行政サービスの水準が低下することのないよう適切な対策を講ずる」としているところでございまして、これまで、先ほども言いましたが、徳島県等を私も訪問させていただき、現場の担当職員やあるいは相談員の皆さんと意見交換を行ってきたところであります。さらに、現場で相談業務や見守り業務等に尽力されている方々の御意見をしっかり伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 消費生活相談員の方々が安心して働けるように、国が十分の十出す交付金などの財政措置、来年度以降も是非拡充をしていただきたいと思うんです。ただその額を同じに継続するというだけではなく、拡充が必要だというふうに思います。PIO―NETも新しくなり、そして、消費生活相談に係るデジタル化、機器の導入、人の配置、管理運営費についても是非国が財源を保障するべきだというふうに考えておりますけれども、是非お願いしたいと思います。
続きまして、統一協会に関する被害救済ということで質問させていただきたいと思います。
東京地方裁判所は、統一協会に対して宗教法人法の解散命令の決定を出しました。今後、東京の高等裁判所の争いになるかというふうに思いますけれども、被害者の救済のためにも、財産の散逸というのは絶対に避けなければなりません。
マスメディアでも報道されております、有識者の方々も指摘をされておりますけれども、北海道の宗教法人へ財産が移されるのではないかという懸念の声も出ている中で、今後も被害を訴える方々が出てくるというふうに思います。そういう被害者救済のためにも、更なる立法措置も含めて財産保全をするべきだというふうに思います。清算人の方々が円滑に活動できるように、そして、解散後も被害者の方々が救済が図られるように、援助が受けられるようにということで是非していただきたいというふうに思います。これは文部科学副大臣にもお伺いをしたいと思います。
また、相談体制というのは一層強化が必要だというふうに思いますし、不当寄附勧誘防止法、特定不法行為等被害者特例法、民法の不法行為、特商法、そして消費者契約法などで、被害者救済、被害を防ぐために一層力を注ぐべきだというふうに思いますけれども、法務副大臣、消費者大臣、是非三人の方にお答えをいただきたいというふうに思います。
○野中副大臣 令和五年の特定不法行為等被害者特例法の法案審議におきまして、宗教法人の財産保全を包括的に求めることができる制度とすることは、憲法が保障する宗教的活動を行う自由への影響の観点から慎重な検討が必要といった指摘がなされました。最終的に、包括的に財産保全を求めることまではしないという形で、御党も含めた党の賛成を得て特例法が成立したものと承知をしているところであります。
仮に、旧統一教会が保有財産を減少させていること等が確認でき、財産の隠匿又は散逸のおそれが認められる場合は、特例法に基づき特別指定宗教法人として指定することはできますが、現状において、そのような財産の隠匿又は散逸のおそれを満たすと認められる状況は確認されていないところであります。
したがって、新たな立法の検討を要する状況にあるとは考えておりません。
以上でございます。
○高村副大臣 お答えいたします。
統一教会問題については、関係省庁が連携して被害者等の相談対応、支援を進めているところであり、法務省においては、法テラスの霊感商法等対応ダイヤルによる相談対応、特定不法行為等被害者特例法に基づく資力を問わない被害者への法律援助等の取組を行っているところであります。
また、本年四月五日には、援助のニーズの高まりに備え、法テラスにおいて、霊感商法等でお悩みの方のための電話相談会を開催する予定であります。
法務省としては、引き続き、政府全体の方針を踏まえ、被害者等の支援に最大限取り組んでいきたいと思います。
○伊東国務大臣 旧統一教会問題につきましては、関係省庁が連携して被害者等の相談に対応、支援を進めているところであり、消費者庁におきましても、相談対応に当たる消費生活相談員のスキル向上、研修、SNSを活用した消費生活センター等の周知等の取組を行ってきたものであり、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
また、不当寄附勧誘防止法につきましては、旧統一教会に限らず、あらゆる法人等の不当な寄附勧誘行為を規制するものではありますが、いずれにせよ、法と証拠に基づき、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○浦野委員長 時間が来ていますので。
○本村委員 被害者の救済のために更に力を尽くしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○浦野委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりです。よろしくお願いいたします。
三月十三日、伊東大臣の所信表明の中で、消費生活センターの機能維持強化に向けて適切に支援策を講じてまいりますとありました。本当にそのとおりだと思います。なぜならば、消費者被害は今、複雑で高度になり、悪質化しているからです。消費生活相談の件数、年間九十万件で推移しておりまして、これは一向に減りません。しかも、その被害者の多くが高齢の方であります。
先日、高齢者を狙った特殊詐欺を専門に手がけていらっしゃる弁護士の方にお話を伺いました。そうしますと、検挙されている数というのは本当に氷山の一角で、うまく相談につなげることができていない、そういった事例も多々あると。本当は、そういったことを積み上げていって、掘り起こしていって事例として重ねていく、それが注意喚起につながるので、相談に乗って被害の実態を把握すること、これがまずは最も重要であるというお話でございました。つまり、各地の消費生活センターの相談体制を強くしていくこと、これが巡り巡って被害防止につながるというお話でございます。
しかし、その逆を行っているんじゃないかというような事態があります。先ほど大西筆頭理事からもありました、与野党の各委員からも指摘がありましたけれども、地方消費者行政強化交付金の推進事業が、二〇二五年度末、二六年三月三十一日をもって多くの自治体で終了することでございます。
この交付金は、相談体制の維持強化には欠かせないお金でございます。そして、相談体制の主役となります相談員を支える仕組みでもあります。
この交付金を相談員の人件費にしている自治体が、全国の市区町村のうち二五%あります。すなわち、この交付金が終了してしまうと、財政力の弱い市区町村においては、相談員をそもそも置けなくなってしまいます。そこで、相談員を減らすとか、相談回数を減らすとか、夜間とか日曜相談をやめるとか、最終的には相談窓口廃止ということになってしまいます。消費者被害が複雑化、深刻化、悪質化、高度化している中で、相談体制の拡充がより一層必要だと思うんですけれども、これでは真逆の状況になっていると思っております。
今回、交付金が終了する自治体に対してどういった対応を取られるのか教えてください。
○伊東国務大臣 丹野委員の御質問にお答えいたします。
地方の相談員の重要性、あるいはその窓口等々の重要性は、もうおっしゃられるとおりでありまして、これまでも、我々といたしましても、地方消費者行政の充実強化を最重要課題の一つとして位置づけてきたところでありまして、交付金等で支援を行ってきたところであります。この間、地方消費者行政強化交付金、長ったらしい名前になりますけれども、正式名称はこうでありますけれども、この交付金の活用によりまして、市町村の消費生活センターが大幅に増加するなど、身近な相談窓口が充実してきたことは大きな成果と考えております。
他方、本交付金の推進事業が、御指摘のとおり、来年度に多くの自治体で活用期限を迎えることを受けまして、地方の現場からは、相談窓口を維持できるか、あるいは消費者教育や啓発を続けられるかなど切実な声をいただいているところでございます。
この交付金につきましては、先般閣議決定をいたしました消費者基本計画におきまして、「身近な相談窓口の充実などこれまでの地方公共団体の努力によって築き上げられた行政サービスの水準が低下することのないよう適切な対策を講ずる」とされているところであります。
これまで私も、徳島県等を訪問し、現場の担当職員やあるいは相談員の皆さんと意見交換を行ってまいりました。さらに、現場での相談業務や見守り活動等に尽力されている皆様の御意見をしっかり伺い、検討を進めていきたいと考えております。
○丹野委員 本当に是非交付金をつけてほしいんですけれども、これは交付金が既に終わっている自治体もあるんですね。そういった自治体は独自の財源でやりくりをしておりまして、その相談体制とか規模を縮小するなどして、これまで頑張って乗り切っているわけですね。
今回、交付金が切れてしまう自治体に対して手当てをすることもお願いしたいんですけれども、それだけじゃなくて、既に切れている自治体との公平性ですとか、そもそも、消費者相談体制を全国的に均てん化を図るという意味においても、この支援の在り方自体をゼロベースで考え直した方がいいと思うんですけれども、この見解を、大臣、お願いします。
○伊東国務大臣 同じような答弁になって大変恐縮でございますけれども、この地方消費者行政強化交付金につきましては、先般閣議決定をした消費者基本計画におきまして、「身近な相談窓口の充実などこれまでの地方公共団体の努力によって築き上げられた行政サービスの水準が低下することのないよう適切な対策を講ずる」とされているところであります。また、「今後の地方消費者行政を取り巻く大きな課題に対し、地域の実情に応じて適切に対応できるよう、支援の在り方についても見直しを行っていく。」これはもちろんデジタル対応を始めとすることであろうかと思いますが、しっかり見直しを行っていく。
引き続き、現場での相談業務や見守り活動等に尽力されている皆様方に御意見をしっかり伺い、基本計画で定めた方針を具体化すべく、対応を検討してまいりたいと思う次第であります。
○丹野委員 その相談員のことなんですけれども、相談員自体も足りていないんですね。
消費者庁が二〇二〇年度から、相談員の無料養成講座を開いています。四年間でおよそ六千人が受講し、消費者庁が受講者に対して行ったアンケートの回答者のうち、国家資格が千七十七人、国家資格でないコンサルタントを百四十五人輩出しているんですけれども、相談員として実際に就職した人が八十七人にすぎないという数があります。しかも、現在、相談員の半数以上が六十代以上ということもありまして、こういった現状に対して解決策を具体的に教えてください。参考人、お願いします。
○尾原政府参考人 委員御指摘のとおり、全国の消費生活相談員の年齢構成は六十歳代以上が五割を超え、高齢化が進んでおり、全国的な人手不足の中、相談員の担い手確保は重要な課題となっております。
これまで消費者庁では、相談員を目指す方を国が直接支援するため、相談員資格の試験対策講座とともに、発展的な知識や実践力を身につけられる相談員養成講座等を実施し、資格保有者の拡充と即戦力の育成を行ってまいりました。
来年度からは、本事業の更なる充実を図ることとしており、若年層を含め相談員の担い手の掘り起こしや養成講座受講生の就業支援等について、都道府県等と連携して実施してまいります。
○丹野委員 最後の質問に行きます、ちょっと時間もありませんので。DX化についてです。
PIO―NETのシステム、二〇二六年度に全面刷新予定でありますけれども、これに係る経費の問題もあります。端末機の刷新費用が交付金が出されるということですけれども、維持管理の経費、それからシステムに対応する人材、こういったこともあります。消費生活相談のDX化における地方の負担は更にありますけれども、ここについてはどのようにお考えでしょうか。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
今回のPIO―NET刷新では、これまでの国民生活センターによる専用回線、専用端末の配備から、民間の多様なサービスを活用し、利便性の向上を図るため、インターネット経由でクラウドサービスを利用する方式を採用することとしています。ただし、自治体によってインターネットを取り巻く環境は多様であるため、インターネットへの移行が容易でない自治体については、経過措置として、既存の自治体間の行政専用ネットワークであるLGWANを経由した接続方式も併用することとしております。
新システムへの移行について、国は、クラウドサービスの構築費用、クラウドサービスの運用保守費用を負担し、また、地方公共団体による新システム移行に必要な回線敷設費、セキュリティー対策費、端末購入費等といった初期費用を地方消費者行政強化交付金で定額補助することとしております。
地方においては、こうした国が構築したシステムを利用するために地方公共団体がクラウドサービスに接続するためのセキュリティーや回線利用料などの経常的な経費を御負担いただくこととしております。
まずは、二〇二六年度に無事に新たなシステムに移行することを最優先と位置づけ、交付金による支援とともに、自治体からの技術的な問合せや要望等に消費者庁、国民生活センターが一体となって丁寧に対応し、新たなシステムへの移行に万全を期してまいります。
○丹野委員 デジタル化も大事なんですけれども、やはりアナログも大事と思っていて、消費生活相談センターの相談員が待っているだけじゃなくて、これからは出向いていって相談を掘り起こすとか、そういうアナログも必要だと思っています。
その意味では、お金も人も足りていません。冒頭、大西委員の発言にもありましたけれども、本当に、パラダイムシフトというか、それが大事と思っていまして、地方消費者行政が今の時代にふさわしい形に進化することを求めまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○浦野委員長 次に、西岡義高君。
○西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。よろしくお願いいたします。
去る三月二十五日、東京地裁におきまして、旧統一教会、世界平和統一家庭連合への解散命令が決定いたしました。これは、令和四年七月に安倍元首相が暗殺されたことをきっかけに、霊感商法や不当な手段による勧誘によって多額の献金をさせるなど当事者とその家族に甚大な被害を及ぼしていることが再び注目され社会問題になったことを受け、令和五年十月に文部科学省が東京地裁に解散命令を請求したことに対することであります。
報道内容を引用しますと、判決に際し、膨大な規模の被害が生じた、コンプライアンスの指導をした後も大きくは改善されず、現在も見過ごせない状況が続いていて、教団に事態の改善を期待するのは困難だと指摘した上で、教団は多数の被害の申出を受けても根本的な対策を講じず、不十分な対応に終始した、解散によって法人格を失わせるほかに有効な手段は考えにくく、解散命令はやむを得ないと判断しまして教団に解散を命じたわけであります。
この決定を受けまして、あべ文部科学大臣は、私どもの主張が認められたものと受け止めている、文部科学省としては旧統一教会への対応に引き続き万全を期していくという内容でコメントをされています。
消費者庁におきましても、この旧統一教会の問題に対して、霊感商法や不当な勧誘による寄附について様々な対応をこれまで取られてきたかと思います。今回の旧統一教会への解散命令の決定について、消費者庁としての受け止めを大臣に伺いたいと思います。
○伊東国務大臣 西岡委員の御質問にお答えいたします。
ただいま委員からもお話がございましたように、文部科学省が行いました旧統一教会に対する解散命令請求に関する東京地裁の判決内容につきましては、報道により承知をしているところであります。
宗教法人法に基づく解散命令は消費者庁の所管外の事柄でございまして、消費者担当大臣としてはコメントすることにはなかなかならない、こう思っております。
なお、不当寄附勧誘防止法につきましては、法人格の有無を問わず、法の要件を満たす法人等の寄附の勧誘行為を規制の対象といたしております。
消費者庁といたしましては、法人格の有無にかかわらず、法人等からの不当な寄附の勧誘を受ける者の保護が図られるよう、法と証拠に基づき、引き続きその厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
それでは、不当寄附勧誘防止法についてちょっと伺いたいと思います。
旧統一教会の不当な勧誘による多額な寄附金被害を受けて令和五年に施行されたわけですけれども、公表されている令和五年度及び令和六年度上半期までの寄附の不当勧誘に係る情報の受理、処理件数の状況を見ますと、受付窓口に寄せられた件数が二千四百件、そのうち調査対象とされたものは百十八件、その結果、勧告、命令となったものはゼロとなっております。
この数字だけを見ますと、この法律が適切に機能しているかどうかという疑問が湧くところでありますけれども、施行後約二年たちましたこの不当寄附勧誘防止法に対する大臣の評価をお聞かせいただきたいと思います。
○伊東国務大臣 消費者庁では、不当な寄附勧誘に関わる被害情報につきまして日々収集と調査に当たっておりまして、不当寄附勧誘防止法の運用は適切に進められているものと認識をいたしております。
現在のところ、同法に基づく勧告や命令を行っておりませんが、これは、広く窓口を設け情報収集に努めた上で、法と証拠に基づき運用した結果であります。
また、不当寄附勧誘防止法に行政上の措置や罰則の定めがあることに加えて、説明会等を通じて、寄附の勧誘をする立場にある法人等に向けた法の周知啓発に努めてきたところでもあります。こうした取組を受けた多くの団体が勧誘の際の注意事項に気をつけながら寄附を募っていると考えており、悪質な寄附勧誘の抑止や改善に向け効果を発揮しつつあると考えております。
加えて、昨年七月の献金の不起訴合意に関する最高裁判決では、不当寄附勧誘防止法第三条の配慮義務を引用し、献金勧誘行為の違法性の判断基準が示されたと承知をいたしております。
いずれにいたしましても、消費者庁としては、引き続き、法の周知啓発に取り組むとともに、厳正な運用に努めてまいりたいと考えております。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
この法律は、令和四年の七月の安倍元首相の事件の後に社会問題として注目されてから、僅か五か月後の令和四年十二月に成立いたしました。これだけ速いスピード感を持ってこの法律ができたことは、とてもすばらしいことだと思います。
さらに、今大臣からもお話がありました、最高裁判所で、昨年七月十一日の統一教会に対する損害賠償請求事件における判断の中でこの法律が引用されたということも非常に意味があり、価値があることだと思います。
その一方で、施行後約二年がたち、まだ勧告や命令が一件も出ていないことから、やはり実効性については疑問が残る部分もありますし、様々な懸念点も浮かび上がっているかと思います。
例えば、第三条には寄附勧誘を行う際の配慮義務がありますけれども、これを禁止行為として、より抑止力を高めていった方がいいという意見もありますし、家族被害の救済に関する第十条の債権者代位権の行使に関する特例につきましても、取り戻せるのは家族の扶養請求権の範囲の金額、いわゆる生活費の範囲に限られてしまいますので、いわゆる二世信者の方が本来受けられるはずであった進学等の学費に関する損失の部分については取り戻せないなどの課題がございます。
附則の第五条には、「施行後二年を目途として、この法律の規定の施行の状況及び経済社会情勢の変化を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とございます。
先ほど、実効性についても指摘させていただきました。また、旧統一教会に対する解散命令が決定するといった社会情勢の変化もございます。そして、間もなく二年がたちます。抑止力の面についても、被害者救済の面からも、より実効性のある法律にアップデートするタイミングであると考えています。この法律が想定する被害と現実の被害の実態との乖離を埋めてよりよいものにしていく、そういった議論をもう始めていくべきだと思います。
そういった、前に進めていくという前向きな強い決意を是非大臣の口からお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○伊東国務大臣 西岡委員お話しのとおり、法律施行後二年を目途として、経済社会情勢の変化等々を勘案しながら、所要の検討を今後加えていくということになっております。
消費者庁といたしましては、法の趣旨の周知啓発に取り組みつつ、この法律の運用について、引き続き厳正かつ着実に積み重ねているところでありまして、検討に当たりましては、多様な皆さんの意見を聴取しつつ検討を進めるということでございます。
また、参議院における附帯決議も踏まえつつ、多様な意見を聞くことを含めて、適切かつ着実に検討を進めてまいりたいと考えております。
○西岡(義)委員 では、時間なので、まとめさせていただきます。
解散命令が出たとはいいましても、まだまだ多くの被害者の方が苦しんでおります。先ほど山井先生の御指摘にもありました。そして、今後もまだ新しい被害者が増える可能性も十分秘めております。決してこの問題は風化させてはいけないと思います。せっかく、先ほども最高裁に引用されるように、画期的な法律ができたわけですから、しっかりとアップデートしてより実効力を高めていく必要性を改めて申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○浦野委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○浦野委員長 速記を起こしてください。
次に、沼崎満子君。
○沼崎委員 公明党の沼崎満子です。
本日、消費者特別委員会で初めて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
今までの御質問の中にもSNSを通じた被害の御質問がございましたけれども、ちょっと私、この問題に関しては特別な思い入れがございまして。というのも、私の六十代の友人が昨年、SNSを通じた投資被害に遭いまして、多額の金銭被害を被っております。
先ほど、大臣は余りネットでのお買物はなさらないというようなお話でしたが、私は大変これを利用しておりまして、私も個人的に、実は、少額ではありますが、お金は払ったけれども商品が届かなかったというような被害にも遭っております。私自身、身近でこのような被害を体験したことで、強く問題意識を感じております。詐欺被害の増加は社会全体に深刻な影響を及ぼす可能性があり、対策が必要と感じています。
そこでお伺いしますが、政府はもう現状を把握をしていらっしゃると思いますけれども、特に、その内容に関しまして、年代別で内容にどのような特徴があるか、そういったことを把握していれば、お知らせいただきたいと思います。お願いいたします。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
世代を問わずSNSの利用率が増加する中で、SNSが関係する消費生活相談件数は増加傾向にあり、二〇二三年は約八万件寄せられています。特に、五十歳代、六十歳代、七十歳代以上の相談件数は二〇二二年と比較して大きく増加しています。
これらの相談の中には、SNSでバイトの勧誘をされ面接に行ったところ、副業を勧められて情報商材を契約してしまったですとか、SNSでFXの投資に誘われ、投資グループの助言を受けて高額投資をしたがお金を引き出せないといった、投資や副業などのもうけ話に関する消費者トラブルも含まれております。
特に、SNSをきっかけとして勧誘される投資トラブルにつきましては、五十歳代以上からの相談が多くなる傾向にあると承知しております。
○沼崎委員 この投資詐欺が非常に巧妙になっておりまして、被害をなかなか自分自身で気づくことができないという点と、あとSNSの場合は、自分からではなくて、ダイレクトメールなどを通じて勧誘が外から来てしまうということで被害が広がりやすいというふうに感じております。
実際に被害に遭ってしまうと、警察へ届け出ても、金銭を取り戻すことは非常に困難です。ですので予防が非常に重要と思いますけれども、被害を防止していくための現在の取組と、これからより一層取り組んでいく方針について、具体策をお聞かせください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
SNSなどを通じたもうけ話について、消費者庁では、SNS上で勧誘を受けた場合はまず疑うこと、個人名義の口座を指定した場合は詐欺であり振り込まないこと、そして何より、被害回復が難しいため安易に投資資金を振り込まないこと等を高齢者を含めた幅広い消費者に注意喚起するとともに、少しでも不安に思ったら消費者ホットライン一八八に御相談いただくよう呼びかけているところであります。
また、これらの注意喚起を消費者庁公式XのSNSを活用して行うとともに、消費者庁を含む関係省庁とSNS事業者とが連携して投資詐欺等への注意喚起を実施してきたところでございます。
委員御指摘のとおり、相手と連絡が取れなくなるなど被害を回復することが難しく、未然防止が重要であることから、引き続き、SNSの活用を含めた多様な手法を用いて、消費者に届く注意喚起を行ってまいります。
○沼崎委員 個人的には、特に、個人口座に絶対振り込むなということは是非アピールをしていただきたいなというふうに思っております。
SNS詐欺の防止に向けて、警視庁やそのほかの関係省庁とはどのように協力をしていますでしょうか。情報共有や連携の強化に向けた取組についてお聞かせください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
各地の消費生活センター等では、消費者に対し相談、あっせんを行うとともに、相談内容に応じて、警察、弁護士等の専門家や専門機関への相談を含めた必要なアドバイスを行っているところであります。また、投資詐欺等に対しては、消費者庁を含む関係省庁とSNS事業者とが連携して注意喚起を実施してきたところであります。
さらに、本年三月に閣議決定しました第五期消費者基本計画におきましても、「特殊詐欺やSNS型投資詐欺等による被害が深刻な状況にあることから、「国民を詐欺から守るための総合対策」に基づく対策を推進する。」としておるところであり、消費者庁におきましても、引き続き関係省庁と連携して取り組んでまいります。
○沼崎委員 是非、きめ細やかな対応というのをお願いしたいと思います。
次の質問に移らせていただきます。フードロスの削減に関する御質問です。
公明党も、非常に食品ロスに対しては力を入れて取り組んでおります。
令和二年三月に閣議決定された食品ロスの削減推進に関する基本的な方針において、食品ロスを家庭系及び事業系共に二〇〇〇年に比べて半減させると目標が定められ、二〇二二年には、食品ロスは、家庭系、事業系合わせて二〇〇〇年の九百八十万トンから四百七十二万トンと前倒しで目標を達成しており、非常にすばらしい取組だなというふうに感じております。内訳で見ると、家庭系は半減まであと二十万トン不足していると認識しています。
令和七年三月二十五日に第二次基本方針が閣議決定しまして、家庭系については引き続き五〇%削減、目標達成した事業系に関しては新たに六〇%に引上げをされております。
そこで、お伺いします。
事業系が早期に目標達成できた要因についてどのように評価をしていますか。また、フードロス削減には、事業者と消費者、環境と福祉など幅広い関係省庁が連携することが必要と考えますが、どのように取り組んでいるのか、取組についてお聞かせください。
○井上政府参考人 お答えいたします。
事業系食品ロスにつきましては、納品期限の緩和や賞味期限の延長など、食品関連事業者を始めとした関係者及び消費者の不断の取組もあり、二〇〇〇年度比で二〇三〇年度までに半減させるという目標について、二〇二二年度に八年前倒しで達成することができたものと評価してございます。
また、食品ロス削減における関係省庁の連携につきましては、令和元年五月に制定されました食品ロス削減の推進に関する法律や、食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針に基づきまして、関係省庁の連携による各種施策の取組が進められてきたところでございます。
さらに、令和六年六月には、食でつなぐ共生社会をテーマとしまして、食品ロス削減、食品寄附促進、食品アクセスの確保に向けた取組を関係府省庁や地方自治体が縦割りに陥ることなくワンボイスで一体的に取り組めるように、三つの施策を包括する概念を食の環と呼ぶことといたしまして、関係施策の推進を図る食の環プロジェクトを立ち上げ、関係府省庁で申合せを行ったところでございます。
引き続きまして、食品ロスの削減の更なる推進に向けて、関係省庁連携して各種施策の取組を進めてまいります。
○沼崎委員 非常に省庁横断的にうまくいっている事業だなというふうに感じております。この連携の中において、特に消費者庁におきましては、先頭に立って是非推進を進めていただきたいと思います。
フードバンクさんの方から、期限が近い食品が大量に届くと、本来であれば食品ロス削減をするべき場所であるのにロスにつながってしまうことが懸念される、そういった御意見をいただいておりますけれども、消費期限について今実態はどのようになっていますか、お聞かせください。
○井上政府参考人 お答えいたします。
一般的に、フードバンク団体等においては、賞味期限までの期間がおおむね一か月から二か月以上の食品を受入れ可能としておりまして、寄附者とフードバンク側の合意の下で食品の寄附が行われているものと認識してございます。
○沼崎委員 しっかりその点も踏まえて、有効な利用ができればというふうに思います。
次の質問に移ります。
これから第二次基本指針の目標達成に向けてどのような対策が取り組まれているでしょうか。特に、達成できていない家庭系の食品ロスの削減についての取組についてお聞かせください。
○角倉政府参考人 お答え申し上げます。
本年三月に閣議決定いたしました第二次基本方針におきましては、家庭系の食品ロスに関しましては、二〇〇〇年度比で二〇三〇年度までに五〇%削減するとの目標を早期に達成する、このようにさせていただいているところでございます。
この目標を達成するためには、消費者の行動変容の促進、そしてそのための自治体による取組の促進、この二つが課題であると認識しております。
このうち、消費者の行動変容の促進につきましては、これまで、家庭内で発生した調理残渣等を堆肥化し、イベントで使用するなどの、消費者が参加、関与する食品ロス削減に資する取組を支援してまいりました。今後、モデル事業を通じ、例えば、デジタル技術等を活用した食材の買い過ぎ防止等の取組について、食品ロス削減効果を実証し、その結果を発信するといった取組も予定しているところでございます。
また、自治体による取組の推進につきましては、これまで、自治体による食品ロス削減推進計画策定の伴走支援や、食品ロス削減の優良事例の公表により取組を促してまいりました。今後、自治体による食品ロス削減推進計画の策定が更に進むよう、自治体職員が計画策定時に参照できる手引を公表することとしております。
これまでの取組により、家庭系食品ロスは年々減少傾向にありますが、削減目標を二〇三〇年度を待たずに早期に達成できるよう、引き続き、関係省庁や自治体、事業者等と連携して積極的に取組を進めてまいりたいと考えております。
○沼崎委員 まさに私も家庭ごみを堆肥にしているということもありましたので、実用できているなというふうに思いました。
効率的な食品ロス削減においては、先ほど御紹介もありましたけれども、デジタル技術の活用というのは非常に有効であると思います。
私、以前にフードバンク山梨さんで視察をさせていただきまして、持ち込まれた食品をデータ入力して食品管理を行っているという様子を見てまいりました。こういった事業というのは、事業そのものがボランティアでこのフードバンクさんは支えられているということもありまして、効率化が非常に重要だと思いますので、今DX化の対策について取り組まれていることがございましたらお聞かせください。
○井上政府参考人 お答えいたします。
食品寄附のDX化については、昨年度、どのフードバンクに対しても同じ様式で受入れの調整が可能となるように、標準となるデータ項目の定義等を定めた標準化ガイドラインを作成しまして、寄附食品の入出庫管理や寄附者と受領者のマッチングをシステム上で管理することで迅速な情報伝達や業務負担の軽減を検証する食品寄附DX実証事業を実施したところでございます。
今後は、これらの実証事業の成果等について、全国のフードバンク等が利用できるよう公表するなどにより、広く横展開を図ってまいりたいと考えております。
○沼崎委員 今、物価高ということで、フードバンクさんにおいては寄附の量が減ってきて配るものがちょっと足りていないというような、そういった声も聞いております。
寄附を促進していく点について、今何か取り組まれていることがございましたらお聞かせください。お願いいたします。
○伊東国務大臣 沼崎議員には日頃から熱心にお取り組みをいただき、ありがとうございます。
また、委員御指摘のとおり、食品寄附に関わるフードバンク団体の方々から、大変に物価高の影響などで寄附量が減少しているとお話を伺っているところであります。
このため、政府におきましては、食品寄附量の増大を図るため、食品寄附の信頼性向上のための食品寄附ガイドラインの普及啓発、及び、フードバンクの認証制度の構築、フードバンク等への専門家派遣等による取組の支援、あるいは、食品寄附促進の波及効果が期待できる寄附者やフードバンク等を対象とした表彰及びその取組の周知などの支援策を進めているところであります。
引き続き、食品寄附活動の拡大を図るべく、官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
○沼崎委員 寄附がしっかり進むような、そういったメリットを政府の方でもつけていただいて促進をしていただいて、フードバンクさんで足りない、あるいは子供食堂に配るものがない、そういった事態が避けられるように尽力をしていただければと思います。
時間も僅かになりましたので、最後の御質問にさせていただきます。
今、先ほども御質問の中にありましたが、美容医療に関する被害というのが非常に広がっています。
今年の二月、美容医療を適切に実施するための改正を盛り込んだ医療法等の一部を改正する法律案も厚生労働省において提出されています。公明党も、市民相談をきっかけに、事故が増加していた美容医療のハイフに対して、対策の強化の申入れを行うなど、対策の推進を行ってまいりました。
今、比較的安易に施術を皆さん受ける傾向が強くなっておりますけれども、重大な健康被害や金銭トラブルなど、被害が急増していると認識しています。
そこで、御質問いたします。
消費者生活相談に寄せられている美容医療被害の現状、特に医療系の相談の中で美容医療はどのように増加しているか、そこの推移の部分と、こういった美容医療に対する被害に対してどういった対策が取られているか、取組についてお聞かせください。お願いいたします。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
二〇二四年度に全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談のうち、医療サービス全体に係る相談件数は約一万四千七百件あり、そのうち美容医療に関する相談が約九千五百件ありました。その多くは契約トラブルでありましたが、危害の申出も約七百八十件含まれております。二〇二〇年度と比べると、五年間で、美容医療に関する相談件数は四・七倍、危害の申出も一・七倍ほど増えております。美容医療に関する需要の高まりとともに相談件数も増加していると承知しております。
このように、健康や美容医療に関する消費者の関心は高まっており、その被害の、消費者トラブルの未然防止は重要であると考えております。
そのため、消費者庁及び国民生活センターではこれまでも、美容医療等に関する契約トラブルについて、施術が必要か確認する、契約を慎重にするなどの注意喚起を行ってまいりました。
また、消費者庁では従前より、事故情報等を集約、分析し、重大な健康被害が生じたものについて啓発を行っており、これまでも、先ほど委員からも御紹介いただきましたハイフ施術に関する注意喚起等を行ってきたところでございます。
今後も、消費者トラブルの未然防止のための情報発信を行うとともに、トラブルがあった場合の消費者ホットライン一八八や医療安全支援センターなどの相談窓口の周知に努めてまいります。
○沼崎委員 時間になりましたので、終了したいと思います。大変にありがとうございました。
○浦野委員長 次に、たがや亮君。
○たがや委員 れいわ新選組のたがや亮です。本日もよろしくお願いをいたします。
冒頭、ちょっと確認なんですが、昨年十二月二十三日の本委員会で、送りつけ商法への対応策について二点ほど提案をいたしました。
要約すると、一点目は、送りつけ商法を行う悪徳業者が判明した場合は、速やかに警察庁や国土交通省、総務省などの各関係省庁と情報共有をしていただき、悪徳業者との代引き契約の解除ができる法整備をしていただく。
二点目は、うっかり代引き料金を支払ってしまった消費者が被害者とならないような、即時決済をさせず、まずは、クーリングオフと同じく八日間は、宅配業者が現金を預かるか電子決済会社に一定期間とどめるなど返金可能な措置を取り、悪徳業者か見極める期間を設ける、宅配業者も返金の措置ができる法整備をする。
この二点提案をさせていただき、伊東大臣からは、極めて妥当なものであろうとお認めをいただき、関係省庁により、不正利用による被害を防止するための取組と連携を更に密にして対応してまいりたいとの答弁をいただきました。
大臣にお認めいただけるとその後の進捗を聞きたくなるというのが人の心情でして、政府参考人の方で結構ですので、その後の取組について進捗を教えていただければと思います。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
送りつけ商法に対する消費者保護を徹底していくためにも、関係省庁と連携を密にして取り組んでいくことが重要だと認識をしております。
消費者庁といたしましては、委員の御指摘を踏まえまして、関係省庁による不正利用被害を防止するための取組と連携を密にし、消費者トラブルの状況の把握等を行っております。改正特定商取引法を最大限活用しまして、引き続き、消費者被害の拡大防止に取り組んでまいりたいと考えております。
○たがや委員 ありがとうございます。
今もこうしている間に被害に遭われている方々がおられると思いますので、早急に法整備していただければなと思います。またの機会に更問いしたいと思います。
続きまして、公益通報者保護法についてちょっとお伺いをいたします。
兵庫県知事をめぐる問題など組織の不祥事に関するニュースが後を絶たず、世の中を騒がせています。問題の兵庫県知事は、権力者でありながら、自己の判断で通報者捜しを命じ、特定し、不利益を与え、結果、通報者が命を落とすまでに至ってしまいました。
調査に当たった兵庫県の文書問題に関する第三者委員会の報告書では、様々な罪が成立する可能性があるとして、公益通報の対象事実の要件を満たしていると結論づける。第三者委員会は、兵庫県知事が当事者であるのに懲戒処分の決定過程に関与したことは極めて不当であり、公益通報をした通報者の探索を行ったことは違法であると明確に述べました。
食品偽装やリコール隠しの問題から公益通報者保護法が制定された経緯で、対象が消費者の保護を重視した内容になったのは承知をしておりますけれども、政治は生活であり、政治、行政はまさに消費者の利益に資すると言え、政治、行政への信用、信頼は重要と考え、まずは政治家や公務員が襟を正すべきではないか、そう考えますが、国や自治体の政策を決め、執行し、税金で生活をする政治家や公務員も消費者の利益に資する公益だと私は思いますが、大臣、そう思いませんか。
○伊東国務大臣 たがや委員の御質問にお答えいたします。
おっしゃられていることは、まさに私も、なるほど、またそうだなと納得できるものもたくさんあるわけでございますが、政治、行政の信頼回復が一般的意味としての公益に含まれるかどうかにつきましては、消費者担当大臣としてちょっと答弁は難しい、差し控えたいと思う次第であります。
その上で申し上げますと、公益通報者保護法は、食品偽装やあるいはリコール隠しといった国民生活の安全、安心を損なう企業不祥事を端緒として、そうした不祥事による被害の防止を目的に制定されたものでありまして、政治、行政の信頼回復を目的としているものではない、このように思うものであります。
○たがや委員 ありがとうございます。
今大臣のおっしゃることを読み解くと、公益の定義というのが、一般とこの法律で言う公益というのが意味が二つあるというようなことだと思うんですけれども、これは役所の勝手な論理だと私は思っています。公務員に甘くて民間に厳しいでは理屈が通らないし、政治は生活そのものだし、政治家、公務員はまさに公益のトップバッターだと私は思っております。
そこで、基本的なことをちょっとお伺いしますが、公益通報者保護法の対象となる五百四本の法律はどのように定められたんでしょうか、教えてください。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
公益通報者保護法は、国民生活の安全、安心を損なう企業不祥事を端緒として、そうした不祥事による被害の防止を目的に制定されております。対象法律は、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令としております。また、具体的な対象法令としましては、刑法を始めとする代表的な七つの法律を規定しているほか、その他の法律を政令で定めることとしております。
対象法律を政令で定めるに当たりましては、国民生活の安全、安心の確保に向けて、一つは、国民の生命、身体、財産その他の利益を保護することを直接的な目的としているか、もう一点としては、違反することにより国民の生命、身体、財産その他の利益への被害が生ずることが想定される規定が含まれているかという観点から選定を行っております。
○たがや委員 では、言い方を変えます。
その対象となる五百四本の法律に、国家公務員法、地方公務員法、公職選挙法、そして政治資金規正法、これらの法律は入っていますか、教えてください。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
御指摘の四つの法律については、対象法律には含まれておりません。
○たがや委員 しつこいようですけれども、なぜこの法律が入っていないんでしょうか、教えてください。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
御指摘の四つの法律につきましては、国民の生命、身体、財産その他の利益を保護することを直接的な目的としている法律ではないということで、対象法律には含まれていないと認識しております。
○たがや委員 毎回同じ答弁で、壊れたレコードの針飛びのような繰り返しの答弁ですけれども、これがもし入っていたとしたら、兵庫県の行政もちゅうちょして、乱暴なことにはならなかったんじゃないか、また、安倍派の会計責任者の参考人聴取もちゅうちょなく行えたのではないかと思えるのですが。
昨今、兵庫県知事の問題に限らず、裏金問題など政治と金の問題が噴出しており、政治、行政の信頼回復のため、また、二度と兵庫県のような犠牲者や裏金問題を起こさぬ抑止策として、これらの法律を公益通報者保護法の対象に組み入れ、周知をする必要があると考えますが、伊東大臣、内閣の一員として、大変答弁しづらいでしょうが、思いっ切り決意をしゃべってください。
○伊東国務大臣 なかなか難しい問題でございまして、事と場合によっては、これはやはり公益通報者保護法の範疇の中で検討されるべきものだな、こう思うものも自分ではあるわけでございますけれども、法律的なくくりの中でこれを対象にすべきというお話につきましては、なかなか答弁のできないところでありますので、お許しをいただきたいと思います。
○たがや委員 ありがとうございます。
法案審議の際にも改めて質疑いたしますけれども、政治、行政の信頼回復は不可欠の公益だと思います。法律の別表には「その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律として政令で定めるもの」とあります。まさに政治家と公務員そのものの役割だと思います。政令は法改正を行わずに変更できますから、日本の政治、行政の信用、信頼を取り戻すためにも、是非、伊東大臣にお力を発揮していただくことを期待して、質問を終わります。
ありがとうございます。
○浦野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十二分散会