第3号 令和8年6月16日(火曜日)
令和八年六月十六日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 笠 浩史君
理事 五十嵐 清君 理事 小池 正昭君
理事 小林 史明君 理事 中山 展宏君
理事 前川 恵君 理事 角田 秀穂君
理事 うるま譲司君 理事 丹野みどり君
伊藤 聡君 稲葉 大輔君
井原 隆君 岩崎 比菜君
衛藤 博昭君 遠藤 寛明君
大空 幸星君 岡本 康宏君
長田紘一郎君 鹿嶋 祐介君
金澤 結衣君 川松真一朗君
黒崎 祐一君 こうらい啓一郎君
斉藤 りえ君 世古万美子君
辻 由布子君 長澤 興祐君
永田磨梨奈君 新田 章文君
福原 淳嗣君 藤田 誠君
古川 直季君 丸尾なつ子君
三ッ林裕巳君 三原 朝利君
森原紀代子君 若山 慎司君
河野 義博君 山岡 達丸君
喜多 義典君 若狹 清史君
井戸まさえ君 なかやめぐ君
山田 瑛理君
…………………………………
国務大臣
(消費者及び食品安全担当) 黄川田仁志君
内閣府副大臣 岩田 和親君
政府参考人
(金融庁総合政策局審議官) 八幡 道典君
政府参考人
(消費者庁次長) 日下部英紀君
政府参考人
(消費者庁政策立案総括審議官) 飯田 健太君
政府参考人
(消費者庁食品衛生・技術審議官) 及川 仁君
政府参考人
(消費者庁審議官) 尾原 知明君
政府参考人
(消費者庁審議官) 田中久美子君
政府参考人
(消費者庁審議官) 井上 計君
政府参考人
(消費者庁審議官) 黒木 理恵君
政府参考人
(法務省大臣官房政策立案総括審議官) 村松 秀樹君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 竹林 俊憲君
政府参考人
(国税庁課税部長) 高橋 俊一君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 伊澤 知法君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 藤田 昌邦君
衆議院調査局第一特別調査室長 松本 邦義君
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委員の異動
六月十六日
辞任 補欠選任
門 寛子君 鹿嶋 祐介君
黒崎 祐一君 辻 由布子君
今 洋佑君 藤田 誠君
西條 昌良君 伊藤 聡君
平沼正二郎君 若山 慎司君
同日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 新田 章文君
鹿嶋 祐介君 三原 朝利君
辻 由布子君 黒崎 祐一君
藤田 誠君 井原 隆君
若山 慎司君 大空 幸星君
同日
辞任 補欠選任
井原 隆君 今 洋佑君
大空 幸星君 福原 淳嗣君
新田 章文君 西條 昌良君
三原 朝利君 永田磨梨奈君
同日
辞任 補欠選任
永田磨梨奈君 丸尾なつ子君
福原 淳嗣君 古川 直季君
同日
辞任 補欠選任
古川 直季君 平沼正二郎君
丸尾なつ子君 門 寛子君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件(令和七年度消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告)
消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件
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○笠委員長 これより会議を開きます。
消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。
この際、去る十二日、消費者安全法第十三条第四項の規定に基づき、国会に提出されました令和七年度消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告について、政府から説明を聴取いたします。黄川田国務大臣。
○黄川田国務大臣 消費者安全法第十三条第四項の規定に基づき、令和八年六月十二日に国会に提出しました消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果を御報告申し上げます。
令和七年度に、同法第十二条第一項等の規定に基づいて消費者庁に通知された重大事故等は二千三十六件であり、同条第二項等の規定に基づいて通知された消費者事故等は一万二千五百六十二件でした。
詳細は別途配付しております取りまとめ結果を御覧ください。
○笠委員長 以上で説明は終わりました。
―――――――――――――
○笠委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、金融庁総合政策局審議官八幡道典君外十三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○笠委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○笠委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。斉藤りえさん。
○斉藤(り)委員 自由民主党の斉藤りえです。
まず初めに、質問の機会をいただきました委員長、与党理事の皆様を始め、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
また、本日は音声読み上げソフトを活用しながら質問をさせていただきます。円滑な議事進行に御配慮いただいておりますことに重ねて御礼申し上げます。
本日は、多様な消費者の立場に立って御議論したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、質問に入ります。
令和八年版消費者白書によりますと、障害者の消費生活相談件数は増加傾向にあります。高齢者においても相談件数全体の約三割を占めており、近年は認知症の方に関する相談も増加しております。そこで、まず、障害者や認知症等の高齢者による消費生活相談の特徴や傾向について消費者庁にお伺いいたします。
また、高齢者や障害者の中には、自ら相談窓口へアクセスすることが困難な方も少なくありません。私自身も聴覚障害があり、電話による相談は難しく、対面であっても情報取得や意思疎通に時間を要する場合があります。そこで、各地の消費生活センターにおいて、様々な配慮を要する消費者に対し、現在どのような対応が行われているのか、お伺いいたします。
あわせて、本年十月に予定されているPIO―NETの刷新により、相談対応や情報提供の在り方はどのように変わるのか、特に相談手段の多様化やアクセシビリティー向上の観点からお聞かせください。
○日下部政府参考人 お答え申し上げます。
障害者等の消費生活相談件数及び認知症等の高齢者の消費生活相談件数はいずれも近年増加傾向にあり、令和七年は、障害者等の相談が二万六千四百五十七件、認知症等の高齢者の相談が一万二十件となっております。
これらの相談に共通する特徴としましては、消費生活相談全体では本人からの相談が約八割を占めるのに対し、障害者等の相談や認知症等の高齢者の相談では本人からの相談の割合が低いことが挙げられます。このことから、委員御指摘のとおり、障害者等や認知症等の高齢者については、本人自ら相談することが難しい傾向にあるものと考えられます。
また、配慮を要する消費者への対応としましては、消費者庁において、障害のある方の特性に配慮した消費生活相談の体制整備を図るため、電話リレーサービス、手話リンクについて、全国の消費生活センター等へ継続的に周知を図るとともに、地方消費者行政強化交付金を通じて、地方公共団体におけるテレビ電話通訳や手話通訳の導入等による相談対応力の強化を支援しております。
令和八年九月に予定されているPIO―NET刷新については、消費者の利便性向上の観点から、トラブル解決方法を辞書的に提示して消費者の自己解決を支援するFAQを組み込み、充実を図るとともに、希望する自治体においては、ウェブフォーム受付及びメールを備えたウェブ相談機能を実装することにより、コミュニケーション手段の多様化を図ることとしております。
今回のPIO―NET刷新はあくまでスタートラインであり、デジタル技術の進展や現場の御要望等を踏まえ、今後ともPIO―NETの利便性向上に不断に取り組んでまいります。
○斉藤(り)委員 ありがとうございます。
障害者や高齢者の特徴や特性を踏まえた対応が求められる点については、政府におかれても同じ問題意識を共有いただいているものと受け止めております。
次に、配慮を要する消費者の声の把握についてお伺いいたします。
令和八年版障害者白書によれば、国民のおよそ九・三%が何らかの障害を有していると推計されています。一方で、消費者白書によると、障害者等からの消費生活相談件数が全体に占める割合は二・七%にとどまっています。もちろん、この差がそのまま被害の多寡を示すものではありませんが、障害の特性や情報取得、相談手段の制約などにより、相談につながっていない方々が一定数存在するのではないでしょうか。
私自身も、聴覚障害のある当事者として、相談したくても相談できない、あるいは相談先にたどり着けないという課題を感じることがあります。配慮を要する消費者の被害を早期に把握し、必要な支援につなげるためには、相談を待つだけでなく、より積極的に声を拾い上げていく視点が重要だと考えますが、政府の認識を伺います。
○日下部政府参考人 お答え申し上げます。
高齢化等の進展により、自ら相談することが困難な、配慮を要する消費者が増加し、相談を待つだけでは被害の未然防止や救済を図れないケースが増えていく懸念がございます。このため、日常的に消費者に接する多様な主体が連携し、消費者に必要な情報を届け、異変に気づいたときは消費生活センターにつなぐ見守りネットワークを構築する必要性があると考えております。
そこで、消費者庁では、地方消費者行政強化交付金を見直し、見守りネットワークの活性化とともに、地域で見守る方々と消費生活センターとの連携強化を図る自治体の取組を支援する新たなメニューを創設したところでございます。
また、消費者庁自らも、全国各地で展開されている見守り活動の好事例の収集、創出、横展開に取り組んでいるほか、例年開催しております全国消費者見守りネットワーク連絡協議会では障害当事者団体にも構成団体として参画いただいており、配慮を要する消費者やそうした方々を支える団体等の視点も取り入れながら取組事例の共有や意見交換などを行っております。
こうした取組により、待ちの相談体制から転換し、地域に積極的に出向き、被害の未然防止や救済を図る活動を展開することで、住民の消費生活におけるセーフティーネットとしての地方消費者行政を強化してまいりたいと考えております。
○斉藤(り)委員 ありがとうございます。
御答弁いただいたとおり、相談として寄せられた声に対応するだけでなく、相談にたどり着けていない方々の存在にも目を向ける必要があります。しかし、そのような声なき声を把握することは容易ではありません。だからこそ、先ほど御答弁いただいた、待ちの姿勢から一歩踏み出し、関係機関との連携やアウトリーチを通じて支援につなげていく取組が重要であると考えます。是非そのような視点での取組の強化をお願いいたします。
また、自治体によっては、消費生活センターにおいて、メール相談の受付や福祉部門との連携、手話通訳者の配置など、障害のある方々への様々な配慮が行われていることは承知しております。一方で、このような対応はあくまで個別の配慮として行われており、障害のある方が必要な情報を得たり相談したりできる環境が十分に整っているとは言い難いのではないかと感じています。
黄川田大臣は所信の中で、消費生活相談のデジタル化に言及されておられました。デジタル化は、相談へのアクセスを向上させるだけでなく、障害の有無にかかわらず必要な情報にアクセスできる環境づくりにもつながるものと期待しております。
そこで、障害者への情報保障という観点から、消費者庁が行う情報発信や啓発コンテンツについてどのような配慮や工夫を行っているのか、お伺いいたします。
○日下部政府参考人 お答え申し上げます。
障害者も消費者であり、障害者も含めた消費者が誰一人取り残されることなく安心して安全で豊かな消費生活を送ることができることが重要でございます。
消費者庁においては、政府の方針に基づきまして、消費者庁ウェブサイトについて、障害者を含め誰もが利用できるようウェブアクセシビリティーの向上に努めているほか、各申出、問合せ窓口については、電話での問合せが困難な方への対応として、Eメールアドレスやファクス番号の掲載、問合せフォームを備えるとともに、手話リンクも導入しているところでございます。
また、国民生活センターでは、消費者トラブルに遭わないためのアドバイスを始めとした暮らしに役立つ幅広い分野の知識、情報をまとめた「くらしの豆知識」について、視覚障害者の方に向けて本書を音声で読み上げるDAISY図書を用意しているところでございます。
引き続き、消費生活センターや障害者等を見守る見守りネットワークの構成員を通じて、障害者を含めた消費者の皆様に分かりやすい周知啓発を行ってまいりたいと考えております。
○斉藤(り)委員 ありがとうございます。
次に、いわゆるダークパターンについてお伺いいたします。
ダークパターンとは、消費者を惑わせたり焦らせたりすることで、本来の意思とは異なる選択を誘導するウェブデザインやインターフェースのことです。近年、その被害や問題点が指摘されております。
消費者庁は、昨年、「いわゆる「ダークパターン」に関する取引の実態調査」を公表され、その中でダークパターンを幾つかの類型に整理しています。その一つがキャンセル困難であり、具体例として、解約手続が電話でしか行えないケースが挙げられています。例えば、契約や申込みはインターネット上で簡単に完結するにもかかわらず、解約だけは電話でしか受け付けず、しかも、受付時間が平日の日中に限られているようなケースです。
これは多くの消費者にとって不便なものですが、私のような聴覚障害者にとっては単なる不便の問題ではありません。契約はできても自力では解約できないという深刻な制約につながり、障害者の消費行動や契約上の権利行使を実質的に制限してしまう側面もあると考えます。
実際に、私自身、解約をしたいのに電話でしか受け付けてもらえない、ほかの方に電話応対を手伝ってもらっても、本人だと認めてもらえずに先に進むことができない、こうした困難にしばしば直面しており、そのたびに多くの時間と労力を費やすだけでなく、本来であれば自分自身で完結できるはずの手続において、もどかしさや悔しさ、疲労感、無力感を感じることがあります。また、周囲の方のお力をかりなければならないことに申し訳なさを感じることも少なくありません。
こうした思いは、私だけではなく、多くの障害当事者の皆様が日常的に抱えているものだと思いますので、是非大臣にもこの実情を御理解いただきたいと思います。
その上で、大臣にお伺いいたします。
ダークパターン対策の検討に当たっては、障害者に対しては不便という言葉では片づけられない権利の制約が生じていることを重要な論点として捉え、その実情を踏まえて検討する必要があると考えますが、御所見をお聞かせください。
○黄川田国務大臣 斉藤委員にお答えします。
いわゆるダークパターンについては、国際的にも様々な定義や分類が示されており、その規律の在り方も一様ではありません。
我が国においても、電話でしか解約が認められない事案や、電話そのものがつながらない、又は、解約手続が合理的理由なく過度に複雑であること等により消費者の権利行使が阻害されている実態があり、全国の消費生活センターにも相談が広く寄せられております。この点、委員御指摘の電話でしか解約が認められない状況は、聴覚障害者にとって特に大きな制約となるものと認識しております。
消費者庁では、近年の取引環境の変化や消費者被害の実態を踏まえ、インターネット取引をめぐる新たなルールの在り方について、本年一月にデジタル取引・特定商取引法等検討委員会を立ち上げ、検討を進めているところであります。そこでは、契約や申込みはネットで完結するにもかかわらず、電話でしか解約を認めない事案についても議論が行われております。
先ほど申し上げましたとおり、ダークパターンの問題は一概に論ずることが難しく、消費者トラブルの実態やインターネット取引に係る商慣行等を踏まえた多面的な検討が必要であると考えています。障害者を含め、全ての消費者にとって安心、安全な取引環境を整備していくため、引き続き有識者の御意見等を伺いながら検討を進めてまいります。
○斉藤(り)委員 ありがとうございます。
現状は、本人確認や手続の方法が特定のコミュニケーション手段に依存していますが、今後デジタル化が進む中で、例えばアメリカの社会保障番号制度のように公的な本人確認の仕組みが更に活用されることで、障害の有無にかかわらず、誰もが同じように契約や解約などの手続を行える環境づくりにつながる可能性もあると考えています。
マイナンバー制度の導入時にも、将来的な利活用の拡大について議論があったと承知しております。是非、消費者庁におかれましても、関係省庁と連携しながら、誰もが利用しやすい消費者行政の実現に向けて取り組んでいただくことを期待しております。
最後に、デジタル時代の消費者教育についてお伺いいたします。
近年、子供によるオンラインゲームでの高額課金トラブルが問題となっています。オンラインゲームは、子供たちにとって身近なデジタル体験である一方、ゲーム内課金やサブスクリプションサービスなどは、現金を支払う場面が見えにくく、お金を使っている実感を持ちにくいという特徴があります。
消費者庁においても、保護者による課金状況の確認やペアレンタルコントロールの活用などについて注意喚起を行っておられますが、こうした対策と併せて、子供自身がデジタル社会における消費者として、サービスの仕組みやリスクを理解し、適切に判断する力を身につけることが重要であると考えます。
AIやSNS、オンラインゲームなど、子供たちを取り巻くデジタル環境は急速に変化する中、学校、家庭、地域、関係省庁、事業者と連携しながら子供に対する消費者教育をどのように推進していくお考えか、黄川田大臣にお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 済みません、先ほどの答弁で、デジタル取引・特定商取引法等検討会と言わなければいけなかったところを委員会と言ってしまいましたので、検討会と修正してください。
委員にお答えします。
デジタル化の進展に伴いまして、オンラインゲームなどのサービスの仕組みや適切なお金の使い方を一消費者でもある子供やその保護者が理解し、習得する必要性は一層高まっております。
消費者庁及び国民生活センターでは、これまでもオンラインゲーム課金に関する注意喚起を実施してまいりました。あわせて、地域における消費者教育の機会が充実するよう、消費者教育ポータルサイトの活用などにより、様々な主体が作成しました教材や取組事例を周知することで各地の取組の支援を図っているところでございます。
また、消費者庁が作成した体験型教材「鍛えよう、消費者力」では、子供のオンラインゲーム課金を取り上げ、子供や保護者がトラブル防止に必要な行動や考え方等を学ぶ内容となっております。消費者庁としては、学校や地域の講座等における当教材の活用促進に努めているところであります。
さらに、デジタル化への対応を含む子供やその保護者に向けた消費者教育の推進を図るためには、学校、家庭、地域、職域といった多様な場での取組の一層の充実が重要であります。そのため、消費者教育推進会議における議論を踏まえまして、消費者教育コーディネーターの育成、配置や地域ネットワークの構築などについて、関係省庁等と連携し、着実に推進してまいりたいと考えております。
○斉藤(り)委員 ありがとうございます。
私自身も子育てをする一人の親として、オンラインゲームを始め、AIやSNSなど、デジタル社会に子供たちがどのように向き合っていくべきかを日々考えております。何かを一律に制限するだけでは解決が難しい時代だからこそ、子供たちがデジタル社会の中で適切に判断し、自らを守りながら豊かに生きていく力を育むことが重要であると感じています。
また、本日取り上げた高齢者や障害者への支援、情報保障、ダークパターン対策、そして子供の消費者教育は、それぞれ異なる課題のように見えて、その根底には誰も取り残さない消費者政策という共通のテーマがあると考えております。
私も引き続き当事者の視点を大切にしながら消費者政策の充実に取り組んでまいりますので、今後とも御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
○笠委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○笠委員長 速記を起こしてください。
次に、川松真一朗君。
○川松委員 東京都町田市、東京二十三選挙区選出の衆議院議員川松真一朗でございます。
今日は、与党理事の皆様始め、発言の機会をいただいて、ありがとうございます。
今日は、消費者行政について、大きなテーマ三つの視点でお話を伺っていきたいと思いますが、私自身、元々、テレビ朝日というところで番組を担当していて、まさに消費者保護の注意喚起などもやってきた点から、いろいろと思うところもあって今日は質問させていただきます。笠委員長の後輩でもありますけれども、その辺りも含めてお聞きしていきたいと思います。
まず最初に、とても根本的で、しかも哲学的なことになってしまうかもしれませんが、消費者行政における消費者とはどのような概念なのでしょうか。まずここを確認させてください。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま、消費者行政の対象である消費者の定義ということでお尋ねいただきました。
施策ごと、個別法ごとに様々な規定がございますので一概になかなか申し上げられないところでございますけれども、一般的に申し上げますと、一番広く言えば、消費者とは、商品の購入、サービスの利用などの消費活動をする者が広く含まれるというふうに解されるところでございます。
○川松委員 ありがとうございます。
なぜこのような質問をしたかといいますと、この委員会自体が消費者の権利の擁護及び増進をテーマとしておりますけれども、今お話ししたように広い概念で消費者があります。個人でお金を払う人たちがみんな消費者であるとするならば、消費者側はみんな消費者なのに、いざお金を払った相手側になると、実はこの役所ですとか、こっちの担当ですみたいになってしまっては、本来の意味での消費者保護というのがこの委員会で議論できないんじゃないかという疑問もありまして、まずお聞きしました。
ここで具体的な質問に入っていきますけれども、サプリメントのことです。
サプリメントと言われているもの、これは広義の意味でのサプリメント、狭義の意味でのサプリメントがありますけれども、例えば、特定保健用食品、特保という商品を選んで私が購入します。これもどこでも買える時代になりました。一昔前の時代とは違って、健康食品と言われているものが至る所に売っているわけですが、忙しい現代人にとって健康を補助してくれるというのは大変心強いものであります。
一方で、サプリメントだと思っている中でも、法律的にはこれは薬ですというものもあります。でも、医薬品なのか食品なのかというのは、当然、考えて買う人たちもいれば、コンビニだったりドラッグストアだったりどこでもみんな同じように並んでいますから、余り考えずに買われている方もいるわけです。
消費者の認識も主観的なイメージがそこにあって曖昧さがある中で、これが特保です、これが機能性表示食品ですというふうに一応パッケージには書いてあるんですけれども、それを見ながら購入されている方はほとんどいないんじゃないかという中で、一度確認をさせていただきますが、医薬品はさておき、食品における特定保健用食品と機能性表示食品の違いはどこにあるんでしょうか。
○井上政府参考人 お答えいたします。
まず、特定保健用食品は、健康増進法に基づき、例えばおなかの調子を整えるのに役立つなど、特定の保健の用途に資する旨を表示する食品でございます。
その上で、法令に基づく手続上は、国において食品ごとに安全性や効果について個別に審査を行った上で消費者庁長官が許可するものでありまして、許可されたことを示すマークを付すことになっております。
他方で、機能性表示食品は、食品表示法に基づきます食品表示基準において、機能性関与成分について、例えば脂肪の吸収を抑えるなど、特定の保健の目的が期待できる旨を表示する食品でございます。
その上で、法令に基づく手続上は、国が審査を行う特保とは異なりまして、事業者が安全性及び機能性の科学的根拠等を販売前に消費者庁長官へ届け出ることにより、機能性関与成分の機能を表示できる食品でございます。
さらに、許可マークがある特保とは異なりまして、機能性表示食品には規定されたマークはないのですけれども、機能性表示食品の文字を枠で囲んで、表面の上部に表示することになっております。
こうした両制度の内容について消費者に御理解いただけることが重要であり、消費者庁においてパンフレットや動画を作成し、ウェブサイトで公表するとともに、講演会等で説明やパンフレットの配布などを行っております。
引き続き制度の普及啓発にしっかり取り組んでまいります。
○川松委員 ありがとうございます。
つまり、医薬品というのは医薬品であるけれども、一方で、今お話があったように、特保、機能性表示食品と書いてあると、みんな健康にいいんだなというふうに思いますが、ただ、摂取の仕方とかそれぞれの個別のこともしっかりと見極めた上でやらないと、健康によいなと思って食したものが実は健康を害することになってしまえば本末転倒だと思います。
先ほどお話ししましたけれども、広義の意味でのサプリメントを手にする人は、それぞれの区別を正確に知らず、これはつまり食品なんだという認識を持って買われている、食品ではないかと思っている方も多いんじゃないかと思うんです。
ここで、サプリメントに関する規制が今議論になっているわけですが、消費者及び食品安全担当大臣として重要な検討課題だと考えているという旨の黄川田大臣の発言が過去にございました。そこで、サプリメントの定義や規制を検討していく段階にあると認識しておりますけれども、現状、この検討状況はどのような状況になっているのか、お伺いいたします。
○及川政府参考人 お答えいたします。
令和六年五月に開催されました紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会議の取りまとめにおきまして、サプリメントに関する規制の在り方について、必要に応じて検討を進めるということになりました。これを受けまして、令和七年十月から、食品の規格基準の策定を所掌する消費者庁及び食品衛生監視を所掌する厚生労働省が連携して、それぞれの審議会の部会で検討を行ってきたところでございます。
消費者庁の審議会の部会におきましては、サプリメントに関する規制の在り方のうち、サプリメントの定義、製造管理の在り方について御議論いただいてきたところでありますが、六月九日に開催した部会におきまして中間取りまとめについて議論がなされ、おおむね合意が得られたところでございます。
今後、厚生労働省の審議会の部会に中間取りまとめの内容を報告し、更に規制の在り方について御議論いただくこととなっているところでございます。
以上です。
○川松委員 今、この議論の発端は紅こうじの事件だということがありました。繰り返しになりますが、サプリメントには、薬的なものがあれば、特保があって、機能性表示食品があって、それでもない単なる食品というのがある中で、紅こうじの件は少なくとも機能性表示食品に分類されるものでした。ですから、仮に、意識を持って、これは届出されているんだと思われて買われていた方でさえこのような健康被害に遭ったということは重く受け止めなければならないと思うんです。厳密に意識して購入していない人たちが一方で多い中で、どんどんどんどん我々は啓発、教育、注意喚起を力強く発信していくべきだと考えております。
ここで黄川田大臣にお伺いしますけれども、この分野の規制の在り方について着実に検討を進めていくという今の御決意を教えていただきたいと思います。
○黄川田国務大臣 ただいま政府参考人から答弁したとおり、サプリメントの規制の在り方については、消費者庁の審議会において中間取りまとめについて議論がなされ、おおむね合意が得られたと承知しております。
消費者担当大臣としては、引き続き、厚生労働省と連携し、サプリメントの規制の在り方についてしっかりと検討を進めることにより、科学的知見に基づき食品の安全性を確保し、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができるよう取り組んでまいりたいと思っております。
○川松委員 大臣、ありがとうございます。是非力強く進めていっていただきたいと思います。
先ほどの紅こうじの事件は、ルールはあった、だけれども、本質的には衛生管理の問題であり、更に言うと、おかしいなと、異変が起きてからの危機管理の問題という複層的になって被害が広がったというケースがありますから、ここも注意していかなきゃいけないし、元をたどれば、お金を払う人たちはみんな消費者であるということになると、ここは消費者庁の管轄だけれども、ここは厚生労働省というのは消費者にとっては関係のない話になってしまうので、より一層縦割り行政に横串を刺して消費者を守るという力強い消費者庁の行動を期待せざるを得ません。
いろいろと現代が変わっていく中で、消費の在り方、先ほどの斉藤委員の質問にもありましたけれども、インターネットを通じた様々な消費行動がございますが、ダークパターンのお話もありましたけれども、サプリメントの定期購入というのがだんだん一般的になりました。
ただ、先ほどは障害者の視点での質問でしたけれども、一般論で言っても解約の煩雑さというのはいろいろなところで指摘されています。解約したいのに手続する方法が分からないなどの声がたくさん上がっていますが、実際に消費者ホットラインの相談窓口には定期購入における解約手続についてどんな相談が上がっているのか、教えていただきたいと思います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員から御指摘がありました消費者庁にいただいている相談でございますけれども、例えば、実際には煩雑な手続を経るような必要があるにもかかわらず、あたかも簡易な手続で定期購入契約を容易に解除できるかのように示す表示がなされていたでございますとか、あるいは、定期購入契約についての申込みの画面におきまして商品の解約条件や解約方法の表示をしていなかった事案、こういったようなことについて御相談をいただいておりまして、現在でも、インターネット上の通信販売ということで、特定商取引法において虚偽、誇大広告の禁止ですとか最終確認画面における契約の重要事項の表示が義務づけられているところでございます。
先ほど申し上げた御相談におきましては、実際に事実が確認されれば行政処分を行ってきたところでございまして、消費者庁といたしましては、引き続き、法令に違反する事実がある場合には厳正に対処し、消費者被害の防止に努めてまいりたいと考えております。
○川松委員 ありがとうございます。
今、行政処分も行ってきたというお話がありましたけれども、事例を見てみますと、ホットラインにたくさん相談があったものについてはかなり動いていくという経緯じゃないかなと見ましたが、ホットラインに声が寄せられたとしても、それが全てではなくて、泣き寝入りしている方もたくさんいます。
ですので、今後、ダークサイト対策でもお話があったように新たなルール作りなども検討されていくということですが、是非、具体的には、購入の手続と解約の手続が同等になるようなルールを作っていただきたいなというふうに要望しておきます。サイトには必ず解約手続が埋め込まれていなきゃいけないとか、あるいは、ワンクリックで申込みができるものはワンクリックで解約できるとか、三回ぐらい手続を踏んで申込みするんだったら三回ぐらいで解約できるというイーブンのルールを作ることが消費者を助けることになるんじゃないかなと思いますので、是非この義務化をここで提案させていただきたいと思います。
最後に、公益通報者保護制度についても質問してまいります。
まず、公益通報者保護法の三号通報の通報先にはどのような人が含まれているのか、お伺いします。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
公益通報者保護法第二条第一項において、三号通報先は「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」と規定されてございます。
その例といたしまして、消費者庁のウェブサイトでは、事案に応じてということではありますけれども、その前提で、消費者団体、事業者団体、各種オンブズマン団体、公益通報者支援団体、国政調査権を行使する国会の議員や、地方議会の議員、報道機関を掲載しているところでございます。
○川松委員 今の三号通報の対象の話をなぜ聞いたかというと、例えばマスコミだとか我々国会議員というものが含まれますが、現代においては、若者を中心に、既存のマスコミは信用できないんだ、委員長や私のいたテレビ朝日は信用できないんだという声もたくさんあるわけです。そうなってくると、若者がインフルエンサーだとか発信者に対して通報するケースも見かけられるようになってきました。
こういったいわゆる発信者、インフルエンサーというのは、改めてお伺いしますが、この三号通報の対象に含まれるのか、お伺いします。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
三号通報先に該当するか否かの法律上の条件については先ほど御説明いたしましたけれども、いずれにいたしましても、事案に応じて個別具体的に判断されるところでございまして、御指摘のインフルエンサーの方、ユーチューバーの方々も同様だというふうに考えてございます。
この点、先ほど例示として報道機関を三号通報先として挙げさせていただきましたけれども、この趣旨でございますけれども、当該報道機関によるチェックを経て、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を客観的事実として国民に広く知らせる機能を有しているということで対象になっているところでございます。
このように考えた場合、消費者庁といたしまして、御指摘のインフルエンサー、ユーチューバーの活動実態全部を網羅的にもちろん把握できるわけではないわけですけれども、一般的に申し上げますと、ユーチューバーあるいはインフルエンサーと認識されている方々は通常は先ほど申し上げたような機能を有しているとは思われないということでございますので、こうした方々につきましては三号通報先には当たらないのではないかというふうに考えております。
○川松委員 ここは重要な視点でして、一般の視聴者からすると、今はテレビ局の報道番組のMCも大物ユーチューバーも影響力に差はありません。そうすると、三号通報の対象ではない、該当しない人に、あるいはグレーゾーンな人たちに通報しちゃうと、通報を受けた側がこれは正義のために伝えなきゃいけないといっていろいろと発信していくと、通報した人が逆に保護されないという現代的な谷間に陥ってしまう可能性がありますので、こうなると、通報した個人自体の人生は破滅になってしまいます。何の意味もなくなってしまいますので、通報者保護の在り方というのはしっかりと考えていかなきゃいけませんので、今後の検討をどうぞよろしくお願いいたします。
また、十二月からの改正法の施行で免責規定が整備されたわけでありますけれども、企業から通報者に対する報復的訴訟などが起こされている、こういう事案も結構散見します。この実態は本当にあるのか、どう把握されているのか、お伺いします。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
現行の通報者保護法におきまして、第七条において、「公益通報によって損害を受けたことを理由として、当該公益通報をした公益通報者に対して、賠償を請求することができない。」というふうに規定されてございます。
また、令和七年改正におきましては、公益通報者を特定することを目的とする行為が禁止されておりまして、通報者探索を行った場合には不法行為に該当し、事業者が損害賠償責任を負い得る、役員等が株主から経営責任を追及され得るなど、報復としての訴訟を行おうとする事業者に対する牽制効果も期待しているところでございます。
さらに、通報妨害行為というものも禁止されまして、事業者が公益通報を行おうとしている者に対して報復としての訴訟をほのめかした場合には、個別具体的な事情の下で不法行為となり得ることから、同様の牽制効果が働くものと考えているところでございます。
他方で、憲法上の規定によりまして、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」こういう規定もございますので、事業者の訴訟を提起する権利自体を制限することは困難であると考えております。
いずれにいたしましても、公益通報者の保護は重要な課題だと思っておりまして、消費者庁といたしましては、一層の公益通報者保護の観点から、令和七年改正法の内容を含めて必要な周知に引き続き努めるとともに、公益通報に関する訴訟の実態についても十分に把握、注視してまいりたいと考えております。
○笠委員長 次に、角田秀穂君。
○角田委員 中道改革連合の角田秀穂でございます。
本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
まず最初に黄川田大臣にお伺いしたいんですけれども、大臣所信の中で、高齢化やデジタル化の進展等、消費者を取り巻く環境は複雑かつ多様に変化しているということで、消費者が安全、安心に取引できる環境、健全な市場の整備が急務というふうに述べられておりましたけれども、大臣として、具体的にどのような新たな問題が今生じていて、その問題の解決にどのように取り組んでいくのか、大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。
○黄川田国務大臣 近年、高齢化やデジタル化の進展等により、誰もが単独で十全な意思決定をすることが一層困難になっております。例えば、SNSのメッセージ機能を使い何度も執拗に勧誘が行われる事案、また、重要な契約情報が意図的に隠されて表示される事案などの消費者トラブルが生じております。
これらを踏まえて、消費者庁では、現在、二つの検討会を設置し、議論を進めているところであります。
具体的には、現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会におきまして、消費者の多様な脆弱性に対応した必要な規律や、継続的契約における各過程で必要な一般的規律等について議論を行っております。また、デジタル取引・特定商取引法等検討会において、いわゆるダークパターンといった意思決定をゆがめる表示等への対応や、SNS、チャット等を用いた不意打ち性が高い勧誘への対応などについて議論を行っております。両検討会については、本年夏を目途にそれぞれの検討会において中間取りまとめを行う予定でございます。
消費者が安全、安心に取引できる環境を整備すべく、引き続き有識者の御意見を伺いながら検討を行ってまいります。
○角田委員 今後に向けて特に大きな課題と思っているのは、高齢者が安全に安心して暮らせる環境の実現であって、消費者政策もそのために全力を挙げていかなければいけないと私自身は考えております。
二〇二四年度ですけれども、消費生活相談が約九十一万件、このうち七十歳以上の相談件数が二六・二%、年代別でも最も多くなっております。今後更に高齢化が進行するのに伴って増加するであろう高齢消費者被害防止のための対策の充実、これがまず喫緊の課題であると考えております。
相談の中でも、特に、訪問販売が四二・七%、訪問購入は五五・四%が七十歳以上からの相談となっており、自宅にいることが多い高齢者が被害に遭っているという実情も浮き彫りになっております。
様々、点検商法であるとか悪質なリフォーム、電気設備工事、あるいは投資詐欺。昨年、私の家にも業者がやってきまして、屋根が傷んでいると言うものですから、傷んでいるも何も、先月ふき替えたばかりだと言ったら、そうですかと言って帰っていったというようなこともありましたけれども、まさに手を替え品を替え様々な手口で高齢者が狙われている中で、特に被害が深刻なのが不動産のリースバック契約だと思っております。
このリースバックは、住み慣れた住宅に住み続けながらまとまった資金を得ることが魅力となっておりますけれども、悪質業者によるトラブルも急増しているという実態です。
朝から晩まで業者に居座られて契約をさせられた、そのまま住み続けられると説明されて契約したのに、高額な家賃に値上げをされて支払えなくなった、相場より極めて低い金額で契約をさせられたなど、国民生活センターのまとめでは、二〇二三、二四年度の相談件数はいずれも二百件を超え、契約者の七〇%を七十歳以上が占めているという状況です。
これはあくまでも被害の一部であろうし、この五年ほどで相談件数も十倍に跳ね上がったことから考えても、これから家賃の大幅な値上げ等で住み続けられなくなって、生活の基盤である住まいを失う高齢者が急増するのではないか、こうしたことも懸念されております。
こうした状況を踏まえて、今年三月に閣議決定した住生活基本計画において、リースバックに関する取引に係る消費者への継続的な注意喚起の実施、リースバックの勧誘等に当たり求められる対応についての宅地建物取引業者への周知及び指導監督の強化を掲げておりますけれども、トラブルの実態の把握と宅建業者への指導監督強化へどのように取り組んでいくのか、国土交通省の見解を伺いたいと思います。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
リースバックは、高齢期の住み替えなど、多様なニーズに応える手法の一つでございまして、健全なリースバックの普及が進むことは、ライフスタイルに応じた柔軟な住み替えを可能とするものと考えてございます。
一方で、自宅の売買と賃貸借を組み合わせる特殊な契約であるため、理解が不十分なまま契約し、トラブルになる事態が生じやすい面もあり、国民生活センターに寄せられる相談件数は増加傾向にございます。
宅建業法においては、宅建業者に対し、取引の相手方のデメリットとなることも含め、相手方の判断に重要な影響を及ぼすこととなる事実を故意に告げないことや、事実に反する内容を告げることを禁止しているところでございます。
リースバックにつきましては、売買契約と賃貸借契約が一体不可分であることを踏まえると、売買契約においても、例えば、売却後の賃料や、普通賃貸借契約、定期賃貸借契約の別などの賃貸借に関する事項も売買契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼすものと考えてございます。
このため、宅建業者が告知すべき事項等を具体的に明示したガイドラインを本年夏をめどに策定する方向で検討を進めているところでございまして、今後、宅建業者に対し、当該ガイドラインの内容等の周知徹底を図るとともに、関係行政機関と密接に連携の上、指導監督を強化してまいります。
○角田委員 宅建業者への指導も当然やっていただかなければいけないと思いますけれども、リースバックの契約は契約形態が極めて複雑で理解し難い。さらにその上に、クーリングオフもできません。
特定商取引法では、貴金属等の押し買いの消費者被害が爆発的に増加したことを背景に、訪問購入に関する不招請勧誘を禁止する改正が行われておりますけれども、リースバック契約についても、せめて不招請勧誘の禁止、呼びもしないのに来るなという規定を置くべきだと思いますけれども、宅建業法を所管する国土交通省に見解をお伺いします。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
訪問購入等における不招請勧誘の禁止につきましては、特定商取引法では一定の物品を対象とし、金融商品取引法では一定の店頭デリバティブ取引を対象とするなど、限定的に規定されているものと承知してございます。
宅建業法においては不招請勧誘を禁止していませんが、個人の売手の保護等を目的に、宅建業者によるいわゆる押し買い等の勧誘行為を禁止する規定が設けられてございます。具体的には、契約を締結しない旨の意思表示をした相手方に対して勧誘を継続する行為、長期にわたる勧誘等の迷惑行為、重要な事項について事実を告げずに契約を締結させる行為などが禁止されているところでございます。
これらの規定に違反する行為を業務停止などの監督処分の対象とすることにより不適正な勧誘の抑止を図っているところでございまして、こうした規制が実効的に機能するよう、引き続き事業者に対する指導監督の徹底に努めてまいりたいと考えてございます。
○角田委員 しっかり検討を進めていただければというふうに思っております。
独り暮らしで周囲に相談できる人もいない高齢者も増えている中で、様々な被害から守る上で地域の見守り体制をしっかりつくることが大切だということで、改正消費者安全法で、高齢者、障害者、認知症等により判断力が不十分となった方の消費者被害を防ぐ消費者安全確保地域協議会、見守りネットワークの設置が規定され、消費生活センターであるとか地域包括支援センター、民生委員など、行政や関係機関が連携して、誰もがどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制を全国で整備しようという取組が進められておりますけれども、この運営状況を見ますと、保健や福祉、あるいは権利擁護など、同じような機関によるネットワークがほかにも存在する中で、協議会自体は年一回の総会を開くだけであるとか、取りあえず立ち上げたけれども協議会としての活動は行われていないケースも見受けられます。
消費者庁として、法改正から十年たったこの協議会の活動実態と課題についてどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
消費者安全確保地域協議会については、令和八年五月末現在で五百八十七自治体で設置されております。
他方、協議会は設置されたものの、消費者への活発な情報提供など見守り活動の実践には至っていない、福祉等のネットワークが既に存在し、新たに協議会を設置することに理解が得られない、既存のネットワークとの連携が進まないなどの課題があると承知しております。このため、消費者庁では引き続き、協議会の設置促進とともに更なる活動内容の充実促進に取り組んでおるところでございます。
具体的には、協議会設置及び活動強化のインセンティブ措置として、地方消費者行政強化交付金に新たな支援メニューの創設、協議会の立ち上げや関係分野との連携等の参考となる好事例の収集、創出、横展開、また、金融機関、地縁団体、警察等、地域の多様な主体の参画を呼びかける通知を警察庁、総務省、金融庁といった関係省庁と連携して発出するなどの取組を進めておるところでございます。
全国の自治体で地域の実情に応じて消費者安全確保地域協議会の活動が活性化されるよう、引き続き取り組んでまいります。
○角田委員 地方の現場では、このネットワークの中で特に大きな役割を期待されている包括支援センターは、虐待等の対応で現状手いっぱいの状況です。また、民生委員も、なり手不足という状況に加えて高齢化が進行している。地方消費者行政、とりわけ消費生活相談体制の維持強化を進めていくには、人材の確保、育成のためにも国による地方自治体への支援の強化が喫緊の課題であろうというふうに考えております。
協議会運営には地方消費者行政強化交付金が充てられておりますけれども、消費生活相談員の人件費にも充てられていることから、こうした意味からもこの交付金の恒久化と更なる増額が必要と考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
地方消費者行政強化交付金については、高齢化などの地方消費者行政を取り巻く環境変化に対応すべく、見守り活動の活性化などの支援メニューを創設するなど、今年度から大幅に仕組みの見直しを行っております。
まずは、見直した交付金が効率的、効果的に活用されるよう自治体に積極的な活用を呼びかけるなど、働きかけを行ってまいりますとともに、必要な予算を確保してまいります。
○角田委員 次に、インターネット広告について質問させていただきたいと思います。
今、消費者トラブルの入口となってきているのがこのインターネット広告だと思います。情報通信白書によると、令和六年度の媒体別広告費は、インターネット広告が三兆六千五百十七億円で、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、マスコミ四媒体の広告費の一・五倍以上となっており、この両者の広告費が初めて逆転した二〇二一年以降、その差がどんどんどんどん広がっているという状況です。
インターネット広告の中には、飲むだけで簡単に痩せるであるとか、満足度ナンバーワン、今だけ半額などなど、根拠もなく実際とは違う不当表示があふれ、最近では、不当表示に該当するか不明瞭なダークパターンなど、消費者の自主的、合理的な選択を妨げる手法が次から次へと登場する状況に対して、行政による実態把握、取締りも年々難しくなってきていると思います。
インターネット広告の急増に比例して、景品表示法違反に係る消費者からの相談、情報提供などの端緒件数は年々増加しているものの、実際に調査を行った件数、措置した件数はほぼ横ばいで推移しており、令和七年度は、端緒件数二万二千六百七件に対して、調査した割合が二%、措置件数は一・八%という状況にとどまっています。
まず、端緒件数に対する調査件数の割合が年々低下していることについて、体制の強化も必要と考えますけれども、この点について見解をお伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
外部から提供された情報につきましては、ただいま二%というお話があったんですけれども、その二%しか調査をしていないということではなくて、全て必要な調査を行っておりまして、委員御指摘の二%というのは、そのうち景品表示法違反被疑事件として調査することが適当と判断した事案の件数の割合ということになってまいります。
もっとも、外部から提供される情報が増加していることは全く御指摘のとおりでございますので、必要な体制の確保に努めてまいりたいと考えております。
○角田委員 不当表示によるトラブルから消費者を保護するためには、ネット広告における不当表示が横行する中で、措置命令であるとか課徴金など、行政による取締りだけでは十分対応できないという現状に対して、消費者保護のための施策の在り方も考えていく必要があると考えます。
一つには、広告主など、事業者への働きかけを強化する必要があると思います。違法な広告を出さないよう、意識を高めるための施策を強力に推進する必要があると考えますが、いかがか。
また、総務省では、昨年九月に策定したデジタル広告の流通を巡る諸課題への対応に関するモニタリング指針に基づいて、成り済まし型の偽広告であるとか、商標権等を侵害し模倣品販売サイトに誘導する広告を対象に、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者に対して事前審査や削除の状況をモニタリングすることを開始していますけれども、消費者庁としても、こうした他省庁の取組とも連携して、不当表示が疑われる広告の排除、削除を更に促していくべきと考えますが、この点について見解をお伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
消費者庁では、景品表示法に基づく行政処分のほか、行政指導等によりまして、景品表示法違反のおそれのある表示について迅速な改善につなげられるようにしてございます。また、特定の分野等につきましては、実態調査を行い、その報告書の公表を通じまして事業者の方に景品表示法の考え方を示すことで、違反行為の未然防止にも取り組んでいるところでございます。
このような取組につきましては、関係行政機関とも適宜連携しつつ、引き続き景品表示法の表示等の適正化に取り組んでまいりたいと考えております。
○角田委員 こうしたネット広告による消費者被害の救済を確実にするためには、法律の規定の見直しも必要ではないかと考えております。
まず、ネット広告の不当表示と消費者契約法との関係について確認させていただきたいんですけれども、不当表示を真実と誤認して行った契約は消費者契約法四条一項によって取り消すことが可能なのかどうか、確認させていただきたいと思います。
○黒木政府参考人 お答え申し上げます。
消費者契約法四条一項では、消費者が事業者からの勧誘の際に重要事項について事実と異なることを告げられたり断定的な判断を提供されたりすることによって誤認をし、締結をさせられた契約の取消し権を規定しております。
お尋ねの不当表示が勧誘に該当し、このような消費者契約法四条一項各号に規定された要件に該当する場合には、消費者は同項に基づいて当該契約を取り消し得ると考えておりますが、最終的な判断は個別の事案ごとに裁判所の判断によるということでございます。
○角田委員 時間がないので最後は要望だけにしておきたいと思いますけれども、景品表示法は、元々は独禁法の特則として制定されたものが途中から消費者庁に移管されたという経緯から、事業者と消費者の個別トラブルの解決を主眼とする消費者契約法とはたてつけが異なっております。
消費者被害の防止と救済を確実にするためには、景品表示法にも消費者の取消し権を規定すべきだと考えます。今年度予算では、超高齢化やデジタル化の進展に対応するため、実効性の高い消費者法制度の検討を進めていくとしていますけれども、今申し上げたことも含めて具体的な検討を行っていただきたいと要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○笠委員長 次に、河野義博君。
○河野(義)委員 中道改革連合の河野義博です。
インターネットファイル共有ソフトに関する利用者トラブルの件でお伺いしたいと思っております。
ファイル共有ソフトに限らず、近年、SNSやEメール、さらにはSNSの広告を使った巧妙なフィッシング手口が急増しております。消費者庁や国民生活センターには、銀行、宅配業者、行政機関を装った偽サイトへの誘導、あるいは個人情報やクレジットカード情報を盗み取る事案など、消費者被害の発生が数多く報告されていると承知しております。
私自身も、昨年、参議院で落選したんですが、落選するとすぐ成り済ましサイトができまして、今でも私の名前で検索すると偽サイトが三つ出てきまして、落選して敗戦の弁まで書いたんですが、それもそっくりそのままコピーして偽サイトができていまして、そこからダイレクトメールが来まして、私が何やら金を無心していたりとか、私が投資の勧誘を行っている。実際の被害は確認できておりませんが、そういったことも起きている状況であります。落選するとすぐできますので、先生方もお気をつけいただけたらと思いますが。
また、最近では、ファイル共有ソフトの使用に伴いまして消費者トラブルの発生も報告されていると聞いております。ファイル共有ソフトは動画やソフトウェアを高速に共有できる技術として広く使われていますが、その仕組み上、ユーザーが意図せずとも、ダウンロードしたと同時にアップロードが行われるため、結果として著作権侵害の加害者になってしまうというケースが後を絶ちません。特に若年層を中心に、無料で見られるから、違法とは知らなかった、こういった認識の甘さが背景にあることが指摘されています。
こうしたいわゆるトレント利用による消費者の著作権侵害の実態、すなわち消費者が知らず知らずのうちに加害者になるケースを大臣はどのように認識しておられるでしょうか。
○黄川田国務大臣 インターネットを利用し不特定多数の人とファイルをやり取りできるソフトウェアでありますファイル共有ソフトに関して、全国各地の消費生活センター等には、著作権を侵害したとして弁護士事務所から示談書が届いたとか、動画を見るためにダウンロードしただけで、アップロードされているという認識はなかったといった相談が寄せられております。
著作権侵害については、関係省庁におきましても注意喚起を実施しているところでありますが、国民生活センターにおいても、こうした状況を踏まえまして、ファイル共有ソフトの仕組みやリスクを理解せずに利用するのはやめることや、違法なダウンロードやアップロードはやめることなどを呼びかけているところでございます。
消費者の皆様におかれましては、少しでも不安に思ったら、一人で悩まずに、消費者ホットライン一八八や最寄りの消費生活センター等に相談していただきたいと考えております。
○河野(義)委員 次に、ファイル共有ソフトを使用して消費者が加害者になると、副次的なトラブルに巻き込まれる事案もあると報告を受けています。
一つ目は、権利者又はその代理人を名のる者から、裁判を起こすぞとか、高額の損害賠償を請求するといった強い言葉で圧力をかけられ、示談金の支払いを迫るというケースがあると承知しています。消費者が恐怖心から不当に高額な金銭を支払ってしまう事例も報告されています。また、二つ目は、あなたの代わりに示談交渉をすると称して、弁護士資格のない者が介入して法外な手数料や成功報酬を請求するケースです。
こうしたいわゆる非弁行為に関する弁護士法上の規定について確認させてください。
○村松政府参考人 お答えいたします。
弁護士法上のいわゆる非弁行為に関する規定といたしましては、弁護士法の七十二条で、法律に別段の定めがある場合を除き、弁護士又は弁護士法人以外の者が、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件などの一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁、和解その他の法律事務を取り扱うことなどを業とすることを禁止しております。
また、七十七条では、この七十二条に違反した者に対する罰則といたしまして、二年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金が定められているところでございます。
○河野(義)委員 更に悪質だと思われますのは、非弁行為ばかりだけでなく、弁護士の中にも、消費者の理解不足や恐怖心につけ込んで、事件の受任を勧誘するような巧妙なネット広告を出す者がいる点であります。中には、先ほどの示談を急がせるケースとは逆に、受任したまま放置している弁護士もいると伺っています。必ず示談金が減額できるとか、勝訴率一〇〇%など、消費者の誤認を誘う広告については単位弁護士会や日弁連も違法な広告だとして注意喚起をしているようですが、その分、広告が巧妙化しているとも言われています。
こうした弁護士広告に対して弁護士会や日弁連の規則ではどのように対処することになっているのか、伺います。
○村松政府参考人 お答え申し上げます。
日本弁護士連合会は、その会規である弁護士職務基本規程におきまして、弁護士は、広告又は宣伝をするときは虚偽又は誤導にわたる情報を提供してはならないこと、品位を損なう広告又は宣伝をしてはならないことを定めているものと承知しております。
さらに、弁護士等の業務広告に関する規程というものがございまして、こちらにおきましては、弁護士の業務広告につき、事実に合致していない広告、誘導又は誤認のおそれのある広告、誇大又は過度な期待を抱かせる広告を禁止しているものと承知しております。
これらのルールに違反したことを理由とした弁護士及び弁護士法人に対する懲戒につきましては、弁護士法上、各弁護士会及び日本弁護士連合会に懲戒権が付与されており、いわゆる弁護士自治の考え方に基づきまして、当該弁護士の所属する弁護士会や日本弁護士連合会によって、所定の手続を経てこういった懲戒が行われるところでございます。
○河野(義)委員 一般消費者からすれば、弁護士の先生がそういった悪質というか、グレーといいますか、勧誘を誘導する巧妙な広告を出しているとは普通思わないんじゃないかなと私は思います。弁護士によって副次的なトラブルに巻き込まれるとは消費者は夢にも思っていないわけであります。
こういった悪質とも見られる広告は景品表示法に抵触するものではないかと思いますが、弁護士が行う広告について、景品表示法上の適用可能性について伺いたいと思います。
弁護士の業務が景表法に定める役務に該当し得るか否か、弁護士が出す悪質な広告が同法の五条、七条の構成要件に当てはまる場合もあり得るか、そういった点に関して消費者庁の見解を伺います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
弁護士が行う広告につきまして、景品表示法は、事業者が自己の供給する役務等の取引についての不当な表示を禁止しておりまして、これらの要件に該当しますれば、弁護士が行う広告についても景品表示法の適用はあり得るということになります。
その上で、景品表示法第五条第一号では、実際のものよりも著しく優良であると示す表示を禁止しているほか、第七条第二項では、合理的な根拠がない効果、効能の表示は第五条第一号に該当するとみなすということとされておりまして、既に行われている表示が景品表示法上問題となるか否かというところはお答えを差し控えさせていただきますけれども、同法に違反するおそれのある具体的な事実に接した場合には、法と証拠に基づきまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 適切に対処していくという答弁でありました。
最後に大臣に伺いたいと思います。
先ほどの法務省の答弁にもありましたとおり、日弁連においても会員による悪質広告で消費者に実害が出ていることを認識しています。元々は違法なダウンロードが権利侵害につながったということで情状の余地は小さいかもしれませんが、弁護士が消費者を食い物にするようでは法治主義への信頼が損なわれると感じています。また、賢い消費者を育てることは健全な資本主義の発展に不可欠であります。今後の消費者に向けた啓発活動について、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○黄川田国務大臣 先ほど政府参考人から答弁があったとおり、弁護士の悪質な広告については、日本弁護士連合会の会規において、政府参考人が答弁したような規定が置かれているものと承知しております。
その上で、消費者庁におきましては、引き続き、当庁が所管する法律上の問題となるような行為があれば、法と証拠に基づいて適切に対処いたします。
それとともに、全国各地の消費生活センター等に寄せられている相談情報も踏まえまして、必要に応じて関係省庁と適切に連携することで消費者被害の未然防止、拡大防止に努めてまいります。
○河野(義)委員 終わります。ありがとうございました。
○笠委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸です。
本日は質疑の機会をいただきまして、ありがとうございました。
消費者特別委員会であります。消費者庁へ先物取引のトラブルも相談として寄せられますけれども、本日は、個人投資家の先物取引で特異な事例による、市場の信認にも関わる問題の対応について、消費者保護にも通じる観点から、金融庁にもお越しいただいて質疑をさせていただきたいと思います。
現在大阪取引所に上場されています金及び白金、プラチナの限日先物取引についてでありますけれども、これまで証券会社等を通じて、事実上取引の満期日がない、決済期限がない、長期的な保有が可能である、仕組みとしては毎日自動的に決済日が延長されるという仕組みですから、これは事実上決済日がないんだ、いわば長期運用に向くんだということで、そのことが盛んに喧伝され、二〇一五年より販売され、個人投資家等に広く購入されてきたものがございます。当時は東京商品取引所で取引されていましたが、二〇二〇年に取引所の統合等の様々な議論の中で大阪取引所が引き継いで、所管は金融庁ということになっています。
その取引に満期日がないということが喧伝された金とプラチナでありますけれども、このほど、取引所の言うなれば一方的な決定によって、二〇二六年十二月二十二日を最終取引日としますということが発表され、同商品の上場を事実上の廃止とするということが発表されました。発表は昨年の六月ですから、今年の十二月廃止ということになりますと、廃止の一年半前にその発表がされたわけであります。この日までに反対売買等による決済を行わなかった投資家の建て玉、未決済のままにしているもののことですけれども、これは、本人の意思にかかわらず、最終清算日をもって強制的に決済が行われるという状況になっています。
大阪取引所は金融庁の管轄下ということで、金融庁にお伺いしますけれども、当初、期限なし、無期限をうたい文句として提供、勧誘されてきた金融商品が、事後的な取引所側の発表によって二〇二六年十二月をもって強制決済されるというふうになったこの事態について事情を説明していただけますか。
○八幡政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、大阪取引所は、本年の十二月二十二日を取引最終日としまして、金及び白金の限日現金決済先物取引の休止を予定してございます。
この取引につきましては、近年、市場の実勢価格と理論現物価格との間に大きな乖離が継続してございまして、市場運営者であります大阪取引所におきましては、市場関係者と改善に向けた協議や投資家への注意喚起などを累次行ってきたものの、この乖離が解消されない状況となってございました。こうした中で、市場の流動性の低下によって価格変動が大きくなるといった状況も見られましたことから、大阪取引所としては、こうした状況を放置することは投資家保護の観点から望ましくないものといった考えから、昨年の六月、取引の休止を決定されたものと承知してございます。
なお、大阪取引所におきましては、今般の休止に当たりまして、特に個人投資家への影響に配慮し、投資家が取引の見直しやポジション調整を円滑に行えるよう、委員の御指摘にもございましたが、休止予定日の約一年半前に休止を公表するとともに、証券会社等の取引参加者を通じた顧客への説明を行うなど、適切な情報提供に努めてこられたものと承知しております。
○山岡委員 一年半前に発表したから適切な情報提供をしてきたということでございますが、商品そのものは二〇一五年頃から発売されて、その上で、金ですから防衛資産というイメージも強い中で、しかも、先物取引という形態で毎日更新ということでありますと、実際の金を保有するとなるとその保管も大変ですけれども、これはそうした金に連動しながら長期保有できるんだということで皆さん個人の方が買っていたという状況になるわけであります。一年半前に市場を休止することは適切だというお話でありますが、しかし、そこで強制的な決済が発生するというのは、長期の資産形成だと思って買っていた方々にしてみれば、後出しじゃんけんだというふうな印象を持たざるを得ないと思っています。
今お話にありました先物価格と現物価格の乖離が起こっているということでありますけれども、二〇二二年のウクライナ情勢などの辺りから金に対するニーズは非常に上がって価格自体は非常に上がっている。それ以上に実体のない先物が上がっているから正しい市場ではなくなったということで閉ざすという金融庁側の整理なわけでありますけれども、しかし、市場関係者は、その市場の中で超長期に保有していれば、ウクライナの情勢も落ち着き、様々な情勢も落ち着いて、また、金の高騰価格は超長期ですから下がってくるという見立てもできたはずだと思っております。それを二〇二六年に閉じるということが相当大きな影響を及ぼす事態について、私はもっと検証すべきだったんじゃないかなということを思うわけであります。
この証拠金のシステムもこの間に変わっています。いわゆる先物ですから証拠金を乗せなきゃいけないんですけれども、追加の証拠金がこれから必要になるという中で、このボラティリティーを極めて強く見る制度に変わっているところでありますが、この証拠金の計算式が変わった事情を説明いただけますか。
○八幡政府参考人 お答え申し上げます。
これも委員の御指摘がございましたけれども、二〇二三年十一月に、金の先物を含みます大阪取引所が行う先物商品全般につきまして、証拠金に関する計算方法が見直されてございます。
この計算方法の見直しにつきましては、従来の単純化されたシナリオに基づく方法に代えまして、海外でも一般的となっている統計的な方法へと変更することで、よりリスクに見合った適切な証拠金を求めることとしたものでございまして、取引に参加する証券会社のリスク管理や投資家保護の強化を図る目的で行われたもの、このように承知しております。
なお、この証拠金額につきましてですけれども、過去の価格変動に基づいて計算されるものでありますため、例えば、足下の金価格のように原資産の価格変動が大きい状況が続く場合には、計算方法を問わず、基本的に証拠金額は大きくなるものと考えてございます。
○山岡委員 証拠金は計算式変更によって大きくなったというお話がありました。国際基準に合わせたというお話でありますけれども、現にどういうことが起こったかといえば、二〇一八年から二五年の比較においても、金の先物の商品の相場は三、四倍に対して、証拠金の求めは十五倍以上に跳ね上がっているという状況になっています。
計算式が変わって証拠金も跳ね上がっていく中で、半年後には市場は閉鎖し強制決済という状況になって、言うなれば、出口は塞がれながら、整理をしなくてもどんどんどんどん証拠金が積み上がってくる、こうした状況が生まれているわけであります。
この結果、既に証拠金が跳ね上がって支払いが間に合わずに、二〇二六年十二月を迎えずして強制ロスカットになったという方の声も私の元にいただいているところでありますが、このまま二〇二六年十二月を迎えても、少なくとも市場の入り方によっては、超長期のつもりでいたのに、その瞬間に多額の強制ロスカットを求められる。あるいは、仮に逆の立場の方がいたとしても、意図しないタイミングでの利確を求められて、利確をすれば運用計画の中においては税負担が求められるわけであります。ですから、そうした意図しないところによる、また、最初の喧伝とは違った状況が生まれてくるということになるわけであります。
この一連の経過を踏まえ、そして、最初に超長期に運用できるものだというような喧伝をされて商品が個人投資家の間に広がった、その背景を考えたときに、今回のようにこの十二月に突然市場が閉まるという在り方は、私は、この一連の経過を勘案したときに、この事態に対する一定の救済措置を検討すべきではないかということを強く思うところでございます。
本日は岩田副大臣にもお越しいただいておりますが、これは通常の市場の取引の中に当てはめていい問題ではないんだと思っております。この一連の経過を踏まえたときに、一定の救済措置を御検討いただくということを是非御答弁いただけませんでしょうか。
○岩田副大臣 お答えいたします。
大阪取引所におきましては、特に個人投資家への影響に配慮して、投資家が取引の見直しやポジション調整を円滑に行えるよう、様々な対応を丁寧に行ってきたものと承知しております。具体的には、休止予定日の約一年半前に取引休止に係る公表を行うとともに、QアンドAを設けて投資家に分かりやすく情報提供を行う、また、証券会社等が投資家への適切な対応を行えるよう説明会の開催などを行ってきた、このように承知しております。
なお、何らかの救済措置を行うことにつきましては、ほかの投資家とのバランス、例えば、この間、反対売買による損切りをこれまで行ってきた、こういった投資家の方もいらっしゃるということを踏まえますと、非常に慎重に考える必要がある点は御理解いただきたいと考えております。
○山岡委員 丁寧に説明されてきたというお話でございますけれども、二回の注意警告も既に出ているところでございますけれども、それは理論価格と実態価格がかけ離れていますよという説明がされただけなんです。取引所として制度上の手当てを含めた対応策を今後検討するということは二回の注意の中でも言っているんですけれども、しかし、市場を閉ざす、ここで終わりにしますということは予測できないような中身として通知の記録も残っています。
その中にあって、一年半前に行ったのは丁寧なのかどうかということでございますが、しかし、超長期に運用できるということで喧伝されたという事実を踏まえれば、私はこの件は、もう既にそういう意味では強制的にロスカットになっちゃっている方もいますけれども、二〇二六年十二月にはもっと大きな影響が出るんじゃないかということを強く懸念するところでございます。
政府として、今、いわゆる貯蓄から投資へとか、あるいは資産運用立国を掲げて、言うなれば国民の皆様の自己責任で投資を強く推奨しているわけであります。国が認可した公的な取引所において、言うなれば無期限という投資家との根本的な約束で喧伝されたことがほごにされるような事態を放置するというのは、日本の金融市場は言うなれば胴元の都合でいつでもルールが変わってしまうアンフェアな市場なんじゃないかという信用にも関わる事態になるんじゃないかということを強く思うわけであります。
岩田副大臣、この資産運用に関する信頼性に与える悪影響についてどのように考えられるか、御答弁いただけますでしょうか。
○岩田副大臣 お答えいたします。
資産運用立国の実現に向けて取組を更に発展させていく上で、金融に対する信頼は大前提になるものでありまして、そのため、自己責任が原則とされる金融取引におきましても、特に個人投資家が安心して金融サービスを利用できる環境が確保されることは重要である、このように考えております。
こうした観点から、金融商品を上場する取引所や、これを販売する証券会社におきましては、個々の投資家との間にある情報格差を踏まえまして、取引所における必要な情報の周知や、証券会社等による顧客へのリスク説明等が行われることが重要であると考えております。
こうした中、金及び白金の限日先物取引については、繰り返しでございますけれども、市場運営者である大阪取引所におきまして、近年の市場実勢価格と理論現物価格に大きな乖離が継続している状況を受け、累次にわたって投資家への注意喚起を行い、また、取引休止に当たっては、特に個人投資家への影響に配慮して、投資家が取引の見直しやポジション調整を円滑に行えるよう、休止予定日の約一年半前に取引休止を公表するとともに、証券会社を通じた投資家への説明を行うといった対応を行ってきたものと承知しており、総じて適切な配慮が行われてきたものと考えております。
いずれにせよ、金融庁といたしましては、委員の御懸念についてはしっかりと大阪取引所にも共有し、引き続き、大阪取引所において、特に個人投資家に対しての適切な周知等が行われるように促してまいります。
○山岡委員 少なくともこの懸念は取引所と共有していただくというお話は今御答弁いただいたわけでありますが、一般論で御説明いただくと、個人投資家として安心して取引できる環境をつくっていくのですというお話をされるわけでありますけれども、しかし、今回の事態は、私は、長期投資をしていると、突然市場が閉ざされて、そのときに何らかの理由で含み損を持っていると強制的にロスカットが迫ってくるかもしれないという極めて大きな事例になってしまって、長期投資に対する不信を招くのではないかということを強く感じるところであります。
今日は消費者特別委員会ということで消費者担当大臣にもお越しいただいておりますけれども、二〇一五年当時、この限日という販売方式が出されたときは、所管は経済産業省でございました。二〇二〇年には金融庁に移管されたということであります。
経済産業省の時代は、言うなれば、取引者たちが納得して市場があるのであれば、その場で活発にしっかりやってくれればいいということで、多くの投資家を集めるために無制限に更新し続ける、しかも、金ですから、超長期のものなんですと言われてきたということでございます。金融庁に移って、市場として正しくない、乖離しているということで閉じるんですみたいな話が決定されていますけれども、消費者の、言うなれば個人投資家の立場からすれば、省庁、国の理屈と関係ないところで皆様購入されてきたという経過があると思っております。
消費者担当大臣として、この一連の経過について、私は、今後の消費者の適切な投資行動にも多大な影響を及ぼすんじゃないかということを強く心配するところでありますが、大臣として御見解をいただけますか。
○黄川田国務大臣 委員御指摘の大阪取引所における現行の金先物限日取引を年内に休止することに対しては、大阪取引所の監督権限を有する金融庁において既に対応がなされているものと承知しております。
その上で、一般論として、商品先物取引に関して消費生活センター等に相談してきた消費者に対しては、消費生活相談員が専門機関を紹介するなど、適切な助言等を通じた支援を行っております。
消費者庁としては、引き続き、金融庁を含めた関係省庁とも連携して状況を注視してまいりたいと考えております。
○山岡委員 状況を注視するというお話でございましたが、それぞれ消費者庁にしましても金融庁にしましても、一般論で答弁していただくと、消費者の保護、あるいはそうしたことがないようにというお話をされるのでありますけれども、現実に起こっているこの問題について、私はこの年末に向けて非常に強い懸念を持って今見ております。この件は様々な形で皆様に念頭に置いていただいて、懸念は市場と共有するという先ほどの副大臣のお話でございましたので、引き続きこのことをしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げさせていただいて、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○笠委員長 次に、若狹清史君。
○若狹委員 日本維新の会、若狹清史です。
委員長始め理事の先生方には、本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。
また、大臣におかれましては、職責がたくさんの範囲があるということで、日頃からの御活躍に敬意を表する次第でございますが、今日は消費者特別委員会ということで、私もこのバッジを、皆さんもつけていらっしゃると思うんですけれども、どこにつけようかなと思っていたんですけれども、大臣を見たら、大臣はそこにつけているんだと思って、さすがだなと思って、今日は勉強させていただきました。おしゃれです。
そんなおしゃれな大臣に、私は事業者支援にずっと携わってきた人間としまして幾つか質問させていただきたいと思うんですけれども、制度が現場で本当に機能しているのか、事業者、被害者双方に不合理が生じていないか、この軸で質問させていただきたいと思います。
まず、大臣は所信で、地方消費者行政強化交付金を見直す、そして、相談員の待遇改善に行き渡るよう交付金の積極的な活用を促すというお言葉がありました。
その上で、三点お伺いいたします。
令和八年度の交付金総額と昨年度比較をお示しください。次に、全国の消費生活相談員の非正規雇用率はどれぐらいあるのか。第三に、交付金で実際に待遇改善につながった自治体は何割かをお聞かせください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
まず一点目、地方消費者行政強化交付金の予算総額は、令和七年度が三十一・五億円、令和八年度が三十二・六億円でございました。これは、各年度の当初予算額と前年度補正予算額を合わせたものでございます。
二つ目でございます。全国の消費生活相談員のうち、地方公共団体の定員外職員の占める割合は、令和七年四月一日現在で八三・一%でございます。
三つ目でございます。消費生活相談員を配置している地方公共団体数は七百十六でありますところ、令和六年度に消費生活相談員の待遇改善を行った地方公共団体は、全体の六八・二%に当たる四百八十八となりました。そのうち、交付金を活用して待遇改善を行った地方公共団体は、全体の一三・五%に当たる九十七団体でございました。
○若狹委員 ありがとうございます。
交付金の拡充に向けて御尽力いただいている、若干ですけれども増えているということと、交付金で実際に待遇改善につながった自治体の数はまだ少し低いのかなというふうに思っております。これはKPIと財政インパクトの試算がセットになって初めて説得力がもっと増すと思いますので、是非引き続き取組を期待したいと思います。
次に、先ほどの相談員を非正規から正規化した場合、社会保険料とか退職給付引当等を含めた一人当たりの追加コストは大体年間百万から百五十万円ぐらいと私は試算していて、全国約三千人ぐらいに適用すれば、財政インパクトは年間三百億から四百五十億円ぐらいの規模になります。待遇改善を掲げる以上、コストシミュレーションと財源確保策を同時にお示しすることが条件かなと思っておりますけれども、こういった試算はありますでしょうか。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
消費者安全法においては、消費生活相談等の事務は都道府県及び市町村の事務とされております。それを担う消費生活相談員の待遇については、相談員の職務の専門性や困難さを踏まえ、物価や賃金動向等を加味した上で、各地方公共団体において適切に判断、対応されるべきものと考えております。
他方、地方の消費生活相談により収集される情報が国の消費者行政の基盤となっており、地方の相談体制の安定は国にとっても重要でございます。このため、今回の交付金の見直しにおいては、広域連携の推進、見守り活動の活性化など、特定の課題に対応するための新たな支援メニューを創設し、その際、消費生活相談員の待遇改善にも資する仕組みとしております。待遇改善に当たっては、こうした交付金のメニューも活用しつつ、地方公共団体の一般財源の確保と相まって進めていただくことになります。
このため、委員からお尋ねがございました交付金による待遇改善に必要なコスト試算というのは行っておりませんけれども、引き続き、地方公共団体のニーズを把握しつつ、必要な予算の確保に努めてまいります。
○若狹委員 ありがとうございます。
財源確保の難しさは承知しておりますけれども、やはり試算をしておかないと、試算なき待遇改善というのは絵に描いた餅になりやすいと私自身も経験してきましたので、是非、本交付金の成果KPIと評価リサイクルの是非というものを示せるように引き続き取り組んでいただければと思っております。
次の質問に移ります。
令和六年、七年度の特商法違反に関わる行政処分件数と、そのうち、デジタルオンライン取引に関係する件数の割合をお示しください。
そしてもう一つ、大臣は夏頃に取りまとめというお話がありました。そうなりますと、法改正は更に先になるのかなと思います。SNSとかマッチングアプリを悪用した詐欺被害が拡大している今、この間の被害をどう防ぐのか、具体的にお聞かせください。
また、越境ECの悪質事業者、特に中国、東南アジア系のプラットフォーム経由の詐欺的商品への執行は現行の特商法で実質的に機能しているのかも重ねてお聞かせください。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年度、七年度、二〇二四年度、二〇二五年度でございますけれども、国が行いました特定商取引法に基づく行政処分の件数、それから、そのうち通信販売事業者に対する処分の割合についてのお尋ねでございます。
国が特定商取法に基づいて二〇二四年度に行った行政処分の件数は、六十九件でございます。このうち、通信販売事業者に対する処分は二十一件でございまして、全体の約三割を占めているところでございます。同様に、二〇二五年度に行った行政処分は四十二件でございまして、そのうち、通信販売事業者に対して行った行政処分は二十一件でございまして、二五年度につきましては全体の五割を占めているところでございます。
それから、もう一つ、特商法の議論ということでございまして、検討会で行っている議論で、その間に発生した消費者被害に対してどのように対応するかということで御指摘をいただきました。
委員の御指摘がありましたデジタル取引・特定商取引法等検討会については、デジタル化や高齢化の進展などを踏まえまして、インターネット取引をめぐる新たなルールの在り方などについて検討するべく、本年の一月から開催しているところでございます。
現在、有識者の方々に御議論いただいているところでございまして、具体的な結論が決まっているものではございませんけれども、消費者にとって安心、安全な取引環境を整備していくべく、引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございます。
他方、例えば、本検討会で御議論いただいている、先ほどから御議論がありますいわゆるダークパターンなどにつきましては、虚偽、誇大広告の規制ですとか最終確認画面規制など、現行法において既に違法になり得るものも存在するところでございます。こうした事案につきましては、現行法を最大限活用いたしまして、消費者被害の未然防止に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○若狹委員 ありがとうございます。
法改正までの空白期間の被害をどう防ぐのかということは最も重要なことでございますので、暫定措置も含めて是非検討をお願いいたします。
次に、結構見落とされがちなことなんですけれども、実際に私のところにも実務的にも相談があるケースが多いんですけれども、消費者が詐欺的取引で被害を受けました、後に返金されました。損害賠償を受け取った場合、税務処理が非常に複雑になってきております。
返金に関しましては単純な返還で課税問題は生じないんですけれども、損害賠償金として受け取った場合は、慰謝料とか逸失利益相当分が含まれると一時所得という形になって課税されます。特に、高齢者の被害者の多くはこの区別を知らずに、返金後に確定申告をしてしまって気づかないケースが結構あります。そういった上で相談に来たりするんですけれども、消費者庁として、国税庁と共同で、被害回復を受けた消費者向けの税務QアンドAみたいなものを整備、公表しているのか、お聞かせください。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
消費者庁は消費者の利益の擁護及び増進を任務としておりまして、税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を任務としているわけではございませんけれども、今御指摘のような事案も含めまして、消費者庁の所掌事務の中で課税逃れ等の事実に接した場合には、関係省庁とも必要に応じ適時適切に連携を図ってまいりたいと思っております。
QAなどにつきましては準備しているところではございません。
○若狹委員 被害者が返金を受け取った後の税務処理というのは非常に問題なんですが、ようやく返金されたのに今度は税務申告を求められるというのは被害者にとっては二重苦でございます。是非国税庁との連携でQアンドAを整備していただきたいですし、これは消費者庁としてすぐに動ける話だと思いますので、是非前向きに御検討いただきたいと思います。
重ねて、中国や東南アジア系のプラットフォームを経由した悪質事業者の多くが消費税のインボイスを発行しておりません。輸入少額貨物への消費税の課税実態と徴収漏れについても消費者庁は是非経産省、財務省と連携して実態を把握していっていただきたいと思いますし、消費者被害と租税回避は表裏一体なので、縦割り行政では解決できませんので、是非消費者庁さんが主導して省庁横断でチームを組成していただきたいなということを求めたいと思います。
次に、二〇二四年の十月の改正法施行後、課徴金の納付命令は何件出て、総額幾らあるのかということをお聞かせください。
また、この改正前と比較して違反抑止の効果をどう評価しているのか、課徴金は現在三%が上限ですけれども、海外のように、EUの場合は六%取ったりしておりますけれども、課徴金の水準の引上げを検討するお考えはあるか、お聞かせください。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
令和五年の景品表示法改正では、課徴金制度の見直しと、違反行為に対する抑止力の強化等の措置を講じております。
課徴金納付命令の状況でございますけれども、令和五年の改正法が施行された令和六年十月からの一年間で見ますと、八件の納付命令、額は三億四千百二十五万円であります。また、本法の施行前、令和六年の九月から遡って一年間、こちらは九件の命令、額は二十九億九千四百九十七万円でございます。
施行日後の課徴金の総額は施行日の前より少ないんですけれども、これは、課徴金の額が事案によってかなり大きく異なってくるものですから、一概に評価することは難しいのかなというふうに考えております。
また、課徴金の算定率の引上げ等の検討でございますけれども、令和五年の景品表示法改正時の本委員会の附帯決議においても指摘されておりまして、本決議の内容も踏まえまして今後適切に対応してまいりたいと考えております。
○若狹委員 ありがとうございます。
是非課徴金制度の強化に取り組んでいただきたいと思いますし、まだ日本は水準が低いと思いますので、抑止力が十分かどうかというのはデータ分析をしていただきたいと思っております。
次に、企業の法務、コンプライアンス部門は違反リスクを発覚確率掛ける制裁額というもので試算するんですけれども、ここに実は重大な税務上の非対称性があります。
例えば、事業者が納付した課徴金は、法人税法上、損金算入不可なんです。ですけれども、違反に関連した弁護士費用とか社内調査費用とかシステム改修費とか広報対応費は損金算入が可能なんです。つまり、課徴金本体は損金不算入なんですけれども、違反の後始末コストは節税できるという仕組みになっています。これは非対称性なんですね。
これは、私も知っているところもありますけれども、大企業が課徴金リスクを織り込んだ上で不正を継続するインセンティブを生みかねない、制度上結構重大な欠陥になっている可能性がありますが、これは実務的な話なんですけれども、大臣はこういった事例は御存じでしたか。
○黄川田国務大臣 委員にお答えします。
景品表示法違反行為を行った場合に係る弁護士費用等の税法上の損金の取扱いについては承知しております。
その上で、税法上の取扱いについて実際に個々の事業者がどのように認識し、事業を行っているかという実態までは承知しておりません。
○若狹委員 ありがとうございます。
これは結構多く見受けられております。この非対称性を解消するには二つのアプローチが考えられるのかなと思いますが、一つは、違反関連費用の損金算入を制限することです。もう一つは、課徴金の一部損金算入を認める代わりに税率を大幅に引き上げるとか、こういったような対策が必要になってくると思います。それをするにしても財務省、国税庁さんとの連携が必要になってきますので、損金算入の非対称性の制度の抜け穴を、課徴金を払ってでも後始末費用で節税できるなら大企業にとっては結構割に合う話でありますので、この辺は是非非対称性を問題視していただいて財務省さんと協議していただきたいと思っております。
次の質問に移ります。
消費者庁さんにお話を伺っていると、他省庁との関係性をもっと強く積極的にしていく必要があるなと感じておりますけれども、消費者安全法上の勧告権は直近何件行使されているか、お聞かせください。また、景表法とか特商法、食品表示法の公益通報体制整備を合計した場合、中小事業者一社当たりの年間規制対応コストの総量を把握しているのかもお聞かせください。また、それに付随して、コスト試算を義務化するRIA、規制影響分析の導入を検討するか、お聞かせください。
○田中政府参考人 お答えいたします。
消費者安全法に基づく勧告の件数でございますけれども、これまでに二件行ってございます。
○飯田政府参考人 中小事業者を含めまして、消費者庁所管法律の規制対象となる事業者一社当たりの年間規制対応コストを把握しているのかという御質問についてお答えいたしたいと思います。
規制の導入に当たりまして、そのコスト負担というものを把握することは極めて重要であると認識しておりますけれども、一方で、消費者庁の所管法令は業横断的なものが多くて、規制の対象となる事業者の数ですとか業態等も様々でございます。また、規制に対応する事業者が置かれた状況も様々であるといった個別の事由による差異も大きいことでございますので、こうしたことから事業者一社当たりの年間規制対応コストを把握するのは実態的にはなかなか難しい点があると考えてございます。
他方で、規制の影響を分析するということでございまして、レギュラトリー・インパクト・アナリシスというものでございますけれども、これは行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づきまして規制の事前評価制度として義務化されておるところでございまして、消費者庁もこの法律に基づく事前評価を実施しているところでございます。
この評価の中では、先ほど申し上げましたような消費者庁の所管法令の特徴なども踏まえまして、利害関係者からの意見聴取を行うなどによりまして消費者の安全、安心を守るとともに、他方で、事業者の健全な事業活動が妨げられることのないように努めているところでございます。
引き続き、規制の導入に当たりましては、様々な手段を通じて事業者負担の把握に努めてまいりたいと考えております。
○若狹委員 ありがとうございます。
勧告権も二件ということですので、措置要求というのもありますが、そこは今回お聞きしませんけれども、使える権限は是非使っていただいて、その姿勢を市場も含めて見せていくことが大事だと思っております。規制コストの総量把握は中小企業支援の観点から見ても極めて重要でございますので、是非コスト総量の把握に取り組んでいただきたいということをお願いいたします。
最後に、民間企業では、例えば新規投資するには必ずコスト試算と分析を行います。それなしで意思決定をしたところで経営がうまくいかないのは当たり前なんです。ですので、行政も今回同じだと思います。規制の積み重ねが中小企業の経営を圧迫していないかというところのデータ検証をする仕組みが不可欠だと僕は思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
行政におきまして、規制が事業者に課す負担を適切に把握した上で制度設計する、これは極めて重要だと思っておりますけれども、先ほども御答弁申し上げましたとおり、消費者庁の所管法令に基づく規制というものはなかなか多様でございます。消費者の安全、安心を守るために必要なものであると認識しておりますけれども、同時に、事業者の健全な事業活動を過度に妨げるものであってはならないと考えておりまして、規制の事前評価を実施する中で負担の把握にも可能な限り努めております。
コストを定量的に評価することはなかなか難しいと先ほど申し上げましたけれども、いずれにいたしましても、利害関係者の方々からの意見聴取を丁寧に行うなど、様々な方法を組み合わせながら引き続き事業者負担の把握に努めてまいりたいと考えております。
○若狹委員 ありがとうございます。
試算するのは難しいとおっしゃいましたけれども、実はそうでもなくて、経済産業省さんも国税庁さんも消費者庁さんもデータを持っておりますので、司令塔としてそこの部分を各省庁にお願いして横断的に分析していけば必ず試算は出せると思っておりますし、デューデリをやるときは僕らも必ずそうやってやります。ですので、是非前向きにやっていただきたい。それには、消費者は情報が少なくて自分の身を守るということには限界がありますので、国がしっかりデータを持って制度の網の目を接いでいくことを期待したいと思っております。
今回申し上げた三つ、景品表示法の課徴金制度の損金算入の非対称性、消費者被害から回復した被害者が損害賠償金の後の税務処理での追加の不利益を生む構造、中小企業に課される規制コストの総量の試算、こういったものを、消費者庁が是非司令塔となっていただいて関係省庁と連携を取っていただいて、市場への牽制に必ずなりますので、そうすることによって消費者が一番安心できる結果につながるはずですので、私たちも一生懸命取り組んでまいりますので、大臣始め引き続きよろしくお願いいたします。
終わります。
○笠委員長 次に、井戸まさえさん。
○井戸委員 国民民主党の井戸まさえです。
黄川田大臣、多分御存じだと思うんですけれども、私は四十年近く、朝の街頭演説を続けております。駅前に立っていると、その時々の世相というのが本当によく見えてくるんです。かつてはカラオケ店やスポーツジム、ダイエット関連の広告が目立っていたんですけれども、ところが、最近明らかに増えたのが貴金属の買取り、不用品回収、遺品整理といった広告です。消費者金融の跡地に古物買取り店が並ぶ、こんな光景も珍しくありません。物は買う時代から今度は物を整理する時代へ、家族に支えられる老後からお一人様の老後へ、日本社会の変化がそこに映し出されています。
消費者行政というのも、これまでは、悪質な訪問販売、強引な勧誘から買わせる被害を防ぐことを中心に発展してきたと思います。しかし、今、被害の現場は変わってきています。売らせる、処分させる、整理させる、高齢者が物を手放す場面にこそ、新たな消費者被害の温床が起こっています。
その深刻さというのは数字にも表れているんですね。一人で自宅で亡くなって八日以上発見されなかった方の数、いわゆる孤独死ですけれども、年間二万二千人となっている。この数字というのは、内閣府が昨年四月、国として初めて公表した推計です。
引取り手のない遺体というのは、二〇二三年だけでも全国推計で約四万二千人、全死亡者数の二・七%に至ります。これも、厚生労働省が去年の三月に初めて実態調査を行って明らかになった数字です。
六十五歳以上の単身高齢者というのは、二〇二〇年の時点では六百七十万人余りだったのが、二〇四〇年は一千万人を超えるというような試算も出ています。
そして、昨日は、我が党の江原くみ子参議院議員が参議院の決算委員会で、同じように、お一人様の、特に不動産売買についてのことも質問したと思うんですけれども、生涯未婚率というのは、二〇三〇年では男性の約三〇%、女性の二〇%になるとも言われています。かつては夫婦と子供が標準世帯だったんですけれども、それではなくて、これからはいわば単身世帯が特別ではなくて日本社会の新たな標準になりつつあるということを自覚しながら、消費者行政というものも進めていかなければいけない。親の介護、実家じまい、身元保証、死後事務、財産管理、これまで家族が担うことを前提にしてきた課題、これはもう社会全体の課題である。
こうした社会情勢の変化を踏まえて、今日は、お一人様の老後、江原参議院議員に続きまして、私も、黄川田大臣、そして消費者庁、厚労省に伺っていきたいと思っています。
まずは、実家じまいと押し買い被害についてです。
私も、ここ数年間に自分の両親と夫の両親四人を亡くして、実家じまいを経験いたしました。そこで様々な現状を知り、驚くばかりでした。
実家じまい、生前整理、遺品整理に関連して、消費生活センターにはどのような相談が寄せられていますでしょうか。近年の傾向も併せてお答えをいただきたいと思います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から御指摘がありましたけれども、いわゆる押し買いでございますけれども、訪問購入という形で特定商取引法の中で規制がございます。
特定商取引法の中でのルールとしては、業者に買取り時に書面の交付義務ですとか不当な勧誘行為の禁止などの行為規制が課せられておりまして、これに違反した場合には行政処分や罰則の対象になっております。昨年度は、国においては十三件、行政処分を行っております。内容といたしましては、業務の停止命令でございますとか指示、あるいは代表取締役に対する業務の禁止命令、こういったものでございます。
御相談ということでございますけれども、個別にはあれですけれども、やはり高齢者の方がトラブルに巻き込まれるということが多く、問題であるというふうに認識しているところでございます。法に違反する事実に接した場合には厳正に対処するとともに、普及啓発にも努めまして、押し買いの消費者被害に対してしっかり対応してまいりたいと思っております。
○井戸委員 今お答えをいただきまして、今日いただいた消費者政策の実施の状況の報告の中にも件数が書いてあったので、なるほどと思いながら、また後で紹介をさせていただきたいと思うんです。
今の押し買いなんですけれども、私も、この間、友人が実家の家じまいをして、そして、親の遺品として残った貴金属を売却したいと買取り店に持ち込んだときに一緒につき合ったことがあるんです。
そうしますと、どういうことが起こっているかというと、少し預からせてくださいと、二時間ぐらい、それを査定をする時間がまずあるんです。そして、戻っていくと、大体、親の家にあったものなので価値がないだろうと思ったらば、ピン札で三十万円が用意されていまして、これでこの場で買いますということを言われるんですね。こちらとしては無価値だと思っていたものが三十万円、じゃ、すぐに、分かりました、お願いしますと、不用品なのでそこでもう契約が成立をして、パソコンのやり取りとかは全然なくて、手でサインをするだけなんです。そして、渡したものは二度とこちらには戻ってこない、見ることはできなくてという形なんですね。後で相場を調べると、もしかしたら倍近い金額で売れたのかもしれないのではないかというのでまた電話をすると、一旦そこで契約をしてサインをしたのでクーリングオフはできないということを言われるわけなんです。
私たち世代でも、親のものを売っているのでもそうなんですけれども、御高齢者であればなおさら、相場がどうなっているのか、比較検討なんか難しいわけです。早くいろいろなものを片づけたい、そうした心理につけ込んでいく危険もあると思うんです。
特に、先ほど言いましたこの中の二十七ページを御覧いただくと、データが出ていて、先ほども訪問販売の話はなさっていたと思うんですけれども、これは訪問購入というような言われ方で、店舗に自分で自ら売りに行くわけです。そうすると、七千三百七十三件という最新の二〇二五年度の数字が出ております。二〇二三年度は八千六百二十二件、そして二〇二四年度が七千八百八十九件だったので、この水準は変わっていないわけですね。
江原議員からは、昨日、不動産の押し買い、これは貴金属だけじゃないんです、不動産等でも押し買いというのが起こっています。個人が売手になって業者が買手となる、そうした不動産取引には宅建業法や特定商取引法のクーリングオフが適用されていません。大切な実家とか土地が安値で買い取られても、制度的な保護が届きにくい構造があります。もちろん、基本的な金額の違いはあるんですけれども、私が今日お尋ねをしている押し買いのところについても、高齢者が情報格差の中に置かれるという意味では、根本的に同じ構造を抱える問題なんですね。
消費者庁は、この実態をどのように認識をして、高齢者が適正価格を判断できる、そうした環境整備をどのように進めていくのか、伺います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
今委員から様々な御指摘がございました。訪問販売みたいなケースもございますし、押し買い、いわゆる訪問して購入する訪問購入のケースもございますし、店舗に持っていってそちらでいろいろなトラブルにというようなお話も、いろいろございました。
高齢化が加速いたしまして、単身世帯が増えまして、いわゆるお一人様ということで、例えば認知症などの配慮を要するような消費者の方々を狙った被害というものもどんどん増加してくるということも懸念されるところでございます。
消費生活センターの方で御相談を受け付けておりますけれども、こちらで御相談を待っているだけではなかなか被害が埋もれてしまうというようなことで、被害の未然防止あるいは救済に向けまして、より積極的な取組が必要になるんじゃないかということを考えておりまして、このため、日常的に消費者に接する機会のある多様な主体が参画して、見守り活動というものを実施しております。消費者の皆様へのきめ細やかな情報提供や注意喚起を行うということが重要であると考えております。また、トラブルを発見した際には、消費生活センターへ取り次いで、相談員による助言とかあっせん等ができますので、こういったことを行って、必要があれば福祉などの専門機関の支援につなげていくということも考えているところでございます。
消費者庁の方では、消費者安全法に規定いたします消費者安全確保地域協議会の設置、あるいはその活動の活性化も推進しているところでございます。
先ほどから御説明しておりますように、地方消費者行政強化交付金の見直しも行いまして、先ほど申し上げました見守り活動の活性化、あるいは、消費生活センターとの連携強化に取り組む地方公共団体を支援する新たなメニューを設けたところでございます。
こうした取組によりまして、待ちの相談対応から脱却いたしまして、地域に積極的に出向くことで、被害の未然防止、拡大防止、救済機能の強化を図りまして、セーフティーネットとしての地方消費者行政の活性化を図ってまいりたいと考えております。
○井戸委員 先ほど角田委員の方からも見守り活動についての御質問があったんですけれども、私も、この見守り活動はすごいなと。積極的に出ていって、被害に遭いそうだ、遭っているかもしれない、これは個人情報関係なくある意味通報できるというような形もあって、すごくいいなと思ったんだけれども、このネットワークを見ていくと、地域包括センター、支援センターだとか、民生委員の方だとか、消防署とか消防団、いろいろ入っているんですよ。だけれども、お一人様はこの輪の中に入れるんだろうか。
そうしたお一人様の高齢者に対して、先ほども人材の確保ということも質問があったんですけれども、消費生活センターの人材を確保したり人数を増やしたりという予算はあるのかもしれないけれども、この見守り活動自体の人数を増やしたりだとか研修を増やして、本当にお一人様で困っていらっしゃる方たちにアプローチするというのは、まだまだ、何か心もとない気もするんです。
お一人様に対しても見守り活動というのはちゃんと効果があるような形になっているんでしょうか。もう一度御答弁をお願いいたします。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど委員から御指摘がありましたように、消費者安全確保地域協議会におきまして、現在、五百八十七自治体で設置されておるところでございます。
その中には、先ほど御指摘がありましたように、協議会は設置されたものの、消費者への活発な情報提供など見守り活動の実践には至っていないですとか、あるいは、既存のネットワークとの連携が進まないというような課題があるというふうに承知しております。そのため、消費者庁では引き続き、協議会の設置促進とともに更なる活動内容の充実促進に取り組んでおるところでございます。
そして、今委員から、お一人様の方に見守りネットワークが届いているかというお尋ねがございました。
消費者安全確保地域協議会は、主に三つの機能がございます。一つは、配慮を要する方に情報を届けて、異変に気がついたら、それを消費生活センター等につないでいただくという機能を有しております。
ですので、まずは、消費者行政の体制を当然充実強化していくのは確かなんですけれども、それとともに、我々は、今、消費者安全確保地域協議会を全国的に展開しようとしております。それぞれ地域の実情によって変わりますけれども、その中に入ってくるメンバーは、行政機関だけではなくて、例えば民間事業者も含めて、その地域の実情に応じて協議会のメンバーになっていただいております。
消費者庁としては、まず、お一人様の方も含めて、配慮を必要とする方々に情報が届くように、そういう形で協議会が進んで、かつ、その活動が積極的に、待ちの姿勢から、きちっとアウトリーチができるような活動を支援していきたいと思っております。そういう意味では、是非、我々としても、引き続き全国各地で消費者安全確保地域協議会が展開できるように、国としても積極的に働きかけていきたいと思っております。
○井戸委員 お答えのように、消費者安全確保地域協議会を増やしていくということもそうだと思うんですけれども、やはり本当に必要な方がどこにいるかということも、情報を共有するようなネットワークの構築というのは大事だと思うんですけれども、その際にはお一人様ということもしっかり考えてやっていただきたいなと思っています。
それでは次に、大臣に伺いたいと思うんです。
現行の特定商取引法では、訪問購入の規制、先ほど言いましたように、例えば、古物買取りに行きますよとかいって家に来て、そこで物を売ってくださいとかいう形で言われたりする。この間、自分の住んでいるマンションで、いきなりロビーのところで、そうした貴金属を買いますとかいうことが出張で来ていて、マンションの人たちはみんな行っているんですよ。本当にちょっと驚いたりもしたんですけれども。
これというのは、出張で、まさに家に買取りに行くわけなので、ここに関して言ったら、特定商取引法で訪問購入規制というのが設けられているわけなんですよね。ただ、被害というのは依然続いているわけですよ。先ほど言ったように、行為規制とかもあって、そして罰則もあったとしても、まだまだ被害は終わっていない。
更に問題なのは、先ほど言いました店舗型の貴金属買取り業者とか、そういったところの実態が全く見えていないんです。古物商の許可数だけは分かっているんですよね。二〇二三年時点では五十二万九千件に上るんですけれども、こうしたところで、例えば貴金属の買取りとして独立した統計の区分はないんですよ。何店舗あって、どれだけの取引が行われて、そこに被害があるかないかというところも、公的に把握する仕組みはないんです。
令和四年度では、特殊詐欺の被害の総額というのは百九十三億円に上っていて、そのうち六十五歳以上の被害というのは八六・六%、先ほども数字のところで最新の数字があったと思うんですけれども、とにかく六十五歳以上が多いというところではある。
そうなったときに、政府は、現行制度で十分と考えているのか、若しくは、店舗型の貴金属買取りの業者も含めた実態把握、そして、消費者の保護というのをどのように進めていくのか。大臣の認識をお伺いをしたいと思います。
○黄川田国務大臣 お答えします。
今までの議論のとおり、押し買い、訪問の場合には、不当な勧誘行為の禁止等の行為規制が課せられて、違反した場合には行政処分や罰則の対象になっておるということでございますが、店舗での買取りの対応については、一般論として、店舗での買取りには、訪問購入と異なりまして、不意打ち性が認められないため、特定商取引法における特別の類型としての行為規制は設けられておりません。
他方、委員御指摘のように、店舗における売買であっても、消費生活相談が寄せられていることは認識しております。店舗における売買については、消費生活相談の状況を見ていきたいというふうに考えております。
○井戸委員 それこそ、銀行の窓口で、振り込め詐欺だと、これは大丈夫ですか、当てはまりますかみたいな確認があるように、やはり、例えば、買取りの店舗のところに、売るときにもう一回しっかり確認をすることを促す、何かそうした表示を出すだとか、若しくは、昨日いろいろと消費者庁の方とも話していた中では、適正な店舗なのかそうじゃないのかというところの見極めは非常に厳しいんですけれども、そうした何かしらのメルクマールを設けるとかということをしていかないと、先ほども言いましたが、御高齢者の方々というのはこれから一千万人時代が来るんです、そうしたら、被害というのは形を変えて、そして、もう来るのは大体目に見えているわけです、今でもそうなっているわけですから。
是非これは、政府を挙げて、そうした被害を未然に防ぐ、そして、被害があったときにはそれに対して何らかのしっかりとした回復ができるようなシステムというのを検討いただきたいと思います。要望させていただきます。
続いて、終身サポート事業についてお伺いをいたします。
終身サポート事業というのは、例えば、自分が入院をしたりだとか、今まで独り暮らしだったけれども施設に入りたいといったときに、身元保証というのが、通常は御家族がやられることなんですけれども、お一人で暮らされている、若しくは、御家族がいたとしてもなかなか関係性がうまくいっていないという方たちも多くいらっしゃいます。そうしたときに、こうした身元保証だとか、入退院の支援だとか、金銭管理、そして何よりも死後の事務なんです。一人で亡くなった、死後どうなるのか。それこそ、火葬から、御遺骨から、どうやったらいいんだろうか。本来であれば家族が担う、こういったことを前提としてきた役割を、今、民間事業者が担うようになってきているんですね。
そして、終身サポート事業というのが拡大しているというのは、まさに家族だけではもう支えられない社会になっているんだ、これがお分かりになると思うんです。皆さんもネットで調べていただいたら、例えば身元保証だとか死後の事務とかいったら、終身サポート事業というのがたくさん出てくるんですね。
賃貸住宅に入居する際には、身元保証人、緊急連絡先が書けずに審査に進めないだとか、そういった方も多いんです。だからこそ、民間の終身サポート事業に頼らざるを得ない。しかし、あったら便利だし、お金で解決できるならと、遠い親戚にいろいろ言って面倒くさくなるんだったらここで払った方がいいやといってやられる方たちは多いんですけれども、そこには問題点が指摘もされているわけなんです。
最も象徴的だったのが、ちょうど十年前の日本ライフ協会。これは公益財団法人だったんですけれども、破綻をして、約二億七千四百万円の預託金を流用していて、負債総額というのは約十二億円だったんですね。契約者は、皆さん、死後までやってくれますよ、終身面倒を見てくれるというので、例えば最初に百五十万払いますと契約をする、しかしそれは戻ってこない、破綻しちゃっているわけですからね。このときには、返還できた預託金は約四割にとどまりました。公益財団法人でこういうことが起こるということ、非常にショッキングな事態でした。
近年でいうと、名古屋高裁が、令和四年の三月に、身元保証を提供する代わりに死亡時の全財産を無償で譲渡させるという契約、これを暴利行為、公序良俗違反として無効というふうに判断しました。
また、総務省の調査では、費用をホームページで公開している事業者というのは僅か四三・七%、まさに半分しか費用を出していないわけです。監督官庁や許認可の制度も曖昧なので、利用者が信用できる事業者を見分ける手だてがありません。
政府は、令和六年六月に、ちょうど二年前になりますが、高齢者終身サポート事業者ガイドラインを策定しました。そして、昨年の六月五日には、まさに消費者特別委員会、衆議院のこの委員会で、高齢者保護に関する決議というものが採択されて、今年度、まさに先ほどおっしゃっていたみたいに、地方消費者行政強化交付金の大幅な見直しというのもその決議を踏まえたものなんです。さらには、委員会でのいろいろな質問も重ねながらでありますけれども、政府は、そうした質問の中でも、課題の存在ということ、そして制度整備の必要性というものを認めています。
ここで質問させていただきます。
ガイドライン策定から約二年経過しましたけれども、この終身サポート事業に関する相談件数はどのように推移しているのでしょうか。そして、改善は見られているのでしょうか。お願いいたします。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の高齢者等終身サポート事業者ガイドラインにつきましては、関係省庁において令和六年六月に策定され、その周知を図ってきたところでございます。
全国の消費生活センター等に寄せられた相談のうち、高齢者等終身サポート事業に関する相談は、令和六年度は四百二十一件、令和七年度は四百四件寄せられているところでございます。
具体的な相談事例でございますけれども、事業者の信用性に関する相談ですとか、契約金額の妥当性、また、解約時の返金の取扱い等の相談が寄せられているところでございます。
○井戸委員 ありがとうございます。
例えば、終身サポートを受けていらっしゃる方というのは、全体で、この国でどのぐらいいるかだとか、そうしたことというのはお分かりなんでしょうか。数字の実態を把握をしていくというのは消費者行政の第一歩でもあると思うんですね。事業者数が分からないとか、利用者数が分からないとか、預託の金額も含めてですけれども分からないというのでは、ガイドラインがせっかくあったとしても、効果の検証というものができないのではないか。
現在、全国に大体何社いて、そして何人が利用して、今言いましたとおり、そうした預託金の金額などは、政府は把握をしているのでしょうか。お答えください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
今手元にございませんので、後ほど先生のところにお届けさせていただければと思います。
○井戸委員 それでは、把握をしているということでよろしいのでしょうか。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
大変申し訳ございませんが、私の方で、現時点において把握しているかどうかも含めて確認させていただいた後、先生の方に後日お届けさせていただければというふうに思っております。
○井戸委員 先ほども伝えたんですけれども、ライフ協会の事件が起こって十年がたって、そして、ガイドラインができて二年がたつわけですよね。そこで、実態を掌握しているというか、分かっているか分かっていないかということも今把握をしていないというのは、本気で、この終身サポート制度、いろいろ被害が出ていたことを踏まえて、そして、先ほども、令和六年で四百二十一件、令和七年では四百四件、やはり被害はあるわけですよね。こうしたところについて、しっかり実態把握というものをやっていただかなければいけないのではないかと思っています。
十年前にはかなり大きな問題になったので、専門家たちが警告して、だからこそガイドラインができているわけですよ。そして、先ほども言いましたけれども、衆議院では決議もしている。
なぜ法制化が進まないのか、これも含めてお答えをいただきたいと思うんですけれども、大臣、ちょっと通告はしていないんですけれども、今のを聞いて、いかがですか。
○黄川田国務大臣 消費者庁としても、真剣に取り組んでいると思います。今御指摘の点については、もう一度、部局に帰って確認するということでございますので、その上でしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○井戸委員 先ほど、ライフ協会だと預託金の話もあったんですけれども、そうした終身サポート契約というのは数十万から数百万前払いをする。だけれども、倒産したらどうなるのか。
こういったところ、本来は、保障制度があったりだとか、供託制度があったりだとか、分別管理とかいった預託金の保全の措置というのが必要だと思うんですけれども、そうした制度ということを考えていらっしゃるんでしょうか。問題が起こったときにどう対処をするのかというところ、これは既に言っていると思うんですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○伊澤政府参考人 お答え申し上げます。
まず、高齢者等終身サポート事業に関してでございますけれども、昨年八月に、高齢者等終身サポート事業者による全国レベルの業界団体が設立されまして、同団体におきまして、今月から、国のガイドラインを上回る基準を満たす事業者を優良事業者として認定する制度が創設されるなど、質の向上に向けた取組が行われております。
今御質問いただきました預託金関係でございます。
高齢者等終身サポート事業については、そのサービスの性質上、サービス提供に当たり必要となる金銭について、利用者から事前に預託金を受けることがあるというふうに認識してございます。
こうした状況に対しまして、ガイドラインにおきましては、事業者の万が一の経営破綻等の場合における利用者の被害を少なくする観点から、利用者からの預託金について、事業者自身の運転資金などとは明確に区分して管理することを求めております。
その上で、今申し上げました事業者団体におきましては、運営方針におきまして、国のガイドラインの遵守に加えて、利用者からの預託金を事業者又は利用者が委託者として締結する信託契約に基づき、信託口座で管理していることを求めているというふうに承知しております。
こうした取扱いを通じまして、預託金に関する保護が図られていくというふうに考えておりますので、ガイドラインの周知、それから、こうした事業者の取組を推進することにより、適正な運営を図ってまいりたいと考えております。
○井戸委員 今伺ったら、やはり、先ほど私が言ったように、例えば、そうした適切な事業者というのでマークを作るだとかということを民間のところがやっていらっしゃるわけです、そこに入っていくのが優良なサポート事業者だという形で。やはりそこは、行政が何らか関わってもっと積極的にやっていかないと、なかなか、逆に言うと、そこに入らなくても、高齢者は分からないですよ、それに入っているのか入っていないのか。なので、悪徳なところを排除していくという意味では、もっと積極的に関わっていかなければいけないと思うんです。
続きまして、成年後見制度、この国会で、この間、衆議院の法務委員会で通りましたけれども、成年後見制度を法務省にも伺いたいと思います。
今回の成年後見制度の改正は、消費者被害又はこういったお一人様の被害というところも含めて検討がされたのか、伺います。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
民法等改正法案におきましては、後見の制度を廃止いたしましたが、他方で、補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判を受けることによって、その後に本人が補助人の同意なくその行為を行った場合には、これを取り消すことができますし、また、本人が事理弁識能力を欠く常況にある者である場合において必要があるときは、特定補助人を付する旨の審判を受けることによって、法定の重要な財産行為をいずれも取り消すことができることとしております。
さらに、特定補助人を付する旨の審判を受けた本人に関しましては、必要があるときは、法定の重要な財産行為以外の行為についても取り消すことができる旨の審判を受けることができることとしておりまして、こういったことによりまして、判断能力が不十分な方の保護も図ることができる、消費者被害を防止することについても配慮していると判断しております。
○井戸委員 ちょっと時間がなくなったので私から言わせてもらっちゃうんですけれども、終身サポート事業とこういった成年後見というのは並立してやることができる。例えば、そうした終身サポートを受けているけれども、なかなかそれが実行されていないといったときに関して言ったらば、首長申立てだとか、様々なことを利用しながら成年後見制度が使えるということで確認をさせていただきたいと思うんですが、それでよろしいですよね。ありがとうございます。
時間がないので最後の質問になりますけれども、いずれにせよ、高齢者やまたその御家族だけでなくて、お一人様の場合は、いろいろ自分で何か立ち回れるかといったら、そうではないわけです。しかしながら、老後を支えるというのは、先ほどどなたかからの御質問にもありましたけれども、関係省庁がとにかく多岐にわたってしまっているので一つでは済まない、そうなるとやはり諦めざるを得ない、結果的には御高齢者が非常につらい立場になるということもあります。
そういった中で、大臣に最後に伺いたいと思います。
関係省庁とか自治体、こういったところと一緒に連携しながら、被害をなくして、相談制度を整備をしていく、こういったこと、どのような取組をこれからやっていくおつもりなのか、御決意も含めてお答えいただきたいと思います。
○黄川田国務大臣 お答えします。
消費者庁では、消費者安全法に規定する消費者安全確保地域協議会の設置やその活動の活性化を推進しております。具体的には、全国消費者見守りネットワーク連絡協議会において、福祉分野を始め各分野の全国団体との情報共有や地域協議会への参画の呼びかけをしております。また、警察庁、総務省、金融庁等と連携しまして、通知を発出し、各地の警察署、地縁団体、金融機関等に地域協議会への参加と協力を呼びかけております。また、地域協議会の立ち上げや取組の参考となる好事例の収集、創出、横展開等の取組を進めているところです。
また、地方消費者行政強化交付金を見直しまして、見守り活動の活性化と、消費生活センターとの連携強化に取り組む地方公共団体を支援する新たなメニューを設けたところでございます。
こうした取組によりまして、地域に積極的に出向くことで、被害の未然防止や拡大防止、救済機能の強化を図りまして、セーフティーネットとしての地方消費者行政の活性化を図ってまいりたいと考えております。
○井戸委員 私も五人子供がいるんですけれども、しかしながら、今、この時代、子供がいるとかいないとか関係なく、やはり誰もがお一人様で老後を過ごさなければいけないというようなことはあると思うんです。若しくは、お一人様の老後を選択する、こういったこともあると思うんですね。その選択肢も含めてしっかり保障できる、そして、やはり、住まいの確保だとか、身元保証だとか、老後の生活設計、全てがつながっているんです。誰もが当事者になり得る、そうした問題でもあるので、是非、消費者行政のトップが福祉行政、法務行政へつないで、誰もが安心して過ごせる老後を確保できるように、さらに、これを実現できるようにしていっていただきたいなと思います。
引き続きこの問題に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。
終わります。ありがとうございました。
○笠委員長 次に、なかやめぐさん。
○なかや委員 参政党のなかやめぐです。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
私は、我が子が生まれたときから重度のアトピー性皮膚炎で苦しんでいる一人の母親です。何を食べさせればよいのか、どのような環境で子育てをすればよいのか、母親として悩み続けたことが政治を志した原点です。
参政党は、食品の安全性について、政府が安全と評価しているか否かにかかわらず、国民が十分な情報を得た上で選択できる社会を目指しております。党の政策カタログでも食の知る権利を守ることを掲げ、生産者、原産地、使用農薬、食品添加物、遺伝子組み換え、ゲノム編集などの情報について、消費者が確認できる仕組みの整備を提案しております。
本日は、農薬グリホサートの残留基準値の見直しを入口として、消費者への情報提供や食品表示の在り方について伺います。
グリホサートは、世界で広く使用されている除草剤です。発がん性を指摘する研究や評価がある一方で、日本政府は健康への影響は認められないとの立場を取っています。だからこそ、安全性の議論だけではなく、消費者が十分な情報を得た上で判断できる環境整備が重要だと考えております。
黄川田大臣は、所信の中で、科学的知見に基づく食品衛生基準の策定、食品の安全性に関するリスクコミュニケーション、科学的根拠に基づく正確で分かりやすい情報発信、さらに、合理的かつシンプルで消費者にとって分かりやすい食品表示を進めると述べられました。
リスクコミュニケーションとは、食品の安全性について、安全か危険かという結論だけではなく、その判断に至った科学的根拠や制度の考え方を国民に分かりやすく伝え、消費者が自ら判断できるようにする取組です。残留農薬の基準の見直しも、その重要な対象の一つであると考えます、本日は、その考えに沿って質問をさせていただきます。
黄川田大臣は、所信において、科学的知見に基づく食品衛生基準の策定、食品の安全性に関するリスクコミュニケーション、科学的根拠に基づく正確で分かりやすい情報発信を推進すると述べられました。食品安全に関する行政への信頼を確保するためには、単に安全性を評価するだけではなく、その根拠や判断の過程というのを国民に分かりやすく伝えることが重要だと考えます。
まず、大臣所信にある科学的知見、リスクコミュニケーション、分かりやすい情報発信の考え方について確認をいたします。また、残留農薬の基準の設定や変更というのもその対象に含まれるとの理解でよろしいでしょうか。黄川田大臣に伺います。
○黄川田国務大臣 なかや委員にお答えします。
食品安全の確保に関する施策の策定に当たりましては、食品安全基本法に基づきまして、国民の意見を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、関係者間の情報及び意見交換、すなわちリスクコミュニケーションの促進に必要な措置を講ずることとされております。
消費者庁では、リスクコミュニケーションに関する関係行政機関の事務の調整を担当しており、消費者の理解の増進や信頼の構築に向けて、関係府省庁と連携して様々なツールを用いてリスクコミュニケーションを行っております。
委員御指摘の残留農薬の基準設定、見直しに際しては、パブリックコメントを行い、国民からの意見をお伺いする機会を設けております。また、農薬の安全性確保のための仕組みを消費者の方々に分かりやすくお示しし、正しい理解を促進するため、QアンドAの公表や意見交換会等を行っております。
今後とも、関係府省庁と連携し、最新の科学的知見に基づく正確かつ適切な情報発信に努めまして、残留農薬も含めた食品の安全性に関する消費者の理解増進に向けて取り組んでまいります。
○なかや委員 ありがとうございます。
パブリックコメントは私も拝見いたしました。残留農薬の基準の設定や変更というのも、国民に丁寧に説明すべき対象であると思います。
グリホサートは、商品名ラウンドアップとして、世界で最も広く使われている除草剤の一つです。お庭などで使用されている方も多いと思います。その健康への影響をめぐっては様々な議論があります。除草剤が残留農薬としてふだん口にしている小麦に含まれているかもしれないということを御存じない方は結構多いと思います。
お手元にお配りした資料一を御覧ください。
我が国では、平成二十九年十二月、約八年半前に、小麦の残留基準値が五ppmから三〇ppmへ大幅に引き上げられました。つまり、厳しくなるどころか、安全基準が緩められたということです。国民から見れば、なぜ六倍もの引上げが必要だったのかというのは大きな関心事です。
そこで、この見直しが行われた経緯について、三〇ppmという数値の根拠、食品安全委員会の評価や世界基準であるコーデックスとの関係など、制度的、科学的な根拠を伺います。
○及川政府参考人 お答えいたします。
農薬グリホサートの残留基準につきましては、農林水産省等から、小麦、キャベツ等の対象農作物への適用拡大などに伴う基準値設定の依頼があったことから、平成二十九年十二月に改正を行ったところであります。食品安全基本法に基づき、食品安全委員会における食品健康影響評価を踏まえた上で、農薬を適正に使用した場合の残留試験の結果及びコーデックス基準、国際基準等を参照し、食品衛生法に基づき、人の健康を損なうおそれがないよう、我が国における食品中の農薬の残留基準を設定したところでございます。
お尋ねの小麦中のグリホサートの残留基準につきましても、平成十八年に設定されたコーデックス基準も参照し、食品健康影響評価、これは平成二十八年七月十二日にまとまったものでございますが、これらの結果等を踏まえまして、科学的知見に基づき、所要の手続を経て設定したものでございます。
○なかや委員 御答弁ありがとうございます。
食品安全委員会の評価を経たことは承知をしておりますが、国民から見れば、なぜ六倍になったのかが最も気になる点だと思います。農産物の輸入の実態や国際的な整合性への対応で六倍も基準値が引き上げられたのは、大きな違和感を覚えます。
残留基準値の見直しは、通常は実際の残留実態や健康への影響評価を踏まえて行われるものと理解をしております。一方で、政府からは、グリホサートについて、基準が超過した事例というのは確認されていないとの説明も受けております。
そこで、基準値の引上げの前後で、輸入小麦の残留状況や違反事例というのがあったのかを確認したいと思います。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のグリホサートの残留基準値につきましては、平成二十九年に変更が行われたところでございます。
この変更の前後五年の期間であります平成二十四年十二月から令和四年十二月の期間において、輸入小麦に関しまして、グリホサートの基準値を超過する事例はございませんでした。
○なかや委員 基準値を超過した事例がなかったのであれば、違反が多かったから基準値を引き上げたという話ではないということになります。そうすると、国民としては、なぜ見直しが必要だったのかという疑問が一層強くなると思います。
残留農薬の基準の見直しは、国民の食生活や食品の選択に関わる重要な政策判断です。しかし、多くの消費者はこうした基準改正が行われたこと自体を知らないのが実情ではないでしょうか。政府はパブリックコメントや審議会の資料の公表を行ったとのことですが、一般消費者にとっては十分な情報提供だったのかという疑問も残ります。
グリホサートの基準値の見直しでは、当時、どのような周知やリスクコミュニケーションを行ったのか、また、情報提供の現状についてお伺いいたします。
○及川政府参考人 お答えいたします。
食品中の農薬の残留基準の設定に当たりましては、パブリックコメントを実施し、国民からの意見を伺う機会を設けているところでございます。
先生御指摘がありました平成二十九年のグリホサートの残留基準の設定に当たりましては、薬事・食品衛生審議会における公開での審議を経て、平成二十九年六月二十一日から七月二十日の間でパブリックコメントによる意見募集を実施した結果、五百四件の御意見が寄せられたところです。その回答に当たりまして、丁寧に、かつ詳しく、科学的根拠に基づく基準値設定の考え方を示した説明資料をインターネットにおいて公表することにより、広く一般への情報提供を実施したところでございます。
なお、現在におきましても、当時の審議に関する資料や議事録、意見募集に対する回答として考え方を示した資料につきましてはインターネット上に公開され続けておりまして、どなたでもアクセス可能となっており、継続して情報提供がなされているところでございます。
さらに、グリホサートを含む農薬の安全性につきましては、残留基準値の設定に関する考え方も含め、消費者の方々に分かりやすくお示しし、正しい理解を促進することが重要であると考えており、一般向けのQアンドAの公表や全国各地における意見交換会等の機会を通じ、積極的に周知や情報提供を図っているところでございます。
○なかや委員 審議会の資料や議事録の公開だけでは不十分だと思います。一般の消費者の多くはこの基準の変更を知らなかったのではないでしょうか。実際に私も知りませんでした。大臣所信にある分かりやすい情報発信という観点から、十分だったのか、疑問に思います。
食品の安全性に問題があるかどうかは別として、消費者には、原料の原産国や生産地に関する情報を知った上で、自ら選択する権利があると考えます。国産品を選びたい方、特定の国や地域の食品を避けたい方など、消費者の価値観は様々です。
加工食品の国内製造表示については、国内で加工されたことを示すものです。原料そのものが国産であることを意味するものではありません。小麦粉やトウモロコシなどもそうですね。しかし、消費者の中には国産原料だと受け取られる方もおり、誤認のおそれを指摘する声もあります。
近年はトレーサビリティーの技術も進歩していることから、原料や原産地の情報をより分かりやすく提供し、消費者が適切に選択できる仕組みについて、今後の考え方を伺います。
○井上政府参考人 お答えいたします。
加工食品の原料原産地表示制度につきましては、輸入品を除く全ての加工食品について、使用した原材料に占める重量の割合が最も高い原材料の原産地を表示することとなっておりまして、その原材料が生鮮食品である場合は国産とか○○産と表示すること、その原材料が加工食品である場合には製造された場所により国内製造や○○製造と表示することを原則としてございます。
このような制度となってございますのは、制度創設時の有識者検討会におきまして、加工食品の製造方法は多種多様であり、生鮮原材料まで遡って原産国を特定することは困難であることに加えまして、原材料の加工食品についても、それがどの地域、国で製造されたかの情報は消費者の選択にとって有用な情報であると考えられるとの意見を踏まえて制度化をしたものでございます。
他方、加工食品の原材料であっても客観的に確認できる場合には、生鮮原材料の原産地まで遡って表示することは可能としております。例えば、パンで国産の小麦を使用している場合、任意で強調して表示しているものもあります。消費者が国産のものを選択できる状況となっていると考えてございます。
ただ、国産と国内製造という表現が紛らわしいという一部の声があることは承知しております。このような制度の仕組みについては、消費者向けのパンフレット及び動画の作成、食品表示制度に係る消費者セミナーの開催などを通じて周知、普及を行ってきたところでございますが、引き続き制度の普及啓発に取り組んでまいります。
○なかや委員 丁寧な御回答をありがとうございます。
制度を知れば理解できるという考え方もありますが、消費者が直感的に理解できる表示であることも重要だと思います。
食品添加物の表示は、消費者が食品を選択する上で重要な情報です。
お配りした資料二、食品添加物に関する諸外国の表示制度の概要を御覧ください。
食品表示基準第三条第一項で、使用した食品添加物について物質名で表示することが規定されていますが、複数の組合せで効果を発揮する食品添加物や食品によく使われる食品添加物は一括名での表示が可能とされています。例えば、我が国では十四種類もの添加物が一括名で表示することが可能である一方、アメリカ、オーストラリア、中国では香料のみ、国際基準であるコーデックスではガムベース、着香料、加工でん粉の三種類だけです。我が国では一括名表示ができる添加物が多いため、実際に使用された添加物名が表示されず、分かりにくいとの指摘があります。
次に、資料三を御覧ください。
ここには、ミックス弁当の三種類の表示例があります。上段は、現行制度による表示例です、よく御覧になると思います。中段の表示は、簡略名、類別名を使わずに、全てに用途名を併記する場合です。下段は、INS番号を用いる場合です。
着色料に使われるカラメルは、カラメル1からカラメル4まで種類があります。一部の生活協同組合では、安全性の観点から、カラメル3、4の使用を禁止しております。現行制度では、カラメルとだけ表示されてしまい、どのカラメルが使用されているのかが分かりません。中段の表示では、カラメル1と表示されております。比較的安全なカラメルが使われていることを消費者は知ることができます。
消費者庁の検討会でも、個別の添加物名や用途を知りたいというニーズが示されています。そこで、一括名表示制度の趣旨を確認したいと思います。また、消費者の知る権利や選択権の観点から、見直しの可能性があるのかをお伺いいたします。
○井上政府参考人 お答えいたします。
食品添加物の一括名表示につきましては、消費者庁が設置される前の厚生労働省時代に遡りますが、昭和六十三年に食品衛生法施行規則が改正され、一括名をもって物質名の表示に代えることができることとなりましたが、その検討を行った食品添加物表示検討会の報告書によりますと、単体ではなく複数の組合せにより効果を発揮する性質を有するものや、食品中に常在する成分であって食品添加物としての性質を有するものについては、個々の成分を表示する必要性が低い等と考えられ、その機能等を一括名により表示することを可能としたと承知をしております。
その後、食品添加物の表示制度の在り方については、それから約三十年後の平成三十一年にも、消費者、事業者、専門家等を構成員とする食品添加物表示制度に関する検討会において改めて検討する機会がございまして、食品添加物の一括名表示につきましては、消費者への分かりやすい情報提供や限られた表示スペース等の配慮の観点で、先ほど先生が参考資料三でお示しいただきました、一つ目が現行制度による表示例、二つ目が国際基準であるコーデックスに基づく表示例、そして三つ目がさらにINS番号を使った表示例というものを作成をして、消費者アンケートも行いつつ、議論が行われました。
その結果を取りまとめた令和二年の報告書では、文字数の大幅な増加による表示面積と見やすさ、分かりやすさのバランスを考慮する必要があること、番号に置き換えることが可能なものとそうでないものが併存してしまうこと、番号による食品添加物表示は日本の消費者になじみがないこと等の課題が指摘され、現行制度による表示が適当と整理されました。
このような検討を経て現行制度の形となっているため、現時点では一括名表示の制度を変更することは考えてございません。
○なかや委員 ありがとうございます。
食品表示では、日本の政府は、国際基準のコーデックスとは違う日本独自の表示方法を取っています。検討会では、個別の添加物名を知りたいという消費者の声が数多く寄せられています。食の知る権利の観点から、今後も検討を続ける必要があると思います。
時間の都合上、次の質問は飛ばさせていただきます。
グリホサートの残留基準値については、コーデックス基準との整合が重視されたとの説明が最初にありました。一方で、食品添加物表示については、日本独自の一括名表示制度が維持されています。安全基準については国際的な整合性を重視しながら、消費者への情報提供については日本の独自制度を採用しているという理由は何でしょうか。消費者の知る権利や選択権の観点も踏まえ、黄川田大臣の考えをお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 残留農薬基準と食品表示制度は、いずれもコーデックス委員会において国際的な規格基準が策定されておりまして、各国において、その考え方を踏まえつつ、制度設計がなされているところでございます。
我が国における残留農薬の基準については、原則として、コーデックス委員会の定める国際的な規格基準がある場合には整合性を図るなど、科学的知見に基づきまして設定しているところでございます。食品表示については、コーデックスとの整合性を踏まえつつ、我が国における消費者保護や事業者の実行可能性等を考慮し、制度設計を行っております。引き続き、国際整合性に配慮しつつ、我が国の実情を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○なかや委員 時間が来てしまったので、締めます。
制度が急に変えられないのであれば、せめて消費者に分かりやすい情報だけでも出していただきたいと願っております。今後も引き続き、農薬、添加物、原産地等を含めた食品情報の透明化と食の知る権利の実現に向けて取り組んでまいります。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○笠委員長 次に、山田瑛理さん。
○山田(瑛)委員 チームみらいの山田瑛理です。
質問の御機会を頂戴しまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、デジタル時代の消費者保護を行政が先手を打って進められているかという観点を中心に質問いたしますので、お願いいたします。
まずは、消費者庁、国民生活センターにおけるAI活用について伺います。
令和七年の十二月、AI法に基づく初の人工知能基本計画が閣議決定されまして、政府全体でAI活用を進める方針が示されました。
消費生活相談は、人と人との関わりが大切であります。その全てをAIに置き換えることを求めるものではありません。他方で、相談データの分析、新しい手口の早期把握など、AIが力を発揮し得る領域はたくさんあります。
消費者庁としてどのようなAI活用を検討、実施しているか、特に、次々と表れるデジタル関連トラブルに先手を打つための活用について、今後の大きな方向性に関しまして、大臣の考えをお伺いします。
○黄川田国務大臣 山田委員にお答えいたします。
昨年十二月に人工知能基本計画が閣議決定されまして、政府でもAI活用を推進していくこととされております。
本年五月からは、デジタル庁主導の下、全省庁でガバメントAI「源内」の実証を開始したところであります。消費者庁では、「源内」の活用を通じた業務の効率化や質の向上について実証を行うとともに、AIを活用することによって、法執行業務における端緒情報の収集、分析等を効率化するための調査を実施しております。
今後は、これらの実証や調査の結果も踏まえまして、AIを含むデジタル技術の活用を進めながら、消費者が安全で安心して暮らせる社会の実現に取り組んでまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
AIを含むデジタル技術の活用を進めていくということで、少し関連しまして、次の質問に移らせていただきます。
消費者の相談への第一歩のハードルを下げることについて、二点ほどお伺いいたします。
消費者トラブルに遭った市民、国民は、現在、その対応をまずはAIチャットなどで調べる、そんな時代になっています。消費者ホットライン一八八は、名称、番号とも知らない人が六割を超えるとされておりまして、知っていても、本当に動いてくれるのか不安という心理的ハードルから相談に踏み切れないという声も私の元に届いております。さらには、AIチャットで調べた際に、一八八番に電話をという大枠の案内にとどまっておりまして、相談に進もうとする心理的ハードルが下がりづらい構造があります。
消費者庁の窓口情報は人間が読むことを前提としたHTMLでつくられておりまして、AIが地域ごとの窓口、受付時間などを正確に読み取れる構造化データとして整備をされていないことが背景にあります。
全国の消費生活センターの窓口情報、所在地、受付時間などをCSVやJSONといった機械可読なオープンデータとして公開することについてお伺いしたいのですが、現状、国民生活センターのサイトは静的HTMLによる分散掲載でありまして、機械判読可能な形式での提供ではなく、ライセンスも二次利用を制限する独自規約のままで、政府のオープンデータ基本指針が求める水準を満たしておりません。相談窓口は困った人がたどり着けるかが全てなので、到達経路が増えること自体が価値であります。この整備と政府標準利用規約への対応を求めますが、見解を伺います。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
各地の消費生活センターの情報を機械可読な形とすることにつきまして、国民生活センターにおいて適切に対応が行われるよう検討してまいりたいと考えております。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
御検討いただけるということですので、こちらは是非スピード感を持って検討を進めていただきたいと要望させていただきます。
AIチャットで相談内容を入力したその流れのままオンライン相談フォームにたどり着けるように整備すること、電話でなくチャットの延長で一気通貫で相談が完結できることもまた重要です。
LINEを活用した相談の実証は令和四年度を最後に実施されていない状況で、本年秋のPIO―NET刷新の取組の中で、相談前の自己解決を支援するFAQの充実、メール、ウェブフォームによる相談受付の整備を含めて、消費生活相談のデジタル化にどのような方針で取り組むのかお伺いをさせていただきたいのと、あわせて、ウェブフォームなどによる受付を全国の自治体にも広げていく見通しについてもお伺いをさせてください。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
現在進めておりますPIO―NETの刷新においては、電話相談以外のチャネルとして、消費者の利便性向上の観点から、トラブル解決方法を辞書的に提示して消費者の自己解決を支援するFAQを組み込み、充実を図るとともに、希望する自治体において、ウェブフォーム受付及びメールを備えたウェブ相談機能を実装することとしております。
まずは、新PIO―NETシステムへの円滑な移行を支援しつつ、引き続き、技術の進展や現場の実情を踏まえ、消費生活相談におけるAIも含めたデジタル技術の導入について不断に検討を進めてまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
AIチャットで相談し、そのまま相談につなげられるように、是非こういった相談のデジタル化を着実に進めていただきたいと思っております。
次に、障害のある方のキャッシュレス被害について伺います。
消費者庁は二〇一九年に障がい者の消費行動と消費者トラブル事例集を作成しましたが、当事者へのアンケート、ヒアリングに基づく実態調査は約七年前のものです。その間にもキャッシュレス決済比率が五八%にまで拡大をしておりまして、トラブルの形が大きく変わっています。デジタルキャッシュレス時代に見合った制度のアップデートがなされておらず、現場の支援施設などからは、精神、知的障害のある方が多額の送金被害に遭うといった声も届いております。
こういった障害のある方の消費者被害について、消費者庁として実態把握をどの程度行っているのか、スマホ、キャッシュレス決済に関連する相談の被害の状況を含めて伺います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
消費者庁では、全国の消費生活センターなどに寄せられる消費生活相談情報などを通じまして、障害者の方々の消費生活相談の実態を把握しているところでございます。
障害者等の消費生活相談件数は近年増加傾向にございます。二〇二五年は二万六千四百五十七件となったと承知しております。このうちキャッシュレス決済に関する相談につきましては、キャッシュレス決済といっても様々な決済手段がございまして、様々な相談が含まれておりますので、障害者の方々のキャッシュレス決済に関する相談件数について網羅的に正確な数値をお示しすることはなかなか難しゅうございますが、具体の相談事例といたしましては、クレジットカードの不正利用に関する御相談のほか、キャリア決済によるオンラインゲームの高額課金トラブル、二次元コード決済による送金トラブルに関する御相談などが見られるところでございます。
委員御指摘がございましたけれども、キャッシュレス決済が普及している状況なども踏まえまして、引き続き、障害者の方々の消費生活相談などの状況を注視してまいりたいと考えております。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
キャッシュレス決済というのは多様ですというところはおっしゃっていたところですけれども、そういったところも含めて、どのようなところで皆様は困っていらっしゃるか、被害に遭っているか、そういったところの実態把握を是非お願いしたいと思っております。
続きまして、大臣にお伺いいたします。
キャッシュレス決済の普及により、障害のある方の消費者トラブルの形が、申し上げましたけれども、大きく変化しておりまして、成年後見制度の見直しが進む今こそ、判断能力が不十分な方の決済被害の救済の在り方についても、消費者保護の観点から、並行して検討するべきではないでしょうか。そういった実態の把握の充実と、消費生活相談の現場に寄せられている実態を決済事業者や所管省庁に届けていくことについて、大臣の受け止めを伺います。
○黄川田国務大臣 キャッシュレス決済における障害者への配慮や被害の救済の在り方については、業所管省庁において適切に対処しているものと承知をしております。
先ほど政府参考人からお話がありましたように、全国各地の消費生活センター等に寄せられる障害者等の相談情報は年々増加傾向にあります。消費者庁としては、引き続き、関係省庁と連携し、障害者も含めた消費者が誰一人取り残されることなく安心して安全で豊かな消費生活を送ることができるよう努めてまいりたいと思います。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
消費者を守るのが消費者庁でございますので、消費者保護の観点から、引き続きのお取組をお願いできればと思っております。
次に、デジタル商品の有効期限表示について伺います。
ECサイトでデジタルサービス券、電子チケットを購入した際に、有効期限が折り畳まれた商品説明に埋もれ、消費者が見落とすケースが発生しております。特定商取引法の施行規則やガイドラインは、解約、返品条件の明瞭な表示を求めておりますが、ECサイトの折り畳み表示、いわゆるアコーディオン表示がこれを満たすかへの言及がなく、法的グレーゾーンとなっています。資金決済法の有効期限表示義務も入場券型の電子チケットには及んでおらず、無形のデジタルサービス券の有効期限について、EC購入画面上の視認性を担保する規律が存在していません。
そこで、現行の解釈の明確化として、アコーディオン表示がどう評価されるのかをガイドラインやQアンドAに明記することが必要だと考えておりますが、見解を伺います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆるアコーディオン表示への御質問でございますけれども、特定商取引法では、有効期限などにつきまして、広告に表示を義務づけております。最終確認画面におきましてもその表示を義務づけ、最終画面において表示を行う際には、表示事項について当該画面上で分かりやすく表示すること、又は容易に参照できるようにすることが必要となることをガイドラインで定めております。
個別の事案についての評価はなかなか難しゅうございますけれども、一般論で申し上げれば、委員御指摘のアコーディオン表示を利用する場合であっても、広告や最終確認画面にその有効期限が表示されていないと評価できるのであれば、特定商取引法に違反するおそれがあるものと考えております。
御指摘のアコーディオン表示の扱いにつきましては、消費生活相談の状況も引き続き注視してまいって、検討してまいりたいと思います。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
トラブル実態を見ながら、引き続きの御検討をお願いいたします。
最後に、大学、高校の入学金返還問題について伺います。参考人の方への御答弁をお願いしておりましたが、時間の関係で大臣の御答弁のみで、申し訳ございませんが割愛させてください。
文科委員会では頻繁に議論されておりますが、参議院の消費者問題に関する特別委員会では過去に質疑がありましたが、この衆議院では質疑実績がなく、ただ、私は、これは消費者を守る観点からも本委員会で取り上げる必要があると思いまして、今日は議論をさせていただきます。
平成十八年の最高裁判決によって、入学金は返還不要という整理が一般化しておりますけれども、消費者契約法、消費者保護の観点からの検討が十分とは言えません。
文科省は、令和七年六月に各大学への入学金の抑制、負担軽減を要請し、その後、十二月公表の調査では、八十三校が令和八年度入試から返還や納付期限の後ろ倒しなどを始めた一方で、二一%の大学は依然対応予定なしと回答しております。また、大学と同様の構造を持つ高校の入学金返還問題は更に議論が進んでおりません。
保護者、受験生も消費者です。合格した学校への入学の地位の確保のためだけに平均で大体二十五万程度の支払いを余儀なくされる現状には、消費者保護の観点から課題があると私は考えております。大学の対応が分かれ始めている今、消費者を守る立場の消費者庁としてこの問題をどのように受け止めているか、大学と同様の構造を持つ高校の入学金の問題も含めまして、大臣の問題意識を伺いたいと思います。
○黄川田国務大臣 各大学も事業者の一つでありますので、消費者契約法の定める消費者と事業者間の契約トラブル発生時の救済と防止を目的とした民事ルールについて、しっかりと私たちも取り組まなければいけないというふうに考えておりますが、消費者と事業者間の争いである場合には、最終的には裁判所が判断する仕組みとなっております。
その上で、消費者契約法は、事業者から消費者に対して必要な情報を提供する努力義務を定めております。消費者に対して真摯に説明を行うことで健全な市場が形成されることを期待しておりまして、大学、高校についても必要な情報を提供していただきたい、そのように指導していきたいと思います。
○山田(瑛)委員 課題を御認識くださっていること、あと、指導の方もしてくださるということで、ありがとうございます。
是非、消費者庁と文科省、共に連携して課題解決に努めていただきたいと思っております。
質疑は以上です。
○笠委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時三分散会

