第3号 平成28年11月24日(木曜日)
平成二十八年十一月二十四日(木曜日)午後一時開議
出席委員
委員長 松野 頼久君
理事 土屋 品子君 理事 松島みどり君
理事 村井 英樹君 理事 簗 和生君
理事 山本ともひろ君 理事 鈴木 義弘君
理事 高井 崇志君 理事 伊佐 進一君
青山 周平君 尾身 朝子君
大岡 敏孝君 大隈 和英君
神谷 昇君 神田 憲次君
黄川田仁志君 小松 裕君
古賀 篤君 田所 嘉徳君
谷川 弥一君 豊田真由子君
中山 展宏君 馳 浩君
福山 守君 古田 圭一君
八木 哲也君 今井 雅人君
北神 圭朗君 坂本祐之輔君
津村 啓介君 長島 昭久君
伊藤 渉君 輿水 恵一君
真山 祐一君 島津 幸広君
真島 省三君 伊東 信久君
…………………………………
国務大臣
(知的財産戦略担当)
(科学技術政策担当)
(宇宙政策担当)
(情報通信技術(IT)政策担当) 鶴保 庸介君
財務副大臣 木原 稔君
文部科学副大臣 水落 敏栄君
内閣府大臣政務官 豊田 俊郎君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 向井 治紀君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 大島 一博君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 山脇 良雄君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 鈴木 三男君
政府参考人
(個人情報保護委員会事務局長) 其田 真理君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 大泉 淳一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 義本 博司君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 真先 正人君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 板倉 康洋君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 白間竜一郎君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 山本 尚子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 谷内 繁君
衆議院調査局科学技術・イノベーション推進特別調査室長 行平 克也君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十四日
辞任 補欠選任
坂本祐之輔君 今井 雅人君
輿水 恵一君 真山 祐一君
同日
辞任 補欠選任
今井 雅人君 坂本祐之輔君
真山 祐一君 輿水 恵一君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件
――――◇―――――
○松野委員長 これより会議を開きます。
科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣審議官大島一博君、内閣府政策統括官山脇良雄君、警察庁長官官房審議官鈴木三男君、個人情報保護委員会事務局長其田真理君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、文部科学省大臣官房審議官義本博司君、文部科学省大臣官房審議官真先正人君、文部科学省大臣官房審議官板倉康洋君、文部科学省大臣官房審議官白間竜一郎君、厚生労働省大臣官房審議官山本尚子君及び厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○松野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。各党持ち時間の範囲内で、時間をお守りいただきますようよろしくお願いいたします。大隈和英君。
○大隈委員 本日は、冒頭、質問の機会をいただきました委員各位の先生方に厚く御礼申し上げます。
それでは、質疑に入らせていただきます。
科学技術イノベーションの主目的の一つは、健康・医療分野の進歩と考えます。今や、日本人の二人に一人が罹患し、死因の第一番目になりましたがんの制圧は、その主要なターゲットの一つと考えます。
鶴保大臣の御地元の和歌山県は、世界で最初の全身麻酔で乳がん手術を開発された華岡青洲先生を輩出された、いわば世界のがん治療のイノベーション発祥の地と言えると思います。
今般の大臣所信の科学技術イノベーション政策と、今や国民病となりましたがん治療の研究開発についての各省庁の連携について、お尋ねしたいと思います。
○鶴保国務大臣 総合科学技術・イノベーション会議におきましては、平成二十八年度から五カ年の取り組みとして第五期の科学技術基本計画を決定したことは、委員も御承知だろうと思います。
この第五期科学技術基本計画におきまして、オール・ジャパンでの医薬品創出、医療機器開発、がんや難病等の克服に向けた研究開発などを確実に推進することにより、最先端の医療技術の実現を通じた健康長寿社会を形成するための方策を盛り込んでおります。
この方策の立案に当たっては、がん対策等の健康、医療にかかわる研究開発を統括しております健康・医療戦略推進本部や各省庁等と連携をして策定を行い、また、総合科学技術・イノベーション会議でも、今後とも、健康・医療戦略推進本部等と連携をして、医療分野の研究開発の推進に努めてまいる所存であります。
○大隈委員 ありがとうございます。
がん治療に限らず、過去には、大学や研究所では、いわゆるタコつぼ研究と称される、狭い分野の研究や、研究が連携せずに個々に進んでいた時代がありました。しかし、近年は、例えばがん研究の領域でも、免疫や基礎研究や、あるいは心理学を交えながら、シームレスに発展する時代になってきております。
先般のノーベル医学賞の大隅先生が警鐘されるように、基礎科学分野の研究開発への投資が重要なのは論をまちませんが、ある特定の分野を国が重要分野に指定して予算を投入するにしても、費用対効果の判定など、難しい面がまだまだ多いと考えております。
その点の課題を含めて、成長戦略として旗を振る政府の認識やアクションについてお尋ねしたいと思います。
○山脇政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘の基礎研究の推進につきましては、人類の新たな知の資産を創出するということとともに、世界共通の課題を克服するという上でも極めて重要であるというふうに認識をしております。
第五期科学技術基本計画におきましても、イノベーションの源泉としての学術研究や基礎研究の推進に向けまして、科学研究費助成事業の充実強化等を図るとともに、研究者が腰を据えて研究に取り組める環境を整備すること、また長期的な観点で成果の創出を見守ることが重要であるということにも留意しながら、基礎研究を一層推進していくということにしております。
また、持続的なイノベーションの創出ということのためにも、大学などがその役割を適切に果たすということが重要であります。
そのために、組織基盤の改革でありますとか財源の多様化といった取り組みを促すことが必要と考えております。このために、多様な資金の獲得による大学等の財政基盤の強化でありますとか、大学発ベンチャーなどで得られた果実を基礎研究にしっかりと再投資していくというような資金の好循環、このような創出方策についても検討を進めているところでございます。
イノベーションの源泉である基礎研究の推進も含めた政策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大島政府参考人 医療分野の研究開発につきまして補足させていただきます。
医療分野の研究開発につきましては、昨年四月に日本医療研究開発機構、AMEDと呼んでおりますけれども、を設立しまして、国の研究費を集約して、基礎から実用化まで切れ目のない研究支援を一体的に行う仕組みを構築したところでございます。
今後の実施に際しましては、基礎医学研究を推進する観点から、例えば、臨床情報を活用して基礎研究を強化するといった、いわば循環型の医学研究にも注力してまいりたいと考えております。
○大隈委員 ありがとうございます。
今御答弁いただきましたAMEDにつきましては、研究者あるいは研究所、いろいろなところからお話を聞きましても、随分シームレスに、研究予算の要望ですとかあるいはその採択につきましても随分とスムーズになってきているという意見も私の方も聞かせていただいたり、やはり効果が少しずつ出てきているのかなということで、大いに期待したいところでございます。
次ですが、がん治療の分野でも、創薬や治療機器の開発、これは世界との競争は熾烈をきわめているところでございます。
研究開発力を伸ばす必要性の一方で、先般問題になりましたオプジーボのような超高額な分子標的薬の出現は、今まで得られなかった夢のような効果を期待する一方で、国民負担や財政を非常に圧迫することが懸念されております。続々としたイノベーションを歓迎しつつも、一方では、どこまで国や国民が経済的にそれを受容できるのかという新たな問題を生じております。
新しい薬によって、今まで助からなかった命が助かる、そのような創薬が今後も続々と日本から開発されることを待望しつつも、今回のオプジーボの件を糧として、これらの問題についての今後の政府の対策をお聞かせいただけたらと思います。
○谷内政府参考人 お答えいたします。
まず、オプジーボについてでございますけれども、平成二十六年七月に、希少疾患でありますメラノーマを効能、効果として世界で初めて我が国で承認されたものでございまして、作用の仕方が新しく、画期的であることも踏まえました薬価が設定されたところでございます。
その後、肺がんに効能、効果が追加されました。ただし、その際は、タイミングの問題もございまして薬価を見直すルールはありませんでしたけれども、大幅に市場が拡大した状況を踏まえまして、先週、国民負担軽減の観点と医療保険財政への影響を考慮いたしまして、二年に一度の改定の年ではありませんけれども、緊急的に薬価を五〇%引き下げる決定をしたところでございます。また、ガイドラインによりまして、より効果的な使用方法に限定することも徹底した次第でございます。
議員御指摘の、今後も出るであろう、革新的ではありますけれども高額な医薬品につきましては、国民皆保険の保持とイノベーションの推進の両立、国際的な議論、外国価格等を考慮しながら、今回のような緊急的な薬価見直しが必要な事態を再び起こさないように、薬価算定ルールを早急に見直してまいりたいと考えております。
○大隈委員 ありがとうございます。
オプジーボの今回五〇%というのは随分思い切った価格設定だなというふうには考えておるんですが、やはり、薬にしてもあるいは治療方法にしても、当初設定している適応疾患、それに関しては徐々に徐々に広がってくるというのは常にあることでございますので、その観点を踏まえて、あらかじめ広い視野での対策をぜひともお願いしたいというふうに考えております。
また、新しいプレシジョン・メディシン、これは、ほかにテーラーメード治療など、患者個々の遺伝的特性に合わせて薬剤や治療方法を選択するという、今までにない治療方法の研究開発でございますが、その開発など、ゲノム情報の重要性というのはますます高まる一途です。イノベーションに貢献する機微なデータの利活用のためにも、あるいは国家的なデータ収集やサイバーテロへの対応など、さらなるデータの保護管理体制の整備が急務と考えております。
例えば、このプレシジョン・メディシンに関しましては、昨年、オバマ大統領が、アメリカではプレシジョン・メディシン・イニシアチブということで、二〇一六年度の予算案につきまして総額でいうと二億一千五百万ドル、大変巨額なお金を予算として拠出するという方針を決めております。
例えば、国立衛生研究所、NIHに一億三千万ドル。国立がん研究所に七千万ドル、これは、がん発現をもたらすゲノムを特定することによって、効果的ながん治療のアプローチの開発に向けた取り組みを拡充する。あるいは、FDA、食品医薬品局に一千万ドル、これは、公共福祉保護のための規制構造を支援するべく、専門家を取り込むことによって質の高いデータベースの開発を促そうという予算でございます。そして、全米医療情報技術調整官室、ONCに五百万ドル、これは、プライバシーに配慮しつつ、異なるシステムにおける安全なデータの共有を可能にする相互運用性に関する標準と要件を開発する。
すなわち、治療方法一つに対して巨額な予算がかけられているわけですが、それだけではなく、データベースの構築ですとか、それから情報管理についても非常に大きな予算が配されているということが特筆すべきことだというふうに考えております。
さて、日本では、例えばゲノム情報を扱う遺伝子検査の事業主は民間業者が主でございまして、その点においての十分な保護管理が図られているか。業者間のばらつきが存在していては困りますので、その点に関して政府が主導する必要性、認識について、あるいはまた対策についてお尋ねしたいと思います。
○其田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、研究開発と個人情報保護法との関連について申し上げますと、学術研究機関による学術研究目的の場合には個人情報保護法の規定が適用除外とされておりまして、改正個人情報保護法でも同様でございます。
ただいま委員から御指摘をいただきました民間の遺伝子検査の結果などにつきましては、改正個人情報保護法によりまして、要配慮個人情報という位置づけになります。そういたしますと、その取得、それから第三者提供について、原則本人の同意を必要とするという制度になります。
改正個人情報保護法の全面施行は来年春ごろを予定しておりますけれども、民間の遺伝子検査においても個人情報が適切に取り扱われるよう、個人情報保護委員会において、法令に基づいて適切に監督してまいりたいと思います。
○大隈委員 きのうのたしか新聞だったと思いますが、出ておりましたが、イノベーションの分野だけではなく、身近なところでいいますと、例えば、保健所でエイズ検査を受けるときのような、検査結果などは郵送で送られてくるということがございます。
その点においても、イノベーションだけではなく、身近なところでやはり配慮というものが常々必要になってこようかというふうに考えておりますし、先般のサイバーテロに関しても、やはり国家間のデータの争奪というのは非常に熾烈をきわめてくるというふうなお話もございますので、ぜひともその点について重ねての、政府が主導する対策についてお伺いしたいと思います。
○豊田大臣政務官 お答えを申し上げます。
遺伝子情報を集めたさまざまなデータを活用することは、我が国の産業競争力の強化、経済活性化のみならず、国民生活の安全性や利便性の向上に貢献すると考えております。
一方、国民の皆様がプライバシーやセキュリティー保護等について漠然とした不安を抱かれていることもあり、データの流通、利活用が十分進展しているとは言いがたい状況にあると認識をいたしております。
このような認識のもと、本年九月から、鶴保IT政策担当大臣が主宰するデータ流通環境整備検討会において、個人の関与のもとで多様なデータが事業者や業界を超えて流通、利活用される環境を実現すべく、検討を進めているところでございます。
国民の皆さんの御理解を得て個人に関するデータ利活用を推進するためには、プライバシーやセキュリティーが確保されていることが重要であり、個人情報保護委員会、総務省、経済産業省など関係省庁と連携しつつ、そのための方策についてスピード感を持って検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○大隈委員 ありがとうございます。
今御答弁いただいた、まさにこの科学技術イノベーションの担当をしていただく鶴保大臣がIT政策担当を兼務しておられるというのが、これまたそういう点では大いに期待させていただきたいところでございます。
個人情報というものは、とにかくその個人情報を提供される個々人がどう認識するか、それによって重要性というのは若干、提供される側と利用する方でまた変わってくるところもございますが、しっかりとした個人情報保護に関しまして、国レベルとそして国民のレベルでの認識をしっかり深めていく必要があるものだというふうに改めて考えます。
さて、日本からの科学技術イノベーションがますます創出されることで、日本のみならず、世界じゅうの人の健康な生活の向上に大きく貢献することを願ってやみません。
オプジーボのことに関しましても、価格という点では一つの問題提起をいたしましたが、今、医薬品でありますと、国際的な貿易収支でいいますと日本はマイナス二兆円を超える赤字を抱えているという計算もございます。その中で、日本のますますふえている社会保障費、とりわけ医療費におきまして、日本からイノベーションを起こし、そしてこの貿易赤字を黒字に転換し、それをまた国民負担の軽減につなげていくということも大きく期待するところでございます。
そして、何よりもこの科学技術・イノベーション推進委員会がその旗頭となり羅針盤となって、我々の、国の先頭になっていきますことを願います。
鶴保大臣、豊田政務官も含めまして、ますますの御活躍を御祈念申し上げまして、私の御質問とさせていただきます。
御清聴まことにありがとうございました。
○松野委員長 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 公明党の伊佐進一です。
いよいよ年末に向けて予算のさまざまな議論の重要な時期に、こうして科学技術の特別委員会を開いていただきましたことを、委員長、また各理事の皆様、同僚の議員の皆様に御礼を申し上げたいと思います。
きょうは、前半で少し予算の話をさせていただきたいということで、財務省から木原副大臣に御出席をいただいております。
この時期、財務省の政務の方々というのはいろいろな委員会に引っ張りだこで、あの予算も頼む、この予算も頼むというふうに言われておりまして、恐らく大変な時期じゃないかと思うんですが、科学技術も本当に今大変な状況でございまして、特に木原副大臣は党の文科部会の部会長もされていらっしゃったということでございますので、きょうは予算についてしっかりとした議論を行えればというふうに思っております。
科学技術予算、科学技術基本計画の第五期が今年度からスタートして、さまざまありましたが、その基本計画の中には、GDPの一%を目指す、政府の投資予算を一%目指すということになっております。
今、よく経済財政のところで議論になる潜在成長率というもの、こういうものをどうやって引き上げるかというときに、財政諮問会議の議論を見ておりましても、人材投資が大事だ、また、研究開発投資が重要なんだというふうに諮問会議においても議論されております。そういう観点では、科学技術というのは本当に今重要性がどんどん増しているなというふうに思っておりますが、きょう、資料を幾つか配らせていただきました。
まず、資料一ですが、これはここ十年間の予算のグラフです。一般歳出、上から二つ目の濃いところですが、一般歳出と比べてそれぞれ予算がどういうふうに変化をしているかということです。一般歳出と比べて科学技術は低いんですが、社会保障は当然伸びています、自然増の部分も大分ある。では、社会保障の部分を除いてほかの部分と比べてどうなのかというのが、このグラフの上から三番目の一〇〇・一と二〇一六年はなっておりますが、ここが、社会保障を除いたほかの予算はどういう動きをしているかというのがこの上から三番目。
実は科学技術というのは、これまで、基本計画でも重要だ重要だというふうに言われながら、ほかの予算、社会保障以外のほかの予算よりも下なんです、下回っているんです、こういう状況なんです。これを今どのように認識されるかについて、まず、木原副大臣、お尋ねしたいと思います。
○木原副大臣 伊佐委員にお答えいたします。
委員におかれましては、非常に科学技術分野には精通しておられて、日ごろより御指導いただいておりますことを感謝申し上げます。
財務省としても、科学技術の振興は非常に重要な課題であるとまずは認識をしておりまして、厳しい財政事情のもとであっても、予算については配慮してきたところでもあります。
例えば、直近十年間における科学技術振興費の伸び率は、復興特会の一部事業移管などの特殊運用を除けば、平均してプラス〇・五となっているところであります。同じ期間における社会保障費を除く一般歳出全体の伸び率、これは〇・一%、プラスですけれども、これを上回る水準であり、科学技術振興費の伸び率としては比較的伸ばさせていただいている、そういう状況というふうに今認識をしておるところでございます。
○伊佐委員 ありがとうございます。
ただ、先ほどこのグラフで明らかなように、ほかの予算と比べても科学技術は実は伸びていないんだ、私はこのグラフの物語るものはそういうことだというふうに認識しております。
財務省の皆さんにこの話をすると、いやいや、過去三十年で比べたら伸びていますということをおっしゃるんです。でも、三十年というと、バブルの前で、しかも、社会保障だってある意味大盤振る舞いというか、高齢者の医療費だって無料で提供していた時代もございました。そういうときを入れるんじゃなくて、そもそも、ノーベル賞を今日本はどんどん輩出しておりますけれども、それは、二十年、三十年前に頑張ったことが今刈り取られているだけの話であって、ここ十年、これがこの先を決めるという観点からすると、やはり今、非常に大きな懸念を持っております。
もう一点御質問させていただきますが、では、各国と比較した場合に、日本の科学技術予算をどう評価されるでしょうか。
○木原副大臣 お答えいたします。
日本の科学技術予算の対GDP比で比較してみたところ、当初予算ベースで、現在〇・七五%であり、OECD諸国の平均値でいうと〇・六七ですから、それを上回る水準ではあると理解をしております。これは二〇一三年度でございます。日本の科学技術予算は、租税負担率の低さにかかわらず、国際的に見て比較的遜色のない水準ではないかというふうに分析ができるところです。
また、科学技術予算の対GDP比については、OECD諸国中のランキングを見ると、日本は、一九九五年には十六位だったんですけれども、直近の調査で、二〇一一年になるんですが、その段階では十一位に上昇はしているところでありまして、一方、同じ期間において、社会保障を除く政府支出全体の対GDP比は十七位から最下位に下落していることから考えると、厳しい財政状況のもとでは配慮してきたことを示しているのではないかなというふうにも思います。
○伊佐委員 副大臣の、財務省の見解としては遜色ないんだ、これはGDPと比較をされてということでした。私、この議論をいつも聞いていて思うんですが、GDPと比較してこれだけあるんだというのは、目的と手段がちょっと逆になっているのかなと。
我々が今、科学技術で何でこれだけ頑張ろうとしているかというと、今の例えば潜在成長力をどうやって上げていくか、今のGDPをどうやって伸ばしていくか、どうやって成長するかというときに、科学技術を使ってそれを成長させるんだという思いでやっているわけであって、GDPが伸びていないことをいいことにと言ったら失礼ですが、それと科学技術予算も、だから余り変わらなくてもそんなに遜色ないですよということにはならないんじゃないかというふうに思っております。
資料を配らせていただきました。もう繰り返しませんが、資料二を見ていただきますと、日本は確かに、GDP、左側のグラフ、伸びておりません。同じように、科学技術に対する予算も伸びていない。各国は、科学技術の予算を伸ばすことによってGDPを成長させているという状況だというふうに思っております。
そういう意味では、財務省の皆さんといつも議論をしていて思うのは、いやいや、遜色ないんだ、十分なんだという前提に立って、科学技術の今の状況、また経済を考えられるというのは、少し私も心配をしているところでございます。
さらに行かせていただきますと、よりちょっと具体的な話をさせていただきますが、予算が削減されていく中で、私、最も苦しいところの一つが国立研究開発法人だと思います。つまり、宇宙とか海洋とか防災とか材料とか、本当に、国家の基幹技術と言われる、広い意味で安全保障にかかわるような技術を持つこうした研究開発法人というのが、今、実は非常に苦しい状況にあるというふうに思っております。
資料三以降、配らせていただきました。資料三というのはブルーの線ですが、前回の第四期の基本計画でどのように研究開発法人の予算が変わっていったか、全体です。全体ですが、このように下がっていっておりますが、これだけだと余りぱっとわからないので、各法人法人がどうかというのをちょっと分解してみたのが赤いグラフです、資料四。一、二、三と並んでおりますが、これを見ると非常に生々しいです。これは、ファンディングエージェンシーは除いています。
国家基幹技術、研究開発を実際に行っている研究開発法人ですが、見ていただくと全部下がっているんです。理研もどんどん下がっている。材料を持っているところも下がっている。宇宙、JAXAも下がっている。その次のページ、JAMSTEC、これは海洋ですが、こうした基幹技術、日本は海に囲まれた国で、こういう技術をしっかりやるんだというにもかかわらず、ずっと減っている。原子力、核物理学もそう、防災もそう、放射線医学もそう。こういう状況で、これは何が起こっているかというと、今残っているのは、どんどん、固定費の部分がほとんどになってきた。七、八割が固定費です。
つまり、大型施設をいっぱい持っているにもかかわらず、維持するだけしかお金がもらえない、それを運用するお金がなかなか入ってこないので、稼働率がどんどん落ちているという状況です。死なない程度にお金はあるけれども、息もできない、生殺しの状態じゃないかというふうに思っております。
これは前回の科技特でも触れさせていただいたんですが、さらにちょっと具体的な例を現場に伺ってきました。例えば、最近話題になった百十三番目の元素を発見した、ニホニウムというふうに名づけましたけれども、このRIビームファクトリー、これはすばらしい施設なんです。世界じゅうが注目している。こういう施設が、実は、運転をしたいのに、維持費だけがあって運転費用がない。一年間でこれが回っているのは五カ月間だけなんです。それ以外は、施設があっても運用できない、こういうような状況になっております。
こうした国立研究開発法人は、ぜひこの機会に反転攻勢に転じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山脇政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国立研究開発法人に関しましては、研究開発成果の最大化ということを目的に、国家的または国際的な要請に基づいて、長期的なビジョンのもとに、民間では困難な基礎、基盤的な研究開発など、重要な役割を担っている機関であるというふうに認識しております。
一方で、今御指摘のありましたとおり、第四期科学技術基本計画が開始しました平成二十三年度から現在まで、国立研究開発法人への運営費交付金は減少傾向にあります。資料にもございましたが、平成二十三年度から二十八年度までの六年間に、八百二十三億円、約一二%減少するというような厳しい状況にあるというふうに認識をしております。
このような国立研究開発法人が、研究成果をしっかりと創出し、科学技術イノベーションの実現に向けてその目的を達成するためには、予算の確保というのは極めて重要であるというふうに考えております。内閣府といたしましても、関係省庁と連携し、必要な予算の獲得に向けて努めてまいりたいというふうに考えております。
○伊佐委員 財政諮問会議、先ほど触れさせていただきましたが、総理もこの財政諮問会議の発言の中で、子育て、介護と並んで研究開発というのを特出しされていらっしゃいます。子育て、介護と研究開発が重要な政策課題として、必要な予算措置を講じると総理御自身でおっしゃっていただいております。
改めて、木原財務副大臣、この科学技術予算の確保についての御見解を伺いたいと思います。
○木原副大臣 政府は、現在、GDP六百兆円という大きな目標を掲げている中で、私個人としても、また財務省としても、このGDP六百兆円を達成するためには、科学技術イノベーション、この分野というのは非常に重要な役割を持っている、そしてその課題もあるというふうに認識をしているところであります。
今回、二十八年度の二次補正予算では、この科振費が二千二百四十一億円ということで、増額をさせていただいたところですが、これについても、二十五年度の補正が二千百九十八億、二十六年度補正七百八十四億、二十七年度補正八百億というところで、直近でも非常に大きな額を今回計上させていただいております。
二十九年度予算においても、引き続き、経済・財政再生計画との整合性を確保しながらも、民間需要や科学技術イノベーションなどの誘発効果が高いものについて予算配分に十分配慮してまいりたい。第五次のスタートをもう切りましたので、しっかりと対応させていただきたいと思っております。
○伊佐委員 最近、科学技術の世界、まあ、物づくり、産業、経済でもそうですけれども、インダストリー四・〇、ドイツが大分注目をされておりまして、私、ドイツの科学技術のいろいろな政策を見させていただきますと、彼らは今物すごく伸びていまして、トップ一%の論文もすごく伸びているんです。
彼らも実は同じように、どれぐらい研究開発投資をするかというものがありまして、連邦と州政府の協約というのがあるんですが、彼らは、二〇〇五年から二〇一〇年には毎年三%科学技術の予算を伸ばします、二〇一一年から一五年は五%毎年伸ばします、二〇一六年から三%伸ばします、こういうふうに言っているんです。
これを、実は、ドイツが偉いのは、そのとおりにやるんですよ。そのとおりにちゃんと予算を伸ばす。つまり、国民の皆さんに何%やりますと約束したものはきちっと守るというような、これがドイツの、今、安心感を与えて民間の投資も引き出す、インダストリー四・〇につながる重要な政府としての心構えじゃないかなというふうに思っておりますので、今回の第五期で掲げた一%、ことしは大事な年だと思いますので、ぜひ政府部内においてもしっかりと御議論いただきたいというふうに思っております。
時間の関係上、少し飛ばさせていただきまして、資料五、がんの最先端治療について伺いたいと思います。
資料五に書かせていただいているBNCTという技術ですが、がんになりますと、抗がん剤とかあるいは手術、こういうものは体への負担が非常に重い。放射線治療も大事な一つの治療法ですが、これもがん細胞と一緒に正常な細胞も傷つけてしまうというような、さまざまな治療法でも一長一短があって、体の負担もあるということでございますが、このBNCTという技術、詳細は省きます、資料のとおりですが、がん細胞しか潰さない。散らばっていたとしても、がん細胞だけ狙い撃ちで焼いていく。しかも、照射するのは一回から二回、つまり、日帰りで二回行ったら終わるんです。
こういうような技術があって、京都大学のグループが今一番進んでおりますが、これも、私、まだ要素研究しかできていない時代に、この大学に行っていろいろ話も伺ったこともございます。これは紆余曲折がありました。ただ、いろいろな研究者の皆さん、現場の皆さんの努力で、いよいよ三十一年度から実用化ということになりました。
あと、患者の皆さんに届けるためには、保険収載、保険適用だと思っております。費用は、例えば、資料五を見ると、重粒子線では三百万、陽子線では三百万ですが、BNCTの場合は施設整備費が少ないですので、もう少し安くなるというふうに思っております。
保険収載について、もし実用化されるころにはしっかりと迅速に対応を願いたいと思いますが、厚労省、いかがでしょうか。
○谷内政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘の硼素中性子捕捉療法でございます。現在、治験が実施されているというふうに承知しているところでございます。
お尋ねの保険収載でございますけれども、治験データなどをもとに薬事承認が取得されまして、保険適用の希望が提出された場合には、中医協におきまして、保険適用について適切に審議していきたいというふうに考えております。
○伊佐委員 もちろん、適切にということしかなかなか今は言えないというふうに思いますが、これを待っている患者さんは多いですので、ぜひ、そういった現場で苦しんでいらっしゃる患者さんのもとに一刻でも早く届くように御努力いただきたいというふうに思っております。
最後に、これまでの議論を伺いまして、鶴保大臣、予算の件も含めて御見解を伺いたいと思います。
○鶴保国務大臣 大変重要な御指摘をいただいたものと思っております。
科学技術はGDP六百兆円の経済のかなめとなるものでありまして、日本経済の潜在成長率を高め、イノベーションを起こし続けるために、科学技術関連の予算の確保は非常に重要であると私も認識をしております。
そのために、第五期科学技術基本計画では、研究開発投資の目標として対GDP比一%を掲げておりまして、去る十一月十七日には、総合科学技術・イノベーション会議有識者議員からも、平成二十九年度予算編成に向けた科学技術関係予算の充実の重要性を訴える提言も寄せていただいております。担当大臣として、科学技術関係予算の確保について尽力をしてまいりたいと思います。
また、科学技術の予算関係は、真水だけではなくて、民間投資を拡大していくことも非常に重要な部分だというふうに思っております。その観点から、我が国全体の研究開発投資を活発化していくため、経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会を設置いたしまして、去る十月十四日に中間報告を取りまとめ、官民の研究開発投資の拡大に向けた政策イニシアチブも明らかにさせていただきました。
委員の御指摘の部分についてしっかり受けて、これからも頑張ってまいりたいと思います。
○伊佐委員 民間投資の拡大ということをおっしゃっていただきました。民間が投資することにおいても、やはり政府としていかに本気か、政府がいかにやる気があるかということを示していくことが民間にとってまず最初の大事なハードルだというふうに思っておりますので、ぜひしっかりとした予算措置をお願いしたいと思います。
以上、終わります。
○松野委員長 ただいまの伊佐進一君の質疑、大変いい質疑だと思います。委員長としても、政府に科学技術予算の増額というものを要請したいと思います。
次に、今井雅人君。
○今井委員 民進党の今井雅人でございます。
質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
きょうは鶴保大臣がいらっしゃいますので、この日曜日、月曜日に大臣に関しての記事が新聞に出ておりました。皆さんのお手元に記事をお渡ししておりますけれども、今週の月曜日に決算の分科会で我が党の大西議員が質問させていただきましたけれども、それに続いて追加の質問をさせていただきたいと思います。
最初に、一枚目の二十日の記事に関してですけれども、中身はもう新聞報道あるいはネット等で出ておりますので、紹介は割愛させていただきますが、まず、ちょっと事実をそれぞれ確認してまいりたいと思うんです。
この新聞記事にありますNPOの副代表、Iさんとさせていただきたいと思いますけれども、このIさんに関しまして、十一月二十二日、大臣は会見で、この方とは何度も会っているというふうに御説明をされておられますけれども、この方との御関係と、それからいつごろお会いになったか、これについてまず教えていただきたいと思います。
○鶴保国務大臣 知人の紹介で平成二十、これは何年ですかね、四、五年前だったと思いますけれども、初めてお目にかかったようであります。実を言うと、私はそのときの記憶が余りしっかりしておりませんで、その後、ある選挙がございまして、その選挙のときに私の秘書が知己を得まして、その秘書の紹介でしっかりと会わせていただくことになりました。
○今井委員 四、五年前ということでございますので、では、もうちょっと確認したいんです。
私も、報道が出ましてから収支報告、見られる限りは見せていただきました。このIさんからパーティー券を買ってもらっていると思いますけれども、その最初に買ってもらっているのは、静岳ホテルという名前になっているとは思いますが、二〇一三年の一月十一日にパーティー券を購入してもらっていると思いますけれども、これが一番最初という御認識でよろしいですか。
○鶴保国務大臣 そのとおりでございます。
○今井委員 では、二〇一三年一月が最初ということでございます。
それで、決算委員会の分科会のところで、うちの大西議員から質問させていただいたと思うんですけれども、新聞報道によりますと、二〇一三年の一月十六日の十七時に、当時国交副大臣の鶴保国交副大臣に、この方が知り合いと一緒に副大臣の執務室を訪ねて、そこで面談をしたというふうにありますけれども、これについての事実確認をしてほしいということを我が党の大西議員から照会させていただいたと思いますけれども、その件についての御回答をいただきたいと思います。
○鶴保国務大臣 正確な日付を管理しておりませんので、大変申しわけないんですけれども、今、その日だったかどうかということまでは正確に申し上げられないんです。
ただ、何度か会っているというのは事実でありますから、恐らくはその時期にも会っているんだろうということだけは申し上げておきたいと思います。
○今井委員 きのうだったと思いますけれども、追加の報道が出ていまして、私も取材関係者の人にちょっと伺ったんですけれども、このIさんが先月の十月二十一日に国交省の女性のスタッフの方に電話をして、あれはいつだったかなということで確認して、二〇一三年の一月十六日だったということがわかったというふうにおっしゃっているそうなんです。
ですから、このIさんは国交省からこの日付を聞いたというふうにおっしゃっておられますので、どなたか国交省の中にそういう方がいらっしゃるんじゃないかと思うんです。それをもう一回確認していただきたいと思います。
さらに申し上げれば、このIさんとは何度もお会いしているわけですから、大臣もお知り合いなわけですから、話を聞いたのは一体誰から聞いたのかということをお伺いすれば事の真実ははっきりすると思いますので、ぜひその調査をやっていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鶴保国務大臣 しっかり調査したいと思います。
○今井委員 では、しっかり調べていただくということでありますので、また御報告をしっかりしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、この記事によりますと、このNPOの副代表のIさんは、鶴保大臣の秘書がどこかの選挙でお会いになったとおっしゃっていましたので、恐らく二〇一二年の選挙じゃないかなと思いますが、その秘書から頼まれて二百万円のパーティー券を、しつこく頼まれたのでパーティー券を買ったということがここの記事に書いてございますけれども、この事実関係について教えていただきたいと思います。
○鶴保国務大臣 秘書に確認をいたしましたところ、そのような事実は全くないということであります。
○今井委員 であるとすると、どちらかがうそをついているということですね。このIさんがうそをついているのか、あるいは秘書の方がうそをついているというか虚偽のことをおっしゃっているか、一つの事実のことを二人の人が違うことを言っているわけですから、それは確認する必要があると思いますよ。
大臣もお知り合いなわけですから、秘書に確認するだけではなくて、このお知り合いの方にも確認をして、何が事実かということをしっかりと調査なさるべきだと思いますけれども、これはいかがですか。
○鶴保国務大臣 本人とのやりとりの中で、秘書がしつこく言ってきたという話をしていないということを聞いておりますので、その事実関係についてとおっしゃっても、本人の発言自体が、本人がそんなことを言っていないと言っているようでありますので、私どもとしてはこれ以上のことは調査できかねるところではあります。
○今井委員 それは、大臣が直接このIさんとお話をされたということですか。
○鶴保国務大臣 秘書を通じてであります。
○今井委員 しつこく頼まれていないのか、全く頼まれていないのか、そこをちょっとはっきりしましょう。
秘書の方からパーティー券を買ってくださいということを一切言われていないというふうにこのIさんはお話をなさっているということですか。
○鶴保国務大臣 秘書から聞いたところによりますと、御本人さんが、秘書に頼まれたからお支払いをした、しつこく頼まれたという発言はしていないと言っておるということであります。
○今井委員 済みません、ここは言葉がとても大事なので、もう一度確認します。
しつこく頼まれたことはないのか、頼まれたことがそもそもないのか、それはどちらなんですか。
○鶴保国務大臣 うちの秘書とのやりとりでどういう言い方をしたか知りませんが、恐らくは頼んではいなかったという状況ではなかったろうかと思います。
○今井委員 これは大臣自身にもかかわってくる問題でありますから、恐らくそうであったのではないだろうかというのは、やはり答弁としては私は十分ではないと思います。
ですから、今の御答弁ですと、後で議事録を起こしてみればわかると思いますが、秘書を通して確認したところ、しつこくは頼まれなかったというふうにおっしゃっているだけなんですね。ですから、私は、しつこくじゃなくても頼まれているんじゃないんでしょうかということをお伺いしているので、頼まれていたか頼まれていないか、これはイエスかノーだけははっきりした方がいいと思うんですね。
ですから、これはいずれ、いろいろな調査をどなたがされるかわかりませんし、ここでもどういうものが出てくるかわかりませんが、ここで答弁されたことが事実かどうかということは後々残るわけですから、そこをだからはっきりさせておきたいわけです。
ですから、大臣がやはりみずから、お知り合いなわけですから、何度もお会いになっているわけですよね。そこの事実関係は、もしこの記事が間違っているのであれば、やはりこのIさんは、新聞社に対して、こんなこと俺は言っていないということを正式に抗議しなきゃいけないと思うんです。だって、言ってもいないことを記事にされたら、それは問題じゃないですか。だから、そこのところをやはりはっきりさせるべきだと思うんですね。
それはやはり、これは秘書が、秘書がじゃなくて、大臣がみずからそこを確認されるべき問題だと思いますので、そうじゃないところでの、はずだとか、だと思いますとかという答弁になってしまいますから、そこはぜひはっきりしていただきたいということで、御自分でそれはしっかり調査をして、ここではっきりと明言をしていただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鶴保国務大臣 調査いたします。
○今井委員 では、ぜひよろしくお願いをします。
先ほどから聞いていることをひとつ整理して申し上げると、ここの新聞記事にも表があるんですけれども、ちょっと私なりにまとめてみました。
このIさんにお会いしたのは四、五年前だというふうに言っていますけれども、大臣は、今から四年前、二〇一二年の十二月に国交副大臣に就任されております。それから、その翌年の一月十一日、ちょうど一カ月後です、名義を偽ったとされる二百万円、大臣は返金されたとおっしゃっていましたけれども、その二百万円のパーティー券を購入してもらっています。国交副大臣になって翌月ですね。その数日後に、このIさんと国交省の執務室で面談をしておられる。
その翌月です、半月後ですけれども、官民協働した魅力ある観光地の再建・強化事業、これは国交省の補助事業でありますけれども、これの公募が開始されました。そして、その翌月、三月十八日、この事業に問題のNPOが無事八倍の競争をかち取って採択されました。その秋、また大臣はパーティーをやられましたけれども、十月の一日、百万円、このIさんからパーティー券を購入してもらっています。
その翌年の二月、今度はもう一つ、観光地ビジネス創出の総合支援という新しい補助事業、これはどうやら前に補助対象になったところからさらに絞り込むという補助事業だそうですけれども、ここにも選ばれております。その翌月、Iさんから、今度は百五十万円のパーティー券を購入されているということでありまして、会見では、ここのところは何も関係ないし、要望も頼まれていないというふうにおっしゃっておられますが、しかし、余りに時期が重なり過ぎていますし、余りに時系列に並び過ぎているんです。
事実はどうかわかりません、私も。でも、普通の人が見たら、これだけ時系列で並んでいれば、これは何か、いや、百万、百五十万のパーティー券の購入というのはそんな安くないですよ、相当な金額ですからね。何でもかんでも、初めて知り合った人のパーティー券をそんなにたくさん買うなんてことは、常識的にはあり得ないです。合わせると五百万近くのパーティー券を買っているわけですね。四、五年前初めて会った、その方に。どれだけ善意の方なのかというふうに思ってしまいますけれども。
こういう時系列があって、やはりそれは、周りの人から見たら、何かこれはあるんじゃないだろうかというふうに、私は普通に考えればそう推察すると思いますけれども、大臣、これは第三者として見ていかがですか、こういう時系列を見て。
○鶴保国務大臣 全く請託はございません。
○今井委員 まあ、それはそうお答えになるでしょうけれども。
ただ、今申し上げたとおり、一月一月ごとにいろいろなことが起きておりまして、くどいですけれども、私だって、四百五十万円も何でもない人にそんな、善意でお金を払うというのはとても考えられませんね。パーティー券というのは、二十万円以上は名前を出さなきゃいけないのでありますが、大体、皆さんがパーティーをやられるときというのは、数万円単位のものをたくさん買っていただくと思うんですけれどもね。それを、これだけまとまってどんどん買っていただくということは、やはり何かあるんじゃないかなと疑われても仕方ないと思うんです。
私、ちょっとこの方のことを、記事が出てから少し調べてみました。ですから、名前を出すといけないので、あえてIさんと申し上げております。
報道に出ていましたけれども、この二〇一三年の一月に購入したときは、二つに分けて購入していますけれども、一つは、静岳ホテルというホテルの名前が出ていますが、このときもう名前が変わっています。かつ、二〇一二年の五月から破産手続を始めていて、二〇一四年の二月に終了していますから、ちょうどこのパーティー券を買っている時期は破産手続中なんですね。これは本人は御存じなかったとおっしゃっていますけれども。
さらに、この方は、調べていきますと、過去に反社会勢力と共謀して企業恐喝で有罪判決を受けています。このことは御存じですか。
○鶴保国務大臣 初めて聞きました。
○今井委員 そうおっしゃると思いますけれども、そういう方が今やっていらっしゃるということです。今は更生されておられるかもしれませんが、少なくとも反社会勢力とのつき合いがあった方ですね。
そして、その方が四百五十万円、大臣に献金をしておられます、それもかなり集中した時期に。その時期に、その人のかかわった補助事業が二つ採択されています。そのことはやはり社会的に見てどう考えるかということは、皆さんも判断されることだと思いますけれども、そういう事実があるということです。
大臣、そこでお伺いしたいんですけれども、先日、この分に関して二百万円返金をされました。これはなぜ返金をされたんですか。
○鶴保国務大臣 先ほどおっしゃった静岳ホテルですかの中身について等々の報道がありました。それを確認しなければなりません。そしてまた、うちの秘書とのやりとり等々の確認もしなければなりませんので、疑念を生じることのないように慎重に慎重を期して、まずは返金という形をとらせていただきました。
○今井委員 ということは、今、その静岳ホテルのことに関しても、これはもう三日以上たっていますから、事実関係は確認されたということですか。それに関してちょっと教えていただいていいですか、秘書のやりとり等についてと今おっしゃったので。
○鶴保国務大臣 出会った経緯や献金を受けた件については、先ほど申し上げたとおりでございます。ホテルの中身について、どういう献金の状態だったか等々については、御本人の弁によると、適正に処理をしておるという報告の発言でありました。
○今井委員 ちょっとよくわからないんですけれども。
ホテルの方は適切に処理しておられるとおっしゃっていましたが、私が承知している限り、この時点でのホテル名は間違っていますし、かつ、このお金を出したのは、ホテルからではなくて、このIさんがお金を拠出したというふうに発言しておられると聞いておりますので、適切に処理をしていたというのは間違いじゃないでしょうか。
○鶴保国務大臣 記事によれば、破産管財人が旧ホテルからパーティーの対価は支出していないと証言され、ホテル経営者御自身が取材に対し、新ホテル運営会社で支払ったようなコメントをされていると報道されましたので、返金をしました。
御本人がおっしゃるには、問いただした結果、適切に処理をしているということであります。それ以上でもそれ以下でもございません。
○今井委員 買った購入者の名前が違っているわけです、明らかに。このホテル、この時点では湖翠苑というホテルになっているはずですから、まだなっていないんでしたっけ、なっているはずですね。ですから、そもそも名前もおかしいし、そうしたら、その方は、会社のお金からパーティー券を買われたというふうにおっしゃったんですか。自分の手金、Iさん個人のお金を出したのではなくて、ホテルの運営資金の中からパーティー券を購入したとおっしゃったんですか。そうじゃなきゃ正しい処理にならないですよ。
○鶴保国務大臣 それも含めて適正な処理というふうにおっしゃったんだというふうに理解をしております。
○今井委員 いや、そこをちょっとはっきりしておいた方がいいんですけれども、個人でお金を出していたら、収支報告書に名前を掲載しなきゃいけない、個人の名前を出さなきゃいけません。ホテルの名前を出しているということ、これは間違った記載ですね。だから、それは適切に処理していると言えないわけです。そこはちょっとはっきりしなきゃいけませんから、原資は何だというふうにおっしゃっておられるんですか。
○鶴保国務大臣 適切に処理と言うからには、今先生がおっしゃったように、会社の方から出していただいたということになるのかなというふうには理解をしておりますけれども。
○今井委員 これも取材関係者の人に話した内容と違うということでありますから、どちらかが何かをうそを言っている、間違ったことを言っているということでありますから、これもぜひ調査をしていただきたいと思いますので、お願いしておきたいと思います。
それで、きょう選挙部長さんにいらっしゃっていただいておりますので、一点だけ確認しますけれども、一般論で結構です。
何らかの理由で、以前いただいたパーティー券の購入の代金やあるいは政治献金を返還いたしました。その場合に、もしその以前に何らかの法令違反があるとすれば、それを返したからといってその法令違反自体が消滅するということではないという理解なんですが、それでよろしいでしょうか。
○大泉政府参考人 お答えいたします。
委員の方からございましたとおり、私ども、具体的な事実関係を承知する立場でないので、一般論としてということで御回答させていただきます。
政治資金規正法におきましては、それぞれの規定について罰則があるものがございます。収支報告書の虚偽記載等一部を除きまして、原則として故意犯のみを罰則の対象としておりますが、その上で罰則の適用について申し上げますと、行為時の行為が法的に評価されるべきものでありますので、後日にパーティーの対価などの返還がございましても、過去の事実関係は変わらない、事実関係自体については変わらないというふうに解釈いたします。
○今井委員 今の御答弁は、今お金を返したからといって、結局、もらった時点での事由が発生しているので、そこのところが消えるということではない、そういう理解でいいですね。はい、ありがとうございました。
では、続いてお伺いしたいと思いますけれども、大臣、十一月二十二日に会見された内容の中に、収支報告書の記載はお聞きしたとおりに記載したというふうに発言しておられます。
全部で三百万円返金されておりますから、そのことをおっしゃっていると思うんですが、まず、この最初の記事に関連する二百万円、返金された二百万円、これに関する記載で、収支報告書の記載はお聞きしたとおりに記載したという、お聞きしたというのは、これはIさんから聞いたことをそのまま書いたという理解でよろしいですか。
○鶴保国務大臣 そのとおりでございます。
○今井委員 それでは、お伺いしますけれども、今回、その二百万円というのは、二つに分かれて百万円ずつに記載されています。
問題は、皆さん御存じのとおり、パーティー券は、一回では一人の方からは百五十万円が限度、それ以上は法律違反であるということですね。ですから、これが同一人物であれば、名前を二つに分けて、超えてしまうので百万円ずつに分けたんじゃないかというのが一つの論点です。
静岳ホテルに関しては、このIさんが経営者ですから、実質同一の人間だということだと思います。
もう一つの百万円ですけれども、公認会計士のKさんという方が名前が載っています。この公認会計士のKさん、ちょっと名前は、本名はここでは控えさせていただきますが、この方は、大臣は御面識はありますか、百万円のパーティー券の購入ということになっていますけれども。
○鶴保国務大臣 直接の面識はございません。
○今井委員 それでは、鶴保事務所のどなたかはこの方とは御面識がありますか。
○鶴保国務大臣 直接ないというふうには聞いております。
○今井委員 直接面識のない方の名前がどうして収支報告書に載っているんでしょうか。ちょっと教えてください。
○鶴保国務大臣 したがいまして、この方の住所等について、Iさんですかね、とお問い合わせをさせていただいたということになろうかと思います。
○今井委員 この公認会計士さんの名前、実は名前も間違っているそうなんですけれども、住所が、公認会計士の事務所の住所じゃなくて、Iさんの会社の住所になっております。それも実は間違っているんです。
もう一点、ちょっとお伺いしたいのは、今、大臣もそれから事務所の方も面識がないとおっしゃっていました。実は、公認会計士の方も、取材に対しては、パーティーも行っていないし、パーティー券ももらっていないし、ビラももらっていないし、領収書ももらっていないというようにおっしゃっているんですね。これは確認をされましたか。
○鶴保国務大臣 Iさんを通じての御紹介でありますので、Iさんとのやりとりの中でパーティー券やその他の手続をさせていただいたというのが事実でございます。
○今井委員 ということは、鶴保事務所としては、公認会計士のKさんに対して、パーティー券を直接渡したりとか、あるいは領収書を渡したりとか、そういうことはしていらっしゃらないということですか。
○鶴保国務大臣 そのとおりだと思います。
○今井委員 選挙部長、今の話をお伺いしたいんですけれども、パーティー券を購入してもらった方に領収書を出さない、渡さないということは、それは存在し得るんでしょうか、法律的に。
○大泉政府参考人 お答えします。
パーティー券の領収書ということ、政治資金規正法におきましては、領収書を徴取するという義務等が規定されておりますが、領収書を発行するということについては規定がございません。
○今井委員 では、もう一個の方もちょっと一緒にお伺いしたいと思うんですけれども、二枚目の記事です。
これは、実は台湾系の米国人の方がやっていらっしゃる会社から百万円パーティー券を購入してもらっているという問題であります。
この社長のことは、当然、大臣はお知り合いなんじゃないかなと思うんですけれども、この方に関しても、どういう御関係で、いつごろお知り合いになられたかということに関して教えていただきたいと思います。
○鶴保国務大臣 この方のお身内に先に知り合いました。それから、その身内の方だということで、Iさんからも紹介を重ねて受けた記憶がございます。
○今井委員 この方も、先ほど出てこられたIさんの御紹介でお会いになられたということですか。
○鶴保国務大臣 正確に申し上げると、お母さんですね。この方のお母さんとの関係で知り合わせていただきました。
○今井委員 これは新聞報道にもありますけれども、この社長さんは、二〇一二年の二月に脱税で逮捕されまして、その年の七月に有罪判決を受けています。
それで、執行猶予つきの有罪判決ですから、執行猶予が一年ということはないと思いますので、ちょうどこのパーティー券を買われている時期というのは執行猶予期間中だったというふうに思われますけれども、そのことは御存じでいらっしゃいましたか。
○鶴保国務大臣 全く存じ上げません。
○今井委員 先ほどと同じ質問ですけれども、十一月二十二日の会見、ここで、やはり、収支報告書の記載はお聞きしたとおりに記載したということは、先ほどの二百万円だけではなくて、この百万円に関しても返金されていますから、これに関しても、お聞きしたというのは、このIさんからお聞きしたということでよろしいんでしょうか。
○鶴保国務大臣 報道があった事実を見てということで、返金をさせていただきました。
○今井委員 いや、僕は記載のことをお伺いしているんです。
この記載はお聞きしたとおりに記載したというふうに会見でおっしゃっていますから、誰から聞いた情報によって収支報告書にこの名前を掲載したんですか。この方ではなくて会社の役員名で書いてありますね、会社の役員名で。そういうのは、どなたの指示でそういうふうに書いたんですか。
○鶴保国務大臣 この方御本人だろうというふうに思います。
○今井委員 済みません、この方御本人というのは、この台湾系米国人の社長さんのことですか。
○鶴保国務大臣 そういうことになります。
○今井委員 法律上、実は、献金は外国人からもらっちゃいけませんが、パーティー券は外国人からも買ってもらってもいいというふうになっていますので、私はこれ自体は実は抜け穴だと思っておりますが、そのこと自体はいいとして、今回も、報道では、この米国人の方がパーティー券を買う、そのためにお金を出しているわけですけれども、実際に掲載されているのは、この会社の役員の、これまたKさんという方ですけれども、この方が名前が載っています。
大臣もごらんになったと思いますけれども、この方は、大臣、お知り合いですか。
○鶴保国務大臣 会っているかもしれませんが、直接記憶にある方ではありません。
○今井委員 もう三日たっていますから、周りの方にも聞いていらっしゃると思うので、事務所の方は、この方は御存じですか。鶴保事務所の秘書の皆さんとかは、この方について、会社の役員のKさんについて面識がありますか。
○鶴保国務大臣 特に報告は受けておりません。しっかりした関係であるという報告は受けておりません。
○今井委員 しかし、新聞記事に載って、収支報告書を当然ごらんになったと思いますから、これは一体誰だと、そういうふうにまず調べられるのは当然ですよね。鶴保事務所の皆さんに、この人を知っているかと、それを聞かれるはずだと思うんですけれども、それはお聞きになっていらっしゃらないんですか。鶴保事務所の秘書の皆さんに、このKさんという人を誰か知っている人はいるとお聞きになっていないんですか。
○鶴保国務大臣 おっしゃっておられる趣旨がちょっと、私が正確に捉まえていなかったら失礼なんですが、私がパーティー券の事務処理について一つ一つ見ていなかったかという御趣旨ですか。
○今井委員 これは先ほどと同じ話ですけれども、このKさんは、鶴保大臣、会っているかもしれないけれども記憶にない、要するに、面識が自分にとってはないと。鶴保事務所のほかの皆さんはこの方には御面識がありますかという質問です。それは、多分、収支報告書を見て、この人を誰か知っているといって確認されますよね。誰も知らないのか、どなたか知っていたのか、どちらでしょうか。
ですから、鶴保事務所のどなたか、このKさんというのは御面識がもともとあるんですかという質問です。
○鶴保国務大臣 それは、先ほど申しましたとおり、よく知っているという報告は受けておりません。
○今井委員 実は、この方も、領収書ももらっていないし、パーティー券ももらっていないし、そういう案内ももらっていないとおっしゃっておられるんです。
ですから、鶴保事務所から、この名前の方、Kさんに直接そういう働きかけをしたということはないということでよろしいですか。
○鶴保国務大臣 そういう理解になりますが、繰り返し申し上げますが、この方とのやりとりの中でそういう経緯になったというふうに理解をしております。
○今井委員 皆さん聞いていてわかると思いますけれども、今、二件ともケースは同じなんです。事務所として全く面識のない人から百万とか百五十万のパーティー券を買ってもらって、それを誰かにそのまま書いておいてと言われて書いているという状態なわけです。
ちょっと常識的には考えられませんね、こんな状態。普通は、パーティー券を買っていただいた方にちゃんと皆さんお礼をしますよね。名前も何もわからない方を載せておいて、しかも、金額は百万とか百五十万ですよ。それを誰かに言われたからそのまま書いているという、その状態自体が私はやはり異常だと思うんですよ。
それはちょっと法令遵守の観点から甘過ぎないですか、大臣。どう思われますか、それは。
○鶴保国務大臣 応援をしていただく、浄財をいただくわけでありますから、先方とのやりとりの中でこういうふうにしてくれという話があったと報告を受けておりますから、その指示に従って処理をしたんだと。
結果として、それが今回、報道のように疑念をいただく可能性があるものであるということでありますので、返金をさせていただいた次第であります。
○今井委員 選挙部長、ちょっと確認したいんですけれども、政治資金規正法の二十二条になりますが、まず、本人以外の名義でそういうパーティー券を購入されて記載をするということに関しては、法律上どうなのか。それから、パーティー券を買ってもらう場合には、恐らく二十二条の八の二だと思いますけれども、何らかの告知をしなければいけないという規定があると思うんですけれども、いかがですか。
○大泉政府参考人 総務省といたしましては、個別の事案につきましては実質的調査権を有しておりません。具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいということでございます。
その上で、一般論として申し上げますと、政治資金規正法上には、何人も、本人以外の名義または匿名で政治資金パーティーの対価の支払いをしてはならないとされており、また、当該政治資金パーティーの対価の支払いを受けてはならないという規定がございます。
また、御指摘のとおり、この催し物が政治資金パーティーである旨を文書をもって告知するというような規定もございます。
○今井委員 御指摘のとおり、今回の問題は、二つ問題があるんです。
一つは、今大臣は、とても支援してもらっている人にこういうふうに書いてくれと言われたから私は書きましたと答弁されました。それは、彼が虚偽で書くかもしれないことも容認しているわけですよ。虚偽の名前で書いてくださいということを、はいはいわかりましたということで容認しちゃっているわけです。私はその人と面識もないし、なぜその人を載せなきゃいけないかと普通確認しなきゃいけないんですよ。しかし、それもせず、まんまと、向こうが虚偽で書いてくれというものをそのまま許してしまっている、これが大変な問題です。
それからもう一つは、先ほどもありましたように、パーティーがある場合は、当該対価の支払いが資金パーティーの対価の支払いである旨を書面により本人に告知しなきゃいけないんです。それは法律に書いてあるんですよ。しかし、鶴保事務所から、この虚偽の名前の二人の方、KさんとKさん、二人に書面で告知をしていないんです、直接。書面で告知していないんですよ。これは、この法律に抵触する可能性が高いですよ。だから、私は問題視しているんです。
大臣はこのことに関して道義的責任は全くないとおっしゃっていますが、私は大変な問題だと思っているんです、これは。下手をすれば、これは本当に法律に抵触していますよ。そういう御認識はありませんか。
○鶴保国務大臣 繰り返すようで恐縮なのでありますが、私どもの事務所とやりとりをした直接の御本人の指示に従って処理をさせていただきました。そして、パーティー券等々についても、御本人からそういう処理をするということであったようであります。
直接御本人に対してパーティー券が行っていなかったという事実についても私どもとしては承知をしていないところでありまして、今回の問題についてはしっかりと対処していきたいというふうに思っております。
○今井委員 時間が来ております。あと二、三分で終わります。
今、私はこの問題は大変法律的に問題だと思いますから、もう一度指摘させていただきます。
それと、これだけ関係者の人の証言と今大臣がお答えになっていることが食い違っているわけです。これははっきりさせないといけません。
委員長、ぜひ、この関係者の人、Iさん、Kさん、Kさん、特にIさんです。この方をぜひ参考人で呼んでいただいて、何が真実なのかをここで答えていただきたいと思いますが、御検討願えないでしょうか。
○松野委員長 後刻理事会で協議します。
○今井委員 また、先ほどもいろいろと大臣から調べるということがありましたから、今後、その答えを待ちたいと思います。
最後に一点だけ指摘をしておきますけれども、今回の記載、実は間違いだらけです。
まず、二〇一三年の一月購入分のそれぞれ百万円ですが、最初の百万円、これはそもそも買っていない人の名前が載っています。しかも、買っていない人の名前、名前が間違っている。そして、住所も、Iさんの会社の住所が載っていますから、これも間違っています。
それから、もう一つのホテルの方も、実はこのとき名前が既に変わっています。もともとこのホテルは直接買っていないんだと私は思いますが、名前も変わっています。だから、これは名前も間違っています。
それから、二〇一三年十月に百万円、Iさんからもらっているもの、これの住所は、このIさんの住所じゃなくてホテルの住所になっています。
それから、二〇一四年の三月に百五十万円、これはIさんの会社が購入していますが、この会社は山梨の住所になっていますが、この会社の本社は東京です。台東区です。
ですから、全部記載が間違っているんです。全部間違っています。ひどい収支報告書です。これほどでたらめが書いてある収支報告書を私は見たことがありません。ですから、ほかにもきっとあると思いますよ。これからまた調べさせていただきますけれども、こういうことをやはり法令遵守ができないということは、私は大臣として大変問題があると思っていますから、そこはよくお考えいただきたいということを最後に申し上げまして、私の方からの質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○松野委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 岡山から参りました高井崇志でございます。
きょうは、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
私は、ITの質問をさせていただきたいと思います。
私は総務省で働いた経験がありまして、IT、ICTをライフワークとして、国会でも内閣委員会と総務委員会に所属をさせていただいており、ITの分野にずっと取り組んでおりますけれども、きょうは、鶴保大臣、IT政策担当大臣でありますので、ぜひお聞きをしたいと思います。
私は、ITは、今回成長戦略でも、IoT、AI、第四次産業革命ということで成長戦略の柱にようやく位置づけられた、そのことは評価しておりますが、経済、成長戦略だけじゃなくて、社会システムの変革でもある。少子高齢化や地球環境問題や、あるいは防災、減災、こういった分野にITを活用することによって大きく進んでいく。非常に重要な分野であると思いますが、少し政府の中で軽んじられてはいないかなというのを前から危惧しています。
実は、IT政策担当大臣というのは、なかなか、かつてのある大臣は、十幾つ担当があって、御自身がIT担当大臣であったことをほとんど認識されていなかったというような、過去そういう例もございまして、私はもっとこの分野に力を入れていただきたいと思います。
今、IT戦略本部というのが法律に基づいて、各省庁にITの分野はまたがりますので、司令塔が組織されていますが、果たしてこのIT戦略本部が十分機能を果たしているのか。組織の定員、人数の問題や、あるいは権限の問題、各省庁に権限をもっていろいろな規制改革などを進めていかなきゃいけない、あるいは予算。こういった面で、私はまだまだ不十分じゃないかと考えていますが、大臣、IT戦略本部というのはその役割を十分果たしていると御認識でしょうか。
○鶴保国務大臣 IT総合戦略本部は、府省庁横断的なIT政策の司令塔として、我が国全体の戦略の策定、またIT関連重要施策の実施の推進や政府のIT関連施策の評価、戦略の策定、実施の推進、評価という三つの役割を担っているものと認識をさせていただいております。
これまでも、毎年、世界最先端IT国家創造宣言の策定やその進捗管理を図るとともに、国のシステムあるいはデータ流通の環境の整備、農地情報システムの整備や官民ITS構想等についても積極的に取り組ませていただいております。
まだまだ、委員御指摘のように、権限、人員、予算、全てが潤沢なものだというふうな認識ではありませんが、これらを関係省庁と連携しながら、機動的、弾力的に議論そして検討させていただく所存であります。
○高井委員 まだまだ十分ではないという御答弁をいただきましたので、ぜひ大臣が先頭に立っていただいて、IT総合戦略室、事務局を担うここで働いている職員、私も親しくさせていただいておりますけれども、本当にみんな一生懸命やっていますが、やはり人が足りないんじゃないかという気がいたします。あと、権限も十分与えられていないんじゃないかという感じがいたしますので、先般も内閣委員会で、IT戦略本部自体が会議が開かれていないということを申し上げて、大臣からも早急に検討したいという御答弁だったと思いますが、ぜひ、非常に重要な分野でありますので、大臣におかれては力を尽くしていただきたいと思います。
そして、ITの分野でも特に私は注目しているのが、フィンテックという金融のIT業化、それからシェアリングエコノミー、この二分野です。
先般、我が党で、さまざまなIT関係団体から政策の要望をお聞きいたしましたけれども、IT横断の団体が特にこのフィンテックとシェアリングエコノミーは強く要望をされていました。それだけ課題の多い分野だと思っています。
というのは、フィンテックであれば、金融業に新たなITのベンチャー企業が参入してくるということなんですが、これは業横断なんですね。金融業であれば、銀行法とか貸金業法といった金融庁の所管の法律だけでいいかというと、実はクレジット分野の割賦販売法は経済産業省が所管をしていたり、さまざま業法が異なって、一つのフィンテックベンチャーが幾つもの業法の規制を受けなければならない。しかも、その規制の重い、低いが異なっていたりしますと、非常にベンチャーとしてはやりにくいというのがあります。
それから、シェアリングエコノミーについても、やはり実際、民泊であったりライドシェアということになると国交省の管轄ということで、ベンチャー企業が多いこういったIT業界が、どの役所としっかり向き合ったらいいのかというのがわからないし、また、それぞれの業法を持っている役所は、なかなか簡単に規制緩和に取り組まないという面もあります。
そういう意味では、こういったものを強力に進めていくためには、このIT戦略本部に、フィンテックであるとかシェアリングエコノミーなどのこういった重要分野はしっかり組織として位置づけて、そして強力に推進していく、そういう必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
フィンテックあるいはシェアリングエコノミー等のITを活用しました新たなサービスというのは、消費者の選択の幅を拡大するとともに、我が国のさまざまな課題解決への貢献が期待されることから、IT総合戦略室としては、これらのサービスの推進にも取り組んでいるところでございます。
フィンテックにつきましては、IT総合戦略本部のもと、データ流通環境整備検討会におきまして、金融分野も含めた多種多様なデータが事業者や業界を超えて流通、利活用される環境の実現に向けて検討を行っておるところでございます。
また、シェアリングエコノミーにつきましては、民間団体等による自主的なルール整備等を検討するために、シェアリングエコノミー検討会議を開催し、今月の四日、シェアリングエコノミーの発展に向けた基本的な考え方と支援方策をシェアリングエコノミー推進プログラムとして取りまとめ、公表したところでございます。これらの策定の過程におきましては、民間事業者から多数意見を聞き、また会議のメンバーにも入れているところでございます。
引き続き、こうしたITを活用した新たなサービスの推進を通じまして、我が国の諸課題の解決に向けて取り組むとともに、IT総合戦略本部として、IT戦略推進の観点から、司令塔機能を発揮し、必要な調整を行ってまいりたいと考えております。
○高井委員 シェアリングエコノミーについては、検討会議をかなり精力的に重ねられて、組織としてもしっかり位置づけて取り組まれていることは評価いたしますが、やはりフィンテック、これは、金融庁とあと経済産業省が今一部やっていますけれども、もっと業横断的に取り組む、また成長戦略の柱になるものだと私は思いますから、ここはしっかり組織をつくって、フィンテックという名前も明示した組織を一つ置くぐらいのことをやらないと、フィンテック業界もそういったものを見て、何かの検討の中にちょこっと入っているというのではなくて、しっかり取り組んでいくということが大事だと思いますので、ぜひ、これは前にも質問して、向井審議官から私は前向きな答弁をいただいたと思っているんですが、重ねて、これは重要なことだと思いますから、お願いをしておきます。
まだまだ、このIT戦略本部、実は聞きたいんですが、もう一つ、ちょっと時間も押してまいりましたので、私が内閣委員会で、ギャンブル依存症の問題をITを活用して取り組めないか、解決できないかという観点から聞いたことに、ちょっと今いろいろな動きが出ておりますので、少し話題がかわりますが、この問題について質問をしたいと思います。
去年の平成二十七年六月から八月にかけて、遊技産業健全化推進機構、これはパチンコですね、パチンコの市場調査というのをやったところ、不正な改造機がかなり蔓延しているということが判明いたしました。
そして、私は、ことしの四月二十七日の内閣委員会で、当時の河野国家公安委員長、大臣に対して質問をしたところ、河野大臣からこういう大変前向きな答弁が返ってまいりました。違法な機械が大量に出回っていた、こういう事実を認めた上で、関係団体が早急にこれを全て回収すると言っていますので、警察としては、まずこれがきちんとやられるように監視をしていきます、こういう答弁だったわけです。
その後、大臣がかわられて、ちょっとトーンダウンしているんじゃないかということが懸念されますので、改めて、きょう大臣は来ていただけませんけれども、警察庁に、河野大臣の四月二十七日の答弁と現在も同じ認識であるかということをお伺いいたします。
○鈴木政府参考人 お答えいたします。
御指摘の答弁につきましては、本年四月二十七日の内閣委員会におきまして、当時の河野国家公安委員会委員長が行ったものであると承知をいたしております。
昨年十一月、パチンコメーカー団体から、風営適正化法に基づき検定を受けた型式の遊技機と異なる性能の遊技機がパチンコメーカーから出荷されている可能性があり、業界を挙げて速やかに当該遊技機の回収を行っていくとの報告を受けたところであります。
警察といたしましては、御指摘の答弁における認識は変わっておらず、引き続き、まずは業界において確実に対象遊技機の撤去、回収がなされるよう、業界をしっかりと指導してまいる所存でございます。
○高井委員 違法な機械と河野大臣が答弁された、その撤去に当たっては、今御答弁いただきましたとおり、パチンコメーカーが日工組という組合を通じて、パチンコホールに対して、期限を設けて下取りまたは買い取りを呼びかけるという形で進められていると聞いています。しかし、その下取り、買い取り価格が大体そのパチンコの遊技機の販売価格の十分の一程度だということで、そうなりますと、パチンコホールが九割以上を負担する、そういうやり方になっていると聞いています。
現在パチンコホールで営業に使われているパチンコ遊技機というのは、風営法に基づいて適正な手続を経て設置されたものでありますのに、一民間団体であるパチンコメーカーの団体、日工組が一方的に回収対象機種を指定してやるというのは、パチンコホール側は、ホールは法的には撤去する義務はないと考えますが、いかがですか。
○鈴木政府参考人 本年の六月、パチンコホール団体やパチンコメーカー団体を含むパチンコ業界十四団体におきまして、業界が一体となって本年末までに対象遊技機の撤去、回収を実行していく旨を表明しているところであります。
これは、パチンコホール団体、パチンコメーカー団体を含む業界全体で自主的に撤去、回収を進めていこうとするものであり、費用の負担を含む具体的な方法につきましては業界全体で相談しながら進められるべきものと考えております。
いずれにいたしましても、警察といたしましては、業界において確実に対象遊技機の撤去、回収がなされるよう、業界をしっかりと指導してまいる所存でございます。
○高井委員 ちょっと今私の質問に明確に答えていただけなかったと思うんですけれども、パチンコメーカーとホールが一体として取り組むものだというお考えではありますが、そのパチンコホール、ホールは法的に撤去しなければいけないという義務はないと思いますけれども、その考えで間違いないですか。
○鈴木政府参考人 ホールにおきまして営業の用に供している遊技機が、著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機に該当するものであれば、風営適正化法に違反することとなるものと認識をいたしております。
いずれにしましても、業界全体として取り組むということでございますので、今現在、業界の対応を見守っているという状況でございます。
○高井委員 例えば、今回、日工組が回収対象に指定している機種、人気機種のCR牙狼魔戒ノ花というのがあるそうですが、こういったものは不正改造問題が発覚した去年の八月以降に大量に販売された機種であります。こういったものも含めて、しかも、さっきの十分の一の価格というのは、これはやはり著しく不公平ではないかと考えますので、ちょっと指摘しておきたいと思います。
それともう一つ、我が党の初鹿明博議員が質問主意書を出しておりまして、それに対する答弁の中で、警察庁は、これもさっき御答弁いただきましたが、パチンコメーカーが検定を受けた型式に属する遊技機として出荷した遊技機の中に、出荷する時点において既に当該遊技機が属するとされた型式の遊技機と性能の一部が異なる遊技機が含まれていた可能性があると日工組から報告を受けているという質問主意書の答弁でありました。
これは、要約すれば、つまり、政府としては、違法な機械が大量に出回った原因というのは、パチンコメーカーが検定を受けた型式に属さない遊技機を検定を受けた型式に属する遊技機として販売したということを認めた、認識しているということだと思います。であれば、これは、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則第十一条第二項の検定の取り消し事由に該当すると思います。
であれば、警察は、各都道府県警を指揮監督して、個別のパチンコメーカーを検査して、必要に応じて検定取り消しなどの処分を行うべきだと考えますが、こうした検査は一向に行われた形跡はありませんけれども、それはなぜでしょうか。
○鈴木政府参考人 現在、パチンコ業界におきましては、対象遊技機の撤去、回収につきまして、本年末を期限として業界を挙げた取り組みを進めているものであり、当庁といたしましては、引き続き、パチンコ業界の取り組みに基づき撤去、回収が確実に行われるよう指導しているところでございます。
当面、その取り組みの推移を注視しつつ、その状況に応じて必要な措置を検討してまいりたいと考えております。
○高井委員 当面、注視したとして、その結果何もなされなかったときは、どういう措置を講ずるお考えなんでしょうか。
○鈴木政府参考人 繰り返しになりますけれども、現在の取り組みの推移を注視しつつ、その状況に応じまして必要な措置を講じてまいりたい、検討してまいりたいと考えているところでございます。
○高井委員 それでは、もう一つ御提案なんですが、風営法上の指定試験機関に保安通信協会というのがありますが、ここに、各パチンコメーカーが持ち込んだ検定を通過した時点の遊技機、私たち、検定機と仮に呼びますけれども、この検定機が既に保管されていると聞いています。この検定機の形状と、それから各パチンコメーカーが在庫として保管されている遊技機の形状を比較すれば、各社において、どの型式で不正が行われたかを容易に判断できると思います。
警察庁として、こういった検査を行う考えはあるでしょうか。
○鈴木政府参考人 不正の有無を判断するに当たりましては、通常、現に出荷された遊技機を調査する必要があると考えられるところでございます。
なお、パチンコメーカー団体によりますれば、該当する遊技機については既に製造、出荷を終了しており、現在、パチンコメーカーは出荷された遊技機と同様の遊技機を保有していないと聞いておるところでございます。
いずれにいたしましても、当庁といたしましては、まずは業界を挙げた取り組みを注視しつつ、その状況に応じて必要な措置を検討してまいりたいと考えております。
○高井委員 これで最後にしますけれども、この保安通信協会に保管されている検定を受けた遊技機の型式に関する報告を国会法百四条に基づいてそれぞれの議院が求めた場合には、それは政府としてその対象になると考えていますでしょうか。
○鈴木政府参考人 仮に、議院または議院の委員会から国会法第百四条に基づき報告等を求められることになった場合には、法律に基づき、必要な協力をしてまいります。
○高井委員 きょうの答弁では、今、業界の取り組みを注視する、その結果に基づいて対処するんだという御答弁が中心だったと思いますので、その点については、これからも引き続き、我々の方でもそこはしっかり見ていきたいというふうに思います。
それでは、ギャンブル依存症問題への質問はこのあたりとさせていただきまして、IT戦略本部の質問を続けたいと思います。
もう一つ、私は今ずっとこれは提案をしておるんですが、IT戦略本部の中で、情報システムのコストカットというのに一生懸命取り組んでいただいています。
国と地方公共団体それぞれ、大体、大ざっぱに、私は、五千億、五千億ぐらいあると思っています。政府から、もうちょっと少ない、三千億とか四千億と聞くんですけれども、いろいろな業界の詳しい人に聞くと、政府の数字はかなりかたく見積もった本当のコアな部分で、そこの周辺部も含めれば、国五千、地方五千の一兆円、人によっては二兆円ぐらいあるんだという人もいます。年間約一兆円の情報システムの運営費というのがかかっているわけであります。
しかし、政府として、特に国の、政府の情報システムの五千億のうち三割、これをカットしましょうと。五千億の三割ですから、一千五百億です。一千五百億、毎年財源を捻出できる。この取り組みを、今、政府CIO、遠藤さんという民間から来た方が、本当に私は立派だと思いますけれども、既に四百八十回、政府の各機関から遠藤さん自身が先頭に立ってヒアリングを行って、この分野については、二千二十何年か、これも遅いと思いますが、三割カットというのが方向性が大分見えてまいりました。
しかし、一方で、地方自治体の五千億については、なかなか、これは総務省が中心となってやって、ここにIT総合戦略室も一緒になって、そして遠藤CIOも、これも聞いたら、二十六の地方自治体の首長のところに遠藤CIOがみずから足を運んでヒアリングをやって、取り組みを進めているというふうに聞いています。
このことも一定の評価はいたしますが、しかし、五千億の三割をカットできる、年間一千五百億、そして、国と地方を合わせれば年間三千億の運営費をカットできる取り組みを、私はもっと強力に、遠藤CIOが一人で出張っていくんじゃなくて、もうちょっと職員も配置をしてこれを強力に進めていくべきだ。
事前に聞いたところによると、国のコストカットには約二十人、それから地方自治体の方は五人ぐらいしか人がいなくて、総務省にも同じことを聞いたことがあるんですが、全然総務省も人数が足りないんですね。
私は、情報システムのコスト削減策、そういう方策があるわけですから、もっともっとこれは強力に、CIO部局に人もつけて、あるいは権限ももっと強化して進めるべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。
国の場合、私どもは四千億と言っておりますが、政府そのものですので、その周辺の、例えば独法とかそういうふうなものは含まれておりませんので、そういうものも含めて今後取り組む必要があると思っております。
それから、御指摘の自治体でございますけれども、確かに、もともとは総務省がやっておったものを、遠藤さんがみずから乗り込んでいって自治体を回るということを始めた。現在は、総務省とも一緒に行っていただいているという状況ではございますが、御指摘のとおり、人が少ないというのも事実でございます。
それから、自治体の場合、もちろん地方自治でございますので、調達する主体はあくまでも自治体ということでございますので、あくまで助言をするというふうな権限ではございます。
ただ、地方自治とは申しましても、こういうふうなITの世界というのは、やはり標準化というのが、民間であっても標準化して共通化していくことが民間全体の利益につながる、地方自治体でも同じではないかと考えております。
したがいまして、これからも、できるだけ自治体のコストカットに向けまして、全体としての自治体のクラウド化、あるいはクラウド化だけではなくて手続の電子化とか、自治体のITは多数課題がございますので、こちらを重点的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○高井委員 おっしゃるとおり、自治体ごとにベンダーが異なってシステムの標準化が難しい。こういう問題もあって、そういった分野を解決するために、実は我々、議員立法で、あす内閣委員会で質疑されますけれども、官民データ活用推進基本法というのを、順調にいけば衆議院でそれを通せるというような状況まで来ております。
ただ、この新しい官民データ活用推進基本法ができますと、そこに戦略本部を立てることになりますが、その事務局を今度恐らくIT総合戦略室が担っていくということになると思います。あすの内閣委員会では、議員立法ですから、政府には聞けないというか、聞かないということになっていますので、ちょっと通告していませんけれども、少し先取りして、IT総合戦略室として、この官民データ推進法の本部の事務局をこれから担っていただくことになると思いますが、それについての意気込みといいましょうか、今の体制で十分かどうかということを改めてお聞きいたしたいと思います。
○向井政府参考人 お答えいたします。
議員立法がまさに提案されようということについては、中身も含めて承知してございます。これまでの高井先生の御努力に敬意を表したいと思います。
中身につきましては、極めて、ITをまさに進めていくという内容になっておりまして、私どもも心強く思っているところでございます。事務局を多分IT総合戦略室が担うということになろうかと思いますが、大臣からも答弁ありましたように、より充実し、また期待に沿えるような、そういう、特に計画ですね、立派な計画をつくってまいりたいというふうに考えております。
○高井委員 今いろいろ質問させていただきましたとおり、大変この分野は重要でありますので、大臣におかれては、ぜひ、IT政策担当であるということを十分御認識いただきまして、強力に推進していただきたいと思います。
それでは、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○松野委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 民進党の鈴木義弘です。
先生方、大分お疲れになってきたと思いますので、ひとつ肩の力を抜いて、質問に入りたいというふうに思います。
ことし六月の二日に、経済財政運営と改革の基本方針二〇一六、いわゆる骨太の方針の中で、成長と分配の好循環の実現に向けて、産業の新陳代謝の促進やイノベーションを促すような制度の変革を通して、付加価値を高める産業構造に変革を挙げた。成長戦略の加速等とうたっております。
人材育成の項目では、実践的な職業教育を行う高等教育機関の制度化の検討、世界トップレベルの人材を輩出する卓越大学院の具体化、高等専門学校教育の高度化など、教育研究拠点を強化するとともに、卓越研究員制度等による、初等中等教育段階からトップレベルの研究者に至るまでの体系的な人材の育成確保を講ずるとあります。
これから予算編成、今佳境に入っているんだと思うんですけれども、二十九年度に向けた方針について、今の大臣のお立場で、科学技術の振興等についてどのように具体化していこうとお考えなのか、まずお尋ねしたいと思います。
〔委員長退席、高井委員長代理着席〕
○鶴保国務大臣 委員御指摘のとおり、科学技術イノベーションの重要な担い手は人材であろうと思います。その人材の育成をまず我々は考えなければなりません。
このため、第五期科学技術基本計画におきまして、科学技術イノベーションの基盤的な力の強化において、人材力の強化というものを挙げさせていただいております。若手研究者の育成、活躍の促進や、大学院教育改革の推進、次代の科学技術イノベーションを担う人材の育成といった取り組みを推進させていただくとそこに明記をさせていただいております。
この基本計画に基づき、さまざまな施策を推進しております。
まずは、子供たちを理数好きにして、理工系志望の児童生徒の裾野の拡大を図る取り組みを推進することが重要であるというふうに思っております。また、このため、例えば初等中等教育段階において先進的な理数教育を実施している高校などを指定いたしまして、将来国際的に活躍し得る科学技術人材の育成のための取り組み、スーパーサイエンスハイスクールというのだそうでありますが、を実施させていただいておる。
また、すぐれた若手研究者に対して、安定かつ自立して研究できる環境のもとで活躍するための制度として卓越研究員制度、委員御指摘のとおり、が今年度より創設をされていると認識しております。
また、新たな知の創造と活用を主導する博士人材を育成するため、卓越大学院プログラムの検討が進められております。
世界トップレベルの研究拠点プログラム、WPIなど、我が国が国際的な頭脳循環の中核となるような取り組みも重要だと思います。
今後とも、初等段階からトップレベルの段階まで総合的に人材の輩出ができるよう、ありとあらゆる施策を総動員して取り組んでまいりたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 大臣、いろいろな大臣にお尋ねしても、最後に、全て、あらゆる政策を総動員してと言ったら、もう何も聞けなくなっちゃうんですね。
今の御答弁は、どうせ文部科学省か何かで書かせた文章なんだと思うんです。でも、ここはやはり、大臣は内閣府におられる科学技術担当大臣だと思うんです。
私、この質問通告を出したときに、担当の方から、ほとんど文部科学省の所管じゃないですか、こういうふうに尋ね返されたんです。そのとおりだと思うんですね。では、なぜあえて内閣府の中に科学技術担当大臣を置くのかということなんです。何でか、お考えになっていますよね。
今、これを書いたのは全部、文部科学省が書いたものだと思いますよ。大臣のお言葉で、なぜ科学技術が大切なのかというのを、内閣府の大臣としてきちっと、この方向性があるから大事なんだと言ってもらわないと、それはやはり二十九年度の予算の反映にならないと思う。
まず初めにお尋ねしたいと思います。
○鶴保国務大臣 まず、この質問の話をお聞きしたときに、私も全く同じことを申しました。今申し述べたものの多くは文部科学省の施策にかかわるものであります。
裾野の部分からトップレベルのものに関して我々として何ができるかについて、まずは、どこに問題があるのかを検証し、そしてそれに対して対応していくことこそが重要なのではないかというふうに私は思っております。
その意味においては、今現状でやらせていただいている、文科省を中心にこういう人材育成がありますよということを御答弁させていただいたものでありまして、委員の御指摘、私も認識としては共有するものであることを申し述べておきたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 もう六、七年ぐらい前、シンガポールに視察に行ったんです。そのときはまだ私は県会議員だったんですけれども、JSTだったと思います、説明を受けたときに、向こうは、昨年亡くなられたリー・クアンユー元総理が科学技術担当顧問をされていて、御自分で一千億ぐらいやはり予算を持っているんですね。シンガポールにとってこれが有益だといったら、すぱっと、自分のお金のように、これは百億、これは二百億、こう出していくんだそうです。
では、内閣府の二十七年、二十八年、二十九年度の概算要求を見たって、科学技術イノベーション政策の推進というふうにうたっているんですけれども、二十六年五百十六億、二十七年五百十六億、二十八年五百十八億、二十九年五百十八億、ほとんど一緒なんだ。
内閣府の科学技術担当大臣なんですよ。だからお尋ねしているんですけれども、それで、ことしの六月に取りまとめた骨太の方針の中でこういうことがうたってあるんだから、内閣府の科学技術担当大臣としてそれをどう具体的に表現していくのかということなんだと思います。
GDP比一%、前任の公明党の先生が御質問されたのはそうなんですけれども、GDP五百兆円で計算しても、一%というと、私、余り頭はよくないので、五兆円という額になるんじゃないかと思うんですね。それは、文科省だとか経産だとか農水だとかいろいろなところにあって、足していけば〇・七%ぐらいになるんですといっても、実質持っているお金は、だって五百億ちょっとしか予算化されていないじゃないですか。それで科学技術が大事なんだと言っても、全然、今の御答弁をいただいても、現状把握して、それから予算を組みますといったって、もう予算の編成に入っちゃっているんですよ。それじゃいつになったってイノベーションは起きないと思うんですけれども、もう一度この点だけお尋ねしたいと思います。
○鶴保国務大臣 先ほども御答弁をさせていただきましたが、予算全体で見たときの取り組みについては、まずは呼び水としての予算確保に全力を尽くす、これはもう論をまたないわけであります。したがいまして、委員御指摘のような、予算額は伸びていないじゃないかという御指摘は真摯に受けとめて、我々も努力をせねばならないというふうに思います。
ただ、かてて加えて、それ以上にと言っても言い過ぎではないぐらい、研究開発投資等々については八割が民間投資であります。これらの呼び水効果を得て、しっかりとしたものをしていくことも我々の責務ではないかというふうに考えております。
したがって、その一環として、総合科学技術・イノベーション会議と経済財政諮問会議が合同で設置をいたしました経済社会・科学技術イノベーション活性化委員会において、GDP六百兆円経済の原動力となる科学技術イノベーションの政策イニシアチブ、官民研究開発投資の拡大に向けた政策イニシアチブをつくらせていただきました。これを具体化させていただき、御期待に応えるように努力をしていきたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 先ほどもノーベル賞が、受賞者がことしも一人出たと思うんですけれども、この十年ぐらいでもう出ないんじゃないかと言われているんです。今までの遺産をずっと食い潰しているだけ。だから、これから先も、二十年も三十年も五十年もノーベル賞の受賞者が日本人から出ていくかというのは、これはなかなか難しいと思うんです。
それの一つの、よくデータで出されるのが、きょうお配りさせていただいた論文の発表数なんですね。私はカラーなので、先生方にお配りしているのは白黒で見にくいかもしれないですけれども、全部下がっちゃっている。これが現実なんです。
ずっとぬるいことをやってきたのかもしれないですね。もしかしたら、政治の課題の中で、こっちは何とかなる、今大臣から答弁いただいた、八割の民間の研究開発費があるから大丈夫なんだと言うんですけれども、だから、政府の支出している研究開発費からいったら、世界全体の中でいっても、日本はおくれていると思いますよ。そこが問題なんです。
だから、覚悟を示すんだというふうに言いながらも民間に頼り続けてきた研究開発、それの論文数がこういう形になっています。この数字は、時間がないので後でお読みいただきたいと思うんです。
それで、トムソン・ロイター社というところが出している、科学技術・学術政策研究所が集計したものが今お示ししているこのデータなんです、下の方に小さく書いてあると思うんですけれども。
因果なもので、論文数の低下原因の一つに、文科省の科学技術・学術政策研究所がいろいろな大学や研究所に調査依頼をかけて、こういったデータを蓄積しているんです。きょうはちょっとお持ちしていないんですけれども、こんな分厚い調査票があるんです、事細かく。これをすることによって、確かに分析と解析をして報告書を取りまとめるのがこのセクションの方々の職務だからいたし方ないんですけれども、それをするがために、現場では時間的制約が負担になっているという話なんです。これは大学のOBの方で、鶴保大臣と一緒で東大の、化学をやってきた先生とお話しする機会があったんですけれども、その先生がそういう弁を述べているのをお聞きすることができたんです。
であるならば、データはデータで大事なんですけれども、負担軽減の措置と正確なデータ、現状把握は相矛盾するんです。現場はそれで疲弊をしてしまって、学校教育もそうなんです。もっとしっかりやれ、もっとしっかりやれ、今何をやっているんだと一生懸命小学校、中学校、高校にアンケートをとる。議会で視察に行く。実際に子供と接している時間が毎年毎年減っていっている。それでもっと子供に向き合えと言っても、全然、子供と向き合う時間以外のところに時間がとられている。
そういうデータを私たちが求めれば求めるほど、現場はほかのことで、実際の研究開発に時間が割けない、こういう状況が出ているんですけれども、今の大臣の率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
〔高井委員長代理退席、委員長着席〕
○鶴保国務大臣 委員の御質問を受けましたときに、私も同じことを考えました。
学校現場で何が起きているかを想起しながら、改革をするべき点がないのかということを、今部局とも相談をさせていただいておるところでありますが、現状で調査等がふえ過ぎていて研究現場の負担になっているという情報を、どれだけ重いものであるのか等々につきましても、まだまだ十分なものが上がってきているとは認識をしておりませんので、今後それらについて、負担軽減のバランスについてもしっかり考えていきたいと思います。
ただ、その場合においても、調査項目の重複の排除や、あるいは簡便な手法による調査や、書面ではなくインターネットを活用した調査の実施など、すぐにでもできる改革はあり得るというふうに思います。不断にこうした点検を行いつつ、委員御指摘のような負担軽減についての御期待に沿えるように努力をしたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 もう一点、幾つかの項目をお出ししますので、お答えいただきたいと思います。
日本の論文は科研費頼みというふうな数値も出ているんですね。それで、科研費頼みの傾向が強まっていて、それでも世界に存在感を示せていないというふうに指摘する方もおられるんです。科研費の増加で、論文の量、質の向上に大きく貢献したというふうに言われているんですけれども、科研費を得る研究テーマ数はふえるので論文数もふえるんですけれども、国際的なシェアの拡大につながっていないんです。
それにも増して、非科研費論文は減少を続けちゃっているんです。だから、国から出ているお金をもらっている先生方は論文が出せるんですけれども、もらっていない人は出せていない。科研費の多い、少ないだけじゃなくて、もらえていない人はどんどん論文を出さない。それが顕著に出てきてしまっているということなんです、ここ何年かの間。
この状況を変えない限り、論文数の増加、質の向上につながらないというふうに考えるんですけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○鶴保国務大臣 御指摘を受け、科研費と論文に関する傾向を調べさせていただきました。
科学研究費助成事業の関与する論文は増加傾向にあるものの、全世界の論文数が増加している中、我が国の論文数の世界シェアは減少傾向にあるということであります。また、特に、科研費の関与しない論文数の割合が減少傾向にあるという事実も把握いたしました。
このため、我が国全体の論文数の増加や質の向上のためには、科研費にとどまらず、我が国の研究開発投資全体として継続的に充実強化させていただくことが重要と考えております。
運営費交付金等々基盤経費についても不断の見直しをさせていただくべく、今、大学等々に、どの部分が研究開発に、どれぐらいの割合が向けられているか等々についてのヒアリングもさせていただいていることも付言をしておきたいと思います。
○鈴木(義)委員 何を申し上げたいかといったときに、内閣府の科学技術担当大臣に、失礼な言い方かもしれませんけれども、自分で科学技術を振興するに当たって、何をキーワードにしたお金の配分の仕方をすればいいかというのをやはり考えなくちゃだめなんだと思うんです。それを、文科省、経産省、農水省だとか、事業部を持っているようなところ、研究開発をしているところに、この指針で分配の仕方を変えてくれというのを打ち出すのがやはり内閣府の科学技術担当大臣の考え方だと思うんです。
その一つとして、トムソン・ロイター社が考案したインパクトファクター、これはもう学術の世界では当たり前な指標なんですけれども、逆にこれがひとり歩きしちゃっているんじゃないかと言われているんです。一般的に学術誌の影響度を示す指標であって、個々の論文の状況を示す指標ではない、質を問うていないんだと。あくまでも個々の研究者の評価には適さない指標であるというのはもうもともとわかっているんですけれども、日本でも海外でも一つの指標として長年ずっと使われてきた指標なんです。
中国では、このインパクトファクターのみで評価して、人事の序列化も進んでいるんです。もう余計なことは関係ない、インパクトファクターの高い数値のところに投稿した論文の数が多い人ほどいいポジションにつけて、たくさんのお金をもらって研究開発ができるという制度でやっているんです。だから、どんどん日本よりも中国の論文の投稿数がふえていっているのが表で出てきているわけなんです。
では、日本はこの位置づけをどういうふうに見直していこうというふうに考えておられるのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○鶴保国務大臣 インパクトファクターは、学術雑誌を評価する指標の一つであり、学術雑誌に掲載された論文が特定の期間内に平均どれくらい引用されているかを示す指標であるというふうに理解をしております。
したがいまして、文科省における科研費の事例では、研究業績を記載する欄がございますが、そこでは、研究者の論文情報等を記入するものの、インパクトファクター、つまり雑誌の評価にかかわる指標を記入するという評価基準にはしておりません。
研究者の評価に当たっては、論文の引用数が一つの評価項目になり得るものであるということは論をまたないわけでありますから、これらを勘案しながら、国の研究開発評価に関する大綱的指針では、研究目的の明確さ、あるいは研究の独創性、学問分野とか関連学問分野への貢献度等、多様な視点による評価が必要であると認識をしております。
○鈴木(義)委員 インパクトファクターを考えたロイター社が、インパクトファクターに対していろいろな批判をされているのは承知しているわけですね、この会社自体が。それで、インパクトファクターの批判を受けて、最新の数学技法を駆使した算出方法があるんだそうです。アイゲンファクター、何だかよく似たような、まあインパクトがあるからアイゲンなのかわかりませんけれども、それを一つの指標に置きかえようじゃないかという動きが出てきているんです。今までのインパクトファクターの批判を受けてですね。
それを評価指標として積極的に取り入れる考えがあって、それを一つの科研費の分配の仕方だとか、先ほどは運営費交付金の話をされましたけれども、ただ、運営費交付金はあくまでも大学とか研究所の一般管理費も含めたお金のあり方なので、違ったお金の使われ方には行かないんです。そこから科研費の方に回ることはないんです、基本的には。ランニングコストで使われちゃっているので、結局、科研費の方に回る余裕がない。だから、そっちの運営費交付金を積み上げていったとしても、研究開発の方にお金が回るかといったら、ほとんど回らない。
だから、新しい指標ができているんだったら、それを取り入れてきちっと予算配分をしてくださいよというふうな方向を示してあげないと、論文の数もふえないし、世界に通用するような位置づけになっていかないと思うんですけれども、大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○鶴保国務大臣 委員もお気づきであろうと思います。インパクトファクターの改良版と言われるようなアイゲンファクターについても、現時点では、我々の科研費の申請書にインパクトファクター値を記入させたり審査基準にすることはしないという現状でありますから、このアイゲンファクターを審査基準にして考えるという状況には至っておりません。
ただ、どこに重点的に予算をつけ、そして科学技術の振興に寄与させていくかについては不断に考えていかなければならない。その意味においても、最終的には、どういう指標がいいかは別にして、目ききなるものをしっかりと育てていかなければならないというふうに思います。
こうした指標については、今後まだ不断に努力をし、考えていかねばならない大きな問題であるというふうに認識をしております。
○鈴木(義)委員 もう一枚のペーパーを出させてもらっているんですけれども、日本発の高インパクトファクター、これは二〇一二年のものですね。あと、世界の高インパクトファクターというのも同じ指標で出ているんですけれども、これは、先ほども申し上げましたように、文献引用影響率という言い方で、簡単な数式に基づいてこの数字を出しているんですけれども、日本でトップだと言われている雑誌も九・〇四二なんです。世界で高インパクトファクター誌といって、百五十三。桁が違うんだね。
そこで問題になってくるのが、私たちもよく耳にするサイエンス、ネイチャーという雑誌があると思うんですけれども、これはあくまでも商業誌なんです。商業誌が出てきたのは十年、二十年ぐらい、もうちょっと前かもしれません。でも、本当の主体は学会誌なんです。何とか学会、何とか学会、何とか学会、そこが発行していた雑誌に投稿することでレベルを上げてきた時代が過去にあったんです。
でも、今は商業誌がもてはやされて、コマーシャルもうまいんです。だから、研究開発をする人は、医療系も化学も物理も、みんなネイチャー、サイエンスに投稿したいとなるんです。それをもう一度、商業誌じゃなくて学会誌にもっと力を注ぐような予算配分をしてもらえないかということで最後に答弁いただいて、終わりにしたいと思います。
○鶴保国務大臣 御指摘の科研費につきまして、学会誌の量と質の向上に資する事業として、昭和四十年以降、現行制度の中で継続的に学会誌に対する支援が行われてきたものであると承知をしております。
この研究成果公開促進費を含めた科研費につきましては、文科省より平成二十九年度の予算要求が行われております。
こうした助成事業等により、引き続き、学会誌を通じた国際発信力の強化につながることを期待させていただきたいというふうに思います。
○鈴木(義)委員 ぜひ、これからも、内閣府の担当大臣として、司令塔として御活躍されますことを御期待申し上げまして、質問を終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○松野委員長 次に、島津幸広君。
○島津委員 日本共産党の島津幸広です。
きょうは、鶴保大臣に、日本の科学の現在と将来について質問をしたいと思います。
最初に、マスコミ報道によりますと、大臣は、ことしノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典さんの記者会見や講演での発言に対して、去る十月四日、次のように述べています。「社会に役立つか役立たないかわからないものであっても、どんどん好きにやってくださいと言えるほど、この社会、国の財政状況はおおらかではない」、これは、十月五日、朝日新聞に報道されています。
大臣、この発言についての真意をお聞かせください。
○鶴保国務大臣 事実を、この発言をもう一度ひもといていただければわかると思いますが、この後に、私は、おおらかではないが、限られた予算を効率的、効果的に配分をしていくことが重要であるという趣旨の発言もさせていただいておるところであります。
大隅教授が言われた基礎研究の重要性については、私も、論をまたず、重要であると考えております。
○島津委員 まあ、補足があるわけですけれども。
もう一つお聞きしたいんですけれども、ここで言われている「社会に役立つか役立たないかわからないもの」、こう言ったわけですけれども、社会に役立つ、役立たない、この判断基準というのはどのように考えているんでしょうか。
○鶴保国務大臣 いかなる研究であっても、恐らくは役立ってくれるのであろうと私は信じております。
しかしながら、私の申し上げた真意の限りで申し上げたいと思いますけれども、何十年も、三十年も四十年も、どうなっていくかわからないということを国の予算をつけながらやっていくことが果たしてできるのかなという、そこの問題を申し上げたにすぎません。
役立つか役立たないかを誰かが法定するということではなくて、これを客観的に、先ほど来のお話にもありましたとおり、重点的に予算配分をしていくその仕組みこそ、私は考えていかなければならないことだというふうに考えております。
○島津委員 今御答弁されましたけれども、ただ、この朝日新聞の報道に限れば、「この社会、国の財政状況はおおらかではない」というので終わっているんですよ。これは誤解を与えますから、大臣、朝日新聞に抗議なり要請して真意を出すようにしていただいたらどうですか。私はこれを読んで、実は、科学担当大臣の言葉とは思えないということで驚いたんですけれども、今の話を聞いて、そういうことならそういうことで、ちゃんとするべきだと思うんですが、どうですか。
○鶴保国務大臣 それも視野に含め、対応したいと思います。
○島津委員 大隅さんは、受賞決定後の会見で、今も大臣もるる言われましたけれども、自然科学の分野での基礎研究の重要性を強調して、この研究をしたら役立つというお金の出し方ではなく、長い視点で科学を支えていく社会の余裕が大事、全ての人が成功するわけではありませんが、チャレンジすることが科学の精神であり、その基礎研究を見守ってくれる社会になってくれることを期待したい、こう言っています。
大隅先生だけではありません。昨年ノーベル物理学賞を受賞した梶田先生も、先生の研究は何の役に立つか、こう聞かれまして、知の地平を広げる、こう答えられています。大隅先生は同じ質問に、役立つという言葉が社会をだめにしている、こう答えています。
改めて大臣にお聞きしたいんですけれども、基礎研究ということについてどのように認識されているんでしょうか。
○鶴保国務大臣 大隅教授が指摘をされた後も、受賞直後ですか、コメントを出された、そのコメントも拝見をさせていただきましたが、直接、党の方にもお越しをいただいたときに、短い挨拶ではありましたけれども、交わさせていただきました。
そんなことごとを含め、私なりに、教授が言われている新たな知の資産を創出することとともに、世界共通の課題を克服する鍵であるということを、私も重要なものと認識をしております。
○島津委員 この基礎研究、今大臣も御答弁がありましたけれども、文科省の定義でも、個別具体的な応用、用途を直接的な目標とすることなく、仮説や理論を形成するため、または現象や観察可能な事実に関して新しい知見を得るために行われる理論的または実験的研究をいうというわけです。
今すぐ成果を求められなくても、そういう基礎的な研究が広がる中で、裾野が広がる中で、将来、ノーベル賞をとるだとか、いろいろな役立つものになっていくわけです。そのことをやはり確認しておきたいと思うんです。
そこで、具体的な話を聞きたいと思うんです。
ことし一月閣議決定された第五期科学技術基本計画では、「大学及び研究開発法人がミッションを遂行するためには、研究や教育を支える基盤的経費が不可欠である。」こう強調しています。大臣、これは間違いありませんね。
○鶴保国務大臣 御指摘のとおりであります。
国立大学法人や研究開発法人の運営費交付金は、継続的、安定的に教育や研究を行う上で必要不可欠であると認識しております。
○島津委員 そこで、文科省にお聞きしたいと思うんです。
国立大学の基盤的経費の重要部分を占める運営費交付金、これについて、二〇〇四年度と二〇一六年度の推移はどうなっているんでしょうか。
○義本政府参考人 お答え申し上げます。
国立大学法人運営費交付金につきましては、第三期中期目標期間の初年度でございます平成二十八年度、二〇一六年度の予算におきましては対前年度同額を確保しておりますけれども、過去十二年では千四百七十億円の減額をされてきたところでございます。
具体的には、二〇〇四年の予算額が一兆二千四百十五億円でございましたが、二〇一六年度予算額につきましては一兆九百四十五億円となっております。
○島津委員 今お答えがあったように、約一千五百億円のマイナスとなっています。
この運営費交付金の性格、役割というのはどういうものでしょうか。
○義本政府参考人 お答え申し上げます。
国立大学法人運営費交付金につきましては、国立大学が我が国の人材育成、学術研究の中核といたしまして六年間の中期目標、中期計画に沿って継続的、安定的に教育研究活動を実施するために、各法人の運営を支える基盤的経費として配賦しているものでございます。
各法人におきましては、人件費、物件費を含めた渡し切りで措置された運営費交付金と授業料収入等の自己収入を合わせて教育研究活動を実施しているところでございます。
○島津委員 研究をしていく上では非常に欠かせない交付金なわけですけれども、文部科学省が出している資料「「個人研究費」に関する資金の流れ」、これを見ますと、個人研究費は、国立大学法人運営費交付金、私立大学経常費補助、これが基盤的経費として大学などに交付、補助をされて、研究者に渡っています。その基盤的経費が今、年々減らされているのが現状です。
基盤的経費が減っていることで大学の研究活動にどのような影響が出ていると文科省は見ているんでしょうか。
○義本政府参考人 お答え申し上げます。
運営費交付金等の減少によりまして、常勤教職員の人件費が圧迫されておりまして、特に若手教員の安定的なポストが減少するとともに、文部科学省が実施しました個人研究費等の実態に関するアンケートによりますれば、国立大学の教員につきまして、年間の個人研究費が五十万円未満の者が約六割を占めるというふうな結果も出ておりますなど、国立大学の教育研究の基盤の弱体化が懸念されているところでございます。
また、若手教員の安定的なポストが減少する中で、先行きが不透明だということもありまして、博士号取得後のキャリアパスの不安定さ、不透明性等から、博士課程の入学者も減少しているところでございます。
○島津委員 若手研究者の話についてはこの後もうちょっと聞きたいと思うんですけれども、今お答えあったように、年間の個人研究費の約六割が五十万円未満、これは年間ですから、月に直しますと四万円ちょっとなわけですよね。これでどんなことができるのか。私、いろいろお話を聞きましたら、研究どころか、研究室を維持するのが、それだけで手いっぱい、必要な専門書も満足に買えない、学会に行く交通費もままならない、いろいろなことが話されました。
大臣、研究現場でのこうした状況というのは把握されているんでしょうか。
○鶴保国務大臣 何度か、私も複数の国立大学に行かせていただきました。特に、九月に筑波大学、十月に京都大学、十月にはまた大阪大学、十一月に東京大学、そして先日は九州大学、幾つかの大学にも行かせていただき、ほぼ同じような悩みをしかるべき立場の方から聞かせていただいております。
○島津委員 やはり現場では、運営費交付金が減らされて大変御苦労されているわけです。これは今、大臣もお認めになったわけです。見てきたということです。
私、とりわけ重大だと思うのは、先ほども話がありました若手研究者のいる環境です。
きょうの朝日新聞でも、「教員雇用に寒風」、こういう特集記事が出ていました。国立大学は、任期なしの教員の人件費はこの運営費交付金に頼っています。しかし、法人化された後は、先ほど見たように、運営費交付金は大きく削減されている。結果、若手教員の数も減少しているんです。かわりに、特定研究ごとに支給される科学研究費助成事業、いわゆる科研費、これなどで任期つき教員を雇うことになります。
しかし、今、国立大学の四十歳未満の教員のうち、五年程度の任期つきという教員が六割を超えました。この人たちは、任期が切れた後、任期つきの職場を転々としたり、一般企業に就職する場合もあると言われています。
先ほども議論がありましたけれども、重要だという人材が流出している。大臣、これは知の損失という状況ではありませんか。
○鶴保国務大臣 委員御指摘のとおり、科学技術イノベーションの重要な担い手は若手研究者でありまして、その活躍が不可欠であると認識をしております。
これら若手研究者については、流動的な環境のもと、多様な研究経験等を積み重ね、資質や能力の向上を図ることが重要である反面、近年、若手研究者が挑戦できる安定的なポストが減少いたしまして、自立的に研究を行う環境が十分に確保されていないということが指摘されております。
このため、第五期科学技術基本計画でも、若手研究者の育成、活躍促進などの科学技術イノベーションの基盤的な力の強化を四本柱の一つに掲げて、キャリアパスを明確化するとともに、高い能力と意欲を最大限発揮できる環境を整備することにしております。また、四十歳未満の大学本務教員の数を一割増加させるとともに、将来的に我が国全体の大学本務教員に占める四十歳未満の教員の割合が三割以上となることを目指すとの目標を初めて設定させていただきました。
また、本年度から、新たな取り組みといたしまして、先ほど来御指摘あります卓越研究員制度を創設もさせていただきました。
今後とも、若手研究者の育成と活躍促進に向け、全力を尽くしていきたいと思います。
○島津委員 今いろいろお答えがあったんですけれども、現実にはやはり研究や教育を支える基盤的経費とは言えないというのが事実としてあるわけです。
そこで、文科省にお聞きしたいんですけれども、大学や研究現場を所管しているわけで、この運営費交付金が断続的に削減されている現状、そして、その結果として教員が減っている、この実態を文科省はどのように見ているんですか。
○義本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国立大学の法人化以降、運営費交付金がこの十二年間で千四百七十億円減少する中で、交付金により安定的に措置される教員が、例えば平成二十一年度においては五万七千九百四十人のところが、平成二十八年度においては五万六千百四十八人に減少するなどということもございますし、また、先ほど御指摘いただきましたように、任期つきのポストが若手のポストの中において六割を占めるというふうな環境でございます。
文科省においては、特に、今後、教育研究を進めていく上において、教員が安定的に教育研究活動に専念できる環境づくりが大事でございまして、そのためには、教員の安定的な雇用を支える基盤的な経費の確保が極めて重要だというふうに認識しているところでございます。
さらに、先ほどございましたように、若手の安定的な雇用のポストを確保していくという観点から、平成二十六年度からでございますけれども、例えば、シニア教員から若手の教員へポストを振りかえるというようなことを大学が取り組む場合においては、それを補助金として支援するような仕組みを設けまして、四十歳未満の若手教員の安定的なポストを確保するための取り組みを支援しているところでございます。
今後とも、大学が人事給与システムの改革を進めていく中において、教員の、特に若手のポストの拡大を図っていくための取り組みを支援するとともに、国立大学運営費交付金の確保に努めてまいりたいと思います。
○島津委員 文科省の方は運営費交付金の確保、増額を求めているということなんですけれども、十月三十一日に、全国の国立大学の理学部長ら三十四人が、「未来への投資」、こうタイトルをつけた声明を発表しました。その際の記者会見で、東大の理学系の研究科長はこう言っているんです。基礎研究費はほぼゼロに近い、大きな人減らしをやらざるを得ず、これまでと違う次元に入る危機感がある、このように述べていると報道されました。これまでと違う次元に入る危機感がある、非常に、控え目なんだけれども、研究者の中枢にある人たちがここまで言わざるを得ない実態があるわけです。
大臣、これまでのやりとりの中で、教育現場の深刻な実態について、大臣も認識されているし、改めて認識もしてもらったと思うんですけれども、さきの国立大学の理学部長らの声明は、「基礎科学の推進のために、国立大学の運営費交付金は欠かせません。運営費交付金のこれ以上の削減は国の未来を危うくします。」と切実に訴えています。
大臣、言うまでもありませんが、現場の研究者は、今だけでなく、この国の未来のことを深く考慮して訴えているわけです。こうした現場の声に応えて、基盤的経費の充実、具体的には運営費交付金の増額、これまで、予算を確保するという言葉はありましたけれども、今、文科省の方も要求しているように、運営費交付金を増額していく、そのために科学技術担当大臣として努力する、こういう決意をぜひお聞かせ願いたいと思うんですが、どうでしょう。
○鶴保国務大臣 もとより、交付金の確保そして充実について、私たちも努力をせねばならないという認識でございます。
持続的なイノベーションの創出のためには、大学がその役割を果たすことは必要であり、組織基盤の改革や財源の多様化といった取り組みを促すことが必要であります。
したがいまして、運営費交付金のみならず、民間による多様な資金の獲得による大学等の財政基盤の強化や、大学発ベンチャーなどで得られた果実を基礎研究にも再投資していく資金の好循環の創出方策の検討なども視野に入れて、先ほど来御紹介を申し上げておりますが、政策イニシアチブを取りまとめ、しっかりとしたものをつくっていきたいというふうに考えております。
○島津委員 やはり確保ということしかおっしゃらない。
必要なのは運営費交付金の増額だということで、文科省も要求しているし、現場の大学の皆さんも要求している。増額ということでやっていただけるということをぜひ明言してください。
○鶴保国務大臣 確保そして充実と申し上げました。そのことはしっかり御理解をいただきたいと思います。
○島津委員 私は頭が余りよくありませんから、充実という中には増額ということも含まれるわけですか。
○鶴保国務大臣 そのように理解していただいて結構だと思います。
○島津委員 ぜひ、運営費交付金の増額に向けて、科学技術担当大臣の積極的なイニシアチブを発揮していただきたいと思うんです。
最後に、少ないこの基盤的経費を埋めるために、産学連携による経済界、産業界からの寄附などもあります。しかし、これは特定の、しかも一部の研究者に限定されているわけです。多くの研究者が頼りにしているのが科研費、科学研究費助成事業です。
これについてお聞きしたいんですけれども、文部科学省、この科研費の応募、採択件数、採択率の推移について、二〇一一年度と一六年度についてお示しください。
○板倉政府参考人 お答えいたします。
科学研究費助成事業におけます二〇一一年度の応募件数は九万一千七百三十七件、採択件数は二万六千百七十件、新規採択率は二九%でございます。
また、二〇一六年度におきましては、応募件数十万一千二百三十四件、採択件数二万六千六百七十六件、新規採択率二六%となってございます。
応募件数が増加傾向にある中、新規採択率につきましては低下傾向にあるという現状でございます。
○島津委員 この採択率ですけれども、国は目標を三〇%としています。
文科省、この目標はなぜ三〇%なのか、また、それをどうやって実現するのかということについて、お考えをお聞かせください。
○板倉政府参考人 お答えいたします。
科学研究費助成事業につきましては、全ての分野にわたって自由な学術研究を支援する我が国唯一の競争的資金でありまして、その特質を踏まえまして、研究課題を採択し、研究費の配分を行っているところでございます。
現行の科学技術基本計画の政策目標であります三〇%は、研究課題の多様性を最大限尊重しつつ、独創性、先駆性といった観点からの質の担保などを考慮して設定されているものでございます。
現在の採択率は二六%となっているところでございますが、今後、目標達成に向けまして、応募動向なども踏まえながら、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○島津委員 やはりここでも予算の確保、増額が必要なわけです。
採択率を上げるには、予算の枠を広げる、要するに予算をふやすのか、それとも応募を少なくするかということしかないわけですけれども、応募を制限するというのは制度の精神に反するわけですから、これは日本の科学の将来にとって大きな損失になるわけです。やはり予算をふやすということが必要なわけです。
最後に、大臣、最後になるか、ちょっとあれですけれども、結局は、予算が不足しているわけです。
私どもは、科研費のあり方については、必要とする研究者全員に行き渡らない競争的資金であります。また、三年から五年程度の短期で成果が求められるなどの問題点を抱えていると考えています。しかし、現実に、有効に活用されることには異存はありません。
そこで、当面、この採択率三〇%を達成、これは閣議決定だと聞いています。大臣、最後に、この閣議決定、採択率三〇%を達成する、そのためには、今、文科省もありましたように、いろいろな施策もありますけれども、やはり予算をふやしていく、このことが必要だと思うんですけれども、閣議決定を実行するための決意をお聞かせください。
○鶴保国務大臣 研究者の内在的動機に基づく学術研究や基礎研究というものは、幅広い分野でのイノベーション創出の可能性を有しておりまして、イノベーションの源泉として重要であると認識をしております。
科研費の確保に向けて、第五期科学技術基本計画におきましても、充実強化を図ることと明記をさせていただいておりますので、しっかりと決意を持って取り組んでまいりたいと思います。
○島津委員 今も、充実という言葉の中には増額というのが含まれるということで認識していますので、ぜひその立場で頑張っていただきたいと思うんです。
全国の国立大学の理学部長ら三十四人の声明では、「若手研究者が生き生きと未知のものに挑むためのポストも場所も資金も失われつつあります。未来への投資として、基礎研究の推進とその基になる、運営費交付金と教員ポストの確保を訴えます。」こう結んでいます。
この声に応えるために、二十一世紀の日本を支える知的基盤を守り、人類に貢献する科学政策となるように求めて、質問を終わります。
○松野委員長 次に、伊東信久君。
○伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。
今月になるんですけれども、去る十一月の二日に、鹿児島県の種子島におきましてのH2ロケットの打ち上げに、本日御来席いただいております水落文部科学副大臣とともに視察に行かせていただきました。貴重な経験をさせていただいたことに感謝をいたします。
本来、十一月の一日の打ち上げでございましたけれども、ちょっと雷雲が出ていまして、ロケットというのは非常に、コンピューターで制御されていますために、微弱電流によってもその制御が狂うということで、十一月の二日に打ち上げを行ったわけですね。
世界の商業衛星の打ち上げを見ますと、年間に二十基から三十基、こういった数字で推移しております。日本の打ち上げの技術といいますと、計画日にほぼ打ち上げる、オンタイム打ち上げ率というのは九割を超えているそうで、非常に確実性が高い。H2AロケットもH2Bロケットも二十九回連続打ち上げに成功しております。そういったところから、欧米を大きく引き離しているんですけれども、にもかかわらず、日本がなかなかシェアを広げていけていないという現状があります。
こういった細かいそれぞれの理由の問題点というのは、本日の委員会におきまして委員各位の質問の中にも浮き彫りにされていた、そういったようにも捉えられるんですけれども、価格を見ますと、日本のH2Aロケットの打ち上げ価格が約百億円になっております。アメリカのファルコン9やロシアのプロトンMは約六十億円と、日本の打ち上げ費用の半分から六割ということで、かなり苦戦をしております。こういった価格の競争というのも、ちょっと科学技術の進歩で何とかならないのかなと思うわけなんですけれども。
今回打ち上げになったH2Aロケットの後続機でありますH3ロケットというのが、ただいま開発を進めているということなんですけれども、今回のH3ロケット、今までのロケットとどこが違うかというと、エンジンの開発を二十年ぶりに進めていると聞いております。
このエンジン開発の意義について、まずは水落副大臣より御説明願えたらと思います。
○白間政府参考人 エンジンの技術的なことについてお答えさせていただきます。
先生御指摘のH3ロケットにおきましては、第一段ロケットにおきまして、H2Aロケットの使っておりますLE7Aというエンジンを、構造をさらに簡素化しまして、さらに推力を増強するという、新たなLE9のエンジンの開発を行っているところでございます。
また、第二段エンジンにつきましても、H2Aロケットに搭載されたLE5B2というエンジンの改良に取り組んでいるところでございまして、さらに推力を上げ、さらに簡素化するということで、効率化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○伊東(信)委員 恐らく、エンジンの開発、いわゆる系統についてぱっと御説明を受けたところで、なかなか理解というのは難しいとは思うんですね。
ただ、先ほどの御説明の中で、LE7というロケットの開発から、今回、LE9というロケットエンジンの開発に着手するということなんですけれども、基本設計も終わった、エンジンの燃焼試験を実施する予定とあるんですけれども、そもそも、なぜ二十年間も新しいエンジンの開発に着手してこなかったと。
最大の問題といいますのは、やはりエンジンそのものというよりも技術の継承だと思うんですね。つまりは、中堅の研究者とか若手の研究者がエンジン開発に二十年間携われなかったというのは、非常に空白期間があるということですけれども、どのような体制で若手の研究者へのサポートが行われているかとか、技術者の人材育成に課題はないかと疑問点があるんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○水落副大臣 御質問ありがとうございます。
まず初めに、伊東委員におかれましては、去る十一月二日、種子島におきまして、気象衛星「ひまわり」の打ち上げにお立ち会いいただきましたこと、心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。
その上で、御質問に対するお答えでございますけれども、液体燃料エンジン開発としては、H2Aロケット及びH2Bロケットのエンジンの改良開発を含め、継続して実施してきたところでございます。ただし、H2ロケットの第一エンジン、LE7エンジンの開発終了から、H3ロケットの第一段エンジン、LE9エンジンの開発着手までの約二十年間、委員御指摘のように、新規エンジンの開発は行われておりませんでした。
文部科学省としては、エンジンの開発経験が豊富な技術者が高齢化に伴い減少しており、JAXA及び製造メーカーにおいて中堅及び若手技術者に技術を伝承することは重要と考えております。
文部科学省としては、今後、新規のH3ロケットの開発を通じて、中堅及び若手技術者の人材育成を進めてまいります。
○伊東(信)委員 水落副大臣、ありがとうございます。
若手の育成のことに関して意識していただけるのは、非常にありがたいことでございます。もちろん、私も科学技術者の、科学者の端くれなので、そういったところに予算をいただけるのもありがたいんですけれども、まず、そういった教育のサポート体制というところで始めていただければと思います。
水落副大臣とロケットの打ち上げを見させていただいたときに、やはり想像を絶するエンジンの、水素の液体燃料、酸素の液体燃料が燃焼することによって、まぶしいばかりの光、そして、三キロ離れていますので、後からおくれて聞こえてくる轟音で、ああ、ロケットが打ち上がるというのはこういったことなんだと感激したわけなんです。水落副大臣は多分御存じだったと思うんですけれども、私、拍手しようと思ったんですけれども、周りはどなたも拍手されていなくて、何だろうと思いました。ところが、その後、下の部屋におりてモニターを見ていると、何回か軌道を回って、今、水落副大臣がおっしゃった、ひまわり九号が分離されたところで拍手が起こったんですね。つまりは、ロケットを打ち上げることではなくて、ひまわり九号の軌道への定着で初めて成功となるところで、これがいわゆる出口だなというところがわかったわけです。こういったことから、基礎と応用の話が出ていますけれども、やはり、科学に携わる者としては、そういった実践的なところも大事なのかなと思う次第でございます。
そんな中で、もう一つの宇宙開発のプロジェクトで、アメリカを筆頭に各国が協力して完成させた国際宇宙ステーション、ISS、この中に日本は実験施設「きぼう」を建設しました。この「きぼう」の位置づけ、意義について、御説明をお願いいたします。
○水落副大臣 お答えいたします。
我が国は、一九九八年から、米国、ロシア、欧州、カナダと協力をいたしまして、国際宇宙ステーション、ISS計画を推進しており、日本実験棟「きぼう」の建設、運用及びISSへの物資補給サービスを通じてISS計画に貢献してまいりました。
そして、我が国は、日本実験棟「きぼう」を用いて、宇宙空間の特徴を生かしたさまざまな科学研究に取り組み、最先端の科学的知見を獲得いたしております。具体的には、将来の創薬等に貢献する高品質たんぱく質結晶生成、星を吸い込む巨大ブラックホールの世界初の観測、多数の新たなエックス線天体の発見など、世界的に見ても重要な成果を上げているところでございます。
また、日本実験棟「きぼう」は、国際宇宙ステーション、ISS計画参加国の提供する実験施設の中でも最も大きく充実した設備を有し、日本以外のISS計画参加各国も実験のために利用しており、国際協力の観点からの意義も有していると考えております。
以上でございます。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
やはり日本が国際協力の点でも、このISSの位置づけというのは非常に大事だと思っておるんですけれども、そんな中で、耐久性の問題から、二〇二四年まではISSの運用が決まっていますけれども、先行きはまだ不透明なんですね。仮に二四年でISSがストップしてきますと、やはり各国のライバルの中で心配なのが中国なんですね。
中国に宇宙ステーションが重点化する懸念があるんですけれども、日米関係と中国の動向を、こういったISSの観点からどのように分析されておるでしょうか。見解をお伺いいたします。
○水落副大臣 中国は、二〇二二年ごろをめどにいたしまして独自の宇宙ステーションを完成させる計画を進めており、本年十月から十一月には一カ月間の有人宇宙滞在を実現させたと承知しております。我が国としても、中国の取り組みについては注視しているところでございます。
我が国は、米国、ロシア、欧州、カナダと協力いたしまして、平和目的の国際協力プロジェクトとして、国際宇宙ステーション、ISS計画を推進しているところであり、引き続き関係各国と協力して取り組みを進めていきたいと考えております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
ISSというのはもちろん平和利用、宇宙を通じて各国が協力した平和利用目的ということは非常にすばらしいことだと思います。
一方で、中国が台頭してきた一つの要因として、中国は、この宇宙ステーションに防衛費なり軍事費、こういったところの重点化ということで、急速に、加速度的に進んでいっているという現状があるというところなんですけれども、そういったところは把握されておるでしょうか。
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
先生御指摘の中国の宇宙ステーションに係る開発につきましては、中国の軍の担当室が担当しているというところは承知しておりますけれども、具体的に予算がどのように使われているかというところまでは残念ながら承知をしていないところでございます。
○伊東(信)委員 私も、あくまでもこういった科学技術の発展を平和利用することが大事だということを認識しております。ただ、他国の動向、特に中国の動向に関して、そういったことは把握されてほしいなということと、各国と協力してやっていくのであれば、技術的に、先ほどのエンジンの話じゃないですけれども、しっかりとキャッチアップ、もしくはリードしていくことが大事ですので、よろしくお願いいたします。
そして、大臣の御答弁の中に、「きぼう」の中で、私たちの体をつくっているたんぱく質、これの解析研究というのがあるとおっしゃっていただきました。たんぱく質と宇宙というのはどういった関係があるのか、なぜ宇宙で実験する必要があるのかということを、わかりやすく、短くでいいですから、御説明をお願いいたします。
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
先生御承知のように、「きぼう」におきましては、その環境が微小重力環境という環境にあるわけでございます。これらの環境の中では、対流が発生をしにくいということから、不純物が少なくて構造解析に適した、地上では得られない大型の高品質たんぱく質結晶が得られる、こういった意義があるというふうに承知しております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
おっしゃるとおり、空気の対流がなく、無重力であれば、たんぱく質の結晶をつくりやすいということです。よくわかっているようで、たんぱく質の構造自体がまだまだ不透明だということは事実なんですね。
そういった中で、資料をお配りしたんですけれども、こういった、たんぱく質を含めて、JAXAの「きぼう」の実験施設を利用するために、実験パッケージの募集要項というのを手に入れてきまして、一つのたんぱく質の実験が百七十万とあります。実際には数種類のたんぱく質を依頼するわけなんですけれども、この研究事業の持ち込み手順及びそれをつくるまでどれぐらい費用が実際かかるか、もしくは、費用負担について国がサポート、助成メニューがあるのかどうかということをお尋ねいたします。
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
今先生御指摘の高品質たんぱく質結晶生成実験でございますけれども、これにつきましては、公募をいたしまして、無償、有償の利用公募を行っているところでございます。
その費用負担につきましては、国の戦略等に沿ってテーマを提案し、審査を受けたものは無償ということですけれども、それ以外は有償の利用ということでございまして、先生御指摘のように、一つのたんぱく質の実験で百七十万円が基本ということで行っているところでございます。
○伊東(信)委員 生成したたんぱく質を、今度はまた兵庫県にあるSPring8で、そこの解析までパッケージしていただけるので、企業のレベルとしては安いと思うんですね。だけれども、本日、再三科研費の話もありましたけれども、科研費がそんなにもらえないところにとっては決して安くないというところもあります。
そういった中で、では、予算を出せるところというのは、やはり創薬というところがあると思うんですね。その創薬の中で、高品質たんぱく質結晶生成実験を行うところというのは、やはりバイオ医薬品というのが考えられると思います。本日、医師でもあります大隈先生の質問の中でも御質問ありましたけれども、がん治療を含めて、バイオ医薬品への応用が、この「きぼう」が成果が上がっているか、お尋ねいたします。
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
現在、「きぼう」を利用いたしました高品質たんぱく質結晶生成実験、これにおきましては、例えば、筋ジストロフィー治療薬や歯周病菌治療薬に関する標的たんぱく質などの結晶生成、また、構造情報の取得などを目的とした、創薬につながる取り組みを行ってきているところでございます。
今後とも、医薬品関連研究への貢献を果たしてまいりたいと考えております。
○伊東(信)委員 短く質問します。
バイオシミラーの実験とかいうのはされていますか。
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
現在のこの生成実験におきましては、バイオシミラーに関する取り組みは行っておらないところでございます。
○伊東(信)委員 バイオ医薬品のいわゆる効能、安全性というのを確保するのは当然のことながらなんですけれども、そういったところで、ジェネリックにも相当するバイオシミラーというのがございまして、先日、自民党さんの中でも勉強会がございましたし、何年も前に、委員長が副会長をしていただいていますバイオシミラー議連というのも立ち上がっております。
関連づけされていないとすれば、将来的にどういった見込みがあるのか、進捗状況についてお尋ねしたいと思います。
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどお答えさせていただきましたとおり、これまでのところ、バイオシミラーに関する取り組みは行っておらないところでございますけれども、この高品質たんぱく質結晶生成実験は広く公募を行っておるところでございまして、今後とも、そういったところを活用していただき、医薬品関連研究への貢献をしてまいりたいと考えております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
バイオシミラーの話が出たら、本当はずっとこの話を聞きたいところなんですけれども、本当にこの委員会というのは、党派を超えて科学技術の発展のために議論するべき委員会でございます。ですので、本当に前向きに議論をしていきたいと思います。
鶴保大臣、時間がなくて御質問できなかったんですけれども、ぜひとも科学技術の発展のために、人類のために、国民のために頑張っていただきたいということを申し添えて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○松野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時二分散会