衆議院

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第3号 令和2年12月1日(火曜日)

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令和二年十二月一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 根本  匠君

   理事 小田原 潔君 理事 菅家 一郎君

   理事 田中 和徳君 理事 橘 慶一郎君

   理事 冨樫 博之君 理事 金子 恵美君

   理事 山崎  誠君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    秋本 真利君

      安藤 高夫君    安藤  裕君

      伊藤信太郎君    伊藤 達也君

      上杉謙太郎君    小里 泰弘君

      鴨下 一郎君    神田  裕君

      木村 次郎君    黄川田仁志君

      国光あやの君    小寺 裕雄君

      古賀  篤君    佐藤 明男君

      津島  淳君    中曽根康隆君

      藤原  崇君    穂坂  泰君

      本田 太郎君    三谷 英弘君

      宮澤 博行君    阿久津幸彦君

      伊藤 俊輔君    小熊 慎司君

      岡本あき子君    玄葉光一郎君

      階   猛君    関 健一郎君

      矢上 雅義君    山川百合子君

      太田 昌孝君    國重  徹君

      高橋千鶴子君    森  夏枝君

      岸本 周平君

    …………………………………

   国務大臣

   (復興大臣)       平沢 勝栄君

   復興副大臣        亀岡 偉民君

   復興副大臣        横山 信一君

   経済産業副大臣      江島  潔君

   文部科学大臣政務官

   兼復興大臣政務官     三谷 英弘君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  植松 浩二君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     開出 英之君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     石塚  孝君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     角野 然生君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 石月 英雄君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           塩見みづ枝君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       安岡 澄人君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           道野 英司君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  小坂善太郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長)   須藤  治君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           淡野 博久君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         東川 直正君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 宇野 善昌君

   参考人

   (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長)           文挾 誠一君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     名雲 茂之君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月一日

 辞任         補欠選任

  津島  淳君     佐藤 明男君

  浮島 智子君     太田 昌孝君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤 明男君     津島  淳君

  太田 昌孝君     浮島 智子君

    ―――――――――――――

十一月三十日

 被災者の住宅再建支援制度の抜本的拡充に関する請願(穀田恵二君紹介)(第七一七号)

 同(岡本あき子君紹介)(第八〇四号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第八〇五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第八五八号)

 同(宮本徹君紹介)(第八五九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第九一八号)

 同(池田真紀君紹介)(第九一九号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第九二〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第九二一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第九二二号)

 同(志位和夫君紹介)(第九二三号)

 同(清水忠史君紹介)(第九二四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九二五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第九二六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第九二七号)

 同(武内則男君紹介)(第九二八号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第九二九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第九三〇号)

 同(日吉雄太君紹介)(第九三一号)

 同(藤野保史君紹介)(第九三二号)

 同(宮本徹君紹介)(第九三三号)

 同(本村伸子君紹介)(第九三四号)

 同(吉川元君紹介)(第九三五号)

 同(今井雅人君紹介)(第一〇二〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件


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     ――――◇―――――

根本委員長 これより会議を開きます。

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官植松浩二君、復興庁統括官開出英之君、復興庁統括官石塚孝君、復興庁統括官角野然生君、外務省大臣官房参事官石月英雄君、文部科学省大臣官房審議官塩見みづ枝君、農林水産省大臣官房審議官道野英司君、林野庁森林整備部長小坂善太郎君、経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長須藤治君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、国土交通省大臣官房審議官淡野博久君、国土交通省大臣官房技術審議官東川直正君及び国土交通省道路局次長宇野善昌君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。上杉謙太郎君。

上杉委員 おはようございます。自民党の上杉謙太郎でございます。

 質問の機会を賜りまして、理事の先生方、先輩委員の皆様に感謝申し上げます。

 トップバッターでありますが、きょう、自民党から、福島を代表して私が、また、岩手を代表して藤原先生が質問をさせていただきます。

 まず、大臣にお伺いさせていただきます。

 今、もう震災から間もなく十年ということになります。大臣御就任以来、福島県にお入りをいただいたり、また、私どもの福島県の地元の首長さん方もそうですし、議会、県議会もそうですし、各団体の皆様の要望を本当に親身に聞いていただいてきたと本当に感謝をしております。

 そういった中で、十年を迎えるに当たって、今までの総括と、また十一年目以降も含めて御決意をまずは賜れればありがたいというふうに思います。

平沢国務大臣 委員が今指摘されたように、大震災から来年の三月で十年になるわけでございまして、私はこの震災の直後、女川とか一部の被災地を回らせていただきましたけれども、もう本当に惨たんたるもので、言葉をのんだ記憶がございます。

 しかし、今度、新しく復興大臣を拝命しまして、被災地の、災害の被災の程度の大きかった地域を中心に回らせていただきましたけれども、見違えるようにまちづくりは進んでいまして、ですから、地震とか津波被災地域においては、住まいの再建とか、あるいはまちづくりというのはおおむね完了しまして、総仕上げの段階に入っている。要するに、ハードの面ではかなり進んでいるなという感じを受けましたけれども、これで終わりじゃないので、とりわけソフト面でのやらなきゃならないことがまだいっぱい残っていますので、これはこれからの私たちの大きな仕事であると思っています。

 それから、福島では、原子力災害被災地域で復興再生が本格的に始まっているわけですけれども、住民の皆さんの帰還に向けた生活環境の整備とか、あるいは移住の促進、あるいは風評の払拭といった大きな課題が山積しているわけでございまして、そういったことを考えますと、今後も国が前面に立ちまして、そして中長期的な対応をとっていくことが必要ではないかなと思います。

 こうした認識のもと、今後も、現場主義を徹底して、被災地に寄り添いながら、復興を前に前に進めていきたいと考えていますので、ぜひ御支援よろしくお願いいたします。

上杉委員 ありがとうございます。

 ハード面、ソフト面、それぞれこの十年間で前に随分進んだものもありますし、そこは本当に感謝をしているところでありますけれども、まだ積み残しといいますか、多々課題が残っている。また、一方で、今度は十一年目以降二十年目まで、いろいろと新たな福島、宮城、岩手の復興、そして地方創生の模範となるようなことも必要だというふうに思っております。

 大臣、ちょうど今、ハード面というふうにおっしゃっていただいたので、ちょっと質問の順番を入れかえて、先にこちらを質問したいと思いますけれども、特にハード面でいえば、昨年、東北は台風十九号もありました。震災復旧の現場の工事等々とまたこの台風の復旧等々で、建設現場はいろいろと大変な状況が今来ております。

 ちょっと復興係数についてお伺いしたいというふうに思いますけれども、いろいろ資材が高騰していたりですとか、また人件費も上がっている。現状の復興係数、復興歩掛かりについては、地元の団体からも継続の要望が出ているところであります。まさに今、ちょうどこの秋冬でありますから、実態調査をしているところであるというふうに思いますけれども、これはその実態調査に基づいて設定をするということが基本でありますが、地元の要望もしっかり受けとめるということを役所の方にも聞いておりますので、復興係数、そして復興歩掛かり、これは地元の要望を受けて継続をお願いしたいというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。

東川政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省におきましては、公共工事の発注者の責務といたしまして、施工の実態などを的確に捉え、適正な予定価格の設定に努めておりまして、これは令和元年六月の改正品確法にも位置づけられているところでございます。

 具体的には、国土交通省が実施する直轄工事におきまして、調達環境の厳しい建設資材を使用する工事などにおきましては、標準積算で想定する現場条件と実際の現場条件に乖離が生じる場合は、積極的に見積りを活用するなど、予定価格を設定しているところでございます。

 こういった中で、東日本大震災からの復旧復興事業が進められる被災地域におきましては、地域全体で非常に広範囲にわたって調達環境や施工環境が悪化していたということでございまして、事業推進に当たりましては、円滑な施工体制を確保する必要がございました。

 このため、平成二十五年度から、岩手、宮城、福島の三県におきまして実施する工事につきましては、現場管理費などにおきまして予定価格の補正を行う、いわゆる復興係数というものを導入いたしまして、施工の実態などを踏まえながら、措置を継続してきたところでございます。

 来年度の取扱いにつきましては、被災三県や関係団体からその継続の御要望をいただいているところでもございますし、現在実施している被災三県における直轄事業の間接費に関する実態調査の結果や、令和元年度の東日本台風による復旧状況を含む被災地域の現場状況などを踏まえまして、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

上杉委員 ありがとうございます。

 乖離ということで、本当に乖離をしておりますので、ぜひ、岩手、宮城、福島ですね、継続を強くお願いをしておきたいというふうに思います。

 続いて、風評と輸出、農業関係でありますけれども、各国の輸入規制は徐々に徐々に解除になってきておりますけれども、まず、本年、各省庁さんの御努力によって、幾つかまた輸入の解除になったというふうに思いますが、まずそこを教えていただけますか。

道野政府参考人 お答えいたします。

 二〇一一年の東京電力福島第一原子力発電所事故以降、五十四の国、地域が輸入規制を導入いたしましたが、政府一体となってあらゆる機会を通じて規制撤廃を働きかけた結果、本年には、フィリピン、モロッコ、エジプトが規制を撤廃するなど、三十六の国、地域で規制が撤廃されました。しかし、いまだ十八の国、地域で規制が残っております。本年三月には震災から十年の節目を迎えます。本年四月に発足した農林水産物・食品輸出本部のもと、あらゆる機会を捉えて、科学的根拠に基づく輸入規制の緩和、撤廃が進むよう、粘り強く働きかけていく所存でございます。

上杉委員 ありがとうございます。

 直近だと、十一月二日にエジプトの方が撤廃をしてくださったということであります。まだ残ってはおりますけれども、特にアジアですよね、私たちの、例えば米も牛肉もすばらしいものが東北地方にはあって、それをしっかりと輸出できる、その最も近い国たちがまだ解除をしていないということでありますので。

 しかしながら、外務省さん、きょうお越しいただきましたのでちょっとお伺いしたいと思いますけれども、先日、日中外相会談がありました。多岐にわたって茂木外務大臣が交渉をしてくださったところでありますけれども、その中で、一つ、私たちのこの風評と輸入規制についても要請があって、そして王毅外相からいいお話をいただいたというふうに思っております。

 今、いろいろと難しい中でしっかりと前向きに交渉していただいたと評価をしておるんですけれども、一応、御報告いただけますでしょうか。

石月政府参考人 お答え申し上げます。

 先月二十四日に行われました日中外相会談におきましては、茂木外務大臣から、来年三月に東日本大震災から十年目の節目を迎えるということを踏まえ、中国による日本産食品輸入規制の早期撤廃を改めて強く求めました。その上で、王毅国務委員兼外交部長との間で、この問題の解決に向けた協議を加速すべく、日中農水産物貿易協力メカニズムを立ち上げることで一致いたしました。

 外務省としましては、関係省庁と連携し、引き続き、あらゆる機会を捉え、中国の輸入規制の早期撤廃に向けて粘り強く働きかけを行っていく考えでございます。

上杉委員 ありがとうございます。

 なかなか交渉できなかったところが、その日中農水産物貿易協力メカニズムということで、交渉する場ができ上がったことが、これはゼロから一になったということでありますので、非常に評価をしております。今まで、党の方でありますけれども、外交部会の方でも一生懸命やってきて、一つの成果が出たなというふうに思っております。

 農林水産関係、米でいえば、今、消費がどんどん毎年毎年低下していっている。国内から今度世界に輸出を図っていこうと、農水省さんの方で五兆円の目標も出しているところであります。和牛についてもそうであります。アメリカの方でいえば、和牛も、二百トンしかなかった輸出枠が、ことしから六万五千トンにふえているというところであります。アメリカの方でそうなっているわけでありますから、和牛についても、中国とかは消費が多いですから、そういうところにどんどん進んでいくというところで、今回これが一つの希望につながったというふうに私ども福島県民は思っているところでありますので、どんどんどんどん交渉して、早く輸入解除になるようお願いをしておきたいというふうに思います。

 続いて、同じく風評関係でありますけれども、今度は森林についてであります。

 いわゆるふくしま森林再生事業についてでありますが、やはり十一年目以降もこのふくしま森林再生事業は続けていかないといけないというふうに思っております。地元の団体さんからも、ことしずっと強く要望をいただいておりまして、大臣始めいろいろなところにお願いを言った経緯がありました。岩手、宮城、福島、全てそうでありまして、ことししっかりと概算要求の中で予算を計上していただいていて、例えば私ども福島県であれば、四十四の市町村、それぞれの要望のとおりに計上していただいて、来年以降もしっかりとやっていただけるというふうに思っておりますけれども、この件についてお伺いさせていただければと思います。

小坂政府参考人 お答え申し上げます。

 放射性物質の影響を受けた森林において、間伐等の森林整備とその実施に必要な放射性物質対策を行う福島県のふくしま森林再生事業につきましては、今議員から御指摘がありましたように、福島県の森林・林業関係者の皆様方から、復興・創生期間後の継続について強い要望をいただいているところでございます。

 こうした中、本事業につきましては、昨年十二月に閣議決定した「復興・創生期間」後における東日本大震災からの復興の基本方針におきまして、復興・創生期間後も継続することが明記されたところでありまして、農林水産省としましては、これに基づいて、令和三年の予算の概算要求において、県の要望を受け、所要の額を要求しているところでございます。

 引き続き、関係省庁と連携しまして、森林・林業の再生に向けた取組をしっかり進めてまいりたいと考えているところでございます。

上杉委員 ありがとうございます。期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、その森林に関連して、山菜、キノコ、原木シイタケについてなんですけれども、十年たっていまだに出荷制限のままであるんですね。これは、深い問題がありますので、今まで私ども福島県連所属の議員はいろいろと議論をさせていただいてまいりました。百ベクレルの基準値等々、いろいろあります。

 いろいろあるのできょうは一点だけ。今、いろいろな規制、今まで各省庁さんがやっていらっしゃったことは非常に理解をしていますので、そういった中で、じゃ、それは難しいという中であっても、何かこう、糸口といいますか、十一年目を迎えるわけでありますから、十年たっていまだに、せっかく、例えば棚倉町であればおいしいマツタケがとれるわけであります、原木シイタケもそうでありますから、今の基準で難しい難しいといってずっと制限を加えているという、これではよくないと思うんですね。何か努力しないといけない。

 レクの中でいろいろ議論をさせていただいて、一つちょっと可能性になるようなことをおっしゃっていただきましたので、ひとつ御答弁いただけますか。

須藤政府参考人 お答えをいたします。

 野生キノコなどにつきまして御質問がございましたので、その点について御紹介をさせていただきます。

 野生キノコなどの出荷制限については、原子力災害対策本部が決定した「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」に基づき、検査結果が安定して基準値を下回ることなどの解除要件を満たす必要がございます。

 一方で、現在、出荷制限の対象となっている野生キノコについて、非破壊検査、細切れにしてまぜるやつではなくて、非破壊検査を実施して基準値以下のもののみ出荷する方法を認めるようにという御要望がございました。現在、厚生労働省において、その実用化に向けた研究を行っていると承知をしております。

 引き続き、関係省庁と連携しつつ、厚生労働省の研究結果も踏まえて、原子力災害対策本部の解除条件の見直しの是非について検討してまいります。

上杉委員 ありがとうございます。

 その非破壊検査、ちょっとイメージが湧きづらいんですけれども、今まで検査するときは、粉々にして放射線をはかっていたんですよね。ちょっと違いますけれども、例えば電子レンジの中にキノコを入れて閉めてはかるというような、壊さないではかるということだと思うんですけれども。

 今までも、震災当初、当初といいますか、ちょっとたったころぐらいは、道の駅ですとか直売所とかでも、農家の皆さんが持ってきたいろいろな野菜とかをしっかりそこではかって、その上で値札をつけて売っていたというのがありました。ちょっと似たようなものだと思うんですけれども、その方法がうまく確立されて、山菜もキノコも基準値を下回るものであれば出荷できるというふうになってくれば大きな前進であると思いますので、復興庁さん、そして厚労省さん、あと農水省さん、連携をして、ぜひ、期待をしておりますので進めていっていただきたいというふうに思います。

 今、この一連のキノコも森林も米、和牛輸出関係も、やはり放射線と、また風評、そういったものであります。まだまだやはり十年たっても残っているということでありますから、しっかり十一年目以降も継続してやっていかなければならない大きな課題であるというふうに思っております。

 何度もやらせていただきましたが、放射線にしても風評にしても、ある程度誤解があるからこそこういうことになっているわけであります。まさに今コロナ禍でありますけれども、コロナにかかった方が誹謗中傷に遭う、これもちょっと似たようなものだというふうに思います。コロナに対する正しい理解というのもちょっと言い方が変かもしれませんけれども、放射線については正しい理解をしっかりと進めていくことが必要であって、それは今までずっとやってくださっていたわけであります。

 あとは、十一年目以降、未来に対してということでありますけれども、子供たちに対して、風評を残さない、放射線に対する誤解を残さないといいますか、しないという意味では、何度もやらせてもらっていますけれども、放射線副読本というのが大事なわけであります。これによってしっかりとした正しい放射線の理解をしてもらって、その子たちが十年後、二十年後、大人になったときに、大丈夫といいますか、正しい理解があるから、その時点ではもしかすると風評が消えているかもしれないわけであります。

 放射線副読本というのは未来投資なわけでありますから、これはしっかりやっていかないといけない。十一年目以降もお願いしたいということで、これは確認をしてありますけれども、中身をそろそろまた更新といいますか、改訂すべきときが来ているというふうに思いますので、しっかりとやっていただきたい。

 そこで、きょう、パパママ世代の代表の三谷政務官にお越しをいただきましたので、ちょっと御説明いただけたらありがたいというふうに思います。

三谷大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 まずもって、上杉先生の、熱意を持って福島の復興に取り組まれているその姿に敬意を表したいと思います。

 その上で、お答えを申し上げます。

 東日本大震災から約九年が経過した現在におきましても、原発事故に伴う風評の払拭やいわれのない偏見、差別の解消には今なお課題があると認識しております。児童生徒が放射線に関する科学的な知識を理解した上で、原発事故の状況、復興に向けた取組について理解を深めることは引き続き大変重要です。

 このため、文部科学省においては、児童生徒の放射線に関する科学的な理解の一助となるよう、放射線副読本を全国の小中高等学校等に配付するなどしているところであります。

 この見直しの予定ということでございますけれども、令和三年度におきましては、放射線副読本の活用状況の調査結果等をもとに、放射線副読本について、最新の状況を踏まえた時点更新を行うとともに、復興が進展している被災地の姿の紹介、そして教育のICT化に対応した、よりわかりやすいデジタルコンテンツの活用などを進める予定としております。

上杉委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。

 今のやつはデータが古くなっていますから、そこを変えるのは当然として、例えば、これから文科省の方ではGIGAスクール構想で、今タブレットを準備しているところで、恐らく来年から全ての小中学校でタブレットを使った授業が開始されるわけであります。今の放射線副読本はアナログな感じなんですけれども、中に、詳しくはこちらへみたいな形でURLが載っていますから、例えばそれをQRコードにして、まさに配給されたタブレットを使ってQRコードを読み込んで、タブレットの中でいろいろなものを見るようにすれば、これまたデジタル教育と合わせ技で、相乗効果もあるというふうに思いますので、そんな形で前向きに検討を進めていっていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

三谷大臣政務官 お答えいたします。

 まさに上杉先生の御指摘いただいたとおり、まずは時点の問題ですね。復興がより進んだ姿というものをしっかりと示していくということが重要な視点ではないかと考えております。

 それから、先ほどの、ICT化に伴うさまざまな対応。URLが書いてあっても、それを文字どおり入力して出すという人はなかなかいないわけですから、しっかりとタブレットで読み込めるような形へと更新していくことも重要だと思っております。

 いずれにいたしましても、よりよい放射線副読本となるように、関係府省庁等とも連携をさせていただきながら、引き続き検討を進めてまいります。

 以上です。

上杉委員 三谷先生、どうぞよろしくお願いしたいというふうに思います。

 十年間の復興の姿もそうでありますし、やはり十一年目以降を考えると、新たな、新しい未来といいますか、福島の復興が日本の各地方の模範となるような、また日本、世界の模範となるような、そんな復興を遂げていかなければならないというふうに思っております。

 時間もなくなってまいりましたが、そういう意味では、希望を持てる未来の方の話をさせていただけたらありがたいと思いますけれども、福島イノベーション・コースト構想ですとか水素エネルギーフィールド、いろいろな施策が今進んでいる中で、一つ、これは本当にすばらしいというふうに思っているのが、国際教育研究拠点であります。

 イメージでいいますと、筑波みたいな学園都市のようなものがいいなというふうに思っております。しっかりと、今、福島大学、東北大学とかが手を挙げてくださっていますけれども、ここは、東大もそうですし、各地域の国公立大学、また私立大学、できれば海外からも、いろいろな研究機関を呼んで研究をしていくことが大事だというふうに思っております。

 そこで、ちょっとお伺いしたいというふうに思いますが、この国際教育研究拠点、どのような法人枠でやっていくおつもりか、ちょっと確認をしたいので教えていただけますか。

平沢国務大臣 委員御指摘のように、今、国際研究教育拠点の構想が進められているところでございまして、これは、建設は福島の浜通りの地方に行われるということで素案づくりが進められているところでございまして、私は、関係者からもいろいろな御意見をいただいていますけれども、少なくとも、この施設をつくるに当たっては三つの条件が必要であると。

 一つは、福島の方が喜ぶもの、福島の方がこれは自分たちの宝であると思っていただけるもの。それから二番目には、これが日本の宝、日本の学問のレベル、教育レベルを大きく引き上げるもの、こういったものにしなければならない。三番目には、世界に貢献できる施設でなきゃならない。この三つを全部かなえるような教育研究機関、これをぜひつくりたいということで考えております。

上杉委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。

 国立研究開発法人として設立の予定だということでありますし、できましたら、各施設が点在しているという形ではなくて、今、各施設が点在しておりますから連携しなきゃいけないですし、そういう意味では、大学のキャンパスのようなものがいいというふうに思います。

 今、時間が来ましたので終わりにしますけれども、ロボットですとか農林水産、エネルギー、廃炉技術、放射線、環境、そういったものの分野ということでありますから、例えばロボットであれば、今、アバターとか、遠隔でロボットを操作して、そうしたら廃炉作業に使えますよね。廃炉の方にも連携することができますから、ぜひ、この国際研究教育拠点は、鋭意、どんどん進めていっていただきたいというふうに思います。

 もっとしゃべりたかったんですが、時間が来ましたので、質問を終わりにしたいと思います。

 ありがとうございました。

根本委員長 次に、藤原崇君。

藤原委員 自由民主党の衆議院議員の藤原崇でございます。

 上杉先生に続きまして、私の方からも質問をさせていただきたいと思っております。

 本日は、平沢大臣への質問も最後に一問ございますが、そのほかに東電さんにも参考人としてお越しをいただきました。お忙しい中、大変ありがとうございます。

 先ほど上杉先生のお話にもありましたが、十年の節目を迎えてくる、その中で、大きく進んだところ、そして、実は見逃されていたのではないかな、そういう問題、あるいは十年たったからこそ取り組まなければいけない問題、それぞれあると思いますので、そういう点に絞って、二十分という時間ですが、私の方から質問をさせていただきたいと思います。

 まず一つ目は、復興道路についてであります。

 岩手県の三陸をまさしく縦断する三沿道、これがいよいよ全線開通の時期が間近となってまいりました。私も、政務官時代にこの三沿道を使って沿岸を歩かせていただきまして、まさしく、劇的に距離感が変わった、町と町の距離が全く違くなったなというふうに感じています。

 しかしながら、現場を回ってみますと、本年度内の完成を急ぎ、これは結構頑張り過ぎている、そういうような現場もあるように感じております。現場の状況を踏まえ、迅速に整備を進めることが大切ですが、それと同時に、万一の事故を防止する観点から、安全にも配慮をすることが重要と考えますが、いかがでしょうか。

宇野政府参考人 お答えいたします。

 三陸沿岸道路を始めとした復興道路、復興支援道路は、東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトです。本事業について、東日本大震災という未曽有の大災害に接し、全国からさまざまな応援を得て、東日本大震災復興特別会計による特別な予算措置により、そして、何よりも地元の協力を得て、平均約八年、短いものでは約六年で開通にこぎつけることができているところです。

 他方、開通を急ぐ余り、施工に当たって工事の安全確保をおろそかにしてはならないと考えております。当初計画した復興道路、復興支援道路の事業は仕上げの段階に入っておりますが、一日も早い開通を目指しつつ、引き続き、工事の安全確保に努め、事業を進めてまいりたいと考えております。

藤原委員 ありがとうございます。

 十年という中で、まさしく今までとは全く常識外れのスピードでつくっていただいている、それは非常に本当にありがたいことで、やはり万が一の事故がここであってはならないなということで、ぜひ、国交省さんにはその点に更に御配慮をいただければと思っております。

 国交省さんはこれで質問は終わりですので、もし差し支えがあるようであれば、退席して結構でございます。

 続きまして、お配りをしている資料、ある意味で残されてきた問題ということで、お話をしたいと思います。

 産経新聞の先月十月三十日の記事で、福島県が東電を提訴ということで、人件費の請求について、ADR等で話合いはしていたんだけれども結局まとまらずに、最終的には裁判でやるということで、この記事によりますと原発事故の賠償で自治体が東電を提訴するのは全国初ということでありますが、報道によりますと、これは訴訟提起に踏み切ったと。これが福島県だけであればいいというわけではないんですが、福島県以外にもあるのかどうなのかというのが一つ大事なことになります。

 東電さんにお聞きをしたいと思いますが、特に問題となるのは人件費、特にいわゆる時間内労働と呼ばれているものであります。地方自治体と東電さんの間で、この人件費、時間内労働に関する請求が行われているけれども支払っていない、その結果、今回は福島県は訴訟に踏み切ったわけですが、こういう件数は何件抱えているのでしょうか。

文挾参考人 東京電力ホールディングスの文挾です。よろしくお願いいたします。

 それでは、お答え申し上げます。

 二〇二〇年十月末時点で、地方自治体様からの人件費に関する御請求につきましては、時間外手当につきましては、今ほど先生から御発言ありましたように、追加的費用としてその賠償をさせていただいているわけでございますが、これに対しまして、追加的費用とならない時間内労働の人件費につきましてはお支払いをしてございません。その数は、二〇二〇年十月末時点で百六十二件でございます。

 以上でございます。

藤原委員 百六十二件ということで、内訳まではお話がなかったんですが、恐らく、県それから自治体、場合によっては一部行政事務組合等あると思うんですが、百六十二の自治体との間でこの問題があって、そのうち一件が、今回福島県が訴訟を提起したということで、次に問題になるのは、じゃ残りはどうするんだということになります。

 県を含めると全国の自治体の数は約千八百ぐらいあるわけであります。そうすると、一割弱の自治体が今東電との間でそういう紛争を抱えているということで、私、きょうは岩手県代表ということで上杉先生のお話があって、岩手県代表なのかなと思うんですけれども、これは宮城県もそうですし、あるいは被災三県以外の自治体でも、結構、放射能の関係なんかでお仕事を新たにした、そういうような自治体は多いので、岩手県以外の自治体にも関係あるのかなということで質問をさせていただいています。

 なぜこれは賠償ができないかというと、損害賠償というのは、ちょっと専門的な話なんですが、何か事故があって、それで新たに追加でかかった費用は払わなければいけない。事故があった結果、避難しなければいけない、その避難の費用は払う。だけれども、事故があったけれども、もともと、人件費、特に時間内労働というのは、事故があろうがなかろうが払わなければいけない、公務員の方には。その分、新しく仕事はふえたんだけれども、それが法律的な意味での損害としてなかなか観念することが難しくて、東電としてはお支払いができないということで、今デッドロックになっているということであります。

 今の損害賠償の法的な理屈からいうと、この時間内労働の人件費は賠償が認められない可能性が高い、それはまあ、切り取り方とか構成の仕方はあるんですが。そういうような、東電として、賠償の枠では対応できない、こういう部分についてどう対応するか、お考えをお聞かせください。

文挾参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘いただいてきましたとおり、なかなか賠償に応じることは困難でございます。

 当社といたしましては、いただいた御請求につきましては、地方自治体様の御事情をお伺いしまして、きめ細やかな賠償に取り組んでいるところでございますが、賠償に応じられない部分につきましては、その理由を丁寧に御説明をしまして、引き続き御理解を求めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

藤原委員 御理解を求めてまいりたいということで、東電としてできるところはそこに尽きるというお話でありました。

 もともと賠償であるから払う、だけれども、賠償の理屈に乗らないところは、これはある意味、それを払ってしまうというのはまた、法的に払う義務がないものを払ってしまったとどうしても法律上はなってしまうので、これもまた東電にとって苦しいところになるんだろうと思っております。

 ただ、その一方で、自治体とのトラブルというのは、やはり先ほどありましたとおり、全国の自治体の約一割弱と東電の間でトラブルを抱えている、これはしっかりと解決をしていかなければいけないんだろうというふうに感じています。

 よく、党の会議あるいは国会でも、東電の方に賠償をしっかりしていただく、東電の方も賠償をしっかりしますと、そういうお話はしていただいております。事実、東電の原発事故対応の柱というのは、「三つの誓い」というのがありまして、その一つが賠償の貫徹ということであります。しかし、今お話しさせていただきましたとおり、損害賠償という法律の枠組みではお金が出せない、そういうような問題が、これはずっと生じていたわけなんですが、ある意味、ことしの十月三十日、福島県の提訴の記事が出ましたけれども、そのうちの一つの問題がまさしく顕在化をしているんだと思っております。

 個人と東電さんの間でも、賠償で対応できないという問題はたくさん抱えていると思うんですが、私が思うのは、その中でも公共的な、地方公共団体と東電、こういうような公同士の対立については、国として踏み込んだ対応を行う必要があるのではないかと思っておりますが、復興庁の御見解をお聞きしたいと思います。

角野政府参考人 お答え申し上げます。

 賠償につきましては、原子力損害賠償紛争審査会が定めた中間指針等に基づき、東京電力がみずから定めた賠償基準に沿って賠償していると認識しております。その上で、委員御指摘の地方公共団体の人件費に関する問題につきましては、追加的費用と認められるかが論点であると認識しております。

 東京電力が賠償を実施するに当たっては、個別の事情をよく伺って丁寧な対応を行うことが重要であり、復興庁といたしましては、これまでも経済産業省に対し、東京電力を適切に指導するよう求めてきたところでございまして、今後もそのようにしてまいりたいと考えております。

 いずれにしましても、復興庁といたしまして、引き続き、被災者の皆さんに寄り添いつつ、関係省庁と連携して、福島の復興再生に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

藤原委員 この問題について質問をするとき、どこにお声かけをすればいいのかということで、復興庁、そして廃炉支援機構を所管しております経産省、それからADRを所管しています文科省、この三者にお集まりをいただきまして、問題意識についてお話をさせていただきました。

 賠償の問題での紛争となれば文科省が対応をする、あるいは賠償について不十分なところがあれば経産省から廃炉支援機構を通じて支援なりいろいろなサポート、指導をする、だけれども、賠償でそもそも片がつかない問題についてはどちらが対応するんでしょうかというお話をしたところ、文科省も、賠償ではない問題ということでなかなか難しい、あるいは経産省も、それはあくまで賠償の中でやることであれば経産省ができるところはあるけれども、賠償でできないところ、そういう問題についてはちょっと難しいというお話がありました。

 そういう中で、今、復興庁さんにお答えをいただきました。これは、十年がたったからこそ賠償だけでは済まない問題というのが出てきているんだというところは、ぜひ復興庁さんにも認識を新たにしていただいて、どういう解決策がいいのかというのは、簡単ではないんですが、例えば、やはり私申し上げたとおり、これは個別の事業者さんとか民間の方と東電さんの間でも賠償で解決できない問題はたくさんあるんですけれども、それ全てに国が入るというのは難しいと思うんですが、少なくとも地方公共団体と東電との間、こういうパブリック同士の問題については、復興庁も一緒に入って、三者で何かおさめるような形をつくらないと、これは東電の原発事故は消滅時効を延長しています。さらに、その時効の援用も基本的にはしないというふうにお伺いをしています。ということは、この話は、どこかで終わらずに、ずっと、十年、二十年、三十年と理屈の上では続いていってしまうわけであります。

 やはり、そうしないためには、私も国会議員の一人としてこの問題はしっかり汗をかいていきたいと思いますが、ぜひ復興庁さんにもそういうところを、みんな賠償でしっかりやっているから大丈夫ではなくて、賠償だけではない問題があるということは認識をしていただきたいなというふうに思っております。

 これがまず、私の方で申し上げた、十年たったからこそ今後取り組んでいかなければいけない問題だというふうに思っています。ぜひ、東電さんには、賠償の枠に落とし込めるところはしっかり落とし込んで、少しでもいい解決をまずは図るようにお願いをしたいというふうに思っております。

 参考人の東電の副社長さんには質問はこれで終わりですので、もし差し支えがあれば、御退席どうぞということであります。

 そして、最後に一問、質問をさせていただきたいと思います。

 来年からいよいよ第二期の復興・創生期間に入ってまいります。復興庁の役割として、復興のノウハウの共有が挙げられております。この三・一一からの復興は、多額の国費と、そして多くの皆様方の絶大なる御支援をいただいて行ってきた国家的な取組であろうと思っています。このノウハウを、三・一一でみんなで頑張ったね、よかったねで終わりではなくて、今後の災害からの復旧復興に生かしていく必要があると考えておりますが、このノウハウの共有をどのように進めていくのか、平沢復興大臣に伺いたいと思います。

平沢国務大臣 今委員が御指摘のように、この十年間、復興復旧に向けて関係者が懸命な努力をしてきたわけで、その間いろいろなことを学びました。いろいろな教訓、いろいろな経験があったわけでございまして、これはある意味でいえば、今後の、災害が万が一起こったときのいわば一つの大きな教訓というか材料になるわけで、これをしっかりと私たちはまとめて、それを後世に伝えていく、この努力をしなければいけないということで考えております。

 このため、復興庁では、復興の取組事例、この間の取組事例、この中から、いろいろな、将来これはぜひ記憶しておかなきゃならない、これは教訓として学んでおかなきゃならないというようなことにつきまして、そういったノウハウを抽出した教訓・ノウハウ集、これを令和二年度中、年度内を目途に作成して、そしてこれを多くの方に読んでいただくということを考えているところでございます。

 こうした取組を始めとして、復興庁では、被災地内外の関係行政機関とこうした教訓、ノウハウを共有しようということ、それで継続的に情報発信を行っていこう、こういったことも今まで行ってきたところでございまして、いずれにしましても、いろいろな角度から、今委員が御指摘の問題について検討していきたいということで考えております。

藤原委員 ありがとうございます。

 各自治体、あるいはそれぞれの地域の伝承館などに行くと、いろいろなノウハウの発信があるんですけれども、やはりそれを全国に水平展開をさせられるのは、国の機関がやる必要があるんだろうと思っています。そして、それができるのは、やはり平沢大臣率いる復興庁しかいらっしゃらないんだろうというふうに思っています。

 復興庁の皆様とお話をしていると、復興での取組、どういう取組がよかったかというお話はあるんですが、ぜひ、事前防災というか、事前の観点からも一つ、ノウハウの共有というのは必要かなと思っています。

 最後にちょっとそのお話をしますと、例えば、避難所になるべき公民館、こういうところについては、公共施設ということで下水道を当然接続しなければいけない。だけれども、当然、下水道というのは海に近いところに最後の出口があるので、それは全部津波でやられてしまって、結局、そういうところというのは仮設のトイレを置かないと使えなかったと。

 公共施設というのは全て下水に接続をするというのが基本になっているんですが、例えば、避難所になるべきものについてはあえて外して合併浄化槽を使っていれば、わざわざ冬の時期にやらなくてもいい。そういうような、細かいことなんだけれども、ちょっと変えるだけでまた現場現場で助かるのになということはたくさん転がっておりますので、復興でこういうことをしましたと同時に、発災前にこういうふうなまちづくりをしていれば地域がもうちょっと災害に強い町になった、そういうような観点からも、ぜひノウハウの共有をお願いしたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

 引き続き、復興庁の皆様には、ぜひ御指導のほどよろしくお願いします。

 終わります。

    ―――――――――――――

根本委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房生産振興審議官安岡澄人君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

根本委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 まず、平沢大臣の御就任をお祝い申し上げます。

 私は、この十年、我が党の復興加速化本部の福島担当として通い続け、連携をとり続けてまいりました。十年を迎えるに当たりまして、二つの風、風評被害と風化というこの二つの風と闘いながら、一番苦労した人が一番幸福になる権利があるとの信念で、これからもしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 本日は、福島の地元の方々、そしてまた復興支援にこの十年一緒に取り組んできた支援団体の方たちからの要請につきまして、質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、復興庁において検討されています、ただいまもありました国際教育研究拠点、これは福島イノベーション・コースト構想を飛躍的に発展させるものとして地元から大きな期待が寄せられております。

 今の国交大臣の赤羽議員が経産副大臣のときにこのことを提案し、ハンフォードに視察に行かれ、私もその後、自民党、公明党の皆様と一緒に視察に入らせていただきました。やっとハンフォード・サイトのような具体的な取組が始まると期待をしている一人でございます。

 このハンフォードは、もう既に皆様御承知かと思いますが、ここでは、アメリカのワシントン州立大学の分校等、研究拠点の集積と相まって、プルトニウム汚染についてのその解決に向かうさまざまな産業集積、また農業におきましても、当時ワイナリーが数カ所であったのが八百五十五カ所までふえておりまして、そこのワインが世界一を二年連続でとりまして、そこから風評被害が一気に飛んだ、こういう状況を視察いたしまして、希望を見出した一人でございます。

 この内容につきまして、六月八日、有識者会議によって、国際教育研究拠点に関する最終とりまとめが公表されました。この最終とりまとめにつきまして、大臣の受けとめをまず伺いたいと思います。

平沢国務大臣 国際教育拠点のこれからの建設に当たりまして、委員の大変な御支援、御協力に心からお礼を申し上げたいと思います。

 今お話がありましたように、この教育拠点は、福島、とりわけ浜通りの皆さん方から大きな期待が寄せられているところでございますけれども、単に福島の方だけじゃなくて、先ほど申し上げましたように、日本の方々が非常に期待できるような、日本の人たちの教育研究レベルを大きくアップさせるのに貢献するような、そんな施設でなければならないと思いますし、先ほども申し上げましたけれども、世界の人たちのいろいろな教育研究レベルにも貢献するような、一言で言えば、世界レベルのものをつくらなければ、私はつくる意味が余りないんじゃないかなと思っております。

 そういう意味で、構想は、まさにこれからいろいろ案をつくって、そして具体化していくわけですけれども、その具体化の過程でもう既にいろいろな御意見を伺っていますけれども、先生始め委員の皆さん方の御意見等もいろいろとお聞きして、少なくとも誇り得るようなすばらしい施設をつくりたいということで考えておりますので、引き続きの御協力をよろしくお願いしたいと思います。

高木(美)委員 大臣の力強い御決意を伺わせていただきました。

 この事業はどうしても成功させなければならない事業だと思っております。絵に描いた餅にならないように、スピード感を持って、その決意のままにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 ここを、今お話ありましたとおり、世界レベルの拠点として、教育研究と産業集積を行い、世界に誇る復興、創生を目指していく。そのためには、国がしっかりと役割を果たしていただくことが重要と考えます。

 基本構想を示すというふうにしておりますが、今後、どのようなスケジュールで、多岐にわたる関係省庁との調整や県との連携も含めましてどのように進めていくのか、伺いたいと思います。

平沢国務大臣 ありがとうございます。

 国際教育研究拠点の設置に向けては、今委員御指摘のとおり、関係省庁それから関係地方公共団体との連携が不可欠でございます。そういったところとの連携をこれから深めていきますとともに、有識者会議等の御意見も参考にしながら、しっかり取り組んでいきたいと思います。

 今後のスケジュール感でございますけれども、年内をめどに政府の成案を取りまとめることにしております。これを踏まえまして、拠点の具体化のための検討を着実に進めて、可能な限り早期に国際教育研究拠点を設置できるよう取り組んでいきたいということで考えております。

高木(美)委員 大臣、もし、お時間、大変だと思いますが、ハンフォード・サイト、ハンフォードを一度視察していただいた方が、また何かの参考になるかと思いますので、その点、提案をさせていただきたいと思います。

 次に、原子力災害からの復興再生のさらなる加速化に向けまして、本年六月、福島復興再生特別措置法が改正をされまして、移住等の促進や営農再開の加速化、また税制の特別措置などが定められたところでございます。第二期復興・創生期間以降も、国は、多くの課題に対しまして、県や市町村と一体となって総合的な施策を推進していく必要があります。

 そこで、今回の法改正を受けて改定する福島復興再生基本方針につきましては、復興の現状、また施策の進捗状況、さらには地元の意見を十分に踏まえて改定すべきと考えておりますが、政府の見解を確認しておきたいと思います。

横山副大臣 お答えいたします。

 御指摘のとおり、本年六月の福島特措法の改正を受け、現在、復興庁において福島復興再生基本方針の改定作業を進めているところであります。

 基本方針の改定に当たりましては、福島県及び関係市町村の御意見、御要望をしっかりと踏まえた上で、第二期復興・創生期間に向けて必要な方向性を示してまいります。

高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 次に、避難地域におきまして、帰還促進に加えて、移住、定住の促進や、また交流、関係人口の拡大、また魅力ある働く場づくりのためには、新しい住民の定着につながる受入れ環境を整え、魅力的なまちづくりをしっかりと進めていくことが重要と考えております。

 そこで、移住等のメニューが追加される帰還・移住等環境整備交付金につきましては、県及び市町村の要望を踏まえて、ソフト事業だけではなくてハード事業も対象とした柔軟で使いやすい制度とすべきと考えておりますが、いかがでしょうか。

横山副大臣 先般、福島特措法を改正し、交付金の対象として、住民の帰還に加え、新たな住民の移住、定住の促進等に資する施策を追加いたしました。委員御指摘のとおりでございます。

 移住、定住の促進に当たりましては、地域の魅力や創意工夫を最大限引き出しながら、新たな活力を呼び込めるよう、積極的な施策を講じることが必要でございます。現在、移住、定住の促進等に向けた予算を要求しているところであります。そこでは、ソフト事業だけではなくハード事業も対象にしてほしいという地元の声も把握をしております。福島県及び市町村と連携しつつ、できるだけ柔軟な制度となるようしっかりと対応してまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ありがとうございます。しっかりと私たちも後押しをさせていただきたいと思います。

 また、避難指示が解除された地域につきましては、営農再開が既に行われていたり、また、将来の再開に向けまして、農地の維持管理などが行われていると承知しております。こうした地域では、帰還した方だけではなくて、避難先から通う形で農業に従事している方も多くいらっしゃいます。それは、いまだ避難指示が継続している地域があること、また生活環境が整っていないなどの理由からでございます。

 こうして通いながら農業に従事している方にとっては、田植また稲刈りなどの農繁期には通うこと自体が大きな負担となっておりまして、短期滞在ができるような簡易な施設を整備してほしいという要請があります。避難指示が解除された地域におきまして、営農再開支援の一環として短期滞在ができる簡易な施設の整備を実施すべきと考えますが、農水省のお考えを伺います。

根本委員長 どちらですか。

高木(美)委員 復興庁ですか。答弁は復興庁で。失礼しました。お願いします。

角野政府参考人 お答え申し上げます。

 避難指示解除等区域の農業の復興に当たっては、短期滞在できる環境も含めまして、担い手の確保は重要な課題と認識してございます。

 先般、福島特措法を改正し、農地の利用集積化、六次産業化施設の整備の促進や、帰還環境整備のための交付金の対象に新たな住民の移住、定住の促進等に資する施策を追加したところでございます。これらの施策を通じまして担い手を呼び込むことによりまして、避難解除等区域の農業の復興を図ってまいりたいというふうに考えております。

 いずれにしましても、今後、地元から具体的な内容をお聞きした上で、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

高木(美)委員 しっかりとお願いしたいと思います。

 続きまして、避難指示が解除された地域の営農再開を後押しし、高付加価値の産地づくりを進めるために、政府は、本年七月、市町村を越えた広域的な高付加価値産地構想を取りまとめました。

 これまで福島復興加速化交付金などを活用しまして農業用施設などを整備してきたところですが、その主体はこれまで市町村でした。各自治体が主導して、施設整備を含めて産地づくりを進めてきたわけでございます。

 この構想の実現に当たりましては、むしろ市町村の垣根を越えて、広域的にJAや参入企業なども実施主体となって施設整備などを実施することが想定をされます。これも御要請がありまして、その場合、JAや参入企業などに対する新たな支援策が必要になると考えておりますが、政府のお考えを伺っておきたいと思います。

安岡政府参考人 お答えいたします。

 原子力被災十二市町村において営農再開を加速化していくためには、生産物をつくれば売れる環境づくり、これが非常に重要でございます。そして、営農を再開する農業者を地域に呼び込んでいくということが不可欠でございます。

 このため、農林水産省では、先ほど委員が御指摘のとおり、食品加工メーカーなどの実需者などを現地に呼び込んで、そこで拠点的な施設を整備して、それに農産物を供給する産地を市町村の範囲を越えて広域的に形成する構想、これについて、福島県、農業者団体など関係機関との意見交換を経て、本年七月に取りまとめたところでございます。

 令和三年度の復興庁の概算要求において、こうした産地の創出の核となる民間事業者やJAなどが整備する農産物の加工施設などの整備について、構想の実現に向けて予算要求を行っているところでございます。

高木(美)委員 またその予算の成立に向けましてもしっかりと後押ししてまいりたいと思いますので、さまざまなまた御要望等があると思います、できるだけ柔軟な支援策、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 この後、心のケアにつきまして順次質問をさせていただきたいと思います。

 人間の復興のためには心のケアへの取組が不可欠と思い、私も推進してきた一人でございます。そこで、この約十年間、子供の心のケアの分野で支援をしてきた専門家の方々からの御要請をもとに質問をさせていただきます。

 やはりみずから声を上げられない子供への支援は重要と考えます。また、子供たちが福島の未来をつくるという考えでございます。

 やはり福島には、この専門家の方たちもお話しされるには、いまだに帰還できない地域があり、そういう意味では、帰還が続いているという観点から、福島では依然として被害状況が継続していると言っても過言ではないと考えています。現状としては、避難地区だった自治体の学校に徐々に子供たちが戻ってきていますが、保護者等のストレスをそのまま子供が受けとめている現実を踏まえると、さまざまな意味で、より手厚い支援が必要な状況が続いています。福島県の学校の教員たちは、十分に配慮し、丁寧な支援を積み上げてきており、こうした取組にはまだ継続的な支援が必要な状況と考えます。

 また、沿岸部の幼児については、まだ不安定な状況があり、保護者たちは不安定な中で育児を行っているという現状もあります。こうした早期からの子供たちの支援についても、地元の支援者たちの献身的な取組によって支えられており、必要な支援ができるよう、国での予算の確保は極めて重要です。

 復興支援として加算してきた緊急スクールカウンセラー等の予算や加配教員予算など、今後も十分に確保し、十分な支援体制を構築することが重要だという専門家の方たちからのお声でございます。

 こうした御要請に対しまして、政府のお考えを伺っておきたいと思います。

横山副大臣 委員がおっしゃるとおり、現在においても、震災により家族や住居を失ったこと等のために心のケアを必要とする子供が引き続き少なからずいるということは承知をしております。心のケア等の支援が必要な子供への対応は重要な課題だと考えております。

 復興の基本方針におきましても、被災した子供に対する支援について、復興・創生期間後も支援の必要な子供の状況等、事業の進捗に応じて支援に取り組む旨をお示ししております。引き続き、被災自治体や文部科学省と連携し、適切に取り組んでまいります。

高木(美)委員 横山副大臣におかれましては、ぜひとも、この人間の復興という観点から、この子供の心のケアにつきましても引き続き御尽力をいただきたいことをお願い申し上げます。

 そこで、子供の心のケアにつきまして、福島では、ふくしま子ども支援センターが福島市に設置されておりまして、現実的な、来所される方、また電話での相談支援が展開をされております。

 私もその立ち上げの少し前に伺いまして、保健所等がやってくださっておりましたが、そのところでも、もう現実の対応でいっぱいいっぱいという状況を伺わせていただきました。

 一方で、福島において、子供の心の状況につきまして、本来は、国や県や自治体、また関係者、そして支援に入っている関係者などが一体となりまして、実態調査とか分析とか、また福島で継続する課題について今後どうしていくのか検討して対応策を提案するなどの取組も必要と考えております。

 現実の対応と、それから、その現状を取りまとめて今後どうしていくのか、そこをさまざまな、こうした専門家等の分析、実態調査とか、そうしたものを活用しながらまとめていく取組が必要ではないかと思います。

 また、あわせて、先ほど大臣は教訓という形でまとめるというお話がございましたが、はっきり申しまして、ちょっと、教訓という言葉は少し私自身にはフィットしなくて、指標とか、何かやはり皆様の参考になるような、そういう思いで教訓とおっしゃったんだと思いますが、何かもう少しやわらかい表現を御検討いただいた方がいいかなと率直に思った次第でございます。

 そこで、今申し上げたかったのは、やはり、大臣がお考えのとおり、震災後十年の変化を科学的に検証する作業も必要であると思っておりまして、それが今後の重要な指標となっていくと思っております。研究という観点でもいいのではないかと考えます。

 こうした目的を実現するために、福島に子供の心のケア支援拠点を整備すべきと考えております。二年前に復興特のこの委員会でも提案をし、また内堀知事にも提案をさせていただき、検討されているようなお話も漏れ聞こえてくるわけですが、政府の受けとめを伺います。

横山副大臣 被災した子供の心のケアにつきましては、福島県において、ふくしま子ども支援センターを設置し、原発事故に起因する不安や悩みを抱える保護者の支援等に取り組んでまいりました。

 これに対し、国としても、被災者支援総合交付金を通じた支援を行ってきており、今後の具体的な事業内容については、関係機関と連携強化という視点も踏まえ、関係省庁と連携して検討してまいりたいと考えております。

高木(美)委員 どうしても、関係省庁と連携してというその中に、子供の心のケアとか、そこの細かい分野というのは置き去りにされてしまうというのが、これまで私が携わってきた実感でございます。これをしっかり真ん中に据えて、福島の未来をつくる子供たちをきちんと支えていくのだという、この強い意思というのを復興庁にはしっかり持っていただきたいというふうに思います。

 今ずっと帰還が続いておりますので、その子供たちが親御さんと一緒に帰ってくる。また、定着して帰ってこない方もいらっしゃる。そうすると、学校の中で、また新たな子が帰ってきて、やはりどうしてもその学級の中でさまざまなことが発生をしていく。そして、また親御さんが帰ってきて、仕事先があればいいですけれども、その仕事先、親戚とのトラブル、さまざまなことを抱えながら、そのストレスがそのまま、子供がその親のストレスを受けとめてしまう、こういうところが今続いていると思っておりまして、帰還が続く限り、こうした子供の心のケアは非常に重要だと考えております。

 したがいまして、現実のこの対応とあわせて、そういう、福島の例えばここの町は今こんな状況にある、それぞれに市町村によってもレベルまた帰還状況が違いますので、それぞれの状況に応じた対応策、これを、申し上げたように、国も県も、自治体も関係者も、また支援に入っているそうした専門家の方たちも、一緒に共有をしながら、そこをどのように見ていくのか、それを取りまとめながら、一つずつこれを検証しながら、それをまた財産として残しながら、今後どのように展開していくのか、こういう取組をする、いわばそのための心のケア支援拠点、まさに支援をする人たちの拠点、こういうものが必要ではないかというふうに思っております。

 横山副大臣の御決意をもう一言お願いしたいと思います。

横山副大臣 高木委員から言われるように、調査研究部門を強化していくということは重要だというふうに私も考えておりまして、この部分について、関係機関と言うとまたいろいろ言われるかもしれませんが、関係機関等と連携しながら、委員の御指摘を踏まえて、しっかり検討させていただきたいというふうに考えております。

高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 次に、県外避難者を支援してこられた団体からの御要望でございます。

 今、この方たちは東京を中心とした首都圏で活動していらっしゃいまして、この避難者は約一万人、そのうち六十歳以上が五三・二%、五十代が九・七%、高齢化が顕著になってきました。課題と感じていらっしゃるのは、その調査によりますと、健康福祉が四四%、生活資金が四一%、住宅が三七%という状況で、やはり高齢化に伴って健康不安を抱える方が増加をしていらっしゃる。無職の方も少なくない。そこへ新型コロナの感染拡大によりまして自粛生活が続いて、やっとできたコミュニティーの集まりが閉鎖され、自宅にこもりがちになっています。望郷の念を抱きながらも、前向きに、主体的にこれまで生きてこられた避難者の方々が今後に大きな不安を感じていらっしゃる。

 そこで、全国に今二十六拠点、団体がつくっていらっしゃるわけですが、福島県生活再建支援拠点の存在が大きいです。各団体が特色を出しながら、それぞれに支援活動を実施をしてきました。当然、受け入れたその地域の差、また避難者数の違い、また都道府県の意向等もあるでしょうが、十年目を迎えることから、各支援団体の実績と今後の課題認識を取りまとめて、今後の支援のあり方、一定の方向性というのを国は示すべきではないでしょうかという、こうした要請内容でございます。

 このことは大臣にお答えをいただきたいと思います。

平沢国務大臣 先日、私自身も生活再建支援拠点の東日本ブロック会議に出席しまして、皆さん方の御意見をいろいろと聞かせていただいたところでございます。

 関係者の皆さん、NPOの皆さん、各拠点から発言されましたけれども、非常に頑張っておられまして、避難者の方々への支援の状況、あるいは課題等についていろいろと伺ったところでございます。

 今後とも、各拠点や福島県等と意見交換を綿密に行うとともに、避難者の方々の御意見も伺いながら、更に被災者に寄り添った支援のあり方について検討を進めていきたいと考えております。

高木(美)委員 一度、ぜひ取りまとめていただければと思っております。

 また、石巻市の支援に入られているソーシャルワーカーの団体の方たちから、現状と課題について伺いました。

 二〇一九年避難者健康調査では、病気があると答えた割合は六四・九%、増加傾向が続いています。また、全般的精神健康状態では、強い心理的苦痛を感じているという方は、全国平均が四・三%であるのに比べまして、七・六%と高い状況です。そこに、先ほど申し上げたとおり、コロナにより住民同士の交流のためのサロン等の開催も減り、また閉鎖されたり、治療中断の懸念や、また健康状態、生活状況の変化に気づくのが、こちらの方がおくれてしまうという懸念があります。

 とりわけ、受け取った義援金や助成金などの生活資金活用が効果的にできずに、資金が尽きたところで生活困窮に陥ってしまい、生活保護申請するケースが多数生じてきております。こうした重層的課題を抱える方々に踏み込んで支援する人材の数とシステムの整備が十分とは言えず、十年間、全国組織として支援を持続してきましたが、地域に引き継いで引き揚げることができないという状況が続いております。

 医療と福祉をつなぎ、丁寧に対応していくソーシャルワーカーの存在というのは重要と自負しておりますが、この活用につきまして、大臣の御見解を伺いたいと思います。

平沢国務大臣 被災地において、高齢者の支援、あるいは障害児の方の支援、あるいは子ども・子育て支援、生活困窮者支援等、大変に幅広い分野でソーシャルワーカーである社会福祉士の方々に御活躍いただいているわけでございまして、この場をおかりして、改めて敬意を表し、お礼を申し上げたいと思います。

 社会福祉士の方々は、他の専門職種あるいは関係機関との連携を図りながら、御指摘の医療と福祉をつなぐことも含めまして、地域住民の抱えるさまざまな問題解決に取り組む役割が求められているわけでございますので、今後のさらなる御活躍に期待したいと思いますし、私たちも一生懸命応援させていただきたいと思っております。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 この方たちの御奮闘に私も心から敬意を表しますとともに、また、ただいま、大臣からの感謝の念、お述べいただきまして、御礼を申し上げたいと思います。そしてまた、地元でこうした人材を今後どう育成していくのか、これもまた今後の復興における大きな課題だと思っておりますので、この点にも引き続きお取り組みいただきますようにお願いをいたしまして、本日の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

根本委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 玄葉光一郎です。

 新しい立憲民主党で復興の本部長をさせていただいております。

 十五分しかないので、できる限り端的にお聞きしたいと思いますので、答弁の方も可能な限りポイントのみの御答弁をいただければありがたいというふうに思います。

 平沢大臣、特に福島に地の利というか、生まれ育った場所なので、土地カンがあると思いますので、期待をしておりますから、よろしくお願いをしたいと思います。

 一番気になっていることの一つは、福島県の原発事故の帰還困難区域における復興拠点以外をどうするかということについて、そろそろ道筋をつけていくというのが、私は平沢大臣の在任中の極めて大事なポイント、問題だというふうに思っております。

 その点について、残念ながら現状はその道筋は不透明でありますが、時間軸を含めて、そのことについて、平沢大臣、どういうふうにお考えか、お尋ねをしたいと思います。

平沢国務大臣 この問題は、私が福島に行かせていただいたとき、多くの方から伺ったことでございまして、私自身も全く問題意識は同じでございます。できるだけ早くこの問題の解決に取り組まなければいけないなと思っております。

 いずれにしましても、総理が福島訪問の際に述べられましたけれども、最終的には全て解除して、皆さんがそこに住むことができる、そうしたことを時間をかけてもやりたい、このことを一日も早く実現できるように取り組んでいきたいと思いますけれども、時間軸については、ちょっと今ここで申し上げることはできないことはお許しいただきたいと思います。

玄葉委員 まずは復興拠点を中心に整備をしていくというのは、私もそれは賛成です。ただ、そろそろ復興拠点外についてのプロセスというものを明らかにしていかないと、地元の皆さんは不安なんですね。言葉では総理はそう言っているけれども、最終的に国は逃げるんじゃないか、どこかでそういう不安を抱えておられる方々が多いのは事実でありますので、そろそろ道筋をつけ始めていかなければならないということだと思います。

 それで、私、一つだけ確認をきちっとしておきたいのは、復興拠点以外も除染であるとか必要な家屋の解体というものは当然ながら行うということでよろしいですね。

平沢国務大臣 当然、その方向で検討してまいります。

玄葉委員 それであれば、除染とか家屋の解体というのは時間がかかっていきますので、これは、平沢大臣、大変大事なことをおっしゃっていて、きちっと復興拠点以外も除染もやるし家屋の解体もやるということを今おっしゃったわけでありますので、そうであれば、計画的に除染を行っていく、家屋の解体を行っていくんだから、復興拠点以外についても、きちっと予算をつけて少しずつ始めていくんだというメッセージを含めて出していくべきじゃないですかということです。

平沢国務大臣 ちょっと先ほどの答弁を訂正させていただきますけれども、正確には、拠点区域外の対応方針については、現在、政府部内で検討中であり、引き続き、各町村の課題、要望等を丁寧に伺いながら、責任を持って対応してまいりたい、これが政府の今の見解でございます。

 いずれにしましても、この問題について、先ほど申しましたように、強い御要望を多くの方からいただいております。ですから、そういった御要望にかなうことができますように、しっかり取り組んでいきたいと思います。

玄葉委員 まさにここなんですね、ポイントが。

 やはり、普通に聞いたら、今、平沢大臣がおっしゃったように答えると思うんですよね。だけれども、政府は、まだ方針は決まっていないというのが、失礼だけれども、紙が出てきて、答弁を訂正せざるを得ないというのが現状なんです。これは私、最初からこの状況、この問題に正面から取り組んでいますので、よく状況はわかっているんですけれども、除染と家屋解体を一〇〇%やるとまだ言い切れないところに実はかなりの問題とかジレンマがあるということなんです。

 これは、でも、絶対にやるんだというメッセージを出さなきゃいけないと思います。菅さんは、総理は、先ほど大臣が御紹介になったように、最終的に全ての帰還困難区域の避難指示を解除すると言っているわけですから。解除するというのは、必要な家屋の解体を当然やるということですよ。除染もやるということでしょう。そうでしょう。

 そこはぜひ、私はこれ以上詰めませんけれども、よく頭に入れていただいて、私は、平沢大臣のときに道筋をつけて、本当だったらもう概算要求もして、できるところから始めるということをすれば、かなりメッセージとして伝わっていくので、次の概算要求では、大臣のときにきちっと要求したらいいんじゃないか、これは提案です。

 次に、森林の再生の話なんですけれども、これも一言で結構なんですが、私は新しく大臣がかわるたびに念を押して申し上げています。やはり、山のものが食べられなくなって、山に入りにくくなって、本当に原発事故が起きたんだな、残念ながらまだまだ復興しないなということを実感するのが地元の現状です。森林の再生事業は、かなり多くの皆さんが好感を持って見ています。ぜひ、十二市町村、避難指示が出た十二市町村以外も含めて、きちっとこの事業を継続してもらいたいと思います。

 問題は、財務大臣というか財務省の説得だと思います。農水省はもちろんやる気になっていると思いますが、大臣がしっかり財務省を説得するということを一言だけおっしゃっていただけますか。

平沢国務大臣 福島の森林再生事業につきましては、これまで四十四市町村で実施されてきたわけでございまして、全県的な森林・林業再生に向けて重要な事業であると認識しておりまして、この事業につきましては、昨年十二月に閣議決定した復興・創生期間後における基本方針においても、令和三年度以降も継続することを明記しておりまして、現在、事業実施に必要な予算についても令和三年度概算要求をしているところでございまして、この問題にも全力で取り組んでいきたいと思います。

玄葉委員 これは大臣として当たり前ですが、財務省を説得するということでよろしいですね。

平沢国務大臣 説得するというより、財務省に対して総力で働きかけをしたいということで考えております。

玄葉委員 デジタル庁の設置について、福島県にというお話を、特に公明党の代表がされておられます。私は全面的に賛成であります。バックアップしたいし、応援をしたいというふうに思っています。

 平成二十三年に原発事故があったときに、私、ちょうど閣僚です、与党の政調会長だったんですけれども、あのときに、原発事故があったから、むしろもうピンチをチャンスにして、再エネのメッカにしようということを福島県に言いました。福島県も、ぜひそれを、じゃ、国は何をしてくれるんだと言ったから、産総研を福島県にということで、結果として郡山に産総研の再エネの研究所をつくるということを、実は原発事故の四カ月後に事実上決めています、事実上。これはすごくやはり大事なことで、ピンチをチャンスに。でも、デジタル庁のことは、そのときは正直私は思い浮かびませんでした。

 今回、こういうことを与党の中で責任ある立場の方がおっしゃっているということで、私は復興庁を挙げてこの問題をバックアップしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

平沢国務大臣 デジタル庁の福島県への設置については、今そういう話を私の方も聞いていますけれども、政府としては、デジタル庁を通じて、平井デジタル改革担当大臣のもと、組織のあり方やその機能について、年内に基本方針を定めるべく鋭意検討を進めているということで承知しております。

 私としては、この問題に関心を持ってその検討の推移を見守っていきたいということで考えております。

玄葉委員 これは、やはり復興の担当の大臣ということですから、私としては、やはり、特に原発事故で被災した福島県に対してそういう提案があるわけですから、担当する大臣としては、ぜひ後押ししていきたいというぐらいのことはおっしゃっていただきたいと思います。

平沢国務大臣 この問題は、平井大臣のもとに準備室が立ち上がりまして、これから組織のあり方や果たすべき機能について、年内に基本方針を定めるべく鋭意検討を開始したところだと聞いておりまして、そちらの方で決められることなんだろうと思いますけれども、もちろん、私個人としてはいろいろと話はしたいと思います。

玄葉委員 それはもう大臣としてぜひ、復興大臣という立場なので、そういった面からきちっと後押しをしてもらいたいと思います。

 最後になりますけれども、ALPS処理水の問題です。

 これは、私たちの復興本部でもかなり激論というか大変な議論があって、やはり現状、国民に対する説明、あるいは十分な国民的な議論が足りないのではないか、こういうことでございますし、また、福島だけに負担を強いるということが本当によいのかという議論に我々の中でなっているわけです。

 たくさんのポイントがこの議論はあると思いますけれども、そのうちの一つは、ALPS処理水というのは、他の原発から出るいわゆるトリチウム、他の原発からもトリチウムは出ているんですよというふうに説明されるわけですけれども、他の原発から出ているトリチウムと同列に論じていいのかどうか、同じなのかどうなのかということが一つの私はポイントだというふうに思っていまして、その点についていかがお考えですか。

江島副大臣 お答え申し上げます。

 福島第一原発で貯蔵されているALPS処理水でありますけれども、議員御指摘のように、溶融した核燃料に直接触れている水が由来であります。したがいまして、核分裂で生じた核種を含んでいるということは事実でございます。

 一方、再処理工場というのは、これは現在世界で稼働しているわけでありますけれども、この処理工程におきましては、これは核燃料を細断して処理をしておりますので、再処理工場というものから出てくる排水には、同じく核分裂で生じた核種が含まれております。

 例えば、フランスやイギリスでももう稼働している再処理工場でありますけれども、この中には、トリチウムに加えまして、セシウム、放射性沃素、それからカーボン14等々、福島第一原発のALPS処理水に含まれる核種と同じものが確認をされているところであります。

 ちなみに、ALPS処理水を環境中に放出する際には、これはトリチウム以外の放射性物質に関しまして、規制基準値を下回るまで浄化処理を行った上で、更に百倍以上に希釈をして放出するというふうな規定を進めているところです。

玄葉委員 これは今、大事なお話をされたと思うんです。結局、今のことというのは意外と知られていないと思います。

 つまりは、ALPS処理水から出ているトリチウムは、いわゆるほかの原発からもトリチウムが出ているんですよという説明はなされるんです。他方で、それに対して多くの人は、いや、燃料デブリに触れているトリチウムなんだから、他の原発とは違うでしょうということをおっしゃるわけです。それに対して、今おっしゃったのは、いや、再処理施設は、いわば、使用済み核燃料を細断してごった煮するわけですから、ある意味、一種、ごった煮状態になるので、いわば、再処理施設においては、燃料デブリに触れたと同じような核種が出ているんですということを今おっしゃったわけです。

 これは例えば、福島県でさまざまな説明会を開いたときに、こういうことを説明されていますか。

須藤政府参考人 お答えをいたします。

 私ども、いろいろなところに出向きまして、処理水の性状等につきまして説明をさせていただいております。そういった際には、今御指摘がございましたような、デブリに触れた水であるという御懸念をいただいておりますので、その後の核種ですとか処理の方法の考え方について御説明をしております。

 まだまだ至っていない部分はあろうかと思いますので、あらゆる機会を通じて、いろいろな形でそういったことをお伝えできればと考えております。

玄葉委員 今の答弁をもっとわかりやすく言うと、事実上ほとんど、再処理施設からも出ているんですよという言い方はしていないということなんですよ、はっきり言うと。

 実は再処理施設から出ているんですよときちっと言えば、何となくすとんと落ちる人と、何か、じゃ、ほかもいろいろ問題なのかみたいに思う人と両方いるから、多分はっきり言わないということなんだと思うんですけれども。

 この問題ですごく大事なことは、絶対に、全ての大前提は隠さないということだと思います。全てオープンにする。隠していた時点でアウトです、この問題は。だから、炭素14が出てきたじゃないかみたいな話にまたなるわけです。でも、再処理施設から実は出ているんですね。

 だから、本当に隠さないで、その上でプロセスを大事にしてこの問題を進めていくということが何より大事なので、しっかりと情報公開を今よりも徹底させるということで、ぜひこれからしっかり進めてもらいたいと思っています。

 以上でございます。ありがとうございます。

根本委員長 次に、山崎誠君。

山崎委員 立憲民主党、山崎誠でございます。

 早速、貴重な時間ですので、質問させていただきます。

 私は、ずっとこの復興特では、自主避難者の問題を中心に、避難者の皆さんの生活再建が今どういう状況なのかということを御質問してまいりました。これまで、吉野大臣、渡辺大臣、田中大臣、そして平沢大臣ということで、皆さんとずっと、この問題、お訴えをし、議論してまいりました。

 大臣、就任直後に御質問をして、被災者の皆さんが大変今厳しい状況にあるんだよという御説明をすると、皆さん、それについては非常に受けとめていただいて、何とかしなきゃいけないねという思いで答弁をいただけていたと感じています。なんですが、時間の経過とともに答弁が一つに収れんしていくんです。福島と密に連絡をとって、被災者と寄り添って支援をしていくというような答弁に、どうしても最後、固まっていってしまって、その先になかなか行かないということなんです。

 きょうもその問題を中心にお話をしたいと思っております。

 現状を申し上げると、ずっと自主避難者で、特に国家公務員宿舎に今取り残されている方々が残念ながらまだいらっしゃいます。その数は減ってきてはいる。当然、福島の皆さんも一生懸命やられている、復興庁の皆さんも努力をされているのは大いに私も感じているところなんですが、残念ながら、固定してしまってなかなか動きがとれない方は、その数は減っていない。そして、損害金として家賃の二倍請求というのも続いたままであります。

 何とか、この膠着状態を大臣の御判断で解消していただきたい。来年、十年を超えていくわけでありますから、生活再建、一人一人に寄り添ってという言葉を本当に実践する、そういうタイミングをぜひ平沢大臣のところでつくっていただきたいということで、きょうの質問の第一のお願いであります。

 先ほど高木議員からもありました。新型コロナウイルス感染症の影響も大変今心配であります。私ども、いつも情報をいただいています原発事故被害者団体連絡会、「避難の権利」を求める全国避難者の会、避難の協同センターの皆さんが、新型コロナ下での原発事故避難者の暮らしと住まいの不安に関する緊急アンケートというのをことしの五月から八月の間で実施をしていただいています。

 九十人を超える方が回答しているものですが、その中で重立ったところを挙げると、これはコロナの関係とは直接ひもづかないかもしれませんが、母子、父子避難の方が三九%、それから単身での避難の方が一九%ということであります。ですから、本当に六〇%近い方が父子、母子あるいは単身の避難者。それから、収入についても、五八%の方が月収二十万未満ということで、相対的な貧困状態にあると。雇用についても、非正規と無職を合わせると四五%にも達するということであります。

 こうした暮らしをしている方々にとって、やはりコロナ禍というのは大変過酷である。家賃の支払いが非常に苦しくなった、やや苦しくなったという方は三割です。そのうちの八五%は民間賃貸住宅に居住している皆さんです。

 こういう方々への支援が次々に打ち切られていて、国家公務員の宿舎の問題であれば、本当にそれが二倍請求というような形で、追い出しに近い形で今迫られているという実態があります。

 今お話ししたことを踏まえて、被災者の皆さんをどういうふうに、最後、一人一人の生活再建を実現していくのか、大臣の所見と今後の対応についてのお考えをお伺いしたいと思います。

平沢国務大臣 ありがとうございます。

 委員が、今までの、私の前任の大臣の方々は、最初は意気込みがあったけれども、だんだん意気込みがなくなりつつあるようなお話をされたけれども、私自身はそんなことは絶対ない。少なくとも、今までの大臣も一生懸命やったと思いますし、私自身も、とりわけ福島の出身でもございますし、私の関係者というか知り合いの方も多く被災者にいますので、そういったことから、例えば、私が今のポストを卒業するときに、何もやらなかったと言われることのないように、しっかり取り組んでいきたいと思います。

 それから、今の御質問ですけれども、こういった困っている避難者の方、住宅問題で困っている方々に対する、もっと政府の支援があっていいんじゃないか、行政の支援があっていいんじゃないか、こういうことだろうと思いますけれども、今でも、そういった困った方々に対する住宅問題については、しっかり私どもとしても人材面や財政面で支援はしてきたところでございまして、そういった中で、恐らくルールに基づいて自治体の方でいろいろな対応をとっておられるんだろうと思いますし、国家公務員住宅については、これもまたいろいろなルールがありますから、そのルールに基づいてやっているんだろうと思いますけれども。

 いずれにしましても、そういった中で、今委員が御指摘のように、不当に当たるようなことが絶対にないように、そこは十分気をつけて注意していきたいと思います。

山崎委員 意気込みが前半、大変聞かれたんですが、後半、そのルールが現場にやはり合っていないんだと思うんですよ。

 当然それは、ルールに従って行政が行われるのは理解をするところではありますが、それでも、例えば新しい家が見つからない、引っ越しができない、本当は出たいんです、出たいけれども、どうしても出ることができない、そういう今残された方々ということでありますので、ここは私は、一定、やはり政治の判断というか意思があって、これは人道問題、人権問題でありまして、これはずっと議論している中でもそれもお訴えをしてまいりましたけれども、そういう観点でぜひお願いをしたいというふうに思います。

 大臣には、簡単に私はまとめると、例えば、生活再建支援拠点、二十六拠点があって、相談窓口があって、そこの方々は本当に、先ほどもお話ありましたけれども、よくやってくださっているというのは認識をしています。ただ、相談なんです。あくまでも相談で、その先に、じゃ、解決するための手段というものが非常にやはり限られている、そういう悲鳴の声も聞こえます。要するに、相談支援のような支援はできるけれども、経済的な支援ができない。

 今困っている方々というのは、例えば、コロナ禍もあるので大変家計の状況も厳しくなっていると思います。そうすると、引っ越しの費用が出ない、あるいは、新しいところに借りようと思っても、例えば敷金とか礼金がお支払いできない、そんなことで行き詰まってしまっている方もいらっしゃいます。なので、一定の経済支援というものをやはり今も維持をしなければいけないというふうに思っているところであります。

 国交省の方にいらしていただいていると思うので、もう一つは、公営住宅への転居というのが一つの大きな目標ではあるんですが、いろいろ取組をされていると思います。現状をちょっと御説明いただけますか。

淡野政府参考人 お答えをいたします。

 自主避難者の方々の住まいの確保に向けました国交省としての取組につきましては、子ども・被災者支援法の趣旨を踏まえ、平成二十六年六月に、公営住宅につきましては、優先入居の対象とすることが可能であること、避難元に住宅を所有している場合でも入居が可能であること、世帯が離れて暮らしている場合に家賃算定における所得金額を二分の一とすることが可能であることなどを内容とする入居の円滑化措置に関する通知を地方公共団体に対して行っているところでございます。

 さらに、今なお避難されている状況にある自主避難者の居住の安定を図っていくという観点から、昨年一月及び本年三月にも、公営住宅の入居円滑化について再三通知をしているところでございます。

 国土交通省といたしましては、自主避難者の公営住宅への入居円滑化に関し周知徹底を図るとともに、地方公共団体と協力しながら、引き続き自主避難者の方々の居住の安定を図ってまいりたいと存じます。

山崎委員 ありがとうございます。

 本当を言うと、御努力は認めるんですが、本当に、十年を迎えます、お一人お一人の環境、状況、そういったものをやはり国交省も共有いただいて、ぜひ入居が円滑に進むように、特定入居というのをずっとお訴えをしていますが、なかなかその壁は厚いのは今までの議論の中でも理解はしているんですが、何とか、やはりゴールは皆さんの生活再建ですから、そのために何ができるかという視点で、もう一回、十年の節目を契機に御検討いただくように強くお願いをいたします。

 時間が大変限られますので、私からは、今までの議論を踏まえて二つ提案があります。

 一つは、今お話ししたような経済支援をやはり続けていくための枠組みとして、例えば生活再建支援基金のようなものをつくって、例えば福島県や、あるいは国の一定の関与はあるにしても、独立して人道的な観点から経済支援が継続できる、そういった枠組みをひとつつくっていただけないか。

 その枠組みをベースにして、今被災者の支援の支えになっている民間の団体の皆さん、きょうもお話をした避難の協同センターなどは、本当に、お一人お一人に寄り添って、新しい家の契約のために人道的な援助をされています。こういった方々を支援する、それが私は子ども・被災者支援法の枠組みを発展的に展開をする一つの大きな方向だと思うんですが、そうした考え方はいかがでしょうか。

 基金、そしてまた、それを支援する団体をきちっと中心に据えて、その人たちにそうした基金の運営も任せて、支援をより被災者の皆さんに寄り添ったものにするという考えですが、どうでしょう。

平沢国務大臣 まず、基金の方ですけれども、昨年公表した「復興・創生期間」後における東日本大震災からの復興の基本方針、この中では、全国に居住している避難者に対し、丁寧な支援を継続する、こういったことを示させていただいたところでございます。

 御指摘の避難者の方々への経済的支援のための基金の創設については、支援団体が活用するものであっても、既に自主再建を果たされた方との均衡にも留意する必要があるわけでございます。

 いずれにしましても、引き続き、避難者の生活再建に向けた支援に、福島県と連携してしっかり取り組んでいきたいと考えております。

 それから、生活再建支援に取り組んでおられるNPO等の支援団体に対する支援のことでございますが、被災者支援において、全国に設置され、住宅、生活、健康など、さまざまな相談を受け、適切に対応している生活再建支援拠点を含むNPO等の支援団体、支援組織の果たす役割は極めて大きいと認識しております。先ほど御説明しました復興の基本方針でも、全国に居住している避難者に対し、丁寧な支援を継続する旨を示しておりまして、引き続き、これらの団体への支援も行っていきたいと考えております。

山崎委員 大臣、私は、ずっとこの議論をしていく中で、やはり福島県は一生懸命頑張っていらっしゃる、でも福島県の限界もあるんですよ。やはり先ほど言った公平とか均衡だとか、もう既に福島に戻っている方々と自主避難者の皆さん、どういうふうに調整したらいいんだろう、福島県の中でも非常に対立、議論がある、それはいたし方ないんですよ。私は、だから、そういう議論があるからこそ、それとは一線を画する基金や、それとは一線を画する支援団体の皆さんを応援することで、今残っている方々、今苦しんでいる方々を救う枠組みがつくれるのではないかという御提案なんです。

 ですから、ここはちょっと考え方を切りかえていただいて、現状からどういう持続可能で本当に有効な支援が可能なのか。経済支援、そして人材のそういう寄り添いの支援であります。

 ぜひ、前向きに御検討を引き続きお願いしたいということで、お時間ですので終わりにします。

 ありがとうございます。

根本委員長 次に、金子恵美君。

金子(恵)委員 立憲民主党の金子恵美です。

 よろしくお願いいたします。

 少し前の新聞報道でありますけれども、十月五日の地元紙、福島民報の一面に、福島民報と福島テレビが共同で行った県民世論調査の結果に関する記事というものがありました。東日本大震災、東京電力第一原発事故から十年目の現在、政府において風化が進んでいるかどうか聞いたところ、風化が進んでいると答えた方は五五・二%に上りました。風化が進んでいないと答えた方は二四・一%ですので、かなり多くの方々が政府において風化が進んでいると答えているということになります。

 菅内閣が発足して、基本方針の中に東日本大震災からの復興や東京電力第一原発事故に関する記述がなかったということで、被災地では不安の声が上がりましたが、やはりそういう不安の声がこのような数字にあらわれているのではないかというふうに思っております。

 そこで、平沢復興大臣にお伺いしますが、この東日本大震災原発事故からの復興にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

平沢国務大臣 十年たちましたけれども、まだ、あの大震災に苦しんでいる方、困っている方、助けを必要とする方が大勢おられるわけでございます。こういった方がなくなるまで、私は、私たちの復興支援というのは終わらないと思います。

 したがって、私たちはこれからも、復興庁も続きますし復興支援も続きます。これはお約束いたします。

金子(恵)委員 支援といっても、さまざまな形で支援というのがあるわけです。

 今、山崎委員からもありましたけれども、県外に避難されている方々の支援というのもとても重要でありますけれども、たまたま十月の十一日に報道されて、これもまた報道ベースで申しわけないんですけれども、全国にネットワークを持つ日本精神科看護協会の戸別訪問でわかったことは、やはり県外に避難した世帯のうち三割の方々に心身の健康に何らかの懸念がある、そういう御家族がいるということがわかったということでありました。

 こういう調査もありますし、そしてまた新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、高齢者の見守り活動にも影響が出ていることとか復興住宅での孤独死というのも出ている、こういうこともあります。

 心のケアや健康の状況をしっかり把握していくことなど、それも支援だというふうに思っていますが、御決意をお伺いします。

平沢国務大臣 あの大震災から十年たちまして、いろいろな問題が解決したわけですけれども、その一方で残された問題もかなり多くありまして、その中の一つが今委員が言われた心のケア、これをしっかり取り組んでいかなければならないということではないかと思います。

 私たちは、特に、今お話しのように、高齢者の方がどんどんふえてくる、ひとり暮らしの方もどんどんふえてくるでしょう、したがって、心のケアはますます重要になってきますので、これをいろいろな、NPOの方たちの協力もいただきながら、こうした問題にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

金子(恵)委員 ぜひ、具体的に何ができるかということをお示しいただきたいというふうに思います。

 時間が限られていますので次に行きますが、復興庁は二十七日、先週の金曜日でありますけれども、東京電力第一原発事故で避難区域が設定されておりました富岡町、双葉町の住民意向調査というものを公表いたしました。

 前年の同時期にもやっている調査で出ているものですから比較ができるんですけれども、富岡町では、既に富岡町で生活している、九・二%、前年比一・七%増です。ただ、まだ判断がつかない、一四・八%、前年比〇・六ポイント増ということになっています。そして、判断がつかないと答えた住民の方々に帰還を判断するために必要なことを尋ねたところ、やはり医療機関の拡充が最多だったということであります。戻らないと決めている方は四八・九%に上るということであります。

 双葉町においては、戻りたいと考えている方、一〇・八%、前年調査比〇・三%増ということです。まだ判断がつかない、二四・六%、これも前年比〇・一%増ということになっています、少しですけれどもふえているということで。戻らないと決めている、六二・一%に上ります。それで、帰還を決めることができない、帰還を判断するために必要なものは何かという問いに対して、やはり双葉町の皆さんも医療・介護福祉施設の再開や新設というふうに答えているということです。

 判断ができないと答えた方が微増ではありますけれどもふえているという状況なんですが、この迷っている方々が基準にしているものは、やはり安心して生活ができる環境ということで、特に医療・介護施設を整備することと言っているわけです。

 帰還促進だ、そして移住支援だとおっしゃっても、まず住民の皆さんが安心して生活できる、そういう環境がつくられていないということであれば、多くの方々に、無理に、この双葉地方に入ってください、お越しください、帰還してくださいと言うことはできないわけです。このことをどう捉えていらっしゃいますか。

平沢国務大臣 今委員御指摘の住民意向調査、これを私たちはしっかりと重く受けとめなければいけないと思います。

 今、避難指示が解除された区域に住民の方々が安心して帰還して生活するためには医療や介護サービス提供体制の確保が重要な課題だと、これは当たり前といえば当たり前のことなんですけれども、特に高齢者の方がふえてきている中で、ますますここに力を入れていかなければいけないだろうと思います。

 このため、この地域の医療機関の新設、再開や運営、医療人材確保の取組を支援するとともに、介護分野についても、介護施設への就労希望者への貸付け等による人材確保、施設への運営支援、これを行ってきているところですけれども、今後とも厚生労働省や福島県と緊密に連携しながら、医療・介護提供体制の確保に引き続き全力で取り組んでいきたいと考えております。

金子(恵)委員 特に富岡町は、帰還困難区域を残して避難指示が解除されてからしばらくたっても、やはりこのような数字ですから。

 この調査というのは、世帯主、世帯の代表者に聞いているということもありますので、どちらかというと人生の先輩方を対象にして聞いているということになってしまって、例えば富岡町でいえば六十歳以上の方が六五・九%という形でこの調査の対象になっているということでありますので、やはりどうしても今申し上げたような医療とかの問題をおっしゃるんだというふうにも思います。

 持続可能な、そういう環境をしっかりとつくっていって、そしてふるさとづくりをしていくということだというふうに思います。ふるさとの本当の再生を目指していくということだと思いますので、今申し上げたように、もちろん高齢化率も高くなっているのでというふうにおっしゃいましたけれども、全体も見ていっていただきたいというふうに思います。

 その上で、十一月の二十六日、先週でありますけれども、第十七回目の福島十二市町村の将来像に関する有識者検討会が開催されまして、そこで福島十二市町村の将来像に関する有識者検討会提言概要案が示されたわけです。もちろん、検討の視点及び基本的な方向というのは、人口減少、少子高齢化社会のもとでの持続可能な地域生活の実現、広域的な視点に立った協力連携、世界に発信する新しい福島型の地域再生というようなことではありますけれども、大臣は、閣議後の記者会見で、十二市町村の将来像について、市町村合併の必要性を問われまして、今後検討事項の一つに入るとの認識を示したと報道されていますが、いかがですか。

平沢国務大臣 私は、そのときの速記録をよく見てもらえばわかりますけれども、市町村合併は、これを決めるのはそこに住んでいる住民の皆さんですということははっきりと何度も言っているわけでございます。

 今度の新たな提言案には、各市町村がおのおの抱える課題の解決に取り組むとともに、広域的な連携により市町村間で情報やリソースを共有することが検討の視点として記載されています。市町村合併は広域的に行政サービスを提供する手法の一つでありまして、どの手法を選択するかどうかというのは各市町村において検討することが適当である、もっと言えば、各市町村、住民の方が考えられることが適当である、そのように考えております。

金子(恵)委員 わかりました。

 大臣の御発言、大変重いわけで、それも一つ、検討の一つだろうというふうにはおっしゃったんだというふうには思いますけれども、やはり、今おっしゃっていただいたように、とにかく地元の意向、それをとにかく尊重していく、これは当然のことでありますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 それで、最後の質問になってしまうんですけれども、国際教育研究拠点についてであります。

 大臣も所信で、六月に有識者会議の最終取りまとめが行われたということで、「年内目途に具体的な内容を決定すべく検討を進めてまいります。」というふうにおっしゃっていました。それで、六月に出ておりましたこの最終取りまとめの中には、「早期の拠点開所に向けては、生活環境整備・まちづくりを円滑に進める観点から、立地地域を、政府成案にあわせて決めることが重要と考える。また、本拠点に係る法制度については、一部開所や全部開所に支障が生じないよう、時間的に余裕をもって必要な対応をすべきである。」というふうに書かれています。

 一方で、この立地地域について、大変福島県内でも注目されているところでございますけれども、県としては、国から具体的な枠組みが示されていないとして、年内の立地場所の提案を事実上見送る方針を固めたということが、十一月の六日に開催された福島県議会の十二月定例会に向けた政調会で明らかになったわけです。

 この有識者会議で示された最終取りまとめにある内容と今進行している状況、ここ、考え方に違いがあるのか、そごがあるというふうにも思います。懸念しているのは、このことによって今後の工程にどのような影響があるのかということです。

 私は、もともと、何の枠組みも示されていないでこの有識者会議において立地地域を政府成案にあわせて決めることが重要と考えると言っていることの方がちょっとどうかなというふうに思っておりまして、そうすると、そもそも、これまで立派な方々が有識者としてこの会議で議論をされてきたんだというふうにも思いますけれども、でも、これで、単に取りまとめて、丸投げをして、そして県で何とかしなさいということにはならないというふうに思うんです。

 このことも含めて、県の皆さんの考え、地元の皆さんの考えもそうだと思うんですが、やはり、海外からの研究者も来るかもしれない、いろいろな方々が家族とともにその地域に移住するかもしれない、であれば、先ほど来あります、環境をしっかりと整備していく、移住のための環境も考え、そして規模についてもちゃんと示していかないと、面的にどれぐらいとれるのかわからない、自治体によっては受け入れられるところと受け入れられないところというのが出てくるというふうに思うんです。

 全体像が見えない中で今まで立地場所を決めてくださいというふうに言っていたこと自体が私は大変問題があるというふうにも思っていますし、そのことも含めて大臣の御所見を伺いたいと思います。

 そして、繰り返し申し上げますけれども、工程はもう決まっている、二〇二三年春に一部開所、二〇二四年度本格開所というふうに言っていますけれども、そこに影響はないのかどうか、お聞きします。

平沢国務大臣 有識者会議が最終取りまとめで政府成案にあわせた立地決定が重要とされていますけれども、これは、生活環境整備やまちづくりを円滑に進める観点からこういうふうな取りまとめをしたということで承知しております。

 一方で、具体的な研究内容等についての検討を進める中で、立地の検討についても研究内容や施設規模等を踏まえて判断すべきとの考え方もあり、県から問合せがあったときに、そうした考え方をお伝えしましたところ、県としても条件が整った段階で提案することを判断されたものと承知しております。

 現在、先ほど申し上げましたけれども、年内目途の政府成案に向けて検討を行っているところでありまして、県からの立地提案の有無にかかわらず、拠点の構築に向けたスケジュールに変更はございません。

金子(恵)委員 終わります。

根本委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 立憲民主党の小熊慎司です。

 まず、処理が完璧ではない、七割以上が汚染水のままである、政府は処理水と言っていますけれども、トリチウム水についてお伺いをいたします。

 この扱いについては、適切なタイミングで結論を出すというふうに述べていますけれども、また、これは経産省の方ですけれども、処理水に関する資料の中に書いてありますが、地元を始めとした幅広い関係者の御意見をお伺いした上で、風評対策を含め、政府としての方針を決定しますとしておられます。

 これまでも、関係者、数回にわたって、コロナ禍でありましたけれども、意見交換をされてきました。適切な時期というのが明確に示されていません。これまで、この委員会のみならずほかの委員会でもやってきましたけれども、二年後の夏には敷地内での保管が、タンクがいっぱいになってしまう、いろいろなことを考えても準備に二年はかかる、本当はことしの夏には判断しなきゃいけないということは経産大臣も言っていました。でも、もう冬です。まだ決定がされていません、どうするか。先日ちょっとお伺いしたら、まだまだちょっと余裕があって、時間の、明確に夏でなくても大丈夫だったんだということも聞きましたけれども、いずれにせよ、二年後の夏、一年半後には敷地内がタンクで埋まってしまうという状況に変わりはないわけですけれども。

 今後、これまでも意見交換をやってきましたけれども、具体的に、適切なタイミングというのは、あと何回やれば適切なタイミングなのか。私は、関係者の納得がいかなければ、御理解をいただかなければ、これは海洋放出はできないというふうに思っています。責任を持ってと言うけれども、理解をしてもらうことが責任です。納得感がない中でただ決断をしてしまうことは、これは責任ある態度ではありません。

 そういう観点から、あと何回やるんですか、具体的に。適切な時期というのは、何回やれば適切な時期になるんですか。そして、理解者がどの程度ふえたら、それは適切な時期なんですか。お伺いいたします。

江島副大臣 お答えします。

 まず、このALPS処理水の取扱いに関しましては、これまで大変丁寧に議論を重ねてきているところであります。ALPS小委員会におきましては、もう既に六年以上にわたって専門家による検討を行いまして、本年二月には、御案内のように、科学的知見に基づく報告書というのが取りまとめられたところであります。

 それ以降でありますが、立地自治体あるいは農林水産業の関係者を始めさまざまな方々と、延べでいうと数百回に及ぶ意見交換を行っているところであります。また、四月以降でありますが、経済産業副大臣を座長といたしまして、御意見を伺う場というものを七回開催をしております。これには、地元関係者等、合計二十九団体、四十三名の方から意見を伺ってきたところであります。

 このようにたくさんの御意見をいただいているところでありますけれども、このような機会を通じて、まず、この処理水の安全性、あるいは処分に伴う風評影響への懸念、これがございます。それから、国際社会や消費者への情報発信の必要性、そして、復興の進展のためにタンクの継続保管は望まない等の貴重な意見をいただくことができました。

 これをもとに、十月の二十三日に廃炉・汚染水対策チーム会合を開催をいたしました。これまでのいただいた御意見に基づいて、これを整理を行いまして、この議論を踏まえて、風評対策あるいは国内外への情報発信のあり方などの議論を、関係省庁間で今議論を丁寧に深めているところでございます。もちろん、このチーム会合以降も、消費者団体を始めさまざまな方々への説明会、意見交換も継続しているところであります。

 今後のことでありますけれども、敷地が逼迫しているというのはもう先生御案内のとおりでございます。いつまでもこの方針を決めずに先送りすることはできません。したがいまして、丁寧な議論とのバランスをとりながら、適切なタイミングで、政府で責任を持って結論を出していきたいと思います。

小熊委員 具体的に客観的に、その適切なタイミングというのは何ですか、それを聞いているんですよ。丁寧に丁寧にと言っていますけれども、時間は迫っているわけですよね。継続保管は望まないというのはほんのわずかですからね。それで鬼の首をとったように、今の説明はちょっと許しがたいんだけれども、定量的にどうなのか。丁寧にといったらどこまでも丁寧にやってもらわなきゃいけない、納得者が出るまで。納得していない人がほとんどなんですから。どういう基準で、それ、丁寧になんですか。再度お願いします。

江島副大臣 これは、今申し上げましたが、もう敷地が逼迫をしております。ですから、いつまでも先送りできないというのは事実であります。

 丁寧な議論というのは、これはもう絶対条件でありますけれども、その中で適切なタイミングというものを政府としてはかりまして、早急に責任を持って結論を出したいと思います。

小熊委員 これは多分出てこないんでしょうけれども。

 責任を持ってというのは、先ほど言ったとおり、どういう自覚があるのか。これは、私は納得者が出なければ、責任を持つということに、見切り発車してはいけないというふうに思いますよ。その辺の感覚についてはどうですか。

江島副大臣 納得ということに関しては、これはしっかりと政府が状況説明、あるいは科学的な説明を行っていくということが私どもの考える責任あるスタンスというふうに考えます。

小熊委員 科学的スタンスは、もちろん科学的根拠を示すのは大事です。先ほど玄葉委員のもありました、ほかのトリチウム水とどう違うのか、同じであるということでありましたけれども、風評被害というのは、そういう科学的根拠ではなくて、また違った意識が働きます。先ほど公明党の高木委員も言っていましたけれども、風化との闘いもあります。

 これまで風評被害については、政府始め、また地元の関係者、関係各位の努力によって改善されてきた部分もあります。きょうの委員会でも、海外の輸出規制が緩和されているとも聞きました。

 だけれども、農林水産物のほとんどが、香港、二位が今中国、アメリカ、台湾、韓国、この五つの国と地域で七割ぐらいを占めているわけですよ、実際、日本の。四分の一ぐらいがもう香港ですけれども、香港は、それは真珠ですからね。この五カ国・地域の中にも米や牛肉は入ってこないんですね、日本酒等あったりしますけれども。

 結局、やってきましたが、そのとおりです。消費者庁の、一年に二回やっていた消費者の意識調査は、今一年に一回ぐらいになっていますけれども、福島のものだから買わないというのは一割ぐらいになっています。でも、東北全体でいうと六パーなんですよね。東北全体は六パーなのに、福島が一割です。この差をどう考えるかです。と同時に、検査をしているというのは知らないという人が、この調査を始めた平成二十五年は二割ちょっとだったんです。今どのぐらいあるかわかりますか、検査を知らないという人。五〇%近いんですよ。直近のデータでは四六・九%です。科学的知見が広がっているとは思いますが、その結果、風評被害はなくなったということではないです。

 今委員長の根本委員長が大臣のときにいい本をつくりましたよ、リスクコミュニケーション。その結果こうなっているのかというのは、この消費者庁のデータを見ると、そうでもないなというところがあります。風評被害というのはそういう心理的な人の感覚の部分ですから、非常に面倒くさい。

 今、消費者が一割ぐらいしか福島のを避けていないと言っていますけれども、先日、JA関係者の陳情を受けましたけれども、そういう意識よりもやはり売れていない、輸出も魔法のつえでもない、そういう話も聞きました。政府のやっている風評被害対策、東電さんもやってもらっているけれども、インターネットでやったり、その規模が小さい、それぞれ納得がいっていない。

 せっかく東電に来ていただいていますから、必ずしも、東電さんもそれは風評被害対策はいろんなことをやっていますけれども、実はそれ、効果的だという納得感がないんです。そのことについてどう認識して、今後どうするのかをお答えください。

文挾参考人 お答えさせていただきます。

 風評被害を最大限抑制するための方策といたしましては、今後もまずは廃炉を安全確実に遂行いたしまして、その情報を今後も迅速、正確にお伝えすることがまずは大事だというふうに考えます。

 その上で、当社といたしましては、二〇一八年一月に風評被害に対する行動計画を策定をいたしまして、同年二月に福島県産品の流通促進に取り組む専門組織を立ち上げまして、首都圏の小売店、飲食店における福島県産の農林水産物の流通促進に取り組んでまいりました。

 加えまして、ことしの七月からは、首都圏のみならず、福島県内の地元のスーパーでございますが、そこでも活動領域を拡大してございまして、十月末の時点で、販売促進イベントというのはこれまでに約五千九百日実施してございます。今年度につきましても延べ約一千二百日のイベントを開催することを行っておりまして、消費者の皆様に福島県産品の魅力を再発見していただきまして定番商品として常設していただけるように努力をしているところでございます。

 ただ、先生おっしゃいますとおり、まだまだ足りないということかというふうに思いますが、今後とも、地元を含む関係者の御意見、御要望を伺いながら、それに加えまして協力も仰ぎながら、事故の原因者として、流通促進等の風評対策の深掘りというものを更に実施をいたしまして、関係者の皆様に納得していただけるように、更に更に努力してまいりたいというふうに思います。

 以上でございます。

小熊委員 私も、都内のある百貨店で販売会をやっているのを拝見をしました。でも、福島の魅力発信ではなく、何かやっているなぐらいにしか感じなくて、そういうところを酌み取っていただきたい。やった感だけ出していてもしようがないということですから、さらなる研さんを積んでいただきたいと思います。心は見えないんですけれども、心が入っていなかったなという感じがしました。

 最後に、復興大臣にお伺いしますけれども、トリチウム水、これは経産省所管なんですけれども、ワンストップで復興大臣が全て背負わなきゃいけない部分もありますから。

 経産省の方では、地上保管に関しては、新たな土地を求めるのは相当な時間を要しますといって、実際、地元の人とそういう可能性について当たったことがあるのかというのは、ないという答えが出てきました。大して検討していないんですよ。東電の敷地外のところで保管するに当たって土地を求めるというシミュレーションはしていません。

 やはりこれは、農林水産物だけじゃなくて、科学的に言えばそれは、科学的な根拠を示せば、そのとおりなんでしょうけれども、風評被害対策というのはちゃんとなされていない。これまで努力したけれども、やはりどこか残ってしまっている。この対策が打てていないから心配なんです、みんな。

 なおかつ、いろいろレクを受けるいろいろな関係者、官僚さんも含め、福島の海は幾つかの海水浴場がオープンもしていますけれども、そこは大臣が答えることはありませんが、じゃ、海洋放出した後にかわいいお孫さんを連れて海水浴に来られますかという話をすると、大臣だけじゃなくて、ほかの人もそれは言葉に詰まりますよ。ほかの原発のトリチウム水を流しているところの海水浴場は行くけれども、じゃ、海洋放出した福島の海に来ますかと言ったら、経産省の役人も言葉に詰まっていましたよ、子供を連れてくるかと言ったら。そういうものなんですよ。

 それで、大臣、このトリチウム水の扱いについて、最後、一言。大臣、どう考えますか、これ。科学的根拠を示すだけじゃ済まないんですよ。あと十二、三年ため続ければ半減期を迎えるんですね、トリチウム水は。そういう選択肢も本気で考えなきゃいけないんじゃないですか。大臣、どうですか。

平沢国務大臣 この問題は経産省の所管でございまして、いずれにしましても、これは非常に難しい問題で、経産省が専門的見地から、専門家としての見地からいろいろと検討されてこれから対応を考えていかれることと思いますので、それに従いたいと思います。

小熊委員 専門的見地じゃなくて、福島の心にどう寄り添うかですよ、福島出身の大臣。それがなければ、大臣である意味はありません。

 以上で終わります。

根本委員長 次に、階猛君。

階委員 立憲民主党の階猛です。

 平沢大臣、よろしくお願いいたします。

 また、前大臣の田中先生も筆頭として引き続きこの場にいらっしゃるということなので、きょうは、田中復興大臣時代に御答弁いただいたことなども踏まえまして、いろいろと御質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、今回、大臣所信の中で次のようなくだりがありました。「人口減少等の地域課題の解決に向け、企業、大学、NPO等の多様な主体の連携を促進」という表現ですが、これは具体的に何をするものなのか、大臣、お答えください。

平沢国務大臣 東日本大震災からの復興に当たっては、原状復帰にとどまらず、震災前から抱えている人口減少等の地域課題を解決して、活力と魅力あふれる地域の創造を目指すことにしております。

 このため、被災地での活動を行う企業、NPO、自治体等の取組を新しい東北の創造に向けた取組と位置づけまして、きめ細かなハンズオン支援や情報発信等により、コミュニティー形成、産業、なりわいの再生に取り組んできたところですけれども、これからも取り組んでいきたいと考えております。

 復興庁としては、これまでの取組を通じて蓄積したノウハウを被災地内外に普及、展開するとともに、継続的な支援を必要とする地域や事業者に対し、復興状況等に応じて重点的に支援を実施していきたいと考えております。

階委員 これまでも取り組んできたことを更に進めていくということなんですが、では、これまでの取組の成果を伺いますけれども、人口減少等の地域課題を解決する上で、移住者がどうなっているかとか復興支援員の定着率はどうなっているかということをお尋ねしたいと思います。

平沢国務大臣 被災の市町村ごとの移住者数については、各自治体において地方創生の総合戦略を策定するに当たりまして、それぞれの把握の仕方により目標を定め、数値を把握しているものと認識しております。

 復興支援員の定着率については、総務省の調査によれば、令和二年三月末までに任期を終了した支援員のうち、県外から来た支援員の約六割が同一又は近隣の市町村に定住しているところと聞いております。

階委員 移住者数については市町村ごとに把握しているということなんですが、被災自治体、そんなに数は多くないわけで、そういったところにヒアリングすればすぐわかる数字ですよね。

 かつ、私、三月十日のこの委員会で、やはり前大臣も移住者数を答えられなかったんですよ、ちゃんと調べて答えるべきではないかという話をしたら、「御指摘の点は私どもも受けとめてまいりたい」と、ちゃんと答えているんですよ。

 いまだに把握していないということはどういうことなんですか。やる気がないんじゃないですか。把握しようと思えばできる数字でしょう、今の話からすると。何で答えられないんでしょうか。お答えください。

平沢国務大臣 私たちが県から聞いた数字でいいますと、岩手県は……(階委員「県じゃなくて、被災市町村ごとに聞いていますよ」と呼ぶ)いや、今手元にあるのは、これは県のあれなもので。(階委員「それは、この間もそうだった。通告していますよ」と呼ぶ)ここにあるのは県で、市町村のやつは、恐らく事務当局がまだ集計していないんだと思います。

 いずれにしましても、大変申しわけございません。これは、私の責任で、必ず至急やらせます。

階委員 これは、三月にも同じことをやって、答えられなくて、当然調べていると思ったんですよ。やる気が全く感じられないんですね。かつ、そのとき、三月十日には、まさに移住者をふやすということについてお尋ねしたところ、移住者をふやすための取組というのは一番重要なことだと前大臣はお答えになっていたんですよ。にもかかわらず、現在、移住者はどうなっているのか、実態も把握していないと。

 どういうことなんですか。全く前大臣から引継ぎがされていないのか、それとも役所の皆さんにやる気がないのか。これは大問題だと思いますよ。

 復興を進めるに当たって、去年の暮れに基本方針というのが新しく出ましたよね。これも大臣、これはさすがにお読みになっているかと思うんですけれども、その基本方針の最初の方に、「コミュニティを再生し、持続可能で活力ある地域社会を創り上げていく。」ということをきちんと書いているわけですよ。まさにその持続可能な活力ある地域社会をつくる上で、この移住者をどうやってふやしていくのかというのは大事な課題ですよ。

 前大臣が一番重要なこととおっしゃったことについて現状把握すらしていない、これは大問題で、ぜひ、平沢大臣のリーダーシップで、至急現状を把握していただけませんか。もう一度答弁をお願いします。

平沢国務大臣 都道府県もありますし、資料を見てみますと、細かい市町村別のものもあるようですので、ただ、それの集計とかそういったのは、データとしてまだちょっと、今ここの手元にありませんので、そこは、私の責任で、早く集計して、それで先生のところに届けさせていただきます。

階委員 三月に質問していてこのありさまですからね。私は愕然としましたよ、正直言って。これは、大臣、しっかりお願いします。

 それで、移住者をふやす上で、きょう資料をお配りしていますけれども、事業復興型雇用確保事業、これは制度要求になっていますけれども、これをぜひ活用すべきではないかということも、三月十日に、私、前大臣にお尋ねしました。そのときの前大臣の答弁は、本当に実の上がるようにしなければならないということで、賛同を示されたわけですよ。

 実の上がるようにしなければならないという中で、私は、この雇用促進事業、雇用される側が、今の仕組みだと被災地域内の方しか雇用の対象にならないんですが、そういった方を雇用して初めて補助金が出るわけなんですが、それだと移住者に対しては適用がなかなか難しいわけですね。なので、移住されるような方を雇用される場合もこの補助金が出るような仕組みにすべきではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。

平沢国務大臣 お尋ねの事業復興型雇用確保事業については、職を失った被災者の生活を維持し、求職者を救済する趣旨から、被災者に限定することは目的に沿った適切なものと思料しております。

 人口が著しく減少した被災地への対策として、本事業の枠組みを変更すべきとの委員の御指摘でございますけれども、産業育成や地方創生など幅広い施策でどのようなものが適切かをよく検討した上で対応すべきではないかなと考えております。

階委員 まさに事業復興型という中で、NPOも、移住者をふやしたりとかコミュニティーを活性化するためのいろいろな事業をしているわけですよ。そうしたNPOが雇用をふやした場合にも適用されるべきだと思うんですが、この点について、NPOには適用があると聞いていますけれども、間違いないですか。

平沢国務大臣 移住や雇用の促進に当たっては、地域に根差したNPO等の多様な主体と連携して取り組むことが重要でございます。

 被災地においても、移住や雇用の増加に資する取組を展開するNPO等に対して、地方創生推進交付金による支援が可能でございます。

 復興庁としては、復興局における地方創生政策の相談窓口機能の強化を図り、当該交付金を始めとする地方創生政策のさらなる活用に向けた連携を強化しております。

 こうした政策によりまして、地域の魅力を知るNPO等の活動支援を含め、持続可能な地域社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。

階委員 今、事業復興型雇用確保事業の話をしているんですよ、今の制度の話を。この中で、雇用する主体がNPOの場合であっても、この補助金は得られるのかどうかということを聞いています。これは、きのう、事前レクのときに確認しているところなんですけれども、改めて大臣に確認します。

平沢国務大臣 NPOは対象外だそうです。(階委員「対象外。ちょっと待って。対象外ですか。きのう聞いたのと違うんだけれども。ちょっととめてください」と呼ぶ)

根本委員長 速記をとめて。

    〔速記中止〕

根本委員長 速記を起こしてください。

 平沢復興大臣。

平沢国務大臣 今確認しましたら、やはり対象外だそうです。

階委員 外。ちょっと待って。いや、やはり、大臣、まずいですよ、復興庁。これは、きのうメールで確認しているんですよ、一応、質問する前に。事業復興型雇用確保事業における事業主はNPO法人でも対象となるのかという問いに対して、お問合せの件につきましては、NPO法人であったとしても、雇用保険の適用事業所であり支給要件を満たせば対象となりますとちゃんと答えているんですよ。何で対象外になるんですか。どうなっているんですか。

 ちょっととめてくださいよ。整理してくださいよ。

根本委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

根本委員長 速記を起こしてください。

 平沢復興大臣。

平沢国務大臣 大変失礼しました。

 正確には対象外か何かはっきりしませんので、これは一旦引き取って、後にまた報告させていただきます。(階委員「ちょっとそれはおかしいよね。今、整理させてくださいよ」と呼ぶ)

根本委員長 時計をとめてください。

    〔速記中止〕

根本委員長 速記を起こしてください。

 平沢復興大臣。

平沢国務大臣 大変済みません。申しわけございませんでした。

 雇用保険の適用される事業所であれば対象となるということだそうです。

階委員 なるんでしょう。だから、さっき大臣が答える前に後ろで言っていた人は何だったんですかね。

 私は確認のために聞いたんですよ、きのうもらっている答弁。それでこうですからね。大臣、まずいですよ、復興庁、組織として。もうこの委員会も成り立たなくなりますよ。

 大臣、本当にこれは最近私も思うんですけれども、復興庁は全然司令塔の機能を果たしていなくて、何か質問するたびに、ちょっと私ではわからないので担当の厚労省に聞いてみますとか国交省に聞いてみますと。何のためにこれだけの組織があるんですかね。今のなんかは最たるものですよ。きのう聞いたことときょう話すことが違うなんて、あり得ないですよね。わかっている人がいないんじゃないですか、復興庁の中に。大丈夫なんですか、本当に。

 これは、被災地に対して失礼きわまりない。何が被災地に寄り添うですか。全く寄り添っていないですよ。司令塔の機能を果たすんだったら、ちゃんと皆さん勉強してこの場に臨んでくださいよ。大臣、ぜひそこを徹底してください。

 その上で、私、陸前高田市に先日行ってまいりまして、NPOの方々、五つぐらいの方から活動状況を伺いました。移住者をふやしたり、交流人口や関係人口をふやしたり、あるいは復興支援員や地域おこし協力隊が定着しやすいようにコミュニティーに溶け込むためのいろいろな仕事をされているということで、このNPOの皆さんというのも、復興によっていろいろつくられてきたインフラと同じように、地域にとって極めて重要な財産だというふうに私は認識しました。

 そういう中で、コロナ禍もあり、そうした交流人口をふやすとか関係人口をふやすとか、そういった事業からNPOも収益を得ているわけですが、そういうことが難しくなってきているわけですよ。ただ、こうした活動をしている貴重なNPOをここで途絶えさせるわけにはいかないというふうに思っています。被災地の移住者や雇用者をふやしたり、復興支援員や地域おこし協力隊の定着率を高めるためにも、NPOの活動をもっと支援すべきではないかと思います。

 これは、後ろからまた変なことを言われるとあれだから、大臣の言葉で、NPOの支援について思いを聞かせてください。

平沢国務大臣 NPOの方が全国で頑張っているということは、この前、私、全国の拠点で頑張っている方とお話をして、痛切に感じたところでございます。

 そういったNPOの方が被災者のいろいろなお世話をしてくださっているわけでございまして、こうしたNPOの皆さん方に対する支援というのはこれは当然のことで、私たちがこれをもっと、NPOの現場で頑張っている方が余り苦労をすることがないように、できる限りのお手伝いはさせていただきたいと考えております。

階委員 その上で、最初の話ですけれども、この事業復興型雇用確保事業、移住されている方に適用がなかったりとか、あるいはNPOの場合に本当に使えるのかどうか、何か今も中途半端な答えをされていて、あんな答えを国会でするようだと、NPOの皆さんにはこれは本当に使えるんだろうかという疑問を持たれるわけですよ。NPOの皆さんにもちゃんと要件を満たせば使えるんだということも示した上で、かつ、制度的にも、移住者をふやすためにもっと使い勝手がいいようなものにしていく、これも大臣のリーダーシップでお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

平沢国務大臣 NPOの皆さん方に、使いやすい、そして本当に喜んでもらえる制度にするのは当たり前のことでございまして、そこはNPOの皆さんに対する広報も含めてしっかり取り組んでいきたいと思います。

階委員 十年の節目を迎えるに当たって、来年の四月からは、岩手の復興局は釜石に移り、宮城の復興局は石巻に移る。より被災地に近いところに行くわけですね。

 大臣も所信でおっしゃっていました。残された課題について、被災者に寄り添い、地域の実情に応じて、きめ細かい対応をしていくということをおっしゃっていました、最初の方で。

 まさに、そういった、寄り添って、きめ細かい対応をするというのであれば、復興庁が率先して、職員の被災地への居住とか、そして、居住した上でテレワークを進めていくとか、こういうことに取り組むべきだと思いますよ。復興庁の職員が被災地に居住してテレワークを行うことによって、被災地域にとってもプラスになるでしょうし、復興庁にとってもプラスになるでしょうし、日本全体にとっても、これから地方分散社会をつくっていく、あるいは、課題先進地と言われている被災地でいろいろなことを官僚の皆さんが学ぶ、これは日本にとってもいいことです。

 被災地にとっても復興庁にとっても日本にとっても、復興庁が率先して被災地への居住とテレワークを進めるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

平沢国務大臣 被災地に親身に寄り添うという点について言いますと、来年度には、岩手復興局そして宮城復興局をそれぞれ沿岸域に移設し、残された課題に積極的に取り組んでいくことを予定しております。

 さらに、本庁職員も、コロナ禍の中、被災地関係者の理解が得られる範囲で、感染拡大防止のための措置をとりながら、被災地への出張を継続しているところでございます。また、必要に応じ、テレビ会議システム等を活用して被災地としっかりコミュニケーションをとっているところでございます。

 ただ、今委員の御指摘のところも踏まえまして、そういったことも今後検討に入れていきたいと思いますし、いずれにしろ、被災地との意思疎通を図り、実情をしっかりと把握しながら、復興のさらなる加速化に全力を尽くしていきたいと考えております。

階委員 実は、陸前高田もそうですけれども、区画整理でかさ上げした土地についてはまだまだ活用が進んでいないんですね。マッチングということも今復興庁やられているようですけれども、きのうその実績をお聞きしましたところ、売りたい、貸したいという希望者の案件が、土地の筆数でいうと千百五十八件ぐらいあるそうなんですけれども、その中で、まとまっているのが二一%ぐらいだと。あるいは、面積ベースでも二二%ぐらいしかまとまっていないということのようなんですよ。

 こうした被災地の実情をつぶさに見ていただいて、どうやったら被災地を活性化していけるかということを、まさに、大臣も同じ所信の最後の方にもおっしゃっていました、復興の司令塔として、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、引き続き、一日も早い東日本大震災からの復興に全力で取り組んでいくということをおっしゃっているわけだから、ぜひ、本省にいて何かよくわからない各役所との連絡役をするんじゃなくて、現場にまさに常住して、被災地に寄り添うような現場主義の仕事をしていただきたいと思っています。

 大臣、最後にその点、決意をお尋ねします。

平沢国務大臣 今の委員の御指摘の点は、私と全く考え方は同じでございます。

 これは現場を見ないで語ることなかれで、現場を見ないでただ、オンラインが普及したにせよ、やはり私は、直接行って、直接見て、直接肌で感じて、直接聞いたことで私たちは仕事を進めていかなければならないと思います。現場主義というのはそういう意味でそちらの、私のあれの中に書かせていただいたわけでございまして、その現場主義を更に徹底するよう、これからしっかり取り組んでいきたいと思います。

階委員 きょう御提案申し上げたこと、大臣のリーダーシップでなるべく早く前に進めていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

根本委員長 次に、岡本あき子君。

岡本(あ)委員 立憲民主党の岡本あき子でございます。

 質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。

 あと三カ月で震災から十年になろうとしています。この間、災害復旧復興に御尽力いただいている全ての方に感謝を申し上げたいと思います。

 私からも、今までの質疑を拝見させていただいて、ぜひ平沢大臣にお願いをしたいと思います。全閣僚が復興大臣なんだと菅総理はおっしゃいました。そのトップには、復興に関してはやはり平沢大臣がいていただいて、各省庁に対して司令塔の役割を果たす、そういう思いで取り組んでいただきたいと思いますし、きょうの質問でも触れますが、やはりNPO、こういう外部の力をおかりする、これは非常に、東日本大震災の多くの犠牲を払った中でも、貴重な財産を得ておりますので、この取組を心にとめておいていただきたいと思います。

 十年を前に、宮城県、岩手県では全ての仮設住宅が解消され、恒久的な住まいに移られる予定です。住宅のハードは整いつつありますが、新たなステージでもさまざまな課題があり、切れ目のない支援がまさに必要です。

 先日、我が党の枝野幸男代表とともに、仙台市の太白区緑ケ丘の宅地被害集団移転跡地、そして、仙台市あすと長町地区の復興公営住宅に伺い、入居者の方、支援されている方々と意見交換を行いました。

 あすと長町地区は、入居して五年です。JR、地下鉄、商業施設に近接した利便性の高い環境であり、一見、快適に暮らしているように見受けられますが、しかし、この間、海辺の一戸建てに住まわれて、その後、雑魚寝の避難所の生活、プレハブの仮設住宅を経て、突然、高層の集合住宅に住まうことになり、鉄の扉で隔たれたふなれな生活を今なお続けていらっしゃいます。しかも、震災から十年近くたち、皆さん十歳、年を重ねています。

 ちょっと持ち時間が少ないので、最初に言いたいことを言っちゃいますが、私からは、特に復興公営住宅において、地域コミュニティー、心のケアが大切だということ、その中でも、支える世代が入居者の中にいてくれる大切さという点、もう一つ、先ほど申し上げました外部のNPO等の支援団体と入居者がつながる、こういう点が非常に大事なんだと思っております。

 平沢大臣の所信にもございましたが、新たなステージに向けた課題として、地域コミュニティー形成、心のケアの必要性という言葉がございました。具体的にどのように強化をされるおつもりか、大臣に伺います。

平沢国務大臣 災害公営住宅に転居された方の中には、ひとり暮らしとなった高齢者の方が少なくなく、孤独死を防止するためにも、日ごろから孤立防止やコミュニティーづくりが極めて重要となってきます。

 このため、自治会の形成支援や交流会の開催などのコミュニティー形成支援とか、あるいは生活支援相談員による高齢者等の見守りの実施、それから心のケアセンターにおける保健師等による相談支援、こういった自治体の取組を幅広く支援させていただいているところでございます。

 さらに、孤独死防止のため、団地住民や社会福祉協議会等の関係者の連携を一層密にしていく取組も進められておりまして、復興庁としても、こうした取組を支援していきたいと思います。

 私も福島県南相馬市の復興公営住宅である北原団地を訪問しまして、そこで住民の方々とお話ししてきましたけれども、その住民の方々が言っておられたのは、やはり地域で仲間が欲しいと。そういった、ふだん心置きなく相談できる人が欲しい、こういった声でございました。こうした声にしっかりと応えていきたいと思います。

岡本(あ)委員 孤独死、私、資料二につけさせていただきましたが、残念ながら、仮設住宅での孤独死を超えて、私は復興公営住宅と宮城の場合は言わせていただいておりますが、いわゆる制度でいきますと災害公営住宅、ここでの孤独死が上回っているという状況です。

 住宅内での、地域コミュニティーの形成に努力いただいているという御答弁でしたが、私は、支える側の世代というところも非常に重要なんだと思うんです。

 残念ながら、震災から十年たって、被災されて直後のときにまとめてくださっていた方が、もう七十代後半、八十代に入って、災害公営住宅、復興公営住宅に入居された。それで、さすがに、ちょっとこれからはもう勘弁して、次の世代にという思いを持っていらっしゃる方々が非常に多くいらっしゃいます。

 ところが、ちょっとこれは仙台の事情もありますが、若い世代の方々、収入超過で三年たつと退去を求められます。あるいは、近隣と同じ、民間住宅の家賃相当を払えという事情が出てきております。

 仙台は、復興公営住宅、沿岸部のところからなるべく離れたところに住まざるを得ないので、なるべく交通の便がいいところ、病院とかが近いところ、あえてそういうところに復興公営住宅を建てたがために、今まで三万円だった家賃が、収入超過になった瞬間から十五万にはね上がるという事態が起きております。あるいは、お子さんが就職をしました、収入超過になりました、なので来月からは十四万ですとか、そういう事態が起きていて、残念ながら、若い世代の方が復興公営住宅から退去せざるを得ないという状況が起きています。

 制度として、この収入超過の要件という部分が公営住宅と同じ制度に乗っておりますけれども、復興公営住宅という特殊な目的のためにつくられた住宅として、この極端な、収入超過、払えない場合は退去をしていただく、こういう流れになっているということについて、いかがお考えでしょうか。

 これは当局の方が制度を説明してくださるんですかね。じゃ、当局の方にお願いします。

石塚政府参考人 災害公営住宅の収入超過についてのお尋ねでございました。

 災害公営住宅の入居者資格あるいは家賃等につきましては、各自治体が条例でもって定めるとなっております。地域の実情に応じて各自治体が一定の範囲内で入居資格について柔軟に設定する、あるいは、家賃につきましても、柔軟に設定をすることによって若い世代の入居等をしやすくする仕組みになっております。

 その中で、委員からも御指摘いただきましたけれども、各自治体それぞれ、地域の民間賃貸住宅などの地域の住宅事情、あるいは公営住宅に対する応募状況、こういったものも踏まえまして適切な対応を図られているというふうに認識をいたしております。

 そういう中で、今御指摘をいただきました、あすと長町住宅等々も含めまして、被災地の中には、公営住宅の応募倍率が十倍を超すような大変高い倍率になっているようなところもございます。非常に公営住宅への入居ニーズが高い状況にあるという中で、やむを得ずさまざまな考慮事項を判断して基準を設定されているんだろうなというふうに思います。

 そういう中で、結果として、公営住宅の収入超過者に割増し賃料を負担いただくことが適当であると判断しているところがあるというふうに承知をいたしております。

 そういった点も我々よく注視をいたしまして、引き続きその動向を見てまいりたいというふうに考えております。

岡本(あ)委員 ぜひ、この制度を、大臣、心にとめていただきたいと思うんです。

 自治体で条例をつくれるとなっていますけれども、例えば、これは、家賃低廉化事業の関係だと二十年、補助を出すから制度としてやっていいよと国が示しています。ところが、収入超過に関しては三年、国は三年、公営住宅の法律に基づいたことしかやっていないんですね。例えば、これは、じゃ復興公営住宅に関しては二十年、考えてもいいよと一言あれば制度が変わる可能性もあるんですけれども、自治体の裁量と言われても、じゃ、財源があるわけでもない。

 それで、公営住宅、いわゆる市営住宅ですね、低所得の方が倍率があるからといって、じゃ被災者が出ていかなきゃいけないのか、これが復興住宅の目的なのかというと、やはりそういう点は考えなければいけないのではないかと思っております。

 自治体の裁量といいながらも、国は公営法に準ずる形の情報しか提供いただけない、それから、二十年というスパンということについては、あくまでも収入超過は三年という基準が国の方針としては出ているということを御理解いただきたいと思います。その点も含めて、どうあるべきかというのを考えていただければと思います。

 例えば、家賃の収入算定に関して、東日本大震災で負った負債、貸付金、こういう部分は、借金を返済しているのであれば、収入が高くあっても相殺をするとか、いろいろな工夫ができるのではないかと思いますが、この点はちょっと当局、いかがでしょうか、算入の件は。

石塚政府参考人 収入算定に負債あるいは借入金を算定、考慮する仕組みはいかがかというお尋ねでございます。

 公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者の方に、低廉な家賃で入居いただくということがまずもって目的だというふうに理解をいたしております。

 その中で、現在の仕組みでございますが、入居者の収入の算定に当たりましては、所得税法の例に準じまして、災害等により生じた資産の損失額を一定期間控除する仕組みは実はとっております。そういう中で、被災者への一定の考慮は、今の仕組みの中でもなされているというふうに理解をいたしております。

 なお、入居者が特に生活に困窮されている場合には、事業主体の判断により独自に家賃を減免することは可能でございます。その旨、平成二十九年の十一月に復興庁から被災三県宛てに通知をいたしたところでもございます。

岡本(あ)委員 先ほど御答弁された件は、雑損控除だと思います。被災して五年間は相殺できるとありますが、五年以内に復興住宅には入居できておりませんので、逆にそこから五年であればまだわかるんですが、そういう、制度のはざまにあるということも御理解いただきたいと思います。

 最後になりますけれども、こういう収入超過の件、要は、若い世代が復興公営住宅にいられないという状況が起きているという点。そしてもう一つは、やはり先日、あすと長町でも伺いました、NPOが支援にかかわっていて孤立させない仕組み。サロン、それから、緩やかなつながりを大切にして、入居者の主体的な活動を下支えしておりました。

 また、近隣の障害者支援の就労支援事業所、リッキークルーズさんが、清掃を提供して、障害者の方と入居者が交流をする、入居者を孤立させない、それから入居者だけの中で終わらせない、そういう仕組みをされていました。伺ったNPOは、つながりデザインセンターさんとおっしゃっておりましたけれども、こういう外部の支援があることで、復興公営住宅の中だけにとどまらない、社会とのつながり、あるいは入居者同士のつながりが地域コミュニティーの形成、心のケアにもつながっていくと私は確信をいたしました。

 改めて、このNPOとか外部の団体がこういう復興公営住宅のケアにかかわることの大切さ、そのためには予算が必要なんです。残念ながら、被災者支援総合交付金がこういうところに充てられると思うんですが、年々予算が減額しています。これは、仮設住宅にかかわる部分が減額しているのはわかるんですが、復興公営住宅にかかわる部分は逆にどんどん増額していくぐらいの思いで予算確保も取り組んでいただいて、こういう外部の支援を受ける、それから、入居者の方々の家賃に関しても支えられるような仕組みに使えるように予算を確保していただきたいと思います。

 最後に、大臣にお伺いします。

平沢国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、オンラインで、この前、全国の拠点でNPOの方が頑張っておられて、その生の声を聞かせていただきまして、こうした方々の御支援のおかげでどれだけ助かっているかわからないわけでございまして、そのNPOの皆さん方が働きやすいような環境、制度づくり、これは私はしっかりやっていかなきゃならないということはオンラインのところでも申し上げたところでございます。

 いずれにしましても、こうしたNPOの方々には、自治会の形成支援や交流会の開催とか、あるいは生活支援相談員による見守りとか、幅広く支援をいただいているところでございまして、これからも、こうしたNPOの皆さん方にはよろしくお願いしたいと思いますし、そうした方々を私たちはどういう形でバックアップできるか、これもまたしっかり検討させていただきたいと思います。

岡本(あ)委員 ありがとうございました。

 ぜひ、復興庁の大臣として、十年で終わりではなく、更に復興庁の仕事が続き、復興をなし遂げるという決意で仕事に臨んでいただければと思います。

 ありがとうございました。

根本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 年が明ければ、間もなく東日本大震災、原発事故から十年を迎えようとしていますが、新たに顕在化してきたものも含め、課題は山積と感じております。

 その一つですが、防災集団移転のために自治体が買い取った被災跡地の活用について伺います。

 資料の一、被災三県二十六市町村のデータでありますけれども、買取り済み面積二千百二十一・五ヘクタールのうち、現時点で利用予定なしが二八・二%残されています。未利用となっているのは、買い取った公有地と民有地が混在、つまり虫食い状態になっていて活用しにくいというものでありました。

 先日伺った岩手県釜石市は、資料で見ると、未利用が六六・三%残されています。活用計画が決まっていないのに土地の集約はできない、でも、土地がまとまっていなければ計画を描くのも難しい、鶏が先か卵が先かの状態だと市長はおっしゃっていました。

 土地の集約には民有地との交換ということが有効なんですけれども、民有地の所有者側に登録免許税がかかってしまいます。

 そこで、公有地の一体的な利活用のために、民有地と交換した際の登録免許税の免除が今年度までとなっておりましたが、これを延長するなど、利活用を進めるための財政支援が必要と思いますが、いかがでしょうか。

石塚政府参考人 沿岸被災地におきます移転元地の活用に当たりましては、委員御指摘のとおり、公有地と民有地が混在をいたしておりまして、一体的な利用が進められないという課題がございますほか、小規模な土地が点在し、土地利用の方針が定まっていない、あるいは企業誘致に難航しているなど、各地区ごとにさまざまな課題があるというふうに認識をいたしております。

 このため、復興庁といたしましては、効率的な土地の集約化に資する公有地と民有地の交換に関する税制特例措置の延長を要望いたしますとともに、移転元地等の利用に関する計画の策定など、各地区の個別課題にきめ細かく対応するために必要な経費を現在予算要求をさせていただいているところでございます。

高橋(千)委員 まず、税制改正の延長を要望していただけるということでしたので、これはぜひ大臣に頑張っていただきたいと思っております。

 コロナ禍の中で、つい先月二十六日の地元紙の報道でも、仙台市荒浜地区に進出を予定していた仙台スポーツネットワークが撤退すると。それで、仙台市でほぼ一〇〇%近くなっていた沿岸部の活用割合が四割も下がってしまう、そのくらいダメージがあるという残念な報道がありました。

 今、被災地にあっては、今後の活用計画は一層難しくなり、ひいては自治体負担につながると思います。企業立地補助金の延長や、自治体が抱える未利用地の維持管理費など、自治体の負担軽減策が必要と思いますが、大臣に伺います。

平沢国務大臣 沿岸被災地の復興を推進する観点から、移転元地の活用は、令和三年度からの第二期復興・創生期間における重要な課題であると認識しております。

 津波企業立地補助金については、これまでの復興状況等を踏まえ、防波堤建設や土地のかさ上げ工事のおくれ等により産業用地としての整備が完了できない、それから既設の産業用地に仮設住宅や復興工事用資材、土砂等が置かれているといった事由によりまして企業の再建や立地等におくれが生じている地域に対象地域を重点化した上で、企業からの申請期限を四年間、運用期限を五年間延長したところでございます。

 一方、移転元地各地区の課題も地区ごとにさまざまであることから、復興庁としても、土地の有効な利活用とあわせ、その効率的な維持管理の方法についても、自治体とともに検討を進めていく方針でございます。

 その上で、地方創生等の一般施策とも連携し、被災自治体の土地活用の取組を引き続き全力で推進していきたいと考えております。

高橋(千)委員 今後の重要な課題であるということでの認識は共有させていただいたと思いますので、ぜひ大臣のリーダーシップを果たしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。

 では、次に、原発事故の汚染水の問題に移りたいと思います。

 多核種除去設備、ALPSによっても取り除けないトリチウムを含む汚染水について、海洋放出、これを十月末にも決めるということが一旦取り沙汰されたわけですが、決定が延期されました。福島県の世論調査でも七割が反対、パブコメでも自治体決議でも七割が反対若しくは懸念を表明するという中で、やはり押し切ることはできなかったのではないでしょうか。

 五月二十一日の本委員会で、私は、中長期ロードマップに沿って汚染水処理を東電福島第一原発の廃止措置終了までに終了するとの方針について、使用済み燃料やデブリの取り出し、またその保管など、課題も多く、三十年から四十年、いや、それ以上もかかるのではないかと指摘をしました。そのとき、言いたかったことを問いにしていませんでしたので、続きをやりたいと思うんですが。

 今、海洋放出を決めたとしても、準備に最低二年はかかります。すぐ目の前からタンクがなくなるわけではありません。しかも、廃炉は、今言ったように、遠い道のりであります。

 だとすれば、今、結論を出さずに、陸上保管を続けながら、トリチウムを除去する技術の研究開発など、海洋放出ではない方法を追求するべきと思いますが、見解を伺います。

須藤政府参考人 お答えをいたします。

 福島の復興を進めるためには、前提となる福島第一原発の廃炉を着実に進めていくことが不可欠でございます。今後、廃炉に向けて、一、二号機の使用済み燃料プール内の燃料や燃料デブリの取り出しなどの作業を安全かつ着実に進めていく必要がございます。

 このためには、燃料デブリ等の一時保管施設や廃棄物の保管施設などを建設するための大きなスペースが必要となってまいります。既にタンクが敷地を大きく占有するようになっている状況を踏まえますと、廃炉作業に影響を与えない形で、更に貯蔵を延長するためのタンクの増設を続ける余地は極めて限定的であると考えております。

 また、御指摘がございましたトリチウムの分離技術については、国が実施をいたしました実証事業や、あるいは国際原子力機関、IAEAの評価において、直ちに実用可能な技術はないと評価されています。

 引き続き、技術開発の進捗についてはしっかり注視していきますけれども、敷地が逼迫する中で、技術の実用化を前提とする対応が現実的な選択肢になるとは考えていないという状況でございます。

高橋(千)委員 スペースの問題はかねてから言われていると思うんですね。

 ただ、昨年九月二十七日の第十四回小委員会の中でもこのスペースの問題、説明されていますけれども、フランジタンク解体跡地の活用、廃棄物処理作業の進捗などでできる空き地を活用するということを答えているわけですよね。

 ですから、たった今、来年の夏までとおっしゃっているけれども、まだ工夫の余地はあるだろうと、このことは指摘をしておきたいと思うんです。

 また、今お話しされたIAEAのレビューの報告書を見ても、これは確かにそうなんですよ、政府が言っている、まだ今技術が確立していないということは認めつつも、最後にまとめの言葉として、調査団は、早急に健全な処分策を見出すべきとの指摘にかかわらず、日本には引き続き新規の技術や技術開発状況を注視し、仮に将来性のある技術が存在すれば、将来計画に取り入れるべきであると推奨する、これが結びの言葉なんですね。やはり、ここにちゃんとのっとって、さらなる努力を続けるべきだと重ねて指摘をしたいと思います。

 それで、エネ庁にもう一回伺いますけれども、この海洋放出について、四千十一件、実際には一人で何件も書いている人もいますので八千件くらいあったということですが、回答がどのように行われるのか、中身の話ではなくて、いつどのようにして行うのか、それだけお答えください。

須藤政府参考人 お答えをいたします。

 ALPS処理水の処分方法についての意見の書面募集を、本年四月六日から七月三十一日にかけて実施をいたしました。先生御指摘のとおり、四千十一件の御意見をいただいております。

 政府としては、いただいた意見についてはしっかりと受けとめておりまして、十月二十三日に開催をいたしました廃炉・汚染水対策チーム会合で、御意見を伺う場などでいただいた御意見を含めまして、いただいた御意見の整理を行ったところでございます。

 今後、いただいた御意見に対する政府の考え方について、一般のパブリックコメントの対応と同じように、ALPS処理水の取扱いの方針を決定する際にお示しをしていきたいと考えております。

高橋(千)委員 決定する際にって、決定する前に示していただかないと困ります。どうですか。

須藤政府参考人 失礼いたしました。具体的な回答の時期についての御指摘ございました。

 一般のパブリックコメントへの対応等も踏まえつつ、タイミングについて検討してまいります。

高橋(千)委員 ここは、せっかく意見を聞いて、決まったと同時に発表では、発表と同時に決まったよと言っているのはおかしいわけですから、ここはしっかりお願いしたいと思います。

 パブリックコメントの中身については資料の二枚目につけておきましたので、きょうはちょっと時間の関係で紹介だけにします。

 きょうは、東電の文挾副社長に出席をいただきました。ありがとうございます。

 トリチウムの放出について、事故前の福島第一原発は年間で液体約二・二兆ベクレル、気体では約一・五兆ベクレルの放出がありました。事故前ですね。いわゆる放出管理基準は二十二兆ベクレルなのに対し、事故後のタンク約一千基に貯蔵された百二十一万立米のうち、トリチウムの量は約八百六十兆ベクレルにもなるわけであります。

 この処理が今問題になっているわけですが、東電の資料でも、ALPS小委員会の報告でも、トリチウムが国内外の原発からも放出されていることを強調されています。つまり変わりないんだみたいなことが、メッセージとして聞こえるわけです。

 しかし、事故炉を通した水であること、トリチウム以外に六十二種の放射性物質があり、濃度や組成はタンクによって均一ではないこと、タンクの中で有機結合型トリチウムの発生も確認されていること、こうしたことから、通常運転時に放出されるトリチウムと同一視することはできないと思いますが、いかがでしょうか。

文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。

 先生御指摘のとおり、福島第一原子力発電所構内でタンク内に貯留してございます多核種除去設備等処理水につきましては、損傷した燃料に触れた水という点では、通常の原子力発電所で発生いたします液体廃棄物に含まれない放射性物質が含まれております。

 現在貯留をしてございますタンク内の約七割は、トリチウムを除く放射性物質の告示濃度限度比の総和が一以上になってございます。これらの処理水につきましては、今後、ALPSで更に二次処理を確実に実施をいたしまして、放射性物質を告示濃度限度比の総和が一未満まで低減されるなど、通常の原子力発電所で発生いたします液体廃棄物と同様の基準を遵守してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

高橋(千)委員 最初に御指摘のとおりと言っていただきましたので、同じではないと。その上で、総和が、総和というのはつまり原発敷地内から出される放射性廃棄物全部合わせて、一未満をかなえていなければならないという指摘だったと思います。

 もともと、ALPS処理で残るのはトリチウムだけだ、それだけが問題だということが長く言われていて、その後、二〇一八年ごろに、実はほかにも放射性核種があった、その中に基準値を上回っているものも多いということが問題になったわけですよね。今思うと、それは今明らかにされているんですけれども、トリチウム水、トリチウム水と繰り返して言うことで、トリチウムだからさほど問題はないと言いたかったのかなと、逆にそういうことを思っちゃうんですね。

 この間、汚染水の処理タンクでは、液漏れ、さび、硫化水素の発生などのトラブルが続いてきました。そういうトラブルを通して、トリチウムの生物影響についても、二〇一八年の十月、第十回小委員会でも話題になっているんですよね。既に公聴会でこの意見が出ている。有機結合型トリチウム、あるよねという意見が出ています。それに対して、東電の返事としては、実際にはいろいろな化学物質が出ていますと。タービン建屋を通ってきたので、油とかほかの化学物質とか、あるいはバクテリアのようなものとかも、何年にもわたってためているんだと。それを確認する必要はあるけれども、今の段階で気をつけなきゃいけないというところは、今のところはないと言っているんですよね。何か、あれっと思って。これはALPS万能じゃないと思うんですよね。

 つまり、六十二の核種については規制委員会の許可をもらっています。ただ、それ以外の生物影響、有機結合型も含めて、さまざまな問題についてきちんと答えている、あるいは把握しているとまで言い切れるんでしょうか。もう一言、お願いします、東電。

文挾参考人 御質問ありがとうございます。

 先生御指摘のように、六十二核種が、通常以外の核種が、基本的にはトリチウムと一緒に含まれております。それ以外にも、当然ながら、油とかいろいろな、さびとかも発生をしてございますが、今先生からも御説明ありましたとおり、現状では影響がないというふうに考えてございます。

 以上でございます。

高橋(千)委員 現状ではというのは、全然その根拠にはならないと思うんですよね。ですから、そのときの委員会には、各タンクの濃度の中身とかも出されています。それから、昨年の九月だったと思いますが、硫化水素についての具体的なデータも出されています。ただ、それが毎回出されているわけではないので、ちゃんと手のひらに乗っているかということでは、ちょっと不安があります。その点をちゃんと明らかにしなければ、今、何かトリチウムだけの議論をしているように思うけれども、それだけではないんだというメッセージをちゃんと言っていかなければならない。このことを指摘したいと思います。

 きょうは更田委員長にも来ていただいておりますので、ちょっと次に進みたいと思います。

 原子力規制委員会の更田委員長は、現実的と考えられるのは唯一海洋放出である、このことを早くからコメントをしていらっしゃったと思います。二十一日の記者会見でも、モニタリングをはかっていくんだと。まあ、風評被害の対策だと思うんですけれどもね。実際には、ND、つまり検出限界ということで、ほぼ影響を無視できるということを述べていらっしゃると思うんですね。

 ただ、私は、一科学者として個人の見解を述べるのはそれは自由だと思いますけれども、規制、監視する側の人間がここまで踏み込んだ発言をするのはやはり問題ではないかと思います。いかがでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えをいたします。

 処理済み水をタンクに貯留し続けた場合、福島第一原子力発電所内の敷地が逼迫するなど、今後の廃炉作業に悪影響を及ぼすことが予想されるため、速やかに処分が行われる必要があると考えております。

 これまでの実績等を踏まえると、必要な希釈を経た上での海洋放出が最も現実的な手段であり、規制基準を満足する形で実施される限り、科学的、技術的観点から、人の健康や環境への影響は考えられないと認識をしております。

 原子力規制委員会としましては、科学的、技術的な観点から見解を表明し、社会に向けて発信していくことは、規制当局の責任の一つであるというふうに考えております。

高橋(千)委員 正直、そこまで言うかと思ったんですけれども、結局、さまざま、丁寧に説明しますとか、議論を重ねて、公聴会をやって、いろいろ言っているけれども、最後にチェックをする人がもう結論を言っちゃっている。もうこれは予見性を与えているんですよ。これがいいのかということは、やはり言わなきゃいけないですね。

 さっき紹介した第十回のALPS小委員会でも、実は、委員の皆さんの中から、更田規制委員長の発言が問題になっているんですよね、御存じだと思いますが。規制委員会が決めた基準、ALPS処理水が一未満というのを満たすことを要件としているにもかかわらず、最後は放出するときに薄めるんだから、薄めるときに満たしていれば大丈夫と委員長が言ったと。こうやって、余りにも人騒がせじゃないかという指摘までされているんです。やはりそれは自覚をするべきではないでしょうか。

 そもそも、基準がどうなのか。基準、基準といいますけれども、事故炉に対して総量規制を取っ払ってしまっていること、原発よりも、先ほど玄葉委員の質問に対して、再処理工場はもっと高いからという何かすごい答弁がございましたけれども、数万倍も高い濃度のトリチウムを放出すると言われている再処理工場には、濃度基準さえないんですね。つまりは、認めるためにはダブルスタンダードが存在しています。

 そういう点で、規制委員会が求められる役割を果たしているとは到底言えない。このことを指摘して、改めて、海洋放出は認められない、このことを述べて終わりたいと思います。

 以上です。

根本委員長 次に、岸本周平君。

岸本委員 国民民主党の岸本周平でございます。

 本日は、質問の機会を与えていただいてありがとうございます。

 午前中の審議でありますけれども、私も、玄葉委員、小熊委員、そして先ほどの高橋委員と同様に、ALPS処理水の問題について、短時間ですけれども、御質問をさせていただきたいと思います。

 きょうの午前中の審議だけでもいろいろな論点が出ましたし、また、この委員会でも、五月にもこういう議論、あるいは二月でしたか、続けられておりますので、江島副大臣はある意味相当な専門家に今なっておられると思います。当事者でいらっしゃいます。

 それで、今のような議論、それから、これまで小委員会の報告書とかいろいろな御意見を伺う場に出られて、江島副大臣の、政治家として、この問題、何が課題なんだろうかということについて御見識を伺いたいと思うんです。役所が書いた答弁じゃなくて、江島副大臣、政治家として、御自分のお言葉で、この問題、何が本質で何が課題なのか、どうかお答えいただきたいと思います。

江島副大臣 お答え申し上げます。

 私も、副大臣を拝命しまして、福島担当となって改めて、十年間にわたって、被災をした自治体の住民の皆さんが本当に御苦労されてきたということを肌で感じているところであります。

 また、その中で、福島の被害が、一方で毎年いろいろな災害も起きていますので、風化をしてきているというのも事実でありますし、また、いい意味での風化、風評被害なんかが起こればいいんですけれども、現実に今、この処理水の問題に関しましては、多くの方が、むしろ実際の被害というよりも風評被害が問題なんだという認識で御理解をいただいているものというふうに思っております。

 もう委員御案内のように、この処理水放出に関しましては、科学的見地からも安全な上に安全な対応をとって今東電の方は対応するということにしておりますし、また、それを経産省もしっかりと指導していこうと思っておりますのですが、この風評被害だけはいかんともしがたいところがございます。今までの議論の中で十分じゃなかったという御指摘もありますし、そういう点もしっかりとこれは受けとめていかなければいけません。

 一方で、この風評被害は、全て今の時点で予測できるものではないというのも事実でありまして、実際に、仮にこの処理水を開放していく段になるとすると、まだ少し時間がありますので、その方針決定をしたとしても、それからまた全力で風評被害に対する対応というのはこれはもう国が責任を持って取り組んでいきたい、改めて私も今この立場にあって感じているところです。

岸本委員 ありがとうございます。おっしゃるとおりではないかと私も思います。

 トリチウム水だけであれば、まさに今再稼働している三つの原発があります。七カ所ですけれども、四つ停止中です。例えば四国電力の伊方ですと、これは年間、トリチウムの処理水、四十兆ベクレル、もう既に出ているわけですね。そういう意味では、関電の高浜も十一兆ベクレルですね。福島第一は、もともと事故前、二・二兆ベクレル海洋放出していたわけです。

 ですが、そういう問題ではなくて、まさに先ほども議論ありましたけれども、核燃料のデブリに触れた水ですから、これはもちろん、玄葉委員が指摘したように、再処理施設からも同じものが出ていますということかもしれませんけれども、この今たまっている福島の処理水のうち七割もが、デブリに触れている結果として、しかも規制基準以上の放射性物質が現在残されているということであります。

 そういうことも、やはり今副大臣がおっしゃった風評被害という中で、国民の頭の中ではごっちゃになっているところがあるんだろうと思うんですね。そこは、もちろん安全というのがとても大事で、安全は科学ですから科学的に説明をするということで、説明ができる部分はきちんと説明をしていく必要があると思うんです。

 そこで、まず、今たまっている処理水のうち七割については、トリチウム以外にも規制基準以上の放射性物質が残っています。これ、今後どのように対応するのか。もう一度、何度かおっしゃっていると思いますけれども、きちんと御発言いただきたいと思います。

江島副大臣 委員御指摘のように、このALPS処理水というのは、通常炉から放出される核種とは異なる核種が含まれているというのは、これはデブリに接触しているので、これはもう事実でございます。

 しかしながら、いわゆる規制基準、これは国際的に統一された考え方の基準でありますけれども、このもとで国内の基準というものをきちんとつくっておりまして、その基準のもとでは、この放射性物質が通常炉由来のものか、あるいは事故炉由来のものかというのは、全くこれは区別をしておりません。いわゆる放射線による健康被害というのを防止するという観点から定めているものでありまして、決して事故炉だから何か特別な扱いをしなきゃいけないというようなものはないわけであります。

 今、七割の処理水は基準以上だということであります。これはやはり、初期の段階においてALPSが十分な性能を発揮していなかったものもためた結果が今七割というものにありますけれども、これは、最終的にこの処分をする前には必ず規制基準値を下回るまで再浄化をするというふうにしております。さらに、再浄化をした後、基準の百倍以上の希釈というものを行って、百倍というのは、一つはやはり消費者に対する安全、安心というものをしっかりお見せしよう、そういう数字でございます。このような対処方針で臨むということで今考えております。

岸本委員 ありがとうございます。

 そこはきちんと説明をしていただければ、科学的な説明はできるだろうと思います。しかし、科学的な根拠を示すだけでは、必要十分条件の必要条件なんですね。十分条件ではないんだろうと思いますが、まさにおっしゃった風評被害の問題で、安全性だけではなくて安心ですよね、安心というのがないと、この風評被害の壁を乗り越えることができない、そういうことだろうと思います。これは本当に難しい問題で、小委員会の皆さんの報告書を何度読んでも、そこは非常に難しい。それは江島副大臣も身をもってお感じだということなんですけれども。

 例えば、言葉で言えば簡単ですけれども、透明性、情報公開に徹する。これはさっき玄葉委員もおっしゃっていましたけれども、全ての事実、皆さんにとって有利な事実も不利な事実も全部、ともかく情報公開するということが大事だろうと思いますから、先ほどの高橋委員も触れられましたけれども、再処理施設における基準であるとか、再処理施設からは実はトリチウム以外のものを含んだ、核燃料デブリを通ったのと同じ水が出ているんですよとか、そういう情報も提供していただきたいと思うんですが。

 何しろ、当事者である皆さん、当事者である政府、当事者がやっていますと、これはなかなか、やはり国民の側もいろいろな場面で不信があるわけですよ。それは申しわけないけれども、政府に対する不信がこれまであった、それは常にあるわけで、そうすると、やはり第三者機関というのが非常に大事になってくると思います。第三者機関によるモニタリング、これをともかく、仮にですよ、海洋放出するということが決まった後、徹底的にモニタリングをしていただくということが非常に大事になってくると思うんですけれども、その際に、やはり原子力関係でいえば、国際原子力機関、IAEAの権威というのが非常にあると思います。

 そういう意味で、安心を私たち国民に届けていただくために、国際原子力機関、IAEAによるモニタリングのようなことについて、確信を持って、責任を持ってやれるというようなことは、副大臣、おっしゃれますか。

江島副大臣 御指摘のように、この風評被害との闘いが本件に関してはこれから最大の課題になるかと思います。

 これは、どのようにするかということは、今までやってきたこの風評被害対策の中で、まず有効であったというものをしっかりと見きわめて、更にそれを進めていくということもありますけれども、何よりもやはり、この風評被害を受けるであろう方々がこれからまた生じますので、そういう方々にしっかりと寄り添って、かつ国が前面に立ってこの風評被害の払拭に取り組んでいこうという決意を持っているところであります。

 また、その際に、やはり国だけではない、もっと安心、安全のための第三者のモニタリングという点でありますけれども、これも、外から見た客観性、透明性を確保するという観点からも、これは大変重要な取組ではないかと思います。

 この四月に行われましたALPSの小委員会の報告書に関しましては、IAEAのレビューを受けております。その際には、IAEAとしては、処分の前、中、後の放射線安全に係る支援のフレームワークを日本政府と協力して構築する用意があるとのコメントも頂戴をしております。

 また、このIAEAには、これまでも総合モニタリング計画に基づきまして実施している海域モニタリングに関連して、このモニタリングの実施手法が適切かどうか、及び分析機関の分析能力等を国際的な視点から確認をいただいたりもしているところであります。

 ALPS処理水の処分を今後行う際のIAEAとの協力のあり方につきましては、これはぜひ、引き続きしっかりと協議していきたいと思います。

岸本委員 ありがとうございます。

 その上でなんですけれども、一方で、先ほど来の議論にもありましたけれども、そんなに時間の余裕はありません。むしろ、もう、ある意味、適切なタイミングというものは逸しているのかもしれないぐらい緊迫した時間との闘いというところもあるのかもしれません。

 その際に、国内外のいろんな意味の安心と安全を担保するということと同時に、少なくとも現場の皆さんにとっては、まさに当事者、御本人たちである漁業協同組合の皆さん、あるいは流通の関係の皆さん、さらには身近な消費者の皆さんのともかく納得を得ていただくということがとても大事になってくると思います。

 そこで、ちょっと時間もありませんので平沢大臣に、政治家平沢勝栄さんとしてお答えをいただきたいと思うんですけれども、これは風評被害なんです。

 風評被害は、作文はできるんですけれども、作文ではなかなか進まない。しかし、風評被害を何とかしますよと。それはもちろん、損失補填のための経済対策も含めて、当事者の納得をいただかなきゃいけないだろうと思います。

 風評被害を含めて、これは大丈夫ですと言えるのか。そして、その上で、政府として、適切なタイミングとおっしゃるんだけれども、タイムスケジュール、いつごろまでにこの問題の処理をされるのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。

平沢国務大臣 いずれにしましても、処理水はいずれ対応を決めなきゃならないわけで、その結果、風評被害が起こる可能性が極めて大きいわけでございまして、今委員御指摘のように、風評被害にどういうふうに対応するかというのは最大の課題でございます。

 時間的に言えば、いつ処理水の対応が決まるか私はわかりませんけれども、それから二年くらい、実際に行われるまで二年くらい時間がありますので、その時間も使えるだろうと思いますけれども、ともかく、今委員が言われたように、多くの方が不安を抱かれることは、私は、やり方によっては間違いないだろうと思います。

 ですから、正しい、正確な情報を伝達するとともに、これは絶対大丈夫だよということも含めて、安心してもらうための風評対策をしっかりとあらゆるメディア等、媒体を使って取り組んでいきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

岸本委員 ありがとうございます。

 この問題、本当に国民的課題ですので、本当に悩ましい問題ですけれども、一歩前へ進まなきゃいけない問題だと思いますので、我々も具体的な提案をしていきたいと思います。

 本日はありがとうございました。

根本委員長 次に、森夏枝君。

森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。

 今国会からまた東日本大震災復興特別委員会でお世話になります。よろしくお願いいたします。

 本日は質問の時間をいただきましてありがとうございます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 まず、復興五輪について伺います。

 平沢大臣が大臣所信の中で復興五輪について触れられ、「被災地の方々を勇気づけ、復興を後押ししてまいります。」と力強く述べられました。

 そこで、大臣に伺います。

 新型コロナウイルスの影響で東京オリンピック・パラリンピック大会が一年延期になりました。連日、新型コロナウイルス関連の暗いニュースが多いですけれども、コロナ対策をして少しずつスポーツの大会も開催されるようになりました。復興五輪を成功させるために、本当に開催されるのだろうかと不安を抱えながらも、来年の夏に最高のパフォーマンスを発揮するために必死に努力を続けている選手たち、関係者がいます。スポーツには人を元気にする、勇気づける力があります。ぜひ、来年、オリパラ、復興五輪を成功させて、東北の復興を国内外に発信していただきたいと思っております。

 ことしの夏にオリパラが開催されていれば、ことしまでの復興の姿だったと思いますが、来年にはまた新たな復興の姿が発信できると思います。コロナに打ちかったオリパラという側面もあると思いますけれども、復興五輪の成功に向けて、この一年延期になったことをプラスに捉えて、準備期間が一年ふえたわけですので、来年の夏までにどういった復興の姿を国内外にアピールできるのか。

 大臣、必ず復興五輪を成功させるんだという御決意とともに、御答弁お願いします。

平沢国務大臣 委員御指摘のとおり、復興五輪は一年延期になりましたけれども、復興五輪の理念、そして私は、理念は変わらないし、復興五輪は必ず来年夏に成功裏に終わると確信しております。そのために我々も全力を尽くしていかなければいけないと思います。

 復興五輪というのはいろいろな目的があるんですけれども、一つはやはり、大災害に遭われた東北の方々を大きく勇気づけ、元気づける、こういう目的もあります。そして、東北地方が復興するに当たって世界各国から多くの支援をいただいたわけで、そういった方々に感謝して、そして同時に、災害で大きな被害を受けたけれども今はこんなに立ち直ったよという実態を見てもらう、こういった目的もあります。それから、実際に多くの方においでいただいて、そして実際に被災地の生の姿、要するに生まれ変わった姿を見ていただく、こういう効果もあるわけで、ともかく、この復興五輪だけは何としてもやるだろうと思いますし、そして成功させなければいけないと思います。

 いずれにしろ、私たちは、これは復興五輪になるよと、何となくコロナ五輪みたいなところが何か最近はちょっとありますけれども、もちろんコロナの関係で一年延期になったんですけれども、しかし、もともとはこれは復興五輪でスタートしたわけですから、復興五輪である、それが目的である、この理念を忘れないで、そして、しっかり成功に向けてみんなで力を合わせて取り組んでいきたいと思います。

森(夏)委員 大臣、ありがとうございます。

 力強いお言葉、ありがとうございます。私自身も、この復興五輪、成功を願っております。

 そこで、この復興五輪成功のためのコロナ対策について伺いたいと思います。

 コロナ対策もしっかりと進められていると思いますけれども、この新型コロナでイベントや式典等、さまざま縮小をされております。東北での聖火リレーは必ず成功させていただきたいと思っております。この復興五輪成功のために、東北でのコロナ対策について、どういったところに力を入れ準備されているのか教えてください。

植松政府参考人 お答えいたします。

 復興オリンピック・パラリンピックは、東京大会の重要な柱の一つです。大会開催を契機として被災地の復興を後押しするとともに、復興をなし遂げつつある姿を世界に発信していく取組を進めていきたいと考えております。

 具体的には、被災地の競技会場において、大会競技として野球・ソフトボール、サッカーを実施するほか、被災地の自治体と大会参加国・地域が交流を行う復興ありがとうホストタウンの取組を推進しております。また、お話がありました聖火リレーにつきましては、福島県をスタートすることとなっております。

 これらを含めました東京大会における新型コロナウイルス対策につきましては、九月から開催しております国、東京都、大会組織委員会によるコロナ対策調整会議におきまして議論を進めているところでありまして、年内を目途に中間整理を行うこととしております。

 政府といたしましては、今後この中間整理を踏まえまして、実効的なコロナ対策を実施するなど、引き続き、東京都、大会組織委員会、IOCと緊密に連携いたしまして、被災地におきましても安全、安心な大会となるよう、しっかり準備を進めてまいりたいと存じます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 少し質問の順番を変えさせていただきます。

 東日本大震災を風化させない取組について伺いたいと思います。

 三月十一日で震災から十年を迎えますけれども、あれから十年になるのかと、被災地域でない方と話をしておりますと少しずつ風化していっているように私は感じております。来年三月で十年ということで、節目の年だとよくおっしゃられますけれども、私は、今でも御家族を捜されている方のお言葉を聞いてはっとしました。十年が節目の年と言うけれども、自分たちの中では節目でもないというような言葉を聞いて、私は、軽々しく言えないな、そういうふうに思いました。日本じゅう、世界じゅうがコロナで大変な状況にありますけれども、この東日本大震災というのは絶対に風化させてはならないと思っています。

 以前にも私は質問の際にも話させていただきましたが、私が国会議員になろうと思ったのはこの東日本大震災が大変大きなきっかけとなっております。

 コロナ禍ではありますが、国として、東日本大震災を風化させないための取組について、どのようにされているのか、教えてください。

開出政府参考人 お答えいたします。

 大震災及び原発事故の教訓や記憶を風化させない観点から、その経験を広く国民が共有していくことが重要であると認識しております。

 現在、犠牲者への追悼と鎮魂の場であり、また、震災による被害の記憶、教訓を後世に伝承する場として、三県におきまして国営追悼・祈念施設の整備を進めているところであります。

 また、震災遺構に係る保存のために必要な初期経費を復興交付金で支援しております。

 さらに、発災から九年が経過し、復興のノウハウが蓄積されてきていることから、取組事例を収集、調査、分析し、公表する予定としております。

 このほか、発災から十年となる来年、改めて、国内外の方々に被災地に目を向けていただくため、オンラインシンポジウム等の情報発信の取組を順次実施していくこととしておりまして、こうしたさまざまな取組を行うことによりまして風化対策に取り組んでまいりたいと考えております。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、風化対策、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。風化させないこととともに、震災の教訓を生かすということは大変重要だと思っております。

 女川原発再稼働の同意の経緯についても少し伺いたいと思っております。地元の同意が得られたと聞いておりますが、地元の方々の不安の声も聞いております。原発事故が実際に起こった際の避難、現実的な避難について、あわせてお聞きしたいと思っております。港まで行き、船で避難するというのは私は非現実的だと思っております。地元の同意までの経緯とともに、この現実的な避難経路の確保について教えてください。

松山政府参考人 お答え申し上げます。

 お答えの、女川原発二号機は、本年二月に原子力規制委員会による設置変更許可がなされまして、経済産業省より宮城県知事等に対しまして再稼働に係る政府の方針を伝達いたしました。

 その後、宮城県議会、女川町議会、石巻市議会におきまして、再稼働に賛成する請願等が採択された後、本年十一月に村井宮城県知事から、女川原発二号機の再稼働について理解する旨の表明があったところでございます。

 お尋ねの避難計画についてでございますけれども、再稼働するしないにかかわりませず、万が一に備えまして、地域住民の皆様方の安全、安心の観点から、これはしっかりと策定していくことが必要だと考えております。

 女川地域の避難計画につきましては、国としても関係自治体と一体となった計画策定を支援してまいりまして、本年六月に原子力防災会議において、これが原子力災害対策指針等に沿った具体的で合理的な内容であることを確認した上で了承したところでございます。また、それに当たりまして、宮城県主催の住民説明会や地方議会におきましても避難計画について国から説明を行ってまいったところでございます。

 ただ、委員御指摘のように、原子力災害の備えにつきまして、終わりや完璧というものはございません。常に改善を続けることが重要でございます。現実的な形でいかに安全な避難の経路をつくっていくか、これを改善し続けていくことは大変重要なことだと考えてございます。

 今後とも、地域原子力防災協議会の枠組みのもと、内閣府を始め関係府省と一体となりまして、より実効性のある避難計画となるよう、継続的に改善充実に取り組んでいきたいと考えてございます。

森(夏)委員 ありがとうございます。

 地元の方に、事故が起きたら逃げられない、お金のためだから仕方ない、そのような言葉を二度と言わせてはいけないと私は思っております。事故が起きたときに逃げられない経路ではなくて、第二、第三の経路もしっかり確保していただきたいと思います。今後とも、しっかりと検討をして、国民の命を守るというところでしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 最後に、風評被害対策について伺います。

 風評被害については、他の先生方からもさまざま質問が出ましたので、大臣に決意を伺いたいと思っております。

 本当に風評被害に苦しむ方々は、今新型コロナウイルスでも本当に苦しまれております。

 大臣所信の中で、大臣が、風評被害に取り組む、風評払拭に対応すると、風評払拭に対する言葉を三回述べられておりました。私は期待をしております。これまでにもこの委員会で何度か大臣に質問させていただきましたけれども、十年を迎えるに当たり、まだまだ対策が足りていないと思っております。

 大臣から、風評被害をなくすんだという強い決意と今後の対策について教えてください。

平沢国務大臣 今、大きな問題が二つありまして、一つは風化、この問題を風化させてはいけないということ、そしてもう一つは風評問題でございまして、この風評問題にしっかり取り組んでいきたいと思います。

 今までも風評対策には取り組んできまして、一定の成果は得られたと思っています。例えば農産物等の価格、震災前の水準までは回復できていませんけれども、一定の効果はあったものと思っています。

 それから、輸入規制が残っている国、地域がまだ存在する、減りましたけれどもまだ存在している、こういった問題があることも事実でございます。

 このため、復興庁では、短くわかりやすい動画による情報発信の強化、あるいは海外への情報発信強化に向けた新たなポータルサイトの開設などに取り組むとともに、ウエブ等において積極的な広告を展開していくことにしております。

 いずれにしましても、風評対策、極めて大事な問題でございまして、引き続き、関係省庁と連携して、政府一体となって風評の払拭に全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

森(夏)委員 ありがとうございます。ぜひ力を入れて進めていただきたいと思います。

 広告等どんどん発信していただきたいと思いますが、以前にも私も発言させていただきましたが、安全です、安全ですというアピールだけでは気持ちが変わらない方がいらっしゃるので、そのあたりもしっかりと考えていただきたいと思います。

 福島県産の農水産物の価格がしっかりと戻るまで積極的な取組をお願いいたします。風評被害がゼロになるその日までしっかりと対応をお願いいたします。

 ありがとうございました。

根本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五十三分散会


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