衆議院

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第3号 令和4年2月24日(木曜日)

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令和四年二月二十四日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   会長 森  英介君

   幹事 井上 貴博君 幹事 加藤 勝信君

   幹事 上川 陽子君 幹事 柴山 昌彦君

   幹事 新藤 義孝君 幹事 奥野総一郎君

   幹事 道下 大樹君 幹事 馬場 伸幸君

   幹事 北側 一雄君

      井出 庸生君    井野 俊郎君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      稲田 朋美君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    越智 隆雄君

      大串 正樹君    國場幸之助君

      下村 博文君    高木  啓君

      武井 俊輔君    土田  慎君

      中西 健治君    船田  元君

      細野 豪志君    松本 剛明君

      松本  尚君    山下 貴司君

      山田 賢司君    山本 左近君

      山本 有二君    新垣 邦男君

      近藤 昭一君    中川 正春君

      野田 佳彦君    太  栄志君

      本庄 知史君    谷田川 元君

      吉田はるみ君    渡辺  創君

      足立 康史君    小野 泰輔君

      三木 圭恵君    國重  徹君

      中野 洋昌君    吉田 宣弘君

      玉木雄一郎君    赤嶺 政賢君

      北神 圭朗君

    …………………………………

   参考人

   (東京大学名誉教授)   高橋 和之君

   参考人

   (一橋大学大学院法学研究科教授)         只野 雅人君

   衆議院憲法審査会事務局長 神崎 一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十四日

 辞任         補欠選任

  秋葉 賢也君     武井 俊輔君

  伊藤信太郎君     山本 左近君

  越智 隆雄君     高木  啓君

  西村 康稔君     松本  尚君

  山田 賢司君     土田  慎君

  櫻井  周君     渡辺  創君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     越智 隆雄君

  武井 俊輔君     秋葉 賢也君

  土田  慎君     山田 賢司君

  松本  尚君     西村 康稔君

  山本 左近君     伊藤信太郎君

  渡辺  創君     櫻井  周君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(特に、憲法第五十六条第一項の「出席」に関する議論)


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     ――――◇―――――

森会長 これより会議を開きます。

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に、憲法第五十六条第一項の「出席」に関する議論について調査を進めます。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京大学名誉教授高橋和之君及び一橋大学大学院法学研究科教授只野雅人君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森会長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森会長 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用中にもかかわらず御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。

 本日の議事の順序について申し上げます。

 まず、高橋参考人、只野参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対しお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際はその都度会長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対し質疑することはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 御発言は着席のままでお願いいたします。

 それでは、まず高橋参考人、お願いいたします。

高橋参考人 ただいま紹介にあずかりました高橋です。よろしくお願いいたします。

 本日の質疑では、憲法五十六条の「出席」はオンラインによる審議への参加を含むのかについての私の見解を述べるように求められたと理解しております。

 オンライン出席を憲法五十六条の制度として設置することに対しましては、私は重大な疑念を払拭し得ないでおります。その理由は二つに整理できます。第一に、憲法五十六条の解釈の方法という側面の問題と、第二に、そのような制度を導入しなければならない十分な理由があるのかという問題であります。

 まず、五十六条の解釈の方法という側面でありますが、憲法五十六条の解釈は厳格でなければならないと考えております。

 その理由は三点あります。

 第一に、五十六条はルールを定めた規定であり、解釈により拡張することを避けるべきだと考えるからであります。

 憲法上の条文には、ルールを定めた規定と、原理を定めた規定があると言われております。この区別は、アメリカやドイツの高名な法哲学者が唱えているものでありまして、日本でも広く受け入れられております。

 ルールとは、法的効果が発生するための明確な要件を定めた規定であり、その規定の適用に当たっては、事実の要件該当性だけが問題となるような性格の条文であります。それに対して、原理とは、ルールのような明確な要件を定めたものではなく、より抽象的レベルの一般的基準を定めたものという性格の規定であり、適用に当たっては、他の原理との調整が予定されたものであります。

 一般的に言えば、憲法上の条文で人権に関する規定は原理の性格を持つのが通常であり、統治機構の規定はルールの性格を持つのが通常であると解されております。

 日本国憲法は、人権規定については公共の福祉による制限というものを定めておりまして、これは憲法十三条でありますが、公共の福祉とは人権間の衝突の調整原理であるというのが通説となってまいりました。まさに、原理であることを憲法自身が想定しているのであります。これに対して、統治機構に関しては、調整を予定した一般規定は存在しないので、ルールであることを想定していると解することができます。

 これに照らして解釈すれば、憲法五十六条は明らかにルールの性格を持つ規定でありますから、そのようなものとして厳格に解釈、適用することが要求されるということになります。

 五十六条は、「総議員の三分の一」とか「出席議員の過半数」と定めております。その意味は明確であり、その明確な意味に従ってこれまで運用してきたものと理解しております。ゆえに、状況の変化によりその意味を維持し得なくなったというような場合、解釈の変更で対処することは原則として許されないということになります。それが立憲主義の約束事だと私は理解しております。

 これを、総議員と三分の一を切り離し、あるいはまた、出席議員と過半数を切り離して、三分の一とか過半数はルールであるけれども、総議員や出席議員は解釈の余地があるからルールではないという主張もありますが、このように切り離すことは結果志向的な恣意的な解釈であり、許されないと考えております。

 条文は言葉で書かれております。言葉というものは、厳密には一義的であることはまれでありまして、また、時代とともに変遷いたしますから、どのような条文にも解釈の余地はあるものです。しかし、ルールか原理かという問題は、条文に客観的に備わっている性質ということではなくて、解釈態度の指針を与える区別だと私は理解しております。解釈が恣意に流れることを阻止し、それにより立憲主義的な解釈運用を担保しようとするのが、この区別の意味であります。

 厳格な解釈が要請される第二の理由は、五十六条自体の性格です。

 この規定は、会議体が合法的に活動するための最低限の要件を定めた規定であります。会議体に権限を与える場合には、会議体の成立要件と議決の要件というのは、もうこれは不可欠であります。憲法制定者は、少数者保護のために、あるいは権力の濫用を防止するためにそれを憲法に定める必要があると考えたものと解されます。この規定を議員の活動を保障するための規定と読むのは、全くの誤りだと私には思えます。確かに、この規定により、少なくとも三分の一の議員の出席が保障される結果となりますが、それはあくまでも結果論であって、それを目的とした規定と読むのは、この規定の本質をねじ曲げるものであります。

 オンライン出席を認めることは憲法五十六条に反しないと主張する者は、その理由として、五十六条が出席を要求する趣旨は、議員自らが議論し、その過程を通じて議案に対する賛否の意思を形成し、最終的に自らが表決に参加することにあると言いますけれども、かかる解釈は五十六条の解釈としては無理であります。

 そもそも、五十六条は議員に出席を要求などした規定でないことは、これはもう一目瞭然であります。にもかかわらず、かかる目的を強引に読み込んで、この規定に適合する機能を果たす限りビデオ出席も出席と認めるというような理論構成は、余りにも強引な解釈に私には思えます。

 第三に、技術の変化に対応して五十六条の解釈を柔軟に行うべきだという主張は、その根拠の一つとして、憲法が広範な議院自律権を認めているということを挙げております。憲法は議院に広範な自律権を与えており、ゆえに議院運営に関する五十六条の規定も自律的に解釈運用することが許されるんだというわけです。しかし、議院自律権は運用の柔軟性を認める根拠とはなるとしても、憲法条文の解釈の柔軟性を認める根拠とはなりません。

 確かに、国会手続についての条文は日本国憲法には非常に少なく、ほとんどを自律権に委ねております。しかし、このことは、だから憲法条文の解釈も自律権に委ねられるのだという解釈の根拠とはならないと私は思います。自律権は、権力分立との関係で構成されている概念でありまして、具体的には、裁判所の介入は受けないということを意味しているのでありますけれども、決して院による憲法の柔軟な解釈を許すという意味ではありません。むしろその逆で、チェック・アンド・バランス、権力分立が働かない分、国会による厳格な解釈が要請されるはずのものであります。

 憲法制定者は、基本的には自律権に委ねながら、これだけは守るようにという意味で僅かの規定を精選して憲法に取り入れたのであり、その意図は、この規定だけは厳格に守ってくださいということを示したものと理解すべきなのであります。

 以上のように、憲法全体の構造における五十六条の位置に照らして解釈すると、憲法五十六条は厳格な解釈が予定されている規定だということになります。その精神に従った解釈を行うことこそが、立憲主義を守る道だと私は信じております。憲法改正問題に神経をとがらせる余りに、その場しのぎの解決策として柔軟な解釈を採用するのは、許されざる解釈方法の導入という先例をつくることになり、一時の利益と引換えに、長期的には立憲主義を掘り崩すアリの穴となることを危惧いたします。

 五十六条について、厳格な解釈が必要であることを述べてまいりましたが、この要請にもかかわらず、どうしても例外を認めなければならない場合があり得ないわけではありません。それは、テクノロジーの発展等の時代状況の変化により、当初は予定されていなかった他の憲法条文との衝突が生ずるということもあり得るからであります。

 そのような場合、衝突が極めて限局された部分的なものであり、解釈上、ルールに対する例外として対処することも許されるのではないかという場合があるかもしれません。しかし、その場合でも、憲法のどの条文との衝突を調整しようとしているのかは明確に説明する必要があります。

 私が考えるのに、例外の根拠条文として考え得るものの最有力は、憲法十四条の平等原則であろうと思います。しかし、この問題を検討する場合、議員の議会活動を保障するという観点と、国会の機能麻痺を防止するという観点を区別して考えるのが、議論の混乱を避けるのに必要であると思います。

 まず、議員の活動の便宜を図るという観点から考えてみましょう。これは、出産を間近に控えているとか、何らかの障害を抱えており、あるいは病気のために出席が不可能、あるいは極めて困難であるような場合にオンライン出席を認めて、議員活動を可能あるいは容易にしようという考えであります。以下では、弱者への便宜供与と呼ばせていただきます。

 確かに、こうした弱者の方々は、国会への出席等の議員活動に様々な難儀を感じておられることと思います。したがって、オンラインによる活動を含めた、より一層の便宜供与を図っていくことが望まれます。しかし、それは、憲法五十六条の「出席」には該当しないけれども、その他の点では法的な出席と認めるというような制度設計も十分可能でありますから、そのような形でどんどん推進すべきだと思います。

 それでも、五十六条の「出席」とは認めないということになりますと、議決の票数に数えてもらえないという不利益を受けることになります。オンラインで有効な投票ができるということは、シンボリックな意味では意味がありますけれども、しかし、実質的な利益は小さいのではないか、少なくとも、五十六条の例外を認めるというほどの重要性は持たないのではないかと私は思います。

 弱者を保護するための便宜供与だと言われますと、反対を表明するのがちょっとためらわれるんですけれども、憲法五十六条を守りながら様々な便宜を実質的に実現する制度設計は、他にも幾らでも可能であります。そちらの方向こそ、目指すべき方向だと信じております。

 次に、国会機能麻痺を防止するという観点からの検討ですが、これは、感染症の蔓延や地震などの大災害により、定足数を満たす議員が集合できなくなり、国会の機能が麻痺するような状態に対処するために、オンライン出席を制度化しようという議論と理解いたします。

 しかし、今回のコロナの事態でも、国会が定足数を満たすことができないということは生じておりません。阪神大震災のときも、東北大震災のときも、そのような事態は生じませんでした。もっとも、もしオンライン出席の制度があれば、より便利であり、迅速な対応が可能であったということなのかもしれません。

 確かに、便利ではありましょう。しかし、憲法は政治権力の行使を統制するものでありまして、権力行使の便宜のために統制を外そうというのは、憲法の精神、趣旨に反する考え方であります。統制を緩めても弊害は生じないんだというのであれば別ですけれども、制度の悪用の危険性は、弱者保護を目指した制度設計の場合よりもはるかに高まるであろうと思います。権力行使の要件を緩めれば、それに比例して濫用の危険も増大するというのが常識であります。

 もし、緊急事態への対処という問題の一環だということであれば、真正面から緊急事態の問題として提示し、まず、緊急事態についての国民のコンセンサスを形成しながら、その中の問題の一つとして五十六条の議論を詰めるのが筋であろうと思います。

 私、時計を持っていないので、時間が来ているかどうか分かりませんけれども、取りあえずここで終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

森会長 次に、只野参考人、お願いいたします。

只野参考人 では、私からお話をさせていただきます。

 まずは、本日は、お招きをいただきまして、どうもありがとうございました。

 私の方からは、高橋先生とは少し違う観点からお話をさせていただこうかなというふうに思います。何分新しい問題でございますので、私論の域を出ないものでございますが、参考になりましたら幸いでございます。

 本日のテーマでございますけれども、特にお話ししたいと思いますのは、この憲法五十六条が言う「出席」に、いわゆるオンライン審議のようなものが入り得るのか、こういう解釈問題でございます。

 五十六条につきましては、議事と議決という二つの要素がございます。本日は、二つを一括してお話をしようかというふうに思っております。もちろん、双方についてオンライン審議が可能だとしても、議決のみにそれを導入する、こういう選択は十分あり得るところでございます。

 それから、本会議以外はどうなのかという御疑問もあるかと思いますが、やはり一番ハードルとして高いのは五十六条でございますので、まずはこちらについてお話をさせていただいた上で、ほかについてはそれに準じて考えていく、こういうことになるのかなというふうに思っております。

 時間も限られておりますので、あらかじめ私の結論から先にお話をしておきますと、憲法五十六条一項の「出席」というのは、議員が議場に現存するということを前提にしている、想定した規定だ、まずはこういうことでございます。ただし、一定の条件の下、やむを得ない事情があれば議場外からの参加も許容し得るのではないか、憲法解釈としてはこのように考えているところでございます。

 まず、議論の前提として、二点ほど少し大きなお話をさせていただくことにいたします。

 一つは、先ほど高橋先生からもお話がございましたが、憲法の統治機構全体をどう見るのか、こういう問題でございます。

 憲法の統治機構の規定、特に国会に関する規定は非常に簡略である、規律密度といった言葉も最近の憲法学では用いたりしますが、私なりに申せば、そのテクストの余白が非常に広い憲法だ、こういうことになります。

 ここに、選挙制度ですとか、それから例えば委員会制度ですとか、こういうものを配置することで憲法の統治機構の姿が定まってくるというわけでございますけれども、もちろん、余白を全く随意に使ってよいというふうには私自身は考えておりません。

 言うまでもないことですが、個々の憲法の規定というのは、当然、問題になってまいります。それから、一見ばらばらに見えます個々の規定をつなぎ合わせてみますと、一定の制度のイメージが浮かび上がってくる、こういうこともあるのではないか、こんなふうに考えております。

 また、憲法が想定しております制度を具体化するに当たっては、様々な仕組みがあり得るわけですが、憲法との整合性を考えながら制度を配置していく必要もあるのかな、こんなふうに考えているところでございます。

 もう一つが、先ほど来お話がありました議院自律権、こういうことでございますが、ここに憲法五十八条を引用させていただきましたけれども、議事運営については、それぞれの議院、ハウスが自律的に決定する、こういうことが憲法上認められているということになります。

 加えて、テクストの余白が広いということになりますと、この自律権の範囲は非常に広くなるわけですが、先ほども申しましたように、個々の条文は当然踏まえる必要がある、それから、条文相互の関係から浮かび上がってくるような制度の在り方、こういったものを踏まえて制度設計をしていく必要があるのだろう、全体としてはこんなふうに考えているところでございます。

 次に、今度は解釈の問題に入ってまいりますが、この五十六条の「出席」の中に議場外からの出席というものを含め得るのか、こういう問題でございますが、前提は、先ほどもお話しをいたしましたように、原則というのは、やはり物理的に議員の皆さんがこの議場に現存する、こういうことではないか、物理的に出席するということがデフォルトになっているのではないか、こう考えているところでございます。

 ただ、なぜそうかというのは、考えてみますと、議場に物理的に来る以外に審議や議決に参加することがこれはできなかった、それ以外の手段を見出すことが事実上難しかった、こういう事情が一つ背景にはあるのかなというふうに思っているところでございます。

 それから、二番目ですが、これは先ほど申し上げました自律権に基づく出席をめぐる解釈ということでございまして、これは国会の御判断とは少し離れますが、例えば召集詔書を見ますと、「東京に召集する。」ということが規定されております。それから、両院の議院規則を見ましても、議場にいない議員は表決には参加できない、こういうことが規定されているわけでございます。

 両院の判断としてそういう解釈が取られてきた、このことの重みも非常に大きいというふうに考えているわけでございますが、なぜそういう解釈が取られてきたかというと、一つには、先ほど申し上げた、議場にいない形で審議や議決には参加できない、こういう事情もあったかと思いますが、もう一つが、より実質的なものとして、やはり、議場に議員が現存して議論するということに非常に大きな意味がある、こういう合意もあったのかなというふうに考えているところでございます。

 憲法は、公開の原則、議事の公開の原則を定めておりますけれども、その下で、議場に現存する議員の皆さんがそれぞれ直接対峙する形で御議論いただく、傍聴人の方とか、更にその背後にいる主権者国民の目を意識しながら議論をする、ここにやはり議会制といいましょうか国会審議の本質がある、こういう御理解もあったんじゃないだろうかというふうに考えているところでございます。

 にもかかわらず、なぜ例外が認められるのか、こういうことでございますけれども、一つはやはり、長い間想定されていなかった議場外からの参加が技術的には可能に思えるような状況が生まれているということでございます。それに伴って社会の意識や状況が変わっている部分もあるのではないだろうか。この社会の意識や状況の変化というのは非常に捉えにくいものでございますけれども、様々な法制度の中でもオンラインによる参加ということが組み込まれ始めているように思っております。

 それから、もう一つが自律権ということになりますが、先ほど来申しましたように、従来は、自律権に基づく判断として物理的な出席、こういうものを想定してきたわけでございますけれども、以上のような状況の変化を前提にしますと、それを根本から変えるということではありませんけれども、一部修正する、その周辺部分を少し拡張するということはあり得るのではないか、こう思うわけでございます。

 ただ、その際どうしても問題になりますのは、先ほど来お話がありました、この出席という言葉ですね。出席という言葉がそういった拡張を許すような余地を含んでいるのか、こういう問題であります。

 憲法の規定の中には、特に統治機構の規定の中には、一義的に明確な解釈の余地を許さないようなものがございます。文言としては、例えば三分の一とか過半数、こういった言葉でございます。

 しかし、その分母の部分に着目しますと、例えば総議員、あるいはその出席と関わるところでいいますと出席議員ということについては、一定の解釈をめぐる議論がございます。

 例えば、総議員ですと、これは法定議員なのか現在議員なのか、こういう議論がございますし、出席議員をめぐっては、棄権者を含むかどうかという問題がございまして、含まないというのが現状の扱いかなというふうに受け止めておりますけれども、やはり一定の解釈の幅というのがあり得るのではないか、根本を変えるということはできないにしても、周辺部分を拡張する余地が全くないとは言えないのではないか、こう考えるわけでございます。

 ただ、もちろん、原則といいますかデフォルトの形はございますので、では、どういう場合にその例外が許されるのかということはしっかり考える必要があるであろう、こう思うわけでございます。

 一つは、言うまでもないことですが、措置が例外的なものである、こういうことになります。当然、範囲や時期をきちんと限定する、こういうお話になってくるかと思います。

 数年前、出産に伴うオンライン審議参加ということが御議論になりましたけれども、これなどは比較的範囲を確定しやすい、こういうお話かなと思います。あるいは、感染症に伴うオンライン審議というものも考えられないわけではないだろうと。それから、あるいは災害に伴うようなものも一つ入り得るかもしれませんが、もちろん、これはあくまで例示ということになります。ただ、あくまでこれは、厳しい原則があって、その例外ということになりますから、範囲を限定していただく、こういう必要が出てくるのかなというふうに思います。

 いま一つが、やはり、議場にそろっていただくということが憲法が想定している本来の姿だということからいたしますと、全く同等とはいかないまでも、それに近い同等な条件を整えていただくということも、例外を考える上では欠かせない点かなというふうに思っております。

 公開の原則というのが必要だということは言うまでもないことですが、特にハウスとしての意思決定を考えますと、議員自身による議決といいましょうか、この議決権の一身専属性のようなものを確保するということは、やはりどうしても動かせない一線ではないだろうか、こう思うわけです。

 それから、付随的には、議決の前提になる議事の様子を議場外から参加される議員の皆さんに共有していただくような工夫も必要になってくるかなと。もちろん、これは実際にはいろいろ工夫が難しいところもあるかと思いますが、その点についてはかなり慎重に、きちんと御検討いただく必要があるのではないかというふうに思うところでございます。

 いま一つ、今のは個々の議員の皆さんの事情に配慮した対応でございますが、災害等を理由にして国会の審議機能が維持できないような場合の対応としてはどうなのか、こういう御議論も当然あろうかというふうに思います。

 基本的には今話をしましたのと同じような対応の延長線上で考えていくことになるのだろうというふうには思いますが、どのぐらいこういうことがあり得るか、正直分かりませんけれども、どうしても定足数ぎりぎりだという場合、若干その範囲を緩めるといいましょうか、こういうことはあり得るのかなというふうには思っております。

 ただ、そういった非常時への対応というのは、やはりその都度対応することは非常に難しいところがございますので、平常時から少し詰めた検討をしていただくということが何より重要ではないだろうか。オンライン審議のようなものが回避できる対応、例えばこのコロナ禍でもそうした対応がなされた、工夫がなされたというふうに承知しておりますけれども、そういったものが可能であれば、平常時から十分お考えいただくということも必要じゃなかろうか、こんなふうに思っております。

 以上が憲法解釈に関わる部分でございますが、最後は、それを前提に、制度設計に関して幾つか留意すべき点があろうかと思いますので、こちらも簡単に少しお話をさせていただこうかと思います。

 一つは、オンライン審議のようなものを考える場合、どういう形式でそれを定めるのかということでございます。国会法のようなものに定めるというやり方もありますが、議院自律権に基づくものだとすると、やはり議院規則ということになるのかなと思います。そういたしますと、両院間のずれといったことも懸念されるところでございまして、理論上は違う対応をするということはあり得るのですが、そういたしますと、やはり国会の意思決定の正統性に疑問符がつきかねないということにもなりますので、この辺りはやはり両院で協議いただくということも重要じゃなかろうかというふうに思っております。

 それから、一番問題になりますのは、先ほどのお話にもありましたように、一旦例外を認めると、それが際限なく広がっていくのではないか、厳格な範囲にとどまらないのではないか、こういう問題でございます。

 なかなか十分なお答えが難しいところでございますが、一つは、やはり例外的措置であるということを確認いただく必要があるのだろう、この点が重要なのだろうというふうに思っております。前提として、こういう形で議員の皆様が議場に集まって議論いただく、これが憲法が想定している本来の姿である、できるだけそれを実現いただく、こういう観点をまずきちんと共有いただくということが一つ重要かなというふうに思います。

 それからもう一つ、言わずもがなのことでございますけれども、やはりこの議院自律権というもの、これは例外を認める根拠にもなるのですが、同時に、その例外を広げない、おもしのような役割を果たす部分もあるのではないかというふうに思っております。

 ハウスに広い裁量的な判断権を認める、こういうことでございますから、これはやはり議員の皆さんへの信頼抜きには成り立たない、こういう仕組みでございます。当然、その信頼には責任が伴うという部分もあるわけでございます。その辺りを踏まえて慎重な判断をしていくということが制度を担保する上でも重要ではないだろうか、こんなふうに考えているところでございます。

 簡単ではございますが、私からの話、以上とさせていただきます。(拍手)

森会長 以上で各参考人の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

森会長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

新藤委員 自由民主党の新藤義孝でございます。

 高橋、只野両先生には、この度の参考人質疑に際しまして、急なお願いにもかかわらず御準備をいただき、それぞれのお立場からすばらしい御意見を頂戴いたしました。憲法審査会幹事の一員として、まず心より御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 今回の憲法五十六条一項に関する集中討議は、日本国憲法の具体的な項目に対し議論を深め、憲法審としての方向性を整理する、この点におきましてこれまでにない画期的なことであり、本日の参考人質疑の意義というものは極めて深い、このように考えております。

 両先生からは、この五十六条一項にある議員の出席について、憲法上の解釈と取り得る対処について述べていただきましたけれども、私から、それぞれの先生方の考え方を踏まえた上で、この五十六条に係る憲法改正の必要性について、各々の観点から両先生にお伺いをしたいと思います。

 まず高橋先生でございますが、御整理いただきましたのは、五十六条一項の「出席」の規定はルールの規定であって、出席概念というルールを定める規定は厳格に解釈しなければならないという整理をいただきました。そして、憲法によって権力を与えられた会議体である国会が活動するための最低限の要件を定めた五十六条、これは立憲主義の観点から厳格に解釈しなければならない、このようなことも教えていただきました。さらに、議院自律権は運用を柔軟にするものであって、解釈の柔軟性を認める根拠とはならない。こうした三点の理由から、五十六条の解釈は厳格であるべきだ、こういう御主張でございます。

 同時に、オンライン出席を例外的に認めなければならない理由が薄いということにつきまして触れられて、議員の議会活動の保障は、本会議のオンライン審議に限られず、委員会等で便宜を供与するといったことでもよいと。

 さらに、国会の機能麻痺を防止することについては、阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして今回のコロナ禍と、これまでの経験に照らして定足数が確保できなくなることは想定が難しい、こういうようなお話をいただきました。かつ、どうしても必要であれば、憲法の明文改正として議論をする、国民の合意形成を図るべきだ、すなわち憲法改正によって対処すべきということをおっしゃったわけでございますが、そこでお伺いいたします。

 南海トラフ地震、首都直下型地震、こうしたこれまでの震災以上の大きな被害が見込まれる巨大災害、今後三十年以内に発生する予想確率が七〇%、これは、既にもう何年も前に言われていることでございます。こういったリスクが今、日本にはある。さらには、コロナ感染症の蔓延は危機的な状況をもたらしましたが、今後、更に感染力が高く、毒性がもっと強い変異株、全く別の新しい感染症の発生も起こり得る、こういう専門家からの御指摘もございます。

 もし現時点で想定困難な更に大きな事態が発生したときに、それから憲法改正に着手した、前提が変わったから改正だでは全く間に合わないということになると思います。これまでの想定を超える事態に備えるために、早急に憲法上に緊急事態における国会機能の維持に関する規定を置かなくてよいのか。また、五十六条を厳格に解釈する場合には、その緊急事態において国会機能を麻痺させないためにはどうすればよいのかという点について、先生、御意見を是非頂戴したいと思います。

 それから、あわせて、只野先生には、日本国憲法の規律密度の低さ、議院自律権から、出席概念は例外が許容される条件の検討が必要ではあるものの、五十六条一項は柔軟に解釈することができる、すなわち、憲法改正を行わなくても緊急時の柔軟な対応が可能だというお考えを述べていただいたわけでございますが、だといたしますと、この先生のお考えに立った場合に、緊急時における例外としてのオンライン審議の根拠については、あえて憲法改正によって緊急時の規定として明文化すべきではない、憲法上規定しない方がよいという積極的な理由があるのかどうか、その点について是非お聞かせを願いたいと思います。

高橋参考人 御質問ありがとうございます。

 南海トラフなんかが起こったときにどうするんだという問題については、我々憲法学者も非常に悩んでいる問題で、非常に難しい問題だと思いますが、今の私の報告の中で言ったのは、もしそういうことが本当の目的であるならば、真正面から緊急事態の問題として提起して、それの議論を詰めていく、そういう中の一環として当然五十六条の問題は出てくるわけですから、その中で議論すべきであって、五十六条を切り離して、それだけを取り上げて議論をしても全体の解決にはならないだろう、そういうふうに考えております。

 それから、では、そういう緊急事態の場合はどうするかということで、どう考えているんだと言われると、正直なところ、先ほど言いましたように非常に悩んでいるところでありまして、私自身も答えはありません。

 これは、そういう事態にどうするかという問題を考える場合には、極端な事例を出せば出すほど、権限をどこかに大幅に移譲する以外に解決の方法はなくなっていくわけですね。そのバランスの問題ですから、私自身としては、差し当たっては、そういう極端な事例を考えるのではなくて、もうちょっと手前のところで考える方がいいだろうと。

 差し当たっては、南海トラフと言われますけれども、それはどの程度のものになるかということは誰も分からないわけですね。そういう誰も分からないことを前提に、大変なことになるんだ、だからそれに対応できる制度をつくらなきゃいけないといったら、もう誰か一人に権限を全面的に集中するような制度をつくる以外にないということになるだろうと思うんですね。

 それは先ほど言いましたようにバランスの問題ですから、そこに行く前のどこかで切るということですけれども、ともかく、問題としてきちっと出して、そういう問題として議論していただきたいというのが私の取りあえずの考えであります。

 以上です。

只野参考人 私からも簡単にお答えさせていただきます。

 まず、緊急事態への対応というのは非常に難しいところがございますけれども、今回のコロナ禍でも、実はいろいろ工夫をされて審議機能を維持されているということがあるわけでございます。

 今回、例外を認めることができるというお話はさせていただきましたが、あくまでこれは可能だということで、そうしない方がよいというのは確かでございますので、やはり平常時からいろいろ検討いただくということは重要なのかなというふうに思っております。

 もう一点、今日は、解釈で対応ができる、こういうお話をいたしましたけれども、しかし逆に、憲法に書き込んでいけないという積極的な理由があるのか、こういう御質問をいただきました。なかなかちょっとお答えが難しいのですが、私、憲法化するということについては二点ほど懸念を持っております。

 一つが、では、どういうふうに書き込むのか、こういうことでございます。緊急時に限って書き込むということになりますと、かえってこれはそれ以外の例外を許容しないというメッセージにもなるわけでございます。こういった点についてはまずお考えいただく必要があるんじゃないだろうか、こんなふうに思っております。

 それからもう一つは、冒頭に申しましたように、今の憲法の統治機構を前提にして見ました場合、そこにオンライン審議に関する憲法規定が入ることに対する違和感と申しましょうか、全体的に規律が少ない形で憲法が仕組まれている、あえてそこだけなぜ規定するのかという、そのアンバランスな印象というのがどうしても拭えないところがございます。

 ただいま高橋先生からもお話がございましたように、どういう事態を想定するかによって、対応は当然変わってくるわけでございます。ごくごく例外的な事態を想定して、あえて規律密度が必ずしも高くない憲法の中にそのような規定を置くのが適切なのかどうか。ここは是非慎重に御判断いただければと思っております。

新藤委員 ありがとうございました。

 時間が今日は限られておりますので、是非またこうしたことは御教示願いたいな、このように思うわけでございますけれども、ちょっと委員各位にもお許しをいただきまして、私の持ち時間がもうそろそろなのでございますが、これだけはどうしてもちょっとお二方に、一言ずつで結構でございますから、コメントを賜りたいと思っております。

 私ども、憲法審査会、今回、この憲法五十六条一項の「出席」の概念につきまして、テーマのための討議を先々週やって、そして先週は論点説明を受けた集中討議をやりました。今日は先生方の参考人質疑でございます。私は、今朝の幹事会で、次に是非この総括的な質疑を行って、憲法審として何らかの意見の取りまとめができるのか、方向性が見出せるかというための討議をやろうということを提案しております。

 今まで私ども、ここまでの深く突っ込んだ討議というのはなかなかできなかったんですが、こうした私たちの憲法審査会による討議の、今この問題についての取り組み方について、先生方、どんなふうにお感じになっているのか、御所感、短くて結構でございますから、ちょっと触れていただきたいと思います。

森会長 新藤君の質疑時間が終了しておりますので、簡潔に御答弁願います。

高橋参考人 私は政治家ではありませんので、そういう場でどういうふうにやるべきかということについて全くお話しできません。質問をする相手をお間違えではないかと思います。

只野参考人 基本的には先生方が御判断いただくことかなというふうには思っておりますが、今日のようなお話、多分議論が熟していないというところがございますし、私のような立場、私が全て代弁することもできませんので、やはり、少し幅広く、どんな見解や可能性があるのかということは慎重に御判断いただくのがよろしいのかな、こんなふうに思っております。

新藤委員 どうもありがとうございました。

森会長 次に、吉田はるみ君。

吉田(は)委員 立憲民主党の吉田はるみです。

 昨年の総選挙で初当選し、今憲法審査会では初めての発言となります。緊張し、不慣れなところもございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、参考人としてお越しいただきました高橋和之先生、只野雅人先生、ありがとうございます。

 さて、私は、一点に集中し、質疑をさせていただきたいと思います。それは、本憲法の大切な原理である国民主権の立場です。国民の利益をどう保障するか、その視点から質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

 今日は、準備してきたことを最後まで発言させていただきたいので、誠に恐縮で僭越ではございますが、御答弁は簡潔にお願いできますと幸いです。

 それでは、早速始めます。

 国会議員は、憲法に明記されているように、国民によって正当に選挙された、国会における代表者であると認識しています。ならば、国民の代表である国会議員が審議する、そして議決する、その権利は大変重いものだと思います。審議、議決に参加できないという事態は、その国会議員に負託した国民の利益を損ないかねないと考えます。

 また、国会議員の意思表明の重要性ということでは、国会議員の意思が確認できなければ、議員辞職はできません。それは、急に重篤な病状になり意思表明が難しい場合でも、議員本人の意思が示されなければ、議員辞職はできません。つまり、それだけ国会議員が意思表明することは重要だと理解しています。

 その国会議員の意思を示す最たるものが、私は議決権ではないかと思います。私も、地元杉並の皆様からいただいた声を国会に届けるために、万一議場に行けないなどということがないように、健康であり続けなければならないと日々肝に銘じております。しかし、何かの原因で議場に行けなくなったら、そう思うと皆様に申し訳が立たない、心配でなりません。

 そこで、只野先生に今日は二つほど質問させていただきます。

 まず、一点目です。

 その国会議員が、妊娠、出産、病気、災害など、身体的に議場に来ることが困難な場合、議場に来られないのだから、その議決権を諦めなさいというのは乱暴ではないでしょうか。それはつまり、その国会議員に負託した国民が権利を行使できないということであり、国民にとって不利益になると考えますが、只野先生はいかがお考えでしょうか。

只野参考人 御質問ありがとうございます。

 今まさにおっしゃられましたとおり、自らが信任した国会議員が議決権を行使できないというのが選んだ方々の不利益になるんじゃないか、こういう面は確かに否めないというふうに思っております。

吉田(は)委員 ありがとうございます。

 さて、このようなコロナ禍で、速やかに対応できたこともございます。昨年四月から、本会議においては、コロナ感染対策として、採決時間以外は間引きで議員数の半数で対応することが合意され、既に実施されています。

 只野先生、二つ目の質問になります。

 このように、オンライン審議及び議決に関しても速やかな対策を講じるためには、憲法を変えるのではなく、それは余りに時間を要します、まずは衆議院の規則の変更や国会法で出席の要件を規定するなど、これも一つの可能性と考えますが、いかがでしょうか。

只野参考人 ただいまの点でございますが、やはり前提になりますのは、憲法上それが可能かどうか、この部分は少し慎重に御議論いただいて、可能であれば、どういう条件でそれが可能なのかということは、どうしてもやはり確認いただく必要はあるのかなというふうに思っております。

 可能だということになりますと、それは例えば議院規則ですとか、場合によると議院の議決というようなやり方もあるかと思いますが、いろいろ工夫はできるのではないかなというふうに思います。

吉田(は)委員 ありがとうございます。

 持ち時間が限られていますので、一つ御指摘したいことがございます。

 高橋先生は、制度を創設したいのであれば、真正面から憲法改正の議論として検討すべきだとおっしゃられました。また、この憲法審査会の委員の中には、憲法審査会を開くことが国会議員としての義務を果たすことだとおっしゃる委員の先生方もいらっしゃいます。

 しかし、私は、改憲の議論をする前にやるべきことがあると思います。

 先週十七日の憲法審査会で、櫻井周委員が、昨年七月、憲法第五十三条にのっとり臨時国会を召集しなかったことは憲法違反ではないか、そして、その調査審議をするのもこの憲法審査会の役割ではないかと問いました。それに対して、橘法制局長も御答弁で、広範かつ総合的な調査は、現行憲法がその趣旨どおりに履行されているか、憲法審査会の所掌事務の中にまさしく入ると述べられました。

 昨年の通常国会が閉会した六月十六日から、衆議院を解散するためだけに開かれた十月四日の臨時国会までのこの四か月間もの間、国会は開かれませんでした。この期間は、まさにコロナ第五波が猛威を振るった時期です。累計感染者数は九十二万人を超え、また、その間の累計死亡者数は三千人を超えました。このように国民の命が危機にさらされているまさに国難にあって、国会議員の責務である国会で命を守るための政策を、議論をなぜしなかったのでしょうか。

 心ある議員の先生方、そして必死で地元の声を聞いている議員の皆様は感じていらっしゃるはずです。国会議員はこの点、猛省しなければいけないと思います。このような国民の命に直結する違憲の問題をうやむやにしてはなりません。しっかりと調査すべきと考えます。

 我々立憲民主党は、国会議員の憲法擁護義務を規定した憲法第九十九条を遵守し、国会議員としての責務を果たしてまいります。

 以上で終わります。ありがとうございました。

森会長 次に、小野泰輔君。

小野委員 日本維新の会の小野泰輔でございます。

 今日は、高橋先生、只野先生、本当に、急なスケジュールの中でこの御講演をお引受けいただき、また、貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。

 両先生のお話からは、やはり、議会における大前提というのは物理的な出席だということは共通をしておりましたし、オンライン出席というのはあくまで例外的な扱いだということをしっかり認識した上で考えていかなければいけないという、大変重要な御指摘をいただきました。

 生身の人間である以上、その現場で、空気にも触れながら、相手の顔を見て、そして声のトーンを確認しながら議論していくことが、やはり、国を動かしていく、あるいは地方でしっかり住民の皆さんの負託に応えるという意味では大事なことだというふうに思っております。

 さて、これからこの憲法審査会で議論を毎週毎週しっかりと予定を組んで進めていただきたいというふうに思っておりますけれども、そういう中で、具体的な制度設計とか運用の話についてもどんどん出てくると思います。

 そういうことで、まず最初、お二方、先生方に、ほかの憲法上の規定との関係というのを御質問したいというふうに思います。憲法六十三条の国務大臣の出席ということでございますけれども、これに関する出席の概念との関係性をどう考えるべきなのかということに対してお伺いをしたいと思います。

 高橋先生のお立場からですと、これはルールだということで、同じような考え方をするんだというような御見解もあろうかと思いますが、両先生のお考えをお伺いできればというふうに思います。

高橋参考人 五十六条の場合は、この前提は、議員が集合して相互に確認ができるという状態である、そういう前提で作られている規定だと私は思っております。そういう意味で、国務大臣の出席の問題とはちょっと性格が違うなという感じはあります。

 いずれにしても、五十六条の場合は、ですから、オンライン審議はこの最も重要な前提を変えるということになるわけですね。伝統的に確立されてきた議会制を大きく変えるものだということであります。画面の向こう側がどうなっているかということは議員が相互に確認できなくなるわけですから、その前提が大きく変更される。ですから、議会制というものについての、伝統的に確立され、議論をしてきたものの基礎を変更する意味を持ち得るんだ、そういうことを前提に、頭に置いて議論しなければいけない。

 ですから、私は、五十六条については非常に慎重に、ルールとして厳格な解釈をすべきだと言いましたが、六十三条で国務大臣の出席義務というのは、多少ニュアンスが違う。これは、定足数や表決数に関係する問題ではありませんから。したがって、必ずしも出席の意味を同じにしなければいけないということではないと思います。

 ですから、国務大臣から情報をいただくというようなことで出てきてもらいたいということだけであれば、それはオンラインでも可能かなと思います。それを決めるのはとにかく議院の方ですから、議院がそれでもいいと言うかどうか。駄目だと言えば、これは政治的な問題ですから、憲法の問題として議論するような問題ではないんじゃないかなというふうに感じます。

只野参考人 今の御質問でございますけれども、さきにも申しましたように、やはり一番ハードルが高いのは五十六条の解釈かなというふうに思っておりますので、六十三条についてはそれに準じて考える、こういうことになるのかなというふうに考えます。

小野委員 ありがとうございます。大変興味深いお答えもいただきました。

 確かに、五十六条が一番重いものでございますし、そういう意味だと、先ほど議院の自律権がどこまで及ぶかというお話も高橋先生から冒頭にありましたけれども、ある意味、大臣にどういう形で出席を求めるかというのは、自律権がかなり及ぶ範囲なのかなというふうにお聞きをいたしました。

 次に、あと一問だけ質問させていただきます。地方議会の本会議に関するオンラインということでございます。

 既に、令和二年の四月に総務省より通知がありまして、委員会については地方議会はオンライン会議というものができるというふうに通知がなされていて、実際に、大阪府議会において、オンライン会議というものが委員会においては実現をしているということでございます。

 ただ、総務省がその通知において、地方自治法の百十三条及び百十六条一項において、本会議への出席というものについて、現に議場にいることと解されているというような見解を出しておりまして、その理由として、本会議における審議及び議決は、団体意思の決定に直接関わる行為であるからというようなことを言っているわけなんですね。

 この憲法審査会でも、目下、本会議のオンラインの審議が可能かどうかということを議論しているわけでございますけれども、この総務省の通知の考え方というものが、これがもちろん憲法審査会の方で議論をされていて、国会の本会議とパラレルに考え得るものなのか。それとも、例えば先ほど高橋先生がおっしゃったように、憲法上のルールというようなことが、地方議会においては、地方自治の本旨ということしか書いていないので、かなり柔軟に解釈し得るであろうということも考えられるんですけれども、憲法上の、この審査会でのオンライン審議という議論と、地方議会での本会議のオンライン審議の可否というものが、パラレルなのか、それとも、レベルの違ったもので議論をし得るのかというところについて、是非、高橋先生そして只野先生の御見解をお伺いしたいと思います。

高橋参考人 国会は、皆さん御承知のとおり、国権の最高機関ですね。最も高くて強い権力を行使する。だから、憲法で、最低限の手続は守ってくださいということが規定されている。それと対比すれば、地方はそれとパラレルに考えられるような問題ではないだろう。しかし、地方が全く自由にやっていいということでもない。ですから、法律で、地方自治法で、ある程度決めるべきことは決めるんですけれども、私の考えといいますか、感想として持っている点からいえば、地方自治法も余りにも厳しく地方議会を規律し過ぎているのではないか、もっと地方自治を大幅に認めた方がいいのではないかなという感想を持っております。

只野参考人 私の考えでございますが、共通する部分としない部分があるだろうと思います。

 しない部分というのは、今お話がございましたように、地方議会についてはやはり憲法上明確な規定がないということですので、ある程度法律等で対応できる部分があるんじゃなかろうか、こう思っております。

 ただ、一方で、先ほど私が申し上げました例外が認められる条件というようなお話は、議会という会議体の本質に関わる問題でございますので、地方議会における制度設計を考える場合にも、当然留意すべき事柄ではないだろうか。そうしないと、直ちに憲法違反だという話にはならないかもしれませんが、結果、安易に例外を認めてしまい、議事や議決の正統性に疑問符がつけられる。これは大変大きな問題でございますので、当然、そこは留意してお考えいただく必要はあるのかなというふうに思っております。

小野委員 ありがとうございました。大変重要な御指摘をいただいたというふうに思います。

 私ども日本維新の会も、地方分権、やはり地方のことは地方で決める、総務省が通知を出してそれで指図をするのではなくて。本当にちっちゃな議会であれば、山の中で災害が起こって集まれないみたいなこともあるわけですね。そして、そうやって小規模な議会で自分たちの判断でオンラインをやれるというような余地を残すことも、只野先生がおっしゃったように、あくまで例外的なんだというような認識をしっかりした上で進めていくことも大事だというふうに思っています。本当にありがとうございました。

 そして、私自身は、このオンライン審議というものは、これはもちろん今コロナ禍において有効に機能するものだというふうに思って、私どもも、先週、三木委員が申し上げたように、早急にこれを進めるべきだというふうに考えておりますけれども、ただ、昨晩もウクライナにおいてサイバー攻撃があって、政府や、そして民間金融機関とか、様々なところがダウンしちゃっている。こういうときにやはり機能しなくなるわけですね。ですので、やはり本質的な危機管理というものを、しっかりと憲法審査会でも。国家の基本、そして何かを審議するときには、必ず憲法上の規定がやはり係ってくる。

 私は、今、自分自身でも研究しているんですが、国会の定足数についても考えるべきだなというふうに個人的には今研究しているんですが、そういったことも含めて、やはり、どんどんどんどん議論を活性化させていく、活発にやっていくことが必要だというふうに思っております。

 今日は、本当に、両先生から大変貴重な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 以上です。

森会長 次に、北側一雄君。

北側委員 公明党の北側一雄です。

 今日は、高橋先生、只野先生、本当にお忙しい中、御出席賜りまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。

 今、なぜこの憲法審査会でこんな議論がなされているかということなんですが、それはやはり緊急事態との関係でございます。今、コロナ禍、コロナが非常に蔓延をしているという状況にございます。それだけではなくて、我が国は災害の大変多い国でございますし、また、その他の国難ともいうべきそういう緊急事態というのは、当然、ほかの場面でも想定をされます。そういう国難ともいうべき緊急事態にあっても、国会の機能、国会の役割、そういうものをしっかりと果たしていかねばならない、そのためにいろいろな課題があるねというふうな流れの中で、今回、オンライン国会についても議論が進んでいるということでございます。

 憲法五十六条一項との関係がまずは議論をされているわけでございます。これはあくまで本会議での議事の定足数であり、また、議決のための過半数を維持しないといけない、こういう定足数並びに過半数議決について規定しているのがこの五十六条一項でございます。その範囲で、ちょっと今日は先生方にも御意見をお伺いしたいというふうに思っております。

 一般的に国会でオンラインでの審議、議決ができるかという幅広い議論というよりも、こういう緊急時において、特に本会議において、定足数や議決数の関係でどこまで出席というのが、本会議場での出席が求められるのかという観点で、かなりある意味限定された形で議論を進めていきたいというふうに思っております。

 まず、高橋先生に御質問したいと思います。

 先生も、五十六条一項の趣旨というのは、一番最後に書かれておっしゃっておられますけれども、国権の最高機関としての権力行使の正統性に関わる問題だ、このようにおっしゃっておられます。私も全くそのとおりだと思います。

 五十六条一項というのは、議事そして議決の民主的な正統性を確保するために、定足数としては三分の一以上の出席がないと駄目だね、過半数の議決が必要だねというふうに規定がなされているのだ、特に定足数の関係では、三分の一以上の出席が必要、これは民主的な正統性を確保するためにその程度は必要でしょうということを憲法上規定されたというふうに理解をしております。

 また、先生がお話の中で、議員の議会活動を保障するという観点と国会の機能麻痺を防止するという観点を区別して考えるのが必要だ、こういう御指摘もございましたが、私も全くそのとおりだと思っております。

 個々の議員の議会活動をどう保障するかという問題という観点からは、この五十六条一項はさておき、例えば国会法だとか両議院の規則の中でそうした便宜をしっかり図っていくということは、当然これは可能でありまして、例えば委員会の審議でのオンライン審議を一定の場合にしっかり認めていく、こういうことはこの五十六条一項とは直接関係がないわけでございまして、これはこれでしっかり議論すればいいんだろうというふうに思っております。

 問題は、先生のおっしゃっている、国会の機能麻痺を防止するという観点でございます。

 まさしく、緊急事態に国会の機能をどう果たしていくのか、維持をしていくのか、役割を果たしていくのか、こういう観点で議論をしているわけなんですが、こういう国難ともいうべき危機というのは、当然、想定外といいますか、現時点でこれまでにはなかったことも十分起き得るということを想定しながら、やはり危機管理を果たしていかねばならない。

 感染症の問題でいいますと、当然、これからもどんな感染症が出てくるか分からない。今回のコロナ禍でも、単に陽性になったというだけじゃなくて、濃厚接触をするということもあるんですね。また、濃厚接触のおそれということもあり得る。そういう中で、国会の機能を果たしていくために、オンラインでの出席を、極めて例外的ですけれども、制度化できないのかというふうな議論を今まさしく進めているわけでございます。

 先生の御趣旨は今日十二分に理解をした上で、定足数の例外というのは全く許容されないのか、極めて厳格な要件や手続を定めた上で、それを例外として許容していくということがあり得ないのか、これについての先生の御認識を改めてお聞きをしたいと思います。

高橋参考人 そういうふうにぎりぎりと詰めていって、非常に極端な例外の場合どうするかと言われると、私も返答に窮するのでありますけれども、先ほども言いましたように、今までの大災害の場合でも、三分の二の人がそれで出席できなくなるというようなことにはならなかったし、実際に三分の二の人が集まれないというような状況というのは、これは想像を絶するというか、国民の三分の二が被害を受けているということですね。南海トラフなんかが来るとそうなるぞと言われると非常に怖いんですけれども、果たしてそうなのかな、オオカミ少年みたいじゃないのという気持ちも一方にありまして、そういう極端な事例を出して、だからこうしなきゃいけないという議論をやると、どうも間違う危険が強いんじゃないかなという感じを持っております。

 ですから、想定としては、今まで経験した阪神大震災とか東北大震災、これよりちょっとは大変かもしれないなという程度のところで、それに対応するにはどうしたらいいかという議論をやる方がいいので、もし、万一そういう大災害が来たら、それはもう超法規的な問題として各自が対処する以外にないんじゃないか。無責任だと言われそうですけれども、実際そうじゃないか。

 私は、そんなことを考えたときに、ふと思い出しました。日本の経験として、テロで、犯罪人を釈放せよという要求をされたときに、時の日本の総理大臣は超法規的な措置を取ったんですね。あれは、私は詳しいことは分からないんですけれども、恐らく刑法か何かに該当することをおやりになったというふうに思います。しかし、その後、国会で、そういう問題をどうするか、告訴するのかというような問題を議論されたということはなかったような記憶であります。

 しかし、あれは超法規的なもので、もちろん、それがよかったかどうかは分かりません。これは、諸外国からは非常に批判を受けました。しかし、日本の総理大臣が、自分が万一の場合は処罰をも覚悟をして取ったものですね。ある意味では、非常に勇気ある政治家だったと思います。

 皆さんの中にもそういう政治家がきっといらっしゃるだろうと思いますから、そういう本当に大変な事態になったときには、法律がないからどうのという問題じゃない、一人一人が、この現場でどういう態度を取るべきか、どういう行為を取るべきかということを考えて対応する以外にないんじゃないか。そんな場合にまで想定して法律や憲法改正をやったら、それはかえって危険の方が大きくなるんじゃないかなというのが私の考え方であります。

北側委員 ありがとうございます。

 私どもは、やはり、国会というのは国権の最高機関、唯一の立法機関です。緊急事態だからこそなおさらのこと、やはりしっかり国会で論議をし、また政府に対して注文しないといけない、それが国会の大きな役割だと考えております。

 緊急事態になって、もう政府に任せておけばいいというわけにはいかない。やはりきっちり国会が役割を果たすということが大事という観点から、この五十六条一項をどう考えるかということでございまして、恐らく、ここにいる多くの委員の皆様は、今日の先生方のお話も聞いて、あくまでそれは、例外的な、やむを得ない場合にオンライン国会を本会議で開くことも可能なのかどうか、こういう議論だというふうに理解をしております。

 そこで、最後に只野先生にお聞きしたいと思うんですけれども、例外を極めて限定的に考えていくとした場合に、今日もお話ございましたけれども、その例外事項の決め方、どういうふうに決めていけばいいのか、また、どういう法形式で決めていくのがいいのか、もう一度先生のお話を聞いて終わりたいと思います。

森会長 質疑時間が終了いたしておりますので、ごく簡潔に、只野参考人、お願いいたします。

只野参考人 もちろん、十分御議論いただくということは前提の上でございますが、先ほどお話をしましたように、やはり基本は議院規則ということになるのかなと思います。

 ただ、緊急時の対応の場合、それができないこともございますので、恐らく院の議決等で、これは後々先例という形で残っていく可能性もございますから、対応することもあり得るのではないかというふうに考えているところでございます。

北側委員 以上で終わります。

森会長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 国民民主党代表の玉木雄一郎です。

 両先生には本当にお忙しいところ、今日はありがとうございます。

 私からは、両先生に一問ずつと、共通の質問を一つ、三問聞きたいと思います。

 まず、高橋和之先生にお伺いします。

 制憲者の意図として、五十六条は会議体が合法的に活動するための要件を定めた規定というふうに書いておられ、権力の濫用の防止と少数者保護ということを具体的に挙げておられますが、オンライン出席あるいはオンライン国会を認めると、具体的にどのような権力の濫用が起こるのか、そのときに侵害される権利はどのようなことを想定されているのかということを教えていただきたいと思います。

 我々の考える権力は様々ありまして、立法府そのものの権力と同時に、行政権という権力があって、緊急時において、国会の審議機能が麻痺するような状況になってしまったときには、行政権という権力が肥大化してしまって、いわゆる三権分立のコントロールが失われてしまう。むしろ、権力の濫用を防止するという意味では、いかなる緊急時においても、国権の最高機関たる立法府の機能をいかに維持するのかという観点からの権力濫用防止機能が必要ではないかと考えますので、そういう意味での、先生の考える、ここで言う権力の濫用の防止と、侵害され得る権力が何なのかということを御教示いただければと思います。

 只野先生には、我々もあくまで出席というのは物理的出席が原則だと思いますが、例外的に絞り込んだ際には、広範な議院の自律権が認められるべきだというふうに思います。その意味でいえば、今回のコロナに関する対応に限定をかければ、規則の改正も要らず、本会議における議決をもって院の自律権を発揮することも可能ではないかと考えるので、その点についての見解を伺いたいと思います。

 最後に、両先生に共通の質問として伺いたいのは、いわゆる緊急事態が発生した際の衆議院及び参議院の任期の特例延長規定についてであります。

 現在であれば、憲法上の規定であれば、衆議院であれば四年、参議院であれば六年、任期満了時に、先ほど南海トラフ等の具体例が出ておりますけれども、正常に選挙を行い得ないような状況が発生した場合には、任期の特例機能、つまり、いかなる状態においても立法府の機能を維持するための、選挙も含めたですね、そういった機能を維持するための特例規定を、これはさすがに憲法を改正して入れなければ、解釈や法律での対応は不可能ではないかと考えますが、その点、最後、共通の質問として、お二人の先生に伺いたいと思います。

 以上です。

高橋参考人 オンライン審議の濫用としてどういう具体例があるのかという御質問であったかと思いますけれども、細かいところはいろいろあるかと思いますけれども、私が一番心配しているのは、セキュリティーの万全が実現できるのかどうかという点です。

 先ほどもちらっと話が出てきましたけれども、通信がダウンしちゃうというようなことですね。そうすると、そこでの討論、議決はどう扱うのかといった、いろいろな問題が出てくるんだろうと思います。

 さらには、日本にはそういう力がないから外国が干渉することはないかもしれませんけれども、場合によっては、利害関係があるような議論がなされる場合には、不正介入で攪乱するというようなことも起こり得るかもしれない。それはアメリカやソ連の話だろうと言われると、そうかもしれませんが。

 そういう危険も、私自身はメカニズムに余り強くないものですから、そういうハッカーなんかはいろいろな形で可能であって、それを防止するようなものを作り出しても、またそれを突破されるんだというような話をしょっちゅう聞くものですから、そういった点。

 日本のセキュリティーについては、心配なことばかりが新聞のニュースになっている。そうだとすると、国会だけは安全だということにはならないんじゃないか。そういうところまできちっと配慮した上で考えなきゃいけないのであって、まだそういう状況にはないのではないかなという気持ちがあります。

 濫用として、究極的には、一番心配しているのはその点であります。

玉木委員 ありがとうございます。

 追加の質問で申し上げますと、逆に言うと、セキュリティーの度合いがきちんと上がってくれば、可能というふうに解釈を変えていくことも可能だということなのか。

 もう一つは、例えば通信がダウンしてしまった場合に、通常の議員活動の保障が妨げられたということで、例えば裁判所に訴える場合の訴えの利益は議員本人にあるのか。あるいは、最高裁に行ったときに負ける可能性があるのかどうか。

 その点についての先生のお考えはいかがでしょうか。

高橋参考人 最後の方の、裁判をやったらどうかということですけれども、日本の裁判所は恐らく原告適格を認めないんじゃないかなと予想しております。

 そもそも、国会議員の方が、議事の在り方について何らかの主観的な権利、客観法的には規律がなされているとしても、裁判所に訴え出ることの許されるような主観的な権利というものがあるのかどうか。これはちょっと大変な議論になるのでここでは立ち入りませんけれども、私自身は、裁判所の判断、推測としては、最高裁は恐らくそういうのは認めないのではないかな、却下されるんだろうというふうに思います。

 それから、何でしたか。

玉木委員 セキュリティーが問題だということであれば、セキュリティーのレベルが上がってくれば、逆に認める余地も出てくるという解釈でよろしいですか。

高橋参考人 分かりました。

 これは、先ほども言いましたように、五十六条の前提というのは、国会議員が現実にそこに集まって相互に確認し合うという状況を前提にしていますから、オンラインを導入すればそれが崩れる、それがいいのかどうかという問題が別にあります。そこをきちっと議論して、恐らく、私の考えでは、それは憲法改正としてやるべきことではないかなと思います。

 法律解釈として例外を認めるというのは、そっちの方の、議会制の在り方といいますか、そういう点からなかなか例外を認めるというのは難しい。絶対に駄目だということを言うだけの資料もありませんけれども、そんなふうに感じております。

只野参考人 二点あったかと思いますので、順にお答えさせていただきますと、一つが、例外を認める場合、例えば院の議決でそれができないかというお話でございますが、これは先ほどお話ししましたように、可能だと私も考えております。

 ただ、やはり、国会なり議院の意思決定に関わる問題でございますので、憲法解釈上の疑義を残す形で行うのは当然好ましくないであろう。その辺りをまず詰めていただいた上で、そういう対応を取っていただくことになるのかなというふうに考えます。

 二番目でございますが、緊急時の国会議員の任期延長についてということでございますが、国会議員の任期は憲法に規定がございまして、これは私、さっきお話しした筋で申しますと、解釈の余地がないはっきりしたものでございますので、延ばそうとすれば、当然、例外規定が必要だということにはなってくるだろう。ただ、問題は、それが果たして必要なのか、適切なのか、ここが論点になるのかなというふうに思っております。

 いろいろな事態を想定はできるわけですが、いずれもやはり、支障が生じるとしても、一時的なものなんじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。先ほどの話もそういう前提でさせていただいたのですが、長期化するような事態を想定すればともかく、これはかなりのレアケース、なかなか想定し難い、一時的なものが多いというふうに考えますと、あえて任期延長する必要があるのだろうか。参議院の緊急集会で対応する、こういうやり方もあるわけでございます。

 それからもう一つ、何より重要なのは、憲法に手をつける前に、まず、緊急時における対応についての法制を準備しておくということではないかなというふうに思います。数年間にわたってそれを続けるのは難しいかもしれませんが、ごく短期間であれば、いろいろな対応を事前に取っておくことは十分可能ではないかなというふうに考えているところでございます。

玉木委員 ありがとうございました。

 高橋先生も、任期の特例延長についてのお答えをいただけますでしょうか。

森会長 質疑時間が終了しておりますので、高橋参考人、簡潔にお願いいたします。

高橋参考人 先ほど忘れました。済みませんでした。

 任期の問題も、やはり緊急事態にどう対応するかという問題の一環として進めるべきことであって、それだけを取り出して議論しない方がいいかと思います。

玉木委員 ありがとうございました。

森会長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 先ほど新藤先生からの幹事会での御意見の披瀝がありましたが、私はその反対の立場もまた明確にしておりますので、筆頭間協議でも是非尊重していただきたいと思います。

 この間の審査会の議論の中で、この憲法審査会において、憲法五十六条の解釈をあたかも確定して、オンライン審議を実施するための制度設計の検討を急ぐべきだという発言が、この間、繰り返されました。憲法審査会で個々の条文の解釈を確定していくというやり方は非常に問題だということをまず申し上げておきたいと思います。

 それで、今日は、高橋先生、只野先生、本当にありがとうございました。参考になる御意見をいただいたと思います。

 まず、高橋参考人にお伺いいたしますが、五十六条は、憲法全体の構造に照らして厳格に解釈するべきであり、会議体の成立要件と議決の要件は、少数者を保護し、権力の濫用を防止するということも述べておられました。

 これについて、参考人が述べられたのは、憲法が定める本会議の定足数などの規定は、本会議が法律を決定し、予算を可決するなどの権限を行使する上で、少数者の発言権を保護し、多数党による権力の濫用を防止するという趣旨だということで受け止めているわけです。また、これらの規定を便宜のために外すということは、憲法の趣旨に反する考え方であると述べられました。制度の悪用の危険性、濫用の危険の増大ということについて、またもうちょっと詳しく説明していただけないか。

 それから、日本国憲法は、第四章において、本会議の成立要件以外にも、会議公開の原則、議員が何物にも干渉されず、自由に発言し、表決することなどを要請していますが、それは、国民主権と民主主義という憲法の基本原理に直結する規定であり、権力の行使を縛る立憲主義の重要な原則だという具合に理解しておりますけれども、その辺のところをまた御教示いただけたらと思います。

高橋参考人 どういう濫用があるか、もう少し詳しくという御質問でございますが、定足数については、三分の一に満たない場合に、それをどうしても満たしたいと考える立場からは、実際にはオンラインでも不可能なような状態でも、何とかオンラインで参加するような形を整えようというような工作をする可能性が出てくるだろう。

 ビデオ画面の裏側がどうなっているかということは、これは議員が恐らくチェックするという制度にはなかなかできないだろうと思いますから、そうすると、事務員にチェックさせるとかいうようなことになるだろうと思うんですね。そういうのは、やはりそういう人々を監督する立場にある人がかなり操作を行うということも可能になってくるだろう。

 政治というのは私はそういうことをやり得ると思っておりまして、そもそも憲法というのは、そういう権力を行使する人たちを猜疑の目で見るものだというふうに学生の頃から教わってまいりまして、全くそのとおりだと思っております。

 通常は非常に善良な方々ばかりだと思いますけれども、何らかの利害が絡んできて、この一票を何とかしたい、この定足数あるいは表決を何とかしたいというその場合に、ただ一票が問題になっている、あるいは二票が問題になっているというようなことになると、現場で確認しているときには操作するというのは不可能ですけれども、ビデオ画面で確認すればいいということになれば、そういう危険も起こり得るかもしれない。007の見過ぎかもしれませんけれども、むしろそういうことまで想定して考えていただきたいということであります。

赤嶺委員 只野参考人にお伺いいたします。

 今の五十六条の「出席」について、必ずしも物理的な議場への現存のみに限られないとして、物理的出席とほぼ同等の条件が確保されれば例外が許容される余地があるという御意見でありました。

 ほぼ同等の条件の確保という場合に、いわば国会は最高の決議機関、統治機構としても権限、権力を擁しているところでありますし、今、高橋先生にお聞きしたことと同じ質問ですが、権力の濫用や制度の悪用の危険性について、これは只野先生、どのように考えておられますか。そしてまた、憲法の基本原理と五十六条の関係、これをどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

只野参考人 御質問ありがとうございます。

 私のような解釈を取りました場合、やはり、それが濫用されないか、解釈が拡張されないか、こういう御懸念があるのはもっともかというふうには思いますけれども、やはり重要なのは、例外であることを確認いただく、何がデフォルトなのかということを共有した上で議論を進めていただく、こういうことかなというふうに思っております。

 ほぼ同等ということを申しましたけれども、これは特に審議を考えていたところでございまして、議決だけに限れば、少しハードルはやはり下がってくるのかなというふうに思います。

 なお、濫用の可能性があるではないかということについては、可能性は確かに否定はできないであろうというふうに思います。そうしますと、やはり重要なのは、どういう場合に例外が認められるのかということをきちんと限定いただく、こういうことかなというふうに思います。

 可能であれば、例えば議院の職員の方がついて確認いただくということがあると一番よいのですけれども、今日お話があったような緊急事態の場合は、なかなかそれはやはり難しいのかなというふうには思うんですね。その中で可能な範囲で御対応いただくということになるのかなというふうに思っております。

 それから、憲法全体における五十六条の趣旨ということでございますけれども、これは、まさに、議院としての意思決定の基礎がどういうところにあるのか。高橋先生の方からは、最低限守ってもらうルールだというふうなお話がございましたけれども、まさにそういうものなのかなというふうに思っております。その意味では、やはり非常に、なかなかゆるがせにしにくい原則ではあろう。ただ、本当に全く例外を許容する余地がないのかといえば、そうではないだろう。今日はそんな趣旨でお話をさせていただいたところでございます。

赤嶺委員 これはお二人の先生に聞く時間をいただきたいんですが、昨年の、衆議院の国交委員会で、地方視察に代えて、オンラインを活用して、災害自治体から実情を聞いた事例があります。そういうオンラインの活用を大いに推進することに、これは異論はないと思います。

 一方、本会議へのオンライン出席、表決について、様々な意見がある中で、そもそも立法事実はあるのか。この点について両先生にお聞きしたいと思います。

森会長 質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。

高橋参考人 ちょっと質問の意味が理解できなかったんですが、地方のことをお聞きになったんですか。それとも本会議の……(赤嶺委員「本会議のことです」と呼ぶ)

 本会議について例外を認める、その立法事実があるかどうかということでありますけれども、ずっとお話ししてきましたように、私は立法事実がないと考えております。

只野参考人 先ほど申しましたような、例外として考えられる事由、これはやはり考慮されるべき点があるのかなというふうに思います。全体として支障はないではないか、こういう議論はあるかもしれませんが、実際に議事や議決に参加できない議員の先生方、いらっしゃるんじゃないかなと。そういう範囲で、慎重な見極めをした上で御判断いただければというふうに考えているところでございます。

森会長 次に、北神圭朗君。

北神委員 有志の会の北神圭朗です。

 高橋先生、只野先生、大変勉強になりました。ありがとうございます。真横に座っていながら、遠隔審議をお許しいただきたいと思います。

 一つ目の質問は、高橋先生にお聞きしたいのは、先ほどおっしゃったルールと原理、この法哲学的な話なんですけれども、近代立憲主義を本流としている各国でも、日本の憲法第五十六条と同じような規定がありながら、例えば、ルールと原理を区分した、提唱者でもありますドゥオーキン博士の本場の米国なんかでも、新型コロナ対策として解釈を変更、変更というか拡大をして、議員の出席だけではなく代理出席を認めるとか、あるいは、スペインなんかだったらオンライン審議を認めているとか、こういったことがございますけれども、これらの国は、先生がおっしゃったような厳格な解釈というものをしていた結果こういうことになっているのかどうか、お尋ねしたいと思います。

高橋参考人 私、ちょっと不勉強で、アメリカで具体的にどういう理由でそういうことをしたのかということを承知しておりません。

 アメリカと日本では相当違うということは理解しております。ですから、アメリカの議論がどれだけ日本に通用するかという点では、余り参考にならぬ場合が多い。向こうは大統領制ですし、制度自体が違いますから。

 それで、これまでの運用の結果といいますか、運用の中で確立してきた解釈というのもありますし、アメリカで定足数とか何かを無視して、無視したというか、それをやったとすれば、私はちょっと承知していないんですけれども、何らかの理屈があってやっているんだろうと思いますから、そういうのを、ちょっと不勉強で、勉強しておりませんので、お答えを控えさせていただきたいと思います。申し訳ありません。

北神委員 ありがとうございます。

 制度はもちろん違うんですけれども、一応、法文を解釈する考え方は多分共通のものがあるんじゃないかなというふうに思っていたんですが、この質問を終わりたいというふうに思います。

 もう一つは、これは法文の性格の部分だと思いますけれども、権力濫用の抑制、少数者の保護のために、この五十六条第一項が議会の成立要件あるいは議決の要件としてあるという話なんですが、この第五十六条一項全てが、その全ての構成要素が、本当に権力濫用、少数者保護に資する構成要素なのか。

 これは、先ほど先生、恣意的な解釈で分離をしていると。議員の総数とあるいは出席者数というのを分離するのは恣意的だというお話なんですが、しかし、出席者数を物理的な出席とみなすことが、果たして本当に権力濫用の抑止あるいは少数者保護、その本質的な要素なのかということをお聞きしたいというふうに思います。

高橋参考人 言葉は一義的でないから、解釈の余地は常にあり得るんだということを申し上げました。

 しかし、最初、どう解釈するかということを、通常、憲法を運用し始めた段階で議論して、一つの解釈を取って、それで運用をしてくるわけですね。まだ運用が定着していない段階では、いろいろな解釈の可能性があって、議論があり得るかもしれませんが、それが何十年と続けられてくるということになりますと、その意味こそが憲法の意味だというふうに確定したと理解しなければいけないんじゃないかなと私は解釈しております。

 これは私の独自の解釈方法でありまして、異論があり得るだろうと思いますけれども、私はそういう立場を取っておりますから、ルールであるといったならば、そのルールの意味が長い慣行の中で確立された以上は、その意味としてやっていかなきゃいけない、それを変えようというのであれば、改正という手続を取るのが筋であろう、これが私の見解であります。

北神委員 あと、立法事実として、法律を成立させる、あるいは解釈を正当化させる社会的、科学的な事実があるのかというところで高橋先生は疑問を呈されたわけですが、先生の挙げている事例というのは、東日本大震災とか阪神・淡路大震災。立法事実というのは、社会的、科学的事実が現在存在するものに限るのか、あるいは、将来、先生のおっしゃるように極端な、想像力が飛躍するような話は別として、それなりの科学的知見に基づいた、専門家が確率的に想定しているような、そういった事態も立法事実として含めるべきものなのか、そこをお尋ねしたいと思います。

高橋参考人 そういうのも当然含めます。含めた上での判断だと思います。

北神委員 それで、先生のお話を伺っていて、確かにそれは、東京の直下型地震とか、あるいは富士山の噴火とか、南海トラフの話とか、それで三分の一の人たちが集結できない、それは非常に極端な事例だというふうにおっしゃるんですけれども、それは確かにそうかもしれません。しかし、外国なんかは基本的にそういうことを想定している国々ばかりだというふうに理解しています。やはり、万が一、想定できないことを憲法上も想定しないといけない。緊急事態条項なんかはその事例だというふうに思います。

 一方で、先生のおっしゃるオンライン審議の弊害、例えば、インターネットがダウンしてしまうとか、あるいは、画面の向こう側でどうなっているか分からない、これも、定量的には何も証明できませんが、一種極端な事例であるというふうに思いますけれども、やはり、それぞれに、そういった事態が起こり得ることも想定して、一〇〇%はできないかもしれませんけれども、それなりの制度的担保とか設計というものを考えるのが、より危機管理的に必要なことではないのかというふうに思いますが、その点について、いかがお考えでしょうか。

高橋参考人 おっしゃる意味はよく分かります。だから悩んでいるということを申し上げたんですけれども、その上で、ぎりぎりのところで、どちらがいいかなという私の判断として、やはり、三分の一といいますか、例えば三分の二の国会議員が出てこられないというのは、富士山が爆発してもそんなことは起こり得ないだろうと思いますし、南海トラフで本州が全部やられた場合に、本当に三分の一が出られなくなるのかというと、そうでもない、九州や四国やいろいろあるじゃないかと。緊急的にそういう人が集まってやるというのがそういうときにすべきことであって、それで処理するのが一番無難ではないかなと考えております。

北神委員 どうもありがとうございます。

 もう一つ、先生がおっしゃっていたことで全くそのとおりだと思うのは、この議論、オンライン審議を切り離して議論をするのではなく、当然これは緊急事態の、少数者の、いわゆる弱者の話は別ですけれども、災害とか感染症の問題はまさに緊急事態の問題であるというのは、全く私も同感でございます。

 その中で、緊急事態の議論の中で、例えばこの憲法審査会で、それなりの方向性というものを取りまとめた中で、このオンライン審議の解釈変更というのを取り上げるということはあり得ることでしょうか。

高橋参考人 審議で取り上げる、議論するのは大いに結構ですから、どんどんやっていただきたいと思いますけれども、結論的にどうするかという点で、憲法との関連を述べさせていただきました。

北神委員 どうもありがとうございます。

森会長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、ありがとうございました。憲法審査会を代表して、心から御礼を申し上げます。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十九分散会


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