衆議院

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第9号 令和8年6月11日(木曜日)

会議録本文へ
令和八年六月十一日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   会長 古屋 圭司君

   幹事 鬼木  誠君 幹事 北神 圭朗君

   幹事 新藤 義孝君 幹事 鈴木 英敬君

   幹事 高階恵美子君 幹事 和田 義明君

   幹事 國重  徹君 幹事 馬場 伸幸君

   幹事 浅野  哲君

      秋葉 賢也君    石井  拓君

      石川 昭政君    石橋林太郎君

      井出 庸生君    伊藤信太郎君

      稲田 朋美君    大野敬太郎君

      岡本 康宏君    加藤 勝信君

      上川 陽子君    木村 次郎君

      下村 博文君    高木 宏壽君

      田野瀬太道君    寺田  稔君

      中川 貴元君    中山 泰秀君

      葉梨 康弘君    星野 剛士君

      細野 豪志君    本田 太郎君

      松下 英樹君    丸川 珠代君

      盛山 正仁君    保岡 宏武君

      若林 健太君    有田 芳生君

      泉  健太君    河西 宏一君

      階   猛君    阿部 圭史君

      池畑浩太朗君    西田  薫君

      飯泉 嘉門君    玉木雄一郎君

      川 裕一郎君    和田 政宗君

      古川あおい君    畑野 君枝君

    …………………………………

   議員           鬼木  誠君

   議員           北神 圭朗君

   議員           新藤 義孝君

   議員           鈴木 英敬君

   議員           高階恵美子君

   議員           和田 義明君

   議員           馬場 伸幸君

   議員           浅野  哲君

   議員           和田 政宗君

   衆議院憲法審査会事務局長 吉澤 紀子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十一日

 辞任         補欠選任

  棚橋 泰文君     岡本 康宏君

  土田  慎君     松下 英樹君

  西村智奈美君     階   猛君

同日

 辞任         補欠選任

  岡本 康宏君     棚橋 泰文君

  松下 英樹君     土田  慎君

  階   猛君     西村智奈美君

    ―――――――――――――

六月十日

 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(新藤義孝君外八名提出、衆法第一一号)

は本憲法審査会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(新藤義孝君外八名提出、衆法第一一号)

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題)


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     ――――◇―――――

古屋会長 これより会議を開きます。

 新藤義孝君外八名提出、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。新藤義孝君。

    ―――――――――――――

 日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

新藤議員 ただいま議題となりました自由民主党・無所属の会、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び参政党の共同提案による日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。

 いわゆる憲法改正国民投票法につきましては、投票環境整備に関する事項は公選法並びとの考え方にのっとり、公選法の改正により行われた投票環境整備と同様の規定の整備を行う、いわゆる七項目改正が、令和三年に成立したところでございます。

 その際、附則において、令和元年の公選法の改正により行われた投票環境整備のための二項目について、国民投票法においても同様の規定の整備を行うよう、検討を加えて必要な法制上の措置等を講ずる旨の規定が設けられました。

 また、令和四年にも、更に一項目について、投票環境整備のための公選法改正が成立しております。

 こうした状況を受けて、令和四年に、これらの三項目について、国民投票法においても同様の規定の整備を行うよう国民投票法改正案が提出されましたが、令和六年の衆議院解散により廃案となりました。

 本法律案は、この令和四年の国民投票法改正案と同一の内容の法案を再提出するものであります。

 次に、本法案の主な内容を御説明申し上げます。

 第一に、平成二十九年の衆議院議員総選挙において、悪天候により離島から投票箱を運べなかった事例を踏まえ、安全かつ迅速な開票の観点から、開票日に近接して現地で開票所を設ける場合の開票立会人の選任に係る規定の整備を行うものとしております。

 第二に、投票所の円滑な設置及び運営を図るため、投票立会人の選任要件を緩和するものとしております。

 第三に、現在、AM放送の放送設備により行うこととされているラジオ放送による憲法改正案の広報のための放送について、基幹放送事業者におけるAM放送のFM放送への転換に伴い、FM放送の放送設備によっても行うことができるものとしております。

 なお、この法律は、公布の日から起算して三か月を経過した日から施行することとしております。

 以上が、本法律案の趣旨及び概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

古屋会長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

古屋会長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。階猛君。

階委員 今回の法案の新旧対照表がこの冊子につけられております。その一番最後に附則四条というのがありまして、下の方が現在の条文、そして上の方が改正後の条文ということで案が示されております。

 これを見ますと、一号のイの開票立会人の関係、ロの投票立会人の関係に関しては、この法案が成立すれば、必要な法制上の措置が済んだということで削られるようです。

 一方、二号のイ、放送CMやネットCMの制限、ロの国民投票運動等の資金規制、ハのネット等の適正利用の確保策については手つかずであって、この法案が成立しても、いわば宿題として残ることになります。

 ただし、そもそも宿題の提出期限は、附則四条が効力を生じた令和三年を起点として三年をめどということになっていました。既に二年が経過しています。附則四条を遵守という観点から、本来は一号の宿題と一緒に提出すべきでした。百歩譲って提出時期がずれるにせよ、できるだけ早く提出すべきです。

 附則四条二号の三つの事項につき、一体いつまでに必要な法制上の措置その他の措置を講ずるのか、提出者にお尋ねします。

新藤議員 この附則四条につきましては、純粋法理論とすれば、所定の検討期限を経過してもなお引き続き規範性が残っているという見方と、それから、期限経過とともにその法規範性は失われたという見方があり得るわけであります。

 しかし、いずれにいたしましても、国民投票の公平公正の確保に関する施策を講じていく必要性については、憲法審においても議論しております。これまでも度々御指摘もいただいております。ですから、そうした議論の積み重ねを含めまして、検討条項の要請に応えて、私とすれば、できる限り速やかに検討を行って、必要な法制上の措置その他の措置を講ずることが望ましいと考えております。それは憲法審において引き続き議論させていただきたい、このように考えています。

階委員 すなわち、この四条の附則の法的な拘束力は今なお残っているということでよろしいですか。

新藤議員 残っているか残っていないかは、純粋法理論上の見方があることは私申し上げました。しかし、憲法審査会としてこの議論を進めていくこと、これが重要だというふうに思っておりますし、できる限り速やかに検討を行って、必要な法制上の措置その他の措置を講ずることが望ましい、このように考えているわけです。

階委員 私は、附則四条の文言だけにこだわって、今の三つの事項につき法制化を急ぐべきだと言っているわけではありません。

 高市首相が関与しているかどうかはおくとしても、AIスロップと呼ばれる、AIを使った品質も品位も低いコンテンツ、これを大量に発信することで各種の選挙に影響を与えようという動きが今強まっています。

 高市首相の疑惑に関して、実際にどういう動画が作成されたのか。私は週刊文春の電子版の有料会員になりました。見てみました。自民党の総裁選での小泉候補、林候補、あるいはさきの総選挙での中道改革連合の同志への誹謗中傷の動画、はっきり言って、一つ一つ、冷静に見れば大した内容ではありません。

 しかしながら、専門家によると、質が低くても、大量に情報が出回れば、世の中にある種の空気が生まれて、こうした情報を浴び続ける受け手は、判断能力が低下して批判的な目で見られなくなる認知疲労という状態に陥るために、こうした手法も有効なのだということであります。

 要は、資金力とAIの活用能力とSNSがあれば、たった一人の力で世論や国民投票の結果に影響を与えられる時代になったということを私たちは認識しなくてはなりません。その意味で、令和三年の時点より、今掲げた三つの事項の法的規制の必要性はより高まったと言わざるを得ません。昨年の自民党総裁選では他の候補の選対本部長も務められた新藤先生ですから、この危機感は共有していただけると私は思っています。

 中道改革連合としても全力で協力しますので、一刻も早くこの附則四条二号の三つの宿題を仕上げることを約束していただけないでしょうか。あわせて、国民投票の公平及び公正を確保するという見地から、国民投票広報協議会がファクトチェック団体と連携するなど、この協議会の機能強化を速やかに講じる検討条項をこの機会に設けようではありませんか。

 以上二点について、新藤提出者の答弁を求めます。

古屋会長 新藤義孝君、挙手の上、御発言を願います。

新藤議員 とても重要な御指摘だと思います。そして、現代社会においてどのように選挙制度を有効に生かせるか、これは大事な議論をしなきゃならないと思いますし、それは憲法改正国民投票のみならず一般の通常選挙においても重要な観点になると思います。そしてそのための御議論が今始まっていると承知しておりますから、そういったことも踏まえながら検討していかなきゃならないと思います。

 少なくとも、私どもの附則にあるものにつきましては、先ほどから申し上げておりますように、検討条項の要請に応えて、速やかに必要な法制上の措置その他の措置を講ずる、このことが望ましいと考えておりますし、既にもう憲法審で私も何度も発言をさせていただいております。この問題は、議論を深めて、そして結論を得るためのことを進めていかなければならない、このように考えております。

 それから、もう一つの質問でございますけれども、広報協議会の在り方について。これにつきましては、いわゆる、附則四条二号の柱書きは「次に掲げる事項その他必要な事項」となっているわけで、イ、ロ、ハは例示とも言えるわけであります。そして、その他必要な事項というものがございまして、広報協議会の機能強化も含めて、そういったものが含まれているのではないかな、このように思うわけであります。

 いずれにしても、国民投票の公平公正の確保に関する施策を講じていく必要性についてしっかりと議論していきたい、このように思います。

階委員 時間が来ましたので終わりますけれども、我々、建設的な修正案を用意しておりますので、是非検討をお願いしたいと思っております。

 終わります。

古屋会長 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。

 本日は、提出者の皆様に本改正案について質問をいたします。

 初めに、チームみらいの立場を申し上げます。

 今回提出されましたいわゆる三項目の改正案、すなわち、開票立会人の選任に関する規定の整備、投票立会人の選任要件の緩和、そしてFM放送による広報の追加につきましては、いずれも既に公職選挙法において措置されている事項を国民投票法に反映するものであり、チームみらいといたしましても、その早期の成立の意義を認めるものでございます。

 その上で、三点お伺いいたします。

 第一に、公職選挙法における改正の効果についてお伺いいたします。

 今回の三項目はいずれも、既に公職選挙法において先行して措置され、現に施行されているところでございます。したがいまして、これらの措置が実際にどのような効果をもたらしているかは、公職選挙法の運用の実績によって現に検証することができると考えております。

 そこで、提出者の皆様にお伺いいたします。

 これらの措置は、公職選挙法において実際にどのような効果をもたらし、その施策としての実効性をどのように評価しておられますでしょうか。例えば、立会人の確保の状況やFM放送による政見放送の実施状況など、効果を裏づける実績がございましたらお示しいただきたいと思います。

馬場議員 古川議員の御質問にお答えをいたします。

 我々が把握している限りでは、公職選挙法改正後の状況について、令和八年の衆議院選挙において、東京都の新島村など七つの市、村で、投開票間際の悪天候により投票日当日に分割開票区を新たに設けた旨の告示を確認をしております。これらの市、村では開票立会人が新たに選任されたものと思われます。また、令和七年参議院選挙において、青森県の選挙区など幾つかの選挙区でFM放送で政見放送が実施されたものと確認をいたしております。さらに、新藤幹事の御地元であります埼玉県川口市におきましては、立会人の選任要件の緩和により、自治会が投票立会人を推薦するときの負担が軽減されたという声もあるようでございます。

 提案者として、公職選挙法の施行状況を網羅的に把握しているとは言えませんが、このような事例も踏まえると、今回の三項目案の内容は投票環境の整備に資するものであると考えています。

 以上です。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 続いて、本改正案と令和三年改正法附則第四条との関係についてお伺いします。

 今回の改正案が対応するのは、附則第四条のうち第一号、すなわち投票環境の整備に係る事項であると理解しております。

 一方で、附則第四条の第二号、すなわち、国民投票のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金に係る規制、インターネットの適正な利用の確保につきましては、施行後三年をめどとする検討期限が既に経過しております。

 しかも、この間に、検討の前提となる情報環境そのものが大きく変化しております。令和三年に附則が設けられた時点と比べ、AIなどの急速な進展により、本物と見分けのつかない偽の発言や映像を誰もが容易に作り出せる状況が生まれております。国民が憲法の在り方について最終的な判断を下す国民投票の場がこうした偽情報によって左右されることはあってはならないと考えます。

 第二号が掲げるインターネットの適正な利用の確保は、立法当時に念頭に置かれていた資金力による不公平の是正という観点にとどまらず、今や、こうした新しい課題への対応をも射程に収めて検討すべき、重みを増した宿題になっていると私どもは考えております。

 そこで、提出者の皆様にお伺いします。

 この二号の検討というものは、今回の改正案とは別にするにしても、着実に進めていくべきものと考えますが、提出者の皆様としてはこの第二号の検討を今後どのように進めていくお考えか、御認識を伺います。

浅野議員 御質問ありがとうございます。

 先ほどの階委員と新藤筆頭との議論と重なる部分がございますが、御指摘のとおり、附則第四条については、純粋法理論としては、既に所定の検討期限を経過しております。その法規範性の有無については議論があり得るという状況でございます。

 ただ、この第二号に掲げられている事項については、これまでも憲法審で様々な議論の積み重ねがあります。そして、こうした検討条項の要請に応えて、私としても、先ほど新藤幹事がおっしゃられていたように、速やかに検討を行い、必要な法制上の措置その他の措置を講ずることが望ましいと考えておりまして、その点については同じものと思います。

 いずれにせよ、各党各会派と真摯に議論を積み重ねていきたいと思っております。

 以上です。

古川(あ)委員 ありがとうございます。

 関連してもう一点、検討の実効性と本審査会における議論の進め方についてお伺いいたします。

 今申し上げたとおり、第二号の検討期限は既に経過しております。加えて、本審査会と並行して、関連する議論は具体的に動いております。与野党による選挙運動に関する各党協議会におきましては、選挙期間中のSNS上の偽情報、誤情報への対策を盛り込んだ法案の骨子がまとめられ、情報流通プラットフォーム対処法や公職選挙法の改正を念頭に、今国会中の法案提出も視野に検討が進められているものと承知しております。

 本改正案がまさにそうであるように、公選法において措置された事項は、国民投票法への反映も必要となり得るものでございます。選挙運動に関する各党協議会の検討を受けて公職選挙法が改正されれば、それに合わせて国民投票法の整備もまた課題となってまいります。であればこそ、国民投票法をめぐる手続的な論点は、本審査会において優先的に議論を進めるべき論点であると考えております。

 そこで、提出者の皆様にお伺いいたしますが、こうした選挙運動に関する各党協議会の検討状況なども踏まえて、この第二号の論点についてはどのような場でいつまでに結論を得ることを想定しておられますでしょうか。重なる部分もありますが、御見解をお伺いいたします。

古屋会長 和田政宗君、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

和田(政)議員 お答えをいたします。

 御指摘の事項につきましては、国民投票独自の問題というよりも、頻繁に行われている一般の選挙においてこそ検討が必要な問題であると考えます。

 現在、超党派の議員による選挙運動に関する各党協議会で議論がなされているところと承知をしております。そこでの議論も参考にしながら、ネット情報の特性を踏まえた国民投票運動への関わりについて、速やかに検討を行い、必要と判断された場合には措置を講ずるべく、引き続き議論をしていきたいと考えます。どの場でいつまでにについては、憲法審査会においてできるだけ速やかに検討していきたいと考えております。

古川(あ)委員 時間となりましたので、終わります。ありがとうございました。

古屋会長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 国民投票法について質問します。

 今回の法案について提出者は、公選法で措置されたもので、外形的な事項だと説明しています。しかし、人を選ぶ選挙と改憲の賛否を問う国民投票は全くの別物です。にもかかわらず、公選法並びという理由で議論を進めてよいのかということがまず問われるべきだと思います。

 具体的に伺いますが、法案は、ラジオでの広報をFM放送にも拡大するとしています。公選法では、政党や候補者が作成した政見放送をそのまま放送するだけですが、国民投票法は、改憲案の広報を放送するもので、それを作成するのは国会につくられる広報協議会です。選挙とは主体も内容も全く違います。この違いについて、法案提出者はどのように認識していますか。

鬼木議員 畑野委員の御質問にお答えいたします。

 御指摘のFM放送への拡大ということでございますが、この法改正の背景には、民放事業者において、中波でありますAMラジオ放送の維持コストの負担が難しくなってきている、そして、超短波放送であるFMラジオ放送に転換せざるを得ないという事情があったということであります。

 全国多くのAM民間ラジオ局が、維持コストの負担や、また難聴取対策などの理由から、FM放送への転換やAM局の廃止を今進めております。またAM局が、従来の電波に加え、FMの周波数、ワイドFMで放送を行うようになり、それらの放送設備を通じて放送が流れるようになってきております。したがいまして、これに伴いまして、選挙時の公営放送としての役割もFM局へ引き継がれるようになるということであります。

 法律案要綱の第一の三を御覧いただければと思いますが、現在のAM放送、中波放送の放送設備に加えて、FM放送、超短波放送の放送設備によっても憲法改正案の広報のための放送をすることができるものとするということですので、これはまさに外形的にFM放送の設備を使うことができるとしたものでございます。

 ラジオ放送、インフラの問題でありまして、要は、本件については、公選法と同じく国民投票法においても同様の措置を講ずべきということで判断したものでありまして、外形的な要件を整えたということでございますので、内容については、またこの法律案とは別のものということでございます。

畑野委員 質問にきちんとお答えいただいていないんですけれども。

 要するに、内容が違えば、その手段の是非も当然異なってくるわけです。その違いを無視したまま公選法並びでそろえることがいいのかということが問われていると思います。強調しておきたいのは、この放送する広報の内容は国民投票の公平公正さに関わる問題だということです。

 国民投票法は、広報の内容について、憲法改正案やその要旨に加え、その他参考となるべき事項と規定しています。これは具体的にどのような内容で、それは誰がどうやって決めるのですか。改憲の理由や発議に至った背景など、改憲を進めるために、都合のいい情報が広報として放送されることになるのではありませんか。

高階議員 畑野委員の御質問にお答えしたいと思います。

 百六条第二項のことであろうと思います。国民投票広報協議会が行います憲法改正案及びその要旨のほか、その他参考となるべき事項につきまして、例えばですけれども、現行憲法の条文を含めた新旧対照表でありますとか提案理由の説明、あるいは国会審議の経過といったものが想定されると考えます。

 具体的に申しますと、今後制定されることとなる憲法改正案広報実施規程、これは仮に今申し上げておりますけれども、これに基づきまして、憲法改正の発議の際に広報協議会で決定することが想定されてまいります。だからこそ、広報実施規程などの広報協の関係規程を早急に整備する必要があると考えております。

畑野委員 国会での議論を本当に客観的に記載しようとしたら、議事録をそのまま載せるしかありません。結局、どのような情報を発信するかを取捨選択するしかなく、それを判断するのは広報協議会です。恣意的な判断になる可能性は極めて大きいと思います。

 そもそも、広報協議会の二十人の委員は、会派の所属議員数の比率により割り当てることになっています。改憲に賛成した会派が大多数を占めることになり、反対した会派の委員は僅かです。場合によっては、賛成した会派が十九人で、反対した会派の委員は一人しかいないこともあり得ます。極めて不公平な構成であり、とても中立的とは言えないと思いますが、いかがですか。

北神議員 お答えしたいと思います。

 広報協議会というのは、先生御存じのように、国会法上の、国会の公的機関であって、その委員も国会議員で構成されています。ですから、普通に考えて、委員の割当てについては会派所属議員の比率によることが基本となる。

 他方、公正かつ平等ということは、広報の内容についても、賛成派、反対派、両方ちゃんと配慮するように法律上規定されておりますし、新聞や放送広告については、双方に同等の利便、新聞だったら同じ尺、同じ回数、賛成も反対も同じように扱うということとされています。

 もう一つ言うと、広報の具体的内容はおっしゃるとおり広報協議会の委員によって決まりますけれども、所属議員の比率による配分で改正の発議に反対した会派から委員が一人も選ばれないときには、これも法律上、憲法改正の発議に反対した会派にも委員をちゃんと割り当て選任するようにできる限り配慮するものとされていますので、以上のように、国会における委員配分のルールを基本としつつも、少数会派に対する最大限の配慮がなされているというふうに考えています。

古屋会長 畑野委員に申し上げます。もう質疑時間は終了いたしました。

畑野委員 配慮規定にすぎないということで、不公平な仕組みだということを申し上げて、質問を終わります。

古屋会長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

古屋会長 速記を起こしてください。

     ――――◇―――――

古屋会長 次に、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。

 本日は、日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題について討議を行います。

 この討議につきましては、幹事会の協議に基づき、各会派一名ずつ大会派順に発言していただくことといたします。

 発言時間は五分以内といたします。

 質問を行う場合、発言時間は答弁時間を含めて五分以内といたしますので、御留意願います。

 発言時間の経過につきましては、おおむね五分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。

 発言の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

新藤委員 自由民主党の新藤義孝です。

 本日は、今までに議論されてきたテーマのうちで、今後更に深掘りすべき論点に関して、私なりの意見を申し上げたいと思います。

 まず、緊急事態条項のうちの緊急政令でございます。国民民主党の玉木委員からも御質問を頂戴しております。これへの回答も含めて、自民党案の考え方について申し上げたいと思います。

 私たちの提案での緊急政令は、あらかじめ法律の定めるところによりとして、事前の法律でその範囲や手続を定めることを想定しております。この事前の法律において、現行の災害対策基本法であるとか新型インフル特措法と同じような内容を定めれば、委任政令の枠内での個別的緊急政令と同様の運用となり、確認規定としての性格を持つことになる、このように思います。

 他方、そもそも緊急政令は、国会が機能できないという想定外の事態に備えるための万々が一の制度であります。その対象は包括的であるという場合もあります。それを念頭に置けば、事前の法律を定めるとした場合には、現行の個別的緊急政令の枠を超えた運用も可能となり、創設規定としての性格を持つことにもなるわけであります。

 どちらの意味合いを強めていくか、そして緊急政令の制度をどのように位置づけていくかは、各会派との議論を踏まえ、早急に憲法審で深掘りしてまいりたい、このように思っているわけであります。

 次に、九条に関しまして、自衛隊は国際的には軍隊だが国内的には軍隊でないと言われ分かりにくいという意見がしばしば聞こえます。国の独立と国民の命を守るために必要な武力行使をするという点においては、自衛隊は各国が持つ軍隊と何ら変わることがなく、国際法上も国内法上も軍隊と位置づけられると思います。

 しかし、他国の軍隊と違い、自衛隊は、他国を占領しない、占領行政をしかないであるとか、自国防衛と関係のない純粋国際協力の場面で武力行使は行わないと位置づけられており、この点からすれば、そこは他国の軍隊とは違う位置づけがあるわけであります。

 また、自民党の提案する憲法改正によって自衛隊の位置づけが変わるのか、軍国主義が台頭するのではないかという御心配の声を聞くことがあります。

 まず、憲法の三大原理にある平和主義に基づく自衛隊の位置づけはこれからも堅持すべきと考えております。自民党の条文イメージにおいて九条一項、二項をそのままにしているのは、このような意味合いがあるわけであります。平和主義に基づく自衛隊の位置づけは従来と変えておりませんし、軍国主義が台頭するといったことは全く望まず、想定すらしておりません。

 一方で、自衛隊の位置づけが変わらないのであれば憲法改正をする意味がないのではないかという御質問もありました。

 我が国の安全保障体制については、憲法解釈のみではなく、防衛に関する法体系全体と我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえて考えなければなりません。

 昭和二十九年の自衛隊創設時の時点、東西冷戦や湾岸戦争などを経て、その後の新たな国際情勢、中国の軍備増強、北朝鮮の核開発、ロシアのウクライナ侵略など、自衛隊の創設以来、東アジアや世界の安全保障環境が激変する中、自衛隊の位置づけは、安保環境の変化や軍事技術の発達など国を取り巻く安全保障上の脅威に対抗するべく適宜整えられてきたことは御承知のとおりです。特に、二〇一五年の平和安全法制においては、限定的な集団的自衛権を定める存立危機事態や重要影響事態、邦人等の保護措置などが整備されています。

 国防と安全保障の論議は、状況の変化や脅威に速やかに対応させていかなければなりません。自衛隊の位置づけは、我が国と国民の生命財産を守るために必要かつ十分な措置が可能なように、総合的な議論の中で今後も整えられていくと考えています。

 ところが、この議論の大本にある憲法には、誰がどのようにして国と国民を守り、その実力をどのように統制するかという国防に関する規定がありません。そのため憲法にこうした国防規定を明確に位置づけようとするのが自民党の提案です。憲法改正は国の形を整えるために絶対に必要だと私は考えております。

 以上、緊急事態条項及び九条について、私なりの意見を申し上げました。

 これらの論点を集約するためには、更に議論を深掘りする必要があると思っています。先ほどの幹事会におきまして、来週の憲法審においてはテーマを絞り集中的な討議を行ってはどうかというふうに提案をいたしました。各会派の御意見を頂戴いたしながら、筆頭間で協議をしてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

古屋会長 次に、河西宏一君。

河西委員 中道改革連合・無所属の河西宏一です。

 先週六月四日、私は本審査会におきまして、先ほどの質疑でもございましたけれども、国民投票法のいわゆるCM規制及びネットの適正利用等について、内容は問わない、しかし手段は問うという会派の基本姿勢をお示しをいたしました。

 本日は、その具体策の核心であります透明性の公示、すなわちEUの政治広告透明化規則をモデルとする日本版制度の意義について、より具体的に申し述べたいと思います。

 EUは、二〇二四年三月、政治広告の透明化及びターゲティングに関する規則、いわゆるTTPAを採択し、同年四月に発効。その透明性確保等の中核的規律は、令和七年、昨年の十月十日から適用が始まっております。これは、ロシア等による偽情報工作、ケンブリッジ・アナリティカ事件等を踏まえ、EUが民主主義のインフラとして整備した、より強力で先進的な政治広告ルールでございます。その規律は、選挙の政党、候補者の広告のみならず、レファレンダム、すなわち国民投票に係る広告も明確に対象としております。我が国の国民投票制度を考える上で、極めて参照価値の高い立法例であると申し上げることができます。

 TTPAの核心は、透明性の公示の義務づけにございます。具体的には、各政治広告に対して、第一に、広告のスポンサー、すなわち資金源の身元、第二に、当該広告に支出された金額の総額、及び、その出所が公的か私的か、またEU域内か域外かの情報、第三に、広告がいかなる選挙又は国民投票に関連するものであるか、第四に、ターゲティング等が行われている場合、その対象、基準、使用された個人データの種類など、政治広告に関する様々な情報を容易に確認できる形で表示することが法律に義務づけられています。

 加えて、欧州委員会が設立する公開の政治広告レポジトリー、すなわち広告ライブラリーへの登録も義務づけられ、誰もが検索、分析できるオープンな仕組みとなっております。

 さらに、機微な個人データ、すなわち、人種、政治的意見、宗教等に基づくターゲティングを全面的に禁止するなど、厳しい規制が設けられているわけであります。

 EU域外のスポンサーによる政治広告は、投票期日前三か月間これを禁止するとの規律も置かれております。執行面でも、違反者には、年間収入又は年間予算の高い方の六%、あるいは年間の世界売上高の六%という極めて重い制裁金が科され得る設計となっております。

 翻って我が国の現状はどうかということでありますが、公選法では、ネット広告の出し手、資金源の透明性を担保する規律はなく、国民投票法に至っては、ネット広告に関する規律そのものが存在しないのが実情でございます。

 他方、令和三年の国民投票法改正附則第四条は、ネット等の適正利用について三年をめどとして必要な法制上の措置を講ずると定めておりますが、期限は既に大幅に超過をしているわけでありまして、先ほども御答弁がありましたが、立法府として速やかにこの宿題に決着をつけねばなりません。

 ここで重要なのは、TTPAが採用したアプローチが、表現の内容を規制するものではなく、誰が、幾ら、どの国の資金で、誰に向けて発信したのかを明らかにする、いわば情報環境の照明をともす手法であるという点であります。これは、六月四日に申し上げた、意見表明には踏み込まないという我が会派の立場とも整合的であると考えます。

 そこで、私は、各会派の皆様に以下の方向での合意形成を提案申し上げたいと思います。

 第一に、国民投票法に政治広告を透明化する日本版TTPAを新設すること。この措置は、当然ながら、公選法への導入も併せて行うべきであります。第二に、その中核として、スポンサーの身元、広告費総額、資金の出所国、ターゲティング等に関する情報を表示する透明性の公示を義務化すること。第三に、外国主体による国民投票運動広告を投票期日前一定期間遮断すること。そして第四に、現在、各党協議会で議論が進む公選法及び情報流通プラットフォーム対処法の改正と整合的に設計し、選挙と国民投票の両面で一貫した情報環境を整備すること。以上四点でございます。

 最後になりますが、透明性の公示は、出し手の自由を奪うものではなく、受け手たる主権者の知る権利を支えるものでございます。三項目改正の合意形成とこのネット規制の決着とを同時に担保する、まさに今、その重要な局面を迎えております。各会派の皆様の建設的な御議論を改めてお願い申し上げまして、私の発言といたします。

 ありがとうございました。

古屋会長 次に、馬場伸幸君。

馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸です。

 前々回の本審査会で国民民主党の玉木委員から御質問いただいた件につき、お答え申し上げたいと思います。

 まず、我が党が目指す緊急政令について、包括的な政令制定権を内閣に認めるものなのか、それとも、災害対策基本法百九条にあるような現行法の確認規定なのかとの御質問にお答えします。

 緊急政令は、議員任期延長やオンライン国会などにより国会機能の維持を図ったとしてもなお国会が機能しないような、万が一の事態に備えるものです。本来、災対法等における緊急政令規定のように、個別法であらかじめ整備しておく方が望ましいですが、想定外が生じるのが緊急事態です。そうした事態に対応するためには、抽象的、包括的な委任に基づく政令の制定権を内閣に認める創設的な規定としておく必要があると考えます。

 なお、緊急事態条項のイメージ案では「あらかじめ法律の定めるところにより、」としており、この法律の定め方次第では、個別法における緊急政令制度、つまり災対法や新型インフル特措法などの委任政令の枠内の制度に限定することも可能な制度設計になっています。その意味では、現行制度の確認的な規定として運用することもできます。今後、どのような制度とすることが望ましいのか、是非皆さんと議論を深めていきたいと存じます。

 次に、九条改正に関して三点御質問がありました。

 まず、我が党が目指す九条改正後の自衛隊は二項が禁止する戦力か否かという点ですが、我が党は、戦力の不保持を定めた二項の削除、自衛権の明記、自衛隊に代わる国防軍の創設などを打ち出しております。国防軍は紛れもなく戦力です。

 第二に、九条改正後の当該国防軍は、現行憲法下の自衛隊と比べ、追加で何ができるのか、また、現下の厳しい安全保障環境下でいかなる安保上の目的のためにその追加の権能が必要なのかとの御質問ですが、二項の削除によって、国際法上主権独立国家に認められている集団的自衛権の全面行使が可能となります。我が国の存立危機に加え、同盟国の存立危機に対しても自衛権を行使し得ることになり、日本が対等な相互防衛協力の担い手として同盟国と肩を並べます。また、安保上の目的は、国家国民を守り抜くために抑止力を強化、確保することに尽きます。

 第三に、一項、二項及びその解釈を維持したら厳しい安全保障環境に対応する自衛隊の権能強化につながらないという御懸念に対してお答えします。

 人類の不戦の誓いと侵略戦争の禁止をうたう一項は維持すべきですが、日本の非常識性を象徴する二項は速やかに削除してしかるべきです。一項、二項を維持しつつ、九条の二を設け、自衛隊を明記するだけでは、抑止力強化という本質的な課題は解決しません。二項を削除し、世界基準の軍隊の権能、実力を備えなければ、自衛隊は永遠に張り子の虎のままです。

 翻って、玉木委員自身は四月十六日の本審査会で、党の考え方について、一項、二項を維持し、二項の例外として戦力たる自衛隊を位置づける旨示されましたが、規範論として疑問を感じます。

 二項を維持しながら同時に例外として戦力を保持するとは、規範と例外が同一の憲法的価値観を持つ矛盾した構造を意味します。原則は戦力不保持で、例外的に戦力としての自衛隊を持つなら、二項は事実上、死文化した装飾条文にすぎません。国際社会の普遍的な原則からも乖離しています。国連憲章五十一条に規定された、主権国家が持つ固有の権利たる自衛権を、憲法上禁止された戦力の例外などという奇妙な理論でゆがめることは、主権国家として地位を自らおとしめる行為に等しいのではないでしょうか。

 いずれにしましても、今後の討議において、九条に軸足を置いた議論を加速させ、速やかに各会派間の溝を埋め、成案を得ることが不可欠です。各会派の御理解、御協力を切に求め、私の発言を終わります。

古屋会長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。

 まず冒頭申し上げたいのは、憲法審査会は、今日を除けば、今国会、あと四回だと思います。来春の発議に向けてやるためには、やはり論点を絞り込んでいくこと、これが極めて重要だと思いますし、そろそろ起草に取りかからないと間に合わないのではないかと思います。

 私たち国民民主党は、憲法の場合は衆参で三分の二の発議でありますので、衆議院でこれまで議論がある程度進み、二〇二四年六月に当時五会派で合意をした、緊急事態における議員任期の延長等、国会機能の維持に衆議院では絞るべきではないか、そして参議院では議論が進んでおる合区の解消を中心にやって、いずれも、この二つは選挙という民主主義の基盤整備に関わるものなので、来春を目指すのであれば、この二つに絞り込むことが現実的な憲法改正の道筋ではないかということをまず冒頭申し上げたいと思います。

 そしてその上で、今日は新藤幹事そして馬場幹事からもお答えいただいて、生産的な議論ができるきっかけになって、大変感謝を申し上げたいと思います。

 まず、九条についてでありますけれども、与党両党の意見が根本的に違うということがよく分かりました。

 新藤幹事は、必要かつ十分なことが全てできるのが現行自衛隊だというふうにおっしゃって、私もそう思います。

 一方で、馬場幹事からあったとおり、フルスペックの集団的自衛権は認められないと。もちろん、占領政策なんかを取らないということはそのとおりなんですけれども、本質的にはぎりぎりの、限定的な集団的自衛権を現行憲法下で認めていたというところを更に広げてやっていく必要があるんだということで、現下の厳しい安全保障環境の中で必要だという維新さんの御意見もよく分かります。

 我が党も基本的には同じ考えなんですが、二つの条文形式を提案しているのは、九条二項、先ほど装飾条文とおっしゃいましたけれども、装飾条文なのかもしれません、ただ、九条、特に二項にはいろいろな方々の戦後の思いが入っているので、それは維持しつつ、その例外として明確に戦力、軍隊である自衛隊を位置づけていくという案を提案すると同時に、御党と同じように、九条二項をそもそも削除するということで実現するという、その二つの案を我が党としてはA案、B案として示して、党内議論を継続しているというのが現在の私たちの位置づけであります。

 その上で、改めて新藤幹事にお伺いしたいのが、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しくなっているので憲法改正が必要だ、九条改正が必要だということをよく言うんですが、改めて確認なんですが、明記された改憲後の自衛隊ができることは、現在の自衛隊ができることと権能等においては変わるのか変わらないのか。

 維新案は明確で、限定的な集団的自衛権がフルスペックの集団的自衛権になるという意味では、やれることが条文上も明確に拡大するんですが、自民党の明記案においては、一項、二項をそのままに維持し、かつ、その解釈も維持するという中で明記される自衛隊ができることは拡大するのかしないのか。ここを明確にお答えいただきたいと思います。

古屋会長 新藤幹事、持ち時間の範囲内で答弁をお願いします。

新藤委員 先ほど私の冒頭の意見の中でも触れさせていただきました。この点は非常に重要なポイントだと思いますから、だからこそこの審査会で議論を深めるべきだと思っております。来週は是非こういったテーマの下に議論を深めていけばいいのではないかなと思います。

 大枠でいえば、現行の自衛隊の運用については、憲法プラス一般法の平和安全法制、様々な総合的な議論の下で、自衛隊の必要かつ十分な能力というのは何かということを議論されているわけですから、それを踏まえながら、常に国際環境、また我が国を取り巻く安全保障上の脅威は変化していくわけですから、これに対応した議論を続けていくのはやっていかなければならないのではないかな、このように思っているわけです。

玉木委員 与党の中で意見を是非一致させていただきたい。先ほど馬場幹事がおっしゃった、現状のままでは抑止力の強化につながらないという方と、今のままで必要かつ十分だということで、安全保障の在り方について与党が分かれていること、私は、ここをまず一致させていただくことが建設的な憲法改正の議論につながっていくと思います。

 最後に、緊急政令については、いずれも確認規定だということをお答えいただいたので、法律上の根拠が必要なんだということが確認できたことはよかったと思いますので、それを踏まえて今後の議論につなげていきたいと思います。

古屋会長 次に、和田政宗君。

和田(政)委員 参政党の和田政宗です。

 今回は、憲法審査会におけるこれまでの議論の深掘り討議とのことですから、これまでの議論に対する参政党の考えを提起いたします。

 参政党は改めて、憲法を一から国民の手で作り直す創憲を提起します。改正できるところから改正するのではなく、真正面から真に国家国民のために必要な憲法改正に取り組むべきです。

 これまでも述べてまいりましたが、現行憲法は、国民の自由な意思に基づいて作られたものではありません。ここに最大の問題点があります。現行憲法は、占領下における英語で書いたGHQ草案が基になっており、原案を書き上げたのはGHQであります。主権が制限された中、占領下で制定されたものです。

 そして、現行憲法には、外国等の侵略から国を守る仕組みが備わっていません。自らの国を自らが守る体制になっていません。自国の独立を憲法上外国任せにすることはあり得ず、自らの国の独立を国民の手で守る憲法が必要です。

 当憲法審査会においては、今国会で緊急事態条項をテーマに議論が行われましたけれども、選挙困難事態における議員任期延長が中心でした。議員任期の延長が本当に必要なのか、有事や大災害等に国家としてしっかり対応できる憲法とする本質論の憲法改正の議論を行って、結論を得るべきです。

 議員任期延長については、参議院ではようやく今国会で議論が始まったばかりです。緊急事態対応については九条改正と切り離すことなくセットで議論しなければ、真に国家国民を守る憲法改正になりません。

 さらに、他会派からも提起がございましたが、憲法九条の根本改正について議論を深めることが重要です。現行憲法に自衛隊を明記するだけでは不十分であると考えます。現状維持のまま自衛隊の存在を記すだけでは、国防体制の強化にはならないと考えます。

 各国の国防軍と同様の権限を持つ自衛隊とすることを、参政党は新憲法草案で提起をしております。いついかなるときも国家国民を守れるようにすることが重要です。

 参政党はこのように、現行憲法を、部分的な改正ではなく根本的に、前文からもう一度国民が自分たちで考え、一から作り直す必要があると考えています。

 現行憲法の前文は、てにをはが日本語としておかしいという指摘がございますし、国体や国柄、日本人の精神性や我が国の伝統、文化に基づいたものになっておりません。前文についても改正の議論が必要だと改めて提起をいたします。

 さらに、参議院の憲法審査会で重要項目として審査が続いている合区の解消について、衆議院憲法審査会で深い議論を行うことを、こちらも改めて提起をいたします。地方の声が失われることなく、しっかりと地方の声が反映される国会を築くことは喫緊の課題であると考えます。

 合区解消、緊急事態対応における任期延長と緊急集会の関係性については、衆議院憲法審査会と参議院憲法審査会、合同で議論をすることを提起をいたします。

 最後に、改めて緊急事態条項の議論について申し述べます。

 イメージ案等では、緊急事態の対象範囲が、大規模自然災害、感染症の大規模蔓延、内乱等による社会秩序の混乱、外部からの武力攻撃その他これらに匹敵する事態となっていますが、感染症の蔓延との文言が入っている限り、参政党は反対をいたします。さらに、緊急事態の対象範囲にある、その他これらに匹敵する事態も、定義が曖昧であり、恣意的な事態認定が排除できず、参政党は懸念を持っています。憲法は国の最高法規ですから、要件を厳格に書き込むべきと改めて提起をいたします。

 また、憲法改正を発議し国民投票を行うために、ネットCMに対する法律上の取扱いなど、国民投票法の更なる改正も重要であると考えます。今次の国民投票法改正案を成立させた後、速やかに議論を深め、課題に対する結論を得て、国民投票法に規定をすることが重要と考えます。深い議論を速やかに進めることを提起をいたします。

 根本的な憲法改正議論を行うことを参政党は改めて提起をいたします。

 以上です。

古屋会長 次に、古川あおい君。

古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。

 先ほどの質疑に続きまして、国民投票運動における情報環境の整備、そして投票環境の整備について意見を申し上げます。

 質疑でも申し上げましたとおり、令和三年改正法附則第四条第二号の検討は、期限を超過した課題、宿題であるとともに、AIの急速な進展という情報環境の変化によってその重みを増しております。

 本日は、この宿題に取り組むに当たっての私どもの考え方を三点申し上げます。

 第一に、検討の出発点は、憲法が保障する表現の自由を大前提とするということでございます。

 偽情報への対応と申しますと、削除や禁止といった規制がまず想起されがちでございます。プラットフォーム事業者に対する偽情報対策には海外の先行例もございまして、例えばEUのデジタルサービス法、いわゆるDSAは、大規模なプラットフォーム事業者に対し、偽情報の拡散リスクの評価と軽減や、政治広告の透明性の確保などを求めるものでございます。

 もっとも、こうした規制には、事業者が制裁を恐れて過剰な削除を行い、かえって正当な表現までもが萎縮しかねないという懸念も各国で指摘されているところでございます。

 私どもは、何が真実かを国家が認定し、直ちに一律の規制や禁止を課すという発想ではなく、情報の出どころの識別可能性や透明性の確保、AIを活用したファクトチェック、そして情報の真正性を担保する技術といった、表現を制約しない手法を基本に、制度と技術の両面からの検討を丁寧に積み上げていくべきものと考えております。こうした専門的、技術的な論点こそ、本審査会において議論を深めていく価値のあるテーマであると考えております。

 第二に、選挙運動に関する各党協議会との連携でございます。

 選挙運動における偽情報への対応と国民投票運動における情報環境の整備とは表裏一体の課題でございます。一方で公職選挙法の議論が進み、他方で国民投票法の議論が据え置かれたままとなれば、両者の制度の間にそごが生じかねません。選挙と国民投票とを貫く情報環境のルールを整合的に整理していくため、協議会における検討状況を本審査会としても共有し、足並みをそろえて検討を進めていくことを改めて提案申し上げます。

 第三に、投票環境そのものについて申し上げます。

 在外邦人の方、離島にお住まいの方、災害により投票所への来場が困難となる方など、投票へのアクセスが十分に確保されていない方々が現に存在しておられることをこれまでも本審査会において申し上げておりました。

 国民投票は、主権者である国民が憲法の在り方について直接その意思を示す最も重い機会でございます。誰もが確実に一票を投じられる環境を整えるということはその大前提となります。

 この点、投票所にタブレット端末を置く電子投票に取り組む自治体が広がりつつあります。二〇二四年十二月には、大阪府四條畷市におきまして、全国で八年ぶりとなる電子投票が実施されたところでございます。また、海外では、エストニアのように、本人確認の仕組みを整えた上で、国政選挙のみならず国民投票についてもインターネット投票を可能とする法制度を整えている国もあるものと承知しております。

 セキュリティーや改ざん対策など、慎重に検討すべき課題は少なくございませんが、主権者が確実にその意思を示せる仕組みを整えるという観点から、内外の先行例に学びながら議論を深めていく価値は大きいものと考えております。

 国民投票運動における情報環境の整備、そして投票環境の整備は、改憲に対する賛否の立場を超えて、主権者の権利を保障するために整えるべき共通の基盤でございます。表現の自由を大前提に、制度と技術の両面から、各党協議会と本審査会とが連携してこの課題に取り組んでまいりますこと、そして、チームみらいといたしましても、技術的な観点などを含め、その具体的な検討に貢献してまいりたいと考えております。

 以上です。

古屋会長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 まず、国民投票法について発言します。

 私は前回、現行の国民投票法について、最低投票率の規定がないこと、公務員や教員の運動を不当に制限していること、改憲案の広告や広報が公平公正なものになっていないことの三つの問題点を挙げ、国民の民意を酌み尽くし正確に反映させるという点で根本的な問題があると指摘しました。

 これらの問題点を指摘してきたのは私たちだけではありません。法制定時の議論でも、多くの法律家や憲法研究者、メディア関係者からも懸念の声が上がり、各党からも指摘がありました。参議院では十八項目にも及ぶ附帯決議がつけられ、最低投票率の意義について検討を加えることや、有料広告規制について必要な検討を加えることなどが指摘されました。私たちはこの附帯決議に反対しましたが、自民党も賛成して可決されたものです。国民投票法というのであれば、こうした根本問題を議論することこそ必要です。

 この問題を放置したまま、来週にも公選法並びの三項目の改定案を採決するべきだという主張が出されています。投票法の形だけ整えて改憲議論を進めようというものであり、容認できません。

 そもそも、国民は今、改憲を政治の優先課題とは考えていません。国民が改憲を求めていない中で、国民投票法の整備を急いで進める必要はありません。

 繰り返し指摘してきたように、国会は、改憲のための議論ではなく、憲法を現実の政治に生かすための議論をすべきです。貧困と格差、冤罪と再審制度、教育の無償化と学費、選択的夫婦別姓や同性婚、外国人の人権など全てが憲法問題です。憲法の原則に逆行し踏みにじられている政治と社会の実態を変えるための議論こそ私たちに求められています。

 この観点から、私は、憲法九条に反する軍拡政治を正し、九条の精神を現実の政治や外交に生かすべきだと主張してきました。

 今日は、九条に反する在日米軍の問題について触れたいと思います。

 在日米軍は、一九五一年にサンフランシスコ講和条約と引換えにアメリカから押しつけられた日米安全保障条約により、占領軍から条約に基づく駐留軍となりました。今なお、日本全国に百三十か所以上の基地を持ち、世界最大の約五万四千人の兵力が駐留しています。世界で唯一、空母打撃群と海兵遠征軍が前方展開し、横須賀基地の原子力空母や長距離巡航ミサイル・トマホークを搭載した十一隻のイージス艦、数百機に及ぶ岩国、三沢、嘉手納の空母艦載機や戦闘攻撃機、沖縄の海兵隊や佐世保の強襲揚陸艦などがいつでも出撃できる体制を取っています。

 実際に、横須賀のイージス艦や沖縄の海兵隊などがイラン戦争に出撃しています。これまでもアメリカはアフガン戦争やイラク戦争など国際法違反の侵略戦争を繰り返し、そのたびに在日米軍基地が出撃の拠点にされました。こうしたアメリカの強大な攻撃戦力が日本に存在し、周辺諸国に脅威を与えてきたことが、地域の緊張を生み、軍拡を誘発する要因になってきました。

 この米軍の存在は、戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認を掲げた憲法九条と真っ向から矛盾するものです。東アジア地域の緊張緩和と安定のためにも、日米安保体制と在日米軍の存在を問い直すことこそ必要だということを指摘して、発言を終わります。

古屋会長 これにて討議は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五分散会


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