衆議院

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第2号 平成30年5月17日(木曜日)

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平成三十年五月十七日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 高木  毅君

   理事 大西 英男君 理事 斎藤 洋明君

   理事 関  芳弘君 理事 平  将明君

   理事 細田 健一君 理事 川内 博史君

   理事 斉木 武志君 理事 中野 洋昌君

      井林 辰憲君    石川 昭政君

      泉田 裕彦君    岩田 和親君

      北村 誠吾君    佐々木 紀君

      鈴木 淳司君    津島  淳君

      中村 裕之君    西田 昭二君

      原田 義昭君    福山  守君

      古田 圭一君    星野 剛士君

      松本 剛明君    三原 朝彦君

      宮澤 博行君    宗清 皇一君

      逢坂 誠二君    菅  直人君

      長尾 秀樹君    初鹿 明博君

      青山 大人君    浅野  哲君

      伊藤 俊輔君    小熊 慎司君

      江田 康幸君    斉藤 鉄夫君

      田嶋  要君    藤野 保史君

      杉本 和巳君

    …………………………………

   経済産業副大臣      武藤 容治君

   内閣府副大臣       伊藤 忠彦君

   環境大臣政務官      武部  新君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   山本 哲也君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           増子  宏君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  星野 岳穂君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   荻野  徹君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制技監)          櫻田 道夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 片山  啓君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房審議官)          青木 昌浩君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制部長)          山田 知穂君

   参考人

   (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事)  伊藤  肇君

   参考人

   (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長)           文挾 誠一君

   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      関  武志君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月七日

 辞任         補欠選任

  田嶋  要君     泉  健太君

  菊田真紀子君     広田  一君

同月八日

 辞任         補欠選任

  広田  一君     田嶋  要君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  泉  健太君     小熊 慎司君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力問題に関する件


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     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 この際、御報告いたします。

 第百九十三回国会、原子力問題調査特別委員会理事会の決定により、本委員会の活動等について専門的見地から助言を求めるため、会員七名から成る衆議院原子力問題調査特別委員会アドバイザリー・ボードを設置いたしました。

 本アドバイザリー・ボードにつきましては、各会派の理事等の協議により、今国会においても設置することとなりました。

 以上、御報告申し上げます。

     ――――◇―――――

高木委員長 原子力問題に関する件について調査を進めます。

 この際、原子力規制委員会の活動状況について説明を聴取いたします。更田原子力規制委員会委員長。

更田政府特別補佐人 昨年九月二十二日付で原子力規制委員会委員長を拝命いたしました更田豊志でございます。

 私は、約五年半前、原子力規制委員会の発足とともに委員に任命され、東京電力福島第一原子力発電所事故のような原子力災害を二度と起こさないとの決心のもとに、新規制基準の策定、原子力発電所の審査、福島第一原子力発電所における廃炉作業に係る規制などに当たってきました。

 原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の反省と教訓とに基づき設置された組織です。委員長が交代しても、福島に対する強い思いを持ち続けることが原子力規制委員会にとって重要であると考えています。安全の追求に終わりはないという初心を忘れず、常にみずからに問いかけ、慢心を戒める姿勢を保つことが重要であり、委員や規制庁職員とともに最善を尽くす覚悟です。よろしくお願いします。

 それでは、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。

 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、さまざまな課題に取り組んでおります。

 まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定した新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十六基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十の施設に係る申請がなされております。

 これまでに、九州電力川内原子力発電所一号炉及び二号炉、玄海原子力発電所三号炉及び四号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉、大飯発電所三号炉及び四号炉、四国電力伊方発電所三号炉並びに東京電力柏崎刈羽原子力発電所六号炉及び七号炉の計十四基に対して設置変更許可を行い、関西電力高浜発電所一号炉及び二号炉並びに美浜発電所三号炉について運転期間延長の認可を行いました。また、九州電力玄海発電所一号炉、日本原子力発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉、中国電力島根発電所一号炉並びに四国電力伊方発電所一号炉の計六基について、廃止措置計画の認可を行いました。

 核燃料物質の加工施設については、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、日本原燃濃縮・埋設事業所、三菱原子燃料並びに原子燃料工業東海事業所及び熊取事業所の加工事業の変更許可を行い、また、試験研究炉については、国立大学法人京都大学原子炉実験所の臨界実験装置及び研究用原子炉の設置変更承認、近畿大学原子力研究所原子炉の設置変更許可並びに国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の定常臨界実験装置及び原子炉安全性研究炉の設置変更許可を行うなど、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。

 このほか、高速増殖原型炉「もんじゅ」について、廃止措置計画の認可を行いました。

 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。

 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から、積極的な監視を行っており、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、実施計画の審査などに当たっております。

 引き続き、安全上の観点からの優先順位を明確にした中期的リスクの低減目標マップを定期的に改定し、完了した措置と引き続き監視が必要な措置を明示するなどして、処理した水の処分や廃炉作業に伴って発生する廃棄物の処理等の対策が適切に行われるよう、監視、指導を行ってまいります。

 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実について申し上げます。

 原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れるなど、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に適正なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図るとともに、原子力災害拠点病院の指定促進の支援など、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めております。

 放射線モニタリングについては、原子力規制事務所におけるモニタリング担当職員の増員等により、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所事故に係る状況に応じた環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について、関係自治体その他の国内外への情報発信にも努めています。

 最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。

 昨年の第百九十三回国会において、原子力事業者等に対する検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化などを内容とする関係法律の改正が成立しました。これは、国際原子力機関、IAEAの勧告等を踏まえたものであり、平成三十二年四月に向けて段階的に施行されます。

 原子力規制委員会としては、法改正の趣旨を実現すべく、透明性を確保しつつさまざまな関係者の意見等を踏まえて関係政令、規則等を整備するとともに、さらなる組織体制の強化と人材育成に取り組むことにより、新たな制度の運用が円滑に進むよう、万全を期してまいります。

 以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。

 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、まだ道半ばにあります。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

高木委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

高木委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事伊藤肇君及び東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府政策統括官山本哲也君、文部科学省大臣官房審議官増子宏君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官星野岳穂君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、原子力規制庁次長荻野徹君、原子力規制庁原子力規制技監櫻田道夫君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官片山啓君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君及び原子力規制庁原子力規制部長山田知穂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高木委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。石川昭政君。

石川(昭)委員 自由民主党の石川昭政でございます。おはようございます。

 更田委員長には、昨年九月に御就任をされまして、また我々の委員も、衆議院の解散・総選挙後、委員の入れかえもあり、新しい方も委員に加わっていただきましたので、まず最初に基本認識、その後、原子力規制について御質問していきたいと思っております。

 まず、最初の質疑に当たって、本特別委員会とそれから原子力規制委員会の役割について、委員長の基本的な認識をお伺いしたいと思います。

 まず、三・一一の福島原発事故を受けて、国会事故調査委員会が発足しました。その国会事故調の報告書とともに、七つの提言が衆参両院議長宛てに提出をされました。先生方ももうお読みだと思いますけれども、その提言こそ、原子力規制委員会の再出発と言ったらいいでしょうかね、出発点となるわけです。

 その提言の五には、このように書いてございます。「新しい規制組織の要件」ということで、今回の事故を契機に、国民の健康と安全を最優先し、常に安全の向上に向けてみずから変革を続けていく組織になるよう抜本的転換を図ると。その中の要件の一つとして一番最初に出ているのが、高い独立性ということでございます。

 そこで、これまで一緒でした原子力の利用促進と規制を分離しまして、高い独立性を担保するために三条委員会という形になり、これが原子力規制委員会の今の姿につながっているわけでございます。

 そして、私たちが所属している本特別委員会は、原子力規制委員会の規制が適正に行われているか否か、継続して監視することを目的に設置をされました。これはまた、提言一の(二)にあります、先ほど高木委員長から御報告がありましたとおり、アドバイザリー・ボードも設置をしたところでございます。

 また、国会事故調査報告書には、根源的な福島事故の原因にも触れております。

 皆さんもお読みだと思いますけれども、東日本大震災は、これは自然災害ですので、私は不可避、回避は不可能だったと思います。しかし、F一の事故に関して言いますと、米国NRCが出しておりましたSBO対策強化を含む指令、B5bの導入がもし地震より前だったら、今日の事態は起きなかったか、若しくは福島原発事故は軽減されていたろうと悔やんでおります。こうした不作為が今後起きないようにすることが私たちの使命だと承知をしております。

 重要なので何度も申し上げますが、国民の健康と安全を守るため、国会議員が、この審議を通じて、原子力の規制が適正に行われているかどうか国民に明らかにしていくことが、本特別委員会の役割だと私は考えております。委員長の見解をお伺いしたいと思います。

 あわせまして、福島原発事故で地に落ちた原子力規制に対する信頼を回復する、こうした考えのもと取り組んできた田中前委員長の五年間の取組に対する更田委員長の評価をあわせてお伺いします。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 私は、昨年九月に新たに委員長に着任をいたしまして、一貫してまず最初に申し上げていることは、初心を忘れないということであります。

 先生に御指摘もいただきました原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故に対する厳しい反省と、さまざまな意味で得た教訓、それから後悔と言っていいようなものも含めてですけれども、そのときの緊張感、意識が何よりも大切な組織であります。

 そのために、独立性を守り、推進や商業的な利害等々にとらわれることなく、国民の健康とそれから環境を守るという使命を果たすために、独立した組織としての使命を果たしていくことが何より重要であろうと思っておりますし、さらに、やはり信頼を得るためには、高い透明性を維持し続けることが非常に重要であろうと思っています。

 幾つも考えなければならない重要な要素はありますけれども、反省の中には、組織的なもの、また人的なものも多くあるのは事実です。旧規制組織が、推進母体と分離をされていなくて、いわゆる利益相反関係のようなものも生みやすい構造に置かれていた。これに対する厳しい反省は国会でも御議論いただいて、それが原子力規制委員会の設置に結びついていると思っております。

 また、継続的な改善というのも、概念としてだけ捉えられていて、実施されることなく事故に至ってしまった。私たちは、継続的改善というのは最も重要な要素の一つとして、今後とも、慢心に陥ることなく、原子力発電施設、発電所のみならず全ての原子力関連施設に、また放射性同位元素等の利用に関して、規制の一層の充実、安全対策の継続的な改善に取り組んでまいりたいと考えております。

 田中委員長の五年間に関して申し上げます。

 なかなか難しい時期だっただろうと思います。組織が発足するときには、そのときの打ち出す方針の小さな誤りが大きな結果となってあらわれてしまうことがあり、大変難しい時期であったと思いますけれども、私は、田中委員長は、豊富な経験に基づいて、非常に、私が申し上げるのはちょっと口幅ったいですけれども、見事な仕事をされたと私は思っておりますし、何よりも、田中委員長の持っておられた精神こそ、何物にもとらわれず安全を第一に考えるのだ、それから、福島のことを決して忘れない、この精神はまことに立派なものであったと考えておりますし、私たちはぜひそれを受け継いでいかなければならない、そのように考えております。

石川(昭)委員 くしくも更田委員長がおっしゃったように、やはり、高い、何物にもとらわれない独立性それから透明性ということですね。我々もそこはしっかり監視をしながら、適正に原子力が活用されるような規制が行われるように我々はしっかりそこは監視をしていきたいと思いますし、委員長にも説明責任を果たしていただきたいと思っております。

 そこで、新たに新規制基準ということで審査が今もう既に進んでおりますけれども、かなり地質、地盤の審査で時間がかかっているように承知をしております。ここで合意が得られませんと、プラント本体の審査に進めない。

 私たちも現場をかなり回りますけれども、Ssが上がったことによって手戻り工事も大分出てしまっております。また、百ワット程度のごく低出力の大学等の研究炉、試験研究炉についても、かなり過大なリスク対策を強いている面があるのではないか。つまり、リスクに対応した規制になっていないのではないかというふうに思っております。ここは、私は見直しが必要だと考えております。原子力事故のリスクを低減するための検査であり審査でなければならないと思っております。かつ、予見可能な効率的な審査というものを目指していただきたい。

 そのためには、安全目標についての議論というのがやはりどうしても不可避だろうと思っております。

 これについての、安全目標についての検討状況をお伺いするとともに、規制側と事業者側、被規制側のリソースをリスク低減に集中してできるような、集中投下できるような原子力の規制のあり方というのが必要だと思いますけれども、更田委員長の見解をお伺いします。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 四点についてお答えをいたします。

 まず、地震に係る審査に時間を要していること。

 これは、申し上げるまでもありませんけれども、各施設の置かれているサイトごとに状況が違いますので、プラントに対する審査に比べますと、やはり、地震に係る審査は、それぞれの置かれている施設の位置に応じて個別の議論を行わなければならないというのが主な要因でもあります。

 また、我が国の置かれている自然環境を鑑みて、原子力施設にとって最も守りにくいハザードといいますか脅威は、やはり地震だと考えるべきだと私は考えております。地震に関しては、やはり審査において妥協があってはならないと考えており、厳正な審査を進めることを心がけております。

 そういった意味で、やはり、審査というプロセスは、科学的、技術的な議論を通じて申請者との間の共通理解を形成していくものでありますので、どうしてもこの地震に係る審査には時間を要してしまうとは思っております。もとより効率的な審査を心がけてまいりますけれども、地震に係る審査について時間を要することについては御理解をいただきたいと思っております。

 二点目、研究炉などの比較的出力の低い炉、リスクが低いと見られる炉。

 確かに、リスクに応じた規制というのは、これも一つの重要な観点であります。いわゆるグレーデッドアプローチといいますけれども、リスクが低いものに対しては、安全が合理的に確保できるという判断があれば商業用発電炉等に比べて対策の幾つかを求めないなどの、リスクに応じた規制は行っております。一方で、ジェー・シー・オー事故の教訓をかんがえましても、リスクが低いと考えられている施設においても、なおあのような事故が起きてしまうということは忘れてはいけないと思っております。

 今後とも、リスクに応じた、ただ、リスクというのは、やはり、人が考えることには限界がありますので、十分慎重な考慮を尽くした上で、私たちが理解できるリスクに応じた対策を求めていきたいというふうに考えております。

 三つ目の安全目標でありますが、安全目標に関する議論というのは大変重要な議論ではありますけれども、いわゆる上位概念の議論であって、私たちが戒めなければならないのは、かつての旧規制当局において私は見られたと思っておりますけれども、上位概念の議論に時間を弄して具体的な対策に手を打つのにおくれをとったということ、これは私たちは避けなければならないと思っております。

 安全目標に関する議論も、平成二十五年四月に私たちなりの見解を取りまとめておりますけれども、その後、原子炉安全専門審査会並びに核燃料安全専門審査会に対して安全目標に関する検討をお願いをしまして、ごく最近でありますけれども回答をいただいたところです。本年四月五日付で回答が取りまとめられて、五月、今月の九日に原子力規制委員会に対して意見交換の場でもお伝えいただきました。

 この両安全専門審査会からの回答は三点から成りまして、一点目が、原子力規制委員会が示す安全の目標は、安全神話に陥ることなく、不断に安全性向上を図るとの姿勢に基づくものであり、規制基準の策定などに当たり参照すべきものであること。二つ目が、安全の目標と、規制基準への適合によって達成される安全の水準を、確率という尺度で比較評価し、説明することはできないし、行うべきものではないこと。三点目が、安全の目標については、このような点を国民に説明すべきものであることといった点が記されております。

 原子力規制委員会としては、この両審査会からの回答も踏まえて、安全目標に関する継続的な議論、検討、さらに厳正な規制を進めてまいりたいというふうに考えております。

 四点目ですが、これは、いわゆる産業界並びに規制当局、人知を結集して投入して、これは、なれ合いになることなく、きちんとしたコミュニケーションを図りながら、更に言えば、難しい表現ですけれども、ふさわしい、適正な、対立関係ではないですけれども、やはり、事業を進めようとする主体とそれから規制組織とが、成熟したよい関係で対峙して議論を続けていくという形が最もふさわしいだろうと思っています。

 ただ、人材の育成については、これは双方に同じような課題を抱えております。例えば米国の例をとりますと、産業界においても規制当局においても、米国海軍において原子力技術を習熟した者が大きな人材のソースとなっております。我が国はこのようなソースを持ちません。

 こういったことは、今後とも、規制当局それから産業界双方が、頭をひねってと申しますか、きちんと考えていかなければならない点で、こういった点については、先生の御指摘のように、双方の知識経験を集中して取り組んでいくべきような課題であるというふうに考えております。

石川(昭)委員 私が申し上げたかったのは、木を見て森を見ずの規制ではいけないということなんですね。全体を見ながら、俯瞰しながら、細かいところもしっかり見ていく、それが委員長の役目だと私は思います。

 そこで、やはりリスクの高いところから規制を適正に行っていくというのが、限られた時間と人員とお金と、お互いにあるわけですから、それを心がけながら、どこかまずいところがあれば当然そこにリソースを集中していく。その采配ができるのは委員長しかおりませんので、ぜひそういう立場で取り組んでいただければと思っております。

 次に、今審査中の、四十年の期限が到来した場合の取扱いについてお伺いします。

 今、東海第二は、平成二十六年五月二十日に設置変更許可を申請をして、もうこの五月で四年経過をしております。審査会合は五百七十一回。BWRでは柏崎刈羽が優先的に審査をされ、その間、実質的にほかのBWRの審査は後回しにされてきたわけでございます。この点、ルールが設定された当初とは大分事情が異なってきていると思っております。

 また、期限が近づいてきますと審査が雑になってはいけないと思っております。ですから、審査中はしっかり四十年の時計をとめて審査を行えば、お互いに安心して、十分納得いくまで審査ができるのではないか。こういうルールの見直し、検討が必要だと思いますけれども、見解をお伺いします。

 また、あわせて、東海第二も含めて、経理的基礎に関する審査も行っているようでございます。この経理的基礎というのは、その事業主体であります会社であるとか研究機関の持つ資金的な部分を審査の対象に含めているようでありますけれども、もしこれが、例えば赤字であったとかこういうことであると、この審査も打ち切られてしまうのではないか。この影響はあるのかどうか、これについてあわせてお伺いします。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 まず、四十年の運転期限が近づいてきている、これに対して審査の時間をと。

 しかしながら、この四十年というのは、立法といいますか、法律そのもので定められているものであって、この時計をとめてしまうというのは、法律の趣旨を私たちの判断によって変えてしまうことになると考えております。安全性の向上以外の観点から、この制度のあり方について私たちが手を加えるべきではないというふうに考えております。

 私どもは、原子炉等規制法の執行の負託を受けておりますので、同法の立法趣旨を踏まえて、今後とも適切に規制を行ってまいりたいと考えております。

 それから、東海第二原子力発電所の審査については、事業者に引き続き審査への的確な対応を求めつつ、厳正な審査を進めてまいりたいと考えております。

 経理的基礎についてでありますけれども、本件につきましては、許可の基準として、技術的な観点のほか、申請者に対して、必要な経理的基礎があることを要求をしております。

 しかしながら、この経理的基礎に関する審査というのは、原子炉設置変更許可の段階ではごく外形的なものでありますので、大本において経理的基礎が与えられているかどうかというのを、今確認を進めているところであります。

石川(昭)委員 ありがとうございました。

 次に進みたいと思います。

 東海第二原発の避難計画についてお伺いします。

 今、東海第二の審査が進んでおる中で、各市町村の避難計画策定を行っております。今、三十キロ圏内には十四市町村ございまして、計画策定済みは三市町村にとどまっている状況でございます。

 また、全国の原発の立地自治体に行きますと、避難計画上の交通インフラは非常に脆弱で、災害制圧とそれから避難道路が区分されていないというような課題もあるわけでございます。

 実効性ある避難計画が必要だと思いますが、これについては、一度計画を立てただけでなくて、何度もシミュレーションを繰り返して練り直していく、こういう姿勢が必要だと思いますけれども、政府のそれに対する対応についてお伺いします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 まず、東海第二地域についての御指摘でございます。

 先生御指摘のように、対象地域には約九十六万人の方が住んでおられますので、この避難というのが最大の課題であると認識しております。

 そのため、まず、住民の避難先の確保として、県内はもちろんでありますけれども、周辺の五つの県において具体的な避難先の協議をしているところでございます。これまでも、多くの市町村で、避難先の市町村と避難元の市町村で協定を締結するなどの取組は今進んでいるところでございますので、これを引き続きしっかり進めてまいりたいと思います。

 それから、避難に当たっては、必要な車両の確保が当然必要でございます。県のバス協会などとの協力体制の構築ということでも議論を進めているところでございますし、さらには、もう少し言いますと、要支援者の方、避難がなかなか難しい方々についても、福祉車両とか、あるいは一時的な屋内退避ができる放射線防護施設の整備、これは予算措置でございますけれども、現在も進めているところでございます。

 いずれにしましても、内閣府といたしましては、この東海第二地域を対象といたします地域原子力防災協議会、これは関係の自治体、事業者も入っていただいておりますけれども、それぞれ一つ一つの課題にきちっと対応できるよう、しっかり議論を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 それから二つ目に、道路整備等の避難経路の確保についての御指摘をいただきました。

 これにつきましては、もちろん内閣府自身が避難経路の整備の予算を持っているわけじゃございませんけれども、昨年度、二十九年度予算においては、避難経路の課題に関する調査に対する支援、それから、今年度、平成三十年度からは、避難をより円滑に実施するためのモデル実証事業を新たに実施するということにしてございますので、こういった予算事業を通じまして、各地域の課題についてしっかり取り組んでいきたいと思っております。

 以上でございます。

石川(昭)委員 ありがとうございます。

 次に、個人信頼性確認制度についてお伺いします。

 外部要因のリスク低減等で今対策が進んでおりますけれども、この内部要因リスクを低減する個人の信頼性確認制度の運用が開始をされております。これについては、自己申告で行うというふうになっておりますけれども、テロ集団や暴力団との接触があるか否か、これについて自己申告だけでどうやって証明するのか。

 あわせて、経済的困窮によって第三者に情報を漏えいしてしまう、こういう事案がありますけれども、個人の持っている借金の額というのも確認の対象なんでしょうか。また、この虚偽申告に罰則はあるか、あわせてお伺いします。

片山政府参考人 お答え申し上げます。

 個人の信頼性確認制度は、今先生御指摘のとおり、内部脅威対策として、原子力発電所などの防護区域に常時立ち入る者や核物質防護に関する秘密を知り得る者について、妨害破壊行為等を行うおそれがあるかどうかや、当該秘密を漏らすおそれがあるかどうかをあらかじめ確認する制度でございます。

 この制度におきましては、悪意ある外部の者からの働きかけに応じてしまうおそれがないかなどを確認するため、テロ集団や暴力団との接触や経済的な状況を含めまして、犯罪行為を行うおそれがある団体との関連がないことなどについて自己申告を求めるとともに、破産手続開始の決定の有無に関する証明書等の提出を求めることとしております。自己申告の裏づけとなる公的証明書の提出もあわせて求めているところでございます。

 さらに、対象者の面接考査及び適正検査を実施するとともに、関係機関の有する知見を一定程度活用することによりまして、事業者が対象者の信頼性を多角的に判断をする仕組みになってございます。

 信頼性確認を受ける者が虚偽申告をした場合の当人に対して適用される罰則はございませんが、事業者は、原子炉等規制法に基づきまして、信頼性確認を含む防護措置を適切に講じていく義務があることから、現状においても、自己申告、面接や各種検査等を通じて厳格に確認が行われているものと考えてございます。

 したがって、現在の仕組みは、妨害破壊行為等に加担する懸念のある者をあぶり出す内部脅威対策として、相当の実効性を有するものというふうに認識をしてございます。(石川(昭)委員「罰則」と呼ぶ)

 はい。先ほどお答えを申し上げましたが、虚偽申告をした場合の当人に対する罰則というのはございません。

石川(昭)委員 自己申告で、かつ罰則がない。果たしてこれで実効性が担保できるのか、ちょっと私はいまだに腑に落ちない点はございます。

 次に、重大事故等対処施設の五年の期限についてお伺いいたします。

 現地を視察しますと、山肌を大きく削り取ったり、トンネル工事など、大変テロ対策施設が難工事であるというふうに見てまいりました。

 このテロ対処施設が、設置期限が、五年の期限が来るのが、一番早いところで薩摩川内ですね、原発が平成三十二年までにこの施設をつくらなければならないということで、三十二年、三十三年、三十四年にその期限が集中しているわけです。もし仮に、これはかなり難工事でありますので、五年以内に完成しなければ、このプラント本体も運転を停止することになるのか。これについて、やはり運用の見直しも必要ではないかと思いますけれども、見解をお伺いします。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 特定重大事故等対処施設につきましては、当初、新規制基準の施行、これは平成二十五年七月でございますが、これから五年後の平成三十年七月までに基準を満たすということを要求をしておりました。

 しかしながら、この特定重大事故等対処施設は、工事計画認可申請の審査に一定の時間がかかること、さらに、本体施設等は工事計画認可後に本格的な建設を始めるということになりますので、各プラントの工事計画認可日から経過措置期間を五年というふうにこれを改めました。原子力規制委員会におきましては、平成二十七年十一月にこの見直しを行ったところであります。

 この当初の見直しを行った趣旨を踏まえまして、現在は、経過措置期間を更に延長することは考えておりません。

石川(昭)委員 そうしますと、この期限を迎えますと、原子炉本体も運転をストップするということでよろしいでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 現在の制度ではそのようになっております。

石川(昭)委員 やはりこれも、しっかり事業者の皆様とコミュニケーションをとって、運用、しかるべき対応、見直しをしていただきたいと思っております。

 次に、監査制度の運用についてお伺いします。

 ことし四月十日、係員級の職員が減給三カ月の懲戒処分を受けております。これは、許可申請書、それから決裁文書、施行文の偽造はなかったと公表されておりますけれども、これは私、外形的に見ると、公文書の偽造に当たるのではないかなと思っております。

 また、そのほかにも、本来は情報公開ルールにのっとって公開すべき情報を適切に公開していなかった、あるいは、公開してはいけない原子炉の機密情報を公開してしまった、これはいずれも外部からの指摘で判明しているわけです。

 こういうものを見ていきますと、内部監査機能は機能しているのかどうか、私は非常に疑問であります。被規制者には厳格な審査を求める立場でありながら、自己をやはり厳しく律する姿勢があるのかどうか、私は疑問に思うわけですけれども、適切な内部監査が行われているのかどうかお伺いします。

 そして最後に、こうした規制に対する課題について、今後、委員長としてどのように対応していくのか、最後にお伺いして終わりたいと思います。

荻野政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、お尋ねの懲戒処分の事案でございますが、これは原子力規制庁の若手の職員でございますけれども、決裁中の文書を紛失したにもかかわらず、上司には決裁が完了したと虚偽の報告をして、そのまま業務を放置したということで、申請者への許可書の発出がおくれたという、大変御迷惑をおかけしたものでございます。若手職員に対する指導監督、あるいは業務管理が不適切でございまして、大変遺憾でございまして、まことにおわびを申し上げなければならない事案だと思います。

 なお、文書の取扱いでございますけれども、許可書とか決裁文書等の偽造はございませんでした。

 ただ、一連のその過程で、上司から追及を受けまして、上司の追及を免れるために、PCの画面上で架空の写しを上司に見せたということがございますが、これは、外形的に見て正規の文書であると誤認されるようなものではなかったと考えております。

 また、本人の意図といたしましても、外部への権限行使とか、あるいは部内の行政手続を進めようとして行ったというものではなく、要するに、上司への虚偽の報告でございまして、本件につきましては、これを虚偽報告の一態様というふうに考えまして、これを含む一連の行為につきまして、虚偽報告という形で厳正に処分を行ったというものでございます。

 内部監査の関係でございますが、原子力規制庁におきましては、監査・業務改善推進室を設置いたしまして、課や室といった部署別に、そもそも自己申告、各部署における自己点検に基づく要改善事項の管理の仕組みを持っておりますが、これに加えまして、監査・業務改善推進室において、不祥事を予防するという観点から、部署単位の監査、それから、特定のテーマに絞りました全庁的な監査をやっております。

 今回の不祥事につきましては、その端緒を捉えられなかった、まことに遺憾であると思っておりますが、あらゆる事柄について、その端緒を全て内部監査だけで把握するというのは、現実問題としてはやはり困難なところはあろうかと思います。したがいまして、外部からの御指摘があれば、それに対して即座に真摯に対応していくということでございます。

 いずれにせよ、内部監査の実施方法や対象の選定につきましては適切に検討していく必要がございますし、いずれにせよ、今回の不祥事をしっかりと受けとめまして、厳しく反省をして、健全な組織運営に努めてまいりたいということを考えております。

更田政府特別補佐人 今回の不祥事はまことに遺憾でありまして、また、ミスが続いたことについても厳しく受けとめております。

 実態として、職員一人一人の負担が非常に大きい状態が続いております。これは、組織発足のときのみならず、現在においてもなお、一人一人の職員が抱えている負担というのは非常に大きなものになっていると思います。

 一方で、初心を忘れない、きちんとした高い意識を持ち続けるということは非常に重要であって、このためには、組織に対する責任を持つ者として、やはり十分な資源、それから、先生の御指摘にもありましたように、優先順位を見誤らないこと、重要なことに適正に資源を配分していくということが大変重要であろうと思っております。

 いずれにしましても、今後とも、職員一同、高い緊張感を持って職務に臨めるように努めてまいりたいと思います。

石川(昭)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

高木委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。よろしくお願いいたします。

 更田委員長が昨年の九月に就任をされまして、私も初めて質問をさせていただきます。少し重複する部分もあろうかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

 更田委員長も、平成二十四年から、委員ということで、さまざまな審査にも携わってこられたというふうに承知をしております。東日本大震災がございまして、その後、東京電力の福島第一原発事故ということで、前任の田中委員長の時代というのは大変いろいろな御苦労をされたというふうに思っております。日本の原子力規制というものの信頼が全く地に落ちてしまった、こういう状況から、新しい組織をつくり、そしてまた、新しい基準もつくりということの中で進めてこられた。

 私も、この原子力問題調査特別委員会、以前からやっておりますけれども、大変に御苦労されながら独立性と中立性をしっかり保つ、しかし、その中で、こうした信念も持たれながらやっておられたかというふうに感じておりました。

 他方で、更田委員長が就任をされて、今は既に再稼働の審査というものも、八基の原発が審査をクリアをしているという状況でございます。田中委員長の時代とはまた違う課題も出てくるでありましょうし、また、重点的に取り組む事項というのも変わってくる部分もあるかという、新しい段階というものに入っているかというふうにも感じます。

 ですので、冒頭まず、更田委員長の方に、田中委員長時代の規制委の取組の評価、そして、今後、御自分の任期の中で重点的に取り組んでいくべき課題あるいはミッション、このようなものについてどのように考えておられるのか、これをお伺いしたいというふうに思います。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 田中俊一前委員長のリーダーシップのもとで、原子力規制委員会、規制庁は一定の仕事ができたというふうに思っております。新規制基準の策定、それに続く審査、それから安全性向上のための制度など、さまざまな仕事に取り組み、一定の仕事ができたと思っています。

 一方で、初めの五年間にはない難しさが二つ目の五年間にはあると思っております。人間はどうしても忘れやすい存在で、やはり、時間がたつとともに妥協したいという気持ちが生まれます。それから、先ほど申し上げましたけれども、職員の多くは、この五年半にわたって、一人一人が非常に大きな責任と業務量を抱えて仕事をしてきております。こういった中で、人はどうしても、妥協したい、あるいは大きな負荷から逃れたいという気持ちを持ってしまうのが実際のところだと思います。そこで、過剰な業務負担等々を避けつつ、緊張感を維持しながら組織を保つということは、時間がたてばたつほど難しい側面はあるというふうには思っております。

 安全の追求に終わりはないという初心を忘れないということ、これは、またかと言われるかもしれないですけれども、ずっと言い続けていかなければならないことだというふうに私は思っております。

 現在それから近い将来に私たちが狙っているといいますか、課題として捉えているものですけれども、一つは、前国会でお認めいただいた検査制度の改革につきまして、これを軌道に乗せること。しかしながら、検査制度は、検査は制度だけで高いレベルが実現できるものではなくて、規制当局並びに事業者双方の努力によってきちんと軌道に乗るものですので、検査を軌道に乗せる、新しい検査の改革を進めるということは非常に大きな課題であろうというふうに思っております。

 もう一つは、安全性向上のための取組でありますが、これは、制度そのものは最初の五年間で整えたわけでありますけれども、これもいまだまだ始まったばかりでありまして、事業者における安全性向上のための取組それから危険を捉える意識といったものの向上につきましては、二つ目の五年間で特に重点を置いて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 少し質問の順番が前後しますが、更田委員長が大きなミッション、課題ということで検査のお話をされましたので、少しその点についてお伺いをしたいというふうに思います。

 新たな原子力規制検査ということで、事故の反省を踏まえまして、再稼働するに当たっての新規制基準、これは世界でも最高水準、大変に厳しい基準のものということで見直したということでございますけれども、今現在の状況を見ますと、既に、原発も稼働中のものが七基という状況でございます。ですので、この稼働中の原発に対してどのように検査をしっかりしていくのか、これが規制委員会の大変に大きなミッションになってくる、これは私も承知をしております。

 この検査の仕組みにつきましては、IAEAがIRRSのミッションの報告書で指摘をされまして、今までのやり方の検査からはやはり変えないといけないという指摘があった。決まったタイミングで決まったことについて検査をするといったような今までのやり方ではいけないということで、こうした指摘を踏まえて、法改正もさせていただきまして、今まさに、検査の仕組みの開始に向けて制度をつくり込んでいる、そういう状況であるというふうに思います。

 ですので、この原子力規制検査、稼働中の原発に対する検査、これにつきましても、IAEAの指摘を踏まえて、私は、新規制基準は世界最高水準だというふうによくいろいろな場所で言われますけれども、この検査の基準、体制、これにつきましても、やはり世界最高水準のものを目指していかないといけない、このように感じております。

 この原子力規制検査、どういう水準を目指して今つくっていくのかということについて、まず更田委員長にお伺いをしたいと思います。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 新たな検査制度の検討に際しましては、IAEAなどの国際的な機関における検討、さらには、諸外国におけるいわゆるグッドプラクティスの取り入れ等、さらには、特に米国における制度に倣う部分が大きいですが、制度としては、例えば、めり張りのある検査であるとか、あるいは検査官のフリーアクセスであるとか、世界の効果を上げている検査制度に対して遜色のないものを今つくり込んでいるところでございます。

 一方で、検査は、制度で達成できるものではありませんし、まさに現場での日常の活動でありますので、検査そのものが国際的に遜色のないレベル、非常に高いレベルにあるかどうかというのは、これは例えば、検査官の力量であるとか、事業者で検査を受ける者の意識、それから、同じく技術的なレベル、さらに、一番難しいのは、規制する側とされる側との間の非常に適正な関係、あるいはコミュニケーションのとり方一つにしてもそうですけれども、実践的なものがその検査そのもののレベルを決めてしまいますので、現段階において、そのレベルについて申し上げるということは非常に難しいだろうというふうに思います。

中野委員 ありがとうございます。

 率直な御意見であるというふうに思いますし、その上で、それをどういう水準に引き上げていくのかという、今後の、何というか、取組が非常に大事になってくるということも、また委員長の方からの指摘だというふうに思っております。

 先ほどまさに委員長御指摘ございましたとおり、今回の新しい検査というのは、今までのように、何かルールが、この機器はこういう水準じゃないといけないというのを、決まったときに定期検査、チェックしていく、そういう仕組みではなくて、事業者が安全を追求していくというふうな自主性も大事になってまいりますし、これをフリーアクセスで規制委員会の方がチェックをしていく、こういう形になってまいります。

 ですので、事業者との距離感というのは非常に大事でありますし、どういう意思疎通が図られるかというのは、私は非常に大事だと思っております。

 他方で、この原子力規制というのは、今までも規制のとりこというお話もございました。要は、規制される側の力が余りにも強いという中で、電力会社の方が、技術的にも、いろいろなものについても、非常に強い力関係になってしまっていたんじゃないかというふうな指摘もある中で、事業者の自主的な安全を追求する仕組みを規制委員会の方がしっかりとチェックをしていくというふうなことをしていく中では、もちろん、今までのような規制のとりこのような関係であってはいけないですし、他方で、全くここの交渉がなく、お互いの意思疎通が図られないということでは、この検査の実効性が図られないということだと思います。

 適切な事業者とのコミュニケーションあるいは関係性、こういうものについて、どういう仕組みにしていこうというのか、これは規制、事務方の方にお伺いをしたいと思います。

山田政府参考人 先生御指摘のとおり、新しい検査制度というのは、従来の検査制度から大きく変わるものになります。

 検査は、やはり検査を受ける事業者がどういった検査を受けるのか、この検査の中で何を実現しようとしていくのかということは、規制側と事業者側が相互によく理解した上で、お互いのコミュニケーションをとっていくということが大事だというふうに考えております。

 そういう観点で、今、検査制度の制度の設計については、事業者も参加してもらう形でのワーキンググループでいろいろと議論をして、理解を深めながら進めているところでございます。

 当然、検査自体は厳格にやらなければいけませんので、制度自体をよく理解した上で、お互い緊張感を持って検査を進めていくという形での制度にしたいというふうに考えております。

 そのためには、これも先ほど先生から御指摘ございましたようなフリーアクセスといった、抜き打ちで入ることによる緊張感を持つといったようなことも大事でございますので、そういったようなものについては、新検査制度の施行を待たずに、もう直ちにでも始められるものでございますので、事業者との間で調整を進めながら、今、いろいろと準備を進めているところでございます。

中野委員 私、もう一つ大事だと思いますのは、何といっても、検査をする人員というか、人材の質、量ともにしっかりとしていくということが、まさにこの検査を実効あらしめる肝になってくるというふうに思います。

 規制委員会、今まで人数もなかなか足りていないというところがあった中で、新しく職員を採用していき、またJNESを統合するなど、体制の強化というものもやっていただいておりますけれども、やはりあわせて、新しい検査をやっていくということでございますので、どうやってそうした質の高い検査官というか、そういうものを育成していくのかということが非常に大事になってくるかと思います。

 これについて、今どのような計画を立て、取組をされようとしているのかということをお伺いしたいと思います。

荻野政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、人材の育成が極めて重要な課題となっております。

 新たな検査制度の実施に当たりまして、やや御説明のために単純化した言い方になるかもしれませんけれども、これまでの、決められた検査を決められた時期に実施するという、チェックリスト型とあえて申し上げますが、そういったものから、事業者の日々の活動、施設、機器の状況から安全上のリスクを評価するといった形になりますので、そういったことができる能力、力量を身につけることが必要になります。

 そういった観点から、どういった知識なり能力が必要かということをきちんと明確にし、体系化して、その研修のプログラムをつくり、それをちゃんと認定する、研修の仕組みと、それから資格付与の仕組みをつくり、運用を開始しております。

 また、米国NRCに五人を一年ずつ派遣する、現場の体験もさせていただく。逆に、NRCの検査官の方に日本に長期に出張していただいて、これもやはり日本の現場で、現場の検査官と同行して御指導いただくといったような形で、いろいろな取組を進めているところでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 以上で質問を終わらせていただきますけれども、やはり、この原子力規制委員会、私、委員長のリーダーシップというか、発信というのが非常に大事になってくるというふうに思います。先ほどの検査制度も含めて、また初心を忘れないということも含めて、しっかりその姿勢で原子力規制行政に臨んでいただきたいということを改めてお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

高木委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 逢坂誠二でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきました。委員長を始め、与野党の理事の皆さんに心からお礼申し上げます。

 ただ、原子力特別委員会の開催回数が余りにも少な過ぎる。今国会、これは初めてですかね。今国会初めて。

 この原子力特別委員会は、東日本大震災のあの事故を踏まえて、原子力の問題を専門的に話し合おうじゃないか、そういう話でこれは設置されたものであります。もっともっと頻繁に開いて、この問題を深めるべきだ。アドバイザリー・ボードももっと多用すべきだし、さらに、この特別委員会、当初の決めは私は必ずしもよかったとは思っていないんですが、規制側の更田委員長は出てこられるけれども、推進側の大臣は出てこられないというのも、やはりそれは是正していくべきだと思っております。

 回数を始め、この委員会のあり方について、委員長、ぜひ理事会でもがっちり議論をいただいて、よい方向へと導いていただきたい、そのことをお願い申し上げます。

高木委員長 理事会で協議します。

逢坂委員 よろしくお願いします。

 それから、似たような観点で、もう一つ。

 これは直接、原子力特別委員会に関係はないのでありますけれども、ここ一、二年余りの安倍政権の公文書に対する姿勢、改ざん、隠蔽、捏造、廃棄、これは余りにもひど過ぎる。こんなことをやってしまうと民主主義が壊れてしまう。

 一方に、例えば、森友や加計や自衛隊の日報問題や裁量労働制の問題について、いつまでそんなことをやっているんだという声がある。だがしかし、それをやらざるを得ないのは、政府が情報を出さない、あるいは委員会を開かない、改ざんをしたデータの真実を言わない、そういうところに問題があると私は思います。

 したがいまして、きょうここにいる野党の皆さんはもちろんでありますけれども、特に政府・与党の皆さんには、公文書をしっかり開示をする、情報を開示する、委員会も積極的に開く、そのことを強く訴えていきたいと思います。

 さて、それでは本題に入らせていただきます。

 お手元にカラー刷りの資料を配付させていただきました。カラー刷りの資料、これは、いわゆる原発ゼロ法案、三月九日に、我々立憲民主党、共産党、社民党、自由党、これらの党が共同して国会に提出をしたものであります。

 この法案をつくるに当たって、全国約二十カ所でタウンミーティングを開き、二千名余りの皆さんにも御参加をいただいて、さらにまたネットでも意見募集をして、この法案を策定いたしました。

 法案の大きな柱は、一つ、法施行後五年以内に全ての実用発電用原子炉などの運転の廃止。すなわち、法的な廃炉を決定するというのが一つの大きな柱であります。もう一つが、電気の需要量の削減。電力需要量を大幅に削減しようじゃないか、二〇三〇年までに三〇%以上削減をする。それから、再生可能エネルギーの供給量の増加。二〇三〇年までに電気供給量に占める割合を四〇%以上にしようということで、とにかく、原子力発電所をこれ以上使い続けるのは極めて無理であるというようなことで、この法案を国会に提出をさせていただきました。

 現在、残念ながら、この法案はまだ審議の対象になっておりませんけれども、一日も早く審議をしていただきたい、そう思っております。

 そこで、まず政府にお伺いをします。

 我々は、日本の国ではこれ以上原子力発電所を使い続けるということは厳しいだろう、原発をゼロにすべきだ、そういう考え方でおりますけれども、この点について政府はどのような認識を持たれているのか、お考えをお聞かせください。

武藤副大臣 逢坂先生の御質問に私からお答えをさせていただきます。

 今の原発ゼロという方針についての考えということでございますけれども、資源に乏しい我が日本は、多様なエネルギー源を組み合わせて適切に活用することで、それぞれのエネルギー源の強みを生かしながら、そして弱みを補完しながら、スリーEプラスEということを実現することが重要だと考えております。

 現在の日本の電力供給は、私は、さまざまな課題を抱えていると承知しております。化石燃料に八割以上も依存する構造となっており、まず一つはエネルギーの安全保障、二つ目に地球温暖化の対策、三つ目に発電コストの上昇といった面で大きなリスクにさらされている、こういうふうに承知をしております。こうしたことを踏まえて、責任あるエネルギー政策を実行するためには、原発の活用は欠かせないと考えているところであります。

 こうしたリスクに対処する上で、一つ、まずは国内にある燃料だけで数年にわたって発電を続けることができ、二つ目に運転時に温室ガスを排出せず、三つ目として経済性の高い電源である原発の活用は、引き続き重要であると承知をしております。

 政府としては、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入を進めつつも、原発依存度を可能な限り低減することとしており、安全性を最優先に、原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた原発のみ、地元の理解をいただきながら、得ながら、再稼働を進めることとしております。

 以上です。

逢坂委員 政府としては、これからも原発を使い続けるんだ、もちろん可能な限りその使用の割合を減らしていくということを前提にしながらも、使い続けるということで、幾つかの理由を申し述べられたわけでありますけれども、果たして、日本の国でこれ以上使用済み核燃料をふやしてよいんでしょうか。

 日本の国に四十七トンのプルトニウムがあります。核燃料サイクルもおやりになるというふうに承知をしておりますけれども、これ以上プルトニウムをふやして、それを消費できるんでしょうか。

 それから、コストの問題、お話しになられましたけれども、本当に原発のコストは安いんでしょうか。

 二〇一五年当時、政府の試算では、原子力発電所の建設コスト、四千四百億円程度というふうに承知をしておりますが、現在、トルコ、英国、あるいはアメリカのジョージア州、これらで日本の企業が手がけている原発、いずれも一兆円を超えております。しかも、英国においては、近日中の報道によりますと、英国政府から二兆円以上の支援を日本の企業が受けなければ原発の建設ができない、こういう状況になっております。それでもコストが安いと言い続けられるのかどうか。私は丁寧な検証が必要だと思います。

 さらに、ほかにも幾つか指摘をしたいことがありますけれども、本当に原発を使い続けられるのか。この点については、政府ももっと本腰を入れて考えていただきたい。使い続けることを前提にしてエネルギー基本計画をつくるなどということは、私は、将来に対する責任ある姿だとは思えません。

 きょうはこれ以上この質問はしませんので、後でまた場を改めて議論をさせていただきたいと思います。

 さて、そこで次です。

 原子力発電所に万が一の事故があった場合の避難計画、そのことと原発の稼働についてお伺いをしたいと思います。

 まず、原子力発電所について、避難計画を策定するということになるわけでありますけれども、その際の被害想定というのは、これは、具体的にこういう被害想定のもとで避難計画を策定しなさい、そういう構造になっているものでしょうか。事務方で構いません。

片山政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力災害対策の基本的な目標は、重篤な確定的影響を回避又は最小化し、確率的影響のリスクを合理的に達成可能な限り低く保つことでございまして、これはIAEAの安全基準においても示されているところでございます。

 このような考え方を踏まえ、原子力災害対策指針においては、例えば、原子力発電所に関しましては、半径約五キロ圏内を予防的防護措置を準備する区域、いわゆるPAZでございます、また、その外側の半径約三十キロ圏内を緊急防護措置を準備する区域、いわゆるUPZでございます、として設けることを定めております。これは、IAEAの安全基準で示されたPAZ及びUPZの区域の幅、これは幅で示されておりますが、そのうちの最大値を、福島の教訓も踏まえ、採用しているところでございます。

 また、これら区域における防護措置の実施の判断を適時かつ確実に行うため、原子力施設の状況に基づく緊急時活動レベル、いわゆるEAL、及び、緊急時モニタリングの結果に基づく運用上の介入レベル、いわゆるOILを設定し、これらEAL、OILに基づく各種の防護措置について、指針において定めているところでございます。

逢坂委員 今の話を聞く限り、一般国民の感覚でいうと、半径五キロ、半径三十キロ、あるいはそれ以外のエリアについてもその状況に応じてということであります。範囲についてはよくわかるんですけれども、被害想定というものがなければ避難計画なんかつくれないんじゃないかという声があるんですけれども、そこは具体的にお話しにならなかったように感じます。

 この点、きょうはこれ以上これは突っ込みませんけれども、いずれまた詳しくやらせていただきたいと思います。

 そこで、次に、この避難計画の策定主体、これはどこになるんでしょうか。

山本政府参考人 いわゆる避難計画、地域防災計画、避難計画というふうに称してございますが、これは、災害対策基本法と、それから原子力災害特別措置法の規定によりまして、地方公共団体が、先ほど御説明ありましたように、原子力災害対策指針等に基づき作成することになってございます。

 具体的には、その地方公共団体の範囲としましては、先ほど御説明がありましたような、PAZ、五キロ圏、あるいは五から三十キロ圏のUPZ圏、こういったものを含む原子力災害対策重点区域、三十キロ圏内ということになりますけれども、その範囲内で、関係いたします各地方公共団体がその範囲を具体的に設定するということになるものでございます。

逢坂委員 それでは次に、ことしの一月の予算委員会だったと思いますけれども、世耕大臣からこのような答弁をいただいております。改めて副大臣に確認をさせていただきたいんですが、原発の事故の際の、万が一の事故があった場合に、有効に機能する避難計画が策定されない状態で原発を実際上は稼働することはないんだということを世耕大臣は答弁しておりますけれども、この考え方に間違いございませんでしょうか。

武藤副大臣 間違いありません。

逢坂委員 そこでなんですが、避難計画の策定主体は自治体である、それで、避難計画は具体的にはどこでつくるかというと、県や市町村の防災会議の中で避難計画をつくっていくわけでありますけれども、この段階で、直接住民に接する市町村の段階で有効な避難計画はつくることはなかなか難しい。

 例えば、極めて人口が多いとか、多い人口を避難させるための、例えば避難道路が一方向について一本しかない、ふだんから渋滞しているのに、いざというときにそんなものは避難できないじゃないか、これは避難計画なんかつくることは難しいですよ。ある一定程度は逃げることはできても、そこの地域に住んでいる全員の方が原子力災害対策指針等に照らすような内容のものはつくることができない、そういうふうに判断された場合、これは例えば、地域原子力防災協議会というところでその避難計画が確認されることになるわけですけれども、その地域原子力防災協議会との関係はどうなるんでしょうか。そこで議論できるほどのものがつくれないんだということになった場合、これはどういう関係になっているのか教えていただけますか。

伊藤副大臣 お答えを申し上げます。

 関係都道府県及び市町村が策定をいたします地域防災計画、避難計画の具体化、充実化に向けて、原子力発電所の所在する地域ごとに設置をいたしました地域原子力防災協議会の枠組みのもとに検討を進めているところでございます。

 市町村からは、現時点までにおいて、地域防災計画、避難計画が策定できないといった声は聞いておらず、各地域におけるさまざまな課題の解決に向けた支援を求められております。

 このため、各自治体が抱えるさまざまな課題について一つ一つ解決ができるように、地域原子力防災協議会の枠組みのもとに、国が前面に立ちまして、関係自治体のしっかりとした支援をしてまいっております。

 これは、例えば、逃げるときにどうやってやっていくのか、大量の人たちをどうするのかとか、あるいは、ただいま先生が御指摘がございましたとおり、道をどうするのかとか、こうしたことについて、国としてしっかりと、その調整ですとか、あるいは道路の問題ですとか、解決をしていくために、積極的にそうした課題解決に向けて調整をし、実行するというようなことをさせていただきながらこの計画の実効性を高めていく。そして、計画ができないのではなくて、しっかりとしたものをつくり上げていく、そういう努力をさせていただいているところでございます。

逢坂委員 現時点までに市町村から避難計画がつくれないといったような声はないんだということ、もし仮にその避難計画策定に何らかの隘路があった場合は国ががっちりと支援をするといったようなお話をいただいたかと思うんですが、確かに現時点まではなかったかと思います。それはやはり、三・一一以前は、原子力発電所の事故というのは起きないんだということをある一定程度前提にしていたと思わざるを得ません。

 二十年ほど前の私の経験になりますけれども、私が自治体の長を務めておりましたときに、その議会から、近隣にある原子力発電所の事故についての避難計画をつくるべきだという非常に強い声が上がりました。私はその当時、避難計画をつくる対象には自治体はなっていないので、いかがかなというふうに思っておりましたけれども、非常に議会から強い要請がありましたので、つくろうというふうにしました。

 ところが、当時、私は北海道でありますから、北海道庁から、原発は事故は起きないんだ、起きないのに避難計画をつくって、火のないところに煙を立ててもらっちゃ困るんだといったような趣旨の話があって、結果的には、避難計画はきちっとしたものはつくらずに来てしまったわけであります。

 ところが、現在どうなっているか。私がかつて首長を務めておりました自治体は、泊原子力発電所から三十キロ圏内に入っております。そして、当然、今は避難計画をつくる対象の自治体になっているわけでありますので、現時点で避難計画がつくれないんだという自治体はない、それは確かに事実かもしれませんけれども、これから先、そういった、いや、これはどう考えてみても避難計画なんか無理ですよという自治体が私は出てこない保証はないと思っておりますので、その際にどういう対応をするのか、よく御検討いただきたいと思いますし、そういう事態になったら、私は原発の稼働なんてできないんだろうというふうに思います。

 私が今住んでおります函館市、夏と冬で交通の状況は全く違います。それから、函館市で事故が想定されるのは大間原子力発電所です。一般的に、住民の皆さんは北へ避難をするということになるわけです。北への道路は一本しかありません。常時その道路は渋滞をしております。しかも、冬になれば更にその渋滞度合いは激しくなるわけですので、その中で、あのエリア、三十万人近い方が住んでいますが、避難はまず不可能だろうというのが地元の思いなんです。

 そういった状況になっても、国が支援すれば有効な避難計画はつくれるんですか。いかがですか。

山本政府参考人 御指摘のとおり、それぞれ地域によっては抱えます課題がさまざまでございます。

 先生御指摘のような点も含めまして、そういう課題に対して、では、どういう解決策があり得るのか、あるいは、その経路が一本では無理なら複数経路をどのように設定をすべきなのか、あるいは、その避難の方法についても交通渋滞対策などをどのようにしていくか、そういう課題を一つ一つ議論しながら、避難計画が実効あるような形で策定できるように、政府といたしましても取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

逢坂委員 政府にくれぐれもお願いしたいんですけれども、実際上、有効に機能する避難計画がつくれないにもかかわらず、文言だけ、あるいは計画上だけであたかも避難できるようなことでその場を取り繕って、これで有効な避難計画ができました、だから地域原子力防災協議会でそれを了承しましたと言って、無理やり原子力発電所を稼働させるなんということは絶対にやってはならないと私は思いますので、その点、どちらがお答えになるのかわかりませんけれども、いかがですか。

伊藤副大臣 まず、大きな基本的な原則としてなんですけれども、原発がそこに存在をして、そしてそこに核燃料がある限り、稼働するか否かにかかわらず、地域防災計画、避難計画の策定は地域住民の安心と安全の観点から重要なんだという考え方で私たちは進めさせていただいております。

 そのために、先ほど来申し上げましたとおり、関係自治体が、例えば季節ですとか、そうしたことも含めて、さまざまな課題について一つ一つ丁寧に解決していくため、地域原子力防災協議会の枠組みのもとで、国が前面に立って関係自治体とともに検討を進め、より安心な計画となりますように努力をしていくわけでございます。

 以上でございます。

逢坂委員 避難計画の策定主体は自治体であるということですけれども、地域原子力防災協議会の構成員、これを見ますと、ここの正式な構成員になっているのは関係道府県の副知事だけなんですね。実際に住民に直接対応する市町村、これはオブザーバーなんですよ。でも、市町村こそがこの避難計画の肝を握っているわけですよ。それが、何で最後決める段階でオブザーバーなのか。これは、私は絶対おかしいと思うんですけれども、いかがですか。

山本政府参考人 地域原子力防災協議会のメンバーには、都道府県の副知事さんがメンバーとして入っていただいているというところでございますが、まず、地域防災計画そのものの位置づけでございますけれども、これは都道府県、それから市町村、それぞれがつくることになっておりますが、まず、都道府県の地域防災計画というのは市町村の全体を包括的に取りまとめるというものでございますので、市町村の個別の計画は都道府県の計画と整合的であるということが、これは法令上求められているところでございます。

 したがいまして、協議会の場におきましては、まず都道府県、その代表たる都道府県の副知事さんが構成員として入っておりますが、ただ、協議会には、オブザーバーとして、当然、関係の市町村の代表の方も入っていただいております。そこでは、関係の市町村の皆さんからもさまざまな御意見をいただいて、中身の充実についての議論を進めているところでございます。もちろん、位置づけはオブザーバーということではございますけれども、関係市町村の皆様の意見を把握するという意味では、十分機能しているというふうに考えているところでございます。

逢坂委員 都道府県の計画は市町村の計画も包含しているんだという話ですけれども、でも、私は、当事者である市町村の意見が一番大事だと思いますよ。そこはオブザーバーで、いや、その話は都道府県がある種代弁できるんだ、そしてその場にはオブザーバーとしているんだといっても、正式メンバーにしたっていいじゃないですか。そこでかんかんがくがくやって納得がいくということがあって初めて安心が得られるんじゃないですか。何でそんなオブラートに包んだようなことをするんですか。この点、強く指摘をさせていただきます。

 それで、次、ちょっと質問の順番を変えまして、お手元にもう一つの資料を用意させていただきました。避難計画の話になっておりますので、先にそちらの方をやらせていただきたいと思います。

 「避難計画の策定に関する主要国の制度比較」というものであります。これは内閣府の原子力防災担当部署に作成をしていただいたものであります。私がつくったものではなく、政府におつくりをいただいたものであります。一番上に日本の制度があります。それで、英国、フランス、米国というふうになっているんですが、一番下の米国のところの一番下の丸を見ていただきたい。「NRCは、緊急時計画に適切な防護の合理的な保証がないと認める場合には、運転の停止を含む措置をとり得る。」というふうに書いてあります。

 これは、要するに、難しい言葉で書いてありますけれども、私の言葉で言えば、万が一の事故の際にしっかり機能する避難計画がなければ運転の停止を含む措置をとり得る、そういう理解だと思っております。現に、この条項によりまして、アメリカでは、原子力発電所を稼働させなかったという例があるというふうにも承知をしております。

 そこで、この資料を作成した内閣府にお伺いをしたいので、事実だけ教えていただきたいんですが、資料を作成いただいたので。日本には、このアメリカのNRCの規定のようなものはないという理解でよろしいでしょうか。

山本政府参考人 米国のような法的な規制の対象、許認可の対象にはなっておるものではございません。

逢坂委員 では次に、政府にお伺いします。経産省にお伺いしますが、経産省の認識も、日本にはこのNRCのような規定はないという理解でよろしいでしょうか。

武藤副大臣 私どもとしても、避難計画の策定は原発の稼働の法定上の要件とはなっておりません。

逢坂委員 更田委員長にお伺いしたいんですが、規制委員会は直接的に避難計画の担当ではないというふうに承知はしておりますけれども、更田委員長の見解としても、NRCのような規定は日本にはないという理解でよろしいでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 御指摘のような米国のような規定はございません。

逢坂委員 実は、ここが大きな問題だと私は思っています。きちんとした避難計画がつくれなかったら原発は動かさないというのは、これは当たり前のことだというふうに思います。

 三・一一以前だったら、それは日本の原発は事故は起こさないんだというある種の前提があったように思います。それは二十年前の私の経験を踏まえても、そういう対応を実際にしていたわけでありますから。でも、もう三・一一以降は事故が起こるんだということを前提にしてさまざまなものを準備しなければなりません。そのときに、万が一に事故が起きたときに有効に機能する避難計画がないにもかかわらず原発を稼働させるということは絶対あってはならないわけであります。

 私は、ぜひとも日本においてもこの規定を、アメリカの規定を参考にしながら、こういうものを設けるべきだというふうに思いますけれども、これは通告しておりませんけれども、どなたかお答えになられる方、特に政治家のお二人、何か思いがあれば言っていただけますか。なければないでも構いません。

山本政府参考人 済みません、現行の制度のことでございますので、ちょっと私の方からお答えさせていただきますけれども……(発言する者あり)

高木委員長 御静粛にお願いします。

山本政府参考人 先ほど副大臣からも申し上げましたように、地域防災計画、避難計画の策定は、地域の住民の安全、安心から極めて重要でございます。

 そのため、現行の法体系におきましては、それぞれの関係する自治体がこれを策定するという責務を有して、それに向けて取り組んでいるということでございます。もちろん、これは自治体任せということではありませんで、国がこの計画の策定段階からきめ細かく関与いたしまして、地域の実情を熟知している自治体と一体となってこの避難計画の策定に取り組んでいる、こういう仕組みになっているものでございます。

武藤副大臣 今内閣府の方からもお話がありましたけれども、避難計画については、国として、規制委員会の定める原子力災害対策指針等に沿いました、具体的な、合理的な内容であることを確認して、そして、規制委員会委員長も参加する原子力防災会議において了承することとされております。

 したがいまして、避難計画の策定のプロセスにおいて、規制委員会も専門的、技術的な観点で与えられた役割を果たしているものと認識をしております。

逢坂委員 今私が言ったアメリカのNRCの規定は、曖昧にしないで、日本でもしっかりこれを位置づけるんだということを、これは事務屋さんに任せるんじゃなくて、政治の判断でやったらいいと私は思いますよ。こういうことをやっていくのが政治の力なんですよ。今までの流れを変えられないのは、事務屋さんにはなかなか難しいんだ。だから政治家がいるんですよ。お二人、よろしくお願いします。

 それでは、次に移りたいと思います。

 原子力技術の進化というか、発展というか、それについての考え方をお伺いしたいんですけれども、科学技術を実用化していく上においては、やはり、試行錯誤というものは、これは科学技術の発展の歴史を見ると私は不可欠だと思います。例えば飛行機を例にとりますと、ライト兄弟などが初めて空を飛んだ、でも、その飛行機が、ある一定程度、実用上しっかりみんなが使えるものになっていくためには、墜落があったり、あるいは死亡事故があったりということで、試行錯誤をするわけです。でも、その事故やさまざまなことによって知見を得て、また更に次のレベルへ発展していくというのが、これは科学技術の実用化の、ある種、過去の、当たり前のプロセスだというふうに思います。

 したがいまして、原子力発電所についても、事故なんか起こり得るはずがないんだと、事故が起こったことを、またそれを踏まえて教訓を得て、更にまた次へ発展していくんだという考え方の方もいるとは思うんですが、私は、原子力発電所についてはこの考え方は当てはまらないと思うんですね。

 なぜ当てはまらないのか。原子力発電所以外のさまざまな事故というのは、事故が発生する、例えば大型の飛行機が墜落をして五百人が亡くなる、これは大変悲惨なことです、とんでもないことです、あってはならないことだけれども、それが起きる。起きて、でも、六カ月や一年たつと、その被害というのは固定化するんですよ。例えば五百人亡くなったというんであれば、それは五百人亡くなったで固定化する。それから、焼けただれたりいろいろした、飛行機が墜落した現場も、一年ぐらいたつと、これで被害はもう拡大しないということで固定化する。これが一般の事故の場合だというふうに思います。

 ところが、原子力発電の事故の場合は、被害の固定化というのはなかなかあり得ない。それは、チェルノブイリを見ても、福島第一原発を見ても、あの事故から七年が経過するにもかかわらず、いまだに被害の程度はどの程度なのかということはなかなか言い切れない。チェルノブイリに至っては、もうその何倍もの時間がかかっているのに、いまだに本当の意味での被害というのはどうなのかというのは固定化できないわけであります。

 そういう意味でいうと、一般の科学技術の実用化と原子力というのは同列に論ずるべきではない。試行錯誤に非常に合わない、そういう技術が原子力技術なのではないかというふうに思います。ほかにも理由は幾つかありますけれども。

 そういった観点で、試行錯誤による発展というのは原子力発電所においてはあり得ないんだというふうに私は思っているんですけれども、規制委員長と経産省でしょうか、両者からこれについての考え方をお知らせください。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 原子力においても、原子力もこれは科学技術の利用でありますので、試行錯誤、これは程度の問題ではあるかもしれませんけれども、試行錯誤というのは、当てはまる、当てはまらないではなくて、一種、避けることのない宿命だと思っています。そういった意味では、確かに、試行錯誤は原子力技術においてもあることだと思います。

 また、環境の汚染を伴うようなリスクを抱えた技術、例えば油田がもたらす汚染であるとか、それから海洋へのタンカー事故による原油の流出であるとか、こういったものは被害が固定されるものではありません。

 そういった意味で、環境汚染のリスクを持たざるを得ない技術について、先生のおっしゃるようないわゆる試行錯誤のようなものは宿命であるというふうに考えております。

武藤副大臣 更田委員長から御答弁がありましたけれども、経産省として、科学技術の発展のためには、さまざまなアイデアを試し、課題を乗り越えていくことが必要であると承知をしております。これは原子力発電所に関する技術についても同様であるというふうに認識をしております。

 その上で、原子力発電所については、一度事故が起きれば事故の影響がまことに甚大であるため、よりリスクを低減するための技術開発を進めていくということが必要であると考えております。

 リスクは決してゼロにはできないとの認識のもと、リスクの低減に向けた不断の努力を続けていくことが大事だというふうに思っております。

 以上です。

逢坂委員 私は、原子力技術の実用化においては、先ほど、被害が固定化しないということを一つの例として申し上げましたけれども、人類への影響、人体への影響もどの程度なのかということ。

 先ほど、更田委員長が程度という言葉を使いました。もちろん、事故の規模や程度が小さければ、それはさほどでもないのでしょうけれども、ある一定程度の限界を超えるととんでもないことになってしまう。だから、そういう意味でいうと、国土に与える影響とか人体に与える影響、もっと言うと人類に与える影響、そういうことを考えてみると、他の科学技術と同様に試行錯誤を前提にした発展というのは、原子力に関して言うと、極力とるべきではないのではないかという立場に私は立っています。

 だが、政府も規制委員会も、そうではないんだというお話でございましたので、それは無理があるんじゃないかという指摘を私はさせていただくと同時に、同じだとはいいながらも、でも、やはり原子力技術の実用化は随分重篤なことが起こるでしょう。実際に福島はそうなわけでありますから。では、そのときに、全く同様に、他の技術と原子力技術を同様に扱うんですか。そこに何らかの工夫のようなものはないんですかということについてはいかがですか。

武藤副大臣 今、先ほど答弁申し上げたとおりで、原発技術も他の技術同様に、さまざまな課題を乗り越えていくことが技術的な発展を遂げてくるということだというふうに思います。

 もちろん、技術にはそれぞれ課題がありまして、その特性に応じた適切な対応をするという必要があると思いますが、技術の利用によって得られる便益とリスクも常に勘案しながら利用していく必要があるんだというふうに承知しています。

 この点については原発技術も他の技術と同様であり、ただ、一度事故が起きれば事故の影響は甚大であるので、リスクを一層低減させるために、多層防護を徹底するなどの安全最優先の考えのもと原子力技術の利用を行うべきであると認識をしております。

 以上です。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 一旦事故が起きると被害をもたらす、これはあらゆる科学や技術の利用に伴うものでありますけれども、やはりその中で、一旦事故が起きた場合、非常に大きな災厄、非常に大きな被害をもたらすものについては、これをしっかりと、推進、利用促進の主体と規制とを分離をして、被害をもたらすものであるからこそ非常に強い、厳しい規制が必要なんだと思っております。

 したがいまして、一旦事故を起こすと大きな被害をもたらすものであるからこそ原子力規制委員会は存在しており、また、その規制委員会としての役割があるのだと考えております。

逢坂委員 この問題は簡単な問題じゃないので、きょうここですぐ結論は出るとは思いませんが、今お話を伺っていて、基本的な考え方が私とは随分差があるというふうに思います。

 例えば、原子力でいうならば、あえて実験炉、原型炉、実証炉、実用炉、こういう四段階に分けている。これはまさに、やはり試行錯誤ができないということのあらわれなのではないかと私は思うんですね。

 通常のプラントではこういうことはなかなかしない。いや、もちろん通常のプラントでもいろいろなものはやりますけれども、でも、これほど大規模に実験炉をつくり、大規模に原型炉をつくり、実証炉をつくり、実用炉へ持っていくなんということは、私は失敗が許されないということを前提にしているからではないかと思うんですね。

 だから、そういう意味でいうと、通常のトライ・アンド・エラーの考え方というのは、原発には私は極力入れるべきではないというふうに思っております。

 ちょっと時間が来てしまいましたので、この問題はこの程度にさせていただきます。

 それでは、きょう最後の話題です。ほかにもいっぱいあるんですが、最後、原子力の新規制基準の中で、一つだけお伺いをします。

 規制基準の中で、格納容器の二重構造。総理は、日本の原子力の規制基準は世界最高レベルだとか最も厳しいとかと言っているんですけれども、格納容器の二重構造については、日本の原子力発電所には、これは求められておりません。

 ただし、日本の原子力発電の規制基準は、例えば、飛行機がぶつかったときに、それで変な被害にならないようにということで、性能基準を設けているというふうに承知をしております。格納容器を二重にせよとは言っていないけれども、性能基準を設けているんだから、これは世界の基準と一緒だというような説明だと思うんですけれども、更田委員長、それでよろしいんでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 先生の御質問にもありましたように、航空機落下への備えとして、航空機落下をした場合に事故につながらないための対策については、性能としての要求をしていて、それをどう実現するかについての仕様規定としての要求をしているわけではございません。

逢坂委員 だから、具体的に、格納容器を二重にしても場合によってはよいかもしれないし、航空機事故にうまく対応できるのならですね、そういうことなんだろうというふうには思うんですが、そこで、今現に日本でとられている、世界最高基準と言われる、二重の格納容器にかわる技術というのはどういうことなんですか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 まず、航空機落下につきましては、進入速度や進入角度、それから追突する飛行機にかかわるさまざまな仕様の想定について、これは機微な情報ではありますけれども、それらの情報を有する国、特に軍事技術を持つ国でありますけれども、そういった国の規制当局の協力を得て入手をしております。

 その衝突想定に基づきまして、山に隠れているとかそういった場合を考えてではありますけれども、あらゆる角度から原子力発電所に飛行機が当たった場合に、炉心溶融、炉心損傷といった事故に至ることなく事態を収束させられる、それを審査の中で確認をしております。

逢坂委員 更田委員長から具体的に言及がございませんでしたので。

 二重の格納容器にかわるものとして日本で実際に行われているのは、大容量の泡放水システム、これを設備することとか、あるいは特定重大事故等対処施設を設けること、しかも、それは原子炉から少し距離を離してですね。さらにもう一つ、可搬型の電源車を用意することというふうに事務方から私は説明を受けているんですよ。

 果たしてこれで二重の格納容器と同レベルの性能が発揮できるものなんでしょうか。特定重大事故等対処施設をつくる、あるいは可搬型の電源車を配置する、これで本当に世界の規制基準が要求しているものと同レベルの性能というのは実現できるんでしょうか。結論から言うと、私は、いかにもシャビーで、それは実現なんかできないんじゃないか、いや、もしかすると事務方の説明が間違っていたのかもしれないんですけれども。

 最後に、何かあれば、お願いします。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 航空機衝突に対する対策に関しては、主に特定重大事故等対処施設が果たす役割が大きいと考えております。

 二重格納容器と、それから今回の、私ども、事業者の多くが採用している特定重大事故対処施設、技術の詳細に触れると時間がかかってしまいますけれども、これは、それぞれに有利な点、不利な点があるというふうに考えております。しかしながら、そういった特定重大事故等対処施設で整備する施設も、航空機対策に対して二重格納容器と同等の性能を備えていることを確認したところであります。

逢坂委員 二重の格納容器と同等の性能を備えていることを確認したということでありますけれども、私は素人でありますけれども、本当にそうなのかなと、一般国民的な目線でいうと思わざるを得ないということを申し上げて、終わります。

 ありがとうございます。

高木委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 国民民主党の小熊慎司です。

 まず、更田委員長にお伺いをいたします。

 これまでの質疑にもありましたとおり、田中委員長への評価、また、初心が大事だ、緊張感を持って、公平公正というような話もありましたけれども、改めて、この大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故について、昨年のこの委員会では、田中委員長は、公の委員会等で発言されたのは実際はその場が初めてであったということで、私の地元の福島県内の地元紙にはその発言が大きく取り扱われましたけれども、田中委員長は明確に、人災だったということを言っていただきました。

 あの事故は、振り返ってみると、起きないことも状況によってはあったということが、今、この七年二カ月の間のさまざまな検証でされている部分もあります。

 更田委員長におかれましては、あの事故は人災であったということを認識しておられるかどうか、まずお聞きいたします。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 東京電力福島第一原子力発電所事故の発生に、まずこの引き金となったものに関して、自然の脅威が大きなものであったことは事実です。しかしながら、それが防げるものであったか、又は、事故に至ったとしてもそれの被害をより穏やかなものにとどめて事故の進展を防ぐことができたか、こういったことを考えますと、組織的な面さらに人的な面というのは私は決して小さくなかったというふうに考えております。

 そういった意味で、私の認識も田中委員長と異なるものではございません。

 安全の追求に終わりはないという初心を忘れず、今後とも、常に高みを目指した努力を続けていくことが、あのような事故を避けるために最も重要であるというふうに考えております。

小熊委員 人災であったかどうかという点、少なからず、この委員会でも私も何回も発言していますけれども、私も関与してしまったという反省があります。

 何の知識もありませんでした。県会議員当時に、東電に不祥事があって、データ改ざん等があって、原発をとめていて再稼働させるときに、何の知識もない私が県会議員としてオーケーと言いましたけれども、大震災が起きる前に既に、外部電源が、ちゃんとしなきゃいけないですよというのをIAEA等から指摘も受けていたのにもかかわらず、そんなところは見向きもしなかった。

 今、七年前のことをいまだに福島県ではさまざまなテレビ、新聞等で検証していますけれども、非常用復水器、ICがどうだったとか、外部電源がどうだったとか、対策をとっていれば、今委員長がおっしゃられたとおり、こんなシビアアクシデントが起きなかったということも想像されるわけです。

 そういう意味で、やはりこれは人が起こしてしまった大災害、原発事故でもあるということを肝に銘じて、この事故をどう検証していって、二度とこういった事故が再びほかのところでも起きないようにするかというこの基本姿勢が大事だというふうに思います。

 朝からさまざまな委員が、大変傾聴に値する質疑がなされていましたけれども、私、ここが大事だと思うのは、更田委員長はちゃんと注意していただいていますが、東京電力福島第一原発と使っていただいています。これは我々の地元から、震災当時から、東京電力とつけてくれと。福島第一じゃないんですよ。当事者責任という意味では、これは田中委員長も退任前に言っていましたけれども、責任感の欠如が東電にはある、当事者意識がない。これはちゃんと東電とつけなきゃいけない。

 これは高木委員長も、復興大臣のときにいろいろありましたけれども、この点については、しっかり福島県民の思い、この事故のあり方といったものも含めて、ちゃんと東京電力というのをつけてこの事故の名称を語っていただいていました。

 安倍総理についても、ほかの部分については言及は避けますが、この点については安倍総理もちゃんと守っていただいています。

 ですから、委員長、理事の皆さん、この事故の名称に関しては、ちゃんと東京電力とつけなきゃいけないんですよ。そういう視点によってこの事故を検証するのか、東電も被害者であったかのように検証するのかでは全然違うんです。これは、委員長は東電とつけていますけれども、委員の皆さんにお願いしたい。委員長、ぜひ理事会の中でも統一していただいて、しっかりそこは、これは県民の正式な陳情書、請願書でも出ていますから、これはお願いしたいというふうに思っています。そういう意味では、東電の意識が低くなってきているのも事実です。

 次の質問に移りますけれども、浪江町の約一万五千人の申立てについて、私、この国会の中で、予算委員会でも復興の委員会でも、これはちゃんと対応してほしいと東電の経営陣も呼んで質疑したんですよ。そうしたら、真摯に対応します、復興大臣も、真摯に対応させます、国としてもこの和解がしっかり合意していけるようにということを言って、二、三日後に、東電が、もう聞けません、打切りと言ったんですよ。何なんだということですね。

 これはまず見解をお聞きいたします。

武藤副大臣 小熊先生に私からお答えをさせていただきます。

 今の件、浪江の住民の方々からの原子力損害賠償紛争解決センターへの申立てについて、仲介委員が紛争が解決される見込みがないと認め、浪江町と東京電力に対する和解仲介手続の打切りを公表したものと承知をしています。

 個別案件についてのコメントはこの場では差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、今回申立てをされた浪江町の住民の方々において個別事情に応じた損害がある場合には、御事情を丁寧に伺いながら、誠実かつ適切に対応するように東京電力をしっかり指導していきたいというふうに思います。

 以上です。

小熊委員 副大臣、だから、四月三日ですよね、覚えていますよね、復興委員会に副大臣も来ていただいた。そのとき、経産省としても、今まではこのADRについては七割も八割も解決していますということだけ言って、まだ七割も八割もという言い方にしてくれ、二割、三割も残っているという言い方じゃないからだめなんだという話をしたら、初めてそのとき、私が質疑している中では、経産省としては、武藤副大臣が、まだ残っている、二割、三割残っているという言い方をしていただきました。その数多く残っている中でもこれは最大の申立人がいるもので、あの四月三日の直後ですよ、これは。東電の方も来て、真摯に対応します、五つの約束がありますからと言っていながら、これなんですよ、この原発事故に関しての取り巻く環境というのは。みんな口では、被災者に寄り添い、二度と起こさないようにします、丁寧に対応します、その舌の乾かぬうちにこれだったんですよ。じゃあ最初から言ってくれよという話ですよ、もう近々にしますけれどもこれは和解に応じませんからと。丁寧に対応しますが打切り。これでは信頼なんか全然醸成されないし、被災者に寄り添うといったって、これは与野党を超えて政治家に信頼がないのはそういうことなんですね。恥ずかしくないですかね、この言葉、ちゃんとやりますって。ちゃんとやりますと言った結果がこれですか。

 残念に思いませんか、副大臣。もう一回お願いします。

武藤副大臣 先生の御指摘の点、まず、福島の復興というものが経済産業省の最重要課題でありまして、今後ともの福島の復興に全力を尽くしていく方針にはいささかの変更もございません。

 賠償についても、ADRセンターの全処理済み件数の二割が和解にまだ至っていないということを真摯に受けとめながら、経済産業省としても、東京電力が被害者の方々に寄り添って、公平かつ適切な賠償を行えるようにしっかり指導していくのは変わりません。

小熊委員 結果が出ていないとだめですし、これは浪江町の町民の方々が言っていることを一〇〇パー聞けというんじゃない、和解案ですよ。和解案に関しては、浪江町の方々も、一〇〇%思いがかなっていなくても、和解案やむなしで、ではこれで手を打っていきましょうかという話が折り合えないんですよ。まさに東電の当事者意識の欠如で、責任感の欠如ですよ、前任の田中委員長が言っているとおり。それをやはり国としてもしっかりやっていかなきゃいけない。国が前面に立つと言っているけれども、格好いいところだけ出ていって、これは出ていかないんです。株主でしょう。大株主ですよ、国が東電の。一義的には東電がちゃんとしなきゃいけない話ですけれども、国が全く外野の場合じゃないんですよ。もっとけつをたたいてやらなきゃいけないんじゃないですか。

 責任を持ってといっても、私、先ほどの逢坂委員の、試行錯誤、トライ・アンド・エラー、そういう意味でも、原発というのは、これは人類の英知を超えたものだと思っていますし、まして、運転に関して安全だといったって、何の責任もとっていない。廃棄物のことなんて、責任をとるなんて、十万年も責任をとると言った瞬間に、それがもう絵そらごとですよ、ファンタジーですよ、白昼夢です。そういう技術の中で事故も起きていて、甚大な被害が今でも広がっている。

 我々は、二〇一一年の三月十一日、あの日に取り残されている県民たちですよ、ある意味では。時間がたって復興していく部分もあるけれども、原発事故災害はまだ収束もしていない、現在進行形である。常にあそこの日に立たされているんです。

 そういう中でも少しでも解決していこうというときにこれだし、では、これはぜひ経産省でやっていただきたいのは、副大臣はおわかりのとおり、東電に、この五つのお約束、こんなのちゃんちゃら果たされていませんから、ごまかしはやめろ、掲げるのであればちゃんと実行しろということを強く言っていただきたいというふうに思っています。これはしっかりちょっと東電と話し合ってください。

 その気がないんだったら、あんな、国会で答弁で、ちゃんとやりますと言わせないでください。言いましたよね、東電の副社長もあのときに来て。全然違うじゃないですか。これはあの直後ですよ。だから、全然真摯な対応になっていない。風化しているなと思いました、責任感もないし。

 次に行きます。

 中間貯蔵施設、瓦れきの廃棄物の中間貯蔵施設の建設が進んでいます。これは早期に進めていかなければいけない事業であります。さまざまな関係者の努力によって進んできている部分もありますし、搬入に関しても、地元のさまざまな方々の努力によっていろいろな、始まる前は、交通量が多くなってどうだとか何だとか、インターチェンジをおりるときはどうするんだ、国の方も特別にインターチェンジもつくっていただいて、現実的な対応をしていただいているということで、大きな混乱は今のところ見られていませんし、これからが本格的になりますから、またこれはしっかり対応を注視していかなければいけません。

 この建設に関して、お手元の資料のとおり、ここに事件があったかどうかは私が言うということではありませんが、ちょうどこの受注した大手の会社に関しては、いわゆるリニアの談合事件に絡んだ会社でありましたから、環境大臣も、福島のはこれは関係ありませんから、受注業者を外すということはないというコメントも発せられているのは聞いております。

 改めて、たまさか当事者がこの四社でもありましたので、この中間貯蔵も、これも膨大な予算の中でやっていますから、ここに談合がなかった、ちゃんと防止もしてきたということを確認したいと思いますので、答弁をお願いします。

武部大臣政務官 お答えいたします。

 小熊先生おっしゃるとおり、中間貯蔵施設関連工事というのは大変巨額な事業でございますので、その発注に際しましては、透明性、公平な競争を確保することが大変重要だと考えております。

 私ども、入札に当たりましては、談合等の公正な競争をゆがめる行為を防止するために、仕様書におきまして、参加者に対し、独占禁止法を始めとした法令遵守を求めております。これに加えて、総合評価落札方式を採用しておりまして、その提案の技術的側面を積極的に評価しておりまして、価格面での談合等の防止を図るとともに、また、応札後でございますが、応札後の経費と入札金額と応札者から提出された経費に不自然な開きがないかなどの事後チェックも行っております。

 引き続き、適正な事業発注に努めてまいりたいと思います。

小熊委員 それで、更にお聞きいたします。

 これは大きな予算でありますから、これは誤解のないように言うんですけれども、間々あることですけれども、市町村においての公共事業にしても、都道府県の事業における公共事業についても、地元をどれだけ使ったのかというのは意識をしなければならないというのは、それぞれの議会でもありますし、地元の商工会、商工会議所からもよく陳情で上がる案件でもあります。

 この中間貯蔵にしても、一部マスコミ等で、政府・与党関係者、議員が、この業者を使えとか言うことがあったというようなこともされています。私、ちゃんとは確認していません。

 地元を使ってくれ、全体使ってくれという話はこれはいいと思うんです。環境省だって、なるべく地元業者と連携のとれる大手を選定していきたいというのは、レクチャーの中で以前受けたこともあります。ピンポイントで地元のここの業者を、これを下に入れて使えというのは、これはやってはならないことだというふうに思います。

 そういった点の防止もしっかりされていますか、武部政務官。

武部大臣政務官 小熊先生のお話にあったことは、報道でもあったことを承知しておりますが、今先生のお話にあったとおり、下請企業への地元企業の活用に関する問合せというのは、要請については、地元の首長さんや関係者の方々からそういうお話をいただいております。

 これにつきましては、中間貯蔵施設関連工事の発注においては、技術提案書について、提案者を特定できる情報を黒塗りした上で、複数の職員が採点を行っております。また、相互に採点を確認し合っておりますので、環境省の職員が関与するといいますか、配慮することはできないような仕組みになっております。

 また、下請の企業、どこを使うかということは、これは元請企業が判断することでありますので、発注者である環境省が関与することではないというふうに認識しております。

 先ほども申しましたけれども、大変大きな事業でございますので、あらぬ誤解を受けないように厳格に進めてまいりたいと思います。

小熊委員 武部政務官におかれましては、今答弁されたことをしっかり、とりわけ、与党議員ですよ、閣僚だけじゃない、与党議員に、そういうことが言及をされてしまっていますので、これはやはりそういったあらぬ疑いを晴らすためにも徹底をしていただきたいと思いますし、まして、森友問題、加計問題の問題もありますので、それとなぞらえてこの福島のことを語られたらたまったものじゃありません。

 今言ったとおり、ちゃんと地元の業者さん、その業界を意識してくれというところまでは言ってもいい話だと思いますけれども、ピンポイントでここを使えとか、そういうのを言ってあげますよみたいなことを言っている秘書もいるとかなんとか、そういった疑いもかけられていますので、ここは、しっかりより厳しく、そういう疑いがかけられないように、改めて、この後もこの原発事故災害の廃炉、収束、解決に至るまでは、我々の人生以上にかかりますから、何年も続くんですよ。それで国費も投入されていくわけです。この使われ方については、しっかり、李下に冠を正さずという姿勢で徹底をしていただきたいというふうに思いますので、これは緊張感を持って初心を忘れずにやっていただきたいというふうに思います。

 最後に、更田委員長にお願いをもう一度させていただきますけれども、まさに、この東電の責任感の欠如、あとは、これは与党、野党かかわらず、原発の再稼働に関しては政治的圧力があったと前任の田中委員長は言っております。そうした間違った圧力に負けないように、先ほど来、委員長がおっしゃられている初心、そして、客観性、公平性といったものの中で、規制委員長としての役割を果たしていただくことをお願い申し上げますとともに、同僚議員においては、そうした政治的そんたくを委員長にさせるような発言は、行動は控えていただいて、我々も冷静にこの原子力というものに向き合っていかなければならないということを指摘申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

高木委員長 次に、斉木武志君。

斉木委員 斉木武志です。

 きょうは、更田委員長からも冒頭言及がありました「もんじゅ」の廃炉措置に関してお伺いしたいというふうに思います。

 まず、更田委員長にお伺いいたします。

 更田委員長は、私が四月に経済産業委員会にお呼びをして所信をお聞きした際に、福井県の「もんじゅ」を、五月か六月にかけてぜひ現地を視察したいということをおっしゃっておりました。私も、非常にいいことだ、田中委員長はいらっしゃいませんでしたので、ぜひ規制委員長として現地を見ていただきたいということを申し上げましたけれども、福井県や敦賀市とか地元側との調整、今の日程調整の進捗状況というのはどのような状況になっていますでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 先生の御指摘にありました「もんじゅ」視察でありますけれども、基本的には、「もんじゅ」に限らず、現場に行くことには大変大きな意味があると思っておりまして、これは時間の許す限り、私だけではなく、委員それぞれも現地に行きたいというふうに考えております。

 また、これは原子力規制委員会にとっては新しい取組ではありますけれども、現場に行った際に、調整が整いましたらば、できるだけ地元の県並びに市町村の首長さんの御意見を伺う機会を持ちたいというふうに考えておりまして、これは先般、佐賀県で実施をさせていただいたところであります。

 既にお答えしましたように、「もんじゅ」に行く際にはこのような意見を伺う機会を持ちたいというふうに考えておりますけれども、現在、地元との間で調整を進めているところでありまして、ちょっと、調整中でございますので、現時点でこれ以上申し上げることではありません。

 五月の下旬ではなく、ちょっと六月に入ってしまうかとは思うのですけれども、こういった意見を伺う機会を持てなくても、私としては現場を見ておきたいというふうに考えております。

斉木委員 調整中ということなんですけれども、福井県や敦賀市がまさに地元の当事者になると思うんですが、地元からは、委員長と意見交換をしたり、何かこういったことを申し上げたいというのは打診はあるんでしょうか。

更田政府特別補佐人 率直に申し上げまして、意見の交換といいますか、私に質問をしていただいて、こちらの考えをお伝えする、あるいは先方のお考えを伺うということ、このこと自体は各自治体ともに御賛同いただけるんですけれども、例えば、複数の首長さん方を一堂に会してというような形に関しては、いろいろなお考えがあります。

 私たちとしては、意見を伺う機会は公開の場で行いたい、ここは基本線として守りたいと思っておりますけれども、メンバーですとか、そういったものに関しては、それぞれにさまざまなお考えがあるというふうに承知をしております。

斉木委員 ありがとうございます。

 そして、その意見交換と一緒に、より重要なのが施設を直接見ていただくことだというふうに思いますけれども、今回の視察に関して、「もんじゅ」は、液体ナトリウムを使っている原型炉という非常に特殊な炉でございますので、特に委員長としてどのあたりに着目をして、何に注意をしてこの視察を行いたいとお考えでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 確かに、先生の御指摘にもありましたように、ナトリウムを冷却材として使うという特徴的な炉ではありますけれども、廃止措置計画は段階ごとに進められるもので、まず、私が今きちんと注視しなければならないと考えておりますのは炉心からの燃料の取り出しでありますので、炉心から燃料を取り出して、これを一旦ナトリウムのプールの中へ入れて、更に水プールへ移っていくプロセスですけれども、これ自体にしましても、相当数の年限をかけて行うものでありまして、視察の際には、この炉心からの燃料の取り出しのプロセスに焦点を当てて見てきたいというふうに考えております。

斉木委員 私も、その燃料の取り出しに関しては非常に関心を持っておるんですけれども、液体ナトリウムが、使用済み核燃料そして使用前核燃料に関しても付着をしている。それを、空気中の水分と反応しても発火現象や爆発現象が起きる液体ナトリウムですので、国民の間にも、果たして安全にまず取り出しができるのかどうかといったような観点があると思いますが、更田委員長としては、まず炉心からの燃料の取り出しというのは安全に行えるというような知見をお持ちでしょうか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 今御指摘の件につきましては、廃止措置計画を認可する段階で、作業の工程、それから作業のための施設が十分な安全を保てるようになっているかどうかについては審査を行いまして、これを認可したものでございます。

 しかしながら、やはり多くの実績を持っているわけではありません。今まで、これまでも多数の燃料を取り出した経験があるわけではないので、これにはやはり、慎重には慎重の上、じっくりやっていく必要がある。

 一方で、いたずらに期間をかけるということは、これはこれでまたリスクを上げることになりますので、やはり、これまでも燃料に関しては、炉内中継装置を落下させるというようなこともありましたし、また、ナトリウムは、物を落としてしまったら見ることのできないものですから、そういった意味で、何かトラブルがあったら、水から何かを取り出すよりも、やはり厄介であろうことは容易に想像できますし、また、ナトリウムが発火性を有することも先生の御指摘のとおりです。

 したがいまして、これはやはり経験の少ない領域ですので、計画段階までは現時点でしっかり見たつもりでおりますけれども、やはり実施段階で、私たちも緊張感を失うことなく監視を続けることが重要であろうというふうに考えております。

    〔委員長退席、細田(健)委員長代理着席〕

斉木委員 非常に具体的な御説明をいただきまして、ありがとうございます。

 ここからは、機構側にもきょうは御出席いただいておりますので、まず、私が聞いている範囲ですと、七月から、いよいよこの燃料の取り出しにかかるということですけれども、委員の皆さんにも、機構からいただいたポンチ絵をお配りしてありますので、少し、まず、どういった手順で、この炉心からの燃料取り出しを、いつごろから着手をして、どのように行っていくのか、御説明いただけますか。

伊藤参考人 お答えいたします。

 「もんじゅ」の廃止措置工程につきましては、その絵にございますように、全体を四段階に分けて、第一段階を燃料体取り出し期間、それから、第二段階を解体準備期間、第三段階をナトリウム機器等の解体の期間、最終的には第四段階で建物の撤去等を行う期間ということで、三十年で撤去を行う計画にしてございます。

 今御質問のありました燃料体の取り出しにつきましては、現在、原子炉の中に三百七十体。それから、一時的に、中間的に燃料を貯蔵しております炉外燃料貯蔵槽というのがございます。ここに百六十体の燃料。五百三十体がございますので、これらを燃料池に移す作業を最優先に実施し、二〇二二年度にはその作業を完了させる予定としてございます。

 現在、この燃料池への搬送に向けまして、機器の点検及び操作者の教育等の準備を進めているところでございまして、現在では、七月中には何とか着手したい、そのように考えているところでございます。

斉木委員 そして、まず、取り出した燃料体から、付着している液体ナトリウムを全てきれいに取り除く必要があると思うんですけれども、これはどのような方法で行う予定ですか。

伊藤参考人 お答えいたします。

 先生のお配りいただいた資料にもございますが、燃料を取り出しますと、ナトリウムが付着した状態でございます。これをきれいに洗浄して燃料池に移送するというのが必要でございます。

 先ほど来ありますように、ナトリウムというのは、水と反応しますと少し化学的に機微なことになりますので、当然、少しのナトリウムが、取り出したものは塊であるわけではございませんので、燃料棒に付着しましたナトリウムを、今考えてございますのは、アルゴンガスと、これは不活性なガスでございます、それから少々の水蒸気を含めまして、このナトリウムを反応させまして取り除く。その後、更に水の洗浄を繰り返して、燃料池に移送したい、そのように考えてございます。

 これらは、日本では余り経験がございませんが、海外等では豊富な経験を有してございます。こういった知見を有効に活用しながら、安全第一で進めていきたい、そのように考えております。

斉木委員 まず、水と反応すると発火現象や爆発現象が起き得るということが指摘されておりますけれども、今お聞きして、私もレクでお聞きした範囲ですと、アルゴンガスの中に入れて、水分を徐々に緩やかに反応させながら、一気に燃焼現象が起きない形に持っていくということなんですが、ここで、敦賀市民であるとか日本国民からすると、やはりヒューマンエラーがあるんじゃないのか。

 水分を本当に多く、例えば二%のものに、いきなり一〇%もバルブをあけてしまって入れたら、その中で爆発するんじゃないかとか、そういった懸念というのは、まさに日本として初めての廃炉ですから、あるんじゃないか。ヒューマンエラーは起きないんでしょうか。

    〔細田(健)委員長代理退席、委員長着席〕

伊藤参考人 今の御質問に対してお答えいたします。

 まず、こういう作業を実施するに当たりましては、ヒューマンエラーを起こさないように、しっかりとした教育訓練、そういったものを重ねて、我々が確信を持った段階でこういう作業を進めていくというふうに今準備を進めているところでございます。

 ヒューマンエラーに対しましては、これは永遠の課題でございますので、いろいろと今もトラブル対応ということでやってございます。

 例えば、表示等を明確にして間違えることのないように、それから、一人で監視するのではなくて、複数の人間で監視をして作業を進める。そういうような対策の強化をしながら作業を進めていこう、そういうふうに思っております。

斉木委員 よりこの機器、多分この十の番号がついている、燃料体のナトリウム洗浄についてという部分だと思うんですけれども、これは、例えば、ではヒューマンエラーが起きたとしても、中はアルゴンガス、要するに不燃性ガスで満たされているので、発火現象は起きないという理解でよろしいんですか。

伊藤参考人 お答えいたします。

 この設備は、常にいろいろなものを監視しながら進めてまいります。例えば、何か異常がありましたら、設備に安全装置というものがございまして、例えばこれは、ナトリウムを洗浄していきますと水素等が発生しますので、その水素濃度を監視しながら進めていく。そういった、いわゆるインターロックというものがありまして、安全に作業を進めるような、そういう設備になってございます。

 仮にヒューマンエラー等でそういう作業が中断された場合にも、そういった場合の対応の手順書をしっかりと定めて、そういった危険性のないような形、安全第一で進めていく、そういうふうに今準備を進めているところでございます。

斉木委員 事前のレクで規制庁の職員から伺った範囲ですと、ヒューマンエラーが起きたとして、例えば水を多く入れ過ぎたとしても、アルゴンがあるので、これは爆発現象には至りませんよという説明だったんですが、そうではないということですか。

伊藤参考人 お答えいたします。

 済みません。私の回答の仕方がまずかったのか、そういう意味では、大量に入った場合においても、急激な反応で爆発現象が起きる、そういったものはないというふうに思っております。

斉木委員 そろそろ時間が来たようですので、またあすの経産委員会でも、エネルギー基本計画に絡んで、「もんじゅ」は核燃サイクルの中核施設でもありましたので、御質問をさせていただければと思います。

 我が党の持ち時間が参りましたので、次の方にお譲りしたいと思います。

 どうもありがとうございました。

高木委員長 次に、田嶋要君。

田嶋委員 無所属の会、田嶋要でございます。

 更田委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

 委員長、この御著書は読まれたことはございますか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 手にとったことはございますけれども、読んではおりません。

田嶋委員 国会事故調委員長をやられた黒川先生が書かれた御著書でございます。

 初心を忘れずということもございました。新たに委員長になられたわけでございます。僣越な言い方で恐縮でございますが、ぜひとも、やはり改めて、事故は今でも続いている、そのことを肝に銘じて、二度とああいう事故を起こさないためにも、私は、黒川委員長の御示唆、手厳しいところもございますけれども、しっかりと読むことも必要なのではないのかなというふうに思いますので、まずはよろしくお願い申し上げます。

 先月、経済産業委員会で、更田委員長にお越しをいただきまして、同僚委員から質問がございました。まず、その点について確認をいたします。

 ちょっと議事録を読みますけれども、我が国の原子力施設に対する規制を行う上で、海外に倣うだけでは不十分、国際的基準というものは各国の事情を丸めたものになっている、地震のある国とない国との規制は異なるのは当然のことである、こういうような表現が二カ所ほどに出てまいったわけであります。

 確認をさせていただきますが、この日本という国の自然状況あるいは地勢的な状況を前提にして、更田委員長のおっしゃっていることというのは、いわゆる保守主義、イデオロギーの保守主義ではなくて、間違えるときに、安全サイドに、安全サイドに間違えられるような保守的な考え方をとっていく、それは、少数意見も尊重して、一番厳しいとも思われるかもしれないけれども、そういう立場に立ってやっていくんだ、そういうことをおっしゃっているのかなと思います。

 その御答弁の最後には、地震に対する備えというものが厳し過ぎるという御批判があることは承知をしておりますけれども、十分な備えをすることが大事だ、こんなような御答弁も書いてありますけれども、若干、途中で御主張がわかりにくく、恐縮ですが、なったところもあるものですから、改めて委員長にお考えをいただきたいと思います。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 まず、地震についてですけれども、地震に対する備え、それから、原子力施設が地震といった脅威にさらされたときにどういった防護を備えているべきかという点に関しては、さきにもお答えしましたように、国際基準に倣うことというのは余り大きな参考にはならないと考えております。

 やはり、地震に関する議論でも、IAEAのような組織では、地震のない国からの参加者も加わって議論をします。それぞれの議論を、丸めたという表現が正しかったかどうかは別として、非常に、大きな経験と強い責任感を持って議論をしているメンバーと、そうではなくて、他国のこととして捉えて議論をしているメンバーと、これが合わさって議論をします。

 したがいまして、必ずしも国際基準に沿っているということだけが、特に地震の場合については、それだけで規制の内容が充足するものだというふうには考えておりません。これはさきにお答えしたことと同じであります。

 それから、先生が保守主義という言葉を使われて御質問いただいたことですけれども、これは原子力規制委員会だけに限りませんけれども、各国ともに、こういった規制を進める上で最も難しいのは、一定の保守性、一定の安全誘導は必要であるけれども、一方で、過度の保守性をというと今度は議論が前へ進まない。そこで、どの程度の保守性が適正なものであるかというのは、これが一番難しいところであります。

 これは、米国の原子力規制委員会等は、アディクエートという言葉を使って、適切な、適当な、ふさわしいだけの保守性を備えるようにとしておりますけれども、規制にとって、もう永遠に、常に考え続けるところの必要のあるところのものであります。

田嶋委員 難しいということはよく理解しますし、そのアディクエートという意味では、そのとおりだと思います。

 ただ、前回、御答弁の中でも、我が国の状況を踏まえて考えれば、最も注意すべきは私は地震であるというふうにおっしゃっておりますし、地震に関しては、厳し過ぎるという御批判があることは承知しておりますけれども、地震に対しては十分な備えをすることが重要である、こういうことをおっしゃっておるので、そのことを銘記して、再稼働が今どんどんされておりますけれども、結果として再稼働が一つもできない事態があっても、それはやはり安全最優先ですから、よろしくお願いをしたいというふうに思います。

 それで、島崎先生という先生がおいででございますが、いろいろ少数意見として、基準地震動に関して懸念が出ておるわけでございます。私、先ほど保守主義と同時に少数意見をどう見るかというところが、これは同じかもしれませんが、大変重要ではないかと。

 最近、これは裁判で、添付の資料の一についてございますが、東電の強制起訴公判ということで、この長期評価ということが非常に軽んじられたということ、これは新聞記事で恐縮でございますが、要するに、信頼性が低いと明記するよう内閣府から圧力がかけられたとか、いろいろおっしゃっている中、要は、私が申し上げたいのは、このときもこの島崎先生が少数意見であった、そして、一番最後に、長期評価に基づく対策をとっていれば命はかなり救われた、こういうようなことが実際に今訴訟で続いているわけであります。

 他方で、この同じ島崎先生が、やはり原発の再稼働のときに、この方はかつては委員会の委員長代理であったというふうに理解しておりますが、そういうような反対意見を述べられておるわけでございますが、どうも、そうした方の声が聞かれていないのではないかという懸念がありますが、新しい委員長になられた更田委員長におかれては、どのように考えられておりますか。

更田政府特別補佐人 原子力規制委員会としましては、規制委員会で委員長代理も務められた島崎氏からの指摘を踏まえて、大飯発電所の地震動の試算の評価を行いました。行ってみたところ、科学的な矛盾を生じることになったために、島崎氏の主張に基づいて基準地震動の妥当性を議論することは適切でなく、大飯発電所の基準地震動を見直す必要はないと考えております。

 また、文部科学省に設置されている地震調査委員会において、現在も強震動予測手法、いわゆるレシピと呼ばれているものですけれども、これを見直すための検討が行われていることは承知をしており、新たな知見が得られれば、規制に取り入れるかどうかについて、また個別に原子力規制委員会として判断してまいります。

田嶋委員 まずは、島崎先生はそういった解説に納得されていないというふうに聞いております。また、私が申し上げたのは、この資料一のように、同じ先生が長期評価に関して、言ったとおりになったじゃないかということをおっしゃっているわけですね。こういうのが一個出てくれば、その人の言うことをもう少し真剣に聞かなきゃいけないんじゃないか、そういう気持ちにそれはなりますよ、普通は。

 だから、やはり、ここはおごっちゃいけない、二度と事故は起こしちゃいけない、そういう観点からすれば、一番極端に見える意見でも、これは大事に考えていかないと、ぜひともこれは間違いを起こさないということを肝に銘じてやっていただきたいということをお願い申し上げます。

 それでは、次の質問でございますが、公文書の管理、先ほど逢坂先生からも出ておりました。原子力規制庁の透明性の問題はいろいろな先生から御指摘いただいています。この中にも書いてありますので、ぜひ読んでください。更田委員長、書いてありますので。

 それで、二つありまして、規制庁と電力会社がどういうケースで話合いをするか、二つあります。一つは、ファクトチェックです。事実だけを押さえ合うという会議ですね。それからもう一つは、判断を伴う面談です。それは安全審査会合というようでございますが、一年間に二千二百回会うんですって、二千二百回。六本木にあるそうですね。六本木で二千二百回、十電力か何かでしょうから、相手は。だから一年間に、九電力ですか、原発ですから、二千二百回会っている。

 この会議が、私が事務方から伺った話だと、安全審査会合の方は議事録がしっかりとられている、そして、ビデオですか、そういうのも、画像もあるということですが、有識者、黒川先生も含めて懸念しているのは、それは全体の一部であって、少なくとも、全ての電力会社との面会が原則公開、議事録を全部とる、録音もとる。そして黒川さんの御希望は、英語の発信も全部行う。国会事故調がやっていたとおりのことをしっかりやってほしいということを言っています。

 先生だけじゃないんです、言っている人は。みんなが心配しているんです、みんなが心配している。疑われるのが普通なんだから、ぜひとも、そうした癒着がないということを、身の潔白をあらわすためにも、やはりこれは、安全審査会合のみならず、全ての会合に関して情報公開、いわゆるサマリーだけじゃなくて、議事録そのものも公開するということをやっていただけるということをお約束いただけませんか。

更田政府特別補佐人 お答えをいたします。

 御質問の内容の繰り返しになる部分がありますけれども、審査会合というのは公開で、傍聴の方にもおいでいただけるようになっておりますし、また、ユーチューブ、ニコ動といったビデオ中継を行っており、また、逐語的な議事録の公開を行っているものです。

 一方、ヒアリングの方は、これは、意見交換ではなくて、ファクトチェックではありますけれども、確かにサマリーの公開にとどまったものであります。

 二千二百回という数字がありましたけれども、非常に多数回にわたります。透明性というのは、私たち自身を守る上でも、さらに、信頼を回復するためにおいても非常に重要でありますので、私も、ごく最近ではありますけれども、ヒアリングで行われているものに関しては公開でやれ、なるべく公開でやれということは指摘をしたところであります。

 したがいまして、公開でやることが望ましいことには私も同じ意見でありますけれども、技術的に、その数千回にわたるヒアリングを全て公開で行うということができない。それは、キャパシティー、部屋ですとか、そういった設備の問題もありますので、技術的にできないというのが最大の理由であります。

田嶋委員 更田委員長はそちらの御専門ではないと失礼ながら拝察しますので、それは、二百回の審査会合ができて、二千回の事前の打合せができないなんという理屈はありませんよ、今のITの技術を使えば全部やれますから。あとは、金の問題があるかもしれませんね。

 そこら辺も含めて、相談はしなきゃいけないと思いますが、原則論は御理解をいただいていると思いますので、やれない理由を並べる前に、やれるように努力しましょうよ。世界がやはり注目しています。黒川先生がおっしゃっています。ほかの有識者の方もおっしゃっていますから、よろしくお願いいたします。

 それからもう一点、出てくる資料が白塗りが多い。これはよくある話ですね。黒塗りじゃないんですけれども、白塗りらしいです。競合他社が有利になる情報なので出せない、これが定番の理屈のようでございますが、そして、事務方に聞いて、フランスやアメリカでもやはりそういうケースがあるよという資料はいただきました。

 しかし、比較をしなきゃ、やはりこれははっきりしませんね。悪魔は細部に宿りますよ。日本は全部黒塗り、アメリカは二カ所ぐらいが黒塗り、こういうことかもしれませんね。

 ぜひとも、私は、どういう数字がアメリカやフランスやイギリスのケースでは黒塗り、白塗りになっているのか。そこと同じ水準だったら私も理解をします。しかし、日本だけが独自に全部黒塗り、ありがちですから、こういうことをやめる、調査をしていただく、比較をする調査をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 これも、委員会の方から原子力規制庁に対して再三指示をしているところでありますけれども、マスキングの箇所というのは必要最低限であるべきだというふうに考えております。

 商業機密にかかわるものといっても、本当にマスキングをしなきゃならないものの多くは、例えば、テロリストに対して攻撃のための材料を与えてしまうような情報に関しては、これはどうしても白塗りにせざるを得ないというふうに考えております。

 しかしながら、いたずらにこのマスキングの部分を広げることは、透明性の観点からいっても非常に好ましくないので、できるだけ少なくするものという点には全く同意であります。

 日米の調査については、これは調査が可能なのか、相手があることでありますので、調査が可能なことかどうかも含めて、検討させていただきたいと思います。

田嶋委員 欧米は、大体、日本より情報公開が進んでいますから、だから、マスキングされている部分以外は、恐らく全部見れると思いますよ。だから、それをぜひ比較をしていただきたい。私、そういう比較資料も出していただきたいと思います。

 委員長、そこら辺、お取り計らい、お願いしたいと思います。

高木委員長 理事会で協議します。

田嶋委員 よろしくお願いします。

 それからもう一つ、これは有名なケースでございますが、ノーリターンルールですね。

 五年間は、若干、手かげんを加えていた。しかし、五年過ぎたら厳格に、だめよ、例外なくだめよというルールでありますが、それが今どうなっているのか。

 おつけしている資料の二番でございますが、上と下がございますけれども、上の方、要するに六条の二項の方は、原発利用推進の行政組織へ配置転換を認めない。しかし、三つ目はもう少し包括的に、規制の独立性を確保する観点から、国民の疑惑や不信を招くような再就職を規制する、こういうようなことでございます。

 規制庁の人員というのは、今は九百数十名、もともと四百数十名ということでございますので、たかだかそれぐらいの人数の規模の話を言っているんだから、全数チェックをやはりしなきゃいけないと思います。そして、今、まさか規制庁にいた人が電力会社に回り回ってそこで働いているとか、そういうことがあっちゃいけない。

 そして、有識者の方が心配している役所へ戻る話も、直接、推進の部署に戻ることがなくても、一カ所呼吸を置いて、一カ所クッションを置いて推進の部署に戻っているケースが本当にないのかどうか。同じことですよ、やっていたら。どちらもこの二項違反ですよ。

 だから、そのことを全員調査をしていただきたいと思いますが、委員長、やる気がございますか。

更田政府特別補佐人 発足時以降は、経済産業省及び文部科学省等から来た者を含めて原子力規制庁の職員については、これら職員が他省庁へ異動となった場合には、原子力利用の推進に係る部署への配置を認めないとするノーリターンルール、これは幹部職員も含め全職員に適用をされております。

 施行後五年までは特にやむを得ない事由がある場合の例外はありましたが、五年を経過した後は例外なくノーリターンルールを適用しており、今後も同ルールを履行していく所存であります。

田嶋委員 全数のチェックをしていただきたいということをお願いしますが、いかがですか。

更田政府特別補佐人 お答えをいたします。

 これも、先ほどの質問に対するお答えと同じになってしまいますけれども、制度の範囲の中でそれが可能であるかどうかについて私は今理解をしておりませんので、ただ、検討させていただきたいと思います。

田嶋委員 私も一緒に努力させていただきたいと思います。

 次の質問をさせていただきます。

 四十年ルールというのがあるわけでございます。同じ資料の下でございます。原発というのは四十年だと。しかし、次ですね、一回に限り延長し、二十年を超えないというルールが立法上あるわけでございますが、立法者の立法趣旨というのは、この二十年のプラスというのは極めて限定的、例外的なんだということでございます。

 それは更田委員長もよく御理解をしておると思いますが、しかし、今、三基、プラスアルファ二十年は全部認可をされてしまっております。次の資料をごらんください。三の資料の丸をつけた三カ所でございますが、これは全部オーケーが出ているわけでございます。

 そしてもう一つ、次の四ページの資料、私はそんな詳しい人間ではもちろんございませんが、若干、自然科学的な本を購入してみたところ、最近少し話題にもなっているそうですが、脆化という表現があるようでございます。中性子照射による脆化の著しい原発ワーストテン、そのワースト一位に上がっているのが高浜一号なわけでございますが、この高浜一号は、その前のページを見ますと丸をつけたところにある。つまり、三つのうちの一つだということです。

 まさに、こういった、ある切り口で、脆化という切り口で見れば一番危険だというふうに本に載っているような原発の基が、四十年を六十年、極めて例外的にしか適用すべきでないと言っていた立法趣旨を超えてまでそういうことを判断して本当にいいのかというふうに懸念をするわけでありますが、委員長、どのようにお考えですか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 運転期間延長に係る法律というのは、立法の趣旨を踏まえて、非常に高いハードルであるというふうに考えております。この制度ができて以来、これまでに九つの原子炉について、具体的には、敦賀一号炉、美浜一号炉、二号炉、島根一号炉、伊方一号炉、玄海一号炉、大飯一、二号炉、伊方二号炉の九プラントが廃炉を決定しております。

 また、それから脆化について御言及がありましたけれども、いわゆる脆性遷移温度という、圧力容器が急に冷たい状態にさらされたときにどれだけしなやかさを持っているかというのをあらわす値ですけれども、原子炉が年数を経て、いわゆる経年変化の中で、この脆性遷移温度だけというのは、ほんの一つの要素でありますので、この脆性遷移温度だけを捉えてランクづけをするというのは、私は、科学的な妥当性を欠いているものというふうに考えております。

田嶋委員 私は、その点は先ほど触れたとおりでございます。ワン・オブ・ゼムかもしれませんけれども、しかし、やはり今申し上げたとおり、立法者の趣旨をよく踏まえた上で、この六十年への延長というのは、普通はだめなんです。普通はだめな中で、ああいうルールが書かれているわけでありますから、そのことをぜひ肝に銘じて委員長の職に当たっていただきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。以上です。

高木委員長 次に、藤野保史君。

藤野委員 日本共産党の藤野保史です。

 更田委員長は、冒頭の発言の中で、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施と述べられました。この点についてお聞きをしていきたいと思います。

 規制委員会は、昨年十二月二十七日、東電柏崎刈羽原発六、七号機の原子炉設置変更許可申請を許可したということであります。この柏崎刈羽の審査の手続が本当に厳正かつ適切に行われたのかという点であります。

 同原発、御存じのように、二〇〇七年の中越沖地震で、敷地内の至るところで液状化等の大変な事態が起きております。

 配付資料の一を見ていただきますと、そのときの写真でありまして、左側の紫の部分が液状化、その他がいろいろな建物や道路の亀裂等の写真と箇所であります。

 同原発は、地元では豆腐の上に建っている原発だと言われるほど軟弱な地盤の上に建っている、それがこういう影響にあらわれているということであります。

 このため、今回の審査でも、この地盤の強度というのが一つの焦点になりました。当然だと思うんです。

 委員長にお聞きしたいんですが、地盤の強度については、規制委員会が審査の際に用いる内規として地盤ガイドがある、これは間違いありませんね。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 おっしゃるとおりです。

藤野委員 もう一つ、前提として確認したいんですが、この地盤の強度、地盤ガイドを使って判断する、審査するのはどの段階かという点なんですが、資料の二、一枚めくっていただいて、その上の方なんですけれども、再稼働の審査は複雑なんですけれども、基本的な流れとしてはこうしたものになっておりまして、一番上の緑色のものが設置変更許可の審査、次に、朱色といいますか、これが工事計画認可の審査、そして最後に、青の部分で、保安規定の審査というふうに進むと。

 確認したいんですが、地盤ガイドによる地盤の強度の審査というのは、この一番上の緑色の設置変更許可、設置許可段階の審査において行われる、これも間違いありませんね。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 間違いございません。

藤野委員 その上でお聞きをしていきたいんですけれども、今委員長に御答弁いただいたように、配付資料の三にありますように、地盤ガイドというのは、設置許可段階の審査において、「地盤の安定性評価等に必要な調査及びその評価の妥当性を厳格に確認するために活用する」というふうに定められております。この緑色の段階でそうした地盤の強度の審査が行われる。

 東京電力は、この緑色の審査の中で何と言っていたかということなんですが、それが資料の四で紹介させていただいております。

 東京電力は、地盤の液状化等の評価について、この緑色の審査の中でこう書いているんですね。「十分な支持性能を有する地盤に設置することから、液状化や揺すり込み沈下等を起因とする施設間の不等沈下により施設の安全性に影響を及ぼさないと評価した。」というふうにしております。

 つまり、液状化等が起きても地盤の強度は問題ない、大丈夫だということを東京電力は説明して、申請を行っていたということであります。この申請書の中には、いや、今後地盤の改良が必要になるかもしれませんとか、そんなことは一言も書かれておりません。「影響を及ぼさない」と言い切っているわけですね。

 規制委員会はどうかといいますと、資料の五に、その下になるんですけれども、規制委員会はこの東京電力の評価を認めていたということになります。そこにありますように、東京電力のさまざまなことを見た上で、「地盤ガイドを踏まえていることを確認した。」というふうになっております。

 つまり、この緑色の設置変更許可申請の段階では、東電も規制委員会も、液状化等が発生しても地盤の強度については問題ないと言っていたわけですね。今後何か改良が必要になるとか、そういう留保はつけておりません。大丈夫だと言っていて、それが前提で再稼働のいわゆる許可が出されたわけであります。

 ところが、その許可が出たのが昨年の十二月末なんですけれども、その許可が出た後、ことしの二月八日になりまして、突然、東京電力は、いやいや、液状化によって地盤が影響を受ける可能性がありますと言い出したわけです。液状化でフィルターベントの基礎部分、非常用ガスタービン発電機の基礎、取水路などの重要施設が損傷する可能性がある、だから補強工事がしたいと、二月になって言い出したわけであります。

 東京電力にお聞きしたいんですが、来ていただいているわけですけれども、東京電力は、申請の段階では、緑の申請の段階では、安全性に影響を及ぼさないと評価されていたわけですね。しかし、それが、補強工事が必要だ、補強工事をしなければ重要施設が損傷する可能性があると言い出したわけで、これはつまり、影響を及ぼさないという緑色の設置変更許可の申請の内容が間違っていたということだということでよろしいですか。

文挾参考人 東京電力ホールディングスの文挾です。よろしくお願いいたします。

 お答えさせていただきます。

 先ほど御質問のありました、その申請の内容が間違っているかどうかということではなくて、基本的に、二〇一七年の一月の審査会合におきましては、例えば、フィルターベントにつきましても、設置の地盤に液状化の可能性があるということは説明をさせていただいております。その後、その審査会合におきまして、液状化の影響に関する評価方法とか、あるいは設置設備の抽出の考え方について、基本的な方針について説明を行っているという次第でございます。

 以上でございます。

藤野委員 いやいや、ごまかさないでいただきたいんですね。申請書には全くそんなことは書かれていないんです。

 今、一月のと言われましたけれども、私も一月二十四日の前後の議事録を読ませていただきました。しかし、そこでも、初めの段階で、いわゆる評価すべき施設、全体としては今おっしゃったフィルターベントも入っていましたけれども、しかし、膨大なこの資料の中で、最終的に評価したのはいわゆる取水路と、そしてガスタービンですよね。間違いありませんね。

文挾参考人 そのとおりでございますが、今御質問をいただきました内容につきまして、もう少し詳しく御説明をさせていただきたいと思います。

 実は、地盤につきましては、支持層、これにつきましては、液状化することなく、十分な支持性能があるということを説明いたしまして、この評価書を提出しているということでございます。

藤野委員 いや、ですから、その提出が間違っていたわけでしょう。ことし二月になって、いやいや、補強工事が必要ですと言い出したわけですから。

 ですから、申請書の内容は間違っていたということなんです。それはお認めになりますか。

文挾参考人 お答えさせていただきます。

 岩盤の支持層については液状化することがないということですので、申請書について間違いはございません。ただ、その間の層について液状化する可能性があるということで説明をしているということでございます。

 以上でございます。

藤野委員 配付資料の七、ちょっと飛びますけれども見ていただきますと、フィルターベントがどういう構造になっているかということなんですね。要するに、東電自身がフィルターベントが損傷する可能性があるとおっしゃったのは、地盤を含めたいわゆる構造が、その液状化等によって揺らいでしまう、だからフィルターベントが損傷するという話であって、いわゆる支持基盤も含めて大丈夫だと言っていたことが、大丈夫じゃなかったということなんです。だから、今のお話はとんでもない話だ。

 この配付資料七を見た上で、その六に戻っていただきますと、取水路とガスタービンについては、申請書以上に詳細な、いわゆる補足説明資料の中でも、十分な強度を有しているというふうに断言をしているわけですね。何らの留保もつけておりません。

 ですから、これはまさに申請の前提が間違っていたということになるわけですから、私はこの許可を取り消す必要があるというふうに思っております。

 規制委員会にお聞きしたいんですけれども、これはやはり規制委員会の評価としても間違っていたということになるんじゃないですか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 まず、この審査ですけれども、原子力施設の安全性に係る設計の審査では、設置許可段階では対策の基本方針を確認して、工事計画段階でその対策の詳細を確認していくことになります。

 液状化による施設への影響については、設置許可段階において、液状化により施設が重大な影響を受けないよう対策を講じる方針であることを確認し、工事計画段階において、必要に応じて地盤改良などの液状化対策を行った上で、施設が構造強度を有していることを確認することとなります。

 柏崎刈羽原子力発電所六、七号炉の設置変更許可に関する審査においては、液状化に関して、地盤の強度が足りなければ地盤改良などの追加対策を行う方針を確認しており、今後、工事計画に関する申請がなされれば、その対策の詳細を確認することとなります。

 したがいまして、許可に関する審査が不十分であったという認識は持っておりません。

藤野委員 いや、その認識は間違っていると思うんですね。

 一番初めに確認しましたように、地盤の強度というのは地盤ガイドで審査する。その地盤ガイドは、資料の二でいえば、緑色の設置変更許可、設置許可の段階でやるんだというのがもう審査のスキームなんです。お認めになったんですよ。その段階で、十分だ、十分だ、強度は大丈夫だと言っていたのが、これ、許可が出た途端に、いや、実は強度が足りませんでした、補強工事をさせてくださいと。こんなことが認められれば、もうどんどんどんどん後出しじゃんけんで再稼働の許可が出ていく。本当に強度が必要かどうかという審査がされないということになりかねないわけです。

 地盤ガイドに何て書いてあるかといいますと、これは詳細に書いてあるんですよ。例えば、地盤ガイドの二十六ページにはこう書いてあります。「液状化等の周辺地盤の変状により安全機能が重大な影響を受けるおそれがないことを確認する。」というんですね。

 更田委員長は、今何か、方針を確認して、それをまた具体的には後でチェックするみたいなことをおっしゃいましたけれども、この緑色の段階で、今、この地盤ガイドに書いているように、「安全機能が重大な影響を受けるおそれがないことを確認する。」と書いてあるわけですから、確認しないといけない。これが確認できなければ、この緑色の審査で許可を出しちゃいけないんですよ。そういうスキームをあなた方自身がつくられている。そうなんじゃないですか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 これは、地盤だけに限らず、例えば、ボルトであるとか、鋼板であるとか、配管であるとか、全てにわたってそうですけれども、設置変更許可の段階で、その具体的な強度について確認することはありません。設置変更許可では、その設計方針、基本設計について確認をする。(藤野委員「地盤です」と呼ぶ)地盤についても同じことです。

 具体的な強度が十分なものであるかどうかは、工事計画認可によって確認をするものです。

 また、再稼働のためには、設置変更許可を受けただけでは不十分であって、工事計画認可を受けることなしにその施設が稼働することはありません。

藤野委員 いや、そんなことを言っているんじゃないんです。規制委員会自身が、この緑色の設置許可の審査で、地盤ガイドを使って地盤の強度を確認するとおっしゃっているわけですね。審査のスキームなんです。その地盤ガイドに何と書いてあるかというと、まさに「液状化等の周辺地盤の変状により安全機能が重大な影響を受けるおそれがないことを確認する。」と書いてあります。方針じゃないんです。

 もっと言いますと、この二十六ページの下の方にはこうも書いてあります。「基礎地盤調査」「施設の位置における基礎地盤調査は、施設の耐震設計上の重要度に応じて、試掘坑調査、ボーリング調査、二次元又は三次元の物理探査、地盤材料試験、原位置試験及びトレンチ調査等を適切な手順と組合せで実施されていることを確認する。」とあるんです。方針じゃないんです。今言ったような幾つかのものを「適切な手順と組合せで実施されていることを確認する。」と書いてある。

 ですから、その上で、先ほど、東電が、申請書にあるように、十分な強度を有している、こういうふうに申請を出され、規制委員会もそれを認められたという経過だったわけですね。ところが、ことしの二月になって、いや、実はそれでは足りませんでしたと東京電力が言ってきたわけです。

 ですから、まさにこういう審査で求められている、それをやったわけですね。やったけれども、それは間違っていたと素直にお認めになったらいかがですか、東京電力。

文挾参考人 お答えさせていただきます。

 少々重複いたしますが、支持層は、先ほどフィルターベントの下の支持層が図で描いてあると思いますが、この支持層につきましては、液状化することなく十分な性能があるということで我々は評価をしまして、そこを説明しているという次第でございます。

 以上でございます。

藤野委員 では、ちょっと聞き方を変えますけれども、この地盤ガイド二十六ページの下にある、こういういろいろな試掘坑調査とかボーリング調査はやらなかったんですか。

文挾参考人 お答えさせていただきます。

 この諸試験は支持層に対して確認をするというものでございますので、それに対して十分だということで、その申請をさせていただいているということでございます。

 以上でございます。

藤野委員 いや、だから、これは支持層にかかわらず、ほかにも、その下にもいろいろ書いてあるわけです。構造物等支持性能に関するいろいろな、まあ時間の関係で紹介しませんけれども、こういう調査を行った上で、いずれにしろ、十分だと言っていたけれども、それが十分じゃなかったというわけですから、これはもう再稼働の許可の前提を欠いていると言わざるを得ないんです。

 規制委員会にも確認しますけれども、これはやはり、許可を出した前提が変わっているんじゃないですか、強度がないんじゃないですか。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 ガイドの一部を読み上げさせていただきますけれども、ガイドの一部に、「これらの現象」、これは液状化を含むものですが、「これらの現象が生じたとしても、施設の安全機能が重大な影響を受けないよう、所要の対策を講じる旨の基本設計方針であることを確認する。」と。

 繰り返しますが、設置許可段階で確認するのは基本設計方針でありまして、設置許可の範囲というのは基本設計に係るものであり、その詳細設計に関しては工事計画認可で確認するということを繰り返し申し上げます。

藤野委員 いや、だから、でしたら、工事計画認可の中で地盤の強度について確認するというガイドがあるかというと、ないんですよ。地盤ガイドは、おっしゃったように設置変更許可だけなんです。

 ですから、地盤の強度というものは、工事計画認可で確認するということではなくて、設置変更許可の段階、いわゆる緑の段階で確認するものなんです。方針だけでいいなんてどこにも書いていない。安全性に影響を及ぼさないことを確認すると地盤ガイドに書いてあるわけですから、この地盤ガイドを勝手に変えないでほしいんです。もしそういう方針でやられているということであれば、地盤ガイドをこれは守っていないということになるわけです。

 実際、これをやりましたやりましたと言って、こんなに分厚い申請書を東京電力は出しているわけですね。やりました、やった結果、十分ですと。難しいいろいろなことも書いてありますよ。けれども、その上で、それが間違っていた、強度が足りなかったと言っているわけですから、ですから、審査の前提が変わっているんじゃないのか、許可を出した前提が変わっているんじゃないんですか。

 もう一回お答えください。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 前提は変わっておりません。

藤野委員 幾ら強弁されても、なぜ変わっていないのかということが全く納得できないわけですよ。地盤ガイドに書かれてあることが実際の審査でやられていないということになったら、これは大変なことじゃないですか。方針の確認でいいなんて書いていないですよ。「安全機能が重大な影響を受けるおそれがないことを確認する。」と書いてあるんです。

 方針の確認だけで、重大な影響を受けるおそれがないことなんて確認できるはずがない。方針の確認なんて当たり前ですよ、そんなの。方針を確認したって意味がない。その方針が実現されているのか、それは、地盤の強度に関してはこの緑色の部分でやるしかない、そういうスキームじゃないですか。

 この地盤ガイドには最後にこう書いてあります。「全プロセスの明示」というんですね。こう書いてあるんですね、「調査の信頼性を確保するために、調査に係る全プロセス(計画策定から調査結果のとりまとめまでの経過)が明示されていることを確認する。」とあるんです。けれども、先ほど見ましたように、十分な強度だとしか書いていないわけです。今後、方針を持って、安全審査でその強度を確認しますと一言も書いていない。このいわゆる地盤ガイドの全プロセスを明示しろと。それはなぜか、調査の信頼性を確保するためだと、この要請にも応えていない。

 ですから、中身から見ても、そしてそのプロセスから見ても、この柏崎刈羽原発の設置変更許可申請のプロセスあるいは中身というのは重大な問題がある、私は取り消すべきだというふうに思います。

 先ほどから何度聞いても全くお答えになりませんが、規制委員会自身が示しているこうした審査のスキームから見ても、再稼働の許可は許されない、取り消すべきだということを指摘して、質問を終わります。

高木委員長 次に、杉本和巳君。

杉本委員 日本維新の会の杉本和巳でございます。最後のバッターですが、よろしくお願いします。

 二〇一一年の三月十一日、タイムマシンがあったらその前に戻りたいというのが率直な気持ちです。なぜかというと、実は、この部屋で、その震災のあった一年前に、引退されましたけれども、共産党の吉井英勝先生が、当時は私も所属させていただいていた民主党政権で、委員長の席はたしか東委員長だったかと思うんですけれども、吉井先生が経産大臣に最終的に質問しましたけれども、全電源喪失の可能性について質問をされました。

 それまで、私も本当に新人の理事をさせていただくというような立場である中で、原子力安全・保安院を呼んで、非常に難しいというか、副大臣、政務官とか、そういった方に質問するという流れがはやりになっていた当時にあって、そういった質疑を吉井先生がされ、しかも、経産省関連の組織が全電源喪失の可能性がないと言われ、しかし、その一年後にあの東日本大震災が惹起したということは、まことに今もって遺憾であるかと思っております。

 それでもう一つ、今、菅元総理がいらっしゃいますけれども、名誉のために申し上げたく存じますが、私がよく予算委員会で、皆さんに笑われますけれども、傍聴席に座っていることがありました。今でも座ることが多いんですけれども、そんなときに、今もう引退されたもう一人の国会議員である松本竜先生が当時防災担当大臣をされておられまして、そして、小熊さんの質疑でもありますけれども、東京電力さんの当事者能力とか当事者意識とか、こういう点を思い出していただきたいんですけれども、松本竜先生はその予算委員会の傍聴席で、私に対して、おい、杉本、菅総理じゃなかったら、これよりもっと甚大な被害になっていたと俺は心から感じているぞというお言葉をいただいております。

 いろいろな御意見はあると思いますけれども、私はそのお言葉は重いなというふうに今でも思っておりますので、ちょっと僣越ですけれども、皆さんにお伝えしておきたいと思っております。

 さて、原子力の平和利用という言葉はよくあって、そんな言葉に我々は惑わされており、また、アメリカのウェスチングハウスだとかGEを東芝や日立が子会社化するというような流れがあったりしましたけれども、ここでまた、ちょっと長くなって恐縮なんですけれども、ロバート・オッペンハイマーという名前を皆さんは御存じでしょうか。原爆の父と言われ、米国の物理学者、核兵器開発、初代ロスアラモス国立研究所長、マンハッタン計画を主導、原子爆弾の開発プロジェクトの指導的役割という方ですが、名誉のためにこれも申し上げますと、一九三〇年代のころは、宇宙物理学の領域を研究され、中性子星あるいはブラックホールの先駆的研究をされておられたという方がおられます。

 この方の後悔の言葉をちょっと紹介しておきたいと思うんですが、オッペンハイマー氏は、後年、古代インドの聖典バガバッドギーターの一節を引用して、この引用というのは、ビシュヌ神の化身クリシュナが戦いに消極的になった王子アルジュナを鼓舞するための一節ということで、言葉としては、我は死に神なり、破壊者なり、こういう言葉をオッペンハイマー氏は、原子爆弾が広島、長崎に落とされた後、語っておられるんですけれども、核兵器開発を主導したことを非常に後悔しているということを吐露されています。

 この委員会のテーマは、原子力問題調査特別委員会という大きなタイトルでありますので、きょうは更田委員長様に来ていただいていますけれども、皆様にはこの認識も共有していただきたいとお願いを申し上げます。

 また、直近のニュースですと、再生エネルギー主力電源化というようなことで、原子力がまだベースロード電源という言葉が生き残ってしまっていますけれども、政権が何度かかわる中で、いつしかこの日本の原子力の開発がフェードアウト電源となりゼロ電源となることを私は願っておりますし、残念ですけれども、現在の三〇年度の電源構成比率は、再生エネルギーが二二から二四、原発が二〇から二二という従来目標は据え置かれているということは残念に感じているということは付言させていただきたいと思います。

 さて、質問にちょっと入りますが、私は二〇一三年三月の予算委員会で、安倍総理に質問をする前に、もっと重要だということで、当時の田中前委員長に質問をさせていただきました。日本の地殻、地層、岩盤などの新しさ、脆弱性について、そもそも論として原子力発電に向いている国柄なのか、あるいは不向きな国柄なのかということを質問させていただき、はっきりしたことは言われなかったやの記憶もあるんですけれども、向いていないやの御答弁をされたという記憶がございます。

 フィンランドに行っていただくと、オンカロをごらんになった方もいらっしゃると思いますけれども、フィンランドという国は、国会議事堂が岩盤の上に突っ立っています。そのような国柄で最終処分場というようなものの建設がされているわけでありますけれども、新しく着任された更田委員長は、この日本の地殻、地層、岩盤、地盤、どういった御評価をされておられるかを確認させていただきたいと思います。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 日本の地盤というのは決して古い地盤ではなくて、この地盤の上に我が国が立っているということは事実でありまして、例えば米国等々に比べて若い地盤の上に原子力施設が立地されていることは認識をしております。

 ただ一方、地震だけでもって立地の適格性を議論することはなかなか難しいだろうというふうには思います。

杉本委員 ありがとうございます。

 アメリカと比較をいただきました。比較的新しいということが、日本が原発に向いているのか不向きなのかという点では、一つの方向感はおっしゃっておられるというふうに私は認識をさせていただきます。

 ただ、今おっしゃられた、地震ということだけではというふうにおっしゃられましたけれども、最初の委員との質疑では、地震に係る審査には時間を要するという答弁もされておられますので、この点、現行走ってくださっている委員会ですから、この地震に係る審査は殊に時間を要していただきたいと私の方からはお願いしておきたいと思います。

 さて、次に、先ほど田嶋先生からは、四十年の廃炉ルール等についてあったかと思うんですが、この運転期間延長許可制度、これは一回に限り二十年間だけというのが基本的な考えかとは思っておるんですけれども、一方で、今おっしゃった、地盤がしっかりしているアメリカでは、六十年超の二度目の運転許可更新といったものをされる方向感みたいなのが、私が調べた限り、あるやに感じているんですけれども、私は、あってはならぬことではないか、きちっと守っていくべきではないかなと。四十年の廃炉ルールは大原則であり、運転期間延長も一度限り、極めて例外的にというぐらいでしかあってはならぬと思いますけれども、この六十年超の二度目の運転許可更新について、日本における可能性の有無を現時点でどうお考えか、確認させていただきたく存じます。

更田政府特別補佐人 お答えいたします。

 米国におきまして、運転期間が六十年を超えるライセンスの更新が申請されたことは承知をしております。

 我が国におきましては、現時点で四十年を超えて運転している原子炉はなく、六十年を超える運転の可否について十分な蓄積があるわけではございません。また、原子力発電所の安全性を考える上で、年限がたっているということだけではなくて、そもそも、古い時代に設計をされたという設計の古さというのも考慮の範囲に入ってくるものであろうというふうに思っています。そうしますと、六十年を超えたといったものに関しての評価はなかなか難しいことであろうと思います。

 また、運転期間の年限について、我が国の運転期間の年限につきましては、これは立法時に国会におかれまして十分な議論が重ねられた上で法制化されたものと認識をしておりますので、この年限については立法府の御判断に沿うべきものというふうに考えております。

杉本委員 ありがとうございます。

 ちょっと先走ってというか、先読みし過ぎなのかもしれませんが、遠くの方から話をなくしていきたいということの中で、六十年なんて当然ないんだという確認をさせていただいたかというふうに私は認識させていただきます。

 次に、逢坂先生との質疑で、本当に最後の質問者になると大体聞くことが重複してきてしまうんですけれども、質疑があったかもしれないんですけれども、航空機対策のお話があったかと思います。二重の格納容器というお話も御答弁されておられたかと思いますけれども。

 いわゆる原子力発電所というのは、稼働しているものと非稼働なものがありますけれども、非稼働な発電所においても、素人の国民の皆様、私もかもしれないんですけれども、それぞれが感じているのは、動いていない原発も使用済み核燃料が保管されているところも、これは国会の予算委員会で総理や防衛大臣とも質疑させていただいていますけれども、そういったところを狙われるリスクみたいなところを私は危惧しておりまして、そういった意味で、使用済み核燃料の保管場所の安全性、あるいは安全性じゃなくて危険性、こういったものの今の状況についてどういう御認識をお持ちなのか、国民の皆様あるいは私にわかりやすい御説明をいただければと思います。

山田政府参考人 使用済み燃料につきましては、使用済み燃料プールに保管がされてございますけれども、放射線に対して適切な遮蔽能力を有することや、使用済み燃料が崩壊熱により溶融しないことといったものが規制上要求をされてございまして、運転中の原子炉については、これらの要求に適合していることを審査で確認をしてございます。

 福島第一原子力発電所事故以降、稼働していない原子力施設においてでございますけれども、使用済み燃料プールに移されている燃料は、最後に使用されてから期間が経過をしてございますので、崩壊熱のレベルがかなり下がっているというふうに認識をしてございます。

杉本委員 済みません、ちょっとわかりにくかったので、もう一度わかりやすく御説明いただけないでしょうか。

山田政府参考人 使用済み燃料は崩壊熱を出しますので、これは冷却を継続するということと、それから、水をしっかり張って遮蔽をしなければいけない、こういうことをやっていかなければなりませんけれども、福島第一原子力発電所事故以降、稼働していないものについては、崩壊熱というのは時間がたつに従って減ってまいりますので、十分冷えているという状態になっておりますので、冷やす必要は少なくなっているということでございます。

 遮蔽については、水をしっかりとつぎ足すという方策が整備されてございますので、遮蔽についてもしっかりとした対策が今とられているということでございます。

杉本委員 済みません、質問の趣旨は、ちょっと御説明が私、不足していたかもしれないんですけれども、冷やすとかそういったための容器としての安全性というのはわかるんですけれども、それこそ、うがった見方かもしれませんが、大きな地震なのか、あるいはテロリストが入ってきて破壊工作をするとか、冷えている核燃料棒であっても危険なものであるという認識を庶民感覚では持っているんですけれども、そういった点での保管状況というのは安全なんでしょうかという意味なんですけれども、いかがですか。

山田政府参考人 発電所については、外部からの侵入というものは、発電所でございますので、それに対しては防護対策がとられてございますし、それから、先ほど申し上げましたとおり、十分冷やすという対策がとられておりますので、安全上の懸念は今小さい状態になってございます。

 以上でございます。

杉本委員 今、外部からの侵入、防護体制がとられているというお話でございましたが、川内先生の地元はやはり川内原発があったかと思いますが、民間の委託のような形でのいわゆる警備というようなレベルであって、本当に我が国、これはたしか、ちょっと名前を失念しましたが、大臣経験者の方も、政調会長だった当時に、原発の防衛的な意味での安全性確保といったものに触れておられたかと思います。

 これは、安保の委員会でもそうですし、当委員会でも議論していくべきことではないかなと思いますが、本当に自衛隊に守ってもらわなくていいのかという議論を私はしたいんですけれども、そのぐらいの認識でこの原子力といったもの、さっきオッペンハイマー氏の話をさせていただきましたけれども、本当に我々は覚悟を持って、時間が来て廃炉になっていくという流れをつくっていかないといけないので、それまでの安全性確保といった点ではいろいろとまた御議論をさせていただきたく存じます。

 時間が余りなくなってきたので、次に、ちょっと一つ飛ばさせていただいて、先ほど、福島第一原発と言うんじゃなくて東京電力福島第一原発と言いなさいと、もう席を外されました小熊委員が言っていましたけれども、F1と言われる東京電力福島第一原発の事故の際に、きょうも田嶋先生が言われていた国会事故調の話なんですけれども、私も黒川先生の話を直接聞いたこともございますし、敬意を表していますし、あの報告書は大変私どもにとっては参考になるものであるという認識を持っておりますけれども、原子力規制委員会としては、この国会事故調の報告書について、御活動の参考になっているのか、あるいはなっていないのか、あるいはなっているとすればいかなる点が参考になっているのかという認識を確認させていただきたく存じます。

荻野政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御紹介ありました国会事故調査委員会報告書でございますけれども、原子力規制の抜本的な見直しの必要性が述べられております。具体的には、新たな規制組織の要件として、高い独立性や活動の透明性といったところが挙げられております。また、原子力規制の中身でございますけれども、これにつきましては、不断かつ迅速な見直しでありますとかバックフィット原則等について提言がなされております。これらを踏まえて、組織あるいは原子炉等規制法についての改革がなされたというところでございます。

 また、この御提言の中では、規制機関がいわゆる規制のとりことならないようにということが強調されているところでございます。

 原子力規制委員会は、そういった趣旨で、独立した規制機関として設置されておりますので、その活動について高い透明性を確保する、それから、抜本的に強化した規制基準を策定し、既設のものを含めた原子力施設に対して新規制基準を当てはめる、バックフィットして適合性審査を行う、さらに、国内外の教訓事例、最新知見等を踏まえて、常に、慢心することなく、規制の不断の見直しに努めるといったことで、こういった報告書の御提言を旨として、いろいろな活動を進めてまいっております。

 今後とも、東京電力福島第一原子力発電所事故のような原子力災害を二度と起こさないという初心を忘れずに、厳格な規制の適用に努めてまいりたい、そういうことでございます。

杉本委員 ありがとうございます。

 国会事故調、そして今はアドバイザリー・ボード、我々も尊重して、参考にさせていただかねばならないというふうに私は認識をしております。

 ちょっと取り急ぎ二問、お願いしたいと思うんですが、山中委員が視察された検査官実務訓練というのがあったようですけれども、米国原子力規制委員会のトレーナーが来てやってくださっているということのようなんですが、いかなる点でこの米国のトレーナーは知見、経験等すぐれているのか。亡くなられてしまいましたけれども、吉田所長のような知見者がF1でいらして、そういった方々の知見、経験は生かされないのか。この点について御答弁いただきたく存じます。

山田政府参考人 先生御指摘の検査官の実務訓練につきましては、二〇二〇年度から始まる新検査制度に対応するための検査官の力量向上、そのための取組として行ったものでございます。

 今回の訓練に対応いただきました、NRCから来ていただいた講師でございますけれども、新検査制度が米国原子力規制委員会の制度を参考にしたものであることから、米国原子力規制委員会の検査制度の仕組みをよく熟知をしており、かつ、長年現場での検査の実務の経験もあり、さらに、米国原子力規制委員会でのトレーニングセンターでの講師も務めておられるということで、その上に、さらに、IAEAが実施をしております研修においても講師を務めておられるということで、国際的な知見それから経験を持つ方ということで対応いただいたというところでございます。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故の経験、知見の活用につきましては、シミュレーターによる東京電力福島第一原子力発電所事故を模擬した検査官研修ですとか、新規採用者等職員向けの福島第一原子力発電所の視察研修ですとか、事故の経験、知見を職員に伝承し業務に生かすための経験者を講師とするセミナー、こういったものを行って教育訓練を進めているところでございます。

高木委員長 杉本君、持ち時間がもう。

杉本委員 時間となりましたので、以上、ちょっと質問を残しましたけれども、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

高木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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