衆議院

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第7号 平成30年6月8日(金曜日)

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平成三十年六月八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 加藤 寛治君 理事 後藤 茂之君

   理事 新藤 義孝君 理事 牧島かれん君

   理事 山口 俊一君 理事 亀井亜紀子君

   理事 下条 みつ君 理事 竹内  譲君

      あべ 俊子君    池田 道孝君

      石原 宏高君    大西 宏幸君

      加藤 鮎子君    金子万寿夫君

      神田 憲次君    小林 茂樹君

      左藤  章君    田中 英之君

      平  将明君    谷川 とむ君

      中谷 真一君    長坂 康正君

      平井 卓也君    古川 禎久君

      義家 弘介君    渡辺 孝一君

      堀越 啓仁君    松平 浩一君

      道下 大樹君    白石 洋一君

      緑川 貴士君    森田 俊和君

      渡辺  周君    太田 昌孝君

      浜地 雅一君    大串 博志君

      宮本 岳志君    宮本  徹君

      谷畑  孝君

    …………………………………

   国務大臣

   (地方創生担当)

   (まち・ひと・しごと創生担当)          梶山 弘志君

   内閣府副大臣       田中 良生君

   経済産業副大臣      西銘恒三郎君

   内閣府大臣政務官     長坂 康正君

   国土交通大臣政務官    高橋 克法君

   内閣府大臣政務官     簗  和生君

   政府参考人

   (内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室次長)  玉田 康人君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官補)       末宗 徹郎君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 頼 あゆみ君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 川合 靖洋君

   政府参考人

   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長)

   (文部科学省大臣官房審議官)           信濃 正範君

   政府参考人

   (内閣府地方分権改革推進室次長)         大村 慎一君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局長)          河村 正人君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        山崎 俊巳君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        池田 憲治君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 篠原 俊博君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 境   勉君

   政府参考人

   (スポーツ庁審議官)   藤江 陽子君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           馬場崎 靖君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           寺田 吉道君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           榊  真一君

   政府参考人

   (国土交通省海事局次長) 大坪新一郎君

   政府参考人

   (観光庁審議官)     瓦林 康人君

   衆議院調査局地方創生に関する特別調査室長     近藤 博人君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月七日

 辞任         補欠選任

  寺田  学君     今井 雅人君

  篠原  孝君     広田  一君

同月八日

 辞任         補欠選任

  広田  一君     大串 博志君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  今井 雅人君     森田 俊和君

六月八日

 辞任         補欠選任

  武内 則男君     道下 大樹君

  宮本 岳志君     宮本  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  道下 大樹君     武内 則男君

  宮本  徹君     宮本 岳志君

    ―――――――――――――

六月七日

 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第五四号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第五四号)(参議院送付)

 地方創生の総合的対策に関する件


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 地方創生の総合的対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室次長玉田康人君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官補末宗徹郎君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長頼あゆみ君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長川合靖洋君、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長兼文部科学省大臣官房審議官信濃正範君、内閣府地方創生推進事務局長河村正人君、内閣府地方創生推進事務局審議官山崎俊巳君、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、内閣府地方分権改革推進室次長大村慎一君、総務省大臣官房地域力創造審議官池田憲治君、総務省大臣官房審議官篠原俊博君、総務省大臣官房審議官境勉君、スポーツ庁審議官藤江陽子君、国土交通省大臣官房審議官馬場崎靖君、国土交通省大臣官房審議官寺田吉道君、国土交通省大臣官房審議官榊真一君、国土交通省海事局次長大坪新一郎君、観光庁審議官瓦林康人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中谷真一君。

中谷(真)委員 自民党の中谷真一でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 二十分ですので、早速質問に移らさせていただきます。

 これまで我が国は、大平総理のころから田園都市構想とか、竹下総理はふるさと創生、もう一九七〇年代から、地方創生が大切だということで、ずっとさまざまな施策を打ってきたところであります。ただ、現状は、その間もずっと東京一極集中が続きまして、私のふるさと山梨も人口減少、過疎化にあえいでいるという状況にあります。私は、このような状況を見ますと、やはり前例にとらわれない大胆な施策を打っていく必要があるというふうに考えております。

 特に、地方の過疎化の大きな原因の一つ、これは私は選挙制度だというふうに思っております。

 今の日本の選挙制度は、衆議院、参議院ともに、人口割で代表を出していく、代表の数が決まっていくという選挙制度になっております。この選挙制度だと、人口が減っていったところはますますその代表が出せなくなっていき、政策が打てなくなる、このことによって加速していくという、負のスパイラルになってしまいます。これをやはり是正していかなければいけないというふうに考えております。

 アメリカなどは、下院は日本の選挙制度と同じく人口割でやっているというところであります。ただし、上院は各州二名ずつ、これは人口に限らず。そのような施策をとって、バランスをとっております。

 日本国は衆参両方とも人口割ということもあって、前回の参議院選挙においては、鳥取と島根が合区になりました。高知と徳島も合区になったんです。このことによって、代表を出せない地域が出てまいりました。前回の選挙では、鳥取、高知から代表を出せなくなっているわけであります。このことは、私は、更に地方の過疎化を加速させることになっていくというふうに思います。

 ここで、我が党は、次回の参議院選挙、その次の参議院選挙、この四年間でこれを是正すべきということで、案を出したところであります。これは、参議院の議席を六増させる、埼玉の議席を二つふやして、そして、今申し上げた四県の代表を拘束名簿で出すという案を今回出したわけであります。

 私は、やはり一県に一人は必ず参議院において代表を出すということは、これは喫緊の課題だというふうに思います。そういう意味では、地方の過疎化に選挙制度は大きな影響を与えているというふうに私は考えております。

 今回、自民党案を出しましたけれども、大臣、この自民党案についてどうお考えか、教えていただきたいと思います。

梶山国務大臣 選挙制度につきましては私の所管外でありますけれども、一般論として、地方の声をしっかりと聞くことは、地方創生の観点から、非常に重要なことであると考えております。

 他方、参議院の選挙制度改革においては、現在、選挙区間の最大格差を三倍未満とするとともに、比例代表選挙において、名簿にあらかじめ順位を付す拘束式の特定枠を設けることができる制度を導入する公職選挙法の改正案が自民党において議論されているものと承知をしております。

 いずれにしましても、参議院の選挙制度のあり方については、議会政治の根幹にかかわる重要な問題でありますので、各党各会派においてしっかりと御議論いただくべき事柄と考えております。

中谷(真)委員 私、これは非常に大きな影響を与えると思うんですよ。

 例えば、鳥取と島根、端から端までどれぐらいの距離があるかというと、東京から名古屋までの距離があるんですよね。これを一人が見るということが本当に可能なのかというふうに思います。

 大臣、これは先頭に立っていただいて、選挙制度もやはり地方の過疎化に大きな影響を与えているんだということをぜひ政府の中で発信をしていただきたいというふうに思います。ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 次の質問に移らさせていただきます。

 私、東京一極集中がすごく進んでいるんですが、この中で、なぜ進んでいるかという大きな要因の一つと考えるのが、これは容積率なんですよね。これは亀井亜紀子理事も、三月十六日ですかね、質問されていましたが、東京の容積率、全く無制限にどんどんどんどん開発をさせているという状況にあります。これは人口を集めるという施策でありまして、そのことを進んで政府がやっているように見えるわけであります。

 都市計画と整合しない開発許可を与えるものですから、そこに人口が集中して、全部のことが後追いになっていくわけであります。保育園や幼稚園、こういったものが足らないという話、そこにはないところに行っているわけでありますから、足らないのは当然のことでありまして、私の地元なんかはたくさんありますので、そういう意味では、私の地元に来ていただければこの問題は起きないわけであります。

 これを、じゃ、今後どう是正していくかというところでありますが、都市計画と容積率ということは、これはある程度の整合性を持たせるために、やはり制限をかけていかなきゃいけないと思うんですよね、政府として。

 私は以前、国交委員会の視察で荒川区に行ったんです。そのときに、新たに公園に保育園を建てるという規制緩和をやっているわけでありますけれども、その規制緩和でここに保育園を建てましたということをやったんですね。私、文句を言いに行こうと思ったんですけれども、そんなのはおかしいといって。

 それで、行ったら、保育園が建っていました。その周りは更に開発が進んでいて、今、建てているマンションはいっぱいあるわけですよね。区長さんに聞いたんですよ。ここはどうなんですかと言ったら、いや、物すごく人口がふえていましてねということを言っているんです。そうしたら、そこに建てたってまた建てなきゃいけないし、これはずっと後追いになっちゃうんですよね。

 ですから、私は、これはよくよくやはり都市計画としっかり整合性をとるという意味では、どんどんどんどん開発許可、無制限にやらすとか、こういう規制緩和をどんどんやっていくということは、人口をそこに集めるということに等しいわけでありまして、ここはある一定の制限を今後かけていく必要があると思います。

 そうすると、東京にばかり制限をかけてと言うんですけれども、そんなことないんですよ。田舎だって物すごい制限がかかっているんです。これは何といっても農地法であります。そこは農地にしか使っちゃだめとかという制限を受け入れているわけであります、食料安全保障の観点から。

 それはやはりお互いさまでありまして、今、日本国のことを考えたときに、私は、この東京の容積率についてはよくよく考える必要があるというふうに思います。

 タワーマンション課税というのが以前ございました。あれだって、高いところの税を上げたわけでありますけれども、低いところは下げましたみたいなことを言って、一棟当たりは変わりませんでは意味がないわけであります。この辺もよくよく考えていかなきゃいけないというふうに思います。

 これに対して政府はどう考えるか、教えていただきたいと思います。

榊政府参考人 お答えを申し上げます。

 東京一極集中の是正を進めるに当たっては、地方対東京圏の構図ではなく、地方と東京圏がそれぞれの強みを生かし、日本全体が成長していく必要があります。

 東京圏につきましては、海外から人材や企業、投資等を呼び込むことにより、引き続き、我が国の成長エンジンとしての役割を果たすとともに、世界をリードする国際都市として発展していくことが重要と考えております。

 このため、東京では、拠点となるエリアを中心として、国際競争力強化に資する取組などを促進するため、都において容積率の緩和が活用されているものと認識しております。

 一方で、東京一極集中の是正は非常に重要な課題であると考えております。

 このため、内閣府と連携し、民の力を最大限引き出し、地域の稼ぐ力の向上にハード、ソフトの両面から取り組む地方再生のモデル都市を選定し、三年間の集中支援を実施する、あるいは、すぐれた景観を整備、保全し、観光資源として積極的に活用する地方都市を支援することによって地域経済の底上げを図るといった取組を進めているところです。

 国土交通省といたしましては、今後とも、地方の活性化に向けて最大限取り組んでまいりたいと考えております。

中谷(真)委員 国交省はそうおっしゃいますけれども、そんなことはずっとやってきたわけでありますよ。我々も、東京よりもやはり自分の地元、ふるさと、地方をよくして、魅力的にして、この一極集中を排そうという努力はずっと続けていかなければいけないということはわかっているんです。ただ、それだけではなかなか東京一極集中を是正できていないという現実があるわけであります。

 さらに、この東京一極集中は加速しているんですよね。ですから、私は、そろそろ大胆な施策を打っていかなければ、これは到底とめることができないというふうに考えているところであります。

 もちろん、ふるさとをよくするということは、これはみんなで努力していかなければいけないと思いますが、それ以外にも、しっかりと制限をかけていく等、これはぜひ検討いただきたいというふうに思います。

 それでは、次の質問に移ります。

 働き方改革でありますけれども、私、前職は秘書をやっておりまして、そのころは、この永田町に通ってくるのに、私は千葉県の市川市というところに住んでいました、一時間半電車に揺られて、そして職場に通っていたわけであります。行き帰りで三時間であります。しかも、乗車率は二〇〇%ぐらいの電車に乗りまして、一日往復三時間かけて通っておりました。

 今、働き方改革で、時間制限八時間でしっかりやろうということを言っていますが、通勤時間を全く考慮をしていないわけであります。特に、私は、都会は通勤時間が非常に長くて、これは生産性が低くなっているのではないかというふうに思います。田舎で往復三時間かけて職場に行っている人は皆無であります。それは、都心に出ていっている人はいるかもしれません。皆無というか、少しであります。

 そういう意味では、私は、やはり働き方改革においても、生産性を上げるという理由でやっているわけでありますから、今後は通勤時間も働き方改革の中に考慮していくべきではないかなというふうに思います。このことによって、私は、地方のアドバンテージ、生産性という意味では地方にアドバンテージが出てくるので、じゃ、地方に職場をつくろうかとかということになっていくのではないかというふうに考えております。

 これについて、政府の意見をお聞きしたいと思います。

頼政府参考人 お答えさせていただきます。

 ワーク・ライフ・バランスを考える上では、委員御指摘のとおり、通勤時間の長さも非常に重要な要素でございまして、通勤時間が相対的に短いことは、地方生活の大きな魅力、アドバンテージの一つと考えられます。

 このため、地方創生部局といたしましては、講演や説明などを行う際には、地方における通勤時間が相対的に短いことを示すデータを積極的に用いているほか、地方生活の魅力をPRする中で、通勤時間の短い地方に実際に移住し豊かな生活を送っている方の事例を発信してきたところでございます。

 今後とも、このような地方生活の魅力、アドバンテージを効果的に情報発信してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

中谷(真)委員 情報発信はぜひお願いしたいですけれども、これはやはり制度化しないとなかなかその方向に進んでいかないということもありますので、今後はぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 こういうことをやっていかなければ、なかなか、地方に人が集まるとか、また地方の魅力というものが出てこない。地方の魅力を政府がさまざまな施策でつくり出すということも私は必要だというふうに思います。ぜひ御検討をよろしくお願いを申し上げます。

 最後の質問です。

 私、山梨県が地元でございまして、特急「あずさ」というのに乗って東京に来るわけであります。私の最寄りの駅は韮崎という駅でありまして、ここから乗る特急の始発は七時十五分であります。新宿駅に着くのは九時十五分であります。二時間であります。九時十五分だと会議に間に合わないですよね、普通の会社では大体九時ぐらいから会議がありますから。さらに、学校に行っている人は授業に間に合わないとか、こういう状況にあります。

 だから、JRさんに、もう少し早い便を出してもらえないか、更に言うと、二時間じゃなくて、そこを一時間半とかにしてくれないか、速度を上げてとかと言うと、何と言うかというと、早い便を出したらどれだけの人が乗るんですかと言うわけですよ。もう経済論理性ですよね。いや、大事ですけれどもね。さらに、じゃ、速くしてくれと言ったら、そうは言うけれども、二〇〇%乗っている電車をよけて特急を優先させる利益がどこにあるんですかと言われるんですよ。

 そんなことを言い出したら、全く、地方にとっては非常に、インフラは物すごく大事であります、地方が発展していく上で。ところが、そういうことで経済論理性ばかりで、人口だとかこういうことでそのことを全部はねのけてしまうと、地方においてインフラを活用した発展ということはできないわけでありまして、そういう意味では、私は、これはよくよく考えていかなければいけないというふうに思っております。

 特に、今回、JRの話をしますが、JRは公共交通機関であります。公共交通機関でありますけれども、これはやはり民営化したわけでありますよね、中曽根総理のときに。民営化して、離しちゃったわけですね。ですから、この公共性ということに対して、私は、非常に疎くなっているんじゃないかなと。特に、我々、市民から負託を受けてその意見をぶつけるわけでありますけれども、そんなの聞かなくたって別に構わないんですよね、会社的に。もう民営化していますから。

 ただ、私は、やはりこのJRという会社の特性上、競争相手はいないわけであります、ですから、やりたい放題という言い方は余りよくないかもしれませんが、自分の好きなようにできるわけでありますよね、ただ、これはやはり公共性というものを持たせて、さらに、今回ここで議論している地方創生やそういったものに力をかしてもらわなきゃいけないというふうに思うんです。

 このことをよくよく考えていきますと、民営化はしたんですけれども、今後、やはりJRとかに、こういう民営化した企業に公共性を反映させるような制度をもう一度しっかりとつくっていかなきゃいけないというふうに考えます。

 このことに対して、政府の御意見を頂戴したいと思います。

寺田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員から御指摘もございましたが、鉄道は多くの方が利用する公共交通機関であります。その事業運営に当たって公益性の確保を図っていくことは、JR、民鉄を問わず、極めて重要な課題であると認識をしております。

 御指摘のありましたJRでございますが、かつて、輸送構造の変化に対応できず、巨額の長期債務を抱えて経営が破綻した国鉄を再生させるため、全国一元的な組織を分割し、公社制度を改め民営化し、JR会社法等に基づいて昭和六十二年に発足をしたものであります。

 国鉄の分割・民営化後は、効率的で責任ある経営ができる体制が整えられ、JR全体としては、鉄道サービスの信頼性や快適性が向上するなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えてございます。

 その後、完全民営化されたJRの本州三社及びJR九州はJR会社法の適用を外れましたが、これらの会社につきましては、国土交通省が定めた指針に沿って事業運営に当たり、路線の適切な維持や駅その他の鉄道施設の整備における利用者利便の確保などについて配慮することとされております。

 なお、鉄道事業法におきまして、JR各社についても、他の鉄道事業者と同様に、輸送の安全、利用者の利便その他公共の利害を阻害している事実があると認めるときは、国土交通大臣が事業改善を命令することができることとされております。

 国土交通省といたしましては、これらの経緯や仕組みを十分踏まえつつ、JR各社が各地域において求められる鉄道サービスを的確に果たしていくよう、必要な指導を行ってまいりたいと考えております。

中谷(真)委員 でも、私は国土交通省だって思っていると思いますよ、ちょっと離し過ぎたって。だから、私は、もう一度制度改正をやって、民営化で離し過ぎたところをもう一回引き戻して、更に公益にやってもらう、このことをやはり求めていくべきだと思うんですよね。

 全部とは言いません。例えば、利益を追求するのは八割、九割、一割から二割はやはりサービスにもっと充てていくんだということをやってもらわなきゃ。競争相手がいれば別ですけれども、競争相手がいませんからね。一八〇%の乗車率の電車に乗って通勤している先進国なんか、ほかにあるのか。あれだって、もっと増発すればいいんですよ。ただ、それをしないというのは、やはり利益を追求しているからなんですよね。

 だから、私は、ここは国土交通省はよくよく考えなきゃいけないし、また、今後JRに対して、地方創生、電車というのは非常に重要なインフラでありますから、ここに対しても国土交通省からぜひ指導していただきたいというふうに思います。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、太田昌孝君。

太田(昌)委員 公明党、北陸信越の太田昌孝でございます。

 質問をさせていただきます。

 梶山大臣におかれましては、先月でございますけれども、我が地元長野県にもおいでいただきまして、とりわけ、地方創生に資するような視察までしていただき、また御講演もいただきまして、本当にありがとうございました。

 地元課題を中心にしてきょうは質問をさせていただきますので、どうかどうかよろしくお願いをいたします。

 初めに、地方創生を支える人材を地域で育成して地域の就業につなげていく、そのための法案、先日成立をいたしました。地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律に基づく、いわゆるきらりと光る地方大学づくり、これについて、大変に期待をしているわけでございます。

 この交付金ですが、御存じのとおり、知事が中心となって、地方大学が特色を出しながら、産官学連携による地域の中核的産業の振興でありましたり専門人材の育成などを行う取組を重点的に支援するというものであるというふうに認識をしております。そういう意味では、地域産業の貢献、地域全体に波及する中核的な産業振興と、またそれを担う専門人材の育成、これを一体的に推進することが求められるわけであります。

 ということの中で、申請に当たっては、地方自治体を中心とする産官学のコンソーシアムを形成しながら、五年とされる支援期間の後の自立自走体制の計画などまで含めて計画の策定をした上で、これは申請をするというようなことになってございます。

 前の地方創生特別委員会の中でも、私、この件も質問をいたしまして、やはり申請の期間をできる限り長くとってもらいたい、それだけの仕掛けが必要ですという話を申し上げたんですけれども、今回の申請期間、七月の末をめどとなって、今やっているわけでございます。そのような意味では、大学、産業界、学生、地域のニーズを踏まえた中で、地方自治体として実効性のある計画を提案するには、非常にタイトな厳しいスケジュールではないかというふうにもちょっと危惧をするわけでございます。

 どうか、こうした準備期間もできる限り十分に確保していただくとともに、これは国も一緒になって、それぞれの地域の産業を振興するという意味においても、有効な計画を策定するぐらいの、国が策定するぐらいの意識の中で、地方の相談に応じ、より実効性のある支援策となることが肝要であると考えますが、いかがでございましょうか。御所見を伺いたいと思います。

梶山国務大臣 地方大学・地域産業創生交付金は、先ほど委員が述べられたように、知事等のリーダーシップのもとに産官学連携により地域の中核的産業の振興や専門人材育成などを行うすぐれた取組を重点的に支援するものであります。

 国としては、これまで、本交付金の申請を検討している地方公共団体に対して事前相談を実施するなど、きめ細かに対応してきたところであります。また、本交付金の根拠となる地方大学・産業創生法が公布された六月一日に、公募関係の資料を公表するとともに、地方公共団体向けに説明会を開催したところであります。

 本交付金につきましては、七月上旬までに事前相談期間を設けているところでありまして、地域が一丸となって本気で改革に取り組むようなすぐれた計画を作成、申請していただけるよう、国としても、初年度ということも念頭に入れながら、しっかり丁寧にサポートしてまいりたいと思っておりますし、やはり、法律ができただけではなくて、しっかりと周知をして、運用が所期の目的どおりにされるということが大切でありますので、私からも再度指示を出したいと思っております。

太田(昌)委員 どうもありがとうございます。

 ぜひとも、やはり地域で大変に期待をしている制度でもございますし、しっかり地域産業の振興につながることを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 もう一つ、地域の若者の流出を防ぐための対応ということでちょっと伺いたいと思います。

 地域における大学の振興、今のきらりと光る補助金の中で、地方から東京への学生の流出を抑えるという観点で、二十三区内の定員を増加させてはならないなどの規定もあるわけでございますが、しかし、地元での受入れ体制を整えないと、当然、それぞれの地域に若者は残らないということになります。

 残念ながら、長野県も、全国で最も、地元の高校生が地元の大学に進学をする率がワースト一位になっちゃったんですね。そういう意味では、この四月から県立大学も開学をいたしまして、できる限り地元の子供を地元で育てる、そんなような思いの中でやらせていただいているわけですが、そんな中で、職業能力開発短期大学校というのがあります。

 この短期大学で技術を習得した学生が、更に大学に編入ができ、あるいは研究開発力を兼ね備えた人材として地域で活躍することが地域産業の発展にとっては重要であるというふうに考えております。なかなかそういう形に今なっておらないわけでございますが、意欲のある若者のキャリアアップを応援するというような観点の中でも、職業能力開発短期大学修了者に対しまして大学への編入学の受験資格を与えるような措置を検討いただきたいと考えますが、いかがでございましょうか。

信濃政府参考人 長野県には二校の工科短期大学校が設置されておるというふうに承知しております。これらから大学への編入学について、地元から要望をいただいているところでございます。

 文部科学省では、この要望を受けまして、中央教育審議会において議論を行った結果、まずは、大学における単位認定の対象とするということを可能とする制度改正を平成二十六年九月に既に行っております。

 この中央教育審議会における議論におきましては、職業能力開発短期大学校等から大学への編入学について、これを可能とするためには、まず一つには、実態に照らして大学相当の教育であると認められる内容であること、さらには、先ほど述べました大学における単位認定の実績があること、こういうことが必要であるという指摘がなされております。

 したがいまして、文部科学省としましては、まずは単位認定の実績の積み重ねの状況を見ながら、編入学を可能とできるか、今後とも設置者である長野県等と意見交換をしてまいりたい、こう考えております。

太田(昌)委員 今紹介いただきました工科短期大学、大変にカリキュラムも充実をしておりまして、地元の信州大学の工学部長が、今、学長をやられておられたりしまして、授業も大変に充実しているような状況もございます。実績を積み重ねていくように、我々も協力をしてまいりますので、どうか認定の中で将来の道を開いていただきたい、こんなことを御要望しておきたいというふうに思います。

 次に、地方を支える地域公共交通の充実ということで伺いたいと思います。

 高齢化、人口減少が進む中にあって、地域の生活の足の確保は最重要の課題であります。地域交通の課題解消は、単に移動の支援のみならず、地域の多くの問題解決につながっていくものというふうに認識をしております。並行在来線や地方のローカル鉄道、広域幹線バス路線の維持に向けた財政措置など、地域公共交通維持、充実に向けた地方公共団体の取組の支援の拡充が更に必要であるというふうに考えます。

 そういう中で、全国初の並行在来線運営会社としまして発足しました第三セクターのしなの鉄道がございます。昨年、開業二十周年を迎えたところでありますが、これはトップランナーであるがゆえに、前例や経験がない中で、さまざまな課題も真っ先に直面をしているところでもございます。

 具体的なことでいうと、例えば、税制上の優遇措置が終了してしまう、これは、JR譲渡資産の固定資産税、都市計画税の軽減措置が、二十年間、二分の一に減免されるというような期間が経過をしてしまいました。また、開業時にJRから譲渡された施設、設備、車両等の老朽化が今大変な問題となっております。

 並行在来線は、経営分離前はJRの幹線鉄道でありましたので、現在も地域住民の交通手段であるとともに、国の物流政策や大規模災害時における物資輸送など全国につながる広域ネットワークの一部を担うなど、重要な役割を今も果たしております。

 貨物調整金制度の拡充などを始め、初期投資等にかかわる地方負担に対する財政措置など、並行在来線の安定経営と地方負担の軽減に向けた取組、前進しているものとは認識しているものの、依然、人口減少、施設設備の老朽化など、経営環境は厳しい状況にあります。

 こうした、地域で運営している鉄道については、これから同様の問題が各地で生じてくると思います。地域の交通ネットワークの軸でもあります並行在来線支援への新たな仕組みを早急に構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。御所見を承りたいと思います。

寺田政府参考人 お答えをいたします。

 整備新幹線の開業に伴いましてJRから経営分離をされた並行在来線は、現在、全国で八社十路線ございます。

 整備新幹線の建設に当たりましては、新幹線と並行在来線を同時に運営することがJRの経営に過度な負担とならないよう、基本条件の一つとして、沿線自治体の同意を得た上で、並行在来線をJRから経営分離することとされております。そのため、着工に際しては、並行在来線沿線の全ての道県や市町村から並行在来線の経営分離についての同意をいただいているところでございます。

 このため、並行在来線は地域の力で維持をしていただくことが基本ではありますが、経営分離後の並行在来線会社の厳しい経営環境に鑑みまして、国としても支援を行ってございます。

 具体的に申しますと、JR貨物が並行在来線会社に支払う線路使用料を通じて支援を行う貨物調整金制度、安全な輸送を確保するための設備投資に対する補助制度、そして経営分離の際にJRから並行在来線会社へ譲渡される資産に対する税制上の優遇措置、こうした支援措置を講じてございます。

 委員御指摘のしなの鉄道に対しましても、これまでこれらの支援措置を講じているところでありますが、今後、保有する車両の更新時期を迎えるという課題が生じているものと承知をしております。

 車両の更新に関しましては、安全な輸送を確保するための設備投資に対する補助制度の活用によって支援を行っているところでございまして、並行在来線を含め、全国の地域鉄道事業者のニーズを把握し、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

 国土交通省といたしましては、引き続き、並行在来線会社の経営の状況を実情もよく伺いながら把握をして、並行在来線会社に対する各種支援措置が最大限に活用されるよう適切に対応してまいりたいと考えてございます。

太田(昌)委員 ありがとうございます。さまざまかかわっていただければというふうに思います。

 大変に、やはり地域の足でございますので、高校生あるいは高齢者が必要としている路線でもあります。やはり一気に車両の更新時期が来てしまうんですね。そういう中にあって、一生懸命経営も頑張っておりますが、さまざまなノウハウ、あるいは、そこに至る、更新に向けてのさまざまなこれまでの経験の蓄積等々、どうか相談にかかわってやっていただいて、地域の足が永続的に使い続けていけるように御指導いただきますよう、これはまた重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。

 さて、定住自立圏についてちょっとお話をさせていただきたいというふうに思います。

 定住自立圏につきましては、実は私、総務委員会でちょっと質問をさせていただきましたが、創生特別委員会の中で認識をもし共有いただければという思いの中で、もう一回ちょっと話をさせていただきたいと思います。

 地域の定住を促す事業として、連携中枢都市圏、これは中核市等々が中心になりますが、連携中枢都市圏の形成、あるいは定住自立圏、これは五万人以上の市を中心とした地域の活性化を行うという定住自立圏、さらに、小さな拠点を中心とした集落ネットワーク圏の形成、こんなものがございます。

 さきに確認をしましたところ、これは二十八年の十月一日時点だということでしたけれども、まさに、五年経過した定住自立圏の、形成した圏域が五十圏域ある、五十圏域の社会人口動態を取りまとめたら、六圏域では社会増になったというんですね。三十五圏域では、取組前に比べて社会減が想定よりも縮小しているというような結果が出たと。つまり、五十のうち、四十一圏域で人口減少に歯どめをかけた、若しくは増に変わったというような実績がある。今は協定圏域を百十圏域から百四十まで目指すというような方針も聞いております。

 そういう意味では、大変にすぐれた取組でありまして、さらに、そういう中で柔軟な対応もしていただいております。

 複眼型中心市ということで、一市で例えば五万人いなくても、二つの市を重ねて五万いれば対応できますよとか、若しくは、合併して今は一市になっちゃったんだけれども、昔は町村の集まりだったというようなところなんかも、そこは圏域と認めて支援をするとか、大変に柔軟な対応を行っていただいている。若干少なくてもやってあげようみたいなところもあるようでございます。そういう意味では、ありがたい制度でもありますし、長野県でも随分とお世話になっております。

 ただ、残念ながら、それにも該当しない地域というのがございまして、私の地元では二つあるんです。

 大町市というところを中心とした一市四町村では、これは今、北アルプス連携自立圏というのを形成していますが、残念ながら、大町市は二万八千人しかおりません。ただ、エリアの面積は千百キロ平方メートルもあります。そんな中で、県独自で支援をしながら、若者交流、結婚支援事業であったり、移住交流事業、あるいは圏域マネジメント能力の強化などに取り組んでいます。

 もう一つ、木曽地方。これは、圏域全体で二万八千人しかいません。しかし、エリアは千五百五十平方キロもあります。長野県というのは山で分断されていますので、地図上の隣というわけにはいかないんですね。そんな中で、やはり地域の中で助け合っている。ただ、そういう中で、やはりこういう対応にならない、だから県が単独で何とか応援をしているけれども、一生懸命その地域の中で助け合いながらやっているというのが実情でございます。

 伺いたいのは、さっき言ったとおり、大都市には連携中枢都市圏がある。あるいは、中規模というか五万人程度の市を中心とした定住自立圏がある。もっと小さな、小さな拠点と言われるところには集落ネットワーク圏の形成みたいなところがある。残念ながら、その間にあるところ、一番財政力が弱いようなところがすっぽりとあいちゃっているというようなところがあるわけでございます。前回ももうこれは質問したわけでございますが、どうか、要件の緩和と、あるいは、同様の支援のみならず、何か応援できる制度、仕組み、そんなものを考えていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

池田政府参考人 お答えいたします。

 人口減少社会におきましても、あらゆる地域において行政サービスが持続的に提供できるようにしていくこと、これは重要な課題であるというふうに考えております。

 今御紹介いただきました定住自立圏構想の中心市には、生活に必要な都市機能について既に一定の集積があり、近隣市町村の住民もその機能を活用しているような都市を想定しております。このことから、原則、人口五万人程度以上、かつ昼夜間人口一以上を要件としております。

 そして、定住自立圏を形成する市町村には、中心市が圏域全体のマネジメントを担い、近隣の市町村とが相互に連携協力することから、それぞれの役割を担うということで、それぞれ地方財政措置を講じているところでございます。

 一方、中心市要件を満たす市がない中山間地域ですとか過疎地域などにおきましては、今御紹介もございましたが、他のさまざまな施策もございます。例えば圏域単位で見ますと、集落ネットワーク圏の形成により、住民の暮らしを支える生活支援の取組、あるいはなりわいを創出する活動を支援してまいります。

 また、移住に効果があるという事例を御紹介いただきましたけれども、私どもといたしまして、地方自治体が実施する移住、定住対策については、地方財政措置を今講じているところでございます。

 また、地域おこし協力隊、これも、今お話がございました北アルプス連携自立圏を構成する市町村では、昨年度で、合計で四十八人、木曽地域では三十四人が活動しておりまして、こうした仕組みを拡充するなど、都市から地方へ新たな人の流れを創出する取組などによりまして、地域力の創造に取り組んでまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 さまざまな施策で応援をしてあげてください。

 今、ちょっと地域おこし協力隊ということをいただきました。

 長野県におきましても、今、おっしゃっていただいたとおり、三百四十九人が活動しておりまして、定着率が六三・八%ということであります。

 また、新たな今の仕組みの中では、地方創生の最前線で活躍いただいている地域おこし協力隊、受入れ地域のマッチングと、さらに、今後拡充の方針と認識をしておりますけれども、なり手確保が課題というふうに思います。

 マッチング、そしてなり手確保の課題についての今後の方針について伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

池田政府参考人 地域おこし協力隊の目標につきまして、これまで、平成三十二年に四千人としておりましたけれども、平成二十八年度に達成をしております。地方自治体の取組状況を踏まえまして、このたび、隊員数を六年後に八千人とすることといたしております。

 一方、お話がございましたが、最近では、募集に対してなかなか人が集まらないという地方自治体の声もありますことから、人材の掘り起こしが必要でございます。そのため、メディアを通じた広報を一層強化するとともに、関係機関と連携したさまざまなチャネルによる周知を行いまして、例えばシニア層ですとか在住の外国人の方、あるいは青年海外協力隊の経験者などにも働きかけまして、応募者の裾野の拡大に取り組んでまいります。

 また、隊員が円滑に活動するためには、受入れ地域と隊員のマッチングが重要でございまして、地方自治体はどのような人材を受け入れたいのかを明確にし、また、隊員は地域や活動内容をよく理解して、受入れが行われることが重要だと思います。

 隊員には住民票を移して活動することが求められるわけですが、その前に、一定の期間、地域協力活動を体験して、志望者と受入れ地域とのマッチングを図る仕組み、今、仮称として、おためし地域おこし協力隊というふうにちょっと言っているんですけれども、これを創設することを検討しているところでございます。

 ことし、制度創設から十年目でございますが、こうした新しい要素を取り入れまして……

渡辺委員長 質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。

池田政府参考人 更に制度を発展させてまいりたいと考えております。

太田(昌)委員 どうもありがとうございました。

渡辺委員長 次に、亀井亜紀子君。

亀井委員 おはようございます。立憲民主党の亀井亜紀子でございます。

 きょうは、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 先日、少し時間はたってしまいましたけれども、四月の二十三日にこの委員会で新潟の視察に行かせていただきました。農家レストランで大変おいしいお食事をいただき、そして、ドローンによる農薬散布ですとか、非常に貴重なものを見せていただきまして、本当にありがとうございます。

 初めの質問は、その新潟視察に関してです。

 視察に行く前に新潟市の資料を読みましたけれども、そういたしましたら、去年の六月に、政府の国家戦略特区諮問会議のコメントに対して新潟市長が反論するという場面があったようです。その内容は、諮問会議の方が規制改革の進捗が不十分だと批判をして、それに対して新潟市が、我々の目的は規制緩和ではなく、地域を活性化させることだと反論されたそうです。

 新潟市は積極的に農業の分野において特区を活用されていると思いますが、その諮問会議の論点というのは、例えば外国人材の活用をしていないですとか、いろいろな規制緩和のメニューがありますけれども、その中で何を活用するかというのは、私は、やはり自治体に主体性を持たせるべきであって、諮問会議がもっとこれを使え、あれを使えというようなことを口出しすべきではないと思うんです。

 当時、期限を切って特区の指定を解除するとまで諮問会議の委員が言ったそうなんですが、そのようなことはない、やはり主体性は自治体に持たせるべきだと私は思いますけれども、大臣の御見解を伺います。

梶山国務大臣 御指摘の新潟市につきましては、確かに、既存メニューの活用や新規の規制改革提案が滞っていた時期がございます。平成二十八年度であります。

 昨年度の評価において規制改革事項の提案の取組に停滞感があるとされて、昨年、委員御指摘のように、五月の諮問会議において民間議員の先生方から厳しく指摘をされたところであります。

 しかし、平成二十九年度は、農家レストラン事業の成功が地域で高く評価されたほか、全国初となる外国人農業支援人材の受入れや、特区民泊の新たな活用など、新たな事業への積極的な取組が進み、先日の区域会議においてはその進展が高く評価をされたところであります。

 加えて、最近では、理美容師、理容師、美容師をめぐるクールジャパン・インバウンド外国人材の活用や、農地所有適格法人に関する提案など、新規の制度改革提案にも積極的に取り組まれておいでになるということでありまして、こうした規制改革の取組は、現に地域の活性化に大きく貢献をしていると思っております。

 今後とも、地域固有の資源や知恵や熱意を活用して、規制改革による地方創生に挑戦する自治体を強力に応援してまいりたいと思っております。

 この国家戦略特区、全国で十カ所、三次にわたって指定をいたしました。そして、規制改革を特区の中でした上で、それをできれば全国展開していくということでありまして、みずから提案したものに関して実現をしていくということなんですが、その提案が少ないところに関しては、やはりそういう指摘があるわけであります。

 新潟以外でも幾つかございますし、それについては、国も丁寧にサポートしながら、次年度、しっかりと提案をしていただく、その実現に向けて努力をしていくという取組をしているところであります。

亀井委員 確認なんですけれども、例えば農業の分野で、ことしの白書に農泊の推進ですとか、あるいは今議論されている外国人材の単純労働への登用ですとかありますけれども、そういったもの、例えば、じゃ、農業の分野で外国人材を活用しなさいとかそういうことを諮問会議が国の方針として示したときに、それは特区では積極的にやらなければいけないということでしょうか。それとも、やはり自治体の方が主体的に、それが必要であるかどうか議論して決めることができるということでしょうか。

梶山国務大臣 先ほど申しましたように、十の国家戦略特区がございます。それぞれに、自分たちはこういうことがしたいという提案をしてまいります。それについてしっかりとやっていただくということで、ほかの特区で提案したことは、できるわけでありますけれども、強要しておりません。みずからの提案についてしっかりやっていただくということであります。

亀井委員 ありがとうございます。

 やはり自治体の方に主体的に決めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次の質問ですが、大臣は先週末に島根県にいらっしゃったと私は聞いております。雲南市や邑南町を視察されたようですけれども、まず、過疎化の先進県であります島根県を御視察いただいたその御感想についてお伺いいたします。

梶山国務大臣 委員御指摘のとおり、先週土曜日に雲南市と邑南町を訪問いたしました。中山間地で、面積も広く、起伏に富んでいるということで、大変皆さん危機感にあふれているということで、さまざまな取組をされているなということを感心して見てまいりました。

 特に、やはり中山間地、人口流出も著しい、若い人たちも少ないという中で、邑南町の取組で、公立病院に産婦人科と小児科を常設しているというところ、これは大臣になる前から話を聞いておりまして、ぜひ一度見てみたいという思いで訪問をさせていただきましたけれども、大変な努力をしておられる。そして、これまでの経過もお話を聞きましたけれども、それがなくなる、廃止の危機もあったという中で継続をしておいでになり、町民、その地域の人たち、医療圏の人たちの信頼を得ているということで、みんなで残していこう、みんなの病院だという意識も持っていることを、一人一人の方からお話を聞きました。

 また、病院だけじゃなくて、医療従事者、看護師さんであるとか理学療法士さんであるとか、そういった方の活用も含めて医療のネットワークを組んでいく、そういうことによって、病院が、医師が少ない地域であっても連携をしていくという取組、大変すばらしいと思いますし、また、地域自主組織において世代を超えた連携をしていく中で子供さんたちが残る環境づくりというものもしておられるということで、ほかの地域にも見習ってほしいというか取り入れてほしい、すばらしい取組であったと思っております。

亀井委員 ありがとうございます。

 医師不足問題はかなり深刻でして、医師がいないとなかなか新規に定住する方もあらわれないので、やはり教育と医療というのは非常に大きなネックになっております。

 また、今、地域自主組織について大臣のコメントがございましたけれども、雲南市は早くからこの地域自主組織に取り組みまして、NHKの縮小日本の未来図という番組にもかつて取り上げられました。そして、早く取組を始めた分、次の課題が見えてきております。

 現在の課題は、地域自主組織を始めた人たちがそっくりそのまま十歳年をとりました、次の世代になかなか橋渡しができないので、例えば地域を見守っている方々も十歳年をとられたわけで、どう継続していくかという問題がございます。

 そして、雲南市は市議選があったんですけれども、無投票でした。最近、無投票の選挙が島根で続いているんですけれども、雲南市でその原因について議論したときに、地域自主組織が強くなってきているので、今度、市議の仕事がそれほど重要性を持たなくなってきているのではないかということに行き当たりました。何かあれば地域自主組織に言えばいい、そうしたら市議は何をすればいいんだという問題がありまして。

 いろいろと考えますと、やはり、本来は市が責任を持って地域のことをやらなきゃいけないわけですよね。それを自主組織に委ねてしまって、そして、そこが立ち行かなくなったときにはどうするんだという次の課題があるんですけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。

梶山国務大臣 地域自主組織の最初の立ち上げのときは、強力なリーダーシップを持った個性の強い方が多分立ち上げておいでになるんですね。その方がずっといて、今委員御指摘のように十年間たった、次の人材はどうするんだという問題に当たるということなんです。

 それらも含めて、雲南市においては、幸せという字を最初につけて幸雲南塾というのをつくっておられるということで、外から来られる方も受け入れているということで、仕事づくり、人材づくりということも取り組まれて、海外から来られた方も、そこでインキュベーターというか、その二階をそういう形にしておりますけれども、仕事をつくるためのまずは場所提供ということも含めてやられているということであります。

 地域自主組織はあくまでも地域自主組織でありまして、行政の役割とはまた違うと思いますので、そういったものも、本来は、議員さんもイデオロギーを超えて、その地域の代表であるという意識を持って本当は地域自主組織にも入っていただきたいなというのが個人的な感想でありますし、そういった中からまた地域の代表として議員を出そうというような動きが出てくることが望ましいのではないかなと思っております。

 いずれにしても、行政の意思決定というのは、執行部があることと、一方では監視役の議会があるということですから、議会もしっかり地域の代表として監視をしていく、また声を上げていくということも必要ですし、そういう人材の育成というものは非常に大切なことだと感じております。

亀井委員 本当に試行錯誤してやっておりますので、課題が早く見つかる分、この委員会でも御紹介しながら、また御助言を求めていきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 前回の一般質疑のときに、私は、二地域居住ですとかふるさと住民票、関係人口等々、御紹介をいたしました。やはりなかなか、定住をお願いしても、仕事もないわけですし、三百六十五日住んでいただくのは難しいので、その自治体に関係する人口をふやしていってはどうかというふうに申し上げました。

 これは一つの方法だと思うんですけれども、もう一つ、地域再生の方法として、再生可能エネルギーによって自治体が売電収入を得るという、それが有望ではないかと思っているんです。

 地元の津和野町では木質バイオマスに取り組んでおりまして、そのときにネックになったのが、中国電力が送電網が空いていない、よそでもよくあることですけれども、それで大分苦労いたしました。ようやく四年後に始められることになりました。本当はもう少し前倒ししたいんですけれども、送電網の問題がございます。

 これについて先日農水委員会の方で質問したんですけれども、日本の送電の計算の仕方がヨーロッパとは違っておりまして、ヨーロッパ、例えばドイツなどは実潮流ベース、実際に流れた量で計算しますけれども、日本の場合は契約量のベースで、それも先着順なので、どうしても先に契約した方が有利になる。実際には流れていないのに契約で抑えられてしまっているという問題がありますが、再生可能エネルギーの推進についてどのようにお考えでしょうか、西銘副大臣にお伺いいたします。

西銘副大臣 再生可能エネルギーの導入は、エネルギーの政策上も非常に重要だと考えております。また、地方にとって、雇用の創出や地域の活性化という観点からも重要だと考えております。

 今先生が御指摘された系統の部分のお話でありますけれども、日本版のコネクト・アンド・マネージといって、できるだけ許容部分をふやすような取組も今しているということを答弁しておきたいと思います。

 再生可能エネルギーの発電事業については、まず、長期安定的に取り組まれていくことが重要であります。地方で農業をされている方が副業として、あるいは兼業として取り組んでいくということについては、営農型の太陽光発電という方式がございます。農林水産省の方でも、一般的に農地転用は難しいんですけれども、一定の条件を満たした場合、畑、農地の上部の空間を使って発電していこうということも明確化されてきております。

 こういう太陽光発電の導入ポテンシャルが拡大していくということは、営農と発電の両立を通じて地域の活性化にもつながるものと考えておりますし、農林水産省の取組に加えまして、経済産業省としても、FIT制度、固定価格買取り制度の適切な運用を踏まえて、支援をしていきたいと考えております。

亀井委員 私の地元島根県は、全国で唯一、県庁所在地に原発がございます。原発から十キロ圏内に県庁があるという位置関係でして、できるならやはり原発はなくしていきたいという思いがございます。

 立憲民主党は脱原発を訴えておりまして、与党はまた違う考え方ですけれども、ただ、地元の人間と話すと言われることは、原発反対とデモをやったからといって原発がなくなるわけじゃない、世の中は経済で動いている、ですから、原発反対と言わなくても、経済的に再生可能エネルギーの方に合理性があるねということであれば自然にそちらに流れていくので、そちらを提案していく方がやはり現実的だし、物事は動くと言っておりますし、私もそう思います。

 ですので、私は、特に島根のような過疎化が進むところでは、再生可能エネルギーを積極的に導入することによって売電収入を得るという道を開いていただきたいと強くお願いを申し上げます。

 立憲民主党でも、ゴールデンウイークに一部の議員がドイツに視察に行きまして、ザーベックというところですとかラインフンスリュック、オスナブリュック、こういった町を視察してきました。

 今、ドイツで再生可能エネルギーを進めて、わかってきていることは、まだ日本では再生可能エネルギーというのは不安定なので、化石燃料による発電の上に再生可能エネルギーを乗せるという考え方ですけれども、実際には、ヨーロッパでは逆になってきております。

 例えば、太陽光発電で五割発電したくても、その日は猛暑で、物すごい日差しで、八割になってしまったとします。それをコントロールすることはできないわけですから、逆に化石燃料の方を調節して再生可能エネルギーの発電量に合わせるという、フレキシビリティーという考え方が広まってきているようです。

 ですので、私は、再生可能エネルギーというのはかなり発電の可能性が、量の問題もあると思いますので、経産省にぜひ御検討いただきたいと思います。

 次の質問に移ります。クルーズ船による観光の活性化についてお伺いいたします。

 最近、大型クルーズ船の寄港がふえておりまして、例えば鳥取の境港もターミナルを改装してから大型客船がかなり着くようになりました。日本全体でどの程度客船の寄港がふえているのか、お伺いいたします。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 昨年の訪日クルーズ旅客数は前年比二七%増の二百五十三万人、クルーズ船寄港回数は前年比三七%増の二千七百六十五回となっておりまして、いずれも過去最高を記録いたしました。

 近年、アジアのクルーズ市場は急速に拡大をしております。特に、中国の上海港や天津港などを発着し、我が国を寄港地とするクルーズの人気が高くなっており、その数も急増しております。

 こうしたクルーズは四泊、五泊程度の短い期間のものが多いということから、博多港、長崎港、那覇港など、中国から地理的に近い九州、沖縄地方に多くのクルーズ船が寄港し、クルーズ旅客が寄港地観光を楽しんでいるという状況です。

 なお、九州、沖縄地方及びその周辺では、博多港、長崎港、那覇港のほかにも、石垣港、平良港、鹿児島港、佐世保港、八代港、下関港、そして委員御地元でございます境港において寄港が急増しております。年間五十回以上クルーズ船が寄港しているという状況でございます。

亀井委員 境港に入港する観光客をいかにして島根県側に取り込むか、松江、出雲はもちろんですけれども、隠岐の島まで何とか来ていただきたいと思って、私たちも知恵を絞っているところです。

 日本は島国ですから、やはりクルーズ船による観光の促進というのは非常に有望だと思っております。

 また、私自身が船が大好きでして、内閣府の主催する世界青年の船に乗ったこともございますし、晴海から南アフリカのケープタウンまで行きました。また、その青年の船のOGとして何回か乗船して手伝ったこともありますし、ピースボートで世界一周したこともありまして、恐らく、全部合わせたら一年間は船の中にいたと思います。そのくらいいろいろな港にも行っておりますので、立派な港がなくても沖に停泊して上陸することは可能ですから、さまざまなところにクルーズ船で観光に行くことは可能だと思っています。

 また、ノルウェーに沿岸急行船、フッティルーテンという船がありまして、私はこれも乗ったことがあります。ベルゲンからキルケネスというところまで一週間ぐらいかけて行くんですが、これは定期船です。物資輸送船で、生活に密着して、市民の足であり、同時に、クルーズ船ですから、一週間滞在する旅客がおります。

 私、これを見て思ったのは、例えば隠岐の島に隠岐汽船がありますけれども、あの定期船、一部でも改修して、クルーズ客の宿泊するフロアと地元の人が移動で乗るフロアと分けて、そういう活用の仕方があっていいんじゃないかと思ったんです。

 このような定期船を一部クルーズに改装して観光客をふやすというような方策についていかがお思いですか、お伺いいたします。国交省にお願いいたします。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、旅客船を、単に移動の手段としてだけではなくて、観光などにも活用して新たな需要を取り込むことは、地域の交流人口拡大という観点だけではなくて、離島などで運航されている生活航路を維持存続するためにも、今後大変大切になるものだと考えております。

 委員の御指摘、御提言とは若干違うかもしれませんが、旅客船事業者による実際の取組といたしまして、離島などで運航されている生活航路のダイヤの合間を活用いたしまして、観光客のために不定期の遊覧船として運航するといった事例なども存在をしております。

 国土交通省におきましては、こういった柔軟な運航を一層促進して観光振興につなげるために、平成二十八年度より船旅活性化モデル地区制度を運用しまして、観光利用のニーズが想定される航路につきまして、不定期旅客船の運航回数を柔軟化するという措置も講じているところです。

 旅客船による船旅をより多くの観光客の方に楽しんでいただき、地域の活性化につながりますように、今後も事業者の皆様の声をしっかりと伺って必要な対応をとっていきたい、このように考えております。

亀井委員 JRは「ななつ星」ですとか高級路線でかなり観光客を、活性化しているようですし、それを船に入れていくというのは私は一つの方法ではないかと思いますので、ぜひ促進していただきたくお願いをいたします。

 最後の質問になります。地域通貨です。

 地域通貨、なかなか流通しているところはありませんで、日本に成功事例は恐らくないと思いますし、世界でも余り聞かないんですけれども、もし成功事例があれば教えてください。

 そして、日本において、私の地元ですけれども、隠岐の島では、ハーン、小泉八雲、ラフカディオ・ハーンのハーンという通貨がございまして、海士町では流通をしております。きょう、一つ現物を持ってまいりましたけれども、この千ハーンは千円の価値がございます。もっと流通をさせたいと思っているんですけれども、地域通貨を進めていく上での課題、また、そもそも政府として地域通貨をどのように考えておられるか、進めるべきものなのか、余り積極的でないのか、そういうことも含めてお伺いして、最後の質問といたします。

梶山国務大臣 地方創生の一環として、地域の経済の活力を増進させるということで地域通貨というものが出てきていると思いますし、ハーンについても存じ上げているところであります。

 そういう地方創生の視点で、地域としての取組としては私は大変いいことであると思っておりますし、その中での買物をしっかり、地域に消費をしっかり集中させるという点で、すばらしい取組だと思っております。

 あと、その海士町に関しましては、地域資源をしっかり見直した上で農産物や水産物の付加価値を高めること、また島前高校の件、いろいろな先駆的な取組もされておりますので、そういった先駆的な取組が全国の耳目を集めることにもつながっておりますし、更にまた地域資源を見詰め直してしっかり付加価値を高めて、地域の活性化に取り組んでいただきたいと思っております。

亀井委員 お金を外に逃がさない、その地域で経済が回るようにということで地域通貨という発想がございますので、私たちも研究しながら、また御相談したいと思います。

 本日はありがとうございました。質問を終わります。

渡辺委員長 次に、松平浩一君。

松平委員 どうも、おはようございます。立憲民主党、松平浩一です。

 本日は、質問の機会をいただき、どうもありがとうございます。

 本日、トピックとさせていただくのは、地方行政、地方自治体のデジタル化というところで御質問させていただきたいと思います。

 御存じのように、日本の人口は残念ながら減少しています。全国の生産年齢人口は、二〇一六年で約七千六百万人と、二十年で一割減っています。四十年後には五千万人を割り込む見通しとなっています。地方自治体の将来政策、こういったものを考えたときに、もはや人口減少による影響を考えずには進められないと言ってもいいのではないかと思います。

 人口が減少すると、その地域で必要となる行政サービスの需要量というのは一般的には減少するというふうに言われています。しかし、同時に高齢化も進みますので、住民の医療、介護、まちづくりなどのいろいろなニーズ、こういったものが多様になってきて、職員の絶対数が足りなくなってきてしまうというふうに考えられます。そこで、必要となってくるのは行政の効率化そして適正化であるというふうに思います。

 ここでちょっと御紹介させていただきたいのが、世界で最先端の電子国家と言われるエストニアです。行政サービスの九九%がオンラインで完結する、そういうことであるため、最先端の電子国家というふうに呼ばれています。

 先日、私、実際にエストニアへ視察に行って、見て驚いたんですが、Digi―IDと呼ばれるIDカード、こういったものがございまして、ネット上で瞬時にいろいろな行政サービスが受けられるようになっています。

 ちょっと資料一としてお配りしたものがあるんですが、こちらは、エストニアで個人が受けることのできる電子政府のサービスになっています。

 これを見ていただくと、いろいろな項目に分かれているんです。これはもちろん一部分、最初の一ページ目の上部だけ取り出したものなので、これだけしかないんですが、この下にも結構項目がありまして、例えば一番上のハウジングのところ、二つ目にサブミッティング・ア・ノーティス・オブ・レジデンスというふうにありますけれども、これは、住所変更届のようなものができたり、このハウジングの項目は、自分の住んでいる土地であるとか建物であるとか、そういったものに関する情報の登録、変更それから照会のようなことができたりします。

 この下にあるのはエデュケーション・アンド・サイエンスでありますけれども、こちらでは、国家試験のデータを見てみて、それで自分が受けた国家試験の電子証明書を入手できたり、それから奨学金のような手当をここで申請できたり、あと自分が卒業した学校のデータ、履歴、そういったものを見ることもできたりします。

 この画面上では見えてこないんですが、この下の方、もっと後ろの方に行くとアントレプレナーという項目がありまして、会社の設立であるとか、外国会社の支店の登録、商標の登録ですとか保護ですとか、あと会社にいる従業員の登録ですとか、そういった会社に関する手続というものが一通りできたりするんです。

 このエストニア政府は、年間、エストニア政府が言うには五億件以上の利用があり、そして、二〇一七年の一年間だけで、人手による作業を八百年分削減する効果があったというふうに試算しているようです。

 日本も、我が国でも先日、政府がデジタル・ガバメント実行計画というものを取りまとめているというふうに理解しているんですが、こちらはどういったものでしょうか。

玉田政府参考人 お答えいたします。

 近年、少子高齢化や生産年齢人口の減少等、我が国の社会構造が大きく変化をする中、行政サービスの効率的、効果的な提供が求められております。

 このような中で、本年一月にeガバメント閣僚会議におきましてデジタル・ガバメント実行計画を取りまとめ、行政のあり方のデジタル前提での見直しに政府を挙げて取り組んでいるところでございます。

 具体的には、業務改革やシステム改革を前提とした行政サービスのデジタル化の徹底、行政手続における添付書類等既に行政が保有している情報の重複提出の不要化、引っ越し等のライフイベントの手続のワンストップ化等、利用者中心の行政サービス改革に向けた取組を推進しております。

 加えて、各府省に対しましては、デジタルガバメントを戦略的に推進するための中長期の計画を策定し、具体的な方策を取りまとめることを求めておるところでございます。

松平委員 どうもありがとうございます。

 行政サービスのデジタル化の徹底ということで、今、ワンストップ化、利用者中心のサービスということをおっしゃられたと思うんですが、幾らこういう利用者中心のサービスということでオンライン化が進んだとしても、やはり使う人の問題ということもあると思います。せっかくサービスを使えるようにオンライン化を進めたとしても、使う人がよくわからなくて使えないというのでは、せっかくのシステムがもったいない。

 エストニアでなぜこれだけ普及しているかというと、国民のITリテラシーが非常に高いというのがあると思うんです。これは余りいい言葉じゃないかもしれないんですが、国民総ハッカーとやゆされるぐらいで、非常に高いというふうに言われています。私も町並みを見ていて感じたんですけれども、もうホテルでもカフェでも、どこでもノートパソコンを開いてチャカチャカ打っている人がいるというふうに感じました。

 そのあたりの意識改革というんですか、そういったところもそうですし、オンライン化が進んだとしてもちゃんと使われるようにするという、国民一人一人のITリテラシーの向上ということも必要であるのかなと思っておりますので、そういった施策もとってもらえればというふうに思い、御意見させていただきたいと思います。

 それでは、今お話しいただいたデジタル・ガバメント実行計画に基づいて、地方行政のデジタル化というものはどのように進めていくのか、教えていただけますでしょうか。

玉田政府参考人 お答えいたします。

 国民の利便性の向上や行政運営の効率化を図るためには、地方公共団体においてもデジタルガバメントを推進することが必要であると考えております。

 このため、デジタル・ガバメント実行計画におきまして、国において推進している行政サービスのデジタル化等のほか、地方公共団体の行政情報システムについて、クラウドの導入を推進し、コストの削減や業務負担の軽減に取り組むこと等を盛り込んでございます。

 また、このような国及び地方公共団体における取組に一定の整合性を確保しつつ、地方公共団体が必要な取組を効率的に推進できるよう、国としても、みずからの取組の成果やノウハウを紹介するとともに、必要に応じて職員の派遣等を行い、地方の取組を後押ししております。

 これらの取組によって、地方公共団体が必要な人材や財源をみずから生み出し、限られた資源を地域の諸課題の解決に対し効率的に活用していくことを期待しているところでございます。

松平委員 どうもありがとうございます。

 地方行政のデジタル化の後押しということでお話しいただきましたけれども、こういった地方行政のデジタル化というと、石川県の加賀市は、ことし三月にブロックチェーン都市宣言というものを行っています。

 私も担当者からお話を伺ったんですが、どういうものかというと、簡単に言うと、地域内のサービス認証というものを一元化して、それでかかってくる社会コストを低減しようという取組で、将来的には、そういったプラットホームに集積されたデータを活用してさらなる研究開発とサービス検証を行っていく、そういうことだそうで、私も、こちらは非常にいい取組だなというふうに思いました。

 多くの自治体が主体的にこういった取組を進めていけるよう、今お話ししていただいたように、国としてもきちんと支援していっていただきたいというふうに思います。

 次に、自治体クラウドについて少しお伺いしたいと思います。

 全国の市町村の情報システム経費というものがどうなっているかということで、三月に総務省からデータが出てまいりました。資料二にまとめているんですけれども、こちらをごらんください。

 上のところに住民一人当たりの経費というところがありまして、こちらは、平均で一人当たり三千七百四十二円というふうになっているんです。これは人口規模区分別にもまとめられておりまして、金額的に最低額が、人口規模でいうと十万人から二十万人の市区町村が三千九十六円になっています。一方、最高額が、一番左のところ、人口二万人未満のところで一万一千七百二十四円というふうになっています。三千九十六円というのと一万一千七百二十四円と、金額に大分開きがあるんですね。

 人口のレベルごとに地方行政の運用コストがどのくらいかかるのか、地方行政の運用、運営に効率的な人口規模というのが果たしてどの程度なのか、ある意味これは示唆するデータになっているんじゃないかなというふうに感じました。こちらは私のきょうの質問のメーンテーマではございませんので、今の点、こういった事実がある、ファクトがあるということにとどめさせていただきます。

 次のページの資料三というものをちょっとごらんいただきたいんですけれども、こちらは、各人口ごとの市区町村をグループ別にまとめまして、この棒グラフの一番左、各グループの一番左が、自治体クラウドを利用している平均コストなんです。全ての地方自治体で、自治体クラウドを導入しているところというのはコストが最も低くなっているんです。

 ちょっとごめんなさい、一問飛ばさせていただきまして、ただ、問題は、このクラウドの単独利用というところ、各グループの真ん中の単独利用というところと、一番右のクラウド未導入というところの比較なんですが、クラウドを単独利用している方がクラウド未導入の方よりコストが何と高くなってしまっている。つまり、クラウドの導入を進めるとしても、コスト的には、地方公共団体が共同してクラウドを利用しないと意味がないということがあらわれているデータなんです。したがって、共同利用というところをいかに進めるかが鍵になっていると思います。

 この点、どういうふうに共同化を進めていこうとされているのか、お伺いさせていただいてよろしいでしょうか。

池田政府参考人 今、資料のお示しがございました。資料の中には、その地域の置かれている状況とかそのあたりはまたよく見ながら分析をしなければいけないと思っておりますけれども、この自治体クラウドの導入につきまして、総務省といたしましては、まず情報システムの運用経費の削減がございますが、それだけではなく、セキュリティー水準の向上、それから業務の効率化、標準化、あるいは災害時の業務継続性の確保といったメリットがございますことから、これを引き続き積極的に推進することとしております。

 複数の地方公共団体が共同でクラウドを導入しようとする場合の課題といたしましては、例えば自治体間での業務の標準化の調整ですとか、自治体間での調整やベンダーとの交渉に当たる職員の確保などの点があるというふうに言われています。

 このため、総務省といたしましては、既に自治体クラウドを導入した地方団体における経験を、一つには、手順とポイントということで取りまとめをお示ししまして御説明申し上げましたり、二つ目には、実務に直接携わった職員、自治体で実際にこれに携わった職員を、導入を検討している自治体の課題に応じまして紹介、派遣するなどの取組を行っております。また、地方団体の長を訪問しまして、メリットあるいは仕組みなどを含めて、直接導入の働きかけを行っているところでございます。さらに、計画的かつ着実なクラウド導入を図るため、全ての地方団体にクラウド導入等に関する計画の策定を要請し、計画の内容を踏まえた助言などを行うこととしております。

 こうしたことを通じまして、引き続き積極的に努めまして、自治体クラウドの導入を推進してまいりたいと考えております。

松平委員 なるほど。どうもありがとうございます。

 地方自治の話ですので、国が先頭になってリーダーシップを発揮して音頭をとりにくい、進めにくいという部分はあるかとは思うんですけれども、やはり地方が十分な情報を持って推進できるように、御支援をお願いしたいと思います。

 それで、最後の質問としまして、私、先ほど冒頭で、今後、地方自治体の職員の絶対数が足りなくなってくるかもしれないということを申し上げました。そんな中、住民サービス向上のために、AIの活用、導入を進めている自治体がふえているというふうに聞いています。

 ことし二月に、三十五の自治体が、AIを活用して住民からの問合せに対応するサービスの実証実験を行ったそうなんです。子育ての制度、引っ越し、住所変更、ごみの出し方など、住民からの問合せに対してAIがインターネットを介して会話形式で回答する、そういうサービスが行われたようです。

 これは、本当に住民からの問合せに対応する自治体職員の負担も減りますし、住民にとっても二十四時間三百六十五日対応と、こういう行政サービス向上にもつながるものだというふうに思います。

 あと、ほかにも、地方自治体と民間事業者の協業、そういう観点でも、介護の分野で、AIを使ってケアプランの作成を行うシーディーアイという会社があるんですけれども、こちらは愛知県の豊橋市と協業しています。こちらも、私たちは社長からお話を伺ったんですけれども、地方自治体の方から要介護認定のチェック項目のデータを匿名化して共有してもらって、AIを使って、自立支援に重点を置いたケアプランを地域に応じて作成するということなんですね。

 要介護区分の改善率が上がるとその地域に元気な方々がふえて社会が活性化し、地方自治体の介護保険負担も減るということで、今、ほんの二例しかありませんけれども、挙げませんでしたが、このような地方自治体のAIの活用についてどう考えるか。済みません、時間が来ましたので、大臣、もしよろしければ、簡単にお答えいただければ幸いです。

渡辺委員長 総務省篠原大臣官房審議官、質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。

篠原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、若年労働力がこれから希少化するという厳しい供給制約がございますので、このAIを含むICTをできるだけ活用しながら自治体行政を展開したいと考えております。

 私ども総務省といたしましては、二十八年度から業務改革モデルプロジェクトといったものを実施しておりますので、こういった中で、財政的な支援も含めながら、AIの取組を進めてまいりたいと考えております。

松平委員 どうもありがとうございます。

 今回質問させていただいた地方自治体のデジタル化、AIなどのテクノロジーの活用というものは地方創生に欠かせないファクターになるものと思いますので、そういった観点から国の御支援をよろしくお願いします。

 これにて私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

渡辺委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 よろしくお願いいたします。国民民主党の森田俊和でございます。

 三十五分の質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

 まず最初に、私は、自治体の議会の制度についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。

 地方自治は民主主義の学校という言葉がありますけれども、どちらかというと、今までの日本の制度のあり方であったり、あるいは改革の方向性というのも、受皿論ということで、いかにして行政サービスを受ける枠組みをつくっていくかということで、小さい町村を合併して大きな枠組みをつくってということで、自治体の数を減らすという方向でやってきたように理解をしております。

 ただ、私は、やはり、自治体が大きくなればなるほど、帰属意識であったり、政治への参画の意識であったり、そもそもその地域に対する愛着であったり、こういったものがどうしても薄れてきてしまうという危機感も抱いておりまして、そういった意味では、いたずらに市町村合併を進めるのではなくて、やはり、小さい自治体にはそれなりの生き方がある、それなりの価値観があるということで、そういった自治体を大切にしながら、地域の輝く主体として、その存在を認めて支援をしていくということがあるべき姿ではないかなというふうに思っております。

 大きい自治体を否定するわけではありませんけれども、小さいからといってそれを否定するわけではないという方向性で、それぞれの主体的な判断によって、大きい自治体、小さい自治体、両方の主体性を尊重していくべきだなというふうに思っております。

 そういう視点から考えますと、ここのところ、選挙で、なり手がいないというような話が出てきておりまして、これは、例えば二〇一五年の統一地方選挙におきましては、三百七十三の町村、町、村のうちの二割以上の八十九の自治体で無投票であった。これが、千人未満という自治体で見てみますと、六四・七%が無投票であった、こういう数字をいただいております。だからといって、そのそれぞれのところが何もやっていないというわけではなくて、いろいろ工夫はしていただいていると思いますけれども。

 よく報道で出ている例としては、北海道の中札内の村議会、こちらは定数八だそうでございますけれども、こちらについては、昨年六月の補欠選挙で立候補者がいなかった、こういったことを経験している自治体もありますし、あるいは、長野県の喬木の村議会、こちらは、議員のなり手をふやしていこうということで、休日、夜間の議会を取り入れたりしているということもあります。ほかにも、例えば奈良県の上北山村、こういったところも、定数六でありますけれども、議会で頑張っていらっしゃる方がいらっしゃるということでございまして、こういった皆様方がいろいろな苦労をされているということがございます。

 せんだって、町村議会のあり方に関する研究会ということで、三つの制度的な提案がなされたというふうに伺っておりまして、一つは現行制度、もう一つは少数の専業議員による集中専門型の議会、それから多数の非専業議員による多数参画型の議会、この三制度、三つの制度の中からその自治体が独自の判断で条例で選択できるようにするという、こんな提案もなされているというふうに伺っております。

 そこで、お伺いをさせていただきますけれども、こういったことも含めて、自治体の議会制度を自治体で定められるようにできるかどうかということについての見解をお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

篠原政府参考人 お答え申し上げます。

 日本国憲法におきましては、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定めることなどが定められておりまして、これを受けまして、地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定めることなどを目的とする地方自治法におきまして、地方議会制度が規定されているところでございます。

 その上で、地方議会制度につきましては、地方分権改革の進展に対応いたしまして、近年におきましても、議員定数の法定上限を撤廃すること、通年会期制を選択可能とすること、委員会に関する法定事項を簡素化することなど、住民代表である議会の自由度の拡大に資する制度改正を行っておりまして、各地方議会の運営におきまして自主性を発揮できる環境が整ってきているものと認識をしております。

 また、委員御指摘の、本年三月二十六日に公表いたしました町村議会のあり方に関する研究会報告書におきましては、小規模市町村におきます持続可能な議会のあり方として、現行議会における自主的な議会活性化の取組を進めることを第一の選択としつつ、今御説明がございましたとおり、集中専門型あるいは多数参画型、こういった選択肢を今度条例で選択できるという形の提言がされているところでございます。

 今後、人口減少の本格化に伴いまして、小規模市町村ほど人口減少率が大きくなると見込まれていることなどを踏まえまして、地方議会制度について、人口規模等に応じた、より多様なあり方を引き続き検討していく必要があるものと考えております。

森田委員 ありがとうございました。

 地方制度調査会では、今後、制度設計をしていって、二〇一九年には地方自治法の改正案を提出する見込みだというようなお話も聞いておりますけれども、なるべく地方のことは地方で決めるということで、もちろん地方自治法でということはありますけれども、自由度の高い制度設計を盛り込んでいただいて、いきなりそういうことはできないというお話になるかもしれませんけれども、ぜひ、いろいろな選択肢がとれるような、そういった枠組みを用意していただきたいなというふうに思っております。

 必ずしも大都市と中小都市、それから小さい町や村が一緒の制度、仕組みをとる必要はありません。例えば、今、普通の、どこの町村も含めて、自治体でもあると思いますけれども、自治会という枠組みであったりだとか、あるいは区長さんの制度であったりとか、こういった今ある枠組みを活用しての、議会にかわるもの、あるいはそれを議会に位置づける、例えば何とか自治会連合会とか、そういったものを議会的な枠組みとして位置づけるなんということも考えられるのではないかなというふうに思っておりまして、とにかく、国が下書きを書いてそれを市町村がなぞっていくんだということから、そろそろ、戦後七十年が経過して、いろいろな自治の蓄積というのがそれぞれの地域でなされていると思っておりますので、そんな大胆な、踏み込んだ制度の設計というか、自由化というようなことになりますか、そんなことをぜひ進めていただければと思っております。

 続いて、交通の、流通の関係についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。

 私の住まいのすぐ近所に熊谷貨物ターミナルという鉄道の貨物駅がございまして、いつも、そこに出入りするコンテナを積んだトラックを見ておりましたり、あるいは貨物列車を見たりしているんですけれども、ここのところ、関東の流通網は非常によくなってきたという感覚を持っております。

 埼玉県というところで言わせていただければ、やはり圏央道が開通したということが大変大きな、今、成田空港まで直接圏央道で行くことができますし、沿線開発等々を含めても、非常に大きな地域へのメリットがあるということでございます。せんだっては、外環も千葉まで開通したということもありましたけれども。

 ただ、いろいろ地元の流通業者さんのお話を聞いておりますと、もう東京港だとか横浜港がかなり手いっぱいだ、そんなような話も出てきております。そういった事情に加えて、私のいる埼玉県というのは、お隣が群馬ですけれども、その先に行くと新潟県でございまして、そういった意味では、中国だとか韓国、あるいはロシア、こういった日本海側の国々との関係というのも非常に深くなってくる、あるいは、くるだろうという見込みもございまして、そういった日本海側との連携も、流通あるいは輸送といったものを考えた場合には非常に重要になってくるというふうに認識をしております。

 そこで、一つ目の質問なんですけれども、新潟へのルートを考えた場合に、海への出口である新潟港にやはり直接鉄道でそういったコンテナを始め荷物を持ち込めるというのが、非常に利便性を考えるといいだろうというふうに思っております。

 私も、埼玉で県会議員をやっていたときに、その新潟港の周辺の様子を見せていただいたことがありました。平成十四年までは、近くの黒山駅から鉄道が引かれておって、新潟港の敷地の中までだったでしょうか、乗り入れていたけれども、今はそれは、線路敷はあるけれども使われていないという状態でございます。

 せっかくこういうところまでできているわけですから、ぜひ、埼玉県はもちろんですけれども、関東圏から荷物を直接新潟港まで入れられるような、そういった仕組みをつくっていただくことが、関東近県を始めいろいろな流通関係の方にとっては大きなメリットになってくるんじゃないかなというふうに思っております。

 そこで、お伺いをさせていただきますけれども、貨物の鉄道輸送に関して、新潟港への乗り入れについてはどのような可能性がありますでしょうか。御所見を伺えればと思います。

寺田政府参考人 お答えをいたします。

 新潟港におきましては、先ほど御指摘がございましたが、かつて新潟臨海鉄道による黒山駅から太郎代駅までの間の貨物鉄道輸送が行われておりました。委員御指摘もございましたけれども、長期的な輸送量の減少に伴いまして、平成十四年にこれが廃止をされまして、新潟臨海鉄道も解散をしたという経緯がございます。

 現在、地元の新潟県より、鉄道輸送へのモーダルシフトを推進する観点から、改めて新潟港への貨物鉄道輸送を実現する構想について御要望をいただいております。

 この構想の実現につきましては、十分な貨物輸送量が確保できるかどうか、事業の採算性が見込めるかどうか、必要な鉄道施設の整備をどのように行うのかなどの検討課題があると考えられますが、こうした点について、まずは新潟県とJR貨物など関係者の間でよく御検討され、議論を重ねていただく必要があるものと考えてございます。

森田委員 ありがとうございます。

 こちらの対応については、これをすることによって需要を掘り起こすという面もあろうかなと思っております。新潟近県にとどまらず、日本の流通を大きく変えることにもなると思っておりますので、ぜひ国交省としても御検討をお願いできればなと思っております。

 それから、これに関係してなんですけれども、海上コンテナが、やはり普通の今鉄道で使われているコンテナから比べますとサイズが大きいということで、二十フィート、四十フィートあると思うんですけれども、これが、貨物鉄道の側の対応で、少し床の低い貨車を取り入れることなどをしていただいておりまして、海上コンテナについても輸送ができるということがあるというふうに伺っております。ただ、新潟に至るまでは、群馬と新潟の境には、非常に高い三国峠を貫く清水トンネルだったでしょうか、そういったこともございまして、いろいろな制約があるのではないかなと思っております。

 海上コンテナを輸送する際に、上越線が新潟の国境を越えられるかどうかというところをお聞かせいただければと思います。

寺田政府参考人 お答えを申し上げます。

 鉄道貨物輸送へのモーダルシフトを推進していくに際しましては、トンネルの高さの制約によりまして、背高の海上コンテナの輸送を行うことのできない区間、これを解消することが一つの課題となってございます。

 JR貨物におきましては、こうした区間においても背高海上コンテナの輸送を可能とすることを目的として、新たな低床貨車、床の低い、先ほど委員の御指摘のありました低床貨車の開発に取り組んできておりますが、低床貨車の運行の安全性を確保するためには、さらなる技術的な検討が必要であるというふうに聞いてございます。

 したがいまして、現時点では、先ほど委員の御指摘のございましたルートにおきまして、低床貨車を用いて実際に貨物鉄道輸送を行うという、これの実用化のめどは立っておりませんけれども、JR貨物におきましては引き続き検討を行っていくこととしているものと承知をしております。

森田委員 ありがとうございました。

 多分そういうことなんだろうなと思いますけれども、ぜひ、いろいろな技術、あるいはトンネル側の対応もあろうかなと思いますけれども、先ほど申し上げたとおり、今、北関東をずっと取り巻く道路網ができておりまして、そういった意味では、埼玉県だとか群馬県から日本海側に抜けていくというルートは非常に大きな意味を持っていくというふうに思っております。

 現状ではそういうことだということは理解をいたしましたけれども、引き続き、これは国の流通網を支える動脈になり得る、海上コンテナを含めた動脈になり得るルートだと思っておりますので、ぜひこのあたりも力を入れて御支援をいただければなというふうに思っております。

 続きまして、ラグビーのワールドカップについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 こちら、この前、六月の一日だったんですけれども、熊谷市の準備委員会がございまして、平成三十年度の第一回のラグビーワールドカップの準備委員会というのがございまして、私、きょうはおそろいのネクタイをしてきたんですけれども、県と市でこういった啓発のためのグッズもつくったりしながら、今、来るべき来年に向けての、一生懸命いろいろ取組を進めていこうということで、PRだとか、いろいろな対応を含めて進めているという状況でございます。

 こちら、十二会場あるわけでございますけれども、私のいる熊谷は、その中でも、キャパシティーという面でも、あるいは都市の規模という面でも、小さい部類に入ってくるんだろうなというふうに思っております。

 これが、会場によっていろいろな事情があると思いますけれども、東京であったり横浜であったり札幌であったりとか、あるいはほかにも大きなところはありますけれども、ふだんから大きなイベントをされているというところについては、輸送の面であったり宿泊の面であったり、こういった都市としての機能を考えても、特にラグビーのワールドカップが来たからどうのということはもしかしたらないのかもしれませんけれども、熊谷の場合には、首都圏の中に一応あるとはいいながらも、東京からは七十キロございますし、なかなか宿泊施設等も限られているという状況でございまして、どうやって、来るお客さまを適切におもてなしをし、ちゃんとお帰りいただくかということを、これからいろいろな立場を超えて取り組んでいかなければいけないなというふうな段階でございます。

 そこで、帰りの足のことについて大きな心配をしております。熊谷で行われる三試合でございますけれども、第一試合目が九月の二十四日にありますけれども、試合開始の時間が十九時十五分という時間でございます。

 こういった夜に試合が行われるというケースが、ほかの試合のスケジュールを拝見しても、夜に試合をやるということがございますけれども、例えば、近隣の、宿泊施設がたくさんあるような都市に向けての交通の足が、終電がなくなってしまって確保できないといったようなことがあるかどうか、また、そういった場合にどんな対応が考えられるかということをお伺いさせていただきます。御答弁お願いします。

寺田政府参考人 お答えをいたします。

 ラグビーワールドカップの競技時間の設定、あるいは観客輸送に係る調整につきましては、一義的には、ラグビーワールドカップ二〇一九の組織委員会において対応されるものでございます。

 組織委員会によりますと、鉄道による観客輸送につきまして、例えば先ほど御指摘のありました終電の問題でございますが、必要があれば、終電の延長などに関して鉄道事業者に協力を要請する可能性があるということでございます。今後のチケットの販売動向なども踏まえまして具体的な対応が検討されることになるものと承知をしております。

 国土交通省といたしましても、観客に対して円滑な鉄道輸送サービスが提供されるように、必要に応じて助言あるいは指導を行ってまいりたいと考えてございます。

森田委員 ありがとうございます。

 重ねての質問なんですけれども、今、終電が終わった後のお話をさせていただきましたが、同じような問題が昼間にも起こり得るなと思っております。

 例えば平日の、本来であれば、余り運行本数が多くないとか、電車の両数が限られている、車両の数が限られているというような運行をしているような時間帯もあろうかなと思いますけれども、この昼間のことについてはいかがでしょうか。

寺田政府参考人 委員御指摘のとおり、ラグビーワールドカップのように大規模なイベントの実施時には、夜間だけではなくて昼間につきましても、適切に輸送手段を確保することが重要であるというふうに考えてございます。

 組織委員会によりますと、夜間輸送の場合と同様に、必要があれば、昼間の増便などに関しまして鉄道事業者に協力を要請する可能性があるとのことでございまして、同様でございますが、今後のチケットの販売動向などを踏まえて具体的な対応が検討されることになるというふうに承知をしております。

 また、国土交通省といたしましても、夜間だけではなくて昼間についても、観客に対して円滑な輸送サービスが提供されるように、必要に応じて助言、指導を行ってまいりたいと考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 今のところ、聞いているお話ですと、もちろん熊谷市が中心となっているんですけれども、そこに組織委員会があり、JRがあり。組織委員会に言うと、それは地元でいろいろ対策は考えるのが第一義的でしょうと。その地元で、例えばJRにお話をさせていただくと、熊谷というところが、JR東日本でいうと高崎支社なんですね。高崎支社の営業の範囲というのが大宮の手前の宮原駅までなものですから、そこから先は責任は持てませんとは言われていないらしいですけれども、新幹線までいくとなると、例えば、なかなか高崎支社だけでは手に負えないとか、そういう問題が出てきているというふうに聞いております。

 夜、行われる試合の組合せを見てみますと、ロシアとヨーロッパ・オセアニアプレーオフの勝者ということで、いずれにしても、海外から時間をかけてごらんになられるという方が非常に多いのではないかなと思っております。

 今の試算ですと、およそ半分ぐらいは、電車を使って、鉄道を使って行き来をするだろうという試算がございまして、そういった意味では、例えば、海外から来たお客様が鉄道を使うというと、ジャパン・レール・パスを使って、新幹線も当然のことながら使うということがあります。

 それで、新幹線のダイヤを見てみますと、熊谷から東京に戻る今一番遅い列車が、二十二時二十八分、「たにがわ」四一六号というのがありまして、これが今一番遅い時間帯になっています。

 これに乗るためにはどういう現場の対応が必要かというと、十時には会場を出発しなくちゃいけないということがございまして、はい、試合が終わりました、はい、すぐ帰ってくださいというふうにできればいいですけれども、熊谷の会場でも、今、常設で二万四千人のお客様でいらっしゃいますし、そこに仮設が入るということでございますので、こういった数のお客様を適切に、円滑に、きちんとお帰りいただくためには、ほれ、帰れといって追い出すようなことにはなかなかいかないということ。

 よくよく時刻表を見てみますと、その後に三本、新幹線があります。ただ、今、これは通過しています。「はくたか」、これは各駅ではないんですけれども小まめにとまるタイプ、金沢発ですけれども、これがあるのと、「かがやき」、これは速達タイプですからほとんどとまらないので、なかなか難しいだろう。それから、「とき」、これもほぼ各駅にとまる、これは新潟からの便ですけれども。この計三本が新幹線では走っているのに、十時二十八分に出てしまった後は、熊谷駅から乗れる電車はない、新幹線はないということになってしまいます。

 ぜひ、こういった、今、ラグビーのワールドカップのチラシというかポスターを見ますと、四年に一回じゃない、ここでやれるのは一生に一度なんだよ、そういうスローガンを使ってやっているわけですから、これは組織委員会の仕事ですとか、いや、ここから先はJRですとかと言っていると、その譲り合いをしているうちにもう来年が来てしまうということになりかねないなと思っております。

 私も、ダイヤの調整には非常に手間暇がかかるというのは承知をしております。ただ、やはり、四年に一回あるラグビーワールドカップということだけではなくて、例えば同じような問題がオリンピック、パラリンピックを行ったときにも起こらないとも限らないというふうに私は思っておりますので、こういった国を挙げてのイベントでお客様をどのようにおもてなしができるか、きちんとお帰りいただけるかということを、これはこの問題に限らず考えていただければなというふうに思っておりますので、ぜひ国の立場としても力を入れた対応をお願いできればなというふうに思っております。

 それから、続きまして、そのワールドカップ関連なんですけれども、今、熊谷で使うスポーツ文化公園という、これは県の公園でございますけれども、国交省の方でも大分大きな予算をこのワールドカップ関連も含めてつけていただきまして、おかげさまで八月ぐらいにはその改修が終わるという段取りになっております。

 ただ、開催地そのもの、スタジアムそのものばかりではなくて、例えばキャンプで使うその周辺の公園等々を含めて、例えば熊谷の場合ですと、さくら運動公園という近くの陸上競技場をキャンプ地として使っていただくというようなことで、いろいろ改修をしたりなんだりということで、これはtotoのお金を使ってやろうというようなことを考えているというふうに聞いておりますけれども。

 いずれにしても、いろいろな、これからまた日程が近くなってきますと、実はこういうのがもうちょっと必要だったみたいな話が出てこないとも限らないということでございますので、更に必要な支援が出てくるんじゃないかなと思っております。このあたりについてのお考えをお聞かせいただければと思います。

藤江政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇一九年ラグビーワールドカップまであと一年強ということでございまして、組織委員会を中心に本格的な準備作業が行われておりまして、その中で、政府といたしましても、その支援のために必要となる予算上、税制上の措置、あるいは地方財政措置及び機運醸成等に取り組んでいるところでございます。

 委員御指摘の会場につきましても、全国十二開催都市にあります試合会場につきましては、既に、スポーツ振興くじ、totoの助成金ですとか、国土交通省の社会資本整備総合交付金等を通じて必要な財政支援を行ってきたところでございます。

 また、公認チームキャンプ地等の施設整備につきましては、昨年度から、開催自治体等が実施する、海外から来日する選手たちの歓迎イベント等の地域交流の取組に対して特別交付税措置を講じておりますほか、施設改修につきましても地方債措置を講じているところでございます。

 開催準備につきましては、基本的には組織委員会と開催自治体において取り組むべきものではございますが、スポーツ庁といたしましても、今後とも、大会の成功に向けて、組織委員会を始め関係自治体と一体となり、オール・ジャパンで着実な準備に努めてまいりたいというふうに考えております。

森田委員 ありがとうございました。

 続いて、せっかく来ていただくお客様を周辺の観光地にどうやって誘導していくかということについてのお考えをお聞かせいただければと思います。

瓦林政府参考人 お答え申し上げます。

 観光庁におきましては、訪日外国人旅行者数の目標でございます二〇二〇年四千万人、さらには二〇三〇年六千万人を実現していく中で、来年のラグビーワールドカップは、特にラグビー人気の高い欧州を中心とした各国のメディアや消費者の注目を高めるチャンスとして、最大限活用していかなければならないというふうに考えております。

 委員御指摘のとおり、海外へ地方の魅力を効果的にアピールしていく上では、開催都市のみならず、周辺観光地も含め、旅行者目線でいかに観光ルートとして楽しめるか、これを情報発信していくことが重要でありまして、観光庁及びJNTOでは、大会組織委員会、関係自治体、各地のDMO等と密接に連携しながら準備を進めているところでございます。

 その一環として、例えば、観光庁におきましては、昨年十一月に、イギリス・ロンドンで開催されましたワールドカップの公式旅行代理店向けの商品造成説明会に参加いたしまして、開催自治体と合同でブースを出展しまして、それぞれの魅力を直接伝える取組を行っております。

 また、JNTOにおきましては、今回の大会のための特設ホームページを開設いたしまして、周辺地域を含めた観光情報やモデルルートの紹介を開始しております。

 今後、各開催都市周辺の外国人旅行者受入れ体制の充実も支援しながら、引き続き戦略的な情報発信に努めまして、大会観戦者が広く周辺地域を周遊することで開催効果が広域に広がるよう、取り組んでまいります。

森田委員 ありがとうございました。

 熊谷の旧妻沼町の地区には、例えば聖天様なんという国宝があったりとか、あるいは、周辺のところを考えても、先日、梶山大臣にも行田の足袋蔵を訪問していただいたというようなことも聞いております。あるいは、熊谷ですと、秩父沿線とのつながりも深いものですから、三峯神社であったり、長瀞の川下り、あるいはSLであったり、いろいろなものがございますので、この時代ですから、SNSとの連携、あるいはいろいろなアプリとの連携も含めての御対応をぜひお願いできればなと思っております。

 最後に、全体的な地方自治を支援していく取組について、お伺いをさせていただきます。

 まず、自治体からの提案募集方式について、お伺いをさせていただきます。

 これについては、こちらから、国からどうのということではなくて、自治体のいろいろなアイデアを募集して、出してもらって、それを取り上げていくということなわけでございますけれども、この提案募集方式、これまでどんな実績が上がっているか、お聞かせいただきたいと思います。

大村政府参考人 お答え申し上げます。

 地方分権改革につきましては、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる地方分権改革を目指しまして、平成二十六年から提案募集方式を導入しているところでございます。

 具体的には、各自治体等から受け付けた提案につきまして、内閣府が実現に向けて関係府省と調整を行いまして、年末までに、地方分権改革推進本部の決定及び閣議決定を行いますとともに、その中で法律の改正により措置すべき事項につきましては、所要の一括法案等を国会に提出することを基本といたしております。

 平成二十九年につきましては、三百十一件の提案を全国からいただいておりまして、地方創生や人づくり、災害対策関係を始めとして、住民生活に直結する多くの課題について、きめ細かくその解決を図ったところでございます。

 具体的には、例えば事務、権限の移譲でありますれば、認定こども園の認定等に関する事務、権限につきまして、既に中核市が権限を持っている幼保連携型以外の認定こども園におきましても、都道府県から中核市への移譲を行ったこと、また、毒物又は劇物の原体の事業者の登録等に関する事務、権限を国から都道府県に移譲する、こういったものを法案に盛り込んでおります。

 また、義務づけ、枠づけの見直しでありますれば、災害関係で、被災都道府県からの応援の求めを受けた都道府県が、区域内の市町村に対して、被災市町村への応援を求めることができることの明確化、こういったことを今国会に提出している第八次地方分権一括法案に盛り込んでいるところでございます。

 今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立ちまして、地方分権改革を着実かつ強力に推進してまいりたいと考えております。

森田委員 ありがとうございます。

 ちょうど提案理由の説明がこの後あるということでございますけれども、いずれにしても、こちらから、こちらがその下書きを書いて、それをなぞってもらうということではなくて、やはり、先ほど来申し上げているとおり、自主的な取組、いろいろなアイデアを生かして地域を盛り上げていただくというのが本来のあるべき姿ではないかなと思っております。

 そこで、梶山大臣にお尋ねをさせていただきたいと思うんですが、こういったいろいろな取組、いろいろなアイデアを持っている自治体を、これから政府としてどのように支援をしていくお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

梶山国務大臣 地方創生に取り組む地方公共団体に対しましては、これまでも、情報、そして人材、財政面で支援をしてきたところであります。

 具体的に言えば、情報支援は、地域経済に関する官民のビッグデータをわかりやすく見える化した地域経済分析システム、RESASの提供、そして、そのほかにも、問合せがあればしっかりと応えていくということであります。

 また、人材支援につきましては、地方創生に積極的に取り組む市町村に対して、国家公務員を始めとする、在野の方も含めて、派遣をする、要望のあるような人材を派遣するという制度であるとか、また、eラーニング等を通じて事業展開に必要な人材の育成を手伝っていくということもございます。

 またさらに、財政支援は、地方創生推進交付金や地方創生応援税制による支援ということで取り組んでまいりました。

 申請をいただくというよりも、その前に前広に相談をいただく、そして、そういった相談に丁寧にまた対応するということも含めてやらせていただきたいと思いますし、四年目になりまして、しっかりとそれぞれの制度が根づいていくように、また、基本的なメニューを出しているだけですから、あとはそれぞれの工夫で地域独特の味つけをしてもらう政策が出てきてもいいのではないかと思っているところであります。

森田委員 ありがとうございます。

 いろいろ細かいメニューを出して、あるいは細かいメニューを出してもらってやるというのは、大きな自治体にとってはいろいろな手間暇かけられる余裕があるかもしれませんけれども、なかなか先ほどのような小さい町とか村にこういった、そもそも、その制度に応募してもらうとか相談してもらうとかというと、何か大きなハードルを二つも三つも越えなくちゃいけないというような、そういう感覚も恐らくあるんじゃないかなと思っております。

 どちらかというと、幅広い枠を用意しておいてもらって、その間でやってもらっていいんだよというようなことを、自由度を高く持っていただくような、そんな仕組みづくりをこれからしていくべきかなというふうに思っておりますので、ぜひこれは、より地域が輝く日本に向けて、私も一生懸命、一緒に頑張らせていただければと思っておりまして、きょうはそのような議論を進めさせていただきました。

 ということで、時間が参りましたので、私の質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、大串博志君。

大串(博)委員 おはようございます。無所属の会の大串博志です。

 早速質問に入らせていただきます。

 大臣、どうぞひとつよろしくお願いします。

 まず冒頭、国家戦略特区、加計学園の問題なんですけれども、私、もうこれは何度も国会でも安倍総理にも取り上げさせていただいておりますけれども、極めて遺憾な状況だなと私自身は思っています。

 特に、先般、加計学園の事務局長さんが愛媛県に行かれて、総理と加計理事長が二〇一五年の二月に会って話をして、安倍総理からかくかくしかじか言われてということを加計学園の事務局長さんが愛媛県庁等々に報告したというのは、私のある意味虚偽の説明でしたということを愛媛県庁にも言いに行かれて、非常に行政側は困惑しているという状況ですね。

 愛媛県が公開した文書を見ると、到底、加計学園の方が、安倍総理と加計理事長が会ったというところだけは、私、虚偽の説明をしました、あとはそうでもありません、こういうふうに言われているんだけれども、愛媛県が出している文書を見ると、その加計学園の理事長と安倍総理が会ったというところだけが虚偽であったとすると、到底つじつまが合わない記述がたくさん愛媛県の文書にはある。愛媛県知事さんは、愛媛の行政職員は何らうそをつく必要はないわけであって、政府は正直にしゃべってくれればいいんじゃないか、こういうふうに言っている。

 誰がどこからどう見ても、何か、一体何がどうなっているんだ、こういう状況になっているわけでございますね。しかも、それが国家戦略特区という鳴り物入りの制度を使って進められている獣医学部に関する問題であるという状況なんですね。

 梶山担当大臣は国家戦略の担当でいらっしゃいますけれども、今の、国家戦略特区を使って認められた愛媛県今治市における獣医学部のこの状況、国家戦略特区の実施状況として正常だと思われますか。

梶山国務大臣 まず、愛媛県の文書に関してのやりとりでありますけれども、加計学園のコメントについては、加計学園と愛媛県、今治市の当事者間の問題でありますので、政府としてはコメントすることは控えたいと思っております。

 また、その上で、この手続等について、国家戦略特区に関してお話がありましたけれども、行政プロセスにおいて申し上げますと、国家戦略特区のプロセスは民間有識者が主導して進められますけれども、八田座長を始め民間有識者の皆さんは、一点の曇りもないと繰り返し述べられている。さらにまた、さきの参考人質疑においてもそういう旨の発言をされて、誰からも指示をされていないということでありますので、影響を与えたことは一切ないと思っております。

大串(博)委員 その答弁は、私も安倍総理からも何度も委員会でも聞きました。

 私が今お問合せしているのはその問題ではなくて、その後に、八田座長は一点の曇りもないというプロセスの中で決められた、それは受けとめさせていただきます。その上で、しかし、その後出てきた状況を見ると、今、事業が進められているわけですよね、国家戦略特区を使った事業が進められている。恐らく、梶山担当大臣としては、国家戦略特区という制度を使って行われている事業がその後もその本旨に従ってきちんと進められていくということは見届けられる立場にあられるのであろうというふうに私は思っているわけです。あとは知りませんよということではないんだと私は思っております。

 であるとすると、今、愛媛県からあのような文書が出て、安倍総理と加計学園理事長は会ったのかという国民の皆さんの注目が集まって、それに対して、加計学園の事務局長さんが愛媛県に行って、安倍総理と加計理事長が会ったというところに関しては私は虚偽の説明をしましたと言っている。愛媛県は、到底それはどうも受け入れられない、こういうふうに言っている。肝心の地方公共団体と事業者がこれだけ食い違った説明をし、どうも何となくどうなっているのかなという感じがするという状況に関して、国家戦略特区の事業の進捗状況として今の状況は正常ですかということをお尋ねしているんです。

梶山国務大臣 この獣医学部の件に関してということでありますか、聞き直して申しわけございませんけれども。

 しっかりとしたプロセスを踏んでいると思いますし、先ほど申しましたように、加計学園と愛媛県、今治市との間の、当事者間のことについてはコメントを差し控えさせていただくということで、当事者間の話合いだと思っております。

大串(博)委員 お尋ねしますけれども、国家戦略特区は、一回走り出すと、後で自治体と事業者の間で何があろうとも当事者間のことであって、担当大臣としてはあずかり知らぬという答弁ですか。

梶山国務大臣 規制改革のテーマについて提案があったわけであります。それ以前にも新潟県から提案があった、そしてそれ以降には京都からも提案があったということでありまして、そのテーマについて取り上げたということでありまして、この件につきましては適正なプロセスを経ていると思っております。

大串(博)委員 質問に答えてください。

 決まるまでのプロセスが適当であったか、適切であったかという議論はまた別とします。別途させていただきます。

 決まった後に、今生じている、愛媛県が出している文書に対して、加計学園の事務局長さんが、安倍総理と加計学園の理事長さんが会ったというのに関しては虚偽の説明をしましたということを言ったものだから、愛媛県側は、どうも納得いかぬなという感じになっている。見た感じ、自治体という重要なプレーヤーと事業主体という重要なプレーヤーの言っていることが違う。この状況を、国家戦略特区が行われているという現下の状況で、梶山大臣は国家戦略特区の進捗状況を見きわめる責任が私はあられると思うから聞いているんです。

 その意味からすると、今のいろいろなことが起こっている状況は、今の現状は正常な状況ですか、国家戦略特区の事業として正常ですかということなんです。それとも、同じようなことが今後も起こってもいい、そういう担当大臣としての御認識ですか、いかがですか。

梶山国務大臣 繰り返しになりますけれども、愛媛県と加計、愛媛県、今治市と加計学園の間のやりとりに関してはコメントする立場にないということですが、その上で申し上げれば、今治市の市長は、前を向いて進めなければならない、また、学園には真摯に信頼回復に努めていただくとともに、愛媛県とも連携して大学のこれからの取組をしっかりと見守ってまいりたい旨のコメントをしていると承知をしております。

 この加計問題について、いろいろな誤解が生じていることというのは私も承知をしております。誤解を招くようなこともあったということは、総理も答弁をしているとおりであります。

 ですから、その後のものに関しては、誤解を招かないような、訂正する、訂正というか、手続の中でより明確にすべき点は明確にしていくという方針で今取り組んでいるところであります。

大串(博)委員 今おっしゃった誤解、あるいは誤解を招くようなこととは、確認させてください、何ですか。

梶山国務大臣 一連の中で、加計学園の理事長と総理が友人関係であるということ、これは事実でありますけれども、その中で、食事をする、ゴルフをするというようなことが誤解を招きかねないことであったということは、総理もおっしゃっているとおりであります。

大串(博)委員 やはり、国家戦略特区というのは、規制をドリルの刃で穴をあけていこう、岩盤規制をなくしていこう、こういうことですね。これは、裏を返せば、一定の人に岩盤規制がかからないという、かなりのメリットがある意味で生じるということになる。極めて私は重要な意思決定になると思うんですね。

 それで、安倍総理が、誤解を招くようなことをしてはいけなかった、李下に冠を正す、こういうふうにおっしゃっておられましたね。

 そこで、お尋ねしたいんですけれども、私も安倍総理にも国会で質疑しましたけれども、加計学園の理事長さんと安倍総理は腹心の友、何十年のお友達ですね、認められていました。近年、食事もゴルフも十九回に及んでやっていらっしゃった。かつ、私も国会で答弁、言質をいただきましたけれども、食事に関しては支払いを受けていたこともあったということも認められていらっしゃいます。これはやはり国家戦略特区の議長たる総理大臣の態度としては極めて問題があったというふうに私は思いますが、極めて大きな問題があったと梶山大臣は思われませんか。

梶山国務大臣 直接の利害関係ではないという認識でおります。

 そういった中で、友人関係の飲食、ゴルフ等について、やはり誤解を招かないようにしなければならないというのが総理の答弁でありますけれども、そういうことであろうかと思います。

大串(博)委員 安倍総理は、国会の中で、不適切じゃないですかと聞かれて、今、直接の利害関係というふうに言われましたけれども、安倍総理は言われていますね、特区諮問会議の運営規定がどうなっているかということになりますので、運営規定に定める直接の利害関係について、これは、みずからが経営していたり役員となっている会社が特区の事業認定を受ける場合などを想定したものであり、単に交友関係がある場合や本人以外の親族が経営等にかかわっているだけでは直接の利害関係があることにはならないと考えております、こういうふうに言われていますね。

 これは、役所の答弁を読んでいらっしゃるように見られましたから、恐らく役所としての公定的なスタンスですね。今、うなずいていらっしゃるから。

 すなわち、運営規則の第四条の四、会議は、その決定するところにより、会議に付議された事項について直接の利害関係を有する議員を、審議及び議決に参加させないことができる、こういうふうにあります。

 直接の利害関係は今申したとおりだということであるとすると、例えば、今後も、梶山大臣、仮に議員の一人が、総理じゃなくてもいいんですよ、大臣あるいは民間議員でもいいです、上がってきた、今かけられている案件、議論がなされている案件に関して、そこに入っていらっしゃる事業者と友人である、しかも、それが明らかになっている。その議員の方が食事もされている、その議員の方がその事業者から食事をごちそうにもなっている、それがわかっている中で、その議員の方は、この運営規則に照らすと、そのまま国家戦略特区諮問会議のその案件に関して議員として意見を述べ、議を決するということはあっていいんですか。

梶山国務大臣 今回の件を受けて、誤解を招く可能性があるということであれば、そういう判断をされる、議員ということで、民間議員の議員ですね、議員であれば、そういうことで辞退される場合もあるかと思っております。

大串(博)委員 非常に重要な答弁ですね。議員であれば、そういう場合は辞退されることもあり得ると。

 議長である総理大臣は、なぜ辞退しなくていいんですか。

梶山国務大臣 参画しようとする議案との関係で御自身が利害関係になり得るおそれがあると判断された場合は、議員御自身から申出をいただき、審議、議決から外れていただくこととしており、現にそういった実績もありますけれども、議員に限らず議長も、今後はそういうことであると思っております。

大串(博)委員 そうすると、今回のような場合、すなわち、長年の友人、食事もゴルフもしていた、食事に関しては支払いも受けていたような場合には、この運営規則によると、審議、議決に参加しないということであるべきなのがこの運営規則の読み方、そういうことですか。

梶山国務大臣 あるべきというよりも、議員の御判断でということであります。議員、当事者の判断でということであります。

大串(博)委員 当事者の判断なんですけれども、運営規則にはそう書いてますね。この運営規則が準則となって、勝手に判断してくださいじゃないんですよ、この運営規則にこういうふうに書いてあるから。しかも、させないことができるですよ。本人が、私、引きますじゃなくて、諮問会議として参加させないことができるという、極めて、決まりとしてあるわけですよ。

 今回のような、事業者から食事の提供も受けているような場合、しかも、深い友人である。普通の議員さんなら、参加しない、参加させないというのが私は通常だと思います。そういうスタンダードではないんですか。

梶山国務大臣 先ほど申しましたように、会議の規則におきましては、直接の利害関係ということで今までやってまいりました。みずからが経営したり役員となっている会社が特区の事業認定を受ける場合などを想定しており、単なる交友関係は本運営規則に言う直接の利害関係に相当しないということでありましたけれども、先ほどありましたように、そのおそれがあるときには、本人の申出により、それを辞退する場合もあり得るということであります。

大串(博)委員 ですから聞いているんです。

 この運営規則に照らせば、今回のように、長年の友人である、食事もゴルフもたくさんしている、食事は払われているというような場合には、この規定を前提とすると、参加させないという判断になるのが通例、通常あるべき姿というふうに考えるべきじゃないんですか。大臣の見解をお尋ねしているんです。

梶山国務大臣 これは当人の判断ということでありまして、友人関係全てがだめだということでは私はないと思っております。

 飲食に関しましても、特別この件に関して依頼があるとか、それはもう論外でありますけれども、今までの友人の関係であれば、その範囲を出ていないということであれば、委員の判断ということであろうかと思います。

大串(博)委員 そうすると、運営規則の決まり上は、今後も今回のように、ある議員さんのお友達が事業者さんで、その事業者さんからこの議員さんは、ゴルフをし、食事をし、食事はごちそうにもなっている、そういう場合でも、その議員さんは会議の中にとどまってもいいと。それが国家戦略特区というものなんですか、いかがですか。

梶山国務大臣 これは、辞退をされた方もおいでになりますし、今回の議論の中で、疑いを受けないようにしなければならないという答弁もありますし、そういったものが一つ一つの積み重ねとなって議員の判断になっていくものだと思っております。

大串(博)委員 これまで、辞退をされた議員さんもいらっしゃった。そういうレベル感から考えると、安倍総理の今回の立場、関係も、議決には加わらない、審議には入らない方がよかったというものであったという御判断ですか。

梶山国務大臣 これもその判断だと思いますけれども、先ほどの繰り返しになりますけれども、直接の利害関係は、みずからが経営している、役員となっている会社が特区の事業認定を受ける場合などを想定しているということでありまして、友人関係の程度問題というか、その事象を知っているかどうかということも含めて、事案を知っているかということも含めて、そういったことでの判断であろうかと思います。

大串(博)委員 国家戦略特区、今回、非常に私、制度として信頼感を国民から失墜した面があると思うんです。残念なことです。いい制度だと私は思うんですけれどもね。

 そういう観点からすると、担当大臣としては、私、この運営規則の四条の四の直接の利害関係を有するというところはもう少し精緻に決められた方がいいと思うんですよ。また同じような問題が起こったときに、本人の判断でなんてなると、国家戦略特区って非常に何となく疑わしいものだなという国民の皆さんの疑念がつきまといますよ。私は、ぜひこれは、もう少し絞るという意味で、変えられたらいいんじゃないかなというふうにあえて申し上げさせていただきたいと思います。

 最後に、簗政務官、ごめんなさいね、来てもらっていて。一つだけ聞かせてください、カジノ。

 今、内閣委員会でも議論していますけれども、地方振興に役立つんだと安倍総理はおっしゃっている。本当かなと思うんですよ。

 三カ所認めるとなっていますよね。三カ所をいつか決めるわけですよね、どこか。決められた結果、見てみたところが、結局、地方と聞いていた語感とは全然違う、大都市部に集中していたなというようなことにはなりませんか。本当に言葉どおり、地方にメリットが及ぶんだなというような参加者の選定も含めた結果になりますか。簗政務官の御答弁をお願いしたいと思います。

簗大臣政務官 お答えをいたします。

 IR整備法案における特定複合観光施設、いわゆるIRは、カジノ施設のみならず、国際会議場施設、展示施設、魅力増進施設、送客機能施設、宿泊施設等のさまざまな誘客施設が一体となった総合的なリゾート施設でございます。

 我が国の日本型IRにおいては、日本各地に存在している豊かな自然、固有の歴史、文化、伝統、食などの魅力を生かしつつ、これらを更に磨き上げ、IR施設全体としてこれまでにないスケールとクオリティーで魅力を発信することで、これまでの他国のIRにはない独自性と高い国際競争力を有し、幅広く世界じゅうの観光客を引きつけることを目指しております。

 ここからですけれども、このIR区域への来訪客に日本各地の魅力を発信して、かつチケット手配などを通じて全国各地に送り出す送客機能を持たせることによって、IRが世界と日本の各地とをつなぐ交流のハブとなり、観光や地域振興、雇用創出に大きな効果が見込まれ、日本全体の経済成長につながるものと考えております。

大串(博)委員 ちょっと私が求めていた答弁とは違うんですけれども、三カ所、これは私たちは法案として通すべきでないと思っています、でも、通った後、三カ所選んでみたら、結局、大都市中心ばかりだったというふうにならないように、ぜひくぎを刺させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 以上です。終わります。

渡辺委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 まず、国家戦略特区についてお伺いします。

 一般論で大臣にお伺いしますが、うそで行政機関を欺くような事業者は国家戦略特区の事業者として不適格なんじゃないですか。

梶山国務大臣 加計学園のことということで……(宮本(徹)委員「一般論でお伺いします」と呼ぶ)一般論ということですね。

 その申請書にうそがあったり、また、そういう国が受け取った文書等について虚偽があった場合には、そういうことになろうかと思います。

宮本(徹)委員 申請書じゃない部分でうそをつくことは国としては構わない、行政機関をうそで欺くところも事業者として構わないということですね、今の答弁は。

梶山国務大臣 うそであるかどうかは当事者間の話でありまして、当事者間の中でしっかりやりとりをしていただきたいと思っております。

宮本(徹)委員 私はそういうことを聞いているわけじゃない。うそであるかどうかを今判断しろと、質問で今求めているわけじゃないんですよね。うそをついている事業者、行政機関に対してうそをついている事業者は国家戦略特区の事業者としてふさわしいのか、ふさわしくないのか、これをお伺いしているんです。

梶山国務大臣 先ほど来申し上げますように、申請書の中に虚偽の事項等があれば、それはふさわしくないと思っております。

宮本(徹)委員 では、もう一度確認しますが、申請書以外のところでうそをつくことは構わないということなんですか、今の答弁は。

梶山国務大臣 うそについてどのように断定しているのかということにもあろうかと思います。

宮本(徹)委員 では、うそかどうかの評価は次にまた議論したいと思いますけれども、そうじゃなくて、まず、一般論として、原則として、国家戦略特区、国のこの制度を使って事業をなし遂げようという人が行政機関に平気でうそをつく、そういう事業者が国家戦略特区の事業者としてふさわしい、おとがめなしということだったら、ずっと幾らでもうそをついていいという話になるわけですよ。

 申請書に虚偽があるかどうかだけじゃないです。申請書じゃないところも含めて、行政機関をうそで欺くようなところはふさわしくない。当たり前じゃないですか。

梶山国務大臣 どこでうそをついたかどうかということも含めて、その中で、過去にうそをついたことがあるとかそういうことだけで、風評だけで判断することはできないと思っています。

宮本(徹)委員 過去にうそをついたことがあるとかなんとかじゃなくて、みずからがうそをついているというふうに言っている場合も例としてあるわけですよ。

 うそをつくような事業者、しかも行政機関に対してうそを平気でつくような事業者はふさわしくないとなぜ言えないんですか。

梶山国務大臣 一般論とお話がありましたから、直接のうそか風評のうそかということも含めて、それはなかなか判断しかねるということであります。

宮本(徹)委員 いや、間接のうそか直接のうそかって、言っている意味がよくわからないんですけれども、うそをついて行政機関を欺く事業者は国家戦略特区の事業者としてふさわしいのかどうかと、物すごい当たり前の原則的な話を私は聞いているわけですよ。これをだめと言えなかったら大変なことになりますよ。

梶山国務大臣 何をもってうそであるということなのか、少しわかりませんけれども、当事者間でしっかり、うそか本当かということ、それとも誤解に基づくものなのかということを議論していただきたいと思っています。

宮本(徹)委員 私は一般論として聞いているのに、全然、逃げ回って答弁をしようとしない。

 大体、うそをついて、行政機関をだまして国家戦略特区で事業を進めるなんてあり得ない話じゃないですか。それがだめだということすら一般論として言えなかったら、これからは幾らでも行政機関を欺いて進めてくださいよと言っているに等しいですよ。だめならだめと言ってくださいよ。

梶山国務大臣 ですから、直接行政機関に対して申請をしたり虚偽の申出をした場合には、それはまた別だということを申し上げているわけであります。

宮本(徹)委員 ですから、申請の書類にうそがなくても、それ以外の場でうそをつくというのをやっている場合というのはいろいろあるわけでしょう。

 次に、もう一つのところに行きますけれども、昨日、参議院の予算委員会に対して加計学園から回答が出されました。加計学園が、総理との面談は作り話でしたという話をしております。これこそ、総理のうそに合わせるための作り話ではないかと考えます。

 面談が作り話であるのか、あるいは面談したという作り話こそ作り話なのか。どっちにしても、作り話をした、うそをついた、どっちに転んでもうそなんですよ、この話は。違いますか。

梶山国務大臣 予算委員会に提出した資料ということで聞いておりますけれども、政府としてコメントする立場にございません。

宮本(徹)委員 いや、何で政府としてコメントしないのかわからないんですけれども、政府がだまされたわけですよね。総理官邸で柳瀬首相秘書官がいる場で、加計学園の発言として、総理と加計学園理事長が会食した、その際に下村大臣の発言があったということが記載されています。

 なぜか、加計学園の出している文書は、愛媛県と今治市にだけ謝って、誤解する情報を与えたと書いているんですけれども、不思議ですね、総理官邸でも同じ話をしているんですよ、あの文書を見れば。皆さんも読まれましたよね。同じ話を総理官邸でもしているんですね。総理官邸にも誤った情報を与えたということになるわけです。

 まさに国もうそをつかれた当事者なわけですよ、大臣。違いますか。

梶山国務大臣 先ほどの愛媛文書の、愛媛県と今治市に関するやりとりというものと加計学園に関するやりとりというのは当事者間でやりとりをしていただきたいということでありますし、何をもってうそなのか、総理の御発言もうそと断定をされたわけでありますけれども、それも含めて、何をもってうそとなるのかということであります。

宮本(徹)委員 いや、加計学園の側は、うそをつきましたという文書を出したわけですね。しかし、そのうそをつきましたというのがうその可能性もある。二つに一つなんですよ。加計学園がうその作り話をしたのか、うその作り話をしたというのがうその作り話なのか。二つに一つしかないんですよ、これは。論理的にはそうでしょう。誰がどう考えたって、論理的にはそうなるわけですよ。それは大臣もわかりますよね。

 そうすると、うそをついて行政機関を欺いている事業者ということに加計学園はどっちに転んでもなるということだと私は思います。私は、全くふさわしくないと思いますよ。

梶山国務大臣 先ほどは一般論ということでありましたけれども、今度は個別の話ということでしょうか。(宮本(徹)委員「個別の話」と呼ぶ)個別の話。

 先ほど来申し上げていますとおりに、政府に対しての申請書であるとかそういったところに虚偽がある場合以外はそれに当たらないと思っております。

宮本(徹)委員 私、こういう姿勢は大変問題だと思いますよ。与党の皆さんも、ぜひ問題にしていただきたいと思いますよ。

 こんなことで、国家戦略特区って、うそをついて行政機関を欺いて、どんな話をやってもいいんだ、そういうでたらめな制度だという話になっちゃうじゃないですか。うそだけはだめだと、当たり前のことを大臣が言えるように皆さんからも働きかけをお願いしたいと思います。

 二問目に行きます。

 愛媛県の文書を普通に読めば、二月二十五日の総理と加計理事長の面談を受けて柳瀬総理秘書官が動いて、総理官邸から内閣府に照会があったというのは、普通に読めばそう読めると思います。しかし、総理官邸から内閣府に指示があったということは、この間、政府は認めていません。

 きょう、配付資料で愛媛県の文書をつけておきました。愛媛県の文書を裏面の方、2の方につけてありますけれども、二〇一五年四月二日の藤原次長の発言としてこうあります、「加計学園からは三月二十四日に一度話は聞いている」と。三月二十四日というのは、加計学園が柳瀬総理秘書官に面談した一回目の日です。

 きのうの夜、内閣府の事務方に伺いましたが、三月二十四日に藤原さんは加計学園と会っていないということでした。確かに、愛媛県の文書全体を見ると、そんな感じもします。

 そうすると、加計学園から一度話を聞いているというのは、どういう形で藤原さんは話を聞いたんでしょうか。これは事務方で結構です。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 本件に関連しまして、藤原元次長に三月二十四日周りの経緯、知っていることを確認いたしましたところ、改めてでございますが、昨晩も御説明をさせていただいたとおり、加計学園と三月二十四日にお会いをした事実そのものはない、したがいまして、記録にあるような発言は少なくとも自分の発言としてはないと。

 ちなみに、三月二十四日は柳瀬元秘書官が会っているんじゃないかという議論もこの文書の中ではあるわけでございますが、その文書の中で、柳瀬元秘書官から藤原次長に相談されたい、こういうコメントの記載もありまして、ここから推察するに、藤原元次長はその場若しくはその前後にも、少なくとも柳瀬元秘書官の意識としてはいないという前提になっているのではないかというふうに思います。

 このようなことを考えますと、改めまして、三月二十四日前後、藤原元次長は加計学園とは会っていないということでございまして、それ以上の愛媛県文書の内容については私どもとしてはちょっとコメントする立場にない、こういうことでございます。

宮本(徹)委員 その話はきのうお伺いしたんですよね。ですから、私は、会っていないので、じゃ、どういう形で加計学園から一度話を聞いているのかということをお伺いしているんですね。

 多分、この文書全体を見て私はこういうふうに思うんですけれども、これは、加計学園から直接聞いた、面談して聞いたということじゃなくて、間接的に聞いたという話じゃないかなと思うんですよね。つまり、三月二十四日に加計学園から柳瀬総理秘書官が聞いた話を、柳瀬総理秘書官から藤原さんが聞いたということを意味しているんじゃないですか。違いますか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 四月のころに藤原元次長自身が今治市、愛媛県とお会いして話を聞いているということは、日付を最終的に特定はしてございませんけれども、従来から答弁申し上げているとおりでございまして、その機会に加計学園の同席もあったかもしれないということも、これも本人が認めているところでございます。

 ただ、その前後につきまして改めて確認をしておりますけれども、柳瀬元秘書官が加計学園の方に対して藤原元次長や内閣府が担当であるということを紹介したことはあっても、説明したことはあっても、柳瀬元秘書官から藤原元次長に連絡をしたことはないということでございますし、藤原元次長の方も、柳瀬秘書官から連絡を受けたことはないと。

 同日であったとすれば、午前中、内閣府に来られたときに、午後、官邸で柳瀬元秘書官と会っておられる、文書によればそういうことになるわけでございますが、そのときはもう既に藤原に会っていたということで、柳瀬元秘書官はそもそも藤原に連絡をする必要を感じなかった、このように本人たちから説明と答弁があったというふうに認識をしてございます。

宮本(徹)委員 配付資料のそのすぐ下の段を見てほしいんですけれども、「要請の内容は総理官邸から聞いており、」と書いているわけですよね。柳瀬首相秘書官か柳瀬首相秘書官のおつきの方か、どちらかわからないですけれども、四月二日の面談に先立って、三月二十四日の加計学園から柳瀬総理秘書官への要請の内容を、柳瀬秘書官から聞いたのか、あるいは柳瀬秘書官のおつきの方かわからないですけれども、聞いているんじゃないですか、四月二日の面談に先立って、三月二十四日の加計学園の話の内容を。違いますか。

村上政府参考人 お答えを申し上げます。

 そう言われれば四月二日かもしれないということでありますけれども、その同日、午前中に内閣府、午後、総理秘書官、官邸ということであるとしますと、例の調査で出てきたメールでもそうでありますけれども、午後に官邸にお邪魔することになっているという話は、その日に藤原が聞いているかもしれないということが一つでございます。

 それから、柳瀬元秘書官から、国家戦略特区の事務局が担当である、そちらにきちっと説明をすることは大事であるといったような趣旨の制度の説明は既にしているということでございまして、こういったことが愛媛県側にどういうふうに捉えられてお書きになられたかということではないかと思いますが、その四月のころの前の段階では、いずれにせよ、柳瀬元秘書官から藤原に対して加計学園に関しての連絡は特にないということで両当事者が説明をしているというふうに承知をしてございます。

宮本(徹)委員 私の質問をもう一回聞いてください。

 柳瀬総理秘書官か、あるいは柳瀬総理秘書官のおつきの方か、その近辺の方から、三月二十四日の要請の中身を藤原さんは聞かれているんじゃないですか。答えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 要請の内容は官邸から聞いておりという表現で発言をしているかどうかということにつきまして藤原元次長に確認をしてみましたが、そのような発言はしていないと思いますと。

 ただし、その前の年から特区諮問会議などで民間議員から重点課題とされてきた本件については、六月の成長戦略に盛り込むべく、制度化に向けての課題等を官邸も含め関係者と議論していた時期でございますので、その旨を今治市の方々にお話しした可能性があり、それを県の方が文書の表現のように受け取られたかもしれませんとの回答が本人からございました。

宮本(徹)委員 質問に答えてください。

村上政府参考人 繰り返しになりますが、要請の内容は官邸から聞いておりということでの発言は……(宮本(徹)委員「そんな質問していないでしょうが。何のための審議なんだよ」と呼ぶ)

 申しわけございません。大変恐縮でございます。もう一度ポイントを御教示いただいてもよろしゅうございますでしょうか。

宮本(徹)委員 もう一度質問します。

 三月二十四日に加計学園から柳瀬秘書官にお話があったわけですよね。そのお話の内容を藤原さんは何らかのルートで総理官邸から事前に聞いていたんじゃないですか、四月二日の前に聞いていたんじゃないですかということを聞いているんです。

村上政府参考人 大変失礼いたしました。

 その点につきましては、本人に確認したところ、事前には聞いていないということでございます。

宮本(徹)委員 そうすると、この愛媛県の文書に書いてあることと藤原さんが言っていることは全く違うということになりますね。大臣、愛媛県の文書に書いてあることと藤原さんが言っていることは全く違う。

 愛媛県の文書は非常に一貫した流れで書いてありますよ、この発言一つ、ペーパーでお配りしているところを見ても、確認していただければわかりますけれども。愛媛県の文書が発表されて、この内容を加計学園はお認めになりました。加藤大臣もお認めになりました。ところが、藤原さんは否定し続けているんですよ。

 大臣、おかしいじゃないですか。

梶山国務大臣 先ほど来申し上げておりますが、愛媛県が作成した文書の評価については、政府としてコメントする立場にありません。

 記録作成者は、当然、正確な記録をつくろうと思って誠意を持って取り組まれていると思いますけれども、当事者の双方がそれぞれの発言内容をしっかり確認した記録でない場合には、どうしても、発言の趣旨が発言者の意図と異なる場合に受けとめられて記録されたり、また発言の有無自体も、言った言わないの水かけ論に陥りかねないと思っております。

 そうした観点から申し上げれば、今回の件も、どちらかがうそをついていると断定するような問題ではないと考えております。

 いずれにしても、政府としては、国民の疑念を招くことがないように、正確な文書の信頼性を高める努力をしてまいりたいと考えております。

宮本(徹)委員 愛媛県の文書、一ポツ、二ポツ、三ポツとありますけれども、一ポツ、二ポツ、三ポツと、全く矛盾がないわけですよ。加計学園から三月二十四日に一度話は聞いている、これは多分柳瀬総理秘書官経由の話だろう。その次のポツも、要請の内容は総理官邸から聞いていると同じ内容を繰り返し記してあるわけですよね、藤原審議官の発言として。

 これは、この間、誰がうそをついているのかということになって、愛媛県の文書はうそじゃないということになってからは、加計学園がうそをついていたとか変な話も出てきていますけれども、愛媛県の文書がうそだと言っているのは藤原さんしかいないという状態じゃないですか、今。柳瀬さんも少しそう言っているのかもわからないですけれども。これはおかしいですよ。

 私は、大臣自身が藤原さんに、直接真実を話すべきだと迫っていただきたいと思いますが、いかがですか。

梶山国務大臣 質問があるたびに、事務方で確認をさせていただいて、間違いないかどうかということを私も念押しさせていただいております。

宮本(徹)委員 ですから、事務方じゃなくて、やはりここは政治主導でやらないと、この問題はいつまでたっても終わらないですよ。本当に終わらないと思います。

 大臣は、前山本大臣と違って、この問題の当事者じゃないわけですよね。総理とも違うわけですよ。ですから、客観的な立場で真実を追求できる立場にあると思いますので、ぜひ、大臣自身から、藤原さんを呼び出していただいて、本当のことはどうだったのかと確認していただきたいと思います。最後にこれだけお願いします。

渡辺委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

梶山国務大臣 今までどおりの手法で聞かざるを得ないと思っております。

宮本(徹)委員 それは残念です。

 終わります。

渡辺委員長 次に、谷畑孝君。

谷畑委員 日本維新の会の谷畑でございます。

 地方創生推進交付金について質問をいたします。

 私の選挙区で柏原という約七万ぐらいの人口のある市があります。隣が奈良県で、大和川という川が流れて、そして、山と川の中にある非常に小ぢんまりとした人情味豊かな町だと、これは私の選挙区の誇りだとも思っております。

 その市長さんがたまたま私の東京の事務所に来られたときに、私が地方創生推進交付金のヒアリングをやっておりまして、市長もその話を聞きながら非常に感動して、ぜひ自分の市でこれを使って事業をしてみたい、こういうことを思いつき、そして柏原市では、子育て中のお母さんの就労場所を提供して、その職場の横で子供を預かる、こういうことを、そのことからスタートさせました。

 私もずっと共働きで、うちの家内も保育所の保母さんをしながら、二人で三人の子供を育てたわけですけれども、やはり子供を育てるというのは、どうしても、隣にじいちゃん、ばあちゃんがおる場合はまだしも、本当に、そういう場合がない場合は子育てというのは非常に難しい。小さいときはよく熱も出すし、職場からすぐ家に帰ってくれという連絡があったりして、育てにくいと思います。しかし、最近は、保育所もよく充実をして、ゼロ歳児からも預かっていただいたりして、非常にいい、子育てがしやすい、そういう時代になってきたように思います。

 そういう中で、私も、兄弟五人、当時、じいちゃん、ばあちゃんも皆おりましたから、そういう交流があったわけですけれども、しかし、うちの子供とかいろいろ他のところを見ていきますと、もうだんだんだんだん、じいちゃん、ばあちゃんから離れてしまって、非常に孤立した状況になっております。辛うじて保育所がそれをカバーしているという、そんな感じがするわけであります。

 そこで、多世代が交流できる、高齢者と子供たちが一緒に触れ合うことができる、こういうことが私は非常に大事だと思いますので、今後とも、地方創生推進交付金を使ってそういう世代間交流が活発になるよう、ぜひ大臣、旗を振っていただきたいと思います。大臣の所感をお聞きいたします。

梶山国務大臣 今委員からお話のありました柏原市の母親労働拠点創出事業につきましては、子育て環境の整備、女性の就職促進、さらには高齢者も含めた世代間交流の推進といった観点から、非常に高い効果が期待をされているところであります。

 地方創生推進交付金につきましては、地方版総合戦略に基づく地方公共団体の自主的また主体的な、先導的な取組を支援する仕組みとしております。

 地域の課題はさまざまであり、どのような事業を行うかは各地方公共団体の自主性に委ねられるべきものでありますけれども、優良事例、今の柏原市も優良事例の一つだと思いますけれども、特徴的な事例については各回の交付決定の際に公表するとともに、事例集としてまとめて広く周知をし、展開をしてもらうような努力もしているところであります。

 かなり視察もして回っておりますけれども、それぞれの地域で多世代交流、子育て支援、そして高齢者の活力という点でそういう取組もされておりますので、ぜひモデルとなるように更に進めていただきたいと思います。

谷畑委員 ありがとうございました。

 次に、この地方創生推進交付金は、制度開始当初から、計画期間を通じたハード事業の割合は原則として五割未満とされておりまして、平成三十年度からは、ソフト事業との連携により高い相乗効果が非常に見込まれておるわけでありますけれども、五割以上になる事業であっても申請が可能となったようでありますけれども、依然としてソフト事業が中心となっておると聞いております。

 また、別途、地方創生拠点整備交付金が、未来への投資という観点のもと、施設整備のための交付金として設けられておりますが、いずれにしても、先導的な取組という枠に縛られております。

 これらの交付金は、自立性の観点からいえば、いわゆる事業におけるイニシャルコストとして活用される、事業を軌道に乗せるための支援として想定されているものであると思うことから、地方創生につながる事業構築であればハード部分のみの交付金投入であっても問題はない、そのように実は思っておるわけであります。

 これらのことから、ハード、ソフトの比重や先導性といった枠組みを撤廃して、もっと地域の特色を生かせる使いやすい交付金制度にしていただきたい、そのように思うわけであります。政府の見解をお聞きいたします。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 地方創生推進交付金につきましては、委員御指摘のように、ソフト事業を中心に運用してきたところでございますが、平成三十年度からは、地方の要望を踏まえまして、一部、ハード事業の割合を最大約八割とする運用改善を行ったところでございます。

 これとあわせまして、平成二十九年度の補正予算で計上されました地方創生拠点整備交付金を活用いたしまして、地方創生の推進に資するハード事業のニーズにしっかり応えてまいりたいと思っております。

 また、先導性を要件とすることにしておることにつきましては、別途、地方財政計画におきまして一兆円のまち・ひと・しごと創生事業費が計上されている中で、地方創生推進交付金を一千億円確保して、特に地方公共団体の先駆的な取組を支援しているというものでございます。

 ハード事業の上限の引上げに加えまして、交付金の限度額の引上げ、それから交付決定時期の早期化などの対応を行ってきたところではございますが、引き続き、地方公共団体におきまして、地域の特色を生かしつつ、更に有効に活用していただけるようにしっかり努めていきたいと考えております。

 以上でございます。

谷畑委員 ありがとうございました。

 次に、現在の、内閣府地方創生担当への書面上での事前相談では、自治体担当者の思いが非常に伝わりにくい、形式的な審査で判断されているようにも感じられるわけでございます。

 そこで、お伺いします。地方分権の時代でもあり、この審査を都道府県におろすということを検討していただきたいと思いますけれども、政府の見解をお聞きいたします。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 地方創生関係交付金につきましては、これまで、説明会の開催や個別の相談の実施などを通じまして、都道府県の協力もいただきながら、市区町村における有効活用を働きかけてきたところでございます。

 他方、市区町村からの申請の審査につきましては、一つは、全国で統一的な視点を確保する必要があるということ、それから、都道府県と市区町村が競合関係にもなり得るということから、国が一括して審査することが現状においては適当だというふうに考えております。

 よろしくお願いいたします。

谷畑委員 ありがとうございました。

 次に、大学の振興等を含めて、これから若い人たちに教育をつけて、そして日本を立派な国に更に発展させるためには、やはり人材が大事です。その人材を養成するということが非常に大事だと思っております。

 そこで、定員割れの大学に対する統合だとか縮小等にかかわる考え方についてお聞きをいたします。

 若者の減少、定員の抑制、そして定員割れ、こういうことになっておるわけでありますけれども、今後我が国が十八歳人口の減少時代に入っていくに当たって、国公立を問わず、大学全体の適切な定員の規模、及び、継続的な定員割れの状態にある大学に対し統合又は縮小といった仕組みを整えるべきだと思っております。

 今、どんどん人口が減少して、昔はどこでも大学に入りにくかったけれども、今はもう入れるようになり、あるいは大学がちょっと多過ぎる、そういうことにつながっていくわけですけれども、ここらの点をどういうようにして調整をして健全なものにしていくのか、そこらを少し、政府の見解をお聞きします。

信濃政府参考人 十八歳人口が大幅に減少する、これは、ある推計によりますと、二〇四〇年には現在の三分の二の八十八万人にまで減少する、こういうふうに言われているわけですけれども、このような大幅な減少の一方で、例えば、第四次産業革命を支える質の高い人材育成を進めるためには、今後の高等教育の規模も視野に入れて、地域における質の高い高等教育機会の確保のあり方について検討する必要がある、こういうふうに考えております。

 このため、昨年三月に、中央教育審議会に対しまして、我が国の高等教育に関する将来構想について諮問を行って、今現在、検討が進められているところでございます。

 具体的には、その検討の中身ですが、地域における大学、地方自治体、産業界の連携強化、あるいは国立大学の一法人複数大学方式、あるいは、私立大学の学部・学科単位での円滑な事業譲渡の方法ですとか、経営困難な学校法人に対して撤退を含めた早期の経営判断を求める、そのような踏み込んだ指導、こういったことについて御議論をいただいておりまして、昨年末に論点整理が取りまとめられた、そういう状況でございます。

 引き続き、中央教育審議会において議論を深めていただきまして、その結論を踏まえて適切に対応していきたい、こう考えております。

谷畑委員 ありがとうございました。

 次に、最後の質問をしたいと思います。

 大学の再編をめぐっては、一つの国立大学法人が複数の国立大学を経営できるようにする制度改正が文科省で進められておると聞いております。名古屋大学と岐阜大学は、この方式での経営統合を目指しているとのことであります。また、私立大学では、大学同士の統合のほか、学部の譲渡を可能にする仕組みの導入も進めておると聞いています。今回のまたいろいろな制度で、大学再編の大枠が整うという期待があります。

 そこで、一つの国立大学法人が複数の国立大学を経営できるようにする制度改正の中身についての説明と、名古屋大学、岐阜大学の経営統合の進捗についてお聞きします。これは、前回質問しようとしたのができなかったので、この場でお聞きしたいと思います。

信濃政府参考人 まず、お尋ねの制度改正の概要でございますけれども、そもそも、大学の強みや特色を明確にした上で伸ばしていくための一つの方策としまして、地域における大学、地方自治体、産業界、これらの連携の強化ですとか、一つの国立大学法人が複数の大学を設置する仕組みの導入、こういった大学の連携、統合のあり方について、中央教育審議会において議論をいただいているところでございます。

 特に、国立大学の一法人複数大学制につきましては、国立大学法人のガバナンス改革の推進の観点から、望ましい法人の形をどのように考えるのか、あるいは法人の長や学長等をどのように任命するのか、あるいは現行の役員会、経営協議会、教育研究評議会のあり方についてどのように考えるか、こういった論点について御議論をいただいているところでございます。

 中央審議会における議論は、ことしの秋ごろ答申をいただくという方向で現在進められておりますので、文部科学省としましては、その答申を踏まえて、必要な制度改正がもしあるのであれば、しっかり対応していきたいと考えております。

 また、もう一点、名古屋大学と岐阜大学のことですけれども、両大学では、教育研究機能を始めとした大学のあらゆる機能を強化するために、平成三十年の四月に協議会が設置されております。この協議会では、これまで二回開催されているんですけれども、大学運営全般に関する戦略、リソースを共有することによるメリット、こういったことについて議論が重ねられていると承知しているところでございます。

谷畑委員 最後に、大臣にちょっとお聞きします、質問要旨は出していないわけですけれども。

 やはり、東京一極集中というのは、もう言われて長いです。私は大阪ですけれども、今までかつて、大阪が中心だとずっと思っておったんですけれども、最近、我々の子供たちというのは、もう大学は皆東京へ行くような状況になってしまって、なかなか、大阪ですら人口が失われていくというのか、東京へ東京へという、そんな風潮になってしまっています。

 私は、やはり、この日本というのは、それぞれの地方自治というものがあり、そこで拠点の都市があって、そこで特色があって、そういうことによって日本というのはおもしろいし、海外の旅行者も、どこへ行ってもまたいろいろな特徴があるな、こうなると思うんです。

 ぜひひとつ、大臣におきましては、この地方創生推進というものを通じて、地方がもっと元気が出て、そして生き生きとできる、そういう地方自治ができることが非常に望ましいと思いますので、最後に大臣の決意を聞いて、質問を終わります。

梶山国務大臣 今お話がありましたように、一極集中、これは是正していかなくちゃならない大きな課題であります。

 東京は太く高い柱があるわけですけれども、地方にも柱を立てていかないと日本の屋根は支えられない、そういう思いで、地方の経済、また地方の人口という面を見ながらしっかりと取り組んでまいりたいと思いますし、それぞれの特色ある取組というものをしっかりと市町村また道府県にしていただきたいと思っております。

 以上です。

谷畑委員 ちょっと早いわけですけれども、これで終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。

     ――――◇―――――

渡辺委員長 次に、内閣提出、参議院送付、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。梶山国務大臣。

    ―――――――――――――

 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

梶山国務大臣 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 地方分権改革は、地域がみずからの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生における極めて重要なテーマです。

 本法案は、昨年十二月に閣議決定した、平成二十九年の地方からの提案等に関する対応方針を踏まえ、地方公共団体への事務、権限の移譲、義務づけ、枠づけの見直し等を行うものであります。

 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、住民に身近な行政を地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするため、国から地方公共団体又は都道府県から中核市への事務、権限の移譲を行うこととし、関係法律の改正を行うこととしております。

 第二に、地方がみずからの発想でそれぞれの地域に合った行政を行うことができるようにするため、地方公共団体に対する義務づけ、枠づけの見直し等を行うこととし、関係法律の改正を行うこととしております。

 このほか、施行期日及びこの法律の施行に関し必要な経過措置について規定するとともに、関係法律について必要な規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

渡辺委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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