衆議院

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第7号 令和5年4月19日(水曜日)

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令和五年四月十九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 橋本  岳君

   理事 今枝宗一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 田中 英之君 理事 谷川 弥一君

   理事 坂本祐之輔君 理事 湯原 俊二君

   理事 中司  宏君 理事 中川 宏昌君

      井原  巧君    池田 佳隆君

      石橋林太郎君    今村 雅弘君

      上田 英俊君    大野敬太郎君

      小寺 裕雄君    小森 卓郎君

      鈴木 隼人君    谷川 とむ君

      土屋 品子君    中川 郁子君

      中曽根康隆君    深澤 陽一君

      牧島かれん君    宮路 拓馬君

      保岡 宏武君    渡辺 孝一君

      末次 精一君    堤 かなめ君

      福田 昭夫君    緑川 貴士君

      森田 俊和君    住吉 寛紀君

      堀場 幸子君    輿水 恵一君

      鰐淵 洋子君    西岡 秀子君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   国務大臣

   (デジタル大臣)     河野 太郎君

   内閣府副大臣       大串 正樹君

   総務副大臣        尾身 朝子君

   内閣府大臣政務官     中野 英幸君

   厚生労働大臣政務官    本田 顕子君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鹿沼  均君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  小柳 誠二君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  吉川 徹志君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 大橋 一夫君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局審議官)        山澄  克君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   冨安泰一郎君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   楠  正憲君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   村上 敬亮君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   二宮 清治君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 三橋 一彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 内藤 茂雄君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     木村 公彦君

   政府参考人

   (消防庁次長)      澤田 史朗君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 竹谷  厚君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 阿久澤 孝君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            城  克文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           森光 敬子君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十九日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     深澤 陽一君

  小森 卓郎君     上田 英俊君

  渡辺 孝一君     池田 佳隆君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     渡辺 孝一君

  上田 英俊君     小森 卓郎君

  深澤 陽一君     石橋林太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  石橋林太郎君     石田 真敏君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)


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     ――――◇―――――

橋本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官鹿沼均君、内閣官房内閣審議官小柳誠二君、内閣官房内閣審議官吉川徹志君、警察庁長官官房審議官大橋一夫君、個人情報保護委員会事務局審議官山澄克君、デジタル庁統括官冨安泰一郎君、デジタル庁統括官楠正憲君、デジタル庁統括官村上敬亮君、デジタル庁統括官二宮清治君、総務省大臣官房審議官三橋一彦君、総務省大臣官房審議官内藤茂雄君、総務省自治行政局選挙部長森源二君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長木村公彦君、消防庁次長澤田史朗君、法務省大臣官房審議官松井信憲君、外務省大臣官房審議官竹谷厚君、財務省大臣官房審議官阿久澤孝君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官城克文君、厚生労働省大臣官房審議官日原知己君及び厚生労働省大臣官房審議官森光敬子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橋本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福田昭夫君。

福田(昭)委員 立憲民主党の福田昭夫でございます。

 本日は、地・こ・デジ特別委員会の重要課題のマイナンバー法の一部改正などについての政府の考えをただしてまいりますので、河野大臣始め答弁者は簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 まず、異次元の子供対策予算の財源についてであります。

 一つ目と二つ目をまとめてお伺いしますが、各種社会保険を財源とするという自民党の幹部の話がありますけれども、それが本当なのかどうか。また二つ目は、この四月に就任した渡辺こども家庭庁長官が、どうもそれだけじゃ足りないようで、税と社会保険を組み合わせるというような考えもあるんじゃないか、そんなことを言っているようでありますが、どんな財源を考えているのか、お答えをいただきたいと思います。

鹿沼政府参考人 お答えいたします。

 子供、子育て政策の強化につきましては、去る四月七日、関係閣僚、関係審議会の有識者、経済界、労働界、さらには地方の関係団体、その上で、子育て当事者や関係者に御参画いただく形で総理を議長とするこども未来戦略会議が立ち上がったところでございます。

 今後、この会議におきまして、順次、必要な政策強化の内容、予算、それと、あと、今先生がおっしゃったような財源についての具体的な検討が深められていくものと考えており、会議の構成員の皆様の自由な御議論をいただくためにも、現時点において、財源の具体的な内容について予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。

 その上で、先生、今、保険料とか税というお話がございましたが、現時点において特定の財源を念頭に置いているものではないということでございます。

福田(昭)委員 それでは、でたらめに言っているということですね、それは。無責任過ぎるよ。

 大体、私の予想では、今防衛力の強化資金の議論をしているんですよ、財務金融委員会で。それでは、社会保障関係費は除くと書いてある。だから、社会保障は子供に充てるのかな、消費税はですよ、そういう私は予測をしています。

 ですから、渡辺家庭庁長官が税と言ったのは、ああ、消費税を充てる気だなというふうに思っているんだな。それが当たらないことを祈っていますけれどもね。当たったときにはまた猛烈に批判をしますけれども。

 以上です。

 二番目、次に、デジタル主権の確保についてであります。

 一つ目は、巨大なデータセンターがどうやら外国資本によってできているようでありますが、現在、我が国が進めているデジタル化に対して、政府と地方自治体のガバメントクラウド用のセンター、それからデジタル田園都市国家構想のデータセンターが設置される、あるいは計画されているかと思いますけれども、それぞれの進捗状況をちょっと教えていただきたいと思います。

木村政府参考人 お答えいたします。

 デジタル田園都市国家構想の実現に向けまして、総務省におきましては、昨年三月に策定しましたデジタル田園都市国家インフラ整備計画に基づきまして、経済産業省と連携しまして、データセンターの地方への分散立地を進めているところでございます。

 総務省におきましては、令和三年度補正予算によりまして、デジタルインフラ整備基金……(福田(昭)委員「予算はいいから、何か所できたかというのを」と呼ぶ)分かりました。

 昨年の六月の公募手続を経まして、関東を除く全国七か所のデータセンターの整備事業を採択をしまして、基金を通じた整備費用の一部を助成をしているところでございます。

 それから、経済産業省におきましては、令和五年度予算で、関東以外の新たなデータセンターを整備する事業者に対して、整備費用の一部の助成を行う予定となっているところでございます。

二宮政府参考人 ガバメントクラウドにつきましては、現在、四社、米国系でございますけれども、私どもの調達のプロセスを経まして選定されているところでございます。

 ガバメントクラウドの調達要件といたしまして、私どもの調達の要件の中で、データセンターの物理的所在地は日本国内であることとしておりまして、四事業者がこの要件を満たしているというものでございます。(福田(昭)委員「そんなことはいいんだ、今。何社造ったんだと言っているんだ」と呼ぶ)

橋本委員長 済みません、発言は挙手をして、答弁を聞いて、やってください。

二宮政府参考人 各クラウドサービスの提供事業者がガバメントクラウドの調達に参画する際に、デジタル庁が求める調達要件を満たしていることを当該クラウドサービス事業者が証することとなっておりまして、その必要な確認を行っているところでございます。

福田(昭)委員 ちょっと、ちゃんと答弁させてよ。何か所造ったんだと聞いているんだから。予算だの何だの聞いているわけじゃないので。ちゃんと答弁させて。

橋本委員長 じゃ、もう一度、デジタル庁二宮統括官。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 私どものガバメントクラウドの調達要件の中で、全体のデータセンターの数を、幾つ設けるということを規定しているものではございませんで、国内の物理的な所在として、日本国内に置くと。(福田(昭)委員「駄目だ、質問できないぞ。速記止めて」と呼ぶ)

橋本委員長 何か所かという御質問なので。何社かかな。要するに、未定ならば未定で結構ですし、ちょっと、質問の趣旨に沿って、答えられるものを答えていただきたいと思います。

 じゃ、もう一度、デジタル庁二宮統括官。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 各事業者のデータセンターの具体的な数及び所在地につきましては、セキュリティーの観点から、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

橋本委員長 今、所在地についてはお答えを差し控えますという答弁でしたので、それに基づいて御質問をお願いします。

福田(昭)委員 だって、私が聞いているのは、何か所、場所も聞いていないんだよ。答えられるでしょう。この間、グーグルなんか、大々的に発表したよ。千葉県のどこどこへ造ったと言って。

 答えられるでしょう、場所を聞いていないんだもの。

 委員長、ちゃんと、しっかりして。

橋本委員長 じゃ、デジタル庁二宮統括官、何か所かというお尋ねなので、答えられれば答えてください。答えられない場合は答えられませんとお答えください。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 データセンターの各事業者の数につきましては、お答えを申し上げられません。差し控えさせていただきたいと思います。

福田(昭)委員 これでは日本は乗っ取られちゃうよ。これは黒船みたいなものだから。デジタルの世界、日本は、残念ながら外国のデジタル業者に乗っ取られちゃいますよ、こんなことじゃ。本当に、びっくりしたよ、これじゃ。これは本当に、これだけでもう政府不信任になっちゃいますよ、内閣。そんな笑っている場合じゃないよ、委員長。本当に、恐れ入ったね、これは。

 私らは、一応、アメリカの、ガバメントクラウドについては四社指定しているわけでしょう。アマゾンとグーグルとマイクロソフトとオラクルと四社。四社とも、もう造ったの。アマゾンがあるのは分かっているんだ。この間はグーグルも造ったのを発表した。あと、マイクロソフトとオラクルはどうしたの。確認していないの。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 各社、それぞれ、どの場所で、どういう……(福田(昭)委員「いや、場所というのは聞いていないと言っているんだよ、場所は」と呼ぶ)

 調達要件に沿って、当然、国内にデータセンターを設置をされているというふうに確認をしております。

福田(昭)委員 この問題をやっていると法案に行けなくなっちゃうから、これはまた別な機会にやらせてもらいますから。駄目だよ、これは、こんなの。河野大臣にも質問する予定だったけれどもね、これ。

 それから、政府と自治体のガバメントクラウドが何で米国のデジタル業者になっちゃったんだということなんかについての経緯など外務省から聞こうと思っていたり、それから、河野大臣から、本当に大丈夫なのかい、日本のデジタル主権を守れるのかと。あるいは、もしかしてデジタルファシズムになっちゃう可能性もあるよ。アメリカの五十一番目の州になってだよ、日本から大統領を出せるならいいよ。出せないんだから。

 だから、これはしっかり日本の主権を守るということをちゃんと考えていかないと駄目な話で、この問題は、後で別な機会にまたしっかりやらせてもらいます。

 法案の方に入りたいと思います。

 次に、三番目ですけれども、マイナンバーカードの普及状況と本来の進捗状況についてを質問といたします。

 これについては、数字で結構ですから、マイナンバーカードの普及状況と普及の経費について教えてください。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードの累計の申請件数は、令和五年四月十七日時点で約九千六百四十六万件でございまして、人口に対する割合は七六・六%となっております。また、累計の交付枚数は、同日時点で八千六百二十九万件でございまして、人口に対する割合は約六八・五%となっております。

 また、その普及経費でございますけれども、総務省が実施したマイナンバーカードの広報を含む申請促進に係るこれまでの予算額につきましては、テレビCM、新聞広告等を用いた広報活動や、ショッピングセンターなどにおける出張申請受付キャンペーン、全国での携帯ショップにおける申請サポート事業などの合計で約二百五十九億円となります。

 また、これとは別にマイナポイント事業もございますけれども、これはカードの普及のみならず、キャッシュレス決済の拡大とともに、消費の喚起や生活、暮らしへの支援、さらには、カードの健康保険証利用や公金受取口座の登録促進によるデジタル社会の実現を図ることを目的に実施したものでございますけれども、マイナポイント第一弾の予算額は約二千九百七十九億円、マイナポイント第二弾の予算額は約一兆八千百三十四億円でございまして、第一弾、第二弾の予算額の合計は約二兆一千百十三億円となります。

福田(昭)委員 相当、このマイナンバーカードを普及させるために、大変な多額のお金を使った。消費税一%ぐらいのお金を使っているね。これはとんでもないお金だと思いますよ。

 全く、政府がこんなびっくりするようなやり方をしなくちゃ普及しないというのは、これは行政として信頼されていないということですよね、本当に。非常に心配です。

 そんなことで、二つ目は、これは答えは要りません。本来の目的である社会保障制度とか税制とか災害対策の三分野の進捗状況についてもお聞きしたいと思ったんですが、多分、ほとんど進捗していないんだね、基本的に根本的な問題について。先日ヒアリングしたら、情報連携、それだけは進んでいるようであります。今回の法案にも出てきているようでありますが。

 やはり、せっかくマイナンバー制度をつくったというのならば、例えば、具体的な例を提案しておきますが、医療保険制度を、保険組合がたくさんあるわね、これをやはり一本化するということを、是非、デジタルを使って一本化するということを考えてみてください。それは、例えば国保でいうと、大都市は豊かなものだから、国保料は安いんですよ。田舎は高いの。倍以上差がある。これを、医療保険を一本化しちゃう。そしたら、すごく国民の皆さんがかかりやすい医療保険制度ができると思う。是非それを検討してくれるように提案をしておきます。

 その次に行きます。

 括弧三の給付つき税額控除の話ですが、これはどうせ進んでいないので、進んでいない理由を聞こうと思っていましたが、時間がなくなっちゃったので、またこれも別の機会にお聞かせいただきたいと思います。

 それでは、もっと本題の方へ行きますが、時間がなくなってきましたから、まず先に、公金受取口座の登録促進の方について伺います。

 ここで、口座情報等を内閣総理大臣、デジタル庁に提供することに同意又は不同意を求めることを受給者等に書留郵便等で事前通知する者は誰かということを聞こうと思ったんですが、これは日本年金機構だそうでありますが、これは結構です。

 そして、括弧二だけ、二番目だけ聞きます。

 一定期間内に回答がない場合、同意したものとみなすことの正当性についてであります。

 どうも、今回のこの法律ですが、マイナンバーと健康保険証の一体化についてもそうですが、余りにも強権的で、中央集権的な考え方で、強制的に、不同意という返事を出さなければ同意とみなすなんて、これは民主主義国家のやることじゃないと思いますよ。いかがですか。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 事前の御質問でも、ダークパターンに当たるのではないかというような御指摘をいただいたところでございますけれども、今回の特例制度におきましては、対象者に対して、オンラインではなくて、きちっと書留郵便等によって個別に事前通知を行うという……(福田(昭)委員「いやいや、そういうことを言っているんじゃない」と呼ぶ)

橋本委員長 済みません、答弁をまず聞いてください。

 発言は挙手でお願いします。

 どうぞ答弁を続けてください。

楠政府参考人 広報を通じて、前広にきちっと本制度についての周知徹底を図ることを予定をしておりまして、こちらは、登録を行いたくない方に関して、不同意の回答を行う機会を確実に確保するということとしております。

 さらに、公金受取口座は、公的給付の支給のためだけに利用されるものであって、登録によって国民の皆様が不利益を被るものではございませんので、きちっと進めてまいるということの正当性はあるのではないかというふうに考えております。

福田(昭)委員 それを聞いているんじゃないんだよね、本当に。皆さん、優秀なんだから、もう少し正確に把握してよ。

 私が聞いているのは、不同意という返事が来なければ同意したものとみなす、これは非常識なんだよ。そういう感覚あるの、あなたたち。非常識、常識じゃないの。常識じゃないものを法律にしちゃ駄目。それだけ言っておきます。

 じゃ、次に行きます。本題の方に行きます。時間がなくなってきちゃう。

 マイナンバーと健康保険証の一体化についてであります。

 資料の二を、皆さんからいただいたものを出しておりますけれども、まず一つ目ですけれども、国民皆保険制度は廃止をするのかどうか。廃止をするか、しない、維持するか、それだけ答えてください。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化でございますけれども、これは国民皆保険制度を廃止するものではございません。

福田(昭)委員 それでは、今確認をさせていただきましたけれども、一体化しても国民皆保険制度は廃止をしない、維持するというのが大前提ということですね。

 その大前提に立って、私はこれから質問していきます。

 括弧二のマイナ保険証への一体化の目的は何かということですが、これを是非お答えをいただきたいと思います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化、こちらにつきましては、カード一枚で医療機関を受診していただきますことで、健康医療に関する多くのデータに基づいた、よりよい医療を受けていただくことが可能になる。医療機関などにおきましては、保険資格の転記、これが自動化できる、これにより事務負担の軽減が図られる。また、安心、安全で質の高い医療を提供するための医療DXの基盤の整備につながるといったこと。それから、保険者の方にとりましても、資格喪失の後の被保険者証が使われる、あるいは、被保険者番号の誤記などがあるといったことによります過誤請求、これに係る事務処理負担が減少するなど、様々なメリットがございます。

 こういったメリットをより多くの国民、関係者の皆様に早くお届けできるように、カードと健康保険証の一体化を加速をして、来年秋に、全ての被保険者を対象に発行してきた健康保険証を廃止する、こちらを予定しているところでございます。

福田(昭)委員 みんなが恩恵を受けるんだったら別に、しかも、国民皆保険制度は廃止しないんだもの、健康保険証を廃止する必要はないじゃないですか。今厚労省がやっているオンライン資格確認等システム、これで十分間に合うんじゃないですか。

 このシステムはどんなシステムなんですか、ちょっと教えてください。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問ございましたオンライン資格確認でございますけれども、これは先ほど簡単に申し上げてしまいましたけれども、まず、このオンライン資格確認の下でマイナンバーカードで受診をいただきますと、御本人の同意がありました場合に、例えば御自身が使った薬や健康診断の結果、これはなかなか口頭で正確にお伝えすることは難しいわけですけれども、こういったものがデータによって正確に医師などに伝えられることになります。服用された薬剤につきましても、これは網羅的な情報を医師などに提供することが可能になる。こういうことに基づきまして、より多くの正確な情報に基づいた総合的な診断あるいは処方を受けることができるようになるといったものでございます。

 それから、先ほども申し上げましたように、医療機関などでも、システムに資格情報などの入力の手間が軽減される、医療保険者におきましても、例えば保険証の発行のコスト、発行の負担、こういったものの軽減が期待できる、こういったものでございます。

福田(昭)委員 申し訳ないけれども、局長の説明より、調査室が作ったこの説明の方が分かりやすいんだ。読んでみますよ。

 オンライン資格確認等システムは、診療報酬明細書、レセプトの審査を行う社会保険診療報酬支払基金及び公益社団法人国民健康保険中央会に設置されている。同システムでは、あらかじめ、医療保険者等から被保険者番号等の資格情報が登録されている。その上で、医療機関等の窓口において、患者の顔認証又は暗証番号により本人確認をし、医療機関等が患者の資格情報をオンライン上で取得、取り込みを行った後に、患者の直近の資格情報等を確認できる仕組みとなっている。なお、マイナンバーカードを保有していない患者については、健康保険証の記号・番号等を用いることで、同システムを利用できるようになっている。

 立派なシステムじゃないですか、これは。ですから、別に健康保険証を廃止しなくたって、これはみんなが恩恵を受けちゃうんですよ、支払い機関と中央保険機関でちゃんと名簿を持っているんだから。しかも、国民皆保険制度は廃止しないんだから。だから、健康保険証は今までどおりちゃんと存続をさせてやっていって、何ら問題はない。

 ですから、それに対して、まず、マイナ保険証を持たない人にはなぜ資格確認書を求めに応じて発行するんですか、求めに応じて。健康保険証だったらば、保険者がいつも出すんじゃないですか。それで十分じゃないですか。求めないと出さないなんて、これもさっきの、まさに常識と外れているよ、常識と。非常識だよ。いかがですか。

日原政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘を頂戴しました点でございますけれども、患者御本人の健康医療に関するデータ、これを御本人の同意がありました場合に医療機関においても確認できる、これにつきましては、マイナンバーカードで受診されたときに可能となるということでございます。(福田(昭)委員「いや、違う違う、ちゃんと保険証だってできると書いてあるよ」と呼ぶ)

橋本委員長 済みません、答弁を続けてください。

日原政府参考人 こういったメリットを踏まえまして、先ほど御答弁申し上げましたように、来年秋に健康保険証の廃止を行うことを予定してございまして、この廃止後は、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本としつつ、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方につきましては、御本人の申請に基づき発行される資格確認書によりまして必要な保険診療が受けられるよう対応を講じるというものでございますけれども、この資格確認書、この申請が必要となる事情につきましては、例えば、カードを紛失された、更新中である、あるいは介護が必要な高齢者の方などでマイナンバーカードを取得していない方など、様々なケースが想定されますことから、全ての被保険者に交付する健康保険証とは異なりまして、御本人の申請に基づいて保険者が交付する仕組みとしているところでございます。

福田(昭)委員 局長、もっと簡潔でいいし、本人が求めないと出さないなんて、これは全く民主主義国家の政府じゃないよ、こんなもの。本当にとんでもない話だ。

 その次、五つ目、全国保険医団体連合会が実施した高齢者施設等への影響調査結果について、これは厚生労働省にも届いていると思いますけれども、これによると、何と九割がマイナンバーカードを管理できないと言っている。これはどうするんですか。ですから、健康保険証は存続してほしいと厚労省に要請をしているようでありますが、この要請は全く無視しているということですよ、皆さんは。本当にとんでもない話だ。

 先ほどの公的受取口座もそうだけれども、全く、何とも冷たい厚労省、デジタル庁だと言えますね、これは。いや、岸田総理が冷たいのかな。本当に、こんな冷たい法律を出して平然としていられるということに、私は信じられない。

 世界中に、例外のないルールはないということわざがあるの、世界中に。日本にもある。どこにもあるんだよ。ですから、法律の中にはそういうものがあったって悪くはないし、原則は国民皆保険制度なんだから、別にこっちが例外じゃないんだ。デジタル、マイナンバー保険証の方が例外なので、例外の方がでかくなってきちゃったんだね、これは。変な話だよね。そういうことです。

 それで、マイナンバー保険証と資格確認書では受診料にどのぐらいの差があるのか、また、差があるとしたら本当に不公平だと思うんですが、どれぐらいの差があるのか、簡潔に答えてください。

日原政府参考人 ただいま御質問いただきました診療報酬における医療情報・システム基盤整備体制充実加算でございます。

 この加算の点数についてだけ御答弁をさせていただきますと、例えば初診で申し上げますと、オンライン資格確認を行う体制を有し、患者に対して薬剤情報などの取得、活用をした診療を行う医療機関におきまして、マイナンバーカードを利用しないということで初診で受診された場合、六点算定可能でございます。他方、マイナンバーカードを利用されてこちらを受診された場合は二点ということでございまして、自己負担割合が三割の方の場合は十二円の差となってございます。

福田(昭)委員 これも本当に不平等というか不公平というか、マイナンバーの保険証を使ったら安くなって、資格確認書だったら高くなるなんて、こんな、本当にびっくり仰天ですよ、これは。

 先ほど言ったように、それこそ厚労省がせっかく作ったオンライン資格確認等システムで、健康保険証でもちゃんとできちゃうというんだ。それこそ薬剤情報から何から、本人が同意すれば、全部お医者さんは取れて、ちゃんといい医療ができちゃうというんだ、これは。自分たちで作ったんじゃない、このシステムを。このシステムをわざわざ、せっかく作ったシステム、いいシステムなのに、これに、マイナンバーカードと一体化することによって、とんでもないシステムになっちゃうんだよ、これは。本当にびっくりします。

 そんな中で、そろそろ時間が来ましたので、まとめたいと思いますが、国民皆保険制度は維持する、保険料の支払いについては差をつける、これは私は、憲法十四条、法の下の平等に違反する、憲法違反だと思いますが、いかがですか。

日原政府参考人 先ほど御説明させていただきましたこの加算でございますけれども、こちらは、オンライン資格確認を導入された医療機関において、患者の方に対して薬剤情報とか特定健診の情報、そういった診療情報を取得されて活用して診療を行う医療機関が算定できる加算でございます。

 こうした医療機関においては、患者の方にとって医療の質が向上するということを評価しているものでございますけれども、この加算、患者の方がマイナンバーカードを健康保険証として利用された場合は、オンラインで患者情報を確認できる、問診などの業務負担が減ると考えられることから、カードを利用しない場合と比べて、この点数、こちらの患者の御負担も低くなるという形にしているものでございます。

福田(昭)委員 要するに、適切かどうかと言っているんだ。何だか厚労省には正義ってないのかな、正義は。まあ、びっくりした。

 じゃ、そろそろまとめますけれども、私は、現状のままで、例えば、国民皆保険制度は維持する、オンライン資格確認等システムで十分対応が可能だということを考えると、マイナンバー、健康保険証の一体化は、これは、やはりこの法律は廃案にするのが適切だ、こういうふうに思います。本当に、こんなとんでもない、全く血も涙もない、こんな冷酷な法律は廃止すべきだということを訴えて、質問を終わります。

橋本委員長 次に、末次精一君。

末次委員 立憲民主党、末次精一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず、マイナンバーのセキュリティー対策についてお伺いいたします。

 このセキュリティー対策につきましては、昨日の当委員会におきましても質問と御答弁があったように、種々な取組をされ、その信頼性というものも非常に高まってきているのではないかというふうに思います。

 その一方で、個人情報保護委員会から上がってくる近年の報告を見ましても、かなりの数のいわゆる情報漏えいがあるわけであります。その大半が、中身を見てみますと、ヒューマンエラーによるものが大変多いということであります。

 そこで、お伺いいたします。マイナンバーカードの情報の保護に対する国民の信頼性を更に高めるに当たって、このヒューマンエラーに対する安全管理措置をどのように考えているかというのを、まずお伺いしたいと思います。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバー制度におきましては、制度面及びシステム面で各種セキュリティー対策を講じているところでございます。

 一方で、委員御指摘のように、なかなか、ヒューマンエラー等があるということは、これは制度設計時の段階でも、先行する各国を見てもやはり同様の問題がありましたので、当初からそこに対する対応というのは考えているところでございまして、人間がやる以上、絶対ですとか一〇〇%大丈夫ということはないわけです。

 なので、あらかじめ、制度設計の段階から、人が扱う以上、漏れるものであるということを前提に、漏れたとしてもそれを悪用できないようにする。具体的には、番号だけでは何もできなくて、きちっと本人確認を行うというような運用にすることによって番号そのものを悪用できないようにするということをまずやっておりますし、加えて、本当に漏れてしまった場合に、番号を変更したとしても不便にならないように、あらかじめ、漏れたものに関しては、きちっと、番号を再発行することによって問題が起きないようにというふうにしているところでございます。

 今後も、最悪の事態に備えるという意識で臨むことが危機管理として非常に重要と考えておりますし、セキュリティー対策も日々万全にすべく運用しているところでございます。今後も、具体的な様々な個別の事案を踏まえて、よりセキュリティーを改善できる部分があるかというところを検討してまいりたいというふうに考えております。

末次委員 今御答弁いただいたことに対して、人にはミスがあるからということが何か前提となっているようであります。私は、その前提そのものに、非常にいかがかなと思います。

 確かにおっしゃるとおりですけれども、じゃ、人にはミスがあるということですけれども、これは個人情報保護委員会の報告書です。御覧になっていると思いますけれども、内容にすると、本当に、何というか、誤送付とか、誤廃棄とか、依頼元の許諾なく再委託が行われたとか、メールアドレスの宛先間違い、マスキング処理が不十分、USBを紛失、USBを紛失、誤送付、誤って他人のナンバーを記載、書類を紛失、こういった同じようなミスが毎回繰り返されているわけです。

 私はかつて、ある鉄鋼メーカーの鉄鋼工場の現場におりましたが、事故ゼロですよ、目指すのは。人がやるからという考えではないんですね。まず、そういうふうな考えに立って、事故は絶対に起こさないというような考えに、それでもやはり起こる。

 おっしゃったように、人はミスするものだから、だから漏れた場合にという考えでいいのかどうかというのが私は非常に疑問に思いますが、その辺、大臣はどうお考えかと思いますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 もちろん、ミスを起こさない、そのために様々なことを徹底する、これは当然のことだと思います。

 しかし、それでも一〇〇%ということがない以上、万が一漏れても大丈夫だというレジリエンスを高めるということも、これは当然のこととしてやらなければいかぬと思います。

末次委員 大臣も、漏れというのは仕方ないというお考えということですね。

 そうしたら、内閣府が、平成三十年ですけれども、国民の意識調査で行われた結果によると、複数回答ですけれども、マイナンバーを取得しない理由として、個人情報の漏えいが心配だから、紛失や盗難が心配だからというのが六割を超えているわけですよ。

 いろいろ、あの手この手で普及させようと思われていると思いますけれども、まず、この六割を超える心配という意識、これをまず下げていく、なくしていく努力が必要と思いますが、それについてちょっと御見解をいただきたいと思います。大臣、よろしいでしょうか。

河野国務大臣 別に、漏れて当然などということを言った覚えはございません。変な言いがかりをやめていただきたいと思います。

 マイナンバーカードに対する不安がある、これは我々もよく承知をしております。その不安を払拭できるようなしっかりとした安全性に対する広報、周知に努めてまいりたいと思います。

末次委員 いや、私が申し上げたいのは、これだけ、六割もあるこういった国民の心配や不安をどう下げていくのか。言いがかりかどうかというのは、それは捉え方でしょうけれども、そもそも、この六割を、じゃ、大臣として、半分にしていくとか、そういう目標を持って、そういう気持ちであられるのかということを伺いたかったわけであります。

 それともう一点。先ほど、マイナンバーが出ても、いろいろ情報が漏えいして名前や住所などの個人情報というのは漏れることがないような御答弁をされましたけれども、そもそも、今後、健康保険証や運転免許証と一体化されるわけですよね。そういうことを考えると、更に厳重な管理が必要と思いますが、ナンバーが分かっても別に大丈夫ですよみたいな、というふうに聞こえる、そういった御答弁がありましたけれども、それについて、ちょっと更に見解をいただきたいと思います。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 基本的には、仮に番号そのものが漏れた場合でも、それ自体を悪用することができないように、番号の授受の際には必ず本人確認を行うといったことを行っておりますし、また、例えば資格確認等も、これは、番号そのものとひもづけていつもやり取りをしているわけではなくて、しっかりと、情報提供ネットワークシステム等の仕組みを通じて、それぞれの機関別の異なる符号でもってデータを連携したりですとか、あるいはICチップの中に資格情報を運転免許の場合は埋め込むわけですけれども、そういった形で、決して、マイナンバー制度でもって連携をしているといっても、必ずしも番号と資格情報がひもづいていろいろなところに流通をしているわけではなくて、しっかりと分別管理を行って、番号単体が漏れただけでは容易には様々な情報を結合できないような仕組みとしております。

 これは、海外を見てみますと、そういった情報がデータブローカーとかそういった事業者でひもづけに使われているような例もありましたので、日本においてそのようなことが起きないように、別表でもって番号の利用範囲というものを厳しく制限をして、番号単体では容易には名寄せはできないようにしているというところでございます。

末次委員 分かりました。

 ヒューマンエラーに対する安全管理措置というものは加えましたけれども、今の御答弁を伺っていて私は十分とは思えませんので、そこを徹底していただきますことをお願いして、次の質問に参ります。

 マイナンバーカードの普及を推進するために、様々な事業が行われてきております。これは事実上義務化されて、先ほど強制というお話もございましたけれども、これまでいろいろ予算を使っておられましたけれども、これまでの、推進するに当たった事業の、使った予算と、その成果と検証をお伺いしたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 一番重立ったところではマイナポイント事業というお尋ねかと思いますが、これにつきましては、二〇二〇年九月から二〇二一年十二月までが第一弾、二〇二二年一月から二〇二三年九月までが第二弾。特に、例えば第二弾の本格開始以降でいいますと、八か月間の間、今年二月末まででございますが、これで三千四百万件の申請をいただいているということで、カードの早期普及にはそれなりに効果があったのではないかというふうに考えてございます。(末次委員「使った予算は」と呼ぶ)使った予算でございますか。

橋本委員長 済みません、御発言は挙手をしてお願いしますね。

村上政府参考人 マイナポイントにつきまして使った予算を申し上げますと、第一弾の予算額は二千九百七十九億円、第二弾の予算額は一兆八千百三十四億円。先ほど御紹介したのは第二弾の方の間の成果でございます。

末次委員 質問に予算もということを言っておりましたので、答えていただきたいと思います。

 要は、この一年間で約一兆八千億もの、いわゆるマイナポイントのために使っているということでございますね。これについては、もうこれは事実上義務化な制度だけれども、これだけの巨額の予算を使うのはどうかというのは、もう既に指摘もされて、国会の方で指摘はされておりました。

 私が思うのは、これも内閣府の五年前の調査で、国民がマイナンバーを取得しない理由ということで一番に挙げているのが、取得する必要性が感じられないからということであります。

 そうすると、この五年間で、取得する必要性を感じるような努力をどこまでしたかということが私は大事だと思います。

 そもそも、これは、いろいろ、これに携わる行政、医療機関とか、国民、それぞれの分野の方にメリットがあるようにつくっておられると思いますが、私は、一番それを利用する方、国民の視点にいかに立つかということが非常に大事だと思います。

 そもそも、利用する国民が取得する必要性を感じられていないというのが六割近くあったわけですね。これをいかに、その必要性を感じてもらうように努力することが必要だと思いますけれども、それを、マイナポイントということで、いわゆる餌をぶら下げて、それで推進を進めるようなやり方というのは、そもそも在り方としてどうなのかというふうに思うわけであります。

 お伺いしますけれども、一兆八千億、この一年間でマイナポイント、取得するために使われたわけですが、取得する必要性をもっと国民が感じる、いわゆるメリット、デメリットも含めてきちんと、国民に対する説明が十分ではなかったのかなと私は思いますが、どのような取組をされて、五年前、六割近くあったこの意識というのがどのように変わったかということを認識されているかということを伺いたいと思います。

河野国務大臣 確かに、五年前、マイナンバーカードを使ってできるサービスというのは恐らく限りが相当あったんだろうと思いますが、保険証をマイナンバーカードと一体化することによって、これは医療の質が飛躍的に上がります。また、医療機関にとっても業務の効率化になります。

 また、それ以外にも、例えば税の分野で申し上げれば、ふるさと納税がオンラインで完結できるようになりました。また、今年、確定申告の医療費控除をマイナンバーでやっていただいた方は、これはもう領収書を一年分集める必要もなく、一発でオンラインでできるようになりました。

 また、来年度から、給与所得者、これは企業がオンラインで源泉徴収を提出している企業の場合には、給与所得については書かない確定申告、これを今、実現させようとしておりまして、これができると、恐らく一千万人近い方が、書かないで確定申告ができるようになるんだろうと思います。

 また、昨日から、宮崎県の都城市では、市役所にお支払いをする手数料、これをオンライン納付ができるようになりました。まだ、戸籍の改製あるいは改製原戸籍のオンライン申請のキャッシュレス納付というところでございますが、昨日、順調に滑り出しをいたしましたので、この業務がうまくいけば、都城市での業務を増やしていく、あるいは、都城市に限らず、全国の手を挙げてくれた自治体に広めていくということができるようになります。

 こうやって、これからも新しいサービスがどんどん出てまいりますし、例えば、引っ越しをするときの転出届は、もうオンラインでできます。転入届も、転入予約をしていただければ、市役所の準備状況にもよりますが、準備している自治体は転入も簡単になりますし、民間の公的個人認証のサービスを活用していただければ、金融機関を始め、今までは引っ越すたびに住所変更届をやらなければいけなかったものが、住所変更届が必要なくなるわけでございます。

 国民の皆様の利便性を更に上げるように、保育園の就労証明書もマイナポータルを活用して提出をできるようにいたしますし、保険証だけでなく、これは、病院の診察券であったり、小児医療費の助成の書類、あるいは難病、障害者の公的助成の書類、今、紙で持っていかなければならないものも、マイナンバーカードで、こうしたものも一律これで対応できるようにしてまいります。

 そうなりますと、国民の皆様も相当利便性が高まったということを感じていただけるようになると思っておりますので、デジタル庁としては、全国一律でサービスが提供できるようになるまで待つのではなく、手を挙げてくださった自治体からどんどん新しいサービスを使っていただけるように、なるべく早くサービスの導入に心がけていきたいと思っております。

末次委員 ありがとうございます。

 先ほど大臣の御答弁の中で、確定申告をマイナンバーカードで行えるというお話がありましたけれども、今年度又は昨年度で結構ですが、今、どのぐらい国民の方がマイナンバーを使って確定申告をやられているかというのが分かれば、ちょっと教えていただきたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 正確な数字はまだ把握してございませんので御勘弁願えればと思いますが、およそ四分の一とか、それくらいのケース、出てきていると思います。ちょっと確認をさせていただきまして、必要があれば、後刻御報告をさせていただければと思います。

末次委員 これは質問通告はしていませんでしたけれども、御答弁の流れの中で聞かせていただきましたが、そもそも現状把握できていないということに私は問題があると思います。

 これは令和三年の内閣委員会での質疑ですけれども、立憲民主党の後藤委員が質問されたことで、令和三年のときに利用者が約六十万人だったわけですよね、先ほど大臣が一千万人というふうにおっしゃいましたけれども、まだ一〇%にもいっていなかったわけです。それについて、コストパフォーマンスが悪いんじゃないかということは、素直に、「確かに悪過ぎると思います。」ということで菅総理大臣も答えられているわけであります。

 何を言いたいかというと、先ほど大臣がいろいろなメニューをおっしゃいましたが、要は、国民がそれを理解していない現状をどうするかということを私はお伺いしたかったわけです。私の周りの方に聞いても、私に聞かれるんですよ、マイナンバーカード、これは保険証を一体化するけれども、何のメリット、いいことがあるのと。ほとんど分かっておられない。それが先ほどの、取得する必要性が感じられないからという答えが六割にも上っているということであります。

 済みません、これは五年前の調査結果しか、私、手元に入らなかったもので、そもそも、取得する必要性を感じられないというこの数値というのが今どのぐらいあるというふうに把握されていますでしょうか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 十二月の時点で、デジタル庁で、サンプルで数百人ベースで調べたことはございます。そのときには、取得する必要よりも、やはりセキュリティー上心配といったような声の方が多く、余り取得する必要性、必要でないというところについて正確な数字が取れませんでした。

 御指摘のように、現状把握をすることは大変重要であると思います。我々としても、きちっとしたその辺りについての調査を引き続きやるように徹底してまいりたいと思います。

末次委員 これを普及するに当たって、現状把握ができていないのにどうやって普及するのかと、非常に疑問に思います。ということを指摘しておきます。

 次に、三番目はちょっと時間の関係で飛ばして、四番目、マイナンバーカードを利用した救急医療の改善についてお伺いいたします。

 まず、搬送と医療の現場でどのような問題点が起こっているかというのを伺いたいと思います。それに基づいて、このマイナンバーカードを今後どのように活用していこうかということについてお伺いしたいと思います。

尾身副大臣 お答えいたします。

 救急搬送先、医療機関の決定までに時間を要するような、いわゆる救急搬送困難事案というものがございまして、これは全国の主な五十二消防本部から、一週間ごとに私ども報告を受けております。

 一週間の救急搬送困難事案数につきましては、ここ数年で、新型コロナの影響を受けて高水準で推移しておりましたが、過去最高だった令和五年一月第二週の八千百六十一件からは減少傾向が継続しております。

 救急搬送困難事案を減少させ、速やかに傷病者を医療機関に搬送するためには、医療機関の受入れ体制の強化を図ることに加え、救急車の適時適切な利用や、救急車と医療機関の円滑な情報共有が重要となってまいります。

 消防庁におきましては、救急車を呼ぶべきか相談できる救急安心センター事業、シャープ七一一九の活用を呼びかけております。また、救急車を呼ぶべき症状などを分かりやすく示した救急車利用マニュアルを地域住民の皆様に周知するなど、各消防本部と連携し、救急車の適時適切な利用を促すための取組を行っているところでございます。

 さらに、現在、地方公共団体によりましては、救急隊が独自の情報システムを活用し、医療機関の受入れ可否情報を閲覧するとともに、傷病者に係る情報を入力し、搬送先となる医療機関と共有することなどにより、円滑かつ適切な搬送受入れ体制の確保の取組が実施されている例もございます。

 消防庁におきましては、このような情報システム活用の取組事例について、全国の消防本部について情報提供を行っているところでございます。

 また、委員が恐らくお聞きになりたいということをちょっと先取りさせていただきますと、消防庁では昨年度、救急車が現場で傷病者のマイナンバーカードを活用し、搬送先医療機関の選定に資する情報を入手することにより、救急業務の迅速化や円滑化を図るための実証実験を、姫路市消防局や前橋市消防局などの六つの消防本部で実施いたしました。

 この実証実験では、マイナンバーカードにより患者の既往歴や薬剤情報などを参照する仕組みを救急隊も活用できることとし、救急隊が口頭で情報を聞き取る際の傷病者の負担を軽減できること、また、救急隊が傷病者の情報を搬送先医療機関に正確に引き継ぐことにより搬送を円滑化できることなど、一定の効果が出ております。

 消防庁といたしましては、今後、マイナンバーカードを活用した救急業務の全国展開に向けたシステムの構築について検討を進めてまいります。

 委員は恐らくこちらで、救急搬送においてマイナンバーカードをどのように活用しているかということをお聞きになりたいという御質問の趣旨と受け止めまして、回答させていただきました。

城政府参考人 医療現場についての御質問について、お答えを申し上げます。

 医療現場におきましては、特に救急で搬送された患者様につきまして、やはり、診療歴でありますとかアレルギーの情報、薬剤履歴、特に使用できない薬剤禁忌の情報等について把握できる方がよいということであります。もちろん、そういったことは聞き取りできることもございますが、なかなか時間がかかったり、本人の状況によっては聞き取れないということもございます。

 こうしたことも念頭に置きまして、マイナンバーカードの活用の方向でございますが、現在でも、医療現場におきましては、救急の場合も含めまして、患者のマイナンバーカードを用いて本人確認を行って、情報閲覧の同意を得ることができましたら、オンライン資格確認システムを活用しまして、患者の薬剤や特定健診等の情報を閲覧することができるところまで持ってきております。

 もちろん、患者の状態によりまして本人同意が困難な場合というのもございますので、こういった場合に情報の閲覧ができるような仕組みの構築を現在進めているところでございます。

 さらに、医療DXの取組の中で、このオンライン資格確認システムのネットワークを拡充いたしまして、電子カルテ情報等の必要な保健医療情報を全国に共有できる全国医療情報プラットフォームの創設を進めているところでございますが、これができましたら、意識のない患者様の救急搬送を受けた医療機関が過去の診療情報等を閲覧できるようになるということでございます。より速やかな必要な医療の提供が可能となるということを期待されるところでございます。

末次委員 ありがとうございます。

 これも国民の声ということで受け取っていただきたいと思いますけれども、私の地元の医師の方から聞いたお話であります。

 その医師の友人が山登りをした。ところが、転落事故を起こして骨折して動けなくなった。そこで、辛うじて携帯電話がつながって、ドクターヘリが現場に駆けつけた。ところが、駆けつけてくれたはいいけれども、名前、年齢、事故の情報、体の所見、かかりつけ医、通院、病歴などを、本人は痛くてたまらないのに時間をかけて細かく聴取された。やっと医療センターに救急搬送されたら、救急部に再度同じようなことを聴取された。その質問が、次から次へと、ICU、病棟、手術場、ケースワーカー、何度も繰り返されたということで。

 そのときに、骨折して意識があったということですけれども、これも、例えば独り暮らしの高齢者などだったら全く答えられないし、こういうことが本当に、これがまさに、個人の医療基本情報が医療連携カードに連携すれば、もうこういうことが起こらないし、そもそも、先ほど御答弁いただいた、たらい回しというものが減ってくるのではないかと思います。

 要は、今回の法案に直接、改正に関係ないんですけれども、こういった医療連携カード、個人の医療基本情報というものを、また、マイナンバーにひもついたものを救急現場でもすぐに活用できるような環境整備を国が進めるとか、これは病院の空床情報とかを、その日、一日一回、朝にでも上げてもらって、それを救急の現場で、ソフトを作って把握するようなことができれば、こういった、たらい回しというのが激減するのではないかというのが現場の医師の方たちの意見であります。

 これについて、先ほど、意識を失ったときにということでありますが、例えば、そのときに指認証とか静脈認証とかをひもづけて、救急車の中にですよ、そういったことでマイナンバーカードを活用していくという方法もあるかと思いますが、このような、さらに、いわゆる国民のそれがまさにメリットというふうになるわけであります。

 確かに、ここにおられる中で救急車に乗っておられる方が何人いるかは分かりませんけれども、恐らく少ないと思いますが、しかし、こういった命に関わるような問題について、それをなくしていくというような努力というもの、そしてまた、今回のこのマイナンバーをいかに活用するかという視点、国民の目線、視点に立った考え方をして、このような改革、改善というのがなされてもいいかと思いますが、もう時間がないので大臣に、その方針、大臣のお考えをちょっとお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 マイナンバーカードを使って患者の既往歴、薬剤情報などを参照する仕組みを救急隊も活用する、そういう実験もやられて一定の成果が出ていると思います。消防庁としては、マイナンバーカードを活用した救急業務の全国展開に向けたシステムの構築に関する検討をする、そう承知をしております。

末次委員 ありがとうございます。

 私も、既に実証実験は済んだということでありましたので、だから伺ってみたところ、まだそこで止まっていると。これからどうするかということが聞かれていなかったので、今の大臣のお言葉を私も期待して、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、緑川貴士君。

緑川委員 皆様、お疲れさまでございます。

 今回の法案、個人のプライバシーをいかに守りながら、マイナンバーの国民の利便性を高めていけるか、そして、行政事務の効率化を図っていけるかが問われている。制度とシステムの両面でそれらに応えられるものになっていくのか、前半の部分で議論させていただきたいというふうに思います。

 制度の面については、これまでも、マイナンバーの利用範囲を広げたり、情報連携を追加するたびに法改正されて国会審議が必要になることで、適切ではない、これまでのマイナンバー利用に対する歯止めになってきたわけですけれども、今回の法案で違うのは、法律に規定された事務に準ずる事務であれば改正なしにマイナンバーを利用できるようになるという点です。

 コロナの特別定額給付金の給付事務では、当時、法律に規定がなかったので、マイナンバーを利用した情報連携ができずに、自治体の現場では膨大な事務作業が発生して混乱を招きました。その教訓は生かされるべきですが、今後新たに追加され得るこの準ずる事務というのは、あくまで別表には具体的に書かれていないわけで、この明確に記載されていない事務が今後含まれる、そんな余地を残しております。

 準ずる事務というのは、これまで、河野大臣の御答弁もおかりすれば、法定されている事務と趣旨や目的が同一であり、内容や作用の面で基本的に同じである事務というふうにおっしゃるんですけれども、一般の国民には、やはりやや抽象的で分かりにくい説明であるなというふうに感じております。

 どのような場合がこの準ずる事務に該当するのか、客観的に判断できるようにするということが必要ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

河野国務大臣 現行のマイナンバー制度で、マイナンバーの利用範囲につきましては、利用主体、それと事務について、個別の法律を引用する形で法定をしております。ですから、マイナンバーを利用できることとされている事務と実質的に異ならないにもかかわらず、個別の法律に基づかない事務だとマイナンバーを利用ができないわけでございます。

 ですから、この改正でも、個別の法律の規定に基づく事務というものは、新たにマイナンバーを利用するためには、従来どおり、引き続きこのマイナンバー法の別表に個別に規定をする、そのために国会で御審議をいただくということは変わりはございません。

 その上で、個別の法律に基づかないもので、法律でマイナンバーの利用が認められている事務に準ずるものについて、事務の性質が同一である事務に限定した上で、主務省令によりマイナンバーの利用を可能とするというふうにしております。

 例えば、最近のコロナワクチン、この予防接種、これは予防接種法に基づく事務でございますから、VRS、マイナンバーでやらせていただきました。

 全く同じ、ファイザー、モデルナの予防接種を、在日米軍が基地内で基地で働く日本人に予防接種をしてくれたわけでございますが、全くやっていることは、ファイザー、モデルナのワクチンを注射器で筋肉注射する、やっていることは全く同じでございますが、米軍が基地の従業員に予防接種をするものは予防接種法ではないものですから、これにはマイナンバーを使うことができませんでした。

 このように、法律には基づいていないけれども、やっていることが同じ、事務の性質が同一である、こういうものについて、主務省令でマイナンバーの利用を可能とするというのが今回の改定の趣旨でございます。

 また、主務省令の改正に当たりましては、行政手続法に基づくパブリックコメントを行いますので、これも国民の皆様にはっきりお示しした上で、マイナンバーを利用できる事務を追加するということになります。

緑川委員 具体例も御紹介いただきまして、ありがとうございます。

 法改正をなしに、これから新たに今後また追加されてくるものが、今のお話の中でも、今までの具体例以外にもやはり様々出てくるんだろうというふうに思います。

 利用を広げられる以上は、当然、今、大臣が後半でおっしゃっていただいたように、抑止の一つとしてのパブリックコメントというものもあるんだろうというふうに思うんですが、新たに利用が追加されるなどの場合には、政省令の案を公表してパブリックコメントを求める。行政手続法で定められているこういうプロセスも、実際は、ちょっと見てみますと、簡単な文言の修正とかそういう、大きな意見ではなく、修正するのは小さな意見が採択される場合は確かにあるんですが、制度の骨格に関わるような大きな修正が受け入れられることが、なかなかパブリックコメントだと難しいのかなと。

 こういう仕組みは課題であるなというふうに感じるところなんですが、大臣、何か御所見があればお伺いしたいんですが、いかがですか。

河野国務大臣 パブリックコメントで国民の皆様の声をしっかりお聞きするというのと、パブリックコメントに付すということで、何かこっそり追加されるということがないということだと思います。

 また、準ずる事務が追加され、情報連携が行われた結果というものは、これは全て記録されるわけで、それぞれの個人の皆さんは、マイナポータルから入っていただくと、行政機関間の情報連携がどのように行われ、自分の情報がどの機関に連携されたかということは、これは確認できるようになっておりますので、国民の皆様にもそうしたところをしっかり見ていただきたいというふうに思っております。

緑川委員 いろいろ国民が知る部分の、ポータルの中でこれまでのやり取りも客観的につかめる部分もあるというお話で、こっそり追加されるわけではないというお話も大臣からはいただきました。

 このパブリックコメントの制度というのが、やはり、一般の方からして、機能しているのかというような意見がございまして、審議会などで相当練られているものが、本来、公表するというのは成案の形で、練り上げたものが示されるわけです。ほとんど修正がそういう場合ではなかなかなされなかったというのがこれまでのことであるというふうに思います。

 ですので、河野大臣、画期的なお取組を前に進めているという印象がありますので、法定のパブコメというのとは別に、成案になる前の段階で、やはり、こっそりではないんだ、しっかり正面から意見を受け止めますというような形で意見の募集を、なるべく、もうでき上がったというような状況じゃない、前に受け止めていただく、そういうことを、その姿勢もお示しいただくことで、国民のマイナンバー制度とかマイナンバーカードに対する、今なかなか取得率が伸び悩む一つはやはりそこですので、そういうことに対する国民のメッセージにもつながっていくのかなというふうに思いますけれども、この辺り、いかがでしょうか。

河野国務大臣 パブリックコメントというのは行政手続法に定められた制度でございますから、それをしっかりやっていくということと、ただ、やりましたというだけで終わらせてはいかぬというのは、これはそのとおりだと思います。

 私も与党内でおかしいだろうという声を上げたことも何度もありますので、やはりパブリックコメントでいただいた御意見、これはしっかり公表して、その中で、取り入れるべきものはしっかり取り入れなきゃいかぬというふうに思っておりますので、まずはパブリックコメントに対する信頼も高めていくというのが大事だと思います。

緑川委員 ありがとうございます。

 やはり、通過儀礼的なものでなくて、そして国民からの率直なメッセージもガス抜きぐらいに受け止めるんじゃなくて、今後の御対応ということをまた期待させていただきたいというふうに思っております。

 やはり、疑問に感じている方がなかなか、利用についても意見が様々ございますし、こういう、利用が適切かどうかを監視するというのは独立行政機関である個人情報保護委員会が担っているわけですけれども、今回の改正では、国家資格、そして自動車登録などの事務でもこのマイナンバーを利用できるようにする、あるいは法に規定されている事務に準ずる事務での利用の範囲も広がっていくということで、この個人情報保護委員会の監視の役割そしてまた負担が、やはりこれまで以上に増してきているという状況になっていく。そういう中では、やはり、この利用状況に対して、国民からのいろいろな懸念にもお応えしていかなければならない。そういう意味で、個人情報保護委員会と併せて国会への定期的な報告、あるいは、国会からの是正を、利用状況のいかんによっては是正を図れるような仕組みというものを考えていく、そういうことについては、御見解、いかがでしょうか。

河野国務大臣 まずは、この地・こ・デジでいろいろと、一般審議もございますから、そういう中で皆様の御意見を承って、必要なことは政府としてしっかり対応していくべきものだと思います。

緑川委員 これからのやはり利用拡大、そして情報連携の広がり方をしっかりと見ていかなければならないというふうに思います。

 このマイナンバーを扱う際に、やはり拡大するに当たっては、現場の業務、このマイナンバーを扱っていく関連の業務というのはやはり増えていくことになると思います。

 システムの面で後段お話しさせていただきますと、個人データというのは、るる本会議でも御答弁いただいている、そして昨日の御審議でもお話ありますけれども、一か所に集約して管理されるわけではない。この各行政機関が保有しているものを、必要に応じて、互いに必要なときにネットワークシステムを使って情報を照会したりあるいは提供したりという、この分散管理の方法を取って、芋づる式に個人情報が、データが漏えいするわけではないというのは理解をするんですけれども、これらの仕組みを備えて制度がこれまでも運用されてきた中で、今日の末次委員のお話にもありますように、やはりこの情報漏えい、個人情報保護委員会の発表では、二〇一七年から二一年度の五年間で、マイナンバー情報については、少なくともおよそ三万五千人分のデータが企業や行政機関で紛失したり、あるいは漏えいしたりしているとしています。

 少なくともということですので、恐らくもう少し広がりがあるんじゃないかというふうには思うんですけれども、この中に含んでいるか、いないものもあると思うんですが、行政機関に絡めば、二〇一八年に発覚した事案では、日本年金機構から年金受給者の個人データの入力業務が委託された企業が、禁止されている再委託を中国の業者に行って、およそ五百万人分のマイナンバーが流出したというふうに言われています。

 そして、同じ年に、国税庁でも、データの入力業務を委託していた業者が、無断で今度は別の業者にその業務を再委託して、マイナンバーなど個人情報が含まれるおよそ七十万件の書類を業者に流していたという事案もあったということであります。

 これは、当然、再委託ですので、悪意があろうがなかろうが違法なわけであります。ただ、それは、現場でそれを把握されていないというのが問題であるというふうに思います。

 こういう状況がある中で、マイナンバーの利用とか情報連携の機会が増えていくことになるんではないかというふうに思いますし、システムの運用の要はいろいろな分散管理というふうに、システム的には相当緻密に組んでいても、最後は、情報を出力するのは人でありますから、人同士、人を介したやり取りという中で、ヒューマンエラーのお話もありました。そうした点を含めて、システムの信頼を今後高めていくためには、これまで発生した事案に対しても、検証、あるいはまとめてそうしたところを考えていく必要がある時期に来ているんではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 これまでもそうした事案が幾つもあったということは、これは真摯に受け止めなければならないというふうに思っております。やはり、先ほどの答弁にもありましたけれども、マイナンバーによる情報漏えいのリスクを心配されている方の割合というのが高いということは、これは我々もしっかり対応しなければならないというふうに思います。

 その上で、二つ申し上げますと、一つは、様々漏えいがあって、それはもう漏えいがあったこと自体いかぬことでありますが、これは、マイナンバーに関するシステムからの漏えいではなくて、USBを紛失してしまったとか再委託してしまったとかという、一つはヒューマンエラーであった。ですから、システムそのものについて問題が起きたことはないということ。

 それからもう一つ、マイナンバーが流出したということでございますが、この流出したマイナンバーが悪用されたことは起きていないということでございます。だからいいと言うつもりは全くありませんが、少なくとも、このマイナンバーの安全性とか、あるいはマイナンバーを扱うシステムについての問題が起きていないということは、これは国民の皆様にもよく知っていただいた上で、やはりヒューマンエラーということがこれまで度々起きておりますので、このヒューマンエラーをどのように減らしていくのかということは、政府としてまず真剣にやらなければいけない。

 その上で、このヒューマンエラーというのは、やはり歴史上ずっと、それはもう古代エジプトの時代からずっとあったわけでございますから、ヒューマンエラーが仮に起きたとしてもマイナンバーが悪用されないんだということはしっかりと担保し続けなければならないというふうに思っております。

 一つ一つのケースについて報告を受けておりますが、どこかの段階で、少しまとまってそうしたことを申し上げるというのは検討する必要があるかなと思います。

緑川委員 やはり、取り扱う事業者が、様々な安全管理措置というものが求められている。それをまずは徹底していくというためにも、今までの事案に対しての政府の見解であったり、方針であったり、考え方というのもやはりお伝えをしていただく部分が必要なのかなというふうには思いますし、特に、マイナンバー法では、個人情報保護法よりも重い罰則を設けて、事業者だけでなく個人も罰則の対象にしているわけでありますし、その上で、残念ながら、自治体においても、セキュリティーへの意識が欠けていたと言わざるを得ないような事案がやはり多いように思うんですね。

 マイナンバーが悪用されるようなことはなかったというところは、目立ったようなお話は特に聞きませんけれども、マイナンバーに関しては。ただ一方で、行政の過去の不祥事としては、個人データの入ったUSBを外に持ち出して、そのまま、委託業者が持ち出してなくしてしまったりとか、住民の氏名や住所、マイナンバーなどが書かれた申請書を、普通郵便という形で、追跡できないような郵送方法で送ってしまって、追跡できず分からなくなっちゃった、なくしてしまったといったことがあったり、また、マイナンバーカードの申請者数十人分の個人情報が書かれた書類を、誤って、再交付を求めた住民に、手続の際に同じクリアファイルだから渡しちゃったとか、そういうような、うっかりでは済まないような、余りにも、マイナンバーの取得を進めようというときに、直近でもいろいろなことが起こっておりますし、それに対しての、人のやることだからというところでは、なかなか落としどころとしては難しいところがあるのかなというふうに思っております。

 小さなものが山となる。情報が、どんどん出てくるものが増えれば、それだけ、悪用する、名寄せをする、個人データが共通した人に集積されて、名寄せをするリスクというのはそれだけ高まっていくというふうに思いますし、そこで漏えいしたデータというものが、名簿業者であったりとか、あるいは探偵業者であったりとか、そういった業者に渡ることで、売買が、個人情報が売り買いされる。様々な、身辺調査に利用されてしまうとか、就学の際とか就職の際とか秘密裏にチェックするような、そんな民間の闇の行為も出てくるんじゃないかなというリスクが大きくなっていくんじゃないかというふうに心配するんです。

 大臣、マイナンバー、悪用はなかったという御答弁、理解をするんですが、やはり、名寄せをして、どんどんと個人情報が集積されて、特定されてしまう、そしてまた、身辺調査などにも使われてしまったり、売買でビジネスになってしまっている、こういう状況があることについてはいかがでしょうか。

河野国務大臣 そもそも、マイナンバーを含む情報を名簿業者が保有すること自体、許されることではないわけでございますが、闇で何が行われるかということもあります。

 ただ、マイナンバーで何か、個人情報を芋づるで引き出すことができないようにこれは分散管理をされておりますし、それぞれの情報機関はそれぞれ独自の符号で管理をしておりますので、マイナンバーで何か個人情報が引き出されて集積されるということはおよそ考えられないというふうに思っております。

 ただ、だからいいと言うつもりは全くありませんし、マイナンバーを含む個人情報の流出というのは本来あってはならないことでございますから、それは、マイナンバーを含む個人情報に関わるものについてやはりセキュリティーの意識というのを更に高める、その努力はしていかなければならないと思います。

緑川委員 やはり、本人が知らないところで勝手に情報が集積されている。一部、聞くところによりますと、別人の情報が、そこに、自分のデータとして勝手に集積されていったところに別人の情報が含まれてしまって、それによって、過去にこの人は非行歴があるんだというふうに誤った記録に基づいて、例えばですけれども、志望校への推薦が認められなかったという中学生が自ら命を絶ってしまったという報道も聞いたところであります。

 知らないうちに個人の情報が使われていた、プライバシーが侵害されて、取り返しのつかないような結果も生じているという報道がありますので、こういうことが本当だとすると、当然これは痛ましい事案だというふうに思わざるを得ないです。

 マイナンバー情報の漏えいについて行政は、外部に個人情報が流出した痕跡はなかった、あるいは、ほかへの漏えい、悪用の事実は現在のところ認められないというふうに言うのも、確かにそういうふうに表面化していないところはあるんですが、こういう話があると、やはり報道にもあるようなことがあると、国民のマイナンバー制度に対する信頼というのが、またこれまで積み上げてきたことも、なかなか、こういうことが話として出てくると、また難しくなるのかなというふうには思います。

 今後の個人情報流出は、大臣といろいろやり取りをしている中で、ヒューマンエラーというのが深刻なんですが、やはり、企業をターゲットにするサイバー攻撃、これを行うような悪意のある第三者、あるいは内部不正を行って悪質な人物に内部から狙われるというようなケースも考えられます。

 東京商工リサーチの発表では、上場企業とその子会社で昨年に個人情報の漏えいや紛失の事故を公表したのは百五十社で、事故の件数は百六十五件、漏えいした個人情報はおよそ五百九十三万人分で、おととしから二年連続で最多を更新しているところです。原因別では、やはり、紹介したように、ウイルスの感染であったりとか不正アクセスがこの事故件数の半数以上を占めているということで、個人情報をいかに管理できるかという問題には、やはりこういうサイバー攻撃とか内部の不正があるということからも、真剣に向き合わなければならないというふうに思います。

 サイバー攻撃による個人情報の漏えい対策として、個人情報保護委員会は、内閣サイバーセキュリティセンター、警察庁のサイバー警察局、そして情報処理推進機構との省庁連携に今年度から取り組むということになっています。

 重大な漏えいが起こった場合に、その事業者から関係する省庁あるいは機関に報告をしたり、事実確認に応じたりと、各段階で協力することになっていますけれども、事業者の側からすると、各段階で協力すると言われても、今、現場対応にまさに追われている段階の中で、複数の省庁、機関にそれぞれ異なる様式で速報対応をしなければいけない、それをそれぞれの関係省庁、機関に伝えなきゃいけないという作業が並行で行われることになります。

 必要な対応ではあるんですけれども、そちらに手間がかかっている間に被害が大きくなっていくということにもつながりかねないというふうに思います。両方やれればいいですけれども、やはり今回の省庁連携では、事業者の負担が大きくなり過ぎているんじゃないかというふうに懸念をしております。

 報告をできるだけ一元化するというようなこと、現場の負担を軽くすることについての御見解はいかがでしょうか。

大串副大臣 個人情報保護委員会では、不正アクセスによる個人情報の漏えい等事案を未然に防止すること、さらには被害の拡大防止や類似事案の発生防止などによりリスクを低減させること、そして、この種の事案への適切かつ迅速な対応を図ることを目的といたしまして、今御案内のとおり、機関同士の連携の在り方を調整した上で、先月、NISCと警察庁サイバー警察局、IPAのセキュリティセンターと覚書を締結いたしまして、連携を開始したところでございます。

 この覚書におきましては、セキュリティーインシデント発生の際、漏えい等報告の報告者等に対し報告等に関する既存の制度の紹介等を行うことを規定しておりますが、これは事業者に追加の対応をお願いするものではなくて、事業者の報告の負担が増加するものではないと認識しております。

 また、窓口の一元化というお話がありましたが、報告等に関するそれぞれの制度が趣旨、目的、対象も異なるということでございますので、単純に一つに統合できるといった関係にはないものでございます。

 ただ、今まさに、この覚書に基づきまして、例えば一つの報告が行われたときに、ほかの相談先を適切に紹介することとなるなど、事業者にとってもメリットのある取組であるというふうに認識をしております。

緑川委員 四月から始まった取組ということで、またその進捗、あるいは課題が浮かび上がってきたところについては、また注視をしながら議論をさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、やはり、現場から早く上がってきた速報を国で早く分析ができる、それによって、攻撃を受けているソフトウェアのセキュリティーの脆弱性などをまず突き止めて、ほかで被害を防いだり注意喚起にもつなげられるということで、本当に負担が重くならないのかということについては、また現場でのいろいろな御意見も伺いながら、見させていただきたいなというふうに思います。

 マイナ保険証についてお伺いします。

 このマイナ保険証で診療を受けられるのは、専用のカードリーダーなど、オンライン資格確認システムを整備した医療機関に限られます。

 今月九日時点のカードリーダーの申請率は、全ての医療機関、薬局で見ますと、およそ九二%、オンライン資格確認の接続率は七四%、運用参加率が六八%となっています。このうち、病院はこの平均より高くて整備が比較的進んでいるんですけれども、診療所とか歯科診療所では、運用参加率で見ると六〇%ほど。平均より結構低いんですね。

 今、今年九月末をシステム整備の義務化の期限としながら、整備が完了していないところに対しては、国がカードリーダーを無償提供したりとか、あるいは院内システムの改修費用の補助も行って整備の完了を促しているんですが、資格情報を取り込むレセコン、そして医療情報の閲覧に必要な電子カルテ、この改修というのは、補助があっても大分高額だというふうに現場で聞いております。これが負担になって、こうした改修費、あるいはメンテナンス費も今後ありますから、こういうものを工面できないということも考えて、廃業を検討している診療所もあるわけであります。

 一方で、何とか賄えるような診療所でも、機器同士の相性あるいは影響のチェックなど、入念に確認する必要がやはりあります。そういう中で、確認するのはやはり専門業者ですから、このシステムの整備に対応するベンダーの数も限られると聞きます。

 余り期限を重視するのではなくて、患者の医療情報の安全が図られるように、着実な整備を進めるということに重きを置くべきではないかというふうに思います。というのも、今、全国でサイバー攻撃も医療機関を狙って多発しているところですし、まさに今築き上げようとしているもの、この環境というものが土台になるわけですので。

 大阪市の病院では、攻撃を受けて電子カルテが利用できなくなり、手術や外来診療が止まりました。診療に必要なシステムの全面復旧に時間がかかって、通常体制の復帰までに二か月を要したということであります。

 セキュリティー対策に一層の強化が必要になっている中で、国がただガイドラインを示すだけでなくて、実効性のある対応が取れるように支援することを含めて整備が求められていると思いますが、最後に御答弁をお願いします。

本田大臣政務官 緑川委員にお答え申し上げます。

 今の導入状況については委員から御指摘がございましたけれども、その中で、やむを得ない事情が、保険医療機関、薬局について、導入義務の経過措置を設けるとともに、導入支援の財政措置の期限も延長したところでございます。

 具体的には、システム整備が間に合わない医療機関等については、遅くとも本年九月末までの経過措置を設ける一方、システム事業者に更なる導入加速化を促しております。

 具体的には、システム事業者、ベンダーの不足ということも今ございましたけれども、そうしたところには、体制強化として、NTT東西等の導入支援事業者との連携を強力に促すなど、更なる導入の加速を図っているところでございます。

 着実な導入と、さらに加えて確実な導入に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。

緑川委員 質問を終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 続きまして、立憲民主党の森田でございます。

 河野大臣、よろしくお願いいたします。

 今ちょうど統一地方選挙が行われておりまして、前半戦が終わり、今、後半戦でございますけれども、期日前投票を含めて投票に行かれている方がたくさんいらっしゃると思います。

 先ほど来、保険証のマイナンバーカードというお話がありましたが、投票所に出入りするときの投票への活用をマイナンバーカードでやっていくというのは、保険証の活用などというと、先ほど来問題になっているとおり、いろいろな診療所だとか関係機関、民間を含めていろいろなところに、根回しであったり、いろいろな機材の導入であったりというのがあるわけですけれども、比較的、行政が変われば済む分野としては、マイナンバーカードの導入については、投票への活用というのは結構いい分野なのではないかなと思っているんですが、総務省からこの辺についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードの普及が進む中、選挙の公正を確保しつつ有権者の投票環境の向上を図る観点から、マイナンバーカードの選挙への活用を進めることは重要であると認識をしております。

 具体的な活用例としては、滞在地における不在者投票の投票用紙等につきまして、平成二十八年より、請求にかかる手間や時間短縮の観点から、マイナンバーカード等を用いたオンライン請求を可能とし、さらに、令和三年四月より、マイナポータルのオンライン申請サービスであるぴったりサービスを活用できるようにしたところでございまして、各選挙管理委員会に対しまして、その積極的な実施を検討するよう要請をしております。

 また、マイナンバーカードの空き領域を活用いたしまして、投票所等における入場受付や期日前投票の宣誓書の記載の省略などを実施している団体もあると承知をしております。

 引き続き、各選挙管理委員会におきまして、投票環境向上の観点から、マイナンバーカードの活用について取り組んでいただきたいと考えております。

森田委員 私も先日、自分のところですと県会議員の選挙がありまして、投票所に行って、それは期日前投票じゃなくて、日曜日にちゃんと投票に行ってやったんですけれども、カードというか、投票入場券というんでしょうかね、あれを持っていって、見てもらって、何か職員さんがチェックをして、投票用紙を渡されてというのをやっていくんです。

 別に、本人確認をされるわけでもないし、私なんかは、地元の職員さんに、行けば、ああ、森田が来たなみたいな感じで見られはしますけれども、あれは、普通に行って、何か余り心もとない感じで、誰が行っても、カードさえ、券さえ持っていけば何か入場できちゃうのかなという一抹の不安がやはりいつも投票するたびにあるものですから、厳しくすればいいというものではないと思うんですけれども、投票の安心、安全を確保するためにも、非常にマイナンバーカードは有効な活用分野ではないかなというふうに思っておりますので。

 イメージ的には、飛行機に乗るときによく、QRコードが携帯に入っていたり、券だったりしますが、あれをかざすと、この先からぴろんと紙が出てくると思うんですけれども、何かあんな形で、カードをかざすと投票券が出てきて、ちゃんと一人一枚と対応ができる。

 セキュリティーを管理している航空会社なんかがああいうシステムを使っているので、投票の重複とか、そういうことも未然に防げるのではないかなと思いますけれども、これは今後の展開を是非期待をしていきたいなというふうに思っております。

 それから、自動改札を鉄道会社が導入したときに、きせるの防止になったと。A駅からB駅までの間を、最初と最後だけ区間を買って、中をちゃんとした乗車料金を払わない、電車賃を払わないというのがきせるですけれども、自動改札を導入したことによって、例えば定期券なんかは、その前は、ボックスの中にいる駅員さんに見せて通っているというだけだったので、確かに、さっきの投票の入場券ではないですけれども、ちょっと心もとない感じがしていました。

 容易に、前後のところだけ買えばそういったこともできた時代もあったというところだったんですが、やはり自動改札を導入することによって、入場記録、出場記録ということを随時つけていくことも含めて、かなり丁寧な管理をすることができるというのもありますので、これが運賃の増収につながったというようなことも聞いたことがあります。

 例えば、もう一つは、自動改札でいけば、駅員さんを、ブース、ブースに置いていた人を管理の窓口にだけ置いて、あとは全部、がちゃっと入れれば、当時は入れればまた出てくるということをやっておりましたので、人件費の削減ということもありましたけれども、要するに、こういった見えやすいメリットを数字的に出していくということも結構大事なのかなと思いますけれども、マイナンバーを導入したことの具体的な財政面のメリットというのは何か、計算しているものがあるかどうかお聞かせいただきたいと思います。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーの利用によって、現在、児童手当の申請を始めとして約二千五百の、社会保障制度、税制、災害対策といった事務において、行政機関等の間での情報連携により、住民票の写しや課税証明書等の添付書類の省略可能としておりまして、こちら、情報連携を行うための情報提供ネットワークシステムを利用した情報照会、提供業務の処理件数といたしましては、直近では、一か月当たり約六百万件から約九百万件、多い月には四千万件を超える利用があるという状況でございます。

 これによりまして、従来、行政機関の間において郵送等でやり取りをしていた照会をオンラインにて実現するなど、各種書類の発行や文書照会の回答事務の削減につながっているというふうに承知をしております。

 本改正案におきましては、社会保障、税、災害対策以外の行政手続においてもマイナンバーの利用の促進を図ることとしており、具体的には、国家資格、自動車登録、在留期間更新に関する事務等におきまして、マイナンバーの利用を可能としております。

 これにより、当該事務手続においても、これまで提出を求められていた書類の取得、添付が不要となり、更に事務負担が軽減するものというふうに承知をしております。

 一方で、マイナンバー制度の利活用による効果の多くというのは、まだ現時点では定性的なものでございまして、なかなか具体的に数値化してお示しするところは困難ではあるんですけれども、例えば、所得把握の正確性を増すことによって、社会保障給付の負担の適正化、効率化が図られるほか、世帯情報や所得情報について、関係機関間において情報連携をすることによりまして、各種手続の際の申請書への住民票や課税証明書等の添付省略が可能となるなど、国民の利便性の向上と行政の効率化が図られるとともに、ITを活用した産業の活性化等を期待できる等の効果があるというふうに考えております。

 具体的には、本法改正において、自動車変更登録に関する事務や在留期間の更新等に関する事務においてマイナンバーを利用することによって、住民票等の添付書類の省略等の効果があるというふうに考えております。

森田委員 数字ではなかなか把握がまだできていないということだと思いますが、一方で、先ほども話題になりましたけれども、マイナンバーカードの申請促進であるとかマイナポイント事業についてかかった経費、これははっきりしていると思いますが、これをお聞かせください。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 総務省が実施いたしましたマイナンバーカードの広報を含む申請促進に係るこれまでの予算額につきましては、テレビCM、新聞広告等を用いた広報活動や、ショッピングセンターなどにおける出張申請受付キャンペーン、全国での携帯ショップにおける申請サポート事業などの合計で約二百五十九億円となります。

 また、マイナポイント事業につきましては、カードの普及のみならず、キャッシュレス決済の拡大とともに、消費の喚起や生活、暮らしへの支援、さらには、カードの健康保険証利用や公金受取口座の登録促進によるデジタル社会の実現を図ることを目的に実施をされているものでございますが、マイナポイント第一弾の予算額は約二千九百七十九億円、マイナポイント第二弾の予算額は約一兆八千百三十四億円でございまして、第一弾、第二弾の予算額の合計は約二兆一千百十三億円となります。

森田委員 ありがとうございます。

 経費の方は比較的目安になる経費が出ているということで、もちろんこれだけではなくて、今までも、マイナンバーを導入するに当たっての経費はいろいろあったと思いますけれども、一つの目安として二兆円のお金というものが出てきたというふうに伺いました。

 それで、例えば、オリンピックとかワールドカップをやるときなんかにも、よく、何とか総研、そういったコンサル系の会社とかが経済効果としてこのぐらいの、何億円とか何兆円とかというお金がやはり、割と大きな数字として出てくる。もちろん、それが正しいとか正しくないとかというのは、いろいろな計算のやり方があると思いますので、一つの目安だとは思いますけれども。

 例えば、今、お話を聞いていると、事務的ないろいろな経費を削減したというような話もございました。例えば市町村で、例えば何とかの手続をするときに今まで十三分かかっていたものが八分になったとか。そうすれば、例えば、何分か分の事務経費、人件費が削減できたという仮の計算が成り立って、それを計算していくと、例えば国全体としてはこのぐらいの事務経費の削減になる。いろいろなところでそういった計算が、全部ではちょっと難しいと思いますが、一つの例として出てきたりだとか。

 あるいは、先ほどきせるの例を御説明しましたが、私も介護の事業所の運営に携わっておりますので、職員のマイナンバーを全部書いて、全部申告の手続を事業者側としてやっているということもありますので、今まではちょっとした収入であれば内緒でというようなこともあったと思うんですが、やはりそれを適切な税制申告と。

 先ほどは、手続を簡易にするという意味で申告のことも出ておりましたけれども、そういった、いわば不正というか取りっぱぐれをなくすという意味からも、割と数字的なものというのも、もちろん、少し税収が上がったからといってそれがマイナンバー導入の効果かといったら、それは確かに全部が全部ではないと思いますので、そこは例えば成長率との調整をしたりとか、いろいろ把握をする必要があるとは思います。

 いずれにしても、いろいろな形での一つの枠組みというものを、ある程度の計算をするということはできるんじゃないかなと。自分でやらなくても、例えば何とか総研に試算を依頼するとか、そういうことも含めてできるんじゃないかなと思います。

 何が言いたいかというと、財政面でのメリットというものも一つ打ち出すと、やはり説得力が増すということもあるかなというふうに思っておりますので、是非、導入経費と、それから、それによって得られるメリット、こういうものを、つじつま合わせと言ったらあれですけれども、やはりメリットが勝るんですよということが説明できるような感じがいいんじゃないかなと思っておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。

河野国務大臣 東京オリンピックも、東京オリンピックの経済効果は幾らとか、ラグビーのワールドカップのときもたしかあったと思います。あれを見ていて、本当かよと思いながら数字を見ていた方でございますが。

 やはり、このマイナンバー制度を導入した、あるいは、マイナンバーカードで新たなサービスが展開されることになってどれぐらいコストが下がったんだろうか。これはもう霞が関もそうですし、自治体、それから、利用している企業もそうですし、あるいは、個人が申請のたびに役所に行かなくてよくなった、いろいろなメリットがあって、それが大ぐくりでどれぐらいなのというのは、きっと、何とか総研がどこかやってくれるんじゃないかなと思っておりますが、なかなか出ないようなら頼みに行こうかと思っております。

 もう一つ大事なのは、やはり、データを連携することによって何かプラスが生まれる。今委員からもJRの増収の話がありましたけれども、コストが下がるだけでなく、やはり何か付加価値がここで生まれてきて、それがどれぐらいのものなんだという、ここも大事だと思いますので、そっちの方がより計算は難しいのかもしれませんが、そういうものがやはりお示しできるように将来的にはしなければいけないのかな。

 そのためには、やはりサービスをもっと増やしていって、メリットが様々な形で見られるようにしていく。まずサービスの導入をしっかりやってまいりたいと思っております。

森田委員 河野大臣には、やはりその辺の打ち出しの上手な方だというふうに期待しておりますので、いろいろな不安というものが先ほどほかの委員からも出ておりましたけれども、でも、やはりこういうことがすごくいいことなんだということを、数字もあり、あるいは先ほどおっしゃっていたようないろいろな制度面でのプラスもありということで、是非説得力を増した説明ができるような対応をお願いできればなというふうに思っております。

 それから、このマイナンバーのことですけれども、導入のときには非常に丁寧に国民の皆さんの意見聴取というようなものも行ってきたということがあると思いますが、今回の法律改正に当たってこの辺りをどのようにされたか、お聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 まず、マイナンバー制度につきましては、有識者を構成員とする、マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ、これは長いので、マイナワーキンググループ、マイナワーキンググループと言っておりますが、ここで、例えば自動車の変更登録とか、あるいは国家資格、在留資格、そういう行政手続にマイナンバーを新たに活用するようにする、あるいは、行政機関の間でマイナンバーを用いた情報連携をより速やかに開始できるようにする、こういったことの御議論をいただきました。

 また、健康保険証との一体化につきましては、デジタル庁、総務省、厚生労働省で検討会を開催して、高齢者あるいは障害者の関係団体を含む、医療機関ももちろんでございますが、関係者から広くヒアリングを実施をして、例えば、一歳未満はマイナンバーカードに顔写真は要らないんじゃないかとか、あるいは、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を受けることができない状況にある方に資格確認書を交付する、こういう、様々な法改正事項を含む中間取りまとめをいただいたところでございます。

 また、有識者等を構成員とする法制審議会戸籍法部会では、振り仮名に関する、戸籍の記載事項に関する振り仮名の追加について調査審議を行っていただいて、法務省で広く意見を募った上で、要綱案というものを二月に取りまとめていただいたところでございます。

 関係者あるいは国民の皆様の御意見、御要望をこれからも丁寧に聞いてまいりたいと思います。

森田委員 次に通告しておりました別表の削除だとか情報連携のことについては、緑川委員の方から丁寧な質問がありましたので、触れないようにしたいと思います。質問しないことにしたいと思いますが、やはり、さっき事例で出していただいたところに、図らずも米軍の従業員さんへの接種というような話が出てきて、ああ、そうか、米軍もマイナンバーを活用することがこれから、じゃ、出てくるのかということもあって、もちろん、これは従業員に対することなんでしょうから、事業者として、雇主としてはそれは当然そういうことは出てくるのかもしれませんが。

 それを一つ取っても、あれ、じゃ、米軍の関与とかはどうなんだろうな、外国の政府との関連はどうなるんだろうなとかと、いろいろ新しい分野が出てくると、準ずる業務という内容であっても不安が出てくるという可能性もやはり否定できないと思いますので、国民の皆さんの不安とか心配とか、これを少なくできるような取組をこれからも是非していっていただきたいなというふうに切にお願いしたいと思います。

 それから、戸籍の振り仮名の問題についてお尋ねをしていきたいと思っております。

 これは、私からこの質問をするに当たってちょっと市役所の方にお尋ねをしたら、いろいろとお答えをいただきました。一つ今あるのが住民票をやるシステム、それからもう一つが戸籍をやるシステム、この二つのシステムがまずあるという中で、じゃ、振り仮名を振るという作業をどのように進めますかといったときに、これはもちろん仮の話ですけれども、まず、この振り仮名、住民票でもらっている振り仮名がこれでいいですかという確認を御本人に送る、いつ幾日までに御回答ください、御回答がなければこれでオーケーしたものとするというような言い方で本人に確認をするという作業が多分出てくる。その上で、住民票から戸籍に自動的に移せるようなものについてはデータ上の変換とかである程度対応できるんじゃないかと。ただ、変更が出てきたり、あるいはいろいろな何かほかの事案によって打ち込み等が、ぱちぱちとタイプをする必要が出てくるような可能性もあるんじゃないかというようなことをされていたんですけれども。

 いずれにしても、いろいろ、データのことであったりだとか、行ったり来たりの郵送だとか、そういう確認の問題であるとか、こういった事務的なものというのは結構大きなものになってくるんじゃないかなと思いますけれども、この辺りをどういうふうに国としてバックアップしていけるか、これについてお聞かせいただきたいと思います。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 戸籍の記載事項として氏名の振り仮名を追加するに当たって、市区町村においては、現に戸籍に記載されている者に対する戸籍に記載する予定の氏名の振り仮名の通知や、届出があった氏名の振り仮名に関する審査及び戸籍への記載など、一定程度の作業が発生するほか、これに対応した既存システムの改修も必要になります。

 法務省といたしましては、振り仮名の収集について、書面による通知のほか、マイナポータルを活用することを含めるなど、市区町村において極力負担が生じないよう配慮するほか、既存システムの改修についても、市区町村において極力負担が生じないように配慮してまいりたいと考えております。

森田委員 分かりました。

 それから、市町村間のやり取りというのが出てくるんだろうと思っております。今住民票を置いている市区町村、それから本籍地がある、戸籍がある市区町村、この間でのやり取りというのも出てくるかなと思いますけれども、この辺りはどのようにサポートしていくというお考えでしょうか。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 住民基本台帳制度におきましては、戸籍に関する記載事項の異動に対応いたしまして住所地の市区町村が滞りなく住民票の記載等をできるようにするために、市区町村長は、その市区町村の住民以外の者につきまして戸籍に関する届出書を受理し、又は職権で戸籍の記載等をした場合におきまして、その者の住民票の記載等をすべきときは、遅滞なく住所地の市区町村長に通知しなければならないこととしております。

 この市区町村間の通知につきましては、現在は、御指摘のとおり郵送等により行われておりますが、令和元年に成立したデジタル手続法による住民基本台帳法の改正によりまして、令和六年五月までに電子化することとしております。

 したがいまして、今回のマイナンバー法等の一部改正法による戸籍法等の改正によりまして、戸籍に振り仮名を記載した場合、本籍地市区町村から住所地市区町村へと当該振り仮名の情報を通知することになるわけでございますけれども、この通知につきましては、今申し上げましたデジタル手続法による改正後の住民基本台帳法に基づき、電子的に行われることを想定をしております。

 これによりまして、戸籍への振り仮名記載に伴う本籍地市区町村と住所地市区町村における事務作業の迅速性、正確性が向上いたしますとともに、事務負担の軽減が図られるものと考えております。

森田委員 いずれにしても、全国の各地でのやり取りが出てくると思いますので、是非そこは、円滑なやり取りがそれぞれの市区町村でできるように、サポートをお願いできればなというふうに考えております。

 ちょっと最後、順番を変えたいと思いますが、まず大臣に、民間人材とそれから元々の国家公務員の方とのデジタル庁の中でのいろいろな業務をやる中での意見の違いというか、どっちかというと組織文化の違いというか、こういうものもあるんじゃないかなというふうに思っておりまして、たまたま、ほかの省庁からデジタル庁に出向している私の知り合いがいたので聞いてみたんですけれども、やはり民間の側から来た方からすると、例えば、法令に対するいろいろな知識だとか経験というものが不足しているかな、あるいは、調達、入札、こういったものに対する意識というものがかなりやはり民間とは違うんじゃないかな、そんなことを感じたというようなことを言っていました。

 そういうものは、民間から来たらそうなんだけれども、民間から来た人材が優れているのは、例えば専門知識であったりとか、逆を言えばスピード感とか、そういったことになると思うんですが、そういった今まで働いてきた環境の違い、組織文化の違いみたいなものを、より円滑にやって、いい環境をつくっていく、働きやすい環境をつくるというようなことがやはりデジタル庁としては必要なのではないかなと思っておりますが、この辺りのことについて大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 デジタル庁には、霞が関から来た人材、それから自治体から割愛あるいは研修員として来てくれている人材、それから民間から来てくれている人、まだ二年ですかね、デジ庁プロパーで採用した人、四種類おりまして、それぞれ組織文化が違います。

 また、自治体と霞が関はどちらかというと行政ですから、行政と民間企業の文化の違いというのもやはりあるんだろうと思います。今おっしゃったような、法令とか調達の手続が、どちらかというとやはり行政は面倒くさいと民間の方は感じられると思いますし、民間から見れば、やはり霞が関の動きは遅い、こう思うかもしれませんが、そこはお互いに相手のバックグラウンドを理解しながら一つのやり方にしていかないといけないのかなというふうに思っております。

 デジ庁は、プロジェクトごとに縦のラインが幾つもありますが、そこに、民間の専門知識を持っている人が、エンジニアとかデザイナーとか、それぞれのユニットからプロジェクトに派遣してもらう、いわばたて糸とよこ糸のマトリックス型になっているというところがあります。

 それで、仕事をやりながら、民間から来た人にも、行政人材がやっている各他省庁との折衝とか自治体との折衝みたいな、行政的な業務も民間の方になるべくどんどんやってもらえるようにしたいというふうに思っておりまして、民間企業から、企業でそういう交渉事の経験のある人も積極的に今採用しているところでございます。

 服装も違いますし、半分ぐらいテレワークで来ないというところもありますし、霞が関の中では少しデジ庁は異質かもしれませんけれども、私は、逆に、そういう文化が霞が関の方ににじみ出ていって、霞が関全体を将来的には変えてほしいと思っておりますので、デジタル庁の文化の育成というものも積極的にやっていきたいというふうに思っております。

森田委員 ありがとうございます。

 聞いた知り合いが言うと、民間人材の方がダブルワークというか、いわゆる非常勤的な立場で、しかも役職付というような方もいらっしゃるというようなこともあって、もちろん、テレワークだとか、いろいろなデータ上、インターネット上のやり取りなんかはできるかもしれませんが、やはり、意思決定のときに、なかなか勤務時間としてのタイミングが合わないとかということもあるらしいので、是非、そういったことも含めて、働きやすい環境づくり、御配慮いただけるといいのかなというふうに思っております。

 最後、先ほど来いろいろ出ておりました国民の皆さんの理解ということにも関係するかなと思うんですが、そもそもマイナンバーとマイナンバーカードの違いみたいなものはよく分からない、マイナンバーはもうみんなあるんだけれども、何か、カードを取らないと持っていないのかなみたいな、いろいろな理解の状況というのはあると思うんですが、そこで、余り、民間活用とかみたいなところ、利活用のところにいってしまうと、何か、元々が置いていかれたまま、後からおっつけで、そこに芯がないまま形だけ大きくなってしまうみたいなイメージになるリスクもあるのではないかなと思っております。

 是非、元々の芯のところを丁寧にやっていっての利活用なんじゃないかなと思いますが、アイデアの募集みたいなところについての河野大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 正直言うと、最初の頃、私もマイナンバーとマイナンバーカードの違いがよう分からぬという時期がありましたので、ブログやメールマガジンで、マイナンバーとマイナンバーカードはこういうものです、ここが違うんですと。マイナンバーは、もう先ほどから申し上げているように、法律で定めた事務で情報連携に使います、マイナンバーカードは、対面もそうですし、オンラインでの身分確認ができる、一番日本で強度の高いもので、これはもう民間にも積極的に使っていただきたいものですということを申し上げてまいりまして、委員おっしゃるように、やはり、まだそこの違いが分からぬという方の方が多いんじゃないかなと思いますので、そこは、我々としても違いをしっかり説明をするということはやらなきゃいかぬと思っております。

 また、今、デジタル庁で、マイナポータルを使って民間に便利なサービスを提供してもらうアイデアを募集するハッカソンというものをやるところでございますので、マイナポータルのAPIを使って世の中をこんなに便利にできるよ、そういうアイデアを広く募集をしていきたいというふうに思っております。それについてもしっかり広報をやってまいりたいと思います。

森田委員 先ほど、最初に、私鉄の自動改札の導入なんというのを申し上げましたけれども、あれは、国鉄が導入するまでに大体三十年ぐらいのスパンがあったということですね。少しずつ利便性だとかいろいろな環境に慣れていくということもあるのかなというふうに思っております。

 まずは、三分野を中心に、きちんと、マイナンバーというものがこうなんだということを、実体験も含めて御理解いただく中で、徐々に利用拡大、理解をしていただきながらの利用拡大というものをしていくのが筋なのかなというふうに考えておりますので、是非、今後も引き続きの御配慮をいただければというふうに考えております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

    〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕

坂本(哲)委員長代理 次に、湯原俊二君。

湯原委員 お疲れさまです。立憲民主党の湯原俊二です。

 早速質問に入らせていただきますけれども、先般の我が党の代表質問あるいは本日の我々の同僚議員の質問を聞いておりまして、幾つかに絞って質問をさせていただきたいと思います。

 まず一点目は、やはり、今回のマイナンバー法案で私が疑念に思っている、懸念している、思うのは、やはり保険証の関係であります。

 マイナンバーカード取得が任意であって、片一方では、健康保険証、保健医療体制というのは皆保険制度で、ある意味では義務であり、権利として、保険料を払った人には受けられる、こういう状況があるわけでありまして、ここにやはりそごがあるのではないかというふうに思うわけでありますけれども、この点について御答弁をお願いしたいと思います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化につきましては、先ほども御説明させていただきましたけれども、やはり、健康医療に関する多くのデータに基づいたよりよい医療を受けていただくことが可能になるといったようなメリットはございますし、医療機関や医療保険者の方にとりましても、様々な事務負担の削減にもつながるといった多くのメリットがございます。こうしたメリットを踏まえまして、来年秋に健康保険証の廃止を行うことを予定しているものでございます。

 健康保険証の廃止後は、マイナンバーカードによるオンライン資格確認が基本となるものでございますけれども、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方につきましては、御本人の申請に基づいて発行されます資格確認書、これによりまして被保険者資格を確認することとしてございまして、必要な保険診療が受けられるよう対応を講じているところでございます。

湯原委員 メリットは、先ほど来話があります。今日まで伺っています。重々承知しています。

 問題なのは、マイナンバーカードが任意で申請、この資格確認書も申請だということであります。ですから、申請しなければ結局は皆保険制度から漏れてしまうということを私は懸念をしているということであります。

 今現在では、資格確認書は、来年はそうですけれども、その再来年、十年先まで発行するかどうかも承っていないわけでありまして、この辺のところを考えると、任意、申請のものが二つあって、皆保険制度というのは皆さんの権利として保険料を払えばあるというものが、これがマッチするかどうかというのが、漏れることが出てくるんじゃないかなというふうに思っております。

 先ほども緑川議員からもありましたけれども、私は鳥取出身でありまして、中山間地域の医療のことも、他の、総務委員会でも質問したことがありますけれども、マイナンバーカード、保険証一体化ではなくても、現在でも、例えば鳥取の中山間地域の医療では、お年寄りが、御高齢者が、例えば膝が痛くなった、腰が痛くなったときにも、例えば整形外科の診療所にアクセスしたくてもその診療所自体がないぐらい、こういう状況がある中で、先ほどありました、高齢の医師や歯科医師が、システムまで導入して、なかなか費用負担がきついですよねということで、システムを導入せずに閉院をする、こういう現状も仄聞するわけであります。

 こうなれば、そこに今まで医療アクセスしてきた患者はそこに行けなくなってしまう、医療アクセスできなくなってしまうという現状があるわけでありまして、この辺について、保険証がなくなるまで本当に万全に対応できるかどうかということを、改めて答弁を求めたいと思います。

日原政府参考人 まず最初に、資格確認書の申請の関係をお答えさせていただきたいと思います。

 この申請手続を失念されるといったようなことで保険診療を受けることができないといった事態を防ぐこと、これは大変重要というふうに考えてございまして、具体的に申し上げますと、まず、来年秋の健康保険証の廃止に向けまして、マイナンバーカードの保険証利用の登録をしていない方には、資格確認書の申請をお勧めする、促す案内をお届けするとともに、資格確認書の有効期間の期限が到来する時期にも手続の御案内をお送りしたりするなど、保険者から申請のお勧め、勧奨を実施するといったことを考えてございます。

 それから、二点目でございますけれども、御本人からの申請が期待できない、難しい方につきましては、御家族のほか、施設職員や支援団体によります代理申請を進めていくということ。そして、それでもなお資格確認書の申請が期待できないというふうに判断された場合には、御本人からの申請によらずに資格確認書を交付することを可能とする。こういった対応を想定しているところでございます。

 それからもう一点。オンライン資格確認義務化に伴いまして、地域医療に影響が出るのではないかという御指摘をいただきました。

 先ほどもございましたとおり、マイナンバーカードによります医療保険のオンライン資格確認、これは今年の四月から原則として導入が義務づけられているものでございまして、直近でございますと、義務化対象施設の約七三%の医療機関等では運用を開始していただいております。これに当たりましては、カードリーダーの無償提供ですとか、また、昨年はシステム改修に係る補助金の拡充なども行ってまいりました。

 ただ、他方で、やむを得ない事情がおありの場合には、導入義務の経過措置も設けてございます。これは、導入支援のための財政措置の期限も延長してございます。

 ちょっと具体的に御説明をさせていただきますと、まず、システム整備が間に合わない医療機関などにつきましては、遅くとも本年九月末までの経過措置となってございますけれども、そのほかにも、オンライン資格確認に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない場合、あるいは廃止、休止に関する計画を定めている場合など、きめ細かな経過措置を設けているところでございます。

 地域医療に支障が生じることのないよう、医療現場の皆様に対しましては、こうした経過措置の内容などを丁寧に御説明をして、オンライン資格確認の導入をしっかり進めてまいりたいと考えてございます。

    〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕

湯原委員 分かりました。

 ただ、いずれも資格確認書は案内等々含めて申請を促すなんですね。強制ではないですし、義務ではないわけですから。最大限やるとおっしゃっていても、マイナンバー保険証を進めていくことで、その一方で、漏れてくる方が出てくるのはやはり間違いないんだろうなというふうに思っています。

 促して、できるだけマイナンバー保険証を取ってもらえるように御努力されるのは分かりますけれども、結果としては、やはり、あくまでも任意のものでありますので、その過程で漏れてくる方がおられ、国民皆保険制度では果たしてどうなのかなということを申し上げておきたいと思います。

 先ほどもありましたけれども、特に、中山間地域とか、あるいは御高齢のお医者さんがいる診療所等では、システムがつながることのサイバー攻撃を受ける可能性、先ほどもありましたけれども、質問は省きますけれども、私は非常に懸念をしているということを申し上げておきたいと思います。

 それから、マイナンバーカードで様々な申請とか、いろいろ情報を取り寄せることができるわけでありますけれども、私は懸念しておりますけれども、今日トップバッターで福田昭夫議員が質問しておりました。ガバメントクラウドで、外資四社がガバメントクラウドを担っているわけでありますけれども、この辺で、いろいろ、全部がまとまって芋づる式的にデータは管理してはいない、それぞれが持っているんだけれどもという話で、大丈夫だというニュアンスだったと思います。

 でも、ガバメントクラウドではこれはリンクしていくわけでありますので、この辺について懸念するわけでありますけれども、どのようなお考えか答弁を求めたいと思います。

河野国務大臣 ガバメントクラウドにつきましては、セキュリティーを含むスペックを定めて、それに合致しているものは、これはもう国内外を問わず契約をするということでやらせていただいておりまして、残念ながら、国内でコストですとかセキュリティーのスペックを満たすことができるところがないということで、今のところは海外の四社と契約をするということになっておりますが、日本の企業も、この要求スペックを満たすことができれば、我々としては契約をしていきたいと思っております。

 提供する企業は海外の企業でありますが、データは国内に置いてもらう、また、国内法の定めに従うということになっております。また、アメリカとの間では、政府のものにつきましては主権免除が適用される。

 このガバメントクラウドを提供する企業、データにアクセスすることはできませんが、このデータはそもそも暗号化されておりまして、政府がこの暗号化のための鍵を持っておりますので、万が一、仮にデータにアクセスしたとしても、暗号化されたデータでございますので、中を見ることはできません。

 こうして、ガバメントクラウド上のデータにつきましては、法律的、物理的あるいは暗号的に様々多重的な防護をしておりますので、セキュリティーに関して懸念はないというふうに思っております。

湯原委員 ありがとうございます。

 大臣から答弁いただいて、ガバメントクラウドの関係では、セキュリティーについて含めて、スペック、そのレベルのところを昨年、おととしになりますか、選んでいったときはたまたま四社になった。二社から、それプラス二社になって四社ですね、オラクルとかいろいろ入ってきて。

 ただ、私も、最初のときの、入札のときの、公募のときの要件を見ますと、これはちょっと平行線になると思いますけれども、どちらかというと、最初やったアマゾン等々のアメリカにある巨大企業の受注要件といいますか、例えば翻訳、通訳機能を持ったりとか、いろいろ要件の中身が外資系に有利に働くように、例えばデータセンターは幾つか持つとか、いろいろあったんじゃないかなという私なりには思いを持っています。ただ、ある程度のスペックを持てば国内企業でも参加できますよということで、取りあえず今日のところは了としておきますが。

 ただ、私がもう一つ申し上げたいのは、今日までもこういう巨大なIT企業関係で、余り会社名を出すのはいかがなものかといっても、例えばLINEの問題が、中国でデータ、あったりとか、あるいはアメリカは現在、ティックトックは余り使わないようにしましょうよねとか、こういう裏には、やはりそこにビッグデータがそういったプラットフォーマーというか巨大企業に集まってくるという、ここから派生した問題があるんじゃないかなということで、今回も、私の懸念は、マイナンバーに絡む、こういう、芋づる式にはならないですけれども、カードを持つことによっていろいろな情報にアクセスできる、そして片一方で、ガバメントクラウドというのが、四社が持っているということを、懸念は申し上げておきたいと思います。

 あと一点、要望しておきますが、先ほど末次議員からもありましたし、他の議員からもありました。情報漏えいについて要望だけしておきます。

 個人情報保護委員会、先ほど来も出ていますけれども、ここで、問題を私が思っているのは、ヒューマンエラーのこともありましたけれども、再委託ですね。各自治体等が再委託する。

 この個人情報保護委員会の資料を見ますと、マイナンバーの管理状況で、自治体の四五%が業務を委託している。以前の、この一昨年の資料だと、四五%が委託をしている。そのうち一割は、自治体が委託先の管理体制をチェックしていなかったという。つまりは、四五%の一割でありますが、四、五%はその管理体制をチェックしていなかった。また、業務を委託している事業者のうち、二〇%が再委託をしていると。つまりは、四五%委託の、そのうち五分の一でありますので、一〇%弱がまた再委託をしている。

 こういう再委託の部分が、ヒューマンエラーと同時に私は非常に懸念をしているということで、この辺について、確かに、御答弁あったように、芋づる式には漏えいはないですけれども、委託、再委託、この辺のところを是非、今後とも、ルール作りといいますかチェックの在り方も御検討いただけたらと思っております。

 マイナンバーカードの法律についてはそこまでにしまして、次に、今議論になっていますが、対話型のAI、人工知能、チャットGPTについて幾つかお聞きしたいと思います。

 四月十日に、岸田総理はこのチャットGPTの最高経営責任者と面会されましたし、その後、西村経産大臣も、機密情報の取扱いなどの懸念が解消されれば国会答弁への活用も検討していくと言及されています。また、農水省、横須賀市でもこの活用についてやるということを仄聞しておりますけれども、大臣は、この対話型AI、チャットGPTについてどのようにお考えなのか。ぶら下がりの報道はちょっと聞いておりますけれども、メリット、デメリットについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。

河野国務大臣 最近の生成AIを含む人工知能の進歩というのはすさまじいものがあるなと思っておりまして、相当大きな可能性が秘められていると思っております。

 内閣人事局の方では、各省庁にAIを活用して霞が関の働き方改革をどのようにできるかというアイデア出しをしてもらう、それをデジ庁で少しサポートしていきたいというふうに思っております。

 ただ、これは手放しで喜んでいいだけの話でもございませんし、すぐにできるものでもないと思っておりまして、今の時点で、例えばインプットしたデータの取扱い、これをもう少し明確にしていかないといけないと思っております。特にこれを行政で使う場合には、この課題をクリアしないとなかなか使えないというふうに思っております。

 また、中身がややブラックボックスに近くて、出てきたものが必ずしも正確でない。私も、河野太郎とはどんな人といって入れると、何か一九七一年と。いやいや、俺が生まれたのは六三年だぞという。そこからして違うじゃないかみたいなものが返ってきたり、何でそういうふうになるのかがよく分からぬというところもありますので、これはやはり使い方、それからデータの管理、情報の管理というものについてはもっともっと明確にしなければいけないと思います。

 だからやらないということではなくて、今、デジタル庁もいろいろな、AIを提供してくれている企業と意見交換を始めているところでございますので、その可能性というものは今から十分見極めてまいりたいと思っております。

湯原委員 大臣から、すさまじい可能性という御答弁、内閣人事局では働き方改革に使ったらどうか、デジ庁としてもサポートとおっしゃったですかね。それから、データの取扱いを明確にすべきだ、中身がブラックボックス化で正確でないもの、大臣自身のこともおっしゃったわけであります。

 私も、これを否定するわけではありません。ただ、やはり、その影の部分といいますか副作用の部分、これをやはりちゃんと政治や行政がフォローしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っています。

 御案内のとおりで、個人情報の観点からいうと、法的根拠なしに膨大な個人情報を収集、処理したということでイタリアが一時使用を中止しておりましたり、あるいはドイツやフランスでも規制をかける可能性が、私は仄聞、報道を受けているだけでありますけれども。また、アメリカでは著作権の関係で訴訟が起こっているとも聞いております。

 やはり、先ほど大臣は中身がブラックボックスとおっしゃったわけでありますけれども、中のいわゆるアルゴリズムといいますか、これが透明性がちょっと分からないので、大臣は御自身のことをおっしゃったけれども、いろいろな報道で、有識者の中には、偏りがあったり差別や偏見を助長しかねない、あるいはフェイクニュースが拡散される、もっと言うと、ケンブリッジの話じゃないですけれども、世論操作にも使われるんじゃないかという懸念もあると。

 もう一つは、私が思うのは教育現場であります。私自身も、以前、私たちの同僚議員が質問もこれでやって、質問もみたいなのがありましたけれども、委員会質問で。試験や宿題に対話型AI、チャットGPT等を使うことで、簡単に言うと問題解決能力の育成を妨げる。ある意味では、問題を解決する技術を使うことによって人間自身が進化するのではない、簡単に言うと退化してしまうんじゃないか、このことにつながる懸念があるということであります。

 大臣もおっしゃっているように、ブラックボックスであったり、データの取扱いを明確にということをおっしゃったわけでありますけれども、私もそう思っておりまして、このことを、やはり、懸念の部分を議論をして、今までデジ庁やいろいろなところであるのかもしれませんけれども議論をして、国民に一定程度情報提供をすべきではないかなというふうに思っております。

 昨日、与党の質問において答弁がありました。G7の群馬の高崎の部分もあって、一定程度そこで適切な規制も考えているみたいなこともあったわけです。この辺の議論をして、国民に、現在の段階で政府としてはこういう懸念があると大臣がおっしゃったところもありますけれども、そういったことを知らしめることも必要なんじゃないかなと思いますけれども、この辺について答弁を求めたいと思います。

河野国務大臣 G7の中でも、ヨーロッパはどちらかというと事前規制をする。それは、規制をしないと人権とかプライバシーに影響が出るのではないか、だから、どういうデータを吹き込むかを含め事前に規制をしようという考えが主流で、日米は、どちらかというと、まず技術を発展させて、必要なら規制を入れようという、若干立場に違いがあるようにも思えております。

 そういう中で、デジタル庁も、少しAIについて、いろいろ勉強会を立ち上げてやっておりますし、政府でも会議を立ち上げて検討していこうという動きがございます。そういう中で、きっちり、いろいろと意見交換をしながら、また国民の皆様にもそうしたことをお伝えをしていくというのは、これは非常に大事なことだと思っております。

湯原委員 今、ヨーロッパで、大臣からの所感というか思い、見方だと思いますけれども、私もそれは一緒であります。ヨーロッパの方は、どちらかというと事前の規制を、人権とか著作権とか、人権といえば個人情報とか、著作権の関係もあって、事前に規制をかける方。日米は、どちらかというと、やってもらって、後からこういった不都合が出たらそれを抑える。私も、電気通信事業法の改正のときにもそういう議論をさせていただきまして、そういう部分はあるのかなと思っております。

 いずれにしても、きっちり意見交換、議論をして、国民の皆さんに情報提供していただくということでありますので、是非これはしていただきたいなというふうに思っております。

 同じように、私、これも所感で結構なんですね。デジタルの関係でいうと、今、ネット検索やSNS、あるいは今回のチャットGPTもそうでありますけれども、いろいろな、国民の、利用者の志向とか、そういったところをプロファイリングしていって、それに合わせてターゲティング広告を流していく。ターゲティング広告を流して、巨大なプラットフォーマー、IT企業が大変な広告料収入を得ていく、これがインターネット上、デジタルの世界であるのではないかなというふうに思っていますけれども、この点について、大臣、御所感があれば求めたいと思います。

河野国務大臣 プラットフォームにつきましては、今、公正取引委員会がいろいろと調査をしているところでございます。

 また、個人情報の収集その他につきましては、これは個情委が対応することになっておりまして、G7でも個情委の集まりというのが東京で行われることになりますので、恐らくそういうことも議論されるのではないかというふうに期待をしているところでございます。

湯原委員 個人情報の部分はそうだと思いますし、その後、大臣の御所管、守備範囲というよりは経産省になるかもしれませんけれども、それをプロファイリングして、ターゲティング広告で莫大な収益を上げている、そういった現実もあるということで。

 私は、今回のマイナンバーの関係では、中山間地域、地方で、もしかしたら、これは懸念でありますけれども、医療アクセスできない人が、政府は取り残されないとおっしゃっていますけれども、取り残される人が出てくるんじゃないかという懸念ですね、デジタル化によって。このことを申し上げましたし、先ほどのチャットGPTにおいても、やはり負の部分ですね。大臣は、すさまじい可能性もあるけれども、一方で中身はブラックボックス、データの取扱いという答弁をされたように、この負というか影の部分、これも私は前倒しでやはり検討を始めて、いろいろな議論をしていくべきだというふうに思っております。

 それから、先ほど申し上げたネット検索やSNSや、そういったデータをプロファイリングして、ターゲティング広告で莫大な収益を上げている、これもある意味ではインターネットのいい部分、その影の部分でこういったところがあるんじゃないかなということで、政治や行政においてはこういったところもちゃんとある意味で目を光らせて、影の部分、負の部分、いいものはどんどんと、技術、進歩でありますから、使っていけばいいのでありますけれども、そのマイナスの部分は我々がちゃんとフォローしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。

 時間は僅かでありますけれども、サイバー防御について一点、二点、質問したいと思います。

 警察庁についてでありますけれども、現在、すごい勢いでサイバー攻撃を受けておりますけれども、これについて状況をどのように推測しているか御答弁いただきたいと思います。

大橋政府参考人 お答え申し上げます。

 令和四年におけるサイバー空間をめぐる脅威につきましては、ランサムウェアの感染被害が拡大するとともに、政府機関や国内企業等のウェブサイトが一時閲覧不能になる事案が発生しているほか、我が国の暗号資産関係事業者が北朝鮮のラザルスと呼ばれるサイバー攻撃グループの標的になっていると強く推認される状況が明らかになっております。

 また、警察庁が検知したサイバー空間における脆弱性探索行為等と見られるアクセス件数が一日一IPアドレス当たり七千七百八件と、昨年から継続して高水準で推移しており、これらの多くは、脆弱性を有するIoT機器の探索やIoT機器に対するサイバー攻撃を目的としていると考えられるところでございます。

 このような状況を踏まえ、警察庁といたしましては、サイバー空間をめぐる脅威の情勢は引き続き極めて深刻であると認識しております。

湯原委員 丁寧にゆっくり御答弁いただいてありがとうございます。

 もう時間が来ましたので一つだけ言うと、サイバーの問題も、インターネット上で非常に便利なんですけれども、インターネット上でこういった犯罪を起こしたり、ウイルスをやったり等して、これも負の部分、影の部分であると思いますので、今日は時間が来てしまいましたからあれですけれども、また次の機会に質問したいと思いますが、日本の体制が本当に各国と比較して万全な体制になっているのかどうかということ、岸田総理は一月から準備室を立ち上げてスピード感を持ってとおっしゃっておりましたけれども、その点についてはまた別の機会に質問させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 河野大臣に初めて質問いたします。

 昨年十月、河野太郎デジタル担当大臣が記者会見を行って、令和六年四月までに健康保険証を廃止すると発言をしました。これは事実上の義務化になるのではないかと思います。

 令和四年六月の骨太方針二〇二二では原則廃止としていました。つまり、原則となっていたわけですが、しかもそれは閣議決定でありますので、なぜ原則が取れたのか、会見は閣議決定を超えたということなのか、御説明いただきたい。マイナンバーカードは任意であるのに、保険証が廃止発言は矛盾するのではないでしょうか。

河野国務大臣 マイナンバーカードで受診をしていただくことによって、患者御本人の健康医療に関するデータに基づいた、より適切な医療を受けていただくことが可能になるなど、マイナンバーカードと保険証の一体化には様々なメリットがございます。

 こうしたメリットを多くの国民の皆様、それから医療機関など関係者の皆様に早くお届けをできるように、関係閣僚間の協議を経て、二〇二四年秋に保険証の廃止を目指すということといたしました。昨年の十月の十三日にこの方針を発表したものでございます。

 また、それに加えまして、昨年十月二十八日に閣議決定をした総合経済対策において、健康保険証との一体化を加速し、令和六年秋に健康保険証の廃止を目指すための環境整備などの取組を行うことをここに明記をいたしました。

 この一体化方針の発表の後も、マイナンバーカードは国民の申請に基づき交付されるという点に変更はございません。マイナンバーカードの保有は義務づけるものではございません。

 マイナンバーカードで受診することによって医療の質を向上する、そういうことが可能になりますので、政府としては、引き続き、マイナンバーカードの取得促進のため、メリットの周知に努めてまいりたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 今大臣がお答えになった十月の総合経済対策でも、目指すとなったということであるので、いわゆる原則が取れたわけではないということでよろしいですね。

河野国務大臣 保険証を廃止をするということには変わりはございません。

 ただ、それとマイナンバーカードを義務づけるということとは全く違うことでございます。マイナンバーカードは申請によって交付をするということに変わりはございません。

高橋(千)委員 それはつまり、後からお話ししますけれども、保険証は廃止するが、それに代わるものがある、マイナンバーカードは任意である、そこに変わりはないという整理でよろしいですね。

河野国務大臣 マイナンバーカードと保険証を一体化することによって、国民の皆様あるいは医療関係者を始め様々な方に大きなメリットがございますので、多くの方にマイナンバーカードを活用していただきたいと思っておりますが、例えば、マイナンバーカードを紛失してしまったとか、様々な事情でマイナンバーカードで受診できない方には別な方法を考えるということで、資格確認書をお出しをすることにしております。

高橋(千)委員 具体の話に入ります。

 目指すと国が言うのは、勝手とは言わないけれども、それは方針としてあるかもしれない。けれども、それが義務づけとか強制というのでは違うんだろう、これまでの議論としても違うんだろうということを確認したかったわけであります。

 それで、二〇一三年四月の税・社会保障番号制度の連合審査のときに、ちょうど十年前ですが、私、質問しました。そのときも、実は、番号と、当時医療等IDと呼んでいますが、それとは一緒じゃない、番号じゃないんだというふうに盛んに答弁をされていたわけですが、今一緒になってしまったということになると思います。

 それで、そのとき質問したことで、流出してしまった情報は、幾ら罰則をつけても取り返しがつかない、それどころか、その事実を本人が確認できるかどうかという指摘をいたしました。

 今回、マイナポータルで、自分の情報が誰に閲覧されたのか、履歴が分かる仕組みと聞いています。個人で流用履歴が分かったからとして、その先に何らかの救済措置があるんでしょうか。簡潔にお答えください。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバー制度では、制度面及びシステム面で各種のセキュリティー対策を講じており、具体的には、マイナンバーを取り扱う者に対して、情報が保護される仕組みになっているかを事前に確認する特定個人情報保護評価や漏えい防止等の安全管理措置を義務づけるとともに、個人情報保護委員会が必要な指導を行うこととしているほか、行政機関等の保有する個人情報は一元管理せず、各行政機関等で分散管理し、情報連携の際にも機関ごとに異なる符号を利用するなど、個人情報が芋づる式に抜き出せない仕組みとすることなど、個人情報保護に十分配慮した仕組みとしております。

 その上で、委員御指摘のとおり、情報連携が行われた記録、情報連携される自己情報について、各個人はマイナポータル上で確認をすることができます。情報連携できる主体、事務は法令で厳格に限定されておりますが、仮に行政機関等で利用されているマイナンバーが違法な手段によって提供されたものである場合、又は、何者かがマイナンバー法の規定に違反をして自身の特定個人情報を収集、保管している、こういった場合には、個人情報保護法を読み替えたマイナンバー法に基づく利用停止請求を行うことができるというふうにしております。

 なお、マイナンバーそのものが漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められたときには、マイナンバー法に基づいてマイナンバーの変更申請を行うことができるようにしております。

高橋(千)委員 不正な利用だった場合、それが相手を突き止めることができるのかが一点。

 それから、私は、本人同意の仕組みが、なかなか断りづらいんじゃないかとか、それが、一回ぽちっとしたらその後どうなるのかと分かった上でやっているかという疑問もあるんですけれども、本人同意したという条件があれば利用停止というのは結局できない。

 二つ聞いています。

楠政府参考人 一点目についてですけれども、不正を検知できるかということに関しましては、どういった不正であるかによって調べ方が変わってまいりますので、なかなか一概にお答えすることは困難でございますけれども、委員御指摘のとおり、情報連携、情報照会等が行われた場合には、マイナポータルを通じて見ていただくことができるようになっております。

 二つ目の御質問、本人同意があった場合の扱いですけれども、まず、マイナンバーに関しましては、本人同意があったとしても勝手に提供することはできない、厳格に利用できる事務というのを法律で定めているということと、また、一般論になりますけれども、いわゆる、ある時点において本人同意を行ったということと、それとは別のタイミングで利用停止のお願いをする、これは別のことでございますので、何がしかの同意が仮にあったとしても、それによって利用停止措置をお願いするということが必ずしも妨げられるものではないというふうに承知をしております。

高橋(千)委員 確認しました。

 後の方は、利用停止ができるということを妨げられるものではない、確認をしました。ただ、前段の方は、違法な利用に対して必ずしも検知できるとは分からないというのが答えだったのかと思います。

 それで、次に、国保の滞納者に対して、現在、保険の有効期限を一月とか三か月などと切った短期保険証、それから、窓口で十割負担しないと。保険として後で償還払いになるという資格証明書が発行されております。自治体によってアンバランスはあるんですが、昨年度の実績で、短期保険証は四十三万四千五百五十七世帯、資格証明書は九万一千五百八十三世帯に発行されています。

 今回、この短期保険証は、マイナ保険証に置き換えることで廃止されます。期限という考え方がなくなるかと聞いています。ただ、これまでは、窓口に来てもらって納付相談するからだよ、きめ細かくやるんだよと言っていたわけですが、それに代わる手だてというのはあるのか、お願いします。短くお願いします。

橋本委員長 厚生労働省日原大臣官房審議官、的確な御答弁をお願いします。

日原政府参考人 はい。

 今御指摘ございました短期被保険者証でございますけれども、こちらは、国民健康保険法の規定に基づきまして健康保険証に特別な有効期間を設定したものでございますことから、健康保険証を廃止することに伴い、廃止することとなるものでございます。

 ただ、一方、保険証を廃止した後におきましても、継続的に納付相談や納付指導を行うことで保険料の滞納の解消に努めること、これは大変重要と考えてございまして、引き続き、市町村に対して、保険料滞納者との接触の機会を確保することを求めていきたいと考えてございます。

 こうしたことを踏まえまして、本法案では、一年以上保険料を滞納している方に対して、特別療養費を支給するまでに、保険者が保険料の納付の勧奨や相談などの保険料の納付に資する取組を行うこと、これを法律上明確に位置づけてございまして、これにより、滞納されている方との十分な接触の機会の確保を図る仕組み、こちらを設けているところでございます。

高橋(千)委員 話がもう次の方に行ってしまったんですが、特別療養費の話がありました。

 済みません、その前に、納付相談の話は、それが非情な取立てになっているということもあるので、私はそれをいいと言っているわけじゃないんです。だけれども、やはり、短く分割払いしてでも払いたいと頑張っている人たちがいるわけですから、そこにはきちんと応えていただきたいということでお話ししています。

 特別療養費というのは、いわゆる資格証明書の代わりとなって通知をするというふうなことをしているわけですが、これが具体的にどういう使われ方をするのか、簡潔にお答えください。

日原政府参考人 本法案によりまして、健康保険証の廃止に伴って、特別療養費の支給、これを事前に通知する仕組みを設けることにしてございますけれども、これを具体的に申し上げますと、まず、市町村が納付の勧奨や納付相談の実施などによりまして保険料の納付に資する取組を行ったにもかかわらず、災害や病気などの特別の事情がなく一年以上保険料を滞納されている場合には、償還払いとなる特別療養費の支給に変更する、この旨の事前通知を行った上で特別療養費を支給することとしているものでございます。

高橋(千)委員 そうすると、この特別療養費が通知されるとどうなるかということなんですね。

 医療機関の窓口に行って、その人がマイナ保険証を持っていたとしたら、それはオンラインで、この人は十割負担をする人ですよということがもう分かってしまう。それで、全額払わなければいけない。また、オンラインなので、これは別に今のままの保険証でも同じことができる、お答えください。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今、特別療養費の支給の通知の仕組みについて御説明をさせていただきましたけれども、現在のオンライン資格確認の仕組みでも、医療機関、薬局では、特別療養費の対象の方かどうか、こちらは確認できることとなってございます。

高橋(千)委員 そういうことなんですよ。

 もう既に、オンライン資格確認において、この人が十割負担をしなければならない人だということが分かってしまっているということなわけですね。

 それで、前から私は言ってきたんですけれども、例えば、保険料は一生懸命払うけれども年金は払えないとか、そういう事情のある人も今は全部ひもづけられて、結局、十割負担というふうなことになりかねない。そういう、きめ細かい納付相談といいながら、実は受診の機会を奪うことになりかねないことでもあるんだということを指摘をしたいと思うんです。

 それで、マイナンバーカードを持ちたくない人の受診の権利を守るために資格確認書を発行するといいます。そこに記載される情報は何か。それと、紙の場合、サイズはどうなるのか、保険証とどこか違うのか。

日原政府参考人 資格確認書についてでございますけれども、現行の健康保険証の記載事項、こちらも踏まえまして、氏名、生年月日、被保険者等記号・番号、保険者情報などを記載することを想定してございますけれども、より具体的な記載内容、サイズなどにつきましては、関係者の方の御意見を伺いながら丁寧に検討してまいりたいと考えてございます。

高橋(千)委員 今言った氏名、生年月日、被保険者等記号・番号、保険者情報、この被保険者等記号・番号というのが医療等IDであって、この資格確認ができるわけです。先ほど来議論しているように、マイナンバーカードによる保険証、マイナ保険証を持たなくてもできるということがここではっきりするんですね。

 それで、サイズなど詳細は決まっていないということですが、これは国が決めると書いています。ということは、全国統一の様式ということでよいのかが一点。それから、マイナンバーカードを持ちたくないという方だけでなくて、紛失した、更新中の方や、介護の必要な高齢者、子供さんなど、資格確認書を持つ対象はもう少し広く見ていると思うが、確認します。

日原政府参考人 まず、資格確認書の様式についてのお尋ねでございますが、これは、国が定めるということでございます。

 それから……

橋本委員長 違う。それで、全国で統一なのかということを聞かれています。

日原政府参考人 全国統一でございます。失礼しました。国が定めるということで、統一でございます。

 それから、資格確認書につきましては、これはマイナンバーカードによるオンライン資格確認、これが基本になるわけでございますけれども、その上で、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方ということを対象というふうに考えてございまして、具体的に申し上げますと、マイナンバーカードを紛失された、あるいは更新中の方、あるいはお子さんなどマイナンバーカードを取得されていない方、あるいはベビーシッターなど第三者の方が御本人に同行して本人の資格確認を補助する必要がある場合など、そういった場合を想定しているものでございます。

高橋(千)委員 そこで、デジ庁に伺います。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会中間とりまとめで、マイナンバーカードの取得に課題がある方への代理交付、申請補助について書いています。

 ここでは、本人が窓口に出向くことが困難である理由を示す疎明資料を提出すると。しかも、それはなるべく簡素化するとも書いてあるし、実質、疎明資料が要らないということもあると書いています。ここの確認。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、施設に入っているお子さん等々の場合でも、同様の条件で本資格確認書は活用していただけます。

 現実には、まず一括申請をして、それでも、交付の場合は本人に来ていただける、こういうときには、御本人に対して暗証番号等も含めて設定をしていただくことになりますが、今度は代理交付ということで、一定の資格を持っている方には、疎明資料をお持ちをいただくことで代理人がまとめて交付を受ける。

 さらに、御質問の、この疎明資料が不要とする場合というのも今回新たにつくりましょうということで、具体的には、例えば十五歳未満のお子さんということにつきましては、疎明資料がなくても代理交付の権限があるということで、あとはもう本人と代理人の方の本人確認があればよいといったような措置をする方向で検討させていただいてございます。

高橋(千)委員 今、十五歳未満のとおっしゃいましたが、取りまとめには、成年被後見人ですとか七十五歳以上の高齢者というふうにも書いていたと思いますよね。そうすると、相当広い範囲になると思うんです。

 それで、今、施設の子供というお話がちらっと出ました。こういう施設に入っている複数の高齢者や子供たちなどの代理という場合もあるわけですよ、代理申請。そうすると、暗証番号を何人分もどうするんですか。

村上政府参考人 一部重複をお許しください。

 まず、一括申請を施設の方で手伝ってあげて、御本人にまず来ていただく。そのときはお一人お一人に設定をしていただきます。次に、受け取るときも代理交付というときにつきましての方法でございますが、御本人に暗証番号を設定をしていただいた上で、その暗証番号を記載した隠蔽シールを貼った書類を代理人の方にまとめて持ってきていただきますと、代理交付を受けた方は、その暗証番号を手続上は見ない状態で役場の方にお渡しをして、役場の方がそのシールを開封して役所の中の方のシステムに手続をする。

 そんなことができるのかということでございますが、実は、現状、交付通知書の中にカードの交付場所を隠すためのシールが貼られておりまして、代理交付でカードを受け取る場合は、このシールがそのまま暗証番号の記載箇所にも貼り付けられるようになってございますので、現状、それをお使いいただければ、まとめて代理交付で取りに来る方が、設定された暗証番号にシールを貼った状態でまとめてお渡しをしていただいて、役所の方がそれを設定する、こういうことができるようになってございます。

高橋(千)委員 シールを貼るのはいいんだけれども、その暗証番号は誰が決めるんですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 暗証番号はあくまでもやはり御本人に設定をしていただくということでございますので、それが誰であれ御本人でということでございますが、多少失礼でございますが、今現在、こちらのワーキンググループの中でも、例えば、意思能力がなくて、必ずしも本人が暗証番号を設定できないんじゃないかといったようなケースがございます。こうした場合に、代理人の方に本人に代わって暗証番号を設定させるようなことになるのは無理があるということで、現在、こうしたケースについてどのように取り扱えばいいか、三省で検討中でございます。

高橋(千)委員 結局決まっていないんでしょう。暗証番号を自分で決められない人のことを言っているんですよ。自分で決められる人は自分で行けますよ。そうじゃない、代理申請ということがあるから、だけれども、省略するとか簡素化すると言っているから、それでいいのかということで聞いているわけなんです。

 顔写真の問題も出たんですよね。顔写真でやれる場合もあるんだというふうなお話もありました。それで私、それを聞いたときにぎくっとしたんですけれども、一体化検討会専門家ワーキンググループの中で、たくさんの団体、障害者団体ですとか、ヒアリングされていました。

 昨年の十二月二十三日です。認知症の人と家族の会の方の発言。写真について、適切な写真が撮影できないと何度も窓口で却下されるというケースを伺っていますと。多少、横を向いている、目が開いていない、口が開いている、二センチ四方の写真とはいえ、そのような写真を、本人も家族も心情的に耐えられないのではないかと。本当によく分かりますよね。皆さんも想像ができたと思います。

 こういうことまでして、わざわざマイナ保険証に切り替える必要があるんでしょうか。今のままでいいんじゃないでしょうか。

本田大臣政務官 高橋委員にお答え申し上げます。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化により、データに基づいた、よりよい医療を受けていただくことが可能になると考えております。とりわけ、医療機関や薬局で現在問診等を行っていただいておりますが、その書くときに、なかなか患者の過去の薬剤情報であったり特定健診情報の確認が難しい場合があります。そうしたものが、データによって、よりよい医療を受けていただくことが可能になる。また、医療機関や保険者にとっては発行コストが削減され、様々な事務コストの削減につながるということが考えられます。

 こうしたことを踏まえまして、来年秋に保険証の廃止を行うことを予定しておりまして、それでも本人のこうした資格確認を受けることができない方に関しては、申請に基づき発行される資格確認書で医療を継続するということを確認をするということにしております。

高橋(千)委員 今私が聞いたことと答えが合っていると思いますか。

 その答えは、私が、医療等IDでオンライン資格確認はもうできているんだから、保険証のままでいいんじゃないのという質問を通告しています。多分それに対する答えだと思うんですよ。

 だけれども、その前に、今言ったように、写真を撮るのも大変じゃないか、暗証番号は覚えられないんじゃないか、代理、補助が必要だ、そういう方たちもたくさんいらっしゃる、そういうのを分かっていてわざわざ切り替えなきゃいけないんですか、今のままでいいんじゃないですかと言ったんです。それに対する答えではなかったと思います。

本田大臣政務官 繰り返しになりますけれども、そうした方には、どういうふうな、暗証番号の問題は今現在検討しているところではございますけれども、こうしたマイナンバーカードを一体化することにより、よりよい医療が提供できるということで進めていくということでございます。

高橋(千)委員 いや、もう、ちょっと、繰り返しになりますがと。だから、あれは答えじゃないと私が言ったのに、何で繰り返すんでしょうね。

 メリットとおっしゃるけれども、多分、今議論しているような方たちに対するメリットというのは、今の医療や介護の例えば人が増えるとか、もっと安心してできるとか、そういうことなのであって、マイナ保険証になることではないんだと思うんですよ。施設の中で、もう保険証も預かっているし、そもそも、いろいろな情報を分かっているわけです。そういう方たちに対して無理やりやる必要があるのかということを議論をしているわけなんですよね。

 加藤厚労大臣は、経済財政諮問会議の中で、情報連携は、千八百八十三手続がもう連携していますと言っています。だから、言っているように、今の仕組みの中でもできているわけなんですよ。それをわざわざそこにしなきゃいけないのかということを何度も聞いている。趣旨はお分かりいただけたでしょうか。

村上政府参考人 部分になりますが、お答え申し上げます。

 御指摘いただきました例えば顔写真の問題、お声をたくさんいただいてございます。これは私どもの現場に対する周知徹底不足が原因でございまして、総務省から指示をしている中には、顔の向きでありますとか、口が開いているでありますとか、よくお問合せをいただくような写真の内容につきましては許容してよいということでしっかりと事務連絡が出てございますが、自治体の現場ではそれが不徹底だという声も片方で聞いてございます。

 できるだけ取得に当たってそうした負担がないような実務になりますように、各省と力を合わせて、デジタル庁でも現場に徹底してまいりたいというふうに思っております。

日原政府参考人 私の方からは、被保険者等記号・番号によります資格確認の関係で、ちょっと一つ御答弁をさせていただきたいと思います。

 健康保険証による資格確認を行う場合でも、患者さんが受診されました医療機関などがオンライン資格確認を導入されている場合には、これは、被保険者等記号・番号等を入力しましてオンライン資格確認等システムにアクセスをいただいて、その保険証に記載された被保険者資格が現在有効かどうかといったような一定範囲の確認は可能でございます。

 ただ、マイナンバーカードでありましたら、転職などで新しい保険証に切り替わっている場合でも、最新の資格情報、こちらが確認できるものでございますし、これまでも御説明しております患者の方の健康医療情報、こちらの提供に当たりましては、これはマイナンバーカードによる電子的でかつ確実な本人確認、これが必要でございますので、現行の健康保険証を利用する場合は、医療機関などにおいて、こうした健康医療情報、これは閲覧していただくことはできないというものでございます。

高橋(千)委員 ちょっと次に行きますが、さっきの審議官の許容してよいという話は、私はもうしているんですよ、あなたが答弁する前に。認知症の家族の会の方たちは、許容してもよいと言っているけれども、それが心情的に耐えられないと言っているんですよ。そこを何で聞かないんですか。そういう話が全然かみ合っていないわけです。

 だから、皆さんからいろいろ声を聞いていると言っても、声に応えていることにならないんだと。なので、さっき趣旨は分かりますかと失礼な質問をしましたけれども、そういうことなんじゃないのかなと思います。

 結局、今の厚労省の答弁にもあるんだけれども、そうやって、オンラインでも一定の限定がある、今でもできるけれども限定があるというふうなお話をして、それで結局、やはりマイナンバーカードにするんだということを盛んにおっしゃっているんだと思うんですね。

 そこで、大臣に伺いたいと思うんですが、今のままでも医療情報は連携して医療機関が閲覧することができる、それはもうはっきりしていると思うんですね、だけれども、それを更に連携するものを拡大して、別にもっと利活用を広げたいということが一番の理由だと思うんですけれども、大臣に率直に伺います。

河野国務大臣 患者にとりまして、医療データの共有などによって診療の質の向上になることを始め、これは、医療機関、薬局、保険者を始め、様々な立場から、よりよい医療につながるといったメリット、これがございます。

 医療情報は機微な情報でございますから、医療機関などへの情報共有に当たっては、原則、患者本人の同意の上で行うということになっております。そのために、今答弁ありましたけれども、顔認証端末でマイナンバーカードをかざすことで本人確認を厳格にやった上で同意の有無の操作をしていただくことにより、本人同意による医療情報の共有が、マイナンバーカードの下、システム制御された形で、安全にかつ本人にとって簡便に実現できるものでございます。

 今、薬剤情報、特定健診情報について共有が実施されておりますが、政府として取組を進めている医療DXを推進する中で、医療機関の間での電子カルテ情報の共有などに取り組みたいと考えておりまして、今後とも、マイナンバーカードを活用して、安全に医療情報を活用し、よりよい医療を受けられる環境を整備してまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 パーソナル・ヘルス・レコード、PHR、これを、要するに、個人の生涯にわたる医療情報を統一することによって、表向きは医療の質の向上とおっしゃっておりますけれども、やはり医療のビッグデータの活用ということが最大の狙いであろうと思うんです。

 本当にそれが自分にとっていいことだと思う人はそれを選べばいいわけであって、それこそ、がん対策基本法のときに、一番最初にがん患者の皆さんががん登録を望んでいた、そういう気持ちというのはよく分かるんです。データが必要なんだ、治すために必要なんだと。

 だけれども、それを全部にやらなきゃいけないということとは、やはり答えとしては違うと思います。これの法案はやはりやめるべきだということを指摘して、終わります。

 ありがとうございました。

橋本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

橋本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。中司宏君。

中司委員 日本維新の会の中司宏です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 まず、インターネット投票についてお聞きいたします。

 統一地方選挙の後半戦も、今日が折り返し点になりました。先日、岸田総理の応援演説に際し、爆発物が投げられるという民主主義の根幹を揺るがす事件がありました。容疑者は選挙制度に強い不満を持っていたとの報道がありました。昨年の参院選のさなかには安倍元総理の痛ましいテロがあったばかりでありまして、今後は、選挙のたびにこうしたことに警戒しなければならないと思います。

 同時に、選挙の在り方も変えていかなければならないのではないかと思っておりまして、恐らく、今後更にネットに重点を置いた活動になっていくと考えます。

 先ほどの質問にもありましたが、例えば、現状の期日前投票制度は、以前の不在者投票に比べて条件が緩和されて、便利にはなりました。しかし、反面、今のやり方では本人確認が必ずしも十分とは言えないと思います。

 そこで、マイナンバーカードを投票券の代わりに活用すれば、しっかり本人確認ができると考えます。さらに、マイナンバーカードをスマホアプリに搭載、活用することで、投票所に行かなくても、家にいながら投票ができる、こういうことで、投票率の向上にもつながると思います。

 このようなマイナンバーを活用した選挙制度の改革について、見解をお聞きいたします。

森政府参考人 お答えをいたします。

 インターネット投票に関しましては、現在、投票しにくい状況下にある在外選挙人等の利便性向上の観点から、郵便等投票が広く認められている在外選挙について検討を進めているところでございます。

 国内のインターネット投票につきましては、在外選挙における様々な検討課題のほかに、投票管理者や立会人の下で行うことが原則の投票を、特段の要件なくこれらの者が不在の中で認めることの是非だとか、有権者の規模が大きいため、一斉アクセスなどに対応できる大容量のシステム整備といった課題があるところでございます。

 インターネット投票という新たな投票方法を導入することは、選挙制度の根幹にも関わることでございまして、各党各会派で十分御議論いただく必要がございますが、総務省としては、在外選挙インターネット投票について、引き続き、課題の整理、対応などの検討を進めてまいりたいと考えております。

 また、マイナンバーカードのその他の選挙への活用という観点でございます。

 具体的な活用例として、滞在地における不在者投票の投票用紙等について、マイナポータルのオンライン申請サービスであるぴったりサービスの活用、あるいはその積極的な実施を検討するよう要請をしたりといったこともしておるところでございます。

 引き続き、投票環境向上の観点から、マイナンバーカードの活用については取り組んでいただきたいと考えております。

中司委員 ありがとうございます。

 いろいろとハードルは高いと思いますけれども、まず第一段階、各自治体で本人確認の精度を上げることから始めていただいて、将来的にインターネット投票を目指していただきますように要望しておきます。

 次に、身を切る改革について河野大臣にお聞きいたします。

 先ほども統一選挙に触れましたけれども、私の出身の大阪府議会では、過去二回の選挙を通じて三〇%近く議席数の削減を行い、また、各議員の三〇%の月額報酬のカットもずっと続けておりまして、こうした身を切る改革を我々は政治姿勢の原点に置いております。

 我が党の井上議員が先日の本会議での質問で、二〇一二年十一月に安倍元総理が約束された衆議院定数の大幅削減や、また、昨年の通常国会での旧文通費、今は名称が調査研究広報滞在費に変わりましたが、この使途の公開等の改革について、自民党の約束がほごになっているということを指摘をしたところでございます。

 そうした中で、今、岸田総理は、防衛費の増額に伴う増税に続いて、少子化対策として、公的医療保険の保険料の引上げの検討に入ったと言われています。この厳しい時代に更なる国民負担を求めることについては、容認はできません。国民負担率は、昭和四十五年に二四・三%でしたが、令和三年には約二倍の四八%となっています。国民負担に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率はおよそ五四%となる見通しでありまして、歳出削減や規制改革による経済成長などの改革の努力が足りていないにもかかわらず、財源が必要になったら取りやすいところから取って既得権を守るという、そういう姿勢は国民に受け入れられないと思います。

 国民に負担を求める前に、まず、それを決める国会議員の身を切る取組から始めるべきと考えます。旧文通費の使途公開などは、昨年の国会中に案がまとまって、今国会、つまり昨年の国会で結論を得るとの与野党の約束がいまだ果たされていません。維新の会は自主的に実施しておりますけれども、やろうと思えばすぐにもできることであります。つまり、使途公開ですね。既に約束しているこうした改革ができなくて国民に負担をお願いするのは、順序が違うと考えます。

 そこで、河野大臣にお聞きいたしますが、岸田政権の一員として国民負担をお願いしている大臣であられ、かつ、与党に属する政治家の一人として、この問題への対応について見解をお伺いいたします。

河野国務大臣 議員の身分、待遇については、これは国会で御議論をいただくことだと思います。

 大事なのは、実のある改革だと思います。

中司委員 そういうお答えになると思いましたけれども、しかし、政治家として答えていただきたいなと私は思うんです。

 改革の中身につきましては、しっかりともちろん議論をしながら、また、我々も提案をさせていただきますので、どうかよろしくお願いしたいと同時に、また、大臣の立場としても、与党の重鎮議員として働きかけをしていただけたらありがたいなというふうに思っております。

 さて、それでは、本日の質問の先を行かせていただきますけれども、先日の本会議の質疑を踏まえまして何点か質問いたします。

 まず、マイナンバーのフル活用について改めてお聞きいたします。

 今回の法改正は、これまでの社会保障、税及び災害対策以外の行政事務についてもマイナンバーの利用促進を図るという点では一歩前進と受け止めています。しかしながら、依然としてマイナンバーのフル活用に向けて正面から取り組まれていないという点で、不十分だと言わざるを得ません。

 マイナンバー制度は、これからの社会において欠くことのできないデジタルインフラでありまして、この点については河野大臣も同じ考えだと理解をしておりますけれども、マイナンバーカード取得を義務化することが現時点で困難である、こう判断される理由を改めてお聞かせください。

河野国務大臣 マイナンバーカードは、対面でもオンラインでも確実な本人確認ができる最高位の身分証と言ってもいいと思います。厳格な本人確認の下で交付をする、これが要件になっております。そのため、カードに、本当の生まれたばかりの赤ちゃんは別として、必要な顔写真を撮影するとともに、対面での厳格な本人確認を必要としているところから、その取得を義務化せず、申請によることとしておりまして、現段階でカードの義務化は難しいと思っております。

中司委員 本会議でも同じような答弁でございましたので、それは理解をいたしますけれども、これは国民の公正な給付と負担の基盤でありますので、公共の福祉のためにも重要なインフラであることを明確にしまして、国民の大多数が既に取得していることの意義も踏まえて、大きな予算もかけていただいているわけなので、全国民の取得に向けて政府の責任で進めていただきますように改めて指摘をさせていただきます。

 次に、マイナンバーの利用範囲の拡大について伺います。

 今回の改正法案では、法で定められている事務以外にも、それらに準じる事務についてマイナンバーの利用を政省令で可能とする規定を盛り込んでいます。このことは、利用拡大にとっては前進ですが、今後更に利用を拡大するに当たっては引き続き法改正が必要であると思います。

 また、政省令による適用範囲の拡大という手法では、どうしても所管省庁ごとの縦割りで取り組みやすいところから適用する、あるいは各省庁が調整できないところは回避する、こういうようなことになるのではないかという懸念があります。

 個々の法律及び政省令で利用事務の範囲を定めるポジティブリスト方式ではなくて、利用してはならない事務を個別に規定をするネガティブリスト方式へと転換することが私はマイナンバー法案の最終的な改正の形だと考えますが、大臣の見解を伺います。

河野国務大臣 様々、行政の事務、マイナンバーを使って効率的、効果的にやれというお考えだと承知をしております。そこは本当にありがたく、感謝申し上げたいと思います。

 現行のマイナンバー法では、マイナンバーを別表に載せた事務に限定をするポジティブリスト方式と言われるものでございます。

 マイナンバーをネガティブリストでやったらどうだという御提案でございますが、ネガティブリストでやるということになりますと、マイナンバーの利用が認められない事務を法令などで漏れなく規定をしなければなりません。ただ、行政の事務は広範にわたるものでございますし、また、社会情勢の変化によって行政事務も変化していきます。そうすると、そこを柔軟に対応する必要がありますので、全てネガティブ方式で駄目なものをリストするというのが難しく、また、時宜に応じて不断の見直しをするということになってしまいますので、マイナンバーの利用が認められない事務をネガティブ方式で網羅的に規定する、しかもそれを法令でやるというのは、やや困難かなというふうに思っております。

 マイナンバーを利用するメリットは非常に大きいものがありますが、個人情報保護という観点からの配慮は、これも必要でございますので、マイナンバーの利用範囲の拡大は、やはり国民の御理解をいただきながら、両者のバランスを取りながらやっていくのがベストではないかなというふうに思います。

中司委員 様々考え方はありますけれども、できるだけ前向きにやっていただきたいというのが私たちの考えですので、よろしくお願いいたします。

 次に、公正な給付と負担の確保について伺います。

 公正な給付と負担の実現に関しては、社会保障や税を所管する省庁と連携して公正な給付と負担を目指すとのことですけれども、具体的な連携の働きかけの内容について、現時点でどのような連携を考えておられるのか、もう一度詳しく教えていただきたいと思います。

河野国務大臣 おととしのデジタル社会形成基本法の法案審議の中で、第九条ですか、公正な給付と負担の確保についても修正意見を頂戴をして、追加をしました。

 デジタル庁として、この基本法に基づいて、具体的には、マイナンバー制度を活用した行政機関の間での情報連携の拡大などにより、より正確な所得情報などを基にした給付を可能にする、あるいは、預貯金口座個人番号利用申出法の円滑な施行に取り組む、このような取組で公平公正な給付と負担の確保に努めてまいりたいと思っております。

 また、社会保障制度、税制を所管する制度官庁とは緊密に連携をし、引き続き、公平公正な社会の実現に向けた取組を行っていきたいと思います。

中司委員 是非とも縦割りの弊害もなくしていただいて前に進めていただきたいと思いますが、今後ともこの問題についてはまた議論をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 次に、預貯金口座とのひもづけについて伺います。

 これについては、今後、様々な利便性の向上策を積み上げて、メリットを感じてもらうことにより拡大を図っていくということですが、やはり、法令による義務づけなしでは公正な給付と負担を確保するインフラとなり得ないと考えます。

 諸外国では、多くの国で口座情報と個人識別番号はひもづけされていると聞いておりますが、海外の事例で、ひもづけによって生じた深刻な弊害の事例があったのかどうか、もしあったとしたなら、それは我が国でも発生し得る懸念なのかどうか、その点につきまして、改めて伺います。

河野国務大臣 口座への付番に関する諸外国の状況について、全てを承知しているわけではございません。

 アメリカにおいては、金融機関が、口座開設時に顧客から社会保障番号の取得が義務づけられているというふうに承知をしております。その中で何か弊害があるかどうか、つまびらかには承知をしておりません。

 我が国は、まず、預貯金口座個人番号利用申出法にのっとりまして、この法律の円滑な施行に向けてしっかり準備をして、預貯金の口座を利用する方の利益の保護に努めていきたいというふうに思っております。

中司委員 ありがとうございます。

 マイナンバーカードの取得義務化と併せて、我が国がいわゆるデジタル敗戦からの脱却を成し遂げていくためにも必要な施策であると考えておりますので、日本維新の会が目指す、税と社会保障の一体改革であります日本大改革プランにつないでいくためにも、引き続き、粘り強く私たちは求めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 次に、住民票の誤発行についてお伺いいたします。

 横浜市で発生した住民票の誤発行の事例については、自治体がシステム構築を委託していたベンダーのアプリの問題であるとの答弁がありました。システムの障害である以上、障害の発生原因と責任の所在を明確にした上で、改善策を講じていくということは当然であります。

 この事象によって国民の間に生じた大きな不安とか疑念の払拭については、一民間事業者、システムベンダーに負わせて済む問題ではないと思っています。

 全国の自治体及び事業者に対しては、再発の予防のための技術的な助言とか指針の策定などを行う、そうしたことでデジタル庁が先頭に立って国民の不安と疑念の払拭に努めていくべきだというふうに考えますが、見解を伺います。

河野国務大臣 横浜市のコンビニ交付サービスでの事案については、個人情報の漏えいにも当たる事案でございまして、大変申し訳なく思っております。

 今委員からもお話がありましたように、証明書発行サービスを担っているベンダーのアプリケーションにおいて、申請件数が増え、印刷処理に遅延が生じたことが直接の原因でございます。

 情報システムの安全性に関しまして、デジ庁では、国、自治体、独立行政法人などの情報システムを対象に、情報システムの整備及び管理の基本的な方針を定め、地方公共団体における情報システムの整備、運用に当たっては、総務省が作成する地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを参考にしながら、業務委託先を含め、セキュリティー対策に万全を期していただくということにしてございます。

 また、この横浜市の事案の発生を受けまして、総務省において、関係者から原因について確認を行うとともに、自治体に対し、運用監視の徹底等について要請を行いました。

 また、J―LISから各ベンダーに対して、システムの点検を行うとともに、利用者の数が急増した場合の対応がしっかりと図られるよう要請を行ったところでございます。

 また、J―LISが各ベンダーを集めた会議も開催をし、この横浜市の事案につきまして情報の共有を行うとともに、デジ庁、総務省及びJ―LISから改めてシステムの点検の対応の徹底のお願いをしたところでございます。

 個人情報を取り扱うシステムの安全性は非常に重要でございますので、デジタル庁としては、司令塔の役割をしっかり果たし、各省庁と連携して、今後必要な対応に努めてまいりたいと思っております。

中司委員 是非ともよろしくお願いしたいと思います。

 次に、法改正に伴う自治体の負担についてなんですけれども、今回の改正で、まず年金受給者の預貯金の口座に関してマイナンバーとのひもづけを行うことになったわけですが、それに伴う事務は年金事務所で行うのは理解をしています。ただ、恐らく、実態は、年金受給者にとって一番なじみのある身近な市町村の窓口、これも問合せとか相談が殺到する、集中することになるのは明らかだと思っています。

 また、それ以外にも、今後、ほかの給付金とか手当についてもオプトアウト方式を取られる考えだと思うのですが、その際の自治体の負担に対して、国の財政支援を含めた支援策についてどうなのかということをお伺いします。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の公金受取口座登録制度の特例制度における年金受給者に対する事前通知は、今お話がありましたように、日本年金機構が厚生労働省から委託を受けて行うこととしておりまして、自治体が事務を行うことはございません。

 ただ、委員御指摘のように、自治体への問合せが発生しないように、ここは広報等を通じて前広に制度の周知を徹底するとともに、事前通知を受領した方にとって問合せ先が分かりやすいものとなりますように、事前通知の記載内容につきまして工夫をしてまいりたいというふうに考えております。

 デジタル庁としては、厚生労働省及び日本年金機構と協力をして、運用の詳細を検討し、自治体への負担とならないように努めてまいりたいというふうに考えております。

中司委員 できるだけ自治体の負担にならないように、よろしくお願い申し上げたいと思っています。

 次に、マイナンバーカードの更なる拡大方策についてお伺いいたします。

 マイナンバーカードの取得者ですが、九千六百万人を超えたということで、ただ、未取得者がまだおよそ三千万人ほど存在をするということは、全国民が取得していれば一つの行政事務のプロセスで完結できるものが、取得されていない方々への配慮、これは当然のことですけれども、そのことによって二重の行政事務プロセスを用意しなければならない、このことを意味するわけですが、この現状をどのように解消していくのか、課題認識が重要であります。

 今回の法改正の先に、全国民のカード取得に向けて、今後どのような取得拡大への具体策を持っておられるか、お聞きいたします。

河野国務大臣 おかげさまで、九千六百万枚を超える申請をいただいたところでございますが、委員おっしゃるように、持っていらっしゃる方と持っていない方と二通りの手続をやらないといかぬということで、二重の行政の負担になるというところは否めないものですから、カードの普及を引き続きしっかりやっていかなければならないというふうに思っております。

 来年秋、健康保険証との一体化に向けて、まずは取得困難者の取得促進のための環境整備をやりたいと思っておりまして、例えば、役所に出向くことが困難で、代理交付が活用できるケースを広げていきます。例えば、七十五歳以上の高齢者あるいは中学生以下の子供は、本人が出向かなくてもいいということにさせていただこうと思っております。また、代理で市町村窓口に行くのが難しいケースでも対応できるように、例えば、市町村が介護福祉施設などに出張して申請を受け付けるといった体制の整備も推進をして、取得円滑化に努めたいと思っております。

 また、もう一つは、マイナンバーカードのメリットが広がっていけば、それはマイナンバーカードを取ってメリットを享受しようという方も増えてくれると思いますので、一つは、マイナンバーカードをスマホに搭載を、これはアンドロイドからでございますが、スマホへ五月十一日から搭載をいたします。それから、運転免許証との一体化も、令和六年度中にスタートいたします。また、マイナンバーカード、これも令和六年度中に国外でも利用できるようにいたします。それから、在留カードとの一体化、これは令和七年度を想定をしているはずでございますが、こうしたことを関係省庁と連携をいたします。

 また、自治体でも、スマホから様々な手続ができるサービス、特に子育てですとか介護に関する申請などをしっかりやっていくと同時に、図書館カード、あるいは万が一のときの避難所への登録といった市民カード化も図って利便性を向上すると同時に、申請をしやすくする、あるいは交付の受取をしやすくする、両面からしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。

中司委員 ありがとうございます。

 前向きに今後やっていただけるということで了解をいたしております。

 次に、民間の利用拡大について伺います。

 マイナンバーカードの取得促進を図る上で、国民生活の様々な場面で利用できる、先ほど大臣も言われましたが、利便性が向上する環境をつくることが大事でありますが、民間におけるマイナンバー利用の拡大によって、利便性、効率性の向上が実感できる、そうした実現が求められているわけです。民間の様々なサービス、例えば、旅行とか買物、通勤通学、医療機関への受診、また施設の利用等々ありますけれども、日常生活のあらゆる場面で簡単に、かつ安心してマイナンバーを利用できるようにするということが利用促進に向けて効果的であると考えます。

 このような民間によるマイナンバーの活用をより積極的に推進していくためには、例えば民間における提案制度、それからアワードの仕組み、表彰とかそういう仕組みをつくることも効果があるのではないかと考えますけれども、これについてはどうでしょうか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに御指摘いただいたとおり、マイナンバーカードが持っております本人確認機能は、行政自身が使うのはもちろんでございますが、マイナンバーとは関係なく民間ビジネスに使っていただけるものでございます。

 現状はまだまだ、直接御利用ということでいいますと、オンラインでの口座開設とか、一部、社員証での利用、四百四十社にとどまっておりますが、これをまだまだ広げたいということで、例えば、本人確認の際に公的機関の方から要求しておりました電子証明書の利用料を当面無料化するという措置をやりますとか、それから、待たれていますスマホ搭載、アンドロイド携帯からになりますが、これを五月十一日からリリースをするでありますとか、そのときに、併せまして最新の住所情報等を提供いたしますと膨大な会員の更新管理に相当利便性が上がります。こういったようなことのサービスの内容をよくしていく。

 それから、今御指摘にありました公募も、先日、民間の方で、いいケースがありませんかといったようなことを公募させていただきまして、幾つかアイデアが出てきていただいて、そのうちの幾つかはデジ庁の方で実証事業という形で形にする。

 それから、デジ田交付金の支援対象でマイナンバーカードの面白いケースが結構出てきておりまして、この中から、いい仕組みにつきましてはカタログ化をして、そのカタログ化したものを更に地域の、そういう民間サービスを自治体が調達しやすくなるようなモデル仕様書、こういったようなものも出していこうかという話をしているところでございます。

 いずれにせよ、御指摘にありましたような民間利用例の拡大に向けて、各省、力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。

中司委員 よく分かりました。積極的にやっていただいているということですけれども、更に促進方、よろしくお願いしたいと思っています。

 それから、次は、先ほどからも御答弁の中でも出ておりましたが、スマートフォンの搭載についてですけれども、これについては、アンドロイドの端末が五月十一日ということで、先ほどからもありました。iPhoneについても早期搭載に向けて交渉中ということで聞いておりますけれども、改めてお聞きしますが、どれぐらいのスピード感なのかということ。

 そして、全世代を通じてアプリの活用を促進していけば、今後、災害対策とか公正な給付を実現するためにも有効な方策であると考えます。改めて、スマートフォンで利用可能となるサービスの範囲についてお聞きいたします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 一部、御質問自体の内容とかぶりますが、五月十一日から、まずはアンドロイド携帯で、本人確認機能の部分、これが早速サービスを開始されます。これによりまして、マイナポータルで実現しているオンライン申請や自己情報取得等のサービスは、五月十一日以降、すぐにお使いいただける、こういうことになります。

 片方で、例えば、銀行のオンライン口座で使いますでありますとかコンビニ交付でありますとかといったことは、コンビニの端末側でありますとか銀行側のシステムで、若干、改修作業が必要になります。まだ日時が正確には決まっておりませんが、年内を目途に、順次、これらが広がっていくように対応したいというふうに考えているところでございます。

 そういったところも含めての対応が済みませば、スマホ搭載でできる利用とカードで実現をしている民間利用と基本的には範囲は変わらないということでございます。それぞれのシステムの対応範囲に応じてできるようになっていくというふうに御理解を賜れればと思います。

 なお、iOSにつきましては、秘密保持契約の関係がございまして、誠に恐縮でございますが、詳細はお答えできない状態にございますけれども、政府全体としてもアップル社と交渉してございまして、現時点ではアップル社も大変前向きに、先方の方から、こういう技術的仕様ではどうかという提案をいただいているといったようなところで、ますます頑張って前倒しで進めていきたいと思っているというところでございます。

 以上でございます。

中司委員 ありがとうございます。

 引き続き、交渉に力を入れていただくと同時に、利用範囲の拡大について精力的に取り組んでいただきますようにお願いいたします。

 それでは次に、健康医療政策及び母子手帳への活用について伺いたいと思います。

 先般の本会議におきまして、医療機関におけるマイナンバーの利用に関して、電子カルテの標準化なども含めて前向きな答弁をいただいております。是非、取組を加速させて、多くの国民にマイナンバーを活用した医療DXの恩恵を実感できるようにしていただきたい、これは期待をしております。

 こうした医療への積極活用と併せて、基礎自治体や保健所が中心となって取り組んでいる健康増進施策とか、介護予防のために医療の情報と連携した健康情報の活用を積極的に進めていくべきであると考えます。

 具体的には、自治体が実施している様々な健診の結果についても医療機関が参照できるようにし、逆に、医療機関での診療履歴等を自治体の健診業務とか健康増進、介護予防に活用できるようにするということで、それぞれの対象者に応じた効果的な診療とか健康増進、介護予防のメニューを組み立てられると考えます。

 今日の長寿社会において、是非とも積極的にマイナンバーを健康医療の政策に活用していただきたい、こういうふうに考えます。そうした情報の活用を図るベースを構築するということが、感染症への対応においても、保健所とか医療機関で必要となる情報にも役立つと思っております。国として基本方針を定めるべきですが、この見解を伺います。

 一方で、出産費用の保険適用に向けた検討が行われていますが、子供を産むことの負担を少しでも緩和していくためには、あらゆる政策をミックスして効果を上げていかなければならないと考えます。

 そこで、母子手帳のマイナンバーの利用と、それに合わせたスマホアプリの活用をお願いしたいと思っています。母子手帳は、妊娠から出産、そして乳幼児期の子育てにおいて、母子の健康状態、子供の生育状況をトータルに把握できる大変優れたシステムでありますが、この母子手帳にマイナンバーをキーとして健康医療情報とリンクさせることによって、子育て世帯に対する妊娠、出産から子育て期に至るトータルな支援ができると考えます。

 妊娠、出産から子育てへの経済的負担軽減も、これも大事なことですが、マイナンバーをキーとしたデジタル母子手帳を通じて、医師や保健師、心理士などあらゆる専門職種が支援できるスキームを構築することができると考えますけれども、この見解をお伺いしたいと思います。

 現在、厚生労働省の検討会の中間報告においても、マイナンバーカードを活用した母子健康手帳のデジタル化に取り組む必要がある、そういう見解も示されています。そうしたことで、見解をお願いしたいと思います。

河野国務大臣 医療DXの分野は、やはりこれから積極的にやっていかなければいけない分野だと思っておりまして、様々なデータを連携することによって、よりよい医療を提供することができる、あるいは様々なところで薬剤の重複投与などを防ぐということでコストも下げることができるようになるだろうというふうに思っておりますので、デジタル庁としても、厚労省などと連携をしながら、この医療DXはしっかりやっていきたいというふうに思っております。

 また、マイナンバーカードを保険証と一体化をする中で、例えば、保険証代わりにマイナンバーカードを出しても病院の診察券を出さなければいけない。あるいは、医療助成、難病、障害者、あるいは小児医療、一人親向け、様々、公的な、あるいは地方単独事業としての医療助成のメニューがありますが、その受給者証も紙で今配られておりまして、結局いろいろなものを紙で出さなきゃいけないじゃないかということがございますので、まず、診察券あるいはこういう助成のための受給者証をマイナンバーカードと一体化できるような取組を進めていこうと思っておりまして、もう既に幾つかの自治体で、手を挙げてくれているところと、これは積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 また、予防接種、妊婦健診、乳幼児健診につきましても、マイナンバーカードを接種券や受診券として利用できるようにしていきたいと思っております。これは、恐らくスマホのアプリなんかと連携をしながら、予診票や問診票を事前にスマホで入力をする、一々紙で書かなくてもいい、そこも、妊婦さん、親御さんが書類に煩わされることがないようにしたいと思っておりますし、また、自治体の方も、紙でもらっても、それを改めて入力をしなければならないというのが今の現状ですが、データでこうしたものが入力されれば、それをそのまま使うことができますので、紙でもらった情報の入力作業というところが省け、もっと必要なところに注力することができるようになると思っております。

 こうした取組を、まず、デジタル庁としては、こういうサービスをというオファーをして、手を挙げてくれた自治体から積極的に展開をしていきたいというふうに考えているところでございます。

中司委員 ありがとうございます。

 積極的に手を挙げる自治体からということで、それはそのとおりなんですけれども、できるだけ格差が出ないように、遅れている自治体についてもしっかりとカバーしていただける、そんなようなことも望んでいきたいと思います。

 母子手帳の優れた機能を更に高めて、先ほど言いましたように、子育ての母親の負担、不安を解消する、あるいは、ひいては少子化対策に寄与するためにも、早期にこうした取組も行っていただきますようにお願いをして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

橋本委員長 次に、堀場幸子君。

堀場委員 日本維新の会の堀場幸子です。よろしくお願いいたします。

 マイナンバーの法の改正案ということで、今回、質疑をさせていただくことになりました。

 マイナンバー制度というものは、マイナンバーとマイナンバーカードとマイナポータル、この三つが社会のインフラとしてやっている、成立しているものだというふうに理解をしています。

 マイナンバー制度は、プライバシーの観点から、税と社会保障と災害の分野で限られているものでありまして、そして、先ほどからずっと出ているマイナンバーカードというものは、ICチップが搭載されていて、公的認証等のシステムによってサービスの利活用が見込まれている、そういった分野だと理解しています。

 最後のマイナポータル、これについて質問させていただきたいと思います。マイナポータルの活用というのは、公的認証機能を活用して、市町村からの情報提供等、記録開示を始め、プッシュ型のサービスが受けられるようになるのではないかというふうな期待を持っている、期待大のシステムだと理解しています。

 今現状できるものは、公金の受取口座の変更であったり、保険証のこと、確定申告時の医療控除の申請が楽になったりとか、診療、薬剤、医療費の、そういったものを確認できたりといった機能もあると思います。また、年金であったり、そのときの控除証明書を出したりとか、そういうことも現状できるというふうに理解しています。

 また、様々な行政サービス、これが私はすごくいいなと思っているんです。ぴったりサービスです。一番いいのは、保育施設の利用申込みができるというのが本当にいいなと思っています。私たちのときは、ずらっと並んで順番を待って、いろいろなお話をして、何か得点が足りないだ、ああだこうだとやっていた、そういった時代から見ると、こういうふうなサービスは本当にいいなというふうにも思っています。災害者の支援、罹災証明とかもここでできるというふうにも聞いています。

 そして、それ以外にも、ほかのサービス、国税のe―Taxと連携したりとか、様々なことができるこのマイナポータルなんですけれども、本当に使い勝手が悪いというのが今の印象です。アプリを押させていただいても、ブラウザーで開いても、余り変わらない、何がどこに行きたいのかがよく分からない、そして、ヤフーとかでマイナポータルと入れると、使いにくいというのが後ろで出てくる、そういう状態になっています。

 抜本的な改革が必要だと考えているんですが、大臣の御所見をお願いいたします。

河野国務大臣 どうも申し訳ございません。

 そういう声をたくさんいただいたものですから、昨年末に改良版を出しました。アルファ版というものでございまして、普通に今マイナポータルにアクセスをしていただくと古い方のバージョンが出ますが、一番上にアルファ版をお試しくださいみたいなのがあって、そこを押していただくと新しいアルファ版に飛びます。これは相当改善をされているのではないかなと思っておりまして。

 また、アルファ版は、ここが使いにくいとかここが駄目だという声をいただいて、すぐにそこを修正をして、三月に更にアルファ版の改良版というのを出しましたので、以前のに比べると大分いいんじゃないかなと思っております。

 それで、この五月の十一日には、先ほどから申し上げておりますように、アンドロイドのスマホにこの機能が搭載をされます。これは、一々カードを読み込まなくても、指紋認証とか顔認証とか携帯の生体認証でマイナポータルに入ることができますので、一々暗証番号を入れて、あれ、暗証番号が違っていたとか、なかなか読み取らないぞとか、そういうストレスはなくなると思います。

 それでまた、アルファ版を改良したもののベータ版を今年の夏から、今度は開くとそこへ出るような感じでいけるんじゃないかと思っておりますが、更に改良したベータ版が出ますので、日夜マイナポータルは改善いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

堀場委員 ありがとうございます。

 やはり、カードを何か近づけたり遠ざけたりしながらやるというのはすごい手間だなと思いながら、もっとこれはよくならないかなというふうに思っておりましたので、どんどん改良していただけるというお言葉に、本当にうれしいなと思っているところでございます。

 そして、本当に、このマイナポータル、使う人にとってはちょっとずつよくなっているというふうに認識はしますけれども、京丹後市において、今回、マイナポータルを使って、今回の選挙で、府議選だったと思います、不在者投票用紙を申請したけれども送付されなかったという事案が発生しました。これは、マイナポータルで申請された場合、市の担当者としては、申請翌日に届くメールをチェックするか、行政側のマイナポータル管理画面をチェックするということがあるようなんですが、これを、二日間かな、見なかったということが原因だったというふうに聞いています。

 これは、行政側は非常にアナログだなというふうに感じています。地方におけるこのシステムを使いこなす更なるデジタル化と、それを使いこなす側の負担に対して、大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 どうも済みません、何かいろいろ。

 マイナポータルの弁護をしますと、マイナポータルは機能していたのでございますが、その後処理が問題であったわけで、これは、とにかく、選挙期間中で、多分、自治体の担当の方も非常に忙しかったんだと思うんです。それで、本来、マイナポータルから申請を受けたときに、メールが来る、あるいは未処理の申請があるときは未処理があるよというメールが来るんですが、それに気づかずにこうなってしまったということでございまして、デジタル庁としては注意喚起を、事務連絡を出しました。

 やはり、メールが来るんだけれども、多分、自治体は、いろいろなシステムがあって、忙しいと全部を毎日頻繁にチェックしているというわけでもどうもないところがあるのかなと思いますので、マイナポータルからの申請のデータをこの地方自治体の業務システムに自動連携する、そうすると自治体の職員が日常的に使っている端末にこの申請データを確認することができるようになるということで、一々いろいろなシステムに確認に行かなくてもよくなりますので、職員の負担軽減になるはずでございます。

 各自治体にこういうシステムの導入を進めていただいて、せっかく便利になったマイナポータルの、受け側はまだアナログだという部分もありますが、便利なアナログに少しずつしていきたい。いずれ、もう少しデジタルをいろいろなところで進めていきたいと思います。

堀場委員 ありがとうございます。

 だから、ちょっと懸念するのは、都会の人たちというのと、地方の小さな町の行政を担っていらっしゃる方というのと、やはりデジタルに触れ合うというものの機会というものも含めて、年齢層とかもあるとは思うんですけれども、慣れという問題があるのかなというふうには思っています。そういう皆さんの経験値が行政に非常に役立つところもあるんですけれども、一方で、そういうデジタル機器に関しては、やはり非常にまだ浸透していない部分もあるのかなというふうに認識しています。

 それは、私、ちょっと学校にいたんですけれども、学校でもそうで、まだ一太郎を好きな先生はたくさんいらっしゃるんですよね。テストを一太郎で作るので、ほかの採点システムとかが入ったときになかなか連携ができないとか、何でエクセルしか対応していないのよみたいな、そういった世代間の様々な、でも一太郎は使いこなせている、そういう現象というのはいろいろなところであって、そういった、常に使う側がバージョンアップをしていったり対応していかなければならないというふうな時代に入っているんだなというふうにも思っております。

 やはり、マイナポータル、私は期待をしているので、非常に何度も質問をさせていただいていて申し訳ないです。

 今回、国家資格などの各種免許の管理においてマイナンバーが活用されることになりまして、マイナポータル内で国家資格等の情報連携・活用システムと資格管理者の情報が連携されることになったというふうにお聞きしています。

 現在、紙媒体で来ている更新等の情報を、マイナポータル上でお知らせいただけるような、若しくは登録しているメールアドレスに連絡してくれるような活用というのは今後されるのかどうか、教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず法改正を先行させていまして、令和三年のデジタル改革関連法で看護師等三十二の資格を、そして今回お願いしております改正法案で、今度は社会保障、税分野以外を中心に約五十の国家資格、まずマイナンバーの用途として認めていただく作業をしております。

 並行いたしまして、これが改正になりますと、マイナンバーの利用と情報連携や住基ネットの利用等ができるようになりますので、現在、デジタル庁において、マイナポータルと連携する国家資格のシステム、これを今作ってございます。これを各省の資格を持っている方に業務としてお使いいただくと、添付書類の省略で、登録手続が簡単になる、資格の更新も楽になる、行政機関側でも登録等の処理が効率化をする。登録情報、これは結構誤記とかもございますので、その正確性も上がるし、マイナポータルの中で資格証明もできる。

 このシステムの機能の一環として、御指摘がありました電子メール等でマイナポータルから通知を受け取る、ないしはマイナポータル自身で受け取るといったようなことも入れる予定にしてございます。その方向で利便性を高めるように努めてまいりたいと思います。

堀場委員 本当に、拍手をしたくなるような御答弁をいただきまして、私は持っているのは、さっき言っていた教員免許しか持っていないのであれなんですけれども、やはり持っていても、何か大きい、教員免許の場合は卒業のときにもらったものに入っているんですよ、免許状は。それをコピーして出すとか、そういう次元で今やっていることが、もう本当にこういう状態ですぐに紙で、何なら紙で出さなくても、きっとマイナンバーカードの申請等々で確認していただける、そういうふうになるという利便性が本当に高くなって、そして手間が省ける。そして、就職するたびに何かいろいろな書類をもらってきて、そしてそれを出すということもなくなってくる。これは本当にすごい変化だと思うんですね。

 やはり、有休を取って、わざわざ役所に行って、機械で一生懸命やってみたり、窓口で住民票一個取ってみたり、そういう手間が一つ一つなくなるということは本当に大きなことだと思っています。それが、こういう、特に国家資格であったり各種免許においても実現していくというのは本当にいいなと思っています。免許の更新とか忘れがちになってしまって、ゴールドだとちょっと忘れがちになっちゃうんですけれども、そういったこともなかなかなくなっていくのではないかということで、非常に期待をしているところでございます。

 ここからが、ちょっと、お聞きしたいなと思っていたところの一つです。

 マイナポータルによって、国と国民が直接的につながることができるようになってくると思います。様々なサービス、あとは相談窓口への御案内、そういったことも、国でやっている、例えば性被害の被害者の人が相談をする窓口であったり、様々な、いろいろな被害に遭って相談をするというような窓口がマイナポータルを通じて御案内されて、リンクしていけるとなったときに、非常に国民と国というものが直接的につながっていけるようになるんじゃないかなという期待をしています。

 一方で、今、地方自治体は特色ある政策を行っておりますし、先ほどおっしゃっていました、地方自治体はオリジナルでシステムを作っていると思います。それを今度、自動で連携して、ふんふんふんと、こうなっていくというふうには承知したんですけれども、中央集権と地方分権の概念が変わるのではないかなというふうに考えています。

 今まで私たちは、やはり、日本維新の会は地方分権政党ですから、自分たちで地方で決めて地方でやるということをもちろん推奨していますし、これからもそれは変わらないと思います。特色あるそのエリアに特化した、そういった政策をやっていくべきだと思っておりますし、人口状態とか、あとは、土地のとか気候とかも全て違うところが画一的にはできないよねということを常日頃言わせていただいているけれども、このデジタルの世界においては、やはり国で作った一定程度のインフラの中に地方自治体が接続をして、そしてそこから発展していくというような、システムの主体がやはり国にあるべきではないかというふうにも少し考えているんですけれども、こういった観点から、河野大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 ちょっと今の質問と直接関係ございませんが、京都府は、たしか免許の更新、講習はオンラインでできるんだと思います。ゴールドだけでなく、今年からブルーもできるようになるはずでございますので、是非そっちもお試しをいただきたいと思っております。

 デジタルになりますと、国と国民、あるいは国と市区町村、ここの距離も多分短くなるんだと思うんです。

 一つは、私がコロナワクチンをやっていたときに、自治体に通知が、例えば厚労省から通知が出ると、これは都道府県を経由して市町村に行くものですから、北海道なんかだとちょっとタイムラグがあるみたいなことがありました。デジタルを使えば、千七百四十一に直接連絡をしてフィードバックをもらうということも可能ではあります。ただ、じゃ、全部の業務でそれができるかというと、それはなかなか千七百四十一の相手があったらてんてこ舞いというところもありますから、そこは都道府県に仕切っていただくのが必要な業務というのも当然あるんだろうと思います。

 それから、地方自治といいながら、地方自治というから、例えば保育園に出す就労証明書の様式がみんなばらばら、極端なことを言うと、千七百四十一に限りなく近い様式があって、企業は全部一枚ずつ手書きしなきゃいけないみたいなことがあったりですね。

 そうすると、このいろいろな様式は、別に地方自治だから独自の様式じゃなきゃいけないかというと、やはり効率化の観点からいうと、それは全国統一でいいよねというものは、これは、例えばこども庁が、来年の保育園の入所に合わせて、全国統一の様式、それからシステム、これもマイナポータルで就労証明書を提供できるようにする準備を今しているところでございます。

 ですから、全国で統一でやった方がいいもの、これは別に、統一の様式だから地方自治に影響するかというと、実は余りそんなことはないんだろうと思っておりますし、十八日からデジタル庁が、市町村の手数料の納付をキャッシュレスでやるためのサービスを、今、宮崎県の都城で試しております。これがうまくいったら、手を挙げてくれた自治体に横展開をしようと思っております。

 ですから、ベースの技術は全国統一で提供して、それを使ってもらうというのは、これは大いにやるべきだと私は思っておりまして、マイナポータルも、いろいろな自治体がもう既にいろいろな独自のシステムを構築をしているんですけれども、その入口にマイナポータルを使うことができております。マイナポータルにそういうシステムを登録していただくと、電子申請で、電子申請を検索するときにそれが出てきますので、マイナポータルは申請の入口ではあって、そこから自治体のシステムに移っていくということができるようになっております。

 また、自治体の職員の採用試験の申込みとか、様々な手続、イベント、その入口にマイナポータルを利用してくださっているという事例がありますので、むしろ、マイナポータルを利用して、自治体はその後ろで特色のあるサービスを展開しているということが今後広がってくるだろうと思っております。

 効率化して、一本化して便利なものはどんどんデジ庁でやらせていただきたいと思っておりまして、これは、いわば自治体の施策を推進するための共通基盤を我々が提供して、その共通基盤の上でどういうふうにやっていくか、踊っていくか、これはもう自治体、独自性をどんどん出していただいていいんではないかというふうに考えております。

堀場委員 ありがとうございます。

 やはり国が、入口と、そして基本的なところ、画一化している部分も、必要なこと、本当にあると思うんです。さっきおっしゃっていた就労証明は、本当に、持ってこられるものに合わせてこちら側が変えて書くというのもやっていました。なので、いろいろなことで、私も、引っ越しを何度かすることによって、連携ができていないとか、いろいろなことがあったんですよね。それで、一人親なんですけれども、前回はどんな一人親の手当てをもらっていましたかと言われても、何かくるっと丸めてやられていたので、ちょっとよく分かりませんとか言うと、二週間ぐらいかけて問合せをしてくださって、二週間後にまた行ってみたいな、何か本当にそういう時代を、時代というか、つい最近なんですけれども、そういうときがあったので、本当にこのデジタル化に期待をとてもしているというところです。

 それは、後から出てくるんですけれども、多くの、私たちも含めた、女性で働いている人たちにとっては、若しくは子育てをしている世代にとっては非常にありがたいサービスの向上だというふうに思っています。ですので、是非、やはり地方分権というものの、地方の特色ある政策と、その基盤となる、書式が違う、まさしくそのとおりだと思いますので、是非加速化して推進していただければなというふうに思います。

 やはり今度は、マイナポータルの機能に、行政機関だけじゃなくて、企業や市民団体等の民間組織に対しても、API、アプリの、相互のを取り入れて必要な、接続の仕様なんですけれども、として提供する取組というふうなのが進んでいると聞いています。どんなものがあるか教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに、このAPI連携は、マイナンバーカードやマイナポータルの機能を民間に広げていくための大事な大事な鍵となる取組であるというふうに考えてございます。

 最初に始まりましたのが、行政機関が保有している利用者自身の情報を民間サービスの方で取得できるAPI、もちろん本人確認はした上でということでございますけれども、それから、行政機関等に対して電子申請を提出できるAPI、今、その後、引き続きまして、例えば、在留資格、在留手続関係の申請のためのAPIでございますとか、医療保険情報、それから社会保険・税手続、若しくは就労証明等々、順次、ニーズの高いものについてのAPIを開発をしまして、提供を広げているところでございます。

 具体的な用途といたしましては、例えば、障害者手帳の情報を民間アプリ側に連携をしてスマホで表示ができる、そうすると、お客様から見れば、スマホの表示画面の中から直接各種の障害者割引を受けられるようにといった手当てができる。若しくは、もう一つぐらい御紹介をさせていただければ、健診情報やお薬の情報を連携をする、それを民間側の健康管理のアプリの中に取り込むといったような形で、自然に民間サービスの中で、行政機関が持っている情報や手続を組み込んだ形のサービスができるようになる。

 こういったところを、どんどん民間側の知恵とアイデアも引き出しながら、API連携をさせていただくように、今後もいろいろと用途を広げてまいりたいと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 このAPI連携で、特に、先ほど出ていました障害を持っている皆さんの、障害者手帳というんですけれども、それが、やはりスマートフォンで出せるというのは非常に大きくて、彼らも、ぽちっと押して、ぴっと見せるというので、本当に、今まではどこに行ったかなみたいにやっていて、私も支援とかしていると、ここだよ、ここだよみたいな、何かそういうのがなくなっていく。やはり、御高齢の方が、スマートフォン、そんなに使いこなせないのよねと、うちの母親世代の人はよく言うんですけれども、でも、みんな、スマホを持って、何かスーパーでクーポンを出すのにやっているわけですよね。

 だから、結局はみんな、ここを押せば何かが表示されてサービスが受けられるということは理解をしてくださっていて、そして、そういうふうに活用が増えていけばいくほどその四角が増えるんだよということは、もう多くの世代の人が分かっておりますし、御高齢の方がデジタル化で後れを取るというようなことをよく言われるんですけれども、それがスマートフォンに入ったとき、若しくは様々な民間サービスとの連携がうまくいったときには解消されていく悩みになっていくんだというふうに思っています。

 今、私たちはマイナポータルというものに非常に期待をしておりまして、そういった様々な合理的な配慮が必要な皆さんにとってもこれは大きな進化だと思っておりますので、本当にこういう一つ一つの取組が日本を、社会を変えているという実感を持っていただければなというふうに思っております。

 ここまでマイナポータルの話をさんざんしてきたんですけれども、このマイナポータルの更なる利活用、若しくは将来的にマイナポータルをどのようにしていきたいのかというようなことを、大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 マイナポータルに本当に関心を持っていただいて、ありがとうございます。

 うちのおやじも、そこにおりますけれども、八十六になるんですかね、ようやくスマホに替えまして、マイナポータルに入れるようになった。ちょっと便利なところを試してもらいたいというふうに思っております。

 申し上げてきたように、マイナポータルは、一生懸命この入口のところのデザインから改修して、使いやすいデザインに今切り替えているところでございまして、いろいろな方の御意見をデジタル庁のところで集約をして、更に使い勝手のいいものにしていきたいというふうに思っております。

 それから、やはり、マイナポータルのAPI連携で、民間の方に新たな付加価値をつけていただいて世の中に便利なサービスを出していくというのが、これは非常に大事だと思います。デジタル庁でハッカソンをやっておりまして、十七日でしたか、プレイベントをやったところでございますので、先ほどの障害者手帳とのAPI連携のような様々なアイデアをいただいて、それを取り入れていただきたいというふうに思っております。

 また、地方自治体にも、ぴったりサービスを始め、自治体の提供しているいろいろなサービスをマイナポータルと連携をして、スマホにも搭載をしますので、できれば、もう九割の方は、今まで市役所で手続をされていた中で九割ぐらいの方は、もう市役所に来なくても手続がスマホでできる、そういうものを目指したいと思いますし、九割の方がスマホで手続をやってくだされば、市役所に来る方も待ち時間なしでいろいろな手続を済ますことができるようになりますので、そうした行かない窓口。

 それから、来られた方も、一々手続のための申請書を書かずに、本人確認をマイナンバーカードでやったら、あとは口で、今日は年金とか今日は児童手当とか手続を口で言っていただいたら、もう市役所側で全部やれる、そういうデータ連携のできる市役所を目指したいと思っていますので、行かない市役所、書かない窓口、これをなるべく早く横展開していきたいと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 このマイナポータル、本当に非常に期待をしているし、それが、様々な生活が変わっていくというものがこれから実感できていくのではないかなというふうに思っております。

 もう一つ、医療DXのお話を最後に少しさせていただきたいと思います。

 オンラインの資格導入が遅れているとはいえ、医療分野での活用が進んでおります。医療DX令和ビジョン二〇三〇の提言もされている。まずは全国の医療情報プラットフォームの構築を目指していると承知しているんですけれども、今、保険証とカードというものが一緒になることに対する議論が様々この委員会でもありますが、これは最初の一歩なんだろうというふうに理解をしています。その先にある医療DX令和ビジョン二〇三〇の提言、そして、そのプラットフォームの構築を、進捗を教えてください。

森光政府参考人 医療情報プラットフォームについてお尋ねがありました。

 現在、国民が自身の保健医療情報を閲覧できる仕組み、これにつきましては、先ほど議員からもお話がありましたとおり、薬剤や特定健診等の情報をマイナポータルを通じて確認できる仕組み、これを運用しているところでございます。

 これに加えまして、今後、医療DXの取組としまして、オンライン資格確認等システムのネットワークを拡充いたしまして、必要な保健医療情報を医療機関等の間で全国的に効率的、効果的に共有、交換できる全国医療情報プラットフォーム、これを創設することとしております。

 このプラットフォームで共有、交換されます電子カルテ情報等の医療情報につきましては、マイナポータルを通じて国民自身が確認できる仕組み、これを構築し、国民の更なる健康増進に寄与することを目的としております。

 医療DXの取組につきましては、この春を目途としまして策定予定の工程表、これに基づきまして、その具体化を進めることとしている状況でございます。

堀場委員 マイナポータルを使って、自分の健康診断の、受けた過去の履歴とか、そういうものが見れるというふうに承知しているんですけれども、それだから健康になるか、分からないですよね。数値が悪いけれどもお酒を飲んでしまったり、どうしてもしてしまうので。

 とはいえ、しっかりと自分の状況を長期的に見ていくこともできる、可能になっていくというのがこのマイナポータルと医療というものの結びつきだと思っています。

 マイナポータルと医療の結びつきによって、その後、プラットフォーム化されたところで情報が共有されていって、電子カルテというものとつながってやっていって、それがまた、自分自身が見れる、国民自身が見れるということですよね。ほかの人がみんなで見れるという意味ではなくて、マイナポータルの中で自分自身がしっかりと確認していくことができるというようなシステムだと思っています。

 これがまた、ずっとこのマイナポータルをやってきた一つの理由で、やはり様々な生活の利便性が上がったり、いろいろなこともあるんですけれども、医療分野で本当に活用していくというのは、様々な、健康増進だけではなくて、いろいろな医療機関を受ける方もいらっしゃいますので、そういったところの連携とかもうまくいくんじゃないかなというふうにも期待をしているところです。

 また、引っ越しをして、前のところからレントゲンをもらって、こうやってレントゲンを持っていくとか、何かそういったことがなくなったり、紹介状を紙で書いてもらって、ずっといろいろな医療機関をたらい回しにされたりとか、そういったこともきっと減っていって、将来的にはこのマイナポータル、そしてマイナンバーカードでぴっとやると電子カルテが見れるというような社会を実現していく方向性だというふうに認識しています。

 なので、私たちが今、法案質疑ですけれども、今日はやはり未来を、どういう未来なのかなということを教えていただければなというふうに思っておりましたので、医療に関しても、本当に高い期待を持っておりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、マイナンバー制度というものについて御質問をさせていただきたいと思います。

 そもそも日本には、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポート番号、運転免許証番号、住民票コードほか、たくさんの国民識別番号が存在しております。これを一体化するというのがマイナンバーの制度だと思っているんですけれども、なかなか理解が進まない、理解促進が進んでいないなというふうに思っているところです。

 スウェーデンとかを見ていると、政府に対する信頼を感じるというふうに書いてあったんですけれども、日本政府に対する信頼が余りないのかなと、ちょっとこれを見て悲しくなったんですけれども。

 財政が厳しくて、高齢化が進んでいくため、様々、弱者救済であったり困っている人に手を差し伸べることができるであったり公平性であったり透明性というものを目指して、このマイナンバー制度というのはつくられているわけですけれども、そもそも、このマイナンバー制度に理解が進まない最大の問題点は何だとお考えか、教えてください。

河野国務大臣 年金番号は二十歳にならないとつかないんじゃなかったかと思いますし、パスポートやら運転免許証は持っていない人には番号がないわけですから、マイナンバーカードで初めて全国民にマイナンバーというのが、マイナンバーが振られて、それに基づいてマイナンバーカードが出てくるということになりました。

 これはやはりコロナで、あの十万円の給付金の給付に手間取った、そういうこともございましたし、様々なときにプッシュ型での給付というのがなかなかできなかったという過去の反省もございます。また、先ほど答弁をいたしましたように、公正公平な社会をつくるという意味では不可欠なものだというふうに思っておりますので、そういう目的をしっかりと国民の皆さんと共有をして、そのためにこの制度をやっているんですということを申し上げていかないといけないんだと思います。

 やはりマイナンバー制度をスタートするときに、個人情報保護とか、いろいろな御意見がありましたから、どちらかというと控えめなスタートだったのではないのかなと。マイナンバーカードを例えば配るときにも、番号を目隠しをしたビニールに入れてお渡しをするとか、何かマイナンバーカードは金庫に入れて鍵かけといてくださいみたいな誤解が広まったりして、いやいや、あれは金庫から出して使ってくださいと。特に、市民カードだったり前橋の福祉タクシーなんていうのはカードを持ち歩いて使うわけですから、金庫の中に入れていたのでは意味がないわけで。

 そういう、最初控えめにスタートをしたところからちょっと誤解を招いた部分というのがあるんだと思いますので、このマイナンバー制度、あるいはマイナンバーカードの安全性というものを我々としてはもう少し広く積極的に周知広報していかなければいけないかなというふうに思っております。

堀場委員 私、昔、大分と昔なので全然デジタル化という時代ではないんですけれども、韓国にちょっと留学をしていたことがありまして、そうすると、在留カード、ビザと在留カードがあるんですが、そのときに、ちゃんと指紋を全部登録をさせていただいて、カードを作って、そんな特に何か使うわけじゃないですけれども、いつも持ち歩いていて、何かあったときには、銀行で口座を作るとか、様々なときに活用されるというカードが既に大分と昔からありました。

 海外では、やはりグリーンカードも含めていろいろなものが既に存在をしておりまして、それとはちょっと違うシステムとして、日本というのはこの共通番号制度というのをやっていると思います。

 日本における共通番号制度というのは、セクトラルモデルと言われる非常に複雑なシステムのはずだと思っています。アメリカとか韓国とかの海外のフラットモデルの国に比べると、個人情報の流出のリスクは本当に少ないというふうに承知をしております。単に番号を割り振っているだけではないということなんですけれども、やはりどうしても番号を、先ほど大臣がおっしゃっていた、隠したりとかして、何かこれを知られると本当の全ての個人情報が抜き取られるんじゃないかみたいな強迫観念に駆られているかと思います。

 これは、でも、今、日本が取っているセクトラルモデルというのは、さっき大臣もおっしゃっていましたけれども、なかなか簡単に、番号が分かったからといって個人情報が出るシステムではないですね。非常に複雑なんですけれども、このシステムに対する周知がなされていないというのが私の意見だと思ってください。

 さっきおっしゃっていました、安全性というものを説明するときに、この複雑なシステムの説明が難しいがために、安全なんだよとなかなか言い切れないというか、言えないんだろうかなというふうに思っております。このシステムに対して周知がなされていないという点において、大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 ありがとうございます。

 委員がいらっしゃった韓国ですとか、アメリカ、イギリスは、これは一つの番号を分野横断で使う方式でございます。私も、アメリカにいたときに、ソーシャルセキュリティー番号なんていうのをみんなで、それこそ学籍番号から銀行の預金口座から何から、みんなそれがないと駄目だというのを経験しましたし。

 ドイツ、フランスのようなヨーロッパ、ヨーロッパ型と言っちゃいけないのかもしれません、ドイツ、フランスなんかは、それぞれに別な番号を割り当てるというやり方でございます。それに比べると、日本のマイナンバーは、マイナンバーがあるけれども、それぞれの行政機関は別な符号を使って、マイナンバー一つでは芋づるに何か情報を引き出すことができないということで、セクトラル方式というものに近いのかもしれません。

 これは、一つで全部やりますというのに比べれば安全だよということを、もう少し我々も国民の皆様に広報しなければいけないのかなと。確かに説明しづらくて、じゃ、三十秒のユーチューブ動画でやってみろって、ちょっとできねえなという感じなものですから、もうちょっと、せめて一、二分見ていただく中で、こうやっているんですというのが分かるような形の広報を、これからも少し考えていきたいというふうに思っております。

堀場委員 ありがとうございました。

 大臣の動画は本当に面白くて、拝見しているんですけれども、やはり、確かにこれをショートで映していくのは難しいですし、今、ショートに慣れている若い人たちは、長い動画を見てくれないので、五分以上は全く見ませんので、最初の一分で大体みんな終わってしまうというのも、なかなか世知辛い世の中だなと思っているんですが。

 やはり、このシステムは、先ほど何度も、何度も何度も大臣はこの委員会で、芋づる式にはできませんとおっしゃっているわけですから、本当にこれが、そんなに、番号一個分かったら何でもできちゃうシステムとは違うというところを多くの方に是非知っていただきまして、このマイナンバー制度というものが、やはり不安が残る制度ではなくて、もっとポジティブで、さっきお話しさせていただいたような、明るい未来がここにあるんだ、デジタル化したらもっと便利になるんだということを、是非、前向きな広報をしていただいて、安全性というものに関してもしっかりと周知をしていただきたいなと思っております。

 私自身も、何か聞かれたら、よくタウンミーティングとかでも、この間ずっと、マイナンバーカードの申請から、システムとかいろいろな話が出て、いろいろなお答えをしていたんですけれども、カードを申請しに行くのに町まで行かなあかんとか、バスが少ないとか、いろいろな文句になりながら、タウンミーティングでいろいろなマダムたちのお話を聞くんですけれども、やはり安全性というものを非常に懸念されている方が多かったなという印象だったんですね。

 なので、大臣の今度新しい動画が出たら、是非それをぷちっと流させていただきたいなと思いますので、一分動画、お待ちしておりますので、是非できるだけ早く上げていただければと思います。よろしくお願いします。

 今回の法改正によって、情報連携がすごく速くなっていくというふうに、迅速化していくということだというふうに理解しています。その中で、マイナンバーの利用が認められている事務であれば、下位法令に規定することで情報連携というのがどんどん可能になっていくというふうに承知しています。この場合の個人情報保護法との関係性について教えてください。

河野国務大臣 現在のマイナンバー法では、別表の一で個人番号の利用主体と事務を定め、別表の二でその連携について定めております。

 新型コロナ感染症の経験を踏まえて、マイナンバーを使った情報連携をもっと迅速に、速やかにやるために、この別表の第二を主務省令で規定をするということにいたしましたが、情報連携をできる主体と事務というのは、法律で、引き続き別表で定めるということになっております。その事務に必要なものの範囲の外で情報連携はできません。これはもう現行と何ら変わりはないわけでございます。

 また、新たにマイナンバーの利用や情報連携が可能になった場合も、三条委員会であります個人情報保護委員会、これが監視、監督をしっかりやりますので、心配には当たりません。

 また、自分の情報が行政機関間で情報連携されたその記録はマイナポータルに全部出てまいりますので、そこで、どの機関が自分の情報に連携したか、これは確認できますので、個人情報については引き続き安心していただけると思っております。

堀場委員 そうでした、マイナポータルで見れるんでした。それを言うのを忘れておりました。私の大好きなマイナポータルでは見れるんですよね。行政側が接触を図って自分の情報を何か与えた場合には、ちゃんと確認ができるというふうになっているというふうに聞いています。情報公開条例とかで出さなくても、しっかりとマイナポータルの中で、自分の情報がどのように移動しているのか、そして、どのようなやり取りがあったのかというのも確認できるというふうになっているというふうに聞いております。ですから、個人情報と、保護法のしっかりとした範囲の中でこういった連携が促進されていくというふうに理解をしています。

 やはり、法でしっかりと定めることも重要ですけれども、実際に運用していく中で、あっ、これがあったよね、あっというのが多分出てくる。そういったときに、類似だったり同じような業務内容であれば活用ができるというふうな枠の広げ方だというふうに承知しておりますので、是非、事務的に仕事のしやすい環境とデジタル化というものを、個人情報の観点を忘れずにやっていただければなというふうに思っております。

 先ほど中司委員がおっしゃっていました、日本維新の会が、様々、政策提案をさせていただいているんですけれども、そのベースになっているのがこのマイナンバー制度であります。これは、思いは多分余り変わらないんですけれども、政府においても、社会保障・税番号大綱において、低所得で資産も乏しい等、真に手を差し伸べるべき者に対して、給付を充実させるなど、社会保障をよりきめ細やかに、かつ、的確に行うことが重要であり、そのためにも受益と負担の公平性、透明性を高めようというものであるとしていますよね。

 このマイナンバー制度の導入の基本理念だというふうに理解しているんですけれども、この方向性には変わりがないか、大臣、よろしくお願いします。

河野国務大臣 マイナンバー制度は、行政の効率化と国民の利便性の向上、これを実現して公平公正な社会をつくっていく、そのためのデジタルの基盤でございます。

 マイナンバー制度が公正な給付と負担、この実現に不可欠であると思っておりまして、この基本理念に沿って、しっかり頑張っていきたいと思います。

堀場委員 私ども日本維新の会が日本大改革プランということをお示しさせていただいておりまして、そこでも税と社会保障の一体改革であったり、税制の改革もありますけれども、特に、社会保障の中では、ベーシックインカム若しくは給付つき税額控除というお話をさせていただいております。特に、給付つき税額控除においては、もうこのマイナンバー制度というものがなければそもそも成立がしないようになっておりますので、そういったことも含めると、やはりこれからの時代の、新しい時代の様々なセーフティーネットを引くためにも必要不可欠なシステムだと思っておりますので、是非、このマイナンバー制度、しっかりと導入をしていただいて、これからも前に進めていただければなというふうに思っております。

 最後に、デジタル社会について少しお尋ねをしたいと思っています。

 私は女性なんですけれども、デジタル社会と女性の活躍というのは非常に関係性があるというふうに言われております。先ほども出ておりましたデジタル母子手帳とか出産届のデジタル化、これは私はすごいやってほしいなと勝手に思っているんです。

 二週間以内に役所に行って出生届を出すんですけれども、産んだばっかりでまだ体が痛いのに、やはり出すところは見たいとかいって、多くのお母さんも一緒になって出生届を出しに行くんですよね。私も行きましたけれども、本当に、実は体がきついとか、いろいろな思いがあります。そのときは相手がいたのでよかったんですけれども。二人目の子は相手に行ってもらいましたし、どうしてもそうなっちゃうんですけれども、でも、今私は一人親ですが、一人親であれば、多分、行けない、自分が行かなきゃいけないとか、様々なことがあると思います。

 出産した直後に二週間で出すというのはなかなかしんどかったなという思いがありますので、その届出をしたらそのままマイナンバーカードに一括して申請していけるような、何かそうしたら生まれたときからもうカードがあって、しばらくたったらかわいい顔写真を撮ってつければいいかなというような思いもあります。

 なので、デジタル母子手帳もそうですし、出産届からマイナンバーカードの一括申請みたいな、何かそういうふうなのができたらいいなとか、いろいろなことを思うんですけれども、スマホの中に役所があるというようなこととか、もっともっと多くの申請が可能になっていく、そういった未来というのは、やはり子育てをしている人にとっては非常に明るい未来なんですね、さっきから何度も言っているんですけれども。

 助けてほしいときに、また、子供たちであっても、マイナンバーカードを子供が持っていたとして、マイナポータルが自分のスマホに入っていたとして、何かとても困ったことが起きたとき、そのアプリからヘルプが出せる、どこに助けを求めればいいかということを相談することができる、ものを検索できる。そういった、例えば孤独に悩んでいる人であったり、あとはいじめられているとか、様々な、どこに相談していいか分からない人たちが、このマイナポータルを使って、若しくはそのアプリケーションを使って、マイナンバーカードを使って、それで相談に行くことができるであったり、様々な、一つ一つの小さな仕組みかもしれないんですけれども、そこで今苦しんでいる子供であったりお母さんであったり子育て中の人にとっては、とても大きな変化だと思うんですね。すごく利便性が向上して、新しい社会になっていくということを期待をしております。

 こういったデジタル化の将来像を、どのようなものを描いているのか、大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 デジタル技術というのは、場所と時間の制約を解き放つことができるんだと思います。ですから、出産をしたばかりのお母さんであっても、お父さんであっても、自分の都合がいい時間に自分のいるところから様々な行政手続を行うことができる。これは、子育て中の女性もそのとおりでございますし、男もそうですし、あるいは障害、難病でハンディキャップを背負っている方も、デジタル技術でいろいろなことができるようになる、やはりそういう社会をしっかりと実現をしていきたいと思っております。

 このマイナポータル、今、申請を出す、行政手続をするということはできるようになっておりますが、様々なやり取りを行政とすることができて、何かのときにはSOSを出したり、分からないときには質問をする。もちろん、人工知能というものが進歩してきましたから、そういうものをかませれば、行政のリソースを使わなくても最低限のそういう対応はやってくれるようになるかもしれません。そうすると、何かあったときも、マイナポータルが見ていてくれる、マイナポータルが助けてくれる、そういうふうになるかもしれません。

 そういう、誰一人取り残されないデジタル社会を実現するために、デジタル庁としてもしっかり、使える技術を使って頑張ってまいりたいと思います。

堀場委員 ありがとうございます。

 例えば、チャットの質問コーナーみたいなものがあって、ぴっと押して、しんどいと言って、助けてと言ったときにしっかりと助けてくれるような、そんなシステムまでできるようになれば、やはり、今、しんどいと声を上げることができない子供たちにとっても、そういう環境にある人たちにとっても、非常に前向きになれるんじゃないかなというふうに思っています。

 そして次に、デジタル社会というのは、さっき言っていました、女性の社会進出を推進すると。これはよく言われておりまして、デジタル化と女性の社会進出というのは、今回のコロナ禍でオンライン会議の普及というところで、本当に働き方が変わって、女性が働きやすくなったという方も多いというふうに承知をしています。

 若しくは、例えば家電のデジタル化というのは、家にいながら、ロボットが掃除してくれたりするのを時間を決めてやったり、エアコンをつけておいたり、お風呂を沸かしておいたり、そういうことができます。そういったことも、家でやってきた、今まで家でやって、家で押さなきゃいけなかったり、家でやらなきゃいけなかったことが外でできたり、様々なデジタル化が女性の社会進出を助けてくれるというふうにも言われております。

 デジタル社会と女性の活躍という観点で、大臣の御所見をお願いしたいと思います。

河野国務大臣 今おっしゃったように、家の中のことが家にいなくてもできる。自分がやらなくてもいろいろな人がやってくれる。それから、先ほど、京都のおばちゃまが、例えばマイナンバーカードを取りに行くのにバスの便数が、運転手さんが運転するバスとバスの間に自動運転のバスを走らせることができれば路線バスの本数も増やせる。いろいろな意味で、デジタル社会は利便性を向上してくれると思います。それは女性に限らず、いろいろな方にメリットがあるというふうに思っております。

 やはり、女性の社会進出を考えたときに、日本社会がそれを応援をする、あるいは、もっと一歩行くと、当たり前になる、そういう考え方のシフトというのがないといけないのかな。男女働いているけれども、家の育児の時間、あるいは家事の時間、まだまだ女性の方が圧倒的に、何か答弁しながらちょっと天唾になっていますが、そういうところも変えていかなければいけませんし、デジタル技術が世の中を便利にすることで、そういう考え方が変わるきっかけになったらいいなというふうに思っております。

堀場委員 すごく長々と聞いてまいりましたけれども、最後に、デジタル社会ではデジタル技術の向上を目指すことはもちろんですけれども、それを使いこなす側の知識、技術の向上、デジタルモラルの形成等、人間側が変わっていかなければならないと考えております。一方で、高齢者、障害を持つ方への配慮も必要だ。

 今、ずっと何度もお話ししております。誰一人残さないデジタル社会というのは、様々な教育とか配慮が必要だと思っております。これをどのように実現していくのか、最後に大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 デジタルで世の中が便利になる一方で、やはり、情報リテラシーとか情報モラルというものが非常に大事になってきたなというふうに思っております。

 AIも使い方によっては社会を分断する方向に、もうAIのボットがそんなことをやっているんだというような話も出ておりますが、そういう技術が社会の分断に向けて動かしているということを考えると、やはり、一人一人のリテラシーあるいはモラルというものをどうするのかというのは非常に大事になってくると思います。

 デジタル庁は、今、デジタル推進委員が二万四千人を超えたところでございまして、この方々と連携をして、多くの人がデジタル技術を使いこなせるように、まだなかなかプログラムを作る、カリキュラムを作るというところまで行っておりませんが、そこはしっかりやっていきたいと思っておりますし、スマホを使えない方も、書かない窓口のように、スマホを使えない方にとっても便利になるというのが、誰一人取り残されないデジタル社会だと思いますので、そうしたところに力もしっかり注いでいきたいと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 マイナンバーの制度、そしてマイナポータル、長々とやらせていただきましたけれども、もっともっと推進していただけるように私どもも頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、西岡秀子君。

西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 本日は、マイナンバー法案の質疑ということで、本日最後の質問となりますので、これまで出た質問と若干重複する質問もあるかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほどから大臣も御答弁されておりますけれども、今般の新型コロナウイルス感染症感染拡大によりまして、国際的に日本のデジタル化の遅れ、その弊害が明確になって、特に定額給付金の給付の局面では明確となって、いわゆるデジタル社会のパスポートである、これまでなかなか普及が進んでこなかったマイナンバーカードの普及促進が大変重要な政治課題となりました。現在、申請が急速に進んだ要因としては、大臣は、マイナポイントの存在また利便性の向上があったということを先ほど御答弁がございました。

 今回の法案は、様々な要素が多角的に盛り込まれた束ね法案となっているために、大変重要な法改正でありますけれども、国民から見ると全体像が分かりにくいという法案ではないかというふうにも思います。

 国民民主党は、マイナンバー制を活用して、申請方式ではないプッシュ型支援の必要性、また、給付つき税額控除制度の構築に向けてもマイナンバー制度は必要な制度であると認識をいたしておりますけれども、先ほどから議論があっておりますように、国民の皆様が、マイナンバー制に対しては、やはり情報漏えいの不安、危惧を持たれているということも事実だと思います。

 今日は、その疑問、不安に思われている点について質問をさせていただいて、その御答弁で今の制度の実態というのを明確にしていくという立場で質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず一問目、河野大臣に質問させていただきます。

 高度情報化社会の進展やこのコロナ三年間を経て、デジタル社会が急速に進展をする中で、マイナンバー制度に限らず、行政において個人データの活用というものが日常不可欠なものとなっています。デジタル時代においても、個人の自律的な意思を保障して民主主義の基盤をつくるための、いわゆるデータ基本権、自己情報のコントロール権、個人情報の自己決定権という権利は、大変重要な権利だというふうに私は考えております。

 諸外国と比べて日本独自の考え方であったり、世代間で認識も大変大きく違うと思いますけれども、このデータ基本権、個人情報の自己決定権について、河野大臣が基本的にどのような認識をお持ちであるかということを、まず冒頭、お尋ねをさせていただきたいと思います。

河野国務大臣 いわゆる自己情報コントロール権につきまして、その内容ですとか範囲あるいは法的な性格に関して様々な見解があり、明確な概念として確立しているものではないと承知をしております。

 個人情報保護法第一条では、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することが個人情報保護法の目的であることが規定されており、この法律によって個人情報の適切な、適正な取扱いの確保が図られているものと考えております。

 マイナンバー制度におきましては、マイナンバーはほかの識別子に比べて識別強度が高く、情報のマッチングや集積した情報の名寄せなどの処理にたけていることから、個人情報保護に十分配慮した仕組みとするために、その利用範囲は法令又は条例で定められた行政事務に限定するとともに、制度面及びシステム面で各種のセキュリティー対策を講じているところでございます。

西岡委員 まだ明確な概念がないという御答弁がありましたけれども、今後しっかり国会でも議論をしていかなければいけないと思いますが、新しい人権として大変必要な私は権利だというふうに思いますし、これがしっかりと保障されることによって、データ活用が安心して進んでいくという局面もあるというふうに思いますので、今後国会内で議論を続けていきたいというふうに思っております。

 それでは、続きまして、マイナンバーカードと保険証の一体化に関連をして質問させていただきます。

 マイナンバーカードと保険証の一体化が昨年秋に発表されまして、二〇二四年秋をめどに行われることとなっております。医療DX推進基盤となるオンライン資格確認システムの導入状況、これが密接に関連しているというふうに思っておりますけれども、今の導入状況につきまして御説明をお願いいたします。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 医療保険のオンライン資格確認でございますけれども、本年四月一日より、保険医療機関、薬局に対して導入は原則として義務づけられておりまして、直近の四月九日時点で、義務化対象施設の約七三%の医療機関、薬局で運用を開始していただいております。

 一方、令和四年度末時点で、やむを得ない事情があるという保険医療機関、薬局につきましては、この導入義務の経過措置を設けてございます。具体的には、システム整備が間に合わない医療機関等につきましては、遅くとも本年九月末までの経過措置を設ける、これと併せまして、システム事業者に更なる導入加速化を促しているところでございます。

 直近の導入ペースなどを踏まえますと、本年九月末までに、義務化の対象となっている全ての医療機関等がオンライン資格確認を導入していただくということ、これは十分可能というふうに考えてございまして、引き続き、この進捗状況をよく把握しながら、導入に向けた支援に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

西岡委員 現在七三%で、導入に向けて、秋に向けてということで今御説明がございました。

 このマイナンバーカードと保険証の一体化につきましては、そもそもマイナンバーカードを取得することが国民に義務づけられていない一方で、国民皆保険における使用を不可避のものとするということにつきましては、取得の事実上の強制とも言えるという指摘もございます。

 また、紛失ですとか更新中ですとか、介護が必要な高齢者、子供など、マイナンバーを取得していない者、又は自らの意思で取得していない国民に不利益が生じることはあってはならないというふうに考えますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバーカードを健康保険証として利用することにより、よりよい医療を受けていただくことが可能となる、医療制度全体の効率化につながる、患者、医療機関、薬局、保険者、様々な立場の方にメリットがあるということで、このメリットの最大限の実現ということによるデジタル社会の構築ということのためには、現行の保険証を廃止する必要があるとデジタル庁としても考えてございます。

 なお、それに当たりまして、マイナンバーカードはあくまでも国民の申請に基づき交付されるものでありまして、この点を変更するものではございません。したがって、保有を義務づけるものではございません。

 こうしたことを前提としながら、現在、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関しましては、昨年十二月から、デジタル庁、総務省、厚生労働省で検討会を開催し、それぞれ様々な、まさに不利益を心配しているような方々から広くヒアリングを実施しながら、本年二月には中間取りまとめを公表させていただきました。

 その中では、カードの交付まで約一か月を要するが、紛失等、速やかにカードを取得する必要がある場合どうするんだということで、申請から最短五日で交付できる仕組みをつくる、それから、役所に出向くことが困難で代理交付が活用できるケースというのをもっと広げられないか、さらには、七十五歳以上の高齢者や中学生以下の者については、疎明資料なしでもいいんじゃないかといったような形で、できるだけ円滑にマイナンバーカードの取得、利用ができるようにという環境整備についても現在検討を進めているところでございます。

 あわせて、中間取りまとめでは、今後、カードと健康保険証を一体化した後の資格確認について、カードによるオンライン資格確認を基本としつつ、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方については、本人の申請に基づき、資格確認書による被保険者資格の確認をするというところで、同じく保険料負担をしているのにもかかわらず不公平が出ないようというところで考えているところでございます。

 なお、引き続き、関係者の御意見、御要望、御心配を丁寧に聞きながら、御心配いただきましたような取得困難者など、様々な状況にある方に不利益が生じることのないように、引き続きしっかりと三省で検討を進めてまいりたい、このように考えてございます。

西岡委員 不利益が生じないようにというお言葉があったんですけれども、マイナ保険証に移行しない方が資格確認書というものを申請すると発行されるわけでございますけれども、この資格確認書につきましては、現行の保険証と記載内容がほぼ同様であることから、保険証を先ほど廃止する必要があるという言及がございましたけれども、保険証を廃止することが本当に必要なのかどうかということに対する御見解。

 また、現状では、国民に対する十分な説明、また国民からの理解が得られているとは言い難い状況があるというふうに思いますけれども、国民への説明、周知の必要性についての認識をお尋ねさせていただきます。

河野国務大臣 マイナンバーカードを健康保険証として利用することにより、患者自身の最新の資格情報を確認することができる、あるいは、本人の同意に基づいて、過去の薬剤情報や特定健診情報などを医療機関、薬局に提供することができます。患者にとっては、医療データの共有によって、診療の質の向上になりますし、医療機関、薬局、保険者、様々な立場から、よりよい医療につながるというメリットがございます。

 ただ、残念ながら、こういうメリットは、従来の健康保険証では得られないわけでございます。健康保険証の利用をこのまま継続するということは、医療機関、薬局、保険者にとって、手作業による事務負担が残りますし、また、成り済ましなどの受診リスクが残ることとなります。

 医療DXを実現して、安心、安全で、よりよい医療を提供するだけでなく、医療保険制度の事務を効率化し質を高めていくためには、マイナンバーカードによる受診を原則とし、紙やプラスチックカードから、ICチップつきのマイナンバーカードに移行していくことが重要だと思っております。

 オンライン資格確認のメリットや現行の健康保険証廃止の必要性につきましては、これからも国民の皆様に丁寧に分かりやすく説明をしてまいりたい、引き続き、しっかり周知、広報に努めていきたいと思っております。

西岡委員 マイナ保険証への移行を希望されない方につきましては、資格確認書を申請して取得するということになるわけでございますけれども、今大臣から御説明のあった部分につきまして、やはりまだ説明、周知が十分でないところもあるというふうに思いますので、引き続き、しっかり周知をしていただくようにお願いをしたいと思います。

 続いて、関連して、資格確認書につきましては、有償の議論もありましたけれども、結果、無償とされました。取得に際しまして、保険者にとっても負担というか、今までの保険証のままであることと比べると、新しく申請をして取得しなければいけない負担、また、対応する自治体、健康保険組合等の事務負担が重くなるのではないかという御指摘がございますけれども、このことに対する御見解をお伺いしたいと思います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今の現行の健康保険証、これは全ての被保険者に交付を行っておりますけれども、資格確認書につきましては、これは、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本としつつ、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方に対しまして、御本人の申請に基づき交付するものでございますので、交付件数が減ることによりまして、発行に係ります保険者の方の様々な負担も、現行の健康保険証と比べて減少することが期待されるものでございます。

 また、マイナンバーカードで受診していただくということにつきましては、保険者の方にとりましては、過誤請求の事務処理負担が減少するなど、全体の事務コストという面でも軽減につながると考えてございまして、資格確認書の具体的な内容については、今後検討していくことになりますけれども、できる限り効果的、効率的に交付の事務を行っていただけるように留意しながら進めてまいりたいというふうに考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 続きまして、例えばの例なんですけれども、現在、老人介護施設等におきましては、緊急な場合に備えて施設において保険証を預かっているケースというものも多くあるというふうに思いますけれども、マイナ保険証となった場合に、預かることに以前よりは抵抗があったり、預かることが難しくなったりということが介護現場で起こることが想像できるというふうに思いますけれども、このことによって医療へのアクセスに支障が発生するのではないかという懸念についての御見解をお伺いさせていただきます。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 今お話ございましたように、高齢者施設などにおきましては、施設に入所されている方の健康保険証を施設職員の方に預けておられる例というのもあるというふうに承知をしております。

 この点につきましては、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会におきまして、認知症当事者の方やまたその御家族、介護施設の関係者の方を含む関係団体の方々からヒアリングを行いまして、本年二月に取りまとめました中間取りまとめにおきまして、施設入所者のマイナンバーカードの管理の在り方などについて、取扱いの留意点などを整理した上で周知し、安心して管理することができる環境づくりを推進するということとされたところでございます。

 今後、関係省庁と連携いたしまして、引き続き、関係団体の御意見を伺いながら、介護施設の入所者の方に、マイナンバーカードを利用して、より多くのデータを活用した、よりよい医療を受けていただく、こういうことができますように、第三者によるカードの取扱い、こちらにつきましては丁寧にお示しをしてまいりたいと考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 それでは、一方で、マイナンバーカードにつきましては、自ら申請することによって取得するというものでございます。先ほどから議論の中でもあっておりますけれども、例えば病気ですとか障害をお持ちの方、そして認知症などによって自らの意思を表明することが困難な方々については、取得ができないことによる不利益というものがあってはならないというふうに思います。このことについてまずお尋ねをさせていただきます。

 また、保険証の廃止に伴うマイナ保険証への移行を踏まえまして、資格確認書についても自らの申請主義となっているために意思を表明できない状況があるというふうに思いますけれども、このことによっても医療アクセスへの支障が生じるのではないかという懸念、この両方について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、よりよい医療の提供につながるということは申し上げたとおりでございます。

 今年二月、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会の中間とりまとめで、カードの交付、いざ紛失その他のときには最短五日で交付できる仕組みを構築すると同時に、役所に出向くことが困難な方が代理交付が活用できるケースを拡充し、七十五歳以上の高齢者、中学生以下の者は本人が出向かなくてもよくするといった、取得の円滑化に向けた環境整備に取り組んでまいります。

 また、何らかの事情でマイナンバーカードが手元にない方につきましては、保険診療を円滑に受けられるようにするために、本人の申請により資格確認書を交付することとしております。

 今回の法案では、身寄りがなくて、かつセルフネグレクトの状態にある方など、申請の勧奨を行ってもなお資格確認書の交付申請を行うことが期待できない方を念頭に、当分の間、保険者が必要と認めているときには本人からの申請によらずに資格確認書を交付することができる旨の経過措置を設けているところでございます。

 厚労省始め関係省庁としっかり連携をして、二〇二四年秋の健康保険証の廃止を混乱なく迎えられるよう、入念に準備をしていきたいと思っております。

西岡委員 大臣、ありがとうございます。

 自ら意思を表明できない、病気であるとか障害をお持ちの方ですとか認知症である方とかにつきまして、このマイナンバーカードをどのように持っていただく方向で医療の利便性を受けていただくかというところは、大変難しい判断があるというふうに思いますけれども、今、経過措置ということで大臣からございましたけれども、やはり、こういう状況にある方にも不利益のない状況というのをしっかり確保していただくということについてお願いを申し上げたいというふうに思います。

 それでは、続きまして、マイナンバーの利用拡大についてお伺いさせていただきたいと思います。

 これまで、社会保障、税、災害対策の三分野に限られておりました。先ほどから議論があっておりますけれども、今回の法改正によって、法定事務に準ずる事務について利用することができる、法律でマイナンバーの利用が認められている事務についても主務省令で規定することで情報連携を可能とするということが盛り込まれております。

 法改正を経ずに利用対象ということが拡大するということについては、国民への説明責任、国会の監視機能が十分に果たせなくなるのではないかという懸念がございますけれども、この懸念に対して、大臣の御見解をお伺いいたします。

河野国務大臣 この改正でも、個別の法律の規定に基づく事務を新たにマイナンバーの利用対象とするためには法律に個別に規定をする必要がある、ここは変わりません。

 他方で、今までは、法律に基づかない事務は、法律に基づいていないものですから、マイナンバーを活用することができなかった、先ほど申し上げましたような、米軍基地内で日本人従業者に予防接種をするようなもので。事務の性質は全く同質であるんだけれども、法律に基づかなくてマイナンバーの活用ができなかったものについては、主務省令によりマイナンバーの利用を可能とできるというようにいたします。

 また、情報連携を速やかに開始するため、法令でマイナンバーの利用が認められている事務の範囲で主務省令で情報連携を可能といたしますが、元々これは、情報連携できる主体それから事務は法令で厳格に限定をされておりますので、政府の裁量がそれを超えて従前より大きくなるということはありません。

 また、主務省令の改正は、行政手続法に基づきましてパブリックコメントを行う必要がございますので、国民の皆様にこういう主務省令の改正をやりますということはお伝えをこれはしなければいけないわけで、国民の皆様の見えないところで事務の追加あるいは情報連携の項目が増えるということはございません。

 また、個人情報の保護に配慮した制度にこの改正で変わるところはなく、新たなマイナンバーの利用あるいは情報連携が可能となった場合も、独立した第三者機関であります個人情報保護委員会が監視、監督をする、この仕組みにも変わりはございません。

西岡委員 法改正を経ずにというところで、いたずらに拡大することはないということで今大臣から御答弁があったと認識をさせていただきたいと思います。

 それでは、続きまして、今までも言及しておりますけれども、制度の根幹を支えるのは政府の個人データ等の情報管理に対する国民の信頼であると考えております。それを今どのように認識しておられるかというのは先ほど御答弁の中であったというふうに思いますけれども、メリットばかりではなくて、様々な、リスクがゼロということはございませんので、リスクも含めた丁寧な説明、不安払拭のための施策の推進が不可欠であるというふうに思いますけれども、大臣の御見解をお伺いをさせていただきます。

河野国務大臣 これまでいろいろのメリットを申し上げてまいりましたが、もちろん、リスクがあるというのは、マイナンバーに関するシステムではないにしろ、例えばヒューマンエラーが起きたというようなことがございますので、そうしたことについては、都度、真摯に対応していく必要があると思っております。

 また、万が一そうしたエラーが起きた場合でも、流出したマイナンバーが悪用されたケースはないということ、それがきちんと担保できるようなことは続けていかなければならないと思っております。

 国民の皆様にもこの個人情報に関する様々な不安を持たれている方が多くいらっしゃるわけでございますので、こうした不安にしっかりと向き合って、正確な情報を発信できるように努めてまいりたいと思います。

西岡委員 やはり、リスクも含めた御説明をしっかりしていただいて、もしそういうことが起きたときにどういうふうに対処していくのかということも大変重要だと思いますので、そこも含めて、国民への周知をお願いしたいというふうに思います。

 それでは、制度の大前提でございますけれども、自治体窓口で、本人確認、顔写真と受取人の照合、これは、御都合のある、いろいろな事情のある方については代理人も認められているところでございますし、子供さんについても必要ないということの配慮はあるということも承知した上で、本人確認が適正に行われなければ、例えばそこで全く別人の顔写真が搭載されるということになりますと、不正取得をその後防止することが大変難しくなるというふうに思います。

 ただ、自治体の負担軽減も大変必要なことだというふうに思います。この不正取得防止のための適正な対応を図っていくことが必要であるというふうに思いますけれども、御見解をお伺いいたします。

三橋政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードは、対面でもオンラインでも安全、確実に本人確認ができるデジタル社会の基盤となるツールでございまして、成り済まし等による不正取得を防ぐため、申請時又は交付時に市区町村職員による対面での厳格な本人確認を経て交付することを原則としております。

 具体的には、市区町村の職員が、マイナンバーカードに記載するマイナンバー及び氏名等の個人識別事項と、住民基本台帳に記録されている情報との照合による実在性の確認、並びに、マイナンバーカードの顔写真と交付申請者との照合及び本人確認書類の確認に基づく本人性の確認、この二点の観点から本人確認を行うこととしております。

 一方、自治体の負担軽減を図るために、総務省では、これまでも本人確認方法に関する事務処理要領や質疑応答等を示して助言をいたしますとともに、自治体からの御意見を踏まえまして、申請促進や交付に係る補助的業務の民間委託の推進、交付体制の拡充に伴う会計年度任用職員等に対する経費への国費による支援、出張申請受付の際に用いるタブレット端末や交付予約サイトに係る経費などへの国費支援などを行っております。

 引き続き、自治体の負担軽減に配慮しながら、適正な本人確認が行われるよう努めてまいります。

西岡委員 やはり、先ほど御答弁でございましたけれども、本人確認は大変重要なカードのスタートでございますので、重要である反面、負担軽減、民間の力も活用してということもございましたけれども、しっかり不正取得防止に対するいろいろな支援というものを国として行っていただくことをお願い申し上げたいと思います。

 もう残り僅かとなりましたけれども、戸籍等の記載事項への氏名の振り仮名追加について質問させていただきます。

 本改正案によりますと、市町村が行う審査について、戸籍法第十三条第二項に「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならない。」とされております。一般に認められているものについては、法制審戸籍法部会で議論が大変あったというふうに承知をいたしております。どのような定義であるのか。又は、命名権を規制するものではないとされておりますけれども、法改正の趣旨について国民に説明、周知することが大変重要だと思いますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 戸籍法十三条二項における、一般に認められているものの意義につきましては、単なる漢字としての読み方ではなく、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものを指しており、その読み方が社会において受容され慣用されているかという観点から判断されることになります。

 具体的には、漢和辞典など一般の辞書に掲載されている読み方については幅広く認めることが考えられ、一般の辞書に記載されていない読み方についても、届出人から個別に説明を聞いた上で、社会において受容され慣用されているものかどうかを判断することになります。

 また、国民への説明、周知についてお尋ねがございました。

 本籍地の市町村長による審査に当たっては、いわゆる名のり訓を幅広く許容してきた我が国の命名文化を踏まえた柔軟な運用とすることを予定しております。もっとも、この運用においても、例外的に、社会を混乱させるようなものについては許容されないと考えております。

 こうした制度の趣旨や運用の基本的な在り方について国民の皆様の理解を得ることが必要と認識しておりまして、国民の皆様に分かりやすく周知するなど、市町村や関係府省等と連携しつつ、しっかりと準備を進めてまいります。

西岡委員 今、幅広い名のり訓を許容してきた我が国の命名文化を踏まえた運用とするということについて言及がございました。

 氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならないという概念は、これまで一般に認められてきたものと解釈することもできます。例えば、名のり訓は、今後新しく生まれてくるものでありまして、命名文化を守るために柔軟に受け入れられるものにならなければならず、その許容の範囲が担保されなければならないと考えますけれども、御認識をお伺いして、私の質問を終わります。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁いたしましたとおり、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものかどうかは、社会において受容され慣用されているかという観点から判断されることになります。

 委員御指摘のとおり、氏名の振り仮名の許容性及び氏名との関連性については、いわゆる名のり訓を幅広く許容してきた我が国の命名文化を尊重する観点から、氏名の振り仮名を幅広く許容すべく、柔軟に運用することが適切であると考えております。

 こうした運用の基本的な在り方については、法務省民事局長通達などでその内容を明らかにし、各市町村の戸籍窓口において統一的な取扱いが確保されるように、しっかりと取り組んでまいります。

西岡委員 時間となりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次回は、明二十日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二分散会


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