衆議院

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第10号 令和5年5月11日(木曜日)

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令和五年五月十一日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 橋本  岳君

   理事 今枝宗一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 田中 英之君 理事 谷川 弥一君

   理事 坂本祐之輔君 理事 湯原 俊二君

   理事 中司  宏君 理事 中川 宏昌君

      井原  巧君    池田 佳隆君

      石田 真敏君    石原 正敬君

      今村 雅弘君    大野敬太郎君

      小寺 裕雄君    小森 卓郎君

      櫻田 義孝君    鈴木 隼人君

      谷川 とむ君    中川 郁子君

      中曽根康隆君    西野 太亮君

      牧島かれん君    松島みどり君

      宮路 拓馬君    保岡 宏武君

      渡辺 孝一君    末次 精一君

      堤 かなめ君    福田 昭夫君

      緑川 貴士君    森田 俊和君

      赤木 正幸君    住吉 寛紀君

      堀場 幸子君    輿水 恵一君

      鰐淵 洋子君    西岡 秀子君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (デジタル改革担当)   河野 太郎君

   国務大臣

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)          小倉 將信君

   デジタル副大臣      大串 正樹君

   デジタル大臣政務官    尾崎 正直君

   政府参考人

   (内閣官房孤独・孤立対策担当室次長)       榊原  毅君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 五味 裕一君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        三浦  聡君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            渡邊 昇治君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局官房審議官)       塚田 益徳君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局審議官)        山澄  克君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房長)            小宮 義之君

   政府参考人

   (こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君

   政府参考人

   (こども家庭庁支援局長) 吉住 啓作君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   楠  正憲君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   村上 敬亮君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   二宮 清治君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 内藤 茂雄君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     木村 公彦君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 竹谷  厚君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           安彦 広斉君

   政府参考人

   (スポーツ庁スポーツ総括官)           先崎 卓歩君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           松本  圭君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮本 悦子君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           斎須 朋之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           朝川 知昭君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           岩間  浩君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    茂木  正君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 佐々木正士郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 小森  繁君

   厚生労働委員会専門員   若本 義信君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十一日

 辞任         補欠選任

  石田 真敏君     石原 正敬君

  谷川 とむ君     西野 太亮君

  土屋 品子君     櫻田 義孝君

  渡辺 孝一君     池田 佳隆君

  中司  宏君     赤木 正幸君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 佳隆君     渡辺 孝一君

  石原 正敬君     石田 真敏君

  櫻田 義孝君     松島みどり君

  西野 太亮君     谷川 とむ君

  赤木 正幸君     中司  宏君

同日

 辞任         補欠選任

  松島みどり君     土屋 品子君

    ―――――――――――――

四月二十七日

 デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件

 令和五年三月予備費使用及び令和五年度予算に係る子育て関連給付金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

橋本委員長 これより会議を開きます。

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房孤独・孤立対策担当室次長榊原毅君、内閣府大臣官房審議官五味裕一君、内閣府地方創生推進事務局審議官三浦聡君、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官渡邊昇治君、公正取引委員会事務総局官房審議官塚田益徳君、個人情報保護委員会事務局審議官山澄克君、こども家庭庁長官官房長小宮義之君、こども家庭庁成育局長藤原朋子君、こども家庭庁支援局長吉住啓作君、デジタル庁統括官楠正憲君、デジタル庁統括官村上敬亮君、デジタル庁統括官二宮清治君、総務省大臣官房審議官内藤茂雄君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長木村公彦君、外務省大臣官房審議官竹谷厚君、文部科学省大臣官房審議官安彦広斉君、スポーツ庁スポーツ総括官先崎卓歩君、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子君、厚生労働省大臣官房審議官松本圭君、厚生労働省大臣官房審議官宮本悦子君、厚生労働省大臣官房審議官斎須朋之君、厚生労働省大臣官房審議官日原知己君、厚生労働省大臣官房審議官朝川知昭君、農林水産省大臣官房審議官岩間浩君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官茂木正君、国土交通省道路局次長佐々木正士郎君及び環境省大臣官房審議官小森繁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橋本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中曽根康隆君。

中曽根委員 おはようございます。自民党の中曽根康隆でございます。

 本日は、貴重な質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 言うまでもなく、子供こそ未来そのものであります。社会の未来も地域の未来も国の未来も、全てはこれからを担う子供たちに懸かっております。

 二十年前、二〇〇三年に政府は初めて少子化担当大臣を設置をいたしまして、今の小倉大臣で二十六代目となります。この間、様々な施策が講じられてきました。各論で見れば、もちろん結果を出しているものもありますけれども、やはり総論で言うと、結果が出ているとはなかなか言いづらい状況であると思います。出生率も、二〇〇七年、一・三四だったものが、二〇二一年、一・三〇。謙虚に反省するべきところはたくさんあるというふうに思います。

 まさに今、岸田総理のおっしゃっている次元の違う少子化対策、これはいろいろな意味で、もうラストチャンスだというふうに考えております。同世代の小倉大臣の強いリーダーシップで必ず結果が出ると私は期待しておりますし、私自身も微力を尽くして、全力で応援をしてまいりたいというふうに思っております。

 大臣が先日、テレビ出演の際に、少子化の財源について、このようにおっしゃっていました。慎重な検討を要するとしている国債も含め、あらゆる財源の議論を排除していない、子供がいない方も子育てを終えた方も、皆で支える機運を高めていかなければならない、こうおっしゃいました。次元の違う少子化対策を絵に描いた餅にしないためにも、この財源確保は極めて重要であります。

 そもそも、なぜ子供が減っているのか、なぜ増えないのかを突き詰めれば、我々がもっと子供という存在に真剣に向き合って、子供の持つ価値とか可能性とか、そういったものをしっかりと認識して、社会全体で育んでいく必要がやはりあると思います。そういう社会の温かさとか雰囲気とか、そういうものが、じゃ、子供を持とうとか、子供を育てよう、そういう一歩につながる。それで初めて様々な少子化対策というのが芽吹いてくるんだというふうに思います。

 ここで、大臣にお伺いをしたいと思います。

 まさに大臣のおっしゃった、皆で支える機運を高めるというのは極めて重要でありまして、この機運を高めることが、いわゆる財源の選択肢を増やすことにもつながるというふうに思います。では、どうやってこの機運を高めていくのか、どうしたら、社会で、皆で子供を育てるという意識を醸成して、世の中の雰囲気をつくれるのか、是非とも大臣のお考えをお聞かせください。

小倉国務大臣 中曽根委員御指摘の、子供、子育て政策を進める上で社会全体の機運の醸成が必要ではないか、これについては、総理も、私も、非常に強く認識をしているところでございます。

 その機運醸成でありますけれども、まず、現状は、自国は子供を産み育てやすい国だと思うかとの問いに対しまして、そう思うと回答する方が、スウェーデンでは四八%に上っておりますものの、我が国では僅か四割程度にとどまっております。

 このような中、子供や子育て世帯を社会全体で支える機運を醸成するため、先般、子連れの方が窓口で苦労して並ぶことがないよう、こどもファスト・トラックの取組をスタートさせ、さらに、こどもまんなか宣言の趣旨に御賛同いただいた企業、個人、地方自治体などにこどもまんなか応援サポーターになっていただき、今日からできることを実践し、取り組んだ内容を自らSNSなどで発表いただく、こどもまんなか応援プロジェクトの取組もスタートさせました。これらに加えまして、今後、子供、子育てに優しい社会のための意識改革に向けた国民運動を、今年の夏頃をめどにスタートすることとしております。

 少子化の危機的な状況、そして、今の子供を取り巻く状況や、子育て世代の方の負担がいかに大きなものかということをより多くの方に理解してもらうことによって、自然と周りの皆様方の協力が行われることが望ましいと考えております。

 子供や子育て当事者に温かい社会を実現をしていくため、社会の意識を変えていくことは簡単ではありませんけれども、これを大きな挑戦と捉え、様々な手法で国民的な議論を起こし、より多くの方々の理解と行動を促してまいりたいと考えております。

中曽根委員 ありがとうございます。

 こどもまんなか社会は、まさに国民一人一人の意識の改革から始まると思いますので、是非とも御尽力をよろしくお願いいたします。

 少子化の要因はいろいろあると思いますけれども、一つ揺るぎない事実として挙げられるのが、現在、女性に圧倒的に負担がかかり過ぎているということだと思います。仕事、掃除、料理、学校の送り迎え、こういったことを全てやっているとパンクしそうなお母さん、もうたくさんいらっしゃいます。これでは到底、子育てなんかできませんし、子供を持ちたくても諦めてしまう人もたくさんいるというふうに思います。

 では、この圧倒的に女性に負担がかかっている現実を変えるにはどうしたらいいか。いろんな方法があると思いますけれども、私から二つ提起したいと思います。

 一つは、現在、政府も力を入れている育休の促進です。とにかく、偏っているこの育児負担を均等にすること、片方ではなく、夫婦でしっかりと子育てをする風土をつくること、すなわち、男性の育休促進をしっかりとすることだと思います。

 二つ目は、家のことをアウトソース化することです。何でもかんでも、家のことを全部お母さんとかお父さんが自分でやるんじゃなくて、もっと任せられるものは外の人に任せる、外の人に助けてもらう、こういったアウトソースできる制度が必要だというふうに思っております。

 まず、一つ目の育休について伺いたいと思います。

 政府は、この育休取得の目標数字、いろいろ挙げております。ただ、この数字を追うだけでなくて、一番大事なのは中身であります。育休の主たる目的というのは、夫婦が共に子育てを行って、お互いがお互いの負担を減らすことだというふうに思っております。例えば、私、育休取りました、三日間も休みました、これじゃ全く意味がないわけでありまして、例えばですけれども、週に二日、それを一年間継続して、年間計百日間しっかり育児をするとか、せめてそれぐらい必要だし、そもそも、こういう日数とかではなくて、中身が大事であります。

 そこで、政府にお伺いしますけれども、この育休取得に関して、日数とか時間とかの量ではなくて、質、すなわち中身をどう充実したものにさせるか、どうやってこの質を担保させるか、また、そこをどのようにモニタリングしていくのか、具体的なお答えをお願いします。

小倉国務大臣 済みません、先ほどの答弁で、スウェーデンのところ、四八%と言ってしまったようでありますけれども、九八%でありました。訂正をさせてください。失礼いたしました。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 男性の育児休業取得率につきましては、三月に小倉大臣の下で取りまとめられました、こども・子育て政策の強化に関する試案におきまして、二〇二五年までに五〇%、二〇三〇年に八五%に引き上げることが盛り込まれてございます。

 一方で、今先生御指摘のございましたように、育児休業中の男性が育児や家事を行う時間が少なく、女性の育児、家事の負担軽減につながらないなどの、いわゆる取るだけ育休とならないようにすることが必要と考えております。

 厚生労働省といたしましては、これまでも、男性の育児休業の取得促進と併せまして、育児休業中にしっかりと育児に向き合うことも後押しするために、企業版両親学級の推進などによりまして、男性労働者の意識改革などに取り組んでまいりましたが、御指摘の、育児休業の質の部分の充実につきましては、こども未来戦略会議での議論なども踏まえまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。

中曽根委員 ありがとうございます。

 例えば、フィンランドのカイッコネン防衛大臣、御案内のとおり、今年一月から二か月間、育休を取りました。まさにフィンランドは、NATO加盟申請中の、安保情勢が物すごい大事な中で、現職の防衛大臣が育休を二か月取る。フィンランドの男性の育休取得率八割、出産後すぐに父親が休業して、最初から夫婦二人で子供を育てるのが常識。

 やはり、こういった社会の雰囲気をつくっていかなきゃいけないと思います。今おっしゃったとおり、数字にとらわれず、しっかりと中身を追求していただきたいというふうに思います。

 ここで、この育休に関連して、もう一つ伺います。

 そもそも、この育休制度が日本において進まない大きな理由の一つは、やはり働き方だというふうに思っております。ちょっとエピソードを一つ申し上げますと、今年一月に、まさに私はフィンランドに行ってまいりました。そのときに、我々一行のスケジュールが若干押していて、運転してくださっていたバスの運転手さんに、終わりの時間を少し延長してくれということをバスの中でお願いしました。そうしたら、その運転手さんが、いや、実は子供の保育園の迎えが五時にあるから延長できませんというふうに断られました。

 何が言いたいかというと、フィンランドでは、残業だからとか、仕事だからとか、そういうエクスキューズは通用せずに、仕事と育児をちゃんと割り切って、めり張りをつけてやっているわけです。

 では、日本はどうかというと、やはり、とにかく休暇が取りづらい文化だし、残業が当たり前になっているような業種、会社、職種もあるし、育休を取りたくても取れないという方がたくさんいるわけですね。残業がある会社、ない会社、又は出社しなくてはいけない職種、しなくてもいい職種、テレワークができる会社、フレックスがいい会社、悪い会社、いろいろばらばらであります。やはり、業種や職種や企業の規模でも変わってくると思います。

 例えば、私の友人が勤める大手のIT企業、彼の会社では、ほぼ完全にテレワークで、加えてフレックスです。なので、子供が体調不良で学校を休んだら家から仕事をしているし、一旦家へ帰って子供と御飯を食べて、また出社することもできる。

 ここで政府に質問しますけれども、こういった形で、育休を自分の意思で取れる人もいれば、取れない人もいる。育休と一くくりにするのではなくて、全ての人や会社に使ってもらえる、きめ細やかな制度設計が必要だというふうに思っておりますけれども、政府の見解を求めたいと思います。

宮本政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘くださいましたように、男性労働者が育児休業を取得しない理由としましては、業務の都合により取れない、また、職場が育児休業を取りづらい雰囲気であるなどが挙げられております。こうした観点から、令和三年の育児・介護休業法の改正によりまして、昨年十月から、男性の育児休業取得促進のため、産後パパ育休を創設し、子の出生直後に、これまでよりも柔軟な形で取得できるようにするとともに、育児休業を二回まで分割して取得可能としたところでございます。引き続き、改正法の着実な施行のため、その周知啓発等に全力で取り組んでまいります。

 加えまして、中小企業に対しましては、まず、男性が育児休業を取得しやすい雇用環境の整備や、育児休業取得者の業務を代替する労働者の確保などに関する取組への助成金の支給、また、労務管理の専門家によります育児休業の取得や円滑な職場復帰に関する相談支援、さらに、企業の取組を促進するセミナーの開催といった取組を進めているところでございます。

 また、こども・子育て政策の強化に関する試案におきましては、「職場への気兼ねなく育休を取得できるようにするため、」「周囲の社員への応援手当など育休を支える体制整備を行う中小企業に対する助成措置を大幅に強化する。」といったことが盛り込まれてございます。こども未来戦略会議での議論などを踏まえつつ、検討してまいりたいと考えております。

 これらの取組を通じまして、御指摘のような、職種や職場環境にかかわらず、育児休業を取得しやすい環境整備に、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

中曽根委員 全ての会社にとって、育休を取得させることが、何かインセンティブ、メリットになるような、そういう仕組みをつくらない限りは駄目だと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。

 次に、冒頭に申し上げました、圧倒的に女性に負担がかかっている現実を変えるための二つ目の提起、家のことのアウトソース化についてお伺いをしたいというふうに思います。

 現在、家で行っている掃除、洗濯、料理、こういったもの、いわゆる家事、そして育児、これを手頃な値段で外部の人間に任せることができれば、相当な負担軽減になるというふうに思います。この家事代行やシッターを、より身近なサービスとして活用するためには、この分野にもっと多くの人に従事をしてもらって、サービスの供給量を増やす必要があると思いますし、そのためには、この家事代行という業種を国内でしっかりと確立させていく必要があるというふうに思っております。すなわち、この家事代行とかシッターを、しっかりと技術職、プロフェッショナルな人材として認知して、そこにしっかりとした対価を支払うということ、こうすることでこの分野の担い手を増やして、サービスの価格を下げて、より多くの人に使ってもらえる一つの産業になると思いますけれども、政府の見解をお伺いしたいと思います。

 また、併せてもう一つお伺いすると、この分野の働き手が国内で不足している現状を鑑みれば、まさに二〇一七年から始まった国家戦略特区内における家事支援外国人受入事業、非常に有意義なものだというふうに考えております。この事業のこれまでの実績、要は成果、そして今後、政府としてどう活用していくか、これも併せてお答えいただきたいと思います。

茂木政府参考人 まず、家事代行でございますが、これは、各世帯の家事を代行することで家事負担を軽減いたしまして、可処分時間を増やしたり、それから、子育てと仕事の両立の支援に寄与していくということでありますので、しっかりとこのサービスの普及に努めていきたいというふうに思っています。

 他方、足下で、昨年、経済産業省が行った調査では、家事支援サービスの利用割合は一・八%ということで、大変低い水準にとどまっています。

 経産省では、これまで、サービスの安心、安全な利用につなげていくために、二〇一六年に家事代行サービスの認証制度というのをつくりまして、産業としてしっかりと支えるという構図も始めております。

 それから、サービスの担い手を確保するため、先ほど委員からも言及ございました、関係省庁の一員として、国家戦略特区内の家事支援外国人の受入れ事業の実施にも取組を進めてまいりました。

 それから、経済産業省が実施した委託調査の中で、これは、利用するに当たり、利用料金の高さに加えまして、第三者の方が自宅に入られるということに対する心理的な抵抗ですとか、家事を他人に任せていいのかといった、こうした抵抗感があるというような調査も出ておりますので、今後は、こうした課題を踏まえながら、家事支援サービスを使いやすい環境整備というのに努めてまいりたいというふうに考えています。

三浦政府参考人 お答え申し上げます。

 私の方から、特区の関係でお話を、御答弁申し上げます。

 まず、実績については、お尋ねの家事支援外国人受入事業については、国家戦略特区に指定された自治体のうち、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、愛知県、千葉市の六つの自治体において事業が実施されております。今年の三月末時点で、千二百五十六名の外国人材の方が入国をされております。これまでも、特区に指定された自治体と連携しつつ、実施区域の拡大に取り組んできたところでございます。本年三月には、大阪府全域での事業実施が可能となるように、区域計画の変更の認定がなされてございます。

 今後でございますけれども、御指摘のとおり、子育て世帯等における家事負担の軽減や女性活躍の推進の観点から、本事業は大変重要と考えてございます。家事支援ニーズへ的確に対応して、家事支援サービスの産業としての確立にも貢献できますように、引き続き、実施区域の更なる拡大など、本事業の活用に努めてまいりたいと考えております。

中曽根委員 とにかく、お母さんの負担軽減なくして子育て対策、少子化対策、子育て環境改善もありませんので、是非ともよろしくお願いいたします。

 質疑を終わります。

橋本委員長 次に、輿水恵一君。

輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 今日は、質問の機会をいただきましたこと、心より感謝を申し上げます。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。初めに、防災のDXの推進について伺います。

 想定を超える水害の頻発、また、大型の地震が三十年以内に七〇%の確率で発生すると言われている中で、防災分野でも、デジタルの技術を活用した防災のデジタルトランスフォーメーションを進めることは重要であると考えます。例えば、気象情報や被害状況を迅速かつ正確に分かりやすく伝えることで、被害を抑制することができます。また、災害対応に当たる行政職員の負担軽減にもつながるものと思います。

 そこで、まず、住民に迅速で分かりやすい避難情報等を提供するための多種多様な情報やデータの連携について伺います。

 地域の河川に設置された国土交通省のライブカメラの映像やリアルタイムの水位情報をスマホで手軽に確認できたり、災害発生時の地域の道路や建物などの被害状況と避難所の開設状況を一つの地図上で分かりやすく表示する、あるいは、自分がいる場所がハザードマップ上でどれくらい危険なのかを素早く手軽に把握し、早い段階から避難へつなげるアプリなど、防災のデジタル化はもう着実に進んでいると思います。

 ここで、気象情報は気象情報用のアプリ、河川の状況は河川の状況確認用のアプリ、ハザードマップはハザードマップ用のアプリ、また、避難道路もそうです、それぞれの情報がばらばらで今アプリで提供されている。こういった情報が連携されていないと、いざというときになかなか役に立たない。住民が避難情報を受け取る、そういったデジタル環境、まさにその基盤を整備することが必要だと思います。

 そこで、災害に強い町づくりへ政府がリーダーシップを発揮し、多種多様な情報やデータの連携基盤を構築をして、個々のニーズに合った民間の多様なサービスが生まれる環境を整備すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 二つの点から大変重要な御指摘をいただいていると思います。

 一つは、既にお話がありましたとおり、災害の現場では、道路がどこで壊れているか、気象情報はどうなっているか、災害場所はどこか、避難者は医療情報的に見てどういう問題を抱えている方なのか等々、実に様々な情報が必要となりますが、それぞれの責任部局が責任を持って管理をしておりまして、なかなかこれを共通して引っ張り出す仕組みがないというところになってございます。

 内閣府の方は、府の方で、政府としてきちっと情報を収集するシステムを今構築中と承知をしておりますが、現場でも、自治体でも、そういった様々な情報が横で連携できるようなデータ連携基盤というものを今試作にかかっておるところでございます。

 あわせて、今、実は、この分野は、大変民間の方に様々ないいアプリケーションを出していただいていて、一つ一つは大変魅力的なんですが、問題は、一個一個、避難所の現場に入れるときに、一々個人情報を入れるとか、手続をするとかということが大変手間暇がかかっておりまして、いいものだけれどもなかなか避難所の現場では使いにくいといって、結局ホワイトボードに戻ってしまうという実態がございます。

 ここも、この業界用語で言うとワンスオンリーということになろうかと思いますが、必要最低限な情報はどのアプリを入れてもしっかりと横につながるようにできるといったような意味でもデータ連携基盤は大変重要だと考えてございまして、この分野につきましてはデジタル庁の方でも責任を持って開発と導入を進めてまいりたい、このように考えてございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。是非、情報連携の基盤を一日も早く整備をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、防災DXにおける自治体間や省庁間の情報連携についても伺います。

 災害発生時、的確な情報共有が迅速な救助につながる。今までは電話やファクスなどアナログで行ってきた情報連携について、スマホやタブレット端末等を活用し、情報の収集と整理を迅速かつ正確に進める体制の整備も着実に進んでいると思います。実際に、SNSのLINE上でロボットと会話するチャットボットを活用して、住民等が災害発生時に写真や動画、被害状況のコメントなどをチャットボットに送れば、AIが災害内容を自動で分析をして、その情報を地図上に示すアプリの導入なども進めている、そういった実態もあると伺っています。

 ここで、日本では、地方自治の中で、災害対応の第一責任者は地方自治体にあるということで、国が関与しにくい面があり、自治体などの行政機関は独自の形式で情報を保存している。そのため、自治体間の情報連携が非常に困難になる、このように伺っております。

 そこで、この自治体間、またもう一つ、省庁間もちょっと難しいところがありまして、実際、国土交通省が所管する道路が被災をして、特定のエリアが孤立をしましたという情報が出たときに、地元の人たちは農林水産省が所管する道路などを使って何とか行き来をしていた。このように、省庁間の情報連携も、なかなか今実際うまくいっていない、こういった実情があると思います。

 そこで、自治体間や省庁間の情報連携の構築に向けて、政府の積極的な取組が必要であると思いますけれども、現状と今後についてお聞かせください。

五味政府参考人 現在、内閣府におきましては、災害発生時に政府が被災状況を早期に把握し、迅速的確に意思決定することを支援するために、総合防災情報システムを運用しております。

 この総合防災情報システムでは、被害情報や道路の通行止め、停電等のインフラ情報を始めといたしまして、災害関連情報を地図上に表記をいたしまして、関係省庁と共有することが可能となっております。今後、関係省庁間で、より迅速かつ充実した情報連携を実施することが重要だと認識しております。

 また、現行の総合防災情報システムは、利用者の範囲が国の関係省庁に限られているため、情報の共有が十分に行えていないといった課題もあると認識しております。それらの課題を踏まえまして、令和六年度の運用開始を目指し、現在、次期総合防災情報システムの開発を進めているところでございます。

 次期システムにおきましては、情報共有のルールを策定した上で、省庁間の情報連携の充実を図るとともに、利用者の範囲を地方公共団体や指定公共機関にまで拡大をいたしまして、国と地方公共団体等が一体的に災害対応を行うことができる環境の整備を目指しております。

 こうしたデジタル技術の活用により、国と地方公共団体等が災害情報を共有し、状況認識を統一するとともに、迅速な災害対応、被災者支援を行うことができるよう、防災DXに積極的に取り組んでまいります。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 令和六年度、しっかりと進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 この防災のDXなんですけれども、デジタル田園都市国家構想の基本方針や、デジタル社会の実現に向けた重点計画などで、重要な位置づけになっているところだと思います。

 各行政機関に細分化されている防災関係データの統合、今後もしっかりと進めていくものと思いますが、そこで、先ほどの自治体間や省庁間の情報連携に加えて、官民の協力体制など、政府の積極的なリーダーシップの下での防災DXの総合的な推進が大変必要である、このように考えますけれども、政府の見解をお聞かせ願えますでしょうか。

村上政府参考人 御指摘のとおりかと思います。

 先ほど御説明したとおり、民間に今様々な優れた提案がございますが、今度は自治体の側から見ますと、どこにどんないいアプリがあるのかよく分からない、それから、どんな仕様書を書けばどういうふうに物が調達をできるのか分からない、それから、いろいろいい取組をしていただいている民間企業同士の間でも、隣の企業がこういうことをやっているんだったらこうすればよかったのにといったようなところも、個々の企業がやっているというような状況になってございますので、この度、河野大臣にもイニシアチブを取っていただきまして、防災DX官民共創協議会というものを立ち上げまして、二百四十三社の民間企業と、特に連携に関心のある七十七の自治体、決して強制はしておりませんが、結果的には、防災でいろいろな御提案をいただいている企業の方、団体も含めて、ほぼここに入っていただいています。

 この方々と一緒に、カタログを作ったり、モデル仕様書を作ったり、更に必要な部分の技術は何かということを検討したりということを、官民で力を合わせて進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。是非、総合的な対策をお願いをいたします。

 続きまして、再生可能エネルギー等を有効に活用しての脱炭素の地域づくりというのは、持続可能な、そういった地域を構築する上で大変重要である、このように思っております。

 そこで、環境省では、二〇二五年までに、少なくとも百か所の地域で、脱炭素に向かう地域の特性に応じた先行的な取組の実現へ道筋をつけるために、脱炭素先行地域選定に取り組んでいると思いますけれども、この脱炭素先行地域選定について、どのような選定要件で選定をして、どのような支援がなされるのか、具体的にお聞かせ願えますでしょうか。

小森政府参考人 御指摘のように、脱炭素先行地域は、脱炭素と地方創生を同時実現する、全国のモデルとなる地域でございます。これまで三回公募いたしまして、計六十二提案が選定されているところでございます。

 先日、四月二十八日に第三回の募集選定結果を出しましたけれども、そこからでございますが、御質問にありました選定条件等でございますけれども、民間事業者等との共同提案であること、これを必須といたしましたところでございます。新たに重点選定モデルを選定いたしまして、関係省庁と連携した施策間連携、複数の地方公共団体が連携した地域間連携、あるいは地域版のGX、こういったものに貢献するかどうかなど、優れた提案を優先的に選定したいと思っております。

 また、選定した地域に対しましては、地域脱炭素の推進のための交付金で支援を行っているところでございます。当該交付金は、交付率を原則三分の二、一計画当たり、事業内容にもよりますけれども、最大六十億円を上限とし、令和四年度当初予算からでございますが、二百億円だったものを、令和四年度第二次補正予算と令和五年度予算では、合わせて四百億円を計上いたしましたところでございます。

 関係省庁等の支援策の活用も併せて、重点的に支援を行っていきますとともに、環境事務所による丁寧な伴走支援を行って、しっかりと実現を支援していきたい、こういうふうに思っております。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 この脱炭素の地域づくりにおいては、特に農林水産業の活性化と連動した取組が非常に重要であると私は考えますけれども、そこで農水省に伺いますが、営農型太陽光発電、これはもう大変に重要だと思います。私も現場を見てきて、しっかりと営農もしながら、そして太陽光発電もということで、この普及等についての農水省の考えを聞かせていただけますでしょうか。

岩間政府参考人 お答え申し上げます。

 営農型太陽光発電でございますが、農業生産と再生可能エネルギーの導入を両立する有用な取組である、それで、再生可能エネルギーだけではなく、農業収入に加え、売電収入を得ることによって農家所得の向上が図られるというメリットがございます。

 一方で、農地に支柱が立つことによる作業性の低下ですとか、太陽光パネルにより日光が遮られることによる収量の減少、品質の低下など、生産性の低下ですとか、こうした中での適切な営農の確保が課題だと考えております。

 農林水産省としては、今後とも、優良農地を確保しつつ、地域活性化に資する形で営農型太陽光発電の導入を進めていく必要があると考えてございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 確かに、太陽光パネルが上に来ると光が当たらなくなる、そういった前提の中で、私が見させていただいたところは、ちょうどうまく隙間をつくりまして、下にちゃんと光も行って、そういった作物の生育にもちょうどいい形での光が行くようにしながら太陽光発電を活用していく、こんな取組も進んでおりまして、一つ一つ、好事例を共有をしていただきながら、そういった農業の永続的な発展につながる取組も積極的に進めていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 立憲民主党の福田昭夫でございます。

 本日は一般質疑の時間ですけれども、我が国のデジタル化の根本的問題点について、焦点を絞って政府の考えをただしてまいりますので、河野大臣、岡田大臣始め答弁者は簡潔にお答えいただきたいと思っています。

 昨日のヒアリングを受けて質問の順番を大幅に変えてありますので、是非御了解いただきたいと思っています。

 それでは、まず第一に、まず最初に、我が国のデジタル敗戦による植民地化についてであります。

 一つ目は、二〇一七年の四月十九日に発行された「スノーデン 日本への警告」の三点を認識してデジタル化を進めているのかどうかであります。

 その第一点ですけれども、スノーデン・リークが明らかにしたアメリカ政府による監視のプログラムが三つあります。電話のメタデータ、バルク・コレクション、プリズム、アップストリームと三つのプログラムがありますが、これは御存じでしょうか。お聞きいたします。

河野国務大臣 真偽不明の情報についての問いについてお答えするのは差し控えたいと思います。

福田(昭)委員 河野大臣、真偽不明じゃないですよ。このスノーデンは、自分の地位と命を懸けて告発したんですよ。そういう人の告発を真偽不明だと言うのはとんでもないことだと思いますよ。今、ロシアに亡命して、アメリカへ帰りたくても帰れない、こういう人の本を、告発文を、これが真偽不明だと言うのは、まさに日本を危うくする、私は大臣だと思います。

 それでは、次に行きますけれども、一応、それじゃ、真偽不明のプログラムを説明してみます。

 バルク・コレクションですけれども、これはアメリカの情報局、NSAがアメリカの電話会社に命じて、米国と国外間の国際通話のみならず、米国内の国内通話を含む全ての電話のメタデータを毎日提出させるプログラムです。これはメタデータのみで、通話内容は含まれておりませんが、これは法律に基づく、二百十五条に基づくプログラムだと言われております。

 それから、プリズムは、フェイスブックやグーグル、アップルなどアメリカに本社を置く九社に、テクノロジー会社に命じて、電子メールやSNSによる通信内容などを秘密裏に提出させるプログラムです。秘密裏に提出させているんです、アメリカに本社を置くデジタル業者九社に。

 それから、アップストリームは、アメリカ本土につながる海底の光ケーブルなどに、それこそ捜査官がアクセスをして、目当ての通信情報を直接入手するプログラムです。

 こういうものを実際にアメリカのNSAはやっているということなんです。これを信じないでデジタル化を進めていったらとんでもないことになると思うんですが、これも、信じないからコメントありませんか。

橋本委員長 答弁の前に、質疑者に、福田君に申し上げます。

 質問のときにこうやって物を掲示して見せる行為は理事会での許可が必要でございますので、会派理事を通じて今後お諮りをいただきますようにお願いをいたします。

 では、答弁お願いします。河野国務大臣。

河野国務大臣 何もありません。

福田(昭)委員 いやあ、日本は危機的ですね。これは大変なことだ。

 それでは、第二点ですけれども、これは、米ソの冷戦後の米国の利益を守り続けるための三大方針を実はアメリカは英知を集めてつくっているんですが、それは御存じですか。

河野国務大臣 アメリカの方針って、いろいろな人がいろいろなことを言っていると思います。

福田(昭)委員 それも非常に心配ですね。

 アメリカの人たちは、本当に見事に優秀なんですね。私はびっくりしましたけれども、米ソの冷戦構造がなくなったときに、アメリカの利益をこれからも守るために、英知を集めて相談したそうです。その結果、次の三つを選んだそうですが、今、世界中が、日本も含めてそれに乗っかっちゃって、実はその流れに流されております。

 一つが、金融の自由化なんです。

 それこそ、橋本委員長のお父さんの橋本総理大臣が金融ビッグバンとかいってやりましたけれども、これは、アメリカがドル札を印刷して、世界中回して、自分の国に戻ってくれればそれでいいんだと。そのために、国際決済できる銀行は、日本の銀行は特に、その当時、世界の銀行のベストテンに六つか七つ入っていたんですよ。日本の銀行を三つぐらいにしちゃえということで入れたのがBIS規制、まさに自己資本比率なんですよ。

 そして二つ目が、何とこれが、知的財産権の保護なんですよ。ですから、日本の会社をアメリカでどんどんどんどん裁判所に訴えさせて、みんな有罪判決を出して、特許料を納めろと。こういうことで特許料を稼ぐということなんですよ。まさに、アメリカは今、相当の特許料を稼いでいますよ、毎年。日本もちょっと、一兆円ぐらいは稼いでいるようですけれども、本当にすごいような考えですね。

 これも、TPPのときもあったじゃないですか。薬の特許権を十年にするか八年にするかと騒いだじゃないですか。あるいは、ディズニーの映画、著作権ですよ、五十年を七十五年にしたんじゃないですか。こういうふうに、これで稼ぐ。

 そして、三つ目ですね。三つ目が、インターネット化、デジタル化なんですよ。これによって、世界の為替相場がどうなっているんだか、株式相場がどうなっているんだか、金融の情報を即座にアメリカに集めるということなんですよ。

 元々、インターネットはアメリカが軍事開発したものですから、敵の情報をすぐ手に入れる、こういう手段ですから、これを使ってアメリカの富をこれからもしっかり守っていく、こういうことを考えて、残念ながら、世界中、今これに乗っかって動いているわけです。まあ、答えは要りません。

 そして、次、二つ目ですけれども、二つ目は、米国とのデジタル貿易協定のように、「(a)政府調達」と「(b)政府の権限の行使として提供されるサービス」が整然と並んで、協定の適用除外、こう規定されているわけでありますが、そういう協定はほかにありますか。

 是非、第一点でいきますけれども、詳しく申し上げますと、この協定は、二〇一九年の十月七日ワシントンDCで署名され、十二月の四日国会承認、十二月十三日公布及び告示、そして、二〇二〇年の一月一日効力が発生したものでありますが、このような協定、同じような協定はありますか。先日の答弁では、日・EUか何かがあると言っていましたけれども、ちゃんと、整然と並んでありますか。別々な場所に書いてあるんじゃないですか。いかがですか。

竹谷政府参考人 お答え申し上げます。

 日米デジタル貿易協定に関しましては、委員御指摘のとおり、第二条第二項におきまして、政府調達、政府の権限の行使として提供されるサービス等について同協定を適用しない旨定めてございます。

 このように適用除外するとの規定は日米デジタル貿易協定特有のものではございませんで、例えば、日・EU・EPA、日英EPA、RCEP協定等のアメリカ以外の国と締結している協定にも設けられてございます。

 その上で、我が国が締結しておりますEPAと日米デジタル貿易協定とでは協定の構造が大きく異なることなどにより、それらEPAの電子商取引章の適用除外の規定は、委員御指摘の日米デジタル貿易協定の適用除外の規定と全く同じ記載とはなっていないということでございます。

福田(昭)委員 それはまさに、うそ、でたらめを述べたようなものですね。

 資料の五を御覧ください。

 これは、あえて見づらく作ってあるものを、私が見やすく直してみました。

 このデジタル協定の第二条の「適用範囲」、一項は前のページに書いてあって、二項はわざわざ後ろのページに書いてある。これは一緒に併せないと、この協定が適用しないというのがすぐ分からないんですよ。普通だったら、第一項と第二項が一緒になっていなければ、やはり何か疑わざるを得ないような状況になっております。私は、これは、我が国のデジタル化はアメリカに任すのだという協定じゃないかなと思っています。

 現実に、今、皆さんがよく御存じ、あるいはデジタル庁がやっているように、(a)の政府調達、それから(b)の地方公共団体へのサービスも、これはどっちも、みんなアメリカ四社がやっているじゃないですか。ですから、アメリカさん、これは任せますよという協定なんじゃないですか。

 まさにびっくりいたしましたが、実は、これを結んだのは、亡くなった人にむち打つようになっちゃうかもしれませんが、安倍政権、安倍総理と当時の茂木担当大臣、外務大臣がやったんですね。私は、安倍政権は我が国を米国のデジタル植民地にすると決断したんじゃないかと疑われるほどの実は協定であります。ですから、本当に大変心配をしております。

 そこで、第二点でありますが、時を経ずして、二〇二〇年二月十四日、総務大臣が、安全面で優位だということで、政府クラウドにアマゾンウェブサービスをすぐ採用すると発表したんですね。こんなことを考えると、これはもう出来レースではないか、こういうふうに考えられるんですが、いかがですか。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの政府クラウドは、令和三年のデジタル庁設立とともに総務省からデジタル庁へ所管を引き継いだ第二期政府共通プラットフォームのことと承知をしております。

 この第二期政府共通プラットフォームにつきましては、平成三十年一月に決定されたデジタル・ガバメント実行計画におきまして、令和二年度から運用を開始することとされたものでございます。この計画に沿いまして、総務省において、平成三十一年三月に設計開発事業者を一般競争入札により調達をしたと承知をしております。

 当該調達の調達仕様書におきましては、特定のクラウドサービス事業者に偏ることのないよう必要な技術要件を明記し、どの事業者のクラウドサービスを利用するかについては入札者の提案に委ねるということとされていたと承知をしております。その結果、複数社から提案がございましたけれども、いずれもAWSの利用を念頭に置いた提案が行われた経緯と承知をしております。

福田(昭)委員 政府参考人、これは、アメリカとのデジタル協定を結んだので堂々とやったんじゃないんですか。違うんですか。それ以前もちゃんと検討していたんだけれども、これは堂々とやったんじゃないんですか。違うんですか。

二宮政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げましたとおり、この第二期政府共通プラットフォームにつきましては、令和二年度から運用開始をするということが既に決まっていたものでございまして、その計画に沿いまして粛々と調達をしたものでございます。

福田(昭)委員 まあ、これ以上言いませんが、そういうふうにシナリオを書いて進めたということなんじゃないですか。

 それでは、第三点。二〇二二年度には政府共通プラットフォームと地方公共団体の基幹業務システムのガバメントクラウドには米国の四社を採用しているわけですが、スノーデンの警告を考えると大変恐ろしいことではないかと思っているんですが、皆さんは何の心配もないんですか。お答えください。

河野国務大臣 そのスノーデンの警告がどうのこうのという陰謀論みたいなことは全く念頭にありません。

福田(昭)委員 大臣、これは、人間一人が自分の職を賭して、又は命も懸けて告発したことを陰謀論と言うのは、ちょっと乱暴過ぎるんじゃないですか。これは見せちゃ駄目だというので見せられないけれども、スノーデンの弁護士が言っていますよ。トランプ大統領以前に告発してくれたのでよかった、トランプ大統領だったらどうなっていたか分からないとアメリカのスノーデンの弁護士が言っていますよ。ですから、全くばかにしてはいけないと私は思います。

 今、だって、それこそ、私もデジタル化に反対するわけではありませんけれども、しかし、我が国のデジタル市場を見れば、米国企業や中国企業などが支配していると言ってもいいんじゃないでしょうか、外国の企業が。そんなことを考えれば、やはり、自由貿易を旨とする日本ですから、商業ベースでは外国の企業を排除することはできないと思いますけれども、しかし、情報は、国にとっても、地方公共団体にとっても、国民にとっても非常に重要なものです。この重要なものを、国と地方公共団体の行政情報までプレゼントするということは、私はないと思います。

 まさに国家主権に関わることです。デジタル植民地どころじゃない、国家主権を売り渡すようなものですよ。いかがですか、大臣。

河野国務大臣 全く当たりません。

福田(昭)委員 これじゃ日本の国は潰れますよ。本当に、びっくりしてしまいますが、幾ら聞いても駄目なんでしょうから、これ以上質問しませんが、こんなことでは日本の国はどこに行ってしまうか分からない。ますます貧しくなると言った方がいいかもしれません。

 それでは次に、主要KPI、デジタルインフラの整備についてお聞きをいたします。

 イとロ、併せて伺いますが、データセンター、海底ケーブルの整備推進についてはどのように進んでいるのか。それから、ロの、ビヨンド5G、6Gの開発、実装についてはどのように進んでいるのか。併せてお聞きをいたします。

木村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のありました、まず、データセンターにつきましては、総務省におきまして、昨年六月、公募を通じて七か所の地方のデータセンターの整備事業を採択をいたしまして、基金を通じて整備費用の一部を助成しているところでございます。

 また、経済産業省におきましては、今年度、データセンターの新規拠点を地方に整備する事業、二件から三件程度に対しまして、整備費用の一部の助成を行う予定であるというふうに承知してございます。

 続きまして、海底ケーブルでございます。日本周回の海底ケーブルにつきましては、総務省におきまして、未整備となっている日本海側のルート、これの整備に向けた補助事業の公募の準備を行っているところでございます。

 総務省としましては、経済産業省を始め、関係省庁と連携しながら、今後もデジタルインフラの整備に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 二〇三〇年代の導入が見込まれます次世代の情報通信インフラでありますビヨンド5G、いわゆる6Gにつきましては、昨年の臨時国会でお認めいただきました予算と法律に基づきまして必要な手続を進め、本年三月、国立研究開発法人情報通信研究機構、NICTに研究開発基金を造成をいたしました。

 我が国が強みを有する技術分野を中心といたしまして、社会実装、海外展開までも見据えた研究開発を重点的に支援していくため、現在、NICTにおいて研究開発課題の公募に向けた準備を進めているところでございます。

福田(昭)委員 資料の三を御覧いただきたいと思っていますが、今、この中身についてお答えをいただきましたが、このビヨンド5Gの開発、実装の目標年次は二〇三〇年と聞いておりますが、これで間違いありませんか。

内藤政府参考人 お答えいたします。

 ビヨンド5Gの研究開発につきましては、先月、四月二十五日に公表いたしましたデジタル田園都市国家インフラ整備計画におきまして、社会実装、海外展開を目指した研究開発を強力に推進し、その開発成果については、二〇二五年以降社会実装を順次目指すということになってございます。

福田(昭)委員 そうすると、当初二〇三〇年と言っていたのを五年早めて頑張るということなんですね。是非、私はこれは頑張ってほしいと思っております。

 そういった意味から申し上げると、デジタル田園都市国家構想の地方公共団体のガバメントクラウドは、この開発を待って進めるのが私は国益を守ることにつながると思っておりますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 現在の計画にのっとって粛々と進めてまいります。

福田(昭)委員 孔子の言葉に、過ちてこれを改めざる、過ちという。

 これは明らかにデジタル主権を売り渡すことにつながりますから、やはりしっかり、それこそ、政府ガバメント、何をやっているんだか分かりませんが、政府ガバメントの方だけまず進めて、地方公共団体のガバメントクラウドは、自前のデジタル技術が開発するのを待って進めても全く遅くはないと私は思っているんですよ。

 それは、地方制度調査会で全国知事会が言いました。これを進めるといったら、いやいやいやいや、政府がこんなことをやるといったら手戻りになっちゃう、もう地方自治体は、都道府県も市町村も一緒になってやっている、それを、こんなことをやるというともう一回手戻りになっちゃうと知事会も言っていますよ。それを無理やり進めたのが、まさに地方公共団体のガバメントクラウド、統一、標準システムですからね。

 しかも、その運営を、情報の集積をするのを、まさにアメリカの四社に全部サーバーを任せるというわけですよ。そこに住基のアプリケーションとかいろいろなもの、二十の基幹業務のやつを入れて、それを好きなように使え、こういうわけですよ。

 しかし、5Gが二〇二五年を目標に開発されるというんだったら、目の前じゃないですか。ですから、少々待ってもデジタル主権を失うようなことをやっちゃ駄目だ、デジタル植民地になっちゃ駄目だ、私はそう思っておりますが、いかがですか。

河野国務大臣 おっしゃっている意味がよく分かりません。

福田(昭)委員 言っている意味が分からないんじゃ、どうしようもないですね、これは本当に。

 それでは、次に行きますけれども、次は、スノーデンの告発以来、アメリカでもEUでも、それこそデジタル業者にどんどん罰金を科すような、そういう個人情報を守るための法律ができています。しかし、日本ではどうも、いろいろな情報が流出したとかなんとかといったって、罰金を科せられたという話は聞いたことがないんですよ。しかし、これは絶対、日本でもそういう罰則、罰金を払わせるようなルールを作らないと駄目だと思っているんですが、そのようにして個人情報を守る必要があると思っているんですが、いかがですか。

山澄政府参考人 御答弁申し上げます。

 御案内のように、我が国の個人情報保護法に基づきまして、私ども個人情報保護委員会、これまでも適切な執行をしております。

 もし、データの取扱主体が規律に違反して個人情報を取り扱ったり、漏えいの事案が発覚したり、そういうような場合には、私どもが必要に応じて立入検査や指導というようなことを、監視、監督権限を行使しておりまして、仮にこの命令までいたしまして、その命令に従わない場合には罰則の対象になる、こういうたてつけでございます。

 こういうことをこれまでも、今後も着実に執行していきたいと考えてございます。

福田(昭)委員 個人情報保護委員会で、罰則があるというけれども、罰金まで科したことはあるんですか、ないんですか。そこまでやったことはあるんですか。

山澄政府参考人 御答弁申し上げます。

 罰則は、もちろん裁判等で決まることですので、私どもが直接罰則を科すわけではございませんが、私どもの承知しておる範囲では、これまで個人情報保護法に基づいて罰金の対象になったものはないと承知しております。

福田(昭)委員 アメリカでは、アマゾンだって、位置情報に不正にアクセスしただけで五億円も裁判所に払っているんですよ。グーグルは、アイルランドで個人情報を大量に漏えいしたということで三百八十億円も払っているんですよ。これだって足りないぐらいじゃないですか。

 今、これから、それこそアメリカでも、それこそヨーロッパでも、デジタル業者に対する課税から、税金を払っていないという話から、しっかり取り組もうとしているだけに、技術がどんどんどんどん進歩していっちゃうから、なかなか法律が、政府が、行政が追いついていけないという現状なんじゃないですか。そこをやはりしっかり取り組まないと、日本人の個人情報も守れません。

 スノーデンは、アメリカは監視社会だけれども、しかし、個人情報を守る法律ができているから、アメリカ市民だったら守れるところがある、保護できるところがある、でも、アメリカの市民以外は守れないと言っていますよ。ですから、日本人は残念ながら守られないんですよ。ですから、そういうことを踏まえて対応する必要があるんじゃないでしょうかね。まあ、それだけにしておきます。

 それで、次は、いよいよデジタル田園都市国家構想総合戦略の中のデータ連携基盤の構築についてであります。

 資料の一を御覧いただきたいと思っていますが、ここが質問通告した内容とちょっと違いますのでまた河野大臣には答えていただけないかもしれませんが、資料の一を御覧いただきたいと思います。1から3まで続けて、まとめてお聞きをしたいと思います。

 今まで議論してきたように、国による地方公共団体の情報システムの統一、標準化は、余りにも私は拙速だと思います。ましてや、二〇〇〇年に地方分権法が成立して、法律上は国と地方公共団体は対等、協力の関係にありますから、国がシステムをつくっても、これを使えと命令はできません。これは河野大臣、確認できますか。

河野国務大臣 国と自治体の関係はおっしゃるとおりです。

福田(昭)委員 結局、国が勝手につくって、使えということになっているわけですよ。ですから、地方分権法に基づいて、国と地方は、一応、法律上は対等、協力の関係だという前提に立てば、もっと丁寧に地方公共団体の意見を聞いていいんじゃないですか。それが、たまたま地方制度調査会で知事会の代表が来た、市長会、町村会の代表が来た、そこから意見をもらった、これだけで進めるというのは余りにも拙速過ぎると思うんですよ。

 それで、幾らアマゾンたちの、アメリカのGAFAたちの値段が安くて便利だといっても、それこそ、デマ情報だと言いますが、スノーデンの警告にあるように、アメリカに本社がある九社のデジタル業者が、アマゾンもグーグルもマイクロソフトも、オラクルもですよ、全て、米国のNSA、情報局に実は情報を届けるということになっているんです。

 そのような業者に、自分の国を提供するような、本当に自分の命と同じように大切な個人情報、特に地方自治体は二十の基幹業務をやっています。住民基本台帳、戸籍、戸籍の付票、固定資産税から地方税、さらには国民年金、国民健康保険、生活保護や、本当に、児童手当や、あるいは健康管理情報まで、二十の基幹業務を、これは取ろうと思えば簡単に、というよりは、もう届けちゃうんだから、自然に。届ける命令があるわけだから。アマゾンやグーグルのサーバーを使ってやっていれば、その情報は、デジタル庁がのぞけなくても、アメリカ政府、NSAですけれども、のぞけちゃうんですよ。

 こんな危険なことを地方自治体にやらせるということは、日本の国民、一億二千六百万人弱の情報が、日本政府は取れなくてもアメリカ政府は取れちゃうということになるんですけれども、こんなことを本当にやっていいんでしょうか。お伺いします。

河野国務大臣 全くの事実誤認です。

福田(昭)委員 いやあ、びっくりしました。こういう人がデジタル大臣では、日本はどこへ行っちゃうか分かりませんね。

 先ほども提案いたしましたが、ですから、私は、ガバメントクラウドは、まず国が先行して実施して、国が今何をやっているんだか分かりませんが、国がまず先行して実施して、是非、これで心配ないということになったら地方自治体へ。地方自治体に説明して、安心ですよ、大丈夫ですよ、やりませんかと言ってやったらいいんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

河野国務大臣 現段階でも問題ございません。

福田(昭)委員 全く柔軟性がないんだわね、河野大臣は。本当にこれは、地方自治体だけじゃなくて、国民も心配していますよ。

 これは委員長にまた注意されちゃうかもしれないけれども、今日の読売新聞、二ページにわたってデジタルのアンケート調査を出していました。これは今日出てきた新聞だから、当然あれに出せなかったけれども、右半分は有効に使っているという若者の声中心の、左半分は心配なことばかり。本当に、国民の皆さんが、デジタルは便利だと言って使っている人もいれば、いやいや、これだけ不安があるというのに、それこそ地方公共団体の二十の基幹業務まで提供しちゃったら、本当に心配なことになりますよ。

 まさに、ですから、そういう意味ではやはり、防衛力の強化資金じゃないけれども、立ち止まって、ここでじっくり考えて進めていくということが私は大事だと思うんですが、河野大臣に聞いても駄目でしょうから聞きませんが、本当にここは残念なところです。与党の皆さんも是非よく考えてほしいと思っています。

 それから次に、マイナンバーカードの普及促進、利活用拡大について。

 先日、健康保険証との一体化を進める法律が衆議院を通りましたけれども、しかし、私は、どうしてもこれを確認したいと思っているんですが、実は、健康保険証との一体化を進めるオンライン資格確認等システムについてです。このシステムのハードウェアはどこなのか、それから、情報の集積場所、サーバーはどこなのか、是非お聞きしたいと思っていますが、お聞かせください。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御質問いただきましたオンライン資格確認等システムでございますけれども、こちらにつきましては、アマゾンウェブサービスが運営するクラウドサービスを利用してございます。

 このクラウドサービス、こちらの選定におきましては、セキュリティー対策等を十分確保するということ、それから、国内法に基づいた対応を可能とするための要件など、様々課してございます。

 一点、御質問いただいたところで申し上げますと、この情報資産を管理するデータセンター、この所在が日本国内であることという要件を課してございまして、こちらを満たすものということで利用しているということでございます。

福田(昭)委員 実は、私が質問主意書を出したんですが、その回答があしたなんですよ。是非、政府が使っているサービス、クラウドサービスを一覧表で出してくれと出したんだけれども、回答が来るのがあしたなので分からないんですが、まさに健康、オンライン資格確認等、これはその一つですわね、まさに。アマゾンウェブサービスを使っている。そのほか、きっとたくさんあるんだと思うんですよ。

 ですから、そういうものから政府がまずやって、安心だと国民の皆さんが思ってくれたら、まずそれからやって、地方自治体のこの統一システムについては、まだ十三市町村ぐらいしか実証実験していないというんですよね、千七百以上ある自治体の中でですよ。ですから、そういう意味では、これはじっくりやって十分なんですよ。もうとっくに、政府はアマゾンウェブサービスでこのオンライン資格確認等システムを運用しているわけですよ。

 ですから、まさにこれは、それこそ健康情報がみんな入っているんですからね、健康情報が。それこそ、病気の履歴から、薬剤、投薬、これが全部入っているものを保管している場所はアマゾンウェブサービスのサーバーですからね。ですから、本当にこれはアメリカに行かない保証はありません。こんな心配なことはないと思います。ですから、しっかりその辺も確認した上でやるべきだということを提案をしたいと思います。

 それで、そろそろ時間がなくなりましたから、最後に一つだけお聞きしたいと思っています。

 実は、最近のデジタル化をめぐる政府の対応について一言だけ聞きますが、公正取引委員会では、アップルやグーグルなどデジタル会社に対する独禁法上の問題点についてどんな対応をするのかお聞きして、質問を終わりにしたいと思います。

塚田政府参考人 お答え申し上げます。

 公正取引委員会においては、これまでも、デジタルプラットフォーム事業者に関する競争上の問題について、独禁法の執行のみならず、実態調査などを通じた競争環境の整備、この両面で重点的に取り組むとともに、内閣のデジタル市場競争本部を中心とした政府全体での今後の具体的な政策の方向性に関する議論にも参画してきたところであります。

 引き続き、関係省庁とも緊密に連携しながら、デジタルプラットフォーム事業者に関する競争上の問題に対して、厳正、的確な法執行や競争環境の整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

福田(昭)委員 以上で終わりますが、しっかり取り組んでください。

 以上です。

橋本委員長 次に、坂本祐之輔君。

坂本(祐)委員 立憲民主党の坂本祐之輔でございます。

 本日も、四月十一日の質問に続いて、子供、子育て政策を中心に質問させていただきます。

 まず初めに、総務省が五月の四日に、五月五日のこどもの日にちなんで、我が国の子供の数ということで、二〇二三年四月一日現在における十五歳未満の子供の数の推計を発表いたしました。子供の数は一千四百三十五万人で四十二年連続の減少、子供の割合は一一・五%で四十九年連続の低下、子供の数は四十七都道府県で減少との結果でございました。

 このような状況をしっかりと再認識した上で、真剣に子供、子育て政策に取り組んでいただくことを改めて政府に求めてまいります。そして、私自身も引き続き危機感を持って取り組んでまいりたいと存じております。

 それでは、最初の質問をさせていただきます。

 前回の質問の際に、平成二十二年三月のインターネットによる子育て費用に関する調査報告書の結果を示し、家庭における経済的な負担は子供が成長するに従って大きくなるものであり、家庭の負担増加に応じた経済的支援こそ必要であるとの質問をいたしました。その際、小倉大臣からは、小中学生については学校給食費の無償化に向けた課題の整理、高校生については児童手当の支給期間の高校生までの延長などをこども・子育て政策の強化についての試案の加速化プランに盛り込んだとの答弁をいただきました。

 しかしながら、これはまだこれから議論をするものであります。食費だけを取っても、現下の物価高騰の状況を考えると、子育て家庭の食費の負担はますます大きくなって、家計を圧迫しているものと思います。

 また、一昨日、厚生労働省が発表した三月の毎月勤労統計調査でも、物価上昇を加味した実質賃金は、前年同期に比べ二・九%減少し、十二か月連続のマイナスになり、現金給付総額は増加しているものの、物価高に追いついていない現状が続いているとのことであります。子育て家庭にとっては、加速化プランの議論を待っている余裕はもうないのではないかと私は考えております。

 改めてここで伺いますが、子供の成長に伴う家庭の経済的負担の増加に応じた経済的な支援を早急に実施するべきと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

小倉国務大臣 まず、物価高騰の影響を受ける子育て世帯への支援につきまして、政府としては、住民税非課税世帯一世帯当たり三万円を目安とする給付、子育て中の低所得世帯には子供一人につき更に五万円の給付、地域の実情に応じて、学校給食費の支援を始めとする子育て世帯への支援にも柔軟に活用可能な電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金等の支援策を切れ目なく講じ、重層的に支援をしてきたところであります。

 また、令和四年度補正予算から、妊娠から出産、子育てまでの身近な伴走型の相談支援と十万円の経済的な支援を一体として実施する事業を創設し、継続的に実施することといたしております。

 加えまして、出産育児一時金につきましては、全施設の出産費用の平均額の推計等を勘案し、令和五年四月から全国一律で四十二万円から五十万円へと引き上げました。

 このような施策の充実を行った上で、今回の加速化プランにおきましては、委員からも御紹介いただきましたように、小中学生については学校給食費の無償化に向けた課題の整理、高校生については児童手当の支給期間の高校生までの延長、さらに、大学生につきましては、貸与型奨学金の減額返還制度の年収上限の引上げ、授業料減免及び給付型奨学金の拡大、授業料後払い制度の導入などを盛り込み、子供が成長するに従って、ライフステージに応じた経済的支援を更に充実をさせることとしております。

 この加速化プランの実現に向けまして、引き続きスピード感を持って取り組んでまいりたいと思っております。

坂本(祐)委員 切れ目なくとおっしゃっておられますけれども、まだまだ課題の整理の段階であります。一刻も早く、私は、もっと直接、もっとボリュームを上げて子育て支援を行うべきである、このように提言をさせていただいている次第であります。

 試案において、「今後三年間で加速化して取り組むこども・子育て政策」という章がありますが、その部分の現状認識において、「我が国の出生数は二〇〇〇年代に入って急速に減少しており、」とあり、続いて、「二〇一〇年から二〇二〇年は約二〇%の減少となっている。さらに、コロナ禍の三年間(二〇二〇〜二〇二二年)で婚姻件数は約十万組減少、未婚者の結婚希望や希望こども数も大幅に低下・減少している。このままでは、二〇三〇年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減することになり、少子化はもはや歯止めの利かない状況になる。」と記されています。

 私も同じ認識です。まさに危機的な状況であって、今すぐに手を打たなければ手遅れになります。三年間で加速化などと悠長なことを言っている場合ではありません。

 この三年間で婚姻件数は約十万組も減少しております。これからの三年間で更に減少していく可能性もあります。また、子育て中のお母さんたち、お父さんたちは、今まさに、大変な思いをしながら、将来に不安を抱えながらも、必死に子育てをしているのではないでしょうか。

 できることから対策を打っていかなければ間に合いません。六月の骨太の方針がどうとか、三年の加速化などとは言わず、できることはすぐに実行するべきであります。いろいろと制度設計に時間がかかるのであれば、それまでの間は、複雑な制度設計が必要のない、児童手当の所得制限撤廃や増額、支給期間の高校卒業までの延長や、高校授業料無償化の所得制限撤廃等を行い、子育てに関わる経済的負担の軽減だけでも早急に行うべきであります。

 「次元の異なる」と言う以上、過去に例のないようなスピード感で対応するべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

小倉国務大臣 今回の試案におきましては、二〇三〇年代に入るまでのこれからの六、七年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスと考えまして、今後三年間を子供、子育て支援の加速化に取り組んでいく集中取組期間とさせていただいております。

 もちろん、できる限り速やかに施策を実施していく必要があると考えておりますが、御指摘の児童手当の拡充など経済的支援を始めとした各種の施策を実施するためには、制度の詳細、予算、財源について国民的な理解を得ながら定めていく必要があると考えております。

 例えば、御指摘の、所得制限の撤廃を含め、児童手当の拡充を実現をするためには、法律の改正のみならず、相応の期間を要するシステム改修や、自治体の実務をどうするかといった課題があるとも認識をいたしております。

 こうしたことを踏まえまして、総理を議長としたこども未来戦略会議を設置をいたしまして、後藤大臣の会議運営の下、必要な政策強化の内容、予算、財源について更に議論を深めているところであります。

 いずれにいたしましても、六月の骨太の方針までに、将来的な子供、子育て予算倍増に向けた大枠を提示することといたしておりまして、先ほど申し上げたように、引き続き、スピード感を持って進めてまいりたいと考えております。

坂本(祐)委員 六月までのまだ期間があって、本当に急いでそれを支給していただきたい。今回が本当にラストチャンスなのかどうか、本来であればもうチャンスは失われているのではないかと私は危惧をしているところでございます。

 野党、私どもも法律案を提案をしておりますので、野党から出された法律案が審議をされないということに対しても私は憤りを感じるところではありますけれども、この件についても一刻も早く、私たちも法案の提出を行ったわけですから、そういったものを審議をしていただきたい。一刻も早い成立を願っているものでございます。

 子育て中のお母さんへの支援の在り方と公平性についてお尋ねいたします。

 例えば、お母さんとお父さんが共働きで、共に正規社員の場合、子供が生まれると、出産育児一時金のほかに、産前産後に仕事を休んだ日数に応じた出産手当金を受け取ることができます。また、お父さん、お母さん共に育児休業を取得でき、育児休業給付金を受け取ることができます。さらに、ゼロ歳、一歳、二歳で保育所に預ければ、一部自己負担はあるものの、保育のサービスを受け取ることができます。ゼロ、一、二歳児については、三、四、五歳児に比べ保育士の配置が多かったりと、公的な負担の割合も大きくなります。

 一方で、子供を産んだ後は子育てに専念したいという理由で仕事を辞めたり、職場の都合などでどうしても仕事を続けられず退職したお母さんについては、雇用保険制度の仕組みの中で支給される育児休業給付金を受け取ることができません。出産手当金につきましては、健康保険制度の中で受け取れるケースと受け取れないケースがあります。また、お母さんが子育てに専念している家庭は子供を保育所に預けることもありません。

 このような状況につきまして、共働きで子育てをするのがいいかとか、お母さんが子育てに専念する家庭がいいのかということではなくて、それぞれの家庭に合った働き方や子育ての仕方があっていいのではないかと考えます。ただし、公的な手当や給付金などの支給やサービスは、働き方や子育ての仕方にかかわらず、最低限、平等に公平に行き渡るようにするべきではないかと考えております。

 その前提として、育児を労働と言ってしまうと批判もあるかもしれませんけれども、議論を分かりやすくするためにあえて育児労働と呼ばせていただきますが、重要なことは、この育児労働をどう考えるかということであると思います。

 お母さん方には、育児という大変重要な社会的責任も負っていただいております。私としては、この育児労働に労働としての価値を認めるべきであり、その上で、子育てに専念するお母さんには、育児に対し、給与の代わりになるような手当や給付金のようなものを支給する制度が必要であると考えております。お母さんが仕事をして、その間に保育士が行う保育には賃金が発生して、一方で、お母さんが行う育児には賃金が発生しないということにも、公平性という観点から違和感を覚えます。

 このような考え方につきまして、大臣の御見解をお伺いできればと思います。(小倉国務大臣「委員長」と呼ぶ)

 失礼しました。あわせて、育児に労働としての価値が認められるということであれば、子育てに専念するお母さんにも、雇用保険制度や健康保険制度の中で行われている育児休業給付金や出産手当金について、保険料等の課題もありますけれども、その点も検討した上で、一定の基準を設けて支給すべきと考えます。

 政府の御見解、お願いいたします。失礼しました。

小倉国務大臣 お答えをいたします。

 保護者の行う育児に関して手当や給付金を支給すべきといった、坂本委員のような御意見があることは承知をしておりますが、他方で、保護者の行う育児を労働と捉えることが適当なのか、共働き、共育ての推進との関係をどのように考えるのか、給付を行うにしても具体的な制度設計をどう考えるかといった様々な課題があるものと考えておりまして、慎重に検討を要するものがあると考えております。

 他方で、専業主婦世帯におきましては、核家族化が進む中で、育児経験もなく、非常に身体的、精神的等々の負担が大きいことも認識をしておりまして、その点、委員とも認識を共有していることだと思っております。そうした中で、親が働いていても、家にいても、全ての子育て家庭に対して適切な支援をすることを通じて、ストレスを感じることなく子育てができる社会を目指していきたいと考えています。

 これまでも、子供、子育て政策の中では共働き世帯に対する保育対策にかなりの比重を置いてまいりましたが、〇―二歳児の約六割はいわゆる未就園児でありまして、子育て世帯の多くが、孤立した育児の中で、先ほど申し上げたような負担や悩みを抱えております。

 したがいまして、昨年の児童福祉法改正に基づくこども家庭センターの設置など、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化を図っていくとともに、先般公表した加速化プランにおきましても、妊娠期から出産、子育てまで、身近な場所で相談に応じ、多様なニーズに応じたサービスにつなぐ伴走型相談支援の継続的な実施に向けた制度化や、就労要件を問わず時間単位で柔軟に利用できる新たな通園給付の創設の検討などを盛り込んだところであります。

 引き続き、こうした全ての子供の育児の応援、全ての子育て家庭への支援の強化に取り組んでまいりたいと考えております。

松本政府参考人 雇用保険制度の育児休業給付について御答弁申し上げます。

 雇用保険制度は、労使が保険料を負担し、失業等のリスクに備え、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進するということを目的として給付するものでございます。

 また、育児休業給付は、労働者の職業生活の継続を援助、促進する観点から、育児休業期間の賃金喪失を失業に準じた保険事故と捉え、休業前の賃金の一定割合を支給するものでございます。

 こういったことから、被保険者かどうかにかかわらず雇用保険制度から給付を行うことは困難であると考えてございます。

日原政府参考人 続きまして、健康保険制度におきます出産手当金関係につきまして御答弁をさせていただきます。

 健康保険制度におきます出産手当金でございますけれども、これは、働いておられます被保険者の方が出産の前後に労務に服さなかった期間の所得の喪失等をある程度補填するという観点から、被保険者及び事業者の方が負担する保険料を財源として支給されるものでございますために、被保険者の方であるかどうかにかかわらず健康保険制度からこの出産手当金の給付を行うというふうにすることは困難であると考えてございます。

坂本(祐)委員 制度の中でございますから、その制度の中の枠組みだけで考えればそのとおりだと思います。しかしながら、そうであれば、またほかの制度もつくっていく、社会全体で子育て支援を行うということであれば、その枠組みを大きく変えていくことも必要なのではないかと考えます。

 大臣からは慎重に検討を重ねていくということで、この御認識は共有いただいているというふうに考えておりますので、是非、これからの予算の執行に当たって、確保に当たって、リーダーシップを取って努めていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、令和三年三月に株式会社日本能率協会総合研究所が出した、厚生労働省委託事業、令和二年度仕事と育児等の両立支援に関するアンケート調査報告書の離職者調査という報告書を見ますと、妊娠、出産、育児を機に離職し、現在就労していない、二十代から四十代で、三歳未満の子供を持つ母親を対象に調査をしており、現在働いていない理由として、最も多いのが、子育てに専念したいが七〇・一%、次に多かったのは、保育所など子供を預けるところがないが四三・四%でした。この調査結果からも、子育てに専念したいというお母さんが多くいらっしゃるということが分かると思います。

 働きながら子育てをするお母さん、お父さん、子育てに専念するお母さん、お父さん、どちらにも公平な支援、サポートをしていくべきではないかと考えております。

 ただいまのアンケート結果で、現在働いていない理由として、保育所など子供を預けるところがないという理由が二番目に多かったと申し上げましたけれども、このアンケート結果にはありませんので、あくまで私の推測でありますが、保育所など子供を預けるところがないといった理由で離職せざるを得ないケースもあれば、子育てに専念するために仕事を辞めたいが、経済的に厳しいため仕事を続けているというケースもあるのではないかと思います。

 子育てに専念したいお母さんに経済的支援があれば、子供を預けないで自ら望む子育てができ、そのことにより保育所に空きができれば、子供を預けて働きに行きたかったお母さんが離職をせずに働きに行けるようにもなります。それぞれの家庭が希望する子育てができる社会を実現するということも、少子化を止める一つの対策になると考えます。

 このようなミスマッチを解消するためにも、それぞれの家庭がどのような子育てをしたいと考えているのか調査をするべきと考えますが、いかがでしょうか。また、ミスマッチが解消されることで、結果として待機児童対策や保育士不足対策につながる可能性もあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘いただきました、仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業でございますけれども、妊娠、出産、育児を理由に離職をした女性を対象にアンケート調査を行ったものと承知をしておりますけれども、現在働いていない理由の回答結果として、離職前の就労形態にかかわらず、子育てに専念したいが最も多い結果になっており、仕事を辞めて子育てに専念したいと考える方も一定いらっしゃるというふうに承知をしております。

 こうした中で、それぞれの家庭のニーズに応じて適切に支援を組み合わせていくということが非常に重要であると考えておりまして、御指摘のような、いわゆる在宅で育児をされている専業主婦家庭の方々への支援としては、児童手当の支給のほか、地域の身近な場所において、子育て中の親子が気軽に相談や利用ができる地域子育て支援拠点事業の実施、あるいは、保育所等で未就園児を預かるモデル事業を今年度から実施をすることといたしております。こういった取組を進めているところでございます。

 今般取りまとめました試案の中におきましても、全ての子供の育ちを支える基礎的な経済支援としての児童手当の拡充、就労要件を問わず時間単位で柔軟に利用できる新たな通園給付の創設の検討などを盛り込んでおりまして、引き続き、全ての子育て世帯を切れ目なく支援することができるように、必要な施策を講じてまいりたいと思っております。

 なお、実態把握をすべきではないかという御指摘もございましたけれども、子供がいるかどうかにかかわらず、働く理由も家庭家庭様々でございますので、現時点で御指摘のような網羅的な調査を行うことは考えておりませんけれども、いずれにしても、どのような家庭であっても、全ての子育て家庭の多様なニーズに応じて適切な支援ができるように努めていきたいと考えております。

坂本(祐)委員 多様なニーズに幅広く対応していただきたい。そのためにも私は調査をするべきではないかというふうに考えております。このことが、全国一律に大きな調査をすることができないのであれば、あらゆる機会、チャンスを使って、こういった、子育てをする、あるいは子育てをしながら働きたい、いろんなお母さん、お父さんのニーズを幅広く聴取できるような体制も整えていっていただきたいと考えております。

 次に、厚生年金に加入していないお母さんの障害年金の適用についてお尋ねいたします。

 年金受給年齢に達していなくても、障害を患ってしまった際に受け取ることができる障害年金という制度があります。

 障害の程度によって等級が決まり、年金額が決定する仕組みですが、病気やけがの初診日に厚生年金に加入していた方は一級、二級、三級まで障害年金を受け取ることができますが、厚生年金に加入していなかった方は一級、二級までしか年金を受け取ることができません。仮に、子育てのために仕事を辞めたり、厚生年金に加入せず非正規で働いているお母さんが病気やけがで障害を患ってしまった場合、一級、二級に該当した場合は年金を受け取ることができますけれども、三級相当の場合は受け取ることができません。

 子育てにお金がかかる中で、自らの治療や介護でもお金がかかる。さらに、障害があれば思うように働くこともできません。子育てに専念しているお母さんや、厚生年金に加入せず非正規で働きながら子育てをしているお母さんにも、子育てをしている間は厚生年金加入者と同様の適用を受けられるようにするべきと考えますが、いかがでしょうか。

朝川政府参考人 厚生年金制度は、従来より、被用者とそれを雇用する事業主が保険料負担を折半することで将来の生活保障ニーズに対応する社会保険の仕組みとして整備されてきております。

 その給付には、議員御指摘のとおり、老後の所得保障としての老齢厚生年金のほか、一定以上の障害に該当した場合の所得保障としての障害厚生年金、これらは一級から三級までありますが、なども含まれております。

 他方、非正規雇用で働く方につきましては、一定の所得要件を満たす短時間労働者に対して、被用者にふさわしい保障の実現、社会保障の機能強化の観点から、平成二十八年十月以降、被用者保険の適用を順次拡大してきております。

 昨年十二月にまとめられました全世代社会保障構築会議の報告書においては、被用者保険の適用を更に拡大していくために、現在、百人超の事業所に対して適用されている短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件、これを撤廃することなどについて早急に実現すべきと指摘されています。

 こうしたことも踏まえまして、勤労者皆保険の実現に向けて取組を進めることで、より多くの短時間労働者の方に対して保障を及ぼしていくことが重要であると考えております。

 なお、厚生年金の被保険者に該当しない方につきましては、報酬に応じて設定されている厚生年金の保険料を負担していただく前提となっておりませんので、厚生年金の保障を及ぼすことは難しいと考えてございます。

坂本(祐)委員 障害年金の問題だけでなく、将来受け取る年金についても、子育てのために厚生年金に加入していない三号のお母さんは、厚生年金に加入しているお母さんと比べて少なくなります。

 いずれにしても、私が最も訴えたいことは、子育てのためにお母さんが不利益を被る社会、子供を産むことがお母さんの人生にマイナスになる社会は改めるべきではないかということであります。そして、子育ての価値を認め、子育てに専念するお母さんにも正規雇用で働いているお母さんと同様の支援が受けられ、全てのお母さん、お父さんもいらっしゃいますけれども、現在も、将来に対しても安心して子育てができるよう、そして、子供を産むことが人生においてプラスになる社会になるよう取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、御見解をお願いします。

小倉国務大臣 まず、雇用保険、健康保険、厚生年金につきましては、先ほど厚労省がお答えしたとおり、それぞれ被保険者及び事業主が負担する保険料を財源として給付が行われる制度でありますため、被保険者でない方に対して保障を及ぼすことには課題があるものと承知しております。

 他方で、委員からは子育ての価値について言及をいただきましたが、子育てには、経済的、精神的な負担が生じることがある一方で、次代の社会を担う子供を健やかに成長させるものであり、非常に大切な営みである、そういうふうな認識も持ってございます。

 こうした中、先ほどもお答えをさせていただきましたが、育児については、保護者が第一義的な責任を有しつつも、保護者に対して十分な支援を行うことにより、全ての子供が健やかに育成されるようにすることが重要であると考えており、親が働いていても家にいても、全ての子育て家庭に対して適切な支援をすることを通じて、ストレスを感じることなく子育てができる社会を私どもとしては目指していきたいと考えております。

坂本(祐)委員 全ての子供の健やかな成長を願っているわけでございますから、私は、保険者である、あるいは被保険者であるとか、あるいは、厚生年金に加入している方、あるいはそうでない方という方たちが子育てをする中で、こういった財政的な支援のサービスの不公平感があってはいけないというふうに考えているものでございます。

 私もかつて、埼玉県東松山市という人口九万人の町の市長を三十代から十六年間務めさせていただきました。もう二十年ほど前から少子高齢化が喫緊の課題だと言われておりまして、その中で、全ての障害、どんな障害をお持ちになったとしても、自分が生きているところで安心をして生活を営むことができるノーマライゼーションの町づくりを全ての政策の根幹に掲げさせていただき、十六年間務めさせていただいた次第であります。

 その中においても、例えば、働いている方ばかりでなく、子供を育てるのに専念したいお母さん、お父さん、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんもいらっしゃいますけれども、そういった方たちのために何ができるのかといったときには、例えば子育て支援センターを一つ二億五千万円程度で建設をする。そりゃ保育園を一個造れば二億五千万円程度かかります。学校だって二十億円ぐらいかかりますけれども。そういった、まず、学童保育も含めて、いろいろなものは、市で、市長の裁量の中で、議会の同意を得て執行できるものであります。

 特に子育て支援センターは、埼玉県で私は初めてセンターとしての大きなものを造らせていただき、そこで、ゼロ歳児から五歳児ぐらいまでの小さな子供たちを、例えば一日百円でそこで過ごしていただく。公園デビューという言葉がありましたけれども、子育てセンターデビューということで、そこで子育ての悩みを聞いていただいたり、時には、保育士が時間帯によっては子供たちの遊びの相手をする、あるいは、理学療法士や言語聴覚士、そういった方たちも週に一度は来る、お医者さんも来て療育相談をする。

 こういったサービスは、雇用されているお母さんやお父さんでなく、子供を育てたいお母さんやお父さんのために行政がしっかりと支援をするべきであって、それは制度の中で実現をされたものではありません。全ての子供たちが健やかに健康に育ってほしい、そういう思いから、お母さんの、働く、働かない、あるいは、家庭における財政状況等にとらわれないで、子供を安心をして、孤独にならずに育てることができる、こういった体制を整えていくことが何よりも必要なのではないかということで、私は実現をさせていただきました。今でも毎日毎日多くの方たちが、近隣の町からもお越しになって、利用いただいております。

 こういった観点に立つと、国でもっとやれることがあるのではないかというのが私の質問の内容でございます。

 時間もなくなりましたので、次に、子供の発達に関わる問題についてお尋ねをさせていただきます。

 文部科学省が昨年十二月十三日に公表した通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果によると、小中学校における学習面又は行動面で著しい困難を示す児童生徒が八・八%となり、平成二十四年に行われた前回の調査結果の六・五%から増加しました。

 子供の発達に関する問題への対策について考えたときに、まず、実態とその原因を把握することが必要であると考えております。この通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果でも、「留意事項」に、「発達障害のある児童生徒数の割合を示すものではなく、特別な教育的支援を必要とする児童生徒数の割合を示すもの」とありますが、この中には、実際に発達障害を持つ子供もいますが、発達障害ではないものの、育ってきた環境によって発達障害のような特徴を持つ子供も多くいるという指摘もあります。先天的に発達障害があるのか、発達障害ではないものの、育ってきた環境によって発達障害に近い特徴を持つのかというのは、似て非なるものであって、原因も違えば、その対策も変わってくると考えています。

 きちんとした実態の把握は行っているのか、行っていないのか、行っていないようであれば、これもやはり実態調査をしっかりとするべきではないかと思いますが、お伺いいたします。

安彦政府参考人 お答え申し上げます。

 議員の御指摘のとおり、昨年十二月に実施しました調査におきまして、通常の学級に在籍し、学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合、これは発達障害の診断の有無にかかわらずということでございますが、小中学校におきましては推定値八・八%、高等学校におきましては推定値二・二%という結果となっております。

 また、学習障害、注意欠陥多動性障害、自閉症といった発達障害のある児童生徒を対象とした、通級による指導を受けている小中高等学校の児童生徒数、こちらにつきましては、令和三年度時点でございますけれども、約十一万人おります。対前年比で約一万三千人の増加となっております。

坂本(祐)委員 発達障害を含めたいろいろな障害の方、子供たちが学校に登校をいたします。私は、先ほど申し上げましたように、私の、市長として務めさせていただいた町においては、どんなに重い障害があったとしても、お兄さんやお姉さんが行った学校、妹や弟が行くであろう地元の学校に通うことができる福祉の町づくりに努めてまいりました。

 その中にも、障害の種別もたくさんあります。障害と断定できる子供もいれば、そうでない子もいる。そういった調査もしっかりとしていただいて、それぞれの人間性、その持った性格に応じた指導を子供のうちからしていくことによって、中学校、高校でスルーされずに、大人になって社会に出て活躍をする、そういった力を身につけることができるのではないかというふうに私は考えています。

 これからも、機会があれば、またこの件については質問をさせていただきたいと存じます。

 終わります。

橋本委員長 次に、堀場幸子君。

堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。

 小倉大臣、連日申し訳ございませんが、少し、今回は二十分ということですので、よろしくお願いいたします。

 本日は、今作られております、今日も何度も議題には上がっているかと思うんですが、こども・子育て支援の加速化プランについて、まず御質問をさせていただきたいと思います。

 大臣の所信のときもお話をされておりまして、私、質疑もさせていただいたんですけれども、もう一度確認をさせていただきたいのが、女性の年齢の階級別正規雇用比率、これについて、大臣は、このL字カーブをすごくお気にされているというふうに承知をしております。これについての大臣の御所見を端的にお願いいたします。

小倉国務大臣 少子化の背景の一つに、子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がございます。特に、日本の家事等の無償労働の割合は、男性に比べて女性は約五・五倍と非常に高く、家事、育児の負担が女性に偏っていることや、仕事と子育ての両立の難しさが大きな課題の一つと認識しております。

 このため、こども・子育て政策の強化に関する試案では、委員御紹介のL字カーブの解消などを含め、男女共に働きやすい環境の整備や、希望する非正規雇用の方々の正規化を進めることを盛り込んでおります。

 加えて、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティーネットを構築するため、週所定労働時間二十時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大の検討や、リスキリングによる能力向上支援、日本型の職務給の確立、成長分野への円滑な労働移動を進めるという三位一体の労働市場改革を加速することとしております。

 非正規雇用を希望される方の賃金の引上げについては、同一労働同一賃金の遵守の徹底や、最低賃金の引上げにも取り組むものと承知しております。

 子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境を改善をするべく、厚生労働省など関係府省と連携して取り組んでいきたいと考えています。

堀場委員 ありがとうございます。

 このL字カーブは、そもそも、正規雇用の人たちが辞めてしまって、なかなか職場に戻りづらいですよねというところを示している図というか、グラフだというふうに理解をしています。

 そして、次、育休のお話ですね。

 今、多様な働き方について、大臣からお話がありました。今日も先ほどから二回ほど、自民党さんも立憲さんも、やはり育休についてを質問されるということは、本当にこれは非常に重要な課題で、そしてこの課題をちょっと違う視点から考えてみようかなと思いまして、今日は質問させていただきます。

 そもそも育休というものを取得しようとする場合、代替の人間が必要になる場合というのが多いと思います。大体、やり方としては、一つの場所で、ほかの人が欠員になった部分の仕事をフォローアップする、チームで仕事をシェアするというパターンもあるかもしれないですけれども、例えば、学校なんかで学級担任がお休みになったときに、代替の人を入れることになりますよね。学級担任をほかで回すということは不可能ですし、二人、三人と、特に小学校だったら若い先生が多いですから、産休に入られるという方はいらっしゃる、そういったときに代替の要員が必要となります。あと、職人さんとかは、なかなか代替要員がいなくて非常に難しいんですけれども、この代替要員というのは、期間限定の就職ということが非常に多いと思います。なぜならば、戻ってこられるからですね。それで、派遣社員や非正規雇用の人が多いというのが現状だと思います。

 L字カーブの解消というものをするということは、育休でお休みをして雇用を続けていただくということが前提なんだと思いますけれども、このL字カーブの課題を解消するということと、実は育休というものが、ちょっと意地悪な言い方をすると、派遣社員や非正規雇用、そして、まだ同一労働同一賃金になっていませんので、非常に弱い立場の人の犠牲の上に成り立っているシステムではないかというふうに考えているんですが、この整合性について、大臣の御所見をお願いします。

小倉国務大臣 育児・介護休業法等に基づいて、事業主には、育児休業取得後の職員を原則として原職や原職相当に復帰させるよう配慮するよう求められることもありまして、委員御指摘のとおり、有期雇用や派遣社員により代替要員を確保する企業も一定あると考えております。

 こうした中で、事業主と代替職員として働く方、双方の状況が整えば、代替業務が終了した後に正社員に転換することも考えられ、政府としては、キャリアアップ助成金の活用を通じて事業主を支援をしているところであります。

 私どもの考え方としては、非正規雇用労働者として働く方がいるということ自体が問題なのではなく、正規雇用労働者として働くことを希望する非正規雇用労働者の方々の正規化を、しっかり支援をしていくことが大切であるということであります。

 したがいまして、育休取得の促進、正規雇用労働者を希望する方の正規化、このいずれにつきましても、厚労省と連携をしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 結構重要ですよね。非正規雇用のままでいいという人もいる。若しくは、それは、私たち日本維新の会の、何度も政策をお話ししていますけれども、やはり同一労働同一賃金ということで、フレキシブルな働き方ができるようにする。辞めてもまた次に就職先があるんだよという社会で、労働の流動性を高めることで、チャンスが多く巡ってきたり、その都度キャリアアップができたり、収入が上がったりという、ポジティブな労働の流動化について我が党は常に主張させていただいておりますし、実は育休というのも、そういった社会の実現があった上で育休制度というものがあれば、先ほど大臣がおっしゃっていました非正規雇用の人のチャンス、まあ何というのかな、お試し就職みたいなのをして、そして、非常にマッチングがよければ正規の道が開けるとか、そして、それはちょっと余り現実的ではないかもしれないけれども、就職の一つの入口として、そういった形もあるんだよというのもあります。

 もう一方では、私もそうだったんですけれども、ずっと育児をしていて働いていなかった人が、急に正社員でフルタイムというのは厳しいなというときに、一つのステップとして非正規で働いてみて、そして、その次に正規雇用を目指そうとか、子供が小学校の何年生ぐらいかになったら正規雇用に行こうとか、中学校に入ったら行こう、そういったライフプランを立てるためにも、実は、大事なことは、やはり同一労働同一賃金を優先して、先行して実現をしていかなければ、犠牲の上に成り立つシステムというふうになってしまいますというのを御指摘をさせていただいて、優先順位というか、実際にどのように進めていくかというところを御検討いただきたいなというふうに思っています。

 次に行きます。

 男性が育休を取得しても、これは本当に男性の方に申し訳ない話かもしれませんが、男性が育児とか家事を当たり前に担う社会であることが前提だと思っています。じゃ、今、私たちの世代、果たして男性が育児、家事を当たり前に担う社会なのかということをお聞きしたいと思います。

 そして、そのような社会の変容。異次元というのが社会の変容をもたらすような改革とおっしゃられていると思いますけれども、社会の変容、変革というのは、どのような過程を経ることで実現するとお考えなのか。そして、それを促進する政策というのは何なのか、教えてください。

小倉国務大臣 男性がしっかりと育児をするということは大変重要だと思っております。

 したがいまして、まず、加速化プランでは、男性の育児休業取得率の政府目標を大幅に引き上げると同時に、これを実現をするために、男女で育休を取得した場合に、一定期間、育休給付を手取り一〇〇%とすることなどの取組を盛り込んだところでございます。

 他方で、堀場委員御指摘のとおり、取るだけ育休とも言われておりますが、男性が単に育児休業を取得するだけで、家事、育児を行わなくては余り意味がなく、男性と女性が共に子育てを担うようにしていくことが重要だと考えております。

 こども家庭庁といたしましては、地域少子化対策重点推進交付金というものがございますので、この交付金を活用しまして、両親学級等を通じた、父親になる男性への子育てのパートナーとしての意識づけ、あるいは企業も重要でございます、職場における働き方に関する意識改革など、自治体による、共働き、共育ての推進に向けた取組を支援をしてまいります。

 また、子供や子育て世帯を社会全体で支える機運を醸成することも極めて重要だと考えておりまして、先ほども申し上げたような、こどもまんなか宣言の趣旨に御賛同いただいた企業、個人、地方自治体などに、こどもまんなか応援サポーターになっていただいて、今日からできることを実践をし、取り組んだ内容を自らSNSなどで発表していただく、こどもまんなか応援プロジェクトの取組をスタートさせました。更に今後、意識改革に向けた国民運動を、今年の夏頃をめどにスタートをしたいというふうに思っております。

 こうした社会構造を変えるための社会機運の醸成も、こども家庭庁としては積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

堀場委員 私、いろいろ聞いていますけれども、小倉大臣が男性でこども家庭庁を担われているというのは非常に大きな意味があると思っていますし、前も言いましたけれども、男女共同参画のリーダーが男性であるということは非常に意味がある、私は、国際的なメッセージになるというふうに思っているんですね。

 なので、男性が、余り私は好きではないですが、女性的な視点というふうに海外ではよく言われるかもしれませんが、ジェンダーの視点とか、そういった視点で社会を見る必要性があるということを、今の、世界的に、いろいろなところでの女性運動というか、ジェンダー論の中では、そういったものがなかなか主流となってきていると思うんですよね。

 だから、女性が、女性がということではなくて、女性だとこういう視点で物事を見ている、なぜならば家事、育児はこういうふうな視点で見ているからというようなカテゴライズだと思うんですが、それを是非大臣が、男性である大臣がそういったものをどんどん発信をして、社会を変えていただきたいと思っております。

 そして、私たちよりも上の世代を変えるというのは非常に難しいですから、それにも是非取り組んでいただきたいと思います。そこのプレッシャーは結構厳しいので、そこも是非取り組んでいただければなというふうに思っています。

 次は、誰でも通園制度、仮称だと思いますが、これについて御質問させていただきたいと思います。

 全ての子供の育ちを応援し、全ての子育て家庭の支援を強化するためにということもあるんですけれども、ゼロ歳から二歳児の六割を占めている未就園児というものを、必ずどこかに所属したり、つながりを持たせることを目的としているのか。

 私自身は、子供は、ゼロ歳から二歳は、上の子は少し行っていたときがありますけれども、下の子がいたので。そういったこと以外では、私は自分の家で育ててきたんですけれども、こういったことを否定まではされないかもしれませんが、何か六割、みんな子供と向き合いたいと思ってやっている人に対してのメッセージとして、これはどういう意味があるのか。大臣、お願いいたします。

小倉国務大臣 仮称でありますが、こども誰でも通園制度は、就労等の保育制度を利用する要件を満たさない場合であっても、在宅で子育てをする世帯の子供にとって、専門職がいる場合で、同世代と関わりながら成長できる機会をつくること、保護者にとっても、理由を問わず、誰でも簡単に利用でき、育児負担や孤立感を解消できるための環境をつくることなどを目的として、創設を今検討しているところであります。

 具体的には、現行の保育制度は、利用できる者が就労等の保育の必要性がある者に限定されており、専業主婦家庭等も含めた未就園児のいる全ての家庭に対する支援には限界がありますことから、現行の仕組みとは別に、就労要件を問わず、子供一人につき、月一定時間までの利用可能な枠の中で、時間単位で柔軟に保育所、認定こども園等に通園が可能となる新たな給付を創設することを検討いたしております。

 委員の御懸念に直接お答えするとすると、必ずどこかに通園してもらうことを目的とするものではなく、あくまでも子育て当事者のニーズに応じて活用いただく仕組みを考えております。

堀場委員 これが発表されたときに、ちょっと、世論というか、SNS上でよく言われていたことでもあるかもしれないんですけれども、さっき大臣がおっしゃっていたとおり、そもそも保育園というものは、保護者、親が、就労だったり、あとは病気等の理由によって、家庭において十分に子供を保育できない場合に、代わって子供を保育する児童福祉施設ですから、働いていないのに通うということは、社会福祉という根本的な議論がやはり必要だというふうに考えるんですね。今ある保育園に入れるという概念であれば、社会福祉とはそもそも何なのかということになってくると思うんです。

 保育園側からも、こういった社福としての在り方として今まで保育園を運営してきた保育園側から見たときに、この制度というものは、ちょっと、社会福祉ではない、違う子育て支援若しくは保護者支援というような形になるかとは思うんですが、そこの整理はどうなっているか、教えてください。

小倉国務大臣 委員御指摘のとおり、保育所は、保護者の就労や疾病等の理由により、保育の必要性が認められる乳幼児に対して保育を行う児童福祉施設でありますが、先ほども申し上げたとおり、今回、こうした現行の保育制度とは別に、新たな通園給付の仕組みを創設することを検討しており、現行の保育所の仕組みそのものの見直しを行うものではございません。

 また、新たな通園給付につきましては、様々な保育所ごとに考え方がございますので、必ずしも全ての保育所で実施していただくことを想定しているものではなく、また、保育所だけではなくて、先ほども申し上げた認定こども園に加えまして、地域型保育事業所、幼稚園、地域子育て支援拠点等の幅広い事業者に取り組んでいただくことを想定をいたしております。

 いずれにいたしましても、具体的な制度設計は、令和五年度、今年度の予算案に盛り込みました、未就園児の定期的な預かりを行うモデル事業の実施状況を踏まえつつ、今後検討していきたいと考えております。

堀場委員 さっき大臣がおっしゃっていましたモデル事業の中で、どんな施設が手を挙げているんですかというふうにお聞きしたところ、幼稚園というふうに言われたので私はちょっと衝撃を受けたんですけれども、幼稚園でゼロ歳児を一時預かりする場合というのは、資格であったり施設要件等々というのはどういうふうになるのか、教えてください。

小倉国務大臣 要件ということでありますけれども、先ほど申し上げましたモデル事業を実施する場合は、例えば幼稚園でゼロ歳児を預かる場合、従事者につきましては、子供三人に対して職員一人、そのうち二分の一以上は保育士とすること、設備については、医務室、調理室及び屋外遊戯場は不要としますが、その他は保育所と同等の基準とすることといった基準を満たす必要があります。

 なお、先ほど申し上げたように、新たな通園給付の具体的な制度設計それ自体は、このモデル事業の実施状況等を踏まえつつ、今後検討していきたいと思います。

堀場委員 なるほど、幼稚園があったとして、保育園があったとして、別のシステムとしてやる。じゃ、そこには、同じ人材を使うにしても、加配というか、幼稚園であれば新しい保育士が必要で、保育園であれば多分加配の人材が必要なんだというふうな理解になったと思います。

 なので、誰でも通園制度は、今の現状の保育園につけ足されて人が増えていくというイメージ感ではなく、別な制度として、まあ、園の中での運営はもろもろあるかと思いますけれども、イメージとしては、別なものがくっつくというようなイメージというふうに理解をさせていただきました。

 そして、最後に、ちょっと時間がないのでぱっぱっぱっと行かせていただきたいんですけれども、子育て世代の苦悩ということで、就学後の一年生、小学校一年生の壁とか小四の壁というふうに、よく世間では言われているかと思います。保育園や認定こども園、幼稚園の預かりサービスを利用していると、そのサービスの時間が結構長いんですね、それで未就学児の保護者は遅くまで働くことが可能なんです。けれども、一方で、小学校一年生であったり、学童がなかなか入れなくなってくる小学校四年生になってくると、子供が就学後の方がなかなか厳しいというのが現状でございます。

 この環境変化について、こういう小学校の文化というか、学校というものと学童というものとの様々な環境の変化についていけないというような社会問題が発生しているというふうに考えておりますが、それに対する大臣の御所見をお願いします。

小倉国務大臣 委員の御質問は、就学後の子育て環境、いわゆる小一の壁、小四の壁、これをどう対応していくかということだと思いますが、放課後児童クラブにつきましては、登録児童数が過去最高を更新し、着実に受皿整備が進んでいる一方で、待機児童数は約一・五万人となっておりまして、先ほど申し上げた小一の壁、小四の壁を打破することが喫緊の課題であると認識をいたしております。

 待機児童の解消に向けまして、現在、新・放課後子ども総合プランに基づいて、放課後児童クラブの受皿の拡大を図っているところでありまして、放課後児童クラブの待機児童が発生している市町村での施設整備費への国庫補助率のかさ上げや、人材確保の観点から、放課後児童クラブで働く方々の賃金改善の実施に対する費用補助等に取り組んでおります。

 また、夜間の話がございました。夜間までの開所に対する保護者のニーズに対応するため、一日六時間を超え、かつ十八時を超えて開所する事業所への運営費の加算や、十八時半を超えて開所する事業所の職員に対する処遇改善事業を実施しているところであります。

 引き続き、子供の成長に伴って子育て支援に切れ目が生じることのないよう取り組んでいきたいと考えています。

堀場委員 この世代の方々って、ちょうど保育園が足りないよねというぐらいの時期だったと思うんですね。これは結構、予測が実はできていて、今、八十万人を切ったら、五年後には、この子たちが小学校に上がったときには、今度は学童がたくさんあり過ぎて余っちゃうということになってしまうというようなことが懸念されるけれども、予測は一定程度、五年程度のスパンで予測ができるというところなので、ここは柔軟な運営が必要なんだろうなと思っています。

 あと、もう一つは待機学童ですけれども、今出ている数字というのは、空きがあったらお願いしますみたいな待機の申請をしている方の数だと思うんですが、もう諦め過ぎて出さない、私もそうでした。私は、うちの子は三年生でもう出せませんでしたから、出すことすらできないという状況が今も続いていると思っています。

 今、児童館は直接来館もやっていて、様々なシステムを組み合わせながら、保護者は今懸命に生きていると思っておりますので、早急の対応が、加速化プランで三年とかではなく、これは本当に、三年たっちゃったら、もう子供がちょっと少なくなってきたりして、また状況が変わってくると思うんですね。なので、これは大至急やっていただきたいなと思っております。

 ちょっとお時間になってしまいましたので、また次の質問は、次回させていただければと思います。

 本日はありがとうございました。

橋本委員長 次に、住吉寛紀君。

住吉委員 兵庫県姫路市よりやってまいりました、日本維新の会の住吉寛紀でございます。

 本日は、一般質疑ということで、デジタル社会形成に関して質問をさせていただきたいと思います。

 現在、世界的にデジタル化が進展し、デジタル社会が形成されつつあります。我が国でも、令和三年十一月にデジタル臨時行政調査会が設置され、アナログ規制の見直し、デジタル技術の活用、法制事務のデジタル化に向けた取組等に関する議論が行われてまいりました。この方向性は合理的であり、もっと進めるべきであると考えます。

 一方、地方公共団体のデジタル化に関しては、小さな自治体は、デジタル化の波に追いついていなかったり、デジタル化に余り積極的でなかったりする、そういう例が見受けられます。もちろん、財政の格差であったり、また、首長の意識の差によってこれが発生するわけですが、これによって住民サービスに差が出始めていることから、国が主導権を持ってデジタル社会の実現に向けた取組を進めるべきとの指摘もなされております。

 このように、地方公共団体がデジタル化を進めていくために、国はどこまでコミットしていくのか、また支援についてお伺いいたします。

河野国務大臣 ありがとうございます。

 暮らしに密接な行政サービスを提供している自治体において、デジタル技術の活用をしていくというのは非常に大事なことだと思っております。

 小規模な地方自治体を含め、自治体におけるデジタル技術の活用を図るためのアナログ規制の見直し、そうしたものを進めていくために、まず、昨年度、国における見直しをベースにしたマニュアルを地方自治体向けに公表いたしました。また、今年度は、公募をした十五の団体と連携をして、実際に見直しを行ってもらうモデル自治体といったものをやっていこうと思っておりまして、課題を抽出し、それをそれぞれの自治体と共有をしていきたいと思っております。

 また、このアナログ規制を進めるための、様々な技術を活用する、その技術をリストアップしましたテクノロジーマップを整備すると同時に、デジ田交付金で財政面からも支援をしていきたいと思っております。

 これからも必要な取組はしっかり進めていきたいと思っております。

    〔委員長退席、坂本(哲)委員長代理着席〕

住吉委員 ありがとうございます。

 御発言のあったテクノロジーマップ、これは後ほどまた確認させていただきたいと思います。

 我が党は、北海道から沖縄まで多種多様な環境を有する日本において、地方に権限と財源を移し、地方が独自性を持って発展していくため、地方分権、これを力強く訴えております。一方で、地方公共団体のデジタル化の進展について、デジタル実装には当然、コスト、お金がかかってしまうという現実がございます。人材も、地方でいうと圧倒的に足りない、そういった専門性を持った人材が圧倒的に足りないというところで、このデジタル化を各自治体にフルスペックで求めても、なかなか、できる自治体とそうでない自治体があるというのは御承知のとおりだと思います。

 そうであるならば、それぞれの自治体でシステムを導入する、これは、一つの市町で導入するよりも二つの市町でシェアするような形の方がコスト的には当然メリットがある。それがもっと、三つ、四つと増えていく、もっと言えば広域的な形でしていく方が効率的でコストがかからないのではないでしょうか。

 どの自治体でも共通するような画一的な事務の処理は広域自治体に事務移管とか、そういったことも検討していく、そうしていくことの方が効率的であり、小さい自治体の利便性も向上すると思われます。ネットであったりマイナンバーを活用することによって、物理的に、市役所で、わざわざ行って処理する必要もないと思います。共通のシステムを共有することにより業務を効率化すれば、市町村は、もっと別の地域の課題、そういったところに人員も財源も割くことができ、デジタル化にも積極的に取り組めるでしょう。

 このような観点から、デジタル化による地方公共団体の事務の広域化に関する国の取組についてお伺いいたします。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の問題意識につきましては、従前より、中小規模の地方自治体を中心に、情報システムの集約と共同利用を進める自治体クラウドの導入によりまして、経費の節減や住民サービスの向上等を図ってきたところでございます。具体的には、七百以上の団体でこの自治体クラウドによって共同化をしているというような実績がございます。

 この取組を更に発展させまして、現在、デジタル庁において、地方公共団体の基幹業務システムの統一、標準化の取組を進めているところでございまして、この取組は、国が定める標準仕様書に準拠したアプリケーションを複数事業者が構築し、それらの中から地方公共団体が最適なアプリケーションを選択し、また、共同で利用できるような環境の整備を図るものでございます。

 このような取組を進めることによりまして、地方公共団体が情報システムを個別に開発することによる人的、財政的負担を軽減できるようにする、そして、その分人材に生じる余裕等を活用して、地域の実情に即した住民サービスの向上により注力できるようにするというふうにするとともに、新たなサービスの迅速な展開を可能とするということを考えております。

 また、標準仕様書の策定に加えまして、昨年十月には、地方公共団体情報システム標準化基本方針を閣議決定をいたしまして、現在、地方公共団体の基幹業務システムについて、二〇二五年度までの標準準拠システムへの移行を目指し、着実に取組を進めているところでございまして、引き続き、地方公共団体の意見を丁寧に聞きながら、円滑な移行を実現すべく取り組んでまいりたいというふうに考えております。

住吉委員 地域、地方は様々な課題が山積しております。画一的な事務においては効率化を徹底的に図っていただいて、そして、地域の本来取り組むべき、それぞれ地域によっては課題が違いますし、同じ課題であってもアプローチの仕方が環境とかによって変わってくると思います、そういったところにしっかりと知恵と工夫と熱意を注げるようにする。それが本当に一助になっていくと思いますので、是非進めていただきたいと思います。期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 続いて、先ほど河野大臣よりございましたテクノロジーマップについてお伺いいたします。

 デジタル規制改革推進の一括法案の中で、このテクノロジーマップに関する規定が定められております。今までは個別の課題に応じて技術を探しており、このようなデータをまとめたマップというものは存在していなかったように思いますが、これまではどういうふうにこういった技術を周知していたのでしょうか。また、今回このようなテクノロジーマップを公表する意図や、これから考えられる効果についてお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 これまでも様々な分野で技術を使っていくという取組が行われておりました。国交省の道路インフラの整備ですとか、あるいは、経産省では様々な産業の保安に関するところで、技術を使って、今までやっていたアナログ的な業務をデジタルに置き換えるというようなことをやっておりましたが、それは分野分野という、個別の取組でもありましたし、一律デジタル化したというよりは、やはりアナログ規制が残ってしまったというところもあるんだと思いますので、今回は、一律アナログ規制をみんな洗い出して、まず法令的にそれをやめようと。

 それから、今度のテクノロジーマップというのは、分野を横断して規制の見直しに当たって、活用できる技術をリストアップして公表していこうということにしております。このテクノロジーマップを活用するということで、役所あるいは自治体は、こういう技術を使えばアナログでやっていたものをデジタルに置き換えることができるよねというのが簡単に把握ができると同時に、そういう技術を実は持っている日本の企業というのは結構あって、これは大企業だけでなくて中小企業でも、テクノロジーマップに載せられるような技術を持っているところは積極的にそれを出していただいて、今までは使われていなかったような分野でも自分の技術が使われていく、ビジネスのチャンスを増やすという意味でも、産業側にも、民間事業者側にも有効ではないかと思っております。

 アナログをやめてデジタルでやれるよということに法令を改めることで、それならこういう技術も使えるんじゃないかというのがどんどん出てくることで、更にまたデジタル技術の活用が一歩進むと思いますし、それが実は新しい成長産業をつくり出すことにつながっていくのではないかということも我々としては期待をしているところでございます。

住吉委員 本当に、日本のすばらしい技術を、これは活用しなければ宝の持ち腐れになってしまうと思います。是非進めていただきますようお願いいたします。

 また、このテクノロジーマップの中に、検査・点検という項目が挙げられております。この項目を聞くと、やはり、橋梁やまたトンネルとかの近接目視なんかを私は真っ先に思い浮かべたわけでございます。

 これについては、御存じのとおり、地方公共団体には、五年に一回、橋梁であったりトンネルを点検する義務が課せられております。しかし、余りに数が多く、小さい自治体にはかなり負担があり、できていない、追いついていないという状況がございます。

 このように自治体が苦しんでいる状況に関して国としてどう認識しているのか、また、それに対するサポートはどのようなものがあるのでしょうか。

    〔坂本(哲)委員長代理退席、委員長着席〕

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 道路管理者は、平成二十六年度より、管理する橋梁やトンネルなどについて、点検要領に基づきまして五年に一回の頻度で点検を行うこととしております。しかしながら、委員御指摘のとおり、特に小規模の自治体につきましては、財政的にも厳しく、また、技術職員も少ない、あるいはいないという場合もございますので、国土交通省としては様々な形で支援を実施してきているところでございます。

 具体的には、財政的な支援といたしまして、点検や修繕に対して、道路メンテナンス事業補助制度などによりまして支援を行っております。令和五年度の当初事業費三千九百六億円に加えまして、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算も最大限活用し、自治体を支援しているところでございます。

 また、技術面での支援でございますが、これまで橋梁などの道路施設の点検に関しましては、自治体の職員を対象といたしました研修を実施してきているほか、都道府県ごとに設置された全ての道路管理者が参加する道路メンテナンス会議などにおきまして市町村からの技術的な相談に対応するなどの様々な支援を行っているところでございます。

 今後とも、自治体におきまして道路の点検や修繕が適切に実施されるよう、引き続き必要な支援を行ってまいります。

住吉委員 私も、近接目視の橋梁の現場を一度見せていただいたことがあります。クレーンみたいな装置といいますか、あれで、地味ですけれども見ているというのを我々は眺めていたわけなんですが、なかなか時間もかかりますし、当然、道路も片車線は封鎖しないといけない。そして、これは人が見るわけですから、どうしても技術の、経験によって結構差も出てしまうんじゃないかなと感じたところでもございます。

 一方で、例えばドローンなんかで飛ばして、そして、画像処理もかなり飛躍的に向上していますので、人間が目に見えないクラックなんかもひょっとしたらAIとかで検知して、そして、かなり大幅にコストを削減できるのかなというふうに、テクノロジーマップの中にもドローンというのがありましたので、こういったことが自治体とかでも活用されているのかなと期待して、ちょっと兵庫県の方に連絡させていただいて、今どんな状況なのかと確認すると、実際にドローンを使った実証実験をしているというところで、まだまだちょっと、物によっても使えるところ使えないところもあるというところで、まだこれからの技術なのかなというふうに感じたところでございます。

 ただ、これから技術の進歩によって、こういった技術を活用していくことによってかなりの業務が、理想かもしれませんが、先ほど私が言ったようなことが実現されれば、相当負荷が軽減されるのかなと思っておりますが、この新技術を活用した業務効率化と省力化について、国土交通省はどのように取り組んでおりますのでしょうか。お伺いいたします。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 委員の御指摘のとおり、新技術の活用によりましてメンテナンスの効率化を図っていくことは非常に重要であると認識しております。

 このため、国土交通省では、平成三十年度に、原則目視点検としていた点検要領を改定いたしまして、ドローンやロボットなど新技術の活用による点検を可能にしたほか、点検項目の絞り込みを行うなど、点検業務の効率化を行ってきているところでございます。

 また、各自治体が新技術を導入しやすいように、各新技術の性能を評価し、利用可能な技術を掲載したカタログの整備を行っておるほか、新技術を活用する自治体に対しまして、補助金の優先支援の対象とするなどの措置を行ってきております。

 今後とも、道路のメンテナンスにおいてドローンやロボットなどを活用した新技術の導入を積極的に進め、効率化やコスト縮減が図られるよう努めてまいります。

住吉委員 新技術の開発と、そして、それの活用を是非これからもお願いしたいと思います。

 時間もありませんので、最後、質問させていただきます。ペーパーレス化についてお尋ねいたします。

 政府が法案を提出する際に、今日も机の方に、法律案関係資料という分厚い冊子が置かれておりました。これをちょっとデジタル庁の方に確認したところ、今回、印刷製本に要した費用は約百五十万円というふうに聞いております。今国会で政府が提出したのは約六十本程度ですので、大体、単純に計算すると九千万円、約一億円近くかかっているわけでございます。

 それが非常に活用されればいいんですが、基本的に、恐らく多くの人は読んでいないというような状況かなと思っております。私は少し読もうと思いますが、そういう状況だと思います。逆に、ほかにも様々な紙資料というのは議員会館の方に届いております。

 我々日本維新の会は、ペーパーレス化の推進、これを主張しており、基本的に電子データでやり取りしているということなんですが、このような資料は電子データに置き換えていくべきだと思います。

 このペーパーレス化について御所見をお伺いいたします。

河野国務大臣 デジタル庁として、ペーパーレスにすることには全く異存はございません。

 賢明なる地・こ・デジの委員の皆様は、多分配られた紙の資料をもう表紙から裏表紙まで徹底的に読まれていると思っておりますが、それをデータで提供する分には全くやぶさかではございませんので、国会の方でお決めをいただきたいと思いますが。

 その際、改め文になっているものがあるんですね。改め文を読んでも、法制局を経験しているような方は分かるかもしれませんが、普通の人は改め文を読んでも何が何だかよく分からぬと。結局新旧を見るということになるわけでございますが、今、省令は全部新旧で官報掲載をやって、新旧で改正しようじゃないかということをやっておりますが、法案ではそれができておりません。

 といいますのも、その改正する部分以外にも間違いがあっちゃいかぬということで、新旧で提出をさせていただくと、ちょっと役所のワークロードが爆発的になってしまってできないということで、改め文に資料という形で新旧をつけているわけでございますが、この改正部分だけ間違えるなよというふうに国会の方で言っていただければ、これは、改め文をやめて新旧で提出すると更に紙の量も減りますし、データ量も減りますので、そこも併せて、是非、国会で御審議、御議論いただきたいと思います。

住吉委員 ありがとうございます。また党内の方でも共有して、声高に叫んでいきたいと思います。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、西岡秀子君。

西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、小倉大臣に質問をさせていただきます。

 先般提示をされました政府の少子化社会対策大綱、たたき台につきましてお尋ねをさせていただきます。

 たたき台の政策メニューが示されましてから、こども未来戦略会議もスタートをして、小倉大臣も様々な子育て世帯の当事者の皆様の声をお聞きになっていることであると認識をいたしております。

 このメニューが出されたわけでございますけれども、具体的な財源がまだ示されていない状況でございまして、たたき台の段階ということもあって、また、財源の明示もないということもあって、子育て世帯の方々からは、本当に実現をしてもらえるのだろうかとか、時間がかかって自分が子育てをしている間には支給されないのではないかというような様々なお声も聞いております。

 財源については様々な議論があることを承知をいたしております。社会保険料を財源にという話もございます。ただ、これは子育て世帯や現役世代の経済的な負担が増すことにつながりますので、政府がたたき台の参考とされたシラク三原則の一つの柱である、子供を持つことによって新たな経済的な負担を生じないように給付を増やすことということと逆行することになるのではないかと思いますし、子育て世帯の皆さんの可処分所得を増やす方向に進んでいかなければいけないというふうに思います。

 一方で、加藤厚労大臣は、先日、社会保険料から子育て世帯へのお金をということには、余地はないということを発言されております。

 このたたき台を提出された小倉大臣がこの財源についてどのようなお考えを持っていらっしゃるかということをまずお伺いをしたいと思います。

小倉国務大臣 財源についてお尋ねがございました。

 財源については、例えば、育児休業給付については雇用保険で対応しておりますほか、保育所や児童手当については、その費用を国や地方、事業主拠出金によって賄っており、その負担割合もそれぞれ異なっております。子供、子育て政策の財源については、こうした個々の政策の内容を踏まえて議論する必要がございます。

 したがいまして、財源につきましては、充実する政策の内容に応じて、各種の社会保険との関係、国と地方の役割、高等教育の支援の在り方など様々な工夫をしながら、社会全体でどのように安定的に支えていくかを考えているところでございます。したがいまして、現時点において、特定の財源を候補として想定しているものではございません。

 今、総理を議長とするこども未来戦略会議において、後藤大臣の会議運営の下、必要な政策強化の内容、予算、財源について更に議論を深め、六月の骨太の方針までに、将来的な子供、子育て予算倍増に向けた大枠を提示することといたしております。

西岡委員 六月に明確にされるということで理解をしておりますけれども、国民民主党は従来より、小倉大臣も御承知だというふうに思いますけれども、教育や人づくりに対する支出を将来の成長や税収増につながる投資的な経費と捉えまして、財政法を改正して、これらの支出を公債発行対象とする、いわゆる未来への投資という観点で教育国債を提案させていただいております。資源のない我が国にとって、財産は人であり、子供たちは未来への希望、いわゆる我が国にとっての未来であるというふうに思います。

 ただ、子育て世帯を取り巻く環境や、子供や若い方を今取り巻く環境は、大変いろいろ厳しい状況がございますし、我が国の少子化や人口減少の状況を考えたときに、この数年間が本当に正念場であるというふうに思います。

 総理も予算倍増という言葉は使われておりますけれども、今の我が国の予算の中の、つけ替えということでは、なかなか十分な予算を確保するということは現実的には難しいと思います。また、今の危機を脱するということの局面でいくと、大胆な政策が必要だというふうに認識をしております。

 その意味では教育国債の発行が必要ではないかと考えるわけでございますけれども、自民党の幹事長からは増税や国債は想定をしていないという発言があっておりますけれども、小倉大臣の教育国債に対するお考え、見解についてお伺いできればというふうに思います。

小倉国務大臣 御指摘の教育国債も含めた国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から慎重に検討する必要があると、これまでも総理から答弁をさせていただいているものと承知をしております。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げたように、現時点において、特定の財源を想定しているものではございません。これから、必要な政策強化の内容、予算、財源について、こども未来戦略会議において、後藤大臣の会議運営の下、検討が進められるものと承知しております。

西岡委員 冒頭の大臣の、中曽根委員の質疑の中で、国債も排除をしないというような御発言があったというふうに思いますけれども、教育国債については、その議論の中で排除はされないという理解でよろしいでしょうか。

小倉国務大臣 これまで答弁申し上げたように、総理も、消費税については当面触れないということを明確に申し上げております。それ以外につきましては、あらゆる選択肢を議論として排除しないということでございますので、先ほど申し上げたように、国債につきましては慎重に検討をする必要があるとは思っておりますが、あらゆる選択肢を排除しないということが併せて私どもの認識であるというふうに承知をしております。

西岡委員 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 今回のメニューの中には、児童手当の所得制限撤廃や対象年齢の拡大、多子世帯への加算増額等が盛り込まれました。国民民主党として、既に法律案、こどもに係る公的給付の所得制限撤廃法を提出いたしておりまして、国民民主党が従来から提案している内容と内容的に大変合致するものだと認識をいたしております。

 この所得制限撤廃につきましては、さきの未来戦略会議においても否定的な御発言があったというふうに認識をいたしておりますし、一般的にも、この所得制限撤廃については否定的な御意見があるということも承知をいたしております。

 政府の方針として、所得制限撤廃という方向で今後も進めていかれるということで間違いがないのかどうかということをお尋ねをして、また、この政策の理念、意義というものを明確に国民に伝えていくということが大変大切だというふうに考えております。この所得制限撤廃の持つ政策的な意義、この理念について、この政策メニューを提出されました小倉大臣がどのように考えておられるかということをお伺いしたいと思います。

小倉国務大臣 こども未来戦略会議では、一部の委員から、御紹介のとおり、児童手当の所得制限の在り方についての御意見も頂戴をしましたが、加速化プランの内容全体については賛同いただく御意見も多数いただいているものと認識をしております。

 まず、政府の方針についてお尋ねがございました。児童手当の拡充などの加速化プランでお示しをした施策については、制度設計などの詳細は今後の議論に委ねられておりますが、基本的には、政府として責任を持って実現に向けて取り組んでいくものと認識をいたしております。

 また、所得制限撤廃の政策的な意義に関するお尋ねがございました。こちらにつきましては、加速化プランでお示しをしたとおり、次代を担う全ての子供の育ちを支える基礎的な経済支援としての位置づけを明確化する、こうした意義があるものと考えております。

 いずれにいたしましても、先ほども申し上げたように、こども未来戦略会議において、必要な政策強化の内容、予算、財源について更に議論を深めることとしており、加速化プランの施策が実現できるよう、しっかりと取り組んでまいります。

西岡委員 児童手当の所得制限撤廃の政策的な意義というものをしっかりお伝えをすることが大切だというふうに思いますし、国民民主党としては、子供に係る公的給付は本来子供自身に支給されるものであるという観点に立ちまして、従来から、子供の家庭の所得状況や経済的な状況によってその支給が制限されるということはあってはならないということの中で、法案をこれまで提出をさせていただいたということを申し添えたいというふうに思います。

 続きまして、所得制限撤廃に関連をいたしまして、障害児支援の所得制限撤廃についてお伺いをいたします。

 国民民主党として、障害のある子供たちに係る公的給付の所得制限撤廃については大変喫緊の課題であるということの中で、子供に係る給付という全体の法案と別に、障害児支援のための所得制限撤廃についても法案を提出をさせていただいております。特別児童扶養手当や障害児の補装具費などの障害児福祉の所得制限を撤廃すべきであるというふうに考えております。

 例えば補装具につきましては、成長に伴って買い換える必要がありますし、所得制限を一旦外れてしまいますと、一気に全て、十割負担するということを考えますと、大変重い負担となると考えております。このことについて、小倉大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。

小倉国務大臣 西岡委員からは、障害児支援に関する所得制限の在り方について御質問があったかと思います。

 今回の試案、特にその中核となる加速化プランは、二〇三〇年に至るまでの六、七年間で、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであることを踏まえまして、まずは、今後三年間を集中取組期間として、優先的に取り組むものを整理したものであります。

 加速化プランでは、国際比較において相対的に割合が低い現金給付を強化することとしておりますが、その際、先ほども説明させていただきました、全ての子供の育ちを支える経済的支援の基盤を強化することとし、具体的には児童手当の所得制限の撤廃、高校卒業までの延長、多子世帯の経済的負担を踏まえた手当額の拡充を行うほか、高等教育の負担軽減、住宅支援の強化などを行うこととしております。これらは、障害児の家庭の経済的負担の軽減にも大きく資するものであると考えております。

 加えまして、障害児支援につきましては、支援基盤の拡充を中心に速やかに取り組むことに重点を置いておりまして、具体的には、インクルージョンの推進の観点から、児童発達支援センターの機能強化における、地域における障害児の支援体制の強化や巡回支援の充実などを行うこととさせていただいております。

 御指摘の、障害児支援に関する所得制限につきましては、制度の持続可能性や公平性等を踏まえて設けられるものであり、これらを撤廃することについては、他制度との関係を含めた慎重な議論が必要と考えております。

西岡委員 引き続きまして、障害児の福祉の所得制限撤廃が必要だということの中で、今後も要請を続けていきたいというふうに思っております。

 続きまして、高等教育費用に係る負担軽減策、奨学金制度の拡充も盛り込まれました。この部門については文科省の所管であることは承知をいたしておりますけれども、このたたき台、メニューを提出をされた小倉大臣の立場としての御見解をお伺いしたいという趣旨で質問をさせていただきます。

 若い世代が希望を持って将来設計を描いていくためには、今、将来にわたって重くのしかかっている奨学金の返済問題というものを解決をしていく必要があると考えます。今回の内容は一歩前進であるものの、内容的には様々な要件が課されておりまして、まだ不十分であると考えます。

 返済不要の給付型奨学金の大幅な拡充とともに、今、返済が大きな人生の負担となっている現状に対して、もっと踏み込んだ議論の上で、思い切った施策を実現することこそが、若い世代に対する明確な政府のメッセージが伝わることにつながるというふうに私は思いますけれども、このことについて小倉大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

小倉国務大臣 加速化プランにおきまして、高等教育費の負担軽減については、授業料等減免と給付型奨学金について、令和六年度から多子世帯や理工農系の学生等の中間層に拡大すること、貸与型奨学金につきましては、減額返済制度を利用可能な年収上限を三百二十五万円から四百万円に引き上げるとともに、出産や多子世帯への配慮など、子育て時期の経済的負担に配慮した対応を行うこと、さらに、授業料後払い制度につきましては、まずは、令和六年度から修士段階の学生を対象として導入した上で、更なる支援充実の在り方について検討を進めることなど、大幅な拡充策を盛り込ませていただいております。

 加えて、加速化プランのPDCAとして、加速化プランの実施状況や効果等を検証しつつ、高等教育費の負担や奨学金の返済などが少子化の大きな要因の一つになっているとの指摘があることに鑑みまして、奨学金制度の更なる充実や授業料負担の軽減などの経済的支援の更なる強化について、適切な見直しも行うことといたしております。

 高等教育費の負担軽減は極めて重要な取組と考えておりますので、しっかりと支援の充実に取り組んでまいりたいと考えております。

西岡委員 是非、小倉大臣には、若い世代の、今、奨学金の返済で大変厳しい状況にある皆さんの声をしっかり聞いていただきまして、やはり、このことを解決していくことこそが、若い世代が将来の自分の人生設計を描くことにつながると思います。これは大変重要な課題だと思いますので、引き続きのお取組をお願いをしたいと思います。

 続きまして、先日、日本人の総人口、将来推計人口が発表されました。二〇七〇年には日本の総人口が現在の七割となるという結果が出ておりまして、出生率が半減するとのデータも出されております。

 先ほどの質疑の中でもあったわけでございますけれども、この少子化問題、少子化対策は、全ての世代の課題であること、大きく言えば、我が国の存亡に関わる重要な課題であること。子供を持っていらっしゃる方も、持っておられない方も、また、世代を超えて、全て、社会で子供を育てていくというメッセージを、もっとしっかり政府が発信していただくことが重要であると思います。

 今、様々なお取組もされていることも存じ上げているんですけれども、このメッセージを一層発信をして、この社会で子供を育てる、そういう日本社会の雰囲気をしっかりと醸成をしていくということが必要であり、このことに果たされる小倉大臣の役割は大変重要だと思います。このことについての御見解をお伺いしたいと思います。

小倉国務大臣 委員に御言及いただきました、社人研が公表した最新の日本の将来推計人口、こちら、二〇七〇年の合計特殊出生率一・三六でございますので、出生率が半減するというわけではありませんけれども、いずれにいたしましても、少子化や人口減少が継続していくことが見込まれるものと承知をいたしております。

 少子化は、言うまでもなく、経済活動や社会保障への影響とともに、労働供給や地域社会の担い手の減少につながるなど、我が国の社会全体に影響を与える問題だと認識しております。改めて、少子化の進行は危機的な状況であり、我が国の静かなる有事として認識すべきものであると感じております。

 こうした中、先ほども御紹介をさせていただきましたが、自国は子供を産み育てやすい国だと思うかとの問いに対しまして、日本ではイエスと答えた方が約四割にとどまっておりまして、子供や子育て世帯を社会全体で支える機運を醸成することが、委員御指摘のとおり、極めて重要だと考えております。

 このため、先般、こどもファスト・トラック、あるいは、こどもまんなか宣言の趣旨に御賛同いただいた企業、個人、地方自治体などにこどもまんなか応援サポーターになっていただくこどもまんなか応援プロジェクト、こうした取組もスタートいたしましたし、今年の夏には、更に国民運動をスタートさせていただきたいと思っております。

 こうした社会機運の醸成にも、総理とともに、私も担当大臣としてしっかりリードしていきたいというふうに考えてございます。

西岡委員 少子化対策については、結婚、出産、育児、教育、またそして、経済的な、賃金含めて雇用における問題など、大変総合的な対策が必要であるというふうに思います。包括的な支援が必要であるというふうに思いますので、小倉大臣のお立場での、また、他省庁との連携もしっかり取りながら、このことに全力で取り組んでいただくことをお願い申し上げたいと思います。

 それでは、孤独・孤立対策に関連をいたしまして質問させていただきます。

 順番を一つ変えまして、まず小倉大臣に御質問をさせていただきます。

 子供の自殺、大変今深刻な状況でございます。この子供の自殺対策については、我が国の喫緊の大変重要な課題でございます。

 こども家庭庁に自殺対策室が設置をされました。文部科学省、厚労省、警察庁、連携を一層強化することを始めとして、まさに縦割りを打破する、こども家庭庁の司令塔機能を十分ここで発揮をしていただく重要な課題だと考えております。小倉大臣の今後の取組についてお伺いをさせていただきます。

小倉国務大臣 令和四年の児童生徒の自殺者数が五百十四人と過去最多となったことは、こどもまんなか社会の実現を目指すこども家庭庁としても大変重く受け止めております。子供が自ら命を絶つようなことのない社会をつくらなければならないとも考えております。

 こうした状況を踏まえ、先般、子供の自殺対策の司令塔として、御紹介のとおり、こども家庭庁に自殺対策室を設置をいたしました。

 さらに、関係省庁の知見を結集し、総合的な施策を推進をするため、関係省庁連絡会議を設置をし、先般、第一回を開催をさせていただきました。今後、この会議において、有識者等からのヒアリングも行った上で、骨太の方針も見据え、六月までに子供の自殺対策の強化に関する施策を取りまとめたいと思っております。

 委員御指摘のとおり、縦割りの打破がこども家庭庁の大きな役割と考えてございますので、子供や若者の視点にしっかり立った上で、関係省庁とワンチームとなってこの問題にも取り組んでいきたいと思います。

西岡委員 司令塔機能を発揮していただいて、しっかり取り組んでいただくことをお願いをして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 二〇一九年四月二十四日に成立、公布された旧優生保護法一時金支給法には、旧優生保護法の下、多くの方々が、生殖を不能にする手術、放射線の照射を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことに対して、「我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする。」と書いてあります。

 第二十一条には、調査等、国は前文で述べたような事態を二度と繰り返すことのないよう、共生社会の実現に資する観点から、旧優生保護法に基づく優生手術等に関する調査その他の措置を実施するとあります。

 私は、超党派の議員連盟の法案作成PTの一員としてこの法案作成に関わってまいりましたが、この二十一条は、本当は、検証にしてほしいと主張しました。検証という字句では折り合いがつかなかったものの、調査という条文にその思いをにじませております。

 実際に、この二十一条を根拠に、二〇二〇年六月十七日、衆参の厚労委員長から調査命令が出されました。

 本日は、衆議院の厚労調査室長に代表していただいて、この間どのような調査活動をされてきたのか、また、まとめの時期や公表はどうなるのか、伺いたいと思います。

若本専門員 お答えいたします。

 旧優生保護法一時金支給法第二十一条に基づく調査につきましては、今先生がおっしゃっていただきましたように、令和二年六月十七日、衆議院及び参議院厚生労働委員長より、衆議院厚生労働調査室及び参議院厚生労働委員会調査室に対しまして調査命令が、また、国立国会図書館に対して調査への協力要請がございました。

 衆参の厚生労働委員会理事会で合意された文書には、調査項目として、旧優生保護法の立法過程、優生手術の実施状況等、その他として、諸外国における施策等が示されております。

 調査期間はおおむね三年とされておりまして、これまで、衆議院、参議院、国会図書館の調査室で分担し、橋本岳委員長が厚生労働委員長であった期間も含めまして、調査を行ってまいりました。

 具体的には、国内外の文献調査や有識者からのヒアリングのほか、厚生労働省を始めとした関係府省、地方自治体、医療機関、福祉施設、障害者関連団体、優生手術を受けた当事者、旧優生保護法一時金支給請求書等の調査を行ってまいりました。

 現在、報告書原案の取りまとめに向けた作業を行っているところでございます。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 調査命令からおおむね三年ということで、まさに近々報告書が出されるのではないか、このように思います。本当に御苦労さまでございます。

 そこで、今年四月から、こども家庭庁に厚労省の子ども家庭局が移り、旧優生保護法の問題も小倉大臣の担当となりました。

 旧優生保護法は一九四八年に制定され、一九九六年まで存在しました。第一条で、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」と明記されており、戦後も長くこの条文が残り、優生手術が実施されていたことは、憲政史上の汚点だと思います。日本共産党がその中にあって異を唱えてこなかったことは、返す返すも悔やまれるものです。

 前述した前文において、「我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびする。」という条文は、当時、なぜ国じゃないのか、我々なのかという御批判も寄せられました。だけれども、これは、国と国会議員が、立法府が、両方責任を持っているという意味で込められたものでありました。

 そこで、旧優生保護法担当大臣としての小倉大臣の認識と決意を伺いたいと思います。

小倉国務大臣 高橋委員御紹介をいただきましたように、こども家庭庁の発足とともに、厚生労働省から旧優生保護法の対応がこども家庭庁に移ってまいりました。

 担当大臣といたしまして、旧優生保護法に基づき、あるいはこの法律の存在を背景として、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことについて、政府として真摯に反省し、心から深くおわびを申し上げる次第であります。

 こうした方々に対しては、平成三十一年に超党派の議員連盟において法律案が取りまとめられ、国会において全会一致により、一時金を支給するための法律が定められました。

 そうした中で、昨年二月の大阪高裁判決、三月の東京高裁判決以降の判決において、一時金の金額を超える認容額が示されたことを重く受け止め、一時金支給法が全会一致で制定された経緯も踏まえ、今後の対応の在り方については、国会に御相談をしているところであります。

 政府といたしましては、引き続き、国会での御議論の進展に向けて最大限協力をさせていただきたい、このように考えております。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 昨年二月の大阪高裁判決以降、一時金の範囲を超える認容がされたということを、大臣が指摘を、指摘というか、触れていただいたことは重要なことかと思います。

 また、除斥期間の問題についても、これを適用しないということが、この間、七つの判決、四つの高裁、三つの地裁ですが、認められているということも重要だと思っております。

 この間の判決を見ても、優生保護法の立法目的が、それ自体、非人道的で差別的であると断じた昨年二月の大阪高裁、差別的思想に基づく正当性のないもの、目的達成の手段も非人道的、その違憲性は明白と断じた昨年三月十一日の東京高裁、優生保護法の目的は、およそ許容し難い、極めて非人道的なものであり、その手段は差別的取扱いと断じた今年三月の札幌高裁などなど、また、請求棄却となった判決であっても、優生保護法の非人道的、差別的、憲法違反という認定は争いがないことと思いますが、いかがでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 旧優生保護法に基づき、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことについて、政府として真摯に反省をし、心から深くおわびを申し上げる、このことは、こども家庭庁に業務が移管をされて、現在、我々こども家庭庁として担当しておりますけれども、その部分については変わることのない姿勢でございます。

 その上ででございますけれども、旧優生保護法の国家賠償請求訴訟におけるこれまでの判決、ただいま委員からの御紹介をいただきましたように、旧優生保護法の一部の規定が憲法に違反するというふうに判断をされた判決があるということは承知をしておりますけれども、この旧優生保護法の違憲性につきましては、係属中の訴訟に関する事項でございまして、見解を述べるということについては差し控えさせていただきたいと思います。

高橋(千)委員 まだ、そこの部分が認められて、認めようとしていないということが、改めて今の答弁で分かったと、憲法違反であることが。

 実は、今日、資料をちょっと忘れちゃったんですけれども、全ての判決において、この部分に触れているわけですよね。それは、ちょっとずつの違い、例えば除斥期間の起点の問題ですとか、そういう違いがあったとしても、トータルとしてこの立場に立っているということをお認めになるべきだと思うんです。今年三月の兵庫訴訟、大阪高裁判決は、そうした、このことを認めない国のことを厳しく批判をしているわけですね。

 それで、今言ったように、憲法上の権利等を違法に侵害する、こうした立法を行った被控訴人、この被控訴人というのは国と立法府である我々のことも言っているわけですが、私人間を規律する民法の除斥期間の適用により賠償責任を免れることは、そもそも、司法、法規、正義と公平の概念ですが、これを支配する、個人の尊厳を基本原則とする日本国憲法が容認していないことは明らかである、こう断じたことは決定的だと思います。今、これまでの、非人道的、差別的な不法行為であったことの評価がされている、その立場に立って国会が乗り越えるべきではないか、このように指摘をしたいと思います。

 それで、一時金支給法が、おわびの気持ちで足りているというふうにはならないということがこの間の判決でも示されたということ、我々が取り組まなければいけないことがあるのではないかということで指摘をしたいと思うんですが、資料の一枚目は、この旧優生保護法一時金支給法の啓発ポスターであります。周知を図るべきということが法律の二十二条に書かれているわけです。

 それで、本来支給対象となり得る方がどのくらいで、そのうち現在までの支給件数が幾らか、簡潔にお答えください。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 令和五年三月末現在の、旧優生保護法一時金に係る請求件数は千二百二十四件、認定件数は千四十七件となっております。

 全体の支給対象者数についてでございますけれども、現時点の生存率などが不明でありますので、正確な人数の算定は難しいところではありますけれども、旧優生保護法に基づき実施をされた優生手術の件数としては約二万五千件というふうに把握をしてございます。

高橋(千)委員 本来、二万五千件の数字自体が本当は争点であって、もっとあるじゃないかということはあったんです。だけれども、そこから見ても、一千四十七件というのは余りにも少ないと思います。もっと早く立法ができていれば、限りなくここの数字に近づいていたのではないか、あるいは、幾つかの県で実施しているように、分かっているならこちらから通知するなど、できることはもっとあるはずだということを重ねて指摘をしたいと思うんですね。

 それで、私たちは、そうしたことも勘案して、申請期限が五年では短過ぎるという意見も当時ありました。ただ、速やかに支給できるように五年で一旦区切るけれども、状況を見て延長したり、その機会に見直しをする、そういう思いを込めて、あらかじめ、附則の二条に、「請求の期限については、この法律の施行後における請求の状況を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるもの」と規定をいたしました。

 ポスターにはっきり書いてあるんですが、申請期限は、実は来年の四月なんですね。迫っております。期限延長を含め、法改正を検討すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

小倉国務大臣 旧優生保護法一時金につきましては、令和四年の六月十四日に、高橋委員も副会長として御参加されている、超党派の優生保護法下における強制不妊手術について考える議員連盟が開催され、政府から一時金の支給状況等について報告を行いますとともに、今後の対応の在り方について検討をお願いをしているところであります。

 政府といたしましては、引き続き、国会での議論の進展に向けて最大限協力をさせていただくとともに、御議論の結果を踏まえて対応を検討してまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 橋本委員長も議連のメンバーでありますので、一緒に頑張りたいと思うんですが、だけれども、議員立法であっても、法律に書いているわけなんです、分かりますか、今の言った見直し規定というのは。これは政府としてもちゃんと受け止めて、いたずらに期限が来てしまったということがないようにお願いしたいと思うんです。

 そのことを含めてもう一度質問しますが、原告らが求めているのは謝罪と検証、それから、優生思想の根絶など、再発防止であります。大臣が総理との面会を取り持って実現させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小倉国務大臣 先ほども申し上げたように、旧優生保護法に基づき、あるいはこの法律の存在を背景として、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術等を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことについて、政府として真摯に反省をし、心から深くおわびを申し上げる次第であります。

 こうした方々につきましては、旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する、先ほどから話があります、一時金の支給等に関する法律が成立をした平成三十一年四月二十四日に、内閣総理大臣及び厚生労働大臣から、それぞれ、真摯な反省と心からのおわびを表明するとともに、このような事態を二度と繰り返すことのないよう、全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて努力を尽くす決意を総理が表明しており、政府のこうした立場は今も変わってございません。

 訴訟は係属中でありますが、これまでも、旧優生保護法に基づき優生手術を受けた方々や弁護団とは担当部局が個別に面会等をさせていただいているところであり、今後とも丁寧に対応させていただきたいと思っております。

高橋(千)委員 担当部局がと。ちょっとそこは残念ですよね。

 ここまで、おわびの気持ちは変わらないとおっしゃってくださるのであれば、総理と直接面会をして、その声を聞いてくださるということが、なぜできないのでしょうか。努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

小倉国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、国会での議論、議連での検討状況を踏まえまして、政府といたしましては、最大限、この案件については協力をさせていただきたいと思っております。

 その上で、面会の件でありますけれども、これまで担当部局で個別に面会等をさせていただいており、また、今裁判中でもありますことから、引き続き担当部局で丁寧に対応させていただきたいと考えております。

高橋(千)委員 では、大臣はどうですか。

小倉国務大臣 繰り返しになりますけれども、担当部局で丁寧に対応させていただきたいと考えております。

高橋(千)委員 とても残念な答弁だなと思います。

 これまでも、私、たくさんの、ハンセンですとか肝炎ですとか中国残留孤児ですとか、いろいろな立法に、それこそ超党派の議員連盟の皆様と一緒に関わってまいりましたけれども、やはり、どこかで政治判断が必要なんですよね。

 もう既に、今回、先ほど紹介した兵庫訴訟大阪高裁判決でも、判決を待たずに亡くなった方がお二人いらっしゃいました。次から次と判決を重ねて、それに対して国が控訴あるいは上告していくんだということであれば、まさに命の残り時間を削るようなことになるわけです。だから、きちっと、いろいろ違いはあっても、もう一致点は見えてきているんだ、十分協議の中で解決できる、そこまで弁護団は言っているんですね。その話を聞くべきじゃないですか。

小倉国務大臣 当事者の皆様方とは議連の先生方もお会いされて意見交換をされているものと承知をしておりますし、当然、担当部局の者がそういった方々にお会いされて、どういうやり取りがあったかということについては、しっかりと担当大臣として把握をした上で、先ほど申し上げたように、国会等での議論も踏まえながら、政府として最大限協力をできるような、そういう体制を責任を持ってつくってまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 大臣、こども担当大臣として、こどもまんなか社会を目指していくと。今日のたくさんの委員の発言の中でも、子供の未来の問題なんだとお話をして、皆さんが質問されて、大臣も真摯に答えてくださったと思います。そして、直接子供の中に入ってお話を聞く、その努力をしてきた、それと同じことをするべきだと思うんです。

 というのは、子供の未来のためには、過去に蓋をしてはならないんです。なぜなら、過去に蓋をすれば、また同じ形で、優生手術はしないかもしれないけれども、優生思想というのが繰り返される、だから未来のための課題なんだ、そういう立場でやはり大臣は向き合うべきだ、このように思います。いかがですか。

小倉国務大臣 繰り返しになりますけれども、当然、このようなことが再度あってはならないというふうに思っておりますし、だからこそ、真摯に政府としてもおわびを表明をした上で、国会で御議論をいただいた給付法を基に、可能な限り丁寧に、速やかに対応させていただいたところでございます。

 今後、まさに議連等で更なる検討をしていただければ、それに応じて、しっかりと政府としても協力をさせていただきたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 議連が決めたら応えるという意味でしょうか、今のは。

小倉国務大臣 もちろん議連もございますでしょうし、国会等での議論もありますでしょうし、そういった様々な議論を踏まえて、そういった議論の状況に応じて、私どもとしては最大限協力をさせていただくということでございます。

高橋(千)委員 今日は大臣がその答弁を用意できてこなかった事情がおありでしょうから、次に続けて、またお願いをしたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

橋本委員長 次に、令和五年三月予備費使用及び令和五年度予算に係る子育て関連給付金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしております。

 この際、委員長から、本起草案の趣旨及び内容につきまして御説明申し上げます。

 今般、政府は、食費等の物価高騰に直面し、影響を特に受ける低所得の子育て世帯に対し、その実情を踏まえた生活の支援を行うため、令和五年三月予備費使用に係る子育て世帯生活支援特別給付金を支給することとしたほか、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援の実効性をより高めるため、妊娠から出産及び子育てまでの支援の観点から、令和五年度予算に係る出産・子育て応援給付金を支給することとしたところであります。

 本起草案は、これらの子育て関連給付金の支給の趣旨に鑑み、その支給を受けることとなった者が自ら給付金を使用することができるようにするため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、これらの給付金の支給を受ける権利の差押え等を禁止するとともに、給付金として支給を受けた金銭等の差押えを禁止することとしております。

 第二に、租税そのほかの公課は、給付金として支給を受けた金品を標準として課することができないこととしております。

 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 令和五年三月予備費使用及び令和五年度予算に係る子育て関連給付金に係る差押禁止等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

橋本委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を令和五年三月予備費使用及び令和五年度予算に係る子育て関連給付金に係る差押禁止等に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橋本委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

橋本委員長 次に、内閣提出、デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。河野デジタル大臣。

    ―――――――――――――

 デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

河野国務大臣 デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 国民がデジタルを活用した、よりよいサービスを享受できる社会を実現するためには、経済社会の仕組みを、デジタル時代に合ったものにつくり直していく必要があります。

 このため、デジタル臨時行政調査会を立ち上げ、二〇二四年六月までにアナログ規制を一掃することとしております。

 この法律案は、デジタル臨時行政調査会におけるこれまでの検討などを踏まえ、デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するために必要な法律上の措置を講ずるものであります。

 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、情報通信技術の効果的な活用のための規制の見直しを、デジタル社会の形成に関する施策の策定に係る基本方針として位置づけることとしております。あわせて、行政機関等における情報通信技術の効果的な活用や、いわゆるテクノロジーマップなどの規制の見直しに資する情報の公表及び活用について定めることとしております。

 第二に、フロッピーディスク等の記録媒体を提出することとされている申請等の行政手続について、オンラインにより行うことができるようにすることとしております。

 第三に、特定の場所における書面の掲示を求めている、いわゆる書面掲示規制について、その内容をインターネットを利用して公衆の閲覧に供しなければならないこととするなどの措置を講じ、いつでもどこでも必要な情報を確認できるようにすることで、利便性や安心、安全の向上を図ることとしております。

 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

橋本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十八日木曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十四分散会


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