衆議院

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第11号 令和5年5月18日(木曜日)

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令和五年五月十八日(木曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 橋本  岳君

   理事 今枝宗一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 田中 英之君 理事 谷川 弥一君

   理事 坂本祐之輔君 理事 湯原 俊二君

   理事 中司  宏君 理事 中川 宏昌君

      井原  巧君    石田 真敏君

      今村 雅弘君    岩田 和親君

      大野敬太郎君    小寺 裕雄君

      小森 卓郎君    鈴木 隼人君

      谷川 とむ君    津島  淳君

      土屋 品子君    中川 郁子君

      中曽根康隆君    西野 太亮君

      穂坂  泰君    牧島かれん君

      宮路 拓馬君    保岡 宏武君

      渡辺 孝一君    末次 精一君

      堤 かなめ君    福田 昭夫君

      緑川 貴士君    森田 俊和君

      住吉 寛紀君    堀場 幸子君

      輿水 恵一君    鰐淵 洋子君

      西岡 秀子君    高橋千鶴子君

    …………………………………

   国務大臣

   (デジタル大臣)     河野 太郎君

   厚生労働副大臣      羽生田 俊君

   政府参考人

   (内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官)         佐脇紀代志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  吉川 徹志君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   冨安泰一郎君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   村上 敬亮君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   二宮 清治君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 三橋 一彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 足達 雅英君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  池田 達雄君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電波部長)         豊嶋 基暢君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            城  克文君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           斎須 朋之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  小坂善太郎君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            横島 直彦君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       甲川 壽浩君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十八日

 辞任         補欠選任

  中曽根康隆君     穂坂  泰君

  保岡 宏武君     西野 太亮君

  渡辺 孝一君     津島  淳君

同日

 辞任         補欠選任

  津島  淳君     岩田 和親君

  西野 太亮君     保岡 宏武君

  穂坂  泰君     中曽根康隆君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     渡辺 孝一君

同日

 理事中司宏君同月十一日委員辞任につき、その補欠として中司宏君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

五月十六日

 子供のための予算を大幅に増やし、保育士の増員など、保育・学童保育制度の抜本的改善を求めることに関する請願(青柳陽一郎君紹介)(第一〇二六号)

 同(篠原豪君紹介)(第一〇四三号)

 同(宮本徹君紹介)(第一〇八〇号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第一〇八一号)

 健康保険証廃止の中止を求め、マイナンバーカード取得の強制に反対することに関する請願(小宮山泰子君紹介)(第一一四一号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一二三六号)

 健康保険証を廃止しないことに関する請願(青山大人君紹介)(第一一七七号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一一七八号)

 同(枝野幸男君紹介)(第一一七九号)

 同(大石あきこ君紹介)(第一一八〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第一一八一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一一八二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一一八三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一一八四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一一八五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一八六号)

 同(古川元久君紹介)(第一一八七号)

 同(牧義夫君紹介)(第一一八八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一一八九号)

 同(宮本徹君紹介)(第一一九〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第一一九一号)

 同(森田俊和君紹介)(第一一九二号)

 同(大島敦君紹介)(第一二一三号)

 同(笠井亮君紹介)(第一二一四号)

 同(櫻井周君紹介)(第一二一五号)

 同(福田昭夫君紹介)(第一二一六号)

 同(柚木道義君紹介)(第一二二五号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一二二六号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一二三七号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一二三八号)

 同(吉田統彦君紹介)(第一二三九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)


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     ――――◇―――――

橋本委員長 これより会議を開きます。

 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に中司宏君を指名いたします。

     ――――◇―――――

橋本委員長 内閣提出、デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官佐脇紀代志君、内閣官房内閣審議官吉川徹志君、デジタル庁統括官冨安泰一郎君、デジタル庁統括官村上敬亮君、デジタル庁統括官二宮清治君、総務省大臣官房審議官三橋一彦君、総務省大臣官房審議官足達雅英君、総務省自治税務局長池田達雄君、総務省総合通信基盤局電波部長豊嶋基暢君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官城克文君、厚生労働省大臣官房審議官斎須朋之君、厚生労働省大臣官房審議官日原知己君、林野庁森林整備部長小坂善太郎君、中小企業庁経営支援部長横島直彦君及び国土交通省水管理・国土保全局次長甲川壽浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橋本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。谷川とむ君。

谷川(と)委員 おはようございます。自由民主党の谷川とむです。

 本日は、デジタル規制改革推進法の一括法案の質疑ということで、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 さて、衆議院調査室の資料によると、我が国の公官庁に初めて導入されたコンピューターは、昭和三十四年に気象庁に導入された数値予報用の大型電子計算機でありました。その後、昭和三十六年三月に総理府統計局で国民経済計算システムの運用が開始するなど、各省庁で相次いでコンピューターが導入されてきました。ただし、これらは、行政機関内において電子データの処理を行うものであり、外部とのデータのやり取りはありませんでした。

 一九九〇年代に入り、情報化が急速に進展する中、国の行政機関においては依然として紙ベースでの情報のやり取りがなされており、情報化の立ち遅れが指摘されていました。こうした状況を受け、平成六年十二月に閣議決定されました行政情報化推進基本計画では、紙による情報処理から電子化された情報処理への移行を実現することが目標に掲げられ、各省庁の施設内ネットワークを相互に接続する霞が関WANの整備を行うこととするとされ、平成九年一月から、各省庁のLANを結ぶ省庁間ネットワークとして霞が関WANの運用が開始されました。

 こうした歴史があって、それから約三十年の間、新たな技術革新が急速に進展して、社会情勢も大きく変化をしました。我が国においても、デジタル社会の形成を図るため、情報通信インフラ整備の推進や新たなIT戦略、規制改革を進めるなど、様々な取組を進めてきたところですけれども、十分ではなかったと言わざるを得ないと思います。

 新型コロナウイルス感染拡大により、私たちの生活は激変をしましたが、それらも、対応がなかなかできなかったこともあります。我が国の社会経済活動が押印、書面、対面を前提としていることや、テレワークの環境が整っていないこと、また、緊急経済対策の一環として特別定額給付金が給付された際には、オンライン申請の不具合により大きな混乱を招いたことなど、デジタル化の遅れが浮き彫りとなりました。

 こうした状況の下、本法律案では、目視規制や対面講習規制、書面掲示規制など、七項目をアナログ規制と位置づけて、さらに、フロッピーディスク等の記録媒体を指定する規制等に関する法令等、合計九千六百六十九条項を見直すことなどによって、国民がデジタルを活用し、よりよいサービスを享受できる社会を実現することとしています。

 そこで、まず大臣にお伺いします。

 一昨年の十一月に設置されたデジタル臨調でこれまでに取り組んできたアナログ規制の見直しについて、その取組の意義や成果についてお伺いします。

河野国務大臣 このデジタル臨時行政調査会、略称、デジ臨と言っておりますが、これは、デジタル改革、規制改革、行政改革、この三つを一体として実行しようということで設置をされました。

 二〇二一年の十二月に、デジタル、規制、行政、それぞれの改革の共通指針として、構造改革のためのデジタル原則というものを策定をし、昨年の六月には、デジタル原則に照らした規制の一括見直し、このプランを策定をいたしました。それに沿う形で、規制、制度の一括的な見直しを進めて、昨年の末、アナログ規制を、アナログで物事をやることを求めている規制約一万につきまして、これを見直しをするための工程表というものを策定をしたところでございます。当初は三年と言っておりましたけれども、二年で、来年の六月までで、アナログ規制を一括して見直すということにしております。

 この見直しをやることで、我が国の真の意味でのデジタル化というのが実現できる、その結果、人手不足の解消、生産性の向上、あるいは幅広い業界でデジタル化が進むことによる経済成長、それから、様々な技術の応用が始まるということで、スタートアップなど新しい成長産業が生み出される、こういう成果、効果が期待されるところでございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 今、大臣からるる御説明いただきましたけれども、こうしたデジタル規制改革の意義について、しっかりと発信していくことが重要であると考えます。

 アナログ規制の見直しによって、住民の暮らしや事業所の状況がどのように変わるのか、具体的な例を挙げて御紹介いただきたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、まず思いつきやすいところで、河川やダム、これは今、維持修繕、リアルでやってございますが、これを、ドローン、水中ロボット、常時監視、画像解析等を用いることによって、現場は今、人手不足で大変困っておりますが、これの解消に役立ちます。

 もうちょっと生活に寄ったところでいえば、例えば、介護サービス事業所に必置の管理者、専門職等の常駐規制、これもテレワーク等によって変わることで、介護者の方々等の負担が相当楽になるのではないかと思われます。

 また、本法案の中では、フロッピーディスク等の記録媒体の提出についても措置を求めさせていただいてございますが、これも現状、フロッピーディスクで出すというのは大変な手間暇になりますけれども、これも完全にオンラインでできるようになる。

 こういったことを、一つ一つは細こうございますが、丁寧に丁寧に解決をしていきながら、日々の暮らしや事業者の業務効率化に資するように取り組んで、また、そういう内容であることを積極的に普及、広報してまいりたいというふうに思います。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 今御説明いただいたとおり、人がやらなくても、デジタルの力ができることというのは多々あると思います。こういうところにはこういうデジタルの力が活用できるということをこれからもしっかりと考えて、又は改革を進めていっていただきたいなというふうに思います。

 先ほど来からお話をしていますけれども、アナログ規制の見直し、約一万、九千六百六十九と私は言いましたけれども、これはかなり大変だったと思うんですよね。河野大臣の持ち前の行動力と実行力と、そして役所の皆さんの不断の努力の結果だと思うんですけれども、このデジ臨は、これまでにないスピード感で本当に進んでいったと思うんですけれども、多くの規制の見直しを進めるに当たって、このデジ臨の取組がこれまでの規制改革の取組と比べてどのような点において異なるのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 私も、規制改革担当大臣を二回やらせていただきましたが、規制改革は、いろいろなところから要望が上がってきた規制を一つずつ検討して、どうしようという議論をする、いわば点の改革でした。

 今回のアナログ規制の見直しは、もうアナログ規制を全部やめるという大方針の下、それこそ一八六八年、明治維新まで遡って、そこからデジタル庁の中で法令一つ一つをシラミ潰しに当たって、アナログでやらなきゃいかぬ、例えば、紙を使えとか、何かを掲示しろとか、フロッピーディスクもありましたし、カラーフィルムで出せというのもあったようでございますが、そういう、アナログでやれと言っているものを全部取り出して、それが一万近くあって、それを全部見直すということで、各省にこれは見直そうということでやり取りをした、いわば面で改革を進めたということなんだと思います。

 規制改革のやり方で、一万の規制を一個ずつ洗い出していると、これは相当大変だと思いますが、もう先に、アナログ規制は全部廃止しますという方針を立てて、それを全部さらっていったという、この面の改革のやり方をしたことがスピードアップにつながってきたというふうに思っております。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 点の改革ではなくて面の改革だと。もう大きな転換をされたということで、本当に敬意と感謝を言わざるを得ないというふうに思います。

 このデジタル規制改革の取組を一過性のもので終わらせないよう、将来にわたって改革が継続するような仕掛けが必要であるというふうに思っています。

 本改正法案では、いわゆるデジタル法制局の取組に関連する規定が設けられていますが、デジタル法制局とはどのようなものか、その取組内容と狙いについてお伺いします。

村上政府参考人 御指摘いただきましたとおり、一過性の改革に終わらせない、大変重要だと思ってございます。

 特に、今回、一括で改正をお願いしているところは現在の改革でございますが、同時に、本法案の中では将来の改革に向けての布石も打ちたい、これが、御指摘いただいたデジタル法制局と通称呼ばれているものでございます。

 具体的には、今回、七項目の代表的なアナログ規制に該当する条項を一括して措置をお願いをするわけでございますけれども、これが、今後出てくる新規の立法について、逆行して潜んでいるといったようなことがないように、まずこれを徹底して、次から出てくる法案を全部チェックをさせていただくという逆行防止ということと、それから、また後刻で話題になろうかと思いますが、テクノロジーマップに基づく、こんな新しい技術が出てきたらこれは使うべきであるというようなところにしっかりとチェックをかけていきまして、新規法令のデジタル原則への適合性を確認をするということで、昨年の臨時国会提出法案から試行的に実施しているものでございます。

 通称デジタル法制局の議論をしっかりと進めていくことで、デジタル技術の進展を踏まえた自律的、継続的な規制の見直しを進めてまいりたいと思ってございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 新たな法案はデジタルに沿った仕組みにしないといけない、もうこれは本当に当たり前のことでありまして、デジタル原則に適合しているか、しっかりとチェックをして、取組を進めていっていただきたいなというふうに思います。

 こうしたデジタル法制局の取組について、実効性をしっかりとやはり確保していかないといけない。私、今申しましたが、新たな立法は、御答弁もいただきましたけれども、やはりデジタルに即さないといけないということがあると思いますが、今後の取組方針について、少し具体的にお伺いしたいと思います。

村上政府参考人 ありがとうございます。

 本法案の中でも、デジタル社会の形成に関する基本方針として、デジタル技術の進展等を踏まえた自律的、継続的な規制の見直しを推進すべきという規定を、まずここで考え方としてしっかり法律上位置づけるというお願いをさせていただいてございます。

 その上で、手続的には、毎年閣議決定をいたしますデジタル社会の実現に向けた重点計画の記載事項として、この見直しの施策を位置づけるということをやらせていただきたいというふうに思ってございます。

 この重点計画の中で、しっかりと一つ一つチェックをさせていただく手続を取らせていただくことで、閣議決定の中で、各府省がしっかりと取り組んでいただいているかどうか、今回規定をいただく基本法の中の基本的な考え方に即しているかどうか、確認をさせていただく手続が保障されます。これを確実に使いまして、各省と力を合わせて、デジタル技術の活用推進を進めてまいりたいと考えてございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 各府省としっかりと連携を取って、実効性を高めていっていただきたいなと思います。

 今後、具体的にこうした改革を進めていく上では、単に現場任せにするのではなくて、デジタル庁としても現場での規制改革が進むように支援していくべきだと考えております。

 本改正法案ではテクノロジーマップに関する規定も盛り込まれていますが、テクノロジーマップというのはどのようなものなのか、その取組の内容と狙いについてお伺いいたします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 テクノロジーマップでございますが、これは、それぞれの規制所管庁が、最新の技術動向を踏まえ、自主的にデジタル実装や規制の見直しを推進していけるような仕組みが必要だということで、必ずしも、全国様々な使える技術があっても、それを全て各省庁が知っているとも限りませんので、これを、アナログ規制とその見直しの活用可能な技術の対応関係を整理し、可視化をしたテクノロジーマップの整備と活用に関する規定ということで、今回の法案の中でも措置をさせていただいてございます。

 アナログ規制の見直しが技術の進展をもたらし、それが更なるアナログ規制の見直しにつながるという、技術の進展と規制の見直しの好循環をつくれるベースになるのではないかということで、しっかりと整備をさせていただきたいというふうに考えてございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 現場での規制改革の見直しが進むように、テクノロジーマップの内容を充実化させていくことが重要であると考えております。また、技術が日々進展していく中で、テクノロジーマップの内容もアップデートさせていく必要があると考えます。アップデートができなくてテクノロジーマップが古くなれば、意味を成さなくなってきますから、しっかりと取組を進めていく必要があると思います。

 テクノロジーマップなどの取組を今後どのようにやっていくのか。例えば、技術が進展していくように、しっかりと情報を共有したりとかということも考えられますけれども、その点、御答弁いただきたいと思います。

村上政府参考人 先生御指摘のとおりかと思います。

 現状でも、技術やその実装等に知見を有する専門家から成る有識者会議、まずこれを設置して、御議論いただいております。それから、当然ですが、それぞれのやはり所管省庁が該当部分の技術については詳しい面もあろうかということで、ここも丁寧に、技術導入の可否について、共に精査をしてございます。ほかにも、今回のマップを作る上では、リクエスト・フォー・インフォメーションと呼んでございますが、民間事業者から広く情報の公募を行い、集めるといった作業をしてございます。

 引き続き、国内外の事例調査、規制所管省庁や民間事業者への情報提供依頼、それから、有識者による定期的な点検といったようなことをしっかりとPDCAのプロセスにして、マップの更新に取り組んでまいりたいと思ってございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 次に、スタートアップ企業や中小企業の積極活用についてお伺いします。

 デジタル規制改革により様々な技術の活用が進むことは、スタートアップや中小企業、ベンチャー企業が持っている技術を活用するチャンスであると考えております。デジタル規制改革を進める上で、それらの企業が保有する技術も積極的に活用していくべきだと考えておりますが、御見解をお伺いいたします。

村上政府参考人 ありがとうございます。これも御指摘のとおりかと思います。

 例えば、以前の立法でございますが、押印の廃止、これによりまして、クラウド型電子契約サービスの市場規模は二年間で三倍に急成長してございます。オンライン化等による行政コストの二〇%削減による経済効果は一・三兆円という推計もございます。

 これらはいずれも、技術の導入は、大企業ばかりでなく、中小企業やベンチャー企業にとっても大きなビジネスチャンスになる。まさにその間をつなぐのが、技術を持っていてもどこにアピールすればいいのか分からない、規制を持っていてもどこに技術があるのか分からない、テクノロジーマップを仲介をすることで丁寧につないでいく、若しくは、テクノロジーマップに対応する形で技術カタログ、これも先行公開しておりますけれども、こういったものを用意することでますますアピールしやすい場が増えるのではないかということで、しっかりと取り組んでまいりたいと思ってございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 こういう規制であればこういう技術が使える、どの技術が使えるか、提供していくということが必要であるというふうに考えます。一方でまた、スタートアップやベンチャー企業、中小企業の勃興や経済成長につながるように、しっかりとまた取組を進めていっていただきたいなというふうに思います。

 次に、自治体における取組の推進についてお伺いをしたいと思います。

 住民の生活に密接に関連する自治体の現場のデジタル化も非常に重要です。デジタル規制改革を国だけの取組にとどめるだけではなくて、自治体においてもしっかりと進めていく必要があると考えます。自治体の取組をどのように後押ししていくのか、今後の取組方針をお伺いいたします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに、国の取組に加え、暮らしに密接な行政サービスを持っていらっしゃるのは、むしろ自治体の方が多うございます。もちろん、国の方から自治体の規制をこう変えろと強制することはできないわけでございますが、自治体が国の取組の範に倣って積極的にこれを進めていけるように、まず第一に、マニュアルを自治体向けに公表しております。これは、今回、約一万の条項をどうやって国が見つけ、どういうふうに作業したのかということをマニュアルの形に落としまして、自治体もこうすればできるんじゃないかということが分かるように手当てをさせていただいてございます。

 また、もう既に公募を終了いたしましたが、十五の自治体とモデル的に取組をするということで、一緒に、このやり方はマニュアルに即してどうかということを進めさせていただいて、課題が実際にどんなところに自治体の場合だったらあるのかということを洗い出した上で、これをまた新しいマニュアルの次のバージョンに反映をさせていく、若しくは、その中で、テクノロジーマップの整備につなげていったり、テクノロジーマップ自身を自治体の方にも使っていただいたり、それから、デジタル田園都市国家構想の交付金の方でも、この規制のデジタルによる合理化も財政的支援の対象にしているといったようなところを組み合わせまして、自治体における取組を後押ししてまいりたい、このように考えてございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 財政面についてもしっかりと自治体を応援していただきたいと思いますし、様々な面で協力をしていっていただきたいと思います。

 アナログ規制を見直したり、デジタル化を進めても、そして、この世の中にどれほど優れたデジタル技術が存在しても、それらの技術を活用して様々なプランを描き、それを具体化して、また工程管理等ができる人材がいなければ、うまくDXは進まないというふうに考えております。

 そして、デジタル人材とは、エンジニアやデータサイエンティストだけがデジタル人材ではありません。データサイエンスやエンジニアリングといった技術系スキルの持ち主と、デジタル技術や物をどの分野にどういうふうにして活用していくか、利便性を高めたり、住民サービスの向上につなげていったり、又は、町づくりや地域活性化にまでつなげていくことを考えることができる人材、総合的にプロデュースできる、デジタルに精通した人材も必要であるというふうに思います。

 しかし、このようなスキルを備えたデジタル人材は、圧倒的に数が不足しているのが現状です。国として、デジタル人材の確保、育成についてどういうふうなお考えをお持ちか、お伺いいたします。

佐脇政府参考人 お答えいたします。

 デジタルを活用する上で必要な人材につきましては、御指摘のように、多様な人材が必要かと思いますが、政府は、現在、その全体をデジタル推進人材と称しまして、昨年十二月に閣議決定されましたデジタル田園都市国家構想総合戦略に位置づけまして、各省連携しながら、様々な分野で必要な人材を具体的に確保すべく、育成しているところでございます。

 具体的な施策といたしましては、デジタル人材育成プラットフォームの構築、それから、職業訓練のデジタル分野の重点化、高等教育機関などにおけるデジタル人材の育成などに取り組んでおりまして、例えば、地域の企業の事業に参画していただく形で行う教育プログラムにおきましては、地域企業のDXの担い手を輩出する例も具体的に出ております。こういった工夫を重ねながら、地域のニーズも踏まえたデジタル推進人材を育成していきたいと思います。

 また、特に高度なデジタル技術を使える推進人材は今都市部に集中しておりますので、そういった人材が地域の課題解決に参画することによってしっかり対応できるよう、地域企業とデジタル推進人材のマッチングの支援でありますとか、地方公共団体に対する人材の派遣促進も行っております。

 加えまして、デジタル田園都市国家構想交付金によりまして、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上を目指す地方公共団体の取組を支援しておりますけれども、比較的高度なデジタル活用を支援するタイプにおきましては、チーフアーキテクトといった、プロジェクト全体を中心的に進める中核的経営人材の参画を要件にしてございますので、そういった総合的にプロデュースできる方々がその場でしっかり活躍し、経験を積めるような、そんな措置も講じているところでございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 今るる御説明があったとおり、国も様々な取組を進めていっていただいているのは分かるんですけれども、まだまだ人材が十分ではないということも現実的にありますので、しっかりと取組を進めていっていただきたいなというふうに思います。

 国もそういうふうな取組を進めていっていただいているんですけれども、やはり、特に規模の小さい自治体がデジタル人材の確保、育成をするということは非常に困難であるというふうに思っておりますが、地方自治体への具体的な支援策について、政府の御見解をお伺いしたいと思います。

足達政府参考人 委員御指摘いただきましたとおり、地方自治体において着実にDXを推進するためには、職員全体のデジタルリテラシーの向上だけでなく、システムの調達やプロジェクトマネジメント等において組織の中核を担いまして、DXの取組を推進することができる人材を集中的に確保、育成することが極めて重要であると考えております。そこで、総務省では、今年度より、地方自治体におけるデジタル人材の確保、育成を推進する取組を大幅に強化いたしました。

 具体的な取組といたしましては、都道府県等における市町村支援のためのデジタル人材の確保に要する経費につきまして新たに特別交付税措置を講じまして、広域的な人材の確保にも取り組んでおりますほか、地方公共団体におけるDXの取組を支援するための専門アドバイザー制度を創設いたしまして、取組を充実強化したところでございます。

 また、地方公共団体におけるDXの取組の中核を担っていく職員の育成に要する経費についても新たに特別交付税措置を講ずるとともに、また、関係機関において地方公務員向けの研修の充実などにも取り組んでおります。

 今後とも、地方公共団体におけるデジタル人材の確保、育成の取組が着実に進みますよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 地方もしっかりと応援していっていただきたいと思います。

 ちょっと質問を一つ飛ばさせていただきまして、書面掲示規制の見直しに関する事業者支援についてお伺いをします。

 今回の法案による書面掲示規制の見直しについては、利用者、消費者にとっては、いつでもどこでもインターネットで必要な情報を確認できるようになり、利便性が向上する一方で、事業者にとっては、こうした情報をインターネットで発信することが求められることになります。業種によっては、自社のサイトを持っていないような小さな事業所もあると思いますが、こうした対応が困難な零細事業者についてどのように対応するのか、お伺いをいたします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、古物商さんとか、業態によっては小さく、小規模でやっていらっしゃって、そもそもホームページを持っていないといったような業実態の方がほとんどというような分野もございます。したがいまして、今回、そういう対応困難な一部の零細事業者については適用除外を措置し、過度な義務づけを課すことがないように配慮するということで考えてございます。

 ただ、将来的には、そういった事業者の方々でもやはりデジタルへの対応は進めていただきたいということで、やはり、事業所の周知や消費者の信頼性の向上といった観点からは、同時にそちらも頑張ってくださいということは言いたいという思いもございます。このため、昨年十二月にデジタル臨調の方で公表させていただいた工程表の方では、実情に応じて柔軟に対応しつつ、将来に向けて段階的にでもデジタル化の取組を促していくこと自体はトライしたいと。でも、今すぐ過度な規制にはならないようにしたいということで、適用除外規定を各所管省庁とよく相談をしながら運用してまいりたいというふうに思ってございます。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 ちょっと質問を飛ばさせていただきまして、デジタル化が進むと、やはりサイバーセキュリティーの強化が必要であるというふうに思っております。不正アクセス等も、国土交通省の近畿地方整備局管内の監視カメラ等もあって、非常に懸念されるところではあります。

 このような事案を受けて、不正アクセスやサイバー攻撃等に対してセキュリティーの強化が非常に必要だと考えますけれども、政府としてどのように取組を進めていくのか、内閣官房にお伺いしたいと思います。

吉川政府参考人 お答え申し上げます。

 政府におきましては、サイバーセキュリティ基本法に基づきまして、各政府機関がセキュリティー水準を一定以上に保つための政府統一基準や、各省庁での基準作成のためのガイドラインの策定などを実施しておりまして、これらの施策により、各政府機関は、それぞれの業務、取り扱う情報及び保有する情報システムの特性などを踏まえた上で、適切にサイバーセキュリティー対策を講じることとされているところでございます。

 委員御指摘のとおり、サイバー空間においては技術の進展が早く、サイバー攻撃の深刻化、巧妙化も進んでいるところでございます。このため、今後も各政府機関が自らのこととして継続的にサイバーセキュリティー対策に関する認識を高め、適切な対策を図るほか、我々内閣サイバーセキュリティセンターにおきましても、状況に応じて政府統一基準の見直しなど、必要なセキュリティー対策の強化を図ってまいりたいと考えております。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 今、るるデジタル改革を御説明をいただきました。デジタル臨調の取組は、実際に見直しを進めていくのはこれからが本番であるというふうに考えております。

 最後に、今後のデジタル規制改革の実行に向けた決意を河野大臣にお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 来年の六月までに、この一万条項の見直しを徹底していきたいというふうに思っております。

 今は行政の手続の申請部分のデジタル化を進めておりますが、これは、申請を受けて処理をして処分通知をする、この一連の流れを全部デジタルで完結できるようにしなければいかぬと思っておりますので、その取組も進めてまいります。また、国だけでなく、自治体にもやっていただかなければいけませんので、このアナログ規制の見直しのマニュアルを作成をして、自治体にお示しをしております。

 また、幾つか手を挙げてくれた自治体と一緒に、それを実際にモデルケースとしてやって、このようにやればうまくいくということをお示しをしたいと思っておりますので、これからまた引き続き、しっかり頑張ってまいりたいと思います。

谷川(と)委員 ありがとうございます。

 アナログ規制の見直しによって、人手不足の解消や生産性の向上、経済成長、スタートアップ等の勃興や成長産業の創出、行政の在り方も変わって、国民が便利になったなというふうな社会を実現していくことが非常に大切だというふうに思いますので、引き続き、大臣のリーダーシップをもって、みんな、各自治体とも協力し合いながら進めていっていただきたいと思いますし、私もできる限り対応させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、中川宏昌君。

中川(宏)委員 公明党の中川宏昌でございます。よろしくお願いいたします。

 我が国の行政がデジタル化を加速させたのは令和三年のデジタル臨調の設置からだと思いますが、世界からは残念ながら、日本は、行政のみならず、社会全体がデジタル敗戦の国と言われてきました。これは、半導体や行政の紙文化の例を見ても明らかだと思います。

 私が長野県議会議員だった令和二年に、県議会の一般質問で県のDX戦略について質問し、当時の河野行革担当大臣のお話をさせていただきました。

 河野大臣は令和二年の十月の会見で、中央省庁において約一万五千の行政手続のうち、九九・二四%の手続で押印を廃止することを明らかにし、そのうち、各省庁が押印の存続の方向で検討したいと回答したのは僅か一%未満の百十一種類ということを引き合いに、県に対してデジタル化を強く推進するよう要請しまして、その後の県のデジタル化が推進されてきたことを思い出します。

 今回の改正では、地方公共団体のデジタル化への取組を加速させるとともに、行政での情報化や、行政手続全般についてもデジタル化を強く推進し、高いレベルでのデジタル社会を実現し、国民の利便性や行政の効率化を図り、少子高齢社会、働き手が減少していく社会への対応も含め、大きな社会変革をする大事な機会だと捉えております。

 そこで、この大きな変革を成し遂げていく過程で大事なことは、デジタル弱者をつくってはならないということであります。一方で、余り慎重になり過ぎれば、世界のスピードにはついていけないことになると思います。

 今回の法改正では、各省庁をまたいで多くの改正をしなければなりませんし、各行政での手続も煩雑で多岐にわたると思います。岸田総理の掲げる新しい資本主義の実現、デジタル時代にふさわしい経済社会構造の構築のために大事な改正でありますので、まず河野大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 やはりコロナ禍で、日本のデジタル化の遅れというのがかなり赤裸々になったのではないかと思います。

 十万円の給付金のときに、とにかく何もデータがなくて、郵便で口座番号を教えてくださいというお願いをしなければなりませんでした。私もワクチンを担当しておりましたが、ワクチンの接種記録をするためのシステムがなくて、予診票を数えれば数が分かりますと言われて、私、ちょっと驚愕をした覚えがありまして、これは相当やばい状況だよねということで、デジタル庁の設置、それからアナログ規制撤廃ということになりました。

 認め印の廃止について言及をいただきましたけれども、何となく、本人確認には実はなっていないんだけれども、習慣で認め印を押さなければいけないということがデジタル化を妨げておりましたので、本人確認のためになる実印とか銀行などの登録印、これは残すにしても、本人確認の役に立たない認め印はもうやめるということを決めて、それを全部総ざらえをして、やめようと。

 今回のアナログ規制の撤廃も同じで、アナログを強制しているものは全部やめるということをまず決めた上で全部洗い出して、これをやめようということにいたしまして、全部で約一万ということになります。これをとにかく来年の六月までに一生懸命やっていくと同時に、先ほども参考人から答弁がありましたように、今後、新たな法令を作るときに、やめようと言っていたアナログ規制のようなものが入らないように、そこはきっちりと見ていく、それをやる。

 つまり、古い規制も外すし、新しい変な規制が入らないように、そこも仕組みをつくって担保する、この両方が必要だと思いますので、来年の六月までに、調べたものは廃止をし、新しいものはきちんと見ていく、これを徹底してまいりたいというふうに思っております。

中川(宏)委員 大臣、ありがとうございました。

 様々御説明いただきまして、一つ、このコロナを経験した中で、大きく様々なものが見えてきて、これからデジタル化をしていくには今だというふうに非常に私自身も感じ取っておりますので、強力なリーダーシップの下、是非お願いしたいと思います。

 最近話題になっているチャットGPTですが、AIにより、なくなる仕事、なくならない仕事があるなど、連日取り沙汰されております。

 デジタル化の社会が進み、ICTの推進やAIの進展で一部雇用が奪われるという懸念や心配が言われております。デジタル化で仕事が失われるという一方で、日本は人口減少が進み、労働力不足の時代に入っており、これは更に加速していく予想であります。

 デジタル化で、地域の人手不足の解消や企業の生産性向上、新しい産業の創出につながるなど、大きなメリットの反面、デジタル化の最大の課題でありますセキュリティーやITリテラシーの問題、IT人材不足の影響が心配をされておりまして、デジタル社会の形成において、メリットとデメリットについて示していくことが極めて大事だと思います。

 この点につきまして、国民の皆様に分かりやすく御説明いただきたいと思います。

冨安政府参考人 御答弁いたします。

 デジタル社会におけるメリットといたしましては、申請などの行政手続のオンライン化や、添付書類が省略されることによる、直接に負担が軽減されるというようなこと、それから、データによりまして新しく国民のニーズを把握して、しっかりとそれに対してサービスを提供すること、あとまた、本日御議論いただいていますように、人手が介在するアナログの規制をデジタルに置き換えることによりまして、生産性の向上ですとか人手不足が解消していく、そういった様々なメリットがあると考えております。

 一方で、デメリットと申しますか、御心配いただく点として、先生御指摘のように、セキュリティー上の懸念がなかなか払拭されないことですとか情報リテラシーの問題、デジタル人材不足の問題、そういったことが課題だというふうに認識いたしております。

 私どもといたしましても、こういった課題を解決いたしまして、メリットを最大限に享受できますように、デジタル社会形成基本法、そういったものも踏まえつつ、関係各省としっかり連携いたしまして、セキュリティー対策はしっかり強化してまいりますとともに、個人情報の保護ですとかデジタル人材の育成、確保、これもしっかり関係省庁とやってまいりたいと思っておりますし、また、デジタルが直接使われない、あるいは苦手な方にとりましても、デジタルを社会や行政に実装することによりまして間接的に便利になっていただく、そういったことも是非しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 それでは次に、システムの信頼性と安定性についてお伺いしたいと思います。

 行政のデジタル化を推進していくのに一番大事なことでありますが、それは、政府が進めるデジタル社会実現への取組に対しての国民の皆様からの信頼だと思いますけれども、先日、残念な報道がございました。マイナンバーカードを使ってコンビニで証明書を交付できるサービスにおきまして誤交付が報告をされまして、デジタル庁がシステム会社に、システムの運用を停止して徹底的に再検討を行うよう要請したということであります。デジタル化により、効率化が図られ、便利にはなりますが、このようなことが起きれば、政府のシステムの信頼性が疑われるとともに、また、個人情報の漏えいという問題にもなりかねません。また、マイナ保険証をめぐり、医療保険を運営する健康保険組合などによる誤登録も報告をされております。

 国として、多くの情報や取引をデジタル化するわけでありますので、システムの信頼性、安定性については、今、相当の検証を行っているとは思いますが、検証の体制については更に強化していくことを求めたいと思いますし、国民の皆様に安心をしていただき、その信頼の上で国としてデジタル化をしっかりと進めていただきたいと思います。

 そこで、システムの信頼性、安定性への対策強化についてお伺いをさせていただきたいと思います。

冨安政府参考人 御答弁いたします。

 国民目線に立ちまして行政サービスの利便性の向上を図る一方で、同時に、その行政サービスが安定的に、また安全に提供されることは非常に大事であります。そういった観点を含めたセキュリティーの確保、それぞれの両立が大変重要だと思っております。

 安定的稼働につきましては、当然、万全を期してまいりますとともに、セキュリティーの面につきましても、NISC等が統一基準を策定いたしておりますので、それも踏まえまして、政府全体が適用する情報システムの整備及び管理の基本方針を策定しているところでございます。

 また、デジタル庁の具体的な取組といたしましても、マイナポータルなどのように、国民の皆様が大変よく使っていただいています、重要性の高いシステムを我々は運用しておりますので、専門性の高い、要するに、能力とか知識とかを持ったエンジニアを多数採用いたしましてセキュリティーの実装を進めるとともに、庁内にしっかりとセキュリティー等の対策の専門チームを置きまして、脆弱性診断や侵入試験、ペネトレーションテストと呼んでおりますが、そういったものも行うなど、デジタル庁が整備、運用するシステムを中心に検証、監査などを実施しております。

 今後とも、NISCなど関係機関とも緊密に連携いたしまして対策を着実に進めることで、国民の信頼を得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 やはり私は、今後の大事なデジタル化を広げていくには、一番大事なことは信頼性、ここだと思っておりますので、一層、不断の検討と対策強化を是非お願いしたいというふうに思っております。

 また、これは暗号資産の話でありますけれども、今年一月に、コールドウォレットから不正流出があったという報道もございました。ブロックチェーン技術によりまして、分散型でセキュリティーが非常に高いと言われた暗号資産の世界で、秘密鍵をコールドに置いてあるのに暗号資産が盗まれたという、衝撃的なことでありました。

 システムのセキュリティーの強度はハッカーたちとのイタチごっこであるという面もありますので、随時、また適切に、システム全体のセキュリティー体制の検証、改修の対応が求められると思います。国民の皆様に安心してお使いいただくために、このセキュリティー体制がしっかりしていることと、その対策について、分かりやすく御説明いただきたいと思います。

冨安政府参考人 御答弁いたします。

 委員御指摘のように、政府情報システムに対する複雑化、巧妙化したサイバーセキュリティーへの攻撃のリスクは増大しておりまして、サイバーセキュリティー対策の重要性が非常に高まっていると思います。

 委員御指摘のように、最先端の技術、これが非常にどんどん進んでおりますので、最先端の技術をしっかりと常にフォローして、それに応じたサイバーセキュリティーの対応策を考えることが非常に重要でありますし、デジタル庁においても、そういう専門家を雇っているところでございます。

 また、デジタル庁におけるシステム対応としての具体的な対応策といたしましては、システムの設計、開発段階からサイバーセキュリティー対策の実装を求めるセキュリティー・バイ・デザインのアプローチを推奨しておりまして、そういったことを進めることによりまして、設計や開発の段階からしっかり対策を強化することといたしております。

 また、最近では、インターネットと内部ネットワークの境界を防御するという従来の境界型セキュリティーにとどまらず、それはそれでやるんですけれども、個々の端末ごとにしっかりセキュリティーを確保するという、いわゆる常時診断・対応型のゼロトラストセキュリティーと呼ばれる新しいセキュリティー手法も、実現に向けてしっかりと検討しているところでございます。

 先ほども申し上げましたけれども、NISCなど関係機関とも緊密に連携いたしまして、しっかりサイバーセキュリティー対策を着実に進めることで、国民の信頼を確保できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 続きまして、このデジタル化を進めるに当たって、非常に大事であります地方公共団体の取組、また支援、課題等について幾つかお伺いしたいと思います。

 このデジタル化への改革は、ある意味で、地方公共団体の課題、問題と言えると思いますが、今、地方公共団体のデジタル化の現状といたしましては、財政面、また、首長の姿勢によって住民サービスに差が出始めていることが指摘をされております。

 デジタル社会の実現のために、国として、地方公共団体に対しまして、先ほどもお話がありましたけれども、アナログ規制の点検、見直しに取り組む際のマニュアルを公表いたしまして、このマニュアルの活用を進めておりますけれども、実際には格差ができております。

 住民の皆様がひとしく公共サービスを受けられる環境をつくっていくために、政府としてどのような対策、支援を行っていくのか、お伺いをしたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘をいただきました、マニュアルというものがございます。

 それから、本当にこのマニュアルが現場に即したものになっているかどうかということも含めて、公募した十五団体と連携して課題調査を一緒にやる。その中で、本当に自治体にとって痛いつぼはどこなのかといったようなところを検証し、それを、整備をいたしますテクノロジーマップでありますとか、それから、これに対応したカタログを作ってまいりますので、技術があるといっても、その技術はどこの何を買えばいいのか分からない、そこに戻りますので、カタログなんかにも結びつけていく。

 さらには、そのカタログで買いたい、やりたいといったときに、きちっと要件に合えばデジタル田園都市国家構想交付金の交付対象にもなってくるといったような形で、様々な角度から自治体の取組を応援してまいりたいと思ってございます。

中川(宏)委員 よろしくお願いいたします。

 そして、これは最も大事なことでありますけれども、人材不足への対策についてであります。先ほども議論がございました。

 デジタル化の進展には、財政や、また、首長の姿勢の影響もありますけれども、デジタル化の進まない大きな要因は、地方公共団体でのIT人材の不足であると思います。昨日も、私、長野県内の市町村長の皆様と懇談させていただきましたが、このやはり人材不足というのを一番懸念されておりました。IT人材が不足している状態では、ベンダーからの提案に対しまして、それを適正に評価すること、つまり、この提案が高いのか安いのか、また、システムが行政側として使いやすいのかどうかなどの判断が難しいということだと思います。また、システムが住民の皆さんに使いやすいのかどうかの判断も難しく、住民への説明も十分にできない状況になるかと思います。

 これまでの委員会の議論の中でも、地方でのIT人材不足への対応、これにつきましては、しっかり取り組んでいく、また、取り組んでいるというふうにお聞きをしておりますけれども、今回のデジタル化を推進するためには、IT人材不足対策への支援を更に強化をしていただき、加速していかなければならないと強く感じておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。

足達政府参考人 委員に御指摘いただきましたとおり、自治体DXの推進のためにはデジタル人材の確保が急務となっているところでございまして、我が国では、官民を問わず、デジタル人材の需給が逼迫しているものと認識をしているところでございます。

 そこで、総務省では、地方公共団体におけるデジタル人材の確保、育成を推進する取組を大幅に強化することとしまして、昨年十二月には、松本総務大臣から、全国の都道府県知事、市区町村に対しまして、デジタル人材の確保、育成に向けた積極的な取組を要請する書簡を発出したところでございます。

 具体的な取組といたしましては、都道府県における市町村支援のためのデジタル人材の確保に要する経費につきまして、今年度から新たに特別交付税措置を講じて、広域的な人材の確保にも取り組んでいるほか、地方公共団体におけるDXの取組を支援するための専門アドバイザー制度を創設し、取組を充実強化したところでございます。

 また、御指摘にもありましたとおり、地方公共団体におけるDXの取組の中核を担っていく職員の育成、これに要する経費につきましても、今年度、新たに特別交付税措置を講ずるとともに、関係機関における地方公務員向けの研修の充実などにも取り組んでいるところでございます。

 今後とも、地方公共団体におけるデジタル人材の確保、育成の取組が着実に進むよう、引き続きしっかりと取り組んでまいります。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 続きまして、済みません、質問を一つ飛ばさせていただきまして、問八に移りたいと思うんですけれども、デジタル技術を効果的に活用することは極めて重要な課題であります。デジタル化といいますと、紙に書いていたものをデータ化することだと思っている方もいらっしゃいます。また、中小零細企業などでは、データ化することは大変な作業となっておりますが、デジタル化により、業務の効率化、また働き方改革ができるということを、中小零細企業の皆様に御理解いただけるよう努めていかなければならないと思っております。

 今回政府が目指しているデジタル社会は、紙をデータに変換することではなく、そのデータ化された情報をどう活用して、仕事の効率化につなげて、生産性の向上を図っていくかということでありますので、これまでの規制によってデジタル技術の活用ができていない部分については大胆に改革していくべきだと考えますが、この規制の見直しをどこまで踏み込んで行っていくのかをお伺いするとともに、先ほども触れましたけれども、中小零細企業にとってデジタル化は大きな負担であります。

 企業全体の九五%を占める中小零細企業が、こぞってデジタル社会に参画していただくことが大事でありまして、デジタル社会というからには、ほとんどの事業者がデジタルに対応できる社会でなければなりません。デジタル社会の早期実現のために、中小零細企業のデジタル化を強く後押しする支援をお願いしたいと思いますが、この点につきましてお伺いしたいと思います。

村上政府参考人 まずは私の方から、どこまで踏み込んでいくかという点の方について、先にお答えをさせていただきます。

 中小企業にとって、デジタルへの対応、なかなか大変だというところはよくよく理解をしておりますが、でも、規模の大小にかかわらず、やはり業務の合理化、人手不足の解消、それから、中小企業自身も新しい事業を手がけていくといったようなことを考えますと、フラットに、中長期的に見れば、中小企業にとってもデジタル化はプラスであるというふうに考えてございます。

 例えば、御紹介いたしました河川ダムや都市公園の修繕、維持といったところでも、東京の大企業の、東京の大きなカメラ屋さんに任せるのではなくて、じゃあ、地元のドローンオペレーターであるとかカメラオペレーターであるとかがそういうところに参加できないのか、それから、介護サービス事業者の、会話のところにつきましては、もうまさに現場、地元にいらっしゃる介護士さんたちそのものの問題ということになってまいります。

 そういう意味でも、中小企業にとっても、例外なくこうした改革は意味があるものというふうに考えてございますので、昨年末に決定した工程表に沿って、法令一万条項に係る見直しを実施するということで、二〇二四年、大臣からも御紹介ございましたが、六月まで、少し前倒ししまして、アナログ規制の一掃ということに取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

横島政府参考人 御指摘のとおり、中小企業、小規模事業者のデジタル化の対応状況は様々であるため、各事業者の状況に応じて、導入から活用まで、きめ細かく支援することが必要です。

 そのため、経済産業省において、各事業者の経営状況を確認した上で導入すべきITツールをオンライン相談などで提案する、デジタル化診断事業を実施しています。

 また、独立行政法人情報処理推進機構、IPAにおいて、システムの監視やサイバー攻撃時の初動対応支援、復旧費用の簡易保険など、セキュリティー対策をまとめて安価に提供するサイバーセキュリティお助け隊サービスの制度を運用しています。

 さらに、これらのITツールの導入経費の最大四分の三を、IT導入補助金で補助をしております。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 今、参考人から、中小企業にとってデジタル化はプラスだというお話がございましたが、私もそのように思っております。しかしながら、敷居が高くなっている中小企業が結構いらっしゃると思いまして、その敷居をどう下げて取り組みやすい環境をつくっていくのかというのが今一番大事だと思いますので、これからも引き続き、是非とも支援をお願いしたいというふうに思っております。

 それから、今日の議論の中で、テクノロジーマップについても出ておりますけれども、規制の見直しに活用できるテクノロジーマップは、地方公共団体の中でも、特に小さい地方公共団体にとっては非常に大事なものだと思いますし、アナログからデジタルへどうやっていくのか、デジタル技術をどう導入していくのかという点で、本当によく整理をされているマップだなというふうに思っております。

 大事なことは、小規模地方自治体が、これによってどれだけデジタル化を推進できるかということだと思います。国として、テクノロジーマップの効果がどれだけ見込まれるのか、また、地方公共団体のデジタル化がどのように推進すると考えているのか、お伺いしたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただいたとおり、特に小さい自治体ほど、一人何役もの実務を抱えて、人手不足だ、そこまで分からぬ、そういうところにこそ、デジタルの効率性というところは、最終的には大変効果があるものと。

 ところが、同様に、小さな自治体になればなるほど、そんな技術はどこにあるんだ、そんな製品はどこにあるんだ、これが全く分からない、それを調べている時間もない、こういった、やや悪循環、デジタルのマーケットはやはり情報の非対称性の問題が大変大きゅうございますので、このテクノロジーマップは、アナログ規制の見直しに活用可能な技術が、そういった小さな自治体の皆さんでも、あっ、こんな技術があるんだというふうにお分かりをいただけるし、技術を保有する民間事業者においても、えっ、うちの技術はこんな規制に役に立つんですかと、双方から見える化をするといった効果があろうかと思います。

 特に小さい自治体に向けましては、これをカタログにして先行整備する。それから、デジ田交付金で支援していく中では、ケースによっては、ちょっと、どういう仕様書を書けばそういったものが調達しやすくなるのかといったようなところを丁寧に支援してさしあげると、買いやすくなる、使いやすくなろうかと思いますので、そういった現場を踏まえた対応を、できるだけ寄り添ってやってまいりたいと思います。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 私の地元の長野県は七十七市町村がありまして、小さい村ですと四百人ぐらいの村があります。先ほどお話があったとおり、こういった小さな村こそがデジタルの恩恵を受けていくということが非常に大事だと思っていまして、先ほど、丁寧にやっていくというお話がございましたので、是非その点をお願いしたいというふうに思っております。

 次に、書面掲示規制、往訪閲覧縦覧規制の見直しの必要性とセキュリティーについてお伺いしたいと思います。

 デジタル化を推進するといいましても、直ちに全てをデジタル化することは大変なことでありますし、これを急激に無理にやっていきますと、経済社会にも大きなハレーションを起こすことになるかと思います。

 その中で、この書面掲示規制や往訪閲覧縦覧規制ですが、デジタル化にすることとアナログを一部猶予していくことは、社会の実態に合った適切な対応だったと評価をしたいと思います。

 ここで心配になるのは、今日も度々言っていますが、セキュリティーの課題であります。例えば、SNSなどでも、乗っ取りというのが横行して大きな問題となっております。アナログの方が安全だという意見もある中、このアナログ規制の見直しの必要について御説明をしていただきたいと思います。また、併せまして、どのようなセキュリティー対策を講じていくのか、お伺いしたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 趣旨の再確認になるような部分もございますけれども、特に、書面掲示規制や往訪閲覧縦覧規制の見直しにつきましては、例えば、営業時間内に現地へ来訪することが求められていた規制を見直して、インターネットでの閲覧を可能にする、これも実際に現場で、お客さんは大変便利になるのではないかと思います。

 また、閲覧、縦覧の対象となる情報のデジタル化や閲覧申請のオンライン化を進めて、デジタル完結を実現する。入口だけじゃなくて、その先でありますとかといったようなことを、続けてやっていく必要がある。

 こういったところをやりますと、本当に、自分もそうでございますが、市役所の手続のために半日休む、何休む、もう生活上、大変な苦労でございます。こういったところを、国民の利便性の向上や消費者の保護が図られるといった効果が期待できるというふうに、効果の方を考えてございます。

 先ほども政府参考人から答弁がございましたが、セキュリティーの確保は大変重要な課題でございます。先ほど御説明したような対策をしっかり進めていくと同時に、先ほど経産省からも説明がありましたけれども、これに対して必要な支援策についても、しっかり政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えてございます。

中川(宏)委員 そこで、中小事業者、ホームページを持っていない事業者も数多くあります。今回の法改正で、インターネットの閲覧を可能にするよう義務づけておりますけれども、中小零細企業には負担が大変だという場合、どのような支援策があるのか、お伺いをいたします。

 また、今回の見直しでは、標識、利用料金等の掲示の見直しの一部につきましては、事業規模が小さい場合ですとか、また、省令等で定める場合はデジタル対応の義務が免除されますけれども、中小企業は全事業者の九五%と言われております。これはどこで線引きをするのか、お伺いします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、事業者、これは本当に業態にもよりますので、ここはもう所管省庁のお力をかりないと、一律にデジタル庁で、現場も知らないまま判断することは難しいということで、施行に向けた十分な周知も含めて、事業者の混乱が生じないよう、特に所管省庁と連携をしまして、普通、所管省庁の方で、いろいろな規制対象事業者に対する連絡ツールであるとか、そういったものがございます。いきなりデジタル庁がぽんと別のツールから出しても届きませんので、まずはそういったところを中心に、しっかりというふうにやらせていきたいというふうに思ってございます。

 それから、適用除外の程度でございますが、これはなかなか一律に判断するのは難しい部分があるということと、それから、先ほども別途御答弁申し上げたとおり、さはさりながら、段階的にはデジタル化を求めていきたい、そこら辺の手綱の、引いたり押したりといったようなところがあろうかというふうに考えてございます。このため、各規制の趣旨や対象業界の実情を踏まえて、それぞれ各規制所管省庁の省令、これで規定をさせていただきたいというふうに考えてございます。

 周知も含めまして、柔軟に対応できるように、段階的にデジタル化を長い目では促せるように、しっかりと所管省庁と連携を取りまして、取り組んでまいりたいと考えてございます。

中川(宏)委員 済みません、質問もまだございましたが、時間となりましたので、終了します。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、森田俊和君。

森田委員 立憲民主党の森田でございます。よろしくお願いいたします。

 私からは、医療、介護の分野を中心にお尋ねをさせていただきたいなというふうに考えております。

 改めて言うまでもありませんが、まず、社会保障は国の予算の中でも非常に大きな分野を占めておりまして、その中でも、医療、介護という分野は、現場のスタッフさんあるいは関わる事業所の数、こういったものを考えても、非常に大きな影響を国の予算に対しても持っております。

 ここの分野を省力化、効率化するということは、国の財政としても非常に大きなメリットがあると思いますし、そこで働いていらっしゃる多くの方の一人当たりの収入を増やしていくということを考えても、少しでも省力化をし、また、現在直面している人手不足の問題、あるいは職員さんの高齢化、こういったものにも、いろいろなところでこのデジタル化、電子化というものが貢献できるのじゃないかなというふうに考えておりまして、そのようなことを質問させていただきたいなというふうに考えております。

 羽生田副大臣、厚労から来ていただいております。ありがとうございます。

 この前、マイナンバーの保険証の問題がございましたけれども、基本的には、やはりデジタル化、入れていくということは賛成なのですが、あれは入口の部分だと私は思っておりまして、まあ、それを義務化するかどうかはちょっと別の話ですけれども。

 マイナンバーの、マイナンバーというか、まず保険証のデジタル化のところで、例えば、医療とか介護の分野でいうと受入れのところ、診療でいえば受付の部分ですけれども、まずそこの部分での電子化がなされたということなんです。

 じゃ、例えば医療の方であればそこから何が行われるかといえば、それを電子カルテの中に取り込んで受診をして、検査があったり、あるいは入院のときのいろいろな経過観察の記録がそこに入ったり、会計とか、報酬、レセプトの請求とか、こういったところにも一連の問題として関わってくる。

 介護のところでいっても、同じように、やはり介護保険証、保険証の話はちょっとまた後でしますが、介護の保険証があって、それで受け入れて介護計画を立て、実績をそこに入力をしたり、日頃の生活の記録をつけたりして、ここもまた請求があったり、集金とか、そういったところまで一連のものとしてつながってくるということがあります。

 デジタル化ということを考えると、入口の部分は確かにそれで、今回、デジタル化を義務化というか、全体的に入れるということになったわけですけれども、やはり全体として考えたときに、まだまだやるべきことというのがあるんじゃないかな、そういう問題関心から質問させていただきたいなと思っております。

 全体を通してやることによって相乗効果がそこに生まれて、やはり、がばっと人手を省力化することができ、本来業務、本来業務というか、みんな本来業務ですけれども、人手をかけてやるべき仕事というところに人材を割くことができる、こういうことは非常に、医療、介護の現場にとっては大事なことではないかなというふうに考えております。

 それで、医療の現場において、この前マイナンバーカードのことがありましたので、改めてですけれども、読み取りの機械の導入の割合について、現状をまずお聞かせいただきたいと思います。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 医療保険のオンライン資格確認についてでございますけれども、本年四月一日より、保険医療機関、薬局に対して原則として導入を義務づけておりますけれども、令和四年度末時点で、システム整備が間に合わないなどやむを得ない事情がある保険医療機関、薬局を対象に導入義務の経過措置を設けてございます。

 直近五月七日時点で申し上げますと、義務化対象施設の約七七%の医療機関、薬局で運用を開始していただいているところでございます。

森田委員 ありがとうございます。

 副大臣、今、七七%というお話がございました。原則は、もう全ての方に保険証のマイナンバー化ということがあるわけですけれども、これはどうなんでしょう、今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。

羽生田副大臣 ナンバーカードによる医療保険のオンライン資格確認については、システム整備が間に合わないなどやむを得ない事情がある保険医療機関、薬局につきましては導入義務の経過措置を設けるということにしておりまして、導入支援のための財政措置の期限も延長したところでございます。

 具体的には、そうした医療機関等については、遅くとも本年九月末までの経過措置を設ける一方で、システム事業者に更なる導入の加速化を促進しているところでございます。

 直近の導入ペース等を踏まえますと、本年九月末には、義務化の対象となっている全ての医療機関等がオンライン資格確認を導入することが十分に可能であるというふうに考えているところでございます。

 また、引き続き、導入の進捗状況等を踏まえながら、確実な導入に向けた支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

森田委員 二つの見方があると思うんですけれども、まずは、今回、原則電子化を保険証はしたわけですから、そこに向けて、こぼれるところがないように医療機関についてはアプローチをしていくという方向性がまず一つと、ただ一方で、それで廃業に追い込んで一〇〇%に持っていったということには決してしてはならないということがあろうかなと思います。

 ですから、これは一〇〇%ありきというよりは、やはり多少の幅を設けてであっても、資格確認書だったですかね、ああいうものを設けてでも、やはりそこは、ちょっと一方的な見方かもしれないです、一面的な見方かもしれないですけれども、お年のいったお医者さんがやっているような、個人で開業していらっしゃるような、そういったお医者さんが、もうこれを機会にやめよう、いい廃業の機会だと、こういうことにならないように、くれぐれも、一〇〇%ありきではなくて、やはり丁寧な対応というものを是非お願いしていきたいなというふうに考えております。

 それから、さっき言ったように、一連のことというふうに考えてみたときのことで順次お尋ねしていきたいと思うんですが、請求、医療機関であればレセプトであったり、介護であれば介護報酬、この電子請求の割合についてお答えいただきたいと思っております。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 医療機関、薬局における電子請求の状況についてでございますけれども、直近のデータでございます令和五年二月診療分で申し上げますと、オンラインによる請求が約十五・六万施設であり、七〇・四%、それから、光ディスク等による請求が約五・七万施設でございまして、二五・八%となってございまして、全体で約二十一・三万施設、九六・一%が電子請求を実施していただいているところでございます。

斎須政府参考人 介護についてお答え申し上げます。

 介護事業所におけます電子請求の状況につきましては、国保中央会が集計した直近のデータでございますが、オンラインによる請求が約十九万事業所、全体の七九・二%、光ディスク等による請求が約三・九万事業所でございまして、全体の一六・三%、合計で約二十二・九万事業所、九五・六%が電子請求を実施していると承知しております。

森田委員 ありがとうございます。

 両方ともこれはほぼほぼ一致している数字だということで承りました。九六%ぐらいのところが、両方、医療、介護ともそのぐらいのところで電子的な請求をしているということです。

 ただ、一方で、残りの四%という数字がやはり気になるなというふうに思っています。これは、さっき、追い込まないようにというような言い方をさせていただきましたけれども、恐らくはこの辺りの、四%あたりが一つの、さっきの追い込まない目安になってくるのかなというふうに思っておりまして、電子的に請求できていないということは、余り、うちはパソコンを使いたくないなとか、今でも多分、レセプトを手で書いたり請求を手でつけたりして国保連とかに送っているんじゃないかなと思いますけれども、そういった事業所があるということを気をつけながらやっていきたいなというふうに思うんです。

 ちなみに、今回の法案の中でフロッピーディスクのことがございましたが、フロッピーディスクで出しているところというのはあるんでしょうか。

日原政府参考人 お答え申し上げます。

 医療保険におけますレセプトの請求方法の一つとして、光ディスク等による請求を可能としておりまして、この光ディスク等の一つとしてフロッピーディスクを用いるということも、これも含まれているものでございますけれども、光ディスク等のうちの媒体の種類ごとの請求件数、こちらについては把握をしていないということでございます。

 なお、医療保険におけるレセプトの請求方法についてでございますけれども、既にオンラインによる請求は可能でございますので、今御審議をいただいておりますデジタル規制改革推進の一括法案におけるオンライン申請を可能とする規定、こちらの対象となるものではないということでございます。

斎須政府参考人 介護についてお答え申し上げます。

 介護保険における介護給付費の請求方法の一つといたしまして、厚生労働省令において光ディスク等による請求が規定されておるところでございます。この光ディスク等の一つとしていわゆるフロッピーディスクを用いることも許容されておるところでございますけれども、この光ディスク等のうち、媒体の種類ごとの請求件数については、医療と同様に把握していないというところでございます。

森田委員 把握をしていらっしゃらないということですが、特に今回の法案とは直接は関係ありませんので、承知しました。

 それから、さっきの続きになります、一連の流れの中でということになりますけれども、医療機関の電子カルテ、あるいは、介護事業所でいけば計画書の作成だとか記録、こういったものに対する導入率というのを把握していらっしゃれば教えていただきたいと思います。

城政府参考人 お答え申し上げます。

 医療機関におきます電子カルテの導入率でございますが、直近のデータであります令和二年度の調査結果におきましては、一般病院の導入率は約六割、一般診療所の導入率は約五割となってございます。また、介護事業所におきます介護記録ソフトの導入率でございますが、訪問系は約七割、通所系は約五割、入所・泊まり・居住系は約七割となってございます。

森田委員 ありがとうございました。

 副大臣にお尋ねしたいんですが、先ほど申し上げたような一連の流れということで考えてみますと、先ほどの、記録だとか、あるいは医療だったら電子カルテだとか、あるいは請求を電子化するとか、この辺りがそろって初めて保険証も電子化するということのメリットが最大限発揮されると思うんですが、この辺り、今後の見通しについて、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

羽生田副大臣 厚生労働省におきましては、全国の医療機関の間で情報を円滑に共有できるように、電子カルテ情報の標準化にまず取り組んでいるというところでございます。

 医療電子カルテの導入に当たりましては、標準規格を用いて、相互に連携可能な電子カルテシステムの導入について、国としても支援を行っていきたい、また、その促進を図っているというところでございます。

 そして、標準規格に準拠したクラウドベースへの電子カルテの整備を行っているところではございますけれども、引き続き、電子カルテの普及に向けては取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

 また、介護事業所の介護記録ソフトの導入に当たりましても、介護現場の業務負担軽減に資する介護記録ソフト等のテクノロジーの導入について支援を行っているところでございまして、引き続き介護記録ソフトの一層の普及に向けて取り組んでまいりたいと思います。

森田委員 ありがとうございます。

 先ほど申し上げたような、入口から出口まで含めた、一体とした電子化とかデジタル化ということが必要だという話を申し上げましたけれども、やはり今、まだ非常に、パソコンの操作になじみのない方について、扱いづらいというのが多分本当のところなんだろうなと思います。

 先ほどデータをお聞かせいただきましたけれども、例えば電子カルテだとか介護のソフトにしても半分ぐらいのところが導入していないということは、さっきの電子請求の数字からしてみても、やはり請求は、とにかく打ち込んで、請求については打ち込んで送信はしたり、あるいはそれを書き込んで現物で出したりということはしていても、なかなかふだんの、電子カルテの入力であったりとか、あるいは記録を打ち込むまでの、例えば現場のデジタル的な力というか、そういったものが多分ないんだろうなと思います。

 これは、まだ現場に力が必要だと言っているうちはちゃんとしたデジタル化ができていないんじゃないかなと私は思っています。要するに、誰でもちゃんと現場にいる方が簡単に打ち込めるような、あるいは記録も自動的に取り込めるような、こういったことができて初めて現場のデジタル化とか電子化というのが達成されるというふうに思っておりますので、そういった意味では今過渡期だと思っておりますので、先ほどお話のあった標準化であるとか、あるいはもうちょっと簡単に入力できるような仕組みであるとか、こういうことを是非厚労省としても積極的に取り入れていっていただきたいなというふうに考えております。

 また、医療と介護というのをセットでお話をさせていただきましたけれども、医療については、義務化するかどうかというのはいろいろな議論がありますけれども、保険証を電子化したと。介護の方の保険証もあるわけですけれども、これについての電子化というのはどうなんでしょうか。

羽生田副大臣 介護保険証につきましては、現在のところ、六十五歳となったときに被保険者に一斉に送付をされるという形を取っておりまして、そしてまた、要介護認定の申請のときに、添付書類としてこの保険証を使うという形になっておる。そしてまた、サービスの受給時には事業者への提示が必要となるというようなことで、紙を前提として現在のところ手続が行われているというところでございます。

 こうした手続を電子化することで、例えば、利用者や事業者の手続がマイナンバーカード一枚で完結することが期待されているわけでございますけれども、本年二月二十七日に行われました社会保障審議会介護保険部会で議論を開始したところでございます。

 また、こうした見直しに当たりましては、自治体の業務フローやシステムそのものの見直し、あるいは、様々な事情を持った方への配慮というものがよく検討されていかないと非常に問題になってくるということもありますので、今後、関係者の意見をよく聞きながら、介護保険部会等でしっかりと議論を進めてまいりたいと思っております。

森田委員 デジタルに対応できない方への気遣いをするというのはどこかで聞いたような議論なんですけれども、私は、医療でできるのであれば介護でできるという考えで当然なのかなと。まあ、義務化するかどうかとちょっと話は別にして。

 さっき、介護の記録ソフト、入力ソフト、計画書の作成なんかに七割使っている事業所があるというお話、種類によりますけれども、ありましたけれども、ということは、データでやり取りできる仕組みをつくっていただければ、七割はかなり円滑に取り入れることができる、データでですね。そうすると、やはり今は、介護保険の番号をまず打ち込んで、それで、名前は誰々です、今度は生年月日がどれどれですと、こういうことを全部手打ちで打ち込んでからいろいろな介護の計画等に入っていくというようなことがありますので、繰り返しになりますけれども、一体的な考え方をするということはすごく大事なことだと思いますので、是非こういったところも取り組んでいただきたいなというふうに考えております。

 それから、ちょっと具体的なところに入りますけれども、処遇改善という話がございまして、いろいろと介護の、福祉に関わる人の賃金がすごく安い、こういう中で、何回かにわたって、ずっと今、加算を取れるような形でやってきております。

 事業所にとっては、非常にこの書面を作るのが厄介でございまして、今は、さっきほかの委員さんの御質問にもありましたけれども、紙ベースです。コロナもあったので、紙ベースをデータ添付で、メールに添付して送っていいですよ、こういう話にはなっているんですね。

 ただ、あくまで作っているものそのものは、エクセルのシートを何枚もつないであって、確かに今工夫をしていただいておりまして、ここのデータを入れるんですよとか、ここに入れればここに反映されますよとか、説明を書いていただいてはいるんですけれども、私がやっても非常に手間がかかりまして。色分けとかしておいていただいたんですけれども、処遇改善もいろいろな種類がありまして、普通の処遇改善と特定があって、今度、ベースアップのあれが出てきて、そうすると、普通にやっても三種類。元々の処遇改善の中にも一、二、三とあって、今、非常に入力がやりづらい仕組みになっています。書面ベースの仕組みになっていますけれども。

 これを、私、IT補助金のフォーマットを見せていただいて、ああ、これはいいなと思ったんですけれども、次はこういうことを入力してください、次はこういうことを入力してくださいといって、こうやって対話でやっていきながら入力をしていくと、最後に確認画面で、一覧で、こういうことでよろしいでしょうかということが出てくる。いろいろなウェブ上のやり取りをしていると、大体私たちはそういうものに慣れているんですけれども、そういうものにはなっていないわけですね。

 ですから、こういったこと、紙ベースのものをメール添付という考え方から、デジタルベースというか、ウェブベースというか、パソコンベースというか、そういった作業ベースで考えていただけると非常に現場としてはありがたいなと思うんですけれども、副大臣、いかがでしょうか。

羽生田副大臣 まず、介護職員の処遇改善に関わる加算の申請様式につきましては、エクセルファイルの形で厚生労働省のホームページに公開をしておりまして、関数機能による自動計算など、これまでにも入力負担を軽減する工夫はしてきたところでございます。

 こうした加算の申請について、事務負担が大きいという声、今委員からも御指摘いただいたように、非常に多いことがありますので、令和四年度の実績報告書及び令和五年度の処遇改善計算書から、まずは申請様式の簡素化を行ったところではございます。

 さらに、厚生労働省において構築した電子申請・届出システムにおいて、介護報酬の加算時の申請負担の軽減のために、申請ファイルのアップロードによる提出を可能としておりまして、先般、その使用を基本原則化するための省令等を改正したところでございます。

 また、引き続きまして、様々なデジタル技術を活用した介護現場の事務負担の軽減にはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

森田委員 是非よろしくお願いします。

 それで、ちょっと細かい話になるんですが、今、処遇改善の紙、紙というかデータなんですけれども、いろいろなところに出すようになっています。いろいろなところというのは、例えば、一つの法人で複数事業所があるといった場合には、ショートステイといったものを取るにしても、ショートステイの介護のものと、あと予防介護のものと、これは二つ、所管の官庁というかあれが違いまして、ちゃんとした介護の方は県に出す、予防介護の方は市に、市というか、うちの方だと広域の組合をつくっているんですけれども、県と市とですね。

 だから、同じものを作って、提出先というところだけ打ち換えて、それを県にまず送る。今度、市というか保険者の方に、市というふうに、あるいは組合の名前に置き換えて、中身は同じなんですよ、中身は同じなんですけれども、こっちのメールアドレスにまたそこだけ直したやつを保存して送る。こういうことになっておりまして、例えば、それが複数県とか複数市にまたがる場合には、この作業を、ここを換えるだけなんですよ、最初のところを。これを何回も、この同じような作業をやらざるを得ないというのが今の状況でして、例えば共通の受入れ窓口みたいなところをつくっていただいて、そこに事業者は全部、複数事業所のあれを、介護事業所番号とか打ち込んで、一括で送ってくださいと。そうすると、振り分けフォルダみたいになって、県に行くとか市に行くとか、あるいは違う県だとか違う市だとか、こうやって振り分けをしていただけると、中身は同じなんですから、そういうことをしていただけると非常に現場としては助かるんですけれども、こういう考えでどうでしょうか。

羽生田副大臣 ありがとうございます。

 いわゆる指定権者である自治体というところが状況を見まして支払いまでするわけでございますので、どうしても、今のところ、それぞれの自治体に請求を出す、申請を出すということになっておるのが現在の状況でございます。

 異なる地域に所在する複数の事業所、あるいは都道府県から指定を受ける事業所とか、同じ場所にあっても都道府県の指定であったり市町村の指定であったりする、そういう違いがあるということで、幾つもの申請を出さなければならないという手間が出てきているということは事実でございますので、複数の自治体に対しまして同じ処遇改善計画書あるいは実績報告書を届け出るというのが今現在必要になっております。

 いわゆる介護報酬の適正な支払いのために、指定権者である自治体というところがこうやって加算の要件を満たしているか否かというものをしっかりと見届けなければならないということも確かに必要ではございますので、現在はそうなっているところでございますけれども、やはり介護現場の事務負担軽減のためには、今委員おっしゃったように、事務手続のワンストップ化というものが必要であろうというふうに考えておりまして、電子申請・届出システムの使用によりまして複数の地方公共団体に対しましてワンストップで提出が可能となるようにシステム改修を実施する予定であるということで、今年度中にこれがスタートする予定でございます。

森田委員 是非これはお願いしたいと思います。

 今、処遇改善加算を受けていない事業所が一定程度あると。九割ぐらいは何らかの形で受けていただいているそうですが、これは是非、余り難しくして、もううちはいいやというところが出ないように、これは質問じゃなくてお願いだけにさせていただきたいと思いますので、是非引き続きお願いいたします。

 河野大臣に伺いたいんですけれども、先ほど、申し上げてきたとおり、今、紙ベースのものなんだけれどもメール添付でいいよという、非常に過渡期の現象というのがありまして、あるいは、作る側としては、エクセルに、ここがどうです、あそこがどうですと、シートがこうあって、何だりかんだりして、非常に分かりづらい仕組みになっているんです。

 いや、それを一から厚労省にお願いしますよといってもなかなか厳しい部分もあると思いまして、何か共通の、さっき例として申し上げたのは、IT補助金の仕組みなんかは非常に、対話式で、こうやってください、こうやってくださいと入力していくと、最後、できましたと。こういうような形ができると、非常に事業者というか申請する側としてはありがたいなと思うんです。

 是非、共通のフォーマットというか形式を、ある程度、いろいろな形で、改善したりしながら、省庁にいろいろな形でやり取りをするなんというのもデジタル庁が中心となってということも必要なんじゃないかなと思いますが、この辺、いかがでしょうか。

河野国務大臣 メール添付は余りデジタル化とは言えないんじゃないかなと思っておりまして、これは何とかしたいと思っております。

 それで、もうデジタルで完結できるように、申請から処分通知のところまでデジタルで全部完結できるようにしようと。それから、先ほどお話がありましたような、同じようなことを何回かやらなきゃいけないというようなことも、これもワンスオンリーで全部できるようにしなければいかぬし、ワンストップというのは当然のことだと思っております。

 今、年間の手続が一定件数以上あるものを調べておりまして、そういうものについてはきちんとデジタル完結ができるように、しかも、やりやすいデジタルでできるようにするような調査をしております。

 今ありますのが、Jグランツという汎用の補助金申請機能がございまして、これは国、地方自治体、合わせて恐らく七百件ぐらい補助金の申請に使えるようになっているのではないかと思っておりますので、これも広げることもしっかりやっていきたいというふうに思っております。

 とにかく、デジタル化しましたというだけでなく、デジタル化で効率化が図られた、便利になった、楽になったと言っていただけるようなことをしっかり、分かりやすくなったというのも含め、目指していきたいというふうに思っております。

森田委員 是非お願いしたいと思います。

 今回の件は、直接申請しているのが県とか市になっているものですから、恐らく国に対する申請件数で見ちゃうとそんなに多くないんじゃないかなと、ちょっと分からないですけれども、どういう把握をするのか。是非、ちょっとその辺も頭に入れていただけると大変ありがたいなと思っております。

 最後に、副大臣、もう一点、ICT化に関して。

 今、介護ロボとか、あるいはいろいろなセンサー、センサーベッドとかということで、結構安全につながったり、現場の職員の負担、特に心的なストレス、精神的なストレス、これを軽減するようないろいろなものが出てきておりまして、これも積極的に、できれば加算とかも含めてやっていただきたいなと。今いろいろな補助金でやっていただいていますけれども、こういうことをお願いしたいなと思うんですけれども、最後、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

羽生田副大臣 今一番大変なのは介護人材が不足しているというところでございまして、これを補うためには、今お話が出ましたように、いわゆる、そのままベッドに寝ているかどうか、起き上がって動いているかどうかとか、そういったセンサーもいろいろ出てきておりますし、それから、介護のロボットもいろいろ出てきているということで、人材を確保するためには、いろいろ出てきているということで、これはしっかりと伸ばしていきたいというふうに思っております。

 これを介護報酬の中に加算という形で入れられるかどうかというのは、来年度が改定でございますので、十分に議論をしていただきたいというふうにも考えているところでございます。

森田委員 本当に、入口から出口、あるいは現場も含めて、いろいろな形で是非デジタル政策あるいは電子化、こういったものを推し進めていただきたいと思っておりますので、河野大臣、羽生田副大臣、是非引き続きよろしくお願いいたします。

 以上で質問を終わります。

橋本委員長 次に、堀場幸子君。

堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。

 デジタル社会形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思います。

 そもそも規制改革ですので、我が党としては、本当に一刻も早く進めていただきたいというのが我が党全体の意見だとは思うんですけれども、それに付随する様々な事案について少しお尋ねをさせていただきたいなというふうに思っております。

 そして、このデジタル、規制というのは、あくまでも、アナログというものはいい面もあったのかもしれませんけれども、やはり様々なデジタル技術というツールを使って、より客観的に判断したり対応したりすることができる、そして人の手を使わずに最終的なところまでいけるようになるというのが目標なんだろうなというふうに理解をしています。

 例えば、人間の第六感とか、五官を使った人間の感覚を大事にしなければならないというようなお話もあったと思うんですけれども、人間の感覚というのは、それぞれ客観的な根拠があると思うんですね。

 例えば何か、異臭がありました、異臭騒ぎがありましたとなると、その異臭というのは、空気中の中に違う物質が、目に見えないですけれども、違う、何か異物の物質が入って、それを感知するということですので、そういったセンサーがあれば非常に、人の鼻で感じることができないものであってもできるのではないか。そして、原因を分析して、その物質を分析して対応するということまでできるようになる。これが、人間がやるよりも客観的なエビデンスに基づいて判断し、行動していくことができるようになるということなんだというふうに理解をしております。

 そういったデジタル社会を目指しているというところで、デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表について質問をさせていただきたいと思います。

 工程表の実効性というものとスピードについてお尋ねをします。

 技術検証が必要な項目というのが十四省庁の中で千四十三条項とされているんですけれども、その詳細について教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに今先生から、人間の五感の総合的な感覚というお話がございました。

 例えば、災対法の罹災認定のときに行います建物、構造物の管理状況や損傷状況等の検査、調査。これはなかなか、何ミリまでのクラックが見つかればいいとか、そういう客観的な基準に頼ること自体、いろいろな意味で難しい面がある規制でございます。

 それから、例えば自然公園法。屋外にある特定の地域に立ち入って調査を求める。自然公園のありようや態様、置く設備等々について、これで本当にいいのかということも、これも極めて総合的な判断が求められるものでございます。

 また、臭いというお話がございました。鉱山保安法施行規則第二十九条第一項では、空気中の放射性物質の濃度測定など、採取した試料等と。これもやはり、何が問題かというのが先に特定できていれば客観的に測ることも可能なんだと思いますが、そこも含めて総合的に判断してどうかというところが、どこまで技術に頼れるかでありますとか、技術を超えたところで法施行の実態として納得感が得られるかという意味では、直ちに切り替えると、難しいところがございます。

 こういったところは、できるできないだけではなく、検証した上で納得感を得ていくというプロセスも必要ではないかといったようなものが千四十三ございます。しっかりと一つ一つ丁寧に潰してまいりたいと思います。

堀場委員 ありがとうございます。

 そして、まだ開発されていない技術、実用性を持って、一般的に使われるためにはもう少し検証が必要なものという技術もたくさんあるんだろうと承知しております。なので、一つ一つこういったものは実証した上でやっていかなければならないというふうに思っているんです。

 一方で、技術的な知見や適用の可能な技術についてはどのように獲得していくのか、これも先に教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 大きくは二つあろうかというふうに思います。

 まず、デジタル庁の方で必要な予算を確保いたしまして、条項ごとに、例えば、カメラの目視の問題でありますとか、センサーの問題でありますとか、幾つか類型化をいたしまして、こちらから分かる範囲でまず技術を取り上げて技術検証を、ただ待つだけではなく、積極的にやっていくということがございます。

 それからもう一つは、そうはいっても政府が知らない技術がございます。今回のテクノロジーマップを作る上でも、公募により、アナログ規制の見直しに活用可能な技術ということで三百以上の御提案を結果的にいただきまして、我々が事前に知らないものも随分含まれておりました。

 マップの改定に合わせて両面進めていくことによって、できるだけ広く、様々な技術をこぼれなく拾えるようにということで努めてまいりたいと思います。

堀場委員 この工程表、本当にいろいろ難しいところはあると思うんですけれども、既にできるものもあるというふうに思っているんですね。なので、期日というものが令和六年六月までの二年間ということでなっているんですけれども、今すぐできるものもある。この二年という歳月が長く感じるんですが、大臣の所見をお願いいたします。

河野国務大臣 この工程表、元々三年だったものを二年にいたしましたが、これは終わりを前倒ししたということで、この中には既に、やって、終わっているものもありますし、もうできているものもあります。

 ということで、いつ終わりにするかというのを来年の六月ということでお示しをしているだけでありまして、できるものはどんどんやっているところでございます。

堀場委員 ありがとうございます。

 やはり、できるものからどんどんやっていくというのが、今の時代、なかなかスピード感を持って対応するということができないんだなというのが感じているところだったんですけれども、随時やっていっていただいて、六月までに絶対に、絶対にとは言わないですけれども、終わっていくんだという思いを、私も思っておりますので、是非頑張っていただきたいなというふうに思っております。

 私たち、いろいろお話をしているんですけれども、やはり地方自治体においてアナログ規制の見直しというのはどういうふうにできるのかなというものを少し考えていきたいなというふうに思っています。

 先ほどから何度も名前が挙がっている、テクノロジーマップというものと技術カタログについてお尋ねをしたいと思います。

 アナログ規制について活用が可能な技術を示しているのがテクノロジーマップなんですけれども、この製作の頻度というものはどの程度か教えてください。

河野国務大臣 この法案が成立しましたら、この夏をめどに第一弾を公表しようと思っております。これは随時内容が陳腐化しないよう更新をしていかなければいけませんので、海外あるいは国内のテクノロジーの事例を調べたり、あるいは、様々、所管省庁やら民間企業から情報提供をいただいたり、あるいは有識者に点検をしていただきながら随時更新をしてまいりたいと思います。

堀場委員 つまり、アップデートしていくというのは、その都度、新しい技術が出てくるとそれを少しためていただいてアップデートしていくんだというふうに思うんですけれども、やはり今、技術の進歩の具合というのが非常に加速化されている時代だというふうに思います。なので、テクノロジーマップもどんどんどんどん新しい技術を紹介していくということをしていただきたいなというふうに思います。

 そして、各自治体の中でビッグデータを活用して全国的に横展開をしていくような取組というのは想定されているのかなというのをお聞きしたいんです。

 これは何かというと、前回、私、文科委員もやらせていただいておりますので、ナノテラスというところに視察に行かせていただいたんですけれども、そのときに、軟エックスという放射線、新しい技術を使うと今まで見えなかったものが見えるようになると。そして、例えばコンクリートというものも、しっかりと当てることによって、どの程度劣化していくのかとか、それに必要な物質はどういうものなのかというものが画像として見えるようになってくるというふうに説明をしていただきました。

 一つ一つのそういった技術で、コンクリートにそれを当てて見ていくと、やはり、今まで人間が目視で判断していたもの若しくはその場で何かピピピッとかいってやっていたものが、そういった最先端の技術を使うことによって、どんどんどんどん、その場に行かなくてもいろいろな判断ができるようになるというふうに考えているんですね。

 なので、そういった技術のデータを、今度ナノテラスでは、大きな、ビッグデータをためて、そしてそれがみんなで活用できるようにしていく、そういうところまで東北大学のプロジェクトと一緒にやっているというふうに聞いています。

 なので、そういうデータの連携基盤、そういうふうなのはどういうふうになっているのかなということをお尋ねしたいと思います。

河野国務大臣 様々なデータが相互利用できなければ意味ありませんから、相互接続あるいはシステムの将来的な拡張性、これを大事にしなければいかぬということで、政府として、基本となるアーキテクチャーの整備を進めているところでございます。

 また、地方自治体が様々なデータ連携基盤をつくるための整備の支援としてデジ田の交付金を出しておりますが、その際に、地域同士で連携がつながらなかったりということになってはいけませんので、基本的な中核部分はデジ庁で無償提供をする。なるべく、重複で開発するというような無駄がないように、また、拡張性、相互接続性がきちんと担保できるように、そういうところはしっかりデジ庁で見ていきたいというふうに思っております。

堀場委員 デジ田でやっているデータを、すごくたくさんの自治体がそれを、デジ田の交付金でいろいろな整備をされていると思っているんですけれども、やはり、確かに日本という国は、北は北海道、南は沖縄まで様々な気候のエリアがあって、同じような、劣化のスピードが同じかどうかと言われるとそうではないのかもしれないけれども、大臣のおっしゃるとおり、せっかくここでお金をかけて調べて分かっていることを隣の自治体も同じようにやっているのでは、これは少し、データ連携の意味がないし、もったいない。

 だからこそ、やはり、地方分権とそこのデータ連携というのはちょっと分けて考えて、国の税金で集めたデータなので、そこをもっと連携をさせていただいて、それを活用するというところまでしっかりとデジタル庁でやっていただきたいというふうに思っています。

 やはり、各地方自治体でそのデータを集めるところまではうまくいくのだとは思うんですけれども、横展開をしていく、ちょっと調べて分かるようになっていくというところまで持っていくというのは各地方自治体にはできない部分だと思っておりますので、これはデジタル庁でしっかりと牽引していただきたいなと思っている部分だというふうに言わせていただきたいなと思っています。

 そして、このデジタルカタログというものを参考にして、地方自治体のデジタル化の取組が進むんだと思うんですけれども、デジタル庁はどのようにコミットをしていくのか。インタラクティブなやり取り、相互にいろいろなことをやり取りをすることが必要ではないか。

 カタログがぽんとあって、それを見て、それも分かるようになっているとは思うんですけれども、やはり、先ほども人材が少ないということもあったんですが、そこにもう既に働いている人がデジ庁と一緒になってやっていくことで理解が増えて、別に、学びに行ったりとか、リスキリングしたり、新しい人材をとしなくても、そこに既にいらっしゃる方が今デジタル庁でやっている様々なものを理解して使いこなすことができれば、それはそれで私はいいんじゃないかなと思っているので。

 このデジタルカタログを参考にして、地方自治体のデジタル化の取組というのは進むのか。また、デジタル庁はどうやってコミットをしていくのか。この辺り、大臣、お願いします。

河野国務大臣 今、デジタル庁は、テクノロジーマップと併せて技術カタログというのを作ろうと思っておりまして、技術カタログというのはアナログ規制の見直しに役に立つ具体的なもの、それが、どのような企業がどんな技術を持っているかというのをしっかりと整理をして、これを自治体にも公開をしていこうというふうに思っております。ちっちゃな自治体でも、これを参照していただくことで、アナログ規制の見直しに何を使っていけるのかということが分かるようになります。

 もう一つは、判こを、認め印を廃止するときにもやりましたけれども、こうやってくださいというマニュアルを作って、自治体にそれをお示しをして。今デジタル庁にはかなり多くの自治体から人を出していただいておりますので、そういう人に間に、リエゾンになっていただいて、このマニュアルの説明をしながら、今、公募で十五団体ですかね、十五の自治体を公募して、実際にそのマニュアルに沿って見直しをやっていきましょう、実際にやったらどういう課題が出てくるかということを調査して、その課題をクリアするためにどうやりましたということを、必要な自治体とそれをベースに共有をしていく。それから、財政的な支援が必要なところはデジ田の交付金を使っていただく。

 それからもう一つは、今、デジタル庁と自治体の職員が、デジタル改革共創プラットフォームですか、これを使って日常的にコミュニケーションを取って、ここが分かりませんとか、ここはどうなっていますかという、お互い、情報を提供してもらったり、質問ができるというようなことを日常的にやっておりますので、こういうことを通じて小さな自治体にもしっかりとサポートをしてまいりたいというふうに思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 やはり、日常的な交流がないと、コミュニケーション、日常的な人的な交流というものが非常に重要で、ただ作ったマニュアルを、はい、やってくださいねということであったり、それでは人も育たないですし、人を育てるというのはやってみないと分からないこともいっぱいあると思いますので、今、公募でやられた、実証実験というふうに呼んでいいのか分からないですけれども、実際にやってみるというところまで来ているので、ここをしっかりと進めていただきたいなというふうに思っております。

 やはり、各地域で活用していただくというのは非常に重要なところなんだろうなというふうに思っておりますので、まずはやってみるというのは大事なんですけれども、デジタル人材というのはいないんだよねというのが今この委員会でも何度か議論になっているかと思うんですけれども、デジタル人材という名前の、カテゴライズの人はいないかもしれないですけれども、普通に、例えば教育に携わっている人が非常にデジタルに精通しているという人が増えればいいと私は思っているんですね。

 だから、デジタルだけがすごくできる人ではなくて、ほかの業務をしている人が、みんなが一定程度のデジタルスキルを持っているという状態にしていくためには、やはり、人的な交流と情報交換、これが非常に重要で、日常的にデジタルを使っていくということを常に意識する、ここがスタートラインだと思うんですけれども、それを非常に重要だと思っていますので。

 今やられていることは本当にすばらしいと思っていますので、是非、どんどんどんどん活用していただいて、より多くの自治体でテクノロジーのいろいろなマニュアルを使っていけるようにしてほしいなというふうに思っているところでございます。

 次に、テクノロジーマップの整備事業についてお尋ねをしたいと思います。

 先ほど少し、公募でやっています、そして三百以上、いろいろなお話がありましたということなんですけれども、このテクノロジーマップ整備事業の民間との連携方法というのはどうなっているのかというのをお尋ねしたいと思います。

 例えば、そういう技術があって、この間、レクでも言ったんですけれども、電話してきて、僕、こんなのできるんですと言うわけじゃないと思うんですよね。なので、そういったことも含めて、どうやって連携というものをしていくのか、教えてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 既に御指摘をいただいたとおり、現状でいうと、民間企業、直接は先ほどの情報提供依頼、RFIを依頼をしてということ、具体的には、デジ庁のホームページ上に、もう企業さんの方もデジタルをやっていらっしゃる会社さんなものですから、入力フォームを設けましたところ、企業七十二社から三百五十件近い情報というものが、当然周知もいたしておりますけれども、積極的にいただいているところでございます。これが現実的には一番有力かつフェアな方法かというふうに思ってございます。

 一旦、今テクノロジーマップの公表作業に向けてまとめておりますが、次の公表の機会等にもまた同じようなプロセスをひかせていただいて、また、都度、個々の企業さんからもフェアに情報が集められるようにということで、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

堀場委員 日本の中小企業、本当にたくさんある、ここにいらっしゃる皆さん、当然御存じなんですけれども、何かさっきの、書面を掲示するところでも、いや、パソコンを使えない中小企業さんはたくさんいますよねとおっしゃるんですけれども。

 そういう企業さんも、小売さんとかもあるかと思うんですが、一方で、世界の最先端を担っている中小企業というものも日本にはたくさんいる。特に大阪であったり京都というのはそういった場所ですので、中小企業であっても世界に勝負ができる技術を持っている。そういった企業さんはたくさんあって、当然、デジタルに非常に強い関心を持たれている企業もたくさんあるかと思います。そういった企業の強みというものをどうやって政府は知るのかなというのが、私はこのテクノロジーマップ事業のときにちょっと疑問に思ったことだったんですね。

 もちろん企業側からのアプローチは非常に重要なんですけれども、これは、私は一つのチャンスなんだなというふうに思っています。一つの成長戦略として捉えているんですけれども、国が宣伝をしてくれるわけですよね。こういう技術をこういう企業は持っていますよということを、たくさん広告費をかけなくても、立候補すれば、こんな技術だったら活用してほしいというようなことを国がテクノロジーマップ事業の中で宣伝をしてくれる。そうすると、全然見もしなかったところから注文が来たりとか。

 あとは、このテクノロジーマップはいろいろなテクノロジーが当然一つに載っているので、あ、自分たちはこういうふうに思っていたけれども、全国には、全然違うところで、こういう角度でやっているんだ、ということはコラボレーションしたらもっと面白いものができるかもしれないというような発想が生まれるというような、様々な意味において、私は、このテクノロジーマップ整備事業というもの、すごく成長戦略になるんじゃないかととても期待しているんですけれども、この辺りの大臣の御所見をお願いいたします。

河野国務大臣 今回デジ庁でやろうとしているテクノロジーマップは、アナログ規制を見直すのに使える技術ということで、ある面、ちょっと限定はされるわけで、半導体の最先端とかそういうところではないんですが、それでも幾つか、募集をしましたら、名立たる世界的な大企業も手を挙げた反面、スタートアップあるいは中小企業、名も知られないようなところが、うちはこんなのをやっているんですけれどもみたいなのもありましたので、今委員がおっしゃったように、中小企業が実は持っているけれども知られていない技術というのが、これで一般に無料で公表されて、おおということになるんだと思います。

 これも、アナログの規制の見直しというのをやってくださいといって全国の自治体にもお願いをするときに、これは北海道から沖縄まで、別に京都の企業だから京都の自治体に限らず、いろいろなところが、どんな技術があるんだろうと思って見てくれて、逆に、それが使われていくと、今度は公民併せていろいろなところが、こんなことをやっているんだというのが知られてくると思いますので、スタートアップや中小企業が新たに成長する種に十分なり得るというふうに思っております。

 そういう中で、昨年十月の総合経済対策の中に、成長戦略の一つとしてテクノロジーマップ整備事業というものを明記しておりますので、これは、単純にアナログ規制の撤廃とかデジタル化の推進というだけでなく、日本経済の成長の一つの材料になるというふうに考えております。

堀場委員 ありがとうございます。

 民間の中でも、民間で普通に仕事をしているところでも、やはり、アナログ規制とか、アナログというよりかは、このアナログを何とかデジタル化できないかなと思っている方はたくさんいらっしゃると思うんですよね。そういう方も、こういうものを見たり活用したりすると、投資が生まれて新たな成長になっていく。これは本当に、規制を改革するということが一つの成長戦略なんだと我が党はいつも言わせていただいているんですが、そういう本当に具体的な例なんだなというふうに感じているところです。なので、このテクノロジーマップ整備事業は本当にいいなと思っているんですね。

 なので、さっき臭いの話もしましたけれども、例えば、確かに人間の第五感で感じてきて、何となく、何が嫌か分からないけれども何かがおかしいみたいなのが最初にあってやってきたんですよね、私たちというのは。けれども、やはり、客観的なエビデンスに基づいて判断をするということが私たちにとって非常に重要で、それがデジタルなんだというふうに思っているんですね。デジタル化をする、アナログとデジタルの違いは何なのかというと、客観的なエビデンスが取れるということだと思っていますので、それによって安全性が向上するんだというところが非常に重要なんじゃないかなというふうに思っています。

 なので、アナログをずっと大事にしてきた人から見ると、この職人的感覚が非常に重要なんだとおっしゃられると思うんですけれども、その技を伝えていくのも非常に難しい時代になっている中でこういったデジタルで使っていくというのは、私は意味があるというふうに判断をしているところでございます。

 そして、このアナログ規制の見直しの状況についてもお尋ねしたいなと思います。

 地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルの活用状況を教えてください。

村上政府参考人 先ほどからマニュアルの公表については御説明をさせていただいているところでございますが、例えば、モデル事業を待たずに先行してやっているところでいうと、大分県、既に九百六十二の条項を洗い出し、福岡市、四百七十五の条項の洗い出しと、大きくて力のある自治体さんは、こういったようにマニュアルだけで、自分で対象となるアナログ規制条項を見つけて、今順次見直しをしている最中、このように報告を受けてございます。

 また、先ほど御説明したとおり、公募した十五自治体と連携をいたしまして、課題調査、マニュアルがこのままでいいか、もっと小さいところに行くと別のところが問題になるんじゃないかといったようなところの洗い出しをいたしまして、これを基にマニュアルを更に充実をしていくといったようなことをやってまいりたいというふうに思います。

 こうした取組について十分実態を調べさせていただいた上で、うまくいけば、痛いところ、かゆいところに手の届くマニュアルを作り、サポートできるようにというところで、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

堀場委員 この洗い出し作業の方法というものも、ごめんなさい、併せて教えていただいてもいいですか。

村上政府参考人 失礼いたしました。

 民間の出版社が持っているものではございますが、条規システムというものを、多くの自治体、ほぼ全ての自治体の条例、全部かどうかまだ確認はできておりませんが、ございます。これは、条例が実はもうデジタルテキストになってございますので、マニュアルにもございますが、これに特定のキーワードをかけ合わせていきますと、それだけでだっと、例えば目視を実地にといったようなものがだっと出てくるというものがございます。

 また、岐阜県などはこれを独自につくりまして、自分たちのところで検索できるツールを使っていただいて、これを、先ほど大臣から御紹介させていただきました、デジ庁の職員と自治体の職員がSlackでデジタル改革共創プラットフォームというコミュニティーを持ってございますが、ここに公表をしていただいてございまして、実務的にはそういうところで、また、現場の担当職員同士が、これはどうだった、あれはどうだったと、現に岐阜県のシステムにつきましても、もう二十くらいの自治体から問合せや関心をいただいているところでございます。

 こういった効果的な検索システムをまずはつくって、そこから洗い出しをしていくというのが第一歩かというふうに思ってございます。

堀場委員 この洗い出し作業がアナログだったらどうしようと思っていたんですよね。やはり、アナログ規制を洗い出す作業がアナログでは話にならないですから。デジタル化されているというのは非常に重要なことで、それをやっているんだったらそんなに時間はかからないんじゃないかなというのが、私自身の、加速化できるんじゃないかと言っている一つの理由なんですね。

 いまだ、私の知っている自治体では、紙で、聞いたことを書いて、複写されたやつをピリピリピリッと破って渡してくださる自治体があるわけですよね。やはりこういう自治体を見ていると、アナログ規制というのは本当に早くしなきゃいけないなと私自身が生活の中で感じるわけです。だから、急いでくれ、急いでくれと、本会議場であったり、こういったところで言うわけですね。

 加速化するというのは非常に重要ですよねと言うのは、やはり、アナログの洗い出し作業というものはもうデジタル化されているし、そして、これは今開発中の部分もあるとは思うんですけれども、その岐阜県の例が全国に行くとまた加速化されるというふうに期待されると思っておりますので、是非この加速化をしていただきたいというふうに思っています。

 やはり、地方自治体というのは、デジタル化には関係ないことも含めて非常に様々な取組をされていると思います。それの一つずつがアナログなんだというものもあるやと思います。そういうものに対して、地方自治体の独自の取組との関係性について大臣の御所見をお願いしたいと思います。

河野国務大臣 地方自治体も人口減少が結構進んでいる、その中で、自治体の職員、定員も増やすことができない中で、やはり、業務を効率化して必要なところに人を配置し直すということをやらなければいけなくなっている自治体というのはもうそこら中にあるわけで、そういう中でデジタル技術を使っていくというのは非常に大事なことだと思います。

 ついこの間聞いた話は、福井県のあわら市でしたか、都市排水路、今までは巡回して目視で見ていたけれども、水位計を入れて、監視カメラをつけて、もう人のそういう巡回をやらなくて済むようにするというような例があります。

 こういう、うちはこうやっているよという事案を、やはりテクノロジーマップのようなものに載せて、全国の自治体に、あ、うちも、じゃ、それをやってみよう、そういうことができるように、いろいろなところでやっている技術を一か所にカタログ化して、うちですぐできるものを、じゃ、うちもこれを検討しよう、そういうことがどんどん進んでいけば、情報共有をしながら、自治体の全体の効率化にもなっていくというふうに思っておりますので、デジ庁としては、そういう情報のハブをちゃんと提供して、そこにどんどんいいものを載せていっていただこう、そう思っているところでございます。

堀場委員 ありがとうございます。

 私がさっきから臭い臭いと言っていたのは、私がいた学校で、何かちょっとあったときに、空気の検査をする機械があって、それをガタガタガタガタ、台車に載せてごろごろごろごろやりながらやっていた光景がどうしても頭の中にあって、だったら、最初からこれをセンサーにして、しゅうっと学校の中を走ってくれれば、どこかで変な臭いがあったら、そこでピーピーピーでもいってくれたり、そこで原因を追求してくれれば、人がわざわざやらなくてもいいんじゃないかという思いがあったんですね。

 なので、そういったこと一つ一つがデジタル化されていく、そして人がいなくてもそういったことができるようになっていく。そうしたら、もしかしたら、危険な場所にもそういうふうに行って、人が一人助かるかもしれない。そういったこと一つ一つを考えると、このアナログ規制をどんどん進めていただきたいなというふうに思っております。

 本日はありがとうございました。

橋本委員長 次に、中司宏君。

中司委員 日本維新の会の中司宏です。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 この法案につきましては、ただいまの我が党の堀場委員からもありましたように、デジタル社会の実現に向けて規制緩和を推進していく、そういうことで受け止めております。ただ、その中で安心、安全ということは非常に大事なことなので、その観点から少し質問を、重複する点もありますけれども、質問させていただきます。

 横浜市の住民票などの誤発行のことですけれども、横浜市のコンビニでの誤発行にとどまらず、戸籍謄本とか印鑑証明の誤発行など、こうした事案が相次ぎました。さらに、マイナ保険証とマイナンバーとのひもづけ、この間違いなど、マイナンバーをめぐる深刻な事案が発生したと思っております。国民に、デジタル社会の進展にマイナスのイメージを抱かせるのではないかと危惧しているところであります。

 今回の法改正、先ほど言いましたように、デジタルの推進ということで、より一層、そのために、国民の中には不安があってはいけない、こういうふうに考えているわけであります。

 まず、マイナンバーカードを利用した証明書の発行とか保険証のひもづけの部分につきまして、各地で発生した様々な事案への対策についてどうされているのか、それぞれ、厚労省、デジタル庁からお願いしたいと思います。

三橋政府参考人 コンビニ交付におきます証明書の交付について、総務省からお答えいたします。

 これまでに、横浜市、足立区、川崎市、徳島市におきまして、別人の証明書が交付される事案が発生したことは把握いたしております。加えまして、複数市におきまして、申請者本人に対し、過去に廃止された本人の印鑑登録の証明書が交付される事案が発生したことを把握をいたしております。

 いずれも原因は、各自治体が事業者に委託して構築し管理する証明書発行及びこれに関連するシステムにおきまして、適切なプログラム処理が行われなかったことによって発生したものと報告を受けております。

 特に、別人の証明書が交付された事案につきましては、個人情報の漏えいに当たりまして、誠に遺憾でございまして、総務省といたしましては、自治体だけでなく事業者からも原因や総点検の状況について直接確認し、再発防止を強く求めたところでございます。また、全国の自治体やその他の委託事業者に対しましても、事案発生以降、総務省と地方公共団体情報システム機構から、運用監視の徹底やシステムの総点検等を要請しているところでございます。

 総務省といたしましては、関係機関とも協力し、引き続き、自治体や事業者から状況聴取等を行いながら、各自治体の証明書交付サービスの安定的な運用が図られるよう、また、国民の皆様が安心してサービスを利用できるよう、必要な対応を行ってまいります。

日原政府参考人 続きまして、マイナンバーカードの健康保険証利用に係る事案につきまして御答弁を申し上げます。

 今般の事案でございますけれども、これは、新たな加入者の方につきまして、保険者が誤った情報を登録したために、別の方のデータにひもづけられたことにより生じたものでございます。

 オンライン資格確認等システムにおきましては、これまでも実施機関におきまして新規加入者の方のデータをシステム的にチェックするなどの取組を進めてきたところでございますけれども、更なる対応として、本年二月のマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会の中間とりまとめにおきまして、資格取得届におきます被保険者の方の個人番号等の記載義務、これを法令上明確化すること、また、保険者によりますデータ登録時に、登録データの全件を住民基本台帳と照合する、J―LIS照会と言っておりますけれども、こういった対策を盛り込んでおりまして、保険者の登録段階におけるデータの正確性の確保の徹底を図ることとしたところでございます。

 また、本年四月には、保険者が加入者のデータ登録などを行う際の基本的な留意事項について改正を行いまして、個人番号の登録に当たりましては、資格取得届などに記載された個人番号に基づき登録することを原則とすること、提出されました資格取得届に個人番号の記載がない場合であって、やむを得ず保険者等がJ―LISに照会をして加入者の個人番号を取得する場合には、必ず五情報によって照会を行い、五情報が一致しない場合は取得せず、御本人への確認を行うこととして、保険者が誤ったデータを登録する余地がないよう改めたところでございまして、保険者による迅速かつ正確なデータ登録の徹底のための仕組み、こちらを更にしっかりと構築していきたいと考えてございます。

中司委員 よろしくお願いいたします。

 再発防止のための対策をしっかりと講じる、これは言うまでもないことですけれども。

 ちょっと順序を変えますね。

 この前の本委員会の中で、横浜の事例について尋ねた際に、河野大臣から、デジタル庁として、司令塔の役割をしっかりと果たして、各省庁と連携して、今後必要な対応に努めていくという答弁がありました。

 残念ながら、その後もこうした事案があったわけですけれども、担当セクションが徹底した原因究明、再発防止を講じるということはもちろんですけれども、一方で、デジタル社会の実現の司令塔であるデジタル庁としての役割、これはやはり責任が重いと思うわけでございます。

 報道によると、今回の当事者ですけれども、保険組合とか、それから総務省、デジタル庁、それぞれに問い合わせたところ、どのオペレーターからもこれは対応できないという返答があった、こういうことでございました。

 一連の事案について、一般国民としてはどの部署に相談すればいいのか分からないわけでありますので、いざそういう、障害とか、それから間違いがあった場合に、身近にできる、ワンストップで、そういうものがあれば安心であるわけであります。

 問題発生の原因がどこにあって、どういう形で再発防止に取り組んでいくのか、これは、行政サイドで調整して、その結果、利用者に伝えるというのは当然のことでありますが、まさに司令塔であるデジタル庁としてしっかりと果たしていかなければならない役割があると思っています。

 今後も、利用拡大に伴ってこうした情報流出などのリスクは増えてくると思いますので、今回の件で広がった不信感とか、こういうものを払拭するために、やはり大臣としての発信力とか調整力が問われると思いますので、その点について大臣の見解をお伺いします。

河野国務大臣 当初、この件でお尋ねがあったときに、たらい回しになってしまったということで、大変申し訳なく思っております。

 マイナンバーの総合フリーダイヤルというのをつくりました。〇一二〇―九五―〇一七八でございますが、まずはここにお尋ねをいただく。あるいは、保険証情報の誤りがあったときには、このフリーダイヤルあるいは御自身が加入されている保険者のいずれかにお問い合わせをいただければ、適切にその後対応ができるように関係機関に周知をしているところでございますので、たらい回しになるということがないように、何かあったらこの総合フリーダイヤルを御利用いただきたいというふうに思います。その旨しっかり周知をしてまいりたいと思います。

中司委員 ありがとうございます。

 このための対策を、今言われたように、しっかりとやっていただくということは言うまでもないんですけれども、各自治体においてです。これは先ほどからも出ていますが、デジタル人材の育成、確保、これが十分でないということであります。そのために、システムを提供するベンダー等のシステムエンジニアに頼らざるを得ないというのが実情だと思っています。

 本来、自治体の担当部局がシステム管理のデジタル対応能力を向上させてしっかりとやっていく、対策を講じていく、こういうことでなければならないと思っています。

 今後、積極的に推進していくためには、人材育成を始め、官民連携によるシステムの構築を格差なくやっていくということも大事だと思っています。そのために、デジタル庁、総務省が連携を密にして、自治体へのサポート体制をしっかりとやっていただきたいと思うんですけれども、その点についての見解をお伺いします。

足達政府参考人 委員御指摘のとおり、今後、システム調達とかプロジェクトマネジメント等におきまして組織の中核を担っていく、そういった人材を各地方公共団体において集中的に確保、育成していくことが極めて重要というふうに考えております。

 総務省では、こうした職員育成に要する経費や、また都道府県等において市町村を支援していくためのデジタル人材の確保、こういったものに要する経費につきまして、今年度から新たに特別交付税措置を講ずるなど、デジタル人材の育成、確保に向けた取組を大幅に拡充してきたところでございます。

 今後とも、地方自治体におけるデジタル人材の確保、育成の取組が着実に進んでいきますよう、関係省庁と連携しながら、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

中司委員 よろしくお願いします。

 先ほど言いましたように、自治体によって格差が出ないような、そういう形をしっかりとやっていただきたいなというふうに思っております。

 次、デジタルデバイドについての問題なんですけれども、これについても、デジタルを活用できる人と活用できない人、この格差は特に高齢になってくると拡大していくということで聞いております。

 今はデジタル機器が使えても、加齢に伴って紙ベースに戻ってしまう、そういうこともあろうかと思うんですけれども、高齢者に限らず、今後、一定の割合で存在するデジタルデバイド、この問題の解消も、誰一人取り残さないデジタル社会の実現につながるものと考えますけれども、それについての見解をお願いいたします。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 最終的には、行かなくてもオンラインで済む市役所等々、高齢者にもデバイドの方にも便利なはずでございますが、その手前で、スマホの基本的な操作を始めとして、基本的な操作ができないといったところをまず乗り越えなければならない、重要な問題だと思ってございます。

 主としましては、そうした方々をサポートするために、デジタル推進委員として現状約二万五千人の方々を任命させていただいております。こうした方々には、マイナンバーカードの健康保険証としての利用登録や、医療機関、薬局での使い方、最近広がり始めております、地域でサービス提供される交通アプリや健康アプリ等の利用方法といったようなところを丁寧にアシストできるようにということで、情報も共有してございます。

 彼らを中心としながら、丁寧にサポートできるように、一層取組を強化してまいりたいと思います。

中司委員 次に、安心、安全の観点から、セキュリティーに関連してお聞きします。

 まず、今回の法改正によって、テクノロジーマップ及び技術カタログが作成されて、ガイドラインなども公表されるわけでございますが、その中に監視カメラや防犯カメラ等も位置づけされておりますけれども、河川の監視カメラについて、先般、国交省の近畿地方整備局の管内において不正なアクセスがあったと聞いております。原因は初期設定のパスワードが変更されていなかったということだと説明も受けましたけれども、こうしたケースが安全に対する疑念につながると思います。

 セキュリティーの問題についてこの委員会でも繰り返し質問されていますけれども、やはり、安心、安全なデジタル社会を実現するには、しっかりと戸締まりしなければ忍び込まれるんだ、そういう意識を高めて、不正なアクセスとか情報漏えいを防ぐ高度なセキュリティーの対策を行うべきだが、その点について見解をお伺いします。

甲川政府参考人 委員御指摘ございました不正アクセスの被害を受けた河川監視カメラは、簡易型と呼ばれる、携帯電話回線を利用して静止画を送る通信システムのものでございまして、外部からのアクセスを防止する通信ポートと、それからパスワードの設定、これが適切でなかったということが原因だと考えております。

 今回、不正アクセスが判明した時点で、即座に近畿地方整備局管内の簡易型カメラについては通信を停止させました。それから、全国全ての簡易型カメラにつきまして点検をしまして、対策が必要なカメラの特定を行い、カメラの交換、通信ポートの閉塞、パスワードの再設定といった不正アクセス防止策を講じ、出水期に向けた配信再開を目指しているところでございます。

 国土交通省としましては、関係府省と連携し、同様の事案を未然に防止するため、不正アクセスの防止策を徹底してまいります。

中司委員 徹底していただきたいんですけれども、本来、安心、安全のために設置するはずのものですけれども、利便性とか効率化を優先する余りにセキュリティー面がおろそかになるようであれば、これは本末転倒だと思います。そうならないように、しっかりと対応していただきたいと思うんですけれども、ただ、カメラに関して言えば、このところ、中国製の監視カメラについて、セキュリティーの面から問題視する声も上がっています。

 そこで、政府機関が調達するカメラなどの機材について、サイバーセキュリティーの観点から、どのようなリスク管理を行っているのか、これについてお伺いします。

吉川政府参考人 お答え申し上げます。

 政府が情報システムを調達する際には、情報の窃取、破壊、情報システムの停止等、悪意のある機能が盛り込まれるおそれがあるなどの、いわゆるサプライチェーンリスクへの対処が重要であると認識をしております。

 具体的には、政府機関等のIT調達におけるサプライチェーンリスクに対応するため、特に防御すべきシステムとその調達手続を明確にした申合せを行いまして取組の強化を行っておるところでございまして、この対象には監視カメラも含まれているところでございます。

 この申合せに基づき、政府機関等は、調達するIT機器等について内閣サイバーセキュリティセンターに必要な措置の助言を求めた上で、利用の可否を判断をしているところでございます。

 特定の国や企業の製品を排除するものではございませんけれども、リスクが高いと判断された製品が利用されることがないことを担保するものであり、今後とも、政府としては、この取組を適切に運用することにより、セキュリティーの確保に万全を期してまいりたいと考えております。

中司委員 ありがとうございます。

 民間の施設であっても、空港とか駅など重要なインフラについては、やはりサプライチェーンのリスクにおいて同様の対応が必要と考えておりますが、時間が参りましたので、この点については要望に代えさせていただきます。

 通告しておりましたオンライン審議への対応については次の機会にさせていただくこととして、質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。

橋本委員長 次に、住吉寛紀君。

住吉委員 兵庫県姫路市よりやってまいりました、日本維新の会の住吉寛紀でございます。

 本日は、デジタル規制改革推進の一括法案について質問させていただきます。

 この法案について、書面掲示規制の見直しに係る改正が規定されております。この改正は、特定の場所において書面で掲示されたものについて、インターネットによる閲覧等を可能とし、いつでもどこでも、必要な情報を確認できるようにすることで、利便性の向上を図ることを目的としております。

 この改正の方向性は合理的であり、速やかに進めていっていただきたいところでございますが、一つ気になるのは、従来の書面による掲示がそのまま残るという点でございます。書面掲示を残したままインターネットによる閲覧を可能にすると、業者の負担も増え、デジタル化の進行にも逆行するのではないかと思います。

 なぜこの書面掲示を残しているのでしょうか。また、今後はデジタル化に一本化するお考えはないのでしょうか。政府の見解、お伺いいたします。

河野国務大臣 今回、デジタルで、インターネットでいろいろな許可状況などを掲示をしていただくことにしたわけでございますが、例えば、分かりやすい例でいいますと、質屋さんとか古物商とか、その場で、対面で取引が行われるところで、その場で、果たして本当にここはそういう許認可を持っているのかというのがやはり確認できた方がいいんだろうと。それからもう一つ、まだ全ての利用者がデジタルで物事をやられているわけではないということを考えると、そういう場所に、ちゃんとうちは正規な許可を持っていますよというのを掲示してあるというのは、非常にまだ役に立つんだろうと思います。

 ただ、そういうところでも、ネットでしっかりと出していただければ、あらかじめ調べてそこへ行くということもできるようになりますので、そういうことはまず始めていきたいというふうに思っております。

 今後の状況を見ながら、ほぼ全ての方がスマホなりなんなりでそういうものを確認できるというような状況になった際には、もうそうした要件は要らなくなるのかなというふうには思っておりますので、今後、様々な状況を見ながら、そこの、現場での書面掲示については考えてまいりたいというふうに思います。

住吉委員 業者の負担にならないようにお願いしたいと思います。

 また、続きまして、この書面掲示規制の見直しの中にもございますが、森林法に関して、森林管理に関する質問をさせていただきます。

 日本の国土の七割は森林が占めております。近年多発するゲリラ豪雨、毎年のように土砂災害のニュースを目にします。森林を適切に管理するということは、国民の生命財産を守ることにもつながります。持続可能な森林管理を進めていかなければならないということは言うまでもありません。

 しかし、多くの市町村では、林務部局、係とか、そういったところもございますが、小規模で職員数が余り多くなく、ほかの業務と兼務しているケースも珍しくありません。このような状況で森林整備や調査を行うのは、かなり手いっぱいであり、また、厳しい状況であると考えます。

 まずは、地方自治体の森林管理の体制の現状と課題について、政府の認識をお伺いいたします。

小坂政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、森林管理の現状、課題ということになりますと、木材価格の低下等による林業の低迷、さらには、森林所有者の世代交代、不在村化の進行等によりまして森林所有者の林業経営の意欲が低下する、それとともに、所有者不明森林、境界が不明確な森林が増加していまして、こういったことが適切な森林の整備、保全を図る上での課題となっています。

 こうした中、令和元年度から、森林経営管理制度により、市町村が森林所有者に森林経営の意向を確認し、自ら管理経営できない場合、所有者が不明な場合については、市町村が代わって経営管理する、そういった制度を進めているところでございます。

 こういった中、御指摘のとおり、この制度の運用を担う市町村の林務担当職員でございますけれども、全国で約三千人程度と、一市町村当たりにすると平均で一から二名となっていまして、例えば、私有林人工林千ヘクタール以上の市町村、全国で九百七十七ございますけれども、こういったところでも職員数がゼロの市町村が一割存在する、脆弱な状態になっているというふうに考えています。

 こういったことから、農林水産省におきましては、総務省とも連携して、市町村等の体制強化を進めているところでございます。

住吉委員 多くの森林に関しては課題があると思っております。特に、担い手がどんどんいなくなって、そして、先ほど御答弁にもありましたが、所有者不明森林、これが増加している。

 答弁の中にもありましたが、ちょっと次の質問で、森林経営管理法、この施行状況についてお伺いしたいと思います。

 この制度、二〇一九年四月からスタートした、所有と経営のミスマッチを解消するために創設された制度でございます。この制度は、森林所有者と自治体の責任の明確化、対象は経営管理が行われていない森林、市町村に仲介役と直接管理の役割、意欲と能力のある林業経営者の選定、育成の四点を柱とし、林業の成長産業化と森林管理の適正化の両立を目的とするものです。

 この制度がスタートして四年が経過したわけですが、先ほども御答弁ありましたが、地方自治体の森林の職員の数というのはかなり少ない中で、この森林経営管理制度の施行状況、これは今どのようになっているのか、政府の見解をお伺いいたします。

小坂政府参考人 お答えいたします。

 森林経営管理制度につきましては、令和三年度末時点で、私有林人工林があり、制度の活用が必要な市町村、その九割においてはもう取組が進められておりまして、令和元年から三年間の累計で、約六十万ヘクタールの意向調査を市町村によって行っていただいているところでございます。

 この意向調査のうち、二百六十二市町村で約九千ヘクタールの森林において法律に基づく経営管理集積計画が策定され、市町村が経営管理の受託を、受けるなど、森林の管理経営の集積、集約化の取組が本格化してきていると思います。

 引き続き、市町村の体制整備への支援をしっかり進めながら、この制度の円滑な運用に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

住吉委員 制度としては別に私も否定するつもりもないですし、しっかりとこの制度を運用していただきたいなと思っております。

 その一方で、なかなか地方自治体の人員が少ないという課題もあります。そこで、新技術を活用した森林管理に関してお尋ねしたいと思います。

 このデジタル規制改革推進一括法において、デジタル技術の効果的な活用のため、テクノロジーマップの公表、活用に関連する規定が定められております。この中で、カメラ、ドローン、画像診断等が記載されておりますが、例えば森林の境界が不明といったような場合に、ドローンで写真を撮り、それを3Dマップ化して、人が現地に行かなくても境界を確定するようなことが可能になったりするのではないでしょうか。

 私も、森林所有者の、森林経営の視察といいますか、知り合いにいたので、少し山を見せていただいたときに、いろいろ説明いただいたんですが、この石が境界なんだということで、これは動かそうと思えば動かせるなというような、そんなずさんな境界、これは実際よく話があると思いますが、そんな状況になっています。

 そうではなくて、やはり、例えば座標でしっかりとデータ化して、そして未来永劫、様々な課題はありますが、境界の確定というのはかなり市町村でも苦しんでいる。かなり労力が必要だという話も聞いております。そういったことも非常に省力化できるのではないでしょうか。

 これは一つの例であり、ほかの新技術を活用することにより自治体の業務を効率化できれば、少ない人数で適切な森林管理、これを今よりかは行うことができると考えます。

 このような観点から、新技術を活用した地方自治体の森林管理の省力化について、政府の見解をお伺いいたします。

小坂政府参考人 お答えさせていただきます。

 議員御指摘のとおり、市町村の林務部局は少ない人数で頑張っていただいていると思っています。

 そういう中で、デジタルの力も活用して業務の省力化を進めていくことは非常に重要だと思っています。

 このため、農林水産省におきましては、一つは、都道府県とも連携しまして、森林の位置や境界、さらには所有者情報、さらには樹種や林齢等の資源情報、こういったものをデジタル技術により一元的に管理し、市町村と、例えば、森林組合、林業事業体、そういった間で情報共有を可能とする森林クラウドシステムの導入を進めております。

 こういうものを導入することによって、市町村におきましては、例えば、市町村森林整備計画で森林の機能のゾーニングということをやるんですけれども、そういうことの基礎資料としてこのデジタル技術を活用するとか、さらには、先ほどの森林経営管理制度に基づく意向調査、誰の、どの山にというような準備をしてから意向調査はしなければいけないわけですけれども、そういったことにこのシステムを活用したり、さらには、伐採造林届の受理、各種申請業務に活用されているところでございます。

 また、このシステムの中身の精度を高めていくということが非常に重要だと思っていまして、最近は、航空レーザー計測をしますと、上空から資源情報を精緻に把握するということで、境界の目印になるようなものがそういうレーザー計測で把握できれば、そういったものを使って境界を確定し、先ほどの森林クラウドシステムの中に入れる、そういったこともできるような支援も進めているところでございます。

 いずれにしても、市町村の林務部局が森林経営管理制度を始めとする様々な業務に効率的に対応できるよう、デジタルの技術等も活用して推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

住吉委員 済みません、もう時間もないので、最後、駆け足で質問させていただきます。

 森林環境税と府県版森林環境税との整理について。

 二〇二四年、来年度から森林環境税が徴収されるわけですが、既に、都道府県、私の地元兵庫県でも県民緑税というのが徴収されて、令和三年からまた五年延長というような形になっております。

 これは、国民からすると二重課税ではないかという意見もあり、すんなり納得できるものではないと考えておりますが、このように、同じ目的の税を国と地方自治体で徴収するに当たって、国と地方自治体の間で調整はされたのでしょうか。また、このように両者を徴収することについて問題はないとお考えでしょうか。御見解をお願いいたします。

橋本委員長 総務省池田自治税務局長、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

池田政府参考人 お答えいたします。

 現在、森林整備等を目的といたしまして、三十七の府県及び一つの政令市におきまして、独自に住民税の超過課税が行われております。森林環境税とこの超過課税は、森林整備の推進という点において目的が共通するものではございますけれども、その使い道、使途等を整理することにより、両者は併存し得るものと考えております。

 森林環境税は、委員御指摘のとおり、これは来年度、令和六年度から課税が始まりますが、いずれの団体の超過課税も、昨年度、令和四年度末までに一度は期限や見直し時期を迎えておりまして、県民の皆様や議会等に必要な説明を行った上、その延長等を行ったものと伺っております。その延長等を検討する際には、全体として森林整備の財源が不足する中で、この両者の使途について検討され、両者の関係、いわゆるすみ分けを整理されたものと承知しております。

 今後とも、両者の関係については、関係府県等から相談がありました場合には、林野庁とも連携しながら助言を行ってまいりたいと考えております。

住吉委員 もう時間もないので終わりますが、また引き続き、この件に関しては議論していきたいと思います。ありがとうございました。

橋本委員長 次回は、来る二十三日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時六分散会


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