衆議院

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第17号 令和5年7月5日(水曜日)

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令和五年七月五日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 橋本  岳君

   理事 今枝宗一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 田中 英之君 理事 谷川 弥一君

   理事 坂本祐之輔君 理事 湯原 俊二君

   理事 中司  宏君 理事 中川 宏昌君

      井原  巧君    石田 真敏君

      今村 雅弘君    大野敬太郎君

      加藤 竜祥君    小寺 裕雄君

      鈴木 隼人君    谷川 とむ君

      土屋 品子君    中川 郁子君

      平沼正二郎君    牧島かれん君

      宮路 拓馬君    保岡 宏武君

      山口  晋君    渡辺 孝一君

      井坂 信彦君    神谷  裕君

      神津たけし君    堤 かなめ君

      長妻  昭君    西村智奈美君

      緑川 貴士君    森田 俊和君

      住吉 寛紀君    堀場 幸子君

      輿水 恵一君    鰐淵 洋子君

      西岡 秀子君    高橋千鶴子君

    …………………………………

   総務大臣         松本 剛明君

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (デジタル改革担当)   河野 太郎君

   厚生労働副大臣      伊佐 進一君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   冨安泰一郎君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   楠  正憲君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   村上 敬亮君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        大村 慎一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  伊原 和人君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月五日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     山口  晋君

  中曽根康隆君     平沼正二郎君

  宮路 拓馬君     加藤 竜祥君

  末次 精一君     長妻  昭君

  福田 昭夫君     井坂 信彦君

  森田 俊和君     西村智奈美君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 竜祥君     宮路 拓馬君

  平沼正二郎君     中曽根康隆君

  山口  晋君     小森 卓郎君

  井坂 信彦君     福田 昭夫君

  長妻  昭君     神津たけし君

  西村智奈美君     神谷  裕君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  裕君     森田 俊和君

  神津たけし君     末次 精一君

    ―――――――――――――

六月二十一日

 一、保育等従業者の人材確保のための処遇の改善等に関する特別措置法案(岡本あき子君外十二名提出、第二百八回国会衆法第二八号)

 二、通園バスの車内における幼児等の置き去りによる事故の防止その他の認定こども園等における幼児等の安全の確保のための措置等に関する法律案(青柳仁士君外九名提出、第二百十回国会衆法第三号)

 三、子育て・若者緊急支援法案(青柳仁士君外八名提出、第二百十回国会衆法第一八号)

 四、児童手当法の一部を改正する法律案(早稲田ゆき君外十名提出、衆法第二号)

 五、副首都機能の整備の推進に関する法律案(中司宏君外二名提出、衆法第四号)

 六、低所得である子育て世帯に対する緊急の支援に関する法律案(中谷一馬君外十一名提出、衆法第五号)

 七、特定教育・保育施設における保育教諭等の配置の充実のための措置に関する法律案(浦野靖人君外九名提出、衆法第七号)

 八、児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(菊田真紀子君外十一名提出、衆法第一五号)

 九、保護者等による自動車内への子ども等の置き去りの防止に関する法律案(吉田統彦君外十一名提出、衆法第四一号)

 一〇、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件(マイナンバー制度等)


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     ――――◇―――――

橋本委員長 これより会議を開きます。

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件、特にマイナンバー制度等について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人としてデジタル庁統括官冨安泰一郎君、デジタル庁統括官楠正憲君、デジタル庁統括官村上敬亮君、総務省大臣官房地域力創造審議官大村慎一君、総務省自治行政局長吉川浩民君及び厚生労働省保険局長伊原和人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橋本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橋本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井原巧君。

井原委員 自由民主党の井原巧です。

 早速質問に入りますが、本日の委員会は、閉会中の委員会ではございますが、マイナンバー、マイナンバーカードについて審議するということでございます。

 今回、質問者に御指名をいただいたわけですけれども、私も地元にずっと帰っておりましたので、締切りに質問を間に合わせなきゃ、そんな思いで必死で勉強しましたが、メールやリモートで発言通告をすることもできて、なるほど、デジタルとITの恩恵を今回感じ、また働き方改革にやはりデジタル化は大きな支えだなと、改めて今回の発言通告で感じた次第であります。

 そういう中で、少し私も考えるところがあるわけですが、本委員会、発言通告期限というのがございます。これはなぜあるのか、こう考えると、大臣始め答弁者側に十分な協議時間を取っていただいて、実のある答弁をしっかり審議で述べていただくという目的と、もう一つは、働き方改革という中で、霞が関の官僚はまさにブラックな勤務状況、こうも言われておりまして、その負担を軽減するためでもあります。

 デジタルの範たる委員会でありますから、メールやリモートを活用して、その趣旨に沿った、発言通告においても期限を守り、また良質な委員会審議になることを心がけるべきだ、こう思っております。

 そこで、まず冒頭に、本日の委員会について、マイナンバー制度という複数の省庁にまたがる答弁を要する委員会でありまして、それが実のある審議になるよう、定時内の発言通告により官僚の負担軽減と十分な答弁の協議等ができたのか、まず大臣にお伺いいたします。

河野国務大臣 ありがとうございます。

 委員御指摘のとおり、霞が関の働き方改革は非常に重要だと思っております。

 今日のこの委員会でございますが、十二名、質疑者がいらっしゃいます。そのうち七名が月曜日の正午までに質問通告をいただきました。早い通告に感謝を申し上げたいと思います。残り五名のうち、三名の質疑者は前々日に通告をいただき、残る二名の質疑者は昨日の午後の定時までに通告をいただきました。

 引き続き、通告の早期化に御協力をお願いをしたいと思います。

井原委員 本当に国会も、デジタルを使いながら、できるだけ実のある審議になるように、今後もお互い努力をするべきだろう、こう思います。

 それでは、マイナンバー制度、そしてカードの質問に入りたいと思います。

 マイナンバー制度は、デジタル社会の今日におきましては、行政機関や地方公共団体、あるいは役所の手続などの効率化を図って、国民の利便性を高め、公平公正な社会を実現する社会基盤であり、必要不可欠なものである、こう認識いたしております。

 実は私も、小さい町でありますけれども、市町村合併時の初代の市長をいたしました。当時、旧市町村ごとにまずメーカーが違ったりシステムが違った住基システム等、様々なシステムの統合に関わった経験がございます。小さな町でありましたけれども、それでも結構大変で、ミス、エラーも出たという記憶があります。

 例えば住所にしても、統一性のない、同じ住所でも字が入っていたり字が入っていなかったりということで、突合の入力ミスが出たり、カスタマイズしたシステムもあったり、あるいは、その統合過程でのシステムエラー等も出て大変苦労した記憶があります。結局、移行時には、最後はチェック体制とダブルチェック等のマンパワーが何よりも大切だった、こういうふうに記憶をいたしております。

 当時から公的機関は個人の重要な情報をたくさん持っているわけでありますが、そのやり取りを行う上で、これまでは、それぞれの機関において、住民票のコードが要ったり、あるいは基礎年金番号と異なる番号で管理していた。それが、マイナンバーを使うことで一元化されて、かつ、公的機関もそれがITでつながれておりますから、今回は、社会保障や税、災害対策の三分野で活用できるようになったことは、行政機関等の効率化はもちろんでありますけれども、国民の利便性が高まるその基盤は整った、このように評価いたしております。

 また、カードの方は、これはもう、まさに唯一無二の、個人を証明できる信用度が最も高い個人証明書ということでもありますから、マイナポータルで自分の情報を容易に確認できることができます。生活の質の向上や効率化にも使えるようになりますし、また、個人確認が必要なサービスを受ける場面においてはマイナンバーカード一枚で済むようになり、非常に活用にも広がりが期待できるわけです。

 地域を歩いていたら、なくしたら情報が全部取られる、こういうことを高齢者の方はおっしゃっていたわけですが、紛失時のそういう不安に対して、各々データも分散管理されていることを承知しております。ですから、たとえ紛失してもデータが流出しない設計になっていて、安心感も本来は極めて高いはずだ、こう思っております。ただ、残念ながら、マイナンバーをめぐるトラブルが連日報道されておりまして、高齢者の皆さん方に聞くと、詳しくは理解していないんだけれども、何となく不安で、今までのままが気楽でよい、こういう声を本当にたくさん聞きました。

 そこで、まずお伺いするわけでありますが、何となくのその不安を払拭するには、急がば回れではありませんが、マイナンバー、マイナンバーカードの制度について、国民のメリットやセキュリティーを含め、分かりやすく丁寧に、国民にいま一度周知をすれば、必ず御理解をいただけ、不安感よりその利便性の期待感に近づくと私は思うわけですが、その周知についてどのように大臣はお考えでしょうか。

河野国務大臣 マイナンバー制度、あるいはマイナンバーカード、そのほか政府が進めようとしているデジタルに関する政策、こういうことにつきまして、国民の皆様を始め、丁寧に説明をしていくというのは重要なんだと思います。

 デジタル庁も、これまで、国民の皆様から寄せられた御質問に対して、様々、QアンドAを作成をしてデジタル庁のウェブサイトに載せて参考にしていただく、あるいは、政府広報室と連携をして、テレビ番組あるいはコマーシャルを放送していただく、自治体などにリーフレットを配布したり、あるいは、どちらかというと若い層の方々向けのウェブ広告を出したり、あるいは障害をお持ちの方に向けた広報誌を配布する、こうした取組をしてきているところでございます。

 今後とも、様々な媒体を使い分けながら、マイナンバー制度あるいはマイナンバーカードのメリット、安全性といったものにつきまして、丁寧で分かりやすい広報にしっかり努めていきたいというふうに思っております。

井原委員 本当に、つくった側はすごくデジタル化している人がつくっているから、やはり国民というのはアナログの人もたくさんいらっしゃるので、その目線で、是非今後とも、周知について御努力をいただきたいと思います。

 続きまして、トラブルへの対処ということでありますが、デジタル化への移行期とはいいながら、今回、誤交付、誤登録の事案や健康保険証のひもづけ誤り等の事案が報道され、不安が広がっています。これらトラブルにはシステムエラーとかヒューマンエラー等があると思いますが、それぞれを点検し、改善を図り、その過程を国民に見える化していくことが非常に有用だろうと思います。

 そこでお伺いいたしますが、マイナンバー情報総点検本部において、具体的にどのような情報を対象に取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

河野国務大臣 マイナンバー情報総点検本部を六月二十一日に設置をいたしました。

 その日に行いました本部の初会合で、岸田総理より、一連の誤り事案が確認された関連データのみならず、個人情報保護の重要性を踏まえて、マイナポータルで閲覧可能となっている全てのデータについて今年秋までをめどに総点検を行うよう指示をいただいたところでございます。

 こうした総理の指示に基づきまして、マイナポータルで閲覧可能となっている二十九の項目の情報につきまして、関係省庁とも連携をして総点検を行うこととしております。

 まずは七月中に各制度の現場におけるマイナンバーのひもづけ作業の実態を把握するための調査を行い、その調査状況を八月上旬に中間報告できるように進めてまいります。

 マイナンバーに対する国民の皆様の信頼をしっかりと確保するために、スピード感を持って、政府を挙げて総点検を進めていきたいと思っております。

井原委員 ありがとうございます。

 そこで、少し負担ということについてお聞かせいただきたいんですけれども、総点検するということであります。総点検するということになると、その情報のかなりの部分は実は自治体が担っております。

 私自身も首長をしていましたが、実は、例えば住基システムにも、首長そのものはアクセスできないんですね。やはり個人情報でありますから、指名された職員に限ってそのシステムに入っていくことができるというふうにしていますから、総点検ということになると、その職員さんたちがフル稼働しなきゃならなくなる。だといって急にその人員を増やすことも難しい場面もあろうか、こういうふうに思っておりまして、自治体の負担や支援についてどうお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

河野国務大臣 七月中に、各制度の現場におけるマイナンバーのひもづけ作業、これの実態把握を行おうと思っております。

 具体的には、各省庁からひもづけを実施している機関に対しまして、マイナンバーを届出してもらうそうした義務を課しているかどうか、マイナンバー未届けの場合にマイナンバーの取得をどのようにやっているか、現状のひもづけ方法についてまず確認をしていただいて、このひもづけ方法の確認結果を踏まえて、個別データの点検が必要なケースの整理を行いたいというふうに思っております。

 個別データの点検が必要と整理されたケースについては、原則として、この秋、全データを点検をして、誤ったひもづけがあれば修正をする、情報が閲覧されてしまったかどうかの調査などを実施をして、結果を公表していただこうと思っております。

 具体的な総点検作業につきましては、関係省庁とも連携をしながら、この業務を担う地方自治体の現場の声を丁寧に聞きながら、しっかりと進めていきたいというふうに思っております。

井原委員 省庁またがっておりますから、デジタル大臣が是非リーダーシップを取っていただいて、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 最後になりますけれども、私は、マイナンバー制度は全国民の公共サービスでありますので、国民の間にデジタル格差とかマイナンバー格差をつくらぬよう努めるべき、こう思っております。

 例えば、世の中には、いろんなことでも、したくない人とか、したくてもできない人もいらっしゃいます。スマホが主流の今日でも、いまだにガラケーじゃないと駄目という人もいれば、携帯を持たない方もいらっしゃいます。カード決済や電子マネーが増えても、現金主義の方もいらっしゃいますし、私のような四国に行くと、私がSuicaの話をすると、果物のスイカしか知らない方もたくさんいらっしゃいます。ですから、移行期であればこそ、ある程度寛容の精神である緩和措置は必要とも考えます。

 そこで、具体的にお伺いしますが、高齢者施設に入所されている方など、マイナンバーカードを取得するためには支援が必要な方がいらっしゃいますが、健康保険証廃止を見据えて、今後、そのような弱者の方々がマイナンバーカードを取得するための環境整備についてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

河野国務大臣 マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速し、来年秋の保険証廃止を行う上で、取得困難者に対してマイナンバーカードを取得するための環境整備を行うことは大変重要だと思っております。

 具体的には、昨年十二月から、デジタル庁、総務省、厚労省で検討会を開催して、今年二月に取りまとめた中間とりまとめに基づきまして、役所に出向くことが困難で代理交付が活用できるケースを拡充いたしました。

 例えば、七十五歳以上の高齢者あるいは中学生以下の者は、本人が出向かなくてもいいということにいたしました。

 また、代理で市町村の窓口に行くのが難しいようなケースにも対応するために、出張申請の受付を推進することとして、福祉施設などへの出張申請の受付を行う際のマニュアルの作成を進めているところでございます。

 さらに、福祉施設などの御意見を踏まえて、認知症などで暗証番号の管理に不安がある方が安心してカードを利用できるように、また、代理交付の際の代理人の負担軽減にもつながるように、暗証番号の設定が要らない、不要なカードの申請受付、交付、今年の十一月頃から開始できるように検討を進めているところでございます。

 関係団体などと緊密にコミュニケーションを取りながら、こうした取組をしっかりと進めてまいりたいと思います。

井原委員 時間が参りました。

 カードの信頼を確保しつつ、弱者対策、その強化に是非お取組をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、鈴木隼人君。

鈴木(隼)委員 自民党の鈴木隼人でございます。

 本日は、質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 マイナンバーに関連して、国民の皆さんが不安に感じるような、そういった事案が続いておりますので、今日は、この問題に関連をして、政府としての考え方を是非引き出させていただきたいなというふうに思っております。

 まず、一つ目なんですが、マイナンバーのひもづけの誤りが生じていますが、これはどういった原因なのか、その辺りについて教えていただけますか。

冨安政府参考人 健康保険証情報あるいは共済組合の情報あるいは障害者手帳情報がマイナンバーとのひもづけ誤りが発生した原因につきましては、それぞれのこれらの情報を持つ実施機関が個人の情報とマイナンバーとを正確にひもづける必要があるんですけれども、システムへの登録時に御利用された方のマイナンバーの記載がなかった、そのため、地方公共団体情報システム機構、J―LISと呼んでいますけれども、J―LISに本人情報を照会してマイナンバーを取得する、こういうのもできるんですけれども、その際に、住所情報を照合をせず、一部の情報のみの合致で確認していたということがあると考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございます。

 特に、公金の受取口座の登録については、これは非常に重要な制度だというふうに考えていますけれども、国民の信頼性確保というのが非常に重要だ、こういう状態になるとそういったふうに考えていますが、これに対する対応をどのように考えているのか、お聞かせください。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 公金受取口座の誤登録については、自治体のマイナポイント支援窓口の端末操作におけるログアウト忘れによりまして、同一口座が複数人にひもづけられてしまったものでございます。

 再発防止に向けて、ログアウトの徹底始め、公金受取口座の登録支援に係るマニュアル遵守の徹底などについて自治体向けに通知を行ったほか、口座登録開始時だけではなくて完了時につきましてもマイナンバーカードを改めて読み込むことで、ログアウト忘れによる誤登録を防止するシステム改修を行い、先月二十三日に運用を開始したところでございます。

 また、既に御登録いただいている全件約五千六百万件につきまして、こちらを対象として総点検を実施し、その結果、誤登録の可能性が高いもの九百四十件を特定し、マイナポータルにおける口座情報の閲覧や給付を行う行政機関等への口座登録の提供を不可とする措置を行った上で、先月三十日に、登録口座の変更手続などの案内を書留郵便により発送をいたしました。

 また、総点検後も引き続き御安心いただける必要があることから、今後も継続的な点検を実施する予定でございます。

 また、誤登録ではないですけれども、マイナポータルで、本人ではなく、あえて御家族などの口座を登録したと思われる方々十四万件に関しましても、先月三十日から、順次、マイナポータルの通知機能によって、登録口座を御本人の口座に変更するようお知らせをしております。

 国民の皆様に安心して公金受取口座の登録を行っていただき、迅速かつ確実な給付を実現できるよう、引き続き、信頼の確保に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

鈴木(隼)委員 ありがとうございます。

 そういった一つ一つのお取組が、国民の皆さんに知っていただいて、安心を持っていただけるように、是非取り組んでいただきたいなというふうに思います。

 そもそもなんですけれども、健康保険証とマイナンバーカードの一体化、これはどういった背景で進めているのか、その辺り、一度おさらいしたいと思いますので、聞いている国民の皆さんに向けて解説をお願いします。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードと健康保険証を一体化するということによってどういうメリットがあるかということが大事だと思います。

 そういう意味では、大きく二つございます。

 一つは、本人の受診履歴に基づいた質の高い医療を実現できるということでございます。それからもう一つが、成り済ましの防止とか、医療機関や保険者の事務処理コストの縮減、こうした効率的な医療システムの実現に資するという点でございます。

 もう少し詳しく御説明させていただきますと、前者の質の高い医療という意味に関しましては、まず、患者さんにとりましては、過去の健康、医療データに基づいて適切な医療を受けることができます。これに伴って、重複投薬とか併用禁忌、そういう防止が図られるということがございます。また、医療機関、薬局にとりましても、患者から問診票などで聞き取るよりも正確で、かつ効果的にデータを確認できるようになる。そういう意味で、より正確な情報に基づく医療が提供できる。こういう点が、質の高い医療の実現につながると考えてございます。

 それから、効率的な医療システムの実現ということにつきましては、まず、医療機関、保険者にとりましては、紙の保険証の場合は成り済ましによる受診を防止できないというところがございます。また、手作業によってその方の被保険者番号とかを改めて入力しなければいけないというのがございますけれども、マイナンバーカードと保険証を一体化することに伴いまして、こういう手作業の事務負担が軽減されるということがございます。こうしたことによりまして、未収金の減少や、資格喪失後の保険証使用等による過誤請求に係る事務処理負担、これが大きく減少すると考えてございます。

 こうしたメリットを、より多くの国民、関係者の皆様に早く届けていこう、そういう観点から、今回、カードと健康保険証の一体化を加速し、来年秋に、これまで全ての被保険者の方を対象に発行してきた健康保険証を廃止するということにしてございます。

 こうした一体化のメリットにつきましては、引き続き周知を進めるとともに、広く国民の皆様の声を踏まえながら、令和六年秋に向けて、円滑に移行できるよう、環境整備に努めてまいりたいと考えてございます。

鈴木(隼)委員 ありがとうございます。

 今お話しのあった健康保険証の廃止についてなんですけれども、国民の皆さんから特に不安の声が大きい、私の元にもやはり声が寄せられております。

 この点について、政府の考えや、今後の予定しているお取組についてお聞かせをいただきたいと思います。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 今申し上げましたように、まず、健康保険証とマイナンバーカードが一体化することのメリットをいろいろ御了知いただく、御存じいただくということが非常に大事ですが、今現在起こっている様々な問題がございます。例えば、ひもづけが間違えているのではないか、別人の方とひもづいちゃっているのではないか、こうしたことについてしっかりと解決していくということが非常に大事でございますし、また、医療現場でも、現在、オンライン資格確認を導入したところ、いろいろなトラブルが生じているというような話もございます。そうした意味で、そうしたトラブルを解消し、国民の皆様の不安を払拭していくということが極めて大事なことだと考えてございます。

 その一つとしまして、今、マイナンバーカードで医療機関を受診した際に、何らかの事情でその場でオンライン資格確認ができないということがございます。そのときに自己負担が十割負担になってしまうのではないか、こういう御指摘が医療現場からも寄せられましたし、医療現場に混乱が生じていたということは大変申し訳なく思ってございます。

 この自己負担の問題につきましては、保険料をちゃんと払っておられる方がいわゆる三割負担でしっかり必要な保険診療を受けられるということが大事ですし、また、医療機関などにおきましても経済的な御負担をおかけしないようにしていくということが非常に大事だと考えまして、こうした基本的な考え方に立ちまして、先般、オンライン資格確認上、転職などをしたときに資格が無効などと表示される場合や、あるいは機器の不良などによってトラブルがあったときにオンライン資格確認ができない場合、こうした大きく二つに分けた場合が考えられるんですけれども、こうした場合の自己負担の取扱いにつきまして、厚生労働省の医療保険部会に対策をお示ししたところでございます。

 こうした具体的な取組をしっかりと医療機関にも周知いたしまして、医療現場で三割負担でしっかり医療を受けていただけるように努力をしていきたいと考えてございます。

 こうした様々な課題も含めまして、一つ一つの課題を洗い出しまして、具体的な対応策とスケジュールを明確にし、実施していくことが何より大事だと考えてございます。

 去る六月二十九日に厚生労働大臣の下にオンライン資格確認利用推進本部を設置いたしまして、厚生労働省全省を挙げてこうした課題への対応の進捗状況を把握、確認しながら取組を進めていくこととしたところでございまして、国民の皆様の御不安や御懸念の払拭を図り、安心してマイナンバーカードを健康保険証として活用していただけるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。

鈴木(隼)委員 ありがとうございます。

 またそもそもの話になるんですけれども、マイナンバーと医療保険、また年金、障害者手帳、こういった情報をひもづける必要性についてどのように考えているのか、これも、聞いていただいている国民の方に分かりやすく解説をいただければと思います。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 マイナンバー制度は、デジタル社会の基盤として、国民の利便性向上と行政の効率化を併せて進め、より公平公正な社会を実現するためのインフラでございます。

 これまで、行政機関等の間でマイナンバーを用いた情報連携を行うことで、児童手当の申請など約二千五百の事務において、住民票の写しや課税証明書等の添付書類を省略可能としており、国民の皆様が各種書類の取得のために市役所に出向くことや、取得した書類の提出といった負担を軽減しているところでございます。

 今後も、マイナンバーを利用することで国民の利便性向上等につながる行政事務については、正確なデータのひもづけの確保を前提として、利用の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

鈴木(隼)委員 様々、国民の皆さんの不安はあれど、このマイナンバーの制度自体は非常に国民の皆さんにとって利便性を高めるものであるというふうに私も確信をしております。

 ですので、不安を払拭をしていただいた上で今後どのように普及をさせていくのか、こういったことが重要になっていくのかなというふうに思いますが、利活用をどのように進めていくおつもりか、政府としてのお考えをお聞かせください。

村上政府参考人 実感できる利便性、やりたいと思っています。

 例えば、子育て、介護を始めとする手続のオンライン申請、キャッシュレス納付、引っ越し等の手続のオンライン、今後については、全く書かないで済む確定申告等、行かなくて済むオンライン市役所サービス。

 それから、次のカテゴリーといたしましては、健康保険証との一体化もそうでございますが、図書館カードや避難所の受付等の各種サービスでの利用、各種証明書がコンビニで交付を受けられる、診察券、医療費助成券、介護保険証の一体化等々、就労証明書のオンライン化、デジタル化等、市民カードとしても便利にしていきたい。

 それから最後に、民間サービスでの利用。今でも、金融口座の開設等約四百五十社に御活用いただいていますが、今度始まりますコンビニの無人レジでの年齢確認、その他様々な民間ビジネスの機会での本人確認にも使っていただくし、四情報、住所の最新情報等の提供もどんどん使っていただきたい。

 こういった形で、一つ一つ利便性を実感できる局面を増やせるよう頑張ってまいりたいと思います。

鈴木(隼)委員 終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、牧島かれん君。

牧島委員 自民党の牧島かれんです。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 デジタル庁、厚労省、総務省、そして政府一丸となって対応に当たってくださっていることに心から敬意を表します。

 先日、同友会の新浪代表が会見で、マイナンバーカードそしてマイナ保険証について言及をされています。絶対に後戻りすることなく、しっかりと前に進めてほしい、マイナンバーカードを普及してほしいということをおっしゃっています。

 その中で事例として取り上げているのが都城市です。都城市では、住民の九四%が既にマイナンバーカードを持っていて、先ほども紹介がありました行かない市役所、三百の手続がマイナポータル上でできるところまで来ています。こうした地域であれば、マイナンバーカードを日頃から使う住民の方が多いのだろうというふうに想定します。又は、町の図書館カードがマイナンバーカードになっていれば、いつもお財布に入れて持ち歩いているという方もいるかもしれません。

 私自身は、自分が自分であることを証明する最高位の本人確認の手段としてマイナンバーカードを名刺入れに入れて日々持ち歩いていますが、使う場面、ユースケースが身近にないと、やはりマイナンバーカードは金庫に入れておいた方がよかったのかしらと思う方もいるかもしれない。だからこそ、マイナンバーカードの利便性というのを多くの方に実感をしていただく必要があるんだというふうに思っています。

 デジタルはツールでございますので、それによってどういう社会を実現したいのかといえば、毎日の生活が便利になる平時の便利、そして有事、パンデミック、コロナのような場面だったり、又は自然災害があったような有事において安心を皆さんが感じていただけるようにする、これが、私たちがマイナンバーカードを活用しながら多くの住民の皆さんに実感をしていただきたい場面なんだろうというふうにも思っています。

 この有事の安心という意味でのマイナンバーカードの活用については、大雨が降ったり、これから台風のシーズンもやってきます、避難所に行ったときに、多くの方が今どういうふうにしているのかといえば、入口で紙に名前と住所と電話番号を書いて、それがまた長蛇の列になってしまっている、こうした受付の在り方を変えるべきではないか、よし、変えていこうと進んでいる自治体も既に出てきています。

 是非デジタル庁に御答弁いただきたいのは、マイナンバーカードは、平時の便利だけではなくて有事の安心にも使えるものなんだということを多くの国民の皆さんにも知っていただきたいと思うんですけれども、御所見をお聞かせください。

村上政府参考人 御紹介をいただきました長蛇の列、宮城県の実証で、避難所の受付にマイナンバーカードを使うとどうなるか、十四倍のスピードで業務処理ができたという結果が出ております。

 また、本年度は、避難所の受付だけでなく、薬剤情報やアレルギーのデータを避難所管理の側に直接取り込んで、どんな薬が必要か、どんな食材が必要かというのを実際に適用する、これもマイナンバーカードで、御本人の意思を確認した上で使わせていただくという実証をさせていただく。

 このほかにも、デジ田交付金を通じまして、十八件ほど、マイナンバーカードを利活用した有事の実証をやりたいというお声をいただいております。

 また、先般、デジタル庁では、日本フランチャイズ協会とコンビニエンスストアにおけるマイナンバーカード活用の協定を締結いたしまして、まずは年齢確認というスタートではございますが、来年度は、是非、避難所における緊急支援物資の管理を、近所にあるコンビニエンスストアと、マイナンバーカードを使ってお水だ何だということを渡す、こういう実験ができないかということも、今、実際に民間事業者側と検討を始めてございます。

 令和四年十二月には、防災DX官民共創協議会、三百四十四者が集まりまして、是非民間からも、マイナンバーカードも含めて、いろいろなデジタルの活用をしたユースケースを出したいということで集まってきていただいております。

 有事にも強い基盤としてのマイナンバーカード、是非ユースケースを開拓を進めていきたい、このように考えてございます。

牧島委員 御説明ありがとうございます。

 万が一避難所に行ったときに、アレルギーのある方、またお薬を飲んでいる方、お薬の名前を覚えている方はほとんどおられないはずですから、それでもいつも飲んでいる薬を、薬を仮に持って避難することができなくても、受け取ることができる安心につなげる。そして、避難物資もしっかりと皆さんのところに届けることができる。こうした体験を、災害は起きてほしくはありませんけれども、一つのシナリオとして想定し、伝えていく必要があるというふうに改めて感じました。

 そして、続いてマイナ保険証についてですが、先ほども厚労省さんの答弁で、紙の保険証とマイナ保険証との違いの一つとして、成り済ましを防止するということがありました。

 紙の保険証、今までも本人確認として使われてきたところがあったのかもしれませんが、最高位に位置づけることができない一つの大きな理由は、そこに顔写真が載っていないからです。皆さん、マイナンバーカードを受け取るときに一度は役所に行かなくちゃいけなくて、面倒くさいなと思ったかもしれませんが、それによって、顔がそこに載っていて本人確認ができている、この一手間が、最高位に位置づけることができた一つの理由、そして、それが紙の保険証ではできていないということで私自身は理解をしていますし、多くの方に分かっていただきたいと思っています。

 質の高い医療を受けることができるのがマイナ保険証のメリットの一つですが、それだけではないはずです。

 今、私たちの仕事の在り方、働き方が変わってきています。転職します、転職をするということは保険が変わるということです。前の会社で使っていた紙の保険証で医療機関に行ってしまう、そして医療を受けてしまう、そうしましたらば、その医療機関は保険者とやり取りをしなければならないという事務が発生します。前の会社の保険者は、社員さんがその会社を辞めたならば、今まで使っていた保険証を、紙のものを郵送して戻してくださいという手間が発生する。新しい会社の保険者は、新しい紙の保険証を送らなければならない。社会全体で見たときには、医療機関にとっても保険者にとっても、こうした郵送や事務のやり取りの手続、手間、負担、ある意味、コストと言われるものが社会全体、あらゆるところで発生しています。

 なので、マイナ保険証は、患者さん、国民の皆さんにとっての質の高い医療のみならず、医療機関にとっても保険者にとってもメリットがあるのだというふうに理解しているんですが、その点、厚労省の御所見をお聞かせください。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 今、牧島先生の方から詳しく御説明いただいたとおりでございまして、マイナンバーカードと保険証を一体化する中で、医療保険者それから医療機関、ここの事務が大きく減らすことができてございます。

 一例を申し上げますと、今は、従来の紙の保険証の時代は、古い保険証を使ってしまって受診された場合に、医療機関が請求すると、審査支払い機関から返戻といって戻されてきてしまうんですね。これが非常に多かったんですが、オンライン資格確認を導入してからは、約四割ぐらいそういう件数も減ってきていまして、大きく負担軽減にもつながってございます。

 また、もう一つ、先ほど紙の保険証とマイナンバーカードの違いとして成り済ましの話がございましたけれども、それ以外にも、どうしても紙の保険証の場合は本人確認ができません、できないというか、顔写真がないので、本当のところ、その御本人かどうか分かりませんが、マイナンバーカードで受診した場合には、ある意味、本人確認ができるということになりますので、だから、先ほども申し上げたように、薬剤情報とか診療情報を医療機関にお見せして、それで診療ができるという点でも非常に効果がある、価値があるということだと考えてございます。

牧島委員 ありがとうございます。

 厚労省さんには、日本に今存在している医療保険者、三千四百十一全て確認をいただきました。そのうちの六割は、留意点も含め、しっかりとルールを守って本人確認をしていた、四つの情報を当てていた、しかし、二百九十三の団体はルールどおりに行わなかったということが明白になりました。とても残念なことです。

 四つの情報を当てるというのは、例えば、デジタル大臣の河野太郎さんのお名前をお借りすれば、この世の中に河野太郎さんは恐らくたくさん存在しています、性別男性、もしかしたら、カワノタロウさんと読む方もいるかもしれない。しかし、同じ生年月日の河野太郎さんは何人いるかといえば、ぎゅっと人数は減るはずです。これが三情報ですが、それでも三人ぐらいはいるかもしれません。しかし、この三人の同じお誕生日の河野太郎さんは、四つ目の情報、同じ住所に住んでいますかというところまで確認すれば、それはなかなか、めったにあり得ないことでありますから、四つの情報をちゃんと確認すれば一つの人に行き当たるはずだったのに、それをちゃんとやらなかった保険者さんが、残念ながら存在していた。こうしたことは確認をいただき、修正すべきは修正し、ヒューマンエラーを改善していく、これはDXの話のはるか手前のことだと思っています。

 アナログ時代のヒューマンエラーというのを、デジタル時代に転換しようとするとぐっと表面化されていきますので、それをしっかりと精査をしていただいてチェックをし、システムエラーやヒューマンエラーが起きないような環境を整えていただく、まさにそれが今行われているところですし、それぞれの医療保険者さん、そして事業主の皆さんが正確にマイナンバーを届け出ていただくことも含め、関係者一丸となって正確な作業、そしてエラーが起きないようにするような仕組みを整えていただくことを期待しています。

 その上で、最後に厚生労働大臣にお尋ねいたしますが、マイナ保険証に一体化していくという全体の方針に変更はないということでよろしいでしょうか。

加藤国務大臣 先ほど局長からも申し上げましたように、一体化には様々なメリットがございますので、そのメリットを実感し、享受していただくためにも統一化をしっかり進めていかなきゃなりません。

 しかし、その前提として、今、様々な間違ったひもづけ等を含めて、国民の皆さんが不安や懸念を抱いておられるわけであります、そうした不安や懸念を払拭をして、まさに正確なデータが登録され、そしてまた医療現場においても安全、安心に利用できる、こういう環境をしっかりつくっていくということで一連の作業をさせていただいているところでございますので、逐次その状況も御報告をしながら、国民の皆さんがよりこの制度に対して信頼を持っていただき、メリットを実感していただけるように取り組む中で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化をしっかりと進めていきたいというふうに考えています。

牧島委員 是非国民の皆様にメリットを実感していただけるマイナンバーカード、マイナ保険証、皆さんのユースケースを増やしていく中で、信頼獲得に向けて私どもも努力をしてまいりますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。

 以上で終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、輿水恵一君。

輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 本日は、質問の機会をいただきましたこと、心より感謝を申し上げます。

 早速でございますが、質問に入らせていただきます。

 初めに、マイナンバーのひもづけ誤りの原因と再発防止について伺います。

 少子高齢化が進む中で多様化する福祉ニーズに的確に応えるために、また、激甚化、頻発化する自然災害に対して迅速に対応するために、行政のデジタル化は必要不可欠であると思います。

 ここで、各省庁や様々な機関、自治体等での業務のデジタル化において重要なことは、正確なデータの登録と安全で安心なシステムの構築とともに、デジタルに不慣れな皆様への丁寧な対応であると思います。今回のマイナンバーのひもづけ誤りは、デジタル化の一丁目一番地である正確なデータの登録がなされなかった事案であり、ゆゆしき問題であります。このようなことが二度とないように、関係者が一丸となっての徹底した取組が必要であります。

 そこで、まず、今回のマイナンバーのひもづけ誤り事案に対する河野デジタル大臣の御認識、また、このような事案の再発防止に向けての御決意をお聞かせ願えますでしょうか。

河野国務大臣 今回の一連の事案に関しまして、個人情報保護の観点から国民の皆様に御心配をおかけをしており、大変申し訳なく思っております。

 健康保険証あるいは共済組合の情報、障害者手帳の情報、こういったものがマイナンバーと誤ってひもづけられた、その原因として、システムに登録をする際にマイナンバーの記載、提出がなかった、そのために、J―LISに本人情報を確認するときに住所情報を照合せず、生年月日とお名前のみで確認をしていた、こうしたことが挙げられます。

 委員がおっしゃるように、マイナンバー制度が有効に機能するためには、この各種情報とマイナンバーが正しくひもづけられるというのが大前提でございますので、こうした実際に誤りが起きていた情報以外につきましても、各種の申請時にはマイナンバーを記載していただくことを義務化すると同時に、氏名、住所、生年月日、あるいは性別、こうした情報を照合をする、こうした手続に統一をする、それに加えて、なるべく人手を介さない事務処理のやり方というものにしていきたいというふうに思っております。

輿水委員 どうもありがとうございます。信頼性の向上をしっかりと進める上で、安全で安心な行政のデジタル化をよろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、マイナ保険証のトラブルへの対応について伺います。

 来年秋のマイナンバーカードと健康保険証の一体化については、多くの皆様から不安の声が寄せられております。マイナ保険証については、誤ひもづけに加えて、保険料を払っているにもかかわらず、医療機関等での資格確認ができず、十割負担を求められるという事案も発生しており、国民の信頼を大きく損ねているところでございます。

 そこで、このマイナ保険証の資格確認ができないトラブルについて、どのような原因があるのか、また、その対策をどのように進めていくのか、当局のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカードで受診したときに、オンライン資格確認がその場で行うことができないということが実際起こっておりますが、その原因としましては、大きく二つあると考えてございます。

 一つが、転職などをしたときに、事業主から提出される資格取得届出というのがあるんですが、そこにマイナンバーが記載されていないために、保険者の方で確認に行く、J―LISというところに照会に行く、こうしたことに時間がかかっておりまして、保険証は発行されているんですけれども、システムへのデータ登録が終わっていない、こうしたことが一つ考えられます。

 それから、もう一つが、保険証は既に発行されて、システムへのデータ登録も完了しているんですけれども、機器不良などによってどうしてもトラブルが生じているということが考えられます。

 まず、そのうち、転職等におけるタイムラグに関しましては、先月一日に省令を改正しまして、まず、マイナンバーをしっかり資格届出に書いていただくということを明確化いたしました。そして、保険者は、資格取得届出の提出を受けてから五日以内に情報を登録するようにという省令改正を行いました。

 また、資格確認に関しまして、いわゆるシステムトラブル等がございます。ここにつきましては、コールセンターを設置しておりまして、医療機関等からのお問合せに運用面を含めてお答えする仕組みとしてございまして、様々な、きめ細かな相談対応を行っているところでございます。

 こうした事象とその対応策につきましては、医療機関向けの運用マニュアルなどで現場の方々にもお示ししておりますけれども、さらに、実務上の課題につきまして、このコールセンターの問合せの分析などをやりまして、トラブルが生じた場合にどのように現場で混乱せずに対応できるか、この辺りにつきましてQアンドAの更なる充実等を進めてまいりたいと考えてございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。トラブルの解消、全力でお願いしたいと思います。

 続きまして、マイナ保険証の資格確認トラブルが発生した場合の窓口負担について伺います。

 どんなに安全対策を尽くしても、絶対に大丈夫なシステムは存在しないと思います。そのため、行政のデジタル化においても、万が一トラブルが発生した際の対策の整備が必要です。

 特に、医療に関わるトラブルは、人の命に関わる極めて重要な問題であります。今後、想定外の資格確認トラブルが発生した際に、保険料を払っているにもかかわらず、十割負担を求められるようなことがあってはなりません。

 そこで、今後どのような対策を講じる考えなのか、加藤厚労大臣に伺います。

加藤国務大臣 医療保険のオンライン資格確認を進めるに当たって、まずは、医療保険や、保険者の方々に様々な御負担、また大変な御尽力をいただいていることに感謝を申し上げますとともに、今委員御指摘のように、マイナンバーカードを活用して受診をする際に、うまく資格確認が行えずに、その場合の自己負担をどうするか等について必ずしも明確ではなかったことで現場に混乱を与えたこと、このことは申し訳なく思っているところでございます。

 その上で、本件については、保険料を支払っている方が、必要な自己負担、すなわち医療費の三割分等の負担で必要な保険診療が受けられるということ、また、医療機関には、一定の事務的な対応への御協力はお願いをいたしますが、それ以上の経済的な御負担はおかけをしない、この二つを基本原則として、その場合の対策について、先般、社会保障審議会医療保険部会にもお示しをさせていただいたところでございますので、速やかに更に詳細を詰めた上で医療機関に通知をし、遅くとも八月から、保険料を支払っている方が、必要な自己負担、すなわち三割負担等々の中で保険診療が受けられるようにしていきたいし、その旨を周知をしていきたいと考えております。

 また、今後こうした課題が出てくれば、それを一つ一つ洗い出しをし、そして具体的にどう対応していくのか、またどういうスケジュールでそれを行っていくのか、こういったことを明確にする中で、現場の混乱を防ぎ、このシステムに対する信頼をしっかり獲得できるよう努力をしてまいります。

輿水委員 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 続きまして、資格確認書のプッシュ型での発行について伺います。

 来年秋のマイナンバーカードと健康保険証の一体化において、マイナンバーカードをお持ちでない方などに対して、申請に応じて、健康保険証の代わりとなる資格確認書を発行することになっています。

 ここで、資格確認書の発行においては、申請が困難な方もおられることを踏まえ、申請がなくても、マイナンバーカードを持っていない方等には一律にプッシュ型で保険者から交付することを検討するなど、全ての国民が保険診療を必ず受けられるようにすることが重要と考えますが、見解をお聞かせ願えますでしょうか。

伊佐副大臣 資格確認書の申請手続の失念といったことによって保険診療を受けることができないといった事態を防ぐことは必要であります。

 入所者の方を始めカードの申請が難しいと想定される方については、代理申請を含めて申請を勧奨するなど、きめ細やかな対応をまず行う、それでもなお資格確認書の申請が期待できないと判断された場合には、本人からの申請によらず、職権で交付をするといった柔軟な対応を想定しております。

 その具体的な対応については今後検討していくことになっておりますが、例えば、健康保険証としての利用登録がされたマイナンバーカードを保有していない方々を把握する、そもそもマイナンバーカードを持っていない方でありますとか、あるいはひもづけをされていない方々、こういう方々をまず把握をいたします。その上で、職権交付の仕組みも活用する。輿水委員の言われた、申請がなくても交付をするという、いわゆるプッシュ型も活用するなどして、全ての被保険者が必要な保険診療を受けられるように、隙間が生じないように適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

輿水委員 ありがとうございます。是非前向きな御検討をよろしくお願いいたします。

 続きまして、マイナ保険証への移行による医療DX等の推進について伺います。

 まず、様々な理由でマイナ保険証への移行ができない方に対して、来年秋のマイナンバーカードと保険証の一体化において、紙の健康保険証がそのまま最大一年間使えることを丁寧に伝えていただければと思います。

 その上で、マイナ保険証の導入により、より安全で安心な医療の提供等が進められることについても、より多くの皆様に知っていただくことも必要であると思います。

 そこで、何のためにマイナンバーカードと保険証を一体化するのか、マイナ保険証の導入により医療の質がどのように向上するのか、また、様々な手続においてどのようなメリットがあるのか、さらに、マイナ保険証への移行による医療DXで何を実現しようとしているのか、加藤厚労大臣に伺います。

加藤国務大臣 御指摘のように、今回のマイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めるに当たっても、やはりそれに一体どういうメリットがあるのかということを、国民の皆さん、また医療機関の方々等、多くの方々に理解をいただくということが大前提にあるというふうに思っております。

 具体的なメリットとしては、患者におかれては、まず御自身の薬剤情報や特定健診情報等の提供を同意することが前提となりますけれども、そうしたより豊富なデータに基づいて診療が行われるということ、これはまさに診療の質の向上につながっていくと思いますし、また、薬剤情報等を活用していただくことによって、重複投薬、こういったことも抑制することができるというふうに思っております。

 また、医療機関においては、このカードを使うことによって相当事務の効率化も図られると承知をしているところでありますし、また、患者さんにとっても、例えば、限度額認定証の発行を一々申請しなくても、マイナンバーカードの中に入っていますから、それを活用することができるといったメリットもございます。

 こうしたマイナンバーカードと健康保険証の一体化の具体的なメリット、これをしっかりとお伝えをしていきたいと思っております。

 また、委員お話しの医療DXというのは、そこから更にいろいろこれから進めていくことでございますので、より多くの情報が活用することになれば、今申し上げたことがより効果的になると同時に、また様々な情報の活用、二次利用とよく言われますけれども、そうした分野が広がっていくことによって、より日本人にとって適切な薬やあるいは治療法の開発等も行われることによって多くの国民に裨益が行われていく、そういったこともしっかりとアピールしていきたいと思っています。

輿水委員 どうもありがとうございます。本当にこのマイナ保険証、医療DXをしっかり進めていただきながら、より安全で安心な医療の実現にも取り組んでいただければと思います。

 最後に、マイナンバーのひもづけ誤り事案等の総点検について伺います。

 政府は、マイナンバーのひもづけ誤りも含めて全ての事案を重く受け止めるとし、関連するデータやシステムの総点検を秋までに実行するといたしました。自治体からは、総点検のための新たな事務負担がどのようになるのか、不安の声が寄せられています。

 この総点検においては、無理や無駄のないように、チェック項目や範囲の絞り込みとともに、再発防止についてはできる限りの自動化を推進するなど、自治体や関係機関の負荷の軽減を図る取組も必要と考えます。

 そこで、最後に、自治体や関係機関の業務の負荷も踏まえて、安全で安心な行政のデジタル化に向けての河野デジタル大臣の意気込みをお聞かせ願えますでしょうか。

河野国務大臣 総点検では、まず、七月中に、各制度の現場の、マイナンバーがいかにひもづけられてきたか、この作業の実態の把握を行いたいと思っております。ひもづけ方法の確認結果を踏まえまして、個別データの点検が必要なケースの整理を行っていきたいと思っております。これによって、適切にデータ登録されているものまでデータ点検の対象とならないようにしていきたいと思います。

 また、総点検につきましては、各省庁の自治体からの出向職員などを通じて現場の実態を確認をしたり、業務を担う自治体など、現場の声を丁寧に聞きながら進めていこうと思っております。

 また、調査の際に各省庁ばらばらな調査票にならないように、ひもづけ方法に関する汎用的な調査票をデジタル庁で作成した上で、各省庁においても部局単位でまとめて調査をしてもらうなど、自治体の負担に十分配慮したものにしていきたいと思っております。

 また、今後は、なるべく人手を介さないやり方で作業ができるように、そうしたひもづけのところのデジタル化、あるいはデジタルによるチェックというものができるような開発を考えていきたいと思っております。

輿水委員 どうもありがとうございました。誰一人取り残されない安全で安心な行政のデジタル化を期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 以上で終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 立憲民主党の長妻昭でございます。

 連日、お疲れさまです。よろしくお願いをいたします。

 まず、日本の労働生産性は、先進国で二十位以下になってしまいました。やはり、なかなか労働生産性が上がらない理由は、政府もそうなんですが、民間、政府ともデジタル化が先進国の中で相当遅れている。これも大きな理由の一つだと私は思っております。

 そういう意味では、デジタル化を進めるというのは日本の喫緊の課題だ。しかし、その進め方が非常に、現場を知らずに拙速に進めると逆効果になってしまう、むしろ後れを取ってしまうというのを私はすごく心配しているんですね。

 今回のいろいろな問題の中で、いっぱいいろいろありますが、私が最大の問題と言うのは、もう健康保険証を来年の秋に廃止する、しかも法律で、期限を法律の条文に書いちゃっている。こういう、現場を知らずにそれを決めて突っ走る、これによって、私は、デジタル化が逆行するんじゃないか、むしろ遅れるんじゃないかと強い心配をしているんですね。

 これはレセプトも入っていますから、マイナンバーと被保険者番号はひもづいていますから、例えば、マイナンバーカードが盗まれれば、自分の病気の情報というのがこれは漏れてしまう、漏えいしてしまう、こういうこともあるわけで、非常に、個人情報というのは大変これは重いものですよね。マイナンバーカードと暗証番号が盗まれれば、どなたかのスマホで、マイナンバーカードをそこで確認をして、暗証番号を入れればそういう情報が見られてしまう、こういうことなわけですね。そういう意味では、これは本当にそういうのは嫌なんだと。当然、レセプト情報、薬の情報を見る人が見ればどういう御病気にかかったかというのは分かっちゃうわけですよね。

 ですから、それは、私はマイナンバーカードは持たない、マイナ保険証は持たないという方がいてもいいと思うんですよ。そういう方には保険証を従来どおり発行する、こういうことでなぜしていただけないのか。来年の秋廃止というのを微動だに変えずに進むというのはおかしいと思うんですが、これは検討してもらえませんか、保険証を残すことを。

加藤国務大臣 まさに冒頭委員がおっしゃられたように、我が国のデジタル化の遅れ、これはこれまでも様々指摘をされてきた。私自身も、二回目の厚労大臣をしたときのコロナの段階で、なかなか感染者数も把握できない、電話で、ファクスで集めているということも相当御批判をいただきましたので、まさに医療DX、これをしっかり進めていかないと、この国の医療を守ることもできないと思っております。

 その上で、今回の措置は、まさにそうした医療DXを進める一つとして、マイナンバーカードと健康保険証を一体化することによって、医療現場でその方の様々な医療情報等を活用していただいてよりよい医療等が行っていただける、その状況をつくっていきたい。それを進めていく。そして、それを進めていく中で、多くの方がそれによって使っていただける状況が生まれてくれば、もうあえて全ての方に保険証をお渡しする必要性はなくなっていくということで、まさに新たな段階に入っていく。

 その時期として、それはどこかで時期を決めなければ移行できないわけでありますので、ある意味では我々の目標として、その時期までにしっかりとマイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めていくことによってそうした状況になってくれば、全員に保険証を配付する必要はないので、新たな形で資格確認書という制度を、発行することで、新たな仕組みに入っていくということでございます。

長妻委員 これは、岸田首相も六月二十一日に、マイナ保険証について、不安を払拭する措置の完了が大前提というふうにおっしゃっているんですね。

 これは、マイナンバーカードがどなたかの手に渡り、暗証番号も渡ったときに、本当に機微に触れる情報が見られてしまうわけですね。銀行のキャッシュカードであればお金が減っていますから分かると思うんですが、マイナンバーがまたそっと返されたとき、被害に気づかないということも起こり得るんじゃないか。それは嫌だという方もおられるわけですよ、私の周りにも。だからそれは選択させてほしいという方がおられるわけですね。

 例えば、配付資料の九ページ目、これは各自治体に金曜日の夜に配られた、各自治体でチェックしてくれというリストなんですが、これが閲覧できるというリストと同じなんですけれども、例えば胃がん検診の精密、子宮頸がん検診の精密結果も見られる、そして医療情報、どういう薬が処方されたか、診断の内容、診療の内容、難病患者に対する特定医療費の支給、つまり、難病かどうかも分かる。あるいは障害基礎年金の給付情報とか、妊娠届出情報とか、特別支援学校就学、障害児の通所のデータ。

 こういうことで、つまり、保険証がなくなるわけですから、来年秋。そういうんではなくて、保険証を持ちたいという方は、なぜ残していただけないのかと。

 去年の六月の骨太の方針には廃止なんて書いていないんですよ。閣議決定ありましたけれども、「加入者から申請があれば保険証は交付される。」こういうふうに骨太の方針に書いてあるわけですね、経済財政運営と改革の基本方針二〇二二に。なぜ急に変わって、こういうおかしなことになるのか。

 一旦立ち止まっていただけませんか。

加藤国務大臣 ちょっと今、委員の言われた骨太の方針がないのですが、今、委員、申請があれば交付されるとおっしゃったというふうに記憶をして、多分そういう書き方をしていたと思うんですが。

 まさに今回、申請をいただければ資格確認書というもの、この資格確認書があれば保険診療を受けることができる。

 したがって、絶対一体化しなきゃいけないというわけじゃなくて、それが今、委員がお話があったようなことも含めて、様々な懸念があって、マイナンバーカードをお持ちにならないという方もいらっしゃると思います。あるいは持っているけれども一体化したくないという方もいらっしゃると思います。そういった場合には、資格確認書を申請をしていただければ発行するという仕組みとなっているわけであります。

長妻委員 そうしましたら、総理がおっしゃるように不安を払拭できない場合は、来年の秋廃止というのは延ばしていただけるんですね。

加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、一体化を進めていくためには多くの方がマイナンバーカードを活用していただくという状況が必要でありますから。そして、そのためには、総理がおっしゃったように、マイナンバーカードに対する不安や懸念を払拭し、このメリットを理解をしていただく、こういったことをしっかり進めていくことが必要だというふうに考えています。

長妻委員 骨太の方針には、保険証を交付すると書いてあるんですね。今おっしゃったのは資格確認書のことですよね。新たに政府が作った資格確認書、これは自ら申請しなきゃいけない、そして、一年ごとに自ら申請しなきゃいけない、こういうルールになっているわけですよ。

 今までの保険証というのは、もちろん有効期間がある保険証もありますが、自動的に送られてくるわけですよ、自宅に郵便で。そうじゃない。

 皆さん、加藤大臣、御存じですかね。国保の滞納がある場合、その方々に短期保険証というのが支給されるんですね。これは短い期間で、不便になるから早く払えと。

 これは短期保険証と似たような話じゃないですか。滞納していないのに何でそういう仕打ちをするんでしょうか。資格確認書というのは自ら申請しないといけないわけで、これは非常に酷なんじゃないでしょうか。

 それであれば、さっきも職権でみたいな、公明党の副大臣からも答弁があって、確かに法律には書いてありますよ、六月に職権。ただ、副大臣はちょっと踏み込んで、隙間が生じないように対応するとまでおっしゃっているんであれば、事実上、保険証を残すと一緒じゃないですか。

 なぜ保険証を残さないんですか。コストと手間が膨大になりますよ、そんなことをしたら。

加藤国務大臣 多分議論の前提が、骨太にも先ほど書いてあると申し上げたように、申請があれば保険証を交付するという仕組みに変わる。今は申請がなくても全ての方に保険証が発行される。しかし、多くの方がマイナンバーカードを使えば、保険証はわざわざ必要ないわけでありますから、そういう方々まで発行する必要はないので、必要な方だけ手を挙げていただいて、いわば今でいう保険証と同じ効能を持つ、いわゆる保険診療が受けられる、その資格を表す資格確認書を発行させていただくということであります。

長妻委員 ですから、保険証をなぜ残さないのかということなんですよ。マイナ保険証についてすごい強い抵抗感を持っておられる方も多いわけでありますから、なぜなのかということなんですね。

 こういうパネルを作りましたけれども、今、いろいろ便益のことをずっとるるお話しいただきましたけれども、やはり原則は、リスクとベネフィットを比較して、危険と利益を比較して、マイナンバーカードを持つか否か、自分で決めさせてほしいということなんですよ。

 マイナンバーカードは確かに任意ですよね。でも、マイナ保険証というの以外、普通の保険証が廃止になりますと、持たざるを得なくなる、事実上強制になるじゃないですか。

 そうしたときに、先ほど公明党の議員の方もおっしゃっておられましたが、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を、これはデジタル庁のホームページを見るとイの一番に出てくる言葉なんですね、誰一人取り残されない。確かにこれはキャッチフレーズで、完璧にはそうはならないということもあるかもしれませんが、余りに誇大広告じゃないですか。なぜ立ち止まらないのかということが非常に不可解でございます。

 法改正が必要になるわけですね、仮に紙の保険証の廃止ということをしない場合は。是非それを考えていただきたいというふうに思います。

 ミスが七千件以上あるじゃないですか、マイナンバーと被保険者番号のミス。これは、結局、今後、この七千件、発表された数字よりも増えるということはないんですか。

加藤国務大臣 そうしたこともあり、たしか最初の段階では十一月末ぐらいの段階で、先般、五月の段階の数字をお示しをさせていただきました。さらに、今、それぞれの保険者においてチェックをしていただいており、点検をしていただいて、これまでのやり方に課題がある、あるいは懸念がある、そういった方については、今七月ですから、今月中にチェックをお願いするということで今作業いただいているわけでありますので、その結果をしっかり受け止めながら必要な対応を講じていきたいと考えています。

長妻委員 昨日記者会見されたんですかね、そのときに、四割ぐらいの団体で、不明も含めて、チェックが必要だというふうにおっしゃっておられるので、相当これは増えてくると思いますよ。

 人に自分の薬剤情報を見られる、見る人が見れば容易に病歴が分かるということで、マイナンバーカードが仮に、そういう事例は盗まれた事例じゃないですけれども、仮に盗まれた場合が、大変心配される方が多いんですね。

 資料の五では、キャッシュカードが暗証番号つきで盗まれた件数というのは毎年一万件ぐらいあるわけですよ。これは、お金も大切ですけれども、丸裸になっちゃうわけですよね、自分の情報が。だからマイナンバーカードはちょっと自分は何とか勘弁してほしいという方は、短期保険証と似たような、滞納者に対するような、自分で申請しなきゃいけない保険証で我慢しろというのは、余りにもこれは誰一人取り残されないから逆行しているんじゃないですかと強く申し上げて、是非考えを変えていただきたいというふうに思うんです。

 もう一つは、何でもひもづけ主義なんじゃないのかということなんですね。今回の法案、我が党は反対しましたけれども、事務に準ずる事務であれば法改正不要でどんどんひもづけられる、こういうことも決められてしまいました。

 そして、厚労省からいただいた資料では、配付資料の一ページ目でございますが、G7の諸外国において国民カードにICチップを搭載して健康保険証として利用している国は承知していないと。てっきりほかの国もみんなやっていて、日本も遅れないようにやっているんだと思ったら、ほかはこういうことをやっていないというんですが、こういうことでよろしいんですか。

加藤国務大臣 そのG7各国の状況を申し上げますと、異なる行政分野に共通するいわゆる個人番号制度を有した上で、個人番号を確認できるICチップつきの身分証明書となるカードを健康保険証として利用できるという国は我が国以外はないということは確認しておりますが、この個人番号制度とは別に、ICチップつきの個人単位のカードを発行し、そのカードに患者の医療情報をひもづけて医療機関等で活用できる仕組みを持つ国としてはフランスやドイツがございます。

 一方、このフランスやドイツでは、異なる行政分野に共通したいわゆる個人番号制度、これがないということでありますから、制度がない以上、そういうカードがない。

 更に申し上げますと、G7以外では、エストニア、オーストリアではほぼ我が国と同じようなやり方を取っているというふうに承知をしています。

長妻委員 今おっしゃっていただいたように、フランス、ドイツも、いわゆる国民番号、共通番号にはひもづけていないわけですよ。健康保険番号に、カードを持って、フランスはチップをつけて、健康保険証として使っているわけですよ、基本的には。

 そういうようなことで、これほど幅広く国民カードにひもづけている、健康保険証として利用している国は承知していないというのはそのとおりですので、ここら辺も含めて、その期限を決めるということが、それで完全廃止なわけですよね、従来の保険証は。それはどう考えてもおかしいですよ。いずれ、これは撤回することに私はなるんじゃないか、本当に国民の皆さんの声を聞くと。

 やはり大きいのが、高齢者施設の方々の声は大変深刻でございます。高齢者施設や在宅の介護を受けておられる方で、高齢者施設でもいろんなパターンがありまして、例えば何十人おられる施設で、その何十人分を施設が保険証を預かっているケースもありますし、預からない、御家族が預かってくださいというケースも、そういう施設もあります。いろんなパターンがあるんですが、資格確認書となりますと、毎年毎年、忘れずに何十人分を、本人が行けない場合、御家族がおられない場合、施設の方が全部完璧にできるんでしょうか。いかがですか。

加藤国務大臣 まず、そうした施設において、まずマイナンバーカードを取得していただかねばなりませんから、それに対しては、今、総務省の方でいろんな手当てをさせていただいているところでございます。

 その上で、毎年の申請ということでございますけれども、それについては、申請の漏れがないように保険者からいろいろと対応していただく。それでも難しい場合は、職権における交付といった、いわゆる柔軟な対応をこれまでも申し上げておるところでございますので、そうした措置の中で、先ほど副大臣からも答弁させていただいたように、医療保険を負担していただいている方がしっかりと医療保険が受けられる、こうした状況を確保するよう努力していきたいと考えています。

長妻委員 そんな面倒くさいことをするんであれば、残せばいいんじゃないでしょうか。同じことじゃないですか。

 では、ちょっとお伺いしますけれども、資格確認書を職権でやっていただけるということで、それでは、職権で必ず漏れなく皆さんの分を期限の前に、期限が過ぎたときじゃなくて、期限の前に漏れなくやっていただけるというふうに明言いただけるんですか。

加藤国務大臣 今、職権でやるとは申し上げていなく、そうした様々な措置を講ずる中で、漏れがないように対応していくということを申し上げたところでございます。

 基本的に、マイナンバーカードと例えば結びつけていない方、これについては各保険者において把握をしていただくという仕組み、そして、その上に立って、漏れがないように対応していく、こういったことを考えていきたいと思っております。

長妻委員 ですから、これは漏れがある可能性が出てくるじゃないですか。であれば、なぜ保険証を残さないのか。これはメンツですかね、もう法律に条文でばあんと書いちゃったので。

 私は、今回の保険に関するいろんなミスは、来年秋廃止ありきで、もうお尻が決まっていて、準ノルマ的に職員の方にプレッシャーがかかって、どんどんどんどんひもづけろ、ひもづけろということで、住所の確認がおろそかになった。こういう原因をつくった一端に、来年秋ありきがあるという自覚はあるんでしょうか。

加藤国務大臣 様々な不安を国民に持っていただく事案が発生していること、これは我々も真摯に受け止め、反省しなきゃならないと思いますが、ただ、委員、大前提として、よりメリットのある医療を国民に享受していただく、これは私たちの責務だと思うんですね。

 そのために、しっかり信頼の基盤をつくるとともに、メリットをしっかり周知していただいて、マイナンバーカードを活用する。まさに、保険証では、委員御承知のように、その方の医療情報を使った診療はできなくなるわけですから。そうじゃなくて、その方の様々な医療情報、これから更に電子処方箋とかいろんなデータが入ってきます。それをしっかり活用して、国民の皆さんによりよい医療を受けていただける、そのために我々はしっかり努力をしていかなきゃならないというふうに思っています。

長妻委員 ですから、御本人に選ばせればいいじゃないですか。

 私は、メリットを全く否定しているわけじゃないですよ。それはあるでしょう、メリットは。レセプトを過去三年分見れるとか、お医者さんもそれを見れる。だから言ったじゃないですか。リスクとベネフィットを自分で比較して、私は、そういう利益はあるけれども、しかし、それはリスクを一定程度心配をして持たないんだ、こういう選択肢を何で認めないんですか。そういう趣旨を申し上げているんですよ。

 しかも、別に、見るのであれば、マイナンバーでなくても、保険証の番号で検索してそういう情報が上がるようにシステムというのはできるわけですから、いろいろな意味で非常に拙速ではないのかというふうに、強く、私は考え直していただきたいということを申し上げておきます。

 そして、もう一つは、日本年金機構についてなんでございますが、これも私も不信感がありますのは、政府が私に説明いただいたのは、マイナンバーと基礎年金番号、これは一対一でひもづけを完了しています、こういう話なんですね、既に。もちろんマイナンバーカードを持っていない方も。これは、であれば、一人のマイナンバーと複数の基礎年金番号がひもづけられた事例はあるんですかと聞いたら、そんなのはもう絶対ありません、システム的に結びつきませんから大丈夫です、一つのマイナンバーは一つの基礎年金以外は結びつきません、そういうようにおっしゃっていたわけです。

 私はチェックしてほしいとずっと言っていたんですが、そうしたらば、先日、地共済から、一件、年金の問題が見つかった。これをお伺いすると、日本年金機構でマイナンバーをつけた基礎年金番号と、地共済でつけたものがダブルで、別々の方の番号をつけてしまったと。つまり、一つのマイナンバーに二つの基礎年金番号がひもづいてしまった、やっぱりあったということなので、これは地共済はチェックするというふうにおっしゃっておられますけれども、日本年金機構はかたくなに一切チェックしないと。地共済どころじゃないんですね、年金受給者や被保険者が管理されているのは。日本年金機構は多くの方々の年金の事務が扱われているんですね。

 日本年金機構は五情報を自動で照合しているから大丈夫だと言うんですが、はじかれたものは、これは、かつての住基のネットから取ってきたものもありますし、手作業もありますので、いずれにしても、全数チェックしてくれと申し上げましたら、それはできないと言うので、ではサンプル調査をしてみてはいかがですかということを申し上げたんですが、いかがですか。

加藤国務大臣 まず、日本年金機構でのこれまでやってきたやり方と、地方共済は必ずしも五情報ではなかったというふうに承知をしております。

 したがって、日本年金機構においては、これまでも、五情報について、しかもJ―LIS情報との一致をシステム的にひもづけるというやり方をしてきているということで、他方で、二十歳以前の場合にはもちろん手作業というところもありますが、それはそれでしっかり五情報でやってくださいということで徹底をしているところであります。

 そういう説明をさせていただきましたが、今回、総理から、マイナンバーにつながっている全てについてしっかり確認をしろということで、今、デジタル庁を中心に、その対応をどういうやり方を取っていくのか、そしてそれをどうやるのかということが指示が出ているわけでありますから、それにのっとって対応していきたいと考えております。

長妻委員 そうすると、日本年金機構は一切やらないとずっとかたくなにおっしゃっていたんですが、これは、サンプル調査をやる、やる方向ということでいいんですね。

加藤国務大臣 いやいや、サンプル調査をやるんではなくて、要するに、これまでどういう形でやってきたのか、もう一回しっかりチェックをしていく、そして、チェックをしていく過程で、問題がなければそこで今回の作業は一応終わる、ここで課題があれば、それに対して対応していく、こういうことであります。

長妻委員 ですから、私が説明を受けたのも、チェックをして問題がないからやりません、一切やりませんというお話をいただいているので、マイナンバー情報総点検本部というのは、私は、これは看板に偽りありというふうに申し上げているんですね。

 大切な年金の、公金受取口座で年金を受給することを選択している人が、人為的なミスが幾つか重なれば、人様の年金を受給してしまうということも起こり得る、可能性としてはあると私は思っているんです。そういう意味では、しっかりこれをやってもらわなきゃ困るということは強く申し上げておきます。

 そして、もう一つは、これも私もよく分からないのが、三年後にマイナンバーカードが替わる、マイナンバーカードを新しいカードに替えると。何かセキュリティーの問題があるということも聞きましたけれども、それ以外の改善点もあるとも聞いていますが、三年後に替えるときに、これは私の方にもいろいろ聞かれているんですが、例えば、いろいろな、今買っていますよね、カードリーダーを病院なんかでも。マイナ保険証を読み込むものとか、いろいろなところでカードリーダーとか読み込む装置を買っていますが、この機械が使えなくなるわけですか。使えるんですか、継続して。

河野国務大臣 二〇二六年から新しいカードの導入をしようと思っております。これは、今マイナンバーカードで使っている暗号が、量子コンピューターやら何やら、いろいろ技術が革新すると、強度的に更に強いものが必要だということで、強い暗号に切り替えたものに順次替えていこうと思っております。

 最初の発行から十年たって、カードを更新する際に新しいカードに切り替えさせていこうと思っておりますので、順次新しいカードが世の中に出回っていきますが、更新するまでは現行のカードを使うわけでございますから、現行のカードで、現在のカードは読み取っていただきます。新しいカードをどういう形で読み取るかというのは、新しいカードの仕様が決まってからということになりますのであれでございますが、現在のカードは、現行のカードが今後使われている限り、それで読み取るということになります。

長妻委員 そんなの当たり前じゃないですか。現行のカードが使われている限り、現行で読めるじゃないですか。

 そうすると、新しいカードでは読めなくなる、今の機械が使えなくなるという可能性もあるということなんですね。

河野国務大臣 新しいカードの仕様がまだ決まっておりませんから何とも申し上げられませんが、仕様によっては新しい読み取り機が必要になるという可能性は当然ございます。

長妻委員 これ、ちょっと、もっと先を見て判断していただきたかったと思うんです。今、必死になって医療機関は入れているわけですよね。それでまた替わらなきゃいけないという可能性もあるというのは非常に不可解で、なぜ、三年後、また替えるのか、セキュリティー上の大きな穴が見つかったのかどうか私は分かりませんけれども、しっかり説明していただきたいと思います。

 そして、もう一つは、この四ページ目を見ていただきますと、デジタル庁に利用規約というのがあるんですね。デジタル庁が作りました。そこには、公金受取口座の登録で、デジタル庁がちゃんと審査をしなきゃいけないというふうに書いてあるんです。登録可能な口座というのは、システム利用者本人名義の口座であることというふうに書いてあるわけで、これほど公金受取口座のミスが、違う人のを入れちゃったということは、この規約違反なんじゃないですか。デジタル庁はちゃんと審査をしていなかったということでよろしいんでしょうか。

河野国務大臣 デジタル庁では、公金受取口座の登録に当たりまして、申請内容に漏れがないか、あるいは口座の実在性などについて確認を行って、その確認が取れたもののみ登録をしております。

 他方、本人の氏名と口座名義につきましては、マイナンバーカードの氏名は漢字氏名で、口座名義は仮名氏名であることから、自動で両者を照合することはできません。現時点でシステム上で制御することは残念ながら困難でございます。そのため、登録手続において、登録可能な口座は本人名義のものとする規約に同意を求めるなど、御本人の口座を登録いただくよう働きかけを行っているわけでございます。

 また、給付を行う行政機関においても、給付制度では給付の振り込み口座を本人名義のものとしていることから、振り込み先情報に公金受取口座を利用するか否かにかかわらず、本人氏名と口座名義の確認を行っております。

 マイナンバー法の一部改正によりまして、振り仮名が公証されるようになったことから、そのタイミングに合わせてシステムの改修を行い、口座名義人の自動照合も実現していきたいと考えております。(長妻委員「規約違反なんですか、結局」と呼ぶ)規約違反ではございません。

長妻委員 今の話だと、漢字と仮名が照合できないからそれはチェックしなかったということで、私は、これは、そうであれば、もう前もって法律を手当てするべきだったんじゃないですか。これは規約違反に結果としてなっているんじゃないかと強く思います。

 これで質問を終わりますけれども、私どもが言いたいのは、秋に廃止ありきで進むというのは、これは、我々も想定していない話でございますし、幾ら何でもおかしいのではないのかと。

 我が党は、臨時国会が始まれば法案を提出して、来年秋廃止ありきでない、立ち止まる法案を準備をしておりますので、ちゃんと与党も真摯に向き合っていただきたい。リスクとベネフィット、危険と利益を自分で比較して、マイナンバーカードを持つか否か自分で決めさせてほしい。事実上の強制というのはやめていただきたい。デジタル社会に逆行します。よろしくお願いします。

橋本委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。

 まず、河野大臣に伺いたいと思います。

 今週の日曜日にNHKの「日曜討論」で、マイナンバーカードという名前、名称を変更することを検討する、やめた方がいいんじゃないかというような発言を河野大臣はされました。

 この発言で、そうだよね、マイナンバー制度とマイナンバーカードってちょっとごっちゃになりやすいしと思った方も、例えばデジタル庁の中などにはいらっしゃったかというふうには思うんですけれども、私自身は、何それって思いました。マイナンバーカードという名称を変えたからといって、今ある問題、あるいはカードのシステムそのものの問題がなくなるというわけではないし、やはり問題の本質から逃げようとしているんじゃないかという方々が多かったんじゃないかというふうに思うんです。

 河野大臣、この発言、どういう趣旨でおっしゃったんでしょうか。名前を変えたら問題が解決するということではおっしゃってはいないというふうに思うんですけれども、この発言の趣旨について、まず伺います。

河野国務大臣 マイナンバーというシステムとマイナンバーカードというもの、この二つを混同されている方が多くいらっしゃるようにお見受けをしておりますので、政府として、マイナンバーという制度は何なのか、それと、マイナンバーカードというものはどういうことに使っていただくのか、この広報をしっかりやっていかなければならないと思っておりますが、名前が同じということで混同されている方もいらっしゃるというのも事実なんだろうと思います。

 マイナンバーというシステムとマイナンバーカードという物理的なカードというものは別物ですよという広報をしっかりやってまいりたいと思います。

西村(智)委員 だからといって、名前を変えたら問題がなくなるわけではないというふうに思うんですけれども、大臣、これはどういう趣旨でおっしゃったんですか。

河野国務大臣 マイナンバーというものとマイナンバーカードという物理的なカードは別物ですよということでございます。

西村(智)委員 ちょっとはぐらかしが、いつものまた河野大臣のはぐらかしが始まったかなというふうに思うんですけれども。

 今、少なくとも政府の方は総点検というのを行っていますよね。総点検というのを行っている中で、名前を変えたら問題が解決するという前提には政府全体としても私は立っていないというふうに思うんですよ。

 松野官房長官は、河野大臣の発言に対しては、それは河野大臣の個人的な考えでしょう、政府としては検討していませんというふうに言っておられます。また、河野大臣はそれに対して、マイナンバーカードの名称変更について、今ということではないんだけれども検討するというふうに言っておられて、何か、どっちが本当の政府の方針なのか、少なくとも松野官房長官は将来的な名称変更について何も語ってはおられませんでした。

 閣内不一致なんじゃないですか。

河野国務大臣 マイナンバーカードの名前を変えるかどうかというのと、今起きている事案とは全く関係がございません。これはもう何回も申し上げております。今の問題につきましては、しっかり総点検をし、再発防止をするということでございます。

 それとは別に、このマイナンバーというシステムが今行政の中でいろいろ活用されている、それに対する御理解を国民の皆様の間でしっかりいただかなければいけないということと、やはり、繰り返して申し上げておりますが、マイナンバーというシステムと物理的なマイナンバーカードというものがどう違うのかということを、多分、御家族に聞かれて、それはね、こういうことなんだよといって説明をできるという人が、余り、やはりいらっしゃらないんだろうと思います。

 そういう意味で、やはり、政府として、マイナンバーというシステムとマイナンバーカードという物理的なカードがそれぞれどういうものなのかということを、まずきちんと広報しなければいけない。その広報のやり方の中にはいろんなものがあるんだろうというふうに思います。

西村(智)委員 今の答弁は、まず一つは、理解していないユーザーの方が悪いんだというふうに言っているようにも聞こえます。

 もう一つ、私の質問は、閣内不一致なんじゃないですかというふうに伺ったんですけれども、それについては全く答えていない。

 もう一回、答弁してください。

河野国務大臣 現時点でそうしたことを考えていないというのは、何ら不一致ではございません。

西村(智)委員 将来的にやるというふうに河野大臣はおっしゃっている。

 こういう、今、この場でのやり取りもそうなんだけれども、論点のすり替えとかがしばしば起きるんですよ、河野大臣の周りで。本当に、マイナンバーカード、マイナンバー制度、進めていく上で、私は、実は内閣の中で一番障害になっているのは河野大臣なんじゃないかと思うんです。そこのところはよく自覚をしていただきたいというふうに思います。

 先に進みますと、マイナ保険証のことについてなんですけれども、今日は、私も、長妻委員が先ほど質問した趣旨と同じ趣旨、スタンスで質問したいと思っています。つまり、来年の秋の保険証の廃止、紙の保険証の廃止というのはこれはやめるべきだということなんですけれども、これまで、加藤大臣も、委員会などでいろいろ答弁に立って、マイナ保険証をなぜ導入するんですかというふうに理由を問われたときに、よりよい医療につながるんですというふうにおっしゃっていましたね。私は、ただ、本当によりよい医療につながるのかどうかということについては疑問があります。ですので、今日はそのことを中心に聞いていきたいと思います。

 まず、本当によりよい医療につながるんだという前提で伺いたいと思うんですけれども、マイナ保険証で医師が閲覧できる情報というのはどの期間のものになるんでしょうか、前後ですね。

加藤国務大臣 マイナ保険証というか、マイナ保険証で受診した方についてということだと思いますが、その場合に、大きく言うと二つあります。特定健診情報と、あとはレセプトの情報ということになるわけでありますが、特定健診情報については、過去五年分の情報が、保存といいますか、対象になるとしておりますが、現時点では令和二年度以降の特定健診の情報が対象となっております。

 レセプト情報の中の薬剤情報については過去三年分の情報となっており、現時点では令和三年九月以降のレセプト情報。診療情報については、これも過去三年間分の情報となっていますが、令和四年六月以降のレセプト情報をそれぞれ収載をしているところで、これらが患者さんの同意を得て医療従事者の方が閲覧することができる、こういうふうになっております。

西村(智)委員 レセプトが反映されるまでに、どのくらい時間がかかりますか。

加藤国務大臣 通常、レセプトというのは月末締めでありまして、それが支払基金等に回って、それからということになりますので、最短で一か月半ぐらいというふうに承知をしています。

西村(智)委員 最短で一か月半ということですと、例えば、新型コロナウイルスに感染していたということが一週間前に分かりました、その方が何か倒れていたときに、そのレセプト情報などは反映されていないわけですよね。しかも、倒れていて本当に意識不明だったりしたら、それこそ使えないということでありますし、三年、五年という期間が十分なのかどうか。

 今、普通に、例えば初診のお医者さんにかかったときに、大きな病気したことありますかというふうに聞かれて、私たち、十年前の大病だろうが二十年前の大病だろうが、それは口頭でお伝えしているということなんですね。ですから、この期間が本当に適切なのかどうかということは、私はあるというふうに思っております。

 次に、マイナ保険証で閲覧される情報というのは患者が選択できるのかということについて伺いたいと思います。

 ナイーブな診療情報とかナイーブな薬剤情報、たとえ相手がお医者さんであっても知られたくないものって私はあるというふうに思うんですよ。例えばですけれども、定期的に通っている内科なら内科、あるいは眼科なら眼科、こういったところには、マイナ保険証で資格確認して、情報オーケーですよといって同意をして、共有をしている。

 なんだけれども、例えば私が、そういった中で、性感染症になりましたというときに、データを共有できるということはやはりやられたくないなというふうに思うんじゃないかというふうに思うんですけれども、これは、マイナ保険証で閲覧できる情報というのは、そういうふうに患者が選択できるのか、それとも、一括して同意なのか、一括して不同意なのか、どっちですか。

加藤国務大臣 医療機関で閲覧を患者が同意する際でありますけれども、顔認証つきのカードリーダーで、これは見ていただいて結構ですというふうな仕組みになっていますが、その仕組みとしては、特定健診情報が一つの固まりです。それから二つ目として、診療情報のうちの手術情報が二つ目の固まり。三つ目が薬剤情報とその他の診療情報。この三つの固まり、種類ごとに個別に同意を選択できるということでありますから、委員御指摘のように、ある診療だけを除外するというのは現行の仕組みでできない。

 ただ、現在の診療情報、多分、また後で御質問があるんじゃないかと思いますけれども、今おっしゃったように、全てが入っているわけではございませんので、診療情報の中においては一定程度限られたもののみが、そして、その医療関係者と相談をして、やはりその後の医療の判断に必要なもの、それに限って載せているというのが現状でございます。

西村(智)委員 もちろん、診断名だとかは入ってこないということだと思うんですけれども、例えば、提供された薬剤だとか処置の名称ですとか、そういったものでやはり分かること、結構あるんじゃないかと思うんですよ、私はドクターじゃないので分かりませんけれどもね。この薬剤が投与されているということはこういうことだなとか、こういう処置をされたということはこういうことだなというふうにやはり分かってくる。

 そうすると、もちろん、例えば何か禁忌の薬剤が処方されたりしているとか、あるいは本当に命に関わるようなことであれば、それは別だというふうには思うんですけれども、例えば、命だとかに余り関わりがない、必要性がさほど高くないというものについてまでも患者が丸裸にされるというのは、私はちょっとやはり、これはある意味強制的な患者の医療情報の、たとえドクターであるとしても、やはり恥ずかしいという気持ちですね、ドクターは当然守秘義務はあるわけだけれども、そういうことになってくるんじゃないかというふうに思うんですよ。

 こういうふうに考えていくと、今でもそうですけれども、マイナンバーカードそのものを返上している方がいらっしゃいます。あるいは、マイナ保険証もやめたいという人も出てきていると思います。こういう方々がマイナ保険証だけをマイナンバーカードから切り離して、いや、私は普通の保険証に、紙の保険証に戻りますということというのは、これはできるんでしょうか。

加藤国務大臣 その前に、さっき申し上げた、三つのグループでありますから、その中で、そこに入る情報で御自身が開示したくないというものであれば、それは、その情報をまとめて開示せず、そして、場合によっては、お医者さんに口頭でお伝えいただくということで診療していただくということになるんだろうというふうに思います。

 その上で、今御指摘のマイナ保険証利用登録の解除ということでありますけれども、健康保険証として利用登録をしていただいた後においても、マイナンバーカードによって医療機関を受診するかどうか、また、医療機関において薬剤情報等の閲覧を認めるかどうか、これはまさに本人の選択に委ねられておりますから、マイナンバーカードを持っておられたとしても、あるいは結びつけたとしても、別にマイナンバーカードでなくて、現行でいえば保険証、あるいは、この後でいえば資格確認書で受診をしていただくということも可能だというふうに考えております。

 その上で、それでもなおかつ登録解除をしたいというお話。

 実は、これは既に公表させていただいておりますけれども、自治体の事務処理誤りで、御本人が結びつけたいとおっしゃっていないものを結びつけた事例がございます。これについては、利用後、現在、登録解除を逐次行わせていただいております。

 その上で、もっと一般的にということになりますと、これはシステム全体を変えていくという話になりますので、そうした必要性も踏まえた検討が必要なんだろうというふうに思います。

西村(智)委員 まず、先ほど、その情報はでは閲覧できないようにすればいいですよという、大臣のその三カテゴリーに分けたお話ですけれども、そうしたら、よりよい医療のメリットってなくなるじゃないですか。だって、それが共有、閲覧できるからよりよい医療につながりますよというのがこれまでの大臣や厚生労働省の説明なんですよ。それができなくなったら、メリット、なくなっちゃうじゃないですか。

 しかも、今の質問に対しては、誤って登録した人についてはマイナ保険証は切り離すことができますと。七千三百何十何件、厚労省が調べているだけでそのぐらいですかね、今。(発言する者あり)ごめんなさい、六十件だったかな。もっと……

橋本委員長 必要であれば、御答弁ください。

西村(智)委員 ごめんなさい。こんなことでぶつぶつやって済みません。

 取りあえず、厚労省が分かっているだけの件数がある。それも、手作業でやるということなんでしょうかね。

 じゃ、マイナンバーカードだけ使いたい、だけれどもマイナ保険証だけは切り離したいという人の話も、これはできないんですか。システム上、だって、違う人のデータがついているということは、そこをいじるということができるということですよね。

 私、こういうふうになっている状況からすると、やはり、希望によってマイナンバーカードからマイナ保険証を切り離すということができる、解除できるようにするべきだというふうに思うんですよ。大臣、もう一回いただけませんか。

加藤国務大臣 その前に、よりよい医療というのは、それは選択の中でありますから、そして、きちんと、きちんとというか、それなりに自分の情報を開示すれば、それを踏まえて医療が進むという意味において、特に重複投薬とか、いろんなメリットは明確にあるというふうに思います。

 その上で、先ほど申し上げたのは、ひもづけ誤りではなくて、マイナンバーを発行する際に、もう保険証と結びつけてというところまで自治体が支援をしてくれるケースがあるようでありまして、そのときに誤ってくっつけてしまったという事例が幾つか出ている、このことを申し上げたところであります。

 それについてはまさに、本人は希望していなかったわけなので、申請をしていただいて、私どもの支払基金の方で解除し、さらに、このマイナポータルでもくっついていますからそこで解除するという、幾つかの手続をしなければならない。それをして今解除させていただいたんですけれども、ただ、それは全て行政の手続を取っております。

 そうじゃなくて、今委員御指摘のように、例えば、マイナポータル上で自分がつけたんだから外すようにできないかということなんだと思いますので、それをやると、かなりシステム的ないろんな検討が必要になってくるということを申し上げてございます。

西村(智)委員 一度マイナ保険証に登録すると、もう解除できないということですね。なかなか怖いシステムだというふうに思います。

 患者さんが望んでいないことも、情報がもしかしたら見られるかもしれないという意味では、やはり、そこまでしてよりよい医療が提供できるというエビデンスがあるはずなんだよなというふうに私は思います。

 政府としてそういうエビデンスをつかんでいらっしゃるんだろうというふうに思って聞いてみたんですけれども、大臣、政府の例えば正式な会議、審議会ですとか、何でもいいので、中医協とかでもいいんですけれども、そういった会議なんかで、例えば、本当にマイナ保険証を使うということでよりよい医療につながるというエビデンス、助からないかもしれなかった命が助かったとか、そういった事例というのは何か報告されているんでしょうか。

加藤国務大臣 一般的に、情報が多ければそれに基づいてより適切な判断がなされる、まさにそういったことが前提に、それぞれの医療部会においては、どうその利用促進を進めていくのか、まさにそれが大前提になりながら、更に具体的にどう進めていくのかというのを議論していただいているところでございます。

 他方で、既にオンライン資格確認等で実施している医療機関等では、例えば眼科で、特定健診の結果などを見ることができたので、患者の糖尿病を推測して合併症である網膜症、網膜症というのはなかなか自覚症状がなく進行する疾病だと聞いておりますけれども、それに気づけたとか、様々な事例が既に出ているというふうに承知をしています。

西村(智)委員 政府の正式な会議ではそういうエビデンスはないんですね。私、昨日聞きました。

 つまり、何か、今も大臣の方からお話があったのは、薬剤情報の閲覧で大体分かりましたという話だと思うんですけれども、薬剤情報の閲覧あるいは共有でたくさん情報があって防げたという話であれば、今まで厚労省は、任意とはいえ、お薬手帳というのを普及してきたと思います。お薬手帳って将来どうするんですか、なくしていくんですか。

加藤国務大臣 先ほど申し上げた特定健診の活用、結果の活用でありますけれども、お薬手帳自体、これをどうするかというのは、これは個々に今やっていただいているわけでありますけれども、基本的には、お薬手帳そのものが、今レセプトなのでさっき御指摘のあったように一か月半以上遅れるということもございます。ただ、電子処方箋に移行すればこれはリアルタイムで入っていきますので、そうなればお薬手帳と同等なものがこれによって得ることができる。そうしたそのときに、あえてお薬手帳を持つ方がどのぐらいおられるのか。もちろん、マイナンバーカードを使わないという方がいらっしゃれば、お薬手帳というのはあるんだろうと思います。

西村(智)委員 相当な予算をかけてきているというふうに思うお薬手帳ですので、私は、医療DXというのは、マイナ保険証ではない別の形というものを模索できるのではないかというふうに思っている者です。

 次に、ちょっと資料を今日は一枚だけおつけしたんですけれども、裏表のものです。こちら、厚生労働省が都道府県を通して基礎自治体に、健康保険証の送付などと一緒に封筒に入れて配布をしてくださいというふうに要請のあったチラシだそうです。これは間違いありませんか。

加藤国務大臣 そのとおりです。

西村(智)委員 こちらが表面、「「マイナンバーカード」を健康保険証としてぜひお使いください!」と。今まさに総点検をやっていて、誤ったひもづけだとかがまだ点検中であるというのに、このチラシを入れて送れということなんですね。七月の国民健康保険の送付と一緒に送れということですから、七月の三十一日までには送付をしてくださいというようなものですね。本当に、私、このチラシを見たときにギャグかなと思ったんですけれども、裏の方に、マイナンバーカードは安心ですというふうに書いてあるんですよ。

 ちょっと、今このタイミングでこれを配布してくださいということを求められている自治体からすると、非常にこれは困惑しているんじゃないかというふうに思います。ただでさえ総点検中で期限が秋までというふうに区切られて、もうそれだけでもてんてこ舞いなのに、こういうものを入れて送ったら、また自治体の方に苦情の電話が殺到するんじゃないですか。

 そういうことを考えたら、私は、このチラシの配布、厚労省からは、止めていいですよというふうに言っていただくか、あるいは、せめて、内容を変えていいですよというふうに言うべきじゃないかと思うんですけれども、大臣、どうですか。

加藤国務大臣 もちろん、一方で、誤ったひもづけの是正、あるいは、そうならないような対応をしていく、これは進めていただいているところでありますが、他方で、先ほどからお話ししているように、この一体化のメリット、あるいはマイナンバーカードそのものの安全性、こういったことについてはしっかり周知を図る必要があるということで、一つのひな形として出させていただいているところでございますので、これを活用して、それぞれの実情に合った形で、国民健康保険証等々を送る際に一緒にこうしたものも同封していただければというふうに思っています。

西村(智)委員 いや、これは考え直していただきたいです。

 ひな形とはおっしゃるけれども、ひな形になっているのは、まずは、発行の月のところがブランクになっているだけ。それから、発行の当該の自治体の名称だとか連絡先を入れていいですよというふうに通知には書いてあるだけ。つまりは、このチラシそのまま、今回、健康保険証を送るときに一緒に封筒の中に入れて送ってください、そういう指示が出ているんですよ。

 これは、送る自治体も切ない気持ちになると思うし、受け取った人も、マイナンバーカードは安全です、今政府、点検している真っ最中じゃないのと。ちょっと、笑われますよ。

 大臣、これはもう一回よくよく検討してください。今日は七月五日だからまだ間に合うと思いますので、お願いします。

加藤国務大臣 ですから、並行して進めているわけでありまして、一方で信頼を獲得する措置を取りながら、しかし他方でメリットをよく理解してもらう必要がある、これも様々な方面から指摘をしていただいておりますし、また、マイナンバーカード自体に対するいろいろな御懸念もありますから、そういったものの解消を図っていく、これは我々の務めだと思っておりますので、引き続き、もちろん、最後の判断はそれぞれの自治体ということではありますけれども、私どもとしては、こうしたものを一緒に配布をしていただきたいというふうに思っています。

西村(智)委員 最後の判断は自治体だということで、送付、不送付も判断だということでよろしいですか。

加藤国務大臣 もちろん、国保の保険証配付事業そのものが自治体がおやりになっているわけでありますから、最終的には自治体の御判断で。ただし、今申し上げたようなことも踏まえて、私どもとしては、こうした啓発活動も一緒に実施していただきたいというふうに考えています。

西村(智)委員 もう一度よく省内で検討してください。お願いいたします。

 最後に、資格確認書の問題です。

 資格確認書の交付枚数、かなりのものになるんじゃないかというふうにずっと質問してまいりました。現在、マイナ保険証として登録されている件数が六千四百万枚、ざっくり申し上げて、日本全体の人口の半数ということになります。これからどのくらいか、増えてくるか分かりません、あるいはもう、これで返納したいという方もいらっしゃるみたいなので、もしかしたら減っていくかも分からない、増えていくかも分からない、こういうような状況なんですけれども。

 こういうことからしても、せめて資格確認書の交付数がどのくらいの数になるのか、そして大体どのくらいの予算になるのか、これはそろそろ言えるんじゃないかと思うんですが、大臣、どうですか。

加藤国務大臣 そろそろというお話がありましたけれども、これからどう普及していくのか、あるいは資格確認書の発行ニーズがどのくらいあるのか、これは様々な前提によって大きく変わってくるわけで、現時点で具体的にお示しは難しいと考えていますけれども。

 市町村国保や後期高齢者医療制度については、健康保険証として利用していただくということがかなり進めば、これまでの健康保険証の発行コストは、これは毎年とか二年ごとに発行していますから、相当程度大きいと考えています。

 健保組合、協会けんぽ、これは、一回加入すれば転職等をしない限り同じ健康保険証を使っていただいているわけでありますけれども、そうしたところにおいても、改めて転入者に対して発行するというコストの低減が、減るものというふうに認識をしているところでございます。

 資格確認書については、これまで申し上げているように、漏れのないようにしっかりと対応していきたいというふうに考えておるところでございますので、引き続き、全ての方が、保険料を負担している方が医療保険がしっかりと受けられるように適切に対応していきたいと考えています。

西村(智)委員 保険証だったら片道で送付が可能なわけですね。なんですけれども、資格確認書、さっき公明党の方が質問され、そして副大臣が答弁されたように、意思確認をしようとすると、まずは、恐らく通知が行く、被保険者のところに。それで、欲しいですという返事がまた行って、そして、その上で送付をされるということになると、普通に考えれば、郵便で全部やろうとすれば、一往復半ということになります。むしろ、資格確認書を発行しようとする方がコストも手間もかかるんじゃないかというふうに思うんですよね。

 公明党の先ほどの方もおっしゃっていましたけれども、もうここはプッシュ型ででもやったらいいんじゃないかというふうに思うんですよ。そうすれば、費用はそんなに高くないし、実質的に今の保険証と余り変わりはなくなってくる、近くなってくるというふうに思うんです。

 昨日は、松本総務大臣、今日、今はここにはお呼びしていませんけれども、高齢者には暗証番号なしでも交付するというふうにおっしゃいました。

 こうなってくるとまた、ますます保険証に近くなってくるわけですよ。そうしたら、資格確認書だろうが保険証だろうが、実質的に、自動でプッシュ型で送るということをやれば、そんなにコストはかからない。

 だから、ここは、そういうふうにするのか、それとも来年秋の保険証の廃止をこれはやはりやめにするのか、こういったことを、やはり今これだけ不安の大きくなっている時期ですから、是非、そこは大臣、英断で決定していただきたいというふうに思うんです。

 重ねて申し上げますけれども、医療DXは私はやりたいし、やってもらいたい、進めたいというふうに思います。だけれども、このやり方で、マイナ保険証に義務化してそれでやるというのは、あのマイナンバーカードにすごくいろいろな種類の情報がもうどさっと入ってきているということですと、やはりなかなか、これはシステム的にも問題がどんどん大きくなってくるんじゃないかと思います。

 大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 ちょっと今の議論なんかも、マイナンバーに結びついている話と、マイナンバーカードを使った認証する話、これはちょっと違うので、それは分けて我々しっかり説明をしていかなきゃいけないというふうに思っております。

 ひもづけの問題は、これはマイナンバーカードの問題ではなくてそれ以前の問題ですよね。ですから、それはフェーズが全部違うので、それは一つ一つきちんと説明をしていく必要があると思いますが。

 その上で、資格確認書のお話をされましたけれども、まさに、いわば、多くの方がマイナンバーカードを作るようになれば、あえてそれぞれの方に発行する必要はなくなってくる。今は全員に出すわけですから、まずそれが変わる。そして、その上で、じゃ、基本的には全員じゃないわけですから、誰に発行するのか。基本的には手挙げ方式を取っていく。ただ、結びつけをしていない方ということの情報は、今、四半期ごとに把握することにしておりますから、そうした情報をしっかり見ながら、各保険者においてそうした漏れがないような対応をしていく。

 具体的な方法については、先ほど伊佐副大臣からもお話をさせていただきました。プッシュ型というのも一つの形として提案をいただいておりますけれども、それらも含めて、どういう形で、漏れのない形で、保険料を負担している方が医療保険を活用していただけるこの制度をしっかり構築していきたいと考えています。

西村(智)委員 今、総点検をやっている中で、国民はまずこの経緯をとても注視しているというふうに思います。マイナポイントはあともう少しあるということなんですけれども、返納も出ているということからすると、私、マイナ保険証の登録がこの先飛躍的に、例えばあと一年でこれがすごく伸びるということって、大変残念だけれども、なかなか想定し得ないですよ。そうなったときにどのくらいのデメリットがあるのか、あるいはコストがかかるのか、そして、自治体などの手間がかかるのか、そこをよく考えていただいて、全ての人、まさに誰一人取り残さないその国民皆保険制度の維持のために、是非私たちの考えを取り入れていただきたい。

 そのことを申し上げて、質問を終わります。

橋本委員長 次に、坂本祐之輔君。

坂本(祐)委員 立憲民主党の坂本祐之輔でございます。

 まず初めに、マイナンバーカードを利用した住民票の写しの交付の件で、六月二十八日に福岡県の宗像市において再び別人の住民票の写しが交付されたとのトラブルが発生したとのことですが、この件につきまして、事実関係と今後の政府の対応を御説明いただきたいと存じます。

松本国務大臣 今御指摘がありましたとおり、宗像市において、庁舎内の証明書自動交付サービスで別人の証明書が交付されるという事案が一件判明をいたしました。この証明書自動交付サービスは富士通Japan株式会社製のシステムのもので、その不備が原因だったと報告を受けております。

 この不備の問題については、同社で過去に発生し、修正プログラムが開発されていたものの、宗像市についてはそのプログラムが適用されていなかったというふうに聞いております。

 本事案は、別人の証明書が交付されるという個人情報漏えい事案に該当することから、極めて遺憾であると考えております。

 富士通株式会社においては、システムの再点検を行うため、富士通Japan社のコンビニ交付に係るシステムを利用する全ての自治体にシステムの即時停止を依頼し、現在三十七団体で停止又は停止予定と聞いております。

 同社においては、先ほど申し上げましたように、過去の修正プログラムの適用がされていないケースがあったことから、過去の全ての制度改正及び不具合修正プログラムを改めて洗い出して、全団体のシステムに対してその適用状況を再確認する作業を実施していると報告を受けているところであります。

 総務省から、システムの改善として、そもそも申請者と印刷ファイルのデータがひもづいていることを確認する機能の実装を早急に行うなど、迅速な対応を改めて求めたところでありまして、その事業者の対応が必要十分なものであるか、デジタル庁と連携をしてしっかりとフォローをしたいと考えております。

坂本(祐)委員 それでは、マイナンバー制度をめぐる相次ぐトラブルを受け、通常国会の閉会日である六月二十一日に開催されたマイナンバー情報総点検本部において岸田総理より指示のあった、マイナンバーのひもづけに関する総点検について質問をさせていただきます。

 第一回の会合が国会閉会日の午後に開催されました。これまでの相次ぐトラブルの状況を考えれば、国会開会中に開催するべきだったと考えます。国会審議を逃れるためとしか言いようがないと思いますが、いかがでしょうか。大臣、お答えください。

河野国務大臣 静岡県において障害者手帳とマイナンバーのひもづけ誤りがあったことが分かり、六月二十日に静岡県から調査結果の進捗状況が公表されております。ほかの自治体においてこうした同様のひもづけ誤りが起きていないか点検を行うということとしたため、六月二十日にデジタル庁及び厚生労働省からその旨公表をいたしました。

 この障害者手帳の件のほか、健康保険証情報及び共済組合情報についてもマイナンバーとの情報のひもづけ誤りがあったということから、総理より、政府内に総点検本部を設け、デジタル庁、厚生労働省及び総務省が連携して政府全体で総点検を推進するよう、この案件を受けて六月二十日に指示があったものでございます。

 これを受けて、その翌日六月二十一日に、マイナンバー情報の総点検本部をデジタル庁に設置し、一連の誤り事案が確認された関連データのみならず、マイナポータルで閲覧可能となっている全てのデータについて、本年秋までに総点検を行うこととしたものでございまして、御指摘は当たりません。

坂本(祐)委員 この総点検について、地方自治体に対してお願いをするに当たり、どのような法的根拠に基づいて行われているのでしょうか。お答えください。

松本国務大臣 総務省は、政府において自治体との連絡調整を担っておりまして、今回の総点検においてもその役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。

 その上で、政府においては、各制度を所管をする省庁、総務省も地方公務員の共済などその一つになりますが、省庁から、そして地方自治体との連絡調整を担う総務省から、それぞれ自治体に対して必要な作業について通知が行われることになるところでございますが、御質問の、政府から自治体に対する通知の法的根拠につきましては、地方自治法第二百四十五条の四の第一項、技術的な助言として行われるものと考えているところでございます。

坂本(祐)委員 この総点検は岸田総理からの指示でありますが、お答えいただいたように、法的根拠は技術的助言ということであります。

 通告にはございませんけれども、大臣から、技術的助言ということであれば、地方自治体に対しては法的な拘束力や強制力はないという理解でよろしいでしょうか。

松本国務大臣 技術的な助言は、自治体に対しまして、客観的に妥当性のある行為を実施するように促させていただくものでありまして、自治体においてこれに従う法的な義務を負わせるというものではございませんが、内容を御理解をいただき、私どもから、助言という位置づけになっていますが、情報提供をさせていただくこと、そして、マイナンバー制度、マイナンバーカードの活用の意義の御理解をいただいて、お進めをいただけたらと考えているところでございます。

坂本(祐)委員 総理からの指示によりますと、本年秋までをめどに総点検を行うとのことですが、本年秋までとした理由、根拠をお示しいただきたいと存じます。

河野国務大臣 マイナンバー情報総点検本部を六月二十一日に設置をし、その日に行いました本部の初会合で、岸田総理より、一連の誤り事案が確認された関連データのみならず、個人情報保護の重要性を踏まえ、マイナポータルで閲覧可能となっている全てのデータについて、本年秋までをめどに総点検を行うよう指示がございました。

 この具体的なスケジュールといたしまして、まずは、七月中に、各制度の現場におけるマイナンバーのひもづけ作業の実態を把握するための調査を行い、その調査状況を八月上旬に中間報告できるように作業を進めていきたいと思っております。

 その調査結果を踏まえ、個別データの点検が必要なケースの整理を行い、個別データの点検が必要と整理されたケースについては、全てのデータを点検し、誤ったひもづけがあればこれを修正するといった対応を実施する必要がございます。

 これらの調査対象は、総理の指示に基づき、マイナポータルで閲覧可能となっている二十九の項目の情報について、関係省庁やそれぞれのひもづけ実施機関と連携をして進めていく必要がございます。

 これらに要する期間を総合的に勘案して、原則として秋までとしているものでございます。

坂本(祐)委員 本年秋までをめどに総点検を行うということでありますけれども、スケジュール的には非常に厳しいのではないかと思います。点検の対象となるマイナポータルで確認できる情報項目は、おっしゃっておられたように二十九項目にも上って、所管省庁も多岐にわたっています。また、報道によれば、点検の対象となる機関は三千六百にも上るとされております。

 この本年秋までをめどとするスケジュールについて、点検の実務を担っていただく地方自治体や関係機関とはしっかりと調整し、納得していただいた上で進められているのでしょうか。大臣、お答えください。

松本国務大臣 私といたしましては、このマイナンバーのひもづけに関する総点検について、本年秋までをめどに行うようにということで進めることになったと承知をしていますが、これは、できる限り早く国民の皆様に安心していただけるようにするとの観点からのものというふうに理解をしております。

 その上で、総務省としては、地方自治体との連絡調整を担うという立場から、新型コロナウイルス感染症対策・デジタル化推進等地方連携推進本部を開きまして、総点検作業に関する自治体との連絡体制を整備し、また、今、河野大臣からもお話がありましたが、七月中に現状のひもづけ方法について確認を行うことなど、総点検の円滑な実施に向けて、必要な情報を順次自治体に提供をしているところでございます。

 この連絡体制を通じて、自治体がこの総点検に当たって様々抱える課題などを丁寧に伺ってまいりながら進めてまいりたいと思っておりまして、自治体の皆様の方からは、これからも自治体幹部に直接情報提供をするように、また、事務の省力化、負担軽減についても考えてもらいたいといった意見をいただいておりますので、しっかりと、そのような地方の声や実情を関係省庁に伝え、総点検の具体的な手順や内容を定めていけるようにしてまいらなければいけないと思っております。自治体において円滑に作業が実施できるように、私どもも連絡調整を担う立場から連携を図ってまいりたいと思っております。

 総点検は大変大切でございますので、自治体の皆様の御理解と御協力を得て取り組んでまいりたいと考えております。

坂本(祐)委員 しかしながら、地元の地方自治体の職員の方からは、本年秋までに総点検をと言われているけれども、具体的な作業内容やスケジュールがまだ示されていないとのことでありました。この点は、現状はどのようになっているのでしょうか。

松本国務大臣 先ほども申しましたが、六月の二十八日には、総務省における本部を開催して、自治体との連絡体制を整備をさせていただきました。また、各現場、市町村との連絡役を担っていただく都道府県また指定都市には、それぞれ担当を置きまして、既に今日までには一巡連絡を申し上げさせていただいているというふうに報告を聞いているところでございますが、具体的には、先日の政府のマイナンバー情報総点検本部で示されたように、この基本的な考え方を踏まえて、七月中に、各省庁から自治体などに対し、現状のひもづけ方法について確認を行うこと、また、その上で、各省庁で全ての個別データの総点検が必要なケースを整理し、必要な点検作業を求めることといった流れになっていくことを自治体にお伝えをさせていただいております。

 その中で、特に市町村については、手作業を介することなく、住基システムと各業務システムの自動連携によりマイナンバーを取得していることがかなり広く行われております。今後の調査で、実際に自動連携していることが確認ができるかどうか、これも確認をさせていただいております。

 その上で、この総点検に当たって、一つ一つ個別データを点検をしていくのか、データ連携が行われている場合の適切な点検方法として、これは、データ連携が行われていることを確認することによって点検をされたというふうに考えられていくのか、その辺りは、まさにひもづけの状況によってこれからの点検の方法を整理されるというふうに聞いておりまして、何が対象となるのかといったこともこれから順次定めていきますが、データ連携などがされる場合は外れることも考えられるということをお伝えをさせていただいているところでございます。

 先ほど申しましたように、この連絡体制を通して自治体と緊密に連携をさせていただき、もちろん関係省庁とも連携して、総点検を着実に進めてまいりたいと考えております。

坂本(祐)委員 時間の関係で質問を飛ばさせていただきますけれども、総務大臣に再びお伺いいたします。総点検に関わる地方自治体の体制整備や人件費など負担の増加について、政府としては支援を検討しているのでしょうか。

松本国務大臣 自治体の実務、行財政を支えるのが私どもの使命でございまして、自治体の支援の在り方については、今後、ひもづけ方法の確認を経て、点検作業などに係る自治体の事務負担がどの程度になるかをよく見極めた上で、必要に応じて、関係省庁と連携して、国としての支援策も検討することになると考えております。

坂本(祐)委員 最近、政府の地方への対応を見ておりますと、国と地方の関係は対等協力ではなくて上下主従の傾向が強くなっているのではないかと思えてなりません。市長を経験した者として、最近の政府の地方への対応は残念でなりません。

 総務大臣にお伺いいたしますが、国と地方とはどのような関係であるべきとお考えになりますでしょうか。また、このマイナンバー制度をめぐる一連の政府から地方自治体への対応についてどのようにお考えになりますでしょうか。

松本国務大臣 国と地方自治体は、国民福祉の増進という共通の目的に向かって、適切な役割分担の下で、対等な立場で相互に協力する関係にあると認識をいたしております。その考え方の下で、地方自治体の自主性、自立性を高める地方分権改革を着実に進めてきたと考えております。

 なお、マイナンバー制度、マイナンバーカードにつきましては、地方のDXの基盤となるツールであるというふうに私どもとしては考えておりまして、住民の方々の利便性向上、地域の活性化に資するものであると同時に、自治体の職員の方の事務負担の軽減にもつながると考えております。

 その、地方にも、自治体の皆様、地方の住民の皆様に資するところがあるとの考え方から、マイナンバーカードの普及促進を始め、各デジタルの政策推進を政府の重要テーマとして取り組んできたところでございまして、政府としてはこれからも自治体の皆様と連携をしてまいりたいと思っておりますが、申しましたように、私どもとしても、国と地方自治体は、適切な役割分担の下で、対等な立場で相互に協力する関係にあると考えております。

 その上で、マイナンバー制度とマイナンバーカードは、やはり標準化ということを、これはシステムもそうですけれども、することによるメリットもあることから、国の方で様々助言を申し上げたり、様々な御提案を申し上げて御協力をお願いをしているというふうに考えているところでございます。

坂本(祐)委員 先ほど、技術的助言、これが法的根拠という御答弁をいただきました。点検の必要性は十分理解できますけれども、国と地方の関係を対等協力とするならば、政府の都合を自治体に押しつけることがないように、丁寧に対応していただきたいとお願いを申し上げます。

 続きまして、河野大臣、松本大臣にお伺いをいたします。

 今回のマイナンバー制度をめぐる一連のトラブル発生後、全国でマイナンバーカードの返納が相次いでいるとのことですが、このような状況について河野大臣はいかがお考えでしょうか。

 また、地方自治体の窓口では、マイナンバーカードの返納に関する業務の発生や、返納に伴う相談や苦情対応といったことも増えると考えられます。このことについては総務省としてはどのようにお考えでしょうか、松本大臣にお伺いをいたします。

河野国務大臣 データのひもづけ誤りは、これはカードの保有の有無とは関係がございません。先ほどの答弁でも申し上げましたように、マイナンバーとマイナンバーカードが混同されている一つの例かと思います。カードを自主返納するということでこのひもづけ誤りが解決するわけではございません。

 自らの情報の正確性に不安がある方は、むしろ、マイナンバーカードを利用して、マイナポータルから御自身の情報を確認をしていただくことができるわけですから、積極的にマイナポータルを活用いただいて、御自身の情報を確認していただきたいと思います。

松本国務大臣 私への御質問は、自治体における新たな業務発生の負担への対応ということかというふうに理解をいたしますが、一般的に、私ども総務省としては、自治体の事務負担について、やはり、様々支援を行ってきたところでありまして、マイナンバーカードの交付事務などについても、事務が円滑に行われるように様々な支援を行ってまいりました。

 総務省としては、まず、自治体の事務負担を含め、自治体の実情を丁寧に伺って、様々な事案に対することも含めて、自治体の事務負担がどの程度になるかを見極めた上で、必要に応じて、関係省庁と連携して、国としての支援策も検討することになろうかと考えているところでございます。

坂本(祐)委員 マイナンバーカードをめぐっては、いまだに多くの課題が残っています。このような状態で利用拡大を推し進めるのではなく、一度立ち止まって、国民の皆様が安心して使うことができるものにするよう、検討し直すべきと考えます。また、マイナンバーカードの取得が任意であるということを踏まえた推進をしていくべきと考えます。

 以上申し上げて、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、住吉寛紀君。

住吉委員 兵庫県姫路市よりやってまいりました、日本維新の会の住吉寛紀でございます。

 我が党は、かねてより、マイナンバー法を改正して使途を拡大し、マイナンバーのフル活用の推進や、マイナンバーと全ての銀行口座のひもづけを義務化すること、また、戸籍から不動産登記等をひもづけし、ワンストップサービスの拡張、有事の際の給付金の速やかな支給など、透明で公平公正、迅速な行政施策の実施の実現を訴えてまいりました。

 新たな制度を構築していく上でミスは発生するものですし、そのミスに対して迅速で的確に対応することが求められております。

 しかし、昨今のマイナンバー関連のトラブルやその対処方法などを見るに、情報共有ができていなかったとか、新しいシステムがアップデートされていなかったとか、非常にずさんな印象を受けます。このことが国民のマイナンバー政策に対しての信頼を著しく落として、それは世論調査にも表れております。まだまだ、河野デジタル担当大臣が思い描くマイナンバー政策、これは道半ばだと思います。マイナンバー政策を推進している我が党としても、今後、マイナンバー政策に対して国民の理解が得られるのか、非常に危惧をしているところでもございます。

 そこで、今回の総点検、これはどのような内容で行うのか、また、完全に漏れはないのか、さらには、中間報告のスケジュールを前倒しにしておりますが、時間をかけてでも完全に漏れがないようにやるべきではないのか、さらには、自治体等の負担や費用をどれぐらい見積もっているのか、御答弁をお願いいたします。

河野国務大臣 総点検では、一連の誤りが確認されたものの関連データだけでなく、マイナポータルで閲覧ができる二十九の項目がございますが、この二十九の項目のデータの総点検を行うということとしております。

 そのために、まずは、それぞれの制度の現場でマイナンバーのひもづけ作業がどのように行われてきたのか、この実態把握を七月中に行いたいと思っております。

 確実にマイナンバーを記載してもらってマイナンバーで本人確認をしている、あるいは、住所、氏名、生年月日などの情報を確実に当てて本人確認をしていただいていれば、これはデータに誤りがないわけでございますので、全ての個別データの総点検が必要なものかどうかというものをまず現場の作業の実態で仕分をして、八月上旬にその点検結果を報告をしていただいて、全ての個別データの総点検が必要だというふうになったものにつきましては、秋までに全データの点検とひもづけ誤りの修正を実施していただいて、結果を公表していただくという予定にしております。

 点検を丁寧に行うことが肝要だと思っておりますので、秋を一つのめどとしておりますが、スケジュールありきではなく、丁寧に点検をしていきたいというふうに思います。

住吉委員 非常に多くの時間とコストをかけて、完全に漏れがないように努力していくことだと思います。

 先ほどから、早く国民の方に安心してもらいたいという気持ちは一方で分かるわけですが、一方で、やはり漏れがあって、また何かミスがあれば、それは大きなマイナンバー政策またマイナンバーカードに対する国民の信頼の失墜につながると思いますので、しっかりと徹底的にやっていただきたいと思います。

 一方で、利用者に御自身の情報を確認してもらうという手法も検討すべきではないかと思います。赤の他人がチェックするよりも、確実でスピーディーに、そして安価で点検ができると思いますが、そのような検討はなされていないのでしょうか。

河野国務大臣 マイナンバーカードをお持ちの方は、御自身のスマホからマイナポータルにログインをしていただくことで、マイナポータルの中の「わたしの情報」というところを御覧いただくと、御自分のひもづけされている情報を見ることができます。方法につきましては、デジタル庁のホームページでも公開をしておりますので、マイナポータルにログインして御本人で確認していただくのが、委員がおっしゃるように、一番迅速、確実にできる方法であるというのはそのとおりでございます。

 このやり方をしっかりと周知をして、御自身で確認していただいて安心していただけるように、そこは広報をしっかりやってまいりたいと思います。

住吉委員 実は、私も今回質問に当たって、久しぶりにマイナポータルの方にログインさせていただきました。ちゃんと情報もあって、私の情報はひもづけは間違っていなかったということが確認されたわけなんですけれども、前にマイナポータルにログインしたのが確定申告のとき、もう三か月、四か月ほど前でございます。なかなかマイナポータルに、頻繁に使う機会がまだまだ少ないのかなと思っています。

 もちろん、ログインすれば自分の情報があって、そこに間違えていたら気づく、ある意味、受動的な対応なのかなと思っています。使う機会も少ないですし。実際に確認すればいいわけではございますけれども、実際にそこにログインする機会がそもそも少ないということでございます。例えば、ちょっと言い方は、イメージでいうと、プッシュ通知みたいな形で、皆さんのは合っていますかというような、そういうことも今後検討していかなければならないのかなと思っています。

 今後、二〇二三年九月末にポイントの申込期限、これを迎えます。この申込期限に向けて、健康保険証や公金口座のひもづけでのマイナポイントの申請が増えてくるかもしれません。これから新たに申し込む人にひもづけを行うこと、こういうことを確認してもらうプロセス、これも検討する余地はあるのかなというふうに思っております。これは通告しておりませんので、意見として述べさせていただきます。

 次に、デジタル庁の組織についてお伺いいたします。

 先ほど申したように、マイナンバーとひもづける公金受取口座登録をめぐって、二月、確定申告の還付金振り込みのために、本人の口座でない登録があることに気づいた国税庁担当者がデジタル庁担当者に照会し、口座データの照合方法などを確認していましたが、この際にデジタル庁内で情報が共有されることなく、結果的に、五月下旬以降の総点検によって、庁内の担当者以外も認識するに至りました。このように、トラブルが庁内で共有されず、再発防止策が講じられなかったことは大変問題だと感じております。

 デジタル庁は、ほかの省庁と違い、四つのグループの中にプロジェクト単位でチームをつくるプロジェクト制を採用しております。プロジェクトや自身の掌握範囲ごとの縦割りが進み、全体を見渡して状況を判断したり、情報共有をしたりすることが難しいのではないかと感じ、六月九日の記者会見でも、河野大臣も見直しを行っていると発言しておりますが、どのような見直しを行っていくのか、御所見をお伺いいたします。

河野国務大臣 デジタル庁は、それぞれのプロジェクトをたて糸に、そのプロジェクトに必要な専門家人材をよこ糸のユニットから、サービスデザインとかエンジニアという人をプロジェクトに派遣をするという、たて糸とよこ糸がクロスした形の組織になっております。

 これは民間の専門人材の能力を最大限活用しようということで行ったものでございますが、それがゆえに、霞が関のほかの省庁と比べて、情報の共有に問題があったということがございましたので、これを横串を通す、あるいは情報を共有するための経営企画会議、あるいは今回の案件についてのフォローアップチームといった組織を立ち上げて、フォローアップチームは毎日、経営企画会議は週一回、また、それぞれのレベルでの横断的会議というもので情報共有をしております。

 そこは、情報の共有がしっかりできるように見てまいりたいと思っております。

住吉委員 マトリックス制という霞が関にはない新しいやり方をされて、非常に機動的にやられているということは承知しております。トラブルが共有できない、これは本当に基本的なことでございますので、しっかりと今後そのことがないように対応していただければと思います。

 続きまして、ちょっと質問の順番を変えて、マイナンバーカードの返納状況についてお伺いしたいと思います。

 世論調査でも、先ほど申し上げたように、マイナンバー政策に関する国民の不信感、これは表れております。

 これまで政府は、マイナンバーカードの義務化をせずに、国民にマイナンバーカードの利便性を享受してもらうよう、実質取得率一〇〇%を目指してきているように感じました。これまで二兆円を超える予算を使ってマイナンバーカードの取得を促す姿勢に我が党は違和感を感じております。

 今回、マイナンバーカードを返納してもポイントは返還されないということですが、マイナンバーカードの返納運動がネット上でも展開されており、センセーショナルに報道されております。実際、どれくらいマイナンバーカードが返納されているのか、お示しください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 政府の側では、マイナンバーカードが廃止された数については正確に把握をしてございますが、それが死亡によるものなのか、紛失によるものなのか、追記欄がいっぱいになったから再交付をかけてきたものなのか、話題になっているような御意思に基づく自主返納だったのか、その理由を個々には聞き切れていないというか、統計を取っておりませんので、大変恐れ入りますが、自主返納について幾つなんだという数字は、現状、把握していないような状況にございます。ただ、そういった方での自主返納があるということ自身は認識をしてございます。

 これについての受け止めは、先ほど大臣からも御答弁させていただきましたけれども、ひもづけ誤りということが動機であるとすれば、カードを保有するかどうかということと、マイナンバーと別のものがひもづいているかどうかというのは、カードを自主返納することでリスクが軽減されるという性格のものではないので、御自身の情報に不安がある場合は、逆に、マイナンバーカードを用いて、先ほど先生からもお話がありましたが、むしろマイナポータルで御自身の情報の正しさを御自身で確認をしていただきたいというところ、この辺の御説明がまだ足りていないかなというふうに考えてございます。

 ひもづけ誤りそのものについては深く反省すると同時に、是非、むしろマイナンバーカードを用いて御自身の情報を確認してほしいというところも併せてこの問題については普及をしていきたいというふうに考えているところでございます。

住吉委員 報道機関によりますと、都道府県庁所在地や政令指定都市、計五十二市区、全体ではないですけれども、かなり多くの人口割合がいると思いますが、少なくとも三百十八件返納されたという報道もございました。この数字が割合に比べると多いのか少ないのか、それはまた人それぞれだと思いますが、不安だという意見であったり、信用できないというような意見もあったというふうに承知しております。

 その大前提として、恐らく、なくても余り困らないというような、今そういう状況なんだと思っています。河野大臣も、これまで、マイナンバーカードによっていろいろなことができるんだということは答弁で承知しておりますが、私も実感としては、まだまだ、なくてもそんなに困らないのかなというような実感を持っております、マイナポータルもほとんどログインしたこともありませんし。これから利便性を享受していって、そして国民が持っていただけるようにしていく、こういう御答弁が度々ありましたが、是非そういうような利便性の向上を図っていただきたいと思っております。

 次に、マイナンバー関連のトラブルに乗じた詐欺についての対策についてお伺いいたします。

 この制度に対する国民の不安を逆手に取って、データを悪用するという詐欺が増えていると聞いております。マイナンバーカードのセキュリティーは高いと認識しておりますが、カードと暗証番号があれば、非常に重要な個人データを入手することが可能となります。

 例えば、行政関係者を装い、カードを交換するのでとカードを預かり、暗証番号を聞き出す、そして、解決しましたと後でカードを返す、そういうことも容易に考えられるわけでございますが、実際にどのような事案が発生し、そのための対策をどのようにされているのか、御所見をお伺いいたします。

村上政府参考人 マイナンバー総合フリーダイヤル等に報告のあった事例といたしましては、マイナンバーの通知やマイナンバーカードの手続をかたって、銀行口座の暗証番号や資産、保険の契約状況を聞かれた、もちろん、これは答えなければいいんですが。それから、個人情報が流出していますよとか、そのためにも削除が必要ですよとかということで電子マネーをだまし取られた事例といったような報告が入ってございます。

 全体的には、今、このフリーダイヤルは四万件から六万件くらい月当たり来ているんですが、恐らくこういう詐欺系ではないかと思われるものは月数件のレベルでございます。フィッシングその他、御心配の御指摘がありましたが、今のところはこのトレンドに大きな変化はなく、安定して月数件ということでございます。

 お話もありましたとおり、パスワードが出ない限りは大丈夫でございますが、もし仮にパスワードが出てしまった場合は、これは繰り返し御説明させていただいているとおり、パスワードの初期化、再設定、特にパスワードの無効化は電話一本でできますので、まずはそれをしっかり取ってくださいということ。

 それから、平成二十七年度より、実際に相談窓口や相談事例ということについて、今御紹介したようなものはウェブサイトに掲載してございますが、マイナンバーカードでもオレオレ詐欺のような類いの詐欺はあるよということはまだまだ普及、周知が足りない面もあるかもしれません。こういったところについてもしっかりと対策をしていきたい、このように考えてございます。

住吉委員 月数件程度ということなんですが、恐らく、何か怪しいなと思った人は相談してくる、でも、分からずに、もうカードの情報が抜き取られている可能性もありますので、そういった周知徹底をよろしくお願いいたします。

 時間が来ましたので、これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、堀場幸子君。

堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。

 そもそも、この法案を質疑させていただいたときに五十分ぐらいさせていただきまして、そのときに河野大臣とるるやらせていただいた、このことに全てが含まれているので、また再度ここで十五分やらせていただくんですが、そのときに一番最初に言ったのが、マイナンバー制度とマイナポータルとマイナンバーカードというこの三つの社会インフラの話で、これは非常に分かりづらいですよねというところから始まりました。

 そして、マイナポータルについてるる聞いた上で、そのときにも、使いにくいんですとか、もっとよくしてほしいと。例えば、民間であれば、ほかのところであれば、今日、私はセブンイレブンに行きました、言っていいのか分からないんですけれども。普通に携帯で、ぴっと選んで、ぴぴっと買物ができますよね。顔認証ですよ。だけれども、マイナポータルはそうじゃなかった、こうやって、やりづらいよね、そんなお話をさせていただきました。

 だから、今回のこの問題は、デジタル化、つまり、もっとしっかりと進めなければいけないんじゃないかなというところにあるのかなということも思っているところです。

 このマイナンバーをめぐるトラブルは、ちょっと整理をさせていただきますと、コンビニで別人や抹消済みの証明書が発行された、これはシステムエラーで、富士通さんが謝罪をされたということですね。これも、電子証明書がもっともっと活用されるようになったら、そもそもコンビニで紙を取りに行かなくてもいいというところもあるんじゃないかなというふうに思っています。自分で確認をして、それを添付していく、そしてキーの暗証番号をつけていけば、もっと安全に、そして正確に使うことができるようになるんじゃないかなというふうに思っています。つまり、紙でやっているというのがどうなのかという問題です。

 次に、マイナ保険証に別人の情報が登録されてしまった、これは、先ほどずっとありました、J―LISへの照会をしたときに四情報を確認しなかったという人的ミスだというところですね。

 そして、公金の受取口座で本人ではない口座が登録された、これも、自治体のログアウト忘れ、若しくは子供の口座ということでありました。

 そして、マイナポイントが別人に付与されたり、マイナポータルで別人の年金記録が閲覧できるようになっている、こういうこと一つ一つも、様々な人的ミスなところなんだというふうに聞いています。

 そして、最後に、同姓同名の別人にカードを交付してしまった、これは大きいんじゃないかなというふうに思っているところです。これも、人が確認するのではなく、例えば顔認証でしっかりと登録をしてやっていくということであれば、こういったこともなくなっていくんじゃないかな、つまり、デジタル化が中途半端なんじゃないかということも指摘をさせていただきたいと思います。

 そして、今一番話題になっている保険証について加藤大臣にお尋ねしたいと思います。

 マイナンバーカードと保険証の一体化の作業の中で、別人のデータを、ひもづけするときにミスが発生しているというふうに聞いています。その前の準備段階では三万件以上あったので、本格運用がちょっと半年ほど先送りにされたということもあったと承知をしております。

 これはマイナンバーカードと保険証をひもづけることによって起こっているんですけれども、じゃ、普通の保険証のとき、今まで発行されていた保険証というものがすばらしかったのかということも含めて、加藤大臣、今までの現行の保険証というのはそもそもトラブルというのは何もなかったんですか。どんなトラブルが、把握できないものもあると思いますけれども、成り済ましなんかは把握できないと思うんですけれども、そもそも、紙の保険証のときにはトラブルはなかったんでしょうか。

加藤国務大臣 まず、健康保険証自体、現行の紙の分でありますけれども、氏名、生年月日、性別等が書いてありますけれども、写真がついていないということもございまして、医療機関を受診する際に成り済ましで実際に立件された事案もあったというふうに承知をしているところでございます。

 また、転職等によって資格変更があった場合に、患者が変更前の健康保険証で受診をし、それが古い保険証でしたということになると返戻されるというのが、これまでの仕組みの中でのということで、かなり返戻事案が結構あって、医療機関においても、いろいろとそれに対する事後処理等において手間がかかったというふうに承知をしております。

 そうしたことに対して、マイナンバーカードを使えば、まさに顔認証システム等も使っておりますから、成り済ましというのはかなり防ぐことができるのではないか。それから、保険証は紙ですから、結果的に紙が保険を使う方のところに届くまでの物理的な時間が必要になりますけれども、デジタルは登録した瞬間にそれが終わる、そうしたメリットもあるというふうに指摘をされているところでございます。

 そういった意味で、紙に比べて、医療の質等はちょっと今説明しませんでしたが、それ以外においても様々なメリットがあるというふうに承知をしておりますし、特に、成り済ましのときには、やはりこれはかなり問題じゃないかということで、それを是正するためにも今やっているような仕組みをしっかり入れるべし、こういった指摘があったというふうに承知をしています。

堀場委員 ということは、今の保険証のシステムでもたくさんの課題があった、これを解決していかなければならないということも、マイナンバーカードと保険証の一体化にはそういったものを解決するという視点もあるというふうに理解をしています。ただただ、医療DX、その後あると思いますが、保険証についての議論というのは厚生労働委員会の方で多分たくさんされてきて、良質かつ適切な医療というところでやられてきたんだろうと思うんですけれども、この本格導入期というのは、設定に手間があったりとか、トラブルというのは、そういう対応ができなかったり、すごく様々なことがあると思うんです。

 ちょっと個人的な話ですけれども、私のお母さんとかも、最初、スマホにするのをすごく嫌がっていたんですよね、何かこんなのはよう分からぬと。だけれども、いざ持ってみたら、すごく便利だねということになったわけですよね。多くの御高齢の方も、今、結構スマホを持っていらっしゃると思います。それは、便利だねと分かったら怖くないんですよね。でも、今はまだ過渡期で、導入期で、それがちょっと怖いんじゃないかというふうに思っていると思うんです。

 なので、これが軌道に乗るまでというのは様々なアクシデントがあると思いますし、運用の問題はたくさんあると思うので、そこの相談体制であったり、マイナ保険証のメリット、先ほど言っていただいたんですけれども、もうちょっとしっかりと大きな意味で、どちらの方向に向いていくのか、そしてこれはやる意味があるんだということを、大臣の御所見をお願いします。

加藤国務大臣 間違った形のひもづけ等があること、他方で、実際、マイナンバー保険証で受診しようとしたんだけれども、資格無効の表示が出た、あるいは機能がしっかり動作しなかった等、様々な事例があるところであります。

 前者は、今、ひもづけについては徹底的なチェックを保険者の方にお願いをしているわけでありますが、後者についても、何か起きたときには、まず、医療機関等から、支払基金あるいは国民健康保険中央会が運営するポータルサイトに載っているコールセンターに連絡をしていただいて、それにおいて様々な相談に対応させていただいているということでございます。また、必要に応じ、厚労省とも連携して、問題が制度的なものであれば、それにのっとった対応をさせていただいているところであります。さらに、これまでのそうした事例をまとめて、トラブルシューティングのQアンドA、これを更に充実も図っていきたいと考えています。

 それから、一体化のメリットをどこまでお話しするのかというのはありますけれども、例えば、よく指摘されるのは、薬の重複投与あるいは併用禁忌の防止、こういったことにメリットがある。あるいは、より多くの情報から的確な診断につながっている、さらに、先ほどの成り済ましの防止、あるいは、手作業による事務負担から、カードにすることによって一連の作業がシステム的に進む、こういったメリットもございます。

 こういったメリットについてしっかり広報し、そして先ほどまさにスマホのお話がありましたけれども、そうした方が、なるほど、使い勝手がいいと実感をしていただける、そういった状況に一日も早くなるように努力をしていきたいと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 この問題は、そもそも人的ミスが非常に多いんだなというところがあります。

 今、普通に仕事を、国会議員という仕事ではなく、ほかの仕事をしていても、やはりIT関係の入力ミスというのは結構発生するものなんだというふうに理解をしています。私もパソコンは苦手な方ではないんですけれども、何かちょっと考え事をしていると間違えたりとか、そんなことは日常茶飯事で、やはり何度もチェックをしながら、これが正しいものかというものを見ているんですよね。

 なので、今回のトラブルの多くはヒューマンエラーでしたというところで、各作業の準備、処理能力には課題はなかったのか。人的ミスというのは必ず起こりますので、そのリスク込みで詳細なマニュアルが必要なんじゃないか。又は、危機管理の仕組みをどのように構築するのか。私の意見では、もっと顔認証とか指紋認証とか、そういった更なるデジタル化の進行というのが必要なんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、AIを活用してダブルチェックができるとか、そういった体制をつくっていくことが必要なんじゃないかなというふうに思っています。

 なので、システム化自体の問題というよりは、運営の体制の在り方の課題だというふうに考えております。それに対する河野大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 ひもづけのところが、マイナンバーを提出を求めなかったり、四情報で当てていなかったりということでございましたので、やはりこういう現場に、マニュアルをきちんと整備をしてお示しをするというのが大事だと思います。

 また、それだけでなく、人的ミスを防ぐためにはやはり機械の力を使うということも大事ですので、先般の法改正で戸籍、住民票に振り仮名を振っていただけるようになりました、そうすると、銀行口座とのひもづけというのもできるようになります。住所は、表記揺れが結構複雑で難しいんですが、今、デジタル庁で住所のベースレジストリーを提供すべく努力をしているところでございます。

 また、パスポートのオンライン申請は、パスポートとマイナンバーカードと御本人の、それぞれ顔認証で本人確認をするという仕組みを取り入れて、間違った方に、違うパスポートが行かないようにということにいたしますので、そうした機械でできる、デジタルでできるところをしっかりと増やしていきたいというふうに思っております。

堀場委員 自治体さんとか医療機関さん、健康保険組合さんなど、現場でどんな人たちが働いていて、どのような作業をしているかということに対して想像力が必要なんじゃないかなというふうに思っているんですね。

 以前の質疑の中でも、マイナポータルから申し込まれた不在者投票が来なかったよというお話をしたときも、翌日に届くメールのチェックとマイナポータルの管理画面でチェックする、一応ダブルで、そういうシステムになっていたとしても、それを使う人が両方見忘れていたとか、そういった体制の問題でミスというのは起こってきてしまうので、さっき大臣がおっしゃっていたように、できるだけ人が携わるところが少なくなっていくということと、何度も、ダブルチェックじゃないんですけれども、何個もチェックできるシステムということが必要なんだろうなというふうに思っています。

 そして、最後に、説明不足ということについてお尋ねしたいと思います。

 子供の口座を作るという慣習がないということをちょっとデジタル庁の皆さんが御存じだったかどうか分からないですけれども、私は子供がいますけれども、まだ口座はないです。そもそも、口座を作る意味がないんですよね。児童手当も世帯主に入金されるというふうになっていて、今の政府が行っている施策というのは、子供が口座を持っている必要がない施策ですよね。

 口座ひもつけの際に、子供が口座を持っていない場合の対処方法というものをしっかりと説明をしなかったんじゃないかなというふうに思っているんです。なので、十三万人ぐらい、十四万人かな、というところの別人格の口座ひもつけの問題、特に、子供であったり、子供と親の関係性の中での問題というのは、マイナンバーカードのトラブルというふうにカウントするのではなくて、そもそも施策に子供の口座を作るということがないのに、ここに子供本人じゃなきゃいけないということを決めている、けれども、そのことが周知されない、こういった一連の説明不足だと思っているんですね。

 こういったことに対する大臣の御所見をお願いします。

河野国務大臣 その件については大変申し訳ないと思います。それは明らかに想像力の欠如と説明不足であったと思います。

 ただ、コロナのときの十万円の給付のように、今までは世帯ごとの給付でございましたが、今後、いろいろな中で、個人への給付というのも当然起こり得るんだろうというふうに思っております。その際に、お一人お一人の口座にひもづいた公金受取口座があれば、これは給付のスピードも速くなりますし、自治体の負担というのも軽減されるわけでございますので、そうしたことを少し丁寧に説明をしながら、今、御本人の名義の口座にひもづけを変えてくださいということをお願いをしておりますが、中には、未成年の子供が銀行口座を作れるのかという御質問もありましたので、今、そういう子供、赤ちゃん向けの口座開設のキャンペーンをやられているところもあったりということもありますので、少し丁寧に御説明をしながら、そこは申し上げていきたいというふうに思います。

堀場委員 私たち日本維新の会が言っている政策というのは、本当に国民一人一人というふうに言わせていただいているので、子供にも口座を作って、そこにお金を入れていく。つまり、例えばDVで逃げているとか、様々なことが想定されますよね、そういったときに、世帯主がまとめて受けるのではなくて、お一人お一人が受け取れるようにしていくということを我が党の政策でも言わせていただいています。

 なので、個人の口座にひもづける、一人一つなんだというのは非常に重要ですので、ここも併せて、子供ができたらすぐに口座を作って登録するんだよということも併せて広報をしていただければなと思います。

 本日は、ありがとうございました。

橋本委員長 次に、中司宏君。

中司委員 日本維新の会の中司宏です。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 マイナンバーの集中審議ということで、重複するところもありますけれども、確認の意味も込めて、順次質問をさせていただきます。

 マイナンバーをめぐるトラブルを受けまして、政府はマイナンバー情報総点検本部を設置をされたわけであります。政府一丸となって徹底した原因究明を行い、再発防止を確立をしていただきたい、そして、国民に広がるマイナンバーへの疑念を払拭をして、信頼回復に全力を挙げていかなければならない、対応の仕方を今誤ればマイナンバー制度そのものが揺らいでいく、そう考えておりまして、大変厳しい局面と言わざるを得ないと思います。

 まず、こうした事態をどう受け止めておられるのか、河野大臣にお伺いします。

河野国務大臣 マイナンバー制度は、行政機関同士の情報連携をオンラインで可能とする、申請などにおいて国民の皆様からの添付書類の取得や添付を不要とする、そういう意味で、行政の効率化あるいは国民の皆さんの利便性の向上を実現するもので、公平公正な社会の実現のためのデジタル社会のいわば基盤となるものでございます。

 ただ、こうしたマイナンバー制度が有効に機能するためには、個人情報とマイナンバーのひもづけを正しくするということが大前提でございますので、今回の総点検の中で、誤りがあればきちんとそれを是正し、国民の皆様の信頼をしっかり確保できるように努力してまいりたいと思います。

中司委員 マイナンバーの改正案のときにも私は質疑をさせていただきましたが、そのときにも維新の会の基本的なスタンスについては述べさせていただきました。我々は、コロナ禍で痛感したデジタル敗戦国の経験から、デジタル分野の法整備においては、公平な給付と負担の確保について指摘をし、デジタル社会の基盤としてマイナンバー制度を推進する立場に立ってきたわけであります。そうした経験から、その執行を後押しする一方で、十分に監視していく責任を私たちは負っていると思っております。

 繰り返しますけれども、この深刻な事態に政府がしっかりと向き合って乗り越えなければ、マイナンバーを定着させることはできないと思っております。したがって、この間の様々なトラブルについて徹底した調査を行って、発生の原因と責任の所在を明確にし、実効性のある対策をスピード感を持ってやっていただきたい、こう思います。マイナンバーへの国民の不安や不信感に対し、説明を十分に尽くしていただきたい、そして、改善すべきは改善し、信頼回復に努めること、そうした責任を政府はしっかりと果たしていただきたいと思っております。

 この問題を理由に、私たちは、混乱とか不安感をあおってマイナンバー制度を否定したりすることではなくて、よりよいデジタル社会の実現に向けて進んでいくべきだと考えております。

 本部ではこれから総点検を行われるわけですけれども、その手順とか、あるいは発生内容別の原因とか課題について、先ほど答弁がありましたが、一定理解はさせていただいております。その中で、法令の不備によるものとか法令の見直しが必要なものはどの程度あって、どう対応されていくのか、それについてお聞かせいただきます。

河野国務大臣 総点検を踏まえまして、再発防止を徹底するために、各種の申請のときにマイナンバーを記載をしていただく義務化というのを検討していくことになろうかと思います。

 記載の義務化に当たりましては、制度を所管している各省庁の個々の政省令あるいはガイドライン、そういったものの見直しが必要となってくるケース、これはあるんだろうと思っております。

中司委員 その点についてもしっかりと対応していただきますようにお願いいたします。

 では、今回のことによって、事業に係るコストは全体でどれぐらい増えていくのか、その点についてもお伺いします。

河野国務大臣 まずは、現場でひもづけがどのように行われていたかという調査をしっかりやりたいというふうに思っております。

 個別データの確認をしていただくことになった場合、自治体を始めひもづけ機関に一定の負担が生じる可能性は否定できないと思っておりますので、調査の調査票がばらばらにならないように、あるいは各省庁で、少なくとも省庁単位あるいは局単位などで調査票を一括送付するなど、自治体の負担を不用意に増やさないように、そこはしっかり気をつけてまいりたいと思っております。

中司委員 後ほど総務大臣にもお聞きしますけれども、自治体の負担ということがこれからも増えてくると思いますので、対応していただきますようにお願いいたします。

 マイナ保険証についてですけれども、マイナンバーとの情報連携を拡大する、その意義が多くの国民に正しく理解されているとは今言い難いと思います。

 先ほどはメリットについての答弁がありまして、一定理解はさせていただいております。また、大臣からもしっかりと広報をしていくとありましたが、この点、やはり政府の説明不足が混乱につながっていると思えてならないわけなので、もう一度、その点をどう認識されているか、お願いいたします。

加藤国務大臣 まさにメリットを理解をしていただき、またシステムに対する信頼、これをしっかりと確認しながら進めていくということが必要だと思っております。

 その上で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の具体的なメリットをまだ十分に伝えていないんじゃないかという御指摘も踏まえて、さらに、分かりやすくお伝えしていけるように工夫も重ねながら、また様々な手段を講じて情報発信に努めていきたいと考えています。

中司委員 一方で、私は、今回の問題の背景には医療機関全体のデジタル化の遅れがあるということ、その要因として、やはり、例えば厚労省と各機関との指導監督を含む様々なやり取りにおいてもデジタル化を促進する、そういう必要性を強く感じております。

 今後、医療DXについてどう対応されるのか、お伺いいたします。

加藤国務大臣 この医療DXを通じて、国民の皆さんが切れ目なく、より質の高い医療を受けることが可能になるなど、我が国の医療の将来を大きく切り開いていく、こうしたものだというふうに認識をしております。

 医療DXの推進については、まずは、これまでの取組が遅れているということを指摘をされ、また、コロナへの対応の中でも、私自身も大変遅れを痛感したところであります。そうしたことも踏まえて、政府では、総理を本部長とする医療DX推進本部、これを設置し、本年六月には工程表を策定をさせていただきました。

 大きく全国医療情報プラットフォームの構築ということで、そのスタートが、今進めていただいているオンライン資格確認に当たります。さらに、電子カルテ情報の標準化、あるいは医療報酬改定のDX、こういった柱についての工程を作成し、同時に、そうしたことを進めることのメリット、これを国民の皆さんにもしっかりと共有をしていただきながら、私ども行政のみならず、国民の皆さん、さらに、医療界、産業界、一体となって医療DXをしっかりと前に向けて進めていきたいというふうに考えています。

中司委員 進めるに当たっていろいろと障害等もあろうかと思いますが、しっかりと進めていただきますようにお願いいたします。

 あと、自治体の負担に対する支援ですけれども、自治体のデジタル人材の確保、これは大変厳しいと思いますけれども、誰一人取り残されないデジタル社会の実現に向けて、自治体の取組における格差を解消していかなきゃならない、そういうことで支援を充実させることは不可欠だと思っているわけであります。

 そのことは以前にも指摘しておりますが、先般の戸籍法の改正によって付加された戸籍上の振り仮名、それと既に振り仮名が登録されている様々な公的情報との照合、そうしたこともありますし、さらに加えて今回の総点検の作業、これは普通で考えても自治体に相当な負担がかかってくるというのは明らかだと大臣も承知されていることと思います。

 ですから、総点検において具体的な点検の内容、自治体にどう求めていくのか、そしてまた支援や連絡体制はどうなっていくのか、このことを各自治体は不安に思っていると思うんですけれども、この点について総務大臣の見解をお伺いします。

松本国務大臣 私ども総務省は、政府において自治体との連絡調整を担う立場でございまして、今回の総点検に当たりましても、総務省では本部を開催をし、六月の二十八日には、各都道府県、指定都市との連絡調整を担う担当者との会議を開催をしまして、私からも、連携を密にするようにお願いをさせていただきました。

 自治体との連絡体制を整備して、総点検の円滑な実施に向けて必要な情報を順次自治体に提供をさせていただいてきているところでございまして、具体的には、七月中に現状のひもづけ方法について確認を行うこと、その上で、各省庁で全ての個別データの総点検が必要なケースを整理をして必要な点検作業を進めるといった流れ、また、点検の対象についてでありますが、住基システムとの自動連携によりマイナンバーを取得している場合のように、実際に自動連携しているかどうかによって個別データの総点検が必要なケースに当たるのか当たらないのか、そういったことも可能性があるということをお伝えをさせていただいてきているところでございます。

 その上で、自治体への支援の在り方ということでございますが、今後、ひもづけ方法の確認などを経て、点検作業、今も申し上げましたように、どのぐらいのものが対象になってくるのかということを見極めて、この点検作業などに係る自治体の事務負担がどの程度になるかということをよく見てまいりたいと考えております。必要に応じて、関係省庁とも連携して、国としての支援策も検討することになろうかと考えているところでございます。

中司委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 現在置かれた状況ですが、我が国が真のデジタル社会の実現に向けて進んでいく、そのためのまさに試金石でありますとか正念場であるとか、そういう思いをするわけであります。したがって、全体の司令塔としての河野大臣の果たすべき役割は非常に大きなものだと思いますので、改めて、最後に決意をお願いいたします。

橋本委員長 河野国務大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

河野国務大臣 はい。

 人が人に寄り添う、ぬくもりのある温かい社会をつくっていこうとするならば、やはりデジタル化というのは避けて通れない道だと思います。

 誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会、その前提となりますのはやはり国民の皆様からの信頼だと思いますので、総点検をしっかりやりながら、またデジタル化のメリットを一つ一つ丁寧に御説明をしながら、デジタル化を前に進めてまいりたいと思います。

中司委員 ありがとうございます。課題を一つ一つ乗り越えて、しっかりと前に進んでいただきたいと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

橋本委員長 次に、西岡秀子君。

西岡委員 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。

 本日は、マイナンバー制度に関する質疑ということで、担当の河野大臣を始めといたしまして、加藤厚生労働大臣また松本総務大臣にもお越しをいただきまして、質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほどの質問の中でもデジタル庁からお答えがあったわけでございますけれども、把握をしていないというお答えでございましたけれども、今まさに様々なマイナンバーに関するトラブルが多発をいたしておりまして、マイナンバーカードの自主返納が増加しているという報道が今されております。

 このことについて政府としてどのように受け止めておられるのか、また、このことに対して政府として対応を何か考えておられるのかということにつきまして、総務省にお尋ねをしたいというふうに思います。

吉川政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーカード、マイナンバー制度について、改めて信頼していただけるように政府として取り組んでいかなければならない状況にあると認識しております。

 マイナンバーカードは、本人の御意思により申請していただくものであり、本人の御意思により返納することは可能でございますが、マイナンバーカードは地域のDXを進めていく上で大切な基盤であり、DXが進むことで住民の皆様方の利便性向上、地域の活性化、自治体の職員の事務負担の軽減などに資するものと考えております。

 総務省といたしましては、関係省庁と連携して、これまでの一連の誤り事案に対する再発防止策の徹底や、マイナンバーのひもづけに関する総点検の推進など、必要な対応にしっかりと取り組んでまいりますとともに、国民の皆様にマイナンバーカード、マイナンバー制度の意義やメリットについて丁寧に説明し、理解を得られるよう努めてまいります。

西岡委員 ありがとうございます。

 マイナンバーの自主返納につきましては、ひもづけとは関係のないという御答弁もあったわけでございますけれども、この自主返納、これはやはり、国民の政府に対する信頼が揺らいでいるということの一つの表れではないかというふうに思います。やはりしっかり、真摯に受け止めていただいて、今総務省からお答えがございましたけれども、しっかりその信頼回復に努めていただくことが大変重要であるというふうに考えております。

 続きまして、政府の情報総点検本部について質問させていただきます。

 厚労省においても推進本部が立ち上げられましたけれども、一方で、六月二十一日に河野大臣を本部長とする政府の情報総点検本部が設置をされました。

 複数の省庁にまたがるものでございますし、大変多数の機関の点検を行うことになる中で、これまで、司令塔として位置づけられたデジタル庁の下で実際に様々なトラブルが発生をしてきております。この現状を考えると、果たしてこの総点検、実効性のある情報点検を行うことが可能であるのかどうかという懸念の声もございますけれども、河野大臣の御見解をお伺いをいたします。

河野国務大臣 デジタル庁でも公金受取口座の誤登録という問題がございましたが、既に再発防止策、手を打っております。また、庁内の情報共有のための会議体も立ち上げましたので、特に問題はないと思っております。

西岡委員 司令塔を果たされるデジタル庁の体制、組織体制の脆弱性というものも含めて不安要素もあるということも指摘をされておりまして、この体制強化も今後の課題だというふうに思っておりますけれども、何よりも重要なのは、本部長である河野大臣のリーダーシップ、国民の信頼を取り戻すという強い意思が不可欠であるというふうに考えておりますけれども、質問通告ということはしておりませんけれども、その大臣の決意というものをお聞かせをいただきたいというふうに思います。

河野国務大臣 マイナンバー制度、そしてデジタル化を進めるためには、この情報のひもづけが正確に行われているのが大前提でございますので、まず今回ここでしっかりと総点検を行って、これまでの誤りがあればそれをしっかり是正をする。しっかり取り組んでまいります。

西岡委員 次の質問につきましては、これまでの質疑の中でございましたので、後に回させていただきます。

 続きまして、御説明のあった政府の総点検の方法というもの、先ほど質疑の中で御説明をいただきましたけれども、誤登録の有無ですとか情報漏えいの有無など、現在発生をしているトラブルについて、その実態の全体像を把握することがこの方法で可能であるのかどうか、調査に漏れが生じないかどうかということについて、デジタル庁に見解をお伺いをいたします。

冨安政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の総点検におきましては、これまで既に明らかになっているコンビニ交付サービスにおける誤交付、あるいは公金受取口座の誤登録やマイナポイントのひもづけ誤りなど一連の事案に加えまして、今マイナポータルで閲覧可能となっている全二十九項目の情報について総点検を行います。

 この総点検を行います全二十九項目につきましては、誤登録が明らかに、誤ひもづけが明らかになっていないものも含まれておりますので、まずはそこのひもづけを、マイナンバーとの、情報とのひもづけ方法につきまして確認を行いまして、その中で、仮に誤登録、誤ひもづけが出てまいりましたら、それを修正いたしますし、情報漏えいの有無に関する調査も実施してまいりたいと考えております。

西岡委員 今の御説明では、やはり今回の総点検が大変重要だというふうに思っておりますので、しっかりとこの点検を進めていただきたいというふうに思います。

 特に、岸田総理からは、コロナ対応並みの臨戦態勢で臨むという強い意向が示されております。この点検はやはりしっかりと進めていただいて、一日も早い信頼回復に努めていただくことこそがマイナンバー制度を推進していくことにつながっていくというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。

 次の質問に移ります。

 今後、運転免許証とのひもづけの前倒しですとか更なる利用拡大が進められるということが、六月九日のデジタル施策の重点計画に盛り込まれたところでございます。

 今回の総点検の調査結果が明確となって、その改善措置が図られるまで、新たな利用拡大の情報のひもづけは新たな混乱を発生させることにもつながるのではないかというふうに思います。現状の課題解決を優先すべきではないかと考えますけれども、河野大臣の御見解をお伺いいたします。

河野国務大臣 安全、安心で便利な国民の生活や事業者の活動に向けてデジタル社会を実現していくためには、不断の歩みを進めることが必要だと思います。そのため、六月九日、デジタル社会の実現に向けた重点計画の改定を行ったところでございます。

 他方、デジタル化の歩みを進めていくためには、これは国民の皆様からの信頼というのが大事でございますので、今回、システム、データの総点検を行い、新たな誤り事案が生じないようにするための仕組みづくりをしっかり入れた上で、国民の皆様の不安を払拭できるような丁寧な対応をしてまいりたいと思います。

西岡委員 それでは、総点検によりましてこの課題が解決されてから新たな利用拡大が図られるという理解でよろしいでしょうか。

河野国務大臣 デジタル化のためには不断の歩みを止めてはならないと思いますので、先般改定をいたしました重点計画にのっとりまして、粛々と進めてまいります。

西岡委員 そのことにつきましては、例えば様々なまた課題が生じてきたときにつきましては、どのように対応していかれる方針でいらっしゃいますでしょうか。

河野国務大臣 いろいろなことを始めるには、様々な課題というのは、これは避けては通れないと思いますので、一つ一つしっかりと課題を解決しながら前に進むしかないというふうに思っております。

西岡委員 不断の、前へ進むということも必要だというふうに思いますけれども、これまでの様々な課題が出てきた経緯も含めて、例えばトラブルが出てきたときにはしっかりと国民の皆様に説明をしていただく、その体制については、早急に防止策を取っていただく、やはりこのことを速やかに進めていただくことが大変重要だと思いますので、是非お願いを申し上げたいというふうに思います。

 続きまして、先般、先ほどからもお話があっております、マイナ保険証のひもづけと保険証の廃止についてお尋ねをさせていただきます。

 マイナ保険証につきましては、医療のDXを進める上で様々なメリットがあるということの御説明については、るる、法改正のときにもお聞きをしながら、そのメリットも当然あるというふうに認識をいたしておりますけれども、やはり一方で、医療情報は極めて個人的な、センシティブな情報が含まれておりまして、特に、やはり情報管理の徹底や個人情報流出のリスクへの万全の対策が求められるというのは当然のことと考えております。今、様々なトラブルによってその信頼が揺らいでいるということが問題となっております。

 そもそも、マイナンバーカードは、住民基本台帳に記載されている者の申請に基づいて発行、交付されるものでございまして、取得後も返納できる仕組みというふうになっております。本来、取得を国民に義務づけていない中で、突然の保険証の廃止によるマイナ保険証への一本化というのは、やはり、国民皆保険における使用を不可避なものとすることとなり、事実上の義務化ではないかと考えますけれども、この制度の根本的な部分につきまして、そのことが、義務化ではないかという、根本的なことが揺らいでいるというふうに思いますけれども、加藤厚労大臣の御見解をお伺いをいたしたいというふうに思います。

加藤国務大臣 まず、マイナンバーと健康保険証一体化を進めるに当たって、よりよい医療が提供され、そうしたよりよい医療を国民の皆さんに実感し享受していただく、こうした環境をつくっていく、これが必要だと考え、説明させていただいているところでございます。

 そうした中で、来年の秋以降においてマイナンバーカードでの受診が基本となるわけでありますけれども、オンライン資格確認、いわゆるマイナンバーを保険証としてお使いにならない方については、資格確認書を発行し、それによって受診をいただくということ、そうした選択肢も用意をさせていただいているところではございますので、一切マイナンバーしか使えない、こういう状況ではないということはしっかりと説明していきたいと思っております。

西岡委員 あくまでも義務化ではないという今大臣からの御答弁でございましたけれども、やはり、いきなりの保険証の廃止というものが大変拙速過ぎるということは、多くの国民の皆様から私もお声を聞いております。

 どうしても、やはり、国からの国民に対しての事実上の義務化ではないかというふうに理解をされている国民も多いわけでございまして、もし義務化ではないということであれば、加藤大臣の方からも、もっとしっかりと説明をしていただくということをお願いを申し上げたいというふうに思います。

 続きまして、これも先ほどからの議論であっておりますけれども、マイナンバーを把握しない状況の中で、運用で住民台帳の情報を参考にデータ入力したために、一部の情報によるひもづけが行われたことがトラブルにつながっているということがございますけれども、このような運用が行われた根本的な責任の所在はどこにあるというふうにお考えになっているのか、厚労省にお尋ねをいたします。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 マイナンバーは、医療保険を始めとして、社会保障における資格管理に用いられるものでございまして、医療保険の資格取得の届出にマイナンバーが記載されていない場合には、実は、他の社会保障関係事務でも同じようなことがやられておるんですけれども、住民基本台帳法に基づきまして、保険者はJ―LISというところに照会して、そのマイナンバーを取得しているところでございます。そういう意味で、法律に基づいてやっている行為でございます。

 ただ、一方、今回、マイナンバーカードと保険証のひもづきでいろいろ誤りがあったということにつきまして、累次、そういう業務の仕方については厚生労働省の方から通知を出してお示ししてきたところでございますけれども、こうした考え方が保険者の実務に浸透していなかった結果、異なる個人番号が取得、登録されてしまい、別の方にひもづいてしまった事案が生じてしまったこと、これは、国民の皆様に御心配をおかけしていることを申し訳なく思ってございます。

 厚生労働省としましては、今年の六月からは、省令を改正しまして、資格取得届における被保険者の個人番号、これをしっかり書いていただくということを法令上明確にいたしました。それから、やむを得ず、それでも個人番号がその段階で分からないということで記載がない場合でも、必ず五情報、漢字氏名、仮名氏名、生年月日、性別、住所、これによって照会を行って番号を取得していただくというようなルールをきちっとしたところでございまして、保険者が誤ったデータを登録する余地がない、こういうふうに改めたところでございます。

 このような業務につきましては、まず、加入者のデータを迅速かつ正確に登録することは保険者の役割でございます。また、オンライン資格確認の運営がしっかり行われること、これは厚生労働省の役割でございます。

 システムに対する信頼を損なうことがないよう、保険者に対して迅速かつ正確なデータ登録の徹底を求めるとともに、厚生労働省としてもこの仕組みをしっかりと構築していきたい、このように考えてございます。

西岡委員 今御説明がございましたように、組合の方の入力ミスということでございますけれども、今回、省令改正が行われ、五情報の確認が求められることとなったことも含めて、やはり、こういう間違った運用が行われない体制を国としてしっかりと取っていただくということが必要だったというふうに思いますので、今後しっかりとこの体制を取っていただくことをお願いを申し上げたいというふうに思います。

 続きまして、医療現場の六割で、患者の資格を確認できないなどのトラブルが発生しているという保団連のデータもあります。また、加藤大臣が八月までにはその対応を完了すると言われておりますけれども、資格確認ができないケースにおきまして、現に十割負担というケースが起きていることも事実でございます。

 今の医療現場の状況をどのように把握をしておられるのかということをまずお聞きをさせていただいて、また、オンライン資格確認におけるシステム障害の発生といいましても、例えば、いろいろなシステム障害というものが起こってくるというふうに思うんですけれども、システムのトラブル、また、自然災害が起きたときの通信障害、また、サイバー攻撃など、様々なケースが想定されるわけでございますけれども、その場合の確認方法と対策について加藤厚労大臣にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

加藤国務大臣 まず、オンライン資格確認をされる中で、様々な、例えばシステムの不具合等でそれがうまくいかない、それによって現場の皆さんにいろいろな御負担や御迷惑をおかけしている、そのことは大変申し訳なく思っております。

 オンライン資格確認については、社会保険診療報酬支払基金、また国民健康保険中央会、これはコールセンターを設置して、いろいろなそうしたトラブル等々の相談に当たっております。これに対しては細かく対応すると同時に、そうした中で浮かび上がってきた課題について、また医療機関向けの運用マニュアルでお示しをさせていただくとともに、それを分析をして、さらに、トラブルシューティングのQアンドAの更なる充実なども図らせていただいているところでございます。

 マイナンバーカードで医療機関が受診される際に、何らかの事情でそれが行えない場合の対応に関しては、先ほども御説明いたしましたけれども、一番ポイントになるのは医療費の負担であります。これについては、保険料を支払っている方が、必要な自己負担、通常であれば三割等になるわけでありますが、の負担で必要な保険医療が受けられること、医療機関などには、一定の事務的な対応は御協力をお願いいたしますが、それ以上の経済的な御負担はおかけをしない、この二点を基本的な考え方として、具体的な方針をお示しをさせていただいております。

 さらに、詳細について医療関係者とも丁寧に詰めて、八月からは、今申し上げた基本方針で実施していただけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。

西岡委員 八月までにはということでお言葉がございましたけれども、やはり、国民皆保険の中でまた大変重要な部分でございますので、しっかりと信頼を回復していくということに全力で取り組んでいただくということをお願い申し上げたいというふうに思います。

 続きまして、誰一人取り残されないデジタル社会の実現ということが政府からも掲げられているわけでございますけれども、国民皆保険の下で全ての人が安心して医療が受けられるということがやはり大変重要なことでございます。今、マイナ保険証への一本化によりまして保険証が廃止をされるということについて、特に高齢者の方を中心に、大変やはり不安の声を、懸念の声を私も多くお聞きをいたしております。

 やはり引き続き保険証を利用したいという大きなお声があるわけでございますけれども、現行の保険証の併用を認めるという選択もあるのではないかというふうに思いますし、資格確認書を新たに発行する、また、これは一年ごとの更新であり、期間についても期限はないということを先般松野官房長官がおっしゃっておりましたけれども、この資格確認書を、わざわざ新しい制度をつくらなくても、従来の保険証の存続で対応する方法があるのではないかというふうに考えますけれども、加藤厚労大臣の御見解をお伺いをしたいというふうに思います。

加藤国務大臣 やはり、全ての人に一人残さずというのは、デジタル化社会の恩恵が全ての人に行くように努力をする、これが私たちの責務だと思います。

 その上において、やはり、マイナンバーカードと健康保険証を一体化することによってよりよい医療ができる、その環境を全ての人が享受できるようにしていく、そうした意味において、信頼をしっかり構築をし、そしてメリット等をしっかり理解をしていただく、こういったことが大事だというふうに考えているところでございます。

 現行の仕組みというのは全ての方に健康保険証を発行するということでありますが、マイナ保険証という形をされている方には必要ないということですから、必要な方に提供する、その際には、基本的には申請に基づくということでありますけれども、しかし、保険料を払いながら保険医療が受けられないという状況をつくってはならないということで、様々な周知も図り、最終的には職権発行という柔軟な仕組みも用意をさせていただいているところでございますので、そうしたものが一方であるということで、保険医療は保険料を払っている人にはしっかり受けていただく、これを大前提としながら、さらに、やはりデジタル化のメリット、これをしっかり共有していただけるように更に努力をし、一体化が進むようにしていきたいというふうに思っています。

西岡委員 柔軟な対応が必要なのではないかという思いも私にはございますけれども、やはり多くの高齢者の方からは、大変今の保険証を使い続けたいというお声があるのも事実でございますので、そのお声については、加藤厚労大臣にしっかりお伝えをこの場でさせていただきたいというふうに思います。

 特に今回の様々なトラブルを受けまして、信頼を回復をしていくことが最優先に行われるということが、この制度を多くの国民に理解をしていただいて、推進をしていくことにもつながるというふうに思います。

 また、一度決定をしたことについてはなかなか立ち止まるということは政治の場では難しいところもあるというふうに思うんですけれども、柔軟な対応が求められるということについても是非御考慮いただきたいというふうに思います。

 次の質問にも関連をいたしますけれども、岸田総理は、保険証の全面廃止は国民の不安払拭のための措置を完了することが大前提であるというふうに述べられております。総点検の結果によっては、廃止の期限ありきとしない方針への転換もあり得るのかなというふうにも捉えることができる発言だというふうに思いますけれども、総点検の責任者である河野大臣の御見解をお伺いをしたいというふうに思います。

河野国務大臣 最大一年間の経過措置が既に設けられておりまして、再来年秋まで保険証は使用可能ではございます。

 そうしたことを丁寧に御説明をしながら、国民の皆様が安心して医療を受けることができるように、この間、万全の対策を取り、円滑な移行に取り組んでまいりたいと思います。

西岡委員 今、河野大臣から御決意が述べられたわけでございますけれども、この総理の発言は大変重いものがあるというふうに思います。この点検の結果によってということ、今想定することは難しいことでございますけれども、やはり不安払拭のための措置を完了することが大前提ということは、引き続きしっかりと注視をしていかなければいけないというふうに思っております。

 続きまして、これも先ほどのマイナ保険証へのひもづけのところの話と通ずる話でございますけれども、高齢者施設等でマイナ保険証を預かることに対する現場の不安の払拭の声というものがございます。この責任の所在が不明確であるというところについては、対応の強化というものが大変必要だというふうに思います。

 このことについて厚労省にお伺いをして、私の質問を終わりたいというふうに思います。

橋本委員長 厚生労働省伊原保険局長、質疑の申合せの時間が経過しております。御協力をお願いします。

伊原政府参考人 はい。

 お答えいたします。

 高齢者施設に入所されている方も含めまして、マイナンバーカードで受診していただくことは、よりよい医療を受ける意味で非常に大事だと思いますが、同時に、そうした方々の御不安にしっかり応えていくことが必要だと考えてございます。

 今年の二月の政府の検討会の中間とりまとめでも、そういう趣旨で、施設入所者のマイナンバーカードの管理の在り方などについて、しっかり整理し、安心して管理できるような環境づくりを推進するとなったところでございます。

 こうした中で、先般、検討を我々進めている中で、本年十一月からは、暗証番号の設定が不要なカードの申請受付、交付することにつきまして、総務省において検討しているという形で御公表がございました。

 厚生労働省としましても、こうしたカードは、顔認証や医療機関等の職員の目視によりオンライン資格確認を行うことが可能であって、従来の保険証ではできなかった、患者の医療情報に基づく、よりよい医療の提供につながると考えてございます。

 こうした新しい形態のマイナンバーカードの活用も選択肢の一つとしながら、今後、関係省庁と連携して、現場の関係者の方々、そして御家族の方々、こうした方々の不安にしっかり応えられるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 時間の関係で、松本総務大臣、質問させていただけなかったこと、おわびを申し上げて、私の質問を終わりたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

橋本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 時間厳守で頑張りますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

 最初に、松本総務大臣に伺います。

 大臣は、先月三十日の会見で、個人情報漏えい事案が発生したことは大変遺憾と述べられました。重要だと思います。

 誤交付だとか、ひもづけ誤りとか、何か、ちょっとしたミスのような響きで報じられているんですけれども、原因はどうあれ、起こっているのは、他人に最も機微な個人情報が漏れているのであって、あってはならない重大な事案と思うからであります。

 一言、発言の趣旨をお聞かせください。

松本国務大臣 御指摘の発言は、福岡県の宗像市において、庁舎内の証明書自動交付サービスで別人の証明書が交付されるという事案が判明したことの後に会見で申し上げた発言かというふうに思っております。

 この事案は、別人の証明書が交付されるという個人情報漏えい事案に該当することから、六月三十日の会見でその旨申し上げたところでありまして、このような事案の発生は大変遺憾でありまして、申し訳なく思っているところでございます。

 この件は、富士通Japan株式会社製のシステムの不備が原因のものでございまして、ひもづけのことでは、本件については、ございませんけれども、これにつきましても、総務省としては、システムの改善など、早急な対応を求めているところでございまして、コンビニの誤交付につきましても、事業者の対応が必要十分なものか、デジタル庁始め、関係省庁と連携してフォローをしていかなければいけないと考えているところでございます。

高橋(千)委員 ひもづけの話に限って聞いているわけではございませんので。お願いします。

 同じ趣旨で、今起こっているトラブルの事案というのは重大な個人情報漏えい事案であるという認識が同じかどうか、加藤大臣、河野大臣から一言ずつお願いします。

加藤国務大臣 健康保険証や障害者手帳等におけるマイナンバーとのひもづけの誤りは、本人がマイナポータルで自分の情報を閲覧した場合に他人の個人情報が表示される、あるいは、医療機関において当該患者以外の個人情報が閲覧されてしまうといった、個人情報の保護に関する重大な事案であると認識をし、国民の皆さんの御不安、御懸念を招いている事態だと大変重く受け止めております。

河野国務大臣 コンビニ交付サービスで他人の住民票などが交付された事案、あるいは、保険証情報や共済組合情報におけるマイナンバーとのひもづけの誤りにより他人の個人情報がマイナポータルなどで表示されてしまう事案は、いずれも個人情報保護に関する重大な事案と認識しております。

高橋(千)委員 もう一言欲しかったなとは思うんですが、重大な個人情報漏えい事案であるということを三人の大臣にお認めいただいたと思うんです。

 やはり、そこから出発しないと、誰かのせいだと、自治体が悪いんだとか、富士通Japanが問題だとか、それさえ解決すれば問題はなくなるんだみたいな議論はやはり違うんだ、その認識から出発しなきゃいけない、そういう思いで質問させていただきました。

 それで、マイナカードに関わる各種トラブルを受けて、政府の対応が適切ではないという答えが、読売の世論調査では六七%、朝日では七二%、JNNでは七三%と、いずれも国民の不信感は高いものになっていると思います。

 今朝、ある医師からこんなメールをもらいました。一回失った信頼は容易に回復しません。自分の能力を冷静に認識した政策が求められると思います。しかし、政治家は羨ましい。医師だったら医療事故で逮捕される危険性があるのですからと。長年命と向き合い、危険性を伴う手術を担当してきた立場の言葉ですから、重く受け止める必要があるのではないでしょうか。

 通告はしておりませんが、松本大臣にもう一問伺います。

 資料の二に朝日の記事をつけておきましたが、昨日の記者会見で、福祉施設などから、認知症などで暗証番号の管理に不安のある方、また、代理人の負担軽減のためにも、暗証番号の設定が不要なカードの申請受付を十一月から開始できるように検討していると発言をされました。

 これは、私自身が四月十九日の本委員会で、マイナカードと健康保険証の一体化に関する検討会中間とりまとめを受けて、こうした施設入所者などの代理で申請する場合、暗証番号は誰が設定するのかと質問し、答えがなかったわけであります。しかし、大臣の昨日の会見は、番号を要らなくするというものでありました。

 それで、伺いますが、マイナンバーカードは、二〇二六年に向けて新しいカードの検討を行っているところですが、それとは別に、つまり、十一月からもう既にそうすると言っているわけですが、今のマイナカード、暗証番号の要らないカード、二種類作るという意味でしょうか。

 それから、認知症のみならず、子供の場合ですとか、重度障害ですとか、様々やはり代理申請が必要なケースはあります、中間とりまとめに書いています。そういう方々などは、じゃ、どうするのかということ。

 様々論点が出ていますが、いかがですか。

松本国務大臣 今委員からも御指摘がございましたけれども、本年二月の中間とりまとめにおきまして、「暗証番号の設定に困難を抱える申請者に対しては、顔認証による使用を前提としつつ、代理人に不要な負荷をかけないためにも、暗証番号の取扱いについて検討する。」とされておりまして、検討を進めてまいりました。

 その経過の途中で全てをお答えできなかった時点もあろうかというふうに思いますが、昨日までの段階で、暗証番号の設定が不要なカードについて、暗証番号の管理に不安がある方が、安心してカードが利用でき、代理交付の際の代理人の負担軽減にもつながるための方策として検討を進めているところでございます。

 このカードの設定また詳細な仕様等についてがまさに今検討を進めさせていただいているところだというふうに御理解をいただけたらと思っておりますが、先ほども申しましたように、代理交付の場合の代理人の負担軽減や、なかなか申請をされにくい方々のハードルを少しでも取り除くことによって、一人でも多くの方にマイナンバーカードの交付を受けていただき、DXの下でより利便性の高い生活を享受していただくことができるように努めるのが私どもの役目だということで、検討を進めているところをできる限り国民の皆様にお伝えすべく、会見で申し上げたところでございます。

高橋(千)委員 セキュリティーに関わる問題ですからね、これは非常に重要だと思うんですよ。

 顔認証があるからと言いますけれども、中間とりまとめの時点で、その顔認証が、そもそも写真を撮ることが困難だということが議論された、参議院でも随分、参考人などに、議論されたところです。元々、例えば病気で、あるいはけがをしてといった場合に、カードに写っている写真と違う顔になっている場合だってあるわけですよ。今現実に顔認証で重大なトラブルが起こっているじゃないですか。それじゃ、どっちもこっちもということになるんですから、やはり今のままでむしろいいんじゃないかと、そうしか思えませんけれども、いかがですか。

松本国務大臣 マイナンバーカードの写真の撮り方については、様々なケースに応じて対応するように、自治体の皆さんとも連携をしながら、撮り方、また、顔写真を撮ることが大変難しい方に対する対応などについても、私どもの方から、その写し方について、考え方をお示しをさせていただいているところでございますが、今、顔認証、一つの方法として、本人確認、目視確認の方法も入れさせていただいておりますが、今お話がございましたように、もちろん、それぞれお人の顔は状況によって変わることもある中で、これはむしろ、顔認証のシステムでは判別できても人間が判別をしにくいケースもあれば、人間が判別できても顔認証がまだ技術がこれから発展の余地があるものもあるかもしれませんが、そういったことも含めて、本人確認のためのマイナンバーカードを適切に利用できるような環境と仕様を考えていくのが私どもの役目だということで、今様々検討をさせていただいていると申し上げさせていただきました。

高橋(千)委員 やはり今のシステムでは無理があるということをるるおっしゃったということになると思います。私は健康保険証を維持するべきだと思います。

 それで、マイナカードを既に持っていて、コンビニ交付でいろいろ便利だ、いろいろな証明書を出したという方がいらっしゃいました。ただ、所得証明書を出すことができたんだけれども、このトラブル事案のニュースを見て、もし自分の所得証明書が他人に見られていたらと、本当に不安に思ったとおっしゃるんですね。それほど手軽に機微な個人情報を交付している、このこと自体をやはり問題にしなくちゃいけない、そのように思います。

 そこで、資料の一に戻りますが、マイナンバーによる情報連携の正確性確保に向けた総点検について、デジタル庁を総点検本部として、七月中に、ひもづけ実施機関に対し、現状のひもづけ方法について確認を行うとあります。これは、その機関というのが三千六百機関というふうに報道がありましたが、間違いないかを一つ確認。

 それと、マイナポータルを個人に点検もお願いするのでしょうか。それぞれがマイナポータルを見ると、他人の情報を見てしまうことになるわけです。だけれども、同時に、本人が気づいていない漏えいをあぶり出すためには必要なことでもあるわけですよね。被害に遭った人は知らないままなんです。全体像は分かりません。違いますか。

河野国務大臣 総点検では、まず、七月中に、各制度の現場におけるマイナンバーのひもづけ作業の実態を把握をして、ひもづけ方法がどう行われてきたかという確認結果を踏まえて、個別データの点検が必要なケースの整理を行う予定でございます。約三千六百の機関でお願いをしております。

 個別データの点検が必要と整理されたケースについては、原則として秋までに、全てのデータの点検、誤ったひもづけの修正、こうしたことを行っていただいて、結果の公表を求めようということでございます。

 また、今委員がおっしゃいましたように、マイナンバーカードでマイナポータルにログインをしていただきますと、「わたしの情報」という部分から、マイナンバーとひもづけて管理されている自身の情報を確認することができます。これが一番迅速で、確実に御本人の情報が正しいということを確認する方法でございますので、その方法につきまして、デジタル庁のホームページでもお示しをしております。

 また、マイナポータルに何か誤った情報があった、あるいはそう疑われる場合には、マイナンバー総合フリーダイヤル、〇一二〇―九五―〇一七八、ここにお問い合わせをいただきたいと思います。

高橋(千)委員 大臣、今、マイナポータルを見るのが迅速で、一番だとおっしゃっていました。私もそう思うんです。だけれども、そう思うけれども、そうすると、他人の履歴がいっぱいあった場合、いっぱい漏えいが分かっちゃうということになると、そのリスクも含んでいるんだということはどこかで言ってもらわないと困るわけですよね。

 それで、実は、昨日の時点ではそうおっしゃらなかったんです、問合せをしたときには。やはり、総点検の中で組織的にやるから、みんなで見てねとは言わないつもりだよとおっしゃっておりました。やはり、個人情報の問題ということがあるからだと思うんです。だけれども、それはトータルでやっていくという理解でよろしいですか。

河野国務大臣 最初からマイナポータルで御自身の情報を御確認くださいと申し上げ、その方法については、デジタル庁のホームページなどでかなり丁寧にお知らせをしてきたところでございます。

高橋(千)委員 ですから、御自身の情報とは限らないということを言っているわけですよ。それは、大臣は分かって答弁しているんですよね。

河野国務大臣 情報に誤りがあれば、そこで気づくことができますので、速やかに是正することができますので、マイナポータルで御確認してくださいとお願いしております。

高橋(千)委員 だから、御確認するだけじゃなくて、協力してもらわなきゃいけないんです、個人の情報を守ってくださいと。他人の情報を見ちゃった、だけれども、それは守ってくださいと、なぜそれが言えないんですか。

河野国務大臣 まず、御自分の情報のひもづけが正しいかどうかということを確認をするのに、マイナンバーカードからマイナポータルにログインしていただいて御自身の情報を確認をしていただくというのが、これが一番の早道でございます。

 その際、誤った番号等が出てくる場合があったら、〇一二〇―九五―〇一七八、マイナンバーカードの総合フリーダイヤルに御連絡くださいということを申し上げております。そこで適切な対応が取られることと思います。

高橋(千)委員 事態の深刻さに対する受け止めが全くないと思います。

 一番最初に、個人情報漏えいの問題なんだということを三大臣に伺いました。それをお認めになった上で、やはり、私の情報ということは他人の情報であるかもしれない、そのときの、それが悪用されるかもしれない、あるいは、見たけれども黙っている場合だってあるんだと。そのことの危機感が一切ないということに、非常に問題だと思いました。国民の不信感が高まるのではないか、このように思います。

 そこで、一つ飛ばします。大混乱が起きているのが、マイナ保険証の現場であります。

 資料の四に、全国保団連が二十一日に発表した全国調査の最終集計があります。既に報道されておりますので御存じだと思いますが、回答があった一万二十六の医療機関のうち、八四・二%がオンライン資格確認を既に実施している、そのうち何と六五・一%に当たる五千四百九十三の医療機関でトラブルがあったというものであります。

 そのうち一番多いのが、無効、該当なしということで無保険扱いに表示されたと。保険料を払っているのにと患者さんに逆切れされる、なぜ医療の現場でそういう矢面に立たなければならないのか。本当につらい思いをされていると思います。

 それで、最大の教訓は、下のグラフなんですけれども、七四・九%、保険証を持ってきていれば問題なく対応できたというものなんです。

 改めて加藤大臣に伺いますが、保険証を存続すればよいだけではないでしょうか。

加藤国務大臣 保険証存続というより、まさにマイナンバーカードと一体化を進めていく中で、もう何回も申し上げておりますけれども、よりよい医療を提供して、あるいはそれを享受していただきたいということで進めさせていただいていますが、今お話しの保険証に関しても、私どもとして、今回、そうしたシステムトラブル等でシステムが動かなかった場合については、基本的には、医療費の三割分負担、そして医療機関には、一定の事務負担はお願いしますが、経済的な負担はお願いしない、この基本的な考え方に立って、八月から実施をしていきたいというふうに考えております。

 ただ、その場合に若干の事務的な対応が必要になりますので、そうした対応を回避する上において、最初にマイナンバーを使う場合、あるいは転職等によって新しく健康保険証を交付する場合などにおいては、念のため健康保険証を持参していただく、あるいは、事前にマイナポータルで新しい保険資格を確認していただきたい。

 さらには、保険者がオンライン資格確認等システムへのデータ登録をお知らせする仕組みを今整備しておりますから、その間の時限的なものであるということはお願いしているところでございますので、今の段階で恒常的に健康保険証を持参していただきたいということをお願いしているわけでもございませんし、今申し上げたように、一回、少なくとも一回それが確認できれば、爾後はそうしたことがないということになるわけであります。

高橋(千)委員 一回といったって、一つの医療機関に一人が一回とは限らない、いろいろなところがあるわけですからね。

 それで、資料の五番を見ていただきたいんですが、令和六年秋に向けたロードマップとあります。秋とはこの黄色いライン、つまり、保険証廃止という政府の必達目標があるから、むちゃくちゃ密な作業を現場に強いているわけです。

 資料の二段目のラインで、登録済みのデータの総点検、六月末までに全保険者による点検というのがあって、この最初の段階が、今日一斉に報道された、資料の二にも既にありますが、健康保険組合などの調査で、八・六%、二百九十三団体がひもづけ時の本人確認が不十分、ルールどおりにやっているかどうか不明なのが二九・六%、千十団体もあるということが分かった。

 だけれども、これはあくまでも類型化であって、三情報、姓名、性別、生年月日のみひもづいているので、この間あった同姓同名で同じ誕生日といった場合があり得る、そういうのを言っているだけなんですよね。

 問題は、このような間違いが本当にあるかどうかを今月中にチェック、保険者で全部チェックするということですよね。できますか。

加藤国務大臣 まずその前に、先ほど最初にと申し上げたのは、その医療機関の最初ではなくて、いわゆる御自身として、最初にどこかの医療機関でやっていただければ、もうそこから先は資格確認はできているということは判明するということで申し上げたわけでございます。

 それから、今、六月中までにどういう点検をしていたのかということについて御報告をいただいたことについては、もう既に公表させていただきました。これについて、登録した個人番号によりJ―LIS照会を行い、漢字氏名など五情報の一致などの確認、修正作業を行っていただき、七月末までにデータ点検結果の報告を求めているところでございます。

 これについては関係団体の協力をお願いをしていかなきゃなりませんが、基本的に住民基本台帳に基づき資格管理されている市町村国保や後期高齢者医療以外の保険者を中心に行われることになると考えております。一番多いのは、例えば協会けんぽでありますが、協会けんぽでは、これまでよりも点検体制を増強して取り組まれるというふうに承知をしているところでございます。

 保険者において必要な点検作業を今月中に終えていただき、是非報告をしていただきたいというふうに考えております。(発言する者あり)

高橋(千)委員 本当ですよね、できるかと聞いているんですよ。

 今、大臣、どこかでやれば、そこから先は要らないんだと言ったんですよね。それは、申立て書を出すと支払基金が確かめるからなんですよね。それは、オンライン資格確認が医療機関でできていれば被保険者番号が確かめられるから、健康保険証があるから、それで確かめられれば後は要らないという意味じゃないですか。私が言いたいのは、そういうことなんですよ。健康保険証がそのまま残っていれば、基本的にオンライン資格確認というシステムはできているわけですから、わざわざ作りたくない人が作らなくてもよいということなんですよ。

 この作業は、済みません、この作業はというのはさっきの二百九十三団体の話なんですが、不十分な対応をしてきたかのように言われておりますけれども、そもそも被用者保険の関係では必要なかったわけですよね。マイナンバーとひもづけると決めてしまったがために、できていない団体みたいに言われているわけですよ。千十団体もルールを守っていないみたいに言われているけれども、今まで問題なかったことが、マイナンバーとひもづけるために、なったわけです。そうじゃないですか。だったら、そこをちゃんと認めないと、結局、健康保険証のままでオンライン資格確認を残していたら問題はないと言えませんか。

加藤国務大臣 いや、マイナンバーと健康保険証の一体化ではなくて、むしろマイナンバーとそれぞれの被保険者番号をつなげる作業の話ですよね、一つは、ひもづけの話は。それを今、点検作業をさせていただいているということですから、これはもう、元々、前にも御議論をさせていただきましたけれども、マイナンバーカードと保険証の一体化の話ではなくて、いわゆるマイナンバーを活用した保険管理、これを的確にやるということ、それができていなかったので、もう一度そこをお願いをし、それによって適切な情報に基づいて、まずそれぞれの患者さんの医療が行われる、それから、先ほど委員が御指摘のように、他人に情報が漏えいをしない、そうした事態を防ぐ、こうしたことにしっかり取組をさせていただきたいというふうに思います。

高橋(千)委員 一言で答えてください。

 いつも、健康保険証で間に合うじゃないかと言うと、るるマイナカードで一体化することのメリットをおっしゃいます。だけれども、メリットはあったとしても、それは望む人がやればいいのであって、必ず保険証を廃止しなければならないという理由にはならないと思いますが、いかがですか。

加藤国務大臣 ですから、保険証を全員に交付する必要性はなくなっているということでございまして、基本がマイナンバーを保険証として活用することによって、我々はやはり、よりよい医療を国民に提供する、またそういう環境をつくるというのが私たちの責務でありますから、それを進めていく。

 ただ、その中において、やはり選択的なお考えをお持ちの方、いろいろなお考えの方がいらっしゃいますから、そうした方に対しては、それを活用しなくても、資格確認書という仕組みの中で対応する。そして、それに対しても柔軟に対応することによって、保険料を払っていながら保険診療が受けられない、こういう事態がないように取り組んでいきたいと考えています。

高橋(千)委員 守ると言ったので、これで終わります。

 資格確認書は保険証と同じ情報が入っておりますので、保険証を続ければいいだけの話です。

 終わります。

橋本委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四分散会


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