第9号 令和7年4月17日(木曜日)
令和七年四月十七日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 谷 公一君
理事 上田 英俊君 理事 上川 陽子君
理事 牧島かれん君 理事 神津たけし君
理事 坂本祐之輔君 理事 森田 俊和君
理事 東 徹君 理事 日野紗里亜君
大空 幸星君 大西 洋平君
加藤 竜祥君 岸 信千世君
草間 剛君 小池 正昭君
島田 智明君 田野瀬太道君
平沼正二郎君 広瀬 建君
福田かおる君 三反園 訓君
宮内 秀樹君 宮下 一郎君
向山 淳君 東 克哉君
安藤じゅん子君 市來 伴子君
中谷 一馬君 橋本 慧悟君
福田 淳太君 福森和歌子君
柚木 道義君 奥下 剛光君
黒田 征樹君 仙田 晃宏君
浮島 智子君 大森江里子君
阪口 直人君 本村 伸子君
吉良 州司君
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国務大臣
(デジタル大臣) 平 将明君
デジタル副大臣 穂坂 泰君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 岸 信千世君
農林水産大臣政務官 庄子 賢一君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君
政府参考人
(個人情報保護委員会事務局審議官) 大槻 大輔君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房審議官) 水田 功君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 冨安泰一郎君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 楠 正憲君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 村上 敬亮君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 新田 一郎君
政府参考人
(総務省情報流通行政局郵政行政部長) 牛山 智弘君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 町田 達也君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官) 内山 博之君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 森 真弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 野村 知司君
政府参考人
(林野庁林政部長) 清水浩太郎君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君
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委員の異動
四月十七日
辞任 補欠選任
草間 剛君 広瀬 建君
田野瀬太道君 島田 智明君
萩生田光一君 大空 幸星君
三反園 訓君 平沼正二郎君
宮内 秀樹君 向山 淳君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 福田かおる君
島田 智明君 田野瀬太道君
平沼正二郎君 三反園 訓君
広瀬 建君 草間 剛君
向山 淳君 宮内 秀樹君
同日
辞任 補欠選任
福田かおる君 萩生田光一君
―――――――――――――
四月十六日
国・自治体の責任を堅持・拡充し、保育・学童保育の基準・施策の抜本的改善と予算増額を求めることに関する請願(本庄知史君紹介)(第八七六号)
同(早稲田ゆき君紹介)(第八七七号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び住民基本台帳法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
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○谷委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び住民基本台帳法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、警察庁長官官房審議官阿部竜矢君外十三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○谷委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。草間剛君。
○草間委員 おはようございます。自由民主党の草間剛です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今日はマイナンバー法改正案そのものなんですけれども、それについて質問する前に、今月立て続けに起こっているシステム障害についてお伺いしたいと思います。
今月四日、そして、おととい十五日ですけれども、全国でマイナンバーカードの電子証明書の更新や署名用電子証明書の手続、暗証番号の再設定などができなくなるシステム障害が立て続けに起こりました。既に復旧されておりますけれども、大規模なシステム障害が短期間で立て続けに起こることは今まで余りなかったと思います。
そこで、このシステム障害の状況と原因についてお伺いします。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
今ほど御指摘いただきましたとおり、本年四月四日及び四月十五日に、マイナンバーカードの電子証明書の発行が滞るシステム障害が発生いたしました。
四月四日の事案につきましては、十五時頃発生いたしまして、翌五日の朝七時半頃復旧いたしました。また、四月十五日の事案につきましては、朝八時頃発生いたしまして、同日の十一時頃復旧したという状況でございます。
これらの事案につきましては、地方公共団体情報システム機構における電子証明書の発行、失効に係るシステムのサーバーの不具合により、全国的に電子証明書に係るシステム上の手続に遅延が生じたというものでございましたが、一定の対処をしたことにより、今ほど申し上げたとおり復旧いたしております。
詳細な発生原因については現在調査中でございますが、J―LISにおいては速やかな原因調査と再発防止策を講じてもらうことが必要だと考えておりまして、その旨、機構に総務省として強く要請したところでございます。
○草間委員 原因はまだ調査中ということでございますけれども、再発防止対策の徹底、それから、原因が分かり次第、各地方団体もかなり混乱いたしましたので、情報提供をよろしくお願いいたします。
さて、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現するための社会基盤であるマイナンバー制度が二〇一六年一月に始まってから、来年で十年になります。制度が始まった際、私は横浜市会議員でございましたけれども、当時の横浜市会でも、マイナンバー制度が始まると、日本年金機構事件のように大量の個人情報漏えいが起きるとか、マイナポータルの使用で情報流出リスクがより高まるとか、監視社会が始まるとか、地方議会でも様々な議論があったことをよく覚えております。
確かに、今でもマイナンバーカードを落とした、紛失したという事案は全国で多々起こっておりますけれども、それ以上にマイナンバー制度によって利便性が高まったという実感の方が大きいと認識しております。
例えば、昨日、私は急に印鑑証明が必要になったんですけれども、昨日は朝からずっと九時から四時まで厚生労働委員会がございましたので、地元の役所に行けない。でも、マイナンバーカードがあれば、今は地元に帰らずとも議員会館のコンビニで印鑑証明を発行できるということでございましたので、私はこれでできたんですけれども、十年前の先輩方は一体どうやっていたのかと思うと大変不思議でございます。
そこで、この間を振り返って、マイナンバー制度によって国民生活がどのように便利になり、どれぐらい行政が効率化されたのか、大臣の所感を伺います。
○平国務大臣 この十年、デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップなど、そういった方針の下、進めてまいりました。
マイナンバー制度については、二〇一六年の開始以降、徐々にその利用が広がってきております。情報連携については、本格運用開始が二〇一七年十一月でありますが、その時点では約八百五十の手続が対象であったところ、二〇二五年二月時点では約三千三百の手続まで対象が拡大し、また、マイナンバー制度による情報提供の件数についても、二〇一七年度は約百四十万件であったところ、二〇二四年度には約二・一億件にまで増加しています。
この数字からも分かるとおり、マイナンバーの利用はこの十年弱で着実に広がっており、例えば、これまで紙での書類提出が必要であった多くの手続が添付書類の省略が可能になりました。マイナポータル等を利用した税、社会保障などの各種手続のオンライン化も進みました。国民の利便性の向上や行政の事務の効率化につながっているものと認識しています。
まさにデジタル社会の基盤としてマイナンバーが広く浸透してきているところ、こうしたメリットを更に多くの国民の皆さんや行政機関が感じることができるよう、既にマイナンバー利用が可能な事務におけるマイナンバー利用の徹底も含め、マイナンバー制度の利活用について更に推進していきたいと考えております。
○草間委員 私の地元川崎市では、マイナンバーカードを活用して電気、ガス、水道などの開始、休止や住所変更等の届出がスマホで一括して申請できるサービスが三月三日から始まりました。これで、転出するときはスマホだけでできるようになります。引っ越しの手続は本当に面倒ですから、スマホで一括してできるということで非常に便利です。是非こうした取組も全国に普及いただきたいと思います。
さて、今回の法改正では、会計士や宅地建物取引士など四十四の国家資格について、資格に関する手続、事務などにマイナンバーの利用が可能になり、パスポートの発給、在留カードの交付、宅地建物取引業の免許等、十一の事務についてもマイナンバーの利用が可能になります。マイナ申請によって、マイナポータルを通じた手続で住民票の添付などが不要になり、更に利便性が増すことと思います。
この取組を更に進めていただきたいと思うんですが、そこで、今回の法改正ではマイナンバー利用可能事務が増えましたけれども、今後の見通しはどうなのか、統括官に伺います。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
本改正案につきましては、マイナンバー利用可能事務になっていない事務につきまして、更なる利用可能性があると考えられるところ、悉皆的な調査を行いまして、行政事務の効率化や国民の利便性向上につながるものであり、各府省庁でマイナンバーの利用意向があるものについて、利用可能事務に追加することとしたものでございます。
本改正案によりまして、必要なマイナンバー利用可能事務の追加が実現できたものと考えておりますけれども、今後、マイナンバー利用に関する更なるニーズがありましたら、デジタル庁としては、関係府省庁と調整しつつ適切に対応することで、マイナンバーの利活用をより一層推進してまいりたいと考えております。
○草間委員 是非、これからも様々なニーズを酌み取っていただいて利用可能事務を増やしていただきたいと思います。
おとといの本委員会でも他党の先生から触れられておりましたけれども、マイナンバーカード機能のiPhoneへの搭載について、今春からということで、期待が高まっております。
一方、私が持っておりますのはアンドロイド端末ですけれども、これは二年前の令和五年五月から電子証明機能をスマホに搭載するサービスが既に始まっておりまして、当時は、セキュリティーや紛失したときにどうするんだみたいな問題など、様々な課題も指摘されておりました。
そこで、この導入から二年が経過しているんですけれども、現状何か大きな問題が出ているのか、これも統括官に伺います。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただいたとおり、二年経過いたしました。四桁のパスワードを入れなくてもいい、かざさなくていいということで、使っている方からは便利だと言っていただいております。悪用事例の報告は現状ございません。サービス提供についても安定的に運用が進んでいると認識しております。
ただ、まだまだもっとアンドロイドユーザーの方にも活用していただきたいという思いもあり、引き続き周知広報とシステムの安定運用について努めてまいりたいと思います。
○草間委員 今、大きな課題は出ていないということでございました。これは恐らく利用者の数にもよると思うんですけれども、事前に聞いたところ、どんどん増えていっていると聞いております。マイナンバーカード機能のスマホへの搭載は、ソサエティー五・〇の実現のためにも大変重要なことだと思っておりますので、この春といったらいつなのかというのはあるんですけれども、発表を楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、更なるマイナンバーカードの活用の可能性について、一つの事例を基に伺いたいと思います。
先月三月に、マイナンバーカードとデジタル認証アプリを用いてチケットの不正転売を防ぐ実証実験が幕張メッセで行われて、穂坂副大臣も視察をされたということでございます。
これは何かといいますと、三月二十一日に、モーニング娘、小田さくらさんバースデーイベント、これは一日二公演で二千人動員されまして、三月二十九日、三十日にはハロープロジェクトひなフェス二〇二五、これは二日間で全四公演、二万二千人を動員されたということなんですけれども、その中のチケットの一割から三割をデジタル庁のデジタル認証アプリとマイナンバーカードを利用した本人認証、顔情報を登録した電子チケットで販売されて、この一割から三割の方はその電子チケットを持って来場されたということでございます。
議員立法はされましたけれども、ライブのチケットの不正転売がまだ大きな課題になっている中、今回は、チケットの抽せん申込みをするときに、マイナンバーカードとデジタル認証アプリで本人確認と顔情報の登録を買う方が行って、認証済みアカウントを作成する。抽せんで当たった方にはこの認証済みアカウントにQRコードが発行されて、当日は、電子チケットを持っている方の専用レーンでQRコードと本人の顔を同時に読み込んで入場されたということです。
主催者さんによりますと、販売された電子チケット、QRコードでは不正転売は一切確認されなかったということでございますし、同時に、不正転売の課題である抽せん応募、これは一人で何アカウントも作って抽せんに申し込むというのが課題なんですけれども、一人が複数アカウントを利用した応募は確認されなかったということでございます。
ちなみに、この同じイベントでは、今回の電子チケットだけではなくて従来のチケット販売もされたらしいんですけれども、それでは約三百枚の不正転売が確認されたそうでございます。
今でも不正転売防止のために、運営側が入口のゲートで、免許証であるとかマイナンバーカードとか、アナログな形で多くの人を割いて顔確認などをしておりますけれども、観客が今回のように万単位のライブでは限界がございますし、そもそもその人たちを雇用するのにもコストがかかってしまいます。
不正転売防止と業務効率化の面で今回の実証はまさに画期的なものだったと思うんですけれども、これは国内の様々なイベントに活用できると考えます。そこで、大臣に、マイナンバーカードをエンターテインメント分野に生かす可能性について伺いたいと思います。
○平国務大臣 高額不正転売は、実は山下貴司さんとか私とか後藤田さんが議員立法で法律を作りました。当時は民民の取引に規制を入れていいのかといったところから始まって、かなり難易度の高い法律でありました。しかしながら、御承知のとおり、よく言っているレギュレーションでいくのかテクノロジーでいくのかという話で、こういう技術が出てくればそもそもそういう法律自体が要らなかったということだと思いますが、まだ道半ばであります。
議員御指摘のとおり、三月に音楽フェスにおいて、チケットの抽せん申込み時にマイナンバーカードによる本人確認を行う実証実験を行いまして、複数アカウントによる大量購入や不正転売防止、会場入場時の本人確認業務の効率化等の効果が検証できました。マイナンバーカードをエンタメ分野に生かす可能性は確認できたと思っています。
デジタル庁では、エンタメのほか、サッカーとかゴルフもチェックインで使えるように、一々住所と名前を書かなくても入れるようにということの実証実験も行っていますし、また、ファンマーケティングなんかにも有効に機能することも実証実験で分かっております。
マイナンバーカードの民間利用はサービス、事業者とも着実に拡大しているところでありますので、対面でもオンラインでも確実な本人確認を可能とするマイナンバーカードの活用の推進は、安全、便利で効率的な民間ビジネスの推進につながるものであり、デジタル庁は引き続きその役割を果たしてまいりたいと考えております。
○草間委員 ありがとうございました。
マイナンバー制度が始まってからこの十年で日本も大きく変わったと思いますけれども、正直、まだまだ変わらなければいけないと思います。牧島元大臣もいらっしゃるし、歴代のデジ庁の皆様の努力に敬意を表しますとともに、更なる取組を党内でも進めていく決意を新たに、質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○谷委員長 次に、福森和歌子さん。
○福森委員 おはようございます。立憲民主党、福森和歌子です。本日も質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
まず、マイナンバーの利用を可能とする国家資格等の選定についてお聞きしたいと思います。
本法律案では、令和六年重点計画に基づき、各制度所管省庁に対して行ったマイナンバー制度の利用可能性の悉皆調査の結果等を踏まえ、国家資格等に関する事務においてマイナンバーの利用が可能な事務を追加することになっています。
今回の悉皆的な調査では、国家資格等について、その保有者数にかかわらず現在マイナンバーの利用ができない全国家資格等を対象に行ったのでしょうか、あるいは、一定規模数以上の保有者がいる国家資格等を対象に行ったのでしょうか、お示しください。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
今般の悉皆的な調査につきましては、昨年六月に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づき、各府省庁に対して、マイナンバー利用可能事務になっていない事務を対象に、マイナンバーの利用可能性の調査を行ったものでございます。
一定数以上の資格保有者がいる国家資格等のみを対象に行ったものではなく、また、国家資格等であるかどうかにかかわらず、全ての行政事務を対象に行っております。
○福森委員 まさに行政事務の効率化という視点で考えますと、網羅性があることが重要だと思っておりましたので、それを聞いてよかったなと思っております。
ただ、令和三年度にデジタル庁が行った国家資格等のデジタル化の状況に関する調査において、国家資格保有者数が十万人以上とされている、結構多いですよね、そういった国家資格のうちで、消防設備点検資格者や測量士、あるいは狩猟免許については今回の改正においても利用可能事務の追加対象とはされておりません。これらの資格が追加対象とならない理由は何かあるんでしょうか、教えてください。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の消防設備点検資格者、測量士、測量士補、狩猟免許等につきまして、今般の悉皆的な調査においてマイナンバーの利用の必要性等を踏まえて検討を行ったところでございますけれども、各省庁からのマイナンバーの利用意向がなかったため、今回の法改正においては対象としなかったものでございます。
デジタル庁としては、今後も関係府省庁と調整いたしながら、更なるニーズがございましたら適切に対応してまいりたいと考えております。
○福森委員 今、利用意向がなかったということですけれども、それは行政事務の効率化がもうできているからということでしょうか。今回検討対象になったけれども追加対象とならなかったものはほかにもあるのではないかと思いますので、あったら教えてください。何が対象とならなかったのか、なぜ対象とならなかったのか、それに対する対策といいますか、そういったこともお示しいただけるとありがたいです。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
各府省庁においては、デジタル庁が実施した悉皆的調査において、マイナンバーの利用の必要性を踏まえて御検討いただいていると承知しております。
ただし、マイナンバーが利用可能な事務は、個人情報保護等の観点から、法律に根拠があるものに限られておりまして、今回の悉皆的な調査に当たって各府省庁からマイナンバーの利用意向があった事務のうち、法律に根拠がないものに関しましては改正の対象外といたしております。
○福森委員 確かに個人情報は非常に大事ですので、そういったところで除外していくのは仕方がないかと思います。
ただ、ちなみに、この法律は、繰り返しになりますけれども、国民の利便性の向上と行政運営の効率化を図るためとされております。国民の利便性ということで考えますと、国民目線、今回でいうと例えば資格取得者などが当たるかと思いますが、そういった方々へのヒアリングも今後は有用ではないかと考えております。各制度所管省庁に悉皆的な調査を行うことも非常に大事だと思っておりますけれども、国民目線でニーズのあるところに国民が便利だと思うことを今後していっていただければと思います。
次に、会計検査院からの指摘への対応についてお聞きしたいと思います。
令和六年五月に公表された会計検査院の調査報告書によれば、地方公共団体を情報照会者とする千二百五十八の手続について、令和四年度のマイナンバー情報照会の実績を拝見しますと、地方公共団体比率が〇%の事務手続が四百八十五、〇%以上一〇%未満の事務手続は六百四十九とお聞きしております。
マイナンバー情報照会が十分に活用されていないのではないかと思われますけれども、一部の事務手続で情報照会が進んでいない理由をどのように捉えていらっしゃいますか。また、マイナンバー情報照会の活用に向けてどのような取組を行っていくのでしょうか。地方自治体へのアンケートはどういう回答が多く、それを踏まえ、どう対策していく予定かもお聞かせください。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
昨年五月に公表されました会計検査院における報告におきましては、一部の自治体や事務手続において情報照会が低調であることを踏まえまして、事務手続の所管府省庁は、デジタル庁と連携して、自治体における情報照会の実施状況を把握し、問題の解決に資する適切な助言を行うべきという御指摘をいただいたところでございます。
これを踏まえまして、昨年九月から、デジタル庁及び事務手続の制度所管府省庁におきまして、マイナンバー情報連携を実施する上での課題を把握するため、各自治体に対しましてマイナンバー情報連携に係る実態調査を行ったところでございます。その結果、情報連携に必要な端末を整備できていない、情報連携の実施手順マニュアルや業務フローの整備ができていないといった回答を多くいただいたところでございます。
これは、いろいろな場所で窓口がありますので、それぞれの窓口で件数が非常に多ければ端末も設置しやすいですけれども、いろいろなことをやっている中でその申請が一部であった場合等を含めて、費用対効果の観点でなかなか難しい場合もあるというふうに聞いております。
デジタル庁といたしましては、調査を通じて把握した課題を踏まえまして、自治体へのマニュアルの周知といった各課題に対する対応の方向性や、複数の自治体におけるマイナンバー情報連携の好事例を掲載した調査結果を本年一月に公表したところでございます。また、本調査結果を自治体に周知するとともに、各府省庁が参加する会議において紹介して、自治体におけるマイナンバー情報連携の推進に向けた取組を促したところでございます。
デジタル庁といたしましては、把握した課題を踏まえまして、マイナンバー情報照会の活用に向けて、特に効果が高いと見込まれる事務手続から優先順位をつけつつ、それぞれの実態に合わせて効果的に支障の解消を図ってまいりたいと考えております。
○福森委員 今お聞きしていると、端末整備というのは基本のキだと思いますけれども、マニュアルとかフローという部分は実際に手を動かす人にとっては大事なものだと思いますので、今後徹底していっていただければと思います。
この一部の事務手続で情報照会が進んでいない理由としては、国民への周知が不足しているということも考えられるのではないでしょうか。また、利用しづらいとか、利用してもしなくても事務手続の質、量に大差ないということも考えられませんでしょうか。
私ごとで恐縮ですが、私は二〇二二年に社会福祉士の資格を取得しています。今回、マイナポータルサイトから申請しようと挑戦したのですが、手順が多くて、時間に余裕があるときでないと無理だなと感じてしまって先延ばししています。手順自体は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターがとても丁寧に分かりやすく書いてくださっているので、私でもできるのですが、いかんせん何段階もあって煩雑に感じてしまい、従来どおりのやり方でいいかと思ってしまいます。
このように、せっかくマイナンバーの利用ができるようになっても、ユーザーインターフェースとかユーザーエクスペリエンスがいまいちだと情報照会は進まないと思いますが、平大臣、この辺りはいかがでしょうか。
○平国務大臣 まず、デジタル庁及び事務手続の所管府省庁において実施した情報連携実態調査においては、国民への周知の不足の御指摘がありましたが、まず、事業者から提出されている地方税関係書類等にマイナンバーの記載が徹底されていないということであったり、公金受取口座についての理解が浸透していないといった、国民の制度の理解に関する課題が存在することを把握したところでありますので、デジタル庁として、自治体を対象とした説明会を開催する等の制度の周知を行っていきます。
また、各種申請の際に、本人がマイナンバーを提出し、行政機関がマイナンバー情報連携を活用することで、国民の皆様にとっては、行政手続における添付資料が省略できる、一々書類を取りに行かなくていいとか、書類取得のために市役所に出向くこともなくなりますし、手数料の支払いといった負担もなくなりますので、そういった点では利用した方が便利だということは間違いないと思います。その辺はしっかり周知していきたいと思います。
また、御指摘のUI、UXは本当に重要で、民間事業者は常にUI、UXの改善に取り組んでいて、行政は民間のスピード感になかなかついていけない。一般のユーザーの方は民間のUI、UXに慣れてしまっているので、行政のUI、UXはいまいちじゃないかと思われているところもあるんだと思います。
そのため、デジタル庁は利用者視点に立って常にこれを改善していくということで、委員御指摘のとおり、UI、UXの改善にしっかり取り組んでいきたいと思っております。
○福森委員 今大臣がおっしゃってくださったとおり、UI、UXは私は非常に大事だと思っておりますので、今後も向上をよろしくお願いいたします。
続きまして、国家資格等のオンライン・デジタル化の進捗についてお聞きしたいと思います。
令和三年及び令和五年の法改正によって、八十二の国家資格等に関する事務においてマイナンバーの利用が可能となっています。また、デジタル庁において開発、構築された、資格管理者等が共同利用できる国家資格等情報連携・活用システムによる手続等のオンライン・デジタル化が順次開始されていて、介護福祉士など七つの資格の一部の手続において利用可能となっているとお聞きしております。
利用が開始されている七資格に関して運用状況はいかがですか。
○村上政府参考人 御質問ありがとうございます。
令和六年八月から、各国家資格が共同で使える国家資格等情報連携・活用システムがスタートいたしました。当初、今話題になりました社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師の四資格、十一月からは社会保険労務士、二月からは保険医と保険薬剤師の二資格がスタートしております。
これまで紙で、対面で若しくは郵送で行われていた各種手続がマイナポータル経由でオンラインで行える。また、住民票や戸籍の写し等が不要になっている。ただ、先ほどUXの御指摘がございましたが、大臣からも御答弁申し上げたとおり、しっかり改善の検討は続けてまいりたいと思います。
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、社会保険労務士の五資格については、氏名の変更手続等において、保険医、保険薬剤師の二資格については更に新規登録手続において、現状合わせて一万件以上のオンライン申請が行われております。
また、このシステムの中では、資格保有者の有効性を証明する書類がPDFでございますけれども出せるようになってございますが、四千回ダウンロードされているということで、正直、全体の比率から見るとまだまだではございますが、着実に使われ始めていると認識してございます。
○福森委員 ありがとうございます。確かに資格登録者数から考えますとまだ途上だと思いますけれども、利便性を高めていっていただければと思います。
ちなみに、その他の資格等の運用開始に関して見通しをお知らせください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、令和三年及び五年の法改正により、八十二の国家資格については制度的には利用できる状態になってございます。
六年八月のシステム開始以降、七資格以外は、まず、今年の夏頃に、税理士を含む三資格が利用を開始することが決まってございます。
実は、昨年度、戸籍情報連携システムとの関係で若干トラブルが見つかりまして、万全を期してリリースするということで、全体を少し後ろ倒しにした経緯がございまして、今のところリリース時期が見えているものが三つということでございますが、その他の資格についても、所管省庁や資格管理者等と必要な検討を進め、利用開始の時期が決定し次第、速やかに公表できるようにしたいと考えてございます。
○福森委員 分かりました。確かになるべく早くということはございますけれども、実際、安全、安心は大事だと思いますので、徹底していっていただければと思います。
資格管理者は、国家資格等へのマイナンバーの利用拡大に伴って、マイナンバーの適切な収集、管理、利用及び破棄といった安全管理措置を講ずる必要があります。マイナンバーを活用した情報連携に伴い、システムの改修や運用、保守に係る費用も生じるかと思います。資格管理者の負担軽減のためにどのような支援策を考えておられますでしょうか。
マイナンバーの利用を促そうとするならば、先ほども申し上げましたが、国民にとってのUIやUXといったことももっと向上しないといけないと思います。そういったことも踏まえて、どのような支援策を考えておられるか、教えてください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、これは特に特定個人情報がたくさん入ってございますので、適切な取扱いの徹底が極めて重要であります。
こういう言い方もあれでございますけれども、まさにそのためにも、各資格管理者の様々なデジタルリテラシーの中でばらばらにシステムを作るのではなく、私どもデジタル庁がしっかりと特定個人情報の保護の手続に即した安全なシステムを構築し、それをお使いいただくということ自体がまず第一の対策になっているのではないか。
更に加えて、放っておけば恐らくデジタル化は避けられなかったのではないかと思いますが、それぞれの国家資格が個別ばらばらに作るのではなく、一括して作ったものをお使いいただくということで、試算等の数字はございませんけれども、相当程度コストも含めて合理化されているのではないかと考えてございます。
さらに、デジタル庁では、システムを提供しておしまいではございませんで、例えば、そのシステムを運用しながら特定個人情報としての保護が適切に行われているかどうかを評価するときのひな形もこちら側から提供して、このとおりにやっていただけませんかといったような必要なノウハウの提供についても努めているところでございます。
ただ、先ほどからもあるとおり、全て改善が重要でございますので、今後とも、問題の所在等がないか、よくチェックしながら、引き続き各省庁や資格管理者とともに取組をしっかり進めてまいりたいと思います。
○福森委員 分かりました。安全性も効率性も両立させるのは非常に難しいと思いますが、よろしくお願いします。
また、国民の側、資格を持っている側からすると、例えば、私が社会福祉士を持っています、今持っていませんけれども、税理士を持っていますといったときに、やり方というか手続が違うとあれっと思うこともあると思います。全部が一緒になるとは思えません。資格は全部違いますから。ただ、共通化できるところは共通化するということもいいかなと思いますので、その辺はデジタル庁で進めていっていただければと思います。
それから、国家資格等へのマイナンバーの利用拡大に伴って、令和六年五月から、各資格の登録申請の際に、国家資格保有者はマイナンバーの提供が求められることになったかと思います。例えば、公認心理師においては、同時に公認心理師法施行規則を改正し、公認心理師登録申請書等に個人番号の記入欄を新設して、令和六年八月からマイナポータル経由のオンライン申請も可能になっているかと思います。
ちなみに、私は公認心理師登録のページを拝見しましたけれども、まず、公認心理師の資格は所定の登録を受けなければなりませんよといった説明があって、その次に「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の一部の施行に伴い、公認心理師法施行規則の一部が改正されました。これに伴い、公認心理師登録に関する手続きの一部が変更されます。詳しくは各手続をご確認ください。」と出てきます。
マイナポータルでの申請方法が案内されている、一見マイナポータルでの申請を推奨されているというふうにも受け止められましたが、公認心理師登録申請書等を提出する際、マイナンバーの提供は任意ですよね。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
行政の効率性、さらには申請される方の効率性という観点から、デジタルを使える方は使っていただければということでございますが、登録申請書の様式においてマイナンバーの記載欄を設けておりますが、マイナンバーの記載がない場合にも申請書は受理いたします。
○福森委員 分かりました。次の、提供を受けられなかったときにどう対応しようとするのかということもお答えいただけたので、なくても受け取ります、対応しますということかと思います。
ほかの国家資格も同じでしょうか。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
マイナンバーを利用することによりまして、例えば、従来、紙での提出が必要であった戸籍抄本等の添付省略が可能となるほか、マイナンバーを用いることで、氏名や住所等の変更があった場合も含めて資格保有者を一意に特定することができまして、事務の効率化につながるなど様々なメリットがあることから、マイナンバー法でマイナンバー利用可能事務に位置づけられるからには、申請者からマイナンバーの御提供をいただいて行政機関等で御活用いただきたいと考えております。
その上で、個別の国家資格等におきまして申請者からのマイナンバーの提供に関する取扱いについては、当該国家資格等の根拠法令等によって異なると承知しております。
なお、申請者がマイナンバーを記載しない場合の取扱いにつきましても、当該国家資格等の根拠法令等における規定等に基づいて判断されるものと承知しておりますけれども、一般的には、申請者がマイナンバーの提出を拒むことのみをもって直ちに国家資格等の登録を拒否するといったことはないと考えております。
○福森委員 今、拒むものではない、要はマイナンバーを提供しなくても大丈夫ということでしたけれども、義務づけることを今後想定されておられるのかということと、一方で、誰一人取り残さないこと、あるいは国民の利便性の向上を促していくということを考えると、任意である必要はあると思いつつも、行政運営の効率化という視点では、両方あることで事務作業はむしろ非効率にならないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、マイナンバーを利用することによって様々なメリットがあることから、利用事務として位置づけられるからには、御提供いただいて御活用いただきたいと考えております。
その上で、個別の国家資格等における具体のマイナンバーの取扱いにつきましては、当該国家資格等の性質も踏まえつつ、制度所管省庁等において判断されると考えております。
デジタル庁としては、資格管理者等が共同利用できる国家資格等情報連携・活用システムを構築しておりまして、これを利用する国家資格等においては、マイナポータル等の共通のシステムを使用して資格保有者等が申請を行うことを可能としております。
引き続き、関係府省庁と連携しながら、国家資格等の事務における国民の利便性の向上と行政事務の効率化を図ってまいりたいと考えております。
○福森委員 資格を持っている人がマイナンバーカードを使うと便利だなと思う、それによってマイナポータルを使っていくことが増える、そうすると行政事務も効率化できるということだと思いますので、周知徹底、更なる利便性の向上をお願いしたいと思います。
最後に、マイナンバーカード、電子証明書の更新についてお聞きしたいと思います。
マイナンバーカードの有効期限は発行から十回目の誕生日まで、電子証明書の有効期限は発行から五回目の誕生日までとされております。令和七年は、平成二十八年のマイナンバーカードの交付開始から十年目。平成二十八年に取得した方については、順次カード本体の有効期限を迎えることになります。また、令和二年にはマイナポイント事業によって多くの方がカードを取得しており、その方々は、順次電子証明書の有効期限を迎えることになります。
そのため、令和七年度はマイナンバーカード及び電子証明書の更新が多数見込まれているかと思います。更新手続のため、市区町村の窓口の混雑が予想されますが、円滑な更新に向けて市区町村の負担軽減のための支援策はございますでしょうか。
先日、安藤委員が質問して、誕生月ごとの更新できっと分散されるから、幾分混雑は緩和されるのではという御回答もございましたが、誕生月更新の免許証はいつも混雑していると私は思っています。
今回はまさに初めての更新でもございますから、自治体も住民も確認に時間がかかるケースもあるかと思います。何かシミュレーションされて支援を考えておられるのでしょうか。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
今ほど御指摘いただいたように、マイナンバーカードと電子証明書の更新需要が大きく伸びるということは見込まれてございます。先ほど御指摘いただきましたが、誕生日月で一定程度分散されるとは思いますが、そうはいいましても、需要総数が増えますので、市町村の窓口の負担軽減を図っていく必要がございます。
我々総務省といたしましては、民間委託であるとか郵便局の活用、窓口体制の増強などを自治体に助言いたしまして、また、必要な経費については補助金による財政支援も考えてございます。
今後も自治体の負担軽減を図りつつ、住民の方が円滑に更新できるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○福森委員 ありがとうございました。
私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございます。
○谷委員長 次に、東克哉君。
○東(克)委員 立憲民主党、東克哉と申します。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まずは、今般の法改正においての個人情報保護の対策について、早速お伺いをさせていただきたいと思います。
特定個人情報を取り扱う資格管理者等や行政事務が増えることになるということは承知しているんですが、資格管理者等において、不正アクセスの対応を含めて、マイナンバーの適切な収集、管理、利用、そして破棄といった安全管理措置を講じる必要が生じることになってくると思うんですが、こうした特定個人情報の適切な取扱いや、安全確保といった個人情報を保護するための対策について、デジタル庁にお伺いさせていただきます。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
マイナンバーを含む個人情報が適切に管理されるよう、マイナンバーを取り扱う者に対して、マイナンバー法において、情報が保護される仕組みになっているかを事前に確認する特定個人情報保護評価の実施でございますとか、漏えい防止等の安全管理措置を義務づけているほか、また、マイナンバー関係法令や個人情報保護委員会の定めるガイドライン等に従って安全管理措置を適切に実施するということを求めてございます。
今回、マイナンバー利用可能事務に追加する事務につきましてもこれらの規定等の対象となることから、マイナンバーを利用する事務の開始前の段階から、マイナンバーを含む個人情報の取扱いについて安全管理上の問題がないかを確認した上でマイナンバーの御利用を行っていただくということとなります。
デジタル庁といたしましては、関係省庁や個人情報保護委員会と協力の上で、個人情報保護が適切に担保されるように取り組んでまいります。
○東(克)委員 ありがとうございます。是非、ガイドライン等に従って適切に対応していただければと思います。
直接関係はないんですけれども、私は、初めて答弁される方がタブレットを持ちながら見ているのを見て、さすがデジ庁だなと思って、私もちょっと見習って次はタブレットで挑戦してみようと思います。せっかくデジタル委員会におりますので。ちょっと心に思ったことなので、見習いたいなというふうに思います。
続いて、同じく個人情報の保護について、漏えい関連のことについてもお伺いさせてください。
個人情報の取扱いにおいて、年金情報が以前漏えいしたということもあったんですが、今回の法案改正によってこれまで以上に特定個人情報にアクセスすることが可能になる資格管理者等や行政事務の方々が増えてくると思うんですが、不正に国家資格等保有者の情報を閲覧、流出することなど資格管理者等から情報漏えいがあった場合の対応、対策は十分に検討されているのか、そしてその監督責任はどこにあるのか、デジタル庁の考えを教えてください。
○村上政府参考人 紙で恐縮ですが、お答えをさせていただきます。
国家資格等保有者の情報については、各資格管理者が管理責任を有しているということでございます。
ただ、だからデジ庁は関係ないということではなく、それらの管理を適切に支援するために、先ほどもお尋ねに対して御答弁申し上げましたが、全ての国家資格が共通に使うことができるシステムを安全に構築し、それをお使いいただく。それから、作って終わりではなく、その評価等の運用ノウハウについても私どもの方からも提供するということで、各資格管理者がばらばらに作り、ばらばらに調べ、ばらばらに対応するというところに対して、しっかりと共通の一定水準以上のものをやり、できれば、いろいろな資格で今後またUX等の問題が出れば、ほかの資格で起きたことをこちらの資格でもというような、ノウハウの反映もできるようにやりたいと思います。
いずれにせよ、管理責任ということでは資格管理者ということになろうかと思いますが、適切な支援を続けてまいりたい、このように考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。
是非、様々な課題がデジ庁さんに集まってくると思いますので、漏えい等については気をつけていただきたいということと、いろいろな集合知というか、いろいろなノウハウの蓄積をお願いしたいというふうに思います。
次については、個人情報保護委員会の方に聞きたいと思うんです。
とはいっても、何かしらある。とはいっても、万全を期されているとは思うんですけれども、万が一不適切な特定個人情報の取扱い、漏えい、流出などが起こってしまった場合、国会等への報告など、どういうふうな流れでの報告の仕組みになっているのかを教えていただけますでしょうか。
○大槻政府参考人 お答え申し上げます。
個人番号利用事務等実施者は、マイナンバーの漏えい等の防止等のため、安全管理措置を講ずることが求められております。その上で、不正の目的を持って行われたおそれがある特定個人情報の漏えい等や、百人を超える特定個人情報の漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある場合など、一定の事案については、番号法第二十九条の四及び委員会規則に基づき、個人情報保護委員会に対し報告を行うこと及び本人に対し通知を行うことが義務づけられております。
個人情報保護委員会では、漏えい等の報告を受け、被害の拡大防止、原因の究明、再発防止等の取組が的確に行われるよう番号法第三十三条に基づき指導助言を行うなどしているほか、過去の漏えい等事案を踏まえた広報啓発資料をウェブサイトで公開するなどの啓発活動も行っていますところ、引き続き特定個人情報が適正に取り扱われるよう適切に対応してまいります。
また、令和五年度における特定個人情報の漏えい等事案の報告処理件数は三百三十四件となりますところ、当該漏えい等の報告の対応状況等については、個人情報保護法第百六十八条に基づく年次報告により、国会への報告及びウェブサイトでの公表を行っているところであります。
漏えい等報告の義務については、行政機関、地方公共団体等への通知や、ウェブサイトを通じた周知、各種団体に対する研修の実施などにより、継続的に周知広報を行っております。
○東(克)委員 ありがとうございました。
令和五年度で漏えいが三百三十四件あった。これが少しでも少なくなっていけるように、是非ともデジ庁さんと協力しながら個人情報保護管理に努めていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
今までずっとリスクの話ばかりをさせていただきましたが、実際に私もマイナンバーカードを非常に有効利用させていただいております。今回のデジタル申請について、非常に、十年たってようやく確定申告も大分楽になりましたので、本当にこれが普及してほしいなという思いもあるんです。
続いて、デジタル資格の申請、運用についてお伺いさせていただきたいと思います。
本法案が成立した後には、デジタル資格申請等の運用の詳細については政省令で定められていくというふうに理解をしておりますが、実際の運用が始まった際には、各種の手続の不具合、改善点は主務官庁が管理すると言われていましたけれども、資格管理者そして事務手続側が細かく対応するというふうに承知をしております。
例えば、ガイドラインを作成、提供する各主務官庁、資格管理者について、デジ庁さんはどういうふうに支援していくのかということを教えていただければと思います。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど、令和六年八月にスタートと申し上げましたが、令和六年七月三十一日に、各資格管理者向けに、国家資格等情報連携・活用システム、資格管理団体向けガイドラインというのを作成しております。この中では、実際にシステムを使うときに、手順の準備、どのように予算を立てるかといったシステム的なこともございますが、その中に一つ特定個人情報保護評価という項目を立ててございまして、そのためにどんな作業をするのか、それから、先ほど御紹介した評価のひな形等を提供させていただいています。
また、各資格管理者とデジタル庁の間で、メールやチャットツール、専用の問合せサイト等を設けてございまして、何かあればいつでも連絡が取れるという体制を取らせていただいているところでございます。
大臣からも累次申し上げていますが、システムは使って何ぼ、使うと出てくる不具合、改善ポイントと、こういうふうに考えてございますので、御紹介したようなコミュニケーション手段を通じて、利用する資格が拡大すればするほど知恵になるようなトラブルもたくさん出てくるのではないかというふうに想定をしておりますので、引き続き、近接なコミュニケーションを維持しながら、必要な支援をし、知恵をいただき、またよくしていくといった改善サイクルをしっかり回していきたいと思います。
○東(克)委員 ありがとうございます。
私は、いい言葉だなと今思いました。知恵になるトラブルというのは初めて聞きましたので、本当に、トライ・アンド・エラーを繰り返されているデジ庁さんならではの見解かなというふうに聞きました。ありがとうございます。
ガイドライン等について先ほどお答えがありましたけれども、ガイドラインとかマイナンバーの利用、各種手続の情報を連携する国家資格保有者そして団体に対してどういうふうな周知の方法、行政団体、各地方自治体なのか都道府県なのか各業界団体なのかということがあると思うんですけれども、基本的に各主務官庁がされていくとは思うんですけれども、その周知の方法についても、デジ庁さん、具体的にこういうことをやっているということがあれば、是非教えてください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
この仕組み、使っていただきますと、資格保有者はもちろんのことでございますが、実は資格管理者の事務が一番メリットを受けるのではないかという面があり、そのことを必ずしも全ての資格管理者の方が御存じかというと、まだまだ疑問のあるところ、若しくは、現場の方は、正直言うとアナログで、手で書いていた方がいいんだよねという方がまだまだいらっしゃる現場も残っているというのが正直なところではないかというふうに思います。
このため、オンライン申請を行うことによる様々な事務手続上のメリットを分かりやすく周知するということ、それから、資格保有者の方々からもそういったものを使いたいという声が上がるような利便性向上や行政事務の効率化等についてのアピールを、まずデジタル庁のウェブサイト等でしっかりと周知をしていただくと同時に、資格保有者に対する資格管理団体が活用できるような周知媒体といったようなことも整えてまいりたいというふうに考えてございます。
使っていただいて広げる、広がるから使っていただくという改善サイクルをうまく回せるように、引き続き努めてまいりたいと思います。
○東(克)委員 ありがとうございます。
是非、使いながらの改善を、そして、答弁でもありましたように、管理者が一番メリットがある、一番楽になるということは、私もそれは痛感しておりますので、是非周知を、私も一緒に頑張ってまいりたいと思います。
続いて、令和六年八月六日より、一部の国家資格が共同運用できる国家資格等情報連携・活用システムによる手続等のオンライン・デジタル化が順次開始をされており、引き続き紙での手続も可能である、そして、資格保有者側で手続を選択できるということを承知しております。
デジタル庁のウェブアクセシビリティーのページには、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会の実現というふうに書いてあります。私も理学療法士をやっていて、いろいろな障害の方々を目の当たりにすることがあって、いい言葉だなと本当に思います。こういう社会が本当に実現していければなというふうに思っております。
実際のところ、オンラインでの手続に慣れている人はいいんですけれども、不慣れな方ですね、高齢者、そして障害者、子供はまだまだですけれども、こうした不慣れな方々にとって、適切に、そして十分な対応がなされるように主務官庁も検討されていることとは思いますが、デジタル庁としての支援状況、加えてハンディキャップなどがある人に対しての対応、これからこうしていきたいという意気込みがあれば、是非、大臣、お願いいたします。
○平国務大臣 ありがとうございます。
まさに委員御指摘のとおり、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会の実現には、各種サービスの検討段階から多種多様な利用者を想定しておく必要があります。
デジタル庁では、ハンディキャップのある人でもサービスを利用できるように、実際に視覚障害を持つデジタル庁職員がウェブアクセシビリティーに関するユーザーテストを実施しています。その一例として、マイナポータルのトップページなどは、前述のテストを経て改善させていただき、視聴に障害がある方が使用している音声読み上げツールに対応するようにしております。
加えて、各省庁や自治体向けに、ウェブアクセシビリティーを備えたデザインシステムを公開しており、勉強会の実施などを通じて省庁や自治体への普及を図っております。このほか、デジタル機器、サービスに不慣れな方向けに、支援としてUI、UXの改善というのは不断に取り組んでいきたいと思います。
さらに、将来的な展望で申し上げれば、AIがマルチモーダルになってきましたので、そういったAIの活用も将来的には考えられると思います。私がデジタル大臣になってから、AIのフル活用というのを指示しているところなので、そういった将来も見据えて、こういった問題に取り組んでまいりたいと考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。
UI、UX、そしてAIの活用、本当にこれが進んでいけば誰もが使いやすいシステムになっていくと思いますので、是非お願いしたいと思います。
国家資格のことについてなんですけれども、この法案が出てきたときに、私が自分の経験を、すごくフラッシュバックで出てきたのが、二十年ほど前に理学療法士になったわけなんですけれども、大学を卒業してすぐのときに、四月から就職で、理学療法士の免許を取るためには戸籍抄本を取ってきてください、住民票を取ってきてくださいと言われて、今は広島ですけれども生まれが兵庫県なので、戸籍抄本を取ってきてくれと親にすぐ頼んで、住民票を自分で区役所に行って取ってきて、それが郵送されるまで待って、そして県に届け出た。
その後に、結婚して、私の妻が看護師兼保健師なんですけれども、妻は、結婚した後に看護師の免許だけは名前を切り替えていたんですが、保健師の免許を変えていなくて、いざ私と結婚して保健師で働くとなったときに、名前を変えるところから始まって、また戸籍謄本を取って、そしてまた住民票を取る。このことがすごくフラッシュバックしたんですね。
これが本当に楽になるのであれば、先ほど言われたように、管理者はすごく楽になると思うし、特に、今からの後輩ですね、医療のこれから対応される免許もたくさんあるというふうに認識、随時、これは二〇二五年秋以降適用していくと書いてありますが、特定個人情報なので締切りに縛られずに是非実行してもらいたいなと思います。
これが実行されると非常に楽になると思うので、特に、私の妻の例を挙げると、女性の方は様々な手続が楽になると思いますので、是非これは推進してやっていただきたい。といいながら、リスクがないようにというふうになるんですけれども、是非そこはリスクを見ながらお願いしたい。必ず手続関係は楽になるというのは、本当に体験としてありますので、そこは是非ともよろしくお願いしたいというふうに思います。
今ちょっと長々と私の話をしましたが、そういうふうな紙の申請方法と実際にマイナンバーで始まるオンライン手続の方向について、いずれは一本化するんだろうなということを思っているんですけれども、そういう方向で合っているかどうかというのを教えていただけますでしょうか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
資格保有者の方にとってはまさにフラッシュバックが不要になるように、ただ、先ほど御質問いただきましたとおり、そうなんだろうけれども、まだまだ画面の使い勝手の悪さといったものの改善も必要だと思いますが添付書類の省略もできますし、また、今後広がっていけば、資格証とかお持ちいただかなくてもマイナポータル上で見せるだけでいいということでいえば携帯電話だけお持ちいただければいい。若しくは、それをどうしても紙で出せと言われればPDFでしっかりとした刻印のついたものを打ち出せるといったこと。それから、行政機関にとっては、先ほども話題にしていただきましたが、相当程度の効率化。あとは、実は、やはりアナログで、手書きで打っていると必ず間違いとなる確率が出ておりますので、正確性の向上にも貢献しているだろう。ゆえに、大きな方向性としては一本化すべきものというふうに考えてございます。
ただ、それぞれの資格管理者にそれぞれの事情がございますので、原則的には我々の方から丁寧に働きかけて御対応をお願いしていくということを考えてございます。
○東(克)委員 ありがとうございます。
私も理学療法士の免許を何回写真に撮ってそれをPDFにしたか。本当にたくさんありましたので、それがスマホ一つでPDFになるというのは非常にありがたいので、是非進めていただきたいなというふうに思います。ですが、何回も言うように、個人の情報、特定情報になります。恐らく現場の意見も同じだというふうに痛感していますので、是非お願いいたします。
続いて、今までの話はマイナンバーカードを使用することが前提になってきて、先ほど、いずれiPhoneに搭載されて、アンドロイドには始めていると聞いています。マイナンバーカードを使用することが前提になっていると承知していますが、実際、マイナンバーカードを持っていない人にとってもメリットがあるとは思うんですけれども、マイナンバーカードを持っていない人のメリットも何かあれば教えていただけますでしょうか。
○村上政府参考人 御質問ありがとうございます、ちょっと強調したいポイントだったので。
まず一つは、資格管理者側は、全員でなくても、例えば八割の方が入れていただければ、八割分は業務効率化してしまいます。そういう意味では、一〇〇%に至る、至らないに限らず、業務効率化の貢献は必ず出る。
それからもう一つ、これは資格管理、件数が少ないときはちょっとよく分かりませんが、実はオンライン処理をしていただくと対応する側が効率化しまして、そうしますと、その効率化した分で実はアナログで対面で来られる方々へのケアが更に丁寧にできるようになるという効果も、マイナンバーカードでオンライン申請、一般でございますが、ございます。
そういう意味では、まずはできる方々から積極的にオンラインに移行していただくことによって、結果的には同じ行政サービスの提供体制の中でアナログの方への対応も丁寧にできるという面もございますので、最終的には全部デジタルに行ってほしいとは思いますけれども、積極的にそのメリットはアピールをさせていただきたいと考えてございます。
○東(克)委員 ありがとうございます。
確かにそうですね。私も今答弁を聞いて思いました。八割の方でもオンラインに行けば、窓口に来られる方の行列が少なくなるということですね。確かにそのとおりだなというふうに思いますし、それに向けて私もいろいろなところでマイナンバーを使うように、マイナンバーカードも使うように周知していきたいなというふうに思います。
続いて、マイナンバー関連システムについてのことなんですけれども、維持管理のコストですね。大変いいシステムだと私も使ってみて思っておりますが、システム開発、運用についての予算規模とかその検証について、デジタル庁さんのお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
デジタル庁でマイナンバー制度関連費用として取りまとめているマイナンバー制度の導入、運用に係るシステム整備や情報提供ネットワークシステム等の維持、運用、またマイナンバーカードの交付などに関する経費に係る費用につきましては、令和七年度の政府予算額で約六百億円となっております。
その結果について、例えば、マイナンバーの利用によって、現在児童手当の申請を始めとして約三千三百の事務手続において、行政機関等の間での情報連携によりまして住民票の写しや課税証明書等の添付書類を省略可能になっておりまして、この情報提供の件数につきましては、二〇二四年度においては約二・一億件となっていること等を踏まえますと、マイナンバーの利用が国民の利便性向上や行政事務の効率化につながっているというふうに考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。
令和七年度で約六百億の予算ということと、住民票の添付不要が二・一億件、恐らくどんどんどんどん使っていくと費用対効果がもっともっとよくなるものだというふうに認識していますので、ここは予算の話はするところじゃないと思うので、これを一つのチェックポイント、メルクマールにして、これからいろいろなことが進んでいって、効率化できていけたということが見えるように是非していただければなと思っております。
続いて、今後の自治体との連携について、幾つかお尋ねさせていただきたいと思います。
今回新たに追加される四十四の国家資格、その他十二の行政事務におけるマイナンバー利用及び情報連携を開始する具体的なスケジュールについてお伺いさせてください。
そのほかの行政事務については、自治体との連携が非常に重要になってくると認識していますが、デジタル庁さんとして想定をしている今後の日程感など、スケジュール感があれば、是非現在の検討状況を教えていただけますでしょうか。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
本法案が成立をした場合には、施行に向けて、必要なシステムの整備や、マイナンバー利用対象事務の詳細を定めるための省令等の改正を行う必要がございますので、準備に一定の時間を要することとなります。
それぞれの事務において既存のシステムの状況等が様々であることから、実際のマイナンバー利用開始時期は事務ごとに異なるものでございますけれども、国家資格等については、令和六年八月のシステム提供開始以降、利用が既に開始されている七資格以外については、まず夏頃に税理士を始めとする三資格において利用開始をする予定となっております。
そのほかの資格につきましても、所管省庁や資格管理者等と利用開始の時期を含めて必要な検討等を進めているところでございまして、利用開始の時期が決定次第、速やかに公表してまいりたいというふうに考えております。
また、今回、マイナンバー利用可能事務に追加することとしている国家資格等以外の事務につきましては、令和八年度以降、順次マイナンバーの利用や情報連携を開始するということを想定しております。
自治体や関係省庁、関係団体とも連携をしながら、円滑なマイナンバーの利用開始に向けて準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○東(克)委員 ありがとうございました。是非、個人情報に留意しながら進めていただければなというふうに思います。
時間になりましたので私の質問は以上で終わりますが、次回、もし質問の機会があれば、タブレットを持って質問させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。
○谷委員長 次に、福田淳太君。
○福田(淳)委員 立憲民主党、長野五区の福田淳太でございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
先ほど草間議員からの御質問にもありましたが、今週十五日火曜日に、全国各地の自治体でマイナンバーカード関連のシステム障害が発生をいたしました。
まず確認なんですが、今月四日にも同様のトラブルが発生しましたが、この四日のトラブルもまだ原因、影響の調査が終了していないということでしょうか。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきました四月四日及び十五日、いずれについても、今現在、原因調査中ということでございます。
○福田(淳)委員 この四日と十五日のトラブル、いつ頃までにシステム障害の原因、影響を調査して、どのようにそれを発表するのかということと、これはちょっと通告はしていないんですが、両日、電子証明の更新などができなかった人をどのように対応するのか、もし分かればお教えください。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、現在、総務省においては、J―LISに対して再発防止と原因究明についてしっかりと要請をいたしておりますので、まずその調査結果を待ちたいということでございます。
また、電子証明書を受け取れなかった方への対応については、各市区町村においてしっかりと対応していただくようにお願いしていますが、例えば、そこで、一回来ていただいて待たせて後で郵送するというような対応をした場合には、その郵送費についてはマイナンバーカードの補助金で財政支援するということも考えておりますので、できるだけ市町村の実態に即して支援をしていきたいと考えてございます。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。早く原因とか影響が分からないと、またこういうトラブルが起きかねないかと思いますので、よろしくお願いします。
そして、四日に起きてまた十五日と、十日ほどで再びシステム障害が発生をしてしまうことになってしまいました。結局、こういったトラブルが起こると、マイナンバー制度への不信感、やはりマイナンバーって危ないものじゃないかというような認識が国民に広がってしまうことにもつながりかねないかと思います。
この一か月の間に二度も同様のトラブルが起きたことをどのように捉えているのか、そして再発防止策をどのように講じていくのか、まず総務省の政府参考人から伺い、その後、平大臣に御所感を伺います。
○新田政府参考人 マイナンバーカードにつきましては、デジタル社会の基盤となるツールでございますし、また、先ほど来議論がございますように、本年度はマイナンバーカードと電子証明書の更新時期にもございますので、こういう中でのシステム障害でありますから重大に受け止めております。J―LISにおいて、しっかりと原因調査及び再発防止を講じてもらうことが重要だというふうに考えております。
なお、二度目の四月十五日には、短期で二度目が起きましたので、担当局長からJ―LISに対してしっかりとやるように強く要請をさせていただいたところでございます。
○平国務大臣 先ほど総務省の政府参考人から答弁があったとおりでございますが、現在既に復旧していると聞いておりますが、対象の皆様には、事象の発生の間、大変な御不便と御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。特に、ウィークデーで仕事を休んで来られている方もいらっしゃったかと思います。
今回、短期間のうちに二回不具合が発生をいたしました。再起動でその不具合は解消されたと聞いておりますが、原因をしっかり究明していただいて、繰り返さないようにしっかり総務省またJ―LISにおいて対応していただくよう、我々からもしっかり要請をしてまいりたいと思います。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
次に、マイナンバー法改正案について伺います。
今回の改正案で、マイナンバーが利用可能な国家資格等に関する事務が四十四増えます。今回、悉皆的な調査の結果を踏まえて追加の対象を決めたとのことですが、先ほどの御答弁で、全国家資格を対象に調査を行ったとのことでしたが、どのような基準で対象とすることを決めたのか、伺います。
○楠政府参考人 今般の悉皆的な調査につきましては、昨年六月に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づきまして、各府省庁に対して、マイナンバー利用事務になっていない事務を対象としてマイナンバーの利用可能性の調査を行ったものでございます。一定以上の資格保有者がいる国家資格等のみを対象に行ったものではなく、また国家資格等であるかどうかにかかわらず全ての行政事務を対象として行ったものであります。
その上で、各府省庁においては、マイナンバーの利用により行政事務の効率化や国民の利便性の向上を図ることができると考えられた事務等について、マイナンバーの利用意向を検討したものというふうに承知をしております。
○福田(淳)委員 今回の法改正案では、国家資格等に関する事務以外の事務としても、十二の事務が新たに追加となります。この十二の事務を追加するに至った選定基準はどのようなものでしょうか。所管官庁からの要望か、それともデジタル庁が主体となって対象事務を提示したのか、お教えください。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
今般の悉皆的な調査におきましては、国家資格等に関する事務以外の事務も含めまして、各府省庁において、マイナンバーの利用により行政事務の効率化や国民の利便性の向上を図ることができると考えられる事務等について、マイナンバーの利用意向を検討されたものであるということでございます。
そのため、具体的な事務をデジタル庁から提案したものではございませんけれども、本改正案においては、これまでマイナンバーを利用してこなかった事務のうち、マイナンバーの利用意向がある事務を追加できたというふうに考えております。
今後、マイナンバー利用に関する更なるニーズがあれば、デジタル庁といたしましては、関係府省庁と調整をして適切に対応してまいります。
○福田(淳)委員 続いて、マイナンバーカードの発行、交付体制の整備について伺います。
現在、マイナンバーカードの交付申請からカードの受取に必要な交付通知書が届くまで、おおむね一か月程度かかるとされております。令和五年の法改正で、特に速やかな交付が必要となるものや、紛失、破損等による再交付などを対象として特急発行・交付制度が創設されました。この制度を利用した場合、申請から最短五日でカードが発行され、郵送で自宅に送付されます。
発行の期間が一か月から五日に短縮をされたことは評価すべき点だと思います。それでも、すぐにカードが必要な人からすれば、更なる短縮が求められるかと思います。カード交付までの期間を最短五日から更に短縮することは可能か、無理であるならその理由をお示しください。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
マイナンバーカードの発行、交付に関しましては、J―LISにおいて、顔写真を含む申請書の審査を経まして、ICチップに搭載する電子証明書に係る情報の生成などを行った上でカードの発行工程に進みます。また、発行に際しましても、偽造防止対策をしっかりと施すことのできるカード発行機の大規模な専用設備を備える専用工場で発行してございまして、必要な検査を経て市町村にカードを送付いたします。その後、市町村において、設定などを行い、本人確認を行うということでございますので、今ほど御指摘いただいたように基本は一か月程度かかるということなのでございますが、一方で、マイナンバーカードの利活用シーンが増えていく中で、一日も早く欲しいという声もございます。
したがって、なくされた方などのために、発行工場に特別の専用レーンを構築するなど、最大限プロセスを見直して現在五日という制度をつくらせていただいてございまして、現時点ではこれ以上短縮するというのは現実的にはなかなか難しいかと考えてございます。
○福田(淳)委員 関連して、マイナ免許証について伺います。
マイナンバーカードと運転免許証を一体化するマイナ免許証の交付が三月二十四日から始まりました。この課題の一つが、再発行に時間がかかってしまうことです。
先日も委員会で少し御紹介させていただいたのですが、私の地元長野五区は、三市十九町村から成り、公共交通機関に恵まれていない地域です。自動車を各家庭で保有するのは当たり前で、一人一台自分の車を持っているのが基本でございます。仕事に行くにも病院に行くにも車が欠かせません。マイナ免許証を紛失した場合、特急発行・交付制度を利用したとしても、五日間何もできなくなってしまうわけです。
少なくとも、先ほど現在これより短くするのは難しいとの御答弁ではございましたが、何とかマイナ免許証の場合は、現行の運転免許証と同様に、紛失時にマイナカードを即日交付できるように改めていただけないでしょうか。お考えを伺います。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
今ほど申し上げましたとおり、マイナンバーカードについては、各種の偽造防止対策などを行うなどしっかりしたプロセスで行っているものでございまして、仮に即日交付ということになりますと、全国の各市区町村の窓口にカード発行機などの大規模な専用の設備の設置でありますとか、セキュリティー対策、また人員の確保も必要でございまして、なかなか現実的に難しいのではないかと考えてございます。
なお、マイナ免許証のみの方が仮にカードをなくされた場合は、免許センターに伺っていただければ、引き続き即日での運転免許証の再発行は可能となってございます。
我々総務省としては、先ほど申し上げた特急発行をしっかりと円滑に運用していきたいと考えてございます。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
現状は難しいとのことでしたが、マイナンバーカードを根づかせるには、なくした場合、もっと早く再発行できるようにする必要はあると思いますので、引き続き御検討のほどをよろしくお願いいたします。
次に、プラスチック製のマイナンバーカードの必要性について伺います。
プラスチックのマイナンバーカードは、券面に氏名、住所、生年月日、性別、顔写真が、ICチップに公的個人認証の電子証明書などが搭載されております。紛失、盗難された場合、どうしても個人情報の流出が心配されます。
改めてにはなりますが、紛失、盗難に遭った際の対応について伺います。
○村上政府参考人 紛失若しくは盗難の場合は、二十四時間三百六十五日、フリーダイヤルで即座に停止できます。
また、御指摘があったとおり、確かに拾われた方、盗んだ方はマイナンバー等を知ることができますが、まず、対面で使う場合は顔写真と照合いたしますので、別の人であればカードだけあっても使えません。非対面であれば暗証番号を知らないと使えない、しかも一定回数以上間違えると止まる。さらには、ICチップから情報を無理に取り出そうとすると、専門家がやってもチップが、自爆と言ってはなんですが、壊れる仕組みになってございます。
このように万全を期してはおりますが、改めまして、きちっとした御連絡の方法、その他周知広報にしっかりと努めてまいりたいと思います。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
これまで質問で取り上げられてきましたとおり、マイナンバーカードは有効期限が発行から十回目の誕生日まで、電子証明書の有効期限は発行から五回目の誕生日までとされております。今年は、平成二十八年に取得した方が、順次カード本体の更新期限を迎えることとなります。
そこで、カードの切替えに要する発行コストがどれぐらいになると試算されているか、伺います。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
令和七年度につきましては、マイナンバーカードの更新需要が増えてございまして、およそ見込みといたしましては約一千二百万件程度を見込んでございます。
したがって、マイナンバーカードの発行に当たっては、カードの調達でありますとかシステムの構築など様々な経費がございまして、更新分と新規分を切り分けるというのはなかなか難しいのでございますが、仮定ということで一つの試算を申し上げますと、カードを有料で発行する際に一枚当たり千円程度かかるというコスト計算をいたしておりますので、これを一千二百万件に掛けますと約百二十億と、機械的な計算でございますが、数字が出てくるということでございます。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
あくまで試算とのことでしたが、このカードの切替えのコスト、百二十億円ほどかかってしまうとのことでした。お金の面だけではなくて、この切替えに対応しなければいけない所持者の方、そして窓口対応する自治体職員双方の負担も生まれてしまうわけです。
しかし、令和六年の法改正により、スマートフォンに搭載されたカード代替電磁的記録の送信でスマホのみで本人確認が可能となりました。これまでアンドロイドはスマートフォンに電子証明書を搭載できましたが、今年の春にはiPhoneにも搭載が可能になります。こうなると、プラスチックのカードがこのまま本当に必要なのかという考えも生まれるかと思います。
次期個人番号カードタスクフォース最終とりまとめでは、将来的なプラスチックのマイナンバーカードについて、その利便性の確保も含め中長期的な課題として引き続き検討を続けるとしております。
将来的にプラスチックのマイナンバーカードの廃止を検討するお考えはあるか、大臣の御所見を伺います。
○平国務大臣 次期マイナンバーカードについては、令和五年度、デジタル庁に有識者や関係省庁等による検討会を設置し、将来的な物理カードの必要性を長期的論点としつつ、重要論点の一つとして位置づけ、検討を行ったところであります。
令和六年三月の検討会の最終とりまとめにおいては、スマートフォンを保有していない人もいるものですから、それをどうするか、あとは、現在、官民の様々な場面においてリアルなカードを出して本人確認するという利用の仕方もされているということを踏まえて、カード自体の不要化については、その利便性の確保を含め中長期的な課題として引き続き検討を続けるとされたところであります。
スマホに入るので要らないんじゃないかという委員の気持ちは分かります。これは、本気でやろうと思うと、多分生体情報を取るんだと思うんですよね、虹彩とか顔とか。それで顔パス形式にしてデジタル化を図るということですが、そもそも全国民の生体情報を政府が持っていいのかどうかという大きな議論もありますので、技術的にはできますが、なかなか簡単ではないと思います。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
次に、コンビニ交付について伺います。
コンビニ交付は、マイナンバーカードなどを利用して市区町村が発行する証明書が全国のコンビニで取得できるサービスです。わざわざ役所に行かずに済むのはもちろん、住民票の住所が遠方にあるけれどもいきなり証明書が必要になった場合などに便利なサービスかと思います。
しかし、このコンビニ交付で発行できる証明書の種類は、自治体によって差があります。例えば、東京都中野区は戸籍の証明書が発行できますが、新宿区ではできません。さらに、コンビニはあるのにコンビニ交付自体を導入していない自治体もあります。
デジタル社会を推進していくためにも、地方創生を進めていくためにも、コンビニ交付で発行可能な証明書を増やし、このサービスに対応できる自治体も増加させる必要があると思いますが、どのように認識しているか、そして普及に向けた対応策を伺います。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
現状、コンビニ交付サービスにつきましては、全市区町村の約八割の自治体で導入をしていただいております。ただ、人口ベースでいいますと、大都市部はほぼほぼ導入をいただいていますので、九六%の国民の方が利用可能となってございます。
御指摘いただいたように、コンビニ交付が年々増加しておるのと逆に紙の方はどんどん減っておりまして、職員の負担軽減にもなっているかと思います。令和五年度は過去最大の約三千百九十万枚御利用いただくことになりましたので、引き続き導入団体や対応する証明書の種類の拡大は重要だと考えてございます。
そのため、総務省としては、導入策として、導入に係るコストがかかりますので、こちらについては交付税措置などでしっかりと支援するという仕組みもつくってございますので、今後も自治体に財政支援も含めて周知徹底を図っていきたいと思います。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
確かに都市部だとかなり普及しているかと思うんですが、私の地元の長野県だと、先ほど申し上げたようにコンビニはあるけれどもやっていないというところもありますので、引き続きサポート、支援をしていただければと思います。
次に、書かない窓口について伺います。
書かない窓口は、書類に記入することなく証明書の発行などができるサービスです。まずは、書かない窓口が全国でどれだけ普及しているのか、デジタル庁として普及に向けてどのような支援を行っているのか、伺います。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
書かない窓口の取組につきましては、様々な事業者が各自治体に個別に提供している例も多く見られるところでございますけれども、デジタル庁におきましても、各自治体に対して書かないワンストップ窓口の導入の支援を行ってきております。
デジタル庁では、各自治体に対して、自治体の業務の見直しをサポートするアドバイザーの派遣事業、自治体職員の研修事業を実施しているほか、必要となるシステム機能を備えた窓口DXSaaSをガバメントクラウド上で自治体に提供するといった支援を行っているところでございます。
これらの取組につきまして、令和六年度末までに百八十三の自治体に対してアドバイザーの派遣事業を行っておりまして、既に四十八の自治体において窓口DXSaaSが導入されているところでございます。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
書かない窓口は、私の地元の長野県飯田市でも導入されております。その一つが証明書交付申請サービスです。住民票の写しや戸籍証明書、所得証明書などの発行のため市役所を訪れたとき、タブレット端末を操作してマイナンバーカードを読み取り機にかざすと自動でこれらの申請書が印刷されます。もう一つが申請書作成支援サービスです。転出入届や出生届などの申請書について、マイナンバーカードなどを市役所の窓口に提示すると、画像を読み取り文字認識ソフトで処理します。認識した氏名、住所などの情報が申請書に転記されるサービスです。住民からすると並ばずにスピーディーに手続ができる上、自治体職員の負担軽減にもつながります。
そこで、今御紹介したのは書かない窓口のメリットでございますが、メリットとともにどのようなデメリットがあるか、デメリットを解消してどのように普及していくのか、伺います。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
書かないワンストップ窓口を導入した自治体からは、住民の待ち時間や職員の時間外勤務の減少、申請書に記入する回数の削減といった効果について報告がなされておりまして、具体的なデメリットを指摘する声というのはこれまでのところ認識はしてございません。しかしながら、書かないワンストップ窓口の導入に当たっては、事前に業務の見直しを十分に行わない場合には十分な効果を発揮することができない場合もございます。これも、これまでの取組において把握されているところでございます。
したがいまして、書かないワンストップ窓口を導入する自治体に対しましては、業務の見直しをサポートするアドバイザーの派遣事業を引き続き実施していくことが重要だというふうに考えておりまして、その点も踏まえまして、今後も積極的に自治体に普及を働きかけてまいります。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。市民そして自治体双方にメリットがあると思いますので、是非引き続き普及に向けて努力をしていただきたいと思います。
次に、デジタルデバイドの解消について伺います。
これまで、コンビニ交付や書かない窓口などについて質問させていただきました。こういった便利な世の中になることは当然いいことだと思いますが、ここから置き去りになる人を出してはいけないと思います。
読売新聞の報道によると、日本視覚障害者団体連合の調査で、視覚障害者の六八・四%がデジタル機器の使用に困難があると回答しました。高齢者も、内閣府の二〇二三年の調査で、七十歳以上のスマホやタブレット端末の利用率は四八・四%にとどまるようです。デジタルデバイドの解消に向けてどのような対策が必要と考えるか、大臣の御所見を伺います。
○平国務大臣 デジタル庁においては、視覚障害を持っている職員が実際に体験をし、マイナポータルなどのアクセシビリティーの改善などに取り組んでいるところでございます。また、UI、UXの改善なども必要だろうというふうに思っています。
また、書かない窓口におきましては、窓口業務において職員の方が使う端末をサポートしているということで、来られた住民の方がデジタル機器に不慣れであっても、利便性というか、いわゆる効率の利益を享受することができるという仕組みになっています。
いずれにしても、誰一人取り残さないという理念の下でしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
最後に、郵便局におけるマイナンバーカードの交付について伺います。
郵便局事務取扱法の改正により、地方公共団体が指定した郵便局が実施可能な事務に、マイナンバーカードの電子証明書の発行、更新に係る事務が追加されました。また、令和五年の法改正では、マイナンバーカードの交付等に関する事務も追加されたところでございます。
郵便局においてマイナンバーカードの交付と電子証明書の発行、交付、更新事務を行うメリットと、それぞれの事務について現状どれぐらいの郵便局で取り扱っており、今後、数を増やすためにどのように取り組むのか、伺います。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
市町村から郵便局への委託のメリットにつきましては、住民が役場まで出向くことなく近場の郵便局で手続ができる、また、自治体窓口に来る方が減りますので、職員の負担軽減もございます。
現在、カードについては十団体三十二郵便局、電子証明書については三十五団体百郵便局が実施しておりまして、九団体が準備中です。また、このほか二百団体も今検討なり関心を持っていただいておりますので、総務省としては、財政支援も行ってございますので、しっかりと応援していきたいと思います。
○福田(淳)委員 時間が参りましたので終了します。どうもありがとうございました。
○谷委員長 次に、奥下剛光君。
○奥下委員 日本維新の会の奥下でございます。本日もよろしくお願いいたします。
本日、五番目の質疑者ということで、かぶる質疑もあるかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。
先日、この委員会の一般質疑において、マイナンバーカードの現在の普及率というのをお尋ねしました。現在、九千七百万枚、九千七百万人と言った方がいいのか分からないですけれども、四人に三人がお持ちの状態であるということなんです。
今後一〇〇%を目指されるんだと思いますが、そもそもなんですけれども、マイナンバーカードを持つこと、導入することのメリット、デメリットを教えてください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
保有枚数九千七百万枚、免許証を超えて、日本で一番普及している本人確認ツールとなってございます。一つ目には、いろいろなもののオンライン化、確定申告等々。それから二つ目に、市民カード化ということで、これも、いろいろなカードをばらばらに持つのではなく、健康保険証、免許証、いろいろなものが一枚で済む。さらには、今日も話題に取り上げていただきましたが、エンタメ分野で使える、スポーツで使える、金融や携帯電話の契約で使えるといったように、民間分野でも非対面の本人確認手段として広く。
特段デメリットはないと思っておりますけれども、ただ、盗難に遭った場合に対しての対応についての周知、広報であるとか、デジタル特有の使いにくさみたいなものについてのケアは必要だというふうに考えてございます。
引き続き、メリットをよく理解していただきながら、利活用シーンを更に広げていくことにより普及をさせるということに努めてまいりたいと思います。
○奥下委員 ありがとうございます。
先日の答弁をいただいたときに、残りの高齢者の方であるとかお子さん、ここを中心に広げていくことだという御答弁もいただきました。
各地方自治体においては、デジタル化自体が目的と見られる事案が散見されるわけですね。ある自治体では、インターネット上で申請できるようにシステムを整備したんですが、市役所のネットワークは外部と遮断されているため、結局、申請用紙を、紙で印刷したものを職員が再度業務システムに入力する、こういった事例も発生しております。
窓口手続などのフロント業務をオンライン化すること自体は、予算は別として簡単だと思うんですけれども、しかし、手続件数がそれほど多くない過疎化したような町とか、例えば五千人以下の町がオンライン化する意味があるのかということで、DXの本来の目的を考えたときに、住民サービスを目的として、デジタル技術も用いて新しい価値を生み出し仕組みを変えていくことだと思うんですけれども、それらを戦略的に考えた結果、アナログのままを選択するならば、それもある意味DXと言えるんじゃないかなということで、そういった自治体も実際ございます。
そうした中、なかなかマイナンバーを一〇〇%にしていくだけを目標にやっていくのは難しいんじゃないかな、デジタル技術は手段であって目的ではないんじゃないかなということで、あくまでデジタルで何ができるかということを徹底的に考えていく観点で今後の戦略を練っていただきたいなというふうに思っております。
次の質問に移ります。
悉皆的な調査を各省庁にされて、国家資格四十四資格、国家資格等以外が十二資格になったと承知しております。先ほどスポーツやコンサートを実験的に行われているというお話もありました。これはいいことだと思っておりまして、今後民間との、資格であったりひもづけであったり、例えばギャンブル依存症とかアルコール依存症、こういったものにも私はひもづけていくべきじゃないかと思うんですけれども、そういった可能性というのはいかがでしょうか。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
マイナンバーを利用できる事務につきましては、マイナンバー法上、行政事務に限られているということがございまして、民間の資格につきましては対象となっておらず、現時点においてマイナンバーの利用は想定していないところでございます。
また、御指摘ありましたギャンブル等依存症やアルコール依存症といった病歴の管理についてでございますけれども、現在マイナンバー利用可能事務としてマイナンバー法別表に規定されているものではなく、その事務におけるマイナンバーの利用の必要性につきましては、病歴という情報の性質等も踏まえて、まずは省庁において御検討いただくことが必要であるというふうに認識をしております。
デジタル庁としては、関係省庁との検討状況等を踏まえ、必要な協力を行ってまいりたいというふうに考えております。
○奥下委員 ありがとうございます。
私が秘書時代ですから二十五年ぐらい前ですか、こういったジャンルに興味があって、自民党の朝の部会にずっと出ておりました。いまだに二十五年たって同じようなことがずっと議論されているわけですよね。IRも今後出てくるわけですから、そろそろ期限を切って答えを出していく時期じゃないかなと思っていまして、その一つに、ギャンブル依存症などをひもづけたら有効な解決策になるんじゃないかなというふうに考えておりますので、是非前向きに各省庁には検討していただきたいと思うんですけれども、厚労省さんの見解はいかがでしょうか。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
マイナ保険証につきましては、本人の健康医療情報を活用した適切な医療の提供に寄与するものであり、利用促進に向けた取組を行っているところでございます。
こうした患者の健康医療情報につきましては、よりよい医療の提供に資するという目的の下、本人からの同意を得た上で医療機関、薬局が取得できることとされているところでございます。
全国医療情報プラットフォームにおいては、保健、医療、介護の情報を、医療保険者、医療機関、薬局、自治体、介護事業者等の間で情報連携を行うことを想定してございますが、必ずしも医療等の提供や質向上に直接関わらないような機関に対しての情報連携は想定していないところでございます。
いずれにしましても、医療DXの基盤となるマイナ保険証につきましては、今後、そのメリットがますます増えていくと考えておりまして、国民の皆様がそのメリットを享受できるよう、着実に取組を進めつつ、丁寧に周知を図ってまいりたいと考えております。
○奥下委員 是非、前向きに御検討をしていただいて、進めていただきたいなというふうに思っております。
次に、マイナ免許証についてお尋ねします。
今日、質問するに当たり、今週上京する前に一回僕もひもづけようかなと思って行ったんですが、窓口が混んでいることと始まって間もないということでなかなか警察の方もてこずっておられたので、結局、飛行機の時間があったので諦めて帰ってきたんです。
マイナンバーに免許を付与しても更新をしたら引き継がれない現状の中、秋に改善される予定と聞いておりますが、初めから秋にできる改善システムができ上がってから付与するふうにやればよかったんじゃないかと思うんですけれども、なぜこの時期にやったかという意味はあるんでしょうか。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
マイナ免許証はマイナンバーカードに免許情報が記録されたものでありますことから、マイナ免許証を取得した後にマイナンバーカードを更新すると、新たなマイナンバーカードに免許情報が記録されておらず、免許情報の記録を改めて行う必要がございます。
新たなマイナンバーカードに免許情報を自動的に記録するためには、発行されるマイナンバーカードの作成過程であらかじめ免許情報を記録するための機器やシステムの改修が必要となります。
この改修でございますが、マイナンバーカードの作成を行う地方公共団体情報システム機構、J―LISというふうに略称しておりますが、このJ―LISの複数の工場の機器や警察庁及びJ―LISのシステムの改修に及ぶため、現在、関係省庁、機関と連携して、本年秋の運用開始を目指し、改修作業を鋭意進めているところでございます。委員御指摘のとおりでございます。
本年秋の運用開始までは一定の御不便はあるものではございますが、運転免許保有者の利便性の向上の観点からは、住所変更ワンストップサービスやオンライン更新講習といったマイナ免許証のメリットを早期に実現させることが重要であるというふうに考えておりまして、令和七年三月二十四日にマイナ免許証の運用を開始したものでございます。
○奥下委員 ありがとうございます。
うちの職員でひもづけた者がいたので聞いたんですけれども、電子証明書の有効が五年、マイナンバーが十年ということで、結局、電子証明のパスワードを設定しに役所にまた行かなければならなかった。何のためにやっているのか分からない。そういった時差があるものですから、結局、免許証とマイナ保険証と二枚持ちになっているという現状。こういった現状に対して、ちょっと不満というか、何のためなのかというお声があることはお伝えしておきたいというふうに思います。
次に、旅券の発給についてお尋ねします。
これも三月二十四日に、パスポートの申請後の事務処理の仕方が変わりました。これは、パスポートの偽造を防ぐために、今までは各都道府県で申請して印刷できていたものが、一旦外務省でお預かりして一括で印刷する、そのために市民の皆様の手に届くのが従来よりも時間がかかる仕組みとなったわけなんです。
今回旅券の発給をひもづけるということですが、海外ではパスポートの代わりに顔認証を実験的に取り入れているようなところもあるんですけれども、将来はパスポートのデジタル化も視野に入れているんでしょうか。
○町田政府参考人 お答えいたします。
マイナポータルを用いました旅券のオンライン申請、こちらについては令和五年三月二十七日から一部可能でございましたけれども、委員御指摘のとおり、本年三月二十四日から全ての都道府県においてパスポートの新規申請、そして切替え申請、これらがマイナポータルからオンラインで可能となってございます。
今御指摘になられました旅券のデジタル化ということも含めまして、外務省としては、旅券に関する諸外国の動向も踏まえながら、また関係省庁とも連携しながら、旅券のセキュリティーや利便性が向上するように今後とも努めてまいりたいと考えております。
また、御指摘がありましたとおり、この三月二十四日の申請受理分から、顔写真ページにプラスチック基材を用いまして、変造、偽造対策を大幅に強化した旅券を発行するという形になっております。これに伴いまして、これまで各都道府県の旅券事務所で旅券を作成したものが、今後は国立印刷局で集中的に印刷するということになり、そのため申請から交付まで二週間程度かかることとなっております。
外務省としては、早めの旅券申請をお願いするなど、広報にも努めながら、今後とも国民の皆様の利便性向上に向けて努力してまいりたいと考えております。
○奥下委員 ちょっと僕の聞き方が悪かったのか、時間がかかるというのは分かったんですけれども、偽造をなくすためにそういった方向に変えた、だけれども、今回マイナンバーとひもづける。マイナンバーは、先日答弁いただいたようにデジタル化も考えているということだったら、それをひもづけたままいくと、当初やった偽造とかそういったものに矛盾するんじゃないかなというふうに思っています。ここをしっかり考えてやっていっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
マイナンバーに関するトラブル、今の質問にかぶるところがあるんですけれども、令和五年の改正法の成立後とその前後、マイナ保険証や障害手帳情報のひもづけの誤りだったり、コンビニ交付サービスでの証明書の誤交付、公金受取口座の誤登録やマイナポイントの誤付与といったトラブルが相次いだわけですが、今回ひもづけをするに当たり、より強い予防策が必要だと考えますが、今後どういったことをお考えなんでしょうか。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
令和五年に実施したマイナンバー情報総点検において判明をしたひもづけ誤りにつきましては、既に全て解消を行ったところでございます。
マイナンバーのひもづけ誤りについては、マイナンバー登録事務において、各制度の申請時に申請者本人からマイナンバーの提供がない場合等、ひもづけ実施機関側で自ら申請者のマイナンバーを取得する際の手作業によってひもづけ誤りが発生し得るというものでございました。
特に、同一の氏名、生年月日、性別を有する個人は少なからず存在をしておりまして、ひもづけ実施機関において基本四情報による照合が確実に行われなかったために誤ったマイナンバーのひもづけが行われたといったことがございました。
このため、再発防止策として、申請時のマイナンバーの取得の原則化、マイナンバー登録に係る横断的なガイドラインの策定、周知、マイナンバーを特定するための住基ネット照会において、四情報以外の照会では原則回答不可とするための改修、登録時の複数人での確認作業の実施体制の確保、各制度の申請、更新時における本人確認、通常業務における定期的なマイナンバー確認の徹底、これらを行ったところでございます。
今後とも、新たなひもづけ誤りの再発防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
○奥下委員 かぶった質問で同じ答えをさせまして申し訳ございませんが、是非よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
これも先ほどとちょっとかぶるんですけれども、福森さんの質問とかにもありましたUI、UXに関わることなんですけれども、これだけ普及してきて、更に普及を進めていく、特に高齢者とかということを考えますと、もっと身近な住民サービスを感じていただく、その上で普及率を上げていくしかないんじゃないかなというふうに考えております。
昨年だったかな、韓国の方に視察に行ってまいりました。これは民間がやる視察でして、デジ庁の方も来られておられましたし、いろいろな大学の方も来られておられました。
DX化、スマートシティー、これは大分韓国の方が進んでいるので、そういったところを見てきたんですけれども、ある病院に行くと、大体日本の病院は大きな病院へ行けば行くほど診察に並ぶしお会計にも並ぶ、韓国に行くとそういったことが全くないんですね。それはなぜかと聞くと、小児科だったり外科、内科それぞれの受付の横に全て、こっちでいうマイナンバーをぴっとやることでお会計がその場ですぐできる、だから並ばないんだと。だけれども、これだけ機械とかを導入するとお金がかかりますよねという話をすると、全部業者から無料で入れてもらっていますと。何でそんなことができるんですかと聞くと、韓国とかは、ソフトとか機械とかを外国に売ってそこで回収する、そして国内に対しては全部ただで配って、使ってくださいというような政策を取っているからこういったことができるんですということを聞いてきたんです。
日本の病院とか、そういったことを導入することによってお年寄りが、便利だな、私も持ちたいなというふうにつながっていくと思うんですよね。日本でも是非こういったことをやっていくべきだと思うんですけれども、そのために何か補助金を出してくださいとかではなくて、どっちかといったら経産省系の話になるのかもしれないですけれども、海外の大使館を通してマッチングとかそういった場を設けていくべきじゃないかな、それがマイナンバーの普及につながるんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○内山政府参考人 お答えします。
マイナ保険証の利用促進のためには、今御指摘いただきましたように、医療DXを推進してマイナ保険証のメリットを多くの方が実感できるようにする、これは重要だと思ってございます。そして、医療DXの推進には、これも御指摘のとおり、それぞれの医療機関のDXの取組が重要となってございます。
補助ということではないというお話もありましたけれども、厚生労働省でも、医療機関が負担が少なく導入できるよう、これまで、顔認証つきカードリーダーの導入費用、あるいは電子処方箋の導入費用、こうしたものを補助するとともに、電子カルテにつきましても、コストを少なく導入できますように、例えば、標準型電子カルテの開発、それから今、クラウド型システムにするような、そうした方針も示しているところでございます。
あわせまして、韓国では外国にもビジネスをしているというお話もありましたけれども、今、国際標準規格であるHL7FHIR、この規格に基づいて、電子カルテ情報を共有するような仕組みの整備を進めているところでございます。
こうした国際的な標準規格の採用を進めることによりまして、日本のこうした電子カルテ等につきましても海外での展開につながるような一助になると考えていますけれども、今後こうしたものが更に進むように、厚労省としても支援をしていきたいというふうに思ってございます。
○奥下委員 今電子カルテの話が出たのでついでに言っておくと、視察に行ったときにそこの病院が、日本の病院というのは九〇%以上DX化されているんですね、我々はこれだけ考えて努力してまだ七割ちょっとなんです、どんなことをしているんですかと言われたんですけれども、見に行った者全員、いや、韓国の方が圧倒的に進んでいますよという話をしたんですよね。
それを帰ってからいろいろと調べると、日本の病院は、電子カルテをUSBに入れる、これをDXだといって件数に入れているんですよね。これは全然、元々のあれからしたら多少進んだのかもしれないですけれども、うそとは言いませんけれども、そういった報告がより韓国のDX化に何か後押しをしているような、そんなふうに感じてしまいましたので、こういった電子カルテ一つでもそうですけれども、何かそこの申告の仕方にもちょっと、どこからがDXだとか一々言うのもあれですけれども、そういったものもいろいろ考えていただきたいなというふうに思います。
では、次の質問に移ります。
これも先ほどの福田さんとかぶるんですけれども、今回五十六の資格にひもづけるわけですが、免許証や健康保険証にもひもづいている以上、先ほど答弁いただきましたけれども、即日再交付できる仕組みを市町村窓口に今後はできるように考えていくべきだと思いますが、見解をお願いします。
○新田政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたが、即日交付を可能とするために仮に全国の市区町村の窓口に対応するとなりますと、カード発行機などの大規模な専用設備の設置やセキュリティー対策、人員確保などなど課題も多くございますので、現時点では実現は難しいと考えてございます。
総務省としては、これも先ほど申し上げたとおり、通常一か月のところ、最短五日という特急発行を行ってございますので、こちらを円滑に運用してまいりたいと考えてございます。
○奥下委員 その特急発行とかも別料金がかかるとか、そういったことを多分皆さん御存じないので、そういったことも周知していっていただけたらなというふうに思います。
最後に、今日は本当は政府参考人だけで終わらすつもりだったんですけれども、大臣、ずっと座っていないといけないということで、あえて最後に入れさせていただいたんですけれども、今日申し上げたように、マイナンバーをより浸透させていくためには、本当にUI、UXをもっとやっていく方が今後の普及率につながるんじゃないかなと思いますが、是非この辺りを、大臣の旗振りの下、進めていっていただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。
○平国務大臣 デジタルデバイドというのは、我々もデジタル化を進めていく上で常に念頭に入れてきました。特に自民党は、総務会、デジタルが苦手な高齢の方が多いものですから、そういうところをちゃんと配慮しないと通りません。ということで、意外とデジタル庁の政策も、誰一人取り残さない。
あと、何でもかんでもデジタルに振るのではなくて、アナログに残った人でもデジタル化の恩恵をちゃんと受け入れられるように、そういった全体の制度設計をしてまいりたいというふうに思っています。
技術がどんどん進化していきますので、デジタルデバイドの解消もそういった技術で解消できるのではないかと思っておりますので、AIの活用も含めて、未来に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○奥下委員 大臣がおっしゃったように、思い出したんですけれども、我が大阪維新の会の府議会の方、議会全部にiPadを配ったんですけれども、御高齢の方に使い方を教えてほしいといって使い方を全部プリントアウトして配ったという、これも必要経費だと思えばそうなんでしょうけれども、こういったこともいろいろあると思いますので、今後も進めていっていただきたいと思います。
時間なので終わります。ありがとうございました。
○谷委員長 次に、大森江里子さん。
○大森委員 公明党の大森江里子でございます。
本日は、質問の機会を頂戴し、ありがとうございます。これまでの委員の皆様と重なってしまう質問もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和六年のデジタル社会の実現に向けた重点計画において、二〇二四年夏までに各制度所管省庁に対してマイナンバー制度の利用可能性の悉皆的な調査を行い、この結果を踏まえてマイナンバーの利用が可能な事務を拡大するとありますが、この調査はどのように行われたのか、お伺いいたします。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
今般の悉皆的な調査につきましては、昨年六月に閣議決定された重点計画に基づき、各府省庁に対して、各府省庁が所管をする行政手続のうちマイナンバー利用可能事務になっていない事務全てを対象にマイナンバーの利用可能性の調査を行ったものとなります。各府省庁において、マイナンバーの利用意向を検討いただく上で、利用意向のある事務について回答いただくという方法で実施したものでございます。
○大森委員 ありがとうございました。
この悉皆調査の結果を踏まえまして、マイナンバーの利用が可能な事務の対象となる国家資格が追加となりましたが、どのような基準で選定を行ったのか、また今後も対象となる国家資格等を広げる予定があるのか、お伺いいたします。
○楠政府参考人 お尋ねの国家資格等の選定の基準につきましては、今般の悉皆的な調査では、各府省庁において所管する全ての行政手続を対象に、マイナンバーの利用により行政事務の効率化や国民の利便性向上を図ることができると考えられる事務等について、マイナンバーの利用意向が検討されたところでございます。
そのため、本改正案により、国家資格に係るもの以外も含めて必要なマイナンバー利用可能事務の追加は実現できるというふうに考えておりまして、現時点では今後の利用可能事務の追加は予定をしておりません。
なお、今後、マイナンバーの利用に関する更なるニーズが具体的にありましたら、デジタル庁としては関係府省庁等と調整をしつつ適切に対応してまいります。
○大森委員 ありがとうございます。
現在、国家資格等情報連携・活用システムがデジタル庁において開発、構築され、令和六年から資格管理者等が共同で利用できることにより、介護福祉士など七つの資格の一部の手続において国家資格の手続等のオンライン・デジタル化が順次開始されています。
手続の際にマイナンバーの利用が可能な国家資格が拡大されていますので、資格管理者においては、マイナンバーの収集から廃棄までの適正な安全管理措置を講ずる必要があると思います。ガイドラインの策定などは御検討されているか、お伺いいたします。また、マイナンバー制度を活用して情報連携などがありますので、それに対応するシステム改修などの費用への負担軽減策があるのか、お伺いいたします。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
一部かぶりますが、まず、国家資格等のマイナンバーの利用、特定個人情報の適切な取扱いは各資格管理者の責任でございますが、デジ庁として、共通に使える特定個人情報の適正な取扱い方法に準拠したシステムを提供する。それから、御指摘のガイドラインは、先ほども申しましたとおり、六年の七月三十一日に一旦出してございまして、その中には、システムだけではなく、運用の使い方、評価についてもひな形等を提供しているというような形でございまして、これは、それぞれの省庁がばらばらにおやりになられるよりも、共通の仕組みを使っていただくという時点で相当の費用負担軽減になっていると思いますし、その資格の中で起きた課題だけでなく、ほかの資格で起きた課題についても迅速に先回りをして使っていただけることになろうかと思います。
別の方の御質問にあったとおり、そういった知恵の集積も含めて、できるだけ効率的に安全に使えるシステムの提供に努めてまいりたい、このように考えてございます。
○大森委員 ありがとうございました。
私は、前職は税理士をしておりまして、多くの方のマイナンバーを収集、管理して申告の代理をさせていただいておりました。マイナンバー制度が導入された当時は、安全管理措置など、税理士会のガイドブックを頼りに対応して、システムの導入にもかなり費用負担もあり苦労した覚えがございます。様々な状況を考慮して今後も御対応いただければと思っております。
続きまして、マイナ保険証についてお伺いいたします。
新聞によりますと、マイナ保険証について、認証時のトラブルが多く医療機関での窓口負担が増えているとあり、トラブル時には患者が持ち合わせていた従来の健康保険証で資格を確認するケースが七割ほどあるともありました。
医療機関の窓口でマイナ保険証がカードリーダーで認証できないときなど、様々なエラーが発生した場合の対応方法についてお伺いいたします。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
マイナ保険証は、本人の健康医療情報を活用した適切な医療の提供に寄与するものであり、その利用促進を図ることは重要でございます。同時に、トラブルがあった場合でもマイナ保険証で安心して受診できるよう、丁寧に対応する必要がございます。
医療機関で顔認証つきカードリーダー等の機器不良やネットワークの不具合等でマイナ保険証の読み取りができない場合でも、マイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面を提示することで資格確認が可能なほか、再診の場合は過去の資格情報の口頭確認や、初診の場合でも医療機関等に備えている被保険者資格申立書を記載いただくことで、患者が十割負担をすることなくマイナ保険証によって円滑に保険診療を受けられることとしているところでございます。
こうした運用につきましては、これまでも医療機関、国民双方に周知しているところでございますが、マイナ保険証が使えずに患者が不利益を被ることがないよう、引き続き国民の皆様や医療機関等に対して丁寧な周知を実施してまいりたいと考えております。
○大森委員 ありがとうございました。
引き続き、マイナ保険証についてお伺いいたします。
自治体の医療費助成制度の受給者証はマイナ保険証に反映されていないため、別途、公費受給者証の提示が必要でした。現在、医療費助成のオンライン資格確認の先行実施事業が行われていますが、実施の状況はいかがでしょうか。また、医療費助成の受給者証のマイナンバーカードへの一体化のためにレセコンなどを改修した場合の補助金制度についてもお伺いいたします。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
せっかく保険証でオンライン資格確認に至っても、マル乳とかを持っていくということではということで、積極的に取り組んでまいりたいと思ってございます。
具体的には、難病や障害など法律に基づき全国一律で実施される公費負担医療制度に基づくもの、それから、一人親向け等々地方自治体が条例に基づき実施する地方単独事業、両方ございますけれども、いずれにせよ、仕組みとしては大きな違いはないので、デジタル庁の方でこれに必要な、まずは自治体側で使えるシステムというものを開発いたしまして、現在、二十二都道府県百六十市町村、合計百八十二の自治体に先行的に活用を開始していただいてございます。
また、お尋ねにありましたとおり、これは自治体側だけではなく医療機関や薬局の側でもシステムの改修が必要になるということで、補助の助成を実施しておりまして、昨年度では二・二万施設の方々に御活用をいただきました。
まだまだオンライン資格確認導入施設に対してこの改修をやった施設の数は届いていない面が多数ございますので、助成を厚生労働省さんの方で引き続き続けていく。また、令和八年度中には全国規模で使えるようにということを目標にしております。厚労省と手を携えて、しっかり普及に取り組んでまいりたいと思います。
○大森委員 ありがとうございました。是非、積極的なお取組をお願い申し上げます。
続きまして、令和六年五月に公表された会計検査院の調査報告書によりますと、自治体においてマイナンバー情報照会が十分に活用されていないとあります。
情報照会が利用されていない事務手続について、今後見直しを行う予定があるのか、お伺いいたします。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
昨年五月に公表された会計検査院の報告書では、自治体の情報照会件数は毎年増加している一方で、一部の自治体や事務手続では情報照会が低調となっているものもあるとされているところでございます。
現段階において情報照会の利用が低調な事務についても、マイナンバーの利用により国民の利便性の向上等につながり得るものであるということから、マイナンバー利用可能事務についての見直しの必要があるとは考えておりません。
デジタル庁としては、各事務手続における業務の実態や情報照会の実施における課題を具体的に把握し、特に行政運営の効率化の効果が高いと見込まれる事務手続から優先順位をつけつつ、各事務手続の実態に合わせて効果的に実務上の課題の解決を図ってまいりたいというふうに考えております。
○大森委員 ありがとうございました。
続きまして、マイナンバーカードを活用して防災アプリ間で情報共有をする取組を進めていると伺っておりますが、防災分野での活用についてのお取組をお聞かせください。
○村上政府参考人 お尋ねありがとうございます。
能登半島地震のときも、みんながマイナンバーカードを持ってくれればと、何度もございました。政府の取組ではございませんが、地元の地銀さんが、マイナンバーカードで本人確認ができればATMのカードがなくてもお金を引き出していいよ、大事なのは本人確認だからといったようなところも含めて、大きな取組の輪が広がるポテンシャルを持っているものだと考えてございます。
事業といたしましては、まず、避難所運営のデジタル化。分かりやすいところでは、受付がデジタル化することで列がなくなるということが確認をされております。
それから、いろいろな民間のアプリを使いたいんですが、避難所の現場ですと、そのたびに四情報を入れる、そのたびにログインをするということでありますと、一つ一つのツールの出来がよくても正直アナログで結構ですということになりがちなところ、今データ連携基盤というものの実証を進めておりまして、一回どこかのアプリで入れていただければ、必要な情報はセキュアにちゃんと連動する、そこまでやり込まないとやはり被災の現場では使えないんじゃないか。
加えて、罹災証明書の申請等のオンライン化等々、今回もそうでしたが、当の市役所職員が被災者でございまして、最小限の人手の中で業務ができる設計にしないと、手数のかかるデジタル化をやりましても回らないということでございます。
かように活用の余地はまだまだあると考えてございますので、被災者一人一人に寄り添った支援をより少ない行政職員の中でも回せるように、更にマイナンバーカードの活用法について検討を深めてまいりたいと思います。
○大森委員 ありがとうございました。
時間が近づいてまいりましたので、最後に、マイナンバーカードを活用したデジタル社会形成の大臣の御決意をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○平国務大臣 ありがとうございます。
私が内閣府のIT担当副大臣だったときにコロナが参りまして、そのときのマイナンバーカードの交付率は一三%でありました。台湾においては、ICチップを搭載した保険証を活用したマスクの配給コントロールなどもあり、そういったことを実現するためにも、マイナンバーカードの普及が重要であると強く感じました。おかげさまで、今では四人に三人がマイナンバーカードを保有する状況まで普及をしてきております。
具体的なマイナンバーカードの行政における利用シーンの拡大としては、マイナ救急が今年から全国展開ということになっております。また、マイナ保険証の利用の推進でよりよい医療を提供する体制、今お話ありましたように避難所運営のデジタル化ですね、避難所のチェックイン、チェックアウトなどのマイナンバーカードの活用、死亡、出生を含む各種行政手続のオンライン化などを進めていきたいと思っております。
あとは、民間における利用シーンも広がってきておりますので、特にマネロン関係でいうと、証券とか銀行のいわゆるオンラインでの口座開設時の本人確認とか、あと、ネットフリックスの地面師とか話題になりましたけれども、対面でのICチップの読み取りによる本人確認、また、スポーツ、エンタメ、婚活など、様々なサービスでの利用拡大も進めていきたいというふうに思っております。
いずれにしても、皆さんが便利だなと実感していただけるように取組を加速してまいります。
○大森委員 ありがとうございました。
以上で質問を終わらせていただきます。
○谷委員長 次に、仙田晃宏君。
○仙田委員 国民民主党・無所属クラブの仙田晃宏です。
本日は、質問の時間をいただき、ありがとうございます。マイナンバー法改正案に関する御質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
今回のマイナンバー法は、公認会計士や司法書士、獣医師等、マイナンバー利用可能事務を拡大するという内容ですが、そもそもこの国家資格は誰が管理しているのでしょうか、監督官庁はどこになるんでしょうか、また国家資格は全部で何種類、何名保有者がいるのか、教えてください。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
今回の国家資格のオンライン化、デジタル化については、令和三年度に取組をスタートしておりますが、その当初に、当時の内閣官房IT室において、国家資格試験申込み、資格登録手続等の棚卸し調査ということで、全省庁に対して全量把握に努めるべく国家資格についての調査を行っております。その結果、約二百三十の国家資格があること、あと、一つ一つお答え申し上げませんが、その時点で各資格に何人の国家資格の保有者がいること等、全体の把握を一度させていただいたところからスタートしてございます。
さらに、今回の法案の検討に当たっては、累次ほかに御質問いただいているとおり、マイナンバーの利用可能性に関する悉皆調査を行うということで、二重にチェックを行いながら全体の把握に努めているところでございますが、それぞれの資格はそれぞれの資格の所管省庁で管理されているということも含めて、横串を刺す立場から、できるだけ正確な実態をつかみつつ仕組みを設計していくよう努めてまいりたい、このように考えてございます。
○仙田委員 御答弁ありがとうございます。
今、監督省庁を含めていらっしゃらないということで、デジタル庁が横串を刺すという意味で努力して集めていらっしゃるというところでありますけれども、やはり国家資格というもの、全てのものを、この国にどんな資格があるのかというのを誰も全体像を把握していないというところは問題ではないかなというふうに思っております。
ですので、全量をまず把握するというところをしっかりとやっていくことが必要ではないかというふうに思っておりますし、先ほどの横串を刺すといったところがございますので、デジタル庁がビッグピクチャーを見せつつ、国家資格の数と種類、この保有者というのを把握していくべきではないのかというふうに考えておりますけれども、こちらについての御答弁をお願いいたします。
○岸大臣政務官 お答え申し上げます。
先ほど村上統括官からも御答弁申し上げましたが、令和三年度に、スタート時に当たり、国家資格に関する棚卸し調査を実施してまいりました。今回、法案の検討に当たっては、各制度所管省庁に対しましてマイナンバー利用可能性について悉皆的な調査も行っておりまして、この中で国家資格等についても統一的に把握を進めてきたところでもございます。
今後とも、オンライン・デジタル化の検討に当たり必要な政府全体の調査に関しましては適時適切に実施をしていきたいと考えておりまして、デジタル庁としてもその役割を果たしてまいりたいと考えております。
○仙田委員 ありがとうございます。
今、国家資格をデジタル庁がしっかりと把握、管理をしていくというお言葉をいただきましたので、是非ここは、横串を刺すという意味でもデジタル庁の役割というのは私は非常に大事になってくるというふうに思っていますので、省庁縦割りではなくて全量を把握していくということに対して改めて平大臣の見解を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○平国務大臣 ただいま岸政務官から答弁があったとおりでありますが、国家資格のオンライン・デジタル化の検討に当たっては、デジタル庁がしっかり横串を入れてまいります。
○仙田委員 ありがとうございます。
オンラインというところを今強調しておっしゃっていただきましたけれども、先ほど、繰り返しになってしまいますけれども、各省庁で資格は管理されているというのはありますけれども、やはり全体でやっていかない限り、次の質問に移るんですけれども、次のマイナンバーの資格、何をつなげていくんだといったところに対して、毎回毎回、モグラたたきじゃないですけれども、そのときそのときの場当たり的な対応になってしまうというふうに思っております。
ですので、しっかりとそこは、オンライン以外の部分についてもできればデジタル庁に管理をしていただきたいなというふうに思っておりますし、次の質問に移るんですけれども、次のマイナンバーカードとのひもづけ、ここについて、どのような種類をどういうふうにひもづけていくかというところを、今後の拡大計画について教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岸大臣政務官 お答え申し上げます。
国家資格以外の連携ということで御質問を承っておりますけれども、本改正案では、マイナンバー利用可能事務と今現在でなっていない事務におきまして、更なる利用可能性があると考えられるところを悉皆的な調査を行っております。行政事務の効率化や国民の利便性の向上につながるもの、さらには各府省でマイナンバーの利用意向があるもの、これが大事だと思いますが、これについて利用可能事務に追加するということでございます。
委員御質問の、これからどのようなものをひもづけしていくかという計画におきましては、マイナンバー利用可能事務をどれだけ拡大していくかということと理解をしておりますけれども、本改正案によって国家資格に関わるもの以外も含めて、必要なマイナンバー利用可能事務の追加は今回で実現できるものと考えているため、追加で更なる計画、そういったものは考えておりません。
今後、マイナンバーの利用に関する更なるニーズができれば、デジタル庁としても適切に対応してまいりたい、そのように考えております。
○仙田委員 ありがとうございます。
今回のマイナンバー法改正案で国家資格は全て終わりだということで、これ以上は考えていないというふうに今お聞きしたんですけれども、改めて、それで合っていらっしゃるのか、お聞きしてよろしいでしょうか。
○岸大臣政務官 あくまで悉皆的な調査を行っておりまして、ここから更に必要なものが出てくればまた対応したいと考えておりますが、利用したい、その意向があるものについては今回の調査で把握できたというふうに考えております。
○仙田委員 ありがとうございます。
前の方も御質問されておりましたけれども、今回、皆さん、デジタル庁の方が、ニーズ調査をしてつけるもの、つけないものを決めていますというふうにおっしゃられていますけれども、その選定基準が少し曖昧なんじゃないかなというふうに思っております。
というのも、先ほど話が出ていますとおり、十万人以上のものでも、消防設備点検資格者ですとか、あとは狩猟免許、測量士といった、十万人を超えていても今回つけないものがあった。となると、では、実際、今回選んだ業務は何を基準に、何の考え方を持って選んだかというところが不明になってきますし、今回これで一回終わるというふうになりますと、ではそれはもうずっとやらないのかというところもありますので、是非そこを含めて改めて考え方、見解をお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岸大臣政務官 先ほど申し上げました悉皆的調査によって、利用意向は広くお伺いできたと考えております。
今委員御指摘の十万人以上の資格保有者のところで、例えば消防設備点検資格者とか、また測量士、測量士補とか狩猟免許、こうしたところは今回の本改正案には含まれておりません。
様々な団体、様々な御事情もあると思います。しっかりとニーズ調査というものは、引き続き必要があれば適切に対応してまいりたいと考えておりますし、そうした意向も引き続きお伺いをしていきたいと考えております。
○仙田委員 ありがとうございます。
そうしますと、今の答弁ですと選定基準がないというふうに理解したんですけれども、改めて、基準はないんでしょうか、あるんでしょうか、教えていただけますか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
正直、明確な、明文化された基準は現状ございません。ただ、御指導あったとおり、また、別の先生にもお答え申し上げたとおり、できるだけデジタル化の方向に持っていくのが私どもの仕事だというふうに考えてございます。
引き続き、メリットでありますとか、それは資格管理者だけでなく保有者に向けても発信することにより、例えば狩猟免許等は、実際にはかなり高齢化が進んだ方々が多く、恐らく今すぐ入れることによる混乱の方が、熊を撃つ人が足りない現状の中でかなわぬといったような類いの話も多数あると思います。なかなか客観的に決めていくのは難しい部分があるかと思いますが、デジタル庁の仕事として引き続き前向きに検討してまいりたいと思います。
○仙田委員 御答弁ありがとうございます。
おっしゃるように、高齢化の方にマイナンバーをひもづけて使っていただけるのかというところもありますので、費用対効果を含めて見ていただいた上で、今回、業務というのを選んでいただいておりますけれども、今後増えてくる部分もあると思っています。是非今後デジタル庁からも、この資格については国交省さんどうですか、金融庁さんどうですかといった働きかけというのもあってもいいのではないかなというふうに思っていますけれども、そのようにデジタル庁さんから提案してつけることになった資格というのがもしあれば教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○楠政府参考人 今回に関しましては、悉皆調査に基づいて行っておりまして、具体的に国家資格等についてデジタル庁から提案したというものではございませんけれども、本改正案におきまして、マイナンバーの利用意向がある数多くの国家資格等を追加することができたものというふうに考えてはおります。
これは鶏が先か卵が先かといいますか、利便性を実感いただくために私どもも汗をかいていかなければならないところだというふうに考えてもおりますし、今後、マイナンバー利用に関する更なる具体的なニーズが出てきたときに、しっかりとデジタル庁として関係府省庁と調整をしつつ適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○仙田委員 ありがとうございます。是非、マイナンバーカードの利活用促進についてはどんどん進めていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、マイナンバーカードの活用を含めた部分について御質問させていただきたいというふうに思っております。
今マイナンバーカードは約九千七百万枚を超えて使われていますけれども、実際に使われているカードは今何枚あって、いつ誰がどのような用途で利用しているかデジタル庁さんは把握しているか、管理しているかというところを教えていただけますでしょうか。
○岸大臣政務官 具体的な数等々、委員御指摘いただきましたけれども、個々のマイナンバーカードの利用状況につきましては、利用者御本人が当然お分かりになるものと思っておりますが、個人の利用状況を政府の側で同様に捕捉するということは、プライバシーの観点からも、その手法や程度において相当慎重な検討というものが必要になってくると思います。これは、先ほどから累次にわたって村上統括官からもいろいろなお話があったと思います。現状、こうした利用状況を把握する技術的仕組みとはなっておりません。
他方、利便性の向上を図っていく上では、利用状況を全体的に把握するということは重要でございます。サービスごとの利用状況を把握しながら、マイナンバーカードの利活用をしっかりと拡大してまいりたい、そのように考えております。
○仙田委員 ありがとうございます。
今政務官がおっしゃっていただいたように、いつどこで誰が使っているかは機密情報も含めて管理されていないというところでございましたけれども、マイナンバーカードをどんどん推進していくに当たっては、使っていただいて何ぼだというふうに思っておりますので、今おっしゃられた、どのようなサービスで実際に使われているかといったところの具体的な事例、活用状況も含めて教えていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岸大臣政務官 お答え申し上げます。
もちろん、本人確認、オンラインでの申請、届出、民間利用、カード統一化などなど、様々ありますが、具体的な行政手続での活用状況につきましては、例えば令和五年分の所得税の確定申告において自宅からカードを利用しe―Taxで申告した方、こうした方が約四百八十五万人。また、例えば住民票の写し等の交付におけるカード利用の件数は、これまた令和五年度ですけれども、年間で三千百八十九万件程度、このようになっております。引き続きマイナンバーカードの普及、利活用というものを、こうした事例もありますので、推進してまいりたいなと思っております。
○仙田委員 ありがとうございます。
確定申告四百八十五万人、住民票が三千百八十九万件ということで、そのうちの一人が私なわけでございますけれども、そういうふうにどんどん使っていただけるようなマイナンバーカードというのを作っていっていただきたいなというふうに思っていますので、是非よろしくお願いいたします。
また、マイナンバーカードの活用ということで、デジタル田園都市国家構想を使って、一つくったものをn展開していくというところも今回やられておるんですけれども、いい事例についてはどんどん国で主導してやっていくというのも一つかなというふうに思っております。
例えば、今回群馬県前橋市でやられたMaeMaaSといったマイナンバーカードとSuicaとの連携を含めて、地方自治体でいい事例のものについては国が主導して横展開していくというのも一案ではないかなというふうに思っておりますけれども、こちらに関して平大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○平国務大臣 国が主導しての横展開というお話、御質問をいただきました。
国としては、まず、マイナポータルやマイキープラットフォーム等の自治体が共同利用できるシステムアプリの提供を行っております。優良事例については、デジタル庁のホームページで、自治体職員向けのマイナンバーカード・インフォとして周知、広報を行っています。優良事例を支えるサービスを他自治体が容易に調達できるように、デジタル地方創生サービスのカタログというのを準備しております。さらに、仕様書の支援として、デジタル地方創生モデル仕様書を公開しています。
さらに、お金の話でいけば、新しい地方経済・生活環境創生交付金デジタル実装型においてこうしたサービスの実装を優先的に採択するなど、円滑な横展開の支援に取り組んでいます。
さらには、こういった様々な取組が多分クラウドのソフトウェアのSaaSになるんだというふうに思いますので、そうしたSaaSになった際は、デジタルマーケットプレースに載っけることによって、各自治体がそれを調達する際に調達しやすいような取組を進めていきます。
なので、情報は提供する、カタログがある、仕様書も提供する、交付金も措置する、デジタルマーケットプレースで水平展開をやっていただくということで、主体は自治体が主導してということだと思います。
○仙田委員 ありがとうございます。
自治体が主導してというところはありますけれども、今お話しいただいたとおり、SaaSといったサービスでデジタルマーケットプレースがあると思います。
ガバメントクラウドのように、国がまとめることによってスケールメリットという部分でのディスカウントも利いてくると思いますので、是非そういうところについては国が、このタイミングだったら皆さんやりませんかといったような働きかけもお願いしたいなというふうに思っております。
ちょっとお時間が来てしまいましたので最後の質問は割愛させていただきまして締めに入らせていただきますけれども、国民民主党は、マイナンバー、マイナンバーカードの活用推進の立場でございまして、マイナンバーカード一枚で生活の全てが完結できる、これが理想の姿だと考えております。
平大臣には、強いリーダーシップを発揮していただきまして、引き続きマイナンバー、マイナンバーカードの活用推進を更に推し進めていただくことをお願い申し上げまして、質問を終了させていただきます。
本日は、お時間をいただきまして、ありがとうございました。
○谷委員長 次に、阪口直人君。
○阪口委員 れいわ新選組の阪口直人です。
今回、私は、外国の制度と比較しての日本のマイナンバーカードの位置づけということを試みました。実は各国とも目的や経緯が異なっていて単純な比較は難しいんですけれども、デジタル技術を使って利便性を高めることは不可逆的な社会の流れである一方で、多くの国に共通するのは、国家による監視社会化を防ぐこと、また、成り済ましなどの被害を防ぐために、個人情報を保護し、技術の進化に合わせて法制度を不断に見直していくことだと感じました。
一つだけ例を挙げます。
アメリカでは、いわゆる社会保障番号、ソーシャル・セキュリティー・ナンバー、SSNということで、主に社会保障や税務の管理などにこの番号が使われています。銀行口座の開設だったりクレジットカードの申請、就職時の身分証明など、民間でも広く利用されます。アメリカで働く人は、外国人も含めて、給与所得など全ての収入はこの個人を識別する番号、SSNによって、社会保障局によって管理をされているということですね。
アメリカは、日本と違って出生地主義ですので、両親の国籍にかかわらず、アメリカで生まれた子供はアメリカ国籍が与えられます。病院で生まれた瞬間に、出生届とともにこのSSNの手続を行うため、アメリカ人は全員これを持っているわけですね。例えば、外国人であっても、銀行口座の開設やクレジットカードを取得する際に必要なので、このSSNがないと何もできない、こういう利便性を持ったカードになっています。
ただ、一方で、こうやって使用の範囲を広げれば広げるほど様々な問題も起きる可能性があるということで、アメリカでは、例えば従業員の不正によって盗まれたナンバーによる成り済ましが非常に増えて大問題になっている。また、クレジットカードを勝手に作られたり、ローンを組まれているというようなことも後を絶ちません。
先ほど申し上げたように、行政手続の利便性というのは、裏を返せば、その制度を逆手に取って悪用しようとする人にとっての利便性を格段に向上させることにもなります。また、インターネットを通すことによって、自国内のみならず、世界中どこからでもハッキングを受ける可能性もありまして、実際にこのような事件も多発しています。
あらゆる情報をひもづけすればするほど一度に流出する個人情報の量は増えて、規制を厳しくしたり法改正を行っても本当に次から次へと流出事件が起きている、これが世界の状況なんですね。ですから、各国では、国民的な議論を行った上で、一つ一つの番号に余計な情報をひもづけすることなく、その場の行政手続のみにおいての利便性を求めて、行政分野に異なる個人認識番号を導入しているケースも多いということです。
まず、大臣の基本的な認識として、恐らく、各国のこの番号についての比較だったり、長所、短所等のリサーチも行ったと思うんですが、日本のマイナンバー制度の長所とそして課題ということ、端的に大臣の認識をお知らせいただきたいと思います。
○平国務大臣 ありがとうございます。レクを受けた内容と若干違う御質問をいただきましたが。
米国のソーシャル・セキュリティー・ナンバーと日本のマイナンバー制度は若干異なるということで、日本はセクトラル方式というのを使っていて、結局、政府が一元管理しているんじゃなくて、各行政機関が分散管理しています。別々の番号で管理をしていますので、アメリカのソーシャル・セキュリティー・ナンバーのように芋づるで引っ張られることはないというふうに思います。
利用シーンを拡大したり、いろいろな用途に使うと、要は、名寄せされるじゃないか、攻撃側に利するんじゃないか、そういう御指摘だというふうに思いますが、マイナンバーの利用については、利用できる事務の範囲はマイナンバー法において定めています。マイナンバーを含む個人情報の収集、保管、提供は、マイナンバー法に規定されているものを除き禁止をされています。厳格に限定をされているということです。
また、行政機関等の職員が職権を濫用して専らその職務の用以外の用に供する目的でマイナンバーを含む個人情報を収集したときは、マイナンバー法において一般の個人情報よりも厳しい罰則が設けられています。
さらに、マイナンバー制度におけるシステムは、行政機関等の保有する個人情報を一元管理せず、先ほど申し上げましたが、一元管理はしていません。各行政機関で分散管理をし、他の行政機関等との間で情報連携を行う際にも機関ごとにマイナンバーと異なる符号を利用するなど、個人情報が芋づる式に引き出せない仕組みとしているほか、データに関するアクセス制御なども実施をしています。これが先ほど申し上げたセクトラル方式であります。
このように、制度とシステムの両面における対策により、個人情報を含め、芋づる式に情報が出る、抜かれるということを防ぐ仕組み、万全の体制を取っているところでございます。
○阪口委員 日本のマイナンバー制度についての質問ですから、レクの内容と大きく違うというわけではないかと思います。
この日本のマイナンバーは、生涯不変の個人認識番号で、税金や年金、医療情報などにひもづけられているので、今、大臣、様々説明していただきましたが、それでも個人情報の漏えいによって深刻な影響が及ぶ可能性はあるわけですね。
ここからはあらかじめ聞いた質問でもあるんですが、まず一つは、利便性や効率性のみを追求して法改正を急ぐことによって、どうしてもプライバシー保障上の危険性というものが高まります。このプライバシーへの影響調査というものは行っているのか。また、自己情報をコントロールする、この権利についてはどのように実現をしていくのか。この二点、お願いをいたします。
○平国務大臣 いわゆる自己情報コントロール権については、その内容、範囲及び法的性格に関して様々な見解があります。明確な概念として確立しているものではないと承知をしております。
一方、個人情報保護の観点から、マイナンバーの利用範囲は法令又は条例で定められた行政事務に限定をし、法令に定められた範囲で情報連携を行うこととともに、マイナンバー法においては、情報が保護される仕組みになっているかを事前に確認する特定個人情報保護評価の実施や、漏えい防止等の安全管理措置を義務づけているところです。
また、自分に関する情報が行政機関等の間で情報連携された場合には、それが記録されるとともに、マイナポータル上で確認することが可能な仕組みとなっています。
我が国におけるデジタル社会の進展等を踏まえ、今後も、引き続き個人の権利利益の保護が図られるよう、適切に対応をしてまいりたいと考えております。
○阪口委員 やはり、自分が公開したい情報の範囲というものと実際に公開されてしまう情報というのは乖離があると思うんですね。そういう意味では、権利を守るという意味では、この自己情報コントロール権というのは非常に大事なものだと考えています。
また、ひもづけミスというものも大きな問題になりました。健康保険証の情報が誤って別人のマイナンバーとひもづけられるケースなどが多数報告されて、マイナンバーに対する信頼を損ねる要因にもなったと思います。
この点についてどのような改善がなされているのか、教えてください。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
令和五年度の、ちょうどマイナンバー法大改正の時期のことかと思いますけれども、そのときに、マイナンバー総点検の本部をつくりまして、ガイドライン等を出すことで、一通りこういったひもづけ誤りは解消しているという状況でございます。
特に多かったのが、マイナンバーを収集しないで機関側の方でひもづけを試みているもの等で問題が起きましたので、これらに関して、どういう条件でひもづけていくかというようなところをしっかりとガイドラインで定めることを始めとして行って、あと、どうしても手作業でひもづける分について一定のミスが起こり得るということを前提として、これをきちっとミスが続かないように管理をしていく、報告を上げていくという仕組みもつくって、しっかりとひもづけ防止というところを取り組んでおります。
○阪口委員 このマイナンバーというのは、様々な利便性向上につながるものであると同時に、変化についていけない人を置き去りにすることがあってはいけないと思います。
私も、実は毎年両親の確定申告を手伝っているんですが、両親はマイナンバーを持っていて、これを使って何とか確定申告ができないかと思ったところ、暗証番号が分からないとか、割と早い段階でつまずいて、結局紙でやることになりました。
変化についていけない人、マイナンバーをうまく使いこなせない人を置き去りにしないためのどのような基本的な施策があるのか、大臣にお答えいただきたいと思います。
○平国務大臣 私は、大臣に就任して、就任記者会見で、ちょうどマイナ保険証が話題になっていたこともあり、そういった質問を受けた際に、誰でも彼でもデジタルに引っ張っていくわけじゃないんだ、どうしても嫌だとか、ちょっとついていけないという人は無理にデジタルに来なくても結構です、その代わり、デジタルに来れる人はできるだけデジタルの方に来てくださいというお話をさせていただきました。
例えば、罹災証明を取る際に、デジタルで対応するということで、たしかあれは輪島市だと思いますが、ウェブサイトで申請できるようにしました。毎回、大災害が起きるたびに市役所に罹災証明申請で被災者の行列ができるんですね。でも、これはウェブサイトで申請ができるようにしたおかげで、たしか九割の方がウェブで申請をされたので、リアルに市役所に並ぶ人の行列がほとんどなかったという事例もあります。
こういったことで、デジタル化は進めてまいりますが、アナログに残った人も全体のデジタル化の利益をちゃんと裨益できるように、全体で設計をしていきたいと考えております。
○阪口委員 そこの部分は本当に大事だと思うんですね。また、利便性向上をうたう一方で、国の方針、グランドデザインが見えないと感じている方も多くいます。国民情報を把握すると同時に、政府の情報の公開、透明性の向上ということをくれぐれもセットで考えていくことで、信頼性の向上を図っていくべきだと思っています。
時間が少なくなりましたが、林業について一問だけ質問をしたいと思います。
今、林業において、林業従事者が大変少なくなっています。一九八五年に比べると、当時十二万六千三百四十三人だったのに対し、二〇二〇年には四万三千七百十人と、およそ三分の一にまで減少しているんですね。大きな要因としては、林業の大変さ、危険性などと比較してなかなか稼いでいけない、収益と労力のバランスが取れていないということがあるかと思います。しかし、この林業従事者、先日、二日前にお話ししたように、森林というものが持つ本当に大きな貨幣的価値ということを考えると、林業を守ることが、森林を守る、日本の環境を守ることに密接につながっていると思います。
質問です。
この林業従事者を増やしていくために、そして安心して林業に従事できるために国としてどのような戦略を今持っているのか。これは、単にPRというだけではなくて、彼らが安心して林業に従事できるための経済的な安心感の確保なども併せて、戦略、そして今後の見通しについてお答えをいただきたいと思います。
○庄子大臣政務官 御質問ありがとうございます。
現状、今、林業従事者の年間所得というのは、他の産業の平均よりも低い状況にございます。一方で、労働災害の発生率で見ると他の産業よりも高いという状況にございますので、林業、森林産業がこれからも継続的に担い手を確保していくためには、こういった労働環境を改善していくということが喫緊の課題だというふうに我々も認識をしています。
このため、農水省といたしましては、高性能林業機械の導入支援、あるいは路網の整備によります林業経営体の収益力アップのお手伝い、また、緑の雇用事業というのがありますが、新規就業者のスキルアップ、そして安全研修であったり安全装備の導入の御支援などもさせていただいておりますし、またスマート林業に代表されるような新たな技術開発などもさせていただいております。
加えて、林業の魅力を多くの方々に知っていただくという意味で申し上げれば、RINGYOU・NETというホームページがございますが、こうした中で林業のすばらしさをよく知っていただく。そしてSNSも林野庁はかなり駆使をしておりますので、こうしたことを通じて情報発信をし、情報の提供、そしてオンライン相談も含めました就業ガイダンス、こんなこともさせていただいております。
私は、今日、林野庁の木で作ったSDGsのバッジもつけておりますが、少しずつではございますけれども、情報発信に努めて新たな担い手の確保に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○阪口委員 この林業という職業の価値ということをしっかり踏まえて、今後も質問していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。ありがとうございました。
○谷委員長 次に、本村伸子さん。
○本村委員 日本共産党の本村伸子です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
マイナンバー法案について質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、大前提ですけれども、あくまでマイナンバーカードの取得というのは任意であるということは変わりないかという点、また、事実上の強制がなされることがないようにするべきだというふうに考えます。
今、総務省は携帯電話不正利用防止法の施行規則の改定案、そして警察庁は犯罪収益移転防止法の施行規則の改定案を公表し、携帯電話の契約と金融機関の口座開設時に必要な本人確認方法を改めるというふうに言っています。その改定案では、公的な本人確認書類に搭載したICを読み取る方法だけを残すというふうにしております。
ICチップが入っている本人確認のものといえば、マイナンバーカード以外に運転免許証ですとかパスポート、在留カードがありますが、運転免許証などがない場合、実質的にマイナンバーカード強制になるのではないかということを懸念しております。
事実上の強制があってはならないというふうに考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○平国務大臣 マイナンバーカードは、法律にも規定されているように、国民の皆様の申請に基づき交付されるものです。そのため、国民の皆様に取得義務は課されておらず、取得を強制するものでもございません。
今般の犯収法施行規則等の改正は、デジタル社会の実現に向けた重点計画等を踏まえ、自然人の非対面での本人確認方法をマイナンバーカードの公的個人認証に原則一本化するものでございますが、マイナンバーカードを含むICチップつきの本人確認書類を保有しない者等への対応として、例えば住民票の写し等の書類の原本を利用する方法等、必要な補完措置を整備しているものと承知をしております。
○本村委員 事実上の強制というふうに追い込まないように、是非、引き続きお願いをしたい、配慮をしていただきたいというふうに思っております。
一つ質問を飛ばしまして、三番で通告したところから質問させていただきたいというふうに思います。
資料の三を見ていただきますと、国家資格オンライン・デジタル化のシステム構成図ということで資料を出させていただきました。昨年八月から、図の右の方の国家資格等情報連携・活用システムの運用が開始をされております。
国家資格等に関し、このシステムの利用は義務なのか、そして、このシステムを利用する場合、有資格者の情報が蓄積されることになるのかという点、デジタル庁に伺いたいと思います。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
令和三年、五年に八十二の国家資格について行い、今回四十四の国家資格についてということでございますけれども、可能にする法的措置であって、義務づけるものではございません。デジタル庁が構築する国家資格等情報連携・活用システムの利用を義務づける規定もございません。あくまでも、お願いをしながら、それぞれの御判断で御活用いただくものでございます。
なお、お尋ねをいただいたデータの方でございますが、国家資格等情報連携・活用システムを利用する場合には、各資格管理者がこれまでも保有してきた資格者に関する情報が、国家資格等情報連携・活用システムの方にそのまま連携して移るということになる。これを活用していただくに当たって、従来から持ってきた情報の範囲が広がるわけでも狭まるわけでもございません。
また、一つのシステムにあるからといって他の資格の者はのぞくことができないようにするなど、資格管理者ごとにデータベースを論理的に分離し、厳格なアクセス制御を行うといったように、データの扱いについてはシステムの利用前後で変わらないように、しっかりとセキュリティーを担保しながら進めてまいりたいと思います。
○本村委員 この国家資格等情報連携・活用システムの場合は、情報が蓄積されるというお答えでありました。
国家資格等情報連携・活用システムとマイナポータルはデータ連携をしております。具体的にどのような事務や情報を連携していくつもりなのかという点を大臣に伺いたいと思います。
○平国務大臣 国家資格等情報連携・活用システムとマイナポータルのデータ連携は、国家資格のオンライン化、デジタル化として、具体的には、各種申請手続のデジタル化、オンライン化、その際の添付資料の省略や変更手続の省略、資格情報提示等のデジタル化などを実現するために行われるものでございます。
そのため、国家資格等情報連携・活用システムとマイナポータル間のデータ連携としては、例えば、資格保有者が各種申請等を行う場合、資格保有者が自身の資格情報閲覧、提供等を行う場合において、氏名などの四情報、資格名、資格の登録番号、登録年月日などの情報がやり取りされることになります。
○本村委員 また、民間事業者は、マイナポータルAPIの活用によって、本人同意が得られれば個人に関する情報を取得することが可能となっております。
国家資格等保有者の情報が取得可能となり、看護師や保育士などの人手不足の分野で、有料職業紹介とかスポットワーク、こういう紹介に使われるのではないかというふうに考えますけれども、大臣、御所見を伺いたいと思います。
○平国務大臣 民間事業者がマイナポータルAPIの利用を申請した際には、デジタル庁が定めた規則に基づき、利用に関する社会通念上の相当性などの観点についてデジタル庁が関係省庁とともに協議の上で審査を行うことになります。社会通念上の相当性が認められない場合は、利用が認められないこととなります。
また、国家資格等保有者の情報は、現在マイナポータルAPIで取得可能な情報には含まれておりません。
○本村委員 現在はないんですけれども、今後つながっていくのではないかという懸念があるわけです。隙間バイト、スポットワークというのは、失業時に失業給付を受け取ることができないですとか、あるいは、病気やけがによる休業時に健康保険の医療給付も受け取れないですとか、労災に遭ったときも不利な状況となってしまうということで、リスクが大変高い働き方であり、やはり規制が必要だというふうに考えております。
こども家庭庁の方では、保育士の配置基準に関しまして、スポットワーク、いわゆる隙間バイトにより採用された保育士を最低基準上の保育士定数の一部に充てることは望ましくありませんというふうに通知を出しております。
子供さんやケアが必要な方々の命や安全、人権を守るために、ふさわしくない事態がなし崩し的に広がることがないよう、有料職業紹介が広がり現場が疲弊することがないよう、国家資格を持つケア労働者の有料職業紹介、スポットワーク、いわゆる隙間バイトに関するマイナポータルAPIの活用は認めるべきではないというふうに考えますけれども、大臣とこども家庭庁と厚生労働省に伺いたいというふうに思います。
○水田政府参考人 お答えいたします。
保育士資格は国家資格等情報連携・活用システムによるオンライン・デジタル化の対象となっておりますけれども、当該システムは、資格データを一元管理することで資格保有者と資格管理者の事務手続を簡略化し、利便性を向上させることを目的として、デジタル庁が主体となり整備が進められているものと承知しております。
今後、更にどういった情報をどのような目的でマイナポータルAPIを通じて提供すべきかにつきましては、まずはこうした整備の状況も踏まえつつ、デジタル庁と連携して、必要に応じて検討してまいります。
なお、委員御指摘の、こども家庭庁より通知しましたスポットワークにより採用された保育士の取扱いについてでございますが、マイナポータルAPIの活用の有無にかかわらず適用されるものでございます。引き続き保育所等が適正に運営されるよう取り組んでまいりたいと思います。
○森政府参考人 看護師等の国家資格保有者の関係についても、先ほどの保育士のこども家庭庁からの答弁と同様に、マイナポータルの活用については、各申請手続のオンライン化や資格情報の連携などの導入準備を現在進めているところでございます。
今後、更にどのような情報をどのような目的でマイナポータルAPIを通じて提供すべきかについては、まずはこの導入状況も踏まえつつ、デジタル庁と連携して対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○平国務大臣 スポットワークにより採用された保育士の取扱いに関するこども家庭庁からの通知については、適切に運用される必要があると考えております。
デジタル庁の立場から申し上げれば、アナログの制度で認められているものはデジタルでも認められる。なので、これはアナログの制度の問題だと思いますし、繰り返しになりますが、こども家庭庁の通知は尊重されるべきものというふうに考えております。
○本村委員 こうした国家資格のケア労働者の方々の有料職業紹介は今でも物すごく深刻で、事業者の方が一人正規を紹介してもらったら、保育士でいうと二百万円払うとか百二十万円払うとかそういう実態があるわけで、こうしたことが更に深刻になるような、特に、人間の使い捨てのようなスポットワークというようなことで、国家資格の方々が使い捨てされていくことがないように、子供たちの命や安全がしっかりと守られるように手当てをしていただきたい、規制をしていただきたい、認めるべきではないということも強く求めたいというふうに思います。
次に、民間事業者等は、マイナポータルAPIの活用により、本人同意が得られれば個人に関する情報を取得することが可能となっていますが、包括的同意や、同意の中身がよく分からないまま同意させられる形式的な同意、あるいは同意せざるを得ない状況下での同意、これはスマホなどを使っているとよくあることだというふうに思いますけれども、そういうような形で同意させるやり方を認めるべきではないというふうに考えますが、見解を伺いたいと思います。
そして、そうした問題のある形式的同意で個人に関する情報を取得し、ビッグデータやAI等を利用したプロファイリングを規制し、リクナビ事件のような選別や排除、不当な差別や不公平、こういうことを助長することを予防するべきだというふうに考えますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○平国務大臣 所管外の質問も含まれておりますので、所管内の答弁をさせていただきたいと思います。
まず、一般論として申し上げれば、本人が自身の個人情報を民間事業者に提供する場合は、自らの意思により行われることが重要と考えております。
なお、マイナポータルAPIの利用申請に当たっては、デジタル庁が利用に関する社会通念上の相当性などの観点について関係省庁とも協議の上、審査を行うこととなり、社会通念上、相当性が認められない場合は利用が認められないということになります。
○本村委員 そこの基準が曖昧であるために、様々な情報が連携され、取得され、そしてプロファイリングされ、差別や排除につながっていくのではないかという懸念がございます。そうならないようにしていただきたいというふうに思います。
最後に、一番目の資料のところに今回の事務の拡大の点があるわけですけれども、在留カードの交付ですとか、国民保護法による救助の実施等が盛り込まれております。具体的にはどのような内容でマイナンバーと、在留資格に関する個人情報、国民保護法に関する個人情報はどのように管理され、ひもづけされるのか、どのような政策決定のプロセスで追加になったのかという点をデジタル庁に確認させていただきたいと思います。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
在留カードの交付等に関する事務では、外国人の在留カードに記載されている在留資格等に関する情報をマイナンバーとひもづけて管理し、これらの情報を必要とする入管庁以外の関係機関に提供することで、外国人が当該関係機関に申請等を行う際に在留カードの写しを提出するということが不要となります。
また、国民保護法による救援の実施等に関する事務では、避難住民の情報をマイナンバーとひもづけて管理することで、より確実かつ効率的な避難住民の情報の管理等が可能となり、一層迅速で的確な避難や救援の実施を図ることが可能となります。
いずれの事務についても、マイナンバーを含む個人情報の管理については、それぞれの行政機関において特定個人情報保護評価を実施し、漏えい防止等の安全管理措置を実施することが義務づけられております。
お尋ねの政策決定プロセスに関しましては、昨年六月に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づきまして、各府省庁に対して、マイナンバー利用可能事務になっていない事務を対象にマイナンバーの利用可能性の悉皆的な調査を行い、行政事務の効率化や国民の利便性の向上につながるものであり、各府省庁でマイナンバーの利用意向があるものについて利用可能事務に追加することとしたものでございます。
○本村委員 デジタル庁の政策決定過程が不透明なところがある、説明の丁寧さが欠ける部分がございますので、そういうことを是正していただくことも強く求めまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○谷委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○谷委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子さん。
○本村委員 私は、日本共産党を代表し、マイナンバー法等改定案に反対の討論を行います。
本法案は、マイナンバーの利用事務を拡大し、その事務に関して住民基本台帳ネットワークシステムから本人確認情報の提供を可能とします。あらゆる情報をマイナンバーにひもづけようとする意図が表れており、認めることはできません。
特に反対する理由は、ひもづく情報が増えれば、マイナポータル上で大量の個人情報が一気に漏えいするからです。
マイナポータルでは、世帯・戸籍情報、健康・医療、年金関係など、様々な個人に関する情報が確認できるようになっていますが、その具体的な内容は主務省令で定められており、各府省庁の判断で利用拡大が可能な仕組みです。
今回拡大する事務のうち、国家資格等の事務では、既にマイナポータルと連携している国家資格等情報連携・活用システムで各種手続を行うことが可能です。
国家資格等関係以外の事務では、各府省庁においてマイナポータルとの連携を今後判断するとしています。
政府は、様々な場面でマイナンバーカードを持ち歩き、本人確認として利用促進をしていますが、利用場面の増加は紛失リスクの高まりにつながります。マイナンバーカードとともに暗証番号が取得された場合、他人の端末からでも簡単にマイナポータルにログインができ、ひもづく情報が増えれば更に大量の個人情報が一気に漏えいします。
また、国家資格等においては、同システムで各種資格を電子化したデジタル資格者証を取得することも可能となっています。デジタル資格者証においては、正確なURLの確認や資格所有者の本人確認も必要となり、デジタルに不慣れな方などが成り済ましを見抜けず、詐欺や詐称などの被害に遭いかねません。
次に、情報の利活用の観点から問題があるからです。
民間事業者などは、利用者本人の同意があれば、マイナポータルAPIを活用し、マイナポータル上の個人に関する情報を取得できる仕組みとなっています。マイナポータルAPIを利用できる範囲も各府省庁が判断し、国会審議を経ずに拡大できます。
包括的同意を求められるなど、本人同意の在り方に問題があることや、既にマイナポータルAPIで提供されている情報に加えて今回拡大する事務も対象となれば、より一層プロファイリングが進み、選別や排除、不当な差別や不公平が助長されかねません。
以上、マイナンバー制度は廃止すべきだということを申し述べ、討論といたします。
○谷委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○谷委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び住民基本台帳法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○谷委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、牧島かれんさん外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び公明党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。橋本慧悟君。
○橋本(慧)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び住民基本台帳法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。
一 マイナンバーの利用事務の拡大に当たっては、令和六年五月に国会及び内閣に提出された会計検査院からの「マイナンバー制度における地方公共団体による情報照会の実施状況について」の報告及び同報告を受けて行われた調査の結果を踏まえて、情報連携の実施における地方公共団体の事務負担の更なる軽減に努めること。また、現時点において情報照会の利用が少ない事務についても、情報照会の実施により国民に対し添付書類の省略といったメリットがあることから、事務の実態等に合わせて適切な助言を行う等、実施の推進に必要な支援を行うこと。
二 国家資格等のオンライン・デジタル化に際しては、都道府県、士業団体その他の資格管理者等において、国家資格等情報連携・活用システムの利用に向けた各種対応が必要となることに鑑み、資格管理者等における負担軽減のための各種支援を国において講ずること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○谷委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。平デジタル大臣。
○平国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分配意してまいります。
―――――――――――――
○谷委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十二分散会