第3号 令和7年12月4日(木曜日)
令和七年十二月四日(木曜日)午後二時開議
出席委員
委員長 丹羽 秀樹君
理事 安藤たかお君 理事 上川 陽子君
理事 田畑 裕明君 理事 宗野 創君
理事 中谷 一馬君 理事 野間 健君
理事 藤巻 健太君 理事 菊池大二郎君
東 国幹君 上田 英俊君
大空 幸星君 川崎ひでと君
岸 信千世君 草間 剛君
小池 正昭君 坂本竜太郎君
西野 太亮君 深澤 陽一君
牧島かれん君 宮内 秀樹君
吉田 真次君 若山 慎司君
阿部祐美子君 安藤じゅん子君
大塚小百合君 岡本あき子君
神津たけし君 酒井なつみ君
西川 厚志君 福森和歌子君
岩谷 良平君 金村 龍那君
高橋 英明君 萩原 佳君
鳩山紀一郎君 浮島 智子君
大森江里子君 阪口 直人君
本村 伸子君 吉良 州司君
…………………………………
国務大臣
(デジタル大臣)
(デジタル行財政改革担当) 松本 尚君
国務大臣
(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)
(地方創生担当)
(地域未来戦略担当) 黄川田仁志君
内閣府副大臣 津島 淳君
文部科学副大臣 小林 茂樹君
厚生労働副大臣 長坂 康正君
農林水産副大臣 根本 幸典君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
文部科学大臣政務官 福田かおる君
厚生労働大臣政務官 栗原 渉君
政府参考人
(内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官) 山澄 克君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 前田 剛志君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 金澤 直樹君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 岡本 直樹君
政府参考人
(内閣府地方分権改革推進室長) 稲原 浩君
政府参考人
(消費者庁審議官) 田中久美子君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房長) 藤原 朋子君
政府参考人
(こども家庭庁成育局長) 中村 英正君
政府参考人
(こども家庭庁支援局長) 齊藤 馨君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 蓮井 智哉君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 楠 正憲君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 三浦 明君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 坂越 健一君
政府参考人
(財務省主税局国際租税総括官) 藤井 大輔君
政府参考人
(国税庁課税部長) 高橋 俊一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 堀野 晶三君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 松浦 重和君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 神山 弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 伊澤 知法君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 尾田 進君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 江浪 武志君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 野村 知司君
政府参考人
(農林水産省大臣官房生産振興審議官) 佐藤 紳君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 井崎 信也君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 山本 麻美君
―――――――――――――
委員の異動
十二月四日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 若山 慎司君
深澤 陽一君 吉田 真次君
宮内 秀樹君 坂本竜太郎君
福田 淳太君 西川 厚志君
岩谷 良平君 萩原 佳君
金村 龍那君 高橋 英明君
同日
辞任 補欠選任
坂本竜太郎君 宮内 秀樹君
吉田 真次君 上田 英俊君
若山 慎司君 大空 幸星君
西川 厚志君 福田 淳太君
高橋 英明君 金村 龍那君
萩原 佳君 岩谷 良平君
同日
辞任 補欠選任
上田 英俊君 深澤 陽一君
―――――――――――――
十二月四日
国・自治体の責任を堅持・拡充し、保育・学童保育の大幅増額による施策の抜本的改善を求めることに関する請願(川原田英世君紹介)(第一五一号)
同(牧義夫君紹介)(第一五二号)
同(松木けんこう君紹介)(第一五三号)
同(水沼秀幸君紹介)(第一五四号)
同(黒岩宇洋君紹介)(第一六八号)
同(井坂信彦君紹介)(第一八五号)
同(上村英明君紹介)(第一八六号)
同(篠原孝君紹介)(第一八七号)
同(西川厚志君紹介)(第一八八号)
同(矢崎堅太郎君紹介)(第二〇二号)
同(松田功君紹介)(第二七四号)
同(大石あきこ君紹介)(第二九三号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件
――――◇―――――
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官山澄克君外二十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○丹羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。草間剛君。
○草間委員 自由民主党の草間剛でございます。どうぞよろしくお願いいたします。質問の機会をありがとうございます。
まず、黄川田大臣にお伺いをいたします。
黄川田大臣は初代の地域未来戦略担当大臣に御就任をされました。これまでの地方創生と地域未来戦略の何が違うのかということが皆さん恐らく気にされていることだと思いますし、今までの御答弁や発言から推察すると、経済面を強化して、産業クラスターを形成して、技術またビジネス創出であるとか、地場産業の付加価値向上と販路の開拓を強力に支援していくというところでございます。そこで、まず具体的に、地域未来戦略担当大臣として何に取り組まれるのか、黄川田大臣にお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 御質問ありがとうございます。
まず、地域未来戦略を行う上で結構地方の方は心配されているところがございますので、それを先にお話しさせていただきます。
それは、従来からの地方創生施策は引き続きしっかりと行っていくということでございまして、これをしっかりと土台としてやった上で、さらに、議員御指摘のとおり、経済により着目して地域を活性化させていきたいというふうに考えております。例を言いますと、既に取組が進みましたが、TSMCが進出した熊本県やラピダスが立地した北海道、このような場所では関連する投資が誘発されるなど経済効果が表れ始めておりまして、こうした企業を誘致して各地域で育てていきたいというふうに考えております。また、産業クラスターをしっかりとつくるということに加えて、元々ある地場産業にしっかりと付加価値をつけて、販路を開拓して、地場のところで有望なところもしっかりと育てて、そこがまた地域の経済の核となるということで、それぞれの地域の未来を切り開いていきたいというふうに考えております。
○草間委員 ありがとうございます。
産業クラスターをつくるというのは本当に大変なことだと思います。私も三期十二年横浜市会議員をさせていただいて、自治体でやるけれどもやはり限界があるところというのをしっかりてこ入れしていただいて、やる気があるところをしっかり育てていただく。全国各地から恐らくやりたいという声が殺到すると思うんですけれども、是非大臣のリーダーシップで頑張っていただきたいと思います。
続きまして、この度デジタル大臣に御就任されました松本大臣でいらっしゃいますけれども、お医者様、医師ということで、医療DXについて大きな期待が持たれております。私は厚生労働委員会に所属をさせていただいておりますけれども、今回の医療法改正、議論中でございますけれども、医療DXの推進についてそこでも様々な議論が出ました。そこで、まず確認も含めまして、今日は栗原政務官にお越しをいただいておりますけれども、今回の医療法改正で目指す医療DXの姿についてお伺いします。
○栗原大臣政務官 お答えいたします。
国が今後目指す医療DXについてのお尋ねでございますが、医療DXは、健康、医療、介護の情報についてその共有、利活用を積極的に推進する、このことによりまして個人の健康増進に寄与するとともに、より効率的、効果的な医療等各種サービスの提供、これらの情報の研究開発等での活用を行っていく、これを目指しているものでございます。
具体的な取組といたしましては、電子カルテ情報の医療機関間での共有、それを活用した連携の推進、紙の紹介状の作成、交付や感染症の発生届出等を電子化することによりまして事務コストの削減をしていく、そして創薬イノベーションに資する医療等情報の二次利用の推進、これを進めてまいることとしております。こうした取組によりまして生じるメリットを国民の皆様方そして医療現場に早期に実感いただけるよう引き続き医療DXの取組を進めてまいりたい、このように考えております。
○草間委員 ありがとうございます。
具体の事例も出していただいたんですけれども、まだまだ課題は多いですし、やらなければいけないことが多く残っていると思います。そこで、松本大臣が考えられる現在の医療DXの課題と、それをどのように解決していくのか、大臣に伺いたいと思います。
○松本(尚)国務大臣 医療DXといいますと、どこがゴールなのか全然分からないことがかなりあると思います。かなり幅は広大で、奥も深いということで、今どこまで何が進んでいるかを整理しているところでございますけれども。
まず、患者さんの側からするとそれがどういうメリットがあるかをちゃんと伝えていかなきゃいけないというふうに思っています。まず伝え方が全然足りていない。マイナ保険証が何で要るのかとか、あるいはスマートフォンで受診を可能にすると何が便利なのか、その辺りも必要だと思いますし。一方で、医療者側も単に紙で書いていたカルテを電子化したらそれでザッツオールかといったらそうではありませんから、オンプレとクラウドネイティブの何が違うんだというようなこともきちんと説明しながら、正しい在り方というのをしっかりと伝えていきたいというのが今の私の一番の思いでございます。
委員御指摘のとおり、医師をやっていたから医療DXがすごく進むだろうという期待感はすごく感じるんですけれども、一方で大変なプレッシャーでございまして、別に予防線を張るわけでは決してないんですけれども、そういった視点からこの仕事をしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。ありがとうございます。
○草間委員 ありがとうございます。まさに多くの人が期待をしておりまして、大臣でしかできないことというのを徹底して進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、保育の課題について、一点、参考人にお伺いをいたします。
保育士宿舎借り上げ支援事業、保育体制強化事業などの四事業につきまして、東京都特別区だけではなくて、首都圏だけでも川崎、鎌倉、厚木、海老名、藤沢、八潮、戸田、和光、君津、箱根町など、財政力指数が一を超えてしまう自治体の補助率を引き下げるということなんですね。例えば、これをすると川崎市では保育体制強化事業において一億四千万超の負担増となるということでございまして、特別区並びに財政力指数が一を超える市町村を引下げ対象とする根拠が不明確だということ、それから、保育ニーズが高い都市部において自治体間で差を出す理由が分かりません。今回はなぜか横浜市は引き下げられないんですけれども、寒川は引き下げられるとか、同じ神奈川県内でもよく分からない。これはちょっと雑過ぎると思うんです。この引下げ措置、見直すべきと考えますけれども、成育局長の考えを伺います。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
まず、こども家庭庁全体といたしましては、いろいろ関係各位のサポートもありまして、保育士の処遇改善等、全国の自治体にプラスになるというような施策を進めさせていただいております。
その上で、委員御指摘の施策でございますけれども、財源が限りある中で全国様々な自治体ができるだけそれぞれの課題に対応できるように施策をどうバランスを取ればいいかという観点でございまして、予算編成の中で検討を進めているものでございます。まさに保育政策は自治体にとってそれぞれ大変重要な事業でもございますので、今日先生から伺った御意見も踏まえながら編成過程で具体的に制度設計を行いまして、分からないなら明確な基準をきちんと設定して御相談していきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○草間委員 今日は牧島先生もいらっしゃいますけれども、東京二十三区と箱根町を同格に扱うというのはどう考えてもおかしいと思いますので、これは是正をお願いしたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、阪口直人君。
○阪口委員 れいわ新選組の阪口直人です。
今日は、香害と化学物質過敏症について質問します。
香害は、合成洗剤や柔軟剤などに含まれる微量の揮発性化学物質に反応し、頭痛や吐き気また呼吸困難などの健康被害が生じることをいいます。化学物質過敏症を発症すると、日常生活が大変に困難になってしまいます。私も多くの被害者にヒアリングをしましたが、生活が一変し、普通の生活ができない、症状がひどいときには、苦しみや痛みから解放されたい、自分はこの世に生きていてはいけないのではないかという思いしかなくなってしまう、そういう苦しい胸のうちを打ち明けられました。香害に対する理解も進んでおらず、周囲から、普通に売っているものを使って何が悪いんだとか、わがままを言うなとか、このように言われて本当に苦しい思いをしている。でも、私たちの誰もがいつ発症するか分からないんですね。
香害による健康被害の治療法が確立していない化学物質過敏症は、化学物質による末端神経のセンサーへの継続的な刺激による中枢神経の病気なんです。刺激を避けること、つまり予防が一番重要なんですね。化学物質の影響が大人よりも大きくて、生涯にわたって影響を及ぼすおそれのある子供たちを守ることが大変に重要なんです。
二〇〇五年以降新潟県立看護大学の永吉准教授らが継続的に行っている実態調査から、新潟県上越市の小中学校生の一〇%が香料や化学物質によって体調が悪化し、呼吸困難や頭痛などの症状が出ている、年を追うごとに増加傾向にあることが判明しました。昨年学術団体などによって行われた全国調査でも同様の結果で、不登校などの原因になっていることも明らかになっています。
個々の化学物質と体調不良の因果関係が明らかになっていないとして政府は抜本対策をしていませんが、でも、ワクチンもそうです、PFASもそうです、因果関係を明らかにするための最善を本当に尽くしているのか。憲法で保障されている基本的人権を守るためにも、子供たちの健康そして未来を守るためには最大限の対策をすべきです。
質問です。まず、学びの場に香料は必要でしょうか。嗜好品を使う自由と、呼吸し学ぶ権利を守り発症を予防する安全な環境のどちらに重きを置くべきかとお考えでしょうか。お願いいたします。
○福田大臣政務官 お答えいたします。
香料などに起因して健康不良を訴える児童生徒などがいることは承知しております。大切なのは、児童生徒などが快適かつ健康に過ごす、この環境を整えていくことだと考えております。このために、現在、個々の児童の訴えに応じまして、症状などに応じた個別の配慮を行うこと、こうしたことを進めております。また、先生から御指摘もございましたが、理解について、こちらも重要だと考えております。
文部科学省としては、これまで、理解促進などを図っていくために関係省庁と協力し、香りへの配慮に関する啓発ポスターの作成、事務連絡での周知、また、都道府県など教育委員会の担当者が集まる会議の場において学校における対応例を紹介するなど取り組んでまいりましたが、各学校において適切な取組が行われるよう、引き続き様々な機会を通じて呼びかけを行ってまいりたいと思います。
○阪口委員 化学物質過敏症を含む中枢神経へのダメージをもたらす症状についての研究費というのを調べると、昨年度は一千二十四万二千円ということでした。これは因果関係を調べる上で十分な額なんでしょうか。
○神山政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘の数字につきましては承知をしておらないところですけれども、関係省庁との間で必要な研究費というのは措置しているものというふうに理解をしておりますので、御指摘のところも含めてしっかりと関係省庁とは連携をしていきたいと思ってございます。
○阪口委員 化学物質過敏症もそう、先ほど申し上げたPFASだったりワクチンもそうですけれども、とにかく政府に対策を要望すると因果関係が分からないという答弁が必ず返ってくるんですね。でも実際に被害を受けていらっしゃる方がいるわけですから、分からないんだと言うのではなくて、分かるための最大限の努力をしていただきたいんです。
ただ、それに時間、お金がかかるのであれば予算を増やすべきだし、今できることとして、例えば学校現場であれば、児童が入った状態での全国的な室内環境の測定による香害の可能性を調査するなどの対策を進めていっていただきたいと思います。この点はいかがでしょうか。
○福田大臣政務官 先ほど委員からも御指摘がございましたが、現時点では原因などについて十分に明らかになっていない、それが香害をめぐる状況だと認識しております。
厚生労働省においても、委員からも御指摘がございましたが、研究が行われているものと承知しており、その状況も踏まえて、逐次、しっかりと対応できるように、学校における適切な配慮も促してまいりたいと思います。
○阪口委員 次は、医療現場や介護現場における香害の改善について質問します。
二〇二三年の十月三十日付で、厚労省の担当部署から医政局及び総務省消防庁救急企画室に対し香害周知の事務連絡が出されました。しかし、二〇二五年八月の時点で医療従事者及び救急隊員の無香料化は全国的には実現されていないのが現状です。二年たってもこの結果ということは、周知に問題があるのではないでしょうか。香料で例えば偏頭痛が悪化するとか、抗がん剤治療の副反応が悪化することは医療現場でも周知の事実であり、従来から香水を使ってはいけないというような内規も存在する医療機関であれば、香害の深刻さ、現状を知らせることで医療や介護の現場は変わっていくと思うんですね。
まず質問です。医療や介護従事者の香料使用の是非と、現状がどうなっているかということについて把握をしているんでしょうか。この点、お答えをいただきたいと思います。
○栗原大臣政務官 お尋ねの香害についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、柔軟剤等に含まれる香料などによって頭痛、吐き気などの種々の症状が生じるという声があることは承知をしております。一方、香害については現時点では原因や病態、発症機序等が明らかになっているとは言えないということも承知しているところであります。
こうした中、医療、介護の現場において何らかの規制を課すということは困難であると考えておりますが、香りへの配慮については関係各省と協力して啓発ポスターを作成しております。都道府県を通じて医療機関や高齢者施設等に対して周知を行ったところであります。引き続き、関係省庁と協力してその周知に努めるとともに、関連する研究等の状況について注視をしてまいりたい、そのように考えております。
○阪口委員 私もそのポスターを見ましたけれども、でも現実的にこのポスターが十分な効果を上げているとは言えないんだと思うんですね。やはりポスターだけではなくて周知徹底させるための最大限の努力が必要なんだと思います。
今政務官は香害についての十分な認識を国がしていないと受け止められかねない答弁をされましたが、実際に本当に多くの方々が苦しんでいるんですね。香害の被害者の方々は余り表に出てこないんです。つまり、家から外に出られない、そういう深刻な状況の中で暮らしていらっしゃる。これは本当に深刻な人権問題だと思うんですね。この点について、人権問題だという認識はおありでしょうか。
○栗原大臣政務官 先ほど御答弁申し上げましたとおり、ポスター等で周知しております。こういった香害があるということを一人でも多くの方にまずは知っていただくということが大切であろうかと思っておりますので、これから引き続き関係省庁と協力してその周知を図ってまいりたい、そのように考えております。
○阪口委員 次に、化学物質過敏症を持っていらっしゃる方々が避難できる避難所の設置についてお尋ねします。
今までお話をしたとおり、香害の被害者というのは僅かな香料や化学物質によって全身に症状が出ます。したがって、災害が発災したときの避難所にも入れない、給水や非常食の列に並ぶことすらも困難だ、そんな声を聞きます。酷暑や酷寒の中で命を落とす危険性さえあるんですね。
避難所の管轄は地方自治体になりますが、災害関連死を減らすためにも、障害者差別解消法の合理的配慮としても、化学物質過敏症でも入れる避難所の設置が必要です。そして、こういった配慮のある避難所を設置することで、妊娠中の方、また偏頭痛持ちの患者さん、抗がん剤治療中の方も症状の誘発や悪化を避けることが可能だと思います。つまり、化学物質過敏症の方々だけが恩恵を受けるのではなくて、広く有益な避難所になり得ます。
政府の考え、このような対策を取っていく、このような視点での避難所を推奨していくというようなお考えはいかがでしょうか。
○津島副大臣 阪口直人委員の御質問にお答え申し上げます。
化学物質過敏症の方を含めた全ての避難者が尊厳ある生活を営めるよう、避難所における生活環境を整備することは大変重要であります。
内閣府においては、避難生活に関する自治体向けの指針等において、要配慮者のニーズに沿って個室を利用することや、要配慮者の情報共有を図って避難所運営をすることを求めているところでございます。
高知県の避難所の指針において化学物質過敏症に配慮した避難所運営に関する記載がある等の好事例については承知してございます。今後、自治体の避難所担当者向けの全国会議で周知する等の対応を検討してまいります。
以上です。
○阪口委員 今御答弁いただいた個室対応ということは非常に効果を生み得ると思います。自治体の管轄である避難所、災害が起きてすぐのときというのはなかなかいろいろな配慮をすることは難しい、だからこそ平時にこういった方々の命に関わる問題なんだという意識を共有していただいて、いざ災害が起こったときにできる限りの配慮ができる、そういう準備を進めていただきたいと思います。
副大臣、もしコメントがあればお願いします。
○津島副大臣 平時からという御指摘でございまして、その点は大変重要なポイントだと思っております。
まずは周知からということで申し上げておりますが、そのポイントとして、化学物質過敏症に対しての正しい理解、そして要配慮者の中に化学物質過敏症の方が含まれるということをきちっと認識していただく、さらには地域全体として要配慮者がどこにお住まいでどのような避難行動を考えておられるのか、そして、地域住民の方、要配慮者の方は特にですけれども、個人版の防災タイムラインを作っていただいて、その中で自分が化学物質過敏症であるということを教えていただく、こうした平時の取組は大事であろうと考えてございます。
○阪口委員 ありがとうございました。終わります。
○丹羽委員長 次に、酒井なつみ君。
○酒井委員 立憲民主党の酒井なつみでございます。
今日は、黄川田大臣にこども政策部門長として数多くの質問を用意させていただきました。私は二期目なんですけれども、国会議員唯一の助産師の資格を持っておりますことから立憲民主党のこども部門長を仰せつかっています。若者に向けた政策もまだまだ足りていない中で、多くの要望を大臣にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。そして簡潔明瞭にお答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず初めに、子供の貧困解消について伺います。
二〇二四年、子供の貧困対策法は解消法へと法改正されました。最大のポイントは、法律名に貧困の解消を明記し、その目的と基本理念を明確にしたことです。日本では子供の九人に一人が貧困、一人親世帯の約二つに一つが貧困に直面している状況ですが、政府は子供の貧困の解消をいつまでに達成しようとしているのか、お答えください。
○黄川田国務大臣 こどもまんなか社会の実現を目指すこども家庭庁といたしましては、子供の貧困を解消し、貧困により子供たちが困難を強いられることがないような社会をつくることは極めて重要な課題だと認識しております。
そして、こども大綱においては、子供の貧困の問題の解消について、当事者の置かれた状況等を把握するための指標として子供の貧困率や一人親世帯の貧困率、一人親世帯の養育費受領率等を位置づけまして、子供の貧困に係る状況を総合的に確認しながら施策を推進することとしております。(酒井委員「いつまでに。簡潔にお願いします」と呼ぶ)いつまでにということでございますが、今お話をした各種の指標を多面的に把握しまして、それぞれの施策の検証、評価を行いながら様々な角度から総合的に対策を進めていきたい、そのように考えています。
○酒井委員 いつまでに解決をするのかと聞いたので、もう一度お願いできますか。また、大臣の意気込みを是非お願いします。
○黄川田国務大臣 貧困の解消自体、様々な定義があると思います。ですので、そういう指標を一つ一つ確認しながら子供の置かれている状況を改善していく、こういうことを日々続けていきたいというふうに考えています。
○酒井委員 時間がないので次に行きますけれども、要は期限は明文化されていません。やはり私たちは、どのようにしていくかも大事ですけれども、期限を決めて、例えば二〇三五年までに子供の相対貧困率を何々%以下にするといった中期目標を設定することで、政策の責任や進捗を可視化していくことが重要だというふうに思います。是非検討をしていただきたいと思います。
次に、配付資料を御覧いただきたいと思いますが、政府の子供の貧困に関する指標の進捗。これは一覧になっているのでとても分かりやすかったのですが、特に三ページ目を御覧いただきたいと思います。子供の貧困率は一一・五%、一人親世帯の貧困率は四四・五%となっています。一日でも早くゼロに近づけていくべきだと考えます。
立憲民主党は十八歳までの全ての子供の児童手当を月額一万五千円に増額するべきと考えていますが、見解を伺いたいと思います。また、児童扶養手当の所得制限の壁を三百八十五万円から更に引き上げることによって一人親世帯の受給者拡充、支給額の増額などが必要だと考えますが、見解を伺います。
○黄川田国務大臣 御党の政策集におきまして、今御紹介がありましたように、十八歳までの全ての子供の児童手当を月額一万五千円に増額することや、児童扶養手当の所得制限の壁の引上げなどが挙げられていることは承知をしております。
私どもは、こども未来戦略に基づきまして三・六兆円に及ぶ前例のない規模で抜本的な拡充を進めているところでありまして、児童手当については、所得制限の撤廃や支給期間の高校生年代までの延長、多子加算の増額、児童扶養手当については、一部支給の対象となる所得制限限度額の引上げや多子加算の増額といった拡充を行ってまいりました。そして、先般決定いたしました経済対策におきましても物価高対応子育て応援手当として子供一人当たり二万円を支給することとしております。ですので、御党と同じ方向を向いているというふうに認識しております。
児童手当や児童扶養手当について今後どのような措置を講じていくか、今回の拡充の効果も見つつ議論を続けていきたいというふうに思っています。
○酒井委員 配付資料四を御覧いただきたいと思いますが、立憲民主党は、物価高・食卓緊急支援金といたしまして、中低所得者世帯一人当たり三万円、子供一人当たり二万円、こちらは所得制限なしで給付をするということにしています。政府の案より立憲民主党の案の方が優れているということをお伝えしておきたいというふうに思います。この手当は食料品消費税ゼロ実現までの緊急対策ではありますけれども、国民の約六割が恩恵を受けるものとなっています。こちらは予算委員会などでも審議をしていきたいというふうに思います。
続いて、子供の貧困対策として、特に離婚前後の支援策の強化や該当事業の実施自治体の拡大が重要と考えています。資料六を御覧ください。離婚前後の支援について、実施自治体は徐々に増加をしているものの、家庭支援は全ての自治体において実施率が一四・二%、日常生活支援についても三七・八%といまだ低くなっていますが、数値目標と期限、その目標への具体策を大臣に伺います。
○黄川田国務大臣 こども家庭庁としては、事業内容や対象者の要件、補助単価の拡充など事業の見直しを図っているほか、自治体向けの説明会や好事例の横展開による事業活用の呼びかけを行うなど、より多くの地域で事業の活用が進むよう取り組んでいるところでございます。引き続きこうした取組を通じまして自治体の取組をしっかりと後押ししていきたい、そのように考えております。
○酒井委員 相談体制、養育費の確保、家事や育児の支援、住む家の確保など、離婚前後は大変支援が必要な時期でございます。実施自治体の更なる拡大を目指して、取組をよろしくお願いいたします。
続いて、若者への支援について伺います。こども家庭庁創設後、様々な取組は進んでいますが、若者への支援は不足していることを指摘したいと思います。
立憲民主党は、学生を含めた若者への家賃補助が必要だと考えています。独り暮らしの学生や、アルバイトで授業料や生活費を賄う学生にとって、生活の中で大きな支出が家賃です。賃貸住宅で暮らす学生に月一万円の家賃補助を実施すべきではないか、少なくとも一定所得以下の若者、若年世帯への家賃補助を検討するべきではないかと考えますが、見解を伺います。
○黄川田国務大臣 若年世代については、社会的自立に向けた重要な移行期でございますので、年齢により支援が途切れないように実施していくことが必要だというふうに考えております。このため、家賃補助も含めまして、若い世代の声をしっかりとまず聞いてみたいということで、若者十万人の総合調査を実施したいというふうに考えております。この調査によって若い世代の状況や課題を把握し、的確かつ効果的な政策の展開をしたいというふうに考えております。
また、若年世代の住まいの支援については関係省庁における様々な取組がございます。政府として強い経済実現により若い世代の所得を増やし雇用を安定させることが結果として課題の解決につながる面もあると考えておりまして、引き続き関係省庁と連携しつつ取り組んでまいりたいと考えております。
○酒井委員 今、加速化プランについても触れられておりましたけれども、辛うじて子育て世帯に対する住宅支援の強化はうたわれていますが、三十代以下の若者が優先的に入れる、そういったものではなくなっています。初婚年齢は三十歳ぐらいですから、やはり抜けているというふうに思います。
公的賃貸住宅や空き家を対象に子育て世帯等が優先的に入居できるようにする計画では今後十年間で約三十万戸を確保するとされていますが、これは実現可能なんでしょうか。進捗を国交省の参考人より簡単に答弁いただけますか。
○井崎政府参考人 現在の取組状況についてお答えをいたします。
令和五年十二月に策定されましたこども未来戦略におきましては、子育て世帯に対する住宅支援の強化を図る観点から、公的賃貸住宅を対象に、今後十年間で子育て世帯の居住に供する住宅を約二十万戸確保するという目標を掲げております。この戦略を踏まえまして、子育て世帯向けの公的賃貸住宅の裾野を広げる取組として、公営住宅の子育て向け改修に係るモデル事業の創設、子育て支援設備の整備に係る国庫補助の限度額の引上げなどの新たな取組を進めているところでございます。これらの取組を通じ、各地方公共団体等と国が連携をしながら、こども未来戦略で掲げた目標の達成に向けて引き続きしっかり取り組んでまいります。
○酒井委員 現在の実績の戸数については答弁がありませんでしたが、あれば。なければいいです。
○井崎政府参考人 先ほど申し上げました様々な施策については令和五年十二月の戦略を受けて取組を進めておりますが、これらの施策を開始して以降最初の年である令和六年度末の状況につきまして現在調査集計中でございますので、現時点で具体的な数字はございません。
○酒井委員 実績の戸数が把握できていれば答弁をお願いしたんですけれども、ないと答えていただけますでしょうかね。
空き家も含めて十年で三十万戸の確保というのは多少野心的な計画であるかなというふうに思いますけれども、特に都心部においては若者の家賃が高いということは大変重要な問題でもあります。積極的に進めてください。
次に、若者の居場所づくりについて伺います。資料七を御覧ください。補正予算に計上されたつながり・居場所づくり支援の強化や地域における相談支援機能強化のため、新たに地域における若者支援コーディネート事業を進めようとされています。しかし、そもそも子ども・若者支援地域協議会や子ども・若者総合相談センターの設置が一〇%以下とまだまだ低いのが現状です。今後の取組はどうなるでしょうか。実施場所の確保などを含め区市町村がより積極的に取り組めるメニューにするべきと考えますが、見解を大臣に伺います。
○黄川田国務大臣 議員御指摘のとおり、自治体が居場所づくりのために行っていますコーディネートの人材の配置、またNPO等が行う子供、若者の居場所づくり、これについて実施状況が十分ではないということでございますが、その一因としてノウハウや人材の不足があるというふうに考えております。
このため、こども家庭庁においては、今年度新たに若者支援に関わるガイドラインの策定に取り組むほか、今回の補正予算案に、各地域におきまして若者向けの居場所の運営やそこで把握した困り事に応じた伴走支援等を行う場合の補助金を計上することとしております。設置率が低いということで、その設置の促進また機能充実に向けて支援を進めているところでございます。
○酒井委員 よろしくお願いいたします。
続いて、人身売買罪の厳罰化等について伺います。
日本は世界の先進国の中でも人身取引への罰則が軽く、その量刑は万引き並みと各国支援団体から批判を受けています。二〇二四年に政府が保護した人身取引の被害者は六十六人、このうち日本人が五十八人、十八歳未満の被害者は四十一人と六二%を占めています。人身売買等の被害者が増加傾向にあり、とりわけ児童がわいせつ目的の人身取引の被害者となっている現状について、こども担当大臣として受け止めを聞かせてください。
○黄川田国務大臣 人身売買を含めて、子供への性暴力は子供の権利を著しく侵害し、生涯にわたり心身の発達に深刻な影響を与えるものでありまして、絶対に防がなければならないと考えております。
このような児童の性的虐待等の事犯に対する取締りの強化や人身取引被害者の保護等の対策については、子供の性被害防止プラン二〇二二に基づきまして各省庁が連携しながら取組を推進しているところであります。
こども家庭庁としては、こども政策の司令塔として必要な取組が推進されるよう、関係省庁と連携して対応してまいりたいと考えております。
○酒井委員 立憲民主党は、十二月八日、人身売買厳罰化のための法案を提出する予定です。
政府も、取締りの強化、厳正な罰則の在り方の検討、人身売買の発生を抑止する必要があると考えますが、大臣は法務大臣への呼びかけや連携して進める考えはおありでしょうか。
○黄川田国務大臣 加害者への厳罰化については、所管する法務大臣から、人身取引事犯に対しては適用し得る様々な現行法令を駆使してその撲滅を図ることが肝要であるとの認識が示されているというふうに承知しております。ですので、先ほど申し上げましたとおり、子供の性被害防止プラン二〇二二に基づきまして関係省庁と連携していきたいというふうに考えております。
○酒井委員 法務大臣に呼びかけて、子供たちを性暴力から守ろう、そういった姿勢を期待しておりましたけれども、御自身の言葉で語られなかったことは大変残念です。是非頑張ってください。
最後に、障害児福祉に係る所得制限の撤廃について伺います。
過去の政府答弁で特別児童扶養手当の性格は所得保障ではなく介護費と位置づけられていますが、撤回しておらず変わっていないか、端的に厚労省参考人に伺います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の特別児童扶養手当などの位置づけ、役割についてでございますけれども、制定当初などは施設入所による保護を志向しつつもその量が不足しているという時代背景もあって御指摘のような介護費と位置づける答弁があったことは承知しておりますが、一方で、その当時から所得保障としての性格もある旨を政府側から答弁していたり、その後の時代の政府答弁でも所得保障としての位置づけで説明しているものもある、かように承知をしております。
○酒井委員 家族支援の位置づけとしても、二十四時間終わりの見えない子供の子育て、障害児を抱えている親のことを考えると、福祉を後退させてはならないというふうに思います。家族支援の位置づけは不可欠な柱ですので、しっかりと進めていただきたいと思います。
保護者の声から所得制限により福祉サービスの利用控えが発生し子供の福祉が減退するとの指摘がありますが、どのように解決を図っていきますか、伺います。
○黄川田国務大臣 障害児支援におきましても、障害児本人だけでなく、その家族への支援も重要であるというふうに考えております。
こども大綱では、こども施策における重要事項として、障害児支援においても子供や若者本人のみならず保護者や兄弟の支援を進めることが盛り込まれております。また、令和六年度障害福祉サービス等報酬改定におきましては、家族支援を推進する観点から預かりニーズへの対応や家族支援に関する加算等の創設や見直しを行ったところでございます。
引き続き、障害のある子供とその家族が安心して地域生活を送れるよう、必要な支援に取り組んでまいりたいと思います。(発言する者あり)
○丹羽委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。
黄川田国務大臣。
○黄川田国務大臣 失礼しました、利用控えについてそうしたお声があることは承知しております。
放課後等デイサービス等の障害児通所支援については、一割の自己負担を原則としつつ、それが過剰な負担とならないよう、保護者の所得に応じた自己負担額の上限を設定しております。その上で、これまでも、令和元年十月以降は三歳から五歳の障害児に係るサービスの利用負担を所得にかかわらず無償化し、また、昨年四月から十八歳未満の全ての障害児を対象に補装具費支給制度の所得制限を撤廃するなどの見直しを行ってまいりました。
また、障害児支援に関する福祉サービスの利用者負担については制度の持続可能性や公平性等を踏まえて設定しているものでありまして、その見直しについては慎重な議論が必要だというふうに考えております。
○酒井委員 是非当事者の声をしっかり聞いていただきたいと思います。
ありがとうございます。終わります。
○丹羽委員長 次に、岡本あき子君。
○岡本(あ)委員 立憲民主党・無所属の岡本あき子でございます。私からも質問させていただきます。
今の酒井なつみ議員の質疑で、こども担当大臣としての御答弁に慎重にという言葉が入っているということは、私からすると視点が違うんじゃないかと思っています。厚労の方が財源がとかいろいろとおっしゃるんだったら分かりますけれども。児童手当は所得制限がありません。障害のあるお子さんに関するものについては所得制限がある。特に、放課後デイサービス、学童保育は高くても数千円なんです。ところが、三万円以上の負担をいただいていますよね。それが親の応能負担だと言い切るには、子供の視点からすると非常に不平等があると思います。ここは通告しておりませんので指摘にしますが、黄川田大臣には是非子供の視点に立って、こども家庭庁のホームページの一番目に書いています。子供から見たときに障害があることで親の負担が高まる、こういうことはあってはならない。是非、慎重にではなく前向きに今後は考えていただきたい。指摘をさせていただきます。
私からは、高市政権の子供、地方創生の方針についてまず伺います。
総理大臣の所信表明演説の中で、子供についてはたった一行しかなかったんです。子供、子育て政策を含む人口減少対策を検討していく体制を構築します、たったこれだけです。こども担当大臣としてどう受け止めますか、まずこれが一つ。もう一つ、高市総理の本会議答弁で地方創生という名称が消えていっているなという印象があります。石破前総理の色を消したいのか、大きく後退するのではと懸念をしています。
特に、地方自治体にとっては、地方自治体につく財源がどうなるのか、自分たちの自由に使える、それこそ地方が輝いていく、活性化できる財源があるのか、とても心配をしています。その点に関して高市総理は、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築とおっしゃっています。一番心配している軽油税の減収分はどうなるのか。本会議や様々な委員会で高市総理は、租特や所得税などを見直してこれらの税制措置による地方増収分を活用とあります。具体的に何を見込んでいるのか。一方、地域未来戦略大臣、地方創生、地方の立場に立つ大臣として、具体的に地方増収分というのはどういうものなのかということ、大臣としてお考えのアイデアがあったらお示しください。
○黄川田国務大臣 高市総理の所信表明演説の質疑におきまして、強い経済の実現により所得を増やし雇用を安定させ結婚、出産、子育ての選択に直面する若い世代の未来への不安を希望に変える旨の発言をされているので、決して軽視しているわけではございません。政府を挙げて子供、子育て政策に全力で取り組んでいく方針でございます。
お尋ねの暫定税率に伴う軽油引取税減収に対する対応は関係省庁において今後議論を進めていくものと認識しておりますが、先ほど地方創生をどうするのかという話がございましたけれども、先ほど草間委員の中でもお答えしたように、従来の地方創生についてはしっかりと取り組んでいきます。これを一つのベースにして、その上で地域未来戦略を推進していく、そういうたてつけになってまいりますので、しっかりと地方創生もやってまいりますし、その財源についてもしっかりと考えてまいります。
○岡本(あ)委員 地方創生二・〇というのが消えたなというところで、各自治体がこれから地方交付税とかを含めて地方の補正予算を今後国が決まったら考えていく中で、地方創生のお金が消えているという問合せが幾つか私のところにも聞こえてきていますので、何が変わったのか、あるいは何をパワーアップしていくのか、そこはきちんとお伝えいただければと思います。
あと、軽油税の減収分については、関係省庁とおっしゃいましたけれども、私からは、総務省の仕事でしょうとか財務省の仕事でしょうではなくて、地方の立場に立つ大臣としては、国で五千億を確保して、例えば交付税措置になってしまうと凸凹が出ますよね。県や政令指定都市からすれば、今まで入っていたのが減った分を自分の当該自治体に補償される、それを原資に地域を元気にしていく、そういう思いで期待をしていますので、それを担う大臣だということを、是非、関係省庁にお任せではなくて、自分も声を出すよという気概を持っていただきたいと思います。
続いて、若者、現役世代の負担軽減について伺います。先ほど酒井なつみ議員からも指摘がありました。ちょうどこういう世代の方々をあえて支えていくということは必要だと思います。
私のところに実はこんな声をいただきました。今年から百三万円の年収の壁が上がって、学生の場合は百五十万円まで親の扶養控除範囲内になると聞かされました。相談者は今までアルバイトで月八・五万円程度で働いていた、もちろん非課税ラインの下、百三万の下で働いていたけれども、働き控えをしなくていいと雇用主からも聞いて、時間を増やして九万円超えで毎月働くようになりました。そうしたら何と毎月の給料から今まで引かれていなかった所得税の源泉徴収が始まって、手取りが増えるどころか減っているような気がする、おかしくないですかという指摘をいただきました。これは財務省になるかと思いますが、何でこんなことになるんでしょうか。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
所得税のいわゆる百三万円の壁につきましては、令和七年度税制改正におきまして、現下の物価動向などを踏まえまして百六十万円まで引上げをさせていただいたところでございます。
この基礎控除等の引上げにつきましては、委員御指摘のとおり、できる限り早期に税負担の軽減をするという観点から、一方で源泉徴収義務者の方々の事務負担にも配慮をさせていただきまして、令和七年分の所得につきましては、各月の源泉徴収ではなく年末調整時の対応ということでさせていただくということにさせていただいておりまして、ちょうど十二月でございますので、今後納税者の方々にその効果が及んでいくということになってございます。
このため、御指摘のとおり、年収百六十万円以下の場合であっても各月の給与につきましては源泉徴収が行われるということがございますけれども、最終的には年末調整の際に税額が精算をされまして必要な還付が行われるという仕組みになってございますので、何とぞ御理解をいただきたいということ、お願いいたします。
○岡本(あ)委員 御理解というよりも、むしろ手取りが減っているよという声があるということは受け止めていただきたいですし、昨年の末に税制改正の大綱が決まりました、今年の年明けには予算委員会で決定をしております、なのに源泉徴収の基準が変わるのが実は来年の一月からで、今年の分に関しては、十二月の年末調整、あるいは確定申告だと来年の春まで要は手取りが増えない状態になる。一年以上かかるということは私からすると全くタイミングが遅過ぎますし、経理担当の方とか税理士さんとかに私も聞いて回りましたが、指示してくれればそれはやりますと。どうしてもシステムのために半年かかる、一年かかると政府は答えますけれども、やれと言われれば、少なくとも百六十万以下が見込める人からは源泉徴収しないと言ってくれれば来月からでもやりますという言葉があるんです。本気で物価高で今困っている人の手取りを増やす、特に若い世代の方、学生の方、年収が百万、二百万、あるいはパート労働の方、それでも家計を支えたり自分の学費を頑張ったりしていらっしゃるので迅速な対応を、今後もまた協議があるということを聞いていますので、また一年先ということがないように求めたいと思います。
そして、二十三歳までの学生の場合は百五十万までは扶養控除、百六十万までは非課税、親の扶養控除も百八十八万円までは段階的に適用されています。一方、同じ年齢でも、中卒や高卒で働いている若者、親と生計を一にしていない場合、百三十万円を超えると社会保険料も自己負担、扶養控除もなく手取りが少なく、収入だけで見ると学生の方が有利になっちゃうんじゃないか、学費の負担は別に置いておいて、そういう気がいたします。先ほど酒井議員からも家賃補助とか、あるいは社会保険料の負担軽減など、勤労青年の支援もしていただきたいと思います。
ここは黄川田大臣に聞きますが、先ほど調査をするとおっしゃいました。福祉という面だけじゃなくて、こういう頑張っている若者の実態、勤労青年と学生の格差についても調べていただきたいと思います。お答えください。
○黄川田国務大臣 先ほど酒井先生の中でも御紹介しましたが、若者十万人調査の実施によりまして若い世代の状況や課題を把握し、的確かつ効果的な政策課題につなげたいというふうに考えております。
具体的な調査の設計については知見を有する民間団体等とも連携しつつ検討しているところでありまして、議員から課題をいただいた点も踏まえて検討したいというふうに考えております。
○岡本(あ)委員 是非お願いします。
そして、社会保険料の負担が非常に現役世代は大変だよという流れで、私たちは昨年、子ども・子育て支援金制度、要は社会保険料に足して、しかも健康保険料に賦課するのは納得がいかないと思っております。私たちは、資料二にありますけれども、日銀のETFの配当金を財源として十分活用できるのではないかと考えています。いま一度、この財源、活用しませんか。国民に、特に若者、現役世代に社会保険料、健康保険料で更に来年の四月から賦課をかけるということはやめませんか。こども大臣、お答えください。
○黄川田国務大臣 御提案のETFの活用につきましては、ETFの分配金収入は現状、法律に基づいて日銀から国への国庫納付金の一部として一般会計の歳入に計上され、国の一般財源として既に活用されております。これを仮に子育て財源に充てる場合、その分、国の一般財源が不足しまして、同額の国債を発行する必要が生じます。
政府としては、社会保障の歳出改革を同時に行いながら支援金を導入するという現在の枠組みが適切であると考えております。
○岡本(あ)委員 残念です。
資料三を御覧ください。マーカーをつけておりますが、日銀の納付金、六年度、確かに当初は一兆一千億円、納付金の予算を一般財源として組んでいます。実際、六年度の決算は二兆一千億入っているんです、一兆円上振れして入っているんです。五年度もそうです、一兆二千億プラスで入っています。四年度も一兆一千億プラスで入っているんです。これは一般財源で使われているお金だと思われますか。資料を見て、一兆円上振れしているお金、使えるでしょうと思いませんか。これを見て、プラス一兆円ありますよということをずっと指摘しているんですが、もし感想があったら。
○黄川田国務大臣 委員御指摘のとおり、確かに一兆円上振れているということは、この資料をもって確認することができます。
また、上振れている分、どのように収支をやっているかということについては、ちょっと私も分かりかねますので、その辺りは私はこの場で答えることができません。
○岡本(あ)委員 去年からずっと、上振れしているという指摘はしていますので、こういう財源がありますよということを受け止めていただいて、こども担当大臣として今後、それでも財源がないよということなのかは考えていただきたいと思います。
最後に、済みません、デジタル関係で一点だけ、不動産の売買取引の電子契約を是非進めていただきたいということを指摘いたします。デジ庁で自治体の電子契約を進めていますが、市町村では全く進んでいないんです。
資料四を御覧ください。実は、不動産を売買したときに印紙税というのがかかります。デジタル庁が電子契約をしたら印紙税は取りませんと言っているにもかかわらず、紙で契約すると、例えば、二百円の部分だったらいいんですけれども、土地ですので一千万円を超えたら印紙税は一万円です、五千万円を超えたら三万円です。特に行政と民間、行政と個人の契約の場合、印紙税を紙の契約だから取るよではなくて、是非、市町村の契約も不動産は電子契約を導入するように、こういう音頭をデジタル担当大臣として取っていただけないかと思っております。総務省と大臣にお答えいただくことになります、最後の質問になりますが。是非、自治体の電子契約の導入を進めていただきたい。そして、そういう旗を振るのがデジタル大臣ではないかという点をお答えいただきたいと思います。
○坂越政府参考人 お答えいたします。
地方自治法上、自治体は契約の相手方の合意があれば、不動産取引を含め、契約の種別を問わず、電子契約により契約を締結することが可能とされております。
総務省におきましては、事業者からの要望を踏まえまして令和三年に省令改正を行いまして、民間事業者のクラウド型サービスによる電子契約を可能とするなど、自治体が電子契約を導入しやすい環境の整備を行いました。この結果、自治体におきまして比較的円滑に電子契約が導入された事例も出てきていると承知しております。
契約手続の電子化は、紙媒体でのやり取りがなくなるということに加えまして、自治体及び契約の相手方双方の事務の効率化やコストの削減に資するとともに、契約締結までの期間の短縮が見込めるといった大きな効果があると考えておりますので、先進自治体の導入事例の横展開を図るなど、電子契約の導入を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
非常に重要な御指摘だというふうに思いますけれども、今総務省の方からもお話がありましたように、電子契約を進めているという点において、少しずつ契約締結までの期間の短縮等々いろいろな削減効果が出ているというふうに思います。我々としてもそういった好事例というものをほかの府省庁に横展開することも含めて今の不動産の問題についても効果の大小も勘案しながら進めていくということについては、私もアグリーする部分ではないかというふうに思っております。ありがとうございます。
○岡本(あ)委員 ありがとうございました。本人が望んでも行政が断るという例がありますので、それがないように、是非よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、安藤じゅん子君。
○安藤(じ)委員 立憲民主党・無所属、安藤じゅん子です。
松本大臣、御就任おめでとうございます。
所信的挨拶の冒頭で述べておられた、誰一人取り残されない人に優しいデジタル社会の実現に向け、国民の皆様にデジタル化の恩恵を感じていただけるよう、私も共に力を尽くしてまいりたく、質疑に入ります。前向きな御答弁をお願いいたします。
我が国は急激な人口減少社会に対応するため、デジタルを最大限に活用して利用者起点で我が国の行財政の在り方を見直し、公共サービス等の強靱化、高度化等を図るデジタル行財政改革を進めていくとされていますが、今年六月に決定されたデータ利活用制度の在り方に関する基本方針に基づきAI活用にも資する円滑なデータ連携を促進するための制度についてデータの保護と利活用のバランスも考慮しながら検討を進めていくとのことでございますけれども、松本大臣としてデジタル行財政改革にどのように取り組んでいくのか、決意をお聞かせください。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
データの利活用については、どんどん促進しろという意見と、余りそれを緩め過ぎて大事な情報にいろいろなところで不都合が生じてはいけないという、二つの問題をうまくバランスよく進めていかなければいけないと思います。AIとそれを組み合わせると、AIにどういうデータを覚え込ますかによって出てくるアウトプットは変わってきますので、やはり信頼性のある正確なデータをAIに教えていくということも一方で必要だというふうに思っております。
その中において、データの利活用は、保護ということをしっかり意識しながらAIへの利用を進めていく、人口減少社会の中で生産性をしっかりとAIによって補っていくということを念頭に置いて、そういう社会づくりを目指して我々としては仕事を進めていきたいというような意気込みですから、そういう意気込みで進めてまいりたいと思っています。
○安藤(じ)委員 ありがとうございます。
先般、中室先生の講演会の中で、児童生徒が使うAIと大人が使うAIはまた違うといったところがあったりするので、今大臣がおっしゃったように、インプットでどのようなアウトプットがなされるのか、生産性を高めていく観点から我が国のデジタル行財政改革がまさにリードしていけるような、そんなところを是非お願いしたいと思います。
続きまして、そろそろ今年度も受験シーズンが到来をいたしますが、デジタル行財政改革取りまとめ二〇二五の教育、子育て分野にある校務DXの推進、この中の高校入学者選抜手続のDXのうち、高校入試事務のデジタル化について伺いたいと思います。
高等学校への進学率が九九%という現状で、中学、高等学校の教職員や生徒、保護者の負担の抜本的な軽減につなげるため、学校設置者を超えるデータ連携と公共サービスのデジタル完結の代表例として、今年度、デジタル庁ではデジタル地方創生モデル仕様書に高校入試事務のデジタル化を追加し、システム実装を支援するとともに、既存のSaaSを組み合わせたデータ連携実証を行っていると聞きます。
そこで、伺います。高校入試事務のデジタル化の取組の現状と、今後の見通しはどうか。
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。
デジタル庁では、生徒、保護者、教職員の負担軽減のために、高校入試事務のデジタル化というのを推進させていただいております。
昨年度、先生今御指摘いただきましたとおり、教育委員会の調達支援を行うために、出願から合格発表までの一連の手続を網羅いたしました標準仕様書というものを策定いたしました。
本年度は、それを踏まえまして、九の県で、新地方創生交付金を活用いたしまして、この入試システムの導入、デジタル化というのが進められているというふうに承知をしております。また、加えまして、出願から入学手続までの全てのプロセスを一気通貫でデジタル完結するような取組を、静岡県と一緒に実証実験をしているところでございます。
高校入試事務のデジタル化は自治体の判断によって行われるものでございますけれども、標準仕様書の更なる活用促進ですとか、あるいは実証事業で得られました成果の展開を含めまして、デジタル庁といたしましても、文科省と協力しまして、引き続き、自治体における高校入試事務のデジタル化の導入支援、しっかりとやってまいりたいと思います。ありがとうございます。
○安藤(じ)委員 御答弁ありがとうございます。今現状としては、静岡県の方で完全デジタル化の実証実験ということであります。校務DXは、生徒、保護者、学校教職員の負担軽減、そして、今まさに働き方改革の真っただ中でございますので、それに資する取組であります。各自治体の判断ということもあると思うんですけれども、是非とも取り入れていきたいな、そういうふうに思っていただけるよう、デジタル庁としてもお取組を文科省、地方自治体とともによろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、マイナ保険証について二点伺いたいと思います。
まず一点目は、十二月の一日で期限切れを迎えました健康保険証についてです。
対象者が約七千七百万人に上るとされる企業の健康保険組合や公務員の共済組合などの健康保険証が今月一日で有効期限が切れたことで、全国民の健康保険証が失効しました。現在、マイナ保険証か資格書を提示する仕組みに移行中であります。
保険医療機関、薬局におけるオンライン資格確認システムの状況を見ますと、令和七年十月時点で病院、歯科医院においてはマイナ保険証が保険証の利用件数を上回っている状況、確認手段としては定着しているということが確認できます。しかし一方では診療所や薬局では総件数の半数程度にとどまっているということを公開情報から確認いたしました。
本来ならば資格が確認できない場合は医療費の全額を一旦支払う必要がありますけれども、政府は特例措置として来年三月末までは期限切れの保険証も通常の負担割合で使用するようにすると十一月に通知をされています。しかし、医療機関の窓口では、初診においては十割負担とする対応を取っている医療機関も相当数に上るというふうに聞いております。
マイナ保険証は、今年十月末時点でマイナンバーカード保有者の約八八%に当たります約八千七百三十万人が登録している一方で、利用率は約三七%にとどまっている。当初、他人ひもづけトラブルや顔認証の不具合、暗証番号忘れといったトラブル以外にも、マイナンバーカードに内蔵されている電子証明書の有効期限が五年で切れること、この際に保険証機能が喪失をいたします、これにより再発行手続期間の保険証問題も想定されるところであります。
デジタル庁のマイナ保険証のアナウンス動画を、四分ほどの動画だったと思いますけれども、拝見いたしました。確かに、患者の治療や服薬といった診療情報の把握、分析は医療の質を高めるということを理解しますが、やはりこれは国民が安心してマイナ保険証を使用できてこそ登録から利用につながるものだと私は考えております。
そこで、大臣にお伺いをいたします。デジタル大臣として、マイナ保険証のメリットと、特例措置が切れる来年三月末までに保険証の利用率を飛躍的に向上させるためには、私からもちょっとプレッシャーで申し訳ないのでございますが、医師でもある松本大臣はどのようにしたらいいとお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。お願いします。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
マイナ保険証のメリットというと、今ここで僕がメリットを話し出すとすごく長くなるので、それはやめておきますけれども、患者さんにとっては重複投薬をとにかく避けたい、これは医師のスタンスからもそうなので、それは是非やりたいのと、マイナ救急なんかも、これはどこの救急隊もできるようになっていますけれども、事前に患者情報が分かるということは救急医にとっては非常にメリットがあることなので、るる、そういったメリットというのはたくさんございます。
私も普及については、今般の保険証の問題で一月ぐらい、毎回、週に二回の会見ではずっと言い続けてまいりました。また、デジタル庁のウェブサイトから動画をダウンロードできるので、クリニックや薬局のサイネージなんかでも利用してほしいということを再三言っております。それから、スマートフォンでもマイナ保険証を使えるようになりました。これはできたばかりなので、もう少しこれの利用を私の方からどんどん積極的に勧めていきたいというふうなことも考えております。
利用率が三七%は確かに低いと思います。私もこれは大きな問題だと思っておりますので、これを少しでも高めるべく私が先頭に立って国民の皆さんに伝えていきたい、そういう覚悟でおります。ありがとうございます。
○安藤(じ)委員 大臣、ありがとうございます。ドクターヘリの生みの親、まさに救急救命の松本大臣ならではの御答弁なのかなとも思いました。
やはり三七%というのは低いし、トラブルの部分ばかりが抽出されて、映像化されるのは本当によろしくない状況ではあります。とはいえ、もしかしたら選択肢を残すという観点からは両方の選択肢が、既存の保険証もあればということも申し添えながら、共に三月末まで一緒に全力で取り組んでいきたいと思います。
マイナ保険証の二点目であります。大臣が所信的挨拶で触れていたマイナ保険証と公費負担医療の受給者証の一体化を推進することについてです。
国民にマイナ保険証を持つ持たないの選択肢をお示しした上で、公費負担医療の受給者証との一体化の推進は医療分野のデジタル化の取組として大変有益であると私も考えます。一体化推進による利用者の利便性の向上、今後の取組における自治体への情報提供の在り方などについてどのように進めていくのか、気になるところであります。
そこで、伺います。マイナ保険証と公費負担医療の受給者証の一体化推進の取組状況と、今後の展望についてお聞かせください。
○松本(尚)国務大臣 マイナ保険証と公費受給者証の一本化については、令和六年度末で百八十三団体が参加していて、今年度についても全部で六百以上の自治体が参加する予定で今システムを改修しております。ですから、今年度中にはかなり広がってくるということは見込まれているところです。
さらに、全国規模で導入しなきゃいけないので、今参議院で審議中ですけれども、医療法の一部を改正する法律案で必要な法整備を進めるということで、それに伴って今回の補正予算でもシステム改修費用の補助も盛り込んでいるという状況でございます。
引き続き、厚労省としっかり連携しながら、この問題は一元化に向かって進めていきたいと思います。ありがとうございます。
○安藤(じ)委員 ありがとうございます。
私も子供が乳幼児医療費助成を受けていた頃、当時は、A4の四分の一ぐらいのサイズになるんですけれども、これを持ち歩いて、紙と保険証と診察券を持ち歩くという形で、しかも子供一人当たりにその紙が必要だったりするので、体感していただくとまさに便利だなと実感いただけますし、また、先ほどのマイナ保険証のデータの利活用の部分でも、間違いなく対象漏れが起きなくて大変利便性が高まる、そしてセキュリティーに信頼があればマイナ保険証も使っていただけて利用が上がる、便利だから持ち歩く、安心だから持ち歩ける、利用者起点で、引き続きこの一体化に向けては関係医療機関や地方自治体にコストをかけないようお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
続いて、黄川田大臣にお願いいたします。御就任おめでとうございます。
早速ですが、いよいよこども性暴力防止法が来年十二月二十五日に施行となります。法施行に向けて、子供、若者の性被害防止のための総合的対策の推進について、大臣の決意をお聞かせください。
○黄川田国務大臣 子供への性暴力は絶対に防がなければなりません。
準備状況でございますが、本年六月には制度施行に必要な人員、予算等の確保につきまして関係府省庁間の役割分担等を定めた基本方針を策定するなど、政府内でも緊密な連携の下、対応を進めているところでございます。また、年内を目途に制度の詳細を示したガイドラインの策定を予定しております。年明け以降は対象事業者や国民の皆様向けの周知、広報を本格化させていきます。関係省庁、関係団体等とも引き続き連携を取りつつ、施行に向けて万全を期してまいりたいと考えております。
○安藤(じ)委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
年末、あと一か月を切りましたけれども、ガイドラインの方がいよいよ制定をされていくというところであります。こども性暴力防止法の円滑な施行に向けた準備、対策、対応は、自治体間格差を生じさせないためにも絶対に必要だと思っています。
先日、ある私立学校の防犯カメラ設置の取組と生徒さんの声、さらには学校内防犯カメラ設置に関する当事者である子供たちの声を報道番組で拝見いたしました。そうしましたところ、子供たちからは、防犯カメラがあることは安心感がある、何かあったときに証拠になってよい、学校が信用できないので設置してほしいという声が上がっておりました。
防犯カメラの設置は子供たちを守るため安全な学校等子供たちの施設に欠かせないと考えます観点から、以下、伺いたいと思います。国として防犯カメラと防犯センサーの設置基準及び設置の助成についてガイドラインへ盛り込むべきと考えるが、どうか。
○齊藤政府参考人 お答え申し上げます。
防犯カメラ等の設置、運用については、子供に対する性暴力の発生抑止や早期把握、事実確認などに有効である一方、個人のプライバシーや子供への心理的影響、現場の萎縮等への配慮も必要であり、関係者間で丁寧な議論を行った上でルールを定めることが重要であると考えてございます。
このため、九月に取りまとめられました有識者検討会の中間取りまとめにおいては、防犯カメラ等の設置についてはメリットや留意点を踏まえつつ児童等の発達段階や事業の性質等の実情に応じて導入を検討することが望ましいとした上で、撮影データは事案が発生していなければ見ないこととし、一定期間後に適切に消去を行うこと、責任者や管理職以外の者が操作できないようにすること、トイレや更衣室等については入口に設置して、入退室の検証に活用すること等の留意点をお示ししております。こうした内容については、年内を目途に取りまとめ予定のガイドラインに盛り込み、周知を図ってまいりたいと考えてございます。
また、各事業者において防犯カメラ等を設置する場合には、その設置等に係る費用については各事業所管官庁において対応を行っているところでございます。
例えば、保育所については、こども家庭庁において防犯カメラを含めた性被害防止対策のための設備、備品の購入等を行う事業を行っており、また、学校については、文部科学省において防犯カメラの設置を含む防犯対策の観点から必要となる工事に要する経費の一部を補助していると承知してございます。
防犯カメラ等の適切な設置、運用も含め、性暴力の防止に向けては今後とも関係府省庁と連携して必要な取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○安藤(じ)委員 一部補助ではなく全額補助で絶対にやっていただかないと、本当にこれは子供の命と尊厳を守る大切な取組でございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、阿部祐美子君。
○阿部(祐)委員 立憲民主党の阿部祐美子です。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
本日、私からは家庭等に居場所のない未成年に対する保護の在り方を中心にじっくりとやり取りができればと思いますので、よろしくお願いいたします。
小中高校生の自殺が増えております。特に、近年は女子の増加が顕著です。二〇二二年には二百二十一名、それが二年後には二百八十八名。その背景に一体何があるのか。
私は、都議会議員時代にも、ちょうどトー横キッズが注目されたり、あるいは悪質ホスト問題が注目されたりということで、新宿の歌舞伎町などを歩きながら一緒に対策を考えたということをやってまいりました。
そして、この質問をするに先だって、一昨日もその地域を歩いてまいりましたけれども、本当に当時と比べても決して、いろいろな対策をしているにもかかわらず、その風景というのは更に危険が増しているように感じています。未成年の子もいました。家はあってもなくても帰れない。警察に親が迎えに来なければ結局はリリースされて、また翌日には歌舞伎町に戻っていく。あるいは、その日泊まる場所のためだけに男性と一夜を過ごすことが日常になっている。大変リスクの高い毎日であります。性暴力が、そして搾取が日常という場所にしかいられない子供たちがまだまだいることに対して私たちはもっともっと真剣に取り組まなければいけないと思います。
ホテルの中での暴力、あるいはオーバードーズ、自殺未遂、ホストに貢いで借金にまみれていく、自らの意思では抜けられなくなっていく、そうした状況は皆様も報道を通して、あるいは直接よく御存じだと思います。自分にとってより安全な人生を選択できるように、大人の社会が最低限信頼を得られるように、国も都も決して看過しているわけではないのにもかかわらず、民間の団体も一生懸命活動しているにもかかわらずなぜ子供たちの危険を取り除くことができないのか、そのことについて考えてみたいと思います。
一つ大きな問題があります。支援団体が支援を提供しようとしても、相手が未成年である場合には宿泊を伴う支援にリスクが伴います。
家はあるけれども、遊びや息抜きとしてそのかいわいに来る子だけではなくて、虐待その他、そうした状況によって家にいられなくてやってきている子も多い。そして、日本では、民間団体がアウトリーチ活動を行って保護すべき未成年を発見したとしても、一時的に宿泊保護するときには保護者の同意がなければ未成年者略取誘拐罪の対象になる可能性があります。保護行為が法的に保障をされておりません。
また、保護者でなくても少なくとも児童相談所には通告あるいは相談することになっております。しかし、多くの子供たちは既に一度は保護所に行き、その結果、もう二度と行きたくないと強く拒否することが少なくありません。児童相談所は本来子供たちを助けるための機関ですが、一時保護所は強制的に収容される施設として過去の経験から強く忌避されている、そうした感情を抱いている子が少なくないというのは多分厚労省の方も御存じなのではないか、その背景も含めて御理解されているのではないかと思います。また、民間団体に対して、誘拐罪となるおそれがあるので未成年者に宿泊を提供しないようくぎを刺す自治体もあります。これによって支援活動は萎縮し、結果的に安全な居場所の提供が制限されて、少女たちはみすみす性的搾取に今日も巻き込まれていきます。
女性支援新法による枠組みから先に見ていきたいと思います。
未成年であっても、性的搾取など、女性相談支援センターにつないだ方が適切な場合は児相でなくセンターに相談することで、そうした女性たちに居場所を提供し、必要に応じて安全に宿泊する場を提供することができるとされております。しかし、やはり通報義務というのが残ってしまって、結局は子供たちが逃げてしまう、あるいはつながらないということもあるんですね。この今の仕組みと子供たちの忌避感情、この間に大きな乖離があって、そこに課題があるということはまず認識をされているでしょうか、お伺いしたいと思います。
○伊澤政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、困難な問題を抱える女性には様々な課題がございまして、未成年者の中には、虐待等の家庭環境の問題を抱えておりまして、御指摘のように児童相談所に対しても拒否的な反応を示す方がいらっしゃる、これは我々も承知しております。
このような未成年の女性の方を支援するに当たって、本人の状況それから意向、これを丁寧に聞き取りつつ、女性相談支援センターなどの公的機関とも連携しながらきめ細かく対応していただく、これが重要であるというふうに我々も認識しております。
○阿部(祐)委員 しかしながら、宿泊を伴うということになりますと、やはり親の同意という話が出てきたり、結局は児相には通報するんだよというようなお話が出てきたりする、あるいは、それなしで子供たちの思いを最優先にアウトリーチ活動をしようとすると結局は団体の方が罪に問われる可能性もある、そのことが支援団体のアウトリーチ活動を萎縮させてしまっている現状がある、そのことも認識はされているでしょうか。
○伊澤政府参考人 お答えいたします。
民間団体が未成年の女性に対して宿泊を伴う支援を行う場合、御指摘のとおり親権者との関係などから法的トラブルになる可能性がある、これは我々も認識してございます。
このため、厚生労働省の補助事業におきまして、民間団体が未成年の女性に対して居場所の提供あるいはステップハウスにおける支援を行う場合には、親権者へ連絡した上で実施することを原則とはしてもちろんございますけれども、親権者に連絡することにより利用者の生命あるいは身体などに危険が生じるおそれがある場合などにつきましては、そうは申しましても児童相談所や警察、女性相談支援センターなどの関係機関との連携はしていただかなければなりませんけれども、そういったところと連携、協議した上で支援をしていただくということにしてございます。
○阿部(祐)委員 ただ、民間の支援団体の宿泊に、いわゆる一時保護委託、そうしたものをかけるかどうかというのは、各自治体の判断に任されているというのが現状ではないかと思います。この点について自治体、都道府県によってかなりばらつきがあるのではないか、この点を認識しているかどうかということ、そして、児相は通したとしても匿名の通報で進めていけるのかどうか、この点も確認したいと思います。
○伊澤政府参考人 お答え申し上げます。
まず、これは自治体の事業でございますので、自治体によってかなりばらつきがある、これは私どもも認識してございますので、私どもの立場としては、いろいろな会議とか様々な機会を通じて、やれることについてお伝えするという努力はしてございます。
済みません、匿名については少しお時間をいただいて、児相の方への通報の問題でございますので、所管でないもので即答ができませんので、お時間をいただければと思います。
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。
通告していたつもりだったんですけれども、失礼しました。後で確認させていただければと思います。
いずれにせよ、自治体によってばらつきがある、同じようなケースでも、ここに住所地がある子供については支援団体の中で宿泊支援をできるけれども、こっちの団体ではこの子は助からないというようなことがあってはいけないと思うんですよね。こどもまんなかという中で、自治体の考え方によって同じような状況にある子供たちが支援を受けられるか受けられないか、これは自治体の独自性というのではなくて何を優先するかの問題であると思いますので、そこのところは子供の安全を最優先にするということでもう一度きちんと整理していただきたいと思います。
なぜこの話を長々としているかというと、今進めているこども若者シェルター、このシェルターも結局同じ構造を持っているということであります。
今お配りしております資料なんですけれども、こども若者シェルター、未成年を含む子供たちの安全を守るためにこうしたものをつくられた、これは大変な努力もあったと思いますし、敬意を表したいと思います。ただ、実際には、このシェルター、まだ一つもできておりません。そして、ガイドラインができたのが今年の三月になってからです。このガイドラインの中をよく読むと、義務教育修了後については自分の意思で入ることができるようなことが書いてあるんですけれども、結局、トラブルを防止する観点からは、親権者等への連絡を可能な限り速やかに行うとか、あるいは親権者等が拒んだ場合には利用継続が困難、結局は親権者が同意あるいはそれに準ずるような状態でなければ助けてもらえないという構造のままになっているんですよ。これでどうやって保護をするのか、教えてください。
〔委員長退席、田畑委員長代理着席〕
○齊藤政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘のこども若者シェルター・相談支援事業でございますけれども、親権者等の同意等法的な留意点につきましては本年の三月に、シェルターを実際に運営する複数の民間団体や自治体、法律家等の参画を得て策定いたしました、今ほど御指摘いただきましたこども若者シェルター・相談支援事業に関するガイドラインを整理したところでございます。
同ガイドラインにおきましては、親権者等は身上監護権を有しておることから、親権者等と事業者間の法的なトラブルを防止する観点から、シェルター利用の際には子供の意見、意向を尊重しながら可能な限り速やかに親権者等に連絡する必要があることを示してございます。
その上で、親権者等が子供のシェルター利用を拒み、子供の引渡しを求める場合であっても、虐待の疑いがある等の理由からシェルターの継続利用が必要と考えられる場合には、児童相談所に相談をし、一時保護の対象となる子供については一時保護委託を活用することが考えられることも併せてお示しいたしているところでございます。
先ほどのシェルターの設置件数の話ですけれども、おっしゃるとおり昨年度は設置がゼロということでございましたが、今申し上げたガイドラインの策定等、それから自治体への働きかけを通じまして、本年度、令和七年度につきましては既に福岡県で二か所のシェルターが開所しておりまして、東京につきましても二か所のシェルターの開所に向けた公募を実施中と伺っております。
以上でございます。
○阿部(祐)委員 訂正ありがとうございました。
ただ、自治体が公募をしていると言ったらどこか分かっちゃうんですけれども、その中で、問題があるから宿泊はしてくれるなというふうに団体に対して求めている、あるいはそのように示している、少なくとも事実上そのように聞こえるような形で進められているというふうにも聞いております。
宿泊ができないと駄目なんですよ。夕方とか夜までそこで居場所といっていさせてもらっても、泊まるときにおっぽり出されたら、結局夜の町に行くしかないじゃないですか。宿泊が伴わないと駄目なので、はい、シェルターです、でも夜はお預かりできません、いることができませんではシェルターにならないんですね。なので、そこは自治体とももう少し話してもらって、いたずらにと言ったら言葉は悪いんですけれども、ここはしっかり宿泊もできる支援を行っていくこと、そのことについて一言お伺いしたいと思います。あわせて、ここまで子供たちが児童相談所を忌避しているというその背景自体も、努力はされていると思いますけれども、是非早期に改善していただきたいと思います。御答弁をもう一度お願いします。
○齊藤政府参考人 お答え申し上げます。
今ほどおっしゃっていただきました今後に際してのいろいろな、よりこの事業がしっかりと活用していただけるようなことについて更に自治体としっかりと話をするようにというふうな御趣旨だと思いますので、そういったことも含めてしっかりとできる限りコミュニケーションを密にしてやっていきたいと思ってございます。
それから、児童相談所が絡むということに関して今御指摘いただきましたけれども、私どものこども若者シェルターの事業は、未成年の子供が親権者や児童相談所にも連絡を望まないという場合があることは承知してございます。しかしながら、トラブル防止の観点だけでなくて、子供の安全、安心という観点からも、利用に当たって児童相談所の関与を一切排除するというふうなことではないと考えているところでございます。
実際に、ガイドラインにおいてそのようなお子さんのニーズに最大限考慮した対応について整理をしたつもりでございまして、法的なトラブルを防止し、また、安全、安心に過ごしていただくためには連絡を取る、しかしながらそういった丁寧な説明をして御理解いただけなかった場合にも、子供の拒否によって連絡を行えない場合にも、当該こどもシェルターで受け入れなければその生命身体等に危険が生ずるおそれがある場合には、子供の理解を得て児童相談所へ連絡するというふうなことで対応していただきたいというふうに整理させていただいているところでございます。
○阿部(祐)委員 要は何でこんな中途半端な状態になってしまうかなんですけれども、特に未成年の子供の保護について法的な裏づけが薄いというのが私は大きな問題だと思っております。
資料三と四、こちらは参考で示させていただきました。これは別に日本だけがやっていないじゃないかと責め立てるために出しているわけではありません。そうではなくて、どの国にあっても未成年の子供たちを守るというのは本当に大変な課題であって、それに対してそれぞれの国が自分たちの国の児童制度に合わせていろいろな工夫をしているということを知っていただきたいというつもりで提供したものなんですね。ですので、日本でも今の仕組みの中ではシェルターをつくっても、あるいはセンターをつくってもなかなか保護し切れない問題が残るのであれば、ここはしっかりと法的な、あるいは制度的な枠組みをつくって、子供たちを確実に保護できる、そうした枠組みを検討すべきだと思います。大臣、是非お考えをお願いします。
○黄川田国務大臣 子供にとって安全、安心な居場所を確保するということは喫緊の課題であると思います。
今のやり取りで、私も報告を受けていますけれども、親権者に知られたりするとDVや性的被害に遭う可能性があるということに対しては、そこは通報しなくていい、その代わり児相には連絡をするというシステムですね。おっしゃるとおり、子供たちが児相も含めて行政機関に対して不安とか不信感があるということは理解はしておりますが、今、やはりこの制度に対しての自治体の理解がまだ深まっていないのではないかというふうにやり取りをしていて思いましたので、その辺をしっかりと改善しつつ、日本の制度もすごく悪いというわけではなくて、ここは自治体としっかりと連携を取りながら、よりよい制度を、今始まったところでございますから、しっかりとつくっていくということが大切なのではないかというふうに思っています。
〔田畑委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。是非、制度を深めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○丹羽委員長 次に、藤巻健太君。
○藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、いじめ問題について議論させていただければと思っております。
所信で黄川田大臣はいじめ防止に言及されておりました。
小さないじめまで含めて、その全てを完全に防ぐことというのは確かに難しいのかもしれませんけれども、被害児童を死に追い込むような深刻ないじめ、これは本当にいじめという言葉ではなくて殺人と言うべきかなというふうに私は思っているんですけれども、いずれにせよそのような深刻ないじめを防ぐために我々大人は最善を尽くしていかなければならないというふうに考えております。
相手を死に追い込むような深刻ないじめを防ぐためには、私はやはり責任の所在を明確にしなくてはいけないかなというふうには考えております。
よく、深刻ないじめが発生したとき、教育委員会、学校の先生、校長先生の対応が遅かったんじゃないか、地域の連携ができていなかったんじゃないか、あるいは加害児童の家庭環境がよくなかったんじゃないか、そのような様々な理由が語られるんですけれども、しかし、やはり明確に圧倒的に悪いのは加害児童本人であるというふうに私は考えております。
教育委員会だったり校長先生、担任の対応が遅くても、あるいは地域の連携ができていなくても家庭環境が悪くても、ほとんどの子は相手を死に追い込むような凄惨ないじめをすることはありません。ほかの要因が多少なりとも影響していることは否定はできないんですけれども、事被害児童を死に追い込んでしまうような深刻ないじめ、これはやはり加害児童本人に圧倒的に責任があるというふうに私は考えているんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○黄川田国務大臣 いじめは決して許されるものではありませんし、ましてや貴い命が奪われるような事態はあってはならないというふうに思います。
委員が問題意識として、加害者が一番悪いという、その認識は私も受け止めたいというふうに思っております。
こども家庭庁としては、学校だけではなかなかこういう問題を解決できないところがございますので、社会全体で総がかりでいじめ防止対策を進めていくということが大切であり、その務めを果たしていくのがこども家庭庁であるというふうに思います。加害児童生徒には自らの行為の悪質性をしっかりと理解させること、また、加害状況を踏まえた毅然とした対応を行うことが必要というふうに考えております。いじめにより貴い命が奪われるような事態が起こらないよう、関係省庁とも一丸となりまして取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○藤巻委員 やはり責任の所在を明確化しないと、責任が不明瞭になって問題の本質がぼやけてしまう、そうするといつまでたっても深刻ないじめというのはなくならないかなというふうに私は考えているところでございます。
加害児童の責任を明確にして、相手を死に追い込むような深刻ないじめをしたら法的にも社会的にも重い制裁を受けるということを明確にしなければいけないというふうに考えています。その強いメッセージ、それこそが抑止力につながって、深刻ないじめをなくすことにつながるんじゃないでしょうか。被害児童を救うのはもちろんなんですけれども、加害児童に思いとどまらせ、結果として加害児童の人生を救うことにもなるのかなというふうに考えておりますけれども、改めて、大臣、お考えをお聞かせください。
○黄川田国務大臣 加害児童の責任またその所在、これについて私がなかなかお答えする立場ではないというふうに思います。
特に、これは少年法で規定されることになるとは思いますが、所管外でございますのでここでお答えすることは差し控えたいとは思いますが、先ほども申し上げたとおり、繰り返しになって申し訳ないですが、様々な事情が複雑に関係しておりますので、学校だけで抱え込むのではなくて、社会総がかりでいじめの防止対策を進めていくということで、こども家庭庁並びに大臣としての私の責任を果たしてまいりたいというふうに思っております。
○藤巻委員 今少年法の話が出ましたけれども、私はやはり加害児童の責任を明確化していくためには少年法の改正が必要だというふうに考えております。少年であろうと、殺人や傷害致死などの凶悪犯罪に関しては更なる厳罰化が必要なのかなというふうに考えております。
昨年の文科委員会で答弁にあったんですけれども、以前、被害者を使い走りにさせたり、汚れた池に入らせたり、橋の欄干から川に突き落としたりしていじめをしていた加害児童が、最後は被害者を岸壁から海に転落させて溺死させた事件がありました。傷害致死罪で実刑判決が出たんですけれども、実刑の長さはどれぐらいだと思いますでしょうか。二年から三年の不定期刑です。つまり、これだけのことをしても早ければ二年で少年院から出てくる。目を覆いたくなるような凄惨ないじめをして、最後は海に突き落として殺してしまっても、たった二年で少年院から出てこられる、実名報道もされない。そんなことで果たしていじめの抑止力になるんでしょうか。そんなことで深刻ないじめは果たして本当になくなるんでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
○黄川田国務大臣 量刑の重さ、軽さについては、所管外でございますので、本委員会でお答えすることは差し控えたいと思います。
その上で、繰り返しになりますが、関係省庁と連携していじめ防止対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○藤巻委員 では、聞き方を変えますけれども、被害児童を死に追いやっても、実名報道もされず、たった二年でけろっと少年院から出てきた加害児童は、もしかしたら出所後、やりがいのある仕事に就き幸せな結婚をして子供にも恵まれて、週末はゴルフを楽しんでいるかもしれません。それは殺された被害者が送りたかった人生です。それで果たして本当に遺族や被害者の心は救われるんでしょうか。今頃その加害者はもしかしたら、飲み屋で昔の悪自慢でもして酒を楽しんでいるかもしれません。そんなことを果たして大臣は人として許せますか。そこに正義はあるんですか。
○黄川田国務大臣 なかなか重い話でありますが、この委員会の場におきましては、特に具体的な事例等のない中、正義があるかないかということをこの場で述べるということは差し控えたいというふうに思います。
○藤巻委員 ちなみに、以前法務大臣からもらった答弁によると、殺人の前科のある人が殺人に限らず再び罪を犯す再犯率は、成人が一七%に対して少年は五〇%。殺人犯の再犯率は、成人が一七%に対して少年は五〇%です。少なくとも、こういった殺人のような凶悪犯罪に関しては少年の可塑性が高いというのは間違いであるというデータになります。少年は更生の可能性が高いというのは幻想であるというふうにこのデータが示しております。これはある意味少年法の根幹理念を揺るがすことになります。
少年法を改正し凶悪犯罪に関しては更なる厳罰化を進めていく、加害児童の責任を明確化して被害者を死に追い込むようないじめを抑止していく、このことを強く訴えて、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、菊池大二郎君。
○菊池委員 国民民主党の菊池大二郎でございます。
黄川田大臣、松本大臣、改めて御就任おめでとうございます。激務の中での業務ということになろうと思いますけれども、是非御健康に留意をされて御活躍いただきたいなと心よりお祈り申し上げます。
私、地元は山形になりますけれども、山形は一晩で一面銀世界になりました。農業県山形におきまして、先般農水省から発表されましたけれども、農業センサスによれば、この五年で農業県山形で約二割の農業の担い手が減少したということでありまして、集落の維持も非常に困難になってきております。医師の不足や公立病院の赤字経営、そして相次ぐ自然災害であります。スーパーもなくなった自治体もございますし、先ほど暫定税率の話もありましたけれども、車がなくては生きていけない地方、地域において、ガソリンスタンドももはや存続が難しいというような地域もございます。
地方が重要だということは久しく言われてきたわけでありますけれども、これだけ人口が減って地方、地域が衰退している、これは残念ながら何か間違ってきた政策の積み重ねが今の状況にあるんだろうというふうに思います。熊の問題もきっとそうであろうと思います。
そこで、黄川田大臣にお伺いいたします。地方が弱体化してきた要因をどう捉えていらっしゃるのか。一方で、こうした現状でありながらも、大臣所信では地方の大きな伸び代を生かすとございました。この伸び代とは何なのか、お伺いいたします。
○黄川田国務大臣 お答えいたします。
地方から人口が流出し、東京圏への一極集中が進んでおります。その大半は十代後半及び二十代の若年層と女性であるということでございます。その要因については様々なことが考えられますが、例えば、地域に魅力的な職場がなかったり、またアンコンシャスバイアス、いろいろな見えない圧力がありますよね、等のことにより地方離れが進行しているということを認識しております。生産年齢人口が減少する中、こうした人口流出を背景に地方における労働力の減少が大きくなっておりまして、高齢化に伴う人口減少と相まって市場の縮小、産業の衰退等が進み、地域の活力が失われてきているというふうに考えております。
また、議員の御質問にあります地方の伸び代ということですが、それぞれの地域は、多様な食、伝統産業、自然環境、文化、芸術といった付加価値を生み出す様々な地域資源が存在しております。山形もそうであると思いますが。こうした地域資源を持つ、そういうポテンシャルを地方の伸び代というふうに考えております。
○菊池委員 一方で、大臣所信においては人口急減地域において必要なサービスを受けられるよう支援するとございますが、地域を活性化するためにはまず地域の担い手、主体をどうするかという点が不可欠でありまして、この点、組合員が出資して、運営して、そして労働するという三位一体を原則とする労働者協同組合という新しい仕組みも出てきております。
そしてまた、経産省が掲げる地域協同プラットフォーム構想、こちらは、地域社会に不可欠なサービスの供給に向けて、先ほどスーパーがなくなったという話もしましたけれども、エッセンシャルサービスに向けて、既存の営利企業に代わる新たな共助型事業体を創造する仕組み、こういったものを構築していこうと。よりこういった仕組みを社会実装していくということも重要だろうと思います。
加えて、ダイナミックな展望として高市政権が掲げる成長戦略の下、例えばAIデータセンター等の設置による産業群形成をレジリエンスの観点から地方分散していく、電源地や雪寒地帯の優位性も発揮できるようにしていくなど、これまでの地方から都市部へという枠から、物、エネルギーをつくり出せる地域、その地域内でしっかり好循環を生み出せるような政策展開が必要であると思います。
これからの地方創生、地域未来戦略に対する大臣の考え方を伺います。
○黄川田国務大臣 お答えいたします。
本年六月に取りまとめた地方創生の基本構想を踏まえまして、既存施設や民間の持つノウハウを活用しつつ日常生活に必要な複数のサービスを一か所で提供する拠点づくりを推進しております。
また、委員今御指摘がありました、買物等のエッセンシャルサービスの提供を持続的に運営していく主体であります地域協同プラットフォームについては、経産省において事業の効率化を図る取組を支援する法制上の措置等を検討しているものと承知しております。
若者や女性にも選ばれる地域をつくっていくためには、安心して働き暮らせる地方の生活環境の創出など従来の地方創生施策に引き続き取り組むことに加えまして、地域経済が更に発展していくことが不可欠であるというふうに考えております。このことから、地域未来戦略として地方が持つ伸び代を生かしつつ、より経済に重きを置いた取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
そして、議員御指摘のデータセンター、これも地域経済に重きを置く産業クラスターをつくっていく上で非常に大切な一つの事例だというふうに思っております。地方は、先ほど伸び代と言いましたが、土地の確保や脱炭素電力の供給等に優位性がございます。こういった伸び代を生かしましてデータセンターの地方への立地を進めていくことが考えられるというふうに思っております。
こうした観点も踏まえまして、地域未来戦略として、地域ごとの産業クラスターの形成、そして地場産業の付加価値向上と販路開拓の支援などの取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
○菊池委員 ありがとうございます。
先ほど来、山形の事例も出しておりましたけれども、両大臣の後ろにいらっしゃる岡本さんって山形の総務部長をやられていたんですよね。だから、両大臣の後ろをちょっと私は気にしながら今質問しているんですけれども、山形のことは私と同じぐらい知っていると思いますので、是非、岡本さんも山形の、東北のことを大きい声で大臣にお伝えいただければなと思います。
それでは、医療DXについて伺います。
一昨日からマイナ保険証を基本とする仕組みに移行しました。先ほど来話がありますけれども。この点、人材も含め医療資源が乏しく、救急搬送の時間を要する地方の医療圏や病床数の少ない医療機関でこそ、電子カルテシステムの導入を始めとするデジタル化が後押しされていかなければならないと考えます。医療DXの拡充に向けた取組や現状について、厚労省、デジタル庁、それぞれにお伺いいたします。
○三浦政府参考人 お答え申し上げます。
医療DXの現状ということでございますけれども、二年ほど前に医療DXの工程表というものを作りまして、幾つか柱を立てて、各省、つかさつかさで推進をしておるところであります。
特に、私どもデジタル庁におきましては、標準型電子カルテの開発を厚生労働省と一緒に行いますとともに、その仕様書というのを作成しながら、今後普及に向けて一緒に懸命に汗をかいてまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
医療DXは医療情報の共有等を通じ医療提供の効率化や質の向上などに資するものであり、その基礎となる電子カルテについては、遅くとも二〇三〇年にはおおむね全ての医療機関における導入を目指しております。
そうした中で、医療DXを推進するために、例えば、医療情報化支援基金により、電子カルテを既に導入している病院に対して、電子カルテ情報共有サービスに接続するための改修費を補助してございます。
加えて、現在電子カルテを有しない病院や診療所も含めて、電子カルテ情報共有サービスと接続する電子カルテの普及計画を二〇二六年夏までに策定することとしており、普及のための支援策の在り方についてもその議論の中で併せて検討することとしているところでございます。
○菊池委員 この医療DXの鍵は何ぞという話があって、山形県の酒田市に日本海総合病院というのがありまして、非常にDXの部分では先駆的な取組をされております。その理事長さんからお話をお伺いしたならば、テクノロジーはもうほぼほぼそろっている、問題は、鍵は地域の組織カルチャーだと。風土も異なる、様々な考え方も異なる医療機関が同じ船に乗って同じ方向を向いていけるかどうかというのが恐らくDXの鍵なのではないかなと私も共感しておりますので、是非、松本大臣もしっかり進めていっていただきたいなと思います。
続いて、行政DXについて質問いたします。
今週の月曜日にデンマーク大使館で、デンマークにおける政府のデジタル化の道のりと題したトークレセプションに参加をさせていただきました。
国連の経済社会局の発表によれば電子政府ランキング四回連続一位であるデンマーク政府の取組は、まさに目からうろこでありました。釈迦に説法のところがあるかもしれませんけれども、何点か御紹介を申し上げますと、遡ること一九六八年から十桁の識別番号を国民一人一人に付与してデジタル化をスタートさせた、iPhoneが登場した頃には既にパソコンの普及率が八割、九割に及んでいた、全ての公共部門が同じ共通基盤を使えるよう早い段階から実現し、おかげで国勢調査等も不要になった、二〇一五年には紙ベースによる行政通知が廃止をされて、個人それぞれにデジタルポストボックスといういわゆる電子版の郵便受けが配備された。国だろうが県だろうが市町村だろうが行政サービスを受ける国民にとっては誰がその主体となるかは関係ないという考え方の下に、重複タスクをなくして効率化を図り、県がやることは主に医療に関すること、それ以外は市町村がやるというような役割分担もされているということでありました。
人口も国民性も風土も異なりますから一概に比較はできませんけれども、先ほどのランキングでいえば日本は十三位ということでありますので、こうした先進国を先例に行政DXを進めていく必要があるんだろうと思います。
そこで、デジタル庁に伺います。まず、大臣所信にありました地方公共団体の基幹業務システムの統一、標準化の状況はどうでしょうか。また、こうした共通基盤化を始め、各自治体におけるAIの活用など、信頼される住民サービスを提供できるようにデジタル人材の確保、育成が一層不可欠でありますし、逆に、利用する側の住民においてもとりわけ高齢者対策が重要であると考えますが、状況と取組について伺います。
○楠政府参考人 お答え申し上げます。
自治体情報システム標準化の進捗についてですけれども、まず、標準準拠システムへの移行が令和八年度以降にならざるを得ないことが具体化した特定移行支援システムに関しましては、今年の七月末の時点で、全三万四千五百九十二システムのうち三千七百七十システム、全システムのうち約一割が該当するというふうに見込まれております。
ちょうど今移行作業が本格化しているところでございまして、ベンダーや自治体からは様々な御報告をいただいているところではあるんですけれども、より一層自治体や事業者との連携を密にして、引き続き移行状況を注視してまいりたいというふうに考えております。
また、これも含めまして、自治体のデジタル人材の確保、育成、これは非常に重要なことだと思いますけれども、総務省において、専門アドバイザーの派遣や、都道府県、市町村が連携したDX推進体制において市町村支援を行う人材プール機能の確保を支援しているというふうに承知しております。
加えまして、デジタル庁としては、誰一人取り残されない人に優しいデジタル化の実現に向けて関係省庁と連携し、デジタル推進委員の取組を始めとして、高齢者を含む幅広い世代におけるデジタルリテラシー向上に取り組んでおりますほか、動画等の分かりやすいコンテンツ等の発信等によりまして、誰でもデジタル製品やサービスを利用できる環境の確保に取り組んでいるところでございます。
○菊池委員 楠さんから御答弁いただきました。デンマーク大使館でもお会いして、今週二回お会いできると思わなかったので、大変うれしく思います。是非強力に推進をしていただきたいと思います。
続いて、松本大臣にお伺いいたします。
先ほどデンマークにおける県と市町村の役割分担について触れましたけれども、行政需要が高度化、複雑化する中でデジタル化、DX化が一層進めば、都道府県と市町村における事務や権限の移譲、市町村同士における新しい連携の形を生み出す可能性があり、今後の地方制度を再構築していくという点で大きな一石を投じるものと期待しております。また、行政コストが削減され、業務が効率化されたその先、その先をどう国として支援していくのか、新しい仕掛けをつくり出していけるのかということも視野に、関係省庁と横断的に連携をして、削減して終わり、効率化して終わりではなくて、先読みしながら政策を展開していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
まず初めに、先ほど委員からお話がありました日本海病院、非常に進んでいる、酒田市全体がうまくいろいろ分担して病院をやりくりしているのは非常にいい例だというふうに私も思っております。
その上で、今の御質問ですけれども、デジタル化をしっかりと地方にも進めることによって、そもそも人口が減っていく中で、地方行政がデジタル化で相当その分を埋められる、残った部分を、ほかのサービスに人を回せるんだというところはしっかり我々も訴えていかなきゃいけない。委員がおっしゃったように、三割削減してそれでザッツオールだよという話ではないというふうに思います。その先の、余った労働力、これをいかに行政サービスに使うかというところは、しっかりと我々も地方自治体に対して訴えていきたいというふうに思っています。ありがとうございます。
○菊池委員 繰り返しデンマークの話ばかりで済みません。デンマークでは、削減したら終わりじゃなくて、達成して終わりじゃなくて、例えば国の交付金にしても予算づけにしても削減した分を逆に評価して後押ししていくというような考え方がありました。それも非常に大事な視点かなと思いましたので、御提言申し上げた次第でございます。
時間がなくなってまいりましたが、こども政策についてお伺いいたします。
黄川田大臣は本当に多岐に及ぶ所掌を担当されておられまして、いろいろと御心中をお察しするところもあるんですけれども、こどもまんなか社会に向けての大臣の決意と、大臣のカラーをどう出していくのか。大臣のカラーは黄色だと私は思っていますけれども、是非黄色以外の表現を使いながら意気込みを聞かせていただければと思います。
○黄川田国務大臣 私の意気込みでございますが、こどもまんなか社会、これをしっかりとつくっていくということが、前大臣もそうでしょうけれども、引き続き私の使命だというふうに思っております。
そして、私のカラーでございますけれども、私は共働きでございまして、ですので、そういう共働きの苦労、六歳、小一の壁、これも結構苦労しましたし、学童保育、放課後児童クラブと今は言いますけれども、そこにも子供を預けましたし、今皆さんが、まだ子供も中学校でございますので、そういう形で同時並行的にやらなくちゃいけないというところで、多くの国民、また若い世代の方、子供をお持ちの方とかが感じているようなことを感じています。ですので、そういうものを同時に感じながら政策に反映していきたいなというふうに考えております。
○菊池委員 時間も迫ってきたので、質問はやめて、提言というか御要望させていただきたいと思います。
今し方、学童の話もありました。質の向上に向けて人材の確保、育成、同じような業界の保育士さんとかと一緒に合わせた就業セミナーとかを開催するとか、そういったいろいろと知る機会を増やしていくということも是非お願いしたいと思いますし、あと、先ほど冒頭触れた熊対策も、学校関係が注目されますけれども、学童施設とか子育て支援施設に対する対策が何なのかというところも是非落とし込んでいただきたいと思います。
学校関係で質問したかったんですけれども、タブレットをある意味悪用と言ったら表現が悪いですけれども、クラスを抜けてタブレットでユーチューブを見ているなんということで、なかなか指導環境が担保されていないという話も伺いますので、是非その辺の状況を把握されるようにお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、浮島智子君。
○浮島委員 公明党の浮島智子です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず初めに、子役のカーテンコールの問題からお伺いをさせていただきたいと思います。
私は、この問題について、本年の四月三日の本委員会にて、また五月の二十八日の文科委員会において、カーテンコールに並べない子供たちについて質問をさせていただきました。現在の理解では、十五歳未満の子役は、二〇〇五年以降、厚生労働大臣の措置で午後九時までの出演が可能となり、運用がなされています。
例えば、劇団四季では二五年三月時点で、子役を起用する演目は「ライオンキング」と「アナと雪の女王」、この二つですけれども、「ライオンキング」の上演時間が二時間四十分、「アナ雪」は二時間二十五分。ソワレ、これは夜のパフォーマンスですけれども、「ライオンキング」は平日で六時半から、土曜日は五時半から、「アナ雪」は平日は六時、土曜日は五時となっています。したがって、「ライオンキング」の場合は平日のソワレの終演、終わるのが九時十分となります、十分過ぎています。十分過ぎているために、子供たちはカーテンコールに出て御挨拶をさせていただくことができません。
子供たちもそうですけれども、大人ももちろんそうですけれども、一つの舞台をつくるのには様々な苦しみを乗り越えてきます。その苦しみを乗り越えて舞台に立ち、どんな苦労をしようとも舞台に出て最後の最後までやり切り、そして最後にお客様から拍手をいただいたとき、その苦労が全部消えて、また次も頑張ろうという皆さん、子供たち、大人もそうですけれども、皆さんの自信と勇気につながっていきます。しかし、十分過ぎているということで舞台には立てず、袖で暗い中、お客様の方を向いて真っ暗な中で涙を流しながらおじぎをしているという現状があります。
私は、この十分間というのが子供たちにとって、拍手をいただくことがどれだけ子供たちの力になるのかということで本委員会で質問させていただきました。そこで、当時の三原こども担当大臣からは、こうしたお子さんにとってカーテンコールの意味、特に経験をした者なら分かるものかもしれませんが、本当に大変な名誉なことであり、御褒美のようなものであり、カーテンコールに出ることができるようにすることは、子供の意見を一番に尊重する私どもの立場からすると、これはまた深く考えなければならないので、しっかりと考えるという御答弁をいただきました。そして、当時の鰐淵厚生労働副大臣からは、様々な御意見がありますけれども、それを踏まえた上でしっかりと検討させていただきたいという御答弁をいただきました。これは文科委員会でも同様の御答弁をいただいているところでもございます。
そこで、厚生労働省にまずお伺いをさせていただきますけれども、現在、この問題に関する検討状況、私が質問させていただいて八か月がたちました、解決方法が見えてきたのではないかと思いますけれども、お答えをお願いします。
○長坂副大臣 お答え申し上げます。
お尋ねの件につきましては、浮島先生から本年四月に本委員会でお尋ねいただいたこと等を受けまして、厚生労働省といたしましては、関係者の御意見を伺いながら検討を進めてまいりました。その中で、関係団体のヒアリングの場を設け、演劇で演技を行う児童の実態や課題についての御意見を直接お伺いしたところであります。現状では、カーテンコールは演劇の一部として振りつけや立ち位置について稽古で指導がなされている実態があることを認識いたしました。
議員の思いにつきましてはしっかり受け止めさせていただいた上で、どのような対応ができるかについては、労働基準法における年少者保護規定の趣旨も踏まえつつ、演劇本編とカーテンコールの関係について改めて関係団体から意見を聞くなどしながら引き続き検討を行ってまいります。
○浮島委員 団体からはもうヒアリングをされていると思います。また、引き続き検討していくということですけれども、いつまで検討なされるのかということに私は疑問が多くございます。
というのは、子役というのは大人の役と違いまして、子供はどんどん成長します、大人になっていきます。子役というのは、やっても一年か二年しかできません。なので、ここで、また検討していきます、もう八か月たっています、今やっている子役は次のときはまだ出られないということになります。
どうか、もう団体からはヒアリングをされておりますので、そして今演劇の一部とおっしゃいましたけれども、もちろんです、舞台が始まってから終わるまでは一貫です。カーテンコールだけ素に戻って洋服に着替えてカーテンコールに出ろということはできません。なので、そこを厚労省の皆様とも、私の部屋でも先月るる意見交換をさせていただきましたけれども、カーテンコールが演劇の一部であるから仕事であるという捉え方だというお話も聞きましたけれども、礼を尽くすのに素に戻って洋服に着替えての礼はできません。もちろん作品の一部のカーテンコールとなりますので、そこのところをしっかりと考えていただきたいと思います。
副大臣も様々舞台を御覧になったと思いますけれども、最後のカーテンコールでたくさん拍手をしていただいたと思います。そのことも考えていただきたいと思います。
次に、子供ど真ん中の政策の責任者である黄川田大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。子供の意見を尊重し、最善の利益を優先して考慮することを基本として、子供の権利利益の擁護を図ることをミッションとするということでございますけれども、担当大臣として、厚生労働省と連携の上、子供たちの気持ちに応えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○黄川田国務大臣 私も厚生労働省のヒアリングの御報告も受けておりまして、このやり取りを聞くと非常にお役所仕事のように感じますけれども、私の印象では、厚労省の方たちも三原大臣の意を酌んで何とか出させてあげたいということで、そういう中で、法律の枠の中で何とかできないかということを模索しながら検討していたという印象を受けております。ですので、私たちの気持ちとしては、やはり子供たちの精神の成長、それも重要だというふうに思っておりますので、何とかしたいということは思っているところでございます。同時に、発達、体の方もございますから、やはりそこは睡眠時間の十分な確保とか、そういう総合的な観点から考えなければいけないということでございます。
いずれにしても、子供の最善の利益、これを実現していくということが一番だというふうに考えておりますので、その方向性でしっかりと大臣として頑張っていきたいというふうに思っております。
○浮島委員 その御答弁も前にもいただいたところでもありますけれども、子供たちの成長、睡眠の時間も取らなければいけない、それはもっともなことです。
でも、夜九時の時間というのはまだ塾もやっています、塾に行っている子供たちもたくさんいます。また、補導というのは十時以降です。なのでしっかりと、十分でできないから、十分の問題で子供たちは今までの成果、一生懸命頑張ってきたことを、拍手を受けることができない、その気持ちも深く受け止めていただきたい。
そして、いつまでたっても検討するという御答弁ではなくて、次回質問させていただきますときには、このようにさせていただきたいという御答弁をいただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。
次に、若年層のオーバードーズ問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
先日、地元の大阪で薬剤師連盟の方々から、近年は、いわゆる薬物の乱用のみならず、薬などを症状を抑えるためではなくて感覚や気持ちに変化を起こすために大量に服用する、医薬品の過剰摂取や不適切な使用によるオーバードーズが若年層を中心に深刻化しているという深刻なお話を伺いました。
その連盟では、大麻や危険ドラッグなどの薬物の乱用を防止するための啓発用のポスターや配布、そしてオーバードーズに関する啓発の動画を作成して医薬品等の適正な使用に取り組んでいるということでございました。オーバードーズや薬物乱用による健康被害を防ぐために、若者への啓発と併せて学齢期からの教育が重要ということで、身近な町の薬局薬剤師や学校薬剤師を活用することを提案している、また、正しい知識を子供たちに分かりやすく伝えていくための教材などを充実しているということでもございました。そして、これからもこの教材の充実をもっとしていただきたいという御要望もいただきました。
オーバードーズの問題は、市販薬の販売、また学校での教育も重要であるとともに、この問題の根本は、生きづらさ又は家庭などの居場所のなさが原因であるとも言われております。総合的な対応が私は必要だと思っております。
そこで、まず文科省副大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、学校における薬教育、また薬物乱用防止の対策の現状と薬剤師の活用について教えていただきたいと思います。
○小林副大臣 学校においては、学習指導要領に基づいて、小中高校を通じて、体育科、保健体育科を中心に薬物乱用防止に関する学習が行われております。
その上で、中学校では、医薬品を正しく使用すること、高校では、医薬品は有効性や安全性が審査されており販売には制限があることや、疾病からの回復や悪化の防止には医薬品を正しく使用することが有効であることについても学習が行われております。
指導に当たっては、学校外の様々な分野の専門家の参加、協力を得たりすることなど様々な工夫を行い、指導の効果を高めることが大切であり、各学校においては薬剤師等の外部講師を活用した薬物乱用防止教育等が実施されております。
文部科学省においては、教師向けの指導参考資料の作成、周知や、薬物乱用防止教育の充実強化を依頼する通知を発出いたしております。
以上です。
○浮島委員 大阪でヒアリングをさせていただいたときの薬剤師連盟の方々からは、なかなか大阪では周知がなされていないということで心配をされておりましたので、どうか文科省といたしましてもしっかりと周知をしていただくようにお願いさせていただきたいと思います。
また、黄川田大臣には、若年層のオーバードーズの問題に対する対応といたしましては、市販薬を扱う厚生労働省、学校教育の文科省、また子供の居場所を扱うこ家庁と複数の省庁が連携してしっかりとやっていかなければいけないということと思います。これが極めて重要であると私は思っておりますけれども、こども家庭庁が横串をしっかりと刺して積極的に対応していただきたいと思いますけれども、御意見を伺わせていただきたいと思います。
○黄川田国務大臣 議員御指摘のとおり、オーバードーズについても、省庁が連携して、横串を刺して取り組んでいくことが重要であるというふうに考えております。
そのため、毎年七月を青少年の被害・非行防止全国強調月間と位置づけておりまして、本年においても、関係省庁、自治体、関係団体と連携して、オーバードーズについて、心と体を傷つけるような危険な行為であるということを啓発してまいりました。また、相談窓口等も設けまして、周知を行ったところでございます。
加えて、全般的な話になりますが、全ての子供、若者が身近な地域において安全で安心して過ごせる、こういう居場所をつくっていくということも、間接的に言えばオーバードーズに陥らないことになるというふうに思っておりますので、NPO等による居場所づくりを支援したり、こどもの居場所づくりコーディネーターを配置するなどの支援を行ってオーバードーズを防いでいくということも、間接的にとなりますけれどもやってきました。
引き続き、厚生労働省、文科省等関係団体と連携をしつつ、様々な観点から対応を進めていきたいというふうに考えております。
○浮島委員 どうかしっかりと横串を刺して、こども家庭庁が先頭に立って子供たちを守っていっていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、福祉の現場のお声をお伝えさせていただきたいと思っております。処遇改善についてです。
私の地元の大阪には、百年を超して社会福祉活動を続けておられ、また、乳児院、児童養護施設、保育所から子育て支援センター、特別養護老人ホームまで、ゼロから百歳までの地域共生の結び目となるということを掲げて活動されている四恩学園という社会福祉法人があります。
私も何度もお伺いをさせていただきましたけれども、施設の一階のカフェスペースでは、介護や保育を学ぶ近隣の学生さんたちが来られて、様々、いろいろな方々と会話をされています。また、その日は無料でカレーを振る舞っていたんですけれども、カフェスペースの外に、道路のところに面したテラスでは、地域の子供たちも来て、施設の子供たちと話しながらカレーを食べている姿もありました。こうして子供と大人が気軽に集まれるすばらしい場として地域の皆様にも愛されていて、地域の皆様も一緒にお祭りなどをされて、地域共生の結び目として活動されています。職員の方々もすばらしい笑顔で、本当に楽しまれながら職を全うされていると思いました。
このようなすばらしい取組をされているのは、そこで働いている職員の方がすばらしいのだと思いますけれども、このような中で、施設の方からは福祉職の間での処遇の差についてということで指摘をいただきました。
というのは、この施設は一つの敷地内で乳児院から全てやっています。子供たちの養護施設、これだけはちょっと車で二十分ぐらい離れた場所にあるんですけれども、それ以外は全て同じ敷地内に建っております。なので、職員の方々は、乳児院で働く方、児童養護施設、こども園、また幼稚園、いろいろ多岐にわたるわけです。でも、行く場所によって処遇が違うということで、園の方々がとても困られておりました。乳児院や児童養護施設といった社会福祉施設の職員は処遇改善の対象とはなっておりません。
なので、しっかりと同じ敷地内で働く方々が気持ちよく子供たちを扱う、私も現場を全部見させていただきましたけれども、乳児院の寝ている赤ちゃん、十分ごとに皆さん見ておりました。保育所もそうでした。皆さん同じ仕事をされておりますけれども、その中で処遇が違うということは問題があると私も思っているところでございます。
そこで、黄川田大臣にお伺いをさせていただきますけれども、乳児院や児童養護施設などで働く職員の処遇を改善することで、保育所との処遇の差を改善し、児童養護施設での人手不足の解消、また、四恩学園のような意欲的な取組をしている施設とかにはしっかりと支援すべきだと思いますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○黄川田国務大臣 委員御指摘のとおり、児童養護施設等職員の処遇改善に取り組むことは重要であると考えております。
これまでも、業務の質の向上のため、処遇改善に加えまして、毎年度の人事院勧告を踏まえた人件費の改善に累次取り組んでいるところでございます。また、直近では、令和六年度に約一〇%の改善を行うとともに、令和七年度も約五%の改善を行うための費用を今般の令和七年度補正予算案に計上しております。また、これらの処遇改善は、保育所等における処遇改善と同じ考え方によって行っております。
引き続き、民間給与動向等を踏まえた更なる処遇改善に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○浮島委員 是非よろしくお願いいたします。
最後に、今日は副大臣にお越しいただいていますので、農水省にお伺いをさせていただきたいと思います。
高校の無償化は三党合意がなされました。今、給食が始まっております、今日も夕方あるやに伺っておりますけれども。給食は皆さんが本当に国の負担でやってくれるのかどうかということをとても心配されています。地方の負担があっては困るということでございますけれども。
そこで、農水省におきましては、学校の給食に当たって有機野菜の活用また地産地消を推進する観点から、保護者が現在負担している学校給食の食材費などについて農水省が積極的に支援をするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○根本副大臣 お答え申し上げます。
いわゆる学校給食の無償化については、現在政党間で議論が行われており、予断を持ってお答えできませんが、学校給食における有機農産物の活用や地産地消を進めることは食育の推進や安定的な販路の確保から重要だというふうに認識しております。
このため、農林水産省では、一つは、有機農産物の学校給食への試行的な導入、さらには、給食現場と生産現場の間の課題解決に向けた取組や、学校給食に地場産物を供給、活用するための連携体制づくり、地産地消コーディネーターの派遣、こういったところを支援しているところであります。
今後とも、文部科学省等の関係省庁と連携しながら、学校給食を通じた地域農業の振興や食育の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○浮島委員 是非関係省庁としっかり連携をして国の責任でしっかりとやっていただくよう強く要望して、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、本村伸子君。
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
まず、子供たちが自ら命を絶つような、追い込まれることがないような社会を実現するためにも質問をさせていただきたいと思います。
小学生、中学生、高校生の子供たちが自ら命を絶った自殺者の数、自死をされた人数は、二〇二四年、統計のある一九八〇年以降から過去最悪の五百二十九人となっています。そして、二十歳未満で自ら傷つけ救急搬送をされるケースも二〇一七年から二〇二二年で一・八四倍に急増しています。特に女性が増えています。一日一日と命を助けることができなかった子供たちがいることを、大臣も、そして私たち国会議員も、政治に関わる全ての人が認識をしなければならないと思います。
子供の命と尊厳を守ることは国の最重要課題です。
いのち支える自殺対策推進センターの皆様がこどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査研究報告書を出されておりますけれども、これは皆さんが本当に必読なものだというふうに認識をしております。資料一にその一部を出させていただいておりますけれども、学校の関連や家庭の関連、複合的な問題、その他、その子の置かれている状況も分析をされています。学校の関係では、学習困難、学業不振、進路問題、不登校、学友との不和など書かれています。ほかにも様々分析があるわけですけれども、自ら命を絶とうとした、あるいはそう思っている子供を含めた今生きている子供たちの声を聞くというのが非常に重要だというふうに指摘されておりまして、私もこれは非常に重要だというふうに痛感をしております。その点で大臣の御所見を伺いたいということと同時に、子供たちの支えとなる保護要因、これもこの資料一の下の方に書かれておりますけれども、子供たちの支えとなる保護要因を社会の中で増やしていくことが重要だというふうに考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
○黄川田国務大臣 令和六年の小中高生の自殺者数が議員が言及したとおり過去最多の五百二十九人になったことは、こども家庭庁として大変重く受け止めております。
こども家庭庁では、令和五年に取りまとめたこどもの自殺対策緊急強化プランに基づきまして、子供の自殺の要因分析に取り組んできたところでございます。
令和六年度の調査結果によれば、自殺で亡くなった子供の背景には様々な要因があることが改めて確認されておりまして、従来の統計や関連資料の分析では可視化されづらい、生きている子供たちの声を聞くことが重要であるとの指摘がされているところでございます。
議員御指摘のとおり、自殺防止の取組においては、社会における自殺のリスク要因を減らして自殺に対する保護要因を増やすことを通じて、社会全体の自殺リスクを低下させる方向で実施することが重要であると考えております。
これらを踏まえて、今年度の調査研究では、議員の言う生きている子供たちの声から、自殺を考えている子供の考えていることを収集、分析して、こうした調査研究を通じまして子供の自殺からの保護要因を明らかにするとともに、どうすれば保護要因を増やすことができるか検討してまいりたいというふうに考えております。
○本村委員 保護要因の問題なんですけれども、学ぶというところで子供たちのよりどころになるのが、その一つとなるのが、フリースクールもその一つだというふうに思います。保護要因になり得る重要な取組だと思います。
私も、愛知県内のフリースクールを運営されておられる方からお話を伺いました。その中で、愛知県の子供さんも来ているし静岡県の子供さんも来ている、そういうフリースクールですけれども、一人親世帯の子供さんなどが、経済的な理由で通えない子供たちがいるということをお伺いいたしました。交通費も高く、授業料も一定必要だということで、それがどうしても出せないと。義務教育の年齢で子供たちが通いたいと思っても、交通費が出せない、授業料が出せないということで学べない、この状況を何とか改善するべきだというふうに思います。フリースクールに通いたいと思う子供たちを国として支援するべきだというふうに考えますけれども、こども政策担当大臣と文部科学副大臣にお伺いをしたいと思います。
○黄川田国務大臣 フリースクールを含め、不登校の子供のよりどころとなります居場所が地域社会に確保されていくことは意義があるというふうに思っております。そういった意味で、居場所があるというのは自殺を思いとどまらせる一つの要因になるのではないかというふうに思います。
文部科学省において調査研究を実施しているというふうには承知しておりますが、こども家庭庁としては、子供の居場所づくりの支援の観点からモデル事業などに取り組んでいるところでございます。今後とも、文科省を含め関係省庁と連携しつつ、子供の支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
○小林副大臣 児童生徒の自殺の原因、動機については、学校問題、家庭問題、健康問題等様々な事情が考えられるところでありますが、自殺をした児童生徒の中には不登校の児童生徒も含まれており、この観点からも不登校児童生徒への支援は重要と考えております。
その上で、不登校児童生徒への支援に当たっては、まずは公の機関である教育委員会が主体となり、不登校児童生徒一人一人に応じた多様な学びの場を整備する必要があると考えております。このため、誰もが安心して学べる魅力ある学校づくり、校内教育支援センターや学びの多様化学校の設置促進、教育委員会が設置する教育支援センターの機能強化などに取り組んでおります。
経済的に困窮した家庭の不登校児童生徒の保護者に対して、フリースクールなどの民間施設等を利用する際に必要な交通費や体験活動等に要する費用を支給して、児童生徒の意識や行動の変容等を効果検証するための調査研究を現在実施しているところであります。
児童生徒の学習活動に対する変化が十分に確認できていないこと等から、令和八年度概算要求においては、フリースクール等と学校、教育委員会とのどのような連携体制の構築が不登校児童生徒の学びの充実に寄与するか調査分析するための内容も新たに盛り込んでいるところでございます。
以上です。
○本村委員 教育機会確保法の附帯決議に基づいて二〇一七年からずっと調査をしている、もう八年だ、それなのに交通費が出せない、授業料が出せない、それで通えない、そういう子供たちをいつまで放置し続けるんでしょうか。
名古屋市も、フリースクールに通う場合、月三万円助成するということを発表しております。それは公的な機関では足りないからだというふうに思います。名古屋市の教育委員会によりますと、市立小学校、中学校で不登校になった児童生徒は、二〇一九年度は二千九百三十七人だったところを二〇二四年度には六千二百八人と大幅に増加しております。
そして、子供の不登校を機に保護者が休職や離職に追い込まれる不登校離職も問題になっています。市の教育委員会が七月に行った実態調査では、四割の保護者が仕事を減らしたり転職したりしたと回答したというふうに報道されております。
東京都でも、学校生活になじめない子供が自分らしくありのままで成長できる環境を整えていくためフリースクール等に関連する支援事業を実施していますというふうにいって、小学校、中学校一人につき月額最大二万円、都内在住の不登校の小中学校の保護者に助成するということを始めました。
こども家庭庁そして文部科学省は力を合わせてフリースクールに通う子供さん、保護者に経済的支援をするべきだというふうに考えますけれども、もう一度大臣と副大臣にお願いしたいと思います。
○黄川田国務大臣 フリースクール、先ほどもお話をしましたが、非常に大切な取組だというふうに思っております。
フリースクールも結構いろいろと幅があって、非常に高額なところも、高額といいますか、ある程度費用がかかるというところもあるということは存じております。私どもとしては、フリースクールに直接支援等をするということもありますけれども、家庭への経済的な支援、これを全体的に行うことによって負担を軽くしたいというふうに考えております。そういうことも通じて、フリースクールに通える状況を少しでも助けたいというふうに思っております。
○小林副大臣 経済的支援に関する具体の支援方策等については、十分な事例の調査研究による客観的、定量的検証が必要であります。今後とも様々な側面から検証を進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 今日は自ら命を絶っている子供たちのことでやらせていただきましたけれども、様々な要因がある、それを一つ一つ支援して埋めていかなければならないわけです。その一つが学業に悩んだり学校に通いづらい子供たちを支援していくということだと思いますので、文部科学省さんも本気になって是非やっていただきたいということを強く強く求めたいと思います。
先ほど、子育て世帯を経済的に支援していくということを黄川田大臣はおっしゃられましたけれども、物価高騰の下で子育て世帯は本当に大変な状況になっている。先日も、子どもの貧困対策推進議員連盟、あすのばの皆さん、キッズドアの皆さん、しんぐるまざあず・ふぉーらむの皆さん、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの皆さんと一緒に、低所得の子育て世帯への緊急支援要望ということで提出をさせていただきました。
物価高騰で子供も一日二食、痩せていく、身長が伸びない、栄養不足で貧血になるなどのケースがあります、親も子も厳しい日常に希望を見出せず、自ら命を絶つ、あるいは無理心中に至るようなケースが起こる懸念があります、低所得子育て世帯の親子の命を守るためにも、今年度の補正予算で物価高騰対策として児童扶養手当や児童手当の上乗せ加算などの緊急支援を強く要望いたしますということで、要望書を出させていただいたんですけれども。
そこで出されてきたのが資料の二ページ、三ページになると思いますけれども、補正予算のところで、今回は昨年度の補正予算の資料も三に出させていただきましたけれども、昨年度は低所得世帯の支援枠ということで、しっかりと枠をつくって、住民税非課税一世帯当たり三万円を基礎にして算定して、子育て世帯は一人当たり二万円を加算するという対策を取ってきたんですけれども、今回の補正予算案には特別枠というものはなくて、一般的にやってくださいという話になっております。
全ての子育て世帯の給付の拡充というのはめちゃくちゃ大事なことだというふうに思います。それと同時に経済格差そして体験格差をなくすために全ての低所得の子育て世帯への給付を追加で行うべきだというふうに考えますけれども、大臣、お答えをいただきたいと思います。
○黄川田国務大臣 子育て世帯の中でも、とりわけ物価高により家計に大きな影響を受ける低所得子育て世帯については、必要となる支援を早期に把握、提供することを通じて生活や家計の安定を図ることが重要と考えております。
そして、重点交付金のメニューには枠がないというふうにお話がありましたが、ゼロ歳から高三までの子供たちに一人当たり二万円、これは上限はないんですが、物価高、子育ての応援手当を設けたところでございます。
また、低所得の子育て世帯に対しては、委員が御指摘のとおり、重点支援地方交付金、これは自治体がそれぞれの事情、地域に応じてやるものでございますが、そういう中で手当てをしたり、子供食堂等の運営支援を通じた食事等の支援、また、これらの支援と連携した地方自治体における集中的な相談支援の実施などを設けまして、多面的に支援していくこととしております。
○本村委員 経済格差、経験格差が出ないように是非力強く応援していただきたいということを強く求め、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、吉良州司君。
○吉良委員 有志の会、吉良州司です。
もう皆さんお疲れだと思いますけれども、委員の皆さんも委員長もスタッフも、最後の十五分、おつき合いいただければと思っています。
今日は、本委員会の柱の大きな一つである地域活性化をどうやったら実現できるのかということについて、私の方で質問というか提言をさせてもらい、大臣また政務官の答弁を求めてまいりたいと思っています。
まず、私自身の問題意識を先に披露させてもらいますと、よく失われた三十年ということが言われます。国際比較してみるとお分かりのとおり、ドルベースで見たら、残念ながら経済力を含めた日本の国力というのは先進国の中で最低となっている。この原因は何かというと、一億総何とかが好きな方々もいらっしゃいますけれども、私がその言葉を使うならば、一億総依存体質にあるというふうに思っています。国民も国に依存し、企業も国に依存し、地域、地方も国に依存する、この体質が停滞をもたらしている。
そして、もっと残念なことは、政治が、時に政治家が、政党が、その依存心をあおる。自分たちを頼れば、自分たちに依存してくれれば何とかしてやるぞ、こういう政策を打ち続けていると思っています。その結果として国民の側から見ればよく言われるくれくれ民主主義になり、国、行政から見ればばらまき民主主義になってしまう、こういう問題意識を持っているわけですね。そうした中で、地方は残念ながら、気持ち的に依存しているだけじゃなくてというか、制度的に中央集権の色が非常に強い中で、よく言われる縦割り行政というものがある中で、そして財政的な制約があるという中で、ちょっと極論で言わせてもらうと、地方の政府は政治判断をしていないんですね。
どういうことかというと、例えば、ここに学校を何とかしてくれというニーズがある、こちらはインフラ、橋、道路を何とかしてくれというニーズがある、こちらでは病院を何とかしてくれ、福祉施設を何とかしてくれというニーズがあるとしたときに、例えば、全部の財源が自由に使えるお金であるならば、その首長は優先順位をつけて、一千億なら一千億の幾らを橋に充て、幾らを道路に充て、幾らを福祉施設に充てと全部自分で判断しなきゃいけない。ところが、日本の仕組みは、学校であれば文科省に行って予算を要求する、橋、道路であれば国交省に行って要求する、福祉施設であれば厚労省、こういう具合になっているわけですね。
私の持論として、自立心、独立心なき人も企業も地域も国も発展するはずがない、活力が出るはずがないと私は思っていまして、そういう意味で今の仕組みは、残念ながら地方に対してその自立心を発揮させないような仕組みになっているという問題意識を持っています。
そこでなんですけれども、民主党政権時代に、今私が申し上げた問題意識からして十分応えられるものではなかったかもしれないけれども、一括交付金、正式には地域自主戦略交付金という名で、幾つか補助金があった場合に省庁を横断する補助金を一括して配ることによって自由度を高めたという制度がありました。自民党政権になってそれはすぐさま否定されてしまったわけですけれども。私は、こうやって何でもかんでも縦割りの中で地方のニーズをぶつ切りにして、最後は中央省庁に頼る、中央の予算に頼るという仕組みから、地域にもっと自由度の高いお金をどんと財源として渡すことによって、今申し上げたような、政治判断をすると同時に、その積み重ねが自立心につながり、結果的には発展、活力につながっていくと思っています。
もうちょっとだけそこを言わせてもらうと、今みたいな縦割りだと、例えばこの橋が専門家から見たら百億でできると仮にします、ところが、うまいこと要望で説明して百二十億の予算が取れたらラッキーとなるわけですよ。それは、受注する元請の人たちもちょっとおいしい仕事を請け負えるなとなるわけですけれども。今言った、自分が一千億の中でどう分配するかということになったら、百億かかるかもしれないものを何とか八十億で、工夫して二十億浮かせて、この二十億をほかの大事な、学校なら学校、福祉施設なら福祉施設、そこに回そうというインセンティブが働くわけですよね。
こういうことも踏まえて、私が今申したのはすごく大きな風呂敷を広げている議論なので所掌外と言われるかもしれませんけれども、地域活性化の旗振り役をやる黄川田大臣には是非、政府内でそういう制度をつくっていくことによって地方の自立を促していく、それが活力につながっていくということをやっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○黄川田国務大臣 委員の考え、個性を生かし、自立した地域をつくっていくというそのお考えには賛同いたします。ですので、私たちも、自治体が住民のニーズを的確に捉えて、様々な行政課題に対して行政サービスを安定的に供給できるよう、地方が自由に使える財源をしっかりと確保することは重要であるというふうに思っております。
かつてございました地域の自主戦略交付金については、私が報告を受けているところによりますと、手続の煩雑さ等もあって廃止されたという経緯がございました。それに代わるものとして地方創生交付金をつくったわけでございます。地方が自主性、自立性を発揮できるような自由度の高い仕組みとしております。ただ、これもそれで十分だということではなくて、創設して以来随時、より使い勝手がよくなるよう制度の見直しもしてまいりました。今後、最も真に地方にとって効果が高く使い勝手のよい施策の仕組みづくりができるよう考えてまいりたいというふうに思っております。
○吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。ただ、地方創生交付金も含めてですけれども、言い方は悪いんだけれども、ちまちまして、金額的にも非常に限られているんですね。それこそ、大分なら大分向けの補助金を全部まとめて、ええい、持っていけというぐらいの、そういう自由度の高い交付金というものを是非、黄川田大臣が音頭を取って、今の政権で実現に一歩でも近づいてもらいたいと思います。
次に、地方がなかなか活力が出ないということの一つに、過疎であり、人口流出であり、特に若者の流出というものがあるわけですね。地方の場合に、どういうときに本来ならこの地域を担ってもらいたい人たちが流出していくのかというと、大きな転機としては大学進学時と就職時、このときに出ていってなかなか戻ってこないということがあるわけですけれども。
私自身は、以前、文部科学委員会のときに、低所得者世帯修学支援法というのがありまして、七千百億円ぐらいのかなり大きな予算がついていたことがあったんですけれども、そのときに私が提案したのは、地方国立大学を、授業料、入学金、全て免除することです。もう一つは、地域の経済を支える即戦力としてある意味職業訓練校化して、先ほど来出ていますけれども、家庭の事情、特に経済的事情によって進学を諦めているような子供たちに対して、地方国立大学に入学できるぐらいの学力を高めれば今言った経済的不安は一切なく勉強ができる、しかもそこでは、卒業して以降十分食っていける、社会に貢献できる、国に貢献できるだけの学力と技能を身につけていける、そういう地方国立大学にしていくべきだと私自身は思っていまして。
それも、ちょっと資料を見ていただければ、五年前の資料なんですけれども、意外と、全国立大学の入学金、授業料を免除するといっても、二千六百億円でできるんですよね。そんなに目玉が飛び出るほどの予算ではないんです。ということで、文部科学省、地方活性化という意味合いも込めて、私の提言について政務官の答弁を求めたいと思います。
○福田大臣政務官 ありがとうございます。
意欲のある学生の教育機会をしっかりと確保していくこと、また、地域社会の担い手となる人材育成を行っていくこと、私としても大変に重要だと思っております。
御提案の地方国立大学の無償化ということで紙もいただきましたが、大学教育を受ける方と受けない方との公平性の観点ですとか財源のお話も出てくるかと思いますが、いろいろな課題があるとは認識しています。しかし、委員の御指摘のとおり、経済的な理由で学生が学びを諦めることがない、これが最も大事だと思っておりまして、文科省としても、低所得者の世帯の方々に対して入学料、授業料の無償化など現在も取り組んでおりますが、引き続き高等教育費の負担軽減に取り組んでいきたいと思います。
そして、地域の人材育成への支援については、高等教育機関、地方公共団体、ここに産業界も加えて、関係者が地域の産業や社会生活基盤を支える人材育成の在り方などについて議論する地域構想推進プラットフォームの構築を推進していく、地方国立大学の地域の人材育成への貢献を促進していく、こういったこともやっていきたいと思います。
さらに、大切だと考えているのが、委員からもどんな家庭に生まれてもというお話がございましたが、未成年期に恵まれた家庭にいた方、恵まれていないような状況にあった方も、大人になってからも社会に出て教育の助けを得て活躍していくことができる、こういったことも、社会の変化が激しい中、大変に重要になってきていると思います。
こんなときも、地域活性化のお話もありましたが、地方の国立大学の資源、リソース、持っている力をそういった社会に出てからの教育という部分でも活用していけるように、最大限活用できるように、文科省としても取り組んでいきたいと思います。
○吉良委員 前向きな答弁をありがとうございます。
私、大学時代にすごくショックだったのは、東京大学に七六年から八〇年にいたんですけれども、何と私が在学中に東京大学の親が慶応大学の親たちよりも豊かに、一番所得が高いということになってしまったんです。私なんかは庶民の家に生まれ育ったので、国立大学というのはそうやって勉強して自分の人生を切り開く、そういう意味では最後のとりでだというように思っていましたので、何かそういう、大学が裕福じゃないと行けないということが私は許せないというか。だから、日本の中で特に国立大学で一定の学力さえ何とか自分で備えていけば無償で大学教育を受けられて、その後の人生を切り開ける、そこを日本の中の、特に地方の活性化という観点も踏まえて残しておくことが大事だということも再度指摘させていただいて、質問を終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時六分散会

