第3号 令和8年4月16日(木曜日)
令和八年四月十六日(木曜日)午前九時十五分開議
出席委員
委員長 丹羽 秀樹君
理事 安藤たかお君 理事 上川 陽子君
理事 斉木 武志君 理事 田畑 裕明君
理事 橋本 岳君 理事 早稲田ゆき君
理事 阿部 司君 理事 日野紗里亜君
畦元 将吾君 石井 拓君
井原 巧君 岩崎 比菜君
尾花 瑛仁君 尾身 朝子君
加藤 貴弘君 川崎ひでと君
繁本 護君 白坂 亜紀君
鈴木 拓海君 高橋 祐介君
谷川 とむ君 田宮 寿人君
辻 秀樹君 辻 由布子君
西野 太亮君 穂坂 泰君
松本 泉君 丸田康一郎君
宮内 秀樹君 山本 裕三君
渡辺 勝幸君 犬飼 明佳君
大森江里子君 山崎 正恭君
原山 大亮君 横田 光弘君
西岡 義高君 谷 浩一郎君
小林 修平君
…………………………………
国務大臣
(デジタル大臣)
(デジタル行財政改革担当) 松本 尚君
国務大臣
(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)
(地方創生担当)
(地域未来戦略担当) 黄川田仁志君
内閣府副大臣 津島 淳君
総務副大臣 高橋 克法君
内閣府大臣政務官 古川 直季君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官) 吉田 宏平君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 岸田里佳子君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 前田 剛志君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 今泉 柔剛君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 金澤 直樹君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 河合 宏一君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 服部 準君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房長) 藤原 朋子君
政府参考人
(こども家庭庁成育局長) 中村 英正君
政府参考人
(こども家庭庁支援局長) 齊藤 馨君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 蓮井 智哉君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 三浦 明君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 荻原 直彦君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 坂越 健一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 今井 裕一君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 江浪 武志君
政府参考人
(厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長) 鷲見 学君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 山本 麻美君
―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
川崎ひでと君 松本 泉君
谷川 とむ君 尾身 朝子君
古井 康介君 白坂 亜紀君
山本 深君 辻 由布子君
高山 聡史君 小林 修平君
同日
辞任 補欠選任
尾身 朝子君 谷川 とむ君
白坂 亜紀君 山本 裕三君
辻 由布子君 岩崎 比菜君
松本 泉君 川崎ひでと君
小林 修平君 高山 聡史君
同日
辞任 補欠選任
岩崎 比菜君 山本 深君
山本 裕三君 渡辺 勝幸君
同日
辞任 補欠選任
渡辺 勝幸君 古井 康介君
―――――――――――――
四月十五日
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第三七号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第三七号)
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件
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○丹羽委員長 これより会議を開きます。
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房デジタル行財政改革会議事務局審議官吉田宏平君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○丹羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。畦元将吾君。
○畦元委員 自由民主党、畦元将吾です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。久しぶりの質疑なので少し緊張しておりますが、よろしくお願いいたします。
大臣所信表明に対する質問を早速、時間も短いので、始めさせていただきます。
まず、地域活性化、子供政策に関連した質問を最初にします。
私の地元世田谷もそうなんですけれども、全国的に、若い方が住み慣れた地域、住みたい地域に住み続けるために、地方創生や地域政策において、若者が楽しく住み続けられる環境整備をどのように位置づけ、具体的にどのような対策を講じていくのか、教えてください。大臣、お願いいたします。
○黄川田国務大臣 地方創生を進めるに当たりましては、若者や女性にも選ばれる地方をつくり、誰もが暮らしたい場所で暮らせるようにしていくことが重要だと考えております。
このため、若者にとって魅力ある職場を創出するため、各地で産業クラスターの形成や地場産業の付加価値向上等を推進することにより、強い地域経済を構築するとともに、地域の公共交通や買物環境の維持、医療提供体制の確保、子育て、教育環境の整備など、若者が安心して暮らせる、暮らし続けられる生活環境の実現等に向けて取組を進めております。
また、こども家庭庁におきましては、今の若者の置かれている状況や課題を把握するための大規模な調査を令和八年中に実施することとしております。地域の実情に応じ、自ら変革に取り組む自治体を支援するとともに、今の若い世代の声にしっかりと耳を傾けた上で若者に対する施策を講じていくことで、若者が暮らしたい場所で暮らし続けられる環境づくりを進めてまいる所存でございます。
○畦元委員 大臣、ありがとうございました。
どこの地域も一緒でしょうが、若い人たちが出ていくとなかなか地域が活性化しないので、どうかよろしくお願いいたします。
では、次の質問ですが、所信表明の中で、いじめ防止や子供の自殺対策を全力で進めていくというお話がありました。そのための実効性の高い、具体的な対応策についてどのようにお考えか、端的にお聞かせください。
○齊藤政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年度のいじめの認知件数や令和七年の子供の自殺者数はいずれも過去最多となっておりまして、対策は喫緊の課題であると認識してございます。
そのため、いじめ対策につきましては、令和五年度から七年度まで実施してきた首長部局によるいじめ解消モデル事業の成果の普及を図るとともに、本年度から、地域の関係機関のネットワーク構築を図り、いじめなど学校に関係する多様な悩みの解消に向けたモデル事業を新たに実施することといたしてございます。
また、自殺対策につきましては、子供が自ら命を絶つことのない社会の実現に向けて、令和五年六月に、自殺予防に資する教育、普及啓発から、早期発見、相談体制の整備や要因分析を含めた自殺予防の対応まで、必要な施策の強化を取りまとめたこどもの自殺対策緊急強化プランや、令和七年九月に、関係省庁、関係機関、団体等の連携、協働の下で連動性を持った施策を推進するために取りまとめたこどもの自殺対策推進パッケージに基づき、総合的な施策の推進に取り組んでいるところでございます。
今後とも、いじめ対策及び子供の自殺対策について、関係省庁が連携をして、政府一丸となって取り組んでまいる所存でございます。
○畦元委員 ありがとうございました。
子供は日本の宝でもありますので、是非よろしくお願いいたします。
次に、デジタル関連ということで、デジタル社会形成に関する質問をさせていただきます。
大臣の所信表明の中で、標準型電子カルテの開発と民間カルテの標準仕様作成の推進とありました。大変な作業になるのではないかと思っております。これはどの程度の期間で実施、完了されるおつもりでしょうか。お願いいたします、大臣。
○松本(尚)国務大臣 おはようございます。
まずは、この電子カルテの問題は、ただの紙で書いているカルテをコンピューター上で書きゃいい、そういう問題ではないんだということです。いまだにそれでいいんだろうと思っているお医者さん方も結構いらっしゃって、ここはしっかりと正していかないとというふうに思っています。
その上で、我々としては、標準型電子カルテの導入版を今年度中に完成をし、そして廉価で提供をしていくというふうに今計画をしております。廉価でということですから、財政当局とも交渉しながら、予算を確保するということも含めて、これから進めてまいりたいと思っています。
もう一点は、民間の電子カルテの標準仕様、これはこれから更新するときとか、もちろん、まだ入っていないところもそういうものを入れていただきたいんですが、当然、クラウドネイティブにしなきゃいけないし、カスタマイズはできないようにしたいというふうに思っています。
そもそも電子カルテの普及が遅れているのは、医師たちがシステムを自分の業務に合わせようとしてカスタマイズを繰り返したことに原因がよくありますから、自分たちの業務をシステムに合わせてくださいということを医療機関側に向けてしっかりと、私が先頭に立ってこれは訴えていきたいと思っています。安藤先生、よろしくお願いします。
その上で、電子カルテを進めるのは、横のつながり、情報を共有するということと、それからセキュリティーをしっかり確保するということ、この二点が非常に重要ですので、今後、医療情報化推進方針というのを決めます。まさに今日も話をするんですが、そういったものの中にしっかりと、今委員御質問のあったように、実施期間とか計画とか、そういったものを入れ込んでいきたいと思います。
いつまでということは、ここでは予断を持ってお答えすることは控えますけれども、しっかりとどこかでお尻を区切って進めるということはお約束したいと思います。ありがとうございます。
○畦元委員 松本大臣、ありがとうございました。私も医療人の端くれとして、是非進めていただきたいと思います。
もう一つ、電子カルテに関連したことなんですが、標準仕様に準拠したシステムに過去のカルテデータを移行する際、経年変化を見たいときのやつですけれども、コストが非常に高くなるのではないかと心配しています。現状でも財政的に苦しい医療機関に過度の負担とならないような施策を政府で準備していただきたいと思います。政府のお考えはいかがでしょうか。データ移行の話です。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、既に電子カルテを導入している医療機関が標準仕様に準拠した電子カルテに切り替える場合、システム間のデータ移行に関するコストが高額になることを懸念する声があることは認識しております。
廉価で導入しやすいクラウドネイティブ型電子カルテへの移行を進めることは、中長期的に医療機関のシステムコストの削減に資するものと考えておりますが、今後、オンプレミス型の電子カルテから標準仕様に準拠したクラウドネイティブ型の電子カルテへの移行を促進していく場合のデータ移行に関するコスト負担の懸念等も踏まえ、本年夏に策定する電子カルテ普及計画の策定に向けた議論の中で、現場の実情に即した取組を検討してまいりたいと考えております。
○畦元委員 よろしくお願いします。
以前、医療の画像をPACSへ移すときに、移すだけで一億円とか八千万円とかって、病院さんがそのメーカーしか買えないというような状況もありましたので、そのようなことがないようによろしくお願いいたします。
では、最後ですが、今年中に政府職員が生成AI環境の「源内」を活用する、非常に積極的な姿勢であることは頼もしく思っております。また、政府職員が使用するということで、信頼できる安全なAIを使うと聞いておりますが、一般の方々からすると、どのようなAIが信頼できて安全であるか理解しにくいと思います。
そこで、信頼できる安全なというのはどういうことなのか、分かりやすく、端的に教えてください。
○蓮井政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、信頼とか安全はAIの利用に際して極めて重要な概念と考えてございます。
どのようなAIが信頼をでき、また安全なのかという点につきまして、例えば、令和六年五月に出ました、OECD閣僚理事会によって示されました人工知能に関する勧告、これはOECD、AI原則というものでございますけれども、こちらでは、包摂的な成長ですとか持続可能な開発により幸福の追求が可能であること、法の支配や人権、民主主義的価値が尊重されていること、三つ目に、その透明性や説明可能性が確保されていること、四つ目に、技術的基盤としてセキュリティーなどが確保されていること、五つ目に、適正にシステムが機能していることへの説明責任が果たされていること、こういった五点が重要だというふうな御指摘をいただいているところでございます。
この勧告でございますとか、さらに、令和五年に立ち上げられた生成AIの国際ルールづくりの枠組みである広島AIプロセス、これの理念を踏まえまして、AIに関する様々な計画あるいはガイドラインが策定されているものと承知をしてございます。
デジタル庁が内製開発を進めてまいりました生成AI利用環境「源内」におきましても、これらの理念などを十分に踏まえながら、信頼や安全を第一に考えたガバメントAIの実現を通じまして、政府内でのAI利活用を加速してまいりたいと考えてございます。
○畦元委員 ありがとうございました。
最後の質問、一つ残ったんですが、申し訳ございません、時間が来ましたので、これで質疑を終わらせてもらいます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、山崎正恭君。
○山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、大変にありがとうございます。
まず初めに、質問に入る前に、京都府南丹市の小学六年生、安達結希さんが亡くなられ、今父親が逮捕されましたけれども、詳細については今後の捜査の進展を見なければなりませんが、こういった痛ましい事件が起きないような社会をつくっていかなければならないなという思いを改めて強くいたしました。安達結希さんの御冥福を心よりお祈りいたします。
それでは、質問に入りたいと思います。
まず初めに、医療DXについてお伺いしたいと思います。
松本大臣は所信表明の中で、マイナ保険証について、マイナ保険証は医療DXの基盤として患者の皆様が健康医療情報に基づくよりよい医療を受けることを可能とするものとおっしゃった上で、マイナ保険証の利用率が昨年十二月時点で六三・二%であるとのお話がございました。
そこで、マイナ保険証の昨年十二月時点の利用率六三・二%、これについて、例えば年代別の利用率はどのようになっているのか、現状をお伺いいたします。
○江浪政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、年代別の利用率ということでございますけれども、マイナ保険証の利用率、直近のデータですと令和八年一月のデータがございまして、六四・六二%ということになっております。この数字は、医療機関等で診療などを行った際に、月ごとに患者さん一人に対して一枚作成されるレセプトの枚数に占めるマイナ保険証の利用人数の割合というものでございます。
この利用率を年齢別に集計したデータというのは実はないということでございますけれども、別のデータにはなりますが、オンライン資格確認の件数に占めるマイナ保険証の利用件数の状況というものを年齢別に見ますと、直近では、全年齢を通じて利用状況の底上げが見られる中、六十五歳から七十四歳までの利用状況は高い一方で、七十五歳以上の後期高齢者の利用状況は低くなっているという状況であるということでございます。
○山崎委員 まだ六割強にとどまっている要因と今後の具体的な促進策についてお伺いします。
○江浪政府参考人 マイナ保険証の利用率の今の状況についての要因ということでございます。
国民全体でのマイナンバーカードの保有状況は約八割ということでございまして、そのうち九割の方がマイナ保険証の利用登録をしていただいているという状況でございますので、マイナ保険証を、お持ちの方には一定程度御利用いただいている状況であるというふうに受け止めております。
マイナ保険証を御利用いただけていない方に御利用いただくための課題といたしましては、マイナ保険証のメリットについて御理解をいただきまして、その利便性を実感いただくということが十分行き届いているのかということや、マイナンバーカードの安全性への不満を解消することが十分できているのかといったようなことがあるというふうに考えてございます。
○山崎委員 ありがとうございます。私の問題意識と現状等、大体、ほぼ一緒かなと思いました。
これについては、医師や薬局の経営者の皆さんなど現場の方の話を聞くと、やはり高齢者の方の中で使っていない場合が多いということが多く聞かれます。やはり五十代以上になると一定割合苦手な人たちがいて、その人たちは、苦手意識が強いがゆえに、なかなか使おうとしないというふうな声が多く聞かれます。
そこで、対策としての一つは、今、実際に島根県の出雲市の方でオンライン診療等に取り組んでいる皆さんが行われている出雲モデルというものがありまして、例えば、そういったデジタルが苦手な高齢者の方に対するマイナ保険証の、先ほどありました使い方やメリットについて、薬局の皆様方にその役割を担っていただいて、講習といいますか説明を行っているようです。
そこで、少し話が違うように聞こえるかもしれませんが、実は、私の母が今年の一月、七十八歳の誕生日に運転免許証を返納しました。それに伴い、私は平日、ふだんは東京ですし、妻も仕事をしておりまして、病院が遠いのと、股関節が悪く、歩行が大変困難ですので、どうしようかなと思っていたときに、先ほどの島根県出雲市のオンライン診療に行き着きました。家で診てもらえますし、薬も送ってもらえるということで、何より、歩行が困難な母にとっては、移動がないため、これなら大丈夫そうだと思い、使ってみようということになりました。
まず最初は、私のiPadで、横に誰か家族がついてオンライン診察をしてもらっていましたが、実は、操作自体はそんなに難しくないんです。事前に家族が母の都合を聞いて予約さえしておけば、当日は、パッド上のmelmoというアプリをぷっと押して、そうすると病院名と予約時間が書かれた画面が出てくるので、あとは診察室へ入室というボタンを押すという、ごくごく簡単な作業なんです。
そこで、私は、こんな簡単な作業なら母だけでもできると思いまして、実は、先週の金曜日、母の電話は長年ガラケーだったんですけれども、スマホに替えました。オンライン診療とともに、私の子供からしたら、僕の息子ですね、県外にいるものですから、LINEのビデオ通話もできるよとか母に言って、よかれと思ってそうしたんですけれども。
それが実は大変なことになっていまして、実際には、まず手がかさかさでスマホが反応しないんです。電話が取れないんです。そこで、困ったと思って急ぎ百均に行きまして、ゴムタッチペンを買ってきました。これでいけると思ったら、次は、電話をかけるために、一通り、この画面が出て、ここを押してと言うんですけれども、電話を持っている左手で余計なところを触るんです。持ち慣れていないのもあるんですけれども。そうすると、全く違う、関係ない画面が出てくるので、そういった場面に対応できないんです。
本当によかれと思ってやったんですけれども、現段階の母にとっては大変に迷惑な話で、こういったDXが苦手な高齢者の実情が分かるというか、今、絶賛、私はそれを進行中で実感をしておるところでございます。
済みません、失敗談が長くなりましたけれども、そういった場合の対応を、実は、先ほどの出雲モデルなんかでは、訪問介護や訪問看護に来た際に、その職員の方がオンライン診療のサポートを行っているという、そういったお取組をしているようです。訪問介護をしている人たちにとっても、利用者がそうやって病院とつながっていることには、安心につながりますし、訪問介護や訪問看護の職員さんという今ある資源を活用しながら高齢者のDX支援をサポートしていく取組をされております。
そこで、これから医師不足や、私の母のような移動手段が困難な高齢者の場合にはオンライン診療等が有効な資源になってくると思うんですけれども、先ほど言ったような、なかなか苦手な人にとっては、そういった、先ほど言いました訪問介護の職員さんといった今の資源などを活用していく、この出雲モデルのような取組は非常に有益だと考えるんですけれども、よかったら、大臣、所見をお伺いできたらと思いますが、よろしくお願いします。
○松本(尚)国務大臣 山崎委員の御苦労を聞いていますと、ここにいる、私も含めて、今、皆、笑っているんですけれども、あと三十年もすると同じ目に遭っていないかと、注意をしなきゃいけないなと思います。
さて、今のお話ですけれども、おっしゃるとおり、高齢者の方々のマイナ保険証の利用率は非常に低いです。今、厚労省、はっきり数字は出しませんでしたけれども、平均的に五〇%を超えているんですが、七十五歳以上になりますと四〇%ぐらいになってしまいます。理由は、マイナカードの保有率は八〇%を超えていますので、この世代も、恐らくマイナ保険証とまたもう一つ、別の理由で本人確認をしているんだろうと思います。
本人確認が確実であるということは、成り済ましの防止とか、あるいは情報の確実な引き出しに役に立つということは、しっかりとまだ高齢者の方々にも言っていかなきゃいけないと思いますし、今委員御指摘のとおり、オンライン診療になりますとますます本人確認が大事になりますので、その点については、今お話のありました介護や福祉事業者の団体にも、マイナ保険証を使ってアクセスをしていただけるようにサポートしてほしいといった内容のことをしっかりと周知をして、高齢者の方々の支援というのをやってまいりたいと思います。
ありがとうございます。
○山崎委員 大臣、丁寧な御答弁ありがとうございました。
やはり最初の頃は、病院とか薬局を経営している僕の友人なんかは言っていましたけれども、やはりマイナ保険証というと、面倒くさいとか、もうこんな一々とか怒り出すので、余り薬局側も病院側も勧めていない現状があったので、最近は、慣れてくるともう本当にスムーズにやっていると思いますので、やはり最初の丁寧な説明が大事だと思いますので、またよろしくお願いします。
次に、防災DXに関連した質問を行います。
昨年から、定量的弱部分析といって、防災庁が担う役割の一つとして、南海トラフ地震などの大規模災害を想定し、どの地域、どの分野のどこがどれぐらいもろいかを数値シミュレーションであぶり出すための新しい評価取組がスタートしています。被害想定の高精度化と災害リスク評価の手法を整理、高度化して、地域ごとのボトルネックを定量的に示せるようにすることが、非常にこれが中心の内容になっています。
防災庁が中心となり、国、都道府県が連携して、南海トラフ地震等のシナリオに基づくマクロな被害シミュレーションを行い、その結果を地域の計画、対策に反映させるというのが目的だというふうに思います。
具体的には、地震や津波シナリオ、人口、建物分析、震度、浸水、負傷者数、道路、医療、ライフライン機能などをモデルとして計算し、そして、この地区には負傷者に対して搬送能力が不足している、この地域は孤立リスクが高いといった弱部を数値として可視化していきます。
これは本当にすばらしい取組だと思います。例えば高知県なんかは元々、応急期機能配置計画というのを作っておりまして、一定弱部についてのデータが最初から出ておりまして、これを弱部分析していきますと、実際には弱部分析されたデータと地域資源の実態との乖離が大きい例なんかが既に出てきています。
例えば、ある人口規模の自治体では、南海トラフ発生時には、その被災者の状況から、救急車が七台必要と弱部分析であぶり出されても、実際にはふだんは救急車が二台しかなかったり、救急隊も七台分対応できない、人が対応できないといったことが想定されています。
そこで、そういった場合などは、やはり公助に頼るだけでは無理で、自助、共助が非常に重要であると思います。なので、極端な話かもしれないんですけれども、大規模災害時に限っては、超法規的に、例えば救急車を事前に地域で登録していた人が運転する、そして後ろには地域にいる看護師や元看護師が乗るといった運用でも、必要ではないかというふうに思います。当然、すぐにと言われても、救急車を運転したり後ろで医療機材を使えないので、日頃からの訓練も重要になってくることが想定されます。
しかし、そういった対応を考えないと、せっかく弱部分析でもろい部分が判明しているのに、対応は考えられていませんでした、結果、何もできませんでしたというふうになってはいけないと思いますので、そういった日頃からの自助、共助における地域資源の掘り起こしや訓練を行っていくことが、弱部分析を本当に生かすことになり、国民の皆様の命と生活を守る上で必要だと考えますが、定量的弱部分析の概要と今後の取組についてお伺いいたします。
○河合政府参考人 お答えいたします。
南海トラフ地震などの大規模災害が発生した際に、できる限り被害を防止、軽減するためには、地域レベルで科学的シミュレーションに基づいた災害リスク評価を行い、それを踏まえた事前防災対策を着実に講じていくことが重要です。
災害リスク評価の具体的な手法については現在検討中ですが、例えば、地震発生時に想定される負傷者数等を算出した上で、救出活動や救急搬送の体制が十分かなどについて具体的かつ分野横断的なシミュレーションを行うことにより、必要な機能や資機材の不足などを定量的に把握することなどを考えております。
その上で、明らかになった課題への対応策の検討に当たっては、委員御指摘のとおり、公助には限界があることから、地域の実情に応じた創意工夫や住民による自助、共助の促進など、各地域で必要な対策について議論し、より実効性の高い事前対策につなげることが必要だと考えております。
今後、防災庁において、このような取組が各地で進むよう支援してまいります。
○山崎委員 何度も言いますけれども、この弱部分析は非常にすばらしい取組なので、対応までセットで考えていけるようなまた取組を省庁を超えて是非やっていけたらと思いますので、よろしくお願いします。
次に、AIについてお伺いします。
AIについては、先日の所信表明の中でも、今年度中に十八万人の政府職員の皆さんが「源内」を利用可能とするなどのお話がありましたが、私たちの身近なところでも、昨年から今年にかけて大きくAIがふだん使いされるようになったなという実感を持っておりますが、今日はフィジカルAIについてお伺いしたいと思います。
フィジカルAIは、現実世界をセンサーで理解し、自分で判断してロボットや機械を動かすAIのことで、まずカメラや各種センサーで周囲の状況を見る、感じる。AIがその情報を基に状況を理解して、何をすべきか考える。ロボットや車両、機器などの体に当たる部分を動かして、現実世界でタスクをこなす。生成AIが頭だけのAIだとすれば、フィジカルは頭と体を併せ持ち、現場で自律的に動くAIというふうに言われています。
実は、かなりここは日本が有利な分野と言われており、生成AI、頭脳では日本はアメリカや中国に後れを取ったと言われる中、AI分野における逆転できる領域と言われています。といいますのも、日本の産業用ロボットの世界シェアは約四〇%から五〇%と言われ、ファナックや安川電機、川崎重工さんなど主要企業がその分野で強みを生かしています。そういった意味で、日本は既に動くAIの体を持っています。
フィジカルAIの本質はリアル環境での学習データと言われ、日本は製造業や物流業や品質管理等で現場データが圧倒的に強く、ロボット開発にはその強みがあると言われています。
そこで、高市総理も本年の年頭記者会見で、フィジカルAIで日本は世界に打って出ると言われ、取組が更に強化されていくと認識していますが、フィジカルAIに対する政府の現段階の認識と今後の取組についてお伺いしたいと思います。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の、AIが現実世界を理解して行動を生成することで物理的タスクを遂行するフィジカルAI、これは日本が持ちます世界に誇れる製造業等の現場に蓄積されたデータ、それと産業用ロボットなどの技術基盤が生かせる領域であり、日本の勝ち筋だと考えています。
まず、フィジカルAIの実現に不可欠なデータ、これをデータセットとして整備を進めます。それとともに、こうしたデータを活用してフィジカルAIモデルを開発する取組であって、AIロボットとしてハードウェアの開発も一体として行う取組、これに対する支援を事業として開始します。
こうしたフィジカルAIを活用したAIロボットを様々な分野で実装していくために、先般、AIロボティクス戦略を取りまとめて公表したところでもあります。当該戦略では、国土交通省とか農林水産省とかそういったいわゆる事業分野、これを担っている各省庁とも連携して、各分野での実装ロードマップをまとめておりまして、具体的にAIロボットが実装されていくということを推進していきたいというふうに考えています。
○山崎委員 ありがとうございます。
どうして私がこういうふうな話をしているかというと、実は地元が高知なんですけれども、今本当に農業人口が減っていまして、例えば特産物のユズなんかも、それをちぎってくれる人たちがいないということで。何年か前に農研機構に行きまして、スマート農業とかロボット開発をやっているんですけれども、スマート農業の方はデータ化とか様々、非常に進展を大きく感じるんですけれども、ロボット技術に関してはまだまだこれからですというふうに言っていました。やはり複雑な作業なのでということだったんですけれども。
是非、早い段階で、こういった複雑な作業も可能とするこの分野のフィジカルAIの進展に期待をして、今日の質問をさせていただきました。取組の強化を是非お願いしたいと思います。
続きまして、最近、インターネットやSNS上での匿名投稿による被害の相談が私のところに多くなってきました。これは子供、大人も問わずに多くなってきたんですけれども、今日は子供に特化してお伺いします。
現状、インターネットやSNS上の匿名投稿による誹謗中傷により子供たちが不登校や引きこもりになっているとの相談が多いんですけれども、これの現状についてお伺いしたいと思います。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。
文部科学省におきましては、例えば、いじめの重大事態において、SNSでの匿名の誹謗中傷によって不登校や欠席増加に陥った事例を把握しているところでございまして、そうした事例が発生しているということにつきましては大変深刻な問題であると考えております。
このため、文部科学省では、関係省庁とも連携の上、不登校の要因になり得るインターネット上の誹謗中傷の防止に向けて、インターネットの適切な利用に関する教育、啓発や情報モラル教育の推進に取り組むとともに、被害を受けた児童生徒やいじめを発見した児童生徒が声を上げやすい環境を整備するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、SNS等を活用した相談体制の充実等に取り組んでおります。
あわせて、学校が法務局や警察等の関係機関と速やかに連携が取れるよう、相談窓口等の周知を行っているところであり、引き続き、こうした取組を通じて、インターネット上の誹謗中傷への対応に努めてまいりたいと考えております。
○山崎委員 ありがとうございます。
この分野、これからも、今の状況のままだと、ますます相談が増えてくると思いますので、問題行動等調査でもこれが分かるようなまた工夫も必要ではないかなというふうに思います。
ちょっと古いデータですけれども、東京都の教育委員会が行った調査では約一五%がネット掲示板やSNSに悪口や個人情報を書かれた経験があると回答していたり、総務省の資料ではSNS利用者全体の約八・九%が誹謗中傷の経験があると言われております。
そこで、子供たちが安全に安心してインターネットを利用できる環境整備について、今後の取組、どのようにされていくのかということを黄川田大臣にお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 こども家庭庁でも、令和七年度に青少年のインターネット利用環境実態調査を実施しました。インターネット上の経験として、例えば、悪口や嫌がらせのメッセージやメールを送られたり、書き込みをされたことがあると答えた人は五・五%でございました。
議員の御懸念の匿名投稿による誹謗中傷を含めて、子供を取り巻くリスクが多様化しているということ、これを踏まえまして、私どもも、青少年が安全に安心してインターネットを活用できる環境の整備は急務であるというふうに思っております。
こども家庭庁としては、本年一月に有識者会議を設置いたしまして、青少年が年齢や発達段階に応じて安全に安心してインターネットが利用できるよう、より幅の広いステークホルダーが青少年の保護について具体的な方策を講ずることや、青少年自身がリテラシーを底上げすることなどについて検討を進めているところでございます。
引き続き、こども家庭庁が司令塔となりまして、関係府省庁とも連携しながら、子供を守るために必要な取組をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○山崎委員 済みません、最後に。
実は、黄川田大臣は、所信表明の中で、安心して暮らし続けられる生活環境の実現に向け、地域の公共交通や買物環境、医療体制の維持、確保に取り組むと言われていました。
これで、実は、地元の方で今非常に大きな問題になっているのが、人口減少に伴って様々な問題があるんですけれども、やはり、透析患者の皆さん方が、身近にそういった医療機関がなくて、実際には住んでいるところから百キロ近く離れた病院が患者の送迎を行いながら透析治療を続けているというふうな現状があります。病院の方は、患者も減り、燃料高もあって、実際には赤字で行っているという状況があるんですけれども、その方の命に関わることなので止めることができずに、苦しい病院経営となっています。
なので、ここの部分、安心して暮らし続けられる生活環境を実現していくためには、やはり、各省庁を始め自治体等が緊密に連携して、例えば、先ほど言ったようなオンライン医療でやれるような部分とか買物とかは訪問してもらうとかでいいと思うんですけれども、医療、透析など、どうしても行かなければならない部分は残ると思うんですけれども、そういったところに絞ってしっかりと支援をしていく。それをやはりしっかりとどこかが絵を描いて、各省庁横断でやっていってもらわないと、命に関わる問題もありますので、そういった取組、施策を動員して、知恵を絞ってやっていっていただきたいと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 委員御指摘のとおり、地方創生の基盤であります地域交通、これは非常に私は重要であるというふうに思っております。自動運転、またライドシェア、またタクシーチケット、いろいろな方法があると思いますが、地域交通のリデザインを展開していく必要があると思っておりまして、医療アクセスの確保を含めて、地域の暮らし、経済を支えていく重要な基盤であります。
地域未来戦略担当大臣としては、関係省庁とも連携して、この医療MaaS、また郵便局等を活用したオンライン診療等により、中山間、人口減少地域を含めて、全ての地域、全ての世代の方々が必要な医療を受けながら生活できるようにする取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
○山崎委員 ありがとうございました。
済みません、一問残りましたけれども、次の機会にしたいと思います。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、大森江里子君。
○大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まずは、子供の貧困対策について質問をさせていただきます。
昨年十月、公益財団法人あすのば、認定NPO法人キッズドア、しんぐるまざあず・ふぉーらむ、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンといった現場の最前線で子供たちを支える団体の皆様から切実な御要望をお伺いいたしました。
私自身、経済的に厳しい母子家庭で育った当事者の一人でございます。周りの方たちの温かい励ましや支援に助けられてきた経験があり、今でもその方たちへの感謝の思いを持ち続けております。誰もがひとしく夢を描ける社会にしたいという痛切な思いから、子どもの貧困対策推進議員連盟にも加わり、この問題に取り組んでおります。昨日の議連でも直接当事者の皆様のお声を聞かせていただきました。全ての子供の尊厳、権利を守っていきたい、その思いでいっぱいでございますが、ここで一つ、別の視点を共有させていただきたいと思います。
二〇一六年に発刊された「徹底調査 子供の貧困が日本を滅ぼす」という書籍において、極めて重要な問題提議がなされています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平氏と日本財団が共同で行った調査の結果でございます。
この調査が示唆しているのは、子供の貧困を放置することは、単に個々の家庭の困窮にとどまらず、例えば教育機会の喪失によって子供たちの豊かな才能や可能性が摘み取られることもあり、場合によっては将来の所得形成が阻害され、結果として日本全体の経済基盤を揺るがすことが考えられるということでございます。また、自立への道が閉ざされることで、公的な支援を必要とする状況に追い込まれてしまうという構造的な課題も浮き彫りになっています。同調査の推計によれば、子供の貧困を放置した場合、将来的に失われる所得は四十二・九兆円、財政収入への影響は十五・九兆円に上ると試算されています。
子供の貧困は、憲法と国際条約が保障する子供の人権そのものの侵害であると思います。子供たちの育ちを支えることは、何よりもまず、その子供たちの尊厳を守ることであり、同時に、我が国の持続可能性を確かなものにするための未来への投資であると確信をしております。
初めに、子供たちの可能性を社会全体で最大化させていくことが結果として強靱な社会基盤をつくることにつながるのだと考えますが、政府は、この調査が指摘するような現状についてどのような認識をお持ちか、政府の現状認識をお伺いをいたします。
○黄川田国務大臣 子供の貧困については、決して放置してはならない課題だというふうに認識しております。そして、子供貧困対策、これを総合的に推進してきた中で、子供の相対的貧困率などについても一定の改善が見られていることは承知しております。
一方で、一人親世帯について、相対的貧困率が依然として高い、また養育費の受領率も低い、そういう問題点も認識しているところでございます。生活保護世帯などの子供の大学進学率も改善は見られておりますが、やはり全体でも低い進学率となっております。これなど、いまだ困難な状況に置かれている子供や家庭があることも認識しておりまして、私としても非常に憂慮しております。
こども大綱におきましては「貧困と格差はこどもやその家族の幸せな状態を損ね、人生における選択可能性を制約し、ひいては社会の安定と持続性の低下にもつながる。」とされておりまして、貧困と格差の解消を図ることは全ての子供政策の基盤と位置づけておりまして、関係省庁とも連携して、子供の貧困対策を総合的に推進してきたところでございます。
引き続き、政府を挙げて子供の貧困対策に取り組んでまいる所存でございます。
○大森委員 ありがとうございます。
先ほど挙げたデータは十年前のものでございますが、この調査が警鐘を鳴らした構造的な課題というのは残念ながら現在も引き続き残されています。しかし、これは、裏を返せば伸び代であるとも思っております。今、私たちが子供の貧困対策に不退転の決意で取り組めば、子供たちが本来持っている無限の可能性を開いて、希望ある未来を開いていけると思っております。子供たちの育ちを支えることは、単なる福祉の枠を超えて、日本社会の根幹を強くする、極めて意義深く大切な施策であると考えております。そして、何より、それは数値化できない子供一人一人の人生への希望をともす取組にほかなりません。
続きましての質問でございますが、先ほども少しお話しいただきましたが、高市内閣の発足後、総理が黄川田大臣に宛てた指示書におきまして、関係大臣と協力して、子供の貧困対策や児童虐待対策等を推進すると明記されたことを、私は心から歓迎をし、強く期待をしております。
この総理からの御指示に対して、大臣は今後どのような政策を進めていかれるおつもりか、大臣の御決意とともに、具体的な施策をお伺いをさせていただきます。
○黄川田国務大臣 先ほどもお話ししましたが、子供の貧困を解消すること、これは極めて重要な課題であると認識しております。
そして、貧困対策を、先ほども述べましたが、これまで総合的に推進してきたところでありますが、さらに、こども家庭庁の令和八年度の予算においては、一人親家庭や低所得者層の子育て家庭の子供の体験機会、学習支援の拡充、また長期休暇などの集中的な食事等の支援を創設することとしております。また、食料などの配付とともに、更なる相談支援とつなぐアウトリーチ支援の創設なども盛り込んでおります。
引き続き、これらの施策を進めて、子供の貧困に対する対策を進めてまいりたいと考えております。
○大森委員 ありがとうございます。
今お示しくださった具体的な施策につきまして、実効ある予算と結びつけていくために、私たちも建設的な議論で後押しをさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、経済的に困窮している世帯の子供たちの生活実態について質問をさせていただきます。
現下の物価高騰、特に食料品やエネルギー価格の高騰は、一人親家庭を始めとする低所得の子育て世帯に追い打ちをかけて、今や子供たちの安全、そして命の危機とも言える深刻な状況を招いております。低所得子育て世帯の親子の命を守ることは政治の最優先事項であると思っております。政府が掲げるこどもまんなか社会の実効性を今こそ示すべく、物価高騰対策として、児童扶養手当や児童手当の上乗せ加算といった生活の根底を支える緊急支援を強く要望をいたします。
その上で、まず、児童扶養手当の算定根拠についてお伺いをいたします。
○齊藤政府参考人 お答え申し上げます。
児童扶養手当は、昭和三十六年に国民皆年金制度ができた際に、死別の母子に対して支給されていた母子福祉年金を補完する制度として発足しており、同制度と並びを取りながら額を設定しておりました。昭和六十年の年金制度改正により、母子福祉年金は拠出制の年金に切り替わり、遺族基礎年金に吸収、統合されましたが、児童扶養手当につきましては、母子家庭の生活の安定と自立の促進を通じて児童の健全育成を図る福祉の制度と位置づけられたところでございます。
その後、児童扶養手当の額につきましては、消費者物価指数の変動や給付を賄うための財源といった種々の要素を踏まえて順次拡充を図っており、現在の支給額となったところでございます。
○大森委員 ありがとうございました。
緊急支援というのは、子供たちの命を救うための一刻を争う決断でございます。これらの緊急支援につきまして、大臣のお考えをお伺いをいたします。
○黄川田国務大臣 物価高における低所得の子育て世帯への支援については、議員が所属している子どもの貧困対策推進議員連盟と公益財団法人のあすのばを始めとする支援団体の皆様の連名で、昨年八月に要望書をいただいたと承知しております。
足下の物価高への対応としては、政府として、一世帯当たり標準的に年間八万円を超える支援などを盛り込んだ経済対策や令和七年度補正予算を、着実かつ迅速な執行を行っており、そのうち、こども家庭庁としては、低所得子育て世帯を含む全ての子育て世帯に対しまして、ゼロ歳から高校生年代の子供一人当たり二万円を給付する物価高対応子育て応援手当による支援を行っているところでございます。
また、物価高対応子育て応援手当と併せまして、低所得子育て世帯への支援として、地方自治体における集中的な相談への支援、また長期休暇中の集中的な食事等の支援の創設、重点支援地方交付金での支援の促進なども行っております。
これら多面的な支援を通じまして、様々な貧困また低所得子育て世帯にしっかりとこの支援が届けられるよう、地方自治体とも連携して取組を進めてまいるという考えでございます。
○大森委員 ありがとうございます。
今の物価高でございますが、急激に進んでおりますので、本当に、その急騰に沿うように、是非ともこの緊急支援ということを前向きに御検討をいただきたいと思っております。
冒頭に御紹介しました公益財団法人あすのばが、住民税非課税・生活保護世帯における入学・新生活の費用負担に関する実態調査報告書というのを公表されました。内容は、二〇二五年春の入学、新生活を迎えられた方への調査の結果でございます。この調査は、同法人が事業として実施しているあすのば入学・新生活応援給付金の支給を受けている住民税非課税世帯、生活保護世帯の受給者二千二百四十八人を対象に実施したアンケートでございまして、回収率は約三六%です。それによりますと、高校生等奨学給付金の支給時期が遅いというふうに回答された方が七一・三%、入学前の支給があったら利用したいとお答えになった方が八七・六%ということでございました。
学用品の備品化や学校指定を外すという動きも広がっていると認識をしておりますが、各自治体の取組の見える化というのも大きな推進力になると感じております。
このような実態について、今後どのように対処していかれるのか、文部科学省にお伺いをいたします。
○今井政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十六年度に創設した高校生等奨学給付金は学用品など授業料以外の教育費を支援するものであり、その支給方法は、当年度の課税証明書等に基づき七月時点の状況で審査を行い、十月以降に年額を一括する仕組みとなっております。
一方で、議員御指摘のとおり、高校入学に際して、制服代や教科書、教材費などの準備費用が、特に低所得者世帯では大きな家計負担になっている状況に鑑み、制度改正を行い、令和二年度からは、奨学金の一部を七月に早期支給できる仕組みを導入したところであります。
さらに、現在、文部科学省では、この奨学給付金についてオンライン申請が可能となるようシステムの導入に向けて検討を進めているところであり、その中で、申請手続、事務の効率化を図ることを通じて支給時期の更なる早期化が可能となるよう取り組むこととしております。
なお、文科省では、こうした取組に加えて、教育委員会に対しては、小中高を通じて学用品等の購入に関する経済的負担が過重にならないよう留意するとともに、各自治体や学校で取り組まれている好事例を収集、情報提供することで、学用品等に係る負担軽減が図られるよう働きかけているところでございます。また、令和七年度補正予算における物価高騰を踏まえた重点支援地方交付金の一部を活用いただくことも併せて周知をしております。
文科省としては、こうした支援を、必要とする世帯に確実に行き届くよう、引き続き、都道府県や市町村としっかり連携をしながら、教育に係る経済的な負担軽減に取り組んでまいりたいと考えております。
○大森委員 ありがとうございました。
今、様々私も現場を回らせていただいておりまして、切実なお声を聞かせていただいているところでございます。子供たちの未来のために政治ができることということはまだまだあるというふうに実感をしておりますので、この問題に関しましては、私も引き続き真剣に取り組んでいく決意でございますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、新生児マススクリーニング検査、いわゆる先天性代謝異常等検査について質問をいたします。
新生児マススクリーニング検査は、様々な先天性代謝異常症等を発症前に発見をし、生後早期に治療し、生活指導等につなげることを目的とした検査で、一九七七年に始まり、現在、国の指導の下に、都道府県や政令市において、全ての新生児に対して二十疾患を対象に実施をされています。これに加えて、こども家庭庁の実証事業として、都道府県、指定都市において、二疾患のマススクリーニング検査をモデル的に実施をしていると承知をしております。
さらに、拡大新生児マススクリーニング検査として、検査を希望する新生児を対象に、先ほど述べた二十疾患に加えて、最大で九つの疾患を検査対象にして、検査費用は原則自己負担で実施している自治体もあります。中でも、群馬県と沖縄県は、この九疾患を対象に、全額公費負担となっています。
今述べたように、子供の出生時において、新生児マススクリーニング検査に地域格差があり、検査や早期治療が受けられない地域があり、救える命に差が出ています。この点について、こども家庭庁の現状認識と今後の方向性をお伺いをいたします。
また、併せて次の質問も一緒に。二十疾患の新生児マススクリーニングの検査、年間何人ぐらいの新生児が受けているのかというのもお伺いをしたいと思っております。そのうち、拡大新生児マススクリーニング検査は、新生児のうち、全国で何人のお子さんが受けているのかもお示しください。お願いいたします。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
御質問いただいた数字の方からお答え申し上げます。
新生児マススクリーニング検査でございますけれども、令和六年度において全国で七十万八千三百七人の方が受けているものでございます。
拡大の方でございますけれども、拡大については、御質問の中にありましたけれども、これは自治体が独自に実施しているものでもございますので、当方においては数字は把握しておりませんけれども、御指摘いただいた、今実証事業をしている二疾患につきましては、令和六年度の検査実施人数は三十七万七千三百十四名ということでございます。
戻りまして、現在の状況でございます。
大森委員御指摘のように、新生児マススクリーニングは、新生児の時点で、その血液を用いて異常を早期に発見することで、きちんと育っていただくということで、非常に重要な施策だというふうに考えております。昭和五十二年にスタートしたときには五疾患でございましたけれども、二十疾患まで、いろいろサポートもいただいて、そして全ての都道府県及び指定都市において実施しているところでございます。
その上で、二疾患について今実証事業をしているものでございますけれども、それに加えまして、御指摘のように各自治体で独自に実施しているものはございます。ただ、それはそれで非常に我々知見をまたいただきたいと思っておりますけれども、これを全国ベースでやるかどうかにつきましては、これは新生児に係る検査ですので、やはり専門家のきちんとした合意を経てやっていきたいと思っておりますので、是非、今、群馬、沖縄等々等々、実施しているところがございますので、そういったデータを基にしながら一歩一歩進めていきたいというふうに考えております。
○大森委員 ありがとうございました。
先ほど触れました、都道府県、指定都市におきましてモデル的に実施されている二疾患のマススクリーニング検査について、今後、現行の二十疾患に加えられる見通しについて、時期を含めてお伺いをいたします。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
今行っている二疾患と申しますのは、ちょっと専門的になりますが、免疫不全の関係のSCIDという話と、あとは筋萎縮をしてしまうSMAというものでございますけれども、現在、参加自治体でございますけれども、令和五年は二十一、令和六年は三十八、令和七年は五十八でございます。全部が都道府県と二十の都市でございますので、かなり多くの都市で、今、体制の整備が着実に進んでいるものと認識しております。その上で、令和八年度でもきちんと科学的知見の蓄積を進めてまいりたいと思っています。
この二疾患については、先ほど申し上げたように、専門家のきちんとした御知見をいただいて合意が得られ、体制の確保が得られ次第、可能な限り早期に全国展開を目指していきたいというふうに考えております。
○大森委員 ありがとうございます。
先ほど述べました地域格差、医療アクセスの偏在を早期に解決すべきであると思っております。万が一、難病を持って生まれたお子さんたちに、ひとしく早期発見、早期治療の機会を提供できるよう、国の責任において取り組むことが重要であると思います。
二〇二四年と二〇二五年のいわゆる骨太の方針にも、新生児マススクリーニングを推進すると書かれています。しかし、現状は地方交付税措置による施策であって、法的に位置づけられた施策ではありません。政策が、単なる方針や通知にとどまらず、法律になることで、政策の継続性、すなわち、政権が替わっても法律を改正、廃止しない限り、政策は維持されていきます。政策が行政の裁量だけで運用されるのではなく、法文に基づいて誰に対しても平等にルールが適用されることが保障されます。
公費負担対象の疾患の追加を始め、新生児マススクリーニング事業を母子保健法に明確に位置づけるべきだと考えておりますが、黄川田大臣のお考えをお聞かせ願います。
○黄川田国務大臣 この新生児マススクリーニング検査、これは非常に大切だと思っておりまして、疾患等を早期に発見し、早期治療や生活指導につなげることで劇的な改善が見られる、そういう疾患もあるというふうに承知をしているところでございます。
議員御指摘のとおり、この検査に当たっては、法律上の具体的な規定があるものではございませんが、今、現状として、全ての自治体において国が通知してお示ししている二十疾患を対象として実施していただいております。
こども家庭庁としては、先ほど例示された二疾患、この対象疾患の拡大に向けて、事業の安定的な実施の観点も踏まえつつ、実証事業や研究をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
○大森委員 ありがとうございました。
見つかっても治せない時代から早く見つければ治せる時代に変わったからこそ、スクリーニングの網を広げていくということは、社会的な損失を減らして子供の未来を守ることに直結すると思いますので、今後とも政府の積極的な取組をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、早稲田ゆき君。
○早稲田委員 中道の早稲田ゆきでございます。
私も、今日は子供政策を黄川田大臣中心にお尋ねをしてまいりたいと思います。
先ほど来、大森江里子委員の方からも様々、子供の貧困に対する質問がございました。私も同じく、超党派の子供貧困対策推進議連のメンバーとしてお聞きをしたいと思います。
まず、児童扶養手当の拡充についてであります。一人親世帯に対する児童扶養手当、これは前年の所得によりいろいろ変わってくるわけなんですけれども、こちらは二〇二四年の十一月に引上げをしてあります。全部支給の場合は百六十万から百九十万円、それからまた、この児童扶養手当の一部支給の所得制限についてですけれども、一部の場合は二十万円上がって、収入ベースで三百八十五万円になりました。
しかし、非常に賃金も上がっております。それからまた、一人親の家庭のシングルマザーの方々が広くお勤めをされている介護とか保育、そうした現場でも、まだ格差はございますけれども、全産業と比べればですけれども、そこも上がっているわけなんです。それに加えて、また人手不足もそのまま改善はされておりません。
こうした中で、一生懸命働いているけれども所得制限にかかってしまうから少しセーブしようとか、それから、子供に夜間なども我慢をさせているということもあり少し意欲が低下をしてしまう、それからまた、これだったら行政のいろいろなサービスが所得制限にかかって受けられなくなると、行政サービス、医療費助成など、そういうものも受けられなくなるとか、条件がいろいろ、児童扶養手当の受給と、条件になっているので、受けられるように働き控えをしてしまうというようなケースが多々あるようでございます。その中で最低賃金も上がっております。
それからまた、この中東の緊迫化した状況で物価高騰が今後も続いていくのではないかという見通しもありますから、しっかりとこの働き控えをなくす。特に保育、介護などの労働力不足に輪をかけないように、児童扶養手当の所得制限を緩和して、資料の一を御覧ください、壁となっておりますけれども、本当にこれが壁になってしまっておりますので、私としては、高校生の奨学給付金の所得制限であります四百九十万円までに引き上げるべきではないかと考えますが、大臣の御見解を伺います。
○黄川田国務大臣 児童扶養手当については、こども未来戦略に基づきまして、今早稲田議員が御紹介していただきましたが、一部支給の対象となる所得制限の限度額の引上げや、また多子加算の増額といった拡充を令和六年十一月支給分から行ったところでございます。
また、骨太の方針、これも言及されていただきました。この骨太の方針も踏まえまして、更に所得制限の限度額の引上げについては、今年度実施します全国ひとり親世帯等調査において把握される一人親世帯の収入や家計の状況などを踏まえつつ、加速化プラン全体の施行の効果を検証しまして、必要な改善を図っていきたいというふうに考えております。
多面的な観点から様々な形で検討していきたいというふうに考えております。
○早稲田委員 多面的な観点からと言っていただきましたが、これはいろいろな、物価高騰、それからまた最低賃金も上がっているというような中で、非常にこの所得制限というものが重くのしかかっている御家庭が多いということなので、是非前向きに御検討をまた進めていただくということでよろしいでしょうか。
○黄川田国務大臣 しっかりと調査をしてその状況を把握し、そして、効果を検証し、必要な改善を図っていくという考えでございます。
○早稲田委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
さらに、一人親家庭の窮迫、これは公益財団法人あすのばさんの新生活給付金のアンケートなどでも分かるように、多くの世帯が今、物価高騰、特に食料品ということの高騰がありまして、子供には二食食べさせるけれども自分は一食で我慢するとか、それからまた、クレジットカードがないと生活ができない、要は事実上の借金をしながら回していくというような、そういう御回答も非常に多くなっておりますので、是非、所得制限につきましても、それから先ほどの大森委員の質疑にも重なりますが、私はやはり緊急に児童扶養手当に一万円を上乗せをしていただくべきではないか、これも強く思っております。
先ほどもいろいろ多面的な支援のことをおっしゃっておりますけれども、物価高騰の対応重点支援地方創生臨時交付金などもございます。これは、七千円程度の商品券を、結局は、住民税非課税世帯だけにとどまらず、全ての御家庭に配付をするというような自治体も多くなっているんですね。なかなかそこで切れないということで、物価高騰は全ての方にかかっておりますので。
そんなこともありますので、なかなかそこにピンポイントで支援が行き届いていない状況がありますので、是非緊急にこの一万円上乗せということもお考えをいただきたいし、調査ということもありますが、緊急でございますのでこちらも考えていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○黄川田国務大臣 この物価高対策についてのことでございますが、政府としては、一世帯当たり標準的に年間八万円を超える支援などを盛り込んだ経済対策や、令和七年度補正予算においても、低所得子育て世帯を含む全ての子育て世帯に対して、ゼロ歳から高校生年代の子供一人当たり二万円を給付する物価高対応子育て手当による支援を行っているところでございます。
また、それに加えてということでございますが、これらの支援をしっかりと続けて、まずは低所得子育て世帯にしっかりと届けられるよう、自治体とともに連携して、今取り上げた、私がお話しした取組を進めてまいるということを行っていきたいというふうに思っております。
○早稲田委員 是非こちらも、一万円の上乗せ給付も御検討いただきたいと思います。児童扶養手当の金額についてですけれども、一九九四年を一〇〇といたしますと、今現在で、伸び率は一一五・五です。そして、最低賃金は一七七・三に上がっております。それを見ても、先ほどの所得制限についても、それからまた物価高騰による緊急支援で一万円上乗せというのは、やはり理にかなったことではないかと私は思いますので、是非前向きに御検討をお願いしたいと強く要望をさせていただきます。
その上で、児童扶養手当の受給には、八月に所得を届ける、所得のいろいろな状況を届ける現況届の提出が必要であります。猛暑の中、酷暑の中、これは窓口に出向いていかなければならないということですね。また、窓口で、交際している男性はいませんかとか、そういうような本当にプライバシーに踏み込むようなそんな発言もあるということも聞いております。窓口で、それこそ自分の所得の状況を示す、これだけ少ないんだというようなことを言うこと自体も、非常に心が大変傷つく場合もあります。
これを、他方で、二年ぐらい前から、デジタルフォームで現況を届けてよくなる、窓口に行かなくてよいという自治体も増えておりますけれども、これはとても当事者の方からは評判がよいので、是非資料の方も御覧ください、実施した自治体についての受給者の満足度も高く、業務量も減少したというふうに言われております。八月の現況届というのは、忙しい一人親に窓口に来させるのではなく、是非デジタル化ということの対応を基本としていただくように変えていただきたいと思いますが、御見解を伺います。
○黄川田国務大臣 議員御指摘のとおり、受給者の窓口の負担の軽減を図ることは非常に大切だというふうに考えております。
令和六年三月に各自治体にオンラインによる手続が可能である旨をこちらとしても周知したところでございます。児童扶養手当の現況届については、行政が一人親家庭の状況を把握する重要な機会であることにも留意しつつも、引き続き、利用者の負担を軽減するために柔軟な対応ができるような体制整備、これはデジタルも含めてでございますが、しっかりと自治体に周知を進めてまいりたいというふうに思っております。
○早稲田委員 こういうことを周知をしていただいたから、こども家庭庁からオンラインによる現況届を認める通知を発出した経過からこういうふうになっておるのはもう重々分かっておりますので、周知徹底だけでなく、これを基本としていただくような、またそういう通知も出していただけたら、更に状況が変わるし、よろしいのではないかと思いますので、是非これは、自治体からも要望が高いし、もちろん当事者の方もそうなので、前向きにもっと、基本とするということをお考えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
それから、さらに、低所得世帯に対します就学費用の家計負担の軽減でございます。
先ほどの大森委員の質疑と重なりますので、私からは先ほど、文科省の今井審議官、お答えいただきましたので、そのことを踏まえて、こども家庭庁として、高校生の就学給付金などの増額、それからまた入学前支給などの運用改善が非常に求められているわけなんです。
それについて、文科省と連携をしながらリーダーシップを取るこども家庭庁として、役割、それからまた、今の今井審議官の御答弁もお聞きになった黄川田大臣が、どのように役割を果たし、御決意の下で、これも前に進めるということをお聞きしたいと思います。
○黄川田国務大臣 子供たちが経済的な理由によりまして夢や希望を諦めることのないよう、進学等のチャレンジを、後押しをしっかりとしていく、このことが重要であるという認識でございます。
文科省との役割分担ということに関して言えば、こども家庭庁では、高校や大学への進学支援として、受験生への学習支援の強化、大学受験料や模擬試験の受験料の補助を実施しております。また、入学前に進学に必要な費用を貸し付ける母子父子寡婦福祉資金貸付制度を実施しているところでございます。支援の内容を拡充すると同時に、必要な支援が必要なときに届くようにすることは重要であります。
子供政策の司令塔として、文部科学省などの関係省庁と連携しながら、政府一丸となって子供の貧困対策を総合的に進めてまいります。
○早稲田委員 大臣から御決意も伺いました。
文科省におかれてはオンライン支給ということも御検討されているということで、ごめんなさい、御答弁は求めませんけれども、是非両省が連携をしてこれを前に進めていただきたいと思います。せっかくいい制度があっても、実態に合っていない、使いにくいといったものではなかなか利用者は増えませんし、せっかくの制度が実行されないことは一番よくないので、是非お願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。予期せぬ妊娠に悩む未成年への支援でございます。
政府は、こどもまんなか社会を掲げていて、そして、少子化を最重要課題、その中で、妊婦健診の公費負担拡充も進めていらっしゃいます。その中で、妊娠しているかどうかを確認する最初の受診、すなわち妊娠確定診断、これが、困難女性への支援が非常に不十分ではないかということの視点から質問をいたします。
まず、妊娠検査薬で妊娠が分かっても、自治体で母子手帳をもらうためには妊娠確定診断が必要であります。これにはおおむね一万円から二万円の費用が必要です。経済的に困窮して誰にも頼れず孤立している女性の場合、この金額がまず壁になってしまう。そして、医療への扉を閉ざすという結果になってしまいます。
それで、七ページを御覧ください。その中に、資料に書かれているとおり、非常に社会的に孤立化した妊婦の場合、医療機関を一度も受診しない、そうした方々がいらっしゃる。そして、その中で、生後ゼロ日の遺棄、虐待死、この九割近くの方が未受診であるということもこういうふうに分かっています。その一番の理由は経済的理由であります。これは、本当に、日本で年間二千人の未受診妊婦がいると推計をされていますけれども、これを個人の責任と放置するのではなく、やはり政治の責任としてやっていくべきだと私は思います。
その中で、二〇二三年度に始まりました低所得の妊婦に対する初回産科受診支援事業、これは最大一万円の補助でありますけれども、非常に使い勝手が悪いんです。なぜかといえば、これは一度は全額御自身が負担をして払う。そして償還払い。それからまた、加えまして、平日に二回も役所に行かなければならないということなんですね。更に言えば、七割の自治体で実施すらしていない現状があります。
大臣、これは改善すべきではないでしょうか。
○黄川田国務大臣 議員御指摘のとおり、低所得の妊婦の方の初回産科受診料の補助については、実施市町村は徐々に増加しているものの、いまだ全市町村の約三割にとどまっております。まず、本事業を実施する市町村が全国で更に増加するよう、既に実施している市町村の先行事例を周知するなど取り組みまして、全ての市町村に事業の実施を促していきたいと考えております。
また、今使い勝手が悪いというふうにおっしゃいました償還払いにつきましては、実施市町村からは、妊娠しているか否かが分からない状況下で事前に金銭的価値を有するチケット等を給付することは難しいといった御意見もございます。償還払いとせざるを得ない事情がある、こういう事情がある一方で、産科医療機関と市町村が直接契約して、受診後に医療機関が自治体に請求することで、妊婦の窓口負担が生じない仕組みを行っている実施市町村の例もございます。
ですので、こういう事例等もしっかり紹介しながら、全ての市町村でのまず事業の実施、これを促進し、また、使い勝手がいい、そういう取組を各市町村で工夫して取り組んでいただけるよう支援を行ってまいりたいと考えております。
○早稲田委員 低所得の妊婦さんに対する事業でありますから、全額払ってもらうということはやはりちょっとあり得ないことだと思います。今大臣おっしゃっていただいた、医療機関に直接ということもできるわけですから、そういう前向きな事例を是非全国でもやっていただけるような、こども家庭庁がそういうリーダーシップを取っていただきたいというふうに要望をさせていただきます。
それから、他方で、以前から都道府県の委託で妊娠の不安の相談窓口を行ってきた全国の民間団体、妊娠SOSのまとめサイトとして、思いがけない妊娠の相談窓口サイトをこの春からこども家庭庁が開設をされました。これは、まだ周知が不十分で全国をカバーしていないということでありますけれども、まだ窓口を設置していない都道府県というのがどのくらいあるんでしょうか、どこでしょうか。
○齊藤政府参考人 お答えいたします。
思いがけない妊娠の相談窓口サイトにつきましては、御指摘いただいたように、この春に開設をいたしました。
予期しない妊娠に気づいた女性が、その葛藤等を相談しながら様々な選択肢や必要な支援につながるための適切な相談窓口にアクセスできるよう、都道府県等から登録された窓口をニーズに応じて簡便に検索できる形で掲載しているサイトでございます。
現時点で、本サイトに相談窓口の掲載のない都道府県は七県でございます。現在掲載している相談窓口は、所在する自治体以外にお住まいの方から相談があった場合でも丁寧に対応し、必要に応じて他の自治体や他の自治体に所在する団体と連携することとしておりまして、未掲載の七県にお住まいの方が相談できないということではないとは考えてございます。
しかしながら、住民がそれぞれ居住する自治体に所在する相談窓口に相談できる体制を構築することは重要だと認識してございまして、引き続き、未掲載の都道府県等に対して相談窓口の登録を働きかけてまいりたいと考えてございます。
○早稲田委員 七県ということでありますけれども、やはり、是非全国でやっていただけるように期待をしております。こども家庭庁としても高く評価してこのサイトを開設したというふうに理解をしておりますから、周知徹底をしていただきたいと思います。
そして、全国の各地の妊娠SOS窓口ですけれども、これは、市町村の別の窓口とは違って、二十四時間三百六十五日対応するということでありますから、例えばですけれども、性行為の同意、不同意にかかわらず、また、親に相談できない未成年にも対応するということでよろしいかということが一点。
それからまた、縦割りの行政の中で、例えば、医療機関への同行支援、必要な受診料の支援も行う一方で、幅広い層の妊娠相談に乗り、特定妊婦と判断される場合、親にばれるような懸念というものがあるから、その市町村につなぐことなく都道府県が実施をしている性と健康の相談センターにつないで産科受診料を支援させる。それからまた、DVや性暴力が疑われるなら性暴力被害者ワンストップ支援センターにつなぐ。それからまた、低所得の妊婦に対する初回の産科受診料支援事業の対象とみなされれば自治体の保健所につなぐというような、府庁横断的な取組を、ここで、最初の相談窓口として私は期待しているわけですけれども。
今るる申し上げましたようなことは、そういうふうにしていただけるという理解でよろしいでしょうか。
○黄川田国務大臣 委員御指摘の思いがけない妊娠の相談窓口サイトでは、性行為の同意の有無や年齢にかかわらず、予期しない妊婦に関する相談対応をしております。ですので、はっきり申し上げれば、未成年であっても大丈夫だということでございます。
また、女性の状況に応じて様々な選択肢を提示できるよう、出産を必ずしも前提としない関わりや、緊急避妊、人工妊娠中絶、特別養子縁組に関わる知識等も含む専門的な知識に基づく相談ができるようになっておりますし、また、市町村や関係部署や医療機関等の専門機関との円滑な連携が可能である、そういう窓口を掲載しているところでございます。
したがいまして、予期しない妊娠等の悩みや困難を抱え、相談窓口へのアクセスを希望する女性にとって、まさに分野横断で必要な支援の窓口になる取組だということでございます。
○早稲田委員 時間が参りましたので終わりますが、二十四時間三百六十五日の相談窓口として大変期待をしておりますので、是非連携をしてやっていただきますよう、そして、質問が残りました、御答弁いただかなかった方々、申し訳ありませんでした。また引き続き質問してまいります。
ありがとうございます。
〔委員長退席、田畑委員長代理着席〕
○田畑委員長代理 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会、阿部司です。
本日は、デジタル主権についてお伺いをしてまいりたいと思います。松本大臣、よろしくお願いします。
まず、事実関係の確認から入ってまいりたいと思います。デジタル庁は、令和七年八月から九月にかけて、ガバメントクラウドの技術要件見直しに向けた市場調査、いわゆるRFIを実施されました。この調査に対しまして、事業者から、ソブリンクラウドの採用を検討すべきとの意見ですとか、経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度への準拠を求める意見、こうしたものが寄せられたのかどうか、また、寄せられた場合、それに対してどのような対処方針を取られたか、お伺いをいたします。
○荻原政府参考人 お答え申し上げます。
デジタル庁におきましては、令和八年度のガバメントクラウド事業者の公募に当たりまして、最新の技術動向ですとか市場動向について広く把握するため、技術要件等に係る市場調査を実施しました。その一環といたしまして、令和七年八月八日から九月八日にかけて情報収集を行いました。
その結果、六者から十五件の情報が寄せられまして、その中に、今委員から御指摘いただきました、ソブリンクラウドの採用ですとか、あるいは経済安全保障推進法に基づく基幹インフラ制度への準拠に関する御指摘が含まれていたところでございます。
ガバメントクラウドにつきましては、これは今申し上げました二つの意見の問題意識にも通ずるというふうに認識しておりますが、国や地方公共団体の情報を取り扱いますことから、高度なセキュリティーですとかガバナンスの確保等が求められておりまして、本市場調査の結果なども踏まえまして、その調達に当たりましては、データの保存場所はバックアップも含めて日本国内に限定していることですとか、法的管轄に関しては日本法を適用し、裁判管轄は東京地方裁判所とすることなどの要件を定めることによりまして、データ保護等に関して必要な措置を講じているところでございます。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
意見はあった。しかし、対応としましては、ガバメントクラウドは機密文書を扱わないですとか、データセンターは国内に設置をしている、経済安全保障推進法の基幹インフラ制度は対象分野が異なる、したがって現行の技術要件で対応できているという、そういった御趣旨かと思います。つまり、事業者の側からソブリンクラウドを検討すべきだということについて言うとゼロ回答であった、そうした方針だったというふうに受け止めております。
この点を踏まえまして、次の質問に移ってまいりたいと思います。
自民党の小林鷹之政調会長が、本年三月二十六日の記者会見で、ガバメントクラウドの外資依存についてコメントをされています。今の状況がいいとは思っていない、国家運営の自律性が重要だ、こうした明言をされています。我々日本維新の会も、連立与党の一員として、この認識を共有しております。
小林政調会長がおっしゃるとおり、国家運営の自律性は極めて重要だと思います。ところが、先ほど政府参考人の御答弁にもありましたとおり、デジタル庁の事務方としましては、技術要件を満たしていれば内外を問わない、データ主権は契約で担保されているという整理です。現状に特段の課題はないというふうに聞こえます。
しかし、与党の政策責任者が、この状況はよくないと言っている。これは事務方の整理とは明らかに温度差があるのではないかなと私は思っております。
大臣、端的にお伺いをいたします。小林政調会長の、今の状況がいいとは思っていないという御認識を、デジタル大臣として共有されますか。
○松本(尚)国務大臣 委員御指摘の、次の質問にもあるのかもしれないですが、先に言っちゃって申し訳ないんですけれども、デジタル主権のお話を恐らくされているんだろうと思いますけれども。
ソブリンティーというのを、どこからどこまで国内のもので、いわゆる自国産のもので賄うかという問題については、これは十分議論がまだされ尽くしていないというふうに思っていまして、例えば、クラウドというか、デジタルの世界全体をとっても、半導体であったり、クラウドそのものであったり、AIを作ったり、あるいは地理的な要素だとか、あるいは運用主体はどこなのかとか、アクセス権はどうするのか、法的課題はどうするのか、いろいろな、縦横たくさんあって。例えば省庁でも、防衛省や外務省は国産のものができれば多い方がいいに決まっていますし、そうじゃないところもあるでしょう。ですから、どこからどこまでをソブリンティーを重要視するかどうかということは、これは一律に決められるものではないんだというふうに、こういうふうに理解をしております。
その上で、大臣はどうなのかと言われれば、それは、できる限り国産のものが多いのがいいに決まっていますけれども、現状それが、できることとできないことがありますから、そこは冷静に議論をして、できる限りみんなで納得いく形で国産のものを増やしていく、これが大事だと思うし、自民党小林政調会長がおっしゃっている自律性というのも、そういったことはちゃんと念頭に置いて御発言をされたものと承知しています。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。
松本大臣の、同じような課題認識を、同じ方向性のものを持っていただいているというふうに私は受け止めました。
次にお伺いしたいのは、その課題を誰が解決をしていくのかという話です。
現在、デジタル主権に関わる政府の計画は、AI基本計画は内閣府、ガバメントクラウドの整備はデジタル庁、そして半導体・デジタル産業戦略は経産省と、それぞれ別の省庁が担っております。AI基本計画にガバメントクラウドの外資依存の話は出てきませんし、ガバメントクラウドの整備方針にAI戦略との連携は書かれていませんし、半導体戦略はまた別の文脈で走っているという現状です。
例えば、フランスでは、国産AIであるミストラルAIへの国家支援からデータセンター用の原子力発電の供給まで一体で設計をされております。韓国は、GPU五万枚の国家調達を決めて、AI、半導体、エネルギーの一体的な戦略を策定しています。中国も、算電協同という国家戦略も策定しています。
翻って我が国はどうかということですけれども、個別の計画はそれぞれ立派なものがあると思いますけれども、しかし、これらをデジタル主権という上位概念で束ねた戦略文書は、これは現時点ではまだ整備されていないと思います。
まず、こうした一体的な戦略の必要性についてどのようにお考えなのか、そして、必要だとお考えであれば、どこが旗振り役となって取りまとめていくべきか。大臣、お伺いします。
○松本(尚)国務大臣 さっきの答弁をここでやろうと思っていたんですが。
いわゆるデジタル主権の問題、先ほど私が答弁した内容を含んで、一体的に取り扱う戦略文書というのは、現時点では存在はしておりません。その上で、それが必要だろうということは委員の御指摘のとおりかと思います。
これは、先ほども私が申し上げましたように、いろいろな省庁でも関わっていることなので、どこかでしっかり取りまとめなければいけませんし、私にその質問が飛んできたということは、デジタル庁、おまえがやれという、何か、何となく雰囲気を感じたんですけれども。
今ここで、私が、デジタル主権だからデジタル庁がやるんだということを明確に申し上げることはできませんが、閣僚の一人として、この問題は国家としてしっかりと整理整頓をしていく必要がある、どういう結果であれ、一定の見解をみんなが共通して持つ必要はあるというふうに私は思っておりますので、何らかの形で、官邸に委員の御意見もしっかり伝えていきたいというふうに思います。
○阿部(司)委員 力強い御答弁をありがとうございます。
この問題は非常に重要だと思いますので、先ほど大臣おっしゃった、ソブリンティーをどう確保するか、この論点ですね、きちっと我々なりの結論というものを出していかなければならないと思いますので、引き続き御議論させていただければと思います。
本日はありがとうございました。
○田畑委員長代理 次に、西岡義高君。
○西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高でございます。
本日、こちらの委員会では初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
私からは、地域活性化の点から、大きく二つのテーマに沿って質問させていただきます。
まずは、地方自治、統治機構に関して質問してまいります。
一月に第三十四次の地方制度調査会が立ち上がりまして、大都市地域における行政体制の在り方が諮問事項の一つとされているところと承知しております。その中で、特別市の法制化につきましても、専門小委員会の中において議論がなされており、昨日も、第四回専門小委員会において、全国知事会や指定都市市長会からのヒアリングが行われているところと承知しております。
歴史をひもといていけば、これまでも社会の変化に合わせて地方自治の制度も変わってきた、そういった変遷があるかと思います。現在は、この先に見込まれる急速な人口減少社会への対応、東京一極集中と言われる課題への対応も必要がある状況かと思います。
指定都市が大都市としての潜在力を最大限に発揮できる一層制の特別制度、二重行政の解消にとどまらず、特別市を中心とした強い地方経済圏を構築して多極分散型の社会をつくることが地方創生にも寄与するものとして、我が党といたしましても、昨年末に、特別市の法制化に向けた議員立法の法案骨子をまとめたところでございます。
これまでの地方制度調査会等での議論を受けまして、特別市の法制化に向けて、どの程度の意欲を持って取り組まれていくのか、また、どのようなスケジュール感で今後の議論を進めていくおつもりなのか、政府のお考えを伺いたいと思います。
○高橋副大臣 御質問ありがとうございます。
本年一月に立ち上げられました第三十四次地方制度調査会におきまして、今委員がおっしゃったように、いわゆる特別市に関する事項も含めて、大都市地域における行政体制について諮問が行われております。
昨日、調査会におきまして、特別市に関し、指定都市と都道府県へのヒアリングが初めて実施をされました。神戸市、そして熊本県から様々な御指摘をいただいたところでもありました。今後、調査会において更なる議論が進められる深くて大きな問題だと認識しておりますので、様々な議論が進められると考えております。
総務省といたしましては、調査会における審議に必要な協力をしつつ、その進捗に即して検討してまいりたいというのが基本的なスタンスでございます。
以上です。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。是非積極的な議論をどんどん前に進めていただきたいというところでございます。
特別市に関連しまして、質問を続けてまいります。
現在、自民党さん、日本維新の会さんの与党協議の中で、副首都の整備に関する法律案の作成が進んでいる状況であると認識しております。そして、先日、法案骨子についても案が出されている状況かと承知しております。
この骨子案では、副首都が担う機能を十分に発揮するために必要な地方行政体制について政令で定める要件、この例としまして、政令市プラス県、特別区の設置、そして制度化された場合は特別市、このような形で記述されております。
首都機能を発揮するために必要な行政体制につきましては、メリットとデメリットは常にトレードオフの関係にありまして、完璧な制度はないのではないかと考えております。東京都の特区制度につきましても課題はあるものと考えております。
そういった中で、副首都の法制化を進めていくのならば、同時並行的に特別市の議論もしっかりと進めて、この特別市がきちんと制度化されて、指定都市、特別区、特別市という三つの選択肢がきちんと用意されている状況でなければならないと考えておりますけれども、政府のお考えはいかがでしょうか。
○黄川田国務大臣 この副首都構想に関しましては、連立政権合意書に基づきまして、与党による協議体において精力的に協議が重ねられておりまして、議員御指摘のとおり、先月の末の与党協議体におきまして、法律案の骨子案について合意に至ったと承知をしております。その中で、副首都の要件の一つとして、制度化された場合とした上で特別市が挙げられていることについても認識しているところでございます。
今後、この合意に基づき法制化の協議が進められまして、今国会への提出に向けられた調整が行われているものと承知しておりますが、政府としては、引き続き、与党の協議体の動向を注視して、必要な対応を取ってまいりたいと考えております。
〔田畑委員長代理退席、委員長着席〕
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。
特別市は、今後、大臣も所信で触れられていた道州制の中の州都にもなり得るような大きな都市を育てていく制度かと思います。是非積極的な御議論を前に進めていただければと思います。
それでは、次のテーマに移りまして、安心して暮らせる地域、地域の治安に関して質問を進めてまいります。
具体的には、違法ヤードの規制についてお聞きしてまいります。ヤードというのは、郊外でよく見られます高い塀に囲われた産業廃棄物処理施設であったり、自動車解体現場、資材置場などのことなんですけれども、この違法なヤードが、自動車盗難や金属盗難などの外国人組織犯罪の温床となっているというような指摘であったり、また、騒音や自動車解体時に流出した廃油による土壌汚染、水質汚染、こういった周辺環境への悪影響も指摘されているところでございます。
また、ちょくちょく新聞報道などでも目にするところですが、ヤードの中で白骨化した遺体が発見されるなど死体遺棄事件の現場になっていたり、違法薬物が出てきたりと、周辺の住民の方に対して恐怖感を抱かせるような事件の例も見られるところでございます。
世の中の関心も非常に高くて、ふだん私のXの投稿は二千回ぐらいしか見られないんですけれども、ヤードのことを話題に上げたときには百四十四万回閲覧されました。本当に非常に多くの方が、これは問題、関心を寄せていると認識しております。
このヤードの問題につきまして、政府として、様々な観点はあるかと思いますけれども、今日、警察庁さんと環境省さんに来ていただいているので、どのような認識を持っているのかお伺いしたいと思います。
○服部政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のヤードにつきましては、一部の悪質なものが、盗難自動車や盗難金属の買受けの場や盗難自動車の保管、解体等の場所として使われているなど、自動車盗や金属盗などの犯罪の温床になっているものも見受けられる状況にあります。
警察といたしましては、こうした悪質なヤードに的確に対処すべく、盗品と知りながら買い受ける者について、刑法の盗品等有償譲受け罪を適用して検挙を推進するとともに、警察で把握している多くのヤードが古物営業法の許可を有しておりますことから、同法に基づく積極的な立入りを行うこと等により、継続的な実態解明と積極的な取締り等に取り組んでいるところでございます。
なお、昨年成立した金属盗対策法が本年六月までに全面施行されることから、施行後は、同法も積極的に活用して、悪質なヤードを排除してまいりたいと考えております。
○成田政府参考人 お答え申し上げます。
使用済みとなりました自動車の解体ヤードにつきましては、自動車リサイクル法に基づく許可制の中で、都道府県及び保健所設置市において監督指導等が行われており、一部のヤードでは、許可基準違反等の不適正な事案が確認されているものと認識いたしております。
このような解体ヤードにつきましては、自動車リサイクル法や廃棄物処理法等、既存制度に基づく監督指導等の強化を都道府県等に促すとともに、解体業の許可基準の強化など制度的な対応を行うことも検討しているところでございます。
なお、自動車解体由来の有価な部品などを含む使用済みの金属、プラスチック物品につきましては、保管又は再生を行う事業に対する許可制の導入、保管や再生に係る基準の遵守などを盛り込んだ廃棄物処理法等の一部改正法案を先週十日に閣議決定いたしまして、国会に提出しているところでございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
様々な問題があって、様々な対処を取られているかと思います。しかし、そういった抜け穴を見つけて、今現在も犯罪に利用されてしまっているというのが現状ではないかなと考えております。
自動車解体ヤードの問題につきましては、盗難車を車のまま輸出するのではなくて、盗んできた車をヤードの中で分解して、部品として海外に持っていってしまうような状況が見られるわけです。こういった問題は、廃掃法などではカバーし切れないというところで、千葉県を皮切りに、様々な自治体で規制条例を制定して対策を取っているという状況かと思います。
このように、各自治体で条例によって対策に迫られている、この状況について、どのように捉えられて、どのように対処されているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○服部政府参考人 お答えいたします。
ヤードに関し、一部の自治体では、いわゆるヤード条例を制定しているものと承知しております。
ヤードが多数存在する地域を抱える都道府県警察におきましては、盗難自動車の解体、保管、不正輸出の拠点となるなどのおそれがあることから、警察庁におきましては、ヤードに関連する犯罪の抑止の観点から、各都道府県の情勢に応じて、ヤード対策に関する条例制定に向けた取組を推進するよう指導しているところでございます。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。
自治体単位の条例では、規制が強化された地域からほかの地域へヤードが移動してしまっているというような例も見られるわけでございます。例えば、先行して条例を制定した愛知県から隣の三重県にヤードが多く移動してしまって、三重県でもヤード規制条例を制定して対策を取らなければならなくなったというような状況がございました。どこかが規制を強化すれば、規制逃れを防ぐためにまた別の地域が更に対策に迫られるというような状況が起こっております。
こういった状況をやはり回避するためにも、国が全国一律で規制を強化していくことが必要だと思っております。廃棄物処理法においては、スクラップヤードへの規制強化、この法改正が、先ほど御答弁もいただきましたけれども、閣議決定された状況だと思います。
ただ、全国に三千か所以上あるとされている自動車の解体ヤードにつきましては、まだ抜け穴が存在している状況だと認識しております。我が党といたしましては、昨年、自動車盗難対策として、特定自動車等解体保管業を営む場合の都道府県公安委員会への届出義務、こういったものを盛り込んだ自動車ヤード規制法案を提出いたしました。
繰り返しになりますけれども、国が全国一律で更なる規制を強化していくこと、これが必要だと思っておりますけれども、今後、政府としまして、自動車解体ヤードについての規制強化にどのように取り組んでいくのか、お考えを伺いたいと思います。
○服部政府参考人 お答えいたします。
警察におきましては、ヤードの一部が盗難自動車の保管、解体等の場所として利用され、犯罪の温床となっている状況を踏まえ、事件化や古物営業法に基づく積極的な立入りを行うこと等により、継続的な実態解明と積極的な取締り等に取り組んでいるところでございます。
また、自動車盗難防止対策といたしまして、自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチームにおいて昨今新たに策定いたしました自動車盗難等防止行動計画に基づきまして、関係省庁や民間の自動車関連団体と連携をして、官民一体となった取組を実施しているところでございます。
こうしたこともございまして、自動車盗の認知件数につきましては、令和七年三月以降、減少傾向にありまして、本年三月までの第一・四半期は、令和七年同期と比較して、およそ半減している状況でございます。
お尋ねの自動車解体ヤードに係る新たな法整備に関しましては、全国の自動車盗の発生状況や、犯罪とは無関係の事業者への新たな規制による負担等を考慮しつつ、不断に検討してまいりたいと考えております。
○西岡(義)委員 御答弁ありがとうございます。
最初の方にも申し上げましたとおり、ヤードにつきましては様々な問題も抱えておりまして、地域住民への不安、恐怖というのは非常に、存在自体によって与えられているというものでもあるかと思いますので、引き続きこの問題は取り組んでいっていただければと思います。
若干時間が残りましたけれども、用意してきた質問は以上となりますので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、日野紗里亜君。
○日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。
質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
ちょっと通告と質問、順番がずれますが、大変申し訳ございません。本日の質疑もよろしくお願いいたします。
まずは、子供政策について黄川田大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
本会議におきまして、総理は、三・六兆円規模の加速化プランを着実に実施し、その効果を検証しながら政策の充実を図っていくとの御答弁をされていました。現実には、今、出生数は七十万人を割り込み、過去最低を更新し続けております。そして、子供の数は減っているのにもかかわらず、小中高生の自殺、児童虐待、いじめ、不登校はいずれも増加傾向という、子供を取り巻く環境は悪化している、極めて深刻な状況に直面しています。
まずは、この現状を大臣はどのように受け止められているのか、率直な御認識をお聞かせください。
○黄川田国務大臣 子供を取り巻く環境については、地域のつながりの希薄化や少子化の進展により、地域社会の中で子供が育つことが難しくなっていることや、御指摘のとおり、出生数が七十万人を割り込んでいるという状況で、厳しさが増しているというふうに受け止めております。
こうした状況は、多様かつ複合的な原因及び背景を有し、これが連鎖する中で起きておりまして、特定の施策のみで効果を上げるということはなかなか難しいということも感じております。あらゆる子供施策を動員しまして、総合的かつ着実に実行していきたいというふうに考えているところでございます。
こういう、総合的に、関係省庁そして地方自治体も含めまして、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
○日野委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
済みません、通告の最後の問いからさせていただきたいと思います。プレコンセプションケアについてでございます。
まず初めに大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
こども基本法におきましては、十八歳とか二十歳という年齢でサポートが途切れないように、心と体の発達にある人を子供としていますが、こちら、出生前の胎児もこの子供に入りますでしょうか。お答えください。
大臣にお願いします。
○丹羽委員長 先に、じゃ、ごめんなさい、こども家庭庁中村成育局長。
局長が答えた後、大臣で。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
プレコンセプションケア、プレというのは前で、コンセプションは妊娠でございまして、そういったときからのあれでございますので、胎児も含まれます。
○黄川田国務大臣 今、成育局長が答えたとおりでございます。
○日野委員 こども基本法において胎児も子供であるという御認識をさせていただきました。ありがとうございます。
現在、こども家庭庁におきましては、プレコンセプションケア推進五か年計画も踏まえ、相談支援や普及啓発の充実に取り組んでおられます。将来の妊娠、出産を見据えた健康管理におきまして、正しい知識を持つことは重要でありますが、実効性を高めるためには、知識の提供にとどまらず、具体的な疾病予防につなげていく視点が不可欠であると考えます。
とりわけ予防接種は、個人の健康のみならず、社会全体の感染症対策としても重要です。例えば風疹は、妊娠初期の感染により先天性風疹症候群を引き起こすおそれがあり、麻疹や水痘などについても免疫の確認や接種が重要とされています。一方で、成人がこれらの接種を受けようとする場合、公費対象外や自治体差により、実際の行動につながりにくい状況があるのではないでしょうか。
そこで、お伺いをさせていただきます。
現行施策は、医療機関等への委託も含めたプレコンセプションケアに関する相談支援や普及啓発への補助が中心となっておりますが、知識提供にとどまらず、具体的な行動変容につなげていく観点から、こども家庭庁として、厚生労働省と連携し、予防接種を含む予防的健康施策について、実効性のある支援体制の構築や資源配分の見直しを進めていくお考えはあるのか、見解をお伺いさせていただきます。
○鷲見政府参考人 お答え申し上げます。
まず、先生に、厚労省でどういった形で予防接種対策をやっているのかという、ごく簡単に御説明させていただきたいと思います。
先生が御指摘のとおり、風疹は、妊娠初期の感染等により先天性の風疹症候群を引き起こすおそれがございます。
このため、風疹等の予防接種につきましては、風疹対策の一環として、小児を対象とした定期接種に加えまして、過去に接種機会がなかった世代の者に対して、抗体保有率が低いことを踏まえて追加的な接種を実施するなどしてきたところでございます。
加えて、特定感染症検査等事業におきまして、妊娠を希望する女性等に対する風疹の抗体検査の助成を実施するとともに、普及啓発資材を作成し、風疹及び先天性風疹症候群の予防に努めているところでございます。
今後とも、厚労省といたしましては、科学的知見を踏まえつつ、引き続き必要な方が予防接種を受けることができる環境を整備してまいります。
○黄川田国務大臣 こども家庭庁では、プレコンセプションケア推進五か年計画に基づきまして、御指摘の風疹等の予防接種の観点も含めて、正しい知識の普及を推進しているところでございます。
このプレコンセプションケアは、やはり、委員が御指摘のとおり、ただ知識だけじゃなくて、それに基づいて行動を変容する、行動を変えていくということ、これが大変重要だというふうに思っております。
そして、このプレコンセプションケアの取組がどのような行動変化につながったかについては、適宜調査を行っております。
その結果を踏まえながら、厚生労働省などの関係省庁と連携をしまして、性別を問わず、あらゆる方々が正しい知識を持った上で、妊娠、出産を含めた自分自身の将来設計や健康管理、これを行っていただきたいというふうに考えております。
○日野委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
続きまして、質疑通告、七番目にさせていただきました、子供を支える現場の人材不足についてお伺いさせていただきたいと思います。
子を支える方々の心の在り方というものが、私、すごく大事だと思っているんですけれども、まず、大臣は、所信におきまして、一人一人の子供が幸せに暮らせる環境づくりを掲げておられました。
そこで、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
大臣の考える子供の幸せとは具体的にどのような状態を指すのか、お聞かせください。
○黄川田国務大臣 私は、子供が一番大切なのは自己肯定感だというふうに思っております。しっかりとそれが育める、そういう体制を社会全体で育めればなという思いで、こういう子供政策も行っております。
○日野委員 自己肯定感ということで、大臣、御答弁いただきまして、ありがとうございます。
大臣、私たち大人は自分の手で幸せをつかむことができます。時に困難なときであっても、自分の手で自分の幸せはつかんでいかなければなりません。ですが、子供、特に小さい子供の幸せは、親から、周囲から与えられるものであります。
やはり、人間、自分が幸せでないと誰かを幸せにすることはできません。児童虐待のことについて挙げさせていただきますと、元々、子供を虐待してやろうなんという方は本当にごく僅かで、みんな、子供が育てづらかったりとか、あとは、社会的に孤立してしまったりですとか経済的に困窮する、こういった複数の要因が複雑に絡まり合って、本来であればいとおしくて仕方ない、そんな存在である子供を虐待してしまう、いとおしくて仕方ないのに自分を苦しめるだけの存在にしか見えなくなってしまう、そんな心境に陥る、これが長く続くことが児童虐待のリスクを最も上げていきます。
大臣がおっしゃっていたように、やはり、子供の自己肯定感を育んでいくためには、親自身が自己肯定感がないといけないと思うのですが、今、親も自己肯定感がなかなかなく、自分が社会に対して必要ないんじゃないか、認められていないんじゃないか、そういった思いを持っている親もたくさんいらっしゃいます。決してあってはならない施設内における不適切保育も同様で、やはり、職場内のストレス、こういったものが不適切保育にもつながっております、そういったものが最大の理由になっております。
だからこそ、私たち大人が心にゆとりを持って子供にあふれんばかりの愛を注げる、そういった環境をつくることこそ、大臣が所信演説で述べていた、一人一人の子供が幸せに暮らせる環境づくりなのではないでしょうか。
その上で、申し上げさせていただきます。
今、教育現場におきましては、教員の未配置が拡大して四千人を大きく上回る規模に達し、また、保育士の有効求人倍率、最新は約三・八八倍と再び前年度より上がり、放課後児童クラブも含め、子供を支える現場全体での人材不足が深刻化しております。
このような状況において、現在の政策が十分な成果を上げているとお考えでしょうか。仮に、予算規模が不十分であるとの認識であれば、人材確保や支援体制の強化に向けて追加的な財源投入が必要ではないでしょうか。一方で、もし大臣が財源は十分にあるとお考えであれば、制度の設計や運用、あるいは予算配分の在り方に課題があるのではないかと考えます。いずれの認識に立たれているのか、大臣の御見解をお聞かせください。
○黄川田国務大臣 保育士の人材についてでございますが、質の高い保育等を提供するためにはまだまだ不十分であるというふうに考えておりまして、しっかりと人材確保に努めなければいけないというふうに思っております。ただ、社会全体が人手不足でございますので、人材確保にあってはしっかりと処遇改善を進めていきたいというふうに思っております。
また、予算について十分かという御質問でございますが、私どもも必要な予算を確保すべく努力をしているところでございまして、また委員等の後押しもよろしくお願いいたしたいと思います。
○日野委員 では、全体的に人手不足ということを大臣から今御答弁いただきましたが、これはシンプルにちょっと聞かせていただきたいと思います。
少子化が進行しております。子供の数が減っているのにもかかわらず、子供に関する職種の人手不足が解消されないのはなぜでしょうか。大臣、お答えください。
○黄川田国務大臣 やはり、他の産業と比して収入が不十分であるというところもあると思いますし、また、保育の仕事のやりがい、必要性、そういうところも周知するとともに、また、IT等を含めて、職場のいろいろな環境の改善もちゃんとしているんだよというところもアピールして、そういうことによって、いろいろなことを含めて人材が集まってくるものだというふうに思っております。
○日野委員 大臣のお言葉から、他の職種に比べて給料が不十分であるということを聞きましたので、やはり、人手不足の理由は明白なんです。大臣がおっしゃったとおり、給料は低い、責任は重い、休めない、こうした構造が、精神的にも、経済的にも、身体的にも、こういったつらい状況が放置されている。もうこれは明白でございます。人が足りないのに加えて、人が集まらない構造ができてしまっているわけなんです。
この構造、大臣、もう一度お伺いさせていただきます、給料が低いということもおっしゃっていただきましたので、本気で変えていく御意思がありますでしょうか。
○黄川田国務大臣 給料も含めて、処遇の改善には鋭意努めているところでございまして、今後も所得の向上については努力してまいりたいと思います。
○日野委員 ありがとうございます。
では、ちょっとこども大綱のことについてお伺いさせていただきます。
こども大綱、本当にいろいろな理念が掲げられておりますが、これは、いつまでに、何を、どの水準まで改善するのかといった具体的な数値目標が十分に示されていないかと思います。目標が曖昧なままでは、政策の評価も曖昧にならざるを得ません。どれだけ予算をつけたかとか何に取り組んだではなく、何がどれだけ改善したのかという結果が求められています。出生数の減少に歯止めがかからず、自殺、虐待、いじめ、不登校が悪化している現状が、こども家庭庁の存在意義を疑問視される要因ともなっています。こ家庁さんが頑張ってくださっていることは本当によく分かっているんです。だけれども、結果が求められます。
その上で、お伺いします。
大臣は、こども未来戦略、加速化プランを引き続き着実に実施し、結婚、出産、子育ての希望をかなえられる環境を整備してまいりますと述べられています。こども未来戦略の戦略によって達成を目指す目的は何でしょう。三つの基本理念は、一、若い世代の所得を増やす、二、社会全体の構造、意識を変える、三、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するとあります。
まず、二点お伺いさせてください。
出生率の改善は、こちら、目的ではありませんでしたでしょうか。また、社会全体の構造、意識を変えるとは具体的にどういうことを意味しますでしょうか。大臣、お答えください。
○黄川田国務大臣 出生率については、前に予算委員会でも答弁をしておりますが、これ自体が目的ではございません。ただし、参考の指標として見ながら私たちは子供政策を進めていっているというところでございます。
そして、構造の改善というのは、やはり、子供を産み育てやすい、そういう環境を整備する、要は、質を改善することによって、そして結果として子供が増えてくるというところ、ここを目指しているということでございます。
○日野委員 明確にお聞かせください。出生率は目的ではないということは、政府では少子化対策はしないということでしょうか。お答えください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
未来戦略にどのように位置づけられているかということをお答え申し上げたいと思います。
まずもってこども未来戦略は、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、まずもっての目的としては、希望どおりに若い世代が結婚したり、子供を持ったり、安心して子育てができる社会、これ自体を目的としている。その中で、そういった社会が実現されることによって、結果として少子化トレンドの反転をさせたいということも未来戦略の中に位置づけられております。
したがいまして、希望がかなう社会の実現の結果として達成するという少子化トレンドの反転としては、当然出生率の動向を見てまいります。
そのような観点から、一方で、結婚、妊娠、出産は個人の自由な意思に基づくものでございますので、出生率自体を数値目標としては掲げてはおりませんけれども、参考指標の一つとして出生率も掲げながら、少子化トレンドの反転を目指しているということでございます。
○日野委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。
令和五年十二月二十二日に閣議決定されましたこども未来戦略の効果の検証は、いつ、何を指標に行うかをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
例えば、三つの基本理念の一つである若い世代の所得を増やすという理念が達成できたかは、いつ検証されますでしょうか。効果検証の時期、方法、効果検証の結果に基づいた改善の計画を教えてください。
○黄川田国務大臣 加速化プランについては、経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会におきまして、若年層の雇用状況や子育てのサポートの状況等を指標とするEBPMアクションプランを作成し、毎年取組の状況を把握しているところでございます。
これに加えまして、三年間の集中取組期間におけます加速化プランの実施状況や各種施策の効果等を検証しつつ、子供、子育て政策の適切な見直しを行いまして、PDCAを推進していくこととしております。具体的には、こども家庭審議会において、各施策の実施状況や指標等を毎年度政策ごとに検証、評価しております。
こうした枠組みを重層的に活用しまして、加速化プランの実施状況や各種施策の効果等を検証しております。
加速化プランは令和十年度に取組が完了するものでありまして、引き続き、加速化プランに基づく子供、子育て政策の抜本的な強化を着実に実施していくとともに、各種施策の効果の検証を行いながら、施策の内容の更なる充実を検討してまいりたいと考えております。
○日野委員 質問のど真ん中で御回答いただけたとはちょっと認識を私ができていないんですけれども。
では、加速化プランの取組が終わった後に、そういった、若い世代の所得を増やすといった理念が達成できたのかというのは、ちゃんと数値としてこ家庁さんの方で御用意いただけるということでよろしいでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま大臣からも御答弁をいただきましたが、現在、経済財政諮問会議の委員会のアクションプラン、それから私どものこども家庭審議会、こども家庭庁としても、主体的に加速化プランの検証、評価を実施している最中でございます。
といいますのは、加速化プランの施策、これは六年度から順次スタートしてきておりまして、現在八年度まで来ているわけですが、恐らく、加速化プランに書いてある施策が、最終的に一つ残っておりました項目についても今年度に実施が始まります。このように、実施が始まっているという状況でございます。
加速化プラン自体は十年度に取組が完了するものでございますので、政府としては、まずはこの加速化プランに基づく施策の強化を着実に実施をしていくこと、そして、並行して検証を行いながら、更なる充実を検討しているということでございます。
○日野委員 では、次の質問に移らせていただきたいと思います。
基本理念に、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するとありますが、大学等の高等教育費の負担軽減のための給付型奨学金は、世帯年収六百万程度まで、扶養する子供の数が三人以上の世帯が対象となりますが、これは全ての子供、子育て世帯を支援していますでしょうか。大臣、お答えください。
○黄川田国務大臣 御指摘のとおり、こども未来戦略におきましては、子供、子育て政策の三つの基本理念の一つとして、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援することを掲げております。
この理念の実現のためには、親の働き方やライフスタイル、子供の年齢等に応じた必要な支援が包括的に提供されることが重要であるというふうに考えておりまして、このため、加速化プランにおいては、子供の置かれた状況、多様なニーズにきめ細かく対応するための幅広い子供、子育て支援策の抜本的な強化を図っているところでございまして、議員が御質問の、切れ目なく支援するということを実施しているというふうに考えております。
○日野委員 質問の趣旨としましては、こういった所得制限があったり子供の数が三人以上というところが全ての子供、子育て世帯に該当しているかという質問なのですが、この点、大臣、いかがでしょうか。
○黄川田国務大臣 個別の事業において、対象範囲や要件等の設定に当たっては、その趣旨、目的、効果など、総合的な判断によって定められていると理解しております。
よって、個別の事業において対象範囲を限定しているということのみをもって、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するという理念と矛盾しているというふうには考えておりません。
○日野委員 全ての子供だけではなく、政府の方では多子世帯に対する支援というものも現状行ってくださっているかと思います。こうした多子世帯に対する支援というのは少子化対策の一環として捉えてよろしいでしょうか。大臣、お答えください。
○黄川田国務大臣 多子世帯ですね、第二子、第三子については、出生動向基本調査というものがありまして、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからというものが対象になっているということを承知しております。
多子世帯に対する支援が少子化対策かということについては、先ほど来、全体的に申し上げておりますが、総合的に出産、子育ての環境の改善に努めながら、そして、子供を持ちたいと希望する方が持てるような環境を総合的に整備していくということ、そして、結果的に少子化の傾向の反転につながるようになればという思いで、様々な施策を行っているというふうに考えていただければと思います。
○日野委員 ありがとうございます。
こうした、昨年度から新たに大学の就学支援制度の拡充だったりとか、あとは、児童手当につきましても第三子以降の増額など、多子世帯に対するこういった支援というのも、今大臣がおっしゃっていただいた、子供を持ちたいと希望する方が持てるように、こういったところから来ているかと思いますが、その上で申し上げますと、やはり、第三子以降でなくて、第一子からの支援をもうちょっと手厚くしていただきたいという声が現場の声として多いです。一人を育てていて、子供はかわいいからもう一人育てたいんだけれども、やはり経済的には、あともう一人産むというのは、二人目の育児というのはちょっと難しいかな、こういう声を聞いておりますので。
つまり、最初の子供を育てる段階での経済的負担だったり、あとマンパワー的なこともあるかと思います。そういった不安というのが次の出産の判断に直接影響しておりますので、そういった意味で、第一子の段階から安心して子育てができる環境を整えることこそが、結果として第二子、第三子へとつながる最も実効性の高い少子化対策というか、反転して、そういった、子供が生まれやすくなる日本社会をつくっていくことだと考えます。
こうしたように、多子世帯への重点的支援を中心とする施策に加えて、第一子を育てる世帯への支援を抜本的に強化する必要があるか、大臣、お答えください。
○黄川田国務大臣 まず、政府全体として、強い経済を実現することによって若い世代の所得を増やし雇用を安定させること、これがベースであるというふうに考えております。
それに加えまして、第一子についても支援の対象となります児童手当の拡充や妊婦のための支援給付といった経済的負担の軽減にも努めているところでございまして、引き続き、加速化プランに基づいて各種施策を実行しながら、子育て、妊娠、出産の希望がかなえられる環境を整備したいと思っております。
○日野委員 質問を残して済みません。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、谷浩一郎君。
○谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎です。
本委員会では初めての質疑となります。どうぞよろしくお願いいたします。
参政党として、まず、少子化対策及び子供政策に関する基本的な考え方を申し上げます。
少子化の進行は、単に出生数の増減という数量上の問題ではなく、若い世代が結婚し、子供を産み育てたいと考えても、それを安心して実現しにくい社会になっていることの表れであると受け止めております。したがって、必要なのは、その場しのぎの対症療法ではなく、家族形成と子育てに伴う経済的、教育的負担を着実に軽減し、子供一人一人の育ちと学びを社会全体で支える政策であります。
参政党は、教育、子育てを諦めさせない社会の実現を目指し、家庭の事情によって子供の成長機会が左右されないよう、直接支援の充実を重視しております。少子化対策とは、安心して子供を産み育てられる、国の基盤を立て直す、国家の基本政策であると考えております。
まず、少子化対策に係る予算額についてお伺いいたします。
政府はこれまで少子化対策について様々な施策を講じてきたと説明しており、とりわけ、こども未来戦略に基づく加速化プランを打ち出して支援の拡充を進めてきたと承知をしております。その一方で、国民から見れば、実際に少子化対策に充てられている予算が全体として幾らなのか、必ずしも分かりやすく示されているとは言えません。
そこで、まず端的にお伺いいたします。
加速化プランにおける少子化対策の予算額はどれぐらいでしょうか。あわせて、令和八年度におけるこども家庭庁所管の少子化対策に係る当初予算額は幾らなのか。明確にお示しください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
まず、御質問のこども未来戦略の加速化プランでございますが、国と地方の事業費ベースで三・六兆円規模ということで、子供、子育て施策の抜本的強化に取り組んでいるところでございます。
また、こども家庭庁の予算の中で、少子化対策というふうな御指摘がございましたが、個人の結婚、出産、子育ての希望の実現を図るという趣旨の少子化対策と、次世代の子供が健やかに成長するための子供、子育て支援施策、これはある意味相互に関連しながら取り組んでいるものでございますので、予算の中で少子化対策はこの部分ですというふうに切り分けることは難しいのでございますけれども、八年度のこども家庭庁予算で見ますと七・五兆円となっておりまして、その主な内容としては、保育所の運営費、これが二・六兆円、あるいは児童手当や育児休業給付のような現金給付、こちらが三・二兆円、そして障害児の支援ですとか虐待防止や一人親家庭などの支援、こういったところに〇・九兆円というふうになってございます。
また、自治体の独自の事業についてもお答えしてよろしかったでしょうか。(谷(浩)委員「その次です」と呼ぶ)失礼いたしました。申し訳ありません。
○谷(浩)委員 続いて質問いたしますが、少子化は国だけではなく地方自治体においても対応が求められている課題で、独自の少子化対策が講じられてきたと思います。
そこで、令和八年度における全国の地方自治体の少子化対策に係る当初予算の総額は幾らになるのか、お答えいただきたいと思います。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
まず、自治体独自で行っているいわゆる単独事業について、網羅的に予算を把握はできておりませんけれども、例えば、こども家庭庁の交付金なんですが、地域少子化対策重点推進交付金というものがございます。こういったものを活用しまして、地域の実情に応じた少子化対策を実施をしていただいているということでございます。例えば、ライフデザインですとか、結婚支援の事業ですとか、あるいは子供に優しい社会づくりの機運醸成ですとか、様々地域の実情に応じて取り組んでいただける、こうした交付金も御用意しながら取組を進めているという状況でございます。
○谷(浩)委員 少子化は、地域ごとの個別課題ではなく、日本全体の存立に関わる問題でございます。にもかかわらず、国と地方を通じた全体の予算規模が明確でなければ、これまでの政策効果の検証も今後の重点配分の議論も十分にはできません。政府として、少子化対策として何にどれだけの予算を投じているのか、その全体像を国民に分かる形で示していただきたいと思います。
次に、エンゼルプランについてお伺いいたします。
政府は、一九九四年に策定されたエンゼルプラン以降、三十年にわたって少子化対策を講じてきました。しかし、その間、合計特殊出生率は上がるどころか全体としては下降傾向にあり、歯止めがかかっておりません。
そこで、大臣にお伺いいたします。
これまで、エンゼルプランから始まる少子化対策について、どのように総括しているのでしょうか。
○黄川田国務大臣 エンゼルプラン以降の従来の少子化対策においては、例えば保育の受皿の整備を強力に進めた結果、待機児童数の大幅な減少という成果が出ております。
また、令和五年末にこども未来戦略を閣議決定してから以降は、三・六兆円規模の加速化プランに基づきまして、若い世代の所得向上に向けた取組、全ての子供、子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き、共育ての推進の三つの柱で、全ての子供、子育て世帯の支援を抜本的に拡充してきているところでございます。
こうした取組によりまして、保育士等の処遇は、こども家庭庁発足の令和五年度以降、二一・二%に引き上がりました。子育ての悩みをワンストップで対応するこども家庭センターは、令和六年度の制度施行以降、全国市町村の七一・二%に設置されております。また、男性の育休取得率は、こども未来戦略策定前の令和四年度の一七・一%から、足下の令和六年度には四〇・五%へ増加しております。こういう様々な施策に取り組んだ結果、成果は着実に出てきているというふうに思っております。
このような取組を通じまして、少子化の課題の一つである子育て環境、これを確実に改善しているというふうに考えております。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
様々な政策目標を立てられ、その達成に向けて取り組んでこられたことと思いますが、肝腎の出生率が改善していない以上、少子化対策全体として見たときに十分な成果が上がっているとは言い難いのではないでしょうか。
政府は、子供を産みたい、育てたいという希望がかなう社会や、少子化トレンドの反転といった表現を用いております。しかし、参議院の方でも話題となったように、少子化トレンドの反転についての数値的な目標もなく、最終的に何をもって成果とするのかが曖昧なままでは、巨額の予算を投じてきた政策全体の評価も曖昧になってしまいます。この三十年間の施策について、何が不十分で何が課題として残っているかも含めて、しっかりと見直していただきたいです。
次に、少子化の原因について伺います。
日本における少子化の原因については、国を始め大学や研究機関などにおいて様々な分析が行われております。未婚化、晩婚化、若年層の所得の伸び悩み、仕事と子育ての両立の難しさなど、複数の要因が指摘をされております。
そこで、大臣にお伺いいたします。
政府として、日本における少子化の主な要因をどのように認識されているのでしょうか。
○黄川田国務大臣 少子化の主な要因は、未婚化、晩婚化による婚姻数の減少と夫婦の子供の数の減少が挙げられます。その背景には、若い世代の所得、雇用の問題、出会いの少なさ、子育てに係る経済的負担や精神的負担、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な要因が複雑に絡み合っているというふうに認識しております。
○谷(浩)委員 少子化対策を本気で講じるのであれば、まず原因分析が的確でなければならないと考えております。なぜ若者の結婚が減っているのか、なぜ子供を持つことをためらうのか、なぜ希望出生数と実際の出生数との間に乖離が生じているのか、そうした点について、政府としてどこに最大の課題があると見ているのかを明確にお示しいただきたいと思います。
とりわけ、若年世代の経済的基盤の弱さや将来不安が結婚や出産の抑制につながっているとの見方は強くあります。経済的な要因のウェートが大きいとすれば、政治で解決することができるはずなので、優先的にそういった要因を取り除いていただきたいです。
その上で、次の質問に移りますが、高止まりする国民負担率について伺います。
少子化の背景には、若者の可処分所得の低さや経済的基盤の弱さがあると考えています。そうした中で、この四月分から拠出が始まった子ども・子育て支援金制度については、報道や国民の間でいわゆる独身税との批判もあります。子育て世代だけでなく、独身者や高齢者も含めて広く社会保険料として徴収することが、そのような受け止めにつながっているものと考えられます。
そこで、大臣にお伺いいたします。
租税負担率と社会保障負担率を合計した国民負担率は、三十年前は約三五%程度でした。しかし、徐々に国民負担率は上がり、令和二年以降、おおむね四六%から四七%程度で高止まりをしています。こうした高い国民負担率が、若年世代の可処分所得を圧迫し、結婚や出産をためらわせる一因になっていると考えられます。
国民負担率が少子化に及ぼす影響についてどのように考えているのか、大臣の見解をお伺いいたします。
○黄川田国務大臣 少子化の背景には、個々の若者の結婚や妊娠、出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っているというふうに考えております。このため、国民負担率が上昇すると出生率が低下するといった単純な関係にあるとは考えておりません。
なお、御指摘の子ども・子育て支援金については、高齢者を含む全ての世代の皆様に拠出していただきますが、制度そのものは、社会保障の歳出改革を行うことによって生じる社会保険の負担軽減効果の範囲内で構築することが法定化されておりまして、この支援金をもって国民負担率を上昇させるものではないということは申し述べたいと思います。
○谷(浩)委員 子育て支援の名の下に新たな負担を求める一方で、現役世代、とりわけ若者の手取りが十分に増えないままであれば、結婚や出産への心理的、経済的ハードルは下がらないと言えます。少子化対策として本当に必要なのは、複雑な制度を積み上げることだけではなく、若い世代が将来への見通しを持てるよう、可処分所得をしっかり確保できる環境を整えることではないでしょうか。
続いて、国産AIの開発についてお伺いいたします。
参政党のデジタル政策は、単なる利便性や効率化の問題としてだけではなく、国家としての主権、経済安全保障及び産業基盤の確立という観点から取り組むべき課題であると考えております。とりわけ、行政基盤や重要データの管理を海外クラウドや海外プラットフォームに過度に依存する現状は、データ主権を脆弱にするのみならず、国富の海外流出、いわゆるデジタル赤字の拡大にもつながりません。
したがって、参政党は、国内クラウド事業者の育成や国内データ基盤の整備を進めるとともに、ITの先端分野において、日本が、人間本位の理念の下で、研究開発力を国内に蓄積し、国産AIを含む戦略技術を自律的に育てていく方向を重視しております。デジタル分野においても、海外依存度を深めるのではなく、日本の主権と競争力、そして情報を守る政策転換が必要であると考えています。
経済産業省及びNEDOが推進する、我が国の生成AIの開発力強化を目的としたGENIACプロジェクトの一環として、楽天グループ株式会社は、国内最大規模の高性能AIモデルであるRakutenAI三・〇を本年三月十七日に提供を開始したと承知しております。もっとも、本モデルのベースモデルについては、当初、楽天の公式発表では明示されておりませんでしたが、その後、実際には中国製のディープシークをベースモデルにしたことが判明し、楽天もその事実を認めております。
そこで、伺います。
RakutenAI三・〇は、経産省、NEDOによるGENIAC第三期の支援対象であると承知をしておりますが、楽天グループ株式会社に対する支援額は実際に幾らなのでしょうか。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業における競争力ある生成AI基盤モデルの開発事業、いわゆるGENIAC事業の令和七年三月公募分において、楽天グループ株式会社に対する支援額は約十二億円となっております。
○谷(浩)委員 ありがとうございます。
公開資料では、二〇二五年三月公募分の採択事業者全体で百億円以内という枠までは確認できますが、個別事業者に対する支援額は必ずしも明らかではありません。国費が投入される以上、採択事業者ごとの支援の透明性は確保されるべきと考えております。
次に、情報流出や回答内容のバイアスへの懸念について伺います。
中国製由来の基盤モデルを活用する場合、情報の外国への流出や、回答内容が外国の文脈でゆがめられ、バイアスのかかった情報が提供されることを懸念する声があります。中国製のディープシークといえば、デジタル社会推進会議幹事会事務局からも注意喚起が出されておりますし、鳥取県庁では県庁内で遮断をしているようなものでございます。
生成AIは、単なる利便性の高い技術というだけではなく、情報の扱いや我々の認識形成にも影響を与え得る基盤技術であります。そのため、基盤モデルの由来や管理の在り方については、安全保障上の観点も含めて慎重に考える必要があると思います。
そこで、伺います。
こうした外国製由来の基盤モデルを活用することに対し、情報流出や回答内容のバイアスに対する懸念について政府はどのように認識をしているのか、政府の見解を伺います。
○恒藤政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、これは外国製かどうかに限らず、AIにおきましては、いわゆるハルシネーションなどによりまして不適切な出力がなされるといったリスクや、入力したデータや情報がAIの学習に使われてしまう、あるいはそれが流出してしまうというリスクがございます。
政府といたしましては、我が国の戦略として、信頼できるAIを追求し、イノベーションの促進とリスク対応の両立を徹底していくということにしてございまして、AIの安全性あるいはセキュリティーの確保についても、昨年末に閣議決定いたしましたAI基本計画に基づき、様々な施策を講じているところでございます。
具体的には、昨年末にAIの研究開発及び活用の適正性確保に関する指針というのを策定、周知をいたしまして、AI基盤モデルを活用してアプリを開発する、あるいは提供する事業者などが、リスク管理をするための適切な措置を自主的に講じるよう促してございます。また、それを支援するため、AIセーフティ・インスティテュートにおきまして、生成AIの適正性を評価するツールの開発も進めているところでございます。
また、AIを活用することによって、企業が有する貴重なデータですとか情報がAIの学習に使われてしまう、あるいは流出してしまうというリスクにつきましては、経済産業省におきまして、AIの利用・開発に関する契約チェックリストというものも策定、周知をいたしまして、企業が契約等において適切な対応を取るように促しているところでございます。
引き続き、関係省庁と連携し、AIの安全性やセキュリティーの確保に向けて適切に対応してまいります。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
生成AIは、今後、生活の中にどんどんと浸透してくるものでありますので、常に情報戦や認知戦が知らず知らずのうちにしかけられる可能性があることを認識しなければいけないと考えています。その上で、補助金事業の選定についても慎重に行っていただくことを要望いたします。
最後に、国産ガバメントAI開発について伺います。
生成AIは、今後、行政の業務効率化や政策立案支援などの分野で広く活用されていく可能性があり、将来的には政府のガバメントAIの礎にもなる技術として期待されていると承知をしております。
そうであるならば、先ほどから申し上げているとおり、今後の生成AIに対する国の支援の在り方としては、単に表面的な性能のみならず、基盤部分の透明性、安全保障上の信頼性、国内で継続的に開発、保守できる能力の確保を重視すべきであると考えます。
そこで、デジタル大臣にお伺いいたします。
今後は、こうした観点を重視し、国内で開発した基盤モデルを後押しする方向で支援を行うべきではないでしょうか。大臣の見解をお伺いいたします。
○松本(尚)国務大臣 お尋ねの件ですけれども、先ほどの阿部議員の質問と根っこは一緒だろうと思っております。AIにもソブリンティーというのをちゃんと考えなきゃいけないということでございますけれども。
今、政府としては「源内」を積極的に活用して、それを、できれば民間にまた、AIというのはこういうものだよということを広げていくということを考えておるんですけれども、そのAIが、特に行政、政府で使う場合においては、日本語の語彙や表現、あるいは行政文書特有の記述などが必要になると思いますし、もし教育の分野で使うことがあれば、それはなおさら一層日本語で作らなきゃいけないし、我々の文化や歴史がちゃんと分かっている、そういうデータベースの中でAIを作っていくことが必要なことだと思っています。
この「源内」についてですけれども、今般、昨年十二月に国産のAIモデルを公募いたしまして、本年三月に、十五件応募があったんですけれども、七社、モデルを選定いたしました。その意味において、それらの七社を選定するときには、今言ったような部分も十分に考慮しながら、幾つかのテストをやりながら、厳しい選定をして、国産のAIを選定しているということでございます。
デジタル庁としては、規制官庁になるつもりは全くございません。産業育成という意味もしっかりと進めていかなければいけないと思いますし、委員御指摘のとおり、安全保障上のバランスというのも同時に考えなきゃいけない。産業政策と安全保障というバランスを考えながら、それでも、なおかつ、できる限り国産のAIが我々の中で使われていくような、そういう環境を進めていきたいと思っております。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
四月十二日の報道で、ソフトバンクグループ、NEC、ホンダ、ソニーグループを中心に、国産AI開発を行う新会社、日本AI基盤モデル開発が設立されたとの報道がございました。こちらも、NEDOの方で、我が国の生成AIの開発力確保、強化のために支援しているものだと確認をしています。
この国産AIの開発を行う会社を支援するNEDOの取組は、我が国がデジタル主権を取り戻し、デジタル赤字を解消する第一歩ともなり得る事業だと言えますので、非常に前向きに受け止めております。
ただ、先ほどの楽天AIのように、外国製の基盤モデルを使ったがゆえに、いつの間にか回答内容が外国由来のバイアスがかかってしまい、認知戦や情報戦に負けてしまう、そういったことがないよう、経済産業省とNEDOには事業を引き続き注意深く監督をいただき、我が国独自の言語と文脈で思考し、ユーザーに情報提供してもらえるような国産AI開発になるよう要望して、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、小林修平君。
○小林(修)委員 チームみらいの小林修平です。
質問の機会をいただき、ありがとうございます。
本日、議員として初めて質疑に立たせていただきます。(発言する者あり)ありがとうございます。
私は、議員になる以前、ソフトウェアエンジニア及びデザイナーとしてAIスタートアップなどで働いてまいりました。また、先月、娘が生まれまして、一児の父親となったばかりでもございます。(拍手)ありがとうございます。子育て支援のデジタル化は相性がよいと考えておりますので、今までの経験や子育て当事者としても推進する立場から質問させていただきます。
まず最初に、子育て支援制度レジストリの整備についてお伺いいたします。
関係府省が連携して構築している子育て支援制度レジストリは、国、自治体の支援制度百二十四種類を標準化し、民間アプリを通じて、子育て家庭に最適な支援情報をプッシュ通知する仕組みです。令和八年三月頃の本格運用を予定していると承知をしておりますが、デジタル行財政改革会議の二〇二五年取りまとめでは、二〇二五年度中に整備すると明記をされております。
そこで、お伺いをいたします。
二〇二五年達成状況について、運用開始自治体数、連携済みアプリ数、登録済制度件数など、具体的な数値で現状をお示しいただくとともに、二〇二五年度中の実現という目標に対する政府の自己評価をお聞かせください。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
御質問の子育て支援制度レジストリにつきましては、昨年六月にデジタル行財政改革取りまとめ二〇二五で取りまとめられておりまして、それを踏まえて、国において、まずは指定都市等の百五十自治体の子育て支援制度の調査を実施しました。その結果に基づいて、二〇二五年度版の子育て支援制度レジストリを整備してございます。
この子育て支援制度レジストリを使いまして、二〇二五年度においては、民間の子育てアプリと連携可能とすることにより、日常で使う子育てアプリから、子育て世帯に対して、必要な情報を最適なタイミングでプッシュ型でスマートに配信するための仕組みを既に実現しているところであります。また、順次その他の自治体における子育て支援制度についても調査を進めているところでございまして、並行して、さらに、レジストリー情報の継続的な更新に向けた通知を発出するなど、自治体の協力要請を進めているところです。
今後とも、レジストリーの登録自治体数の増加、それから継続的な更新による内容面の充実強化、それとともに、レジストリーを活用する民間アプリの増加が重要と考えておりまして、活用の促進に向けて、関係省庁と連携した広報、周知など、丁寧な説明を進めてまいります。
以上でございます。
○小林(修)委員 ありがとうございます。
このレジストリーは、整備して終わりではなく、稼働後も、制度が変わるたびに、給付額が改定されるたびに、全国の自治体がデータを継続的に更新し続けていくものと認識をしております。
懸念されるのは、人員や財源が限られた小規模な自治体への影響でございます。十分な支援なくこの負担を自治体任せにすれば、対応できる自治体とできない自治体の間に格差が生まれ、住む地域によって子育て支援の情報アクセスに差が出てしまいます。それは目指すべきレジストリーの目的と真逆の結果を生みかねません。
そこで、お伺いをいたします。
小規模自治体への支援について、人員、財源の限られた小規模自治体が円滑に導入、運用できるよう、国として具体的にどのような支援を行っていくのか、お伺いをいたします。
○松本(尚)国務大臣 御指摘の子育て支援レジストリーについては、昨年の十一月にも、私、閣議後会見で国民の皆様に紹介をさせていただいたところです。
導入時には、このレジストリーに必要な各自治体の支援制度をまず調査して、各自治体にどんな支援策があるかを調査して、レジストリーに何を載せるかということを確認をして、それから、このレジストリーに、インストールするというか導入しているわけです。
それだけで終わってはいけないというのは委員御指摘のとおりで、導入後も随時、どこの自治体がどういった支援策を追加したりとか、あるいは改定したりとか、そういう情報をちゃんと集めて、そういうことをやっていますよというのを自治体に伝えていかなきゃいけない、国の支援策をチェックして自治体に伝える、そういうお役目も我々はやっていかなきゃいけないというふうに思います。
具体的にどのような支援といえば、やはり導入した後の支援としては、そういうところを我々が賄っていくということになろうかと思います。
○小林(修)委員 ありがとうございます。
小規模自治体も含め、誰一人取り残さない運用を引き続き求めてまいります。
続いて、デジタル母子手帳及び子育て支援のデジタル化について質問をいたします。
現在五十か国以上に普及しているこの母子手帳は、妊娠から就学前にわたる健康情報を記録する仕組みとして日本が世界に先駆けて生み出したものであり、画期的なものであると認識をしております。
一方、現在の育児支援は、紙の手続が主流であることにより、様々な課題を抱えております。体調が優れないつわりの時期にも窓口へ行かなければならない、紛失のリスクがある、申請や受診のたびに氏名や住所を毎度記入しなければならない、予約やスケジュールの管理の煩雑さ、申請しないと補助を受けられない、こうした細かな手間の積み重ねが子育て世代の負担となっており、私自身も直近実感をしておったところでございます。
デジタル母子手帳を始めとする子育て支援のデジタル化は、こうした課題を構造的に解決する大きな可能性を持っております。役所に行かずとも、スマートフォンからいつでも必要な情報にアクセスができ、妊娠届の提出から健診の記録、予防接種の管理、補助金の申請まで、一元的に手続できるようになれば、子育て家庭の負担は大幅に軽減されます。
さらに、デジタル化が進むことで、一人一人の事情に合わせたフレキシブルな対応が可能となります。例えば、双子や三つ子の妊娠であったり経過が複雑な場合、受診票の枚数を超えて自己負担が生じるケースがございます。医療機関と自治体がデジタルでつながれば、妊娠の経過に応じて受診票を自動的に追加付与するような仕組みを導入しやすくなるわけでございます。
これら母子手帳や子育て支援の仕組みやデジタル化を推進していくことで、関わる全ての方にとって更によいものになると確信をしております。
そこで、お伺いをいたします。
こうした取組を実効あるものにするためには、実際に使う現場の声を丁寧に拾い上げていくことが欠かせません。デジタル母子手帳の推進に当たり、子育て家庭、医療従事者、自治体といった実際に使う方々からの意見は、現在、どのような形で、またどの段階から取り入れられているか、お伺いをいたします。
○中村政府参考人 お答えいたします。ありがとうございます。
小林委員御指摘のように、この母子健康手帳、まさに子育てをする世代、スマートフォン等々に非常に慣れ親しんでおりますので、デジタル化は全ての世代で大事ですけれども、特にここはスピーディーに進める必要がありますし、できるというふうに思っております。
その過程において、もちろん、制度をつくる側が独りよがりになってしまったら何の意味もありませんので、実際にお使いいただく子育ての家庭であるとか医療従事者の方々、自治体の方々にとって、どういうふうにするのが使い勝手がいいのか、これは非常に大事だというのは同じ観点でございます。
実際のところ、こども家庭庁におきまして、本格導入の前に、やはり実証事業が大事だということで二つ走らせておりまして、一つは、事業の中身ということで、妊婦健診や乳幼児健診でどうやってデジタル化していくか。例えば、問診票の入力や健診結果の確認などをスマートフォン等で行えるような取組を、令和六年度から実証事業をやらせていただきまして、この実証事業の中で、子育て家庭、自治体、医療機関などの利用者の方からアンケートやヒアリングなどのフィードバックを受けまして、生かしているところでございます。
また、母子健康手帳の電子版本体につきましても、これは今年度から実証事業を開始するということでございまして、この中で、子育て家庭、自治体、医療機関などの利用者から、やはり実際に利用していただいて、フィードバックを得て、本格実施に備えたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
○小林(修)委員 ありがとうございます。非常に期待をしております。
続けてお聞きいたします。
デジタル化の恩恵が真に届くためにはもう一つ重要な条件があると考えます。それは、体験のよさです。中途半端な形でデジタル化が進んでしまうと、便利になるどころか、かえって現場の混乱を招き、子育て家庭、医療機関、自治体の職員も二重の対応を強いられてしまう懸念がございます。使いにくいシステムが導入された結果、関係者の負担が逆に増えてしまうという事態は本末転倒であり、断じて避けなければなりません。
実際に使う方々がデジタルの方が明らかに便利だと実感できるだけの使いやすさを担保するためには、一度リリース、公開して終わりではなく、設計の段階から現場の声を細かく何度も取り入れていく、改善のサイクルを重ねていくことが重要でございます。
ただ動けばいいのではなく、実際に使う方々にとって画面の操作が直感的で分かりやすいか、利用者の体験全体が考慮された設計になっているか、いわゆるUIやUXの観点も成果物の評価項目に明確に位置づけていく必要があると考えております。
そこで、お伺いをいたします。
紙よりデジタルの方が明らかに便利だと実際に使う方々に感じていただけるような品質、使いやすさを担保するために、政府としてどのような考え方の下で取り組んでおられるのか、特に、UIやUXの品質向上のための仕組みや観点があるか、大臣の御見解をお聞かせください。
○黄川田国務大臣 電子版母子健康手帳については、令和六年度に、自治体や医療関係団体などの関係者、有識者に参画していただいた検討会において、利用者の利便性の観点も含め、課題と対応を整理いたしました。
その上で、令和七年度に、自治体に対し、電子版母子健康手帳アプリ等の開発などに当たりまして参照すべき事項をまとめました電子版母子健康手帳のガイドラインを発出したところでございます。
また、令和八年度には、子育て家庭、自治体、医療機関などの利用者が電子版母子健康手帳を利用する実証事業を開始しまして、御指摘になられておりますUX、UIも含めた実際の利用場面におけます利便性や改善点に向けて検証を行う予定でございます。
こうした実証事業などを通じまして、子育て家庭、自治体、医療機関などの利用者や開発事業者からの意見も踏まえながら、デジタルならではのメリットを利用者が実感できる仕組みとなるよう、必要な環境を整備し、電子版母子健康手帳の円滑な普及につなげてまいりたいと考えております。
○小林(修)委員 ありがとうございます。
デジタル母子手帳に限らず、今後、各府省が使用する様々なアプリ開発においては、利用者視点で使いやすい体験を重視したものになりますよう、引き続き注視をしてまいります。
次に、ジェネレーティブAI「源内」についても、推進をする立場からお伺いをいたします。
大臣は、所信において、今年度中に約十八万人の政府職員が「源内」を活用可能になると述べられました。しかし、新しいツールが組織に真に根づくためには、アカウントを配付するだけでは不十分でございます。幹部や政務三役を含めた上司が自ら積極的に使う姿勢を示すことは、現場への普及を大きく左右いたします。
また、「源内」を、単発的な利用にとどめず、実際の業務フローの改善や行政サービスの向上につなげていくためには、各府省の中で先頭に立って取り組む旗振り役、いわゆるエバンジェリストの存在が欠かせません。ベテランや新人を問わず、省庁の枠を超えて活動しやすい環境を整えていくことが、現場発の改革を実現する上で重要でございます。
そこで、大臣に二点お伺いをいたします。
第一に、各府省の幹部職員や政務三役、さらには大臣御本人も含めて、日常業務の中で「源内」を実際に活用していただきたいと考えておりますが、トップ自らが使う姿勢を示すことへの御見解をお聞かせください。
第二に、現場発の改革を担うエバンジェリストや、横断的な地位も、各府省の中でどのように確保、育成し、デジタル庁として伴走を後押ししていくお考えか、併せてお伺いをいたします。
○松本(尚)国務大臣 ありがとうございます。
まず、「源内」についてですけれども、御承知おきのとおり、指定職、管理職が率先して利活用を進めろということが、昨年十二月に閣議決定された人工知能基本計画においても書かれているところです。
具体論を示せというお話でございましたので、例えば、事務次官級職員の「源内」活用事例ですが、国際カンファレンスに登壇することがございまして、その際、AIチャットを活用して、最新情報や関係したデータを収集する、壁打ちをしながら講演の骨子や構成を検討し日本語原稿を作った、その日本語原稿を英訳にして、なおかつ、それがスムーズに日本人がしゃべる英語になるようにAIに指示することで原稿を作ったというようなことがございます。
また、ちなみに、この答弁書、今日の私の答弁書も、基本的には官僚が作ってAIがチェックをしております。そういった内容で私が準備をさせるんですけれども、私は半分以上全くしゃべっていないので、それを読んでいないので。松本はAIに挑戦をしているのでございますけれども、そのように、私が率先して、率先しているのか分からないですけれども、AIを利活用するように今進めているところでございます。
さて、エバンジェリスト、旗振り役の件でございます。昨日質問通告を受けてエバンジェリストという言葉を初めて知ったんですけれども、非常に反省をしておりますが。
少なくとも、その旗振り役が各府省庁で若手職員が中心になってAIを進めていく中で、そういう人材を養成していくことは極めて大事なことだと思っています。ゆえに、このエバンジェリストを省内外で育ててもらうプロジェクト、これを今デジタル庁としては具体的にどうやってやろうかということを考えております。最終的には、デジタル大臣が認定するような、そういうようなことをやりながら、モチベーションを高めていくというふうにも考えております。
以上でございます。
○小林(修)委員 ありがとうございます。
私たちチームみらいでも、こういった質疑文をAIにチェックをさせて、誤字や脱字がないかといった、そういったチェックを行っております。(発言する者あり)ありがとうございます。今後も、「源内」、すごく期待をしておりますので、是非御活用いただきたいと思っております。
私たちからの質問は以上でございます。ありがとうございました。
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○丹羽委員長 次に、内閣提出、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。黄川田国務大臣。
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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○黄川田国務大臣 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
地方分権改革は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、極めて重要なテーマです。
本法案は、昨年十二月に閣議決定した令和七年の地方からの提案等に関する対応方針等を踏まえ、地方公共団体に対する義務づけの緩和等を行うものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
地方が自らの発想でそれぞれの地域に合った行政を行うことができるようにするため、地方公共団体に対する義務づけの緩和等を行うこととし、関係法律の改正を行うこととしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○丹羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る二十三日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十九分散会

