第12号 令和8年7月13日(月曜日)
令和八年七月十三日(月曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 丹羽 秀樹君
理事 安藤たかお君 理事 井原 巧君
理事 上川 陽子君 理事 斉木 武志君
理事 田畑 裕明君 理事 早稲田ゆき君
理事 阿部 司君 理事 日野紗里亜君
畦元 将吾君 石井 拓君
伊藤 聡君 岩崎 比菜君
大空 幸星君 尾花 瑛仁君
加藤 貴弘君 川崎ひでと君
草間 剛君 繁本 護君
鈴木 拓海君 高橋 祐介君
田宮 寿人君 辻 秀樹君
辻 由布子君 永田磨梨奈君
藤田 誠君 穂坂 泰君
宮内 秀樹君 森原紀代子君
山本 深君 伊佐 進一君
山崎 正恭君 高見 亮君
横田 光弘君 向山 好一君
谷 浩一郎君 高山 聡史君
辰巳孝太郎君
…………………………………
議員 鈴木 英敬君
議員 宮下 一郎君
議員 簗 和生君
議員 岩谷 良平君
議員 高見 亮君
議員 臼木 秀剛君
議員 西岡 義高君
総務副大臣 堀内 詔子君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 川崎ひでと君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 川崎 暁君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 山本 麻美君
―――――――――――――
委員の異動
七月十三日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 伊藤 聡君
西野 太亮君 大空 幸星君
橋本 岳君 辻 由布子君
古井 康介君 岩崎 比菜君
丸田康一郎君 草間 剛君
犬飼 明佳君 伊佐 進一君
西岡 義高君 向山 好一君
同日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 谷川 とむ君
岩崎 比菜君 森原紀代子君
大空 幸星君 藤田 誠君
草間 剛君 丸田康一郎君
辻 由布子君 橋本 岳君
伊佐 進一君 犬飼 明佳君
向山 好一君 西岡 義高君
同日
辞任 補欠選任
藤田 誠君 永田磨梨奈君
森原紀代子君 古井 康介君
同日
辞任 補欠選任
永田磨梨奈君 西野 太亮君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案(簗和生君外七名提出、衆法第二七号)
特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案(西岡義高君外一名提出、衆法第二四号)
大都市地域における特別区の設置に関する法律の一部を改正する法律案(西岡義高君外一名提出、衆法第二五号)
――――◇―――――
○丹羽委員長 これより会議を開きます。
簗和生君外七名提出、国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案、西岡義高君外一名提出、特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案及び西岡義高君外一名提出、大都市地域における特別区の設置に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房審議官川崎暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○丹羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊佐進一君。
○伊佐委員 おはようございます。中道改革連合の伊佐進一です。
早速質問に入らせていただきたいというふうに思っております。
東京一極集中の打破でありますとか、副首都の議論もそうですが、これについては何も反対するものではありません。首都機能、首都にいざ何かが起こったときに、それをバックアップ機能としてどう持たせていくか、これも全く反対するものではありません。
ただ、やはり申し上げたいのは、ちょっと今回の議論は余りに拙速だということはまず申し上げたいというふうに思います。
というのは、これは国の統治機構をどうするかという話です。根本的な議論だというふうに思っております。論点も非常に多いと。恐らく、自民党の中の、与党の中での部会においても、相当、専門家の方もたくさん呼ばれて、いろいろな角度から議論されたはずなんですよ。それが、そういう議論をこの国会で、この場所ですっ飛ばして、最後の二週間、まあ実質一週間という中で、数時間の審議で決めてしまうということは、これは私は余りに拙速なんじゃないか、もっといろいろな論点があるというふうに思っております。
ちょっと進め方についてまず確認をしたいと思いますが、国家の基礎である統治機能をどうするかということは、私はこれは閣法でちゃんと議論するべきだというふうに思っています。恐らく、いやいや、これは議法でまず最初の枠組みを決めるんです、大きな方向性なんですということをおっしゃると思うんですが、ただ、私、ちょっと聞きたいのは、それでもやはり、具体的なことをやろうと思ったら実施法が要ると思うんですよ。
例えば、この法律が通ったら、基本方針というのを作ります。基本方針には、副首都が担うべき機能を基本方針で決めるんですよ。つまり、副首都とは何ぞや、この機能は何やというのは、ここで議論するんじゃなくて、基本方針で決めると言っているんですよ。国会じゃなく、行政が決められるということになっています。これをまさしく国会で議論しなきゃいけない、決めていかなきゃいけないというふうに思っております。
だから、副首都の機能であったりとか、例えば基本方針の中には、体制の整備、経済基盤の強化、こういうところはしっかりと閣法で決めていくべきだと。なぜ今回議法なのかというところをお伺いしたいと思います。
○簗議員 お答えいたします。
我が国の政治、行政、司法及び経済に関する国家及び社会の重要な機能の東京圏への一極集中が続いている現状に鑑みると、首都直下地震や富士山噴火といった大規模災害が発生した場合の危機管理等は、まさに国として取り組むべき喫緊の課題であるというふうに思います。これは今、伊佐議員からも御指摘をいただいたとおりで、認識を共有しているというふうに思います。
このような事態に備えまして、国家社会機能の継続性が確保されるよう、バックアップ体制の整備を行うことは、まさに政治の責任でありまして、そのため、必要な施策を可能な限り速やかに講じるべく、本法案を議員立法として提出したという次第でございます。
議法である理由ということでありますけれども、これまでバックアップ拠点の整備等につきましては、他の計画等においても規定をされているわけでありますけれども、その議論が具体的に進んでいないという現状があります。
こういう中で、より政治の意思として、この国会の意思として、議員立法としてこれをしっかりと政府にこの検討を進めるようにということを国会の意思として我々が示していくということは大変重要であると思っておりまして、これを議員立法として提出をしているという次第でございます。
○伊佐委員 簗先生、私、バックアップ機能が重要だということは何も否定もしません。これが、いざ災害がいつ起こるか分からないという状況の中で、喫緊の課題だというのも、そのとおりだと思っています。ただ、そうはいっても、この国家の基盤たる副首都の機能も含めて、そこをここで決めることなく、基本方針で、しかも数日で決めてしまうというのは本当にどうなんだと。
分かりました。では、百歩譲って、大きな方向性を国として、国会として示すことが大事なんだというのであれば、せめて基本方針に掲げるような中身の実施部分については、これはちゃんと閣法でやるべきじゃないですか。どうですか。
○簗議員 このことについては、この法律のそもそもの整理というかたてつけについて、先ほどちょっと御指摘もありましたけれども、災害に対して体制をしっかり強化する、バックアップ拠点を整備することも含めてこれをしっかり国として進めるということは、もう早期に進めなければいけないということを考えておりまして、まずは、しっかりと枠組みとなる検討等を政府に進めてもらうに当たっての、この枠組みとなる理念的なものも含めた法律をしっかり国会の意思として作る、そして、その後に専門家も含めてこの基本方針を検討する中で、これは一年以内に策定ということで、一年かけてこの基本方針を検討するということになってございますので、この中でしっかりと政府において専門的見地からも含めて検討していただく。
早期にこの法律を成立をさせていただいて、そして、より専門的な見地から議論を早期に進めて、バックアップの体制、国家社会機能の継続性を確保した国土づくりを早期に進めていくということが我々この国会として重要である、そういう認識でございます。
○伊佐委員 いきなり第一問で何度も応酬するのもあれなんですが、専門的な見地で決める大事なことを、それこそ、そこを閣法で私はやったらいいと思っているんですよ。
昔、首都機能の移転を議論したのが、法律ができたのが一九九二年です。そのときも、法律を作って国会で議論をして、さらにその後、審議会にかけて専門家の皆さんに議論してもらって、その後もう一回特別委員会をやって、ちゃんと国会で議論しているんですよ。何で今回はそれをやらないのかということなんですよ。
○簗議員 様々な御意見、そういうことは真摯に受け止めて、今後の政府の検討の中でより精緻な専門的な議論を進めていくということに、政府においてそれを進めるように、この法律の審議の中でも、皆様の御意見をしっかり踏まえた形での対応が政府で取られるようにということで我々も考えております。
○伊佐委員 ちょっと、余り、私はすっと落ちる答えじゃなかったなと思うんですが、一問目だけで言っているわけにもまいりませんので。
では、具体的な中身について少しお話をしたいと思いますが、まず、首都中枢機能とは何でしょうか。
○簗議員 お答えいたします。
これは定義のお話ですけれども、本法では、東京圏における国家社会機能のうち中枢的なものをいうというふうに定義をしてございます。
その具体的な内容につきましては、例えば、政治に関する中枢的な機能として国会が有する機能、行政に関する中枢的な機能として中央省庁等が有する機能、司法に関する中枢的な機能として最高裁判所が有する機能、そして、経済に関する中枢的な機能として、金融決済業務を行う中央銀行や主要金融機関や企業本社等が有する機能のうち大規模災害時に維持すべき必須の機能、こういうものを想定してございます。
○伊佐委員 この中枢機能を代替するという話は、これはさっき申し上げたように、国会でもずっと議論が積み重ねてこられました。一九九二年の十二月に国会等移転に関する法律というのが成立した。この法律は、今でも生きているんでしょうか。有効なんでしょうか。
○川崎政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の国会等の移転に関する法律でございますけれども、平成四年に議員立法により制定されたものでありますけれども、現在も有効であるものと認識をいたしております。
○伊佐委員 つまり、先ほど私が申し上げたような、九〇年に国会決議をし、九二年にこの法律ができた、これはまだ有効だ。この法律に基づいて、国は、行政は、審議会をつくり、そして、そこで三年間審議をして九九年に答申を出した、その後、特別委員会で更に議論を重ねていったということですが、この積み上げはどういう位置づけになるんでしょうか。
何か今までの積み上げがあったものが、これを無視して、今回、もう新しいルールで、とにかく要件を満たせば、手を挙げれば副首都になれるんだと。これが許されるようなことがちょっとやはり拙速じゃないかと思うんですが、この今有効だと言った法律との関係ではどう整理されますか。
○宮下議員 お答えいたします。
国会等移転法は、お話しのように今も生きておるわけですけれども、この法律を作る前提として、もちろんこの国会等移転法等々の議論の経緯もしっかり自民党内でも議論して、その上で、やはり国会全体を移転するということは様々な課題を解決しなければ前に進めない、そういったことで今実質止まっているということ、こうしたことも踏まえて、実際、現在の首都中枢機能を維持しつつバックアップ拠点を整備するという格好で新たな法律を作るのが望ましい、こういう考え方で国会等移転法を踏まえてこの法律を考えた、そういう面がございます。
特に、当時から議論されておりましたけれども、首都直下地震とか、最近特に言われている富士山噴火のリスクは引き続きあるわけで、今はむしろその発生確率も高まっているという議論もございます。そういった意味で、これまでの議論を踏まえてやはりバックアップ体制を早急に整備する、これを政府が取り組むべき喫緊の課題だと位置づけて今回の法案の提出に至ったという関係でございます。
○伊佐委員 宮下委員、これ、私、意義は十分理解しているつもりです。その上で、さっき、恐らく今おっしゃったのは、今回はバックアップなんだ、前は移転だったでしょうということをおっしゃっているのかなと思うんですね。ただ、それを言うのであれば、前は国会機能だけだったんですよ。今回は首都機能丸ごとなんです。行政だって司法だって経済だって全部バックアップする、これを代替機能をどうするかという、ある意味、私はもっとスコープの広い話が今回の話なんですよね。
だから、前回の答申ですら、首都機能移転は、世紀を越えた長期的視点に立って構想すべき歴史的大事業だと書いてあるんですよ。それが、国会が関与できるのは数時間でいいんですかという話です、と私は思います。
さっき、この移転法は、政府の方から有効だという話がありました。法律を、さっきの審議会で結局、その専門的な見地からいろいろと議論をした結果、では、代替地域として候補になった結論は、当時は栃木・福島地域又は岐阜・愛知地域、これが移転先となるべきものだというふうに結論が得られております。この結論に今回の法律は縛られるんでしょうか。
○宮下議員 国会のバックアップの在り方については附則の第四条に規定されておりまして、特に国会、最高裁判所等の在り方については、それぞれBCP計画をこの法律に基づいてしっかり見直していただいて、それに基づいて対応を、基本方針にも取り込んでいくという構造になっておりまして、特に国会のBCPについては、今、首都直下地震を想定したBCPはありますが、富士山噴火を想定したBCPはございません。
そうしたことも踏まえ、国会のBCPを見直す中で、どういうことで事業継続をしていくのか、それは、その中で、国会等移転法での議論も十分に参照した上で策定されるものだというふうに認識しております。
○伊佐委員 ちょっと確認なんですけれども、その基本方針で副首都の担うべき機能というものを決めるじゃないですか。この中には、国会の議論は国会に、ある意味、この法律のたてつけは、行政のことはちょっと一生懸命議論しますけれども、国会と司法はそれぞれでどうBCPを考えるかやってくれという法律ですよね。では、基本方針に書かれている副首都が担うべき機能には、国会のことは入るんでしょうか、入らない、どっちでしょうか。
○簗議員 首都中枢機能の定義ということで先ほどお答えをしましたけれども、この中に、政治に関わる中枢機能として国会というものは含まれるという認識でございます。その上で、政府において推進本部をつくりまして、総理大臣を本部長として議論をしていただくということになりまして、あくまでもこの基本方針というのは政府としての方針になります。
ですので、この国会の権能や立場の関係から、国会については、まずは国会において我々議員がしっかりと議論をして、そして、その検討の結果をこの基本方針に反映させるという形を、間接的な形式を取らせていただいている、そういう整理でございます。
○伊佐委員 副首都の話に今なっていますが、これは私、予算委員会でも質問したんですけれども、首都の定義って何ですかと聞いたら、法律上ありませんと言われました。首都の定義、ないんですね。
首都の定義がない中で、首都とは何かというのが決まっていない中で、いきなり今回、副首都の話になっていますが、ちょっとここも唐突じゃないかと思うんですが、そもそも、何で副首都なのかというところ、一回確認したいと思います。
○岩谷議員 この法律の目的の一つは、大規模災害の発生時における国家社会機能の継続性を確保するということにあります。この大規模災害の発生時における国家社会機能の継続性を確保するという目的に鑑みれば、首都を定義しなくても、機能の観点から首都中枢機能を定義すれば足りると考えたところでございます。
○伊佐委員 ごめんなさい。法律上、首都中枢機能代替地域というのは、もちろん一部を代替する、副首都が全部、大部分を代替するとあるんですが、これは別に副首都でなくても、要は、首都中枢機能の一部を代替するのと、首都中枢機能代替地域を全部、大部分を代替するところと、いろいろな役割分担があって、いろいろな災害の態様によって、シチュエーション、組合せをして、その機能をここがやりましょうとかということでいいんじゃないかと思ったんですが、私の質問は、そこで何でいきなり副首都というのが出てきたかという話なんですが。
○岩谷議員 首都中枢機能を、様々なものがある中で、その一部を代替する地域があってもいい。しかし、その大部分、全部や大部分を代替する地域があってもいい。両方あった方が、当然、国家社会機能の継続性確保のためには資するであろうという考え方の下、副首都というのを考えた次第です。
○伊佐委員 だから、ごめんなさいね、それを副首都と呼ぶかどうかという話なんですが。
では、もうちょっと具体的に言いますと、首都中枢機能というのは、本法、この法律によると、第二条に、首都直下地震対策特別措置法を引いています。そこでは、首都中枢機能を担っているのは東京圏なんですよ。圏です。ゾーンです。東京都だけじゃないんですよ。千葉とか埼玉とか神奈川とかで首都中枢機能を担っているというふうに、首都直下地震対策特別措置法、本法第二条で引いている、この法律はそう書いてあるんですね。だから、首都機能は東京都だけじゃないんですよ。
ところが、今回の副首都の申請は道府県でできてしまうんです。ゾーンで本来担うべきものが、何でこれは道府県だけで申請できるのか。これはどうですか。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
副首都が首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能を担うとともに、東京圏と並んで、日本の経済成長を牽引する機能を果たす意味において、委員おっしゃるように、圏域という考え方はあると思うので、一定の広がりを持った経済圏が必要である、それはもちろん承知しております。
ただ、我が国の特性といたしまして、人口、GDP、企業等の集積は地域で完結せず、さっきおっしゃったとおり、周域まで、エリアまで広がっている。そういったエリアを包括する都道府県、これが結局、今までの政治においていろいろな物事を動かしてきたということもあります。
周辺の府県とも連携して圏域の成長を目指すためには、道府県という単位、これがやはり、今まで、大規模災害であったりとか、経済であったり、域内の市町村と調整しながらいろいろなものを実行してきた単位として今までもやってきた。その中で、この副首都の機能を担っていただく上では、この道府県というのを単位とするのが一番物事を進める上で合理的であると判断して、今回、こういう形になっております。
以上です。
○伊佐委員 いや、私は、合理的かどうかはちょっと分からないんですが、例えば大阪、私、地元大阪なので、大阪の例でいうと、本当に大阪府、いわゆる首都機能ですら、東京都だけじゃなく、埼玉、千葉、神奈川で担っているわけですよ。なぜ大阪だけは大阪府で担えるのか、あるいは福岡県だけで担えるのかと。
ここのところ、本来であれば、私は、もうちょっとその周辺の自治体との連携みたいなものをちゃんとシステムに入れておかないと、何か、どこかの、別に、周りと、兵庫県と仲が悪い、京都と仲が悪いけれども、大阪だけ手を挙げたらできますよとか、そういうものじゃないと思うんですよ。国家の基盤ですから。だから、そういうところが、何か拙速に作ってしまっていると、正直、申し訳ないけれども、私は思っていますので、急いで作ったからこそ、首都圏とか東京圏、あるいは首都機能、代替機能というのは、そもそもどこがどう担っているのか。
もちろん、国会と司法と行政です、経済ですというのは分かるんですけれども、では、行政のどういうところが首都中枢機能というのか、経済のどういう観点が首都中枢機能というのか、ここがないわけじゃないですか。だからこそ、では、東京都でできるのか、大阪府だけで担えるのか、いろいろな議論があるわけですよね。こういうところも議論しないと、私は、法律の文言としては非常に、ちょっと軽いと思っております。
ちょっと時間がないので、次に行きますね。
要件を満たすと、手を挙げると副首都に指定されるということです。何度も申し上げますけれども、これは国家の統治機能です。国家の統治機能なんだけれども、国が本来議論して決めるべきものが、道府県が手を挙げて、私、なりたいですとなったら指定される。私はこれはまずおかしいと思っていまして、国会等移転法、さっき申し上げた、これでも、どういう議論があったかちょっと紹介すると、審議会ですら、審議会の中でも三段階に分けています。
まず第一段階は、客観性と公正さを重視しながら、まず概括的な調査検討をやった。第二段階で、今回の法律は人口規模とか経済規模とかですけれども、十六の観点で、多数の専門家で詳細な調査をやって、関係府県から意見聴取をやって、現地調査をやった。第三段階では、では、利用する空港の位置とか道路とか鉄道、交通体系の整備状況、地理的条件、相互の交流の状況、こういうものまで議論して、国が候補選択というのを行ってきたということです。これを、国家の基本的な要件、大事な統治機能を、自治体が手を挙げたらなれるというのは、私はちょっとおかしいんじゃないかと思いますが、ここはどうでしょうか。
○岩谷議員 委員御指摘のとおり、副首都の指定というのは、東京圏との同時被災の可能性が低いこと、それから国の行政機構の立地状況、人口及び経済の集積状況、そして必要な地方行政体制という四つの要件全てが該当する地域を含む道府県が、当該道府県議会の議決を経て行う申出で行うこととされております。
これは、首都中枢機能の全部又は大部分の代替及び多極分散型経済圏の形成の中核という重要な役割を担う、我が国にとって重要な機能を担う副首都の指定でありますから、やはり、当該道府県の意思というのは極めて重要であろうということから、当該道府県議会の議決を経て、いわゆる手挙げ方式で指定を受けるという形式を取らせていただきました。
○伊佐委員 道府県の意思も大事だし、恐らく、首都機能移転するときには、道府県の意思も確認をすることは大事だと思います。ただ、今回の法のたてつけは、道府県が手を挙げれば決められるというのが法のたてつけなので、私はそれは違うんじゃないかと。
さっき要件で災害をおっしゃいましたけれども、災害で、今回、東京と同時災害のある可能性のある、例えば首都直下地震緊急対策とか富士山の噴火とかというものは除くとなっております。でも、被害の状況によっては私はもっと柔軟に考えていいんじゃないかと思っておりまして、例えば、首都中枢機能が麻痺するというのは、何もこの二つだけじゃないんですよ。例えばパンデミックもそうです、感染症。あるいは、テロもそうです、河川の災害もそうです、いろいろなものがあるんですよ。何でこの二つだけなのか、ここだけでも議論がすごくあるんです。
ちょっと、最後、時間になりますので、もう一個だけ、これは言っておきたいのは、ちょっとさっきもちらっと言いましたけれども、そもそも、今回の副首都の指定に当たって、さっき申し上げた政令要件、こういうものが要件になりますよということで幾つか書かれています。でも、さっき言ったように、前の、国会の移転ですら十六ぐらい要件を考えて議論をしてきたんですが、今回はこれだけになっている。さらに、細かい内容については、細かいというか、副首都の機能ですら基本方針で決めるとなっていますが、ちょっと、基本方針の策定と副首都の指定はいつごろを想定しているか、まず確認します。
○簗議員 お答えいたします。
本法は、公布日から三か月以内の施行とされておりまして、基本方針については、本法施行後一年以内に定めることとされています。
また、本法施行後は、道府県から副首都の指定の申出があることが想定をされますが、道府県から申出があり要件が満たされていると認められる場合には、速やかに副首都として指定が行われるというふうに考えてございます。
○伊佐委員 基本方針は一年以内ということは、施行から一年だと思いますが、施行は公布から三か月なので。
あれっ、もう一回。副首都は、政令ができれば施行、つまり、要件政令が指定されれば副首都の指定は可能だと。基本方針を待たずして副首都の指定は可能になるんでしたか。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
基本方針は、副首都の整備に関する施策のみならず、国家社会継続性確保施策について定めるものであって、災害対策、経済対策、地方創生等の多数の分野にまたがるものであるから、おっしゃるように、一定の時間がかかります。
これに対して、副首都は、首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能及び多極分散型経済圏の中核となる機能を担う道府県であって、これだけの機能を果たし得る道府県というのはもうある程度限られているわけでございまして、だから、基本方針を待たずに速やかに指定することが可能であると考えております。
やはり、いつ災害が起こるか分かりませんので、なるべく速やかにバックアップの体制を整備していくのが可能になるという仕組みが必要であると考えて、こういう形にしております。
○伊佐委員 いや、これは何をそんなに急がれているのか。
分かるんですけれども、副首都の担うべき機能とか基本的なところを基本方針に書くわけじゃないですか。副首都とは何ぞや、副首都とは何をやるのかと。それを基本方針で書くにもかかわらず、これはもちろん副首都だけじゃないですよ。ところが、九条第二項第七号に、副首都についてというのが、ぶわっと項目が並んでいますよ。これを一年後に決めるのに、その前に副首都が指定できるというのはおかしくないですか。
ちょっと今の、もう一回お願いします、答弁。
○高見(亮)議員 もちろん必要なところは基本方針で定めた上でしっかりやっていくわけでございますが、そもそも、副首都としてのポテンシャルがある程度ある、要は東京圏の全部又は大部分、これをカバーし得る、代替機能を発揮し得る都市というのはもうある程度限られていると考えておるところでございますので、基本方針を定める前に副首都を指定するということも可能であると考えております。
○伊佐委員 だから、そのある程度限られているというのも、恐らく私は答弁としてどうかと思いますよ。だって、何も政令は決まっていないんですもの。人口規模も決まっていないし、経済規模だって、どの線で引くかって決まっていないじゃないですか。何で、ある程度決まっていると言えるんですか。
というところも含めて、本当に私は何を急いでいるのかよく分かりませんが、非常に拙速な法律だということだけ申し上げて、終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、早稲田ゆき君。
○早稲田委員 おはようございます。中道の早稲田ゆきでございます。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
先ほども、伊佐議員から様々な論点が提示をされました。私も、首都直下型地震への備え、東京一極集中の是正に向け、首都機能の分散ということについては、長年の懸案でございますし、この必要性は十分に理解している上で、首都機能の在り方や副首都、大都市制度というのは、国家の統治機構の根幹に関わる問題でありまして、国民の生活基盤そのものに関わる問題であるのにもかかわらず、この通常国会で、しかも数時間の審議でこれを通そうなどというのは本末転倒ではないかという思いで、ここに立たせていただいております。
その意味ででございますが、まず、先ほどもありましたけれども、そもそも首都法がないわけですね。その副首都法を作るという、その法体系上はどうなのか、もしやるならば、首都・副首都法にすべきではないか。
それからまた、次の質問と一緒にいたしますが、この法案のためのやはり特別委員会、副首都法をやるのなら、特別委員会を設置して、丁寧に議論をすべきではないか、このことはずっと私どもは提案をさせていただいてまいりましたが、かなっておりません。
そして、今急いでこの法案を成立させなければならないような現在進行形の喫緊の課題など、これをお示しいただきたい。副首都法案の立法事実がどこにあるのか、提出者に伺います。
○簗議員 まず、特別委員会の設置等についての今御意見もございましたけれども、提出者としましては、委員会の御判断に従って答弁をしてございますので、委員会の運営等についてはお答えを差し控えさせていただきたいというように思います。
それから、二点目にございました首都と副首都、こういったものの整理ということでございますけれども、先ほど伊佐議員の御質問の中でも我々答弁者からお答えをさせていただきましたけれども、今回、本法の目的、今、早稲田議員からも御指摘がありました、バックアップ拠点等を整備をして、国家社会機能の継続性を確保する国づくりを早期にやる、こういった本法の目的に鑑みれば、首都を定義しなくても、機能の観点から首都中枢機能というものを定義して、それを代替する拠点を確保する、こういう整理をすれば我々はこれで法律として体を成すというふうに考えて、このように整理をさせていただいたところでございます。
立法事実というところでございますけれども、国家社会機能の東京圏への一極集中に伴いまして、首都直下地震や富士山噴火といった大規模災害が発生した場合の危機管理上のリスクが高まっていることから、本法案では、一定期間、首都中枢機能を代替する機能を有する首都中枢機能代替地域や副首都を設けることで、東京圏における大規模災害発生時のバックアップ体制の構築を行うこととしてございます。
災害の発生や災害による被害に絶対はなく、また、いかなる事態、いつ起こるか分からない、こういった大規模災害に対して、しっかりと想定をして、首都中枢機能が停止しないようにバックアップ体制を構築しておくことはまさに喫緊の課題でありまして、政治が果たすべき責務であると考え、これを立法事実というふうに認識をしてございます。
○早稲田委員 非常事態における首都機能の代替、特に災害時、パンデミック等々があるかと思いますけれども、それだけではないんですよね。それに加えて、多極分散型経済圏の形成の中核となる機能をも担う道府県としてということで、ここに新たなまた大きなミッションが更に加わっているわけなんです。こうやって、そのために、東京圏と並ぶ我が国の経済の成長を牽引する地域というふうにも書かれておりますけれども、なぜそこを更に持ってくるのか、目的にということです。
ミッションが混載をするということは、政策の混乱も招きかねない事態であります。余りにも大きな二つの課題を一つに盛り込んで、そしてまた、それはあとは全て基本方針だから丸投げ、だけれどもその前に指定してしまうなどという、非常に乱暴な議論ではないかと私は思います。
その中で、法案は、その副首都の指定を議論、今日も資料をつけさせていただきましたが、大阪ありきで進んでいるのではないかという懸念が拭えません。この副首都を都道府県単位に限定をするのか、このことについて。
そしてまた、先ほど来お話も出ております法律案の概要ペーパーの「要件・指定」のところを見ますと、政令で三つ定める。その大前提としては、首都直下型それから富士山火山警戒地域のいずれにも該当しないということがあります。
これを一つ一つやっていきますと、まず、国の出先機関云々については、これも大都市でなければできないわけです。中都市がこれで除かれてしまう。それから、経済集積、GDP云々、それから人口集積ということもありますが、これも大都市に限られるものであります。そして、政令の三ですけれども、この政令市プラス道府県の連携協約等、それから特別区の設置とありますが、これについて議論を深めれば、この政令市と道府県の連携協約というのは、今、大阪だけでありますね。それから、特別区の設置ですけれども、これは、特別区の要件は人口二百万以上でありますが、それについては横浜、名古屋、大阪ですけれども、特別区を主張しているのは大阪だけであります。つまり、この要件に当てはまるものは限りなく大阪にしかほとんどないというようなたてつけの、大阪のための大阪の法律。ある識者の方は、佐々木信夫名誉大学教授ですけれども、これは政治的思惑の強い御当地ソングではないかともおっしゃっておられるわけです。
その中で私が伺いたいのは、なぜそういう疑念があるにもかかわらず、この政令四要件を設定をされているのか、それからまた道府県単位になさるのかということを伺います。
○簗議員 お答えいたします。
先ほど伊佐議員から、この道府県単位の指定というところで御質問をいただきましたけれども、これは、そういった集積、経済的な機能を果たすという点については、一定のエリア、これを広い要件として持ってございますので、道府県ということで指定をして機能をしっかり担っていただこう、こういう整理で道府県の指定というところになってございます。
○早稲田委員 四要件についても伺っているんですけれども、そこについてお答えいただけないでしょうか。
○簗議員 まず、この四要件について、一つ目の要件は、これは東京圏との同時被災の可能性が低いということでございまして、この法律の目的自体が東京圏の首都中枢機能を有事の際に守るということでございますので、ここにこの目的を置いてございますので、ここと同時被災の可能性がある地域はそうした代替地域にはなり得ないということで、この要件を整備をしてございます。
二つ目の国の行政機構の立地状況についてでございますけれども、これは、東京圏、この首都中枢機能を代替するという機能を担う上では、従前より、例えば今御指摘がありました国の出先機関、地方支分部局ですね、こうしたものが立地をしていれば、そこをそのまま使うことができるということで、費用を縮減する観点からも、こういったものが有効に使える、整備し直す必要がないということで、早期にバックアップができるということで、この要件を二つ目としてございます。
三つ目の人口及び経済の集積状況につきましては、今ほどもお話、私もさせていただきましたけれども、この法律の目的として、もう一つ、多極分散型経済圏の形成というものの中核を担ってもらうということが副首都にはございまして、東京一極集中の弊害、この点については、やはり、一部の地域に集中し過ぎているということによる様々なリスクであったり、生活のしづらさであったり、こういったものが生じてございますので、これを分散的に国土全体にわたって配置をする、その中で中核的な経済圏の形成を別の核としてつくっていただくということにおいて、人口や経済が集積しているということがこの条件になりますので、これを二つ目の要件にしてございます。
そして、三つ目の地方行政体制ということは、道府県を指定して、そして、副首都の機能を担う地域はある程度人口があるということで中核的な基礎自治体を想定してございますので、ここと道府県がしっかりと連携を築けるということで、現行ある大都市制度においては特別区そして連携協約ということで、この連携がしっかり取れるということ、これを想定として今考えている。実際の要件については、政府において検討を進めて、政令としてこれを公布するということになります。
○早稲田委員 最後のところは余り明確な御答弁をいただけませんでしたけれども。というのは、大阪ありきではないかということをお聞きしたかったんです。
それで申しますと、これについて他市の方からどのような意見があるかといいますと、福岡市長、首都のバックアップ機能という言い方であれば、福岡はまさに適地であると。この高島市長は、東京圏と同時災害のリスクが最も少ない大都市といえば、日本海側の福岡市だと思っている。それはそうですね、バックアップ機能ということを考えれば、そういうお考えも当然あろうかと思います。また、名古屋市の市長の方では、問題視するのは特別区を要件に盛り込もうとする方針、これについては、それが特別区を前提にしているというのは必然性に問題がある。本当にそうだと思います。なぜそうしなければならないのかというのは、今要件もおっしゃいましたけれども、それでもその理由というものはよく分かりません。
それでは、次の質問に移ります。
質問を少し飛ばしますが、この法案の十八条、副首都の指定は、東京圏と同時被災の可能性、それから四要件を含む道府県について、申出に基づき内閣総理大臣が指定するものとなっております。申出をする道府県は道府県議会の議決を要するのに、国家の統治機構に関わる問題である副首都の手続において、なぜこの国会の議決が必要とされないのかという点。それから、内閣総理大臣の指定までに至るプロセスも不明確であります。政府審議会によるのか、政治の裁量によるのか。この二点をお尋ねいたします。
○岩谷議員 先ほど伊佐委員の御質問でもお答えいたしましたが、この法案では、御指摘のとおり、副首都の指定は、東京圏との同時被災の可能性が低いこと、国の行政機構の立地状況、人口及び経済の集積状況、そして必要な地方行政体制という、この四要件全てに該当する地域を含む道府県が当該道府県議会の議決を経て行う申出により指定されるとなっております。
これは、先ほど申し上げましたが、首都中枢機能の全部又は大部分の代替及び多極分散型経済圏の形成の中核という我が国にとって重要な機能を担う副首都の指定に当たっては、やはり当該道府県の意思が極めて重要であることから、そのために、当該道府県議会の議決によって指定を受けるとさせていただきました。
他方、指定そのものは、首都中枢機能を代替する機能を担うと考えられる地域のうち政府が定める客観的要件を満たす道府県について、内閣総理大臣が指定するスキームとすることが適切と考えまして、国会の議決を要しないこととしました。これは、立法政策としては、国会の関与を盛り込むことも、あるいは盛り込まないことも、どちらもあり得るという中で、我々としては、そのようなスキームに合理性があると考えてこういったスキームを取らせていただいたということでございます。
○早稲田委員 重要であるからその道府県議会の議決は経るけれども、そのスキームの中で、国会の議決は必要ないんだ、内閣総理大臣の指定でいいんだというお答えでありますけれども、それに合理性は私は全くないと思います。国家の重要な根幹に関わるものでありますから、きちんと国会の関与、議決を経るべきだということを申し上げておきます。
そして、先ほどの中でも、政府の審議会によるのか、政治的な裁量によるのかということについてはお答えが得られておりません。国会等の移転に関する法律ではしっかりとかなり丁寧に、特別委員会をつくって議論してきたわけですから、そことも整合性が取れません。
次の質問に移ります。
それで、もう一つは、大変これも重要です、附則についてですが、附則の七条、大都市地域における特別区の設置の法律の改正、これが、附則の七条で、法的関係性が全くない大都市法の改正を強引に位置づけております。まさに恣意的ではないかと考えるわけです。これにつきましては、大正大学特任教授、元総務大臣、元鳥取県知事の片山善博先生、ヒアリングで、この附則による改正というのが極めて邪道だというふうにおっしゃっております。
この全く関係ないものを附則に盛り込むというこの合理的な理由をお示しください。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
この附則に関しましては、いわゆる名称変更のところかなと存じ上げておりますが、この副首都法が制定されるに当たりまして、特別区というものを内包するような副首都、こういう形態ができ上がるわけでございます。そうしたときに、この副首都の要件を、いわゆる政令である地方行政体制、これをしっかり満たす上で特別区という体制を整える、そういう選択をしたということに関してしっかりと示していくということ、それ自体について、全く合理性がないとは判断しておりませんので、附則において処理をさせていただいているというところでございます。
以上です。
○早稲田委員 特別区ということを要件にしているからこれが合理性があるということは、少し飛躍し過ぎていると思います。
地方自治法の三条二項で、都道府県の名称変更はきちんと「法律でこれを定める。」と、できるわけですから、これでやればいいのであって、ここで附則に入れることで、全く関係ないのに、この改正が、都構想の実現と副首都の指定が一体のような、そういう誤解を国民に、住民に与えることになります。地方自治法上、特別区を設置したとしても、都に名称変更する義務規定としてはないわけですから、法的な必然性はありません。こうした全く関係ないものを附則に盛り込むことで、国民においても分からない部分が大変多くなる、これも非常に法の欠陥であると私は思います。
こうしたこと全て、残念ながら、大阪ありきで進んでいるような疑念を晴らすことは、今の答弁でもできませんでした。
また、副首都構想についてはほかも手を挙げていただかなくてはならないわけですが、福岡市長も、副首都の議論に都構想の議論を混ぜて、大阪だけの話になると、ほかが乗れなくなる、これをやっていくとやはり、この条件になると、この四要件になると、大阪以外で手を挙げるところはゼロになる、そうしたことも発表されている。
しっかりとこういうところにきちんと踏み込んで皆様に考えていただかないと、議員立法で四要件を定めました、あとは基本方針にお任せしますといっても、当然ながら、それは国民の理解も得られないし、国家の統治機構の基盤でありますから、私たちもこれに賛同することはできないと思います。
それでは、次の質問に移ります。特別市制度の創設についてです。
これは要件の中に、制度化された場合、それも特別市制度を想定ともこのペーパーに書かれているわけなんですけれども、特別市制度というのは、指定都市を都道府県から独立させる、地方自治制度の根幹に関わる制度改革でありまして、税財源の在り方、防災、医療、教育、福祉、警察、広域インフラ、税財源など、都道府県が担う広域行政や指定都市以外の市町村にも当然大きな影響を及ぼすものであります。
こうした制度については、指定都市だけでなく、都道府県やまた指定都市以外の一般市町村、こうしたところの理解と納得を得ながら慎重に議論すべきものと考えます。副首都法案を契機として制度化への流れをつくることには反対であります。
そこで、総務省に伺います、副大臣にお越しいただきました。
これまで地方制度調査会では特別市制度について様々な議論が行われてきたと承知しています。平成二十五年度第三十次地方制度調査会の答申では、住民代表機能のある区の必要性、警察事務の分割による広域犯罪対応への懸念、全道府県税、市町村税を賦課徴収することによる周辺自治体への影響等々、様々な課題が指摘をされ、そのために、今も地方制度調査会で議論されておりますけれども、現在に至るまでこの制度化には至っていないわけです。
そこを踏まえて副大臣にはお答えをいただきたいのですが、政府としても、特別市制度においては地方制度調査会で指摘されていた課題を十分に踏まえて指定都市だけでなく都道府県や指定都市以外の市町村の意見を丁寧に聞き、財政調整、広域行政の在り方を慎重に検討すべき、そういうふうに課題として捉えられていらっしゃると思いますし、拙速に制度化を進めるべきではないと考えますが、その認識でよろしいか、伺います。
○堀内副大臣 いわゆる特別市につきましては、総理から諮問を受け、先ほど来、早稲田先生が御指摘のように、本年一月に発足した第三十四次地方制度調査会で今議論されているところでございます。
調査会におけるヒアリングでは、指定都市、例えば、神戸市から、多極分散型社会の実現等の特別市の意義が述べられた一方、都道府県、これは熊本県からでございますが、都道府県が担ってきた広域行政への影響や財政に関する懸念が示され、さらに、国会議員から選任されている委員や地方六団体の委員からも様々な指摘があったものというふうに承知しております。
このように、特別市については多岐にわたる意見があることから、都道府県や指定都市以外の市町村を含め、幅広い関係者の意見も踏まえながら、引き続き、調査会においてしっかりと議論していただく必要があるというふうに考えております。
総務省といたしましては、調査会における審議に必要な協力をしつつ、その進捗に即して検討してまいりたいと思います。
○早稲田委員 進捗に応じてということですが、地方制度調査会、これについての中身、これもしっかりと踏まえていただきたいということを強く要望をさせていただきます。
そして、その上ででございますが、これは提出者に伺いたいわけなんですけれども、私は、立憲民主党それから公明党の神奈川県議団から要望書を拝受をいたしました。その内容といたしましては、特別自治市の拙速な法制化に反対し、慎重な制度検討を求める要望書であります。つまりは、特別自治市の拙速な法制化を進めないこと、県民生活、財政、防災、医療、教育、警察、広域インフラ、県内市町村への影響を具体的に明らかにすること、そして、水平補完の実効性と道州制を含む統治制度全体の比較検討を行うこと。つまり、財政調整についても何ら示されていない中でこうしたことが拙速に進むことには非常に懸念がございます。
その上で、特別市の制度化については、財源調整、広域行政に関わる制度設計を示した上で、それに対する都道府県や指定都市以外も含めた市町村の理解と納得が得られることを前提とすべきであり、今回の提出をされました法案のように、それらを無視して制度設計を十分に詰めないまま制度化することは慎むべきと考えますが、法案提出者から伺います。
○西岡(義)議員 お答えいたします。
お尋ねの、まず財政調整に関しましてですが、本法案では、特別市と都道府県間の財政調整制度等について、検討と措置の実施を政府に義務づけております。この財政調整制度が公平かつ公正なものとなるよう、本法案をお認めいただいた場合に政府において措置を行うこととなっております実施法の制定に向け、まずは都道府県やその支援を受ける市町村への影響等を調査し、具体的な制度設計を進める必要があると考えております。
また、お尋ねの広域行政に関してですが、本法案では、特別市が地域全体の活性化を図るための事務を処理するに当たって、広域的な連携を推進するものとしております。その際は、連携協約や一部事務組合等の既存の仕組みを活用しながら対処していくことが可能であると考えております。
その上で、特別市制度の創設は、指定都市以外の市町村にとってもメリットを有するものでございます。具体的には、特別市が設置されれば、特別市が地域全体の活性化を図るための連携を推進するとともに、都道府県が特別市以外の市町村に対する補完や支援に人的、物的資源を集中させることが可能になると見込まれております。指定都市以外の市町村に対しては、これらの点をしっかりと丁寧に説明して理解を得ていきたいと考えております。
なお、本法律案では、個々の特別市の設置手続において、特別市となる関係指定都市等だけではなく、関係都道府県の議会における承認を必要としております。その協議に際して、双方が意見を持ち寄り、調整を行う仕組みも設けているところでございます。
一部では、知事が指定都市市長の話合いに応じないなどの話も耳にしております。また、制度がないために、特別市ができることによる歳入歳出の影響についてなどの詳細な試算がなされていないなどの点もございます。
まずは、十分な協議を行うためにも、制度化をすることによってその場を設け、関係都道府県においてこれらのプロセスを経ることで、関係指定都市等の周辺市町村の意見もしっかりと反映されていくものであると考えております。
○早稲田委員 与党提出の法案にも制度化された場合にということがございましたので、当初は簗議員にも御説明をいただく予定でございましたが、そこを割愛いたしましたので、申し訳ありませんでした。
そして、その上で、今、西岡委員がお答えいただきましたが、知事が拒否をしているわけではございません。一般市町村と一緒にそのテーブルを設けましょうということを申し上げているわけですから、知事対云々、政令市という構図にしないように、一般市町村の意見こそが、そこが三十市町村、神奈川の場合はあるわけですから、そこを丁寧に聞いていただくためのテーブルをつくるということがまず第一ではないでしょうか。
そして、今おっしゃいましたけれども、なかなか、補完する水平補完の実効性というものはまだまだ示されておりません。そのこともしっかりと踏まえていただきまして、この神奈川県議団の要望でありますけれども、これを重く受け止めていただき、財政調整なども分からないままで進めていただかないというようなことをしっかりと私は強く申し上げて、この質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、向山好一君。
○向山(好)委員 国民民主党の向山好一でございます。
先ほど伊佐委員からも御指摘あったとおり、今回の三法案、非常に重要でございまして、大規模災害の対策、あるいは地方の経済社会の活性化、そして人口減少の中における大都市の在り方、これは我が国が突きつけられている本当に重要な課題、それをテーマとしているのに、四時間程度の審議でというのは余りにも拙速で、本当になぜこんな短い時間でこんな重要なことを審議しなきゃいけないのかということをまずは指摘をさせていただきたいというふうに思います。
その上で、まず、副首都整備法案、このことについて質問させていただきたいと思います。
我が党は、副首都の整備ということについては、危機管理の観点とか、あるいは東京一極集中の是正の観点からも、これは絶対必要だという認識はしております。
そして、私は特に神戸の出身なので、三十一年前に大震災がありました。そのときに、首都が無傷だったから法律ができて予算がつけられて、復旧復興の司令塔として首都が機能して、そして今の神戸があるということは分かっています。東北も熊本も、そして能登半島も、同じような事情だったというふうに思います。だから、首都直下型の地震に備えて副首都を整備しなきゃいけないという必要性は、私は人一倍持っています。
現に、特に私は、民主党政権ですから十五年前ですね、東北の震災直後、一年以上かけて、危機管理都市としての副首都構想の法律案ということを作るために邁進しました。残念ながら民主党政権は崩壊しましたので法案提出まで至っておりませんけれども、その当時の副首都法案というのは非常に純粋だったんですよ。まずはやはり危機管理ということに非常に重点を置いて、そして我が国の安全保障のためにはどうあるべきかということをちゃんと下敷きにして、そういう法律を作りました。
しかし、今回の法律を見たら、こういう安全保障というか危機管理ということは何か抜けちゃっているんじゃないかというふうに思います。だって、要件にそういったことというのは一行たりともないんですから。
ですから、私は、そういったことを踏まえてまず質問したいのは、経緯なんですね。ここまで至った経緯というのが、まず、維新さんは自民党さんに対して、副首都の指定は、大阪都構想ですね、特別区が設置された地域限定版、そういうことを求めてこられました。ですけれども、それはさすがに無理筋ではあるので、それはできませんでした。しかし、その代わりに、次に求めてきたのが、特別区を導入する道府県の名称が都に変わる、そういった場合、住民投票を府県全体で実施することを附則に加えようとされました。それも今回はちょっと削除されましたけれども、オブラートに包んだ形で今できております。
この議論を見ると、副首都、副首都と声高におっしゃっていますけれども、大阪都構想を実現するためのツールとして使っているんじゃないかというふうな印象を拭えないんですね。大阪ありき、そこにこの法案が広く国民に支持されない背景があるんじゃないかと思います。
ですから、お聞きしたいのは、首都機能バックアップを目指す副首都法案と地方自治の在り方を変える都構想を一体のものとすることに何でそこまで執念を燃やされたのかということをお聞きしたいというふうに思います。
○岩谷議員 副首都の要件について、特別区の設置というものが一つ含まれていることについての御質問だというふうに理解をしておりますが、副首都が担う二つの機能のうち、多極分散型経済圏の形成の中核となる機能に関し、民間の経済成長を促進するための産業政策、インフラ整備や都市計画について、本法第三条第六項において、副首都の整備に係る施策の推進に当たっては、副首都の区域内における産業競争力の強化、経済活動の拠点の形成等を図ること、副首都の区域に係る交通網の整備その他副首都の区域に係る都市の基盤の整備を図ること等を旨として行われるものとするとされております。
この点、こうした各種の産業振興施策や民間の経済活動の基盤となるインフラ整備や都市計画の推進については、道府県と指定都市に権限が分かれていることから、これをいかに総合的、統一的な観点から実施することができるか、これが非常に重要であると考えております。
このため、本法律案では、副首都の指定要件として、必要な地方行政体制について政令で定める要件を満たすことを規定しておりまして、具体的には、連携協約等により道府県と市が一元的、一体的に事務を実施する体制が確保されていることや、大都市法に基づき特別区が設置されていることを政令で定めることを想定しているところであります。
○向山(好)委員 法律のたてつけはおっしゃるとおりかもしれませんけれども、ここにいらっしゃる方、あるいは国民の皆さんも、背景には大阪都構想があるというのは皆さん感じていらっしゃって、御存じだというふうに思います。
そして、私は同じ関西人ですから、大阪の方の感覚に近いものがある者として、大阪都構想というのに私は非常に違和感を持っている部分があるんですね。それは、やはり関西というのは、東京への憧れというのじゃなくて、逆に言えば、東京に対する反骨心とかというので対抗心というのが旺盛でして、それが本当に地域の活性化にもつながっているんですね。岩谷議員はどうか分かりませんけれども、やはり阪神タイガースというのはジャイアンツだけには負けたくないんですよね。そういった気質があります。だけれども、そういったところでも、大阪府が府を捨てて都を目指していらっしゃる、これは一体どういうことなのかというふうに思うんですね。
大阪府、府というのは四十七のうちの京都と大阪の二つだけです。府というのを広辞苑で調べてみると、物事の中心となる場所というふうに書いてあるんですね。ですから、内閣府がありますよね。あるいは九州には太宰府というところがあります。学問の府とかとよく言われます。ですから、府というのは非常に名誉のある名称なんですね。そこを捨てて、ここにちょっと京都新聞の記事もありましたけれども、何で第二の東京を目指さなければいけないのかというのが私の本当に疑問なんですよね。
第二の東京を目指すというのは、大阪府民の本当に真意なんでしょうかね。その辺り、いかがでしょうか。特に岩谷議員は大阪ですから、よろしくお願いします。
○岩谷議員 通告をいただいていない質問かと思いますが、個人的なところも含めてお答えさせていただきますと、確かに、我々大阪の人間は東京に対して対抗意識を燃やしているというところは私もそのように思いますし、阪神タイガースが巨人に負けることは絶対許さぬというふうに思っているということは同意をいたします。
ただ、この法案は、名称変更に関しましては、あくまでもこれは、当該副首都になり、かつ特別区を設置した当該道府県が都になることを望めばそれをやっていこうということであって、何も強制をしているわけではありません。
そして、そもそも、この名称というのは、いわゆる特別区が設置されているところは都という、都区制度という制度を表す一面もありますから、これは、地方自治法上も、特別区を設置した道府県が都と名称を名のるということに関しては法的にはおかしくないというところであります。
繰り返しになりますが、あくまでもこれは強制するものではなくて、自発的なその地域の発意によって可能というたてつけになっている法律だということでございます。
○向山(好)委員 ですが、私の印象、感覚としては、特別区に移行するのは結構ですけれども、何でこんなにそろって都に憧れるのかと。大阪の特性というのを生かすためにも、そこにこだわる必要はないんじゃないかというふうに思っているということだけお伝えさせていただきたいと思います。
もう一つ、私、是非とも確認したいことがあるんですが、この副首都整備、これに幾らのコストがかかるのかということなんですね。やはり、これを法律にして、国民の皆さんの理解をもらって、国費を投入することにつながっていくわけですから、そういうことは曖昧だったらいけないというふうに思っているからお聞きしたいんですけれども、この法案の中身、そこに、整備することというのが結構具体的に書いてあるんですね、交通インフラ整備、行政中枢機能の整備、都市開発、産業振興、規制改革、税制支援。これをやったらどのぐらいの公的負担が必要になるか、その辺の規模というのは想定されていらっしゃるんでしょうか。お答えください。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
どれぐらいのコストがかかるのかということでございますが、ただ、委員おっしゃるように、すごく多岐にわたる内容ではあるものの、副首都に選ばれる地域というのはそれぞれ特徴がございまして、あらかじめその整備費用等を明らかにするのは非常に難しいのではないかと考えております。その上で、副首都ごとの整備の在り方については、費用の観点も含めて政府において検討されるものと考えております。
ただ、提出者といたしましては、この副首都の指定要件の一つに人口及び経済の集積に関わる要件があることから、これらの要件を満たす道府県を指定することで、当該道府県内にいろいろな既存のリソースというのがありますし、副首都が担う機能を発揮するための、その既存のリソースを生かしていくことによって、整備費用の縮減を図ることもできるとは考えているところでございます。
明確にはちょっとコストが現時点でどの程度というのは答えられず、政府において検討されるものと考えております。
○向山(好)委員 今のところ明確でないというのは、まさしく、家を建てるときに、設計図はないけれどもまず契約だけしてください、そんな内容でして、本当にこれは国民の皆さんに説明責任を果たせているかどうかというのは疑問ですよ。
先ほど伊佐委員が、以前の、一九九〇年代の国会移転の話をされました。この国会移転、副首都とはまた重きが違うかもしれませんけれども、国家の基本的なことをやる上でそれも一つ参考になるんじゃないかというふうに思うんですが、一九九九年ですからもう二十七年前ですね、国会移転に対する審議会が、国会移転をしたときにどのぐらいのお金がかかるかという話を試算しているんですね。十二兆三千億円、そして公的負担が四兆四千億円。今の規模にしたら五兆円を上回ります。
ちょっと確認したいんですけれども、規模は別にして、副首都を整備するということは、天からぼた餅が落ちてくるんじゃなくて、やはり、そこに指定された地域を含めて税負担が発生するということで間違いないんでしょうかね。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
今回の副首都に関しましては、税負担が発生する、発生しない、これに関しましては、現時点ではちょっと一元的には言えるところではありません。
ただ、副首都を整備するに当たって、今回の副首都に関しましては、首都圏に関する機能の全部又は大部分を代替する、又は日本における多極分散型経済圏の中核を担う機能を果たしていただくところでございます。そういったいろいろな目的も含めて、政府でどれぐらい負担するのか、自治体も経済圏をつくっていく、その意味においてどう考えていくのか。
いずれにしても、基本方針を定めた上で、各副首都、もし指定されれば、その副首都において、副首都整備方針において定められることと考えているところでございます。
以上です。
○向山(好)委員 全てが今後という話なんですけれども、今ちょっと御答弁にあったとおり、やはり、副首都に名のりを上げるということは、市民や府民にもしっかり説明して、ある程度の覚悟を持ってやらなきゃいけないということなんですよ。天からお金が落ちてくるわけじゃないので、国も負担する、あるいは自治体もやはりある程度の負担をして初めて副首都の整備ができますから。その辺りというのをしっかり認識していただきたいということを改めて申し上げたいというふうに思います。
次に、この指定の要件についてなんですが、この法案の十八条、そこにある程度書いています。それは内閣総理大臣が指定するんですけれども、要件に該当する地域を含む道府県について指定する、そういうふうに書いてあるということは、これは一か所限定ということじゃないということ。複数の道府県が、要件を満たせば指定ができるというたてつけになっている。つまり、副首都というのは複数指定を前提として今考えておられるのかということを確認させてください。
○岩谷議員 今御指摘いただいたとおり、これは要件を満たせばその申出に基づいて総理が指定をするということになっておりますので、御指摘のとおり、副首都が複数指定されるということも想定をしております。
○向山(好)委員 維新さんは、一番大切にしていることは二重行政の解消ですよね。同じものを複数つくったら税金の無駄遣いじゃないですかということなんですよ。
先ほど私が指摘したとおり、副首都というのには相当なコストがかかるという話をしました。認められました。やはり兆円単位でかかるんですね、整備しようと思ったら。副首都を名のったら、副首都の機能を整備しなきゃいけないんですよ、それはもう使命感として。それが全国あちこちにあって、一体、それというのは二重行政そのものじゃないですか。いかがですか、その辺り。
○岩谷議員 我々が問題にしている二重行政というのは、まさに、大阪の話でいえば、大阪府と大阪市がそれぞればらばらに箱物を造ったりしてきたことが無駄だと申し上げています。
しかし、災害対策に関しては、やはり、複数の副首都があってリスクが分散されるということに関しては、これは日本の国家機能の継続性確保のために非常に重要なことであるというふうに考えております。これをもって二重行政と同列に論じることは私はおかしいと思います。
○向山(好)委員 いや、岩谷議員、それはちょっと無理があるというふうに思いますね。誰もそんなのは納得していませんから。国民の皆さんがまず納得していないと思いますよ。だって、同じような箱物を造っていくという可能性があるわけですからね。大阪市と大阪府が二重行政ならば、各都市の二重行政というのは、これは同じですからね、カテゴリーとしては。
是非ともそういう辺りというのをちゃんと認識して、この問題というのはいろいろなことがあるということも認識していただきたいと思います。
もう一つ、私はどうしても分からぬことがあるんですよ。それが、この法律の目的が、多極分散型国家経済の形成というふうになっているんですね。そして、詳しく書いてあるんですよ。人口及び経済に関する機能が特定の圏域に過度に集中することなく国土全体にわたり適正に配置され、それぞれの圏域が有機的に連携して発展する国土を副首都というと。これはどういうことかよく分からぬのですよね。
そして、一方、日本維新の会の代表でいらっしゃる吉村大阪府知事は、再三こんなことをおっしゃっているんですよ。東京と大阪のツインエンジンで日本を引っ張っていくと言っていらっしゃる。これはすばらしいことかもしれぬけれども、ということは、吉村さんは二極化でこの国を引っ張っていくということを宣言されているんですね。これは多極分散型じゃないですよ、ツインエンジンですから。マルチエンジンで初めて多極分散型ですよね。これはどういうことなのかということを、ちょっと、岩谷議員、説明してください。
○岩谷議員 我が党の代表である吉村知事が、確かにツインエンジンという言葉はよく使いますが、それは、言葉としてはツインというのは二つという意味ではありますけれども、しかし、この法律を見ていただければ、これは多極分散型の経済圏と書かれているわけでありますから、先ほど申し上げたとおり、複数の副首都が指定されることも我々は想定して作っております。それは吉村知事も理解をしているわけでありますから、そのツインエンジンという言葉だけを取り上げて、東京ともう一つだけしか考えていないんじゃないのかという御指摘は当たらないかと思います。
○向山(好)委員 いや、当たるか当たらないかというのは国民の皆さんのお考えだというふうに思います。
一方、ですから、そのツインエンジンという話をしますと、今、我が党は特別市設置法案というのを出しています。副首都法案の中にも、政令の中の一つの想定されるものとして、制度化されたら特別市というのを指定するという方向性を明記されていますから、この特別市ということに対して、副首都法案の提出者というのはどういうふうな可能性を持っている、あるいはそういうことについての御認識というんですかね、お聞きしたいというふうに思います。
○簗議員 特別市につきましては、先ほど総務副大臣からも答弁がありましたように、今、地方制度調査会において、一月に発足をして様々な議論が行われているというふうに認識をしてございます。そういった議論を踏まえた対応というものが必要だというふうに思っておりますので、現段階において我々がこの特別市について言及するということは控えたいというふうに思います。
○向山(好)委員 それでは、特別市の設置法の法案提出者にお聞きしたいというふうに思いますが、これは今、地方制度調査会でも答申されて議論がされておりますし、結構いろいろとマスメディアも注目している制度なんですね。
ですから、お聞きしたいのは、特別市を導入するということによって、今議論しました多極分散型の経済圏の形成、これを整備するということにつながっていくというふうには思いますけれども、この設置に関する制度を整備することにどのような意義があるのか、その辺りをまずお答えいただきたいと思います。
○西岡(義)議員 お答えいたします。
意義についてのお尋ねかと思います。
特別市は、都道府県に包括されない一層制の地方公共団体でございます。特別市制度は、地域の実情に応じて選択できる新たな大都市制度であり、地方公共団体の効率的かつ効果的な行政運営が確保されるとともに、地方発展の拠点となる中枢都市の都市機能が増進されるという意義を有してございます。
我が国では、少子高齢化や人口減少が加速し、行政資源の効率的な配分が不可欠となっているにもかかわらず、指定都市と都道府県との役割分担等が不明確な状態、いわゆる二重行政の問題が長年指摘されてきております。
特別市制度の導入により、特別市が都道府県と市町村の事務を一元的に処理できるようにすることで、二重行政の問題を解消し、効率的かつ効果的な行政運営が確保されることが期待されるところでございます。
また、都道府県につきましては、特別市域以外の市区町村の事務の補完や支援という垂直連携、あるいは都道府県を超えた広域行政における水平連携、これらに一層注力できるようになることで、持続可能な行政サービスを提供することに寄与するものと考えております。
加えて、特別市制度を活用することで、地方の発展の拠点となる中枢都市の都市機能が増進され、多極分散型の社会の実現にも資することになります。
このような意義を有する特別市の設置に係る制度を整備することにより、日本各地のそれぞれの実情に応じて選択できる新たな大都市制度の選択肢をお示しするため、本法案を提出した次第でございます。
また、先生御指摘のように、副首都法案にも、制度化された場合の特別市という言葉がございます。本法案は、大都市にとって、副首都となり得る地方行政体制の選択肢を増やす、そして整えるという点でも意義を有しているものと考えております。
○向山(好)委員 ありがとうございます。
先ほど来から議論している二重行政の解消というテーマ、その内容でいえば、都構想、特別区というのもその一つかもしれませんが、特別市ということになれば、元々、言うたら行政が二重になっていないんですから、その解消というのを完璧にできるので、非常にそういう意味ではこれは効果的というか、導入すれば二重行政の解消に最も直結する制度だというふうに思いますし、やはり、今、政令都市が二十ございます。それが北海道から九州まである程度全国的に配分されておりまして、そして、その政令都市というのを中心として、まさしく地域の活性化ということを図ろうとしている。全国的なやはり多極分散型なんですね、指定都市そのものが。
ですから、もう一つ法案提出者にお聞きしたいんですけれども、多極分散型の社会をつくっていく、これから非常に重要なテーマであることに関して、特別市の設置が具体的にどういう役割を担っていけるのか、その辺りをもう少しお聞きできたらと思います。
○西岡(義)議員 お答えいたします。
本法案では、特別市の設置に係る制度の整備の推進に当たっての基本理念の一つといたしまして、国際競争力が高く個性豊かで魅力ある都市の形成を図るとともに、多極分散型社会の実現に資することを掲げてございます。この多極分散型社会というのは、人口や行政、経済、文化等に関する機能が特定の地域に過度に集中することなく国土全域にわたり適正に配置され、それぞれの地域が有機的に連携し、その特性を生かして発展している社会をいうこととしております。
日本各地の特別市が、それぞれの特徴や強みを生かし、国際競争力の高い魅力ある都市として発展するとともに、周辺市区町村との広域連携を推進し、圏域全体の発展に貢献することで、我が国に特別市を中心とする強い経済圏が複数誕生し、多極分散型社会の実現に至ることを強く期待するものでございます。
○向山(好)委員 今御答弁にありましたとおり、この特別市ということを選択肢の一つとして認めてもらって、そして、名のりを上げるかどうかというのはその自治体の皆さんの御判断ですけれども、そういった選択肢を広げていって、今の、現状の課題というのを解決するためのチャレンジをしていくということは本当に必要なことじゃないかと思いますし、先ほど申しましたような目的の、国土全体にわたって適正に配置されるというのは、これは私は副首都じゃなくて特別市じゃないかというふうに思ってしまうんですね。そういうことも是非とも指摘をさせていただきたいと思います。
もう一つ、特別市移行に関することで懸念があるのは道府県ですね。周辺の自治体の方々から事務や財源について懸念する意見というのがやはりあります。政令都市だけが発展すればいいという考え方からやっているわけじゃないんですけれども、周辺の発展のためには、やはり県とかあるいは周辺の自治体の理解というのが不可欠です。
ですから、まずはちょっとお聞きしたいのは、特に過疎地を抱える道府県からそのような懸念が寄せられておりますが、その対策というのはいかがなものなのか、お答えいただきたいと思います。
〔委員長退席、田畑委員長代理着席〕
○西岡(義)議員 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、政令指定都市が特別市になることは都道府県を含む周辺地域の発展につながるものとまずは考えております。
少子高齢化や人口減少が進み、過疎地を抱える都道府県においては、行政運営に必要な専門人材の確保が困難となると見込まれております。特別市が設置されれば、特別市が地域全体の活性化を図るための連携を推進するとともに、都道府県は特別市以外の市区町村に対する補完や支援に人的、物的資源を集中させることが可能となってまいります。
この点を明確化するために、本法案におきましても、特別市設置制度の整備の推進に当たっての基本理念の一つとして、特別市以外の地域における持続可能な行政運営の確立を掲げているところでございます。
なお、都道府県による補完や支援といたしましては、例えば、技術系職員の派遣、専門的知見の提供、施設の再配置等が期待されるところでございます。過疎地を抱える都道府県にとって、行政サービスの維持発展に貢献するものと考えております。
○向山(好)委員 時間が来ましたので質問は終わりたいというふうに思いますけれども、先ほど早稲田委員からも指摘があったんですけれども、必要な行政体制の整備、これを政令で今後定めますということになっているんですけれども、その定める政令の中身みたいなのがもう既に附則の中に盛り込まれているんですね。それもきめ細かく附則の中で盛り込まれています。
そうであるならば、やはり、今同じように議論をしている私たちにしてみたら、多極分散型の経済圏の形成の上では、さらに、価値のある特別市というのもしっかり附則で規定されて、必要な行政体制の中の選択肢の一つとして位置づけていただきたい。このことの要望をさせていただきまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○田畑委員長代理 次に、谷浩一郎君。
○谷(浩)委員 参政党の谷浩一郎です。どうぞ本日はよろしくお願いいたします。
まず初めに、本日と明日と委員会開催となっておりますけれども、私の質疑の時間を調整していただきまして、ありがとうございました。
本日は、国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案、いわゆる副首都法案について、法案提出者に質問いたします。
初めに申し上げておきますが、参政党としても、首都直下地震などの大規模災害に備えて首都中枢機能のバックアップ体制を構築すること、人口や産業、行政機能を国土全体に分散させ、東京一極集中を是正することの重要性は十分に認識をしております。
一方で、本法案を見ると、国家の危機管理と地域経済の成長という性格の異なる政策が一つの制度に組み込まれています。また、副首都の指定を左右する重要な要件の多くが政令に委ねられ、具体的にどの地域が副首都や首都中枢機能代替地域の対象になるのか、どれほどの財政負担が生じるのかも、提出された法案からは明らかになっていません。
その観点から、順次質問を行いたいと思います。
まず、本法案の目的について伺います。
本法案第一条では、大規模災害に備えて国家社会機能の継続性が確保された国土を形成することに加え、多極分散型経済圏の形成を通じた我が国経済の成長に資することが目的として掲げられています。つまり、本法案には、大規模災害時の危機管理上の目的と、地方活性化や経済成長を実現するという目的、大きく二つの側面があると考えられます。
もちろん付託された委員会だけで法案の性格が決まるものではありませんけれども、本法案が、災害対策特別委員会ではなく、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会で審議されていることからも、地域の活性化あるいは経済成長政策に重点を置いているかのように見受けられます。
そこで、法案提出者に伺います。
首都中枢機能の維持という危機管理上の目的と、多極分散型経済圏の形成を通じた経済成長という目的のうち、本法案はどちらを重視しているのでしょうか。いずれを優先するのか、その優先順位を教えてください。
○宮下議員 御指摘のとおり、本法案では、国家社会機能継続性確保施策の推進による災害対策と、そして、副首都がその中核を担うこととなる多極分散型経済圏の形成による経済成長、この二つの政策テーマを追求することとしております。
なお、なぜこの法案がこの委員会に付託されたのかということに関しては、議院運営委員会の御判断ということを考えているところでございます。
基本的に、国の形、東京に人口や様々な組織が集中し過ぎていること、そして、首都直下地震等々の、富士山噴火等のリスクが高まっていることを考えると、この国の形をつくり変える、東京一極集中の是正を図るということは、リスクを下げる災害対策という面もありますし、同時に、地方の経済を活性化させ、特に、多極分散型の日本につくり変えるということにもつながるということで、これは、どちらを重視というよりは、国の形の在り方を変えることによって二つの目的を同時に達成したい、そういう意図で作られた法律でございます。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
大規模災害時における首都中枢機能のバックアップとふだんからの地域経済の成長の両方が重要であるということ、当然ながら理解をいたします。しかし、政策目的も評価基準も異なる二つの施策を一つの法案に盛り込んで、一つの委員会で一体的に審議することには、なお疑問が残ります。特に、問題となるのは、二つの施策では、拠点となる地域を選定する際に重視すべき基準が大きく異なるという点です。
そこで、次に、非常時のバックアップ拠点と平時の経済成長拠点を一つの副首都という制度にまとめることの妥当性について伺います。
副首都を大規模災害時における首都中枢機能のバックアップ拠点として選定するのであれば、東京圏との同時被災の可能性だけではなく、地盤が比較的強固であり、津波、高潮、洪水等のリスクが相対的に低く、活断層から離れた地域で電力や交通が寸断するリスクが低いといった要素が重視されるべきです。
一方、経済成長の拠点を選定するのであれば、人口、特に労働者人口、そして、域内の総生産、産業集積の状況、交通利便性、民間投資の状況などが重視されるべきです。この二つは、政策目的も選定基準も政策効果を測る指標も異なるわけです。
このように、性格の異なる政策目的を一つの法案にまとめる理由は何でしょうか。それを教えていただきたいです。
〔田畑委員長代理退席、委員長着席〕
○宮下議員 繰り返しになりますけれども、これは、国の形を改革することによって二つの目的を同時に達成しようということであります。
まず、平時から人口や国家社会機能のバックアップ体制を整備しておくということで、首都直下地震、富士山噴火といった東京圏における大規模災害の発生時の被害を低減させるということ、また、首都中枢機能の代替と多極分散型経済圏の形成の中核という機能を担う副首都を設けることで、人口や経済に関する機能が特定の地域に過度に集中することなく国土全体にわたり適正に配置され、各圏域が有機的に連携しつつ特性を生かして発展していく国土の形成につながるとともに、また、我が国全体のレジリエンスを高めることになると考えているからでございます。
このように、本法は、大規模災害発生時の首都中枢機能の維持という災害対策と、また、多極分散型経済圏の形成による我が国経済全体の経済成長、この二つは裏表の関係にあると考えておりまして、この両者を一つの法律で追求することは、立法政策としては十分に合理性があるというふうに考えております。
○谷(浩)委員 宮下先生、開口一番に国の形を変える大きな改革であるとおっしゃったんですが、非常に、私も本当に、この話が出てきて、時間のない中で、この短い審議時間というのはなかなか大変なことでありまして、私は大阪出身でありますから、もしかしたらその大阪が変わるかもしれないとかいうことで、非常にどきどきしているわけでありまして、もっとやはり審議の時間をいただきたい。ほかの委員の先生、おっしゃっていますけれども、それはもう間違いなく、そういった時間が欲しいということはみんな思っていることだと思います。
こういった二つのことを一体化すると、災害に強い地域よりも、既に人口や経済規模の大きい地域が優先的に副首都に選ばれる制度設計になりかねないと思います。やはり、非常時のバックアップと平時の成長拠点の整備という二つの目的を切り分けて考えるか、それとも、国家の危機管理をまずは第一に考えて、どの地域が最も安全で首都機能を確実に継続できるのかを科学的に評価した上で、その後に必要な経済基盤を整備するという優先順位を設けるべきではないでしょうか。
次に、副首都の更なる集積による弊害について伺います。
本法案は、副首都の指定要件として、法案第十八条第一項第二号において、人口及び経済の集積状況を政令で定めることとしています。
確かに、大都市には国の出先機関、企業の本社、医療機関、交通網などが集積しており、首都機能を代替するための一定の基盤があります。しかし一方で、人口や経済活動が集中した大都市では、災害時には、膨大な帰宅困難者の発生、道路や鉄道の混乱、火災の延焼、医療機関の逼迫など、都市特有のリスクが生じやすくなります。
さらに、本法案が成立し副首都が新たに指定された際には、その副首都に政治、行政、司法、経済に関する機能を追加的に集積させれば、その地域が被災した際の影響も一層大きくなります。
そこで、伺います。
人口及び経済が集積していることを副首都指定に対するプラスの要件とすることは、危機管理上、むしろ新たなリスクを生み出すことにならないでしょうか。御見解を伺います。
○岩谷議員 この副首都法の目的は、首都東京に直下型地震とか、あるいは富士山の噴火があった場合に、そのとき首都中枢機能が麻痺してしまう、それはまさに国家社会機能が麻痺してしまう、それを避けるために、あらかじめ、バックアップ拠点として、首都圏との同時被災の可能性が低いことを要件として副首都を定めるということにしております。
その上で、副首都には、一定期間、経済も含めた首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能と、多極分散型経済圏の形成の中核となる機能を担うことが求められていることを踏まえまして、人口及び経済が一定程度集積している道府県を指定することが適当だと考えています。そうすることで、副首都に指定された道府県内に所在する既存のリソースを活用でき、副首都としての機能を十分に発揮するために必要となる整備を効率的かつ効果的に行うことが可能となります。
なお、副首都として指定された道府県が抱える今おっしゃったような災害リスクについては、これは、副首都整備方針等を通じて、当該副首都が直面し得る災害に対する備えを一層強化していくことで対応すべきだというふうに考えております。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
同時被災のリスクに備えてということ、もちろんそのことは認識しておりますが、それ以外に、例えば、私は大阪出身でございますので、御存じのとおりではありますけれども、やはり、大阪は昔はほとんど海でありまして、特定の地域、地盤の固い真ん中の辺り、上町台地とかあの辺のところぐらいで、あとは結構、それこそ大阪の梅田は埋立地であるとか、有名な話でありますけれども、非常に地盤は脆弱であるかなというふうに思うんです。
そういったところに国費を投入して整備をするということは、更にお金がかかってしまうと思うわけです。そういった費用を縮減するためにと何度もおっしゃっていましたが、そういった大都市にするということでありますが、それは私はちょっと矛盾するのではないかということで、そもそもやはり地盤が強固であるところ、そういったところをしっかりと探していくべきなんだ、そういうふうに思います。
次に、本法案を新たに制定する必要性について伺います。
我が国には、既に災害対策基本法、首都直下地震対策特別措置法、国土強靱化基本法など、大規模災害や首都圏の被災に備えて、国家機能の継続に関係する法制度があります。本法案自体も、国土強靱化基本計画など国の他の計画について本法案に基づく基本方針を基本とする旨を規定しており、既存制度との関係が非常に密接です。
また、財政支援、税制優遇や規制緩和についても、多くの政令指定都市の区域指定がされている国家戦略特区がございます。例えば、大阪府及び大阪市はスーパーシティ型国家戦略特区に指定され、福岡市・北九州市、新潟市、仙台市なども国家戦略特区の指定区域にあり、各種規制改革メニューに応じた規制緩和が可能です。
そこで、伺います。
危機管理と経済成長といういずれの目的においても制度趣旨が重なる法律がある中で、なぜ、現行法の改正などで対応するのではなく、新たな法律を作る必要があるのでしょうか。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
現行法で対応すべきじゃないのかみたいなお話かと思いますが、この副首都法におきまして想定している首都直下型地震であったりとか富士山の噴火であったりとか、例えば、首都直下地震対策特別措置法におきましては、首都直下地震により行政中枢機能の維持が困難となった場合における一時的な代替について政府業務継続計画に定めるよう規定されているものの、現行計画では、東京圏内での一時的なバックアップが具現化される、あくまで東京圏内での一時的なバックアップというところにとどまっているところと承知しております。
そのほかの災害関連法におきましても、東京圏外におけるバックアップについては具体化しているものはないと承知しております。特に、この国会におきましても、基本、壊れないという前提で、東京圏内でのバックアップを考えている、これが現状でございます。
そこで、本法としては、このような現状を踏まえた上で、これらの法律に東京圏外での首都中枢機能の代替という観点から横串を通しまして、いかなる事態が生じたとしても首都中枢機能を維持し国家社会機能の継続性を確保するという国としての責務を果たすとともに、多極分散型経済圏の形成を通じて、人口及び経済に関する機能が国土全体にわたり適正に配置された国土の形成を目指すというものでございます。そのために、個別の法律の改正というよりも、新たに法律を定めて、よりこれに推進力を持たせていくというのを考えているところでございます。
その中で、本法の施策に関しまして、本法の基本方針で定めるバックアップ等の考え方を基本とし、また、ほかの計画との整合性もしっかり取れるような、アンブレラ、いわゆる傘になるような法律として整備していくこと、これが適当であると考えているところでございます。
以上です。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
本法案は、基本理念や基本方針を定めて推進本部を設置するようなアンブレラ法、枠組み法としての性格が強いものだ、そう認識をいたしました。だからこそ、既存の国土強靱化、防災、地方創生、国家戦略特区などの制度との役割分担を明確にしなければ、組織と計画だけが増えて施策が重複するおそれがあるということを申し述べます。今国会で早急に成立させたいという思いがあられるかとは思うんですが、やはり、もっと議論の上、丁寧に制度設計する必要があると考えております。
次に、費用についてお伺いいたします。
先ほど他の委員からも質問があったので、少しフォーカスをして聞けたらなと思うんですけれども、本法案第八条は、政府に対し、必要な法制上、財政上又は税制上の措置を講ずることを求めています。また、第十九条においても、副首都の国の機関の拠点整備、インフラの整備、民間投資を促進する税制措置などのため、国は広範な施策を講ずることとしています。
副首都を一つ指定した場合、複数指定した場合、様々なケースが考えられますが、現時点で正確な金額は算出できない、そう先ほどおっしゃいましたが、例えば、大阪を副首都にして、そして国会、裁判所、中央省庁のバックアップを構築するには少なくともどれほどの費用がかかるのか、また、費用はどのようにそれを捻出するのかということをお伺いいたしたいです。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
おっしゃったように、国家社会機能の中で司法というのも入っておりまして、最高裁判所のバックアップ、これに関しても、この法律では当然想定の圏内にあるところでございます。
ただ、繰り返しになってしまいますが、大阪にそれを整備するのかどうかも分かりませんし、実際、やはり基本方針が定まらないとなかなか難しいところはあろうかと。
というのも、国家社会機能、これを副首都、そして首都代替地域、いろいろな中でどう全体をカバーしていくのか、そういった議論がありまして、初めて、どこにどれを配置して、それによって当然土地の値段とかもいろいろ変わってきますし、いろいろな議論が、基本方針がない中ではちょっとなかなかお答えできないというのが現状でございます。
以上でございます。
○谷(浩)委員 大阪に関しても、どれほどかかるかというのは分からないというところで御答弁いただきました。
首都中枢機能のバックアップ体制は当然整える必要がございます。しかし、法案に、政府は財政上又は税制上の措置を講じなければならないとしている以上は、予算の想定もある程度念頭に置きながら議論が必要と思います。全国の老朽化するインフラの更新や、防災・減災への対応も急務です。必要な経費が削られないような予算編成を是非ともお願いしたいと思っております。
次に、政令委任についてお伺いします。
本法案では、首都中枢機能代替地域や副首都の指定要件の多くが政令に委ねられています。首都中枢機能代替地域については、東京都との同時被災の可能性が低いものとして政令で定める要件、副首都については、国の行政機関の設置状況や経済、人口規模などが政令で定める要件を備えていることが求められていますが、その指定要件の詳細についてはほとんどが政令委任となっています。
例えば、人口規模の要件について、既存の法律を参考にすると、政令指定都市に関しては地方自治法で人口五十万以上の市、そして、特別区設置に関しては大都市法で人口二百万人以上の指定都市など、具体的な人数の要件が政令ではなく法律上で定められています。
同種の制度において人口要件が法律上明記されている例があることを踏まえれば、本法案においても、指定要件の核心部分である人口規模については、政令に委ねるのではなく、法律上具体的に明記すべきではないでしょうか。見解を伺います。
○岩谷議員 御指摘の人口規模の要件について、これを法律に記載をするか、あるいは政令に委任するか、これはまさしく立法裁量の問題であるというふうに考えておりまして、どちらもあり得ると。
我々としては、本法案の検討過程におきまして、多極分散型経済圏の中核を担う機能を十分発揮するためとの限定を付して政令に委任することで、政府において、立法者の意思を踏まえて合理的な内容を定めることができるというふうに判断したところでございます。
○谷(浩)委員 法律が成立した時点では、国会にも国民にもどの地域が要件を満たすのか分からない状態であり、法案成立後、政府が定める政令によって対象地域が決まることになります。これでは国会が制度の枠組みを審議したとは言い難いのではないでしょうか。指定要件は法案の成立前に具体的に示すべきだと思います。
次に、法案提出者が想定する災害リスクについてもお伺いします。
法案提出者の概要資料では、東京圏との同時被災の可能性が低い地域として、首都直下地震緊急対策区域と富士山の火山災害警戒地域のいずれにも該当しないことを、政令で定める副首都及び首都中枢機能代替地域の要件として想定しています。しかし、我が国は、南海トラフ巨大地震と、それに伴う津波のリスクを抱えています。なぜ南海トラフ巨大地震は政令の想定に入っていないのでしょうか。
また、首都直下地震や富士山火山災害という特定の災害を想定するだけではなくて、例えば地盤、地形の強固さ、津波、高潮リスクなど、科学的根拠に基づく具体的な災害リスクの指標についても法律又は政令に明記すべきではないか。併せて二点お伺いいたします。
○宮下議員 災害のリスクが多数存在する我が国でございまして、むしろ災害のリスクが存在しない地域はないと言われるほどの国土の状況にあると思います。
その中で、南海トラフ地震についてどういうふうに考えるかという御質問もありましたけれども、今回の副首都の指定については、首都中枢機能の維持が困難となる被害をもたらすことが想定される大規模災害が生じた場合にどうするか、東京圏との同時被災の可能性がある地域は首都中枢機能のバックアップを担うのにふさわしくないということで、そうした地域のみを除外して、それ以外に首都中枢機能のバックアップ拠点を設けよう、こういう考え方であります。
それから、御指摘の南海トラフ地震に関しましては、もし南海トラフ地震が起こった場合、今の想定では、首都中枢機能の維持が困難となる被害をもたらすことは想定されていないということで、その場合、首都が引き続き首都中枢機能を果たすということでその災害対応に当たるという考え方であります。
なお、副首都として指定された道府県について、もちろん、冒頭に申し上げましたように、いろいろな災害リスクがあるわけですから、副首都整備方針を通じまして、当該副首都が直面し得る災害に対する備えをより一層強化していくことで対応すべきだと考えております。
それから、御指摘の科学的根拠に基づく具体的な災害リスクの指標等につきましてですけれども、本法に規定する基本方針の策定に当たりまして、脆弱性評価を始めとする多様なリスク評価の結果が考慮される旨を規定しております。副首都ごとに定められる副首都整備方針は、この基本方針に即して策定されることとなります。
これに加えまして、副首都の長が副首都整備方針の案の内容となるべき事項を申し出る際にも、当該副首都に係る地域防災計画等を考慮して行うこととされているところであります。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
ちょっと時間の関係上、次の八番と九番の質問を一緒にして伺います。
本法案では、副首都について、政令で定める要件を満たす道府県からの申出に基づき、内閣総理大臣が指定する仕組みとされています。まず、実際に申出を行う道府県がほとんど見込まれていないのであれば、副首都制度の実効性に疑問が生じます。
そこで、法案成立後に副首都指定を求めて申出を行う可能性のある道府県について、法案提出者は現時点でどの程度を見込んでおられるのでしょうか。副首都指定の申出に意欲を示している、又はその可能性がある道府県について、把握している範囲で教えていただきたいです。
その上で、首都中枢機能を代替する地域をどこに置くのかという問題は、国家の存続と国民生活に関わる危機管理そのものです。実際に整備を進める上で、地元自治体の理解と協力が必要であることは理解いたします。ですが、副首都については、政令要件を満たす道府県からの申出に基づき、内閣総理大臣が指定する仕組みとなっています。
候補地を選定する最初の段階から自治体が手を挙げるかどうかに委ねることが国家の危機管理として最適な方法なのでしょうか。手を挙げて、要件を満たした自治体から選ぶのではなく、政府が全国の災害リスクを客観的に比較評価した上で最適な候補地を選ぶ方式としなかったのはなぜでしょうか。
○簗議員 二つの点について答弁をいたします。
まず、御指摘のとおり、本法案では、指定要件を満たした道府県の申出に基づき、内閣総理大臣が副首都を指定することとされてございまして、先ほど来答弁しているとおり、副首都が複数指定されることも想定されるというふうに考えてございます。
その上で、副首都の申請に意欲を示している道府県につきまして、その可能性も含めて提出者である我々が言及するのは立場上適切でないというふうに考えてございますので、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
それから、後者の御質問についてでございますけれども、手挙げ方式ということについてでありますが、御指摘のとおり、副首都の指定に当たりましては、四要件の全てに該当する地域を含む道府県が当該道府県議会の議決を経て申出を行うこととしてございまして、指定に当たっては道府県からの手挙げが前提となります。
このことは、首都中枢機能の全部又は大部分の代替及び多極分散型経済圏の形成の中核という我が国にとって重要な機能を担うものでありますので、これを担おうとする道府県の意思というものが極めて重要である、こういうことを踏まえたものでございます。
あわせて、指定そのものは、副首都の機能を担う上で必要となる客観的な要件に基づいて内閣総理大臣が決めるスキームとすることによって、これらの手挙げを行った道府県が副首都としての機能を果たす能力を有していることを客観的に担保できる、こういう仕組みにしているということでございます。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
自治体の主体性が重要であることはもちろん理解いたします。しかし、やはり、国家の危機管理上、どの地域が首都中枢機能の代替に最も適しているのかを判断する責任は最終的に国にあります。申出を行う可能性のある自治体や、制度上のニーズを十分に把握しないまま、手挙げ方式による枠組みだけを先につくることには疑問があります。国が全国の災害リスクを客観的に評価し、そして適切な候補地を示す責任まで、自治体からの申出に委ねるべきではないと考えています。
次に、副首都の指定要件について、更に具体的に伺います。
本法案では、副首都について、東京圏との同時被災の可能性が低いことに加えて、国の行政機関の立地状況、人口及び経済の集積状況、必要な地方行政体制を備えていることを求めています。法案提出者の概要資料では、政令の想定として、国の一定の出先機関が立地していること、県内GDPと人口が一定規模以上であること、指定都市と道府県が連携協約等を締結すること又は特別区を設置することなどが示されています。
これらの要件を組み合わせれば、対象となり得る道府県は相当限定されます。大阪府は、国の出先機関が集積し、全国有数の人口及び経済規模を有しています。また、大阪府と大阪市による副首都構想を進めてきた地域で、特別区の設置についても長年具体的な政治課題として議論されてきました。
そこで、法案提出者、可能であれば、本制度を強く主張されてきた日本維新の会の提出者に伺います。
国家社会機能を継続させるという目的からすれば、最も重要なのは災害リスクの低さと首都代替機能の確実性です。そもそも、なぜ副首都指定の要件として、現在の国の行政機構の立地状況、人口、経済の集積状況、そして政令市と道府県との連携協約又は特別区設置を求めるのか、お伺いいたします。
○岩谷議員 これも先ほど申し上げたとおり、この法律の目的は、あくまでも首都東京が大規模災害に見舞われた際にそのバックアップを行っていくということでありますから、その観点から、同時被災のおそれがないことということを要件にしております。
それに加えて、御指摘の三つの要件をなぜ決めたのかということでありますが、これは、大規模災害時の行政機能のバックアップを行う観点から、既に集積している国の行政機構の活用が有効と考えられること、また、副首都が多極分散型経済圏の形成の中核となる機能を果たすためには、やはり一定の人口、経済の規模を備えることが必要であること、そして、最後に、副首都の機能を発揮するために必要な行政の基盤として、副首都に必要な施策を効果的、効率的に実施するためには、道府県と中核となる都市の間で事務が実効性ある形で一元化、一体化された体制が必要であることから、大都市法に基づく特別区の設置や連携協約等により、道府県と市が一元的、一体的に事務を実施する体制が確保されていること、これらが副首都の機能を十分発揮するに当たって必要であると考えたところでありまして、今日の委員会を通して大阪ありきではないのかという御指摘を幾つかいただきましたが、あくまでも必要な要件を考えた結果であるということを申し上げたいと思います。
○谷(浩)委員 御答弁ありがとうございます。
大阪が副首都の候補となること自体を否定しているわけではありません。ですが、問題は、全国制度の形を取りながら指定要件の核心を政令に委ねて、そして、その政令の想定が大阪の現状や大阪で進められてきた政策に合致していることにあります。このままでは、全国的な危機管理制度ではなくて、実質的に大阪を副首都に指定しやすくするための制度になり、大阪の大阪による大阪のための法案との批判を免れないのではないでしょうか。全国に開かれた公平かつ客観的な制度設計となるよう強く求めます。
最後に、附則第七条による大都市地域特別区設置法の改正について伺います。
本法案の附則では、特別区を設ける道府県であって副首都に指定されたものについて、道府県の名称を都に変更することを可能としています。具体的には、道府県議会の議決を経て申請し、内閣が国会の承認を経て名称変更を定めるという手続です。
大規模災害時の国家社会機能の継続性を確保することと多極分散型経済圏の形成を出発点とする法案であるにもかかわらず、なぜ大都市法を改正し、道府県を都とする名称変更に関する規定が附則に盛り込まれているのでしょうか。こちらも日本維新の会の法案提出者に伺います。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
なぜ附則で対応かということでございますが、今回の都への名称変更の特例は、この法律によって副首都を規定することで、副首都であり、かつ特別区を包括する道府県という類型が誕生することに伴い、副首都に関わる施策の一つとして設けるとしたものでございます。
このように、副首都であり特別区を包括する道府県に関する規定であるところ、現行の大都市法には特別区を包括する道府県についての規定が既に存在していることから、大都市法を改正してこの規定を設けているところでございます。
その上で、この事象が発生したのはあくまで副首都に関わる施策であることから、本法案の附則で大都市法を改正することとしております。
以上です。
○谷(浩)委員 首都機能のバックアップと地方自治体の統治機構の再編は本来別の問題です。副首都の指定要件に地方行政体制を盛り込んで、更に附則で特別区設置後の都への名称変更まで定めることは、もはや、本法案が単なる危機管理法案や多極分散型経済圏の形成のための法案ではなく、特定の地域における統治機構改革を実現するための法案でもあることを示しているのではないでしょうか。
参政党としては、東京一極集中の是正や首都中枢機能のバックアップ体制の構築、その必要性を否定するものではありません。危機管理と経済成長、更に特別区設置や都への名称変更までを一つの法案に盛り込むのではなく、それぞれの政策目的ごとに切り分けて、改めて慎重に検討すべきであるということを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、高山聡史君。
○高山委員 チームみらいの高山聡史です。
本日、三つの法案の並行審査となっているわけですが、まず、大規模災害に備えるという問題意識の衆法第二七号、いわゆる副首都法案から提出者に質問してまいります。
文部科学省の地震調査研究推進本部によると、マグニチュード七クラスの首都直下地震は今後三十年以内に七〇%程度の確率で発生するとされています。その際、首都中枢機能が失われた場合の影響は、我が国全体、国民一人一人の生活に及びます。
大規模災害に備えて国家社会機能の継続性確保にどう取り組むか、また、その備えを我が国経済全体の成長に資する取組にすべきではないかという問題意識は、チームみらいとしても共有できるものです。
そこで、まず、副首都法案の基本理念における情報通信技術の位置づけについて伺います。
本法案は、大規模災害が発生した場合における我が国の政治、行政、司法、経済等の活動の持続可能性の確保を中核に据えており、第三条第五項では、多重性及び代替性が確保された交通通信体系が整備された国土の形成を掲げております。一方で、基本理念には、情報通信技術に関する言及がありません。
今日、行政機能の継続とは、庁舎という建物に職員が参集できることだけでは足りません。住民基本台帳、税務データ、社会保障の記録などが守られ、行政の情報システムが動き続けることが必要です。東日本大震災でも、庁舎とともに住民データを失い、行政機能の回復に多大な困難を来した自治体がありました。
こうした教訓を踏まえると、この法案の基本理念に情報通信技術の活用に係る規定を置くべきと考えますが、提出者の見解を伺います。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、本法案におきましては、情報通信技術その他のデジタル基盤に直接言及する規定は置かれておりません。しかしながら、現代において、国家社会機能を維持するためには情報通信技術が不可欠であるとの認識でありまして、そのことを前提としまして、原案では、先ほど御紹介いただいたとおり、三条五項で、国家社会機能継続性確保施策の推進においては、多重性及び代替性が確保された交通通信体系が整備された国土の形成を目指すべきことを一定規定したものではあります。
その上で、大規模災害時の情報通信技術その他のデジタル基盤の喪失が行政機能の継続に特に深刻な影響を与えることに鑑みると、委員御指摘のとおり、国家社会機能継続性確保施策において情報通信技術を活用しながら多重性及び代替性を確保していくことは、改めて、極めて重要であり、そう考えておりまして、まさに同じ思いであるということをお伝えしたいと思います。
○高山委員 ありがとうございます。
是非、物理的な備えだけではなくて、デジタル技術の活用、これもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、国会に対する報告の仕組みについて伺います。
首都圏整備法第三十条の二では、政府に対し、首都圏整備計画の策定及び実施に関する状況を毎年国会に報告することを義務づけております。これは、いわゆる首都圏白書として、実際に毎年国会に提出されてきた仕組みとなっております。
これに対して、本法案では、副首都の整備に係る施策等の実施状況を国会に報告する規定が本則にはありません。附則では、集中推進期間の経過後にその実施状況を検証すると定めていますが、その検証結果を国会に報告する旨の規定も置かれておりません。
首都圏の整備には毎年の国会報告の仕組みがある一方で、これに匹敵する国政上の重要性を持ち、多額の財政負担も見込まれる副首都の整備にはこれがない、やはり国会が国家的な事業の進捗を継続的に検証できる仕組みが必要ではないでしょうか。
そしてまた、報告の中身としては、単に予算執行状況の羅列だけではなく、測定可能な指標に基づく施策の進捗、多極分散型経済圏の形成の状況、財政負担及びその執行の状況を含む充実した内容とすべきと考えます。
併せて提出者の見解を伺います。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。
行政監視機能を持つ国会として、副首都の整備に係る施策その他国家社会機能継続性確保施策についても、政府に対して質問をし、その実施の状況を確認することは当然に可能であると考えていたところであります。
一方、首都圏整備法と同様に毎年の国会報告の仕組みが必要との御指摘は、国会による定期的な施策の実施状況の確認の機会を明示的に確保する効果があるという点で、十分に理解できるものであると考えます。
また、質問によるか国会報告によるかを問わず、施策の実施状況を国会において確認するに当たっては、施策の透明性を確保し、国民の広範な理解と支持が得られるよう、充実した内容とするべきであることについても、提出者としても、委員の御指摘のとおりのその必要性に同意するものであります。
○高山委員 ありがとうございます。
これは構想だけではなくて、実際に施策が順調に進捗をしているか、あるいはチェックすべきことがあるか、国会がしっかり関与していく必要があると考えます。
次に、副首都の指定要件とデジタル行政基盤について伺います。
本法案では、副首都の指定要件として、国の行政機構の立地の状況等、政令で定める要件を備えることを求めております。ここに挙げられた条件はいずれも重要な要件ですが、全て物理的あるいは量的な観点であり、デジタル行政基盤に関する観点は明示されておりません。
首都中枢機能の代替には、各府省の意思決定を支える情報システムが動き、府省間でデータが流通し、国民への行政サービスが止まらない、これが必要です。ガバメントクラウドへの対応、行政機関横断のデータ連携基盤、それを支えるデジタル人材の確保体制を欠いたまま、行政に係る首都中枢機能を代替する機能を十分に発揮するということは事実上不可能であると考えます。
そこで、政令で定める要件の検討において、デジタル行政基盤の整備状況又はその整備計画がどのように考慮されると想定しているのか、立法者としての見解を伺います。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
委員御指摘のデジタル行政基盤に関する観点は、副首都機能のバックアップに限らず、国家社会機能をアップデートさせるために本当に重要な観点だと考えているところでございます。
ただ一方で、例えばガバメントクラウドに関しましても、システム標準化の中でいろいろ地方では対応しつつある、また行政機関横断のデータ連携基盤とかは、私は大阪市にいましたから、その辺をちょっと見てはいたんですけれども、やはり縦割りでシステム開発をしているので難しい部分があって、認証サーバーとか印刷とかは結構共通基盤があったりもするんですけれども、なかなか地方で対応していくのは難しい。デジタル人材も、公務員の報酬体系の中ではなかなかいい人材というのは難しい。地方はそうやって四苦八苦しているというところでございます。
とはいえ、重要な観点であるのはそのとおりでございまして、デジタル行政基盤の整備といった事柄に関しましては、副首都の指定要件とするよりも、副首都の整備に当たって深く考えていくものではないかと考えているところでございます。
○高山委員 ありがとうございます。
要件とするか、あるいは整備に当たってしっかり考えていくかというところでございますが、いずれにしても必要なことだと思います。地方においてはなかなかデジタルがまだ進んでいないところがあるからこそ、この検討とともにしっかり検討いただきたいというふうに思います。
最後に、多極分散の実効性と首都中枢機能代替地域への施策について伺います。
この法案の目的には、多極分散型経済圏の形成も掲げられております。第二条第五項の定義によれば、人口及び経済に関する機能が特定の圏域に過度に集中することなく国土全体にわたり適正に配置される国土の形成、これは副首都の候補と目される都市以外にとっても大変重要な観点だと思います。
そこで、提出者に対して伺いたいのが、まず第一に、首都中枢機能代替地域への施策として、税制上の措置に加えて、官民データの円滑な流通の確保を図るための基盤の整備等、施策の一層の充実を図るべきではないかという点。データの基盤があれば、地方にあっても首都中枢機能の一部を実効的に支えることができ、可能性は更に広がると考えます。
第二に、第十二条の分散的配置のための施策にも、移住の促進、大学の振興といった従来型の施策に加えて、情報通信技術を活用した行政の推進、例えば、全国でも最も先進的な、国から自治体まで一気通貫のプロセスでプッシュ型の行政サービスが実現できている都市にする、あるいは、場所を選ばず行政サービスや働き方が可能になっているなどの観点を盛り込むべきではないでしょうか。それぞれ御見解を伺います。
○鈴木(英)議員 お答え申し上げます。
委員の御指摘につきましては、原案における十二条、十三条それぞれにもある、その他の必要な施策を講ずるものの規定中に一定程度読み込むことは可能ではあると考えておりますが、その上で、十三条の規定において、税制上の措置に加え、官民データの円滑な流通の確保を図るための基盤の整備等の施策の充実が必要ではないかという委員の御指摘はまさにそのとおりと考えるものでありますし、あわせて、十二条の分散的配置におきましても、移住の促進や大学の振興といった従来型の施策に加え、委員御指摘の情報通信技術を活用した行政の推進など、場所を選ばない行政サービスや働き方を可能とする観点についても極めて重要であるというふうに考えております。
○高山委員 ありがとうございます。
本日、順に伺った各点、これらがしっかりと盛り込まれるということであれば、我が会派としても、本法案、前向きに進めていきたいというふうに考えております。
私は、副首都の整備は、ある意味東京の二番煎じの都市整備を各地で行うということではなくて、この取組を生かして、むしろ東京よりも一世代進んだデジタル行政都市をつくるという野心的な取組であるべきだと考えます。
海外においても、シンガポール、ドバイ、世宗など、国家レベルで都市のデジタル化に取り組むことで、首都のバックアップ、さらには経済的にも競争力を増してきた、そういった事例、複数ございます。
本法案にデジタルの観点を適切に盛り込むことで、大規模災害への確かな備え、プッシュ型の行政サービスを国、自治体で一気通貫に実現するモデルケース、そして真に、多極分散型の経済成長を実現すべきではないかというふうに考えます。
是非、真摯な御対応をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○丹羽委員長 次回は、明十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時十四分散会

