衆議院

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第1号 令和5年6月2日(金曜日)

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令和五年六月二日(金曜日)

    午後一時開議

 出席委員

  地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会

   委員長 橋本  岳君

   理事 今枝宗一郎君 理事 坂本 哲志君

   理事 田中 英之君 理事 谷川 弥一君

   理事 坂本祐之輔君 理事 湯原 俊二君

   理事 中司  宏君 理事 中川 宏昌君

      東  国幹君    井原  巧君

      石田 真敏君    今村 雅弘君

      大野敬太郎君    小寺 裕雄君

      小森 卓郎君    鈴木 隼人君

      谷川 とむ君    土屋 品子君

      中川 郁子君    中曽根康隆君

      牧島かれん君    宮路 拓馬君

      山口  晋君    渡辺 孝一君

      岡本あき子君    佐藤 公治君

      堤 かなめ君    福田 昭夫君

      緑川 貴士君    森田 俊和君

      住吉 寛紀君    堀場 幸子君

      輿水 恵一君    鰐淵 洋子君

      西岡 秀子君    高橋千鶴子君

  厚生労働委員会

   委員長 三ッ林裕巳君

   理事 上野賢一郎君 理事 大岡 敏孝君

   理事 田畑 裕明君 理事 高木 宏壽君

   理事 小川 淳也君 理事 中島 克仁君

   理事 池下  卓君 理事 佐藤 英道君

      畦元 将吾君    上田 英俊君

      柿沢 未途君    勝目  康君

      川崎ひでと君    小林 鷹之君

      塩崎 彰久君    新谷 正義君

      瀬戸 隆一君    田村 憲久君

      高階恵美子君    土田  慎君

      橋本  岳君    本田 太郎君

      松本  尚君    三谷 英弘君

      吉田 真次君    阿部 知子君

      大西 健介君    西村智奈美君

      早稲田ゆき君    浅川 義治君

      遠藤 良太君    吉田とも代君

      古屋 範子君    吉田久美子君

      田中  健君    宮本  徹君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (デジタル改革担当)   河野 太郎君

   厚生労働大臣政務官    畦元 将吾君

   政府参考人

   (内閣官房デジタル市場競争本部事務局次長)    佐久間正哉君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局次長)         三原 祥二君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          黒瀬 敏文君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   楠  正憲君

   政府参考人

   (デジタル庁統括官)   村上 敬亮君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   山本 和徳君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 足達 雅英君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  伊原 和人君

   厚生労働委員会専門員   若本 義信君

   衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件(マイナンバー制度等)


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     ――――◇―――――

橋本委員長 これより地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。

 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。

 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件、特にマイナンバー制度等について調査を進めます。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。岡本あき子君。

岡本(あ)委員 立憲民主党・無所属の岡本あき子でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 マイナンバーカードのトラブルが後を絶ちません。

 資料を配付させていただいております。

 資料1の1から3、大変申し訳ありません、資料1の3のページで訂正をさせていただければと思います。五月二十五日のマイナポイントの欄のところで、「大分市長は、マイナポイントの誤付与について、」という書きぶりで書いておりますが、大変失礼いたしました。これは公金口座の誤登録についてということで、この欄ではなくて、一つ左の欄になりますことを訂正をさせていただければと思います。

 御覧いただいた中でも、三ページにわたって新聞報道等を拾わせていただきましたけれども、トラブルの報道が起きております。これは五月二十九日までの分しか拾っておりませんので、そこから先も、もう連日連日起きている状況でございます。

 本日の午前中に、マイナンバー法の関連の法律が参議院で成立してしまいました。本来、やはりデジタルの基盤は、国民の信頼が大前提になければなりません。そして、衆議院のこの法案の審査のときは、誤交付ですとか、今申し上げたこの三ページにわたるような情報というのは、実は衆議院で審議をしていたときは、まだ表に出てきておりませんでした。あえて公表してこなかったのではないかと疑いたくなるような状況でもあります。

 本来、このマイナンバー及びマイナンバーカードへの信頼を回復させることがまずありきで、そして、この制度の前提が崩れている状態では、今回、法律自体は成立してしまいましたけれども、本来であれば、やはりマイナ保険証については一回立ち止まる、それから、全部のデータの点検が終わるまではこれは進めていかない、そういう姿勢で臨んでいただきたいということを強く申し上げさせていただきます。

 そして、先にデジタル大臣に伺いますけれども、健康保険組合のミス、システムベンダーのミス等、今まで、自治体職員の手続のミスという言葉で表現をして、また、住民からの問合せに対しても、たらい回しという状況が続きました。大分市長は記者会見で、個別の案件で人的エラーなのでデジタル庁は自治体を公表しない、当時、デジタル庁に相談をしたときも、そういう答えを受けています。

 今回のマイナンバー、それからマイナンバーカード、そしてマイナ保険証、二万ポイント付与を言い出したり、自治体に、交付率の向上、これは圧力と思われるような、私からすると圧力と思えるような動き、あるいは交付率を競わせたり、一方で、健康保険証を廃止して、医療を受けられなくなるのではないかという不安をあおった結果ではないかと思います。

 あわせて、その時期に申込みが殺到して人的ミスが起きたという部分も否めないと思います。カード交付には、想像以上の登録、発行作業を集中させた責任、これはやはり国にあるのではないでしょうか。デジタル大臣、お答えください。

河野国務大臣 いろいろと御迷惑をかけておりまして、申し訳なく思っております。

 大きく分けて四つの事案が起きておりますが、その中で、コンビニの誤交付、これはシステムのエラーで、ほぼ同時に自治体の中の二か所のコンビニで同じ申請がなされたときに、片方が片方を上書きしてしまうというシステムのエラーでございます。

 これは、マイナンバーカードを、普及が進んでいる前は、確率的にほぼそういうことは起こらなかったわけでございますが、これだけ多くの方がマイナンバーカードを使ってコンビニ交付をやっていただけるようになったものですから、そうしたことが起きたということで、これは、いわばシステムのエラーが、マイナンバーカードが増えたことによって顕在化したということは言えるんだろうと思います。

 反対に、マイナンバーカードと保険証のひもづけの誤りは、これは、保険者が替わるとき、あるいは保険者の中でもその資格が変わるときにデータ登録を誤ったものでございますので、これは、マイナンバーカードの普及とは関係のない、保険者での登録のたびに起きる可能性があった、そういうことですから、マイナンバーカードの枚数とは、普及とは余り関係がないと言っていいかと思います。

 それから、マイナポイントの誤付与、あるいは公金受取口座のひもづけの誤りに関して申し上げますと、これは確かに申請が、十二月末、あるいは今年に入ってのマイナポイントの付与期限の最後に申請数が一気に増えましたが、これは申し訳ないあれですが、J―LISでのマイナンバーカードの発行能力の上限があるものですから、これは申請数が増えても発行枚数は一定以上増やすことができませんので、申請数が増えた分、発行が後ろ倒しに時期がずれるということになっておりまして、発行のところは、ほぼ一定数で推移をいたします。

 ですから、申請の集中というよりは、この二つの、マイナポイントと公金受取口座に関しては、ログアウトをしないまま終わらせてしまったというエラーを防ぐことが、本来、マイナポイントではシステムでできておりました。それを、使いにくいということでシステムを外してしまった、そこに起因していると思っておりますので、マイナポイントについては、そのシステムを再導入いたしました。

 また、公金受取口座についても、同じようにログアウト忘れを防ぐためのシステム改修を今着手して、六月中にはそのシステムを導入できると思っておりますので、このヒューマンエラーを防ぐためのシステムを入れることができなかった、ここの責任を痛切に感じているところでございます。

岡本(あ)委員 理由は様々かもしれませんが、やはり、このシステムを導入する、データをひもづける、それから、システム自体を直したからという答弁がありましたが、これは本来、システムも、自治体が発注をして、ベンダーさんからシステムができて、完了確認、これも取った上でシステムを導入しているものですよね。ですので、そのシステムの構築の在り方、これだけ殺到するということも、マイナンバーカードを全国に、それから国民、多くに普及をするんだという形で旗を振った原因があると思います。

 また、データを突き合わせるとき、私もデジタルに関連する企業に勤めていた経験もありますが、システム同士を突き合わせたり、データを突き合わせたときは、必ずミスというのは起き得ますし、あるいは、そこで元々のデータが違っているということも起き得るんです。当然、そこは想定をされていたんだと思うんですが、それでもなお、こういうことが起きてしまったというところは、改めて責任を痛感していただきたいと思います。

 そして、データの再点検を指示した、これは岸田総理が指示をしたという報道がありますけれども、具体的にどのような点検をいつまでに行うのか。

 それから、併せて聞かせていただきます。私は、この際、消えた年金のように、マイナンバーカード、マイナ保険証特別便として、登録された情報を御本人に通知をして、御本人に確認を促してはどうかと思います。幾ら行政が、直したから大丈夫、直したから大丈夫、今まで、対応しました、対応しましたと言った後に、これだけ出てきているということを考えると、行政のデジタル化に対する信頼の失墜を回復するには、そのぐらいのことなんだという扱いをするべきだと思いますが、この点、お答えください。

村上政府参考人 まず、前半の点、四つのカテゴリーそれぞれについて御報告申し上げます。

 まず、コンビニ交付サービスにつきましては、総務省、富士通社、富士通Japan社と連携し、システムの停止を伴う一斉点検を実施しているのは、これまで御報告しているとおりでございます。対象自治体は百二十三ございます。六月の一日の段階で、八十二団体につきまして点検が終了いたしました。残り四十一団体でございますが、全て、停止を伴う一斉点検を受け入れていただいてございます。今、最終的な日程の調整をしてございますので、全て確定して、最後に終わる団体が明らかになったところで、しかるべく公表をしっかりさせていただきたいと思います。いずれにせよ、そんな、一か月とか二か月とかと延びる話ではないと思ってございます。

 それから、保険証につきましては、厚労省と連携をいたしまして、全保険者の事務処理の点検を行うとともに、登録データ全体に誤りがないかどうかの確認を実施してございます。これにつきましても、進捗があれば、それに応じて引き続きお知らせをさせていただきたいというふうに思います。

 次に、公金受取口座でございます。これまでに登録された公金受取口座について総点検をしてございまして、同一の口座に複数人登録されているデータを機械的に抽出いたしまして、機械的に誤りがあるものについては全部拾い込み、別の他人に登録されているリスクの高いものを絞り込む作業を現在やっているところでございます。この結果を踏まえて、本人様に直接、必要なものは確認を全部取らせていただくということで予定しておりますが、今、データ抽出中の段階のものでございますから、こちらの点検の終了時期についても、目途が立ち次第、改めてお知らせをさせていただければと思います。

 なお、四つ目のカテゴリーにつきましては、ログアウトの段階、最終的にひもづけるところで、もう一度かざしてもらうように四月に改修して以降、トラブルは発生してございませんので、こちらについては、その点で対応が終了しているかなということでございます。

 なお、もう一点、お尋ねのございました点につきましては、一つは、マイナポータルで御本人様が直接御確認いただけるようになっております。まずこれをしっかりと知っていただくという意味で、それができるということ自体、知らない方も多うございます。今、コールセンターも整えまして、普及、広報、周知もいたしまして、むしろそこをしっかり国民の皆様にお届けをいたしまして、御不安のある方につきましては是非御確認をお願いしますというふうに御案内をさせていただきたいというふうに思っております。

 いずれにせよ、一人でも多くの方の御不安が解消できるように、引き続き努めてまいりたいと思います。

河野国務大臣 今、全てのデータの点検というものはやっております。その中で疑いのあるものについて御本人に、恐らく郵送になるんだろうと思いますが、御確認をいただこうと思っております。

 今、統括官から御説明ありましたように、マイナポータルで御自身の保険証あるいは公金口座ひもづけ、確認できますので、その方法を広く周知したいと思っております。

岡本(あ)委員 今の御答弁、統括官それから大臣の御答弁、大変失礼な部分があると思います。ミスをしているのは行政側が大方なのに、マイナポータルの使い方を広く周知するので本人が自分の情報でミスがないかどうかを自分で調べて自分で気づきなさいという、今の御答弁だと、そう私は受け止めます。逆に、私は、皆さんにこちらから、こういうふうに登録をしています、皆さんに確認をお願いしたいという意味で、先ほど、特別便ということを言わせていただきました。

 これは、政府の姿勢が全く百八十度異なるのではないかと思いますので、是非この点はもう一回お答えいただきたいと思います。マイナポータルで使い方を教えるのであなたが見てください、あなたが見逃したのはあなたのミスですということになりますでしょうか。もう一度、大臣、お答えください。

河野国務大臣 疑いがあるものについては郵送で御確認をいただこうと思っております。そうでない方はマイナポータルで御確認をいただけるということを申し上げております。

加藤国務大臣 保険証の関係とのひもづき、大変ミスがあり、多くの方に御迷惑をかけていることを、改めて申し訳なく思っております。

 その上で、新規については、新規の間違いがないようにチェックするとともに、これまでの登録済みデータについては、二段階で対応させていただいています。

 一応、こういう形でということでお願いをしていたやり方があるんですが、必ずしもそうなっていないケースがあった。そういったところについては、まずチェックしてほしいということ、そして、チェックしたときには五情報で見てくれということで、まず、六月末までにそうした作業に入るか入らないのか、そして、七月末までに作業結果を求める、これが第一段階であります。

 第二段階として、全ての加入者情報に誤りがないか、これはちょっとシステムをつくる必要がございますので、それができ次第、全てのデータを住民基本台帳情報と照合して、そして、一部違いがあるものについては速やかに本人に送付して確認をしていただく、こういったことを考えているところでございます。

岡本(あ)委員 重ねてになりますけれども、私は、デジタルの基盤の信頼を得るためには、やはり行政側から皆さんに、あなたの情報はこういうふうに扱っていますよ、だから間違いがないかどうか、是非チェックをお願いしたいという姿勢を表すべきだということは重ねて申し上げたいと思います。

 また、今、御答弁では、ちょっとシステムの状況、あるいは統括官のお話でも、スケジュールがまだ明らかになっていない部分があるように受け止めております。それであればなおさら、六月、七月中に皆さんにお便りを出すということだってあり得るんじゃないかということを、重ねて指摘をいたします。

 ちょっと質問を飛ばしますが、今の御答弁を受けて、マイナポータルも含めてですけれども、私は改めて、これは個人情報保護委員会に伺います。自己情報コントロール権、これはやはり必要なのではないかと思います。

 ある意味、行政を信頼してデータをお預けして、正しく使ってくれるだろうという期待の下に、今までこういう制度の運用を進めてきましたし、マイナンバーカードのポイントのメリットもあるということもあり、御協力をいただいておりますけれども、他人の情報をひもづけられている、あるいは戸籍の情報、こんなプライバシーの高い情報が他人に知られる、こういうことも絶対あってはならないと思います。

 御本人が、自分の情報はここまでにしてほしい、多少不便があったとしても、自分の情報をこういうふうに使ってほしい、あるいは、ここにとどめるべきだ、その意思を表示できる自己情報コントロール権、改めて必要だと思いますが、個人情報保護委員会の答弁を求めたいと思います。

三原政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる自己情報コントロール権につきましては、その内容、範囲及び法的性格に関し、様々な見解がございまして、明確な概念として確立しているものではないと承知しておりますけれども、関連といたしまして、個人情報保護法では、まず、その第一条におきまして、個人の権利利益を保護することが法目的であることを規定してございます。また、個人情報の取扱いに対する本人の関与の重要性に鑑み、自己を本人とする保有個人情報の開示、訂正、利用停止等について規定しております。さらに、行政機関等におきまして、要配慮個人情報を含む保有個人情報の漏えい等が発生した場合等、一定の事態が生じたときは、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知といったものを義務づけております。

 これらの規定を適切に運用していくことにより、個人の権利利益の保護を図るとともに、行政機関等におきまして保有個人情報の漏えい等が発生した場合は、個人情報保護委員会が必要に応じて実地調査や指導等の監視、監督権限を行使していくものでございます。

岡本(あ)委員 重大なことが起きたら、あるいは大量に出た場合は、御本人に知らせてというところは伺いましたけれども、そうではなくて、やはり、そもそも自分の、特にプライバシーの高い情報に関しては、自分で、情報をどう使ってほしい、あるいは使ってほしくない、そういう意思表示ができる自己情報コントロール権、これは改めて求めていきたいと思っています。

 続きまして、マイナ保険証に関連して、幾つか伺わせてください。

 資料2の1、2という資料をつけさせていただきました。保険医協会さんでアンケートを取って、五月二十九日に公表したデータになります。

 何らかのトラブル、オンライン資格でトラブルがあったが六割ありました。そのうち、無効という表示になったというのが、その下の棒グラフ、六七%ありました。一ページめくっていただいて、紙の保険証で確認ができてその場で対応したというのが七五%。残りのところは、コールセンターとか、いろいろな対応をしました、ただ、いろいろな対応をしたけれども、結果としてトラブル対応がその場でできなかったというのが、依然として大きな数字として、割合として残っています。

 たまたま今は、紙あるいはプラスチック、既存の保険証があるので、大方がそれの確認で事なきを得ておりますけれども、五月二十九日では二百六件ですかね、三十一日時点では三百九十四件が十割負担。結局、すぐさま確認が取れなかったので医療負担を十割負担をして、後ほど、資格確認が取れた時点で七割をお返しする。こんな、結果とすると、本人に非がないのに、無駄な作業、事務的にも、患者さんにも負担をかけているものになります。

 これは、今後も考えると、無理して既存の保険証を廃止する必要はないんじゃないでしょうか。こういうときのために、七割の方が既存の保険証で解決をすることができました。これは既存の保険証がなければ、コールセンター、つながりにくい状況も随分聞いております、結果として十割医療費を払わないと医療が受けられない、こんなことが引き続き、あるいはこれ以上起きていくことになるんじゃないでしょうか。

 無理して既存の保険証を廃止する必要、全く意味を感じないんですが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 御指摘の点については、幾つか、いろいろな事情があります。そもそも、申請と発行までのタイムラグ、これは紙でも生じるところでありますが、それ以外に、幾つかのトラブル等によって、出ていない事情がある。そして、その場の対応、保険証においてもそうですけれども、十割負担を求める場合と、弾力的に三割等々、本来の自己負担で対応していただく場合があります。

 今回、そうした御本人の事情によらない場合、要するにタイムラグではなくて、例えばシステムトラブル等、そういった場合等も考えて、そこをどう弾力的にやれるかということについて、今、医療機関とも調整をさせていただいて、整理をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。

 それから、保険証を廃止する必要がないのではないかということでありますが、まさにこれは、保険証を使うよりは、マイナンバーと一体化することによって様々なメリットがあることは、これまでも御説明いただきましたし、そのメリットを是非多くの人に享受していただきたい、そういった意味でこれを進めていく必要。

 それから、一方で、保険者側から見ても、事務的な軽減、コストの軽減にもつながっていく、さらには、実際、紙の発行をしなくて済むというメリットもあります。

 したがって、そういったことを考えて健康保険証の廃止ということを判断をさせていただいたところでありますけれども、それに向けて、今、様々な御指摘の点については一つ一つ対策を講じながら、円滑な移行を図っていきたいと考えております。

岡本(あ)委員 今、よりよい医療が受けられるメリットのお話もいただきましたが、よりよい医療とずっと答えているんですが、具体的にどんなメニューがあるのかが全く分からないんです。

 私、資格確認等のシステムの流れも確認をさせていただきましたが、医療情報に関しても、レセプト情報を病院のドクターとかが見ることに、患者さんもオンラインのマイナ保険証で見ることになるので、一か月前くらいの医療の情報なんですね。さらに、では、十年以上慢性の病気を持っている方が、ずっと十年、どういう治療を受けてきたのか分かるかといったら、多分一年か二年分ぐらいのデータしか反映されないということも説明で伺っております。

 全く、患者さん本人にとって、よりよい医療になるのかどうか、この点は非常に疑問ですし、改めて定量的に示していただきたい、このことは指摘をさせていただきます。

 もう一つ、介護施設。

 私も地元で、さんざん、介護事業者の方に伺うと、今保険証を預かっているけれども、マイナンバーカードはとてもじゃないけれども責任を負えない。何とか既存の保険証を残して、マイナ保険証を持ちたい人は持ってもらって構わないし、だけれども、既存の保険証を残して、そっちで預からせてくれ、そういう要望をいただいております。

 強制的に、資格確認書を取れよと言う必要もないと思うんですが、マイナ保険証になろうがなるまいが、既存の保険証、あるいはマイナ保険証ではない形の、要は紙のベースでの被保険者の番号の確認、これができるようにするべきだと思います。是非、これは既存の保険証があれば済むことですので、この点、後ほど御答弁いただければと思います。

 残り時間がないので、まとめて伺います。

 私、前回もお伺いしたのですが、デジタル化というのは、究極でいくと、申請をしなくてもいい形にするというのが、デジタル化の大きな発想の転換になるメリットなんだと思っているんです。ところが、今回、マイナ保険証で資格確認書を欲しい人は、今まで放っておいても保険証、被保険者証を交付されていたのが、資格確認書をわざわざ申請をしなさいという制度をつくっています。この点も全くデジタル化と逆行していますので、是非この点は、申請ではなくて、マイナ保険証を持たない方には交付をするというルールにしてほしいというのが一点。

 究極は、再三言っていますが、まず、例えば児童手当とか、デジタル庁でできるプッシュ型、申請をしなくても、対象が分かるものにはどんどんプッシュ型で行っていく、これこそデジタル化だと思いますので、まとめてお答えいただければと思います。

加藤国務大臣 最初の二問に対してお答えさせていただきたいと思います。

 まず、施設入所者に関してでありますけれども、そもそも今回の資格確認書に対しては、発行には様々なケースが想定されることから、本人の申請に基づいて交付する仕組みとなっております。したがって、マイナンバーカードの健康保険証利用の登録をしている施設入所者の方にあったとしても、資格確認書が必要であれば申請していただき、交付することは可能ということになっているところであります。

 ただ、先ほど、メリットがないじゃないかというお話で、本当はそこをもう少し議論させていただきたいんですが、マイナンバーカードで受診することは、やはり、入所者であったとしても、そうした環境をつくって、そうした環境で受診をしていただきたい。様々なデータを活用することの中で、医療が受けられる環境で受診をしていただきたいと思っております。

 カードを預かることに対して、介護施設等の皆さんからも様々な不安はお聞きをさせていただいておりますので、また更にお話を聞きながら、実態に合った対応が可能となるよう、具体的な留意点を整理して、関係者にお示しをしていきたいと考えております。

 また、資格確認書を一律に交付すべきというお話でありますけれども、先ほど申し上げたように、資格確認書が必要となる事情は様々なケースが想定されるということでございますので、それに応じて申請をする。また同時に、申請手続の失念がないように様々な措置を講ずるとともに、それでもなお申請が期待できないと判断される場合には、本人からの申請によらず、職権で交付するという、こうした柔軟な対応を取ることとさせていただいております。

 こうした介護施設等に入所されている方を始め、マイナンバーカードの申請が難しいと想定される方などが必要な保険診療が受けられないといったことがないように、きめ細かな対応に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。

河野国務大臣 マイナンバーカードを紛失してしまったり、あるいはベビーシッターさんに薬局に薬を取りに行っていただいたり、そういう場合に資格確認書というのが発行されるんだろうと思いますので、現時点で、申請をいただいて発行するというのが厚労省の方針というふうに理解をしております。

 先ほどお話がありましたように、給付その他につきまして、しっかりとした情報に基づいたプッシュ型というのが、これができればデジタル化のメリットというものは多くの方に享受していただけると思っておりますので、一義的には、税ですとかあるいは社会保障を所管している省庁が制度を検討されることになると思いますが、そうしたことをやろうということになりましたときには、デジタル庁として、そこはしっかりサポートしてまいりたいと思っております。

黒瀬政府参考人 児童手当の部分につきましてお答えを申し上げます。

 児童手当の支給に当たりましては、住所要件や所得要件のほかに、養育に関する要件というものが設けられてございます。マイナンバーによる情報連携などを活用しましても養育状況を把握することは難しいので、申請手続そのものを省略して対象者の口座に自動的に支給する仕組みとすることは慎重に検討する必要があると考えておりますが、マイナンバーカードを使ってマイナポータルからオンライン申請をし、公金受取口座で給付を受け取ることを可能にすることで、大幅な利便性の向上ですとか負担軽減が図られるものと考えております。

 引き続き、手続に関する利便性の向上、負担軽減に努めてまいりたいと考えております。

岡本(あ)委員 いずれにしても、既存の保険証を廃止しない方が、事務作業も軽くて済む場合もあります。わざわざ仕様を変えてまで、そして、医療保険者に負荷をかける。要は、資格確認を出してくださいという申請をしたら、受け付けなきゃいけないんですよね。この人に出すべきか出さないべきか、それも審査しなきゃいけない。それで、資格確認を申請しない人には、出してください、出してくださいという作業もしなきゃいけない。これも、全くデジタル化の方針からすると私は逆行すると思います。

 児童手当については今後議論していきたいと思いますが、オンラインで申請できるのに、養育環境の確認ができないというのは全く意味が分かりません。

 これら様々問題点を抱えている意味で、大前提というので、国民の信頼をしっかり得られるまでは、いま一歩とどまるべきだということを指摘して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

    〔橋本委員長退席、三ッ林委員長着席〕

三ッ林委員長 次に、早稲田ゆき君。

早稲田委員 立憲民主党の早稲田ゆきでございます。

 本日は、この合同審査に質問の時間をお与えいただきまして、ありがとうございます。

 それでは、質問に入ります。

 一連のマイナンバーカードについていろいろ、先ほども、主なものだけでも四事案ということが出ております。そのトラブルをめぐって、全国知事会からも河野大臣の方に要請がございました。国と自治体、事業者が一体となってチェック体制の構築を急ぐべきというような内容。そしてまた、島根県の丸山知事の方からは、マイナカードをめぐるトラブル、ざるにもほどがある、登録者数を増やすために見逃したのではないかと、チェック体制に対して厳しい苦言も呈されております。また、一日には、中核市会の会長の方からも、国がカード取得率上昇のために性急に普及ばかりを進めた、そして、自治体も大変一生懸命やってきたけれども、その中で無理がたたってミスが起きているのが実情だということが届いております。

 そうした中でありまして、先ほども御質問の中でいろいろお答えになっていらっしゃいましたけれども、河野大臣が、デジタル庁として中核を担って、責任をいろいろ取って、そしてまたチェック体制を更に充実をして、そしてもうこのようなことがないように、国民の信頼を得られるように、今るる進めていただいているという御答弁ではありましたけれども、まだまだ不安は拭い切れません。

 一つ申し上げますと、公金の受取口座とひもづけについてです。ログアウト忘れ、そしてこれもシステム改修をされるということでありますけれども、現在、大体五千万件登録のうち、今の、ログアウト忘れでひもづけが誤ってなされるような、これについて総点検をされる日程感、これをお示しになりませんでした。今、どのような状況で、そしてまた、どなたがこれをやっていらっしゃるのか、大体いつまでをめどにされるのか、お答えいただきたいと思います。

河野国務大臣 公金受取口座につきましては、これまで御登録をいただいたものを総点検したいと思っております。デジタル庁の方でこれはしっかりやっていきたいと思っております。

 日程感など、申し上げられるような状況になりましたらば、周知していきたいと思います。

早稲田委員 五千万件、この中から抽出方式でやると聞いておりますが、その抽出方式の方法もまだ決まっていないとも担当者から伺いました。そして、デジタル庁の職員が自らこれをやっていらっしゃるということですけれども、本当にそれでよろしいんでしょうか。

 それから、今、日程感が決まったらとおっしゃるということは、よほどまだ何も決まっていないという状況なのではないか、その中でこうやって進めてしまっていいのかということが、まだまだ不安が何にも払拭できない。そのことについてはいかがでしょうか。

河野国務大臣 これまでひもづけをいただいた口座、これを総ざらえしようというふうに思っております。

 口座には仮名名義しかないものですから、どのように漢字の氏名と当てていくのか、そのようなことも今いろいろ検討しているところでございますので、日程感、お示しできるようになりましたら、お示しをしたいと思います。

早稲田委員 今、私、次の質問で申し上げようと思ったのは、その仮名と漢字氏名の問題であります。これについては、法律、成立をしてしまいましたが、法施行後にシステム改修を行う、そういうふうに伺っています。

 だから、丸山知事がおっしゃっているのは、県がデジタル庁に問合せをしたと。制度は本人じゃないといけないんだけれども、本人の口座でないと登録できない、でもシステム上は登録できるようになっています、システムでははじくことがない、それを今、デジタル庁はそういう状況になっているんだということであります。

 そうすると、一年半後ないし二年後にこの法が施行されて、それからシステム改修をするというのであれば、二年半あるいは三年間、このままの状況で、また仮名と漢字ということがひもづけにならない、そしてまたはじかれてしまうとか、いろいろな問題は放置しておくということになりますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 済みません、そこは二つを混同されていると思います。

 システム的に、今回の法律改正で名前に仮名がつきますので、これを入れるというシステム改修は法律の施行後にやります。そうすると、新規の登録その他のときに仮名で当てられるようになります。

 今やろうとしているのは、それ以前に、これまで御登録をいただいた公金口座をどのように点検していくかということでございます。

早稲田委員 でも、そのどのように点検していくかということが、まだ手法も決まっていないわけですよね。それから、日程感も決まっていない。その中で、法が成立したからといってそのまま進めるというのはおかしいということを申し上げているんです。

 担当者から聞いたときには、やり方が決まっていないんですと。デジタル庁の職員が皆さんでやっているようですけれども、六百人の職員さんがどのような日程感でやるのか、きちんとこれはお答えをいただかないと、今のこの国会質疑でも全然不安が払拭できない。やりますやりますとおっしゃって、ここに来て、自治体の皆様にも御迷惑をかけたと真摯にはお話をされていますけれども、自治体のせいにして、そしてまた事業者のせいにしてこれまで来たわけですから、その中で、今やります、日程感もこれからと言われても、ここは大きなところですから、非常に私は不安が拭えないということが明らかになったと思います。

 その上で、紙の保険証の廃止ですけれども、これまでは、強制的に加入、そして皆保険の健康保険は、保険者による療養の給付若しくは療養費の支給、つまりは医療サービスの提供を義務づけ、そして、保険者による健康保険証の発行、交付を義務づけ、その提示により医療を受ける権利、受療権を保障してきたわけです。

 今回、保険者による一律交付の保険証を廃止し、被保険者の申請による資格確認書の交付に代えるとしていますけれども、認知症の方、医療制度に関する情報弱者、申請忘れ、それから交付のタイムラグなど、医療を受けられない、そうしたときには十割負担となる患者さんが発生することは容易に想像できます。

 そしてまた、もう実際にそうしたことが起こっているわけです。これはシステムトラブル上のことではありますけれども。これについて、初診患者がマイナ保険証だけを持参することで、一旦、該当なし、無効ということを理由に十割負担を請求した件数は、先ほどもありましたけれども、保団連によれば三百九十三件。

 オンライン資格確認がうまくいかない場合、無保険になるのではないか。自腹となった場合はどうするのか、その対応を。払えないと言った方にはどうされるんでしょうか、医療機関は。そうしたことが何も解決をされておりません。

 そして、オンラインでできなかった場合は紙の保険証で確認をしている方が、先ほどもありましたように七割以上です。それなのに紙の保険証は今やめてしまうということであれば、どうやって確認するのかということです。本当に不安です。

 それから、他人の情報がひもづけられていた件数、これは、厚生労働省は二月段階で五件と言っていらっしゃると思いますけれども、何でそこから進まないんでしょうか。昨日、この保団連の方では五月末で四十九件と出しております。大臣は、先日の会見では六月中にこれを出すとおっしゃったようですけれども、国会が終わってからでは大変問題です。是非この国会中に、今お答えをいただける大体の数、教えていただけないでしょうか。

加藤国務大臣 まず疑い事例があって、そして、疑い事例が実際に違うかどうかを確認し、そして、今お話があった、他人が見られているかというのは、ログを全部チェックしなければなりません。ですから、一定程度の、確認に時間がかかることを是非御理解いただきたいと思っております。

 したがって、先日、五月、ちょっと正確な日にちは忘れましたが、ある時点より以前においてそうした該当があるもの、これを、今報告を求めておりますので、集まり次第公表させていただきたいと思っております。

早稲田委員 いや、国会が閉会してからではないですよね。国会中にお願いします。いかがでしょうか。

加藤国務大臣 今作業をしておりますから、いつというめどを申し上げる状況にはないことはお許しいただきたいんですが、できるだけ速やかに公表、発表、あるいは、少なくともその時点で分かっていることを発表できるようにしていきたいと考えています。

早稲田委員 是非国会中に、分かっていることを、その時点の発表をしていただきたいと思います。

 今の件は資料の一、二でありますけれども、本当に、三百九十三件、十割負担を患者に請求せざるを得なかったということがあります。そしてまた、他人の情報のひもづけも四十九件であります。こういう状況で進むということが、本当に国民の信頼回復には全然なっていないということだろうと思っています。

 さらに、この紙の保険証でありますけれども、今までは、月一回の目視による保険証の確認で、この保険証の過誤、過ち、こうしたものは〇・一%程度でありました。つまりは、年に数件あるかないかということですね。それなのに、マイナ保険証によってレセプト情報が入るといったって、一か月前の情報です。それからまた、全てが入っているわけではないし。こうした医療現場においても、マイナ保険証の有用性が非常に分かりにくいということがずっと言われているわけです。

 このタイムラグの問題もあります。六月一日の施行規則の改正で、五日以内に保険者によるデータ登録をとなりましたけれども、これも、その前の、事業者による届出から五日以内ということにはなったけれども、結局、その行って来いでタイムラグとしては十日間は残るわけです。

 そういう中で、今までは、紙の健康保険証でもあるとおっしゃいましたけれども、そのときには保険者が健康保険被保険者資格証明書を出しています。少なくとも、そういうことできちんと保険証の番号は分かる、そういうことがあるのに、今回は申請主義だからそれもない。

 そうしたことで、大変この問題は、タイムラグの問題も解消はできないし、また、医療者にとっても、それから国民にとっても、非常にこれは有用性が認められない、そういうことではないかと私は思います。

 それから、紙の保険証の廃止について。

 なぜデジタル庁からこの法律、束ね法案で出すんでしょうか。厚生労働省所管の健康保険法じゃないですか。なぜ、こうした法案を束ねでいつもやってくるということを、私は国民に対してもこれは非常に不適切だと思います。元々皆保険でやってきた厚生労働省が、もちろん、加藤大臣筆頭に職員の皆さんたちがこれを、命を守る、健康を守るために一生懸命やってきたものを、いとも簡単にこうやって廃止するというもの、これをデジタル庁で出すということ、非常に不適切だと思いますが、河野大臣に伺います。

河野国務大臣 この国会で提出いたしました改正法案は、デジタル社会の基盤であるマイナンバー及びマイナンバーカードの利用の推進に関する各種施策を講じるものであり、カードと保険証の一体化に伴い必要な医療保険各法の改正についても、マイナンバーカードの利用の推進という点において趣旨、目的が同一であることから、改正法案の中に盛り込んで政府として閣議決定し、提案させていただいたものでございます。

早稲田委員 加藤大臣、頭ごなしに、頭を越えてこうしたことを束ねでやられること、厚生労働省の皆さん、本当は私は不本意なのではないかと思います。幾ら閣議決定で決めたとはいえ、はい、そうですか、紙の保険証を今までやってきたけれども、まあやめちゃおうと、そんな簡単に厚生労働省が決めたとしたら、本当に残念極まりないと私は思います。

 そして、マイナ保険証の対応として、各医療機関に義務づけた、この環境整備であるオンライン資格確認の義務化、これは健康保険法の委任の範囲を逸脱していると言わざるを得ないと思います。

 このオンラインの資格確認の義務化で導入した医療機関のうちの六三%が何らかのトラブル。これは保団連の調査です。神奈川県保険医協会の中では、これは七割に近い数字でありました。そして、先ほど事務作業も軽減するというような御答弁がありましたけれども、五七%が、受付や請求事務など、負担が増えたと回答されています。四割が、導入費用を補助では賄えない、持ち出しが多くて本当に困るということも、この資料の三、四に表れていると思います。

 このことについて伺いたいのですが、健康保険法第六十三条の三項は、療養の給付を受けようとする者は、健康保険法施行規則の五十三条で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所のうち、自己の選定するものから、電子資格確認その他の被保険者証を提出する方法により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付を受けるものとすると書かれています。

 これまで、たとえ患者が被保険者証を提出する方法ではなく電子資格確認を選択して医療機関に電子資格確認を求めたとしても、これは強制的なものではなくて任意であると解釈をされ、運用されてきたわけです。それなのに、健康保険法ではなくて、この厚生労働省の省令にすぎない療養担当規則の改定で義務としたこと、これは大変法を逸脱することだと私は思いますが、大臣、いかがですか。

加藤国務大臣 医療機関におけるオンライン資格確認の実施は、保険医療機関等の責務を定める健康保険法第七十条第一項に基づき、保険医療機関等が療養の給付を担当するに当たって遵守すべき事項として、厚生労働省法令である療養担当規則等において定められているところでございます。

 こうした法委任を受けて、療養担当規則においては、保険医療機関が遵守すべき具体的な事項として、療養の給付の範囲、患者の受給資格の確認や一部負担金等の受領等、療養の給付を担当するに当たって必要になる一連の行為や体制整備等について規定をしております。

 今般のオンライン資格確認の原則義務化も、こうした健康保険法第七十条第一項の委任に基づき、患者の受給資格の確認に係る規定の一部として療養担当規則等において定められたものであり、また、今回の省令改正は、中医協等において審議、答申をいただき、適正な手続で進めてきたものであります。

 なお、義務化に伴う導入支援として財政措置を拡充するとともに、本年四月からの原則義務化への対応が困難な医療機関の状況を踏まえ、経過措置も設けたところでございます。

 このように、オンライン資格確認の原則義務化については、法の委任の範囲内において省令上定められているとともに、実態としても医療現場に配慮して対応を進めてきたところでございます。

早稲田委員 私はそこのところは違うと思います。

 それから次に、紙の保険証で受診をするということがもうできなくなるわけですけれども、マイナ保険証、今、マイナカードは発行枚数が、今まで普及してこなかったけれども、一挙に、マイナポイントについて二兆円かかりましたけれども、マイナポイント二万ポイントで、それで発行が九千七百万枚となっています。

 そして、このオンライン資格確認の運用を開始した病院が八五%、診療所七七%となっておりますが、この保険資格確認の状況は、紙の保険証による確認が九三%を今でも占めているということです。これを見ても、国民にいかに定着をし、根づいている、そしてそれによって問題がほとんどないということを物語っていると私は思います。それでもこの保険証を廃止するのか、全く理解ができません。

 本日の参議院の本会議ではこれが成立をいたしましたが、それでも、やはり施行令、例えば国民健康保険法、これは、法改正をしなければこの紙の保険証の廃止ということはできないわけですけれども、施行令により、国民健康保険法以外の法律については法律施行の一時停止をすることができるのではないかと私は思います。それはもちろん、政府が国民の意見を聞いて、これの非常に不安が高い、そしてまた資格確認との兼ね合いがうまくいかない、そうしたことを踏まえて、立ち止まって、私は、やるべきではないか。こうした方法が、法律施行の一時停止など、施行令によってできると考えますが、その点について御見解を伺います。

加藤国務大臣 現行の医療保険各法では、被保険者が保険医療機関等において療養の給付を受ける際には、マイナンバーカードに記載された利用者証明用電子証明書を用いて本人が保険者に資格情報を照会し、保険医療機関等で資格確認を受けることが規定をされており、保険証でも資格確認ができるということは法律ではなく省令で規定されている、こういう仕組みになっております。

 マイナンバー法の一部改正法では、健康保険証を廃止するとともに、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を受けることができない状況にあるような方が確実に保険診療を受けられるように、本人の申請に基づき発行される資格確認書により被保険者資格を確認するための規定を医療保険各法に設けるほか、国民健康保険や後期高齢者医療制度において健康保険証の有効期間の設定等に関する規定を削除している、そうした措置を講じているところであります。

 マイナンバー法の改正に伴い、現行の健康保険法施行規則等の省令についても、来年秋の健康保険証廃止に合わせて、保険医療機関等での資格の確認を健康保険証でもできることとしている規定等を廃止することとしているところでございます。

早稲田委員 私が伺ったのは、この健康保険法については、省令でやっているから、これを一時停止、施行の一時停止をすることが可能ではないかということを伺っています。その点についてだけお答えいただきたい。

加藤国務大臣 済みません、施行の一時停止というのは、法律そのものは、今回、今日通ったやつにのっとって進むと。

 だから、先ほど申し上げたように、現在、多分御質問の趣旨は、省令にのっとって保険証でやっているんだから、省令によって引き続きやることができるのではないかという趣旨なんだろうと思いますが。

 それについては、今申し上げたように、そういう方向を取らないということで、今、先ほど申し上げたような資格確認書の規定を入れ、そして、更に言えば、国民健康法等における健康保険証の有効期間の設定等に関する規定の削除も行っているところでございますので。そうした省令等の改正は、むしろ省令等において、このマイナンバー改正に伴って、来年秋の健康保険証の廃止に合わせてそれは廃止するということになるわけであります。

早稲田委員 全く国民の声を聞かない。

 そういうことではなくて、今ここで成立をしても、これだけの問題が、マイナカード、マイナ保険証のトラブルが続出しているわけですから、それについても、また、全ての総点検がいつまでにできるという保証もないわけですから、だから、立ち止まって、国民本位の制度に変えるべきではないかということを私は申し上げております。

 その上で、それでは、他人のデータとひもづけられたり、他人の薬歴情報、健康情報など、これについて、例えば重篤なアナフィラキシーなどの健康被害が出た場合、この責任の所在は厚生労働省にもあると考えてよろしいわけですね、これは国が音頭を取ってやったものですから。しっかり、そうした今回のいろいろ、誤登録についての事実の謝罪。それから情報漏えいに関する賠償など、その点についても。二点伺います。

加藤国務大臣 まず、誤登録、そしてそれによって自分の情報が他人に閲覧された、このことは大変申し訳なく思っているところでございます。

 今、健康被害のお話がありました。実際の診療においてどうされているかということをちょっとお話をさせていただきたいわけであります。

 医療現場では、医師が処方する際、例えば、現在、お薬手帳というのが配布され、それを使われている方がかなりありますが、そこの記載をそのまま確認するのではなくて、その記載内容を見ながら、実際に服薬をしているかどうかを確認をして、その上で診療等を行っている、これが基本だと承知をしております。したがって、そうした状況の中で、それぞれが、いろいろな意味で安全確認をしながら、現実的にもう進めていただいているというふうに考えているところでございます。

 それから、情報の誤りについてでありますが、一つは、個々の事案ごとに状況が異なりますけれども、少なくとも、保険者から関係する方々に連絡を取り、丁寧に説明される必要があると考えております。そういった点をしっかりと、保険者に対し厚労省としても徹底していきたいと思っておりますし、冒頭申し上げましたように、厚労省としても、そうしたことがないように更に努力をしていきたいと考えております。

早稲田委員 保険者からというお話がありましたけれども、厚生労働省には、もし重篤なこうした被害、もちろんこれだけではないとおっしゃいますけれども、お薬手帳で基本はやるということであれば、何もマイナカード、マイナ保険証は要らないじゃないですか。お薬手帳を基盤として、もちろんいろいろもっと詳しい情報を見るわけですから、だったらそこをやっていけばいいわけで、全然お答えになっていないと思います。

 厚生労働省の責任として、損害賠償など、情報漏えいに関する、サイバー攻撃などの問題もあります。そうしたときの責任問題として、厚生労働省は一切関わらないということでしょうか。もう一度お答えください。

加藤国務大臣 いや、私が申し上げたのは、今、オンライン資格確認の仕組みを使わないお薬手帳の段階においても、お薬手帳を見て、そして本人に確認することなく処方するのではなくて、それに書かれている薬で、あなたはこれを、確かに処方はされているけれども、飲んでいるかどうかを確認しなきゃなりませんから、医療現場ではそういう確認をされているということを申し上げた。そして、今回、オンライン資格確認の仕組みを使って、情報があれば、まさに医療現場においては同じような確認がされていくということで、そういった意味では安全面に配慮された対応がなされているということを申し上げたところでございます。

 それ以上において、確かに医療現場において様々な医療過誤等があることは事実でございますので、それはその状況の中で、様々なと申し上げた、若干あるんだろうと思います、それに対してはその状況の中で対応していくということになるんだというふうには思います。

 それから、個々にということでありますけれども、まさに個々の事案については保険者から適切に説明をしていただくということ、そして、先ほど申し上げたように、こうした仕組みの中で生じているということについては、厚労省としては、基本的に申し訳なく、そしてそうしたことがないように取り組んでいきたいと考えております。

早稲田委員 それでは、最後ですが、先ほどもございましたとおり、介護施設、障害者福祉施設などでの、マイナカードを預かるにはとても対応できないと言っていらっしゃるデータがございます。

 六の方を御覧ください。

 対応できない施設が九三%、管理もできないと九四%の方がおっしゃっていらっしゃいます。この預かる不安が拭えないという気持ちは本当によく分かります。岡本議員の質問でもありました。

 この中で、資格確認書を申請をしていただくということを先ほど来おっしゃっていらっしゃるわけですけれども、これこそ、附則で、当分の間、保険者が必要とあれば職権で交付できるとなっているわけですから、これだけ不安があって、今でも大変な保険証の管理というものがあるわけで、それがマイナ保険証になったときに非常に、不安が更に増大をする。そのことの意味においても、この資格確認書については、当分の間、保険者の職権によって、例えばですけれども、高齢者それから障害者の施設に、全員について送付をする、申請をしなくても送付をするという枠組みを考えるべきではないでしょうか。いかがですか。

加藤国務大臣 資格確認書を必要とする状況というのは様々ございますので、それを考えて、申請によって発行するという仕組みにさせていただいているところでございます。

 ただ、一方で、様々な事情があることは承知をしておりますので、いろいろと資格確認書の申請漏れがないような対応、あるいは申請していただけるための対応もさせていただきますが、それでもなおかつ対応できない場合には職権で交付する、こうした柔軟な対応を想定しているところでございます。

 それからもう一つ、施設に入っている方も基本的にはマイナンバーカードを使っていただいて、その方の過去の診療履歴、薬剤履歴等を踏まえた診療、医療を受けていただけるように我々も努力をしていきたいと思っております。

早稲田委員 マイナカードを作れない、マイナ保険証を作れない方がいらっしゃるからこれを質問しているわけです。紙の保険証を廃止する必要がないのにそれをやってまで、こうやって国民本位の今までの皆保険の基盤を揺るがすような、こうした制度改正については、私は、反対の立場で、これからも運用についてはしっかりと意見を述べさせていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

三ッ林委員長 次に、住吉寛紀君。

住吉委員 兵庫県姫路市よりやってまいりました、日本維新の会の住吉寛紀でございます。

 本日は連合審査会、マイナンバー政策について質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 我が党は、これまで一貫して、マイナンバーカードによって様々な行政サービスの効率化と利便性を図ることができるとして、マイナンバーカードのフル活用を推奨してまいりました。

 先ほど参議院で改正マイナンバー法が成立したところですが、これまで、マイナンバーカードを国民的に、自発的に取得するため、二兆円以上の公費を投入して、交付率も約七〇%となっております。さらには、スマートフォンへのカードの機能の搭載が実現し、今後はスマートフォン一つで様々な手続やサービスが利用可能となるなど、官民によるカードの利活用拡大には大いに期待したいところです。

 以前、今後のマイナンバーカードの普及についても質問した際には、マイナンバーカードの利便性を実感してもらい、そのメリットを享受したいという動機が、それがマイナンバーカードの取得率の向上に資するという旨の答弁があったというふうに記憶しております。そのためには、マイナンバーカードに対する信頼というのは必要最低限だと思います。

 しかし、先ほどからも議論がありますが、マイナンバーカードをめぐり、いろいろな懸案事項も発生してまいりました。また、そのようなトラブルも関係省庁間で情報共有できておらず、より一層国民が不安になったのではないかと考えます。

 共同通信社が五月二十七日と二十八日に実施した全国電話世論調査によると、トラブルが相次ぐマイナンバーの活用拡大に不安を感じていると回答、これは、大いにあるとある程度あるを合わせ、計七〇%に上っております。また、朝日新聞社が二十七日、二十八日に実施した全国電話世論調査で、健康保険証を廃止し、マイナ保険証としてマイナンバーカードと一体化することの賛否、これについては、反対が五五%、これは賛成の四〇%を上回っております。これは、二〇二二年十一月の調査で政府方針の賛否を尋ねた際は賛否が五割弱と拮抗しておりましたが、国民が不安を抱えているという証左だと思っております。

 このような報道や世論調査を踏まえ、マイナンバー政策に対する国民の信頼が落ちていることについての河野大臣の見解をお伺いいたします。

河野国務大臣 様々な事案で国民の皆様に不安な気持ちを抱かせていることについては、真摯におわびを申し上げたいと思います。

 主に四つの事案が起きておりますが、いずれもマイナンバー制度あるいはマイナンバーカードのシステムに起因するものではないということは、きちんと国民にお伝えをしなければいかぬというふうに思っております。

 その上で、新しい間違いが起きないようなシステムを中心とした対応をしっかり進めていくことと併せて、これまでのデータ、システムを総点検をして、過去の間違いもきちんと訂正をする。それをしっかり進めることで、国民の皆様の不安を払拭してまいりたいと思っております。

住吉委員 今述べたように、マイナンバーに関して非常にトラブルが相次いでおります。

 報道等を見ると、今大臣おっしゃられたように、四つ、大きく分けてあると思っております。コンビニで住民票を発行する際に別人のものが発行されるトラブル、公金受取口座について誤って別の人のマイナンバーに登録されるトラブル、自治体で別人にマイナポイントを誤付与するといったトラブル、また、マイナ保険証の他人へのひもづけといったトラブル。さらには、マイナ保険証の加入が確認できず、医療負担で一旦全額自己負担をするといったトラブルが報じられております。

 これらのトラブル、これは非常に重大なトラブルだと思っております。これらのトラブルは、それぞれが、マイナンバー政策やマイナンバーカードに対する国民の信頼を損なうような、非常に重大であるということは言うまでもありません。

 しかし、今大臣もおっしゃったように、報道されている中には、マイナンバー自体のセキュリティー等に問題があるかのような印象を与えてしまっているところもありますが、これらのトラブルがマイナンバー自体の在り方や利用拡大を再度考えるものなのか否かを、正確に問題点を把握し、そして、冷静に評価していかなければなりません。これらのトラブルを全て一緒くたにしてマイナンバー等は駄目だというのは乱暴な話であり、それぞれを個別に見て原因や対応策を検討していかなければ、建設的な議論をしていかなければなりません。

 そこで、これらのトラブルについて、それぞれどういう事象があり、また、その原因は何であり、どのような改善策が考えられるのか、政府の見解、お伺いいたします。

吉川政府参考人 まず、コンビニ交付に係る事案についてお答えをいたします。

 いずれもマイナンバーカードによる本人確認は正常に行われたわけでございますけれども、証明書発行に関するシステムの不具合により別人の証明書などの誤った証明書が発行されたものでございまして、個人情報の漏えい事案も発生したことは、誠に遺憾であり、重く受け止めております。

 総務省におきましては、事案発生以降、デジタル庁や地方公共団体情報システム機構と連携をいたしまして、自治体だけではなく事業者からも直接、原因や再発防止策について確認をさせていただいております。これらの事案につきましては、各自治体及び事業者において、既にプログラム修正等の対応を行ったものと報告を受けております。

 その上で、全国の自治体や委託事業者に対しましては、運用監視の徹底やシステムの総点検の要請に加え、他社の証明書発行サーバーに連携するシステムを含め、誤交付が生じる仕組みになっていないか、関連システムの点検を要請いたしました。

 また、富士通Japan株式会社において事案が続いたことに対し、富士通本社及び富士通Japan株式会社の責任者から総点検の状況について聴取し、誤った証明書を交付する事案がこれ以上生じないよう強く求めますとともに、総点検の状況の報告、運用監視体制の強化、申請者と印刷ファイルのひもづけ改善といったシステムの根本的な改善の実施などを要請したところでございます。

楠政府参考人 続きまして、公金受取口座についてお答えさせていただきます。

 今般の事案は、マイナポイント支援窓口における利用端末のログアウト忘れ、いわゆる人為的ミスによりまして、次に同じ端末で口座の登録を行った方が、誤って、前に手続を行った方のアカウントに御自身の預貯金口座を登録してしまったというものでございます。

 このため、デジタル庁から各自治体に対しまして、五月の二十三日に、ログアウトの確認も含めたマニュアルの遵守徹底について通知を行っております。

 加えて、支援窓口で共用端末を使って登録している場合に発生していることを踏まえまして、マイナポイントの申請と同様に、申請の開始時だけでなく完了時につきましてもマイナンバーカードをかざすこととして、別人がそもそも登録できない仕組みというのを六月中に導入をできるように対応を進めているところでございます。

 また、国民の皆様に安心していただく観点から、これまでに登録された公金受取口座の総点検に着手をしているところでございまして、この総点検後も、ログアウト忘れという単純ミスの発生に対して、引き続き安心いただく必要があることから、継続的な点検を実施してまいりたいというふうに考えております。

 公金受取口座の登録において人為的ミスをなくす対策というのは大切でございまして、そのためにも、人が介在する機会を減少させるように、より一層デジタル化を推進していく必要があるというふうに考えております。

 本日の参議院において可決され、成立いたしましたマイナンバー法等の一部改正法案によりまして、氏名の振り仮名が公証されることで口座の仮名氏名との突き合わせが可能となり、また、年金口座を公金受取口座にデジタル的に取り込むことも可能となるなど、より一層人為的ミスの抑制につながるというふうに考えております。

足達政府参考人 マイナポイントについての御指摘でございます。

 マイナポイントにつきましては、申込者本人のマイナンバーカードに別人の決済サービスがひもづき、本人が将来受け取るべきポイントが別人に付与される事案が発生しているところであります。

 現在、事案の精査を順次進めており、その途中ではありますが、誤ったひもづけの原因として、申込作業を中断した後にログアウトをし忘れたことによって、次にポイントの申込みを行った方が自身の決済サービスを登録してしまったものですとか、自治体の支援窓口において決済サービスIDを誤入力するという人為的なミスによって、別人にマイナポイントがひもづくものがあることを把握してございます。

 再発防止に向けた対策といたしましては、ログアウト漏れを防ぐため、デジタル庁において、自治体の支援窓口に設置しているパソコン端末のシステムを既に改修済みでありますが、更に、自治体の支援窓口に設置しているスマホとタブレット端末についてもシステム改修を検討しているものと伺っております。

 総務省といたしましては、自治体に対して、ログアウト漏れや決済サービスIDの誤入力を防ぐため、ポイント申込支援手続に係るマニュアルの遵守の徹底通知を複数回発出するとともに、現在総務省が把握している事案以外の事案を把握するため、全国の自治体に対する調査を実施しております。

 今回の事案に関して申込みができなくなった方々については、デジタル庁と連携し、速やかに、申込みが可能となり、ポイントを取得いただけるよう取り組んでまいります。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 医療保険のオンライン資格確認について誤登録といった事案が出ておりますけれども、原因といたしましては、届出に記載された個人番号が誤っていた、被保険者が個人番号を提出していなかったため保険者において誤って他人の情報を登録してしまった、あるいは、保険者が個人番号等の入力を誤った、こうした様々な人為的なミス等が重なって生じてございます。

 このオンライン資格確認につきましては、こうした、人の作業が介在する仕組みである以上、何らかの誤りが生じ得ることを前提として対応していくことが必要だと考えておりまして、そのための仕組みづくりに全力を挙げて取り組んでいるところでございます。

 具体的に申し上げますと、システム的なチェックを行うほか、この二月には、更なる対策としまして、個人番号を届出にしっかり書いていただくということを、法令上明確化しました。昨日、その法令を施行しました。それから、新規登録時に自動的な全件J―LIS照会を行う、こうしたシステム的な対応を行っているところでございます。

 また、現在、医療現場におきましてもシステム上のトラブル等がございますが、その大きな原因が、どうしても、資格変更をしたときのタイムラグ、こうした問題がございます。このタイムラグの問題につきましても、昨日省令を改正しまして、保険者から五日以内に出していただく、こうした対応をしたところでございます。

 こうした対応をする中で、国民の皆様の信頼を回復してまいりたい、このように考えております。

住吉委員 それぞれ個別に、しっかりと原因があります。国民に、何が原因なのか、そしてどういう改善策をしているのか、これを分かりやすく説明して、国民のマイナンバーの制度の信頼を取り戻していただきたいと考えております。

 マイナンバーカードは非常に今いろいろな問題が出ておりますが、マイナンバーカードは、もっと活用して、国民に利便性を届けていくというのが本来の趣旨だったと思います。

 そして、今、いろいろな改善策がありましたが、ヒューマンエラー、人為的なミスというのは絶対にあると思っております。このヒューマンエラーのところを、ちょっと最後、あれだったんですけれども、もう時間はないのでコメントだけで終わりたいと思いますけれども、ヒューマンエラーは必ずあるものだと思って、そして、人の手を介さないような、そういう仕組みづくりをこれからしっかりと確立していただきたいと思います。

 時間になりましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。

三ッ林委員長 次に、遠藤良太君。

遠藤(良)委員 日本維新の会の遠藤良太でございます。よろしくお願いします。

 ずっと、マイナ保険証のひもづけのところで事例発生のケースを質問されていましたけれども、その中で、先ほど加藤厚労大臣も発言されていましたが、記者会見の中で、六月まで、報告を受けるタイミングで、昨年十二月以降、ひもづけに誤りがあったとそれぞれが認識されている件数についても公表に向けて集計を行うというところで、更にメリットを実感していただくためにも、システムに対する信頼が非常に重要だということです。

 これは大臣にお尋ねしたいんですけれども、早急にチェックをして、修正をしていくべきだと思いますけれども、どのように対応されていくのか、お尋ねしたいと思います。

加藤国務大臣 まず、これまで、去年の十一月末までのやつは既に発表させていただきました。それ以降について把握されているもの、現段階で疑いがあるというものを確認をして、やはりひもつきに間違いがあった、そしてさらに、その結果において他の人が閲覧をした可能性がないかどうか、これはしっかりチェックをさせていただいて、先ほども答弁で申し上げましたが、できるだけ早期にそれはお示しをさせていただきたい。

 それから、これまでの一連のいろいろなひもづきの誤り等々、その原因を踏まえて、まず、入力時においては、基本的にはまず番号を出していただく。そして、番号でない場合も、住民基本台帳の、J―LISに照会したいわゆる五情報でしっかり確認をしていく。そうした、新規について誤りがないようにしていく。

 それから、やはり既存のデータもしっかり洗う必要があるということで、まず、これまでしっかり確認していたかどうか、ちょっとその作業手順を洗っていただいて、いや、やはりいろいろ課題があったなというところについては、自分のデータをもう一回確認をしていただく。まず、課題があったかどうかという認識を今月中にお示しをしていただき、作業を来月中に終わらせていただきたい。

 それから、それでももちろん全部やっていく必要がありますので、システムを改修させていただいて、五情報と自動的に当てていって、おかしいところを抽出していく、こういったこと、これは八月からやりたいと考えておりますけれども、それによってずれが出たところには、本人に確認していただく等の対応をすることによってきちっとしたひもづけがなされ、そしてそれが信頼につながり、そして、今様々なメリットがありますから、そのメリットを受けていただき、メリットを受ける中で安心してこの仕組みを使っていただける、こういう状況をつくっていきたいと考えています。

遠藤(良)委員 その中で、システム改修というところをおっしゃられていましたけれども、健保連にちょっと確認したんですけれども、古いシステムを使っている健康保険組合では、外国人の長い名前が入り切らないという問題があります。こういった問題であったりとか、あとは、協会けんぽでも、確認すると、情報が四情報から五情報に増え、システム改修が必要であると。

 この誤入力防止のためのシステム改修費に係る保険者への補助についてどのように今お考えなのか、お尋ねしたいと思います。

加藤国務大臣 例えば、今、健康保険組合が資格取得届の提出を受けるに当たっては、被保険者の住所については、健康保険組合によってはそれを求めていないといった場合もございます。

 その一方で、資格取得届で個人番号がない場合は、先ほどもあった五情報ですから、居所じゃなくて住所情報をきちんといただかないときちんと当てることができない。そういった観点から、例えば住民票上の住所をどう管理していくのかといった検討課題もございます。今委員御指摘の点もございますので。

 そういった意味において、システム改修も含め、そうした課題について保険者の方からも御意見を伺いながら検討していきたいと考えております。

遠藤(良)委員 資格確認書は、加入者の求めによって交付されるんだというところで、マイナ保険証の代わりになりますね。これは二〇二四年秋までに仕組みを構築をする必要がある。これは、資格確認書の発行システムの改修費の保険者への補助のところなんです。この辺りはいかがでしょうか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 健康保険証の廃止後は、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本としながら、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方については、資格確認書により被保険者の資格を確認するということにしてございます。

 この資格確認書は、本人の申請に基づき交付するものでございまして、発行コストとか、保険者の事務負担なども現行と比べて減少することが期待されておりまして、制度運営の効率化につながると考えてございます。

 こうした状況の中でございますけれども、御指摘のシステム改修の経費が生じるということなので、現在の健康保険証の発行システムをできるだけ活用して、低廉なコストでできるよう考えながら、令和四年度補正予算で三十二億円を確保してございます。

 この資格確認書の交付等の運用については、今後更に詳細に詰めてまいりますけれども、既存のシステムを最大限に生かしつつ、保険者等の関係者の意見を伺いながら、できる限り効果的、効率的に交付できるよう検討してまいりたいと考えております。

遠藤(良)委員 保険者がオンライン資格確認への登録を完了した際に、これはちょっと提案と、構築の内容なんですけれども、要するに、確認メッセージを本人のスマートフォンに送信できるようにする仕組みの構築ということをすれば、本人が事前に確認することで正確性の担保ができるんじゃないかというところなんです。例えば、これを正確な情報としてオンライン資格確認の実現を目指すというシステムにする場合、こういった改修の費用とか、この辺りの補助について、今のお考えをお尋ねしたいと思います。

伊原政府参考人 今、先生から御指摘いただいたような考え方でございますけれども、例えば、転職等により新たに別の保険者に加入した場合、マイナンバー保険証であれば従来の保険証と異なりまして、中間サーバーに資格情報が登録された時点から新規の資格情報で受診が可能になるといったメリットもございます。

 御提案の方法を使うと、確かに、資格取得から保険利用までのタイムラグの短縮につながるほか、登録情報をあらかじめ正確にチェックできるといった可能性はあると思われます。

 他方、実現に当たりましては検討課題も多くございまして、具体的な仕組みをどう考えるのかとか、あるいは、システム改修を行おうとした場合、様々なシステム改修が必要になる可能性がございます。その範囲をどう考えるか。費用の見込みをどうするか、その費用負担は誰がするかといった課題がございますが、今後研究してまいりたいと考えております。

遠藤(良)委員 いろいろ健康保険組合さんのヒアリングしていると、やはり、予算を見ていると、五千六百億円赤字になっているんだというところがあったりとか、これはひもづけをしっかりすることで、電子カルテの連携であったりとか、あとは健康診断の電子情報の互換性を高めていくとか、そういったことにつながっていくというふうに思いますので、是非とも、このシステム改修のところは、まだ予算計上されていないというところがあると思いますけれども、しっかりと議論、検討していただきたいなというふうに思います。

 次に、マイナンバーのところで更にお尋ねしたいんですが、マイナンバーに別人の銀行口座がひもづけられた事例が十四自治体二十件あるというところで、全国知事会の平井会長が発言されています。マイナンバーのトラブルをめぐって、個々の事業者や地方公共団体による対応には限界がある、国として、チェック体制、誤った情報のひもづけを防ぐ制度の構築の取組を求めているんだということです。

 これはデジタル大臣、河野大臣にお尋ねしたいんですが、どうやってチェック体制の整備など、国の制度構築を進めていくのか、お尋ねしたいと思います。

河野国務大臣 デジタル庁の中での情報共有がうまくいっていなかったということもございますので、デジタル庁の中にフォローアップチームを立ち上げまして、そこに関係省庁にも入っていただいて、まず情報の共有をしております。デジタル庁の中で会議体を設置をして、情報の共有のほかに、意思決定もしっかりそれぞれのレベルでできるようにということを考えているところでございます。

 また、具体的なシステムにつきましては、マイナポイントと公金口座につきましてはログアウト忘れが原因でございますので、それを防ぐためのシステム改修、マイナポイントについては既に導入済みでございますし、公金の方も六月中にはそうしたことができるようになります。

 コンビニ交付につきましては、既に三分の二の自治体で一時停止して点検が終わったところでございます。

 保険証につきましても、厚労省の方で、六月一日からマイナンバーをしっかり確認をして登録をする省令改正をしていただきましたので、新しい、まず、間違いの防止という面では、しっかり進めてまいりたいと思っております。

遠藤(良)委員 ありがとうございます。

 河野大臣が発言されています、スマートフォンを健康保険証として利用できるサービスの開始は二〇二四年四月の開始を目指すんだというところなんですけれども、河野大臣にお尋ねしたいのが、マイナンバーカードのスマートフォンでサービスの開始のめどについて、あと、iPhoneでのサービス開始の見通し、この辺り、お尋ねしたいと思います。

河野国務大臣 五月十一日から、アンドロイドの携帯につきましてはマイナポータルへのアクセスをできるようになりました。これは、指紋認証など、それぞれスマートフォンの生体認証機能でログインすることができるようになりました。

 また、今お尋ねのありました保険証ですとかコンビニ交付、あるいは各種民間のオンラインサービスの連携といったものも順次進めていきたいというふうに思っております。

 また、日本ではiPhoneの利用が非常に多いものですから、今、アップルとはいろいろ協議をしているところでございます。これにつきましては、お知らせできるような時期になりましたら、時期その他、御報告いたしたいと思います。

遠藤(良)委員 私の携帯、iPhoneとアンドロイド、両方持っていまして、その中でもやはりiPhoneの方が、大臣おっしゃられたみたいに、普及は日本ではされていますし、やはりここを何とか早いタイミングで進めていただきたいなというふうに思います。

 最後に厚労大臣にお尋ねしたいんですが、今回の誤入力の件もありましたけれども、マイナ保険証のスマートフォンでのサービス開始が二〇二四年の四月に実際間に合うのかどうか。この辺り、今どのような計画になっているのかをお尋ねしたいと思います。

加藤国務大臣 マイナンバーとスマートフォンの関係等は、今、河野大臣からございました。

 その上で、スマートフォンを活用したオンライン資格確認については、来年の四月頃にマイナンバーカードの機能が搭載されたスマートフォンで医療機関等での受診ができるよう、必要な機能の実装を今目指しているところでございます。

遠藤(良)委員 実際、このマイナ保険証、様々問題あると思いますけれども、各議員もいろいろ指摘はしていますけれども、目指すところは皆さん同じだと思います。やはり紙のままで保険証を残したいという要望もあったりはしますけれども、電子化をしていくことで様々なメリットも出ていますし、実際、病院で、通院されている中で、高齢の方はなかなか難しい部分もありますけれども、これをしっかり政府として醸成をしていって、これは間違いないんだ、さらに、正確性もしっかり担保されたものになっていくんだ、それを是非とも検討を進めていただきたいと思いますけれども、最後、厚労大臣にこの意気込みをお尋ねしたいと思います。

加藤国務大臣 厚労省として、あるいは今日、医療DXの工程表もお示しをさせていただきました。まさにこうしたことを通じて、よりよい医療が国民の皆さんに提供される、その一つの基盤がオンライン資格確認であり、そして、それを通じて様々な情報、個人の情報が、まず、本人が見えることによって健康管理につながるし、また、医療現場で活用していただく、さらには二次利用によって創薬等の力も上げていく、様々な展開を図っていく基盤がここにあるというふうに思っております。

 その基盤において、今回、国民の皆さんに御不安をかけている、このことはしっかり反省をし、一つ一つの事例に真摯に対応しながら、皆さん方が安心して、こうした医療DXの推進あるいは今回のマイナンバーカードと健康保険証の一体化、こういったことがしっかり進んでいけるように全力で取り組んでいきたいと考えております。

遠藤(良)委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

    〔三ッ林委員長退席、橋本委員長着席〕

橋本委員長 次に、田中健君。

田中(健)委員 国民民主党、田中健です。よろしくお願いいたします。

 まず、行政のデジタル化の認識について伺いたいと思います。

 昨年、国際大学などが行ったデジタル社会意識調査の中で、行政のデジタル化に向けて大事なポイントとしましては、行政のオンラインサービスをいかに継続的に使ってもらうか、また、いかにサポート体制を充実できるかの二点だと指摘をされています。

 この指摘に対して、デジタル庁としての基本的認識をまず伺います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 行政のオンラインサービスを継続的に使っていただくことは、御指摘のとおり、非常に重要でございまして、そのためには、使い勝手の向上やニーズを踏まえたサービスの拡充などに不断に取り組むことが必要だと認識しております。

 これには利用者視点でのサービスの構築が重要でありまして、そのため、デジタル庁におきましては、昨年十一月、ユーザビリティーやウェブアクセシビリティーが検証されたデザインパーツやテンプレートを集めましたデザインシステムを公開しております。これらを官民のシステム構築の際に使っていただける形でございます。

 国際大学グローバル・コミュニケーション・センターを始めとする調査におきまして、デジタル積極層と言われる方々にこのような取組が必要との御示唆であったかと存じます。このような取組を通じまして、このような皆さんにも評価されるUI、UXの改善を図ってまいる所存でございます。

 二点目のサポート体制についてでございます。

 相談窓口の設置や、よくある質問、FAQの提供、チャットボットでの回答など、様々な取組が行われているものと承知しておりますけれども、この調査における、いわゆるデジタル消極層と言われる方々にとりまして、サポート体制の充実が重要との御指摘であろうと認識しておりまして、この認識は全く同様でございます。

田中(健)委員 まだ行政の統一化また規格化の進捗というのは進んでいないと思っておりますので、一つ目の、継続して使うためには、是非それを進めていただきたいと。

 また、二点目においては、消極的なデジタル利用者というのがありましたけれども、デジタルについていけない人というのに対して、オンライン上でも気軽に聞ける環境、サポート体制が万全であるという安心感が必要であります。分からないことがあった場合のサポート体制、気軽に聞ける環境をどう整えていくかということを是非考えてもらいたいと思いますが、AIの応答技術もますます高度になる中で、こうした住民の質問に簡単に答えてくれる一元窓口をまず政府に設けて、そのお取組を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 行政サービスを提供するに当たりまして、分かりやすく丁寧な情報発信を行うことが肝要との御指摘は、全くそのとおりだと存じます。

 オンライン上で気軽に聞けるという点では、政府や自治体のウェブサイトにおいてAIチャットボットなどを導入している例も出てきておるところでございまして、更なる活用を図りながら対応を進めてまいる所存であります。

 また、デジタル庁におきましては、様々な国の手続の入口となるポータルサイトとしてe―Govを提供しております。こちらにも同様の、よくある質問また相談窓口を設定しておりますので、オンラインで対応しているところでございます。

 以上でございます。

田中(健)委員 今ありましたが、マイナポータルサイトではチャットボットが設置をされておりますが、まだまだデジタル庁としては取り組めることがあると思いますのでお願いをさせていただきたいと思います。

 さて、それでは、マイナ保険証について、その関連で伺いたいと思います。

 保団連の調査によりますと、マイナ保険証導入機関六割でトラブル経験、さらに、その中の本人確認できない七五%が、先ほども質疑でありましたけれども、保険者に結局紙で確認をした、こういうことですね。紙の保険証で確認をしたと。その理由としましては、コールセンターがつながらない、レセコンメーカーもつながらない、確認できないということが要因であります。結局、たらい回しがずっと続いておりまして、なかなか確認ができないということであります。この対応についてどう考えていらっしゃるか、大臣に伺いたいと思います。

 また、これは災害や、今日も大雨が今降っておりますけれども、停電も起きているということで、システム障害時に被保険者の情報確認ができないということは容易に想定がされますけれども、あわせて、こういうときの対応をどう考えているのか、伺います。

加藤国務大臣 まず、オンライン資格確認等システムの運用に関する照会、問合せに対して、これはしっかり対応していかなきゃいけないと考えております。このオンライン資格確認等システムを運営している実施機関は社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険中央会でありますから、そこにおいてオンライン資格確認を行う医療機関向けのコールセンターを設けております。資格確認の結果や、カードリーダー、レセプトコンピューターの支障に関するものも含め、オンライン資格確認を行う医療機関の職員からの問合せの相談対応を行っているところでありますが、今後更に体制の強化を図り、それぞれの現場におけるそうした困り事、相談にしっかり対応できる体制を行っていきたいというふうに考えております。

 それから、障害時の対応でございます。

 災害や停電によるオンラインシステム障害等が理由でオンライン資格確認等システムを利用した資格確認がその場で行えない場合には、まず、患者のマイナンバーカードの券面情報、氏名、性別、生年月日、住所を控えておき、システム障害等の復旧後にオンライン資格確認等コールセンターに連絡し、オンライン資格確認等システムのシステム障害時モードを立ち上げ、事後的に資格確認を行うことが可能となっております。

 また、緊急時の場合の運用として、マイナポータルで被保険者資格確認、これを見ることができますので、そういったものの活用を図ることも考えているところでございます。

 これらの場合、受診時の支払いでありますけれども、カード面に記載された生年月日情報に基づき、自己負担分、例えば三割負担等をお支払いいただき、事後に、正確な支払い情報の確認ができた段階で、訂正のある場合には所要の手続を行うなどして医療機関において柔軟に対応していただくことが考えられるところでありますので、今、その詳細については医療現場の皆さん方ともよく調整をし、そして対応について明確化していきたい、そしてそれを周知をしていきたいというふうに考えております。

田中(健)委員 電話が今でもつながらないという声が来ています。電話がつながらないと、結局紙の保険証で確認する、何のためにやっているのかというふうになってしまいまして、更に言うと、心配だから、システムが私の本人確認をできなかったらどうしようと、必ず紙の保険証を持っているという話も聞いています。是非、これはまだまだ改善が必要だと思いますので、進めてもらいたいと思います。

 また、今、停電時を含め、システムトラブルのときには、結局生年月日をマイナカードの生年月日で確認するということでありますから、これだけの対応でいいのかという疑問もありますので、是非、それも検討を進めていただきたいと思います。

 政府の信頼と行政のデジタル化は表裏一体です。信頼を高めるためには、先ほども話がありました、一個一個のデジタルサービスを継続的に使ってもらい、しっかりとサポートすることが大事です。その中で、マイナンバーの問題に対して国民が強く反発するのは、政府の信頼がまだまだ低いということ、これも指摘がされています。

 その中で、やはり情報の共有というのが必要かと思いまして、行政機関も含め、誰が個人情報にアクセスしたか、全部記録して本人に確認をする、確認したければ、どの政府機関が自分の情報にアクセスしたかを見ることができるという、行政と国民の情報の信頼関係を築いていくことが必要だと思っています。

 河野大臣、この二、三日でテレビに出て、率先してデジタルサービスについての宣伝を、またアピールをされていたというのもお聞きをしていますが、是非、政府の信頼を高めていく努力をこの情報の問題についても進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

河野国務大臣 今回のいろいろな事案で信頼を下げてしまったこと、これは申し訳なく思っております。

 今、マイナポータルの「やりとり履歴」というところを見ていただきますと、行政機関のデータ連携を、どの行政機関がいつあなたの情報にアクセスしたかというのが見られるようになっております。また、「わたしの情報」という欄を見ていただきますと、保険証のひもづけあるいは公金口座のひもづけ、これがもう見られるようになっております。

 まず、御自身の情報がこういう形で確認できますということを、しっかりといろいろなところで広報を、リアルもネットも広報していくということで国民の皆様に情報を確認していただいて、不安の払拭への第一歩にしていきたいというふうに思っております。

田中(健)委員 「やりとり履歴」、私も見ました。私、田中健ですので、名前が全国にたくさんおりますので、もしかしたらほかの情報がひもづいているんじゃないかと思い、確認をしましたけれども、全くその心配はございませんでしたが。

 今私が言いましたのは、行政機関も含め、「わたしの情報」に誰がアクセスしたかということ、それが、今の「やりとり履歴」ですと、私の利用ログみたいなのはもちろん見られるんですけれども、例えば、先ほど来の質問の中で、今から全数調査というか一斉点検するといったときに、じゃ、私のマイナンバーカードにもアクセスを行政がするのか、例えば政府なのか、事業所なのか、保険者なのか、そういったこともこの「やりとり履歴」に残るのかどうかということなんですが、これについては、河野大臣、どうでしょうか。

河野国務大臣 行政機関間で情報の照会があった場合に「やりとり履歴」に残るということになります。

田中(健)委員 じゃ、情報の要請があったということで、「わたしの情報」、田中健という同姓同名にひもづけられていないかということをチェックしたかどうかは残るんですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 御本人様にひもづいている情報が行政機関内で見られたかどうかは全部その中で見られますが、別の田中健様の情報がどう見られているかというのを別の田中健様が確認することは、ある意味問題がありましてできませんので、あくまでも御本人田中健様の情報を誰がどう見たかということは全て確認できます。(田中(健)委員「残るかどうか、「やりとり履歴」に。「やりとり履歴」に残るんですか」と呼ぶ)

橋本委員長 だから、今回の照会が、チェックをするでしょう、そのことについては記録に残るということでいいんですか。

村上政府参考人 御本人が「やりとり履歴」に確認したということ自体は「やりとり履歴」には残らない仕組みになってございますが、行政機関の人がどういじって、どう見たかというのは「やりとり履歴」の中に残るようになってございます。(田中(健)委員「だから、チェック分は残るの」と呼ぶ)はい。

楠政府参考人 お答え申し上げます。

 行政機関が別の行政機関に対して問い合わせた場合には「やりとり履歴」に残りますけれども、今回の点検につきましては、基本的には行政機関自身が自分の持っている情報を正しいかどうかを確認するという作業になりますので、「やりとり履歴」には残らないというふうに承知をしております。

田中(健)委員 そうしますと、行政機関も含め、誰が私の個人情報にアクセスしたかは残らないということですよね。ですから、「やりとり履歴」というよりも、先ほど言いましたように、私が要請してデータをもらった、そのやり取りしか残らないということですから、私が望む、やはり全て過去ログに残して、残せると思うんですね、別に悪いことではないので。逆に、そうすれば、私は安心して、ああ、チェックしてもらったんだな、田中健はひもづけられていないんだなというのが分かりますので、是非そこは検討していただきたいと思います。

 同時に、同じような心配なんですけれども、今回、自分の保険証が他人のマイナンバーカードにひもづけていないかということが分かるかどうかなんです。つまり、自分のマイナンバーカードに他人の情報はありましたけれども、例えば私の保険情報が他の人のマイナンバーカードにひもづけられているかを、じゃ、私が確認できるかということ。逆ですね、両方、双方で確認できるかということなんですけれども、それは、加藤大臣、保険情報は確認できるんでしょうか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 先ほど、田中健先生が御自身のマイナポータルで確認されたということでございますが、まず、マイナポータルで自分自身の健康保険証情報がどうなっているか、これは確認できます。ただ、先ほど御指摘ありましたように、他人のどこかにひもづいているかどうかを確認するということ自身は、それ自体はちょっと難しいと考えております。

田中(健)委員 つまり、私の情報がどこにひもづいたかというのは分からないということでありますから、先ほど、コンビニ利用においては、河野大臣が、システム上の問題だというお話があって、あとは、ヒューマンエラーを含め、タイムラグだという話があったんですけれども、このマイナンバーカードの仕組み自体が、今言ったチェックができないというのは、システム上の問題というか、改善の余地はあるんじゃないかなというふうに、今日質問を聞いていて思ったんですけれども、これについては、河野大臣、どうでしょうかね。システム上の不備とは言わないですけれども。

河野国務大臣 行政機関の中の、いわば行政機関が自分で持っているデータにアクセスをしたのは、恐らく行政機関の中のログには残るんだと思いますが、それをマイナポータルにどうひもづけるのかというようなことが多分あるんだろうと思いますので、ちょっと引き取らせていただきたいと思います。済みません。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 二問目なんですけれども、先ほどのは行政のログなんですけれども、私が言ったのは、私が、ちょっと複雑になってくるんですけれども、自分のマイナンバーカードに他人の保険証がひもづいていたのは分かるんですけれども、私の情報自体がほかの人にひもづけられていたというのは、これも確認できないと、つまり、毎回自分がチェックしていないと、例えば、私が病院を受けた、それがいつまでたってもアップデートされないと、これはどこかにひもづけられたんじゃないかという不安には、これを解決する手だてはないんでしょうかということを最後にお聞きして終わりたいと思います。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 まずは、今の御質問は、まさに誤登録をどう防止するかというそもそも論でございます。そこで、先ほどから大臣も答弁させていただいておりますが、現在、保険者に七月末までチェックしていただき、そしてそれ以降はJ―LISという記録と今のオンライン資格確認が入っているシステムを突き合わせて、不一致があれば、これは誤っている可能性があるので御本人に確認していただく、そういう形でチェックをしていく、こういうふうに考えてございます。

田中(健)委員 是非、まだまだ改善すべき点があると思いますので、検討をよろしくお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

橋本委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 今日、全国保険医団体連合会の調査が引用されておりますけれども、マイナ保険証のシステムを運用している二千四百四十の医療機関で、トラブルがあったが六三・八%と。保険者情報が正しく反映されず、無効、該当資格なしと表示される、あるいは、マイナ保険証の不具合、カードリーダーの不具合、様々なトラブルが起きているわけですね。

 四月のオンライン資格確認の件数が一億三千万回。うち、マイナ保険証によるオンライン資格確認の件数は八百三十万回ということなんですね。今は健康保険証でやっているから、逆に言えば、トラブルはこの程度だということなわけであります。

 これは、健康保険証を廃止したら、物すごい数のトラブルが起きる、大変な現場の負担になるんじゃないかと思いますが、その自覚は大臣にございますか。

加藤国務大臣 先ほどの質問にもありましたけれども、まずは、オンライン資格確認を導入した医療機関等で生じたトラブルについては、社会保険診療報酬支払基金等に設置されたオンライン資格確認に関するコールセンター、これでしっかり対応させていただいて、きめ細かく対応し、更にそれを強化していきたいと考えております。

 また、顔認証つきカードリーダーや資格確認端末の不具合、あるいはシステム障害等が理由でオンライン資格確認等が、システムを利用した資格確認がその場で行えない場合には、こうした、いわゆるシステム障害時モードを立ち上げて対応するという仕組み、これを既に明らかにさせていただいております。さらには、緊急時の場合にはマイナポータルの被保険者資格画面を提示し、それを活用するということも考えられるところでございます。

 こうした取扱いを明確にし、医療現場に周知している中で、健康保険証の廃止に向けた、更に改善すべき点はないか等も引き続き検討し、円滑な廃止に向けて作業を進めていきたいと考えております。

宮本(徹)委員 コールセンターにつながらない、トラブルのたびにいろいろな仕組みをつくっても、本当にそれは、現場の負担がどんどんどんどん増えるだけなんですよね。

 さらに、十割負担を請求したことがある医療機関、百七十一医療機関、推計値で三百九十三件あったということなんですね。

 大臣の基本的な認識をお伺いしますけれども、保険料を納めて、マイナ保険証を提示しているのに、保険者側の様々な不備によって窓口で十割負担が求められる、こういうことは本来あってはならないことなんじゃないですか。

加藤国務大臣 窓口において、そもそも健康保険証の紙の段階でも、本人がお忘れになる、あるいは転職に伴うタイムラグ、そういったことが生じている。その場においては、十割負担の中で弾力的に三割等、自己負担に合わせた対応をしていただいているところでございますので、今回、こうしたシステム障害等々の場合において、基本的にはそうした対応が取られるよう、具体的な内容について、今、医療の関係者の方と調整をさせていただいており、今後整理をした上で、その内容をしっかりと周知をしていきたいと考えております。

宮本(徹)委員 いろいろ整備するというんですけれども、今日、健康保険法を配っております。法律上、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、療養給付を受けることができ、三割負担になるということなんですね。資格確認ができなければ十割負担、これがもう法律上の仕組みになっているんですね。療担規則の中では、療養の給付を受ける資格が明らかな場合は、その限りでないという整理をしているわけですよ。

 つまり、今でも柔軟な対応はやっていますよ。連続して治療をしている人だったら、たまたま保険証をそのとき忘れても、この人はこの保険の人だからということで三割負担でやるということができるわけですけれども、新しい、初めて来た患者さんだった場合、そういう対応はとても取れないというのが医療現場から起きている声なんですね。未収金を覚悟で三割負担だけやってくださいということを医療機関に求めるということなんですか。

加藤国務大臣 そうした懸念の声があることも承知をしております。ですから、そうしたことも踏まえて、今、医療機関の皆さん方とも具体的なやり方を調整をさせていただき、調整ができ次第、整理した考え方をお示しさせていただきたいと考えています。

宮本(徹)委員 そうした懸念の声があり、やり方は調整しているということですけれども、調整できていないということじゃないですか、逆に言えば。だって、新しい患者さんについて確認のしようがない。法律と療担規則に基づいていけば、なかなか難しいと思うんですよね。新しい患者さんに対して、これは三割だけその場で求めてくださいと。いや、これは患者の立場からしたら十割負担なんてとんでもないという話になるわけですけれども、これは医療機関の側の立場もあるわけですよね。

 重ねて聞きますけれども、全国保険医団体連合会の調査では、ICチップの破損などマイナ保険証の不具合で読み取りができなかった、こういう回答もたくさんあるわけですよね。これ、マイナカードのICチップが壊れてオンライン資格確認ができない場合は、この方が保険者はここだということが分かっていればいいですけれども、分からなかったら、これは先ほどの新規患者の例でいえば、窓口十割負担に結局なっちゃうということなんじゃないですか。

加藤国務大臣 オンライン資格確認で、顔認証又はマイナンバーカードの四桁の暗証番号により本人確認を行った上で資格確認が可能となる仕組みではありますが、こうした認証ができない場合、例えば、医療機関の職員が患者本人とマイナンバーカードの写真との目視により確認することで、資格確認を行うことも可能としているところでございます。

 この仕組みについては、既にオンライン資格確認等システムの運用マニュアルにおいてお示しをしておりますが、このようなケースについて医療機関の職員が対応に迷われた際には、社会保険診療報酬支払基金、国保中央会による医療機関向けコールセンターにお問い合わせいただければ、具体的な確認の方法の手続などに関する説明も行わせていただいているところでございます。

 引き続き、丁寧な対応をしていきたいと思います。

宮本(徹)委員 いやいや、そうじゃない。暗証番号を忘れているとか、そうじゃなくて、ICチップが壊れた場合は、それはできないんじゃないですか。

 ちょっと止めてください。止めてください。委員長、止めてください。

橋本委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

橋本委員長 速記を起こしてください。

 加藤厚生労働大臣。

加藤国務大臣 マイナンバーカードで受診した際に、顔認証つきカードリーダーやシステム障害等が理由で資格確認がその場で行えない場合についても、カードの券面に記載された生年月日情報に基づき自己負担分をいただき、事後に正確な資格情報の確認ができた段階で訂正の必要がある場合には所要の手続を行うなど、医療機関において所要な対応をしていただくことが考えられるということを先ほど申し上げました。

 ICチップが壊れていたことによって医療機関等で資格確認ができない場合も、これらと同様、柔軟に対応していただくことが考えられますので、引き続き、先ほど申し上げた、医療現場の皆さん方とよく内容を調整した上で、その点、整理した内容を周知していきたいというふうに考えております。

宮本(徹)委員 ICチップが壊れていたら資格確認のやりようがないんですよね。

 それで、結局、いろいろ医療機関と今調整しているという話をしていますけれども、新規患者の場合は、未収になることを覚悟で三割だけ取ってくれという無理なお願いを、法律に基づかない方法でのお願いをせざるを得ないようなことを、さっきから大臣は繰り返しているわけですよね。これは大変な問題だと思いますよ。大変な矛盾だと思いますよ。紙の保険証を残していれば、こんな問題は何一つ起きないんですよ。なぜその決断ができないのかということが私には全く理解できないわけであります。

 さらに、十割負担になるという問題だけじゃないわけですよね。資格確認書を、マイナ保険証を持たない方には、健康保険証廃止後、発行するとおっしゃっております。これ、資格確認書も申請だと。申請がない場合あるいは申請が困難な場合は職権で資格確認書を発行するといいますけれども、これは職権で自治体の皆さんが発行するということになって、もう大変な負担だと思うんですね。一体、この職権による発行件数というのは、年間最大どれぐらいになるというふうに見込んでいらっしゃるんですか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 現段階でのマイナンバーカードの保険証利用登録者数は、五月二十八日時点で六千二百七十三万人、総被保険者の中の五〇・三%となってございます。マイナンバーカード交付枚数に占める割合としては、六九・一%の方に登録いただいてございます。

 そして、来年秋の健康保険証廃止の時点における、健康保険証利用登録を行っていない人の数については、今後のカードの普及状況や利用登録の状況によるので、現時点でちょっとお示しすることは難しいと考えてございます。

 いずれにしましても、来年の九月に向けて更に努力をしていきたいと考えてございますけれども、そうした中で、資格確認書の発行枚数、来年十月以降、秋以降でございますけれども、どのくらいになるかということでございますが、これはまさに、今後のマイナンバーカードの普及状況や、カードの紛失その他、この資格確認書が必要だというニーズがどのくらいあるかという状況等もございますので、現時点では流動的でございますから、お示しするのは難しいと考えてございます。

宮本(徹)委員 どれぐらいになるかも分からないということをおっしゃるわけですけれども、相当な数になると思うんですよね。これは自治体の皆さんからしても、本当にそんな仕事をやってもらうんですか。健康保険証を残していれば、それの手間はありますけれども、それはもうルーチンでやり方があるわけで、それを今度は、マイナ保険証がない方は資格申請書を出してください、出してくださいと勧奨をやる、勧奨をやってもなかなかない方には職権で発行すると。大変な手間ですよ。こんな愚かなことを本当にやるんですかね。

 もう一点お伺いしますけれども、これも何度も聞いてきたんですけれども、修学旅行や部活の遠征時、これは、今は保険証のコピーを持っていくというのが多いわけですけれども、健康保険証廃止後どうするんだということを聞いても、これは検討中、検討中、検討中と、何回聞いても去年からそういうお答えでしたが、これ、もしその都度資格確認書を発行してくださいとなったら、子育て世代の負担は大変大きいと思うんですね。

 これは、対応は定まったんですか。

伊原政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、学校行事、修学旅行などの場合に、病気やけがに備えて健康保険証の原本を持参した場合、そういうことが心配なことから、写しを持参するケースがあるというのは承知しているところでございます。

 健康保険証廃止後でございますけれども、マイナンバーカードは、やはり服薬情報なども分かりますので、可能ならば、もちろん児童にマイナンバーカードを持参いただいて受診いただくことがいいんですけれども、実際なかなか難しいという場合に、どういう対応が必要かということについて今検討しているところでございます。

 御指摘のように、資格確認書で対応していくということももちろん考えられますけれども、現場の実態に即した柔軟な方法につきまして、関係府省と連携しながら、具体的な運用を現在検討しているところでございます。

宮本(徹)委員 これまた検討中という話なんですけれども、今ある選択肢の中でいえば、資格確認書を毎回そのたびに発行するということになるわけですね。修学旅行のたびに、その学年のお母さんたちが、あるいはお父さんかも分からないですけれども、役所に資格確認書を一斉に申請すると。これも、子育て世代の負担も大変ですけれども、役所もこれに対応するのも大変ですよ。健康保険証を残せばいいものを、廃止するから、社会の本当に様々な面で不便がたくさん増えるじゃありませんか、医療現場でも学校現場でも。

 これは、河野大臣は一生懸命マイナカード普及のためにやられておりました。マイナポイントを使ってやるのは邪道だということをおっしゃいましたけれども、私は、マイナカード普及のために健康保険証は廃止だと、こういう強制的なやり方というのは邪道を超えるものだと、本当にとんでもないやり方だと思いますけれども、もうこれは、これだけいろんな被害が想定されて、予想されているのに、何でこれ、健康保険証廃止にこだわるんですか。

 河野さんはマイナカードを普及したかったから言ったわけでしょう、健康保険証廃止って。もうここまで普及しているんだったら、マイナカード普及のために健康保険証を廃止というのを無理やりやるというのはやめたらいいじゃないですか。いかがですか。

河野国務大臣 マイナンバーカードを健康保険証と一体化することで、国民の皆様によりよい医療を受けていただくことができるようになりますので、そこは厚労省としっかり協力関係でやってまいりたいと思います。

宮本(徹)委員 いやいや、別に健康保険証を廃止しなくたって、よりよい医療は受けられるわけです。別に、今、オンライン資格確認は、ほとんど健康保険証でやっているわけですよ。九十数%、健康保険証でオンライン資格確認をやって、皆さんちゃんと、医療現場も回っているわけですから。せいぜい、個人がマイナポータルで見られるのは、健診情報と投薬情報だけでしょう。お薬手帳と、毎年もらっている健康診断の結果なんて、皆さん持っていますよ。よりよい医療と言いますけれども、具体的に示される中身は何もないじゃないですか。本当に、この健康保険証を廃止する理由というのは、本来的に何一つない。

 これは、法律は強行、今日されましたけれども、これは中止すべきだということを強く求めまして、時間になりましたので、質問を終わります。

橋本委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。

 これにて散会いたします。

    午後三時四分散会


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