衆議院

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第5号 令和6年5月24日(金曜日)

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令和六年五月二十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 石田 真敏君

   理事 大野敬太郎君 理事 鳩山 二郎君

   理事 平口  洋君 理事 藤井比早之君

   理事 落合 貴之君 理事 笠  浩史君

   理事 浦野 靖人君 理事 中川 康洋君

      五十嵐 清君    井出 庸生君

      石原 正敬君    小倉 將信君

      大串 正樹君    奥野 信亮君

      勝目  康君    川崎ひでと君

      木原 誠二君    黄川田仁志君

      岸 信千世君    国光あやの君

      斎藤 洋明君    鈴木 英敬君

      鈴木 馨祐君    寺田  稔君

      冨樫 博之君    中川 郁子君

      中西 健治君    西野 太亮君

      古川 直季君    堀内 詔子君

      本田 太郎君    宮路 拓馬君

      柳本  顕君    山下 貴司君

      山本 左近君    鈴木 庸介君

      野田 佳彦君    太  栄志君

      本庄 知史君    山岸 一生君

      柚木 道義君    吉田はるみ君

      青柳 仁士君    金村 龍那君

      斎藤アレックス君    輿水 恵一君

      平林  晃君    塩川 鉄也君

      長友 慎治君    福島 伸享君

    …………………………………

   議員           小倉 將信君

   議員           勝目  康君

   議員           鈴木 馨祐君

   議員           藤井比早之君

   議員           本田 太郎君

   議員           落合 貴之君

   議員           本庄 知史君

   議員           青柳 仁士君

   議員           中司  宏君

   議員           長友 慎治君

   議員           古川 元久君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           笠置 隆範君

   政府参考人

   (総務省政治資金適正化委員会事務局長)      荒井 陽一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君

   衆議院調査局第二特別調査室長           森  源二君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十四日

 辞任         補欠選任

  小倉 將信君     本田 太郎君

  大串 正樹君     黄川田仁志君

  川崎ひでと君     山本 左近君

  木原 誠二君     西野 太亮君

  斎藤 洋明君     五十嵐 清君

  中西 健治君     井出 庸生君

  宮路 拓馬君     鈴木 英敬君

  太  栄志君     鈴木 庸介君

  中野 洋昌君     平林  晃君

同日

 辞任         補欠選任

  五十嵐 清君     柳本  顕君

  井出 庸生君     中西 健治君

  黄川田仁志君     大串 正樹君

  鈴木 英敬君     宮路 拓馬君

  西野 太亮君     堀内 詔子君

  本田 太郎君     小倉 將信君

  山本 左近君     川崎ひでと君

  鈴木 庸介君     太  栄志君

  平林  晃君     中野 洋昌君

同日

 辞任         補欠選任

  堀内 詔子君     国光あやの君

  柳本  顕君     斎藤 洋明君

同日

 辞任         補欠選任

  国光あやの君     木原 誠二君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(鈴木馨祐君外五名提出、衆法第一三号)

 政治資金規正法等の一部を改正する法律案(落合貴之君外十名提出、衆法第一四号)

 政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(落合貴之君外四名提出、第二百八回国会衆法第四八号)

 政治資金パーティーの開催の禁止に関する法律案(落合貴之君外七名提出、衆法第一五号)

 政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(青柳仁士君外一名提出、衆法第一六号)


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     ――――◇―――――

石田委員長 これより会議を開きます。

 鈴木馨祐君外五名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案、落合貴之君外十名提出、政治資金規正法等の一部を改正する法律案、第二百八回国会、落合貴之君外四名提出、政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、落合貴之君外七名提出、政治資金パーティーの開催の禁止に関する法律案及び青柳仁士君外一名提出、政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長笠置隆範君、総務省政治資金適正化委員会事務局長荒井陽一君及び法務省大臣官房審議官吉田雅之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山下貴司君。

山下委員 自由民主党の山下貴司でございます。

 まず冒頭、国民の皆様に、我が党をめぐる政治と金に関する不祥事、これで大変な御批判を受けていること、私も自民党議員の一人として、心からおわび申し上げます。

 私は、東京地検特捜部検事の経験があります。与野党を問わず捜査の対象とし、公職選挙法違反で連座制を適用したこともあります。その経験からしても、今回のこと、我々の身の回りで起きたことは、本当に情けなく、じくじたる思いであります。

 国際情勢も本当に緊迫している、そういった中で、こういったことに莫大な時間を使わざるを得ない、これは本当に申し訳なく、情けない思いでございますし、今回の不祥事と関わりのない大半の自民党議員のみならず、従前からのあしき慣行に安易に流されて、そして国民から厳しい指摘を受ける不祥事を起こした議員の方についても、同じ思いだと思います。

 ただ、最も情けない思いをしているのは、国民の皆様だと思います。そうした国民の皆様に、自民党として、二度とこういう不祥事を起こさないよう、信頼回復のために、法改正をしなければならないと決意しているところであります。

 しかし他方で、政治資金規正法は、民主主義の根幹を成し、憲法二十一条でも保障される政治活動の原資を支えるという役割があり、改正法は、与野党を通じて、いや、全国五万八千ある政治団体全て、さらには全ての国民にも適用され得るものであります。政治資金規正法の本来の趣旨に照らし、冷静に議論を進めたいと思います。

 それでは、まず最初に、ちょっと一つ質問を飛ばしまして、今回の議員の厳罰化、これは連座制という声がありますけれども、実は、法律用語の定義上は、連座制では全くありません。実態は議員の処罰の厳罰化です。こういったことについて、もし時間があれば後で指摘いたしますけれども、では、議員を厳罰化するとして、どのように厳罰化するのかというのが、今回の政治資金規正法の課題であります。

 地元を回っておりますと、政治資金規正法に違反した議員はみんな辞めさせればよいというふうな声もよく聞かれます。しかし、公職の候補者などを有権者の判断を待たずに公権力で排除する、本当に極端な例はロシアや香港でも見られたやり方でございますけれども、これは民主主義と厳しい対立関係に立ちます。

 その意味で、政治資金規正法の趣旨と基本理念に照らして、我々は改正をしなければならないと思います。

 政治資金規正法は、第二条において、基本理念として、政治資金は民主主義の健全な発展のための国民の浄財であるということ、背後には憲法二十一条がございます。そして、収支の状況を明らかにする、判断は国民に委ねるのだ、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することがないようにする。そして、政治資金規正法は、判断は有権者たる国民に委ねるというのが基本であります。こうした基本理念に沿うのかどうか、これについて議論をさせていただきたいと思います。

 それでは、まず、政治資金パーティーの禁止法案について、立民の提案者が出しておりますので、これについて伺います。

 政治資金パーティーも企業・団体献金も、いずれも与野党を問わず、いや、国際的にも、政治資金の、政治活動の原資の拠出手段として幅広く合法的に運用、活用されています。民主主義は各国共通の原理である以上、国際的にどうしているかというふうな視点が必要であります。主な民主主義国では、選挙資金パーティーなどは、例えばファンドレイジングということで、市民が自ら支持する候補を支援するための催物、そして収益を上げる、このことは当たり前で、幅広く行われております。

 政治資金の拠出への規制というのは、実は市民が政治活動に参加する、その活動の制限にもなり得るというもので、例えばこれは憲法二十一条の政治活動の自由にも抵触しますし、アメリカ連邦最高裁でも、例えばファンドの規制に関しては、言論の自由に関する修正一条違反ということで違憲判決まで出ている、そういったものであります。

 それでは、まず総務省にお伺いしますが、政治資金パーティーを一律に禁止している主な民主主義国はあるでしょうか。では、総務省。

笠置政府参考人 お答えいたします。

 国立国会図書館の資料によりますと、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスにおきましては、日本の政治資金パーティーのようなイベント事業の開催を禁止していないものと承知をいたしております。

山下委員 では、念のため、立民ほか野党の提案者に聞きますが、皆様の調査の中で、主な民主主義国で政治資金パーティーを一律に禁止している、立民案のように禁止している国はあったでしょうか。では、立民の提案者、どうぞ。

本庄議員 山下委員にお答えいたします。

 主な民主主義国の定義はよく分かりませんが、私どもも、米英独仏四か国について、国会図書館の資料等を確認いたしましたが、その四か国に限って申し上げれば、一律に禁止しているという事実はありません。

山下委員 国際的にもそういう国はない、私の知る限りありません。そして、現に無理なんです。

 配付資料の二を見ていただければ、立憲民主党の選対委員長の大串博志議員などが、パーティーを開くことにしています。

 昨日の報道なので、質問通告が遅くなったのはおわびいたしますけれども、この記事の中で、一問目でありますけれども、大串選対委員長は、法律が通れば政治資金パーティーはやらないというスタンスを明確にしているということであります。きちんとなった場合にはやらないということであります。

 こういった大きな報道がなされましたけれども、私は、大串選対委員長だけを責めるつもりはありません。まず一つは、ほかの立民の幹部の皆様もおやりになっているはずだからです。

 例えば、四月二十五日、ホテルニューオータニで、私の得ている情報では、安住国対委員長が会費二万円の朝食会をされたと聞いております。そして、来週月曜日、まさにこの審議の真っただ中、大阪で岡田幹事長が会費二万円の昼食会をされるというふうに聞いております。立民の幹部の方もやっているんです。大串さんだけじゃないんですね。

 それでは、立民の提案者に伺います。

 大串選対委員長は、法律が通れば政治資金パーティーはやらないというスタンスを明確にしているということですが、法律が通らなければやり続けるというのが立民のスタンスでしょうか。あるいは、法律が通っても、施行日である令和八年一月まではパーティーを開き続けるということでしょうか。

本庄議員 山下委員にお答えいたしますが、お答えする前に、今おっしゃった二つのパーティーの事例、今の現行法に基づいて適法に行われているものなんですね。違法に行っているかのような印象を受けかねないような言い方はお控えいただきたいなと思います。

 その上で、我が党の考え方を申し上げますが、まず、岡田幹事長も我々の政治改革案発表のときに記者会見で述べておりますが、法案の成立、施行前に党所属議員にパーティー開催の自粛を求めるということはせず、各議員の判断に委ねる、これが党の方針です。

 その理由は二つあります。

 第一に、政治資金や選挙に関するルールは、イコールフッティングの観点から、各政党、各議員、各候補者同一、同等の条件であるべきだということです。

 第二に、我々の法案には個人献金の拡充、促進の税制措置も含まれておりますが、これなくして個人献金を大きく増やすことは不可能だというふうに考えております。パーティーや企業・団体献金中心の政治資金から個人献金中心の政治資金に変えていく、こういった現実的な提案をさせていただいている。

 是非、御党にも御理解、御賛同をお願いしたいと思います。

 以上です。

山下委員 誤解をしていただきたくないんですが、私は、大串議員も岡田幹事長も安住国対委員長も、責めているつもりは全くありません。当たり前のことをやっているんです。そして、その当たり前というのは、現実にも当たり前であります。

 資料三のパネルをお示しいたします。これは岡田克也議員の収支報告書をまとめたものであります。

 私は、岡田克也議員、幹事長は本当に尊敬しています。なぜなら、岡田克也議員は、平成十三年以降、自らの収支報告書をまとめて、そして、どういう収入を得たか、何に使ったか、全て明らかにしているんです。ここまで開示している立憲民主党議員はいません。私は、本当に、これは与野党を通じて、政治資金とは何なのかを考える極めて大きな素材だと思っています。だから、あえて御紹介いたします。

 そして、これを見ていただくと、岡田幹事長は、パーティー収入として、公表分、これは平成十三年以降令和五年までですが、総額十八億円を得ています。そして、企業・団体献金の禁止も申し出ておられますが、そのうち法人寄附というのが大体四億円超ということであります。そして、個人寄附が二億円ということであります。

 こうした現実を見ていただきたいのが、立民の政治改革実行本部長である幹事長ですら、少なくとも二十年以上にわたり政治資金パーティーを開き続けて、直近では五千万円以上、公表している二十三年間では、多いときで一億円以上、総額十八億円以上のパーティー収入を得ている。

 ちなみに、岡田幹事長の政治資金パーティーの利益率は、令和五年に自ら報告した報告書によれば、九二%に達します。岡田幹事長は、先ほど申し上げたように、来週月曜日にも行うというふうに聞いております。

 私は、立民の皆様が政治資金パーティーを禁止するということの趣旨について伺いました。賄賂性を伴うかもしれない、癒着があるかもしれない、これは恐らく立民内部でも調査されているんだろうと思います。

 それでは、立民の提案者に伺います。

 政治資金パーティーを全面的に禁止するということは、立憲民主党内部で調査した結果、岡田幹事長ほかこうしたパーティーを開かれている、多額の収益を上げている方について、売り先の癒着や賄賂性など、禁止すべき立法事実があったということでしょうか。お答えください。

本庄議員 お答えします。

 我が党においては、御党派閥のような組織的、継続的な裏金づくりは確認されておりません。また、御指摘のような具体的なお話もありません。

 したがって、調査は行っておらず、その必要もないというふうに考えております。

山下委員 継続的に行っているパーティーで十八億円以上上げているわけです。そして、我々も、今回のような裏金づくり、これは絶対に禁圧しなければならない。だから再発防止策を検討しています。でも、そのことと政治資金パーティーを禁止することというのは別問題だと思います。

 そしてまた、岡田幹事長も、政治資金パーティーでこれだけもうけて、例えば豪遊したり、高級車を買ったりしているわけじゃないんです。

 この収支を見ていただくと、例えば、事業収入のパーティー収入と政党交付金、この合計が六千百万、そして、あと、寄附も一千万ぐらいあります。その中から一般経常経費を出しているんです、人件費であるとか、事務所費とか。つまり、必要経費なんです。それを捻出するために、パーティーを、年間五千万、少なくともやっているんですよ。これを禁止してしまうというのは、私は、政治活動に大いなる制限を加えるものだと思います。

 そして、更に問題なのは、憲法上の問題だと思います。立民案は、政治活動の費用をつくり出すために対価を伴う催物で収益を上げることを、何人も、つまり全ての国民に対して一律に禁止しています。催物は経費がかかるので、対価を取らずただでやると、公職選挙法の寄附行為ということで、罰則の対象になりかねません。

 立民案だと、政治的な催物については、対価により収益を得れば、処罰と公民権停止。対価をもらわなければ、違法な行為として処罰と公民権停止ということで、自らの政治的主張を伝えるためであっても、政治活動のための催物を行う自由が全ての国民に著しく制約されるわけです。

 開催対象は、何人もです。開催禁止と一年以下の懲役などの罰則を、全国五万八千ある政治団体全てにかけるのみならず、全ての国民に適用するんでしょうか。立民の提案者に伺います。

本庄議員 お答えします。

 この法律は、あくまで第二条の定義で規定されました政治資金パーティーの開催のみを禁止するもので、いわばパーティー開催という手法によって政治資金集めをすることを禁じるものであります。したがって、第二条で定める定義に該当しない集会だったり催物などを開催することは、この法律の規定に違反するものではありません。

 なお、委員のような御懸念があることも踏まえて、念には念を入れまして、この法律の第四条では、適用上の注意として、集会の自由及び政治活動の自由等の憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう留意しなければならない旨定めているところでございます。

 以上です。

山下委員 二条は、政治資金パーティーというのは対価を徴収して行われる催物なんですよ。そういうことからすると、催物で対価を徴収して収益を上げて政治活動をするということであれば、これに当たるんじゃないですか。

 私は、憲法の司法試験考査委員もやっていましたけれども、これはかなり憲法違反の疑いが強いと思います。立憲民主という、立憲を名に負う政党らしくない、そうしたものだと思いますけれども、立憲の、違憲審査基準、これは精神的自由、なかんずく大事な政治的自由の制限ですから、憲法違反に対する違憲審査基準は非常に厳しいものがありますが、立憲的にはこれは大丈夫なんですか。

本庄議員 お答えします。

 立憲民主党として提案しているもの、提出しているものでありますが、もちろん法制局の審査もきちっと経たものであるという前提でお答えをいたしますが、政治資金パーティー禁止法案、我が党の提案ですね、これは集会そのものを規制するものではなく、あくまで、国民の政治不信の原因となっている政治資金を集める目的で行うパーティーに限定して禁止するものであるから、憲法に違反するものではないというふうに考えています。

 なお、企業・団体献金の全面禁止については、団体に権利があるといっても、自然人である個人にある権利とはおのずから異なり、許される制約の度合いも異なる、十分に合理的な理由がある場合には、憲法上その制約も可能であるというふうに考えています。

 以上です。

山下委員 では、今御指摘があったように、でも、パーティーと定義しているわけじゃないんですよ。これは対価を伴う催物と書いてありますからね。それで収益を政治的活動に充てるものだから、おっしゃっているような、狭い、限局した意味じゃないと思いますよ。これは憲法学者に聞いてください。

 先ほど、企業・団体献金の話がありました。この表でございますけれども、これは国際基準なんです。民主主義は国際ルールですから、国際的にどうかということが極めて大事であります。

 日本では、八幡製鉄最高裁大法廷判決で、会社は、公共の福祉に反しない限り、政治的行為の自由の一環として、憲法二十一条ですね、政党に対する政治資金の寄附の自由を有する。会社は、国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有する。政治資金の寄附もまさにその自由の一環ということで、憲法に絡めて明確に認めているんですね。

 この点、リクルート事件を引き合いに出す野党議員もおられますが、元特捜検事として指摘すると、これは完全に法律をごっちゃにした間違いです。リクルート事件、ロッキード事件は、賄賂、贈収賄罪なんですよ。これは政治資金規正法の問題ですから、ごっちゃにするのは国民をミスリードするものだと思います。

 そして、この最高裁判決は、確かに、立法政策だと言っています。立法政策だから何でも立法していいわけではなく、具体的な立法事実が必要であります。

 立法事実としては、先ほども紹介した最高裁判決に沿って、平成六年、十一年の政治改革における見直しにより、政党等に対する寄附のみとし、与野党を問わず、我が国の政治活動の原資として確立しています。

 先ほどの例でいえば、岡田幹事長も、企業、団体からの寄附は、令和五年で八十一社から七百万円以上、多いときで年間二千五百万円以上、約二十三年間で総額四億円を得ております。岡田幹事長が、企業からの寄附について、御懸念になるような癒着があったか、あるいは、例えば関係者、家族の関係するところから得ていたかなどは、多分調査をされているんだろうと思います。でも、恐らくそういうことはないんだろうと思います。こうしたことで、現実に岡田幹事長、政治改革本部長も、企業・団体献金に、ある程度、自らの政治活動をやるのを頼っているということであります。

 そして、個人寄附についておっしゃいました。

 個人寄附については、立民の、いや、日本を代表する政治家である岡田克也幹事長ですら、個人寄附は、たったの四十一人の五百九十七万円であります。これは令和五年のものであります。

 実は、誰が拠出したかということが確認できる令和四年の収支報告書を見たところ、個人寄附をしたのは四十六名です。そして、その個人寄附の総額の六百六十一万五千円のうち、三分の二に当たる四百五十万が、大手スーパーの経営者である御両親、そして御兄弟からの、年間限度額いっぱいの百五十万円の寄附をもらっています。私が確認できる限りでは、毎年いただいておられました。この二十年間の間もらっていたかどうか、それは岡田幹事長自らが明らかにされることです。

 しかし、この個人献金の相当部分を、家族であるとかお金持ちの知人が賄わなければならないというのが、日本を代表する、いや、立民を代表する岡田幹事長の現実なんです。

 こうした、例えば岡田幹事長が受け取った企業・団体献金に、禁止すべき何か立法事実があったんでしょうか。立民の提案者に伺います。

落合議員 今の立憲民主党の議員が受け取った企業・団体献金に不正や問題があったという具体的な指摘はありません。したがって、調査はしていません。しかし、企業・団体献金、これを続けるべきかということは、国会ではかなり、議論がずっとされてきたわけでございます。

 個人献金、一部の人に偏るものも問題なんじゃないかということですが、例えば、私は政治資金集めパーティーを今までやっていません。岡田幹事長も一つの例ですが、ほかにもいろいろ、それぞれいるわけです。やっていない人もいる。それから企業献金も、私も含めて、もらっていない人たちもいます。しかし、家族から高額にもらっているということもありません。

 少額で多くの人たちからカンパをいただいて政治活動をしていく、それを目指していくというのが我々のこの立法の目的でございます。

山下委員 では、岡田政治改革実行本部長は、その道とは違う道を歩んでおられるということですね。立法事実がないということなんですよ、それは。調査もしていない。これは国民の憲法上の権利ですからね。最高裁判決でも認められていることをどうするんだということです。

 次に、パーティーの公表基準について伺います。

 パーティーの寄附の公表基準については、政治的支援を含む自らの政治活動を公にせずに行う自由、これも憲法二十一条が保障する重要な権利であることを考える必要があります。プライバシー権の問題があります。

 例えば、表現の自由についても、ツイッターで匿名投稿があります。これは、権利侵害がない限りは発信者情報は開示されないんです。同じように、政治的立場を、例えば公務員とか立場のある方もおられます。そういった方が自らの立場あるいは氏名を開示せずに、公表されずに政治活動としての支援を行うという自由もあるわけであります。

 私は、先ほど岡田幹事長の御両親と御兄弟のことを言うことについて、気がとがめなかったわけじゃないんですよ。ただ、これは既に公開情報です。そして、岡田幹事長も出しているんです。だから公開しました。

 しかし、この公表基準を下げるということは、反面、今まで公表されずに支援できてきた方々が、これが公表されるのか、あるいは支援をやめるのかという二者択一を迫ることになります。これは、政治資金規正法二条に定める基本理念である、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制するなということに反するのではないかと思います。

 自民党提案者に伺います。

 パーティー収入を十万円超ということにした理由をお尋ねします。

藤井議員 お答えいたします。

 政治資金パーティーにつきまして、その対価の支払い者を収支報告書で公開して政治資金の透明性を確保することは重要と考えております。

 具体的な公開基準につきましては、収支報告書に記載することで政治資金の透明性を確保するという要請と、一方で、収支報告書に個人の氏名や住所等が記載されることによる個人情報、プライバシー保護の要請との双方のバランスをどのように適切に考えるかが重要でございます。このバランスは、収入の種類、性格によって異なり得るものでございます。

 ちなみに、現行法上、その他の収入については、その公開基準が一件当たり十万円とされております。

 委員御指摘のとおり、自らの政治的立場を公にせずに政治的支援を行う自由も配慮する必要があります。また、政治資金パーティーの公開基準を引き下げ過ぎると、一般の国民の皆様や事業者の皆様が公に知られることなく政治資金パーティーに参加することで政治に参加することが困難になること、公に知られてもよいという特定の組織や団体等に過度に依存することになりかねないことにも留意する必要があると考えます。

 政治資金パーティーは、催物の対価として支払うものであり、寄附とはおのずと性格を異にするものでございます。政治資金の透明性の確保という要請と、個人情報、プライバシー保護の要請とのバランスを取って、寄附とは異なり、十万円を公開基準額と設定いたしたところでございます。

山下委員 次に、野党の皆様が出されている収支報告書の作成、これをちょっと自民党案と対比してみたいと思います。

 このように、書面の作成、収支報告書、野党は代表も署名、作成をしなければならないということになっています。それで犯罪が成立するのかということについてですけれども、法務当局に伺います。

 収支報告書、これに仮に政治家、代表者が署名したとしても、その中に虚偽があるとか、そういうことの具体的な故意がなければ処罰できないんじゃないですか。法務当局に伺います。

吉田政府参考人 犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に判断されるべき事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げますと、政治資金規正法二十五条一項三号の虚偽記入罪は、政治資金規正法十二条一項若しくは十七条一項に規定する報告書である、いわゆる政治資金収支報告書又はこれに併せて提出すべき書面に故意に虚偽の記入をしたと認められる場合に成立し得るものと承知しております。

山下委員 野党がおっしゃるように、署名をさせて、あるいは作成をさせても、具体的な記載事項について故意がなければ、犯罪は成立しないんです。

 この政治資金規正法をめぐる故意で、一番私が、法律家として、故意の立証が難しい、それを如実に示したのが陸山会の無罪判決です。

 この陸山会の無罪判決、これは、詳細は言いませんけれども、国会議員たる代表者は無罪、会計責任者は有罪となった。なぜか。報告はしているんです。でも、報告をしたことを認めたんだけれども、了承していたことも認定したんだけれども、経理については任せており、余り深く考えず申出を了承した、具体的な内容について関心が薄く、内容を漠然と認識していたにとどまる可能性がある、これで無罪になっているんです。これで故意が飛んでいるんです。

 立民の提案者に伺いますが、立民の提案によっても、この故意の立証のハードルの難しさ、いわゆる陸山会の壁、これは破れないんじゃないですか。

本庄議員 お答えいたします。

 我が党案では、会計責任者と同等の責任を代表者、政治家本人に負わせるというふうにしております。加えて、百五十万円を超える未記載につきましては、過失であっても刑事責任を問うというふうにしております。これをもって私どもは対応可能だというふうに考えております。

 以上です。

山下委員 会計責任者はなぜ故意があるかというと、会計上の知識があるからです。会計上の知識のない、例えば政治家、あるいは、これは政治団体を区切っていませんから、全国五万八千の政治団体の代表者に会計の知識があるとも思えません。それなのにそういった擬制をするというのは、論理の飛躍だと思います。

 また、寄附について、過失によっても処罰するということについては、一件百五十万円を超える寄附に限られていますから、結局、立民以外、例えば国民民主の皆様に、パーティー券の未記載、これについては過失でも処罰はされないんですね、国民はパーティーを禁止していませんから。お伺いします。

石田委員長 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。

長友議員 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、一件百五十万円を超える寄附に係る過失による不記載に対する罰則は、寄附のみが対象であり、政治資金パーティーの対価の支払いは対象ではありません。

 しかし、そもそも、政治資金規正法二十二条の八において、何人も、一回の政治資金パーティーにつき、百五十万円を超えて対価の支払いをすることができず、政治資金パーティー開催者は、一回のパーティーにつき、同一の者から一件百五十万円を超えて対価の支払いを受けてはならないものとされています。同法二十六条の三においても、これに関しては、対価の支払いを授受した者には刑事罰も科されます。

山下委員 私は、勢いに乗って、全国民に影響のあるような、政治活動の制限をする、憲法にも抵触するようなものについては反対です。ですから、慎重に議論をされて、国民のための政治資金改正をやりたいと思います。

 以上で質問を終わります。

石田委員長 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 おはようございます。公明党の中川康洋でございます。

 昨日は、我が党の中野洋昌委員が、いわゆる連座制及び企業・団体献金について質問をさせていただきました。

 本日は、政治資金パーティーにつきまして議論をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、自民党に伺いたいと思います。

 我が党は、政治資金パーティーの収入についても、透明性を図る観点から、公開基準の引下げ、これを求めてまいりました。具体的には、我が党は、寄附の公開基準に準じ、五万円超に引き下げることを求めております。

 今回の自民党案では、公開基準を十万円超というふうにされておりますが、これは何回も出ておりますけれども、我が党としても、改めて、この基本的な考え方、また根拠、これを説明していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

鈴木(馨)議員 今先生がおっしゃった点について申し上げたいと思います。

 まず、昨日来申し上げておりますけれども、やはり個人においても、政治資金ということで、ある意味しっかりと自ら立つ、そういうことで、きちんと党に対してもしっかり物を言っていける、そういった資金基盤というものをどう確保するのか。あるいは、当然、癒着ということがあってはいけませんから、そういった意味でいうと、特定の者に依存しないような状況をどうしっかりつくっていくことができるのか。

 こういったことを考えて、やはり薄く広く、しっかりと資金集めができる環境、これが大事だと思っております。同時に、透明性のことも非常に大事だと思っております。

 そのバランスをどう取るかということでありますが、やはり対価性を伴う政治資金パーティーでありますから、そこは、寄附というものとは性質は異なってくるんだろうと思います。そこで、その対価性ということも踏まえまして、さらには、政治資金規正法上、収入の起因するところによって幾つかそういった制約はありますけれども、例えば、その他収入が十万円以上というところが公開基準となっている。そういったところを踏まえまして、今回、十万円ということで書かせていただいたところであります。

中川(康)委員 改めて基本的な考え方を確認いたしましたので、公開基準の在り方、引き続き、この委員会でも議論してまいりたいというふうに思います。

 次に、政治資金パーティーの在り方について、維新の会の提案者及び立民の提案者にお伺いをいたします。

 まず、維新の会の提案者にお伺いしたいと思いますが、維新の会としては、企業、団体のパーティー券の購入は禁止をされておりますが、政治資金パーティーの開催そのものを禁止しているわけではありません。その理由について改めて確認をいたします。

中司議員 お答えいたします。

 本来、政治資金パーティーは、広く薄く草の根の支援を集める手段として、いわゆる草の根民主主義を支えるものであります。すなわち、組織や看板を持たない者が広く薄く多くの支援を集めるために会合を開く、新たな人材が政界に参集するための手段としての政治資金パーティーは、民主主義にとって重要なものと考えております。

 しかしながら、企業・団体献金の代替手段として政治資金パーティーが行われる場合もありまして、私どもとしましては、このような本来の趣旨を大きく逸脱するものについては問題があると考えております。

 そこで、我が党の改正案では、政治資金パーティーが本来の趣旨に立ち返るために、企業、団体によるパーティー券の購入を禁止しております。また、企業、団体以外のパーティー券購入についても、特定の者による大口の購入者を制限するために、パーティー券購入の上限額の引下げとパーティー券購入者の公開基準の引下げにより、透明性を確保するための措置を定めております。

 このように、問題のあるパーティーの在り方は規制しつつ、草の根民主主義を支える本来の意味のパーティーは透明性を確保することとしております。

 なお、地域政党などを新たに立ち上げるときは、政党助成金を受けられませんので、個人を中心とするパーティーが原資となる可能性があるものと考えております。

 以上です。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 続いて立憲の提案者にお伺いしますが、今回提案された政治資金パーティー禁止法案では、政治資金パーティーの開催そのものを禁止されておりますが、その理由について改めてお伺いしたいと思います。

本庄議員 中川委員にお答えさせていただきます。

 従来より、政治資金パーティーは、寄附に比べて公開基準や量的規制が緩く、抜け道であるとの指摘を受けてきました。また、パーティー券は企業、団体も購入できることから、事実上、政治資金規正法で禁ずる政治家個人への企業・団体献金であるとの批判も根強くあります。そして、こういった多額のパーティー券の購入によって、中立公正であるべき政策決定がゆがめられているのではないかとの疑念も拭えないままです。

 こうした中で、今回の自民党の派閥の裏金問題が発覚をし、まさにこの政治資金パーティーを悪用することによって組織的、継続的な裏金づくりが行われてきたことが明らかとなったわけです。政治資金パーティーそのものが政治不信の原因となっている現状に鑑みれば、これを禁止することが信頼回復のための唯一最大の方策であるというふうに考えまして、この法案を提出した次第です。

 なお、企業、団体によるパーティー券購入のみを禁ずる、個人によるパーティー券購入を可能とするという考え方もあり得るとは思います。ですが、それについては個人献金に置き換えていこうというふうな判断をいたしました。

 以上です。

中川(康)委員 今、両党からお話を聞きましたら、やはり政治資金パーティー自体の考え方についても、野党の間でも議論の開きがあるということが明確になったわけであります。そういった意味においては、やはり様々な意見がある、さらには、政治資金パーティーはどうあるべきかというところだと思います。

 その上で、先ほども実は自民党の山下委員からも指摘がありましたように、昨日、立憲民主党の幹部の一人でもあります大串選対委員長が、六月十七日に都内のホテルで会費二万円の政治資金パーティーを開催すること、これが明らかになりました。これは我々公明党としても、この委員会の審議のときに明らかになった、これをやはり重く受け止めております。政治改革特別委員会にパーティーの禁止法案を提出している立憲の幹部がこの国会会期中にパーティーを開催することに、整合性が取れないのではないか、また、党内不一致ではないか、さらには言行不一致ではないか、私はそのように思える節がございます。

 この件について、政治資金パーティー禁止法案の提出者としての受け止めを聞いてみたいと思うんですが、この件については昨日、今日で私は通告を出していませんので、あえて答弁は求めません。しかし、この審議は衆参を含めこれからも続いていきますので、党として、代表や幹事長に申し上げて、私は、今答弁されていましたけれども、すぐにやめさせた方がいいんじゃないかなというふうに思います。

 大串選対委員長は、取材に対して、制度として法律が通ったらやらないというふうに言っているそうですが、立憲民主党としてパーティー禁止の法案を今回国会に出した以上、法律が通っていようがなかろうが、幹部は率先してその範を示すこと、これが私ども公明党は重要じゃないかなというふうに思っています。仮に法律が成立したら守るけれども、それまでは守らないという考え方では、私たちは、そんな法案というのはやはりなかなか信用することができないですし、また、そんな法案を真剣に採用しようとは残念ながら思えないわけであります。

 法案を提出した問題と、まだその法律が通っていないからやれることとは別なんだ、こういったことではない。やはりその段階で範を示していく、こういったことが私どもは大事じゃないかなというふうに思っております。

 この点については、昨日の委員会で、立憲などが提案しています、過失で百五十万円以上の寄附の未記載があった場合は公民権停止という議論もありました。これを私どもの中野委員が、大変厳し過ぎるんじゃないかなという話をしましたし、さらには、法律が通っていなかったとしても、立憲さんとしてこれは党内でどうするんですかという話をしたら、そこでもやはり、法律が成立したら従うけれども、それまでは党として対応しないかのような、同じような答弁をされていたわけであります。

 やはりそういった内容を出した以上は、その範を示していく、これが私は大事だというふうに思いますし、少なくとも我が党は、法案は出していませんけれども、自公で協議をした中で取りまとめをした段階では、そういった思いを強く持っているわけでありますよ。

 もう少し言うならば、企業・団体献金の禁止についても、立憲さんは、今回提出された法案の中で全面禁止、これを提案されています。しかし、御党の重鎮の一人であり、過去には御党の前身の党の代表もされていた小沢一郎氏は、この企業、団体と政治資金パーティーの全面禁止に異議を唱えて、明確に反対だというふうに言っているわけなんです。これは明らかに党内不一致じゃないですか。党のガバナンスが利いていない、そういった証拠なんじゃないでしょうか。こんな意見がこの審議中に普通に出てくる。

 今回、政治と金という重要な問題を、我々、与野党共に議論をしているわけであります。少なくとも我が党では、このような整合性を欠くような、さらには党内不一致というふうに国民に感じさせてしまうような状況というのはあり得ません。やはり自公で取りまとめをした段階で、そこはもうその段階からしっかりと遵守していく、こういった姿勢であります。

 今回は法案の審議の場ではありますけれども、その前提として、我々国会議員が、どういった立場で、どういった範を示しながらこの議論に参画をしていくのか、これは非常に大事だと思いましたので、この点を私は指摘させていただきました。

 この後、私どもの輿水委員に時間を譲りまして、改めてまた法案の審議をさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、輿水恵一君。

輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 私も、今回の政治資金規正法の改正、本当に、改正ということも非常に大事な論点でございますけれども、それと同じように、これをもって政治家が意識を改革していく、誠実に、丁寧に、真剣に一つ一つの課題に向き合っていく、こういったことが非常に大事である、このような思いの中で質問をさせていただきたいと思います。

 今日、少子高齢化や人口減少、また自然災害の激甚化、頻発化、さらに不安定な国際情勢に対して、国民の暮らしを守るために、政治に携わる者が誠実に真剣にその一つ一つの課題に向き合っていくこと、これが大事だと思います。そのための大きな取組の一つが政治資金規正法の改正であります。

 公明党は、本年を令和の政治改革元年と銘打って、一月十八日に、他党に先駆けて政治改革ビジョンを提示をさせていただきました。今回、本当に、政治と金の問題に関しては、終始一貫して、国民の信頼を取り戻す、また清潔な政治を実現する、そういった強い信念の下で、そのビジョンを取りまとめてまいりました。

 そのビジョンの一つが、政策活動費の透明性の強化であります。今回、政治資金規正法の改正に向けての与党の協議においても議論を重ねてきたところではございますけれども、本日は改めて与野党の法案に対して質問をさせていただきます。

 初めに、特定支出制度を新たに設けるとした日本維新の会の法案に関して伺います。

 二〇二二年度の維新の会の収支報告書には所属国会議員への政策活動費が記載されておりますが、その当時、政策活動費の使途はどのようなものであったのか、また、今回、政策活動費を特定支出制度に移行する上で最も重視した点は何かについて、お聞かせ願えますでしょうか。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、我が党の政策活動費についてですけれども、これは、ほかの党とは恐らく違いまして、幹事長の名前が収支報告書上に載っておりますが、そこの政策活動費の項目は複数に分かれておりまして、それは一円単位の金額が載っております。なぜなら、それぞれの支出項目が領収書にひもづいているからです。領収書は当然保管しております。

 ですので、まずそこを、ほかの党との違いを申し上げた上で、それを基にお答えさせていただきますが、党内においては幹事長が管轄をしておりまして、幹事長の名前で受け取り、そして決裁する権限を持っているという状況の中で、二〇二二年度においては月次ごとに支出を合計し、今申し上げたとおり、収支報告に記載をしております。幹事長名で計上されている政策活動費の合計額は、五千五十七万五千八百八十九円です。

 使途は、党勢拡大、政策立案、調査研究などを目的とする支出となっておりますが、月次の内訳を一つ申し上げますと、例えば金額の多かった月、五、六、七月で言いますと、渉外費がおよそ八十二万円、調査研究費が九百二十万円、六月ですと、渉外費が百四十三万円、調査研究費が千九十二万円、そして七月は、渉外費が七十一万円、調査研究費が六百三十七万円となっております。

 ちなみに、渉外費というのは、様々な会合の会場費であるとか飲食費、そういったものが含まれます。調査研究費については、世論調査などを含む各種調査、データ分析、各種専門家への外注費などの費用が含まれています。

 二〇二三年度においては、今年まだ公開されておりませんが、月次ごとの仕訳に加えて、部門別、目的別に更に細分化し、収支報告に記載し、既に提出をしております。二〇二四年十一月に公開される予定となっております。

 二〇二三年度、幹事長名で計上されている政策活動費の合計は、渉外費で二千百二十一万円、調査研究費で一千八十万円というふうになっております。これらは、領収書又は請求書、支払い明細書、これは領収書でないものはその取付けが難しいという技術的な問題でありますが、などが存在して、保管しております。

 既に提出済みの二〇二三年度収支報告書のうち、直近の数か月間、十一月、十二月分の政策活動費該当部分の領収書は、自主的にサンプルとして公開しようと考えておりまして準備を進めております。それは、今回のこの議論を推進するためです。近日中に、相手方の配慮など踏まえて、マスク公開する予定でおります。

 なお、今申し上げたとおり、この場でこういったことを申し上げるのは政党としては極めて難しいことでありますが、それをやらせていただきました。それは、今回、各党にも同様の透明性を求めたいからであります。

 先ほど来から議論があるとおり、範を示すということはもちろん重要です。それは、自民党にも公明党にも求めたいと思いますし、その他の野党にも求めたいと思いますが、範を示せないからといってその提案自体の意味がない、こういう議論で、現状を追認するという主張に関しては、我が党としては賛成いたしかねるということであります。

 以上です。

輿水委員 まさに丁寧な議論が必要だと思いますし、一つ一つ、その目的に対してどういった効果があるか、そういったところも非常に重要なのかなというふうに感じているところでございます。

 続きまして、立憲民主党・無所属、国民民主党・無所属クラブ、有志の会の三会派提出の法案は、いわゆる政策活動費を禁止するというものになっております。

 ここで、過去に公表されている立憲民主党、国民民主党の収支報告書にも所属議員への政策活動費が記載されているところでございますが、その当時の政策活動費の使途はどのようなものであったのか、また、今回廃止とした理由につきまして伺います。

本庄議員 お答えいたします。

 まず、立憲民主党は、二〇二三年以降、現在に至るまで政策活動費の支出はしておりません。

 一方で、御指摘のとおり、当時、政策活動費がありました。その中身については、これは収支報告書のとおりなんですが、法令に基づいて我が党の党勢拡大等を図るために適正に支出をされたものと承知をしております。

 その上で、今回、我が党が政策活動費の禁止法案を出した理由ですけれども、やはり、自民党さんの年間十億、五年で五十億というような数字も出る中で、中身が、詳細が分からないし、逆に言えば、これは法律上説明する義務もないというところについて国民の皆さんの不信が極めて高まっている、そして説明責任が果たされていないという御批判もありますので、この際、政策活動費を禁止をするという判断をいたしました。

 なお、現在、我が党は支出をしておりませんと申し上げましたが、それによって特段の支障も生じておりません。

 以上です。

輿水委員 それでは次に、政策活動費の使途について収支報告書に項目別の記載を義務づけた自民党案につきまして質問させていただきます。

 改めて、この政策活動費の使途はどのようなものなのかについて、まず改めてお聞きします。また、国民に対する使途の公開についてどのようにあるべきと考えているのか、考え方につきましても重ねてお聞かせください。

鈴木(馨)議員 我が党におきます政策活動費でありますけれども、党に代わって党勢拡大、あるいは政策立案、そして調査研究を行うために、党の役職者の職責に応じて支出をしているものが我が党における政策活動費であります。

 昨日来申し上げておりますけれども、その使途において、様々な対外的な関係も含めて、一定程度やはり公開になじまないようなものが存在するのも事実であります。

 ただ、その一方で、やはり、どのようにして公開というか、透明性というか、国民に対する説明責任、そういったものを果たすのか、これは当然非常に大事なものだと考えております。

 従来、昨日も申し上げておりますけれども、党内のガバナンスの中で、党の財務委員会におけるそういった聞き取りということをこれまでやる中で、そうした党内のガバナンス、これは利かせているところでありますが、今回この議論の中で、しっかりそれを、新たに法律上、今回の改正法でそうですけれども、この使途というものについて、その目的について、収支報告書の本体の中で位置づける。これは、そこに重過失や虚偽があれば当然そこは会計責任者が責任を問われることになりますから、これは非常に重いものでありまして、ある意味で、そこによって更にガバナンスの牽制が利くということをもって、しっかりと適正性であったり、あるいは透明性ということに対応していきたいと考えております。

輿水委員 まさに、その適正性、透明性というのは非常に重要であるというふうに私も感じているところでございます。

 今御説明いただきましたとおり、政策活動費の目的、党勢拡大、そして政策立案、調査研究ということでございますけれども、そういうことであるならば、政党として、そういった具体的な目的に向かって成果というのを明確にしながら、有効に活用されたのかどうなのかを評価し、また、その在り方について適切に見直していく、大事な政治資金を国家国民のためにしっかりと使っていく、こういったことも必要かと考えますけれども、自民党案の提出者に見解を伺います。

鈴木(馨)議員 まさに御指摘のとおりのところだろうと思います。まさに、私どもとしても、政党として、これは税の財源ではなくて、そこは、我が党においては寄附であったり、あるいは事業を原資としているものでありますから、そういったものについても、やはり、政策活動費の在り方、まさにその有効性ということも含めて適切に管理をしていく、それは極めて重要なことであると考えております。

 先ほども申し上げましたけれども、政策活動費、これまでも党のガバナンスの中で、財務委員会においてしっかりと監査、これを行ってきたところでありますけれども、透明性を一層高める、こういった今般の改正案の趣旨も踏まえまして、例えば、そういった中で外部の専門家の目も入れるなど、さらに、党内のチェック機能、これをきちんと一層強化をしていく。先ほど申しましたように、一定程度やはりどうしても公開になじまないものもあることを考えれば、そういったことをもって、政策活動費のそういった在り方についての不断の見直し、これを行っていきたいと思っております。

 まさに、そうしたことを通じて適正に、適切に、先ほどおっしゃった党勢拡大あるいは政策立案、調査研究という目的に向けて使われているかどうか、そういったことについて効果的な使用がされるように努めてまいりたいと思います。

輿水委員 丁寧な御答弁ありがとうございます。

 それでは、続きまして、政治資金収支報告書のインターネットによる公表について伺います。

 公明党は政治改革ビジョンに、国会議員関係政治団体の収支報告書について、検索や名寄せを可能とする報告書のデータベース化を図ることを明記いたしました。

 ここで、立憲民主党・無所属、国民民主党・無所属クラブ、有志の会の三会派提出の法案では、政治資金監査対象団体の収支報告書に関するデータベースを整備するとしておりますが、その目的についてお聞かせ願えますでしょうか。

落合議員 我々の法案でも、収支報告書をデジタル化する、ネットを通じて収支報告書に記載された事項がちゃんと検索が可能なデータベースを提供するべきだと。ただ紙みたいなものを、PDFで載せたのと同じようなのでは検索ができません。このようにデータベース化されることで、マスコミを含めた国民による政治資金の監視がより可能になるということで、これは大変重要なことだと思います。

 なお、一点だけ加えますと、寄附者の住所とかも全部公表されちゃうと問題があると思いますので、そこは考慮するべきだということも書かせていただいております。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 先ほどの自民党の質疑にもありましたけれども、収支の状況を明らかにして、その判断は国民に委ねる、そういった部分では、このデジタル化とかデータベース化は非常に重要であると考えておるところでございます。

 次に、自民党案では、政治資金の透明性の向上のためのデジタル化の推進として、国会議員関係政治団体に対してオンライン提出を義務づけるとしておりますけれども、データベースの構築を前提としているものと考えてよいのか、また、情報の検索機能の在り方についてどのように考えているのか、その考えについてお聞かせ願えますでしょうか。

本田議員 お答えいたします。

 収支報告書のデジタル化に係るデータベースの構築につきましては、政治資金の透明性向上という観点から自民党としては有意義なものであると考えております。

 収支報告書のデータベースの構築については、情報の検索機能をどのようなものにするかについて、各党で議論を行った上で、予算措置や技術的課題の整理などを行う必要が依然としてあるものだとも理解をしております。

 したがいまして、収支報告書のオンライン提出によるデジタル化を進めながらも、あわせまして、検索可能なシステムを目指していくべきだ、こういう考えでおります。

 なお、自民党の案におきましては、国会議員関係政治団体に係る収支報告書等のオンラインによる提出を義務づけまして、インターネットを利用する方法により公表しなければならないということとしており、デジタル化を着実に進めてまいりたいと考えております。

輿水委員 前向きな答弁ありがとうございます。

 それでは最後に、日本維新の会の皆さんにもちょっと確認させていただきますが、皆さんの提出案には収支報告書のデジタル化についての言及がありませんけれども、データベースの構築を前提とした収支報告書のデジタル化について、情報の検索機能の在り方も含めて、見解をお聞かせ願えますでしょうか。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、我が党の案にはデジタル化の法条文というのは含まれておりませんが、極めて重要な課題であるとは考えております。

 特に、政治資金収支報告書に関して、現行のウェブ公開の問題点は、PDF形式での公開になっているという点だと思っております。そのため、寄附者名等の検索に限らず、金額の名寄せなどデータの操作ができず、情報の活用が非常に困難になっています。透明性を向上させるには、データを操作して、集計したり突き合わせたりするといったことが可能になる必要がありますので、その点で現行の公開の在り方には技術的な問題が多いと思っております。

輿水委員 ありがとうございました。

 各党、データベース化ということに前向きであるということが確認できました。

 最後に、自民党の提案者に質問をさせていただきますが、今回の記載漏れ、そういった案件につきましては、政治資金パーティー収入等において、公明党も政策ビジョンにも掲げさせていただいているところでございますけれども、口座振り込みを前提としていれば防げた事案であると考えます。

 ここで、この事案については政治資金規正法の改正を待つことなく改善する姿勢も重要だと思いますが、自民党案の提出者の見解をお聞かせください。

鈴木(馨)議員 御指摘の今回の不正事案でありますけれども、やはり現金ということの存在は極めて大きな背景にあったと思っております。その趣旨で今回の改正案も作成をしておりますけれども。

 ただ同時に、やはり、この改正を待たずして、まさにおっしゃるとおりであろうと思います。そういった中で、さきの三月に、私どもとしても、党のガバナンスコード、こちらを改定をいたしまして、政治資金パーティー等国会議員関係政治団体及び都道府県支部連合会の収入を銀行振り込みで行うこととする旨を定めたところでございます。

輿水委員 どうもありがとうございます。

 私も冒頭に、今回、政治資金規正法の改正、改正とともに意識改革が必要だと。どんな法律を作っても、それをしっかり守って、また、国民の皆様に誠実に向き合っていこうという意識がなければならない。こういった部分では、そういったことを我々もしっかり取り組みながら、皆さんと一緒に、国民の皆さんの信頼の回復ができる、そういった改革に向けて全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、私の質問とさせていただきます。

 大変にありがとうございました。

石田委員長 次に、吉田はるみ君。

吉田(は)委員 立憲民主党の吉田はるみです。

 今日はたくさんの論点がありますので、是非よろしくお願いいたします。

 順番を変えます。まず最初に、企業・団体献金の方に関してお伺いしていきたいと思います。

 先ほど、山下委員の方から、企業・団体献金、公表基準の国際比較というものが出されまして、私もこれを見て、あれっとちょっと思ったので、一つ指摘をさせていただきたいと思います。

 アメリカの方では、そもそも企業や政党が政治家に直接献金することは禁じられています。なので、PACを通じてお金を出すという形になっておりますし、イギリスは、原則可というふうにあるんですが、今回、私の提案にも通じるところなんですけれども、イギリスでは、会社法において、企業が五千ポンド、今百九十九円ぐらいですから、約百万円以上の献金をするときには株主総会の決議が必要というふうになっています。会社法上、公開義務があります。

 こういう国際比較、ちょっと、全然大丈夫だよ、企業献金、大丈夫だよというふうなメッセージになると、これはミスリーディングではないかなと思ったので、一点指摘をさせていただき、一つ御提案をさせていただきたいと思います。

 今、日本の企業・団体献金の在り方として、先ほども本庄委員からもありました、個人の場合は自然人です。企業は法人格を持っている、社会的責任を負うものであります。このように、イギリスの例に倣い、株式公開企業においては、自民党の方でも毎年大きな献金を受けていらっしゃると思いますが、企業の側にも、説明責任として、どの政党にどういった金額を寄附しているか、この公開を義務づけてはいかがでしょうか。

鈴木(馨)議員 今の御指摘でありますけれども、そもそも政治資金規正法上、企業、団体を収支報告書に記載をして公開するということ、これは、あくまで政治資金規正法上の目的である政治活動の公明を確保するため、それで設けているところであります。

 一方、今御指摘ありました有価証券報告書、いわゆる有報でありますけれども、これは基本的な一つの目的として、投資家の投資判断、ここにとって重要な様々な情報が記載をされるというところであります。

 そういった意味でいうと、この両者、趣旨が違うものであるのは事実だろうと思います。そういった中で、株式公開企業において有価証券報告書に企業・団体献金を記載をさせるかというと、その必要ということはないのではないかと思います。

 一方で、当然、企業においては、株主を通じてのガバナンス、それぞれの企業においてこれは当然利いているところでありますので、そこについてはそれぞれの企業における対応になろうかと思います。

吉田(は)委員 全然、実はそこは伝わっていなくて、有価証券報告書にはその報告義務がありません。やはり、こちらもきちんと明らかにしないと、株主への説明責任、企業のステークホルダー、これから新卒で入っていく学生なんかも、私は、そういうところを気にすると思います。そういうところも考えていただきたいと思います。

 なぜ、この企業・団体献金を最初に持ってきたか。私、ここには実は思い入れがあります。

 この数日、定額減税四万円、これで現場は非常に疲弊しています。パート、アルバイト、社員、皆さん含め、扶養の方がいらっしゃるか、プライベートを聞かなきゃいけない。そして、実際、経理部の方は、システムの変更やまたその変更に伴う諸業務で、社員が駆り出されているという状況だそうです。ある人はこんなことを言っていました。自民党の狙い、自民党の党利党略、あるいは自民党のアピールのために社員が駆り出される時間とこのお金、これは何で使わなきゃいけないのというような声まで上がっているんです。

 一方で、伺います。本来なら企業・団体献金はやめる方向で、国民の皆様には政党交付金、これをお願いしたわけです。一人当たりの負担金は二百五十円、これはどこかに明記してありますでしょうか。

鈴木(馨)議員 済みません、ちょっと通告もありませんでしたので、御趣旨がはっきりしないので確認しますが、おっしゃっているのは、政党交付金が給与明細等に書かれているかということでしょうか。

吉田(は)委員 給与明細でなくてもいいんですが、一人一人の国民に、私たちが政党交付金を支える、それを負担しているんだということは、どこかに書かれていますか。一方で、定額減税の方はこうして企業に書け、明示しろというふうに言っていて、ここは整合性が取れないのではないかという指摘です。

鈴木(馨)議員 まず、先ほどの話で、政党交付金についてということでありますので、そのことで申し上げれば、当然ながら政党交付金は国の財源から出ているものでありますので、そこは予算書ということを通じて、国民に対する公開、それを果たしていると認識しています。

吉田(は)委員 これは書いた方がいいですよ。そうしたら、国民の皆様も、そうか、自分たちはこれだけのお金を負担して今政治活動を支えているんだという意識を持っていただいて、そして、やはり政治に国民の目が私は向いていくと思います。一方的なことではなく、やはり本当に国民を、国民生活、国民の感情を考えた政治にしていくべきだという御指摘を申し上げます。

 続きまして、政策活動費に関して伺いたいと思います。

 今回の自民党案では一回五十万円でございますけれども、これは年間何度も支出できるということでよろしいですね。

勝目議員 お答え申し上げます。

 御指摘のとおりであります。

吉田(は)委員 とすると、何が変わったんだろうなと思うんです。ちょっと意地悪な見方をすると、例えば、五十万円、細切れにして、名義を借りて、今回は住所も出ないので、どんどん年間上限のないまま政策活動費が出るとしたら、二階元幹事長、五年で五十億、一年で十億、これがいまだ無税のまま残るということになるのではないでしょうか。

 これで、今、現実的ではないという声が聞こえてきましたけれども、伺いたいと思います。

 その五十万円以下というふうにした理由の中に、外国勢力に知られてはまずいことがある、政党の大きな方向性があるということなんですけれども、五十万円以下で外国勢力に知られてまずい政党の方向性って何ですか。

鈴木(馨)議員 本案で、我々、五十万円ということで申し上げていますのは、五十万円以上の額で政党から所属する政治家あるいは候補者に対して支出をされたものについては、使途について、目的について公開しなければならないということでありますので、ちょっと済みません、御質問の御趣旨が分からないんですが。

吉田(は)委員 なぜ五十万円にしたかの理由の中に、いろいろな、プライバシーがある、幾つかある理由の中に、こうおっしゃっているんです。それはどういう意味ですか。ちょっと私には全く想像ができないので、教えてください。

鈴木(馨)議員 失礼しました。

 そういったことでいうと、要は、五十万円以上のものについて使途の公開をする。それは使用目的について公開をするというその結論自体が、様々、対外的なことも含めた、公開になじまないものについてどこまで公開できるのかというところの、我々として議論をした結果の結論ということであります。

 五十万円というところで申し上げたのは、これまで、政策活動費、過去数年にわたって私どもも詳細を見ましたが、百万円以下の支出というものは正直ありませんでした。

 特に、旅費であったりとかそういった実費的なもの、そういったものが数十万円の前半ということになってまいりますので、そこで、我が党のこれまでの状況として、我が党としての襟を正すという趣旨でいえば、五十万円というところで線を引くということが事務処理上も適当だというふうに考えたところであります。

吉田(は)委員 なるほど。

 旅費とかという今言葉が出てきたので、例えば、一議員がどこかの国に行ったことが、ほかの外国から見てそれは問題だ、そういう意味ですか。

鈴木(馨)議員 済みません、ちょっと議論を整理した方がいいと思うんですが、我々が対外的に公表になじまないと言っているのは、恐らく、お考えのところの五十万円を超える世界の話であります。

 要は、五十万円以下でいろいろ我が党として公表しているもの、それは、要は旅費であったりとか、そういった政策活動費ではないもので、実費的なものが大半というか、ほぼ全てでありますので、そこは事務負担的に考えても五十万円というところが妥当なところだと考えての線引きということであります。

吉田(は)委員 論理が破綻しているのは自民党さんの方じゃないでしょうか。五十万円を公開しない理由に挙げたのがそちらだったんです。

 今、五十万円以下は様々な実費であるから。それは公開できるじゃないですか、実費なんだから、堂々と公開できると思いますよ。出ない理由がちょっと分かりません。

 もう一つ、では、お伺いします。

 今回、政策活動費は項目と金額のみで、それに領収書はつかないという理解ですが、国民の皆様に見えるのは、政策活動費、何とか項目、幾らという、それだけですよね。領収書は一切見れないということでよろしいでしょうか。

勝目議員 お答え申し上げます。

 我が党におきまして、政策活動費は、党勢拡大、政策立案、調査研究を党に代わって行うため、党役職者に対しまして職責に応じて支出をしておるところであります。この透明性の確保が重要でありますということで、今回は項目ごとに使途を明らかにするということを申し上げているところであります。

 他方で、支出の受け手にとって、憲法で保障されている政治活動の自由、プライバシー、企業の営業秘密、こういったものへの配慮も必要でありますし、また、党の戦略的な行動について外国勢力に知られてはいけないというようなこともあるだろう、そういうことも配慮が必要ということで、両者バランスを取らないといけないということでありまして、今般の改正案において領収書の提出を義務づけることまではしておらないということであります。

吉田(は)委員 結局、領収書は見れないという結論でありますし、こうして、領収書が分からない、そもそも本当にその目的に使われたのか国民の皆さんが判断する材料がないということは、これは明らかだと思います。これで政治の信頼回復は私はできないと思いますよ。もう一度ここを検討していただきたいというふうに思います。

 まず、性善説に立った政治改革、これには限界があります。ここを是非認識していただきたいと思います。

 そして、一つお伺いします。性善説に立てないのでここを伺いますが、例えば、政策活動費、三百万円を議員個人が受け取ったとします。そして、その中から二百万円を使用し、百万円が残りました。これも結局、本当に二百万円、政治活動に使われたのか分かりません。でも、二百万円使って、そして百万円残ったとします。この百万円に関しては、個人の確定申告の雑収入になり課税されるべき収入ですが、その認識で合っていますか。

鈴木(馨)議員 済みません、ちょっと先ほどの議論、少し混乱があったので、一つだけ訂正させて、お話をさせていただきますが、五十万円以下の話で申し上げたのは、今、現行の私どもで公開をしている使途として、そういった旅費とかそういったものが大半だったものですから、そこで、政策活動費は五十万円以下はありません。なので、そういったことで五十万円というところで線を引いていますという趣旨で申し上げました。そのことはまず最初に訂正を、こちらからお話をさせていただきたいと思います。

 その上で、今のお話でありますけれども、例えば、受け取った五百万円のうち、残った場合、これは当然雑所得として課税対象となるということであります。

 その一方で、我が党として先ほど来申し上げておりますけれども、これは渡しっ放しではなくて、きちんとそこは党内のガバナンスの中で、財務委員会の中で聞き取り、チェックをして、そこのガバナンスをしっかりしておりますので、そこで不正な使用があるということは考えられないというのが党内の状況であります。

吉田(は)委員 やはり、そもそもこれが本当に適正に使われたか確認できないのが政策活動費なんですよ。これがやはり明らかになりました。

 そして、ちょっと苦言を呈させていただきたいと思います。

 党のガバナンス、これが利いていたら、こんな裏金国会になっていないんじゃないですか。そもそも、この通常国会の中で本来行われるべき、子供たちの未来やそしてシニアの皆様の介護、医療、大事な少子高齢化の問題、ここの議論が尽くされなかった、もっと時間を割きたかった、そんな思いを今、国会議員もそして国民の皆様も持っているんだと思います。ガバナンスが利いていたらこんなことは起きていないですよ。この点は厳しく指摘させていただきたいというふうに思います。

 では、今、様々政策活動費の問題が出てきました。共同提出案の方では、こういった問題、担保されているんでしょうか。

落合議員 政策活動費はいわばブラックボックスになっていて、国民には何に使ったか分からないということで、我が党自身も二年前にやめました、透明性を高めるため。それでも支障がなかったので、我が党の今回の法案では政策活動費はやめるという内容にしています。

 政党から個人に対する寄附をまず禁止する、それから渡し切りの方法による経費の支出も禁止する。そういうことで、仮に政治家個人が政党からお金を預かったとしても、その資金を使った先から領収書を徴収して、政党が使途を収支報告書に載せて明らかにするというような仕組みにしています。

吉田(は)委員 本当に国民の目が判断するという状況が担保されているということで、本来あるべき姿だというふうに思います。

 先ほど輿水委員も御質問されましたオンライン提出に関して伺いたいと思います。

 確認なんですが、今回の案では、PDFで検索ができないという案ですよね。先ほどの答弁を伺っていましたら、この点は改善し、検索できるものにしていこうという方向であるという理解でよろしいでしょうか。

本田議員 お答えいたします。

 現在は、総務省や各都道府県選挙管理委員会のホームページにおいては、収支報告書の情報の検索に関する規定がありません。そうした中、紙による収支報告書の閲覧と同じ条件で公表するとの考えの下、PDFのファイル形式で保存された収支報告書が公表されているものと承知をしております。

 他方で、収支報告書のデジタル化に係るデータベースを構築するということは、政治資金の透明性向上という観点から有意義なものであるというように我が党としても考えているところでございます。

 そして、収支報告書のデータベースの構築につきましては、情報の検索機能をどのようなものにするか、また、各党で議論を行った上で、予算措置や技術的課題の整理などを行う必要もある、このように考えております。

 収支報告書のオンライン提出によるデジタル化を進めながら、検索可能なシステムを目指していくべきだというふうに考えておりますので、その点につきましては御指摘のとおりでございます。

 なお、自民党の案では、国会議員関係政治団体に係る収支報告書等についてオンラインによる提出を義務づけ、インターネットを利用する方法により公表しなければならないということにしておりまして、デジタル化を着実に進めてまいります。

吉田(は)委員 ありがとうございます。

 私、最初聞いたとき、びっくりしました。民間企業にとってデジタル化といったら、紙のPDF、デジタル庁がありDXを進めている政府が、政治家だけこんなPDF、紙にして、ただオンラインに載せるというのは、ちょっとあり得ないと思ったんですね。

 今、検討してくださるということだったんですが、スピードが大事です。

 皆様の配付資料を御覧いただきたいと思うんですが、国民の皆様に電子化という意味では相当負担をかけています。電子帳簿、e―Taxの確定申告、またインボイス制度、また今度はマイナ保険証と、どんどん国民の皆様にはデジタル化を進めるから理解してついてこいと言わんばかりの政策をする一方で、国会議員の収支報告書は紙のものをPDF化してオンラインに上げるだけで、検索して見ることができないというのは、国民の皆様的に何だそれはという感じだと思いますよ。

 いろいろなデータベースを何とかかんとかとおっしゃいましたが、スピード、本当に今回ここは決めていただいて、そこが一つの覚悟だと思います。国民の皆様見てください、そういう姿勢になるべきです。隠す、隠す、隠しているんじゃないか、そんなふうに見られては信頼回復は遠いと思いますので、是非御検討をお願いしたいというふうに思います。

 もう一つ伺います。

 一つやはり実態が分からないことの中に、一人の政治家がたくさんの政治団体を持っていて、一体この人は、この政治家はどんな収入があってどんな支出をしているのか、実態が分からないんですよ。一般の民間企業であれば、親会社、ホールディングカンパニーがあって、関連会社、子会社、全部一緒にその営業アクティビティーが見えます。でも、やはり政治家は分からない。

 一つの解決策として、こういった収支報告、一元化することができると思うんですが、これは検討していただけませんか。

本田議員 お答えいたします。

 自民党の改正案におきましては、国会議員関係政治団体の収支報告書の一元的な公表を義務づける規定は確かにございません。これは、やはり団体として別物であるということに基づくものでもございます。

 その上で、繰り返しになって恐縮なんですけれども、収支報告書のデジタル化に係るデータベースを構築するということは極めて重要でありまして、政治資金の透明性向上という観点から有意義なものであると考えておるところでございますので、各党の皆様と早急に議論をして、デジタル化に進めてまいりたいというふうに考えております。

吉田(は)委員 前向きな御答弁をいただき、本当にありがとうございます。進むなということを御期待申し上げます。

 今回、では、それを進めるには、共同提出の方では、その辺りはどうでしょうか。そこを修正すればいいのかなと思うんですが。

長友議員 お答えします。

 私たちの法案では、自民案にはない、検索可能なデータベースの構築及び国会議員関係政治団体に係る収支報告書の一元的公表に係る規定を盛り込んでいます。より透明性が高く、国民により監視がしやすい収支公開となります。

 以上です。

吉田(は)委員 この辺りに関しては共同提出の法案の方を是非御参考に、御採用いただけたらありがたいと思います。

 最後、もう一つ伺いたいと思います。

 やはり、今、国民の皆様は、国民に厳しく自民に甘いというこの姿勢に辟易としていると思うんです。その一つが、私、やはりちょっとここにも見つけてしまったんですね、監査に関してです。

 まず、法案では、支出、出ていくお金と、期末の残高、そして翌年に繰り越す繰越金、この確認は監査項目に入っているんですが、収入の監査は入っていますか。入っていないのであれば、なぜ収入監査を入れなかったんでしょうか。

小倉議員 まず、議員の収支報告書におきまして、収入の総額というのは、前年からの繰越額と本年の収入額を加えたもの、そこから支出の総額を引いた金額が翌年への繰越しの金額となります。

 本改正案におきましては、国会議員関係政治団体につきまして、保有する金銭について、まず、銀行等への預貯金の方法での保管を義務づけると同時に、その預貯金口座の残高の額が翌年への繰越しの金額と一致をすることを確認することにより、収入全体についても適切な政治資金監査が行われる、このように承知をしております。

吉田(は)委員 つまり、残高で収入を確認するから収入の監査は必要ないというふうに理解をしたんですが、これは駄目だと思います。入ってくるお金の監査がないから、こういう裏金の問題が出てきたわけです、不記載の問題が出てきたわけです。現金でここに置いていましたということが発生したわけです。収入の監査を入れないと、この監査は不完全であるということを私は指摘させていただきたいと思います。

 そしてもう一つ、政党自体への監査はされますか。

小倉議員 今回の私どもの立法は、本当に申し訳ないことに、派閥と言われている政策研究団体、ここでの収入、支出両面での不記載が発覚をしてしまった。また、国会議員関係政治団体におきましても収入の不記載が生じてしまった。こういったことを防ぐために、政策研究団体に関しましても外部監査を講じ、そしてまた、国会議員関係政治団体につきましては、先ほど申し上げたように、収入全体の監査を行うことにいたしました。

 したがいまして、立法事実に基づきまして今回法を作りましたということでありまして、お尋ねの政党につきましては、既に、政治資金規正法に基づく自主監査に加えまして、政党助成法において、政党交付金の使途等報告書を提出する際に、公認会計士又は監査法人が行った監査に基づき作成した監査報告書を併せて提出しなければならないとされておりまして、政党の資金に係る外部監査という意味では、既に一定の措置が講じられ、これらは適切に機能している、このように認識をしているところであります。

吉田(は)委員 今、様々御説明いただきましたけれども、本法案の中に政党自身へのやはり監査が入っていないこと。そして、収入に関してです。結局、入ってくるお金に疑義が生じていたから、今回の裏金問題が発覚し、国会を揺るがす大きな事態になってきた。入ってくるお金の監査、これは絶対に入れるべきだということを主張させていただきたいと思います。

 これは、共同提出案の方はどうなっていますでしょうか。

落合議員 まず、収入の面ですが、我々の法案では、残高の、結果の部分だけじゃなくて、そこに至る一つ一つのプロセスも、収入の面、監査をするべきだということで、収入の全てを監査事項とするということを明記をしています。

 それから、国会議員関係団体だけでなく、政党本部、それから政治資金団体、それから派閥ですね、政策研究団体等にも政治資金監査を義務づける、外部監査を義務づけるということでございます。

 ちなみに、我が党は、政党の自主監査だけではなく、外部監査も全部、今自主的に受けております。そういったものを法律で明記しようということでございます。

吉田(は)委員 まさに自らを律するべき姿、自分たちにやはり厳しくいかなければいけないと思います。収入に関して全て監査をされ、政党本部、派閥、そして政治団体、全てに第三者、外部の監査を入れていくこと、これが私も信頼回復の道だというふうに思います。

 最後、お答えになる方はどなたでも構いません、伺いたいと思います。

 今国会で裏金国会となり、今こうして政治資金規正法の改革案が出ています。もしかして来週にでもまとめられるんじゃないかとか様々なうわさが流れていますが、これは、いいかげんな議論をしたら、本当に国民の皆様からの信頼回復はできないぐらいに落ちてしまうと思います。

 改めて伺いたいんですが、今ここにいる議員ではないです、国民の皆様の顔を思い、皆様方の選挙区の方々を思い、自民党のこの法案は、胸を張って、信頼回復に足る、二度と裏金が起きない、金権政治にならないと言い切れますでしょうか。

鈴木(馨)議員 今回私どもで御提案している改正法案でありますけれども、やはり他党にはない、まさに不記載額の国庫への納付についての規定もあります。

 そういった意味で、かなり抑止力が非常に強い法案、そういったことであろうと思いますし、私どもとしては、再発防止をどう徹底をしていくのか、そういった観点をしっかり考える。同時に、どのようにして政党であったり、あるいは政治家個人が自ら立って、ある意味で何者かによって大きな影響力を受け過ぎない状況をどうつくっていくのか、そういったことをしっかりと考え、そのバランスに基づいた上での透明性の議論、この両立を図った法案であります。

 そういった意味でいえば、私どもとして、この法案をもって今回の様々な対応については万全を期すことができると考えております。

 ただ、その一方で、この委員会でも様々な審議、今行われております。私どもとしても、各党間のそういった議論、そうしたものをやはり丁寧に見させていただきながら、そういった様々なことについては丁寧に真摯に対応していきたいと思っております。

吉田(は)委員 胸を張って言えますとちょっと言ってほしかったんですけれども。でも、むしろ、今その答弁を聞いて、これは自民党案だけでは駄目なんだと、いろいろな意見を聞いていくというふうに私は捉えさせていただきました。

 今回の規正法、もし自民党、そして公明党さんも入って協議されるんだと思いますが、絶対的に本来この議論は野党主導でなければいけない議論です。私たち野党全党の意見を酌んで、そして議論していくということを是非お約束いただきたいんですが、いかがでしょうか。

石田委員長 もう時間が参っておりますので。

鈴木(馨)議員 今申し上げましたが、この委員会でも様々な議論が進められております。そういった意味では、各党間の議論、こういったものをしっかりと見させていただきながら、真摯に対応してまいりたいと思います。

吉田(は)委員 時間になりましたので、終わります。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、金村龍那君。

金村委員 日本維新の会の金村龍那でございます。教育無償化を実現する会との共同会派を代表して質疑をさせていただきます。

 まず、政治改革とは、政治のプラットフォームづくりだと考えています。そもそも、昨年末に自民党の政治と金の問題が明らかになった。それから半年間、通常国会冒頭の予算委員会、そして政倫審、さらにはこの特別委員会と、国民からすれば、ずっと政治と金の問題を議論しているというふうに映っていると思います。

 そのさなか、四月に行われた衆議院の補欠選挙、東京十五区の補欠選挙、報道で御覧になった方も多くいたと思います。あの選挙運動の在り方を見て、私は、民主主義の危機だと危機感を感じています。

 つまり、今回の政治改革の議論を通して、国民が今既存の政治に対して諦めない、もう一度期待するんだ、そういう議論の高まりをしっかりとつくっていかなければ、我々がその国民の信頼に応えていくことはできないと思っているんですね。なので、党利党略ではなくて、真摯な議論を向かい合ってやっていきたいと思いますので、今日の三十分、よろしくお願いします。

 まず初めに、旧文通費の問題を取り上げさせてください。

 そもそも、これは、前回の二一年の衆議院選挙直後に、我が党の小野泰輔議員がインターネットにこの話題を提供し、そして、二度にわたって与野党協議をし、我々維新の側からすれば、二度約束をほごにされている。本来であれば、いわゆる日割りだけではなくて、使途公開、それから残金返納と、我々で言う三点セットをしっかりと旧文通費のところで与野党で一致を見出して、そして国民にしっかりと明らかにしていかなければならないと考えているんですが、今回、自民党案に旧文通費が含まれていないのはなぜか、お答えいただけますか。

鈴木(馨)議員 今御指摘の旧文通費、すなわち調査研究広報滞在費につきましては、議員活動の在り方に関わる重要な問題として、これは、政治資金規正法ではなくて、国会法の方で規定をされているものであります。そして、従来より、場としては、衆参の議院運営委員会等の場で議論をされてきているものというふうに承知をしております。

 先ほど御指摘もありましたけれども、我が党として、これまでの各党会派の議論を行った上で、最初に御指摘ありました、例えば日割りの計算の実施であったり、あるいは旧文通費の性格の整理などについて、これは、衆参の議運、議院運営委員会におきまして議論を進め、実現をしてきたところと承知をしております。

 こうした議論を再開をするということ、そこにつきましては、御党等とも様々なやり取りが始まっていると承知をしております。

 そういった中で、我が党といたしましては、今後、旧文通費の性格の整理を踏まえた支出可能経費の確定や、あるいは先ほど御指摘ありました支出の公開の在り方等の残る課題について、各党会派間の議論に積極的に参加をしていく所存であります。

金村委員 この文通費、今週の予算委員会の集中でも、総理もしっかりお答えしておりましたので、そういう意味では、必ず取り組んでいただく。

 確かに、これまでの政治の在り方の中でいえば、文通費は、我々が議題に上げるまでは、いろいろな使い方がなされてきたんだと思うんですね。実際に、私も現職になって改めて実感しますが、政治活動に一定のお金がかかるのも当然ですし、そして、仲間同士で政策議論を闘わせる時間も、場合によってはお金がかかる時間もあるのかもしれない。確かに大変だと思うんですね。

 でも、ここまで信頼を失ったからには、この文通費もしっかりと成案を見る、いわゆる使途公開と残金返納についてもしっかりとお約束いただきたいと思いますが、もう一度お答えいただけますか。

鈴木(馨)議員 重ねて申しますが、今回、政治資金規正法の議論ということであります。そういった中で、国会法の議論ということで、これは議運等々の場ということになろうと思います。

 そういった上で、我が党として、御党とも様々な、いろいろなやり取りが始まっている状況の中で、各党会派の議論に積極的にこれは参加をしていくということを申し上げたいと思います。

金村委員 是非、この旧文通費、今国会で実現することを期待しております。

 その上で、いわゆる政策活動費について質疑をしてまいりたいと思います。

 昨日、今日と、我が党の青柳委員もそうですし、他の会派の委員の質疑にもお答えになっていますが、領収書の保管と公開、私は、ここがやはり一番必要なんだと思っているんですね。つまり、情報公開を徹底して、国民の信頼をしっかりとかち取っていく。

 そもそも、信頼をいただいている状態から更に信頼をいただこうというわけではなくて、信頼を失ったからにはやはり一から出直すという意味では、これはやはり、保管と公開、私は必ずやるべきだと思うんですけれども、これはやった方が国民の信頼を得るんじゃないかというお考え、自民党案の中にはそういうお考えというのは全くなかったのかどうか。

 それから、今回、使途を項目ごとに記載するとありますが、いわゆる政党の収支報告書に対する記載方法というのは何ら変わりがないのか、教えてください。

勝目議員 お答え申し上げます。

 これまでも御答弁しておりますとおり、我が党において、政策活動費というのは、使途が党勢拡大と政策立案と調査研究、これに充てるわけですが、これを党に代わって行うために、党の役職者に職責に応じて支出をしておるということでございます。

 委員御指摘のとおり、我が党におきましても、国民に対する政治資金の透明性の確保、これは重要だということ、この基本的な認識は当然持っております。

 その一方で、これもこれまでるる御答弁をしておりますとおり、その支出の中には、その支出を受ける相手側の政治活動の自由とかプライバシーとか営業上の秘密、あるいはそれぞれの政党の戦略的な方向、これが知られてはいけない相手方に知られてしまう、そういうことを考えると、やはり、全て明らかにするというのはこれも限界があるという中で、両者のバランスを取っていこうということであります。

 そうした中で、今回、我が党の改正案の中には、その支出を受けた国会議員に対しまして、支出項目ごとの使途について会計責任者への通知、これを義務づけております。政党としては、それに基づいて、項目ごとの使途について、収支報告書において記載をするということになっておるわけであります。

 収支報告書に記載をするということは、罰則をもってその正確性が担保される、こういう法的性質があるわけですから、その意味におきまして、従前とはその記載方法、取扱いというのは異なるということになります。

 そして、こういう性質の収支報告書に記載をすることによりまして、党においてよりチェック機能が発揮をされ、そして、先ほど申し上げました三つの支出目的、これが本当にしっかり果たされているのかということ、この達成に資するよう、不断の見直しが図られるようになるんだというふうに考えております。

金村委員 公開しない理由というのは当然幾らでもつくることは可能ですし、確かにおっしゃるとおり、秘匿性の高いものというのは一定数あると思います。ただ、秘匿性の高いものがあるからやはりできないんだという、十、ゼロみたいな話はやはり信頼につながらないと思いますので、少しまだ続けたいと思います。

 その上で、我が党の案では、いわゆる渡し切りのところ、それを我々は支出の特例とか寄附の特例と呼んでいるんですが、この特例の部分ですね。いわゆる、ちょっと一例に出すと大変恐縮ですけれども、自民党の幹事長に一定の支出をして、その支出された金額が、何に使ったのかというのは収支報告に記載するというのが多分御党の案で、プラス、五十万円以下については公開する必要がないというのが今回のたてつけだと思うんですけれども、この入口の部分、自民党幹事長が支出をするというところは、今のいわゆる政策活動費と何ら変わりはないということでよろしいですか。

勝目議員 お答え申し上げます。

 その支出を受けた党の役職者が、まさにその先、使途、目的に従って支出をするわけでありますけれども、まさにその支出をした後、収支報告に、目的ごと、項目ごとの使途というものを明らかにするわけであります。

 罰則をもって正確性が担保されるということは、そこから党のガバナンスのメカニズムが働くその端緒になっていくということでありますので、そうした中で、その支出目的が果たされるような、そういう不断の見直しが図られるということ、そのように考えておるところであります。

金村委員 この渡し切りの部分をなくすことは、議論の余地はなかったんですかね。つまり、別に直接支出してもいいわけですね、政策活動費として。議員個人に渡った後にどこに何をどう使うかということをしなくても、例えば、幹事長室なら幹事長室として支出をしていけばいいのに、なぜそこをしっかり議論しなかったのかというのは、私は、維新側から見ると、不十分極まりないと思います。

 その上で、今回、自民党案には通知というものが入っていました。いわゆる、これも一例を出すと、自民党幹事長が会計責任者に通知をする、通知を受けた会計責任者が収支報告書に記載をする。この通知の部分を怠った際の罰則規定とかはございますか。

勝目議員 お答えを申し上げます。

 この政策活動費、党の役職者が党に代わって三つの目的のために支出をされるわけでありまして、これは党の会計責任者に通知をする、こういう義務づけをしておるわけですが、党の方、そして党の役職者、支出を受ける方双方において、これは相応の注意を払うことを通じて、およそ通知を怠るということは想定はされないということで、罰則については設けてはおらないということであります。

 ただ、通知漏れではなくて意図的な虚偽通知、こんなものがあればどうするんだということであるとすれば、そのような事態になれば、これは厳しい政治責任が問われることになるだろうというふうに考えております。

金村委員 自民党のいわゆる政策活動費のところを見ると、えらく通知という文字が主張なさっていたものですから、通知があることによって抑止力、そして不正につながらないんだというふうに、私は、骨子案等を拝見したところ見て取れたものですから、であれば、やはり一定の罰則があってもしかるべきなんじゃないか。その後の、収支報告に記載することによる抑止力というのは当然今回で生まれてくるとは思うんですけれども、ただ、やはり入口のところをしっかり絞っていかなければ従前と何ら変わらないというふうに今の段階では考えています。

 その上で、先ほど鈴木馨祐議員からもありました、いわゆる五十万円のところですね。先ほど鈴木議員の答弁の中で、これまでの政策活動費を精査した結果、五十万円以下の使途はなかったという答弁があったと思うんですね。

 これ、何か僕はちょっと不思議だなと思ったのは、五十万円以下の使途はなかったから五十万円以下は非公開のラインを引くというのは、何か違和感ありませんか。五十万円以下の使途がないから五十万円以下の使途は明らかにしませんと。

 普通は、一般的には、先ほど来申し上げているとおり、秘匿性の高いものが一定あるんだということであれば、やはりそれなりの金額が大小様々あると思うんですね。その上で、どういう妥当性かは後ほど聞きたいんですが、五十万円というラインが引かれていると思うんですね。

 私は、自民党の皆さんを拝見していると、どちらかというとおおらかというか、そんなに緻密なものをもって金額の妥当性というのは出ていないんじゃないかなと思っているんですね。それは、政治資金パーティーの上限も、二十万から十万、まあ半分でいいだろうみたいな、感覚的なものだと思うんですね。

 では、今回の五十万というのはどういうものなのかと想像していくと、実は、政策活動費は、当然、幹事長に支出をして、幹事長から様々な使途に向けてお金を使ってきた歴史というのはあると思うんですけれども、加えて、多分、党としても、随意契約じゃないし、業務委託でもないですけれども、一定の契約者数がもう既に存在していて、それを明らかにしていくことを拒むかのような金額のラインが五十万円なんじゃないかなと推察するんですね。

 だから、五十万円以下の使途がなかったというのは、私は、ちょっと答弁の間違いじゃないかなと思っているんですけれども、改めて、この五十万円のラインについて教えていただけますか。

鈴木(馨)議員 若干、先ほど、混乱があるといけません、また再答弁をさせていただきたいと思いますが、まず、我が党の政策活動費、これは、党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うためということで、党の役職者、まさに職責に応じて支出をされているというところであります。

 そういったことで、これまで、実際、それなりの額になっている、これは我々も公開をしておりますので、それを御覧いただければと思うんですが、そういった中で、過去の我が党の政策活動費という項目での支出額に照らすと、少なくとも五十万円以下という支出は政策活動費という項目ではなかった、これは実際のところであります。

 その上で、五十万円以下に占める個人に対する支出については、先ほど申し上げましたけれども、政策活動費に該当しない経費、これは、旅費であったり、様々、そういったところもありますけれども、こういったところが全てでありました。

 そういったところを考えると、五十万円以下ということも政策活動費の対象とすると、性格の異なる、今回、恐らく皆さんが思われている政策活動費というもの以外のところまで、全てそこは政策活動費としての記載ということになってしまいます。

 というのは、政策活動費というのは、法令上、定義がないんですね。恐らく、これは、各党で、例えば我が党であれば、税財源ではないところ、政党助成金ではないところでこれまで支出していますが、それは違う党もあります。

 そういった中で、違いがそれぞれある中でありますので、政策活動費というのをどう定義をするのか。その場合には、政党から個人に対する支出という定義をせざるを得ない。その中で、政策活動費と言われるものの対象というのは、額でしか切ることはできませんよね。その額で切った場合には、旅費であったりとか様々な諸経費、こういった雑費というもの、こういったものも含めて全てが政策活動費、これはどの党も含めてですけれども、になってしまいます。

 果たして、運用上、それがふさわしいのか、なじむのか、そういった議論の結果としての五十万円という線引きということでありますので、その旨説明をさせていただきたいと思います。

金村委員 何か、聞きようによっては、全部出しませんよというふうに聞こえてしまいますので、ちょっと私の理解不足だったのかもしれませんが。

 自民党のいわゆる政策活動費の部分においても、経常経費を除くという文言も入っていますので、経常経費のことは、五十万円とは全く僕は別の議論だと思うんですね。だから、なぜこのラインが五十万円だったのかというのは、やはり妥当性が必要だと思いますので、結局、五十万円というラインが引かれれば、それ以下の支出については一切公開する必要がない、収支報告にも記載する必要がないという金額だと思いますので、そこは丁寧な議論が必要だと思います。

 その上で、私は、秘匿性の高い支出であっても、最終最後は国民に明らかにしていかなければならないと考えています。それが我が党で言う特定支出に当たると考えています。一定のかさを決めて、そして、我々は、維新案については、十年後の使途公開を法案化しておりますが、自民党案においても、十年が妥当なのかどうかというのは皆さんのお考えもあると思いますけれども、どこかの期限を区切って明らかにしていくという考え方はおありではありませんか。

勝目議員 お答えを申し上げます。

 御指摘のような仕組みにつきましては、今回、公表になかなかなじまないなということで申し上げている、憲法に由来する政治活動の自由であるとか、営業上の秘密、プライバシーといった価値もそうでありますし、また、特定の外国等に各党の戦略的な方向性、これが明らかになるということ、こういったことを理由に、公表にはなかなかやはりなじまないものもあるなということで、今回のような取扱いにしておるわけであります。

 という中で、御指摘の御党の仕組みというものについては、慎重にその是非を判断すべきかなというふうに考えております。

金村委員 やはり、歴史は後世に委ねる、しっかり明らかにした後の当事者によってその判断を仰いでいくという考え方も私は必要だと思います。

 あと、極めて日本が特異なのは、ほぼ政権交代がない。言っちゃえば、自民党が一九五五年に結党して以来、ほぼ六十年以上にわたって政権与党であり続けているわけですね。これは、確かに、欧米とか、ドイツ、フランスとか、そうやって海外の世界各国を見ても、そういう国というのは極めてまれなわけですね。

 そうすると、どうしても政党の位置づけがやはりすごく重たくというか、大きくなっていくはずなんですね。決して、国会より上位にあるとか、行政府より上位にあるとまでは思いませんが、政党の価値が極めて重くなってきている。そういう意味では、政党そのものがブラックボックスになっていくことが日本の議会制民主主義にとっては不健全なんじゃないかということは一つ指摘をさせていただきます。

 その上で、企業・団体献金に移りたいと思います。

 先ほど申し上げたとおり、日本の政党政治というのは極めてまれで、自民党を中心として時代を紡いできたと認識しています。その上で、やはり、自民党が政権与党の期間が長ければ長いほど、企業・団体献金も癒着の構造につながってしまうんじゃないか、だから企業・団体献金を廃止すべきだというのが我が党の考え方です。

 その上で、今回、残念ながら自民党案には盛り込まれていませんけれども、企業・団体献金を例えば抑制していくというのも一つの考え方なんですね。

 例えば、今、御党、自民党は、いわゆる政党支部をつくり放題なんですね。多分、東京であれば、五百以上政党支部が存在しているんですね。じゃ、ほかの政党はどうかといえば、二十や三十程度ですよ。つまり、政党支部の数に上限を設けることで企業・団体献金を一定程度抑制していく。加えて、御党が企業・団体献金を推進している裏で、個人献金が全く定着していかない、これはどっちかに限られますから。

 だから、やはり、自民党自身がある程度自重するべきこの企業・団体献金のところで、我が党はあくまでも廃止の方針ですが、あえて言わせていただければ、政党支部の上限を設ける、どうですか。

    〔委員長退席、平口委員長代理着席〕

鈴木(馨)議員 御趣旨ということでいうと、御趣旨は理解しますが、その一方で、政党がその支部をどのように構成をするのか、あるいは、財政面も含めて政治活動をどのような形で展開するのかということは、やはりこれは組織の基本原則に関わることでありますので、政党の自主的な判断によるべきものと考えております。

 その上で、国民政党である我が党としては、様々な地域において精力的に政治活動を行う、それはやはり、様々な方の声を聞くという、これはいろいろな、縦横様々あると思いますが、そういった形で丁寧にきめ細かく聞いていくということでの重要性を踏まえれば、国民の期待に応える政党の体制ということで、その判断はそれぞれの各党に委ねられるのかなと思っております。

金村委員 さすがに、三十年前の議論で、政党支部を地方議員も含めて一人一支部なんというのは、ほとんど議論されていなかったと思うんですね。こういうところに、やはり細部に宿るわけですよ。じゃ、政党支部に上限を設けよう、国会議員の政党支部に限ろう、その政党支部の中で地方議員も含めてしっかりと活躍していく。御党は地方議員も多いですから、そういう意味では、ガバナンス上、一人一支部を渡した方がフリーに動ける分いいのかもしれませんけれども、しかし、それがある種温床になっていることは間違いありませんので、政党支部に上限を設けるという議論も一つ検討いただきたいと思います。

 その上で、一つ、政治資金パーティーについてお伺いさせてください。

 我々は、政治資金パーティーそのものは継続していく、しかし、購入者について制限を設けていく。つまり、企業や団体に対しては今後いわゆる販売を控えよう、個人の皆さんに購入してもらって政治資金パーティーを継続していこうという考え方です。

 先ほども少し申し上げましたが、自民党案では、公開基準が十万円になっています。パーティーを継続していくならば、企業・団体献金と同様に、購入者に制限をかけていくのも癒着構造を脱する一つなんじゃないかなと考えています。つまり、企業・団体献金は、当然、公共事業や地方公共団体の補助金を受けている企業は献金することができません。ただ、政治資金パーティーは、今の段階ですと、二十万円までは公開を、明らかにする必要もありませんし、購入者に制限がないと思います。

 この十万円の公開基準と購入者に制限を置いていく考え方についてどのような見解をお持ちか、お答えください。

鈴木(馨)議員 十万円という基準、繰り返し申し上げていますけれども、やはり、どのようにしてそれぞれの政治家が自ら資金基盤という意味でもきれいに立っていけるのか、特定の者に依存しないことでそういった癒着を防げるのか、こういった観点は極めて大事であり、同時に、対価性ということも考えれば、やはり適正な基準ということで、十万円ということで我々としては考えているところであります。

 その一方で、今もおっしゃいました、購入者の制限ですね。やはり、政治資金の透明化、これは極めて大事なことでありますし、言ってみれば、癒着を防いでいく、そういったことも含めて、極めて大事な観点だと思っております。

 そういったことでいえば、こうした点も踏まえて、パーティーの購入者制限、これは寄附の制限の事例もありますけれども、どのような対応というものが実際可能なのか、そこについては、この委員会の場も含めて議論を深めていければと思っております。

    〔平口委員長代理退席、委員長着席〕

金村委員 政治に一定程度、政治活動も含めて、やはり政治資金が必要なことは当然ですし、逆に言えば、国民の側からすれば、政治に参加する一つ、一助でもあるわけです。

 ただ、やはりこれだけ長年にわたって政権与党であり続けると、どうしても、国民の目から見れば、癒着、利権、金権というものを疑わざるを得ない。この特別委員会がそもそも開かれているのも、そういう事情であります。是非そういった、我々からすると本丸に切り込みたいんですが、そこが御党の中で議論が煮詰まらないのであれば、やはりそれを少しでも自重していく姿勢を国民に示していく必要があると思います。

 その上で、最後に立憲案提出者に質問させてください。

 私が尊敬する城島光力にこういうお話をいただきました。野党は大変なんだ、何が大変かというと、行政監視と国民から期待される政治、これを両方実現しなければならない。

 これだけ政治そのものに信頼が失墜している中で、もはや御党の言われるイコールフッティングのような段階ではない、本気で国民に向き合わなければならないと私は考えています。

 その上で、今回、御党がいわゆるパーティーを禁止するという法案を提出しています。この法案が成立しなくともそれを実施するのかどうか、党内としてですね。

 また、これは、御党の地方議員は多分怒っていると思いますね、どうやって政治資金を獲得していくんだと。つまり、政党交付金を受けられる国政政党のみが、政党としてある程度の裁量を持って政治活動をしていくことにしかならないわけですね、いまだに個人献金の額はさすがにそんなに増えていないわけですから。

 やはり、確かに、政治資金パーティー禁止というのは、瞬間的には、おお、いいことを言うなとみんな思うわけですよ。けれども、持続可能性が危うければ、やはりそこは、しっかりと出直すべきところは出直す。その上で法案を出されたわけですから、私は、野党第一党の本気の答弁をいただきたいと思います。

本庄議員 お答え申し上げます。

 本気だからこそ、こういった現実的な法案を提出しています。

 まず、我々がイコールフッティングだと申し上げているのは、まさに政治資金の今の財政状況、ありますよね。先ほども自民党や公明党の委員からもありました、我が党の幹部がこれだけ集めているじゃないかみたいな話がありましたよね。それは、今のルールに基づいて、企業や団体のパーティー券購入だとか、政党支部への寄附が認められているという前提で適正にやっていることです。

 ただ、我々は、我々自身の問題ではないけれども、今回、自民党の裏金問題に端を発して、こういった金の集め方に国民の不信が非常に高まっているという中で、個人献金を中心としたお金の集め方に変えていこう、こういうふうに考え方を変えたわけです。逆に言えば、我々だって厳しいし、痛いんですよ。だけれども、やろうじゃないか、こういう提案をしているわけです。

 維新の皆さんは、方向性は一緒だと思うんですね。パーティーも、個人に限るというふうな御提案だと理解しています。これは逆に言えば、個人献金に置き換えても、恐らく財政構造はそんなに変わらないと思います。是非、御理解、御賛同いただくとともに、公明党の皆さんにも、政治改革に対して共に闘っていただくようお願い申し上げます。

金村委員 つまり、やるというふうに私は理解をいたしましたので、是非、共に切磋琢磨していきましょう。

 それでは、時間になりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

石田委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 自民党案提出者の鈴木議員にお尋ねをいたします。

 五月二十六日号のしんぶん赤旗日曜版は、鈴木議員が代表を務める政党支部に政治資金規正法違反の疑いがあることを報道しております。

 鈴木議員が代表の自民党神奈川県第七選挙区支部の二〇二一年の収支報告書において、全日本不動産政治連盟神奈川県本部からの二十万円とか、神奈川県歯科医師連盟からの十万円など、計六件、合計六十六万円の寄附収入を記載をしていなかったということですが、これは事実でしょうか。

鈴木(馨)議員 今御指摘の件につきましては、ちょうど二〇二一年の総選挙の時期であろうと思いますけれども、団体から受けた寄附につきまして記載が漏れていた、これは事実でございます。当時の資金担当者が、私どもの実際の実務の担当者が替わったというタイミングにおいてそういったミスがございました。

 その点は深くおわびを申し上げますとともに、御指摘を踏まえまして更に精査をいたしました結果、ほかに二件ございましたので、合計八件について、この点については記載を訂正をしてございます。

 これは私どもの事務所のミスでございますので、改めておわびを申し上げたいと思います。

塩川委員 六件に加えて二件の計八件ということで記載が漏れていたということ、これらは政治資金規正法違反ということに当然なったわけですね。

鈴木(馨)議員 そういった意味でいうと、今回の記載すべきものが適切に記載されていなかったということで、訂正をする前の状況は不適切な状況であったと思います。

塩川委員 政治資金規正法の法案の提出者がこのように、不適切と言いましたけれども、政治資金規正法違反の行為を行っていた。これは、そもそもこの規正法の法案を出す資格がないということじゃありませんか。

鈴木(馨)議員 今申し上げておりますように、この点は本当におわびをするよりほかない状況であります。

 まさに、こうしたある意味での訂正を要するそういった状況、これは、与野党を通じて多くの方にも正直あることも事実であります。まさに、そうした中で、どのようにして政治資金というものをきちんと正しく報告書に載せるという規制をしていくのか。そのことはやはり、今回の法改正を通じて、そういった意味では、まさにそうした抑止をどう働かせていくのか、そういったことも大事だと思っておりますし、そのことは、私の経験も踏まえて、しっかりとした建設的な議論を行っていきたいと思っております。

塩川委員 鈴木議員に関わっては、鈴木議員が所属をする志公会、麻生派では、所属議員が派閥の政治資金パーティー券の販売ノルマを持ち、ノルマを超えて販売した場合にはその分のパーティー券代をキックバックをする、還付をする、そういう仕組みがあると承知をしております。

 そういう点では、政治資金規正法に違反する不記載の問題だけではなくて、このキックバック、今問題となっている裏金に関わるような問題について麻生派、志公会がどうかということを問うところですけれども、そこで、麻生派における派閥パーティーにおけるいわゆるノルマ額は幾らなんでしょうか。キックバック、還付の額というのは幾らだったのか、この点について鈴木議員にお答えいただきたい。

鈴木(馨)議員 私どもは、麻生派と言われる、政治団体としては志公会ということになりますけれども、この団体におきましては、派閥の政経セミナーのパーティー券、政治資金パーティー券についての目標額というものを設定してございました。そして、それを超えた部分について派閥から寄附を受けるという形、これは記載をしてございますので、そういった意味では、今の法制度の中で合法な形で処理をしているものであります。

 今、いわゆる目標額、ノルマが幾らかということでありますけれども、そこは派閥の運営に関わることでありまして、私もそのことは厳格に知らない状況でありますので、そこはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、受けた寄附ということで申し上げれば、私どもの政治団体において収入が記載され、さらには、相手方の志公会においても支出が記載をされているものについては、この寄附額、今、要は我々としてアクセスできるものについて申し上げれば、二〇一八年で九十四万円、二〇一九年で二十二万円、二〇二〇年で百五十八万円、二〇二一年で百二十六万円、そして二〇二二年で八十六万円、以上が、派閥、政策集団から受けた寄附でございます。

塩川委員 キックバックの額について、二〇一八年から二二年の五年間の説明をもらいました。

 このノルマ額についてなんですけれども、派閥の運営に関わることなので承知していない、知らないというのはよく分からない説明なんですが、鈴木議員御本人のノルマ額が幾らかというのを聞いているんです。

鈴木(馨)議員 そこにつきましては、派閥の運営者というか、そういった立場に私もないものですから、その当時の目標額が幾らだったのか、そういったことは、私としてちょっと責任を持ってお答えできる状況にはございません。

 そういった意味でいうと、私として把握ができるのは、団体上の寄附額、これは法律に基づいて処理をしているものでありますので、そこについては明確に御答弁できますけれども、派閥サイドの目標額が幾らだったのか、そこについては、私として責任を持ってお答えできる立場にはございません。

塩川委員 自分のノルマですよ。だって、そのノルマを超えたら今言ったようなキックバックの額が出てくるわけですから、当然ノルマ額は承知しておられるわけで、何で説明できないんですか。林官房長官だって答えましたよ、岸田派ですけれども、二百万円とかと答えているじゃないですか。もちろん、安倍派あるいは二階派の幹部どころなども答えておりますけれども、これは別に、何か明かせないような秘密という話ではそもそもないわけで、正直に答えてもらえればいいと思うんですが。

鈴木(馨)議員 この点については、明かせないとかそういう話ではなくて、恐らく当時の運用として目標額というものがあって、それを超えたものは寄附を受けているというふうに承知していますけれども、総額幾ら売り上げたのか、そこは派閥の方での管理ということに当方はなっていますので、そこで、そのとき、毎年毎年が幾らだったのか、そこについて私も今定かでは正直ない状況ですので、そこについては、今、私の立場で、我が派の目標額が幾らだったのかということをお答えすることができない状況であります。

塩川委員 鈴木議員本人のでいいんですよ。鈴木議員としてノルマは幾らだったのかということなんですが。

鈴木(馨)議員 正直、そこは、当方の様々なそういった資金を担当しているスタッフに聞いても、そこは記録を残しているわけではないものですから。その場で、要は、我が方としては振り込み先が派閥になっています。そういった中で、その目標額を超えた分について返ってきているという状況ですので、私どもとして把握ができるのはその超えた分ということは御理解いただきたいと思います。

塩川委員 だって、目標額があると言ったじゃないですか。当然、各議員は知っているわけですよ。そういうことについて、知らないという話は通らないじゃないですか。どう考えたっておかしいですよ。はっきりと答えてもらいたい。

 そもそも、裏金の問題が問われているときに、パーティー収入に関わって、当然ノルマがあって、それを超えた分がキックバックになる、それを収支報告書に書いていない、裏金になっているというこの事件なんですから、麻生派がどうだったのかというのを明らかにする上でも、全体についていろいろ、幹部じゃない立場で言えないとかというのは、それも容認できないけれども、少なくとも自分の額は分かるわけだから、それははっきり答えていただきたい。

鈴木(馨)議員 正直、これは別に隠したいとかなんとかじゃなくて、毎年毎年は恐らく変わっていたんだと思います。なので、そういった意味でいうと、毎年の分というものを今正確に把握ができないのでというのが今の現状であります。

塩川委員 去年の額とかは分かるでしょうが、事前に聞いているわけだから、質問通告もしているんだから。その確認をしなかったということなんですか。

鈴木(馨)議員 そういったことで申し上げると、当方の事務所でそういった目標額についての記録がなかったというのが状況ですので、そこは必要があればまた調べてということになろうかと思いますが、そこについては、今、現状、私として把握をしておりません。

塩川委員 はっきり答えていただきたいので、この後でもいいから、ちょっと電話一本入れて確認してもらいたい。是非はっきりさせていただきたい。

 このことを強く求めると同時に、小倉さんは幾らですか。

小倉議員 私が所属をしておりましたのは、志帥会と言われる政策集団でございます。この政策集団につきましても、目安というふうに言っていたようでありますけれども、派閥のパーティー券の目安を設定をして、それを超えた部分について政策集団が国会議員の政治団体に寄附する、こういう運用を行っていたと承知をしております。

 そういった中で、私に対する志帥会からのこうした寄附につきまして、昨晩、委員から通告を受けまして、夜、急ぎ、事務所で確認しておりましたので、手元の数字ということで御容赦いただきたいと思いますが、平成三十年三十四万円、令和元年六十八万円、令和二年八万円、令和三年四十四万円、令和四年四十二万円となっておりますけれども、支出面、収入面のいずれにおきましても、資金のやり取りは全て収支報告書に記載されておりますので、政治資金規正法上何らの問題もなく、法令にのっとって適正に処理しているもの、このように認識しております。

塩川委員 キックバックの額はそういうことなんでしょうけれども、ノルマは幾らですか。

小倉議員 これも鈴木議員と似たような答えになってしまいますけれども、この目安につきましては、正確なところを理解しているのはやはり派閥の事務局でございます。私としては、なかなか、この目安につきまして責任を持って正確にお答えすることは難しいのではないかと考えておりますし、私の派閥は解散しておりまして、事務局もございませんので。笑い事ではないと思いますけれども、そういう意味では、確認をすることはなかなか難しいのではないかと思います。

塩川委員 こんな去年行ったようなパーティーのノルマ額さえ答えられないような、こんな人が答弁者になっているということ、信じられないですよ。規正法の議論じゃないですか。そういった点でも、本当に無責任だと言わざるを得ない。

 戻りますけれども、鈴木議員について、ノルマ額を言わないということ自身も許されないところですけれども、キックバックの額の話がありました。これは、もちろん、志公会側についての収支報告書でその金額も記録をされているわけですけれども、他方、二〇一七年以前の収支報告書ですね、ですから、二〇一八年から先ほど答えていただいたんですが、このキックバックに相当する金額の記載が見当たらないんです。ですから、このような、二〇一七年の鈴木議員の日本国家戦略フォーラム二〇二五を見ましても、二〇一七年にキックバックの記載がないんですよね。

 この点について麻生派の関係者は、志公会の前身の為公会では、所属議員がノルマを超えて販売したパーティー券のキックバックは裏金で渡していた、派閥の例会で、名前を呼ばれた議員が別室に入ると、派閥幹部がキックバック分の現金が入った茶封筒を手渡したと証言をしているということであります。

 麻生派においても、二〇一七年までは、派閥パーティーにおけるキックバックを裏金として渡していたのではないんですか。当事者としてお答えください。

鈴木(馨)議員 正直、そこの、二〇一七年以前については、報告書等々も含めて保存がないということもありまして、私として、状況、これは正直、申し上げられる状況ではないですし、恐らくそういったことはないと私自身の記憶では思っております。

塩川委員 収支報告書上は、二〇一七年までのところについてはキックバック額がないんですよ。二〇一八年から二二年は先ほどお答えになったようなキックバックの額が書かれているということになると、二〇一七年まではキックバックを裏金にしていたんじゃないのかということが、為公会側の収支報告書でもそのことが見て取れるということです。

 麻生派、以前の為公会は、山東派の番町政策研究所などと合流をし志公会となった後の二〇一八年分から、キックバックの収支を派閥側、議員側共に政治資金収支報告書に記載し始めたのではないかと見られるわけであります。

 そういう点では、同じ麻生派の井上信治議員については、志公会の、派閥側の二〇一八年の収支報告書においては、派閥から井上議員側に四百五十八万円の寄附がありましたが、井上氏側の収支報告書にはその記載がなかったわけであります。ですから、二〇一七年まで続いた裏金の伝統を引き継いで、井上氏側は不記載のままにしていたんじゃないのかということが問われるわけであります。

 安倍派、二階派、岸田派の裏金が規正法違反で立件されましたが、違法行為を行っていたという点では、麻生派も五十歩百歩なんじゃないでしょうか。このような自らの派閥である麻生派の裏金疑惑について、調査、検証し、国民の前に明らかにすべきではありませんか。

鈴木(馨)議員 私が所属をしておりました、かつて存在をした為公会でありますけれども、私の知る限り、適法に様々な処理をしていたと承知をしております。政治資金規正法上のとおりに処理をしているというふうに承知をしております。

 その上で、派閥の運営、あるいはその当時の状況について、私として、責任がある事務局等の立場でもございませんので、その点についてはお答えをできないということは御理解いただきたいと思います。

塩川委員 岸田総理は、法律上の責任以外にも、政治家として、説明責任、政治責任、そして道義的責任があるんだと言っているわけであります。この過去分についても、しっかりと調べることが誠意ある態度ではないでしょうか。麻生派の裏金疑惑についてまともに調べようともしないのでは、裏金問題の抜本的な解決策を行えるはずがないということを指摘せざるを得ません。

 そもそも派閥の政治資金パーティーでは、議員に対する巨額のノルマ額が明らかになりました。安倍派では、事務総長の松野議員、高木議員は五百四十万円、会長代理の塩谷議員、下村議員は七百五十万円、二階派事務総長の武田議員は二千万円ということであります。

 ノルマが増える派閥の幹部になるほど、多数購入してもらうために、結果として、企業への依存、癒着を深めることになっているんじゃありませんか。

鈴木(馨)議員 今回の政治資金規正法改正の問題、これは、これまでも議論、様々ありますけれども、やはり特定の者の影響をどう排除するのか、資金によって政策あるいは行政がゆがめられることがあってはならない、そういったことが透明度を上げていく上での一番の趣旨であろうと思います。

 そういった意味でいうと、今回のこの不記載事案、一連の我が党の一部の派閥及び所属の議員による不記載事案によって、行政プロセスであったり、あるいは政策決定過程がゆがめられた、そういった指摘は承知をしておりません。

塩川委員 派閥の政治資金パーティー収入が形を変えた企業・団体献金として問われているときに、このような企業、団体による寄附を禁止するとともに、企業、団体によるパーティー券購入も禁止するため、政治資金パーティー収入を寄附とみなす法改正を行うことを我が党は提案をしております。やはり、企業との癒着、依存を断ち切ることが必要だ、こういう仕組みともなっているような政治資金パーティーそのものの企業・団体献金に基づくゆがみこそ、正していくべきだということです。

 その点で、三十年前の政治改革は、政治と金の問題を選挙制度の問題にすり替えて小選挙区制を導入をし、政党支部への献金、政治資金パーティー券の購入という二つの抜け道をつくって、企業・団体献金を温存したわけであります。

 自民党案提出者にお尋ねしますが、このような裏金問題の解決のためには、企業・団体献金温存のこの二つの抜け道を塞ぐことが必要ではありませんか。

鈴木(馨)議員 三十年前の政治改革、まさにこれは、最初、山下委員の指摘にもありましたが、当時、贈収賄ということでスタートした議論だと承知をしております。そういった中で、やはり当時、四か月にわたって我が党の中でも議論が続けられ、政治改革大綱ということで、これは選挙区制も含めて、幅広い議論が行われたわけであります。

 その中で、政党助成金、国民の皆さんに、政治参加、そういった政治の自由ということで、ある意味、民主主義のコストということで御負担をいただく、そういった形で政党助成金、これを導入をしたところであります。

 ただ、同時に、その当時の議論としても、政治のコスト、これをどう下げていくのか、これは極めて大事なことで、それ以降も相当な取組がされ、政治資金全体のボリュームはかなり下がっている状況だと思いますが、その当時の議論でも、税金によるものに加えて、個人あるいは企業、団体、こういったところの資金の出し手という意味でも、そのバランスが必要であるということ。そして同時に、形態ということでいっても、この政党助成金に加えて、寄附、そして事業と、それぞれのバランスをしっかり取っていくということ。

 そのことをもって、先ほど来御指摘のような、政治と金の癒着であったり、あるいは、場合によっては、党に対して隷属的な議員ではなくて、そういった一極集中、上意下達の党ではなくて、これはいろいろな党がありますけれども、私どもとしては、自由民主党としては、国民政党として、そうした党に対してもしっかり物が言える、中でも闊達な議論を行うことで、そういった適切な政治決定、政策決定プロセスを経ていく、そういったことで、こうした改革を進めてきたところであります。

 要すれば、先ほど来申し上げておりますように、企業、団体についても、そこについては、政治参加の自由であったり、あるいは、そうした癒着を防ぐという意味での、幅広い、自ら立つということをつくるためにも必要なものであるというふうに我々としては判断しております。

塩川委員 元々、政治改革の議論は、リクルート事件、佐川急便事件、ゼネコン汚職、こういったやはり企業の力、企業の金で政治をゆがめる、このことが問題となったからこそ、企業・団体献金禁止の議論が大きく広がってきた。

 最近でも、秋元司議員や吉川貴盛大臣や、また秋本真利議員のように、やはり企業の金で政治をゆがめる、このことが問題となった。まさに賄賂性が問われるのが企業・団体献金だ。この抜け道を塞ぐということこそ、本当に国民が主人公となる、国民主権を保障する、国民の権利を保障する、そういった道だということを強調したい。

 その点で、リクルート事件など金権腐敗事件が相次いだ一九九三年、財界団体の経団連も、企業献金については廃止を含めて見直すべきと発表しました。政治献金のあっせんを取りやめたわけであります。しかし、あっせん中止から十年たった二〇〇三年、日本経団連は、政策や政治の在り方について積極的に発言するとともに、政党活動のコスト負担を行うべきと表明をしました。金も出すが口も出すと始めたのが、通信簿方式の献金促進策であります。

 かつての献金あっせんは、企業の資本金や利益などを勘案して作られたリストに基づいて献金額を企業ごとに割り振り、献金させるというものでした。ところが、通信簿方式の献金促進は、経団連が政党の通信簿をつけて献金のガイドラインを作り、いい成績を取った政党への献金を企業に呼びかけるというものであります。

 こうなりますと、金が欲しければいい成績を取れという露骨な政策買収の仕組みとなっているのではありませんか。お答えください。

鈴木(馨)議員 そもそも論になりますが、企業・団体献金については、企業は、憲法上の政治活動の自由の一環として、政治資金の寄附の自由を有するとの最高裁判決もある中で、そして、資本主義を旨とする我が国において、企業、団体も社会的存在として重要な立場を保持するとともに、政治活動の自由も有するとのものであります。

 先ほど御指摘ありました日本経団連については、企業・団体献金を社会貢献の一環として位置づけておりまして、傘下の企業、団体は、各政党に対する政策評価を参考に、独自の判断で自発的に政治献金を行っているものと理解をしております。そのような状況下におきましては、政党等がその量的、質的制限の範囲内でその寄附をいただくこと自体が不適切なものであるとは考えておりません。

 また、党内のプロセスにおいても、有識者を中心に様々な声も反映する中で、相当な、党内、様々な議論がある中での政策決定を行っております。そういった意味においては、そうした企業・団体献金が政策決定をゆがめているのではないか、そういった御指摘は当たらないと考えております。

塩川委員 経団連が模範解答として真っ先に取り上げていたのが、法人税など大企業の負担軽減と消費税の増税だったわけであります。それに応えるようなことがこの間行われてきた。この仕組みは今なお続いて、毎年二十四億円を自民党国政協側に献金をしております。

 昨年十二月、十倉経団連会長は、自民党への献金について、民主主義にはコストがかかる、何が問題かと開き直っているわけであります。金も出すが口も出すという賄賂政治そのもので、政治活動の自由といいながら、実際には賄賂政治の自由だということを言わざるを得ません。

 最後に、企業・団体献金とともに、もう一つ重大な政党助成金についてお尋ねをいたします。

 思想、信条の自由や政党支持の自由を侵す、憲法違反の制度であります。政党助成法施行以来、今年四月までに九千二百五十億円もの税金がばらまかれ、自民党にはその半分の四千四百五十億円が渡されております。

 このような企業・団体献金と政党助成金の二重取りが続いていることについて、自民党案の提出者はどのように受け止めておられますか。

鈴木(馨)議員 先ほども申し上げたところでありますけれども、政党助成金、これは三十年前の政治改革の結果として導入をされたものであります。

 そのときにも、やはり、企業・団体献金、そして個人献金と、そのバランスをどう取っていくのか、そういったことを通じて、ある意味、国に対しても、あるいは党に対しても、あるいは政治家としてどう自ら立っていくことができるのかということの判断で、こうしたことが行われたと承知をしております。

 なるべく広くそういった政治資金を得る、特にクリーンな形での政治資金を得るということ、まさにそのことは極めて大事なことだろうと思っております。

 そういった中においては、我が党として、政党助成金と同時に企業・団体献金、それを受け取っている。まさにそれは、国民政党として、我が党の成り立ちからいっても、それは企業、団体も含めて、あるいは国民の皆様も含めて、幅広く意見をしっかりと伺った上で政策決定を行っていく、そういった趣旨の下でこうした運用を行っているところでございます。

塩川委員 聞いているのは、企業・団体献金と政党助成金の二重取りはおかしいという国民の声にはどう答えるのかということです。もう一度。

鈴木(馨)議員 今趣旨は申し上げましたが、そういった趣旨の下で、政党に対する企業・団体献金は禁止されていないということも含めて、あるいは現行の法制度上、政党助成金が併存しているということを考えれば、二重取りという、そういった批判は当たらないと思いますし、まさにそういった、なぜ我々としてそういう運用をしているのかということは先ほどの御答弁で申し上げたとおりであります。

塩川委員 国民の声は届かないということであります。

 最後に、自民、立憲、維新の提出者にお尋ねします。

 運営資金に占める政党助成金の割合について、自民党は六四・三%、三分の二を政党助成金に依存しております。立憲民主党は七四・一%、維新の会は七二・三%であります。政党の運営資金の大半が税金という官営政党批判をどう受け止めておられますか。

鈴木(馨)議員 当然、憲法上の問題等々は生じないこと、それは先ほどの答弁で申し上げたとおりでありますけれども、同時に、国に対してもでありますし、ある意味で、党としても自ら立っていく、そういった姿勢は大事だと思っております。

 そういった中で、どのようにして広く多くの方から、これは企業、団体も含めて、個人、法人も含めて、そうした方から、そういった意味での政治資金、賛同いただいた上で寄附をいただく、あるいは事業として賛同いただく。そういったことを通じて、我々としても、広い、そうした方々からの収入というものをしっかり確保できるように、同時に、制度としてもそうした偏りがないような形にできるように、そういったことで今回法案の提出もさせていただいております。

落合議員 政党助成金の割合が高過ぎるという議論もあるということは承知をしております。国際的に見てみますと、結構公費の割合が高い国もありますので、党として、この財務状況を、どうやって収入を確保していくかという判断はなされていくものだと思います。

 なお、我々は、企業・団体献金の禁止法案の中に個人の少額の寄附をどんどん促進していくということは入れておりまして、それを目指しているところでございます。

中司議員 お答えいたします。

 政党助成金については、歴史的経緯を踏まえて考えるべきだと思います。

 一九九四年の細川政権の政治改革以前は、政党助成金制度そのものが存在していませんでした。その中で、リクルート事件や佐川急便事件などが発生をした。政治を商売にしてはならないという世論が沸騰する中で、細川内閣は、政党助成金を交付する代わりに、企業・団体献金を五年以内に見直すと宣言したわけでございます。基本的には、その際に、企業・団体献金は全面禁止としなければならなかったはずだと考えております。

 一部の企業、団体の献金により政策がゆがめられるという弊害を解消するために、国民に広く薄く、例えば毎年コーヒー一杯分の負担をお願いするということは、我が国の民主主義の発展のために意義があることと考えております。また、その趣旨を貫徹するために、企業・団体献金は禁止するべきだと考えておりますので、よろしくお願いします。

塩川委員 自民党は、企業・団体献金をもっと集めるという答弁でした。とんでもありません。

 政党助成金を受け取らず、廃止を求めてきた日本共産党として、参議院に政党助成法廃止法案も提出をしております。その実現のために力を尽くすことを述べて、質問を終わります。

石田委員長 次に、長友慎治君。

長友委員 国民民主党の長友慎治です。

 今日は、まず初めに、日本維新の会の改正案について幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、政治資金パーティーの取扱いについてですけれども、維新提出の改正案には、公開基準を、現行の一パーティー当たり二十万円超から、一パーティー当たり五万円超に引き下げることに加えまして、対価の支払いの上限額の引下げも盛り込まれております。

 政治資金パーティーの対価支払いの上限額について、現行の一パーティー当たり百五十万円から、年間当たり百万円に引き下げるという内容ですけれども、これはどのような議論があり、そしてどのような考えで年間当たり百万円に至ったのかを教えてください。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 本来、政治資金パーティーは、広く薄く草の根の支援を集める手段として、いわゆる草の根民主主義を支えるものです。しかしながら、今の政治資金パーティーは、その本来の趣旨から大きく逸脱し、パーティー券の大口購入者は企業、団体ばかりで、企業・団体献金の代替として利用されているという状況にあります。

 そこで、政治資金パーティーの仕組みについて抜本的な見直しを行い、本来の趣旨に立ち返ることが必要だと考えています。その具体策として、企業、団体によるパーティー券購入を禁止することと併せて、パーティー券購入の上限額を引き下げ、大口の購入を規制することとしたものです。

長友委員 分かりました。草の根の浄財を集めていくという立場に立って、抜本的な改革の具体案というふうに理解をしました。

 では、もう一点、日本維新の会の案で独自の改正案があります。政策活動費の特定支出制度の新設になります。新たに特定支出報告書というものを創設する狙い、さらには、特定支出報告書及び領収書は提出の十年後に公表するというふうにした狙いについて伺います。

青柳(仁)議員 お答えします。

 政党が使用するお金の中には、公平性の担保が必要な外部有識者による政策アドバイス、選挙に関する情勢調査やコンサルティングなど、支出先が公開されることで相手方の平穏が害され、また、政党間の公正な競争が確保されない分野もあるというふうに認識しております。一方で、政治活動に使用した資金については、公開して説明責任を果たし、透明性を確保する必要があると考えています。

 そこで、一定期間経過後に特定支出報告書及び領収書を公開することで、このバランスを取るということを考えております。

 なお、先ほど、我が党のこれまでの政策活動費の具体的な支出の方法について、また内容について御説明させていただきましたが、そこでも分かりますとおり、特段、公開しても政党としては問題のないものが多いというふうには考えております。

 一方で、相手方、例えばですが、政府の何かの諮問委員か何かをやられている方が野党に対して何か政策アドバイスを行っていただくような場合に、その方が、もし与党の方からの何か不利益があったりしたりするとまずいというようなケースも、こういったことは考えられるんじゃないかとは思うんです。ですから、そういったものに関しては、十年後であれば特段そういった配慮も問題ないだろう、こういう考え方であります。

長友委員 十年後というのがどういう議論の下なのかなと思っていたんですが、今の御説明で理解をいたしました。

 次に、企業・団体献金についてお聞きをしたいと思います。

 企業・団体献金の禁止の立場を明確に示されているのが立憲民主党、日本維新の会、共産党になりますけれども、企業・団体献金を禁止した場合に、政治活動を維持するために必要な経費をどのように確保するのか、立憲案の提出者、維新案の提出者に伺います。

落合議員 どのように収入を確保するかということですが、我々の企業・団体献金禁止法案では、企業、団体からの献金の禁止と併せて、個人献金に関しては控除等の拡大をしていくということを織り込んでおりますので、まず、個人献金を促進していくという措置を打っていきたいというふうに考えております。

 それから、今の状況では、政党助成金がまず国政政党はあると思います。それから、考えられるのは、党員を増やしていく、党費を増やしていくということ、こういったこともあるかと思います。それから、政党によっては様々な収入源が、収入の得方というのがありますので、そういったものを各政党が工夫をしていくということになるんだと思います。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、日本維新の会は、結党以来、企業・団体献金は受け取っておりません。ですから、企業・団体献金なしでも政党の運営ができるということをまずは立証しているものと考えております。

 また、今朝方の自民党の質疑の中で、最高裁の五十年前の判決というのがあるから、三十年前の改革、今も、企業・団体献金はできないみたいな話があったんですけれども、三十年前の議論は確かに贈収賄のものだったかもしれませんが、結果として改正したのは政治資金規正法ですから、別にその判決があったからといって、政治資金規正法の改正は可能だったわけです。企業・団体献金に網をかけることも可能だったわけです。特段そこは何の問題もないとまず考えております。

 その上で申し上げますと、個人献金をやはり拡充していくということを考えております。個人に対する、個人からのパーティー券購入によるパーティーの開催自体は、我が党は禁止はしてはおりません。それから、個人の方々が、お金を集めやすくするように、町名の最後の最後まで住所を全ての方に明かさなきゃいけない、これはやらなくてもいいのではないかということも盛り込んでおりますし、また、今、寄附金控除を受けられるのは公職の中の政令市の議員までというふうになっております。ですから、それを全ての公職に広げるということは我が党の条文の中に入れさせていただいております。

長友委員 企業・団体献金の代わりに個人献金を推進していく、そのような考えをはっきりとお示しいただきました。理解をしたところでございます。

 その上で、また立憲案提出者それから維新案提出者にお聞きをしていきたいと思うんですが、それぞれ抱えている選挙区、例えば、日本一広い選挙区で戦われる方もいらっしゃいますし、狭い、東京都内が多いですけれども、狭い選挙区を預かっていらっしゃる先生方もいるわけなんですが、広い選挙区で活動される議員は、それだけ事務所の数や秘書の数をある程度確保しないことには、選挙区全域に自分自身というか候補者自身の浸透がしづらいというのは現実問題あると思うんですね。地元の声の代弁者となるためにも、やはり各地に足を運んでいろいろな地元の声を聞いていくということをしようとしたときに、選挙区の狭い広いで若干不公平感を感じる議員もいてもおかしくないんじゃないかなというふうに思います。都市部の狭い選挙区では、事務所の数も少なくて済み、移動の経費もかかりません。

 そのような選挙区の広さの格差があっても、一律、企業・団体献金の禁止や政治資金パーティーの禁止、維新さんは政治資金パーティーは容認の立場ですけれども、行うことに対して、党内でも、みんなで一致してやろうと。中には、選挙区のことも考えると、異論も出なかったのかというふうに思うんですが、広い選挙区を抱える議員に対する配慮等について、もし立憲民主党や維新の提出者の方で見解がありましたら伺いたいと思います。

落合議員 党内の議論で異論が出なかったかということに関しては、異論はありました。その中で決めた次第でございます。

 そういった、広さとかだけでなくて、様々な事情が地域ごとに、選挙区ごとにもあるというふうに思います。それは、政党が、いろいろな支援を決めたりですとか、そういったところでカバーをしていくということが判断としてはあるかなというふうに思います。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、日本維新の会は、こういった法案を、政治改革に関する法案を提出するに当たって、提案した内容は、内規を作って実際に実行するということを行っております。

 ですから、党内の議論において、今回の案を出すに当たっては、異論ということではなく、様々な議論がありましたし、いろいろな意見がありました。落ちどころが初めから見えていたわけではない、非常に真剣な議論をお互いに行わせていただきました。

 そういった、本当に忌憚のない、価値観を懸けた議論が党内でできたということ自体が我が党の非常に強みであると私は思っておるんですけれども、その結果、当然、大きな選挙区を抱える方々からの不満といいますか、あるいは、これまでそういった形での資金を得ることを得意としていた議員からの強い反対といいますか意見もあったことは、これは事実であります。その結果、今回取りまとめたものであります。

 党内の議論はつぶさに御紹介できませんが、議員の御指摘のような様々な意見というのは党内にもあった、その上で今回出させていただいたということでございます。

長友委員 御答弁ありがとうございます。

 私自身のことで恐縮ですけれども、私自身が九州で一番広い選挙区で活動しておりまして、東京都が二個入る広さなんですね。十増十減で東京都の選挙区は三十選挙区になりました。その三十選挙区が二個入る広さを戦っている身からすると、若干もやもやするというのは正直なところなんです。正直なところなんですが、それぞれの党でも、そこはのみ込んで改革をするんだということで、野党が取り組むんだ、やるということであれば、理解をしないといけないと思っておりますが、大変な部分は大変な部分があるということをやはり共通認識として持つことも必要ではないかということで御質問をさせていただいた次第でございます。

 もう一つ伺いたいと思います。

 政治資金パーティーの禁止をすること、それから企業・団体献金の禁止をすることを既存の大きな政党だけで決めることについて少し意見が出ているかと思います。

 先日、参政党の神谷代表が記者会見でも申しておりましたけれども、次のような言葉をおっしゃっておりました。これからチャレンジして党をつくろう、大きく育てようとする側からすると、パーティーができないとか、パーティーがもしできないとなればどこからお金を集めてくればいいのかという御指摘です。既に国政政党になっているところか、一定の国会議員がいてつくる政党には政党助成金がありますけれども、何もないところから始める場合、一律、企業・団体献金の禁止、それから政治資金パーティーの禁止となると、新たな政党をつくるなというふうに聞こえるというふうな指摘があったわけなんですが、これに対する見解について、立憲民主党の法案提出者と維新の法案提出者に伺いたいと思います。

本庄議員 長友委員にお答えします。

 まず、大政党だけでこういう大事な問題を決めるという考えは私どもも持っておりません。中小、様々な政党や各議員の皆さんのお声をしっかり聞きながらやっていかなきゃいけないというふうに認識をまずしております。

 その上で、今御指摘ありましたが、まず、新たな政治団体あるいは新党をつくるときに、政党要件を満たしていなければ、今、現行法でも企業、団体の献金というのは受け取れないというふうに思います。したがって、この点については、仮に禁止にしても、新たな政治団体をつくるということに対する影響はないというふうに思います。

 ただ、パーティーについては、確かに、企業、団体が購入をするということが、私たちの法案が通ればこれはできなくなります。その点については、我々は、個人献金の普及促進というための税制の改正、具体的には、寄附金控除の拡大、それから、税制優遇を受けられる公職の範囲を、政令市、今までですが、全体に広げていく、こういったこととセットで企業、団体のパー券購入を禁止するという考えを持っております。

 これによって、新しい政治団体や新党であってもしっかりと財源を確保できるように制度面の措置をしていくということを考えております。

 以上です。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、日本維新の会は、元々、地域政党から始まった政党でありまして、最初、大阪維新の会を立ち上げたときには、そういったパーティーというのは非常に重要な資金源だったということは事実としてございます。ですので、これから新党を立ち上げるというようなときにはそういったものが一定の財源になるというのは、これは事実としてあろうかと思います。

 ただ一方で、その頃から企業・団体献金は受け取っていなかったわけですが、大切なことは、そこで企業、団体、特定の企業や団体というところに頼ってしまえば、そっちを向いた政策しか結局できなくなる。だったら、そもそも新党を立ち上げる意味はあるのかというところを問いたいと思うんですね。ですから、政策によって住民や市民から支持を得ていくと。

 先ほど来から話がありましたけれども、通信簿方式で、お金を出して口も出す、お金も出すが口も出すというような、それはもはや政治資金規正法の求める浄財ではありませんよね。そういうお金を原資に政党を立ち上げるということ自体、やはり考え直さなければならない、こういうふうに考えております。

長友委員 ありがとうございます。理解をいたしました。

 それでは、自民党の法案提出者の方々に質問をさせていただきますけれども、自民党の党員数が前年と比べて今年は三万人余り減っているというふうに報道で出ておりましたけれども、今年三月に公表した二〇二三年末の党員数は百九万千七十五人で、前年比、前年に比べると、三万三千六百八十八人減少したと。岸田総理と面会した自民党の金子恭之組織運動本部長が、党員減少の理由として、派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金の問題が表面化し、国民、党員の不信を招いたということを挙げていらっしゃいました。

 自民党に入党し、二年継続して党費を納めると総裁選で投票することができるということなんですが、その党費は、一般党員で年間四千円、家族党員で二千円、特別党員で年二万円以上というふうになっています。仮に、減少した三万三千人全員が一般党員だとすると、単純計算で一億三千万円超が消失したという計算になるかと思うんですが、金額の云々ということではなく、自民党を支持する、これまで支えていただいた党員の急激な減少の理由が、この裏金事件が要因というふうに分析をしているのであれば、やはり、今回の改正案に対する姿勢というものはもっと厳しい内容じゃなければいけないのではないかというふうに思うわけなんです。

 今回の政治資金規正法の改正案を与野党合意の下、成立させていくことが、今、自民党の法案提出者の皆様には求められているというふうに理解するのですが、与野党合意の下、成立させていくという考えがあるのかどうか、見解を伺いたいと思います。

鈴木(馨)議員 御指摘の、党員のこと、これは我が党のことでありますので、それはそれといたしまして、党員の増減というのは選挙のタイミング等々によっても影響を受けるものでありますが、当然、今回の、昨年の末からのこの事案が影響はしていると思っております。

 そういった意味でいうと、党員はもとより、国民の皆様全てにおかれましてやはり今高まっている政治不信、これをしっかりと解消していく、そのことが、我々、求められていることではないかと思います。

 そういったことで申し上げれば、昨日来申し上げておりますけれども、再発防止をどう徹底をしていくのか、あるいは、様々な、いろいろな局面から、観点から見て、適切な透明性の向上、これをどうやっていくのか、こういった観点から、与野党での幅広い御議論、この委員会でもされております。そうしたものも見させていただきながら、何としても今回のこの国会で法案の成立をしていく、そのことが一番大事だと思っております。

長友委員 党員の話を出した理由は、長く自民党に期待感を持ってきた有権者もさすがに今回はあきれ返っているのではないのかということなんですね。国民の政治と金に対する認識の厳しさが増している理由、これは地元を回っていれば分かるわけなんですね。インボイスで国民から一円単位で搾り取る一方で、自民党は政治と金の不祥事が続出しているというような状況に対する国民の皆様、有権者の皆様の反応だというふうに思うわけなんです。

 こういう状況だと、今一緒に連立を組んでいらっしゃる公明党さんも、本当に自民党と今後も連立を組むのかというような声が出てくると思うんですが、今回は、この法案の改正については、是非野党とこそ歩調を合わせてほしいなと個人的には思うわけなんですけれども、国民の信頼回復、先ほどから御答弁いただいておりますけれども、簡単ではないですよ、本当に。非常に私たち野党の国会議員としても危機感を持っているわけです。

 国民の感覚からすれば、まだまだこの改正案、自民党提出の改正案は甘いという声が多数なわけなんです。だからこそ、与野党問わず、国会での合意を形成することが必要だというふうに思うわけなんですけれども、会期末という、もう残り、国会、一か月を切って、本当にこの改正案は成立するのか、そんな不安がよぎってくるわけです。よもや今国会での改正案の成立は成らないというようなことはないというふうに言い切れるのか。そんなことをしたら、国民はもう許さないと思います。

 現在、自民党案と野党案でこれだけの開きがあるわけです。ここまで議論をしてきました。今後、どのように協議を進めて、成立を目指していくのか、この点について見解を伺います。

鈴木(馨)議員 総理も繰り返し申し上げておりますように、今回の政治資金規正法の改正案、これは、今国会、必ず成立をさせていく、そこは我々としても強い意識で共有をしているところであります。

 国会においては、この委員会もそうですし、その他の委員会もあると思います、あるいは、本会議での議論を通じて、どう意見集約をしていくのか、そういった場であります。そういった中で、今回も様々な論点、様々な議論が行われております。

 そうした中にありましては、先ほど申し上げましたように、どう再発防止を徹底していくことができるのか。我が党としても、不記載のものについては、これは過失も含めて全てのものを事実上納付をさせる、そういったかなり強力なものも含めて出しているのはそういった趣旨でありますけれども、こういった再発防止の徹底と、そして、先ほどから申し上げておりますような、透明性をどう適切に高めていくのか、まさにこの適切性の議論、こういったことを含めて、論点整理あるいは意見集約をこれからしていく必要があると思っております。

 今回、様々な議論もされておりますので、そういった議論も真摯に受け止めながら対応していきたいと思います。

長友委員 最後に、改めて自民党案について申し上げておきたいと思いますけれども、政策活動費の廃止、これは是非私はやるべきだと思います。野党案がここは一致しているわけですから、ここを一緒にやろうとならなければまとまりませんよ、この改正案。

 忘れてはいけないのが、先日、二〇一九年の参議院選挙で河井克行元法務大臣から現金を受け取った地元の広島市議の二人が、元市議の方が、二審でも有罪判決が出ました。これは実際、二〇一九年の参議院選挙の広島選挙区の買収事件では、自民党本部から河井案里氏の陣営側に、政党交付金一億二千万円を含む一億五千万円が投入されているということが分かっているわけです。

 実際、これは政策活動費として、これが選挙の買収に使われていたわけですから、そのようなことを防ぐということを決意していただいて、実行に移していかなければ、これはもう国民は絶対に納得しないと思います。

 もう一つ、あと、余計なお世話を言わせていただきますけれども、自民党の地方議員の皆様が私はかわいそうだと思います。党本部と危機感を共有できればと思って党の幹部の皆さんとの車座対話に臨んだけれども、意見交換をした結果、危機感を共有できればと思ったけれども体感できなかったというような声も上がっていますし、私の地元の自民党の自治体議員の方の中には、もうポスターを剥がしたというような方もいらっしゃるわけなんですね。

 これは余計なお世話ではあるかもしれませんが、しっかりと、自民党がまず今回の改正案に本気の姿勢で臨んでいただいて、必ず今国会会期中にまとめていくという姿勢を見せていただく、そして、残された会期の中でしっかりとまとめ上げていただくことを最後にお願いしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 有志の会の福島伸享でございます。

 私たち有志の会は、比例復活の道を捨てて選挙に臨みまして、したがって、企業・団体献金は受け取れません。政党要件を満たしていても、あえて政党にはせず、政党助成金は受け取っていません。それは、我々の仲間が本気になって政治改革をしなければこの国は駄目になるという、そうした危機感からであります。

 本委員会では、そんな変態議員たちで、二枚看板のピッチャーで臨んでおります。昨日は変化球ピッチャーでありましたけれども、今日は私はオーソドックスに球を投げたいと思います。

 四月二十六日の第一回目の委員会の意見表明で私はこう申し上げました。

 今般の自民党の派閥パーティー裏金問題に端を発した本委員会での政治改革の議論は、単に収支報告書の記載漏れや政治家を罰することができないという形式的な問題にとどまらない、戦後日本の構造的な問題にアプローチするものでなければならない。未完の平成の政治改革こそが我が国の停滞の最大の要因であることを私たち国会議員自体が強く自覚をしなければならない。

 先日の、今週月曜日の予算委員会でも、「利権、金権、業界優先政治から脱却することこそ、日本の経済構造の転換や国民生活の向上につながるという大目的を抱えた政治改革を今こそ行わなければならない」。

 この間の世論調査を見ても、国民はびほう策を求めておりません。恐らく、ここ数十年の日本の政治に対する鬱屈した思いが、今は自民党の派閥パーティーの裏金問題が出ておりますけれども、それが出ているんですね。

 昨日のテレビを見ていても、申し訳ないけれども、皆さんの答弁、あの答弁が流れると、皆さん、地元で多分かなりきついんじゃないかなと思うんですよ、切りがいいから十万円なんというやつを流されたら。それは、私のところにも、おかしいと怒りの声がメールとかで来るぐらいですから、だから、ここは政治家同士の議論ですから、是非、真摯な答弁をお願いしたいと思います。

 私は、まず、今回何のためにこの議論をやっているのかという目的を問いたいんですけれども、どうも、昨日来、自民党の答弁者からは、今回のことに対しての真摯な反省の上での実効的な再発防止が目的であると言って、私が今申し上げたような、もっと大きな、平成の政治改革の反省も含めた、日本の今の現状を踏まえた上での視点というのがないように思うんですね。

 政治資金そのものが悪ということではないとか、こんなことを自民党の人は言っちゃいけないと思うんです、そう思っていても。もっと大きな観点から政治改革に臨むべきだと思うんですけれども、自民党提案者、政治家としての答弁をお願いします。

鈴木(馨)議員 まず、今回の法改正をなぜ行わなければならないのかというところの一番の根っこになければいけないのは、やはり、私どもとして、昨年末以来、大変これは御迷惑をおかけしております、我が党の一部の派閥であったり所属の議員の不記載問題、これはやはり我々も真摯に反省をせねばならないと思いますし、おわびを申し上げなきゃいけないと思います。そこの再発防止、これはやはり一丁目一番地、我々は起こした者だからこそ、その政党だからこそ、そこは一丁目一番地だろうと思っております。どうこれを徹底的に再発をさせないのか、このことがやはり一番の根っこになければならないと思います。

 同時に、ただ、先ほど来おっしゃっておりますように、どのようにして政治の資金の問題、この問題に向き合うのかということも同時に大事だと思っております。やはり、先ほど来いろいろな議論でもありますけれども、政治資金、この三十年の改革で、かなりこれは規模ということでは小さくなってきました。当然、こうした金のかからない政治に向けての不断の努力はしなきゃいけない。

 ただ、同時に、先ほどお話もございましたが、やはり、どう国民の皆さんの意見にしっかりと向き合うことができるのか。そのために、人件費、これは、秘書、スタッフの人件費も当然必要になってきます。あるいは、そのためには、車であったり、そういった必要な経費、これも当然出てくると思います。ただ、そういった経費をなるべく少なくした上でもかかってくる経費、これをどうきちんと、癒着がないような、そういったきれいなお金でファイナンスをしていくのか、そのことが一番の原点ではないかと思います。

 政党助成金、これを、三十年前の議論で、国民の皆様方からの御負担もいただいております。ただ、同時に、これは国に対しても、あるいは党内にあっても、あるいは党という立場でも、それぞれがやはり自ら立っていく、そのことがやはり私は大事なんだろうと思います。そのためにどう広いところからきちんと資金を集めることができるのか。当然、それぞれの党の体制もあります。そういった中で、事業であったり、あるいは寄附であったり、助成金であったり、あるいは国、そして個人、法人、団体、こういったところのバランスをどうしっかり取っていくのか、そのことを我々は真摯に考えていかなくてはいけないと思います。

 まさにそうした議論を今、私どもとしては、この委員会で皆様方がされているところも拝聴しておりますし、こういったことの観点から適切な、そういった解を求めていきたい、そういう我々の考えであります。

福島委員 私はそれが矮小だと思うんですよ。そこに国とか、我々政治家がある意味国の基本的な部分を形作っているものがあるんだから、政治のシステムとか国会の在り方とか選挙制度自体がこの国の活力をどうしているかという視点が全くないから、私は、日本はこの三十年間、停滞しているんだと思います。

 済みません、時間がないので、一言、賛同するなら賛同で結構ですので、国民の答弁をお願いします。

古川(元)議員 一言と言いますけれども、ちょっと、せっかくなので。

 福島議員おっしゃるように、私は、今回の裏金事件というのはあくまできっかけにしかすぎないんだと思うんですね。この間、平成の一連の政治改革を受けて四半世紀、三十年近くたったわけなんですが、じゃ、政治に対する信頼は高まったかというと、逆に、政治不信は募り、また、政治家の質の劣化ということも言われるようになった。

 ですから、実は、この問題が起きる前から、平成の一連の政治改革、特に平成の政治改革は、いつの間にやら選挙制度を変えれば全てよくなるみたいになって、だから、選挙制度を見直そうという選挙制度の協議会も昨年一年間やりました、各会派集まって。

 ですから、今回はあくまできっかけで、今、平成のときもそうですけれども、国の内外の状況が大きく変わる中で、やはり今の政治の状況では対応できない、できていないと思われるからやはり政治に対する不信があるわけでありまして、この機会にそういう今の、まさに今も平成のときと同じように、むしろそれ以上に大きな内外の変化があって、今のこの政治の状況ではそれに対応できない、ちゃんとそれに対応できるような政治体制をどうつくっていくかということだと思います。

 そういった意味では、ちょっと長くなって恐縮ですけれども、あえて最後に一言申し上げると、私は、この間の日本の政治というのは、多くの国民から見ると、不公平、不透明、そして公私混同と思われる、ある種、これは昭和から続く古い政治だったと思うんですね。もう今、昭和も今年だと九十九年、来年は昭和百年です。もう昭和も終わって、その後の平成も終わって、令和になっているんですね。

 やはり、この令和の時代にふさわしい、公平、透明、そして公私の峻別をきちんとした、そういう新しい政治の体制を、まずはお金の問題からきちんとした上で、政党改革であるとか国会改革とか選挙制度改革、そういったところまで進めていかなきゃいけない。そうした第一歩だというふうに考えております。

福島委員 立派な答弁、ありがとうございます。

 ただ、私の持ち時間が迫っておりますので、維新の方、賛同するなら賛同するで、一言で結構でございます。

青柳(仁)議員 賛同いたします。全く同じでございます。

福島委員 私は、本来この議論を、政治家同士なんだから、時間を取って各党で、野田元総理もいらっしゃるわけですから、この議論は何のためかと最初にやらなきゃならなかったと思うんですよ。恐らくみんな、語り出したら、多く語ることはあると思うんですね。それから始めないから、何かさっきからちっちゃなちっちゃな話になっているんだと思います。

 私は、その中でやはり一丁目一番地は企業・団体献金の廃止だと思うんですよ。

 これまで総理は、様々な収入を確保することが重要とか、一企業の献金が全体の政策を左右することは現実あり得ないとか、憲法上の政治活動の自由とか、いろいろ言っていますけれども、これはほとんど論破できちゃうんですね。憲法上の政治活動の自由で、いつも五十年以上前の八幡製鉄の例を出しますけれども、あれはむしろ巨額の寄附が政治の腐敗を生むという原告側の主張を認めて、それに対応するために立法措置が必要だといって私たちにボールが投げられているわけですよ。こんなのは理由になりません。

 よく、一企業の献金が全体の政策を左右することはあり得ないと。一企業が全体の政策を、それはないですよ。一企業が憲法改正まで左右するようなことはないけれども、個別であるのは明らかなんですよ。

 鈴木議員は昨日、こう書いてあった。政策がゆがめられたとは私は承知しないと。お役所出身ですよね。財務省に九九年入省ですか。ですよね。その後、国際局とかニューヨークとかに行っていらっしゃいますけれども、私自身は、例えば電力自由化というのに取り組んでおりました。そして、原子力の立地もやっておりました。

 今ばらしますけれども、私の役割は何だったかというと、電源立地調査会という、当時の桜井新先生が会長をやっている、電源地域に補助金を配るいろいろな制度を議論する自民党の部会があって、そこに行って議事録を取ってくるんです。その後、議事録を基に課長はそれぞれの議員にA、B、Cとかと評価を下して電事連に渡すというのをやっていて、電力自由化は役所は進めていたけれども、業界は反対してなかなかできなかったという煮え湯を味わわされました。

 私は、退官する前は、構造改革特区という、各省の規制を変えるという仕事をやっておりました。最大の抵抗勢力は医師会でありまして、私はある外資系の企業のセミナーで構造改革特区の政策の説明を行いました。これは官僚の職務としてちゃんと届出手続を行った上でのものです。ただ、これは高額の会費のセミナーだったらしいんですね。私は知らないです、呼ばれて行っただけですから。

 その後、私とそのときの担当大臣だった鴻池担当大臣は東京地検に告発状を出されました。しかし、それは受理はされませんでした。役所から、私はそのときに、おまえはもう特区をやめて役所に帰って海外に留学してこいと言われたので、私はそのときに、それなら役所を辞めますと言って私は政治に出ているんです。

 政策立案に役所で携わっていたら、こういうことは日常茶飯事だと思うんですよ、部会とかに行って議員の先生からつるし上げられて。鴻池大臣と私がやっていたときに、それぞれの自民党の議員の政治資金収支報告書を全部見て、その人の後援会長はどういう人で、どういうところからお金をもらっているかとやった上で根回しに回っていましたよ、そういうのは。

 だから、もう皆さん知っているにもかかわらず、何か一つの企業で政策がゆがめられていないとかって、余りにも私は白々しいと思います。ここにいらっしゃるのは、官僚出身者の皆さんが多くいらっしゃいます。政治家になったその初心というのがあるはずなんですよ。私の初心は、さっき言ったように、やはり、政治に邪魔されて構造改革なり経済政策が進められないのを自分が政治家になって何とかしようと思ったのが私の志なんですよ。

 だから、先ほど理念をお伺いしましたけれども、もう一度、政治家を志した初心に立ち返って考えませんか。どうですか、鈴木議員。

鈴木(馨)議員 今、福島先生がおっしゃったこと、私も、そういう意味でいえば、どうこの国の構造改革を進めていくのか、それが初心でありますし、今も私はそうであります。

 そういった意味でいえば、党内でも私もさんざんいろいろな衝突も経験してきましたし、おっしゃったような現実がもしかしたら一部に残っていることもあるのかもしれません。

 しかし、その一方で、企業あるいは個人というものを、どっちがという話ではなくて、やはりそこをしっかり見極めることも大事だと思います。

 それから、当然、下心がある企業からの資金に頼ってしまえば、それは政党であれ政治家であれ、それは駄目になってしまいます。だからこそ、そこをどうきちんとそうではない形をしっかり担保するのか、私は、そこは大事だと思います。

 例えば、アメリカにおいても、個人献金ということ、これはPACを通じてでありますけれども、されている中でも、例えばカジノのオーナーの方が個人献金では前回の大統領選トップであります。果たしてそれがいい個人献金なのか。私はそうじゃないと思う。むしろ、そこは、企業であれ団体であれ、あるいは個人であれ、どのようにして、健全な資金で広いベースをしっかり得て、そして自ら立つ政治家、政党というものをつくっていけるのか、まさにそこは本質ではないかと考えております。

福島委員 ありがとうございます。

 鈴木議員の志を確認できてよかったと思います。

 総理は、二月十四日の予算委員会、私が企業・団体献金の廃止という話をしているときに、こうおっしゃいました。企業・団体献金の取扱いを変更するというのであれば、共通のルールに基づいて変更することを考えていくべきというふうに答弁いただいています。

 今の鈴木議員の答弁だったら、企業・団体献金の話はもう初めからゼロか一かではなくて、確かに我々は企業・団体献金の廃止法案を出しておりますし、私は廃止すべきだと思います。ただ、そこまでに至る道はいろいろな道があってもいいわけです。今のバランス論とかいろいろありますけれどもね。

 ただ、やはりこの委員会の中で、企業・団体献金の禁止ないしは制限については、私たち国会議員同士で腹を割って話した方がいいと思うんですけれども、それに応ずる気持ちはありますか。

鈴木(馨)議員 企業・団体献金の制限という話、先ほども御質問をどなたからかいただいたと思います。

 そういった中においては、様々なバランスの中でいろいろなこれは議論があるんだろうと思います。そういった中で、この議論についても、当委員会での様々な審議も含めて、それは我々としても真摯に受け止めながら考えていきたいと思います。

福島委員 是非、総理の答弁から離れてこの委員会でまず答弁した方がいいと思うんです、政治家同士で。

 これは最初の、第一回目のときも紹介しましたけれども、民間政治臨調の、平成の政治改革関連法案が成立したときの「政治の現状を憂うるすべての国民と政治家へ」という文書があるんです。

 政治改革は、政治と金をめぐる国民の根強い批判から出発したが、同時に、既成政治の限界に対する多くの政治家の深刻な危機感に根差すものであった。その制度の改革を目指すものであったが、運動を絶えず支えていたのは、紛れもなく、時代の閉塞を打ち破ろうとする政治家同士のきずなであり、党派を超えた連帯意識だった。そして、この政治家同士の精神のきずなこそが、政治改革が残した最大の遺産であり、古い政治の殻を打ち破り、新しい政党政治をつくり上げるために必要な条件であった。

 これは私たちに今まさに求められていることだと思いますので、是非、審議に、協議に応じていただけたらと思います。

 この問題で大分時間を取りましたが、次の問題に行きます。

 もう一点は、立憲民主党の企業・団体献金、政治資金パーティーの禁止の二法案について、私たちは、この立憲民主党の前者の企業・団体献金禁止法について議論したいと思います。

 私は、第二百八回国会に提出された衆法四八号の立憲民主党の企業・団体献金禁止、企業、団体、パーティー券購入禁止の法案は、大変よくできた、議員立法としてもすばらしい法案だと思い、その趣旨には全面的に賛成ですし、何とか成立させたいと思っております。

 とりわけ、個人からの寄附を促進するために、税額控除の対象を、税額控除、寄附を私たちにいただいてもできないんですよ、皆さんはできても、ここにいるほかの議員はできても。それを、政党に所属しない国会議員や地方議員、首長に関する資金管理団体まで広げ、かつ、小口の、一万円以下の小口献金は全額税額控除、これはすばらしい制度だと思いますね。

 これはどういう意図を持って作られたか、御説明をお願いします。

落合議員 褒めていただきまして、ありがとうございます。

 この内容で最初に提出したのは、二〇一七年、私が一期生のときに、実務責任者として、いろいろな意見もあったんですが、取りまとめさせていただいて、提出をしました。

 やはり、先ほどいい個人献金、悪い個人献金の話もありましたが、企業・団体献金は、我々は、割と悪いものが多いだろう、でも、個人献金も悪いものもあるので、やはりできるだけ細かい、少額の個人献金が増えるようにする、それから、そういった支援を受ける政治家の対象も広げていくということが必要である、それが民主主義をよくしていくことにつながるというふうに考えまして、こういった制度を組み込みました。

福島委員 ありがとうございます。

 ふるさと納税という制度がありますけれども、政党助成金というのは税金から出ていますが、その税金を払っている人は、どの党に行くかというのは決められないんですよ。ある意味、これはふるさと納税の政党版ともいうべきものであって、是非、私は、これは与野党の一致を見て成立させなきゃならないと思うんです。

 一方、理解できないのは、今回、新たに提出された政治パーティー全面禁止法案、山下議員や金村議員、そのほかの議員からもありますけれども、これは、法案の一条で、「この法律は、政治資金パーティーをめぐる現状等に鑑み、政治資金パーティーの開催の禁止について定めるものとする。」と。全く、禁止の理由が、現状に鑑みと。これは、大串議員のパーティーなどもこの現状に含まれるのか。どういう点から禁止に定めるのか、その理念、哲学を教えてください。

本庄議員 お答え申し上げます。

 現状に鑑みということで、私は何度も今、この委員会だけでも答弁をしてきておりますが、まず、政治資金パーティーというのは、寄附に比べて公開基準、量的規制が緩い、そして、事実上の企業・団体献金である、あるいは、中立公正であるべき政策決定がこれによってゆがめられている、こういう批判、指摘がかねてあったわけです。そういう中で自民党の今回の派閥の裏金問題が発覚をした。これはまさに政治資金パーティーを悪用した組織的、継続的な裏金づくりだったわけです。これがまさに、現状に鑑みですね。

 その上で、福島委員もおっしゃいましたよね、企業・団体献金廃止と。パーティー券を企業、団体が買えるということになれば、実質、企業・団体献金が残っているのと同じ状況だというふうに認識をしております。したがって、パーティーの禁止ということを決断をいたしました。(発言する者あり)

福島委員 いや、よしじゃないんですね、それはね。

 今まで出していた法案にもちゃんと、企業がパーティー券を購入するのは禁止しているんですよ。様々な、おっしゃった問題点は、本来のパーティーでないという問題だから、パーティーの制度を変えればいい問題なんですね。

 これを全面的に禁止したことによって、例えば、うちの地元ですと、農業関係の団体がパーティーとかをやっていますけれども、これも禁止なんですよ。

 これは非常に要件が厳しくて、政治パーティーの定義が、対価を徴収して行われる催物で、当該対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を政治活動に入れるようなものは全部そうですよね。例えば、私は、新年会で、二千円会費で、お弁当でやって、余ったお金は私の政治活動に使わせていただいておりますけれども、後援会で。こういうのも全部これはひっかかっちゃって、しかも、直罰規定でひっかかっちゃう規定になるんですよ。

 いろいろ何か、政治活動の自由とか憲法上の問題に配慮すると言っているけれども、これは本則には全く利かない規定なので、私は、このことがあって、しかも、パーティーを法案が成立しようとする日にやっている議員まで党幹部にいる中でやること自体が、私は、皆さんと一緒にこの国会を政治改革に向けて一緒に戦おうと思う者にとって、物すごく勢力をそがれるんですね。

 だから、そこはもうちょっと、この新法はちょっと勢いが過ぎちゃった、そんなきつい言葉で批判するつもりはないから、エネルギーは適正なパーティーを実施するという方に置いた方がいいと思うんですけれども、いかがですかね。

本庄議員 御指摘は私も理解できる部分はありますが、憲法上の問題はないという判断で今回は法案を提出をしております。

 それから、現在行っている所属議員や党幹部のパーティーについては、これは、税制優遇の措置をきちっと我々、法改正して入れながら、個人献金に移行していく、そういう前提での現状の対応だということは御理解ください。

 そして、個人によるパーティーだけが残るわけですね、企業、団体がパーティー券を購入しないとなれば。そういう件については、私は、実費でパーティーを開催をし、プラス、個人から寄附をいただくということで十分対応可能だと思います。

福島委員 いや、それはそうもならないんですよ。必ず余ったお金とかそういうのが出るんですよ。あらゆるところがひっかかっちゃうから、せっかく鈴木議員はこうやって歩み寄ってくれて、政治家同士なんだから、もうちょっと是非歩み寄っていただけたらありがたいなというふうに思います。

 一つ宿題をこなさなきゃならないんですけれども、S元衆議院議員、自民党の衆議院議員が政治資金パーティーの収入を過少申告したということに係る訴訟の裁判記録について、昨日、緒方林太郎議員が変化球として、銀座、赤坂の高級店での支出は載せにくいという趣旨の発言をしていた、これは当たり前の感覚なんですかと聞いたんですけれども、答えが昨日ありませんでした。これはいかがですか。

鈴木(馨)議員 今の件については、私が知る限り、そのようなことはないと思います。当たり前の感覚ではないと思います。

福島委員 じゃ、銀座、赤坂の高級店での支出もばんばん載せると考えてよろしいですか。

鈴木(馨)議員 そこは、それぞれの議員において適切に処理をしていると考えております。

福島委員 何か、支出の相手方のプライバシーの保護とかと総理が答弁するからそういうことを言っているのかなと思ったので、確認をさせていただきました。

 昨日来、このパーティー券十万円の問題、これが何度も何度も切り取られて、切りがいいからと言っていたけれども、私は、パーティーも個人を中心にするものでやるべきだと。

 二万円のパーティー、うちは、地元は二万円のパーティー券なんてやったら落選しちゃいますから一万円でやっていますけれども、仮に二万円でやって、個人でやるとしたら、せいぜい夫婦で来る二人なんですよ。だから五万円は妥当だと思うんですね。十万円も買う、五人で買う人って、絶対、しかも対価性があるから本来は五人来なきゃならないんですよ。でも、皆さんのパーティーは、五枚買ってもらった人が五人で来ますか。大体一人じゃないですか、来るのは。来ないんですよ、大体。対価性もないし。

 十万円なんというのは、現実のパーティーの性格からいってもおかしいのでやめた方がいいと思うんですけれども、ただ、これは、五万円だ、十万円だとバナナのたたき売りをすべきじゃなくて、私は、こうしたことは第三者がしっかり判断すべきだというふうに思うんですね。政治家同士でやると、どうしても利害が絡みます。中立的な第三者による冷静な議論に基づく提案も必要だと思っております。

 資料を出しておりますけれども、政治資金適正化委員会というのがあるんですね。何をやっているのか分からない。今日は事務局長に来てもらいました。これは、でも、これができたきっかけは、日歯連の献金事件、村岡さんが逮捕された、あれを契機に平成十九年の政治資金規正法改正でできているんです。その中の、これを定めた政治資金規正法第十九条の三十第二項で、政治資金適正化委員会は、「政治資金の収支の報告及び公開に関する重要事項について、総務大臣に建議することができる。」という規定が与えられています。

 恐らく、もうこのとき既に第三者委員会の議論がなされていて、総務省の中に政治資金適正化委員会をつくって、政治資金の公開に関する重要事項ですから、十万円以上を公開するのか五万円以上を公開するかという建議はもう政治資金適正化委員会が法律上できると思うんですけれども、いかがですか。

荒井政府参考人 お答えいたします。

 まず、委員御指摘のとおり、政治資金規正法第十九条の三十では、第一項で政治資金適正化委員会の所掌事務を規定した上で、その第二項において、「委員会は、必要があると認めるときは、政治資金の収支の報告及び公開に関する重要事項について、総務大臣に建議することができる。」と規定されております。

 当委員会としては、建議の内容については、この政治資金規正法第十九条の三十第一項に規定された委員会の所掌事務、すなわち、登録政治資金監査人に係る登録、研修、あるいは政治資金監査マニュアルの策定等を通じているものでありまして、これに係るものと認識しているところでございます。

 したがいまして、政治資金収支の公開基準といいました政治資金制度の在り方については、各政党、各政治団体の政治活動の自由と密接に関連しておりますことから、各党各会派において御議論いただくべき問題と考えております。

福島委員 ありがとうございます。

 実は荒井局長は私のヨット部の同期でありまして、彼は全日本で三位、私はまぐれで準優勝で、ずっと四年間、合宿を一緒にしていたので、今日、答弁デビューなんですよね。

 でも、私はそれは違うと思うんです、申し訳ないけれどもね、荒井君。

 そんな、第一項の業務に係ると何も書いていないんですよ、委員会は。これは、ちなみに議員立法で作ったものですから、役所は判断しづらいんですね。

 ただ、レクをずっと通じてやっていて、やはり総務大臣には報告、建議できないんですよ。

 藤井さんも同期ですね、僕らは同期ですから。

 だって、今の総務大臣は松本さん、民主党から自民党に移った人で、やはり特定の政党の政治家である大臣には、なかなか政治資金のことは言いづらいんだと思うんですね。

 今まで建議というのは何件あったんでしょうか。一言で。

荒井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げた趣旨などもありまして、所掌事務に係るものと認識して、これまで、そのような案件は特段ございませんでしたので、建議を行ったことはありません。

福島委員 そうなんですよ、ないんです。だから空文化しちゃっているんですね。だから、やはりこれは内閣の中に置いてはいけない、国会に置かなきゃならない、第三者性が強いところに置かなければならないということで、立憲、国民、そして有志の会の附則第十六条では、国会に設置する機関を定めるとしているんですけれども、その意義について、提出者、お答えください。

古川(元)議員 お答えいたします。

 政治と金の問題は何度も繰り返し起きて、そのたびに法改正して、しかし、これはやはり我々政治家がやるものですから、どうしてもそこにお手盛りや、あるいは抜け道ができたということになりました。

 平成の一連の改革でも、そのときに大きく関わった、東大の総長もやられた佐々木毅先生は、細部に悪魔が住んでいた、インタビューでもそういう発言をされておりましたけれども、やはりそこまできちんと詰めないといけないんだと思うんですね。

 ですから、そのためには、本当にこれは恥ずかしい話ですよ、我々が自分たちで自分たちを本当に規律できないということはお恥ずかしい話なんですけれども、やはり、ここまで国民の政治不信が募った以上、我々政治家、特にお金に関する部分のルールについては、そのルールを作ること、その設定は第三者に委ねる。その権限は我々はありますけれども、委ねて、そこでちゃんとルールを作ってもらって、我々はプレーヤーに徹する。そのプレーをどうしているかとアンパイアもそこにちゃんとしてもらって、問題があれば、それはいろいろな指摘をしていただく。それこそ、我々、これも一緒に提案をしています政党交付金の停止や減額、そういうこともその機関が勧告をするようなことができるようにする。

 かつて、これも与野党で原発事故調のような形で国会の下に第三者機関を置きました。我々の、いわば議院の自律権の一部を第三者機関に委託する、そこで決めたことに我々は従っていく、それがここまで失われた国民の皆さんの信頼を回復する第一歩として大事で、ですから、この国会で仮に与野党で合意ができても、それで終わりではなくて、それはそれとして取りあえず我々はやりますけれども、ちゃんと第三者機関をつくって、そこでもう一度、本当にこれでいいかどうか、抜け道がないか、甘くないか、やはりそこは第三者の目できっちりチェックしていただいて、そこで提案されたものをしっかり受け入れる。

 やはり、そこまでやって初めて私どもは国民の政治に対する信頼を回復できると思っていますので、是非、これは与野党を超えて、この第三者機関の設置を決めていただきたいというふうに強くお願いしたいと思います。

福島委員 最後に一言だけ。

 恐らく、本質的な政治改革をやればやろうとするほど、この国会で積み残しは多く出ると思うんですね。そうした論点を議論するため、私はこの第三者機関というのは非常に大事だと思っておりますし、また、この委員会も、まだまだ私、今日、用意していて議論できていない論点がいっぱいありますので、充実した審議を今後行えますことを求めまして、質疑とさせていただきます。

 ありがとうございました。

石田委員長 次回は、来る二十七日月曜日午後零時四十五分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十三分散会


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