第6号 令和7年3月12日(水曜日)
令和七年三月十二日(水曜日)午後三時三十分開議
出席委員
委員長 渡辺 周君
理事 小泉進次郎君 理事 齋藤 健君
理事 長谷川淳二君 理事 落合 貴之君
理事 後藤 祐一君 理事 櫻井 周君
理事 池下 卓君 理事 長友 慎治君
石田 真敏君 井出 庸生君
国光あやの君 小林 茂樹君
坂本竜太郎君 塩崎 彰久君
島田 智明君 中曽根康隆君
平口 洋君 広瀬 建君
福田かおる君 向山 淳君
山本 大地君 若山 慎司君
安藤じゅん子君 今井 雅人君
江田 憲司君 黒岩 宇洋君
源馬謙太郎君 篠原 孝君
松下 玲子君 馬淵 澄夫君
矢崎堅太郎君 青柳 仁士君
斎藤アレックス君 福田 玄君
森ようすけ君 中川 康洋君
山口 良治君 高井 崇志君
塩川 鉄也君 福島 伸享君
…………………………………
議員 長谷川淳二君
議員 小泉進次郎君
議員 塩崎 彰久君
議員 青柳 仁士君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 笠置 隆範君
衆議院調査局第二特別調査室長 森 源二君
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委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
山本 大地君 若山 慎司君
鎌田さゆり君 安藤じゅん子君
手塚 仁雄君 松下 玲子君
同日
辞任 補欠選任
若山 慎司君 山本 大地君
安藤じゅん子君 鎌田さゆり君
松下 玲子君 手塚 仁雄君
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三月十一日
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(青柳仁士君外一名提出、衆法第一四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(大串博志君外九名提出、第二百十六回国会衆法第一〇号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(青柳仁士君外一名提出、衆法第一四号)
政治改革に関する件(企業・団体献金の在り方)
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○渡辺委員長 これより会議を開きます。
政治改革に関する件、特に企業・団体献金の在り方について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長笠置隆範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○渡辺委員長 これより自由討議を行います。
御発言を希望される方は、挙手の上、委員長の許可を得て発言されるようお願いいたします。また、御発言の際は、所属会派及び氏名をお述べいただき、一回の御発言は、五分以内としていただきますようお願いいたします。
それでは、御発言を希望される方は、挙手をお願いいたします。
○長谷川(淳)委員 自由民主党の長谷川淳二でございます。トップバッターを務めさせていただきます。
まず、冒頭、企業・団体献金禁止法案につきましては三月末までに結論を得るということでございますが、そもそも、政党の政治活動を資金面で支えることは政治参加の手段であり、本来自由であるべきものであります。企業・団体献金についても、憲法二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められるものであり、全面禁止には到底賛同できません。
我が党は、企業・団体献金が政治活動の自由の一環として国民の不断の監視と批判の下に行われるべきことに鑑み、禁止ではなく公開との考え方に基づき、その透明性、公開性を一層強化するための具体的な方策として公開強化法案を提出いたしました。当委員会の結論として、是非とも公開強化法案に御賛同いただきたいと思います。
その上で、一昨日の意見表明では、我が党の政党支部について様々な御指摘をいただきました。それに反論させていただきたいと思います。
我が党は、党所属国会議員が約三百名、都道府県議会議員は約一千四百名、市区町村議員を含めると五千名近い議員数を擁しております。四十七都道府県の支部連合会、都道府県連の下に、衆議院、参議院の選挙区支部、比例区支部、地方選挙区支部が組織されております。また、一千七百十八市町村ごとに地域支部が組織され、平成の大合併以前の旧市町村単位できめ細かく支部を設置している地域もございます。さらに、商工分野、農林水産分野などの団体が職域支部を設置しております。
我が党は、地域をくまなく活動し、民意を酌んで政策に反映させ、党勢を拡大していくために、選挙区ごと、地域ごと、職域ごとに支部を設置しております。決して企業・団体献金の受皿とするために組織しているものではございません。七千七百の支部を組織しているのは、我が党がまさに国民政党であるからであります。このことをまず強く申し上げたいと思います。
次に、公開強化法案の対象についてでございます。
公開強化法案は、まず一階部分であります全ての政治団体の収支報告書の公開、これに加えまして昨年の臨時国会で成立しました二階部分、データベース化による検索可能な公表、これに上乗せをいたしましていわば三階部分として、合計年間一千万円を超える企業・団体献金の出し手を総務省が毎年公表するものでございます。
五・六%しか対象とならないという御指摘がございましたが、そもそも公開強化法案の対象は、多数の野党の皆さんも御賛同いただきました二階部分、すなわちデータベース化の対象となる政党本部、政治資金団体、国会議員関係政治団体を前提としております。
そこで、総務省に確認をいたしますが、収支報告書がオンライン提出されず、データベース化の対象ともなっていない政党支部への寄附について、今般の公開強化法案に基づく集計、公開を行うことは実務上可能でしょうか。確認をしたいと思います。
○笠置政府参考人 お答えします。
御指摘の集計、公表を行うためには、集計対象となる収支報告書において寄附者欄に一件でも記載されている会社等の団体があれば、その団体ごとに名寄せ、集計を行い、寄附の合計額が一千万円を超えるかどうかを確認しなければならないということになります。
そのため、総務省や都道府県の選挙管理委員会において対象としようとする団体から紙で提出された収支報告書の全てを電子データ化する作業が必要となるということでございます。
この作業には膨大な労力と時間を要することに加えまして、収支報告書に記載された内容との同一性が担保できない、例えば文字の誤字とか誤登録といったようなことも可能性としては十分あるということでございまして、同一性が担保できないものと考えており、実務上極めて困難であると考えております。
○長谷川(淳)委員 今選挙部長が答弁したとおり、実務上極めて難しいということでございます。二階部分があっての三階部分でありまして、二階部分がない上に三階部分をつくることはできないと思います。
将来に向けて政治資金の公開性を更に高めていく努力をすることは当然だと思いますけれども、大事なことは、収支公開の実務を担っている総務省の選挙部あるいは都道府県選挙管理委員会の意見を伺った上で、どうやったら実務面も含めて公開を前に進めることができるかというのを具体的に協議することが大事ではないでしょうか。実務面で対応が困難なものを提案し合って、結果的に何もできなかった、あるいは時間がかかるばかりだったということでは、やはり政治不信を招くだけだというふうに私は思います。
企業・団体献金については、世論調査でも、維持してよいが透明性を高めるべきが六割近くになっています。今国民から求められているのは、政治資金の透明性を高めるための実践的な方策であると思います。公開強化法案によって禁止ではなく公開を実践的な形で強化する、このことを当委員会の結論とすべきと申し上げ、討論とさせていただきます。
以上です。
○落合委員 立憲民主党の落合貴之です。
まず、自民党の二法案につきまして意見を言わせていただきます。
公開強化法案につきましては、予算委員会でも石破総理が、この法案は政治資金規正法で元々公表される項目を拡大するものではございませんと答弁しております。意思尊重法案は、我々が既に提出をしている企業・団体献金禁止法案にも同じような条文がありますが、我々の法案は義務規定にしています。一方、自民党案は緩い理念規定です。この二法案、本気で禁止よりか公開と思って作った法案なのか、非常に疑問と憤りを感じます。貴重な国会の場ですから、もう少し中身をしっかりとしたものを出すべきだというふうに思っています。
企業・団体献金の禁止につきましては、この国会での発言も、特に自民党の方々から首をかしげるような内容の発言が多々あることについて残念に思います。例えば、昨年の審議の中で自民党の質疑者から、企業・団体献金は国際的にも当たり前だ、合法だというような発言もありましたが、簡単に調べてみると、OECD三十八か国中、半分ぐらいの国が企業献金を禁止しています。また、はっきり禁止していなくても、規制をかけている国もあるわけでございます。
一九九〇年代に、政治改革の世論が高まる中で自民党は下野し、企業・団体献金は政党と政治資金団体に限るということになり、それも五年後に見直すということになりました。しかし、その見直す五年後は自民党に政権が戻っており、禁止は行われることはありませんでした。
更に十年近くたった二〇〇九年、再び自民党は下野し、民主党政権が誕生しました。そのときにやらなかったのだから企業・団体献金を禁止する気がないんだという発言も、昨年の審議の中で自民党の方からありました。私もなぜやらなかったのかと思っていたんですが、その件が参議院で昨年末に取り上げられています。政権交代時の民主党の公約は三年後に企業・団体献金禁止、その実現のために法案が党内で了承されたのが二〇一一年三月十日、翌日の東日本大震災により新たな問題を国会で議論する状況ではなくなってしまったというのが残念な状況です。
六年後の二〇一七年、民進党が企業・団体献金禁止法案を国会に提出しました。当時それを担当したのが、一期生であった私でございました。さきの国会においても禁止法案を、有志の会、参政党、社民党とともに提出しました。維新さんの法案も、基本的な考え方は我々と変わらない内容です。れいわさんや共産党さんも企業・団体献金禁止論、また、国民民主党の方々の多くは、かつて禁止法を提出した民進党時代の仲間が多くいます。
あしたあたりから正式に野党案を一本化するための協議を始めます。野党がまとまれば企業・団体献金を禁止することができます。
持ち時間の最後に国民民主党さんに伺います。国民民主党以外の野党が一本化で考え方がまとまる場合、国民民主党さんも野党案に賛同してくださることを切にお願いしたいですが、いかがでしょうか。
○長友(慎)委員 御質問いただき、ありがとうございます。
野党が一本化した際に国民民主党はどうかということでございますが、我々が考える企業・団体献金の禁止については、国民の皆様の、巨額の献金が政治をゆがめている、そういう疑念を払拭することが大事だと思っているところです。その点、今の野党の案では政治団体を除くということになり、抜け穴があるということはこれまでも指摘されているとおりです。ですので、野党案でまとまるというよりも、与党も含めて実効性を担保していくという方向性での議論を是非していただきたいというふうに考えています。
以上です。
○落合委員 時間になりましたので、終わります。
○平口委員 自由民主党の平口洋でございます。
私は、去年七月二十八日から一週間、衆議院の視察団であるドイツ及び英国における政治資金制度の実情調査団に加わってまいりました。与野党の議員で精力的に回りました。
それによりますと、まず、ドイツはどういうことかというと、政治資金のところに絞って申し上げますと、政党は、一回五百ユーロ、約八万円以下の匿名の寄附は受領することができるということ、それと公的機関の出資が二五%以下の企業からは寄附を受けることができるというふうになっております。このように、会社からの寄附というのは一般的には禁止されていないというところでございます。それで、SPD、ドイツ社会民主党でございますけれども、これは企業の献金が三百五十万ユーロとなっており、CDU、ドイツ・キリスト教民主同盟はそれより多くて千四百八十万ユーロということになっております。
また、イギリスでは政党への寄附は、してもよいという場合の政党への寄附ですけれども、国内で事業を行う会社であって、会社法により登記を行い、国内で設立されたものは全て献金してもよいということになっております。この理由は、あらゆる政策あるいは法案の中で考え方として経済の発展に寄与する行為というものがあるわけでありますが、経済の発展の当事者である企業というのは当然その政策や法案に参画するという権利があるということでございます。
したがいまして、私としては、昭和四十五年六月のいわゆる八幡製鉄最高裁大法廷判決、政治資金の事件でございますけれども、そこの中に示されているように、政治献金は会社の権利能力の範囲内であり、納税者たる立場においては政治的意思を表明する権利を有するということ、政党政治の健全な発展に寄与することは社会的実在である会社にとっても当然のことである。さらに、多くの政策や法律の目的の中には経済の発展に寄与するという文言があり、経済の発展の当事者である企業は当然その政策や法案に参画する権利があるということがいいのではないかというふうに思うわけでございます。むしろこれに反するとして企業・団体献金を全面的に禁止する事態というのは、むしろ憲法違反になるということだろうと思います。
したがいまして、最高限度をきちんと決めるとか、あるいは透明性を高めるとかいうふうにして企業・団体献金を誘導していくというのが正しい方向ではないか、このように思う次第でございます。
以上でございます。
○池下委員 日本維新の会の池下卓です。
それでは、国民民主党さんの長友委員の方にお伺いをしたいと思います。
我々維新の会、そして今交渉させていただいておりますが立憲民主党さん、その他の野党の皆さんですけれども、基本的に企業・団体献金につきましては政策をゆがめる温床であるという共通認識を持っております。それまでは、今までもるる御発言がありましたけれども、この政治の歴史の中で様々な企業献金にまつわる汚職事件等々があったことからも明らかであるという具合に考えております。そういう中で、ただ単に公開をするだけでは不十分ではないのかなというのが我々の見解でございます。その上で、国民民主党さん、御党も企業・団体献金には反対の立場を取られているのか、一点、まず確認をしたいと思います。全部で三点、お伺いをしたいと思います。
また、玉木代表は政治団体を通じた企業・団体献金は認めるということになると、我々の維新の会の案に対しまして御発言をされました。我が党も当初は全ての政治団体からの寄附行為を禁止する案を作成しておりましたけれども、一方で憲法違反の疑義を生じるという懸念があることから、年間の総枠規制を一千万円にすることによりまして、事実上、政策をゆがめる程度の献金は防ぐようにしているところでございます。また、一方で、献金の受け手の管理というとこら辺を御指摘されておりました。献金は政党本部等に限定すべきということであるかと思いますけれども、御党の主張される政党法を作るには、過去の国会議論を見ても、成立に非常に時間がかかるという具合に考えております。その点で、二点目ですけれども、三月末までにどのような形で決着をつけたいと思われているのか、若しくは、少数与党の中で仮に全て今出している法案が可決されなくてもよいと考えられているのか、方向性をお伺いしたいと思います。
三点目ですけれども、昨年の十二月一日にテレビ番組で玉木代表が企業・団体献金について、先ほども立憲さんからも御質問がありましたが、野党が一致したら賛成する原点に戻るという御発言をされておりました。我々は、野党の皆さんとともに協議を重ねて、政治のゆがみを正すために国民民主党さんとともに是非一緒にやっていきたいという具合に考えておりますけれども、御見解を。
以上三つ、お伺いをしたいと思います。
○長友(慎)委員 国民民主党の長友慎治です。三点御質問いただきました。ありがとうございます。
まず、反対かどうかという私たちの考え方ですが、原則、企業・団体献金は禁止としたいと思っております。ただし、今までの議論を見ている中で、自民党さんの考え方としては原則、禁止よりも公開という対極にありまして、野党側は全面禁止ではなくて政治団体を除くになりましたけれども禁止、このままの議論を続けても恐らく平行線になっていくであろう、それは是非避けたい、皆様と一緒に協議して歩み寄りをしていくべきだという中で、我々は、原則禁止ではあるけれどもガバナンスが利いている政党は受けられるという方向性に着地点を見出したいというふうに思っています。
次の質問をいただきました。三月までに結論を得る、どういう方向性を考えているのかという点に関しましても、先ほどとかぶるところはありますけれども、結論は得る努力をしたいと思っています。ただ、今までのやり方だと平行線をたどる可能性が非常に高い、どの案も成立しないというおそれがあることを危惧しておりますので、是非ここは与野党での協議というものを、この委員会でもそうですし、テーブルを設けていただきたいというふうに考えています。
最後に、もう一ついただいたのが、済みません……(池下委員「是非一緒に賛成をというメッセージですね」と呼ぶ)一緒に。ありがとうございます。それはもう、協議は是非させていただきたいと思っておりますので、是非この後の法案の審議等でもしっかりと議論させていただきたいと思います。
以上です。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。
我が党はかねてより、企業・団体献金の在り方につきましては、学識者の間でも意見が分かれていることや、各党各会派においてもこれだけ意見の隔たりがある、こういったことを考えると、客観的な見地から第三者的な機関に議論を委ね、その提言を得る、こういった主張をしてまいりました。
その上で、先日の各党表明の中で、国民民主党が提案をされました、政党のガバナンスについて定めた政党法を制定し、政党法によるガバナンス規制に服する政党にのみ原則企業・団体献金の受取を認め、それ以外については企業・団体献金を禁止するという考え方は、これまで我が党の西田幹事長も同趣旨の内容を記者会見などで述べてきているとおり、本来政党政治を重視する我が公明党として、政党のガバナンスをもっとしっかりと利かせるためのこの政党法を検討し、それに反した場合には何らかのペナルティーを科す、例えば政党交付金の停止であるとか、という考え方に沿うものであり、賛同できるものでございます。
そして、その政党法ができるまでの間については、一律に禁止するというのではなく、我が党が主張する政治資金の寄附の個別制限や総枠制限における量的規制の強化を図るべきであると考えます。
また、今回我が党が主張しております新たな仕組みであります、仮称でありますが政党交付金基金の創設は、国民の政治に対する信頼を確保しつつ議会制民主主義の不可欠な要素である政党全体を支えるため、企業や労働組合も含めた団体が、これまでの特定の政党への寄附ではなく、この新たな基金に寄附を行い、それを所属議員数など何らかの方法で割り振るという新たな手法を是非提案させていただきたいと思っております。
ちなみに、この手法であれば野党の皆様がよく主張しておられますいわゆる献金の賄賂性というものは著しく低下するものと考えますし、企業や労働組合も含めた団体としても、これまでの献金の目的としてきた社会貢献の更なる向上につながるものと考えます。また、この仕組みの進展により国民の皆様の負担を減らすとの観点から、現行の政党交付金の総枠については減額を行い、国民の皆様の負担を減らす、こういった方向性もしっかりと議論をしてまいりたいと思っております。
また、あわせて、企業・団体献金をいきなり禁止しても結局はその資金の流れが裏に潜ってしまう可能性があるため、かえって透明性を低下させる、そのおそれがあると考えます。結果的に、規正法第一条の目的にある国民の不断の監視と批判に支障を生じさせる結果となり得ます。
この件につきましては、先般我が党の勉強会にお招きをしました東京大学の谷口将紀教授が、単に企業・団体献金を全面禁止してしまうと政治資金パーティーや機関紙誌の発行その他の事業に迂回する、個人献金に迂回する、また企業、団体系の政治団体がスーパーPAC化するため政治資金の透明性をかえって引き下げてしまうおそれがあると指摘しております。
しかしながら、同一の政党や政治家に対する多額の寄附は確かに政策をゆがめる可能性があるのではないかということ、さらには国民の政治に対する信頼を確保する観点から問題があるのではないかという指摘もあるため、我が党は、この政治資金の透明性を更に高めるための規制の強化を図るべきであると考えております。
是非とも各党各会派の皆様の御賛同をいただければと思います。
以上でございます。
○森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。
意見表明においては各党各会派から様々な意見が提示されておりますが、企業・団体献金の出し手側の規制が大半を占めていたかなというふうに思います。公明党さんから今もありましたけれども、政党交付金基金の創設という受け手側の提案も一部ございましたが、政治資金の流れを透明化するためには、出し手側だけではなくて受け手側の規制をしっかりやるべきだというのが国民民主党の考え方でございます。
例えば、政党支部は企業・団体献金を受け取ることができますが、自民党の政党支部の数は七千七百、一つの自治体に何個も政党支部があるというのは、一般的な感覚からすると違和感も大きいのかなというふうに思っているところでございます。また、使途の公開基準も国会議員の関係政治団体よりも緩く、そもそも各支部が受け取った献金の総額を党本部で集約できていない。こうした全体像が把握できていない構造についてはガバナンス上の問題が多分にあるのかなというふうに感じているところでございます。
今回、出し手側の規制策が野党各党から提案されていますが、政治団体からの寄附についてはいずれにせよ残る、抜け道が存在する形となります。また、企業や団体が役員に対して手当を出して、それが個人献金に迂回してしまうといった可能性もあるかなと思います。出し手側の規制強化ももちろん重要ではございますが、政党支部を含めて透明度が非常に低い構造になっている現状を踏まえると、受け手側の規制も設けないと根本的な解決にはならないのではないでしょうか。
我が党は、政党のガバナンスについて定める政党法の策定も掲げておりますが、その策定を必ずしも待って対応するわけではなく、政党法が制定されるまでは、まずは受け手を政党本部と都道府県連に限定するなど、企業・団体献金を受け取れる主体を極力限定してみてはどうかというようなことも提案しているところでございます。
そこで、立憲民主党さんと維新の会さんに質問をさせていただきたいんですけれども、今話しましたとおり、出し手側の規制だけだとなかなか限界があり不十分なところもあると思いますので、受け手側の規制についても議論が必要かなというふうに考えますが、御見解についてお伺いできますでしょうか。
○落合委員 党本部、県連だけに制限するというのは、政党のみが受けられるようにすると決めた三十年前の議論に戻る話です。我々はそれから更に踏み込んで禁止をしていくべきであると言ってきましたので、これはちょっと後退の議論になるなというふうに思います。
○青柳(仁)委員 日本維新の会としては、先ほど自民党の方からお話があったような、七千八百ある政党の職域支部は企業・団体献金の受皿ではないというのは事実ではないと思っておりまして、受皿に事実上なっているところを受け手側として規制していくこと、これは重要だと思います。ただ、一方で、受け手側か、あるいは出し手側かという二者択一で考える必要はないと思っておりまして、やるのであれば、両方やればいい話だと思います。
国民民主党さんがおっしゃっているような、政治団体に抜け穴があるのではないかとか、個人から抜けるのではないか、これはただの可能性の話をしているだけですから、立法事実にはなっていないと思います。ですので、立法事実として存在しているのは、我々は、企業、団体側は見返りを求めて献金し、政治家、政党の側は見返りを与え続けてきたということだと考えておりますので、まずはこれをしっかり禁止すること。
そして、政治団体が抜け穴になり得るとおっしゃっていました。何度も言いますが、これは単なる可能性の話ですけれども、ただ、これについても、例えば我が党の案は一千万なわけです、医師会が毎年自民党に献金している額は七億円です。七十分の一になったら実質的にはほとんど、これはもう死んだも同然だと思っております。死んだという言い方はよくないですね。これは絶った、廃止したということとほぼ同義だというふうに考えておりますので、その辺りを含めて、それでも不十分だと思うのであれば、受け手側の規制もやったらいいのではないかというふうに思います。
○森(よ)委員 御回答いただき、ありがとうございます。
私たちも、出し手側の規制が全く必要ないというふうな立ち位置ではなくて、出し手側についてもしっかり規制しながら、受け手についても、これまで余り着目がされていなかったのでガバナンスの強化を含めてしっかりやっていってはどうかというところでございますので、与野党でしっかりと議論しながら結論を得るために協力できればと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○高井委員 れいわ新選組の高井です。
我々は、繰り返し言っていますけれども、政治資金規正法改正の前に裏金問題の解決、裏金議員自首、議員辞職、そして真相解明、これが何より先だと言っております。
今回、昨年十月の衆議院選挙で自民党さんが大きく議席を減らした、それから公明党さんもかわいそうというか、裏金議員に公認を出すなんということをしたことが公明党の議席減にもつながった、こうなると次の参議院選挙にも、このままいけば、私は老婆心ながら、自民党さん、公明党さんは大変なことになると思います。
前回の衆議院選挙で恐らく一番悔しい思いをしたのは小泉選挙対策委員長だと思いますので、小泉さんにお聞きをしますが、国民が知りたいのは、いつ誰が何のために何に使ったのか。だから、還流再開の時期じゃないんですよ。そもそもいつから誰が始めたのか、これが一番知りたい。自民党の調査では、遅くとも十数年前、場合によっては二十年以上前から行われていたと報告書に出ています。
旧安倍派の歴史を見てみました。一九九八年に、三塚さんから森会長になったときに清和研究会という名前ができています。その後、森さんが首相になって、小泉さんが会長になっています。その一年後、小泉さんが首相になって、また森会長に戻ります。それから、二〇〇六年に森会長が辞めて町村会長、その後、細田会長、安倍会長。ですが、残念ながら町村さん、細田さん、安倍さんはもう亡くなりましたので、今知っているのは森さん、あるいは小泉純一郎さんですよ。
小泉さんはお二人ともよく知っている間柄ですから、派閥にいたとかは関係なく、これはやはり確かめて、自民党が自ら聞き取りをして発表するという、そのくらいのことをやれば、自民党さんにとって、次の選挙にとっても極めて大きなことだ。別に党の判断なんかを待たなくても、小泉さんだったら、総裁選を目指していずれ総理になるという方であれば、ここはやるべきじゃないですか。
それと、もう一人キーパーソンがいます。それは元宿事務総長です。元宿事務総長は二〇〇〇年に自民党の事務局長になっています。しかし、その以前は経理部長でした。三十年以上にわたって金庫番をやっていた、これは誰もが認めるところ。東京都議会自民党もやっていたんですから、当然、自民党全体で、派閥だけの問題じゃないですよ、こういう金庫番の方が一番知っているんじゃないですか。その方に、選対委員長だった小泉さんだったらしょっちゅう会っていたはずじゃないですか、緊密に連携を取れると思いますよ。
是非、小泉さん、自民党のために、そして日本国のために、国民のために、聞き取って一定の報告をしていただけませんか。
○小泉(進)委員 自由討議なだけあって、大変自由な御発言をいただきまして、私、十五年間政治活動をやっていて派閥に入っていないので、派閥の中に、過去に私の父が派閥の会長をやっていたということが清和会の歴史の中であったとしても、それは私は分かりません。
そして、今回の一件についてやはり一番大事なことは、けじめをつけていくということだと思うんですよね。なので、当時の総理であった岸田総理は、最終的にこの問題のけじめを取って総裁選に自ら出ないという形で総理を辞める、このけじめを取ったわけです。そして、その後に石破政権になって選挙が行われ、結果として今この議会の構成になって、少数与党に我々はなり、その結果を受けて、執行部としてこの結果を受けてもなお誰も責任を取らないということはよくないだろう、そういった考えに基づいて私は選対委員長の辞表を出したわけです。
ですので、そういったことについてけじめをつけつつ、では高井さんが言うような今回のこの清和会の問題が今議論が行われている企業・団体献金と関係があるのかといったら、関係ないわけですよ。あの問題は不記載。今議論されていることは、企業・団体献金の禁止は別問題です。
ですので、今回、この三月までに結論を得る、こういった形に議論をされていることに対して、我々は何が与野党で一致を見られるところなのかを誠実に議論することが、今我々がやるべきけじめなのではないでしょうか。
○高井委員 残念ですね。自民党さんのためを思って言っていました。これ、解明しなかったら、また負けますよ。そういう意味では本当に小泉さんのリーダーシップでやってほしいなと思いますが、もう一つ提案があります。
であれば、我々が提案している、例えば政党交付金を少数野党に多く配分する。イギリスなんかはやっているんですよ、ショートマネーといって、議席数割じゃなくて野党に配分する。そうすれば、企業・団体献金が圧倒的に自民党に行っているわけですから、そういった中で代替案として私はあり得ると思うんですけれども、小泉さんからそれを自民党に説得してもらえませんか。
○小泉(進)委員 政党交付金の在り方について、自民党が変えると言えば変わるというものでもないので、まさに高井さんからこの委員会を通じてれいわ新選組としての政党交付金の新たな在り方を提案いただいて、そして今各党から出ている様々な提案も並べて、この三月でどのような議論をするかというのが大切なことだと思っています。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
まず、政治資金の公開についてです。
禁止より公開との考え方である自民党によれば、一階部分が毎年の収支報告書の公開、二階部分が一部の収支報告書のデータベース構築、三階部分が自民党の公開強化法案による一部の収支報告書の高額寄附の公表だということです。二〇二七年から政党、政治資金団体、国会議員関係政治団体に限ったデータベース作成が決まっています。その範囲内で名寄せして、翌々年の三月に高額寄附だけを公表するということがどうして公開の強化になるのでしょうか。
そもそも、昨年、通常国会で成立した法改定で、収支報告書要旨を廃止しています。要旨は、全ての政治団体を対象に、寄附者の氏名や寄附額、項目ごとの収入、支出額など、収支報告書の根幹部分を記載したもので、公開期限はありません。収支報告書そのものは三年で削除され、要旨もなくなれば、過去に遡って政治資金の流れが全く見えなくなります。自民党案の三階部分にも公開期限はありませんが、高額な企業・団体献金だけ、一部の政治団体の分だけ、それを公表したからといって、要旨の代替になるわけがありません。要旨廃止の撤回、収支報告書の保存、公開の延長こそが必要です。収支報告書はそのまま速やかに公開し、公的に永久に残すべきです。
次に、企業・団体献金の禁止に抜け穴があるのではないかという点についてです。
企業・団体献金を禁止しても個人献金や形を変えた迂回が発生するとか、形式的には個人献金の形を取りながらその内実は企業・団体献金である可能性を一切排除することは現実的に考えて不可能だという意見が述べられました。そもそも、現行法においても、迂回献金、寄附者を偽って収支報告書に記載することは虚偽記載であり、違法行為そのものです。
日本共産党が提出している企業・団体献金全面禁止法案では、抜け穴のつけ入る余地がない理由は二つあります。
第一に、政党、政治資金団体、企業、労働組合、その他の政治団体、全ての政治団体において企業や労働組合等の団体からの献金を受けることを禁止しています。政治団体を抜け道にして企業、団体が政党などに献金することはできません。抜け道になり得ません。
第二に、企業や労働組合等による政治活動に関する寄附だけでなく、あらゆる寄附のあっせんも禁止をしています。よって、企業や労働組合等がその従業員や組合員等から寄附を集めて政治団体に提供することもできません。この点も抜け穴ではありません。
その上で、指摘しておきたいのは、業界団体や労働組合などが政治団体をつくり構成員の強制加入や強制還付を行っているなら、思想、信条の自由の侵害であり、許されるものではありません。
次に、政党の政治資金の在り方についてです。
政党は、何よりも国民の中で活動し、国民の支持を得て、その活動資金をつくることが基本でなければなりません。この三十年間、収入の七割から八割を政党助成金に依存し、政党助成金目当ての新党の設立と解散が繰り返されてきました。官営政党、税金丸抱え政党でいいのか、民主主義にとって果たしてよいことなのかとの指摘が自民党から述べられました。
そうであるなら、政党助成制度の見直しを考えるべきではありませんか。日本共産党は、思想、信条の自由や政党支部の自由を侵す憲法違反の制度であるとして創設に反対するとともに、一貫して政党助成金の受取を拒否しています。民主主義を壊す極めて有害な税金の使い方は許されません。
昨日、日本共産党は、企業・団体献金禁止法案と政党助成法廃止法案を参議院に提出しました。企業・団体献金は禁止して個人献金を中心とし、政党助成金を廃止することが金権腐敗政治の一掃となります。
以上、発言を終わります。
○福島委員 有志の会の福島伸享です。
発言の機会をいただき、ありがとうございます。
先ほど、平口先生からイギリスとドイツの調査の例を挙げていただきました。私も、石田先生を団長にして、何ら観光的要素のない、極めてハードな調査旅行に行ってきましたけれども。
若干ニュアンスが違うんじゃないかと思ったのは、確かにイギリスもドイツも法律上は企業・団体献金は認められておりましたが、少なくともドイツではSPDは党費を中心に賄うのであって、企業・団体献金は余り受け取りたくないし、そこには積極的ではないと言っていて、企業・団体献金の悪い部分というのは認めた上での話だったと思います。また、イギリスの例では、イギリスは株主の議決がないと企業献金ができないということになっておりまして、実際に企業献金は法律上は認められているけれども事例はないというふうに言っておりまして、企業・団体献金を大手を振って法律で認めているからやるんだと言っているのは、若干、キリスト教民主同盟はそこは積極的な部分はありましたけれども、それほどイギリスもドイツも積極的ではないんじゃないかなということを感じたということをまず冒頭申し上げたいと思います。
その上で、先日の三月十日の本委員会での自民党の小泉委員の発言についてちょっとお聞きしたいんですけれども。
仮に企業・団体献金を禁止すれば政党助成金への依存度が高まり、公的助成に頼る官製政党、いわば税金丸抱え政党となってしまうとおっしゃっていたんですけれども、主要政党の収支報告書で交付金の依存割合が一番高いのは立憲民主党なんですね。五一・九%頼っております。でも、一番政府批判をやっているのは立憲民主党なんですよ。何で政党助成金への依存、公的助成に頼る官製政党であってはいけないのかというのが、私はそこはよく分からなくて。官製政党がなぜ悪いのか、それは不健全なのか。では、立憲民主党さんとかあるいは日本維新の会、そして国民民主党さんは大体半分ぐらい政党助成金に頼っていますが、これらは官製政党で駄目な政党と思っていらっしゃるのか。その点を、まず一点、聞かせていただきたいと思います。
もう一点は、また同様に、大事なことは政党助成金、個人献金、企業・団体献金のバランスですと言いますけれども、これも微妙な議論のごまかしがありまして。政党助成金と献金のバランスというのは分かるんです。何でそこに個人献金と企業・団体献金が出てくるのか。
自民党の収入のうち、約二割が企業・団体献金、個人献金はたった八%で、私はこれは決してバランスが取れているとは思いません。ほかの政党で、企業・団体献金に頼っていませんけれども多いのは国民民主党さんで、でも、僅か七・五%。本当に少ないですね、ほかの政党は。自民党だけが突出して多いわけですよ。何で、あえて企業・団体献金をこんなに取って、企業・団体献金と個人献金のバランスを取らなければならないんですか。それによって自民党が得ている利益、政治上、胸を張って我々は企業・団体献金を受けているからこれだけ立派な政治を行っているんだと言えるのはどこにあるのか。是非その点について教えていただければと思います。
○小泉(進)委員 まず、福島さんから一点目は、なぜ官製政党、税金丸抱え政党では駄目なのかというのは、それは自民党のルーツ、考え方、基本的哲学と大きく関わっているからだと思います。
我々自民党としては、今、政党本部の政党交付金の割合は約七割です。そして、企業・団体献金は一〇%です。ですので、福島さんのように、一〇%だったらやめればいいじゃないか、官製の税金丸抱えの自民党で何が悪いんだというふうに御意見もあるかもしれません。ただ、我々としては、やはり幅広い国民の皆様、社会の構成員から支え手として支えていただく民主主義というのが我々が考えているものですので、ここで過去の様々な歴史に鑑みて、時の権力の政治介入を防ぐという観点も含めて、官製で税金丸抱えで政党交付金がなければやっていけない、こういった形というのは政党政治としていいのだろうか、そういった考え方を持っています。
ですので、今御指摘いただいたことについては、立憲民主党さんが一番政権批判をしているじゃないかというのは、恐らく立憲さんからすると、今の局面で一番建設的に振る舞っているのは我々ですという思いがあるかと思いますが。今の状況とは別に、そもそも企業・団体献金を禁止することで本当に日本の政治の活力を高めることになるんでしょうか。私はならないと思います。これは自民党の歴史と各党の違いがあると思いますが。
政党交付金と個人献金のみで、地域に根づいて、そして三人の秘書だけに限定されず、公設だけに限定されず、この国会に出ているときも代わりに地域で根差して活動する秘書やスタッフ、こういったことも含めて、国民の皆さんとの距離、そして政治の活動量、これは上がるんでしょうか。私は上がるとは思えません。ですので、こういった基本的な考え方も今は異なっている中ですが、一致点をどこだったら見出せるのかをこの三月で我々はやるべきなのではないでしょうか。
以上です。
○渡辺委員長 それでは、全会派に一通り、一周しましたので、この後は二回目。自民以外、手を挙げて。できるだけ簡潔に、皆さん、できるだけ発言はしていただきますので。
○馬淵委員 私の方からは構成員の意思の尊重について、自民党案の話ですが。
我々の法案は、政治活動が行われているのが個人の意思であるということを担保するために、雇用等の関係の不当利用や会費相当の支払いを禁止することを盛り込んでおります。そして、こうした規定というのは義務規定であり具体的な濫用防止策規定であるとしているわけでありますが、自民党さんの構成員の意思尊重法案では、政治団体への加入継続に当たっての構成員に係る会費等の債務の負担、これが自由な意思に基づいて行われるように十分に留意しなければならないという理念規定、そしてまた寄附、政治資金パーティーの対価支払いについては構成員の意思が尊重されるように必要な配慮がなされなければならないという理念規定を設けるとされています。
ここの部分ですね、具体的にどうやってこのような抽象的な理念規定を置いて意思に反した行為の強要を防止できるのか、この十分に留意や必要な配慮とは具体的にどういうことを指すのか、全く分からないものでありますので、これについてのお答えをいただきたいというのが一点。
そして、公開範囲の問題と対象金額、これについても申し上げたい点があります。
ここは、自民党さんの公開強化法案では、一千万を超える企業に対して政治資金制度を所管する総務省が公表ということでありますが、小泉さんがおっしゃっていた中では、自民党は企業・団体献金の総額に占める割合で見れば約六割が対象となります、五・六%という政党支部の数のみに着目した批判は全く当たらないと考えます、このようにおっしゃっておられましたが、言い換えれば、四割もの献金が非対象、つまり半分近い献金は当てはまらないということ、これは大きな問題ではないかというふうに思います。
我々が検討しているネットでの公開強化法案というのは、オンライン提出の範囲を拡大して、全ての支部を対象に指一本で名寄せできるようにするものであります。これにそれこそ自民党さんがしっかりと賛同していただければ五・六%どころか一〇〇%の公開強化が果たされるわけでありますから、その公開可能な提案をなぜそのようにして拒まれるのかという点が一つ。
そして、あと金額に関して、これも一千万円超ということで公開強化法案では企業、団体の寄附につき指定をしておりますが、ここでこの一千万超という金額基準を設定した理由は何なのか。そして、その上で、自民党さんはこうした状況で総務省によって一覧性ある形で公開することによって企業・団体献金が国民による不断の監視と批判の下に適正に行われるようになるものと考えているということですが、単なる公開である以上は自民党さんと企業、団体との関係を適正に変化させていく担保にはなり得ないのではないか、このことをちょっと私の方からは申し上げたいというふうに思いますが。
○小泉(進)委員 馬淵さんからいただきました。ありがとうございます。
まず一点目が、意思尊重法案の十分な配慮をどのようにやっていくかという御指摘がありました。
これは、私が先日の意見表明で申し上げたとおり、自民党が長年問題意識を持っている一つは労働組合の天引き、チェックオフです。労働組合関係の政治団体がパーティーを開催し、そのパーティー券はほぼ丸抱えで労働組合の本体が買い、その労働組合の組合員の方はそれを恐らく余り周知されないまま労働組合費の天引きが会員になってからずっと続けられている、この現状はいかがなものか。更に言えば、労働組合というのは政治活動における収支の公開の義務がありませんから、これも我々は問題だと思っております。
ただ、一方で、例えば労働組合のチェックオフ、天引きの問題を議論するときに、過去、自民党の中で様々な議論、検討をしたときに、これは労働基準法の改正になる可能性もあるのではないかと。そういったときに、今我々が所属しているのは政治改革特別委員会ですから、政治改革特別委員会で労働基準法の改正を議論するというのは、なかなか今、議会の委員会の立ち位置からすると、なじまない可能性もあるのではないかと。その中で、今回、我々は理念規定の中で置くという形の判断をしています。
そしてまた、この法案が仮に成立をした暁には方向性としては立憲さんも含めて意思を尊重されるべきだということは私は共通する部分もあると思いますので、まさに昨年の国会でいうと国民民主さんと公明党さんが両党で第三者機関の法案を我々も賛成した上で通したように、この方向性の中でどのようなものが具体的にはいいのだろうかという実行策は、議論をして探していく検討の余地はあるのではないかと思います。
あと、その他、公開強化法案について。これは長谷川さんからいきますか、もし委員長がよろしければ。
○長谷川(淳)委員 御指摘ありがとうございます。
公開強化法案の対象の拡大についてでございます。
先ほど、私も自由討論で冒頭申し上げましたように、今回の公開強化法案というのは、まず一階部分、全政治団体が収支を公開しています。その上に、昨年の通常国会でオンライン提出の義務化とインターネット公開を義務づけました。その上に、今回、三階部分として、オンライン提出とインターネット公開を前提とした上で三階部分として、その対象となった政党本部、国会議員関係政治団体、政治資金団体、これを対象とするというふうに我々としては提案させていただいています。実践的な形として提案させていただいています。
オンライン提出、そしてデータベース化できなければ公開、集計ができないということは、先ほど選挙部長が申し上げたとおりでございます。
ここで、皆さんに私も強調させていただきたいのは、オンライン提出自体は実は平成二十二年に国会議員関係政治団体は努力義務になっております。しかし、直近の令和五年分の政治資金収支報告書においてもオンライン提出というのは一二%しか提出されていません。
ここにいらっしゃる委員の皆さんも、正直言って、できていない方もいらっしゃる。私も恥ずかしながら、オンライン提出ができておりません。最低限のスタッフの中で、総務省のソフトウェアがあります、そこに打ち込んで、選管にいろいろ相談しながら補正をしながら、やっとこさできて提出している、だから結局は紙ベースで提出しなきゃいけない、そういう状態であるわけであります。国会議員関係政治団体ですらこのような状況の中で、我々としては、具体的かつ実践的な、まず一覧性ある形で企業・団体献金の出し手を公開する案として、今回の強化法案の枠組みを提案させていただきました。
そして、先ほどの自由討論の話に戻りますけれども、収支公開の実務に当たる都道府県選管などの意見、あるいは単なるデータベース化以前に選管にいろいろ相談するための作業の効率化ですとか、あるいは、今、第三者機関の御提案がありますけれども、相談機能の強化とか、そうしたことを併せ持って実務的に具体的に公開を前に進める、そういった手だてについて是非とも皆様方とともに議論させていただきたいというふうに思います。
以上です。
○渡辺委員長 委員長として一言申し上げます。討議を打ち切るつもりはございませんが、一応、理事会の申合せは一時間程度でございますので、皆さん方、できるだけ大勢の方に御発言をいただきたいと思いますから、どうぞ簡潔に御質問なり御意見をいただければと思います。
○石田委員 自由民主党の石田真敏です。
是非皆さんに聞いていただきたいなと思いますのは、まず一つは、一月のNHKの世論調査、これで、企業・団体献金をどう考えるかということについて、透明性を高めるべきと答えた人が五六%、今のまま維持すべきが九%。つまり、六五%の人が現状維持というか、透明性を高めたらいいよということなんです。それで、禁止すべきと言われているのが二五%なんです。このことは御理解をいただきたいと思います。
そして、皆さんもそうだと思いますけれども、我々政治家というのは、いろいろな方から様々な御意見、御要望をお聞きして、そしてそれを、自分の矜持といいますか、自分の考えに基づいて党内で様々な議論をしますね、自民党でもかんかんがくがくの議論をする、そして政策を作り上げていくというのが今の姿なんですよ。その中で、皆さんもそうだと思いますけれども、支持団体とか組合の皆さん方の意見を聞かれるでしょう、そうやって聞いたものを作り上げていっているんです、我々は。
ただし、個人献金は善で企業献金は悪というのは、私も長い期間政治家をやっていますけれども、全くそういうことではありません。(発言する者あり)黙って聞きなさい、黙って聞きなさい、そういうことではありません。個人献金でもひどい場合もありました。それから、企業献金でも善のことがあったわけなんですね。こういうことは皆さん方にまず理解いただきたい。
その上で、政党の違いというのもあるということは是非分かっていただきたい。まず、資金源。これも違いますよね。組合費を原資とするような寄附をいただいておられる政党もあるし、機関紙の収入による政党もあると思いますよ。それから、組合とか強力な団体に支えられている政党もあるわけです。
しかし、我々は、自民党は国民政党と言われているんです、これは個人とか企業とか本当に幅広い皆さんの御支援をいただいているということなんですよ。そのために我々は事務所をたくさん持ち、私設秘書を雇い、活動し、様々な広報活動をやっている。それは、基本的には我々は個人がほとんどを賄っています、政党が賄っているのではないわけなんですね。そういう辺りも御理解をいただいて、政党による違いというもの、こういうものも十分に念頭に置いていかないと、一律の基準で全てが収まるものではないというふうに私は思います。
それで、さっき福島さんが言われました。ドイツへ私も行ってきましたけれども、ドイツは政党助成金があるんですけれども、基準によって例えばこの政党には百というものを渡すということになった場合は、まずそれぞれの政党が百を集めなければ百をもらえないんです、八十であれば八十しかもらえないんです、百二十を集めても百しかもらえないんです。つまり、国からの助成だけではなしに、政党自身が自分たちでしっかり支持を得られるような、あるいは献金をいただけるような努力をしろということなんです。その中には党費もあれば企業献金もあったということなんですよ。ですから、決して、先ほど言われたように、助成金だけでなぜ悪いのか、あるいは個人献金、企業献金が必要なのか、そういうことはドイツでも考えられた上で案として作られている、こういうことも是非皆さん方には御理解いただきたいと思います。その上での議論を進めていただきたいと思います。
以上です。
○斎藤(ア)委員 日本維新の会の斎藤アレックスです。
質問させていただく前に、今の御発言に少し反論というか御意見をいたしますけれども、先ほどNHKの世論調査ということで数字を紹介されましたが、例えば昨年の十二月に行われたJNNの世論調査では、企業・団体献金の禁止を法案に盛り込むべきという方が六割以上いたわけでございます。聞き方であったり設問の数によってその答えというのは世論調査では変わってきますので、一つの世論調査をもって世論はこうだというふうに取られかねないような発言をされるのは誤解を招くと思いますので、その点は、一言、冒頭申し上げたいと思います。
まず、端的に一つ確認をさせていただきたいんですけれども、今自民党さんが受け取っておられる企業・団体献金、これは、政治資金団体も含めてですけれども、お幾らぐらいなのか。これには、是非、企業・団体献金向けに政治資金パーティーで売っている分も合わせて一年間にどれぐらい受け取っているのかをまず教えていただければと思うんですけれども、ざっくりで構いませんので、概数を教えていただけますでしょうか。
○小泉(進)委員 具体的に数字の部分とかを含めて正確に、何年の収支報告に基づくいつのかということは正確な方がいいと思いますので、これは改めて委員会で御指示いただければ我々としても準備しますので、よろしくお願いしたいと思います。
○斎藤(ア)委員 はい、ありがとうございます。
では、また委員会の方で通告させていただきたいと思いますので。
○渡辺委員長 では、理事会で協議をします。
○斎藤(ア)委員 はい、御善処いただければと思います。
その上で、まず、正確な数字ではないという前提の下で、企業・団体献金、直接自民党が受け取っているものと政治資金団体が受け取っているもので恐らく一年当たり五十億円程度あるという報道でございますし、また、政治資金パーティーの収入に関しては、これは全議員ですけれども、合わせると一年間で二百億程度あるということでございますので、その大宗が自民党議員であるというふうに考えれば、百億、二百億のお金が企業、団体から流れているというふうになっていると思います。
もちろん、全ての企業・団体献金が悪ではないということは我々もそのように考えていますけれども、何の見返りも求めずに、そして、ただ単にチャリティーで寄附をされている企業、団体が大半だと言われればそれはそんなことはないだろう、常識的に考えてそう思うわけでございまして、企業・団体献金に対する国民の疑念というのが、今回の企業・団体献金の問題とは直接関係ないとおっしゃいますけれども、裏金問題を契機に大変疑念が高まっていて政治不信を招いていますので、この機に企業・団体献金禁止を行うということは私は日本維新の会としても大変重要だと考えております。
その上で、公明党さんと国民民主党さんに最後に端的にお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、企業・団体献金の在り方が、企業・団体献金を数百億円、百億円単位で政党が受け取っていることが国民の疑念をそもそも招いてしまっているというお考えに立っているのかいないのか。公開をしていないからとか、全容が分かりにくいから問題であるという立場をあくまで取られるのか。それとも、これだけ大量の金額が企業、団体から政治に流れていることが問題だと、我々日本維新の会、ほかの野党のような、そういった思いでいていただいているのか。その点を、あさってからの法案審議を始める前に、最後にこの場で御確認をさせていただきたいと思います。
○中川(康)委員 我が党は、規制の強化をするべきだという立場に立っておりまして。巨額の献金がという話がありましたけれども、少なくとも我が党においてはそういった事実はないという中で、そこが政策をゆがめているのかどうかというところにおいて可能性はあるということでの、各党表明の中で言わさせていただいておりますが、それを断定的に申し上げるかどうかということについては、この場では発言は控えさせていただきたいと思います。
○長友(慎)委員 国民民主党です。
我々は、企業・団体献金が、巨額の金額が政策をゆがめる可能性があるというのはあり得るという立場でございます。だからこそ公開も必要ですし、企業・団体献金を受け取る政党のガバナンスを強化してもらう、それでなければ受け取れないというふうにする必要があると思っております。
以上です。
○斎藤(ア)委員 国民民主党さんの立場というのは、立憲民主党さんや日本維新の会、ほかの野党とも、私は与党と違ってこっち側に近いと思っておりますので、是非いろいろ協議をさせていただければと思います。
以上で終わります。ありがとうございます。
○福田(玄)委員 国民民主党、福田玄でございます。
時間もかなり過ぎていますので、手短にお答えいただきたいと思います。自民党、公明党、そして野党第一党の立憲民主党にお伺いをしたいと思います。
企業・団体献金に関する議論がこのように進まないのは各党の立場の違いが大きく影響していると思っています。自民党は企業・団体献金の禁止に消極的であり、一方、立憲民主党を始めとした野党は企業・団体献金の禁止、透明性の向上を求めておられますが、両者の立ち位置が両極端であるということだと思います。また、与党内での調整不足が協議会の開催頻度や成果に影響を与えているという可能性があるのではないかという指摘もございます。
三月末までに一定の結論を得ると昨年末にしましたが、国民は、三月末までにこれを結論を得るということ、政治と金の問題に対して大きな疑念を持っているわけですから、このこと、企業・団体献金のこと一つだけを取って、残された時間があと二週間となっている中で本当に結論を得ることが可能なのかどうか。ここはやはり熟議の国会ですから、建設的な議論を行うことが必要だと思います。
昨年の年末は政治改革に関する各党協議会を開催して熟議を尽くしてまいったという経緯があると思いますが、ここは無所属の会さんも入れて各党の協議会というものを是非もう一度開いて、先ほど小泉議員からもありました、公設秘書が本当に三人で足りるのか、そういった部分、そして、今これは議運マターですけれども旧文書交通費の百万円の使い道、こういった政治と金の出も入りも含めてしっかりと熟議を尽くして、国民が、あなたたち国会議員はこれだけのお金でしっかり仕事をしなさい、その上で必要なら集めなさいというようなことをやる必要があるのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○小泉(進)委員 今の福田委員の発言にちょっと幾つか、私は疑問があります。
まず、訂正というか反論させていただきたいのは、一つ目の企業・団体献金の禁止に我々が消極的だというのは、我々は消極的ではなくて。そもそも、個人献金が善で企業・団体献金が悪だと思っていないので、消極的ではなく、禁止論に明確に反対です。我々は公開を強化すべきだという立場です。
あわせて、今、二つ目に、協議会について開催がなかなかできないのは与党の調整が不十分だからだというのは全く事実に反することだと思いますので、明確に、与党の何が問題で協議会が開催できないのかを、もし何か根拠があれば、そこは言っていただきたいと思います。
もしも国民が求めていることは今月の決着でないというのが御指摘だとすると、これは各党の衆議院の特別委員会の理事会における申合せで、国民民主党の長友先生は理事です。その中で、衆議院で提出されている企業・団体献金禁止法案を精力的に議論し三月末に結論を得る、これが申合せの中身です。ですので、これを否定されるというのはまさに委員会運営が成り立たなくなってしまうことですので、そこは明確にそうではない、今月で結論を得るというのが我々に託された委員会の使命だということで、しっかりと言っておきたいと思います。
○落合委員 我々は民進党時代から、二〇一七年から企業・団体献金禁止法案を国会に出してきましたが、委員会でたなざらしになってきました。ようやく昨年から議論が始まったということで、ずるずるいかないように結論を出すべきだという立場です。
それから、おとといの意見表明の中で国民民主党さんは、三月末までに結論を出すという昨年末の与野党合意は、国民の政治に対する信頼回復のために必ず成し遂げなければならない、国民に対する約束ですと。会派として意見が表明されていますので、そこのところは議論の整理を会派内でやっていただければと思います。
○中川(康)委員 我が党にも意見を求められましたのでお答え申し上げたいと思いますが、そもそも、昨年の議会から含めて、政治改革においては私ども公明党は与党とか野党とかという枠組みはないというふうにも思っています。ゆえに、前回の各党協議会も、与野党協議会ではなくて各党協議会であるということを主張させていただいたのも我が党でございました。そういった意味においては、第三者機関の設置等においてはまさしく御党と一緒に共同提出をさせていただいたというのも、一つの今回の政治改革における議論の成果だというふうにも思っております。
その上で、与党の調整が不十分という話がありましたけれども、そこはもう、そういった枠組みはない中での議論をされているというふうにも思っていますので、そういうことはないんじゃないかなと思っています。
そして、今回のこの三月までというのは、申合せを見ると衆法一〇号に対しての結論を得るということでありますので、そこに向かっての結論をどう得るのかというところが一つの大きな目的であると思っております。当然そこに向かって各党は努力をすべきということについては、私どもも同じ立場でございます。
以上です。
○渡辺委員長 できるだけ簡潔に。
○福島委員 小会派にもかかわらず、二度目の指名をありがとうございます。
先ほどの小泉委員のことに対して。まず、自民党も党本部は七割が政党助成金ということで、堂々たる官製政党なんですね。だから、私は、そこは本音で、みんな官製政党なんだから、政党助成金制度というものがある以上は、そこを積極的に受け止めて議論することが、生産的な議論につながると思っております。
そして、先ほどおっしゃいましたし、二十八日の委員会でも発言されていましたけれども、結局、小泉委員が問題にしているのは企業・団体献金がなくなっちゃうと活動費がないじゃないかということなんだと思うんですね、そこは本音のところで。自民党は、党本部は七割であってもそれでも企業・団体献金が多いというのはやはり政党支部、事実上の国会議員のポケットでもある政党支部が受け取っているというからそうなっているんだと思うんですね。そうであれば、先ほどの福田委員のおっしゃったような、政治活動費をどうやって賄っていくのかという、そこの議論に立ち返った議論が私は必要だと思っております。
ただ、一番見逃し難いのは企業・団体献金が日本の活性化につながるのかという問いかけでありまして、まさにそれがつながっていないからこそこの議論をしているということを、私は昨年来、予算委員会でもこの委員会でも申し上げてまいりました。平成のリクルート事件以降の政治改革は小選挙区比例代表並立制というのに解を求めて、それでこの企業・団体献金の問題に手をつけなくて、私は明らかに政策が曲がっていたというふうに思っている。構造転換をする阻害要因になっていたんですよ。だからこそ企業・団体献金を断ち切ろうという、そこに求めなきゃ駄目で。
私は、若い、これからのホープである小泉議員には、まさにこの日本の政治構造としてどういうことをやることが、かつてお父様がやっていらっしゃったような本質的な構造改革を成し遂げることができるか、そうした観点から議論していただきたいと思います。
そこで江田先生が手を挙げていらっしゃいましたので。橋本内閣からずっと行政改革、政治改革を見詰めていらっしゃって、自民党にもいらっしゃった江田先生、企業・団体献金もずっと受け取っていらっしゃらないと思いますので、その思いと、なぜ企業・団体献金をなくすことが必要か、それが逆に経済の活性化につながると私は思うんですけれども、その辺りについて是非、江田先生の御知見をいただければというふうに思います。
○渡辺委員長 簡潔にお願いします。
○江田委員 御質問ありがとうございました。
私は、石破総理のように、皆さん方は九四年一月の細川、河野合意のときにいなかったじゃないかと、どや顔で言うつもりはさらさらございませんが。
私も、当時、海部、宮沢官邸に通産省から出向して総理の施政方針演説の下書きを一人で書いたり、大島理森副長官、近藤元次副長官の下で国会対応もしていました。その当時は、政治改革が一丁目一番地でしたね。皆さんはああだこうだとおっしゃっていますけれども、企業には政治活動の自由があるんだとか、企業・団体献金は悪で個人献金はいいなんという立場には立たない等、いろいろおっしゃるけれども、そういう議論は全てのみ込んだ上で、九四年一月に高度な政治決断によって、企業・団体献金は政党へも含めて全面禁止だという合意をしたんですよ。それはまさに当事者の細川さんや河野さんがるる証言もされているわけですよね。
だって、常識的に考えてくださいよ、ロッキード、リクルート事件、大疑獄を起こし大スキャンダルを起こした張本人の自民党がですよ、税金で助成金をいただこうなんということは口が裂けても言えない状況でしたよ。国民だって、そんなことは絶対認めない。だけれども、このスキャンダルの元凶である企業・団体献金は全面禁止するんだから許してくれと言って導入したのが政党助成金制度じゃないですか。常識なんですよ、こんなことはね。
だから、皆さん、最後に申し上げると、企業・団体献金が必要だとおっしゃるのは自由でしょう、だったら政党助成金を返上してくださいよ。それが国民との約束を守る唯一の手だてですよ。私が言いたいのは、今更ああだこうだと何を言っているんですか、あなた方はと。国民との約束を破って政党支部を八千近くつくって、政治家と一心同体の支部に企業献金を受け入れて二重取りしてきたのが自民党さんじゃないですか。だから、襟を正すというのならしっかり今回は全面禁止に踏み込む、これが国民の政治への信頼を取り戻す唯一の道だと本当に認識して自民党の皆さんも是非やっていただきたいと思います。これは歴史の証言ですからね。歴史の生き証人です。
最後に言いますけれども、私は、五年後附則見直しの二年七か月、橋本官邸で政務担当秘書官をやっていましたよ。三党首会談に出られるメンバーは極めて限定的ですけれども、私は常時出ていましたよ、政務秘書官ですからね。そこで常に土井たか子社民党党首から橋本龍太郎総理・総裁は、あの約束はどうなったんだ、いつ企業・団体献金は禁止すると踏み切るんですかということをさんざん迫られたんですよ。ただ、最後にどうしてこういう決着になったか。それは、橋本龍太郎総裁が自民党の議員の皆さんの意見も聞きながら、企業・団体献金がなくなれば事務所運営ができないんだと。その一点に尽きるということで、小渕内閣で存続を決めたんですよ。何も、企業、団体に政治活動の自由があるとか、善だ悪だ、そんな議論をしてやったわけじゃないんですからね。そのことも是非認識していただきたいと思います。
以上です。福島さん、ありがとうございました。
○渡辺委員長 福島君、もうよろしいですか。
○福島委員 以上でオーケーです。ありがとうございます。
○渡辺委員長 それでは、ただいまの発言に対しまして小泉さんから御意見があるようですから。
○小泉(進)委員 明確に事実誤認だと申し上げたいと思いますよ。江田先生が当時おられて、そのことはそのとおりだと思いますが、その当時おられた一人である自民党の元議員である伊吹文明元議長は、当時その場にいたときに企業・団体献金全面禁止を合意とした事実はないと。総総合意の中で、今、江田先生が言ったことは書いてありません。
ですので、改めて、そもそも三十年前の認識自体が、我々の認識も明確にしているんですが、いまだに私も意見表明で述べたことが違った事実認識で、今、江田先生も話しています。ですので、そういったことも含めて、私は、小沢一郎さん、当時あの紙を作ったお一人ですから小沢一郎さんにもお話を立憲の中で聞かれたらどうですかという話もしていますので、委員会がこれから始まりますから、この自由討議の中で出た、いや、それは違うということも含めて議論がより深まって、一致点を何らか見出せるように努力をしていきたいと思います。
○渡辺委員長 簡潔に。
○江田委員 一言。小泉さんが当時いらっしゃらなかったのにそこまで断言するからには、私、申し上げますと、九四年一月、雪の降る未明の記者会見において細川当時総理は、五年後に企業・団体献金を廃止するとはっきりおっしゃっているんですよ。それに対して河野総裁も否定もせず認めているということなんですね。そのことをお二人が言っているのに、驚愕ですよね、自民党の大先輩に、しかも合意当事者の、しかも総裁トップが言っていることを、申し訳ないけれども、小泉さんでもそれを否定するというのはどうかと思いますよ。とにかく、その事実関係ね。
伊吹文明さんは、私もお世話になりましたよ。ただ、申し訳ないけれども、九〇年代、その当時の伊吹文明さんは今みたいな大物議員じゃないんですよ。皆さんもそうだけれども、当選二回、三回生が、石破さんも三回生ですよ、高度な政治決断の背景の情報にはアクセスできないんですから。それに対してああだこうだと言う資格もないんです、力もないんですよ。私はたまたま、若輩でしたけれどもそれを知る立場にあったので、私は申し上げただけなのでね。だから、それはもう、決着するのは、河野洋平当時の総裁、細川護煕当時総理を参考人に呼んで、お話を聞けばいいだけの話ですから。
○齋藤(健)委員 済みません、尊敬する江田先輩に刃向かうわけじゃないんですけれども、こういう議論になるから文書で残したので、ですから文書で書いてあることが全てだと思います。
以上です。
○渡辺委員長 いろいろな思いが皆さんあると思いますが、少しエキサイトして予定の時間を二十分ほど過ぎておりますので、是非、理事会等で協議をして、またこのように自由闊達に議論できる機会があればと存じます。まだ疑問もあるでしょうけれども、名残惜しいのですが、ここで自由討議は本日は終了をいたします。理事会で、また今後どうするかはお任せを。
――――◇―――――
○渡辺委員長 次に、第二百十六回国会、大串博志君外九名提出、政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案、小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び青柳仁士君外一名提出、衆法第一四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
第二百十六回国会、大串博志君外九名提出、政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、第二百十六回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取しておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○渡辺委員長 小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案、小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び青柳仁士君外一名提出、衆法第一四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案の各案につきまして、提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。長谷川淳二君。
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政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号)
政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号)
〔本号末尾に掲載〕
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○長谷川(淳)議員 ただいま議題となりました自由民主党・無所属の会提出の企業・団体献金の公開強化に係る政治資金規正法の一部を改正する法律案及び構成員の意思尊重に係る政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
昨年の臨時国会においては、当委員会理事会において、企業・団体献金禁止法案については、衆議院政治改革特別委員会において精力的に議論を行い、令和六年度末までに結論を得るとの申合せが行われました。
この点に関し、そもそも政治資金の拠出は政治参加の一つの手段であり、本来自由であるべきものであって、企業・団体献金についても、憲法二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められるものであります。
我が党は、企業・団体献金が政治活動の自由の一環として国民の不断の監視と批判の下に行われるべきことに鑑み、禁止ではなく公開との考え方に基づき、その透明性、公開性を一層強化するとともに、政治資金が民主主義の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることに鑑み、政治資金を拠出する者の意思が尊重されることが何よりも重要であると考えております。このような理念に立って検討を加え、具体的な方策としてこれらの法律案を提出した次第であります。
以下、各法律案について御説明いたします。
まず、企業・団体献金の公開強化に係る政治資金規正法の一部を改正する法律案についてであります。
本法律案は、政治資金の透明性、公開性を一層強化するため、会社、労働組合、職員団体その他の団体が政党関係政治団体に対してした寄附に関する状況を明らかにするための措置を講ずるものであります。
具体的には、総務大臣は、会社、労働組合、職員団体その他の団体が政党関係政治団体に対してした対象寄附について、政党関係政治団体に係る一の政党ごとに、一、対象寄附の総額、二、対象寄附の金額の合計額が一千万円を超える会社、労働組合、職員団体その他の団体の名称及び当該合計額、三、当該会社、労働組合、職員団体その他の団体から対象寄附を受けた政党関係政治団体の名称及びその受けた対象寄附の金額などを収支報告書の公表の翌年の三月三十一日までに公表することとしております。
政治資金の公開については、まず、一階部分として収支公開の制度があり、毎年全ての政治団体の収支報告書が公開されております。次に、二階部分として、昨年の通常国会で成立した収支報告書のインターネット公表の義務化、昨年の臨時国会で成立した収支報告書のデータベース化によって、政党本部、政治資金団体及び国会議員関係政治団体の収支報告書について検索可能なデータベースが構築されることとなります。
本法案は、三階部分として、収支報告書のデータベースによる公開に上乗せして、献金の出し手のうち年間合計一千万円を超える企業、団体を政治資金制度を所管する総務省が毎年公表するものであります。したがって、本法案の対象は、二階部分、すなわち収支報告書のデータベースによる公表の対象となる政党本部、政治資金団体及び国会議員関係政治団体を前提としております。
本法案により、一般の企業はもとより、いわゆる業界が設立した政治団体、労働組合が母体となった政治団体に至るまで、年間合計一千万円を超える献金の出し手が総務省によって一覧性ある形で毎年公開されることにより、企業・団体献金が国民による不断の監視と批判の下に適正に行われることに資するものと考えております。
続きまして、構成員の意思尊重に係る政治資金規正法の一部を改正する法律案についてであります。
第一に、政治団体は、特にその構成員に係る党費又は会費の債務の負担については、その構成員の自由な意思に基づいて行われるように十分に留意しなければならないこととしております。
第二に、法人その他の団体のする政治活動に関する寄附及び政治資金パーティーの対価の支払いについては、その構成員の意思が尊重されるように必要な配慮がなされなければならないこととしております。
本法案により、政治団体への政治資金の拠出並びに企業、労働組合その他の団体による政治資金の拠出については、労働者の賃金から控除するもの、すなわち天引き、チェックオフによるものを含め、その構成員の自由な意思が尊重される形で適正に行われることに資するものと考えております。
以上が、両案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いいたします。
○渡辺委員長 次に、青柳仁士君。
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政治資金規正法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○青柳(仁)議員 ただいま議題となりました日本維新の会提出の法律案につきまして、提出者を代表して、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
日本維新の会及びその所属議員は企業・団体献金を全面禁止しています。企業、団体、労働組合、職員団体、政治団体及びその他のいかなる団体からも献金を一切受けていません。また、政治資金パーティーについても、企業、団体にパーティー券を売ることを禁止しています。既得権を排し、国民の方を向いた、しがらみのない政治を実現するためです。
企業、団体は見返りを求めて政党や政治家に献金を行い、政党や政治家はその見返りを与え続けてきたからこそこの制度は存続しており、それによって政策がゆがんでいます。そこで、本法案により企業・団体献金を完全に禁止することとしました。その上で、抜け穴になり得る政治団体からの献金についても、本来、我が党のルールでは完全禁止となりますが、憲法上認められ得る範囲内で最も厳しい規制をかけることとしました。
以下、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、企業その他の団体が政治活動に関する寄附や政治資金パーティーの対価の支払いをすることについて全面的に禁止し、これに違反した者は一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処することとしております。
第二に、同一の政治団体の本部支部間又は支部間の資金移動と国会議員関係政治団体に係る公職の候補者が同一である国会議員関係政治団体間の寄附を除き、政治団体のする政治活動に関する寄附について、年間で総額一千万円の上限額を設けることとしております。
第三に、企業その他の団体は、その役職員又は構成員に対し、雇用その他の関係を不当に利用するなどして政治団体の構成員となることを勧誘し、政治活動に関する寄附等をさせてはならないこととしています。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いいたします。
○渡辺委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。
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○渡辺委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
各案審査のため、来る十七日月曜日午後二時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、来る十四日金曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時一分散会