衆議院

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第7号 令和7年3月14日(金曜日)

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令和七年三月十四日(金曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 渡辺  周君

   理事 小泉進次郎君 理事 齋藤  健君

   理事 長谷川淳二君 理事 落合 貴之君

   理事 後藤 祐一君 理事 櫻井  周君

   理事 池下  卓君 理事 長友 慎治君

      石田 真敏君    井出 庸生君

      国光あやの君    小林 茂樹君

      坂本竜太郎君    塩崎 彰久君

      島田 智明君    中曽根康隆君

      平口  洋君    広瀬  建君

      福田かおる君    向山  淳君

      山本 大地君    五十嵐えり君

      今井 雅人君    江田 憲司君

      鎌田さゆり君    黒岩 宇洋君

      源馬謙太郎君    篠原  孝君

      馬淵 澄夫君    矢崎堅太郎君

      青柳 仁士君  斎藤アレックス君

      福田  玄君    森ようすけ君

      中川 康洋君    山口 良治君

      高井 崇志君    塩川 鉄也君

      福島 伸享君

    …………………………………

   議員           小泉進次郎君

   議員           塩崎 彰久君

   議員           長谷川淳二君

   議員           井坂 信彦君

   議員           大串 博志君

   議員           奥野総一郎君

   議員           本庄 知史君

   議員           吉田はるみ君

   議員           青柳 仁士君

   議員           緒方林太郎君

   衆議院法制局法制企画調整部長           神崎 一郎君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    岩尾 信行君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 新田 一郎君

   衆議院調査局第二特別調査室長           森  源二君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十四日

 辞任         補欠選任

  手塚 仁雄君     五十嵐えり君

同日

 辞任         補欠選任

  五十嵐えり君     手塚 仁雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(大串博志君外九名提出、第二百十六回国会衆法第一〇号)

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号)

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号)

 政治資金規正法の一部を改正する法律案(青柳仁士君外一名提出、衆法第一四号)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 第二百十六回国会、大串博志君外九名提出、政治資金規正法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、小泉進次郎君外五名提出、衆法第四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案、小泉進次郎君外五名提出、衆法第五号、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び青柳仁士君外一名提出、衆法第一四号、政治資金規正法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官新田一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。広瀬建君。

広瀬委員 自由民主党、広瀬建でございます。お時間をいただき、ありがとうございます。

 企業・団体献金の扱いについては、長いこと議論しても議論しても我々は着地点がなかなか見出せていない、そんな状況にあると認識しております。これはなかなか難しい問題だということだと思います。長きにわたり本件は議論が続いておりまして、堂々巡りの感もあるかと思います。多くの国民の皆様は、この議論は長いことやっていますけれども、いつまで議論を続けているんだ、こういう向きも多々あろうかと思います。とはいえ、この議論は、今の日本の政治の在り方をどうしていくんだという非常に大事な問題であります。今の日本の政治だけじゃなくて、十年後、二十年後、三十年後、そのときの、将来の日本の政治の在り方を問う、本当に大きな大きな議論であると思っております。

 また、世の中を見渡すと、日本の外、本当に国際情勢は目まぐるしく動いております。皆様御案内のとおり、本当にすごいスピードで、中国やらインドやらヨーロッパ、ロシア等、いろいろな方向に動いていっております。アメリカも、なかなか予期し難い方向に動くこともあります。そうした中で、長い目で見たときに、この日本がどういう国としてどういう位置づけで将来あり続けるのか、そんなことを一緒に考えなければいけないと思っています。

 日本の国の在り方、ひいては国力をどうやって十年後、三十年後、維持していくのか。国力というのはすなわち様々な日本にある産業界、この声をいかに引っ張り出して聞いて、その産業界の声を大事にして、我々政治家と呼ばれる人たちがどう政策につなげて将来を見据えて国づくりをしていくのか、そんな議論をしていかなければならないと本当に私は強く思っております。これは難しいことでありますけれども、その場その場の雰囲気だけで流されるような議論をしてはならないのではないのかなと。本当に将来を見据えて、将来、この時点を振り返ったときに、このときの政治家は何をしていたんだ、そんなことを言われないように、しっかりとした議論をしていきたいと思っております。

 それから、当然どこかでデッドラインは切っておかなければいけないと思っております。今のデッドライン、この間の政治改革特別委員会でもありましたけれども、一応、三月の末ということが一つの合意のターゲットでありますので、あと二週間ちょっとでありますが、どうにか各位の知恵を絞りながらいい決着点を見つけて、後世に誇れるような、そんな議論ができれば、決着点を見出せればと思っております。この辺りは皆さん同じ思いだと思っております。思いは一つだと思っております。

 企業・団体献金の是非については、私個人も思うところはあります。

 私は昨年秋の総選挙で初当選した者ですが、その前は、約二十五年ほどになりますけれども、一民間企業に勤務をしておりました。製鉄会社でありましたけれども。

 私もそうでした、皆さんもそうでしょうが、選挙に出るとき、政治にチャレンジするということは一定の費用がかかるわけです。通常であれば、支援者若しくは友人等から個人からの献金ということで、とにかく頑張れ、公のため、国のために頑張ってやってこいということで、献金をいただくということも皆さん多々あろうかと思います。私もそうでした。私も、会社を辞めて一年強でしたけれども、選挙に向けて準備をしている中、無職でありましたので、なかなか懐事情が厳しい中、様々な方々に個人からの献金ということで、何とか頑張ってエールを送っていただいたような、そんな次第であります。

 問題は、これが企業、団体の場合はどうかというところだと思っております。結論から言うと、私は、個人であれ、企業、団体からの献金であれ、一定の制限をつけておきさえすれば、そこに差はないのではないのかなと。政治家個人を、若しくは政党を応援しようというのには、個人であれ、企業、団体であれ、違いはなく、とにかく日本のために、日本の将来のために頑張れという声をいかに受けてそれを将来の政策につなげていくか、そういうことであろうと思います。したがって、私は基本的には企業・団体献金はあるべきではないのかなと。これは、日本の将来のため、日本の健全な産業界の育成のために是非やっていったらいいのではないのかなというようには思っております。

 私が勤務していた会社も、今の話のところでありますが、政党に寄附をしておりました。それは、日本の経済のために政治を応援するという気持ちで献金していたということで、これが何らおかしなことはないというのは、私もそのように信じております。大事なのは、そこにいかに制限をつけて透明性を担保しておくか、そこがキーだと思っております。問題は、透明性をいかに担保して、それを継続的に国民の皆様に可視できるような形にしておくか、そこが知恵の出しどころではないのかな、そういうふうに考えております。

 そこまで申し上げた上で、幾つか質問をさせていただきます。立憲民主、それから維新の方々に質問であります。企業・団体献金は禁止との立場でありますが、例えばですけれども、過去十年間の御党の実態、企業・団体献金だとかパーティーの実施、開催についての実態について御教示をいただければと思います。

大串(博)議員 広瀬議員からるるお話をいただき、質問もいただきました。

 いつまで議論をやっているのかという声もあるような声というふうに言われましたけれども、裏金事件が発覚して一年以上たちます。私も、政治として結論を出していかなければならないというふうに思います。そのためには、この裏金事件を始めとした政治に対する不信感を払拭すべく、実態解明を万全に行い、かつ、制度面で論点となっている例えばこの企業・団体献金について、私たちは禁止と思っていますけれども、そういったことに関して結論を得るということをしっかりやっていくことが政治の責任ではないでしょうか。これが一年以上かかってしまっているところに大きな私たちとしての責任もあるというふうに私は思っておりまして、そういった責任を一緒に果たさせていただければなというふうに思います。

 一つだけ御発言をさせていただくと、企業・団体献金と企業の健全な産業の発展という言葉がありました。先日も日本の活性化という言葉も結びつけられてありましたけれども、もちろん産業の健全な育成なり経済の活性化は必要だと思いますが、それが企業・団体献金によってなされるかのごとき言説に私はちょっと違和感を覚えます。むしろ私は企業・団体献金によってそういった活力がそがれる方向にゆがめられるのではないかという思いがあるものですから、企業・団体献金禁止の議論を私たちは展開していきたいというふうに思っております。

 そこで、先ほどの質問ですけれども、私たち立憲民主党は実は、過去十年の実態ということでありましたけれども、二〇二〇年の九月に法的に新党として結党しておりますので、それからになります。かつ、政治資金収支報告書の要旨公開は三年ですので、それに限ったことになります。

 今質問がありました御党の実態についてということで、私、詳細なところがよく分からないので、党本部の受け手のところなのか、都道府県連の受け手のところなのか、行政区支部の受け手のところなのか、よく分からなかったのですけれども、大体これらは公表されております。最近の報道によりますと、例えば、うちの支部において年間五千万円の、労働組合へ労組の関与する政治団体から企業・団体献金の受入れがあったというような報道も、これも公開ですから出ております。そういった実態であって、我が党として企業・団体献金を多く受けているという実態にはございません。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、その前に、今の御答弁にもありましたけれども、いつまでこの議論をやっているんだというのは我が党も同じように考えております。元々、自民党がいわゆる裏金事件を起こして国民の政治不信を招いている、そして、そのためにこの政治改革特別委員会が企業・団体献金の禁止も含めて行われているという背景を十分理解した上で御質問いただきたいなと思います。

 また、昨日、自民党総裁であります石破総理が商品券を配るということで、また更なる国民の政治と金に対する政治不信、これも自民党の責任として、総理一人の責任じゃなくて、しっかり踏まえた上で、我々はここでちゃんと国民の皆さんの疑念を払拭するような結論を出していくということを是非考えていただきたいと思います。

 その上で、今の質問にお答えいたしますが、我が党としては企業・団体献金というのは結党以来禁止をしておりまして、それは今まで続けております。また、昨年から、政治改革特別委員会、昨年の国会以降、政治資金パーティーにおける企業、団体売りというものも禁止されております。それ以降、個人が、個人献金又は個人のパーティー券の購入ということに関しては、投票権も持つ個人の政治活動の自由というのは企業とは全く違うものであるというふうに捉えておりますので、これについては容認をしておりますが、ただ、こうした個人が買ったパーティー券を例えば企業、団体等で経費精算を行うとか、そういったことは我が党が提出した法律において禁止をしておりまして、原則的に我が党は自ら提出した法案に関しては自分たちの内規もそこに合わせていくという方針ですから、同様の運用を行っているところであります。

広瀬委員 ありがとうございます。

 これは維新さんに対する質問です。当初、企業・団体献金全面禁止をうたわれておりましたけれども、今般提出された案では政治団体からの寄附は外されております。この意味で立憲民主さんと同じラインに立っているということになろうかと思いますけれども、全面禁止とおっしゃっていたところから修正されたこの背景、思いについて教えていただけませんでしょうか。

青柳(仁)議員 お答えします。

 日本維新の会は、会社、労働組合、職員団体その他の団体及び政治団体からの献金を受けることを一切まず禁止しております。私も含めて、政党及び所属議員の全ての者が、そこからの献金を一切お断りしているという状況です。ですので、可能であれば、そのルールを、国会議員あるいは政党全てのルールにしたかったんですが。

 衆議院法制局の方といろいろ話合いをしている中で、それを提出した場合に、会社、労働組合、職員団体その他の団体に関して全面禁止することは憲法上問題がないという見解を示されました。一方で、政治団体に関しては、そもそもが政治団体は政治活動を行うために存在している団体であるということに鑑みますと、献金という政治活動を全面禁止してしまうことには憲法上疑義が生じるのではないか、こういう御指摘がございました。その中で、我々としましては、憲法上の疑義があっても、日本維新の会として最後の判断は最高裁に委ねるということで、この国会の場にそういった憲法違反の可能性のある法案を提出するという選択肢ももちろんあったんですが、しかしながら、様々な協議の中で、ではどこまでの制限であれば憲法上の疑義が生じないのかということを丁寧に衆議院法制局と議論させていただいた結果、一定の制限をかける、総枠制限であれば問題がないだろうということでありました。

 したがいまして、その総枠制限は、当初は我々は、それは百円でもいいのか、こういうことを言いました。そうしましたら、当然、百円というのはほとんど意味がない、それはほぼ禁止に等しいということでしたから、ではどういった金額であればいいのかということでありまして、その中で最低の金額を取るということを考えますと、現在は個人の方が年間一千万円まで政治資金団体あるいは公職の候補者に対して献金を行うことができますから、個人と同等というところであれば一定の説明がつくのではないかということで、一千万円に設定をさせていただいたという次第です。

 最後に、繰り返しになりますが、これはあくまで政治団体の話でありまして、三十年前の平成の政治改革で積み残した企業・団体献金とは会社、労働組合、職員団体その他の団体からの政党、政治資金団体への寄附でありまして、この点は全面禁止をするということで、この点の存続を主張しているのは、現在、自民党、公明党、国民民主党のみであるというふうに認識をしております。

広瀬委員 ありがとうございます。

 持ち時間が十五分ということなので、質疑の時間が終わりましたので、私の質問はこれにて終わらせていただきまして、次の坂本議員にバトンタッチをしたいと思います。ありがとうございます、短い時間でしたけれども。

渡辺委員長 次に、坂本竜太郎君。

坂本(竜)委員 改めまして、自由民主党の坂本竜太郎でございます。

 せんだっての東京都や兵庫県の選挙管理委員会の関係者の方々においでいただいた参考人質疑に続きまして質問の機会を頂戴いたしましたこと、心より感謝申し上げます。

 また、提出者の先生方におかれましては、何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 今、広瀬委員から改めてのお尋ねがあったと思います。残りの時間、その脈絡にのっとって御質問させていただきます。

 せんだっての最後に訴えさせていただきましたけれども、今、我が国の民主主義の在り方が歴史上初めての状況にある、その中で、せんだってのやり取りの中でも、政治や選挙というものの自由が保障される部分とのバランスが非常に難しい状況にあると。先ほど来もお答えをいただいたところでございますけれども、憲法上自由が認められている部分について一定程度の制約の下に規制はかけられるんじゃないかという御答弁をいただきましたけれども、極力自由度を認め担保した上で、しっかりと透明度、公開度を高めて白日の下にさらして、疑念を持たれるような状況を極力、皆無に等しい、いや、皆無にすべきですけれどもね、そういう状況をつくり上げて、国民の皆様方にもしっかりと都度都度の御審判を仰いでいただくようにすべきだと思っております。

 改めてでありますけれども、企業、団体からの寄附につきましてもある程度は政治活動の自由の中で認められるべきであると思っておりますが、全面禁止という部分について、強く憲法との兼ね合いでも強調できる部分についての、もう一段踏み込んだ、確たるお考えを改めてお教えいただきたいと思うんです。よろしくお願いします。立憲さんと維新さん、それぞれからお言葉をいただきたいと思うんですけれども。

大串(博)議員 企業・団体献金禁止を皆さんと一緒に成し遂げたいと思った理由は、日本の政治をよくしたいからです。

 今、自民党さんの裏金事件に端を発して、政治の信頼は地に落ちているのではないでしょうか。その中で、様々な政策実行が、この物価高の中で国民の皆さんが非常に厳しい生活を余儀なくされる中で難しくなってきている。これは、私は、政権与党として自民党の皆さんが大きく省みられるべき責任だというふうに思います。

 そういった中で、政治の信頼を取り戻していくというのは極めて重要で、例えば先日あった石破総理による十万円の金券の配付なんかも絶対に私はやめてほしいというふうに思いますし、受け取られた皆さんは返されたというふうに聞いておりますけれども、恐らくそうだろうというふうに思いますが、政治の信頼を取り戻すということがいかに重要かというのは、国会に集うみんなが心に大きくとどめるべきではないでしょうか。そのために、疑念を持たれることは絶対にしない、そして制度はやはりしっかり見直して変えていく。

 特に、企業・団体献金の禁止については三十年来の宿題、私たちはそう思っています。法律の文言に書かれていないからとか、当時の合意文書には書かれていないからとか、文字をベースにそういうふうに言われる方がありますけれども、当の合意した本人が、細川さんにしても河野さんにしても企業・団体献金はなくすということだったというふうに言われている、こういった経緯も考えると、それをいたずらに続けるというのは私は政治の信頼性を害するものにほかならないというふうに思いますので、皆さんと一緒に政治の信頼を取り戻すべく取り組んでいきたいというふうに思います。

青柳(仁)議員 お答えします。

 日本維新の会が企業・団体献金に取り組みたいと考えている理由については、繰り返し申し上げているとおり、石破総理もおっしゃっていましたが、企業、団体は見返りを求めて政治や政党の方に寄附を行うと。当然のことですよね。その上で、租税特別措置であるとか規制緩和であるとかあるいは補助金であるとか、様々な方法によってその見返りを与えてきたからこそ、この企業・団体献金というものが存続しているというふうに認識しておりまして。

 有志の会の福島議員が先日の会議でもおっしゃっておりましたけれども、私も全く同感で、ゆがんだお金のやり取り、ゆがんだ政策によって本来実現すべき改革が実現してこなかった、そのことについて悔しく思っている官僚、政治家の方は非常に多いと思いますし、もっと悔しい思いをしているのは、そういったことで必要な成長が日本に起きてこなかった、必要な社会保険、社会福祉が拡充されてこなかった、そういう可能性や機会を失ってきた日本国民の皆さんだと思うんですね。ですから、本当に公共の福祉、公共の利益ということを考えたときには、これをしっかりと禁止すべきであるというふうに考えております。

 先ほど来から自民党の方で公開とか透明性と言うんですけれども、自民党さんの出されている今回の法案というのは、今実質的に企業・団体献金の受皿になっている職域支部というものが全く公開の対象になっていないんです。これは当然、意図的にそうなっているとしか思えないわけですね。透明化するんだったら、本気で透明化していただきたい。

 それから、何度も申し上げますが、会社、労働組合、職員団体その他の団体、ここから政党、政治資金団体に対する献金のことを企業・団体献金というんです。ここは禁止する。ここを禁止したくないから別のロジックをいろいろとおっしゃっているようにしか我々は聞こえておりませんので、そういった覚悟で我々は臨んでいきたいと思います。

坂本(竜)委員 今それぞれの考え方をお披露目いただきましたけれども、その一方で、政治団体の寄附に関しましては禁止ができないんだ、自由な部分を認めるべきだという御主張であられると思います。

 企業、団体が様々な目的を持ってそういう政治活動をする部分があれば、政治団体も当然それぞれの政治的主張あるいは政策を実現するために結成されたものであります、その団体からの寄附に関しましては全く規制をかけないということは、バランス感覚でいうとどうなのかなという。もうちょっと明確なお答えがあると私たちもすっきりすると思うんですけれども、どうですか。よろしくお願いします。(発言する者あり)

渡辺委員長 静粛に願います。

青柳(仁)議員 お答えします。

 まず、条文をよく読んでいただきたいと思いますが、政治団体から政党やその他の政治団体、公職の候補者を除きまして政党を含む政治団体に対する献金については、現在、その他の政治団体というカテゴリーから同一の相手方に対する個別制限として、その他の政治団体に対するところが年間五千万円という以外には制限がありません、現行。これに対して、少なくとも維新の会の案に関しては、全て、総枠制限は一千万円までに抑えております。会社、労働組合、職員団体その他の団体というものと政治団体は全く別のカテゴリーですけれども、ですから、衆議院法制局は会社、労働組合、職員団体その他の団体からの献金は禁止しても憲法上の疑義はないと御判断いただいているわけですが、その疑義があり得るという政治団体に関しても一千万円までに抑えています。

 例えば、医師会から自民党が受けている献金、これはその他の団体というところに入ります。本来であれば会社、労働組合、職員団体その他の団体の方に含まれるはずの医師会というものが、医師会政治連盟というものをつくりますと政治団体の方のその他の団体というカテゴリーになりますから、ある種の迂回献金が可能になってくるということで、そういう形で自民党に年間およそ七億円が入っておりますが、この七億円が一千万円になるというのが維新の案でありまして、献金の量が七十分の一になるという案ですから、全く制限をかけていないというのは、まず条文を是非お読みいただきたいというふうに思います。

坂本(竜)委員 一千万という上限、まあ分かりやすい基準であろうと思いますが、逆を申しますと、一千万以内の範囲内であれば、複数の政治団体を立ち上げて、総額でいえば一定程度のまとまった金額を寄附するような、政治活動に適用するようなことも可能になってしまうという解釈もできるわけでございます。その点について、これは可能性の話でございますので、どういった想定なのか。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 今のお話というのは、例えば医師会が維新の法案が通った後に七十個に分裂するということをおっしゃっているんだと思うんですけれども、まずそれは単なる推測といいますか、臆測といいますか。立法事実というのは、現在既に起きていることが確認されている事実、又は、そこから考えられる蓋然性の高い将来の予測になります。本当に七十個に医師会が分裂するというふうに考えられるのか、まずこれが一つあります。

 それからもう一つは、我々の案はもう一つ制限をかけておりまして、会社、労働組合、職員団体その他の団体というところが新たに政治団体をつくって、そこからお金集めをするようなこと、組織の影響力を不当に利用してそういったことを行ってはならないという条文も含まれております。ですから、そこでまずは阻止していくということが必要だと思っております。

 加えて申し上げると、ある意味で現時点では単なる臆測に基づくような御懸念というのは、まずこの部分を禁止してみて本当に医師会が七十個に分裂するようなことが起きたら、そのときまた我々は立法府の責任としてしっかりと、そこに対する禁止措置を行っていくべきだと思います。

坂本(竜)委員 本当に、我々もしっかりと、ますます襟を正して向き合わなきゃならないんですけれども。同じ脈絡で申しますと、推測でもって企業・団体献金が全て悪だというのも難しいのではないかということも成り立つものだと思っています。私は選挙区支部長になって間もないので、まだそこまでではないので、これからそういった資金面での活動が出てくるんだと思うんですけれども。

 今、入りの部分について専ら注目していましたけれども、逆に今度は、政治団体の中のその他の政治団体にそういった経緯をもって収入があった場合の、今度は支出の面で、国会議員関係の団体でなければ五万円以下の記載が不要であるという現行の状況があります。そういったケースが増えますと、ますます見えない部分が増えてきてしまうのではないかという懸念を私は素朴に持っておるんですけれども、そういった部分について、立憲さんの方とかはどういうようなことで担保できるとお考えか、教えていただきたいと思います。

本庄議員 坂本委員にお答えします。

 今回問題になっているのは、企業、団体から政党、政治資金団体が受けるお金、つまり収入の方ですけれども、支出の話が論点になっているわけではありませんが、問題意識は私もよく分かります。

 我が党は政治資金透明化法案という法案も出していまして、例えば、その中で、国会議員関係政治団体からその他政治団体にお金を移して透明度を下げるという、御党の元幹事長が取られているような手法についてできないようにする、例えばそういう形でその他政治団体の透明度が低いという問題を解消しよう、こんな提案もさせていただいていますので、是非前向きに検討していただいて、一つずつ、できるところからやっていければなと思いますので、よろしくお願いします。

坂本(竜)委員 済みません、いっぱいお尋ねしたいことはあるんですけれども、時間となっておりますので、まとめます。

 とにかく、まず今年度中にということで、先生方にも大変なお知恵をいただいて、連日熱心な議論をいただいておりますから、何とか最後の最後の最後まで粘り強く、いい形になりますよう、お力を賜れればと。我々も一生懸命努力をしてまいりたいと思います。

 三十年前の平成の政治改革、子供でしたけれども、二十一世紀を目前にして、最後の十年に差しかかった頃に、今以上にひどい政治と金の問題でございました。一言で言えば、与野党を挙げて政治とお金の関係も、悪弊を絶つというような表現もあったと思いますけれども、一致して、とにかく成し遂げるんだという部分はあったと思います。今はそれぞれのお立場や背景がございますのでなかなかそういう状況にございませんが、何とか国民の皆さんにいま一度政治に対する信頼を取り戻していただいて、この厳しい国際情勢の中で我が国としての役割を果たすことがかなうように、今年度中に方向性を見出すことがかないますよう心からお願い申し上げさせていただきまして、質問を終了させていただきます。

 今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、源馬謙太郎君。

源馬委員 立憲民主党の源馬謙太郎です。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、法案の質疑に入る前に、昨日報道で、石破総理が自民党の当選一回生の皆さんに、十万円の商品券を十五人に配っていたというニュースがありました。物価高で国民生活が厳しくて、その上、石破総理は高額療養費制度の上限も引き上げようというような、国民に更に負担をかけるようなことを考えておいて、しかも自民党の裏金問題に端を発して政治と金の問題に不信感がある、それを我々は何とかしていこうという政治改革特別委員会もやっている中でこういうことが起きました。私は、その責任者のお一人である小泉提出者にとっても大変悔しい思いをされたんじゃないかなと思います。法的には問題ないというふうに言い張っておりますが、仮に法的に問題がなくても、十万円の商品券を普通にお土産として渡すのが社会通念上国民に理解を得られるのかどうか、まず小泉提出者の御見解を伺いたいと思います。

小泉(進)議員 まず、源馬委員が我々と、与野党共にこの委員会で度重なる政治資金規正法の改正に一緒に取り組んでいただいて、そのさなかでこの度のようなことがあって報道されて、国民の皆さんに疑念を抱かせたとしたら、そこに悔しい思いをされているのは源馬先生だけではなく、この委員会の我々が共に取り組んでいるメンバー、その思いは同じだと思います。

 一方で、この問題はまさに石破総理が自ら説明を昨夜から、そして今この委員会の裏側で、参議院予算委員会の集中ですか、ここで今まさに説明をされているのではないでしょうか。

 そういった中で、先ほど一回生が質問に立っているときに野党席からいろいろなやじが飛んでいましたけれども、まず今説明すべきは私は総理・総裁だと思います。そして、一回生からすれば当選してから間もなくで困惑した部分もあると思いますが、その中で最終的に返した、こういった形で今まさに総理は説明をしているところでありますから、私としては、この委員会、共に取り組んできたんですから、一年生が立ったときに、傍聴席からもやじは聞こえていると思いますけれども、そういったやじを飛ばすのではなく、この委員会で我々が結論を得なければいけないことは、企業・団体献金の禁止をするという法案についての精力的な議論を行って結論を得るということに対して、改めて共に真摯に向き合いながら結論を得る努力を重ねていくべきではないでしょうか。よろしくお願いしたいと思います。

源馬委員 真摯に政治と金の問題について議論をしていこうとしている中で、御党の代表の方が全く真逆のことをやって国民に理解されない、政治と金にまつわることをやって、それで真摯に議論なんてできるわけないじゃないですか。

 昨日から説明されているとおっしゃっていましたけれども、小泉提出者は石破総理の御説明に納得していますか、今。

小泉(進)議員 説明はしっかり多くの皆さんが納得いくまでされるということなので、まさに今日、裏側で説明をされているのではないでしょうか。ただ、今回のことについてやはりまずは説明をしなければいけないという、その思いがあったから今説明をしていると私は思います。

 今この委員会で議論していることは、企業・団体献金の禁止についてどうするかという結論を得ることでありますので、我々に課された使命は、この限られた時間の中で、まずそこに向き合って結論を得ていく努力をすることではないでしょうか。

源馬委員 質問はそれではなくて、小泉提出者が納得されていますかと、これまでの石破総理の説明で。政治と金の問題に先頭になって取り組まれている小泉提出者は、総理のこれまでの説明に納得されていますか。

小泉(進)議員 これは私が納得をするかどうかではなく、国民の皆さんに納得をいただかなければいけないことだと思います。ですので……(発言する者あり)いや、これですよ。またそうやっていろいろやじを飛ばしていますけれども、じゃ、私がこれに納得しましたと言ったら、納得はおまえの納得じゃなくて国民の納得なんだと絶対にやじると思いますよ。ですから、この問題はまさに、今、正直申し上げて私はそれは分かりません。分かりませんので、分かるのは総理じゃないですか。ですから、今総理がこの裏側で、予算委員会で説明されているわけですよね。この委員会で源馬先生が限られた質問時間で私に幾ら言われても、私は分かりません。なので、この法案に関する質疑を重ねることが建設的な時間の使い方ではないでしょうか。

源馬委員 いや、そうやってはぐらかさなければ全然時間はかからないんですよ。小泉提出者が今回の背景を分かるかどうかじゃなくて、総理の説明に納得しているかどうかを聞いているんですね。私は納得していません。多くの野党議員も、あるいはもしかしたら与党議員も、返された一回生も納得していないから返されたんだと思いますけれどもね。小泉提出者がどう思うかを聞きたかったけれども、大変残念です。この問題がある中で、こうした政治と金の問題に取り組んでいかなきゃいけないというときに、石破総理の行動というのはまさに自民党の体質を表しているというふうに言わざるを得ないなというふうに思います。自民党内からも批判が出ているわけですからね。

 では、法案の質疑に入っていきたいと思います。

 まず、自民党案の公開強化法案の提出者にお伺いしますが、この法案の立法の目的というか、何を目指して立法されているのか、お伺いしたいと思います。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 我が党といたしましては、そもそも、政党の政治活動を資金面で支えることは政治参加の手段として本来自由であるべきと考えております。企業・団体献金についても、憲法二十一条に基づく政治活動の自由の一環として認められるものであり、我が党は、政治資金規正法の国民の不断の監視と批判の下に適正に行われるべきという考え方の下に、政治資金の透明性を向上させ、国民の不断の監視と批判の下に置くために、昨年の通常国会では、収支報告書のオンライン提出の義務化、そしてインターネット公表の義務化をいたしました。また、昨年の臨時国会では、御党も御賛同いただきました収支報告書のデータベース等の公表、これを内容とする規正法の改正案を提出いたし、御党の御賛同も得て成立をさせていただいたところでございます。

 その上で、今般の公開強化法案でございます。

 これまでの、まず一階部分でございます政治団体の収支報告書の公開でございます。これにつきましては全ての政治団体。先ほど我が党の職域団体の公開が全くなされていないという御指摘がありましたが、我が党の職域団体は、商工や農林分野にわたる職域の意見を集約し提言する団体として政治資金規正法に基づく届出をして、適正に収支報告書を提出しています。そうした点で公開をしっかりしています。さらに、二階部分で先ほど言いましたようなデータベースの公表、ミクロ的な検索可能な公表に上乗せをして、今回、新たに三階部分として、政治資金の出し手である企業・団体献金について、公的機関である政治資金制度を所管する総務大臣が中立的かつ継続的にそのマクロ的な状況を公表するものでございます。

 したがいまして、国民の不断の監視と批判の下に適正に行われることができるようにする制度として、この法案を提案させていただきました。

源馬委員 もっと簡潔に答弁してください。聞いてもいないことを答えなくて結構なので。

 透明性を確保したい、向上させたいということだと思うんですね。ただ、そうはいっても、これまでこの委員会でもさんざん議論があるとおり、政治団体ベースでいえば五・六%、金額ベースでいっても半分ちょっとの透明性しか確保されないということは指摘しておきたいと思います。

 ちょっと小泉提出者にお伺いしたいんですが、これまでも、企業・団体献金は悪ではないという立場に立っていると何度もおっしゃっていたと思います。企業・団体献金は悪ではないとおっしゃいますけれども、企業・団体献金を受けて、それによってその企業や団体の利益になるように政策を誘導したり、あるいは、政治家が多額の企業・団体献金を受けて、その上でその企業や団体の利益になるように政治行動を取る、これは悪ですか。

小泉(進)議員 国がこれから経済的に発展しなければいけない中で、国益にかなう方向が結果として企業活動や経済活動の中で合致した、そういったことは、それは献金をもらっている、もらっていないではなくて、結果としてプラスになることというのはあると思います。ですので、私が申し上げているのは、個人献金が善であって企業・団体献金が悪だという、そういったことはかなわないという思いというのは、今、源馬先生御指摘の、献金している企業が求めていることをやるということは悪だという考え方……(源馬委員「悪か」と呼ぶ)それが悪かということですよね。だから、それは、国がこれから進めていく方向性の中で、これをやりたいという政策をやった結果、その企業が結果として繁栄をしていくことというのは、必ずしも否定できないことではないでしょうか。

源馬委員 そういうことではなくて、多額の金をもらってその業界や団体に有利になるように政治行動をするというのは、私はよくないことだと思います。つまり、公開強化法案では、入ってくるお金の半分ぐらい、政治団体でいえば五・六%のものを透明化するけれども、それによって政治家がどう行動したか、どう政策に影響があったかというのは全く分からないと思うんですよね。私は、そこまできちんと透明化するならそれはそれでいいと思いますけれども、それは担保できないわけです。企業・団体献金があってもなくても同じ行動をするかどうかでしか分かり得ないわけですから、そこは指摘をしておきたいんですけれども。

 例えば、今日資料をお配りしている秋本元議員が逮捕された件がありました。元国交政務官で、今は小泉提出者が会長代行をやられていると思いますが、自民党の再エネ普及拡大議連の事務局長をされていた。

 この秋本氏が再エネ開発事業者から五年で二千三百二十万円の献金をもらっていた。それは逮捕の背景にはありませんが。日本風力開発という企業に有利な国会質問をして、それの見返りに同社から六千万円以上の賄賂を受け取ったということで逮捕されたわけですよね。利益誘導の疑いがある、収賄の疑いがあるということで逮捕されました。逮捕されたのは賄賂をもらっていたからですけれども、賄賂じゃなくて、五年で二千三百二十万の献金をもらいつつ、こうして再エネ事業者に有利になるような質問を繰り返し、実際に二二年には入札が始まっているにもかかわらず落札の評価方法を変えさせたわけですね、異例なことで。政策がゆがんだんじゃないかと思います。逮捕されたのは賄賂をもらって政策をゆがめたからでしたけれども、仮に賄賂をもらっていなくても、企業・団体献金で政策をゆがめたことになりませんか。

小泉(進)議員 源馬先生の質問の趣旨が、質問をする代わりに献金を受けるということが悪かというのであれば、それはよくないことだと思います。

源馬委員 質問をする見返りにではなくて、政策が結果的にゆがめられたと言えるのではないですか。

小泉(進)議員 政策というのは一人の意見によって変えるものではなくて、党内でまず様々な議論を部会などで行って、役所の中でも審議会などいろいろなプロセスがあって、私は、大きなルールを政務官だけで変えるということが現実的にどこまであるか、なかなか、これは誰が変えたというひもづけというのは、様々政策過程というのはあるので、そこは厳密には難しいと思うんです。ただ、源馬先生が言うように、何か見返りとなるお金をもって影響力を権限がある者が行使しようとすることは、我々は厳に政治家としてやってはならないことだと思います。

源馬委員 もちろん秋本さん一人がやっているわけじゃなくて、二〇二二年の二月に秋本さんは国会で実際に質問をして、一週間後ぐらいに再エネに関する日本風力発電協会という業界団体が経産省に提言書を出す、同じ内容の。そして、その協会や日本風力開発社が政府の会議に意見書を出す、五月に。そして、六月、小泉提出者も加わっている再エネ普及拡大議連が経産省に提言書を出している。この流れで政策が実際に変わっているじゃないですか、評価方法が。企業、団体から献金あるいは賄賂を受けて政策を誘導、ゆがめたということになりませんか。

小泉(進)議員 これは恐らく野党の先生方も経験を日々していると思うんですけれども、我々政治家の下には提言がとてつもない数が届きませんか。そして、その提言が直接政策に変わることって、皆さんも経験上、一定の参考になったなというものと、いやあ、提言をいただいたけれども実際これは無理だな、これは正直ありますよね。(源馬委員「議連が出している」と呼ぶ)議連にも提言をいただくことはいっぱいあります。しかし、議連の提言も、自民党も、議連というのは党の組織じゃないので、議員連盟もいろいろな議員連盟がありますけれども、自民党の政策決定の正式なプロセスは、自民党政務調査会、政調であります。ですので、政調の中に位置づけられている会議は正式なラインでありますけれども、議連は正式なラインではありません。

 ですので、最終的に党内で、議連はこういうふうに言っているけれども、実際の政策の本筋はここだから、こういう思いは分かるけれどもこっちだというやり取りがあるのも事実です。ですので、議連の提言イコール政策に反映されるという、自民党の中はなかなかそんな形ではないということもお分かりいただきたいと思います。

源馬委員 全部が実現するかどうかは分からないとおっしゃっても、実際に実現しちゃっているわけですよ。しかも、逮捕もされているわけですよ。実際には秋本氏も自分の信念に従ってやったから企業、団体からもらったお金は関係ないと言っているんですけれども、そう言っちゃうと誰も立証できないんですよ、今、小泉提出者が答えたように。自分が言ったことと政策実現がどうつながっていたかなんかは分からないって、そう言って逃げられちゃうんですよ。

 唯一これを止めるのは、こういう疑いがないようにしていくというのは、企業・団体献金をやはりやめることだと思いますよ。そもそもそれがなかったら、企業や団体から献金をもらいながら政策を誘導するということは起こり得ないわけですから。どうですか、それは。

小泉(進)議員 それは全く違うと思います。例えば、私は経産委員会にも所属していますけれども、今、中小企業の賃上げなどが求められる中で、野党の方が連合を支持母体として持っていますけれども、連合がこういうふうに求めているという発言を何度もしますよ。それで、連合から献金をもらっていますよね、人も出してもらっていますよね。それって、政策の実現を支持母体が求めていることをやり、支持母体の一部は献金やパーティーを通じて応援していることだって、一つの形としてはあるわけですよね。

 我々は、例えば、経団連のことをよく言及される方がいますけれども、求められていることをそのままやっていますか、もしもそうだとしたら夫婦別姓はこんなに苦労しないんじゃないですか。

源馬委員 実際に入札が始まっているのに入札における評価の方法を途中から変えるという、こんな政策の変更は今おっしゃったことと全く違いますよ。賃上げをやってくださいとお願いすることとは全くレベルが違う話だと思います。つまり、それを臆測であっても全くそういう疑念が生じないようにするには、企業、団体からの献金をやめればいいんですよ。私はそう思います。

 ちなみに、小泉提出者は、これまで企業、団体から自民党は献金をいただいて、そのことによってこの件以外に政策がゆがめられたり誘導されたことは一切ない、そういうふうに断言できますか。

小泉(進)議員 自民党が献金によって政策がゆがんだことはないかという疑念ベースでされますけれども、例えばこれだということを言われない中で、それをどこまで言えるかといったら……(源馬委員「言っているじゃないか」と呼ぶ)いやいや、だから、これだって全く根拠がないじゃないですか。(源馬委員「ありますよ。逮捕もされているじゃない」と呼ぶ)いやいや。

渡辺委員長 静粛に。答弁も質問も静かな環境の中でできるように、そこは是非、不規則発言は慎んでください。

 続けてください。

小泉(進)議員 まさにさっき源馬委員は、疑念があること自体をなくすためには企業・団体献金をなくすしかないというのは、私はそれは飛躍だと思います。

 政党が支え手として様々な企業、団体、個人、そして政党交付金、こういったバランスの中で成り立っている中で仮に、一つの収入源、こういった選択肢を奪うことになったら、仮にですよ、今度は、機関紙で政党の収入が成り立っているところの機関紙収入をなくしていくべきだとか、労働組合を規制すべきだ、こういう形で政党ごとの原資をなくし合っていく泥仕合みたいなことになると、国民にとっても政治に対する不信がますます高まるのではないでしょうか。そして、企業にとっても、義務ではなくて、献金しない自由だってあるわけですから、この中で公開を強化するという選択肢が、私は、まず国民の皆さんに見ていただくことが一番なのではないかということです。(源馬委員「そんなことを聞いていないですよ。ゆがめられたことはないと断言できるかということです」と呼ぶ)

渡辺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

渡辺委員長 速記を起こしてください。

源馬委員 今例に挙げた風力発電の件も含めて、これまで自民党が献金などを受けた企業に有利になるように政策誘導されたことや、そういう発言を繰り返したことはないと断言できますか。

小泉(進)議員 お金をもらったからこの政策をやる、そんな単純なものじゃないと思います。

源馬委員 実際にゆがめられた可能性があるケースを紹介しているじゃないですか。そうじゃないと言うんだったら、何で政策になったんですか。入札が始まっているのに、何で評価方法が変わったんですか。

小泉(進)議員 有識者の方も言っていますけれども、一つ一つ、何か問題が起きたら、それに対して対応していくのが政治資金規正法の改正の一つの筋であると。こういったことが起きるかもしれないから企業・団体献金を全部なくす、それが正しいアプローチかというと、私はそうは思いません。仮に何かこれが問題だということが起きたら、それに対応する解決策を考えて現実的なステップを積み重ねていく、そのことが必要なのではないでしょうか。

源馬委員 本当に信念で発言されたり行動されて、そして自民党もお金には全く関係なく政策を、入札のルールまで変更するというんだったら、別に企業・団体献金をもらっていなくてもそうすればいいじゃないですか。それを禁止することが、その結びつきに疑念を持たれなくて済む唯一の方法だというふうに私は思います。実際に政策もゆがんでいるわけですから、逮捕もされているということは言っておきたいと思います。

 立憲、有志、参政党案について次は伺っていきたいと思います。

 小泉提出者もこの前の発言の中で、立憲、有志、参政党案には抜け穴があると。例えば、そのとき引用されたことですね、労働組合が組合員に政治団体への加入を強制したり、会費を給料から天引きして、その資金で政治献金やあるいはパーティー券の購入をすることなどが抜け穴になるのではないかという指摘がありましたけれども、こういうことができるんですか、この立憲、有志、参政党案で。

本庄議員 源馬委員にお答えいたします。

 我々の法案においては、会社、労働組合等が雇用関係を不当に利用したり、会費相当額の金銭を支払うことを約束したりして、政治団体の構成員となることを勧誘し、かつ当該政治団体をして政治活動に関する寄附又は政治資金パーティーの対価の支払いをすることを禁止するとしています。

 委員御指摘のような、労働組合が組合員に政治団体への加入を強制したり、政治団体の会費を給料から天引きしたり、その資金で政治活動に関する寄附やパーティー券を購入するというようなことは禁止されるというふうに考えています。

源馬委員 もう一つの例で、例えば企業が従業員に対して雇用関係などを利用して自らの意思があるかどうか分からないのに政治団体の会員にして、例えば会費と同額を後から補填するからなどと約束しながら政治団体が政治献金あるいはパーティー券の購入などをすることというのは立憲案ではどうですか。

奥野議員 今、本庄提出者が申し上げましたとおり、組合に限らず、企業においても、雇用関係を不当に利用したり会費相当の金銭を支払うことを約束したりして政治団体の構成員となることを勧誘し、かつ当該政治団体をして政治活動に関する寄附、政治資金パーティーの対価の支払いをすることを禁止する条文を設けております。よって、委員御指摘のような、政治団体を抜け道としてパーティー券を購入するというようなことはできない。自民党の法案よりも厳しくなっていると思います。

源馬委員 確認ですけれども、自民党提出者が指摘をしていた抜け穴があるんじゃないかということは当たらないということでよろしいですか。

奥野議員 そういうことには当たらないと断言します。

源馬委員 抜け穴はないということを確認いたしました。

 抜け穴だらけと筆頭理事はやじを飛ばされますが、それよりも甘い留意と尊重で、その方がもっとゆるゆるだと思いますけれどもね。うちの案では少なくとも禁止をしているということだと思います。

 本来は、今の抜け穴指摘というのも国民民主党さんからも御指摘がありました。でも、今のやり取りを聞いていただいて、本当は、今日は提出者じゃないのでここに座っていらっしゃらないですけれども、国民民主党さんや公明党さんにもどうですかという意見を伺ってみたいし、さっきの企業・団体献金禁止についてもいろいろ議論がありました。政策がゆがめられているのではないかという指摘もさせていただいて、そうではないというようなこともあったけれども、このやり取りも聞いて本当にどう思うのか。禁止した方がいいんじゃないかと思うか、禁止は要らないよと思うのか。

 是非、国民民主党さんや公明党さん、提出者ではありませんけれども、採決のときには非常に重要なお立場にいらっしゃると思いますので、そういう方々にも是非ここに座っていただいて、通告ベースで質問できるようにしていただきたいと思いますが、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。

渡辺委員長 後ほど理事会で協議をいたします。

源馬委員 最後に、維新案についてなんですが、まず法制局さんから簡単に企業・団体献金そのものを。企業、団体からの献金を禁止することは憲法違反に当たるおそれがあるかということと、その他の政治団体ですね、政治活動を目的とした政治団体からの献金を禁止することは憲法に抵触するおそれがあるかどうか、法制局から御答弁をお願いします。

神崎法制局参事 お答えいたします。

 まず、前提として、私ども衆議院法制局は、与野党を問わず、御依頼に基づいて、その会派の先生方のお立場に立って条文案を立案することを職責とする国会の補佐機関でございます。立案に当たって、憲法問題を始めとして、法解釈に関し御助言申し上げることはございますが、あくまでも各会派のお立場に立った上での解釈であって、有権解釈ではないということを御理解ください。

 その上で、二点御質問をいただきました。

 まず、御質問の企業・団体献金の禁止についてでございますけれども、政治活動の自由といえども無制限に保障されるものではなく、公共の福祉の範囲内で必要最小限度の制約は可能と考えられるところです。仮に、企業・団体献金について何らかの弊害が発生しているのであれば、弊害解消に必要な範囲内で制約をかけることも許されると考えますし、その弊害が強度なものであれば、これを禁止することも許されるという憲法上の立論も十分に成り立ち得るものと考えます。

 次に、政治団体による寄附の制限についてでございますが、政治団体については、営利活動などを目的とする一般の企業、団体とは異なって、政治活動を行うことそれ自体が目的である点を留意する必要があると思います。その政治活動それ自身の中に、寄附を含めた財産的な活動による政治目的達成が含まれている場合もありますので、そのような政治活動の自由の保障と過剰な寄附による弊害解消のためのバランスは考慮することが必要と考えられます。そのためには、まず、政治団体による寄附においてどのような弊害が発生しているのか、立法事実をより慎重に見極め、これに対して必要最小限度の規制とする必要がございます。この点、維新案は全面禁止ではなく上限を設ける構成となっており、このような構成であれば、立法事実を踏まえた上で、弊害解消のために合理的な規制という立論も十分に成り立ち得るという理解で今回はお手伝いをさせていただきました。

 以上です。

源馬委員 ありがとうございました。

 済みません、維新案についてももう少し質問したかったんですが、時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、斎藤アレックス君。

斎藤(ア)委員 日本維新の会の斎藤アレックスでございます。会派を代表して、質問させていただきたいと思います。

 まず、冒頭、先ほどの源馬委員との質疑で、ちょっと自民党の小泉先生のお答えが、私はひっかかったところがありまして。立憲民主党も国民民主党も企業・団体献金といえば組合からお金をもらっているじゃないかということをおっしゃいましたけれども、それを立憲民主党さんは今回は一緒にやめましょうということを御提案されているんだと思いますので、あなたたちはもらっているからあなたたちも変じゃないかという話ではなくて、だからみんなで今一緒にやめましょうという話をしているので、そのことは是非御理解いただきたい。

 そもそも、私は国民民主党にいましたけれども、国民民主党も立憲民主党の議員も連合に応援はしていただいていますけれども、お金をもらっている議員というのはごく少数でございますので、状況が全く違う。何かこちら側もお金にまみれているみたいな、そんなふうに印象操作をされると、お金にまみれていると自民党の皆さんを言うつもりはもちろんないですけれども、置かれている立場が根本的に違うということは是非御理解をいただく必要があるのかなというふうに思います。

 その上で、今回、企業・団体献金を我々日本維新の会も問題にしていて禁止しようとしているわけですけれども、企業・団体献金がどの程度の規模なのかということは、まず国民の皆様に正確に御理解をいただくことが必要だと思います。これを放置していいというか、許容していい問題なのか、やはりこれは禁止すべきだねという話は、どれぐらいの規模なのかということが分からなければ御理解が進まないというふうに思いますので。

 まず、自民党提出者にお伺いしたいんですけれども、自民党は政治資金団体も含めて一年間にどれぐらい企業・団体献金を受け取っているのか。これは政治資金パーティーの代金としての形も含まれるということですから、二つ合わせて、直接的な企業・団体献金と、政治資金パーティーでどれぐらい企業、団体に買ってもらっているのか、年間どれぐらいなのか教えていただけますでしょうか。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 総務省が取りまとめております総務大臣届出分と都道府県選管届出分の令和五年分収支報告書における、法人その他の団体、政治団体を除く、からの我が党への寄附の金額につきましては、約八十二億円というふうに承知をしております。

 そして、所属国会議員のパーティー売上げの企業、団体向け販売額ということでございますけれども、そもそも、政治資金パーティーについては、同一の者からの対価の支払い額の合計が二十万円を超えるものしか記載されない。昨年の通常国会では五万円ということに引き下げられているわけでございますが、現状は二十万円を超えるものしか記載されていないということとともに、政治団体ごとに実施しているということでございますので、収支報告書の記載からは法人その他の団体からの収入総額、パーティー券に係る収入総額を把握できていないということから、お答えすることは現状では難しいということでございます。

斎藤(ア)委員 これは、調べようというお気持ちは自民党の方ではおありなんでしょうか。企業・団体献金の金額は分かるけれども、政治資金パーティーのような形で流れてきた企業、団体からのお金は分からないということで、全容が分からないまま規制の話をしなければならないということで、国民理解も進まないと思うんですけれども、政治資金パーティーでどれぐらい企業、団体からお金が流れているのか、何らかの調査をするつもりはないのか、お聞かせいただきたいと思います。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 所属国会議員のパーティー売上げの自民党における額が把握できないまず一つの理由としては、国会議員関係政治団体が行っているパーティーについて、自民党関係の団体というのを直ちに分別して集計することができないということがまず一点ございます。

 そして、我が党、自民党の本部、支部に限ったとしても、都道府県の選管届出分については、政党別は把握できない届出に今はなっております。

 そうした問題と、さらに、先ほど言いましたように、二十万円を超えるものしか把握できないということから、我が党に対する所属国会議員のパーティー売上げの全額の金額を算出するのは困難というのが現状でございます。

斎藤(ア)委員 そんなものは幾らかの前提をつけて調査すればいいと思いますので。全容を把握しないまま、あるいは国民に知らせないまま公開でいいじゃないかという議論に収束させようとしていることは大変問題だと、私たちとしても改めて感じました。

 金額規模的に、少なくとも百億円を超えることは間違いないわけですね。企業・団体献金が直接のもので八十億円あるわけでございますから二百億円を超えるかもしれない、政治資金パーティー分を含めれば。それぐらいの規模の金額の話をしているんだということをまず共通認識として持たなければならないし、そのことを基に、是非、国民、有権者の皆様には、百億円だとか二百億円だとか、そんな規模のお金が毎年特に自民党に入り続けることが本当に健全な政治の姿なのかということを踏まえた上で、禁止すべきだ、すべきではないという議論をしていきたいと思いますので、是非そのことは改めてこの場でも申し上げたいというふうに思っています。

 よく自民党の提出者の方は、秘書を雇用したり地域での活動を充実させる、代議士としての活動をしっかりとしていくためには企業・団体献金のお金が必要なんだ、重要なんだということをよくおっしゃいますけれども、今政党交付金として受け取っているお金、あるいは議員として調査研究広報滞在費として受け取っているお金以外で、幾らぐらい企業・団体献金があれば十分だとお考えなんでしょうか。

小泉(進)議員 まず、アレックス議員が前段でおっしゃった、我々がまず認識を共有するために総額どれぐらい企業・団体献金がありますかという御質問をされましたけれども、それはすごく重要なことだと思います。認識を合わせないで議論していると、全くすれ違ったままです。今、江田先生は離席されていますけれども、三十年前の認識についても我々は全然違うんですよね。紙に基づいたことが私は全てだと思いますが、見てきたことが全てだと言われても全く成り立ちません。こういったことも含めて同じ認識の下で議論を進めていかないと、一致点を見出すのは非常に困難を伴うなと考えています。

 質問の答えになれば、幾らぐらい必要なのかというのは、それは、議員個人個人の活動の形などにも、また地元の選挙区事情などにもよると私は思います。ですので、大事なことは、アレックス議員がみんなでやめましょうよと言いますけれども、みんなが同じ分量を持っていて、みんなでやめようというならまだしも、例えば共産党さんは痛くもかゆくもないと。そもそももらいませんという政党もあれば、まさに収入の道というのは各党違うので。だから、我々は皆さんで公開を高めましょうよと。その方が私はよっぽどフェアだと思います。

斎藤(ア)委員 毎回共産党さんを題材にしますけれども、できれば立憲民主党とか日本維新の会を題材に比べていただければと思います。共産党さんは収入構造が一党だけ特殊だと思いますので。そういう意味では、企業・団体献金がなくなった方が競争環境が平準になると我々は思います。共産党さんがそういう方針でやられているということなのは、それは一定敬意を表しますけれども、ほかの党は全て政党交付金を受け取っていて、企業・団体献金はその中でほとんどが自民党に流れているところで、自民党に流れている企業・団体献金をなくせば、逆に競争環境というか政治状況はフラットになると思いますので、是非、共産党さんばかりを題材にして比較するのはやめていただきたいと思います。

 人によって必要な金額は様々で多様で一概には言えないということですけれども、活動量を増やそうと思えば、秘書を増やそうと思えば、広報を打とうとすれば、そういったことにはお金は切りがないわけですね、必要なお金は幾らあっても足りないということになってしまいますので。どこかで線を引いて、どこかでルールを決めて、ここまででもうやめておこうとやらないと、いつまでたってもお金集めに四苦八苦するということになってしまうし、何よりもお金を集めることが重要であればあるほどお金をくれる人の意見を聞かざるを得ないということは、それは当然起こるんじゃないでしょうか。

 今回、申し訳ないですけれども、商品券の話もちょっと質問させていただきたいと思います。総理が商品券を一年生議員に配っていたという問題が法律に抵触するかどうなのかは私には正確には分かりませんし、専門家に私も聞きたいと思いますけれども。

 結局、何が問題なのかというと、お金を配って、お金を渡して何か意見を変えさせようだとか、あるいは党の方針に従わせようだとか、買収まがいの行動を行っているということに国民は疑念を抱くのではないのかなというふうに思います。企業・団体献金は全てが悪ではないとおっしゃるけれども、全ての人がチャリティーでやっているとはとても思えないわけですね。何か見返りを求めて数百億円のお金が自民党に入ってきていると考えるのが当然のことでございますし、自民党総裁の今の十万円を配っていたという問題も、同様の、自民党のお金が介在した、何か意見を変えさせようだとか、意見を言わせようだとか、黙らせようだとか、そういった政治の問題を表している事例だと私は感じましたけれども。

 自民党総裁が十万円を渡していたという商品券の問題ですね、今日質疑に立たれた一年生議員の方も気の毒だと私は思いました。何も分からないまま商品券を渡されて返却して、今日も何も分からないまま質疑に立たされて、そういったことで自民党の方は本当にひどいなと思うんですけれども、このことを小泉先生はどう思われますか。

小泉(進)議員 我が党の一回生議員に同情していただくことはいいんですけれども、何も分からず質疑に立っているわけではありません。そういった意味でアレックス議員は言ったわけではないと思いますけれども、そこは私からは訂正させていただきたいと思います。

 今、アレックス議員からお話があった、今回のことが国民の皆さんにとって疑念を抱かせる点があったというのはそのとおりだと思います。ですので総理もおわびをされ、この裏側の参議院で今説明に立っている、また野党の皆さんからも質問を受けているというふうに思っております。

 また、アレックス議員の発言の中で、企業、団体の中に見返りを求めない人もいれば見返りを求めている人がいることも消せないだろう、だから禁止すべきだというのであれば、個人献金も禁止しなきゃいけなくなっちゃうんじゃないですか。個人献金だって、見返りを求めて個人献金をしてくる人はいますよね。個人献金と政党交付金の二本柱でこれからやっていこうと目指されている企業・団体献金禁止法案を提出している政党はそのことを否定できますか。私は否定できないと思いますよ。もしもそれを疑念があるから禁止だという論だったら、個人献金も禁止されるという方向を取ったらいかがでしょうか。

斎藤(ア)委員 金額の多寡が全然話が違うと私は思いますし、個人が自分の政治的な思惑を政治の場に反映させたいというのは、これは個人の政治活動の範囲だと思いますけれども、団体が何億円もお金を集めて何億円も特定の政党にお金を入れる、そのことを国民がどう思っているのか、それが正当な政治の姿なのかということを是非国民の皆様に、私は、小泉先生、そうであれば、聞いていただきたいと思います。何も影響はありません、七億円、数億円のお金をもらっているけれども、これは我々の政策決定に何も影響がないし、何もいかがわしいことはない、そう思われているんでしょうけれども、では、それを国民に問うていただきたいと思います。

 私は、そんな政治はやめてほしい、そんなお金に影響される、お金がたくさん入ってくるような政治家の活動というのは減らしてもらっても構わないからやめてほしいと思われるのではないかなと思いますし、そのことは是非、次の選挙の際にも国民に信を問うことに結局はなるんだろうというふうに思います。

 我々は、今、企業・団体献金禁止を訴える、そういった内容の法案を提出させていただいています。同様に立憲民主党の皆様もそういった企業・団体献金禁止の法案を出されているわけですけれども、立憲民主党の先生にまず一つお伺いをさせていただきたいと思います。

 今回の日本維新の会が提出している法案と立憲民主党さんが他の野党の皆様と提出している法案で大きく違う点は、その他の政治団体の寄附金の制限の在り方に関して大きな違いがあるというふうに考えています。我々日本維新の会は、その他の政治団体が行う寄附に関しては年間総額一千万円という制限のかけ方をさせていただいていますけれども、今立憲民主党さんが提出されている法案では、個別制限、一つの政治団体に対する寄附が年間三千万円という制限のかけ方になっています。

 これでは、確かに、政治団体が、例えば何々連盟というのがあって、都道府県ごとに連盟があれば、その連盟ごとにお金を三千万円ずつ特定の政党に、例えば自民党さんに入れるということはできてしまうわけでございますので、お金を分散して寄附するという機能はその他の政治団体を通じて残ってしまうと思います。日本維新の会が提案させていただいているような、個別の制限だけではなくて総枠の制限ですね、年間に寄附できる総枠の制限というのをその他の政治団体にも設けることが重要かと思うんですけれども、その点に関して。その点だけでなくても構いませんけれども。さらに、今立憲民主党さんが出されている法案の中身を厳しい制限にしていくといった、そういったお考えはおありでしょうか。

大串(博)議員 お答え申し上げます。

 我が党案を他党の皆さんと共同提出ということで出させていただいておりますが、加えて、維新の皆さんの方からも企業・団体献金禁止法案を提出していただいております。その中で、今、差異の部分に関して、その他の政治団体が行う寄附の在り方についての差異の部分の議論でありました。私たちは、その他の政治団体からの寄附ということに関して、これを可としている中でのお話なんですけれども、今回、総枠規制も含めた、上限規制の内容を含む御提案をいただいております。

 もとより、去年の十二月の議論からも含めて、その他の団体、政治団体を除くというところがそれでいいのかどうか、抜け穴であるのではないかというような議論もあり、私たちは、そうではございません、個人が行う政治活動によるところであれば、これは認めていくべきだし、そこはきちんと見ていきますというふうな御返答を申し上げている中で、さらに、よりよく国民の皆さんに信頼を得られるような内容を皆さんからも御提案いただけるのであれば、それは建設的に乗っていきたいということは申し上げている中で、維新の皆さんからも様々な提案をいただいて、今回も御提出いただいているものだというふうに思います。個別規制、そして総枠規制はそれぞれ合理性のあるものだと私は思っておりますけれども、様々な議論の中で、よりよい法案としてできる面があるのであれば、これからも一緒に議論させていただければというふうに思います。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 ここの部分が設けられれば、総枠規制を設けることができれば、抜け穴批判というのはほぼ私は、反論できるというか、封じ込めるようになれると思いますので、是非前向きに、残り少ない日数ですけれども、協議を続けさせていただきたいと思います。

 繰り返しになってしまうんですけれども、もう一つ立民の提出者の方にお伺いしたいのは、たとえ今言ったような規制を設けても、企業とか労働組合とかが構成員とか職員に対して、この党に個人寄附をしろだとか、この人の政治資金パーティーを買えだとか、そういったふうに、ちょっとお金を多く払うから、給料を上乗せするから、そういったことが横行して、これでは意味がないんだという、そういった批判をされる方がいらっしゃいますけれども、もちろん私は分かっていて聞いているんですけれども、この批判に対してはどのようにお答えになられるでしょうか。

奥野議員 お答えいたします。

 一般論で言えば、当然、本人の自由意思で寄附をする場合は憲法上保障されている。個人が自由な意思で政治団体を結成し、加入し、寄附を行うことまでも禁止するものでは当然ないということでありますが。

 しかしながら、企業、団体がその役職員の自発的な意思に介入して寄附をさせるような場合、誘導するような場合、強要するような場合については事情が異なってまいりますので、先ほど来申していますが、憲法上保障される政治的活動とのバランスを図りながら、そうしたことが起きないように、我々の法案においては、雇用関係の不当利用や会費相当額の支払い等、個人の自発的な寄附とは言えない寄附については明確に禁止する、厳しく禁止することとしております。この点については維新さんの案とも全く同様だと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。

斎藤(ア)委員 そうですね、今既に立憲民主党さんの案と維新の案で一致しているところというのは、雇用関係などを不当に利用して個人寄附をさせたりパーティー券を買わせるということは明確に禁止すると明文化させていただいていますので、大きな企業とか大きな組合とかでこの規定を無視して脱法行為が横行するというような想定に立った批判というのは、これはやはりおかしな議論だなと思いますので、その点には協力して反論というか、打ち消していきたいというふうに考えております。

 時間が大分なくなってしまったので、これで終わりにさせていただきたいと思いますけれども。(発言する者あり)済みません、やじに答えることはできないので、あれですけれども。

 企業・団体献金を禁止するということは、企業、団体から直接入っているお金、政治資金パーティーからのお金も禁止される。そして、個人に対して、個人で買えだとか、そういったことを企業、団体が言えるようなことも禁止する。元々、今でもそんなことをさせることは余りないと思いますけれども、明確に禁止をする条文も設けているので、抜け穴というのは、あと、我々が申し上げたその他の政治団体の総枠規制のところを設けることができれば埋めることができるというふうに考えています。特に、少数与党のチャンスでもございますので、何としても企業・団体献金を一律に禁止して、より健全な政治情勢というのをこの日本で実現して、国民の全体の利益にかなう政治を実現するために、最後まで野党の皆様にも、そして与党の皆様にも呼びかけていきたいと考えております。

 以上で私斎藤アレックスからの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

 今週の意見表明、自由討議でも話していますとおり、私たち国民民主党は、政党のガバナンスについて定める政党法の制定など、受け手側の規制を設けることが重要ではないかという考え方が基本でございます。一方で、出し手側の規制は何もしなくていいというふうに考えているわけではございません。受け手側と出し手側の両輪での規制をしっかりと進めていくことで、より透明性の高い、そして実効性のある仕組みを構築し、政治に対する国民の信頼を取り戻していきたい、こういう考え方でございます。

 出し手側の規制については、抜け穴がない、できる限り抜け穴を小さくする仕組みをつくることが重要でございます。抜け穴がつくられて、後々それを理由に国民から不信感を招くようなことになれば元も子もないわけでありますから、抜け穴を小さくするためにはどのようなことが考えられるのか、こういった視点で本日は質疑をさせていただければと思います。立憲民主党さん、有志の会、そして日本維新の会、それぞれ出し手側の規制に関する法案を提出されておりますので、通告に従いましてそれぞれの党に本日は質問させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、政治団体間における寄附の量的制限の上限額の引下げについてお伺いいたします。

 立憲案、維新案共に政治団体からの献金は温存されるわけで、やはりここが抜け道になる可能性があるのではないかというふうに考えております。そうした中で、できるだけ抜け道を小さくするために寄附の量的制限を厳しくするというような、提案されている方向性は非常に重要なものであると考えております。

 立憲案、維新案、どちらも量的制限を厳しくする方向性ではございますけれども、上限の金額と総枠制限の有無について、少し差異が、それぞれの党の案で違うかなと思います。まずこの点についてお伺いさせていただきます。立憲民主党さんの提出者にまずお伺いするんですけれども、維新の案では総枠制限が設けられている一方で、立憲案では同一の相手方に対する個別制限の引下げのみというふうになっております。総枠制限を設けない理由についてお伺いできますでしょうか。お願いいたします。

大串(博)議員 建設的な御議論をありがとうございます。

 今、出し手の議論ということで、その他の政治団体というところからの出し手としての規制をどうするかという議論でございました。

 是非お願い申し上げたいんですけれども、三月三十一日までに結論を得るということがこの委員会のマンデートになっています。企業・団体献金禁止法案のコアの部分は、出し手としての企業、団体からの献金を可とするか否とするかというところでございまして、今御議論をいただいているところは、その他の政治団体を出し手とするところに抜け穴がどうかというところでございますけれども、もしよかったら、出し手としての企業・団体献金の部分の規制をどうするのかという本丸のところについても是非国民民主党の皆様には建設的な御提案をいただき、三月三十一日までにこの委員会において結論を得るということに関してのお力を賜れればなというふうに思います。何せ、国民民主党の皆さんは、公明党の皆さんもそうですけれども、この委員会において大切な議決票をお持ちでございますので、是非御協力をいただけたらなというふうに思います。

 その上で、出し手としての政治団体の規制に関して、個別規制だけで総枠規制がないことに関してどうかという話でございました。

 先ほども御答弁申し上げましたけれども、昨年十二月来の議論において、抜け穴という言葉で、それをどうするかという議論がある中で、私たちとしては抜け穴とは考えていません。先ほど奥野議員からも答弁があったとおりですけれども、抜け穴とは考えてはいないんですけれども、それでも疑念を少しでも払拭していくためによりよい方法があるのであれば、いろいろな提案を受けながら議論させていただきたいということを申し上げてまいりました。その中で、私たちは個別制限のみを今提案していますけれども、総枠制限に関しても建設的な議論があったら、是非私たちもそれにくみさせていただきたいというふうに思います。

 これについても国民民主党の皆さんからも、この間、古川元久さんからは意見表出の中で、例えば政党や都道府県に、企業・団体献金の受け手としての数を絞る、あるいは上限規制を入れるというような提言もありましたので、私は着目しておりましたので、三月三十一日までに結論を出すという方向に向けて、より具体的な提案をいただけるとかなり議論が進むのではないかなというふうに思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。

森(よ)委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 御答弁いただいた中で、今回の本丸のところは企業・団体献金をいかに廃止していくかというところだったんですけれども、もちろんそれは大事なんですけれども、やはり抜け穴ができてしまうと信頼がなくなってしまうわけですから、そこについてしっかりと詰めていきたいというのが私の思いでございます。

 そうした点についてちょっとまたお伺いするんですけれども、その質問の前に、今回、量的制限の上限の金額、こちらについてまず質問させていただきたいと思います。

 立憲さんの案では、これまでの五千万円という金額から三千万円に引き下げるというような金額が示されています。一方で、維新の案では、これまでなかった総枠制限を設けて、総枠制限、個別制限共に一千万という基準にする、こうしたことが示されております。維新さんの方は先ほど答弁がありましたので、また立憲の提出者にお伺いしたいんですけれども、この三千万円という金額、どういった基準で設けられているのでしょうか。お願いいたします。

本庄議員 森委員にお答えいたします。

 個人が自由な意思で団体を結成、加入し寄附を行うことは個人の持つ政治活動の自由の発露であり、このような憲法上保障される行為を尊重しつつ、実際に存在する害悪の解消のための一定の制約の在り方を考えなければいけないというのがまず基本的な考え方。

 その上で、現行法では、政党及び政治資金団体以外の政治団体間における政治活動に関する寄附については、現行法が五千万となっています。かつては一億円という時代がありました。日歯連の事件がありまして、自民党さんと歯科医師連盟の違法献金事件、逮捕者も出ました。そういった中で、上限が大き過ぎる、高過ぎる、資金の移動が大き過ぎる、そういう中で五千万円に規制するということになりまして、今はそうなっています。当時、旧民主党もその議論の中では三千万円を主張していました。五千万円でもまだ大き過ぎるんじゃないか、多過ぎるんじゃないか、こういう議論がずっとあったんですね。

 そういう流れもありまして今回私どもは三千万ということを提案させていただいておりますが、もう一点、さらに今回は、企業・団体献金も禁止という中で財政構造も変わってくる、なので五千万を三千万に縮小しても大きな支障はないだろう、こういうふうに判断をしております。一方で、本当に三千万であれば十分なのか、もっと縮小すべきではないかという御意見もあろうかと思いますので、ここは絶対額ということではありません、やはり相対的な問題ですので、丁寧に、そして真摯に議論を重ねていきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

森(よ)委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 この金額についてはいろいろ考え方があるところで、さっき私の前の質問者の中でも維新さんから、個人の献金額に合わせる金額にしたらいいのかとか、いろいろ考え方があると思いますので、そこら辺についてはまた議論を是非深めていただければなと思います。

 そして、水曜日の自由討議の中で青柳委員からこういった御発言がございました。日本医師会が自民党に毎年献金している額は七億円、それが一千万円という上限額になったら七十分の一になるので実質的に廃止したと同義である、こうした御発言があったところでございます。巨額の企業・団体献金によって政策がゆがめられているのではないかという国民からの疑念が出ているわけでございますから、上限額の引下げがしっかり実効性を持って機能するのであれば、青柳委員の御発言のとおりだと思います。ただ、立憲案、維新案共に実効性が弱い部分があるのは確かかなというふうに考えます。

 まず、立憲民主党の提出者にお伺いしたいんですけれども、今回、立憲案では、個別制限は三千万円に引き下げられる一方で、対象となるのはその他の政治団体からその他の政治団体への寄附のみという形です。その他の政治団体から政党、政治資金団体への寄附については量的制限が設けられない形ですから、こういったところについてはこれまでどおり、その他の政治団体から政党への巨額な献金というのはでき得る規定になっていると思います。

 企業・団体献金ができなくなることで、政治団体をつくってお金を流すこと、こうした抜け道があるからこそ新しい抜け道でお金が流れていくというのは、更なる疑念を生むような規定にもなっているのかなというふうに思っておりまして、今回、巨額の献金が政策をゆがめていることが問題点なのであれば、総枠制限を設けることでしたり、政党に対する個別制限がないということは不十分であるというふうに考えます。その他の政治団体間における個別制限の引下げのみでは実効性は弱いのではないかというふうに考えますが、その点について御見解をお願いいたします。

大串(博)議員 大変建設的な御意見をいただきまして、ありがとうございます。

 抜け穴とは元々思っておりませんが、より抜け穴でないような形をつくるために様々な建設的な御提案をいただけるのであれば、いろいろ議論させていただきたいというふうに思います。

 その他の政治団体から政党への寄附に関しても個別制限を入れたらどうかという御意見でございましたけれども、国民民主党さんの場合もそれを受け入れられるということであれば、私はそれは国民民主党さんにとってかなり難しい領域の話ではないかなというふうに、私は別途選挙対策委員長もやっておりますので、思っておりました。もしその辺も具体的に議論していこうということでお考えいただけるのであれば、具体的な提案をいただければ、様々、国民の皆さんの信頼を得られるように一緒に議論していきたいというふうに思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。

森(よ)委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 私個人の考えですけれども、出し手側だけじゃなくて、受け手側も両方やっていかないと実効性が担保できないので、出し手側を厳しくするというような方向性ではなく、出し手側についてもやる一方で受け手側もしっかり併せてやっていく、こうしたことが大事ではないかなというふうに個人的には考えているところでございます。

 次に、維新の会の提出者にお伺いいたします。

 今回、維新案では、一千万円の総枠制限が新しく設けられて、制限がより厳しい案になっております。一方で、それでもなお抜け道が存在しているかと思います。例えば、ある政党支部に対して一億円の献金をしたい企業、団体があると仮定します。政治団体は簡単につくることができますから、例えば○○業界を元気にする会という政治団体をつくったり、○○業界の未来を考える会、こういう複数の政治団体を新しくつくって、例えば十個くらい政治団体をつくって、それぞれの政治団体から一千万ずつ献金することで一億円の献金を実質上はする、こうした抜け道もあり得るというふうに考えております。一つの政治団体に対する総枠制限を設けたとしても、政治団体は幾つでもつくることができるので、総枠規定は厳しい案に見える一方で抜け道は存在しており、実効性は弱いのではないでしょうか。その点についてお伺いいたします。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、総枠制限の前に、我々の条文の中には、従業員からの会費や個人献金の形で政治団体に資金を投入し、その政治団体から寄附をさせる、こういったことを雇用その他の関係を不当に利用して行うことはできないという規定を作っておりますので、ここの規定を更に強化するということはまず検討し得ると思っております。その上での総枠制限だということをまずは申し上げたいと思います。

 その上で申し上げたいんですが、国民民主党さんは当初、全ての野党が全面禁止であれば自分たちも賛成するということをおっしゃっておりました。ということは、こちらの内容について穴がないということが確認されればそれは賛成するということだと理解しているんですが、先ほど来からの御質問を聞いていますと、自分たちのできないことを他党に求めているような質問にしか私には聞こえないんですね。

 そういった質問をされる場合には、例えば会社、労働組合、職員団体その他の団体、ここに関しては日本維新の会も立憲民主党も完全に禁止するわけです。出し手側を完全に禁止するわけですから、受け手側に制限をかける必要はありません。ですから、その部分については少なくとも賛成されるのか。また、それを踏まえて政治団体の方がたくさんつくれるじゃないかという御指摘なんですが、今申し上げたとおり、そこの強化、不当な組織の影響力を行使するというところを強化することは十分に考えられますので、建設的な御提案をいただければ、抜け穴を完全に塞ぐような条文にしていただいても構いませんし。

 それから、先ほど自民党の方からも質問があったんですが、要するに、今おっしゃっているのは、今七億円の献金をしている医師会が七十個に分裂するみたいなお話をされているんです。我々は立法者ですから、やはり立法事実というものをしっかり考えるべきだと思うんですね。立法事実というのは、現在起きていることが確かである事実か、あるいはそこから十分な理屈を持って考えられる将来蓋然性の高い、起こり得る未来のことであって、今それが七十個に分裂するとか無数にでき上がるということは分からないわけです。

 ですから、そういうことでもって今立法措置を取るということ自体が適切かどうかは憲法上の制約の中で十分な議論をすべきだと思いますし、仮に今回強化をした上でそういったことが起きるのであれば、そのときは我々はまた責任を持ってしっかりとそこに禁止を行っていくことというのは、そこの公共の福祉に対する害というものがそのときには立法事実として証明されるわけですから、憲法上の疑義もなくなるものだと考えております。

森(よ)委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 是非私たちも建設的な議論をさせていただきたいと思っているんですけれども、おっしゃったみたいに、七億円のやつを七十個に分けてやるというのは、これは多分現実的にはないと思います。ただ、一方で、五千万円だったら五つ団体をつくって一千万掛ける五ができるかというと、それは結構現実味があるものだと思っておりますので、七億円で七十と聞くとそれはないよねというふうに思いがちですけれども、やはり一定の穴は存在しているのかなと思います。その上で、私たちが言っているのは、こうして穴が一定程度存在しているので、否定しているわけではなくて、出し手側だけではなくて受け手側もしっかり皆さんで一緒にやっていきましょうよということを提案させていただいているところでございます。

 そうした中で、さんざん言っていますけれども、現状の大きな課題は、政党のガバナンスについて定める規定、政党法がないことではないかというふうに考えております。

 各党の自由に任せているからこそ野方図的に政党支部がつくられておりまして、一つの自治体に複数の政党支部があるというのは、一般の感覚からすれば違和感を持つ方は多いと思います。政党支部は、使途の公開の基準も緩いこともあったりとか、また政党支部を含めた政党全体での献金額が集約して公開されていないこと、透明度が非常に低い構造になっている、これが問題があるのではないかというふうに考えております。先ほど斎藤委員からの質問に対して御答弁いただきましたとおり、パーティーの収入の全容の金額がなかなかつかめていない、そういったところについてもやはりガバナンス上の問題が一定あるのかなというのは分かるかなと思います。

 今回私たちはガバナンスを規定する政党法と言っていますけれども、あくまで個人的な考えですけれども、今回、受け手側の規制として、政党支部の数に制限を設けることであったり、政党本部で政党支部が受け取った献金の金額を寄附者も含めて集約して公開すること、政党支部を含めた政治資金の使途について政党本部でまとめて公開するとか、こうしたような方向性の考えがあるのかなというふうに思っております。受け手側のガバナンスを高めることで出し手側の規制では足りないところを両輪として補っていく、こうした方向性がいいのではないかと個人的には思っております。これだけ国民一人一人の政治への不信が高まっているわけですから、政治資金の流れの全体像を明らかにして徹底的に透明化を高めていく、出し手と受け手の両方でやっていく、こうした考え方について、立憲さん、維新さん、それぞれから御見解をお願いいたします。

大串(博)議員 今回、私たちが企業・団体献金禁止を提案している本質は、国民民主党の皆さんからは、先ほど森さんが言われたように、出し手の議論じゃなくて受け手の方を強化しなきゃならないから、企業・団体献金禁止というのは受け手の方に着目した議論なので足りないんだというようなお言葉を受け取っているように聞こえますけれども、今回の私たちが申し上げている企業・団体献金の禁止は受け手の強化です。

 三十年前に企業、団体から受け手として個人の政治団体は禁止しました。しかし、そのときに受け手として政党、政党支部は残ってしまいました。それが今問題として残っているわけです。すなわち、三十年前に受け手の制限が十分でなかった、そこを受け手の制限として新たに追加して禁止していこうということでございますので、受け手の規制として私たちの案が最大限に強化されたものだというふうに思っておりますので、是非そういう位置づけでお考えいただけたらなというふうに思います。

 一般的に、政党のガバナンスをしっかりよくして透明性を高めていくというのは私はいい考えだと思います。ただ、それを政党法という形にするのがいいのかどうかというのは、様々な野党の皆さんの考え方もありますので、幅広い意見を聞きながら進めるべきではないかなというふうに思います。

青柳(仁)議員 お答えします。

 その前に、先ほどの御質問についてもう一度申し上げますが、我が党が出している法案の中には、政治団体、ここに、その他の団体、要するに会社、労働組合、職員団体その他の団体が新しく政治団体をつくってそこから献金する場合に関して抜け穴になり得るんじゃないかという話に関しては、そもそも母体となる組織、団体が組織の影響力を不当に使ってその他の団体から献金等を行わせてはならないということを言っているわけですから、五個に分裂しようと七十個に分裂しようと、その規定が生きている以上はそこが措置されていると考えるのが普通であると思いますし、もしそこがそれでも穴だというのであれば、その条文をどうすべきかという建設的な御提案をまずはいただきたいと思います。

 その上で申し上げたいんですが、政党法については我が党も検討しておりまして、今いろいろな議論をしておりますが、とてもこの三月末には間に合いません。国民民主党さんがいつから検討されたのかは知りませんが、基本的にはこの三月末までに我々は結論を得なきゃいけないんです。どういう結論を得るのか、そんな長い話をしているわけじゃないんです、ですからまずそこは考えていただく必要がありますし。

 それから、先ほど来からおっしゃっている、政党支部の数を制限すべきじゃないか。これは我々も検討しました。ただ、なかなか規制をかけるのは難しいんです。現在、政党というのは政党支部も含めて一つの政治団体というふうにみなされますから、どういうカテゴリーをつくったらそれを除外できるのかというのは、法的に措置するのがなかなか、まずそこにハードルがある。しかし、これは不可能ではないと思います。

 ただ、もし、国民民主党の言っているとおり、そこを仮に規制できたとして、政党本部だけが受け取れるようにする、あるいは政党支部のうちのしっかりした支部だけが献金を受け取れるようにしたとしても、日本維新の会は、今立憲民主党が言っているような規制をかけない限りは、国民民主党の案ではそこに無限にお金を出すことができますから穴どころじゃないですよ、政治団体からは今は制限がないわけですから。一個だろうと二個だろうと、受け手が一つだろうと二個だろうと、しっかりしていようとしていなかろうと、そこに無限のお金を出すことができるんです、政治団体から。そして、会社、労働組合、職員団体その他の団体に関しても、総枠制限は七百五十万円から一億円です。ですから、穴なんというものじゃないんですよ、ぽっかり空間が空いているような状態の議論をしているので、是非建設的な議論をしていただきたいと思います。

森(よ)委員 御答弁ありがとうございます。

 質疑時間が終了しましたので、終わります。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、山口良治君。

山口(良)委員 公明党の山口良治でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。

 企業・団体献金の審議、国民の皆様から大変に注目を集めております。この委員会での議論を通じて、国民の皆様の政治への信頼の回復、また企業・団体献金の改革の中身のしっかりとした理解が深まるよう、建設的な議論を行っていけるよう、御質問に入らせていただきます。

 まず、私たち公明党は法案の方を提出はしておりませんが、だからこそ客観的というか、人ごとではないんですけれども、しっかり主体的に一つ一つの法案の中身を聞かせていただきたいというふうに思います。

 まず初めに、先ほど来お話しになっておりますが、立憲民主党さんに御質問させていただきます。法案の中では、二十一条二項におきまして、企業・団体献金の禁止を規定された上で、その禁止対象から政治団体からの寄附を除かれ、例外扱いとされております。その理由について、重ねてとなりますが、お伺いさせていただきたいと思います。

    〔委員長退席、後藤(祐)委員長代理着席〕

井坂議員 御質問ありがとうございます。

 公明党さんは金権腐敗と戦う政党であるというふうに思っておりますので、御質問の趣旨は、企業・団体献金禁止はすべきだ、しかもそれだけでは政治団体からの寄附が余りにも自由にやり過ぎるとそれはやはり大きな問題だ、こういう御趣旨で御質問をいただいたんだというふうに思います。

 我々も、おっしゃるように、もし抜け穴ということになっては大変だと、同じ問題意識を持っております。政治団体間の寄附というものを全部禁止ができたらいいんですが、これが、憲法の政治活動の自由との関係とか、あるいは政治団体間で実務的に資金移動、これは政策をゆがめるような話とは全然別に実務的に行われている資金移動、こういうものがあって、どこでバランスを取るかというところで大変難しい判断を迫られたところであります。

 その結果、立憲案では、企業、団体からその他の政治団体への寄附だけでなく、企業、団体、これは労働組合も含みます、企業、団体、組合から政党への寄附を禁止して、政治団体間で仮に多少資金移動ができるとしても、そもそもその政治団体には企業、団体、組合から直接お金が入れられない、この世界には入らないというまず大きなシャットアウトをした。それからもう一つが、先ほどからあります、雇用等を不当に利用したり、あるいは会費を払っておくからというようなやり方で個人の意思と関係なく政治団体に個人を入れるというようなことを禁止する。この二つのルートをしっかり遮断することで、最大限、抜け穴というふうには絶対にならないようにという制度にしたところであります。

 是非、まず企業・団体献金を遮断するという、我々は大きなシャッターを閉めようとしているんです。そこに穴があるのかないのか、あっても本当に小さな穴だと思いますが、そこの議論はもちろん我々もこれからも考えますけれども、ただ、この穴の有無よりもまずシャッターを閉める、企業・団体献金は禁止するという大きなシャッターを閉めることについて、是非、公明党さんか国民民主党さんが賛成をしてくださればこの委員会は企業・団体献金の禁止は通る話でありますから、是非御一緒させていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

山口(良)委員 御答弁ありがとうございます。

 お話がありました、政治団体には憲法上の権利としての政治活動の自由があるということで、その制限はしない、金額的な制限はしますけれども、寄附はすることができるということでございました。一方で、企業、団体、いわゆる政治団体ではない企業についてはシャットアウトされるというお話でした。

 憲法上の権利、これが抵触するのかしないのかという議論にもなりますけれども、一方で、企業・団体献金を禁止することによって、企業、団体の役員など個人献金名義で寄附を行うなど、結果的に企業、団体ではなく個人名義での、個人献金の形をして迂回献金というようなことを生む、そういったおそれもあるかもしれません。これは仮定の話ですけれども。政治資金規正法第一条に規定をされる国民の不断の監視と批判の下に行われるようにし、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与するというこの目的をかえって形骸化させてしまう可能性があるのではないかというふうに考えますが、この点、どのようにお考えでしょうか。立憲民主党さんにお聞きします。

奥野議員 迂回献金を助長するといいますが、そもそも政治資金規正法では二十二条の六で他人名義での寄附は禁止されています。これは当たり前のことですよね。勝手に迂回して他人名義で寄附をすることはできないという大原則がありますが、その上でなお我々は企業なり組織なりが個人の自由意思に介入することも禁止する、雇用関係を使って寄附を強要するとか、あるいはお金を肩代わりするというようなことも厳格に禁止するということで、そこも塞いであります。

 ということで、どうしても企業経営者の方とかが、個人のまさに自由意思でどうしても法人ではなく自分で寄附をしたい、これは個人の自由意思でありますから当然規制されるものではありませんが、助長というよりはこういったものにだんだん絞られてきて、個人の自由意思の献金は逆にどんどん促進されるんじゃないかというふうに思います。

 この部分についても当然のことながら個人献金については上限額が定められておりますし、それは企業・団体献金の上限額よりは少額となります。また、御承知のように個人献金についても一定額以上の高額寄附者については公開されることとなっていますから、以上を踏まえると、むしろ迂回というよりは純粋に個人の意思で寄附する方が増えてきて、額自体も適正な額にだんだん絞られていくんじゃないか、それもきちんと公開されていきますから、政治資金規正法の第一条の国民の不断の監視と批判の下に行われるようということに合致する、むしろより合う形になっていくんじゃないかというふうに考えております。

    〔後藤(祐)委員長代理退席、委員長着席〕

山口(良)委員 ありがとうございます。

 個人献金の促進ということは政治資金の寄附の議論において非常に大事だというふうに思いますが、昨年当委員会の中で我が党の委員からも御指摘をさせていただきましたが、各党の収支報告書を調べさせていただきますと、実際に、迂回ではないんですけれども、誤解があると申し訳ないんですが、会社役員の方が特定の国会議員の政党支部に対して非常に多額の寄附をされているというケースもあります。企業・団体献金を禁止したとしても、個人献金という形に変えて、かえって裏に潜ってしまい見えにくい、透明性を低下させてしまうという結果になりかねないという点は全くゼロではないということは御指摘させていただきたいと思いますし、他方、我が党としましても、国民の政治参加における機会均等の確保をしていく観点からも、個人献金の税額控除の拡充など、個人献金の促進も図ることを提案させていただいているところでございます。

 次の質問に移らせていただきます。

 先ほど来と同じ質問となってしまって大変に恐縮ではありますが、改めて私からも質問させていただきたいと思います。維新の提出者に御質問させていただきたいと思います。

 維新案、維新の皆様は当初、企業・団体献金全面禁止を主張されておられましたが、今回提出された法案の中では政治団体からの寄附を例外扱いとされております。当初の全面禁止から修正に至った経緯、根拠について伺いますとともに、政治団体による寄附につきまして年間総額一千万円を上限とされた理由についてお聞きいたします。よろしくお願いいたします。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 先ほど自民党の質問者に対してもお答えさせていただきましたので、同じ答弁になってしまうんですけれども、よろしいですか。

 まず、日本維新の会としましては、運用上、政治団体、職員団体、企業、団体、いかなる団体からも我々は献金を受け取っておりません。ですので、当初我々が考えたのは、今の日本維新の会の議員及び政党が行っているルールを、国会議員及び全ての政党のルールにしようということでした。

 しかしながら、それについて法制化を図ろうとした際に衆議院法制局から、先ほど来も御答弁がありましたが、様々なアドバイスをいただきまして、企業、団体あるいは職員団体、労働組合に関しては、そこは完全禁止しても憲法上の疑義は生じないのではないかということでしたが、政治団体に関しては、そもそもが政治活動を行うために存在している団体でありまして、そこの献金という政治活動を全面的に禁止してしまうということは憲法上の疑義を生ずるおそれがある、おそれが強いということで、我々としては、党内で検討しました結果、そこに関しては総枠制限をかけていこうということになりました。

 その際に、先ほど申し上げたんですが、できるだけ低い総枠の方がより禁止に近いわけですから、十円でも百円でもいいのかというような議論も最初にしたんですが、それではほぼ禁止と同じである、では禁止と同じではない一定金額で最も低い金額というのはどういうものであるかということを議論した際に、個人の献金と同額の一千万円であれば一定の根拠のあるものとして説明がつくであろう、こういうことで、最終的に一千万円までの総枠制限をかけさせていただいたということであります。

山口(良)委員 丁寧な御答弁をありがとうございます。

 総枠制限を一千万ということでありましたけれども、公明党としましても、今回、何らかの点で、ある一定の総枠制限、強化が必要であるというふうに考えております。

 ただ、先ほどの憲法上の疑義が生じるか生じないかという点につきましては、非常にこれは重要な点だというふうに思います。企業・団体献金について、企業、団体のする政治活動の自由をどこまで制限していいのかということについては、様々、憲法学上でも意見が分かれているところでございますので、慎重な議論が必要になってくるというふうに思います。

 続きまして、ただいまの質問に関連して、立憲民主党さん、維新の会さんにお伺いいたします。

 政治団体の寄附を全面禁止にしますと、政治活動の自由を制限することとなり、憲法違反の懸念が出てまいります。法案提出者は企業、団体の政治活動の自由は否定をされていない、ただし政治献金という意味では自由の限度を超えているというふうに理解してよろしいのか。憲法上どのようにこの点が保障されると解釈をされるのか。そして、企業・団体献金が政策をゆがめるか否かを判断する明確な基準をどのようにお考えか。立憲民主党さん、維新の会さんにお伺いいたします。お願いします。

本庄議員 山口委員にお答えします。

 もちろん、企業、団体も、政治活動の自由、これは憲法上保障されています。一方で、それが全て個人と同じ中身、程度なのかということについては様々な議論があると思います。例えば、営利を目的として、あるいは特定の政策を推進することを目的として存在している企業や団体といわゆる自然人としての個人、これが全く寄附や献金の質が同じなのか。これはやはりおのずと違いも出てくると思います。そういう中で政策判断としてどういう制度を入れていくのかということだと思います。

 それから、基準というお話がありましたけれども、基準というよりも、むしろ立法事実が重要だというふうに思います。そもそも、個人に対する今禁止されている企業、団体の寄附も、リクルート事件とか、こういった立法事実があって禁止というふうになったわけですね。個人の献金は認められているけれども企業は認められていない、違いをつくっているわけです。一様にすべきだというのは、私はまた一面的な議論だろうというふうに思っております。

 以上です。

青柳(仁)議員 お答えいたします。

 まず、会社、労働組合、職員団体その他の団体ということと政治団体というのは全く別の存在であるというふうに捉えておりまして、というかそれが当然だと思うんですが、その上で、双方に政治活動の自由があるというのは、これは憲法上保障されているものだと思います。一方で、その目的として、会社、労働組合、職員団体その他の団体は別に政治活動を行うために存在しているわけではありませんので、当然、政治団体と比較するとその権利の程度は低くなる。これは法制局の見解と同様であります。

 その上で、公共の福祉に反するような事案、立法事実があるのかないのかということで考えますと、一九九四年の平成の政治改革の際に、リクルート事件や佐川急便事件、まさに企業・団体献金が政策をゆがめた事案、こういうものを立法事実としまして、ここを禁止しようということを実際に行ったわけです。ですから、同様の立法事実は現在も生きているわけであって、様々な最高裁の判決を自民党の方はおっしゃいますけれども、あそこにも立法措置によってこういったものを正していくべきだということが書かれているわけです、最終判決文にも。

 ですから、そういった観点から会社、労働組合、職員団体その他の団体に関しては全面的に禁止をしても憲法上の疑義は生じないと日本維新の会としては考えておりまして、先ほどの衆議院法制局の御答弁も同様だったというふうに考えております。

 一方で、政治団体に関する我々の考え方は先ほど申し上げたとおりであります。

山口(良)委員 ありがとうございます。

 企業、団体の政治活動の自由につきましては、八幡製鉄事件最高裁判決等々、今なお意見が学者の皆様も分かれております。

 こうした憲法で保障された企業、団体の政治活動の自由がもし万が一でも不当に制限されることになれば、純粋な思いで社会に貢献しようという目的を持ってこの議会制民主主義を支えようとされていらっしゃる企業、団体の皆様の自由を制限することにもつながりかねないということを十分に配慮していかなければならないと思いますとともに、企業の政治活動の自由をしっかりと保障し、いかに賄賂性を排除し、国民の皆様の目から見ても疑念を抱かれないような制度設計を図っていくべきではないかと考えます。

 そういった意味で、我が党としましては、具体的に、政治資金の寄附の個別制限や総枠制限における量的規制の強化、また、企業や労働組合も含めた団体が特定の政党ではなく政党全体を支えるための、仮称ではありますが、政党交付金基金の創設などを提案させていただいているところでありますので、この点も是非御議論いただければというふうに思います。

 時間も迫ってきておりますけれども、次に立憲民主党さんにお聞きをしたいと思います。雇用関係の不当利用等による寄附等の制限についてお聞きします。条文はちょっと長いので省きますが、三点お聞きしたいんです。

 まず、不当利用に該当するか否かをどこがチェックされるのか。そして、どのような基準で判断をされるのか。三つ目に、不当だと判断された場合の対応、どこがどうするのか、従業員であったり構成員が何かを訴えなければ事が動かないのか。この点、お聞かせいただければと思います。

大串(博)議員 ありがとうございます。

 私たちが提案している規定、雇用の不当利用等は駄目よというこの規定に関しては、裁判規定ではありませんので、罰則ではありませんから、裁判所がこれを判断するというものではありません。しかし、これは自民党さんが提案されている理念規定とも違いまして、行為規範を示す、行為規範の規定でございます。ですから、これを満たさなければ法律違反行為ということになります。

 もとより、政治資金規正法は、国民の皆さんの目に様々な政治活動をさらすことによって適正な政治活動となるようにしていくというのが本旨でございます。この条文に書かれたような行動、つまり、雇用関係を不当に利用し政治団体に加入させるとか、あるいは賃金をこれだけ上乗せするからあなたの名前で政治団体に入ってくださいねとか、そういったことをやってはなりませんよという行為規範をしっかり定めておりますので、こういったことが行われれば、国民の不断の監視の下で、行われてはならないという形での規制がかかっていくというふうに私は思っております。そういった中での、元々二十二条の六で他人名義の寄附は行ってはならないという罰則つきかつ裁判規範としての規範がある上での新たなる規定でございますので、更なる抑止を入れたものというふうに理解しています。

山口(良)委員 とにかく実効性のあるものに企業の努力義務ではならないというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 時間が参りましたので、以上で質問を終わりにします。ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 れいわ新選組の高井でございます。

 おとといの自由討議でも申し上げました、ずっと言い続けていますけれども、我々れいわ新選組は自民党の裏金問題の真相究明がまず先であるということ、それに対して、先日、小泉さんには私から、森元総理、元宿自民党事務総長、この二人がキーパーソンなので、このお二人にヒアリングできるのは小泉さんぐらいしかいないだろうと。本当にそう思います。

 これをもしやっていただければ、小泉さんの株も爆上がりだし、自民党も起死回生。完璧な答えじゃなくてもいいと思いますよ、こんなことだったんじゃないかという、聞き取りをしたよということがあればそんな証人喚問とか参考人招致なんかやらなくても済む、とにかく自民党さんの中でこれは解決していただきたい、私はそういう思いで前向きな提案をしました。残念ながらいい答えではなかったけれども、でも、あのときを考えて、今は答えられなくても、この後、やってみようかといって、やっていただけることを私はひそかに期待しております。

 ただ、その日に小泉さんがこうおっしゃったんですね。高井さんの言う清和会の問題が今議論が行われている企業・団体献金と関係があるのかといったら関係ない、あの問題は不記載、今議論されていることは、企業・団体献金の禁止は別問題だと。裏金問題と今の企業・団体献金禁止は別問題だと言ったんですけれども、本当にそれで、自民党さん、いいんですか。それが公式見解ですか。お答えください。

小泉(進)議員 公式見解かどうかというよりも、事実です。不記載の話と企業・団体献金の問題というのはどのように関係があるんでしょうか。今回、あの件は派閥によるパーティー券の不記載があったことでありまして、今議論されている企業・団体献金の禁止をすべきかどうかというのは別問題、私はそれが事実だと思います。

高井委員 では、ほかの野党の皆さんに聞きたいと思います。提出者が立憲、維新、有志ということになるので、それぞれ順番に、今の小泉さんの発言についてどう思われるか。そして、私は、それは違う、関係があるという答えを期待していますが、関係があるのであれば、併せて聞きますけれども、やはりこの委員会で真相究明をまずやるべきじゃないかと。れいわ新選組がずっと言っていることをまずやるべきじゃないですか。それぞれお答えください。

井坂議員 ありがとうございます。

 立憲民主党はこの発言には賛同しない立場であります。この発言というのは、自民党さんの発言には賛同しないという立場であります。

 裏金問題によって国民の政治に対する信頼が大きく失墜し、地に落ちている現状であります。政治への信頼回復のために裏金問題の真相究明は重要であります。予算委員会での参考人招致などもこの間精力的に行ってきたところでありますが、同時に金権腐敗の温床とされる企業・団体献金を禁止しなければ政治不信というものは拭えないと考えております。

 この委員会の目下の最大のミッションは、今年度末、三月末までに結論を得るという昨年十二月の申合せに基づいて企業・団体献金の禁止を実現するということが少なくとも目下の最重要の課題だというふうに考えております。

青柳(仁)議員 日本維新の会としましても、自民党の今の小泉提出者の発言については賛同いたしかねます。

 今回は不記載の問題というふうにおっしゃるんですが、実際には、派閥の政治資金パーティーがなぜ必要だったかというと、派閥がお金を必要としていたわけで、金のかかる政治というのがあり、そしてそこに企業・団体献金を含むお金の流れというもの全体の中でああいうことが起きているというふうに考えておりますので、関係は、そのまま関係性の中にあると考えております。

 もう一つ、真相解明を行うべきではないかということに関しては、先日の松本元事務局長へのヒアリングの結果、旧安倍派の幹部との間で意見の食い違いが明らかになっておりますので、確かに更なる真相究明を行う必要がありますが、先ほど立憲民主党の提出者の方からお答えがあったとおり、本委員会では三月末までに法改正の結論を得るということ、この重要なミッションがありますので、まずはそちらに集中した方がよいのではないかなと考えております。

緒方議員 御質問ありがとうございます。

 裏金と企業・団体献金の関係ですが、まさに裏金問題が解明されていないので、関係があるのかどうかということも最終的にはよく分からないというのが実態ではないかと思います。ただ、いずれにせよ、この件も企業・団体献金も、政治に係るお金の問題が政治不信全体を惹起しているなということについては、高井議員と全く思いを共有するところです。

高井委員 私も、今の三人の皆さんの意見に賛同いたしますが、そこは全く意見が違うところであります。まずは真相究明が先だ、これはあくまでも我々の立場でありますが、しかし一方で三月までに結論を得るというのも大事ですから、これは並行して是非やってほしい。

 しかし、予算委員会とかに頼るんじゃなくて、政治改革特別委員会がまさに真相究明をやる場だと私は思いますので、少なくとも、今私が申し上げた森元総理、元宿自民党事務総長の参考人招致、もし参考人で来ていただけないのなら証人喚問まで求めたいと思います。委員長、お取り計らいをお願いします。

渡辺委員長 後ほど理事会にて協議をいたします。

高井委員 それでは、企業・団体献金の話をいたしますが、福島さんが大演説をされて、非常に私も感銘を受けました。実は私も同じような思いを、私も総務省で十三年働いていたので同じような経験があり、ちょっと話をしたいと思います。

 私は、長い間、電気通信事業部というところに総務省の中でおりました。電気通信の競争政策をずっとやっていたわけですが、しかし、電気通信事業法の改正をやろうとするたびに自民党の族議員の方々が出てきて反対されるということで、大バトルになりなかなか競争政策が進まなかったという、じくじたる経験を私もしています。

 電気通信事業者は大きな企業ですよ。大企業、誰でも知っている。そういった事業者が献金を幾らしているのかまではちょっと調べてこなかったんですが、しかし、ある大企業は、献金をするために、管理職になると自動的にお金が集まる仕組みになっているというのを私は当時聞きました。ですから、小泉さんはよく労働組合のチェックオフの話をしますけれども、労働組合だけじゃなくて大企業だって同じようなことをやっています、もちろん労働組合もやっています。なので、私たちは、企業・団体献金の禁止は、政治団体を隠れみのにしてやるおそれがある、実際にそういうのを見てきましたから、だからこれは一律に禁止すべきだとずっと申し上げてきています。

 ただ、今回、それは憲法違反の疑いがあるということで、先ほど衆議院法制局の部長さんには答えていただきましたが、一方で衆議院法制局は有権解釈権はないともおっしゃいました。

 今日は、お忙しい中、内閣法制局長官にわざわざ来ていただきました。これは非常に重要な憲法解釈だと思うので、無理を言って長官に来ていただきました。政治団体による献金を禁止することは本当に憲法違反の疑いがあるんですか。内閣法制局長官、お答えください。

岩尾政府特別補佐人 お尋ねの政治団体による寄附に関しましては、内閣法制局といたしまして、どのような制約を課することができるか、これについて、公共の福祉の観点から必要やむを得ないものと言えるのかどうかにつきまして、具体的な検討を行ってはいません。

 また、企業・団体献金の禁止の在り方を含めまして、政治資金規正法の改正につきまして、既に各党各会派において御検討の上、国会に法律案が提出され、この委員会でまさに御議論が行われているものと承知しております。そのような法案の内容に関わる事項につきまして、内閣法制局から御意見を申し上げる、お答えするというような立場にはございません。

高井委員 残念ですね。それで本当に内閣法制局はいいんですかね、憲法違反かどうかというのを解釈する。さっき衆議院法制局も有権解釈権はないと言っていたじゃないですか、あくまでも国会議員の立法の補助をする役割だと。内閣法制局もそうかもしれない。でも、内閣法制局というのは明らかに法律の憲法違反かどうかを検討するところじゃないですか。これだけもう、去年の年末ぐらいからずっとこの話があって、政治団体を除くかどうかが憲法違反か、まさにこの委員会で一番の議題になっているのに、いまだにそれに対して検討していませんというのは私は本当におかしいと思います。

 本来、内閣法制局として、どういう場合が憲法違反であるのかとか、きちんと網羅的に整理をして、その中で、今の立憲民主党そして維新の案が果たして憲法違反かどうかを。それをダイレクトには言えないというんだったら、もうちょっと幅広く、どういうケースだったら憲法違反になるかみたいなことは、少なくとも内閣法制局は検討して公表すべきじゃないかと思いますが、長官、いかがですか。

岩尾政府特別補佐人 内閣法制局の所掌事務につきましては、内閣法制局設置法で規定されているところであります。それによりますと、法制局は、閣議に付される法律案、政令案及び条約案を審査し、これに意見を付し、及び所要の修正を加えて、内閣に上申すること、法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べることと規定されているわけでございます。

 企業・団体献金の禁止の在り方につきましては、内閣法制局におきまして閣議に付される法律案という形で審査を担当したことはございませんし、昨年十二月でございますが、総務省におきまして作成、提出した政府統一見解、その協議を除きまして内閣等から意見を求められたことはございません。

 その上で、先ほど申し上げました政府統一見解では、「企業・団体献金の禁止の在り方を含め、政治資金規正法の改正については、既に各党各会派において御検討の上、法律案が提出され、衆議院政治改革に関する特別委員会において御議論されているところであるが、審議中の議員提出法案について、政府として意見を申し上げる立場にない。」と、このようにしております。

高井委員 法の不備ですね、そうであるならば。内閣法制局の設置法を変えないと駄目なんじゃないですか、皆さん。だって、政府提出の法案しか言わない、議員立法は知らないと。議員立法は確かに、衆議院法制局なり参議院法制局はあるけれども。だけれども、じゃ、法律以外のことってないんですか。いろいろなことで、行政がやっていること、あるいは国会でやっていることで、憲法違反かどうかというのを国民の皆さんは知りたいじゃないですか。一々裁判に訴えて、最高裁まで判例を待たなきゃいけないんですか。やはりそういうことをきちんと整理して、基準ぐらい示す。

 しかも、企業・団体献金というのは三十年前から話があって、当時から憲法違反云々という話があって、この間、石破総理が発言したら、それに対してようやく中途半端なペーパーが一回出てきて、またその後、いまだに一枚物の中途半端な。こんなのじゃ、本当に内閣法制局、めちゃくちゃ優秀なスタッフが、各省庁からえりすぐりの法律の専門家が集まっているのにもったいないですよ、内閣の法律だけ審議するなんて。絶対に設置法改正をやろうと私は強く決意いたしました。これ以上聞いても同じ答弁でしょうから、先に進みます。

 私は、さっきから申し上げている政治団体を除くのところがやはり企業や労働組合の隠れみのになっていると。現時点では間違いなくそうですよ、私の経験から。それを立憲民主党や維新の会が穴を塞いだと今回は自信を持って言われるけれども、いまだにそこはちょっと分からないんですよ。なので、改めて維新の会に聞きます。

 維新の皆さんは、最初、そこをまさに塞ごうと思ってある意味反対していましたよね、立憲民主党や有志の会、参政党の案に対しては。我々と同じ考えだったんですよ。ところが、今回、妥協をしたのか、衆議院法制局に言われて、こうやれば穴が塞がる、あるいは憲法違反の疑いがあるからと。まあ、でも憲法違反かどうかも内閣法制局ははっきり言いませんでしたから、そこも疑義がありますが。しかし、今の維新案で本当に穴が塞げるんですか。脱法的に隠れみのの政治団体をつくることを防げると、自信を持って言えるか。維新の会、お答えください。

青柳(仁)議員 ありがとうございます。

 先ほど来から申し上げているとおり、維新の会は、実際の運用は政治団体も全て禁止ということでやっております。ですから、本来であればそういう法案を提出したいというのが元々の我々の考え方であります。一方で、今回一千万円に限ったのは先ほど来から説明させていただいているとおりです。

 我々としては、衆議院法制局は、憲法審査会での答弁の中でおっしゃっていたのは、衆議院法制局としてしっかりとした形で国会にお出しする法案に関しては、それは合憲性も含めた検討を行った上で出している、こういうこと、法制局長の方からの御答弁もありましたので、そういった観点から今回の法案は大丈夫かということをお話をしたところ、維新の会として最終的な合憲性にも完全な責任を持ち、最高裁での判断を待つというような覚悟があれば、全くの禁止案というのを出すのも一つの案であるが、通常考える、憲法の専門家として考える範囲内で合憲性があるのはこれだろうということで出されたというのが今回の一千万ということであります。我々は、両方の選択肢があったわけですが、いろいろ検討した結果、そちらを選んだということであります。

 一方で、なぜ今回は禁止ができなかったかというと、立法事実が足りなかったという部分も正直あるんです。ですから、一旦、一千万までは総枠制限にした上で、先ほど来から御懸念が出ていますように、例えば無数の政治団体ができてしまったとか、結局のところそこが抜け穴になってしまったとなれば、それは新たな立法事実ですから、それによって会社、労働組合、職員団体その他の団体の明確な抜け穴ができ上がってしまったとなれば、これは憲法上から見ても公共の福祉に反するものであるということ、立法事実が積み上がりますので、その際には憲法上の疑義なく禁止をすればよいのではないかと考えている次第です。

 加えて、これも繰り返しになりますが、それ以外に、我々は、総枠制限のほかに、会社、労働組合、職員団体その他の団体の組織としての影響力を不当に利用した形での献金行為や、あるいはそれを前提としたメンバーシップを得ることに関しては禁止しておりますので、この辺りをしっかり法的措置で厳しくしていくことというのは可能ではないかなと思っております。

高井委員 先ほどから医師会の例が出て、七十に分割されるみたいなふうにおっしゃっていますけれども、私は別に、分割じゃなくて、医師会じゃなくてもいいが、ある団体が政治団体を七十個つくるということは全然あり得ると思いますよ、献金するためには。そのくらいのことは全然できるし、それができた後にまた法改正するんですかね。私はそのくらいは予見する範囲内だと思いますので、本来であれば政治団体を除くというのは私はおかしいと思いますが。

 しかし、一方で、我が党が反対すると法案全体が通らないということになって、企業・団体献金のそもそもの禁止そのものがなくなるというのは、私もこれはどうかと思います。これから党内で持ち帰って検討して賛否を決めることになりますけれども、ここの部分は、ただ、大きな問題点は持っているというふうに思います。

 最後に、時間がないので一問だけ。お金のかからない選挙の仕組み、これをやはり提案しましょうとずっと私は言っています。そして、政党交付金の野党傾斜配分とか供託金の廃止、減額、これを是非検討してくださいとお願いしているんですけれども、それぞれ、やっていただけるかどうか。簡潔にお答えください。

奥野議員 高井委員は前国会でもずっとおっしゃって、御持論はごもっともだと思います。

 お金のかからない選挙を目指すべく、各党各会派で不断の見直しを図るべきだと思います。例えば供託金制度なども御持論ですけれども、海外では取り入れている例が少ないということで、我々も供託金の引下げも真剣に考えていきたいと思います。

青柳(仁)議員 この点については、前国会でも御答弁させていただいたとおりの立場で現在でも考えております。特に、お金のかからない選挙の仕組みに関しましては、結局のところ、お金のかかる、つまり選挙にお金をかけたいがために企業・団体献金も政治資金パーティーもたくさんのお金を必要としていると認識しておりますので、そういった仕組みをそもそもつくっていくことということはとりわけ重要ではないかと考えております。

緒方議員 政党交付金をもらっておりませんので、一番お金のかからない選挙をやっているつもりであります。

 まさにお金のかからない選挙を実現することが最も日本の政治にとって重要である、その思いは高井議員と共有したいと思います。

小泉(進)議員 高井先生の御持論、毎回伺っております。お金のかからないという方向性は賛成です。

 一方で、今、目の前で、これから総務省による執行経費法、こういったことで、立会人の方の手当を増額するとか、こういったことの中に漏れてはならないと思っているのは、ウグイスさんや運転手さん、こういった方々の一万五千円までとか。今の時代に、十二時間、朝の八時から夜の八時まで、あれだけタフな活動をしていただいてですよ、本当にこのままでいいのかということは、むしろ、お金がかからないといってそぎ落とすんじゃなくて、しっかりと対価を支払ってあげるという、ここの方向に持っていくことは、まず目の前、非常に重要なことだと考えております。

高井委員 時間を超過して済みませんでした。

 終わります。ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 政治資金規正法の審議に当たって、その前提となる問題について自民党の提出者にお尋ねいたします。

 石破総理が三月三日、自民党の一期生衆議院議員十五人との会食に先立ち議員の事務所に商品券を渡していた問題であります。石破総理は、会食のお土産代わりに家族へのねぎらいなどの観点から私自身の私費、ポケットマネーで用意をした、政治活動に関する寄附ではなく政治資金規正法上の問題はない、また、私の選挙区に住んでいる人はいないので公職選挙法にも抵触しない、法的には問題がないと認識していると言っております。

 政治資金規正法第二十一条の二では、何人も公職の候補者の政治活動に関して寄附をしてはならないとあります。政策活動費の議論でも注目となった条項でありましたが。石破総理は政治活動に関する寄附ではないと言っておりますが、自民党総裁から所属議員の事務所に届けており、議員になるまで何年も苦労したことへの慰労の意味と言っておいて、政治活動ではないという理屈は通用しないんじゃないでしょうか。その点についてはどのように受け止めておられますか。

小泉(進)議員 先ほど、源馬委員のときは追加で通告をいただいておりました。今、塩川先生の件については通告を受けておりませんが、先ほど申し上げたとおり、今この委員会の裏側で、参議院で総理御自身が答弁に立って質問を受けていると思います。そういった形で、これから石破総理がしっかりと説明を果たされるものと考えております。

塩川委員 総理自身が説明を果たされると。同時に自民党としてどう考えるのかということが問われているわけであります。それは特に国民との関係でどうなのか。

 報道によれば、一期生議員十五人に十万円ずつ配ったということであれば合計百五十万円ですし、十万円もの商品券をお土産代わりというのは庶民には考えられない金銭感覚であります。物価高に苦しむ国民の理解を得られると言えるのか。昨年の総選挙で示された民意は、裏金事件の当事者である自民党に厳しい審判を下しました。石破総理・総裁が所属議員に商品券を配っていたということについて国民の理解が得られると考えるのか。ここの点についてはいかがでしょうか。

小泉(進)議員 得られないと思っていますし、得られないと総理自身も改めて感じたからこそ、昨夜、深夜でありましたけれども、おわびも含めて会見されたと私は理解をしております。

塩川委員 国民の理解が得られないという話です。そういう点で、いわば出し手の総理・総裁なわけですけれども、併せて受け手、もらった一年生議員の問題があるわけであります。当委員会にも受け手側の自民党の一期生議員は六人所属しているということであります。返却したから終わりという話ではなくて、当事者として事実関係を明らかにすべきだ。

 小泉議員にお尋ねしますが、当委員会に所属している一年生議員は率先して事実関係を明らかにしてもらう、まさに政治改革特で政治資金規正法の議論をしているわけですから、そういったことが求められているんじゃありませんか。

小泉(進)議員 石破総理が説明をしていますけれども、やはり総理がまずは説明をすることだと私は思います。

 そして、もらったというふうに今、塩川先生はおっしゃいましたけれども、選挙に初当選して間もなく、今回のことに率直に一回生の皆さんは困惑したんじゃないでしょうか。その中で、最終的には自主的に返す、こういった判断をされた、これが私は事実だと聞いております。そして、個々に今、記者の方からの質問などもあって、こういったことだったけれども返しました、こういったことをそれぞれ述べているとも承知しております。

 ですので、今回、そういったことも含めて、総理・総裁が行ったことでありますから、今総理・総裁が率先して説明をしている、私はそのことだと理解をしています。

塩川委員 十五人、この委員会でも六人。しかし、先ほど二人の方が質問もされましたけれども、そのことについては何の弁明もされませんでした。私は、やはりしっかりと明らかにしていくことが必要だと。報道によると、こうやってもらった議員の中には、お土産を逸脱していたのではないのかということで返却した者もいるという回答もあったということですから、そういう点では、認識がどうだったかということも、この場で明らかにしてもらうということは必要なのではないのか。その点について、しかるべき当事者の弁明を求めたいと思っております。

 総理がまずは説明すべき、当然のことでありますけれども、政治改革特として、こういう問題についてきっちりその点も議論をする必要がある。ポケットマネーと言うけれども本当にそうなのかということもありますし、ほかの会合でも商品券を配っているということも会見の中で述べておられたということでありますので、誰に配ったのか、選挙区内で配ったことはないのか、こういったことも含めてしっかりと明らかにしてもらう。

 委員長、是非、石破総理に当委員会でこの問題についてしっかりとただす、その機会を設けていただきたい。お取り計らいをいただきたいと思います。

渡辺委員長 後刻、理事会で協議をします。

塩川委員 この問題を始めとして、自民党の金権腐敗体質の問題というのが厳しく問われている。裏金問題がまさにそのことであるわけですけれども、真相解明がいまだに行われておりません。政治活動に関する寄附でなければ政治資金規正法に何ら抵触しないというような、今回の商品券の問題もそういう開き直りでは通らないということを言わざるを得ません。

 その上で、自民党の提出者にお尋ねしますが、企業・団体献金は禁止よりも公開だということでの話であります。趣旨説明で、政治資金の公開については、一階部分として収支公開の制度があり、毎年全ての政治団体の収支報告書が公開されている、二階部分として、昨年成立した収支報告書のデータベース化によって、政党本部、政治資金団体、国会議員関係政治団体の収支報告書について検索可能なデータベースが構築されると述べておりました。確認したいんですけれども、自民党が言う一階部分と二階部分の収支報告書というのは三年間で廃棄、削除されるということになりますか。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 まず、政治資金の収支公開制度の在り方につきましては、個人の寄附などについては個人の氏名あるいは住所が記載されるわけでございますので、まずプライバシーの保護の要請と、もう一方では何より政治活動の透明性確保、この両者の要請のバランスが適切に図られることが重要であると考えております。

 そのようなバランスの中で、昨年の通常国会そして臨時国会で成立した法律の施行後においては、今ほど来申し上げているとおり、二階部分であります収支報告書のデータベース、これは、収支報告書は公表された後三年を経過する日までの間公開されることになる。これは新しい規正法の二十条三項そして第五項に記載のとおりでございます。したがいまして、収支報告書の公開年限と同じような取扱いにあると承知しております。

塩川委員 ですから、三階建ての建物と思っていたら、一階、二階部分というのがそれこそいつの間にか消えてしまうような、そういう構造というのが今の自民党の公開の仕組みの中身だということであります。

 自民党が言います三階部分は、政党関係政治団体に対する対象寄附、対象寄附関連事項を総務大臣が公表するということですけれども、具体的にどのような形式になるんでしょうか。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 公開強化法案では、総務大臣が毎年三月三十一日までに企業、団体が、政党関係政治団体と定義させていただいています、それに対してした寄附について、政党ごとに、まず寄附の総額、さらに、年間合計で一千万を超える寄附をした企業、団体の寄附につきまして、その寄附をした企業、団体の名称及び寄附の年間合計額、そして、受け手の方でございますけれども、その寄附を受けた政党関係政治団体ごとに、その政党関係政治団体の名称、その受けた寄附金額の合計額、これを公表することを義務づけることを提案させていただいています。

 具体的な公表の形式等につきましては公表の事務を担うこととなる総務省において法施行までに検討されるものと考えておりますけれども、ホームページにおいて分かりやすい形式で行われることが望ましいものと考えております。

 以上です。

塩川委員 例えば、政党、政治資金団体、国会議員政治団体の二〇二七年の収支報告書における年間合計一千万円を超える企業・団体献金の一覧は、二〇二九年の三月に公表されるというタイミングになると思います。ですから、二〇二七年の収支報告書についても大分先の公表ということもありますし、しかも一階部分、二階部分の収支報告書そのものは三年後には廃棄、削除されてしまって、ごく一部の収支報告書の高額寄附しか分からないということで、どうして公開の強化になるのかということであります。

 一千万円を超えるような企業・団体献金についての公開関係ですけれども、総務省にお尋ねします。現在、総務省が収支報告書の要旨を公表する際に報道資料などを作成しておりますが、それはどのような内容でしょうか。

新田政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省においては、毎年、総務大臣届出分の収支報告書の定期公表を行う際に、併せまして、収支の概況、項目別内訳、政党本部の収支の状況などを一覧にしました報道資料を作成し、公表いたしてございます。

 また、併せましてお求めがあれば、総務大臣届出分に限りますが、政党及び政治資金団体などに対する年間百万円を超える寄附者の内訳、年間二千万円を超える寄附をした法人などに関して、集計を行い、提供することを可能といたしております。

塩川委員 報道資料、プレスに対する資料として、また、求めがあればその他の方に対しても、政党、政治資金団体に対する年間百万円を超える寄附者の内訳ですとか年間二千万円を超える寄附をした法人等の一覧等について提供しているということであります。

 ですから、日本医師連盟や郵政政策研究会など、企業、団体、政治団体ごとに寄附先とともに金額を一覧にしている、こういう資料を、もちろん総務大臣分だけですけれども、データベースがない現在も作成しているわけであります。また、その一か月後には、総務大臣届出団体と都道府県選管の届出団体を合算して収支の内訳を公表しております。ですから、企業・団体献金全体のうち九六%を自民党と国民政治協会が受け取っていることも分かるわけであります。現在でも、今回の法案で自民党が言っているような三階部分については、類似の資料は総務省が作成をしているというのが現状の実態であります。

 お尋ねしますけれども、昨年通常国会で成立した法改定で収支報告書の要旨の廃止をしてしまいました。こんなことで、今回の三階部分の公表というのが要旨の代替にそもそもなるんでしょうか。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 そもそも、収支報告書の要旨についてでございますけれども、現行法においても、収支報告書をインターネットで公表する場合には収支報告書の要旨を公表する義務がない旨が定められております。この規定に基づいて、現在、四十七都道府県中四十道府県において収支報告書の要旨が既に廃止をされている現状でございます。インターネットで公表された収支報告書は誰でも容易に閲覧、保存できますことから、総務省、各都道府県選挙管理委員会の選択に委ねられていた収支報告書のインターネット公表について、義務化することに併せて要旨の公表を廃止したものと理解しています。

 その上で、今回、公開強化法案で新たに三階部分として、政治資金の出し手である企業、団体について総務大臣が多額の寄附をマクロ的に概況を整理して公表することに伴いまして、委員御指摘のように、要旨そのものの代替ではございませんけれども、政治資金制度を所管する総務大臣が、個々の政治収支報告書の要旨では一覧性を持っておりません、その一覧性を持たない要旨では分からない情報について整理して公表することによって、我が方が主張しています禁止ではなく公開の趣旨にのっとって、国民の皆さんによる不断の監視と批判に一層資するものと考えております。

塩川委員 一部の高額寄附者の名前を一覧でという、そこだけを取り出して、でも政治資金全体の流れについては、これは過去分をそっくり、収支報告書も三年で消すし、要旨そのものももう作らなくなる。本気で公開強化というのであれば、要旨の義務づけを廃止したことそのものを改めてきちっともう一回やるべきじゃありませんか。それこそ公開強化じゃありませんか。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 要旨の公表を廃止したことが公開性の後退ではないかという御指摘でございますけれども、先ほど来申し上げていますが、収支報告書をインターネットで公表する場合にはそもそも要旨を公表する必要がないということが定められている中で、今現状は四十道府県において廃止をされておる現状でございます。

 もし仮にこれを復活させることになりましたら、収支報告書から情報を抽出し公報に載せる、様々な業務負担量がかかるわけでございます。そうした実務面での業務負担のことも考えた上で、現状はインターネット公表の義務化に伴いまして要旨を廃止するという整理をされたものと理解しています。

塩川委員 でも、今まで官報、公報で公表するという手続を取ってきたわけですよ。それ自身がまさに政治資金規正法の立場で、国民の不断の監視と批判の下に置く、その精神に立った対応そのものであるわけで、そういった点でも、要旨の廃止を前提にした上で一部の公開の強化というのは全く成り立たないと言わなければなりません。政党、政治資金団体、国会議員政治団体に限ったデータベース掲載の範囲内で名寄せをして、高額寄附のみを翌々年の三月に公表するということが公開の強化にならないというのははっきりしているんじゃありませんか。

長谷川(淳)議員 お答えいたします。

 要旨の廃止につきましては、繰り返しでございますけれども、仮に復活した場合には相当な業務負担がかかるということを考えますと、実務に当たる都道府県選管等々の意見も踏まえ、各党各会派で慎重に議論すべきだというふうに考えています。

 その上で、今回、一階部分による全ての団体の政治資金収支報告書の公表、二階部分におけるインターネット公表とデータベース化、さらに、三階建て部分におきます企業・団体献金の出し手、一千万超ということで基準を出させていただいていますが、先ほど来議論がありますように、個人献金の総額の一つの基準として一千万以内というのがございます、それを超える企業・団体献金について一覧性ある形で政治資金制度を所管する総務省がいわゆる公定力を持って公表することについて、公開性、透明性が一層強まるものと考えております。

塩川委員 民主主義のコストとよく言いますけれども、まさに政治資金規正法、その公開をしっかり担保するところに必要なお金をかけるというのは当然のことだと思います。当委員会で選管の皆さんに来ていただいた際にも体制が非常に脆弱だという訴えがあったわけでありますから、そういうところにこそしっかりとお金をつけるべきだ。要旨の廃止や収支報告書の情報公開請求の制限など、公開の改悪を行ったまま透明性、公開性を一層強化するというのは矛盾している話でありまして、要旨廃止の撤回、収支報告書の保存、公開の延長こそが必要だ。収支報告書はそのまま速やかに公開し、公的に永久に残すということで企業・団体献金の禁止を進める、そういう取組のために力を尽くすものであります。

 時間が参りましたので、終わります。

渡辺委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 有志の会の福島伸享でございます。

 まず、冒頭、私も商品券問題について。この政治改革特別委員会も六人のもらっている方がいらっしゃるという話がありました。私は、それを糾弾するつもりはありませんでね。飲みに行ったら十万の商品券が出てきたというのは、どう見たって異常な世界だと思いませんか。麻布のギャラ飲みじゃないんですから。私は、皆さんがせっかくの政治家同士の議論の場で一年生議員で登板することはほとんどないと思うんですよ。ですから、そうしたおかしいと思う国民感覚をいつまでも忘れないで、是非それを素直に今後の議論でぶつけていただければというふうに私は冒頭申し上げたいと思います。

 その上で、一昨日の自由討議の続きをしたいと思いますけれども。三月十日の小泉委員の発言で、大事なことは政党助成金、個人献金、企業・団体献金のバランスですとありました。

 資料一を御覧ください。これを見ると、各党の収入についてとあって、下の表の方が分かりやすいんですけれども。個人献金と企業・団体献金、一番左と左から二番目を御覧になっていただくと、企業・団体献金が圧倒的に比率が高いのは自民党さんだけですね。ほかは〇%、〇・九%、立憲民主党はちょうどバランスしているかもしれません、維新の会も比較的バランス、国民民主党さんも企業・団体献金の方が個人献金からの比率は多いですけれども全体から見ればごく僅かというふうになっております。

 個人献金と企業・団体献金のバランスを取る意味って何があるんですか。なぜ企業・団体献金をいっぱいもらってバランスを取ろうとしなきゃならないんですか。企業・団体献金を集めることに政治上何の利点があるのか、その点についてお答えください。

小泉(進)議員 まず、何度も申し上げておりますけれども、個人献金がよくて企業・団体献金が悪という立場ではありません。そして、何か一つの財源に依存するという政党の形を、我々はバランスの取れた支え手の下に成り立つ政党でありたい、それが我々自民党が国民政党でありたいと思う一つであります。

 ですので、福島先生が用意していただいたものを見ますと、例えば日本共産党さんは企業・団体献金もゼロ、そして政党交付金もゼロ、ある意味筋の通ったというか、背骨のあることだと思います。ただ、仮にですよ、事業収入禁止法みたいなものが出て、そうしたら共産党さんはどういうふうになりますか。やっていけませんよね。これは公明党さんもそうだと思います。

 なので、この表を見て、何か一つに対して切っていくということをやった次には、ではそっちも切っていくという泥仕合になる可能性があるわけですよ。そういったことを招いては、やはり国民の皆さんからしても政治不信は更に高まる。ですので、公開をしっかり強化して国民の皆さんの不断の批判と監視の下に置いて活動する、私はそういった方向性が各党の政治活動内とする上でフェアな対応ではないかというふうに考えております。

福島委員 国民の皆さんが聞いていますから、小泉先生の答弁を聞いて、ああ、なるほど、自民党はそういう感覚なんだなと恐らく思っていると思います。

 次に、裏のページで、小泉議員もこの間指摘しておりました党本部だけを見ると、自民党さんは青の部分の政党交付金が多いから、結局、共産党と公明党を除いて皆さん官製政党なんですよ。だからそこは認めた方がいい、堂々と、官製政党であることを。六割取っているんですから、いやいやと言ったって、グラフが示しているんですよ。公明党さんも、さっき聞いたら、公明新聞は事実上赤字だからほとんど利益になっていないという話でありますから、やはり公明党も官製政党だということでありまして、そういうことなんですよ。

 あと、イギリスもドイツも同じような状況で、官製政党なんですね。資料四、一番後ろのページですけれども、この間行ってきた海外の調査の報告書であります。

 例えばドイツは、確かにCDUはもらっていますよ。ただ、SPDでも企業献金の是非については議論になるけれども、我々から積極的に企業に献金を募るようなことはしていないと発言がありましたし、イギリスで、クラークさんという保守党の議員です、一般に英国でも個人献金は善、企業献金は悪という見方は日本と同様なんですと。世界の常識なんですよ。十四年続いた保守党政権では上場企業が献金したことはないと言っているんですよ。

 線を引いている一番下を見ても、英国では上場企業が政治献金をすることは余りないため、経団連みたいなところは献金しないんです。非常識なんですよ。政治献金をするのは主に非上場企業である、つまり中小企業なので個人献金とそんなに差はない、だから多少認めてもいいんだという、それが国際的……(発言する者あり)そう言っているんですから、イギリスの人が。首を振ったって、それが世界の常識なんです。

 次に、資料三、恥ずかしながら、茨城から日本を再生する会という私の資金管理団体ですけれども、本当に恥を忍んで見ていただくと二千百万円で、令和五年、選挙のない年は活動しております。そのうちの半分は調査研究広報滞在費を全額入れておりますので、それが半分。個人献金は一五%、つまり三百万ぐらいですね。あと、政治資金パーティーを開かせていただいて。これで約二千百万円で、事務所は、広いので、二か所あります。私設秘書、パートの人たちも全部で四、五人雇っております。

 それで何とか、かつかつでやっているのが実態ですけれども、それでもちゃんと、企業・団体献金もなければ、ただ、企業、団体にパーティー券は買ってもらっています。そこは私は今回は規制してなくしてもいいと思うし、個人で買うことにみんな快く変えてもらえると思うし、少額ですから、そんなに多額じゃないですから、そこはいいと私は思っているんですよ。

 結局、この問題は何かといったら、私は岸田首相に五月二十日の予算委員会で質問しましたけれども、自民党が野党時代の二〇一〇年と与党になった二〇二二年を比較すると個人献金は減っているんですよ。多額の大口が来るから、多分、集めるのをサボっているんですよ。でも、企業・団体献金は一・五倍なんですよ。

 企業・団体献金は、与党になって権力を得た政党へのボーナスにすぎないと私は思うんですよ。それを欲しいというのは、それで自民党が企業・団体献金廃止に反対と言っているのは、結局、地元の政治活動に支障が出るからということだと思うんです。政党本部よりも全体で見たら企業・団体献金の比率が高まるという、資料一、資料二を比較してもそういうことだと思うんです。結局、金目でしょうと。誰かがそういったことを言いましたけれども、そうなんじゃないですか。要するに地元の政治活動費が足りなくなるから嫌だということだったら、正直にそうおっしゃって、そこから議論をスタートしようではないですか。いかがでしょうか。

小泉(進)議員 幾つかあるんですけれども、まず、福島先生の二ページ、政党本部に限ったグラフがありますが、これで六割だから自民党だって官製じゃないかと。これは、六〇パーだから官製だと言えば、先生の目ではそうかもしれませんが、この主要な立憲、維新、国民民主と比べれば我々は依存率は低いですよね。我々は、その依存率を少しでも下げたいというふうに考えて政党活動をやりたいと思っているんです。

 ですので、よく、三分の一、三分の一、三分の一が理想だという後藤田正晴さんの発言なども過去にありましたけれども、例えば政党交付金を七割水準にしましょうとやったら、困るのはどこかといったら立憲と維新と国民なわけですよね。その中で、多様な支え手が、その人々の判断によって、献金するならする、しないならしない、そういった活動を私は認めるべきだと思いますし。

 最後、四ページにイギリスの方の発言で、個人献金は善、企業献金は悪という見方は日本と同様だと言いますが、日本には入っていないんだと私は思います。何度も言っているとおり、個人献金が善で企業・団体献金が悪だと私は思っていませんし、仮に個人献金が善だという前提だとすれば、随分と性善説ですね。それは、個人献金の中で見返りを求めないという、本当に皆さんはそう思っていますか。イギリスのこの方はそう思っているんでしょう。福島先生もそう思っているんだとしたら、私は立場は違いますということです。

福島委員 どや顔をして言う話じゃないと思います、申し訳ないけれども。

 哲学論争はいつでも続けたいんですけれども、また自由討議をやっていただくことを求めて、やりたいと思います。

 自民党案の法案についてほとんど質問がないので、かわいそうなので、一問だけ質問したいと思います。

 衆法第五号のいわゆる意思尊重法案については、政治資金規正法第二条第二項に、特にその構成員に係る党費又は会費の債務の負担については、これが自由意思に基づいて行われるよう十分に留意しなければならないと。留意とは何なのか。一般的に言って、法律にそう書いてあることは知っているよ程度の話で、ほとんど行動に影響を与えないと思うんですけれども、何をすれば留意したことになるんでしょう。お答えください。

塩崎議員 お答えいたします。

 福島委員には御配慮をいただきまして、質問を振っていただきまして、どうもありがとうございます。

 我々の意思尊重法案の第二条第二項の十分に留意でございます。まず、この法文でございますが、今、数ある政治団体の中には、事実上加入せざるを得なくて、そこで集められた会費等、これを原資として政治献金を行っている、こういう団体もあるというふうに聞いております。そのときの我々の法案で言う留意でございますが、具体的な内容を法律で規定しているわけではありませんが、一般論としては、例えば加入しようとする者に対して党則や規約などで定められた会費等の金額や徴収手続について説明を行った上で、任意性が確保されるような形で加入やその継続の意思確認が行われるようにすることが必要であると考えています。

福島委員 弁護士である塩崎先生に言うのもなんですけれども、留意はそこまでの強い規定ではないと思いますので、答弁で余りごまかさない方が法曹界に生きる人としてはいいんじゃないかと思います。

 その上で、立憲、有志、参政党案と維新案について申し述べたいと思います。

 恐らく立憲案と維新案は非常に近くて、恐らく合意点を見出せるものと私は確信しておりますし、これまでの関係各位の御尽力に敬意を表したいと思います。れいわ新選組、日本共産党も企業・団体献金廃止の立場は同じですから、大局に立っての判断をしていただけるものと期待しております。

 よく理解できないのは国民民主党さんと公明党さんなんですけれども、公明党さんは与党として出来の悪い自民党におつき合いしなければならないという立場には深くお見舞いを申し上げたいと思いますが、国民民主党さんは反対理由を何回聞いても意味不明なんですね。賛成か、反対か、よく分からない。

 我が会派の緒方林太郎さんにお聞きをしますけれども、しがらみのない無所属の立場として、野党案をまとめ、東大話法を駆使する野党を巻き込んでいくことにどうやっていったらいいのか、我が会派の立場を是非一言述べてください。

緒方議員 企業・団体献金については、維新の会が提案している案がかなりいいところに来ているのではないかというふうに思います。今の政治活動の自由等々を含めてぎりぎりのところを御苦労されたんだろうなと思います。

 立憲民主党と維新の会で是非まとまっていただきたいと思いますし、これで野党全体がまとまることができるのではないかと。立憲民主党には野党第一党として大きな、大局に沿った判断をしていただきたいし、もう一つ、国民民主党に申し上げますと、最初に古川さんが自由討論の際、意思表明をしたときと、その後、皆様方が質疑、答弁に立つときに何となくずれがあるように見えるところもあります。そして、意思表明をした古川さんはこの場にはもう二度と出てこないということでありまして、ちょっとトップと現場のずれがあるんじゃないかと思いますが。是非、まとめることは可能だと思いますので、野党の皆様方がそろえば多数にいくわけでありますから、皆様方の大所高所の判断を期待いたしたいと思います。

福島委員 これは、我が会派は本当に心から願っているんです。私たちは政党助成金も企業・団体献金も受け取っていないし、三人の役所出身がいますけれども、やはり同じ思いをして役所をやめて野党から出ているんですよ。それは、政治を変えるというのは、こうした金権政治を変えたいと心から思っているからひもじい思いをしても政治活動を続けているので、私たちは本気になってまとめることに取り組んでまいりたいと思うんです。

 最後、国民民主党さんが言っているのは、穴がある、穴があると。確かにあるんでしょう。どう防いでいくかを考えなければならないと思っています。

 立憲、有志、参政党案にも維新案にも、新たに第二十二条の六の三として、会社や労働組合が雇用その他の関係を不当に利用してパーティーの対価の支払いをさせてはいけないという、こうした規定があって、先ほどの自民党案の訳の分からないやつよりも、よっぽどこれは厳しい案だと思います。

 そこで、まず一点、法律の論議をしたいと思います。立憲案、維新案、それぞれで、罰則規定がないんですよね。なぜ罰則規定がないのか、実効性をどう担保しようとしているのか、それぞれ、答弁を簡潔にお願いいたします。

大串(博)議員 ありがとうございます。

 大局にのっとった判断をということでございます。深く胸に刻んで頑張りたいというふうに思います。

 罰則規定に関してですけれども、法律の規定に違反した場合について、その制裁措置として罰則を設ける、そのときには、いわゆる罪刑法定主義というのがあります、憲法三十一条、三十九条、この要請に基づいて処罰の対象となる行為が法文上明確でなければならないという、この明確性の原則というのを満たさなければならない、こういうふうにされています。本条で規定する雇用関係の不当利用等による寄附に該当するか否か。ここは、一つには、例えばダミーみたいな政治団体をつくって、これを介して迂回献金をする、まさにこういう典型的な、コアみたいな違反事例から、例えば迂回献金とまで言えるかどうかちょっとグレーなところも存在するような状況、そういうグラデーションのある状況じゃないかなというふうに思います。

 衆議院法制局の皆さんとも様々議論しましたが、このような状況下において明確性の原則に照らすと、外延のところが不明確なので、構成要件を罰則でかけるということは、憲法上の疑義が生じてしまう可能性があるということで罰則をかけていない、こういう状況です。

青柳(仁)議員 ありがとうございます。

 日本維新の会としましても、今の立憲民主党の御答弁と基本的には法制上の理解というのは同様なんですけれども、先ほど来から申し上げているとおり、維新の会としては、これまで政治団体も含めて完全に禁止というのを運用上やっておりますので、できるだけそこに近い法案にしたいという思いはありまして、そう意味ではこういった可能性もあろうかとは考えております。

福島委員 ありがとうございます。

 両者とも別に抜け穴をつくろうとしているんじゃなくて、やはりこの部分が最後の、抜け穴を防ぐ最終手段になるんですね。完全にその他の政治団体からの寄附を禁止することができない以上、憲法上との関係、最後はここが一番のコアになっていくから、罰則をかけられないという大串さんの今の憲法上の理由も、私はそこはある意味合理性、納得性のあるものだと思うんです。

 そうであるとすれば、直罰じゃない、直ちに罰をかけるのではない修正をした方がいいかなと思っておりまして、私のアイデアで、さきの臨時国会で成立した法律に基づいてつくられる政治資金監視委員会、ここに役職員とか構成員が俺は強制的に取り立てられたと言えば申立てができて、そうしたら調査が行われて、その後、是正措置命令みたいなものが出されて、それにも従わなかったら罰則とか、いろいろな法律のたてつけがあると私は思うんです。

 ただ、これは政治資金監視委員会の法案の中で改正すべきことですから、これから恐らく国民民主党さん、公明党さんも出してくるわけでしょう。みんながそうしたら、国民民主党、公明党、あとほかの野党、全部が一緒になって法案を出せるので。私のこの案をやってくれたら、自民党以外はみんな乗れると思うんですよ。だから是非それをやっていきたいと思うんですけれども、両提出者、いかがでしょうか。

本庄議員 お答えします。

 政治資金監視委員会の具体的な権限についてはこれからの議論ではありますけれども、雇用関係の不当利用の禁止規定の遵守状況についてもチェックの対象とすべきとの福島委員の御提案は十分検討に値するものであり、是非具体的な制度設計について一緒に議論をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

青柳(仁)議員 ありがとうございます。

 日本維新の会としましても、委員御提案の方策は実効性を高めるものであるというふうに考えております。

 維新の会としては、自分たちが今一番厳しい運用で実際に運用を行っておりますので、それを法案提出して、どうだ、誰もついてこられないだろうというような議論をこの場で展開することもできたんですが、それをせずに、あえて、みんなでまとめて一つの結果を出そうとしていますので、福島委員御提案のような形で、しっかりとみんなでまとまっていくことが重要だと思っております。

福島委員 是非、公明党の皆さん、そして国民民主党の皆様、一緒に協議いただくことをお願い申し上げまして、質疑といたします。ありがとうございました。

渡辺委員長 本日の質問はこれで終わります。

 次回は、来る十七日月曜日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時五分散会


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