衆議院

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第44号 平成15年7月10日(木曜日)

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平成十五年七月十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十三号
  平成十五年七月十日
    午後一時開議
 第一 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(熊代昭彦君外三名提出)
 第二 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四回国会、内閣提出)(参議院送付)
 第三 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案(参議院提出)
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 西博義君の故議員久保哲司君に対する追悼演説
 裁判官訴追委員の選挙
 日程第一 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(熊代昭彦君外三名提出)
 日程第二 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第三 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案(参議院提出)
 行政書士法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)


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    午後一時三分開議
議長(綿貫民輔君) 御静粛に願います。
 これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 御報告することがあります。
 元本院議長櫻内義雄君は、去る五日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 櫻内義雄君に対する弔詞は、議長において今十日贈呈いたしました。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 国会議員として在職五十一年三月に及び この間常に憲政のために尽力し 特に院議をもってその積年の功労を重ねて表彰され さきに本院議長の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられ終始議会政治の発展に貢献された従二位勲一等櫻内義雄君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 御報告することがあります。
 議員久保哲司君は、去る六月十日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 久保哲司君に対する弔詞は、議長において去る六月十三日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力し さきに国土交通委員長の要職にあたられた議員久保哲司君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
    ―――――――――――――
 故議員久保哲司君に対する追悼演説
議長(綿貫民輔君) この際、弔意を表するため、西博義君から発言を求められております。これを許します。西博義君。
    〔西博義君登壇〕
西博義君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員久保哲司先生は、去る六月十日、入院先の東京大学医学部付属病院で逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。
 先生は、昨年の秋、体調を崩され入退院を余儀なくされましたが、日頃のエネルギッシュな活動ぶりと、五十六歳という若さ、そして何よりもラグビーで鍛え上げた頑健な身体でしたので、必ずや回復され、元気な姿を私たちの前に見せていただけるものと信じて疑いませんでした。
 ところが、奥様をはじめ、御家族の手厚い看護のかいもなく、ついに御回復を見るに至らず、思いもかけない悲報に接しましたことは、まことに痛恨のきわみであります。
 五十六歳といえば、これから一層の御活躍が期待される歳でありました。
 今、同僚議員の一人として、ともに切磋琢磨した日々を思い起こし、万感の思いと深い悲しみが胸に迫って参ります。
 私は、ここに、議員各位の御同意を得まして、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べさせていただきたいと存じます。
 久保さんは、あえて私は親しみを込めて、久保さんと呼ばせていただきます。昭和二十一年十一月、楠木正成ゆかりの地、大阪府河内長野市に鉄工業を営む御両親の長男としてお生まれになりました。
 戦後のまことに厳しい時代ではありますが、御両親の愛情を受けてすくすくと成長されていったのであります。
 しかるに、哲司少年が五歳のある日、それまでお元気だったお母さんが、突然、脊椎カリエスにかかり、病床に伏せてしまわれました。
 そこでお父さんは、やむなく家業を断念し、隣町まで朝早くから働きに出ることになりました。
 久保さんは、幼いながらも一生懸命、妹の面倒を見つつ、お母さんの看病をはじめられたのであります。
 その当時のことをあなたは「病床の母の優しい一言一言に安らぎを見いだし、心を奮い立たせた」と折に触れて当時を回想しておられました。
 あなたの常に努力を怠らない真摯な姿勢、弱い立場の人に対する思いやりは、このような体験に培われたものでありましょう。
 久保さんは、家庭を守りながら、高向小学校、高向中学校をともに優秀な成績で御卒業になり、大阪府立富田林高等学校に学ばれました。高校時代は、勉学と、ラグビーを中心に文武両道に励まれたのであります。
 昭和四十年、富田林高等学校を卒業された先生は、働きながら勉学する道を選ばれ、大阪府庁に入庁と同時に、大阪市立大学法学部二部に入学されました。
 「いかに法律が良くても優秀な行政マンがいなければ民衆は苦しむ」という恩師の言葉を心に刻み、見事困難な道を両立され、大学卒業時には、府の上級試験に合格し、本格的に、行政の道を歩み始められたのであります。
 そして、二十七年間にわたって大阪府の職員として、全力でその職務に当たられました。
 とりわけ、昭和四十六年、児童手当制度導入の際の民生部職員としての、また、昭和五十八年から二年間の南河内郡河南町理事としての、昼夜を分かたぬ奮闘ぶりは、今も多くの方々に語り継がれているところであります。
 その後は、地域整備部の主幹として、関西国際空港建設のプロジェクトに参画し、「公害のない、地域社会と調和がとれた優れた空港をつくる」という理想のもと、調査・計画段階から事業の推進、関連地域整備に至るまで、難しい調整に率先して当たられました。
 あなたの気配りの行き届いた、真心込めた仕事ぶりは、いつしか多くの人々の信頼を集めるようになったのであります。
 かくして、平成五年七月の第四十回衆議院総選挙に、推されて出馬された久保さんは、その清新な主張と溢れんばかりの情熱で、たちまちにして選挙民の心を捉え、多くの支持を得て、見事に初当選の栄誉を獲得されたのであります。(拍手)
 本院に議席を得られてからは、厚生、運輸、農林水産、商工、倫理・選挙等の委員を歴任されました。
 あなたの会議録を今読み直してみますと、その問題意識の広さと深さ、そして庶民一人一人の代弁者であろうとする一貫した姿勢に、改めて敬服するばかりであります。
 あなたはまた、厚生、運輸、農林水産、経済産業、国会等移転委員会の理事として幾多の問題解決に当たられ、縦横の活躍をされました。
 長年にわたって地方自治の現場で培ってこられた卓越した識見と優れた行動力は、国政の場においても遺憾なく発揮されたのであります。
 さらに特筆すべきは、当選以来訴え続けてきた「政治改革」の推進にも大きな力を発揮されたことであります。
 特に、平成十二年には、大きな政治課題でありました「あっせん利得処罰法」の成立に向けて、与党案提出者の一員として衆参両議院の委員会において何度も答弁に立ち、法律の必要性を諄々と説かれました。
 また、昨年成立いたしました「官製談合防止法」は、久保さんが与党プロジェクト・チームの中心となって、一年半の検討の成果をまとめ上げたものであります。
 政治家久保哲司の人生は、「政治」が、そして「官」が襟を正してこそ、国民の負託と信頼に応えることができるとの信念に貫かれておりました。
 さらに、平成十四年一月には、国土交通委員長の要職につかれました。常に、公正、公平な立場を堅持し、優れた調整力で円滑、円満な委員会運営に当たられる姿は、与野党を問わず、ひとしく尊敬を集めたところであります。
 また、公明党にあっては、中央幹事、国会対策筆頭副委員長、大阪府本部代表、組織委員会委員長等を歴任され、党の運営、政策立案等に多大な尽力をなされたのであります。
 あなたは、小さな体に大きなパワーを秘め、明朗闊達、いつも明るく、そして、何よりも「まいど」の声が似合う河内男でありました。
 私は、久保さんの豊かな見識と、一旦やりはじめたらとことんやり遂げる類まれな実行力に、深い敬愛の念を抱いて参りました。
 久保さんと私は、大阪と和歌山の隣同士であり、また同期生ということもあって、国の将来から、中小企業問題、教育問題、そして、地元の交流など何でも語り合える掛け替えのない兄貴でありました。
 あなたは、本院議員に当選すること連続三回、政治活動十年という節目の年に当たり、「あらゆる壁を破る挑戦の年へダッシュ!」と自らを鼓舞し、「地方分権」をキーワードに、国と地方を通じた行財政システムの大転換を成し遂げるべく、まさしく「ダッシュ」されようとしておられました。しかし、君は志半ばにして、忽然と逝ってしまわれました。
 もはや、この議場にあの人なつっこい優しい笑顔を見ることも、軽く手を上げて「おおきに」というあの河内弁の明るい声を聞くこともかないません。
 今日、内外の諸情勢を思うとき、久保さんのような前途有為の政治家を失いましたことは、ひとり公明党のみならず、本院にとりましても、国家にとりましても大きな損失であり、惜しみてもなお余りあるものがあります。(拍手)
 久保さん、君が愛した、誇りある歴史と文化の郷土、河内長野の自然に抱かれ、どうか安らかにお眠り下さい。先生の御遺志は、多くの人々の心に深く刻まれ、末永く受け継がれていくことでありましょう。
 ここに、謹んで久保哲司先生の生前の御功績をたたえ、その人となりを偲びつつ、心から御冥福をお祈りするとともに、久保先生を今日まで支えてこられた奥様をはじめ、御家族の皆様の胸中に思いをいたし、深く哀悼の意を表し、追悼の言葉といたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 裁判官訴追委員の選挙
議長(綿貫民輔君) 裁判官訴追委員の選挙を行います。
下村博文君 裁判官訴追委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、裁判官訴追委員に川端達夫君を指名いたします。
     ――――◇―――――
 日程第一 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案(熊代昭彦君外三名提出)
議長(綿貫民輔君) 日程第一、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。財務金融委員長小坂憲次君。
    ―――――――――――――
 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小坂憲次君登壇〕
小坂憲次君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、銀行等をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、銀行等に株式等の保有制限を課す時期を延期するほか、銀行等保有株式取得機構につき所要の措置を講じようとするものであり、以下、その概要を申し上げます。
 第一に、銀行等による株式等保有の制限の施行期日を、二年間延期することにしております。
 第二に、銀行等保有株式取得機構が銀行等の保有株式を買い取る際に徴収する売却時拠出金を廃止することにしております。
 第三に、事業法人が保有する銀行株式の機構による買い取りの限度額を緩和することにしております。
 第四に、機構の存続期限を延長することにしております。
 本案は、去る六月十二日当委員会に付託され、翌十三日提出者熊代昭彦君から提案理由の説明を聴取した後、同月二十七日より質疑に入り、七月四日質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第三 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案(参議院提出)
議長(綿貫民輔君) 日程第二、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、日程第三、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長山本有二君。
    ―――――――――――――
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案及び同報告書
 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔山本有二君登壇〕
山本有二君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、継続的かつ適切な医療を行うこと等により、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進するための手続等を定めようとするものであります。
 本案は、前国会、本院において修正され、参議院において継続審査となっていたもので、去る六月六日参議院において、法律番号に係る暦年を平成十五年に改める等の修正の上、本院に送付され、七月七日本委員会に付託され、翌八日提案理由の説明を省略し、討論を行った後、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律案は、性同一性障害者であって、二十歳以上であること、現に婚姻をしていないこと、現に子がいないこと、生殖腺またはその機能がないこと等の要件を満たし、家庭裁判所の審判を受けた者について、新戸籍を編製することを基本とし、その者の戸籍の続柄の記載の変更手続を行おうとするものであります。
 本案は、去る七月二日参議院より送付され、八日本委員会に付託され、九日参議院法務委員長代理者参議院議員浜四津敏子君から提案理由の説明を聴取した後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第二につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 総務委員長提出、行政書士法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 行政書士法の一部を改正する法律案(総務委員長提出)
議長(綿貫民輔君) 行政書士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。総務委員長遠藤武彦君。
    ―――――――――――――
 行政書士法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔遠藤武彦君登壇〕
遠藤武彦君 ただいま議題となりました行政書士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、複雑・多様化する社会情勢に的確に対応し、行政書士の業務遂行能力の強化と規律の向上を図り、行政書士及びその業務に対する国民からの一層の理解と信頼を確保しようとするもので、その主な内容は、行政書士のみを社員とする行政書士法人を設立することができるものとするとともに、研修の義務づけ、国民一般からの懲戒処分の請求、懲戒処分の公告等を定めることとしております。
 本案は、本日総務委員会におきまして、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十五分散会


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