衆議院

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第3号 平成15年10月3日(金曜日)

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平成十五年十月三日(金曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第三号

  平成十五年十月三日

    午後一時開議

 第一 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 山口俊一君の故議員日野市朗君に対する追悼演説

 森田健作君の故議員奥谷通君に対する追悼演説

 日程第一 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)

 公職選挙法の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百五十六回国会、内閣提出)




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    午後一時三分開議

議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(綿貫民輔君) 御報告することがあります。

 議員日野市朗君は、去る七月六日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 日野市朗君に対する弔詞は、議長において去る八月九日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し さきに農林水産委員長 災害対策特別委員長の要職につき また国務大臣の重任にあたられた議員従三位勲一等日野市朗君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

    ―――――――――――――

 故議員日野市朗君に対する追悼演説

議長(綿貫民輔君) この際、弔意を表するため、山口俊一君から発言を求められております。これを許します。山口俊一君。

    〔山口俊一君登壇〕

山口俊一君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員日野市朗先生は、去る七月六日、御入院中の東京医科歯科大学病院において逝去されました。

 私は、先生が体調を崩され、今年の三月頃から入退院を繰り返されているとお伺いいたし、心を痛めておりましたが、その後、国会で活動をされておられる先生のお姿に接し、安堵いたしておりました。

 ところが、五月になってから御容態が急変され、奥様をはじめとする御家族の手厚い看護のかいもなく、ついに御回復を見るに至らず、帰らぬ人となられました。いかに天命とは申せ、残念至極であり、誠に哀悼痛惜の念にたえません。

 私は、ここに、ありし日の先生の面影を偲び、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)

 先生は、昭和九年二月、北上川の流れる自然豊かな宮城県桃生郡河北町において、衆議院議員を九期務められました父日野吉夫氏、母さい様の長男としてお生まれになりました。

 父君は、農民と労働者のために半世紀もの間政治活動に身を投じられ、日本社会党副委員長を務められた、人格識見のすぐれた方でありました。

 先生は、こうした父君の影響と母君の御慈愛を受けて少年時代を過ごされ、長じて、宮城県立仙台第二高等学校を経て、中央大学法学部に進まれました。

 昭和三十三年に大学を卒業された先生は、その後、司法試験に見事合格され、仙台で弁護士事務所を開設されました。後年、先生は、弁護士活動を通じて常に勤労大衆、弱い立場の人達と一緒に歩んで来ることができたと述懐しておられました。

 そして昭和四十八年、仙台弁護士会副会長の要職に就かれ活躍される一方、宮城県鳴子町にある「農民の家」で月一回開かれる無料法律相談会に法律顧問として必ず出席し、農民の悩みに親身になって相談に乗ってきたと聞いております。

 昭和五十一年、尊敬する父、吉夫氏が政界引退を決意されるに当たり、当時の成田知巳日本社会党委員長から、「あとは君だぞ」と直接立候補要請を受けた先生は、後を継ぐべく、第三十四回衆議院議員総選挙に旧宮城二区から勇躍立候補されました。

 選挙戦においては、「庶民の一人として、庶民の中に入り、庶民と共に歩んでいく」との強い政治信念で挑まれ、見事最高点をもって初当選の栄冠に輝かれたのであります。(拍手)

 本院に議席を得てからの先生は、法務、農林水産、大蔵等の各常任委員会あるいは災害対策等の特別委員会の委員、理事を歴任し、国政の各分野において幅広く御活躍をされました。

 とりわけ、父君の志を継承し農政問題に情熱を注がれ、農林水産委員会においては、初当選のときから長く籍を置かれ、委員長まで務められたのでありました。

 日本のコメを守り、国民の食糧を確保していくという確固たる信念のもと、日本農業の将来に寄せる先生のひたむきな情熱と真摯な姿勢は、与野党を問わず、先輩、同僚議員のひとしく敬服してやまなかったところであります。

 平成六年九月には、父君も務められたことがある災害対策特別委員長に就任されました。

 自らも昭和五十三年六月に宮城県沖地震を体験し、都市型大規模地震の恐ろしさ、災害対策の重要性をだれよりも痛感されていた先生は、常に公正・円満な委員会運営に心を砕かれました。

 時に、平成七年一月十七日、六千名を超える尊い命が失われ、未曾有の甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災が発生いたしました。その三日後の一月二十日に召集された第百三十二回通常国会において、先生は、委員長としていち早く被災地への委員派遣を行い、かつて経験したことがない激甚な被害状況をつぶさに視察されました。

 そして、国会に戻るやすぐさま災害対策特別委員会を開き、当面の緊急対策を十五項目に取りまとめ、委員会決議を行ったのでありました。

 さらに、「阪神・淡路大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案」等、大震災の復興・対処のための法律案、また、地震防災対策のための法律案の成立に向けて、復興への時間と闘いながら全力を尽くされ、見事に委員長としての重責を果たされたのであります。

 一方、内閣にあっては、自民、社会、さきがけの連立政権下の平成八年一月、第一次橋本内閣の郵政大臣として入閣されました。

 このとき、私は、郵政政務次官として日野大臣にお仕えし、ともに仕事をさせていただいたわけでありますが、放送分野においては、我が国初の本格的衛星デジタル多チャンネル放送開始に当たって多くの番組を認可され、今日の多チャンネル時代、放送デジタル化の基礎を築かれました。

 電気通信事業においても、懸案となっておりましたNTTの経営形態の見直しのため、持ち株会社のもとに長距離通信会社と地域通信会社二社に再編成するという、今日のNTTグループの骨格を示される等、多大な貢献をされました。

 平成八年九月、先生は、現在の民主党の前身となった民主党設立委員会に参加され、同年十月の第四十一回総選挙には、東北選挙区より旧民主党から立候補し、七度目の当選を果たされました。

 さらに、平成十二年六月の第四十二回総選挙には、民主党から立候補し、当選を重ねられ、党の要職である代議士会長の重責を担うことになりました。

 かくて、日野先生は、本院議員に当選すること八回、在職二十三年二月の長きに及び、この間、国政に残された功績は、誠に偉大なものがあります。

 日野先生、あなたは温厚で気さくな人柄から、皆から「いっちゃん」の愛称で親しまれ、庶民派として慕われる政治家でありました。

 代議士となられた後も郷里、石巻市を住まいとし、仲間と野球やテニスをし、酒も飲み、祭りにも参加するなど、庶民の視点を第一とされたのであります。

 私が郵政政務次官を退任した後も、見かけると、遠くからでも、「おう、山口君」と近寄り、いつもお声を掛けてくれておりました。

 先生は、今年になって体調を崩されてからも無理を押して国会に通い、五月の連休明けの法務委員会においては、コップの水ですらなかなか喉を通らなかったにもかかわらず、司法制度改革について一時間四十分にも及ぶ質疑をされ、裁判の迅速化に関する諸問題について追及されました。

 その後、五月半ばの有事法制関連三法案の本会議採決の際には、「大事な法案だから絶対に行く」と述べ、入院先から登院して周囲を驚かせ、政治家としての気概を見せられたのであります。(拍手)

 政治家としての心構えは、「名もなき庶民のための政治を実現すること」との信念のもと、社会的に立場の弱い人々のために政治を一心に続けていくという心根を託し、色紙には、いつも、「一心同行」と書かれておりました。

 御年六十九歳、先生の人生は、幾多の修練の時期を経て、いよいよ円熟の域に達し、政治家として今後の大成が大いに期待されていたところでありますが、雄図半ばにして忽然と去っていかれましたことは、誠に痛恨の極みであります。

 内外の諸情勢は極めて厳しく、我が国が重大な局面を迎えつつある今日、練達の大衆政治家であった先生を失いましたことは、返す返すも残念なことであります。

 地元をはじめ、民主党のみならず、本院にとっても、国家にとっても、この上もない大きな損失であると申さねばなりません。

 ここに、謹んで日野市朗先生の生前の御功績をたたえ、その人となりを偲び、心から御冥福をお祈りして、追悼の言葉といたします。(拍手)

     ――――◇―――――

議長(綿貫民輔君) 御報告することがあります。

 議員奥谷通君は、去る七月八日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 奥谷通君に対する弔詞は、議長において去る七月二十七日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 議員正五位勲三等奥谷通君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

    ―――――――――――――

 故議員奥谷通君に対する追悼演説

議長(綿貫民輔君) この際、弔意を表するため、森田健作君から発言を求められております。これを許します。森田健作君。

    〔森田健作君登壇〕

森田健作君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員奥谷通先生は、去る七月八日、神戸大学医学部附属病院において逝去されました。

 先生は、体調を崩されて今年三月下旬から入院されておりましたが、御家族の切なる回復の願いもかなわず、ついに帰らぬ人となられたのであります。

 私は、先生の、精力的な活動ぶりと、剣道で鍛えられた頑健な体、そして何よりも五十一歳という若さに加え、日頃の溢れんばかりの情熱を身近に感じていた一人として、すぐにも元気を取り戻され、登院されるものと信じて疑いませんでした。

 思いもよらぬ先生の訃報に接し、いい尽くせぬ驚きと痛恨哀惜の念に堪えないのであります。

 ここに、私は、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)

 先生は、昭和二十六年十月、六甲山系に連なる帝釈山、丹生山のふもとに広がる緑豊かな農村地帯、現在の神戸市北区山田町において、父・謙三さん、母・喜代子さんの長男としてお生まれになりました。

 恵まれた自然の中で、自由闊達な少年期を過ごされ、先生はやがて、甲南中学、甲南高校、甲南大学へと進まれました。勉学の傍ら、大学時代には、剣道五段の剣士として、国体にも出場し、全国の強豪と覇を競うほどになっておられました。そして、磨かれた剣の腕前と同様、社会の動向にも鋭い目を向けておられた先生は、環境問題に強い関心を寄せられ、さらに神戸大学環境工学研究室に進まれました。

 昭和五十二年、政治への熱い思いを抱き、勇躍上京し、地元の大政治家、かつて衆議院議長を務められた原健三郎議員の秘書として、十年ほど務められました。

 その間、政治家を志す上で何が必要か、何をなすべきか、懸命に学ばれたと聞いております。

 その後、「もっと住民の声を生かした政治を」というそんな思いを胸に地元神戸へ戻り、平成三年四月に行われた兵庫県議会議員選挙に初出馬して、見事トップ当選され、政治家としての第一歩を踏み出されたのであります。(拍手)

 平成七年一月十七日早朝、地元神戸において未曾有の大震災が発生いたしました。あの阪神・淡路大震災であります。先生は、毎晩深夜まで、懐中電灯を肩からさげ、どこかに救助を求めている被災者がいないかと一人で巡回された。被災者救援のため、身を粉にして働いておられたそのお姿は、地元で今も語り継がれております。

 そして、先生は、県議会において、神戸市復興のためには、住宅の再建、産業の復興、都市の再生、復興資金設立などの諸施策が欠かせないとして、その実現に向けて陣頭指揮に当たられたのであります。

 この大震災の体験が、先生を国政へと向かわせたのでありました。

 平成八年十月、初の小選挙区制度の下、第四十一回総選挙が公示されるや、先生は満を持して立候補されました。

 尊敬する幕末の英雄・坂本竜馬の「船中八策」にならって八つの政策を掲げ、「緑の大国構想」や「郷土神戸の発展」などを強く訴えられたのであります。しかし、この時は、善戦むなしく次点となられたのであります。

 しかしながら、生来の行動派である先生は、それまでにも増して、環境保護活動を中心として、国内外におけるボランティア活動にも積極的に参加されたのであります。

 平成十年八月、中国内蒙古自治区クブチ砂漠での植林のため、日本砂漠緑化実践協会が主催する緑の協力隊の一員として参加されました。「摂氏三十五度の灼熱の中での作業はつらかったが、砂漠化の広がる中国で、一本でも多くの木を植えたかった。」と後日話しておられました。この活動は、当時、非常に大きな反響を呼び、国内外において高い評価を得たのであります。

 こうした活動を続けていた平成十年十一月、先生のもとに、近畿ブロック比例代表繰り上げ当選の一報が入ったのであります。

 先生は、選挙後二年余りたってからの繰り上げ当選に複雑な思いを寄せながらも、阪神・淡路大震災被災地の生活再建や景気対策などに全力を注ぎたいと、熱くその抱負を語っておられました。

 本院に議席を得られてからの先生は、商工、環境、法務、決算行政、災害対策等の各委員会の委員または理事として、卓越した識見とすぐれた行動力をいかんなく発揮されました。特に災害対策特別委員会の理事として、阪神・淡路大震災の大きな課題である「住宅再建支援」制度の実現にも熱心に取り組んでおられました。真摯かつ熱心に審議に当たられ、その精励ぶりは、同僚議員のひとしく敬服するところでありました。

 平成十四年一月八日、小泉内閣の環境大臣政務官に就任され、就任早々の第百五十四回通常国会では、二酸化炭素などの削減を盛り込んだ「京都議定書」の国会承認、議定書発効に向けた国内法の整備としての「地球温暖化対策法の改正」に奔走されました。同法案の審査に当たっては、衆・参両院における委員会での、政務官としての国会答弁は、実に八十回を超えるという活躍ぶりでありました。

 そして、この年、南アフリカのヨハネスブルクで開かれた環境サミットにおいて、小泉内閣総理大臣、川口外務大臣、大木環境大臣をはじめとする政府代表団の一員として参加されました。「ヨハネスブルク・サミット実施計画」の採択に当たっては、「京都議定書をタイムリーに締結するよう強く求める」旨の決議案を取りまとめるなどの活躍をされました。

 一方、自由民主党にあっては、組織本部環境関係団体委員会の初代委員長及び環境部会自動車排出ガス対策小委員長に就任され、特に、自動車排出ガス対策小委員長として、政府公用車の低公害車化の実現に向けた議論を積み重ね、グリーン購入法の基本方針の改正に道筋をつけられました。さらに、低公害車推進議員連盟事務局長として、燃料電池自動車などの低公害車の開発・普及を積極的に進めることなど、時代を先取りした政策の実現に取り組まれました。

 先生は、多忙をきわめる中にあっても、趣味としていたカヌーを楽しんでおられました。環境問題をライフワークとされていた先生は、自然と接しながら新たな課題を発見し、その解決に向かって自ら実践することで、環境行動派議員を目指しておられたのであります。

 また、先生は、「アジアの子供たちに学校をつくる議員の会」の会員として、アジア各国に「ともだち小学校」と呼ばれる学校を作る事業にも参加されました。

 カンボジアやラオスでの現地贈呈式に出席された折、目を輝かせて喜ぶ子供たちの顔を見て、将来、日本の子供たちと心の通う交流ができることを願われていたそうです。

 先生は、去る三月十二日、鳥類保護議員懇話会主催による憲政記念館北庭園でのシジュウカラの巣箱掛けに参加されました。麹町小学校の生徒さんたちと取り付けたのですが、子供たちの小鳥を大切にする心が、ひいては、環境問題に関心を持って行動するきっかけになって欲しいと、先生は念じられたそうです。その行事の数日後に登院されたのが、先生の本院における最後のお姿となったのであります。

 先生は、座右の銘とされていた「至誠天に通ず」のとおり、誠実一筋、目標に向かってただひたすら努力と精進を重ねてこられました。

 先生のこれらの崇高な御意志は、明日の日本を担う人たちへ必ずや受け継がれていくことでありましょう。

 人間、奥谷通。先生は、非常に友を大事にし、明るくひょうきんなナイスガイでした。

 二年前、先生との世界一周旅行。

 去年は、私と二人でアメリカ・カナダ。

 ヨセミテの満天の星空の下で、生ビールうまかった。

 「俺たち、次も必ず勝とうな」と固い握手をした。

 カラオケでは、いつも君は「俺は神戸のジュリーや」、白いハットに白いマフラー、「勝手にしやがれ」を熱唱していた。

 あれから一年、君は遠くへ旅立ち、私も新たな道を選んだ。

 もう一度聞きたいな。「勝手にしやがれ」

 奥ちゃん、すばらしい友情をありがとう。

 心から心から御冥福をお祈りし、追悼の言葉といたします。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 日程第一、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。(発言する者あり)

 委員長の報告を求めます。安全保障委員長田並胤明君。

    ―――――――――――――

 防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔田並胤明君登壇〕

田並胤明君 ただいま議題となりました防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、安全保障委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。

 本案は、一般職の国家公務員の給与改定の例に準じてその俸給月額の改定等を行おうとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。

 第一に、防衛参事官等俸給表及び自衛官俸給表の俸給月額を一般職の国家公務員の例に準じて改定すること、

 第二に、営外手当の月額の改定を行うこと、

 第三に、防衛大学校等の学生の期末手当の支給割合の改定を行うこと

等であります。

 本案は、九月二十九日本委員会に付託され、九月三十日石破防衛庁長官から提案理由の説明を聴取いたしました。昨十月二日質疑に入り、質疑終了後、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長遠藤武彦君。

    ―――――――――――――

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書

 特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔遠藤武彦君登壇〕

遠藤武彦君 ただいま議題となりました両案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、両案の要旨について申し上げます。

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、本年八月の人事院勧告どおり給与改定を実施しようとするもので、すべての俸給表の俸給月額並びに期末手当及び期末特別手当の支給割合の引き下げ等を行おうとするものであります。

 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与改定にあわせて、内閣総理大臣、国務大臣、大使、公使及び秘書官等の俸給月額の引き下げ等を行おうとするものであります。

 以上の両案は、去る九月二十九日本委員会に付託され、本日麻生総務大臣から提案理由の説明を聴取し、一括して質疑を行い、討論の後、採決いたしましたところ、両案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。

 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、特別職の職員の給与に関する法律及び二千五年日本国際博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。法務委員長増田敏男君。

    ―――――――――――――

 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔増田敏男君登壇〕

増田敏男君 ただいま議題となりました両法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 両案は、人事院勧告に基づく一般の政府職員の給与改定に伴い、裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改定するもので、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給については、これに対応する内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給の減額に準じ、その他の裁判官の報酬並びに検察官の俸給については、これに対応する一般職の職員の俸給の減額に準じて、それぞれこれを減額することとしております。

 両案は、去る九月二十九日本委員会に付託され、十月一日野沢法務大臣から提案理由の説明を聴取し、本日質疑を行い、これを終局し、討論、採決を行った結果、両案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長中山成彬君。

    ―――――――――――――

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔中山成彬君登壇〕

中山成彬君 ただいま議題となりました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、本年三月から東アジアを中心に蔓延した重症急性呼吸器症候群の発生等を踏まえ、総合的な感染症予防対策の推進を図るため、感染症の類型について見直しを行うほか、緊急時における国内での感染症対策及び動物由来感染症対策の強化等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、一類感染症として重症急性呼吸器症候群及び痘瘡を追加するとともに、新たに感染症を媒介する動物の輸入規制、消毒等の措置を講ずることができる感染症の類型を創設すること、

 第二に、厚生労働大臣は、感染症の発生の状況等を明らかにするため、緊急の必要があると認めるときは、みずから積極的疫学調査を行うとともに、都道府県知事等に対し、必要な指示をすることができることとすること、

 第三に、人に感染症を感染させるおそれがある動物等を輸入する者は、感染症にかかっていない旨の輸出国の衛生証明書を添付し、届け出なければならないこととすること、

 第四に、検疫所長は、検疫感染症の病原体に感染したおそれのある者に対し、入国後の連絡先等の報告を求め、一定の期間、健康状態の報告を求めることができることとすること

等であります。

 本案は、去る十月一日本委員会に付託され、昨日坂口厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、本日の委員会において質疑を終局し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 採決いたします。

 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 議院運営委員長提出、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)

議長(綿貫民輔君) 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長大野功統君。

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 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔大野功統君登壇〕

大野功統君 ただいま議題となりました国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。

 この法律案は、政府職員に準じ、国会議員の秘書の給料月額の改定を行うとともに、通勤手当の特例及び必要な経過措置等を定めるものであります。

 本案は、本日、議院運営委員会において起草し、提出したものであります。

 何とぞ御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出、公職選挙法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 公職選挙法の一部を改正する法律案(政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長提出)

議長(綿貫民輔君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の趣旨弁明を許します。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長高橋一郎君。

    ―――――――――――――

 公職選挙法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔高橋一郎君登壇〕

高橋一郎君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案の提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 本案は、衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙において、政党が、国政に関する重要政策等を記載したパンフレット等を、選挙運動のために頒布することができることとするものであります。

 その主な内容は、

 第一に、衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙においては、候補者届出政党もしくは衆議院名簿届出政党等または参議院名簿届出政党等は、その本部において直接発行するパンフレットまたは書籍で国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したものまたはこれらの要旨等を記載したものとして総務大臣に届け出たそれぞれ一種類のパンフレット等を、選挙運動のために頒布することができることといたしております。

 第二に、パンフレット等の頒布方法については、当該候補者届出政党もしくは衆議院名簿届出政党等または参議院名簿届出政党等の選挙事務所内、政党演説会もしくは政党等演説会の会場内または街頭演説の場所における頒布及びその所属する公職の候補者等の選挙事務所内、個人演説会の会場内または街頭演説の場所における頒布に限ることといたしております。

 第三に、パンフレット等には、当該候補者届出政党もしくは衆議院名簿届出政党等または参議院名簿届出政党等の代表者を除きその所属する公職の候補者等の氏名またはその氏名が類推されるような事項を記載することができないこととし、表紙には、当該候補者届出政党もしくは衆議院名簿届出政党等または参議院名簿届出政党等の名称、頒布責任者及び印刷者の氏名及び住所等を記載しなければならないことといたしております。

 また、以上に違反して候補者届出政党もしくは衆議院名簿届出政党等または参議院名簿届出政党等がパンフレット等を頒布したときは、その役職員または構成員として当該違反行為をした者は、二年以下の禁錮または五十万円以下の罰金に処することといたしております。

 なお、この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行することとし、改正後の公職選挙法の規定は、この法律の施行日以後初めてその期日を公示される衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙から適用することといたしております。

 その他所要の規定の整備を行うことといたしております。

 以上が、本案の趣旨及び内容であります。

 本案は、本日、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会におきまして、委員会提出の法律案とするに決したものであります。

 なお、本委員会におきましては、本案に関し、政権公約パンフレットの導入に関する決議がなされましたことを申し添えます。

 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 採決いたします。

 本案を可決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。

     ――――◇―――――

下村博文君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 第百五十六回国会、内閣提出、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(綿貫民輔君) 下村博文君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百五十六回国会、内閣提出)

議長(綿貫民輔君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員長衛藤征士郎君。

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 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

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    〔衛藤征士郎君登壇〕

衛藤征士郎君 ただいま議題となりましたテロ対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、テロ対策特別措置法に基づき我が国が実施する措置を引き続き実施し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資するため、同法の期限を二年間延長するものであります。

 本案は、第百五十六回国会に提出され、去る六月二十四日の本会議において趣旨の説明が行われ、同日の委員会において福田康夫内閣官房長官から提案理由の説明を聴取し、翌二十五日より質疑が行われましたが、継続審査となったものであります。

 今国会におきましては、九月三十日、提案理由の説明の聴取を省略した後、質疑に入り、審査を進めました。昨二日、民主党・無所属クラブより、自衛隊の部隊等が行う対応措置の実施につき、原則として事前に国会の承認を得ることなどを内容とする修正案が提出され、提出者から趣旨の説明を聴取した後、本案及び同修正案を一括議題とし、質疑を行い、さらに本日、小泉純一郎内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行いました。

 かくて、質疑を終局し、討論を行い、採決いたしましたところ、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 討論の通告があります。順次これを許します。佐藤公治君。

    〔佐藤公治君登壇〕

佐藤公治君 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、政府提出のテロ対策特別措置法の一部改正案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 二〇〇一年九月十一日に米国で発生した同時多発テロは、日本人を含む多くの罪なき人々を巻き込んだ卑劣かつ残虐な行為であります。民主党は、このようなテロに対し国際社会と一致団結して毅然と取り組んでいくことを、ここで改めて明確にいたします。

 この許しがたきテロ事件を受け、米国は、テロとの闘いを宣言し、九・一一事件にかかわったアルカイダ及びタリバーンを掃討するため、二〇〇一年十月、アフガニスタン攻撃を開始しました。それからちょうど二年たちますが、アフガニスタンや中東、そして世界は、テロや混乱から解放されたのでしょうか。残念ながら、世界はますます不穏な空気に包まれているように思います。

 この三月、米国及び英国は、国際社会の批判の渦の中、大量破壊兵器の脅威を理由に、対イラク攻撃を決行しました。しかし、現在に至るまで大量破壊兵器は発見されていないばかりか、米英両政府に対する情報操作の疑惑は深まっています。

 小泉総理は、米国等からの情報をうのみにして、真っ先に米国の攻撃を支持しました。今週、我が菅代表の予算委員会での質問に対し、いずれ見つかると思っていると依然強弁されていますが、発見されなければ、責任をきちんととられるべきです。既に一万人を超える人々のとうとい命がこの戦争で失われていることを重く受けとめるべきです。かつて、「人一人の命は地球より重い」と発言された自民党の総理・総裁がおられました。今の総理は余りにも人間の命を軽く見ているのではないかと憂慮せずにはいられません。(拍手)

 国際社会は、テロには毅然と取り組むべきですが、力のみに依存するテロとの闘いには慎重になるべきです。また、テロとの闘いの名のもと、実力組織である自衛隊が政府の恣意的な判断で無原則に海外に派遣されるべきではありません。

 民主党は、九・一一を受けたテロ特別委員会の審議でも、国会によるシビリアンコントロールの重要性を主張し、海外の自衛隊の活動を認める内容である場合、PKO協力法に準じ、原則国会の事前承認であるとの立場から、修正案を提出しました。

 同法成立後、政府が示した自衛隊の活動に係る対応措置については、期間、活動範囲等が妥当と判断し承認しましたが、その後、政府は、イージス艦の派遣の必要性やイラク戦争との関係もうやむやにしたまま、オペレーションにかかわる内容はつまびらかにできませんと繰り返すのみです。

 特に、今回、二年間の時限立法が期限を迎えるに当たり、この二年間、アフガニスタン周辺におけるテロとの闘いがいかなる成果を上げ、今後いかなる課題を残しているか、また、いかなる目的を達成すれば自衛隊の任務が終了すると考えているか等について、明確な説明を行っていません。これは、シビリアンコントロールの観点から非常に問題であることは言うまでもないのです。

 我が国政府が、テロ特別措置法しかり、イラク特別措置法しかり、とにかく自衛隊派遣ありきなのは、小泉総理がブッシュ大統領に自衛隊の派遣を約束してしまったからでしょう。日米同盟は重要ですが、自衛隊の海外派遣という国民の生命にかかわる判断が地域及び国際情勢の見通しもおぼつかないまま安易に行われたのでは、国家の悲劇につながりかねません。

 さらに、私が問題であると思うのは、一度自衛隊を派遣した場合、幾ら現地情勢次第で撤退させると言っていても、それが簡単にできないことであります。総理は、一度コミットしたことをやめる難しさを甘く見ているのではないでしょうか。

 民主党は、我が国自衛隊が外国で活動するに当たり、過去の過ちを二度と繰り返さないためにも、国民を代表する国会が責任を持って自衛隊を送り出すことが必要であると考え、今回、国会による事前承認を盛り込んだ修正案を改めて提出いたしましたが、与党は一顧だにしませんでした。国会の事前承認の必要性を重ねて主張し、私の政府案に対する反対討論を終わります。(拍手)

議長(綿貫民輔君) 浅野勝人君。

    〔浅野勝人君登壇〕

浅野勝人君 私は、自由民主党、公明党、保守新党を代表して、テロ対策特措法の改正案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 この夏、衆議院からイラクへ派遣された超党派の調査団の一員としてバグダッドを訪れた機会に、オマーン湾の沖合に海上自衛隊の艦船を訪ねました。

 インド洋で給油活動を続けている補給艦の「とわだ」と、これをガードする護衛艦の「あさぎり」「はるな」の三隻が水平線に姿を見せたときには、いささかの胸の高まりを禁じ得ませんでした。

 六百三十人の隊員が五十度の灼熱のもとできびきびと動いている勤務ぶりを見て、時に怠慢のそしりを伝えられた報道と異なり、練度と士気の高い日本の若者に誇りを覚えて戻りました。この活動をとらえて、海のガソリンスタンドとみずからの誇りを傷つけるような言葉に、残念な思いを抱く人は少なくないはずであります。

 九・一一テロ以降の経過の中で、現在、アメリカを中心とした国際社会のテロとの闘いには、七十カ国を超える国々が何らかの形で協力しており、およそ三十の国が部隊または連絡将校を派遣しています。日本も、インド洋で海上自衛隊が艦船用の燃料を補給しているだけでなく、航空自衛隊による物資の空輸や被災者の救援活動を行ってまいりました。

 このようなテロの抑止と撲滅を目指す国際社会の取り組みによって、これまでに三千人を超えるアルカイーダのメンバーが捕まり、幹部三分の二が排除されたと見られております。

 しかし、残念なことに、アルカイーダやタリバンの主要な幹部がいまだに拘束されていないことも事実であります。国際テロ組織は、アフガニスタンだけでなく、サウジアラビアやインドネシアなどで大勢の人を殺傷する爆破事件を起こしており、テロの脅威は依然として深刻であります。

 このような状況のもとで、テロの脅威を防ぎ、テロの根絶を目指す国際協調の第一線から日本だけが一抜けたという時期ではありません。

 国際社会の平和と安全のため、粘り強いテロとの闘いに法が許容する範囲で引き続き日本が寄与していくために、有効期限を二年延長するこの法案の成立が不可欠であることを強調して、賛成討論を終わります。(拍手)

議長(綿貫民輔君) 赤嶺政賢君。

    〔赤嶺政賢君登壇〕

赤嶺政賢君 私は、日本共産党を代表して、テロ特措法の延長法案に反対の討論を行います。(拍手)

 テロ特措法は、九・一一テロに対してアメリカが開始した報復戦争を支援するため自衛隊を海外に出動させるものであり、国際紛争を解決する手段としての武力の威嚇、武力の行使を否定した日本国憲法九条を真っ向から踏みにじるものであります。この明白な違憲立法を延長する本法案は、断じて許されません。(拍手)

 そもそも、戦争でテロをなくすことはできません。それどころか、軍事力による対応がテロの土壌を増幅し、拡大しているのであります。

 報復戦争から二年、アフガニスタンは、今、深刻な事態を迎えています。いまだ、ビンラディンは拘束されておらず、アルカイダのネットワークもなくなっていません。それどころか、タリバンの再結集や新たなテロ組織の拡大さえ伝えられています。国連の支援組織や国際的な支援団体が撤退を余儀なくされる事態となっており、アナン国連事務総長は、安保理への報告で、治安状況の悪化に対し深刻な警鐘を鳴らしています。

 まさに、アフガニスタンの現状はテロと戦争の悪循環に陥っていると言わざるを得ません。今こそ、国連が主体となった司法と警察の国際協力という道に切りかえるべきことを、私は強く主張するものであります。(拍手)

 テロ特措法のもとでインド洋に派遣された自衛隊が一体どのような行動を行ってきたのか、政府が一切明らかにしていないことは重大です。

 派遣された自衛隊の補給艦がイラク戦争に参加する米軍を支援していたという脱法行為が明らかになっています。イラク空爆を行った空母キティーホークの艦長が、自衛艦から間接給油を受けていたことを言明し、さらに、米海軍の機関誌は、本年三月、イラク戦争に参加した米補給艦が自衛艦から給油を受けた事実を記載しているのであります。

 インド洋で、米軍に対し、いつ、どのような支援を行ったのか、小泉首相が行っていないと答弁した捜索救助活動に関する記述がなぜ海上自衛隊司令官の報告書の中に存在し、黒く塗りつぶされているのか、政府は一切説明を行っていません。

 テロ特措法のもとでの自衛隊の活動実態を明らかにせず、脱法行為をあいまいにしたまま法律を延長するなど、もってのほかであり、断じて許されません。(拍手)

 さらに重大なことは、小泉総理が、イラク戦争を支持した誤りを認めようとせず、イラクへの自衛隊派兵を推し進めようとしていることです。

 米英によるイラク戦争が一片の道理もない国際法違反の戦争であったことは、今や明白であります。戦争の大義とされた大量破壊兵器について、アメリカ政府でさえ、見つからないと言い出しているのであります。にもかかわらず、アメリカから言われるがままに、自衛隊を出す、金も出すなどというのは、まさにアメリカ追随のきわみと言わなければなりません。

 今、日本がなすべきことは、米軍主導の占領体制への支援ではなく、国連中心の枠組みのもとで、イラク国民の主権を回復し、イラクの復興支援に力を尽くすことであります。

 最後に、私は、テロ特措法、イラク派兵法はきっぱり廃止し、憲法九条に基づく平和外交に転換するため、全力で奮闘する決意を表明して、討論を終わります。(拍手)

議長(綿貫民輔君) 今川正美君。

    〔今川正美君登壇〕

今川正美君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出のテロ対策特措法の二年延長に断固反対する立場で討論を行います。(拍手)

 振り返ってみると、二年前の九・一一米国テロ事件を契機にブッシュ大統領が国際法を無視してアフガンへの報復戦争を始めたのが、十月八日でした。以来二年間、アフガニスタンは群雄割拠の状態で、タリバン勢力は盛り返し、国家再興のめどは立っていません。むしろ、引き続くイラク戦争も相まって、傲慢きわまる米国を標的にしたテロ事件は世界各地に拡散しています。エジプトの外相は、こうした米国の行為を、百人のビンラディンをつくるようなものと非難しましたが、残念ながら、事態はそのように進んでいます。

 小泉内閣は、こうした米国の不法な戦争を無条件に支持し、テロ対策特措法の成立を待たずに護衛艦等を出動させ、現在まで約二年間にわたって自衛隊をインド洋に派遣しました。この間、何百億円もの国民の税金を浪費しながら、テロの防止、撲滅を目的としたはずの米軍支援活動の成果も示せず、二年間の検証と総括すらこの国会に報告できないありさまです。

 この間、制服組トップは、護衛艦による空母キティーホークや米警備艇に同乗しての強襲揚陸艦エセックスの警戒任務につかせ、海自補給艦を米軍補給艦隊の指揮下に置くなど、シビリアンコントロールを逸脱し、法を無視した暴走ぶりでした。

 さらに、インド洋沿岸国で二人の自衛官が死亡し、二度にわたって規則破りの飲酒事件を引き起こし、さらに、イラク戦争に従事する米艦船に給油する違法行為があったにもかかわらず、軍事機密を理由に、一切の作戦行動を国会に報告することはありませんでした。

 にもかかわらず、こうした国民への説明責任を果たさずに、諸外国から感謝されている、テロ対策は終わっていないという空虚な理屈でテロ対策特措法をあと二年も延長するなど、決して許されません。ましてや、連日、武装組織の襲撃で米兵が死亡し、国連現地事務所までが爆破されるイラクに自衛隊を派遣することなど、断じて許されません。(拍手)

 ところで、自衛隊が創設されて来年で五十周年という節目を迎えます。

 陸海空の戦力を保持しないとした憲法の手前、自衛隊存立の根拠は少なくとも専守防衛とされ、海外派兵の禁止を国会で決議しました。皮肉にも、こうした理念、原則が踏み破られたのは、およそ十年前のPKO派遣からでした。

 当時、ワインバーガー米国元国防長官や後藤田元副総理らは、自衛隊の海外派兵や日本の軍事大国化に警鐘を鳴らされました。しかし、今、国際貢献や国際平和協力を大義名分に自衛隊の海外出動が常態化し、それに合わせて、陸海空の自衛隊の装備は専守防衛の域をはるかに超えて強化されています。一方では、基本任務を逸脱して酷使される自衛官の人権は全く無視されています。

 多くの政治家たちがこうした実態に余りにも無関心であることに、大きな危惧を抱きます。私たちは、このように武装組織を政治の道具として運用することの危険性を、過去の歴史から十分学ぶべきではないでしょうか。

 何よりも、戦後半世紀にわたって積み上げてきた自衛隊に関する議論や最高規範たる憲法を踏みにじり、戦後半世紀にわたり築き上げてきたアジア諸国との友好関係や中東諸国との信頼関係を台なしにするようなことがあってはなりません。

 私たちは、国際紛争を解決するためには、あくまでも、国連主導のもとで対処し得る体制をつくり出し、我が国なりの国際協力をする原則と仕組みを国民合意のもとにつくらなければなりません。世界に冠たる平和憲法を生かすべき好機ではないでしょうか。

 私たち社民党は、かかる立場から、テロ対策特措法の二年延長に反対すると同時に、イラクへの自衛隊派兵に断固反対することを表明し、討論を終わります。(拍手)

議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(綿貫民輔君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(綿貫民輔君) 日程第一につき、議題が徹底しないとの申し出がありますので、念のため、防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十三分散会




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